<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが用いられる遊技機1(パチスロ機)を例示する。なお、遊技媒体として、電気的に記憶されるポイントが用いられる構成(例えば、特開2020-116297号公報参照)としてもよい。
遊技機1は、正面側(遊技者側)に開口を有する箱状のキャビネットと、前面扉3とを含んで構成される。キャビネットには蝶番機構が設けられる。前面扉3は、蝶番機構により、キャビネットの開口を開閉可能に軸支される。
図1に示すように、前面扉3の周縁側には、複数(図1の例では14個)の筐体ランプ5が設けられる。各筐体ランプ5は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)などの発光体と、当該発光体を覆う光透過性のレンズとから構成される。筐体ランプ5は、遊技機1における各演出に応じた態様で発光する。
図1に示すように、前面扉3には、腰部パネル6が設けられる。腰部パネル6は、遊技機1の名称などが描かれる。また、腰部パネル6の下側には、メダルを貯留する受皿ユニット7が設けられる。受皿ユニット7は、貯留したメダルを遊技者が自由に取り出すことができるように設けられる。
前面扉3には、メダルが投入される開口を有するメダル投入部8と、遊技機1の内部からのメダルが排出されるメダル払出口9とが設けられる。メダル投入部8から規定枚数(3枚)のメダルが投入されると、遊技が開始可能になる。規定枚数は、遊技の状態に応じて設定される。メダル払出口9から排出されたメダルは、受皿ユニット7に貯留される。
前面扉3の正面の中央側には、パネル10が設けられる。パネル10の中央には、略矩形状の表示窓11が形成される。表示窓11からは、キャビネットの内部の複数のリール12(12L、12C、12R)を視認することができる。
各リール12は、略円筒状のドラム部と、ドラム部の外周面に装着された帯状のシート部材とを含んで構成される。リール12のシート部材は、光透過性であり、複数種類の図柄が描かれている。各リール12は、回転可能に設けられ、相互に隣り合うように水平方向に配列される。具体的には、各リール12は、回転軸が同一の直線上に位置するように配列される。ステッピングモーター101(101L、101C、101R)がリール12の各々に設けられ(図示略)、各リール12は、各ステッピングモーター101により回転する。
図2は、本実施形態の各リール12に配列された各図柄を示す図である。図2に示すように、複数のリール12の各々の外周は、20個のコマに区分される。図2に示すように、各コマには1個の図柄が描かれている。本実施形態では、図2に示す図柄の配列の下からNコマ目(Nは数値「0」から数値「19」までの整数)を図柄位置「N」と記載する場合がある。図2に示す通り、各リール12には、リプレイ図柄、ベル図柄、チェリー1図柄、チェリー2図柄、スイカ図柄、セブン図柄、BAR1図柄、BAR2図柄、ブランク1図柄およびブランク2図柄が配列される。
具体的には、リプレイ図柄は、左リール12Lの図柄位置「1」「6」「11」「16」と、中リール12Cの図柄位置「3」「8」「13」「18」と、右リール12Rの図柄位置「3」「8」「13」「18」とに配列される。ベル図柄は、左リール12Lの図柄位置「0」「5」「10」「15」と、中リール12Cの図柄位置「4」「9」「14」「19」と、右リール12Rの図柄位置「4」「9」「14」「19」とに配列される。チェリー1図柄は、左リール12Lの図柄位置「18」と、中リール12Cの図柄位置「0」「5」「10」「15」と、右リール12Rの図柄位置「11」とに配列される。チェリー2図柄は、左リール12Lの図柄位置「3」と、右リール12Rの図柄位置「1」とに配列される。スイカ図柄は、左リール12Lの図柄位置「4」「9」「13」「14」「19」と、中リール12Cの図柄位置「1」「11」「16」と、右リール12Rの図柄位置「0」「5」「10」「15」とに配列される。ブランク1図柄は、左リール12Lの図柄位置「12」と、中リール12Cの図柄位置「12」と、右リール12Rの図柄位置「12」「17」とに配列される。ブランク2図柄は、左リール12Lの図柄位置「2」と、中リール12Cの図柄位置「2」と、右リール12Rの図柄位置「2」とに配列される。BAR1図柄は、左リール12Lの図柄位置「7」と、中リール12Cの図柄位置「7」と、右リール12Rの図柄位置「7」とに配列される。BAR2図柄は、左リール12Lの図柄位置「17」と、中リール12Cの図柄位置「17」と、右リール12Rの図柄位置「16」とに配列される。セブン図柄は、左リール12Lの図柄位置「8」と、中リール12Cの図柄位置「6」と、右リール12Rの図柄位置「6」とに配列される。
なお、図2では、実際の各図柄の色彩とは異なる色彩で各図柄を示す。また、各リール12の各図柄は、当該リール12が回転中であっても、遊技者が概ね識別可能である。したがって、遊技者は、特定の図柄が表示窓11内を通過するタイミングで、リール12を停止させる操作(いわゆる目押し)をすることができる。各リール12の図柄の配列を示す図柄配置テーブル(図示略)がメインROM302に記憶される。
図1に示した前面扉3の表示窓11には、リール12毎に3個の図柄が停止表示される。すなわち、全てのリール12が停止した状態では、表示窓11に合計9個の図柄が停止表示される。本実施形態では、各図柄が表示される領域を「図柄表示領域」という。
図3は、図柄表示領域を説明するための図である。図3に示すように、図柄表示領域は、各単位領域U(L、C、R)を含んで構成される。単位領域Uの各々には、1個の図柄が表示される。各単位領域Uは、左リール12Lの各図柄が表示される各単位領域ULと、中リール12Cの各図柄が表示される各単位領域UCと、右リール12Rの各図柄が表示される各単位領域URとを含んで構成される。各単位領域ULは、上段に位置する単位領域UL1と中段に位置する単位領域UL2と下段に位置する単位領域UL3とを含む。また、各単位領域UCは、上段に位置する単位領域UC1と中段に位置する単位領域UC2と下段に位置する単位領域UC3とを含み、各単位領域URは、上段に位置する単位領域UR1と中段に位置する単位領域UR2と下段に位置する単位領域UR3とを含む。
規定枚数のメダルがメダル投入部8に投入されると、有効ラインが設定される。有効ラインは、各単位領域Uのうちリール12Lの何れか1個の単位領域Uとリール12Cの何れか1個の単位領域Uとリール12Rの何れか1個の単位領域Uとで構成される領域である。本実施形態の有効ラインは、リール12Lの単位領域UL2とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR2とを結ぶラインである。
有効ラインには、遊技の結果としての図柄の組合せが停止表示される。有効ラインに予め定められた図柄の組合せが停止された場合、当該停止した図柄の組合せに応じて遊技者に利益が付与される。例えば、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者にメダルが付与される。また、再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者に再遊技の権利が付与される。具体的には、再遊技に係る図柄の組合せが今回の遊技で表示された場合、メダルの投入を必要とせず次回の遊技が開始可能になる。有効ラインに停止表示することが可能な図柄の組合せは、後述する内部抽選処理の結果に応じて遊技毎に決定される。
本実施形態において、リール12Lの上段の単位領域UL1とリール12Cの上段の単位領域UC1とリール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「上段ライン」という場合がある。同様に、リール12Lの中段の単位領域UL2とリール12Cの中段の単位領域UC2とリール12Rの中段の単位領域UR2とを結んだライン(本実施形態の有効ライン)を「中段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3とリール12Cの下段の単位領域UC3とリール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「下段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「右上りライン」という場合がある。同様に、リール12Lの上段の単位領域UL1と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「右下りライン」という場合がある。
また、各リール12には、当該リール12のシート部材を内側から照らす各バックライトが設けられる(図示略)。具体的には、リール12の各々には、当該リール12の上段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと中段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと下段ラインの単位領域Uを照らすバックライトとが設けられる。
図1に示すように、パネル10には、投入可能表示ランプ13、BETランプ14(14a、14b、14c)、スタートランプ15、指示表示器16、貯留枚数表示器17、再遊技表示ランプ18、ウェイトランプ19と打ち止ランプ20とを含む複数の表示器(以下「表示器ML」という)が設けられる。表示器MLの各ランプは、後述のメインCPU301により制御される。
投入可能表示ランプ13は、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態であるか否かを報知する。BETランプ14は、賭けメダルの枚数を表示する。また、BETランプ14は、1枚ランプ14aと2枚ランプ14bと3枚ランプ14cとを含んでいる。1枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aが点灯し、2枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bが点灯し、3枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cが点灯する。スタートランプ15は遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)を受け付けることが可能であるか否かを報知する。
指示表示器16は、メインCPU301により制御され、停止ボタン25の操作態様(押順)を指示する指示情報を表示する。詳細には後述するが、メインCPU301は、指示期間の各遊技において、指示情報を指示表示器16に表示させる。また、指示表示器16は、当選役に係る図柄組合せが有効ラインに表示された場合、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。例えば、図柄組合せ「ベル-ベル-ベル」が有効ラインに停止表示された場合、8枚のメダルが遊技者に付与され、指示表示器16は数字「8」を表示する。
遊技者に付与されたメダルの枚数は、遊技機1(後述のメインRAM303)において電気的に記憶(貯留)することができる。本実施形態では、貯留されているメダルの枚数を「クレジット数」という。クレジット数は、遊技の結果メダルが付与された場合に加算される。また、クレジット数は、規定枚数の賭けメダルが投入された状態において、さらにメダル投入部8からメダルが投入された場合に加算される。貯留枚数表示器17は、クレジット数を表示する。具体的には、貯留枚数表示器17は、数値「0」からクレジット数の上限値である数値「50」までを、記憶されているクレジット数に応じて可変に表示する。
再遊技表示ランプ18は、再遊技中である旨を報知する。具体的には、今回の遊技で再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示されてから次回の遊技が終了するまで再遊技表示ランプ18は点灯する。再遊技表示ランプ18が点灯することで、メダルを使用することなく次回の遊技の開始操作が可能であることが遊技者に報知される。ウェイトランプ19は、遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)がされてから各リール12の回転が開始されるまでのウェイト期間に点灯する。ウェイト期間は、1回の遊技に要する平均の時間長を所定値(約4.1秒)以上にするために設けられる。打ち止ランプ20は、遊技が不可能な打ち止め状態である旨を報知する。
図1に示すように、前面扉3には、1BETボタン21、MAX-BETボタン22、精算ボタン23、スタートレバー24、複数の停止ボタン25(25L、25C、25R)、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを含む複数の操作部が設けられる。各操作部は、遊技者により操作される。
1BETボタン21は、貯留されたメダルを用いて1枚の賭けメダルを設定する場合に操作される。MAX-BETボタン22は、貯留されたメダルを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する場合に操作される。精算ボタン23は、クレジット数として記憶されたメダルおよび賭けメダルを精算する場合に操作される。精算ボタン23が操作されると、クレジットと賭けメダルとを合計した枚数のメダルがメダル払出口9から払い出される。本実施形態では、MAX-BETボタン22または1BETボタン21の操作をBET操作という場合がある。
スタートレバー24は、遊技を開始する場合に遊技者により操作される。遊技者は、遊技が開始可能な状態において、スタートレバー24に対して開始操作をすることで、遊技の開始を指示することができる。本実施形態のスタートレバー24は、前面扉3に対して略垂直な状態から360度何れの方向にも傾動可能である。また、スタートレバー24の握玉部は、透光性を有する樹脂により形成され、レバー演出用ランプ42を内蔵する。レバー演出用ランプ42は、所定の演出において点灯する。
停止ボタン25は、リール12を停止する場合に遊技者により操作される。また、停止ボタン25は、停止ボタン25Lと停止ボタン25Cと停止ボタン25Rとを含んでいる。停止ボタン25Lはリール12Lに対応し、停止ボタン25Cはリール12Cに対応し、停止ボタン25Rはリール12Rに対応する。リール12が回転している期間において、当該リール12に対応する停止ボタン25が操作(以下「停止操作」という)されると、当該リール12は停止(通常停止、疑似停止)する。
以下、本実施形態においては、各遊技における最初の停止操作を第1停止操作という。同様に、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目の停止操作を第3停止操作という。また、遊技機1(後述のメインCPU301)が第1停止操作に基づいてリール12を停止させる制御を第1停止制御という。同様に、第2停止操作に基づくリール12の停止制御を第2停止制御、第3停止操作に基づくリール12の停止制御を第3停止制御という。また、停止操作がされた時点において表示窓11の中段ラインに位置するリール12の図柄位置を停止操作位置という。各リール12の回転中に中段ラインに位置する図柄位置は、図柄カウンタに記憶され、停止操作の時点の図柄カウンタの図柄位置が停止操作位置として取得される。図柄カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
全てのリール12が停止すると、遊技の結果としての図柄の組合せが有効ラインに表示され、当該遊技が終了する。遊技が開始されると、各リール12は一定の回転速度まで加速する。各リール12が一定の回転速度の期間(リール12が定常回転している期間)において、遊技の結果を有効ラインに停止表示させるための停止操作が可能になる。一方で、各リール12が回転を開始してから定常回転するまでの加速期間では、リール12が回転中であっても、遊技の結果を表示させるための停止操作は受付られない。
本実施形態の停止ボタン25は、複数種類の表示態様に制御可能である。具体的には、各停止ボタン25の内部には、赤色、青色および緑色に発光可能な発光体(例えばLED)がそれぞれ設けられる。停止ボタン25の発光体が赤色に発光する期間では、当該停止ボタン25が赤色に発光して見える。同様に、停止ボタン25の発光体が青色に発光する期間では、当該停止ボタン25が青色に発光して見え、停止ボタン25の発光体が緑色に発光する期間では、当該停止ボタン25が緑色に発光して見える。停止ボタン25が緑色に発光するのは、後述の各設定値のうち特定の設定値(設定値「1」)が設定された場合である。以上の構成によれば、特定の設定値が設定されている旨が停止ボタン25の態様により把握できる。なお、停止ボタン25の態様は以上の例に限定されない。
演出ボタン26は、演出に関する指示をする場合に遊技者により操作される。例えば、遊技者は、演出ボタン26を操作することで特定の演出の実行を指示することができる。すなわち、当該特定の演出は、演出ボタン26の操作を契機(トリガ)に実行される。なお、MAX-BETボタン22に演出ボタン26の機能を兼備させることも可能である。以上の構成によれば、演出ボタン26が省略され、部品点数を削減することができる。
また、今回の遊技が終了してから、次回の遊技を開始するための賭メダルが投入されるまでの期間(以下「非遊技期間」という)において、演出ボタン26が操作された場合、メニュー画像が液晶表示装置30に表示される。
演出ボタン26の操作は、演出ボタンスイッチ26SWで検知される。例えば、演出ボタン26が押されていない場合、演出ボタンスイッチ26SWはOFF信号を出力する。一方、演出ボタン26が押されている場合、演出ボタンスイッチ26SWはON信号を出力する。非遊技期間において、演出ボタンスイッチ26SWがOFF状態からON状態に変化した場合、メニュー画像が液晶表示装置30に表示される。
方向指定ボタン27は、例えば、液晶表示装置30にメニュー画像が表示されている場合に、遊技者により操作される。方向指定ボタン27は、上ボタン、下ボタン、右ボタンおよび左ボタンを含んで構成される。例えば、方向指定ボタン27の操作により、メニュー画像に表示された選択肢を指定するカーソルを移動させることができる。具体的には、上ボタンが操作されると、メニュー画像内のカーソルが上方向に移動する。同様に、下ボタンが操作されると下方向にカーソルが移動し、右ボタンが操作されると右方向にカーソルが移動し、左ボタンが操作されると左方向にカーソルが移動する。
非遊技期間において、方向指定ボタン27が操作されると、遊技機1のマスター音量が変更される。また、非遊技期間において、方向指定ボタン27が適宜に操作されると、遊技機1の演出制御モードが変更できる。本実施形態の演出制御モードは、エンジョイモード、通常モード、シンプルモードの3種類が設けられる。以上の各演出制御モードでは、演出の実行頻度が相違する。具体的には、エンジョイモードは、演出制御モードの中で最も演出が実行され易い。また、シンプルモードは、演出制御モードの中で最も演出が実行され難い。なお、電源が投入された直後において、演出制御モードは通常モードに初期化される。クリア操作が実行された場合、および、設定変更操作が実行された場合も同様である。ただし、リセット操作が実行された場合、演出制御モードは初期化されない(維持される)。
図1に示すように、前面扉3のパネル10には、上述した表示器ML(スタートランプ15等)に加え、複数の演出用ランプ28(28a~28e)と複数の停止操作順序表示ランプ29(29L、29C、29R)とが設けられる。表示器MLの各ランプは、メインCPU301により制御されるのに対し、各演出用ランプ28と各停止操作順序表示ランプ29とは、後述のサブCPU412により制御される。複数の演出用ランプ28のうち演出用ランプ28aおよび演出用ランプ28bは、正面視で表示窓11の左側に設けられ、演出用ランプ28cから演出用ランプ28eは、正面視で表示窓11の右側に設けられる。各演出用ランプ28は、現在の遊技の状態等を報知する。
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。図1に示すように、前面扉3の表示窓11の上側には、各種の画像を表示する液晶表示装置30が設けられる。液晶表示装置30は、遊技機1で実行される演出に応じて動画像および静止画像を表示する。具体的には、液晶表示装置30は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報、出玉状態を示唆する情報などを報知する。
図1に示すように、前面扉3の上端側には、上部ランプ35(L、R)が設けられる。上部ランプ35は、例えば、各色彩(青色、黄色、緑色、赤色等)に発光可能な発光ダイオードと、当該発光ダイオードを覆うレンズとを含んで構成される。上部ランプ35は、例えば、当選役が有効ラインに停止表示された場合、当該当選役に応じた態様(色彩)で発光する。また、上部ランプ35は、各演出において、当該演出に応じた態様で発光する。
図1に示すように、前面扉3には、スピーカー31(31L、31R)とスピーカー32(32L、32R)とが設けられる。スピーカー31は、前面扉3の下端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー31Lと右側に取り付けられるスピーカー31Rとを含む。また、スピーカー32は、前面扉3の上端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー32Lと右側に取り付けられるスピーカー32Rとを含んでいる。スピーカー31とスピーカー32とは、演出に応じた音響(楽曲、音声および効果音)を出力する。例えば、スピーカー31とスピーカー32とは、上述した液晶表示装置30、演出用ランプ28、筐体ランプ5、停止操作順序表示ランプ29またはレバー演出用ランプ42で実行される演出に関連した音響を出力する。スピーカー31とスピーカー32とは、前面扉3の裏面に取り付けられ、前面扉3の表面には、スピーカー31とスピーカー32との各々に対応する位置に、複数の放音孔が形成される。
図1に示すように、前面扉3には、返却ボタン33が設けられる。返却ボタン33は、遊技機1の内部のメダル流路におけるメダル詰まりを解消するために操作される。返却ボタン33を操作することで、メダル流路に詰まったメダルがメダル払出口9から排出される。
前面扉3には、鍵穴が形成された施錠装置4が設けられる。キャビネットの係止片(図示略)に前面扉3の施錠装置4が係合することで、前面扉3が施錠される。図1に示すように、施錠装置4の鍵穴は、前面扉3の前面に位置し、前面扉3を解錠するための鍵(図示略)が挿入可能である。後述するように、キャビネットの内部には各種の操作部(例えば設定変更ボタン37)が設けられる。キャビネットの内部の各操作部は、前面扉3を解錠する鍵の管理者(例えば遊技機1が設置される遊技場の店員)によって操作される。
キャビネットの内部には、メイン制御基板300が設けられる。具体的には、メイン制御基板300は、透明の基板ケースに収められ、キャビネットの背面板に取り付けられる。メイン制御基板300には、後述のメインCPU301を含む各種の電子部品が実装される。また、メイン制御基板300は、後述のリール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を含む各種の基板とコネクタ(図示略)を介して電気的に接続される。なお、上述した各種の基板は、単一の基板で構成してもよいし、複数の基板で構成してもよい。
キャビネットの内部には、設定表示部36および設定変更ボタン37が設けられる。設定表示部36は、遊技機1の設定値を表示する。設定値とは、遊技機1の出玉率に関する数値であり、各遊技において設定値に応じた確率で各種の抽選が実行される。例えば、設定値は「1」から「6」までが設けられ、設定値「6」が最も出玉率が高くなる。本実施形態においては、設定変更用の鍵穴に設定変更キーを挿入して回転した場合に、設定表示部36は、設定値を表示する。
設定変更ボタン37は、設定表示部36の数値を変更する場合に操作される。設定表示部36は、設定変更ボタン37が操作される毎に、数値を1づつ加算して表示する。設定表示部36に設定値が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、当該操作の時点で設定表示部36に表示されている数値が設定値として記憶される。
ただし、本実施形態では、数字「0」「1」「2」「4」「5」「6」が設定表示部36に表示される。具体的には、設定変更キーを回転した状態で、電源が投入されると、設定値変更処理が開始され設定変更モードへ移行する。設定変更モードにおいて、設定表示部36に数字「0」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「1」が設定される。また、設定表示部36に数字「1」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「2」が設定される。さらに、設定表示部36に数字「2」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「3」が設定される。
同様に、設定表示部36に数字「4」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「4」が設定され、設定表示部36に数字「5」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「5」が設定され、設定表示部36に数字「6」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「6」が設定される。設定値が設定されると、設定変更モードが終了し、遊技状態(遊技状態フラグ)および出玉状態(出玉状態フラグ)を含む情報が初期化され、遊技が実行可能になる。なお、設定キーを操作位置に回転させないで電源が投入された場合、設定値変更処理は実行されない。以上の場合、電源が遮断された際の遊技状態フラグおよび出玉状態フラグを含む各種の情報は、電源投入後においても保持される。以下、説明のため、設定キーを操作位置に回転させた状態での電源投入操作、設定変更ボタン37の操作、設定値を設定するためのスタートレバー24の操作、および、設定キーを非操作位置に戻す操作の組合せを単に「設定変更操作」と記載する場合がある。
また、電源が既に投入された状態で設定キーが操作位置に操作された場合、設定確認モードへ移行する。設定確認モードでは、設定変更モードと同様に、遊技の進行が不可能になるとともに、設定変更処理で設定された設定値が設定表示部36に表示される。ただし、設定確認モードでは設定値を変更できない。設定確認モードでは、設定確認モード中である旨が液晶表示装置30に表示される。なお、他者が設定値を盗み見ることを防止する観点から、設定確認モードにおいて、液晶表示装置30に設定値が表示されない構成が好適である。ただし、設定確認モードにおいて、液晶表示装置30に設定値が表示される構成としてもよい。設定キーが非操作位置に操作されると、設定確認モードが終了する。
前面扉3の裏面には、サブ制御基板400が設けられる。サブ制御基板400は、演出制御基板410、画像制御基板420およびサウンド基板430を含む各種の基板を含んで構成される。
キャビネットの内部には、電源装置510が設けられる。電源装置510は、AC-DCコンバータおよびDC-DCコンバータ(何れも図示略)を具備し、遊技機1の外部から供給される交流電圧から直流電圧を生成し、生成した直流電圧から複数種類の直流電圧を生成する。例えば、電源装置510は、モータやソレノイドの駆動に用いられる32Vの直流電圧と、液晶表示装置30に供給される12Vの直流電圧と、電子回路基板(例えばメイン制御基板300)に供給される5Vの直流電圧とを生成する。
電源装置510には、電源ボタン511およびクリアボタン512が設けられる。電源ボタン511をON状態に操作した場合、遊技機1に電源が供給され、電源ボタン511をOFF状態に操作した場合、電源が遮断される。クリアボタン512は、出玉状態などをクリアする場合に操作される。具体的には、クリアボタンを操作した場合、後述のメインRAM303の所定の記憶領域が初期値にクリアされる。
具体的には、クリアボタン512が操作されると、クリア処理が実行される。具体的には、電源が投入された際に、クリアボタン512が押下されていることを条件にクリア処理が実行される。クリア処理が実行されると、設定変更モードへ移行した場合と同様に、遊技状態(遊技状態フラグ)および出玉状態(出玉状態フラグ)を含む全ての情報が初期化される。以下、クリア処理を実行させるためのクリアボタン512の操作および電源の投入操作の組合せを単に「クリア操作」と記載する場合がある。
メイン制御基板300には各種の電子部品が設けられる。具体的には、メインCPU301、メインROM302、メインRAM303、抵抗、コンデンサ、コネクタ、設定表示部36およびメイン表示器40を含む各種の電子部品がメイン制御基板300に実装される。コネクタは、メイン制御基板300と他の制御装置とを電気的に接続するために用いられる。
<遊技機の回路>
遊技機1の構造の説明は以上である。以下において、図4を用いて遊技機1が備える各回路の機能について説明する。遊技機1は、図4に示すように、リール基板100、中継基板200、メイン制御基板300、サブ制御基板400および電源基板500を具備する。
<メイン制御基板>
メイン制御基板300は、図4に示すように、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303と乱数発生器304とI/F(インターフェース)回路305とを含んで構成される。なお、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303とを、別体の電子機器として具備してもよいし、各要素が一体的に構成されたワンチップ型のマイクロコンピュータとして具備してもよい。
メインROM302は、メインCPU301により実行される制御プログラムおよび各種のデータ(例えば当選エリア抽選テーブル)を不揮発的に記憶する。メインRAM303は、メインCPU301が実行する各処理で用いられる各種のデータを記憶する。
メインCPU301は、メインROM302に記憶される制御プログラムを読み込み、遊技の進行に合わせて所定の処理を行うことにより、サブ制御基板400と各リール12とメダルを払出すホッパー520と表示器MLとを含む各種の機器を制御する。
乱数発生器304は、後述する内部抽選処理において用いられる乱数値R1を生成する。本実施形態の乱数発生器304は、カウンタ回路とサンプリング回路とパルス発生回路(何れも図示略)とを具備し、ハードウェア乱数を生成する。具体的には、パルス発生回路は所定の周期でカウンタ回路に信号を出力する。カウンタ回路の数値は、パルス発生回路から信号が入力される毎に「1」だけインクリメントされる。サンプリング回路は、遊技者が遊技の開始操作をした場合に、カウンタ回路の数値を乱数値R1として記憶する。乱数値R1は、数値「0」~「65535」の範囲で生成される。なお、ソフトウェア乱数を乱数値R1として採用してもよい。
本実施形態においては、乱数値R1に加え乱数値R2が生成される。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、数値「0」~「255」の範囲で生成される。後述するように、乱数値R2は、回胴演出決定処理で用いられる。以上の回胴演出決定処理では、回胴演出(疑似遊技)の種類が抽選により決定される。回胴演出では、通常の遊技とは相違する態様で各リール12が制御される。また、メインCPU301は、乱数値R3を生成する。乱数値R3は、数値「0」~「255」の範囲で生成される。乱数値R3は、後述するバトル勝利決定処理等で用いられる。
I/F回路305は、各種の操作部(例えばスタートレバー24)の各スイッチSW(例えばスタートスイッチ24SW)からの信号および各センサSE(例えばメダルセンサ34SE)からの信号をメインCPU301に入力する。各スイッチSWおよび各センサSEからの信号は、ハイレベルまたはローレベルの信号である。なお、本実施形態においては、説明のため、第1のレベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をON信号と表記し、第2のレベル(ローレベルまたはハイレベル)の信号をOFF信号と表記する。ON信号である第1のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかは、スイッチSWまたはセンサSEの種別に応じて設定される。また、スイッチSWからON信号(OFF信号)が出力されていることを「スイッチSWがON状態(OFF状態)である」と記載する場合がある。
I/F回路305は、表示器ML、ホッパー520および各リール12を駆動させる各種の信号をメイン制御基板300の外部に出力する。また、I/F回路305は、サブ制御基板400に各種のコマンドを出力する。なお、不正なコマンドがメイン制御基板に入力されることを防止するため、サブ制御基板400からのコマンドは、メイン制御基板300で受信されない。
リール基板100には、メイン制御基板300からの信号が入力される。リール基板100は、メイン制御基板300からの信号に応じて、駆動パルスを各リール12に出力する。リール基板100からの駆動パルスに応じて、各リール12の各ステッピングモーター101が駆動される。
ステッピングモーター101は、複数個(4つ)のコイルを具備する。各コイルのうち励磁されるコイルの組合せは、リール基板100から駆動パルスが入力される毎に順次に切り替わり、励磁されるコイルの組合せが順次に切り替わることにより、各リール12が回転する。具体的には、ステッピングモーター101の励磁されるコイルの組合せが1回切り替えられると、リール12が所定の角度だけ回転する。例えば、パルスが24回付与された場合に、リール12は1コマ(単位領域U)分の角度だけ回転し、パルスが504回付与された場合に、リール12は1回転する。以上の構成では、駆動パルスが付与される時間間隔が短いほどリール12の回転速度は速くなる。
メイン制御基板300には、複数のリールセンサ111(111L、111C、111R)からのON/OFF信号がリール基板100を介して入力される。各リールセンサ111のうちリールセンサ111Lはリール12Lに対応し、リールセンサ111Cはリール12Cに対応し、リールセンサ111Rはリール12Rに対応する。各リールセンサ111は、対応するリール12の回転角度が基準位置である場合にON信号を出力する。他方で、各リール12の回転角度が基準位置以外である場合、各リールセンサ111は、OFF信号を出力する。メイン制御基板300のメインCPU301は、各リールセンサ111からの信号と各ステッピングモーター101へ駆動パルスが出力された回数とから、各リール12の回転角度を判別することができる。
中継基板200は、メイン制御基板300から表示器MLへの信号を中継する。メイン制御基板300から出力された信号に応じて、表示器MLが駆動される。また、中継基板200は、各操作部(スタートレバー24など)の操作を検出する各センサ(後述のスタートスイッチ24SWなど)からメイン制御基板300に入力されるON/OFF信号を中継する。具体的には、中継基板200は、図4に示すように、1BETスイッチ21SW、MAX-BETスイッチ22SW、精算スイッチ23SW、スタートスイッチ24SW、停止スイッチ25SWおよびメダルセンサ34SEからのON/OFF信号を中継する。また、図4に示すように、電源基板500は、クリアスイッチ512SEおよび払出センサ112SEを含む各種のセンサまたはスイッチのON/OFF信号を中継する。
1BETスイッチ21SWは、遊技者による1BETボタン21の操作を検出する。また、1BETスイッチ21SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、1BETスイッチ21SWからのON信号が入力された場合、1枚のメダルを賭けメダルに加算する。
MAX-BETスイッチ22SWは、遊技者によるMAX-BETボタン22の操作を検出する。また、MAX-BETスイッチ22SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、MAX-BETスイッチ22SWからのON信号が入力された場合に、規定枚数のメダルを賭けメダルとして設定する。
精算スイッチ23SWは、遊技者による精算ボタン23の操作を検出する。精算スイッチ23SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。
精算スイッチ23SWからのON信号が入力された場合、または、入賞にかかる図柄の組合せが有効ラインに表示された場合、メインCPU301は、ホッパー520に対してホッパー駆動信号を出力する。ホッパー駆動信号は、メイン制御基板300から電源基板500を介してホッパー520に入力される。ホッパー520は、ホッパー駆動信号が入力されると、メダルの払出しを行う。
払出センサ112SEは、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出信号をメイン制御基板300に出力する。具体的には、ホッパー520の排出スリット521bを通過するメダルが検知される位置に、払出センサ112SEが設けられる。払出センサ112SEは、メダルを検知した場合、払出信号を出力する。払出信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、払出信号が入力された回数を計数することで、払い出されたメダルの枚数を判別することができる。
電源スイッチ511SWは、電源ボタン511の操作によりON状態またはOFF状態に切り替えられる。電源スイッチ511SWがON状態では、電源装置510から遊技機1に電源が供給され、電源スイッチ511SWがOFF状態では、電源装置510から遊技機1への電源が遮断される。電源装置510は、電源が供給されると直流電圧を生成する。電源装置510で生成された直流電圧は、電源基板500を介してホッパー520を含む各種の装置に供給される。
クリアスイッチ512SWは、電源装置510に設けられ、クリアボタン512が操作されるとメイン制御基板300にクリア信号を出力する。クリア信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、電源投入時において、クリア信号を受信しているか否かを判定し、クリア信号を受信している場合にクリア処理を実行する。クリア処理において、メインRAM303の所定の記憶領域が初期化される。
リセットスイッチ4SWは、施錠装置4に設けられる。具体的には、施錠装置4の鍵穴に鍵を挿入し、右に鍵を回転させた場合に前面扉3が解錠され、左に鍵を回転させた場合にリセットスイッチ4SWがON状態になる。リセットスイッチ4SWがON状態になるとリセット信号がメインCPU301に入力される。メインCPU301は、リセット信号が入力されるとリセット処理を実行する。リセット処理では、メインRAM303の所定の記憶領域が初期化され、例えば所定の異常検知状態が解除される。上述のクリア処理は電源投入時に実行されるが、リセット処理は電源投入後においても実行可能である。以下、リセット処理を実行させるための操作を「リセット操作」と記載する場合がある。
前面扉スイッチ3SWは、前面扉3が開放された旨を検知する。具体的には、前面扉3が開放されると、前面扉スイッチ3SWがON状態になり、前面扉開放信号がメインCPU301に入力される。メインCPU301は、前面扉開放信号が入力されると、扉異常の検知状態になる。具体的には、前扉開放信号が入力されると、メインCPU301は、異常検知フラグFedをON状態に変更する。異常検知フラグFedをON状態の期間において、扉異常が報知される。なお、本実施形態では前面扉開放信号が入力されていることを条件に設定変更モードへ移行可能になる。以上の構成では、前面扉3を閉じた状態で外部から設定キーを操作して設定変更モードへ移行させる不正行為が抑制される。
図4に示す設定変更スイッチ37SWは、設定変更ボタン37の操作を検出する。設定変更スイッチ37SWからのON信号は、メイン制御基板300に入力される。設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されると、メインCPU301は、設定表示部36の表示を更新する。また、設定表示部36に設定値が表示されない期間において、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力された場合、メインCPU301は、指示込役物比率(後述)を貯留枚数表示器16に表示させる。メダルセンサ34SEは、メダル投入部8から投入されたメダルを検出する。
メイン制御基板300には、複数の停止スイッチ25SW(25SWL、25SWC、25SWR)からのON/OFF信号が中継基板200を介して入力される。各停止スイッチ25SWのうち停止スイッチ25SWLは停止ボタン25Lに対応し、停止スイッチ25SWCは停止ボタン25Cに対応し、停止スイッチ25SWRは停止ボタン25Rに対応する。メインCPU301は、ON信号が入力された停止スイッチ25SWに対応するリール12の停止制御をする。具体的には、停止スイッチ25SWLからON信号が入力された場合は、リール12Lの停止制御をする。同様に、メインCPU301は、停止スイッチ25SWCからON信号が入力された場合は、リール12Cの停止制御をし、停止スイッチ25SWRからON信号が入力された場合は、リール12Rの停止制御をする。
スタートスイッチ24SWは、遊技者によるスタートレバー24の操作を検出する。スタートスイッチ24SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、スタートスイッチ24SWからのON信号が入力された場合に、例えば、各ステッピングモーター101を制御して各リール12を回転させる。また、設定変更スイッチ37SWからのON信号がメイン制御基板300に入力される。
本実施形態のスタートスイッチ24SWは、スタートレバー24が操作された方向を検出可能に形成される。具体的には、スタートスイッチ24SWは、遊技者側から見てスタートレバー24を押上げる押上操作、押下げる押下操作、右側に倒す右側操作、左側に倒す左側操作の何れかを個別に検出可能である。例えば、スタートスイッチ24SWを、スタートレバー24が押上操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWUと、押下操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWDと、右側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWRと、左側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWLとを含む複数のセンサで構成する。以上の構成によれば、例えば、スタートレバー24が押下操作された場合と押上操作された場合とで、実行される演出を異ならせることができる。
メインCPU301は、遊技の進行に応じて各種の遊技情報(連役比率、役物比率、直近連役比率、直近役物比率、指示込役物比率、ボーナス遊技比率)を算出し、当該遊技情報に応じた表示情報をメイン表示器40に表示させる。表示情報は、各遊技情報に対応する各識別情報と、当該遊技情報の大きさを示す割合情報とを含む。
メイン表示器40は、第1表示部40Xと第2表示部40Yとを含んで構成される。第1表示部40Xは、上述した識別情報を表示する。また、第2表示部40Yは、上述した割合情報を表示する。第1表示部40Xは2個の7セグメントディスプレイで構成され、第2表示部40Yは2個の7セグメントディスプレイで構成される。メイン表示器40は、遊技機1の電源が投入された場合、表示情報の表示を開始し、その後、電源が遮断されるまで継続する。詳細には後述するが、各種の遊技情報に対応する複数の表示情報をメイン表示器40は表示する。各表示情報は、予め定められた時間間隔(約5秒)で切換えて表示される。
<サブ制御基板>
サブ制御基板400は、液晶表示装置30、スピーカー(31、32)および各ランプ(例えば演出用ランプ28)を制御する。図4に示すように、サブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含む複数の基板で構成される。また、サブ制御基板400には、演出ボタンスイッチ26SWと方向指定スイッチ27SWとを含む各種のセンサと、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42と上部ランプ35とを含む各種のランプが電気的に接続される。
