JP7432026B1 - プラテンダイカッタ用の抜型 - Google Patents

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一志 石井
卓生 藤宮
裕紀 杉田
淳生 石川
隆将 西井
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Abstract

【課題】破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに破断誘導線を形成することが可能なプラテンダイカッタ用の抜型を提供する。【解決手段】押罫部材31~38は、外周打ち抜き刃30で囲まれる領域を複数の面領域51~59に分割するように配置され、複数の面領域51~59のうちの少なくとも1つの面領域に、段ボールシートSに破断誘導線21~26を形成する加工刃41~46が設けられているプラテンダイカッタ用の抜型において、加工刃41~46が設けられた面領域51,52,54,56,57,59に、その面領域の全面で段ボールシートSを押圧するように実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体71~76が取り付けられている。【選択図】図2

Description

この発明は、プラテンダイカッタ用の抜型に関する。
段ボールシートを打ち抜いて段ボール箱のブランクを形成する製函機械として、プラテンダイカッタが知られている。プラテンダイカッタは、一般に、固定の上部プラテンと、その上部プラテンの下側で上下動する下部プラテンとを有し、上部プラテンの下面に抜型を取り付け、下部プラテンの上面に面板を取り付け、その抜型と面板の間で段ボールシートを挟み付けることで段ボールシートを打ち抜く機械である。
このプラテンダイカッタに使用される抜型として、特許文献1のものが知られている。特許文献1の抜型においては、段ボールシートを所定の輪郭に打ち抜く外周打ち抜き刃と、段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する押罫部材とが、平板状の基材に固定して設けられている。押罫部材は、外周打ち抜き刃で囲まれる領域を、複数の面領域(段ボール箱の各面に対応する領域)に分割するように配置されている。
また、プラテンダイカッタに使用される抜型として、特許文献2のものも知られている。特許文献2の抜型は、特許文献1のようなプラテンダイカッタ用の抜型に、切断部分とつなぎ部分とが交互に並ぶ破断誘導線を形成する加工刃(ミシン刃やジッパー刃など)を追加して設けたものである。
特開2010-52049号公報 特開2000-288997号公報
ところで、プラテンダイカッタ用の抜型を使用して、切断部分とつなぎ部分とが交互に並ぶ破断誘導線(ミシン線やジッパー線)を段ボールシートに形成する場合、その破断誘導線を形成するための加工刃(ミシン刃やジッパー刃など)が段ボールシートに切り込むときに生じる張力によって、破断誘導線のつなぎ部分が破断してしまうという問題がある。
そこで、プラテンダイカッタ用の抜型を使用して段ボールシートに破断誘導線を形成するときに、その破断誘導線のつなぎ部分が破断するのを防ぐための対策として、従来、特許文献2のように、抜型の加工刃(ミシン刃やジッパー刃など)に沿って、高硬度の弾性体を取り付けるという方法がとられている。すなわち、抜型の加工刃が段ボールシートに切り込むのとほぼ同時に、加工刃に沿って取り付けた高硬度の弾性体で、段ボールシートを積極的に押し潰すことで、加工刃が段ボールシートに切り込むときに生じる張力を緩和し、その加工刃で形成される破断誘導線のつなぎ部分の破断を防ぐという対策がとられている。
しかしながら、特許文献2のように、加工刃に沿って高硬度の弾性体を取り付け、その高硬度の弾性体で、段ボールシートの破断誘導線に沿った部分を積極的に押し潰すという対策をとった場合、段ボール箱の圧縮強度が低下したり、段ボール箱の胴膨れが生じやすくなったりするという問題がある。また、特許文献2のように、高硬度の弾性体で、段ボールシートの破断誘導線に沿った部分を積極的に押し潰したとしても、特に破断誘導線のつなぎ部分の長さが短い場合、破断誘導線のつなぎ部分が破断するのを完全に防止することは困難であった。
この発明が解決しようとする課題は、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに破断誘導線を形成することが可能なプラテンダイカッタ用の抜型を提供することである。
本願の発明者らは、プラテンダイカッタ用の抜型を使用して段ボールシートに破断誘導線を形成するときに、破断誘導線のつなぎ部分が破断するのを防ぐ方法を究明するため、段ボールシートを所定の輪郭に打ち抜く外周打ち抜き刃と、段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する押罫部材と、段ボールシートに破断誘導線を形成する加工刃とを、平板状の基材に固定して設けたプラテンダイカッタ用の抜型のサンプルを試作した。この抜型のサンプルにおいて、押罫部材は、外周打ち抜き刃で囲まれる領域を複数の面領域に分割するように配置され、その複数の面領域のうち一部の面領域に加工刃が設けられている。そして、加工刃が設けられた面領域の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ低硬度の弾性体を取り付けた抜型のサンプルを試作し、その抜型のサンプルを使用して段ボールシートを打ち抜くテストを実施したところ、破断誘導線のつなぎ部分に全く破断が生じないというテスト結果を得た。
このようなテスト結果が得られた理由は、次のように考えられる。すなわち、プラテンダイカッタ用の抜型で段ボールシートを打ち抜くとき、その抜型に設けられた外周打ち抜き刃や押罫部材が段ボールシートに押し付けられることで、段ボールシートに張力が発生する。そして、その張力が、段ボールシートの加工刃で切り込まれる位置に伝わると、破断誘導線のつなぎ部分が破断しやすくなる。これに対し、抜型の加工刃が設けられた面領域に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体を取り付けると、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、段ボールシートが、抜型の加工刃が設けられた面領域の全面で弾性体に押圧保持されるので、押罫部材や外周打ち抜き刃が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの加工刃で切り込まれる位置に伝わりにくくなり、その結果、破断誘導線のつなぎ部分に全く破断が生じないというテスト結果が得られたものと考えられる。
