JP7409885B2 - 成形された複合ストリンガー - Google Patents

Description

本開示は航空機の構造に関し、より詳細には、本開示は、航空機外皮の内側に沿って湾曲した導管を画定する丸形ハット複合ストリンガーに関する。

航空機は一般に、滑らかな空力的外面を形成するために外皮パネルが取り付けられた機体を備える。外皮パネルは、重量を最小化するために通常は薄くて軽く、そのためいくらか可撓性を有することができる。パネルを補剛してさらに強化するために、通常は機体部分及び翼外皮にハットストリンガーが適用される。ハットストリンガーは、通常は鋭角に形成した薄い金属で形成されており、取り付け先の外皮パネルに剛性及び強度を与える。

さらに最近では、重量は軽いままで高い強度及び剛性を持たせるために、数多くの航空機部品の形成に複合材料が使用されており、有機高分子材料及びエポキシ樹脂を使用して作成された複合材料を含む。航空機のストリンガーが複合材料を使用して製造され始めたことに伴い、ストリンガーの形状が進化した。真っ直ぐな脚及び鋭角を有する硬い金属ストリンガーは、断面が台形のストリンガーなどに置き換えられており、中実の複合材料で形成される、或いは液体を流すために内部通路を画定する。

しかしながらこのような複合ストリンガーは、成形マンドレル、真空高温ドレープ成形、又は同様の技術のいずれかを使用して手動で積層されるべき、複数の材料のプライが必要になる可能性がある。ストリンガーをプライ毎に形成するのは非常に時間と労力がかかり、繰り返しによる弊害が出るリスクが増加する。適用中にプライにしわが形成される場合があり、サイズ及び厚さの整合性に問題が生じる可能性がある。台形のハットストリンガーはまた、半径シンニング／シックニング、目視困難な衝撃損傷（Ｂａｒｅｌｙ Ｖｉｓｉｂｌｅ Ｉｍｐａｃｔ Ｄａｍａｇｅ、ＢＶＩＤ）、及び内部の流体の流れに関して欠陥を示す可能性がある。

本明細書でなされる開示は、このような考慮事項及びその他の考慮事項に関する。

本開示は、丸形ハット複合ストリンガー、丸形ハット複合ストリンガーを組み込んだ航空機、及び丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法を提供する。

いくつかの実施形態では、本開示は、内側を有する外皮部と、外皮部の内側に結合された丸形ハット複合ストリンガーとを備える航空機を提供し、複合ストリンガーは外皮部と組み合わさって導管軸線を有する細長い導管を形成し、導管軸線は少なくとも１つの湾曲部を含む。

いくつかの実施形態では、本開示は丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法を提供でき、本開示は、下成形型及び上成形型を構成するステップであって、各成形型は長さを有し、型の長さの少なくとも一部に沿って曲線を画定する、ステップと、丸形ハット複合ストリンガーを形成するように寸法決めされた、事前に硬化させた平坦な複合チャージを切断するステップと、複合チャージを成形して事前成形ストリンガーにするために、平坦な複合チャージを下成形型と上成形型との間で加圧するステップであって、その結果できた事前成形ストリンガーは、湾曲したフィレット部同士の間が内側となる、ステップと、形成部材を事前成形ストリンガーの内側に接触させるステップと、事前成形ストリンガーの湾曲したフィレット部に角部充填材を加えるステップと、事前成形ストリンガーを硬化させるステップと、硬化したストリンガーから形成部材を除去するステップとを含む。

いくつかの実施形態では、本開示は外形が複雑な丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法を提供でき、本方法は、平坦な複合チャージから二次元の細長い切片を切断するステップであって、細長い切片は、少なくとも２つの湾曲した縁部を有する、ステップと、丸形のハット形状の断面を有する湾曲した事前成形ストリンガーを形成するために、上成形型と下成形型との間で細長い切片を加圧するステップと、その結果できた事前成形ストリンガーを硬化させるステップとを含む。

開示されている複合ストリンガー、航空機、及び方法の、開示されている形態、機能、及び利点は、本開示の種々の実施形態において別個独立に達成されてもよく、或いは以下の説明及び図面を参照してさらなる詳細を見ることができる、さらに別の実施形態で組み合わされてもよい。

１つ以上の補剛された複合構造を組み込んだ、航空機の例示的な例の部分切断図である。 本開示の態様による、基部に結合された例示的な丸形ハット複合ストリンガーの断面を半図式的に描いた図である。 機体外皮パネルの内側に結合された丸形ハット複合ストリンガーの例示的な例を半図式的に描いた図であり、複合ストリンガーは複雑な曲線を含む経路をたどっている。 図２の丸形ハット複合ストリンガーの形状の概略図である。 本開示の態様による、複雑な外形の丸形ハット複合ストリンガーを製造する例示的な方法を示すフローチャートである。 本開示の態様による、平坦な曲線を含み、丸形ハット複合ストリンガーを形成するように構成された、作成済みの平坦な複合チャージを示す。 本開示の態様による、丸形ハット複合ストリンガーを形成するために下成形型と上成形型との間で加圧されている、図６の平坦な複合チャージを半図式的に示す。 本開示の態様による、複雑な曲線を有する丸形ハットストリンガーを形成するために成形用プレス内で成形されている、下成形型と上成形型との間にある図６の平坦な複合チャージを半図式的に示す。 本開示の態様による、複雑な曲線を含む、図８の加圧動作によって形成された丸形ハット複合ストリンガーを半図式的に描いた図である。 本開示の態様による、図９の丸形ハットストリンガーの湾曲したフィレット部に対する、形成部材及び角部充填材の組み合わせを半図式的に描いた図である。 本開示の態様による、基部と組み合わせた図１０の丸形ハットストリンガー組立体を半図式的に描いた図である。 本開示の態様による、形成部材が除去された後の硬化した図１１の丸形ハットストリンガーを半図式的に描いた図であり、内部導管が形成されたことを示している。 本開示の態様による、丸形ハット複合ストリンガーを製造する代表的な方法のフローチャートである。

