JP7410693B2 - ベースメイク塗膜の解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベースメイク塗膜の解析方法に関する。
ベースメイク製剤には、ファンデーション、ベースカラー、化粧下地、仕上げパウダー、コンシーラー、サンスクリーンなどが含まれる。これらの製剤には、肌をより美しく見せることに加え、化粧持続性、紫外線防御能、保湿効果などの様々な機能を皮膚上で発現することが求められる。ベースメイク製剤にこれらの機能を付与するために、機能性を有したベースメイク塗膜が皮膚上で形成されるように多様な無機物粒子、有機物粒子、液体成分を組み合わせた製剤開発が行われている。
肌等の上に形成されたベースメイク塗膜の観察は、ベースメイク製剤の解析でよく行われる手法の1つである。一般にベースメイク塗膜は、直径がサブμm~10μm程度の無機及び有機粒子と、液体成分によって構成されている。高屈折率の無機粒子は、ベースメイク塗膜の最も基本的な機能である光散乱性を発現する主体である。また無機粒子の一種である酸化鉄は、ベースメイク塗膜への色調付与のためにも多用されている。有機粒子は、ベースメイク製剤の塗布時の感触や仕上がり制御などの役割を担う。一方、液体成分は、ベースメイク塗膜中の粒子表面又は粒子間に存在して粒子間を架橋する等といった構造的な機能に加え、紫外線防御能を付与する、皮膚を保湿する等の多様な機能を担っている。これら様々な粒子や液体成分を含むベースメイク塗膜の内部構造や組成などを解析することは、ベースメイク製剤の開発にとって重要である。
ベースメイク塗膜は、基本性能として強い光散乱性を有するため、光学的な観察には適していない。そのため、従来のベースメイク塗膜の内部構造の解析には、走査電子顕微鏡(SEM)が多く用いられてきた(特許文献1、2、非特許文献1)。この際、エネルギー分散型X線分析(EDX、EDS)と組み合わせて元素情報を検出することにより、無機粒子の化学種を特定することも行われてきた。しかし、SEMには、有機物に関する組成情報が得られない(例えば紫外線吸収油剤と、通常の油剤の区別がつかない)、塗膜断面を調製しないと内部の構造が観察できない(ベースメイク膜は脆いので、断面調製には特殊な技術が必要)、真空環境下での測定のため揮発性物質に適用できない(グリセリン等の低分子物質は測定中に揮散してしまう)、などの原理上の制限があった。
SEMと並ぶ塗膜内部の有機成分及び無機成分の一般的な解析手法としては、顕微IR法が良く知られている。しかし、顕微IR法は、空間分解能が10μm程度であるため、ベースメイク塗膜解析において重要なサブμm~10μm程度の粒子集合構造や粒子間の液体成分を充分に解析することができない。
特開2013-101138号公報 特開2013-253957号公報
J Soc Cosmet Chem Jpn, 2012, 46(4):271-286
高機能なベースメイク製剤の開発のためには、サブμm~10μm程度の空間分解能でベースメイク塗膜に含まれる粒子を観察することが求められる。さらにベースメイク製剤塗布後の、塗膜の内部構造及び組成分布、又は皮脂等によるそれらの変化を解析するためには、ベースメイク塗膜を、断面の調製なしに、かつ大気圧下で解析することが求められる。これらの要求を満たし得るベースメイク塗膜の解析方法の開発が望まれる。
本発明者らは、顕微ラマン分光法をベースメイク塗膜の解析に適用することを試みた。一般に顕微ラマン分光法を用いると、サブμm程度の解像度で、大気圧下、かつSEMのように断面標本を調製する必要なしに、生体試料(皮膚、毛髪等)や、複合材料(ラミネートフィルム、ABS樹脂等)などの内部構造を観察することができる。しかし、ベースメイク塗膜の場合、顕微ラマン分光法による解析では、光散乱成分である酸化チタンの強いラマン信号が、塗膜内部組成解析における妨害信号となった。さらに本発明者らは、顕微ラマン分光法によるベースメイク塗膜解析には、ベースメイクの色調付与のために添加されている酸化鉄が測定中に発熱して塗膜が破壊されること、塗膜外部から浸入した皮脂と塗膜内部の油剤成分との識別が難しいこと、などの問題が発生することを見出した。