この知見に基づき、この発明では、上記課題を解決するために、以下の構成のプラテンダイカッタ用の抜型を提供する。
[構成1]
段ボールシートを所定の輪郭に打ち抜く外周打ち抜き刃と、前記段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する押罫部材とが、平板状の基材に固定して設けられ、
前記押罫部材は、前記外周打ち抜き刃で囲まれる領域を複数の面領域に分割するように配置され、
前記複数の面領域のうちの少なくとも1つの面領域に、前記段ボールシートに切断部分とつなぎ部分とが交互に並ぶ破断誘導線を形成する加工刃が設けられているプラテンダイカッタ用の抜型において、
前記複数の面領域のうちの前記加工刃が設けられた面領域に、その面領域の全面で前記段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体が取り付けられている、ことを特徴とするプラテンダイカッタ用の抜型。
この構成を採用すると、抜型の加工刃が設けられた面領域に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が取り付けられているので、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、その段ボールシートが、抜型の加工刃が設けられた面領域の全面で弾性体に押圧保持される。そのため、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、押罫部材や外周打ち抜き刃が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの加工刃で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに破断誘導線を形成することが可能となる。
[構成2]
段ボールの段目方向に順に、方形状の天板と、段ボールの段目に交差する方向に細長い長方形状の第1側板と、方形状の底板と、段ボールの段目に交差する方向に細長い長方形状の第2側板とが連設され、前記天板、前記第1側板、前記底板、前記第2側板の両側には、それぞれ第1外フラップ、第1内フラップ、第2外フラップ、第2内フラップが連設されたラップアラウンドケースのブランクを形成するように前記外周打ち抜き刃と前記押罫部材とが設けられ、
前記複数の面領域は、前記天板に対応する面領域と、前記第1側板に対応する面領域と、前記底板に対応する面領域と、前記第2側板に対応する面領域と、前記第1外フラップに対応する面領域と、前記第1内フラップに対応する面領域と、前記第2外フラップに対応する面領域と、前記第2内フラップに対応する面領域とを含み、
前記加工刃として、前記第1側板および/または前記第2側板に対応する面領域を段ボールの段目に交差する方向に横断して設けられる第1側板加工刃および/または第2側板加工刃を有し、
前記つなぎ破断防止用の弾性体として、前記第1側板に対応する面領域の全面で前記段ボールシートを押圧するように実質的に前記第1側板および/または前記第2側板に対応する面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が、前記第1側板および/または前記第2側板に対応する面領域に取り付けられている、構成1に記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
この構成を採用すると、抜型の第1側板および/または第2側板に対応する面領域に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が取り付けられているので、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、その段ボールシートが、第1側板および/または第2側板に対応する面領域の全面で弾性体に押圧保持される。そのため、第1側板に対応する面領域に弾性体を取り付けたものについては、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、第1側板と天板の間の罫線を形成する押罫部材や、第1側板と底板の間の罫線を形成する押罫部材が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの第1側板加工刃で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに第1側板の破断誘導線を形成することが可能となる。また、第2側板に対応する面領域に弾性体を取り付けたものについては、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、第2側板と底板の間の罫線を形成する押罫部材が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの第2側板加工刃で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに第2側板の破断誘導線を形成することが可能となる。
[構成3]
前記加工刃として、前記天板に対応する面領域を段ボールの段目に交差する方向に横断して設けられる天板加工刃を更に有し、
前記つなぎ破断防止用の弾性体として、前記天板に対応する面領域の全面で前記段ボールシートを押圧するように実質的に前記天板に対応する面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が、前記天板に対応する面領域に取り付けられている、構成2に記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
この構成を採用すると、抜型の天板に対応する面領域に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が取り付けられているので、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、その段ボールシートが、天板に対応する面領域の全面で弾性体に押圧保持される。そのため、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、天板と第1側板の間の罫線を形成する押罫部材が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの天板加工刃で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに天板の破断誘導線を形成することが可能となる。
