〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1~図14は、本実施の形態を示す図である。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、図面作成支援装置100のハードウェア構成を示す図である。
図面作成支援装置100は、図1に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(InterFace)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44とが接続されている。
記憶装置42には、CAD(Computer Aided Design)ソフトウェアやBIM(Building Information Modeling)ソフトウェア(以下これらを総称して「CADソフトウェア」という。)がインストールされている。CADソフトウェアは、ユーザの操作に応じて図面の作成を支援するソフトウェアである。CADソフトウェアの起動が要求されると、CPU30は、ROM32の所定領域に格納されているCADプログラムを起動させ、そのプログラムに従って処理を実行する。設計者は、CADソフトウェアを起動し、矩計図、平面詳細図その他の建築図面を作成することができる。
次に、記憶装置42のデータ構造を説明する。
図2は、編集履歴データの構造を示す図である。
記憶装置42は、図2に示すように、編集履歴データを記憶している。
編集履歴データは、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する要素情報400と、第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する要素情報402と、第1要素を変更する場合の変更後寸法に関する寸法情報404とを含んで構成されている。
要素変更に人の判断を要する編集要素かどうかは、例えば、特許文献1〔0076〕~〔0089〕に記載の技術により判定することができる。すなわち、変更に人の判断を要する編集要素は、人の判断により設定してもよい。また、変更前CADデータ及び変更後CADデータに基づいて、変更前後で変更パターンが2以上ある編集要素を抽出し、抽出した編集要素を、変更に人の判断を要する編集要素として設定してもよい。その結果に基づいて、変更に人の判断を要するか否かの情報と対応づけて編集要素を登録した判断要否データを作成し記憶装置42に記憶する。そして、記憶装置42の判断要否データに基づいて、変更に人の判断を要する編集要素であると判定した編集要素を第1要素として編集履歴データ上取り扱う。
第2要素は、設計情報中の編集可能な編集要素又はそれ以外の要素(例えば、室内に設置する予定の家具その他の仮想の要素)を含む。編集履歴データは、例えば、設計者が第2要素との関係で第1要素を変更した場合にこれを編集履歴データとして記録することにより作成することができる。
図2中第1、2行目は、1つの編集履歴である。図2中第1、2行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、変更後寸法として「650」「650」がそれぞれ登録されている。この編集履歴は、幅が700[mm]の左クローゼット及び幅が700[mm]の中央クローゼットがその変更に人の判断を要する要素であり、幅が270[mm]のPS(パイプシャフト)が第1要素の変更に影響を与える要素であり、PSの寸法を270[mm]に変更するにあたって、設計者が、左クローゼットの幅を700[mm]から650[mm]に、中央クローゼットの幅を700[mm]から650[mm]にそれぞれ変更したことを示している。
図2中第3行目は、1つの編集履歴である。図2中第3行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、変更後寸法として「600」がそれぞれ登録されている。この編集履歴は、PSの寸法を270[mm]に変更するにあたって、設計者が、左クローゼットの幅を700[mm]から600[mm]に変更したことを示している。
図2中第4行目は、1つの編集履歴である。図2中第4行目には、第1要素として「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、変更後寸法として「600」がそれぞれ登録されている。この編集履歴は、PSの寸法を270[mm]に変更するにあたって、設計者が、中央クローゼットの幅を700[mm]から600[mm]に変更したことを示している。
図2中第5行目は、1つの編集履歴である。図2中第5行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が120のピアノ」が、変更後寸法として「870」がそれぞれ登録されている。この編集履歴は、幅が120[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するために、設計者が、トイレの幅を920[mm]から870[mm]に変更したことを示している。
図2中第6行目は、1つの編集履歴である。図2中第6行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が130のピアノ」が、変更後寸法として「855」がそれぞれ登録されている。この編集履歴は、幅が130[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するために、設計者が、トイレの幅を920[mm]から855[mm]に変更したことを示している。
図2中第7行目は、1つの編集履歴である。図2中第7行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が140のピアノ」が、変更後寸法として「840」がそれぞれ登録されている。この編集履歴は、幅が140[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するために、設計者が、トイレの幅を920[mm]から840[mm]に変更したことを示している。
図3は、矩計図のCADデータの構造を示す図である。
記憶装置42は、図3に示すように、矩計図のCADデータやBIMデータ(以下これらを総称して「CADデータ」という。)を記憶している。
矩計図は、建物の断面を詳細に作図した図面である。矩計図のCADデータは、設計者がCADソフトウェアを利用して作成するものである。設計者は、CADソフトウェアにおいて、矩計図中の編集可能な編集要素を追加、編集又は削除することにより矩計図を作成する。図3の例では、「内部廊下」と表示された領域の床、壁及び天井の各編集要素が、「風除室」と表示された領域の床、壁及び天井の各編集要素がそれぞれ配置されている。
記憶装置42は、その他の建築図面のCADデータ、及び、学習済みモデルのデータを記憶している。学習済みモデルは、第1要素に関する要素情報400、第2要素に関する要素情報402及び第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法に関する寸法情報404に基づいて学習が行われている。編集履歴データは、AIの学習に用いるため、記憶装置42には、過去に作成された多数の編集履歴データが記憶されている。これらの編集履歴データは、建築図面中の各編集要素が仕様に適合したものであり、AIの学習における教師データとなる。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図4は、学習済みモデル生成処理を示すフローチャートである。
図5は、学習済みモデルの生成及び利用の工程を示すブロック図である。
学習済みモデル生成処理は、学習済みモデルを生成するために実行される処理であって、CPU30において実行されると、図4に示すように、ステップS100に移行して、編集履歴データ解析処理を実行する。編集履歴データ解析処理では、編集履歴データを記憶装置42から読み出し、読み出した編集履歴データから要素情報400、402及び寸法情報404を抽出する。
次いで、ステップS102に移行する。ステップS102では、図5に示すように、ステップS100で抽出した情報に基づいて学習用データセットを生成し、ステップS104に移行して、生成した学習用データセットを学習用プログラムに入力し、学習用プログラムにより学習済みモデルを生成する。学習用プログラムは、学習前パラメータ及びハイパーパラメータを備え、入力した学習用データセット及びハイパーパラメータに基づいて学習を行い、学習前パラメータを更新する。そして、学習結果として学習済みモデルを出力する。
学習済みモデルは、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第1要素及び第2要素を入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法を推定し、推定した変更後寸法を出力する。なお、入力した第1要素及び第2要素と変更後寸法の関係は、AIの学習により決まるものであるので、過去の編集履歴データの内容と同様の傾向を示すものの、必ずしも正確には一致しない曖昧さがある。ただし、この曖昧さは、学習データ量及び学習精度により小さくすることができる。
図6は、変更後寸法推定処理を示すフローチャートである。
変更後寸法推定処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS150に移行する。
ステップS150では、第2要素を取得する。第2要素としては、例えば、建築図面中の編集要素からいずれか(例えば、選択された編集要素)を取得することができ、仮想の要素(例えば、室内に設置する予定の家具)その他の要素を入力することにより取得することもできる。
次いで、ステップS152に移行して、CADソフトウェアにおいて、取得した第2要素により影響を受ける第1要素を取得する。第1要素としては、例えば、第2要素から所定範囲内にある第1要素、又は第2要素との関係で過去に変更されたことがある第1要素を取得することができる。
次いで、ステップS154に移行して、記憶装置42の学習済みモデルを用いて、取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法を推定する。複数の第1要素又は複数の第2要素を取得した場合は、第1要素ごと又は第2要素ごとに変更後寸法を推定する。推定は、第1要素及び第2要素を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力される変更後寸法を取得することにより行う。
次いで、ステップS156に移行して、推定した変更後寸法を変更候補として表示装置44に表示し、ステップS158する。
ステップS158では、表示された変更後寸法のうちいずれかが選択されたか否かを判定し、変更後寸法が選択されたと判定した場合(YES)は、ステップS160に移行して、ステップS152で取得した第1要素の寸法を、ステップS158で選択された変更後寸法に変更し、一連の処理を終了する。
一方、ステップS158で、変更後寸法が選択されないと判定した場合(NO)は、変更後寸法が選択されるまでステップS158で待機する。
〔PSの寸法を変更する場合〕
次に、PSの寸法を変更する場合の動作を説明する。
図7は、PSの寸法を変更する前の矩計図である。
図8は、第2要素を入力する画面である。
