JP7437747B2 - 構造物-流場推定方法、構造物-流場推定プログラム、及び構造物-流場推定システム - Google Patents
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また、特許文献2には、スポットレーザー光走査方式三次元計測機を用いて計測された遺構及び遺物の三次元座標点群データと二次元図条件を入力し、出力する用紙サイズと解像度から二次元画像のサイズを算出し、三次元座標点群データの座標を視覚方向により変換するとともに奥行方向のデータを色濃度に変換し、二次元画像のピクセル濃度を統計処理により求め、二次元画像の各ピクセルの濃度を周辺のピクセルの濃度値を用いて新たに設定し、二次元画像の色反転などの処理をおこない画像ファイルとして出力する遺構遺物等の実測二次元作成方法が開示されている。
また、特許文献3には、複数の個体のそれぞれについて、個体の血管系の少なくとも一部の形状モデル及び推定血流特性を取得することと、複数の個体のそれぞれについての形状モデル及び推定血流特性に対して機械学習アルゴリズムを実行することと、機械学習アルゴリズムを使用して、形状モデルにおける複数点に対応する血流特性を予測する特徴を識別することと、患者について、患者の血管系の少なくとも一部の形状モデルを取得することと、識別された特徴を使用して患者の形状モデルにおける複数点のそれぞれについての患者の血流特性の推定値を生成することと、を含む血流特性を推定するシステムが開示されている。
そこで本発明は、曲面状の構造物の周りの流場を、又は流場から曲面状の構造物を、精度よく高速に推定できる構造物-流場推定方法、構造物-流場推定プログラム、及び構造物-流場推定システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明によれば、構造物の周りの流場を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、構造物の外部流の流場のみならず、内部流の流場の推定にも用いることができる。
請求項2に記載の本発明によれば、所望の流場を実現する構造物の表面を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、流場から構造物の外表面のみならず、内表面の推定にも用いることができる。
請求項3に記載の本発明によれば、所望の流場を実現する構造物の形状を確認しながら、さらに精度よく推定することができる。
請求項4に記載の本発明によれば、構造物の形状をパラメータ化せずに流場を推定するためパラメータ化による情報欠落が防止され、また形状表現に関する制約が殆どなくなることにより、精度よく高速に流場を推定することができる。
請求項5に記載の本発明によれば、R・G・Bに対応させることで、さらに精度よく高速に流場を推定することができる。
請求項6に記載の本発明によれば、機械学習を用いて流場の推定に適した学習済モデルを取得することができる。
請求項7に記載の本発明によれば、画像認識の分野で優れた性能を発揮しているCNNを用いて、流場を高速に推定することができる。
請求項8に記載の本発明によれば、推定精度及び汎化性能の向上と、流体力学的な整合性を図り推定の精度をさらに高めることができる。
請求項9に記載の本発明によれば、構造物の周りの流場を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、構造物の外部流の流場のみならず、内部流の流場の推定にも用いることができる。
請求項10に記載の本発明によれば、所望の流場を実現する構造物の表面を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、流場から構造物の外表面のみならず、内表面の推定にも用いることができる。
請求項11に記載の本発明によれば、構造物の周りの流場を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、構造物の外部流の流場のみならず、内部流の流場の推定にも用いることができる。
請求項12に記載の本発明によれば、所望の流場を実現する構造物の表面を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、流場から構造物の外表面のみならず、内表面の推定にも用いることができる。
請求項13に記載の本発明によれば、機械学習を用いて流場の推定に適した学習済モデルを取得することができる。
請求項14に記載の本発明によれば、画像認識の分野で優れた性能を発揮しているCNNを用いて、流場を高速に推定することができる。
請求項15に記載の本発明によれば、推定精度及び汎化性能の向上と、流体力学的な整合性を図り推定の精度をさらに高めることができる。