[構成4]
前記加工刃として、前記第1内フラップに対応する面領域を段ボールの段目に交差する方向に横断して設けられる第1内フラップ加工刃を更に有し、
前記つなぎ破断防止用の弾性体として、前記第1内フラップに対応する面領域の全面で前記段ボールシートを押圧するように実質的に前記第1内フラップに対応する面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が、前記第1内フラップに対応する面領域に取り付けられている、構成2または3に記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
この構成を採用すると、抜型の第1内フラップに対応する面領域に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が取り付けられているので、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、その段ボールシートが、第1内フラップに対応する面領域の全面で弾性体に押圧保持される。そのため、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、外周打ち抜き刃のうち第1内フラップの縁を形成する部分や、第1内フラップと第1側板の間の罫線を形成する押罫部材が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの第1内フラップ加工刃で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに第1内フラップの破断誘導線を形成することが可能となる。
[構成5]
前記加工刃として、前記第2内フラップに対応する面領域を段ボールの段目に交差する方向に横断して設けられる第2内フラップ加工刃を更に有し、
前記つなぎ破断防止用の弾性体として、前記第2内フラップに対応する面領域の全面で前記段ボールシートを押圧するように実質的に前記第2内フラップに対応する面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が、前記第2内フラップに対応する面領域に取り付けられている、構成2から4のいずれかに記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
この構成を採用すると、抜型の第2内フラップに対応する面領域に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が取り付けられているので、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、その段ボールシートが、第2内フラップに対応する面領域の全面で弾性体に押圧保持される。そのため、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、外周打ち抜き刃のうち第2内フラップの縁を形成する部分や、第2内フラップと第2側板の間の罫線を形成する押罫部材が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの第2内フラップ加工刃で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに第2内フラップの破断誘導線を形成することが可能となる。
[構成6]
前記つなぎ破断防止用の弾性体は、前記段ボールシートを打ち抜くときに前記弾性体から前記段ボールシートに作用する押圧力が段ボールの平面圧縮強さよりも小さくなるような低硬度のものである、構成1から5のいずれかに記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
この構成を採用すると、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、弾性体から段ボールシートに作用する押圧力が段ボールの平面圧縮強さよりも小さいので、段ボールシートの破断誘導線に沿った部分を段潰れさせずに、破断誘導線のつなぎ部分の破断を防止することが可能となる。
この発明のプラテンダイカッタ用の抜型は、加工刃が設けられた面領域に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつ弾性体が取り付けられているので、段ボールシートを打ち抜くときに、その段ボールシートが、抜型の加工刃が設けられた面領域の全面で弾性体に押圧保持される。そのため、段ボールシートを抜型で打ち抜くときに、押罫部材や外周打ち抜き刃が段ボールシートに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートの加工刃で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線のつなぎ部分を破断させずに破断誘導線を形成することができる。
この発明の実施形態の抜型で形成される段ボール箱のブランクを示す図 図1に示す段ボール箱のブランクを形成する実施形態の抜型を示す平面図 図2に示す抜型の天板に対応する面領域と第1側板に対応する面領域の近傍の拡大図 図2に示す抜型の底板に対応する面領域と第2側板に対応する面領域の近傍の拡大図 図3のV部を拡大して示す図 図5のVI-VI線に沿った断面図 図6のVII-VII線に沿った断面図 図6に示す加工刃(ミシン刃)と押罫部材とを段ボールシートに押し付ける直前の状態を示す図 図8に示す加工刃と押罫部材とを段ボールシートに押し付けて破断誘導線と折り曲げ用の罫線とを形成した直後の状態(つなぎ破断防止用の弾性体が最も圧縮されたときの状態)を示す図 図7に示すミシン刃と、そのミシン刃で形成されたミシン目線とを示す斜視図 図5のXI-XI線に沿った断面図 図11のXII-XII線に沿った断面図 図11に示す加工刃(ミシン刃およびジッパー刃)を段ボールシートに押し付ける直前の状態を示す図 図11に示す加工刃(ミシン刃およびジッパー刃)を段ボールシートに押し付けて破断誘導線を形成した直後の状態(つなぎ破断防止用の弾性体が最も圧縮されたときの状態)を示す図 図5のXV-XV線に沿った断面図 図15に示す押罫部材を段ボールシートに押し付けて折り曲げ用の罫線を形成した直後の状態(つなぎ破断防止用の弾性体が最も圧縮されたときの状態)を示す図 図5のXVII-XVII線に沿った断面図 図17に示す外周打ち抜き刃を段ボールシートに押し付けて段ボールシートを製品部分と非製品部分とに切り分けた直後の状態(つなぎ破断防止用の弾性体が最も圧縮されたときの状態)を示す図
