JP7411177B1 - 軽度認知障害のリスク指標算出装置、方法、及び、プログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 0007411177000001
【課題】 便検体及びアンケートを提出した被検者に対し、軽度認知障害に対するリスクを算出する技術を提供する。
【解決手段】
被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、軽度認知障害との関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出する抽出部と、健康な人の腸内微生物叢と前記軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に関する第3のデータを変数として、前記被検者が前記軽度認知障害を有する確率を算出するモデルに、前記第2のデータを入力し、前記被検者の前記軽度認知障害に対するリスクを算出する算出部と、を備える軽度認知障害のリスク指標算出装置。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、腸内微生物叢データを用いて疾病評価指標を算出する技術に関し、特に便検体及びアンケートを提出した被検者に対し、軽度認知障害に対するリスクを算出する技術を提供する。
脳の健康、特に認知機能を保つための食品組成物に関する研究が行われている。特許文献1は、L-エルゴチオネインがヒトに対して有用な認知機能改善用食品組成物であることを開示している。
また、ヒトの腸内細菌叢を用いた疾病評価指標を算出する技術が開発されている。特許文献2は、構造方程式モデルを用いて、便検体を提出したユーザがアトピー性皮膚炎などの疾病に罹患するリスクを推定する技術を開示している。
特開2019-180364号公報 特許第7270143号公報
しかしながら、特許文献1の段落0056では、L-エルゴチオネインの血中濃度と記憶力との間に相関関係があることを示しているにすぎない。このため、被検者の記憶力について調べる場合、被検者の血液を採取して、L-エルゴチオネインの血中濃度を測定する必要がある。
本発明は、このような課題に着目して鋭意研究され完成されたものであり、その目的は、便検体及びアンケートを提出した被検者に対し、軽度認知障害に対するリスクを算出する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、軽度認知障害との関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出する抽出部と、健康な人の腸内微生物叢と前記軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に関する第3のデータを変数として、前記被検者が前記軽度認知障害を有する確率を算出するモデルに、前記第2のデータを入力し、前記被検者の前記軽度認知障害に対するリスクを算出する算出部と、を備える軽度認知障害のリスク指標算出装置である。
他の本発明は、コンピュータが、被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、軽度認知障害との関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出する抽出部と、健康な人の腸内微生物叢と前記軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に関する第3のデータを変数として、前記被検者が前記軽度認知障害を有する確率を算出するモデルに、前記第2のデータを入力し、前記被検者の前記軽度認知障害に対するリスクを算出する軽度認知障害のリスク指標算出方法である。
他の本発明は、被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、軽度認知障害との関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出する抽ステップと、健康な人の腸内微生物叢と前記軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に関する第3のデータを変数として、前記被検者が前記軽度認知障害を有する確率を算出するモデルに、前記第2のデータを入力し、前記被検者の前記軽度認知障害に対するリスクを算出する算出ステップと、をコンピュータに実行させる軽度認知障害のリスク指標算出プログラムである。
本発明によれば、便検体及びアンケートを提出した被検者に対し、被検者が評価を希望する疾病に対するリスクを算出する技術を提供することができる。
本発明の実施形態に係る疾病評価指標算出システムの全体概略図である。 本実施形態に係る疾病評価指標算出処理のフローチャートである。 本実施形態に係る被験者及び被検者の基本情報を調べるためのアンケート項目を示す表である。 本実施形態に係る対照群の条件を示す表である。 本実施形態に係るMCI群の条件を示す表である。 本実施形態に係る母集団が女性の場合の腸内微生物変数の選抜を説明するための図である。 図6の腸内細菌毎に、効果量の値、連関モデルへの適用、及び、MCIに関連する因子を示す表である。 本実施形態に係る母集団が男性の場合の腸内微生物変数の選抜を説明するための図である。 図8の腸内細菌毎に、効果量の値、連関モデルへの適用、及び、MCIに関連する因子を示す表である。 本実施形態に係るMCIに関連する腸内細菌の影響についての仮説概念図である。 図10の一部を拡大した図である。 本実施形態に係る年齢と腸内細菌の占有率の関係を示す図(母集団は女性)である。 本実施形態に係るMCI関連因子に応じた加点を説明するための図である。 本実施形態(母集団は女性)に係る連関モデルのパラメータを推定した結果を示す図である。 本実施形態(母集団は女性)に係る加点後の得点推定モデル、及び、リスク算出モデルを説明するための図である。 変形例(母集団は男性)に係る連関モデルのパラメータを推定した結果を示す図である。 変形例(母集団は男性)に係る加点後の得点推定モデル、及び、リスク算出モデルを説明するための図である。 本実施形態(母集団は女性)に係るMCIのリスク値に対するROC分析の結果を示す図である。 変形例(母集団は男性)に係るMCIのリスク値に対するROC分析の結果を示す図である。
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
(疾病評価指標算出システム)
図1は、本発明の実施形態に係る疾病評価指標算出システムの全体概略図である。疾病評価指標算出システムは、多数の被験者が提出する便検体から腸内微生物叢データベース(DB)を作成するフェーズ、1又は複数の疾病(特定の疾病)に関するモデルを作成するフェーズ、及び、特定の疾病に対するリスクの評価指標を算出するフェーズを備える。ここで、多数の被験者は、モデル作成に使用する検体(便検体及びアンケート回答データ)を提供する参加者(Participant)である。
以下では、特定の疾病の例として、認知機能の低下に関する軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment。以下、MCIと略す)について説明する。MCIに対するリスクとは、MCIに罹患している又は罹患する確率を示す。また、腸内微生物叢は、腸内に生息している腸内細菌(細菌、古細菌など)に加え、カビ、酵母なども含む腸内微生物の集合のことである。