これに対し、本発明者らは、(i)酸化チタンを他の無機粒子で置き換えたモデルベースメイク塗膜を作製すること、(ii)酸化鉄を処方より除いたモデルベースメイク塗膜を作製すること、又は(iii)重水素ラベルした脂質成分を含むモデル皮脂を用いること、などにより、ラマン分光法によるベースメイク塗膜の内部構造及び組成分布の観察における上記の問題を解決できることを見出した。
したがって、本発明は、ベースメイク塗膜を顕微ラマン分光法により測定することを特徴とする、ベースメイク塗膜の解析方法を提供する。
本発明によれば、ベースメイク塗膜の内部構造及び組成分布を高解像度で観察することができる。また本発明によれば、ベースメイク塗膜内部における皮脂動態、ならびに皮脂によるベースメイク塗膜の内部構造及び組成分布の変化を観察することができる。本発明は、高機能の、例えば皮脂に強いベースメイク製剤の開発に有用である。
ベースメイク製剤中の各含有成分のラマンスペクトル。 図1の続き。 モデル皮脂及びその含有成分のラマンスペクトル。 顕微ラマン分光測定前後の処方1(酸化鉄含有)塗膜の光学顕微鏡像。 顕微ラマン分光測定前後の処方2(酸化鉄不含有)塗膜の光学顕微鏡像。 処方2塗膜のラマンイメージング。A)CH基の信号の2次元像。B)酸化チタンの信号の2次元像。C)測定領域の6点についてのラマンスペクトル。 処方3塗膜のラマンイメージング。A)CH基の信号の2次元像。B)測定範囲中の6点についてのラマンスペクトル。 処方3塗膜の6種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛)についてのラマンイメージング(XY)。 処方3塗膜の6種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛)についてのラマンイメージング(XZ)。破線は塗膜とガラス基板の境界位置を示す。 処方4塗膜の6種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛)についてのラマンイメージング(XY)。 処方4塗膜の6種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛)についてのラマンイメージング(XZ)。破線は塗膜とガラス基板の境界位置を示す。 処方3及び処方4の塗膜の皮脂拡散挙動。エラーバー=±SD(n=2)。 処方3の含有成分とモデル皮脂の含有成分のラマンスペクトル。点線で囲んだ領域(2200cm-1付近)のピークはCD伸縮振動の信号。 モデル皮脂存在下の処方3塗膜における7種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛、及びモデル皮脂(CD基))についてのラマンイメージング(XY)。 モデル皮脂存在下の処方3塗膜の7種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛、及びモデル皮脂(CD基))についてのラマンイメージング(XZ)。破線は塗膜とガラス基板の境界位置を示す。 モデル皮脂存在下の処方4塗膜における7種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛、及びモデル皮脂(CD基))についてのラマンイメージング(XY)。 モデル皮脂存在下の処方4塗膜の7種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛、及びモデル皮脂(CD基))についてのラマンイメージング(XZ)。破線は塗膜とガラス基板の境界位置を示す。