複合材料ストリンガーのさまざまな態様及び例、並びにその製造方法が以下で説明され、関連する図面に図示される。特に指定がない限り、開示されている装置及び／又はそのさまざまな構成要素は、必ずしも必要とはされないが、本明細書で説明され、例示され且つ組み込まれている構造、構成要素、機能性、及び／又は変形の１つ以上を含んでもよい。さらに、特に除外されない限り、本教示と関連して本明細書で説明され、例示され、且つ／又は組み込まれている工程ステップ、構造、構成要素、機能性、及び／又は変形は、開示されている実施形態間で交換可能なことを含む、他の同様の装置及び方法に含まれてもよい。以下のさまざまな例の説明は本質的に単なる例示であって、本開示、その用途、又は使用者を制限することを意図するものではない。また、以下で説明する例及び実施形態によって提供される利点は本質的に例示であって、必ずしもすべての例及び実施形態が同じ利点、又は同程度の利点を提供するものではない。

図１は、装置構造を強化及び／又は補剛するために本開示で提供されるような丸形ハット複合ストリンガーが組み込まれ得る、装置１０の例示的な例を示す。装置１０は航空機１２に相当してもよく、これに限定されないが、航空機１２の翼構造１６、機体構造１８、又は尾翼構造２０（すなわち尾部組立体）を含む航空機全体に、複数の丸形ハット複合ストリンガー１４を組み込んでいてもよい。

本開示は特に、航空機製造における丸形ハット複合ストリンガーの使用に関するが、さまざまな他の装置１０が本開示の範囲内であり、本開示は航空機及び航空機用途に限定されない。例えば、例示されているように、非排他的な例では、丸形ハット複合ストリンガー１４を含み得る他の装置１０は、（これに限定されないが）宇宙船、船、地上用ビークル、風力タービン、構造的タワー及びマスト、屋根材料などを含む。また、装置１０が航空機を含む場合、航空機は、丸形ハット複合ストリンガー１４を組み込むことで利益が得られる民間航空機、軍用航空機、自家用航空機、その他任意の適切な航空機などの、どのような型又は種類の航空機であってもよい。図１は、航空機１２を固定翼の航空機の形態で示しているが、（これに限定されないが）ヘリコプターを含む他の種類及び構成の航空機が、本開示による航空機１２の範囲内である。

装置１０は一般に、装置の外皮の一部の内面に関連付けられる、１つ以上の丸形ハット複合ストリンガー１４を組み込める構造を含む。装置１０が航空機１２を含む場合、丸形ハット複合ストリンガーは通常、航空機の外皮の一部の内面に関連付けられる。通常は外皮部に関連付けられるが、本開示の丸形ハット複合ストリンガーは、これに代えて、又はこれに加えて、壁、床、フレーム、柱など、装置１０の他の任意の適切な構造要素に関連付けて使用されてもよい。

図２は、代表的な丸形ハット複合ストリンガー１４の断面図を示す。ストリンガー１４は、基部２２の表面２１に関連付けられる。基部２２は、完全なストリンガー組立体を形成するために、ストリンガー１４に適用される複合パネルにすることができる。或いは表面２１は基部の内面であり、基部は装置１０の外皮部２４である。ストリンガー１４が外皮部２４に関連付けられている箇所で、ストリンガー１４は外皮部２４に支持を与え、強度を高め、剛性を向上させる。

ストリンガー１４は、ストリンガーの本体２６を形成する、複合材料の１つ以上のプライを含むことができる。ストリンガー１４の本体２６は、基部２２に対して機内方向に突出及び／又は延伸した中央隆起２８を画定し、これはほぼ、且つ／又は完全に、ストリンガー１４の長手方向長さに沿って延伸する。中央隆起２８は通常、ストリンガー１４の横方向寸法（幅）に対して中央合わせされる。中央隆起２８の形状は、長手方向隆起のない同様の複合構造と比較して、複合構造全体を補剛するように構成される。したがって複合ストリンガー１４は、ストリンガー構造が未硬化の場合、及び／又は部分的に硬化されている場合などストリンガー構造が柔軟な状態であっても、補剛されているものとして説明することができる。

中央隆起２８は、側壁３０と、側壁３０によって支持された丸形のハット部３２とを有する。丸形のハット部３２は、接点３３で真っ直ぐな側壁３０に移行し、次に側壁３０は、滑らかだが狭い半径曲線３４でストリンガー脚３６に移行するまで下方に向かって一直線に延伸し、ストリンガー脚３６は、表面２１に沿って横方向外向きに延伸する。曲線３４は、急カーブ又は屈曲点のない滑らかなフィレット部に相当し、脚３６は、長手方向フランジを形成するように、曲線３４からストリンガー１４の両側に延伸する。ストリンガー側壁３０からストリンガー脚３６に至る連続的な湾曲は、プライが破損したり充填材（例えば、織布又は織テープ）が主本体から分離したりする可能性を最小にする、又は排除し、且つさらに余分な樹脂の蓄積を最小にする働きをする。

ストリンガー１４が表面２１に関連付けられるとき、脚３６は、ストリンガー１４から基部２２の表面２１に滑らかに移行するようにテーパー部３８を終端とすることができる。また脚３６は、同時硬化及び圧密（ｃｏｎｓｏｌｉｄａｔｉｏｎ）のいずれかによって、或いはストリンガー１４を作っている複合材料、及び基部２２の材料に使用するのに適した接着剤で、ストリンガー１４を基部２２の表面２１にシールするフランジの働きをする。

側壁３０、丸形のハット部３２、及び基部２２の表面２１は、組み合わせて考えたときに細長い内部導管４０を形成し、基部２２に沿って長手方向に延伸しながらストリンガー１４の長さの下で／範囲内で延伸する。導管４０の断面形状は、ストリンガー１４内を流体が流れるのに適した、細長い内部空間を画定する。ストリンガー１４は、同様にストリンガーの長さに沿って長手方向に延伸する、一対の細長い角部充填材４２をさらに含むことができ、これは各曲線３４が表面２１に沿って側壁３０から脚３６へ移行する箇所に形成された、ニッチ４４の中にインサートされるように構成される。図２に示すように、角部充填材４２は、ストリンガー１４及び表面２１と組み合わさって導管４０の滑らかな断面形状を生成し、これによって、その後ストリンガー１４内の流体の輸送が滑らかな流れとなり、且つ乱流が最小限になる。本開示の一態様では、ストリンガー１４は、これに限定されないが、ジェット燃料などの流体の輸送によく適している。

導管４０は、細長い内部導管４０内のほぼ中央にあってこれと位置合わせされた内部導管軸線４６を画定する。つまり、ストリンガー１４が基部２２の表面２１に沿って延伸するにつれて、導管軸線４６が同様に導管４０の経路に沿って、したがって基部２２上のストリンガー１４によって形成された経路に沿って延伸する。

