JP7437185B2 - 複合成型体、接着性樹脂層及び複合成型体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合成型体、接着性樹脂フィルム及び複合成型体の製造方法に関する。
近年、炭素繊維強化樹脂(以下、CFRPと略することがある)を形成材料とする成型体が提案されている。CFRPは、金属材料と比べ軽量でありながら機械的強度が高い。そのため、CFRP製の成型体は、例えば、金属代替部品として採用されている。
一方、CFRP製の成型体の色は、材料の色である黒色に限定されてしまう。そこで、CFRP製の成型体を装飾するため、色や模様が付された加飾フィルムを成型体の表面に積層した複合成型体が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-202924号公報
しかしながら、上記複合成型体は、成型体から加飾フィルムが剥離してしまうことがあり、改善が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、加飾フィルムの剥離が抑制された新規な複合成型体を提供することを目的とする。
また、加飾フィルムをCFRP製の成型体に容易かつ強固に接着可能な接着性樹脂フィルムを提供することを併せて目的とする。
また、加飾フィルムの剥離が抑制された複合成型体を容易に製造可能とする複合成型体の製造方法を提供することを併せて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、炭素繊維強化樹脂を形成材料とする成型体と、加飾フィルムと、前記成型体及び前記加飾フィルムに挟持され両者を貼り合わせる接着層と、を有し、前記接着層は、少なくともアクリル系ポリマーと、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方と、重合開始剤とを含有する接着性樹脂層の硬化物である複合成型体を提供する。
本発明の一態様においては、前記接着層の23℃、1Hzの貯蔵弾性率は、5×10Pa以上1×10Pa未満である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記接着層の前記成型体側の面は、前記加飾フィルム側の面よりも、前記アクリル系モノマー及びアクリル系オリゴマーのいずれか一方または両方の重合体の含有量が多い構成としてもよい。
また、本発明の一態様は、アクリル系ポリマーと、反応基質と、重合開始剤とを含有し、常温で両面に粘着性を有する接着性樹脂層と、前記接着性樹脂層を挟持する一対のセパレーターと、を有し、前記反応基質は、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を含み、前記接着性樹脂層の一方の面では、他方の面よりも前記反応基質の含有量が多い接着性樹脂フィルムを提供する。
また、本発明の一態様は、炭素繊維強化樹脂を形成材料とする成型体と、加飾フィルムと、前記成型体及び前記加飾フィルムに挟持され両者を貼り合わせる接着層とを有する複合成型体の製造方法であって、少なくともアクリル系ポリマーと、反応基質と、重合開始剤とを含有し、常温で両面に粘着性を有する接着性樹脂層を、前記成型体に押圧して貼り合わせる工程と、前記重合開始剤を硬化させて前記接着層を得る工程と、前記接着層に前記加飾フィルムを貼合する工程と、を有し、前記反応基質は、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を含む複合成型体の製造方法を提供する。
本発明の一態様においては、前記貼合する工程が、80℃以上220℃以下の温度条件における熱プレスである製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記接着性樹脂層の前記成型体と接する面は、前記接着性樹脂層の前記加飾フィルムと接する面よりも前記反応基質の含有量が多い製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記重合開始剤が、熱重合開始剤である製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記熱重合開始剤が、過酸化物である製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記接着性樹脂層が、前記アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を5~50質量部含有する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記反応基質の少なくとも一部が、水酸基を含有するアクリル系モノマーである製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記反応基質の少なくとも一部が、硬化性ウレタンアクリレートである製造方法としてもよい。
本発明によれば、加飾フィルムの剥離が抑制された新規な複合成型体を提供することができる。また、加飾フィルムをCFRP製の成型体に容易かつ強固に接着可能な接着性樹脂フィルムを提供することができる。また、加飾フィルムの剥離が抑制された複合成型体を容易に製造可能とする複合成型体の製造方法を提供することができる。
第1実施形態の複合成型体1を説明する概略断面図である。 第1実施形態の複合成型体1の製造に用いられる接着性樹脂フィルム15の一例を示す断面図である。 第1実施形態の複合成型体1の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態の複合成型体1の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態の複合成型体1の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態の複合成型体1の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態の複合成型体2を説明する概略断面図である。 第2実施形態の複合成型体2の製造に用いられる接着性樹脂フィルム45の一例を示す断面図である。
[第1実施形態]
以下、図1~図6を参照しながら、第1実施形態に係る複合成型体、複合成型体の製造方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
<複合成型体>
図1は、本実施形態の複合成型体を説明する概略断面図である。図1に示すように、本実施形態の複合成型体1は、成型体20と、加飾フィルム30と、成型体20及び加飾フィルム30に接して成型体20及び加飾フィルム30に挟持され、両者を貼り合わせる接着層10と、を有する。
成型体20は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を形成材料とする。CFRPは、通常知られているものを用いることができる。CFRPは、炭素繊維に硬化剤を含む熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグとし、プリプレグを適宜成型して硬化させることで得られる。
CFRPに含まれる炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維のいずれも用いることができる。また、炭素繊維は、炭素繊維の糸を一方向に多数引き揃えたものや、炭素繊維の織物を用いることができる。織物の織り方には制限が無く、織布、不織布のいずれも採用することができる。
CFRPに含まれる熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリイミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。これらの樹脂は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、エポキシ樹脂が好ましい。
また、CFRPは、上述した熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性CFRP(CFRTP)としてもよい。
CFRTPに含まれる熱可塑性樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドなどを用いることができる。これらの樹脂は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加飾フィルム30は、例えば、熱可塑性樹脂を形成材料とするシート状の基材に、色及び模様のいずれか一方または両方が付されたものを用いることができる。また、加飾フィルム30において、色や模様は必須ではなく、無色で且つ模様の無い透明シートを加飾フィルムとして用いてもよい。
加飾フィルム30の形成材料である熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS樹脂)などを挙げることができる。
