JP7435616B2 - 検知装置、車両、検知方法および検知プログラム - Google Patents

検知装置、車両、検知方法および検知プログラム Download PDF

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Description

本開示は、検知装置、車両、検知方法および検知プログラムに関する。
この出願は、2019年9月30日に出願された日本出願特願2019-178177号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
特許文献1(特開2014-146868号公報)には、以下のようなネットワーク装置が開示されている。すなわち、ネットワーク装置は、データを受信する通信部と、データを受信した受信時間を管理する時間管理部と、受信したデータを処理する制御部とを有し、周期的にデータを受信して処理するネットワーク装置において、前記制御部は、前記通信部で受信したデータが有する識別子毎に前記時間管理部における受信時刻を記録し、基準とするデータと同じ識別子を持つデータを受信した間隔が所定周期より短い第1のデータを受信した場合に、前記基準とするデータを受信した時刻から前記所定周期経過するまでに前記第1のデータと同じ識別子を持つ第2のデータを受信した時には、周期異常検出時処理を行い、前記所定周期経過するまでに前記第1のデータと同じ識別子を持つデータを受信しなかった時には、前記第1のデータについて所定の処理を行う。
また、特許文献2(特開2018-182725号公報)には、以下のような不正通信検知基準決定方法が開示されている。すなわち、不正通信検知基準決定方法は、記憶部を含む情報処理システムで実行される、ネットワーク及び前記ネットワークに接続される1以上の電子制御ユニットを含む車載ネットワークシステムにおける不正通信の検知に用いる基準メッセージの決定方法であって、前記車載ネットワークシステムに対する攻撃メッセージに関する情報から、前記攻撃メッセージの特徴を示す通信パターンを識別する通信パターン識別ステップと、前記ネットワークに送出されたメッセージが、前記通信パターン識別ステップで識別された通信パターンに適合するか否かを判定する通信パターン判定ステップと、前記ネットワークに送出されるメッセージが攻撃メッセージであるか否かの判定の基準に用いる基準メッセージを、前記通信パターン判定ステップにおける判定結果を用いて決定する基準メッセージ決定ステップとを含む。
特開2014-146868号公報 特開2018-182725号公報
本開示の検知装置は、車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置であって、前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部とを備え、前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する。
本開示の検知方法は、車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置における検知方法であって、前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視するステップと、前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成するステップと、前記対象メッセージの監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、生成した前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行うステップと、前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新するステップとを含み、前記基準時刻を生成するステップにおいては、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する。
本開示の検知プログラムは、車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置において用いられる検知プログラムであって、コンピュータを、前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部として機能させるためのプログラムであり、前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する、プログラムである。
本開示の一態様は、検知装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、検知装置を備えるシステムとして実現され得る。また、本開示の一態様は、検知装置を備えるシステムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、中継装置を備えるシステムにおける処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。
図1は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの構成を示す図である。 図2は、本開示の実施の形態に係るバス接続装置群の構成を示す図である。 図3は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるゲートウェイ装置の構成を示す図である。 図4は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける制御装置およびゲートウェイ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図5は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の一例を示す図である。 図6は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるすべての対象メッセージを正当メッセージとしたときに算出されるマハラノビス距離の度数分布の一例を示す図である。 図7は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。 図8は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。 図9は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。 図10は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。 図11は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。 図12は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおいてゲートウェイ装置が検知処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。 図13は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムのゲートウェイ装置における検知処理の一例を定めたフローチャートである。 図14は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムのゲートウェイ装置における基準時刻を生成する処理の一例を定めたフローチャートである。 図15は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムのゲートウェイ装置における初回の基準時刻を生成する処理の一例を定めたフローチャートである。 図16は、本開示の実施の形態に係る車載ネットワークの接続トポロジの一例を示す図である。
従来、車載ネットワークにおけるセキュリティを向上させるための技術が開発されている。
[本開示が解決しようとする課題]
上述の特許文献1および2に記載の技術を超えて、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することを可能とする技術が望まれる。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することが可能な検知装置、車両、検知方法および検知プログラムを提供することである。
[本開示の効果]
本開示によれば、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することが可能である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係る検知装置は、車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置であって、前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部とを備え、前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する。
このように、検知処理において正常であると判定された対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と基準時刻との時間差を用いて統計値を更新するとともに、検知処理において対象メッセージが異常であると判定された場合、時間差の統計値を基準時刻に加えた値に基づいて新たな基準時刻を生成する構成により、不正メッセージの送信時刻に対応する時刻を基準に検知処理を行うことを回避することができるため、異常であると判定された対象メッセージの次に送信される対象メッセージについての検知処理における誤判定を抑制することができる。したがって、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することができる。