図1に、この発明の実施形態の抜型D(図2参照)で形成される段ボール箱のブランクを示す。このブランクは、段ボールの段目方向(図では上下方向)に順に、方形状の天板1と、段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に細長い長方形状の第1側板2と、方形状の底板3と、段ボールの段目に交差する方向に細長い長方形状の第2側板4と、継ぎ代片5とが連設され、天板1、第1側板2、底板3、第2側板4の両側に、それぞれ第1外フラップ6、第1内フラップ7、第2外フラップ8、第2内フラップ9が連設されたラップアラウンドケースのブランクである。
天板1と第1側板2の間、第1側板2と底板3の間、底板3と第2側板4の間、第2側板4と継ぎ代片5の間、天板1と各第1外フラップ6の間、第1側板2と各第1内フラップ7の間、底板3と各第2外フラップ8の間、第2側板4と第2内フラップ9の間には、それぞれ、折り曲げ用の罫線11~18が形成されている。折り曲げ用の罫線11~18は、段ボールを押罫部材31~38(図2~図4参照)で押圧して形成した溝状の凹部であり、段ボール箱を構成する各面1~9の間を直線状にまっすぐ横切るように形成されている。
第1側板2には、段ボールの段目に交差する方向に第1側板2を横断する破断誘導線21が形成されている。破断誘導線21は、段ボールの破断誘導用の加工線である。破断誘導線21は、第1側板2の両側に隣接する第1内フラップ7のうち一方の第1内フラップ7と第1側板2との間の罫線16から、他方の第1内フラップ7と第1側板2との間の罫線16まで延びている。
破断誘導線21は、ここでは、第1側板2の中央部分に形成されたミシン目線27と、そのミシン目線27の両端から第1側板2と第1内フラップ7の間の罫線16まで延びるジッパー線28とを組み合わせた構成のものを採用している。
図10に示すように、ミシン目線27は、直線状の切断部分27aとつなぎ部分27b(非切断部分)とが交互に並ぶ構成を有する。切断部分27aは、波形に成形された中しんと、中しんの一方側に貼り合わされた表ライナと、中しんの他方側に貼り合わされた裏ライナとからなる段ボールを、裏ライナから表ライナまで貫通する切れ目である。
図1に示すように、ジッパー線28は、曲線状の切断部分28aとつなぎ部分28b(非切断部分)とが交互に並ぶ構成を有する。切断部分28aは、ミシン目線27の切断部分27a(図10参照)と同様、段ボールを裏ライナから表ライナまで貫通する切れ目である。
第1側板2の両側に隣接する各第1内フラップ7には、第1側板2の破断誘導線21の両端に対応する位置から、段ボールの段目に交差する方向に第1内フラップ7を横断する破断誘導線22が形成されている。破断誘導線22は、第1内フラップ7と第1側板2の間の罫線16から、第1内フラップ7の先端まで延びている。破断誘導線22は、ここではミシン目線27(図10参照)で構成されている。
第2側板4には、段ボールの段目に交差する方向に第2側板4を横断する破断誘導線23が形成されている。破断誘導線23は、第2側板4の両側に隣接する第2内フラップ9のうち一方の第2内フラップ9と第2側板4との間の罫線18から、他方の第2内フラップ9と第2側板4との間の罫線18まで延びている。破断誘導線23は、第1側板2の破断誘導線21と同様、ミシン目線27とジッパー線28とを組み合わせた構成のものである。
第2側板4の両側に隣接する各第2内フラップ9には、第2側板4の破断誘導線23の両端に対応する位置から、段ボールの段目に交差する方向に第2内フラップ9を横断する破断誘導線24が形成されている。破断誘導線24は、第2内フラップ9と第2側板4の間の罫線18から、第2内フラップ9の先端まで延びている。破断誘導線24は、ここではミシン目線27(図10参照)で構成されている。
天板1には、段ボールの段目に交差する方向に天板1を横断する破断誘導線25が形成されている。破断誘導線25は、天板1の両側に隣接する一対の第1外フラップ6のうちの一方の第1外フラップ6と天板1との間の罫線15から、他方の第1外フラップ6と天板1との間の罫線15まで延びている。破断誘導線25は、ここではミシン目線27(図10参照)で構成されている。また、天板1には、破断誘導線25に沿って天板1を破断するときに天板1の変形を誘導するための罫線19が形成されている。
天板1の両側に隣接する各第1外フラップ6には、天板1の破断誘導線25の両端に対応する位置から、段ボールの段目に交差する方向に第1外フラップ6を横断する破断誘導線26が形成されている。破断誘導線26は、第1外フラップ6と天板1の間の罫線15から、第1外フラップ6の先端まで延びている。破断誘導線26は、ここではミシン目線27(図10参照)で構成されている。
図2に、この発明の実施形態のプラテンダイカッタ用の抜型Dを示す。この抜型Dは、図1に示す段ボール箱のブランクを形成するために、プラテンダイカッタに取り付けて使用されるものである。
図3、図4に示すように、この抜型Dは、段ボールシートを所定の輪郭に打ち抜く外周打ち抜き刃30と、段ボールシートに折り曲げ用の罫線11~18(図1参照)を形成する複数の押罫部材31~38と、段ボールシートに破断誘導線21~26(図1参照)を形成する加工刃41~46と、平板状の基材50とを有する。基材50は、木製の合板で形成されている。外周打ち抜き刃30、押罫部材31~38、加工刃41~46は、それぞれ基材50に植え込んで固定されている。
外周打ち抜き刃30は、帯状の鋼板の側縁に、その長手方向に途切れずに連続する切れ刃39(図17参照)が形成された刃物であり、図1に示す段ボール箱のブランクの輪郭に対応する形状に設けられている。
押罫部材31~38は、外周打ち抜き刃30で囲まれる領域を複数の面領域51~59(図1に示す段ボール箱のブランクの各面1~9に対応する領域)に分割するように配置されている。具体的には、押罫部材31~38は、外周打ち抜き刃30で囲まれる領域を、天板に対応する面領域51と、第1側板に対応する面領域52と、底板に対応する面領域53と、第2側板に対応する面領域54と、継ぎ代片に対応する面領域55と、第1外フラップに対応する面領域56と、第1内フラップに対応する面領域57と、第2外フラップに対応する面領域58と、第2内フラップに対応する面領域59とに分割するように配置されている。各押罫部材31~38は、帯状の鋼板であり、段ボール箱を構成する各面1~9(図1参照)に対応する領域間を直線状にまっすぐ横切るように配置されている。
