以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
本形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と、その外枠22に対して開閉可能な前扉23とを備えている。さらに、前扉23は、後述する遊技盤YUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技板1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技場(遊技店)に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技板1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。通常ボタン40は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。特殊ボタン41は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。なお、図1では図示を省略するが、通常ボタン40の左側には、上下左右を選択するためのセレクトボタン(十字キー)が設けられている。
下部装飾体36の上面のうち通常ボタン40よりも右側には、残高表示部61と、押下操作可能な球貸ボタン62と、押下操作可能な返却ボタン63と、が設けられている。残高表示部61は、カードユニットCUに現金又はプリペイドカード等が挿入されることで、球貸し可能な遊技球数に応じた数字を示すものである。球貸ボタン62(操作手段)は、押下操作されることで、残高表示部61に示されている数字を上限として、球貸しを可能にするものである。返却ボタン63は、押下操作されることで、残高表示部61に示されている数字の情報(球貸し可能な遊技球数の情報)を含むカードを、カードユニットCUから取り出すためのものである。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52(音出力手段)は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤YUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤YUは、遊技板1と、遊技板1の背面側(裏側)に取り付けられた裏ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技板1について説明する。遊技板1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技板1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技板1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技板1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1の抽選」という)および特図1(識別図柄)の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能もしくは極めて困難な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2の抽選」という)および特図2(識別図柄)の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能もしくは極めて困難である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでおり、遊技球が第2大入賞口15に入球することは不可能もしくは極めて困難である。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であると遊技球の第2大入賞口15への入球が容易となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能もしくは極めて困難であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば10R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技板1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技板1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1の抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2の抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1の抽選および特図2の抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技板1の背面に取り付けられた裏ユニット1Uについて説明する。裏ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。裏ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグメント表示装置等で構成され、図柄等を表示可能な表示画面50aを具備する。
盤上可動装置55は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤YUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図9に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」ともいう)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」ともいう)120、および、遊技球の払出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、画像表示装置50よりさらに背面側に備えている(図8参照)。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、演出制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
また電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON操作またはOFF操作により、電源の投入と遮断とが切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。非消去記憶部107(総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107c)については、後に詳述する。
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(図8参照)。7セグ表示器300は、図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されているときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定変更モードが終了して、RAMクリアが実行される。
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また主制御基板には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSや各種アクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。
また各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2Aの下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、プログラムに従って遊技球の払出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン171には、払出しを制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM、ワークメモリとして使用される払出用RAM、払出用ROMに記憶されたプログラムを実行する払出用CPU、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート部(入出力回路)が含まれている。
払出制御基板170(払出制御用マイコン171)は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73を用いて、賞球の払出しを行ったり、貸球の払出し(球貸し)を行ったりする。例えば、遊技球が第1始動口11に入球(入賞)すると、第1始動口センサ11aによる検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。これにより、遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す賞球信号を払出制御基板170に出力する。この場合、賞球信号を受信した払出制御用マイコン171は、払出用ROMに記憶されている賞球数情報に基づいて、払出装置73を用いて、第1始動口11への入球に基づく賞球(例えば3個)の払出しを行う。このとき、払出される遊技球は、その計数のため賞球センサにより検知されて、賞球センサによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100を払出制御基板170を介して外部端子板160に接続したが、主制御基板100を払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続するようにしても良い。
また払出制御基板170には、残高表示基板172が接続されている。残高表示基板172は、残高表示部61に示される数字(球貸し可能な遊技球数)の表示制御を行うものである。即ち、カードユニットCUに現金又はプリペイドカード等が挿入されると、球貸し可能な遊技球数の情報を含む信号が、払出制御基板170を介して残高表示基板172に送信される。これにより、残高表示基板172は、球貸し可能な遊技球数に応じた数字を、残高表示部61にて表示させる。こうして、残高表示部61にて、球貸し可能な遊技球数に応じた数字が表示されていれば、球貸しが実行可能であることを示していることになる。
また、球貸ボタン62に対する押下操作を検出可能な球貸ボタンセンサ62a(図6参照)が設けられている。球貸ボタンセンサ62aは、残高表示基板172と払出制御基板170とを介して、カードユニットCUに接続されている。そのため、球貸ボタンセンサ62aが、球貸ボタン62に対する押下操作を検出すると、その検出信号は、払出制御基板170を介してカードユニットCUに入力される。これにより、カードユニットCUは、払出制御基板170と払出装置73とを用いて、遊技球の球貸しを行う。つまり、払出制御用マイコン171(球貸制御部)が、カードユニットCUから球貸信号を受信することに基づいて、払出装置73を用いて貸球の払出し(球貸し)を実行する。また払出制御基板170(払出制御用マイコン171)は、球貸しされた遊技球数の情報を含む信号を残高表示基板172に送信する。これにより、残高表示基板172は、現時点で球貸し可能な遊技球数に応じた数字を新たに表示する。
また、返却ボタン63に対する押下操作を検出可能な返却ボタンセンサ63a(図6参照)が設けられている。返却ボタンセンサ63aは、残高表示基板172と払出制御基板170とを介して、カードユニットCUに接続されている。そのため、返却ボタンセンサ63aが、返却ボタン63に対する押下操作を検出すると、その検出信号は、払出制御基板170を介してカードユニットCUに入力される。これにより、カードユニットCUは、現時点で球貸し可能な遊技球数の情報を含むカードを取り出す。またこのときには、残高表示基板172が、残高表示部61にて、球貸し可能な遊技球数が無いことを示す「0」を所定秒間だけ表示して、その後に残高表示部61にて何も表示させない。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100と演出制御基板120との接続は、主制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、および、サブ側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、演出制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。演出制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、演出制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40a、特殊ボタン検出スイッチ41a、セレクトボタン検出スイッチが含まれている。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。また演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、ハンドル回転検出センサ42aが含まれている。ハンドル回転検出センサ42aは、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への回転操作を検知(検出)するものであり、ハンドル72kの内部に設けられている。そのため、ハンドル72kが回転操作された場合には、ハンドル回転検出センサ42aがハンドル72kへの回転操作を検知し、検知信号を演出制御基板120に出力する。なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータが含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置55、56、58の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置55、56、58の動作を制御する。なお、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置55、56、58の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、演出制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図10~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図11(A)に示すような1または複数の当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、遊技状態には非時短状態と時短状態とが含まれ、当たり判定テーブルとして、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図11(B)に示すような1または複数の普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技は、補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に基づいて、図11(C)に示すような1または複数の補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1の抽選を行う。特図1の抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1の抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1の抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2の抽選を行う。特図2の抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2の抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2の抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図12(A)に示すような1または複数の大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とが含まれ、大当たり判定テーブルは、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルとして、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と、高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図12(B)に示すような1または複数の大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)と、を区別することが可能である。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図12(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Xが50%、大当たり図柄Yが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Zが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1の抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2の抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図12(C)に示すような1または複数のリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ成立乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ成立乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、図13~図14に示すような1または複数の特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図13)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図14)と、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果またはリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図13~図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図13~図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」という。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図15に示すような1または複数の先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、を区別することが可能である。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図16に示すような1または複数の大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図16に示すように、1Rから9Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、10R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.00秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図13~図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。なお、通常遊技状態以外の遊技状態として、「高確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確率状態」、「時短状態」、「高ベース状態」、「大当たり遊技状態」を、遊技者に特典が付与されている「特典遊技状態」と呼ぶことができる。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図18~図24を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図18(A-1)に示すように、表示画面50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図18(A-2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示画面50aの輝度設定(「光量設定」)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」)などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図18(B-1)に示すように、表示画面50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図18(B-2)に示すように、表示画面50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図18(B-3)に示すように、表示画面50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。表示画面50aに昼間通常用背景画像G102又は夕方通常用背景画像G103或いは夜間通常用背景画像G104が表示される演出を、「通常モード演出」ということができる。通常モード演出を見ている遊技者には、遊技状態が通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)に制御されていることを把握させることができる。なお、通常演出モードは、「高確率低ベース遊技状態」でも設定されて、「通常モード演出」が、「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときにも実行されるようにしても良い。又は、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図18(B-4)に示すように、表示画面50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。表示画面50aに確変用背景画像G105が表示される演出を、「確変モード演出(有利演出)」ということができる。確変モード演出を見ている遊技者には、遊技状態が高確高ベース状態(高確率状態且つ時短状態)に制御されていることを把握させることができる。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図18(B-5)に示すように、表示画面50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。また表示画面50aの右上部において低確高ベース状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数が示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。表示画面50aに時短用背景画像G106が表示される演出を、「時短モード演出」ということができる。時短モード演出を見ている遊技者には、遊技状態が低確高ベース状態(通常確率状態且つ時短状態)に制御されていることを把握させることができる。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図18(C-1)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図18(C-2)に示すように、表示画面50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109と払出された賞球数を示唆する賞球数画像G110と街を表す背景画像(ラウンド用背景画像G114)が表示されるラウンド演出(有利演出)が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C-3)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や、大当たり遊技状態で払出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、例えば1~9の数字図柄で構成され、演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図19(A)に示すように、表示画面50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図19(A)に示すように、表示画面50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、例えば、1~9の数字図柄で構成される。
なお、図19(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図19(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3(以下、「演出図柄EZ1、EZ2、EZ3」又は「演出図柄EZ」とも呼ぶ)が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図19(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。なお、図19中の「↓」は、図柄の変動表示中であることを示している。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図19(C-1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図19(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。ハズレを示唆する停止態様には、「1・1・2」や「2・4・6」など、左右の図柄が同一ではない停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図19(C-2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図20(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図20(C-1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もリーチハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。リーチハズレを示唆する停止態様には、「7・6・7」や「5・3・5」など、左右の図柄が同一且つ中の図柄が左右の図柄と異なる停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図20(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。大当たりを示唆する停止態様には、「7・7・7」や「2・2・2」など、左右中の図柄が同一の停止態様が複数種類ある。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図21(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図21(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図21(C-1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C-2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度、当選期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図22(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が「1」の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図22(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が「0」のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図22(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図22(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が「1」であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、ボタン40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示画面50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、特殊ボタン41の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図24(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示画面50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図24(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、遊技者から見て、盤上可動体55kが表示画面50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。例えば、特図変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様を変化させることも可能である。
5.7セグ表示器での表示
次に、7セグ表示器300(図9参照)での表示について説明する。7セグ表示器300では、通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数と通常遊技状態で遊技者が発射した通常発射球数との割合である通常ベースが百分率(%)の値として表示される。なお7セグ表示器300では、通常ベース以外のベース(時短状態で遊技者が獲得した時短総賞球数と時短状態で遊技者が発射した時短発射球数との割合である時短ベース、大当たり遊技状態で遊技者が獲得した大当たり総賞球数と大当たり遊技状態で遊技者が発射した大当たり発射球数との割合である大当たりベース)が表示されることはない。
ここで、遊技制御用マイコン101は、通常発射球数と、通常総賞球数と、総発射球数と、を常にカウントするようになっている。総発射球数とは、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において、遊技者が発射した発射球数のことである。総発射球数は、遊技制御用マイコン101が排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常発射球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態に限って排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常総賞球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態で払出す賞球数をカウントすることで算出される。
7セグ表示器300での表示のためにカウントされた通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報とは、遊技用RAM104の非消去記憶部107(図6参照)の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている。従って、RAMクリアが実行されても、通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報は維持される(消去されない)。こうして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、電源遮断時の通常発射球数と電源遮断時の通常総賞球数とを用いて、通常ベースを演算することができる。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態に拘わらず(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態などにおいて)、通常ベースの値を、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340(図9参照))で表示する。
ここで、通常ベースは、総発射球数が60000発毎に区切って演算される。つまり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000発になるまでに演算された通常ベースは、最初の通常ベースとなる。その後、総発射球数が60001発を超えると、最初の通常ベースだった値は、1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が60001発から120000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が120001発を超えると、1回前の通常ベースだった値は2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が120001発から180000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。
その後、総発射球数が180001発を超えると、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が180001発から240000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が240001発を超えると、3回前の通常ベースだった値は消去され、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が240001発から300000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。以後同様に、総発射球数が60000発毎に通常ベースが演算されて、3回前の通常ベースの値までが記憶される。
こうして、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の非消去記憶部107にて、現在の通常ベース、1回前の通常ベース、2回前の通常ベース、3回前の通常ベースを最大で記憶させておくことができる。この場合、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、現在の通常ベース⇒1回前の通常ベース⇒2回前の通常ベース、⇒3回前の通常ベース⇒現在の通常ベースを5秒間毎に切替えて表示するようになっている。
具体的に、7セグ表示器300では、左2桁(第1表示領域310と第2表示領域320(図9参照))で「bL」が示されるときに、右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340)で現在の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「bL」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、現在の通常ベースであることを把握することができる。
そして、現在の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b1」が示されると共に、右2桁で1回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b1」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、1回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、1回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b2」が示されると共に、右2桁で2回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b2」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、2回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、2回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b3」が示されると共に、右2桁で3回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b3」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、3回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、3回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、上述したように、左2桁で「bL」が示されると共に、右2桁で現在の通常ベースが表示されて、以後同様に繰返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が300球以下であると、右2桁に「--」が表示される。つまり、総発射球数が300球以下では、通常ベースの値が表示されず、総発射球数が300球を超えてから、通常ベースの値が表示される。こうして、総発射球数が300球以下である場合には、通常ベースの分母の値(通常発射球数)が小さ過ぎることで、信頼性の低い通常ベースの値を表示することを回避している。なお、総発射球数が300球以下であっても、7セグ表示器300の左2桁では、「bL」⇒「b1」⇒「b2」⇒「b3」の表示が5秒間毎に繰り返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球以下であると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点滅態様になる。その後、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球を超えると、左2桁で示される「bL」が点灯態様になる。そして、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000以上になると、左2桁で示される「b1」が点灯態様になり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が120000以上になると、左2桁で示される「b2」が点灯態様になり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が120000以上になると、左2桁で示される「b3」が点灯態様になる。こうして、7セグ表示器300で通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点滅態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値が未だ十分に収束していない値であることを把握させることが可能である。言い換えると、通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点灯態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値がある程度収束している値であることを把握させることが可能である。
また7セグ表示器300では、電源投入後に設定モードに移行すると、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示される。その後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ回転操作されると、設定モードが終了して、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示されなくなる。こうして、設定モードに設定されている間に限り、7セグ表示器300の第4表示領域340で、設定値が示される。
また7セグ表示器300では、電源が投入されてから通常ベースの表示が開始されるまでの間に、初期表示が行われる。なお上述したように、電源投入後に設定モードに移行する場合には、設定変更モードが終了した後に、初期表示が実行される。7セグ表示器300での初期表示は、第1表示領域310から第4表示領域340までに含まれている全ての点灯部分LB1~LB32(図9参照)が点灯する。つまり、7セグ表示器300において「8.8.8.8.」が示される。こうして、電源投入直後に、7セグ表示器300で初期表示が実行されることで、7セグ表示器300が正常に動作することが示される。なお、上記では、遊技制御基板100上に7セグ表示器300が設けられていて、遊技制御用マイコン101により7セグ表示器300での表示制御がされる場合を示したが、払出制御基板170上に7セグ表示器が設けられていて、払出制御用マイコン171により7セグ表示器での表示制御がされるようにしても良い。
6.過賞球防止機能
次に、過賞球防止機能について説明する。本パチンコ遊技機PY1では、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能を作動できるようになっている。具体的に、過賞球防止機能は、差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に、遊技を実行不能にする機能である。ここで、差玉数(特定計測数)とは、総賞球数と総発射球数との差のことである。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払出される)賞球数のことである。なお総賞球数は、遊技制御用マイコン101が遊技者に払出す予定の賞球数の合計を意味しているが、遊技者に実際に払出された賞球数の合計を意味していても良い。総発射球数は、上述したように、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算して、差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
よって、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、非消去記憶部107に記憶されている総賞球数の情報と総発射球数の情報と差玉数の情報とを消去しない。こうして、遊技制御用マイコン101は、電源遮断時の総賞球数と電源遮断時の総発射球数とを用いて、日付を跨いで差玉数を演算することができる。なお遊技制御用マイコン101は、総発射球数の値が総賞球数の値よりも大きい場合には、差玉数をマイナスの値として扱うようになっている。
本形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(後述するステップS102~S108の処理、図32参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(後述するステップ109の処理、図32参照)も停止させる。従って、遊技者は、ハンドル72kを回転操作しても、遊技球が発射されないことで、遊技ができない状況にすぐに気づくことができる。なお、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を停止することで、各種センサ類MSから検知内容に応じた信号を受信しなくなり、表示器類8及び7セグ表示器300の表示制御を実行しなくなり、各種アクチュエータ類MAを作動させなくなり、払出制御基板170を介して外部端子板160に外端信号を出力しなくなる。
過賞球防止機能が作動した後、遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。本形態では、過賞球防止機能の作動は、RAMクリアが実行されること条件に解除される。つまり、過賞球防止機能が作動した後、遊技場の従業員は電源スイッチ193のOFF操作により電源を遮断する。そして、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作により電源を投入するときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作する。これにより、RAMクリアが実行されることで、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。こうして、本形態では、過賞球防止機能が作動した後、電源のOFF及びON(再投入)だけでは遊技を再開することができず、RAMクリアが実行されることで遊技を再開することができる。
次に、過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図25に基づいて説明する。過賞球防止機能は、差玉数が80000以上であることを条件に、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると作動する。つまり、差玉数が80000に達したタイミングで、必ず過賞球防止機能が作動するわけではない。本形態では、有利遊技状態とは、大当たり遊技後の高確高ベース状態、又は大当たり遊技後の低確高ベース状態のことである。
例えば図25(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図25(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。続いて、この大当たり遊技状態から高確高ベース状態に移行するタイミングでも、過賞球防止機能が作動しない。その後、図25(C)に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって有利遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
本形態では、差玉数の情報は、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されていて、電源のOFF及びONによって、差玉数がリセット(クリア)されることはない。そして上述したように、電源投入時にRAMクリアが実行されても、差玉数がリセットされることはない。これは、以下の理由に基づく。
パチンコ遊技機PY1では、営業時間内であっても、バグや故障、重度の不正等によって、電源のOFF及びON(再投入)、又はRAMクリアを実行する状況がある。このような状況の場合、仮に、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされてしまうと、過賞球防止機能を設けた意味が損なわれてしまう。つまり、バグや故障、重度の不正が生じた方が、その後に遊技を再開する遊技者にとって、過賞球防止機能が作動し難くなるという不当な利益を与えるおそれがある。そこで本形態では、遊技者に上記した不当な利益を与えないようにするため、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされないようにしている。
次に、差玉数がリセットされる条件について、図26に基づいて説明する。本形態では、差玉数がリセットされるリセット条件は、2つある。第1のリセット条件は、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることである。つまり、遊技制御用マイコン101は、特別リセットスイッチ181が押下操作されたことに基づく信号を受信すると、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がリセット(クリア)されるときには、併せて、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報及び総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報もリセットされるが、以下では、単に「差玉数がリセット(クリア)される」と呼ぶことにする。なお、図26(A)では、客待ち状態において、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる場合が示されているが、どの遊技状態(例えば通常遊技状態)であっても、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる。
第2のリセット条件は、図26(A)に示すように、客待ち状態が1時間(所定時間)継続することである。つまり、客待ち状態に移行してから遊技がそのまま1時間行われないと、遊技制御用マイコン101が、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお客待ち状態は、遊技が実行されずに特別図柄が停止表示されたままの遊技状態のことである。
上記2つのリセット条件が設けられているのは、以下の理由に基づく。例えば、図26(A)(B)に示すように、或る遊技者の遊技によって、大当たり遊技状態にて差玉数が70000に達したこととする。その後、或る遊技者は、大当たり遊技状態から高確高ベース状態を経て通常遊技状態に移行すると、遊技を終了したこととする。この場合、次に遊技を開始する遊技者にとっては、差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況であり、非常に不利になっている。
そこで本形態では、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされる。これにより、遊技場の従業員は、或る遊技者の遊技を終了した後、任意のタイミングで、特別リセットスイッチ181を押下操作して、差玉数をリセットすることができる。また図26(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続すれば、遊技者が遊技を終了させた状況と判断して、差玉数が自動的にリセットされる。これにより、遊技場の従業員にリセットのための操作負担をかけることなく、差玉数をリセットすることができる。こうして、上記2つのリセット条件を設けることで、次に遊技を開始する遊技者が、遊技を開始してすぐに過賞球防止機能が作動してしまい、非常に不利になるのを防ぐことが可能である。
次に、過賞球防止機能が作動するときの演出態様について、図27(A)に基づいて説明する。過賞球防止機能が作動すると、図27(A)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、図27(A)に示す演出態様により、遊技者には、遊技が実行できない状況をすぐに認識させることが可能である。なお、図27(A)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。そして、図27(A)に示す演出態様は、RAMクリアが実行されると解除されるが、電源の再投入だけでは、そのまま継続される。
ここで、本パチンコ遊技機PY1において、不正な磁気が検知されたときについて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、磁気センサは、磁気検知に応じた信号を主制御基板100に出力する。これにより、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能を作動させるときと同様に、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を停止させる。こうして、磁気検知によって遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動した場合と異なり、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。
続いて、不正な磁気が検知されたときの演出態様について、図27(B)に基づいて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、図27(B)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラー1 磁気検出異常 電源を再投入してください」を示すエラー解除方法画像ER1が表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、過賞球防止機能が作動するときの演出態様(図27(A)参照)と、不正な磁気が検知されたときの演出態様(図27(B)参照)とを比較すると、解除方法画像以外は、同じである。よって、遊技場の従業員又は遊技者に対して、不正な磁気が検知されたときと、過賞球防止機能が作動したときとで、共に遊技が実行不能な状況であるということを認識させ易くすることが可能である。
次に、差玉数が70000(事前基準数、特定数)に達した場合の演出態様について、図28(A)に基づいて説明する。前提条件として、図25(A)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図28(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109と賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114とが表示されるラウンド演出が実行されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況(差玉数が80000に近づいている状況)を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、80000に到達するまでの残りの差玉数を随時示すようにして、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
続いて、差玉数が80000(基準数)に達した場合の演出態様について、図28(B)に基づいて説明する。前提条件として、図25(B)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図28(B)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109と賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114と表示されるラウンド演出が実行されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「高ベース状態終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、遊技停止予告画像KHは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。この遊技停止予告画像KHの表示が、「遊技不能予告演出」に相当する。
こうして本形態では、差玉数が80000以上になると、図28(B)に示す遊技停止予告画像KHの表示により、高確高ベース状態又は低確高ベース状態が終了すると(通常遊技状態に移行すると)遊技が実行不能になることが予告される。これにより、遊技者には、遊技が実行不能になる状況であることを事前に認識させると共に、いつ遊技が実行不能になるかを事前に把握させることが可能である。その結果、高確高ベース状態又は低確高ベース状態が終了したときに、いきなり遊技が実行不能になっても、遊技者を困惑させないようにすることが可能である。
また本形態では、上述したように、差玉数が70000以上になると、遊技が実行不能になることに近づいていることを予告する過賞球予告画像KY(図28(A)参照)が表示される。その後、差玉数が80000以上になると、遊技が実行不能になることを予告する遊技停止予告画像KH(図28(B)参照)が表示される。こうして、遊技者には、遊技が実行不能になる状況を事前に段階的に把握させて、現時点での状況を把握させ易くすることが可能である。
ここで、図25(A)に示すタイミングで差玉数が70000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図29(A)に示す通りである。即ち、図29(A)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示される確変モード演出が実行されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、紫縁画像EFaが表示されている。この紫縁画像EFaにより、遊技者には、差玉数が70000に達して、過賞球防止機能が作動する状況が近づいていることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
また、図25(B)に示すタイミングで差玉数が80000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図29(B)に示す通りである。即ち、図29(B)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示される確変モード演出が実行されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、赤縁画像EFbが表示されている。この赤縁画像EFbにより、遊技者には、差玉数が80000に達して、高ベース状態が終了することにより過賞球防止機能が作動する状況を把握させつつ、遊技させることが可能である。
次に、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされた場合の演出態様について説明する。この場合には、遊技場の従業員が、前扉23を外枠22に対して開放していて、特別リセットスイッチ181を押下操作した状況になる。そのため、前扉開放センサが前扉23の開放を検知していて、表示画面50aでは、図30(A)に示すように、「エラー2 前扉を閉めて下さい」を示すエラー解除方法画像ER2が表示される。そして、このときには、表示画面50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
続いて、図26(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続した場合の演出態様について説明する。この場合には、表示画面50aでは、客待ちデモ動画G100が表示されている。そして、このときには、図30(B)に示すように、表示画面50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
7.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図31~図47に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図31に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず電源投入時処理を行う(ステップS001)。