(腸内微生物叢DB作成フェーズ)
腸内微生物叢DB作成フェーズでは、一万人以上という多数の被験者が各自の大便をトイレで排泄し、便検体を採便キットで採取する。次に、便検体を受け取ったDNA抽出業者は、便検体を腸内微生物DNA抽出装置100に入力し、腸内微生物叢に関するDNA溶液が出力される。
DNA溶液を受け取った解析業者は、DNA溶液を腸内微生物叢解析装置200に入力し、腸内微生物叢を解析する。解析業者は解析結果データを腸内微生物叢DB300に格納する。ここでの解析はまず、各被験者の腸内微生物叢にユニークなASV(Amplicon Sequence Variant)配列を作成する。次に、公開されている外部のDNA配列データベース(例えばRibosomal Database Projectデータベース)を用いて、各被験者の腸内微生物叢データに分類群名を付与する。本実施形態の分類群名は、科、属、種などの分類階級の分類群名、及び公開されている外部のDNA配列データベースで使用されている分類群名を含む。
腸内微生物叢DB300は各被験者のID(識別番号)情報とその被験者の腸内微生物叢データとを関係付けている。なお、DNA抽出業者と解析業者を分けて説明したが、同一の事業者が抽出作業と解析作業を行ってもよい。
次に、便検体を提出した多数の被験者は、ID情報を用いてアンケートに回答し、アンケート回収業者に提出する。アンケート回収業者は回答後のアンケート回答データをアンケートDB400に格納する。
アンケート調査では、被験者の属性情報、ボディマス指数(BMI)、排便頻度、生活習慣(飲酒、喫煙、運動の頻度)、疾病罹患状況、睡眠の状況、うつ病自己評価尺度(CES-D)、ピロリ菌治療の有無、入院または手術の経験、及び処方薬または市販薬の服用状況を含む詳細な情報を調査する。本実施形態では、被験者の属性情報とは、性別、年齢、及び、幼年期の生活地域などの基本情報をいい、詳細については後述する。
女性の被験者に限り、月経の状況、妊娠中又は授乳中であるかを調査する。疾病罹患状況は、13区分(MCI、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)、骨関節疾患(bone and/or joint disease)、気管支ぜんそく(bronchial asthma)、糖尿病(diabetes)、脂質異常症(dyslipidemia)、胃腸疾患(gastro intestinal disease)、心臓病(heart disease)、高血圧症(hypertension)、腎臓病(kidney disease)、肝臓病(liver disease)、腰痛・関節痛(lower back and/or joint pain)、及び、その他疾病)の疾病について、その病名と、現在治療中であるかどうかを調査する。すなわち、疾病に罹患している人は、現在罹患している人及び/又は過去に罹患していた人を含む。処方薬及び市販薬の服用は、16区分(胃・十二指腸潰瘍・逆流性食道炎、高血圧治療薬、高脂血症治療薬、糖尿病治療薬、睡眠薬、鎮痛剤・解熱剤、アレルギー治療薬、狭心症治療薬、下剤・便秘の薬、骨粗鬆症治療薬、リウマチ治療薬、副腎皮質ステロイド、抗生剤、かぜ薬、抗血栓薬、及びその他)の薬について、採便時に服用中であるかを調査する。
(モデル作成フェーズ)
モデル作成フェーズではまず、モデル作成業者は、評価したい疾病を選定する。連関モデル作成装置500は、選定された疾病としてMCIの入力を受け付ける入力部と、MCIに関係する被験者のID情報をアンケートDB400から男女の属性毎に抽出し、該当するID情報の腸内微生物叢データも腸内微生物叢DB300から抽出する抽出部と、後述する作成方法によって連関モデルを作成する作成部を備える。連関モデル作成装置500は、作成した連関モデルを連関モデルDB600に格納する。
次に、得点推定モデル作成装置700は連関モデルDB600から連関モデルを抽出し、後述する作成方法によって得点推定モデルを作成する。作成した得点推定モデルは得点推定モデルDB800に格納される。
(疾病評価指標算出フェーズ)
疾病評価指標算出フェーズでは、評価業者は、採便キットで採取した便検体を提出し、かつ、MCIに対するリスクの評価を希望する者(以下、被検者という)に対し、腸内微生物叢DB作成フェーズで説明した便検体の提出を依頼する。被検者の便検体は、前述した多数の被験者の便検体と同様、腸内微生物DNA抽出装置100及び腸内微生物叢解析装置200で処理される。被検者の腸内微生物叢データは腸内微生物叢DB300に格納される。
さらに、MCI、及び、被検者のID情報(被検者の属性情報を含む)を疾病評価指標算出装置900に入力する。ここで、被検者が提出したアンケート回答データの中から、被検者の属性情報も疾病評価指標算出装置900に入力する。なお、被検者が提出したアンケート回答データは、前述した多数の被験者のアンケート回答データと同様、アンケートDB400に入力してもよい。この場合、疾病評価指標算出装置900は、アンケートDB400から被検者のアンケート回答データを取り出せばよい。このように、被検者は、MCIに対するリスクを評価してもらうために検体(便検体及びアンケート回答データ)を提供する者(ユーザ)である。
疾病評価指標算出装置900は、入力情報を受付ける入力部と、入力情報に関係する情報を抽出する抽出部と、得点推定モデルに加点を行う加点部と、加点された得点推定モデルを用いて評価指標を算出する算出部と、評価レポートを出力する出力部を備える。図1の910は、上述した加点部を示す。
入力部は特定の疾病としてのMCI、及び、被検者のID情報の入力を受け付ける。抽出部は、外部の腸内微生物叢DB300から被検者のID情報に関係する情報(被検者の属性情報、及び、腸内微生物叢データ)を抽出し、得点推定モデルDB800からMCIに関する得点推定モデルを抽出する。
加点部910は被検者の属性情報を用いて得点推定モデルに加点を行う。そして、算出部は、被検者の腸内微生物叢データを、加点された得点推定モデルに入力し、MCIに対するリスクの評価指標を算出する。出力部は、算出された評価指標に基づく、評価レポートが出力される。なお、各フェーズを行う業者を分けて説明したが、同一の事業者が全てのフェーズを行ってもよい。
(疾病評価指標算出処理のフローチャート)
図2は、本実施形態に係る疾病評価指標算出処理のフローチャートである。この処理は2つの処理群に分かれる。疾病毎に得点推定モデルを予め作成する第1の処理群(S100からS120)と、被検者が評価を希望する疾病であるMCIに対するリスクの評価指標を算出する第2の処理群(S200からS240)に分かれる。
第1の処理群は、複数の被験者の腸内微生物叢データを疾病毎に抽出するステップ(S100)と、疾病毎に連関モデルを作成するステップ(S110)と、疾病毎に得点推定モデルを作成するステップ(S120)を備える。第2の処理群は、被検者が評価を希望する疾病としてMCIを入力するステップ(S200)と、被検者の腸内微生物叢データを抽出するステップ(S210)と、被検者の属性情報及び/又はMCIに関連する因子に該当する腸内細菌の情報を用いて得点推定モデルを加点するステップ(S220)と、加点後の得点推定モデルを用いて潜在変数の得点を推定するステップ(S230)と、MCIに対するリスクの評価指標を算出するステップ(S240)を備える。