加飾フィルム30の色や模様は、基材を直接染色または成型することで設けられていてもよく、基材の表面に加飾層を設け、加飾層に色や模様を設けることとしてもよい。加飾層には、基材に印刷することで設けられる印刷層を含む。
接着層10は、接着層10の厚さ方向の全体にわたり、少なくとも(A)アクリル系ポリマーと、(B)アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方、(C)重合開始剤とを含有する接着性樹脂組成物の硬化物からなる。接着層10は、同種または異種の接着性樹脂組成物からなる2層以上から構成されてもよい。接着層10は、光透過性を有していてもよく、光透過性を有していなくてもよい。
接着層10は、少なくとも(A)アクリル系ポリマーと、(B)アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方と、(C)重合開始剤とを含有する接着性樹脂層の硬化物である。また、接着層10は、(B)成分を接着層10の1質量%以上40質量%以下含む。
接着層10は、後述する接着性樹脂層11を硬化させることで製造することができる。接着層10の23℃、1Hzの貯蔵弾性率は、同条件の接着性樹脂層11の貯蔵弾性率よりも大きい。
また、接着層10の23℃、1Hzの貯蔵弾性率は、被着体である成型体20の23℃、1Hzの貯蔵弾性率よりも小さい。成型体20の形成材料であるCFRPは、通常、23℃、1Hzの貯蔵弾性率が1×10Pa以上である。
一方、発明者の検討により、複合成型体において成型体20と加飾フィルム30との剥離を抑制するためには、接着層10の23℃、1Hzでの貯蔵弾性率が5×10Pa以上であることが好ましいことが分かった。例えば、本実施形態の複合成型体1として、板状の成型体20に接着層10を介して加飾フィルム30を貼合した複合成型体を製造し、複合成型体を屈曲させた場合に、加飾フィルム30の剥離を抑制することができる。
そのため、本実施形態に係る接着層10の23℃、1Hzの貯蔵弾性率は、5×10Pa以上1×10Pa未満であることが好ましい。
接着層の貯蔵弾性率は、複合成型体における接着層を1cm角に裁断して得た試験片を用い、動的粘弾性装置(UBM製 Rheogel-E4000)にて線形領域内、周波数1Hzの条件で動的粘弾性試験を行って測定する。貯蔵弾性率の測定は、-40℃~+80℃の温度の範囲で、昇温速度2℃/分の条件により、23℃における値を読み取る。
接着層の貯蔵弾性率は、後述する接着性樹脂フィルムの組成を変更することで調整することができる。
<接着性樹脂フィルム>
図2は、本実施形態の複合成型体の製造に用いられる接着性樹脂フィルム15の一例を示す断面図である。接着性樹脂フィルム15は、2枚のセパレーター12,13と、これらの間に積層された接着性樹脂層11とを有する。接着性樹脂層11を構成する接着性樹脂組成物は、(A)アクリル系ポリマーと、(B)アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方と、(C)重合開始剤とを含有する。
接着性樹脂層11の両面11a,11bは、常温で粘着性を有し、粘着面となっている。
接着性樹脂層11は、厚さ方向の全体にわたり、接着性樹脂組成物からなる。接着性樹脂層11は、単層であってもよく、同種または異種の接着性樹脂組成物からなる2層以上から構成されてもよい。接着性樹脂層11が単層の接着性樹脂層からなる場合、層構成を単純化してコストを低減できるので、好ましい。接着性樹脂組成物は、アクリル系の接着性樹脂(ポリマー)を含む。接着性樹脂組成物の光学特性は限定されないが、透明性を有してもよく、半透明や不透明でもよい。
セパレーター12,13は、接着性樹脂層11と接する側の面12a,13aが剥離面となっている。セパレーター12,13の構成としては、樹脂フィルムの片面または両面に剥離剤層を設けた構成や、樹脂フィルムの樹脂内に剥離剤を含む構成など、通常知られた構成を採用することができる。樹脂フィルムの代わりに、紙、合成紙、金属箔などの各種シートを用いることもできる。セパレーター12,13が透明性を有すると、セパレーター12,13を剥離しない接着性樹脂フィルム15のまま、接着性樹脂層11の光学的な検査を行うことができるため好ましい。
接着性樹脂フィルム15は、接着性樹脂層11からセパレーター12,13を剥離して露出される粘着面11a,11bにより、2枚の基材を貼合することができる。
接着性樹脂層11を製造する際の材料は、接着性樹脂層11を構成する接着性樹脂組成物の組成に、溶剤を加えたものであってもよい。接着性樹脂層11は、硬化前においては粘着剤層として機能することができる。
((A)アクリル系ポリマー)
(A)アクリル系ポリマーを構成するモノマーは、エステル基(-COO-)を有するアクリル系モノマー、カルボキシ基(-COOH)を有するアクリル系モノマー、アミド基(-CONR,Rは水素原子またはアルキル基等の置換基)を有するアクリル系モノマー、ニトリル基(-CN)を有するアクリル系モノマー、オレフィン類、スチレン、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルシラン等の非アクリル系モノマーが挙げられる。
(A)アクリル系ポリマーは、2種以上のモノマーからなる共重合体が好ましい。光重合前における(A)アクリル系ポリマーの数平均分子量は、例えば5~100万程度が好ましい。粘度は、例えば1000~10000mPa・s程度が挙げられる。
エステル基を有するアクリル系モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基(水酸基)を有する(メタ)アクリレート、アルコキシ基またはポリエーテル基を有する(メタ)アクリレート、アミノ基または置換アミノ基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
カルボキシ基を有するアクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシ基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミド基を有するアクリル系モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基を有するアクリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
(A)アクリル系ポリマーは、構成モノマーの50質量%以上が、アクリル系モノマーからなることが好ましい。特に、構成モノマーの50質量%以上が、一般式CH=CR-COOR(式中、Rは水素またはメチル基、Rは炭素数1~14のアルキル基を示す。)で表わされるアルキル(メタ)アクリレートの1種または2種以上からなることが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。特に、アルキル基Rの炭素数が4~12のアルキル(メタ)アクリレートを必須として、例えば50~100モル%用いることが好ましい。
また、水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクタン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等の1種または2種以上が挙げられる。
((B)アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方)
以下の説明では、「(B)アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方」を、「(B)成分」と称することがある。(B)成分は、重合することにより、接着性樹脂層11を硬化させる。接着性樹脂層11は、硬化することにより接着層10となる。
接着性樹脂層11に含まれる(B)成分が重合前であることにより、接着性樹脂層11は粘着性を発現する。また、接着性樹脂層11において(B)成分が重合することにより、接着性樹脂層11の柔軟性が徐々に失われて硬化し、接着層10が得られる。
このように、接着性樹脂フィルム15は、接着性樹脂層11に(B)成分を含むことにより、(B)成分の重合前と重合後とで接着性樹脂層11の硬さが変化する。これにより、得られる接着層10が変形しにくくなり、剥離しにくくなる。
(B)成分のうち、アクリル系モノマーとしては、(A)アクリル系ポリマーを構成するモノマーと同様なモノマーを挙げることができる。例えば、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基を含有する(メタ)アクリレート、アクリルアミド等の1種または2種以上が挙げられる。1分子中の(メタ)アクリロイル基等の重合性官能基の数は、ひとつでも2以上でもよい。
特に、(B)成分の少なくとも一部として、水酸基を有する(メタ)アクリレートのモノマーを含有する場合、極性を有する水酸基が接着性樹脂層の全体に分散しやすくなる。これにより、湿度の高い(さらに高温の)環境でも、水分が凝集しにくく、接着性樹脂層の白濁が抑制されるため、好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートにおいて、1分子中の水酸基の数は、ひとつでも2以上でもよい。