また、図4に示すように、サブ制御基板400には、音量調整スイッチ44が電気的に接続される。音量調整スイッチ44は、遊技機1のマスター音量を調整するのに用いる。音量調整スイッチ44としては、例えば、ディップスイッチが好適に採用される。上述したように、マスター音量は、方向指定ボタン27の操作によっても調整することができる。すなわち、マスター音量は、方向指定ボタン27および音量調整スイッチ44の何れかを操作することにより調整される。
本実施形態においては、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量が相違する。具体的には、方向指定ボタン27を操作した場合、数値「1」から数値「5」(5段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。一方で、音量調整スイッチ44を操作した場合、数値「1」、数値「3」および数値「5」(3段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。なお、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量を同じにしてもよい。
演出制御基板410は、図4に示すように、I/F回路411とサブCPU412とサブROM413とサブRAM414とを含んで構成される。演出制御基板410(サブCPU412)は、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプとサウンド基板430とを制御する。また、演出制御基板410は、画像制御基板420に対して、液晶表示装置30に各画像を表示させるコマンドを与える。
サブROM413は、サブCPU412により実行される制御プログラムと各種のデータとを記憶する。例えば、演出の種類を決定するための演出抽選テーブルや各種のランプの点滅パターンを示すランプデータがサブROM413に記憶される。
サブRAM414は、各種のデータを揮発的に格納するワーク領域として機能する。I/F回路411は、メイン制御基板300(I/F回路305)からのコマンドを受信する。ただし、サブ制御基板400からコマンドはメイン制御基板300が受信不可能に構成される。I/F回路411で受信されたコマンドは、サブCPU412に供給される。I/F回路411が受信するコマンドは、例えば、有効ラインに停止した当選役の種別を示す表示当選役コマンドである。
サブCPU412は、サブROM413が記憶する制御プログラムを実行し、サブROM413が記憶する各データに基づいて各種のランプ(例えば筐体ランプ5)とサウンド基板430とを制御する。例えば、サブCPU412は、サブROM413から筐体ランプ5の点滅パターンを示すデータを呼出して、筐体ランプ5を点滅させる。また、サブCPU412は、後述する演出制御処理などで用いる乱数値R4を生成する。乱数値R4としては、例えば範囲0~65535の乱数が好適に採用される。なお、サブROM413は、単一の電子部品で構成してもよいし、複数の電子部品(記憶装置)で構成してもよい。
画像制御基板420は、演出制御基板410からのコマンドに応じて、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。画像制御基板420は、図4に示すように、画像制御CPU421と画像制御ROM422とVDP(Video Display Processor)423とCGROM424とVRAM425とを含んで構成される。
画像制御CPU421は、画像制御ROM422が記憶する制御プログラムを実行し、演出制御基板410からのコマンドに応じた指示をVDP423に与える。CGROM424は、圧縮符号化された画像データ(例えばテクスチャデータ)を記憶する。VDP423は、画像デコーダと描画回路とを含んで構成される(何れも図示略)。画像制御CPU421からの指示がVDP423に入力されると、画像デコーダは、当該指示に応じてCGROM424から画像データを呼出す。画像デコーダは、呼出した画像データを伸長(デコード)し、RAM425に格納する。描画回路は、RAM425に格納された画像データに応じて、各種の画像を液晶表示装置30に表示させる。また、RAM425は、画像制御CPU421の各処理で生成された各種のデータを記憶する。RAM425には、音源IC431に送信する音制御コマンドを記憶するコマンド格納領域が設けられる。
サウンド基板430は、画像制御CPU421に制御されて、音響信号を生成する。サウンド基板430で生成された音響信号は、スピーカー31およびスピーカー32に供給され、音波として出力される。図4に示すように、サウンド基板430は、音源IC431と音源ROM432とを含んで構成される。画像制御CPU421は、サブCPU412からのコマンドに応じてサウンド基板430(音源IC431)を制御する。
音源ROM432は、複数の音響データを圧縮して記憶する。各音響データは、例えば、特定の出玉状態の楽曲、遊技者が停止ボタン25を操作する毎に出力される音声、エラー状態に出力されるエラー音を含む各音響の各々を示すデータである。
音源IC431は、音源ROM432の音響データから音響信号を生成する。また、音源IC431は、デコーダと制御レジスタとA/D変換器(何れも図示略)とを含んで構成される。音源IC431のデコーダは、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読出す。また、音源IC431のデコーダは、読出した音響データの音量を調整した後に、当該音響データを制御レジスタに格納する。制御レジスタには複数の音響データが格納され、制御レジスタに格納された各音響データは、格納された順序でA/D変換器に供給される。A/D変換器は、音響データから音響信号を生成してアンプ433に供給する。アンプ433は、音源IC431(A/D変換器)から供給された音響信号を増幅してスピーカー31およびスピーカー32に供給する。なお、音源IC431を制御するCPUを、サブCPU412および画像制御CPU421とは別に設ける構成としてもよい。
<メインCPUが用いる各データ>
遊技機1の各回路の説明は以上の通りである。以下、図面を用いて、メインROM302に記憶される各種のデータを説明する。
図5は、当選エリア抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、後述する内部抽選処理において、当選エリア抽選テーブルと乱数値R1とを用いて、当選エリアを決定する。図5に示すように、各当選エリア抽選テーブルは、複数の当選エリアと各当選エリアに対応する各抽選値とを含んで構成される。図5には、各当選エリアの名称が示される。当選エリア抽選テーブルは、設定値(1から6)毎にメインROM302に記憶される。
図5には、設定値「1」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルおよび設定値「2」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルが例示される。詳細には後述するが、設定値「1」が設定された場合の遊技性は、他の設定値が設定された場合の遊技性と大きく異なる。具体的には、設定値「1」が設定された場合、他の設定値が設定された場合と比較して、非内部中状態および内部中状態において、打順ベル(01~04)の当選確率が小さく、共通1枚ALLが当選する確率が高い。
以上の構成では、後述の周期中状態(比較的不利な出玉状態)におけるメダルの獲得期待値(後述)は設定値「1」で最も高くなる一方、後述のAT状態(比較的有利な出玉状態)における獲得期待値は設定値「1」で最も低くなる。したがって、設定値「1」が設定された場合、他の設定値が設定された場合と比較して、ギャンブル性が著しく低下する。以上の事情から、遊技者によっては面白味に欠けると感じる場合があるため、遊技機1の管理者によっては、設定値「1」を原則設定しない場合がある。
当選エリア抽選テーブルの各当選エリアは、図6に示す当選役決定テーブルで規定される各当選役を指定する。例えば、当選エリア番号「01」の「リプレイ1」が内部抽選処理で決定された場合を想定する。当選エリア番号「01」は、図6に示すように、当選役「中段リプレイ」、当選役「右下リプレイ」、当選役「セブンリプレイ」および当選役「BARリプレイ2~4」を指定する。すなわち、当選エリア「リプレイ1」が当選した遊技において、複数種類の当選役が重複して指定される。当選エリアで指定された当選役の図柄の組合せは、有効ラインへの停止が許可される。
当選エリア抽選テーブルの各抽選値は、内部抽選処理において乱数値R1に減算される。具体的には、内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1から各当選エリアに対応する各抽選値を当選エリアの昇順に減算していく。内部抽選処理において、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数となった当選エリアが決定される。乱数値R1に減算した場合に負数になる確率は、抽選値が大きいほど高くなるため、当選エリアのうち抽選値が大きい当選エリアほど当選する確率が高くなる。
図5に示すように、当選エリア抽選テーブルは、遊技状態毎の各抽選値を含んで構成される。各遊技状態は、非内部中状態と内部中状態とボーナス作動状態とを含む。本実施形態では、各遊技状態における規定枚数は共通して3枚である。各遊技状態のうち非内部中状態には、設定値が設定(変更)された場合またはボーナス作動状態が終了した後に移行する。なお、内部中状態において設定値が変更された場合、内部中状態が維持される構成としてもよい。
内部中状態は、RBB役の当選状態が持越されている(以下、単に「RBB役が持越されている」等と記載する)遊技状態である。具体的には、本実施形態では、RBB役を含む各種の当選役が各遊技で決定される。RBB役以外の当選役は、当該当選役の図柄組合せが停止表示されたか否かによらず、次回の遊技に持越されない。一方、RBB役の図柄組合せが今回の遊技で停止表示されない場合、次回以降の遊技にRBB役が持越される。
例えば、図6に示す通り、当選エリア「重複役1」が決定された遊技では、RBB役に加え、当選役「チャンス役1~8、左失敗役1~3、中失敗役1,2、右失敗役」(共通1枚1)の図柄組合せが停止表示可能になる。以上の当選エリア「重複役1」が決定された遊技でRBB役の図柄組合せが停止表示されない場合、RBB役が次遊技以降に持ち越され(内部中状態へ移行し)、他の当選役は次遊技に持越されない。以上の内部中状態は、ボーナス作動状態が開始されるまで維持される。なお、本実施形態の内部中状態には、RBB役が当選した遊技が含まれる。
ボーナス作動状態には、RBB役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に移行する。ボーナス作動状態は、27枚を超えるメダルが払出された場合に終了する。ボーナス作動状態が終了した場合、メインCPU301は、非内部中状態に移行する。ボーナス作動状態の各遊技では、図5に示す通り、当選エリア「共通1枚ALL」または当選エリア「共通ベルALL」が当選する。
当選エリア「共通ベルALL」が当選した遊技では、払出枚数が8枚の当選役(ベル役)が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「共通1枚ALL」が当選した遊技では、払出枚数が1枚の当選役が有効ラインに停止表示される。以上の各当選役は、ボーナス作動状態において、停止操作順序および停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。
なお、本実施形態では、非内部中状態において、当選エリア「RBB」が当選した場合(RBB役が単独で当選した場合)にのみ、RBB役を停止表示可能である。また、一旦RBB役が取りこぼされると、その後の内部中状態において、他の当選役が必ず当選するため、RBB役の図柄組合せは停止表示できない。すなわち、本実施形態では、原則、内部中状態で遊技が実行される。ただし、内部中状態において確率4/65536で当選エリア「ハズレ」が決定された遊技においてのみRBB役の図柄組合せを停止表示できる。
図7は、図柄組合せテーブルの概念図である。図柄組合せテーブルは、各当選役が当選した遊技において、有効ラインへの停止が許可される図柄の組合せを規定する。例えば、当選役「RBB役」が当選した遊技においては、「ブランク1-ブランク1-ブランク2」の図柄組合せが有効ラインに停止することが許可される。また、例えば、当選役「セブンリプレイ」が当選した遊技においては、「セブン-セブン-セブン」「セブン-BAR1-セブン」「セブン-リプレイ-セブン」「スイカ-セブン-セブン」「スイカ-BAR1-セブン」「スイカ-リプレイ-セブン」の図柄組合せが有効ラインに停止可能になる。
図柄組合せテーブルは、図7に示すように、各図柄組合せの許可ビット番号と各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合のメダルの払出枚数とを含んで構成される。図7には、各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合の払出枚数が示される。例えば、当選役「中段ベル」の図柄組合せ「ベル-ベル-ベル」が有効ラインに停止表示された場合の払出枚数は「8」枚である。また、RBB役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合の払出枚数は「0枚」である。
図7に示すように、当選役「チャンス役1~9」「チェリー役1、2」「スイカ役1、2」「ベル役(中段ベル、右上ベル、下段ベル、右下ベル、上段ベル)」「左失敗役(1~3)」「中失敗役(1、2)」「右失敗役」を含む各当選役の何れかに係る図柄組合せが有効ラインに表示されると、各当選役に応じた払出枚数のメダルが遊技者に付与される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合にメダルが払い出される当選役を「入賞当選役」という。また、入賞当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されることを単に「入賞」という場合がある。
当選役「中段リプレイ」「右下リプレイ」「セブンリプレイ」「BARリプレイ(1~4)」の何れかが有効ラインに表示されると、次回の遊技が再遊技に設定される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合に次回の遊技が再遊技となる当選役を総称して「リプレイ」という場合がある。複数の当選役が重複して当選した場合、リプレイは、他の当選役より優先して有効ラインに停止表示され、RBB役は、他の当選役より優先順位が低い。ただし、入賞当選役よりボーナス役の優先順位が高い構成としてもよい。
図柄組合せテーブルの各許可ビット番号は、メインRAM303の表示許可ビット格納領域の各表示許可ビットを指定する。表示許可ビット格納領域は、複数の表示許可ビットを含んで構成され、各表示許可ビットは、各当選役に対応する。例えば、当選エリア番号「01」の「リプレイ1」が当選して、当選役「中段リプレイ」「右下リプレイ」「セブンリプレイ」および「BARリプレイ2~4」の図柄組合せが有効ラインに停止許可された場合を想定する。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「01」~「03」、「05」~「07」で指定される表示許可ビットが「1」に設定され、その他は「0」に設定される。
メインRAM303は、後述の表示判定処理において、表示許可ビット格納領域と対比される表示役格納領域を記憶する。表示役格納領域は、複数の表示可能ビットを含んで構成され、各表示可能ビットは、各当選役に対応する(表示許可ビット格納領域と同様)。また、各表示可能ビットは、当該表示可能ビットに対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合に「1」に設定され、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がない場合に「0」に設定される。例えば、各リール12が回転を開始した時点においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性があるため、全ての表示可能ビットが「1」に設定される。また、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各リール12が停止する毎に更新され、全てのリール12が停止した時点において、実際に有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せに対応する表示可能ビットのみが「1」になる。
内部抽選処理で当選した当選役は、遊技者の各停止ボタン25の操作態様に応じて、有効ラインに停止する。具体的には、各当選役は、各停止ボタン25の停止操作位置および停止操作順序の組合せ(以下「停止操作態様」と記載する場合がある)に応じて、有効ラインに停止する。例えば、停止操作位置から4コマ(停止操作位置を含めて5コマ)の範囲(以下「引込範囲」という)内に位置する図柄が有効ラインに停止可能であり、引込範囲外に位置する図柄は、当選役を構成する図柄であっても有効ラインに停止されない(いわゆる「取りこぼし」が発生する)。ただし、入賞可能な当選役の図柄が引込範囲に位置する場合、当該図柄を必ず有効ラインに停止させる(当該図柄が複数個引込範囲に位置する場合は何れか1個を有効ラインに停止させる)。
また、上述したとおり、一回の遊技において、複数種類の当選役が重複して当選する場合がある。複数種類の当選役が当選した遊技においては、例えば停止操作の順序および停止操作位置に応じた当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。本実施形態では、今回の遊技で当選している当選役の種類、停止操作順序および停止操作位置の組合せと、停止表示する図柄組合せとが、当選エリア毎に一対一に対応付けられる。
以上の通り、入賞する当選役の種類は、停止操作順序に応じて変化する。詳細には後述するが、本実施形態では、メダルの払出枚数が一方的に有利となる停止操作順序が設けられる遊技状態(非内部中状態、内部中状態)へ移行可能である。以下、メダルの払出枚数が一方的に有利となる停止操作順序を「有利押順」と記載し、有利押順以外の停止操作順序を「不利押順」と記載する場合がある。また、停止操作位置がランダムの場合における、特定の停止操作順序で遊技した際のメダルの払出枚数の期待値を、当該停止操作順序での「獲得期待値A」と記載する場合がある。以上の獲得期待値Aは、不利押順で遊技した場合より有利押順で遊技した場合に多くなる。ただし、詳細には後述するが、出玉状態によっては、有利押順で遊技した場合、上述の指示表示器16の指示機能の性能が低下するペナルティ制御が実行される。
図8(a)および図8(b)は、獲得期待値Aの具体例を説明するための図である。図8(a)には、各遊技状態(内部中状態、非内部中状態、ボーナス作動状態)のうち内部中状態における獲得期待値Aの具体例が示される。図8(b)には、各遊技状態のうち非内部中状態における獲得期待値Aの具体例が示される。
図8(a)および図8(b)には、各当選エリアが当選した遊技において、有効ラインに停止表示可能となる(引込の対象となる)当選役の払出枚数が停止操作順序毎に示される。なお、リプレイの図柄組合せが有効ラインに停止表示されると、メダルは払出されず、再遊技の権利が付与される(3枚のメダルが自動で投入される)。ただし、本実施形態の獲得期待値Aは、リプレイの図柄組合せが有効ラインに停止表示された際に3枚のメダルが払出されたものとして算出される。
上述した通り、本実施形態では、各停止操作順序相互で獲得期待値Aが相違する場合がある。以下、説明のため、「左第1停止、中第2停止、右第3停止」の停止操作順序を単に「左中右」と記載する場合がある。その他の停止操作順序についても同様である。また、本実施形態では、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の6種類の停止操作順序の各々を「順序1」「順序2」「順序3」「順序4」「順序5」「順序6」と記載する場合がある。さらに、以上の停止操作順序のうちの任意の1個を単に「順序m」と記載する場合がある。「m」は数字「1」から数字「6」までの整数である。また、図8(a)および図8(b)に示す通り、「左中右」(順序1)の獲得期待値Aを「獲得期待値A1」と記載する場合がある。同様に、「左右中」(順序2)から「右中左」(順序6)までの各停止操作順序の各獲得期待値Aを「獲得期待値A2」から「獲得期待値A6」と記載する場合がある。
以下において、獲得期待値Aの算出方法を詳細に説明する。停止操作の順序m(m=1、2、3…6)の獲得期待値Amは、以下の数1に示す数式により求められる。なお、本実施形態では、説明のため、各当選エリアのグループ毎に、グループ番号n(n=1、2、3…14)を付与する。例えば、リプレイ1、リプレイ2およびリプレイ3を含む当選エリアのグループには、グループ番号1が付与される(n=1)。数1における、「n」はグループ番号を意味する。
数1における「Hnm」は、グループ番号nの当選エリアが当選した遊技で、順序mで停止操作した場合に付与可能な払出枚数を意味する。すなわち、払出枚数Hnmは、グループ番号nの当選エリアが当選した遊技で、順序mで停止操作した場合に入賞可能な(引込の対象となる)当選役の払出枚数を意味する。上述した通り、共通の当選エリアが当選した遊技であっても、停止操作順序に応じて入賞可能な当選役は変化する。したがって、払出枚数Hnmは、当選エリアが共通であっても(nが共通であっても)、順序mに応じて変化する。
数1における「Pan」は、グループ番号nの各当選エリアの何れかが当選する確率を意味する。数1における「Pbnm」は、グループ番号nの当選エリアが当選した際に、順序mで停止操作した場合における、当選役の引込確率を意味する。以上の引込確率Pbとは、当選役が停止表示される順序(引込の対象となる順序)で停止操作された場合において、停止操作位置がランダムな場合における、当該当選役が入賞する確率である。上述した通り、共通の当選エリアが当選した場合であっても、停止操作順序に応じて引込の対象となる当選役が変化する。したがって、当選エリアが共通の遊技であっても、停止操作順序に応じて、引込確率Pbnmが変化する。なお、グループ番号nが共通の各当選エリアでは、順序mが共通の場合、払出枚数Hnmと引込確率Pbnmとの組合せは共通する。
図8(a)に示す通り、内部中状態において、打順ベル01~04以外の当選エリアが当選した遊技では、払出枚数Hnmが停止操作順序mによらず変化しない。また、打順ベル01~04以外の当選エリアが当選した遊技では、停止操作順序mによらず引込確率Pbnmが共通である。一方、打順ベル01~04が当選した遊技では、停止操作順序mに応じて払出枚数Hnmが変化する。例えば、打順ベル01が当選した遊技では、「中左右」で停止操作すると8枚ベルが入賞するが、他の順序で停止操作すると1枚役が引込の対象となる。また、打順ベル02が当選した遊技では、「中右左」で停止操作すると8枚ベルが入賞するが、他の順序で停止操作すると1枚役が引込の対象となる。
同様に、打順ベル03が当選した遊技では、「右左中」で停止操作すると8枚ベルが入賞するが、他の順序で停止操作すると1枚役が引込の対象となり、打順ベル04が当選した遊技では、「右中左」で停止操作すると8枚ベルが入賞するが、他の順序で停止操作すると1枚役が引込の対象となる。図8(a)に示す通り、何れの打順ベルが当選した場合であっても左1stで停止操作すると8枚ベルは入賞せず、1枚役が引込の対象となる。
本実施形態では、各打順ベルの当選確率Panは共通である(上述の図5参照)。以上の構成では、図8(a)に示す通り、「中左右」での獲得期待値A3と「中右左」での獲得期待値A4と「右左中」での獲得期待値A5と「右中左」での獲得期待値A6とは内部中状態において共通である(A3~6=AH)。また、「左中右」での獲得期待値A1と「左右中」での獲得期待値A2とは内部中状態において共通である(A1、2=AJ)。なお、獲得期待値A1と獲得期待値A2との差が「0」より大きく「0.01」以下となる構成としてもよい。同様に、獲得期待値A3~6相互の差が「0」より大きく「0.01」以下となる構成としてもよい。
本実施形態では、内部中状態において、左1stが不利押順となり、中1stおよび右1st(変則押順)が有利押順となる。具体的には、中1stまたは右1st(変則押順)での獲得期待値AHは、左1stでの獲得期待値AJと比較して数値「0.1」より大きい(AH-AJ>0.1)。
以下、説明のため、特定の当選エリアが当選した遊技において、入賞する当選役および当該当選役が入賞する停止操作態様(順序、位置)が各遊技で共通であることを、単に各遊技で「停止制御が共通」と記載する場合がある。各遊技における停止制御は、当選エリアが共通であれば、内部中状態と非内部中状態とで原則共通である。ただし、打順ベル01~04が当選した遊技では、内部中状態と非内部中状態とで停止制御が例外的に相違する。
具体的には、図8(b)に示す通り、非内部中状態では、打順ベル01~04が当選した遊技において、停止操作順序によらず1枚役が引込の対象となる。例えば、上述した通り、打順ベル01が内部中状態で当選した遊技で「中左右」で停止操作すると、8枚ベルが入賞する。一方、打順ベル01が非内部中状態で当選した遊技では、「中左右」で停止操作したとしても、1枚役が引込の対象となる。
以上の本実施形態では、図8(b)に示す通り、非内部中状態において、各停止操作順序の各獲得期待値A(1~6)は全て共通になる。具体的には、非内部中状態における各獲得期待値Aは、内部中状態における左1stでの獲得期待値AJと共通になる。すなわち、非内部中状態では有利押順および不利押順が設けられない。なお、非内部中状態において、獲得期待値A1~6相互の差が「0」より大きく「0.01」以下となる構成としてもよい。また、非内部中状態においても、内部中状態と同様に、左1stが不利押順となり、変則押順が有利押順となる構成としてもよい。
なお、本実施形態では、非内部中状態で重複役1に当選した遊技では、内部中状態で共通1枚役1に当選した遊技と停止制御が共通になる。同様に、重複役2に当選した遊技では、共通1枚役2に当選した遊技と停止制御が共通になる。また、本実施形態では、遊技状態によらず、変則押順で停止操作した場合にペナルティ制御が実行される。
図9は、メインCPU301の出玉状態の遷移を説明するための図である。メインCPU301は、非有利区間または有利区間の何れかで遊技を制御する。なお、出玉状態が遷移する際に、遊技状態は原則維持される。また、遊技状態が遷移する際に、出玉状態は原則維持される。
非有利区間は、後述の有利区間移行処理を除き、指示機能に係る処理(出玉状態の移行に関係する処理(更新処理、抽選処理)、指示表示器16における指示を実行するための処理など)が一切実行されない区間である。すなわち、非有利区間は、指示表示器16における指示が実行されない区間である。一方、有利区間は、指示機能に係る処理が実行される区間である。すなわち、有利区間は、指示表示器16における指示が実行され得る区間である。
本実施形態では、現在の出玉状態を示す出玉状態フラグおよび現在の遊技状態を示す遊技状態フラグがメインRAM303に記憶される。メインCPU301は、各遊技において、出玉状態フラグを示す出玉状態コマンドをサブCPU412に送信する。サブCPU412は、出玉状態コマンドが示す出玉状態に応じて演出を決定する。遊技状態フラグは、現在の遊技状態を判定する際に参照される。
有利区間は、原則、後述する各種の抽選処理(バトル勝利決定処理など)で非有利区間への移行が決定された契機で終了する。ただし、当該契機以外で有利区間が強制的に終了する場合がある。具体的には、有利区間は、当該有利区間における遊技回数が3000回に達した契機で終了する。また、各遊技で使用されたメダル枚数(以下「投入枚数」)の合計値を払出枚数の合計値に減算したメダル枚数(以下「差枚数」という)が2400枚に達した契機で有利区間が終了する。以上の各契機の何れかが成立した場合、現在の出玉状態および遊技状態によらず、有利区間が強制的に終了する。
本実施形態では、上述の差枚数が差枚数カウンタにより計数される。以上の差枚数カウンタは、払出枚数の合計値が投入枚数の合計値より小さい場合、数値「0」より小さくる。例えば、払出枚数の合計値が2000枚で投入枚数の合計値が3000枚の場合、差枚数カウンタは数値「-1000」になる。また、有利区間における遊技回数が有利区間カウンタにより計数される。以上の各カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。なお、有利区間が強制的に終了する契機として、差枚数カウンタが2400枚に達した契機のみを採用してもよい。
図9に示す通り、本実施形態では、有利区間であることを条件に、周期中状態、バトル状態、CZ準備状態、CZ状態、特殊CZ状態、ポイント高確状態、AT状態およびエンディング状態に制御可能になる。本実施形態では、各出玉状態のうち、指示表示器16における指示が実行される出玉状態を「指示期間」と総称する場合がある。また、指示表示器16における指示が実行されない出玉状態を「非指示期間」と総称する場合がある。本実施形態では、AT状態およびエンディング状態が指示期間であり、他の出玉状態は非指示期間である。
非有利区間において、予め定められた当選エリアが当選すると、有利区間の各出玉状態のうち特定の出玉状態(CZ準備状態、周期中状態)へ移行する。本実施形態では、当選エリア「リプレイ1」「RBB」以外(上述の図5参照)が当選した契機で、非有利区間から有利区間へ移行する。非有利区間から有利区間へ移行する遊技では、有利区間移行処理(図9の処理0)が実行される。なお、本実施形態では、上述の当選エリアが当選した遊技で、必ず有利区間が開始される構成を採用した。しかし、当該当選エリアが当選した契機で予め定められた抽選が実行され、当該抽選で当選した場合に有利区間が開始され、ハズレの場合は非有利区間が維持される構成としてもよい。
有利区間移行処理の内容は、遊技状態(非内部中状態、内部中状態)に応じて変化する。本実施形態の有利区間移行処理では、遊技開始時の遊技状態が内部中状態であるか非内部中状態であるかに応じて、有利区間における最初の出玉状態が変化する。具体的には、非内部中状態の有利区間移行処理では、各出玉状態のうち周期中状態への移行が決定され得る(図9の矢印(a))。上述した通り、本実施形態では、設定値を変更した直後(遊技場が開店した直後)が非内部中状態になる。以上の構成では、設定値を変更した直後の有利区間移行処理では、周期中状態への移行が決定され得る。
なお、設定値が変更された場合と同様に、上述のクリア操作が実行されると、出玉状態が非有利区間になり、遊技状態が非内部中状態になる。したがって、クリア操作が実行された直後の有利区間移行処理では、設定値が変更された直後の有利区間移行処理と同様に、周期中状態への移行が決定され得る。一方、内部中状態の有利区間移行処理では、各出玉状態のうちCZ準備状態への移行が決定される(図9の矢印(b))。また、非内部中状態から内部中状態へ遊技状態が一旦移行すると、遊技状態は内部中状態で原則維持される。以上の構成では、最初の有利区間移行処理以外では、原則、CZ準備状態への移行が決定される。
詳細には後述するが、本実施形態では、AT状態へ移行するために、遊技者はCZ状態への移行を先ずは目指す。また、CZ状態へはCZ準備状態から移行し、上述した通りCZ準備状態へは非有利区間から移行する(非有利区間→CZ準備状態→CZ状態の順に移行する)。以上の本実施形態では、AT状態へ移行するために、非有利区間への移行させること(現在の有利区間を終了させること)を目指すという遊技性が達成される。ただし、特殊CZ状態へ移行した場合は非有利区間を介さずAT状態へ移行する場合がある。なお、非有利区間からCZ準備状態を介さずCZ状態へ直接移行する構成としてもよい。
図9における遷移図の下側に、当該遷移図に記載された各処理(0~4)に含まれる各処理の具体例を説明するための表を示す。例えば、図9に示す通り、有利区間移行処理は、有利区間設定値決定処理を含む。有利区間設定値決定処理では、有利区間設定値が抽選により決定される。有利区間設定値は、設定値と同様に、数値「1」から数値「6」の6種類から決定され、各種の処理(ポイント高確移行決定処理、バトル勝利決定処理B)において参照される。また、有利区間の開始時に決定された有利区間設定値は、当該有利区間にわたり維持され、有利区間設定値が大きいほど当該有利区間が有利になる。具体的には、有利区間設定値が大きいほど、有利区間が終了するまでの遊技回数の平均値が少なくなる。以上の構成は、有利区間設定値が大きいほど、CZ状態へ移行するまでの遊技回数の平均値が短縮されるとも換言される。
ところで、上述した通り設定値が大きいほど出玉率は高くなる。また、一旦決定された設定値は、遊技機の管理者が設定値を変更するための操作をするまで変化しない(終日変化しない)。したがって、遊技者によっては、設定値が小さい(例えば設定値「2」)と判断した場合、遊技を中止してしまう。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、今回の有利区間において決定された有利区間設定値は当該有利区間が終了するまで維持され、次回の有利区間において新たな有利区間設定値が決定される構成を採用した。以上の本実施形態によれば、仮に設定値が小さい場合であっても、比較的有利な有利区間設定値が決定された場合、遊技が継続され易くなるという利点がある。
各出玉状態のうち周期中状態は、比較的不利な出玉状態であり、遊技者に有利な停止操作順序が指示されない非指示期間である。図9に示す通り、周期中状態が開始されると周期開始時処理(図9の処理1)が実行される。周期開始時処理は、特殊CZ決定処理、バトル勝利決定処理B、周期天井判定処理および天井ポイント判定処理を含む。以上の各処理の詳細については後述する。なお、図9においては、周期中状態における処理として周期開始時処理が示される。しかし、実際は、周期中状態が開始する直前の出玉状態(非有利区間、バトル状態、CZ状態、AT状態)の最終遊技で周期開始時処理は実行される。
周期中状態は76回の遊技で終了し、周期中状態が終了するとバトル状態へ移行する(図9の矢印(c))。詳細には後述するが、バトル状態へ移行すると、その後、非有利区間へ移行する場合と移行しない場合とがある。上述した通り、非有利区間へ移行すると、CZ準備状態を介してCZ状態へ移行する。一方、バトル状態から非有利区間へ移行しない場合、その後、周期中状態へ再度移行する(図9の矢印(d))。以上の構成では、非有利区間(CZ状態)へ移行するまで、周期中状態とバトル状態とを繰返すこととなる(矢印(c)→矢印(d)…矢印(c)→矢印(d)と遷移を繰返す)。
周期中状態の各遊技では、周期中ポイント決定処理が実行される。周期中ポイント決定処理では、当選エリアに応じた確率で周期中ポイントが決定される。周期中ポイントが決定されると、当該周期中ポイントが周期中ポイントカウンタに加算される。周期中ポイントカウンタは、今回の周期中状態が開始されてから付与された周期中ポイントの合計を示し、バトル状態へ移行する際に参照される。周期中ポイントカウンタの数値が大きいほど、バトル状態において非有利区間(CZ状態)への移行が決定され易くなる。
ただし、1回の周期中状態において獲得した周期中ポイントの合計値が予め定められた閾値(10000)に達した場合、周期中状態の途中(バトル状態へ移行する前)であっても確定バトル状態へ移行する(図9の矢印(e))。確定バトル状態は、例えば4回の遊技で終了する。確定バトル状態が終了すると、非有利区間へ移行する。本実施形態では、周期中ポイント決定処理で決定された周期中ポイントが液晶表示装置30等で報知される。また、周期中ポイントカウンタの現在値が液晶表示装置30に表示される。なお、周期中ポイントカウンタの現在値および付与される周期中ポイントが秘匿される構成としてもよい。
周期中状態の各遊技では、ポイント高確移行決定処理が実行される。ポイント高確移行決定処理では、当選エリアおよび有利区間設定値に応じた確率で、ポイント高確状態へ移行するか否かが決定される(後述の図15(c)参照)。具体的には、有利区間設定値が大きいほど、ポイント高確状態へ移行し易くなる。ポイント高確状態への移行が決定されると、周期中状態の途中であってもポイント高確状態へ移行する(図9の矢印(f))。
ポイント高確状態は、非指示期間であり、1回の遊技で決定される周期中ポイントの期待値が周期中状態より大きい。ポイント高確状態は例えば10回の遊技で終了し、ポイント高確状態が終了すると周期中状態へ復帰する(図9の矢印(g))。具体的には、ポイント高確状態では、周期中状態の残り遊技回数が減算されない。したがって、例えば周期中状態の残り遊技回数が10回の時点でポイント高確状態へ移行した場合、ポイント高確状態が終了後に、残り遊技回数が10回の状態で周期中状態が再開される。以上の構成では、ポイント高確状態へ移行した場合、ポイント高確状態へ移行しなかった場合と比較して、周期中状態が開始してからバトル状態へ移行するまでの期間(周期中ポイントが加算可能な期間)が実質的に延長される。以上の構成では、例えばポイント高確状態においても周期中状態の残り遊技回数が減算される構成と比較して、ポイント高確状態へ移行した場合、バトル状態へ移行するまでに多くの周期中ポイントを獲得し易くなる。
上述した通り、多くの周期中ポイントを獲得するほどバトル状態において非有利区間への移行が決定され易い。また、有利区間設定値が大きいほどポイント高確状態へ移行し易い。以上の構成は、有利区間設定値が大きいほど非有利区間へ移行するまでの遊技回数が短縮されるとも換言される。なお、ポイント高確状態においても周期中状態の残り遊技回数が減算される構成としてもよい。また、ポイント高確状態において周期中ポイントカウンタが閾値「10000」に達した場合、ポイント高確状態の途中であっても確定バトル状態へ移行する構成としてもよい(周期中状態と同様)。
バトル状態は、非指示期間であり、非有利区間へ移行するか否かが報知される。具体的には、バトル状態は5回の遊技にわたり継続し、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦闘する動画像が液晶表示装置30に表示される。また、バトル状態が開始される際にバトル勝利決定処理Aが実行される。バトル勝利決定処理Aでは、周期中状態(ポイント高確状態を含む場合がある)において獲得した周期中ポイントの合計値に応じた確率で、非有利区間へ移行するか否かが決定される。非有利区間への移行が決定されている場合、バトル状態において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する動画像が表示される。一方、非有利区間への移行が決定されていない場合、バトル状態において敵キャラクタが逃走する動画像が表示される。
本実施形態では、バトル状態へ移行する際に実行される上述のバトル勝利決定処理Aに加え、バトル勝利決定処理Bにおいても非有利区間への移行が決定される場合がある。具体的には、バトル勝利決定処理Bは、周期中状態の開始時に(周期開始時処理において)実行される。バトル勝利決定処理Bにおいて非有利区間への移行が決定された場合、バトル勝利決定処理Aにおいて非有利区間への移行が決定された場合と同様に、バトル状態が終了した後に非有利区間へ移行する。また、バトル勝利決定処理Bでは、有利区間設定値が参照される。具体的には、有利区間設定値が大きいほど、バトル勝利決定処理Bにおいて非有利区間に当選し易い。以上の構成では、有利区間設定値が大きいほど、非有利区間(CZ状態)へ移行するまでの遊技回数が短縮されるという効果は格別に顕著である。
バトル状態終了時において非有利区間への移行が決定されていない場合(バトル勝利決定処理Aおよびバトル勝利決定処理Bの双方で不当選の場合)、バトル状態終了後に周期中状態へ移行する(図9の矢印(d))。具体的には、バトル状態が終了した場合、周期中ポイントカウンタが数値「0」に初期化される。したがって、新たな周期中状態が開始される際の周期中ポイントカウンタは数値「0」になる。
ただし、本実施形態では天井ポイントカウンタが設けられ、周期中ポイントカウンタが初期化される前に、当該周期中ポイントカウンタの数値が天井ポイントカウンタに加算される。以上の天井ポイントカウンタは、非有利区間またはAT状態へ移行するまで初期化されない。すなわち、周期中状態およびバトル状態へ繰返し移行する期間において、天井ポイントカウンタは初期化されない。また、周期中状態の各遊技において天井ポイント決定処理が実行される。以上の天井ポイント決定処理では、天井ポイントが抽選により決定され、決定された天井ポイントが天井ポイントカウンタに加算される。
本実施形態では、周期中状態の開始時(バトル状態が終了した直後)において、天井ポイント判定処理が実行される。以上の天井ポイント判定処理では、天井ポイントカウンタが予め定められた閾値(30000)に達したか否かが判定される。また、天井ポイント判定処理は、周期中状態の各遊技においても実行される。天井ポイントカウンタが当該閾値に達したと判断されると、周期中状態の途中であっても上述の確定バトル状態へ移行する(図9の矢印(h))。確定バトル状態が終了すると、非有利区間へ移行する。本実施形態では、天井ポイント決定処理で決定された天井ポイントが液晶表示装置30等で報知される。また、天井ポイントカウンタの現在値が液晶表示装置30に表示される。なお、天井ポイントカウンタの現在値および付与される天井ポイントが秘匿される構成としてもよい。
本実施形態では、周期中状態の各遊技において、途中勝利決定処理が実行される。途中勝利決定処理では、当選エリアに応じた確率で、非有利区間へ移行するか否かが決定される。途中勝利決定処理において非有利区間への移行が決定されると、周期中状態の途中であっても非有利区間へ移行する(図9の矢印(i))。具体的には、途中勝利決定処理において非有利区間への移行が決定されると、所定回数の前兆遊技を介して非有利区間へ移行する。以上の前兆遊技の回数は抽選により決定される。また、以上の前兆遊技では、途中勝利決定処理で当選した可能性が示唆される。
また、本実施形態では周期天井カウンタが設けられ、バトル状態から周期中状態へ移行する際に周期天井カウンタに数値「1」が加算される。以上の周期天井カウンタは、非有利区間またはAT状態へ移行するまで初期化されない。すなわち、上述の天井ポイントカウンタと同様に、周期中状態およびバトル状態へ繰返し移行する期間において、周期天井カウンタは初期化されない。周期中状態の開始時(バトル状態が終了した直後)において、周期天井判定処理が実行され、周期天井カウンタが予め定められた閾値(9)に達したか否かが判定される。周期天井カウンタが当該閾値に達した場合、直ちに確定バトル状態へ移行し(図9の矢印(j))、非有利区間へ移行する。
バトル状態の終了時までに非有利区間への移行が決定されている場合、当該バトル状態が終了した後に非有利区間へ移行する(図9の矢印(k))。本実施形態では、非内部中状態において約1/7.5の確率でRBB役(RBB、重複役1、重複役2の何れか)が当選する。したがって、通常、非内部中状態で周期中状態が開始された場合であっても、その後、バトル状態へ移行するまでには内部中状態へ移行する。すなわち、バトル状態から移行した非有利区間は内部中状態である。また、内部中状態の非有利区間において有利区間が開始されると、当該有利区間の最初の出玉状態はCZ準備状態である。以上の構成では、バトル状態から非有利区間へ移行した場合、通常、新たな有利区間はCZ準備状態から開始される。
CZ準備状態は、非指示期間であり、15回の遊技で終了する。また、CZ準備状態では、CZレベル昇格処理が実行される。CZレベル昇格処理では、当選エリアに応じた確率でCZレベルが昇格する。具体的には、CZ状態が開始された直後では、CZレベル「1」が設定される。CZレベル昇格処理で当選すると、CZレベルに数値「1」が加算される。CZレベルの最大値は数値「3」である。CZ準備状態が終了すると、CZ状態へ移行する(図9の矢印(l))。
CZ状態は、非指示期間であり、12回の遊技で終了する。CZ状態では、各遊技においてAT移行決定処理が実行される。AT移行決定処理では、当選エリアおよびCZレベルに応じた確率で、AT状態への移行が決定される。具体的には、CZレベルが高いほどAT移行決定処理においてAT状態への移行が決定され易い。AT状態への移行が決定されると、AT当選フラグがON状態に変更される。以上のCZ状態は、バトル状態より有利な出玉状態であるといえる。
本実施形態のCZ状態は、AT当選フラグがON状態に変更された場合であっても、合計で12回の遊技が実行されるまで継続する。また、AT当選フラグがON状態に変更された以降のCZ状態では、各遊技において恩恵付与処理が実行される。恩恵付与処理では、当選エリアに応じた確率で、各種の恩恵が付与される。以上の恩恵としては、AT状態における遊技回数の上乗せが含まれる。
