JP7443973B2 - 音響振動再現システム及び音響振動再現方法 - Google Patents

音響振動再現システム及び音響振動再現方法 Download PDF

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Description

本発明は、音響振動再現技術に関する。
ネットワークを介した双方向のAV(Audio Visual)コミュニケーション通信では、映像情報と音情報を高画質・高音質に低遅延で伝送することでリアリティのあるコミュニケーション体験を提示できる。近年VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)といった映像システムやマルチチャンネルによる立体音響システムを導入すれば、あたかもその場にいるかのような臨場感を得ることができる。
特許文献1には、高い臨場感で相互に通信が可能な双方向通信システムが開示されている。
特開2008-5122号公報
ネットワーク通信による双方向のAVコミュニケーション技術を用いたTV会議システムが普及しており、臨場感のあるシステムが要求される。そのために、映像装置においては、高解像度の映像を伝送可能な装置やVRを利用した没入感のあるシステムが好まれ、音響装置においては、音声明瞭度の高い入出力装置や立体音響提示装置が好まれる。
しかし、双方間のコミュニケーションとして更なるリアリティを向上させるためには、双方間同士が同じ空間に存在しているかのような空間共有体験が必要である。
特許文献1の双方向通信システムでは、画像や音の再現性のみを考慮しているため、使用者の行動(たとえば、机を叩く動作、物体を机に置く動作など)による音響や振動などの周囲変化を感じ取ることができず、空間共有の観点からすると、臨場感に欠けてしまうという課題が挙げられる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、音響振動を通して空間共有体験を提示し、臨場感を高めることのできる音響振動再現技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の音響振動再現システムは、ネットワークを介して音響振動信号を送受信する音響振動再現システムであって、共有物体を介して伝搬される振動を測定する振動測定器と、振動を前記共有物体へ伝搬させる振動発生器と、音響振動信号を送受信する信号処理装置とを含む。前記信号処理装置は、前記振動測定器により測定された振動を音響振動信号として通信先の音響振動再現システムに送信し、前記信号処理装置は、通信先の音響振動再現システムから音響振動信号を受信し、前記振動発生器は、受信された音響振動信号にもとづいて振動を前記共有物体へ伝搬させて再現する。
本発明の別の態様は、音響振動再現方法である。この方法は、ネットワークを介して音響振動信号を送受信する音響振動再現システムによる音響振動再現方法であって、共有物体を介して伝搬される振動を振動測定器によって測定するステップと、振動発生器によって振動を前記共有物体へ伝搬させるステップと、音響振動信号を送受信するステップとを含む。前記音響振動信号を送受信するステップは、前記振動測定器により測定された振動を音響振動信号として通信先の音響振動再現システムに送信し、前記音響振動信号を送受信するステップは、通信先の音響振動再現システムから音響振動信号を受信し、前記振動を前記共有物体へ伝搬させるステップは、受信された音響振動信号にもとづいて前記振動発生器によって振動を前記共有物体へ伝搬させて再現する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、音響振動を通して空間共有体験を提示し、臨場感を高めることができる。
実施の形態に係る音響振動再現システムの模式的な概略構成図である。 図1のAV配信制御装置の入出力部の機能ブロックを説明する図である。 図1のAV配信制御装置の内部処理フローを説明する図である。 衝突音が生じた場合の振動信号送信時における処理フローを説明するシーケンス図である。 図5(a)および図5(b)は、加振器と加速度ピックアップ装置の配置パターンについて基本配置パターンと拡張配置パターンを説明する図である。 加振器と加速度ピックアップ装置の拡張配置パターンに関して、装置使用数増加時の配列パターンを示す図である。 共有物体のサイズがスクリーンの奥まで達しない場合の加振器と加速度ピックアップ装置の配置パターンを示す図である。