また、(B)成分の少なくとも一部として、硬化性ウレタンアクリレートを用いることができる。
ウレタンアクリレートは、同一分子中にウレタン結合(-NH-COO-)及び(メタ)アクリロイルオキシ基(X=HまたはCHとして、CH=CX-COO-)を有する化合物である。
硬化性ウレタンアクリレートは、ウレタンアクリレートのうち、重合性官能基である(メタ)アクリロイルオキシ基により硬化性を有する化合物である。1分子中のウレタン結合の数は、ひとつでも2以上でもよい。また、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、ひとつでも2以上でもよい。
ウレタンアクリレートとしては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とイソシアネート化合物とを反応させて得られる化合物、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られる化合物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
アクリル系モノマーとしては、水酸基を含有するアクリル系モノマーが好ましい。また、アクリル系モノマーとしては、硬化性ウレタンアクリレートも好ましい。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
(B)成分は、(C)重合開始剤による硬化によりポリマーの一部になり、かつポリマーよりも粘度が低い液体(流動体)であることが好ましい。アクリル系モノマー及びアクリル系オリゴマーを併用することも可能である。アクリル系オリゴマーとして、ウレタンアクリレートオリゴマー等のアクリレートオリゴマーが挙げられる。(B)成分の有する重合性官能基の数は、例えば1~10であり、2~5であってもよい。
(B)成分は、平均分子量が大きいほど、(B)成分を重合させて得られる重合体の分子量が上がりやすく、接着層を十分に硬化させやすい。また、(B)成分の平均分子量が大きいと、接着性樹脂層を硬化させて得られる接着層を硬くするために、(B)成分の使用量を少なくすることができる。
そのため、(B)成分は、アクリル系オリゴマーを含むことが好ましい。
一方で、(B)成分は、平均分子量が大きいほど重合時の反応性が低くなる。これに対し、(B)成分が重合性官能基を複数有すると、重合しやすく、接着性樹脂層が硬化しやすい。そのため、得られる接着層が変形しにくくなり、剥離しにくくなる。
(B)成分が有する重合性官能基が多すぎると、得られる接着層が固くなりすぎて反応時の収縮で逆に剥がれてしまうことがある。
そのため、(B)成分が有する重合性官能基の量は、重合して得られる接着層の固さと、反応時の収縮性とを考慮して選択すると好ましい。
接着性樹脂組成物は、(A)アクリル系ポリマー100質量部に対して、(B)成分を5~50質量部含有することが好ましい。(B)成分の添加量が多すぎると、接着性樹脂層11を重合させたときに、接着性樹脂層11の接着力が低下しすぎる場合がある。
((C)重合開始剤)
本実施形態においては、(C)重合開始剤は、エネルギーを供給することにより自身が分解し、重合を開始させる活性種を生じる材料を指す。別表現によれば、(C)重合開始剤は、(C)重合開始剤の活性化エネルギーを供給することで、重合を開始させる活性種を生じる材料を指す。(C)重合開始剤を分解させる因子は、熱エネルギーであってもよく、光エネルギーであってもよく、電子線エネルギーであってもよい。熱エネルギーにより分解する(C)重合開始剤は、一般に熱重合開始剤と呼ばれることが多い。光エネルギーにより分解する(C)重合開始剤は、一般に光重合開始剤と呼ばれることが多い。
(C)重合開始剤として熱反応開始剤を用いると、例えば、一定温度に保たれているオーブンを用いて接着性樹脂層11を加熱することで、接着性樹脂層11全体に均一に熱を伝えやすい。これにより、接着性樹脂層11における(B)成分の重合反応を、均一に開始させることができる。
また、(C)重合開始剤として熱反応開始剤を用いると、熱反応開始剤の使用量や加熱温度を調整することで、(B)成分の重合速度を遅く調整しやすい。そのため、後述する複合成型体の製造方法においては、熱プレス中にまず(B)成分が被着体の凹凸に入り込み、その後反応して凹凸構造に追従した形で重合反応が終わるように反応を設計しやすくなる。
一方、(C)重合開始剤として光重合開始剤用いる場合、被着体に接着性樹脂層11を貼合して被着体の表面の凹凸構造に接着性樹脂層を追従させた後、接着性樹脂層に光照射を行って(B)成分を重合させる。
その際、接着性樹脂層を被着体側に押し付ける方向に圧力を加えた状態で、重合反応を進めることが好ましい。接着性樹脂層を被着体に貼合した後、貼合時の圧力を解放してから光照射すると、条件によっては貼合時には気泡が見られなかった部分に気泡が生じることがある。「遅れ気泡」と呼ばれる気泡は、接着性樹脂層を被着体側に押し付ける方向に圧力を加えた状態で光照射することにより抑制することができる。
(C)重合開始剤としては、重合反応の制御が容易である熱重合開始剤がより好ましい。また、熱重合開始剤は、用いる加飾フィルム30やセパレーター12,13の色によらず、反応を開始可能である点からも好ましい。
さらには、接着性樹脂層11は、(B)成分として分子量が高いアクリル系オリゴマーを用い、(C)重合性開始剤として熱反応開始剤を用いることが好ましい。
熱重合開始剤としては、分解して、モノマーの重合と樹脂の硬化を開始するラジカル開始剤が挙げられる。ラジカル開始剤としては、低温で作用するレドックス開始剤や有機金属化合物なども知られているが、接着性樹脂層の取り扱い性の点では、より高温で作用する、(有機)過酸化物系、アゾ系等が好ましい。
熱重合開始剤の半減期が1分間となる温度(以下、「1分間半減期温度」と称する場合がある。)は、接着性樹脂組成物が含有する有機溶剤の沸点よりも高いことが好ましい。このような(C)重合開始剤を用いると、接着性樹脂フィルム15の製造過程において、特に、溶媒の乾燥工程において反応しにくいため好ましい。
また、熱重合開始剤は、熱プレス時の温度において、一定時間で十分に反応させるために、熱プレス設定温度よりも50℃以上低い1分間半減期温度を有する材料が好ましい。
(有機)過酸化物系の熱重合開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル等のジアシルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート等のアルキルペルオキシエステル、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド等が挙げられる。中でも、上記の1分間半減期温度が100℃以上である有機過酸化物が好ましく、1分間半減期温度が200℃以下である有機過酸化物がより好ましい。
このような有機過酸化物としては、t-ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t-ヘキシルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシピバレート、ジラウロイルペルオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジスクシニックアシッドペルオキシド、t-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ビス(t-ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t-ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルペルオキシマレイン酸、t-ブチルペルオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルペルオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルペルオキシラウレート、t-ヘキシルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ヘキシルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、p-メンタンヒドロペルオキシド等が挙げられる。
アゾ系の熱重合開始剤としては、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-シアノバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレート)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。
また、重合開始剤は反応性の制御のために、かご状の分子を有する分子カプセルの中に封入された熱重合開始剤を用いることができる。かご状分子はアントラセン構造であることが好ましい。
