JP7438679B2 - ボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法 - Google Patents

ボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7438679B2
JP7438679B2 JP2019127394A JP2019127394A JP7438679B2 JP 7438679 B2 JP7438679 B2 JP 7438679B2 JP 2019127394 A JP2019127394 A JP 2019127394A JP 2019127394 A JP2019127394 A JP 2019127394A JP 7438679 B2 JP7438679 B2 JP 7438679B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boiler
behavior
bank
early detection
abnormality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019127394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021011992A (ja
JP2021011992A5 (ja
Inventor
琢也 石賀
喜治 林
啓信 小林
孝雄 堤
真也 西塚
欣也 岡田
文彦 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2019127394A priority Critical patent/JP7438679B2/ja
Publication of JP2021011992A publication Critical patent/JP2021011992A/ja
Publication of JP2021011992A5 publication Critical patent/JP2021011992A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7438679B2 publication Critical patent/JP7438679B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Description

本発明は、高温の燃焼ガスと水又は水蒸気で熱交換を行うボイラのチューブリーク早期検知するシステム及びその方法に関する。
ボイラ内で燃料(石炭、石油、天然ガスなど)を燃焼させて高温の燃焼ガスを発生させると共に、この高温の燃焼ガスと水又は水蒸気とを熱交換させて高温・高圧の水蒸気を発生させ、ボイラで発生させた高温・高圧の水蒸気を蒸気タービンに供給し、蒸気タービンを回転させることによって生じた動力を用いて発電する発電プラントが、日本国内外を問わず幅広く用いられている。
上述したボイラの壁面やボイラ内には、高温の燃焼ガスと熱交換させるための伝熱管が多数設置されており、伝熱管入口から供給された水は、燃焼ガスからの対流伝熱と火炎からの放射熱を受けて沸騰し、高温・高圧の過熱蒸気となる。従って、伝熱管は過酷な条件に設置されていると言える。
このような発電プラントで、ひとたびチューブリーク(伝熱管の破損により、水・蒸気が漏れること)が発生すると、発電プラントを停止して発生箇所と要因を特定し、補修工事を実施する必要がある。発電プラントを停止した期間は、売電収入が途絶えるだけでなく工事費用が発生するため、プラント所有者にとって甚大な経済的損失となる。
また、管理者はボイラが安全安定に運転されていることを常時確認する必要があるが、故障検知が行われないことは安全安定な運転を行っていることを示すものであり、この様な高度な運転管理を行うことで、安定的な運転を継続することができる。
このようなことから、チューブリークを防ぐ予防保全対策に加え、万が一、チューブリークが発生した場合には、チューブリークに起因するプラントの異常を早期に検出するボイラチューブリーク早期検知システムが求められている。
以上のようなボイラチューブリーク早期検知システムに対する需要を受けて、例えば、特許文献1には、チューブリーク時に発生する振動や異音、給水量や補給水量の増加、水蒸気の流量や温度の変化、燃焼排ガス中のO濃度のボイラ左右偏差の変化、燃料流量の増大、ボイラ内の各ドラフトの変化、メタル温度の上昇及び煙突からの白煙発生といった現象を観察し、各現象に対して設けた境界値と比較することでボイラを停止するか否かを判断するボイラチューブリーク診断システムが記載されている。
また、特許文献2には、ボイラに供給する補給水の増加を検知した際に、給水系統の水蒸気又は水のリーク検出箇所(ボイラ外のブロー弁及びドレントラップの排出側など)に設置した温度センサ及びボイラ部のボイラチューブ(即ち、伝熱管)に設置したメタル温度センサの温度変化からチューブリークの発生を検出するリーク診断システムが記載されている。
即ち、特許文献2では、チューブリークの検出箇所に設置した温度センサ値が変化した箇所(即ち、ボイラ外)の周辺からのリークを検出できる一方で、チューブリークの検出箇所に設置した温度センサ値に変化が無い場合にはボイラ内へのリークと判断し、ボイラチューブに設置したメタル温度センサ値の変化からボイラ内へのチューブリークを診断することが記載されている。
特開2008-64412号公報 特開2008-144995号公報
しかしながら、特許文献1には、検出した特異な現象がチューブリークによるものか、プラント運用条件(例えば、スートブロワー噴射、ボイラ内圧力変化、発電出力など)や燃料性状などの変化によるものかを判別する診断方法や、リーク部位(リーク発生個所)を特定する診断方法については記載されていない。
また、特許文献2には、ボイラ外の給水系統中のブロー弁及びドレントラップ排出側の周辺とは異なる箇所、即ち、ボイラ外の他の箇所やボイラ内でチューブリークが発生した場合については、補給水流量の増加とボイラチューブに設置したメタル温度センサ値の変化からチューブリークと特定しているが、リーク部位(リーク発生個所)を特定する具体的な診断方法が記載されていない。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、チューブリークによって生じた特異な変化を早期に検出し、チューブリークの発生個所を特定することが可能なボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法を提供することにある。
本発明のボイラチューブリーク早期検知システムは、上記目的を達成するために、燃焼ガスと水又は水蒸気との間で熱交換を行うボイラにおけるチューブリークによる異常を検知するシステムであって、
前記システムは、発電プラントの発電出力及び/又は前記ボイラへの燃料流量及び/又は前記ボイラへの空気流量及び/又は前記ボイラからの燃焼ガス流量及び/又は前記ボイラへの給水流量及び/又は復水器への補給水流量の前記発電プラント全体の挙動に関係する信号を解析する機能と、
前記ボイラ及び前記ボイラより下流の排気系で計測した燃焼ガスの流量及び/又は圧力の前記ボイラ内の挙動に関係する信号を解析する機能と、
前記ボイラ内で燃焼ガスと水又は水蒸気と熱交換する各バンクのメタル温度及び/又は収熱量の前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号を解析する機能とを備え、