図3に示すように、第1側板に対応する面領域52には、破断誘導線21(図1参照)を形成する第1側板加工刃41が配置されている。第1側板加工刃41は、第1側板に対応する面領域52の両側の押罫部材36のうち、一方の押罫部材36の位置から他方の押罫部材36の位置まで延び、第1側板に対応する面領域52を段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に横断している。
図3、図5に示すように、第1側板加工刃41は、第1側板に対応する面領域52の中央部分を段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に延びるミシン刃47と、そのミシン刃47の両端から押罫部材36の位置まで延びるジッパー刃48とで構成されている。ミシン刃47は、図1に示すミシン目線27を形成する刃物であり、ジッパー刃48は、図1に示すジッパー線28を形成する刃物である。
図6、図7に示すように、ミシン刃47は、帯状の鋼板の側縁に、鋼板の長手方向に間隔をおいて刃先部47aと溝部47bを交互に形成した構成を有する。ミシン刃47の刃先部47aの幅寸法W1は、1.5mm以上15.0mm以下が好ましい。また、ミシン刃47の溝部47bの幅寸法W2は、1.2mm以上3.0mm以下が好ましい。W1/W2は、0.5以上5.0以下の範囲に設定されている。図10に示すように、刃先部47aはミシン目線27の切断部分27aに対応し、溝部47bはミシン目線27のつなぎ部分27bに対応している。図5に示すジッパー刃48についても、個々のジッパー刃48の長さ(図1に示す個々の切断部分28aに対応する長さ)は、1.5mm以上15.0mmが好ましく、隣り合うジッパー刃48同士の間の距離(図1に示す個々のつなぎ部分28bに対応する長さ)は、1.2mm以上3.0mm以下が好ましい。
また、図3、図5に示すように、第1内フラップに対応する面領域57には、破断誘導線22(図1参照)を形成する第1内フラップ加工刃42が配置されている。第1内フラップ加工刃42は、押罫部材36の位置から、外周打ち抜き刃30のうち第1内フラップ7の先端縁を形成する部分(図では押罫部材36と平行に延びる部分)まで延び、第1内フラップに対応する面領域57を、段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に横断している。第1内フラップ加工刃42は、ここではミシン刃47(図10参照)である。
図4に示すように、第2側板に対応する面領域54には、破断誘導線23(図1参照)を形成する第2側板加工刃43が配置されている。第2側板加工刃43は、第2側板に対応する面領域54の両側の押罫部材38のうち、一方の押罫部材38の位置から他方の押罫部材38の位置まで延び、第2側板に対応する面領域54を段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に横断している。第2側板加工刃43は、第1側板加工刃41(図3参照)と同様に、第2側板に対応する面領域54の中央部分を段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に延びるミシン刃47と、そのミシン刃47の両端から押罫部材38の位置まで延びるジッパー刃48とで構成されている。
第2内フラップに対応する面領域59には、破断誘導線24(図1参照)を形成する第2内フラップ加工刃44が配置されている。第2内フラップ加工刃44は、押罫部材38の位置から、外周打ち抜き刃30のうち第2内フラップ9の先端縁を形成する部分(図では押罫部材38と平行に延びる部分)まで延び、第2内フラップに対応する面領域59を、段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に横断している。第2内フラップ加工刃44は、ここではミシン刃47(図10参照)である。
また、図3に示すように、天板に対応する面領域51にも、破断誘導線25(図1参照)を形成する天板加工刃45が配置されている。天板加工刃45は、天板に対応する面領域51の両側の押罫部材35のうち、一方の押罫部材35の位置から他方の押罫部材35の位置まで延び、天板に対応する面領域51を段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に横断している。
また、第1外フラップに対応する面領域56にも、破断誘導線26(図1参照)を形成する第1外フラップ加工刃46が配置されている。第1外フラップ加工刃46は、押罫部材35の位置から、外周打ち抜き刃30のうち第1外フラップ6の先端縁を形成する部分(図では押罫部材35と平行に延びる部分)まで延び、第1外フラップに対応する面領域56を、段ボールの段目に交差する方向(図では左右方向)に横断している。天板加工刃45および第1外フラップ加工刃46は、ここではミシン刃47(図10参照)である。
図3~図5に示すように、段ボールの段目方向(図では上下方向)に延びる罫線15~18を形成する押罫部材35~38の両側には、押罫部材35~38に沿って罫割れ防止用の弾性体61が設けられている。この罫割れ防止用の弾性体61は、段ボールシートSを打ち抜くときに弾性体61から段ボールに作用する押圧力が段ボールの平面圧縮強さよりも大きくなる(つまり、段ボールを構成する中しんの波形を潰す)ような高硬度のもの(例えば、コルク)が使用されている。罫割れ防止用の弾性体61は、基材50の表面に貼り付けられている。
図2~図5に示すように、外周打ち抜き刃30のうち、段ボールの段目方向(図では上下方向)に延びる縁を形成する部分の内側には、外周打ち抜き刃30に沿ってビビリ防止用の弾性体62が設けられている。
このビビリ防止用の弾性体62は、段ボールシートSを打ち抜くときに弾性体62から段ボールに作用する押圧力が段ボールの平面圧縮強さよりも大きくなるような高硬度のもの(例えば、コルク)が使用されている。ビビリ防止用の弾性体62は、基材50の表面に貼り付けられている。