(S100の説明)
本実施形態では疾病の例として「MCI」を用いる。S100は、腸内微生物叢DB300から、健康な人の群及びMCIに罹患している人の群(これらの群に属する人々が、前述した被験者に相当する)の腸内微生物叢データを抽出する。図3は被験者及び被検者の基本情報を調べるためのアンケート項目を示す表である。図4及び図5は各群を抽出する条件を示す。これらの条件には女性のみに適用される条件も含まれている。なお、図3のアンケート項目は、被験者に加えて、被検者についても調べる点に留意していただきたい。
図3は、本実施形態に係る被験者及び被検者の基本情報を調べるためのアンケート項目を示す表である。本実施形態は、被検者の腸内微生物叢データを用いてMCIの疾病評価指標を算出する技術である。被験者及び被検者の腸内微生物叢は、被験者及び被検者の年齢、生物学上の性別(以下では、単に性別と呼ぶ)、及び、幼年期に生活していた地域などの生活背景の影響を受ける可能性がある。生活背景に関するアンケート項目番号は、8番目と9番目が相当する。また、母親の腸内微生物叢を受け継ぐ要因として、10番目の分娩方法を尋ねている。このため、被験者及び被検者の腸内微生物叢データに関係する可能性がある情報を、被験者及び被検者の基本情報と呼ぶ。
本実施形態では、図3に記載のアンケート項目を用いて、被験者及び被検者の属性情報を調べる。被験者及び被検者の腸内微生物叢と、生活背景の影響を調べるために、例えば、3歳までに主に居住していた都道府県を尋ねている。
本実施形態では、被験者及び被検者が全て日本人であることが前提であるため、被験者及び被検者の出生国を尋ねていない。しかしながら、アンケート項目として出生国を尋ねても良い。このようにしてアンケート回答データから抽出した被験者及び被検者の基本情報を以下では、被験者及び被検者の「属性情報」と呼ぶ。属性情報は、被験者及び被検者の出生時の背景、及び、幼年期の生活の背景を含む。
図4は、本実施形態に係る対照群の条件を示す表である。対照群(Normal Control、以下NCと略す)は、健康な人の群であり、図4に挙げている条件を全て満たす人々のグループである。図5は、本実施形態に係るMCI群の条件を示す表である。MCIに罹患している人の群(以下MCI群と略す)は、図5に挙げている条件を全て満たす人々のグループである。本実施形態では、各群をさらに男女別に分ける。MCI群は、男性が40~80代の26名であり、女性が40~80代の33名である。
(S110の説明)
S110は、MCIに関する連関モデルを作成するステップである。本実施形態では、男女別にMCIに関する連関モデルを作成する。本実施形態では、男性の母集団は、70代のMCI群11名と疾病に罹患していない対照群17名の腸内微生物叢データを用い、女性の母集団は、70代のMCI群18名と疾病に罹患していない対照群23名の腸内微生物叢データを用いた。ここで、MCI群を70代に限定した理由は、40~80代の被験者の中で最も多い年代だからである。なお、ヒトの腸内微生物叢は、同じ腸内微生物であっても、男性と女性の体内でのふるまいが異なる場合がありうる。
まずS100で抽出した腸内微生物叢データに対し、有心対数比(Centerd Log-Ratio、CLR)変換を行い、腸内微生物叢データのカウント値をCLR値に変換する。この変換処理を行うことによって、統計処理がしやすくなる。
次に本実施形態では、腸内微生物変数を推定するステップ(S115)を行う。腸内微生物変数はMCIとの関連が示唆される腸内微生物のことである。S115は、対照群(NC)とMCI群の腸内微生物叢の違いを表す一つ又は複数の腸内微生物を探索するために行う。本実施形態では男女それぞれの母集団についてNCとMCI群の間の効果量を指標として腸内細菌を選抜する。効果量が0.2を超える腸内細菌を対照群と比較してMCI群に多い腸内細菌、-0.2を下回る腸内細菌をMCI群に少ない腸内細菌と分類して定義した。母集団を男性と女性で分けているため、MCI群に多い腸内細菌とMCI群に少ない腸内細菌も男性と女性で異なる(後述の図6及び図9を参照)。図6以降では、腸内微生物の一例として、腸内細菌を挙げている。
図6は、本実施形態に係る母集団が女性の場合の腸内微生物変数の選抜を説明するための図である。横軸は効果量(effect size)であり、縦軸は腸内細菌名(属レベル)である。棒グラフを作成する便宜上、正の効果量を有する腸内細菌はMCIと表し、負の効果量を有する腸内細菌はHealthyと表す。このように正の効果量を有する腸内細菌は、MCI群の腸内細菌叢に多く、一方、負の効果量を有する腸内細菌は、MCI群の腸内細菌叢に少ない。したがって、S110の処理によって、対照群とMCI群の腸内細菌叢の違いに寄与すると推定される複数の腸内細菌を推定できる。なお、実際の腸内細菌は51種類あるが、棒グラフを見やすくする都合上、図6は26種類のみを表示している点に留意していただきたい。
図7は、上述した51種類の腸内細菌について、効果量の値、連関モデルへの適用、及び、MCIに関連する因子を示す表である。レ点は、どの腸内細菌が、連関モデルに適用されるか、及び、どのMCI関連因子に該当するかを示す。MCI関連因子とは、MCIとの関連が示唆される因子又は腸内細菌(腸内微生物)をいう。また、「連関モデル」の列にレ点の付いている腸内細菌については図14で後述する。
図7では、MCI関連因子として10個挙げている。具体的には、1)ムチン分解、2)IgAプロテアーゼ産生、3)腸クロム親和性細胞(EC細胞)からのセロトニン分泌促進、4)胆汁酸の酸化、5)腸のバリア機能の回復促進、6)水素産生、7)HDAC阻害物質の産生、8)トリプシン分解からのIgAの保護、9)MCIで多い腸内細菌(男性の場合)、10)MCIで多い腸内細菌(女性の場合)である。本実施形態では、MCI関連因子を10に分類している。しかしながら、MCI関連因子はこれに限定されるものではなく、1つ又は複数であってもよい。また、他のMCI関連因子であってもよい。
効果量の”Healthy”の欄に数値が記載されている腸内細菌であって、どのMCI関連因子にもレ点が記されていないものがいくつかある。それらは、他のMCI関連因子に該当する。例えば、Prevotellaは、「MCIで少ない腸内細菌(男女共通)」に該当する(後述する図11を参照)。また、効果量の”MCI”の欄に数値が記載されている腸内細菌であって、どのMCI関連因子にもレ点が記されていないFlavonifractorは、MCIで多い腸内細菌(男女共通)に該当する(後述する図11を参照)。なお、図7の場合、母集団が女性のため、項目「MCIで多い腸内細菌(男性の場合)」にはレ点が付いていない。また、本来は、腸内細菌の名称はイタリック体で記載されるものであるが、明細書で使用可能な文字コードの都合上、通常の書体で記載する点に留意していただきたい。
図8及び9は、母集団が男性の場合の、図6及び7に対応する図である。すなわち、図8は、本実施形態に係る母集団が男性の場合の腸内微生物変数の選抜を説明するための図である。図9は、図8の腸内細菌毎に、効果量の値、後述する連関モデルへの適用、及び、MCIに関連する因子を示す表である。なお、図9の場合、母集団が男性のため、項目「MCIで多い腸内細菌(女性の場合)」にはレ点が付いていない。また、項目「トリプシン分解からのIgAの保護」にレ点が付いていないのは、該当する腸内細菌が図9に現れていないからである。