光重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、アセトフェノン、p-(tert-ブチル)1’,1’,1’-トリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2’,2’-ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシルアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2’-フェニルアセトフェノン、2-アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシルベンゾフェノン、ヒドロキシルプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、α-アシルオキシムエステル、ベンジル-(o-エトキシカルボニル)-α-モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、フェニルグリオキシル酸エステル、3-ケトクマリン、2-エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、t-ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。
なお、「t-ブチルペルオキシピバレート」については、熱重合開始剤としても光重合開始剤としても使用可能である。
(B)成分100質量部に対して、(C)重合開始剤の添加量は0.001~1質量部であることが好ましく、0.001~0.5質量部であることがより好ましい。
接着性樹脂層11には、重合遅延剤を加えることができる。重合遅延剤の使用により、重合度の制御が容易になる。また、基材の変形に対する追従性を向上させる観点から好ましい。なお、重合遅延剤は、過度に使用すると成形加工時に反応が終了せずに、剥がれる可能性が生じる。そのため、重合遅延剤を用いた場合には、成形加工時に重合反応が終了するための十分な反応時間を確保できるよう、加工時間を調整するとよい。
重合遅延剤としては、例えば、ヒドロキシアニソール類、ジアルコキシフェノール類、カテコール類、ヒドロキノン類、ベンゾキノン類が挙げられ、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソールなどのヒドロキシアニソール類が特に好ましい。重合遅延剤は1種単独また2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合遅延剤の含有量は、重合開始剤と重合遅延剤とのモル比(重合開始剤:重合遅延剤)で、通常1:0.001~1:1、好ましくは1:0.01~1:1である。
その他、重合遅延剤としては、p-メトキシフェノール、ピロガロール、レソルシノール、フェナントラキノン、2,5-トルキノン、ベンジルアミノフェノール、2,4,6-トリメチルフェノール、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)等のフェノール類;
o-ジニトロベンゼン、p-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼンなどのニトロベンゼン類;
N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、クペロン、フェノチアジン、タンニン酸、p-ニトロソアミン、クロラニル、アニリン、ヒンダードアニリン、塩化鉄(III)、塩化銅(II)、トリエチルアミンなどを挙げることができる。
接着性樹脂層11は、(A)~(C)以外の任意成分をさらに含有することができる。
((D)架橋剤)
例えば、接着性樹脂層11は、任意成分として、(D)架橋剤(硬化剤)を含有することができる。(D)架橋剤(硬化剤)としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート化合物等を挙げることができる。
(D)架橋剤(硬化剤)は、(A)アクリル系ポリマー、または(B)成分を架橋させるため、好適に用いられる。この場合、必要に応じて、(A)アクリル系ポリマーまたは(B)成分の少なくとも一部に、(D)架橋剤と反応する官能基を有するポリマーまたはモノマーが使用される。
(D)架橋剤と反応する官能基は、例えばイソシアネート系架橋剤の場合、水酸基やカルボキシ基等である。
(D)架橋剤の添加量は、ポリマーの官能基に対して例えば1.5当量以下が好ましい。
(D)架橋剤(硬化剤)による(A)アクリル系ポリマーの硬化は、被着体に貼合する前の接着性樹脂層11を製造する段階で、エージングにより進行させてもよい。
その他の任意成分としては、例えば、酸化防止剤、充填剤、可塑剤等が挙げられる。接着性樹脂層の製造に用いられる接着性樹脂組成物は、水や有機溶剤等の溶剤を含んでもよく、無溶剤のシロップ状組成物でもよい。基材上にITO等の酸化物導電膜や卑金属等、腐食の可能性がある材料が存在し、これに接着性樹脂層11が接触する場合、接着性樹脂組成物の材料としては酸等の腐食性成分を削減し、例えば酸価の低いポリマーを使用することが好ましい。
また、(B)成分としてアクリル系オリゴマーを用いる場合、アクリル系ポリマーもアクリル系オリゴマーも分子量が大きく、塗料としての相溶性が悪くなることがしばしば発生する。そのため、接着性樹脂層11は、任意成分として相溶剤を添加することが望ましい。
相溶剤は、熱反応時にアクリル系オリゴマーと一緒に硬化可能な、反応性基を有する材料が好ましい。
本実施形態において、接着性樹脂層11は、23℃、1Hzの貯蔵弾性率が1×10Pa以上であることが好ましく、1×10Pa以上であることがより好ましい。
<複合成型体の製造方法>
図3~6は、本実施形態の複合成型体の製造方法を示す工程図である。以下の製造方法においては、接着性樹脂層11が有する(C)重合性開始剤が、熱重合性開始剤であることとして説明する。
まず、図3に示すように、接着性樹脂フィルム15から、一方のセパレーター12を剥離して、接着性樹脂層11を露出させる。露出した接着性樹脂層11の粘着面11aに成型体20を貼合し、積層体16を得る。
次いで、図4に示すように、積層体16をプレスしながら加熱する(熱プレス)。熱プレス時の各種条件は、用いる熱重合開始剤の1分間半減期温度に応じて適宜設定することができる。用いる熱重合開始剤の1分間半減期温度が120℃の場合、熱板温度を100℃以上140℃以下、0.01MPa以上5MPa以下で加圧しながら、0.1分以上2時間以下保持することで熱プレスを行うことができる。半減期温度が異なる熱重合開始剤を用いる場合は、熱板温度を半減期温度の±20℃あたりに設定することが好ましい。
接着性樹脂層11に含まれる(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤(硬化剤)が反応した硬化済みポリマーは、加熱により軟化する。さらに、接着性樹脂層11に含まれる重合性の(B)成分が硬化前であるため、接着性樹脂層11は柔軟性に富み、成型体20の表面に付きまわることができる。特に、CFRPを形成材料とする成型体20は、CF(カーボンファイバー)に起因した微細な表面凹凸を有するところ、接着性樹脂層11は、プレスすることにより成型体20の表面の凹部に入り込みながら付きまわる。
この状態で加熱することで、接着性樹脂層11中の(C)重合開始剤が反応し、(B)成分が重合する。これにより、接着性樹脂層11が硬化し、接着層10となる。接着層10は、成型体20の表面に強固に密着した状態で硬化するため、(B)成分のアンカー効果及び(B)成分の硬化によって変形しにくくなることの効果により、接着層10と成型体20との界面での剥離を抑制することができる。
次いで、図5に示すように、他方のセパレーター13を剥離して、接着層10を露出させる。接着層10の表面は、粘着性を有している。露出した接着層10に加飾フィルム30を貼合する。
次いで、図6に示すように、複合成型体1をプレスしながら加熱する。熱プレスは、0.01MPa以上5MPa以下で加圧しながら、0.1分以上保持することで行う。なお、熱プレスの保持時間の上限は、生産性や材料の熱安定性を考慮し、発明の効果を損なわない範囲において適宜設定するとよい。例えば、熱プレスの保持時間は、30分以下とするとよい。
熱プレス時の加熱温度は、接着層10の軟化温度以上であると好ましい。この工程は、(B)成分は既に硬化済みであるため、(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤(硬化剤)が反応した硬化済みポリマーを加熱により軟化させて、加飾フィルム30を密着させる工程となる。そのため、加熱条件としては、接着層10に粘着性を発現させる温度であり、図4に示す熱プレスよりは低い温度に設定可能である。
本工程は熱プレスで行うことが好ましいが、加熱ロールによるラミネート工程でもよい。加熱ロールでの貼合の場合は、0.1MPa以上0.5MPa以下で加圧しながら、0.01m/分以上の加工速度で、接着層10の軟化温度以上の加熱ロールを準備すれば実施可能となる。
