JP7423038B2 - 内視鏡用鋏 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に、内視鏡用ではあるが、従来の鋏が記載されている。
特許文献1に記載の内視鏡用鋏鉗子は、一対の鋏部の互いに重ね合わされる面の一側縁に沿い、この内面から重ね合わされる面とは反対側の面(以下、外面と呼ぶ)に亘って、鋭利に傾斜する刃部が設けられ、鋏部が全体的に湾曲状に形成されているうえに刃部を備えることにより、互いの鋏部はいわゆる鎌状に形成されている。
しかし、鋏部の両方に刃部が形成された鋏は、重なり合う位置が点接触しながら、切断する。従って、過大な力で鋏部同士が点接触すると、刃部に欠けが生じるおそれがあり、体内に欠片が残留するおそれがある。
一対の鋏部材が凹む湾曲状に形成されているため、一対の鋏部材によって挟まれた被切断物を切断側の先端側と基端側との両方から切断することができる。そのため、弾性を有し、粘膜等により滑りやすい被切断物でも、逃すことなく、切断することができる。
二股部のスリットの先端部が、一対の鋏部材を重ねた厚みより狭い間隔に形成されているため、鋏機構部を挿入するだけで、鋏機構部を二股部に挟持させることができる。また、第1支軸が、二股部に圧入された状態で、二股部に固定されているため、鋏機構部を二股部に取り付けることができると共に、二股部のスリットの間隔を鋏機構部の厚みに合わせた状態で固定することができる。従って、しっかりと、一対の鋏部材同士の間隔を隙間の無い状態にハウジングに取り付けることができる。
なお、本明細書では、鋏側を先端側または前側、ワイヤー側を基端側または後ろ側として説明する。また、鋏を開くためにワイヤーを押す方向を進出方向、鋏を閉じるためにワイヤーを引く方向を後退方向として説明する。
内視鏡用鋏10は、鋏機構部20と、リンク機構部30と、進退部40と、ハウジング50とを備えている。
図4(A)に示す一方の鋏部材21は、先端部21xから、第1支軸S1(図2参照)が挿入される貫通孔21tが形成された中央部21yまでの切断側21pが、略J字状に形成され、中央部21yから基端部21zまでの操作側21qが徐々に幅が狭くなる形状に形成されている。
鋏部材21の基端部21zには、リンク機構部30(図2参照)と連結するための貫通孔21uが形成されている。
鋏部材22の基端部22zには、リンク機構部30(図2参照)と連結するための貫通孔22uが形成されている。
本実施の形態では、第2面22nは、切断方向F1と平行な面に形成されている。
鋏部材21,22の第1支軸S1が挿入される貫通孔21t,22tから、後述する第2支軸が挿入される貫通孔21u,22uまでは、鋏部材21,22同士が同じ長さに形成されている。
一方のリンク31と鋏部材21(図2参照)とは、リンク31の一端部31eに一体的に形成された第2支軸S21が、鋏部材21の貫通孔21u(図4(A)参照)に回動自在に挿入固定されることで、連結されている。
また、他方のリンク32と鋏部材22(図2参照)とは、リンク32の一端部32eに一体的に形成された第2支軸S22が、鋏部材22の貫通孔22u(図4(B)参照)に回動自在に挿入固定されることで、連結されている。
また、リンク31,32の他端部31o,32oには、その間に、進退部40の後述する連結部を配置しても、リンク31,32を重ねた厚みが変わらないように、薄肉部31m,32mが形成されている。
第3支軸S3は、リンク32から突出する長さに形成されている。
図5に示すように、進退部40と、リンク31,32とは、リンク31,32の他端部31o,32o同士が重ね合わされ、他端部31o,32oの間に連結部41が配置され、第3支軸S3がリンク32の貫通孔32t(図6(B)参照)と、連結部41の貫通孔41t(図7参照)とに挿入されることで、互いが回動自在に連結されている。
一方の挟持部51aの内側面には、ハウジング50の軸線に沿って溝51dが形成されている。他方の挟持部51bの内側面は、平面に形成されている。