S110で推定した複数の腸内細菌の全てについて、図7で説明したMCI関連因子に該当するか否かを確認する。本実施形態では、このような確認をすることによって、後述する加点処理を行うことが可能になる。
まず、図7のMCI関連因子について、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態に係るMCIに関連する腸内細菌叢の影響についての仮説概念図である。同図中の上向き太字矢印は増大を示す。下向き太字矢印は減少を示す。例えば、「IgAの分解」には、上向き太字矢印が付与されている。この場合、「IgAの分解が促進される」を意味する。
本実施形態では、図10に示した仮説を立てるために、比較調査を事前に行った。具体的には、70代のMCI群(男性11名、女性18名)と対照群(男性17名、女性23名)を、性別を考慮して比較することにより、MCIと腸内細菌叢の関連性を調査した。この比較調査によって明らかとなったMCIに関連する複数の腸内細菌について、別途、既知の特徴、例えば水素産生などについても文献調査した。複数の腸内細菌の中には、文献にMCIに関連するとの記述が無いものもあった。しかしながら、一部の既知の特徴及び今回の比較調査から、MCI群の腸内細菌叢の構成は、腸内細菌叢の調節異常、腸のバリア透過性増大、血液脳関門の透過性増大、および慢性神経炎症の亢進を引き起こし、その異常が長期間持続することによって最終的に認知機能低下につながるという仮説が立てられた。
また、比較調査は性別に分けて行い、効果量の絶対値が0.2以上であれば、MCI群に関連すると設定した。図10の腸内細菌の中には、腸内細菌名の横に「(男性)または(女性)」と表記している場合がある。これは「(男性に多いMCI関連因子)または(女性に多いMCI関連因子)」の意味である。
本実施形態では、男女混合グループでの解析に加え、男女別のグループに分けた再解析を行い、MCIと腸内細菌叢の関係についての理解を試みた。その結果、仮説ではあるが、腸内細菌が関係するMCIのメカニズムの一部について図10に示すように説明することが可能になった。このような仮説を立てることによって、本実施形態は、MCI関連因子を設定し、被検者がMCIに罹患している又は罹患する確率を算出するモデルを構築することが可能になる。そして、本実施形態では、後述するように、MCIに関する連関モデル、及び、得点推定モデルを作成し、さらに、リスク算出モデルを作成する。このリスク算出モデルが、被検者がMCIに罹患している又は罹患する確率を算出するモデルに相当する。
図10は、腸内細菌が関係するMCIのメカニズムの一部についての仮説の概念図である。以下では、MCIに関連する腸内細菌叢の影響についての仮説を項目に分けて説明する。(1)水素産生菌Roseburia、Megasphaera、Victivallis、Ruminococcus(男性)、およびAgathobacter(女性)の減少、水素濃度依存で胆汁酸の酸化を行うEggerthellaの増加が、腸内細菌叢の調節異常につながる。(2)水素産生菌Roseburia、Megasphaera、Victivallis、Ruminococcus(男性)、およびAgathobacter(女性)の減少が、間接的に酢酸の減産による腸のpH上昇などを引き起こし、腸内細菌叢の調節異常につながる。(3)IgAプロテアーゼを産生するErysipelatoclostridiumの増加、および腸内トリプシンの分解を介してIgAを保護するParaprevotella(女性)の減少が、腸内細菌叢の調節異常および腸管上皮細胞の炎症亢進につながる。(4)ムチン層分解に関連するClostridium_XVIIIとRuminococcus 2の増加、および腸バリア機能保護に関連するRoseburia(flagellin)の減少が、腸のバリア透過性増大につながる。(5)腸のセロトニン分泌を促進するErysipelatoclostridiumの増加が、血液脳関門の透過性増大につながる。(6)腸内細菌叢の調節異常によって増加する腸内細菌は男女で異なるが、それらは炎症の要因となる。(7)HDAC(histone deacetylase、ヒストン脱アセチル化酵素)阻害物質の産生菌(吉草酸産生菌:OscillibacterおよびMegasphaera、プロピオン酸および酪酸の産生菌:Roseburiaなど)の減少が、過剰なHDACによるエピジェネティックな制御異常を引き起こし、炎症の増加につながる。(8)水素産生菌Roseburia、Megasphaera、Victivallis、Ruminococcus、およびAgathobacterの減少が、水素の活性酸素種除去低下を引き起こし、慢性炎症の亢進につながる。(9)MCI群の腸内細菌叢の構成は、腸内細菌叢の調節異常、腸のバリア透過性増大、血液脳関門の透過性増大、および慢性神経炎症の亢進を引き起こし、その異常が長期間持続することによって最終的に認知機能の低下につながる。
図10では上述した比較調査によって分かった「MCIで多い腸内細菌グループ」と「MCIで少ない腸内細菌グループ」について、男性、女性、男女共通の3つのサブグループにさらに分類している。この分類については、紙面の都合上、図11に拡大した図として表す。また、図10及び図11の「項目名」及び「腸内細菌名」のうち下線を引いているものは、上述した文献調査で該当しなかったものである。例えば、水素がMCIに関与することは既知である。しかしながら、腸内細菌Megasphaera、Victivallis、Agathobacter(女性)は水素産生能が知られているものの、これらの腸内細菌がMCIに関連することは今回の調査で初めてわかったことである。そこで、これらの腸内細菌には下線を引いた。
本実施形態では、腸内細菌が関係するMCIのメカニズムの仮説をもとに、MCI関連因子を設定することができる。より具体的には、図10及び図11に示す腸内細菌名が記載された項目をMCI関連因子として設定することができる。
(加点処理その1;属性情報を用いた加点)
図12は、図6の女性で負の効果量を有する腸内細菌の中の1つであるBifidobacteriumについて、女性の被験者全ての年齢と占有率の関係を示す図である。図12中、Healthyは対照群の各年齢の平均値であり、MCIはMCI群の各年齢の平均値である。年齢が若いと、MCI罹患者が存在しない。そこで、MCI罹患者のデータを実測できない年齢については、その年齢の占有率として、推測値を使用する(図12ではMCI(推測値)として示す)。占有率とは、腸内細菌叢の中での、ある腸内細菌の割合をいう。
MCIの発症には、脳へのダメージの蓄積が関与している。また、腸内細菌叢は年齢によって変化する。後述するように、本実施形態では、被検者の年齢などの属性情報を用いた加点処理を行うことをしてもよい。
図12より、女性の被検者の年齢によって、Bifidobacteriumの占有率が適当であるか否かの判断が異なる。例えば、被検者の年齢が60歳と仮定する。図12の60歳の平均値は、Healthyが6.9%であり、MCIが3.2%である。このため、被検者の腸内細菌叢の中でのBifidobacteriumの占有率が6.9%以上であれば、加点処理を行わない。一方、被検者の占有率が3.2%以下であれば、Bifidobacteriumに加点処理を行う。