構造物-流場推定方法は、データサーバ10、学習用サーバ20、構造データ入力手段30、推論サーバ40、流場データ出力手段50、流場データ入力手段60、最適化サーバ70、及び構造物データ出力手段80を利用し、曲面状の構造物の周りの流場、又は流場から曲面状の構造物を推定する。曲面状の構造物とは、船体、車体、機体、配管等である。
データサーバ10は、曲面状の構造物とその構造物に対応した流場との関係を蓄積したデータベース11を有する。曲面状の構造物のデータは、CAD等によって作成された構造物の表面の曲面形状を表す三次元構造データである。また、構造物に対応した流場のデータは、CFD解析の結果、又は水槽試験等による実験結果などに基づいて得たものである。
学習用サーバ20は、構造物の表面の三次元構造データを二次元平面に座標変換する学習用座標変換手段21と、二次元平面とそれに対応した流場との関係をAI(人工知能)により機械学習する機械学習手段22を備え、学習済モデルを生成する。
なお、構造データ入力手段30には、CADデータや三次元計測データ等のデータ元とリンクして自動的に入力を行うものも含む。
推論サーバ40は、学習用サーバ20が生成した学習済モデルを取得する学習済モデル取得手段41と、構造データ入力手段30から入力された三次元構造データを二次元平面に座標変換する座標変換手段42と、座標変換した二次元平面を学習済モデルに適用してAIにより構造物の流場を推定する流場推定手段43を備える。
流場データ出力手段50は、推論サーバ40が推定した流場を流場データとして出力する。
最適化サーバ70は、学習用サーバ20が生成した学習済モデルを取得する学習済モデル取得手段71と、流場データ入力手段60から入力された流場データを学習済モデルに適用して流場に対応した構造物の二次元平面を推定する構造物推定手段72と、推定により得られた二次元平面を学習済モデルに適用してAIによる構造物の周囲の流場の推定と評価を行う流場推定評価手段73と、推定により得られた二次元平面を三次元構造データに座標逆変換する座標逆変換手段74を備える。
構造物データ出力手段80は、所望する流場を実現する構造物の最適曲面形状として、座標逆変換された三次元構造データを出力する。
学習フェーズでは、まず機械学習モデルを構築する(S1:機械学習モデル構築ステップ)。機械学習モデルには、画像解析に有効なCNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)を用いる。
次に、データベース11から構造物の曲面形状のデータと流場のデータの対を読み込む(S2:データ読込ステップ)。
読み込んだ構造物の曲面形状のデータは三次元構造データでありそのままではニューラルネットワークで取り扱えない。そのため、データベース11から読み込んだ曲面形状のデータと流場データの対のうち曲面形状のデータを、学習用座標変換手段21が二次元平面に座標変換する(S3:学習用座標変換ステップ)。
次に、二次元平面に座標変換した曲面形状に対応した流場との関係を、機械学習手段22において機械学習を用いて学習する(S4:機械学習ステップ)。機械学習ステップS4においては、損失関数に流場のエネルギー保存則を導入することが好ましい。流場はエネルギー保存則が成立する必要があるため、ナビエストークス方程式等のエネルギー保存則を適用することで、推定精度及び他の問題にも対応できる汎化性能の向上と、流体力学的な整合性を図り推定の精度をさらに高めることができる。
学習用サーバ20は、データベース11から読み込んだ構造物の曲面形状のデータと流場のデータの対についての機械学習が終了すると、学習終了条件を満たすか否かを判定する(S5:機械学習終了判定ステップ)。学習終了条件は、例えば、データベース11に蓄積されている全ての曲面形状と流場の対を学習したときとする。
機械学習終了判定ステップS5において学習終了条件を満たさないと判定した場合は、データ読込ステップS2に戻り、データベース11から次の曲面形状と流場の対を読み込む。一方、機械学習終了判定ステップS5において学習終了条件を満たすと判定した場合は、学習フェーズを終了する。学習用サーバ20は、機械学習により得られた、構造物の表面の三次元構造データを座標変換した二次元平面と流場との関係を学習した学習済モデルを保存する。
曲面状の構造物の周りの流場を推定する場合も、流場から曲面状の構造物を推定する場合も、構造物の表面の三次元構造データを座標変換した二次元平面と流場との関係を学習した学習済モデルを用いる。
このように、学習済モデルは、データベース11から読み込んだ複数の構造物の表面の三次元構造データを二次元平面に座標変換し、データベース11の構造物に対応した流場との関係を機械学習を用いて学習した結果とすることで、機械学習を用いて流場の推定に適した学習済モデルを取得することができる。
また、機械学習としてCNNを用いることで、画像認識の分野で優れた性能を発揮しているCNNを用いて、流場を高速に推定することができる。
