JP7422693B2 - 軌道制御装置、軌道制御方法、及び、軌道制御プログラム - Google Patents

軌道制御装置、軌道制御方法、及び、軌道制御プログラム Download PDF

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Description

本開示は、軌道制御装置、軌道制御方法、及び、軌道制御プログラムに関する。
宇宙空間における活動が盛んになるにつれて、軌道上における人工衛星の点検及び燃料補給と、軌道上におけるデブリの除去等、多様な軌道上サービスに対する需要が高まっている。軌道上サービスを実現するためには、宇宙機がサービスの対象である人工衛星である対象衛星へ安全にかつ確実に接近するため、かつ、宇宙機が人工衛星に接合するための誘導技術が重要である。当該宇宙機は軌道上サービス機とも呼ばれる。
国際宇宙ステーション(ISS)へ物資を運搬するための補給機が担ってきた役割は、軌道上サービスの一つと言える。補給機はISSにドッキングするための誘導技術を備えており、ISSは補給機とのドッキングを可能にするための機能及び機構を備えている。
将来において想定される軌道上サービスにおいて、対象衛星には宇宙機の接近及び接合を可能とする機能及び機構が必ずしも備わっているとは限らない。また、対象衛星の近傍では他の人工衛星又は宇宙機等がそれぞれ独自の目的に従って飛行している状況が想定される。当該状況においては、対象衛星に宇宙機が接近する方向及び速度、あるいは、対象衛星に宇宙機が接近する途中における通過点及び軌道には様々な制約条件が課される。そのため、軌道上サービスにおいて、様々な制約条件を考慮した軌道を宇宙機が飛行することができる誘導技術が望まれている。
特開2001-180599号公報
特許文献1は、宇宙機に作用する外力を0とせず、連続的な加速度を宇宙機に与えて宇宙機を誘導する方法を開示している。当該方法は、ターゲットに対して地心方向から接近するRバー接近において、地心方向に垂直な方向へ推力を発生するスラスタのみを連続的に噴射して宇宙機を誘導する方法である。特許文献1が開示する方法において宇宙機とターゲットとを結ぶ方向にはスラスタを噴射しないため、当該方法は、噴射ガスによってターゲットが汚染されることを防止する場合と、当該方向に推力を発生するスラスタが故障した場合等には有用である。しかしながら、当該方法において、宇宙機がターゲットに接近する方向が、ターゲットに対して地心方向又は当該地心方向の逆方向に限られる。
本開示は、宇宙機がターゲットに接近する方向がターゲットに対して地心方向又は当該地心方向の逆方向に限られないようにスラスタを連続的に噴射して宇宙機を誘導することを目的とする。
本開示に係る軌道制御装置は、
宇宙空間において円軌道を周回する周回物体の周囲を飛行する宇宙機に対応するHill方程式であって、時間多項式を用いて前記宇宙機に作用する外力を表現したHill方程式の解析解を用いて前記宇宙機を誘導する制御コマンドを生成する誘導部を備える。
本開示に係る誘導部は、時間多項式を用いて宇宙機に作用する外力を表現したHill方程式の解析解を用いて宇宙機を誘導する制御コマンドを生成する。時間多項式が表現することができる外力による加速度の方向には、地心方向又は地心方向の逆方向に限られる等の制約がない。そのため、本開示によれば、宇宙機がターゲットに接近する方向がターゲットに対して地心方向又は当該地心方向の逆方向に限られないようにスラスタを連続的に噴射して宇宙機を誘導することができる。
運動方程式を表す座標系を説明する図。 宇宙機の軌道の例を示す図。 宇宙機の速度の変化を示す図。 実施の形態1に係る軌道制御装置20の構成例を示す図。 実施の形態1に係る軌道制御装置20のハードウェア構成例を示す図。 実施の形態1に係る軌道制御装置20の動作を示すフローチャート。 実施の形態1における宇宙機の軌道の数値計算例を示す図。 実施の形態1における宇宙機の速度の数値計算例を示す図。 実施の形態1における宇宙機のスラスタ噴射による加速度の数値計算例を示す図。 実施の形態1の変形例に係る軌道制御装置20のハードウェア構成例を示す図。 実施の形態2における宇宙機の軌道の数値計算例を示す図。 実施の形態3における宇宙機の軌道の数値計算例を示す図。 実施の形態4における宇宙機の軌道の数値計算例を示す図。 実施の形態4における宇宙機のスラスタ噴射による加速度の数値計算例を示す図。
実施の形態の説明及び図面において、同じ要素及び対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略又は簡略化する。図中の矢印はデータの流れ又は処理の流れを主に示している。また、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「サーキットリー」に適宜読み替えてもよい。
実施の形態1.
