JP7438871B2 - 近接検知装置、近接検知方法、及びプログラム - Google Patents

近接検知装置、近接検知方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、近接検知装置、近接検知方法、及びプログラムに関する。
例えば、自動車等の車両に搭載されるタッチパネルディスプレイ等への人の手の近接を、赤外線等の光を利用して検知する近接検知装置がある。
また、非検出体の位置をタッチパネルによって検出し、赤外線センサユニットで検出した近接信号の強度と、被検出体の位置に応じた基準信号強度とを比較して、近接センサの検出閾値を補正する近接検知装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-9414号公報
特許文献1に開示された技術によれば、被検出体の色、大きさ等の種々の要因に起因して被検出体を検出する近接センサの受信強度が変動しても、被検出体(検知対象)を確実に検出することができるとされている。
しかし、近接信号の強度は、タッチ時の手の形状によっても変化するため、例えば、特許文献1に示されるように、タッチパネルで検出した検知対象の位置に基づいて補正を行う方法では厳密な補正を行うことは困難である。
例えば、検知対象が、素手とは光の反射率が大きく異なる手袋を装着した手である場合には、特許文献1に示されるような従来の技術で補正を行うことにより、大きな誤検知を抑制する効果が十分に認められる。一方、検知対象が、手袋を装着していない素手である場合には、従来の技術をそのまま適用してしまうと、利用者の手の形等により意図しない補正が行われ、逆にユーザビリティが低下してしまうという問題がある。
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、発光素子が発光する光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置において、検知対象の光の反射率の違いによる誤検知を低減しつつ、ユーザビリティの低下を抑制する。
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る近接検知装置は、発光素子が発光する光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置であって、タッチパネルにタッチした前記検知対象のタッチ位置を取得するタッチ位置取得部と、前記タッチが素手で行われたか否かを判定する判定部と、前記検知対象が前記タッチパネルにタッチしたときに、前記光の反射光量を測定する反射光量測定部と、前記タッチ位置取得部が取得した前記タッチ位置に対応する前記反射光量の基準値と、前記反射光量測定部が測定した反射光量とを用いて、前記検知対象の前記光の反射率を推定する反射率推定部と、前記反射率推定部が推定した前記検知対象の前記光の反射率に基づいて、前記検知対象の近接を検知する近接検知部と、を有し、前記近接検知部は、前記タッチが素手で行われた場合、予め定められた前記光の反射率に基づいて前記検知対象の近接を検知する。
本発明の一実施形態によれば、発光素子が発光する光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置において、検知対象の光の反射率の違いによる誤検知を低減しつつ、ユーザビリティの低下を抑制することができる。
一実施形態に係る近接検知装置の構成例を示す図である。 一実施形態に係る発光素子、及び受光素子の動作タイミングの例を示す図である。 利用者が手袋を装着した場合の検知距離の変化について説明するための図である。 一実施形態に係る近接検知装置のハードウェア構成の例を示す図である。 第1の実施形態に係る近接検知装置の機能構成の例を示す図である。 第1の実施形態に係る対応テーブルについて説明するための図である。 第1の実施形態に係る近接検知装置の処理の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る近接検知装置の処理の別の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る近接検知装置の処理の例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る近接検知装置の機能構成の例を示す図である。 第3の実施形態に係る近接検知装置の処理の例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る積算処理の例を示す図である。 第4の実施形態に係る近接検知装置の処理の例を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る積算処理の例を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
<近接検知装置の構成例>
図1は、一実施形態に係る近接検知装置の構成例を示す図である。近接検知装置100は、例えば、自動車等の車両に搭載されるタッチパネル110等への人の手101等の近接を、赤外線等の光を利用して検知する装置である。なお、タッチパネル110は、ディスプレイと一体化したタッチパネルディスプレイであっても良いし、ディスプレイの前面に設けられた、単体のタッチパネルであっても良い。
また、近接検知装置100は、車両以外の様々な機器に搭載されるタッチパネル等へ近接を検知するものであっても良いし、赤外線以外の光を利用して検知対象の近接を検知するものであっても良い。ここでは、一例として、近接検知装置100が、車両に搭載されるタッチパネル110等への人の手101等の検知対象の近接を、赤外線の光を利用して検知するものとして以下の説明を行う。
近接検知装置100は、コンピュータの構成を有しており、例えば、図1に示すように、タッチパネル110の周辺に設けられた、1つ以上の発光素子120a~120d、及び1つ以上の受光素子130a、130bを有する。なお、以下の説明において、1つ以上の発光素子120a~120dのうち、任意の発光素子を示す場合、「発光素子120」を用いる。また、1つ以上の受光素子130a、130bのうち、任意の受光素子を示す場合、「受光素子130」を用いる。図1に示す発光素子120、及び受光素子130の数は一例であり、1つ以上の他の数であっても良い。