電源投入時処理(S001)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等、初期設定を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお電源投入時処理(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
この電源投入時処理(S001)において、後述する遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されると、OFFに切替わる。一方、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されなければ、ONのままとなる。つまり、電源の再投入だけでは、遊技停止フラグの状態は変わらない。こうして、過賞球防止機能の作動によって、遊技停止フラグがONになった後、RAMクリアが実行されるか否かによって、遊技が再開されるか否かが決まる。
電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図32に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S101)。遊技停止フラグは、過賞球防止機能が作動することよりONされるものである。遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102~S113の処理がパスされる。これにより、遊技が実行不能になる。一方、遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、続いて、後述する入力処理を実行する(S102)。
次に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S103)。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図31の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。続いて、センサ検出処理を実行する(S104)。
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
遊技制御用マイコン101は、図32に示すセンサ検出処理(S104)の次に、普通動作処理を実行する(S105)。普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
遊技制御用マイコン101は、図32に示す普通動作処理(S105)の次に、後述する差玉数計測処理(S106)、後述する特別動作処理(S107)を実行する。続いて、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を実行する(S108)。
次に、遊技制御用マイコン101は、遊技球の発射を制御するための発射制御処理を実行する(S109)。つまり、発射制御処理(S109)が実行されることで、遊技者はハンドル72kへの回転操作により、遊技球を発射させることができる。一方、発射制御処理(S109)が実行されなければ、遊技者はハンドル72kを回転操作しても、遊技球を発射させることができない。
続いて、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300の表示を制御するための7セグ表示制御処理を実行する(S110)。次に、磁気検知によるエラー(不正)や前扉23又は前枠23mの開放によるエラーなどを判断するためのエラー処理を実行する(S111)。エラー処理(S111)では、磁気センサによって不正な磁気が検出されたか否か判定する。そして、当該処理の結果に応じて、磁気センサ用コマンドを生成する。またエラー処理(S111)では、前扉開放センサ又は前枠センサによって、前扉23又は前枠23mが開放しているか否かを判定する。そして、当該処理の結果に応じて、枠開放用コマンドを生成する。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する出力処理を実行する(S112)。続いて、その他の処理を実行する(S113)。その他の処理(S113)として、例えば、特図保留数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したり、タイマの更新などを行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、電源が断たれる際の電源断監視処理を実行して(S114)、本処理を終える。電断断監視処理(S114)では、遊技制御用マイコン101は、監視電圧の低下により電源が遮断されると判断すると、遊技情報、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報、遊技停止フラグの情報等が、遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納する。その後、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う。
[入力処理]図33に示すように、入力処理(S102)ではまず、特別リセットスイッチ181がONか否か、即ち、特別リセットスイッチ181への押下操作に基づく信号を受信したか否かを判断する(S201)。ONでなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、ONであれば(S201でYES)、非消去クリア処理を実行する(S202)。非消去クリア処理(S202)では、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。なお、非消去クリア処理(S202)が実行されても、非消去記憶部107の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている総発射球数の情報はクリアされない。この総発射球数の情報は、上述したように、7セグ表示器300での表示のために用いられるためである。
ステップS202に続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S203)、ステップS204に進む。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(A)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。ステップS204では、その他の処理を実行して、本処理を終える。その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
[差玉数計測処理]図34に示すように、差玉数計測処理(S106)ではまず、遊技者に払出す総賞球数をカウントする総賞球数カウント処理を実行する(S301)。カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。次に、排出口センサによる検知に基づいて、総発射球数をカウントする総発射球数カウント処理を実行する(S302)。カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして、総賞球数に対して総発射球数を減算して、差玉数を演算する差玉数演算処理を実行する(S303)。演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。なお差玉数演算処理(S303)において、遊技制御用マイコン101は、演算された差玉数の情報を含む差玉数コマンドを演出制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121に差玉数を逐次把握させるようにしても良い。
続いて、ステップS304では、過賞球予告フラグがOFFか否かを判断する。過賞球予告フラグは、差玉数が70000以上であることを示すものである。ONであれば(S304でNO)、ステップS308に進む。一方、OFFであれば(S304でYES)、差玉数が70000以上であるか否かを判定する(S305)。70000未満であれば(S305でNO)、ステップS308に進む。これに対して、70000以上であれば(S305でYES)、過賞球予告フラグをONにして(S306)、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。これにより、過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYが表示される。
続いて、ステップS308では、過賞球フラグがOFFか否かを判断する。過賞球フラグは、差玉数が80000以上であることを示すものである。ONであれば(S308でNO)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S308でYES)、差玉数が80000以上であるか否かを判定する(S309)。80000未満であれば(S309でNO)、本処理を終える。これに対して、80000以上であれば(S309でYES)、過賞球フラグをONにする(S310)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。これにより、過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHが表示される。
[特別動作処理]図35に示すように特別動作処理(S107)では、特図表示器81及び大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図36に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1416)。客待ちフラグは、客待ち状態であることを示すものである。ONであれば(S1416でYES)、後述する客待ち計測処理を実行して(S1419)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S1416でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1417)、客待ちフラグをONにして(S1418)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFにする(S1414)。そして、客待ちカウンタの値を「0」にクリア(リセット)する客待ちカウンタクリア処理を実行して(S1415)、本処理を終える。客待ちカウンタは、遊技用RAM104に設けられていて、客待ち状態が継続している時間を計測するためのものである。なお、客待ちカウンタの値は、RAMクリアの実行の有無に拘わらず、電源の再投入によってクリアされる。
[客待ち計測処理]図37に示すように、客待ち計測処理(S1419)ではまず、客待ちカウンタの値を増加させる客待ちカウンタ増加処理を実行する(S1420)。これにより、遊技制御用マイコン101は、客待ちカウンタの値に基づいて、客待ち状態が継続している時間を把握することができる。続いて、客待ち状態が1時間以上継続しているか否かを判定する。継続していないと判定すれば(S1421でNO)、本処理を終える。一方、継続していると判定すれば(S1421でYES)、上述したステップS202の処理(図33参照)と同様、非消去クリア処理を実行する(S1422)。これにより、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。
続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S1423)、本処理を終える。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(B)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図38に基づいてまとめて説明する。図38に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、特別図柄乱数(大当たり乱数)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の特図2保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の特図1保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図12(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「1219」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「2499」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して、図12(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データを、遊技用RAM104に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図39及び図40に基づいてまとめて説明する。図39に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1603)。
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図12(C)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「29」であり、時短状態であれば「0」~「9」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている(図13又は図14参照)。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図40に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602~S1606と同様の流れで処理(S1607~S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図13又は図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1611)。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図39に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S112)により演出制御基板120に送られる。
[特別図柄変動中処理]図41に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特図変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる特図変動時間、図13又は図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、特図変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図42に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる停止時間)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図16参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)では、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図43に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1だけ減少させて(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1だけ減少させて(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2012に進む。
ステップS2009では、過賞球フラグがONか否かを判定する。つまり、差玉数が80000以上になっているか否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S2009でNO)、ステップS2012に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S2009でYES)、遊技停止フラグをONにして(S2010)、ステップS2011に進む。こうして、差玉数が80000以上になっていて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。
ステップS2011では、遊技停止報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、ステップS2012に進む。これにより、遊技停止報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図27(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
ステップS2012では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]特別電動役物処理は、大当たり遊技の実行のための処理である。図44に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(図16参照)に基づく大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域16への通過が可能な10R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。10R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、10R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たりの10R目における第2大入賞口15の開放中及び第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図16参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるように通常AT開閉部材14kが開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、遊技球が第2大入賞口15に入賞しても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対する通常AT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
続いてステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2703での大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2702において、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中であれば、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図16参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、大当たりフラグをOFFにする(S2720)。続いて、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2721)、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図45に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2801)。ONであれば(S2801でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2802)、時短フラグをONにする(S2803)。これにより、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御されることになる。続いて、確変カウンタに「160」をセットすると共に(S2804)、時短カウンタに「160」をセットして(S2805)、ステップS2808に進む。これにより、ST回数が160回であり且つ時短回数が160回である高確高ベース状態に制御されることになる。
一方、ステップS2801において、VフラグがONでないと判定すれば(S2801でNO)、時短フラグをONにする(S2806)。即ち、このときには確変フラグをONにしない。これにより、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御されることになる。続いて、時短カウンタに「100」をセットして(S2807)、ステップS2808に進む。即ち、これにより、時短回数が100回である低確高ベース状態に制御されることになる。
ステップS2808では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[出力処理]図46に示すように、出力処理(S112)では、後述する外端信号出力処理を実行する(S3001)。続いて、その他の出力処理(S3002)として、上述した各処理において遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170に出力して、本処理を終える。
[外端信号出力処理]図47に示すように、外端信号出力処理(S3001)では、過賞球予告フラグがONであるか否かを判定する(S3101)。つまり、差玉数が70000に達した状況か否かを判定する。過賞球予告フラグがONでなければ(S3101でNO)、ステップS3103に進む。一方、過賞球予告フラグがONであれば(S3101でYES)、過賞球予告用外端信号出力処理を実行して(S3102)、ステップS3102に進む。過賞球予告用外端信号出力処理(S3102)では、差玉数が70000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球予告用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況を把握させることが可能である。
ステップS3103では、過賞球フラグがONであるか否かを判定する。つまり、差玉数が80000に達した状況か否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S3103でNO)、ステップS3105に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S3103でYES)、過賞球用外端信号出力処理を実行して(S3104)、ステップS3105に進む。過賞球用外端信号出力処理(S3104)では、差玉数が80000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が80000に達していて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると遊技が実行不能になる状況を把握させることが可能である。
ステップS3105では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。つまり、遊技が実行不能になった状況か否かを判定する。遊技停止フラグがONでなければ(S3105でNO)、ステップS3107に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S3105でYES)、遊技停止用外端信号出力処理を実行して(S3106)、ステップS3107に進む。遊技停止用外端信号出力処理(S3106)では、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になったことを示す外端信号(以下「遊技停止用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、遊技停止用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になった状況を把握させることが可能である。
ステップS3107では、ステップS203に示す非消去クリア処理、又はステップS1422に示す非消去クリア処理が実行されたか否かを判定する。即ち、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされたか否かを判定する。非消去クリア処理が実行されていなければ(S3107でNO)、ステップS3109に進む。一方、非消去クリア処理が実行されていれば(S3107でYES)、リセット用外端信号出力処理を実行して(S3108)、ステップS3109に進む。リセット用外端信号出力処理(S3108)では、差玉数がリセットされたことを示す外端信号(以下「リセット用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、リセット用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数がリセットされた状況を把握させることが可能である。なお主制御基板100には、専用の信号線が接続されていて、この専用の信号線を介して、過賞球予告用外端信号、過賞球用外端信号、遊技停止用外端信号、リセット用外端信号が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。
8.演出制御用マイコンの動作
次に、図48~図50に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図48に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53や盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図49に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理(S4101)では、通常ボタン検出スイッチ40a、特殊ボタン検出スイッチ41a、セレクトボタン検出スイッチなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理(S4102)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)を参照する。そして、発光データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理(S4103)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを参照する。そして、駆動データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58を所定の動作態様で動作させる。ウォッチドッグタイマ処理(S4104)では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図50に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理(S4202)では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理(S4202)では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理(S4203)では、入力処理(S4101)や受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161の制御とが行われる。演出用データ作成処理(S4204)では、受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
9.操作注意喚起演出
次に、操作注意喚起演出について説明する。本パチンコ遊技機PY1では、過賞球防止機能が作動する、又は不正な磁気が検知されると(所定の停止条件が成立すると)、遊技が実行不能な状況になる。つまり、遊技制御処理及び発射制御処理が停止する。このとき、遊技が実行不能な状況にも拘わらず、遊技者が状況を正確に把握できておらず、ハンドル72k(発射操作手段)への回転操作を継続するおそれがある。そこで本形態では、遊技が実行不能になった後、遊技者のハンドル72kへの回転操作に基づいて、遊技球の発射を停止することへの注意を促す操作注意喚起演出を実行するようになっている。この操作注意喚起演出により、遊技者に無駄玉を発射させないことが可能である。
図51は、過賞球防止機能が作動した後に、操作注意喚起演出(注意喚起演出)が実行される場合を示す図である。先ず、前提条件として、遊技者がハンドル72kへの回転操作を行っておらず、過賞球防止機能が作動したこととする。この場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から遊技停止報知コマンド(S2011参照)を受信することで、過賞球防止機能が作動したことを把握する。そして、演出制御用マイコン121は、図51(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像REとエラー解除方法画像ERXとを表示し、スピーカ52から遊技停止音を出力する。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54を全て消灯させる。
その後、遊技者がハンドル72kへの回転操作を行うと、演出制御用マイコン121は、ハンドル回転検出センサ42a(図7参照)から検知信号を入力する。これにより、演出制御用マイコン121は、図51(B)に示すように、表示画面50aにて赤背景画像REとエラー解除方法画像ERXとが表示されている状態で、操作注意喚起演出を実行する。つまり、表示画面50aにて「ハンドルを回さないで下さい」を示す操作注意喚起画像HTを表示する。更に、スピーカ52から「ハンドルを回さないで下さい」という音声を出力して、枠ランプ53及び盤ランプ54を全て赤色で全点灯させる。この操作注意喚起演出により、遊技者には、遊技球を発射させる状況でないことをより強く意識させることが可能である。
その後、遊技者がハンドル72kへの回転操作を止めると、演出制御用マイコン121は、ハンドル回転検出センサ42a(図7参照)から検知信号を入力しなくなる。これにより、演出制御用マイコン121は、図51(C)に示すように、操作注意喚起演出を止める。こうして本形態では、過賞球防止機能が作動した後、遊技者がハンドル72kへの回転操作を行っている間に限り、操作注意喚起演出が実行される。
図52は、不正な磁気が検知された後に操作注意喚起演出(注意喚起演出)が実行される場合を示す図である。先ず、前提条件として、遊技者がハンドル72kへの回転操作を行っておらず、不正な磁気が検知されたこととする。この場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から不正な磁気が検知されたことを示す磁気検知コマンドを受信する。これにより、演出制御用マイコン121は、図52(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像REとエラー解除方法画像ER1とを表示し、スピーカ52から遊技停止音を出力する。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54を全て消灯させる。
その後、遊技者がハンドル72kへの回転操作を行うと、演出制御用マイコン121は、ハンドル回転検出センサ42a(図7参照)から検知信号を入力する。これにより、演出制御用マイコン121は、図52(B)に示すように、表示画面50aにて赤背景画像REとエラー解除方法画像ER1とが表示されている状態で、操作注意喚起演出を実行する。つまり、表示画面50aにて「ハンドルを回さないで下さい」を示す操作注意喚起画像HTを表示する。更に、スピーカ52から「ハンドルを回さないで下さい」という音声を出力して、枠ランプ53及び盤ランプ54を全て赤色で全点灯させる。この操作注意喚起演出により、遊技者には、遊技球を発射させる状況でないことをより強く意識させることが可能である。
その後、遊技者がハンドル72kへの回転操作を止めると、演出制御用マイコン121は、ハンドル回転検出センサ42a(図7参照)から検知信号を入力しなくなる。これにより、演出制御用マイコン121は、図52(C)に示すように、操作注意喚起演出を止める。こうして本形態では、不正な磁気が検知された後、遊技者がハンドル72kへの回転操作を行っている間に限り、操作注意喚起演出が実行される。
10.本形態の作用効果
以上説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態又は低確高ベース状態の途中で、突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、遊技者に対して遊技を止めやすいタイミングで遊技を中止させつつ、過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機PY1を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が80000以上であって、高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって、高ベース状態が終了した後で持ち球が減っていくような状況になる前に、遊技を中止させることが可能である。つまり、高ベース状態から通常遊技状態に移行した後では、総発射球数が増加していき、差玉数が80000未満になる状況も想定され得る。よって、上記した状況が生じないように、高ベース状態が終了したタイミングで、遊技を中止させることが可能である。
ところで、差玉数が80000になる前に、或る遊技者が遊技を止めて、後で遊技を行う遊技者が遊技を開始してからすぐに、差玉数が80000以上になると、酷な事態となる。そこで、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入を契機としないリセット条件の成立に基づいて、計測された差玉数がリセットされる。具体的には、特別リセットスイッチ181が押下操作されること、又は客待ち状態が1時間継続することで、差玉数がリセットされる。これにより、後で遊技を行った遊技者に対して、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることができて、酷な事態となるのを防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技場の従業員が、電源投入時にRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される一方、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されない。従って、営業時間中に、不具合等によって遊技情報を消去しなければならない状況でも、計測された差玉数を消去しないようにすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、RAMクリアが実行されても、計測された差玉数が消去されない。しかしながら、遊技場の従業員が特別リセットスイッチ181を押下操作することで、計測された差玉数を消去できる。こうして、遊技場の従業員は、任意のタイミングで、計測された差玉数を消去することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が80000以上になると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、遊技が実行不能になることを予告する遊技停止予告画像KHが表示される。そのため、遊技者は、遊技が実行不能になることを事前に把握することができて、突然遊技が実行できなくなって困惑する事態を防ぐことが可能である。特に、遊技停止予告画像KHでは、図28(B)に示すように、高ベース状態が終了すると遊技が実行不能になることが示されている。従って、遊技者にはいつ遊技が実行されるのかを正確に把握させておくことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、差玉数が80000以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。このとき仮に遊技者がハンドル72kを回転操作すると、発射制御処理(S109)が停止しているため、遊技球が発射されないものの、図51(B)に示すように、操作注意喚起演出が実行される。つまり、表示画面50aにて操作注意喚起画像HTが表示され、スピーカ52から「ハンドルを回さないで下さい」という音声が出力され、枠ランプ53及び盤ランプ54が全て赤色で全点灯する。これにより、遊技者には、遊技が実行できない状況であることをより確実に把握させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、不正な磁気が検知されると、遊技が実行不能になる。このとき仮に遊技者がハンドル72kを回転操作すると、発射制御処理(S109)が停止しているため、遊技球が発射されないものの、図52(B)に示すように、操作注意喚起演出が実行される。つまり、表示画面50aにて操作注意喚起画像HTが表示され、スピーカ52から「ハンドルを回さないで下さい」という音声が出力され、枠ランプ53及び盤ランプ54が全て赤色で全点灯する。これにより、遊技者には、遊技が実行できない状況であることをより確実に把握させることが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第1変形例>
上記形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される遊技機(1種遊技機)として構成した。これに対して、第1変形例では、所謂1種2種混合機として構成されている。即ち、特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、大入賞口が最大で1.8秒開放する小当たり遊技が実行される。この場合、小当たり遊技の実行により大入賞口に入球した遊技球が、大入賞口内の特定領域を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。こうして、第1変形例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されて、遊技球が大入賞口内の特定領域を通過すると大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される遊技機(1種2種混合機)として構成されている。
また第1変形例では、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、正しく遊技している限り、実質的に必ず2種大当たり遊技が実行される(遊技球が特定領域を通過できる)ように構成されている。つまり、特図2の抽選で小当たりに当選することが、大当たり遊技の実行を意味している。ここで、図53に示すように、高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行するときに、特図2保留数が最大である4個(所定数)あったこととする。そして、特図2の抽選は、特図1の抽選よりも優先して実行されて、且つ特図1の抽選よりも遊技者にとって有利に設定されていることとする。この場合、高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、特図2の抽選が4回分実行されることになり、遊技者にとっては未だ大当たり遊技が実行され易い状況である。従って、通常遊技状態に移行した後であっても、特図2の抽選が実行されなくなるまでは、遊技者にとって大当たり遊技が実行され易い有利期間(有利遊技状態)ということができる。
この第1変形例において、仮に上記したように、通常遊技状態に移行したときに過賞球防止機能が作動した場合を想定する。この場合、遊技者にとっては通常遊技状態であっても未だ大当たり遊技が実行され易い状況(有利期間)が続いているにも拘わらず、突然遊技が実行できなくなってしまう。そこでこの第1変形例では、図53に示すように、通常遊技状態に移行しても過賞球防止機能が作動しないで、通常遊技状態に移行したときに残っている特図2保留(特図2残保留)が全て消化されると、過賞球防止機能が作動するようになっている。つまり、特図2残保留が全て消化されるときに(特図2残保留に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示が全て終了するときに)、遊技を実行不能にしている。
こうして遊技者には、差玉数が80000以上になった後に、通常遊技状態に移行しても、2種大当たり遊技を獲得し易い有利期間(有利遊技状態)が終了するまでは、遊技を継続させることが可能である。なお第1変形例では、特図2の抽選が特図1の抽選よりも優先して実行されるが、特図1の抽選が特図2の抽選よりも優先して実行されるようにしたり、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した順番に、特図1の抽選又は特図2の抽選が実行されるようにしても良い。
次に、第1変形例において、高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行した後の演出について説明する。通常遊技状態に移行したときに特図2残保留がある場合、特図2残保留が全て消化されるまで、図54に示す残保留特別演出が実行される。この残保留特別演出は、特図2の抽選で小当たりに当選しているか否かを示唆する演出であり、高ベース状態で実行されることがなく、特図1の抽選で実行されることがない演出である。言い換えると、残保留特別演出(有利演出)は、通常遊技状態に移行してから特図2残保留が全て消化されるまでに限って(第2特別図柄の変動表示が4回実行されるまで)、2種大当たり遊技への獲得チャンスを示す特別な演出である。
具体的に、先ず図54(A)に示すように、高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行するときに、表示画面50aにて、「ラスト4回」を示す残チャンス回数画像LAが表示される。これにより、遊技者には未だ、2種大当たり遊技を獲得できるチャンスが4回あることを意識させている。そして、図54(A)に示すように、表示画面50aでは、「5」を示す左演出図柄EZ1と「5」を示す右演出図柄EZ3とによって、リーチ態様が形成されている状態で、変身した主人公キャラが現れる主人公キャラ出現画像BA1が表示される。なお表示画面50aの右上部には、「残り4回」を示す残変動回数画像LBが表示されていて、第2特別図柄の変動表示が残り何回実行されるかが示される。
続いて、図54(C)に示すように、変身した主人公キャラと敵キャラとが戦うことを示す特別バトル画像BA2が表示される。その後、特図2の抽選で小当たり又は大当たりに当選していれば、図54(D-1)に示すように、変身した主人公キャラが敵キャラに勝利したことを示す特別バトル勝利画像WIが表示される。またこのときには、表示画面50aの左上部にて、変動表示していた小演出図柄KZが、ゾロ目である当たり態様「555」で停止表示する。こうして、特別バトル勝利画像WI及びゾロ目の小演出図柄KZを見た遊技者には、小当たり又は大当たりに当選していることを把握させることが可能である。その後、小当たりに当選している状況であれば、小当たり遊技の実行中に遊技球を特定領域に通過させることで、2種大当たり遊技を獲得することができる。また、大当たりに当選している状況であれば、1種大当たり遊技を獲得することができる。
一方、特図2の抽選でハズレであれば、図54(D-2)に示すように、変身した主人公キャラが敵キャラに敗北したことを示す特別バトル敗北画像LOが表示される。またこのときには、表示画面50aの左上部にて、変動表示していた小演出図柄KZが、リーチハズレ目である「545」で停止表示する。こうして、特別バトル勝利画像WI及びリーチハズレ目の小演出図柄KZを見た遊技者には、ハズレであることを把握させることが可能である。こうして、特図2の抽選がハズレであれば、特図2残保留が全て消化されるまで、図54に示す残保留特別演出が繰返し実行される。そして、特図2の抽選の結果が全てハズレである場合には、有利期間(有利遊技状態)が終了する。その後、通常遊技状態では、残保留特別演出が実行されることはなく、特図1の抽選に基づく変動演出が実行される。
この第1変形例では、差玉数が80000未満である場合に、通常遊技状態に移行してから特図2残保留が全て消化されるまでの有利期間(有利遊技状態)にて、図54に示す残保留特別演出が実行される。一方、差玉数が80000以上である場合でも、通常遊技状態に移行してから特図2残保留が全て消化されるまでの有利期間にて(図53参照)、図54に示す残保留特別演出が実行される。こうして、通常遊技状態に移行した後、遊技者にとって有利な状況であることを示す残保留特別演出が続く限り、過賞球防止機能が作動することがない。よって、差玉数が80000以上になっても、遊技者には通常遊技状態に移行した後の残保留特別演出を堪能させることが可能である。言い換えると、差玉数が80000以上で通常遊技状態に移行しても、遊技が実行不能になる前の残保留特別演出をそのまま実行するようにして、遊技が実行不能になるタイミングと残保留特別演出の終了タイミングとを合わせることが可能である。
<第2変形例>
上記形態では、差玉数が80000以上になると、例えば赤縁画像EFbや遊技停止予告画像KH(図28(B)参照)の表示等により、演出が付随して実行されるようになっていた。しかしながら、差玉数が80000以上になっても、演出自体が差し替えて実行されることはかった。これに対して、第2変形例では、差玉数が80000未満である状況から差玉数が80000以上である状況になると、演出自体が差し替えて実行されるようになっている。この第2変形例では、上記第1変形例と同様に、1種2種混合機として構成されているものとする。そして、図53に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達した場合を例にして、第2変形例の演出を説明する。
前提条件として、差玉数が80000未満である状況で、大当たり遊技が実行されている。このとき、図55(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド演出が実行されている。つまり、表示画面50aでは、ラウンド画像G109と賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114が表示されている。ここで、図53に示すように、大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。このとき、遊技制御用マイコン101は、過賞球報知コマンド(ステップS312参照)を演出制御用マイコン121に送信して、演出制御用マイコン121は、差玉数が80000以上になった状況を把握する。これにより、演出制御用マイコン121は、図55(B)に示すラウンド代替演出を実行する。
具体的に、ラウンド代替演出では、図55(B)に示すように、街を表すラウンド用背景画像G114から、暗い洋館を表すラウンド代替用背景画像G116に切替えられている。そして、ラウンド代替用背景画像G116の上に重ねて、ラウンド画像G109と賞球数画像G110とが表示されると共に、「有利期間終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KIが表示される。更に、表示画面50aの最も手前側には、遊技者の注意を引くように、パトランプと「DANGER」の文字とを示す警告表示画像G115が表示される。
こうして、差玉数が80000以上になることにより、ラウンド演出から、演出態様が大きく変更するラウンド代替演出が実行されることで、遊技者に遊技が実行できなくなる状況をより強く意識させることが可能である。即ち、過賞球防止機能を十分に把握していない遊技者にとっては、ラウンド演出に対して赤縁画像EFbや遊技停止予告画像KHが付随して表示されても(図28(B)参照)、単なる演出と勘違いしていまい、遊技が実行できなくなる状況を十分に把握できないおそれがある。そこで第2変形例では、ラウンド演出に替えて、図55(B)に示すラウンド代替演出を実行することで、状況が大きく変わったことを認識させ易くすることが可能である。
続いて、図53に示すように、大当たり遊技状態から高ベース状態(時短状態)に移行すると、表示画面50aでは、図55(C)に示す時短モード代替演出が実行される。具体的に、時短モード代替演出では、図55(C)に示すように、暗い雲と雷とを表す時短代替用背景画像G117が表示される。そして、時短代替用背景画像G117の上に重ねて、演出図柄EZと遊技停止予告画像KIが表示される。更に、表示画面50aの最も手前側には、遊技者の注意を引くように、パトランプと「DANGER」の文字とを示す警告表示画像G115が表示される。
こうして、差玉数が80000以上であることにより、高ベース状態(時短状態)であっても、図18(B-5)に示す時短モード演出が実行されるわけではなく、図55(C)に示す時短モード代替演出が実行される。これにより、遊技者に遊技が実行できなくなる状況をより強く意識させることが可能である。即ち、過賞球防止機能を十分に把握していない遊技者に対して、2種大当たり遊技を獲得し易い状況であるものの、遊技が中止する状況になっていることを認識させ易くすることが可能である。
その後、図53に示すように、高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行すると共に、通常遊技状態に移行するときの特図2保留球数が「4」であったこととする。この場合、表示画面50aでは、図56に示す残保留代替特別演出が実行される。具体的に、残保留代替特別演出で(特別演出)は、先ず図56(A)に示すように、高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行するときに、表示画面50aにて、「遊技中止までラスト4回」を示す遊技中止残回数画像LH1が表示される。これにより、遊技者には、遊技が実行できなくなるまでの特別図柄の変動回数を正確に把握させることが可能である。なお、遊技中止残回数画像LH1で示される回数は、特図2残保留数に応じて「4」~「1」となる。こうして、第2変形例では、遊技が中止されるまでの残りの特別図柄の変動回数を報知するという斬新な演出を遊技者に提供することが可能である。
続いて、図56(B)に示すように、表示画面50aには、特殊演出図柄TZ1、TZ2が変動表示していて、表示画面50aの下部には、「Vがそろえば大当たり?」を示す説明画像SMが表示される。この説明画像SMにより、遊技者には、特殊演出図柄TZ1、TZ2で「V」がそろえば大当たり遊技が実行されることを把握させることが可能である。また表示画面50aの上部では、「遊技中止まで残り4回」を示す遊技中止残回数画像LN1が表示される。これにより、遊技者には、特別図柄(第2特別図柄)の変動表示中であっても、遊技が中止されるまでの残りの特別図柄の変動回数を意識させておくことが可能である。なお、遊技中止残回数画像LN1で示される回数は、特図2残保留数に応じて「4」~「1」となる。この遊技中止残回数画像LN1の表示が、「遊技不能予告演出」に相当する。
次に、図56(C)に示すように、表示画面50aでは、左側の特殊演出図柄TZ1が「V」で停止表示するのに対して、右側の特殊演出図柄TZ2は、変動表示を続けている。その後、特図2の抽選で小当たり又は大当たりに当選していれば、図56(D-1)に示すように、右側の特殊演出図柄TZ2が「V」で停止表示して、「V」がそろうことになる。またこのときには、表示画面50aの左上部にて、変動表示していた小演出図柄KZが、ゾロ目である当たり態様「555」で停止表示する。こうして、「VV」を示す特殊演出図柄TZ1、TZ2及びゾロ目の小演出図柄KZを見た遊技者には、小当たり又は大当たりに当選していることを把握させることが可能である。その後、小当たりに当選している状況であれば、小当たり遊技の実行中に遊技球を特定領域に通過させることで、2種大当たり遊技を獲得することができる。また、大当たりに当選している状況であれば、1種大当たり遊技を獲得することができる。
一方、特図2の抽選でハズレであれば、図56(D-2)に示すように、右側の特殊演出図柄TZ2が「1」で停止表示して、「V」がそろわないことになる。またこのときには、表示画面50aの左上部にて、変動表示していた小演出図柄KZが、リーチハズレ目である「545」で停止表示する。こうして、「V1」を示す特殊演出図柄TZ1、TZ2及びリーチハズレ目の小演出図柄KZを見た遊技者には、ハズレであることを把握させることが可能である。また表示画面の右下部にて、「残りチャンスは3回」を示す残り回数画像NCが表示される。これにより、遊技者には、過賞球防止機能の作動(遊技中止)に近づいたことを把握させることが可能である。その後、特図2残保留において、図56に示す残保留代替特別演出が繰返し実行される。そして、特図2の抽選の結果が全てハズレである場合には、有利期間(有利遊技状態)が終了したタイミングで(第2特別図柄の停止時間が経過すると)、過賞球防止機能が作動して、遊技が実行不能に制御される。
以上、差玉数が80000以上である場合、残保留特別演出に替えて、演出態様が大きく異なる残保留代替特別演出が実行されることで、遊技者に遊技が実行できなくなる状況をより強く意識させることが可能である。即ち、仮に差玉数が80000以上であって、高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行した後に、図54に示す残保留特別演出が実行されると、遊技者は未だ過賞球防止機能が作動することがないと誤解するおそれがある。つまり、残保留特別演出では、特図2保留球数が全て消化されて有利期間が終わっても、通常遊技状態に移行して未だ遊技を継続できるという印象を遊技者に抱かれ易い。そこで第2変形例では、残保留特別演出に替えて、図56に示す残保留代替特別演出を実行することで、2種大当たり遊技を獲得できなければ、過賞球防止機能の作動によって遊技ができなくなる状況を遊技者に把握させ易くすることが可能である。
<第3変形例>
上記形態では、差玉数が80000以上であって、高ベース状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)から通常遊技状態に移行すると(図25参照)、過賞球防止機能が作動するようにした。これに対して、第3変形例では、図57に示すように、差玉数が80000以上であって、高ベース状態から通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動表示が30回(規定回数)実行されると(所定の条件が成立すると)、過賞球防止機能が作動するようになっている。この第3変形例では、上記形態と同様に、1種遊技機として構成されているものとする。
第3変形例では、図57に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行してから、特別図柄の変動回数が30回になるまで、通常移行後専用モードに設定される。なお、低確高ベース状態から通常遊技状態に移行してから、特別図柄の変動回数が30回になるまで、同様に、通常移行後専用モードに設定される。要するに、高ベース状態から通常遊技状態に移行しても、しばらくの間、通常演出モードに設定されることはなく、通常移行後専用モードに設定される。そして、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動回数が30回を超えると、通常演出モードに設定される。
次に、第1変形例において、通常移行後専用モードでの演出について説明する。なお、通常移行後専用モードでは、通常遊技状態に移行したときに特図2残保留があって、第2特別図柄が変動表示する場合でも、通常遊技状態に移行したときに特図2残保留がなくて、第1特別図柄が変動表示する場合の何れであっても、同じ演出が実行される。
具体的に、通常移行後専用モードに移行すると、先ず図58(A)に示すように、表示画面50aにて、「通常移行後専用モード突入」を示すモード移行画像MTが表示される。これにより、遊技者には、高ベース状態が終了したものの、特殊な演出モードに移行したように思わせることが可能である。そして、図58(B)に示すように、表示画面50aでは、特殊な惑星の表面を表す特殊背景画像G121が表示されると共に、演出図柄EZが変動表示している。その後、特別図柄の抽選がハズレであれば、図58(C)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3がハズレ態様である「8」で停止表示する。このように、特殊背景画像G121が表示されている状態で、演出図柄EZが変動表示を経て停止表示する演出を、「通常移行後専用演出」と呼ぶことにする。以上により、高ベース状態から通常遊技状態に移行してから、特別図柄の抽選がハズレである限り、特別図柄の変動表示が30回実行されるまで、通常移行後専用演出(特殊演出)が実行される。こうして、通常遊技状態に移行した後、遊技者には、見慣れた通常モード演出(図18(B-1)(B-2)(B-3)参照)ではなく、目新しい通常移行後専用演出を見せる。その結果、未だ有利な状況が続いているかもしれないという印象を抱かせることが可能である。
この第3変形例では、差玉数が80000未満である場合に、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動表示が30回実行されるまで、図58に示す通常移行後専用演出が実行される。一方、差玉数が80000以上である場合でも、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動表示が30回実行されるまで(図57参照)、図58に示す通常移行後専用演出が実行される。こうして、通常遊技状態に移行した後、通常移行後専用演出が続く限り、過賞球防止機能が作動することがない。よって、差玉数が80000以上になっても、遊技者には通常遊技状態に移行した後の目新しい通常移行後専用演出を堪能させることが可能である。そして、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動表示が30回実行されると、通常移行後専用演出の終了と同時に、過賞球防止機能が作動する。こうして、遊技が実行不能になるタイミングと通常移行後専用演出の終了タイミングとを合わせることが可能である。
<第4変形例>
上記第3変形例では、差玉数が80000以上になっても、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動表示が30回実行されるまで、図58に示す通常移行後専用演出が実行されるようにした。これに対して、第4変形例では、差玉数が80000以上になると、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動表示が30回実行されるまで、通常移行後専用演出に替えて、図59に示す通常移行後代替演出が実行されるようになっている。この第4変形例では、上記第3変形例と同様に、1種遊技機として構成されているものとする。そして、図57に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達した場合を例にして、第4変形例の演出を説明する。
差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、先ず図59(A)に示すように、表示画面50aにて、「遊技中止までラスト30回」を示す遊技中止残回数画像LH2が表示される。これにより、遊技者には、遊技が実行できなくなるまでの特別図柄の変動回数を正確に把握させることが可能である。こうして、第4変形例では、通常遊技状態に移行したときに、遊技が中止されるまでの残りの特別図柄の変動回数を報知するという斬新な演出を遊技者に提供することが可能である。