本発明は、顕微ラマン分光法を利用したベースメイク塗膜の解析方法を提供する。本発明の方法では、解析対象とするベースメイク塗膜を顕微ラマン分光法により測定する。好ましくは、該測定には共焦点顕微ラマン分光法が用いられる。本発明で使用する顕微ラマン分光装置には、例えば、Scientific Reports 6,Article number:35117(2016)に開示されているような共焦点顕微ラマン分光装置を用いることができる。また、Nanofinder30((株)東京インスツルメンツ)、alpha300(WITec)、RAMANtouch/RAMANforce(ナノフォトン(株))などの市販の共焦点顕微ラマン分光装置を用いることができる。あるいは、本発明の方法で用いられる顕微ラマン分光法では、自発ラマン散乱の検出に限られず、例えばJournal of Raman Spectroscopy,2015,46(8):727-734に開示されているような方法により、コヒーレントアンチストークスラマン散乱、誘導ラマン散乱などを検出してもよい。
ベースメイク塗膜からのラマン信号を2次元的(例えば水平(XY)又は垂直(XZ)方向)、又は3次元的に検出して、2次元ラマンイメージング又は3次元ラマンイメージングを行うことができる。これにより、ベースメイク塗膜の内部構造や各成分の分布を2次元又は3次元的に可視化することが可能である。
本発明で解析するベースメイク塗膜としては、ベースメイク製剤、例えばファンデーション、ベースカラー、化粧下地、仕上げパウダー、コンシーラー、サンスクリーンなど、及びそれらのモデル製剤より形成された塗膜が挙げられる。なお、本発明において、ベースメイク塗膜とは、皮膚あるいはモデル基板上にベースメイク製剤を塗布した際に、皮膚あるいはモデル基板上に形成される被覆物、付着物、又は被覆層を指すものとする。よって、ベースメイク塗膜は、肌上に形成された塗膜であってもよく、又はガラス、金属、プラスチック、ウレタンスポンジ等の固体基材上に形成された塗膜であってもよい。簡便さの点では後者が好ましく、また空間分解能の点でガラスがより好ましい。また、後述するモデル皮脂を用いた解析の場合には、上記の固体基材上に形成されたベースメイク塗膜を用いることが好ましい。好ましくは、該固体基材は平板であることが好ましい。該基材の厚さは限定されないが、ガラス基材の裏側からレーザー光を照射する場合、該ガラス基剤の厚さが100~250μm程度であると空間分解能を高める上で好ましい。
解析するベースメイク塗膜の厚さは、ベースメイク製剤を化粧のため実際に肌に塗布・乾燥した際に得られる塗膜の厚さと同様でよく、例えば3~30μm程度であればよいが、これに限定されない。
ベースメイク塗膜に含まれる一部の成分は強いラマン散乱を生じ、ラマン分光スペクトル中において他の信号成分を埋没させてしまうため、ベースメイク塗膜解析の障害となる。したがって、本発明では、このように強いラマン散乱を示す成分(以下、強ラマン散乱成分ともいう)を解析対象のベースメイク塗膜から除去したモデルベースメイク塗膜を作製し、その塗膜を解析することが好ましい。本発明において、強ラマン散乱成分とは、規格化最大ラマン散乱強度が1以上の成分をさすものとする。ここで規格化最大ラマン散乱強度は、被験物質とワセリンを等質量比で混合し、よく粉砕及び混和したのちに該混和物をラマン測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、300~4000[cm-1]の領域における該被験物質由来のラマン信号の最大値を、ワセリン由来のCH伸縮振動に由来する2920±120[cm-1]のラマン信号の最大値で除した値と定義する。規格化最大ラマン散乱強度の測定手順は、下記実施例に詳述する。
ベースメイク塗膜に多く含まれる強ラマン散乱成分として、ベースメイク塗膜の光散乱成分、例えば酸化チタンが挙げられる。したがって、除去されるべき強ラマン散乱成分の好ましい例として、酸化チタンが挙げられる。ベースメイク塗膜に含まれる強ラマン散乱成分のもう一つ例としては、一部のUV吸収剤が挙げられる。したがって、除去されるべき強ラマン散乱成分のもう一つの好ましい例として、一部のUV吸収剤が挙げられる。
