JP7418738B2 - 形態遷移制御装置、垂直離着陸機、形態遷移制御方法及びプログラム - Google Patents

形態遷移制御装置、垂直離着陸機、形態遷移制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、4発ティルト翼型VTOL(Vertical Takeoff Landing)機に代表される垂直離着陸機のティルト角の制御などに用いられる形態遷移制御装置、形態遷移制御方法及びプログラムに関する。また、本発明は、このような形態遷移制御装置を有する垂直離着陸機に関する。
4発ティルト翼型VTOL機は、ヘリコプタのような垂直離着陸能力と固定翼機並みの高速長距離飛行性能を両立する新たな形態の航空機である。前後に配置されたタンデム翼・プロペラを有し、これらをティルト機構により回転させることにより、ヘリコプタ・モードから飛行機モードヘと遷移する。滑走路のない狭小エリアから離着陸し遠方への進出を可能とする能力は、Door-To-Doorの移動時間を短縮したり、エリアの観測を効率化することから、旅客機のみでなく無人航空機の分野でも有望な技術と期待されている。
これまでの研究や技術開発は以下のとおりである。
・主翼ティルト角を鉛直(Tilt=90度)とした垂直離着陸(ヘリコプタ・モード)から、ティルト角を水平(Tilt=0度)とする巡航(飛行機モード)までの飛行(以降、これを「完全遷移」という)を実現するためのタンデム主翼設計法(形状設計)(非特許文献1、2参照)。
・完全遷移のための飛行領域をカバーする基本空力特性の把握(非特許文献1、2参照)。
・手動操縦による完全遷移飛行を可能にするための操縦系構成法(特許文献1参照)。
・手動姿勢角コマンドによる完全遷移飛行を可能にするための姿勢制御則設計法(特許文献1参照)に関する技術が開発され、小型無人実験機による飛行実証にてその有効性が確認された。
・自動プログラム飛行(航法)を実現するための誘導則が開発され、小型無人実験機による飛行実証にてその有効性が確認された(特許文献2参照)。
特開2014-231263号公報 特開2019-073179号公報
K.Muraoka、N.Okada AND D.Kubo:Quad tilt wing VTOL UAV: aerodynamic characteristics AND prototype flight test、 AIM 2009-1834、2009. K.Muraoka、N.Okada、D.Kubo AND M.Sato"Transition Flight of Quad Tilt Wing VTOL UAV" Proceedings of the 28th International Congress of the Aeronautical Sciences、2012.
これまで開発された技術において、4発ティルト翼型VTOL機を自動で遷移飛行させる場合、ティルト角の自動遷移制御則の構築が必要であるが、安全飛行範囲(遷移コリドー)の逸脱を防ぎつつ加速遷移及び減速遷移を行う制御則の設計法が存在しない。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の当該形態を、安全飛行範囲から逸脱せずに遷移させることができる形態遷移制御装置、垂直離着陸機、形態遷移制御方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る形態遷移制御装置は、段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の形態遷移制御装置であって、前記飛行体の目標飛行速度に対して、現在形態に基づく範囲に飛行速度目標コマンドを制限する速度目標コマンド範囲制限部と、前記制限された飛行速度目標コマンドに基づき前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断する形態遷移判断部とを具備する。
本発明の一形態に係る形態遷移制御装置は、各段階の前記形態ごとに前記飛行速度目標コマンドの範囲が設定された第1の制限値テーブルを更に具備し、前記速度目標コマンド範囲制限部は、前記設定された飛行速度目標コマンドの範囲に基づき、前記飛行速度目標コマンドの範囲を制限する。
本発明の一形態に係る形態遷移制御装置は、各段階の前記形態ごとに現在形態を次段階形態に遷移させるかどうかのしきい値が設定された第2の制限値テーブルを更に具備し、前記形態遷移判断部は、前記しきい値に基づき、前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断する。
本発明の一形態に係る形態遷移制御装置は、前記しきい値は、当該形態の前記飛行速度目標コマンドの範囲内に設定されている。