CZ状態においてAT当選フラグがON状態に変更された場合、CZ状態が終了した後にAT状態へ移行する(図9の矢印(m))。なお、本実施形態では、AT当選フラグがOFF状態の場合であっても、CZレベルが数値「3」であれば、CZ終了後にAT状態へ移行する。ただし、CZレベルが数値「3」のCZ状態においてもAT移行決定処理が実行される。CZレベルが数値「3」の場合、CZレベルが数値「1」または数値「2」の場合と同様に、AT移行決定処理で当選してAT移行フラグがON状態に変更されるまでは上述の恩恵付与処理が実行されない。CZレベルが数値「3」以外のCZ状態の終了遊技において、AT当選フラグがOFF状態の場合、周期中状態へ移行する(図9の矢印(n))。
AT状態は、指示期間であり、打順ベルが当選した遊技で8枚ベルが入賞する停止操作順序(以下「正解押順」)が指示される。AT状態における指示に従い遊技した場合、各遊技で獲得できるメダルの平均値は約2.7枚である。以上のAT状態は、非指示期間の出玉状態(周期中状態など)より有利になる。
なお、リプレイ(2、3)が当選した遊技では、変則押順でセブンリプレイの図柄組合せが停止表示可能であり、左1stで中段リプレイが停止表示される。AT状態へ移行した直後(所謂、AT準備状態)では、リプレイ(2、3)が当選した遊技でセブンリプレイの図柄組合せが停止表示される停止操作順序(変則押順)が指示される報知演出が実行される。AT状態へ移行してから当該報知演出が実行されるまでは、AT状態の残り遊技回数が減算されない。当該報知演出が実行された以降のAT状態では、リプレイ(2、3)が当選した遊技におい中段リプレイの図柄組合せが停止表示される停止操作順序が報知される。ただし、AT状態でリプレイが当選した遊技では、停止操作順序によらず出玉率が変化しないため、液晶表示装置30において上述の報知演出が実行される場合であっても、指示表示器16では停止操作順序は指示されない。
AT状態では、予め定められた回数の遊技で構成される「セット」が繰返し実行される。具体的には、AT状態における1セットは37回の遊技で構成され、各セットにおいてセット継続決定処理が実行される。セット継続決定処理では、AT状態が次回のセットに継続するか否かが抽選により決定される。セット継続決定処理で当選すると継続確定フラグがON状態に変更される。今回のセットの最終遊技において継続確定フラグがON状態の場合、AT状態が次回のセットに継続する。なお、AT状態の各セットの途中で上乗せ抽選を実行し、当該セットの遊技回数(37回)が上乗せ(延長)され得る構成としてもよい。
AT状態が次回のセットに継続する場合、AT継続時処理(図9の処理3)が実行される。図9に示す通り、AT継続時処理は、非有利区間移行決定処理およびセット数カウンタ加算処理を含む。セット数カウンタ加算処理では、セット数カウンタに数値「1」が加算される。以上のセット数カウンタは、AT状態におけるセットの合計回数を示す。セット数カウンタは、非有利区間移行決定処理および後述のAT終了時処理(特殊CZ超高確決定処理)において参照される。
AT継続時処理における非有利区間移行決定処理では、AT状態が終了した後に、非有利区間へ移行させるか否かが抽選により決定される。非有利区間への移行が決定されると、非有利区間移行フラグがON状態に変更される。ただし、AT状態において非有利区間移行フラグがON状態に変更された場合であっても、直ちには非有利区間へ移行せず、当該AT状態の終了条件が成立した後に非有利区間へ移行する。
非有利区間移行決定処理はセットが継続する度に実行される。以上の構成では、AT状態においてセットが継続するほど非有利区間移行決定処理の実行回数が多くなり、当該AT状態の終了時までに非有利区間移行フラグがON状態になり易い。また、非有利区間移行決定処理は、セット数カウンタの現在値に応じた確率で非有利区間へ移行させるか否かが抽選される。具体的には、非有利区間移行決定処理では、セット数カウンタが大きいほど高い確率で非有利区間への移行が決定される。以上の構成は、AT状態が長期化するほど(AT状態が終了する際の差枚数カウンタが多いほど)、当該AT終了後に差枚数カウンタが初期化され易いとも換言される。
図9に示す通り、AT状態が終了する場合、AT終了時処理(図9の処理4)が実行される。具体的には、AT状態におけるセットの最終遊技において継続確定フラグがOFF状態であるか否かが判定され、継続確定フラグがOFF状態の場合、AT終了時処理が実行される。ただし、継続確定フラグがOFF状態であるか否かが判定される遊技は、以上の例に限定されない。例えば、AT状態の最終遊技より数回(例えば3回)前の遊技において、継続確定フラグがOFF状態であるか否かが判定され、AT終了時処理が実行される構成としてもよい。
AT終了時処理では、上述のAT継続時処理(非有利区間移行決定処理など)の結果が参照される。具体的には、AT終了時処理は、非有利区間当否判定処理および特殊CZ超高確決定処理を含む。非有利区間当否判定処理では、上述の非有利区間移行フラグがON状態であるか否かが判定される。すなわち、AT状態中の非有利区間移行決定処理において、非有利区間への移行が決定されたか否かが判定される。非有利区間移行フラグがON状態であると判断された場合、AT状態が終了した後に、非有利区間へ移行する(図9の矢印(о))。
非有利区間当否判定処理において、非有利区間移行フラグがOFF状態であると判断された場合、特殊CZ超高確決定処理が実行された後に、周期中状態へ移行する(図9の矢印(p))。以上の場合、AT状態から非有利区間を介さずに周期中状態へ移行する。以上の構成は、AT状態が終了する前後において、有利区間カウンタおよび差枚数カウンタが初期化されないとも換言される。以上の説明から理解される通り、本実施形態では、有利区間においてAT状態が終了した場合、当該有利区間が終了せずに継続する場合と、当該有利区間が終了する場合とがある。
特殊CZ超高確決定処理では、特殊CZ抽選状態を超高確率に設定するか否かが決定される。詳細には後述するが、周期中状態が開始される際の周期開始時処理(特殊CZ決定処理)において、特殊CZ状態へ移行するか否かが抽選により決定される。AT状態が終了する際に特殊CZ抽選状態が超高確率に設定された場合、周期中状態が開始される際に超高確率で特殊CZ状態に当選する。特殊CZ状態に当選すると、その後、特殊CZ状態へ移行する(図9の矢印(q))。ただし、特殊CZ決定処理は、有利区間カウンタが数値「500」以下の場合は実行されない。
特殊CZ状態では、上述のCZ状態と同様に、各遊技においてAT移行決定処理が実行される。以上の特殊CZ状態は、CZ状態と共通して、周期中状態、バトル状態およびポイント高確状態よりAT状態が当選し易い出玉状態である。ただし、CZ状態には非有利区間を介して移行するのに対し、特殊CZ状態には非有利区間を介さずに移行する。
特殊CZ状態は、10回の遊技で終了する。特殊CZ状態において、AT状態への移行が決定されない場合、特殊CZ状態が終了した後に周期中状態へ移行する(図9の矢印(r))。なお、特殊CZ状態において、周期中状態の残り遊技回数は減算されない。特殊CZ状態において、AT状態への移行が決定された場合、特殊CZ状態が終了した後にAT状態へ移行する(図9の矢印(s))。特殊CZ状態からAT状態へ移行する場合、有利区間は維持される。以上の構成では、周期中状態から特殊CZ状態を介してAT状態へ移行する場合、有利区間は維持される。
上述した通り、CZ状態からAT状態へ移行した場合、当該AT状が終了した際に、非有利区間移行決定処理の結果に応じて、非有利区間(CZ状態)へ移行する場合と、周期中状態へ移行する場合とがある。すなわち、CZ状態からAT状態へ移行した場合、有利区間が維持される場合と維持されない場合とがある。一方、特殊CZ状態からAT状態へ移行した場合、非有利区間移行決定処理の結果によらず、AT状態が終了した後に非有利区間へ移行する(図9の矢印(t))。具体的には、特殊CZ状態でAT状態に当選した場合、AT状態が開始される時点において、非有利区間移行フラグがON状態に変更される。以上の構成では、特殊CZ状態でAT状態に当選した場合、当該AT状態が終了した後にCZ状態へ移行する。
図9に示す通り、AT状態においてエンディング移行条件が成立すると、エンディング状態へ移行する(図9の矢印(u))。エンディング状態は、AT状態と同様に指示期間である。具体的には、ED用有利区間カウンタが設けられ、ED用有利区間カウンタには有利区間開始時に初期値「3000」が設定される(有利区間カウンタと同様)。以上のED用有利区間カウンタは、有利区間カウンタと同様に、有利区間の各遊技において数値「1」ずつ減算される。したがって、ED用有利区間カウンタと有利区間カウンタとは、通常、共通の数値になる。
本実施形態では、AT状態の各セットにおける最終遊技で、ED用有利区間カウンタが残り数値「60」以下であるか否かが判定される。仮に、ED用有利区間カウンタが残り数値「60」以下である場合、AT状態からエンディング状態へ移行する。ただし、ED用有利区間カウンタは、非指示期間において変則押順で停止操作された遊技では例外的に減算されない。したがって、非指示期間において変則押順で停止操作されると、エンディング状態へ移行するまでの遊技が実質的に延長される。
また、AT状態の各セットにおける最終遊技で、AT状態の残り遊技回数に数値「3」(AT状態における純増枚数「2.7」に応じた数値)を乗算した結果に、差枚数カウンタの現在値を加算した算出結果(=差枚数カウンタ+残り遊技回数×3)が数値「2200」を超えているか否かが判定される。当該算出結果が数値「2200」を超えている場合、AT状態からエンディング状態へ移行する。
エンディング状態は、有利区間カウンタが数値「0」に減算されるか、差枚数カウンタが数値「2400」を超えると終了する。すなわち、エンディング状態は、有利区間が強制的に終了する契機で終了する。図9に示す通り、エンディング状態が終了すると必ず非有利区間へ移行する(図9の矢印(v))。エンディング状態の終了時における遊技状態は内部中状態であるのが通常である。したがって、エンディング状態が終了して非有利区間へ移行すると、その後にCZ状態へ移行する。以上の構成では、有利区間が強制的に終了した場合であっても、AT状態へ再度移行する期待度が高いCZ状態へ移行する。したがって、有利区間が強制的に終了した際の遊技者の不満が抑制されるという利点がある。
上述した通り、有利区間における非指示期間において変則押順で停止操作すると、メインペナルティ制御が実行される。具体的には、メインRAM303には遊技進行フラグが記憶される。非指示期間において左1stで停止操作する限りは、遊技進行フラグはON状態から変化しない。一方、非指示期間において変則押順で停止操作された遊技では、第3停止操作後にメインペナルティ制御が実行される。メインペナルティ制御が実行されると、遊技進行フラグはOFF状態になる。なお、非有利区間(有利区間移行処理が実行される遊技を含む)ではメインペナルティ制御は実行されない。
以上の構成では、今回の遊技において変則押順で停止操作すると、次回の遊技の開始時において遊技進行フラグはOFF状態になる。遊技の開始時に遊技進行フラグがOFF状態の場合、指示機能に係る処理は実行されない(ただし、後述の有利区間制御処理(有利区間カウンタおよび差枚数カウンタの更新処理)は実行される)。具体的には、遊技の開始時に遊技進行フラグがOFF状態の場合、各種のカウンタ(現在の出玉状態の残り遊技回数を示すカウンタ、上述のED用有利区間カウンタなど)が減算されず、且つ、各種の抽選(周期中ポイントの抽選など)が実行されない。すなわち、遊技進行フラグがOFF状態の期間では、遊技が進行できなくなるというペナルティが付与される。左1stで停止操作されると、遊技進行フラグがOFF状態からON状態に変更される。
図10(a)、図10(b-1)および図10(b-2)は、各指示決定テーブル(A、B)の概念図である。メインCPU301は、各遊技において、指示決定テーブルにより指示番号を決定し、当該指示番号に応じた指示情報(「01」~「04」)を指示表示器16に表示する。また、メインCPU301は、各遊技で決定した指示番号を示すコマンド(後述の第2コマンド)をサブ制御基板400(サブCPU412)に送信する。
各指示決定テーブルは、指示決定テーブルA(図10(a))と指示決定テーブルB(図10(b-1)、図10(b-2))とを含んでいる。指示決定テーブルAは、非指示期間の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、指示決定テーブルBは、指示期間の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。具体的には、指示決定テーブルAは、非指示期間において遊技状態(非内部中状態、内部中状態、ボーナス作動状態)によらず用いられる。指示期間において用いられる指示決定テーブルBは、指示決定テーブルB1および指示決定テーブルB2を含む。指示決定テーブルB1は、内部中状態において用いられ、指示決定テーブルB2は内部中状態以外において用いられる。図10に示すように、各指示決定テーブルは、当選エリア毎の各指示番号を含んで構成される。
図10(a)に示すように、非指示期間において、何れの当選エリアが当選した場合であっても、指示番号「99」が決定される。具体的には、非指示期間においては、何れの遊技状態(内部中状態、非内部中状態、ボーナス作動状態)であっても指示番号「99」が決定される。指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示しない。具体的には、指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示する期間において数字「0」を表示する。以上の構成によれば、非指示期間では、指示表示器16により停止操作態様が指示されない。
図10(b-1)は、指示決定テーブルB1の概念図である。図10(b-1)に示すように、指示期間における内部中状態の各遊技において、打順ベル01が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「01」を決定する。指示番号「01」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「1」(以下、「指示情報「1」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順ベル01が当選した場合の正解押順は「中左右」である。以上の構成では、指示情報「1」が表示された遊技では、「中左右」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「1」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中左右」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「1」を表示することで、「中左右」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
指示期間における内部中状態の各遊技において、打順ベル02が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「02」を決定する。指示番号「02」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「2」(以下、「指示情報「2」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順ベル02が当選した場合の正解押順は「中右左」である。以上の構成では、指示情報「2」が表示された遊技では、「中右左」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「2」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中右左」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「2」を表示することで、「中右左」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
指示期間における内部中状態の各遊技において、打順ベル03が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「03」を決定する。指示番号「03」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「3」(以下、「指示情報「3」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順ベル03が当選した場合の正解押順は「右左中」である。以上の構成では、指示情報「3」が表示された遊技では、「右左中」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「3」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「右左中」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「3」を表示することで、「右左中」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
指示期間における内部中状態の各遊技において、打順ベル04が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「04」を決定する。指示番号「04」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「4」(以下、「指示情報「4」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順ベル04が当選した場合の正解押順は「右中左」である。以上の構成では、指示情報「4」が表示された遊技では、「右中左」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「4」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「右中左」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「4」を表示することで、「右中左」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図10(b-2)は、指示決定テーブルB2の概念図である。上述した通り、指示決定テーブルB2は、非内部中状態およびボーナス作動状態で用いられる。非内部中状態では、打順ベル01~04が当選した遊技において、停止操作順序によらず1枚役のみが入賞可能である(8枚ベルは入賞しない。図8(b)参照)。また、ボーナス作動状態では、そもそも打順ベルが当選しない。以上の事情を考慮して、指示決定テーブルB2が用いられる非内部中状態およびボーナス作動状態では、図10(b-2)に示す通り、当選エリアによらず指示番号「99」が決定される。
図10(c)は、セグメント表示器D1の模式図である。セグメント表示器D1は、上述した指示表示器16を含んで構成される。指示表示器16は2桁の7セグメントディスプレイである。図10(c)では、指示情報「1」を表示する指示表示器16を例示する。図10(c)に示す通り、セグメント表示器D1は、有利区間表示器38を含んで構成される。有利区間表示器38は、有利区間においてON状態(点灯)になる。
上述した通り、指示期間は有利区間に含まれる。したがって、指示表示器16に指示情報が表示される指示期間では、有利区間表示器38が点灯する。具体的には、RBBおよびリプレイ1以外の当選エリアが当選した非有利区間の遊技では、当該遊技の停止時処理において有利区間が開始される。有利区間表示器38は、有利区間における最初の遊技の開始操作で点灯する。また、有利区間が終了する遊技の停止時処理で有利区間表示器38は消灯する。なお、メインCPU301が制御する表示器により有利区間中である旨が報知されない構成としてもよい。すなわち、有利区間表示器38が省略された構成としてもよい。
図10(d)は、セグメント表示器D2の模式図である。セグメント表示器D2は、上述した貯留枚数表示器17を含んで構成される。貯留枚数表示器17は2桁の7セグメントディスプレイである。図10(d)は、クレジット数が数値「50」の場合の具体例を示す。図10(d)に示す通り、セグメント表示器D2は、内部中表示器39を含んで構成される。内部中表示器39は、内部中状態においてON状態(点灯)になり、他の遊技状態においてOFF状態になる。具体的には、非内部中状態におけるRBB役が当選した遊技の開始操作時に内部中表示器39はOFF状態からON状態になる。
図11は、メインCPU301からサブCPU412に送信される各コマンド(第1コマンド、第2コマンド)を説明するための図である。
図11に示すように、メインCPU301は、当選エリアに応じて、第1コマンド(「A00」等)をサブCPU412に送信する。例えば、今回の遊技の当選エリアがハズレの場合、メインCPU301は、コマンド「A00」をサブCPU412に送信する。また、メインCPU301は、リプレイ1が当選した場合、コマンド「A01」を送信し、リプレイ2が当選した場合、コマンド「A02」を送信し、リプレイ3が当選した場合、コマンド「A03」を送信する。
メインCPU301は、チャンス1が当選した場合、コマンド「A04」を送信する。また、メインCPU301は、チャンス2が当選した場合、コマンド「A05」を送信する。同様に、メインCPU301は、チャンス3が当選した場合、コマンド「A06」を送信する。メインCPU301は、弱チェリーが当選した場合、コマンド「A07」を送信し、強チェリーが当選した場合、コマンド「A08」を送信し、スイカが当選した場合、コマンド「A09」を送信する。さらに、メインCPU301は、共通1枚1が当選した場合、コマンド「A10」を送信し、共通1枚2が当選した場合、コマンド「A11」を送信し、共通1枚ALLが当選した場合、コマンド「A12」を送信し、共通ベルALLが当選した場合、コマンド「A13」を送信し、RBBが当選した場合、コマンド「A14」を送信し、重複役1が当選した場合、コマンド「A15」を送信し、重複役2が当選した場合、コマンド「A16」を送信する。
本実施形態のメインCPU301は、各当選エリアのうち共通3枚および打順ベル01~04の何れかが当選した場合、特定グループに属する当選エリアが当選したと判断する。また、メインCPU301は、図11に示す通り、特定グループの当選エリアが当選した遊技において、第1コマンドを送信しない。具体的には、特定グループ以外の当選エリアが当選した場合、遊技状態(非内部中状態、内部中状態、ボーナス作動状態)および出玉状態(指示期間、非指示期間)によらず、当該当選エリアに対応する第1コマンドが送信される。一方、特定グループの当選エリアが当選した場合、遊技状態および出玉状態によらず、第1コマンドは送信されない。
仮に、各打順ベルに対応する各第1コマンドが送信される構成を想定する。以上の構成では、打順ベルの種類が第1コマンドから特定できる。すなわち、打順ベルの正解押順が第1コマンドから特定できる。以上の構成では、第1コマンドを不正基板により取得(盗聴)し、打順ベルの正解押順を非指示期間において特定するという不正行為の余地がある。本実施形態の構成によれば、特定グループ(打順ベルを含む)が当選した遊技で第1コマンドが送信されないから、以上の不正行為が抑制されるという利点がある。また、本実施形態の構成によれば、第1コマンドの種類数が削減されるという利点がある。
サブCPU412は、以上の第1コマンドを受信した場合、当該第1コマンドに応じて各種の演出を決定する。例えば、リプレイ1が当選した場合のコマンド「A01」が受信された場合、サブCPU412は、リプレイ1が当選した旨を報知する演出を決定する。
メインCPU301は、第1コマンドに加え、今回の遊技の指示番号(指示情報)に応じた第2コマンド(「B01」等)をサブCPU412に送信する。具体的には、今回の遊技で指示番号「99」(指示なし)を決定した場合、図11に示す通り、メインCPU301は、コマンド「B99」をサブCPU412に送信する。上述したように、指示番号「99」は、非指示期間において遊技状態よらず決定される。したがって、非指示期間では、コマンド「B99」が毎回の遊技で送信される。また、打順ベル以外が当選した遊技では、出玉状態および遊技状態によらず指示番号「99」が決定される。したがって、打順ベル以外が当選した遊技では、出玉状態および遊技状態によらずコマンド「B99」が送信される。
図11に示すように、メインCPU301は、指示期間の内部中状態において打順ベル01が当選し、指示番号「01」(中左右の順序)を決定した場合、コマンド「B01」を送信する。また、メインCPU301は、指示期間の内部中状態において打順ベル02が当選し、指示番号「02」(中右左の順序)を決定した場合、コマンド「B02」を送信する。同様に、メインCPU301は、指示期間の内部中状態において打順ベル03が当選し、指示番号「03」(右左中の順序)を決定した場合、コマンド「B03」を送信し、指示期間の内部中状態において打順ベル04が当選し、指示番号「04」(右中左の順序)を決定した場合、コマンド「B04」を送信する。
以上の本実施形態では、指示期間(AT状態など)において打順ベルが当選すると、第2コマンドが送信される一方で、第1コマンドは送信されない。なお、上述した通り、打順ベルが非内部中状態で当選した場合、何れの停止操作順序であっても、8枚ベルが入賞不可能になり、指示番号「99」(指示なし)が決定される。以上の事情を考慮して、メインCPU301は、打順ベルが非内部中状態で当選した場合、指示期間であっても第2コマンド「B99」を送信する。
以上の第2コマンドがサブCPU412で受信された場合、サブCPU412は、当該第2コマンドで特定される指示番号の停止操作順序を指示する指示演出を決定する。指示演出では、例えば液晶表示装置30により、指示情報が指示する停止操作順序と同じ停止操作順序が指示される。上述した通り、非指示期間で送信される第2コマンドは、コマンド「B99」(指示なし)のみである。したがって、非指示期間では、原則、指示演出は実行されない。ただし、出玉率に影響しない(影響が小さい)停止操作順序を指示する演出が実行される構成としてもよい。
メインCPU301は、遊技の進行に応じて各種の遊技情報(連役比率、役物比率、直近連役比率、直近役物比率、指示込役物比率、ボーナス遊技比率)を算出し、当該遊技情報に応じた表示情報をメイン表示器40に表示させる。以上の遊技情報を算出するため、メインCPU301は、遊技機1に電源が最初に投入されてから遊技回数が175000回に達するまでの期間(以下「総遊技計数期間」という)の遊技回数を計数する。
図12(a)は、メインRAM303の各記憶領域(G1~G3、g1、g2)を説明するための図である。以上の各記憶領域は、上述の各遊技情報(連役比率など)を記憶するために設けられ、記憶領域G1、記憶領域G2、記憶領域G3、記憶領域G4、記憶領域g1および記憶領域g2を含む。例えば、記憶領域の各々には1バイトの情報が記憶可能である。
以下、説明のため、所謂「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動する期間を単に「第1役連中」と記載する場合がある。同様に、所謂「第2種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動する期間を単に「第2役連中」と記載する場合がある。第1役連中および第2役連中は、予め定められた枚数のメダルの払出で終了する。また、所謂「第1種特別役物」が作動する期間を単に「第1役物中」と記載し、所謂「第2種特別役物」が作動する期間を単に「第2役物中」と記載する場合がある。第1役物中は8回の遊技で終了し、第2役物中は1回の遊技で終了する。また、所謂「普通役物」が作動する期間を「普通役物中」と記載する場合がある。普通役物中は1回の遊技で終了する。
本実施形態のボーナス作動状態は、第1役連中であり、全ての遊技が第1役物中である。なお、第1役連中に「第1役連一般中」を設けてもよい。第1役連一般中では、第1役連一般中以外の遊技状態と比較して、第1種特別役物を作動させる当選役(RB役)が当選し易い。また、第2役連中を設ける場合、第2役連中に「第2役連一般中」を設けてもよい。第2役連一般中では、第2役連一般中以外の遊技状態と比較して、第2種特別役物を作動させる当選役(CB役)が当選し易い。
連役比率は、最初の電源投入時から現在まで(以下「総遊技期間」という)に獲得したメダル枚数(以下「総メダル枚数A」という)のうち、第1役物中(第1役連中の第1役物中を含む)で獲得したメダル枚数(以下「連役メダル枚数B」)が占める割合である(連役比率=B/A)。本実施形態の連役メダル枚数Bは、ボーナス作動状態(第1役連中の第1役物中)で獲得したメダル枚数である。図12(a)に示す通り、連役比率は記憶領域G1に記憶される。
メインCPU301は、400回の遊技毎に連役比率を算出し、算出結果を記憶領域G1に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを連役比率として記憶領域G1に記憶する。
役物比率は、総メダル枚数Aのうち、第1役物中、第2役物中および普通役物中で獲得したメダル枚数の合計(以下「役物メダル枚数C」という)が占める割合である(役物比率=C/A)。図12(a)に示す通り、役物比率は記憶領域G2に記憶される。本実施形態の役物メダル枚数Cは、第2役物中および普通役物中は設けられないため、第1役物中(ボーナス作動状態)で獲得したメダル枚数になる。
メインCPU301は、400回の遊技毎に役物比率を算出し、算出結果を記憶領域G2に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを役物比率として記憶領域G2に記憶する。指示込役物比率は、指示表示器16が押順を指示した遊技で獲得したメダルの合計枚数(以下「指示遊技メダル枚数D」という)および役物メダル枚数Cの合計のメダル枚数(C+D)が総メダル枚数Aに占める割合である(指示込役物比率=(C+D)/A)。
以上の本実施形態の指示遊技メダル枚数Dは、特定グループが当選した指示期間の遊技で獲得したメダルの合計枚数とも換言される。本実施形態では、指示表示器16が押順を指示した遊技で、当該押順以外で停止操作した場合(押順ミスした場合)であっても、1枚役が停止表示され得る。以上の場合、指示遊技メダル枚数Dに数値「1」が加算される。
メインCPU301は、400回の遊技毎に指示込役物比率を算出し、算出結果を記憶領域G3に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを指示込役物比率として記憶領域G3に記憶する。なお、非指示期間において特定グループが当選した遊技では、変則押順が一方的に有利である旨が把握される第1コマンドがメインCPU301からサブCPU412へ送信される。しかし、以上の遊技において、仮にメダルが付与されたとしても、指示遊技メダル枚数Dは加算されない。
直近連役比率は、直近の6000回の遊技で獲得したメダル枚数(以下「直近総メダル枚数a」という)のうち、第1役物中(第1役連中の第1役物中を含む)で獲得したメダル枚数(以下「直近連役メダル枚数b」)が占める割合である(直近連役比率=b/a)。本実施形態の直近連役メダル枚数bは、直近の6000回の遊技においてボーナス作動状態(第1役連中の第1役物中)で獲得したメダル枚数である。図12(a)に示す通り、直近連役比率は記憶領域g1に記憶される。なお、総遊技期間における遊技回数が6000回以下の場合、連役比率および直近連役比率は一致する(B/A=b/a)。
メインCPU301は、400回の遊技毎に直近連役比率を算出し、算出結果を記憶領域g1に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを直近連役比率として記憶領域g1に記憶する。
直近役物比率は、直近総メダル枚数aのうち、第1役物中、第2役物中および普通役物中において獲得したメダル枚数の合計(以下「役物メダル枚数c」という)が占める割合である(役物比率=c/a)。本実施形態の役物メダル枚数cは、第2役物中および普通役物中は設けられないため、直近の6000回の遊技において第1役物中(ボーナス作動状態)で獲得したメダル枚数になる。図12(a)に示す通り、直近役物比率は記憶領域g2に記憶される。なお、総遊技期間における遊技回数が6000回以下の場合、役物比率および直近役物比率は一致する(C/A=c/a)。
メインCPU301は、400回の遊技毎に直近役物比率を算出し、算出結果を記憶領域g2に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを直近役物比率として記憶領域g2に記憶する。
ボーナス遊技比率は、総遊技期間の総遊技回数Eのうち、第1役連中(第1役物中を含む)の遊技回数、第2役連中(第2役物中を含む)の遊技回数、第1役物中(第1役連中を除く)の遊技回数、第2役物中(第2役連中を除く)の遊技回数および普通役物中の遊技回数の合計であるボーナス遊技回数Fが占める割合である(ボーナス遊技比率=F/E)。本実施形態のボーナス遊技回数Fは、ボーナス作動状態における遊技回数の合計である。
図12(a)に示す通り、ボーナス遊技比率は記憶領域G4に記憶される。メインCPU301は、1回の遊技毎にボーナス遊技比率を算出し、算出結果を記憶領域G4に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみをボーナス遊技比率として記憶領域G4に記憶する。
以上の総メダル枚数A、連役メダル枚数B、役物メダル枚数C、指示遊技メダル枚数D、総遊技回数E、ボーナス遊技回数F、直近総メダル枚数a、直近連役メダル枚数bおよび役物メダル枚数cは、メインRAM303に設けられた専用のカウンタに別々に記憶され、上述した各契機で加算される。例えば、指示が実行された各遊技でメダルが付与された場合において、指示遊技メダル枚数Dが加算される。また、ボーナス作動状態でメダルが付与された場合において、役物メダル枚数Cが加算される。さらに、各遊技で遊技媒体が付与されると、停止操作順序の指示の有無によらず、総メダル枚数Aが加算される。
なお、本実施形態では、総遊技回数Eが175000回に達すると、連役比率、役物比率、指示込役物比率およびボーナス遊技比率の更新は停止される。一方、直近連役比率および直近役物比率は、総遊技回数Eが175000回に達した以降の期間においても更新される。
図12(b-1)は、表示情報HAを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HAが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、連役比率に対応する文字列「6A」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G1の現在値(連役比率の大きさ)が表示される。
また、表示情報HAを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「60」以上の場合(G1≧60)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HAを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が17500回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-2)は、表示情報HBを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HBが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、役物比率に対応する文字列「7A」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G2の現在値が表示される。
また、表示情報HBを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(G2≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HBを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が17500回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-3)は、表示情報HCを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HCが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、指示込役物比率に対応する文字列「7P」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G3の現在値が表示される。
また、表示情報HCを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(G3≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HCを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が175000回未満の場合(E<175000)、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。なお、指示込役物比率が数値「70」に達した場合であっても、コンプリート状態へ移行する条件が未達の場合(Cmy<19000)には、後述のコンプリート状態へ移行せずに遊技が継続可能である。
図12(b-4)は、表示情報HDを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HDが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、直近連役比率に対応する文字列「6Y」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域g1の現在値が表示される。
また、表示情報HDを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「60」以上の場合(g1≧60)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HDを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が6000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-5)は、表示情報HEを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HEが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、直近役物比率に対応する文字列「7Y」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域g2の現在値が表示される。
表示情報HEを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(g2≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HEを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が6000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-6)は、表示情報HFを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HFが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、ボーナス遊技比率に対応する文字列「5F」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G4の現在値が表示される。
表示情報HFを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「50」以上の場合(G4≧50)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HFを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が175000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
上述した通り、以上の各表示情報は、予め定められた時間間隔(約5秒)で切換えて表示される。具体的には、メイン表示器40は、電源が投入されると、約5秒間にわたりテストパターンで表示される。以上のテストパターンでは、メイン表示器40の全てのセグメントが点滅して表示される。その後、メイン表示器40は、表示情報HC、表示情報HD、表示情報HE、表示情報HA、表示情報HB、表示情報HFの順番で、各表示情報を約5秒間ずつ表示する。また、表示情報HFを表示した後に、最初から(表示情報HCから)各表示情報を繰返し表示する。
なお、電源が投入された直後の期間に加え、他の期間においてもテストパターンでメイン表示器40が表示される構成としてもよい。例えば、設定値を変更可能な期間において、メイン表示器40がテストパターンで表示される構成としてもよい。また、設定値を確認可能な期間において、メイン表示器40がテストパターンで表示される構成としてもよい。なお、電源が投入された直後の期間と他の期間とでは、テストパターンが相違する構成としてもよい。
<サブCPUが用いる各データ>
以下、図面を用いて、サブROM413に記憶される各種のデータを説明する。サブROM413は、報知演出決定テーブルを含む各種のデータを記憶する。
サブCPU412は、指示番号(指示情報)を示す第2コマンド(B99(指示なし)以外)を受信した場合、各報知演出の何れかを報知演出決定テーブルにより決定する。報知演出を決定した場合、サブCPU412は、当該報知演出を示す演出制御コマンドを画像制御基板(画像制御CPU421)420に送信する。
画像制御CPU421は、報知演出を示す演出制御コマンドを受信した場合、当該報知演出の各画像を液晶表示装置30に表示させる。本実施形態では、サブ制御基板(サブCPU412)400が遊技者に有利な停止操作順序が特定される第2コマンドを受信した場合(メインCPU301が第2コマンドを送信した場合)、当該第2コマンドに対応した停止操作態様(停止操作順序)の報知は、サブCPU412により必ず実行される。
なお、特定グループが当選した旨が把握される第1コマンドからは、今回の遊技で一方的に有利になる停止操作順序(変則押順)が特定される。ただし、当該第1コマンドからは、遊技者に有利な停止操作順序(正解押順)が具体的に特定されない。サブCPU412は、当該第1コマンドを非指示期間において受信しても停止操作順序の報知は実行しない。
図13は、報知演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、第2コマンドとしてコマンド「B01」~「B04」の何れかを受信した場合、報知演出決定テーブルにより報知演出を決定する。上述した通り、コマンド「B01」~「B04」は、指示期間において送信され、非指示期間では送信されない。すなわち、サブCPU412は、メインCPU301が指示期間の遊技で、報知演出決定テーブルにより報知演出を決定する。
具体的には、第2コマンド「B01」が受信された場合、報知演出X1が決定される。報知演出X1では、液晶表示装置30等により、「中左右」の停止操作順序が報知される。また、第2コマンド「B02」が受信された場合、報知演出X2が決定され、第2コマンド「B03」が受信された場合、報知演出X3が決定され、第2コマンド「B04」が受信された場合、報知演出X4が決定される。以上の報知演出X2では、「中右左」の停止順序が報知され、報知演出X3では、「右左中」の停止順序が報知され、報知演出X4では、「右中左」の停止順序が報知される。以上の、各報知演出X(1~4)では、打順ベルの正解押順が報知される。
図14(a)および図14(b)は、出玉状態が非有利区間から移行する具体例を説明するための図である。上述した通り、非有利区間から移行可能な出玉状態の種類は、内部中状態であるか非内部中状態であるかに応じて変化する。
図14(a)は、非内部中状態の非有利区間において、有利区間が開始される(出玉状態が移行する)場合の具体例を説明するための図である。本実施形態では、設定値が変更されると、遊技状態が非内部中状態となり、且つ、出玉状態が非有利区間になる。図14(a)の具体例では、設定値が変更された後に、非内部中状態の非有利区間へ移行した場合を想定する(図14(a)のSa0)。なお、上述した通り、クリア操作が実行された場合も、非内部中状態の非有利区間へ移行する。