強ラマン散乱成分を除去した塗膜は、該成分を除去したモデルベースメイク製剤を調製し、塗布することで作製できる。ベースメイク塗膜から強ラマン散乱成分を除去する手段としては、該ベースメイク塗膜中に含まれる強ラマン散乱成分の少なくとも一部を、規格化最大ラマン散乱強度がより低い他の成分に置き換えることが挙げられる。好ましくは、該強ラマン散乱成分の全部が該他の成分と置き換えられる。この置き換えには、規格化最大ラマン散乱強度がより低いことに加え、粒子サイズや流動性等の物性が類似した成分を用いることが好ましい。例えば、酸化チタンよりも規格化最大ラマン散乱強度がより低く、同じ無機粒子である成分としてはタルクが挙げられる。例えば、解析対象のベースメイク塗膜を形成させる本来の製剤に含まれる酸化チタンの質量の一部又は全部をタルクと置き換えてモデルベースメイク製剤を調製し、該モデルベースメイク製剤の塗膜をラマン分光法で解析すればよい。同様に、液状のUV吸収剤よりも規格化最大ラマン散乱強度がより低く、同じ液状である成分の例としては、流動パラフィン等の油剤や、液状の界面活性剤などが挙げられる。
ベースメイク塗膜に含まれる酸化鉄は、顕微ラマン分光測定中に発熱し、周囲の油剤等の塗膜成分を融解、流動化または揮発させて塗膜構造を破壊することがある。したがって、解析対象のベースメイク塗膜から酸化鉄を除去することが好ましい。例えば、解析対象のベースメイク塗膜を形成させる本来の製剤から、酸化鉄の一部又は全部を除去したモデルベースメイク製剤を調製し、これより形成されたベースメイク塗膜を解析すればよい。除去した酸化鉄の代わりにタルク等の無機粉体や有機粉体などを添加して、モデルベースメイク製剤中の各成分の質量が元のベースメイク製剤と同等になるように調整することが好ましい。
あるいは、上述した強ラマン散乱成分の除去と酸化鉄の除去の両方を行ったモデルベースメイク製剤を調製し、その塗膜を解析してもよい。
顕微ラマン分光測定での空間軸上でのサンプリング間隔は、特に限定されないが、ベースメイク塗膜中の粒子の分布や皮脂の状態を観察することを考慮すると、0.2~5μm毎にスペクトルを測定することが好ましい。得られたラマンスペクトルから、ベースメイク塗膜に含まれる各成分のピークを検出することができる。例えば、2920±120[cm-1]のピークはCH伸縮振動を反映し、CH基(有機物、例えば脂肪酸、トリグリセリド、界面活性剤、油剤等)の存在を表す。500±80[cm-1]のピークはSi-O伸縮振動を反映し、シリコーン類の存在を表す。1610±50[cm-1]のピークはC=C伸縮振動を反映し、UV吸収剤等の存在を表す。3400±200[cm-1]のピークはOH伸縮振動を反映し、OH基(グリセリン等)の存在を表す。3670±60[cm-1]のピークはSi-OHのOH伸縮振動を反映し、タルクの存在を表す。435±25[cm-1]のピークは酸化亜鉛のE2(high)振動モードを反映し、酸化亜鉛の存在を表す。これらのピークに基づいて、ベースメイク塗膜中の各成分の存在を検出することができる。
皮脂による化粧崩れの起きにくいベースメイク製剤を開発するためには、該製剤より得られるベースメイク塗膜中における皮脂動態、又は皮脂によるベースメイク塗膜の内部構造や組成分布の変化などを解析することが重要である。しかし、ベースメイク塗膜には多くの油剤が含まれるため、皮脂由来のラマン信号を油剤の脂質成分由来のラマン信号から区別することは困難である。本発明では、重水素ラベルした脂質成分を含有するモデル皮脂(以下、重水素ラベルモデル皮脂ともいう)を用いることで、この問題を解決できる。
一般的に、皮脂には炭化水素油、エステル油、脂肪酸などが含有されている。本発明におけるモデル皮脂とは、炭化水素油、エステル油、又は脂肪酸を含むものを指し得るが、少なくとも脂肪酸を含有するものが好ましい。重水素ラベルモデル皮脂の組成は、重水素ラベルされている以外は、従来の化粧料の研究等で使用されているモデル皮脂の組成と同様であればよい。例えば、通常のモデル皮脂中の脂質成分の少なくとも1種、好ましくはオレイン酸等の脂肪酸を、重水素(D)でラベルすることで、重水素ラベルモデル皮脂を調製することができる。脂質成分の重水素ラベルは通常の手順に従って行うことができる。あるいは市販の重水素ラベル脂肪酸(例えば、重水素ラベル化オレイン酸C1817172;Cayman Chemical社)を用いてモデル皮脂を調製すればよい。