図3、図4に示すように、外周打ち抜き刃30のうち、第2外フラップ8(図1参照)の側縁を形成する部分の内側には、外周打ち抜き刃30に沿ってシート分離用の弾性体63が設けられている。弾性体63は、約10mmの幅で外周打ち抜き刃30に沿って配置されている。このシート分離用の弾性体63は、外周打ち抜き刃30で段ボールシートを第2外フラップ8の部分と第2外フラップ8よりも外側の部分とに切り分けた後、その第2外フラップ8の部分を外周打ち抜き刃30から分離させるために、段ボールシートを押圧する。
図3に示すように、天板に対応する面領域51のうち、天板1の継ぎ代片5が接着される部分に対応する領域には、段潰し用の弾性体64が設けられている。段潰し用の弾性体64は、外周打ち抜き刃30を段ボールシートに押し付けて打ち抜くときに段ボールを積極的に押し潰すことで、図1に示す天板1のうち、継ぎ代片5が接着される部分を薄くする。これにより、段ボール箱を組み立てたときに、天板1の継ぎ代片5が接着された部分が、天板1の他の部分に比べて分厚くなるのを抑制し、段ボール箱を複数段に積み上げたときの安定性を高めている。また、天板に対応する面領域51の内部には、天板1の変形誘導用の罫線19(図1参照)を形成する押罫部材65が設けられている。
図2~図5に示すように、複数の面領域51~59のうち、加工刃41~46が設けられた面領域51,52,54,56,57,59には、その面領域51,52,54,56,57,59の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域51,52,54,56,57,59の全面に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体71~76が取り付けられている。
具体的には、図3、図5に示すように、第1側板に対応する面領域52には、第1側板に対応する面領域52の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域の全面(すなわち、第1側板に対応する面領域52のうち、第1側板加工刃41を設けた部分と、罫割れ防止用の弾性体61を設けた部分とを除く全面)に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体71が取り付けられている。
図3に示すように、つなぎ破断防止用の弾性体71は、第1側板に対応する面領域52の第1側板加工刃41で区画される一対の分割領域(すなわち、第1側板加工刃41と押罫部材31の間で挟まれる分割領域と、第1側板加工刃41と押罫部材32の間で挟まれる分割領域)のうち、一方の分割領域において途切れずに連続する一体に形成され、他方の分割領域においても途切れずに連続する一体に形成されている。つなぎ破断防止用の弾性体71は、基材50の表面に貼り付けられている。つなぎ破断防止用の弾性体71は、第1側板に対応する面領域52の全面積(押罫部材31、32、36で囲まれる全面積)の80%以上の面積を有する。
図6、図7、図11、図12に示すように、つなぎ破断防止用の弾性体71は、全面にわたって厚さが一定の平板状に形成されている。図8、図9、図13、図14に示すように、つなぎ破断防止用の弾性体71は、段ボールシートSを打ち抜くときに弾性体71から段ボールに作用する押圧力が段ボールの平面圧縮強さよりも小さくなる(つまり、段ボールを構成する中しんの波形を潰さない)ような低硬度のものが使用されている。
つなぎ破断防止用の弾性体71は、発泡性の弾性材料で形成されている。発泡性の弾性材料としては独立気泡の発泡樹脂(例えば、独立気泡ポリエチレン)や、発泡ゴムが挙げられる。発泡ゴムを形成するゴム材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等を採用することができるが、クロロプレンゴムを採用すると好適である。
また、図3、図5に示すように、第1内フラップに対応する面領域57には、第1内フラップに対応する面領域57の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域57の全面(すなわち、第1内フラップに対応する面領域57のうち、第1内フラップ加工刃42を設けた部分と、罫割れ防止用の弾性体61を設けた部分と、ビビリ防止用の弾性体62を設けた部分とを除く全面)に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体72が取り付けられている。つなぎ破断防止用の弾性体72は、第1内フラップに対応する面領域57の第1内フラップ加工刃42で区画される一対の分割領域のうち、一方の分割領域において途切れずに連続する一体に形成され、他方の分割領域においても途切れずに連続する一体に形成されている。
同様に、図4に示すように、第2側板に対応する面領域54には、第2側板に対応する面領域54の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域54の全面(すなわち、第2側板に対応する面領域54のうち、第2側板加工刃43を設けた部分と、罫割れ防止用の弾性体61を設けた部分とを除く全面)に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体73が取り付けられ、第2内フラップに対応する面領域59にも、第2内フラップに対応する面領域59の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域59の全面(すなわち、第2内フラップに対応する面領域59のうち、第2内フラップ加工刃44を設けた部分と、罫割れ防止用の弾性体61を設けた部分と、ビビリ防止用の弾性体62を設けた部分とを除く全面)に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体74が取り付けられている。つなぎ破断防止用の弾性体73は、第2側板に対応する面領域54の全面積(押罫部材33、34、38で囲まれる全面積)の80%以上の面積を有する。
また、図3に示すように、天板に対応する面領域51には、天板に対応する面領域51の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域51の全面(すなわち、天板に対応する面領域51のうち、天板加工刃45を設けた部分と、罫割れ防止用の弾性体61を設けた部分と、天板1の変形誘導用の押罫部材65を設けた部分と、段潰し用の弾性体64を設けた部分を除く全面)に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体75が取り付けられ、第1外フラップに対応する面領域56にも、第1外フラップに対応する面領域56の全面で段ボールシートを押圧するように実質的にその面領域56の全面(すなわち、第1外フラップに対応する面領域56のうち、第1外フラップ加工刃46を設けた部分と、罫割れ防止用の弾性体61を設けた部分と、ビビリ防止用の弾性体62を設けた部分とを除く全面)に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体76が取り付けられている。つなぎ破断防止用の弾性体72~76は、つなぎ破断防止用の弾性体71と同じ構成を有する。
