JP7407648B2 - 物体認識装置及び物体認識方法 - Google Patents

物体認識装置及び物体認識方法 Download PDF

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Description

本発明は、物体認識装置及び物体認識方法に関するものである。
従来から、発電プラントや化学プラント等の大規模構造物のメンテナンスや解体などの工事において、事前に機器の状況を把握することが行われている。機器の状況を把握するためには、まずレーザスキャナやデプスカメラ等の計測装置によってプラント内を計測する。そして、計測により得られた複数の計測点の集まりである点群データを機器ごとに分類することで、プラント内に設置された物体を認識している。
このような、点群データを機器ごとに分類する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、対象物を測定した三次元点群データを取得するデータ取得手段と、対象物の三次元点群データを内包する三次元領域を定義する領域生成手段と、を備えた技術が記載されている。また、特許文献1には、対象物の三次元点群データを内包する三次元領域を基準として、三次元点群データにおける点群の分布特性を数値として算出する分布特性算出手段と、算出した分布特性の数値に基づいて、対象物を推定する推定手段と、を備えた技術が記載されている。
特開2019-192059号公報
また、発電プラントや化学プラント等の大規模構造物内には、多数の機器が設置されているため、機器が重なり合っている。そのため、レーザスキャナ等の計測装置で機器を計測した際に、機器の重なりにより、死角となり計測ができない箇所(以下、オクルージョンという)が発生していた。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、オクルージョンを考慮していないため、分類できない点群データが発生し、分類精度が低下する、という問題を有していた。
本目的は、上記の問題点を考慮し、点群データを高精度に分類できる物体認識装置及び物体認識方法を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するため、物体認識装置は、データ取得部と、分割部と、統計量計算部と、分割最適化部と、照合部と、を備えている。データ取得部は、計測装置が機器群を計測することで作成された複数の計測点の集合である点群データを取得する。分割部は、データ取得部が取得した点群データを一次分割する。統計量計算部は、分割部により一次分割された点群データに対して分割領域ごとに、計測点の特徴量の統計量を計算する。分割最適化部は、統計量計算部により計算された統計量に基づいて、一次分割された点群データを二次分割及び/又は統合する。照合部は、分割最適化部により二次分割及び/又は統合された点群データの点群と予め格納された機器のモデルデータとの照合を行う。
また、物体認識方法は、以下(1)から(5)の処理を含む。
(1)計測装置が機器群を計測することで作成された複数の計測点の集合である点群データを取得する処理。
(2)取得した点群データを一次分割する処理。
(3)一次分割された点群データに対して分割領域ごとに、計測点の特徴量の統計量を計算する処理。
(4)計算された統計量に基づいて、一次分割された点群データを二次分割及び/又は統合する処理。
(5)二次分割及び/又は統合された点群データの点群と予め格納された機器のモデルデータとの照合を行う処理。
上記構成の物体認識装置及び物体認識方法によれば、点群データを高精度に分類できる。
実施の形態例にかかる物体認識装置の全体構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置のハードウエア構成を示す構成図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置の分類動作を示す概略図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置の分類動作を示すフローチャートである。 実施の形態例にかかる物体認識装置のデータ取得部が取得した点群データの一例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるCADデータからシミュレーション点群データを生成する例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における点群データから床面を抽出する例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるボクセルグリッド法を用いて点群データとCADモデルを分割する例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における領域成長法を用いて点群データを分割する例を示す説明図である。 領域成長法の結合距離の違いによる分割結果の差異を示すもので、図10Aは結合距離が小さい例を示し、図10Bは結合距離が大きい例を示す。 曲率計算における近傍半径(パラメータ)の最適化について示すもので、図11Aは、近傍半径と曲率の標準偏差の関係を示す図、近傍半径の違いによる曲率の差異を示す図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるパラメータの最適化結果の表示例である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における分割最適化部により分割領域がさらに分割される例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における分割最適化部により分割領域を統合する例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるボクセルグリッド法での分割領域の統合処理を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における計測シミュレーション動作を示す概略図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における過去の点群データとCADデータとの照合実績を用いてシミュレーション点群データを生成する例を示す説明図であり、オクルージョンを考慮した例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における過去の点群データとCADデータとの照合実績を用いてシミュレーション点群データを生成する例を示す説明図であり、オクルージョンパターン及び形状誤差を考慮した例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるミュレーション点群データにオクルージョンを付与する例を示す説明図である。 