従来のストリンガーと同様に、本開示の複合ストリンガー１４は、互いに対向し且つ互いに比較的近接しているストリンガー内の２つの曲げに対応する、１つ以上のせぎり（ｊｏｇｇｌｅ）を組み込んでもよい。しかしながら、その構成及びその製造方法によって、本開示の複合ストリンガーは、従来の複合ストリンガーを含む従来の種類のストリンガーとは異なり、所望の曲線形状に適合する例外的な可撓性を提供する。典型的には、本開示の複合ストリンガーは、細長い内部導管４０が、少なくとも１つの湾曲部を含む経路を画定するように構成される。

本開示のストリンガーのストリンガー経路が湾曲部を有する場合、その湾曲部は、固定半径を有する単純な曲線に対応することができる。単純な曲線は、二次元平面から離れることなく完全に画定できる曲線でもある。本開示の複合ストリンガーは、複合曲線を含む湾曲部、又は接線方向に結合された、半径が異なる２つ以上の円弧部を含む曲線を有する経路をたどるようにさらに構成される。これに代えて、又はこれに加えて、本開示の複合ストリンガーは、複雑な曲線に対応するストリンガー経路をたどるように構成されてもよく、この場合、曲線は二次元平面内に留まることなく三次元内に延伸する。

例えば、図３に示すように、丸形ハット複合ストリンガー１４は、外皮部２４の表面２１に沿って延伸し、外皮部２４は、航空機の機体用のパネルに存在し得る全体的な曲線を示す。ストリンガー１４の部分Ａ及びＣが表面２１に沿って直線的に延伸する一方で、ストリンガー１４は、外皮部２４に沿って片側に急に曲がる。その結果、２つの対向する曲線２５が曲がり（ｊｏｇ）を形成することに加えて、ストリンガー１４の部分Ｂもまた必然的に外皮部２４の表面２１の湾曲に従い、これによって導管軸線４６に対して複雑な曲線を有する経路を画定する。図３のストリンガー１４によってたどられる導管経路は、二次元平面内では画定することができない。

本開示による複合ストリンガー１４の任意の所与の部分は、１つ以上の湾曲部を含んでもよく、且つ単純な曲線、複合曲線、又は複雑な曲線の任意の組み合わせであってもよい、１つ以上の曲線を含んでもよい。複合ストリンガー１４は、任意の必要なせぎり及び／又は湾曲部を含む経路をたどることができ、その結果、外皮部２４、外皮のランプ、及び／又は外皮部２４の区画の、個々の区画の継目にある重ね継手における、いかなる局所的な変化にも適応する。

図４は、本開示のストリンガーの簡略化した断面図を示す。図示されているように、ストリンガー１４の側壁３０は、基部２２の表面２１に対して鋭角を形成でき、湾曲したフィレット部を形成する。通常、側壁３０は９０度～４５度の角度を形成する。本開示の別の態様では、側壁３０は、基部２２の表面２１に対して少なくとも７０度の側壁角度４８を形成する。

開示されているストリンガー１４の断面は、さらにキャップ半径５０（すなわち丸形のハット部３２の半径）を有することを特徴としてもよい。本開示の一態様では、キャップ半径５０は、０．５インチ（１２．７ｍｍ）～１．５インチ（３８．１ｍｍ）の値を有する。

開示されているストリンガー１４の断面は、これに加えて、又はこれに代えて、ストリンガーの丸形のハット部３２のハット高さ５２、並びにハット幅５４、及びストリンガー幅５６を有することを特徴としてもよい。ハット高さ５２及びハット幅５４はそれぞれ、１．５インチ（３８．１ｍｍ）～３．５インチ（８８．９ｍｍ）の値を有する。本開示のいくつかの態様では、ストリンガー１４は、ハット高さ５２対ハット幅５４の比が少なくとも０．５であることを特徴とすることができる。本開示の別の態様では、ストリンガー１４は、ハット高さ５２対ハット幅５４の比が少なくとも１．０であることを特徴とすることができる。これに代えて、又はこれに加えて、開示されているストリンガー１４の断面は、ハット幅５４対ストリンガー幅５６の比が０．５未満であることを特徴としてもよい。

製造方法
本開示の複合ストリンガーは、複合チャージを形成するために複合材料の１つ以上のプライを成形し、複合チャージを成形用プレス内に配置し、複合チャージを形成して所望の丸形のハット形状、並びに所望の三次元の外形を示すストリンガーの前駆体にするために、適切な１つ以上の型を使用することによって製造可能である。所望の形状を維持するために、マンドレル又はブラダーなどの形成部材を丸形のハット形状内に配置でき、ストリンガーの前駆体はその後、複合材料を硬化させて硬化した複合材料を外皮部と圧密（ｃｏｎｓｏｌｉｄａｔｅ）するために圧力及び温度のうちの１つ以上を印加することによって、外皮部の内側などの表面と圧密される。形成部材を除去すると、本開示の丸形ハット複合ストリンガーになる。

複合材料ストリンガーを製造する工程、及び複合材料ストリンガーを形成する装置の詳細な説明は以前に開示されており、例えば、Ｒｏｔｔｅｒらによる米国特許第８，４６５，６１３号明細書、Ｊｏｎｅｓらによる米国特許第９，５６１，６０２号明細書、Ｒｏｂｉｎｓらによる米国特許第９，６４９，８１７号明細書はそれぞれ、任意のあらゆる目的のためにその全体が参照することによって本願に組み込まれる。

外形が複雑な丸形ハット複合ストリンガーを製造する例示的な方法は図５のフローチャート６０で説明され、この方法は、平坦な複合チャージから二次元の細長い切片を切断するステップであって、細長い切片は湾曲した縁部を有する、フローチャート６０のステップ６２と、丸形のハット形状の断面を有する湾曲した事前成形ストリンガーを形成するために、上成形型と下成形型との間で細長い切片を加圧する、フローチャート６０のステップ６４と、その結果できた事前成形ストリンガーを硬化させる、フローチャート６０のステップ６６とを含む。

図６に、平坦な複合チャージ７０が示されている。複合チャージ７０は、完全には硬化されない複合プリプレグ材料を含むことができ、選択した複合材料の１つ以上のプライを含んでもよく、プライは同じか又は異なっていてもよい。通常、複合チャージ７０は、適切なエポキシ樹脂その他の母材を浸透させた炭素繊維補強織物及び／又はテープを含む。