図1は、実施の形態に係る音響振動再現システム200の模式的な概略構成図である。空間1には使用者がテーブルの前で椅子に座っており、空間2には別の使用者がテーブルの前で椅子に座っている。空間1と空間2には音響振動再現システム200が設けられ、通信ネットワーク300によって互いに接続されている。
音響振動再現システム200は、AV配信制御装置10と、プロジェクタ装置20と、動画撮影カメラ30と、プロジェクタスクリーン40と、スピーカ50と、共有物体60と、加振器70と、加速度ピックアップ装置80と、ヘッドセットマイクロホン90とを有する。空間1の音響振動再現システム200のAV配信制御装置10と、空間2の音響振動再現システム200のAV配信制御装置10とは、通信ネットワーク300を介して互いに通信する。
AV配信制御装置10は、動画データと音データを一括管理し、通信ネットワークを介して空間1あるいは空間2のデータを入出力するDSP(Digital Signal Processor)などの信号処理装置である。
プロジェクタ装置20は、AV配信制御装置10により送信される空間1あるいは空間2側のライブ映像を投射する。動画撮影カメラ30は、使用者を撮影する。プロジェクタスクリーン40は、プロジェクタ装置20から投射されたライブ映像を映す。スピーカ50は、AV配信制御装置10により送信される使用者の音声を含む空間1あるいは空間2内で発せられる音を出力する。
共有物体60は、振動を共有するために空間1と空間2で使用される物体であり、ここでは一例としてテーブルである。加振器70は、AV配信制御装置10により送信される空間1あるいは空間2で測定される振動を共有物体60へ伝搬させるための振動発生器である。加速度ピックアップ装置80は、空間1あるいは空間2で共有物体60を介して伝搬される振動を測定する振動測定器である。
空間1の加速度ピックアップ装置80により測定される振動は、空間1のAV配信制御装置10により空間2のAV配信制御装置10に送信され、空間2の加振器70で再現される。空間2の加速度ピックアップ装置80により測定される振動は、空間2のAV配信制御装置10により空間1のAV配信制御装置10に送信され、空間1の加振器70で再現される。
ヘッドセットマイクロホン90は、使用者の音声を集音し、AV配信制御装置10に録音する。空間1のAV配信制御装置10は、空間1の使用者の録音された音声を空間2のAV配信制御装置10に送信する。空間2のAV配信制御装置10は、空間2の使用者の録音された音声を空間1のAV配信制御装置10に送信する。
AV配信制御装置10は、入力部では音声記録媒体で収録した音データと動画記録媒体で撮影した動画データを同期記録し、リアルタイムで通信ネットワーク300にデータを転送する。AV配信制御装置10は、出力部では転送された音データを音声再生機器で出力し、転送された動画データを動画再生機器で出力する。AV配信制御装置10は、例えば、高演算処理能力を備えたコンピュータである。
プロジェクタ装置20は、AV配信制御装置10より出力された動画データをプロジェクタスクリーン40へリアルタイムに背面投影する。プロジェクタ装置20は少なくともフルHD(High Definition)画質以上を備えており、4K画質や8K画質を投射可能な装置を用いてもよい。
動画撮影カメラ30は、使用者とその周囲の風景を撮影するためのカメラである。例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を搭載したwebカメラである。動画撮影カメラ30は少なくともフルHD画質以上の撮影性能を備えているとする。動画撮影カメラ30は、リアルタイムで撮影した動画データをAV配信制御装置10の主記憶装置に蓄積することができる。
プロジェクタスクリーン40は、プロジェクタ装置20より背面投射される動画データを映し出すスクリーンである。動画データの出力手段は、少なくとも動画データを高画質で出力可能な性能を満たしていればよいため、プロジェクタ装置20とは異なる出力手段を用いてもよい。例えば、高画質出力対応のディスプレイパネルやHMD(Head Mounted Display)などの映像出力装置を用いてもよい。特に非透過型HMDによる映像出力を用いれば、現実空間の視覚情報を遮断しHMDで映し出す映像のみを提示可能であるため、没入感による更なる高臨場感を与えることができる。これらの動画データの出力手段を総称して表示部とする。
スピーカ50は、AV配信制御装置10より送信された音データを出力する。スピーカのチャンネル数は、少なくとも1チャンネル以上で構成されており、メインチャンネルのスピーカは、通信の相手側のヘッドセットマイクロホン90で録音される音声信号を出力する。