前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した場合には、チューブリーク発生と診断し、この診断結果を通知し表示装置上に表示する機能を有し、
前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断において異常を検知したバンクを抽出してリーク部位と特定し、このリーク部位を特定した診断結果を通知し表示装置上に表示し、特定したバンク周辺の現場点検の依頼を警報通知と併せて通知して表示装置上に表示する機能を有し、
前記発電プラント全体の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した一方で、前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断と、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断で、ともに異常を検知しなかった場合には、前記ボイラ外でのチューブリーク発生と診断し、この診断結果を通知すると共に表示装置上に表示し、前記ボイラ外の水及び蒸気の配管と伝熱管でのリーク有無の点検の依頼を前記通知と併せて通知して表示装置上に表示する機能を有することを特徴とする。
本発明によれば、チューブリークによって生じた特異な変化を早期に検出することは勿論、チューブリークの発生個所を特定することが可能となる。
また、ボイラが安全安定に運転されていることの確認が可能となる。
本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例1が適用されるボイラを備えた発電プロセスの一例である微粉炭火力発電所のプロセスを示す図である。 本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例1を用いてボイラ内のチューブリーク発生を検出し、チューブリーク部位を特定する診断プロセスフローの一例を示す図である。 本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例1を用いてボイラ外のチューブリーク発生を検出し、チューブリーク部位を特定する診断プロセスフローの一例を示す図である。 本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例2として、検出した異常の発生要因がプラント運用の変化に起因するか否かを判定するプロセスを加えた診断プロセスフローの一例を示す図である。 本発明のボイラチューブリーク早期検知システムに実施例3として、異常の検出とリーク部位の特定に学習データを用いる診断プロセスフローの一例を示す図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明のボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法を説明する。なお、各実施例において同一構成部品には同符号を使用する。
図1に、本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例1が適用されるボイラを備えた発電プロセスの一例である微粉炭火力発電所のプロセスを示す。また、図2及び図3に、本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例1を用いてボイラ内のチューブリーク発生を検出し、チューブリーク部位を特定する診断プロセスフローの例をそれぞれ示す。
まず、図1を用いて、本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例1が適用されるボイラを備えた微粉炭火力発電所のプロセスについて説明する。
図1に示すように、石炭9は、ミル10で微粉炭に粉砕され、燃焼空気7とともにバーナ11からボイラ2に供給される。ボイラ2内で微粉炭が燃焼空気7中の酸素と燃焼し、燃焼ガス13が発生する。
なお、燃焼空気7は、押込ファン8により複数系統に分かれてボイラ2内に供給される。これは、微粉炭の燃焼を促進させ、かつ、燃焼ガス13中に含まれる窒素酸化物の発生量を抑えるためである。本実施例では、燃焼空気7をバーナ11とその下流側に設けた空気供給ポート12に分けて供給する。
高温の燃焼ガス13は、ボイラ2の外周壁を構成するボイラ水冷壁6と、ボイラ2内に設置された過熱器3、再熱器4、節炭器5といった複数の熱交換器との熱交換によって温度が下がり、ボイラ2から排出される。この熱交換では、燃焼ガス13の顕熱が、ボイラ水冷壁6やその他の熱交換器の内部を流れる水又は水蒸気の加熱に用いられる。本実施例では、過熱器3と再熱器4を、それぞれ1個ずつ設置する例を示しているが、これらの熱交換器を、それぞれ複数個ずつ設置しても構わない。
ボイラ2から排出された燃焼ガス13は、脱硝装置14で燃焼ガス13中の窒素酸化物を除去され、空気加熱器15で燃焼空気7との熱交換で冷却され、集塵装置16で燃焼ガス13に同伴する灰分等の固形物が除去される。集塵装置16を出た燃焼ガス13は、誘引ファン17を通過後に脱硫装置18で硫黄分を除去された後に、煙突19から放出される。
一方、復水器29を出た給水20は、給水ポンプ21で昇圧され、給水加熱器22を経てボイラ2のバンクに供給され、燃焼ガス13との熱交換によって高温・高圧の過熱蒸気となる。
本実施例では、バンクに供給された給水20が節炭器5、ボイラ水冷壁6、過熱器3を経て、高温・高圧の主蒸気23となる例を示す。
現在、日本国内で稼動している発電プラント1の多くで主蒸気23は超臨界状態となっており、その圧力は24MPaG以上で、温度は530℃以上に達している。
過熱器3を出た主蒸気23は、高圧タービン24に供給された後、再びボイラ2内の再熱器4に供給される。再熱器4で燃焼ガス13との熱交換で加熱された後、再熱蒸気25として中圧タービン26及び低圧タービン27に供給された後に、復水器29で常温の水に戻る。高圧タービン24、中圧タービン26及び低圧タービン27の回転で生じた動力は、発電機28で電力に変換される。
また、給水系、主蒸気系、再熱蒸気系及び蒸気タービン(高圧タービン24、中圧タービン26及び低圧タービン27の総称)の周辺では、給水20として供給した水の一部がドレン等となり、系外に放出される。給水20の流量を確保するために、復水器29において補給水30が供給される。
上述した給水系、主蒸気系、再熱蒸気系及び蒸気タービン周辺でリークが発生し、水又は水蒸気が配管又は伝熱管から系外にリークすると、給水流量、補給水流量、主蒸気流量や再熱蒸気流量等の計測値が変化することが予想される。
これらの流量変化を捉えて、リーク発生による異常を検出する診断プロセスが有効である。
上記した水及び蒸気流量の計測値の中でも、発電プラント1全体の挙動を監視する信号として給水流量と補給水流量が好適であり、中でも補給水流量が挙動の変化を捉え易い計測値と考えられる。これは、リークによって系外に放出される水又は水蒸気の量が増えた場合に、補給水流量を増やして給水流量を所望の値に調整すること、及び給水流量に対して補給水流量が少ないために流量変化の兆候を早期に捉えることができるためである。
しかしながら、リークした水又は水蒸気の流量が少ない場合は、上述した給水流量や補給水流量を監視・解析するだけでは、リークによる流量変化の兆候を早期に捉えることが困難な場合も想定される。