本発明の一形態に係る形態遷移制御装置は、前記飛行体の現在飛行速度に基づき、前記現在形態に基づく範囲に制限された飛行速度目標コマンドの変化を制限する速度目標コマンド変化制限部を更に具備する。
本発明の一形態に係る形態遷移制御装置は、各段階の前記形態ごとに前記飛行速度目標コマンドの変化を制限する制限値が設定された第3の制限値テーブルを更に具備し、前記形態遷移判断部は、前記制限値に基づき、前記飛行速度目標コマンドの変化を制限する。
本発明の一形態に係る形態遷移制御装置は、前記飛行体は、対気速度センサを有し、前記形態遷移判断部は、前記対気速度センサにより検出された検出値に基づき前記現在飛行速度を判断する。
本発明の一形態に係る形態遷移制御装置は、前記飛行体は、遷移コマンドに応じて前記形態を段階的に遷移させるためのサーボ機構を有し、前記形態遷移判断部は、前記遷移コマンドに基づき前記現在形態を判断する。
本発明の一形態に係る垂直離着陸機は、上記構成の形態遷移制御装置を有し、当該垂直離着陸機のティルト角を変える翼が前記形態を段階的に遷移させる部位である。
本発明に係る形態遷移制御方法は、段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の形態の遷移を制御する方法であって、前記飛行体の目標飛行速度に対して、現在形態に基づく範囲に飛行速度目標コマンドを制限し、前記制限された飛行速度目標コマンドに基づき前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断する。
本発明に係るプログラムは、段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の形態の遷移を制御するためのプログラムであって、前記飛行体の目標飛行速度に対して、現在形態に基づく範囲に飛行速度目標コマンドを制限するステップと、前記制限された飛行速度目標コマンドに基づき前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の当該形態を、安全飛行範囲から逸脱せずに遷移させることができる。
本発明の一実施形態に係る4発ティルト翼型VTOL機の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る4発ティルト翼型VTOL機のシステム構成を示す図である。 図2に示した制御計算機の概略構成を示すブロック図である。 4発ティルト翼型VTOL機の垂直離陸から巡航飛行までのティルト角変更スケジュールの一例を示す表である。 図4との関連で安全飛行範囲(遷移コリドー)を示すグラフである。 図3に示した自動遷移制御則の構成を示すブロック図である。 図6に示した自動遷移制御則で使われる制限値テーブルの一例を示す表である。 図7に示した制限値テーブルの制限値との関連で安全飛行範囲(遷移コリドー)を示すグラフである。 図6に示した自動遷移制御則の動作を示すフローチャートである。 本発明が解決すべき課題の説明図である。 本発明に係る4発ティルト翼型VTOL機の飛行シミュレーションに用いた飛行計画を示す平面図である。 本発明に係る4発ティルト翼型VTOL機の飛行シミュレーション結果のうち水平面内飛行軌跡を示す平面図である。 本発明に係る4発ティルト翼型VTOL機の飛行シミュレーション結果のうち時歴(垂直面内のパラメータ)を示すグラフである。 本発明に係る4発ティルト翼型VTOL機の飛行シミュレーション結果のうち時歴(横方向のパラメータ)を示すグラフである。 本発明に係る4発ティルト翼型VTOL機の飛行シミュレーション結果のうち遷移速度(ティルト角と速度との関係)を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する
[4発ティルト翼型VTOL機の概略]
図1は、本発明の一実施形態に係る4発ティルト翼型VTOL機の概略を示す図である。
4発ティルト翼型VTOL機1は、ティルトが可能な左右前後4枚の翼11を有する。翼11には、それぞれの前方にプロペラ12が取り付けられ、それぞれの後方にフラッペロン(フラップ,エレベータおよびエルロンとして使用する)13が設けられている。また、4発ティルト翼型VTOL機1は、尾翼14を有し、尾翼14には、ラダー15が設けられている。
4発ティルト翼型VTOL機1は、垂直離着陸モード、遷移モード及び飛行機モードの3つのモードを有する。垂直離着陸モードでは、4発ティルト翼型VTOL機1は、各プロペラ12が上方を向くように翼11をティルトさせる。この場合に、翼11は垂直である。飛行機モードでは、4発ティルト翼型VTOL機1は、各プロペラ12が前方を向くように翼11をティルトさせる。この場合に、翼11は水平である。遷移モードでは、4発ティルト翼型VTOL機1は、プロペラ12が所定角度斜め上方を向くように翼11をティルトさせる。
