JP7406202B2 - 自律走行システム - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、建設現場における作業効率をより向上させることにある。
図1は、自律走行システムが適用される建設機械の構成を示す図である。
本実施の形態では、建設機械20は、ダム等の建設現場でコンクリートの打設面の清掃作業を行う清掃装置であるものとする。より詳細には、本実施の形態では、建設機械20は、図3等に示すような矩形の作業領域P内をスイーパ24により清掃する。作業領域Pは、土砂等で形成された型枠F(F1~F4)内に流し込まれたコンクリートの表面である。型枠Fは、作業領域Pに対して高さ50cm程度に形成されている。型枠Fの一部(図3では紙面上方の長辺F1の中央部)は、作業領域Pへの進入路Aを設けるため除去されている。また、矩形である作業領域Pの長辺をL、短辺をSと表記する。
すなわち、本実施の形態では、建設機械20は、所定の作業領域P全体に対して所定の作業機器(スイーパ24)を用いて所定の作業(清掃作業)を行う。また、作業領域Pは略矩形の形状を有する。
スイーパ24は、作業領域内(本実施の形態ではコンクリートの打設面上)に堆積した土砂等の除去対象物を集積する。スイーパ24は、筐体22の左右に取り付けられた2本のアーム242の一端に取り付けられている。アーム242の他端は、筐体22の後部に支軸244を介して取り付けられており、アーム242は図示しないアクチュエータの作動により、支軸244を中心に揺動可能である。よって、スイーパ24は、図1のように地面に沿って位置する第1の姿勢と、地面より高い箇所に位置する第2の姿勢とを取ることが可能である。
クローラ26は、駆動輪、遊動輪およびこれらの車輪を囲むように配置されたベルト(履帯)を備え、筐体22を所定の方向に移動させる。
IMU30を用いることによって、作業前後における建設機械20の体勢の変化量や進行方向等を把握することができる。例えば、IMU30は、建設機械20の周辺における方向を計測する方向センサとして機能する。建設機械20の方向とは、例えば所定の基準位置における建設機械20の向きに対する変位量として計測できる。
すなわち、測域センサ32は、建設機械20に取り付けられ、建設機械20と周囲の物体との距離を計測する距離センサとして機能し、また建設機械20が前進または後退する際に進行方向に位置する型枠Fの部分と衝突することを防止する衝突防止センサとして機能する。
すなわち、測域センサ33は、建設機械20の進行方向と直交する幅方向の型枠Fの形状や型枠Fまでの距離を計測する距離センサとして機能する。
なお、スイーパ24を上昇させた場合、測域センサ32Aでは前方の測定ができなくなるため、筐体22の前方にも測域センサを取り付けるようにしてもよい。
測域センサ32,33も後述するコンピュータ40(図2参照)と接続されており、各測域センサ32,33の計測結果はコンピュータ40に出力される。
自律走行システム10は、上述した建設機械20(走行機構210)、IMU30、測域センサ32の他、コンピュータ40を含んで構成される。
建設機械20の走行機構210は、エンジン202、油圧ポンプ204、コントロールバルブ206、左右の油圧モータ208(208A,208B)を含んでいる。エンジン202は、油圧ポンプ204、コントロールバルブ206、左右の油圧モータ208(208A,208B)を有する。エンジン202は、燃料の燃焼エネルギーにより回転力を発生させ、油圧ポンプ204を駆動させる。油圧ポンプ204により圧力がかけられた油(圧油)は、コントロールバルブ206を介して油圧モータ208を含む建設機械20の各部(他には、例えばスイーパ24を上げ下げするアクチュエータなど)に送られる。油圧モータ208(208A,208B)は、クローラ26の左右の駆動輪に対応してそれぞれ設けられている。コントロールバルブ206によりそれぞれの油圧モータ208A,208Bに送出する油圧を調整することにより、クローラ26の回転速度、すなわち建設機械20の走行速度や進行方向を制御することができる。
作業領域検出部400は、建設機械20で行う作業の今回の作業領域を検出する。作業領域検出部400は、例えば作業領域P上の一点で測域センサ32,33を用い、建設機械20から型枠Fまでの距離を周囲360度に渡り計測し、作業領域Pの形状を検出する。ここでは、例えば測域センサ33により作業領域Pの短辺に沿った幅を検出する。または、例えば建設機械20で作業領域P上を所定区間(例えば図3の長辺Lに沿って)走行しながら測域センサ32で型枠Fまでの距離を計測してもよい。
走行制御部404は、走行経路算出部402が算出した経路に沿って建設機械20を移動させる。すなわち、走行制御部404は、スイーパ24が作業領域P全体を通過するよう建設機械20の移動方向を制御する。走行制御部404は、具体的には走行機構210のコントロールバルブ206に制御信号を送信し、左右それぞれの油圧モータ208A,208Bに送出する油圧を調整することにより、建設機械20の移動方向や移動速度を制御する。