推論フェーズでは、まず学習済モデル取得手段41が学習用サーバ20から学習済モデルを読み込む(S11:学習済モデル取得ステップ)。なお、学習済モデルは予め読み込んで推論サーバ40に記憶させておくこともできる。
また、構造データ入力手段30から入力された構造物の表面の三次元構造データを取得する(S12:構造データ取得ステップ)。図4(a)は構造物が船体である場合の三次元構造データによる船体の表面の三次元曲面形状を示す。
構造データ取得ステップS12で取得した三次元構造データはそのままではニューラルネットワークで取り扱えない。そのため、構造物の表面の三次元構造データを、座標変換手段42が二次元平面に座標変換する(S13:座標変換ステップ)。図4(b)は二次元平面としての二次元RGB画像データ(N×M×3)を示す。
座標変換ステップS13の後、流場推定手段43において、二次元平面を学習済モデルに適用して構造物の流場を推定する(S14:流場推定ステップ)。図4(c)は流場推定ステップS14を示している。流場推定ステップS14では、流場を、二次元平面としての二次元RGB画像データからCNNによって直接演算して求める。CNNを用いることで流場を高速に推定できる。
流場推定ステップS14の後、推定した流場を流場データ出力手段50が流場データとして出力する(S15:流場データ出力ステップ)。図4(d)は出力された流場の例を示している。図4(d)では、角度方向(S)と半径方向(R)で区切った各グリッドの配色で流れの強さを表している。
このように、構造物の形状を画像データに見立て、構造物の周りの流場を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、AIによって推定することができる。なお、構造物の外部流の流場のみならず、内部流の流場の推定にも用いることができる。これにより設計者等は、精度の高い流場の推定結果を、CFDや実験により求める場合と比べて高速に得られるため、検討スピードが飛躍的に向上する。また、設計者等が構造物の曲面形状と流場との関係を理解することを助け、特に、精度を求められない設計初期段階において効果的な支援を果たすことができる。また、多様な目的や制約を満たす設計を、熟練者に限らず実施できる可能性がある。これらにより、結果として設計期間の短縮につながる。また、例えば構造物が船体である場合は、推定した流場から推進性能等を求めることができる。
図5は三次元構造データから二次元平面への変換プロセスを示すフロー、図6は変換プロセスの概念図である。
図6(a)は構造物が船体である場合の三次元構造データによる船体の表面の三次元曲面形状を示す。三次元構造データは例えばCADデータである。なお、船体をレーザスキャンすること等により三次元構造データを取得することもできる。
学習用サーバ20における学習用座標変換ステップS3、及び推論サーバ40における座標変換ステップS13では、三次元構造データ(三次元曲面形状)をオフセット(N×M)し、N×Mで表される表面格子(格子状のメッシュ)の交点の座標である三次元座標値(X,Y,Z)に変換する(S31:三次元座標値変換ステップ)。オフセットとは、滑らかな曲面形状をメッシュ分割(代表値を離散化)することをいう。図6(b)は図6(a)に示す船体を左右に分割した一方側のオフセットを示し、Xは船長方向、Yは船幅方向、Zは高さ方向である。
三次元座標値変換ステップS31の後、変換した三次元座標値(X,Y,Z)を基に、N×M×3の画像データに変換する(S32:画像データ変換ステップ)。図6(c)は三次元座標値を上から順にX(B:ブルー)、Y(R:レッド)、Z(G:グリーン)のそれぞれについて画像化したものであり、縦軸を65段階、横軸を105段階としている。図6(d)は図6(c)の画像データを組み合わせてN×M×3の画像データとしたものである。
このように、三次元構造データと二次元平面との変換は、三次元構造データとしての表面格子(X,Y,Z)と二次元平面としての二次元RGB画像データとの間の変換としている。これにより、構造物の形状をパラメータ化せずに流場を推定するためパラメータ化による情報欠落が防止され、また形状表現に関する制約が殆どなく構造物の形状を表す自由度が高いため、精度よく高速に流場を推定することができる。
また、学習済モデルで使用する二次元RGB画像データは、三次元構造データとしての表面格子(X、Y,Z)をそれぞれ二次元RGB画像データのR・G・Bに対応させた二次元RGB画像データとしている。R・G・Bに対応させることで、さらに精度よく高速に流場を推定することができる。なお、二次元平面は、R・G・Bに替えて、カラーホイールの頂点となる例えばマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)等、他の色の組み合わせとすることもできる。
最適化フェーズでは、まず学習済モデル取得手段71が学習用サーバ20から学習済モデルを読み込む(S21:学習済モデル取得ステップ)。なお、学習済モデルは予め読み込んで最適化サーバ70に記憶させておくこともできる。