そこで、水又は水蒸気の配管又は伝熱管からのリークによって生じる物理現象も捉え、広い視点でリーク発生の影響を捉える診断プロセスが有効である。例えば、給水流量と補給水流量に加え、発電出力、燃料流量、空気流量、燃焼排ガス流量などの発電プラント1全体の挙動に関係する信号を広い視点で監視・解析することで、リークによる異常発生の有無を診断するプロセスである。
これは、リークが発生したことによって、ボイラ内の燃焼ガス温度が低下し所望の発電出力を得るためにボイラ2に供給される燃料流量、及び燃料流量と深く相関する空気流量が増加したり、リークした水蒸気が燃焼ガス13に混合することで、燃焼ガス流量が増加する等の現象が想定されるためである。
次に、監視・解析する挙動を、発電プラント1全体から広げて診断するプロセスも有効である。例えば、ボイラ2内の挙動やボイラ2内の各バンクにおける熱吸収の挙動も併せて監視・解析し、水又は水蒸気がボイラ2内にリークすることで生じる別の現象も捉えることで、リーク発生によって生じる変化を早期に、かつ、精度良く検出することが可能になる。
本実施例は、ボイラ2内の挙動を監視・解析する手法として、燃焼ガス流量の変化に注目する診断手法を示す。
ボイラ2内へのリークによって、燃焼ガス流量が増加する現象が想定されることは、上述した通りである。この燃焼ガス流量と深く相関する物理量は、ボイラ2内だけでなく、ボイラ2の下流側の排ガス処理系でも計測されている。ボイラ2内の燃焼ガス流量が増加すると、このボイラ2内の燃焼ガス流量の増加に連動して、ボイラ2の下流側でも燃焼ガス流量の増加を示す現象を捉えることができる。ボイラ2内の燃焼ガス流量の増加が、ボイラ2に投入する燃料流量や空気流量の増加によるもので無ければ、その要因がチューブリークの発生であると特定することができる。
また、ボイラ2内の挙動を監視・解析する別の手法として、ボイラ2内の燃焼ガス13の圧力の変化に注目する診断手法が考えられる。
水又は水蒸気がボイラ2内にリークした場合、ボイラ2内及び下流側の排ガス処理系において、燃焼ガス13の圧力が増加する現象が想定される。
これは、上述したように、給水20は、給水ポンプ21で昇圧されており、常圧に近い圧力で運用されているボイラ2内の燃焼ガス13との圧力差が非常に大きいためである。ボイラ2内や下流の排ガス処理系で特異な圧力上昇を捉えることで、ボイラ2内でのチューブリーク発生による特異な圧力上昇を精度良く検出することが可能である。
次に、ボイラ2内の各バンクにおける熱吸収の挙動を監視・解析する診断手法を説明する。
ボイラ2内のバンクの伝熱管が破損してチューブリークが発生し、ボイラ2内に水又は水蒸気が吹き出した場合には、ボイラ2内を流れる燃焼ガス13の温度分布が変化する。
このため、各バンクの伝熱管の表面で多数計測しているメタル温度の分布が変化することが考えられる。また、破損した伝熱管では、破損箇所からの水又は水蒸気の噴出により、破損箇所の下流側では伝熱管内を流れる水又は水蒸気の流量が極端に減少する。
このため、破損した伝熱管にメタル温度計が設置されている場合には、当該箇所のメタル温度が特異な挙動を示すことが考えられる。
しかしながら、メタル温度は、伝熱管への灰付着及び剥離の影響、ボイラ2内での燃焼ガス13の流動の乱れといった外乱の影響、灰付着を抑制するために不定期で噴射されるスートブロワー、石炭性状や石炭流量や空気流量、また、ボイラ2に多数設置されているバーナ11や空気供給ポート12の運用パターンといったボイラ2の運用側の影響も受けている。
従って、メタル温度の挙動の監視・解析のみで、チューブリーク発生に伴う変化を精度良く検出することは難しい。
そこで、各バンクの出入り口の水又は水蒸気の流量や温度、温度調整用に投入するスプレー流量及び伝熱管のメタル温度などの計測値を用いて各バンク全体の収熱量を求め、総合的に診断する手法が有効である。
以上のように、ボイラ2内でチューブリークが発生した際に生じる現象を精度良く捉える診断手法として、発電プラント1全体の挙動、ボイラ2内の挙動、ボイラ2内の各バンクの挙動といった複数の挙動を診断し、チューブリークの発生に伴ってボイラ2内で生じる現象を多角的に捉え、多くの情報を基に総合的に診断することで、早期で、かつ、精度良く異常発生を検知することができる。また、各バンクの挙動診断において、異常を検知したバンクを抽出することで、リークが発生した部位の特定も可能である。
その一方で、ボイラ2外でチューブリークが発生した場合には、ボイラ2内でチューブリークが発生した場合と同様に、発電プラント1全体の挙動で異常を検出することが可能である。
しかしながら、燃焼ガスの流量や圧力といったボイラ2内の挙動や、各バンクのメタル温度や収熱量といったボイラ2内の各バンクの挙動には、チューブリーク発生に伴う変化が検出されないはずである。従って、ボイラ2内の挙動と各バンクの挙動のいずれについても異常が検出されないと診断できれば、ボイラ2外へのリーク発生と診断することができる。
上述した診断手法を用いることで、ボイラ2の内外問わずチューブリークによる異常発生を早期に精度良く検知し、かつ、リーク部位の特定も可能なボイラチューブリーク早期検知システムを構築することができる。
本実施例のボイラチューブリーク早期検知システムにおける具体的な診断プロセスの例を、図2及び図3にそれぞれ示す。
まず、図2を用いてボイラ2内でチューブリークが発生した場合の診断プロセスフローの一例を説明する。
図2に示すように、ボイラチューブリーク早期検知システムに、発電プラント1全体の挙動に関係する信号データの入力101を実施し、発電プラント1全体の挙動に関する解析102を実行する。発電プラント1全体の挙動に関係する信号データの入力101で入力する信号データとしては、上述した発電出力、給水流量、補給水流量、燃料流量、空気流量、燃焼ガス流量などが好適である。
得られた解析結果を用いて、発電プラント1全体の挙動に関する解析結果の診断103を実施する。この診断103では、予め設定した閾値や過去の運転データ(即ち、実績値の範囲)と比較したり、信号データ間の相関関係に変化が無いかを評価したり、物理的な指標や無次元数などに変換して評価する等の手法が考えられる。
発電プラント1全体の挙動でチューブリークに起因した異常を検出した場合には、ボイラチューブリーク早期検知システムのユーザや管理者及び発電プラント1の運転員や責任者等の関係者に、チューブリーク発生との診断結果をメール、音声、警告音等で通知し、ボイラチューブリーク早期検知システムにおける表示装置上にも表示・通知する機能及び工程を設ける。
また、発電プラント1全体の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知し、チューブリーク発生と診断した後も、全ての信号の入力、解析及び解析結果の診断を継続し、解析結果と診断結果を保存し蓄積する機能及び工程を有する。
発電プラント1全体の挙動で異常を検出した場合、ボイラ2内の挙動に関係する信号データの入力104を実施し、ボイラ2内の挙動に関する解析105を実行する。ボイラ2内の挙動に関係する信号データの入力104で入力する信号データとしては、上述した燃焼ガスの流量及び圧力などが好適である。例えば、燃焼ガス中の水分濃度のように、他にもチューブリークによって変化する計測項目がある場合には、入力する信号データに追加すると良い。