共有物体60は、空間1および空間2において同じ素材、同じ大きさ、同じ形を有する。共有物体60は、各空間で衝突物体と共有物体60との衝突により発せられる振動を双方で共有するために用いられる。共有物体60には加振器70と加速度ピックアップ装置80が裏面にそれぞれ少なくとも2セット以上、スクリーン40中央に垂直な面を基準とした左右対称配置で備えられており、双方向の定位方向の情報を含む音響振動を再現し共有する機能を備えている。共有物体60は、例えば木製テーブルである。なお、空間1及び空間2における共有物体60として、素材、大きさ、形が必ずしも一致していなくてもよい。例えば、テーブルの木材の種類が異なっていたり、大きさが異なっていたり(例えば0.5倍から2倍程度)、細部の意匠が異なっていたりしてもよい。この場合、共有物体60が一致する場合よりも音響振動の再現性は低下するが、一定の臨場感を伝えることで使用者らは空間を共有する体験ができる。
衝突物体は、共有物体60との衝突により振動を発することができる物体である。音響振動再現システム200を利用するシチュエーションによって想定させる衝突物体は異なる。例えば、遠隔地同士での音響振動再現システム200を利用した食事会を想定した場合、衝突物体は皿やコップといった食器類が対象となる。音響振動再現システム200を会議などで利用する場合は、衝突物体はたとえば文房具である。なお、衝突物体は使用者自身の身体、例えば使用者の拳や肘などでもよい。
加振器70は、共有物体60の裏面でスクリーン40より奥に少なくとも2台以上備えられており、AV配信制御装置10より送信された振動データの音響信号を再生し、共有物体60へ振動を伝搬させる。
加速度ピックアップ装置80は、共有物体60の裏面でスクリーン40より手前に少なくとも2台以上備えられており、各空間で衝突物体と共有物体60との衝突により発せられる振動の測定データを電気信号に変換してAV配信制御装置10の主記憶装置に蓄積することができる。
ヘッドセットマイクロホン90は、使用者の音声を直接録音するマイクロホンである。通信ネットワーク300は、光回線などの高速回線である。音響振動再現システム200では、更なる臨場感向上のために複数のマイクロホンを空間内に用意し、マルチチャンネルスピーカシステムを構成してもよい。例えば、使用者の耳にマイクロホンを装着して録音するバイノーラル録音を導入すれば、出力するスピーカシステムを2チャンネル構成に変更し、トランスオーラル再生を行うことで臨場感の向上が期待できる。
図2は、図1のAV配信制御装置10の入出力部の機能ブロックを説明する図である。AV配信制御装置10が扱う入出力部の対象は、映像データと振動データと音声データである。
映像データは、動画撮影カメラ30で撮影されたデータである。入力部では、映像データは直接、AV配信制御装置10の主記憶装置に蓄積され、AV配信制御装置10の内部処理にて音データと共に、通信ネットワーク300へ伝送される。出力部では、通信ネットワーク300より伝送されるデータから受信側のAV配信制御装置10にて映像データを受信し、映像データをプロジェクタ装置20によってプロジェクタスクリーン40に投射する。
振動データは、加速度ピックアップ装置80で測定される共有物体60の振動データである。入力部は、振動データを測定する加速度ピックアップ装置80と、測定される振動データを増幅する信号増幅部81と、増幅されたアナログ音響振動信号をディジタル音響振動信号に変換するA/D変換部11とで構成されている。入力部では、共有物体60の振動データを加速度ピックアップ装置80で測定し、信号増幅部81で信号を増幅し、A/D変換部11でアナログ音響振動信号からディジタル音響振動信号へ変換し、AV配信制御装置10の主記憶装置に蓄積する。
振動データは、AV配信制御装置10の内部処理にて音声データのサブチャンネルとして加速度ピックアップ装置80の台数分のチャンネルが追加され、1トラックの音データとして映像データと共に通信ネットワーク300へ伝送される。
出力部は、AV配信制御装置10にて受信した振動データのディジタル音響振動信号をアナログ音響振動信号に変換するD/A変換部12と、変換後のアナログ音響振動信号を増幅する信号増幅部71と、振動データを共有物体60へ伝搬する加振器70とで構成されている。出力部では、通信ネットワーク300より伝送されるデータから受信側のAV配信制御装置10にて振動データを受信し、振動データをD/A変換部12でディジタル音響振動信号からアナログ音響振動信号に変換した後、信号増幅部71で信号を増幅し、加速度ピックアップ装置80と対応関係にある加振器70を使用して、共有物体60に共有したい振動を伝搬する。