(加点処理その2;MCIに関連する因子に該当する腸内細菌への加点)
本実施形態では、被検者が、S110で推定した複数の腸内細菌のうち、MCI関連因子全てを保有している場合、S110で推定した複数の腸内細菌のうち、MCI関連因子に該当する腸内細菌について加点を行うことをしてもよい。図13は、本実施形態に係る保有菌に応じた加点を説明するための図である。この図は、MCI群の被検者が女性の場合である。このため、MCI関連因子から、「MCIで多い腸内細菌(男性の場合)」等を除いている。MCI群の被検者のうち、全てのMCI関連因子に得点(0とは異なる数値であり、占有率、又は、配列数である)が付与されている被検者(すなわち、被検者の腸内細菌叢が全てのMCI関連因子を保有している場合)について、該当する保有菌に加点処理を行うことを示している。なお、本実施形態では、全てのMCI関連因子を保有している場合、MCIへの関与を加速させると考え、加点を行うが、MCI関連因子の一部を保有していれば、加点してもよい。
S110の処理に戻り、S115で推定した腸内細菌を用いて連関モデルを作成するステップを説明する。本実施形態では、NCとMCI群のCLR変換された腸内細菌叢データとMCIの罹患状況データを用いて、連関モデルを作成する。
図14は、本実施形態に係る連関モデルのパラメータを推定した結果を示す図である。母集団は女性である。ここでは連関モデルの1つとして、構造方程式モデル(SEM;Structural Equation Model)を用いる。構造方程式モデルは観測変数と潜在変数との関係、及び、潜在変数同士の関係を表す。このため、連関モデルは、特定の疾病と一定以上の相関が認められる観測変数と、観測変数と関係する潜在変数によって構築される統計解析モデルである。
連関モデル1は実線で囲んだ領域である。長方形は観測変数を表し、“e”は観測変数の残差分散を表し、楕円は潜在変数を表し、潜在変数から観測変数又は他の潜在変数への矢印の数値は、連関モデルの標準化パラメータを表す。例えば、観測変数MCIは疾病MCIに関する観測変数であり、MCI罹患状況を表す2値のカテゴリカル変数として定義する。MCIに罹患している場合は“1”であり、罹患していない場合は“0”である。
連関モデルを作成する際に、MCI罹患状況変数を説明する潜在変数(Latent Variable)が2つあると仮定した。すなわち、潜在変数Lv1はMCIに対して正の影響を及ぼし、潜在変数Lv2は負の影響を及ぼす。
まず、図6に表示されている全ての腸内細菌は潜在変数Lv1またはLv2の観測変数(腸内微生物変数とも言う)として割り当てる。これが初期の連関モデルである。この初期の連関モデルから始め、モデルの修正を行う。モデルの修正においては、構造方程式モデリングの過程で算出される各分散共分散行列に負値成分が出現しなくなるまで観測変数の削除を行う。
その後、各パラメータのp値(有意確率)が0.05未満になるように観測変数の削除を行い、構築されたモデルの中からGFI(Goodness of Fit Index)とAGFI(Adjusted GFI)の値が1に近く、RMSEA(Root Mean Square Error of Approximation)の値が0に近い、かつ、潜在変数から疾病罹患状況変数へのパス係数の絶対値が最大となるものを最終的な連関モデルとして採用する。
作成した連関モデルにNCとMCI群の合併集団のデータ(すなわち、腸内細菌叢データとMCIの罹患状況データ)を与え、連関モデルにおける各パラメータの計算を行う。これにより、NCとMCI群に着目した場合、観測変数として設定された腸内細菌が、仮定された潜在変数(Lv1、Lv2)を介して、どのようにMCI罹患状況を表す変数を説明するのかを調べる。
MCIに対して正の影響を及ぼすと仮定した潜在変数Lv1からMCI罹患状況変数への標準化パス係数が0.52(p<0.01)であり、MCIに対して負の影響を及ぼすと仮定した潜在変数Lv2からMCI罹患状況変数への標準化パス係数は、-0.52(p<0.01)である。潜在変数Lv1からLv1の各観測変数(腸内微生物変数)への標準化因子負荷量は、例えば、Ruthenibacteriumが0.65である。また、潜在変数Lv2からLv2の各観測変数(腸内微生物変数)への標準化因子負荷量は、例えば、Megamonasが0.85である。潜在変数から各観測変数(腸内微生物変数)への標準化因子負荷量はすべてp<0.05で有意である。なお、潜在変数間の矢印の数値-0.41はLv1とLv2の相関の大きさを表す。
MCI罹患状況変数の残差分散は0.24であり、この連関モデルでは、仮定した2つの潜在変数(Lv1、Lv2)がMCI罹患状況変数の分散の約76%を説明する結果となった。
本実施形態では、S115は連関モデルの観測変数の選び方の一例であり、効果量を指標として腸内微生物変数を推定した。S115は必須の構成ではない。
図14の潜在変数(Lv1、Lv2)に関係する観測変数と、図7の「連関モデル」の列にレ点が付いている腸内細菌との関係について説明する。図14の潜在変数Lv1に関係する観測変数は、図7の効果量「MCI」の列に数値が記載され、かつ、「連関モデル」の列にレ点を付けている。同様に、潜在変数lv2に関係する観測変数は、効果量「Healthy」の列に数値が記載され、かつ、「連関モデル」の列にレ点を付けている。このようにして、図7の「連関モデル」の列にレ点の付いている腸内細菌は、本実施形態の連関モデルに適用されていることがわかる。
連関モデルの観測変数の選び方には様々な方法がある。例えば、対照群とMCI群の間で、何かしらの統計学的検定(Wilcoxon順位和検定など)を行い、2群間で存在量に有意差のあった腸内細菌を、連関モデルの観測変数として利用してもよい。または、対象としている疾病のバイオマーカーとなる可能性が既に報告されている腸内細菌を、連関モデルの観測変数として利用してもよい。
(S120の説明)
S120は、MCIの罹患状況が未知である場合に、潜在変数の得点を推定するモデルを作成するステップである。連関モデルを作成する際には、NCとMCI群の合併集団のデータ(すなわち、腸内細菌叢データとMCIの罹患状況データ)を用いる。しかしながら、被検者はMCIに対するリスクの評価を希望する者であり、疾病罹患状況が未知である。そこで、MCIの罹患状況が未知である場合に潜在変数の得点を推定するモデルが必要である。
女性の被検者のMCI罹患状況が未知である場合に、Lv1及びLv2の得点を推定するために、連関モデル1から測定方程式モデルの部分(図14の点線)を抽出し得点推定モデル2を作成する。このため、測定方程式モデルの各パラメータの値と同じ値を得点推定モデル2の各パラメータの値に設定している。ここで、測定方程式モデルは潜在変数から腸内細菌の観測変数(腸内微生物変数)への影響を示すモデルである。本実施形態の得点推定モデル2は、腸内細菌の観測変数(腸内微生物変数)を説明変数とし、潜在変数(Lv1及びLv2)の得点を目的変数とする線形重回帰モデルである。
本実施形態では、被検者の属性情報及び/又はMCIに関連する因子に該当する腸内細菌の情報を用いて得点推定モデル2に加点処理を行った後に、被検者のLv1及びLv2の得点を推定する。以下では、潜在変数Lv1、Lv2の推定値をLv1est、Lv2estでそれぞれ表す。
(S200の説明)