接着層10は、図4に示す工程によって(B)成分が重合し硬化しているため、接着性樹脂層11と比べると、表面の粘着性が低下している。しかし、接着層10の軟化温度以上に加熱しながら複合成型体1をプレスすることで、接着層10と加飾フィルム30とを好適に貼合することができる。
化学的な結合の観点からは、接着層10として、(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤(硬化剤)との反応が完全に終わる前、すなわち完全に硬化する前のポリマーを用いることが、複合成型体1に密着させやすいため好ましい。複合成型体1としたとき、各層の積層後に接着層10が硬化反応をすると、接着層10との界面で密着しやすく好ましい。
(B)成分についても、積層体16に対して密着しやすい樹脂を選定することが好ましい。
物理的な観点からは、複合成型体1と積層体16の表面凹凸はいずれも平滑ではなく、光学的に歪みのないレベルで凹凸があることが好ましい。なかでも、複合成型体1と積層体16で比較すると、積層体16の表面凹凸が大きいほうが好ましい。接着性樹脂層11の弾性率と接着層10の弾性率とを比べると、接着性樹脂層11の方が低い。そのため、積層体16の表面凹凸が大きいと、接着性樹脂層11が積層体16の表面凹凸へより入り込みやすく好ましい。
また、熱プレス時の加熱温度は、用いる加飾フィルム30の物性に応じ、加飾フィルム30の熱収縮が生じない程度の温度に適宜設定することが好ましい。すなわち、熱プレス時の加熱温度は、接着層10の軟化温度以上であり、加飾フィルム30の軟化温度未満であると好ましい。例えば、熱プレス時の加熱温度は、80℃以上220℃以下とすることができ、80℃以上130℃以下が好ましく、80℃以上100℃以下がより好ましい。熱プレス時の加熱温度を、このような温度範囲に設定することで、得られる複合成型体1の反りを抑制することができる。
接着層10は、貼合時における接着層10と気泡の噛み込みを少なくするため減圧中で熱プレスを行うことが好ましい。本実施形態の複合成型体の製造方法では、重合性の(B)成分が硬化前であり柔軟性に富む。これにより、接着層10が凹凸に入り込みやすく、気泡発生の原因を取り除くことが出来る。そのため、本実施形態の複合成型体の製造方法では、減圧中のみならず、大気圧中でも熱プレスが可能となる。
以上のような構成の複合成型体1によれば、加飾フィルム30の剥離が抑制された成型体となる。
また、以上のような構成の複合成型体1の製造方法によれば、加飾フィルム30の剥離が抑制された複合成型体1を容易に製造可能とすることができる。
なお、本実施形態においては、接着性樹脂層11を成型体20に貼合し、接着層10とした後に、接着層10に加飾フィルム30を貼合することとしたが、これに限らない。まず接着性樹脂層11と加飾フィルム30とを貼合し、接着層10とした後に、接着層10に成型体20を貼合することもできる。
例えば、複合成型体の製造において、3次元表面加飾工法(Three dimension Overlay Method、TOM)を用いたTOM成形のような真空圧空成形を採用する場合、加飾フィルムと、加飾フィルムに貼合された接着層とを有する積層体を用いる。
真空圧空成形では、積層体および成型体を真空環境に配置し、積層体を加熱して軟化させた後、積層体に対して成型体とは反対側の空間を空気等の加圧ガスで加圧する。これにより、加飾フィルムと接着層との積層体を、気圧差を利用して成型体に貼合する。
真空圧空成形では、成型体に積層体を貼合する前に、赤外線ヒーターを用いて積層体が有する接着層を加熱してもよい。
また、真空圧空成形において、加圧ガスを温めておくと好ましい。
真空圧空成形においては、積層体の貼合直後は積層体が高温であり柔軟であるが、積層体が成型体に接することにより積層体の温度が下がり、積層体が固くなる。積層体が硬くなると、積層体が有する接着層も硬くなり、接着層が成型体の表面の凹凸に入り難くなる。
そこで、真空圧空成形では、加圧ガスに意図的に水蒸気を含ませて比熱容量を大きくするとよい。その場合、貼合時も積層体の温度が下がりにくく、成型体に貼合しやすくなる。
また、貼合対象となる成型体は、貼合時の積層体の温度に近づけるように、積層体よりも低い温度範囲で適度に温めておくとよい。これにより、積層体が成型体に接触した際の、積層体の温度低下を抑制することができる。そのため、積層体が成型体の表面の凹凸に倣って変形しやすく、成型体の表面凹凸に接着層が入りやすくなり、仕上がりが良好となる。
[第2実施形態]
図7~8は、第2実施形態に係る複合成型体、接着性樹脂フィルム、複合成型体の製造方法について説明する説明図である。本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7は、複合成型体2を説明する概略断面図であり、図1に対応する図である。
図7に示すように、複合成型体2は、成型体20と、加飾フィルム30と、成型体20及び加飾フィルム30に接して成型体20及び加飾フィルム30に挟持され、両者を貼り合わせる接着層40と、を有する。
接着層40は、接着層10と同様に、少なくとも(A)アクリル系ポリマーと、(B)成分と、(C)重合開始剤とを含有する接着性樹脂組成物の硬化物からなる。また、接着層10と異なり、接着層40における(B)成分の重合体の含有量は、接着層40の厚み方向に変化している。具体的には、(B)成分の重合体の含有量は、成型体20側の面40aが、加飾フィルム30側の面40bよりも多くなっている。
接着層40において、(B)成分の重合体の含有量は、面40aから面40bに向けて連続的に減少している。
接着層40の面40aにおいて、(B)成分の重合体の含有割合は、5質量%以上40質量%以下である。
接着層40の面40bにおいて、(B)成分の重合体の含有割合は、0質量%以上10質量%以下である。
このような接着層40において、面40b側では面40a側と比べ、相対的に硬化が進んでいない。そのため、面40bは、面40aと比べて高い粘着性を有する。このような接着層40においては、加飾フィルム30と接着層40との貼合が容易となる。
図8は、本実施形態の複合成型体2の製造に用いられる接着性樹脂フィルム45の一例を示す断面図であり、図2に対応する図である。
接着性樹脂フィルム45は、2枚のセパレーター17,18と、これらの間に積層された接着性樹脂層41とを有する。接着性樹脂層41を構成する接着性樹脂組成物は、(A)アクリル系ポリマーと、(B)成分と、(C)重合開始剤とを含有する。(B)成分は、本発明における「反応基質」に該当する。すなわち、(B)成分は、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を含む。
また、接着性樹脂層41の一方の面41aでは、他方の面41bよりも反応基質の含有量が多い。接着性樹脂層41において、(B)成分の含有量は、接着性樹脂層41の厚み方向に、面41aから面41bに向けて連続的に減少している。
接着性樹脂層41の面41aにおいて、(B)成分の含有割合は、5質量%以上40質量%以下である。
接着性樹脂層41の面41bにおいて、(B)成分の含有割合は、0質量%以上10質量%以下である。
セパレーター17,18は、接着性樹脂層41と接する側の表面17a,18aが剥離面となっている。セパレーター17,18としては、上述のセパレーター12,13と同様の構成を採用することができる。
セパレーター17,18は、剥離面の処理条件を異ならせ、剥離面の物性に差を設けてもよい。すなわち、セパレーター17,18の剥離面の物性に差を設け、接着性樹脂層41からセパレーター17を剥離する際に要する力と、接着性樹脂層41からセパレーター18を剥離する際に要する力とに差を設けてもよい。
例えば、接着性樹脂層41の一方の面41aを先に成型体20に貼合し、その後、他方の面41bに加飾フィルム30を貼合するという順で複合成型体2を製造する場合を想定する。この場合、接着性樹脂層41自体には、一方の面41aと他方の面41bとで外見上の違いが表れにくいが、接着性樹脂層41からセパレーター17を剥離する際に要する力を、接着性樹脂層41からセパレーター18を剥離する際に要する力よりも弱くしておくことで、剥離すべきセパレーターを容易に判断することができる。
このような接着性樹脂フィルム45は、下記の製造方法で製造することができる。
セパレーター17へ、(A)アクリル系ポリマー、(B)成分、(C)重合性開始剤及び(D)架橋剤(硬化剤)を混合した塗材を製膜する。用いた塗材を塗材Aとする。
塗材Aの膜の上に、塗材Aよりも(B)成分及び(C)重合性開始剤の添加割合を減らした塗材を製膜する。用いた塗材を塗材Bとする。
以下、同様に(B)成分及び(C)重合性開始剤の添加割合を順次減らした複数の塗材を用意し、(B)成分及び(C)重合性開始剤の添加割合の減少順に順次重ねながら成膜する。
その後、(B)成分及び(C)重合性開始剤の添加割合が0、すなわち(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤(硬化剤)のみからなる塗材を製膜し、塗材に含まれる溶剤を除去した後にセパレーター18を貼合することで、接着性樹脂フィルム45を作成する。