4発ティルト翼型VTOL機1は、離陸時には、典型的には通常のヘリコプタと同様の形態で離陸する垂直離着陸モード、その後遷移モード、飛行機モードの順番でモードを切り替えていき、所望の高度に達したときに通常の飛行機と同様の形態で飛行する。また、4発ティルト翼型VTOL機1は、着陸時には、典型的には飛行モード、遷移モード、垂直離着陸モードの順番でモードを切り替えていき、着陸直前では通常のヘリコプタと同様の形態で着陸する
[4発ティルト翼型VTOL機のシステム構成]
図2は、4発ティルト翼型VTOL機1のシステム構成を示す図である。
4発ティルト翼型VTOL機1は、各プロペラ12を駆動する4つモータ16と、各翼11に設けられたフラッペロン13を4つそれぞれ(#1~4)駆動する4つのフラッペロン駆動部17と、前一対の翼11及び後一対の翼11をそれぞれティルト駆動する2つのティルト駆動部18と、尾翼14に設けられたラダー15を駆動する1つのラダー駆動部19とを有する。
4発ティルト翼型VTOL機1は、各モータ16のスピードをコントロールする4つのモータ・スピード・コントローラ20と、各フラッペロン駆動部17をコントロールするフラッペロン角サーボ21aと、各ティルト駆動部18をコントロールする2つのティルト角サーボ21bと、ラダー駆動部19をコントロールするラダー・サーボ22とを有する。
4発ティルト翼型VTOL機1は、更に、GPS/INSセンサ23と、エアー・データセンサ24と、システム状態センサ25と、動力電源26と、システム電源27と、RC受信機28と、特小モデム29と、制御計算機30とを有する。
GPS/INSセンサ23は、緯度経度、GPS高度、対地速度、昇降率、姿勢、加速度などを検出する。エアー・データセンサ24は、対気速度、気圧高度などを検出する。システム状態センサ25は、モータ16の回転数、電流、電圧、温度などを検出する。これらのGPS/INSセンサ23、エアー・データセンサ24及びシステム状態センサ25の検出結果とは、典型的には機体の姿勢角(ピッチ、ロール、ヨー)、速度(X方向、Y方向、Z方向)、位置(X、 Y、Z)、加速度、角加速度などであり、制御計算機30に入力される。
動力電源26は、モータ・スピード・コントローラ20を介してモータ16に電力を供給する。システム電源27は、フラッペロン・サーボ21a、ティルト・サーボ21b、ラダー・サーボ22、GPS/INSセンサ23、エアー・データセンサ24、システム状態センサ25、RC受信機28、特小モデム29、制御計算機30に電力を供給する。
RC受信機28は、遠隔操縦装置(プロポ)131からの手動による操縦指令を受信する。特小モデム29は、特小モデム133を介して地上局132との間でコマンドや機器状態データ等を送受信する。RC受信機28及び特小モデム29によって受信された信号は、制御計算機30に入力される。制御計算機30からの送信信号は、特小モデム29を介して送信される。
[制御計算機の構成]
図3は、制御計算機30の概略構成を示すブロック図である。
制御計算機30は、所定のプログラム(ソフトウェア)を実行するものである。
制御計算機30は、主幹操縦系31と、姿勢制御則32と、誘導則33と、航法則34と、自動遷移制御則35とを有する。
主幹操縦系31は、ティルト角変更に伴う操縦軸の切り替えを行う。主幹操縦系31には、手動の入力が可能である。
姿勢制御則32は、所望とするピッチおよびロール姿勢コマンドに対して機体36のピッチ、ロール角をコマンド値に保持させるよう主幹操縦系31を作動させて操縦を図る。姿勢制御則32には、遠隔操縦装置(プロポ)131を介して、ピッチおよびロール姿勢コマンドが入力可能である。
誘導則33は、翼11のティルト角や機体36からのセンサ信号(機体36の運動の検出結果)を取り込み処理し、当該誘導則33において利用可能とし、これらの利用可能な信号、速度目標コマンド、昇降率コマンド及び機首方位コマンドに応じて機体36の操縦に必要なコマンドを生成する。航法則34は、所望とする飛行経路及び速度に応じた速度目標コマンド、昇降率コマンド及び機首方位コマンドを生成する。誘導則33及び航法則34により自動プログラム飛行を可能とする。
自動遷移制御則35は、垂直離着陸から巡航飛行までの遷移飛行範囲に対応した翼11のティルト角の自動遷移制御を実行する。自動遷移制御則35は、エアー・データセンサ24等より現在の速度値、現在のティルト角値を入力し、航法則34等より選択速度(目標速度)を入力し、速度目標コマンド及びティルト角目標コマンドを出力する。速度目標コマンドは誘導則33に入力され、ティルト角目標コマンドは主幹操縦系31に入力される。現在の速度値には、制御計算機30に接続されたエアー・データセンサ24内に含まれる対気センサ(図示を省略)からの信号を用いる(図示を省略)。また、現在のティルト角値には、制御計算機30に接続されたティルト角センサ(図示を省略)からの信号又は現在のティルト角コマンド値(ティルト角サーボ21bヘの出力値)を用いる。ティルト角サーボ21bヘの出力値であっても十分な精度であるからである。これによりティルト角センサは不要となる。