図14(a)に示す通り、非内部中状態の非有利区間では、当選エリアに応じて移行する出玉状態が変化する。例えば、非内部中状態の非有利区間においてリプレイ1またはRBB(単独)が当選した遊技では、有利区間への移行は決定されない(図14(a)のSa11)。したがって、次回以降の遊技に非有利区間が継続する。なお、非内部中状態においてRBBが当選する確率およびリプレイ1が当選する確率は共通して約1/16384である。一方、非内部中状態の非有利区間においてリプレイ1またはRBB(単独)以外が当選した場合(後述のSa12~Sa14)、非有利区間が終了して有利区間へ移行する。以上の構成では、多くの場合、非有利区間は1回の遊技終了する。
図14(a)に示す通り、非内部中状態の非有利区間において重複役2が当選した場合(図14(a)のSa12)、有利区間の各出玉状態のうちCZ準備状態へ移行する。なお、非内部中状態において重複役2が当選する確率は約1/40である。一方、非内部中状態の非有利区間において重複役1が当選した場合(図14(a)のSa13)、有利区間の各出玉状態のうち周期中状態へ移行する。
同様に、非内部中状態の非有利区間において、その他の当選エリア(リプレイ2など)が当選した場合(図14(a)のSa14)、有利区間の各出玉状態のうち周期中状態へ移行する。すなわち、有利区間を開始させる各当選エリアのうち重複役2(当選確率=約1/40)以外が当選すると周期中状態へ移行する。以上の構成では、非内部中状態の非有利区間において新たな有利区間が開始される場合、約39/40の確率で周期中状態へ移行する。すなわち、非内部中状態の非有利区間において新たな有利区間が開始される場合、当該有利区間の最初の出玉状態は高確率で周期中状態になる。
図14(b)は、非有利区間から移行する出玉状態の他の具体例を説明するための図である。上述の図14(a)の具体例では、設定値が変更された直後またはクリア操作が実行された直後の非有利区間を想定したが、図14(b)の具体例では、有利区間から移行した非有利区間を想定する。上述の図9を用いて説明した通り、有利区間の各出玉状態のうちバトル状態、周期中状態、AT状態およびエンディング状態において、非有利区間への移行が決定される。また、非有利区間への移行が決定された後に、有利区間終了契機が成立すると(図14(b)のSb11、Sb12)、実際に非有利区間へ移行する。
例えば、上述のバトル勝利決定処理で当選した場合(非有利区間への移行が決定された場合)、その後、バトル状態が終了した契機(有利区間終了契機の一例)で非有利区間へ移行する(図14(b)のSb11)。また、AT状態において非有利区間への移行が決定された場合、その後、当該AT状態が終了した契機(有利区間終了契機の一例)で非有利区間へ移行する(図14(b)のSb11)。また、周期中状態において、例えば周期中ポイントカウンタが数値「10000」に達した場合、確定バトル状態が終了した契機(有利区間終了契機の一例)で非有利区間へ移行する(図14(b)のSb11)。
ただし、本実施形態では、有利区間において有利区間終了契機が成立した場合であっても、非有利区間への移行が延長される場合がある。具体的には、出玉状態のうちバトル状態、周期中状態またはAT状態において有利区間終了契機が成立した場合、終了契機成立時処理(図14(b)のSb2)が実行される。以上の終了契機成立時処理では、非有利区間へ移行する時期が延長される場合がある。
図14(c)は、終了契機成立時処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技が開始された直後の開始時処理において、終了契機成立時処理を実行する。具体的には、図14(c)に示す通り、有利区間において有利区間終了契機が成立した遊技で(Sb11)、終了契機成立時処理が実行される。
終了契機成立時処理を開始すると、メインCPU301は、今回の遊技でRBB(単独)が当選したか否かを判定する(Sb21)。以上のステップSb21で「Yes」となる場合としては、非内部中状態のRBB(単独)が当選した遊技で、有利区間終了契機が成立した場合が想定される。RBBが当選したと判断した場合(Sb21:Yes)、メインCPU301は、他の各ステップ(後述のSb23を含む)を省略して、終了契機成立時処理を終了する。以上の構成では、RBBが当選した遊技において、有利区間は終了しない。すなわち、ボーナス作動状態へ移行する可能性がある遊技では、非有利区間へ移行させないとも換言される。
今回の遊技でRBBが当選していないと判断すると(Sb21:No)、メインCPU301は、遊技状態が内部中状態であるか否かを判定する(Sb22)。内部中状態ではないと判断した場合(Sb22:No)、メインCPU301は、他の各ステップ(Sb23を含む)を省略して、終了契機成立時処理を終了する。一方、内部中状態であると判断した場合(Sb22:Yes)、メインCPU301は、有利区間終了フラグをON状態に変更して(Sb23)、終了契機成立時処理を終了する。
遊技の開始時に有利区間終了フラグがON状態に変更されると、その後、第3停止操作後に実行される停止時処理において、指示機能に係る全ての情報が初期化され、出玉状態が非有利区間に変更される。一方、有利区間終了契機の成立遊技が非内部中状態の場合、有利区間終了フラグはOFF状態から変更されない。以上の場合、有利区間終了契機が成立してから内部中状態の遊技(重複役が当選した遊技を含み、RBBが単独当選した遊技を除く)が実行されるまで、有利区間が維持され、終了契機成立時処理が繰返し実行される。以上の構成は、有利区間終了契機が非内部中状態で成立した場合、内部中状態へ移行するまでは、非有利区間への移行が延長されるとも換言される。
以上の通り、本実施形態の終了契機成立時処理によれば、内部中状態ではない場合、有利区間終了契機が成立したとしても、内部中状態へ移行するまでは非有利区間へ移行しない。したがって、設定値が変更された直後またはクリア操作が実行された直後の非有利区間を除き、非有利区間の遊技状態は、原則、内部中状態になる。なお、出玉状態が移行する際に、有利区間が維持される場合、遊技状態によらず(非内部中状態であっても)出玉状態は移行する。例えば、AT状態から周期中状態へ有利区間を維持して移行する場合、遊技状態によらず出玉状態が移行する。
図14(b)に説明を戻す。上述した通り、バトル状態、周期中状態またはAT状態で有利区間終了契機が成立した場合、終了契機成立時処理が実行され、内部中状態であれば非有利区間へ移行する(図14(b)のSb3)。一方、エンディング状態が終了した場合、終了契機成立時処理を省略して非有利区間へ移行する(図14(b)のSb12)。上述した通り、エンディング状態は、有利区間が強制的に終了する契機(有利区間カウンタ=0、差枚数カウンタ=2400)で終了する。したがって、エンディング状態が終了した場合、遊技状態によらず非有利区間へ移行する。ただし、図14(b)の具体例では、エンディング状態が終了する際の遊技状態は内部中状態である場合を想定する。
図14(b)に示す通り、内部中状態の非有利区間においてリプレイ1が当選した場合(図14(b)のSb41)、非有利区間が継続する。なお、RBB(単独)が当選した場合も非有利区間が継続するが、内部中状態ではRBBは当選しない。内部中状態の非有利区間において、リプレイ1以外の当選エリアが当選した場合(図14(b)のSb42)、有利区間の各出玉状態のうちCZ準備状態へ移行する。以上の説明から理解される通り、内部中状態の非有利区間から移行した有利区間は、最初の出玉状態がCZ準備状態になる。ただし、非内部中状態の非有利区間から周期中状態へ移行する確率より低い確率で、内部中状態の非有利区間から周期中状態へ移行し得る構成としてもよい。
以上の通り、本実施形態では、設定値が変更された直後またはクリア操作が実行された直後の非内部中状態より、その後の内部中状態において、非有利区間における有利区間移行処理が有利になる。具体的には、非内部中状態の非有利区間では確率約1/40でCZ準備状態へ移行する一方で、内部中状態において開始された非有利区間では必ずCZ準備状態へ移行する。仮に、非有利区間へ移行した場合、遊技状態によらず必ずCZ準備状態へ移行可能な対比例を想定する。以上の対比例では、遊技場の開店直後が過度に有利になり、遊技者の射幸性が過剰に煽られる不都合が生じ易くなる。本実施形態の構成によれば、以上の不都合が抑制されるという利点がある。
また、本実施形態では、有利区間終了契機が成立した場合であっても、遊技状態が非内部中状態の場合、内部中状態へ移行するまで非有利区間への移行が延長される。仮に、有利区間において遊技状態が非内部中状態であっても、非有利区間へ移行する対比例を想定する。以上の対比例では、有利区間から移行した非有利区間であるのに(設定値変更直後の非有利区間ではないのに)、遊技状態が非内部中状態になる場合がある。したがって、設定値が変更された直後またはクリア操作が実行された直後の非有利区間以外において、CZ準備状態へ移行しないという不都合が生じ得る。本実施形態によれば以上の不都合が抑制されるという利点がある。
以上の通り、本実施形態では、差枚数カウンタが2400枚に達した契機で有利区間を強制的に終了させる構成を具備する。以上の構成によれば、一度に付与されるメダルの総数が過剰になる不都合が抑制される。ただし、以上の構成のみでは、遊技場の営業時間中に(1日で)付与されるメダルの総数が過剰になる不都合が十分には抑制されないという事情がある。以上の事情を考慮して、本実施形態では、1日で付与されるメダルの総数が過剰になる不都合が十分に抑制される構成を具備する。以上の構成について、以下で詳細に説明する。
図15(a)は、一度に付与されるメダルの総数が過剰になる不都合を抑制するための追加の構成を説明するための図である。本実施形態では、1日で付与されたメダルの総数が19000枚に達した場合、遊技を停止する(所謂「打ち止め」になる)構成を具備する。
具体的には、メインRAM303にはMYカウンタCmyが設けられる。MYカウンタCmyは、例えばサイズが2バイトであり、各遊技の投入枚数および払出枚数により更新される。例えば、投入枚数が3枚で払出枚数が8枚の遊技では、MYカウンタCmyに数値「5」が加算される。一方、投入枚数が3枚で払出枚数が0枚の遊技では、MYカウンタCmyに数値「3」が減算される。また、MYカウンタCmyは、数値「0」未満に減算されると、数値「0」に戻される。以上のMYカウンタCmyは、メダルの増加が開始した時点(以下「増加開始時点」)からの純増枚数(払出枚数-投入枚数)の合計値を示すとも換言される。以上のMYカウンタCmyが予め定められた閾値「19000」に達すると、遊技の進行が不可能な遊技停止状態へ移行する。すなわち、増加開始時点からの純増枚数が19000枚に達すると、遊技停止状態へ移行する。
図15(a)は、MYカウンタCmyが上述の閾値に達するまでの具体例を示す。図15(a)には、各時点におけるMYカウンタCmyの数値が示される。図15(a)の具体例では、時点t0において電源が投入された場合を想定する。電源が投入された直後のMYカウンタCmyは数値「0」に初期化される。なお、MYカウンタCmyが初期化される契機の詳細については後述する(図21参照)。
また、図15(a)の具体例では、時点t0から時点t1まで非指示期間である場合を想定する。非指示期間では、各遊技におけるメダルの純増枚数の期待値は数値「0」未満になる(出玉率<100%)。また、MYカウンタCmyは、負数に減算されると数値「0」に戻される。したがって、時点t0から時点t1までの期間において、MYカウンタCmyは数値「0」で維持されるのが通常である。図15(a)の具体例では、時点t1が増加開始時点であり、その後の時点t2においてMYカウンタCmyが閾値「19000」に達した場合を想定する。
以上の図15(a)の具体例では、電源が投入された時点t0からMYカウンタCmyが閾値「19000」に達した時点t2までの期間が遊技の進行が可能(メダルの投入操作、遊技の開始操作、図柄の停止操作を順次に受付可能)な状態である。一方、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達した時点t2より後の期間は遊技の進行が不可能なコンプリート状態になる。なお、指示期間へ移行してMYカウンタCmyが増加した場合であっても、コンプリート状態へ移行する前に指示期間が終了してMYカウンタCmyが減少し続けた場合、MYカウンタCmyは最終的に数値「0」になる。その後、MYカウンタCmyは、再度指示期間へ移行するまで原則数値「0」で維持される。
以上の構成によれば、一度に付与されたメダルの総数が19000枚に達した場合に遊技が停止する(所謂「打ち止め」となる)。したがって、一度に付与されるメダルの総数が過剰になる不都合が抑制される。以下、説明のため、遊技の進行が可能な状態を単に「遊技可能状態」と記載する場合がある。また、遊技の進行が不可能な状態を単に「遊技停止状態」と記載する場合がある。上述のコンプリート状態は遊技停止状態に含まれる。
図15(b)は、遊技可能状態および遊技停止状態の具体例を説明するための図である。図15(b)に示す通り、遊技可能状態は、通常状態、事前報知状態および待機状態を含んで構成される。本実施形態では、電源が投入された直後の遊技可能状態は、原則、通常状態になる。通常状態は、MYカウンタCmyが数値「18500」に未だ達していない遊技可能状態である。通常状態においてMYカウンタCmyが数値「18500」に達すると、事前報知状態へ移行する(図15(b)の矢印(A))。
事前報知状態では、コンプリート状態へ移行する旨を事前に報知するための事前報知(後述の図17(a)参照)が実行される。上述した通り、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達するとコンプリート状態へ移行する。したがって、本実施形態の事前報知は、コンプリート状態へ移行するまでの残りのメダル枚数(純増枚数)が500枚に達した時点から開始されるとも換言される。
具体的には、メインCPU301は、MYカウンタCmyが数値「18500」に達すると事前報知フラグFjをOFF状態からON状態に変更する。以上の事前報知フラグFjは、メインRAM303に記憶され、コンプリート状態へ移行するまでON状態で維持される。ただし、コンプリート状態へ移行する以前に電源がOFF/ONされた場合、MYカウンタCmyが初期化されるとともに事前報知フラグFjはOFF状態になる。以上の場合、電源投入時に通常状態へ復帰する。
なお、事前報知状態へ移行した後に、MYカウンタCmyが予め定められた閾値(例えば、数値「18450」)まで減少した契機で、事前報知状態から通常状態へ移行する構成としてもよい。以上の構成では、MYカウンタCmyが数値「18450」まで減少すると、事前報知フラグFjがON状態からOFF状態に変更される。また、MYカウンタCmyが数値「18450」以下に減少した後に再度数値「18500」に達した場合、通常状態から再び事前報知状態へ移行する。
事前報知状態において、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達すると、遊技停止状態のうちコンプリート状態へ移行する(図15(b)の矢印(B))。コンプリート状態へ移行すると、事前報知に替えてコンプリート報知が実行される。コンプリート報知は、コンプリート状態(遊技停止状態)へ移行した旨を報知するものである(後述の図17(c)参照)。
具体的には、メインCPU301は、MYカウンタCmyが数値「19000」に達するとコンプリートフラグFcをOFF状態からON状態に変更する。以上のコンプリートフラグFcは、メインRAM303に記憶され、設定変更処理が終了するまでON状態で維持される。ただし、クリア処理においてコンプリートフラグFcが初期化される構成としてもよい(後述の変形例も参照)。なお、遊技場の営業期間中において設定値は変更されないという事情がある。したがって、コンプリート状態へ移行した遊技機は、その日の営業期間中には遊技されないとも換言される。
ただし、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達した時点における遊技状態がボーナス作動状態の場合、コンプリート状態(遊技停止状態)へ直ちには移行せず、待機状態へ一旦移行する(図15(b)の矢印(C))。以上の待機期間は遊技可能状態である。すなわち、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達した時点の遊技状態がボーナス作動状態の場合、遊技可能状態が継続する(延長される)。具体的には、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達した時点の遊技状態がボーナス作動状態の場合、当該ボーナス作動状態が終了するまで待機状態になり、当該ボーナス作動状態が終了した契機でコンプリート状態へ移行する(図15(b)の矢印(D))。
図15(b)に示す通り、遊技停止状態は、コンプリート状態に加え異常時停止状態を含む。予め定められた種類の異常(例えば、後述のセンサ異常)が検知された場合、その後、異常時停止状態へ移行する。例えば、遊技可能状態において異常が検知されると、異常時停止状態へ移行して遊技が不可能になる(図15(b)の矢印(E))。以上の異常時停止状態では、異常が検知された旨が報知される。
なお、詳細には後述するが、リール12が停止する非遊技期間で異常が検知された場合、直ちに異常時停止状態へ移行する。一方、リール12が変動する期間に異常が検知された場合、直ちには異常時停止状態へ移行しない。以上の場合、全てのリール12が停止した後に異常時停止状態へ移行する。また、検知された異常の種類によっては、異常時停止状態へ移行しない。例えば、上述の扉異常が検知された場合、異常時停止状態へ移行せず、遊技可能状態が継続する。
本実施形態では、コンプリート状態においても各種の異常が検知される。また、コンプリート状態において異常が検知されると、遊技可能状態において異常が検知された場合と同様に、異常時停止状態へ移行する(図15(b)の矢印(F))。仮に、コンプリート状態において異常が検知されない構成(コンプリート状態から異常時停止状態へ移行しない構成)を想定する。以上の構成では、コンプリート状態において不正行為(例えば、センサを不正に取外す行為)が実行された場合であっても、当該不正行為が管理者に認識されない不都合が生じ易い。本実施形態の構成によれば、当該不都合が抑制されるという利点がある。
図16は、通常状態、事前報知状態、待機状態およびコンプリート状態において実行される各種の処理を説明するための図である。詳細には後述するが、遊技の進行を停止するために、コンプリート状態では一部の処理が実行されない。
図16における「メダル受付処理」とは、メダル投入部8に投入されたメダルを検出して、賭けメダルまたはクレジットを加算するためのメインCPU301の処理を意味する。図16に示す「メダル精算処理」とは、賭けメダルまたはクレジットとして記憶されたメダルを遊技者に払戻すためのメインCPU301の処理を意味する。「Cmy更新処理」とは、上述のMYカウンタCmyを更新するためのメインCPU301の処理を意味する。「指示機能関連処理」とは、メインCPU301が実行する指示機能に係る全ての処理を意味する。例えば、指示機能関連処理には、差枚数カウンタの更新処理(有利区間制御処理)、有利区間カウンタの更新処理、有利区間移行処理(非有利区間中処理)、周期開始時処理、バトル開始時処理、AT継続時処理およびAT終了時処理が含まれる。
図16における「異常関連処理」は、異常を検知するための処理、および、異常を検知した際に異常時停止状態へ移行させるためのメインCPU301の処理を意味する。「外部出力処理」は、予め定められた外部信号を遊技機1の外部に送信するためのメインCPU301の処理を意味する。「設定確認処理」は、設定キーが操作された際に設定確認モードへ移行させ、設定表示部36に設定値を表示するためのメインCPU301の処理を意味する。「メニュー表示処理」は、液晶表示装置30に上述のメニュー画像を表示し、メニュー画像を介して各種の操作(後述の遊技履歴を記録するための操作など)を受付けるためのサブCPU412の処理を意味する。
通常状態において、図16に示す各処理の全てが実行される。また、事前報知状態においても同様である。具体的には、通常状態と事前報知状態とでは、メインCPU301が実行可能な処理が原則共通する。例えば、通常状態と事前報知状態とでは、共通の指示機能関連処理が実行される。すなわち、通常状態と事前報知状態とでは、共通の抽選テーブル等を用いて指示機能関連処理が実行される。以上の構成では、通常状態と事前報知状態とで、AT状態の当選確率等は変化しない。
待機状態は、Cmy更新処理が実行されない点以外において、メインCPU301が実行可能な処理が通常状態と共通する。本実施形態では、待機状態へ一旦移行した場合、その後に獲得したメダル枚数によらず、ボーナス作動状態が終了した契機でコンプリート状態へ移行する。したがって、待機状態においてMYカウンタCmyを更新する必要はない。待機状態においてCmy更新処理が中止される本実施形態によれば、待機状態における不要な処理が省略できるという利点がある。ただし、待機状態においてもMYカウンタCmyが更新され得る構成としてもよい。
通常状態と待機状態とでは、共通の指示機能関連処理が実行される。具体的には、通常状態と待機状態とでは、共通の抽選テーブル等を用いて指示機能関連処理が実行される。なお、待機状態が終了すると出玉状態によらずコンプリート状態へ移行する。したがって、待機状態でAT状態に当選した直後にコンプリート状態へ移行する事態が生じ得るという事情がある。以上の事情を考慮して、待機状態において指示機能関連処理自体が中止される構成としてもよい。ただし、以上の構成では、例えばAT状態に当選した旨を報知する演出が実行されなくなり、待機状態における演出の面白味が低下する。したがって、待機状態であっても指示機能関連処理が実行される構成(例えば、本実施形態)が好適である。
図16に示す通り、コンプリート状態においても異常関連処理が実行される。具体的には、コンプリート状態において異常が検知されると、異常時停止状態へ移行する。さらに、コンプリート状態から異常時停止状態へ移行した場合、遊技可能状態から異常時停止状態へ移行した場合と同様に、異常を検知した旨の報知(以下「異常時報知」)が実行される。なお、遊技可能状態とコンプリート状態とで、異常時報知が実行される異常の種類が変化する構成としてもよい。例えば、上述の扉異常が遊技可能状態で検知された場合は異常時報知が実行され、コンプリート状態で検知された場合は異常時報知が実行されない構成としてもよい。
コンプリート状態では、通常状態と同様に、外部出力処理が実行される。例えば、異常が検知された場合、予め定められたセキュリティ信号が遊技機1の外部へ送信される。また、コンプリート状態へ移行した直後において、上述のセキュリティ信号が遊技機1の外部へ送信される(後述の図25参照)。コンプリート状態へ移行した場合と同様に、事前報知状態へ移行した場合にセキュリティ信号が遊技機1の外部へ送信される(同図参照)。また、本実施形態の遊技機1は、事前報知状態へ移行した契機で所定のコマンド(遊技中断コマンド)を試験装置へ送信可能に構成される(同図参照)。なお、仮にコンプリート状態で扉異常が検知された際に異常時報知が実行されない構成を採用した場合であっても、コンプリート状態で扉異常が検知された際にセキュリティ信号が送信される構成が好適である。
コンプリート状態では、通常状態と同様に、設定確認処理が実行される。仮に、コンプリート状態において設定確認処理が実行されない構成を想定する。すなわち、コンプリート状態では、設定キーを操作しても現在の設定値が確認できない構成を想定する。以上の構成では、コンプリート状態へ移行した際の設定値が正確に把握できない不都合が生じ得る。本実施形態によれば以上の不都合が抑制できる。なお、異常時停止状態では、コンプリート状態と同様に、設定キーの操作に応じて設定確認処理が実行される。
コンプリート状態では、通常状態と同様に、メニュー関連処理が実行される。仮に、コンプリート状態においてメニュー関連処理が実行されない構成を想定する。以上の構成では、コンプリート状態へ移行した後の期間において、後述の遊技履歴が記録できないという不都合が生じる。本実施形態によれば、以上の不都合が抑制できる。なお、異常時停止状態では、メニュー関連処理が実行されない。具体的には、異常時停止状態では、演出ボタン26の操作が無効になり、メニュー画像が表示されない。なお、コンプリート状態においてもメニュー関連処理が実行されない構成としてもよい。
図16に示す通り、コンプリート状態では、メダル受付処理が実行されない。したがって、新たな遊技を開始するための賭けメダルが設定できない。したがって、コンプリート状態では新たな遊技が開始できない。また、コンプリート状態へ移行すると、その直後に、クレジットのメダルが自動で精算される。メダルが自動で精算された後のコンプリート状態においては、そもそも精算すべき新たなメダルが受付けられないため、メダル精算処理が実行されることはない。同様に、コンプリート状態は遊技が実行不可能であるから、各遊技で実行されるCmy更新処理および指示機能関連処理は何れも実行されない。
図17(a)は、事前報知の具体例を説明するための図である。図17(a)には、事前報知状態において液晶表示装置30に表示される各画像の模擬図が示される。
図17(a)は、出玉状態がAT状態における各画像の具体例を示す。遊技可能状態では、液晶表示装置30の表示領域の略全域に遊技中画像が表示される。図17(a)に示す通り、AT状態では、遊技中画像のうちAT中画像Gaが表示される。AT中画像Gaは、例えば、キャラクタのアニメーション(当選エリアを示唆するアニメーションなど)および各種の情報(AT状態の残り遊技回数、AT状態におけるメダルの純増枚数など)を表示する。また、AT状態では、AT中画像Gaの前面側に指示画像Gsが表示される場合がある。上述した通り、AT状態(指示期間)においては打順ベルの正解押順を報知する報知演出X(1~4)が実行される(図13参照)。指示画像Gsは、報知演出Xにおいて表示され、打順ベルの正解押順を報知する。図17(a)は、「中左右」の押順が報知される報知演出X1を想定する。
以上の各画像(Ga、Gs)は、事前報知状態に移行する前の通常状態においても表示される。一方、事前報知状態では、図17(a)に示す通り、通常状態において表示される各画像に加え、事前報知画像Gjが表示される。以上の事前報知画像Gjは、事前報知状態である旨を報知するための画像であり、事前報知状態にわたり原則非表示ならない。また、事前報知画像Gjは、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数を報知する。例えば、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数が500枚の場合、図17(a)に示す通り、「コンプリート機能作動まで500枚」という文字列が事前報知画像Gjに表示される。以上の事前報知画像Gjは、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数に応じて表示態様が変化する。
図17(b)は、事前報知画像Gjの表示態様が変化する具体例を説明するための図である。事前報知画像Gjは、MYカウンタCmyの数値に応じて表示態様が変化する。例えば、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数(純増枚数)が500枚の場合、すなわち、MYカウンタCmyが数値「18500」の場合、上述した通り「コンプリート機能作動まで500枚」という文字列が事前報知画像Gjに表示される。また、MYカウンタCmyが数値「18500」から数値「18505」に加算されると(3枚賭けの遊技で8枚役が入賞すると)、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数が495枚になる。以上の場合、図17(b)に示す通り、「コンプリート機能作動まで500枚」という文字列に替えて「コンプリート機能作動まで495枚」という文字列が事前報知画像Gjに表示される。
その後、MYカウンタCmyが数値「18505」から数値「18503」に減算されると(3枚賭けの遊技で1枚役が入賞すると)、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数が497枚になる。以上の場合、図17(b)に示す通り、「コンプリート機能作動まで495枚」という文字列に替えて「コンプリート機能作動まで497枚」という文字列が事前報知画像Gjに表示される。事前報知画像Gjの表示態様は、コンプリート状態へ移行するまでの毎遊技において変化する。
以上の説明から理解される通り、事前報知画像Gjは、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数の定量的な変化を報知するための画像であると換言される。したがって、本実施形態の事前報知画像Gjによれば、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数を、事前報知状態の各時点で詳細に報知できる。
仮に、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数の定量的な変化が報知されない対比例を想定する。以上の対比例としては、事前報知画像Gjに替えて「もうすぐコンプリート状態です」というメッセージが事前報知状態にわたり表示される構成が考えられる。以上の対比例では、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数を事前報知状態の各時点で詳細に把握できないという不都合が生じ得る。本実施形態の事前報知画像Gjによれば、例えば上述の対比例と比較して、以上の不都合が抑制できる。
図17(c)は、コンプリート報知の具体例を説明するための図である。図17(c)には、コンプリート状態において液晶表示装置30に表示される各画像の模擬図が示される。
図17(c)に示す通り、コンプリート状態では、液晶表示装置30の表示領域の略全域にコンプリート画像Gcが表示される。コンプリート画像Gcは、コンプリート状態へ移行した旨を報知するための画像である。例えば、本実施形態のコンプリート画像Gcは「コンプリート機能作動中」というメッセージを表示する。また、上述した通り、コンプリート状態へ移行した遊技機は、翌日まで遊技されないという事情がある。以上の事情を考慮して、コンプリート状態へ移行した旨に加え、翌日まで遊技ができない旨を報知するコンプリート画像Gcが好適である。本実施形態のコンプリート画像Gcは「コンプリート機能作動中」というメッセージに加え「本日の遊技は終了しました」というメッセージを表示する。
ところで、本実施形態のサブCPU412は、遊技可能期間における遊技履歴をサブRAM414に記憶する。サブRAM414に記憶される遊技履歴としては、例えば、AT状態へ移行した回数、CZ状態へ移行した回数、および、予め定められた各ミッション(例えば、バトル状態中に強チェリーを当選させること)のうち達成したミッションの種類が含まれる。また、上述した通り、サブCPU412は、非遊技期間において演出ボタン26が操作されるとメニュー画像を液晶表示装置30に表示させる。メニュー画像を表示した後に、方向指定ボタン27および演出ボタン26が適宜に操作されると履歴コードが液晶表示装置30に表示される。以上の履歴コードとしては、遊技者の携帯端末により読取可能なQRコード(登録商標)が採用され得る。遊技者は、遊技を終了する際に履歴コードを表示させ、自身の携帯端末で当該履歴コードを読取ることで、遊技履歴を記録できる。
本実施形態のコンプリート状態では、演出ボタン26の操作に応じてメニュー画像が表示され、上述の履歴コードを液晶表示装置30に表示できる。以上の構成によれば、コンプリート状態へ移行した後であっても、遊技者は遊技履歴を記録できる。また、図17(c)に示す通り、コンプリート画像Gcには、演出ボタン26を操作することでメニュー画像を表示できる旨のメッセージが表示される。以上の構成によれば、コンプリート状態へ移行した後に、遊技者が遊技履歴を記録し損ねる不都合が抑制される。なお、異常時停止状態においては、演出ボタン26の操作は無効になり、メニュー画像(履歴コードを含む)は表示できない。
図17(d)には、待機状態において液晶表示装置30に表示される各画像の模擬図が示される。上述した通り、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達した際の遊技状態がボーナス作動状態の場合、事前報知状態から待機状態へ移行する。図17(d)に示す通り、本実施形態のボーナス作動状態では、遊技中画像としてボーナス中画像Gbが表示される。なお、ボーナス作動状態に表示される遊技中画像が出玉状態に応じて変化する構成としてもよい。以上の構成としては、例えば、各出玉状態において、当該出玉状態に対応する遊技中画像が遊技状態(内部中状態、非内部中状態、ボーナス作動状態)によらず表示される構成が考えられる。
本実施形態のボーナス作動状態では、通常状態と事前報知状態と待機状態とで共通のボーナス中画像Gbが表示される。図17(d)に示す通り、待機状態では事前報知画像Gjが非表示になり、待機中画像Gtが表示される。待機中画像Gtは、待機状態である旨を報知するための画像である。本実施形態の待機中画像Gtは「コンプリート機能作動待機中」の文字列を表示する。
図18(a)は、通常状態から事前報知状態へ移行し、その後、コンプリート状態へ移行する場合の具体例を説明するための図である。図18(a)には、各時点においてスピーカから出力される音、液晶表示装置30の表示領域全体に表示される画像、事前報知画像Gjが表示されるか否か、MYカウンタCmyの数値、事前報知フラグFjの状態(ON/OFF)、および、コンプリートフラグFcの状態(ON/OFF)が示される。上述した通り、事前報知フラグFjは、事前報知状態へ移行する数値「18500」にMYカウンタCmyが達した際にOFF状態からON状態へ変更される。また、コンプリートフラグFcは、コンプリート状態へ移行する閾値「19000」にMYカウンタCmyが達した際にOFF状態からON状態へ変更される。
図18(a)の具体例では、時点t1において、電源が投入された場合を想定する。また、図18(a)の具体例では、電源が投入された際に、設定変更操作およびクリア操作が実行されない場合を想定する。さらに、図18(a)の具体例では、電源が投入される以前において、コンプリートフラグFcがOFF状態の場合を想定する。
図18(a)に示す通り、電源が投入されると、液晶表示装置30に起動画像が表示される。起動画像は、例えば黒色の背景画像に「電源復旧中」というメッセージが表示される画像である。以上の起動画像は、予め定められた時間にわたり表示され、その後、遊技中画像に切替わる。また、電源が投入されると、起動音声が出力される。起動音声は、例えば「電源復旧中です」という音声が採用され得る。以上の起動音声は、予め定められた回数だけ繰返し再生される。
上述した通り、電源が投入された直後の遊技可能状態は通常状態になる(ただし、Fc=OFFの場合)。具体的には、電源が投入された契機で、MYカウンタCmyは数値「0」に初期化され、事前報知フラグFjはOFF状態にクリアされる。したがって、図18(a)に示す通り、電源が投入された時点t1におけるMYカウンタCmyは数値「0」になる。また、時点t1において事前報知画像Gjは非表示になる。
通常状態の各遊技においてMYカウンタCmyが更新される。例えば、図18(a)の具体例では、規定枚数である3枚のメダルを使用した遊技が時点t2において終了し、8枚のメダルが払出された場合を想定する。以上の場合、時点t2においてMYカウンタCmyに数値「5」が加算される。
図18(a)の具体例では、時点t3においてMYカウンタCmyが数値「18500」に達した場合を想定する。以上の場合、時点t3において事前報知フラグFjがOFF状態からON状態に変更され、通常状態から事前報知状態へ移行して事前報知画像Gjの表示が開始される。なお、本実施形態では、事前報知状態へ一旦移行した場合、その後にコンプリート状態へ移行するか、電源がOFF/ONされるまで(MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjが初期化されるまで)事前報知画像Gjが表示され続ける。したがって、例えば、MYカウンタCmyが数値「18500」に達した後に継続して減少した場合であっても事前報知画像Gjは非表示にならない。
以上の構成によれば、事前報知状態へ移行した後に、意図的に(例えば、指示された打順ベルの正解押順を無視して)MYカウンタCmyを減少させたとしても、当該事前報知状態を終了させることができないという利点がある。ただし、事前報知状態へ移行した後に、MYカウンタCmyが予め定められた閾値(例えば、数値「18450」)まで減少した契機で、事前報知状態から通常状態へ移行する構成としてもよい。以上の構成では、MYカウンタCmyが数値「18450」まで減少すると、事前報知フラグFjがON状態からOFF状態に変更される。そして、再度MYカウンタCmyが数値「18500」に達した際に、改めて事前報知フラグFjをONして事前報知画像Gjを再表示することとしてもよい。
図18(a)に示す通り、第1実施形態の事前報知状態では、遊技中画像(例えば、上述の図17(a)に示すAT中画像Ga)の前面側に事前報知画像Gjが表示される。以上の構成は、事前報知状態へ移行する前後において、液晶表示装置30における報知態様(表示される画像の内容)が変化するとも換言される。一方、事前報知状態へ移行する前後において、スピーカーから出力される音は変化しない。例えば、図18(a)の具体例では、事前報知状態へ移行する時点t3の前後で共通の遊技中音が出力される。すなわち、事前報知状態へ移行する前後において、スピーカーにおける報知態様(出力される音の種類、音量)は共通になる。
また、本実施形態では、メインCPU301が制御する各セグメント表示器(指示表示器16など)の報知態様は事前報知状態へ移行する前後で変化しない。しかし、当該セグメント表示器の態様が事前報知状態へ移行した契機で変化する構成としてもよい(後述の図39の変形例参照)。なお、本実施形態では、事前報知状態へ移行した際に、特別な音声が再生されない構成を採用した。しかし、事前報知状態へ移行した際に、その旨を報知する音声が出力される構成としてもよい。
図18(a)の具体例では、時点t4においてMYカウンタCmyが数値「19000」に達した場合を想定する。以上の場合、MYカウンタCmyが数値「19000」に達した時点t4においてコンプリートフラグがOFF状態からON状態へ変更される。また、図18(a)の具体例では、時点t4における遊技状態がボーナス作動状態以外(内部中状態、非内部中状態)の場合を想定する。以上の場合、時点t4の直後にコンプリート状態へ移行する。なお、上述した通り、遊技状態がボーナス作動状態においてコンプリートフラグがON状態へ変更されると、待機状態へ移行する(遊技可能状態が継続する)。
コンプリート状態へ移行すると、メイン制御基板300からサブ制御基板400(サブCPU412)へコンプリートコマンドが送信される。以上のコンプリートコマンドが送信されると、図18(a)に示す通り、コンプリート画像Gcが表示開始され、事前報知画像Gjが非表示になる。また、コンプリートコマンドが送信されると、サブCPU412は、コンプリート音声を出力させる。以上のコンプリート音声は「コンプリート機能が作動しました。本日の遊技は終了です。メダルが自動で精算されます。」というメッセージが採用され得る。ただし、コンプリート状態へ移行した契機で、特別な音(例えば、コンプリート音声)が出力されない構成としてもよい。
なお、上述した通り待機状態においてボーナス作動状態が終了した場合、コンプリート状態へ移行する。待機状態からコンプリート状態へ移行した場合、事前報知状態からコンプリート状態へ移行した場合と同様に、コンプリートコマンドが送信され、コンプリート音声が出力されるとともにコンプリート画像Gcの表示が開始される。
図18(b)は、コンプリート状態が解除される場合の具体例を説明するための図である。本実施形態では、上述のコンプリートフラグFcがON状態からOFF状態へ変更されるとコンプリート状態が終了し、通常状態(遊技可能状態)へ移行する。図18(b)には、各時点において表示される各画像、MYカウンタCmyの現在値、および、コンプリートフラグFcの状態が示される。図18(b)の具体例では、コンプリート状態(Fc=ON)の時点t1において電源が遮断され、その後の時点t2において電源が投入された場合を想定する。また、図18(b)の具体例では、設定変更操作が実行された場合を想定する。以上の場合、電源が投入された時点t2から設定変更モードへ移行する。
本実施形態では、電源が遮断された後の期間においても、コンプリートフラグFcの状態が保持される(バックアップされる)。また、電源が投入されてから設定変更モードが終了するまでの期間にわたり、コンプリートフラグFcの状態が維持される。例えば、図18(b)の具体例では、電源が投入された時点t1においてコンプリートフラグFcがON状態である場合を想定する。以上の場合、設定変更モードが終了する時点t3までコンプリートフラグFcがON状態になる。
MYカウンタCmyの数値は、コンプリート状態へ移行した後の期間においても維持される。図18(b)の具体例では、コンプリート状態へ移行した時点でMYカウンタCmyが数値「19003」の場合を想定する。以上の場合、コンプリート状態において、MYカウンタCmyが数値「19003」で維持される。また、MYカウンタCmyは、電源が遮断された後の期間においても保持される(バックアップされる)。さらに、MYカウンタCmyは、電源投入時に設定変更モードへ移行する場合、当該設定変更モードにおいても維持される。
図18(b)に示す通り、設定変更モードが終了すると(設定キーが非操作位置へ操作されると)、設定変更画像が遊技中画像に切替わる。また、設定変更モードが終了すると、コンプリートフラグFcがOFF状態に初期化される。具体的には、設定変更モードの前後において設定値が変更された場合に加え、設定変更モードの前後の設定値が共通(所謂「打ち直し」がされた場合)であっても、コンプリートフラグFcが初期化される。コンプリートフラグFcが初期化されると、通常状態(遊技可能状態)へ移行する。また、設定変更モードが終了すると、設定変更画像に替えて予め定められた遊技中画像が表示される(以下、当該遊技中画像を「特定ステージ画像」と記載する)。
ところで、仮に、設定変更モードへ移行した時点で、コンプリートフラグFcが初期化される構成を想定する。以上の構成では、設定変更モードの途中で(スタートレバー24が操作される前に)電源が遮断された場合であっても、コンプリートフラグFcが初期化される。したがって、例えばコンプリート状態を解除するためにスタートレバー24の操作が必須である構成(例えば本実施形態)と比較して、コンプリート状態を不正に解除する行為が簡単になるという不都合がある。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、設定変更モードの途中で(スタートレバー24が操作される前に)電源が遮断された場合、設定変更モードが終了するが、コンプリートフラグFcはON状態で維持される。すなわち、コンプリートフラグFcをクリアするために、設定キーの操作に加えてスタートレバー24の操作が必須になる。以上の本実施形態では、上述の不都合が抑制されるという利点がある。ただし、設定変更モードへ移行した時点で、コンプリートフラグFcが初期化される構成としてもよい。
図18(b)に示す通り、MYカウンタCmyは、電源投入時に設定変更モードへ移行する場合、設定変更モードが終了した時点で初期化される。なお、設定変更モードへ移行する前に(電源が投入された直後に)、MYカウンタCmyが数値「0」に初期化される構成としてもよい。また、電源が遮断された時点で、MYカウンタCmyが初期化される構成としてもよい。
図18(c)は、事前報知状態が解除される場合の具体例を説明するための図である。本実施形態では、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjが初期化されると事前報知状態が解除され通常状態へ移行する。電源投入時に設定変更モードへ移行しない場合、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjは電源が投入された時点で初期化される。したがって、電源がOFF/ONされると事前報知状態から通常状態へ移行する。図18(c)には、各時点において表示される各画像、MYカウンタCmyの現在値、事前報知フラグFjの状態、および、事前報知画像Gjが表示されるか否かが示される。