図1の例では、発光素子120a~120dは、タッチパネル110の前面に近赤外線(例えば波長950nm)の光を照射している。また、受光素子130a、130bは、発光素子120a~120dが照射した光が、例えば、人の手101等の検知対象に反射した反射光102を受光する。
上記の構成により、近接検知装置100は、例えば、受光素子130が受光した反射光102の光量(以下、反射光量と呼ぶ)が、検知対象の近接を検知する閾値に達したときに、検知対象がタッチパネル110に近接したと判断することができる。
図2は、一実施形態に係る発光素子、及び受光素子の動作タイミングの例を示す図である。図2の例では、近接検知装置100は、発光素子120a~120dを順次に発光させて、発光素子120a、120bが発光しているときには、受光素子130aで受光し、発光素子120c、120dが発光しているときには、受光素子130bで受光している。また、近接検知装置100は、例えば、発光素子120a~120dの各々に対応する受光素子130a、130bが受光した光量のうち、最も光量が多いものを反射光量の測定結果とする。ただし、これに限られず、近接検知装置100は、受光素子130a、130bが受光した光量に、例えば、平均、加算、又は重み付け加算等の演算を行って、反射光量の測定結果としても良い。
好ましくは、発光素子120が発光する光は、近赤外線(例えば波長950nm)の光を含み、近接検知装置100は、受光素子130を用いて、この近赤外線の反射光量を測定する。このような近赤外線の光に対する人の肌の反射率は、人種を問わずにほぼ50%程度となることから、利用者によらずに安定して人の手101等の検知対象を検知することができる。
図3は、利用者が手袋を装着した場合の検知距離の変化について説明するための図である。寒冷地では、運転時に運転者が防寒用の手袋(グローブ)を装着する場合も少なくない。また、例えば、不特定多数の利用者が利用する車両では、利用者が、感染防止用、汚染防止用等の手袋を装着する場合がある。
手袋の近赤外線の反射率は、主に素材によって異なり、一般的に利用される手袋について、近赤外線の反射率は、例えば、図3(A)に示すように、50%から大きく異なるものがある。
光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置100では、検知対象までの距離が短ければ受光素子130が受光する反射光量が大きくなり、距離が長ければ受光素子130が受光する反射光量が小さくなる。これにより、近接検知装置100は、例えば、受光素子130が受光する反射光量が、検知対象の近接を検知する閾値に達したときに、検知対象が所定の距離以内にあると判定することができる。
ここで、検知対象の近接を検知する閾値は、例えば、図3(B)に示すように、手袋を装着していない、近赤外線の光の反射率が約50%の手301が、検知対象を検知する距離d1にあるときの反射光102の光量に基づいて決定することができる。
しかし、この場合、例えば、図3(C)に示すように、検知対象が、反射率が50%より大きい手袋を装着した手302である場合、検知対象が検知される距離d2は、検知対象を検知する距離d1より長くなってしまう。また、例えば、図3(D)に示すように、検知対象が、反射率が50%より小さい手袋を装着した手303である場合、検知対象が検知される距離d3は、検知対象を検知する距離d1より短くなってしまう。このように、光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置100では、利用者が手袋を装着したときに、検知結果に大きなばらつきを生じるという問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献1に開示された技術では、検知対象の位置をタッチパネルによって検出し、赤外線センサユニットで検出した近接信号の強度と、検知対象の位置に応じた基準信号強度とを比較して近接センサの閾値を補正している。これにより、利用者が手袋を装着したときに生じるばらつきが抑制される。
しかし、近接信号の強度(反射光量)は、利用者がタッチパネル110にタッチするときの手の形状によっても変化するため、この方法では、厳密な補正を行うことは困難である。
例えば、検知対象が、素手とは光の反射率が大きく異なる手袋をはめた手である場合には、特許文献1に示されるような従来の技術で補正を行うことにより、大きな誤検知を抑制する効果が十分に認められる。一方、検知対象が、手袋を装着していない素手である場合には、特許文献1に示されるような従来の技術をそのまま適用してしまうと、利用者の手の形等によって意図しない補正が行われ、逆にユーザビリティが低下してしまうという問題がある。
そこで、本実施形態に係る近接検知装置100は、タッチパネル110に対するタッチが、手袋等を装着していない素手で行われたか、手袋を装着した手で行われたかを判定する機能を有している。
また、近接検知装置100は、タッチが手袋を装着した手で行われた場合、検知対象のタッチ位置を取得するとともに、反射光量を測定し、タッチ位置に対応する反射光量の基準値と、測定した反射光量の基準値とを用いて、検知対象の光の反射率を推定する。さらに、近接検知装置100は、推定した光の推定率に基づいて、例えば、検知対象の近接を検知する閾値を補正する。これにより、近接検知装置100は、例えば、図3(B)、(C)に示すように、利用者が、反射率が異なる手袋を装着した場合でも、推定した反射率に基づいて検知対象の近接を検知するので、検知結果のばらつきを抑制することができる。