続いて、図59(B)に示すように、表示画面50aには、流れる光線を表す光線背景画像G122が表示されている状態で、演出図柄EZが変動表示している。また表示画面50aの右下部には、ミニキャラクタを表すミニキャラ画像MN1が表示される。更に表示画面50aの上部では、「遊技中止まで残り30回」を示す遊技中止残回数画像LN2が表示される。これにより、遊技者には、特別図柄の変動表示中であっても、遊技が中止されるまでの残りの特別図柄の変動回数を意識させておくことが可能である。なお、遊技中止残回数画像LN2で示される回数は、特別図柄の変動表示が実行される度に、「30」から「1」までカウントダウンされていく。
次に、図59(C)に示すように、表示画面50aでは、大きく成長したキャラクタを表すキャラ出現画像TN1が表示される。こうして、通常移行後代替演出では、ミニキャラ画像MN1とキャラ出現画像TN1の表示によって、特別図柄の変動表示が実行される度に、本パチンコ遊技機PY1で登場するキャラクタが順次紹介されていく。このようなキャラ紹介演出が実行されることで、遊技者には、遊技が中止されるまでのエンディングのような演出と思わせることが可能である。即ち、本パチンコ遊技機PY1で登場するキャラクタが順次紹介されていくことで、遊技の終了に徐々に近づいているかのように見せること可能である。
そして、特別図柄の抽選がハズレであれば、図59(D)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3がハズレ態様である「145」で停止表示する。以上により、差玉数が80000以上である場合には、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動表示が30回実行されるまで、通常移行後代替演出が実行される。こうして、通常遊技状態に移行してから遊技が中止されるまでの間、図59に示す通常移行後代替演出が実行されることで、図58に示す通常移行後専用演出が実行される場合よりも、遊技が実行不能になる状況を遊技者に把握させ易くすることが可能である。つまり、図59に示す通常移行後代替演出によって、遊技者には遊技が実行できなくなる状況に徐々に近づいていくことを把握させ易くすることが可能である。
<第5変形例>
上記形態では、図32に示すように、過賞球防止機能が作動する前(遊技停止フラグがOFF)では、遊技制御用マイコン101が発射制御処理(S109)を実行していて、過賞球防止機能が作動した後では、遊技制御用マイコン101が発射制御処理(S109)を実行しないようになっていた。これに対して、第5変形例では、図60に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S006)に、発射制御処理(S109)が設けられていない。即ち、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能の作動に拘わらず、発射制御処理(S109)を実行しないようになっている。この第5変形例では、払出制御基板170に設けられている払出制御用マイコン171によって遊技球の発射が制御されるようになっている。
要するに、上記形態では、過賞球防止機能が作動した後において、遊技制御用マイコン101が発射制御処理(S109)を実行しないため、遊技球が遊技領域6に向けて発射されることはない。これに対して、第5変形例では、過賞球防止機能が作動した後において、遊技制御用マイコン101が遊技球の発射に対する制御を止めるわけではないため、遊技球が遊技領域6に向けて発射される。この場合、遊技が実行不能な状況にも拘わらず、遊技者は、遊技球を発射させることができるため、遊技が実行できるかもしれないと誤解するおそれがある。
そこで第5変形例では、遊技が実行不能になった後、遊技者がハンドル72kを接触することより、接触注意喚起演出(注意喚起演出)が実行されるようになっている。なお第5変形例では、ハンドル72kにハンドル接触検出センサが設けられている。ハンドル接触検出センサは、人体のハンドル72kへの接触を検知するものである。つまり、ハンドル接触検出センサは、遊技者がハンドル72kを回転操作する前にハンドル72kに触れるだけで、ハンドル72kへの接触を検知するようになっている。こうして、遊技者がハンドル72kに接触すると、ハンドル接触検出センサからの検知信号が、演出制御用マイコン121に出力される。以下では、図61に基づいて、過賞球防止機能が作動した後に実行される接触注意喚起演出について説明する。
図61は、過賞球防止機能が作動した後に、接触注意喚起演出(注意喚起演出)が実行される場合を示す図である。先ず、過賞球防止機能が作動すると、演出制御用マイコン121は、図61(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像REとエラー解除方法画像ERXとを表示し、スピーカ52から遊技停止音を出力する。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54を全て消灯させる。
その後、遊技者がハンドル72kに触れていると、演出制御用マイコン121は、ハンドル接触検出センサから検知信号を入力する。これにより、演出制御用マイコン121は、図61(B)に示すように、表示画面50aにて赤背景画像REとエラー解除方法画像ERXとが表示されている状態で、接触注意喚起演出を実行する。つまり、表示画面50aにて「ハンドルから手を放して下さい」を示す接触注意喚起画像HUを表示する。更に、スピーカ52から「ハンドルから手を離して下さい」という音声を出力して、枠ランプ53及び盤ランプ54を全て赤色で全点灯させる。この接触注意喚起演出により、遊技者には、ハンドル72kに触れることができず、遊技を実行できないことをより強く意識させることが可能である。
その後、遊技者がハンドル72kに触れなくなると、演出制御用マイコン121は、ハンドル接触検出センサから検知信号を入力しなくなる。これにより、演出制御用マイコン121は、図61(C)に示すように、接触注意喚起演出を止める。こうして本形態では、過賞球防止機能が作動した後、遊技者がハンドル72kに触れている限り、接触注意喚起演出が実行される。
図62は、不正な磁気が検知された後に接触注意喚起演出(注意喚起演出)が実行される場合を示す図である。先ず、不正な磁気が検知されると、演出制御用マイコン121は、図62(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像REとエラー解除方法画像ER1とを表示し、スピーカ52から遊技停止音を出力する。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54を全て消灯させる。
その後、遊技者がハンドル72kに触れていると、演出制御用マイコン121は、ハンドル接触検出センサから検知信号を入力する。これにより、演出制御用マイコン121は、図62(B)に示すように、表示画面50aにて赤背景画像REとエラー解除方法画像ER1とが表示されている状態で、接触注意喚起演出を実行する。つまり、表示画面50aにて「ハンドルから手を放して下さい」を示す接触注意喚起画像HUを表示する。更に、スピーカ52から「ハンドルから手を離して下さい」という音声を出力して、枠ランプ53及び盤ランプ54を全て赤色で全点灯させる。この接触注意喚起演出により、遊技者には、ハンドル72kに触れることができず、遊技を実行できないことをより強く意識させることが可能である。
その後、遊技者がハンドル72kに触れなくなると、演出制御用マイコン121は、ハンドル接触検出センサから検知信号を入力しなくなる。これにより、演出制御用マイコン121は、図62(C)に示すように、接触注意喚起演出を止める。こうして本形態では、不正な磁気が検知された後、遊技者がハンドル72kに触れている限り、接触注意喚起演出が実行される。
この第5変形例では、過賞球防止機能が作動して、遊技が実行不能に制御されても、遊技者は、ハンドル72kを回転操作することで、遊技球を遊技領域6に向けて発射することができる。しかしながら、遊技者がハンドル72kに対して触れていると、図61(B)に示すように、注意を促す接触注意喚起演出が実行される。これにより、遊技が実行不能にも拘わらず、ハンドル72kに触れている遊技者に対して、ハンドル72kから手を離すことを認識させて、遊技が実行できない状況であることを確実に把握させることが可能である。
また第5変形例では、不正な磁気が検知されて、遊技が実行不能に制御されても、遊技者は、ハンドル72kを回転操作することで、遊技球を遊技領域6に向けて発射することができる。しかしながら、遊技者がハンドル72kに対して触れていると、図62(B)に示すように、注意を促す接触注意喚起演出が実行される。これにより、遊技が実行不能にも拘わらず、ハンドル72kに触れている遊技者に対して、ハンドル72kから手を離すことを認識させて、遊技が実行できない状況であることを確実に把握させることが可能である。
<第6変形例>
上記第2変形例では、差玉数が80000以上になることにより、図55(B)に示すラウンド代替演出と、図55(C)に示す時短モード代替演出と、図56に示す残保留代替特別演出が実行された。これに対して、第6変形例では、図63(B)に示すラウンド代替演出(代替演出)と、図63(C)に示す確変モード代替演出(代替演出)と、が実行されるようになっている。この第6変形例では、上記形態と同様、1種遊技機として構成されていて、差玉数が80000以上であって、高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御される。
この第6変形例では、大当たり遊技の実行中に、図63(A)に示すように、表示画面50aでラウンド演出が実行されていることとする。ここで、図53に示すように、大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。これにより、図63(B)に示すように、ラウンド代替演出が実行される。つまり、表示画面50aでは、暗い洋館を表すラウンド代替用背景画像G116と、パトランプと「DANGER」の文字とを示す警告表示画像G115と、が表示される。その後、大当たり遊技が終了すると、高確高ベース状態に移行する。
高確高ベース状態では、図18(B-4)に示す確変モード演出に替えて、図63(C)に示す確変モード代替演出が実行される。具体的に、確変モード代替演出では、図63(C)に示すように、宇宙空間でのブラックホールを表す確変代替用背景画像G118が表示される。そして、確変代替用背景画像G118の上に重ねて、演出図柄EZが表示される。更に、表示画面50aの最も手前側には、遊技者の注意を引くように、パトランプと「DANGER」の文字とを示す警告表示画像G115が表示される。更に、確変代替用背景画像G118の上に重ねて、「遊技中止までラスト160回」を示す遊技中止残回数画像LN3が表示される。これにより、遊技者には、遊技が実行できなくなるまでの特別図柄の変動回数を正確に把握させることが可能である。なお、遊技中止残回数画像LN3で示される回数は、特別図柄の変動表示が実行される度に1つずつカウントダウンされる。この遊技中止残回数画像LN3の表示が、「遊技不能予告演出」に相当する。
こうして、差玉数が80000以上であることにより、遊技が実行不能になる前の高確高ベース状態において、図63(C)に示す確変モード代替演出が実行される。これにより、遊技者には、図18(B-4)に示す確変モード演出が実行される場合に比べて、遊技が実行できなくなる状況をより強く意識させることが可能である。更に、カウントダウンされていく遊技中止残回数画像LN3を見ることで、大当たりを引き当てて遊技を継続することができるか、又は大当たりを引き当てることができずに遊技を継続できなくなるかの緊迫感のある遊技を提供することが可能である。
<第7変形例>
上記第6変形例では、差玉数が80000以上になることにより、図63(B)に示すラウンド代替演出と、図63(C)に示す確変モード代替演出と、が実行された。これに対して、第7変形例では、図64(B)に示すラウンド代替演出のみが実行されるようになっている。この第7変形例では、上記形態と同様、1種遊技機として構成されていて、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態(大当たり遊技)が終了すると、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御される。
この第7変形例では、大当たり遊技の実行中に、図64(A)に示すように、表示画面50aでラウンド演出が実行されていることとする。ここで、大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達すると、図64(B)に示すように、ラウンド代替演出が実行される。つまり、表示画面50aでは、暗い洋館を表すラウンド代替用背景画像G116と、パトランプと「DANGER」の文字とを示す警告表示画像G115と、が表示される。更に、表示画面50aの下部では、「大当たり終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KLが表示される。この遊技停止予告画像KLの表示が、「遊技不能予告演出」に相当する。
こうして、差玉数が80000以上になることにより、図64(A)に示すラウンド演出から、図64(B)に示すラウンド代替演出に切替わる。これにより、遊技者には、遊技が実行できなくなる状況をより強く意識させることが可能である。更に、遊技停止予告画像KLを見た遊技者には、今実行されている大当たり遊技が終了すると、遊技が実行できなくなることを事前に把握させておくことが可能である。
<第8変形例>
上記形態では、差玉数が70000以上になると、図28(A)に示す過賞球予告画像KYの表示(事前予告演出)により、遊技が実行不能になることが予告された。これに対して、第8変形例では、図65に示すように、差玉数が78500以上になると、基準数到達予告演出により、遊技が実行不能になることが予告されるようになっている。基準数到達予告演出(事前予告演出)は、後に詳述するが、遊技が実行不能になることを予告しつつ、差玉数が基準数である80000に到達していくことを示す演出である。この第8変形例では、上記形態と同様、1種遊技機として構成されている。そして、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了すると、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御される。
ここで、基準数到達予告演出の開始契機となる差玉数(78500)について説明する。第8変形例では、上記形態と同様に、当選する大当たりの種類(大当たり図柄)には、大当たり図柄X、大当たり図柄Y、大当たり図柄Zがある(図12(B)参照)。そして、大当たり図柄Xで当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技X)は、実質5Rであり(図16参照)、750発の賞球を付与可能に設定されている。また大当たり図柄Yで当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技Y)は、実質4Rであり(図16参照)、600発の賞球を付与可能に設定されている。また大当たり図柄Zで当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技Z)は、実質10Rであり(図16参照)、1500(規定数)発の賞球を付与可能に設定されている。
従って、第8変形例では、当選可能な大当たり図柄のうち、大当たり図柄Zが、付与可能な賞球数が最も多い大当たり図柄である。そのため、第8変形例では、基準数到達予告演出の開始契機となる差玉数(特定数)を、基準数である80000から、大当たり図柄Zで付与可能に設定されている賞球数(1500)を減算した数にしている。これにより、図65に示すように、或る大当たり遊技状態で差玉数が78500以上になると、次回の大当たり遊技状態にて差玉数が80000以上になる可能性がある。以上により、次回の大当たり遊技状態にて、差玉数が80000以上になる可能性が生じることを考慮して、基準数到達予告演出の開始契機となる差玉数(78500)を、基準数(80000)から、1回の大当たり遊技で最も多くの賞球を付与可能な大当たり図柄(大当たり図柄Z)の賞球数(1500)を減算した値にしている。
ところで、差玉数が基準数である80000に到達するのは、所謂ラッシュ状態(1種遊技機では高確高ベース状態又は小当たりラッシュ状態(高確低ベース状態)、1種2種遊技機であれば時短状態)が継続していて、特図2の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技状態である状況が多いことが想定される。そのため、基準数到達予告演出の開始契機となる差玉数は、基準数から、特図1の抽選で当選する大当たり図柄ではなく、特図2の抽選で当選する大当たり図柄のうち、最も多くの賞球を付与可能な大当たり図柄(大当たり図柄Z)の賞球数(1500)を減算した値にするのが好ましいともいえる。
特に、第8変形例では、特図2の抽選で当選する大当たり図柄は、大当たり図柄Zの1種類のみである。そのため、基準数到達予告演出の開始契機となる差玉数(78500)を、基準数(80000)から、その大当たり図柄Zによって付与可能な賞球数(1500)を減算した値にすれば、ラッシュ状態が継続しているときの大当たり遊技状態で差玉数が78500以上になった後、高い確率で次回の大当たり遊技状態で差玉数が基準数(80000)に到達する状況を作り出すことが可能である。
次に、第8変形例の演出を、図66に基づいて説明する。前提条件として、大当たり遊技状態に制御されていることとする。この場合、図66(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109と賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114が表示されている。ここで、図65(A)に示すように、大当たり遊技状態の途中で、差玉数が78500に達したこととする。このとき、遊技制御用マイコン101は、過賞球予告コマンド(ステップS307参照)を演出制御用マイコン121に送信して、演出制御用マイコン121は、差玉数が78500以上になった状況を把握する。これにより、演出制御用マイコン121は、図66(B)に示す次回大当たり到達予告演出を実行する。
具体的に、次回大当たり到達予告演出では、図66(B)に示すように、「次回の大当たり終了で過賞球異常かも?」を示す次回大当たり到達予告画像ZYが表示される。これにより、遊技者には、次回の大当たり遊技が終了すると、遊技が実行不能になる可能性があることを事前に把握させることが可能である。この次回大当たり到達予告演出は、基準数到達予告演出(事前予告演出)の一部として、基準数到達予告演出が開始されるときに実行される演出である。
次に、図66(C)に示すように、駆け上がり演出及びミニ画面演出が実行される。駆け上がり演出は、キャラクタと坂道との位置関係によって、差玉数が78500から80000までに至る過程を示す演出である。この駆け上がり演出は、表示画面50aのうち、右下表示領域51bを除いたメイン表示領域51a(大表示領域)で実行される。更に、駆け上がり演出は、実行中の大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)及び変動演出とは非同期で(無関係に)、差玉数が80000になるまで継続して実行され得るようになっている。
一方、ミニ画面演出は、差玉数が78500未満である状況で実行されていた演出(大当たり演出、変動演出、客待ち演出など)を、表示画面50aのうち、右下表示領域51b(小表示領域)にて実行する演出である。即ち、ミニ画面演出により、差玉数が78500未満である状況において表示画面50aの全体で実行されていた演出が、右下表示領域51bにて縮小された状態で実行されることなる。こうして、差玉数が78500以上になると、遊技者には、差玉数が78500から80000までに至る過程を主に注目させて、大当たり演出や変動演出を補助的に見せるようになっている。
具体的に、図66(C)に示すように、駆け上がり演出では、所定のキャラクタが坂道の下側から頂上にあるゴールに向かって駆け上がっていく駆け上がり画像KGが示される。そして、駆け上がり画像KGでは、キャラクタが坂道に対して走っている位置により、現時点での差玉数が示されている。つまり、差玉数が78500であると、キャラクタが坂道の最下点に位置していて、差玉数が80000以上であると、キャラクタが坂道の頂上であるゴールに位置することになる。なお差玉数が78500未満になると、キャラクタがメイン表示領域51aから見えなくなる。そして、差玉数が78000(演出下限値)未満になると、駆け上がり演出及びミニ画面演出が中止されて、ミニ画面演出で実行されていた演出が、表示画面50aの全体で実行されるようになっている。こうして、駆け上がり演出は、開始された後、差玉数が78000(演出下限値)以上である状況に限り実行され続けて、遊技者にもう少しで過賞球防止機能が作動することを分かり易く示している。なお駆け上がり演出は、基準数到達予告演出(事前予告演出)の一部として、次回大当たり到達予告演出の後に実行される演出である。
そして、図66(C)に示すように、駆け上がり演出が実行されるときには、右下表示領域51bにて、ミニ画面演出として、「750pt」を示すミニ賞球数画像g110とミニラウンド用背景画像g114とが表示される。但し、ミニ画面演出が実行されていても、ラウンド画像G109と右打ち画像G108とは、メイン表示領域51aで表示される。これは、ラウンド画像G109と右打ち画像G108が、遊技の進行や遊技の方法を示す画像であって、他の演出画像よりも遊技者に大きく分かり易く示した方が好ましいからである。
その後、ラウンド遊技が進行して、遊技者に対する賞球が多くなると、図66(D)に示すように、右下表示領域51bでは、「1395pt」を示すミニ賞球数画像g110が表示される。このとき、メイン表示領域51aでは、キャラクタが坂道に対して図66(C)に示す位置よりも上方で走っている駆け上がり画像KGが示されている。こうして、駆け上がり画像KGでは、差玉数が多いほど、キャラクタが坂道に対して上方に位置していて、遊技者に現時点での差玉数の多さを視覚的に分かり易く示している。
次に、ラウンド遊技が終了して、エンディングが開始されると、図67(A)に示すように、右下表示領域51bでは、大当たり遊技後に設定される確変演出モードを示唆するミニエンディング画像g111が表示される。続いて、高確高ベース状態に制御されると、図67(B)に示すように、右下表示領域51bでは、ミニ確変用背景画像g105が表示される。更に、右下表示領域51bでは、演出図柄EZよりも小さいミニ演出図柄ez(縮小演出図柄)が変動表示を経て停止表示される。こうして、ミニ画面演出の実行中では、ミニ演出図柄ez(左ミニ演出図柄ez1、中ミニ演出図柄ez2、右ミニ演出図柄ez3)の表示態様によって、遊技者に大当たり判定処理の結果を把握させている。
ここで、図67(B)に示す駆け上がり演出では、キャラクタが坂道に対して図66(C)に示す位置よりも下方で走っている駆け上がり画像KGが示されている。これは、大当たり遊技が終了した時点から、発射球数が増加して、差玉数が小さくなったためである。こうして、駆け上がり演出では、差玉数が小さくなった場合でも、キャラクタの位置に応じて、遊技者に現時点での差玉数の多さを視覚的に分かり易く示している。そして、メイン表示領域51aで実行されている駆け上がり演出は、右下表示領域51bで実行されているミニ変動演出(ミニ演出図柄ezの変動表示及び停止表示を伴う演出)とは、非同期である。従って、遊技者には、差玉数の多さが分かる駆け上がり演出と、当たりであるかが分かるミニ変動演出とを並行して堪能させることが可能である。
その後、図67(C)に示すように、右下表示領域51bでは、左ミニ演出図柄ez1と右ミニ演出図柄ez3とがリーチ態様になっている状態で、主人公キャラクタと敵キャラクタとが戦うことを示すミニSPリーチ用背景画像g113が表示されている。これにより、遊技者には、メイン表示領域51aにて差玉数の多さを把握させつつ、右下表示領域51bにて当選期待度が高い状況を把握させることが可能である。
続いて、図67(D)に示すように、右下表示領域51bでは、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいることを示すミニSPリーチ用背景画像g113が表示されると共に、左ミニ演出図柄ez1と中ミニ演出図柄ez2と右ミニ演出図柄ez3とが大当たり態様(大当たりを示唆する停止態様「555」)で停止表示する。これにより、遊技者には、右下表示領域51bにて大当たりに当選した状況を把握させることが可能である。なお、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいることを示すミニSPリーチ用背景画像g113の表示が、「縮小当たり示唆演出」に相当する。
その後、大当たり遊技が開始されて、オープニングが終了すると、ラウンド遊技が開始される。これにより、5ラウンドまで進むと、図68(A)に示すように、右下表示領域51bでは、「730pt」を示すミニ賞球数画像g110が表示されている。このとき、メイン表示領域51aでは、キャラクタが坂道の頂上付近(ゴール間近)で走っている駆け上がり画像KGが示されている。なお、図68(A)に示す時点では、差玉数は79985になっていることとする。
そして、遊技球が第1大入賞口14に入球すると、図68(B)に示すように、右下表示領域51bでは、「745pt」を示すミニ賞球数画像g110が表示される。このとき、メイン表示領域51aでは、キャラクタが坂道の頂上(ゴール)に到達したことを示す駆け上がり画像KGが示される。これにより、遊技者には、差玉数が80000に到達したことを分かり易く示すことが可能である。
続いて、図68(C)に示すように、メイン表示領域51aでは、駆け上がり演出が終了して、祝福演出が実行される(図65参照)。祝福演出では、メイン表示領域51aにて「80000発達成 おめでとう!!」を示す祝福画像SFが表示される。これにより、遊技者には、差玉数が80000に達したという達成感を与えることが可能である。即ち、差玉数が80000以上になると、遊技者には遊技が停止するという不利益なことをできるだけ意識させずに、祝福演出によって、極めてレアな状況を作り出すことができたという達成感を与えるようにしている。なお、祝福演出は、メイン表示領域51aにて、大当たり遊技が終了するまで継続される。そして、右下表示領域51bでは引き続き、ミニ画面演出(ラウンド演出、エンディング演出)が実行されることになる。
その後、大当たり遊技(エンディング)が終了すると、過賞球防止機能が作動して、遊技が実行不能に制御される。このとき、メイン表示領域51aでの祝福演出、及び右下表示領域51bでのミニ画面演出が終了して、図68(D)に示すように、表示画面50aでは、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。これにより、遊技者には、遊技が実行できない状況になったことを容易に把握させることが可能である。
この第8変形例では、図65に示すように、差玉数が78500以上になることに基づいて、基準数到達予告演出(次回大当たり到達予告演出(図66(B)参照)、駆け上がり演出(図66(C)~図68(B)参照))が実行される。そして、この基準数到達予告演出は、実行中の演出(大当たり演出や変動演出など)とは非同期に実行されて、差玉数が80000以上になるまで継続される。こうして、差玉数が78500以上になってから80000以上になるまでの間、遊技者には、非同期に実行される基準数到達予告演出によって、自然な流れで遊技が実行不能になっていくかのように見せることが可能である。
また第8変形例では、図67(B)~(D)に示すように、駆け上がり演出(基準数到達予告演出)の実行中には、右下表示領域51bでは、ミニ演出図柄eg1、ez2、ez3が変動表示を経て停止表示する。こうして、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3に替わるミニ演出図柄eg1、ez2、ez3によって、大当たり判定処理の結果を示しつつ、現時点での差玉数を示す駆け上がり演出(基準数到達予告演出)が把握し難くなるのを防ぐことが可能である。
また第8変形例では、図67(D)に示すように、駆け上がり演出(基準数到達予告演出)の実行中に、大当たり遊技が実行されることを示唆する場合、図21(C-1)に示すSPリーチ用背景画像G113が縮小されたミニSPリーチ用背景画像g113が表示される。こうして、SPリーチ用背景画像G113に替わるミニSPリーチ用背景画像g113によって、大当たり遊技が実行されることを示唆しつつ、現時点での差玉数を示す駆け上がり演出(基準数到達予告演出)が把握し難くなるのを防ぐことが可能である。
また第8変形例では、図65に示すように、差玉数が80000に達するまでに、1回の大当たり遊技(大当たり遊技Z(図16参照))で付与される賞球数(1500)以下になると、基準数到達予告演出(次回大当たり到達予告演出、駆け上がり演出)が実行される。こうして、次回の大当たり遊技で遊技が実行不能になりそうな状況に限って、基準数到達演出を実行される。つまり、差玉数が例えば70000のように、80000よりも大幅に小さいにも拘わらず、基準数到達予告演出が実行されるわけではない。よって、基準数到達予告演出(次回大当たり到達予告演出、駆け上がり演出)の実行タイミングとして、遊技者に不快感を与えないようなタイミングにすることが可能である。
<第9変形例>
上記第8変形例では、特図2の抽選で、当選する大当たりの種類(大当たり図柄)には、大当たり図柄Zのみであった(図12(B)参照)。これに対して、第9変形例では、特図2の抽選で、当選する大当たりの種類(大当たり図柄)には、大当たり図柄Z1と、大当たり図柄Z2の2種類があるように構成されている(図69参照)。なお、以下では第8変形例との違いを中心に説明する。
第9変形例では、図69に示すように、特図2の抽選で大当たりに当選した場合において、大当たり図柄種別乱数値が「0~7」であると、大当たり図柄Z1(第2当たり)になり、大当たり図柄種別乱数値が「8~9」であると、大当たり図柄Z2(第1当たり)になる。なお特図1の抽選で当選する大当たりの種類には、第8変形例と同様、大当たり図柄Xと大当たり図柄Yの2種類がある。
そして、第9変形例では、図70に示すように、大当たり図柄Z1で当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技Z1)は、実質10Rであり、1500(第2規定数)発の賞球を付与可能に設定されている。一方、大当たり図柄Z2で当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技Z2)は、実質3Rであり、450(第1規定数)発の賞球を付与可能に設定されている。以上により、第9変形例では、特図2の抽選で当選する大当たり図柄Z2<特図1の抽選で当選する大当たり図柄Y<特図1の抽選で当選する大当たり図柄X<特図2の抽選で当選する大当たり図柄Z1の順番に、1回の大当たり遊技で多くの賞球が付与可能に設定されている。
ここで、第9変形例では、図71に示すように、差玉数が78500以上になることに基づいて、後述する次回大当たり到達示唆演出(図72(C)参照)が実行される。次回大当たり到達示唆演出(事前予告演出)は、遊技が実行不能になることを予告する演出であって、次回の大当たり遊技の実行中に差玉数が80000に到達する可能性があることを示唆する演出である。但し、第9変形例では、第8変形例と異なり、差玉数が78500以上になった時点で、次回大当たり到達示唆演出が必ず実行されるわけではない。即ち、第9変形例の次回大当たり到達示唆演出(事前予告演出)は、大当たり遊技でのエンディングに限って実行されるようになっている。こうして、次回大当たり到達示唆演出を大当たり遊技でのエンディングに限って実行することで、大当たり遊技(特にラウンド遊技)を堪能している遊技者に対して、過賞球防止機能を過度に意識させないようにすることが可能である。
そして、第9変形例では、図71に示すように、次回大当たり到達示唆演出が実行されたエンディングの後、大当たり遊技後の遊技状態(高確高ベース状態)にて、後述するミニ次回大当たり到達示唆演出(図72(D)参照)が実行される。その後、次の大当たり遊技状態で差玉数が80000以上なると、その大当たり遊技状態が終了するタイミングで、遊技が実行不能に制御されることになる。
次に、図72に基づいて、第9変形例の演出例について説明する。前提条件として、大当たり遊技状態に制御されていて、ラウンド遊技にて差玉数が78500以上になったこととする(図71(A)参照)。このとき、表示画面50aでは、図72(A)に示すように、「750pt」を示す賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114が表示されている。但し、差玉数が78500以上になっているにも拘わらず、遊技が実行不能になることを予告する演出が実行されない。その後、ラウンド遊技が終了して、エンディングが開始されると、図72(B)に示すように、表示画面50aにて、確変演出モードを示唆するエンディング画像G111が表示される。
続いて、このエンディング中に、図72(C)に示すように、次回大当たり到達示唆演出が実行される。具体的に、次回大当たり到達示唆演出では、表示画面50aにて、「次回の大当たり終了で過賞球異常かも?」を示す次回大当たり到達示唆画像ZKが表示される。これにより、遊技者には、次回の大当たり遊技が終了すると、遊技が実行不能になる可能性があることを事前に把握させることが可能である。そして、この次回大当たり到達示唆演出は、差玉数が78500以上になったときの大当たり遊技において、エンディングが開始される前に実行されることがなく、エンディングが開始された後に実行されるため、遊技者にはラウンド遊技中に過賞球防止機能を意識することがない。これにより、第8変形例のように、ラウンド遊技中に次回大当たり到達予告画像ZY(図66(B)参照)が表示されてしまい、遊技者に煩わしさを感じさせるのを防ぐことが可能である。
その後、エンディングが終了して、高確高ベース状態に移行すると、図72(D)に示すように、表示画面50aにて、確変用背景画像G105が表示されると共に、ミニ次回大当たり到達示唆演出が実行される。具体的に、ミニ次回大当たり到達示唆演出では、表示画面50aの下側にて、「次回の大当たり終了で過賞球異常かも?」を示すミニ次回大当たり到達示唆画像zkが表示される。このミニ次回大当たり到達示唆画像zkは、上述したエンディングで表示される次回大当たり到達示唆画像ZKよりも小さい画像であり、演出図柄EZの視認性を阻害し難いものである。
こうして、ミニ次回大当たり到達示唆演出により、遊技者には、高確高ベース状態での遊技中であっても、次回の大当たり遊技が終了すると、遊技が実行不能になる可能性があることを意識させることが可能である。なお、ミニ次回大当たり到達示唆演出は、高確高ベース状態が終了するまで、実行され続ける。その後、図71に示すように、高確高ベース状態で大当たりに当選して、その大当たり遊技状態で差玉数が80000以上になる。そして、その大当たり遊技状態が終了すると、遊技が実行不能に制御されることになる。
この第9変形例では、図69に示すように、大当たりの種類には、大当たり図柄Xと、大当たり図柄Yと、大当たり図柄Z1と、大当たり図柄Z2と、がある。特に、ラッシュ状態(高確高ベース状態)では、一般的に、特図2の抽選によって大当たりに当選することが想定されるが、特図2の抽選で当選する大当たりの種類には、大当たり図柄Z1(第1当たり)と、大当たり図柄Z2(第2当たり)と、がある。そして、大当たり図柄Z1の当選に基づく大当たり遊技Z1では、1500発の賞球が付与されるように設定されている一方、大当たり図柄Z2の当選に基づく大当たり遊技Z2では、450発の賞球が付与されるように設定されている。
この設定において、第9変形例では、図71に示すように、差玉数が78500以上になることに基づいて、次回大当たり到達示唆演出が開始される。つまり、差玉数が80000に達するまでに、大当たり遊技Z1で付与される賞球数である1500以下になることに基づいて、次回大当たり到達示唆演出が開始される。こうして、当たりの種類が複数あっても、次回の大当たりへの当選で遊技者にとって有利な大当たり図柄Z1への当選を想定して、次回大当たり到達示唆演出を開始することが可能である。特に、当たりの種類が4種類あるものの、次回の大当たりへの当選で遊技者にとって最も有利な大当たり図柄Z1への当選を想定して、次回大当たり到達示唆演出を開始することが可能である。
また第9変形例では、大当たり遊技の実行中に差玉数が78500以上になると、図72(C)に示すように、当該大当たり遊技のエンディング中に、次回大当たり到達示唆演出が開始される。これにより、大当たり遊技が終了する間際に、次回大当たり到達示唆演出によって、次回の大当たり遊技で遊技が実行不能になり得る状況が生じているのを把握させることが可能である。言い換えると、大当たり遊技において、差玉数が78500以上になっても、エンディングが開始されるまで次回大当たり到達示唆演出が開始されない。これにより、遊技者には遊技が不能になることを過度に意識させずに、大当たり遊技を堪能させることが可能である。
<第10変形例>
上記第9変形例では、差玉数が78500以上になることに基づいて、遊技が実行不能になることを予告する次回大当たり到達示唆演出が実行されるようにした。これに対して、第10変形例では、差玉数が79550以上になることに基づいて、遊技が実行不能になることを予告する過賞球異常予告演出(事前予告演出)が実行されるようになっている。なお第10変形例では、第9変形例と同様、当選する大当たりの種類として、大当たり図柄Xと大当たり図柄Yと大当たり図柄Z1と大当たり図柄Z2とがある(図69及び図70参照)。以下では第9変形例との違いを中心に説明する。ここで第10変形例では、図34に示す差玉数演算処理(S303)において、遊技制御用マイコン101が、演算された差玉数の情報を含む差玉数コマンドを演出制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121が差玉数を逐次把握できるようになっている。
第10変形例において、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数(79550)について説明する。第10変形例では、大当たり図柄Xで当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技X)では、750発の賞球を付与可能に設定されている。また大当たり図柄Yで当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技Y)では、600発の賞球を付与可能に設定されている。また大当たり図柄Z1(第2当たり)で当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技Z1)では、1500発の賞球を付与可能に設定されている。また大当たり図柄Z2(第1当たり)で当選した場合の大当たり遊技(大当たり遊技Z2)では、450発の賞球を付与可能に設定されている。
従って、第10変形例では、当選可能な大当たり図柄のうち、大当たり図柄Z2が、付与可能な賞球数が最も少ない大当たり図柄である。そのため、第10変形例では、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を、基準数である80000から、大当たり図柄Z2で付与可能に設定されている賞球数(450、第1規定数)を減算した数にしている。これにより、図73に示すように、或る大当たり遊技状態で差玉数が79550以上になると、その大当たり遊技状態、又は次回の大当たり遊技状態にて差玉数が80000以上になる可能性が極めて高くなる。以上により、差玉数が減らない限り、次回の大当たり遊技状態までにほぼ確実に差玉数が80000以上になることを考慮して、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数(79550)を、基準数(80000)から、1回の大当たり遊技で最も少ない賞球を付与可能な大当たり図柄(大当たり図柄Z2)の賞球数(450)を減算した値にしている。
この第10変形例では、図73に示すように、差玉数が79550以上になった時点で、過賞球異常予告演出が実行される。即ち、第9変形例のように、差玉数が79550以上になることに基づいて、大当たり遊技のエンディングが開始された後に、次回大当たり到達示唆演出が開始されるわけではない(図71参照)。これは、或る大当たり遊技(ラウンド遊技)において、差玉数が79550以上になると、その実行中の大当たり遊技(ラウンド遊技)で差玉数が80000以上に到達する場合がある。この場合において、仮にエンディングが開始された後で過賞球異常予告演出が開始されると、大当たり遊技が終了する直前に過賞球異常予告演出が開始されることになる。そうなると、遊技者には、遊技が停止される直前に、遊技が実行不能なること把握させることになり、過賞球異常予告演出の実行タイミングとして好ましくないためである。
次に、図74に基づいて、第10変形例の演出例について説明する。前提条件として、大当たり遊技状態に制御されていて、差玉数が79550よりも僅かに少ないこととする。このとき、表示画面50aでは、図74(A)に示すように、「1200pt」を示す賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114が表示されている。そして、遊技球が第1大入賞口14に入球して、差玉数が79550以上になったこととする。
このとき、図74(B)に示すように、表示画面50aにて、過賞球異常予告演出が実行される。具体的には、「残り450発増加で、過賞球異常」を示す過賞球異常予告画像ZIが表示される。これにより、遊技者には、差玉数があと450増加すると、遊技が実行不能になることを事前に把握させることが可能である。この過賞球異常予告演出は、約5秒間(所定秒数)だけ実行されて、過賞球異常予告演出が終了すると、残差玉数報知演出が開始される。
残差玉数報知演出は、差玉数が残りいくつ増加すると、遊技が実行不能に制御される(過賞球異常になる)のかを報知する演出である。具体的には、差玉数が79550以上になった後、例えば図74(C)に示すように、残差玉数報知演出として、表示画面50aの下側にて「残り300発増加で過賞球異常」を示す残差玉数報知画像ZSが表示されている。残差玉数報知画像ZSで示される数字は、80000から現時点での差玉数を減算した値であり、差玉数が変化する度に随時更新ようになっている。こうして、残差玉数報知演出により、遊技者には、差玉数が残りいくつ増加すると、遊技が実行不能に制御される(過賞球異常になる)のかを正確に且つ随時把握させることが可能である。
そして、この残差玉数報知演出は、図73に示すように、差玉数が79550以上になった後の大当たり遊技状態だけでなく、大当たり遊技状態の後の高確高ベース状態でも継続して実行される。即ち、図74(D)に示すように、高確高ベース状態において、演出図柄EZが変動表示している状態であっても、表示画面50aの下側にて、残差玉数報知演出が実行される。こうして、第10変形例では、差玉数が79550以上になった後、次の大当たり遊技が開始されるまでの間、差玉数の状況を随時把握させることが可能である。
但し、第10変形例において、残差玉数報知演出は、差玉数が78500(演出下限値)未満になると、実行されなくなる。これは、差玉数が80000以上なるまでに、1回の大当たり遊技で最も多くの賞球を付与可能な大当たり図柄(大当たり図柄Z1)の賞球数(1500)よりも、多くの賞球数が必要になるからである。つまり、次回の大当たり遊技が終了した後では、過賞球防止機能が作動しないことを考慮して、残差玉数報知演出を実行しないようにしている。これにより、差玉数が80000よりも十分小さいにも拘わらず、残差玉数報知演出が実行されてしまい、遊技者に不快感を与えるのを防ぐことが可能である。
この第10変形例では、図73に示すように、差玉数が79550以上になることに基づいて、過賞球異常予告演出が実行される。つまり、差玉数が80000に達するまでに、大当たり遊技Z2で付与される賞球数である450以下になることに基づいて、過賞球異常予告演出が実行される。こうして、当たりの種類が複数あっても、次回の大当たりへの当選で遊技者にとって不利な大当たり図柄Z2への当選を想定して、少なくとも次回の大当たり遊技の終了までには、遊技が実行不能になる状況が高い場合に、過賞球異常予告演出を実行することが可能である。特に、当たりの種類が4種類あるものの、次回の大当たりへの当選で遊技者にとって最も不利な大当たり図柄Z2への当選を想定して、過賞球異常予告演出を実行することが可能である。
また第10変形例では、図73に示すように、差玉数が79550以上になったタイミングで、過賞球異常予告演出が実行される。こうして、差玉数が79550以上になったタイミングと、過賞球異常予告演出の実行タイミングとが同期していることで、遊技者には、差玉数が80000に達するまでに、残り1回分の大当たり遊技で付与される賞球数しかないことを強く認識させることが可能である。
<第11変形例>
上記第10変形例では、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が、79550で固定であった。また残差玉数報知演出は、過賞球異常予告演出が実行された後に、大当たり遊技状態及び大当たり遊技後の遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態、通常遊技状態)で実行されるようになっていた(図73参照)。しかしながら、上記した第10変形例では、以下の問題点がある。
過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数は、79550あるが、遊技者にとっては、差玉数が80000以上になるまで残り僅かであって、過賞球異常予告演出の開始タイミングが遅すぎると思うおそれがある。また残差玉数報知演出は、過賞球異常予告演出が実行された後に、大当たり遊技状態及び大当たり遊技後の遊技状態で、常に実行されていたが、遊技者にとっては常に差玉数が報知されることに煩わしさを感じるおそれがある。特に、高確高ベース状態、低確高ベース状態、通常遊技状態において、残差玉数報知演出が常に実行されると、過賞球防止機能が作動するまでの残りの差玉数が徐々に増えていくことが示される。これは、遊技者に対して、持ち球が随時減っていくことを数字として明確に見せていることにもなり、遊技者に不快感を与えるおそれがある。
そこで第11変形例では、上記した問題点を解消すべく、遊技場の従業員が、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数、及び残差玉数報知演出の実行の有無などを設定できるように構成されている。具体的には、RAMクリアが開始された後の30秒以内に、通常ボタン40を5回押下操作すると、後述する初期機能設定画像FS(図75(B)参照)が表示される。そして、遊技場の従業員は、初期機能設定画像FSの表示から、後述する過賞球異常予告演出設定画像SX(図75(C)参照)の表示に切替えることで、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数などを設定することができる。また、初期機能設定画像FSの表示から、後述する残差玉数報知演出設定画像SY(図75(D)参照)の表示に切替えることで、残差玉数報知演出の実行の有無などを設定することができる。ここで、過賞球異常予告演出設定画像SX、又は残差玉数報知演出設定画像SYの表示中が、「電源が投入された後の初期設定時」に相当する。
次に、図75に基づいて、過賞球異常予告演出(事前報知演出)に係わる演出事項の設定、残差玉数報知演出(事前報知演出)に係わる演出事項の設定について、説明する。過賞球異常予告演出に係わる演出事項には、過賞球異常予告演出の実行の有無、及び過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数がある。残差玉数報知演出に係わる演出事項には、残差玉数報知演出の実行の有無、残差玉数報知演出を大当たり遊技のオープニングで実行するか否か、残差玉数報知演出を大当たり遊技のラウンド遊技で実行するか否か、残差玉数報知演出を大当たり遊技のエンディングで実行するか否か、残差玉数報知演出を変動演出が実行される度に実行するか否か、残差玉数報知演出を5回の変動演出が実行される度に実行するか否か、残差玉数報知演出を変動演出中に実行しないようにするか否かがある。
図75(A)に示すように、電源投入後にRAMクリアが開始されると、表示画面50aでは、「しばらくお待ちください ラムクリア報知中にプッシュボタンを5回プッシュすると初期機能設定画像を表示します」を示すRAMクリア報知画像RCが表示される。これにより、遊技場の従業員は、RAMクリアが実行されたことを把握することが可能である。RAMクリア報知画像RCは、RAMクリアが開始されてから30秒間だけ表示される。そのため、遊技場の従業員は、RAMクリア報知画像RCの表示中に、通常ボタン40を5回押下操作すると、図75(B)に示すように、初期機能設定画像FSを表示させることが可能である。
こうして第11変形例では、RAMクリアが実行されたことを条件に、初期機能設定画像FSを表示させることができて、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、及び残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定することができる。言い換えると、RAMクリアが実行されなければ、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、及び残差玉数報知演出に係わる演出事項を変更できないようになっている。
図75(B)に示すように、初期機能設定画像FSでは、「過賞球異常予告演出設定」において「設定画面へ切替」を示す項目、「残差玉数報知演出設定」において「設定画面へ切替え」を示す項目、「その他の演出設定」において「設定画面へ切替え」を示す項目がある。そのため、遊技場の従業員は、セレクトボタンを用いてカーソルを各種項目に合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、図75(C)に示す過賞球異常予告演出設定画像SX、又は図75(D)に示す残差玉数報知演出設定画像SY、或いはその他の演出設定画像(図示省略)を表示させることができる。なお、初期機能設定画像FSの表示中に、「戻る」の項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、初期機能設定画像FSの表示が終了する。その後、RAMクリアが終了していれば、表示画面50aでは、客待ち演出が実行される。
図75(C)に示すように、過賞球異常予告演出設定画像SXでは、「過賞球異常予告演出のON/OFFを設定します」において、「ON」を示す項目と「OFF」を示す項目とがある。そのため、「ON」を示す項目にカーソルを合わせると、過賞球異常予告演出が実行されるように設定される。一方、「OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、過賞球異常予告演出が実行されないように設定される。
また過賞球異常予告演出設定画像SXでは、「過賞球異常予告演出を実行する差玉数を設定します」において、5桁の数字が選択できるようになっている。そのため、セレクトボタンを用いて5桁の数字を選択することで、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数(特定数)が設定される。過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数は、デフォルト(初期設定値)として、78500に設定されている。なお、過賞球異常予告演出が実行されないように設定されている場合、5桁の数字が選択できないようになっている。過賞球異常予告演出設定画像SXの表示中に、「戻る」の項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、設定した内容が決定されたことになり、初期機能設定画像FSの表示に戻る。
図75(D)に示すように、残差玉数報知演出設定画像SYでは、「残差玉数報知演出のON/OFFを設定します」において、「ON」を示す項目と「OFF」を示す項目とがある。そのため、「ON」を示す項目にカーソルを合わせると、残差玉数報知演出が実行されるように設定される。一方、「OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、残差玉数報知演出が実行されないように設定される。
また残差玉数報知演出設定画像SYでは、「大当たり中のON/OFFを設定します」において、「オープニングON」を示す項目と、「オープニングOFF」を示す項目とがある。そのため、「オープニングON」を示す項目にカーソルを合わせると、過賞球異常予告演出が実行されることを条件に、大当たり遊技のオープニングにて残差玉数報知演出が実行されるように設定される。一方、「オープニングOFF」を示す項目にカーソルを合わせると、大当たり遊技のオープニングでは残差玉数報知演出が実行されないように設定される。なお、過賞球異常予告演出が実行されないように設定されている場合、又は残差玉数報知演出が実行されないように設定されている場合には、「オープニングON」を示す項目が選択できないようになっている。
また残差玉数報知演出設定画像SYでは、「大当たり中のON/OFFを設定します」において、「ラウンド遊技ON」を示す項目と、「ラウンド遊技OFF」を示す項目とがある。そのため、「ラウンド遊技ON」を示す項目にカーソルを合わせると、過賞球異常予告演出が実行されることを条件に、大当たり遊技のラウンド遊技にて残差玉数報知演出が実行されるように設定される。一方、「ラウンド遊技OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、大当たり遊技のラウンド遊技では残差玉数報知演出が実行されないように設定される。なお、過賞球異常予告演出が実行されないように設定されている場合、又は残差玉数報知演出が実行されないように設定されている場合には、「ラウンド遊技ON」を示す項目が選択できないようになっている。
また残差玉数報知演出設定画像SYでは、「大当たり中のON/OFFを設定します」において、「エンディングON」を示す項目と、「エンディングOFF」を示す項目とがある。そのため、「エンディングON」を示す項目にカーソルを合わせると、過賞球異常予告演出が実行されることを条件に、大当たり遊技のエンディングにて残差玉数報知演出が実行されるように設定される。一方、「エンディングOFF」を示す項目にカーソルを合わせると、大当たり遊技のエンディングでは残差玉数報知演出が実行されないように設定される。なお、過賞球異常予告演出が実行されないように設定されている場合、又は残差玉数報知演出が実行されないように設定されている場合には、「エンディングON」を示す項目が選択できないようになっている。
また残差玉数報知演出設定画像SYでは、「変動演出中のON/OFFを設定します」において、「常にON」を示す項目と、「5変動毎」を示す項目と、「OFF」を示す項目とがある。そのため、「常にON」を示す項目にカーソルを合わせると、残差玉数報知演出は、変動演出が実行される度に(1回の変動演出毎に)実行されるように設定される。一方、「5変動毎」を示す項目にカーソルを合わせると、残差玉数報知演出は、5回の変動演出が実行される度に残差玉数報知演出が実行される(4回の変動演出では残差玉数報知演出が実行されずに、5回目の変動演出で残差玉数報知演出が実行されるように設定される)。これらに対して、「OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、変動演出中に常に残差玉数報知演出が実行されないように設定される。なお、過賞球異常予告演出が実行されないように設定されている場合、又は残差玉数報知演出が実行されないように設定されている場合には、「常にON」又は「5変動毎」を示す項目が選択できないようになっている。残差玉数報知演出設定画像SYの表示中に、「戻る」の項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、設定した内容が決定されたことになり、初期機能設定画像FSの表示に戻る。
次に、第11変形例の演出例について、図76に基づいて説明する。前提条件として、過賞球異常予告演出が実行されるように設定されていて、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が75000(特定数)に設定されていることとする。また、残差玉数報知演出が実行されるように設定されていて、残差玉数報知演出が大当たり遊技のオープニング及びラウンド遊技で実行されないように設定されていて、残差玉数報知演出が大当たり遊技のエンディングで実行されるように設定されていることとする。また、残差玉数報知演出が、変動演出中には実行されないように設定されていることとする。
このような設定において、大当たり遊技状態に制御されていて(ラウンド遊技が実行されていて)、差玉数が75000よりも僅かに少ないこととする。このとき、表示画面50aでは、図76(A)に示すように、「1450pt」を示す賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114が表示されている。そして、遊技球が第2大入賞口15に入球して、差玉数が75000以上になったこととする。
このとき、図74(B)に示すように、表示画面50aでは、「残り5000発増加で、過賞球異常」を示す過賞球異常予告画像ZIが表示される。こうして、遊技場の従業員が設定したように、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数(75000)に基づいて、過賞球異常予告演出を実行させることが可能である。その後、実行中のラウンド遊技では、残差玉数報知演出は実行されない。そして、大当たり遊技のエンディングに移行すると、図76(C)に示すように、表示画面50aにて、確変演出モードを示唆するエンディング画像G111が表示されると共に、「残り4950発増加で過賞球異常」を示す残差玉数報知画像ZSが表示される。こうして、遊技場の従業員が設定したように、大当たり遊技のエンディングに限って、残差玉数報知演出が実行される。これにより、遊技者には、ラウンド遊技を堪能させつつ、差玉数を過度に意識させないようにすることが可能である。
その後、大当たり遊技(エンディング)が終了して、高確高ベース状態に移行すると、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示された状態で、変動演出が実行される。このとき、残差玉数報知画像ZSが表示されことはない。こうして、遊技場の従業員が設定したように、変動演出の実行中に残差玉数報知演出が実行されることが全くない。これにより、変動演出の実行中に(高確高ベース状態、低確高ベース状態、通常遊技状態において)、遊技者には、持ち球が随時減っていくことを数字として見せることがなく、遊技者に不快感を与えることを防ぐことが可能である。
この第11変形例では、電源が投入された後で、過賞球異常予告演出設定画像SX、又は残差玉数報知演出設定画像SYの表示中、遊技場の従業員が、通常ボタン40及びセレクトボタンへの操作に基づいて、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定することができる。特に、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を任意に設定することができる。こうして、遊技場の従業員が、状況に応じて、過賞球異常予告演出の実行タイミングを適宜最適に調整することが可能である。