S200は、被検者が評価を希望する疾病を入力するステップである。本実施形態では、MCIに関する得点推定モデルを性別に分けて作成している。このため、被検者は性別も入力する。被検者は女性である。
(S210の説明)
S210は、被検者の腸内微生物叢データ及び属性情報を抽出するステップである。被検者は便検体を提出し、被検者の腸内微生物叢データは腸内微生物叢DB300に格納される。S210は、被検者のID情報を用いて腸内微生物叢DB300から被検者の腸内微生物叢データを抽出する。さらに、被検者が提出したアンケート回答データの中から、被検者の属性情報(年齢、幼年期に生活していた地域など)を抽出する。
(S220の説明)
S220は、被検者の属性情報及び/又はMCIに関連する因子に該当する腸内細菌の情報を用いて得点推定モデルを加点するステップである。被検者の属性情報が疾病評価指標算出装置900に入力される。
加点部910は、被検者の属性情報から合成変数x(x1=属性、x2=生活地域、・・・)を求める。次に、所定の加点関数y=f(x)に合成変数xを入力し、加点関数が出力した値yを、各腸内微生物変数のうち、Lv1に関係し、かつ、図7の「MCI関連因子」の列にレ点の付いている変数(図14の例えばErysipelatoclostridium)に加点する。
図15は、本実施形態に係る加点後の得点推定モデル、及び、リスク算出モデルを説明するための図である。図15のアポストロフィを付与された各腸内微生物変数(例えば、Erysipelatoclostridium’)が加点後の腸内微生物変数(観測変数)である。例えば、Erysipelatoclostridium’=Erysipelatoclostridium+yである。
Lv1に関係する変数のうち、Flavonifractorは、図7の「MCI関連因子」の列にレ点が付いていないため、加点されず、アポストロフィが付与されない。本実施形態では、Lv1に関係する変数の一部に加点処理を行っているが、MCI関連因子の設定によっては、Lv1に関係する変数全てに加点処理を行ってもよい。また、全ての潜在変数(Lv1及びLv2)に関係する変数に加点処理を行うように、MCI関連因子を設定してもよい。
図15の点線で囲んだ部分が、加点後の得点推定モデル2’である。また、図15の一点鎖線で囲んだ部分が、後述するリスク算出モデル3’である。なお、図15の全体部分である1’は、図14の連関モデルの各腸内微生物変数の変数値が変更されている。例えば、腸内微生物変数Erysipelatoclostridiumの変数値が“Erysipelatoclostridium+y”に変更されている。
(S230の説明)
S230は、MCIに関する加点後の得点推定モデル2’を用いて潜在変数の得点を推定するステップである。具体的には、被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、MCIとの関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出する。MCIとの関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを、得点推定モデル2’の各観測変数(例えばErysipelatoclostridium’)に入力し、得点推定モデル2’の潜在変数Lv1、Lv2の被検者の得点を推定する。潜在変数Lv1、Lv2の推定値はLv1est、Lv2estとする。すなわち、S230は、加点された腸内微生物を変数とし、被検者が疾病を有する確率を算出するモデル(得点推定モデル2’)に、第2のデータを入力し、得点推定モデル2’の潜在変数Lv1、Lv2の被検者の得点を推定する。ここで、加点された腸内微生物は、加点後の第2のデータといってもよい。また、第1のデータは、被検者の腸内微生物叢に関するデータに相当する。第2のデータは、例えば図7の「連関モデル」の欄にチェックが付いている、被検者の腸内微生物に相当する。第3のデータは、「連関モデル」の欄にチェックが付いている、被験者の腸内微生物に相当する。すなわち、第3のデータは、健康な人の腸内微生物叢と軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に相当する。
(S240の説明)
S240は、MCIに対するリスクの評価指標を算出するステップである。具体的には、図15のリスク算出モデル3’内の潜在変数Lv1、Lv2から観測変数MCIへのパス係数と、潜在変数Lv1、Lv2の推定値(Lv1est、Lv2est)を用いて、被検者のMCIに対するリスクを算出する。すなわち、S240は、得点推定モデル2’が算出した確率(得点推定モデル2’の潜在変数Lv1、Lv2の被検者の得点)に基づいて、リスク算出モデル3’内の被検者のMCIに対するリスクを算出する。
本実施形態では、MCI罹患確率推定モデルの構築手法には、潜在変数Lv1及びLv2を説明変数に、被検者のMCI罹患状況を表す2値のカテゴリカル変数を目的変数にするロジスティック回帰モデルを用いる。このロジスティック回帰モデルは、リスク算出モデル3’(図15の一点鎖線)に相当する。
疾病評価指標算出装置900は、算出されたMCIに対するリスクに基づいて、被検者への評価レポートを出力する。
以上が、図2の疾病評価指標算出処理のフローチャートである。母集団が女性の場合、MCIに関する連関モデル1では、図14の潜在変数Lv1とLv2の因子間での相関は-0.41である。一方、母集団が男性の場合、Lv1とLv2に相関があり、潜在変数を1つであると仮定した。以下では、潜在変数が1つの場合を変形例として説明する。
(変形例;潜在変数が1つの場合)
図16は、変形例に係る連関モデル1のパラメータを推定した結果を示す図である。母集団は男性である。図17は、変形例に係る加点後の得点推定モデル2’、及び、リスク算出モデル3’を説明するための図である。変形例は、潜在変数が1つの場合を示す。図17のLv1に関係する変数全ては、図9の「MCI関連因子」の列のいずれかの項目にレ点が付いているため、全てが加点され、アポストロフィが付与されている。
潜在変数が1つの場合であっても、図2のS110(連関モデルを作成)、S120(得点推定モデルを作成)、S220(被検者の属性を用いて加点)、S230(潜在変数の得点を推定)、S240(リスクを算出)は、上述した通りの処理を行えばよい。
(リスクの算定例)
MCIに対するリスクの算定について、本実施形態(母集団は女性)と変形例(母集団は男性)に分けて説明する。図18は、本実施形態(母集団は女性)に係るMCIのリスク値に対するROC分析の結果を示す図である。本実施形態(母集団は女性)に係るリスクの算定、及び、算定したリスクの精度について説明する。
女性の被験者群についてNC、MCI群の合併集団を80%の学習用集団と20%の検証用集団に層化ランダム分割する。学習用集団の潜在変数得点(Lv1とLv2)とMCI罹患状況の情報を用いて連関モデルを学習し、潜在変数得点からMCI罹患確率を推定するMCI罹患確率推定モデルを構築する。構築したMCI罹患確率推定モデルに検証用集団の潜在変数得点推定値(Lv1estとLv2est)をあてはめ、MCI罹患確率推定モデルの精度をROC(Receiver Operating Characteristic)分析により調べる。MCI罹患確率はMCIに罹患するリスクであり、ROC分析の結果は疾病評価指標として用いることができる。