図６に示すように、図６の複合チャージ７０は平坦であり、ｘ－ｙ平面内に水平に、又はｘ－ｙ平面と平行に位置決めして示されている。しかしながら、複合チャージ７０の外形は通常、ｘ－ｙ平面に対して、最終的なストリンガーの所望の外形を少なくともほぼ反映するように切断される。つまり、所望の三次元のストリンガー外形は、ｚ軸に沿った所望のストリンガー外形の位置を無視することによって、平坦な外形に変換される。言い換えれば、複合チャージ７０の外形は、ｘ－ｙ平面に対する、所望される三次元のストリンガー外形の突出とほぼ一致し得る。このようにして、複合チャージ７０は、ｘ－ｙ平面内にある所望の曲線成分をすでに含むように切断される。ｚ軸に沿って延伸する曲線成分は、その後の加圧中に形成することができる。

成形された複合チャージ７０は次に、下成形型７２と上成形型７４との間に配置でき、これは図７において、複合チャージ７０の短い切片と、型７２及び７４とで示されている。下成形型７２及び上成形型７４は、平坦な複合チャージ７０を型７２と７４との間で加圧し、複合チャージ７０を成形して所望の断面形状を含む事前成形ストリンガー１４にするように、適切に成形される。つまり、型７２及び７４は、前述し且つ図２及び図４に示した、丸形のハット形状を含む事前成形ストリンガー１４を製造するように成形される。具体的には、その結果できた事前成形ストリンガー１４は湾曲したフィレット部同士の間が内側となり、これがストリンガー１４の望ましい中央隆起２８を画定する。

本開示の一態様では、下成形型７２及び上成形型７４は、特定のストリンガー外形を形成するように製造されるのではなくエラストマー材料で作成され、その結果型自体が、所望の三次元のストリンガー外形を画定するのに十分な可撓性を示す。このようなエラストマー成形型は、形状が異なる別のストリンガーを製造するために、その後再成形されて再使用することができる。つまり、エラストマー成形型の使用により、三次元で個別にカスタマイズされた外形を有するさまざまなストリンガーの作成が可能になり、材料が節約され製造が簡単になる。

前述したように、ｘ－ｙ平面に対する複合チャージ７０の形状は、複合チャージを適切に切断することによって確立される。成形型が、所望の断面形状と合致するように複合チャージ７０の形状を成形する一方で、下成形型７２及び上成形型７４は、適切な成形用プレスに配置されると、複合チャージ７０をｚ軸に沿った所望の外形を含むようにさらに成形することができる。

ほぼ平坦な複合チャージを完全に成形された部品に形成することができる成形用プレスについては、米国特許第９，５６１，６０２号明細書で詳しく説明されている。適切な成形用プレス７６は、下成形型７２及び上成形型７４などのエラストマー型を取り付けることができ、その結果、図８に半図式的に示すように、各型の個別の部分が互いに対して独立して置換可能になる。成形用プレス７６を使用すると、下成形型７２は可撓性のある型トレイ７８で支持することができ、型トレイ７８は一連の下金敷８０に結合される。三次元の所望のストリンガー外形を実現する下成形型７２を成形するように、一連の外形制御アクチュエータ８２を使用して、下金敷８０を順次配置することができる。

下成形型７２が金敷８０によって徐々に成形されると、上成形型７４を受け板８４に取り付けることができ、同様に上金敷８６及びアクチュエータ８８を介して順次変位させることができる。成形用プレス７６は、下金敷８０及び上金敷８６を個別に且つ徐々に変位させるように構成されたプログラム済みのコントローラーによって制御することができ、その結果、形成済みのストリンガー内のしわを低減又は除去するように、下成形型７２と上成形型７４との間で平坦な複合チャージ７０を徐々に形成する。適切に配置されれば、下成形型７２及び上成形型７４は組み合わさって、複合チャージ７０を所望のストリンガー外形に従うように形成する。つまり、上及び下成形型はそれぞれ、第１の軸線の周囲に第１の湾曲を有し、第２の軸線の周囲に第２の湾曲を有し、第１及び第２の軸線は互いに直行し、且つ上及び下成形型の長手方向軸線とは異なる。

成形用プレス７６で成形されると、その結果できた事前成形ストリンガー１４は、図９に示すように、側壁３０を有する長手方向の中央隆起２８、及び丸形のハット部３２を示し、さらに中央隆起２８の各側面に横方向の脚３６を有する。ストリンガー１４は、垂直軸（ｚ軸）の周囲に所望の程度及びパターンの湾曲をさらに含むが、これに加えて、いずれかの水平軸（ｘ軸、ｙ軸）の周囲に所望の程度及びパターンの湾曲を含む。

事前成形ストリンガー１４は、形成部材９０を事前成形ストリンガーの内側に、すなわち図１０に示すように中央隆起２８の内側に沿って、且つほぼ内部に接触させることによって、基部２２に取り付けるために作成することができる。形成部材９０は、硬化中に中央隆起２８の形状及び構成、したがってストリンガー１４を維持する、可撓性のある細長いマンドレル、細長い膨張式ブラダー、その他任意の適切な空間充填材料にすることができる。

本開示の代替的な態様では、形成部材９０が事前成形ストリンガーの内側に配置される前に、熱硬化プラスチック又は熱可塑性プラスチックフィルムなどの高分子フィルムで形成部材９０を事前に包むことができる。形成部材９０はこのようなフィルムで、らせん状パターンなどの任意の適切な１つ以上のパターンで包むことができ、或いは２枚のフィルム片が使用される場合は、対向するらせん状パターンで包むことができる。このようにして形成部材を事前に包むことによって、その結果できた内部積層がストリンガー殻に圧密され、特に、ストリンガー１４を基部２２に関連付けるのを補助して、構造性能を向上させ導管４０を通る流体の流れが良好になる。

形成部材９０が所定の位置に配置されると、形成部材９０に隣接して細長い角部充填材９２が加えられ、事前成形ストリンガーの曲線３４に当接する。角部充填材（又はヌードル）９２は、ストリンガー１４が取り付けられるときに曲線３４と基部２２の表面２１との間の空間を埋める役割を果たし、その結果できた導管４０に滑らかな連続した内面を生成する。したがって角部充填材９２は、圧力下において可逆的又は不可逆的に変形可能でなければならず、例えば、特に熱硬化プラスチック、又は熱可塑性プラスチックなどにする必要がある。角部充填材は、強度及び弾性を与えるために、任意で炭素繊維、高分子繊維その他の補強材料などの１つ以上の補強繊維又は糸を含むことができる。