図20A及び図20B、図20Cは、実施の形態例にかかる物体認識装置におけるオクルージョンのパターンを示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるボクセルごとの特徴量を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるシミュレーション点群データに形状(計測)誤差を付与する例を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における点群データとCADデータの照合処理を示すイメージ図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における照合処理動作を示すフローチャートである。 実施の形態例にかかる物体認識装置におけるCADデータの絞り込み作業を示す説明図である。 実施の形態例にかかる物体認識装置における点群データとCADモデルの位置合せ処理を示すもので、図26A及び図26Bは、計測点とCADモデルとの距離を示す説明図である。図26Cは、計測点とCADモデルとの絶対距離の分布を示すグラフである。 実施の形態例にかかる物体認識装置における照合結果の表示例を示す図である。
以下、物体認識装置及び物体認識方法の実施の形態例について、図1~図27を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.実施の形態例
1-1.物体認識装置の構成
まず、実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる物体認識装置の構成について図1を参照して説明する。
図1は、物体認識装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
図1に示す物体認識装置100は、発電プラントや化学プラント等の各種プラント内を計測することで得られた点群データを、機器ごとに分類する装置である。図1に示すように、物体認識装置100は、計算装置1と、記憶装置2と、入力装置3と、表示装置4と、を備えている。計算装置1及び記憶装置2は、各種情報を送受信可能に接続されている。入力装置3及び表示装置4は、計算装置1に接続されている。
計算装置1は、データ取得部11と、3D分割部12と、統計量計算部13と、パラメータ最適化部14と、分割最適化部15と、計測シミュレーション部16と、照合部17と、表示処理部18と、を有している。
データ取得部11は、後述する記憶装置2や入力装置3から点群データや、照合するCADデータ等の各種データを取得する。点群データとしては、例えば、レーザスキャナやデプスカメラ等の計測装置によってプラント内を計測することで作成される。また、点群データは、計測装置が機器を計測することで得られた複数の計測点P1(図5参照)の集まりである。
CADデータは、照合する機器を示すもので、例えば、3次元のCADモデルである。データ取得部11は、取得したデータを、3D分割部12や統計量計算部13、計測シミュレーション部16、照合部17等に出力する。
分割部を示す3D分割部12は、データ取得部11から出力された点群データやCADデータを一次分割する。分割方法については、後述する。そして、3D分割部12は、分割した点群データやCADデータを統計量計算部13や、パラメータ最適化部14、分割最適化部15、計測シミュレーション部16等に出力する。
統計量計算部13は、分割された点群データに対して分割領域ごとに、CADデータの特徴量の統計量を計算する。また、統計量にしては、後述する。そして、統計量計算部13は、計算した統計量に関する情報をパラメータ最適化部14及び分割最適化部15、計測シミュレーション部等に出力する。
パラメータ最適化部14は、統計量計算部13から出力された分割領域ごとの統計量に基づいて、特徴量を算出する際に用いられる特徴量であるパラメータの最適化を行う。パラメータ最適化部14は、分割領域ごとの統計量を比較し、最適なパラメータを選択する。なお、パラメータの最適化の方法については、後述する。そして、パラメータ最適化部14は、選択したパラメータ情報を分割最適化部15に出力する。
分割最適化部15は、パラメータ最適化部14から出力されたパラメータ情報に基づいて、分割単位の最適化を行う。そして、分割最適化部15は、最適化を行った分割単位に基づいて、3D分割部12により分割された点群データやCADデータに対して、統合及び/又は二次分割を行う。分割最適化部15による分割単位の最適化の方法については、後述する。そして、分割最適化部15は、統合及び/又は二次分割を行った点群データやCADデータを計測シミュレーション部16や照合部17に出力する。
計測シミュレーション部16は、モデルデータに対して、実際の計測において発生するオクルージョンや誤差を付与し、シミュレーションデータを生成する。モデルデータとしては、データ取得部11から出力されたCADデータや、このCADデータに基づいて生成された点群データ(以下、シミュレーション点群データという)が適用される。また、計測シミュレーション部16は、データ取得部11から出力されたCADデータに基づいてシミュレーション点群データを生成する。さらに、計測シミュレーション部16は、誤差を付与するために形状誤差発生器27(図16参照)を有している。なお、計測シミュレーション部16におけるシミュレーション方法については、後述する。
計測シミュレーション部16は、生成したシミュレーションデータを照合部17や、記憶装置2等に出力する。照合部17は、分割最適化部15により二次分割及び/又は統合された点群データと、計測シミュレーション部16で生成されたシミュレーションデータとを比較する。また、照合部17は、点群データとCADデータを照合し、点群データを機器ごとに分類する。そして、照合部17は、照合結果を、記憶装置2や表示処理部18に出力する。