自動遷移制御則35に入力される選択速度(目標速度)としては、誘導則33へ入力する直前段階の速度目標コマンドを用いる。この速度目標コマンドは地上局ソフトを用いてあらかじめ入力されたプログラム飛行経路上のウェイポイントに設定した目標速度値や飛行中に地上局オペレータからのオーバーライド(上書き)指令により設定された目標速度値などにより与えられる。どの目標速度値が与えられるかは、そのときに選択されている自動飛行モード設定による。例えば、自動飛行モードとして、プログラム飛行モードが選択された場合にはウェイポイントの目標速度値が与えられる。オーバーライドによる速度保持モードが選択された場合にはオーバーライド指令による目標速度値が与えられる。いずれのモードであっても、この誘導則33に入力する直前段階の速度目標コマンドが、そのときに機体36が目標とする速度値を意味する。
[自動遷移制御則の詳細]
図4に4発ティルト翼型VTOL機1の垂直離陸から巡航飛行までのティルト角変更スケジュールの一例を示し、図5にその安全飛行範囲(遷移コリドー)を示す。図5において、斜線内は安全飛行範囲を示し、実線は標準ティルト角変更スケジュールを示し、実線上の点はティルト角設定点を示している。なお、これらは風洞試験データなどにもとづいた数学モデルによる飛行性能解析結果に基づいた設定値である。
ティルト角変更中に、この4発ティルト翼型VTOL機1が機体性能上の安全飛行範囲(図5参照)を逸脱してしまうと安全な飛行の継続ができなくなる。自動遷移制御則35は、このような安全飛行範囲から逸脱せずに、垂直離着陸から巡航飛行までのティルト角変更スケジュールを実現する。
図6は自動遷移制御則35の構成を示すブロック図である。図7は自動遷移制御則35で使われる制限値テーブルの一例を示す表である。図8は図7の値に応じたグラフである。
図6に示すように、自動遷移制御則35は、速度目標コマンド制限値生成部351と、速度目標コマンド生成部352と、ティルト角スケジューラ353と、制限値テーブル354とを有する。
速度目標コマンド制限値生成部351は、選択速度(目標速度)及び現在ティルト角を入力し、現在ティルト角に応じて入力された目標速度に対して制限を加える速度目標コマンド制限値を生成する。これは、急激な速度目標コマンドの変化による遷移コリドー逸脱を防止するためである。この制限値として、ティルト角に対する最大速度(SpdMaxTlt)及び最小速度(SpdMinTlt)を用いる。ティルト角に対する最大速度(SpdMaxTlt)及び最小速度(SpdMinTlt)の一例を図7の制限値テーブルに示す。
速度目標コマンド生成部352は、上記速度目標コマンド制限値及び現在の機体速度(例えば実測された対気速度)を入力とし、現在の機体速度をもとに更に制限を加えた速度目標コマンドを生成する。これは、現在の飛行速度に対する急激な速度目標コマンドの変化による過大な姿勢変化及び遷移コリドーの逸脱を防止するためである。この制限値として、速度目標コマンド変更制限値を用いる。速度目標コマンド変更制限値の一例を図7の制限値テーブルに示す。
ティルト角スケジューラ353は、上記の速度目標コマンドをもとに現在のティルト角とは異なったティルト角目標コマンドを生成すべきか判断し、生成するときには該当するティルト角目標コマンドを選択して生成する。例えば着陸時の減速遷移の場合には、上記の速度目標コマンドが減速しきい値(Decel Thresh)より小さくなった場合に、現在ティルト角から一段階減じたティルト角目標コマンドを選択して生成する。例えば離陸時の加速遷移の場合には、上記の速度目標コマンドが加速しきい値(Accel Thresh)より大きくなった場合に、現在ティルト角から一段増加したティルト角目標コマンドを選択して生成する。減速しきい値(Decel Thresh)及び加速しきい値(Accel Thresh)の一例を図7の制限値テーブル及び図8のグラフに示す。
制限値テーブル354は、図7に一例として示した制限値を記憶する。制限値は、制御計算機30内のプログラム内に書き込むか、制御計算機30の起動時に外部ファイルから読み込む方法等で定義する。
図9は自動遷移制御則35の動作を示すフローチャートである。
自動遷移制御則35は、選択速度(目標速度)を入力し(ステップ801)、入力した選択速度とするためには加速すべきか、減速すべきかを判断する(ステップ802)。この判断は例えば現在速度と選択速度との比較により行われる。現在速度<選択速度の場合には、加速と判断し、現在速度>選択速度の場合には、減速と判断する。例えば、現在速度が0m/sであり、選択速度が30m/sの場合には、加速と判断する。この加速・減速の判断はティルト角スケジューラ353で使われる。