入力部で使用する加速度ピックアップ装置80は、振動域の周波数成分を対象とするため変位のみを測定対象とする。信号増幅部81は、例えば、チャージアンプである。出力部で使用する加振器70は低周波数成分を対象とした装置を用いる。信号増幅部71は、例えば、加振器専用アンプである。
音声データは、ヘッドセットマイクロホン90で測定される使用者の通話音声データである。入力部は、ヘッドセットマイクロホン90と、ヘッドセットマイクロホン90で録音される音声データを増幅する信号増幅部91と、増幅されたアナログ音響音声信号をディジタル音響音声信号に変換するA/D変換部11とで構成されている。入力部では、使用者の通話音声データをヘッドセットマイクロホン90で録音し、信号増幅部91で信号を増幅し、A/D変換部11でアナログ音響音声信号からディジタル音響音声信号へ変換し、AV配信制御装置10の主記憶装置に蓄積する。
音声データは、AV配信制御装置10の内部処理にて加速度ピックアップ装置80で測定される各振動データがチャンネル追加されて、1トラックの音データとして映像データと共に通信ネットワーク300へ伝送される。
出力部は、AV配信制御装置10にて受信したディジタル音響音声信号をアナログ音響音声信号に変換するD/A変換部12と、変換後のアナログ音響音声信号を増幅する信号増幅部51と、スピーカ50とで構成されている。出力部では、通信ネットワーク300より伝送されるデータから受信側のAV配信制御装置10にて音声データを受信し、音声データをD/A変換部12でディジタル音響音声信号からアナログ音響音声信号に変換した後、信号増幅部51で信号を増幅し、スピーカ50へ出力する。
信号増幅部51は、例えば、スピーカアンプである。音声データと振動データで使用するA/D変換部11及びD/A変換部12は、例えばオーディオインタフェースである。
図3は、図1のAV配信制御装置10の内部処理フローを説明する図である。AV配信制御装置10は、送信時に音声信号と振動信号を1つのトラックに格納するチャンネル追加処理部101と、受信時に音声信号と振動信号を1トラックからチャンネル単位に切り離すチャンネル分離処理部102とを備える。
特に振動信号については送信時にLPF(Low-Pass Filter)処理F0を施し、振動帯域のみ(~20Hz)の周波数成分を残し、20Hz以上の周波数成分を逓減することが好ましい。また、加振器から伝搬させる振動信号による振動エコーを抑制するため、振動信号の送信前処理としてエコーキャンセラ100を備えてもよい。AV配信制御装置10では、予め測定済みである各加振器70と加速度ピックアップ装置80間の伝達特性情報を保持しているものとする。エコーキャンセラ100は、加速度ピックアップ装置80で測定される振動信号から加振器70に受信された振動信号に伝達特性情報を畳み込んだ信号(エコー成分)を減算する処理を施すことでエコー除去を実現している。
図4は、衝突音が生じた場合の振動信号送信時における処理フローを説明するシーケンス図である。図4において、振動信号を送信する側の空間1には使用者Aが、振動信号を受信する側の空間2には使用者Bが存在しており、使用者Aが共有物体60に衝突物体を衝突させることで振動が発生する。これは、例えば、互いに遠隔地にいる使用者の間で音響振動再現システム200を利用した食事会を行う場合、皿やコップなどの食器をテーブルに置く時に生じる振動である。共有物体60から伝搬される衝突音の振動は、加速度ピックアップ装置80で変位のみ測定される(S10)。
測定された音響振動信号は、カットオフ周波数を20Hzに設定したLPF処理を施すことで、可聴域の周波数成分を逓減することが好ましい(S20)。衝突音を送信する際に、同時に空間2側の衝突音を受信した場合、振動エコーキャンセル処理を施してもよい(S30)。振動エコーキャンセル処理では、エコー成分を減算処理により予め取り除くことで送信側の振動エコーを回避する。その後、音声信号に振動信号のチャンネルを追加して1トラックの音データを用意し(S40)、空間2側へ通信ネットワークを介して送信する。
受信側はまずトラックの音データから音声信号と振動信号にチャンネル分離させ(S50)、加振器を使用して振動信号を出力する(S60)。この一連の処理により遠隔地である空間1側で発生した衝突音を空間2側の共有物体を通して加振器より出力することで、遠隔地の振動を再現することができる。