このような接着性樹脂フィルム45では、各層中の(A)と(D)との架橋反応が、各層間においても進行する。そのため、接着性樹脂フィルム45では、(B)成分及び(C)重合性開始剤の添加割合に対応した層間で、明確な界面が形成されることがなく、一体的な層構造を形成することができる。
このような接着性樹脂フィルム45を用いて複合成型体2を製造する場合、接着性樹脂層41の一方の面41aを成型体20に貼合し、他方の面41bを加飾フィルム30に貼合すること以外は、第1実施形態の複合成型体の製造方法と同様の方法を採用することができる。
接着性樹脂フィルム45を用いて複合成型体2を製造する場合、まず、一方の面41aと成型体20とを貼合し、熱プレスを行う。これにより、接着性樹脂層41が硬化し、接着層40となる。接着層40は、成型体20の表面に強固に密着した状態で硬化するため、接着層40と成型体20との界面での剥離を抑制することができる。
また、接着性樹脂層41の他方の面41bは、一方の面41aよりも(B)成分の含有量が少ない。そのため、硬化後に得られる接着層40において、他方の面41bに対応する面40bは、面40aと比べて柔軟性に富み、高い粘着性を有する。そのため、面40bに加飾フィルム30を容易かつ強固に接着可能となる。
さらに、面40bに加飾フィルム30を貼合する際に、第1実施形態の複合成型体の製造方法と比べて、熱プレス時の温度を下げることができる。これにより、得られる複合成型体2における加飾フィルム30の収縮が抑えられ、複合成型体2の反りを効果的に抑制することができる。
面40bは粘着性を有していることから、加熱不要でロールtoロール加工が可能である。そのため、接着性樹脂フィルム45を用いて複合成型体2を製造する場合には、生産量が向上する。さらに、複合成型体2の反りを効果的に抑制可能であることから、複合成型体2の歩留りが向上する。そのため、接着性樹脂フィルム45を用いると、大幅な生産性向上が期待できる。
成型体20への密着は、接着性樹脂層40も接着性樹脂層41も(B)成分の存在と熱プレス工程で担保される。
以上のような構成の複合成型体によれば、加飾フィルムの剥離が抑制された成型体となる。
また、以上のような構成の接着性樹脂フィルムによれば、加飾フィルムをCFRP製の成型体に容易かつ強固に接着可能となる。
また、以上のような構成の複合成型体の製造方法によれば、加飾フィルムの剥離が抑制された複合成型体を容易に製造可能とすることができる。
なお、上述の各実施形態においては、(C)重合開始剤として熱重合開始剤を用いることとしたが、光重合開始剤を用いてもよい。光重合開始剤を用いる場合、接着性樹脂層を硬化させる際に熱を加える代わりに、光重合開始剤を分解する光エネルギーを供給する。
光重合開始剤を用いた場合、接着性樹脂フィルムが有するセパレーターは、光透過性を有することが好ましい。接着性樹脂層に成型体20を貼合した後に、セパレーターを介して接着性樹脂層の光を照射し、接着層を製造することができる。
(C)重合開始剤として光重合開始剤を用いる場合、成型体20と加飾フィルム30とを接着層10で接合した後、光重合を進めることにより、熱プレスよりは加熱及び温度上昇を抑制した条件下で接着性樹脂層を硬化させることができる。そのため、得られる複合成型体の反りを抑制しやすく好ましい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(貯蔵弾性率の測定)
接着層の貯蔵弾性率は、後述の方法で作製した複合成型体における接着層を1cm角に裁断して得た試験片を用い、動的粘弾性装置(UBM製 Rheogel-E4000)にて線形領域内、周波数1Hzの条件で動的粘弾性試験を行って測定した。貯蔵弾性率の測定は、-40℃~+80℃の温度の範囲で、昇温速度2℃/分の条件により、23℃における値を読み取った。
(実施例1-1)
(A)アクリル系ポリマー、(B)成分、(C)重合開始剤、(D)架橋剤を、表1に記載の配合割合で混合し、接着性樹脂組成物Aを調整した。
得られた接着性樹脂組成物Aを、セパレーターA(藤森工業株式会社製;製品名:125E-0010DG2.5AS、厚み125μm)の上面に、アプリケーターを用いて塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去し、接着性樹脂層が積層された積層体を作製した。アプリケーターによる塗布は、乾燥後における接着性樹脂層の厚みが50μmとなるように調節した。
次いで、得られた接着性樹脂層の上面に、セパレーターB(藤森工業株式会社製;製品名;38E-0010BDAS、厚み38μm)を貼合した。
その後、1週間のエージングを行うことで、(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤の反応を終了させて、架橋された(A)アクリル系ポリマーと、(B)成分と、(C)重合開始剤との3種類が存在する接着性樹脂層を有する接着性樹脂フィルムを形成した。
次いで、接着性樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した接着性樹脂層に厚み0.3mmの成型体(炭素繊維UD(T700-12000)+汎用エポキシ(125℃硬化タイプ))を貼合した。
次いで、130℃、0.1MPa、2分間のプレス条件で熱プレスを行った。この熱プレスにより、接着性樹脂層には硬化反応が生じ、成型体に接着された接着層が得られた。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した接着層に加飾フィルム(型番SA-00。有限会社シーアールディー製。透明アクリルフィルム。板厚125mm)を、90℃、0.2MPa、搬送速度0.1m/分でロールラミネートし、実施例1-1の複合成型体を得た。得られた複合成型体は、枚葉状であった。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、4.7×10Paであった。
(実施例1-2)
ロールラミネート時の温度を100℃にしたこと以外は実施例1-1と同様にして、実施例1-2の複合成型体を得た。
(実施例1-3)
ロールラミネート時の温度を110℃にしたこと以外は実施例1-1と同様にして、実施例1-3の複合成型体を得た。
(実施例1-4)
実施例1-1と同様の接着性樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した接着性樹脂層に実施例1-1と同様の加飾フィルム(透明アクリルフィルム)を貼合した。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した接着層に実施例1-1と同様の成型体を、室温(23℃)、0.2MPa、搬送速度0.1m/分でロールラミネートした。
次いで、得られた積層体を130℃、0.1MPa、2分間のプレス条件で熱プレスを行った。この熱プレスにより、接着性樹脂層には硬化反応が生じ、実施例1-4の複合成型体を得た。得られた複合成型体は枚葉であった。
(実施例2-1)
(A)アクリル系ポリマー、(B)成分、(C)重合開始剤、(D)架橋剤を、表1に記載の配合割合で混合し、接着性樹脂組成物Bを調整した。得られた接着性樹脂組成物Bを用い、実施例1-1と同様にして、接着性樹脂フィルムを形成した。
次いで、接着性樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した接着性樹脂層に実施例1-1と同様の成型体を貼合した。
次いで、セパレーターAを介して、紫外線(メタルハライドランプ3kW、照射強度2000mJ)を搬送速度0.2m/分で接着性樹脂層に照射した。紫外線照射により、接着性樹脂層には硬化反応が生じ、接着層が得られた。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した接着層に実施例1-1と同様の加飾フィルム(透明アクリルフィルム)を、実施例1-1と同じ条件(90℃、0.2MPa、0.1m/分の搬送速度)でロールラミネートし、実施例2-1の複合成型体を得た。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、4.7×10Paであった。
(実施例2-2)
実施例2-1と同様の接着性樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した接着性樹脂層に実施例2-1と同様の成型体を貼合した。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した接着層に実施例2-1と同様の加飾フィルム(透明アクリルフィルム)を、室温(23℃)、0.2MPa、搬送速度0.1m/分でロールラミネートした。
次いで、加飾フィルムを介して紫外線(メタルハライドランプ3kW、照射強度2000mJ)を搬送速度0.2m/分で接着性樹脂層に照射した。紫外線照射により、接着性樹脂層には硬化反応が生じ、接着層が得られた。これにより、実施例2-2の複合成型体を得た。得られた複合成型体は、枚葉状であった。
(実施例2-3)