図9は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図10は、PSの寸法を変更した後の矩計図である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図7の矩計図を編集中に編集要素「PS」を指示すると、図8の画面が表示される。編集要素「PS」の寸法を270[mm]に変更したい場合、図8の画面において「幅が270のPS」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図9に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図9の例では、3つの変更候補が表示されている。第1の変更候補は、左クローゼットの幅を700[mm]から650[mm]に、中央クローゼットの幅を700[mm]から650[mm]にそれぞれ変更する場合である。第2の変更候補は、左クローゼットの幅を700[mm]から600[mm]に変更する場合である。第3の変更候補は、中央クローゼットの幅を700[mm]から600[mm]に変更する場合である。ここで、設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図10に示すように、左クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]に、中央クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]にそれぞれ変更される。
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
図11は、ピアノの搬入を想定する前の矩計図である。
図12は、第2要素を入力する画面である。
図13は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図14は、ピアノの搬入を想定した後の矩計図である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図11の矩計図を編集中に廊下を指示すると、図12の画面が表示される。ピアノの搬入を想定したい場合、図12の画面において「幅が120以上のピアノ」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が120以上のピアノ」が、第1要素として「幅が920のトイレ」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図13に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図13の例では、3つの変更候補が表示されている。第1の変更候補は、幅が120のピアノを搬入するにあたってトイレの壁と干渉しないよう、トイレの幅を920[mm]から870[mm]に変更する場合である。第2の変更候補は、幅が130のピアノを搬入するにあたってトイレの壁と干渉しないよう、トイレの幅を920[mm]から855[mm]に変更する場合である。第3の変更候補は、幅が140のピアノを搬入するにあたってトイレの壁と干渉しないよう、トイレの幅を920[mm]から840[mm]に変更する場合である。ここで、設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図14に示すように、トイレの幅が920[mm]から870[mm]に変更される。
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素及び第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素を取得し、第1要素に関する要素情報400、第2要素に関する要素情報402及び第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法に関する寸法情報404に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法を推定する。
これにより、設計者は変更候補から選択すればよいので、変更に人の判断を要する編集要素を変更しやすくなる。
本実施の形態において、ステップS150、S152は、発明1の要素情報取得手段に対応し、ステップS154は、発明1の推定手段に対応している。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図15~図20は、本実施の形態を示す図である。その他、図7、図8、図10、図11、図12及び図14を援用する。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対し、第1要素を変更する場合の影響を推定する点で異なる。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図15は、影響データの構造を示す図である。
記憶装置42は、図15に示すように、影響データを記憶している。
影響データは、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する要素情報406と、第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する要素情報408と、第1要素を変更する場合の影響に関する影響情報410とを含んで構成されている。要素変更に人の判断を要する編集要素かどうかについては上記第1の実施の形態と同様であり、記憶装置42の判断要否データに基づいて、変更に人の判断を要する編集要素であると判定した編集要素を第1要素として影響データ上取り扱う。第2要素は、設計情報中の編集可能な編集要素又はそれ以外の要素(例えば、室内に設置する予定の家具その他の仮想の要素)を含む。影響データは、例えば、編集履歴データにおける各編集履歴と対応するデータとして構成することができ、第1要素を変更するにあたって設計者が第1要素を変更する場合の影響を入力したときは、これを影響データとして記録することにより作成することができる。
図15中第1行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、影響として「左クローゼット及び中央クローゼットの少なくとも一方の変更が必要」がそれぞれ登録されている。これは、幅が700[mm]の左クローゼット及び幅が700[mm]の中央クローゼットがその変更に人の判断を要する要素であり、幅が270[mm]のPSが第1要素の変更に影響を与える要素であり、PSの寸法を270[mm]に変更する場合、左クローゼット及び中央クローゼットの少なくとも一方の変更が必要であることを示している。
図15中第2行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、影響として「左クローゼット及び中央クローゼットの両方の変更が可能」がそれぞれ登録されている。これは、PSの寸法を270[mm]に変更する場合、左クローゼット及び中央クローゼットの両方の変更が可能であることを示している。
図15中第3行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、影響として「左クローゼットのみを変更する場合、左クローゼットの収納量と利便性が○○%低下」がそれぞれ登録されている。これは、PSの寸法を270[mm]に変更する場合に左クローゼットのみを変更するときは、左クローゼットの収納量と利便性が○○%低下することを示している。
図15中第4行目には、第1要素として「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、影響として「中央クローゼットのみを変更する場合、中央クローゼットの収納量と利便性が△△%低下」がそれぞれ登録されている。これは、PSの寸法を270[mm]に変更する場合に中央クローゼットのみを変更するときは、中央クローゼットの収納量と利便性が△△%低下することを示している。
図15中第5行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、影響として「左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更する場合、収納量と利便性が××%低下」がそれぞれ登録されている。これは、PSの寸法を270[mm]に変更する場合に左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更するときは、収納量と利便性が××%低下することを示している。
図15中第6行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が120以上のピアノ」が、影響として「トイレの幅の変更が必要」がそれぞれ登録されている。これは、幅が120[mm]以上のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するために、トイレの幅の変更が必要であることを示している。
図15中第7行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が120以上のピアノ」が、影響として「トイレの幅以外に変更できる要素はない」がそれぞれ登録されている。これは、幅が120[mm]以上のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するために、トイレの幅以外に変更できる要素がないことを示している。
図15中第8行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が120のピアノ」が、影響として「トイレの幅を870に変更する場合、トイレの利便性が○○%低下」がそれぞれ登録されている。これは、幅が120[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を870[mm]に変更する場合、トイレの利便性が○○%低下することを示している。
図15中第9行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が130のピアノ」が、影響として「トイレの幅を855に変更する場合、トイレの利便性が△△%低下」がそれぞれ登録されている。これは、幅が130[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を855[mm]に変更する場合、トイレの利便性が△△%低下することを示している。
図15中第10行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が140のピアノ」が、影響として「トイレの幅を840に変更する場合、トイレの利便性が××%低下」がそれぞれ登録されている。これは、幅が140[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を840[mm]に変更する場合、トイレの利便性が××%低下することを示している。
記憶装置42は、第2学習済みモデルのデータを記憶している。第2学習済みモデルは、第1要素に関する要素情報406、第2要素に関する要素情報408及び第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報410に基づいて学習が行われている。第2学習済みモデルの生成方法は、上記第1の実施の形態(図4及び図5)と同様である。影響データは、AIの学習に用いるため、記憶装置42には、過去に作成された多数の影響データが記憶されている。これらの影響データは、AIの学習における教師データとなる。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図16は、影響推定処理を示すフローチャートである。