次に、速度目標コマンド制限値生成部351が選択速度及び現在ティルト角から速度目標コマンド制限値を生成する(ステップ803)。速度目標コマンド制限値生成部351は、現在ティルト角に応じた最大速度(SpdMaxTlt)及び最小速度(SpdMinTlt)を制限値テーブル354より読み出し、選択速度に対し現在ティルト角に応じた制限を加えた速度目標コマンド制限値を生成する。図7の制限値テーブルを例にすると、選択速度が30m/sであっても、現在ティルト角が90度の場合には、速度目標コマンド制限値を0~4m/sの範囲に制限する。
次に、速度目標コマンド生成部352が現在の機体速度(実測値)および速度コマンド変更制限値から速度目標コマンドを生成する(ステップ804)。速度目標コマンド生成部352は、現在ティルト角に応じた速度目標コマンド変更制限値を制限値テーブル354から読み出し、現在の機体速度に速度目標コマンド変更制限値を加えた、又は減じた速度目標コマンドを生成する。図7の制限値テーブル及び図8のグラフを例にすると、選択速度を例えば30m/sと設定した場合,現在ティルト角が90度の場合でかつ、機体速度が1m/sの場合にはそれに速度目標コマンド変更制限値である1m/sを加えた2m/sを速度目標コマンドとする。
速度目標コマンド生成部352により生成された速度目標コマンドは誘導則33及びティルト角スケジューラ353に出力される(ステップ805)。誘導則33はその速度目標コマンドや高度コマンドヘ追従するための姿勢及び舵角コマンドを生成し、最終的には主幹操縦系31からの出力により舵面の動作を行う。
ティルト角スケジューラ353は、速度目標コマンド生成部352より入力した速度目標コマンドから現在値とは異なるティルト角目標コマンドを生成すべきか判断し(ステップ806)、生成するときには該当するティルト角目標コマンドを選択して生成する(ステップ807)。ティルト角スケジューラ353は、現在ティルト角に応じたティルト角スケジューラ変更速度の減速しきい値(Decel Thresh)又は加速しきい値(Accel Thresh)(スッテプ802での判断による。)を制限値テーブル354から読み出し、速度目標コマンドと減速しきい値(Decel Thresh)又は加速しきい値(Accel Thresh)とを比較し、減速時には速度目標コマンドが減速しきい値(Decel Thresh)より小さくなった場合、加速時には速度目標コマンドが加速しきい値(Accel Thresh)より大きくなった場合、制限値テーブル354から該当する目標ティルト角を選択し、それに応じたティルト角目標コマンドを生成する。具体的には、減速遷移の場合には、上記の速度目標コマンドが減速しきい値(Decel Thresh)より小さくなった場合に、現在ティルト角から一段階減じたティルト角目標コマンドを選択して生成する。加速遷移の場合には、上記の速度目標コマンドが加速しきい値(Accel Thresh)より大きくなった場合に、現在ティルト角から一段増加したティルト角目標コマンドを選択して生成する。図7の制限値テーブルを例にすると、加速遷移にあり、現在ティルト角が90度の場合には、速度目標コマンドと加速しきい値(Accel Thresh)である3m/sとを比較し、速度目標コマンドが3m/sとなった乃至超えたときには、現在ティルト角である90度から一段増加した80度を選択し、ティルト角80度のティルト角目標コマンドを生成する。
自動遷移制御則35から出力されたティルト角目標コマンドは、主幹操縦系31へ入力する。主幹操縦系31はティルト角コマンドを生成し、 ティルト角を変更させて形態変更を行う。
自動遷移制御則35は、現在の機体速度が選択速度になるまで以上の動作を行う(ステップ808)。
以上の動作をより具体的な例で説明する。
(1-1)操作の例
・離陸後(ホバリング状態、選択速度=0m/sの状態、ティルト角=90度、現在速度=0)
・地上局から選択速度=30m/sを(人間が)入力する。
・選択速度は0から30m/sに変化したので、加速となる。
(1-2)速度目標コマンド制限
・速度目標コマンド制限値により、速度目標コマンドは4m/sとなる。
・速度目標コマンド変更制限値により、速度目標コマンドは1m/sとなる。
・(現在速度は0m/sなので、選択速度+速度目標コマンド変更制限値=0+1=1)
・この結果、速度目標コマンド=1m/sとなる。
(1-3)ティルト・スケジューラ
・現在速度は0m/sなので、ティルト角は90度のまま。
・(ティルト・スケジューラ変更速度の加速しきい値が3m/sのため。この値(3m/s)を超えるまで、次のティルト角へ移行しない。
(2-1)機体の動作
・ティルト角90度、現在速度=1m/sに加速される。
・(誘導則33による自動操縦、以下同様)
・(実際には、現在速度、速度目標コマンド等のパラメータは連続的に変化する(1m/sずつ増えるわけではない)、以下同様。