例えば、ベースメイク塗膜に上述の重水素ラベルモデル皮脂を添加し、該塗膜の顕微ラマン分光測定を行えばよい。ラマンスペクトル中、重水素ラベルモデル皮脂の信号は、CD伸縮振動に由来する2150±250[cm-1]のピークとして検出することができる。CD伸縮振動の信号を検出することで、スペクトル中の重水素ラベルモデル皮脂の信号と、ベースメイク塗膜の油剤やその他の成分に由来する信号とを区別することができる。したがって、該重水素ラベルモデル皮脂を用いることで、ベースメイク塗膜中での皮脂の動態、又は皮脂によるベースメイク塗膜の内部構造や組成分布への影響を解析することができ、あるいは、ベースメイク塗膜の耐皮脂性(例えば皮脂くずれの起きにくさ)を解析することができる。当該解析に用いられるベースメイク塗膜は、その組成を特に限定されないが、上述した強ラマン散乱成分の除去及び/又は酸化鉄の除去の両方を行ったモデルベースメイク製剤より形成される塗膜であると好ましい。さらに皮脂吸収成分、耐皮脂成分などを含有していてもよい。
本発明の例示的実施形態として、さらに以下の方法を本明細書に開示する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕ベースメイク塗膜を顕微ラマン分光法により測定することを含む、ベースメイク塗膜の解析方法。
〔2〕好ましくは、前記ベースメイク塗膜に含まれる強いラマン散乱を示す成分の少なくとも一部が、規格化最大ラマン散乱強度のより低い他の成分に置き換えられている、〔1〕記載の方法。
〔3〕好ましくは、前記強いラマン散乱を示す成分が、規格化最大ラマン散乱強度が1以上の成分である、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕好ましくは、前記強いラマン散乱を示す成分が酸化チタンである、〔1〕~〔3〕のいずれか1記載の方法。
〔5〕好ましくは、前記規格化最大ラマン散乱強度のより低い他の成分がタルクである、〔2〕~〔4〕のいずれか1記載の方法。
〔6〕好ましくは、前記ベースメイク塗膜は酸化鉄の一部又は全部を除去されており、
より好ましくは、前記ベースメイク塗膜は酸化鉄を含まない、〔1〕~〔5〕のいずれか1記載の方法。
〔7〕好ましくは、前記ベースメイク塗膜の解析方法が、ベースメイク塗膜中での皮脂動態の解析方法、皮脂によるベースメイク塗膜の内部構造又は組成分布への影響の解析方法、あるいは、ベースメイク塗膜の耐皮脂性の解析方法であり、かつ
該方法が、該ベースメイク塗膜に重水素ラベルされた脂質成分を含有するモデル皮脂を添加することをさらに含む、〔1〕~〔6〕のいずれか1記載の方法。
〔8〕好ましくは、前記顕微ラマン分光法が共焦点顕微ラマン分光法である、〔1〕~〔7〕のいずれか1記載の方法。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ラマン分光装置)
共焦点顕微ラマン分光装置:Nanofinder30(東京インスツルメンツ)
対物レンズ:油浸対物レンズ(ニコンS Fluor、NA:1.3、100X、WD:0.2mm)
試料の配置:倒立型顕微測定(対物レンズの上方に試料を配置し、カバーガラス越しにレーザーを照射して測定)
レーザー:632.8nm(He-Neレーザー、MELLES GRIOT、05-LHP-928)
レーザー出力:8mW(対物レンズ直後)
検出器:冷却型CCD検出器(Andor)
ピンホール径:80μm
回析格子:150gr/mm
XYスキャナー:ガルバノミラー
Zスキャナー:ピエゾ
積算時間:0.5秒/ピクセル(イメージング測定時)
スポット間隔:0.5μm間隔(XY方向)、1.0μm間隔(Z方向)
(モデル皮脂)
スクワラン、トリアシルグリセロール(TAG、商品名「クロピュアOL」、化粧品原料、クローダジャパン株式会社)、オレイン酸を3:3:2(質量比)で混合し、モデル皮脂として用いた。
オレイン酸のアルキル鎖のHの一部をDで置き換えた重水素ラベル化オレイン酸(C1817172、Cayman Chemical社)を、上記と同様の比率でスクワラン及びTAGと混合し、重水素ラベルモデル皮脂を調製した。
(ベースメイク)
表1に示す4種のベースメイク製剤(処方1~4)を調製した。表1中の数値は、処方中の各成分の含有量(質量%)を示す。