形成部材９０及び角部充填材９２が適切に配置されると、その結果できた組立体９４は、図１１に示すように、基部２２と関連付けられ硬化によって圧密することができる。基部２２は、ストリンガー１４に沿って延伸し且つこれに圧密される複合チャージを含むことができ、複合チャージは、内部導管４０を画定する一体化した単一のストリンガーを形成する。或いは、基部２２は外皮部２４を含むことができ、ストリンガー１４は外皮部２４の表面２１に関連付けられて所定の場所で硬化される。或いは、ストリンガー１４は、細長い複合チャージである基部２２とともに形成でき、その結果できた一体的なストリンガー１４はその後、装置１０の外皮部２４に関連付けることができる。本開示の一態様では、事前成形ストリンガー１４の硬化は、事前成形ストリンガーを航空機の外皮部に直接配置して実施される。本開示の別の態様では、事前成形ストリンガー１４の硬化は、事前成形ストリンガーを航空機の翼の外皮部に直接配置して実施される。

ストリンガー１４が適切に硬化されると、新しく形成された細長い内部導管４０から形成部材９０を除去でき、図１２に示すように、所定の場所に角部充填材９２が残る。

図５のフローチャート６０で説明されている方法は、ここで開示されるように、例示的な丸形ハット複合ストリンガー１４の製造又は積層中に行われる一連の個別の製造ステップを、より詳細に列挙することで代替的に説明することができる。この一連の製造ステップは、所望の補強材料のシートの、所望の数の層又はプライのスタックを作成し、補強材料を所望の樹脂で含浸して開始することができる。これに代えて、又はこれに加えて、プリプレグ複合材料のシートのスタックを組み立てることができる。この複合シートの完全なプライのスタックはその後トリムでき、その結果スタックは、平坦なスタックの平面に沿って所望の曲線を含む。成形されたスタック又はチャージは、次に、上成形型及び下成形型を含むパンチフォーマーなどの成形用プレス内に配置することができる。トリムされた複合チャージのパンチフォーマー内への配置は、パンチフォーマー及び／又は成形型に対してチャージをより正確に位置決めするための、チャージの割出しを含むことができる。パンチフォーマーはその後、チャージに適切な断面形状が形成されるように、またチャージが所望の三次元外形になるよう配向されるように調節でき、これは特に、垂直なｚ軸に沿って複合チャージに所望の湾曲を付けることによって行われる。中央隆起の成形を含め、チャージが適切な外形に成形されると、チャージは複合材料を形成用に軟化させるのに十分な温度にまで加熱され、パンチフォーマーがチャージに圧力を印加する。圧力は、通常はチャージの側面にも印加される。成形された複合チャージは、その後冷却することが可能になる。

その後、冷却され成形された事前成形ストリンガーの中央隆起内にマンドレル（又は形成体）を配置することができる。ヌードル、すなわち細長い角部充填材はマンドレルに沿って取り付けることができ、その結果できたストリンガー組立体は、プレスで圧縮することができる。圧縮されたストリンガー組立体はその後、ストリンガーが取り付けられる外皮部の表面に移され、所望通りに外皮上に配置される。ストリンガー組立体はその後、ストリンガーを外皮に圧密するために、ストリンガーの複合材料を所定の場所で完全に硬化させるように袋詰めして加圧滅菌することができ、所定の場所に恒久的に取り付けられる。

丸形ハット複合ストリンガーを製造する別の例示的な方法が、図１３のフローチャート１００でさらに説明される。例示的な方法は、下成形型及び上成形型を構成するステップであって、各成形型は長さを有し、型の長さの少なくとも一部に沿って曲線を画定する、フローチャート１００のステップ１０２に記載されているステップと、丸形ハット複合ストリンガーを形成するように寸法決めされた、事前に硬化させた平坦な複合チャージを切断する、フローチャート１００のステップ１０４に記載されているステップと、複合チャージを成形して事前成形ストリンガーにするために、平坦な複合チャージを下成形型と上成形型との間で加圧するステップであって、その結果できた事前成形ストリンガーは、湾曲したフィレット部同士の間が内側となる、フローチャート１００のステップ１０６に記載されているステップと、形成部材を事前成形ストリンガーの内側に接触させる、フローチャート１００のステップ１０８と、事前成形ストリンガーの湾曲したフィレット部に角部充填材を加える、フローチャート１００のステップ１１０と、事前成形ストリンガーを硬化させる、フローチャート１００のステップ１１２と、硬化したストリンガーから形成部材を除去する、フローチャート１００のステップ１１４とを含む。

例、構成要素、及び代替
以下の符号付きの段落では、開示されている丸形ハット複合ストリンガーの選択した態様、及び丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法について説明する。これらの項にある例は例示が意図されており、本開示の範囲全体を限定するものと解釈されるべきではない。各項は、１つ以上の別の実施形態若しくは例、及び／又は状況情報又は関連情報、機能、並びに／或いは構造を含んでもよい。

Ａ１．航空機であって、
内側を有する外皮部と、
外皮部の内側に結合された丸形ハット複合ストリンガーであって、外皮部と組み合わさって、導管軸線を有する細長い導管を形成する、丸形ハット複合ストリンガーとを備え、
導管軸線は、少なくとも１つの湾曲部を含む、航空機。