(2-2)速度目標コマンド制限
・選択速度=30m/sのまま(先ほど入力された値)
・速度目標コマンド制限値により、速度目標コマンドは4m/sとなる。
・速度目標コマンド変更制限値により、速度目標コマンドは2m/sとなる。
・(現在速度は2m/sなので、現在速度+速度目標コマンド変更制限値=1+1=2)
・この結果、速度目標コマンド=2m/sとなる。
(2-3)ティルト・スケジューラ
・現在速度は現在速度=1m/sなので、ティルト角は90度のまま。(ティルト・スケジューラ変更速度の加速しきい値が3m/sのため。
(3-1)機体の動作
・ティルト角90度、現在速度=2m/sに加速される。
(3-2)速度目標コマンド制限
・速度目標コマンド制限値により、速度目標コマンドは4m/sとなる。
・速度目標コマンド変更制限値により、速度目標コマンドは3m/sとなる。
・(現在速度は2m/sなので、現在速度+速度目標コマンド変更制限値=2+1=3)
・この結果、速度目標コマンド=3m/sとなる。
(3-3)ティルト・スケジューラ
・現在速度は2m/sなので、ティルト角は90度のまま。
・(ティルト・スケジューラ変更速度の加速しきい値が3m/sのため。この値(3m/s)を超えるまで、次のティルト角へ移行しない。
(4-1)機体の動作
・ティルト角90度、現在速度=3m/sに加速される。
(4-2)速度目標コマンド制限
・選択速度=30m/sのまま(先ほど入力された値)
・速度目標コマンド制限値により、速度目標コマンドは4m/sとなる。
・速度目標コマンド変更制限値により、速度目標コマンドは4m/sとなる。
・(現在速度は3m/sなので、現在速度+速度目標コマンド変更制限値=3+1=4)
・この結果、速度目標コマンド=4m/sとなる。
(4-3)ティルト・スケジューラ
・現在速度は現在速度=3m/s。
・3m/sを超えた瞬間に、ティルト角は80度へ移行する。
(ティルト・スケジューラ変更速度の加速しきい値が3m/sを超えたため。)
(5))機体の動作
・ティルト角90度から80度に変更、現在速度=4m/sに加速される。
(6)次のティルト角へ
以下、現在速度=30m/sになるまで上記と同様の動作。
[自動遷移制御則による効果]
これまで開発された技術において、4発ティルト翼型VTOL機を飛行させる場合、以下の課題があった。
図10に示すように、4発ティルト翼型VTOL機が無人航空機の場合には、自動操縦のレベルが自動プログラム飛行までにとどまるため、ティルト角の変更を伴う加速遷移及び減速遷移は、遠隔操縦装置(プロポ)や地上局コンソールによる人間の操作が必要になる。そのため、安全な遷移が目視範囲内に限られてしまう。
人間の操作を不要とするティルト角の変更法として、例えば、ティルト角変更コマンドをプログラム飛行経路のウェイポイントと関連付けてあらかじめ設定しおく等の方法が考えられる。しかし、この方法では、ティルト角変更や周辺風などの外乱に伴って生じる速度や姿勢の変化を考慮していない。そのため、ティルト角変更(遷移)中に、この4発ティルト翼型VTOL機が機体性能上の安全飛行範囲(遷移コリドー)を逸脱してしまうなど、安全な飛行の継続を脅かすことになりかねない(課題1)。
4発ティルト翼型VTOL機を有人機として応用する場合には、自動操縦のレベルが自動プログラム飛行までにとどまるため、ティルト角の変更を伴う加速遷移及び減速遷移の操作は、パイロットによるスイッチやレバーの操作が必要になる。これと同時に、対気速度や機体姿勢などに関わる補償操作も必要となるため、その他の搭載機器操作や管制通信も含めたコックピット・ワークロードが、固定翼旅客機などに比較して大きくなる。このため安全性のリスクが既存の固定翼機などに比べて増大する(課題2)。
これらを解決するためには、自動遷移制御則の構築が必要であるが、安全飛行範囲(遷移コリドー)の逸脱を防ぎつつ加速遷移及び減速遷移を行う制御則の設計法が存在しない。
これに対して、本実施形態に係る自動遷移制御則35を採用することで、所望の速度目標コマンドを入力すれば、ティルト角の変更すなわち遷移飛行が自動的に行われ、また機体の形態変更に相当するティルト角変更操作に、操縦者や地上局オペレータが関与する必要がなくなり、更に飛行可能範囲からの逸脱が防止されるため、飛行安全性が向上する。また、本実施形態に係る自動遷移制御則35を、既存の自動プログラム飛行機能などと結合することで、飛行タスクが自動化され、遠隔操縦者及び地上局オペレータ(有人機の場合はパイロット)のワークロードが軽減する。
[実施例 飛行シミュレーション]
機体の飛行運動特性を模擬したシミュレーション用ソフト(村岡浩治、佐藤昌之、山本亮二 作、QTW飛行シミュレーション・プログラムSimQTW(QTW Flight Simulation Program) Ver.1、JAXA PJ0113 (2016/10/12))に対し、本発明に係る自動遷移制御則35を組み込んで、飛行シミュレーションを実施した。