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
***構成の説明***
地球を周回する円軌道の近傍における宇宙機の軌道運動は、[数1]に示す運動方程式であるHill方程式に従うことが知られている。ここで用いる座標系は、図1に示すように、原点102を円軌道101上の点とし、XHILL軸104を地球中心103から原点102に向かう方向、YHILL軸105を軌道の進行方向、ZHILL軸106をXHILL軸104及びYHILL軸105と右手系を成す軌道面に垂直な方向に定める。なお、特許文献1が開示している方法によれば、限定された前提条件の下では[数1]の解析解を求めることができ、求めた解析解を用いてR-バー接近を行うことができる。
Figure 0007422693000001
[数1]において、(x,y,z)は宇宙機の位置を表す。各記号の上に付加されている点は時間微分を意味する。位置の一階微分は速度を示す。位置の二階微分は加速度を示す。nは円軌道の角速度を示す。(a,a,a)は宇宙機に作用する外力により宇宙機に加わる加速度を意味する。[数1]は常微分方程式であり、右辺の外力加速度が任意である場合には[数1]の解析解を求めることができない。宇宙機に外力が作用しない場合には右辺がすべて0となり、Clohessy-Wiltshire解と呼ばれる[数1]の解析解が得られる。このとき(x,y,z)は、[数2]に示すような時間tの関数により表すことができる。
Figure 0007422693000002
[数2]において、記号の右下の添字0は初期時刻t=0における値であることを意味する。[数2]を用いることにより、宇宙機を誘導する際の目標である時刻t=tにおける目標位置(x,y,z)が与えられると、宇宙機が初期時刻に位置(x,y,z)において満たすべき速度(x ,y ,z )を算出することができる。ここで、x等において、記号の右上に表記された点は記号の上に表記された点の代替表記である。宇宙機は、初期時刻に速度が所望の値となるようスラスタを噴射すれば、時刻t=tに目標位置(x,y,z)へ到達することができる。通常、宇宙機は、宇宙機の位置及び姿勢を制御するためのスラスタを搭載している。スラスタは、推薬の化学反応を利用し、化学反応によって生じるガスを噴射することにより宇宙機に外力を作用させる。
図2は、前述の数式を用いた方法を用いて宇宙機の軌道を計算した具体例を示している。本例において、宇宙機の軌道は、時刻t=0における初期位置201から時刻t=tにおける目標位置202に至る曲線軌道203である。
図3は、宇宙機が図2に示すように移動した場合において、時刻t=0以降における宇宙機の速度の変化の具体例を示している。誘導開始前301において宇宙機は初期位置201で静止している。宇宙機は、初期時刻302においてスラスタを噴射することによって初期速度305で移動し始め、終端時刻303において目標位置202へ到達すると終端速度306をキャンセルするようにスラスタを噴射する。誘導終了後304において宇宙機は目標位置202で静止している。
[数1]に示すHill方程式において、宇宙機に作用する外力による加速度(a,a,a)を[数3]のように時間多項式を用いて表す。
Figure 0007422693000003
[数3]において、axkとaykとazkと(k=0,1,…,m)は多項式の係数である。mはa、a、aの多項式の中で最大の次数である。aとaとaとのうちmより次数が小さい多項式については、各多項式の最大の次数よりも大きくかつm以下である次数に対応する多項式係数を0とすることにより、各加速度は[数3]に示すように表現することができる。
このとき、[数1]に示すHill方程式の解析解を求めることができ、宇宙機の位置(x,y,z)は、[数4]に示すように時間の関数として表現することができる。本実施の形態において、Hill方程式は、宇宙空間において円軌道を周回する周回物体の周囲を飛行する宇宙機に対応し、時間多項式を用いて宇宙機に作用する外力を表現している。時間多項式は、宇宙機がスラスタ噴射を実行することによって発生する外力による加速度を表している。
Figure 0007422693000004
ただし、cxkとczkとは、それぞれ、axkとaykとazkとを用いてそれぞれ[数5]及び[数6]により表される。
Figure 0007422693000005
Figure 0007422693000006
[数4]は多項式係数に関する1次方程式とみなすことができ、宇宙機の位置psc(t)は多項式係数を並べたベクトルaを用いて[数7]に示すように表現することができる。
Figure 0007422693000007
ただし、行列及びベクトルの右上の添字Tは転置を意味する。宇宙機の速度vsc(t)は、[数7]を時間微分することにより[数8]に示すように求められる。
Figure 0007422693000008
宇宙機の加速度asc(t)は、[数1]より、psc(t)とvsc(t)とを用いて[数9]により表される。
Figure 0007422693000009
ただし、a(t)は宇宙機に作用する外力による加速度であるから、[数3]より[数10]のように表される。
Figure 0007422693000010
仕組みの理解を容易にするため、具体的に3次の時間多項式を用いて説明する。即ち、m=3のとき、[数4]は[数11]のように表せる。