MCI罹患確率推定モデルの構築手法には、潜在変数Lv1、Lv2を説明変数に、被検者のMCI罹患状況を表す2値のカテゴリカル変数を目的変数にするロジスティック回帰モデルを用いる。このロジスティック回帰モデルは図15のリスク算出モデル3’に相当する。
図18は、このロジスティック回帰モデルに対するROC曲線を表す。縦軸は“Sensitivity(感度)”を表す。実際にMCIに罹患している人を罹患していると判断する確率が高くなると、縦軸の値が1に近くなる。横軸は“1-Spefificity(特異度)”を表す。MCIに罹患していない人を罹患していないと判断する確率が高くなると、特異度の値が1に近くなる。横軸は1から特異度を引いているため、横軸の値が0に近くなると、MCIに罹患していない人を罹患していないと判断する確率が高くなる。実線はLv1とLv2を説明変数とするモデル(図14及び15で説明した本実施形態(母集団は女性))の結果を表す。AUCはArea Under the Curveの値を表し、本実施形態(母集団は女性)の場合0.87である。
図18では、対角線(点線)が確率0.5を表し、Lv1とLv2を説明変数とするモデル(実線)の場合、実線と点線で囲む面積が広く、リスク推定方法の精度が高いと視覚的に(又は直感的に)判断できる。また、AUCはリスク推定方法の指標であり、AUCの値が1に近いと良いリスク推定方法であると客観的に判断できる。本実施形態は、血液検査など直接的なリスク推定方法を除けば、間接的なリスク推定方法として精度が高いと判断できる。
図19は、変形例(母集団は男性)に係るMCIのリスク値に対するROC分析の結果を示す図である。AUCは0.75である。このため、本実施形態(母集団は女性)と同様、変形例は、血液検査など直接的なリスク推定方法を除けば、間接的なリスク推定方法として精度が高いと判断できる。
(効果)
本実施形態によれば、多数の被験者の腸内微生物叢データ及び疾病罹患状況データを用いて疾病毎の連関モデル(例えば図14の連関モデル1)を作成し、連関モデルの測定方程式部分から得点推定モデル(例えば図14の得点推定モデル2)を予め作成する。特定の疾病としてMCIに対するリスクの評価を希望する被検者に対しては、被検者が多数の被験者と同様に提出する便検体及びアンケート回答データに応じて個別に処理をすることができる。
被検者が提出した便検体を用いて、被検者の腸内微生物叢データを抽出する。また、被検者が提出したアンケート回答データを用いて、被検者の属性情報(被検者の出生時の背景、及び、幼年期の生活の背景を含む)を抽出する。被検者の属性情報を用いて、MCIに関する得点推定モデル(例えば図14の得点推定モデル2)に加点を行う。加点後の得点推定モデル(例えば図15の加点後の得点推定モデル2’)の観測変数に、被検者の腸内微生物叢データを入力することによって、潜在変数の被検者の得点を推定することができる。推定した被検者の得点と、リスク算出モデル(例えば図15のリスク算出モデル3’)を用いて、被検者のMCIに対するリスクを算出することができる。
そして、被検者は、被検者自身がMCIに罹患する又は罹患しているリスクについての評価レポートを侵襲性がなく手軽に受け取ることができる。また、評価レポートを提供する事業者はプレバイオティクスの設計、検討、及び提案を被検者に対し行うことができる。
例えば、被検者の評価レポートに、MCIに対するリスクに加え、被検者の腸内微生物叢データに応じた機能性食品などの処方を記載することによって、評価業者は、認知機能改善用ソリューションを被検者に提供することができる。
(認知機能改善用ソリューション)
被検者への評価レポートには、MCIに対するリスクに加え、被検者の認知機能を改善することが期待される機能性食品を紹介してもよい。本実施形態では、被検者の腸内微生物叢データに応じた認知機能改善用食品を紹介する。
本実施形態では、これらの認知機能改善用食品の中から、被検者の腸内微生物叢データに応じて、MCI改善に貢献する腸内微生物叢を増加する機能性食品(認知機能改善用食品)を特定し、特定された機能性食品の摂取方法のレポートを被検者に提供(又は処方)する。被検者は、特定された機能性食品を、摂取方法に応じて定期的に摂取する。そして、数ヶ月後に経過観察として、本実施形態の認知機能指標算出システムを再び利用することによって、認知機能改善用ソリューションを利用することができる。認知機能改善用ソリューションは機能性食品の摂取前後の評価レポートを被検者に提供することができる。
例えば、図14の連関モデル1の観測変数MCIは、疾病MCIに関する観測変数であり、MCI罹患状況を表す2値のカテゴリカル変数として定義したが、これに限られるものではない。観測変数MCIは連続値0~100に設定し、被検者が、MCIの要因(危険因子、又は、予防因子)となる可能性のある腸内微生物変数に影響を与える機能性食品を摂取した場合の、MCIの増減を確かめるための介入試験を行ってもよい。
以上、本発明の実施例(変形例を含む)について説明してきたが、これらのうち、2つ以上の実施例を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施例を部分的に実施しても構わない。さらには、これらのうち、2つ以上の実施例を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
また、本発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
例えば、潜在変数は1つ又は2つと仮定したが、3つ以上であってもよい。また、本実施形態では、疾病に関係する被検者のID情報をアンケートDB400から男女の属性毎に抽出し、連関モデルを作成したが、これに限られない。男女の属性毎に抽出せず、男女混合のモデルを作成してもよい。
また、S230では、潜在変数の得点を推定する際に、加点後の得点推定モデルを用いているが、これに限られない。加点処理をせずに、加点前の得点推定モデルを用いてもよい。
また、MCIに関連すると示唆されている腸内微生物は、以下であってもよい。Acidaminococcus、Adlercreutzia、Agathobacter、Akkermansia、Anaeromassilibacillus、Anaerostipes、Anaerotignum、Anaerotruncus、Bacteroides、Bifidobacterium、Blautia、Catenibacterium、Clostridium IV、
Clostridium sensu stricto、Clostridium XlVa、Clostridium XlVb、Clostridium XVIII、Coprobacillius、Coprobacter、Coprococcus、Dialister、Dysosmobacter、Eggerthella、Eisenbergiella、Enterocloster、Enterococcus、Erysipelatoclostridium、Faecalicatena、Flovonifractor、Fournierella、Frisingicoccus、Fusobacterium、Gordonibacter、Holdemanella、Holdemania、Hungatella、Ihubacter、Intestinibacter、Intestinimonas、Lactococcus、Lawsonibacter、Leuconostoc、Ligilactobacillus、Longicatena、Massilimicrobiota、Megamonas、Megasphaera、Merdimonas、Negativibacillus、Neglecta、Oscillibacter、Parabacteroides、Paraprevotella、Parasutterella、Prevotella、Romboutsia、Roseburia、Rothia、Ruminococcus、Ruminococcus2、Ruthenibacterium、Sellimonas、Slackia、Streptococcus、Sutterella、Turicibacter、Unclassified(分類群名が付与されなかったDNA配列)、Veillonella、Victivallis。