図18(c)の具体例では、MYカウンタCmyが数値「18545」まで加算された後に、時点t1において電源が遮断された場合を想定する。以上の具体例では、電源が遮断される時点t1まで事前報知状態であり事前報知画像Gjが表示される。その後の時点t2において電源が投入されると、予め定められた時間にわたり上述の起動画面が表示される。また、電源が投入された場合、MYカウンタCmyが数値「0」に初期化され、事前報知フラグFjがOFF状態に初期化され、事前報知画像Gjは非表示になり、通常状態が開始される。MYカウンタCmyが初期化された直後の遊技中画像は、上述の特定ステージ画像になる。
図18(d)は、コンプリート状態において電源がOFF/ONされた場合の他の具体例を説明するための図である。上述の図18(b)で説明した通り、コンプリート状態において電源が遮断され、その後、電源の投入時に設定キーが操作されると、設定変更モードへ移行してコンプリート状態が解除可能になる。図18(d)の具体例では、電源が投入された際に、設定キーが操作されない場合(設定変更モードへ移行しない場合)を想定する。
図18(d)の具体例では、コンプリート状態(Fc=ON)の時点t1において電源が遮断され、その後の時点t2において電源が投入された場合を想定する。以上の場合、電源が投入された時点t2から予め定められた時間にわたり起動画像が表示される。仮に、コンプリートフラグFcがOFF状態の場合、電源投入後に通常状態へ移行し、起動画像から遊技中画像に切替わる。一方、コンプリートフラグFcがON状態の場合(例えば、図18(d)の具体例)、電源投入後にコンプリート状態へ移行し、上述のコンプリートコマンドがメイン制御基板300からサブ制御基板400(サブCPU412)へ送信される。
電源投入時にコンプリートコマンドが送信されると、サブCPU412は、電源投入時以外で(遊技中に)コンプリートコマンドが送信された場合と同様な処理を実行する。具体的には、電源投入時にコンプリートコマンドが送信されると、サブCPU412は、コンプリート画像Gcを表示させ、コンプリート音声を出力させる。また、コンプリート状態では、演出用ランプ28がコンプリート態様になる。ただし、起動画像はコンプリート画像Gcより優先して表示される。したがって、図18(d)に示す通り、電源が投入された直後の期間では起動画像が表示され、その後、コンプリート画像Gcが表示される。また、起動音声はコンプリート音声より優先して出力される。したがって、図18(d)に示す通り、電源が投入された直後の期間では起動音声が出力され、その後、コンプリート音声が表示される。
以上の構成によれば、電源投入時にコンプリート状態である旨が確実に報知される。したがって、遊技機1のコンプリート状態が解除されない状態で、遊技場の営業が開始される不都合が抑制される。なお、コンプリート画像Gcが起動画像より優先して表示され、コンプリート音声が起動音声より優先して出力される構成としてもよい。
図19(a)から図19(e)は、事前報知状態における各画像の詳細を説明するための図である。上述した通り、事前報知状態へ移行してからコンプリート状態へ移行するまでの期間において、事前報知画像Gjが遊技中画像より優先して(前面側に)表示される。例えば、図19(a)は、事前報知状態において遊技中画像のうちAT中画像Gaが表示される具体例を想定する。図19(a)に示す通り、事前報知画像GjはAT中画像Gaより優先して表示される。ただし、事前報知状態へ移行してからコンプリート状態へ移行するまで期間において、遊技中画像以外(例えば、図19(b)に示す警告画像Ges)が表示される場合がある。以上の場合に表示される各画像を、図19(b)から図19(f)を用いて詳細に説明する。
図19(b)は、事前報知状態においてセンサ異常が検知された際に表示される各画像の模擬図である。上述した通り、メダル投入部8から投入されたメダルがメダルセンサ34SEで検知される。センサ異常は、メダルセンサ34SEにおける異常である。具体的には、予め定められた時間(例えば、0.6秒)にわたり、メダルセンサ34SEがON状態(物体を検知する状態)で維持された場合、遊技機1内部のメダル流路においてメダルの滞留が生じている(メダルが詰まっている)可能性が高い。本実施形態では、以上の場合においてセンサ異常を検知し、異常検知フラグFesをOFF状態からON状態に変更する。
詳細には後述するが、本実施形態では、メダル(賭けメダル、クレジット)を投入可能な非遊技期間(以下「メダル投入可能期間」)にわたり異常判定処理(第1異常判定処理)が繰返し実行される。また、最後のリール12の停止時にも異常判定処理(第2異常判定処理)が実行される。以上の異常判定処理の何れかが実行される時点において、異常検知フラグFesがON状態の場合、異常時停止状態へ移行する。例えば、メダル投入可能期間において、異常検知フラグFesがON状態に変化した場合(メダル詰まりが生じた場合)、直ちに異常時停止状態へ移行する。一方、仮にリール12が変動する期間において異常検知フラグFesがON状態に更新されたとしても、全てのリール12が停止するまでは異常時停止状態へ移行しない。
図19(b)の具体例は、事前報知状態においてセンサ異常が検知され、異常時停止状態へ移行した場合を想定する。以上の異常時停止状態では、図19(b)に示す通り、画像領域の略全体に警告画像Gesが表示される。警告画像Gesは、センサ異常が発生した旨を報知するための画像である。例えば、「センサ異常」という文字列が警告画像Gesに表示される。また、図19(b)に示す通り、事前報知画像Gjが警告画像Gesの前面側に表示される。すなわち、センサ異常が検知された際の異常時停止状態では、事前報知が実行される。
なお、センサ異常の異常時停止状態はリセット操作で解除される。また、リセット操作がされると、異常時停止状態へ移行する直前に表示されていた各画像が表示される。例えば、通常状態から異常時停止状態へ移行した場合、異常時停止状態が解除されると、異常時停止状態へ移行する直前に表示されていた遊技中画像が表示される。また、事前報知状態から異常時停止状態へ移行した場合、異常時停止状態が解除されると、異常時停止状態へ移行する直前に表示されていた遊技中画像に加え事前報知画像Gjが表示される。
図19(c)は、事前報知状態において扉異常が検知された際に表示される各画像の模擬図である。上述した通り、前面扉3が開放されると前面扉スイッチSW3がON状態になり扉異常が検知される。メインCPU301は、扉異常を検知すると、異常検知フラグFedをOFF状態からON状態へ変更する。上述した通り、各異常のうちセンサ異常が検知されると、異常検知フラグFesがON状態に変更され、その後、異常判定処理が実行されると異常時停止状態へ移行する。一方、扉異常が検知された契機では異常時停止状態へ移行せず、遊技可能状態が継続する。扉異常が検知されると、予め定められた時間にわたり警告音声が出力される。以上の警告音声としては「扉が開いています」という音声が採用され得る。
具体的には、扉異常が検知されると、リール12が変動しているか否かによらず、直ちに警告画像Gedが表示される。以上の警告画像Gedは、図18(c)に示す通り、前面扉が開放されている旨を報知するものである。また、事前報知状態において扉異常が検知されると、事前報知画像Gjおよび警告画像Gedの双方が表示される。図18(c)に示す通り、警告画像Gedは、事前報知画像Gjと重ならない位置に、遊技中画像(図18(c)の例ではGa)より前面側に表示される。
ただし、警告画像Ged(扉異常)が表示される期間において、警告画像Ges(センサ異常)が表示される期間と同様に、遊技中画像が表示されない構成としてもよい。なお、通常状態において各異常が検知された場合、事前報知状態において各異常が検知された場合と同様に(共通の契機および態様で)警告画像Gesおよび警告画像Gedが表示される。前面扉3が閉じられると、異常検知フラグFedがON状態からOFF状態に変更され、扉異常が非検知状態になる。また、扉異常が非検知状態になると警告画像Gedが非表示になる。以下、警告画像Ges、警告画像Ged、および、後述の警告画像Gehを総称して「警告画像Ge」と記載する場合がある。
図19(d)は、事前報知状態において設定確認モードへ移行した際に表示される各画像の模擬図である。上述した通り、設定キーを操作すると設定確認モードへ移行可能である。設定変更モードへ移行すると、設定確認中画像Gkが表示される。以上設定確認中画像Gkは、設定確認モード中である旨を報知するための画像である。本実施形態では、通常状態、事前報知状態、待機状態、コンプリート状態および異常時停止状態から設定確認モードへ移行可能である。
図19(d)に示す通り、事前報知状態において設定確認モードへ移行した場合、確認中画像Gkに加え、事前報知画像Gjが表示される。なお、設定確認モードが終了すると(設定キーが非操作位置に戻されると)、設定確認モードへ移行する直前に表示されていた各画像が表示される。例えば、通常状態から設定確認モードへ移行した場合、設定確認モード終了後において、設定確認モードへ移行する直前に表示されていた遊技中画像が表示される。また、事前報知状態から設定確認モードへ移行した場合、設定確認モード終了後において、設定確認モードへ移行する直前に表示されていた遊技中画像に加え事前報知画像Gjが表示される。コンプリート状態から設定確認モードへ移行した場合、設定確認モード終了後においてコンプリート画像Gcが表示される。異常時停止状態から設定確認モードへ移行した場合、設定確認モード終了後において、設定確認モードへ移行する直前に表示されていた警告画像Geが表示される。
図19(e)は、事前報知状態においてデモ演出モードへ移行した際に表示される各画像の模擬図である。本実施形態では、予め定められた時間(例えば30秒間)にわたり非遊技期間において遊技操作がされない場合、デモ演出モードへ移行する。具体的には、予め定められた時間の非遊技期間にわたり賭けメダルが投入されない契機で、デモ演出モードへ移行する。デモ演出モードへ移行すると、デモ演出画像Gdが表示される。以上のデモ演出画像Gdは、デモンストレーションの動画像を含む画像である。デモ演出モードは、通常状態および事前報知状態から移行可能である。ただし、コンプリート状態および待機状態からデモ演出モードへ移行可能にしてもよい。
図19(e)に示す通り、事前報知状態においてデモ演出モードへ移行した場合、デモ演出画像Gdに加え、事前報知画像Gjが表示される。仮に、デモ演出モードにおいて事前報知画像Gjが表示されない構成を想定する。以上の構成では、コンプリート状態へ移行し得る事前報知状態であることを知らず、新たな遊技者がデモ演出モードにおいて遊技を開始する場合がある。以上の場合、遊技の公正が害される不都合が生じ得る。本実施形態によれば、デモ演出モードにおいて事前報知状態である旨が報知されるため、上述の不都合が抑制されるという利点がある。ただし、デモ演出モードにおいて事前報知画像Gjが非表示になる構成としてもよい。
ところで、上述した通り、事前報知状態では遊技中画像の前面側に事前報知画像Gjが表示される。また、遊技中画像は、複数種類設けられ、例えば出玉状態に応じて切替わる。すなわち、事前報知画像Gjの背面側に表示される遊技中画像は変化するという事情がある。しかし、以上の構成では、遊技中画像の種類によっては、当該遊技中画像の前面側に表示される事前報知画像Gjが視認し難くなり得る。
従来技術では、デモ演出モードにおける一連の画像が表示されると、遊技中画像が再度表示されるのが通常である。しかし、以上の従来技術では、デモ演出モードの各画像が表示された後に遊技中画像が表示される非遊技期間において、新たな遊技者が遊技を開始する場合がある。以上の場合、当該遊技中画像によっては、事前報知画像Gjが見落とされる上述の不都合が顕在化するという事情がある。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、デモ演出モードへ移行した場合、その後、新たな遊技を開始するための賭けメダルが投入されるまでは、デモ演出モードが終了しない構成を採用した。具体的には、デモ演出モードでは、上述のデモンストレーションの動画像、遊技機1のタイトルを表示する画像、遊技機1を販売したメーカーの名称を表示する画像などが予め定められた順序で表示される。本実施形態では、デモ演出モードにおける全ての画像が表示されると、デモ演出モードの各画像が最初から順番に繰返し表示される。以上の構成によれば、デモ演出モードへ移行した後の非遊技期間において遊技中画像が表示されないため、上述の不都合が抑制されるという利点がある。ただし、非遊技期間において、デモ演出モードの各画像と遊技中画像とが交互に表示される構成としてもよい(上述の従来技術を採用してもよい)。
図19(f)は、事前報知状態においてホッパーエンプティが検知された際に表示される各画像の模擬図である。上述した通り、当選役が入賞すると、当該当選役に応じたメダルがホッパー520から払出される。ただし、ホッパー520にメダルが無い場合はメダルが払出せない。本実施形態では、ホッパー520がメダルの払出動作を実行している際に、予め定められた時間にわたり新たなメダルが払出せない場合、ホッパーエンプティを検知する。ホッパーエンプティが検知されると、異常時停止状態へ移行し、遊技中画像に替えて警告画像Gehが表示される。図19(f)に示す通り、警告画像Gehは、ホッパーエンプティが検知された旨を表示する。
図19(f)に示す通り、事前報知状態においてホッパーエンプティが検知された際の異常時停止状態では、事前報知画像Gjが表示されない。すなわち、ホッパーエンプティが検知された場合、事前報知画像Gjが非表示になる。以上の本実施形態は、検知された異常の種類に応じて、事前報知画像Gjが表示される異常時停止状態(図19(b)参照)と事前報知画像Gjが表示されない異常時停止状態(図19(f)参照)とが設けられるとも換言される。ホッパーエンプティは、ホッパー520にメダルを補給した後にリセット操作をすることで解消される。ホッパーエンプティが解消されると、ホッパーエンプティが検知された直前の遊技中画像および事前報知画像Gjが表示される。
図20(a)から図20(d)は、コンプリートフラグFcがON状態の期間において表示される各画像の詳細を説明するための図である。図20(a)は、コンプリートフラグFcがON状態の期間において、異常が検知されない場合の各画像の模擬図である。以上の場合、上述の図17(c)を用いて説明した通り、コンプリート状態である旨を報知するコンプリート画像Gcが表示される。
図20(b)は、コンプリート状態において、扉異常が検知された場合の各画像の模擬図である。コンプリート状態において、扉異常が検知されると、上述の警告画像Gedが表示される。図20(b)に示す通り、以上の警告画像Gedはコンプリート画像Gcの前面側に表示される。また、コンプリート状態へ移行した直後において、コンプリート音声が再生される。本実施形態では、コンプリート音声が出力される期間において、扉異常が検知されると、コンプリート音声が消音され、扉異常を報知する警告音声が優先して出力される。
なお、扉異常を報知する警告音声よりコンプリート音声が優先して出力される構成としてもよい。また、コンプリート状態において、警告画像Gedが表示される期間と非表示になる期間とが交互に繰返される(点滅表示する)構成としてもよい。以上の構成では、扉異常の検知状態においてもコンプリート画像Gcの全体が視認できるという利点がある。
図20(c)は、コンプリート状態において設定確認モードへ移行した際に表示される各画像の模擬図である。コンプリート状態において設定確認モードへ移行すると、コンプリート画面Gcに替えて設定確認中画像Gkが表示される。すなわち、設定変更モードでは、コンプリート状態である旨の報知が一時的に停止される。図20(c)の具体例において、設定確認モードが終了すると(設定キーが非操作位置に戻されると)、設定確認中画像Gkに替えてコンプリート画像Gcが再度表示される。
図20(d)は、コンプリート状態において、センサ異常が検知された場合の各画像の模擬図である。コンプリート状態において、センサ異常が検知されると、異常時停止状態へ移行し、上述の警告画像Gesが表示される。具体的には、警告画像Gesは、液晶表示装置30の表示領域の略全体に表示される。したがって、コンプリート状態において、センサ異常が検知されるとコンプリート画像Gcは非表示になる。異常時停止状態がリセット操作で解除されコンプリート状態へ復帰すると、警告画像Gesに替えてコンプリート画像Gcが再度表示される。
図20(e)は、本実施形態の変形例を説明するための図である。上述の図20(d)で説明した本実施形態では、センサ異常が検知された際の異常時停止状態において、コンプリート報知が一時的に停止された。一方、図20(e)の変形例では、センサ異常が検知された際の異常時停止状態においてもコンプリート報知が継続する。
具体的には、当該変形例では、コンプリート状態においてコンプリート画像Gcが表示され、コンプリート状態から異常時停止状態へ移行すると、コンプリート画像Gcに替えて警告画像Gesが表示される(本実施形態と同様)。ただし、当該変形例では、図20(e)に示す通り、異常時停止状態において、警告画像Gesに加えコンプリート画像Gcxが表示される。以上のコンプリート画像Gcxは、コンプリート状態へ移行した旨を報知するための画像であり、警告画像Gesの前面側に表示される。コンプリート画像Gcxは、警告画像Gesより小さいため、異常時停止状態において各画像の双方が視認できる。
また、上述の図20(c)で説明した本実施形態では、設定確認モードへ移行した際にコンプリート報知が一時的に停止されたが、設定確認モードにおいてコンプリート報知が継続する構成としてもよい。例えば、図20(e)で説明したコンプリート画像Gcxが設定変更モードにおいて表示される構成としてもよい。なお、本実施形態では、扉異常を検知した場合、コンプリート報知が継続する構成とした。以上の構成に替えて、扉異常を検知した場合、センサ異常を検知した場合(図20(d)参照)と同様にコンプリート報知が一時的に停止される構成としてもよい。
以上の通り、本実施形態では各種の異常が検知される。また、各異常の何れかが検知されると、当該異常に対応する異常検知フラグFeがON状態に変更される。以上の異常検知フラグFeは、メインRAM303に記憶される。本実施形態の異常検知フラグFeには、上述の異常検知フラグFes(センサ異常)および異常検知フラグFed(扉異常)に加え、異常検知フラグFer(RAM異常)が含まれる。
以上の異常検知フラグFerは、RAM異常が検知されるとON状態に変更される。具体的には、メインCPU301は、電源が投入された契機でメインRAM303の各情報が破壊されたか否かをチェックする。より具体的には、電源が遮断されるときにメインRAM303内に記憶されていた各情報と当該各情報の合計値(チェックSUM)とを、電源の遮断中にも一定期間に亘って保持可能であって、電源が投入されたときに再度当該各情報の合計値を算出する。このとき、電源が遮断されるときに記憶した合計値と、電源が投入されたときに再度算出された合計値とが合致しない場合に、メインRAM303内に記憶されている情報が破損していると判断し、RAM異常を検知する。仮に、メインRAM303の各情報が破壊されたと判断した場合、メインCPU301は、異常検知フラグFerをOFF状態からON状態に変更する。
以上の通り、本実施形態では、MYカウンタCmy、事前報知フラグFj、異常検知フラグFe(s、d、r)を含む各種の情報がメインRAM303に記憶される。また、メインRAM303には、現在の遊技状態(非内部中状態など)を示す遊技状態フラグ、および、指示表示器16の指示に係る指示機能関連情報が記憶される。以上の指示機能関連情報には、現在の出玉状態(非有利区間など)を示す出玉状態フラグ、有利区間カウンタ、差枚数カウンタを含む各種の情報が含まれる。以下、説明のため、遊技状態フラグおよび指示機能関連情報(遊技性に関する情報)を「遊技制御情報」と総称する場合がある。
さらに、メインRAM303には、メイン表示器40に各遊技情報(役物比率など)を表示するための各種の情報(上述の図12(a)参照)が記憶される。以下、メイン表示器40に各遊技情報を表示するための各種の情報を「性能情報」と総称する場合がある。以上のメインRAM303の各情報は、各種の契機でクリア(初期化)される。ただし、各情報がクリアされる契機は相違する場合がある。以上の構成について以下において詳細に説明する。
図21は、メインRAM303が記憶する各情報がクリアされる各契機の具体例を説明するための図である。図21には、メインRAM303が記憶する情報毎に当該情報がクリアされる契機が示される。なお、上述した通り、クリア操作および設定変更操作には電源投入操作が含まれる。したがって、電源が投入された契機でクリアされる各情報は、クリア操作および設定変更操作においてもクリアされる。
図21に示す通り、リセット操作を契機に異常検知フラグFes(センサ異常)がクリアされる(OFF状態に変更される)。以上の構成では、センサ異常が検知され異常時停止状態へ移行した場合、リセット操作により異常検知フラグFesをクリアすることで異常時停止状態を解除できる。一方、図21に示す各情報のうち異常検知フラグFes以外の各情報は、リセット操作ではクリアされずに維持される。例えば、コンプリート状態においてリセット操作をした場合、コンプリートフラグFcはON状態で維持され、コンプリート状態は解除されない。
図21に示す通り、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjは、電源投入を契機にクリアされる。詳細には後述するが、メインCPU301は、電源投入を契機に復旧処理を実行する。復旧処理において、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjがクリアされる。以上の構成では、電源が投入された契機で、事前報知状態が解除され通常状態へ移行する。本実施形態では、MYカウンタCmyがクリアされる契機と事前報知フラグFjがクリアされる契機とは共通する。図21に示す各情報のうちMYカウンタCmyおよび事前報知フラグFj以外の各情報は、復旧処理においてクリアされずに維持される。例えば、コンプリート状態において電源をOFF/ONをした場合、コンプリートフラグFcはON状態で維持され、コンプリート状態は解除されない。
図21に示す通り、MYカウンタCmy、事前報知フラグFj、異常検知フラグFes(センサ異常)および遊技制御情報は、クリア操作によりにクリアされる。以上の構成では、クリア操作されると、センサ異常が検知された際の異常時停止状態が解除される。また、クリア操作されると、遊技状態が非内部中状態へ移行し、指示機能に係る各情報がクリアされる。例えば、出玉状態が非有利区間へ移行し、有利区間カウンタおよび差枚数カウンタに初期値が設定される。
図21に示す各情報のうちMYカウンタCmy、事前報知フラグFj、異常検知フラグFes(センサ異常)および遊技制御情報以外の各情報は、クリア操作によってはクリアされずに維持される。例えば、コンプリート状態においてクリア操作をした場合、コンプリートフラグFcはON状態で維持され、コンプリート状態は解除されない。
設定変更操作が実行されると、図21に示す各情報のうち性能情報以外がクリアされる。ただし、設定変更操作により性能情報がクリアされる場合がある。具体的には、図21に示す通り、異常検知フラグFer(RAM異常)がON状態である場合とOFF状態である場合とで、設定変更操作によりクリアされる情報の種類が変化する。例えば、異常検知フラグFerがOFF状態の場合、設定変更操作を契機に、性能情報以外(コンプリートフラグFcを含む)の各情報がクリアされる。一方、異常検知フラグFerがON状態の場合、設定変更操作を契機に、性能情報を含む全ての情報がクリアされる。以上の構成では、設定変更操作を契機に、コンプリートフラグFcがOFF状態に初期化され、コンプリート状態が解除される。
以上の説明から理解される通り、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjは電源投入を契機にクリアされる一方、コンプリート状態は電源が投入された際に維持される。また、コンプリート状態は、異常検知フラグFes(センサ異常)をクリアするリセット操作では解除されないが、異常検知フラグFer(RAM異常)がクリアされる設定変更操作では解除される。
図22(a)は、メインRAM303の各情報が初期化される具体例を説明するための図である。図22(a)には、各時点における各情報の内容(数値)が示される。なお、図22(a)において、MYカウンタは「Cmy」、事前報知フラグを「Fj」、有利区間カウンタは「Cy」、差枚数カウンタは「Cx」、遊技状態フラグは「Fy」、出玉状態フラグは「Fx」、コンプリートフラグは「Fc」と示す。後述の図22(b-1)、図22(b-2)および図22(c)においても同様である。
図22(a)の具体例では、時点t1においてMYカウンタCmyが数値「19000」に達し、コンプリートフラグFcがOFF状態からON状態へ更新された場合を想定する。また、コンプリート状態へ移行する直前の出玉状態はAT状態であり、遊技状態は内部中状態の場合を想定する。コンプリートフラグがOFF状態からON状態へ更新された際の遊技状態が内部中状態(ボーナス作動状態以外)の場合、直ちにコンプリート状態へ移行する。図22(a)の具体例では、前回の設定変更処理で設定値「6」が決定された場合を想定する。
図22(a)に示す通り、コンプリート状態へ移行した後の期間において、MYカウンタCmyは維持される。また、図22(a)に示す通り、有利区間カウンタCy、差枚数カウンタCx、遊技状態フラグFyおよび出玉状態フラグFxは、コンプリート状態へ移行した前後において変化しない。以上の各情報は、電源遮断中においても維持(バックアップ)され、電源投入時の設定変更処理が完了した契機でクリアされる。
例えば、図22(a)の具体例では、電源が遮断された時点t2から電源が投入された時点t3までの期間において有利区間カウンタCy、差枚数カウンタCx、遊技状態フラグFyおよび出玉状態フラグFxはバックアップされる。また、電源が投入されてから設定変更処理が終了する時点t4までの期間において以上の各情報が維持され、時点t4において各情報がクリアされる。
ところで、上述した通りコンプリート状態は、遊技停止状態であり、且つ、設定変更処理が完了するまで原則は解除されない。また、有利区間カウンタCy、差枚数カウンタCx、遊技状態フラグFyおよび出玉状態フラグFxは、設定変更処理が完了した契機でクリアされてしまう。すなわち、以上の各情報は、コンプリート状態へ移行した後の期間では、クリアされるまで遊技において参照されることはない。したがって、以上の各情報をコンプリート状態へ移行した時点でクリアする構成であっても、遊技者には何ら不利益が無い。以上の事情を考慮して、コンプリート状態へ移行した契機で有利区間カウンタCy、差枚数カウンタCx、遊技状態フラグFyおよび出玉状態フラグFxをクリアする構成としてもよい。
ただし、有利区間カウンタCy、差枚数カウンタCx、遊技状態フラグFyおよび出玉状態フラグFxがクリアされる契機が多い程、以上の各情報が意図せずに(動作不良などにより)クリアされ易くなるという事情がある。したがって、以上の各情報がクリアされる契機は不必要に増加させない方がよい。具体的には、遊技機1の管理者による操作(クリア操作など)以外では、非有利区間へ移行する契機を除き、上述の各情報がクリアされない構成(例えば、本実施形態)が好適である。
図22(a)に示す通り、コンプリート状態へ移行する前後において設定値は維持される。なお、コンプリート状態へ移行した場合、その後、設定値が変更されるまで遊技可能状態へ移行しない。したがって、コンプリート状態へ移行した時点の設定値は、その後、遊技において参照されることはない。以上の事情を考慮して、コンプリート状態へ移行した時点で、設定値を初期化する構成としてもよい。ただし、以上の構成では、コンプリート状態において設定値が確認できないという事情がある。本実施形態では、コンプリート状態へ移行してから設定変更処理が完了するまでの期間において、コンプリート状態へ移行した際の設定値が維持される。したがって、コンプリート状態においても設定値が確認できるという利点がある。
図22(b-1)は、メインRAM303の各情報が初期化される他の具体例を説明するための図である。図22(b-1)の具体例では、時点t1においてMYカウンタCmyが数値「19000」に達し、コンプリートフラグがOFF状態からON状態へ更新された場合を想定する(上述の図22(a)と同様)。また、コンプリート状態へ移行する直前の出玉状態は周期中状態であり、遊技状態はボーナス作動状態の場合を想定する。コンプリートフラグがOFF状態からON状態へ更新された際の遊技状態がボーナス作動状態の場合は待機状態へ移行する。
上述した通り、待機状態は遊技可能状態であり、各遊技でメダルが使用され、メダルが払出される。ただし、図22(b-1)に示す通り、待機状態において、MYカウンタCmyは更新されずに維持される。また、本実施形態では、1回の遊技でMYカウンタCmyに加算される最大値は数値「5」である。以上の構成では、MYカウンタCmyの最大値は数値「19004」になる。したがって、MYカウンタCmyは、数値「19004」が計数可能なデータサイズにすれば足りる。
仮に、待機状態においてMYカウンタCmyが更新される構成を想定する。以上の構成では、MYカウンタCmyの最大値を数値「19004」より大きくする必要がある。以上の説明から理解される通り、待機状態へ移行した契機でMYカウンタCmyの更新を停止する本実施形態によれば、MYカウンタCmyのデータサイズを削減できるという利点がある。ただし、待機状態においてMYカウンタCmyが更新される構成としてもよい。
本実施形態では、待機状態へ移行する前後で、指示機能に係る処理(Cy、Cx、の更新処理等を含む)が共通である。以上の本実施形態では、図22(b-1)に示す通り、待機状態へ移行した後の期間においても有利区間カウンタCyおよび差枚数カウンタCxが更新される(通常状態および事前報知状態と同様)。また、待機状態においても出玉状態が移行し得る。
図22(b-2)は、メインRAM303の各情報が初期化される他の具体例を説明するための図である。上述の図22(b-1)の具体例では、待機状態において電源が遮断され、その後、電源投入時に設定変更処理が実行された場合を想定した。図22(b-2)の具体例では、待機状態が終了した後のコンプリート状態において電源が遮断され、その後、電源投入時に設定変更処理が実行された場合を想定する。
具体的には、図22(b-2)は、時点t1より前のボーナス作動状態において、コンプリートフラグFcがON状態に変更され待機状態へ移行した場合を想定する。また、図22(b-2)は、時点t1においてボーナス作動状態が終了して非内部中状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、時点t1において、待機状態からコンプリート状態へ移行する。また、図22(b-2)は、時点t2において電源が遮断され、その後の時点t3において電源が投入され設定変更モードへ移行した場合を想定する。図22(b-2)に示す通り、時点t1から時点t3以降の期間において、MYカウンタCmyを含む各情報は維持される。図22(b-2)の具体例では、時点t4において設定変更モードが終了した場合を想定する。以上の場合、時点t4において、MYカウンタCmyを含む各情報が初期化される。
図22(c)は、メインRAM303の各情報が初期化される他の具体例を説明するための図である。図22(c)の具体例では、時点t1においてMYカウンタCmyが数値「19000」に達し、コンプリートフラグがOFF状態からON状態へ更新された場合を想定する(上述の図22(a)および図22(b-1)と同様)。以上の場合、時点t1の遊技状態(ボーナス作動状態であるか否か)に応じてコンプリート状態または待機状態へ移行する。
図22(c)の具体例では、コンプリート状態または待機状態の時点t2において電源が遮断され、その後の時点t3において電源が投入された場合を想定する。また、図22(c)の具体例では、電源投入時において設定変更処理が実行されない場合を想定する。以上の場合、図22(c)に示す通り、電源投入後においてコンプリートフラグFcはON状態で維持される。また、電源遮断時の遊技状態は維持され、その後の電源投入時において、遊技状態に応じてコンプリート状態または待機状態へ移行する。
具体的には、電源投入時にコンプリートフラグFcがON状態の場合、ボーナス作動状態では待機状態へ移行し、ボーナス作動状態以外ではコンプリート状態へ移行する。なお、上述した通り、クリア操作ではコンプリートフラグFcはクリアされないが遊技状態は非内部中状態になる。したがって、クリア操作が実行された場合、電源遮断時において待機状態であっても、コンプリート状態へ移行する。仮に、クリア操作によりコンプリートフラグFcがクリアされる構成(例えば、後述の変形例)を想定する。以上の構成では、電源遮断時において待機状態であっても、クリア操作により通常状態へ移行する。
本実施形態では、電源投入時において、コンプリートフラグFcがクリアされない場合であっても、MYカウンタCmyはクリアされる。以上の構成では、電源投入時のコンプリートフラグFcに応じて、MYカウンタCmyがクリアされる場合とクリアされない場合とがある構成と比較して、処理が簡潔になるという利点がある。ただし、コンプリートフラグFcがON状態である期間においては、電源投入を契機にMYカウンタCmyがクリアされない構成としてもよい。具体的には、電源投入を契機に後述の起動処理(復旧時初期化処理)が実行される(図26(a)および図26(c)参照)。以上の復旧時初期化処理において、MYカウンタCmyは初期化される。以上の構成において、コンプリートフラグFcがOFF状態の場合は復旧時初期化処理においてMYカウンタCmyが初期化される一方、コンプリートフラグFcがON状態の場合は復旧時初期化処理においてMYカウンタCmyが初期化されない構成としてもよい。
図23(a)は、事前報知が実行される期間の具体例を説明するための図である。図23(a)には、各時点における事前報知画像Gjの有無が示される。また、図23(a)には、各時点における異常検知フラグFes(センサ異常)の状態(ON/OFF)、各時点において出力される音、各時点における演出用ランプ28の点灯態様、各時点において液晶表示装置30の表示領域の全体に表示される画像、および、MYカウンタCmyの数値が示される。
また、図23(a)には、リール12が変動する期間と停止する期間とが示される。図23(a)の具体例では、遊技の開始操作が実行され、時点t1において各リール12が始動した場合を想定する。また、時点t1の以前から事前報知状態へ移行していた場合を想定する。以上の場合、時点t1の前後の期間にわたり事前報知画像Gjが継続して表示される。図23(a)に示す通り、時点t1から遊技中画像が表示され、当該遊技中画像に対応する遊技中音が出力され、当該遊技中画像に対応する遊技中態様で演出用ランプ28が点灯する。図23(a)の具体例では、時点t1においてセンサ異常の検知状態ではない(Fes=OFF)場合を想定する。
図23(a)の具体例では、各リール12が変動中の時点t2において、センサ異常が発生し、異常検知フラグFesがOFF状態からON状態へ変更された場合を想定する。上述した通り、各リール12が停止するメダル投入可能期間において、異常検知フラグFesがON状態に変化した場合、直ちに異常時停止状態へ移行する。また、各リール12が停止する期間では、センサ異常が検知されると、遊技中画像に替えて警告画像Gesが直ちに表示される(図19(b)参照)。一方、リール12が変動する期間において異常検知フラグFesがON状態に更新された場合(例えば、図23(a)の具体例)、全てのリール12が停止するまでは異常時停止状態へ移行しない。
ところで、従来から、各リール12が変動する期間において、センサ異常が検知されると、遊技中画像に替えて警告画像Gesを直ちに表示し、例えば「リールを止めて下さい」というメッセージを表示する技術が知られている。以上の従来技術では、警告画像Gesが他の全ての画像より優先して(前面側に)表示されるのが通常であった。以上の従来技術において事前報知画像Gjを採用した場合、事前報知画像Gjより警告画像Gesが前面側に表示される。したがって、各リール12の変動中にセンサ異常を検知した時点から、事前報知画像Gjが警告画像Gesにより視認できない。
しかし、各リール12の変動中にセンサ異常を検知した時点から全てのリール12が停止する時点までの期間は、短い時間ではあるが、遊技(停止操作)が可能な期間である。また、事前報知画像Gjは、遊技の公正を担保するという観点から、遊技が可能な全ての期間において表示されるのが好適である。以上の事情を考慮して、本実施形態では、センサ異常が検知された時点t2から全てのリール12が停止する時点t3までの期間において、時点t2以前の期間と同様に、事前報知画像Gjが表示される構成を採用した。
なお、従来技術において、警告画像Gesの優先順位を敢て下げることにより、各リール12の変動中において警告画画像Gesの前面側に事前報知画像Gjを表示する構成としてもよい。しかし、以上の構成では、警告画像Gesにより事前報知画像Gjの視認性が低下するという不都合が生じ得る。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、各リール12の変動中にセンサ異常が検知された場合であっても、全てのリール12が停止するまで(異常時停止状態へ移行するまで)は警告画像Gesが表示されない構成を採用した。具体的には、図23(a)に示す通り、センサ異常が検知された時点t2から全てのリール12が停止する時点t3までの期間において、時点t2以前の期間と同様に、遊技中画像が表示される構成を採用した。以上の構成によれば、上述の不都合が抑制されるという利点がある。
また、本実施形態では、センサ異常が検知された時点t2から全てのリール12が停止する時点t3までの期間において、時点t2以前の期間と同様に、演出用ランプ28は遊技中態様で点灯し、遊技中音が出力される構成を採用した。なお、本実施形態において、リール12の回転中にセンサ異常が検知された以降の期間において、遊技中画像が表示される一方、演出用ランプ28が警告態様で点灯し、警告音が出力される構成としてもよい。
図23(a)に示す通り、全てのリール12が停止した時点t3において異常検知フラグFes(センサ異常)がON状態の場合、異常時停止状態へ移行する。また、異常時停止状態へ移行すると、警告音が出力され、演出用ランプ28が警告態様となり、遊技中画像に替えて警告画像Gesが表示される。図23(a)に示す通り、事前報知状態から異常時停止状態へ移行した場合、事前報知画像Gjが継続して表示される。以上の構成によれば、事前報知状態へ移行済みである旨を異常時停止状態において把握できる。
ところで、上述した通り、センサ異常を検知した際の異常時停止状態は、リセット操作(電源OFF/ONする必要なし)であってもクリア操作(電源OFF/ONする必要あり)であっても解除できる。ただし、リセット操作では事前報知状態は維持されるが、クリア操作では事前報知状態が終了してしまう。仮に、異常時停止状態において事前報知が実行されない(事前報知画像Gjが表示されない)構成を想定する。以上の構成では、遊技機1の管理者(遊技場の店員)によっては、異常時停止状態を解除する際に、クリア操作により事前報知状態を終了してしまう不都合が想定される。本実施形態では、センサ異常が検知された際の異常時停止状態において事前報知画像Gjが表示されるため、以上の不都合が抑制されるという利点がある。
図23(a)の具体例では、時点t3において8枚ベルの図柄組合せが有効ラインに停止した場合を想定する。詳細には後述するが、当選役が入賞すると、クレジットの加算処理またはホッパー520に払出動作を実行させる処理(以下「払出処理」と総称する)が完了した後に、MYカウンタCmyが加算される。ただし、リール12の変動中にセンサ異常が検知されていた場合、払出処理が開始される前に、異常時停止状態へ移行する。以上の構成では、リール12の変動中にセンサ異常が検知されていた場合、有効ラインに停止表示された図柄組合せによらず、異常時停止状態が解除されるまでMYカウンタCmyが更新されない。
図23(a)の具体例では、時点t3において8枚ベルの図柄組合せが有効ラインに停止した後に、異常時停止状態へ移行し、当該異常時停止状態がリセット操作により時点t4において解除された場合を想定する。以上の場合、払出処理が時点t4から開始され時点t5に完了する。また、時点t5においてMYカウンタCmyに数値「5」が加算される。なお、図23(a)においては、MYカウンタCmyが数値「N」から数値「N+5」に加算された場合を想定する。数値「N+5」は、コンプリート状態へ移行する閾値「19000」未満である(N+5<19000)。したがって、図23(a)の具体例では、時点5においてコンプリート状態へ移行しない。
図23(a)に示す通り、異常時停止状態が解除された時点t4において、警告画像Gesが遊技中画像に切替わり、遊技中音が出力され、演出用ランプ28が遊技中態様になる。なお、異常時停止状態が解除された時点t4に替えて、払出処理が完了した時点t5から遊技中画像が表示され、遊技中音が出力され、演出用ランプ28が遊技中態様になる構成としてもよい。以上の構成では、時点t4から時点t5までの期間において、警告画像Gesが表示され、警告音が出力され、演出用ランプ28が警告態様で点灯する。
図23(b)は、事前報知が実行される期間の他の具体例を説明するための図である。図23(b)には、上述の図23(b)と同様に、各時点における事前報知画像Gjの表示の有無等が示される。また、図23(b)には、各時点におけるコンプリートフラグFcの状態(ON、OFF)が示される。
図23(b)の具体例では、AT状態において遊技が開始され、時点t1から各リール12の変動が開始された場合を想定する。また、上述の図23(a)の具体例と同様に、時点t1の以前から事前報知状態へ移行していた場合を想定する。以上の場合、時点t1の前後の期間にわたり事前報知画像Gjが継続して表示される。図23(b)に示す通り、AT状態では、遊技中画像としてAT中画像Ga(上述の図17(a)参照)が表示され、AT中楽曲が出力され、演出用ランプ28がAT中態様になる。また、時点t1において、センサ異常の検知状態ではない(Fes=OFF)場合を想定する。
図23(b)の具体例では、上述の図23(a)の具体例と同様に、各リール12が変動中の時点t2において、センサ異常が発生し、異常検知フラグFesがOFF状態からON状態へ変更された場合を想定する。上述した通り、異常検知フラグFesがON状態に変更された場合であっても、停止操作が可能であり、異常検知フラグFesがON状態に変更される以前の遊技中画像が継続して表示される。具体的には、上述した通り、AT状態では8枚ベルの正解押順が指示画像Gsにより指示される(図17(a)参照)。以上の指示画像Gsを含む各画像は、異常検知フラグFesがON状態に変更された時点t2以降も継続して表示される。
図23(b)の具体例では、指示画像Gsの指示に従い停止操作が実行され、時点t3において8枚ベルの図柄組合せが停止表示された場合を想定する。また、図23(b)の具体例では、遊技の開始時点t1において、MYカウンタCmyが数値「18995」の場合を想定する。以上の場合、仮に各リール12が変動する期間においてセンサ異常が検知されない場合、各リール12が停止した直後に払出処理が実行され、MYカウンタCmyが閾値「19000」に加算される。すなわち、仮に各リール12が変動する期間においてセンサ異常が検知されない場合、各リール12が停止した時点t3の直後にコンプリート状態へ移行する。
ただし、リール12が変動する期間においてセンサ異常が検知された場合、払出処理が実行されず異常時停止状態へ移行する。図23(b)の具体例では、8枚役の図柄組合せが停止表示された時点t3の直後に異常時停止状態へ移行し、払出処理が実行されない。以上の場合、8枚役の図柄組合せが停止表示されているにもかかわらず、MYカウンタCmyは加算されない。
図23(b)の具体例では、上述の図23(a)の具体例と同様に、全てのリール12が停止した時点t3から警告画像Gedが表示され、警告音が出力され、演出用ランプ28が警告態様となる。また、異常時停止状態が解除されるまでMYカウンタCmyが加算されないため、コンプリートフラグFcはOFF状態で維持される。図23(b)の具体例では、時点t4においてリセット操作により異常時停止状態が解除された場合を想定する。以上の場合、時点t4から払出処理が開始される。また、図23(a)の具体例では、時点t5において払出処理が終了し、MYカウンタCmyが閾値「19000」に加算され、コンプリート状態へ移行する。
仮に、遊技中(リールの変動中)にセンサ異常が検知された場合であっても、払出処理が実行された後に異常時停止状態へ移行する構成を想定する。以上の構成では、異常時停止状態を解除したところで直ちにコンプリート状態へ移行する場合がある。以上の場合、既にメダルが付与された遊技者は、遊技機1を異常時停止状態で放置したまま遊技を終了し得る。一方、本実施形態では、コンプリート状態へ移行する遊技であっても、異常時停止状態を解除するまではメダルが払出されない。したがって、遊技機1を異常時停止状態で放置する不都合が抑制されるという利点がある。