得られた解析結果を用いて、ボイラ2内の挙動に関する解析結果の診断106を実施する。この診断でも、チューブリークに起因した異常を検知した場合には、ボイラ2内でチューブリーク発生と診断する。この診断結果を、チューブリーク発生を検出時と同様に通知し、ボイラチューブリーク早期検知システムシステムにおける表示装置上にも表示する機能及び工程を設ける。
発電プラント1全体の挙動とボイラ2内の挙動で、ともに異常を検出した場合に、ボイラ2内の各バンクの挙動に関係する信号データの入力107を実施し、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析108を実行する。
各バンクの挙動に関係する信号データとしては、上述した伝熱管に設置したメタル温度や各バンクの出入り口の水又は水蒸気の流量や温度、スプレー流量及びメタル温度などの計測値から求めた各バンク全体の収熱量などが好適である。
得られた解析結果を用いて、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断109を実施する。特異な挙動が認められて、異常を検出したバンクの抽出110に成功した場合には、発電プラント1全体の挙動とボイラ2内の挙動に異常を検出したとする診断結果とも整合する。
この場合には、ボイラ2内でチューブリーク発生及び特定したリーク部位(即ち、リークしたバンクの名称)を警報として通知し、ボイラチューブリーク早期検知システムにおける表示装置上にも表示させると良い。この場合には、特定したリーク部位の周辺の現場点検を促すメッセージ機能も追加すると、現場の点検作業と補修工事の計画の効率化の観点でも有用である。
上述した発電プラント1全体の挙動、ボイラ2内の挙動、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析、その解析結果に基づく診断は、情報処理装置(例えば、パソコン等)で行い、診断結果は表示装置に表示する。
なお、発電プラント1全体の挙動、ボイラ2内の挙動、ボイラ2内の各バンクの挙動の順に異常を検出するとは限らない(異常を検出する順番は、発電プラント1全体の挙動、ボイラ2内の挙動、ボイラ2内の各バンクの挙動の順とは限らない)こと、また、診断をやり直したりする場合も想定される。このため、これら3つの挙動に関するデータ入力、解析及び診断は、ユーザ側の指示又は操作が無ければ自動で継続するボイラチューブリーク早期検知システムとする必要がある。
また、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断109で異常が認められず、異常を検出したバンクを特定できなかった場合(即ち、リーク部位を特定できなかった場合)には、発電プラント1全体の挙動に関する解析102に戻って再度診断し、診断結果を確定できるまで繰り返すボイラチューブリーク早期検知システムとすると良い。
次に、図3を用いてボイラ2外でチューブリークが発生した場合の診断プロセスフローの一例を説明する。
図3に示す例は、ボイラチューブリーク早期検知システムに、発電プラント1全体の挙動に関係する信号データの入力101を実施し、発電プラント1全体の挙動に関する解析102を実行する。入力する信号データは、図2で説明した発電出力、給水流量、補給水流量、燃料流量、空気流量、燃焼ガス流量などが好適である。得られた解析結果を用いて、発電プラント1全体の挙動に関する解析結果の診断103を実施する。発電プラント1全体の挙動でチューブリークに起因した異常を検出した場合には、ボイラチューブリーク早期検知システムのユーザや管理者及び発電プラント1の運転員や責任者等の関係者に、チューブリーク発生との診断結果をメール、音声、警告音等で通知し、ボイラチューブリーク早期検知システムの表示装置上にも表示する機能及び工程を設ける。
発電プラント1全体の挙動で異常を検出した場合、ボイラ2内の挙動に関係する信号データの入力104を実施し、ボイラ2内の挙動に関する解析105を実行する。ボイラ2内の挙動に関係する信号データの入力104で入力する信号データとして、上述した燃焼ガスの流量及び圧力などが好適である。得られた解析結果を用いて、ボイラ2内の挙動に関する解析結果の診断106を実施する。この診断で、チューブリークに起因した異常を検出しなかった場合は、ボイラ2外でチューブリーク発生した場合を想定し、ボイラ2内の各バンクの挙動を診断する。
ボイラ2内の各バンクの挙動の診断では、図2と同様に、ボイラ2内の各バンクの挙動に関係する信号データの入力107を実施し、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析108を実行する。各バンクの挙動に関係する信号データとしては、伝熱管に設置したメタル温度や各バンクの出入り口の水又は水蒸気の流量や温度、スプレー流量及びメタル温度などの計測値から求めた各バンク全体の収熱量などが好適である。
得られた解析結果を用いて、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断109を実施する。ボイラ2外でチューブリークが発生した場合には、ボイラ2内の挙動と同様に、ボイラ2内の各バンクの挙動にも異常が認められないはずである。ボイラ2内の各バンクの挙動に異常が認められなければ、ボイラ2内でのチューブリーク発生は無く、ボイラ2外でチューブリークが発生したとする診断結果にて確定する。
この場合は、ボイラ2外でチューブリーク発生との診断結果を通知するとともに、ボイラチューブリーク早期検知システムの表示装置上にも表示させると良い。また、ボイラ2外の水及び水蒸気の配管及び伝熱管の現場点検(リーク点検)を促すメッセージ機能も追加すると、現場の運転支援としても有用である。
その一方で、ボイラ2内の挙動で異常を検出しなかったにも関わらず、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断109で異常を検出した場合には、発電プラント1全体の挙動に関する解析102に戻って再度診断し、診断結果が確定できるまで繰り返すボイラチューブリーク早期検知システムとすると良い。
このような場合にも対応するため、上述した3つの診断(発電プラント1全体の挙動、ボイラ2内の挙動、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析結果に基づく診断)のためのデータ入力、解析及び診断は、ユーザ側の指示又は操作が無ければ自動で継続するボイラチューブリーク早期検知システムとすると良い。
以上のような診断プロセスを備えたボイラチューブリーク早期検知システムによれば、チューブリークの発生による異常を早期に捉えることで、現場での初動対応(プラント監視体制の強化、補修工事の準備など)を従来より前倒しで着手できる効果が見込まれる。
また、本実施例のボイラチューブリーク早期検知システムでボイラ2内のリーク部位を特定することで、現場点検によるリーク部位の確認やリーク要因の推定等の作業を効率化できる。更に、発電プラントの運転継続可否の判断が従来より早まり、水又は水蒸気の配管又は伝熱管の損傷が軽微な段階で発電プラント1を停止させることができる。損傷箇所の点検・補修の作業範囲と工期を短縮することで発電プラント1の停止期間を短縮でき、発電プラント1の所有者の経済的な損失の低減と電力の安定供給を図る効果が見込まれる。
図4に、本発明のボイラチューブリーク早期検知システムの実施例2として、検出した異常の発生要因がプラント運用の変化に起因するか否かを判定するプロセスを加えた診断プロセスフローの一例を示す。