表示処理部18は、照合部17から出力された照合結果や、計算装置1で実行された処理結果に基づいて画像データを作成する。そして、表示処理部18は、作成した画像データを表示装置4や外部の装置に出力する。
出力装置の一例を示す表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等からなる表示モニタを有している。そして、表示装置4は、表示処理部18から出力された画像データを表示モニタに表示する。なお、出力装置として表示装置4を適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、出力装置としては、計算装置1の処理結果を外部のネットワークや他の機器に出力する出力部であってもよい。
入力装置3としては、例えば、キーボードやマウス等が用いられる。また、入力装置3として、表示装置4の表示部に設けられたタッチパネルを適用してもよい。そして、入力装置3によって入力された情報は、計算装置1に出力される。
記憶装置2は、計算装置1で用いられる各種データが格納されている。記憶装置2は、点群データベース21と、CADデータベース22と、点群-CAD照合結果データベース23と、シミュレーション結果データベース25等を有している。
点群データベース21には、計測装置によってプラント内を撮影することで作成された点群データが格納される。点群データを構成する各計測点P1は、例えば、計測データを区別するための計測IDや計測時刻、各点の空間座標値等の情報を有している。また、各計測点P1は、物体表面の色をRGBで表現した色に着色されている。さらに、点群データベースでは、計測を行ったプラント固有のIDが点群データごとに割り付けられている。
CADデータベース22には、照合する機器のCADデータが格納されている。また、CADデータは、プラント固有のIDや、プラント内に設置される躯体や配管等のプラント構造物としての種類を表す名称、機器固有のID及び名称、CADモデル固有のID、円柱や直方体等の形状名、形状の空間座標値等を有している。また、CADデータは、プラント名やフロア名、部屋名等によって複数のカテゴリに分類してCADデータベースに格納されている。
点群-CAD照合結果データベース23は、照合部17の照合処理により点群データとこの点群データに対応するCADデータが格納される。なお、点群-CAD照合結果データベース23に格納されたデータは、次に点群データの分類を行う際に、教師データとして用いられる。
シミュレーション結果データベース25は、計測シミュレーション部16によりシミュレーションを行ったシミュレーションデータ、すなわちモデルデータにオクルージョンや誤差を付与したデータが格納される。そして、シミュレーション結果データベース25に格納されたシミュレーションデータは、照合部17において点群データとの照合処理時に用いられる。
上述した構成を有する物体認識装置100としては、例えば、コンピュータ装置が適用される。
1-2.物体認識装置のハードウエア構成例
次に、図2を参照して物体認識装置のハードウエア構成について説明する。図2は物体認識装置100のハードウエア構成を示す構成図である。
図2に示すように、物体認識装置100は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備える。さらに、物体認識装置100は、不揮発性ストレージ104、ネットワークインタフェース105、入力装置3、および表示装置4を備える。そして、CPU101、ROM102、RAM103、不揮発性ストレージ104、ネットワークインタフェース105は、それぞれシステムバスを介して接続される。
CPU101は、計算装置1が有する各処理部11~18を実現するためのソフトウエアのプログラムコードをROM102から読み出して実行する。また、RAM103には、CPU101の演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
不揮発性ストレージ104としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量情報記憶媒体が用いられる。不揮発性ストレージ104には、計算装置1の処理機能を実行するプログラムが記録される。また、不揮発性ストレージ104には、記憶装置2の各データベース21、22、23、25が設けられる。なお、記憶装置2を、計算装置1として機能するコンピュータ装置とは別の記憶装置に設けてもよい。
ネットワークインタフェース105としては、例えば、NIC(Network Interface Card)などが用いられる。ネットワークインタフェース105は、LAN(Local Area Network)専用線などを介して外部と各種情報の送受信を行う。
また、本例では、計算装置1としてコンピュータ装置を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。計算装置1の各構成要素、機能、処理部等の一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウエアで実現してもよい。また、上記の各構成要素、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
2.物体認識装置の分類動作例
次に、上述した構成を有する物体認識装置100における分類動作について図3から図27を参照して説明する。
図3は、分類動作を示す概略図である。
図3に示すように、物体認識装置100は、点群データベース21から分類を行う点群データを取得し、取得した点群データを一次分割する。さらに、物体認識装置100は、一次分割した点群データを、分割領域ごとに特徴量のパラメータの最適化を行い、この最適化された特徴量のパラメータに基づいて点群データの二次分割及び統合を行う。そして、物体認識装置100は、分割及び統合された点群データとシミュレーション結果データベース25に格納されたシミュレーションデータを用いて点群データとCADデータの照合を行う。これにより、物体認識装置100は、点群データを機器ごとに分類し、点群データ内に存在する物体を認識する。