Figure 0007422693000011
このとき、[数7]のaは[数12]に示す要素数が12であるベクトルである。
Figure 0007422693000012
[数7]のF(t)は3行12列の行列であり、F(t)の(u,v)成分(u=1,2,3、v=1,2,…,12)をfu,v(t)とおくと、(u,v)成分は[数13]のように表される。
Figure 0007422693000013
ただし、[数13]に書かれていないその他のfu,v(t)は0である。
[数7]のg(t)は要素数が3であるベクトルであり、次数mに依らず[数14]に示すように表される。
Figure 0007422693000014
なお、ここでa=0とした場合、psc(t)=g(t)となりpsc(t)の各成分は[数2]が示すものに一致する。
図4は、宇宙機が本実施の形態に係る軌道制御装置20を備えている場合における、軌道制御装置20の構成例を示している。本図に示すように、軌道制御装置20は、計画部21と誘導部22とを備える。
なお、軌道制御装置20は宇宙機と地上とに分離して配置されていてもよい。このとき、具体例として、地上に配置された軌道制御装置20が計画部21を備え、宇宙機に配置された軌道制御装置20が誘導部22を備える。
誘導部22は、初期時刻t=0において宇宙機が初期位置(x,y,z)から初期速度(x ,y ,z )で出発し、終端時刻t=tにおいて宇宙機が目標位置に目標速度で到達するよう宇宙機を誘導する。誘導部22は、Hill方程式の解析解を計算し、計算した解析解を用いて宇宙機を誘導する制御コマンドを生成し、制御コマンドを用いて宇宙機を誘導する。ここで、Hill方程式の解析解を計算することは、Hill方程式の解析解である数式に基づいて数値計算をすることである。また、制御コマンドはスラスタを連続的に噴射して宇宙機を誘導することに対応するコマンドである。誘導部22は、計画部21が算出した係数に基づいてHill方程式の解析解を計算する。誘導部22は、制御コマンドとして、宇宙機にスラスタ噴射を実行させることによって宇宙機を誘導する制御を示すコマンドを、誘導部22が計算した解析解に従って生成する。
なお、宇宙機の加速度の大きな変動を抑えるため、計画部21は、初期時刻及び終端時刻において、スラスタ噴射による速度が不連続とならないようにする。計画部21は、時間多項式に対する設定制約条件を設定し、時間多項式の係数を算出する。設定制約条件は宇宙機の誘導に関する制約である。実施の形態1から4において設定制約条件は異なる。
終端時刻t=tにおける宇宙機の目標位置及び目標速度についての条件式は、それぞれ、[数15]及び[数16]により表される。
Figure 0007422693000015
Figure 0007422693000016
初期時刻t=0及び終端時刻t=tにおけるスラスタ推力による加速度の条件式は、それぞれ、[数17]及び[数18]のように表される。
Figure 0007422693000017
Figure 0007422693000018
[数15]から[数18]まではいずれも多項式係数aに関する1次方程式であるため、計画部21は線形代数演算によりaを求めることができる。
図5は、本実施の形態に係る軌道制御装置20のハードウェア構成例を示している。軌道制御装置20は、計算機10から成る。軌道制御装置20は、複数の計算機10から成ってもよい。
計算機10は、本図に示すように、プロセッサ11と、メモリ12と、補助記憶装置13と、入出力IF(Interface)14と、通信装置15等のハードウェアを備える計算機である。これらのハードウェアは、信号線19を介して適宜接続されている。計算機10はコンピュータとも呼ばれる。
プロセッサ11は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)であり、かつ、計算機が備えるハードウェアを制御する。プロセッサ11は、具体例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はGPU(Graphics Processing Unit)である。
軌道制御装置20は、プロセッサ11を代替する複数のプロセッサを備えてもよい。複数のプロセッサは、プロセッサ11の役割を分担する。
メモリ12は、典型的には、揮発性の記憶装置である。メモリ12は、主記憶装置又はメインメモリとも呼ばれる。メモリ12は、具体例として、RAM(Random Access Memory)である。メモリ12に記憶されたデータは、必要に応じて補助記憶装置13に保存される。
補助記憶装置13は、典型的には、不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置13は、具体例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、又はフラッシュメモリである。補助記憶装置13に記憶されたデータは、必要に応じてメモリ12にロードされる。
メモリ12及び補助記憶装置13は一体的に構成されていてもよい。
入出力IF14は、入力装置及び出力装置が接続されるポートである。入出力IF14は、具体例として、USB(Universal Serial Bus)端子である。入力装置は、具体例として、キーボード及びマウスである。出力装置は、具体例として、ディスプレイである。