模擬した4発ティルト翼型VTOL機(FWD02:Fujinokuni Winged Drone)の諸元を表1に示す。この機体は飛行実証で使用した機体をモデル化したものである。
なお、自動プログラム飛行機能及び自動遷移制御則に関わるプログラム・ソースは、実機搭載用と共通利用可能な構成である。
現在の速度値として、対気センサ信号に相当するパラメータをシミュレーション・モデル内で算出し、それらを自動遷移制御則35部分に(ソフトウェア上で)取り込んだ。
現在のティルト角として、ティルト角コマンド値(ティルト角サーボヘの出力値)をシミュレーション・モデル内で算出し、それらを自動遷移制御則35部分に(ソフトウェア上で)取り込んだ。
自動遷移制御則35からの出力である、速度目標コマンドは誘導則33へ、ティルト角コマンドは主幹操縦系31へそれぞれ入力した。
自動遷移制御則35の制限値には、図7の制限値テーブルのパラメータ値を用いた。
ティルト角90度にて手動操縦離陸し、次にティルト80度に遷移して前進を開始し、次にプログラ飛行及び自動遷移ONとする想定にて飛行シミュレーションを実施した。
まず、プログラム飛行用の飛行計画を準備した。
飛行計画は、経由地点(ウェイポイント)の順列にてあらかじめ設定する。各ウェイポイントには地点の緯度経度(又は前ポイントからの距離及び方位)、目標高度及び目標速度を設定する。
表2及び図11に飛行シミュレーションに用いた飛行計画を示す。
この飛行計画は図11下の平面図の白線のように、滑走路周辺を矩形の長径及び短径を変えながら周回する経路となっている。
飛行シミュレーションは、ティルト角80度、プログラム飛行ON及び自動遷移ONにて開始した。
図12~図15にこの飛行計画を使った飛行シミュレーションの水平面内飛行軌跡及び時歴を示す。図12は飛行シミュレーション結果のうち水平面内飛行軌跡を示す平面図である。図12において、白のラインは飛行計画、その白の近傍のグレーの線は飛行軌跡を示している。図13は飛行シミュレーション結果のうち時歴(鉛直面内のパラメータ)を示すグラフである。図14は飛行シミュレーション結果のうち時歴(横・方向のパラメータ)を示すグラフである。図15は飛行シミュレーション結果のうち遷移速度(ティルト角と速度との関係)を示すグラフである。
ウェイポイントの切り替えに伴って、以下のとおりとなった。
対気速度目標コマンドが変更される。
これに伴って、最初はティルト角が固定されたまま対気速度が変化する。
この速度変化は、自動操縦モードの対気速度保持ループによる。この変化により、ティルト角変更範囲まで加速又は減速がすすむと、ティルト角を自動的に変更させる。自動遷移機能が目標対気速度及び実際の飛行速度を監視し、安全飛行範囲(コリドー)内を飛行すべく、ティルト角を変更させている。
対気速度は、ティルト角変更に伴うオーバーシュートが最大2m/s程度みられるものの、加速及び減速遷移において、おおむねコマンドを追従している。
飛行高度は、上昇及び降下のすべての飛行経路に対し、コマンドにおおむね良好に追従している。
水平面内では、機首方位を変更しながらおおむね計画経路に追従した飛行をしている。
図15から、本発明に係る自動遷移制御則による構成を用いることで、安全飛行範囲(コリドー)を保ちつつ良好に遷移していることがわかる。
[産業上の利用可能性]
(4発ティルト翼型)小型無人機用誘導制御システムとして
4発ティルト翼型小型無人機は、垂直離着陸能力と高速・長距離飛行能力を有することから、
・狭小地からの離着陸による災害発生時広域情報収集
・船舶甲板上などからの離着陸による魚群探知
・point-to-pointの貨物運搬
などといったミッションへの適用が期待される。これらのミッションを実施する際には、自動プログラム飛行が基本となるため、本発明の適用が極めて有望である。
(4発ティルト翼型)旅客機用の自動操縦システムとして
4発ティルト翼型旅客機は、6~9人程度乗りビジネス機としてDoor-To-Doorの運航等による旅行時間短縮など利便性向上する新技術として期待される。このような旅客機はパイロットにより運航が行われるものの、パイロットのワークロード低減による安全性向上の観点から自動操縦システムが利用される。このような自動操縦システムを導入する場合、本発明に係る自動遷移制御則による構成を用いることが極めて有望である。
〔その他〕
本発明は、上記の実施形態などに限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で様々な変形や応用が可能である。その変形や応用による実施も本発明の技術的範囲に属する。