一方、タッチが素手で行われた場合、近接検知装置100は、例えば、図3(B)に示すように、既定の反射率(例えば50%)に基づいて、予め定められた標準閾値を用いて、検知対象の近接を検知する。これにより、近接検知装置100は、例えば、利用者の手の形等により意図しない補正が行われ、ユーザビリティが低下してしまうことを抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、発光素子120が発光する光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置100において、検知対象の光の反射率の違いによる誤検知を低減しつつ、ユーザビリティの低下を抑制することができる。
<ハードウェア構成>
続いて、近接検知装置100のハードウェア構成について説明する。
図4は、一実施形態に係る近接検知装置のハードウェア構成の例を示す図である。近接検知装置100は、例えば、図1で説明したように、タッチパネル110、1つ以上の発光素子120、及び1つ以上の受光素子130を有している。また、近接検知装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)401、メモリ402、ストレージデバイス403、通信I/F(Interface)404、発光素子I/F405、受光素子I/F406、タッチパネルI/F407、ディスプレイI/F408、及びバス411等を有している。
CPU401は、例えば、ストレージデバイス403、メモリ402等に記憶した所定のプログラムを実行することにより、近接検知装置100の各機能を実行する演算装置(プロセッサ)である。メモリ402には、例えば、CPU401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)や、CPU401の起動用のプログラム等を記憶する不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等が含まれる。ストレージデバイス403は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種のデータ等を記憶する大容量の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等によって実現される。
通信I/F404は、外部装置と通信するためのインタフェースであり、例えば、近接検知装置100を車載ネットワーク、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続するための通信インタフェースである。
発光素子I/F405は、CPU401からの制御に従って、近赤外線LED等の1つ以上の発光素子120を所定の光量で発光させる回路であり、例えば、近赤外線LEDを駆動する駆動用のIC(Integrated Circuit)等によって実現される。発光素子120は、発光素子I/F405によって駆動され、例えば、近赤外線等の光を発光する近赤外線LED等によって実現される。
受光素子I/F406は、受光素子130が受光した光の光量を測定し、CPU401からの要求に応じて測定した光量を通知する回路であり、例えば、受光素子130を制御する制御用のIC等によって実現される。受光素子130は、受光した光の光量に応じた電気信号(例えば電流等)を出力するフォトダイオード、フォトトランジスタ等によって実現される。なお、発光素子120、及び受光素子130は、発光素子120と受光素子130を組み合わせたフォトセンサ等であっても良い。
タッチパネルI/F407は、タッチパネル110にタッチした検知対象のタッチ位置(例えば座標情報)を取得する回路であり、例えば、タッチパネルコントローラ等のICによって実現される。
好ましくは、タッチパネルI/F407は、タッチパネル110に対するタッチが、素手で行われたタッチであるか、手袋を装着して行われたタッチであるかを判定する判定機能を有している。手袋を装着した行われたタッチ(以下、「手袋によるタッチ」と呼ぶ)は、例えば、素手によるタッチよりもレベルの低いタッチが所定の時間以上継続することや、その際のタッチ面積が所定の面積以上であること等により判定することができる。
タッチパネル110は、例えば、タッチパネル110に指等でタッチしたときの微少な静電容量の変化を検出する静電容量式のタッチパネルである。ただし、タッチパネル110は、静電容量式とは異なる方式のタッチパネルであっても良い。
ディスプレイI/F408は、例えば、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等のディスプレイ409に表示画面を表示させる回路であり、例えば、ディスプレイコントローラ等のICによって実現される。
ディスプレイ409は、ディスプレイI/F408の制御に従って、表示画面を表示する、例えば、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等の表示デバイスである。なお、タッチパネル110、及びディスプレイ409は、一体化されたタッチパネルディスプレイ410であっても良い。
バス411は、CPU401、メモリ402、ストレージデバイス403、及び各I/Fに共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
<機能構成>
図5は、第1の実施形態に係る近接検知装置の機能構成の例を示す図である。近接検知装置100は、例えば、図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、タッチ位置取得部501、判定部502、反射光量測定部503、反射率推定部504、近接検知部505、及び記憶部506等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
タッチ位置取得部501は、例えば、図4のタッチパネルI/F407を用いて、タッチパネル110にタッチした検知対象のタッチ位置を取得するタッチ位置取得処理を実行する。例えば、タッチ位置取得部501は、図6(A)に示すように、検知対象601がタッチパネル110にタッチしたときに、タッチパネルI/F407から出力されるタッチ位置の座標(x, y)を取得する。
判定部502は、タッチパネル110に対するタッチが素手で行われたか否かを判定する。例えば、判定部502は、図4のタッチパネル(タッチパネルコントローラ)I/F407が備える判定機能を利用して、タッチパネル110にタッチした検知対象601が、素手であるか、手袋を装着した手であるかを判定する。