また第11変形例では、遊技場の従業員は、過賞球異常予告演出に係わる演出事項として、過賞球異常予告演出の実行の有無を設定することができる。そのため、過賞球異常予告演出が実行されないことが望まれる場合、遊技場の従業員は、過賞球異常予告演出が実行されないように設定する。これにより、過賞球異常予告演出が実行されないことを望む遊技者に対して、過賞球異常予告演出の実行による不快感を与えないようにすることが可能である。
<第12変形例>
上記形態、及び上記各変形例では、遊技が実行不能に制御された後でも、遊技者等が球貸ボタン62を押下操作すると、球貸しが実行されるように構成されていた。これに対して、第12変形例では、遊技が実行不能に制御された後では、遊技者等が球貸ボタン62(操作手段)を押下操作しても、球貸しが実行されないように構成されている。
ここで、第12変形例と、上記形態及び上記各変形例とでは、以下の点が異なっている。即ち、第12変形例では、遊技制御用マイコン101は、エラー処理(S111)において、不正な磁気(特定の異常)があると判断すると、遊技停止フラグをONにする。これにより、遊技が実行不能に制御されることになる。但し、遊技停止フラグは、上述したように、電源の再投入(電源のOFF及びON)だけでは、ONからOFFに切替わることがなく、RAMクリアの実行によってONからOFFに切替わる。以上により、第12変形例では、不正な磁気が検知された場合、過賞球防止機能が作動した場合と同様、遊技停止フラグがONになって、RAMクリアが実行されることを条件に、遊技が実行可能な状況に復帰できる。以下では、第12変形例のメイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]図77に示すように、第12変形例のメイン側タイマ割り込み処理(S005)では、遊技制御用マイコン101は、遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S101)。上述したように、遊技停止フラグは、過賞球防止機能が作動する、又は不正な磁気が検知されるとONされる。こうして、遊技停止フラグがONでなければ(S101でNO)、上述したように、ステップS102~S113の処理が実行される。なお、「差玉数が80000以上になること」、又は「不正な磁気(特定の異常)があると判断されること」が、「所定の停止条件が成立すること」に相当する。
一方、遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102~S113の処理がパスされることで、遊技が実行不能に制御される。更に、このときには、遊技制御用マイコン101は、球貸制御停止処理を実行して(S115)、ステップS114に進む。球貸制御停止処理(S115)では、遊技制御用マイコン101は、払出制御基板170に対して、球貸停止コマンドを送信する。これにより、払出制御基板170が主制御基板100から球貸停止コマンドを受信すると、払出制御用マイコン171は、球貸停止コマンドに基づいて、遊技球の球貸しを実行不能に制御する。これにより、遊技者等が球貸ボタン62を押下操作しても、球貸しが実行されないことになる。なお、球貸しが実行不能な状態は、遊技が実行不能に制御されている限り(遊技停止フラグがONである限り)継続する。従って、その後にRAMクリアが実行されて、遊技が実行可能な状況に復帰すれば(遊技停止フラグがOFFになれば)、球貸しが実行可能な状態に戻ることになる。
また払出制御用マイコン171は、球貸停止コマンドの受信に基づいて、残高表示基板172に対して、球貸停止信号を送信する。これにより、残高表示基板172は、残高表示部61にて、図78(A)に示すように、遊技が実行不能に制御される前に球貸し可能だった遊技球数に応じた数字を表示する状態と、図78(B)に示すように、球貸しが実行不能であることを示す「E」が表示された状態と、を3秒間毎に交互に繰り返す。こうして、残高表示部61にて、球貸しが実行不能であることを示す「E」を見た遊技者等には、球貸しが実行不能であることを認識させることが可能である。
また、図77に示す球貸制御停止処理(S115)では、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、球貸不能演出コマンドを送信する。これにより、演出制御基板120が主制御基板100から球貸不能演出コマンドを受信すると、演出制御用マイコン121は、球貸しが実行不能であることを報知する球貸不能報知演出を実行する。ここで、過賞球防止機能が作動した場合の球貸不能報知演出と、不正な磁気が検知された場合の球貸不能報知演出と、を分けて説明する。
図79(A)では、過賞球防止機能が作動した場合の球貸不能報知演出が示されている。図79(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示されている。また、スピーカ52から遊技停止音が出力され、枠ランプ53が全て白色で点灯していると共に、盤ランプ54が全て消灯している。このとき、球貸不能報知演出として、表示画面50aにて、「球貸ができません」を示す球貸不能報知画像TKが表示される。こうして、過賞球防止機能の作動よって遊技が実行できない遊技者に対して、球貸不能報知画像TKの表示により、球貸しができないことを強く認識させることが可能である。また球貸不能報知演出に付随して、表示画面50aでは、カード取出促進演出が実行される。カード取出促進演出では、「返却ボタンを押してカードを取り出してください」を示すカード取出促進画像TBが表示される。これにより、遊技者には、返却ボタン63を押してカードユニットCUから、遊技が実行不能に制御される前に球貸し可能だった遊技球数の情報を含むカードを取り出すことを促すことが可能である。
図79(B)では、不正な磁気が検知された場合の球貸不能報知演出が示されている。図79(B)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ER1が表示されている。また、スピーカ52から遊技停止音が出力され、枠ランプ53が全て白色で点灯していると共に、盤ランプ54が全て消灯。このとき、図79(A)に示す場合と同様、球貸不能報知演出が実行される。こうして、不正な磁気の検知よって遊技が実行できない遊技者に対して、球貸不能報知画像TKの表示により、球貸しができないことを強く認識させることが可能である。また図79(A)に示す場合と同様、カード取出促進演出が実行される。これにより、遊技者には、返却ボタン63を押してカードユニットCUから、遊技が実行不能に制御される前に球貸し可能だった遊技球数の情報を含むカードを取り出すことを促すことが可能である。
この第12変形例では、遊技が実行不能に制御されると、遊技者は遊技を継続することができない。このとき、仮に遊技者が球貸ボタン62を押下操作して、遊技球の球貸しが実行されてしまうと、遊技ができない遊技者にとっては、不要な持ち球を得たことになり、損をしてしまう。よって、遊技が実行不能になった後では、球貸ボタン62が押下操作されても、遊技球の球貸しが実行されないようにすることで、遊技者に損になる事態が生じるのを防ぐことが可能である。
また第12変形例では、差玉数が80000以上になることに基づいて、過賞球防止機能が作動すると、遊技が実行不能に制御される。この場合、遊技者は遊技を継続することができないため、遊技を中止して、本パチンコ遊技機PY1から離れることになる。ここで、過賞球防止機能が作動した場合、遊技が実行可能な状況に復帰するためには、RAMクリアの実行が必要であるため、遊技場の従業員は、しばらく(基本的には過賞球防止機能が作動した当日では)遊技が実行不能な状況のまましておく。そのため、過賞球防止機能が作動したことを把握してない別の遊技者が、本パチンコ遊技機PY1で球貸ボタン62を押下操作して、遊技を開始しようとするおそれがある。そこで、この第12変形例では、球貸ボタン62が押下操作されても、遊技球の球貸しが実行されないようにすることで、過賞球防止機能を十分把握していない遊技者が損をする事態を防ぐことが可能である。
特に、人気があるパチンコ遊技機の場合、遊技者は、球貸ボタン62を押下操作して、上皿34に遊技球をある程度貯留した状態で、そのパチンコ遊技機を確保(台確保)しておき、別のパチンコ遊技機を探しにいくという実情がある。このような事情の下、遊技者が、過賞球防止機能が作動した本パチンコ遊技機PY1に対して、球貸ボタン62を押下操作して、台確保しようとするおそれがある。そこで、この第12変形例では、球貸ボタン62が押下操作されても、遊技球の球貸しが実行されないことで、台確保が行われることを未然に防ぐことが可能である。
また第12変形例では、不正な磁気が検知されると、遊技が実行不能に制御される。この場合、遊技が実行可能な状況に復帰するためには、RAMクリアの実行が必要になって、遊技場の従業員がしばらくRAMクリアを行わないこともある。そうなると、本パチンコ遊技機PY1で遊技が実行できないことを把握していない遊技者が、球貸ボタン62を押下操作して、遊技を開始しようとするおそれがある。そこで、この第12変形例では、球貸ボタン62が押下操作されても、遊技球の球貸しが実行されないようにすることで、遊技が実行できないことを十分把握していない遊技者が損をする事態を防ぐことが可能である。
また第12変形例では、図1に示すように、残高表示部61(報知手段)は、球貸し可能な遊技球数に応じた数字(100)を表示することで、球貸しが実行可能であることを示している。ここで、残高表示部61は、遊技が実行不能に制御されると、図78(B)に示すように、「E」を表示することで、球貸しが実行不能であることを示す。こうして、遊技者には、残高表示部61にて、球貸しが実行不能であることを示す「E」を見せることで、球貸しが実行されない状況を把握させ易くすることが可能である。
<第13変形例>
上記第11変形例では、遊技場の従業員のみが実質的に、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定可能であった。これに対して、第13変形例では、遊技者が過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定できるように構成されている。具体的に、第13変形例では、特別図柄の変動表示が実行されていない客待ち状態にて、遊技者が上記した演出事項を設定することができる。以下、図80に基づいて、遊技者が上記した演出事項を設定する場合について説明する。
図80(A)に示すように、客待ち状態であるときには、表示画面50aにて、客待ち演出として、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示可能になっている。なお上述したように、設定画面G101は、図18(A-1)に示す客待ちデモ動画G100が表示されているときに、通常ボタン40が操作されると、表示されるものである。図80(A)に示す設定画面G101の表示中に、遊技者はカーソルを「演出設定」に合わせて通常ボタン40を押下操作すると、図80(B)に示すように、表示画面50aにて、演出設定画像FXが表示される。この演出設定画像FXは、第11変形例で説明した初期機能設定画像FS(図75(B)参照)と同様の画像である。
従って、遊技者は、図80(B)に示す演出設定画像FXの表示中に、「過賞球異常予告演出設定」において「設定画面へ切替」を示す項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、図80(C)に示す過賞球異常予告演出設定画像SXを表示させることができる。そして、この過賞球異常予告演出設定画像SXの表示中に、過賞球異常予告演出に係わる演出事項を設定することができる。一方、遊技者は、図80(B)に示す演出設定画像FXの表示中に、「残差玉数報知演出設定」において「設定画面へ切替」を示す項目にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、図80(D)に示す残差玉数報知演出設定画像SYを表示させることができる。そして、この残差玉数報知演出設定画像SYの表示中に、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定することができる。
この第13変形例では、客待ち状態において、遊技者は、過賞球異常予告演出設定画像SX、又は残差玉数報知演出設定画像SYの表示中に、通常ボタン40及びセレクトボタンへの操作に基づいて、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定することができる。特に、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を任意に設定することができる。こうして、遊技者が、過賞球異常予告演出の実行タイミングを適宜最適に調整することが可能である。
また第13変形例では、遊技者は、過賞球異常予告演出に係わる演出事項として、過賞球異常予告演出の実行の有無を設定することができる。そのため、遊技者は、過賞球異常予告演出が実行されないことを望む場合に、過賞球異常予告演出を実行させないことが可能である。こうして、遊技者は、自身の選択で、過賞球異常予告演出の実行の有無を適宜調整することが可能である。
<第14変形例>
上記第10変形例では、差玉数が79550以上になることに基づいて、過賞球異常予告演出が実行されて、その後に残差玉数報知演出が実行されるようにした(図73参照)。これに対して、第14変形例では、図81に示すように、差玉数が79550以上になることに基づいて、過賞球異常予告演出が実行されて、その後に現差玉数示唆演出が実行されるようになっている。なお第14変形例では、第10変形例と同様、当選する大当たりの種類として、大当たり図柄Xと大当たり図柄Yと大当たり図柄Z1と大当たり図柄Z2とがある(図69及び図70参照)。そして、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了すると、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御される。以下では第10変形例との違いを中心に説明する。
この第14変形例では、図81に示すように、差玉数が79550以上になった時点で、過賞球異常予告演出が実行される。そして、過賞球異常予告演出が終了すると、現差玉数示唆演出が開始される。なお、過賞球異常予告演出及び現差玉数示唆演出は、大当たり遊技の実行中に拘わらず、差玉数が79550以上になることを条件に実行されるが、大当たり遊技の実行中であり、且つ差玉数が78550以上になることを条件に実行されるようにしても良い。
現差玉数示唆演出は、後述するように、現時点での差玉数を遊技者に示唆する演出である。但し、現差玉数示唆演出では、遊技制御用マイコン101によってカウント(計測)されている差玉数を常に正しく報知しているわけではなく、あくまで目安となる現時点の差玉数を遊技者に把握させるようになっている。そこで、第14変形例では、後述する現差玉数調整演出が実行されることで、現時点での差玉数を遊技者に正しく把握させるようにしている。そして、差玉数が80000以上になった後、大当たり遊技のエンディングでは、後述する遊技停止予告演出が実行されて、大当たり遊技状態の終了に伴って、遊技が実行不能に制御される。
次に、図82に基づいて、第14変形例の演出例について説明する。前提条件として、大当たり遊技状態に制御されていて、差玉数が79550よりも僅かに少ないこととする。このとき、表示画面50aでは、図82(A)に示すように、「1200pt」を示す賞球数画像G110とラウンド用背景画像G114が表示されている。そして、遊技球が第1大入賞口14に入球して、差玉数が79550以上になったこととする。
このとき、図82(B)に示すように、表示画面50aにて、過賞球異常予告演出が実行される。第14変形例の過賞球異常予告演出では、「現在の差玉数79550 差玉数80000で過賞球異常」を示す過賞球異常予告画像ZJが表示される。これにより、遊技者には、現時点での差玉数が79550であって、差玉数が80000まで到達すると、遊技が実行不能になることを事前に把握させることが可能である。この過賞球異常予告演出は、約5秒間(所定秒数)だけ実行されて、過賞球異常予告演出が終了すると、現差玉数示唆演出が開始される。
現差玉数示唆演出(特定計測数演出)は、上述したように、現時点での差玉数を遊技者に示唆する演出であり、過賞球防止機能が作動するまで(遊技が実行不能に制御されるまで)、実行され続けるようになっている。具体的には、第1大入賞口14に遊技球が入球して、差玉数が79565になると、図82(C)に示すように、「1215pt」を示す賞球数画像G110が表示されると共に、現差玉数示唆演出として、表示画面50aの下側にて「差玉数79565」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示される。続いて、第1大入賞口14に遊技球が入球して、差玉数が79580になると、図82(D)に示すように、「1230pt」を示す賞球数画像G110が表示されると共に、現差玉数示唆演出として、表示画面50aの下側にて「差玉数79580」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示される。こうして、現差玉数示唆演出により、遊技者には、現時点での差玉数がいくつなのかを随時把握させることが可能である。
ここで、第14変形例の現差玉数示唆演出は、上述したように、遊技制御用マイコン101によってカウント(計測)されている差玉数を常に正しく報知しているわけではないが、この理由について説明する。なお以下では、遊技制御用マイコン101によってカウント(計測)されている差玉数を、「実差玉数」と適宜呼ぶことにする。差玉数は、総賞球数と総発射球数との差のことであるため、遊技者が遊技球を発射する度に、減算されていくことになる。そのため、仮に現差玉数示唆演出において、遊技球が発射される度に、差玉数を示す数字を減算して表示するようにすると、頻繁に差玉数の数字が更新(減算)されて表示されることになり、遊技者に煩わしさを与えるおそれがある。
そこで、第14変形例では、現差玉数示唆演出において、実差玉数が減算されるときには、その減算された実差玉数の数字を表示するわけではなく、減算される前の実差玉数の数字をそのまま表示するようになっている。つまり、現差玉数示唆演出において示される数字は、遊技者が遊技球を発射しても、減算されることはない。こうして、現差玉数示唆演出では、実差玉数が増加するときに限って、示される数字が変化(増加)するため、頻繁に差玉数の数字が更新されて表示されるのを防ぐことが可能である。
ここで、現差玉数示唆演出において、実差玉数が減算されても、示される数字が変化しないため、遊技球が多く発射されていくほど、実差玉数と示されている数字との差(乖離)が大きくなっていく。そこで第14変形例では、現差玉数調整演出を実行することで、実差玉数と示されている数字との差を無くすようにしている。つまり、現差玉数調整演出を実行することで、現差玉数示唆演出で示されている数字を、実差玉数として正しく表示するようにしている。こうして、現差玉数示唆演出において正しい差玉数の数字が示されていなくても、現差玉数調整演出が実行されることで、遊技者には、現時点での差玉数を正しく把握させることが可能である。
第14変形例では、過賞球異常予告演出が実行された後、大当たり遊技が終了すると、エンディングの終了時、言い換えると移行する遊技状態の開始時に、現差玉数調整演出が実行される。また過賞球異常予告演出が実行された後、大当たり遊技が開始されると、オープニングの開始時に現差玉数調整演出が実行される。こうして、大当たり遊技の開始時及び終了時に、遊技者には、現時点での差玉数を正しく把握させるようになっている。また第14変形例では、実差玉数が80000以上になった後、大当たり遊技状態が終了する前のエンディングにて、現差玉数調整演出が実行される。この現差玉数調整演出により、遊技者には、遊技が停止する直前に、現時点での差玉数を正しく把握させるようになっている。
第14変形例の演出例の説明に戻る。図82(D)に示すように、現差玉数示唆演出において「差玉数79580」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示された後、ラウンド遊技が終了して、エンディングが開始されたこととする。これにより、図83(A)に示すように、表示画面50aにて、確変演出モードを示唆するエンディング画像G111が表示される。またこのときには、実差玉数が79870であるものの、現差玉数示唆演出として、「差玉数79895」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示されている。
その後、大当たり遊技(エンディング)が終了して、高確高ベース状態に移行すると、表示画面50aでは、図83(B)に示すように、現差玉数調整演出が実行される。具体的には、「差玉数調整」の文字を示す差玉数調整画像STが表示されると共に、「差玉数79870」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示される。こうして、現差玉数調整演出により、現差玉数示唆画像ZTで示される数字が、「79895」から「79870」に切替わる。つまり、現差玉数示唆演出が開始されてから大当たり遊技の実行中に遊技者が発射した遊技球の数だけ減算される。これにより、大当たり遊技が終了した時点で、遊技者に現時点での差玉数を正しく把握させることが可能である。
そして、図83(C)に示すように、高確高ベース状態において、確変用背景画像G105が表示される。また表示画面50aの下側では、現差玉数示唆演出が実行されていて、第2始動口12(電チュー12D)に遊技球が入球することによって、演出図柄EZの変動表示が実行されている。ここで、遊技球が第2始動口12に入球したことで、賞球数である1球が付与されるため、現差玉数示唆画像ZTで示される数字は、「79870」から「79871」に切替わっている。但し、遊技球が発射されているものの、現差玉数示唆画像ZTで示される数字は減算されることはない。
こうして、高確高ベース状態であっても、現差玉数示唆演出で示される数字は、実差玉数が増加する場合に限って、増加して表示されて、実差玉数が減少する場合には、減算して表示されることはない。これにより、頻繁に差玉数の数字が更新されて表示されることがなく、遊技者に過剰に差玉数の数字を意識させないことが可能である。即ち、高確高ベース状態など、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が1未満である遊技状態では、基本的に遊技が進行する度に差玉数は減少していく。この場合、仮に実差玉数を示す数字を常に正確に示すようにすると、遊技の進行につれて減少していく差玉数の数字を遊技者に過剰に意識させるおそれがある。そこで第14変形例では、実差玉数が減少する場合には、現差玉数示唆演出で示す数字を減少させないことで、差玉数の数字の減少、つまり実質的にはベースの減少を過剰に意識させないようにすることが可能である。
その後、遊技が進行して、特図2の抽選によってSPリーチが開始されたこととする。このとき、図83(D)に示すように、表示画面50aでは、SPリーチ専用演出として、SPリーチ用背景画像G113が表示されている。またこのときには、表示画面50aの下側では、「差玉数79890」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示されている。なお、SPリーチの実行中に、遊技者は遊技球を数発ほど発射しているものの、現差玉数示唆画像ZTでは、「差玉数79890」が継続して示されるようになっている。
そして、特図変動パターンが「SP大当たり変動」であることにより、図84(A)に示すように、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(「555」)で停止表示する。これにより、遊技者には大当たりに当選したことが報知される。なお変動演出が終了する時点では、現差玉数示唆画像ZTにて「差玉数79890」が示されているものの、実差玉数は79212であることとする。
続いて、大当たり遊技が開始されると、図84(B)に示すように、現差玉数調整演出が実行される。具体的には、差玉数調整画像STが表示されると共に、「差玉数79212」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示される。こうして、現差玉数調整演出により、現差玉数示唆画像ZTで示される数字が、「79890」から「79212」に切替わり、高確高ベース状態で遊技者が発射した遊技球の数だけ減算される。これにより、大当たり遊技が開始した時点で、遊技者に現時点での差玉数を正しく把握させることが可能である。
次に、オープニング演出として、図84(C)に示すように、表示画面50aでは、「BONUS」を示すボーナス獲得画像BKが表示される。そして、オープニングが終了して、ラウンド遊技が開始されると、表示画面50aでは、図84(D)に示すように、ラウンド用背景画像G114が表示されると共に、遊技球が第1大入賞口14に入球することに伴って、「15pt」を示す賞球数画像G110が表示される。またこのときには、現差玉数示唆演出として、「差玉数79227」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示される。こうして、賞球数画像G110で示される数字の増加分と、現差玉数示唆画像ZTで示される数字の増加分とが同じであることで、遊技者には発射された遊技球の数を意識させないようにしている。
その後、ラウンド遊技が進み、図85(A)に示すように、表示画面50aでは、「ラウンド6」を示すラウンド画像G109と、「765pt」を示す賞球数画像G110とが表示されている。またこのときには、「差玉数79989」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示されている。続いて、遊技球が第1大入賞口14に入球すると、図85(B)に示すように、「780pt」を示す賞球数画像G110と、「差玉数80004」を示す現差玉数示唆画像ZTと、が表示される。ここで、現差玉数示唆画像ZTでは、示している数字が80000以上になることで、数字を囲む枠線が太い赤線に切替わる。これにより、現差玉数示唆画像ZTで示されている数字が80000以上であることを、遊技者により意識させるようにしている。なお、現差玉数示唆画像ZTで示されている数字が80000以上であっても、遊技者が発射した遊技球の数が反映されていないため、実差玉数が80000以上であることが確定しているわけではない。
続いて、ラウンド遊技が進み、ラウンド遊技が終了する直前では、図85(C)に示すように、「ラウンド10」を示すラウンド画像G109と、「1500pt」を示す賞球数画像G110とが表示されている。またこのときには、「差玉数80712」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示されている。ここで、ラウンド遊技が終了する時点で、実差玉数が80000以上になっていることとする。この場合、エンディングが開始されるときに、図84(D)に示すように、現差玉数調整演出が実行される。なお、ラウンド遊技が終了する時点で実差玉数が80000未満である場合には、現差玉数調整演出が実行されずに、上述したように大当たり遊技(エンディング)が終了したときに現差玉数調整演出が実行される。こうして第14変形例では、大当たり遊技が終了すると過賞球防止機能が作動する状況である場合に限り、その大当たり遊技のエンディングが開始されるときに、現差玉数調整演出を実行するようにしている(図81参照)。
図85(D)に示すように、現差玉数調整演出では、差玉数調整画像STが表示されると共に、「差玉数80602」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示される。こうして、現差玉数調整演出が実行された後の現差玉数示唆画像ZTにおいて、差玉数が80000以上であることが示されている。これにより、遊技者には、実差玉数が80000以上であって、過賞球防止機能が作動する状況であることを把握させることが可能である。
続いて、エンディングでは、図86(A)に示すように、表示画面50aにて、遊技停止予告演出が実行される。つまり、大当たり遊技が終了すると過賞球防止機能が作動する状況である場合では、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111(図18(C-3)参照)が表示されずに、遊技停止予告演出が実行される。遊技停止予告演出では、具体的に、「まもなく遊技が停止されます」の文字を示す遊技停止予告画像YTが表示される。これにより、遊技者には、エンディングが終了すると、遊技が実行不能になることを強く意識させることが可能である。なおこのときでも、表示画面50aの下側では、「差玉数80612」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示されている。
その後、大当たり遊技(エンディング)が終了すると、過賞球防止機能が作動して、遊技が実行不能に制御される。このとき、図86(B)に示すように、表示画面50aでは、赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。これにより、遊技者には、遊技が実行できない状況になったことを容易に把握させることが可能である。
この第14変形例において、現差玉数示唆演出が開始された後、実差玉数が78500(演出下限数)未満になると、現差玉数示唆画像ZTが表示(現差玉数示唆演出が実行)されなくなる。これは、差玉数が80000以上なるまでに、1回の大当たり遊技で最も多くの賞球を付与可能な大当たり図柄(大当たり図柄Z1)の賞球数(1500)よりも、多くの賞球数が必要になるからである。つまり、次回の大当たり遊技が終了した後では、過賞球防止機能が作動しないことを考慮して、現差玉数示唆演出を実行しないようにしている。これにより、差玉数が80000よりも十分小さいにも拘わらず、現差玉数示唆演出が実行され続けていて、遊技者に過剰に差玉数の数字を意識させるのを防ぐことが可能である。なお、現差玉数示唆演出が実行されなくなる契機となる実差玉数(演出下限数)を、78500未満としたが、その他の数字(例えば78000)としても良く、適宜変更可能である。
また第14変形例において、現差玉数示唆演出が開始された後、当該現差玉数示唆演出は、大当たり遊技状態(有利遊技状態)、高確高ベース状態(有利遊技状態)、及び低確高ベース状態(有利遊技状態)である場合に限り、実行される。即ち、通常遊技状態では、現差玉数示唆演出が実行されることはない。これは、実差玉数が80000以下である状況で通常遊技状態に移行した後、その通常遊技状態で実差玉数が80000以上になる可能性は極めて低くて、通常遊技状態では差玉数の数字を遊技者に敢えて気にさせない方が好ましいからである。こうして、大当たり遊技状態で現差玉数示唆演出が開始されても、その後に通常遊技状態に移行した場合には、現差玉数示唆演出が実行されなくなる。これにより、通常遊技状態において、遊技者に差玉数の数字を敢えて気にさせないようにすることが可能である。
以上、詳細に説明したように、第14変形例では、実差玉数が79550以上になると、図82(C)に示すように、差玉数の数字を示唆する現差玉数示唆演出が実行される。これにより、遊技者には、遊技が実行不能になる状況、即ち、過賞球防止機能の作動にどのくらい近づいているかを把握させることが可能である。また現差玉数示唆演出の実行中に、実差玉数が増加すると、数字が増加して示される一方、現差玉数示唆演出の実行中に、実差玉数が減少すると、数字が減少しないで示される。これにより、遊技者には、実差玉数が増加する場合にだけ、差玉数の数字を気にさせることが可能である。つまり、遊技者には、差玉数の数字が頻繁に増減するのを見せないようにして、差玉数の数字を過剰に意識させないようにすることが可能である。
また第14変形例では、大当たり遊技が終了すると、図83(B)に示すように、現差玉数調整演出が実行されて、現差玉数示唆画像ZTで示される数字が、実差玉数と一致するように補正して示される。また、大当たり遊技が開始されると、図84(B)に示すように、現差玉数調整演出が実行されて、現差玉数示唆画像ZTで示される数字が、実差玉数と一致するように補正して示される。こうして、実差玉数と、現差玉数示唆画像ZTで示される数字との差が大きくなっても、大当たり遊技が開始される、又は大当たり遊技が終了することで、正しい差玉数の数字を遊技者に把握させることが可能である。
<第15変形例>
上記第14変形例では、遊技が実行不能に制御されると(過賞球防止機能が作動すると)、図86(B)に示すように、エラー解除方法画像ERXが表示されるだけで、遊技者が演出に関与することがなかった。これに対して、第15変形例では、遊技が実行不能に制御されると、文字入力演出が実行されて、遊技者が演出に関与できるようになっている。
第15変形例では、遊技が実行不能に制御されると、到達達成演出が実行される。到達達成演出は、図87(B)に示すように、差玉数が80000以上になったことを祝うための演出である。具体的に、到達達成演出では、「80000発達成おめでとう」の文字と喜んでいるキャラとを示す到達達成画像OFが表示される。この到達達成画像OFは、差玉数が80000に到達したことを示唆する達成画像といえる。この到達達成演出により、遊技者に、差玉数が80000以上という極めてレアな状況を作り出すことができた達成感を抱かせて、ポジティブな印象を与えることが可能である。つまり、図86(B)に示すエラー解除方法画像ERXではなく、図87(B)に示す到達達成画像OFを表示することで、遊技が実行できなくなるという否定的な印象を与え難くすることが可能である。
図87(B)に示す到達達成演出の実行中に、表示画面50aの右下部には、入力切替画像NKが表示されている。入力切替画像NKは、後述する文字入力画像MGを表示するために通常ボタン40への押下操作を促す画像である。具体的に、入力切替画像NKでは、通常ボタン40の形状と「文字入力画面へ切替」の文字とが示されている。従って、入力切替画像NKの表示中に、通常ボタン40が押下操作されると、図87(C)に示すように、文字入力演出として、文字入力画像MGが表示される。
図87(C)に示す文字入力画像MGでは、「入力中の文字」の欄と、「あ」から「の」までの入力可能な各文字と、「文字切替」の欄と、「消去」の欄と、「決定」の欄と、「終了」の欄と、が示されている。文字入力画像MGの表示中に、セレクトボタンで「文字切替」の欄にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、表示中の各文字が切替わる。なお、切替可能な文字の種類は、ひらがな、カタカナ、ローマ字、数字になっている。また文字入力画像MGの表示中に、セレクトボタンで「消去」の欄にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、「入力中の文字」の欄に示されている文字(一番右側の文字)が1つ消去される。また文字入力画像MGの表示中に、セレクトボタンで表示中の各文字の何れかを選択しつつ、セレクトボタンで「決定」の欄にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、選択した文字が「入力中の文字」の欄に表示される。また文字入力画像MGの表示中に、セレクトボタンで「終了」の欄にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、文字入力画像MGの表示が終了して、到達達成画像OFの表示に戻る。
こうして、文字入力演出では、遊技者が、セレクトボタンと通常ボタン40を操作して、任意の文字を入力することができる。つまり、演出制御用マイコン121は、遊技者が選択した任意の文字を受け付けることができる。その後、図87(D)に示すように、文字入力画像MGの表示から到達達成画像OFの表示に切替わると、遊技者が入力した文字(文字入力画像MGの「入力中の文字」の欄で表示されていた文字)を示す入力反映画像NPが表示される。このようにして、遊技が実行不能に制御された後(過賞球防止機能が作動した後)、遊技者は、自身が選択した任意の文字を表示画面50aに表示させることが可能である。
次に第15変形例の演出例について、図87に基づいて説明する。前提条件として、実差玉数が80602であって、大当たり遊技のエンディングであることとする。この場合、図87(A)に示すように、遊技停止予告演出として、表示画面50aにて、遊技停止予告画像YTが表示される。また表示画面50aの下側では、「差玉数80612」を示す現差玉数示唆画像ZTが表示されている。
その後、大当たり遊技(エンディング)が終了すると、過賞球防止機能が作動して、遊技が実行不能に制御される。このとき、図87(B)に示すように、到達達成演出として、到達達成画像OFが表示される。またこのときには、表示画面50aの下側にて、過賞球異常報知演出が実行される。過賞球異常報知演出は、遊技者に過賞球防止機能が作動したこと、つまり遊技が実行不能に制御されたことを把握させるための演出であり、具体的には、「過賞球異常」の文字を示す過賞球異常報知画像KFが表示される。こうして、到達達成演出が実行されるときでも、過賞球異常報知演出が実行されることで、遊技者には遊技が実行できないことを意識させることが可能である。
そして、図87(B)に示すように、到達達成演出の実行中に、表示画面50aの右下部には、入力切替画像NKが表示されている。ここで、遊技者が通常ボタン40を押下操作すると、図87(C)に示すように、文字入力演出として、文字入力画像MGが表示される。このとき遊技者は、セレクトボタン及び通常ボタン40(所定操作手段)を操作して、演出制御用マイコン121に「クリアBYタロウ」の文字情報を受け付けさせたこととする。これにより、「入力中の文字」の欄で「クリアBYタロウ」が表示されることになる。その後、遊技者は、文字入力画像MGの表示中に、セレクトボタンで「終了」の欄にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作する。
これにより、図87(D)に示すように、到達達成画像OFが表示されると共に、「クリアBYタロウ」の文字を示す入力反映画像NPが表示される。この結果、遊技者は、到達達成画像OF及び過賞球異常報知画像KFに付随して、自身が選択した「クリアBYタロウ」という文字を示す入力反映画像NPを表示させることが可能である。このとき遊技者は、携帯電話のカメラ等によって、到達達成画像OFと過賞球異常報知画像KFと入力反映画像NPとを撮影して、撮影した画像を友人に見せたり、撮影した画像をインターネットにアップして、自慢することが可能である。つまり、到達達成画像OFと過賞球異常報知画像KFに付随して、遊技者が任意に選択した文字が表示されることで、遊技者に、差玉数が80000以上という極めてレアな状況になった証拠を作らせることが可能である。なお、入力反映画像NPの表示が、「特別操作演出」に相当する。
ここで、演出制御用マイコン121は、過賞球防止機能が作動すると、過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報を演出用RAM124の非消去記憶領域(図示省略)に記憶するようになっている。更に、演出制御用マイコン121は、文字入力演出によって受け付けた文字情報(例えば上述した「クリアBYタロウ」の文字情報)を、演出用RAM124の非消去記憶領域(図示省略)に記憶するようになっている。非消去記憶領域は、演出用RAM124のうち、RAMクリアが実行されても、記憶されている情報が演出用CPU122によって消去されない記憶領域のことである。従って、過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報、及び、文字入力演出によって受け付けた文字情報は、演出用RAM124の非消去領記憶域に記憶された後、RAMクリアが実行されても、消去されることはない。つまり、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御された後、賞球防止機能が作動したことを示す作動情報、及び遊技者が入力した文字情報は、その後にRAMクリアの実行によって遊技が実行不能な制御が解除されても、演出用RAM124の非消去記憶領域に記憶されたままになる。
ここで、第15変形例において、過賞球異常作動履歴演出について、図88に基づいて説明する。前提条件として、上述したように、過賞球防止機能が作動した後、文字入力演出によって、遊技者が「クリアBYタロウ」の文字情報を入力したこととする。これにより、演出用RAM124の非消去記憶領域には、過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報と共に、「クリアBYタロウ」の文字情報が記憶される。そして、電源が遮断された後、電源投入に伴ってRAMクリアが実行されて、客待ち演出が実行されたこととする。更に、この客待ち演出の実行中で、客待ちデモ動画G100(図18(A-1)参照)が表示されているときに、遊技者が通常ボタン40を押下操作したこととする。
この場合、図88(A)に示すように、表示画面50aには、作動後設定画面G201が表示される。作動後設定画面G201には、スピーカ52から出力される音の音量設定の欄、表示画面50aの輝度設定(「光量設定」)の欄、実行される演出の頻度設定(「演出設定」)の欄の他、過賞球異常作動履歴の欄がある。こうして、第15変形例では、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されている場合、客待ち演出の実行中に、図18(A-2)に示す設定画面G101が表示されることがなく、作動後設定画面G201が表示される。これにより、作動後設定画面G201において、過賞球異常作動履歴の欄を見た遊技者は、以前に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機であることを把握することが可能である。その結果、極めて多い賞球を獲得可能なパチンコ遊技機であるという印象を抱かせて、遊技意欲を向上させることが可能である。
そして、作動後設定画面G201の表示中に、遊技者が、セレクトボタンで「過賞球異常作動履歴」の欄にカーソルを合わせて、通常ボタン40を押下操作したこととする。この場合、図88(B)に示すように、表示画面50aには、到達達成演出として、到達達成画像OFが表示される。またこのときには、表示画面50aの下側にて、過賞球異常報知演出として、過賞球異常報知画像KFが表示される。更に、「クリアBYタロウ」の文字を示す入力反映画像NPが表示される。
こうして、第15変形例では、演出用RAM124の非消去記憶領域に「クリアBYタロウ」の文字情報が記憶されている場合、客待ち演出の実行中に、過賞球防止機能を作動させたときの遊技者によって選択された文字を示す入力反映画像NPが表示される。その結果、過賞球防止機能を作動させた遊技者には、RAMクリアが実行されても、過賞球防止機能を作動させた証拠としてのメッセージが残り続けるという特典を与えることが可能である。なお、図88(B)に示すように、客待ち演出の実行中に到達達成画像OFが表示されても、過賞球防止機能が作動した直後に到達達成画像OFが表示された場合と異なり、入力切替画像NKが表示されることはない。つまり、客待ち演出の実行中に文字入力演出(図87(C)参照)が実行されることがないため、入力反映画像NPで示される文字は、あくまで過賞球防止機能を作動させた遊技者のみの特典になっている。
以上、詳細に説明したように、第15変形例では、差玉数が80000以上になることに基づいて、遊技が実行不能に制御される。そして、遊技が実行不能に制御された後に、図87(C)に示すように、遊技者は通常ボタン40及びセレクトボタンへの操作によって、任意の文字を入力することができる。これにより、図87(D)に示すように、「クリアBYタロウ」の文字を示す入力反映画像NPが表示(特別操作演出が実行)される。こうして、遊技が実行不能になった後でも、遊技者を楽しませることが可能である。特に、差玉数が80000以上になった記念として、遊技者に任意の文字を表示させて、特別な達成感を与えることが可能である。
また第15変形例では、遊技が実行不能に制御された後、図87(D)に示すように、差玉数が80000以上になったことを示唆する到達達成画像OFに付随して、遊技者が入力した文字を示す入力反映画像NPが表示される。これにより、遊技者には、到達達成画像OFと自身が入力した文字とを見せて、大きな満足感を与えることが可能である。
また第15変形例では、遊技が実行不能に制御された後、電源が遮断される。その後、電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作されていることに基づいて、RAMクリアが実行される(遊技情報が消去される)。しかしながら、RAMクリアが実行されても、演出用RAM124の非消去記憶領域に記憶されている文字情報(例えば「クリアBYタロウ」の文字情報)が消去されない。これにより、遊技が実行不能に制御された後の電源投入後であっても、図88(B)に示すように、差玉数を80000以上にした遊技者が入力した文字を、記念として表示することが可能である。
<第16変形例>
上記第15変形例では、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後において、図88(A)に示す作動後設定画面G201の過賞球異常作動履歴を見ることで、以前に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機PY1であることを把握できるようになっていた。これに対して、第16変形例では、以下に示す過賞球異常作動後演出を見ることで、以前に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機PY1であることを把握できるようになっている。過賞球異常作動後演出(特別演出)は、過賞球防止機能が作動したことがない場合には実行されることがなく、過賞球防止機能が作動した場合に限り実行されることがある演出のことである。第16変形例では、過賞球異常作動後演出として、特別SPリーチ(図89(B)参照)と、特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照)と、特別オープニング演出(図91(B-2)(C-2)参照)と、特別客待ちデモ演出(図92(B-2)参照)と、があり、以下順番に説明する。
先ず図89に基づいて、特別SPリーチ(特別リーチ演出)が実行される場合について説明する。特別SPリーチは、遊技者に大当たりを期待させるSPリーチ(リーチ演出)の一つであり、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に限って実行されることがある。つまり、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていなければ、演出制御用マイコン121は特別SPリーチを実行することがなく、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていれば、演出制御用マイコン121は特別SPリーチを実行可能である。第16変形例の特別SPリーチは、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合に限り、実行され得るようになっている。つまり、特別SPリーチが実行されれば、ハズレが報知されることがなく、特別SPリーチは大当たりへの当選が確定していることを示す演出になっている。
特別SPリーチが実行される場合、Nリーチの後に、図89(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ用背景画像G113が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチ開始タイトル画像G1が表示される。その後、図89(B)に示すように、表示画面50aでは、虹色のエフェクトが付いた主人公キャラと敵キャラとが戦う特別バトル画像G123が表示される。ここで、通常のSPリーチの場合、図21(B)に示すように、主人公キャラに虹色のエフェクトが付いていないものの、特別SPリーチの場合、図89(B)に示すように、主人公キャラに虹色のエフェクトが付いている。従って、虹色のエフェクトが付いた主人公キャラを遊技者に見せることで、通常のSPリーチではなく、特別SPリーチが実行されていることを分かり易く示している。なお、図21に示す通常のSPリーチは、過賞球防止機能が作動する前だけでなく、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後であっても実行されることがある。
そして、特別SPリーチの最終局面を迎えると、表示画面50aに、虹色のエフェクトが付いている主人公キャラがバトルに勝利して喜んでいる特別バトル勝利画像G124が表示されると共に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。つまり、特別SPリーチが実行された場合には、主人公キャラがバトルで敗北することがなく、大当たりへの当選が必ず報知される。こうして、特別SPリーチを把握した遊技者には、大当たりへの当選を把握させると共に、以前に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機PY1であることを把握させることが可能である。その結果、極めて多い賞球を獲得可能なパチンコ遊技機PY1であると認識させて、その後のラッシュ(連荘)に大きな期待感を抱かせることが可能である。
次に図90に基づいて、特別カットイン予告演出が実行される場合について説明する。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、ボタン40,41等を用いて、大当たり遊技が実行される可能性を示唆する演出といえる。この予告演出の中には、表示画面50aで実行中の演出に対して、カットイン画像を一時的に割り込ませて表示するカットイン予告演出がある。そして、このカットイン予告演出の中には、通常カットイン予告演出と、特別カットイン予告演出と、がある。
通常カットイン予告演出が実行される場合、図90(A)に示すように、例えば演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示中に、図90(B-1)に示すように、通常カットイン予告画像XYが一時的に表示される。通常カットイン予告画像XYは、変身した主人公キャラの横顔を示していて、大当たりへの当選期待度が30%であることを示すようになっている。従って、通常カットイン予告演出は、大当たりへの当選が確定していることを示す演出ではなく、通常カットイン予行演出が実行された後には、大当たりへの当選又はハズレの何れも報知されることがある。そして、この通常カットイン予告演出は、過賞球防止機能が作動する前だけでなく、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後であっても実行されることがある。
これに対して、特別カットイン予告演出(特別予告演出)は、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に限って実行されることがある。つまり、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていなければ、演出制御用マイコン121は特別カットイン予告演出を実行することがなく、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていれば、演出制御用マイコン121は特別カットイン予告演出を実行可能である。第16変形例の特別カットイン予告演出は、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合に限り、実行され得るようになっている。つまり、特別カットイン予告演出が実行されれば、ハズレが報知されることがなく、特別カットイン予告演出は大当たりへの当選が確定していることを示す演出になっている。
特別カットイン予告演出が実行される場合、図90(A)に示すように、例えば演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示中に、図90(B-2)に示すように、特別カットイン予告画像XZが一時的に表示される。特別カットイン予告画像XZは、主人公キャラの横顔を示しているものの、図90(B-1)に示す通常カットイン予告画像XYと異なり、主人公キャラの横顔に虹色のエフェクトが付いている。こうして、虹色のエフェクトが付いた主人公キャラの横顔を遊技者に見せることで、通常カットイン予告演出ではなく、特別カットイン予告演出が実行されていることを分かり易く示している。この特別カットイン予告演出が実行された後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示することになる。よって、特別カットイン予告演出を把握した遊技者には、大当たりへの当選をいきなり把握させると共に、以前に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機であることを把握させることが可能である。その結果、極めて多い賞球を獲得可能なパチンコ遊技機PY1であると認識させて、その後のラッシュ(連荘)に大きな期待感を抱かせることが可能である。
次に図91に基づいて、特別オープニング演出が実行される場合について説明する。オープニング演出は、大当たり遊技の開始を示す演出であるが、第16変形例のオープニング演出の中には、通常オープニング演出と、特別オープニング演出と、がある。
通常オープニング演出が実行される場合、図91(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様で停止表示した後、図91(B-1)に示すように、「ロゴBONUS」の文字を示す通常ボーナス画像TVが表示される。この通常ボーナス画像TVの表示により、遊技者には通常オープニング演出が実行されていること把握させることが可能である。そして、通常オープニング演出の場合、図91(C―1)に示すように、変身した主人公キャラが現れる通常オープニング画像TCが表示される。この通常オープニング演出は、大当たり遊技後に高確率状態を実質的に獲得可能なVロング大当たり、又は大当たり遊技後に高確率状態を獲得不能なVショート大当たり(図70参照)の何れであっても実行される。つまり、演出制御用マイコン121は、大当たり図柄X、大当たり図柄Y、大当たり図柄Z1、大当たり図柄Z2の何れであっても、通常オープニング演出を実行することがある。そして、この通常オープニング演出は、過賞球防止機能が作動する前だけでなく、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後であっても実行されることがある。
これに対して、特別オープニング演出(特別当たり演出)は、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に限って実行されることがある。つまり、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていなければ、演出制御用マイコン121は特別オープニング演出を実行することがなく、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていれば、演出制御用マイコン121は特別オープニング演出を実行可能である。第16変形例の特別オープニング演出は、大当たり遊技後に高確率状態を実質的に獲得可能なVロング大当たり(大当たり図柄X、大当たり図柄Z1)に当選した場合に限り、実行され得るようになっている。つまり、特別オープニング演出が実行されれば、正しく遊技を行っている限り実質的に高確率状態への移行が確定していることを示す演出になっている。
特別オープニング演出が実行される場合、図91(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様で停止表示した後、図91(B-2)に示すように、「特別ロゴBONUS」の文字を示す特別ボーナス画像SBが表示される。この特別ボーナス画像SBの表示により、遊技者には特別オープニング演出が実行されていること把握させることが可能である。そして、特別オープニング演出の場合、図91(C―2)に示すように、変身した主人公キャラが虹色のエフェクトが付いた状態で現れる特別オープニング画像SCが表示される。
こうして、特別オープニング演出を把握した遊技者には、Vロング大当たりへの当選によって大当たり遊技後に高確率状態に移行できることを把握させると共に、以前に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機PY1であることを把握させることが可能である。その結果、極めて多い賞球を獲得可能なパチンコ遊技機PY1であると認識させて、その後のラッシュ(連荘)に大きな期待感を抱かせることが可能である。なお、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後であって、Vロング大当たり(大当たり図柄X、大当たり図柄Z1)に当選した場合であっても、必ず特別オープニング演出が実行されるわけではなく、極稀に(約5%の振分率で)特別オープニング演出が実行されるように設定されている。こうして、特別オープニング演出の希少価値を高めていて、特別オープニング演出を見た遊技者に大きな高揚感を与えることが可能である。
次に図92に基づいて、特別客待ちデモ演出が実行される場合について説明する。客待ちデモ演出は、変動演出が実行されていないことを示す客待ち演出の一部である。つまり、客待ち演出では、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が一定時間(例えば30秒間)停止表示された状態が継続すると、客待ちデモ演出に移行するようになっている。なお第16変形例では、客待ちデモ演出の実行中に、遊技者が通常ボタン40を押下操作すると、図88(A)に示す作動後設定画面G201が表示されることはなく、図18(A-1)に示す設定画面G101が表示される。第16変形例の客待ちデモ演出の中には、通常客待ちデモ演出と、特別客待ちデモ演出と、がある。
通常客待ちデモ演出が実行される場合、図92(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が例えば30秒間停止表示した後、図92(B-1)に示すように、変身した主人公キャラと敵キャラとが戦う通常客待ちデモ動画TDが表示される。この通常客待ちデモ動画TDの表示により、遊技者には通常客待ちデモ演出が実行されていること把握させることが可能である。そして、通常客待ちデモ動画TDが終了すると、図92(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示した状態に戻ることになる。以後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が30秒間停止表示した状態⇒通常客待ちデモ演出⇒演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が30秒間停止表示した状態が繰り返される。この通常客待ちデモ演出は、過賞球防止機能が作動する前だけでなく、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後であっても実行されることがある。
これに対して、特別客待ちデモ演出(特別客待ち演出)は、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に限って実行されることがある。つまり、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていなければ、演出制御用マイコン121は特別客待ちデモ演出を実行することがなく、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されていれば、演出制御用マイコン121は特別客待ちデモ演出を実行可能である。そして、第16変形例では、電源が投入された直後(最初の変動演出が開始される前)に演出制御用マイコン121が抽選によって特別客待ちデモ演出の実行の有無を抽選によって決定する。そのため、演出制御用マイコン121が抽選によって特別客待ちデモ演出を実行しないと決定すれば、電源が遮断されるまで特別客待ちデモ演出が実行されることはない。なお第16変形例では、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されている場合に、抽選により30%(所定割合)の振分率で特別客待ちデモ演出を実行すると決定するようになっている。