通信装置15は、レシーバ及びトランスミッタである。通信装置15は、具体例として、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
軌道制御装置20の各部は、他の装置等と通信する際に、通信装置15を適宜用いてもよい。軌道制御装置20の各部は、入出力IF14を介してデータを受け付けてもよく、また、通信装置15を介してデータを受け付けてもよい。
補助記憶装置13は、軌道制御プログラムを記憶している。軌道制御プログラムは、軌道制御装置20が備える各部の機能を計算機に実現させるプログラムである。軌道制御プログラムは、メモリ12にロードされて、プロセッサ11によって実行される。軌道制御装置20が備える各部の機能は、ソフトウェアにより実現される。
軌道制御プログラムを実行する際に用いられるデータと、軌道制御プログラムを実行することによって得られるデータ等は、記憶装置に適宜記憶される。軌道制御装置20の各部は、適宜記憶装置を利用する。記憶装置は、具体例として、メモリ12と、補助記憶装置13と、プロセッサ11内のレジスタと、プロセッサ11内のキャッシュメモリとの少なくとも1つから成る。記憶装置は、計算機10と独立したものであってもよい。
メモリ12及び補助記憶装置13の機能は、他の記憶装置によって実現されてもよい。
軌道制御プログラムは、計算機が読み取り可能な不揮発性の記録媒体に記録されていてもよい。不揮発性の記録媒体は、具体例として、光ディスク又はフラッシュメモリである。軌道制御プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
***動作の説明***
軌道制御装置20の動作手順は、軌道制御方法に相当する。また、軌道制御装置20の動作を実現するプログラムは、軌道制御プログラムに相当する。
図6は、軌道制御装置20が前述の計算式を用いて宇宙機を誘導する手順の一例を示すフローチャートである。本図を参照して軌道制御装置20の処理を説明する。なお、各実施の形態に係る軌道制御装置20の処理において、本フローチャートの細部が異なる。
ステップS101からステップS103までは計画処理401に当たり、ステップS104からステップS108までは誘導処理402に当たる。計画部21は計画処理401を行う。地上に設置されている計算機10が計画処理401を実施し、実施した結果である多項式係数の値を宇宙機にコマンドとして送信してもよく、宇宙機に搭載されている計算機10が計画処理401を実施してもよい。誘導部22は誘導処理402を行う。誘導部22は、誘導処理402を行う際に制御コマンドを適宜生成する。誘導処理402は、宇宙機を計画軌道に沿って誘導する処理である。
(ステップS101)
計画部21は、計画処理401を行うため、誘導の起点である初期時刻における宇宙機の位置と速度とを推定する。計画部21は、宇宙機の位置と速度とを推定する際に、一般的な軌道決定と軌道予測とを用いてもよい。
(ステップS102)
計画部21は、軌道の制約条件として、時刻と、宇宙機の位置と速度と加速度等の制約を規定する値を用いて[数7]から[数10]までの条件式を設定する。なお、計画部21は、条件式として[数7]から[数10]までを用いる代わりに、[数3]に示す時間多項式の係数を含む他の条件式を用いてもよい。
(ステップS103)
計画部21は、設定された条件式に基づき、当該条件式を満たすように時間多項式の係数の値を算出する。
(ステップS104)
誘導部22は、計画処理401により定まった時間多項式を用い、各時刻においてスラスタ噴射により出力すべき加速度を算出する。
(ステップS105)
誘導部22は、算出した加速度に基づいてスラスタを噴射して宇宙機を誘導する。なお、通常、宇宙機においてスラスタの推力の大きさを調節することができない。そのため、誘導部22は、実効的に所望の加速度を実現すべく、ある時間間隔の中で噴射のオン及びオフそれぞれの割合を調節するモジュレーションを行う。
(ステップS106)
誘導部22は、誘導の実行中に、宇宙機を計画軌道に沿って飛行させるために、適宜の時刻に軌道決定を行って宇宙機の現在位置と速度とを推定し、計画軌道に対する誤差である誘導誤差を推定する。
(ステップS107)
誘導誤差がその許容範囲として定められた閾値を超えている場合、宇宙機の現在位置と速度とに基づいて計画処理401を再度実施するために、軌道制御装置20はステップS102に戻る。それ以外の場合、誘導部22は誘導誤差を修正し、軌道制御装置20はステップS108に進む。
(ステップS108)
時刻が終端時刻に達した場合、軌道制御装置20は誘導処理402を終了する。それ以外の場合、軌道制御装置20は、ステップS104に戻る。
なお、実施の形態1から実施の形態4においては、宇宙機に作用する外力による加速度を3次の時間多項式により表現する場合を具体例として用いる。
具体的な数値計算例を用いて宇宙機の動作を説明する。本実施の形態において、設定制約条件は、初期時刻における宇宙機の位置と速度と加速度と、終端時刻における宇宙機の位置と速度と加速度とについての条件である。