別の一例として、判定部502は、検知対象601がタッチパネル110にタッチしたときに、反射光量測定部503が測定した反射光量と、予め設定された反射光量の基準値との差に基づいて、検知対象601が素手であるか否かを判定しても良い。
反射光量測定部503は、検知対象がタッチパネル110にタッチしたときに、例えば、図4の受光素子130を用いて、光の反射光量を測定する反射光量測定処理を実行する。例えば、反射光量測定部503は、図6(A)に示すように、検知対象601がタッチパネル110にタッチしたときに、受光素子130が受光した光602の光量(反射光量)を測定する。
ここでは、説明を容易にするため、例えば、図6(A)に示すように、発光素子120の数、及び受光素子130の数が1つであるものとして、以下の説明を行う。なお、図1に示すように、複数の発光素子120、及び受光素子130がある場合、反射光量測定部503は、複数の受光素子130a、130bで反射光量を測定し、測定した複数の反射光量の各々を測定値としても良い。
反射率推定部504は、タッチ位置取得部501が取得したタッチ位置に対応する反射光量の基準値と、反射光量測定部503が測定した反射光量を用いて、検知対象の光の反射率を推定する反射率推定処理を実行する。
例えば、近接検知装置100は、図6(B)に示すように、タッチパネル110上の1つ以上のタッチ位置と、各タッチ位置に対応する反射光量の基準値との対応関係を示す対応テーブル507を、記憶部506等に予め記憶しておく。ここで、反射光量の基準値は、例えば、図6(A)に示すように、「タッチ位置」に、反射率50%程度の検知対象601がタッチしたときの反射光量を示す値であり、予め実験、又はキャリブレーション処理等により設定されているものとする。なお、対応テーブル507は、タッチパネル110上の複数の領域と、各領域に対応する反射光量の基準値との対応関係を予め記憶したものであっても良い。
これにより、反射率推定部504は、タッチ位置取得部501が取得したタッチ位置に対応する反射光量の基準値を、対応テーブル507から取得することができる。また、反射率推定部504は、タッチ位置取得部501が取得したタッチ位置に対応する反射光量の基準値Sと、反射光量測定部503が測定した反射光量Aを、例えば、次の式(1)に代入して、検知対象601の光の反射率R(%)を算出(推定)する。
R=50×A/S ・・・(1)
式(1)により、例えば、対応テーブル507から取得した反射光量の基準値Sが500、測定した反射光量Aが400である場合、検知対象601の光の反射率R(%)は、
R=50%(標準対象物の反射率)×400/500=40%
と算出(推定)することができる。
近接検知部505は、反射率推定部504が推定した検知対象601の光の反射率に基づいて、検知対象601の近接を検知する。
例えば、近接検知部505は、反射率推定部504が推定した検知対象601の光の反射率Rを、次の式(2)に代入して、検知対象601の近接を検知するための閾値T'を算出する。
T'=T×(1+k(R-50)/50) ・・・(2)
ここで、標準閾値Tは、検知対象601が素手(又は標準対象物)である場合に用いられる、検知対象601の近接を検知するための閾値である。また、補正度kは、0≦k≦1の範囲内で、例えば、良好な結果が得られるように設定可能な値である。
例えば、標準閾値がT=300であり、反射率推定部504が推定した検知対象601の光の反射率がR=90(%)である場合、補正度をk=1とすると、検知対象601の近接を検知するための閾値T'は、
T'=300×(1+1×(90-50)/50)=540
となる。
近接検知部505は、例えば、反射光量測定部503が所定の時間間隔で測定する反射光量Aが閾値T'に達したときに、検知対象601がタッチパネル110に近接したと判断する。
例えば、検知対象601と同じ位置に、光の反射率が50%の素手(又は標準対象物)がある場合、その反射光量は、
540×50/90=300
となることから、反射率90%の検知対象601に対して、反射率50%の標準対象物と同じ検知距離で、検知対象601の近接を検知することができる。
記憶部506は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラム、及びストレージデバイス403、メモリ402等によって実現され、対応テーブル507等の様々な情報、データ等を記憶する。
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る近接検知方法の処理の流れについて、複数の実施形態を例示して説明する。
[第1の実施形態]
図7は、第1の実施形態に係る近接検知装置の処理の一例を示すフローチャートである。近接検知装置100は、例えば、図7(A)に示す閾値T'の補正処理と、図7(B)に示す近接検知処理とを並行して、繰り返し実行する。
(閾値T'の補正処理)
図7(A)のステップS701において、近接検知装置100のタッチ位置取得部501が、タッチパネル110へのタッチを検知すると、ステップS702以降の処理が実行される。
ステップS702において、タッチ位置取得部501は、検知対象601がタッチしたタッチ位置(x, y)を、タッチパネルI/F407から取得する。
ステップS703において、近接検知装置100の反射率推定部504は、例えば、図6(B)に示すような対応テーブル507から、取得したタッチ位置(x, y)に対応する反射光量の基準値Sを取得する。
ステップS704において、反射率推定部504は、反射光量測定部503を用いて、検知対象601がタッチパネル110にタッチしたときの反射光量Aを測定する。なお、この処理は、ステップS703の処理の前に実行しても良い。
ステップS705において、反射率推定部504は、判定部502を用いて、ステップS703で取得した反射光量の基準値Sと、ステップS704で測定した反射光量Aとの差が所定値以上であるか否かを判断する。ここで、所定値は、例えば、タッチパネル110に素手でタッチした場合に、反射光量の基準値S(例えば、素手の反射光量)と測定した反射光量Aとの差が所定値未満となるように、予め設定されているものとする。