図5(a)および図5(b)は、加振器70と加速度ピックアップ装置80の配置パターンについて基本配置パターンと拡張配置パターンを説明する図である。音響振動再現システム200では加振器70と加速度ピックアップ装置80の数を各装置少なくとも2台以上使用し、使用する数も等しいことを原則とする。加振器70と加速度ピックアップ装置80はスクリーン40中央に垂直な面に関して左右対称に配置する。2台以上使用することで左右の振動を測定することが可能となるため、振動の到来方向を再現することができる。
図5(a)は加振器70と加速度ピックアップ装置80の基本配置パターンを、図5(b)は加振器70と加速度ピックアップ装置80を3セット以上配置した拡張配置パターンをそれぞれ表す。
図5(a)は、加振器70と加速度ピックアップ装置80を2台配置している場合である。各空間において、スクリーン40の手前には2台の加速度ピックアップ装置80L、80Rが配置され、スクリーン40の奥には2台の加振器70L、70Rが配置されており、加速度ピックアップ装置80L、80Rと加振器70L、70Rはスクリーン40中央に垂直な線、すなわちスクリーン40のセンタラインを軸として左右対称の配置となっている。
現実には、空間1においてスクリーン40の手前には使用者Aが存在し、空間2においてスクリーン40の手前には使用者Bが存在するが、仮想的には、空間1においてスクリーン40の奥には使用者Bが存在し、空間2においてスクリーン40の奥には使用者Aが存在するように音響振動を共有する。
空間1の加速度ピックアップ装置80Lは、空間2では加振器70Rの位置にあると想定され、空間1の加速度ピックアップ装置80Rは、空間2では加振器70Lの位置にあると想定される。同様に、空間2の加速度ピックアップ装置80Lは、空間1では加振器70Rの位置にあると想定され、空間2の加速度ピックアップ装置80Rは、空間1では加振器70Lの位置にあると想定される。
各空間の加速度ピックアップ装置80で測定した振動信号は、各加速度ピックアップ装置80と対になる加振器70へ送信され、それぞれ出力される。すなわち、空間1の加速度ピックアップ装置80Lで測定された振動信号は、空間2の加振器70Rへ送信され出力され、空間1の加速度ピックアップ装置80Rで測定された振動信号は、空間2の加振器70Lへ送信され出力される。同様に、空間2の加速度ピックアップ装置80Lで測定された振動信号は、空間1の加振器70Rへ送信され出力され、空間2の加速度ピックアップ装置80Rで測定された振動信号は、空間1の加振器70Lへ送信され出力される。
図5(b)は、加振器70と加速度ピックアップ装置80を3台配置している場合である。3台以上の奇数台配置する場合は、図5(b)のようにセンタ用の加振器70Cと加速度ピックアップ装置80Cをスクリーン40のセンタラインに配置する。空間1の加速度ピックアップ装置80Cで測定された振動信号は、空間2の加振器70Cへ送信され出力され、空間2の加速度ピックアップ装置80Cで測定された振動信号は、空間1の加振器70Cへ送信され出力される。もし偶数台で拡張する場合は基本配置パターンのようにマトリクス上に配置するとする。このように格子状に配置することにより、振動の左右の到来方向だけでなく奥行きの情報も付加されるため、振動再現の臨場感を向上することができる。
図6は、加振器70と加速度ピックアップ装置80の拡張配置パターンに関して、装置使用数増加時の配列パターンを示す図である。装置使用数が2、3、4、5、6の場合の、加振器70または加速度ピックアップ装置80を配置する位置を黒丸で示している。図6に示すように装置を奇数台で拡張する場合はセンタ用の装置を付加することとする。また、音響振動再現システム200では拡張配置パターンとして、共有物体60のサイズが小さい場合においても対応可能である。
図7は、共有物体60のサイズがスクリーン40の奥まで達しない場合の加振器70と加速度ピックアップ装置80の配置パターンを示す図である。図7に示す通り、共有物体60はスクリーン40の手前までしかなく、スクリーン40の奥には存在しないため、各空間において、加振器70L、70Rと加速度ピックアップ装置80L、80Rはスクリーン40の手前にマトリクス状に配置する。
空間1の加速度ピックアップ装置80Lは、空間2ではスクリーン40の奥の加振器70R’の位置にあると想定され、空間1の加速度ピックアップ装置80Rは、空間2ではスクリーン40の奥の加振器70L’の位置にあると想定されるが、現実には空間2のスクリーン40の奥には加振器70L’、70R’は存在しない。そこで、空間1の加速度ピックアップ装置80Lで測定される振動は、空間2ではスクリーン40の手前にある加振器70Rで再現し、空間1の加速度ピックアップ装置80Rで測定される振動は、空間2ではスクリーン40の手前にある加振器70Lで再現する必要がある。