影響推定処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、図16に示すように、まず、上記第1の実施の形態におけるステップS150~S156と同様の処理を行い、ステップS162に移行する。
ステップS162では、各変更後寸法ごとに表示される影響ボタンのいずれかがクリックされたか否かを判定し、影響ボタンがクリックされたと判定した場合(YES)は、ステップS164に移行する。
ステップS164では、記憶装置42の第2学習済みモデルを用いて、ステップS150、S152で取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の影響を推定する。複数の第1要素又は複数の第2要素を取得した場合は、第1要素ごと又は第2要素ごとに影響を推定する。推定は、第1要素及び第2要素を第2学習済みモデルに入力し、第2学習済みモデルから出力される影響を取得することにより行う。
次いで、ステップS166に移行して、推定した影響を表示装置44に表示し、上記第1の実施の形態におけるステップS158、S160と同様の処理を行い、一連の処理を終了する。
一方、ステップS158で、変更後寸法が選択されないと判定した場合(NO)は、ステップS162に移行する。
一方、ステップS162で、影響ボタンがクリックされないと判定した場合(NO)は、ステップS158に移行する。
〔PSの寸法を変更する場合〕
次に、PSの寸法を変更する場合の動作を説明する。
図17は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図18は、第1の変更候補に対応する影響を表示する画面である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図7の矩計図を編集中に編集要素「PS」を指示すると、図8の画面が表示される。編集要素「PS」の寸法を270[mm]に変更したい場合、図8の画面において「幅が270のPS」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図17に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図17の例では、3つの変更候補が表示されている。これら変更候補の内容は図9と同様である。また、各変更候補には、その変更候補に対応する影響を表示するための影響ボタンが表示されている。
ここで、設計者は、例えば第1の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、ステップS164を経て、第2学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の影響が推定される。推定された影響は、ステップS166を経て、図18に示すように、第1の変更候補を採用する場合の影響として表示される。図18の例では、3つの影響が表示されている。第1の影響は、左クローゼット及び中央クローゼットの少なくとも一方の変更が必要であることを内容としている。括弧書きは、変更が必要な編集要素の数が1つであることを示している。第2の影響は、左クローゼット及び中央クローゼットの両方の変更が可能であることを内容としている。括弧書きは、変更が可能な編集要素の数が2つであることを示している。第3の影響は、左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更する場合、収納量と利便性が××%低下することを内容としている。
第2の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、同様に、第2の変更候補を採用する場合の影響が表示される。第3の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、同様に、第3の変更候補を採用する場合の影響が表示される。
影響を確認した設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図10に示すように、左クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]に、中央クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]にそれぞれ変更される。
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
図19は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図20は、第1の変更候補に対応する影響を表示する画面である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図11の矩計図を編集中に廊下を指示すると、図12の画面が表示される。ピアノの搬入を想定したい場合、図12の画面において「幅が120以上のピアノ」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が120以上のピアノ」が、第1要素として「幅が920のトイレ」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図19に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図19の例では、3つの変更候補が表示されている。これら変更候補の内容は図13と同様である。また、各変更候補には、その変更候補に対応する影響を表示するための影響ボタンが表示されている。
ここで、設計者は、例えば第1の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、ステップS164を経て、第2学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の影響が推定される。推定された影響は、ステップS166を経て、図20に示すように、第1の変更候補を採用する場合の影響として表示される。図20の例では、3つの影響が表示されている。第1の影響は、トイレの幅の変更が必要であることを内容としている。括弧書きは、変更が必要な編集要素の数が1つであることを示している。第2の影響は、トイレの幅以外に変更できる要素はないことを内容としている。括弧書きは、変更が可能な編集要素の数が1つであることを示している。第3の影響は、トイレの幅を870に変更する場合、トイレの利便性が○○%低下することを内容としている。
第2の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、同様に、第2の変更候補を採用する場合の影響が表示される。第3の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、同様に、第3の変更候補を採用する場合の影響が表示される。
影響を確認した設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図14に示すように、トイレの幅が920[mm]から870[mm]に変更される。
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素及び第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を取得し、第1要素に関する要素情報406、第2要素に関する要素情報408及び第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報410に基づいて学習を行った第2学習済みモデルを用いて、取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の影響を推定する。
これにより、設計者は第1要素を変更する場合の影響を確認できるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって影響を考慮することができる。
本実施の形態において、ステップS150、S152は、発明2の要素情報取得手段に対応し、ステップS164は、発明2の推定手段に対応している。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図21~図26は、本実施の形態を示す図である。その他、図7、図8、図10、図11、図12及び図14を援用する。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対し、第1要素を変更する場合に考慮すべき事項を推定する点で異なる。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図21は、考慮事項データの構造を示す図である。
記憶装置42は、図21に示すように、考慮事項データを記憶している。
考慮事項データは、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する要素情報412と、第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する要素情報414と、第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報416とを含んで構成されている。要素変更に人の判断を要する編集要素かどうかについては上記第1の実施の形態と同様であり、記憶装置42の判断要否データに基づいて、変更に人の判断を要する編集要素であると判定した編集要素を第1要素として考慮事項データ上取り扱う。第2要素は、設計情報中の編集可能な編集要素又はそれ以外の要素(例えば、室内に設置する予定の家具その他の仮想の要素)を含む。考慮事項データは、例えば、編集履歴データにおける各編集履歴と対応するデータとして構成することができ、第1要素を変更するにあたって設計者が第1要素を変更する場合に考慮すべき事項を入力したときは、これを考慮事項データとして記録することにより作成することができる。
図21中第1行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、考慮事項として「左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更する場合、最小スペース、収納物の大きさ、収納物のバランス、クローゼットの用途、利便性、部屋のレイアウトを考慮」がそれぞれ登録されている。これは、幅が700[mm]の左クローゼット及び幅が700[mm]の中央クローゼットがその変更に人の判断を要する要素であり、幅が270[mm]のPSが第1要素の変更に影響を与える要素であり、PSの寸法を270[mm]に変更する場合に左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更するときは、最小スペース、収納物の大きさ、収納物のバランス、クローゼットの用途、利便性及び部屋のレイアウトを考慮すべきことを示している。
図21中第2行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、考慮事項として「左クローゼット及び中央クローゼットの一方を変更する場合、両方を変更する場合に比して1つだけが極端に小さくなるので上記事項をさらに慎重に考慮」がそれぞれ登録されている。これは、PSの寸法を270[mm]に変更する場合に左クローゼット及び中央クローゼットの一方を変更するときは、両方を変更する場合に比して1つだけが極端に小さくなるので上記事項をさらに慎重に考慮すべきことを示している。