図23(b)に示す通り、異常時停止状態が解除された直後にコンプリート状態へ移行する場合であっても、警告画像Gedから一旦AT中画像Ga(遊技中画像)に切替わり、その後、コンプリート画像Gcが表示される。また、異常時停止状態が解除された直後に一旦AT中楽曲(遊技中音)が出力され、その後、コンプリート音声が出力される。同様に、異常時停止状態が解除された直後に演出用ランプ28が一旦AT中態様(遊技中態様)に制御され、その後、コンプリート態様に制御される。
以上の本実施形態に替えて、異常時停止状態が解除された時点t4の直後(略同時)にコンプリート画像Gcが表示される構成としてもよい。以上の構成としては、サブ制御基板400(サブRAM414)にサブMYカウンタを設ける構成が考えられる。以上のサブMYカウンタは、MYカウンタCmyと同様に、各遊技におけるメダルの純増枚数を計数する。例えば、8枚ベルを示す表示当選役コマンドが受信されると、サブMYカウンタに数値「5」が加算される。以上の構成では、時点t4の直後(MYカウンタCmyが加算される前)にサブMYカウンタが閾値「19000」に加算される。サブCPU412は、サブMYカウンタが閾値「19000」に加算されると直ちにコンプリート画像Gcを表示させる。
ただし、異常時停止状態が解除された時点t4の直後にコンプリート画像Gcが表示される構成では、本来は払出処理中に表示される画像(例えば、「8枚獲得!」という文字列を表示する画像)が表示されない。したがって、遊技者によっては、不満に感じる不都合が生じ得る。本実施形態によれば、時点t4の直後に、一旦遊技中画像が表示されるため、上述の不都合が抑制できるという利点がある。
図24は、事前報知が実行される期間の他の具体例を説明するための図である。図24は、事前報知状態において扉異常が検知された場合の具体例を想定する。上述した通り、扉異常が検知されると異常検知フラグFedがON状態に変更される。図24には、各時点における異常検知フラグFedが示される。また、図24には、各時点において出力される音、各時点における演出用ランプ28の点灯態様、警告画像Gedの表示の有無、事前報知画像Gjの表示の有無、各時点において液晶表示装置30の表示領域の全体に表示される画像、および、MYカウンタCmyの数値が示される。
また、図24には、リール12が変動する期間と停止する期間とが示される。図24の具体例では、遊技の開始操作が実行され、時点t1においてリール12が始動した場合を想定する。また、時点t1において、扉異常の検知状態ではない(Fed=OFF)場合を想定する。以上の場合、時点t1において警告画像Ged(上述の図20(b)参照)は非表示になる。また、時点t1から開始された遊技における遊技中画像が表示され、当該遊技中画像に対応する遊技中音が出力され、当該遊技中画像に対応する態様で演出用ランプ28が点灯する。
図24の具体例では、時点t1の以前から事前報知状態へ移行していた場合を想定する。以上の場合、事前報知画像Gjが時点t1の前後において継続して表示される。また、図24の具体例では、各リール12が変動する時点t2において、扉異常が検知された場合を想定する。以上の場合、扉異常が検知された時点t2から異常検知フラグFedがOFF状態からON状態へ変更される。
本実施形態では、扉異常が検知されると、各リール12が停止しているか変動しているかによらず、警告画像Gedが直ちに表示される。例えば、図24の具体例では、扉異常が検知された時点t2から、警告画像Gedが遊技中画像の前面側に表示される。ただし、警告画像Gedは、事前報知画像Gjと重ならない位置に表示される。以上の構成によれば、事前報知画像Gjが警告画像Gedで視認し難くなる不都合が抑制される。
図24の具体例では、扉異常が検知された時点t2から、遊技中音に替えて警告音が出力される。ただし、遊技中音と警告音とが並行して出力される構成としてもよい。以上の場合、警告音の出力が開始された契機で、遊技中音の音量が小さくなる構成が好適である。また、扉異常が検知された時点t2から、演出用ランプ28が警告態様で点灯する。
上述した通り、扉異常の検知状態(Fed=ON)は遊技可能状態になる。したがって、リール12の変動中に扉異常が検知されたとしても、全てのリール12が停止した契機で異常時停止状態へ移行しない。図24の具体例では、全てのリール12が時点t3において停止した場合を想定する。以上の場合、時点t3から払出処理が実行され、MYカウンタCmyが加算される。なお、図24の具体例では、8枚ベルが入賞してMYカウンタCmyに数値「5」が加算された場合を想定する。
以上の本実施形態によれば、一度に19000枚のメダルが遊技者に付与されると、コンプリート状態へ移行し、遊技の途中(遊技場の営業時間中)において強制的に遊技が停止される。したがって、例えばコンプリート状態を具備しない構成と比較して、一度に遊技者へ付与されるメダルが過剰になる不都合が抑制される。
ところで、仮に遊技場の営業時間中にコンプリート状態へ移行した際に、その旨が遊技機1の管理者に把握されない場合を想定する。以上の場合、管理者は、遊技機1で遊技がされない原因が理解できないという不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、コンプリート状態へ移行した際に、遊技機1の管理者にその旨が明確に報知される構成が好適であるという事情がある。
また、遊技機1は、予め定められた基準を満たすか否かが試験される。以上の試験は、遊技機1を試験装置に接続して実施される。また、以上の試験では、遊技機1と試験装置とがインターフェース基板を介して通信することで、遊技機1において自動で遊技が進行する。仮に、試験中にコンプリート状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、試験が継続できないという不都合がある。以上の事情を考慮して、コンプリート状態へ移行する直前に、その旨が遊技機1から試験装置へ通知される構成が好適であるという事情がある。
以上の各事情を考慮して本実施形態では、上述の各不都合が抑制される各構成を採用した。具体的には、コンプリート状態へ移行した際に、遊技機1の管理者にその旨が明確に報知される構成を採用した。また、コンプリート状態へ移行する直前に、その旨が遊技機1から試験装置へ通知される構成を採用した。以上の各構成について以下の図25を用いて詳細に説明する。
図25は、遊技機1から外部に送信される外部信号および外部コマンドの具体例を説明するための図である。図25には、外部信号がON状態となる期間、および、外部コマンドがON状態になる期間が示される。
以上の外部コマンドは、上述の試験装置へ送信される。図25の具体例では、遊技機1が試験装置に接続される場合を想定する。また、外部信号は、遊技機1を管理するための管理装置(ホールコンピュータ)へ送信される。例えば、後述する遊技中断コマンドが外部コマンドとして送信される。また、遊技機1からは、AT中信号およびセキュリティ信号を含む各外部信号が送信される。AT中信号は、AT状態において送信される。管理装置でAT中信号が受信される場合、遊技機1がAT状態である旨が管理者に報知される。セキュリティ信号は、例えば、異常を検知した際に送信される。詳細には以下で説明するが、セキュリティ信号は、事前報知状態へ移行した契機、および、コンプリート状態へ移行した契機でも送信される。
図25の具体例では、AT状態の時点t1において、MYカウンタCmyが数値「18500」に達して、通常状態から事前報知状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、時点t1の前後においてAT中信号はON状態になる。また、事前報知状態が開始された時点t1から予め定められた時間(例えば、約30秒間)にわたり、セキュリティ信号がOFF状態からON状態になる。以上の構成によれば、事前報知状態へ移行した旨が管理装置側で報知可能になる。
本実施形態では、MYカウンタCmyが数値「18500」に達した契機(事前報知状態へ移行した契機)で、遊技中断コマンドがOFF状態からON状態になる。具体的には、本実施形態では事前報知状態において事前報知フラグFjがON状態になる。メインCPU301は、事前報知フラグFjがON状態の期間にわたり、遊技中断信号をON状態に維持し、事前報知フラグFjがOFF状態の期間にわたり、遊技中断信号をOFF状態に維持する。すなわち、メインCPU301は、事前報知フラグFjを参照して遊技中断信号の状態を制御する。
以上の構成によれば、遊技中断信号がON状態に変化したことが試験装置で検知された契機で試験を中断することで、試験中にコンプリート状態へ移行してしまう事態が防止される。例えば、試験中断信号がON状態へ変化した際に、遊技機1の電源をOFF/ONしてMYカウンタCmyをクリアすることで、コンプリート状態へ移行せずに試験を継続できる。また、遊技機1の電源をOFF/ONすることで、事前報知フラグFjがクリアされ、遊技中断コマンドがOFF状態になる。
なお、遊技中断コマンドがON状態になる契機は、事前報知状態へ移行した契機に限定されない。例えば、MYカウンタCmyが数値「18900」に達した契機で遊技中断コマンドがON状態になる構成としてもよい。また、本実施形態のメインCPU301は、事前報知フラグFjを参照して、遊技中断コマンドをOFF状態からON状態へ変更した。しかし、MYカウンタCmyが数値「18500」以上であるか否かが判定される構成としてもよい(以下「対比例」)。以上の対比例では、MYカウンタCmyが数値「18500」に達したと判断すると、メインCPU301は、遊技中断コマンドがOFF状態からON状態へ変更する。
以上の対比例では、本実施形態と同様に、事前報知状態へ移行した際に遊技中断コマンドがON状態になる。また、MYカウンタCmyを参照して遊技中断コマンドの状態を制御する対比例では、事前報知フラグFjを省略できるという利点がある。ただし、以上の対比例では、MYカウンタCmyが数値「18500」未満に減少した際に、遊技中断コマンドがOFF状態になる。すなわち、事前報知状態において遊技中断コマンドがOFF状態になる不都合が生じ得る。本実施形態によれば、MYカウンタCmyが数値「18500」未満に減少したとしても、事前報知フラグFjはON状態で維持され、遊技中断コマンドがON状態で維持される。したがって、上述の不都合が抑制される。
図25の具体例では、AT状態の時点t2において、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達して、事前報知状態からコンプリート状態へ移行した場合を想定する。図25に示す通り、コンプリート状態へ移行した際に、AT中信号がOFF状態に変更される。ただし、コンプリート状態へ移行した場合であっても出玉状態フラグはAT状態で維持される。
仮に、AT中信号がON状態の期間において、遊技機1毎に設けられた台ランプがAT状態である旨を報知可能に点滅する構成を想定する。また、以上の構成において、AT状態においてコンプリート状態へ移行した際に、AT中信号がON状態で維持される構成を想定する。以上の構成では、遊技が不可能なコンプリート状態において、AT状態である旨の報知が台ランプにより実行されるという不都合がある。本実施形態では、コンプリート状態へ移行する際にAT中信号がOFF状態に変更されるため、以上の不都合が抑制されるという利点がある。
図25に示す通り、コンプリート状態へ移行した契機で、セキュリティ信号が予め定められた時間(例えば、約30秒間)にわたり、OFF状態からON状態になる。以上の構成によれば、コンプリート状態へ移行した旨を管理装置側で報知可能になる。また、本実施形態では、事前報知状態からコンプリート状態へ移行した後の期間にわたり、遊技中断コマンドがON状態で維持される。ただし、コンプリート状態へ移行した契機で、事前報知フラグFjをOFF状態に変更し、遊技中断コマンドをOFF状態にする構成としてもよい。
<メインCPUが実行する各処理>
図26(a)は、メインCPU301の起動処理のフローチャートである。メインCPU301は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合、起動処理を実行する。リセット信号は、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に出力される。例えば、電源スイッチ511SWがON状態になることでメイン制御基板300への電源電圧の供給が開始された場合、起動処理が実行される。
起動処理を開始すると、メインCPU301は、起動時初期化処理(S11)を実行する。起動時初期化処理により、メインCPU301は、メイン制御基板300の各レジスタ等を初期化する。なお、メインCPU301は、起動時初期化処理の以前に、メインROM302が記憶する制御プログラムの正当性を判断するセキュリティチェック処理を実行してもよい。
起動時初期化処理を実行した後に、メインCPU301は、RAMチェック処理(S12)を実行する。RAMチェック処理では、メインRAM303に記憶された各情報における異常が検知される。具体的には、メインCPU301は、電源が遮断される際に、メインRAM303における特定の記憶領域のチェックサムを算出しバックアップする。また、メインCPU301は、電源が投入された際のRAMチェック処理においてチェックサムを算出する。メインCPU301は、電源が遮断された際にバックアップしたチェックサムと電源が投入され際に算出したチェックサムとをRAMチェック処理において比較する。チェックサムが一致しない場合、メインCPU301は、メインRAM303の各情報に異常が生じたと判断する。
RAMチェック処理を実行した後に、メインCPU301は、RAMチェック処理の結果を参照し、メインRAM303に異常が生じたか否かを判定する(S13)。メインRAM303に異常が生じたと判断した場合(S13:Yes)、メインCPU301は、異常検知フラグFer(RAM異常)をON状態に変更し(S14)、ステップS15に処理を進める。一方、メインRAM303に異常が生じていないと判断した場合(S13:No)、メインCPU301は、ステップS14を省略して、ステップS15に処理を進める。
ステップS15において、メインCPU301は、設定キーが操作されているか否かを判定する。設定キーが操作されている場合(S15:Yes)、メインCPU301は、設定変更処理へ移行する。一方、設定キーが操作されていない場合(S15:No)、メインCPU301は、クリアボタン512が操作されているか否かを判定する(S16)。クリアボタン512が操作されていると判断すると(S16:Yes)、メインCPU301は、クリア処理(S17)を実行した後に復旧処理へ移行する。一方、クリアボタン512が操作されていないと判断すると(S16:No)、メインCPU301は、クリア処理(S17)を省略して復旧処理へ移行する。
メインRAM303には、ワーク領域およびスタック領域を含むRWM(read/write memory)領域が設けられる。本実施形態では、上述のクリア処理、後述の全初期化処理(S23)、設定変更時初期化処理(S24)、復旧時初期化処理(S31)およびリセット処理を含む初期化処理においてRWM領域の各情報が初期化される。ただし、初期化処理の種類に応じて、初期化される記憶領域が変化する。具体的には、RWM領域におけるアドレス範囲が初期化処理の種類に応じて指定される。初期化処理では、RWM領域の各情報のうち指定されたアドレス範囲の各情報が初期化される。例えば、クリア処理では、RWM領域の各情報のうち遊技状態フラグおよび出玉状態フラグを含む各情報が初期化される。
図26(b)は、メインCPU301の設定変更処理のフローチャートである。メインCPU301は、設定変更処理を開始すると、設定変更モード中処理(S21)を実行する。設定変更モード中処理では、各遊技で参照される設定値(1~6)が変更可能になる。具体的には、電源が遮断される際に現在の設定値がバックアップされる。メインCPU301は、電源投入時に設定変更モード中処理を開始すると、バックアップした設定値に対応する数字を設定表示部36に表示させる。また、設定変更モード中処理において、メインCPU301は、設定変更ボタン37が操作される毎に設定表示部36の数字を変化させる。設定変更モード中処理において、スタートレバー24が操作されると、設定表示部36が表示する数字に対応する設定値が決定される。メインCPU301は、設定値を決定すると設定変更モード中処理を終了する。
設定変更モード中処理を実行した後に、メインCPU301は、異常検知フラグFer(RAM異常)がON状態であるか否かを判定する(S22)。異常検知フラグFer(RAM異常)がON状態であると判断すると(S22:Yes)、メインCPU301は、全初期化処理(S23)を実行する。以上の全初期化処理では、RWM領域の全領域が初期化される。具体的には、メイン表示器40に各遊技情報を表示するための性能情報を含む全ての情報が全初期化処理において初期化される。また、全初期化処理では、コンプリートフラグFcが初期化される(OFF状態に変更される)。さらに、全初期化処理では、異常検知フラグFer(RAM異常)が初期化される。以上の異常検知フラグFerは、全初期化処理においてのみ初期化される。
一方、異常検知フラグFer(RAM異常)がON状態ではないと判断すると(S22:No)、メインCPU301は、設定変更時初期化処理(S24)を実行する。以上の設定変更時初期化処理では、上述のクリア処理と同様に、RWM領域の各情報のうち遊技状態フラグおよび出玉状態フラグを含む各情報が初期化される。ただし、設定変更時初期化処理では、以上の各情報に加えコンプリートフラグFcが初期化されるが、クリア処理ではコンプリートフラグFcが初期化されない。コンプリートフラグFcは、設定変更時初期化処理および全初期化処理においてのみ初期化される。初期化処理(S23、S24)を実行した後に、メインCPU301は、復旧処理へ移行する。
図26(c)は、メインCPU301の復旧処理のフローチャートである。復旧処理を開始すると、メインCPU301は、復旧時初期化処理(S31)を実行する。以上の復旧時初期化処理では、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjを含む各情報が初期化される。復旧時初期化処理を実行した後に、メインCPU301は、異常検知フラグFer(RAM異常)がON状態であるか否かを判定する(S32)。異常検知フラグFerがON状態であると判断すると(S32:Yes)、メインCPU301は、異常時停止状態へ移行する。一方、異常検知フラグFerがON状態でないと判断すると(S32:No)、メインCPU301は、電源が遮断された際にバックアップした各レジスタを復帰させ(S33)、遊技制御処理へ移行する。
図27は、メインCPU301の遊技制御処理のフローチャートである。遊技制御処理は、遊技者が1回の遊技を行う毎に実行される。詳細には後述するが、メインCPU301は、遊技制御処理が実行される期間において、所定の時間間隔(例えば1.49ms)で割込処理を実行する。すなわち、メインCPU301は、遊技制御処理と割込処理とを交互に実行する。例えば、サブ制御基板400に送信されるコマンドは、遊技制御処理でセットされ、割込処理でサブ制御基板400に送信される。メインCPU301が実行する各種の抽選の結果、または、メインRAM303に設けられた各種のカウンタの数値を示すコマンドが適宜にサブ制御基板400に送信される。また、遊技制御処理でセットされた各タイマ(例えばウェイトタイマ)は、割込処理で減算される。
メインCPU301は、遊技制御処理を開始すると、初期設定処理を実行する(S101)。初期設定処理は、1回の遊技が終了する毎に実行される。メインCPU301は、初期設定処理において、メインRAM303のRWM領域のうち遊技毎に初期化される記憶領域を初期化する。例えば、前回の遊技の当選エリア(当選エリア番号)が格納された当選エリア格納領域は、初期設定処理で初期化される。
メインCPU301は、初期設定処理の後に、自動投入処理(S102)を実行する。自動投入処理により、メインCPU301は、前回の遊技の結果、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃った場合、前回の遊技と同数の賭けメダルを今回の遊技の賭けメダルとして設定する。具体的には、メインCPU301は、自動投入処理において、再遊技作動中フラグがON状態であるか否かを判断する。再遊技作動中フラグがON状態の場合、メインCPU301は、賭けメダルを自動で投入する。
メインCPU301は、自動投入処理の後に、第1異常判定処理(S103)を実行する。第1異常判定処理では、各種の異常が検知されたか否かが判定される。具体的には、異常が発生した場合、割込処理(後述の異常検知処理)において当該異常に対応する異常検知フラグがON状態に変更される。
第1異常判定処理では、各異常に対応する各異常検知フラグがON状態であるか否かが判定される。また、各異常のうち異常時停止状態へ移行する異常が検知された場合、第1異常判定処理において異常時停止状態へ移行する。以下、説明のため、異常時停止状態へ移行する異常を「第1種異常」と総称する場合がある。同様に、第1種異常(例えば、センサ異常)の検知状態でON状態になる異常検知フラグ(例えば、Fes)を「異常検知フラグFe1」と総称する場合がある。
詳細には後述するが、第1異常判定処理において、コンプリートフラグFcがON状態であるか否かが判定される。コンプリートフラグFcがON状態の場合、第1異常判定処理において、コンプリート状態へ移行する。
第1異常判定処理の後に、メインCPU301は、遊技開始前処理(S104)を実行する。遊技開始前処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からメダルが投入されたか否か、および、精算ボタン23が操作されたか否かを判定する。メダルが投入されたと判断した場合、メインCPU301は、賭けメダルまたはクレジットを加算する。また、精算ボタン23が操作されたと判断した場合、メインCPU301は、賭けメダルまたはクレジットを払い戻す。また、遊技開始前処理では、MAX-BETボタン22が操作されたか否かが判定される。MAX-BETボタン22が操作されたと判断すると、メインCPU301は、クレジットを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する。
遊技開始前処理を実行した後に、メインCPU301は、遊技の開始条件が成立したか否かを判定する(S105)。具体的には、メインCPU301は、規定枚数の賭けメダルが設定された状態でスタートレバー24が操作されたか否かを判定する。開始条件が成立していないと判断すると(S105:No)、メインCPU301は、第1異常判定処理(S103)に処理を戻す。以上の構成では、遊技の開始条件が成立するまでの非遊技期間において、遊技開始前処理および第1異常判定処理が繰返し実行される。したがって、非遊技期間において、メダルの投入操作が可能になる。また、非遊技期間において、第1種異常が検知されると、直ちに異常時停止状態へ移行する。
メインCPU301は、遊技の開始条件が成立したと判断すると(S105:Yes)、開始時処理を実行する。開始時処理では、設定値確認処理、乱数値R(1~3)を取得する処理、乱数値R1により当選エリアを決定する内部抽選処理、回胴演出を乱数値R2により決定する回胴演出決定処理、乱数値R3を用いた指示機能に係る抽選処理、指示番号を決定するための指示番号決定処理を含む。
開始時処理の設定値確認処理において、メインCPU301は、設定値の適否を判断する。具体的には、メインCPU301は、設定値確認処理において、設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内であるか否かを判定する。設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内でないと判断した場合、メインCPU301は、設定値の異常を示す設定値異常コマンドをコマンド格納領域に格納し、設定値異常に対応する異常検知フラグ(Fe1)をON状態に変更する。
メインCPU301は、開始時処理を実行した後に、回胴演出処理(S107)を実行する。例えば、回胴演出処理において、各種の遊技操作を受付け、リール12の態様(加速、変動表示、停止、静止、振動)を切換える処理が実行される。また、メインCPU301は、回胴演出処理において、上述の遅延時間を抽選により設定する。なお、回胴演出処理においてもウェイト期間の残り時間が減算される。
メインCPU301は、回胴演出処理を実行した後に、ウェイト処理(S108)を実行する。ウェイト処理は、各遊技の時間長を所定の長さ以上にするための処理である。メインCPU301は、ウェイト処理において、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、ウェイト期間が経過していないと判断した場合、ウェイト処理から後述の停止前処理に移行しない。
一方で、ウェイト期間が経過したと判断した場合、メインCPU301は、停止前処理(S109)に移行する。停止前処理においては、内部抽選処理で決定された当選エリアに応じて各種のデータ(各リール12の停止制御に用いるデータなど)がメインRAM303に格納される。後述の停止制御処理において、停止前処理で格納された各データに応じて各リール12が停止されることにより、当選エリアで指定される当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
メインCPU301は、停止前処理を実行した後に、停止制御処理(S110)に移行する。停止制御処理により、メインCPU301は、各停止ボタン25が操作される毎に、当該停止ボタン25に対応するリール12を停止させる。各リール12は、上述した停止前処理で設定した各データに応じた図柄位置で停止する。
停止制御処理で全てのリール12を停止すると、メインCPU301は、表示判定処理(S111)に移行する。表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの判定をする。以上の表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに停止表示された当選役の図柄組合せ(ハズレを含む)を記憶する。また、有効ラインに停止表示された当選役に対応するメダルの払出枚数を払出予定枚数として記憶する。さらに、有効ラインに停止表示された当選役の図柄組合せが特定される表示当選役コマンドがコマンド格納領域に格納される。以上の表示当選役コマンドは、割込処理により直ちにサブ制御基板400(サブCPU412)へ送信される。以上の構成によれば、サブCPU412は、表示当選役コマンドに応じた演出を各リール12が停止した直後(表示判定処理の直後)に実行可能になる。
メインCPU301は、表示判定処理を実行した後に、第2異常判定処理(S112)を実行する。第2異常判定処理では、非遊技期間における上述の第1異常判定処理と同様に、各種の異常検知フラグがON状態であるか否かが判定される。ただし、上述の第1異常判定処理は非遊技期間における異常の有無を判定する一方、第2異常判定処理は各リール12が変動する期間における異常の有無を判定する。
リール12が変動する期間において異常が検知されない場合、第2異常判定処理から払出処理(S113)へ移行する。払出処理では、上述の表示判定処理で記憶された払出予定枚数のメダルが付与される。具体的には、クレジットが上限に達していない場合、払出予定枚数がクレジットに加算される。一方、クレジットが上限に達している場合、ホッパー520が払出動作をして払出予定枚数のメダルを払出す。また、メインCPU301は、今回の遊技でリプレイの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、払出処理において再遊技作動中フラグをON状態に変更する。
リール12が変動する期間において第1種異常が検知された場合(異常検知フラグF1=ON)、第2異常判定処理において異常時停止状態へ移行する。以上の場合、異常時停止状態が解除されるまで払出処理が実行されない。したがって、仮に払出予定枚数に数値「1」以上が設定されたとしても、異常時停止状態が解除されるまでは払出処理は実行されない。
払出処理を実行した後に、メインCPU301は、性能情報算出処理(S114)を実行する。性能情報算出処理では、上述の各性能情報が更新される。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技で払出されたメダル枚数に応じて、各性能情報を性能情報算出処理において更新する。
性能情報算出処理を実行した後に、メインCPU301は、コンプリート判定処理(S115)を実行する。詳細には後述するが、コンプリート判定処理では、直前の払出処理で払出されたメダル枚数に応じてMYカウンタCmyが更新される。また、コンプリート判定処理では、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達したか否かが判定される。コンプリート処理において、MYカウンタCmyが閾値に達したと判断されると、コンプリートフラグFcがOFF状態からON状態に変更される。コンプリート判定処理においてコンプリートフラグFcがON状態に変更されると、その後の第1異常判定処理(S103)においてコンプリート状態へ移行する。
コンプリート判定処理を実行した後に、メインCPU301は、停止時処理(S116)を実行する。停止時処理において、メインCPU301は、出玉状態および遊技状態を移行させる。以上の停止時処理には、上述の指示機能に係る処理が含まれる。例えば、メインCPU301は、停止時処理において、出玉状態の移行に伴い、有利区間を開始または終了させる。また、メインCPU301は、今回の遊技でRBBの図柄組合せが停止表示された場合、停止時処理において、遊技状態を内部中状態からボーナス作動状態へ移行させる。メインCPU301は、停止時処理を終了すると、ステップS101に処理を戻す。
図28は、メインCPU301のコンプリート判定処理のフローチャートである。コンプリート判定処理を開始すると、メインCPU301は、コンプリートフラグFcがON状態であるか否かを判定する(S121)。コンプリートフラグFcがON状態ではないと判断されると(S121:No)、メインCPU301は、今回の遊技で再遊技が作動したか否かを判定する(S122)。今回の遊技で再遊技が作動したと判断すると(S122:Yes)、メインCPU301は、その後の各ステップSを省略してコンプリート判定処理を終了する。
今回の遊技で再遊技が作動しなかったと判断した場合(S122:No)、メインCPU301は、MYカウンタCmyの現在値に、今回の遊技の賭けメダル枚数nkを減算し、且つ、今回の遊技におけるメダルの払出枚数nhを加算した結果が数値「0」未満であるか(負数であるか)否かを判定する(S123)。以上の算出結果(=Cmy-nk+nh)が数値「0」未満の場合(S123:Yes)、メインCPU301は、MYカウンタCmyの現在値を数値「0」にして、ステップS125へ移行する。
一方、算出結果が数値「0」以上の場合(S123:No)、メインCPU301は、MYカウンタCmyの現在値を当該算出結果に変更して(S124)、ステップS125へ移行する。また、各遊技において、更新後のMYカウンタCmyを示すコマンドがサブ制御基板400(サブCPU412)へ送信される。サブCPU412は、以上のコマンドを受信すると、事前報知画像Gjが表示する残りメダル枚数を当該コマンドに応じて更新する。
ステップS125において、メインCPU301は、更新後のMYカウンタCmyが閾値「19000」に達したか否かを判定する(S125)。MYカウンタCmyが閾値「19000」に達したと判断すると(S125:Yes)、メインCPU301は、コンプリートフラグFcをON状態に変更し(S126)、コンプリート判定処理を終了する。一方、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達していないと判断すると(S125:No)、メインCPU301は、ステップS126を省略してコンプリート判定処理を終了する。
なお、コンプリートフラグFcがON状態に変更されると、その直後にコンプリート状態へ移行するのが原則である。ただし、ボーナス作動状態においてコンプリートフラグFcがON状態に変更されると、当該ボーナス作動状態が終了するまで待機状態(遊技可能状態)へ移行する。上述のステップS121で「Yes」と判断される場合としては、待機状態において遊技が実行された場合が想定される。コンプリートフラグFcがON状態であると判断すると(S121:Yes)、メインCPU301は、その後のステップS122~126を省略してコンプリート判定処理を終了する。省略される以上の各ステップSには、MYカウンタCmyを更新するステップS124が含まれる。以上の説明から理解される通り、待機状態の各遊技においては、MYカウンタCmyの更新が停止する。
図29(a)は、メインCPU301の第1異常判定処理のフローチャートである。上述した通り、第1異常判定処理は、非遊技期間において繰返し実行される。第1異常判定処理を開始すると、メインCPU301は、現在の遊技状態がボーナス作動状態であるか否かを判定する(S131)。ボーナス作動状態であると判断すると(S131:Yes)、メインCPU301は、ステップS136へ移行する。
一方、ボーナス作動状態ではない(非内部中状態または内部中状態である)と判断すると(S131:No)、メインCPU301は、コンプリートフラグFcがON状態であるか否かを判定する(S132)。コンプリートフラグFcがON状態ではないと判断すると(S132:No)、メインCPU301は、ステップS136へ移行する。なお、ボーナス作動状態ではなく、且つ、コンプリートフラグFcがON状態であると判断される場合としては、ボーナス作動状態以外でMYカウンタCmyが閾値「19000」に達した場合、または、待機状態でボーナス作動状態が終了した場合が想定される。
ボーナス作動状態ではなく、且つ、コンプリートフラグFcがON状態であると判断された場合、メインCPU301は、コンプリート報知を開始可能にする(S133)。具体的には、メインCPU301は、コンプリート状態へ移行する旨を示すコンプリートコマンドをサブCPU412へ送信可能にする。以上のコンプリートコマンドを受信すると、サブCPU412は、例えば、コンプリート画像Gcを表示し、コンプリート音声を出力する。
なお、電源投入時に設定変更処理が実行されず、且つ、コンプリートフラグFcがON状態の場合を想定する。以上の場合としては、コンプリート状態で電源がOFF/ONされた場合が想定される。以上の場合、復旧処理が実行された後に遊技制御処理が開始されると、最初の第1異常判定処理で直ちにコンプリート状態へ移行する。
また、電源が投入された時点でコンプリートフラグFcがON状態の場合、遊技中にコンプリートフラグFcがON状態に変更された場合と同様に、上述のコンプリートコマンドが送信される。サブCPU412は、電源投入直後にコンプリートコマンドを受信すると、遊技中にコンプリートコマンドを受信した場合と共通の処理を実行する。以上の構成では、電源投入時にコンプリートフラグFcがON状態の場合、遊技制御処理が開始された直後(復旧処理が実行された直後)に、コンプリート画像Gcが表示され、コンプリート音声が出力される。
コンプリート報知を開始可能にした後に、メインCPU301は、自動精算処理(S134)を実行する。自動精算処理によりホッパー520が払出動作し、クレジットに記憶された全てのメダルが遊技者に払出される。自動精算処理を実行した後に、メインCPU301は、外部信号処理(S135)を実行する。外部信号処理において、外部信号のうちセキュリティ信号がON状態に変更される。また、外部信号処理が実行される時点において、AT中信号がON状態の場合、AT中信号がOFF状態に変更される。外部信号処理を実行した後に、メインCPU301は、コンプリート状態へ移行する。
ボーナス作動中である場合(S131:Yes)、または、コンプリートフラグFcがON状態ではない場合(S132:No)、メインCPU301は、異常検知フラグFe1(例えば、センサ異常の有無を示す異常検知フラグFes)がON状態であるか否かを判定する(S136)。メインCPU301は、異常検知フラグFe1がON状態であると判断すると(S136:Yes)、異常時停止状態へ移行する。なお、異常時停止状態へ移行する際に、検知された異常の種類を示すコマンドがコマンド格納領域に格納される。一方、異常検知フラグFe1がON状態ではないと判断すると(S136:No)、メインCPU301は、第1異常判定処理を終了して遊技制御処理に復帰する。
図29(b)は、メインCPU301の第2異常判定処理のフローチャートである。上述した通り、第2異常判定処理は、全てのリール12が停止した契機で実行される。第2異常判定処理では、上述の第1異常判定処理と同様に、異常検知フラグFe1がON状態であるか否かが判定される(S141)。異常検知フラグFe1がON状態であると判断すると(S141:Yes)、メインCPU301は、異常時停止状態へ移行する。
以上の構成では、リール12が変動する期間において、第1種異常が発生した場合、全てのリール12が停止した契機で異常時停止状態へ移行する。なお、異常時停止状態へ移行する際に、検知された異常の種類を示すコマンドがコマンド格納領域に格納される。異常検知フラグFe1がON状態ではないと判断すると(S141:No)、メインCPU301は、遊技制御処理へ復帰する。
図30は、割込処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技制御処理を実行している期間に、1.49ms毎に割込処理を実行する。
メインCPU301は、割込処理を開始すると、各種のレジスタのデータを退避させる(S201)。その後、メインCPU301は、入力ポート読込処理(S202)を実行する。入力ポート読込処理において、メインCPU301は、I/F回路305に入力された各種の信号を読込む。具体的には、メインCPU301は、入力ポート読込処理において、スタートスイッチ24SW、各停止スイッチ25SW、メダルセンサ34SE、精算スイッチ23SWなどのON信号を読込む。メインCPU301は、ON信号を読み込んだセンサおよびスイッチの検知フラグをON状態に設定する。
入力ポート読込処理を実行した後に、メインCPU301は、タイマ計測処理(S203)を実行する。タイマ計測処理において、メインCPU301は、各種のタイマから所定値を減算する。メインCPU301は、タイマ計測処理において、ウェイト処理で設定された回胴演出タイマおよびウェイトタイマを減算する。
タイマ計測処理を実行した後に、メインCPU301は、回転しているリール12から駆動対象リールを選択し(S204)、駆動対象リールの駆動制御処理(S205)を実行する。駆動制御処理において、メインCPU301は、駆動対象リールのステッピングモータに駆動パルスを出力する。駆動パルスが入力された場合、ステッピングモータの励磁パターンが切替わる。
メインCPU301は、全てのリール12の駆動制御処理が実行されたか否かを判定する(S206)。全てのリール12の駆動制御処理が実行されていないと判断した場合(S206:NO)、メインCPU301は、ステップS204とステップS205とを繰り返す。他方で、全てのリール12の駆動制御処理を実行したと判断した場合(S206:YES)メインCPU301は、外部信号出力処理(S207)に移行する。
メインCPU301は、外部信号出力処理において、遊技機1の外部に所定の信号を出力する。例えば、設定変更処理を開始した場合、メインCPU301は、設定変更処理の開始を示す信号を遊技機1の外部に出力する。また、メインCPU301は、事前報知フラグFjがOFF状態からON状態へ変更された契機で、セキュリティ信号をON状態に変更する。その後、事前報知フラグFjがON状態に変更されてから約30秒が経過した契機で、メインCPU301は、セキュリティ信号をOFF状態に変更する。同様に、メインCPU301は、コンプリートフラグFcがOFF状態からON状態へ変更された契機で、セキュリティ信号をON状態に変更し、その後、約30秒が経過した契機でセキュリティ信号をOFF状態に変更する。異常時停止状態へ移行した契機においても、セキュリティ信号が約30秒間にわたりON状態に変更される。
メインCPU301は、LED表示処理(S208)において、各種のランプを駆動する。例えば、メインCPU301は、遊技制御処理で生成したBETランプ表示データが示す態様で、BETランプ14を表示させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、再遊技作動中フラグがON状態に設定されている場合に再遊技表示ランプ18を点灯させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、クレジット数を貯留枚数表示器17に表示させる。さらに、メインCPU301は、LED表示処理において、指示番号決定処理で決定した指示番号に応じた指示情報を指示表示器16に表示させる。
LED表示処理を実行した後に、メインCPU301は、異常検知処理を実行する。異常検知処理では、各種の異常が検知され、当該異常に対応する異常検知フラグがON状態に変更される。例えば、メインCPU301は、異常検知処理においてメダルセンサ34SEがON状態であるか否かを判定する。また、異常検知処理(割込処理)において400回連続して(約0.6秒間にわたり)メダルセンサ34SEがON状態で維持された場合、メインCPU301は、異常検知フラグFes(センサ異常)をON状態に変更する。
異常検知処理において異常検知フラグFes(第1種異常)がON状態に変更されると、その後の第1異常判定処理(非遊技期間中)または第2異常判定処理(全リール12の停止時)において、異常時停止状態へ移行する。また、例えば異常検知処理において前面扉スイッチ3SWがON状態であるか否かが判定され、ON状態であれば異常検知フラグFedをON状態に変更する。
メインCPU301は、異常検知処理の後に、コマンド送信処理(S210)に移行する。上述したように、メインRAM303のコマンド格納領域には、各種のコマンドが格納される。コマンド格納領域に格納されたコマンドは、コマンド送信処理において、サブ制御基板400に送信される。
コマンド送信処理の後に、メインCPU301は、レジスタ復帰処理(S211)を実行し、ステップS210で退避したデータをレジスタに復帰させる。レジスタ復帰処理を実行すると、メインCPU301は、割込処理を開始した際に実行していた遊技制御処理のステップSに処理を復帰させる。
図31(a)は、メイン制御基板300におけるメモリマップである。本実施形態では、メイン制御基板300に設けられたメインROM302、メインRAM303、メインCPU301の内部レジスタに各種の情報が記憶される。図31(a)には、メイン制御基板300の記憶領域の種別が示される。記憶領域の種別には、情報を不揮発的に記憶するROM領域、情報を消去および再書込み可能に記憶するRWM領域、および、レジスタ(メインCPU301の内部機能設定用のレジスタ)が含まれる。
以上のメイン制御基板300の記憶領域には、使用領域R1および使用領域外R2が設けられる。使用領域R1は、不正な改造その他の変更を防止するために必要な情報(以下「セキュリティ情報」)以外の情報を記憶する。具体的には、使用領域R1には、遊技の進行を制御するための遊技制御情報が主に記憶される。一方、使用領域外R2には、遊技制御情報が原則記憶されず、セキュリティ情報を含む各種の情報が記憶される。
以上のセキュリティ情報には、例えば、コンプリート状態へ移行させる機能を実現可能にするための各情報(プログラム、データ)が含まれる。また、メイン表示器40に各遊技情報を表示させる機能を実現可能にするための情報(性能情報など)がセキュリティ情報に含まれる。さらに、試験装置へ各種のコマンド(上述の遊技中断コマンドを含む)を送信する機能を実現するための各情報(事前報知フラグFjなど)がセキュリティ情報に含まれる。
図31(a)に示す通り、使用領域R1は、データ領域R11、制御領域R12およびRWM領域R13を含む。データ領域R11には、遊技の進行を制御するためのデータが記憶される。例えば、当選エリア決定テーブルがデータ領域R11に記憶される。制御領域R12には、遊技の進行を制御するためのプログラムが記憶される。例えば、制御領域R12には、遊技制御処理のプログラムが記憶される。RWM領域R13には、制御領域R12のプログラムの実行に伴い更新される各情報が記憶される。例えば、RWM領域R13には、例えば、クレジットのメダル枚数、賭け枚数、再遊技作動中フラグ、出玉状態フラグ、遊技状態フラグ、払出予定枚数、設定値、差枚数カウンタが記憶される。