更に第16変形例では、演出制御用マイコン121は、電源が投入されてから最初に演出図柄EZの変動表示が開始されるまでに限り、特別客待ちデモ演出を実行可能である。つまり、演出制御用マイコン121が抽選によって特別客待ちデモ演出を実行すると決定しても、電源が投入されてから最初に演出図柄EZの変動表示が開始された後では、特別客待ちデモ演出が実行されることはなく、通常客待ちデモ演出が実行されるようになっている。こうして、電源投入後に初めて遊技を開始する遊技者に対してのみ、特別客待ちデモ演出が把握できるようになっている。
特別客待ちデモ演出が実行される場合、図92(A)に示すように、電源投入直後から演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が初期表示態様(初期出目「324」)で停止表示されている。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が初期表示態様で例えば30秒間停止表示した後、図92(B-2)に示すように、主人公キャラが特殊態様に変身したことを示す特別客待ちデモ動画SDが表示される。この特別客待ちデモ動画SDの表示により、遊技者には特別客待ちデモ演出が実行されていること把握させることが可能である。そして、特別客待ちデモ動画SDが終了すると、図92(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が初期表示態様で停止表示した状態に戻ることになる。以後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が30秒間停止表示した状態⇒特別客待ちデモ演出⇒演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が30秒間停止表示した状態が繰り返される。
こうして、特別客待ちデモ演出を把握した遊技者には、以前に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機PY1であることを把握させることが可能である。その結果、極めて多い賞球を獲得可能なパチンコ遊技機PY1であると認識させて、これから開始する遊技に期待感を抱かせることが可能である。つまり、遊技者には、電源投入後に最初に遊技を開始する特典として特別客待ちデモ演出を見せて、これから始まる一日中の遊技で再び過賞球防止機能を作動させたいと思わせることが可能である。
以上、詳細に説明したように、第16変形例では、過賞球防止機能が作動すると、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に、過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報を記憶させる。そして、この作動情報は、RAMクリアが実行されても、消去されることはない。これにより、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に記憶されている作動情報に基づいて、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別SPリーチ(図89(B)参照)を実行可能である。これにより、特別SPリーチを把握した遊技者には、斬新なSPリーチを堪能させると共に、過剰な賞球が付与されたことがあるパチンコ遊技機PY1であることを認識させることが可能である。
また第16変形例では、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に記憶されている作動情報に基づいて、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照)を実行可能である。これにより、特別カットイン予告を把握した遊技者には、斬新なカットイン予告演出(予告演出)を堪能させると共に、過剰な賞球が付与されたことがあるパチンコ遊技機PY1であることを認識させることが可能である。
また第16変形例では、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に記憶されている作動情報に基づいて、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別オープニング演出(図91(B-2)、図91(C-2)参照)を実行可能である。これにより、特別オープニング演出を把握した遊技者には、斬新なオープニング演出を堪能させると共に、過剰な賞球が付与されたことがあるパチンコ遊技機PY1であることを認識させることが可能である。
また第16変形例では、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後に、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に記憶されている作動情報に基づいて、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別客待ちデモ演出(図92(B-2)参照)を実行可能である。これにより、遊技するパチンコ遊技機を選んでいる遊技者に、特別客待ちデモ演出を見せることで、過剰な賞球が付与されたことがあるパチンコ遊技機PY1であることを認識させて、本パチンコ遊技機PY1で遊技を開始したいと思わせることが可能である。
<第17変形例>
上記第16変形例では、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続している場合、遊技場の従業員にとって、遊技が実行不能にされた制御が継続していることをすぐに把握し難かった。これに対して、第17変形例では、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続している場合、遊技場の従業員にとって、遊技が実行不能にされた制御が継続していることをすぐに把握できるように構成されている。
図93に基づいて、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後において、遊技が実行不能にされた制御が継続している場合について説明する。前提条件として、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了することで、過賞球防止機能が作動(所定の停止条件が成立)したこととする。この場合、遊技制御用マイコン101は、上記形態の遊技停止フラグに替えて、過賞球防止用停止フラグをONにする。これにより、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、ステップS101の判定処理でYESと判定されることで、遊技が実行不能に制御されることになる。その後、電源が遮断されたこととする。なお、過賞球防止用停止フラグは、RAMクリアが実行されることで、OFFに切替わるようになっている。
このような前提条件において、図93(A)に示すように、電源が投入されたこととする。このとき(電源投入時)、遊技場の従業員がRAMクリアスイッチ191を押下操作しないことで、RAMクリアを実行しないこととする。この場合、遊技制御用マイコン101は、主制御処理の電源投入時処理(S101)において、過賞球防止用停止フラグがONであるか判定すると共に、RAMクリアスイッチ191が押下操作されていない(RAMクリアが実行されていない)かを判定する。そして、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止用停止フラグがONであり、且つRAMクリアスイッチ191が押下操作されていないと判定すると、過賞球防止機能の作動が解除されていないことを示す過賞球異常維持コマンドを演出制御基板120に送信する。一方、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止用停止フラグがOFFであると判定する、又はRAMクリアスイッチ191が押下操作されていると判定すると、過賞球異常維持コマンドを演出制御基板120に送信しない。
こうして、電源投入直後に、演出制御用マイコン121は、過賞球異常維持コマンドを受信すると、図93(B)に示す過賞球異常維持演出を実行する。具体的に、過賞球異常維持演出では、画像表示装置50(報知手段)の表示画面50aにて、赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常が解除されていません RAMクリアしてください」を示す過賞球異常維持画像KRXが表示される。また、スピーカ52(報知手段)から「過賞球異常が解除されていません RAMクリアしてください」という音声(過賞球異常維持音声)が出力される。更に、枠ランプ53(報知手段)が全て赤色で点滅すると共に、盤ランプ54(報知手段)が全て赤色で点滅する。この過賞球異常維持演出により、遊技場の従業員は、過賞球防止機能の作動が解除されておらず、遊技が実行できない状況のままであることを容易に把握させることが可能である。
即ち、過賞球防止機能が作動した後、翌日の電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作される必要があるが、遊技場の従業員が、前日に過賞球防止機能が作動したパチンコ遊技機PY1であることを十分に把握しておらず、電源投入時にRAMクリアスイッチ191を押下操作しない場合があり得る。よって、このような場合が生じても、遊技場の従業員には、過賞球異常維持演出により、遊技が実行不能にされた制御が継続していることをすぐに把握させることが可能である。その結果、過賞球防止機能が作動した日の翌日において、営業時間(例えば9時)の開始後にも拘わらず、遊技を実行不能にした制御が維持されていて、遊技者が遊技できないという事態が生じるのを確実に回避することが可能である。
また図93(B)に示す過賞球異常維持演出は、電源投入後に過賞球防止機能の作動が継続されている場合に限り実行される専用の演出である。つまり、過賞球異常維持演出は、過賞球防止機能が作動した直後を含めて、電源源投入後に過賞球防止機能の作動が継続されている状況以外において、実行されることがない演出である。従って、電源投入後に過賞球異常維持演出を把握した遊技場の従業員に、今までに一度も見たことがない演出を見せて、異常が生じていることを認識させ易くすることが可能である。
また図93(B)に示す過賞球異常維持演出は、電源投入直後に開始されてから電源が遮断されるまで継続する。つまり、過賞球異常維持演出は、パチンコ遊技機PY1に電源が投入されている間、中止されることはない。従って、遊技場の従業員には、電源投入後に、過賞球異常維持演出が実行されていることに気付き易くすることが可能である。なお、図93(B)に示す過賞球異常演出を実行する画像表示装置50(表示画面50a)、スピーカ52、枠ランプ53及び盤ランプ54が、「報知手段」に相当する。また、表示画面50aに表示される過賞球異常維持画像KRX、スピーカ52から出力される「過賞球異常が解除されていません RAMクリアしてください」という音声、枠ランプ53及び盤ランプ54の赤色の点滅が、「特別異常態様」に相当する。
次に図94に基づいて、不正な磁気が検知された後の電源投入後において、遊技が実行不能にされた制御が継続している場合について説明する。前提条件として、遊技制御用マイコン101は、エラー処理(S111)において、不正な磁気(特定の異常)があると判断すると(所定の停止条件が成立すると)、磁気検知用停止フラグをONにする。これにより(磁気検知用停止フラグがONであることにより)、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、ステップS101の判定処理でYESと判定されることで、遊技が実行不能に制御される。その後、電源が遮断されたこととする。なお、磁気検知用停止フラグは、RAMクリアが実行されることで、OFFに切替わるようになっている。つまり、第12変形例と同様、不正な磁気が検知された場合は、RAMクリアが実行されることを条件に、遊技が実行可能な状況に復帰できるようになっている。
このような前提条件において、図94(A)に示すように、電源が投入されたこととする。このとき(電源投入時)、遊技場の従業員がRAMクリアスイッチ191を押下操作しないことで、RAMクリアを実行しないこととする。この場合、遊技制御用マイコン101は、主制御処理の電源投入時処理(S101)において、磁気検知用停止フラグがONであるか判定すると共に、RAMクリアスイッチ191が押下操作されていない(RAMクリアが実行されていない)かを判定する。そして、遊技制御用マイコン101は、磁気検知用停止フラグがONであり、且つRAMクリアスイッチ191が押下操作されていないと判定すると、磁気検知に基づく異常が解除されていないことを示す磁気異常維持コマンドを演出制御基板120に送信する。一方、遊技制御用マイコン101は、磁気検知用停止フラグがOFFであると判定する、又はRAMクリアスイッチ191が押下操作されていると判定すると、磁気異常維持コマンドを演出制御基板120に送信しない。
こうして、電源投入直後に、演出制御用マイコン121は、磁気異常維持コマンドを受信すると、図94(B)に示す磁気異常維持演出を実行する。具体的に、磁気異常維持演出では、画像表示装置50(報知手段)の表示画面50aにて、青背景画像BLが表示されると共に、「エラー1 磁気検知異常が解除されていません RAMクリアしてください」を示す磁気異常維持画像KR1が表示される。また、スピーカ52(報知手段)から「磁気検知異常が解除されていません RAMクリアしてください」という音声(磁気異常維持音声)が出力される。更に、枠ランプ53(報知手段)が全て青色で点滅すると共に、盤ランプ54(報知手段)が全て青色で点滅する。この磁気異常維持演出により、遊技場の従業員は、磁気検知に基づく異常が解除されておらず、遊技が実行できない状況のままであることを容易に把握させることが可能である。
また図94(B)に示す磁気異常維持演出は、電源投入後に磁気検知に基づく異常が継続されている場合に限り実行される専用の演出である。つまり、磁気異常維持演出は、不正な磁気が検出された直後を含めて、電源源投入後に磁気検知に基づく異常が継続されている状況以外において、実行されることがない演出である。従って、電源投入後に磁気異常維持演出を把握した遊技場の従業員に、今までに一度も見たことがない演出を見せて、異常が生じていることを認識させ易くすることが可能である。
また図94(B)に示す磁気異常維持演出は、電源投入直後に開始されてから電源が遮断されるまで継続する。つまり、磁気異常維持演出は、パチンコ遊技機PY1に電源が投入されている間、中止されることはない。従って、遊技場の従業員には、電源投入後に、磁気異常維持演出が実行されていることに気付き易くすることが可能である。なお、表示画面50aに表示される磁気異常維持画像KR1、スピーカ52から出力される「磁気検知異常が解除されていません RAMクリアしてください」という音声、枠ランプ53及び盤ランプ54の青色の点滅が、「特別異常態様」に相当する。
以上、詳細に説明したように、第17変形例では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101により遊技が実行不能に制御される。その後、電源が遮断されて、電源が投入されるときに、遊技場の従業員は、RAMクリアスイッチ191を押下操作していない場合がある。この場合、遊技を実行不能にした制御が継続しているにも拘わらず、遊技場の従業員は、遊技が実行可能なパチンコ遊技機PY1であると勘違いするおそれがある。しかしながら、このような場合であっても、図93(B)に示すように、過賞球異常維持演出として、表示画面50aに過賞球異常維持画像KRXが表示され、スピーカ52から「過賞球異常が解除されていません RAMクリアしてください」という音声が出力され、枠ランプ53及び盤ランプ54が全て赤色で点滅する。これにより、遊技場の従業員に、遊技を実行不能にした制御が継続していることを確実に把握させることが可能である。
また第17変形例では、不正な磁気が検知されると、遊技制御用マイコン101により遊技が実行不能に制御される。その後、電源が遮断されて、電源が投入されるときに、遊技場の従業員は、RAMクリアスイッチ191を押下操作していない場合がある。この場合、遊技を実行不能にした制御が継続しているにも拘わらず、遊技場の従業員は、遊技が実行可能なパチンコ遊技機PY1であると勘違いするおそれがある。しかしながら、このような場合であっても、図94(B)に示すように、磁気異常維持演出として、表示画面50aに磁気異常維持画像KR1が表示され、スピーカ52から「磁気検知異常が解除されていません RAMクリアしてください」という音声が出力され、枠ランプ53及び盤ランプ54が全て青色で点滅する。これにより、遊技場の従業員に、遊技を実行不能にした制御が継続していることを確実に把握させることが可能である。
<第18変形例>
上記第17変形例では、遊技が実行不能に制御された後、遊技者による遊技が開始される前に、通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16kが移動することはなかった。これに対して、第18変形例では、遊技が実行不能に制御された後、遊技者による遊技が開始される前に、通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16kが移動できるように構成されている。
ところで、過賞球防止機能が作動すると(所定条件が成立すると)、又は不正な磁気が検知されると(所定条件が成立すると)、遊技が実行不能に制御されるため、通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16kが開閉(移動)しなくなる。なお以下では、遊技制御用マイコン101によって駆動が制御される可動部材、即ち、通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16kを、「遊技可動部材」と適宜呼ぶことにする。
しかしながら、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)の停止は、遊技制御用マイコン101にとって想定されたタイミングで行われるものでないため、不足の事態として、球噛みが生じるおそれがある。ここで、球噛みとは、可動部材とその可動部材と対向する部分との間に遊技球が介在して、その遊技球が留まった状態が維持されることを意味する。こうして、遊技が実行不能に制御されるのに伴って、通常AT開閉部材14kによる球噛み、VAT開閉部材15kによる球噛み、電チュー開閉部材12kによる球噛み、振分部材16kによる球噛みが想定されうる。
そこで第18変形例では、上記した球噛みを解消できるように、遊技が実行不能に制御された後の電源投入後に、球噛み防止モードが設定され得るようになっている。球噛み防止モードは、遊技制御用マイコン101が設定するモードの一つである。遊技制御用マイコン101が設定するモードには、球噛み防止モードの他に、主に遊技モードとRAMクリアモードとがある。遊技モードは、遊技者が遊技を実行可能であるときのモードである。具体的には、遊技制御用マイコン101が、メイン側タイマ割り込み処理(S005)のステップS102~S114の処理(図32参照)を例えば4msec周期で実行しているときに、遊技モードに設定されているといえる。またRAMクリアモードは、電源投入直後にRAMクリアが実行されているときのモードである。従って、RAMクリアモードに設定されているときには、メイン側タイマ割り込み処理(S005)のステップS102~S114の処理(図32参照)が実行されておらず、遊技者が遊技を実行不能になっている。
そして、第18変形例の球噛み防止モードは、遊技が実行不能に制御された後の電源投入後に、RAMクリアが実行されることを条件に、設定される。即ち、球噛み防止モードの開始条件は、図95に示すように、電源投入後にRAMクリアが実行されることにより、遊技を実行不能にした制御が解除されることである。そして、球噛み防止モードの終了条件は、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたことである。つまり、球噛み防止モードが設定された後、RAMクリアスイッチ191が押下操作されない限り、球噛み防止モードが継続するようになっている。以上により、球噛み防止モードは、RAMクリアモードが終了すると開始されることになり、球噛み防止モードが終了すると、遊技モードが開始されるようになっている。
球噛み防止モードが設定されている間、通常AT開閉部材14kは第1大入賞口14に対する開閉動作を繰返し、VAT開閉部材15kは第2大入賞口15に対する開閉動作を繰返し、電チュー開閉部材12kは第2始動口12(電チュー12D)に対する開閉動作を繰返し、振分部材16kは特定領域16(図3参照)に対する開閉動作を繰り返す。これにより、第1大入賞口14の周りで通常AT開閉部材14kによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。また、第2大入賞口15の周りでVAT開閉部材15kによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。また、第2始動口12の周りで電チュー開閉部材12kによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。また、特定領域16の周りで振分部材16kによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。なお、「第1大入賞口14」、「第2大入賞口15」、「第2始動口12」、「特定領域16」が、「入球部」に相当する。
ここで、上述したように球噛みを解消することで、第1大入賞口14の周りで留まっていた遊技球が流下し始めて、遊技球が第1大入賞口14に入球する場合がある。又は、第2大入賞口15の周りで留まっていた遊技球が流下し始めて、遊技球が第2大入賞口15に入球する場合がある。或いは、第2始動口12の周りで留まっていた遊技球が流下し始めて、遊技球が第2始動口12に入球する場合がある。若しくは、特定領域16の周りで留まっていた遊技球が流下し始めて、遊技球が特定領域16を通過(特定領域16に入球)する場合がある。これらの場合、仮に、賞球が払出されたり、高確率状態への移行が付与されてしまうと、不当な特典が遊技者に付与されることになる。
そこで、第18変形例では、球噛み防止モードに設定されている間、遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口センサ(検出手段)による遊技球の検出、第2大入賞口センサ15a(検出手段)による遊技球の検出、第2始動口センサ(検出手段)による遊技球の検出、特定領域センサ16a(検出手段)による遊技球の検出が無効になるように設定している。従って、球噛み防止モードに設定されている間、仮に、遊技球が第1大入賞口14に入球しても、遊技制御用マイコン101が第1大入賞口センサによる遊技球の検出を有効と判断しないため、賞球が付与されることはない。また仮に、遊技球が第2大入賞口15に入球しても、遊技制御用マイコン101が第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検出を有効と判断しないため、賞球が付与されることはない。また仮に、遊技球が第2始動口12に入球しても、遊技制御用マイコン101が第2始動口センサによる遊技球の検出を有効と判断しないため、賞球が付与されることはない。また仮に、遊技球が特定領域16を通過しても、遊技制御用マイコン101が特定領域センサ16aによる遊技球の検出を有効と判断しないため、高確率状態への移行が付与されることはない。以上により、球噛み防止モードにおいて、球噛みを解消しつつ、遊技者に不当な特典が付与されるのを防止することが可能である。
次に、第18変形例の球噛み防止モードの流れを、図95に基づいて説明する。前提条件として、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能の作動によって、遊技を実行不能に制御したこととする。この場合、図95に示すように、表示画面50aには、赤背景画像REとエラー解除方法画像ERXとが表示されている。ここで、遊技場の従業員は、本パチンコ遊技機PY1において過賞球防止機能が作動したことを把握することで、電源スイッチ193のOFF操作を行う。その後、遊技場の従業員は、過賞球防止機能が作動した日おいて、電源スイッチ193のON操作を行うことがなく、パチンコ遊技機PY1への電源供給が遮断されたままにしておく。
そして、翌日の営業時間の開始前において、遊技場の従業員は、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源スイッチ193のON操作を行う。これにより、RAMクリアが実行されて、RAMクリアモードに設定されることになる。RAMクリアモードに設定されているときに、表示画面50aにて、「しばらくお待ちください ラムクリア報知中にプッシュボタンを5回プッシュすると初期機能設定画像を表示します」を示すRAMクリア報知画像RCが表示される。こうして、RAMクリアが終了すると、RAMクリアモードから球噛み防止モードに自動的に切替わる。
球噛み防止モードが開始されると、表示画面50aでは、「球噛み防止モード」の文字を示す球噛み防止モード画像TGが表示されると共に、スピーカ52から「球噛み防止モード」の音声が出力される。これにより、遊技場の従業員に、球噛み防止モードに設定されていることを容易に把握させることが可能である。そして、球噛み防止モードに設定されている間、通常AT開閉部材14kは第1大入賞口14に対する開閉動作を繰返し、VAT開閉部材15kは第2大入賞口15に対する開閉動作を繰返し、電チュー開閉部材12kは第2始動口12(電チュー12D)に対する開閉動作を繰返し、振分部材16kは特定領域16(図3参照)に対する開閉動作を繰り返す。これにより、第1大入賞口14の周り、第2大入賞口15の周り、第2始動口12の周り、特定領域16の周りで、球噛みが生じていても、その球噛みを解消することが可能である。
上述したように、第18変形例の球噛み防止モードは、遊技場の従業員がRAMクリアスイッチ191を押下操作するまで継続する。つまり、通常AT開閉部材14kの開閉動作、VAT開閉部材15kの開閉動作、電チュー開閉部材12kの開閉動作、振分部材16kの開閉動作は、RAMクリアスイッチ191が押下操作されるまで継続する。こうして、遊技場の従業員は、球噛みが解消されていることを確認するまで、球噛み防止モードを任意の時間だけ継続させることが可能である。
こうして、球噛み防止モードに設定されているときに、RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、遊技モードに切替わる。そして、遊技モードでは、表示画面50aにて、昼間通常用背景画像G102が表示されると共に、演出図柄EZが初期表示態様(初期出目「324」)で停止表示している状態が示される。こうして、遊技モードに移行することで、遊技者に遊技を行わせることが可能になる。
なお図95では、過賞球防止機能が作動した場合の球噛み防止モードの流れを例として説明した。しかしながら、不正な磁気が検知された場合の球噛み防止モードの流れでは、遊技が実行不能に制御されている間、表示画面50aにて、エラー解除方法画像ERX(図95参照)に替えて、エラー解除方法画像ER1(図27(B)参照)が表示されること以外、同様であるため、その説明を省略する。
次に、第18変形例の電源投入時処理(S001)について、図96に基づいて説明する。なお、図96に示す第18変形例の電源投入時処理(S001)は、図31に示す電源投入時処理(S001)を詳細に説明するものである。
[電源投入時処理]図96に示すように、電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたか否か(ON操作されているか否か)を判定する(S012)。即ち、遊技制御用マイコン101は、電源投入時に、電源基板190からRAMクリアスイッチ191が押下操作されたことを示すRAMクリア操作信号を受信しているか否かを判定する。RAMクリアスイッチ191が押下操作されていれば(S012でYES)、ステップS018のRAMクリア処理に進む。これに対して、押下操作されていなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生(電源の供給が遮断されたこと)を示すフラグであり、電源遮断時に図32に示す電源断監視処理(S114)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018のRAMクリア処理に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電源遮断時に算出しておいたチェックサムと比較する(S015)。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常でないため、ステップS018のRAMクリア処理に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS019に進む。
ステップS019では、その他の初期設定として、遊技制御用マイコン101は、例えば遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[RAMクリア処理]図97に示すように、RAMクリア処理(S018)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力する(S020)。これにより、RAMクリア通知コマンドを受信した演出制御用マイコン121は、RAMクリアが開始されることを把握して、画像制御基板140に対してRAMクリア報知画像RC(図95参照)を表示させるためのコマンドを出力する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)をクリア(消去)する(S021)。そして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが完了したか否かを判定する(S022)。RAMクリアが完了していないと判定すれば(S022でNO)、ステップS021に戻る。こうして、RAMクリアが完了するまで、RAMクリアモードが継続することなる。一方、ステップS022で、RAMクリアが完了したと判定すれば(S022でYES)、遊技用RAM104の作用領域の初期設定を行う(S023)。この初期設定(S023)では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。
続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技が実行不能に制御されたことを示す遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S024)。遊技停止フラグがONでなければ(S024でNO)、遊技が実行不能に制御された後の電源投入時でないことになり、図96に示すステップS019の処理に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S024でYES)、遊技が実行不能に制御された後の電源投入時であることになり、遊技停止フラグをOFFにする(S025)。これにより、遊技が実行不能された制御が解除されることなる。そして、球噛み防止モード処理(S026)を実行した後、図96に示すステップS019の処理に進む。
なお、第17変形例で説明したように、過賞球防止機能が作動したときに、遊技停止フラグに替えて、過賞球防止用停止フラグをONにした場合には、ステップS024にて、過賞球防止用停止フラグがONであるか否かを判定する。そして、ONである場合には、ステップS025にて、過賞球防止用停止フラグをOFFにして、球噛み防止モード処理(S026)に進む。また17変形例で説明したように、不正な磁気が検知されたときに、遊技停止フラグに替えて、磁気検知用停止フラグをONにした場合には、ステップS024にて、磁気検知用停止フラグがONであるか否かを判定する。そして、ONである場合には、ステップS025にて、磁気検知用停止フラグをOFFにして、球噛み防止モード処理(S026)に進む。
[球噛み防止モード処理]図98に示すように、球噛み防止モード処理(S026)では、遊技制御用マイコン101は、球噛み防止モード通知コマンドを演出制御基板120に対して出力する(S030)。これにより、球噛み防止モード通知コマンドを受信した演出制御用マイコン121は、球噛み防止モードが開始されたことを把握して、画像制御基板140に対して球噛み防止モード画像TG(図95参照)を表示させるためのコマンドを出力する。また、球噛み防止モード通知コマンドを受信した演出制御用マイコン121は、スピーカ52から「球噛み防止モード」という音声が出力されるように、音声制御回路161(図7参照)を制御する。
次に、遊技制御用マイコン101は、通常AT開閉部材駆動処理を実行する(S031)。この通常AT開閉部材駆動処理(S031)により、第1大入賞口ソレノイドが駆動して、通常AT開閉部材14kが第1大入賞口14に対する開閉動作を繰返す。また遊技制御用マイコン101は、VAT開閉部材駆動処理を実行する(S032)。このVAT開閉部材駆動処理(S032)により、第2大入賞口ソレノイドが駆動して、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15に対する開閉動作を繰返す。また遊技制御用マイコン101は、電チュー開閉部材駆動処理を実行する(S033)。この電チュー開閉部材駆動処理(S033)により、電チューソレノイドが駆動して、電チュー開閉部材12kが第2始動口12に対する開閉動作を繰返す。また遊技制御用マイコン101は、振分部材駆動処理を実行する(S034)。この振分部材駆動処理(S034)により、振分ソレノイド16s(図3参照)が駆動して、振分部材16kが特定領域16に対する開閉動作を繰返す。
そして、遊技制御用マイコン101は、センサ検出無効処理を実行する(S035)。このセンサ検出無効処理(S035)により、第1大入賞口センサによる遊技球の検出、第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検出、第2始動口センサによる遊技球の検出、特定領域センサ16aによる遊技球の検出が無効になるように設定される。これにより、仮に遊技球が第1大入賞口14に入球しても、遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口センサによる遊技球の検出を有効と判断することがなく、賞球が付与されることがない。また仮に遊技球が第2大入賞口15に入球しても、遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口センサによる遊技球の検出を有効と判断することがなく、賞球が付与されることがない。また仮に遊技球が第2始動口12に入球しても、遊技制御用マイコン101は、第2始動口センサによる遊技球の検出を有効と判断することがなく、賞球が付与されることがない。また仮に遊技球が特定領域16を通過しても、遊技制御用マイコン101は、特定領域センサ16aによる遊技球の検出を有効と判断することがなく、高確率状態への移行が付与されることがない。
続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたか否かを判定する(S036)。RAMクリアスイッチ191が押下操作されていなければ(S036でNO)、ステップS031に戻り、ステップS031~S036の処理が繰返し実行する。こうして、球噛み防止モードは、RAMクリアスイッチ191が押下操作されるまで、継続するようになっている。
そして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたと判定すると(S036でYES)、球噛み防止モード終了コマンドを演出制御基板120に対して出力する(S037)。これにより、球噛み防止モード終了コマンドを受信した演出制御用マイコン121は、球噛み防止モードが終了したことを把握して、画像制御基板140に対して昼間通常用背景画像G102(図95参照)と演出図柄EZの初期表示態様(初期出目「324」)を表示させるためのコマンドを出力する。続いて、遊技制御用マイコン101は、センサ検出有効切替処理を実行して(S038)、図96に示すステップS019の処理に進む。
こうして、センサ検出有効切替処理(S038)により、第1大入賞口センサによる遊技球の検出、第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検出、第2始動口センサによる遊技球の検出、特定領域センサ16aによる遊技球の検出が有効になるように設定される。その結果、球噛み防止モードから遊技モードに移行するのに伴って、遊技者が通常通りに遊技を実行できるようになる。
以上、詳細に説明したように、第18変形例では、過賞球防止機能の作動によって、遊技が実行不能に制御されると、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)によって球噛みが生じるおそれがある。そこで、図95に示すように、電源が投入されてから遊技モードに移行するまで、球噛み防止モードに設定されて、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)が移動する。これにより、遊技可動部材によって球噛みが生じていても、自動で球噛みを解消することが可能である。
また第18変形例では、不正な磁気が検知されることによって、遊技が実行不能に制御されると、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)によって球噛みが生じるおそれがある。そこで、電源が投入されてから遊技モードに移行するまで、球噛み防止モードに設定されて、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)が移動する。これにより、遊技可動部材によって球噛みが生じていても、自動で球噛みを解消することが可能である。
また第18変形例では、球噛み防止モードに設定されているときに、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)の移動によって球噛みが解消すると、遊技球が第1大入賞口14、第2大入賞口15、第2始動口12に入球したり、遊技球が特定領域16を通過するおそれがある。しかしながら、球噛み防止モードに設定されているときには、第1大入賞口センサによる遊技球の検出、第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検出、第2始動口センサによる遊技球の検出、特定領域センサ16aによる遊技球の検出が無効になるように設定されている。これにより、電源投入後に意図しない特典が付与されるのを防ぐことが可能である。
また第18変形例では、電源投入前に遊技が実行不能に制御されていなければ、電源が投入されてから遊技モードに移行するまでに球噛み防止モードに設定されることはなく、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)が移動することはない。一方、電源投入後にRAMクリアの実行によって遊技が実行不能にされた制御が解除されれば、図95に示すように、電源が投入されてから遊技モードに移行するまでに球噛み防止モードに設定されて、遊技可動部材が移動する。従って、電源投入後に毎回、遊技可動部材が移動する事態を防ぐことが可能である。即ち、電源投入前に遊技が実行不能に制御されていて、且つ電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が解除されるという特殊な状況に限って、遊技可動部材を移動させて、球噛みを解消(防止)することが可能である。
<第19変形例>
上記第18変形例では、遊技が実行不能に制御された後の電源投入後に、球噛み防止モードが設定されるようにした(図95参照)。これに対して、第19変形例では、図99に示すように、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに、球噛み防止モードが設定されるように構成されている。以下では、第18変形例との違いを中心に説明する。
第19変形例の球噛み防止モードは、遊技が実行不能に制御された後、自動的に球噛み防止モードに移行するようになっている。即ち、第19変形例では、球噛み防止モードの開始条件は、遊技が実行不能に制御されることだけであり、遊技場の従業員の操作が何ら必要ない。そして、球噛み防止モードが設定されている間、上述した第18変形例と同様、通常AT開閉部材14kは第1大入賞口14に対する開閉動作を繰返し、VAT開閉部材15kは第2大入賞口15に対する開閉動作を繰返し、電チュー開閉部材12kは第2始動口12(電チュー12D)に対する開閉動作を繰返し、振分部材16kは特定領域16(図3参照)に対する開閉動作を繰り返す。これにより、第1大入賞口14の周りで通常AT開閉部材14kによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。また、第2大入賞口15の周りでVATによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。また、第2始動口12の周りで電チュー開閉部材12kによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。また、特定領域16の周りで振分部材16kによる球噛みが生じていても、球噛みを解消することが可能である。
また、球噛み防止モードに設定されている間、上述した第18変形例と同様、遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口センサによる遊技球の検出、第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検出、第2始動口センサによる遊技球の検出、特定領域センサ16aによる遊技球の検出が無効になるように設定している。従って、過賞球防止機能が作動してから電源が遮断されるまでの間、仮に遊技球が第1大入賞口14に入球しても、賞球が付与されることはなく、仮に遊技球が第2大入賞口15に入球しても、賞球が付与されることはなく、仮に遊技球が第2始動口12に入球しても、賞球が付与されることはなく、仮に遊技球が特定領域16を通過しても、高確率状態への移行が付与されることはない。以上により、第19変形例でも、設定変更モードにおいて、球噛みを解消しつつ、遊技者に不当な特典が付与されるのを防止することが可能である。
ここで第19変形例では、球噛み防止モードは、開始されてから規定時間(例えば30秒)が経過すると、自動的に終了するようになっている。即ち、球噛み防止モードの終了条件は、図99に示すように、当該球噛み防止モードが開始されてから規定時間が経過することである。こうして、規定時間が経過することで、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)が移動しなくなるため、遊技可動部材が必要以上に長く移動し続けている事態を回避することが可能である。
即ち、遊技が実行不能に制御された直後では、遊技者は未だパチンコ遊技機PY1の前に座っている状況が想定される。このような状況において、遊技可動部材が長く移動し続けていると、遊技者に違和感を与えるおそれがある。そのため、遊技が実行不能に制御された後、球噛み防止モードの設定が規定時間に限られることで、遊技可動部材が移動し続ける違和感を遊技者にできるだけ与えないようにすることが可能である。
次に、第19変形例の球噛み防止モードの流れを、図99に基づいて説明する。前提条件として、大当たり遊技の実行中であって、差玉数が80000以上になったこととする。この場合、図99に示すように、未だ遊技モードに設定されていて、過賞球防止機能が作動しているわけではない。その後、大当たり遊技状態が終了すると、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御されるが、このとき遊技モードから球噛み防止モードに自動的に切替わる。
球噛み防止モードが開始されると、通常AT開閉部材14kは第1大入賞口14に対する開閉動作を繰返し、VAT開閉部材15kは第2大入賞口15に対する開閉動作を繰返し、電チュー開閉部材12kは第2始動口12(電チュー12D)に対する開閉動作を繰返し、振分部材16kは特定領域16(図3参照)に対する開閉動作を繰り返す。これにより、第1大入賞口14の周り、第2大入賞口15の周り、第2始動口12の周り、特定領域16の周りで、球噛みが生じていても、その球噛みを解消することが可能である。
ここで、第19変形例では、球噛み防止モードが開始されても、図96に示すように、表示画面50aには、赤背景画像REとエラー解除方法画像ERXとが表示されている。これにより、過賞球防止機能を作動させた遊技者には、あくまで遊技が実行不能な状況であることだけを把握させて、球噛み防止モードに設定されていることを意識させないようにしている。こうして、電源が遮断される前の球噛み防止モードでは、球噛みモードに設定されていることを示唆する演出を実行しないことで、遊技者に遊技可動部材が移動していることの違和感を与えないようにしている。
そして、球噛み防止モードが開始されてから規定時間(例えば30秒)が経過すると、球噛み防止モードが自動的に終了する。こうして、第18変形例と異なり、遊技場の従業員が何ら操作を行うことなく、球噛み防止モードを終了させることが可能である。なお、表示画面50aでは、球噛み防止モードが終了する前、及び球噛み防止モードが終了した後であっても、赤背景画像REとエラー解除方法画像ERXとが表示されたままになっている。その後、遊技場の従業員が、本パチンコ遊技機PY1において過賞球防止機能が作動していることを把握して、電源スイッチ193のOFF操作を行うことになる。
なお図99では、過賞球防止機能が作動した場合の球噛み防止モードの流れを例として説明した。しかしながら、不正な磁気が検知された場合の球噛み防止モードの流れでは、遊技が実行不能に制御されている間、表示画面50aにて、エラー解除方法画像ERX(図99参照)に替えて、エラー解除方法画像ER1(図27(B)参照)が表示されること以外、同様であるため、その説明を省略する。
次に、第19変形例のメイン側タイマ割り込み処理(S005)について、図100に基づいて説明する。なお、図100に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)は、図32に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)に替えて実行されるものである。
[メイン側タイマ割り込み処理]図100に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S100)では、遊技制御用マイコン101は、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、遊技が実行不能に制御されていないことになり、上述したようにステップS102~S114までの処理を行う。一方、遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、遊技が実行不能に制御されていることになり、球噛み防止モード処理を実行して(S116)、ステップS114に向かう。
なお、第17変形例で説明したように、過賞球防止機能が作動したときに、遊技停止フラグに替えて、過賞球防止用停止フラグをONにした場合には、ステップS101にて、過賞球防止用停止フラグがONであるか否かを判定する。そして、ONである場合には、球噛み防止モード処理(S116)に進む。また17変形例で説明したように、不正な磁気が検知されたときに、遊技停止フラグに替えて、磁気検知用停止フラグをONにした場合には、ステップS101にて、磁気検知用停止フラグがONであるか否かを判定する。そして、ONである場合には、球噛み防止モード処理(S116)に進む。
[球噛み防止モード処理]図101に示すように、球噛み防止モード処理(S116)では、遊技制御用マイコン101は、球噛み防止モード終了フラグがONであるか否かを判定する(S040)。球噛み防止モード終了フラグは、球噛み防止モードが終了したことを示すものである。球噛み防止モード終了フラグがONであれば(S040でYES)、球噛み防止モードが終了しているため、直ちに本処理を終える。一方、球噛み防止モード終了フラグがONでなければ(S040でYES)、続いて、球噛み防止モード開始フラグがONであるか否かを判定する(S041)。球噛み防止モード開始フラグは、球噛み防止オードが開始したことを示すものである。
球噛み防止モード開始フラグがONであれば(S041でYES)、ステップS043に進む。一方、球噛み防止モード開始フラグがONでなければ(S041でNO)、球噛み防止モード開始フラグをONにして(S042)、ステップS043に進む。ステップS043では、通常AT開閉部材駆動処理を実行する。この通常AT開閉部材駆動処理(S043)により、第1大入賞口ソレノイドが駆動して、通常AT開閉部材14kが第1大入賞口14に対する開閉動作を繰返す。次に、VAT開閉部材駆動処理を実行する(S044)。このVAT開閉部材駆動処理(S044)により、第2大入賞口ソレノイドが駆動して、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15に対する開閉動作を繰返す。次に、電チュー開閉部材駆動処理を実行する(S045)。この電チュー開閉部材駆動処理(S045)により、電チューソレノイドが駆動して、電チュー開閉部材12kが第2始動口12に対する開閉動作を繰返す。次に、振分部材駆動処理を実行する(S046)。この振分部材駆動処理(S046)により、振分ソレノイド16s(図3参照)が駆動して、振分部材16kが特定領域16に対する開閉動作を繰返す。
そして、遊技制御用マイコン101は、センサ検出無効処理を実行する(S047)。このセンサ検出無効処理(S047)により、第1大入賞口センサによる遊技球の検出、第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検出、第2始動口センサによる遊技球の検出、特定領域センサ16aによる遊技球の検出が無効になるように設定される。これにより、仮に遊技球が第1大入賞口14に入球しても賞球が付与されることがなく、仮に遊技球が第2大入賞口15に入球しても賞球が付与されることがなく、仮に遊技球が第2始動口12に入球しても賞球が付与されることがなく、仮に遊技球が特定領域16を通過しても高確率状態への移行が付与されることがない。
続いて、遊技制御用マイコン101は、球噛み防止モードが開始してから規定時間(例えば30秒)が経過したか否かを判定する(S048)。規定時間が経過していなければ(S048でNO)、球噛み防止モードを終了するタイミングでないため、本処理を終える。一方、規定時間が経過していれば(S048でYES)、球噛み防止モードを終了するタイミングである。そのため、球噛み防止モード終了フラグをONにして(S049)、球噛み防止モード開始フラグをOFFにして(S050)、本処理を終える。
以上、詳細に説明したように、第19変形例では、過賞球防止機能の作動によって、遊技が実行不能に制御されると、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)によって球噛みが生じるおそれがある。そこで、図99に示すように、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに、球噛み防止モードに設定されて、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)が移動する。これにより、遊技可動部材によって球噛みが生じていても、自動で球噛みを解消することが可能である。
また第19変形例では、不正な磁気が検知されることによって、遊技が実行不能に制御されると、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)によって球噛みが生じるおそれがある。そこで、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに球噛み防止モードに設定されて、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)が移動する。これにより、遊技可動部材によって球噛みが生じていても、自動で球噛みを解消することが可能である。
また第19変形例では、球噛み防止モードに設定されているときに、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)の移動によって球噛みが解消すると、遊技球が第1大入賞口14、第2大入賞口15、第2始動口12に入球したり、遊技球が特定領域16を通過するおそれがある。しかしながら、球噛み防止モードに設定されているときには、第1大入賞口センサによる遊技球の検出、第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検出、第2始動口センサによる遊技球の検出、特定領域センサ16aによる遊技球の検出が無効になるように設定されている。これにより、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでの間に、意図しない特典が付与されるのを防ぐことが可能である。
<第20変形例>
上記第11変形例では、遊技場の従業員が、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を適宜設定できるようになっていた。即ち、遊技場の従業員により、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を例えば75000に設定して、図76(B)に示すように、差玉数が75000以上になることに基づいて、過賞球異常予告演出が開始されるようにした。しかしながら、上記第11変形例において、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が75000以上であるという情報は、演出用RAM124に記憶されることになる。そのため、電源が遮断された状態(電断状態)になると、演出用RAM124において過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が75000以上であるという情報が消去されるおそれがある。
そこで第20変形例では、図102に示すように、サブ制御基板125にFRAM(登録商標)125が設けられていて、FRAM125に過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数の情報が記憶されるようになっている。FRAM125は、電断状態であっても記憶情報を保持可能な不揮発性の記憶手段(電断保持記憶手段)である。従って、停電等によって電断状態が生じても、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数の情報を保持しておくことが可能である。
ところで、パチンコ遊技機は、設計開発された後、適切な仕様になっているか否かを申請して検査されるようになっている。そのため、FRAM125に過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が例えば75000以上であることを示す情報(所定記憶情報)が記憶されている状態で、検査されることになる。しかしながら、検査が終了した後、市場の状況やトレンドに応じて、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を、75000以上から変更したい場合が生じ得る。この場合、不揮発性の記憶手段であるFRAM125では、記憶されている情報を容易に書換えることができない。
そこで第20変形例では、上記した問題点に対処すべく、出荷時検査工程を利用して、FRAM125に記憶されている情報を書換えることができるようにしている。出荷時検査工程とは、パチンコ遊技機PY1を量産した後の出荷時に行う検査のことである。具体的には、パチンコ遊技機PY1を量産して組付けが完了すると、センサ(第1始動口センサなど)、ランプ(盤ランプ54及び枠ランプ53)、可動体(可動装置55、56,58)、表示手段(画像表示装置50)が問題なく動作するかを、検査用基板から検査コマンド(出荷時検査コマンド)をパチンコ遊技機PY1が受信することで確認する検査である。
ここで、演出用ROM123には、閾値設定情報パターン判定テーブルとして、図103に示す閾値設定情報パターンA1~F1が予め記憶されている。閾値設定情報パターンA1~F1は、FRAM125に対して、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を設定するための設定情報である。具体的に、図103に示すように、閾値設定情報パターンA1は、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を30000以上にするための設定情報である。この閾値設定情報パターンA1は、演出制御用マイコン121が、後述する検査用基板400(図104参照)から検査コマンド「AF01」を受信すると、閾値設定情報パターンA1~F1の中から選択(選定)される。閾値設定情報パターンB1は、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を40000以上にするための設定情報である。この閾値設定情報パターンB1は、演出制御用マイコン121が、後述する検査用基板400から検査コマンド「AF02」を受信すると、閾値設定情報パターンA1~F1の中から選択される。閾値設定情報パターンC1は、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を50000以上にするための設定情報である。この閾値設定情報パターンC1は、演出制御用マイコン121が、後述する検査用基板400から検査コマンド「AF03」を受信すると、閾値設定情報パターンA1~F1の中から選択される。
閾値設定情報パターンD1は、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を60000以上にするための設定情報である。この閾値設定情報パターンD1は、演出制御用マイコン121が、後述する検査用基板400から検査コマンド「AF04」を受信すると、閾値設定情報パターンA1~F1の中から選択される。閾値設定情報パターンE1は、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を70000以上にするための設定情報である。この閾値設定情報パターンE1は、演出制御用マイコン121が、後述する検査用基板400から検査コマンド「AF05」を受信すると、閾値設定情報パターンA1~F1の中から選択される。閾値設定情報パターンF1は、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を75000以上にするための設定情報である。この閾値設定情報パターンF1は、演出制御用マイコン121が、後述する検査用基板400から検査コマンド「AF06」を受信すると、閾値設定情報パターンA1~F1の中から選択される。こうして、閾値設定情報パターンA1~F1の中から一つの閾値設定情報パターンが選択されると、演出制御用マイコン121は、その閾値設定情報パターンをFRAM125に記憶させるようになっている。