即ち、図4に示す本実施例は、実施例1に記載したボイラチューブリーク早期検知システムの診断プロセスで異常を検出した場合に、異常の発生要因がプラント運用の変化に起因するか否かを判定するプロセスを追加した場合の診断プロセスの例である。
図4に示すように、ボイラチューブリーク早期検知システムに、発電プラント1全体の挙動に関係する信号データの入力101を実施し、発電プラント1全体の挙動に関する解析102を実行する。得られた解析結果を用いて、発電プラント1全体の挙動に関する解析結果の診断103を実施する。発電プラント1全体の挙動で異常を検出した場合には、この異常の発生要因が、プラント運用の変化に起因するか否かの診断111を実施する。
この診断では、異常を検出した信号データと深く相関する運用条件の信号(例えば、発電出力、燃料流量、空気流量、給水流量など)の挙動や指令値を確認し、プラント運用条件に変更があったか否かを確認する。
プラント運用条件に変更無しと診断された場合には、チューブリークによる異常発生と診断し、図2と同様に診断結果を通知・システムの表示装置上に表示する。その一方で、プラント運用の変化に起因すると診断された場合には、発電プラント1全体の挙動に関する解析102を続行する。
プラント運用条件に変更無く、発電プラント1全体の挙動で異常を検出した場合には、図2と同様にボイラ2内の挙動に関する解析105を実行し、得られた解析結果を用いてボイラ2内の挙動に関する解析結果の診断106を実施する。この診断で異常を検出した場合には、プラント運用の変化に起因するか否かの診断111を実施する。
この診断では、異常を検出した信号データと深く相関する運用条件の信号(例えば、発電出力、燃料流量、空気流量、圧力設定など)の挙動や指令値を確認し、プラント運用条件に変更があったか否かを確認する。プラント運用条件に変更無しと診断された場合には、チューブリークによる異常発生と診断し、図2と同様に診断結果を通知・システムの表示装置上に表示する。その一方で、プラント運用の変化に起因すると診断された場合には、ボイラ2内の挙動に関する解析105を続行する。
発電プラント1全体の挙動とボイラ2内の挙動で、ともに異常を検出した場合には、図2と同様に、ボイラ2内でチューブリーク発生と診断する。この診断結果を、チューブリーク発生を検出時と同様に通知し、ボイラチューブリーク早期検知システムの表示装置上にも表示する。また、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析108を実行し、得られた解析結果を用いて、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断109を実施する。異常な挙動が認められた場合には、プラント運用の変化に起因するか否かの診断111を実施する。
この診断では、異常を検出したバンクの挙動と深く相関する運用条件の信号(例えば、スプレー流量やスートブロワー噴射の有無など)の挙動や指令値を確認し、プラント運用条件に変更があったか否かを確認する。プラント運用条件に変更無しと診断された場合には、異常を検出したバンクの抽出110に成功したこととなり、ボイラ2内でチューブリークによる異常発生との診断結果を確定させ、図2と同様に、診断結果で特定したリーク部位を通知・システムの表示装置上に表示する。
実施例1の図3に示すボイラ2外でチューブリークが発生した場合においても、上述した手順と同様に、プラント運用の変化に起因するか否かを考慮するプロセスを加えると良い。プラント運用の変化に起因すると診断された場合には、当該診断のための解析を続行する。
このような本実施例の診断プロセスを備えたボイラチューブリーク早期検知システムによれば、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、運用条件の変化に伴う信号データの変化とチューブリーク発生に起因する異常発生とを区別する診断が可能となり、診断の精度を高める効果が見込まれる。
図5に、本発明のボイラチューブリーク早期検知システムに実施例3として、異常の検出とリーク部位の特定に学習データを用いる診断プロセスフローの一例を示す。
即ち、図5に示す本実施例では、実施例1に記載したボイラチューブリーク早期検知システムで実施する運転データの解析において、燃料性状が同じか又は類似の燃料を用いた際に取得した運転データを、学習データに予めシステムに入力及び解析して各信号の正常範囲を選定し、この正常範囲を判定基準として診断データを診断するプロセスを追加した診断プロセスの例である。
図5に示すように、ボイラチューブリーク早期検知システムで実施する発電プラント1全体の挙動に関する解析102では、発電プラント1全体の挙動に関係する信号の学習データの入力112を予め実施し、信号データの正常範囲を選定する。発電プラント1全体の挙動に関する解析結果の診断103では、上記で選定した正常範囲に入るか否かを判定基準として、発電プラント1全体の挙動に関係する信号データの入力101で入力した診断データの異常有無を診断する。
次に、ボイラ2内の挙動に関する解析105でも、ボイラ2内の挙動に関係する信号の学習データの入力113を実施し、正常範囲を予め選定する。ボイラ2内の挙動に関する解析結果の診断106では、上記で選定した正常範囲に入るか否かを判定基準として、ボイラ2内の挙動に関係する信号データの入力104で入力した診断データの異常有無を診断する。
更に、ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析108でも、ボイラ2内の各バンクの挙動に関係する信号の学習データの入力114を実施し、正常範囲を予め選定する。ボイラ2内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断109では、上記で選定した正常範囲に入るか否かを判定基準として、ボイラ2内の各バンクの挙動に関係する信号データの入力107で入力した診断データの異常有無を診断する。
実施例1の図3に示すボイラ2外でチューブリークが発生した場合においても、上述した手順と同様に学習データを予め入力するプロセスを追加し、予め選定した正常範囲に入るか否かを判定基準として診断するプロセスにすると良い。
このようなボイラチューブリーク早期検知システムとすることで、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、過去の運用実績に基づいた異常発生の判定が可能となる。また、直近の運転データを入力すると、機器の劣化状況を考慮した精度の良い異常有無の診断結果を得る効果が期待される。
さらに異常を検知しない場合は、ボイラが安全安定に運転していることを示すため、常時監視する本システムにより安定的な運転を継続することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は、本発明の実施態様を分かりやすく詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えた実施態様のみに限定されるものではない。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えたり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えたりすることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