図4は、物体認識装置100における分類動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、データ取得部11は、点群データベース21から分類を行う点群データを取得する(ステップS11)。ステップS11の処理では、例えば、ユーザが、入力装置3を操作し、表示装置4の表示部に表示されたデータから分類を行う点群データを選択してもよい。
図5は、ステップS11の処理で取得した点群データの一例を示す説明図である。
図5に示す点群データでは、熱交換器51と、空調機52と、配管53を計測したデータである。図5に示すように、熱交換器51の上下方向の上部は、配管53と重なっているため、オクルージョンが発生している。そのため、熱交換器51の点群データは、上下方向の上部の計測点P1が欠けている。さらに、点群データには、躯体54の床面54aを示す床計測点P3が含まれる。
次に、データ取得部11は、点群データと照合する際に用いられるCADデータをCADデータベース22から取得する(ステップS12)。ステップS12の処理では、ユーザは、表示装置4の表示部に表示されたデータから、プラント名やフロア名、部屋名等のカテゴリから少なくとも1つを選択する。そして、データ取得部11は、選択されたカテゴリに該当するCADデータをCADデータベースから取得する。または、ステップS11の処理で取得した点群データに付与されたプラント固有のIDと同じIDのCADデータをCADデータベースからデータ取得部11が自動的に取得してもよい。
次に、計測シミュレーション部16は、ステップS12の処理で取得したCADデータからシミュレーション点群データを生成する(ステップS13)。
図6は、CADデータからシミュレーション点群データを生成する例を示す説明図である。
図6に示すように、計測シミュレーション部16は、CADデータから3次元のCADモデル70を取得する。そして、計測シミュレーション部16は、CADモデル70をメッシュ分割し、各メッシュの頂点又は中心点にシミュレーション点P2を生成する。これにより、CADモデルの表面に沿う理想的なシミュレーション点群データを生成することができる。
次に、3D分割部12は、ステップS11で取得した点群データ、ステップS13でCADデータから生成したシミュレーション点群データを予め設定した所定の条件に基づいて一次分割する(ステップS14)。なお、ステップS13でシミュレーション点群データを生成し、このシミュレーション点群データを分割する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS13の処理を行わずに、ステップS12の処理で取得したCADモデル70を分割してもよい。
図7は、点群データから床面を抽出する例を示す説明図である。
図7に示すように、3D分割部12は、点群データから床面54aを示す床計測点P3を抽出する。床計測点P3の抽出方法としては、例えば、平面や円柱、球体といった基本形状を推定して分割するRANSAC(Random sample consensus)を用いて点群データから平面を抽出する。これにより、分類を行う機器群50に相当する計測点P1から平面である床面54aに相当する床計測点P3を分離することができる。
そして、3D分割部12は、床計測点P3を分離した点群データや、CADデータを所定の条件で分割する。分割方法としては、例えば、空間全体を直方体で均等に分割するボクセルグリッド法や、計測点P1の領域成長法等その他各種の方法が挙げられる。また、ボクセルグリッド法、領域成長法、上述したRANSACを組み合わせてもよい。
まず、図8を参照してボクセルグリッド法による分割例について説明する。
図8は、ボクセルグリッド法を用いて点群データとCADモデルを分割する例を示す説明図である。
図8に示すように、ボクセルグリッド法では、点群データのうち分割対象(熱交換器51)を構成する計測点P1や、CADモデル70全体を覆うバウディングボックスを計算する。そして、このバウンディングボックスRを予め設定した所定の分割数又はボクセルサイズに分割する。この分割数及びボクセルサイズがステップS13に示す所定の条件である。これにより、点群データやCADモデル70は、所定サイズのボクセルR1に分割される。
次に、図9を参照して領域成長法による分割例について説明する。
図9は、領域成長法を用いて点群データを分割する例を示す説明図である。
図9に示すように、領域成長法では、まず、複数の計測点P1のうち予め設定した結合距離以内に存在する近接点を順次連結する。この結合距離が、ステップS13に示す所定の条件である。次に、連結した計測点P1ごとに分割し、グループ化する。連結させるためのパラメータは、隣り合う2つの計測点P1(隣接点)の距離に限定されるものではなく例えば、隣接点の法線ベクトルのなす角度や、色の変化量等を適用してもよい。ここで示す色は、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value・Brightness)の3要素で表現するHSV色空間であり、RGBから変換される。
点群データの分割が完了すると、統計量計算部13により、分割された点群データやCADデータにおける分割領域ごとの特徴量の統計量を計算する(ステップS15)。特徴量としては、面法線ベクトルのZ軸からの傾きや、曲率、色(HSV色空間)の数値等が挙げられる。そして、統計量計算部13は、分割領域ごとの特徴量の平均値や最頻値、標準偏差等を算出することで統計量を計算する。
次に、パラメータ最適化部14は、ステップS15の処理で計算した統計量に基づいて、特徴量であるパラメータを最適化する(ステップS16)。ステップS16の処理では、例えば、まず複数パターンのパラメータを用いて、点群データやCADデータを複数のパターンで分割する。そして、パラメータ最適化部14は、得られた分割結果に対して、統計量計算部13で計算された統計量を比較し、特定の指標に基づいて最適なパラメータを選択する。
パラメータとしては、例えば、領域成長法における結合距離や、ボクセルグリッド法におけるボクセルサイズ、曲率計算における近傍半径等が挙げられる。
領域成長法における結合距離(パラメータ)の最適化について図10A及び図10Bを参照して説明する。