Ａ２．導管軸線が、複雑な曲線をたどる少なくとも１つの部分を含む、項Ａ１に記載の航空機。

Ａ３．外皮部が、航空機の翼、機体、又は尾翼上にある、項Ａ１に記載の航空機。

Ａ４．ストリンガーが、ハット高さ対ハット幅の比が少なくとも０．５であることを特徴とする断面を有する、項Ａ１に記載の航空機。

Ａ５．ストリンガーが、ハット高さ対ハット幅の比が少なくとも１．０であることを特徴とする断面を有する、項Ａ１に記載の航空機。

Ａ６．ハット高さ及びハット幅がそれぞれ、１．５インチ（３８．１ｍｍ）～３．５インチ（８８．９ｍｍ）の値を有する、項Ａ５に記載の航空機。

Ａ７．ストリンガーの側壁が、外皮部の内側に対して少なくとも７０度の角度を形成する、項Ａ１に記載の航空機。

Ａ８．ストリンガーが、キャップ半径が０．５インチ（１２．７ｍｍ）～１．５インチ（３８．１ｍｍ）であることを特徴とする断面を有する、項Ａ１に記載の航空機。

Ａ９．ストリンガーが、ハット幅体ストリンガー幅の比が０．５未満であることを特徴とする断面を有する、項Ａ１に記載の航空機。

Ｂ１．丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法であって、
下成形型及び上成形型を構成するステップであって、各成形型は長さを有し、型の長さの少なくとも一部に沿って曲線を画定する、ステップと、
丸形ハット複合ストリンガーを形成するように寸法決めされた、事前に硬化させた平坦な複合チャージを切断するステップと、
複合チャージを成形して事前成形ストリンガーにするために、平坦な複合チャージを下成形型と上成形型との間で加圧するステップであって、その結果できた事前成形ストリンガーは、湾曲したフィレット部同士の間が内側となる、ステップと、
形成部材を事前成形ストリンガーの内側に接触させるステップと、
事前成形ストリンガーの湾曲したフィレット部に角部充填材を加えるステップと、
事前成形ストリンガーを硬化させるステップと、
硬化したストリンガーから形成部材を除去するステップとを含む、方法。

Ｂ２．上成形型及び下成形型のそれぞれが複雑な曲線を含む、項Ｂ１に記載の方法。

Ｂ３．事前成形ストリンガーが、ハット高さ対ハット幅の比が少なくとも０．５であることを特徴とする断面を有する、項Ｂ１に記載の方法。

Ｂ４．事前成形ストリンガーが、基部平面と側壁とを有する断面を有し、側壁が、事前成形ストリンガーの基部平面と少なくとも７０度の角度を形成する、項Ｂ１に記載の方法。

Ｂ５．事前成形ストリンガーが、キャップ半径が０．５インチ（１２．７ｍｍ）～１．５インチ（３８．１ｍｍ）であることを特徴とする断面を有する、項Ｂ１に記載の方法。

Ｂ６．事前に硬化させた平坦な複合チャージを切断するステップが、事前に硬化させた平坦な複合チャージ上に少なくとも１つの湾曲した境界線を形成するステップを含む、項Ｂ１に記載の方法。

Ｂ７．事前成形ストリンガーを硬化させるステップが、事前成形ストリンガーを翼外皮上に直接配置して実施される、項Ｂ１に記載の方法。

Ｂ８．成形型がエラストマー材料から成り、
後で別の形状を有する別のストリンガーの製造に使用するために、上成形型及び下成形型を再成形して異なる形状にするステップをさらに含む、項Ｂ１に記載の方法。

Ｃ１．外形が複雑な丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法であって、
平坦な複合チャージから二次元の細長い切片を切断するステップであって、細長い切片は、少なくとも２つの湾曲した縁部を有する、ステップと、
丸形のハット形状の断面を有する湾曲した事前成形ストリンガーを形成するために、上成形型と下成形型との間で細長い切片を加圧するステップと、
その結果できた事前成形ストリンガーを硬化させるステップとを含む、方法。

Ｃ２．丸形ハット形状の断面が、ハット高さ対ハット幅の比が少なくとも０．５であることを特徴とする、項Ｃ１に記載の方法。

Ｃ３．上及び下成形型がそれぞれ、第１の軸線の周囲に第１の湾曲を有し、第２の軸線の周囲に第２の湾曲を有し、第１及び第２の軸線は互いに直行し、上及び下成形型の長手方向軸線とは異なる、項Ｃ２に記載の方法。

Ｃ４．湾曲したフィレット部同士の間が事前成形ストリンガーの内側になり、
形成部材を事前成形ストリンガーの内側に接触させるステップと、
事前成形ストリンガーを硬化させるステップの前に、事前成形ストリンガーの湾曲したフィレット部に角部充填材を加えるステップとを含む、項Ｃ１に記載の方法。

Ｃ５．上及び下成形型がエラストマー材料を含み、方法が、別の複雑な外形形状を有する別のストリンガーの製造に後で使用するために、上成形型及び下成形型を再成形するステップをさらに含む、項Ｃ１に記載の方法。

利点、形態、利益
本明細書で説明される装置及び方法の別の実施形態及び例は、従来のストリンガーの実施を上回るいくつかの利点を提供する。

本開示の丸形ハット複合ストリンガーは、複合積層チャージから、湾曲し、複合曲線を有し、且つ／又は複雑な曲線を有する経路をたどるように形成することができる。

本明細書で開示されるこれらのストリンガーは、航空機の組み立てが行われる同じ設備及び／又は場所で製造することができる。

本明細書で開示されるこれらのストリンガーは、再構成可能な工具を使用して製造でき、製造コストを減少させ生産率を上げることができる。

本開示のストリンガーの丸形のハット形状は、衝撃後圧縮（Ｃｏｍｐｒｅｓｓｉｏｎ Ａｆｔｅｒ Ｉｍｐａｃｔ、ＣＡＩ）による損傷、並びに目視困難な衝撃損傷（Ｂａｒｅｌｙ Ｖｉｓｉｂｌｅ Ｉｍｐａｃｔ Ｄａｍａｇｅ、ＢＶＩＤ）、又は通常は外観検査では十分に検出できないが内部構造の損傷（特に、剥離、母材亀裂、繊維破断、及び繊維の引抜き）につながり得る、低速度衝撃が原因で複合材料が受ける損傷が生じないようにするのに役立つ。従来の台形のハットストリンガーは、低エネルギーの衝撃の影響を受けやすく、その平坦な表面に沿って損傷領域が大きくなりやすいが、本明細書で開示されるストリンガーは、従来の台形のハットストリンガーよりもＢＶＩＤによる故障が発生しにくい。本開示のストリンガーは、ＢＶＩＤ後でも従来のストリンガーより大きい圧縮荷重に耐えられ、本開示のストリンガーは丸形のハット形状によって、ストリンガー上部の丸形部分に対する衝撃角度を問わず衝撃損傷に対する安定した耐性を提供する。

本明細書で開示されるストリンガーは、内部導管によって液体の流れを良好にする。特に、導管の丸形の形状は、従来の台形のハット形ストリンガーと比較して、ストリンガーを通る流体の流れを良好にして乱流を少なくするのに役立つ。

ストリンガーは、フランジがウェブと交わるところに配置された角部充填材で構成されてもよい。このような角部充填材は、複数の熱硬化性／複合繊維の組み合わせ、並びに熱可塑性プラスチック／繊維の組み合わせで作成でき、角部充填材は、メイクオン組み立て（ｍａｋｅ－ｏｎ－ａｓｓｅｍｂｌｙ）（ファントム組み立て）の工程によって押し出して取り付けることができる。