軌道高度400kmの円軌道上に図1の座標系を設定し、宇宙機は初期時刻において初期位置(0,-5000,1000)[m]に初期速度(0,0,0)[m/s]で静止しているものとする。円軌道の1周回後を終端時刻t=5554[s]とし、誘導部22は、終端時刻において宇宙機が目標位置(0,0,0)[m]に目標速度(0,0,0)[m/s]で静止するよう宇宙機を誘導する。誘導部22が誘導を開始する前と誘導を終了した後とにおいて宇宙機はスラスタを噴射しない。そのため、計画部21は、誘導中のスラスタ噴射による加速度に対する条件を、初期時刻及び終端時刻のいずれにおいても0m/sとする。この条件を満たす多項式係数は[数19]のように算出される。
Figure 0007422693000019
このとき、図7に示すように初期位置501から目標位置502に至る宇宙機の軌道503が得られる。宇宙機の速度と、スラスタ噴射による加速度とは、それぞれ、図8と図9とに示すように初期時刻と終端時刻とにおいて0となる。
***実施の形態1の効果の説明***
以上のように、本実施の形態によれば、宇宙機にスラスタを連続的に噴射させて宇宙機の加速度の大きな変動を抑えつつ、宇宙機を誘導することができる。
また、宇宙機を目標位置へ誘導するために[数2]を用いる場合、[数2]は宇宙機に作用する外力を0として導出されている。そのため、[数2]を用いる方法において、宇宙機の軌道における初期時刻及び終端時刻のみにおいて宇宙機がスラスタを噴射して速度を変更することと、初期時刻から終端時刻までの間において宇宙機がスラスタを噴射しないこととを前提とする。[参考文献1]及び[参考文献2]は、当該方法を複数回用いることにより所望の軌道を実現する方法を開示している。これらの文献が開示する方法において、理論的には極めて大きな加速度を瞬間的に宇宙機に与えて宇宙機の速度を変更する。しかしながら、現実的には宇宙機が出力することができる推力はスラスタの性能に依存し、当該推力には限界があるため、宇宙機が所望の速度に達するまで宇宙機はスラスタの噴射を継続する必要がある。ここで、スラスタ推力が小さく噴射時間が長くなる場合、計画した宇宙機の軌道からの誤差が大きくなる。一方、推力が大きなスラスタを用いると、宇宙機の加速度が短時間に大きく変化するために宇宙機が搭載している太陽電池パドル及び推薬等の振動要素が大きく励起されるので、推力が大きなスラスタは宇宙機の姿勢に影響を及ぼすことがある。
[参考文献1]
特許第3387430号公報
[参考文献2]
河野,杢野,鈴木,小山,功刀:「ETS-VII自動ランデブ接近軌道の設計」,日本航空宇宙学会論文集,Vol.49,No.575,pp.432-437,2001.
***他の構成***
<変形例1>
図10は、本変形例に係る軌道制御装置20のハードウェア構成例を示している。
軌道制御装置20は、本図に示すように、プロセッサ11とメモリ12と補助記憶装置13との少なくとも1つに代えて、処理回路18を備える。
処理回路18は、軌道制御装置20が備える各部の少なくとも一部を実現するハードウェアである。
処理回路18は、専用のハードウェアであってもよく、また、メモリ12に格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路18が専用のハードウェアである場合、処理回路18は、具体例として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(ASICはApplication Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はこれらの組み合わせである。
軌道制御装置20は、処理回路18を代替する複数の処理回路を備えてもよい。複数の処理回路は、処理回路18の役割を分担する。
軌道制御装置20において、一部の機能が専用のハードウェアによって実現されて、残りの機能がソフトウェア又はファームウェアによって実現されてもよい。
処理回路18は、具体例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにより実現される。
プロセッサ11とメモリ12と補助記憶装置13と処理回路18とを、総称して「プロセッシングサーキットリー」という。つまり、軌道制御装置20の各機能構成要素の機能は、プロセッシングサーキットリーにより実現される。
他の実施の形態に係る軌道制御装置20についても、本変形例と同様の構成であってもよい。
実施の形態2.
以下、主に前述した実施の形態と異なる点について、図面を参照しながら説明する。
***構成の説明***
誘導部22は、初期時刻t=0において宇宙機が初期位置(x,y,z)から初期速度(x ,y ,z )で出発し、終端時刻t=tにおいて宇宙機が目標位置に目標速度で到達するよう宇宙機を誘導する。
計画部21は、宇宙機が初期位置から移動を開始する方向及び目標位置に到達する直前の接近方向を指定する。
実施の形態1と同様に、終端時刻t=tにおける宇宙機の目標位置及び目標速度についての条件式は、それぞれ、[数15]及び[数16]により表される。
宇宙機が初期位置から移動を開始する方向及び目標位置に到達する直前の接近方向は、初期時刻と終端時刻とのそれぞれにおける速度が0ではない場合にはその速度の方向によって決まるが、当該速度が0である場合には加速度の方向によって決まる。即ち、宇宙機が初期位置で静止した状態から移動を開始する場合には、宇宙機の移動方向は初期時刻t=0における宇宙機の加速度により定まる。同様に、宇宙機が目標位置に到達した時に宇宙機を静止させる場合には、到達直前の接近方向は終端時刻t=tにおける宇宙機の加速度により定まる。これらの加速度に関する条件は[数20]及び[数21]により表される。