図6に示す基材50は、16mm±0.2mm以内の厚さを有する。また、第1側板加工刃41は23.6mm±0.2mm以内の高さを有し、第1側板加工刃41の基材50から突出する部分の高さは7.6mm±0.2mm以内である。他の加工刃42~46も同様に構成されている。また、つなぎ破断防止用の弾性体71~76の高さは、第1側板加工刃41の高さ-2.0mm以上、第1側板加工刃41の高さ+4.0mmの範囲に設定されている。また、図17に示す外周打ち抜き刃30は、第1側板加工刃41と同じ23.6mm±0.2mm以内の高さを有し、外周打ち抜き刃30の基材50から突出する部分の高さは7.6mm±0.2mm以内である。
つなぎ破断防止用の弾性体71~76は、外周打ち抜き刃30を段ボールシートSに押し付けて打ち抜くときの弾性体71~76の圧縮量をX(mm)としたときに、圧縮量X(mm)における弾性体71~76の平面圧縮強さY(kPa)が、段ボールシートSの平面圧縮強さZ(kPa)以下となるような硬度をもつものが採用されている。
すなわち、外周打ち抜き刃30を段ボールシートSに押し付けて打ち抜くときに、弾性体71が段ボールシートSに接触を開始する時点から、外周打ち抜き刃30が段ボールシートSを完全に打ち抜くまでに、外周打ち抜き刃30が移動する距離(=弾性体71の圧縮量)をX(mm)とする。このとき、弾性体71をX(mm)の厚さ分だけ圧縮したときの弾性体71の平面圧縮強さをY(kPa)としたときに、弾性体71の平面圧縮強さY(kPa)が、段ボールシートSの平面圧縮強さZ(kPa)以下となるような硬度をもつ弾性体71が採用される。弾性体72~76も同様である。
弾性体71の平面圧縮強さYは、JISZ0403-1:1999「段ボール-第1部:平面圧縮強さ試験方法」に記載の方法に準じて測定することができる。すなわち、まず、弾性体71から面積32.2cm(直径64.0±0.5mm)の円形の試験片を切り取る(または、弾性体71と同一材質かつ同一厚さの円形の試験片を作成する)。次に、その試験片を、JISP8111:1998「紙、板紙及びパルプ-調湿及び試験のための標準状態」に従い、23℃、50%RHの標準状態に置く。その後、試験片を圧縮試験機にセットし、その試験片を12.5±2.5mm/分の圧縮速度で圧縮する。このとき、試験片を所定の厚さ分だけ圧縮したときに測定される荷重の大きさ(kN)を試験片の面積(m)で除したものが、弾性体71の平面圧縮強さY(kPa)である。弾性体72~76も同様である。
つなぎ破断防止用の弾性体71~76の平面圧縮強さの例を、次の表1に示す。この弾性体71~76を構成するゴム材料はクロロプレンゴムである。
Figure 0007432026000002
一方、段ボールシートSの平面圧縮強さZは、例えば、Aフルート(厚さ5mm)で100~350kPa、Bフルート(厚さ3mm)で180~500kPa、Cフルート(厚さ4mm)で130~450kPa、デルタフルート(厚さ2mm)で260~710kPaである。なお、デルタフルートとは、レンゴー(株)が開発した規格であり、BフルートとEフルート(厚さ約1.5mm)の中間の厚みを有する段ボールである。
上述の抜型Dの使用例を説明する。
固定の上部プラテンと、その上部プラテンの下側で上下動する下部プラテンとを有するプラテンダイカッタ(図示せず)において、図8、図13に示すように、抜型Dと面板Pとが上下に対向するように抜型Dを取り付ける。次に、図9、図14、図16、図18に示すように、その抜型Dと面板Pの間で段ボールシートSを挟み付けることで段ボールシートSを打ち抜く。このとき、図18に示すように、外周打ち抜き刃30が段ボールシートSに切り込むことで、段ボールシートSが外周打ち抜き刃30よりも内側の製品部分と、外周打ち抜き刃30よりも外側の非製品部分とに切り分けられ、これと同時に、図9、図16に示すように、押罫部材31~38が段ボールシートSを押圧することで、製品部分に折り曲げ用の罫線11~18(図1参照)が形成され、また、図9、図14に示すように、加工刃41~46が段ボールシートSに切り込むことで、段ボールシートSの製品部分に破断誘導線21~26(図1参照)が形成される。
ここで、図2に示す抜型Dで段ボールシートを打ち抜くとき、図18に示す外周打ち抜き刃30や、図9、図16に示す押罫部材36が段ボールシートSに押し付けられることで、段ボールシートSに張力が発生する。そして、その張力が、段ボールシートSの加工刃41~46(図2参照)で切り込まれる位置に伝わると、図1に示す破断誘導線21~26のつなぎ部分(図10に示すミシン目線27のつなぎ部分27bや、図1に示すジッパー線28のつなぎ部分28bなど)が破断してしまうという問題がある。
この問題に対し、上記実施形態の抜型Dでは、図3、図4に示すように、加工刃41~46が設けられた面領域(具体的には、第1側板に対応する面領域52、第1内フラップに対応する面領域57、第2側板に対応する面領域54、第2内フラップに対応する面領域59、天板に対応する面領域51、第1外フラップに対応する面領域56)に実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつつなぎ破断防止用の弾性体71~76が取り付けられているので、図9、図14、図16、図18に示すように、段ボールシートSを抜型Dで打ち抜くときに、その段ボールシートSが、加工刃41~46が設けられた面領域51,52,54,56,57,59の全面で各弾性体に押圧保持される。そのため、段ボールシートSを抜型Dで打ち抜くときに、押罫部材31~38や外周打ち抜き刃30が段ボールシートSに押し付けられることで発生する張力が、段ボールシートSの各加工刃41~46で切り込まれる位置に伝わるのを効果的に抑制することができ、破断誘導線21~26のつなぎ部分27b,28bを破断させずに破断誘導線21~26を形成することができる。