図21中第3行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が120のピアノ」が、考慮事項として「トイレの幅を870に変更する場合、バリアフリー仕様が追加できるかどうかを考慮」がそれぞれ登録されている。これは、幅が120[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を870[mm]に変更する場合、バリアフリー仕様が追加できるかどうかを考慮すべきことを示している。
図21中第4行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が130のピアノ」が、考慮事項として「トイレの幅を855に変更する場合、手洗いカウンタが追加できるかどうかを考慮」がそれぞれ登録されている。これは、幅が130[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を855[mm]に変更する場合、手洗いカウンタが追加できるかどうかを考慮すべきことを示している。
図21中第5行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が140のピアノ」が、考慮事項として「トイレの幅を840に変更する場合、最小スペースが確保できるかどうかを考慮」がそれぞれ登録されている。これは、幅が140[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を840[mm]に変更する場合、最小スペースが確保できるかどうかを考慮すべきことを示している。
記憶装置42は、第2学習済みモデルのデータを記憶している。第2学習済みモデルは、第1要素に関する要素情報412、第2要素に関する要素情報414及び第1要素を変更する場合の1又は複数の考慮事項に関する考慮事項情報416に基づいて学習が行われている。第2学習済みモデルの生成方法は、上記第1の実施の形態(図4及び図5)と同様である。考慮事項データは、AIの学習に用いるため、記憶装置42には、過去に作成された多数の考慮事項データが記憶されている。これらの考慮事項データは、AIの学習における教師データとなる。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図22は、考慮事項推定処理を示すフローチャートである。
考慮事項推定処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、図22に示すように、まず、上記第1の実施の形態におけるステップS150~S156と同様の処理を行い、ステップS168に移行する。
ステップS168では、各変更後寸法ごとに表示される考慮事項ボタンのいずれかがクリックされたか否かを判定し、考慮事項ボタンがクリックされたと判定した場合(YES)は、ステップS170に移行する。
ステップS170では、記憶装置42の第2学習済みモデルを用いて、ステップS150、S152で取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の考慮事項を推定する。複数の第1要素又は複数の第2要素を取得した場合は、第1要素ごと又は第2要素ごとに考慮事項を推定する。推定は、第1要素及び第2要素を第2学習済みモデルに入力し、第2学習済みモデルから出力される考慮事項を取得することにより行う。
次いで、ステップS172に移行して、推定した考慮事項を表示装置44に表示し、上記第1の実施の形態におけるステップS158、S160と同様の処理を行い、一連の処理を終了する。
一方、ステップS158で、変更後寸法が選択されないと判定した場合(NO)は、ステップS168に移行する。
一方、ステップS168で、考慮事項ボタンがクリックされないと判定した場合(NO)は、ステップS158に移行する。
〔PSの寸法を変更する場合〕
次に、PSの寸法を変更する場合の動作を説明する。
図23は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図24は、第1の変更候補に対応する考慮事項を表示する画面である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図7の矩計図を編集中に編集要素「PS」を指示すると、図8の画面が表示される。編集要素「PS」の寸法を270[mm]に変更したい場合、図8の画面において「幅が270のPS」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図23に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図23の例では、3つの変更候補が表示されている。これら変更候補の内容は図9と同様である。また、各変更候補には、その変更候補に対応する考慮事項を表示するための考慮事項ボタンが表示されている。
ここで、設計者は、例えば第1の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、ステップS170を経て、第2学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の考慮事項が推定される。推定された考慮事項は、ステップS172を経て、図24に示すように、第1の変更候補を採用する場合に考慮すべき事項として表示される。図24の例では、左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更する場合、最小スペース、収納物の大きさ、収納物のバランス、クローゼットの用途、利便性及び部屋のレイアウトを考慮すべきことが表示されている。
第2の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、同様に、第2の変更候補を採用する場合に考慮すべき事項が表示される。第3の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、同様に、第3の変更候補を採用する場合に考慮すべき事項が表示される。
考慮事項を確認した設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図10に示すように、左クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]に、中央クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]にそれぞれ変更される。
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
図25は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図26は、第1の変更候補に対応する考慮事項を表示する画面である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図11の矩計図を編集中に廊下を指示すると、図12の画面が表示される。ピアノの搬入を想定したい場合、図12の画面において「幅が120以上のピアノ」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が120以上のピアノ」が、第1要素として「幅が920のトイレ」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図25に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図25の例では、3つの変更候補が表示されている。これら変更候補の内容は図13と同様である。また、各変更候補には、その変更候補に対応する考慮事項を表示するための考慮事項ボタンが表示されている。
ここで、設計者は、例えば第1の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、ステップS170を経て、第2学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の考慮事項が推定される。推定された考慮事項は、ステップS172を経て、図26に示すように、第1の変更候補を採用する場合に考慮すべき事項として表示される。図26の例では、トイレの幅を870[mm]に変更する場合、バリアフリー仕様が追加できるかどうかを考慮すべきことが表示されている。
第2の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、同様に、第2の変更候補を採用する場合に考慮すべき事項が表示される。第3の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、同様に、第3の変更候補を採用する場合に考慮すべき事項が表示される。
考慮事項を確認した設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図14に示すように、トイレの幅が920[mm]から870[mm]に変更される。
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素及び第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を取得し、第1要素に関する要素情報412、第2要素に関する要素情報414及び第1要素を変更する場合の1又は複数の考慮事項に関する考慮事項情報416に基づいて学習を行った第2学習済みモデルを用いて、取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の考慮事項を推定する。
これにより、設計者は第1要素を変更する場合に考慮すべき事項を確認できるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって注意事項等を考慮することができる。
本実施の形態において、ステップS150、S152は、発明3の要素情報取得手段に対応し、ステップS170は、発明3の推定手段に対応している。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図27~図32は、本実施の形態を示す図である。その他、図7、図8、図10、図11、図12及び図14を援用する。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対し、第1要素を変更する場合のリスクを推定する点で異なる。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図27は、リスクデータの構造を示す図である。
記憶装置42は、図27に示すように、リスクデータを記憶している。
リスクデータは、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する要素情報418と、第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する要素情報420と、第1要素を変更する場合のリスクに関するリスク情報422とを含んで構成されている。要素変更に人の判断を要する編集要素かどうかについては上記第1の実施の形態と同様であり、記憶装置42の判断要否データに基づいて、変更に人の判断を要する編集要素であると判定した編集要素を第1要素としてリスクデータ上取り扱う。第2要素は、設計情報中の編集可能な編集要素又はそれ以外の要素(例えば、室内に設置する予定の家具その他の仮想の要素)を含む。リスクデータは、例えば、編集履歴データにおける各編集履歴と対応するデータとして構成することができ、第1要素を変更するにあたって設計者が第1要素を変更する場合のリスクを入力したときは、これをリスクデータとして記録することにより作成することができる。