図10A及び図10Bは、領域成長法の結合距離の違いによる分割結果の差異を示す例であり、図10Aは結合距離が小さい例を示し、図10Bは結合距離が大きい例を示している。図10Aに示すように、計測点P1の結合距離を小さく設定した場合、点群データは、グループ1、グループ2、グループ3及びグループ4の4つのグループに分割される。これに対して、図10Bに示すように、計測点P1の結合距離を大きく設定した場合、点群データは、グループ1、グループ2の2つのグループに分割される。
ここで、類似した特徴を持つ計測点P1同士がグループ化できていれば、分割されたグループ(分割領域)内での特徴量のばらつきが小さくなる。そのため、パラメータ最適化部14は、各分割領域での特徴量のばらつきが最小となる結合距離(パラメータ)を算出する。具体的には、パラメータ最適化部14は、分割領域ごとに計算される特徴量分布の標準偏差について、その平均値が最小となる結合距離(パラメータ)を選択する。これにより、パラメータの最適化を行うことができる。
また、曲率計算における近傍半径(パラメータ)の最適化について図11A及び図11Bを参照して説明する。
図11Aは、近傍半径と曲率の標準偏差の関係を示す図であり、横軸が近傍半径を示し、縦軸が曲率の標準偏差として特徴量の分散を示している。図11Bは近傍半径の違いによる曲率の差異を示す図である。図11Bに示すように、近傍半径が小さい場合は、曲率計算時の計測点P1の数が少なくなり、適切な曲率の計算ができない。一方、近傍半径が大きい場合は、曲率計算時の計測点P1の数が多くなるが、実際の物体曲面と関係ない計測点P1も含まれる。そのため、計算した曲率と実際の物体の曲率との誤差が大きくなる。
そのため、パラメータ最適化部14は、領域成長法と同様に、複数の近傍半径を用いて特徴量を計算し、分割領域ごとに特徴量の標準偏差の平均値を計算する。図11Aに示すように、適切な近傍半径の周辺で標準偏差が小さくなるため、分割領域ごとの分散が最小となる近傍半径dを選択する。これにより、最適な近傍半径を計算することができ、計算した曲率と実際の物体の曲率との誤差を小さくすることができる。
また、パラメータ最適化部14は、パラメータの最適化結果を表示処理部18に出力する。そして、表示処理部18は、表示装置4の表示部に最適化結果を表示する。図12は、パラメータの最適化結果の表示例である。
図12に示すように、表示画面には、対象となる点群データ及び分割されたボクセルR1が3次元的に表示される。そして、ユーザにより任意のボクセルR1が選択されると、表示画面には、選択されたボクセルR1の近傍距離に関する詳細情報を示すグラフが表示される。グラフにおける横軸は近傍距離を示し、縦軸は特徴量の分散を示す。また、グラフ上には、パラメータ最適化部14により得られた最適化された近傍距離dが表示される。
この近傍距離dは修正可能に設定される。例えば、ユーザは、マウスやキーボード等の入力装置3を用いて分割に用いる近傍距離dを入力し、修正ボタンを押下する。そして、パラメータ最適化部14は、修正された近傍距離dに基づいて、点群データを分割し、特徴量を算出する。これにより、パラメータをより最適な値に設定することができる。
ステップS16におけるパラメータの最適化処理が完了すると、ステップS16の処理で最適化されたパラメータに基づいて、分割最適化部15は、ステップS14の処理で一次分割された点群データを二次分割及び統合する(ステップS17)。これにより、点群データの分割領域の最適化を行うことができる。
具体的には、分割最適化部15は、分割領域を二次分割する。図13は、分割最適化部15により分割領域がさらに分割される例を示す説明図である。
図13示すように、分割最適化部15は、分割領域の計測点P1の座標値の標準偏差や、曲率などの特徴量の標準偏差を算出する。そして、算出した標準偏差が予め設定した閾値を超過する場合、分割最適化部15は、分割領域をさらに分割する。これにより、図11に示すように、グループ1は、熱交換器51に相当するグループ1aと、配管52に相当するグループ1bに二次分割される。分割方法としては、例えば、混合正規分布を仮定したEMアルゴリズムなどが適用される。
次に、分割最適化部15は、分割領域の統合を行う。図14は、分割最適化部15により分割領域を統合する例を示す説明図である。
図14に示すように、分割最適化部15は、一次分割した各分割領域(図12に示す例ではグループ1、2、3)の計測点P1間の最小距離を計算する。ここで、グループ1及びグループ2は、熱交換器に相当し、グループ3は、配管に相当する。そして、この最小距離が予め設定した閾値以下となる分割領域のペアを選択する。図12に示す例では、グループ1とグループ2、グループ2とグループ3。
次に、分割最適化部15は、ペアに選択した分割領域間における曲率などの特徴量分布の平均値及び標準偏差を算出する。そして、分割最適化部15は、算出した値が平均値及び標準偏差が予め設定した閾値以下の場合には、当該分割領域を統合する。これにより、図12に示すように、熱交換器に相当するグループ1とグループ2が統合されて、グループ1’となる。
また、図15を参照してボクセルグリッド法での分割及び統合の最適化処理について説明する。図15は、ボクセルグリッド法での分割領域の統合処理を示す説明図である。
図15に示すように、分割最適化部15は、各ボクセルR1の計測点P1の曲率などの特徴量を算出する。次に、分割最適化部15は、各ボクセルR1の特徴量の統計分布を比較する。そして、分割最適化部15は、統計分布が類似しているボクセルR1を統合する。これにより、点群データを機器の構成要素ごとに二次分割及び統合することができる。図15に示す例では、グループ1は熱交換器51の本体部に相当し、グループ2は、熱交換器51の脚部に相当する点群データとなる。
このように、本例の物体認識装置100及び物体認識方法によれば、分割最適化部15により分割された点群データを、その分割領域ごとの特徴量に基づいて、詳細に分割及び統合している。これにより、機器間の重なりによりオクルージョンが発生し、計測点P1が欠けた場合でも、点群データを、機器ごとに正確に分割することができる。その結果、後述するステップS19の処理において、点群データを高精度に分類することができる。