溝51dにおける幅方向の溝壁は、凹む円弧面に形成されており、溝51dには、一方の挟持部51aの外側面からの切り欠き部51cが通じている。切り欠き部51cは、幅方向の溝壁が凹む円弧面に形成されている。
端壁51fは、切り欠き部51cが繋がることで、凹む円弧面に形成されている。
本実施の形態では、案内部52が筒状に形成されているが、棒状のものに溝を形成し、溝でワイヤー部42(進退部40)を案内するものとしてもよい。
案内部52は円筒形状に形成され、その内周面には、円形状の段差部52uが形成されている。
図9(A)に示すように、開いた状態の鋏機構部20の鋏部材21,22の間に被切断物Cを位置させる。操作者は、ワイヤー部42を後退方向F21に引くことで、連結部41が引かれる。
第3支軸S3は、ハウジング50に形成された溝51d(図8(A)および同図(B)参照)に沿って後退する。従って、第3支軸S3を、ハウジング50および鋏機構部20の軸線を中心として、リンク31側に寄ったり、リンク32側に寄ったりすることなく、後退させることができる。
刃部21bを有する鋏部材21に接触した被切断物は、その時点で切れ始める場合がある。また、鋏部材22の第1面22mと第2面22nとによる直角の肩部22oに接触した被切断物についても切れ始める場合がある。
しかし、図9(B)に示すように、多くは、鋏部材21,22における切断側21p,22pの先端部の間隔が狭くなることで、粘弾性を有する肉部や、硬質な肉部などの被切断物C1が鋏部材21,22に接触しても、刃部21bおよび第1面22mを滑り、ずれながら逃げてしまうことがある。また、切断側21p,22pの基端部の間隔が狭くなることで、被切断物C2がずれながら逃げてしまうことがある。
そのため、鋏部材21,22における切断側21p,22pの先端側で被切断物C1を挟み込んだときには、被切断物C1を先端側で切断することができ、また、被切断物C1が先端側でずれながら逃げたとしても、被切断物C1を、鋏部材21,22が閉鎖するに従って刃部21bおよび第1面22mの中央側に移動させることができる。
従って、鋏部材21,22は、切断側21p,22pの先端側と基端側との両方から切断することができるため、弾性を有し、粘膜等により滑りやすい肉部でも、逃すことなく、被切断物を切断することができる。
例えば、刃部が鋏部材の両方に形成されたカッター同士による鋏であれば、鋏部材を先端側から見ると、鋏部材の刃部の先端部が、対をなす鋏部材側に湾曲している。従って、鋏部材を閉じると、刃部同士の重なり合う位置が、刃部の基端側から先端側へ点接触する位置を移動させながら被切断物が切断される。そうなると、点接触した位置に過大な応力が作用するため、刃部に欠けや割れが生じるおそれがある。
また、従来の内視鏡用鋏では、鋏先端に高周波を印加して肉部を切断するものがあるが、本実施の形態では、電源が必要な特殊な装置を用いることなく、被切断物を切断することができるため、シンプルな構造で鋭い切れ味を得ることができる。
そして、更に、ワイヤー部42が進出方向F22に押されることで、第3支軸S3が溝51dの前端(進出方向F22の端壁51f)に衝突することで、ワイヤー部42の進出方向F22への移動が止まる。従って、第3支軸S3を支点としたリンク機構部30の開きが規制されることで、第1支軸S1を支点とした鋏機構部20の操作側21q,22q(図3参照)の開きが規制される。
このように、ハウジング50の溝51dに第3支軸S3を案内させ、溝51dの端壁51fに突き当てることにより、鋏部材21,22に突起や凹みなど形成することなく、また、リンク31,32の開き動作や閉鎖動作に偏りを生じさせることなく、鋏部材21,22の最大の開度を規制することができる。
従って、鋏部材21,22を隙間なく開閉できるため、がたつきなく正確に開閉動作をさせることができるので、鋏としての機能を最大限発揮させることができる。
20 鋏機構部
21,22 鋏部材
21b 刃部
21c すくい面
21d 逃げ面
22m 第1面