次に、図104に基づいて、出荷時検査工程で、FRAM125に記憶されている情報を書換える場合を説明する。前提として、FRAM125に過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が例えば75000以上であることを示す情報が予め記憶されていることとする。そして、市場から、過賞球異常予告演出の開始契機が75000以上では遅いため、過賞球異常予告演出の開始契機を早くして欲しいという要請があったこととする。この場合、パチンコ遊技機PY1を量産した後の出荷時検査工程において、図104に示すように、検査用基板400を演出制御基板120に接続する。検査用基板400は、検査者(製造者であるメーカー)が切替操作可能な切替スイッチ401を備えている。そのため、パチンコ遊技機PY1に電源が投入されると、検査者により設定された切替スイッチ401の位置に応じて、検査用基板400から演出制御基板120に検査コマンド(特定コマンド)が出力される。
ここで、検査者が、切替スイッチ401の位置を調整して、検査用基板400から演出制御基板120に検査コマンド「AF04」を出力させることとする。これにより、演出制御用マイコン121は、検査コマンド「AF04」を受信すると、演出用ROM123に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1の中から、閾値設定情報パターンD1を選択(選定)する。そして、演出制御用マイコン121は、選択した閾値設定情報パターンD1(特定記憶情報)を、FRAM125に記憶させる。こうして、FRAM125に閾値設定情報パターンD1が記憶されているパチンコ遊技機PY1が、市場に出荷されて、遊技場に設置されることになる。
その後、遊技中において、遊技制御用マイコン101は、演算された差玉数の情報を含む差玉数コマンドを演出制御基板120に送信するため、演出制御用マイコン121は、差玉数を逐次把握することができる。そして、演出制御用マイコン121は、現時点での差玉数を把握しつつ、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンD1を参照することで、現時点での差玉数が60000以上であるか否かを判断する。そして、現時点での差玉数が60000以上であると判断すると、過賞球異常予告演出(図74(B)参照)を実行する。但し、この場合には、図74(B)に示す過賞球異常予告演出とは異なり、表示画面50aにて、「残り20000発増加で、過賞球異常」を示す過賞球異常予告画像ZIが表示されるようになっている。以上により、申請時(検査時)にFRAM125に過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が例えば75000以上であることを示す情報が記憶されていても、出荷時検査工程を利用することで、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数の情報を60000以上に書換えることが可能である。
ところで、出荷時検査工程において、検査者(製造者であるメーカー)は、FRAM121に対して、希望した閾値設定情報パターンが正しく記憶されていることが確認できることが好ましい。そこで第20変形例では、FRAM125に閾値設定情報パターンが記憶されると、図105(A)(B)に示すように、演出制御用マイコン121が、表示画面50aにて6桁の「確認コードKC」を表示するようになっている。
6桁の確認コードKCのうち左2桁には、FRAM125に閾値設定情報パターンが記憶される処理が実行されたことを示す「99」が表示される。従って、検査者は、確認コードKCのうち左2桁で「99」を見れば、FRAM125に閾値設定情報パターンが記憶される処理が実行されたことを把握することができる。6桁の確認コードKCのうち中2桁には、演出制御用マイコン121がFRAM125に対して記憶させようとした閾値設定情報パターンを示す記号が表示される。従って、検査者は、確認コードKCのうち中2桁で示されている記号を見ることで、自身が選択した閾値設定情報パターンであるか否かを判断することができる。6桁の確認コードKCのうち右2桁には、演出制御用マイコン121がFRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンを読み込んで、読み込んだ閾値設定情報パターンを示す記号が表示される。従って、検査者は、確認コードKCのうち右2桁で示されている記号を見ることで、現時点でFRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンを把握することができる。
こうして、検査者は、表示画面50aで表示されている確認コードKCにおいて、中2桁と右2桁とを見比べることで、自身が選択した閾値設定情報パターン(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数)がFRAM125に正しく記憶されているかを確認することができる。即ち、図105(A)に示すように、「99D1D1」を示す確認コードKCが表示されていることとする。この場合、中2桁が「D1」であるため、FRAM125に対して記憶させようとした閾値設定情報パターンが、閾値設定情報パターンD1であることが分かる。そして、右2桁が「D1」であるため、現時点でFRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンが、閾値設定情報パターンD1であることを把握できる。こうして、確認コードKCにおいて、中2桁と右2桁とが一致することで、検査者は、FRAM121に対して、希望した閾値設定情報パターン(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数)が正しく記憶されたことを把握することができる。
一方、図105(B)に示すように、「99D1F1」を示す確認コードKCが表示されていることとする。この場合、中2桁が「D1」であるため、FRAM125に対して記憶させようとした閾値設定情報パターンが、閾値設定情報パターンD1であることが分かる。しかしながら、右2桁が「F1」であるため、現時点でFRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンが、閾値設定情報パターンF1であることを把握することができる。こうして、確認コードKCにおいて、中2桁と右2桁とが一致しないことで、検査者は、FRAM121に対して、希望した閾値設定情報パターン(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数)が正しく記憶されていないことを把握することができる。
以上、詳細に説明したように、第20変形例では、検査時(申請時)に、FRAM125が、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が75000以上であることを示す情報(所定記憶情報)を記憶していることとする。この場合、検査時出荷工程において、演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の外部である検査用基板400から検査コマンド(図104参照)を受信することに基づいて、FRAM125に記憶されている情報を、例えば、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が60000以上であることを示す閾値設定情報パターンD1(特定記憶情報)に書換えることが可能である。これにより、差玉数が60000以上になることに基づいて、過賞球異常予告演出(特定演出、事前予告演出)を実行することが可能である。つまり、パチンコ遊技機PY1が市場に出る前に、差玉数が60000以上になることで過賞球異常予告演出が実行される仕様にしておくことが可能である。
また第20変形例では、FRAM125に記憶されている情報が、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が60000以上であることを示す閾値設定情報パターンD1に書換えられると、画像表示装置50(書換え報知手段)は、表示画面50aにて、図105(A)に示すように、「99D1D1」を示す確認コードKCを表示する。これにより、FRAM125において、閾値設定情報パターンD1への書換えが正しく実行されたことを確認することが可能である。言い換えると、画像表示装置50は、表示画面50aにて、図105(B)に示すように、「99D1F1」を示す確認コードKCを表示した場合には、閾値設定情報パターンD1への書換えが正しく実行されなかったことを把握することが可能である。
<第21変形例>
上記第20変形例では、パチンコ遊技機PY1が市場に出る前(遊技場に設置される前)に、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を変えることが可能であった。これに対して、第21変形例では、パチンコ遊技機PY1が市場に出た後(遊技場に設置された後)に、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を変えることができるように構成されている。但し、FRAM125に記憶されている情報の書換えは、遊技者によって実行不能であることが好ましく、遊技場の従業員に限り実行可能であることが好ましい。そこで、第21変形例では、電源が投入された後の初期設定時に限り、遊技場の従業員がセレクトボタン(操作手段)に対して特殊操作を行うことで、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を変えることができるようになっている。
第21変形例でも、上述した第20変形例と同様、演出用ROM123には、図103に示す閾値設定情報パターンA1~F1が予め記憶されている。そして、演出制御用マイコン121は、電源が投入された後の初期設定時において、セレクトボタンに対する特殊操作に応じて、閾値設定情報パターンA1~F1のうち何れかの閾値設定情報パターンを選択すると、選択された閾値設定情報パターンをFRAM125に記憶させる。これにより、演出制御用マイコン121現時点での差玉数を把握しつつ、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンを参照することで、閾値設定情報パターンで定められている差玉数で過賞球異常予告演出を開始可能である。
この第21変形例では、図106に示すように、演出用ROM123において、閾値設定情報パターンA1~F1に対応する操作パスワード情報がそれぞれ記憶されている。操作パスワード情報は、閾値設定情報パターンA1~F1を選択するためのセレクトボタンへの操作情報である。
具体的に、演出用ROM123には、閾値設定情報パターンA1を選択するための「上上下下右右」という操作パスワード情報が記憶されている。そのため、後述する初期設定時のパスワード設定において、セレクトボタン(十字キー)を用いて「上上下下右右」という特殊操作が行われると、演出制御用マイコン121は、セレクトボタンセンサ(図示省略)から「上上下下右右」を示す操作情報を受信する。これにより、演出制御用マイコン121は、操作情報が「上上下下右右」という操作パスワード情報と一致すると判断すると、閾値設定情報パターンA1を選択する。また演出用ROM123には、閾値設定情報パターンB1を選択するための「上上下下左左」という操作パスワード情報が記憶されている。そのため、後述する初期設定時のパスワード設定において、セレクトボタンを用いて「上上下下左左」という特殊操作が行われると、演出制御用マイコン121は、セレクトボタンセンサから「上上下下左左」を示す操作情報を受信する。これにより、演出制御用マイコン121は、操作情報が「上上下下左左」という操作パスワード情報と一致すると判断すると、閾値設定情報パターンB1を選択する。また演出用ROM123には、閾値設定情報パターンC1を選択するための「下下上上右右」という操作パスワード情報が記憶されている。そのため、後述する初期設定時のパスワード設定において、セレクトボタンを用いて「下下上上右右」という特殊操作が行われると、演出制御用マイコン121は、セレクトボタンセンサから「下下上上右右」を示す操作情報を受信する。これにより、演出制御用マイコン121は、操作情報が「下下上上右右」という操作パスワード情報と一致すると判断すると、閾値設定情報パターンC1を選択する。
また演出用ROM123には、閾値設定情報パターンD1を選択するための「下下左左右右」という操作パスワード情報が記憶されている。そのため、後述する初期設定時のパスワード設定において、セレクトボタンを用いて「下下左左右右」という特殊操作が行われると、演出制御用マイコン121は、セレクトボタンセンサから「下下左左右右」を示す操作情報を受信する。これにより、演出制御用マイコン121は、操作情報が「下下左左右右」という操作パスワード情報と一致すると判断すると、閾値設定情報パターンD1を選択する。また演出用ROM123には、閾値設定情報パターンE1を選択するための「左左右右上上」という操作パスワード情報が記憶されている。そのため、後述する初期設定時のパスワード設定において、セレクトボタンを用いて「左左右右上上」という特殊操作が行われると、演出制御用マイコン121は、セレクトボタンセンサから「左左右右上上」を示す操作情報を受信する。これにより、演出制御用マイコン121は、操作情報が「左左右右上上」という操作パスワード情報と一致すると判断すると、閾値設定情報パターンE1を選択する。また演出用ROM123には、閾値設定情報パターンF1を選択するための「右右左左下下」という操作パスワード情報が記憶されている。そのため、後述する初期設定時のパスワード設定において、セレクトボタンを用いて「右右左左下下」という特殊操作が行われると、演出制御用マイコン121は、セレクトボタンセンサから「右右左左下下」を示す操作情報を受信する。これにより、演出制御用マイコン121は、操作情報が「右右左左下下」という操作パスワード情報と一致すると判断すると、閾値設定情報パターンF1を選択する。
次に、図107に基づいて、電源が投入された後の初期設定時において、FRAM125に閾値設定情報パターンが記憶される場合を説明する。図107(A)に示すように、電源投入後にRAMクリアが開始されると、表示画面50aでは、RAMクリア報知画像RCが表示される。RAMクリア報知画像RCは、上述したようにRAMクリアが開始されてから30秒間だけ表示される。そのため、遊技場の従業員は、RAMクリア報知画像RCの表示中に、通常ボタン40を5回押下操作すると、図107(B)に示すように、初期機能設定画像FSを表示させることができる。
図107(B)に示すように、初期機能設定画像FSにおいて、遊技場の従業員は、セレクトボタンを用いてカーソルを「過賞球異常予告演出設定」の「設定画面へ切替」を示す項目に合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、図107(C)に示す過賞球異常予告演出設定画像SZを表示させることができる。図107(C)に示すように、過賞球異常予告演出設定画像SZでは、「過賞球異常予告演出のON/OFFを設定します」において、「ON」を示す項目と「OFF」を示す項目とがある。そのため、「ON」を示す項目にカーソルを合わせると、過賞球異常予告演出が実行可能に設定される。一方、「OFF」を示す項目にカーソルを合わせると、過賞球異常予告演出が実行不能に設定される。
また過賞球異常予告演出設定画像SZでは、「過賞球異常予告演出を実行する差玉数を設定します パスワード設定を押してパスワードを入力して下さい」において、操作パスワード情報を入力できるようになっている。即ち、遊技場の従業員は、カーソルを「パスワード設定」を示す項目に合わせて、通常ボタン40を押下操作した後、セレクトボタンを用いて図106に示す何れかの操作パスワード情報を入力する。こうして遊技場の従業員は、操作パスワード情報として例えば「下下左左右右」を入力すると、演出制御用マイコン121は、「下下左左右右」を示す操作情報を受信する。そして、演出制御用マイコン121は、受信した操作情報に対して、図106に示す閾値設定情報パターンA1~F1を参照することで、閾値設定情報パターンD1を選択する。これにより、FRAM125に閾値設定情報パターンD1が記憶されて、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数を60000以上に変えることが可能である。
なお、図107(B)に示す初期機能設定画像FSでは、「過賞球異常予告演出設定」において「初期設定」を示す項目がある。そのため、遊技場の従業員は、セレクトボタンを用いてカーソルを「過賞球異常予告演出設定」の「初期設定」を示す項目に合わせて、通常ボタン40を押下操作すると、過賞球異常予告演出の設定をデフォルトに戻すことが可能である。つまり、過賞球異常予告演出の設定がデフォルトに戻されると、過賞球異常予告演出が実行可能に設定されると共に、閾値設定情報パターンF1が選択される。これにより、FRAM125に閾値設定情報パターンF1が記憶されて、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数がデフォルトの値である75000以上になる。こうして、遊技場の従業員は、セレクトボタンへの特殊操作(例えば閾値設定情報パターンF1を記憶させるための「右右左左下下」)を行わなくても、「初期設定」を示す項目に合わせて通常ボタン40を押下操作するだけで、過賞球異常予告演出の設定をデフォルトに戻すことが可能である。
この第21変形例では、遊技中であっても、何れの閾値設定情報パターンが記憶されているか(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数がいくつなのか)を、把握できるようになっている。具体的には、図108に示すように、画像表示装置50の表示画面50aの左下表示領域50fにて、閾値報知演出が実行されるようになっている。閾値報知演出は、左下表示領域50fで表示する円形の閾値アイコンQTの色(報知態様)によって、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数、即ちFRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンの種類を報知する演出である。
演出制御用マイコン121は、図109に示すように、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンの種類に応じて、閾値アイコンQTの色(報知態様)を設定する。具体的には、閾値設定情報パターンA1(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が30000)が記憶されている場合には、閾値アイコンQTの色が白色であり、閾値設定情報パターンB1(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が40000)が記憶されている場合には、閾値アイコンQTの色が青色であり、閾値設定情報パターンC1(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が50000)が記憶されている場合には、閾値アイコンQTの色が緑色であり、閾値設定情報パターンD1(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が60000)が記憶されている場合には、閾値アイコンQTの色が紫色であり、閾値設定情報パターンE1(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が70000)が記憶されている場合には、閾値アイコンQTの色が赤色であり、閾値設定情報パターンF1(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が75000)が記憶されている場合には、閾値アイコンQTの色が金色である。
こうして、演出制御用マイコン121は、変動演出の実行中や客待ち演出の実行中など、画像表示装置50が起動している間、演出の邪魔にならない左下表示領域50fにて、閾値アイコンQTを常に表示(閾値報知演出を実行)する。例えば、図108に示すように、SPリーチの実行中で、表示画面50aにてSPリーチ用背景画像G113が表示されているときであっても、左下表示領域50fにて紫色の閾値アイコンQTが表示される。このようにして、画像表示装置50が起動している間、遊技場の従業員等に、閾値設定情報パターンD1が記憶されていること、即ち過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が60000以上であることを把握させることが可能である。なお、閾値アイコンQTは、左下表示領域50fで表示されるようになっていたが、表示画面50aにおいて演出の邪魔にならない位置であれば、左上表示領域、右上表示領域、右下表示領域であっても良く、適宜変更可能である。
この第21変形例では、初期設定(工場出荷時)において、FRAM125には、閾値設定情報パターンF1が予め記憶されている。そのため、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が75000以上になるように予め設定されていることになる。よって、初期設定では、表示画面50aの左下表示領域50fでは、金色の閾値アイコンQTが常に表示され続けるようになっている。
以上、詳細に説明したように、第21変形例では、電源が投入された後の初期設定時において(図107(C)参照)、遊技場の従業員は、セレクトボタンへの特殊操作(例えば閾値設定情報パターンD1を記憶させるための「下下左左右右」)を行う。これにより、演出制御用マイコン121は、セレクトボタン検出スイッチ(図示省略)から、特殊操作に基づく操作情報(「下下左左右右」を示す操作情報)を受信することに基づいて、FRAM125に記憶されている情報(例えばデフォルトである閾値設定情報パターンF1)を、閾値設定情報パターンD1に書換える。つまり、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が、75000以上から60000以上に変わる。こうして、遊技場の従業員は、セレクトボタンを操作することで、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンを書換えて、過賞球異常予告演出の開始契機となる値を変えることが可能である。
そして、第21変形例では、上述した第20変形例と異なり、工場出荷後であっても、遊技場の従業員が、市場の状況やトレンドに応じて、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンを書換えることが可能である。そして、電源が投入された後の初期設定時に限り、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1の書換えが可能である。つまり、遊技者には、悪戯などによってFRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1を書換えることができないようにすることが可能である。
<第22変形例>
上記形態、及び上記各変形例では、遊技が実行不能に制御されるための契機となる差玉数は、80000(基準数)に限られていた。これに対して、第22変形例では、遊技が実行不能に制御されるための契機となる差玉数は、80000だけに限られているわけでなく、複数あるようになっている。具体的に、第22変形例では、差玉数が20000(第1基準数)以上であることに基づいて遊技が実行不能に制御され、差玉数が40000以上であることに基づいて遊技が実行不能に制御され、差玉数が60000以上であることに基づいて遊技が実行不能に制御され、差玉数が80000(第2基準数)以上であることに基づいて遊技が実行不能に制御される。
ここで、第22変形例における差玉数のリセット条件について説明する。第22変形例の差玉数のリセット条件は、差玉数が80000以上であって、且つRAMクリアが実行されること(電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作されること)である。つまり、RAMクリアが実行されたことだけでは、差玉数がリセットされないようになっている。具体的に、計測されている差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107の差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶されている。これにより、遊技制御用マイコン101は、電源投入時に差玉数が80000以上であって、且つRAMクリアが実行される場合に限り、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアするようになっている。
なお第22変形例では、差玉数が20000、40000、60000、80000以上になった後、大当たり遊技状態が終了すると、遊技が実行不能になる(過賞球防止機能が作動する)。そして、遊技が実行不能に制御された後、RAMクリアが実行されることで、遊技が実行可能な状況に復帰できるようになっている。
次に、図110及び図111に基づいて、過賞球防止機能が作動する場合を説明する。前提条件として、差玉数が20000未満である状態で、電源が投入されたこととする。その後、図110に示すように、大当たり遊技状態にて、差玉数が20000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。こうして、遊技者が遊技を継続できなくなるため、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のOFF操作を行って、本パチンコ遊技機PY1に対する電源を遮断する。
その後、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作を行うと共に、RAMクリアスイッチ191への押下操作を行う。つまり、電源投入時にRAMクリアを実行する。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰する。但し、このときには、差玉数が80000未満であるため、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされない。こうして、差玉数が20000以上になっている状況で、通常遊技状態にて遊技が再開されることになる。
そして、遊技が進行していき、大当たり遊技状態にて、差玉数40000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。こうして、遊技者が遊技を継続できなくなるため、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のOFF操作を行って、本パチンコ遊技機PY1に対する電源を遮断する。
その後、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作を行うと共に、RAMクリアスイッチ191への押下操作を行う。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰する。但し、このときには、差玉数が80000未満であるため、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされない。こうして、差玉数が40000以上になっている状況で、通常遊技状態にて遊技が再開されることになる。
そして、遊技が進行していき、大当たり遊技状態にて、差玉数60000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。こうして、遊技者が遊技を継続できなくなるため、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のOFF操作を行って、本パチンコ遊技機PY1に対する電源を遮断する。
その後、図111に示すように、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作を行うと共に、RAMクリアスイッチ191への押下操作を行う。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰する。但し、このときには、差玉数が80000未満であるため、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされない。こうして、差玉数が60000以上になっている状況で、通常遊技状態にて遊技が再開されることになる。
そして、遊技が進行していき、大当たり遊技状態にて、差玉数80000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。こうして、遊技者が遊技を継続できなくなるため、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のOFF操作を行って、本パチンコ遊技機PY1に対する電源を遮断する。
その後、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作を行うと共に、RAMクリアスイッチ191への押下操作を行う。つまり、電源投入時にRAMクリアを実行する。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰する。そしてこのときには、差玉数が80000以上であるため、遊技制御用マイコン101は、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。こうして、差玉数が「0」にリセットされている状況で、通常遊技状態にて遊技が再開されることになる。
そして、遊技が進行していき、大当たり遊技状態にて、差玉数20000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。こうして、以後同様に、差玉数が40000、60000、80000に達する度に、過賞球防止機能が作動して、差玉数が80000以上である状況でRAMクリアが実行されると、差玉数の情報がクリアされることになる。
以上、この第22変形例では、差玉数が80000以上になることに基づいて遊技が実行不能に制御されるだけでなく、差玉数が80000未満である20000、40000、60000以上になることに基づいても遊技が実行不能に制御される。そのため、或る遊技者に対して、ラッシュ(連荘)が長く続いても、1回のラッシュで最大で20000発までしか賞球を付与しないようにすることが可能である。こうして、遊技が実行不能に制御されるための契機となる差玉数を複数(20000、40000、60000、80000)設けることで、過賞球防止機能を作動させ易くして、1回のラッシュで80000発のような過剰な賞球が付与される事態を防ぐことが可能である。なお、このように過賞球防止機能が作動し易くなることで、所定時間に対する賞球数(出玉)が極端に多くなるのを防ぐことができて、パチンコ遊技機の試験において検査に通り易くすることが可能である。
また第22変形例では、差玉数が例えば20000以上になることに基づいて遊技が実行不能に制御されると、遊技者は遊技を継続できなくなる。しかしながら、その直後に、遊技場の従業員がRAMクリアを実行すれば、遊技が実行可能な状況に復帰する。この場合には、差玉数の情報が「0」にリセットされるわけではなく、遊技が実行不能になった時点の差玉数から遊技が再開される。従って、差玉数を20000以上に到達させた遊技者には、自身の差玉数の続きから遊技を開始して、次に差玉数を40000以上、60000以上、80000以上に到達させたい思わせることが可能である。
次に、第22変形例の差玉数計測処理(S106)、第22変形例の特別電動役物処理(S1307)、第22変形例の遊技停止判断処理(S2722)、第22変形例のRAMクリア処理(S018)について説明する。但し、図34に示す差玉数計測処理(S106)、図44に示す特別電動役物処理(S1307)、図97に示すRAMクリア処理(S018)との違いを中心に説明する。
[差玉数計測処理]図112に示すように、差玉数計測処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、上記形態で説明したように、総賞球数カウント処理(S301)、総発射球数カウント処理(S302)、差玉数演算処理(S303)を実行する。これにより、演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。続いて、遊技状況フラグが「1」であるか否かを判定する(S404)。遊技状況フラグは、現時点でどのくらい差玉数がカウントされているのかを示すものである。具体的に、差玉数が0以上で且つ19999未満である場合に、遊技状況フラグの値が「1」になり、差玉数が20000以上で且つ39999未満である場合に、遊技状況フラグの値が「2」になり、差玉数が40000以上で且つ59999未満である場合に、遊技状況フラグの値が「3」になり、差玉数が60000以上である場合に、遊技状況フラグの値が「4」になる。
なお、遊技状況フラグは、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている。そのため、RAMクリアが実行されても、基本的には遊技状況フラグの値は保持されている。但し、後述するように、差玉数が80000以上である状況でRAMクリアが実行されると、遊技状況フラグの値は「1」にリセットされる。
ステップS404において、遊技状況フラグが「1」であると判定すれば(S404でYES)、差玉数が0以上で且つ19999未満である状況であり、続いて、過賞球予告フラグがOFFである否かを判定する(S405)。過賞球予告フラグは、遊技が実行不能になることを予告する過賞球異常予告演出(事前予告演出)を実行したことを示すものである。過賞球予告フラグがONであれば(S405でNO)、既に過賞球異常予告演出を実行しているため、ステップS409に進む。一方、過賞球予告フラグがOFFであれば(S405でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が15000以上であるか否かを判定する(S406)。
差玉数が15000以上でなければ(S406でNO)、未だ過賞球異常予告演出を実行するタイミングでないため、ステップS409に進む。一方、差玉数が15000以上であれば(S406でYES)、過賞球異常予告演出を実行するタイミングであるため、過賞球予告フラグをONにする(S407)。そして、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S408)、ステップS409に進む。こうして、差玉数が15000以上になることを契機として、過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、過賞球異常予告演出として、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び「残り5000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。
ステップS409では、過賞球フラグがOFFであるか否かを判定する。過賞球フラグがONであれば(S409でNO)、本処理を終える。一方、過賞球フラグがOFFであれば(S409でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が20000以上であるか否かを判定する(S410)。差玉数が20000以上でなければ(S410でNO)、未だ過賞球防止機能を作動させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、差玉数が20000以上であれば(S410でYES)、過賞球フラグをONにする(S411)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S412)。こうして、差玉数が20000以上になることを契機として、過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び「大当たり遊技終了で遊技停止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。続いて、遊技状況フラグを「2」にして(S413)、本処理を終える。
ステップS404において、遊技状況フラグが「1」でないと判定すると(S404でNO)、図113に示すステップS414に進む。図113に示すように、ステップS414において、遊技状況フラグが「2」であるか否かを判定する。遊技状況フラグが「2」であると判定すれば(S414でYES)、差玉数が20000以上で且つ39999未満である状況であり、続いて、過賞球予告フラグがOFFである否かを判定する(S415)。過賞球予告フラグがONであれば(S415でNO)、既に過賞球異常予告演出を実行しているため、ステップS419に進む。一方、過賞球予告フラグがOFFであれば(S415でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が35000以上であるか否かを判定する(S416)。
差玉数が35000以上でなければ(S416でNO)、未だ過賞球異常予告演出を実行するタイミングでないため、ステップS419に進む。一方、差玉数が35000以上であれば(S416でYES)、過賞球異常予告演出を実行するタイミングであるため、過賞球予告フラグをONにする(S417)。そして、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S418)、ステップS419に進む。こうして、差玉数が35000以上になることを契機として、過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、過賞球異常予告演出として、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び「残り5000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。
ステップS419では、過賞球フラグがOFFであるか否かを判定する。過賞球フラグがONであれば(S419でNO)、本処理を終える。一方、過賞球フラグがOFFであれば(S419でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が40000以上であるか否かを判定する(S420)。差玉数が40000以上でなければ(S420でNO)、未だ過賞球防止機能を作動させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、差玉数が40000以上であれば(S420でYES)、過賞球フラグをONにする(S421)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S422)。こうして、差玉数が40000以上になることを契機として、過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び「大当たり遊技終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。続いて、遊技状況フラグを「3」にして(S423)、本処理を終える。
ステップS414において、遊技状況フラグが「2」でないと判定すると(S414でNO)、図114に示すステップS424に進む。図114に示すように、ステップS424において、遊技状況フラグが「3」であるか否かを判定する。遊技状況フラグが「3」であると判定すれば(S424でYES)、差玉数が40000以上で且つ59999未満である状況であり、続いて、過賞球予告フラグがOFFである否かを判定する(S425)。過賞球予告フラグがONであれば(S425でNO)、既に過賞球異常予告演出を実行しているため、ステップS429に進む。一方、過賞球予告フラグがOFFであれば(S425でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が55000以上であるか否かを判定する(S426)。
差玉数が55000以上でなければ(S426でNO)、未だ過賞球異常予告演出を実行するタイミングでないため、ステップS429に進む。一方、差玉数が55000以上であれば(S426でYES)、過賞球異常予告演出を実行するタイミングであるため、過賞球予告フラグをONにする(S427)。そして、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S428)、ステップS429に進む。こうして、差玉数が55000以上になることを契機として、過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、過賞球異常予告演出として、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び「残り5000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。
ステップS429では、過賞球フラグがOFFであるか否かを判定する。過賞球フラグがONであれば(S429でNO)、本処理を終える。一方、過賞球フラグがONであれば(S429でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が60000以上であるか否かを判定する(S430)。差玉数が60000以上でなければ(S430でNO)、未だ過賞球防止機能を作動させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、差玉数が60000以上であれば(S430でYES)、過賞球フラグをONにする(S431)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S432)。こうして、差玉数が60000以上になることを契機として、過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び「大当たり遊技終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。続いて、遊技状況フラグを「3」にして(S413)、本処理を終える。
ステップS424において、遊技状況フラグが「3」でないと判定すると(S424でNO)、遊技状況フラグが「4」であることになり、図115に示すステップS434に進む。図115に示すように、ステップS434において、過賞球予告フラグがOFFである否かを判定する。過賞球予告フラグがONであれば(S434でNO)、既に過賞球異常予告演出を実行しているため、ステップS438に進む。一方、過賞球予告フラグがOFFであれば(S434でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が75000以上であるか否かを判定する(S435)。
差玉数が75000以上でなければ(S435でNO)、未だ過賞球異常予告演出を実行するタイミングでないため、ステップS438に進む。一方、差玉数が75000以上であれば(S435でYES)、過賞球異常予告演出を実行するタイミングであるため、過賞球予告フラグをONにする(S436)。そして、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S437)、ステップS438に進む。こうして、差玉数が75000以上になることを契機として、過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、過賞球異常予告演出として、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び「残り5000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。
ステップS438では、過賞球フラグがOFFであるか否かを判定する。過賞球フラグがONであれば(S438でNO)、本処理を終える。一方、過賞球フラグがONであれば(S438でYES)、続いて、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報に基づいて、差玉数が80000以上であるか否かを判定する(S439)。差玉数が80000以上でなければ(S439でNO)、未だ過賞球防止機能を作動させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、差玉数が80000以上であれば(S439でYES)、過賞球フラグをONにする(S440)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S441)、本処理を終える。こうして、差玉数が80000以上になることを契機として、過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び「大当たり遊技終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]第22変形例において、図116に示す特別電動役物処理(S1307)では、図44に示す特別電動役物処理(S1307)と同様、ステップS2701~ステップS2721の処理を行う。図116に示すように、遊技制御用マイコン101は、ステップS2721において特別動作ステータスを「1」にセットした後、遊技停止判断処理を実行して(S2722)、本処理を終える。
[遊技停止判断処理]遊技停止判断処理(S2722)は、大当たり遊技が終了したときに、過賞球防止機能を作動させる状況であるかを判断する処理である。図117に示すように、遊技停止判断処理(S2722)ではまず、遊技制御用マイコン101は、過賞球フラグがONであるか否かを判定する(S2800)。過賞球フラグがONでなければ(S2800でNO)、過賞球防止機能を作動させる状況でないため、本処理を終える。一方、過賞球フラグがONであれば(S2800でYES)、遊技停止フラグをONにする(S2801)。これにより、過賞球防止機能が作動することになる。そして、過賞球予告フラグをOFFにすると共に(S2802)、過賞球フラグをOFFにして(S2803)、本処理を終える。
[RAMクリア処理]図118に示すように、RAMクリア処理(S018)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力する(S020)。これにより、RAMクリア通知コマンドを受信した演出制御用マイコン121は、RAMクリアが開始されることを把握して、画像制御基板140に対してRAMクリア報知画像RC(図95参照)を表示させるためのコマンドを出力する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)をクリア(消去)する(S021)。こうして、RAMクリアが実行されることになるが、ステップS021の処理では、非消去記憶部107に記憶されている差玉数の情報や、遊技状況フラグの値はクリア(消去)されない。ステップS022の後、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが完了したか否かを判定する(S022)。RAMクリアが完了していないと判定すれば(S022でNO)、ステップS021に戻る。一方、ステップS022で、RAMクリアが完了したと判定すれば(S022でYES)、遊技用RAM104の作用領域の初期設定を行う(S023)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技が実行不能に制御されたことを示す遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S024)。遊技停止フラグがONでなければ(S024でNO)、遊技が実行不能に制御された後の電源投入時でないことになり、図96に示すステップS019の処理に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S024でYES)、遊技が実行不能に制御された後の電源投入時であることになり、遊技停止フラグをOFFにする(S025)。これにより、遊技が実行不能された制御が解除されることなる。そして、遊技状況フラグの値が「4」であるか否かを判定する(S051)。
ここで、遊技状況フラグの値が「4」であるということは、既に遊技が実行不能に制御されていることから、差玉数が80000以上であることを意味する。従って、遊技状況フラグの値が「4」であれば(S051)、差玉数が80000以上であるときにRAMクリアが実行された状況であり、非消去クリア処理を実行する(S052)。非消去クリア処理(S052)では、非消去記憶部107に記憶されている差玉数の情報や、遊技状況フラグの値はクリア(消去)されることになる。つまり、非消去記憶部107に記憶されている差玉数の情報が「0」にリセットされると共に、遊技状況フラグの値が「1」にリセットされる。そして、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S053)、本処理を終える。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(B)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
以上、詳細に説明したように、第22変形例では、図110に示すように、差玉数が20000以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球数を付与しないパチンコ遊技機PY1を提供することが可能である。但し、本パチンコ遊技機PY1では、図110及び図111に示すように、差玉数が40000以上、60000以上、80000以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。こうして、遊技が実行不能に制御されるための契機となる差玉数が複数あることで、斬新なパチンコ遊技機PY1を提供することが可能である。
また第22変形例では、差玉数が20000以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、差玉数が40000以上になることに基づいて遊技が実行不能になる。そのため、差玉数を20000に到達させることができた遊技者には、次に差玉数を40000に到達させたいと思わせることが可能である。次に、差玉数が40000以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、差玉数が60000以上になることに基づいて遊技が実行不能になる。そのため、差玉数を40000に到達させることができた遊技者には、次に差玉数を60000に到達させたいと思わせることが可能である。続いて、差玉数が60000以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、差玉数が80000以上になることに基づいて遊技が実行不能になる。そのため、差玉数を60000に到達させることができた遊技者には、次に差玉数を80000に到達させたいと思わせることが可能である。こうして、過賞球防止機能を複数段階にわたって作動させていくという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
また第22変形例では、差玉数が20000以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、電源が遮断される。その後、電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作されることに基づいて、遊技が実行可能になる。しかしながら、このときには、図111に示すように、差玉数の情報が消去されない。よって、遊技者には、差玉数が20000以上になった続きから、遊技を再開させることが可能である。
また第22変形例では、差玉数が80000以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、電源が遮断される。その後、電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作されることに基づいて、遊技が実行可能になる。しかしながら、このときには、図112に示すように、差玉数の情報が消去される。よって、遊技者には、差玉数が消去された状態から、即ち差玉数が「0」である状態から、遊技を再開させることが可能である。
<第23変形例>
上記した第22変形例では、遊技が実行不能に制御された後、RAMクリアが実行されることにより、遊技が実行可能な状況に復帰できるようになっていた。これに対して、第22変形例では、遊技が実行不能に制御された後、特別リセットスイッチ181(図8参照)が押下操作されることに基づいて、遊技が実行可能な状況に復帰できるように構成されている。即ち、第22変形例では、遊技が実行不能に制御された後、電源の遮断及び電源の投入を行わずに、特別リセットスイッチ181が押下操作されるだけで遊技が実行可能な状況に復帰する。これは以下の理由に基づく。
第22変形例のように、差玉数が20000増加する度に過賞球防止機能が作動する場合、上記形態のように差玉数が80000以上になることに基づいて過賞球防止機能が作動する場合に比べて、頻繁に遊技が実行不能に制御される。そのため、遊技場の従業員は、遊技が実行不能に制御される度に、本パチンコ遊技機PY1に対して、電源の遮断及び電源の投入に伴ってRAMクリアスイッチ191を押下操作しなければならず、作業が煩雑になる。また遊技者にとっては、差玉数が20000増加したことに基づいて遊技が実行不能に制御された後、できるだけすぐに遊技が再開できることを望んでいる。
そこで、第23変形例では、遊技が実行不能に制御された後、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されなくても、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、遊技が実行可能な状況に復帰するようになっている。即ち、遊技場の従業員にとっては、遊技が実行不能に制御された後、電源の遮断及び電源の投入に伴ってRAMクリアスイッチ191を押下操作しなくても、遊技が実行可能な状況に復帰させることが可能である。これにより、遊技場の従業員の作業負担を軽減することができると共に、過賞球防止機能を作動させた遊技者に対して、できるだけすぐに遊技を再開させることが可能である。
なお、第23変形例では、特別リセットスイッチ181が押下操作されても、差玉数の情報がリセットされるわけではない。上記形態と同様、差玉数が80000以上であって、RAMクリアが実行されることで、差玉数の情報がリセットされるようになっている。また第23変形例では、特別リセットスイッチ181への押下操作によって、遊技が実行不能な状況に復帰できるが、RAMクリアが実行されることによっても、遊技が実行不能な状況に復帰できるようになっている。
次に、図119及び図120に基づいて、過賞球防止機能が作動する場合を説明する。図119に示すように、大当たり遊技状態にて、差玉数が20000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。ここで、遊技場の従業員は、電源の遮断を行うことなく、特別リセットスイッチ181を押下操作する。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰する。但し、このときには、RAMクリアが実行されていないため、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされない。こうして、差玉数が20000以上になっている状況で、大当たり遊技後の遊技状態(例えば高確高ベース状態)にて遊技が再開されることになる。
そして、遊技が進行していき、大当たり遊技状態にて、差玉数40000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。ここで、遊技場の従業員は、電源の遮断を行うことなく、特別リセットスイッチ181を押下操作する。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰する。但し、このときには、RAMクリアが実行されていないため、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされない。こうして、差玉数が40000以上になっている状況で、大当たり遊技後の遊技状態(例えば高確高ベース状態)にて遊技が再開されることになる。
そして、遊技が進行していき、大当たり遊技状態にて、差玉数60000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。ここで、遊技場の従業員は、電源の遮断を行うことなく、特別リセットスイッチ181を押下操作する。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰する。但し、このときには、RAMクリアが実行されていないため、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされない。こうして、差玉数が60000以上になっている状況で、大当たり遊技後の遊技状態(例えば高確高ベース状態)にて遊技が再開されることになる。
そして、遊技が進行していき、大当たり遊技状態にて、差玉数80000に到達したこととする。そして、その大当たり遊技状態が終了することで、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能の作動により、遊技を実行不能に制御する。こうして、遊技者が遊技を継続できなくなるため、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のOFF操作を行って、本パチンコ遊技機PY1に対する電源を遮断する。その後、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作を行うと共に、RAMクリアスイッチ191への押下操作を行う。つまり、電源投入時にRAMクリアを実行する。これにより、遊技が実行可能な状況に復帰すると共に、差玉数が80000以上であるため、遊技制御用マイコン101は、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアする。こうして、差玉数が「0」にリセットされている状況で、通常遊技状態にて遊技が再開されることになる。
以上、詳細に説明したように、第23変形例では、第22変形例と同様、差玉数が20000増加する度に過賞球防止機能が作動するため、遊技者にとっては比較的すぐに遊技が実行できなくなる。しかしながら、第22変形例と異なり、遊技場の従業員が電源スイッチ193のOFF操作及びON操作と、RAMクリアスイッチ191への押下操作を行うことなく、特別リセットスイッチ181を押下操作するだけで、遊技を実行可能な状況に復帰させることが可能である。従って、簡易且つ素早く遊技を実行可能な状況に復帰することが可能である。
<第24変形例>
上記した第23変形例では、差玉数が例えば20000以上になって遊技が実行不能に制御された後、次に過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数は必ず40000であった。これに対して、第24変形例では、遊技場の従業員が、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を20000、40000、60000、80000、100000、120000の中から任意に設定できるようになっている。なお以下では、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、「作動契機差玉数」と呼ぶことにする。