図27中第1行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、リスクとして「左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更する場合、建築基準法や住宅品質確保法などに違反する法的なリスク、非常時の避難に支障をきたす防災上のリスク、収納物の出し入れが難しくなる利便性低下のリスク、物件価値が下がる資産価値低下のリスクが想定」がそれぞれ登録されている。これは、幅が700[mm]の左クローゼット及び幅が700[mm]の中央クローゼットがその変更に人の判断を要する要素であり、幅が270[mm]のPSが第1要素の変更に影響を与える要素であり、PSの寸法を270[mm]に変更する場合に左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更するときは、建築基準法や住宅品質確保法などに違反する法的なリスク、非常時の避難に支障をきたす防災上のリスク、収納物の出し入れが難しくなる利便性低下のリスク及び物件価値が下がる資産価値低下のリスクが想定されることを示している。
図27中第2行目には、第1要素として「幅が700の左クローゼット」「幅が700の中央クローゼット」が、第2要素として「幅が270のPS」が、リスクとして「左クローゼット及び中央クローゼットの一方を変更する場合、両方を変更する場合に比して1つだけが極端に小さくなるので上記リスクがさらに大きい」がそれぞれ登録されている。これは、PSの寸法を270[mm]に変更する場合に左クローゼット及び中央クローゼットの一方を変更するときは、両方を変更する場合に比して1つだけが極端に小さくなるので上記リスクがさらに大きいことを示している。
図27中第3行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が120のピアノ」が、リスクとして「トイレの幅を870に変更する場合、使用時の動きが制限されたり清掃がしにいなどの利便性低下のリスクが想定」がそれぞれ登録されている。これは、幅が120[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を870[mm]に変更する場合、使用時の動きが制限されたり清掃がしにいなどの利便性低下のリスクが想定されることを示している。
図27中第4行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が130のピアノ」が、リスクとして「トイレの幅を855に変更する場合、トイレ内で転倒したとき、内開きのドアだとドアが開かなくなる安全上のリスクが想定」がそれぞれ登録されている。これは、幅が130[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を855[mm]に変更する場合、トイレ内で転倒したとき、内開きのドアだとドアが開かなくなる安全上のリスクが想定されることを示している。
図27中第5行目には、第1要素として「幅が920のトイレ」が、第2要素として「幅が140のピアノ」が、リスクとして「トイレの幅を840に変更する場合、建築基準法や住宅品質確保法などに違反する法的なリスクが想定」がそれぞれ登録されている。これは、幅が140[mm]のピアノを搬入するにあたってピアノとトイレの壁の干渉を防止するためにトイレの幅を840[mm]に変更する場合、建築基準法や住宅品質確保法などに違反する法的なリスクが想定されることを示している。
記憶装置42は、第2学習済みモデルのデータを記憶している。第2学習済みモデルは、第1要素に関する要素情報418、第2要素に関する要素情報420及び第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報422に基づいて学習が行われている。第2学習済みモデルの生成方法は、上記第1の実施の形態(図4及び図5)と同様である。リスクデータは、AIの学習に用いるため、記憶装置42には、過去に作成された多数のリスクデータが記憶されている。これらのリスクデータは、AIの学習における教師データとなる。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図28は、リスク推定処理を示すフローチャートである。
リスク推定処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、図28に示すように、まず、上記第1の実施の形態におけるステップS150~S156と同様の処理を行い、ステップS174に移行する。
ステップS174では、各変更後寸法ごとに表示されるリスクボタンのいずれかがクリックされたか否かを判定し、リスクボタンがクリックされたと判定した場合(YES)は、ステップS176に移行する。
ステップS176では、記憶装置42の第2学習済みモデルを用いて、ステップS150、S152で取得した第1要素及び第2要素から1又は複数のリスクを推定する。複数の第1要素又は複数の第2要素を取得した場合は、第1要素ごと又は第2要素ごとにリスクを推定する。推定は、第1要素及び第2要素を第2学習済みモデルに入力し、第2学習済みモデルから出力されるリスクを取得することにより行う。
次いで、ステップS178に移行して、推定したリスクを表示装置44に表示し、上記第1の実施の形態におけるステップS158、S160と同様の処理を行い、一連の処理を終了する。
一方、ステップS158で、変更後寸法が選択されないと判定した場合(NO)は、ステップS174に移行する。
一方、ステップS174で、リスクボタンがクリックされないと判定した場合(NO)は、ステップS158に移行する。
〔PSの寸法を変更する場合〕
次に、PSの寸法を変更する場合の動作を説明する。
図29は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図30は、第1の変更候補に対応するリスクを表示する画面である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図7の矩計図を編集中に編集要素「PS」を指示すると、図8の画面が表示される。編集要素「PS」の寸法を270[mm]に変更したい場合、図8の画面において「幅が270のPS」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図29に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図29の例では、3つの変更候補が表示されている。これら変更候補の内容は図9と同様である。また、各変更候補には、その変更候補に対応するリスクを表示するためのリスクボタンが表示されている。
ここで、設計者は、例えば第1の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、ステップS176を経て、第2学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数のリスクが推定される。推定されたリスクは、ステップS178を経て、図30に示すように、第1の変更候補を採用する場合のリスクとして表示される。図30の例では、左クローゼット及び中央クローゼットの両方を変更する場合、建築基準法や住宅品質確保法などに違反する法的なリスク、非常時の避難に支障をきたす防災上のリスク、収納物の出し入れが難しくなる利便性低下のリスク及び物件価値が下がる資産価値低下のリスクが想定されることが表示されている。
第2の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、同様に、第2の変更候補を採用する場合のリスクが表示される。第3の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、同様に、第3の変更候補を採用する場合のリスクが表示される。
リスクを確認した設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図10に示すように、左クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]に、中央クローゼットの幅が700[mm]から650[mm]にそれぞれ変更される。
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
図31は、第1要素の変更候補を表示する画面である。
図32は、第1の変更候補に対応するリスクを表示する画面である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて、図11の矩計図を編集中に廊下を指示すると、図12の画面が表示される。ピアノの搬入を想定したい場合、図12の画面において「幅が120以上のピアノ」と入力する。そして、提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が120以上のピアノ」が、第1要素として「幅が920のトイレ」がそれぞれ取得され、学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数の変更後寸法が推定される。推定された変更後寸法は、ステップS156を経て、図31に示すように、第1要素の変更候補として表示される。図31の例では、3つの変更候補が表示されている。これら変更候補の内容は図13と同様である。また、各変更候補には、その変更候補に対応するリスクを表示するためのリスクボタンが表示されている。
ここで、設計者は、例えば第1の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、ステップS176を経て、第2学習済みモデルを用いて、取得された第1要素及び第2要素から1又は複数のリスクが推定される。推定されたリスクは、ステップS178を経て、図32に示すように、第1の変更候補を採用する場合のリスクとして表示される。図32の例では、トイレの幅を870[mm]に変更する場合、使用時の動きが制限されたり清掃がしにいなどの利便性低下のリスクが想定されることが表示されている。
第2の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、同様に、第2の変更候補を採用する場合のリスクが表示される。第3の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、同様に、第3の変更候補を採用する場合のリスクが表示される。
リスクを確認した設計者は、例えば第1の変更候補を選択すると、ステップS160を経て、図14に示すように、トイレの幅が920[mm]から870[mm]に変更される。
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素及び第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を取得し、第1要素に関する要素情報418、第2要素に関する要素情報420及び第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報422に基づいて学習を行った第2学習済みモデルを用いて、取得した第1要素及び第2要素から1又は複数のリスクを推定する。