(2)好ましくは、前記検知部は、前記対象メッセージである第1の対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との時間差、および前記第1の対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージである第2の対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との時間差に基づいて、前記第1の対象メッセージに関する異常を検知する。
このような構成により、たとえば、基準時刻を用いた検知処理において、正常であると判定される時間内に複数の対象メッセージが送信され、当該複数の対象メッセージに含まれる不正メッセージを正当メッセージであると誤判定した場合であっても、当該複数の対象メッセージは異常である可能性があると判断することができる。これにより、検知処理において検知することができなかった不正メッセージを、たとえばグレー判定することができる。
(3)好ましくは、前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが正常であると判定された場合、正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻に基づいて、正常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する。
このような構成により、たとえば、正常であると判定された対象メッセージの実際の送信時刻に対応する時刻を新たな基準時刻とすることにより、通信遅延等による対象メッセージの送信時刻の変動を考慮した、より正確な検知処理を行うことができる。
(4)好ましくは、前記生成部は、前記基準時刻の生成において、前記対象メッセージが送信される際の調停処理による遅延時間を用いる。
このような構成により、たとえば、時間差の最新の統計値を基準時刻に加えることにより新たな基準時刻を生成する場合において、通信遅延等による対象メッセージの送信時刻の変動が考慮された基準時刻を用いて、より正確な検知処理を行うことができる。
(5)本開示の実施の形態に係る車両は、前記検知装置を備える。
このような構成により、検知装置を備える車両において、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することができる。
(6)本開示の実施の形態に係る検知方法は、車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置における検知方法であって、前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視するステップと、前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成するステップと、前記対象メッセージの監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、生成した前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行うステップと、前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新するステップとを含み、前記基準時刻を生成するステップにおいては、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する。
このように、検知処理において正常であると判定された対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と基準時刻との時間差を用いて統計値を更新するとともに、検知処理において対象メッセージが異常であると判定された場合、時間差の統計値を基準時刻に加えた値に基づいて新たな基準時刻を生成する方法により、不正メッセージの送信時刻に対応する時刻を基準に検知処理を行うことを回避することができるため、異常であると判定された対象メッセージの次に送信される対象メッセージについての検知処理における誤判定を抑制することができる。したがって、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することができる。
(7)本開示の実施の形態に係る検知プログラムは、車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置において用いられる検知プログラムであって、コンピュータを、前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部として機能させるためのプログラムであり、前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する、プログラムである。
このように、検知処理において正常であると判定された対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と基準時刻との時間差を用いて統計値を更新するとともに、検知処理において対象メッセージが異常であると判定された場合、時間差の統計値を基準時刻に加えた値に基づいて新たな基準時刻を生成する構成により、不正メッセージの送信時刻に対応する時刻を基準に検知処理を行うことを回避することができるため、異常であると判定された対象メッセージの次に送信される対象メッセージについての検知処理における誤判定を抑制することができる。したがって、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することができる。
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、車載通信システム301は、ゲートウェイ装置101と、複数の車載通信機111と、複数のバス接続装置群121とを備える。ゲートウェイ装置101は、検知装置の一例である。車載通信システム301は、車両1に搭載される。
図2は、本開示の実施の形態に係るバス接続装置群の構成を示す図である。
図2を参照して、バス接続装置群121は、複数の制御装置122を含む。なお、バス接続装置群121は、複数の制御装置122を備える構成に限らず、1つの制御装置122を含む構成であってもよい。
車載ネットワーク12は、車両1の内部における装置である車載装置を複数含む。具体的には、車載ネットワーク12は、車載装置の一例である、複数の車載通信機111および複数の制御装置122を含む。なお、車載ネットワーク12は、複数の車載装置を含む構成であれば、複数の車載通信機111を含みかつ制御装置122を含まない構成であってもよいし、車載通信機111を含まずかつ複数の制御装置122を含む構成であってもよいし、1つの車載通信機111および1つの制御装置122を含む構成であってもよい。
車載ネットワーク12において、車載通信機111は、たとえば、車両1の外部における装置と通信する。具体的には、車載通信機111は、たとえば、TCU(Telematics Communication Unit)、近距離無線端末装置、およびITS(Intelligent Transport Systems)無線機である。
TCUは、たとえば、LTE(Long Term Evolution)または3G等の通信規格に従って、無線基地局装置と無線通信を行うことが可能であり、かつゲートウェイ装置101と通信を行うことが可能である。TCUは、たとえば、ナビゲーション、車両盗難防止、リモートメンテナンスおよびFOTA(Firmware Over The Air)等のサービスに用いる情報を中継する。
近距離無線端末装置は、たとえば、Wi-Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、車両1に乗車している人間すなわち搭乗者の保持するスマートホン等の無線端末装置と無線通信を行うことが可能であり、かつゲートウェイ装置101と通信を行うことが可能である。当該近距離無線端末装置は、たとえば、エンターテイメント等のサービスに用いる情報を中継する。
また、近距離無線端末装置は、たとえば、所定の通信規格に従って、搭乗者の保持するスマートキー等の無線端末装置、およびタイヤに設けられた無線端末装置とLF(Low Frequency)帯またはUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を用いて無線通信を行うことが可能であり、かつゲートウェイ装置101と通信を行うことが可能である。当該近距離無線端末装置は、たとえば、スマートエントリおよびTPMS(Tire Pressure Monitoring System)等のサービスに用いる情報を中継する。
ITS無線機は、たとえば、道路の近傍に設けられた光ビーコン、電波ビーコンおよびITSスポット等の路側機と路車間通信を行うことが可能であり、他の車両に搭載された車載端末と車車間通信を行うことが可能であり、かつゲートウェイ装置101と通信を行うことが可能である。ITS無線機は、たとえば、渋滞緩和、安全運転支援およびルートガイダンス等のサービスに用いる情報を中継する。
ゲートウェイ装置101は、たとえば、ファームウェアのアップデート等のデータ、およびゲートウェイ装置101により蓄積されたデータ等を車両1の外部における整備用端末装置とポート112を介して送受信することが可能である。