メイクオン組み立てのストリンガー構築工程は、形成体を熱硬化プラスチック又は熱可塑性プラスチック材料で事前に包む工程を含むことができる。このようにすることで、その結果できた連続的な内部積層が、硬化させる際にストリンガー本体を基部に結合するのに役立つ。また、内部積層は、さらに流体の流れ及び全体的な構造性能を向上させる。

また、本開示は、以下の項に基づく例を含む。

１．航空機（１２）であって、
内側（２１）を有する外皮部（２４）と、
外皮部の内側に結合された丸形ハット複合ストリンガー（１４）であって、外皮部と組み合わさって、導管軸線（４６）を有する細長い導管（４０）を形成する、丸形ハット複合ストリンガー（１４）とを備え、
導管軸線は、少なくとも１つの湾曲部を含む、航空機（１２）。

２．導管軸線（４６）が、複雑な曲線をたどる少なくとも１つの部分を含む、項１に記載の航空機。

３．外皮部（２４）が、航空機の翼（１６）、機体（１８）、又は尾翼（２０）上にある、項１又は２に記載の航空機。

４．ストリンガー（１４）が、ハット高さ（５２）対ハット幅（５４）の比が少なくとも０．５であることを特徴とする断面を有する、項１から３のいずれか一項に記載の航空機。

５．ストリンガー（１４）が、ハット高さ（５２）対ハット幅（５４）の比が少なくとも１．０であることを特徴とする断面を有する、項１から３のいずれか一項に記載の航空機。

６．ハット高さ（５２）及びハット幅（５４）がそれぞれ、１．５インチ（３８．１ｍｍ）～３．５インチ（８８．９ｍｃｍ）の値を有する、項５に記載の航空機。

７．ストリンガー（１４）の側壁（３０）が、外皮部（２４）の内側（２１）に対して少なくとも７０度の角度（４８）を形成する、項１から６のいずれか一項に記載の航空機。

８．ストリンガー（１４）が、キャップ半径（５０）が０．５インチ（１２．７ｍｍ）～１．５インチ（３８．１ｍｍ）であることを特徴とする断面を有する、項１から７のいずれか一項に記載の航空機。

９．ストリンガー（１４）が、ハット幅（５４）対ストリンガー幅（５６）の比が０．５未満であることを特徴とする断面を有する、項１から８のいずれか一項に記載の航空機。

１０．丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法であって、
下成形型（７２）及び上成形型（７４）を構成するステップ（１０２）であって、各成形型は長さを有し、型の長さの少なくとも一部に沿って曲線を画定する、ステップ（１０２）と、
丸形ハット複合ストリンガーを形成するように寸法決めされた、事前に硬化させた平坦な複合チャージ（７０）を切断するステップ（１０４）と、
複合チャージを成形して事前成形ストリンガーにするために、平坦な複合チャージを下成形型と上成形型との間で加圧するステップ（１０６）であって、その結果作成された事前成形ストリンガーは、湾曲したフィレット部（３４）同士の間が内側となる、ステップ（１０６）と、
形成部材（９０）を事前成形ストリンガーの内側に接触させるステップ（１０８）と、
事前成形ストリンガーの湾曲したフィレット部に角部充填材（９２）を加えるステップ（１１０）と、
事前成形ストリンガーを硬化させるステップ（１１２）と、
硬化したストリンガーから形成部材を除去するステップ（１１４）とを含む、方法。

１１．上成形型（７４）及び下成形型（７２）が、それぞれ複雑な曲線を含む、項１０に記載の方法。

１２．事前成形ストリンガーが、ハット高さ（５２）対ハット幅（５４）の比が少なくとも０．５であることを特徴とする断面を有する、項１０又は１１に記載の方法。

１３．事前成形ストリンガーが、基部平面（２１）と側壁（３０）とを有する断面を有し、側壁が、事前成形ストリンガーの基部平面と少なくとも７０度の角度（４８）を形成する、項１０から１２のいずれか一項に記載の方法。

１４．事前成形ストリンガーが、キャップ半径（５０）が０．５インチ（１２．７ｍｍ）～１．５インチ（３８．１ｍｍ）であることを特徴とする断面を有する、項１０から１３のいずれか一項に記載の方法。

１５．事前に硬化させた平坦な複合チャージ（７０）を切断するステップが、事前に硬化させた平坦な複合チャージ上に少なくとも１つの湾曲した境界線を形成するステップを含む、項１０から１４のいずれか一項に記載の方法。

１６．事前成形ストリンガーを硬化させるステップが、事前成形ストリンガーを翼外皮上に直接配置して実施される、項１０から１５のいずれか一項に記載の方法。

１７．成形型（７２、７４）がエラストマー材料から成り、
後で別の形状を有する別のストリンガーの製造に使用するために、上成形型及び下成形型を再成形して異なる形状にするステップをさらに含む、項１０から１６のいずれか一項に記載の方法。

１８．外形が複雑な丸形ハット複合ストリンガー（１４）を製造する方法であって、
平坦な複合チャージから二次元の細長い切片（７０）を切断するステップ（６２）であって、細長い切片は、少なくとも２つの湾曲した縁部を有する、ステップ（６２）と、
丸形のハット形状の断面を有する湾曲した事前成形ストリンガーを形成するために、上成形型（７４）と下成形型（７２）との間で細長い切片を加圧するステップ（６４）と、
その結果できた事前成形ストリンガーを硬化させるステップ（６６）とを含む、方法。

１９．上成形型（７４）及び下成形型（７２）がそれぞれ、第１の軸線の周囲に第１の湾曲を有し、第２の軸線の周囲に第２の湾曲を有し、第１及び第２の軸線は互いに直行し、上及び下成形型の長手方向軸線とは異なる、項１８に記載の方法。

２０．湾曲したフィレット部（３４）同士の間が事前成形ストリンガーの内側になり、
形成部材（９０）を事前成形ストリンガーの内側に接触させるステップと、
事前成形ストリンガーを硬化させるステップの前に、事前成形ストリンガーの湾曲したフィレット部に角部充填材（４２）を加えるステップとを含む、項１８又は１９に記載の方法。