また、流場データ入力手段60から入力された流場データを取得する(S22:流場データ取得ステップ)。流場データ入力手段60では、図6(d)のようなデータを直接入力するのではなく、利用者が理解しやすいように、例えば二次元画像としての流速分布図を単数枚又は複数枚用いて流場データとして入力することが好ましい。この場合、入力された流速分布図を図6(d)のような二次元データに変換する二次元-二次元データ変換ステップをさらに含むことになる。
次に、構造物推定手段72が、流場データ取得ステップS22で取得された流場データを学習済モデルに適用して流場に対応した構造物の二次元平面を推定する(S23:構造物推定ステップ)。これにより構造物の初期曲面形状が生成される。
構造物推定ステップS23の後、流場推定評価手段73において、二次元平面を学習済モデルに適用して構造物の流場を推定する(S24:流場推定ステップ)。
流場推定評価手段73は、流場推定ステップS24の後、所望の流場が得られたか否か、及び所定の終了条件を満たしたか否かを判定する(S25:最適化演算終了判定ステップ)。所望の流場が得られたか否かは、流場データ取得ステップS22で取得した所望の流場の流場データと流場推定ステップS24で得られた流場との一致度を評価すること等により判定する。また、所定の終了条件とは、例えば流場推定ステップS24の実行回数である。
最適化演算終了判定ステップS25において、所望の流場が得られていないと判定され、かつ所定の終了条件を満たしていないと判定された場合は、構造物推定手段72が、流場データを学習済モデルに適用して流場に対応した構造物の変更した二次元平面を推定する(S26:(変更)構造物推定ステップ)。これにより構造物の変更曲面形状が生成される。(変更)構造物推定ステップS26の後は、流場推定ステップS24に戻る。
一方、最適化演算終了判定ステップS25において、所望の流場が得られたと判定されるか、又は所定の終了条件を満たしたと判定された場合は、推定した二次元平面を座標逆変換手段74が三次元構造データに座標逆変換する(S27:座標逆変換ステップ)。座標逆変換は、図5、6を用いて説明した上述の変換プロセスを逆に辿ることにより行う。すなわち、二次元平面としての二次元RGB画像データから三次元座標値(X,Y,Z)を求め、三次元構造データを生成する。
座標逆変換ステップS27の後、構造物データ出力手段80は、推定した構造物の表面として、座標逆変換された三次元構造データを出力する(S28:構造物データ出力ステップ)。
このように、所望の流場を実現する構造物の曲面形状を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、AIによって推定することができる。これにより設計者等は、精度の高い推定結果を、CFDや実験により求める場合と場合と比べて高速に得ることができる。なお、流場から構造物の外表面のみならず、内表面の推定にも用いることができる。
また、最適化演算終了判定ステップS25を有し、所望の流場が得られたと判定されるか、又は所定の終了条件を満たしたと判定されるまで流場推定ステップS24と(変更)構造物推定ステップS26を繰り返すことで、所望の流場を実現する構造物の形状をさらに精度よく推定することができる。
なお、所望する流場の流場データが得られるか終了条件を満たすまで、流場推定ステップS24と(変更)構造物推定ステップS26のみならず、座標逆変換ステップS27、及び構造物データ出力ステップS28も繰り返すことが好ましい。この場合は構造物データ出力ステップS28で三次元構造データが出力されるため、所望の流場を実現する構造物の形状を設計者等が確認しながら、さらに精度よく推定することができる。またこの場合は、最適化演算終了判定ステップS25に替えて、又は最適化演算終了判定ステップS25と併せて、流場推定ステップS24、(変更)構造物推定ステップS26、座標逆変換ステップS27、及び構造物データ出力ステップS28を繰り返すか否かを構造物データ出力ステップS28で出力された三次元構造データに基づいて設計者等が判断するステップを設けることもできる。
また、本発明は、コンピュータに、少なくとも学習済モデル取得ステップS21と、流場データ取得ステップS22と、構造物推定ステップS23と、座標逆変換ステップS27と、構造物データ出力ステップS28とを実行させる、流場から曲面状の構造物を推定する構造物/流場推定プログラムとすることができる。これにより、所望の流場を実現する構造物の表面を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、流場から構造物の外表面のみならず、内表面の推定にも用いることができる。