実施例2-1と同様の接着性樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した接着性樹脂層に実施例2-1と同様の加飾フィルム(透明アクリルフィルム)を貼合した。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した接着層に実施例1-1と同様の成型体を、室温(23℃)、0.2MPa、搬送速度0.1m/分でロールラミネートした。
次いで、加飾フィルムを介して紫外線(メタルハライドランプ3kW、照射強度2000mJ)を搬送速度0.2m/分を接着性樹脂層に照射した。紫外線照射により、接着性樹脂層には硬化反応が生じ、接着層が得られた。これにより、実施例2-3の複合成型体を得た。得られた複合成型体は、枚葉であった。
(比較例1)
(A)アクリル系ポリマー、(B)成分、(C)重合開始剤、(D)架橋剤を、表1に記載の配合割合で混合し、樹脂組成物Cを調整した。得られた樹脂組成物Cを用い、実施例1-1と同様にして、樹脂フィルムを形成した。
樹脂組成物Cには(B)成分、(C)重合開始剤が含まれておらず、加熱や光照射による硬化反応を生じない。そのため、樹脂組成物Cを用いて形成した層は、粘着層として機能する。
次いで、樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した粘着層に実施例1-1と同様の成型体を貼合した。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した粘着層に実施例1-1と同様の加飾フィルム(透明アクリルフィルム)を貼合した。これにより、比較例1の複合成型体を得た。
得られた複合成型体の粘着層の室温(23℃)での弾性率は、1.9×10Paであった。
(実施例3-1)
成型体として、炭素繊維織物(型番CO6364、東レ株式会社製)に汎用エポキシ(125℃硬化タイプ)を含浸させた厚み0.3mmの成型体を用い、加飾フィルムとして、アクリルフィルム(型番SA-502。有限会社シーアールディー製。不透明タイプ(ピアノブラック)。板厚125mm)を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、実施例3-1の複合成型体を得た。
(実施例3-2)
成型体として、実施例3-1と同様の成型体を用い、加飾フィルムとして実施例3-1と同様の不透明タイプのアクリルフィルムを用いたこと以外は、実施例1-2と同様にして、実施例3-2の複合成型体を得た。
(実施例3-3)
成型体として、実施例3-1と同様の成型体を用い、加飾フィルムとして実施例3-1と同様の不透明タイプのアクリルフィルムを用いたこと以外は、実施例1-3と同様にして、実施例3-3の複合成型体を得た。
(実施例3-4)
成型体として、実施例3-1と同様の成型体を用い、加飾フィルムとして実施例3-1と同様の不透明タイプのアクリルフィルムを用いたこと以外は、実施例1-4と同様にして、実施例3-4の複合成型体を得た。
(実施例4-1)
成型体として、実施例3-1と同様の成型体を用い、加飾フィルムとして実施例3-1と同様の不透明タイプのアクリルフィルムを用いたこと以外は、実施例2-1と同様にして、実施例4-1の複合成型体を得た。
(比較例2)
加飾フィルムとして実施例3-1と同様の不透明タイプのアクリルフィルムを用いたこと以外は、実施例2-2と同様にして、比較例2の複合成型体を得た。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、1.9×10Paであった。
(比較例3)
加飾フィルムとして実施例3-1と同様の不透明タイプのアクリルフィルムを用いたこと以外は、実施例2-3と同様にして、比較例2の複合成型体を得た。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、1.9×10Paであった。
(実施例5-1)
(A)アクリル系ポリマー、(B)成分、(C)重合開始剤、(D)架橋剤を、表1に記載の配合割合で混合し、接着性樹脂組成物A、樹脂組成物Cを調整した。
セパレーターAの上面に、アプリケーターを用いて樹脂組成物Cを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
得られた塗膜の上面に、アプリケーターを用いて接着性樹脂組成物Aを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
アプリケーターによる塗布は、樹脂組成物C及び接着性樹脂組成物Aを均等に塗布し、かつ乾燥後における接着性樹脂層の厚みが50μmとなるように調節した。
次いで、得られた接着性樹脂層の上面に、セパレーターBを貼合した。
その後、1週間のエージングを行うことで、(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤の反応を終了させるとともに、(B)成分の含有量について厚み方向に傾斜を持たせた接着性樹脂層を有する接着性樹脂フィルムを形成した。
次いで、接着性樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した接着層に実施例1-1と同様に成型体を熱プレスで貼合した。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した接着層に実施例1-1と同じ加飾フィルム(透明アクリルフィルム)を、室温(23℃)、0.2MPa、搬送速度0.1m/分でロールラミネートし、実施例5-1の複合成型体を得た。得られた複合成型体は、枚葉状であった。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、4.7×10Paであった。
(実施例5-2)
セパレーターAの上面に、アプリケーターを用いて樹脂組成物Aを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
得られた塗膜の上面に、アプリケーターを用いて接着性樹脂組成物Cを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
アプリケーターによる塗布は、樹脂組成物C及び接着性樹脂組成物Aを均等に塗布し、かつ乾燥後における接着性樹脂層の厚みが50μmとなるように調節した。
次いで、得られた接着性樹脂層の上面に、セパレーターBを貼合した。
その後、1週間のエージングを行うことで、(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤の反応を終了させるとともに、(B)成分の含有量について厚み方向に傾斜を持たせた接着性樹脂層を有する接着性樹脂フィルムを形成した。
次いで、接着性樹脂フィルムからセパレーターBを剥離し、露出した接着層に実施例1-1と同じ加飾フィルム(透明アクリルフィルム)を、室温(23℃)、0.2MPa、搬送速度0.1m/分でロールラミネートした。
次いで、セパレーターAを剥離し、露出した接着層に実施例1-1と同様に成型体を熱プレスで貼合しし、実施例5-2の複合成型体を得た。得られた複合成型体は、枚葉状であった。
(実施例6-1~6-3)
接着性樹脂層Aの代わりに接着性樹脂組成物Bを用いたこと以外は、実施例5-1と同様にして、(B)成分の含有量について厚み方向に傾斜を持たせた接着性樹脂層を有する接着性樹脂フィルムを形成した。
上記製造した接着性樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例2-1~2-3と同様にして、実施例6-1~6-3の複合成型体を得た。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、4.7×10Paであった。
(実施例7-1,7-2)
(A)アクリル系ポリマー、(B)成分、(C)重合開始剤、(D)架橋剤を、表1に記載の配合割合で混合し、接着性樹脂組成物A、樹脂組成物Cを調整した。接着性樹脂組成物A、樹脂組成物Cを混合することで、(B)の成分が異なる接着性樹脂組成物A2を作製した。
セパレーターAの上面に、アプリケーターを用いて樹脂組成物Cを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
得られた塗膜の上面に、アプリケーターを用いて接着性樹脂組成物A2を塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
得られた塗膜の上面に、アプリケーターを用いて接着性樹脂組成物Aを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
アプリケーターによる塗布は、樹脂組成物C、接着性樹脂組成物A2及び接着性樹脂組成物Aを均等に塗布し、かつ乾燥後における接着性樹脂層の厚みが50μmとなるように調節した。
次いで、得られた接着性樹脂層の上面に、セパレーターBを貼合した。
その後、1週間のエージングを行うことで、(A)アクリル系ポリマーと(D)架橋剤の反応を終了させるとともに、(B)成分の含有量について厚み方向に傾斜を持たせた接着性樹脂層を有する接着性樹脂フィルムを形成した。