これにより、設計者は第1要素を変更する場合のリスクを確認できるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたってリスクを考慮することができる。
本実施の形態において、ステップS150、S152は、発明4の要素情報取得手段に対応し、ステップS176は、発明4の推定手段に対応している。
〔変形例〕
なお、上記第1の実施の形態及びその変形例においては、第1要素に関する要素情報400、第2要素に関する要素情報402及び第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法に関する寸法情報404に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用したが、これに限らず、第1要素に関する要素情報400及び第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法に関する寸法情報404に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用することができる。この場合、図6のステップS150の処理は不要となる。また、図6のステップS154では、記憶装置42の学習済みモデルを用いて、取得した第1要素から1又は複数の変更後寸法を推定する。複数の第1要素を取得した場合は、第1要素ごとに変更後寸法を推定する。推定は、第1要素を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力される変更後寸法を取得することにより行う。
また、上記第2の実施の形態及びその変形例においては、第1要素に関する要素情報406、第2要素に関する要素情報408及び第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報410に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用したが、これに限らず、第1要素に関する要素情報406及び第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報410に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用することができる。この場合、図16のステップS150の処理は不要となる。また、図16のステップS164では、記憶装置42の学習済みモデルを用いて、取得した第1要素から1又は複数の影響を推定する。複数の第1要素を取得した場合は、第1要素ごとに影響を推定する。推定は、第1要素を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力される影響を取得することにより行う。
また、上記第3の実施の形態及びその変形例においては、第1要素に関する要素情報412、第2要素に関する要素情報414及び第1要素を変更する場合の1又は複数の考慮事項に関する考慮事項情報416に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用したが、これに限らず、第1要素に関する要素情報412及び第1要素を変更する場合の1又は複数の考慮事項に関する考慮事項情報416に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用することができる。この場合、図22のステップS150の処理は不要となる。また、図22のステップS170では、記憶装置42の学習済みモデルを用いて、取得した第1要素から1又は複数の考慮事項を推定する。複数の第1要素を取得した場合は、第1要素ごとに考慮事項を推定する。推定は、第1要素を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力される考慮事項を取得することにより行う。
また、上記第4の実施の形態及びその変形例においては、第1要素に関する要素情報418、第2要素に関する要素情報420及び第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報422に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用したが、これに限らず、第1要素に関する要素情報418及び第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報422に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用することができる。この場合、図28のステップS150の処理は不要となる。また、図28のステップS176では、記憶装置42の学習済みモデルを用いて、取得した第1要素から1又は複数のリスクを推定する。複数の第1要素を取得した場合は、第1要素ごとにリスクを推定する。推定は、第1要素を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力されるリスクを取得することにより行う。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデルを用いたが、これに限らず、大規模言語モデル(Large Language Model)を利用する構成を採用することもできる。具体的には、例えば、次の構成を採用することができる。
図面作成支援装置100は、大規模言語モデルを有する大規模言語モデルサーバにネットワークを介して接続している。大規模言語モデルサーバは、図面作成支援装置100と同様のハードウェア構成を有して構成されている。大規模言語モデルとは、人間の話す言葉をその出現確率でモデル化した言語モデルと呼ばれるものを、膨大なデータから事前学習する深層学習モデルである。大規模言語モデルサーバは、リクエストを受信すると、大規模言語モデルを用いて、受信されたリクエストに含まれる文章から次の単語の生成確率を統計的に推定し、推定結果をリクエスト元に送信する。大規模言語モデルとしては、例えば、インターネットサイト「https://chatgpt-lab.com/n/n418d3aa56f0b」「https://agirobots.com/chatgpt-mechanism-and-problem/」に記載されている公知の技術を採用することができる。
そして、図面作成支援装置100に対しては、次の発明A1~A8を適用することができる。
〔発明A1〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を含み、前記第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される候補情報を取得する候補情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更しやすくなる。
上記第1の実施の形態の変形例として発明A1の実施の形態を説明する。ステップS154の処理が、大規模言語モデルサーバから寸法情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し提案のボタンをクリックすると、ステップS150~S154を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素及び第2要素を含み、且つ、当該第2要素との関係で当該第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法に関する寸法情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは寸法情報が出力される。図面作成支援装置100では、寸法情報を受信すると、ステップS156を経て、受信した寸法情報に基づいて第1要素の変更候補が表示される。
〔発明A2〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を含み、前記第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される影響情報を取得する影響情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって影響を考慮することができる。
上記第2の実施の形態の変形例として発明A2の実施の形態を説明する。ステップS164の処理が、大規模言語モデルサーバから影響情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し第1の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、ステップS150、S152、S164を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素及び第2要素を含み、且つ、当該第2要素との関係で当該第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは影響情報が出力される。図面作成支援装置100では、影響情報を受信すると、ステップS166を経て、受信した影響情報に基づいて第1の変更候補を採用する場合の影響が表示される。
〔発明A3〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を含み、前記第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される考慮事項情報を取得する考慮事項情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって注意事項等を考慮することができる。
上記第3の実施の形態の変形例として発明A3の実施の形態を説明する。ステップS170の処理が、大規模言語モデルサーバから考慮事項情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し第1の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、ステップS150、S152、S170を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素及び第2要素を含み、且つ、当該第2要素との関係で当該第1要素を変更する場合の1又は複数の考慮事項に関する考慮事項情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは考慮事項情報が出力される。図面作成支援装置100では、考慮事項情報を受信すると、ステップS172を経て、受信した考慮事項情報に基づいて第1の変更候補を採用する場合の考慮事項が表示される。
〔発明A4〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を含み、前記第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力されるリスク情報を取得するリスク情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたってリスクを考慮することができる。