ステップS17における分割の最適化処理が完了すると、計測シミュレーション部16は、ステップS12で取得したCADデータ又はステップS13で生成したシミュレーション点群データを用いて計測シミュレーションを行う(ステップS18)。なお、ステップS18の処理は、ステップS17の処理を行う前で、ステップS12又はステップS13の処理が完了した後に行ってもよい。さらに、ステップS18の処理は、点群データの分類動作を行う前に事前に行っていてもよい。
ここで、図16から図22を参照して計測シミュレーション部16により計測シミュレーション動作について説明する。
図16は、計測シミュレーション動作を示す概略図である。
図16に示すように、物体認識装置100は、過去に行った点群データとCADデータの照合結果を点群-CAD照合結果データベース23と、シミュレーション結果データベース25に格納する。また、物体認識装置100は、点群データとCADデータの照合結果に基づいて、形状誤差を分析する。そして、計測シミュレーション部16は、分析した形状誤差を形状誤差発生器27に格納する。
また、物体認識装置100は、CADモデルの表面にシミュレーション点P2を付与し、シミュレーション点群データを生成する。なお、この処理は、ステップS13の処理で行われる。そして、計測シミュレーション部16は、生成したシミュレーション点群データに、形状誤差発生器27に格納された形状誤差を付与し、形状誤差シミュレーションを行う。次に、計測シミュレーション部16は、シミュレーション点群データにオクルージョンを付与するオクルージョンシミュレーションを行う。
次に、計測シミュレーション部16は、形状誤差シミュレーション及びオクルージョンシミュレーションを行ったシミュレーション点群データをシミュレーション結果データベース25に格納する。このシミュレーション結果データベース25に格納されたシミュレーション点群データが照合処理で用いられる教師データとなる。
次に、図17から図22を参照して具体的なシミュレーション動作について説明する。
図17は、過去の点群データとCADデータとの照合実績を用いてシミュレーション点群データを生成する例を示す説明図である。また、図17は、オクルージョンを考慮する例を示す説明図である。
図17に示すように、計測シミュレーション部16は、CADモデル70と過去に照合を行った点群データの計測点P4(以下、過去計測点という)を重ね合わせる。次に、点群データをボクセルR1ごとに分割する。
そして、計測シミュレーション部16は、分割した点群データからオクルージョン領域R2を特定する。例えば、分割した領域(ボクセルR1)の中で、CADモデル70のメッシュ数に対する過去計測点P4の比率が閾値以下となる場合には、過去計測点P4が存在しないと判断する。そして、計測シミュレーション部16は、当該領域をオクルージョン領域R2に特定する。次に、計測シミュレーション部16は、分割した領域(ボクセルR1)ごとに、過去計測点P4とCADモデル70の形状の誤差分布を計算し、教師データとしてシミュレーション結果データベース25に格納する。これにより、オクルージョンを考慮したシミュレーション点群データを生成することができる。
図18は、過去の点群データとCADデータとの照合実績を用いてシミュレーション点群データを生成する例を示す説明図である。また、図18は、オクルージョンパターン及び形状誤差を考慮した説明図である。
図18に示すように、計測シミュレーション部16は、CADモデル70と過去計測点P4を重ね合わせる。次に、CADモデル70と過去計測点P4との距離を計測する。この間隔がCADモデル70との形状誤差となる。
また、計測シミュレーション部16は、CADモデル70及び過去計測点P4を機器の構成要素71~77ごとに分解する。次に、各構成要素71~77におけるCADモデル70のメッシュ数に対する過去計測点P4の数の比率、及び過去計測点P4とCADモデル70との距離の統計量(平均値及び標準偏差)を計算する。そして、過去計測点P4の比率は、オクルージョン領域の推定に用いられる。また、計測シミュレーション部16は、計算した構成要素71~77ごとの統計量を、教師データとしてシミュレーション結果データベース25に格納する。これにより、点群データを分類する際に、機器の構成要素71~77まで細かく分類することができる。
次に、図19から図21Bを参照してCADデータから生成されたシミュレーション点群データにオクルージョンを付与する例について説明する。
図19は、シミュレーション点群データにオクルージョンを付与する例を示す説明図、図20Aから図20Cは、オクルージョンのパターンを示す説明図、図21は、ボクセルR1ごとの特徴量を示す説明図である。
図19に示すように、計測シミュレーション部16は、CADモデル70をメッシュ分割し、各メッシュの頂点又は中心点にシミュレーション点P2を生成し、シミュレーション点群データを生成する。そして、3D分割部12により、シミュレーション点群データを所定サイズのボクセルR1に分割する。
また、計測シミュレーション部16は、過去の点群データとCADデータとの照合実績を用いてオクルージョンパターンを取得する。具体的には、点群データとCADデータとの照合実績からオクルージョン領域R2を特定する。そして、シミュレーション点群データからオクルージョン領域R2に該当するシミュレーション点P2を除去する。これにより、シミュレーション点群データにオクルージョンを付与することができる。
また、図20Aから図20Cに示すように、計測シミュレーション部16は、複数のオクルージョンパターンを生成してもよい。すなわち、図20Aに示す例では、機器の左上部にオクルージョン領域R2が発生したパターンを示し、図20Bに示す例では、機器の右半分にオクルージョン領域R2が発生したパターンを示している。そして、図20Cに示す例では、機器の上半分にオクルージョン領域R2が発生したパターンを示している。このように、複数のオクルージョンパターンをシミュレーションすることで、後述するステップS19の処理において、点群データを高精度に分類することができる。
さらに、図21A及び図21Bに示すように、計測シミュレーション部16は、各オクルージョンパターンに対して、分割した領域(ボクセルR1)ごとの特徴量の分布を計測する。これにより、オクルージョン領域R2の特徴量を判別することができる。
次に、図22を参照してCADデータから生成されたシミュレーション点群データに形状誤差を付与する例について説明する。