Figure 0007422693000020
Figure 0007422693000021
計画部21は、[数15]と[数16]と[数20]と[数21]とを用いると多項式係数aを求めることができる。
***動作の説明***
具体的な数値計算例を用いて宇宙機の動作を説明する。本実施の形態において、設定制約条件は、初期時刻における宇宙機の位置である初期位置と、終端時刻における宇宙機の位置である目標位置と、初期位置における宇宙機の初期位置に対する移動方向と、目標位置における宇宙機の目標位置に対する接近方向とについての条件である。
軌道高度400kmの円軌道上に図1の座標系を設定し、宇宙機は初期時刻において初期位置(0,-5000,1000)[m]に初期速度(0,0,0)[m/s]で静止しているものとする。円軌道の1周回後を終端時刻t=5554[s]とし、誘導部22は、終端時刻において宇宙機が目標位置(0,0,0)[m]に目標速度(0,0,0)[m/s]で静止するよう宇宙機を誘導する。計画部21は、初期位置における宇宙機の初期位置に対する移動方向についての条件を設定する。具体的には、計画部21は、宇宙機が初期位置からYHILL軸上を正の方向に移動を開始するように、初期時刻の加速度を(0,1×10-3,0)[m/s]とする。計画部21は、目標位置における宇宙機の目標位置に対する接近方向についての条件を設定する。具体的には、計画部21は、宇宙機が目標位置にYHILL軸上を負の方向から接近するように、終端時刻の加速度を(0,-1×10-3,0)[m/s]とする。これら加速度に関する条件を満たす多項式係数は次[数22]のように算出される。
Figure 0007422693000022
このとき、図11に示すように初期位置801から目標位置802に至る宇宙機の軌道803が得られる。宇宙機は、初期位置からYHILL軸上を正の方向に移動を開始し、目標位置に対してYHILL軸上を負の方向から接近して目標位置に静止する。
***実施の形態2の効果の説明***
以上のように、本実施の形態によれば、宇宙機が目標位置に接近する方向を設定することができる。
実施の形態3.
以下、主に前述した実施の形態と異なる点について、図面を参照しながら説明する。
***構成の説明***
誘導部22は、初期時刻t=0において宇宙機が初期位置(x,y,z)から初期速度(x ,y ,z )で出発し、終端時刻t=tにおいて宇宙機が目標位置に目標速度で到達するよう宇宙機を誘導する。宇宙機が初期位置から目標位置に至る途中時刻t=tにおいて宇宙機が通過する位置と速度とを指定する。
実施の形態1と同様に、終端時刻t=tにおける宇宙機の目標位置及び目標速度についての条件式は、それぞれ、[数15]及び[数16]により表される。
宇宙機が初期位置から目標位置に至る途中時刻t=tにおいて宇宙機が通過する位置及び速度についての条件式は、それぞれ、[数23]及び[数24]により表される。
Figure 0007422693000023
Figure 0007422693000024
計画部21は、[数15]と[数16]と[数23]と[数24]とを用いると多項式係数aを求めることができる。
***動作の説明***
具体的な数値計算例を用いて宇宙機の動作を説明する。本実施の形態において、設定制約条件は、初期時刻における宇宙機の位置と速度と、終端時刻における宇宙機の位置と速度と、初期時刻と終端時刻との間の時刻である途中時刻における宇宙機の位置と速度とについての条件である。
軌道高度400kmの円軌道上に図1の座標系を設定し、初期時刻において宇宙機は初期位置(0,-5000,1000)[m]に初期速度(0,0,0)[m/s]で静止しているものとする。誘導部22は、円軌道の1周回後を終端時刻t=5554[s]とし、宇宙機が終端時刻において目標位置(0,0,0)[m]に目標速度(0,0,0)[m/s]で静止するよう宇宙機を誘導する。ただし、宇宙機は、途中時刻t=2777[s]において、通過地点である位置(0,-2500,500)[m]において速度(0,0,0)[m/s]となり一旦静止するものとする。これらの位置及び速度に関する条件を満たす多項式係数は次[数25]のように算出される。
Figure 0007422693000025
このとき、図12に示すように初期位置901から通過位置902を経て目標位置903に至る宇宙機の軌道904が得られる。宇宙機は、通過位置902において速度が0m/sとなるため一旦静止し、XHILLHILL平面上で見ると通過位置902の前後で折り返すような動作をする。
***実施の形態3の効果の説明***
以上のように、本実施の形態によれば、宇宙機が目標位置に接近する途中における宇宙機の経路を設定することができる。
***他の構成***
<変形例2>
設定制約条件において、途中時刻における宇宙機の速度についての条件は設定されていなくてもよい。本変形例において、設定制約条件は、具体例として、途中時刻における宇宙機の位置と速度とについての条件に代えて、複数の途中時刻それぞれにおける宇宙機の位置についての条件を含む。ここで、複数の途中時刻に含まれる各時刻は、互いに異なる時刻であり、初期時刻と終端時刻との間の時刻である。
実施の形態4.