図3に示すように、建設機械20は、進入路Aを通り作業領域Pに進入する(S1)。作業領域Pへの誘導は、建設機械20の自動走行で行ってもよいし、遠隔操作で行ってもよい。
作業領域Pに進入した建設機械20は、測域センサ32,33を用いて作業領域Pの形状(型枠Fまでの距離)を検出する(S2)。図3の例では、作業領域Pは略矩形であることを検知し、いずれかの角部から作業を開始するよう走行経路を算出する。図3の例では、紙面右下の角部N0から紙面左方向に向かって走行するよう経路を設定する。
また、建設機械20は、IMU30を用いて建設機械20の周辺における方向を計測する(S3)。
建設機械20が作業開始地点である角部N0まで移動すると、走行制御部404は、測域センサ32,33で計測した型枠F2との距離を上記最低離間距離に保ったまま建設機械20を前進させる(S5)。すなわち、走行制御部404は、作業領域Pの長辺Lに平行に作業機器(スイーパ24)が移動するよう建設機械20の移動方向を制御する。この時、スイーパ24は、図1のように地面に沿って位置する第1の姿勢を取る。
また、この時走行制御部404は、IMU30の計測結果に基づいて、移動開始時に計測した方位を保つようにする。また、建設機械20がX,Y,Z方向に対してどれだけ傾斜しているのかについてもIMU30で計測し、建設機械20の進行方向を把握することができる。
この結果、建設機械20が型枠F3近傍まで到達した際には(S8)、型枠F3との距離(後方距離)は最低離間距離となり、型枠F2との距離はM(≒スイーパ24の幅)となる。すなわち、走行制御部404は、作業機器の幅に基づいて建設機械20の短辺方向の移動距離を制御する。これにより、既に作業した領域からずれた位置に建設機械20を配置することができる。
このように、走行制御部404は、建設機械20の前進と後退とをくり返して、スイーパ24が作業領域P全体を通過するよう建設機械20を移動させる。
その後、建設機械20が作業領域P全体を移動して作業が終了した場合、または作業途中に除去対象物でスイーパ24が満杯になった場合は、例えば遠隔操作等により建設機械20を作業領域Pの外にある除去対象物保存エリアに移動させ、スイーパ24から除去対象物を排出させる。
また、図3~図6では、型枠F4近傍(紙面左側)に到達した建設機械20を後退させて型枠F3近傍(紙面右側)に移動させるものとしたが、これに限らず、例えば型枠F4近傍で建設機械20を180度回転させて前進させることにより型枠F3近傍に移動させるようにしてもよい。
また、加速度センサや角加速度センサ、方位センサをするIMU30を更に備えることにより、建設機械20の移動をより高精度に制御することができ、建設現場における作業効率をより向上させる上で有利となる。
20 建設機械
22 筐体
24 スイーパ
26 クローラ
28 フレーム
30 IMU
32(32A,32B),33 測域センサ
40 コンピュータ
400 作業領域検出部
400 作業領域検出部
402 走行経路算出部
404 走行制御部
F(F1~F4) 型枠
P 作業領域
Claims (3)
- 長辺と短辺とを有する略矩形の形状の所定の作業領域全体に対して所定の作業機器を用いて所定の作業を行う建設機械を自律走行させる自律走行システムであって、
前記建設機械に取り付けられ、前記建設機械と周囲の障害物との距離を計測する距離センサと、
前記距離センサの計測結果に基づいて、前記建設機械の移動方向を制御する走行制御部と、を備え、
前記走行制御部は、略矩形の前記作業領域の長辺に平行に前記作業機器が移動するよう前記建設機械の移動方向を制御し、前記作業機器の幅に基づいて前記建設機械の前記短辺方向の移動距離を制御し、前記作業機器が前記作業領域の全領域を通過するよう前記建設機械の移動方向を制御する、
ことを特徴とする自律走行システム。 - 前記建設機械の周辺における方向を計測する方向センサを更に備え、
前記走行制御部は、前記方向センサの計測結果に基づいて前記建設機械の移動方向を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の自律走行システム。 - 前記建設機械の加速度を計測する加速度センサまたは前記建設機械の角加速度を計測する角加速度センサの少なくとも一方を更に備え、
前記走行制御部は、前記加速度センサまたは前記角加速度センサの少なくとも一方の計測結果に基づいて前記建設機械の移動方向を制御する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自律走行システム。
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