なお、この処理は、タッチパネル110へのタッチが素手で行われたか否かを判定する判定処理の一例である。この処理により、判定部502は、例えば、反射光量の基準値Sと、測定した反射光量Aとの差が所定値未満である場合、検知対象601が素手である(或いは、検知対象601の光の反射率が素手と同等である)と判定することができる。一方、反射光量の基準値Sと、測定した反射光量Aとの差が所定値以上である場合、判定部502は、検知対象601が素手ではない(例えば、検知対象601が、素手と光の反射率が異なる手袋を装着した手等である)と判定することができる。
反射光量の基準値Sと、測定した反射光量Aとの差が所定値以上である場合、反射率推定部504は、処理をステップS706に移行させる。一方、反射光量の基準値Sと、測定した反射光量Aとの差が所定値未満である場合、反射率推定部504は、処理をステップS708に移行させる。
ステップS706に移行すると、近接検知装置100の反射率推定部504は、反射光量の基準値Sと、測定した反射光量Aと用いて、検知対象601の反射率を推定する。例えば、反射率推定部504は、前述した式(1)に、反射光量の基準値Sと、測定した反射光量Aを代入して、検知対象601の光の反射率R(%)を算出する。
ステップS707において、近接検知装置100の近接検知部505は、反射率推定部504が推定した検知対象601の反射率Rを用いて、検知対象601の近接を検知する閾値T'を補正する。例えば、近接検知部505は、反射率推定部504が推定した検知対象601の反射率Rを、前述した式(2)に代入して、検知対象601の近接を検知する閾値T'を算出する。
一方、ステップS705からステップS708に移行すると、近接検知部505は、予め定められた標準閾値Tを、検知対象601の近接を検知する閾値T'とする。
上記の処理により、近接検知装置100は、タッチパネル110に対するタッチが、例えば、素手とは反射率が異なる手袋を装着した手である場合、検知対象601の光の反射率に基づいて、検知対象601の近接を検知する閾値T'を補正する。
一方、近接検知装置100は、タッチパネル110に対するタッチが素手で行われた場合、補正を行わずに、素手の光の反射率に基づいて予め設定された標準閾値Tを、検知対象601の近接を検知する閾値T'とする。
(近接検知処理)
近接検知装置100は、図7(B)に示す処理を、例えば、所定の時間間隔で繰り返し実行する。
ステップS711において、近接検知装置100の反射光量測定部503は、図4の受光素子I/F406を用いて、受光素子130が受光した反射光量Aを取得する。
ステップS712において、近接検知装置100の近接検知部505は、反射光量測定部503が測定した反射光量Aが、図7(A)の処理で設定された閾値T'以上であるか否かを判断する。
反射光量測定部503が測定した反射光量Aが、閾値T'以上である場合、近接検知部505は、ステップS713において、検知対象601が近接したと判断し、検知対象601が近接したことを示す近接信号、又は近接情報を出力する。一方、反射光量測定部503が測定した反射光量Aが、閾値T'以上である場合、近接検知部505は、処理を終了する。
上記の図7(A)、(B)の処理により、近接検知装置100は、タッチパネル110へのタッチが、素手と光の反射率が異なる手袋を装着した手で行われた場合、検知対象601の光の反射率Rに基づく閾値T'を用いて、検知対象601の近接を検知する。
一方、近接検知装置100は、利用者が、素手でタッチパネル110にタッチした場合、予め定められた光の反射率(例えば素手の反射率)に基づく標準閾値Tを用いて、検知対象601の近接を検知する。
これにより、本実施形態によれば、発光素子120が発光する光を利用して検知対象601の近接を検知する近接検知装置100において、検知対象601の光の反射率の違いによる誤検知を低減しつつ、ユーザビリティの低下を抑制することができる。
なお、図7に示した近接検知装置100の処理は一例であり、様々な変形や応用が可能である。例えば、上記の説明では、一対の発光素子120と受光素子130で測定される反射光についてのみ説明したが、近接検知装置100は、複数の発光素子120と受光素子による測定結果を重みづけて平均化すること等により、反射率の推定精度を向上させても良い。
また、図7(A)に示す処理では、検知対象601の近接を検知する閾値T'を補正しているが、近接検知装置100は、例えば、図8に示すように、閾値T'に代えて、反射光量測定部503が測定した反射光量Aを補正しても良い。
(反射光量Aの補正処理)
図8は、第1の実施形態に係る近接検知装置の処理の別の一例を示すフローチャートである。第1の実施形態に係る近接検知装置100は、図7(A)に示す閾値T'の補正処理に代えて、図8に示す反射光量Aの補正処理を実行しても良い。なお、図8に示す処理のうち、ステップS701~S706の処理は、図7(A)で説明した処理と同様なので、ここでは、図7(A)で説明した処理との相違点を中心に説明を行う。
ステップS801において、近接検知装置100の近接検知部505は、反射率推定部504が推定した検知対象601の反射率Rを用いて、反射光量測定部503が測定する反射光量Aを補正する。例えば、近接検知部505は、反射率推定部504が推定した検知対象601の反射率Rを用いて、反射光量測定部503が測定する反射光量Aが、検知対象601が素手である場合と同等となるように補正する補正値を算出する。また、近接検知部505は、算出した補正値を、反射光量測定部503に設定する。
一方、ステップS705からステップS802に移行すると、近接検知部505は、反射光量測定部503が測定する反射光量Aの補正を中止する。例えば、近接検知部505は、反射光量測定部503に設定されている補正値を初期化する。