図7の配置パターンの場合、送信側の加速度ピックアップ装置80で測定した振動信号は、スクリーン40より奥側から到来する振動として再現する必要があるため、測定した振動信号に対しては遅延処理と減衰処理を施してから受信側の加振器70へ出力する。実際には、共有物体60の使用者側の端から加振器70までの到来時間と共有物体60の低域周波数帯の距離減衰量を測定しておけば、信号処理によって、スクリーン40より奥側から到来する振動として再現することが可能である。
以上述べたように、音響振動再現システム200は、ネットワークを介した双方向のAVコミュニケーション通信において、双方に同じ材質、大きさの物体を備え、双方間での共有物体を経由した音響振動を、遠隔地の使用者へ共有物体を通じて伝搬することにより振動を再現するシステムである。振動を測定し電気信号に変換できる加速度ピックアップ装置と電気信号を振動に変換して物体に振動を伝搬させる加振器を複数備えた共有物体を備えることで、共有物体を通じて定位方向を含めて振動を互いに共有し合うことができるため、空間共有体験を提示することによる高い臨場感の効果を与えることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 AV配信制御装置、 11 A/D変換部、 12 D/A変換部、 20 プロジェクタ装置、 30 動画撮影カメラ、 40 プロジェクタスクリーン、 50 スピーカ、 51 信号増幅部、 60 共有物体、 70 加振器、 71 信号増幅部、 80 加速度ピックアップ装置、 81 信号増幅部、 90 ヘッドセットマイクロホン、 91 信号増幅部、 100 エコーキャンセラ、 101 チャンネル追加処理部、 102 チャンネル分離処理部、 200 音響振動再現システム、 300 通信ネットワーク。

Claims (3)

  1. ネットワークを介して音響振動信号を送受信する音響振動再現システムであって、
    共有物体を介して伝搬される振動を測定する振動測定器と、
    振動を前記共有物体へ伝搬させる振動発生器と、
    音響振動信号を送受信する信号処理装置とを含み、
    前記信号処理装置は、前記振動測定器により測定された振動を音響振動信号として通信先の音響振動再現システムに送信し、
    前記信号処理装置は、通信先の音響振動再現システムから音響振動信号を受信し、
    前記振動発生器は、受信された音響振動信号にもとづいて振動を前記共有物体へ伝搬させて再現し、
    前記共有物体に前記振動測定器と前記振動発生器が少なくとも2セット以上、映像を表示する表示部中央に垂直な面を基準として左右対称に配置され、通信先の振動測定器により測定された振動は、対応する位置にある通信元の振動発生器により再現され、前記振動測定器は前記表示部の手前に設置され、前記振動発生器は前記表示部の奥に設置されることを特徴とする音響振動再現システム。
  2. 前記共有物体に前記振動測定器と前記振動発生器が格子状に設置されることを特徴とする請求項に記載の音響振動再現システム。
  3. ネットワークを介して音響振動信号を送受信する音響振動再現システムによる音響振動再現方法であって、
    共有物体を介して伝搬される振動を振動測定器によって測定するステップと、
    振動発生器によって振動を前記共有物体へ伝搬させるステップと、
    音響振動信号を送受信するステップとを含み、
    前記音響振動信号を送受信するステップは、前記振動測定器により測定された振動を音響振動信号として通信先の音響振動再現システムに送信し、
    前記音響振動信号を送受信するステップは、通信先の音響振動再現システムから音響振動信号を受信し、
    前記振動を前記共有物体へ伝搬させるステップは、受信された音響振動信号にもとづいて前記振動発生器によって振動を前記共有物体へ伝搬させて再現し、
    前記共有物体に前記振動測定器と前記振動発生器が少なくとも2セット以上、映像を表示する表示部中央に垂直な面を基準として左右対称に配置され、通信先の振動測定器により測定された振動は、対応する位置にある通信元の振動発生器により再現され、前記振動測定器は前記表示部の手前に設置され、前記振動発生器は前記表示部の奥に設置されることを特徴とする音響振動再現方法。
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