JP7406098B2 - 動き年齢の算出システム - Google Patents
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Description
演算装置が、身体の2種以上の動きについての主観的評価を問う質問への回答に基づいて動き年齢を算出する関係式を記憶し、当該関係式に被験者の主観的評価が反映されることにより該被験者の動き年齢を出力する動き年齢の算出システムを提供する。
(演算装置)
本発明の動き年齢の算出システムは、演算装置を備えている。演算装置としては、表計算、統計処理などを行うアプリケーションが組み込まれたパーソナルコンピュータ等を使用することができる。
主観的評価する身体の動きとしては、財団法人健康医学協会の「体力の分類」において「身体的要素」の「行動体力」としてあげられているものなどがあり、好適には巧緻性、腕力、脚力等の筋力、筋持久力、全身持久力等の持久力、平衡性、柔軟性、敏捷性、目のピントの合わせ難さ等として感じられる目の筋疲労、身体を動かす際に痛みとして感じられる関節痛等を挙げることができる。
・目のピントを合わせるのが遅くなってきた気がする
・針の穴にスムーズに糸を通せない
・運動中、思う動きやコントロールができないと感じる
・頭で思い描いていた通りの動きで運動ができない
・人混みを避けるとき、身体が思うようについてこない
(水平移動時の脚力に関して)
・歩くときの一歩が以前より小さくなった
・なんでもない所でつまずくようになった
(垂直移動時の脚力に関して)
・立ち上がるとき、手を使わずには立ち上がれなくなってきた
(水平、垂直に関わらない脚力に関して)
・子供の相手をするとき、足の筋力がなくなってきたと感じる
・日常の生活の中で足の筋力がなくなってきたと感じる
・日常の生活の中で腕の筋力がなくなってきたと感じる
(全身持久力に関して)
・時間に間に合わせようとして全力で走ることができない
(筋持久力に関して)
・片足ケンケン飛びを左右とも100歩できるかわからない
・和式トイレで用を足すのが苦手になってきた
・趣味や家事などをしていて腕が疲れやすくなったと思う
・階段を下りるのがこわくなってきた
・片足立ちで靴下をはくときヨロヨロする
(動的柔軟性(身体の動かしやすさ;身体を動かしているときに感じる柔軟性)に関して)
垂直移動に関わる動的柔軟性
・床や畳に座ったり、立ったりがスムーズにできない
・階段を軽やかに上れなくなった
水平移動に関わる動的柔軟性
・動きや立居振舞が滑らかでなくなってきた
(静的柔軟性(身体の柔らかさ;身体を動かすときに感じる柔軟性)に関して)
・背中のこわばりを感じる
・腕が上がりにくくなったと感じる
・さっと歩けなくなってきた
・普段の動きの中で、動作が鈍くなってきた
・身体の動きがきびきびしなくなった
・膝などの関節が痛くなるようになった
動き年齢の算出式では、2種以上の動きの各々についての、被験者の主観的評価を数値化した値(主観値)が代入される。
動き年齢=(A×Yej)T×Ri+YM 式(1)
(Ye1,Ye2,…,…YeP)=Ye[((P-1)/2),((P-1)/2)-1,…,((P-1)/2)-(P-1))]で表される。
ここで、寄与度Riの設定方法は限定されるものではないが、実年齢との相関性を利用して客観的に動き年齢を算出する観点では、事前にアンケート調査を実施し、各質問についての主観値と実年齢との有意な相関係数を得て、当該相関係数に依拠することが好ましい。なお、そのような事前のアンケートは、好ましくは、前記の最若齢YL近辺から最高齢YH近辺まで亘る年齢層を対象とするのが良い。
上述のように算出される動き年齢を被験者に提示すると、被験者の生活習慣の改善に役立てることができる。この生活習慣の改善方法では、例えば、被験者の生活習慣の改善についてアドバイスを行うアドバイザーが、演算装置が記憶している動き年齢の算出式の導出時に用いたアンケートの形式で、動き年齢の算出式が変数としている身体能力の評価値に関して被験者にアンケートを行い、その回答結果である評価値を演算装置に入力し、被験者の動き年齢の算出結果を得、その動き年齢を被験者に提示する。
(アンケートによる相関性の探索)
加齢に伴う生活動作の低下について主観値と実年齢との相関性を調べるため、次のようにアンケートを行った。まず、加齢に伴う生活動作の低下を表す、実感に即した表現をインターネットの書き込み、公開調査の自由記載などのオープンソースから集め、その内容を「○○という生活動作の低下を自覚している」という形式の文書で144項目にまとめた。この文書の形式を図1に示す。