Figure 0007410693000001
試験1 ベースメイク塗膜含有成分の顕微ラマン分光測定
表1に示す処方の各含有成分単独でのラマンスペクトルを測定した。結果を図1~2に示す。また、表2に示す5種の成分について規格化最大ラマン散乱強度を算出した。各成分(被験物質)を等量のワセリン(ベビーワセリン、健栄製薬)とあわせ、メノウの乳鉢を用いてよく粉砕・混合して等質量混合物を調製した。該混合物についてランダムに10か所のラマンスペクトルを測定した。この10枚のスペクトルを足し合わせた積算スペクトルを、該等質量混合物のラマンスペクトル(Smix(ω)、ωは波数)とした。また該等質量混合物を構成する2成分の、各単独でのラマンスペクトル(ワセリン:Swas(ω)、被験物質Ssub(ω))を別途測定した。その後、下記(式1)を最も良く満たす定数a,bを最小二乗法によって算出した。
Smix(ω)=aSwas(ω)+bSsub(ω) (式1)
その後、300~4000[cm-1]の領域におけるbSsub(ω)の最大値を、2920±120[cm-1]の領域におけるaSwas(ω)の最大値で除すことにより、規格化最大ラマン散乱強度を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0007410693000002
試験2 モデル皮脂の顕微ラマン分光測定
モデル皮脂、重水素ラベルモデル皮脂、及びそれらの含有成分単独でのラマンスペクトルを測定した。結果を図3に示す。
試験3 ベースメイク塗膜の顕微ラマン分光測定
処方1~4のベースメイクをそれぞれカバーガラス(170μm厚、松浪硝子工業)上に、厚さ100μmで塗工し、1日以上乾燥させた後、ラマンスペクトルを測定した。
1)処方1塗膜(高-耐皮脂処方/酸化チタン無し/酸化鉄あり)の顕微ラマン分光測定
ラマン散乱光とは異なる強い蛍光や発光が観測され、ラマンスペクトルは測定できなかった。顕微ラマン分光測定前後の処方1塗膜の光学顕微鏡像を図4に示す。レーザーが照射された領域(画面中央部)の塗膜が変形していた。これはレーザー照射による発熱により、塗膜が破壊されたことを意味する。
2)処方2塗膜(高-耐皮脂処方/酸化チタンあり/酸化鉄無し)の顕微ラマン分光測定
処方2は、レーザーによる発熱を防ぐために、光を吸収する主体である酸化鉄を除いた処方である。顕微ラマン分光測定前後の処方2塗膜の光学顕微鏡像を図5に示す。測定の前後で塗膜構造に変化が生じなかったことが確認できた。これにより、酸化鉄を除くことで、ラマン分光測定によるベースメイク塗膜の破壊を回避できることがわかった。
処方2塗膜についての2次元ラマンイメージング(水平方向(XY)、20μm×20μm)の結果を図6に示す。図6A)はCH基の信号(2800~3040[cm-1]におけるピーク面積)、図6B)は酸化チタンの信号(550~650[cm-1]におけるピーク面積)の2次元像を示す。また、測定範囲中の6点におけるラマンスペクトルを図6C)に示す。Spot-5以外の5枚のスペクトル中では、処方中に8質量%しか含まれていない酸化チタンの信号(450±50[cm-1]と610±60[cm-1]におけるピーク)が極めて強く出現し、シリコーン骨格を持つ成分の信号(500±80[cm-1]におけるピーク)や酸化亜鉛の信号(435±25[cm-1]におけるピーク)成分の信号検出における妨害となっていた。
3)処方3塗膜(高-耐皮脂処方/酸化チタン無し/酸化鉄無し)の顕微ラマン分光測定
処方3は、処方2の酸化チタンをタルクに置き換えたものである。処方3塗膜についての2次元ラマンイメージング(水平方向(XY)、20μm×20μm)の結果を図7に示す。図7A)はCH基の信号(2800~3040cm-1におけるピーク面積)の2次元像を示す。また測定範囲中の6点におけるラマンスペクトルを図7B)に示す。1610±50[cm-1]と1165±25[cm-1]にUV吸収剤の信号が共通して出現していたが、それ以外の波数領域のスペクトルは部位によって大きく異なっていた。例えばSpot-2やSpot-5では酸化亜鉛の存在を示す435±25[cm-1]のピークを認めることができ、Spot-6ではシリコーン骨格を持つ成分の存在を示す500±80[cm-1]のピークを認めることができた。このように酸化チタンをタルクに置き換えることで、塗膜内の局所におけるラマンスペクトルの違いを明瞭に観察できるようになった。