近接検知装置100は、例えば、図8の処理と、図7(B)の処理を並行して、繰り返し実行する。これにより、近接検知部505は、タッチパネル110へのタッチが、素手と光の反射率が異なる手袋を装着した手で行われた場合、検知対象601の光の反射率に基づいて、反射光量測定部503が測定する反射光量Aを補正することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、近接検知装置100の判定部502が、タッチパネルI/F407を利用して、タッチパネル110に対するタッチが、手袋を装着して行われたタッチであるか、素手で行われたタッチであるかを判定する場合の例について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る近接検知装置の処理の例を示すフローチャートである。近接検知装置100は、例えば、図9(A)、(B)に示すような閾値T'の補正処理と、図7(B)に示すような近接検知処理とを並行して、繰り返し実行する。
(閾値T'の補正処理1)
図9(A)は、第2の実施形態に係る閾値T'の補正処理の一例を示している。なお、図9(A)に示す処理のうち、ステップS701~S708の処理は、図7(A)で説明した処理と同様なので、ここでは、図7(A)の処理との相違点を中心に説明を行う。
ステップS701において、近接検知装置100のタッチ位置取得部501が、タッチパネルへのタッチを検知すると、ステップS901の処理が実行される。
ステップS901において、近接検知装置100の判定部502は、タッチパネルI/F407を利用して、タッチパネル110へのタッチが、手袋によるタッチ(手袋を装着した手によるタッチ)であるか、素手によるタッチであるかを判定する。
例えば、タッチパネルI/F(タッチパネルコントローラ)407は、タッチパネル110に対するタッチが、手袋によるタッチであるか、素手によるタッチであるかを判定する判定機能を有しているものとする。手袋によるタッチは、例えば、素手によるタッチよりも静電容量値が比較的低いタッチが所定の時間以上継続することや、その際のタッチ面積が所定の面積以上であること等により判定することができる。判定部502は、この判定機能を利用して、タッチパネル110に対するタッチが、手袋によるタッチであるか、素手によるタッチであるかを判定する。
別の一例として、判定部502は、タッチパネルI/F407から、タッチによる静電容量値、継続時間、タッチ面積等のデータを取得して、タッチパネル110に対するタッチが、手袋によるタッチであるか、素手によるタッチであるかを判定しても良い。
タッチパネル110へのタッチが、手袋によるタッチである場合、近接検知装置100は、ステップS702以降の処理を実行する。一方、タッチパネル110へのタッチが、手袋によるタッチではない場合、近接検知装置100は、ステップS708の処理を実行する。
上記の図9(A)の処理と、図7(B)の処理により、近接検知装置100は、タッチパネル110へのタッチが、手袋によるタッチである場合、検知対象601の光の反射率に基づく閾値T'を用いて、検知対象601の近接を検知する。
一方、近接検知装置100は、タッチパネル110へのタッチが、素手によるタッチである場合、予め定められた光の反射率(例えば素手の反射率)に基づく標準閾値Tを用いて、検知対象601の近接を検知する。
従って、第2の実施形態においても、発光素子120が発光する光を利用して検知対象601の近接を検知する近接検知装置100において、検知対象601の光の反射率の違いによる誤検知を低減しつつ、ユーザビリティの低下を抑制することができる。
なお、図9(A)に示す処理は一例であり、様々な変形や応用が可能である。
(閾値T'の補正処理2)
図9(B)は、第2の実施形態に係る閾値T'の補正処理の別の一例を示している。なお、基本的な処理内容は、図9(A)の処理と同様なので、ここでは、図9(A)の処理との相違点を中心に説明を行う。
ステップS911において、近接検知装置100の判定部502は、タッチパネルI/F407を利用して、タッチパネル110へのタッチが、素手によるタッチであるか否かを判定する。
タッチパネル110へのタッチが素手によるタッチでない場合、近接検知装置100は、ステップS702以降の処理を実行する。一方、タッチパネル110へのタッチが素手によるタッチである場合、近接検知装置100は、ステップ708の処理を実行する。
このように、判定部502は、タッチパネル110へのタッチが、素手によるタッチであるか否かの判断のみを行い、手袋によるタッチであるか否かの判断を省略しても良い。同様に、判定部502は、タッチパネル110へのタッチが、手袋によるタッチであるか否かの判断のみを行い、素手によるタッチであるか否かの判断を省略しても良い。
また、第2の実施形態に係る近接検知装置100は、図9(B)に示すように、図9(A)のステップS705の処理を省略しても良い。
[第3の実施形態]
<機能構成>
図10は、第3の実施形態に係る近接検知装置の機能構成の例を示す図である。第3の実施形態に係る近接検知装置100は、図5で説明した第1の実施形態に係る近接検知装置100の機能構成に加えて、積算部1001を有している。
積算部1001は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラムによって実現され、反射率推定部504が推定した検知対象601の反射率Rの積算処理を実行する。
また、近接検知部505は、積算部1001が積算した反射率の積算値R'に基づいて、検知対象601の近接を検知する。
好ましくは、積算部1001は、反射率推定部504が推定した反射率Rの値と、反射率の積算値R'との差が大きい場合(所定値以上である場合)、反射率の積算値R'を破棄して、新たに積算を再開する。これにより、例えば、検知対象601が素手から手袋に変わったときや、手袋から素手に変わったとき等に、反射率の積算値R'を初期化することができる。
なお、第3の実施形態に係る近接検知装置100の他の機能構成については、第1の実施形態と同様で良い。
<処理の流れ>
図11は、第3の実施形態に係る近接検知装置の処理の例を示すフローチャートである。近接検知装置100は、例えば、図11に示す閾値T'の補正処理と、図7(B)に示す近接検知処理とを並行して、繰り返し実行する。
(閾値T'の補正処理)