ゲートウェイ装置101は、たとえばバス13,14を介して車載装置と接続する。具体的には、バス13,14は、たとえば、CAN(Controller Area Network)(登録商標)、FlexRay(登録商標)、MOST(Media Oriented Systems Transport)(登録商標)、イーサネット(登録商標)、およびLIN(Local Interconnect Network)等の規格に従うバスである。
この例では、車載通信機111は、イーサネットの規格に従う対応のバス14を介してゲートウェイ装置101と接続されている。また、バス接続装置群121における各制御装置122は、CANの規格に従う対応のバス13を介してゲートウェイ装置101と接続されている。
バス13は、たとえば系統別に設けられる。具体的には、バス13は、たとえば、駆動系バス、シャーシ/安全系バス、ボディ/電装系バスおよびAV/情報系バスである。
駆動系バスには、制御装置122の一例であるエンジン制御装置、AT(Automatic Transmission)制御装置およびHEV(Hybrid Electric Vehicle)制御装置が接続されている。エンジン制御装置、AT制御装置およびHEV制御装置は、エンジン、AT、およびエンジンとモータとの切替をそれぞれ制御する。
シャーシ/安全系バスには、制御装置122の一例であるブレーキ制御装置、シャーシ制御装置およびステアリング制御装置が接続されている。ブレーキ制御装置、シャーシ制御装置およびステアリング制御装置は、ブレーキ、シャーシおよびステアリングをそれぞれ制御する。
ボディ/電装系バスには、制御装置122の一例である計器表示制御装置、エアコン制御装置、盗難防止制御装置、エアバック制御装置およびスマートエントリ制御装置が接続されている。計器表示制御装置、エアコン制御装置、盗難防止制御装置、エアバック制御装置およびスマートエントリ制御装置は、計器、エアコン、盗難防止機構、エアバック機構およびスマートエントリをそれぞれ制御する。
AV/情報系バスには、制御装置122の一例であるナビゲーション制御装置、オーディオ制御装置、ETC(Electronic Toll Collection System)(登録商標)制御装置および電話制御装置が接続されている。ナビゲーション制御装置、オーディオ制御装置、ETC制御装置および電話制御装置は、ナビゲーション装置、オーディオ装置、ETC装置および携帯電話をそれぞれ制御する。
また、バス13には、制御装置122が接続される構成に限らず、制御装置122以外の装置が接続されてもよい。
ゲートウェイ装置101は、たとえば、セントラルゲートウェイ(Central Gateway:CGW)であり、車載装置と通信を行うことが可能である。
ゲートウェイ装置101は、たとえば、車両1において異なるバス13に接続された制御装置122間でやり取りされる情報、各車載通信機111間でやり取りされる情報、制御装置122および車載通信機111間でやり取りされる情報を中継する中継処理を行う。
より詳細には、車両1では、たとえば、所定の取り決めに従って、ある車載装置から他の車載装置へ周期的にメッセージが送信される。この例では、ある制御装置122から他の制御装置122へ周期的に送信されるメッセージについて説明するが、制御装置122および車載通信機111間において送信されるメッセージ、ならびに各車載通信機111間において送信されるメッセージについても同様である。
メッセージの送信は、ブロードキャストによって行われてもよいし、ユニキャストによって行われてもよいし、マルチキャストによって行われてもよい。以下、周期的に送信されるメッセージを周期メッセージとも称する。
車両1では、周期メッセージの他に、ある制御装置122から他の制御装置122へ不定期に送信されるメッセージが存在する。メッセージには、メッセージの内容、送信元およびメッセージ番号等を識別するためのID(Identifier)が含まれる。メッセージに含まれるIDによって、当該メッセージが周期メッセージであるか否かを識別することが可能である。
ゲートウェイ装置101は、検知装置として機能し、車載ネットワーク12における不正メッセージを検知する検知処理を行う。
[ゲートウェイ装置の構成]
図3は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるゲートウェイ装置の構成を示す図である。
図3を参照して、ゲートウェイ装置101は、通信処理部51と、監視部52と、更新部53と、検知部54と、生成部55と、記憶部56とを備える。通信処理部51、監視部52、更新部53、検知部54および生成部55は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによって実現される。
監視部52は、正当な周期メッセージおよび不正メッセージをゲートウェイ装置101における検知処理の対象となるメッセージすなわち対象メッセージMとして監視する。
検知部54は、不正メッセージを検知する検知処理を行う。
生成部55は、検知処理に用いられる基準時刻を生成する。生成部55は、生成した基準時刻を検知部54へ通知する。
記憶部56は、対象メッセージMの受信時刻と基準時刻trとの時間差Xの統計値を記憶する。記憶部56は、たとえば、たとえばフラッシュメモリである。記憶部56は、ゲートウェイ装置101の外部に設けられてもよい。
更新部53は、統計値を更新する。たとえば、更新部53は、記憶部56における統計値を更新する。
[通信処理部]
通信処理部51は、制御装置122間で伝送されるメッセージを中継する中継処理を行う。
たとえば、通信処理部51は、ある制御装置122から対応のバス13経由でメッセージを受信すると、受信したメッセージに、当該メッセージの受信時刻を示すタイムスタンプを付与する。そして、通信処理部51は、タイムスタンプが付与されたメッセージを他の制御装置122へ対応のバス13経由で送信する。
[監視部]
監視部52は、上述したように、対象メッセージMを監視する。
図4は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける制御装置およびゲートウェイ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4を参照して、制御装置122は、発振器131と、CPU(Central Processing Unit)132と、CANトランシーバ133とを備える。
ゲートウェイ装置101は、CPU141と、CANトランシーバ142と、発振器143とを備える。CPU141は、監視部52、更新部53、検知部54および生成部55の一部または全部を実現する。CANトランシーバ142は、通信処理部51の一部または全部を実現する。
制御装置122は、設計上の送信周期である設計送信周期Tで周期メッセージを送信する。より詳細には、制御装置122におけるCPU132は、発振器131からの発振信号に基づいて生成されるクロックのタイミングに従って、CANトランシーバ133経由で周期メッセージをブロードキャストまたはユニキャストする。
ゲートウェイ装置101におけるCANトランシーバ142は、発振器143からの発振信号に基づいて生成されるクロックのタイミングに従って、制御装置122から受信した周期メッセージに受信時刻を示すタイムスタンプを付与する。
以下では、制御装置122が、ゲートウェイ装置101における検知処理の対象となる対象メッセージMを送信するものとする。
たとえば、ゲートウェイ装置101が制御装置122から受信するメッセージの一部は、不正メッセージである。監視部52は、制御装置122からの正当な周期メッセージおよび不正メッセージを対象メッセージMとして監視する。
監視部52は、通信処理部51によって中継されるメッセージを監視することにより、対象メッセージMの受信時刻taを取得する。
たとえば、記憶部56は、対象メッセージMのIDを記憶している。以下、対象メッセージMのIDを対象IDとも称する。
監視部52は、中継処理を行うべきメッセージを通信処理部51が受信すると、通信処理部51によって受信されたメッセージに含まれるID、ならびに記憶部56における対象IDを確認する。
そして、監視部52は、通信処理部51によって受信されたメッセージに含まれるIDが対象IDと一致する場合、通信処理部51によって受信されたメッセージが対象メッセージMであると認識し、当該対象メッセージMに付与されたタイムスタンプを参照することにより、対象メッセージMの受信時刻taを取得する。
監視部52は、対象メッセージMの受信時刻taを取得すると、取得した受信時刻taを示す受信情報を、通信処理部51によって何番目に受信された対象メッセージMであるかを示す受信番号Nと対応付けて記憶部56に保存する。
[検知部]
検知部54は、監視部52による監視結果に基づく対象メッセージMの送信時刻に対応する時刻と、生成部55によって生成された基準時刻trとの時間差Xに基づいて、検知処理を行う。より詳細には、検知部54は、当該対象メッセージMの受信時刻と、当該基準時刻trとの時間差Xに基づいて、検知処理を行う。
図5は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の一例を示す図である。図5において、横軸は時刻を示す。
図5を参照して、たとえば、検知部54は、受信番号Nがnであるn回目の対象メッセージMnの受信時刻tanと、生成部55から通知された基準時刻trqとの時間差Xnに基づいて、検知処理を行う。ここで、nは、1以上の整数である。
より詳細には、検知部54は、対象メッセージMnの受信時刻tanを含む新たな受信情報が記憶部56に保存されると、当該受信情報が示す受信時刻tanと基準時刻trqと時間差Xnの統計距離に基づいて、対象メッセージMnが不正メッセージであるか否かを判定する。