図31(a)に示す通り、使用領域外R2は、データ領域R21、制御領域R22およびRWM領域R23を含む。データ領域R21には、不正な改造その他の変更を防止するために必要なデータが記憶される。例えば、コンプリート状態へ移行するMYカウンタCmyの閾値「19000」がデータ領域R21に記憶される。制御領域R22には、不正な改造その他の変更を防止するために必要なプログラムが記憶される。例えば、制御領域R22には、コンプリート判定処理のプログラムが記憶される。RWM領域R23には、制御領域R22のプログラムの実行に伴い更新される各情報が記憶される。例えば、RWM領域R23には、MYカウンタCmyが記憶される。
図31(b)は、使用領域R1と使用領域外R2との関係を説明するための図である。上述した通り、使用領域R1における制御領域R12のプログラムが実行されると、データ領域R11のデータが参照され、RWM領域R13の各情報が参照および更新される。使用領域外R2における制御領域R22のプログラムが実行されると、データ領域R21のデータが参照され、RWM領域R23の各情報が参照および更新される。
ただし、使用領域R1における制御領域R12のプログラムでは、使用領域外R2のデータ領域R21を参照しない。また、使用領域R1における制御領域R12のプログラムでは、使用領域外R2のRWM領域R23を参照するが更新はしない。同様に、使用領域外R2における制御領域R22のプログラムでは、使用領域R1のデータ領域R11を参照しない。また、使用領域外R2における制御領域R22のプログラムでは、使用領域R1のRWM領域R13を参照するが更新はしない。
本実施形態では、出玉率に影響する各処理(内部抽選処理、指示機能に係る処理)のプログラムは、使用領域R1に記憶される。ただし、使用領域R1(制御領域R12)の各プログラムのうち出玉率に影響する各処理のプログラムでは、使用領域外R2(RWM領域23)に記憶されるMYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjが参照されない構成とした。仮に、指示機能に係る処理において、MYカウンタCmyまたは事前報知フラグFjが参照される構成を想定する。以上の構成としては、例えば、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達する直前でAT状態が終了し易くなる構成が考えられる。しかし、以上の構成では、遊技の公正が害されるという不都合が生じ得る。本実施形態によれば以上の不都合が抑制されるという利点がある。
使用領域外R2における制御領域R22のプログラムは、機能ごとにモジュール化される。また、使用領域外R2における制御領域R22のプログラムは、使用領域R1における制御領域R12のプログラムから予め定められた手法を用いて呼出されて実行される。具体的には、制御領域R22のプログラムは、制御領域R12の呼出処理のプログラムにより呼出される。以下、説明のため、使用領域R1のプログラムにより実行される処理を、単に「使用領域R1の処理」と記載する場合がある。また、使用領域外R2のプログラムにより実行される処理を、単に「使用領域外R2の処理」と記載する場合がある。
図31(c-1)および図31(c-2)は、内部レジスタの具体例を説明するための図である。本実施形態のメインCPU301はZ80CPUであり、各種の内部レジスタを具備する。メインCPU301の内部レジスタは、メインRAM303のRWM領域より小さい記憶領域である。以上の内部レジスタは、不正なプログラムが記憶される余地が少ないため、使用領域R1の処理および使用領域外R2の処理の双方により更新および参照可能である。内部レジスタには汎用レジスタと専用レジスタとが含まれる。
図31(c-1)は、内部レジスタのうち汎用レジスタの具体例を説明するための図である。汎用レジスタは用途が固定されないレジスタであり、Wレジスタ、Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、IXレジスタおよびIYレジスタを含む。Wレジスタ、Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、DレジスタおよびEレジスタは、8ビットのレジスタであり、IXレジスタおよびIYレジスタは、16ビットのレジスタである。以上の各汎用レジスタは、例えば、アキュムレータ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタまたはインデックスレジスタとして用いられる。
図31(c-2)は、内部レジスタのうち専用レジスタの具体例を説明するための図である。専用レジスタは用途が固定されるレジスタであり、PCレジスタ、SPレジスタ、TPレジスタおよびPSWレジスタを含む。PCレジスタは、プログラムカウンタとして用いられる。また、SPレジスタは、スタックポインタとして用いられる。TPレジスタは、テーブルポインタとして用いられる。PSWレジスタは、プログラムステータスワードとして用いられる。以下、説明のため、SPレジスタを「スタックポインタSP」と記載する場合がある。また、PSWレジスタを「フラグレジスタPSW」と記載する場合がある。
上述の呼出処理が実行された直後において、使用領域R1のプログラムが利用していた内部レジスタの全てが保存される。具体的には、使用領域外R2の処理が開始されると、その直後に、内部レジスタの現在値(使用領域R1で使用していた数値)が使用領域外R2のRWM領域R23に保存される。その後、使用領域外R2の処理が終了して使用領域R1の処理へ移行する際に、RWM領域R23に保存した内部レジスタの数値を復帰させる。
図32(a)は、使用領域R1の呼出処理により使用領域外R2の処理が呼出される場合の具体例を説明するための図である。以上の図32(a)は、上述の遊技制御処理の詳細を説明するものであり、遊技制御処理の一部のステップSが抜粋して示される。具体的には、上述の払出処理(S112)、性能算出処理(S113)、コンプリート判定処理(S114)、第1異常判定処理(S102)の各ステップSが示される(S112→S113→S114→…→S102)。
図32(a)に示す通り、遊技制御処理の上述の各ステップのうち、払出処理(S112)および第1異常判定処理(S102)は使用領域R1の処理である。一方、遊技制御処理の上述の各ステップのうち、性能算出処理(S113)およびコンプリート判定処理(S114)は使用領域外R2の処理である。以上の性能算出処理(S113)およびコンプリート判定処理(S114)は、使用領域R1の呼出処理Sc(Sc1、Sc2)により呼出され実行される。なお、呼出処理のプログラムは、呼出の対象となる使用領域外R2の処理毎に使用領域R1(制御領域12)に記憶される。
図32(a)に示す通り、メインCPU301は、払出処理を実行した後に性能算出処理113を呼出すための呼出処理(Sc1)を実行する。呼出処理を開始すると、メインCPU301は、フラグレジスタPSWの現在値を退避する(St1)。具体的には、呼出処理は使用領域R1の処理であり、フラグレジスタPSWの現在値をRWM領域R13のスタック領域に退避する。この退避するフラグレジスタPSWには、割込許可情報も含まれている。ここで割込許可情報とは、現在の状態が割込許可されている状態なのか割込禁止されている状態なのかを示す情報である。フラグレジスタPSWの現在値を退避した後に、メインCPU301は、割込処理の実行を禁止する(St2)。次に、メインCPU301は、使用領域外R2の性能算出処理を呼出す(St3)。すなわち、本実施形態では、払出処理が実行された後に、使用領域外R2の処理が実行される。
性能算出処理(S113)を開始すると、メインCPU301は、スタックポインタSPの現在値(使用領域R1で使用していた数値)をRWM領域R23のワーク領域に退避する(Sw1)。その後、使用領域外R2における初期値をスタックポインタSPに設定する(Sw2)。また、スタックポインタSPに初期値を設定した後に、他の内部レジスタの現在値(使用領域R1で使用していた数値)をRWM領域R23のスタック領域に退避する(Sw3)。
メインCPU301は、内部レジスタの現在値をRWM領域R23のスタック領域に退避した後、性能情報を算出する(Sw4)。以上のステップSw4では、各性能情報のうち算出対象にした性能情報が更新(算出)される。具体的には、役連比率、役物比率、指示込役物比率、直近連役比率、直近役物比率、ボーナス遊技比率を含む6種類の性能情報がRWM領域R23のワーク領域に記憶される。性能算出処理では、各性能情報の何れか1個が算出対象に設定され、当該算出対象が更新される。
メインCPU301は、使用領域外R2の処理(性能算出処理を含む)を終了する際に、当該使用領域外R2の処理を開始する際に退避した内部レジスタの数値とスタックポインタSPの数値を復帰する。例えば、メインCPU301は、性能算出処理において算出対象にした性能情報を更新すると、当該性能算出処理の開始前にRWM領域R23のスタック領域に退避した内部レジスタの数値を内部レジスタに復帰する(Sw5)。その後、RWM領域R23のワーク領域に退避したスタックポインタSPの数値(使用領域R1で使用していた数値)をスタックポインタSPに復帰する(Sw6)。内部レジスタの数値とスタックポインタSPの数値を復帰すると、メインCPU301は、使用領域R1に処理を戻す。
図32(a)に示す通り、使用領域外R2の処理が終了して使用領域R1に処理が戻る場合、呼出処理のステップSt4へ移行する。以上のステップSt4では、上述のステップSt1において使用領域R1のRWM領域R13のスタック領域に退避した数値に応じてフラグレジスタPSWを設定する(復帰する)。フラグレジスタPSWを復帰することにより割込許可情報も復帰することとなり、ステップSt1のときの割込許可状態または割込禁止状態のいずれかの状態に復帰する。ここで、使用領域外処理を呼び出す際の多くの場合で割込許可状態となっているため、割込許可状態に復帰することが多くなっている。
図32(a)に示す通り、メインCPU301は、性能算出処理の呼出処理が終了すると、算出対象とする性能情報を変更する(St5)。具体的には、各性能情報のうち今回の遊技で更新されていない性能情報の何れかが算出対象に設定される。算出対象を変更すると、メインCPU301は、全ての性能情報が算出(更新)済みであるか否かを判定する(St6)。更新していない性能情報が残されている場合(St6:No)、メインCPU301は、呼出処理(Sc1)に処理を戻す。以上の呼出処理が実行されると、再度性能算出処理が呼出され、算出対象の性能情報が更新される。
以上の構成では、全ての性能情報が更新されたと判断されるまで(St6:Yes)、呼出処理(Sc1)および性能算出処理(S113)が繰返し実行される。全ての性能情報が更新されたと判断した場合、メインCPU301は、使用領域外R2のコンプリート判定処理を呼出すための呼出処理(Sc2)を実行する。ステップSc2の呼出処理は、上述のステップSc1と同様に、ステップSt1からステップSt4を含む。ただし、ステップSc1のステップSt3(呼出)では性能算出処理が呼出されたが、ステップSc2ではコンプリート判定処理(S114)が呼出される。
コンプリート判定処理S115が開始されると、性能算出処理と同様に、スタックポインタSPの現在値をRWM領域R23のワーク領域に退避し、使用領域外R2における初期値をスタックポインタSPに設定し、内部レジスタの現在値がRWM領域R23のスタック領域に退避する。その後、メインCPU301は、使用領域外R2のRWM領域R23のワーク領域に記憶されるコンプリートフラグFcを参照し、コンプリートフラグFcがON状態であるか否かを判定する(S121)。また、コンプリート判定処理において、メインCPU301は、RWM領域R23のワーク領域に記憶されるMYカウンタCmyを更新する。具体的には、今回の遊技の払出予定枚数と賭け枚数は使用領域R1(RWM領域R13)に記憶される。メインCPU301は、コンプリート判定処理において、使用領域R1の払出予定枚数と賭け枚数とを参照して、MYカウンタCmyを更新する(S123、S124)。
また、コンプリート判定処理において、メインCPU301は、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達したか否かを判定する。MYカウンタCmyが閾値「19000」に達したと判断すると、メインCPU301は、使用領域外R2(RWM領域R23)のコンプリートフラグFcをOFF状態からON状態に変更する。その後、メインCPU111は、コンプリート判定処理の開始時にRWM領域R23に退避した内部レジスタの数値を復帰し、使用領域R1に処理を戻す。
図32(b-1)は、使用領域R1(制御領域R12)に記憶されるプログラムXXXXの具体例を説明するための図である。以上のプログラムXXXXは、上述の呼出処理のプログラムである。図32(a)および図32(b-1)から理解される通り、上述のステップSt1では命令「PUSH」が実行され、ステップSt2では命令「DI」が実行され、ステップSt3では命令「CALL」が実行され、ステップSt4では命令「POP」が実行される。
図32(b-2)は、使用領域R2(制御領域R22)に記憶されるプログラムYYYYの具体例を説明するための図である。以上のプログラムYYYYは、上述の呼出処理で呼出される処理(例えば、性能算出処理)のプログラムである。上述した通り、呼出処理で呼出される処理は、ステップSw1~Sw6を含んで構成される。図32(b-2)は、以上の各ステップSのうちステップSw4を省略して示す。
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、使用領域R1の払出処理が実行されると、呼出処理が実行され、使用領域外R2の性能算出処理が実行される。また、性能算出処理が実行されると、一旦使用領域R1に処理を戻した後に、再度使用領域外R2のコンプリート判定処理が実行される。図32(a)に示す通り、払出処理が実行された後に、使用領域外R2の各処理が実行され、その後、第1異常判定処理が実行される。
第1異常判定処理では、上述した通り、コンプリート状態へ移行させる処理(図29(a)のS132でNo)が実行される場合がある。以上の本実施形態の構成は、コンプリート状態へ移行させるためのMYカウンタCmyを使用領域外R2に設ける一方、コンプリート状態へ移行させるプログラムは、使用領域R1に記憶されるとも換言される。以上の構成では、例えば、MYカウンタCmyおよびコンプリート状態へ移行させるプログラムの双方が、共通の記憶領域(使用領域R1、使用領域R2)に記憶される構成と比較して、各記憶領域の情報量が分散されるという利点がある。
ところで、性能算出処理およびコンプリート判定処理は、共に、払出処理の直後に実行される使用領域外R2の処理である。したがって、性能算出処理を実行した後に、使用領域R1の処理を介することなく、コンプリート判定処理が実行される構成が想定される。すなわち、性能算出処理およびコンプリート判定処理を使用領域外R2の一連の(1個の)処理としてプログラムする構成(以下「対比例」)が想定される。
しかし、以上の対比例では、使用領域外R2における1個のプログラムが大きくなる。したがって、当該プログラムに不正なプログラムが混入した際に、その旨が判明され難いという不都合が生じ得る。本実施形態の構成によれば、例えば対比例と比較して、使用領域外R2の1個のプログラムが小さくできるため、上述の不都合が抑制できるという利点がある。
上述した通り、本実施形態では、初期化処理(復旧時初期化処理、設定変更時初期化処理、全初期化処理)によりRWM領域の各領域が初期化される。具体的には、使用領域R1(RWM領域R13)の所定領域および使用領域外R2(RWM領域R23)の所定領域の双方が1回の初期化処理により初期化される場合がある。以上の場合、使用領域R1および使用領域外R2の何れか一方の処理(プログラム)が実行されると、使用領域R1および使用領域外R2の双方の各所定領域が初期化される構成(以下「対比例」)が想定される。
しかし、使用領域R1および使用領域外R2の一方のプログラムが他方のRWM領域にアクセスする契機が多い程、プログラムの正当性の評価作業(試験)が煩雑になるという事情がある。したがって、初期化のためであっても、使用領域R1および使用領域外R2の一方のプログラムが他方のRWM領域にアクセスされない構成が好適であるという事情がある。
以上の事情を考慮して、本実施形態の初期化処理の各々において、使用領域R1のRWM領域R13は、同じく使用領域R1の制御領域R12の処理により初期化される構成とした。また、初期化処理の各々において、使用領域外R2のRWM領域R23は、同じく使用領域外R2の制御領域R22の処理により初期化される。以上の構成によれば、例えば上述の対比例と比較して、使用領域R1および使用領域外R2の一方のプログラムが他方のRWM領域にアクセスする契機が抑制できるという利点がある。以上の構成の詳細を図33(a)から図33(c)を用いて以下で説明する。
図33(a)は、復旧時初期化処理の詳細を説明するための図である。復旧時初期化処理は、電源が投入された契機で実行される。図33(a)に示す通り、復旧時初期化処理は第1初期化処理(S34-1)および第2初期化処理(S34-3)を含む。図33(a)に示す通り、メインCPU301は、復旧時初期化処理において第1初期化処理(S34-1)を実行する。以上の第1初期化処理は、使用領域R1の処理であり、各記憶領域のうち使用領域R1のRWM領域R13における所定領域を初期化する。具体的には、復旧時初期化処理の第1初期化処理では、未使用領域を含む所定領域が初期化される。
復旧時初期化処理において、第1初期化処理を実行すると、メインCPU301は、呼出処理(S34-2)を実行する。復旧時初期化処理の呼出処理では、第2初期化処理(S34-3)が呼出される。以上の第2初期化処理は、使用領域外R2の処理であり、各記憶領域のうち使用領域外R2のRWM領域R23における所定領域を初期化する。具体的には、復旧時初期化処理の第2初期化処理では、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjを含む所定領域が初期化され、コンプリートフラグFcは維持される。復旧時初期化処理において第2初期化処理を実行すると、メインCPU301は、使用領域R1に処理を戻す。
図33(b)は、設定変更時初期化処理の詳細を説明するための図である。設定変更時初期化処理は、設定値が変更(打ち直しを含む)された契機で実行される。設定変更時初期化処理において、メインCPU301は、第1初期化処理(S23-1)を実行する。以上の第1初期化処理は、使用領域R1の処理であり、各記憶領域のうち使用領域R1のRWM領域R13における所定領域を初期化する。具体的には、設定変更時初期化処理の第1初期化処理では、遊技制御情報を含む所定領域が初期化される。以上の遊技制御情報は、例えば、遊技状態フラグ、出玉状態フラグ、有利区間カウンタおよび差枚数カウンタを含む。
設定変更時初期化処理において、第1初期化処理を実行すると、メインCPU301は、呼出処理(S23-2)を実行する。設定変更時初期化処理の呼出処理では、第2初期化処理(S23-3)が呼出される。以上の第2初期化処理は、使用領域外R2の処理であり、各記憶領域のうち使用領域外R2のRWM領域R23における所定領域を初期化する。具体的には、設定変更時初期化処理の第2初期化処理では、コンプリートフラグFcを含む所定領域が初期化される。設定変更時初期化処理において第2初期化処理を実行すると、メインCPU301は、使用領域R1に処理を戻す。
図33(c)は、全初期化処理の詳細を説明するための図である。全初期化処理は、RAM異常が検知された契機で実行される。全初期化処理において、メインCPU301は、第1初期化処理(S24-1)を実行する。以上の第1初期化処理は、使用領域R1の処理であり、各記憶領域のうち使用領域R1のRWM領域R13における全ての領域を初期化する。
全初期化処理において、第1初期化処理を実行すると、メインCPU301は、呼出処理(S24-2)を実行する。全初期化処理の呼出処理では、第2初期化処理(S24-3)が呼出される。以上の第2初期化処理は、使用領域外R2の処理であり、各記憶領域のうち使用領域外R2のRWM領域R23における全ての領域を初期化する。具体的には、全初期化処理の第2初期化処理では、コンプリートフラグFcを含む所定領域が初期化される。また、全初期化処理の第2初期化処理では、性能情報が初期化される。全初期化処理において第2初期化処理を実行すると、メインCPU301は、使用領域R1に処理を戻す。
図34は、非有利区間中処理のフローチャートである。メインCPU301は、非有利区間の遊技において非有利区間中処理を実行する。具体的には、メインCPU301は、上述の開始時処理において非有利区間中処理を実行する。なお、非有利区間中処理は、非有利区間において、遊技状態によらず全ての遊技で実行される。
非有利区間中処理が開始されると、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアがリプレイ1またはRBB(単独)以外であるか否かを判定する(Sx0)。今回の遊技の当選エリアがリプレイ1またはRBBである場合(Sx0:No)、メインCPU301は、後述の有利区間移行処理を省略して非有利区間中処理を終了する。以上の場合、有利区間が開始されず、次回の遊技に非有利区間が継続する。一方、今回の遊技の当選エリアがリプレイ1またはRBB以外である場合(Sx0:Yes)、メインCPU301は、有利区間移行処理を実行する。有利区間移行処理は、新たな有利区間が開始される際に実行される処理であり、後述のステップSx1~Sx9を含む。
有利区間移行処理において、メインCPU301は、差枚数カウンタに初期値「0」をセットし(Sx1)、有利区間カウンタに初期値「3000」をセットする(Sx2)。なお、以上の構成に替えて、非有利区間へ移行した時点で差枚数カウンタが初期化される構成としてもよい。また、非有利区間へ移行した時点で有利区間カウンタが初期化される構成としてもよい。ただし、非有利区間の開始時に差枚数カウンタおよび有利区間カウンタが初期化される構成であっても、非有利区間においては各カウンタは更新されない。
図34に示す通り、有利区間カウンタを初期化した後に、メインCPU301は、有利区間設定値決定処理(Sx3)を実行する。有利区間設定値決定処理では、新たに開始される有利区間の有利区間設定値が決定される。有利区間設定値決定処理を実行した後に、メインCPU301は、遊技状態が内部中状態であるか否かを判定する(Sx4)。遊技状態が内部中状態以外の場合(Sx5:No)、メインCPU301は、次回出玉状態を周期中状態(有利区間)に変更する(Sx7)。
遊技開始時の非有利区間中処理(開始時処理)において次回出玉状態が周期中状態に変更されると、当該遊技終了時の停止時処理において出玉状態が非有利区間から周期中状態へ変更される。以上の構成では、設定値が変更された直後の非内部中状態(朝一)では、新たな有利区間が周期中状態から開始され得る。ただし、今回の遊技におけるステップSx4では、前回の遊技から既に内部中状態である場合に加え、非内部中状態の遊技で重複役1または重複役2(RBB役)が当選した場合も「Yes」と判断される。
ステップSx4を実行した後に、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアが重複役1であるか否かを判定する(Sx5)。今回の遊技の当選エリアが重複役1であると判断した場合(Sx5:Yes)、メインCPU301は、次回出玉状態を周期中状態に変更する(Sx7)。一方、今回の遊技の当選エリアが重複役1でないと判断した場合(Sx5:No)、メインCPU301は、次回出玉状態をCZ準備状態に変更する(Sx6)。
仮に、遊技が開始される以前から内部中状態である場合、当該遊技では重複役1は当選しない。したがって、遊技が開始される以前から内部中状態である場合、非有利区間中処理において、通常、次回出玉状態がCZ準備状態に変更される。次回出玉状態がCZ準備状態に変更されると、その後の停止時処理において出玉状態が非有利区間からCZ準備状態へ変更される。以上の構成では、設定値が変更された直後の非内部中状態(朝一)以外では、原則、新たな有利区間がCZ準備状態から開始される。
また、本実施形態では、非内部中状態の非有利区間において、重複役1および重複役2のうち重複役2が当選した場合も、内部中状態の非有利区間と同様に、次回出玉状態がCZ準備状態へ変更される。以上の構成では、設定値が変更された直後の非内部中状態であっても、新たな有利区間がCZ準備状態から開始され得る。したがって、例えば設定値が変更された直後の有利区間が必ず周期中状態(不利な出玉状態)から開始される構成と比較して、設定値が変更された直後において、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという利点がある。
なお、本実施形態では、各重複役(重複役1、重複役2)のうちの一部(重複役2)が当選した場合にCZ準備状態へ移行可能な構成としたが、重複役の種類によらずCZ準備状態へ移行する構成としてもよい。ただし、以上の構成では、設定値が変更された直後に、過度に高確率でCZ準備状態へ移行してしまう不都合が生じ得る。本実施形態の構成によれば、以上の不都合が抑制される。
図34に示す通り、非有利区間中処理において次回出玉状態がCZ準備状態に変更されると、メインCPU301は、CZ準備中処理(Sx8)を実行する。CZ準備中処理は、CZ準備状態の各遊技でも実行される処理である。CZ準備中処理は、上述のCZレベル昇格処理およびCZ準備状態の残り遊技回数を減算する処理を含む。以上の説明から理解される通り、CZ準備状態への移行が決定された非有利区間の遊技では、CZ準備状態中の遊技と共通の処理が実行される。CZ準備中処理を終了すると、メインCPU301は、非有利区間中処理を終了する。
図34に示す通り、非有利区間中処理において次回出玉状態が周期中状態に変更されると、メインCPU301は、上述の周期開始時処理(Sx9)を実行する。上述した通り、周期開始時処理は、特殊CZ決定処理およびバトル勝利決定処理Bなどを含む。ただし、周期開始時処理は、周期中状態の各遊技で実行される各種の処理を含まない。具体的には、周期開始時処理は、周期ポイント決定処理、天井ポイント決定処理、途中勝利決定処理およびポイント高確移行決定処理を含まない。以上の各処理は、非有利区間中処理では実行されず、周期中状態の最初の遊技から実行される。周期開始時処理を終了すると、メインCPU301は、非有利区間中処理を終了する。
図35は、有利区間制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、上述の停止時処理において有利区間制御処理を実行する。なお、有利区間制御処理は、遊技状態によらず全ての遊技で実行される。有利区間制御処理を開始すると、メインCPU301は、今回の遊技が有利区間中であるか否かを判定する(Sx10)。有利区間中ではないと判断した場合(Sx10:No)、すなわち非有利区間中の場合、メインCPU301は、有利区間制御処理を終了する。一方、有利区間中であると判断すると(Sx10:Yes)、メインCPU301は、今回の遊技でリプレイが有効ラインに停止表示されたか否か判定する(Sx11)。
リプレイが停止表示されていないと判断すると(Sx11:No)、メインCPU301は、差枚数カウンタ更新処理(Sx12)を実行する。差枚数カウンタ更新処理では、差枚数カウンタが更新される。具体的には、今回の遊技の払出枚数から賭けメダルの枚数(3枚)を減算した数値を、差枚数カウンタに加算する。例えば、払出枚数が9枚の場合、数値「6」を差枚数カウンタに加算する。また、払出枚数が0枚の場合、数値「3」を差枚数カウンタに減算する。再遊技(リプレイが停止表示された遊技の次遊技)では、自動投入されたメダルの枚数が当該遊技における賭けメダルの枚数としてステップSx12が実行される。差枚数カウンタ更新処理を実行した後に、メインCPU301は、ステップSx13へ処理を進める。今回の遊技でリプレイが停止表示されたと判断すると(Sx11:Yes)、メインCPU301は、差枚数カウンタ更新処理を省略してステップSx13へ処理を進める。
ステップSx13において、メインCPU301は、差枚数カウンタが数値「2400」より大きいか否か判定する。差枚数カウンタが数値「2400」より大きいと判断すると(Sx13:Yes)、メインCPU301は、メインRAM303に記憶される指示機能に係る全てのパラメタを初期化して(Sx15)、有利区間制御処理を終了する。ステップSx15では、例えば、上述の特定カウンタが初期化され、出玉状態が非有利区間へ移行する。なお、出玉状態が非有利区間へ移行した場合であっても、遊技状態は変化しない。
差枚数カウンタが数値「2400」より大きくないと判断すると(Sx13:No)、メインCPU301は、有利区間カウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判断する(Sx14)。なお、有利区間カウンタは、上述の開始時処理において数値「1」ずつ減算される。有利区間カウンタが数値「0」であると判断すると(Sx14:Yes)、メインCPU301は、上述のステップSx15を実行して有利区間制御処理を終了する。なお、ステップSx14において「Yes」の判断がされる場合としては(有利区間が強制的に終了する場合)、エンディング状態において有利区間カウンタが数値「0」まで減算された場合が想定される。本実施形態では、以上の場合の除き、有利区間カウンタが数値「0」に減算される前に、有利区間が終了するように構成される。有利区間カウンタが数値「0」ではないと判断した場合(Sx14:No)、メインCPU301は、ステップSx15を省略して、有利区間制御処理を終了する。
<サブCPUが実行する各処理>
図36は、サブCPU412のサブ起動処理のフローチャートである。サブCPU412は、起動回路からの起動信号が入力された場合にサブ起動処理を実行する。起動回路は、サブ制御基板400に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に、起動信号を出力する。例えば、サブ制御基板400への電源電圧の供給が開始された場合に、サブ起動処理が実行される。
サブ起動処理を開始すると、サブCPU412は、起動時初期化処理(S301)を実行する。起動時初期化処理において、サブCPU412は、例えば、サブ制御基板400の各種のレジスタを初期化する。
起動時初期化処理において、サブCPU412は、サブRAM414のバックアップ異常の有無を判定する。バックアップ異常がある場合、サブCPU412は、バックアップデータを初期化する。また、サブCPU412は、起動時初期化処理において、CGROM424を含む各種のROMに記憶されたデータが適正であるか否かを判定する。例えば、各ROMの特定のアドレスに格納されたデータを呼出し、当該データが適正であるか否かを判定する。各種のROMに異常が発見された場合、サブCPU412は、所定のエラー処理に移行する。
サブCPU412は、サブ起動処理において、ランプ制御タスクの起動(S302)、音響制御タスクの起動(S303)、画像制御基板通信タスクの起動(S304)、メイン制御基板通信タスクの起動(S305)、演出ボタン入力タスクの起動(S306)を行う。
サブCPU412は、ランプ制御タスクにより、筐体ランプ5と演出用ランプ28とを含む各種のランプを制御する。また、サブCPU412は、音響制御タスクにより、スピーカー(31、32)を制御する。また、サブCPU412は、画像制御基板通信タスクにより、画像制御基板420にコマンドを送信し、メイン制御基板通信タスクにおいてメイン制御基板300からのコマンドを受信し、演出ボタン入力タスクにおいて演出ボタン26および方向指定ボタン27の操作を受付ける。
サブCPU412には、タイマ割込信号が所定の時間間隔で入力される。サブCPU412は、タイマ割込信号を受信すると、各タスクのうちの何れかを実行する。すなわち、各種のランプおよびスピーカー(31,32)を含む各周辺装置は、時分割で制御される。
ところで、所定の遊技回数において獲得するメダルの総数は、何れの設定値が設定された場合であっても、予め定められた範囲内であることが求められる。具体的には、400回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の3分の1を超え、かつ、2.2倍に満たないものであることが求められる。また、1600回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の5分の2を超え、かつ、1.5倍に満たないものであることが求められる。また、6000回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の2分の1を超え、かつ、1.26倍に満たないものであることが求められる。さらに、17500回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の5分の3を超え、かつ、1.15倍に満たないものであることが求められる。
以上の基準(以下「出玉基準」)を満たすか否かは、試験により確認されるのが通常である。仮に、所定の遊技回数において過度にメダルが減少し易い場合、試験において出玉基準が満たされない可能性が高い。また、所定の遊技回数において過度に多くのメダルが獲得され易い場合、試験において出玉基準が満たされない可能性が高い。すなわち、ギャンブル性が高い遊技機ほど、試験において出玉基準が満たされないと判断される可能性が高い。
以上の事情を考慮して、本実施形態の遊技機1は、特定の設定値では、他の設定値と比較して著しくギャンブル性が低い構成を採用した。具体的には、各設定値のうち設定値「1」が設定された場合、他の設定値が設定された場合と比較して、試験において出玉基準を満たす可能性が著しく高くなる構成を採用した。例えば、本実施形態では、指示期間(BB状態)へ移行することにより、多くのメダルが獲得可能になる。設定値「1」が設定されている場合、指示期間へ移行する確率(初当り確率)が比較的高くなるが、指示期間が短期間で終了し易い(連チャンし難い)。以上の構成によれば、設定値「1」が設定される場合、試験において出玉基準が満たされる確率が高くなる。
ただし、設定値「1」が設定される場合、ギャンブル性が著しく低くなるため、遊技が面白味に欠けると感じる遊技者が多い。したがって、仮に設定値「1」が設定されているか否かが遊技する前に把握できない構成では、遊技者によっては、遊技機1で遊技することを敬遠する不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、本実施形態では、設定値「1」が設定されているか否かを遊技する前に把握可能な構成を採用した。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図37(a)は、サブCPU412による電源投入時処理のフローチャートである。サブCPU412は、電源が投入された直後において、電源投入時処理を実行する。また、以上の電源投入時処理は、通常、メインCPU301が遊技制御処理を実行可能になる前に完了する。すなわち、遊技が可能になる前にサブCPU412は電源投入時処理を完了する。
電源投入時処理を開始すると、サブCPU412は、メインCPU301側で設定された設定値を確認する。具体的には、メインCPU301は、電源が投入された直後に設定値を示すコマンドをサブCPU412へ送信する。サブCPU412は、ステップSy1において、当該コマンドが示す設定値を確認する。その後、サブCPU412は、ステップSy1において確認した設定値が「1」であるか否かを判定する(Sy2)。
設定値が「1」ではないと判断した場合(Sy2:No)、サブCPU412は、通常制御モードを決定して(Sy3)、電源投入時処理を終了する。一方、設定値が「1」であると判断した場合(Sy2:Yes)、サブCPU412は、特殊制御モードを決定して(Sy4)、電源投入時処理を終了する。詳細には以下で説明するが、通常制御モードが決定された場合と、特殊制御モードが決定された場合とでは、演出実行手段(停止ボタン25、スピーカ、液晶表示装置30)の態様が相違する。
図37(b)は、各制御モードにおける演出実行手段の態様を説明するための図である。図37(b)に示す通り、通常制御モードでは、停止ボタン25の操作が無効の期間(例えば、対応するリールが停止している期間)において、当該停止ボタン25は赤色で発光する。一方、特殊制御モードでは、停止ボタン25の操作が無効の期間において、当該停止ボタン25は緑色で発光する。
以上の構成では、遊技者は、停止ボタン25の色彩を確認することにより、遊技する前に設定値「1」が設定されたか否かを特定できる。ただし、図37(b)に示す通り、停止操作が可能な期間での停止ボタン25の色彩は、各制御モードにおいて青色で共通する。仮に、停止操作が可能な期間での停止ボタン25の色彩が各制御モードで相違する構成を想定する。以上の構成では、遊技者によっては、停止操作が有効であるか否かが直感的に判断し難くなるという不都合が想定される。本実施形態によれば、以上の不都合が抑制される。
上述した通り、本実施形態では、方向指定ボタン27を操作することにより、遊技者がマスタ音量を調整可能である。具体的には、図37(b)に示す通り、制御モードが通常制御モードの場合、マスタ音量を遊技者が調整可能である。一方、特殊制御モードの場合、マスタ音量が変更不可能である。以上の構成によれば、マスタ音量が変更不可能な場合、設定値「1」が設定されている旨を遊技者が特定できる。ただし、何れの制御モードであっても、エラーを報知するためのエラー音は、最大の音量で出力される。
上述した通り、本実施形態では、方向指定ボタン27を遊技者が操作することにより、演出制御モード(エンジョイモード、通常モード、シンプルモード)を変更可能である。具体的には、図37(b)に示す通り、制御モードが通常制御モードの場合、演出制御モードを遊技者が変更可能である。一方、特殊制御モードの場合、演出制御モードが変更不可能である。以上の構成によれば、演出制御モードが変更不可能な場合、設定値「1」が設定されている旨を遊技者が特定できる。
本実施形態では、サブCPU412が電源断の状態から復旧すると直ちに電源投入時処理が実行され、停止ボタン25が緑色で表示される。以上の構成によれば、例えば、電源を投入した遊技機1の管理者は、停止ボタン25が緑色で表示されている場合、設定値「1」が設定されている旨を直ちに把握することができるという利点がある。
なお、通常制御モードと特殊制御モードとで、非遊技期間における液晶表示装置30の画像が相違する構成としてもよい。以上の構成では、本実施形態と同様に、設定値「1」が設定されているか否かを遊技する前に特定できる。ただし、電源が投入されてから復旧するまでの時間は、液晶表示装置30よりランプ(停止ボタンのランプを含む)の方が短いのが通常である。したがって、本実施形態では、例えば各制御モードで液晶表示装置30の画像のみが変化する構成と比較して、電源が投入されてから設定値「1」が設定されている旨を特定可能になるまでの時間が短縮されるという利点がある。
図38(a)~(c)は、サブCPU412による演出制御処理のフローチャートである。演出制御処理は、演出実行手段(液晶表示装置30など)における演出を制御するための処理である。図38(a)~(c)に示す通り、演出制御処理は、サブ開始時処理、サブ第1停止処理およびサブ停止時処理を含む。図38(a)~(c)には、演出制御処理のうちの一部が抜粋して示される。
図38(a)は、サブ開始時処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技の開始操作がされると、その旨を示すコマンドをサブCPU412(サブ制御基板400)へ送信する。サブCPU412は、当該コマンドをメインCPU301から受信すると、サブ開始時処理を実行する。図38(a)に示す通り、サブ開始時処理を開始すると、サブCPU412は、サブペナルティ状態中であるか否かを判定する(Sy11)。サブCPU412は、上述の遊技進行フラグがOFF状態の期間(メインペナルティ制御が実行された後の期間)においてサブペナルティ状態に制御される。例えば、非指示期間の前回の遊技において変則押順で停止操作された場合、今回の遊技におけるサブ開始時処理の実行時点ではサブペナルティ状態になる。
サブペナルティ状態ではないと判断した場合(Sy11:No)、サブCPU412は、演出抽選で各種の演出を決定し(Sy12)、サブ開始時処理を終了する。ステップSy12において演出が決定されると、当該演出が各演出実行手段において実行開始される。一方、サブペナルティ状態中であると判断した場合(Sy11:Yes)、サブCPU412は、演出抽選を省略してサブ開始時処理を終了する。以上の構成によれば、サブペナルティ状態中に開始された遊技では、新たな演出がステップSy12において決定されない。
図38(b)は、サブ第1停止処理のフローチャートである。メインCPU301は、第1停止操作がされると、第1停止操作された停止ボンタン25(左、中、右)を示すコマンドをサブCPU412へ送信する。サブCPU412は、非指示期間において当該コマンドをメインCPU301から受信すると、サブ第1停止処理を実行する。図38(b)に示す通り、サブ第1停止処理を開始すると、サブCPU412は、左第1停止操作されたか否かを判定する(Sy21)。左第1停止操作されたと判断した場合(Sy21:Yes)、サブCPU412は、サブ第1停止処理を終了する。
一方、左第1停止以外(中第1停止、右第1停止)で停止操作されたと判断した場合(Sy21:No)、サブCPU412は、現在実行中の演出を強制的に終了させる(Sy22)。例えば、直前のサブ開始時処理において実行開始された演出は、その後、中第1停止操作または右第1停止操作されると、サブ第1停止処理において強制的に終了させられる。
なお、左第1停止以外で停止操作された場合、全ての演出が一律に強制終了させられる構成に替えて、一部の演出については継続して実行され得る構成としてもよい。例えば、サブCPU412は、左第1停止以外で停止操作された場合、現在実行中の演出が特定演出であるか否かを判定する。仮に、特定演出であると判断された場合、当該特定演出が継続して実行される。一方、特定演出ではないと判断された場合、実行中の演出が強制的に終了する。なお、以上の特定演出としては、非有利区間が当選した期待度が高い(確定する場合を含む)演出等が想定される。また、特定演出としては、遊技状態の移行を報知するための演出(例えば、CZ状態が開始する際の演出)が想定される。以上の特定演出は、実行開始が予定されていた遊技がサブペナルティ状態中であっても、当該遊技で実行開始されるのが好適である。
図38(b)に示す通り、サブCPU412は、左第1停止以外で停止操作されたと判断した場合、サブペナルティ状態へ移行する(Sy23)。また、サブCPU412は、左第1停止以外で停止操作されたと判断した場合、報知内容決定処理(Sy24)を実行する。報知内容決定処理では、報知画像および報知音声が決定される。具体的には、今回の遊技で中第1停止操作された場合、「中から押しています」というメッセージを表示する報知画像および報知音声「中から押しています」が決定される。また、今回の遊技で右第1停止操作された場合、「右から押しています」というメッセージを表示する報知画像および報知音声「右から押しています」が決定される。報知画像が決定されると、当該報知画像が液晶表示装置30に直ちに表示される。また、報知音声が決定されると、当該報知音声がスピーカらから直ちに出力される。
図38(c)は、サブ停止時処理のフローチャートである。メインCPU301は、最後の停止ボンタン25が操作がされると、その旨を示すコマンドをサブCPU412へ送信する。サブCPU412は、当該コマンドをメインCPU301から受信すると、サブ停止時処理を実行する。図38(c)に示す通り、サブ停止時処理を開始すると、サブCPU412は、今回の遊技で左第1停止操作されたか否かを判定する(Sy31)。左第1停止操作されたと判断した場合(Sy31:Yes)、サブCPU412は、サブペナルティ状態中であるか否かを判定する(S32)。
サブペナルティ状態中ではないと判断した場合(Sy32:No)、サブCPU412は、サブ停止時処理を終了する。一方、サブペナルティ状態中であると判断した場合(Sy32:Yes)、サブCPU412は、ペナルティ状態を解除して(Sy33)、サブ停止時処理を終了する。以上の構成によれば、左第1停止操作された遊技の終了時に、サブペナルティ状態が解除される。また、上述のステップSy31において、左第1停止操作されなかったと判断した場合(Sy31:No)、サブCPU412は、ステップSy33を省略してサブ停止時処理を終了する。以上の構成によれば、左1stで遊技されない場合、サブペナルティ状態が次回以降の遊技に継続される。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)各形態において、遊技可能状態に加え、コンプリート状態(遊技停止状態)であっても、メニュー画像を介して遊技履歴を記録するための履歴コードを表示する操作が可能である。以上の構成において、遊技可能状態とコンプリート状態とで、メニュー画像を介して受付可能な操作を相違させてもよい。例えば、上述の第1実施形態では、遊技可能期間において、メニュー画像を介してマスター音量を変更する操作が可能である。以上の構成において、コンプリート状態では、履歴コードを表示する操作は可能である一方で、マスター音量を変更する操作は不可能である構成としてもよい。