また、この抜型Dは、図9、図14、図16、図18に示すように、段ボールシートSを抜型Dで打ち抜き、その後、抜型Dを段ボールシートSから離反させるときに、図2に示す面領域51,52,54,56,57,59に取り付けられた弾性体71~76が、段ボールシートSの破断誘導線21~26(図1参照)が形成された面を全面で押圧するので、段ボールシートSの製品部分を抜型Dから均等に離反させることができ、破断誘導線21~26のつなぎ部分27b,28bの破断を効果的に防止することが可能である。
また、この抜型Dは、図2に示すつなぎ破断防止用の弾性体71~76として、図9、図14、図16、図18に示すように、段ボールシートSを打ち抜くときに弾性体71~76から段ボールシートSに作用する押圧力が段ボールの平面圧縮強さよりも小さくなるような低硬度のものを採用しているので、段ボールシートSの破断誘導線21~26(図1参照)に沿った部分を段潰れさせずに、破断誘導線21~26のつなぎ部分27b,28bの破断を防止することができる。そのため、段ボール箱の圧縮強度の低下や、段ボール箱の胴膨れを防ぐことができる。
上記実施形態では、この発明をラップアラウンドケースのブランクを形成する抜型Dに適用したものを例に挙げて説明したが、この発明は、他の形式の段ボール箱のブランクを形成する抜型にも適用することが可能である。段目に交差する方向に4枚の側板が連設され、側板の上下に天板と底板が連設されたA式ケースのブランクを形成する抜型にも適用することが可能である。身箱と蓋板が別になり、身箱に商品を入れたのちに蓋板を接着するケースのブランクを形成する抜型にも適用することが可能である。
1 天板
2 第1側板
3 底板
4 第2側板
6 第1外フラップ
7 第1内フラップ
8 第2外フラップ
9 第2内フラップ
11~18 折り曲げ用の罫線
21~26 破断誘導線
27a ミシン目線の切断部分
27b ミシン目線のつなぎ部分
28a ジッパー線の切断部分
28b ジッパー線のつなぎ部分
30 外周打ち抜き刃
31~38 押罫部材
41 第1側板加工刃
42 第1内フラップ加工刃
43 第2側板加工刃
44 第2内フラップ加工刃
45 天板加工刃
46 第1外フラップ加工刃
50 基材
51 天板に対応する面領域
52 第1側板に対応する面領域
53 底板に対応する面領域
54 第2側板に対応する面領域
55 継ぎ代片に対応する面領域
56 第1外フラップに対応する面領域
57 第1内フラップに対応する面領域
58 第2外フラップに対応する面領域
59 第2内フラップに対応する面領域
71~76 つなぎ破断防止用の弾性体
D 抜型
S 段ボールシート

Claims (4)

  1. 段ボールシート(S)を所定の輪郭に打ち抜く外周打ち抜き刃(30)と、前記段ボールシート(S)に折り曲げ用の罫線(11~18)を形成する押罫部材(31~38)とが、平板状の基材(50)に固定して設けられ、
    前記押罫部材(31~38)は、前記外周打ち抜き刃(30)で囲まれる領域を複数の面領域(51~59)に分割するように配置され、
    前記複数の面領域(51~59)のうちの少なくとも1つの面領域に、前記段ボールシート(S)に切断部分(27a,28a)とつなぎ部分(27b,28b)とが交互に並ぶ破断誘導線(21~26)を形成する加工刃(41~46)が設けられているプラテンダイカッタ用の抜型において、
    前記複数の面領域(51~59)のうちの前記加工刃(41~46)が設けられた面領域(51,52,54,56,57,59)に、ゴム材料が前記段ボールシート(S)に接触して前記面領域の全面で前記段ボールシート(S)を押圧保持するように実質的にその面領域の全面に延在する形状をもつゴム材料で形成されたつなぎ破断防止用の弾性体(71~76)が取り付けられている、ことを特徴とするプラテンダイカッタ用の抜型。
  2. 段ボールの段目方向に順に、方形状の天板(1)と、段ボールの段目に交差する方向に細長い長方形状の第1側板(2)と、方形状の底板(3)と、段ボールの段目に交差する方向に細長い長方形状の第2側板(4)とが連設され、前記天板(1)、前記第1側板(2)、前記底板(3)、前記第2側板(4)の両側には、それぞれ第1外フラップ(6)、第1内フラップ(7)、第2外フラップ(8)、第2内フラップ(9)が連設されたラップアラウンドケースのブランクを形成するように前記外周打ち抜き刃(30)と前記押罫部材(31~38)とが設けられ、
    前記複数の面領域(51~59)は、前記天板に対応する面領域(51)と、前記第1側板に対応する面領域(52)と、前記底板に対応する面領域(53)と、前記第2側板に対応する面領域(54)と、前記第1外フラップに対応する面領域(56)と、前記第1内フラップに対応する面領域(57)と、前記第2外フラップに対応する面領域(58)と、前記第2内フラップに対応する面領域(59)とを含み、
    前記加工刃として、前記第1側板および/または前記第2側板に対応する面領域(52、54)を段ボールの段目に交差する方向に横断して設けられる第1側板加工刃(41)および/または第2側板加工刃(43)を有し、
    前記つなぎ破断防止用の弾性体として、前記第1側板に対応する面領域(52)の全面で前記段ボールシート(S)を押圧するように実質的に前記第1側板および/または前記第2側板に対応する面領域(52、54)の全面に延在する形状をもつ弾性体(71、73)が、前記第1側板および/または前記第2側板に対応する面領域(52、54)に取り付けられている、請求項1に記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
  3. 前記加工刃として、前記天板に対応する面領域(51)を段ボールの段目に交差する方向に横断して設けられる天板加工刃(45)を更に有し、
    前記つなぎ破断防止用の弾性体として、前記天板に対応する面領域(51)の全面で前記段ボールシート(S)を押圧するように実質的に前記天板に対応する面領域(51)の全面に延在する形状をもつ弾性体(75)が、前記天板に対応する面領域(51)に取り付けられている、請求項2に記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
  4. 前記つなぎ破断防止用の弾性体は、前記段ボールシート(S)を打ち抜くときに前記弾性体から前記段ボールシート(S)に作用する押圧力が段ボールの平面圧縮強さよりも小さくなるような低硬度のものである、請求項1または2に記載のプラテンダイカッタ用の抜型。
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