以下、主に前述した実施の形態と異なる点について、図面を参照しながら説明する。
***構成の説明***
誘導部22は、初期時刻t=0において宇宙機が初期位置(x,y,z)から初期速度(x ,y ,z )で出発し、終端時刻t=tにおいて宇宙機が目標位置に目標速度で到達するよう宇宙機を誘導する。計画部21は、宇宙機のスラスタ噴射量に対する制約として、誘導に要するスラスタ噴射の総量を小さくすると同時にスラスタ噴射による加速度のピーク値を抑える制約を設定する。
実施の形態1と同様に、終端時刻t=tにおける宇宙機の目標位置及び目標速度についての条件式は、それぞれ[数15]及び[数16]により表される。
宇宙機が初期時刻から終端時刻までの間に実行するスラスタ噴射の総量を小さくし、それと同時に加速度のピーク値を抑えるために、計画部21は、[数26]の評価関数Jを最小化するようにスラスタ噴射による加速度を求める。
Figure 0007422693000026
ここでa(t)は[数10]により表されるため、評価関数Jを[数27]のように書き換えることができる。
Figure 0007422693000027
ただし、行列Sの(i,j)成分をsijと表すと、行列Sは、[数28]により表される。
Figure 0007422693000028
計画部21は、[数15]及び[数16]を満たし、[数27]の評価関数Jを最小化する多項式係数aを、具体例としてラグランジュの未定乗数法を適用して解析的に求めることができる。
***動作の説明***
具体的な数値計算例を用いて宇宙機の動作を説明する。本実施の形態において、設定制約条件は、初期時刻における宇宙機の位置と速度と、終端時刻における宇宙機の位置と速度と、初期時刻から終端時刻までの間に宇宙機が実行するスラスタ噴射の総量とについての条件である。評価関数Jは、初期時刻から終端時刻までの間に宇宙機が実行するスラスタ噴射の総量に対応する関数である。
軌道高度400kmの円軌道上に図1の座標系を設定し、宇宙機は初期時刻において位置(0,-5000,1000)[m]に速度(0,0,0)[m/s]で静止しているとする。円軌道の1周回後を終端時刻t=5554[s]とし、誘導部22は、宇宙機が終端時刻において目標位置(0,0,0)[m]に目標速度(0,0,0)[m/s]で静止するよう宇宙機を誘導する。これらの条件を満たし、[数27]の評価関数Jを最小化する多項式係数は[数29]のように算出される。
Figure 0007422693000029
このとき、図13に示すように初期位置991から目標位置992に至る宇宙機の軌道993が得られる。宇宙機のスラスタ噴射による加速度は図14に示すようになる。
***実施の形態4の効果の説明***
図14に示す加速度を図9に示す実施の形態1の加速度と比較すると、評価関数Jを最小化する効果により、特にXHILL軸方向の加速度が大幅に小さい。そのため、本実施の形態によれば、宇宙機の誘導に要するスラスタ噴射の総量を小さくすることができるとともに、スラスタ噴射による加速度のピーク値を抑えることができる。
また、[参考文献3]は、初期位置において初期速度によって終端時刻における目標位置及び目標速度へ宇宙機を誘導する際に、スラスタの噴射量が極力小さくなるように連続的にスラスタを噴射して宇宙機を誘導する方法を開示している。当該方法では、初期時刻と終端時刻とにおける宇宙機の位置、速度を結ぶ軌道のうち、ある評価関数を最小化する2点境界値問題の解としてスラスタ噴射による加速度を計算する。このようにスラスタの噴射量を小さくすることは、宇宙機に搭載される推薬量を削減することができるため宇宙機の軽量化及び小型化の観点で望ましい。しかしながら、一般的に最適化問題を解くためには複雑な計算を要し、計算機の処理負荷及び記憶容量の観点から宇宙機が搭載している計算機に当該方法を実装することは困難である場合が多いという課題がある。
[参考文献3]
C.Park,V.Guibout,D.J.Scheeres,“Solving Optimal Continuous Thrust Rendezvous Problems with Generating Functions”,Journal
of Guidance,Control,and Dynamics,Vol.29,No.2,pp.321-331,2006.
従来の技術において前述のような課題があるものの、本実施の形態によれば、宇宙機がスラスタを連続的に噴射して加速度の大きな変動を抑えるとともに、簡便な計算によりスラスタ噴射の総量を小さくすることができる。
実施の形態5.