規格化最大ラマン強度が酸化チタンに次いで大きな成分であるUV吸収剤を、処方3において他の油剤で置き換えることにより、更に詳細な組成情報が読み取れるようになることが期待された。しかし、その反面UV吸収剤特有の分布情報が消失するため、本実施例ではUV吸収剤の置き換えまでは行わなかった。
処方3塗膜の6種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛)についてのラマンイメージングを図8~9に示す。図8はXYイメージング、図9はXZイメージングである。図9中の破線は塗膜とガラス基板の境界位置を示す。ラマン信号から各成分の分布又は存在部位を比較することで、ベースメイクの主要な3種の液体成分(シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン)は塗膜中でよく混和せず、それぞれ独立したドメインを形成していることがわかった。
4)処方4塗膜(低-耐皮脂性処方/酸化チタン無し/酸化鉄無し)の顕微ラマン分光測定
処方4塗膜の6種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛)についてのラマンイメージングを図10~11に示す。図10はXYイメージング、図11はXZイメージングである。図11中の破線は塗膜とガラス基板の境界位置を示す。処方3塗膜と同様に、処方4においても、ベースメイクの主要な3種の液体成分(シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン)はよく混和せずに、それぞれ独立したドメインを形成していた。
試験4 ベースメイク塗膜の皮脂拡散性の評価
処方3及び処方4をそれぞれカバーガラス(170μm厚、松浪硝子工業)上に厚さ100μmで塗工した。1日以上乾燥させた後のベースメイク塗膜に、0.2μLのモデル皮脂を滴下し、滴下5分後までの平面方向の浸透距離を1分毎に計測した。本観察はデジタル顕微鏡観察下で行い、浸透距離は画像計測機能により求めた。結果を図12に示す。高耐皮脂処方である処方3の塗膜は、低耐皮脂処方である処方4の塗膜よりも皮脂の拡散が遅かった。
試験5 ベースメイク塗膜の耐皮脂性の評価
処方1~4の耐皮脂性を官能評価した。評価では、5名の専門評価者が、各処方を指で顔面に塗布した後の顔面の状態を目視により下記の5段階の基準で官能評価した。
スコア5;塗布後、6時間経過後の肌に皮脂によるテカリがない
スコア4;塗布後、6時間経過後の肌に皮脂によるテカリがあまりない
スコア3;塗布後、6時間経過後の肌に皮脂によるテカリがややある
スコア2;塗布後、6時間経過後の肌に皮脂によるテカリがある
スコア1;塗布後、6時間経過後の肌に皮脂によるテカリがかなりある
5名の評価結果の合計点を表3に示す。処方1、2、3は同程度の高い耐皮脂性を示したのに対し、処方4は耐皮脂性が低いことが確認された。処方1、2、3の結果から、酸化チタン及び酸化鉄の有無はベースメイク塗膜の耐皮脂性に大きく影響しないことが示された。一方、耐皮脂性の評価が著しく低かった処方4は、試験4で皮脂拡散性が高かったことから、ベースメイク塗膜の耐皮脂性は皮脂拡散性と対応していることが示された。
Figure 0007410693000003
試験6 塗膜含有成分と皮脂含有成分のラマンスペクトル比較
処方3の含有成分とモデル皮脂の含有成分のラマンスペクトルを、重ね書き(オフセット表示)したものを図13に示す。モデル皮脂含有成分(スクアラン、TAG、オレイン酸)は、ベースメイク塗膜の含有成分に対して明瞭に異なるラマン信号を持たなかった。ベースメイク塗膜と皮脂を明瞭に識別するために、モデル皮脂として重水素ラベルモデル皮脂を用いた。図13に示すとおり、重水素ラベルモデル皮脂を用いることで、2200cm-1付近のCD伸縮振動の信号に基づいて、ベースメイク塗膜中での皮脂の存在部位を明瞭に検出することができた。