図11は、第3の実施形態に係る近接検知装置100が実行する閾値T'の補正処理の一例を示している。なお、基本的な処理内容は、図9(A)で説明した、第2の実施形態に係る閾値T'の補正処理と同様なので、ここでは、図9(A)の処理との相違点であるステップS1101、S1102の処理について説明する。
図11のステップS706において、反射率推定部504が、検知対象601の反射率Rを推定した後に、近接検知装置100は、ステップS1101、S1102の処理を実行する。
ステップS1101において、近接検知装置100の積算部1001は、反射率推定部504が推定した反射率Rの積算処理を実行し、反射率の積算値R'を算出する。なお、反射率推定部504が推定した反射率Rの積算処理の具体的な処理の例については、図12で後述する。
ステップS1102において、近接検知装置100の近接検知部505は、積算部1001が積算した反射率の積算値R'を用いて、検知対象601の近接を検知する閾値T'を補正する。
例えば、近接検知部505は、積算部1001が積算した反射率の積算値R'を、次の式(3)に代入して、検知対象601の近接を検知するための閾値T'を算出する。
T'=T×(1+k(R'-50)/50) ・・・(3)
なお、式(3)は、式(3)の反射率Rを、反射率の積算値R'に置き換えたものである。
上記の処理により、第3の実施形態に係る近接検知装置100は、反射率推定部504が推定した検知対象601の反射率Rの積算値R'に基づいて、検知対象601の近接を検知することができる。これにより、近接検知装置100は、検知対象601を検知するための閾値T'の補正処理の安定度を向上させることができる。
(反射率Rの積算処理)
図12は、第3の実施形態に係る積算処理の例を示す図である。図12(A)は、例えば、図11のステップS1101で、積算部1001が実行する反射率Rの積算処理の例を示すフローチャートである。
ステップS1201において、近接検知装置100の積算部1001は、反射率推定部504が推定した反射率Rと、前回までの積算値R''より、積算係数a(0≦a≦1)を決定する。
ステップS1202において、積算部1001は、決定した積算係数aを用いて、反射率の積算値R'を算出する。例えば、積算部1001は、次の式(4)を用いて、反射率の積算値R'を算出する。
R'=a×R+(1-a)×R'' ・・・(4)
好ましくは、積算部1001は、例えば、図12(B)に示すように、反射率Rと、前回の積算値R''の差の大きさに応じて積算係数aを決定し、反射率Rと、前回までの積算値R''の差が大きいときには、積算係数aを1とする。これにより、反射率Rと、前回までの積算値R''との差が大きいときには、前回までの積算値R''を破棄して、反射率推定部504が推定した反射率Rを、R'とすることができる。従って、近接検知装置100は、例えば、検知対象601が、「素手」から「手袋」に変わったとき、「手袋」から「素手」に変わったとき等に、前回までの積算値R''をリセットし、新たな積算を開始することができる。
ステップS1203において、積算部1001は、算出した反射率の積算値R'を、近接検知部505に通知する。これにより、近接検知部505は、例えば、図11のステップS1102において、反射率の積算値R'を用いて、検知対象601の近接を検知する閾値T'を補正することができるようになる。
ステップS1204において、積算部1001は、算出した積算値R'を、前回の積算値R''として保持する。例えば、積算部1001は、記憶部506の前回の積算値R''を記憶する記憶領域に、算出した積算値R'を記憶する。
以上、第3の実施形態に係る近接検知装置100は、反射率推定部504が推定した検知対象601の反射率を積算することにより、検知対象601を検知するための閾値T'の補正処理の安定度を向上させることができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、近接検知装置100が、前記のタッチが「手袋」であったか、「非手袋」であったかを示す状態情報を管理する場合の例について説明する。なお、第4の実施形態に係る近接検知装置100の機能構成は、第3の実施形態と同様で良い。
<処理の流れ>
図13は、第4の実施形態に係る近接検知装置の処理の例を示すフローチャートである。近接検知装置100は、例えば、図13に示すような閾値T'の補正処理と、図7(B)に示すような近接検知処理とを並行して、繰り返し実行する。
(閾値T'の補正処理)
図13は、第4の実施形態に係る近接検知装置100が実行する閾値T'の補正処理の一例を示している。なお、基本的な処理内容は、図11で説明した、第3の実施形態に係る閾値T'の補正処理と同様なので、ここでは、図11の処理との相違点であるステップS1301、S1302の処理について説明する。
近接検知装置100は、ステップS1102の処理を実行した場合、ステップS1301において、前回のタッチ状態を示す状態情報を「手袋」に設定する。例えば、近接検知装置100の積算部1001は、記憶部506の状態情報を記憶する記憶領域に、前回のタッチが「手袋」であったことを示す情報を記憶する。
一方、近接検知装置100は、ステップS708の処理を実行した場合、ステップS1302において、前回のタッチ状態を示す状態情報を「非手袋」に設定する。例えば、近接検知装置100の積算部1001は、記憶部506の状態情報を記憶する記憶領域に、前回のタッチが「非手袋」であったことを示す情報を記憶する。
上記の処理により、近接検知装置100は、前記のタッチが手袋によるタッチであったか否かを示す状態情報を管理することができる。
(反射率Rの積算処理)
図14は、第4の実施形態に係る積算処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図13のステップS1101で、積算部1001が実行する反射率Rの積算処理のフローチャートの一例を示している。なお、基本的な処理内容は、図12で説明した、第3の実施形態に係る反射率Rの積算処理と同様なので、ここでは、図12の処理との相違点であるステップS1401、S1402の処理について説明する。