上述の各形態では、コンプリート状態へ移行した後の期間では、遊技者が設定したマスター音量に応じた音が出力される場合はない。具体的には、コンプリート状態が開始した際のコンプリート音声は、遊技者が設定したマスター音量によらず最大の音量で出力される。また、コンプリート状態から異常時停止状態へ移行した場合、警告音が最大音量で出力される。上述の変形例によれば、遊技者による不要なマスター音量の変更操作が抑制されるという利点がある。
また、上述の各形態では、コンプリート状態へ移行した後の期間では、遊技者が設定した演出制御モードに応じて演出が実行される場合が無い。以上の事情を考慮して、コンプリート状態では、演出制御モードを変更するための操作が不可能な構成としてもよい。例えば、第1実施形態において、コンプリート状態では、演出ボタン26の操作によっては、履歴コードのみが表示可能な構成としてもよい。
以上の変形例では、コンプリート状態において、履歴コードを表示させる操作を遊技可能状態と比較して簡単にする構成としてもよい。具体的には、履歴コードを表示するために、遊技可能状態では演出ボタン26と方向指示ボタン27との双方を操作する必要がある一方、コンプリート状態では演出ボタン26を1回操作すると直ちに履歴コードが表示される構成としてもよい。また、コンプリート画像Gcに履歴コードを表示してもよい。以上の構成では、演出ボタン26および方向指示ボタン27の操作を無効にしてもよい。
なお、従来から、遊技機1で使用される言語(例えば、コンプリート画像Gcの文字列)をメニュー画像を介して選択可能にする技術が知られている。以上の技術を採用する場合、コンプリート状態で履歴コードを表示する操作以外が制限される一方、言語を選択するための操作が可能な構成としてもよい。また、コンプリート画像Gcに履歴コードが表示される構成では、言語を選択するための操作のみが演出ボタン26および方向指示ボタン27に対して可能な構成としてもよい。
(2)各形態において、コンプリート状態へ移行した際に、コンプリート画面Gcが表示されてクレジットのメダルが自動精算される構成を採用した。以上の構成に替えて、コンプリート状態へ移行した際に、メダルが自動精算される旨を報知する専用の画像を表示した後に、コンプリート画像Gcが表示される構成としてもよい。
(3)各形態において、事前報知画像Gjが表示される位置は、異常時停止状態、設定変更モード、デモ演出モードおよび扉異常の検知状態において共通とした。しかし、事前報知画像Gjが表示される位置は、適宜に変更してもよい。例えば、遊技可能状態(図19(a)参照)と異常時停止状態(図19(b)参照)とで、事前報知画像Gjが表示される位置が変化する構成としてもよい。以上の構成によれば、事前報知画像Gjが表示される位置の自由度が向上し、事前報知画像Gjにより他の画像の視認性が低下する不都合が抑制される。また、以上の変形例において、遊技可能状態と異常時停止状態とで、事前報知画像Gjの大きさが変化する構成としてもよい。
同様に、設定確認中画像Gkが表示される設定確認モード(図19(d)参照)と遊技可能状態とで、事前報知画像Gjが表示される位置が変化する構成としてもよい。以上の変形例において、遊技可能状態と設定確認モードとで、事前報知画像Gjの大きさが変化する構成としてもよい。例えば、遊技可能状態より設定確認モードにおいて事前報知画像Gjが拡大(縮小)される構成としてもよい。また、デモ演出画像Gdが表示されるデモ演出モード(図19(e)参照)と遊技可能状態とで、事前報知画像Gjが表示される位置が変化する構成としてもよい。以上の変形例において、遊技可能状態とデモ演出モードとで、事前報知画像Gjの大きさが変化する構成としてもよい。例えば、遊技可能状態よりデモ演出モードにおいて事前報知画像Gjが拡大(縮小)される構成としてもよい。
(4)各形態において、AT状態において獲得したメダルの合計数(純増枚数)をAT中画像において表示する構成とした(上述の図19(a)参照)。また、事前報知画像Gjにおいて、コンプリート状態までの残りメダル枚数を表示する構成とした(同図参照)。以上の構成において、AT中画像のメダル枚数が更新される契機を、事前報知画像Gjのメダル枚数が更新される契機と共通にしてもよい。例えば、全てのリール12が停止した直後に(払出処理が実行される前に)送信される表示当選役コマンドに基づいて、AT中画像のメダル枚数および事前報知画像Gjのメダル枚数の双方が略同時に更新される構成としてもよい。上述の事前報知画像Gjのメダル枚数が表示当選役コマンドで更新される構成は、MYカウンタCmyが更新される前に事前報知画像Gjのメダル枚数が更新される構成であるとも換言される。
また、AT中画像のメダル枚数と事前報知画像Gjのメダル枚数とで、更新される契機を相違させてもよい。例えば、事前報知画像Gjのメダル枚数が払出処理の後に更新される一方、AT中画像のメダル枚数が全てのリール12が停止した直後に表示当選役コマンドに基づいて更新される構成としてもよい。以上の構成によれば、AT中画像のメダル枚数と事前報知画像Gjのメダル枚数とで、更新される契機が共通の構成と比較して、各画像が表示するメダル枚数を更新する契機の自由度が向上するという利点がある。
また、以上の構成において、コンプリート状態へ移行する遊技において、例えば8枚ベルが入賞した場合を想定する。以上の構成では、コンプリート状態へ移行させる処理(第1異常判定処理)が実行される前に、表示当選役コマンドがサブCPU412側で受信される。したがって、8枚ベルが入賞した旨の報知演出(「8枚ゲット!」というメッセージの表示など)がコンプリート状態へ移行する前に実行できるという利点がある。
(5)各形態では、液晶表示装置30において事前報知が実行された。しかし、液晶表示装置30以外で事前報知が実行される構成としてもよい。図39(a)から図39(c)は、液晶表示装置30以外で事前報知が実行される変形例を説明するための図である。以上の変形例では、指示表示器16において事前報知が実行される。
図39(a)は、変形例において、指示表示器16で事前報知が実行される具体例を説明するための図である。図39(a)には、各時点における指示表示器16の態様が示される。詳細には後述するが、通常態様、事前報知態様(L1~5)、待機態様L0およびコンプリート態様CPの何れかに指示表示器16が非遊技期間において制御される。事前報知態様では、事前報知状態である旨が報知される(事前報知される)。また、図39(a)には、各時点における演出用ランプ28の態様が示される。
図39(a)の具体例では、時点t1において通常状態から事前報知状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、時点t1において、指示表示器16が通常態様から事前報知態様に変化する。通常態様に制御される非遊技期間において、指示表示器16は非表示になる。一方、事前報知態様に制御される非遊技期間において、指示表示器16は、コンプリート状態へ移行するまでの残りメダル枚数に対応する文字列(L1~L5)を表示する。
具体的には、指示表示器16は、コンプリート状態までの残りメダル枚数が500枚以下になった時点で、文字列「L5」を表示する。また、指示表示器16は、コンプリート状態までの残りメダル枚数が400枚以下になった時点で、文字列「L4」を表示する。同様に、指示表示器16は、コンプリート状態までの残りメダル枚数が300枚以下になった時点で、文字列「L3」を表示し、コンプリート状態までの残りメダル枚数が200枚以下になった時点で、文字列「L2」を表示し、コンプリート状態までの残りメダル枚数が100枚以下になった時点で、文字列「L1」を表示する。
事前報知状態へ移行した直後では、コンプリート状態までの残りメダル枚数は400枚より多く500枚以下になる。したがって、図39(a)の具体例では、時点t1以降の期間において、文字列「L5」が指示表示器16に表示される。また、図39(a)の具体例では、時点t2において、コンプリート状態までの残り枚数が400枚以下になった場合を想定する。以上の場合、時点t2以降の期間において、文字列「L4」が指示表示器16に表示される。
同様に、図39(a)の具体例では、時点t3において、コンプリート状態までの残りメダル枚数が300枚以下になり、時点t4において、コンプリート状態までの残りメダル枚数が200枚以下になり、時点t5において、コンプリート状態までの残りメダル枚数が100枚以下になった場合を想定する。以上の場合、時点t3以降の期間において、文字列「L3」が指示表示器16に表示され、時点t4以降の期間において、文字列「L2」が指示表示器16に表示され、時点t5以降の期間において、文字列「L1」が指示表示器16に表示される。
当該変形例では、事前報知状態からコンプリート状態へ移行すると、指示表示器16が事前報知態様(L1)からコンプリート態様CPに切替えられる。指示表示器16がコンプリート態様に制御される期間において、指示表示器16においてコンプリート報知が実行される。具体的には、コンプリート態様の指示表示器16は文字列「CP」を表示する。
図39(b)は、変形例において、指示表示器16で事前報知が実行される時期の他の具体例を説明するための図である。上述の図39(a)の具体例では、コンプリート状態までの残り枚数が0枚に達した時点においてボーナス作動状態以外(例えば、内部中状態)であった場合を想定する。一方、図39(b)の具体例では、コンプリート状態までの残り枚数が0枚に達した時点においてボーナス作動状態であった場合を想定する。
図39(b)の具体例では、ボーナス作動状態の時点t1において、コンプリート状態までの残りメダル枚数が0枚に達した場合を想定する。以上の場合、指示表示器16は、事前報知態様L1から待機態様L0に切替わる。待機態様L0の指示表示器16は、非遊技期間において文字列「L0」を表示する。図39(b)の具体例では、時点t2においてボーナス作動状態が終了した場合を想定する。以上の場合、時点t2において、待機態様L0からコンプリート態様CPへ指示表示器16の態様が切替えられる。
以上の変形例では、事前報知状態が開始される前後において、指示表示器16の態様が変化する。以上の構成は、指示表示器16により事前報知が実行されるとも換言される。また、当該変形例では、図39(a)および図39(b)に示す通り、事前報知状態が開始される前後において、演出用ランプ28の態様は変化しない。以上の説明から理解される通り、当該変形例では、事前報知状態が開始される前後において、報知態様が変化する報知手段(指示表示器16)と変化しない報知手段(演出用ランプ)とが設けられる。
ところで、仮に事前報知状態が開始された前後において、演出用ランプ28の態様が変化する構成を想定する。以上の構成では、事前報知状態が開始された以降の期間において、演出用ランプ28の見栄えが悪くなる不都合が生じ得る。当該変形例では、事前報知状態が開始された旨を指示表示器16で報知しつつ、以上の不都合が抑制できるという利点がある。
図39(c)は、以上の変形例における指示表示器16の態様の詳細を説明するための図である。図39(c)には、1回の遊技が実行される前後にわたる期間における各時点での指示表示器16が示される。
具体的には、図39(c)の具体例では、時点t1において遊技の開始操作が実行され各リール12が加速し、その後の時点t2において各リール12が定常回転し(停止操作が可能になり)、時点t3において全リール12が停止して払出処理が実行され、時点t4において次回の遊技を開始するための賭けメダルが設定された場合を想定する。また、時点t4において、MYカウンタCmyが数値「18595」から数値「18600」に加算された場合を想定する。
以上の図39(c)の具体例では、時点t1以前において、指示表示器16に文字列「L5」が表示される。その後の、時点t1から時点t2までの加速期間において、指示表示器16は非表示になる。また、図39(c)の具体例では、時点t1から開始された遊技において、指示情報「1」が表示される(8枚ベルの正解順序が指示される)場合を想定する。以上の場合、時点t2から時点t3までの停止操作が可能な期間において、指示情報「1」が指示表示器16に表示される。
また、図39(c)の具体例では、時点t3において8枚ベルが入賞した場合を想定する。以上の場合、払出処理が完了した時点t3から新たな賭けメダルが投入される時点t4までの期間において、払出枚数を示す数字「8」が指示表示器16に表示される。その後、時点t4において賭けメダルが設定されると、指示表示器16は文字列「L4」を表示する。以上の説明から理解される通り、当該変形例の指示表示器16は、払出枚数を表示する機能、指示情報を表示する機能、事前報知を実行する機能、および、コンプリート報知を実行する機能を兼備する。
なお、セグメント表示器における事前報知の態様は以上の変形例に限定されない。例えば、3桁のセグメント表示器を指示表示器16とは別に備え、事前報知状態において当該セグメント表示器にコンプリート状態までの残りメダル枚数(0~500)が表示される構成としてもよい。また、当該セグメント表示器によりコンプリート報知が実行される構成としてもよい。なお、以上の構成において、当該セグメント表示器がメインCPU301により制御されてもよいし、サブCPU412により制御されてもよい。
また、コンプリート状態までの残りメダル枚数を報知(示唆)する構成は以上の例に限定されない。例えば、上述の第1実施形態では、事前報知画像Gjが表示するコンプリート状態までの残りメダル枚数がリアルタイムに更新して表示された。しかし、以上の構成に替えて、コンプリート状態までの残りメダル枚数が予め定められた枚数だけ減少する毎に、事前報知画像Gjが更新して表示される構成としてもよい。
例えば、コンプリート状態までの残りメダル枚数が100枚減少する毎に、事前報知画像Gjが更新して表示される構成としてもよい。具体的には、コンプリート状態までの残りメダル枚数が500~401枚の期間では、「コンプリート機能作動まで約500枚」というメッセージが事前報知画像Gjに表示される構成としてもよい。以上の構成では、コンプリート状態までの残りメダル枚数が400~301枚の期間では、「コンプリート機能作動まで約400枚」というメッセージが表示され、残りメダル枚数が300~201枚の期間では、「コンプリート機能作動まで約300枚」というメッセージが表示され、残りメダル枚数が200~101枚の期間では、「コンプリート機能作動まで約200枚」というメッセージが表示され、残りメダル枚数が100~1枚の期間では、「コンプリート機能作動まで約100枚」というメッセージが表示される。
図39(d)は、他の変形例における事前報知画像Gjxの模擬図である。当該変形例では、事前報知画像Gjxが事前報知状態へ移行した契機で表示開始される。図39(d)に示す通り、事前報知画像Gjxは、始端部Ts、終端部Teおよび移動部Tmを含む。移動部Tmは、MYカウンタCmyの現在値に応じて、始端部Tsと終端部Teとの間を移動する。また、移動部Tmから見て始端部Ts側と終端部Te側とでは色彩が相違する。
具体的には、MYカウンタCmyが増加すると(コンプリート状態までの残りメダル枚数が減少すると)、移動部Tmが終端部Te側に移動する。一方、MYカウンタCmyが減少すると(コンプリート状態までの残りメダル枚数が増加すると)、移動部Tmが始端部Ts側に移動する。MYカウンタCmyが数値「18500」以下の場合、移動部Tmが始端部Tsに重なる。MYカウンタCmyが閾値「19000」に達すると、移動部Tmが終端部Teに重なる。以上の変形例では、コンプリート状態までの残りメダル枚数が事前報知画像Gjxにより示唆される。
図39(e)は、さらに他の変形例における事前報知ランプ(L500~L100)の模擬図である。図39(e)に示す通り、事前報知ランプは5個のランプL500~L100を含んで構成される。事前報知ランプは、メインCPU301により制御されてもよいし、サブCPU412により制御されてもよい。
以上の変形例では、コンプリート状態までの残りメダル枚数が500枚以上の期間では、全ての事前報知ランプが消灯する。一方、コンプリート状態までの残りメダル枚数が500~401枚の期間では、1個の事前報知ランプ(L500)が点灯する。また、コンプリート状態までの残りメダル枚数が400~301枚の期間では、2個の事前報知ランプ(L500、L400)が点灯する(図39(e)参照)。同様に、コンプリート状態までの残りメダル枚数が300~201枚の期間では、3個の事前報知ランプ(L500~L300)が点灯し、コンプリート状態までの残りメダル枚数が200~101枚の期間では、4個の事前報知ランプ(L500~L200)が点灯し、コンプリート状態までの残りメダル枚数が100~1枚の期間では、5個の事前報知ランプ(L500~L100)が点灯する。以上の変形例では、コンプリート状態へ移行すると、全ての事前報知ランプが点滅する。
(6)各形態は液晶表示装置30を具備したが、液晶表示装置30を具備しない構成としてもよい。ただし、液晶表示装置30を具備しない構成においても、事前報知が実行される構成が好適である。以上の事情を考慮して、液晶表示装置30を具備しない構成においては、例えば、上述の図39(a)から図39(c)を用いて説明した変形例(セグメント表示器により事前報知を実行する変形例)が好適に採用され得る。また、液晶表示装置30を具備しない構成において、事前報知に加えコンプリート報知がセグメント表示器(例えば、指示表示器16)で実行される構成(例えば、図39(a)から図39(c)の変形例)が好適である。
ただし、図39(a)から図39(c)を用いて説明した変形例において、液晶表示装置30を具備しない構成では、指示表示器16の文字列(L0~L5、CP)の意味が遊技者に理解されない不都合が考えられる。以上の事情を考慮して、指示表示器16が表示する文字列の意味の説明が遊技機1に表示される構成が好適である。例えば、指示表示器16が表示する文字列の意味の説明が腰部パネル6に表示される構成が採用され得る。また、液晶表示装置30を具備しない構成では、事前報知状態へ移行した際に、その旨を報知するための音声が出力される構成が好適である。
(7)各形態において、電気的に記憶されるポイントが遊技媒体として用いられる遊技機1(以下「メダルレス機」)としてもよい。以上の構成では、メイン制御基板300は、主に遊技の進行を制御するための遊技制御基板と、主にポイントを管理するための払出制御基板とで構成される。すなわち、本発明の「主制御手段」は、1個のメイン制御基板300で構成される手段に加え、遊技制御基板と払出制御基板との2個で構成される手段を含む。
以上のメダルレス機では、当選役が入賞すると、メダルが実際には払出されず、払出処理において内部ポイントが加算される。また、賭け操作(MAX-BETボタン22の操作)が実行されると、内部ポイントの一部(例えば、3ポイント)が賭けポイントとして設定される。賭けポイントが設定された後に、開始操作が実行されると、遊技が開始される。また、以上の内部ポイントは、使用領域R1(図31(a)参照)に記憶され、予め定められた精算操作に応じて、遊技機1に接続された管理装置へ移行される。また、管理装置に対して貸出操作が実行されると、遊技機1の内部ポイントが加算される。
以上のメダルレス機においても、払出処理が実行された後に、性能算出処理(図27のS114)およびコンプリート判定処理(図27のS115)が実行される構成が好適である。すなわち、実際に内部ポイントが加算された契機で、MYカウンタCmyが加算される構成が好適である。また、メダルレス機において、コンプリート状態においても上述の精算操作を受付可能である。ただし、コンプリート状態では、貸出操作を無効とする構成が好適である。また、コンプリート状態へ移行した契機で、内部ポイントが自動的に管理装置へ移行される構成としてもよい。さらに、コンプリート状態へ移行した契機で、上述のセキュリティ信号に加え、コンプリート状態へ移行した旨を示す専用の外部信号が遊技機1の外部に送信される構成としてもよい。
ただし、コンプリート状態において手動で内部ポイントを移行可能な構成としてもよい。また、メダルレス機においても、コンプリート状態で各種の異常を検知可能とし、異常時停止状態へ移行可能な構成としてもよい。例えば、コンプリート状態において、扉異常またはセンサ異常を検知可能とし、当該異常が検知されると、異常時停止状態へ移行する構成としてもよい。また、上述の遊技制御基板と払出制御基板との通信を監視し、通信異常を検知可能な構成としてもよい。さらに、以上の通信異常を検知した契機で、異常時停止状態へ移行する構成としてもよい。
(8)各形態において、使用領域外R2の性能算出処理およびコンプリート判定処理(以下「使用領域外処理」)は、使用領域R1の呼出処理により呼出された(図32(a)参照)。第1実施形態の呼出処理では、使用領域外処理を呼出す直前に、フラグレジスタPSWをRWM領域R13(使用領域R1)に退避し、使用領域外処理が終了した直後に、フラグレジスタPSWをRWM領域R13から復帰させた。しかし、使用領域外処理を呼出すための構成は以上の例に限定されない。
図40(a)は、変形例における呼出処理を説明するための図である。図40(a)には、使用領域R1の各処理と使用領域外R2の各処理とが区別可能に示される。上述の第1実施形態の呼出処理は、ステップSt1からステップSt4を含む(図32(a)参照)。変形例の呼出処理は、使用領域R1としてはステップSu1の特殊呼出のみが実行される。
具体的には、メインCPU301は、呼出処理(Sc)を開始すると、使用領域外R2の使用領域外処理(SI)を呼出す特殊呼出(ステップSu1)を実行する。当該特殊呼出は、使用領域外処理(SI)を呼出す際に、フラグレジスタPSWの現在値をRWM領域R13のスタック領域に退避するとともに割込処理の実行を禁止する。
第1実施形態でも説明した通り、使用領域外処理が開始されると、メインCPU301は、スタックポインタSPの現在値(使用領域R1で使用していた数値)をRWM領域R23のワーク領域に退避する(Sw1)。その後、使用領域外R2における初期値をスタックポインタSPに設定する(Sw2)。また、スタックポインタSPに初期値を設定した後に、他の内部レジスタの現在値(使用領域R1で使用していた数値)をRWM領域R23のスタック領域に退避する(Sw3)。その後、今回の使用領域外処理に応じたステップSw4(MYカウンタCmyの更新など)を実行する。
ステップSw4を実行した後に、メインCPU301は、ステップSw3でRWM領域R23のスタック領域に退避した内部レジスタの数値を復帰する(Sw5)。また、メインCPU301は、上述のステップSw1でRWM領域23のワーク領域に退避したスタックポインタPSを復帰させる(Sw6)。その後、メインCPU301は、特殊復帰(Sw7)を実行することにより、使用領域R1に処理を戻す。当該特殊復帰は、使用領域外処理として実行される処理である。ここで、使用領域R1に処理を戻す際に、使用領域処理としてRWM領域R13のスタック領域に退避したフラグレジスタPSWの数値をフラグレジスタPSWに復帰する。フラグレジスタPSWを復帰することにより割込許可情報も復帰することとなり、ステップSu1のときの割込許可状態または割込禁止状態のいずれかの状態に復帰する。
上述した通り、第1実施形態では、使用領域外処理を実行する際に、呼出処理(Sc1)において、ステップSt1からステップSt4の処理を実行した。以上の構成では、使用領域R1の処理において複数の処理を実行する必要がある。
一方、図40(a)の変形例の構成では、使用領域外処理を実行する際に、呼出処理(Sc1)において、特殊呼出(ステップSu1)のみを実行する。特殊呼出により使用領域外処理(SI)を呼出す際に、フラグレジスタPSWの現在値が退避され、割込処理の実行が禁止される。また、使用領域外R2の特殊復帰により使用領域R1に処理を戻す際に、フラグレジスタPSWが復帰される。そのため、使用領域R1で実行する処理を少なくすることができ、使用領域R1のプログラムを小さくできるという利点がある。
なお、以上の変形例において、割込許可情報がフラグレジスタに含まれない構成としてもよい。以上の構成では、呼出処理において使用領域外処理を呼出す際に割込処理を禁止するステップ(例えば、図32(a)のSt2)を設け、使用領域処理へ復帰する際に割込処理を許可するステップを設ける。同様に、上述の第1実施形態(図32(a)参照)においても、割込許可情報がフラグレジスタに含まれない構成としてもよい。以上の構成では、使用領域処理へ復帰する際に割込処理を許可するステップを設ける。
図40(b-1)は、使用領域R1(制御領域R12)に記憶されるプログラムXXXXの具体例を説明するための図である。以上のプログラムXXXXは、変形例における呼出処理のプログラムである。図40(a)および図40(b-1)から理解される通り、変形例の呼出処理では、1個の命令「CALLI」のみが実行される。
図40(b-2)は、使用領域R2(制御領域R22)に記憶されるプログラムYYYYの具体例を説明するための図である。以上のプログラムYYYYは、変形例の呼出処理で呼出される使用領域外処理のプログラムである。上述した通り、変形例の呼出処理で呼出される処理は、ステップSw1~Sw7を含んで構成される。図40(b-2)は、以上の各ステップSのうちステップSw4を省略して示す。
(9)各形態では、コンプリート状態へ移行した契機でメダルが自動精算される構成を採用した。以上の構成において、コンプリート状態へ移行した際に、メダルが自動精算される旨が報知(以下「精算報知」)される構成としてもよい。精算報知では、例えば、「メダルを自動精算します」という音声を出力するとともに、その旨を示すメッセージを表示する画像(以下「精算画像」)が表示される。以上の構成において、コンプリート報知より先行して(優先して)精算報知が実行される構成としてもよい。また、コンプリート報知が実行された後に、精算報知が実行される構成としてもよい。
また、コンプリート状態へ移行した契機でメダルが自動精算されない構成とし、その後のコンプリート状態において、メダルの精算操作を受付可能としてもよい。以上の構成では、コンプリート状態において、メダルを手動で精算すべき旨の報知が実行される構成が好適である。例えば、「メダルを精算してください」という音声を出力し、その旨を示すメッセージを表示する画像をコンプリート状態において表示する構成が好適である。以上の説明から理解される通り、本発明の「遊技価値の精算に係る処理」には、精算を実行するための処理および精算に係る報知を実行するための処理が含まれる。
さらに、コンプリート状態においてメダルが精算される場合と、遊技可能状態においてメダルが精算される場合とで、精算報知の態様を相違させてもよい。例えば、コンプリート状態においてメダルが自動精算される場合に「メダルを自動精算します」という音声が出力される構成において、遊技可能状態においてメダルが精算される場合には警告音が出力される構成としてもよい。また、コンプリート状態においてメダルが自動精算される場合に上述の精算画像が表示される構成において、遊技可能状態においてメダルが精算される場合には特別な画像が表示されない構成としてもよい。また、以上の構成において、遊技可能状態においてメダルが精算され場合にはデモ演出画像に切替えられる構成としてもよい。
(10)各形態では、設定変更処理が完了した時点で、遊技状態フラグ、出玉状態フラグ、コンプリートフラグFcを含む各情報を初期化した。以上の構成に替えて、設定変更処理が開始された時点で、以上の各情報が初期化される構成としてもよい。また、以上の各情報が初期化される処理を、設定変更処理の開始時と終了時との双方において実行する構成としてもよい。
(11)各形態において、コンプリート報知が実行される契機は適宜に変更してもよい。例えば、上述の第1実施形態では、事前報知状態からコンプリート状態へ移行する場合と、待機状態からコンプリート状態へ移行する場合とで、コンプリート報知が実行される契機を共通にしたが、以上の各場合で相違させてもよい。具体的には、事前報知状態からコンプリート状態へ移行する場合はコンプリート状態へ移行した契機でコンプリート報知が開始される一方、待機状態からコンプリート状態へ移行する場合、ボーナス作動状態の終了ウェイト中からコンプリート報知が開始される構成としてもよい。
(12)各形態において、メインCPU301側における抽選処理(AT抽選など)では、MYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjが参照されない構成とした。すなわち、メインCPU301側における抽選処理は、コンプリート状態までの残りメダル枚数および事前報知状態であるか否かに応じては変化しない構成とした。以上の構成において、サブCPU412側における処理が、コンプリート状態までの残りメダル枚数および事前報知状態であるか否かに応じて変化する構成としてもよい。
具体的には、事前報知状態へ移行する前後において、演出が実行される頻度を変更してもよい。以上の構成としては、例えば、演出の頻度を通常状態より事前報知状態において低下させる構成が考えられる。また、実行され得る演出の種類が通常状態と事前報知状態とで変化する構成としてもよい。以上の構成としては、例えば、AT状態の残り遊技回数の上乗せ演出を、通常状態では実行するが事前報知状態では実行しない構成が考えられる(ただし、上乗せ抽選自体はメインCPU301により実行される)。また、事前報知状態において、特殊な演出が実行される特殊演出モードへ移行する構成としてもよい。
(13)各形態において、事前報知状態へ移行した履歴、および、コンプリート状態へ移行した履歴を確認可能にしてもよい。例えば、設定確認モードにおいて、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを適宜に操作すると、システム画面が液晶表示装置30に表示される構成を想定する。以上のシステム画面には、事前報知状態へ移行した履歴(〇〇〇〇年〇月〇日〇時〇分)、および、コンプリート状態へ移行した履歴が表示される。例えば、事前報知状態へ移行した年月日時分、および、コンプリート状態へ移行した年月日時分が各々複数回分(例えば100回分)表示される。同様に、以上のシステム画面において、設定変更モードへ移行した履歴、電源がOFFされた履歴、クリア操作がされた履歴、および、異常が検知された履歴が表示される構成としてもよい。段落
以上の変形例において、事前報知状態においてシステム画面を表示可能な構成としてもよい。以上の構成では、事前報知状態においてシステム画面を表示した契機で、事前報知画像Gjが非表示になる構成が好適である。以上の構成によれば、システム画面の各情報が事前報知画像Gjで視認し難くなる不都合が抑制される。ただし、システム画面において事前報知画像Gjが表示される構成としてもよい。また、コンプリート状態においてシステム画面を表示可能な構成としてもよい。以上の構成において、システム画面においてコンプリート報知が実行されてもよいし、システム画面においてはコンプリート報知が実行されない構成としてもよい。
(14)上述の第1実施形態では、第1異常(ホッパーエンプティ)が発生した場合の異常時停止状態において事前報知画像Gjを非表示にし、第2異常(センサ異常)が発生した場合の異常時停止状態において事前報知画像Gjを表示した(図19(b)および図19(f)参照)。以上の構成において、第1異常および第2異常は適宜に設定できる。例えば、上述の設定値異常を第1異常としてもよい。すなわち、設定値異常をが発生した場合の異常時停止状態において事前報知画像Gjが非表示になる構成としてもよい。同様に、RAM異常を第1異常としてもよい。
(15)各形態において、待機状態が省略される構成としてもよい。具体的には、MYカウンタCmyが閾値「19000」に達した契機で、ボーナス作動状態であるか否かによらず、コンプリート状態へ直ちに移行する構成としてもよい。また、以上の構成において、ボーナス作動状態においてボーナス中信号(外部信号)がON状態に変更される構成を採用してもよい。また、以上の構成を採用した場合、ボーナス作動状態においてコンプリート状態へ移行する際に、ボーナス中信号がON状態からOFF状態へ変更される構成としてもよい。ただし、以上の構成を採用する際に、コンプリート状態が開始された以降において、遊技状態フラグがボーナス作動状態で維持される構成が好適である。
(16)各形態において、コンプリート状態において実行可能な「所定の制御」の具体例として、異常関連処理、外部出力処理、設定確認処理、メニュー関連処理(上述の図16参照)、コンプリート報知を実行するための処理を説明した。しかし、本発明の「所定の制御」は以上の例に限定されない。
(17)各形態において、非遊技期間中にメニュー画像を表示し、当該メニュー画像を介して各種の操作を受付可能にした。また、例えば、マスター音量を調整するための音量調整画像をメニュー画像を介して表示可能とした。同様に、履歴コードを表示する履歴画像をメニュー画像を介して表示可能にした。以上の構成において、メニュー画像において事前報知が実行される構成としてもよい。具体的には、メニュー画像に事前報知画像Gjが表示される構成としてもよい。また、以上の構成において、音量調整画像に事前報知画像Gjが表示される構成としてもよいし、履歴画像に事前報知画像Gjが表示される構成としてもよい。
メニュー画像が表示された契機で、事前報知画像Gjが一旦非表示になる構成としてもよい。ただし、以上の構成では、メニュー画像が表示された状態で放置された場合、事前報知状態である旨を知らずに新たな遊技者が遊技を開始してしまう不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、メニュー画像が表示された契機で事前報知画像Gjが一旦非表示になる構成では、演出ボタン26または方向指定ボタン27が一定時間以上操作されない場合に、メニュー画像がデモ演出画像または遊技中画像(すなわち、事前報知画像Gjが表示される画像)に切替えられる構成が好適である。以上の構成によれば、上述の不都合が抑制される。
(18)各形態において、コンプリート状態から異常時停止状態へ移行可能な構成とした。具体的には、コンプリート状態において異常判定処理(以下「第3異常判定処理」)が繰返し実行される。以上の第3異常判定処理では、各異常検知フラグの状態が判定される。また、以上の第3異常判定処理では、異常検知フラグFe1がON状態の場合、コンプリート状態から異常時停止状態へ移行させる。
以上の構成において、第3異常判定処理のプログラムを、第1異常判定処理のプログラムおよび第2異常判定処理のプログラムと同様に、使用領域R1のRWM領域R13に記憶してもよい。また、第3異常判定処理のプログラムを使用領域R2のRWM領域R23に記憶してもよい。
(19)各形態において、使用領域R1に記憶される情報および使用領域R2に記憶される情報を適宜に変更してもよい。例えば、第1実施形態では、性能算出処理のプログラムおよびコンプリート判定処理のプログラムの双方が使用領域外R2に記憶された。以上の構成に替えて、各プログラムの何れか一方を使用領域R1に記憶し、他方を使用領域外R2に記憶する構成としてもよい。また、各プログラムの双方が使用領域R1に記憶される構成としてもよい。
(20)各形態において、全てのリール12が停止した際にフリーズ期間を設けることが可能な構成としてもよい。例えば、AT状態の最終遊技において全てのリール12が停止した際に、フリーズ期間が設けられる構成が考えられる。以上のフリーズ期間では、例えば、今回のAT状態で獲得したメダル枚数等が表示される。具体的には、AT状態の最終遊技の払出処理が完了し、MYカウンタCmyが加算された後にフリーズ期間が開始される。
また、以上の変形例において、AT状態の最終遊技においてMYカウンタCmyが閾値「19000」に達した場合、コンプリート状態へ移行する以前にフリーズ期間が設けられる構成が好適である。なお、コンプリート状態へ移行する遊技では、フリーズ期間において事前報知画像Gjが表示される構成としてもよいし非表示にする構成としてもよい。ただし、フリーズ期間において事前報知画像Gjが表示される構成では、コンプリート状態までの残りメダル枚数が0枚である旨を事前報知画像Gjがフリーズ期間において表示可能である構成が好適である。なお、フリーズ期間が設けられる構成は、AT状態の最終遊技に限られない。
(21)各形態において、電源がOFF/ONされた契機でMYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjが初期化される構成とした。しかし、電源がOFF/ONされた契機でMYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjを初期化するか否かを選択可能な構成としてもよい。例えば、電源が投入された際に、予め定められた維持条件が成立しているか否かを判定し、維持条件が成立している場合にMYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjを初期化し、維持条件が成立していない場合に各情報を初期化しない構成が考えられる。
以上の変形例として、例えば、管理者が操作可能な維持ボタンを遊技機1の内部に設ける構成が考えられる。以上の構成では、電源が投入された際に当該維持ボタンが操作されている場合にMYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjを初期化し、維持ボタンが操作されていない場合に各情報を初期化しない。
また、上述の変形例として、例えば、電源が投入された際に、電源が遮断されてからの一定時間の期間(以下「維持期間」)が経過しているか否かを判定する構成が考えられる。以上の構成では、電源が投入された際に維持期間が経過している場合にMYカウンタCmyおよび事前報知フラグFjを初期化し、維持期間が経過していない場合に各情報を初期化しない。以上の構成では、例えば、遊技場の営業期間中に誤って電源を遮断した場合であっても、直ちに電源を再投入することで、事前報知状態を維持することができるという利点がある。
(22)各形態では、払出処理が終了した時点でMYカウンタCmyが更新された。しかし、表示判定処理において払出予定枚数が記憶された時点で、MYカウンタCmyが更新される構成としてもよい。すなわち、払出処理より前に、MYカウンタCmが更新される構成としてもよい。
(23)各形態において、事前報知画像Gjが表示するメダル枚数(以下「表示メダル枚数」)が更新される時期は適宜に変更できる。具体的には、MYカウンタCmyが更新される時期(払出処理の終了直後)以外で、表示メダル枚数が更新される構成としてもよい。例えば、遊技が開始された契機で、賭けメダルに応じた数値が表示メダル枚数に加算される構成としてもよい。また、以上の構成において、表示当選役コマンドが受信された契機で、当該表示当選役コマンドが示す当選役の払出枚数(払出予定枚数)が表示メダル枚数から減算される構成としてもよい。以上の構成では、MYカウンタCmyは、賭けメダルの枚数と払出枚数との双方に応じて更新される旨が把握され易くなるという利点がある。
(24)各形態のボーナス作動状態では、通常状態と事前報知状態と待機状態とで共通のボーナス中画像Gbが表示される構成とした(図17(d)参照)。以上の構成に替えて、待機状態へ移行した契機でボーナス中画像Gbが他の画像(以下「待機状態画像」)に切替わる構成としてもよい。以上の待機状態画像では、待機状態中である旨が報知される。
ところで、上述のボーナス中画像Gbでは指示機能関連処理の結果を示唆(報知)する各種の画像(アニメーション等)が表示される。しかし、ボーナス作動状態が終了すると、直ちに、待機状態からコンプリート状態へ移行する。したがって、待機状態における指示機能関連処理で獲得した利益(AT状態へ移行する権利など)は実質的に無効になる場合が想定される。以上の事情を考慮して、待機状態画像では指示機能関連処理の結果を示唆する画像が表示されない構成が好適である。以上の待機状態画像としては、例えば、所定の静止画像(単色の背景画像を含む)が考えられる。
(25)各形態において、メニュー画像を介して、演出用ランプ28等の光量値を調整可能な構成としてもよい。以上の構成では、非遊技期間中において、マスター音量に加え光量値が変更可能になる。また、以上の変形例において、コンプリート状態ではマスター音量を調整する操作および光量値を調整する操作が不可能になる構成としてもよい。ただし、コンプリート状態において以上の各操作が可能な構成としてもよい。
(26)各形態において、クリア処理により初期化される各情報は適宜に変更できる。例えば、設定値がクリアされない点を除いて、クリア処理において初期化される各情報と設定変更時処理において初期化される各情報とが共通である構成としてもよい。以上の構成では、クリア処理によりコンプリート状態が解除される。また、以上の構成において、異常検知フラグFer(RAM異常)がON状態において、クリア操作が実行された場合、設定変更操作が実行された場合と同様に、全初期化処理が実行される構成としてもよい。
(27)本発明は、上述したパチスロ機のみならず、ぱちんこ機、その他の遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。なお、以上の各変形例における制御は、遊技状態によらず実行可能であることは言うまでもない。
本発明の遊技機は、例えば以下の遊技機である。
本発明の遊技機は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムとなる第1制御プログラムを格納する第1格納領域と、遊技制御プログラムとは異なる第2制御プログラムを格納する第2格納領域と、第1制御プログラムによって参照及び更新されると共に、第2制御プログラムによって更新されない第1の記憶領域と、第2制御プログラムによって参照及び更新されると共に、第1制御プログラムによって更新されない第2の記憶領域と、第1制御プログラムと、第2制御プログラムとを実行可能な主制御手段(主制御基板300)と、各遊技において、複数種類の図柄を変動表示し、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示する図柄表示手段(各リール12)と、遊技者により停止操作される停止操作手段(ストップボタン25)と、を具備する遊技機であって、主制御手段は、第1制御プログラムの処理によって、遊技価値を使用した遊技を開始する遊技開始制御と、複数種類の当選エリアのうちの何れかを決定する当選エリア決定制御(内部抽選処理)と、当選エリアと停止操作の態様とに応じて、図柄組合せを停止表示させる図柄変動制御(停止制御処理)と、図柄組合せに対応する遊技価値を付与可能にする遊技価値付与制御(払出処理)と、再遊技の図柄組合せが停止表示されると、遊技価値を使用することなく次回の遊技を開始可能にする再遊技設定制御と、遊技に用いられる所定情報(出玉状態フラグFx)を第1の記憶領域に記憶する記憶制御と、を実行可能であり、第2制御プログラムの処理によって、各遊技において、使用された遊技価値と付与された遊技価値とに応じて、第2の記憶領域に記憶されている特定情報(MYカウンタCmy)を、図柄組合が停止表示された後に更新可能な更新制御(コンプリート判定処理)と、特定情報が予め定められた閾値に達したか否かを判定する判定制御と、を実行可能であり、更新制御は、再遊技の図柄組合せが停止表示された遊技以外で実行される一方、再遊技の図柄組合せが停止表示された遊技では省略され、判定制御は、再遊技の図柄組合せが停止表示された遊技以外で実行される一方、再遊技の図柄組合せが停止表示された遊技では省略され、第1制御プログラムの処理によって、遊技価値付与制御を行った後に、第1制御プログラムによって第2格納領域に格納されている第2制御プログラムを呼出し、第2制御プログラムの処理を実行し、第2制御プログラムの処理によって、更新制御および判定制御を実行した後に第1制御プログラムに復帰し、第1制御プログラムは、判定制御により特定情報が閾値に達したと判定されると、遊技機を遊技不可能な停止状態へ移行させる遊技停止制御を実行し、停止状態へ移行した後の期間においても、第1の記憶領域における所定情報は維持され、停止状態の解除条件が成立した場合、第1制御プログラムによって第2格納領域に格納されている第2制御プログラムを呼出し、当該第2制御プログラムによって停止状態を解除し、解除条件が成立した場合、第1制御プログラムによって、所定情報を初期化し、電源投入時において解除条件が成立しない場合、第1制御プログラムを実行し、その後、第1制御プログラムによって第2格納領域に格納されている第2制御プログラムを呼出し、第2制御プログラムによって第2の記憶領域における特定情報を初期化する一方、停止状態を維持する。