前記相関性が示された11項目のうち、6項目を算出式に利用した。
この6項目を表2に示す。動き年齢を算出するにあたり、6項目の相関係数の和が1となるように各評価項目における相関係数の絶対値を調整した。この調整後の相関係数も表2に示す。
動き年齢=(A×Yej)T×Ri+YM 式(1)
ここで、式中の回答行列A(N×P)について、
・評価項目数Nは前記のとおり6とし、
・各項目について、被験者に問う主観的評価の段階数Pは5段階(あてはまる、ややあてはまる、どちらともいえない、あまりあてはまらない、あてはまらない)と設定した。
以上により、式(1)は次式のようになり、
図1の調査票において、(1)~(6)の全ての評価項目において「あてはまる」が選択された場合、回答行列Aは次式の通りとなり、動き年齢の算出値として75歳を得る。
(1)~(6)の全ての評価項目において「ややあてはまる」が選択された場合、回答行列Aは次式の通りとなり、動き年齢の算出値として61.3歳を得る。
(1)~(6)の全ての評価項目において「どちらともいえない」が選択された場合、回答行列Aは次式の通りとなり、動き年齢の算出値として47.5歳を得る。
(1)~(3)の評価項目において(1)だけが「ややあてはまる」が選択され、(2)~(6)の評価項目において「どちらともいえない」が選択された場合、回答行列Aは次式の通りとなり、動き年齢の算出値として50.7歳を得る。
(1)~(3)の評価項目において(2)だけが「ややあてはまる」が選択され、(1)、(3)~(6)の評価項目において「どちらともいえない」が選択された場合、回答行列Aは次式の通りとなり、動き年齢の算出値として49.4歳を得る。
生活習慣の指導に際し、30代~60代の被験者7名に、図1に示した調査票を用いて身体の(1)~(6)の動きについて主観値を問う質問を行い、その回答をこのシステムに入力した。
そして、算出された動き年齢に対し、コメントを得た。この結果を表3に示す。
Claims (15)
- 身体の動き全般に関する評価指標としての年齢(以下、動き年齢という)の算出機能を有する演算装置を備えたシステムであって、
演算装置が、身体の2種以上の動きについての主観的評価を問う質問への回答に基づき動き年齢を算出する関係式を記憶し、当該関係式に被験者の回答が反映されることにより該被験者の動き年齢を出力する動き年齢の算出システム。 - 質問に対する回答形式が、2~7段階からなる主観的評価を選択するものである請求項1記載の動き年齢の算出システム。
- 算出される動き年齢の下限値が10~30歳である請求項1又は2記載の動き年齢の算出システム。
- 算出される動き年齢の上限値が50~90歳である請求項1~3のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
- 質問が、巧緻性についてのものである請求項1~4のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
- 質問が、筋力に関する主観値を含む請求項1~5のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
- 筋力が脚力である請求項6記載の動き年齢の算出システム。
- 脚力が水平移動時の脚力である請求項7記載の動き年齢の算出システム。
- 質問が、持久力に関するものである請求項1~8のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
- 持久力が全身持久力である請求項9記載の動き年齢の算出システム。
- 質問が、柔軟性に関するものである請求項1~10のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
- 柔軟性が、動的柔軟性である請求項11記載の動き年齢の算出システム。
- 質問が、平衡性に関するものである請求項1~12のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
- 質問が、目の筋疲労に関するものである請求項1~13のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
- 質問が、敏捷性に関するものである請求項1~14のいずれかに記載の動き年齢の算出システム。
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