ステップS1401において、近接検知装置100の積算部1001は、例えば、記憶部506に記憶された状態情報を参照して、前回のタッチが「手袋」であるかどうかを判断する。
前回のタッチが「手袋」でない場合(状態情報が「非手袋」である場合)、積算部1001は、積算係数a=1に設定する。これにより、前述したように、前回までの積算値R''を破棄して、反射率推定部504が推定した反射率Rを、R'とすることができる。
一方、前回のタッチが「手袋」である場合(状態情報が「手袋」である場合)、積算部1001は、ステップS1402の処理を実行せず、処理をステップS1202に移行させる。
上記の処理により、近接検知装置100は、検知対象601が、手袋から、例えば、素手に変わった場合に、前回までの積算値R''を初期化することができる。
なお、近接検知装置100は、3つ以上の状態情報(例えば、「素手」、「手袋(反射率低)」、「手袋(反射率高)」を管理し、状態情報が変化したときに、前回までの積算値R''を初期化するもの等であっても良い。
以上、本発明の各実施形態によれば、発光素子120が発光する光を利用して検知対象601の近接を検知する近接検知装置100において、検知対象601の光の反射率の違いによる誤検知を低減しつつ、ユーザビリティの低下を抑制することができる。
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、様々な変形や変更が可能である。
例えば、上記の各実施形態において、「手袋」は、利用者の手(素手)と光の反射率が異なる検知対象の一例である。例えば、本発明の各実施形態は、利用者が手袋に代えて、包帯、絆創膏、指サック等を装着している場合や、利用者が、タッチパネル110に対応したタッチペン等を利用している場合等にも適用することができる。
100 近接検知装置
110 タッチパネル
120 発光素子
501 タッチ位置取得部
502 判定部
503 反射光量測定部
504 反射率推定部
505 近接検知部
1001 積算部

Claims (10)

  1. 発光素子が発光する光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置であって、
    タッチパネルにタッチした前記検知対象のタッチ位置を取得するタッチ位置取得部と、
    前記タッチが素手で行われたか否かを判定する判定部と、
    前記検知対象が前記タッチパネルにタッチしたときに、前記光の反射光量を測定する反射光量測定部と、
    前記タッチ位置取得部が取得した前記タッチ位置に対応する前記反射光量の基準値と、前記反射光量測定部が測定した反射光量とを用いて、前記検知対象の前記光の反射率を推定する反射率推定部と、
    前記反射率推定部が推定した前記検知対象の前記光の反射率に基づいて、前記検知対象の近接を検知する近接検知部と、
    を有し、
    前記近接検知部は、前記タッチが素手で行われた場合、予め定められた前記光の反射率に基づいて前記検知対象の近接を検知する、近接検知装置。
  2. 前記近接検知部は、前記反射率推定部が推定した前記光の反射率と、前記予め設定された前記光の反射率との差が所定値以上である場合、前記反射率推定部が推定した前記検知対象の前記光の反射率に基づいて前記検知対象の近接を検知する、請求項1に記載の近接検知装置。
  3. 前記判定部は、前記タッチが素手で行われたか、手袋を装着した手で行われたかを判定し、
    前記近接検知部は、前記タッチが手袋を装着した手で行われた場合、前記反射率推定部が推定した前記検知対象の前記光の反射率に基づいて前記検知対象の近接を検知する、請求項1又は2に記載の近接検知装置。
  4. 前記近接検知部は、前記反射率推定部が推定した前記光の反射率に応じて、前記検知対象の近接を検知する閾値を補正する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の近接検知装置。
  5. 前記近接検知部は、前記反射率推定部が推定した前記光の反射率に応じて、前記反射光量測定部が測定する前記光の反射光量を補正する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の近接検知装置。
  6. 前記近接検知部は、前記光の反射光量が、前記検知対象の近接を検知する閾値に達したときに、前記検知対象が近接したと判断する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の近接検知装置。
  7. 前記反射率推定部が推定した前記検知対象の前記光の反射率を積算する積算部を有し、
    前記近接検知部は、前記積算部が積算した前記光の反射率に基づいて、前記検知対象の近接を検知する、請求項1に記載の近接検知装置。
  8. 前記積算部は、前記タッチが素手で行われたか、手袋を装着した手で行われたかを示す状態情報を管理し、前記状態情報が変化したときに、積算値を初期化する、請求項7に記載の近接検知装置。
  9. 発光素子が発光する光を利用して検知対象の近接を検知する近接検知装置が、
    タッチパネルにタッチした前記検知対象のタッチ位置を取得するタッチ位置取得処理と、
    前記タッチが素手で行われたか否かを判定する判定処理と、
    前記検知対象が前記タッチパネルにタッチしたときに、前記光の反射光量を測定する反射光量測定処理と、
    前記タッチ位置取得処理で取得した前記タッチ位置に対応する前記反射光量の基準値と、前記反射光量測定処理で測定した前記光の反射光量とを用いて、前記検知対象の前記光の反射率を推定する反射率推定処理と、
    前記反射率推定処理で推定した前記検知対象の前記光の反射率に基づいて、前記検知対象の近接を検知する近接検知処理と、
    を実行し、
    前記近接検知処理は、前記タッチが素手で行われた場合、予め定められた前記光の反射率に基づいて前記検知対象の近接を検知する、近接検知方法。
  10. 請求項9に記載の近接検知方法を近接検知装置に実行させるプログラム。
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