結論
前述した本開示は、独立した効用を有する複数の異なる例を包含し得る。これらはそれぞれ、その好ましい（複数の）形態で開示されているが、本明細書で開示され図示されているその特定の実施形態は数多くの変形が可能であり、ゆえに限定的な意味で考えられるべきではない。本開示内で見出しが使用されている場合、そのような見出しは構成上の目的でのみ使用されている。本開示の主題は、本明細書で開示されるさまざまな要素、形態、機能、及び／又は特性のすべての新しい非自明の組み合わせ、及び部分的な組み合わせを含む。以下の特許請求の範囲は、新しく且つ非自明とみなされるいくつかの組み合わせ、及び部分的な組み合わせについて特に指摘する。本願又は関連出願からの優先権を主張している出願において、形態、機能、要素、及び／又は特性の他の組み合わせ及び部分的な組み合わせが特許請求される場合がある。このようなクレームは、原クレームに対して範囲が広い、狭い、同等である、又は異なっていても、やはり本開示の主題に含まれるものとみなされる。

１０ 装置
１２ 航空機
１４ 丸形ハット複合ストリンガー、事前成形ストリンガー
１６ 翼構造
１８ 機体構造
２０ 尾翼構造
２１ 基部の表面
２２ 基部
２４ 外皮部
２５ 対向する曲線
２６ 本体
２８ 中央隆起
３０ ストリンガー側壁
３２ ハット部
３３ 接点
３４ 半径曲線
３６ ストリンガー脚
３８ テーパー部
４０ 内部導管
４２ 角部充填材
４４ ニッチ
４６ 内部導管軸線
４８ 側壁角度
５０ キャップ半径
５２ ハット高さ
５４ ハット幅
５６ ストリンガー幅
６０ フローチャート
７０ 複合チャージ
７２ 下成形型
７４ 上成形型
７６ 成形用プレス
７８ 型トレイ
８０ 下金敷
８２ 外形制御アクチュエータ
８４ 受け板
８６ 上金敷
８８ アクチュエータ
９０ 形成部材
９２ 角部充填材
９４ 組立体
１００ フローチャート

Claims (14)

1. 航空機（１２）であって、
   内側（２１）を有する外皮部（２４）と、
   前記外皮部の前記内側に結合された丸形ハット複合ストリンガー（１４）であって、前記外皮部と組み合わさって、導管軸線（４６）を有する細長い導管（４０）を形成する、丸形ハット複合ストリンガー（１４）とを備え、
   前記導管軸線は、少なくとも１つの湾曲部を含み、
   前記丸形ハット複合ストリンガー（１４）の断面は、キャップ半径を有し、
   前記丸形ハット複合ストリンガー（１４）の前記断面が、
   ハット高さ（５２）対ハット幅（５４）の比が少なくとも１．０であり、かつ
   ハット幅（５４）対ストリンガー幅（５６）の比が０．５未満であることをさらに特徴とする、航空機（１２）。
2. 前記導管軸線（４６）が、複雑な曲線をたどる少なくとも１つの部分を含む、請求項１に記載の航空機。
3. 前記外皮部（２４）が、前記航空機の翼（１６）、機体（１８）、又は尾翼（２０）上にある、請求項１又は２に記載の航空機。
4. 前記ハット高さ及び前記ハット幅がそれぞれ、１．５インチ（３８．１ｍｍ）～３．５インチ（８８．９ｍｍ）の値を有する、請求項１から３のいずれか一項に記載の航空機。
5. 前記ストリンガー（１４）の側壁（３０）が、前記外皮部（２４）の前記内側（２１）に対して少なくとも７０度の角度（４８）を形成する、請求項１から４のいずれか一項に記載の航空機。
6. 前記キャップ半径（５０）が０．５インチ（１２．７ｍｍ）～１．５インチ（３８．１ｍｍ）である、請求項１から５のいずれか一項に記載の航空機。
7. 前記ストリンガー（１４）は、前記ストリンガー（１４）の側壁（３０）から脚（３６）に移行する箇所と前記外皮部（２４）の内側との間の空間を埋める一対の細長い角部充填剤（４２）を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載の航空機。
8. 丸形ハット複合ストリンガーを製造する方法であって、
   下成形型（７２）及び上成形型（７４）を構成するステップ（１０２）であって、前記各成形型は長さを有し、前記型の前記長さの少なくとも一部に沿って曲線を画定する、ステップ（１０２）と、
   丸形ハット複合ストリンガーを形成するように寸法決めされた、事前に硬化させた平坦な複合チャージ（７０）を切断するステップ（１０４）と、
   前記複合チャージを成形して事前成形ストリンガーにするために、前記平坦な複合チャージを前記下成形型と前記上成形型との間で加圧するステップ（１０６）であって、その結果できた前記事前成形ストリンガーは、湾曲したフィレット部（３４）同士の間が内側となり、前記事前成形ストリンガーの断面がキャップ半径を有し、前記事前成形ストリンガーが、ハット高さ（５２）対ハット幅（５４）の比が少なくとも１．０であることを特徴とする断面を有する、ステップ（１０６）と、
   形成部材（９０）を前記事前成形ストリンガーの前記内側に接触させるステップ（１０８）と、
   前記事前成形ストリンガーの前記湾曲したフィレット部に角部充填材（９２）を加えるステップ（１１０）と、
   前記事前成形ストリンガーを硬化させるステップ（１１２）と、
   前記硬化したストリンガーから前記形成部材を除去するステップ（１１４）とを含む、方法。
9. 前記上成形型（７４）及び前記下成形型（７２）が、それぞれ複雑な曲線を含む、請求項８に記載の方法。
10. 前記事前成形ストリンガーが、基部平面（２１）と側壁（３０）とを有する断面を有し、前記側壁が、前記事前成形ストリンガーの前記基部平面と少なくとも７０度の角度（４８）を形成する、請求項８から９のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記キャップ半径（５０）が０．５インチ（１２．７ｍｍ）～１．５インチ（３８．１ｍｍ）であることを特徴とする、請求項８から１０のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記事前に硬化させた平坦な複合チャージ（７０）を切断するステップが、前記事前に硬化させた平坦な複合チャージ上に少なくとも１つの湾曲した境界線を形成するステップを含む、請求項８から１１のいずれか一項に記載の方法。
13. 前記事前成形ストリンガーを硬化させるステップが、前記事前成形ストリンガーを翼外皮上に直接配置して実施される、請求項８から１２のいずれか一項に記載の方法。
14. 前記成形型（７２、７４）がエラストマー材料から成り、
    後で別の形状を有する別のストリンガーの製造に使用するために、前記上成形型及び前記下成形型を再成形して異なる形状にするステップをさらに含む、請求項８から１３のいずれか一項に記載の方法。

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