本実施形態は、連関モデルを用いているが、これに限られず、機械学習によって行ってもよい。連関モデルを用いる場合、本実施形態に係る疾病評価指標算出装置は、被検者が調べて欲しいと望む1又は複数の疾病を入力する入力部と、複数の被験者の便検体を解析した結果である腸内微生物叢に関するデータを格納する第1のデータベースと、前記被験者の前記疾病に関するアンケート回答データを格納する第2のデータベースと、所定の抽出条件を用いて、健康な人の第1の腸内微生物叢データ、及び、前記疾病に罹患している人の第2の腸内微生物叢データを抽出する抽出部と、前記第1の腸内微生物叢データ及び前記第2の腸内微生物叢データ、並びに、前記アンケート回答データを入力し、前記第1の腸内微生物叢データと前記第2の腸内微生物叢データとの違いを示す複数の腸内微生物に関する第1の観測変数、前記疾病の罹患状況を表す第2の観測変数、前記第1の観測変数及び前記第2の観測変数と関係する1又は複数の潜在変数、並びに、前記1又は複数の潜在変数から前記第1及び前記第2の観測変数間のパラメータ、及び/又は、前記複数の潜在変数間のパラメータで構成される連関モデルを作成する第1の作成部と、前記第1の観測変数を説明変数とし、前記潜在変数の得点を目的変数とする得点推定モデルを作成する第2の作成部と、前記疾病について評価を希望する被検者の属性情報を入力し、前記被検者の属性情報を用いて前記得点推定モデルの説明変数の一部を加点する加点部と、前記被検者の腸内微生物叢データを、加点された前記得点推定モデルの前記説明変数に入力し、前記潜在変数の得点を推定する推定部と、前記1又は複数の潜在変数から前記第2の観測変数へのパラメータ、及び/又は、前記複数の潜在変数間のパラメータと、前記推定された得点を用いて、前記被検者の前記疾病に対するリスクを算出する算出部と、を備える。これらの構成のうち、第1の作成部、第2の作成部、加点部、推定部、及び、算出部を機械学習で行ってもよい。
100 腸内微生物DNA抽出装置
200 腸内微生物叢解析装置
300 腸内微生物叢DB
400 アンケートDB
500 連関モデル作成装置
600 連関モデルDB
700 得点推定モデル作成装置
800 得点推定モデルDB
900 疾病評価指標算出装置
910 加点部

Claims (9)

  1. 被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、軽度認知障害との関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出する抽出部と、
    健康な人の腸内微生物叢と前記軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に関する第3のデータを変数として、前記被検者が前記軽度認知障害を有する確率を算出するモデルに、前記第2のデータを入力し、前記被検者の前記軽度認知障害に対するリスクを算出する算出部と、
    を備え
    前記軽度認知障害に対するリスクとは、前記軽度認知障害に罹患している又は罹患する確率である軽度認知障害のリスク指標算出装置。
  2. 前記第2のデータは、前記軽度認知障害で多い腸内微生物グループと前記軽度認知障害で少ない腸内微生物グループに分類されている請求項1に記載の軽度認知障害のリスク指標算出装置。
  3. 前記軽度認知障害で多い腸内微生物グループ、及び、前記軽度認知障害で少ない腸内微生物グループはそれぞれ、男性、女性、男女共通の3つのサブグループに分類されている請求項2に記載の軽度認知障害のリスク指標算出装置。
  4. 前記第2のデータは、ムチン分解、IgAプロテアーゼ産生、腸クロム親和性細胞からのセロトニン分泌、胆汁酸の酸化、腸のバリア機能の回復促進、HDAC阻害物質の産生、又は、トリプシン分解からのIgAの保護に関する請求項1に記載の軽度認知障害のリスク指標算出装置。
  5. 前記抽出部は、前記被検者の属性情報も抽出し、
    前記算出部は、前記第2のデータを、前記被検者の属性情報及び/又は前記軽度認知障害に関連する因子に該当する腸内微生物の情報を用いて加点し、加点後の前記第2のデータを前記モデルに入力する請求項1に記載の軽度認知障害のリスク指標算出装置。
  6. 前記被検者の属性情報は、前記被検者の出生時の背景情報、及び、幼年期の生活の背景情報を含む請求項5に記載の軽度認知障害のリスク指標算出装置。
  7. 前記モデルは、男女の属性毎に作成されるモデル、又は、男女混合のモデルである請求項1に記載の軽度認知障害のリスク指標算出装置。
  8. コンピュータが、
    被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、軽度認知障害との関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出し、
    健康な人の腸内微生物叢と前記軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に関する第3のデータを変数として、前記被検者が前記軽度認知障害を有する確率を算出するモデルに、前記第2のデータを入力し、前記被検者の前記軽度認知障害に対するリスクを算出し、
    前記軽度認知障害に対するリスクとは、前記軽度認知障害に罹患している又は罹患する確率である軽度認知障害のリスク指標算出方法。
  9. 被検者の腸内微生物叢に関する第1のデータから、軽度認知障害との関連が示唆される因子又は腸内微生物に関する第2のデータを抽出する抽出ステップと、
    健康な人の腸内微生物叢と前記軽度認知障害に罹患している人の腸内微生物叢との違いを示す1つ又は複数の腸内微生物に関する第3のデータを変数として、前記被検者が前記軽度認知障害を有する確率を算出するモデルに、前記第2のデータを入力し、前記被検者の前記軽度認知障害に対するリスクを算出する算出ステップと、
    をコンピュータに実行させ
    前記軽度認知障害に対するリスクとは、前記軽度認知障害に罹患している又は罹患する確率である軽度認知障害のリスク指標算出プログラム。
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JP7270143B1 (ja) 2022-05-30 2023-05-10 シンバイオシス・ソリューションズ株式会社 疾病評価指標算出システム、方法、及び、プログラム

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