第24変形例では、電源投入時に設定キーシリンダ180(図8参照)が回転位置にあって、RAMクリアスイッチ191が押下操作されていると、遊技制御用マイコン101は、遊技が実行不能な設定モードに移行(設定)する。この設定モードに設定されているときには、7セグ表示器300の第4表示領域340(図9参照)に契機設定値が表示される。契機設定値には、「1」~「6」までの6種類の数字があり、契機設定値と作動契機差玉数とが対応するようになっている。そして、設定モードに設定されているときに、7セグ表示器300の第4表示領域340に表示されている契機設定値は、RAMクリアスイッチ191が押下操作される度に、「1」⇒「2」⇒「3」⇒「4」⇒「5」⇒「6」⇒「1」に切替わる。こうして、遊技場の従業員は、設定モードに設定されているときに、契機設定値を選択することができる。そして遊技場の従業員は、設定キーシリンダ180を回転位置から初期位置に戻すと、設定モードが終了して、選択した契機設定値を確定することができる。なお、設定モードが終了すると、遊技モードに移行する。
具体的に、図121(A)に示すように、設定モードにおいて、7セグ表示器300の第4表示領域340で「1」が表示されている状態で、遊技場の従業員が設定キーシリンダ180を回転位置から初期位置に戻す。これにより、遊技制御用マイコン101は、作動契機差玉数を20000に設定して、遊技モードに移行する。また図121(B)に示すように、設定モードにおいて、7セグ表示器300の第4表示領域340で「2」が表示されている状態で、遊技場の従業員が設定キーシリンダ180を回転位置から初期位置に戻す。これにより、遊技制御用マイコン101は、作動契機差玉数を40000に設定して、遊技モードに移行する。また図121(C)に示すように、設定モードにおいて、7セグ表示器300の第4表示領域340で「3」が表示されている状態で、遊技場の従業員が設定キーシリンダ180を回転位置から初期位置に戻す。これにより、遊技制御用マイコン101は、作動契機差玉数を60000に設定して、遊技モードに移行する。
また図121(D)に示すように、設定モードにおいて、7セグ表示器300の第4表示領域340で「4」が表示されている状態で、遊技場の従業員が設定キーシリンダ180を回転位置から初期位置に戻す。これにより、遊技制御用マイコン101は、作動契機差玉数を80000に設定して、遊技モードに移行する。また図121(E)に示すように、設定モードにおいて、7セグ表示器300の第4表示領域340で「2」が表示されている状態で、遊技場の従業員が設定キーシリンダ180を回転位置から初期位置に戻す。これにより、遊技制御用マイコン101は、作動契機差玉数を100000に設定して、遊技モードに移行する。また図121(F)に示すように、設定モードにおいて、7セグ表示器300の第4表示領域340で「6」が表示されている状態で、遊技場の従業員が設定キーシリンダ180を回転位置から初期位置に戻す。これにより、遊技制御用マイコン101は、作動契機差玉数を120000に設定して、遊技モードに移行する。
以上、詳細に説明したように、第24変形例では、遊技場の従業員が、作動契機差玉数を20000、40000、60000、80000、100000、120000の中から任意に設定することが可能である。これにより、遊技場の従業員は、どのくらい過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機PY1にするのかをコントロールすることが可能である。
<第25変形例>
上記形態、及び上記各変形例では、遊技制御用マイコン101は、遊技を実行不能に制御した後、コマンドを送信することが不可能であった。これに対して、第25変形例では、遊技制御用マイコン101は、遊技を実行不能に制御した後、コマンドを送信することができるように構成されている。以下では、図122~図129に基づいて、第25変形例を説明する。
ここで、先ず、遊技が実行不能に制御される前の通常時において、図122に基づいて、遊技制御基板100と払出制御基板170と演出制御基板120とのコマンドの流れを説明する。図122(1)では、大当たり遊技の実行中に遊技球が大入賞口14、15(第1大入賞口14、第2大入賞口15)に入球した場合のコマンドの流れが示されている。図122(1)に示すように、遊技制御基板100は、払出制御基板170に対して、遊技制御用マイコン101(遊技制御基板100)が正常に動作していることを示す動作中コマンド(特定コマンド)を、基本的に1秒間隔で送信するようになっている。なお、動作中コマンドは、遊技制御基板100が払出制御基板170に対して最後に送信したコマンド(動作中コマンド、賞球コマンドなど)から1秒が経過すると、払出制御基板170に向けて送信される。従って、動作中コマンドが、1秒毎に必ず払出制御基板170に送信されているわけではない。なお、動作中コマンドは、大当たり遊技の実行中に限らず、遊技制御用マイコン101が正常に動作している限り(例えば客待ち状態や通常遊技状態でも)、払出制御基板170に送信される。
こうして、払出制御基板170(払出制御用マイコン171)は、遊技制御基板100から動作中コマンドを受信することで、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを認識することができる。そして、払出制御基板170(払出制御用マイコン171)は、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを認識していることで、遊技制御基板100に各種コマンド(後述する賞球開始コマンド、下皿満杯コマンドなど)を送信することができる。即ち、払出制御基板170は、遊技制御基板100からコマンドを1秒以内に受信していることで、遊技制御用マイコン101が正常に動作していると判断して、遊技制御基板100にコマンドを送信することができる。言い換えると、払出制御基板170は、遊技制御基板100から最後にコマンドを受信してから1秒経過すると、遊技制御用マイコン101が正常に動作していないと判断して、以後、遊技制御基板100にコマンドを送信しないようになっている。
図122(1)に示すように、動作中コマンドが払出制御基板170に1秒毎に送信されている状況で、遊技球が大入賞口14、15に入球すると、遊技制御基板100は、大入賞口14、15への入球に基づく賞球コマンドを払出制御基板170に送信する。これにより、払出制御用マイコン171は、15球の遊技球(賞球)が払出されるように払出装置73を制御する。そして、払出制御基板170は、賞球の払出しが開始したことを示す賞球開始コマンドを遊技制御基板100に送信する。その結果、遊技制御用マイコン101は、賞球開始コマンドを受信することで、賞球の払出しが開始されたことを把握して、演出制御基板120に大入賞口入賞演出を実行するための賞球指示コマンド(特定コマンド)を送信する。
こうして、演出制御用マイコン121は、賞球指示コマンドを受信することに基づいて、例えば、図123(A)に示すように、大入賞口入賞演出を実行する。大入賞口入賞演出は、遊技者に遊技球が大入賞口14、15に入球したことを把握させる演出である。具体的に、図123(A)に示すように、表示画面50aにて、「+15」を示す獲得数画像G119が表示されると共に、大当たり遊技の実行中に払出された賞球数の合計を示唆する賞球数画像G110と、が表示される。なお、図123(A)では、ラウンド遊技の実行中であるため、ラウンド数を示すラウンド画像G109と街を表す背景画像(ラウンド用背景画像G114)が表示されている。
ここで、本形態では、払出制御基板170は、本パチンコ遊技機PY1に所定の異常があるかを監視するようになっている。所定の異常(遊技機の異常)とは、下皿35が満杯であることと、遊技機枠2の裏側に設けられている貯留タンクに遊技球が無いことである。なお、本パチンコ遊技機PY1には、下皿35が満杯であることを検出可能な下皿満杯検出スイッチが設けられている。そのため、下皿35が満杯である場合には、下皿満杯スイッチによる検出信号が払出制御基板170(払出制御用マイコン171)に入力されるようになっている。また、本パチンコ遊技機PY1には、貯留タンクに遊技球が無いこと(貯留されていないこと)を検出可能な貯留タンク監視センサが設けられている。そのため、貯留タンクに遊技球が無い場合には、貯留タンク監視センサによる検出信号が払出制御基板170(払出制御用マイコン171)に入力されるようになっている。こうして、「下皿満杯スイッチ、貯留タンク監視センサ」が、「異常検知手段」に相当する。
図122(2)では、遊技が実行不能に制御される前の通常時において、下皿35が満杯である場合のコマンドの流れが示されている。この場合、下皿満杯スイッチは下皿35が満杯であることを検出すると、下皿満杯スイッチによる検出信号が払出制御基板170に入力される。このとき、上述したように、払出制御基板170は、遊技制御基板100から1秒毎に動作中コマンドを入力していて、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを認識している。そのため、払出制御基板170は、下皿満杯スイッチによる検出信号を入力したことに基づいて、下皿満杯コマンドを遊技制御基板100に送信する。その結果、遊技制御用マイコン101は、下皿満杯コマンドを受信することで、下皿35が満杯であることを把握して、演出制御基板120に下皿満杯エラー演出を実行するための下皿満杯指示コマンド(特定コマンド)を送信する。
こうして、演出制御用マイコン121は、下皿満杯指示コマンドを受信することに基づいて、例えば、図123(B)に示すように、下皿満杯エラー演出を実行する。下皿満杯エラー演出は、遊技者に下皿35が満杯であることを把握させる演出である。よって、図123(B)に示すように、表示画面50aにて、下皿満杯エラー演出として、「下皿の玉を抜いて下さい」を示す下皿満杯エラー画像G120が表示される。なお、図123(B)では、ラウンド遊技の実行中であるため、ラウンド数を示すラウンド画像G109と街を表す背景画像(ラウンド用背景画像G114)が表示されている。
ここで、第25変形例において、過賞球防止機能が作動するときの演出態様を、図124(A)に基づいて説明する。過賞球防止機能が作動すると、図124(A)に示すように、表示画面50aでは、背景がないブラックアウトされた状態で、「エラーX 過賞球異常」を示す過賞球異常画像FRXが表示される。また、スピーカ52から音が何も出力されず、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。なお、図124(A)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。
また第25変形例において、不正な磁気が検知されたときの演出態様を、図124(B)に基づいて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、図124(B)に示すように、表示画面50aでは、赤背景画像REが表示されると共に、「エラー1 磁気検出異常」を示す磁気検出異常画像FR1が表示される。また、スピーカ52から音が何も出力されず、枠ランプ53は全て赤色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て赤色で点灯する。なお、図124(B)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。
ところで、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能の作動又は不正な磁気の検知によって、遊技を実行不能に制御した後、以下の問題が生じるおそれがある。即ち、遊技が実行不能に制御される直前に、例えば遊技球が大入賞口14、15に入球したことで、遊技制御基板100が払出制御基板170に大入賞口14、15への入球に基づく賞球コマンドを送信したこととする。その直後に、遊技が実行不能に制御されて、遊技制御基板100が払出制御基板170に動作中コマンドを送信しなくなることとする。この場合、払出制御基板170(払出制御用マイコン171)は、遊技制御用マイコン101が正常に動作しているのかを把握できなくなる。そのため、払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101が正常に動作していないと判断して、賞球開始コマンドを遊技制御基板100に送信する状況にも拘わらず、賞球開始コマンドを送信しないおそれがある。その結果、遊技制御基板100は、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信しないで、演出制御基板120は、図123(A)に示す大入賞口入賞演出を実行しないおそれがある。
また、遊技が実行不能に制御された後に、下皿35が満杯になって、下皿満杯スイッチによる検出信号が払出制御基板170に入力されたこととする。この場合も、上述したように、遊技が実行不能に制御された後、払出制御基板170は、動作中コマンドを受信していないため、遊技制御用マイコン101が正常に動作しているのかを把握できなくなっている。そのため、払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101が正常に動作していないと判断して、下皿満杯コマンドを遊技制御基板100に送信する状況にも拘わらず、下皿満杯コマンドを送信しないおそれがある。その結果、遊技制御基板100は、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信しないで、演出制御基板120は、図123(B)に示す下皿満杯エラー演出を実行しないおそれがある。
なお、上記した問題点は、下皿35が満杯になった場合について説明したが、貯留タンクに遊技球が無い場合も同じである。つまり、遊技が実行不能に制御された後に、貯留タンクに遊技球が無くなって、貯留タンク監視センサによる検出信号が払出制御基板170に入力されたこととする。この場合も、上述したように、遊技が実行不能に制御された後、払出制御基板170は、動作中コマンドを受信していないため、遊技制御用マイコン101が正常に動作しているのかを把握できなくなっている。そのため、払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101が正常に動作していないと判断して、球無しコマンドを遊技制御基板100に送信する状況にも拘わらず、球無しコマンドを送信しないおそれがある。なお、球無しコマンドは、貯留タンクに遊技球が無いことを示すコマンドである。その結果、遊技制御基板100は、演出制御基板120に球無し指示コマンドを送信しないで、演出制御基板120は、貯留タンクに遊技球が無いことを示す球無し報知演出(図示省略)を実行しないおそれがある。以上、遊技が実行不能に制御された後、下皿35が満杯である場合の問題点と、貯留タンクに遊技球が無い場合の問題点と、が実質的に同様であるため、下皿35が満杯である場合を代表して説明する。
第25変形例では、上記した問題に対処すべく、遊技制御基板100は、遊技を実行不能に制御した後でも、コマンド(動作中コマンド、賞球指示コマンド、下皿満杯指示コマンド、球無し指示コマンド)を送信できるようになっている。具体的に、遊技制御基板100は、遊技を実行不能に制御した後でも、遊技を実行不能に制御する前と同様、払出制御基板170に対して動作中コマンドを、基本的に1秒間隔で送信するようになっている。これにより、払出制御用マイコン171(払出制御基板170)は、遊技が実行不能に制御された後でも、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを把握することができる。
図125(1)では、過賞球防止機能が作動する直前に、遊技球が大入賞口14、15に入球したことで、遊技制御基板100が払出制御基板170に大入賞口14、15への入球に基づく賞球コマンドを送信して、その直後に、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御された状況を示している。この状況の場合、払出制御基板170は、15球の遊技球(賞球)が払出されるように払出装置73を制御する。そして、払出制御基板170は、上述したように、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを把握しているため、賞球の払出しが開始したことを示す賞球開始コマンドを遊技制御基板100に送信する。その結果、遊技制御用マイコン101は、賞球開始コマンドを受信することで、賞球の払出しが開始されたことを把握して、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信する。
これにより、演出制御用マイコン121は、図126(A)に示すように、大入賞口入賞演出を実行する。即ち、表示画面50aに、「エラーX 過賞球異常」を示す過賞球異常画像FRXが表示されている状態で、「+15」を示す獲得数画像G119が表示されると共に、大当たり遊技の実行中に払出された賞球数の合計を示唆する賞球数画像G110と、が表示される。こうして、過賞球防止機能が作動した後で、過賞球異常画像FRXが表示されている状態であっても、遊技者には、大入賞口14、15への入球に基づく賞球を獲得できていることを把握させることが可能である。つまり、過賞球防止機能が作動した直後に、大入賞口入賞演出が実行されないことはなく、遊技者に賞球の付与が継続されていることを把握させることが可能である。
図125(2)では、過賞球防止機能が作動した後に、下皿35が満杯になって、下皿満杯スイッチによる検出信号が払出制御基板170に入力された状況を示している。この状況の場合、払出制御基板170は、下皿35が満杯になっていることを把握すると共に、上述したように、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを把握しているため、下皿満杯コマンドが遊技制御基板100に送信される。その結果、遊技制御用マイコン101は、下皿満杯コマンドを受信することで、下皿35が満杯であることを把握して、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信する。
これにより、演出制御用マイコン121は、図126(B)に示すように、下皿満杯エラー演出を実行する。即ち、表示画面50aに、「エラーX 過賞球異常」を示す過賞球異常画像FRXが表示されている状態で、「下皿の玉を抜いて下さい」を示す下皿満杯エラー画像G120が表示される。こうして、過賞球防止機能が作動した後で、過賞球異常画像FRXが表示されている状態であっても、遊技者には、下皿35が満杯であることを把握させることが可能である。
図127(1)では、不正な磁気が検知される直前に、遊技球が大入賞口14、15に入球したことで、遊技制御基板100が払出制御基板170に大入賞口14、15への入球に基づく賞球コマンドを送信して、その直後に、不正な磁気の検知によって遊技が実行不能に制御された状況を示している。この状況の場合、払出制御基板170は、15球の遊技球(賞球)が払出されるように払出装置73を制御する。そして、払出制御基板170は、上述したように、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを把握しているため、賞球の払出しが開始したことを示す賞球開始コマンドを遊技制御基板100に送信する。その結果、遊技制御用マイコン101は、賞球開始コマンドを受信することで、賞球の払出しが開始されたことを把握して、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信する。
しかしながら、この場合(図127(1)参照)、過賞球防止機能が作動した場合(図125(1)参照)と異なり、演出制御用マイコン121は、賞球指示コマンドを受信しても、大入賞口入賞演出を実行しない。即ち、表示画面50aでは、図124(B)に示すように、赤背景画像REと「エラー1 磁気検出異常」を示す磁気検出異常画像FR1が表示されているだけであり、獲得数画像G119と賞球数画像G110とが表示されない。このように、不正な磁気が検知された後で、大入賞口入賞演出を実行しないのは、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1の表示の重要度が、獲得数画像G119と賞球数画像G110の重要度よりも高くて、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1の視認性を確実に担保するためである。
図127(2)では、不正な磁気が検知された後に、下皿35が満杯になって、下皿満杯スイッチによる検出信号が払出制御基板170に入力された状況を示している。この状況の場合、払出制御基板170は、下皿35が満杯になっていることを把握すると共に、上述したように、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを把握しているため、下皿満杯コマンドが遊技制御基板100に送信される。その結果、遊技制御用マイコン101は、下皿満杯コマンドを受信することで、下皿35が満杯であることを把握して、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信する。
しかしながら、この場合(図127(2)参照)、過賞球防止機能が作動した場合(図125(2)参照)と異なり、演出制御用マイコン121は、下皿満杯指示コマンドを受信しても、下皿満杯エラー演出を実行しない。即ち、表示画面50aでは、図124(B)に示すように、赤背景画像REと「エラー1 磁気検出異常」を示す磁気検出異常画像FR1が表示されているだけであり、下皿満杯エラー画像G120が表示されない。このように、不正な磁気が検知された後で、下皿満杯エラー演出を実行しないのは、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1の表示の重要度が、下皿満杯エラー画像G120の重要度よりも高くて、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1の視認性を確実に担保するためである。
次に、第25変形例のメイン側タイマ割り込み処理(S005)について、図128に基づいて説明する。なお、図128に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)は、図32に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)に替えて実行されるものである。
[メイン側タイマ割り込み処理]図128に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S100)では、遊技制御用マイコン101は、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、遊技が実行不能に制御されていないことになり、上述したようにステップS102~S114までの処理を行う。一方、遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、遊技が実行不能に制御されていることになり、遊技停止後コマンド処理を実行して(S117)、ステップS114に向かう。
なお、第17変形例で説明したように、過賞球防止機能が作動したときに、遊技停止フラグに替えて、過賞球防止用停止フラグをONにした場合には、ステップS101にて、過賞球防止用停止フラグがONであるか否かを判定する。そして、ONである場合には、遊技停止後コマンド処理(S117)に進む。また17変形例で説明したように、不正な磁気が検知されたときに、遊技停止フラグに替えて、磁気検知用停止フラグをONにした場合には、ステップS101にて、磁気検知用停止フラグがONであるか否かを判定する。そして、ONである場合には、遊技停止後コマンド処理(S117)に進む。
[遊技停止後コマンド処理]図129に示すように、遊技停止後コマンド処理(S117)では、遊技制御用マイコン101は、動作中コマンド出力処理を実行する(S060)。動作中コマンド出力処理(S060)では、動作中コマンドが払出制御基板170に対して基本的に1秒間隔で送信される。但し、動作中コマンドは、上述したように必ず1秒間隔で払出制御基板170に送信されるわけではなく、払出制御基板170に対して最後に送信されたコマンド(動作中コマンド、賞球コマンドなど)から1秒が経過すると、払出制御基板170に向けて送信される。こうして、遊技が実行不能に制御された後でも、払出制御基板170に動作中コマンドを送信することができる。なお、図128に示す出力処理(S112)において、上述した動作中コマンド処理(S060)と同じ処理が実行されるようになっている。そのため、遊技が実行不能に制御される前でも、動作中コマンドは、払出制御基板170に対して基本的に1秒間隔で送信される。
ステップS060の後、遊技制御用マイコン101は、遊技停止用外端信号出力処理を実行する(S061)。この遊技停止用外端信号出力処理(S061)は、図47に示す遊技停止用外端信号出力処理(S3106)と同じであり、遊技が実行不能になったことを示す外端信号(以下「遊技停止用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。なお、遊技停止用外端信号は、具体的には、RAMクリア、大入賞口不正入賞エラー、磁気センサエラー、設定の確認中などでも出力されるセキュリティ信号のことである。こうして、過賞球防止機能の作動又は不正な磁気の検知によって、遊技が実行不能に制御された後でも、遊技停止用外端信号が主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。そして、この遊技停止用外端信号は、電源が遮断されるまで出力され続けるようになっている。
ステップS061の後、遊技制御用マイコン101は、払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信したか否かを判定する(S062)。受信していなければ(S062でNO)、ステップ064に進む。一方、受信していれば(S062でYES)、賞球指示コマンド出力処理(S063)により、演出制御基板120に対して賞球指示コマンドを出力する(図125(1)、図127(1)参照)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信したか否かを判定する(S064)。受信していなければ(S064でNO)、ステップ066に進む。一方、受信していれば(S064でYES)、下皿満杯指示コマンド出力処理(S065)により、演出制御基板120に対して下皿満杯指示コマンドを出力する(図125(2)、図127(2)参照)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、払出制御基板170から球無しコマンドを受信したか否かを判定する(S066)。受信していなければ(S066でNO)、本処理を終える。一方、受信していれば(S066でYES)、球無し指示コマンド出力処理(S067)により、演出制御基板120に対して球無し指示コマンドを出力して、本処理を終える。なお、過賞球防止機能が作動した後に、演出制御基板120が球無し指示コマンドを受信すると、演出制御基板120は、貯留タンクに遊技球が無いことを示す球無し報知演出(図示省略)を実行する。一方、不正な磁気が検知された後に、演出制御基板120が球無し指示コマンドを受信すると、演出制御基板120は、球無し報知演出を実行しないようになっている。
以上、詳細に説明したように、第25変形例では、遊技制御基板100は、遊技を実行不能に制御した後に、払出制御基板170に動作中コマンドを送信可能である。これにより、払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101が正常に動作していることを把握して、賞球開始コマンドや下皿満杯コマンドを遊技制御基板100に出力させることが可能である。また、遊技制御基板100は、遊技を実行不能に制御した後に、演出制御基板120に賞球指示コマンドや下皿満杯指示コマンドを送信することが可能である。これにより、演出制御基板120は、大入賞口入賞演出や下皿満杯エラー演出を実行することが可能である。こうして、遊技制御基板100は、遊技を実行不能に制御した後でも、払出制御基板170に動作中コマンドに基づく処理を実行させたり、演出制御基板120に賞球指示コマンド又は下皿満杯指示コマンドに基づく処理を実行させることが可能である。
また第25変形例では、遊技制御基板100は、過賞球防止機能の作動によって遊技を実行不能に制御した後に、図125(1)に示すように、払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信すると、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信する。これにより、演出制御基板120は、図126(A)に示すように、大入賞口入賞演出を実行する。また遊技制御基板100は、過賞球防止機能の作動によって遊技を実行不能に制御した後に、図125(2)に示すように、払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信すると、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信する。これにより、演出制御基板120は、図126(B)に示すように、下皿満杯エラー演出を実行する。こうして、演出制御基板120は、遊技が実行不能に制御された後でも、賞球指示コマンドや下皿満杯指示コマンドを受信することに基づいて、遊技球の払出しに関係する演出(図126(A)に示す大入賞口入賞演出、図126(B)に示す下皿満杯エラー演出)を実行可能である。
また第25変形例では、不正な磁気が検知された場合(特定の異常がある場合)、遊技が実行不能に制御される。この場合、演出制御基板120は、図124(B)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1を表示する。しかしながら、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1を表示しているときに、遊技制御基板100から賞球指示コマンドを受信しても(図127(1)参照)、大入賞口入賞演出を実行しない。また、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1を表示しているときに、遊技制御基板100から下皿満杯指示コマンドを受信しても(図127(2)参照)、下皿満杯エラー演出を実行しない。こうして、不正な磁気の検知によって遊技が実行不能に制御された場合、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1の表示(特定の異常報知)を、遊技球の払出しに関係する演出(大入賞口入賞演出、下皿満杯エラー演出)よりも優先して実行することが可能である。
また第25変形例では、遊技制御基板100は、過賞球防止機能の作動によって遊技を実行不能に制御した後に、下皿満杯スイッチにより下皿35が満杯であることが検知されることに基づいて、図125(2)に示すように、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信する。これにより、演出制御基板120は、遊技が実行不能に制御された後でも、図126(B)に示すように、下皿満杯エラー演出を実行することが可能である。また、遊技制御基板100は、過賞球防止機能の作動によって遊技を実行不能に制御した後に、貯留タンク監視センサにより貯留タンクに遊技球が無いことが検知されることに基づいて、演出制御基板120に球無し指示コマンドを送信する。これにより、演出制御基板120は、遊技が実行不能に制御された後でも、貯留タンクに遊技球が無いことを示す球無し報知演出(図示省略)を実行可能である。
ところで第25変形例では、上述したように、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された場合、演出制御用マイコン121(演出制御基板120)が、図124(A)に示すように、過賞球防止機能が作動したことを報知した。また不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された場合、演出制御用マイコン121が、図124(B)に示すように、不正な磁気が検知されたことを報知した。ここで万一、過賞球防止機能の作動と不正な磁気の検知とが同じタイミングで実行された場合、遊技制御用マイコン101は遊技を実行不能に制御しつつ、演出制御用マイコン121は、図124(B)に示す報知(不正な磁気が検知されたことの報知)を実行して、図124(A)に示す報知(過賞球防止機能が作動したことの報知)を実行しないようになっている。これは、不正な磁気が検知されたことの方が、過賞球防止機能が作動したことよりも、報知としての重要度が高いためである。
<第26変形例>
上記形態、及び上記各変形例では、画像表示装置50の前方に、発光表示された表示像を遊技者に視認させるイルミ表示装置が配置されていなかった。これに対して、第26変
形例では、図130(A)に示すように、画像表示装置50の前方に、発光表示された表示像を遊技者に視認させるイルミ表示装置57(特定発光手段、特定演出手段)が配置されている。
イルミ表示装置57(導光手段)は、主に、導光板57a(イルミパネル)と下側フレーム57bと上縁フレーム57cとを備えている。導光板57aは、光を透過可能な透過性を有するものであり、画像表示装置50の表示画面50aと対向する長方形の平板状に形成されている。導光板57aの下側と左右両側が下側フレーム57bに嵌め込まれていて、上縁フレーム57cが、導光板57aの上側と下側フレーム57bの上端に取付けられるようになっている。
上縁フレーム57cには、図130(B)に示す表示用LED57dが設けられている。表示用LED57dが発光すると、表示用LED57dから出射された光は、導光板57aの端面に入射される。そして、導光板57aの端面に入射された光は、導光板12aの後側(背面側)に形成された反射部57eで前面側に反射される。こうして、導光板57aの反射部57eで反射された光は、導光板57aの前面57fから出射されることで、遊技者は、導光板57aで発光表示された表示像を視認できるようになっている。後述するように本形態では、導光板12aにて特別キャラクラであるロゴの顔を示すロゴ顔像GR(図131(B)参照)が発光表示されるように、反射部57eに凹凸が形成されている。
第26変形例では、SPリーチの実行中に、イルミ表示装置57を用いたロゴイルミ登場演出が実行されることがあり、図131に基づいて、ロゴイルミ登場演出について説明する。図131(A)に示すように、SPリーチの実行中、表示画面50aでは、主人公キャラクラと敵キャラクタとが戦うことを示すSPリーチ用背景画像G113が表示されている。そして、SPリーチ用背景画像G113の表示中に、突然、図131(B)に示すように、イルミ表示装置57の導光板12aにて、ロゴの顔を示すロゴ顔像GRが赤色で発光表示される。即ち、ロゴイルミ登場演出が突然割り込んで実行されて、遊技者には、表示画面50aよりも前方にて、発光表示された赤色のロゴ顔像GRを見せる。なお、ロゴ顔像GRは、所定の短時間(例えば2秒)だけ割り込んで表示される。
こうして、ロゴイルミ登場演出が実行されることで、ロゴイルミ登場演出が実行されない場合よりも、SPリーチでの当選期待度が高くなることが示唆される。なお、ロゴイルミ登場演出では、ロゴ顔像GRが緑色で発光表示される場合と、ロゴ顔像GRが赤色で発光表示される場合と、ロゴ顔像GRが金色で発光表示される場合と、がある。そして、緑色のロゴ顔像GR<赤色のロゴ顔像GR<金色のロゴ顔像GRの順番に、当選期待度が高いことが示唆される。
図131(B)に示すロゴイルミ登場演出が終了すると、図131(C)に示すように、表示画面50aにて、特別キャラクタ(ロゴ)が馬に乗って登場することを示す登場画像GTが表示される。続いて、図131(D)に示すように、表示画面50aにて、特別キャラクタ(ロゴ)の上半身を示すと共に、「参上」の文字を示す参上画像GSが表示される。こうして、導光板57aでロゴ顔像GRが発光表示されてから、表示画面50aで登場画像GTと参上画像GSとが表示されるという一連の流れにより、遊技者には、特別キャラクタが味方として新たに加わったという演出を見せることが可能である。その後、図131(E)に示すように、主人公キャラクラと敵キャラクタとが戦うことを示すSPリーチ用背景画像G113の表示に戻る。
ところで、上述したように、SPリーチの実行中にロゴイルミ登場演出が実行される場合、図131(B)に示すロゴ顔像GRの発光表示から、図131(C)に示す登場画像GTの表示にスムーズに移行させる必要がある。即ち、導光板57aでロゴ顔像GRの発光表示を終了させるタイミングと、表示画面50aで登場画像GTの表示を開始させるタイミングとを合わせる必要がある。仮に、上記したタイミングがずれていると、遊技者には、特別キャラクタが味方として新たに加わったという演出に違和感を与えてしまうからである。
ここで従来では、イルミ表示装置(表示用LED)は、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)によって発光制御されるように接続されていることが多い。そして、演出制御基板120の開発者と、画像制御基板140の開発者とは、一般的に異なっている。そのため、これらの開発者同士が、連絡を取り合うことで、導光板57aでロゴ顔像GRの発光表示を終了させるタイミングと、表示画面50aで登場画像GTの表示を開始させるタイミングとが合うように、ロゴ顔像GRを発光表示させるランプデータと、登場画像GTを表示させる画像データとがそれぞれ作成される。
しかしながら、この場合、開発者同士で極めて綿密に連絡を取り合わなければならず、作成工数や作成期間が増大するという問題点がある。更に、開発者同士の意思の共有や情報の共有が十分に図れずに、導光板57aでロゴ顔像GRの発光表示を終了させるタイミングと、表示画面50aで登場画像GTの表示を開始させるタイミングとが僅かにずれるというリスクがあった。
そこで、第26変形例では、図132に示すように、画像制御基板140にイルミ表示装置57が接続されていて、画像制御基板140によってイルミ表示装置57(表示用LLED57d)の発光制御が実行されるようになっている。即ち、イルミ表示装置57が演出制御基板120によって発光制御されるように接続されているわけではない。これにより、画像制御基板140は、画像用ROM142に格納されているランプデータ(ロゴ顔像GRを発光表示させるランプデータ)に基づいて、イルミ表示装置57(表示用LED57d)の発光制御を行う。つまり、画像制御基板140は、表示用LED57dを発光させるタイミングの情報、表示用LED57dの発光色の情報、表示用LED57dの輝度(明るさ)の情報、表示用LED57dを消灯させるタイミングの情報を、演出制御基板120から出力されるコマンドにより把握しているわけではない。
こうして、第26変形例では、画像制御基板140(画像用CPU141)が、SPリーチ用背景画像G113、登場画像GT、参上画像GSの表示制御を行うだけでなく、イルミ表示装置57(表示用LED57d)の発光制御も行う。従って、画像制御基板
140を開発する開発者が、ロゴ顔像GRを発光表示させるランプデータと、登場画像GTを表示させる画像データの両方を作成する。その結果、導光板57aでロゴ顔像GRの発光表示を終了させるタイミングと、表示画面50aで登場画像GTの表示を開始させるタイミングとを合わせ易くなり、これらのタイミングがずれるリスクを抑えることが可能である。
ここで、イルミ表示装置57は、電源投入に伴って、当該イルミ表示装置57が正常に動作することを示すイルミ初期発光(初期動作)を実行するようになっている。以下では、図133に基づいて、イルミ初期発光について説明する。なお、導光板57aでは、上下方向に3つの部分に分けた場合、上側部分と中央部分と下側部分があることとする。イルミ初期発光が実行される場合、先ず、導光板57aの上側部分に配置されている表示用LED57dのみが発光する。これにより、図133(A)に示すように、ロゴ顔像GRのうち上側部分G1のみが発光表示される。
次に、導光板57aの中央部分に配置されている表示用LED57dのみが発光する。これにより、図133(B)に示すように、ロゴ顔像GRのうち中央部分G2のみが発光表示される。最後に、導光板57aの下側部分に配置されている表示用LED57dのみが発光する。これにより、図133(C)に示すように、ロゴ顔像GRのうち下側部分G3のみが発光表示される。
こうして、イルミ初期発光では、導光板57aの上側部分⇒導光板57aの中央部分⇒導光板57aの下側部分が順番に発光表示することで、遊技場の従業員に、イルミ表示装置57が正常に動作することを把握させることが可能である。なお、図133(A)(B)(C)に示すイルミ初期発光は、一例であって、発光態様は適宜変更可能である。例えば、イルミ初期発光では、導光板57aに配置されている全ての表示用LED57dが同時に発光するようにしても良い。
また第26変形例では、図134に示すように、遊技盤YUは、遊技領域6を備える遊技板1(第1ユニット)と、遊技板1の後方に配置される裏ユニット1U(第2ユニット)と、が脱着可能に組み合わされて構成されたものである。なお、裏ユニット1Uは、各種制御基板(遊技制御基板100、演出制御基板120、画像制御基板140、払出制御基板170など)や可動装置55、56、58が組み合わされてユニットになっているものである。
ここで、遊技盤YUには、複数種類のラインナップが取り揃えられていて、1種類の遊技板1に対して、複数種類の裏ユニット1Uを容易に取付けることができるように構成されている。これにより、遊技場の従業員が、遊技場にて、遊技板1に対して異なる裏ユニット1Uを取付けることで、異なる遊技盤YUを組み立てることができる。このような現場交換方式を採用して、部材の共通化を図るようになっている。しかしながら、遊技場の従業員が、遊技盤YUを組み立てる際に、異なる種類の遊技板1と裏ユニット1Uとを組付けることがあり、パチンコ遊技機PY1として意図しない動作が生じることがあった。
そこで、第26変形例では、上記した問題点に対処すべく、遊技板1の左下部1LD(図134参照)に、盤照合スイッチYSが設けられている。図135では、遊技板1の左下部1LDから、図示しない左樋ユニットが取り外された状態が示されている。図135及び図136に示すように、盤照合スイッチYSは、操作によって6つのビット情報を切替えることが可能なスイッチとして構成されている。具体的に、図136に示すように、1ビット目から6ビット目まで、ON側(図136の右側)又はOFF側(図136の左側)の何れかに切替可能になっている。従って、図136に示す例では、1ビット目だけがON側であり、2ビット目から6ビット目までOFF側になっている。
盤照合スイッチYSにおける1ビット目から6ビット目までの情報は、裏ユニット1Uに搭載されている演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に入力される。そして、演出制御用マイコン121は、電源投入時に、予め記憶している盤照合情報と、盤照合スイッチYSにおける1ビット目から6ビット目までの情報とが一致するか否かを判定する。そして、演出制御用マイコン121は、これらの情報が一致すれば、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しいものと判断する。一方、上記した情報が一致しなければ、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っているものと判断するようになっている。なお、図135に示す盤照合スイッチYSは、遊技板1から左樋ユニット(図示省略)を取外さなければ操作できないようになっている。従って、基本的には、遊技場の従業員が、盤照合スイッチYSを操作することができず、製造者のみが、盤照合スイッチYSを操作できるようになっている。
第26変形例では、演出制御用マイコン121は、電源投入時に、予め記憶している盤照合情報と、盤照合スイッチYSにおける1ビット目から6ビット目までの情報とが一致しないと判断した場合、即ち、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っているものと判断した場合、盤不適合報知演出を実行する。盤不適合報知演出は、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていることを示す演出であり、具体的に、図137に示すように、表示画面50aにて、「遊技盤が不適合です」を示す盤不適合報知画像YFを表示する。この盤不適合報知演出は、電源が遮断されるまで継続するようになっている。こうして、盤不適合報知演出が実行された場合、遊技場の従業員に、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていることを把握させることが可能である。
ところで、図132に示すように、イルミ表示装置57(表示用LED57d)が、画像制御基板140に発光制御されるように接続されている場合、以下の問題点があった。即ち、上述したように、イルミ表示装置57は、演出制御基板120によって発光制御されるように接続されているわけでない。そのため、電源の投入に伴って、演出制御基板120及び画像制御基板140が起動すると、画像制御基板140は、演出制御基板120の制御と無関係に、イルミ表示装置57を発光制御する。従って、電源投入されてから、イルミ表示装置57は、必ずイルミ初期発光を実行するという問題点があった。即ち、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていて、図137に示す盤不適合報知演出が実行されている状況にも拘わらず、イルミ表示装置57では図133に示すイルミ初期発光が実行されるという問題点があった。
そこで、第26変形例では、上記問題点に対処すべく、演出制御用マイコン121(演出制御基板120)が、電源投入に伴って、予め記憶している盤照合情報と、盤照合スイッチYSにおける1ビット目から6ビット目までの情報とが一致すると判断した場合、即ち、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しいものと判断した場合、画像制御基板140にイルミ許可コマンドを送信する。イルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)は、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しいことを示すコマンドであり、演出制御用マイコン121に遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていると判断された場合には、画像制御基板140に送信されない。
こうして、画像制御基板140は、電源投入に伴って、演出制御基板120からイルミ許可コマンドを受信した場合に限り、図133に示すイルミ初期発光を実行する。即ち、画像制御基板140は、イルミ許可コマンドを受信しなければ、図133に示すイルミ初期発光を実行することがない。これにより、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていて、図137に示す盤不適合報知演出が実行されている状況にも拘わらず、イルミ表示装置57でイルミ初期発光が実行されるという事態を防ぐことが可能である。こうして、イルミ初期発光が実行されずに、図137に示す不適合報知演出が実行されるため、表示画面50aで表示される盤不適合報知画像YF(図137参照)がイルミ初期発光(図133参照)で見え難いという事態を防ぐことが可能である。また、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っているにも拘わらず、イルミ初期発光が実行されることにより、本パチンコ遊技機PY1が正常に動作しているという誤認を与えるのを防ぐことが可能である。
また第26変形例では、画像制御基板140は、イルミ許可コマンドを受信した場合に限り、イルミ初期発光を実行した後、イルミ表示装置57(表示用LED57d)の発光制御を行うことが可能である。その結果、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しい場合に限り、図131(B)に示すロゴイルミ登場演出を実行可能である。
次に、第26変形例のサブ制御メイン処理について、図138に基づいて説明する。なお、図138に示すサブ制御メイン処理は、図48に示すサブ制御メイン処理に替えて実行されるものである。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図138に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。図138に示すように、サブ制御メイン処理では先ず、サブ電源投入時処理を実行する(S4020)。続いて、演出制御許可フラグがONであるか否かを判定する(S4021)。演出制御許可フラグは、演出制御用マイコン121により各種演出の実行が許可されたことを示すフラグであり、後述するように遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しいと判断された場合にONされるものである。演出許可フラグがONである場合には(S4021でYES)、ステップS4002~S4012の処理に進む。一方、演出許可フラグがONでない場合には(S4021でNO)、ステップS4002~S4012の処理を実行せずに、ステップS4021の処理を繰り返す。こうして、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しいと判断されない場合には、演出許可フラグがONされずに、各種演出(客待ち演出、変動演出など)が実行されないようになっている。
[サブ電源投入時処理]図139に示すように、サブ電源投入時処理(S4020)では、演出制御用マイコン121は、初期設定処理(S4030)として演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。続いて、演出制御用マイコン121は、演出用ROM123に記憶されている盤照合情報と、盤照合スイッチYSから入力した1ビット目から6ビット目までの情報と、が一致するか否かを判定する(S4031)。
一致すると判定すれば(S4031でYES)、演出制御許可フラグをONにする(S4032)。これにより、サブ電源投入時処理(S4020)が終了した後、図138に示すステップS4002~S4012の処理が実行可能になる。続いて、演出初期動作処理を実行する(S4033)。演出初期動作処理(S4033)では、各可動装置55、56、58(可動体)が原点位置から動作位置に移動した後、動作位置から原点位置に復帰する可動体初期動作が実行される。この可動体初期動作により、各可動装置55、56、58が正常に動作することを確認することができる。なお、イルミ表示装置57は、演出制御基板120に発光制御されるように接続されていないため、この演出初期動作処理(S4033)により、イルミ初期発光が実行されるわけではない。
そして、演出初期動作処理(S4033)の後、演出制御用マイコン121は、イルミ許可コマンド出力処理を実行して(S4034)、ステップS4037に進む。イルミ許可コマンド出力処理(S4034)では、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140に対してイルミ許可コマンドを送信する。こうして、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しいと判断された場合に限り、イルミ許可コマンドが画像制御基板140に出力されることになる。
一方、ステップS4031において、演出制御用マイコン121は、演出用ROM123に記憶されている盤照合情報と、盤照合スイッチYSから入力した1ビット目から6ビット目までの情報と、が一致しないと判断した場合(S4031でNO)、演出制御許可フラグをOFFにする。これにより、サブ電源投入時処理(S4020)が終了した後、図138に示すステップS4002~S4012の処理が実行されないことになる。続いて、演出制御用マイコン121は、異常報知処理を実行して(S4036)、ステップS4037に進む。異常報知処理(S4036)では、演出制御用マイコン121は、表示画面50aにて盤不適合報知画像YF(図137参照)を表示させるためのコマンドを画像制御基板140に出力する。
こうして、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていると判断された場合、図137に示す盤不適合報知演出が実行されることなる。なお、盤不適合報知演出では、図137に示す盤不適合報知画像YFが表示されるようになっているが、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていることを報知する演出態様であれば、適宜変更可能である。従って、例えば、スピーカ52から「遊技盤が不適合です」という音声を出力するようにしても良い。
ステップS4037に進むと、演出制御用マイコン121は、その他の電源投入時処理(S4037)を実行して、本処理を終える。その他の電源投入時処理(S4037)では、例えば、RAMクリアが実行された場合に、RAMクリアが実行されたことを報知するための処理が実行される。
[画像制御メイン処理]画像用CPU141は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図140に示す画像制御メイン処理のプログラムを画像用ROM142から読み出して実行する。図140に示すように、画像制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた画像電源投入時処理を行う(S5000)。そして、画像用CPU141は、画像電源投入時処理(S5000)を実行した後、4msタイマ割り込み処理を実行する(S5001)。
[画像電源投入時処理]図141に示すように、画像電源投入時処理(S5000)では、初期設定処理(S5010)として、画像用CPU141の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。続いて、画像用CPU141は、演出制御基板120からイルミ許可コマンドを受信したか否かを判定する(S5011)。受信していれば(S5011でYES)、イルミ初期発光処理を実行する(S5012)。イルミ初期発光処理(S5012)では、画像用CPU141は、図133(A)(B)(C)に示すイルミ初期発光が実行されるように、イルミ表示装置57の表示用LED57dの発光を制御する。こうして、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが正しい場合であって、イルミ許可コマンドが画像制御基板140に送信された場合に限り、図133(A)(B)(C)に示すイルミ初期発光が実行される。
ステップS5012に示すイルミ初期発光処理の後、画像用CPU141は、イルミ発光フラグをONにして(S5013)、ステップS5015に進む。イルミ発光フラグは、イルミ表示装置57の発光制御が可能であることを示すフラグである。一方、ステップS5011において、イルミ許可コマンドを受信していなければ(S5011でNO)、画像用CPU141は、イルミ発光フラグをOFFにして(S5014)、ステップS5015に進む。ステップS5015では、その他の電源投入時処理を実行して(S5015)、本処理を終える。
[4msタイマ割り込み処理]4msタイマ割り込み処理(S5001)は、画像制御基板140に4msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。4msタイマ割り込み処理(S5001)では、画像用CPU141は、図142に示すように、受信コマンド解析処理を実行する(S5020)。受信コマンド解析処理(S5020)では、画像用RAM143の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに含められている情報を解析する。続いて、画像用CPU141は、解析した情報に基づいて、画像表示装置50の表示画面50aに表示する画像を制御する画像制御処理を実行する(S5021)。この画像制御処理(S5021)により、表示画面50aにて、各種演出(変動演出、大当たり演出、客待ち演出など)が実行される。
そして、画像用CPU141は、ステップS5022にて、イルミ発光フラグがONであるか否かを判定する。イルミ発光フラグがONであれば(S5022でYES)、画像用CPU141は、イルミ表示装置57の表示用LED57dの発光を制御するイルミ発光制御処理を実行して(S5023)、本処理を終える。このイルミ発光制御処理(S5023)により、画像用CPU141は、例えば、SPリーチの実行中に、図131(B)に示すロゴイルミ登場演出を実行可能である。
一方、イルミ発光フラグがOFFであれば(S5022でNO)、画像用CPU141は、イルミ発光制御処理(S5023)を実行することがない。以上により、遊技板1と裏ユニット1Uとの組み合わせが誤っていると判断された場合、画像制御基板140は、演出制御基板120からイルミ許可コマンドを受信しないことで、イルミ初期発光処理(S5012)を実行しないだけでなく、イルミ発光制御処理(S5023)も実行しない。従って、この場合には、イルミ表示装置57では、導光板57aが全く発光表示しないことになる。
以上、詳細に説明したように、第26変形例では、図132に示すように、イルミ表示装置57は、画像制御基板140に発光制御されるように接続されている。そして、画像制御基板140は、電源投入に伴って、演出制御基板120からイルミ許可コマンドを受信した場合には、イルミ表示装置57の発光制御を実行可能である一方、演出制御基板120からイルミ許可コマンドを受信しない場合には、イルミ表示装置57の発光制御を実行しない。こうして、イルミ表示装置57は、電源投入に伴って画像制御基板140が演出制御基板120からイルミ許可コマンドを受信することを条件に、発光表示できるようになり、演出制御基板120の制御と無関係に発光表示するのを防ぐことが可能である。
また第26変形例では、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)が、電源投入に伴って、遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せに異常が生じていない(遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せが正しいものである)と判断した場合には、画像制御基板140にイルミ許可コマンドを送信することで、イルミ表示装置57は発光表示することができる。つまり、電源投入に伴って、遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せに異常が生じている(遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せが誤っているものである)と判断された場合、画像制御基板140にイルミ許可コマンドが送信されなくて、イルミ表示装置57は発光表示することができない。こうして、遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せが正常であるか否かに応じて、イルミ表示装置57が発光表示することができる。