また、本発明は、構造物の表面の三次元構造データを座標変換した二次元平面と流場との関係を学習した学習済モデルを取得する学習済モデル取得手段71と、構造物の周りの所望する流場の流場データを入力する流場データ入力手段60と、流場データを学習済モデルに適用して流場に対応した構造物の二次元平面を推定する構造物推定手段72と、二次元平面を三次元構造データに座標逆変換する座標逆変換手段74と、推定した構造物の表面を座標逆変換された三次元構造データとして出力する構造物データ出力手段80とを備えた構造物/流場推定システムとすることもできる。これにより、所望の流場を実現する構造物の表面を、三次元構造データと流場との関係を、座標変換した二次元平面との関係に置き換えて学習した結果を用いて、精度よく、かつCFDや実験により求める場合と比べて高速に推定することができる。なお、流場から構造物の外表面のみならず、内表面の推定にも用いることができる。また、学習済モデル取得手段71、流場データ入力手段60、構造物推定手段72、座標逆変換手段74、及び構造物データ出力手段80は、一箇所に設置しても、別々の場所に設置してもよい。
また、構造物/流場推定システムにおいて、学習済モデルを生成するために、曲面状の構造物と構造物に対応した流場との関係を蓄積したデータベース11と、データベース11の複数の構造物の表面の三次元構造データを二次元平面に座標変換する学習用座標変換手段21と、二次元平面とデータベース11の構造物に対応した流場との関係を機械学習する機械学習手段22をさらに備えることで、機械学習を用いて流場の推定に適した学習済モデルを取得することができる。
また、構造物/流場推定システムにおいて、機械学習手段22は、機械学習としてCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いることで、画像認識の分野で優れた性能を発揮しているCNNを用いて、流場を高速に推定することができる。
また、構造物/流場推定システムにおいて、機械学習に用いる損失関数に流場のエネルギー保存則を導入することで、推定精度及び汎化性能の向上と、流体力学的な整合性を図り推定の精度をさらに高めることができる。
また、データサーバ10、学習用サーバ20、推論サーバ40、最適化サーバ70は任意に組み合わせて設置することができ、分離して設置する場合は各々の間をネットワークや通信手段等を用いて機能的にリンクさせることが可能である。
21 学習用座標変換手段
22 機械学習手段
30 構造データ入力手段
41 学習済モデル取得手段
42 座標変換手段
43 流場推定手段
50 流場データ出力手段
60 流場データ入力手段
71 学習済モデル取得手段
72 構造物推定手段
74 座標逆変換手段
80 構造物データ出力手段
S11 学習済モデル取得ステップ
S12 構造データ取得ステップ
S13 座標変換ステップ
S14 流場推定ステップ
S15 流場データ出力ステップ
S21 学習済モデル取得ステップ
S22 流場データ取得ステップ
S23 構造物推定ステップ
S27 座標逆変換ステップ
S28 構造物データ出力ステップ
Claims (15)
- 曲面状の構造物の周りの流場を推定する方法であって、
前記構造物の表面の三次元構造データを座標変換した二次元平面と前記流場との関係を学習した学習済モデルを取得する学習済モデル取得ステップと、
前記構造物の表面の前記三次元構造データを取得する構造データ取得ステップと、
前記三次元構造データを前記二次元平面に座標変換する座標変換ステップと、
前記二次元平面を前記学習済モデルに適用して前記構造物の前記流場を推定する流場推定ステップと、
推定した前記流場を流場データとして出力する流場データ出力ステップと
を備えたことを特徴とする構造物-流場推定方法。 - 流場から曲面状の構造物を推定する方法であって、
前記構造物の表面の三次元構造データを座標変換した二次元平面と前記流場との関係を学習した学習済モデルを取得する学習済モデル取得ステップと、
前記構造物の周りの所望する前記流場の流場データを取得する流場データ取得ステップと、
前記流場データを前記学習済モデルに適用して前記流場に対応した前記構造物の前記二次元平面を推定する構造物推定ステップと、
前記二次元平面を前記三次元構造データに座標逆変換する座標逆変換ステップと、
推定した前記構造物の表面を前記座標逆変換された前記三次元構造データとして出力する構造物データ出力ステップと
を備えたことを特徴とする構造物-流場推定方法。 - 所望する前記流場の前記流場データが得られるか終了条件を満たすまで、前記構造物推定ステップ、前記座標逆変換ステップ、及び前記構造物データ出力ステップを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の構造物-流場推定方法。
- 前記三次元構造データと前記二次元平面との変換は、前記三次元構造データとしての表面格子(X,Y,Z)と前記二次元平面としての二次元RGB画像データとの間の変換であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の構造物-流場推定方法。