本発明の異常診断システムは、高温の燃焼ガスと水または水蒸気で熱交換を行うボイラを備えた発電プラントに適用可能である。
1…発電プラント、2…ボイラ、3…過熱器、4…再熱器、5…節炭器、6…ボイラ水冷壁、7…燃焼空気、8…押込ファン、9…石炭、10…ミル、11…バーナ、12…空気供給ポート、13…燃焼ガス、14…脱硝装置、15…空気加熱器、16…集塵装置、17…誘引ファン、18…脱硫装置、19…煙突、20…給水、21…給水ポンプ、22…給水加熱器、23…主蒸気、24…高圧タービン、25…再熱蒸気、26…中圧タービン、27…低圧タービン、28…発電機、29…復水器、30…補給水、101…プラント全体の挙動に関係する信号データの入力、102…プラント全体の挙動に関する解析、103…プラント全体の挙動に関する解析結果の診断、104…ボイラ内の挙動に関係する信号データの入力、105…ボイラ内の挙動に関する解析、106…ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断、107…ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号データの入力、108…ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析、109…ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断、110…異常を検出したバンクの抽出、111…プラント運用の変化に起因するか否かの診断、112…プラント全体の挙動に関係する信号の学習データの入力、113…ボイラ内の挙動に関係する信号の学習データの入力、114…ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号の学習データの入力。

Claims (14)

  1. 燃焼ガスと水又は水蒸気との間で熱交換を行うボイラにおけるチューブリークによる異常を検知するシステムであって、
    前記システムは、発電プラントの発電出力及び/又は前記ボイラへの燃料流量及び/又は前記ボイラへの空気流量及び/又は前記ボイラからの燃焼ガス流量及び/又は前記ボイラへの給水流量及び/又は復水器への補給水流量の前記発電プラント全体の挙動に関係する信号を解析する機能と、
    前記ボイラ及び前記ボイラより下流の排気系で計測した燃焼ガスの流量及び/又は圧力の前記ボイラ内の挙動に関係する信号を解析する機能と、
    前記ボイラ内で燃焼ガスと水又は水蒸気と熱交換する各バンクのメタル温度及び/又は収熱量の前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号を解析する機能とを備え、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した場合には、チューブリーク発生と診断し、この診断結果を通知し表示装置上に表示する機能を有し、
    前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断において異常を検知したバンクを抽出してリーク部位と特定し、このリーク部位を特定した診断結果を通知し表示装置上に表示し、特定したバンク周辺の現場点検の依頼を警報通知と併せて通知して表示装置上に表示する機能を有し、
    前記発電プラント全体の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した一方で、前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断と、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断で、ともに異常を検知しなかった場合には、前記ボイラ外でのチューブリーク発生と診断し、この診断結果を通知すると共に表示装置上に表示し、前記ボイラ外の水及び蒸気の配管と伝熱管でのリーク有無の点検の依頼を前記通知と併せて通知して表示装置上に表示する機能を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
  2. 請求項1に記載のボイラチューブリーク早期検知システムであって、
    燃料性状が同じ燃料を用いた際に取得した運転データを、学習データとして予め前記ボイラチューブリーク早期検知システムに入力する機能と、
    前記学習データを解析して各信号データの正常範囲を選定する機能と、
    前記正常範囲を判定基準として前記診断結果を診断する機能と、を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
  3. 請求項2に記載のボイラチューブリーク早期検知システムであって、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析では、前記ボイラ内の挙動に関係する信号の前記学習データの入力を実施して信号データの正常範囲を選定し、前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断では、前記信号データの正常範囲に入るか否かを判定基準として、前記ボイラ内の挙動に関係する前記信号データの入力で入力した診断データの異常有無を検知し、
    前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析では、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号の前記学習データの入力を実施して信号データの正常範囲を選定し、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断では、前記信号データの正常範囲に入るか否かを判定基準として、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する前記信号データの入力で入力した診断データの異常有無を検知することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のボイラチューブリーク早期検知システムであって、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断又は前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断において、異常を検知しなかった場合には、各挙動に関する信号の解析に戻って前記各挙動に関する解析を継続する機能を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載のボイラチューブリーク早期検知システムであって、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した場合で、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した場合は、異常を検知したバンクを抽出してリーク部位を特定すると共に、このリーク部位を特定した診断結果を通知して表示装置上に表示し、特定したバンク周辺の現場点検の依頼を前記通知と併せて通知して表示装置上に表示する機能を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載のボイラチューブリーク早期検知システムであって、