たとえば、検知部54は、統計距離の一例である、以下の式(1)により表されるマハラノビス距離D^2に基づいて、対象メッセージMnが不正メッセージであるか否かを判定する。なお、「D^2」は、Dの2乗を意味する。
Figure 0007435616000001
たとえば、検知部54は、対象メッセージMnの受信時刻tanと基準時刻trqとに基づいて算出されるマハラノビス距離D^2がしきい値Th以下である場合、対象メッセージMnは不正メッセージではないと判断する。一方、検知部54は、マハラノビス距離D^2がしきい値Thより大きい場合、対象メッセージMnは不正メッセージであると判断する。
マハラノビス距離D^2との比較に用いるしきい値Thは、対象メッセージMnが不正メッセージであるか否かを正確に判断することができるよう、適切な値であることが好ましい。
たとえば、車両1の製造者は、予め、車両1と同じ種類のテスト車両のゲートウェイ装置101を用いて、すべての対象メッセージMnを正当メッセージとしたときに算出される時間差Xnを用いてマハラノビス距離D^2を算出する。
図6は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるすべての対象メッセージを正当メッセージとしたときに算出されるマハラノビス距離の度数分布の一例を示す図である。
図6を参照して、すべての対象メッセージMが正当メッセージであるときの時間差Xを用いて算出されるマハラノビス距離D^2が大きくなるほど、度数が減少する。
たとえば、記憶部56は、図6に示すマハラノビス距離D^2の度数分布を記憶している。
たとえば、検知部54は、起動時において、図6に示すマハラノビス距離D^2の度数分布を記憶部56から取得し、FPR(False Positive Rate)がゼロとなる範囲でしきい値Th1が最も小さくなるように、しきい値Th1を設定することが好ましい。ここで、FPRは偽陽性率であり、偽陽性/(偽陽性+真陰性)で表される。真陰性とは、正当メッセージを正当メッセージとして認識した度数であり、偽陽性とは、正当メッセージを不正メッセージとして検知した度数である。なお、記憶部55は、車両1の製造者によって予め決定されたしきい値Th1を記憶している構成であってもよい。この場合、検知部54は、起動時において、当該しきい値Th1を記憶部55から取得する。
図7は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。図7において、横軸は時刻を示す。
図7を参照して、たとえば、検知部54は、生成部から基準時刻trqを通知されると、通知された基準時刻trqとしきい値Th1とに基づいて、対象メッセージMが不正メッセージであるか否かの判定に用いる判断基準を設定する。
より詳細には、検知部54は、生成部55から基準時刻trqを通知されると、通知された基準時刻trqとしきい値Th1とに基づいて、算出されるマハラノビス距離D^2がしきい値Th1と等しい値となるときの受信時刻taを示す時刻であるしきい時刻trqA,trqBを設定する。以下では、しきい時刻trqA,trqBにより規定される、しきい時刻trqAからしきい時刻trqBまでの時間範囲を、許容範囲Rqとも称する。
検知部54は、設定した許容範囲Rqに基づいて、対象メッセージMが不正メッセージであるか否かを判断する。
より詳細には、検知部54は、対象メッセージMnの受信時刻tanが許容範囲Rq内である場合、対象メッセージMnは不正メッセージではないと判断する。一方、検知部54は、図7の例のように対象メッセージMnの受信時刻tanがしきい時刻trqAより前の時刻である場合、対象メッセージMnは不正メッセージであると判断する。
検知部54は、判定時刻trqA,trqBおよび受信時刻tanに基づく判断結果を示す判断情報を通信処理部51へ出力する。
通信処理部51は、検知部54から受けた判断情報が、対象メッセージMnが不正メッセージではないことを示す場合、当該対象メッセージMnを送信先の制御装置122へ送信する。
一方、通信処理部51は、検知部54から受けた判断情報が、対象メッセージMnが不正メッセージであることを示す場合、以下の処理を行う。
すなわち、通信処理部51は、判断情報が示す対象メッセージMnを記録する。また、通信処理部51は、バス13において不正メッセージが伝送されていることを示す警報情報を車両1内または車両1外における上位装置へ送信する。
[検知処理の他の例]
(グレー判定)
たとえば、検知部54は、対象メッセージMnの送信時刻に対応する時刻と基準時刻trqとの時間差、および対象メッセージMnの後に送信される対象メッセージM(n+1)の送信時刻に対応する時刻と基準時刻trqとの時間差に基づいて、対象メッセージMnに関する異常を検知する。より詳細には、検知部54は、当該対象メッセージMnの受信時刻と当該基準時刻trqとの時間差、および当該対象メッセージM(n+1)の受信時刻と当該基準時刻trqとの時間差に基づいて、対象メッセージMnに関する異常を検知する。
図8は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。図8において、横軸は時刻を示す。
図8を参照して、上述したように、検知部54は、生成部55から通知された基準時刻trqとしきい値Th1とに基づいて、しきい時刻trqA,trqBおよび許容範囲Rqを設定する。
検知部54は、対象メッセージMnの受信時刻tanを含む受信情報が監視部52により記憶部56に保存されると、受信時刻tanと、設定したしきい時刻trqA,trqBおよび許容範囲Rqとに基づいて、対象メッセージMnが不正メッセージであるか否かを判定する。
たとえば、検知部54は、対象メッセージMnの受信時刻tanが許容範囲Rq内である場合、対象メッセージMnは不正メッセージではないと判断する。
そして、検知部54は、対象メッセージM(n+1)の受信時刻ta(n+1)を含む新たな受信情報が監視部52により記憶部56に保存されると、新たな受信情報が示す受信時刻ta(n+1)と、設定したしきい時刻trqA,trqBおよび許容範囲Rqとに基づいて、対象メッセージM(n+1)が不正メッセージであるか否かを判定する。
たとえば、検知部54は、対象メッセージM(n+1)の受信時刻ta(n+1)が許容範囲Rq内である場合、対象メッセージM(n+1)は不正メッセージではないと判断する。
検知部54は、許容範囲Rqに基づく検知処理において、対象メッセージMnが不正メッセージではないと判断した後、さらに対象メッセージM(n+1)も不正メッセージではないと判断した場合、対象メッセージMn,M(n+1)は異常である可能性があると判断する、すなわちグレー判定する。
検知部54は、対象メッセージMnが不正メッセージではなく、かつグレー判定されたメッセージではないと判断した場合、すなわち対象メッセージMnが正当メッセージであると判断した場合、正当メッセージであると判断した対象メッセージMnの受信時刻tan、基準時刻trq、および受信時刻tanと基準時刻trqとの時間差Xnを示す時間差情報を記憶部56に保存する。
(サポートベクターマシンを用いた検知処理)
なお、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、検知部54は、対象メッセージMnの受信時刻tanと基準時刻trqとの時間差Xnに基づいて算出されるマハラノビス距離D^2と、しきい値Thとの比較結果に基づいて、対象メッセージMが不正メッセージであるか否かを判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
検知部54は、たとえばサポートベクターマシンを用いて、対象メッセージMnが不正メッセージであるか否かを判定する構成であってもよい。検知部54は、1クラスに分類するサポートベクターマシンを用いてもよいし、多クラスに分類するサポートベクターマシンを用いてもよい。
より詳細には、検知部54は、以下の式(2)に従って算出される分類スコアf(Xn)がゼロ以上である場合、対象メッセージMnは不正メッセージではないと判断する一方で、算出される分類スコアf(Xn)がゼロ未満である場合、対象メッセージMnは不正メッセージであると判断する。
Figure 0007435616000002
ここで、K(x,xi)は、カーネル関数である。カーネル関数は、具体的には、線形カーネル、多項式カーネル、以下の式(3)に示すガウスカーネル、またはシグモイドカーネルである。
Figure 0007435616000003
xは、対象メッセージMnの受信時刻tanと基準時刻trqとの時間差Xnのベクトルである。xiは、サポートベクトルである。yiは、分類すべき各クラスに対応する値である。たとえば1クラスに分類するサポートベクターマシンを用いる場合、yiは1である。Wiは、重みベクトルである。bは、バイアスである。xi,yi,Wiおよびbは、予め、車両1と同じ種類のテスト車両のゲートウェイ装置101を用いて、正当メッセージを用いて機械学習により求められるパラメータである。
1クラスに分類するサポートベクターマシンを用いる場合、上記パラメータは、教師無し学習によって設定される。より詳細には、正当メッセージである対象メッセージMnの受信時刻tanと複数の基準時刻trqとの時間差Xnを算出し、算出した時間差Xnを学習用のデータセットと検証用のデータセットとに分類する。
そして、学習用のデータセットを用いて機械学習を行い、機械学習により得られたパラメータおよび上述した式(2)を用いて検証用のデータセットの分類スコアf(Xn)を算出し、分類スコアf(Xn)がゼロ以上となるか、またはゼロ未満となるかを確認する。すなわち、検証用のデータセットが正当メッセージであると判定されるか、または不正メッセージであると判定されるかを確認する。そして、検証用のデータセットの判定結果の偽陽性率が所望の値となるようパラメータを適切に調整し、再度、学習用のデータセットを用いた機械学習を行う。