例えば、上記の実施形態は本発明を4発ティルト翼型VTOL機に適用した例であるが、本発明は形態を遷移させる部位を有する飛行体、典型的には飛行速度に伴い形態を段階的に遷移させる部位を有する飛行体、或いは形態を変えることで飛行体自体の安全の範囲が変わる飛行体に適用できる。例えば、本発明は、当該部位として主脚など降着装置やフラップ、フラッペロン、モーフィング翼などを有する航空機などの飛行体に適用できる。
1 :4発ティルト翼型VTOL機
11 :翼
21b :ティルト角サーボ
35 :自動遷移制御則
36 :機体
351 :速度目標コマンド制限値生成部
352 :速度目標コマンド生成部
353 :ティルト角スケジューラ
354 :制限値テーブル

Claims (10)

  1. 段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の形態遷移制御装置であって、
    前記飛行体の目標飛行速度に対して、現在形態に基づく範囲に飛行速度目標コマンドを制限する速度目標コマンド範囲制限部と、
    前記制限された飛行速度目標コマンドに基づき前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断する形態遷移判断部と、
    前記飛行体の現在飛行速度に基づき、前記現在形態に基づく範囲に制限された飛行速度目標コマンドの変化を制限する速度目標コマンド変化制限部と
    を具備する形態遷移制御装置。
  2. 請求項1に記載の形態遷移制御装置であって、
    各段階の前記形態ごとに前記飛行速度目標コマンドの範囲が設定された第1の制限値テーブルを更に具備し、
    前記速度目標コマンド範囲制限部は、前記設定された飛行速度目標コマンドの範囲に基づき、前記飛行速度目標コマンドの範囲を制限する
    形態遷移制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の形態遷移制御装置であって、
    各段階の前記形態ごとに現在形態を次段階形態に遷移させるかどうかのしきい値が設定された第2の制限値テーブルを更に具備し、
    前記形態遷移判断部は、前記しきい値に基づき、前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断する
    形態遷移制御装置。
  4. 請求項3に記載の形態遷移制御装置であって、
    前記しきい値は、当該形態の前記飛行速度目標コマンドの範囲内に設定されている
    形態遷移制御装置。
  5. 請求項に記載の形態遷移制御装置であって、
    各段階の前記形態ごとに前記飛行速度目標コマンドの変化を制限する制限値が設定された第3の制限値テーブルを更に具備し、
    前記形態遷移判断部は、前記制限値に基づき、前記飛行速度目標コマンドの変化を制限する
    形態遷移制御装置。
  6. 請求項4又は5に記載の形態遷移制御装置であって、
    前記飛行体は、対気速度センサを有し、
    前記形態遷移判断部は、前記対気速度センサにより検出された検出値に基づき前記現在飛行速度を判断する
    形態遷移制御装置。
  7. 請求項1乃至に記載の形態遷移制御装置であって、
    前記飛行体は、遷移コマンドに応じて前記形態を段階的に遷移させるためのサーボ機構を有し、
    前記形態遷移判断部は、前記遷移コマンドに基づき前記現在形態を判断する
    形態遷移制御装置。
  8. 請求項1乃至に記載の形態遷移制御装置を有する垂直離着陸機であって、
    当該垂直離着陸機のティルト角を変える翼が前記形態を段階的に遷移させる部位である
    垂直離着陸機。
  9. 段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の形態の遷移を制御する方法であって、
    前記飛行体の目標飛行速度に対して、現在形態に基づく範囲に飛行速度目標コマンドを制限し、
    前記制限された飛行速度目標コマンドに基づき前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断し、
    前記飛行体の現在飛行速度に基づき、前記現在形態に基づく範囲に制限された飛行速度目標コマンドの変化を制限する
    形態遷移制御方法。
  10. 段階的に形態を遷移させる部位を有する飛行体の形態の遷移を制御するためのプログラムであって、
    前記飛行体の目標飛行速度に対して、現在形態に基づく範囲に飛行速度目標コマンドを制限するステップと、
    前記制限された飛行速度目標コマンドに基づき前記形態を現在形態から次段階形態に遷移させるかを判断するステップと
    前記飛行体の現在飛行速度に基づき、前記現在形態に基づく範囲に制限された飛行速度目標コマンドの変化を制限するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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