以下、主に前述した実施の形態と異なる点について説明する。
***構成の説明***
実施の形態1から実施の形態4では、初期時刻において宇宙機が初期位置から初期速度で出発し、終端時刻において宇宙機が目標位置に目標速度で到達するよう宇宙機を誘導する際に、スラスタ噴射による加速度を3次の時間多項式で表し、その他の追加条件を満たす誘導方法の具体例を示した。
本実施の形態において、計画部21及び誘導部22は、次数が4以上である時間多項式を扱う。
***実施の形態5の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る軌道制御装置20は、次数が3次より大きい時間多項式を扱う。そのため、本実施の形態によれば、実施の形態1から実施の形態4において説明した条件のうち複数の条件を同時に満足する宇宙機の軌道を計画し、計画した軌道に従って宇宙機を誘導することができる。
***他の実施の形態***
前述した各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
また、実施の形態は、実施の形態1から5で示したものに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。フローチャート等を用いて説明した手順は、適宜変更されてもよい。
10 計算機、11 プロセッサ、12 メモリ、13 補助記憶装置、14 入出力IF、15 通信装置、18 処理回路、19 信号線、20 軌道制御装置、21 計画部、22 誘導部、101 円軌道、102 原点、103 地球中心、104 XHILL軸、105 YHILL軸、106 ZHILL軸、201 初期位置、202 目標位置、203 曲線軌道、301 誘導開始前、302 初期時刻、303 終端時刻、304 誘導終了後、305 初期速度、306 終端速度、401 計画処理、402 誘導処理、501 初期位置、502 目標位置、503 軌道、801 初期位置、802 目標位置、803 軌道、901 初期位置、902 通過位置、903 目標位置、904 軌道、991 初期位置、992 目標位置、993 軌道。

Claims (8)

  1. 宇宙空間において円軌道を周回する周回物体の周囲を飛行する宇宙機に対応するHill方程式であって、時間多項式を用いて前記宇宙機に作用する外力を表現したHill方程式の解析解を用いて前記宇宙機を誘導する制御コマンドを生成する誘導部を備える軌道制御装置であって、
    前記時間多項式は、前記宇宙機がスラスタ噴射を実行することによって発生する外力による加速度を表しており、
    前記軌道制御装置は、さらに、
    前記時間多項式に対する設定制約条件を設定し、前記時間多項式の係数を算出する計画部を備え、
    前記誘導部は、算出された係数に基づいて前記解析解を計算し、前記制御コマンドとして、前記宇宙機に前記スラスタ噴射を実行させることによって前記宇宙機を誘導する制御を示すコマンドを、計算した解析解に従って生成する軌道制御装置
  2. 前記設定制約条件は、初期時刻における前記宇宙機の位置と速度と加速度と、終端時刻における前記宇宙機の位置と速度と加速度とについての条件である請求項に記載の軌道制御装置。
  3. 前記設定制約条件は、初期時刻における前記宇宙機の位置である初期位置と、終端時刻における前記宇宙機の位置である目標位置と、前記初期位置における前記宇宙機の前記初期位置に対する移動方向と、前記目標位置における前記宇宙機の前記目標位置に対する接近方向とについての条件である請求項に記載の軌道制御装置。
  4. 前記設定制約条件は、初期時刻における前記宇宙機の位置と速度と、終端時刻における前記宇宙機の位置と速度と、前記初期時刻と前記終端時刻との間の時刻である途中時刻における前記宇宙機の位置とについての条件である請求項に記載の軌道制御装置。
  5. 前記設定制約条件は、初期時刻における前記宇宙機の位置と速度と、終端時刻における前記宇宙機の位置と速度と、前記初期時刻から前記終端時刻までの間に前記宇宙機が実行するスラスタ噴射の総量とについての条件である請求項に記載の軌道制御装置。
  6. 前記時間多項式の次数が4以上である請求項からのいずれか1項に記載の軌道制御装置。
  7. 誘導部が、宇宙空間において円軌道を周回する周回物体の周囲を飛行する宇宙機に対応するHill方程式であって、時間多項式を用いて前記宇宙機に作用する外力を表現したHill方程式の解析解を用いて前記宇宙機を誘導する制御コマンドを生成する軌道制御方法であって、
    前記時間多項式は、前記宇宙機がスラスタ噴射を実行することによって発生する外力による加速度を表しており、
    計画部が、前記時間多項式に対する設定制約条件を設定し、前記時間多項式の係数を算出し、
    前記誘導部は、算出された係数に基づいて前記解析解を計算し、前記制御コマンドとして、前記宇宙機に前記スラスタ噴射を実行させることによって前記宇宙機を誘導する制御を示すコマンドを、計算した解析解に従って生成する軌道制御方法
  8. 宇宙空間において円軌道を周回する周回物体の周囲を飛行する宇宙機に対応するHill方程式であって、時間多項式を用いて前記宇宙機に作用する外力を表現したHill方程式の解析解を用いて前記宇宙機を誘導する制御コマンドを生成する誘導処理を計算機である軌道制御装置に実行させる軌道制御プログラムであって、
    前記時間多項式は、前記宇宙機がスラスタ噴射を実行することによって発生する外力による加速度を表しており、
    前記軌道制御プログラムは、さらに、
    前記時間多項式に対する設定制約条件を設定し、前記時間多項式の係数を算出する計画処理を前記軌道制御装置に実行させ、
    前記誘導処理では、算出された係数に基づいて前記解析解を計算し、前記制御コマンドとして、前記宇宙機に前記スラスタ噴射を実行させることによって前記宇宙機を誘導する制御を示すコマンドを、計算した解析解に従って生成する軌道制御プログラム
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