多クラスに分類するサポートベクターマシンを用いる場合、上記パラメータは、教師有り学習によって設定される。より詳細には、正当メッセージである対象メッセージMnの受信時刻tanと複数の基準時刻trqとの時間差Xnを算出し、算出した時間差Xnを正常データ群とする。
そして、正常データ群の時間差Xnより大きい複数の時間差Xnrのデータ群である不正データ群、および正常データ群の時間差Xnより小さい複数の時間差Xnsのデータ群である不正データ群を生成する。正常データ群および不正データ群を、学習用のデータセットと検証用のデータセットとに分類する。
次に、学習用のデータセットを用いて機械学習を行い、機械学習により得られたパラメータおよび上述した式(2)を用いて検証用のデータセットの分類スコアf(Xn)を算出し、分類スコアf(Xn)に基づいて検証用のデータセットが正当メッセージであると判定されるか、または不正メッセージであると判定されるかを確認する。そして、検証用のデータセットの判定結果の偽陽性率が所望の値となるように、不正データ群の時間差Xns,Xnrの値すなわち不正データ群と正常データ群とのギャップ、およびパラメータを適切に調整し、再度、学習用のデータセットを用いた機械学習を行う。
(決定木を用いた検知処理)
検知部54は、たとえば決定木を用いて、対象メッセージMaが不正メッセージであるか否かを判定する構成であってもよい。決定木のアルゴリズムは、たとえば、CART(Classification And Regression Trees)およびC4.5等である。
決定木のパラメータは、教師有り学習によって設定される。より詳細には、正当メッセージである対象メッセージMnの受信時刻tanと複数の基準時刻trqとの時間差Xnを算出し、算出した時間差Xnを正常データ群とする。
そして、正常データ群の時間差Xnより大きい複数の時間差Xnrのデータ群である不正データ群、および正常データ群の時間差Xnより小さい複数の時間差Xnsのデータ群である不正データ群を生成する。正常データ群および不正データ群を、学習用のデータセットと検証用のデータセットとに分類する。
次に、学習用のデータセットを用いて、CARTおよびC4.5等のアルゴリズムを用いる決定木の機械学習を行い、機械学習により得られた決定木を用いた場合において、検証用のデータセットが正当メッセージであると判定されるか、または不正メッセージであると判定されるかを確認する。そして、検証用のデータセットの判定結果の偽陽性率が所望の値となるように、不正データ群の時間差Xns,Xnrの値すなわち不正データ群と正常データ群とのギャップ、および決定木の学習用パラメータを適切に調整し、再度、学習用のデータセットを用いた機械学習を行う。
(新たな基準時刻の生成要求)
検知部54は、対象メッセージM(n+2)の受信時刻ta(n+2)を含む新たな受信情報が記憶部56に保存され、新たな受信情報が示す受信時刻ta(n+2)が、しきい時刻trqBより後の時刻である場合、新たな基準時刻tr(q+1)を生成すべき旨を示す生成要求を生成部55へ通知する。
たとえば、検知部54は、基準時刻trqを用いた検知処理おける判定結果に応じた内容の生成要求を生成部55へ通知する。
より詳細には、検知部54は、基準時刻trqを用いた検知処理において、不正メッセージを検知した場合、または対象メッセージMに関する異常を検知した場合すなわちグレー判定した場合、生成要求として、基準時刻trqを用いた検知処理において異常が発生した旨を示す生成要求Y1を生成部55へ通知する。
一方、検知部54は、基準時刻trqを用いた検知処理において、不正メッセージを検知しなかった場合、かつグレー判定をしなかった場合、生成要求として、基準時刻trqを用いた検知処理において異常が発生しなかった旨を示す生成要求Y2を生成部55へ通知する。
生成部55は、後述するように、検知部54から生成要求Y1または生成要求Y2を受けると、受けた生成要求Y1または生成要求Y2に対する応答として、新たな基準時刻tr(q+1)を検知部54へ通知する。
検知部54は、生成部55から新たな基準時刻tr(q+1)を通知されると、通知された基準時刻tr(q+1)を用いて、新たなしきい時刻tr(q+1)A,tr(q+1)Bで規定される許容範囲R(q+1)を設定する。
そして、検知部54は、設定した許容範囲R(q+1)に基づいて、対象メッセージM(n+2)が不正メッセージであるか否かを判断する。
(初回の基準時刻の生成要求)
検知部54は、通信処理部51によって制御装置122から1番目の対象メッセージMが受信された際、検知処理を開始するために、初期値である初回の基準時刻tr1を生成すべき旨を示す生成要求Y3を生成部55へ通知する。
より詳細には、検知部54は、連続するK個の対象メッセージMにおいて、対象メッセージMnが、直前の対象メッセージM(n-1)の受信時刻ta(n-1)を仮の基準時刻tr(n-1)として用いて設定される許容範囲R(n-1)内である場合、K個の対象メッセージMの受信時刻taおよび生成要求Y3を生成部55へ通知する。
図9は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。図9において、横軸は時刻を示す。図9は、Kが4の場合を示している。
図9を参照して、検知部54は、制御装置122からの1番目の対象メッセージM1の受信時刻ta1を仮の基準時刻traとして用いて、仮の基準時刻traとしきい値Th1とに基づいて、しきい時刻traA,traBおよび許容範囲Raを設定する。
そして、検知部54は、制御装置122からの2番目の対象メッセージM2の受信時刻ta2が許容範囲Ra内である場合、受信時刻ta2を仮の基準時刻trbとして用いて、仮の基準時刻trbとしきい値Th1とに基づいて、しきい時刻trbA,trbBおよび許容範囲Rbを設定する。
さらに、検知部54は、制御装置122からの3番目の対象メッセージM3の受信時刻ta3が許容範囲Rb内である場合、受信時刻ta3を仮の基準時刻trcとして用いて、仮の基準時刻trcとしきい値Th1とに基づいて、しきい時刻trcA,trcBおよび許容範囲Rcを設定する。
さらに、検知部54は、制御装置122からの4番目の対象メッセージM4の受信時刻ta4が許容範囲Rc内である場合、対象メッセージM1,M2,M3,M4の受信時刻ta1,ta2,ta3,ta4および生成要求Y3を生成部55へ通知する。
一方、検知部54は、たとえば3番目の対象メッセージM3の受信時刻ta3が許容範囲Rb外である場合、3番目以降の連続するK個の対象メッセージMにおいて、対象メッセージMnが、直前の対象メッセージM(n-1)の受信時刻ta(n-1)を仮の基準時刻tr(n-1)として用いて設定される許容範囲R(n-1)内となるまで、上述の処理を繰り返す。
生成部55は、後述するように、検知部54から生成要求Y3を受けると、受けた生成要求Y3に対する応答として、初回の基準時刻tr1を検知部54へ通知する。
[更新部]
上述したように、記憶部56は、対象メッセージMの受信時刻と基準時刻trとの時間差Xの統計値を記憶する。
更新部53は、検知処理において正常であると判定された対象メッセージMnの送信時刻に対応する時刻と基準時刻trとの時間差を用いて、記憶部56における統計値を更新する。より詳細には、更新部53は、正常であると判定された対象メッセージMの受信時刻taと基準時刻trとの時間差Xを用いて、記憶部56における統計値を更新する。
たとえば、記憶部56は、時間差Xの統計値として、検知処理において不正メッセージではないと判断された対象メッセージMの受信時刻taと基準時刻trとの時間差Xの平均値Xaveを記憶する。
更新部53は、記憶部56における時間差情報が示す時間差Xを用いて、記憶部56における平均値Xaveを更新する。すなわち、更新部53は、正当な対象メッセージMの受信時刻taと基準時刻trとの時間差Xを用いて、対象メッセージMの受信周期を学習する。
より詳細には、更新部53は、検知部54によって記憶部56に時間差情報が新たに保存されると、時間差情報が示す時間差Xnおよび記憶部56における平均値Xaveに基づいて、以下の式(4)に従って更新値Vを算出し、記憶部56における平均値Xaveを、算出した更新値Vに更新する。
Figure 0007435616000004
ここで、uは減衰係数であり、ゼロ以上1以下の値である。uは、たとえば、対象メッセージMの設計送信周期Tに応じて予め設定される。
uがゼロに近い値である場合、更新部53が更新を繰り返すことにより平均値Xaveは緩やかに変化することから、平均値Xaveが収束するまでに要する時間が長くなる一方で、平均値Xaveの変化を抑制して安定した値に更新することができる。
一方、uが1に近い値である場合、算出される更新値Vにおける時間差Xnの比重が大きくなるため、平均値Xaveが収束するまでに要する時間が短くなる一方で、対象メッセージMの受信周期の揺らぎに起因する平均値Xaveの変動幅が大きくなる。
[生成部]
生成部55は、上述したように、検知部54から生成要求を受けると、受けた生成要求に対する応答として、新たな基準時刻trを検知部54へ通知する。
(基準時刻の生成例1)
図10は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。図10において、横軸は時刻を示す。
図10を参照して、生成部55は、検知処理において対象メッセージMが異常であると判定された場合、記憶部56における最新の統計値を基準時刻trに加えた値に基づいて、異常であると判定された対象メッセージMの後に送信される対象メッセージMについての検知処理に用いられる新たな基準時刻trを生成する。