- 前記学習済モデルで使用する前記二次元RGB画像データは、前記三次元構造データとしての表面格子(X,Y,Z)をそれぞれ前記二次元RGB画像データのR・G・Bに対応させた二次元RGB画像データであることを特徴とする請求項4に記載の構造物-流場推定方法。
- 前記学習済モデルは、曲面状の前記構造物のデータベースから読み込んだ複数の前記構造物の前記表面の前記三次元構造データを前記二次元平面に座標変換するとともに、前記データベースの前記構造物に対応した前記流場との関係を、機械学習を用いて学習した結果であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の構造物-流場推定方法。
- 前記機械学習としてCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いることを特徴とする請求項6に記載の構造物-流場推定方法。
- 前記機械学習に用いる損失関数に流場のエネルギー保存則を導入することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の構造物-流場推定方法。
- コンピュータに、
請求項1、又は請求項1を選択する請求項4若しくは請求項5に記載の構造物-流場推定方法における、
前記学習済モデル取得ステップと、前記構造データ取得ステップと、前記座標変換ステップと、前記流場推定ステップと、前記流場データ出力ステップとを実行させることを特徴とする構造物-流場推定プログラム。 - コンピュータに、
請求項2、請求項3、又は請求項2を選択する請求項4若しくは請求項5に記載の構造物-流場推定方法における、
前記学習済モデル取得ステップと、前記流場データ取得ステップと、前記構造物推定ステップと、前記座標逆変換ステップと、前記構造物データ出力ステップとを実行させることを特徴とする構造物-流場推定プログラム。 - 曲面状の構造物の周りの流場を推定するシステムであって、
前記構造物の表面の三次元構造データを座標変換した二次元平面と前記流場との関係を学習した学習済モデルを取得する学習済モデル取得手段と、
前記構造物の表面の前記三次元構造データを入力する構造データ入力手段と、
前記三次元構造データを前記二次元平面に座標変換する座標変換手段と、
前記二次元平面を前記学習済モデルに適用して前記構造物の前記流場を推定する流場推定手段と、
推定した前記流場を流場データとして出力する流場データ出力手段とを備えたことを特徴とする構造物-流場推定システム。 - 流場から曲面状の構造物を推定するシステムであって、
前記構造物の表面の三次元構造データを座標変換した二次元平面と前記流場との関係を学習した学習済モデルを取得する学習済モデル取得手段と、
前記構造物の周りの所望する前記流場の流場データを入力する流場データ入力手段と、
前記流場データを前記学習済モデルに適用して前記流場に対応した前記構造物の前記二次元平面を推定する構造物推定手段と、
前記二次元平面を前記三次元構造データに座標逆変換する座標逆変換手段と、
推定した前記構造物の表面を前記座標逆変換された前記三次元構造データとして出力する構造物データ出力手段とを備えたことを特徴とする構造物-流場推定システム。 - 前記学習済モデルを生成するために、曲面状の前記構造物と前記構造物に対応した前記流場との関係を蓄積したデータベースと、前記データベースの複数の前記構造物の前記表面の前記三次元構造データを前記二次元平面に座標変換する学習用座標変換手段と、前記二次元平面と前記データベースの前記構造物に対応した前記流場との関係を機械学習する機械学習手段をさらに備えたことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の構造物-流場推定システム。
- 前記機械学習手段は、前記機械学習としてCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いることを特徴とする請求項13に記載の構造物-流場推定システム。
- 前記機械学習に用いる損失関数に流場のエネルギー保存則を導入することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の構造物-流場推定システム。
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登内 雅人,外2名,CNNを用いた類似した三次元船型形状からの造波抵抗推定,FIT2019 第18回情報科学技術フォーラム 講演論文集 第1分冊 選奨論文・一般論文 モデル・アルゴリズム・プログラミング ソフトウェア ハードウェア・アーキテクチャ,2019年 |
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