上記第4の実施の形態の変形例として発明A4の実施の形態を説明する。ステップS176の処理が、大規模言語モデルサーバからリスク情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し第1の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、ステップS150、S152、S176を経て、第2要素として「幅が270のPS」が、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」がそれぞれ取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素及び第2要素を含み、且つ、当該第2要素との関係で当該第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからはリスク情報が出力される。図面作成支援装置100では、リスク情報を受信すると、ステップS178を経て、受信したリスク情報に基づいて第1の変更候補を採用する場合のリスクが表示される。
〔発明A5〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を含み、前記第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される候補情報を取得する候補情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更しやすくなる。
上記第1の実施の形態の変形例として発明A5の実施の形態を説明する。ステップS154の処理が、大規模言語モデルサーバから寸法情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し提案のボタンをクリックすると、ステップS152、S154を経て、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素を含み、且つ、当該第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法に関する寸法情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは寸法情報が出力される。図面作成支援装置100では、寸法情報を受信すると、ステップS156を経て、受信した寸法情報に基づいて第1要素の変更候補が表示される。
〔発明A6〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を含み、前記第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される影響情報を取得する影響情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって影響を考慮することができる。
上記第2の実施の形態の変形例として発明A6の実施の形態を説明する。ステップS164の処理が、大規模言語モデルサーバから影響情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し第1の変更候補に対応する影響ボタンをクリックすると、ステップS152、S164を経て、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素を含み、且つ、当該第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは影響情報が出力される。図面作成支援装置100では、影響情報を受信すると、ステップS166を経て、受信した影響情報に基づいて第1の変更候補を採用する場合の影響が表示される。
〔発明A7〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を含み、前記第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される考慮事項情報を取得する考慮事項情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって注意事項等を考慮することができる。
上記第3の実施の形態の変形例として発明A7の実施の形態を説明する。ステップS170の処理が、大規模言語モデルサーバから考慮事項情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し第1の変更候補に対応する考慮事項ボタンをクリックすると、ステップS152、S170を経て、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素を含み、且つ、当該第1要素を変更する場合の1又は複数の考慮事項に関する考慮事項情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは考慮事項情報が出力される。図面作成支援装置100では、考慮事項情報を受信すると、ステップS172を経て、受信した考慮事項情報に基づいて第1の変更候補を採用する場合の考慮事項が表示される。
〔発明A8〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を含み、前記第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報を生成する要求を含むリクエストを大規模言語モデルに入力するリクエスト入力手段と、
前記リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力されるリスク情報を取得するリスク情報取得手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたってリスクを考慮することができる。
上記第4の実施の形態の変形例として発明A8の実施の形態を説明する。ステップS176の処理が、大規模言語モデルサーバからリスク情報を取得する処理に置き換わる。
設計者は、図8の画面において「幅が270のPS」と入力し第1の変更候補に対応するリスクボタンをクリックすると、ステップS152、S176を経て、第1要素として「幅が700の左クローゼット」及び「幅が700の中央クローゼット」が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、取得された第1要素を含み、且つ、当該第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報を生成する要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからはリスク情報が出力される。図面作成支援装置100では、リスク情報を受信すると、ステップS178を経て、受信したリスク情報に基づいて第1の変更候補を採用する場合のリスクが表示される。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデル又は大規模言語モデルを用いたが、これに限らず、図面作成支援装置100に対しては、次の発明B1~B8を適用することができる。
〔発明B1〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報を、前記第1要素に関する情報及び前記第2要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報及び第2要素情報に対応する前記候補情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更しやすくなる。
上記第1の実施の形態の変形例として発明B1の実施の形態を説明する。記憶装置42は、編集履歴情報テーブルを記憶する。編集履歴情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図2の要素情報400を登録するフィールドと、図2の要素情報402を登録するフィールドと、図2の寸法情報404を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図6のステップS150、S152の処理と同様に第1要素及び第2要素を取得し、取得した第1要素及び第2要素に対応する1又は複数の寸法情報404を編集履歴情報テーブルから検索する。その後の処理は、図6のステップS156~S160の処理と同様に行われる。
〔発明B2〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報を、前記第1要素に関する情報及び前記第2要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報及び第2要素情報に対応する前記影響情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって影響を考慮することができる。
上記第2の実施の形態の変形例として発明B2の実施の形態を説明する。記憶装置42は、影響情報テーブルを記憶する。影響情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図15の要素情報406を登録するフィールドと、図15の要素情報408を登録するフィールドと、図15の影響情報410を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図16のステップS150、S152の処理と同様に第1要素及び第2要素を取得し、取得した第1要素及び第2要素に対応する1又は複数の影響情報410を影響情報テーブルから検索する。その後の処理は、図16のステップS166、S158、S160の処理と同様に行われる。
〔発明B3〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報を、前記第1要素に関する情報及び前記第2要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報及び第2要素情報に対応する前記考慮事項情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって注意事項等を考慮することができる。
上記第3の実施の形態の変形例として発明B3の実施の形態を説明する。記憶装置42は、考慮事項情報テーブルを記憶する。考慮事項情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図21の要素情報412を登録するフィールドと、図21の要素情報414を登録するフィールドと、図21の考慮事項情報416を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図22のステップS150、S152の処理と同様に第1要素及び第2要素を取得し、取得した第1要素及び第2要素に対応する1又は複数の考慮事項情報416を考慮事項情報テーブルから検索する。その後の処理は、図22のステップS172、S158、S160の処理と同様に行われる。
〔発明B4〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報及び当該第1要素の変更に影響を受け又は与える第2要素に関する第2要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報を、前記第1要素に関する情報及び前記第2要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報及び第2要素情報に対応する前記リスク情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたってリスクを考慮することができる。