たとえば、生成部55は、検知部54から生成要求Y1を受けると、記憶部56における平均値Xaveを参照し、最新の基準時刻trqに最新の平均値Xaveを加えた値を算出する。生成部55は、算出した値を、新たな基準時刻tr(q+1)として検知部54へ通知する。
ここで、p回目の対象メッセージMpの受信時刻tapは、以下の式(5)で表される。
Figure 0007435616000005
E1は、制御装置122における発振器131のジッタに基づくメッセージの送信時刻の誤差である。E2は、ゲートウェイ装置101における発振器143のジッタに基づくメッセージの受信時刻の誤差である。なお、E1,E2は、それぞれ、発振器131,143の、製造工程、使用環境および経年劣化等によって生じる誤差である。
また、Aiは、制御装置122からのi番目のメッセージの、バス13における衝突および送信待機遅延によって生じる遅延時間である。
p回目の対象メッセージMpについての検知処理に用いる基準時刻trpは、以下の式(6)で表される。
Figure 0007435616000006
また、平均値Xaveは、対象メッセージMpの受信周期であり、設計送信周期Tと、誤差E1と、誤差E2との和に等しいため、対象メッセージMpの受信時刻tapと基準時刻trpとの時間差Xpは、式(5)から式(6)を差し引くことにより、以下の式(7)で表される。
Figure 0007435616000007
なお、遅延時間Aiは、通信状況に応じて増減を繰り返すことから、式(7)中のシグマ項は、単調に増加することのない、ある数値範囲内において増減を繰り返す誤差とみなすことができる。
受信時刻tapと基準時刻trpとの時間差Xpに含まれる平均値Xaveは、発振器131,143の使用環境および経年劣化等による誤差E1,E2の影響を受けることから、使用環境および経年により変動する。
生成部55は、誤差E1,E2の変化に応じた時間差Xpの変化が考慮された平均値Xaveを用いて、新たな基準時刻trを算出する。
より詳細には、生成部55は、上述のとおり、更新部53によって正当な対象メッセージMの受信時刻taと基準時刻trとの時間差Xを用いて更新された最新の平均値Xaveを、最新の基準時刻trqに加えた値を、新たな基準時刻tr(q+1)として算出する。
(基準時刻の生成例2)
たとえば、生成部55は、新たな基準時刻tr(q+1)の生成において、対象メッセージMが送信される際の調停処理による遅延時間Dを用いる。
より詳細には、生成部55は、検知部54から生成要求Y1を受けると、記憶部56における平均値Xaveを参照し、最新の平均値Xaveと遅延時間Dとを最新の基準時刻trqに加えた値を算出する。生成部55は、算出した値を、新たな基準時刻tr(q+1)として検知部54へ通知する。
たとえば、記憶部56は、送信時刻に関して対象メッセージMと相関が高い周期メッセージの遅延時間から、対象メッセージMの遅延時間Dを算出するための遅延算出モデルを記憶している。
生成部55は、記憶部56における遅延算出モデルおよび当該周期メッセージの遅延時間から、対象メッセージMの遅延時間Dを算出し、最新の平均値Xaveと遅延時間Dとを、最新の基準時刻trqに加えた値を、新たな基準時刻tr(q+1)として算出する。
(基準時刻の生成例3)
図11は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける対象メッセージの受信時刻の分布の他の例を示す図である。図11において、横軸は時刻を示す。
図11を参照して、たとえば、生成部55は、検知処理において対象メッセージMが正常であると判定された場合、正常であると判定された対象メッセージMの受信時刻に基づいて、正常であると判定された対象メッセージMの後に送信される対象メッセージMについての検知処理に用いられる新たな基準時刻trを生成する。
より詳細には、生成部55は、検知部54から生成要求Y2を受けると、記憶部56における時間差情報を参照し、最新の基準時刻trqを用いた検知処理において不正メッセージではないと判断した最新の対象メッセージMnの受信時刻tanを取得する。生成部55は、算出した受信時刻tanを、新たな基準時刻tr(q+1)として検知部54へ通知する。
(基準時刻の生成例4)
生成部55は、検知部54から対象メッセージM1,M2,M3,M4の受信時刻ta1,ta2,ta3,ta4および生成要求Y3を受けると、受信時刻ta2,ta3のいずれか一方を、初回の基準時刻tr1として検知部54へ通知する。
[動作の流れ]
本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図12は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおいてゲートウェイ装置が検知処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図12を参照して、まず、ゲートウェイ装置101は、初回の基準時刻tr1を生成する(ステップS102)。
次に、ゲートウェイ装置101は、基準時刻tr1およびしきい値Th1に基づいて、しきい許容範囲R1を設定する(ステップS104)。
次に、ゲートウェイ装置101は、車載ネットワーク12における対象メッセージMを監視し、対象メッセージMを待ち受け(ステップS106でNO)、たとえば対象メッセージMnを受信すると(ステップS106でYES)、不正メッセージを検知する検知処理を行う。具体的には、ゲートウェイ装置101は、対象メッセージMnの受信時刻tanと、基準時刻trqとの時間差Xnに基づいて、対象メッセージMnが不正メッセージであるか否かを判断する(ステップS108)。
次に、ゲートウェイ装置101は、検知処理の結果、対象メッセージMnが不正メッセージではないと判断した場合(ステップS110でNO)、当該対象メッセージMnの受信時刻tanと基準時刻trqとの時間差Xnを用いて、記憶部56における平均値Xaveを更新する(ステップS112)。
次に、ゲートウェイ装置101は、対象メッセージMの監視を継続し、次の対象メッセージM(n+1)を待ち受ける(ステップS106でNO)。
一方、ゲートウェイ装置101は、検知処理の結果、対象メッセージMnが不正メッセージであると判断した場合(ステップS110でYES)、不正メッセージが伝送されていることを示す警報情報を車両1内または車両1外における上位装置へ送信する(ステップS114)。
次に、ゲートウェイ装置101は、対象メッセージMの監視を継続し、次の対象メッセージM(n+1)を待ち受ける(ステップS106でNO)。
図13は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムのゲートウェイ装置における検知処理の一例を定めたフローチャートである。図13は、図12におけるステップS108の詳細を示している。
図13を参照して、まず、ゲートウェイ装置101は、対象メッセージMnの受信時刻tanを取得する(ステップS202)。
次に、ゲートウェイ装置101は、取得した受信時刻tanと、最新の基準時刻trqに基づいて設定した許容範囲Rqすなわちしきい時刻trqA,trqBとを比較する(ステップS204)。
次に、ゲートウェイ装置101は、受信時刻tanがしきい時刻trqBより後の時刻である場合(ステップS206でYES)、新たな基準時刻tr(q+1)を生成し(ステップS208)、受信時刻tanと、新たに生成した基準時刻tr(q+1)に基づく許容範囲R(q+1)とを比較する(ステップS204)。
一方、ゲートウェイ装置101は、受信時刻tanが許容範囲Rq内である場合(ステップS206でNO、かつステップS210でYES)、対象メッセージMnは不正メッセージではないと判断する(ステップS212)。
一方、ゲートウェイ装置101は、受信時刻tanがしきい時刻trqAより前の時刻である場合(ステップS206でNO、かつステップS210でNO)、対象メッセージMnは不正メッセージであると判断する(ステップS214)。
図14は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムのゲートウェイ装置における基準時刻を生成する処理の一例を定めたフローチャートである。図14は、図13におけるステップS208の詳細を示している。
図14を参照して、まず、ゲートウェイ装置101は、最新の基準時刻trqを用いた検知処理において異常を検知した場合、具体的には、不正メッセージを検知した場合またはグレー判定をした場合(ステップS302でYES)、最新の基準時刻trqに最新の平均値Xaveを加えた値を、新たな基準時刻tr(q+1)として設定する(ステップS304)。
一方、ゲートウェイ装置101は、最新の基準時刻trqを用いた検知処理において異常を検知しなかった場合、具体的には、不正メッセージを検知しなかった場合かつグレー判定をしなかった場合(ステップS302でNO)、最新の基準時刻trqを用いた検知処理において不正メッセージではないと判断した対象メッセージMnの受信時刻tanを、新たな基準時刻tr(q+1)として設定する(ステップS306)。
図15は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムのゲートウェイ装置における初回の基準時刻を生成する処理の一例を定めたフローチャートである。図15は、図12におけるステップS102の詳細を示している。
図15を参照して、まず、ゲートウェイ装置101は、対象メッセージMを待ち受け(ステップS402でNO)、たとえば対象メッセージMnを受信すると(ステップS402でYES)、対象メッセージMnの受信時刻tanを仮の基準時刻traとして用いて、許容範囲Raを設定する(ステップS404)。