図22は、シミュレーション点群データに形状(計測)誤差を付与する例を示す説明図である。
図22に示すように、計測シミュレーション部16は、CADモデル70の各メッシュの頂点又は中心点にシミュレーション点P2を生成し、シミュレーション点群データを生成する。そして、3D分割部12により、シミュレーション点群データを所定サイズのボクセルR1に分割する。
次に、計測シミュレーション部16は、各ボクセルR1内のシミュレーション点P2の座標値に対しして、過去の照合実績から得られた形状誤差に基づいて、ランダムに誤差を付与する。具体的には、取得した統計量の平均値と分散を用いて、例えば、正規分布を用いてシミュレーション点群データに誤差を加算する。このとき、誤差を加算する方向は、各シミュレーション点P2における面法線ベクトルの向きとする。また、面法線ベクトルは、CADモデル70のメッシュの各面が有する法線ベクトルを用いてもよく、あるいはシミュレーション点群データに対して一般的な点群の面法線ベクトル計算方法を用いて計算してもよい。
なお、形状誤差の大きさは、機器の表面形状や材質によって変わるため、ボクセルR1ごとの誤差の統計量だけでなく、ボクセルR1内の3Dモデルの表面形状に応じて統計量及び加算する誤差を計算してもよい。例えば、ボクセルR1ごとに内部に存在するCADモデル70の曲率に関する統計分布を計算し、当該統計分布が類似するボクセルR1同士を統合する。そして、統合したボクセルR1における誤差の統計量を計算して、誤差パターンを作成する。
また、シミュレーション点P2に誤差を付与する差異は、ボクセルR1内のシミュレーション点P2の曲率の統計分布を計算し、当該統計分布に最も近い統計分布を有する誤差パターンを用いて誤差を付与する。
このように、本例の物体認識装置100及び物体認識方法によれば、計測シミュレーション部16によりオクルージョンや形状誤差を付与したシミュレーション点群データを生成している。この誤差を考慮したシミュレーション点群データを教師データとして使用することで、後述するステップS19の処理において、点群データを高精度に分類することができる。
ステップS17における分割の最適化処理及びステップS18における計測シミュレーション処理が完了すると、照合部17は、図23に示すように、点群データとCADデータの照合処理を行う(ステップS19)。図23は、照合処理を示すイメージ図である。
次に、図24及び図25を参照して照合処理について説明する。
図24は、照合処理動作を示すフローチャートである。図25は、CADデータの絞り込み作業を示す説明図である。
図24に示すように、照合部17は、点群データの中から照合を行う点群を選択する(ステップS31)。ステップS31の処理で選択される点群は、ステップS17の処理で二次分割及び統合された点群である。また、ステップS31の処理は、例えば、ユーザが表示装置4の表示部に表示された点群データからマウスやタッチパネル等の入力装置3を用いて行ってもよく、又は照合部17が二次分割及び統合された点群の全てを対象として、順番に自動的に選択してもよい。
次に、照合部17は、計測シミュレーション部16によって生成されたシミュレーション点群データを用いて、照合対象となるCADデータを絞り込む(ステップS31)。図25に示すように、照合部17は、シミュレーション結果データベース25に格納されたシミュレーション点群データにおけるバウンディングボックスの体積やボクセルR1内の曲率の平均値や標準偏差等の統計量の分布と、点群データのバウンディングボックスの体積や統計量の分布を比較する。
照合部17は、分布や体積の差が予め設定した閾値以下となるCADデータを抽出する。抽出するCADデータは、一つだけでもよく、あるいは複数でもよい。
ここで、シミュレーション点群データは、オクルージョンを付与したパターンを有している。そのため、分類を行う点群データにオクルージョンが生じていても高精度にCADデータを抽出することができる。
次に、照合部17は、点群データと、抽出したCADデータのCADモデル70の位置合わせを行う(ステップS33)。ステップS33の処理において、照合部17は、まず、RANSAC法により円柱や平面を抽出し、円柱の中心線や平面の位置が一致するように合わせる方法や、SHOTなどの特徴点を照合して位置合わせする方法が用いて大まかな位置合わせを行う。次に、点群データの計測点P1とCADモデル70の表面との距離を最小化するように微小な回転お平行移動を繰り返し、点群データとCADモデル70を精密に位置合わせする。
次に、照合部17は、位置合わせを行った点群データとCADモデル70の照合を判定する(ステップS34)。ここで、図26Aから図26Cを参照して判定処理について説明する。
図26A及び図26Bは、計測点P1とCADモデル70との距離を示す説明図である。図26Cは、計測点P1とCADモデル70との絶対距離の分布を示すグラフである。
図26Aに示すように、ステップS34の判定処理では、点群データの計測点P1とCADモデル70の表面との最小距離、すなわち絶対距離を計測点P1ごとに計算する。また、図26Bに示すように、CADモデル70からシミュレーション点群データを生成した場合では、シミュレーション点群データのシミュレーション点P2と、計測点P1との最小距離を計算する。シミュレーション点群データを用いることで、オクルージョンや形状誤差を考慮した教師データと比較することができ、判定処理の精度を高めることができる。
次に、照合部17は、図26Cに示すように、計測点P1とCADモデル70との絶対距離の分布を計算する。照合部17は、各計測点P1の最小距離の平均値μを計算し、当該平均値μが閾値K以下となる点群データとCADモデルのペアを抽出する。そして、照合部17は、抽出した点群データとCADモデルのペアのうち当該平均値μが再送のペアを照合(合致)すると判定する。これにより、照合部17による照合処理が完了する。
次に、照合部17は、照合結果を表示処理部18に出力する。そして、表示処理部18は、照合部17から出力された照合結果を画像データに変換し、表示装置4に出力し、表示部に照合結果を表示させる(ステップS20)。これにより、点群データの分類動作が完了する。
図27は、照合結果の表示例を示す図である。