    前記各挙動に関する解析結果の診断において異常を検知し、チューブリーク発生と診断した後も、全ての信号の入力、解析及び解析結果の診断を継続すると共に、前記解析結果と診断結果を保存して蓄積する機能を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
  7. 燃焼ガスと水又は水蒸気との間で熱交換を行うボイラにおけるチューブリークによる異常を検知する際に、
    発電プラントの発電出力及び/又は前記ボイラへの燃料流量及び/又は前記ボイラへの空気流量及び/又は前記ボイラからの燃焼ガス流量及び/又は前記ボイラへの給水流量及び/又は復水器への補給水流量の前記発電プラント全体の挙動に関係する信号を解析する工程と、
    前記ボイラ及び前記ボイラより下流の排気系で計測した燃焼ガスの流量及び/又は圧力の前記ボイラ内の挙動に関係する信号を解析する工程と、
    前記ボイラ内で燃焼ガスと水又は水蒸気と熱交換する各バンクのメタル温度及び/又は収熱量の前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号を解析する工程とを行い、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した場合には、チューブリーク発生と診断すると共に、この診断結果を通知し表示装置上に表示し、
    前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断において異常を検知したバンクを抽出してリーク部位と特定すると共に、このリーク部位を特定した診断結果を通知し表示装置上に表示し、特定したバンク周辺の現場点検の依頼を警報通知と併せて通知して表示装置上に表示し、
    前記発電プラント全体の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した一方で、前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断と、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断で、ともに異常を検知しなかった場合には、前記ボイラ外でのチューブリーク発生と診断し、この診断結果を通知すると共に表示装置上に表示し、前記ボイラ外の水及び蒸気の配管と伝熱管でのリーク有無の点検の依頼を前記通知と併せて通知して表示装置上に表示する工程を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知方法。
  8. 請求項7に記載のボイラチューブリーク早期検知方法であって、
    燃料性状が同じ燃料を用いた際に取得した運転データを、学習データとして予めボイラチューブリーク早期検知システムに入力する工程と、
    前記学習データを解析して各信号データの正常範囲を選定する工程と、
    前記正常範囲を判定基準として前記診断結果を診断する工程と、を更に行うことを特徴とするボイラチューブリーク早期検知方法。
  9. 請求項8に記載のボイラチューブリーク早期検知方法であって、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析では、前記ボイラ内の挙動に関係する信号の前記学習データの入力を実施して信号データの正常範囲を選定し、前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断では、前記信号データの正常範囲に入るか否かを判定基準として、前記ボイラ内の挙動に関係する前記信号データの入力で入力した診断データの異常有無を検知し、
    前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析では、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号の前記学習データの入力を実施して信号データの正常範囲を予め選定し、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断では、前記信号データの正常範囲に入るか否かを判定基準として、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する前記信号データの入力で入力した診断データの異常有無を検知することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知方法。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載のボイラチューブリーク早期検知方法であって、
    前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断において、異常を検知しなかった場合には、各挙動に関する信号の解析に戻って前記ボイラ内の各挙動に関する解析を継続する工程を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知方法。
  11. 請求項7から9のいずれか1項に記載のボイラチューブリーク早期検知方法であって、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した場合で、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断において異常を検知した場合は、異常を検知したバンクを抽出してリーク部位を特定すると共に、このリーク部位を特定した診断結果を通知して表示装置上に表示し、特定したバンク周辺の現場点検の依頼を前記通知と併せて通知して表示装置上に表示する工程を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知方法。
  12. 請求項7から9のいずれか1項に記載のボイラチューブリーク早期検知方法であって、
    前記各挙動に関する解析結果の診断において異常を検知し、チューブリーク発生と診断した後も、全ての信号の入力、解析及び解析結果の診断を継続すると共に、前記解析結果と診断結果を保存して蓄積する工程を有することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知方法。
  13. 請求項1に記載のボイラチューブリーク早期検知システムであって、
    前記ボイラ内の挙動に関する解析では、前記ボイラ内の挙動に関係する信号の燃料性状が同じ燃料を用いた際に取得した運転データである学習データの入力を実施して正常範囲を選定し、前記ボイラ内の挙動に関する解析結果の診断では、前記選定した正常範囲に入るか否かを判定基準として、前記ボイラ内の挙動に関係する信号データの入力で入力した診断データの異常有無を診断することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
  14. 請求項1に記載のボイラチューブリーク早期検知システムであって、