次に、ゲートウェイ装置101は、次の対象メッセージM(n+1)の受信時刻ta(n+1)が許容範囲Ra外である場合(ステップS406でNO)、受信成功数fをゼロにし(ステップS408)、受信時刻ta(n+1)を仮の基準時刻traとして用いて、許容範囲Raを設定する(ステップS404)。
一方、ゲートウェイ装置101は、次の対象メッセージM(n+1)の受信時刻ta(n+1)が許容範囲Ra内である場合(ステップS406でYES)、受信成功数fをインクリメントする(ステップS410)。
次に、ゲートウェイ装置101は、受信成功数fが4未満の場合(ステップS412でNO)、受信時刻ta(n+1)を仮の基準時刻traとして用いて、許容範囲Raを設定する(ステップS404)。
一方、ゲートウェイ装置101は、受信成功数fが4となると(ステップS412でYES)、連続する4個の対象メッセージMn,M(n+1),M(n+2),M(n+3)の受信時刻tan,ta(n+1),ta(n+2),ta(n+3)のうち、たとえば受信時刻ta(n+2)を初回の基準時刻tr1として設定する(ステップS414)。
なお、本開示の実施の形態に係る車載通信システム301では、ゲートウェイ装置101が、車載ネットワーク12における不正メッセージを検知する構成であるとしたが、これに限定するものではない。車載通信システム301では、ゲートウェイ装置101とは別の検知装置が、車載ネットワーク12における不正メッセージを検知する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車載通信システム301では、検知装置として機能するゲートウェイ装置101がバス13に直接接続される構成であるとしたが、これに限定するものではない。
図16は、本開示の実施の形態に係る車載ネットワークの接続トポロジの一例を示す図である。
図16を参照して、検知装置151が、車載装置たとえば制御装置122を介してバス13に接続される構成であってもよい。この場合、検知装置151は、たとえば、当該車載装置が送受信するメッセージを監視することにより、バス13に伝送される不正メッセージを検知する。
図16に示す例では、たとえば、検知装置151の監視部52は、制御装置122が送信する対象メッセージMの送信時刻に対応する時刻を取得する。検知装置151の検知部54は、監視部52による監視結果に基づく対象メッセージMの送信時刻と、生成部55によって生成された基準時刻trとの時間差に基づいて、検知処理を行う。検知装置151の更新部53は、検知処理において正常であると判定された対象メッセージMの送信時刻と基準時刻trとの時間差を用いて、時間差の統計値を更新する。
また、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、検知部54は、検知処理として、対象メッセージMが不正メッセージであるか否かを判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。検知部54は、検知処理として、対象メッセージMが不正メッセージである確率を算出する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、検知部54は、対象メッセージMnが不正メッセージではないと判断した後、さらに対象メッセージM(n+1)も不正メッセージではないと判断した場合、対象メッセージMn,M(n+1)をグレー判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。検知部54は、グレー判定を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、検知部54は、基準時刻trqを用いた検知処理において、不正メッセージを検知しなかった場合、かつグレー判定をしなかった場合、生成要求Y2を生成部55へ通知する構成であるとしたが、これに限定するものではない。検知部54は、基準時刻trqを用いた検知処理において、不正メッセージを検知しなかった場合、かつグレー判定をしなかった場合、生成要求Y2を生成部55へ通知しない一方で、生成要求Y1を生成部55へ通知する構成であってもよい。
この場合、生成部55は、上述したように、記憶部56における平均値Xaveを参照し、最新の基準時刻trqに最新の平均値Xaveを加えた値を算出する。生成部55は、算出した値を、新たな基準時刻tr(q+1)として検知部54へ通知する。
ところで、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することを可能とする技術が望まれる。
たとえば、周期メッセージを監視することにより、ある時刻に送信された周期メッセージを基準として、当該周期メッセージの送信時刻と、次に送信された周期メッセージの送信時刻との時間差に基づいて、正当な周期メッセージになりすました不正メッセージを検知する方法が考えられる。
このような方法では、基準とした周期メッセージが不正メッセージである場合、次に送信された周期メッセージが不正メッセージであるか否かを正しく判定できない場合がある。
具体的には、直前の周期メッセージの送信時刻に基づいて、次の周期メッセージが不正メッセージであるか否かを判定する上記方法では、直前の周期メッセージが不正メッセージである場合、当該不正メッセージの送信時刻に基づいて、次の周期メッセージが不正メッセージであるか否かの判定を行うこととなる。その結果、次の不正メッセージを正当メッセージであると誤判定したり、所定の設計送信周期に従って送信された正当メッセージを不正メッセージであると誤判定したりする場合がある。
これに対して、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、監視部52は、車載ネットワーク12における、周期的に送信される正当メッセージ、および不正メッセージを対象メッセージMとして監視する。検知部54は、不正メッセージを検知する検知処理を行う。生成部55は、検知処理に用いられる基準時刻trを生成する。検知部54は、監視部52による監視結果に基づく対象メッセージMnの送信時刻に対応する時刻と、生成部55によって生成された基準時刻trqとの時間差Xnに基づいて、検知処理を行う。更新部53は、検知処理において正常であると判定された対象メッセージMの送信時刻に対応する時刻と基準時刻trとの時間差Xを用いて、時間差Xの平均値Xaveを更新する。生成部55は、検知処理において対象メッセージMnが異常であると判定された場合、最新の平均値Xaveを基準時刻trqに加えた値に基づいて、異常であると判定された対象メッセージMnの後に送信される対象メッセージM(n+1)についての検知処理に用いられる新たな基準時刻tr(q+1)を生成する。
このように、検知処理において正常であると判定された対象メッセージMの送信時刻に対応する時刻と基準時刻trとの時間差Xを用いて平均値Xaveを更新するとともに、検知処理において対象メッセージMnが異常であると判定された場合、時間差Xの平均値Xaveを基準時刻trqに加えた値に基づいて新たな基準時刻tr(q+1)を生成する構成により、不正メッセージの送信時刻に対応する時刻を基準に検知処理を行うことを回避することができるため、異常であると判定された対象メッセージMnの次に送信される対象メッセージM(n+1)についての検知処理における誤判定を抑制することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することができる。
また、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、検知部54は、対象メッセージMnの送信時刻に対応する時刻と基準時刻trqとの時間差Xn、および対象メッセージMnの後に送信される対象メッセージM(n+1)の送信時刻に対応する時刻と基準時刻trqとの時間差X(n+1)に基づいて、対象メッセージMnに関する異常を検知する。
このような構成により、たとえば、基準時刻trqを用いた検知処理において、正常であると判定される時間内に複数の対象メッセージMが送信され、当該複数の対象メッセージMに含まれる不正メッセージを正当メッセージであると誤判定した場合であっても、当該複数の対象メッセージMは異常である可能性があると判断することができる。これにより、検知処理において検知することができなかった不正メッセージを、たとえばグレー判定することができる。
また、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、生成部55は、検知処理において対象メッセージMnが正常であると判定された場合、正常であると判定された対象メッセージMnの送信時刻に対応する時刻に基づいて、正常であると判定された対象メッセージMnの後に送信される対象メッセージM(n+1)についての検知処理に用いられる新たな基準時刻tr(q+1)を生成する。
このような構成により、たとえば、正常であると判定された対象メッセージMnの実際の送信時刻に対応する時刻を新たな基準時刻tr(q+1)とすることにより、通信遅延等による対象メッセージMnの送信時刻の変動を考慮した、より正確な検知処理を行うことができる。
また、本開示の実施の形態に係るゲートウェイ装置101では、生成部55は、基準時刻trの生成において、対象メッセージMが送信される際の調停処理による遅延時間を用いる。
このような構成により、たとえば、時間差Xの最新の平均値Xaveを基準時刻trqに加えることにより新たな基準時刻tr(q+1)を生成する場合において、通信遅延等による対象メッセージMnの送信時刻の変動が考慮された基準時刻tr(q+1)を用いて、より正確な検知処理を行うことができる。
また、本開示の実施の形態に係る車両1は、ゲートウェイ装置101を備える。
このような構成により、ゲートウェイ装置101を備える車両1において、車載ネットワーク12における不正メッセージをより正しく検知することができる。