上記第4の実施の形態の変形例として発明B4の実施の形態を説明する。記憶装置42は、リスク情報テーブルを記憶する。リスク情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図27の要素情報418を登録するフィールドと、図27の要素情報420を登録するフィールドと、図27のリスク情報422を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図28のステップS150、S152の処理と同様に第1要素及び第2要素を取得し、取得した第1要素及び第2要素に対応する1又は複数のリスク情報422をリスク情報テーブルから検索する。その後の処理は、図28のステップS178、S158、S160の処理と同様に行われる。
〔発明B5〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報を、前記第1要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報に対応する前記候補情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更しやすくなる。
上記第1の実施の形態の変形例として発明B5の実施の形態を説明する。記憶装置42は、編集履歴情報テーブルを記憶する。編集履歴情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図2の要素情報400を登録するフィールドと、図2の寸法情報404を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図6のステップS152の処理と同様に第1要素を取得し、取得した第1要素に対応する1又は複数の寸法情報404を編集履歴情報テーブルから検索する。その後の処理は、図6のステップS156~S160の処理と同様に行われる。
〔発明B6〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報を、前記第1要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報に対応する前記影響情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数の影響に関する影響情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって影響を考慮することができる。
上記第2の実施の形態の変形例として発明B6の実施の形態を説明する。記憶装置42は、影響情報テーブルを記憶する。影響情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図15の要素情報406を登録するフィールドと、図15の影響情報410を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図16のステップS152の処理と同様に第1要素を取得し、取得した第1要素に対応する1又は複数の影響情報410を影響情報テーブルから検索する。その後の処理は、図16のステップS166、S158、S160の処理と同様に行われる。
〔発明B7〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報を、前記第1要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報に対応する前記考慮事項情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合に考慮すべき1又は複数の事項に関する考慮事項情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたって注意事項等を考慮することができる。
上記第3の実施の形態の変形例として発明B7の実施の形態を説明する。記憶装置42は、考慮事項情報テーブルを記憶する。考慮事項情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図21の要素情報412を登録するフィールドと、図21の考慮事項情報416を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図22のステップS152の処理と同様に第1要素を取得し、取得した第1要素に対応する1又は複数の考慮事項情報416を考慮事項情報テーブルから検索する。その後の処理は、図22のステップS172、S158、S160の処理と同様に行われる。
〔発明B8〕 設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素に関する第1要素情報を取得する要素情報取得手段と、
前記第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報を、前記第1要素に関する情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記要素情報取得手段で取得した第1要素情報に対応する前記リスク情報を検索する検索手段とを備える。
これにより、第1要素を変更する場合の1又は複数のリスクに関するリスク情報が得られるので、変更に人の判断を要する編集要素を変更するにあたってリスクを考慮することができる。
上記第4の実施の形態の変形例として発明B8の実施の形態を説明する。記憶装置42は、リスク情報テーブルを記憶する。リスク情報テーブルには、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、図27の要素情報418を登録するフィールドと、図27のリスク情報422を登録するフィールドとを含んで構成されている。そして、図28のステップS152の処理と同様に第1要素を取得し、取得した第1要素に対応する1又は複数のリスク情報422をリスク情報テーブルから検索する。その後の処理は、図28のステップS178、S158、S160の処理と同様に行われる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデルを用いた推定処理、大規模言語モデルからの取得処理及びテーブルを用いた検索処理のいずれかを備える構成を採用したが、これに限らず、これら処理のうち複数を備える構成を採用することができる。この場合、どの処理を優先に行うかを制御することができる。例えば、(1)複数の処理のうち現在の負荷が低いものを優先に行う構成、(2)複数の処理のうち処理結果が設計者により採用された採用度合い(採用の回数、割合その他の度合いをいう。)が高いものを優先に行う構成、(3)複数の処理のうち設計者の利用度合い(利用の回数、割合その他の度合いをいう。)が高いものを優先に行う構成を採用することができる。
また、上記第1の実施の形態及びその変形例においては、第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法を推定したが、これに限らず、第1要素を変更する1又は複数の候補に関する候補情報に基づいて学習を行い、取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の候補を推定することができる。例えば、次の構成を採用することができる。
第1の構成は、第1要素の寸法以外の属性として、重量、材質、単価その他の仕様に関する候補を推定することができる。
第2の構成は、第1の要素を変更した場合の変更前後の第1要素に関する要素情報及び第2要素に関する要素情報402に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、取得した第1要素及び第2要素から1又は複数の候補(変更後の第1要素)を推定する。ここで、変更後の第1要素に関する情報が候補情報に対応する。図2の例では、第1、2行目の寸法情報404「650」に代えて、変更後の第1要素「幅が650の左クローゼット」「幅が650の中央クローゼット」を登録する。なお、第2の構成は、第1要素に関する要素情報400及び第1要素を変更する場合の1又は複数の変更後寸法に関する寸法情報404に基づいて学習を行った学習済みモデルを採用する上記変形例にも同様に適用することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、編集履歴データとして図2のデータ構造を採用したが、これに限らず、第1要素及び第2要素に関する他の属性(例えば、ID、仕様、図面中の座標、建築物中の位置)に関する情報を含めることができる。上記第2の実施の形態における影響データ、上記第3の実施の形態における考慮事項データ及び上記第4の実施の形態におけるリスクデータについても同様である。
また、上記第2~第4の実施の形態及びその変形例においては、第1要素を変更する場合の変更後寸法を推定及び表示したが、これに限らず、第1要素を変更する場合の変更後寸法を推定及び表示しない構成を採用することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、ステップS156で第1要素の変更候補を表示したが、これに限らず、推定した変更候補が1つしかない場合は、変更候補を表示せず、ステップS152で取得した第1要素の寸法を、ステップS154で推定した変更後寸法に変更する構成を採用することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、ステップS152で取得した第1要素の寸法を、ステップS158で選択された変更後寸法に変更したが、これに限らず、第1要素を変更しない構成を採用することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、設計情報中の編集可能な編集要素であってその変更に人の判断を要する第1要素について、変更後寸法、影響、考慮事項又はリスクを推定等したが、これに限らず、変更に人の判断を要する編集要素以外の編集要素(変更に人の判断を要しない編集要素を含む。)、仮想の要素その他の要素について、変更後寸法、影響、考慮事項又はリスクを推定等することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、ステップS150、S152で第1要素及び第2要素を取得したが、これに限らず、(1)設計者の音声を入力、解析して第1要素又は第2要素を取得する構成、(2)建築図面を入力、解析して第1要素又は第2要素を取得する構成を採用することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、単一の装置として実現したが、これに限らず、ネットワークシステムとして実現することもできる。ネットワークシステムの例として、図面作成支援装置100の機能の一部又は全部を、クラウドコンピューティングサービスを提供するサーバ上の仮想サーバとして構成することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例において、図面作成支援装置100は、記憶装置42を利用するように構成したが、これに限らず、データベースサーバ等の外部の記憶装置を利用するように構成することもできる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例において、図4、図6、図16、図22及び図28のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32に予め格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例は相互に適用することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例に限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。例えば、自動車設計、機械設計、回路設計など広く設計を行う場合について本発明を適用することができる。