22n 第2面
22o 肩部
21p,22p 切断側
21q,22q 操作側
21t,21u,22t,22u 貫通孔
21x,22x 先端部
21y,22y 中央部
21z,22z 基端部
30 リンク機構部
31,32 リンク
31e,32e 一端部
31o,32o 他端部
31m,32m 薄肉部
32t 貫通孔
40 進退部
41 連結部
41t 貫通孔
42 ワイヤー部
42e 一端部
50 ハウジング
51 二股部
51a,51b 挟持部
51c 切り欠き部
51d 溝
51f 端壁
51s スリット
51t 貫通孔
52 案内部
52u 段差部
S1 第1支軸
S21,S22 第2支軸
S3 第3支軸
L 間隔
F1 切断方向
F21 後退方向
F22 進出方向
θ 角度
C,C1,C2 被切断物
Claims (4)
- 一対の鋏部材同士が支軸によりそれぞれ回動自在に連結され、前記支軸を支点として前記一対の鋏部材の両方が開閉することにより肉部を切断する内視鏡用鋏において、
前記一対の鋏部材のうち一方の鋏部材は、刃部を有し、切断方向と平行な逃げ面を有するカッターであり、
前記一対の鋏部材のうち他方の鋏部材は、前記肉部を受ける第1面と、前記カッターが切断方向に移動するときに前記カッターの逃げ面と対向する第2面であり前記切断方向と平行な面に形成された第2面とを有し、前記肉部が前記第1面と前記第2面とによる直角の肩部に接触して切れ始めるダイであり、
前記一対の鋏部材に囲まれた範囲に位置する肉部に接触する内面である前記カッターの刃部および前記ダイの第1面は、凹む湾曲状に形成され、
前記ダイの第1面で前記肉部を受けて保持しつつ、前記カッターの刃部が前記肉部を挟み込んで切断し、そのまま前記ダイの第2面とすれ違うことにより、前記カッターと前記ダイとが重なり、前記カッターと前記ダイとが閉じた状態となることで、前記肉部が、前記カッターおよび前記ダイの先端側と基端側との両方の重なり合う位置から切断される内視鏡用鋏。 - 前記支軸を支持するハウジングと、
前記一対の鋏部材のそれぞれの基端部にそれぞれの一端部が回動自在に連結された一対のリンクと、
前記一対のリンクの他端部が回動自在に連結された進退部とを備え、
前記ハウジングに対して前記進退部を進退させることにより前記一対の鋏部材の両方が開閉動作する請求項1記載の内視鏡用鋏。 - 一対の鋏部材同士が支軸により連結され、前記支軸を支点として前記一対の鋏部材の開閉により肉部を切断する内視鏡用鋏において、
前記一対の鋏部材のうち一方の鋏部材は、刃部を有するカッターであり、
前記一対の鋏部材のうち他方の鋏部材は、前記肉部を受ける第1面と、前記カッターが切断方向に移動するときに前記カッターの逃げ面と対向する第2面であり前記切断方向と平行な面に形成された第2面とを有し、前記肉部が前記第1面と前記第2面とによる直角の肩部に接触して切れ始めるダイであり、
前記一対の鋏部材がスリットに挿入され、前記支軸の両端部を固定して前記一対の鋏部材を支持する二股部が形成されたハウジングを備え、
前記二股部のスリットの先端部は、前記一対の鋏部材を重ねた厚みより狭い間隔に形成され、
前記支軸は、前記一対の鋏部材を回動自在に軸支すると共に、前記二股部に圧入された状態で、前記二股部に固定され、
前記一対の鋏部材に囲まれた範囲に位置する肉部に接触する内面である前記カッターの刃部および前記ダイの第1面は、凹む湾曲状に形成され、
前記ダイの第1面で前記肉部を受けて保持しつつ、前記カッターの刃部が前記肉部を挟み込んで切断し、そのまま前記ダイの第2面とすれ違うことにより、前記カッターと前記ダイとが重なり、前記カッターと前記ダイとが閉じた状態となることで、前記肉部が、前記カッターおよび前記ダイの先端側と基端側との両方の重なり合う位置から切断される内視鏡用鋏。 - 前記刃部は、先端の刃先まで形成された請求項1から3のいずれか1項に記載の内視鏡用鋏。
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