また、本開示の実施の形態に係る検知方法は、車載ネットワーク12における不正メッセージを検知するゲートウェイ装置101における検知方法である。この検知方法では、まず、ゲートウェイ装置101が、車載ネットワーク12における、周期的に送信される正当メッセージ、および不正メッセージを対象メッセージMとして監視する。次に、ゲートウェイ装置101が、不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻trを生成する。次に、ゲートウェイ装置101が、対象メッセージMの監視結果に基づく対象メッセージMnの送信時刻に対応する時刻と、生成した基準時刻trqとの時間差Xnに基づいて、検知処理を行う。次に、ゲートウェイ装置101が、検知処理において正常であると判定された対象メッセージMの送信時刻に対応する時刻と基準時刻trとの時間差Xを用いて、時間差Xの平均値Xaveを更新する。ゲートウェイ装置101は、基準時刻trを生成するステップにおいては、検知処理において対象メッセージMnが異常であると判定された場合、最新の平均値Xaveを基準時刻trqに加えた値に基づいて、異常であると判定された対象メッセージMnの後に送信される対象メッセージM(n+1)についての前記検知処理に用いられる新たな基準時刻tr(q+1)を生成する。
このように、検知処理において正常であると判定された対象メッセージMの送信時刻に対応する時刻と基準時刻trとの時間差Xを用いて平均値Xaveを更新するとともに、検知処理において対象メッセージMnが異常であると判定された場合、時間差Xの平均値Xaveを基準時刻trqに加えた値に基づいて新たな基準時刻tr(q+1)を生成する方法により、不正メッセージの送信時刻に対応する時刻を基準に検知処理を行うことを回避することができるため、異常であると判定された対象メッセージMnの次に送信される対象メッセージM(n+1)についての検知処理における誤判定を抑制することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る検知方法では、車載ネットワークにおける不正メッセージをより正しく検知することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置であって、
前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、
前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、
前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、
前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部とを備え、
前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成し、
前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが正常であると判定された場合、正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に基づいて、正常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成し、
前記時間差の前記統計値は、前記時間差の平均値である、検知装置。
[付記2]
車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置であって、
前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、
前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、
前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、
前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部とを備え、
前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成し、
前記監視部、前記生成部、前記検知部および前記更新部は、プロセッサにより実現される、検知装置。
1 車両
12 車載ネットワーク
13,14 バス
51 通信処理部
52 監視部
53 更新部
54 検知部
55 生成部
56 記憶部
101 ゲートウェイ装置
111 車載通信機
112 ポート
121 バス接続装置群
122 制御装置
131 発振器
132 CPU
133 CANトランシーバ
141 CPU
142 CANトランシーバ
143 発振器
151 検知装置
301 車載通信システム

Claims (7)

  1. 車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置であって、
    前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、
    前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、
    前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、
    前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部とを備え、
    前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する、検知装置。
  2. 前記検知部は、前記対象メッセージである第1の対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との時間差、および前記第1の対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージである第2の対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との時間差に基づいて、前記第1の対象メッセージに関する異常を検知する、請求項1に記載の検知装置。
  3. 前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが正常であると判定された場合、正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻に基づいて、正常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する、請求項1または請求項2に記載の検知装置。
  4. 前記生成部は、前記基準時刻の生成において、前記対象メッセージが送信される際の調停処理による遅延時間を用いる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検知装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検知装置を備える、車両。
  6. 車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置における検知方法であって、
    前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視するステップと、
    前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成するステップと、
    前記対象メッセージの監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、生成した前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行うステップと、
    前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新するステップとを含み、
    前記基準時刻を生成するステップにおいては、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する、検知方法。
  7. 車載ネットワークにおける不正メッセージを検知する検知装置において用いられる検知プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記車載ネットワークにおける、周期的に送信される正当メッセージ、および前記不正メッセージを対象メッセージとして監視する監視部と、
    前記不正メッセージを検知する検知処理に用いられる基準時刻を生成する生成部と、
    前記監視部による監視結果に基づく前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と、前記生成部によって生成された前記基準時刻との時間差に基づいて、前記検知処理を行う検知部と、
    前記検知処理において正常であると判定された前記対象メッセージの送信時刻に対応する時刻と前記基準時刻との前記時間差を用いて、前記時間差の統計値を更新する更新部、
    として機能させるためのプログラムであり、
    前記生成部は、前記検知処理において前記対象メッセージが異常であると判定された場合、最新の前記統計値を前記基準時刻に加えた値に基づいて、異常であると判定された前記対象メッセージの後に送信される前記対象メッセージについての前記検知処理に用いられる新たな前記基準時刻を生成する、検知プログラム。



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