上記製造した接着性樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例5-1,5-2と同様にして、実施例7-1,7-2の複合成型体を得た。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、4.7×10Paであった。
(実施例8-1~8-3)
(A)アクリル系ポリマー、(B)成分、(C)重合開始剤、(D)架橋剤を、表1に記載の配合割合で混合し、接着性樹脂組成物B、樹脂組成物Cを調整した。接着性樹脂組成物B、樹脂組成物Cを混合することで、(B)の成分が異なる接着性樹脂組成物B2を作製した。
セパレーターAの上面に、アプリケーターを用いて接着性樹脂組成物Bを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
得られた塗膜の上面に、アプリケーターを用いて接着性樹脂組成物B2を塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
得られた塗膜の上面に、アプリケーターを用いて樹脂組成物Cを塗布した。その後、乾燥工程において90℃、2分間の条件で乾燥させて溶媒を除去した。
アプリケーターによる塗布は、樹脂組成物C、接着性樹脂組成物B2及び接着性樹脂組成物Bを均等に塗布し、かつ乾燥後における接着性樹脂層の厚みが50μmとなるように調節した。
上記製造した接着性樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例2-1~2-3と同様にして、実施例8-1~8-3の複合成型体を得た。
得られた複合成型体の接着層の室温(23℃)での弾性率は、4.7×10Paであった。
Figure 0007437185000001
なお、表1に記載の各原料の詳細は、以下の通りである。また、表1において、商品が溶液として市販されている場合、質量部の数値は、各溶液の固形分の量を示す。
SKダイン(登録商標)2094:アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製)。
E-AX:エポキシ系架橋剤(綜研化学株式会社製)。
UV-3310B:ウレタンアクリレート(日本合成化学工業株式会社製)。
UV-1700:ウレタンアクリレート(日本合成化学工業株式会社製)。
4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレートの略称。
パーオクタ(登録商標)O:1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを有効成分とする熱重合開始剤(日本油脂株式会社製)。
Irgcure651:2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンを有効成分とする光重合開始剤。
上述の実施例、比較例の各加工条件は以下の表2,3のとおりである。表中の「工程1」「工程2」「工程3」は、工程の順序を表す。
Figure 0007437185000002
Figure 0007437185000003
表2,3中、加飾フィルムA,B、成型体A,Bは、以下のとおりである。
加飾フィルムA:透明アクリルフィルム
加飾フィルムB:不透明アクリルフィルム
成型体A:炭素繊維UD+汎用エポキシ
成型体B:炭素繊維織物+汎用エポキシ
(剥離評価)
(外観確認:初期)
得られた複合成型体の外観について、目視にて気泡発泡が見られるか確認した。目視にて気泡が見られない複合成型体を「〇」、気泡が見られる複合成型体を「×」とし、「〇」と評価された複合成型体を良品、「×」と評価された複合成型体を不良品と判断した。
(外観確認:加熱環境保存後)
得られた複合成型体のうち、上記判断基準にて初期の外観が「〇」と判断されたものについて、85℃の乾燥した加熱環境で240時間保存した。保存後、気泡の発生が見られない複合成型体を「〇」、気泡が見られる複合成型体を「×」とし、「〇」と評価された複合成型体を良品、「×」と評価された複合成型体を不良品と判断した。
上記基準にて確認した外観において、加熱環境保存後に外観が劣化している複合成型体は、加飾フィルムと成型体との界面に剥離が生じていることが分かる。
(反りの評価)
複合成型体を平面視で10cm×10cmの正方形に加工し、試験片を得た。試験片を下に凸となるように試験台上に載置し、4つの角についてそれぞれ、試験台から角までの高さを測定した。高さの算術平均値を反りの値とした。
求めた反りについて、10mm未満を「〇」、10mm以上~20mm未満を「△」、20mm以上を「×」と評価した。「〇」「△」と評価された試験片を良品、「×」と評価された試験片を不良品と判断した。
評価結果を表4,5に示す。
Figure 0007437185000004
Figure 0007437185000005
評価の結果、実施例の複合成型体は、いずれも接着状態が良く、CFRPと接着層ときれいに貼合することができた。
しかし、比較例1~3の複合成型体は、加熱環境での保存後に発泡が確認された。
1,2…複合成型体、10,40…接着層、11,41…接着性樹脂層、12,13,17,18…セパレーター、11a,12a,40a,40b,41a,41b…面、15,45…接着性樹脂フィルム、20…成型体、30…加飾フィルム

Claims (10)

  1. 炭素繊維強化樹脂を形成材料とする成型体と、
    加飾フィルムと、
    前記成型体及び前記加飾フィルムに挟持され両者を貼り合わせる接着層と、を有し、
    前記接着層は、少なくともアクリル系ポリマーと、アクリル系モノマー及びアクリル系オリゴマーのいずれか一方または両方と、重合開始剤とを含有する接着性樹脂層の硬化物であり、
    前記接着層の前記成型体側の面は、前記加飾フィルム側の面よりも、前記アクリル系モノマー及びアクリル系オリゴマーのいずれか一方または両方の重合体の含有量が多い複合成型体。
  2. 前記接着層の23℃、1Hzの貯蔵弾性率は、5×10Pa以上1×10Pa未満である請求項1に記載の複合成型体。
  3. 炭素繊維強化樹脂を形成材料とする成型体と、加飾フィルムと、に挟持され両者を貼り合わせる接着層に用いられる接着性樹脂層であって、
    前記接着性樹脂層は、アクリル系ポリマーと、反応基質と、重合開始剤とを含有し、常温で両面に粘着性を有し、
    前記反応基質は、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を含み、
    前記接着性樹脂層の一方の面では、他方の面よりも前記反応基質の含有量が多い接着性樹脂
  4. 炭素繊維強化樹脂を形成材料とする成型体と、加飾フィルムと、前記成型体及び前記加飾フィルムに挟持され両者を貼り合わせる接着層とを有する複合成型体の製造方法であって、
    少なくともアクリル系ポリマーと、反応基質と、重合開始剤とを含有し、常温で両面に粘着性を有する接着性樹脂層を、前記成型体に押圧して貼り合わせる工程と、
    前記重合開始剤を硬化させて前記接着層を得る工程と、
    前記接着層に前記加飾フィルムを貼合する工程と、を有し、
    前記貼合する工程が、80℃以上220℃以下の温度条件における熱プレスであり、
    前記反応基質は、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を含む複合成型体の製造方法。
  5. 炭素繊維強化樹脂を形成材料とする成型体と、加飾フィルムと、前記成型体及び前記加飾フィルムに挟持され両者を貼り合わせる接着層とを有する複合成型体の製造方法であって、
    少なくともアクリル系ポリマーと、反応基質と、重合開始剤とを含有し、常温で両面に粘着性を有する接着性樹脂層を、前記成型体に押圧して貼り合わせる工程と、
    前記重合開始剤を硬化させて前記接着層を得る工程と、
    前記接着層に前記加飾フィルムを貼合する工程と、を有し、
    前記接着性樹脂層の前記成型体と接する面は、前記接着性樹脂層の前記加飾フィルムと接する面よりも前記反応基質の含有量が多く、
    前記反応基質は、アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を含む複合成型体の製造方法。
  6. 前記重合開始剤が、熱重合開始剤である請求項4又は5に記載の複合成型体の製造方法。
  7. 前記熱重合開始剤が、過酸化物である請求項に記載の複合成型体の製造方法。
  8. 前記接着性樹脂層が、前記アクリル系ポリマー100質量部に対して、前記アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマーとのいずれか一方または両方を5~50質量部含有する請求項からのいずれか1項に記載の複合成型体の製造方法。
  9. 前記反応基質の少なくとも一部が、水酸基を含有するアクリル系モノマーである請求項からのいずれか1項に記載の複合成型体の製造方法。
  10. 前記反応基質の少なくとも一部が、硬化性ウレタンアクリレートである請求項からのいずれか1項に記載の複合成型体の製造方法。
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