図27に示すように、例えば、表示装置4の表示部の左側には、分類の対象となる点群データが三次元的に表示される。また、点群データのIDも一緒に表示される。また、表示部の右側には、点群データから推定される機器のCADデータとして、三次元のCADモデル70と、機器の名称が表示される。そして、表示部の下部には、点群データと推定したCADモデル70が重畳させて表示される。これにより、ユーザは、分類を行う点群データが、どの機器であるかを容易に確認することができる。
また、照合部17は、照合結果を、点群-CAD照合結果データベース23に格納する。これにより、次に点群データの分類動作を行う際に、この格納した照合結果を用いてシミュレーション点群データを生成することで、点群データの分類精度をより高めることができる。
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
また、上述した実施の形態例では、パラメータ最適化部14により特徴量のパラメータの最適化を行う例を説明したが、これに限定されるものではなく、パラメータの最適化を行うことなく、分割最適化部15によって分割領域の最適化処理を行ってもよい。
さらに、計測シミュレーション部16によりCADデータにオクルージョンや形状誤差を付与することでシミュレーション点群データを生成した例を説明したが、これに限定されるものではない。上述したように、分割最適化部15により点群データを機器ごとに正確に分割することができる。そのため、計測シミュレーション部16により計測シミュレーションを行わなくても、点群データの分類動作を行うことが可能である。
1…計算装置、 2…記憶装置、 3…入力装置、 4…表示装置(出力装置)、 11…データ取得部、 12…3D分割部(分割部)、 13…統計量計算部、 14…パラメータ最適化部、 15…分割最適化部、 16…計測シミュレーション部、 17…照合部、 18…表示処理部、 21…点群データベース、 22…CADデータベース、 23…点群-CAD照合結果データベース、 25…シミュレーション結果データベース、 27…形状誤差発生器、 50…機器群、 51…熱交換器、 52…空調機、 53…配管、 54…躯体、 54a…床面、 70…CADモデル、 P1…計測点、 P2…シミュレーション点、 P4…過去計測点、 R1…ボクセル、 R2…オクルージョン領域、 100…物体認識装置

Claims (8)

  1. 計測装置が機器群を計測することで作成された複数の計測点の集合である点群データが、前記計測装置から出力され、前記点群データを格納する記憶部と、
    前記記憶部から前記点群データを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部が取得した前記点群データを一次分割する分割部と、
    前記分割部により一次分割された前記点群データに対して分割領域ごとに、前記計測点の特徴量の統計量を計算する統計量計算部と、
    前記統計量計算部により計算された前記統計量に基づいて、一次分割された前記点群データを二次分割及び/又は統合する分割最適化部と、
    前記分割最適化部により二次分割及び/又は統合された前記点群データの点群と予め前記記憶部に格納された機器のモデルデータとの照合を行う照合部と、
    前記モデルデータに、死角となり前記計測装置が計測できない箇所であるオクルージョン及び/又は形状誤差を付与し、シミュレーションデータを生成する計測シミュレーション部と、
    を備え、
    前記モデルデータとしては、照合する機器のCADデータが適用され、
    前記データ取得部は、前記点群データと共に前記モデルデータを取得し、
    前記照合部は、前記シミュレーションデータを用いて、前記分割最適化部により二次分割または統合された前記点群データの点群と前記モデルデータとの照合を行う
    物体認識装置。
  2. 前記計測シミュレーション部は、
    前記モデルデータにシミュレーション点を付与することで、シミュレーション点群データを生成し、前記シミュレーション点群データに、オクルージョン及び/又は形状誤差を付与し、前記シミュレーションデータを生成する
    請求項に記載の物体認識装置。
  3. 前記統計量計算部により計算された前記分割領域ごとの前記統計量の分布を計算し、当該統計量の分布に基づいて、前記統計量の算出に必要なパラメータを調整するパラメータ最適化部をさらに備えた
    請求項1に記載の物体認識装置。
  4. 前記特徴量は、曲率、面法線ベクトルの向き又は前記計測点の色である
    請求項1に記載の物体認識装置。
  5. 前記統計量は、前記特徴量の平均又は標準偏差である
    請求項に記載の物体認識装置。
  6. 前記分割最適化部は、前記分割領域内の前記計測点の前記特徴量の平均又は標準偏差を用いて、二次分割の可否を判定する
    請求項に記載の物体認識装置。
  7. 前記分割最適化部は、2つの前記分割領域における前記計測点の距離と、前記分割領域ごとの前記計測点の前記特徴量の平均又は標準偏差を用いて、2つの前記分割領域の統合の可否を判定する
    請求項に記載の物体認識装置。
  8. 計測装置が機器群を計測することで作成された複数の計測点の集合である点群データが、前記計測装置から出力され、前記点群データを記憶部に格納する処理と、
    前記記憶部から前記点群データを取得する処理と、
    取得した前記点群データを一次分割する処理と、
    一次分割された前記点群データに対して分割領域ごとに、前記計測点の特徴量の統計量を計算する処理と、
    計算された前記統計量に基づいて、一次分割された前記点群データをさらに二次分割または統合する処理と、
    予め前記記憶部に格納された機器のモデルデータに、死角となり前記計測装置が計測できない箇所であるオクルージョン及び/又は形状誤差を付与し、シミュレーションデータを生成する処理と、
    前記シミュレーションデータを用いて、二次分割または統合された前記点群データの点群と前記モデルデータとの照合を行う処理と、
    を含み、
    前記モデルデータとしては、照合する機器のCADデータが適用され、
    前記点群データを取得する際に、前記モデルデータを取得する
    物体認識方法。
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