試験7 皮脂存在下のベースメイク塗膜の顕微ラマン分光測定
重水素ラベルモデル皮脂を、処方3(高耐皮脂)又は処方4(低耐皮脂)の塗膜にごく少量スポット状に付与した。該モデル皮脂が拡散した塗膜領域内の外周部において、7種の信号成分(CH基、シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン、タルク、酸化亜鉛、及びモデル皮脂(CD基))についてのラマンイメージングを取得した。処方3塗膜のラマンイメージングを図14~15に、処方4塗膜のラマンイメージングを図16~17に示す。図14、16はXYイメージング、図15、17はXZイメージングであり、図15及び17中の破線は塗膜とガラス基板の境界位置を示す。
処方3塗膜では、塗膜中でCD基が局在する部位があり、処方中の液体成分(シリコーン類、UV吸収剤、グリセリン)とCD基の存在部位が異なっていたことから、塗膜中で皮脂成分とベースメイクの成分がほぼ混和せず、皮脂を主体とするドメインが存在していたことが確認された。唯一の親水性成分であるグリセリンは、親油層内で球状に集まって存在していた。一方、処方4塗膜では、XYイメージングではUV吸収剤とCD基が分離している傾向が見えたが、それらの存在部位の違いは処方3塗膜ほど明瞭ではなく、さらにXZイメージングでは親油性液体成分(シリコーン類、UV吸収剤)とCD基の存在部位がかなり重複していた。
これらの結果から、塗膜中の親油性液体成分と皮脂との混和のしやすさが、処方3塗膜よりも処方4塗膜の耐皮脂性が低い原因であることが示唆された。

Claims (6)

  1. ースメイク塗膜の解析方法であって、
    該方法は、以下:
    解析対象のベースメイク製剤の代わりに、モデルベースメイク製剤を用意すること;
    該モデルベースメイク製剤の塗膜を顕微ラマン分光法により測定すること、
    を含み、
    該モデルベースメイク製剤は、該解析対象のベースメイク製剤に含有される酸化チタンの少なくとも一部が、規格化最大ラマン散乱強度が1未満の成分に置き換えられており、かつ酸化鉄を含まないものであり;
    前記規格化最大ラマン散乱強度は、被験物質とワセリンを等質量比で混合し、よく粉砕及び混和したのちに、該混和物をラマン測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、300~4000[cm -1 ]の領域における該被験物質由来のラマン信号の最大値を、ワセリン由来のCH伸縮振動に由来する2920±120[cm -1 ]のラマン信号の最大値で除した値である、
    方法
  2. 前記規格化最大ラマン散乱強度が1未満の成分がタルクである、請求項1記載の方法。
  3. 前記モデルベースメイク製剤に重水素ラベルされた脂質成分を含有するモデル皮脂を添加することをさらに含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記顕微ラマン分光法が共焦点顕微ラマン分光法である、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記モデルベースメイク製剤の塗膜の顕微ラマン分光法による測定により、該塗膜からのラマン信号を2次元的又は3次元的に検出して、該塗膜の2次元ラマンイメージング又は3次元ラマンイメージングを行い、該塗膜の内部構造や各成分の分布を2次元又は3次元的に可視化することを含む、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
  6. ラマンスペクトル中におけるCD伸縮振動の信号を検出することにより、前記モデルベースメイク製剤の塗膜中での皮脂動態、又は皮脂によるベースメイク塗膜の内部構造や組成分布への影響を解析することを含む、請求項3~5のいずれか1項記載の方法。
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