    前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析では、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号の燃料性状が同じ燃料を用いた際に取得した運転データである学習データの入力を実施して正常範囲を選定し、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関する解析結果の診断では、前記選定した正常範囲に入るか否かを判定基準として、前記ボイラ内の各バンクの挙動に関係する信号データの入力で入力した診断データの異常有無を診断することを特徴とするボイラチューブリーク早期検知システム。
JP2019127394A 2019-07-09 2019-07-09 ボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法 Active JP7438679B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019127394A JP7438679B2 (ja) 2019-07-09 2019-07-09 ボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019127394A JP7438679B2 (ja) 2019-07-09 2019-07-09 ボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021011992A JP2021011992A (ja) 2021-02-04
JP2021011992A5 JP2021011992A5 (ja) 2022-08-03
JP7438679B2 true JP7438679B2 (ja) 2024-02-27

Family

ID=74227233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019127394A Active JP7438679B2 (ja) 2019-07-09 2019-07-09 ボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7438679B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113405726B (zh) * 2021-06-23 2024-03-15 河南神马尼龙化工有限责任公司 一种锅炉省煤器运行状态下炉内检漏及无扰动堵漏方法
KR102517036B1 (ko) * 2022-04-21 2023-04-04 한전케이피에스 주식회사 증기 발생기 전열관 검사 장치 및 방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015007509A (ja) 2013-06-26 2015-01-15 株式会社日立製作所 ボイラチューブリーク検出装置、ボイラチューブリーク検出方法、並びにこれらを用いたデータ監視センタ、情報提供サービス、ボイラプラント。

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015007509A (ja) 2013-06-26 2015-01-15 株式会社日立製作所 ボイラチューブリーク検出装置、ボイラチューブリーク検出方法、並びにこれらを用いたデータ監視センタ、情報提供サービス、ボイラプラント。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021011992A (ja) 2021-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101839795B (zh) 锅炉承压管的泄漏诊断系统和方法
CA2680706C (en) Use of statistical analysis in power plant performance monitoring
JP6037954B2 (ja) ボイラチューブリーク検出装置、ボイラチューブリーク検出方法、並びにこれらを用いたデータ監視センタ、情報提供サービス、ボイラプラント。
JP7438679B2 (ja) ボイラチューブリーク早期検知システム及びその方法
CN114484409B (zh) 一种火电厂炉管泄漏事故的预警方法及装置
KR101393138B1 (ko) 운전신호 패턴을 이용한 보일러튜브 이상상태 진단 방법
JP2010191494A (ja) 高温プラント機器の余寿命診断装置及び方法
JP2021011992A5 (ja)
KR101898775B1 (ko) 보일러 수냉벽 튜브의 고장 진단 장치 및 방법
JP7142545B2 (ja) ボイラチューブリーク診断システム及びボイラチューブリーク診断方法
Muthuraman et al. Condition monitoring of SSE gas turbines using artificial neural networks
Pearson et al. Reliability and durability from large heat recovery steam generators
JPS6228395B2 (ja)
JP2010133585A (ja) 漏洩箇所検出装置
Dooley et al. Trends in HRSG Reliability–A 10-Year Review
JP7206990B2 (ja) 伝熱管損傷検出装置、ボイラシステム及び伝熱管損傷検出方法
Gremaud HRSG inspection, maintenance and repair
Patil et al. Process fault detection in heat recovery steam generator using an Artificial Neural Network simplification of a dynamic first principles model
US20230204205A1 (en) Abnormality detection device and abnormality detection method
Saravanan et al. Acoustic Steam Leak Detection System
KR102224983B1 (ko) 가스터빈 연소기의 점검 진단 장치
Decoussemaeker et al. Review of HRSG capabilities for flexible operation
Latcovich Condition Monitoring and Its Effect on the Insurance of New Advanced Gas Turbines
JP2683738B2 (ja) プラント運転状態評価方法
Basson Studying water-wedging as a cause for short term overheating in the boiler of a coal-fired power plant

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20220704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220705

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7438679

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150