また第26変形例では、電源投入に伴って、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)が、遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せに異常が生じていない(遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せが正しいものである)と判断した場合には、イルミ表示装置57では、図133(A)(B)(C)に示すイルミ初期発光が実行される。一方、電源投入に伴って、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)が、遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せに異常が生じている(遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せが誤っているものである)と判断した場合には、イルミ表示装置57では、図133(A)(B)(C)に示すイルミ初期発光が実行されない。こうして、電源投入に伴って、演出制御基板120が、遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せに異常が生じていると判断しているにも拘わらず、イルミ表示装置57のイルミ初期発光が実行されるのを防ぐことが可能である。
<第27変形例>
上記した第25変形例では、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、演出制御基板120が遊技制御基板100から賞球指示コマンドを受信しても(図127(1)参照)、表示画面50aでは大入賞口入賞演出が実行されなかった。また、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、演出制御基板120が遊技制御基板100から下皿満杯指示コマンドを受信しても(図127(2)参照)、表示画面50aでは下皿満杯エラー演出が実行されなかった。
これに対して、第27変形例では、不正な磁気が検知された後、演出制御基板120が遊技制御基板100から賞球指示コマンドを受信すると(図127(1)参照)、演出制御用マイコン121は、図143(A)に示すように、表示画面50aにて大入賞口入賞演出を実行する。即ち、表示画面50aに、赤背景画像REと「エラー1 磁気検出異常」を示す磁気検出異常画像FR1が表示されている状態で、「+15」を示す獲得数画像G119と、大当たり遊技の実行中に払出された賞球数の合計を示唆する賞球数画像G110と、が表示される。こうして、不正な磁気が検知された後で、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1が表示されている状態であっても、遊技者には、大入賞口14、15への入球に基づく賞球を獲得できていることを把握させることが可能である。つまり、不正な磁気が検知された直後に、大入賞入賞演出が実行されないことはなく、遊技者に賞球の付与が継続されていることを把握させることが可能である。
また、第27変形例では、不正な磁気が検知された後、演出制御基板120が遊技制御基板100から下皿満杯指示コマンドを受信すると(図127(2)参照)、演出制御用マイコン121は、図143(B)に示すように、表示画面50aにて下皿満杯エラー演出を実行する。即ち、表示画面50aに、赤背景画像REと「エラー1 磁気検出異常」を示す磁気検出異常画像FR1が表示されている状態で、「下皿の玉を抜いて下さい」を示す下皿満杯エラー画像G120が表示される。こうして、不正な磁気が検知された後で、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1が表示されている状態であっても、遊技者には、下皿35が満杯であることを把握させることが可能である。
<第28変形例>
上記した第25変形例では、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信することに基づいて、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信した(図127(1)参照)。また、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信することに基づいて、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信した(図127(2)参照)。
これに対して、第28変形例では、図144(1)に示すように、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信しても、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信しないようになっている。これにより、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)には、大入賞口入賞演出を確実に実行させないことが可能である。
また、第28変形例では、図144(2)に示すように、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信しても、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信しないようになっている。これにより、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)には、下皿満杯エラー演出を確実に実行させないことが可能である。
ところで、図25変形例では、過賞球防止機能が作動した後、又は不正な磁気が検知された後の何れの場合でも、遊技制御用マイコン101が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信すれば、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信し、遊技制御用マイコン101が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信すれば、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信した(図125及び図127参照)。
これに対して、第28変形例では、過賞球防止機能が作動した後では、遊技制御用マイコン101が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信すれば、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信し、遊技制御用マイコン101が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信すれば、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信する(図125参照)。その一方で、不正な磁気が検知された後では、遊技制御用マイコン101が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信しても、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信せず、遊技制御用マイコン101が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信しても、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信しない。
こうして、第28変形例では、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能が作動した場合、又は不正な磁気が検知された場合の何れであるかを判断して、演出制御基板120にコマンド(賞球指示コマンド、下皿満杯指示コマンド)を送信するか否かを決めることになる。しかしながら、遊技制御用マイコン101(遊技制御基板100)は、遊技機の検査対象となるものであって、処理能力に大きな制限が課されている。そのため、遊技制御用マイコン101の処理として、処理負担を軽減すべく、できるだけ場合分けが無い方が好ましい。よって、第28変形例よりも、第25変形例の方が、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能が作動した場合、又は不正な磁気が検知された場合の何れであるかを判断せずに、演出制御基板120にコマンド(賞球指示コマンド、下皿満杯指示コマンド)を送信するという点で好ましい。即ち、第28変形例よりも、第25変形例の方が、遊技制御用マイコン101の処理負担を軽減することが可能である。
<第29変形例>
上記した第28変形例では、図144(1)に示すように、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信しても、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信しないようになっていた。その一方で、図125(1)に示すように、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信すると、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信するようになっていた。
これに対して、第29変形例では、図145(1)に示すように、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信すると、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信しないようになっている。これにより、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)には、大入賞口入賞演出を確実に実行させないことが可能である。
その一方で、第29変形例では、図127(1)に示すように、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信すると、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信するようになっている。そして、賞球指示コマンドを受信した演出制御基板120(演出制御用マイコン121)には、図143(A)に示すように、赤背景画像REと「エラー1 磁気検出異常」を示す磁気検出異常画像FR1が表示されている状態で、大入賞口入賞演出を実行させるようになっている。
以上により、第29変形例では、過賞球防止機能が作動した後で、過賞球異常画像FRXが表示されている状態では、大入賞口入賞演出が実行されないようにして、過賞球異常画像FRXの視認性を担保している。その一方で、不正な磁気が検知された後で、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1が表示されている状態では、大入賞口入賞演出が実行されるようにして、賞球数画像G110と獲得数画像G119の視認性を担保している。
また上記した第28変形例では、図144(2)に示すように、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信しても、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信しないようになっていた。その一方で、図125(2)に示すように、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信すると、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信するようになっていた。
これに対して、第29変形例では、図145(2)に示すように、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信すると、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信しないようになっている。これにより、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)には、下皿満杯エラー演出を確実に実行させないことが可能である。
その一方で、第29変形例では、図127(2)に示すように、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信すると、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信するようになっている。そして、下皿満杯指示コマンドを受信した演出制御基板120(演出制御用マイコン121)には、図143(B)に示すように、赤背景画像REと「エラー1 磁気検出異常」を示す磁気検出異常画像FR1が表示されている状態で、下皿満杯エラー演出を実行させるようになっている。
以上により、第29変形例では、過賞球防止機能が作動した後で、過賞球異常画像FRXが表示されている状態では、下皿満杯エラー演出が実行されないようにして、過賞球異常画像FRXの視認性を担保している。その一方で、不正な磁気が検知された後で、赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1が表示されている状態では、下皿満杯エラー演出が実行されるようにして、下皿満杯エラー画像G120の視認性を担保している。
<第30変形例>
上記した各変形例では、特別図柄の変動表示が実行されていない客待ち状態や、基本的に差玉数が減少する通常遊技状態において、差玉数が示唆されることはなかった。これに対して、第30変形例では、遊技の進行状況に応じて、客待ち状態や通常遊技状態において、差玉数(特定計測数)が示唆されることがあるようになっている。以下、図146~図154に基づいて、第30変形例について説明する。
なお、第30変形例では、遊技制御用マイコン101は、差玉数が95000(基準数)に達した後、大当たり遊技が終了することで、遊技を実行不能に制御するようになっている。そして、過賞球防止機能の作動により、遊技が実行不能に制御された場合、RAMクリアが実行されること(電源投入+RAMクリアスイッチ191への押下操作)を条件に、遊技を実行不能した制御が解除される。つまり、過賞球防止機能が作動した後、遊技を実行可能にするための条件は、RAMクリアが実行されることである。また、差玉数がリセット(消去)される条件は、電源が投入されることである。つまり、ほとんど1日毎に(電源投入される度に)、差玉数の値が「0」にリセットされることになる。
第30変形例における客待ち状態での客待ち演出について、図146に基づいて説明する。なお、客待ち状態とは、特別図柄の変動表示が実行されていない状態のことであり、客待ち演出とは、客待ち状態で実行される演出のことである。客待ち演出が実行される場合、先ず、図146(A)に示すように、画像表示装置50(表示手段)の表示画面50aでは、変動表示していた特別図柄が停止表示することに伴って、演出図柄KZ1、KZ2、KZ3が停止表示する。そして、新たな特別図柄の変動表示が開始されずに、図146(A)に示すように、演出図柄KZ1、KZ2、KZ3が停止表示した状態が、30秒間維持される。
続いて、図146(B)に示すように、表示画面50aの下側に、演出量設定画像TT1が表示される。演出量設定画像TT1は、設定光量の変更と設定音量の変更とが可能であることを示す画像である。具体的に、演出量設定画像TT1では、セレクトボタンの上方向ボタン又は下方向ボタンを押下操作することで、光量が調整できることを示すと共に、セレクトボタンの左方向ボタン又は右方向ボタンを押下操作することで、音量が調整できることを示している。こうして、演出量設定画像TT1が表示されているときに、セレクトボタンの上方向ボタンを押下操作すると、設定光量が大きくなるように調整され、セレクトボタンの下方向ボタンを押下操作すると、設定光量が小さくなるように調整される。また、セレクトボタンの右方向ボタンを押下操作すると、設定音量が大きくなるように調整され、セレクトボタンの左方向ボタンを押下操作すると、設定音量が小さくなるように調整される。この演出量設定画像TT1は、30秒間表示される。
続いて、図146(C)に示すように、表示画面50aに、ホールコード対応画像TT2が表示される。ホールコード対応画像TT2は、遊技場を紹介するための画像である。即ち、本パチンコ遊技機PY1の初期設定において、遊技場(ホール)の各々に対応しているホールコードが入力されている場合、ホールコード対応画像TT2にて、「本日は(ホールコードに対応する遊技店名)へご来店いただき誠にありがとうございます。お時間の許します限りごゆっくりお楽しみ下さいませ。」が示される。このホールコード対応画像TT2は、30秒間表示される。
続いて、図146(D)に示すように、表示画面50aに、デモ画像TT3が表示される。デモ画像TT3では、本パチンコ遊技機PY1の主人公キャラと敵キャラとが戦うことが示される。このデモ画像TT3は、30秒間表示される。こうして、デモ後画像TT4が30秒間表示された後、新たな特別図柄の変動表示が開始されない限り、30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒30秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒30秒間のデモ画像TT3の表示が繰り返される。以上により、第30変形例の客待ち演出では、30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒30秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒30秒間のデモ画像TT3の表示が繰返し行われて、1サイクル1分30秒で構成されている。
ところで、遊技場でどのパチンコ遊技機で遊技を開始しようかと考えている遊技者にとって、差玉数を把握したい状況がある。例えば、現時点での差玉数が多い場合、このパチンコ遊技機では多くの賞球(出玉)が獲得できる機種だと遊技者に認識させて、このパチンコ遊技で遊技をしたいという動機付けになる。また、現時点での差玉数が多い場合、このパチンコ遊技機では差玉数が95000に近づいていて、過賞球防止機能の作動が近いことを事前に遊技者に把握させておくこともできる。その一方で、例えば、現時点での差玉数が少ない場合、このパチンコ遊技機では差玉数が95000に達するまでには十分の余裕があり、長く遊技できると認識させて、このパチンコ遊技で遊技をしたいという動機付けにもなる。以上により、遊技者は、遊技するパチンコ遊技機の選別を行うために、現時点での差玉数を事前に把握しておきたいという場合がある。
そこで、第30変形例では、上記した課題に対処すべく、遊技を開始する前の客待ち状態で、現時点での差玉数の目安を把握できるようになっている。具体的には、客待ち演出の実行中に、図147(D)に示す客待ちショートメータ演出が実行される場合があり、客待ち演出の実行中に、図148(C)(D)に示す客待ちロングメータ演出が実行される場合がある。
図147に基づいて、客待ちショートメータ演出が実行される場合を説明する。図147(A)に示すように、表示画面50aにて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が30秒間停止表示された状態が維持された後、図147(B)に示すように、表示画面50aの下側にて、演出量設定画像TT1が30秒間表示される。続いて、図147(C)に示すように、表示画面50aにて、ホールコード対応画像TT2が表示される。その後、図147(D)に示すように、デモ画像TT3の表示が開始されることに伴って、表示画面50aの右上部にて、メータ画像COMが表示される。
図147(D)に示すように、メータ画像COMでは、現時点での差玉数の目安である39400の数字と「コンプリートメータ」の文字とが示されると共に、「95000」
に対する現時点での差玉数の割合がメータで示されている。ここで、メータ画像COMで示される数字は、1球単位ではなく、100球単位の数字になっている。これは、仮に差玉数が1球単位で表示されると、本パチンコ遊技機PY1での正確なベースの値を求めることができるようになる。そうなると、遊技者に本パチンコ遊技機PY1の性能であるベースを把握させると共に、遊技者にベースの増減を過剰に意識させることになる。そこで、第30変形例では、メータ画像COMでは、あくまで目安となる現時点での差玉数(
100球単位の差玉数)を示していて、遊技者に正確なベースの値を把握させ難くしていると共に、ベースの増減を過剰に意識させないようにしている。こうして、メータ画像COMでは、おおよその差玉数(特定計測数)が把握可能な把握態様で表示されている。要するに、差玉数(特定計測数)が把握可能な把握態様とは、現時点での差玉数が1球単位で正確に把握できる表示態様のみを意味しているわけではなく、現時点での差玉数のおおよそ(目安)が把握できる表示態様も含む意味である。
図147(D)に示すメータ画像COMは、デモ画像TT3の表示が開始されてから、5秒間だけ表示される。つまり、デモ画像TT3は30秒間表示されるため、デモ画像TT3の表示が開始されてから5秒間は、デモ画像TT3とメータ画像COMとが共に表示されて、その後の25秒間は、デモ画像TT3だけが表示されるようになっている(図146(D)参照)。こうして、デモ画像TT3に対して補助的にメータ画像COMが表示されるようになっていて、基本的に差玉数を気にする遊技者にだけ、メータ画像COMの表示を意識させるようになっている。
以上、デモ画像TT3の表示が開始されてから5秒間だけメータ画像COMが表示される演出が、「客待ちショートメータ演出」である。よって、客待ちショートメータ演出が実行される場合、30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒30秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒5秒間のデモ画像TT3とメータ画像COMとの表示⇒25秒間のデモ画像TT3の表示が繰り返されることになる。
次に、図148に基づいて、客待ちロングメータ演出が実行される場合を説明する。図148(A)に示すように、表示画面50aにて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が30秒間停止表示された状態が維持された後、図148(B)に示すように、表示画面50aの下側にて、演出量設定画像TT1が30秒間表示される。その後、図147(C)に示すように、ホールコード対応画像TT2が表示されることに伴って、表示画面50aの右上部にて、メータ画像COMが表示される。このメータ画像COMは、図147(D)で示すメータ画像COMと同じであり、現時点での差玉数の目安である39400の数字と「コンプリートメータ」の文字とが示されると共に、95000に対する現時点での差玉数の割合がメータとして示される。
図148(C)に示すメータ画像COMは、ホールコード対応画像TT2の表示が開始されてから、5秒間だけ表示される。つまり、ホールコード対応画像TT2は30秒間表示されるため、ホールコード対応画像TT2の表示が開始されてから5秒間は、ホールコード対応画像TT2とメータ画像COMとが共に表示されて、その後の25秒間は、ホールコード対応画像TT2だけが表示されるようになっている(図146(C)参照)。こうして、ホールコード対応画像TT2に対して補助的にメータ画像COMが表示されるようになっていて、基本的に差玉数を気にする遊技者にだけ、メータ画像COMの表示を意識させるようになっている。
その後、図148(D)に示すように、デモ画像TT3の表示が開始されるのに伴って、メータ画像COMが表示される。図148(D)に示すメータ画像COMは、客待ちショートメータ演出と同様、5秒間だけ表示される。つまり、デモ画像TT3の表示が開始されてから5秒間は、デモ画像TT3とメータ画像COMとが共に表示されて、その後の25秒間は、デモ画像TT3だけが表示されるようになっている(図146(D)参照)。
以上、ホールコード対応画像TT2の表示が開始されてから5秒間だけメータ画像COMが表示される演出と、デモ画像TT3の表示が開始されてから5秒間だけメータ画像COMが表示される演出とが、「客待ちロングメータ演出」である。よって、客待ちロングメータ演出が実行される場合、30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒5秒間のホールコード対応画像TT2とメータ画像COMとの表示⇒25秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒5秒間のデモ画像TT3とメータ画像COMとの表示⇒25秒間のデモ画像TT3の表示が繰り返されることになる。
次に、客待ちショートメータ演出の実行条件について説明する。客待ちショートメータ演出は、総発射球数が12000以上であって24000未満である場合に実行される。即ち、本パチンコ遊技機PY1に対して、電源が投入されてから遊技者が発射した遊技球の数が、12000以上であって、24000未満の場合において、客待ち状態で、図147に示す客待ちショートメータ演出が実行される。続いて、客待ちロングメータ演出の実行条件について説明する。客待ちロングメータ演出は、総発射球数が24000以上である場合に実行される。即ち、本パチンコ遊技機PY1に対して、電源が投入されてから遊技者が発射した遊技球の数が、24000以上である場合において、客待ち状態で、図148に示す客待ちロングメータ演出が実行される。
こうして、第30変形例では、総発射球数が12000(特定球数)以上である場合には、客待ち状態でメータ画像COMが表示される一方、総発射球数が12000未満である場合には、客待ち状態でメータ画像COMが表示されることがない。これは、以下の理由に基づく。遊技者が1時間遊技を継続して実行すると、総発射球数が約6000になる。従って、総発射球数が12000以上に達するのは、1日の遊技において、合計2時間以上の遊技が実行された場合である。そして、仮に1日において合計2時間未満しか遊技されていないパチンコ遊技機PY1では、遊技者にとっては賞球が多くなされたパチンコ遊技機PY1であるかを判断し難いと共に、差玉数が950000発に近づいている可能性が非常に低い。従って、遊技者に差玉数を過剰に意識させるのを抑えるために、1日での総発射球数が12000以上である場合に限り、客待ち状態でメータ画像COMが表示されるようにしている。
次に、客待ちショートメータ演出の実行条件と、客待ちロングメータ演出の実行条件との違いについて説明する。総発射球数は多くなるほど、遊技者が長く遊技していることになるため、遊技者にとっては賞球が多くなされたパチンコ遊技機PY1であるかの判断がし易くなる。更に、総発射球数は多くなるほど、差玉数が950000発に近づいている可能性が高く、遊技者にとってはどのくらい過賞球防止機能の作動に近づいているのかを把握したい。こうして、総発射球数が多くなっているほど、客待ち状態で、差玉数を遊技者に把握させ易くすることが好ましい。
以上により、総発射球数が未だ比較的少ない(12000以上であって24000未満である)場合には、客待ち状態において、メータ画像COMの表示時間が相対的に短い客待ちショートメータ演出を実行する(図147参照)。即ち、1サイクル1分30秒で繰り返される客待ち演出において、5秒間だけ、メータ画像COMが表示される。こうして、総発射球数が未だ比較的少ない場合には、表示時間割合が小さい客待ちショートメータ演出により、遊技者に対して差玉数の目安を控えめに示すようにしている。
一方、総発射球数が比較的多い(24000以上である)場合には、客待ち状態において、メータ画像COMの表示時間が相対的に長い客待ちロングメータ演出を実行する(図148参照)。即ち、1サイクル1分30秒で繰り返される客待ち演出において、10秒間だけ、メータ画像COMが表示される。こうして、総発射球数が比較的多い場合には、表示時間割合が大きい客待ちロングメータ演出により、遊技者に対して差玉数の目安を認識し易いように示している。要するに、客待ちロングメータ演出では、客待ちショートメータ演出よりも、差玉数の目安を、遊技者がより把握し易いようにしている。
次に、第30変形例で実行されることがある変動中メータ演出について、図149に基づいて説明する。変動中メータ演出は、通常遊技状態での変動演出中において、現時点での差玉数の目安を遊技者に把握させるための演出である。但し、第30変形例では、変動中メータ演出には、変動中ショートメータ演出と、変動中ロングメータ演出と、がある。変動中ショートメータ演出と変動中ロングメータ演出とでは、メータ画像COMの表示時間及び表示頻度が異なるようになっている。
ところで、遊技者は、通常遊技状態でなかなか大当たりを引けずに、長く遊技を継続していくと、遊技意欲が減少していく。従って、通常遊技状態で長く遊技されたパチンコ遊技機では、遊技意欲が減少しないように、遊技者に何らかの演出を実行(特典を付与)することが考えられる。そこで、第30変形例では、通常遊技状態での遊技意欲の減少を抑えるべく、変動中ショートメータ演出、又は変動中ロングメータ演出が実行されることがあるようになっている。
図149に基づいて、変動中ショートメータ演出が実行される場合を説明する。図149(A)に示すように、表示画面50aにて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が変動表示された後、続けて、変動演出(演出図柄EZ1、EZ2,EZ3の変動表示)が開始されたこととする。このときに(新たな特別図柄の変動表示が開始されるときに)、変動中ショートメータ演出が実行される場合には、図149(B)に示すように、画像表示装置50(表示手段)の表示画面50aにて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始されることに伴って、表示画面50aの右上部にて、メータ画像COMが表示される。
図149(B)に示すように、メータ画像COMでは、現時点での差玉数の目安である58300の数字と「コンプリートメータ」の文字とが示されると共に、「95000」
に対する現時点での差玉数の割合がメータで示されている。図149(B)に示すメータ画像COMは、図147(D)、図148(C)(D)に示すメータ画像COMと同様であるため、詳細な説明は省略する。こうして、図149(B)に示すメータ画像COMでも、1球単位の差玉数を示しているわけではないが、差玉数(特定計測数)が把握可能な把握態様で表示されているといえる。
変動中ショートメータ演出が実行される場合、図149(D)に示すメータ画像COMは、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始されてから、3秒間だけ表示される。従って、演出図柄EZ1,EZ2、EZ3の変動表示が開始されてから3秒が経過するまでは、図149(B)に示すように、表示画面50aの右上部にてメータ画像COMが表示されるものの、演出図柄EZ1,EZ2、EZ3の変動表示が開始されてから3秒が経過すると、図149(C)に示すように、表示画面50aの右上部にてメータ画像COMが非表示になる。こうして、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始されてから3秒間だけ、メータ画像COMが表示される演出が、変動中ショートメータ演出である。
次に、変動中ロングメータ演出について、図149に基づいて説明する。変動中ロングメータ演出が実行される場合、図149(B)に示すように、表示画面50aにて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始されることに伴って、表示画面50aの右上部にて、メータ画像COMが表示される。そして、メータ画像COMが6秒間表示されると、図149(C)に示すように、表示画面50aの右上部にてメータ画像COMが非表示になる。こうして、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始されてから6秒間、メータ画像COMが表示される演出が、変動中ロングメータ演出である。
次に、変動中ショートメータ演出の実行条件について説明する。変動中ショートメータ演出は、通常遊技状態であって、変動演出が実行されるときに総発射球数が12000以上であって且つ24000(規定球数、第1規定球数)未満であり、且つ後述する変動中ショートメータ演出実行抽選テーブル(図154(A)参照)により抽選で変動中ショートメータ演出の実行が決定された場合に、実行される。即ち、通常遊技状態とは異なる遊技状態では、変動中ショートメータ演出が実行されることがなく、電源が投入されてから遊技者が発射した遊技球の数が12000未満であれば、変動中ショートメータ演出が実行されることがない。ここで、図154(A)に示すように、変動中ショートメータ演出実行抽選テーブルでは、15%の振分率で、変動中ショートメータ演出の実行が決定される。従って、通常遊技状態であって、変動演出が実行されるときに総発射球数が12000以上であって24000未満である場合、15%の確率で、変動中ショートメータ演出が実行されるようになっている。
続いて、変動中ロングメータ演出の実行条件について説明する。変動中ロングメータ演出は、通常遊技状態であって、変動演出が実行されるときに総発射球数が24000以上であり、且つ後述する変動中ロングメータ演出実行抽選テーブル(図154(B)参照)により抽選で変動中ショートメータ演出の実行が決定された場合に、実行される。即ち、通常遊技状態とは異なる遊技状態では、変動中ロングメータ演出が実行されることがなく、電源が投入されてから遊技者が発射した遊技球の数が24000未満であれば、変動中ロングメータ演出が実行されることがない。ここで、図154(B)に示すように、変動中ロングメータ演出実行抽選テーブルでは、30%の振分率で、変動中ロングメータ演出の実行が決定される。従って、通常遊技状態であって、変動演出が実行されるときに総発射球数が24000以上である場合、30%の確率で、変動中ロングメータ演出が実行されるようになっている。
こうして、第30変形例では、総発射球数が12000以上である場合には、通常遊技状態で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示の開始時に、メータ画像COMが表示されることがある一方、総発射球数が12000(一定球数)未満である場合には、通常遊技状態で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示の開始時であっても、メータ画像COMが表示されることがない。これは、以下の理由に基づく。
遊技者が1時間遊技を継続して実行すると、総発射球数が約6000になる。従って、総発射球数が12000以上に達するのは、1日の遊技において、合計2時間以上の遊技が実行された場合である。これにより、1日において合計2時間以上遊技されたパチンコ遊技機PY1に対しては、通常遊技状態であるときの変動開始時(演出図柄EZ1、EZ2,EZ3の変動表示が開始されるとき)に、稀にメータ画像COMが表示される。よって、通常遊技状態での遊技意欲の減少を抑えるために、1日において合計2時間以上遊技されたパチンコ遊技機PY1への特典として、差玉数の目安を遊技者に把握させることが可能である。言い換えると、1日において合計2時間以上遊技されていないパチンコ遊技機PY1では、差玉数の値が十分に大きくなっていない可能性が高い。そのため、この場合には、メータ画像COMが表示されないことで、遊技中の遊技者に過度に差玉数の値を意識させないことが可能である。
次に、変動中ショートメータ演出の実行条件と、変動中ロングメータ演出の実行条件との違いについて説明する。総発射球数は多くなるほど、遊技者が長く遊技していることになるため、遊技者にとっては賞球が多くなされたパチンコ遊技機PY1であるかの判断がし易くなる。更に、総発射球数は多くなるほど、差玉数が950000発に近づいている可能性が高く、遊技者にとってはどのくらい過賞球防止機能の作動に近づいているのかを把握したい。こうして、総発射球数が多くなっているほど、通常遊技状態にて遊技している遊技者に差玉数を把握させ易くすることが好ましい。
以上により、総発射球数が未だ比較的少ない(12000以上であって24000未満である)場合には、通常遊技状態での変動開始時において、メータ画像COMの表示時間が相対的に短い変動中ショートメータ演出を、比較的低頻度で実行する(図154(A)参照)。即ち、通常遊技状態において、演出図柄EZ1、EZ2,EZ3の変動表示が約6.7回実行される度に、変動開始時に3秒間だけ、メータ画像COMが表示される。こうして、遊技者に対して差玉数の目安を控えめに示すようにしている。
一方、総発射球数が比較的多い(24000以上である)場合には、通常遊技状態での変動開始時において、メータ画像COMの表示時間が相対的に長い変動中ロングメータ演出を、比較的高頻度で実行する(図154(B)参照)。即ち、通常遊技状態において、演出図柄EZ1、EZ2,EZ3の変動表示が約3.3回実行される度に、変動開始時に6秒間だけ、メータ画像COMが表示される。こうして、総発射球数が比較的多い場合には、表示時間が大きく且つ実行頻度が高い変動中ロングメータ演出により、遊技者に対して差玉数の目安を認識し易いようにしている。要するに、変動中ロングメータ演出では、変動中ショートメータ演出よりも、差玉数の目安を、遊技者がより把握し易いようにしている。
[受信コマンド解析処理]次に、第30変形例における受信コマンド解析処理(S4201)について説明する。受信コマンド解析処理(S4201)は、10msタイマ割り込み処理(図50に示すステップS4012の処理参照)において、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に、演出制御用マイコン121が実行する処理である。
図150に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していればモードステータス設定処理を行う(S4402)。モードステータス設定処理(S4402)では、受信した遊技状態指定コマンドを解析して、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を設定する。こうして、演出制御用マイコン121は、モードステータスの値に基づいて、現時点での遊技状態を把握することができる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から差玉数コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば差玉数記憶処理を行う(S4414)。差玉数コマンドは、図34に示す差玉数演算処理(S303)において、遊技制御用マイコン101が演算された差玉数の情報を含むコマンドとして演出制御基板120に送信するものである。差玉数記憶処理(S4414)では、演出制御用マイコン121は、受信した差玉数コマンドを解析して、差玉数の情報を演出用RAM124に記憶する。なお、差玉数の情報は、演出用RAM124の消去記憶領域に記憶されるため、電源が遮断されることに伴って、演出用RAM124の消去記憶領域に記憶されている差玉数の情報は消去されることになる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から総発射球数コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば総発射球数記憶処理を行う(S4416)。総発射球数コマンドは、図34に示す発射球数カウント処理(S302)において、遊技制御用マイコン101がカウントした総発射球数の情報を含むコマンドとして演出制御基板120に送信するものである。ここで、図34に示す発射球数カウント処理(S302)では、遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから電源が遮断されるまでの総発射球数(実質的には、1日での遊技における総発射球数)をカウントして、その総発射球数の情報を含む総発射球数コマンドを演出制御基板120に送信できるようになっている。即ち、発射球数カウント処理(S302)でカウントされる総発射球数の情報は、電源の遮断で「0」にリセットされるものである。総発射球数記憶処理(S4416)では、演出制御用マイコン121は、受信した総発射球数コマンドを解析して、総発射球数の情報を演出用RAM124に記憶する。なお、総発射球数の情報は、演出用RAM124の消去記憶領域に記憶されるため、電源が遮断されることに伴って、演出用RAM124の消去記憶領域に記憶されている総発射球数の情報は消去されることになる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していれば後述する客待ちコマンド設定処理を行う(S4418)。客待ちコマンドは、図36に示すステップS1417の処理により、遊技制御用マイコン101が特別図柄の変動表示が開始されないこと(客待ち状態であること)を示すコマンドとして演出制御基板120に送信するものである。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4419)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4201)を終える。
[変動演出開始処理]図151に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理や特図2大当たり判定処理(図36参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理や特図2変動パターン選択処理(図13、図14参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン121は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S4502)。続いて、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の選択を行う(S4503)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、変動パターンの情報、モードステータスの値、確変カウンタ又は時短カウンタの情報に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択するための変動演出パターン選択処理を実行する(S4504)。こうして、変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
そして予告演出選択処理を実行する(S4505)。予告演出選択処理(S4505)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
続いて、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4506)。これにより、ステップS4506でセットされた変動演出開始コマンドが、図48に示すコマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
続いて、図152に示すように、演出制御用マイコン121は、モードステータスの値に基づいて、現時点での遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S4507)。通常遊技状態でなければ(S4507でNO)、本処理を終える。一方、通常遊技状態であれば(S4507でYES)、続いて、演出用RAM124に記憶されている総発射球数の情報に基づいて、総発射球数が12000以上であるか否かを判定する(S4508)。総発射球数が12000未満であれば(S4508でNO)、本処理を終える。一方、総発射球数が12000以上であれば(S4508でYES)、続いて、演出用RAM124に記憶されている総発射球数の情報に基づいて、総発射球数が24000以上であるか否かを判定する(S4509)。
こうして、演出制御用マイコン121は、総発射球数が24000以上であると判定すれば(S4509でYES)、高確率メータ演出抽選処理を実行する(S4510)。具体的に、高確率メータ演出抽選処理(S4510)では、演出制御用マイコン121は、メータ演出乱数を取得して、図154(B)に示す変動中ロングメータ演出実行抽選テーブルを用いて、取得したメータ演出乱数を判定することにより、変動中ロングメータ演出を実行するか否かを決定する。図154(B)に示す変動中ロングメータ演出実行抽選テーブルから分かるように、抽選により30%の確率(振分率)で、変動中ロングメータ演出の実行が決定される。
そして、演出制御用マイコン121は、ステップS4510の高確率メータ演出抽選処理の後、変動中ロングメータ演出の実行が決定されたか否かを判定する(S4511)。変動中ロングメータ演出を実行しないと決定された場合には(S4511でNO)、本処理を終える。一方、変動中ロングメータ演出を実行すると決定された場合には(S4511でYES)、演出制御用マイコン121は、変動中ロングメータ演出を実行するための変動中ロングメータ演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして、本処理を終える。これにより、変動中ロングメータ演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、表示画面50aでは、図149(B)に示すように、変動演出が開始されると共に、変動中ロングメータ演出として、現時点での差玉数の目安(100球単位の差玉数)を示すメータ画像COMが6秒間だけ表示される。
一方、演出制御用マイコン121は、総発射球数が24000以上でないと判定すれば(S4509でNO)、総発射球数が12000以上であって且つ24000未満であることになり、低確率メータ演出抽選処理を実行する(S4513)。具体的に、低確率メータ演出抽選処理(S4513)では、演出制御用マイコン121は、メータ演出乱数を取得して、図154(A)に示す変動中ショートメータ演出実行抽選テーブルを用いて、取得したメータ演出乱数を判定することにより、変動中ショートメータ演出を実行するか否かを決定する。図154(A)に示す変動中ショートメータ演出実行抽選テーブルから分かるように、抽選により15%の確率(振分率)で、変動中ショートメータ演出の実行が決定される。
そして、演出制御用マイコン121は、ステップS4513の低確率メータ演出抽選の後、変動中ショートメータ演出の実行が決定されたか否かを判定する(S4514)。変動中ショートメータ演出を実行しないと決定された場合には(S4514でNO)、本処理を終える。一方、変動中ショートメータ演出を実行すると決定された場合には(S4514でYES)、演出制御用マイコン121は、変動中ショートメータ演出を実行するための変動中ショートメータ演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして、本処理を終える。これにより、変動中ショートメータ演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、表示画面50aでは、図149(B)に示すように、変動演出が開始されると共に、変動中ショートメータ演出として、現時点での差玉数の目安(100球単位の差玉数)を示すメータ画像COMが3秒間だけ表示される。
[客待ち演出設定処理]図153に示すように、客待ち演出設定処理(S4418)ではまず、演出制御用マイコン121は、図146に示す客待ち演出を実行するための客待ちコマンドを演出用RAM124にセットする(S4601)。これにより、客待ちコマンドが画像制御基板140に送信されると、表示画面50aでは、新たな特別図柄の変動表示が開始されない限り、図146(A)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が停止表示(確定停止表示)した状態が30秒間継続した後、客待ち演出として、30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒30秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒30秒間のデモ画像TT3の表示が繰返し行われる。
続いて、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124に記憶されている総発射球数の情報に基づいて、総発射球数が12000以上であるか否かを判定する(S4602)。総発射球数が12000未満であれば(S4602でNO)、本処理を終える。一方、総発射球数が12000以上であれば(S4602でYES)、続いて、演出用RAM124に記憶されている総発射球数の情報に基づいて、総発射球数が24000以上であるか否かを判定する(S4603)。
演出制御用マイコン121は、総発射球数が24000以上であると判定すれば(S4603でYES)、客待ちロングメータ演出を実行するための客待ちロングメータ演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして、本処理を終える。これにより、客待ちロングメータ演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、表示画面50aでは、図148に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が停止表示した状態が30秒間継続した後、30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒5秒間のホールコード対応画像TT2とメータ画像COMとの表示⇒25秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒5秒間のデモ画像TT3とメータ画像COMとの表示⇒25秒間のデモ画像TT3の表示が繰り返されることになる。
一方、演出制御用マイコン121は、総発射球数が24000以上でないと判定すれば(S4603でNO)、総発射球数が12000以上であって且つ24000未満であることになり、客待ちショートメータ演出を実行するための客待ちショートメータ演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして、本処理を終える。これにより、客待ちショートメータ演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、表示画面50aでは、図147に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が停止表示した状態が30秒間継続した後、30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒30秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒5秒間のデモ画像TT3とメータ画像COMとの表示⇒25秒間のデモ画像TT3の表示が繰り返されることになる。
以上、詳細に説明したように、第30変形例では、客待ち状態であるにも拘わらず、図147又は図148に示すように、画像表示装置50の表示画面50aにて、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMが表示されることがある。これにより、遊技者には、遊技を開始する前に、どのパチンコ遊技機で遊技を開始すれば良いかを判断させ易くすることが可能である。
また第30変形例では、客待ち状態であるときに、総発射球数が12000以上である場合には、図147又は図148に示すように、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMが表示されることがある一方、総発射球数が12000未満である場合には、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMが表示されることがない。これにより、総発射球数が十分に多くない状況では、客待ち状態でメータ画像COMが表示されることがないため、遊技者に必要以上に差玉数を気にさせないことが可能である。
また第30変形例では、客待ち状態であるときに、差玉数が24000以上である場合には、総発射球数が12000以上であり且つ24000未満である場合よりも、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMを表示する表示時間割合が多くなる。具体的に、総発射球数が24000以上である場合には、図148(B)(C)(D)に示すように、1サイクル1分30秒で構成されている客待ち演出(30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒30秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒30秒間のデモ画像TT3の表示が繰返し行われる客待ち演出)において、メータ画像COMが10秒間だけ表示される。これに対して、総発射球数が12000以上であり且つ24000未満である場合には、図147(B)(C)(D)に示すように、1サイクル1分30秒で構成されている客待ち演出において、メータ画像COMが5秒間だけ表示される。こうして、総発射球数が多いほど、長い時間遊技が行われたパチンコ遊技機PY1であることとして、遊技者に現時点での差玉数を把握させ易くすることが可能である。
また第30変形例では、通常遊技状態であるときに、図149に示すように、画像表示装置50の表示画面50aにて、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMが表示されることがある。但し、総発射球数が24000以上である場合には、総発射球数が24000未満である場合よりも、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMを表示する表示時間割合が多くなる。具体的に、総発射球数が24000以上である場合には、通常遊技状態で変動演出が開始されることに伴って、30%の確率で、メータ画像COM(図149(B)参照)が6秒間だけ表示されることがある。一方、総発射球数が24000未満である場合には、通常遊技状態で変動演出が開始されることに伴って、15%の確率で、メータ画像COM(図149(B)参照)が3秒間だけ表示されることがある。こうして、総発射球数が多いほど、長い時間遊技を行った特典として、通常遊技状態で遊技者に現時点での差玉数を把握させ易くすることが可能である。
また第30変形例では、通常遊技状態であるときに、総発射球数が12000以上である場合には、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMが表示されることがある一方(図149(B)参照)、総発射球数が12000未満である場合には、差玉数の目安を把握可能なメータ画像COMが表示されることがない。これにより、総発射球数が十分に多くない状況では、通常遊技状態でメータ画像COMが表示されることがないため、遊技者に必要以上に差玉数を気にさせないことが可能である。
<その他の変形例>
上記形態では、いわゆるV確機(特定領域16(V領域)への遊技球の通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態及び上記各変形例(第2変形例を除く)では、いわゆるST機(特別図柄の変動回数に応じて高確率状態が終了する遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が継続する遊技機(いわゆる確変ループタイプ機)や、転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。
上記形態及び上記各変形例では、特図1保留の上限数は4個であり、特図2保留の上限数は4個であった。しかしながら、特図1保留の上限数及び特図2保留の上限数は、4個に限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記形態では、過賞球防止機能が作動するタイミングは、高確高ベース状態が終了するとき、又は低確高ベース状態が終了するときであった。しかしながら、高確高ベース状態が終了するときにだけ、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了したときにだけ、遊技を中止させることが可能である。また例えば、差玉数が80000以上であって、客待ち状態に移行したタイミングや、客待ち状態が或る一定時間継続したタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、小当たり遊技を実行可能な遊技機において、差玉数が80000以上であって、小当たり遊技状態(小当たり遊技が実行されている状態、有利遊技状態)が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合、例えば、所謂小当たりラッシュ状態(通常遊技状態よりも小当たり遊技が頻繁に実行されて、小当たり遊技の実行により大入賞口に遊技球が入賞し易い高確低ベース状態など)により、差玉数が80000以上になって、小当たり遊技状態が終了する又は高確低ベース状態が終了すると、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
上記形態では、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が押下操作されるという第1のリセット条件(図26(A)参照)、又は客待ち状態が1時間(所定時間)継続するという第2のリセット条件(図26(B)参照)が成立すると、差玉数がリセット(消去)されるようにした。しかしながら、リセット条件は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上述したように、大当たり遊技状態が終了したタイミングや、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動する場合において、図155(A)に示すように、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了すると差玉数がリセットされるため、1回でのラッシュ状態中に差玉数が80000(基準数)に達した場合に限り、過賞球防止機能を作動させることが可能である。なお、高確高ベース状態や低確高ベース状態以外に、大当たり遊技状態や高確低ベース状態などの有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。また、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたり、設定キーシリンダ180が回転操作されることで、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、図155(B)に示すように、通常遊技状態が特定時間(例えば1時間)継続すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、差玉数をリセットすることで、しばらく差玉数が80000以上にならないようにすることが可能である。なお上記した特定時間は1時間に限られるものではなく、適宜変更可能である。また例えば、通常遊技状態にて特別図柄の変動回数が特定回数に達すると、差玉数をリセットするようにしても良い。また例えば、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、遊技制御用マイコン101が、予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、差玉数をリセットするようにしても良い。この場合には、遊技場の従業員に何ら操作を強いることなく、差玉数を自動的に消去させることが可能である。なお上記した基準時間は午前9時に限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記形態では、差玉数をリセットするための特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が、主制御基板100上に配置されていた(図8参照)。しかしながら、特別操作手段が操作されたことに基づく信号が遊技制御用マイコン101に入力されるのであれば、差玉数をリセットするための特別操作手段の配置箇所は、適宜変更可能である。従って、特別操作手段は、例えば、払出制御基板170上に配置されていたり、専用の基板に配置されていても良い。
上記形態では、計測された差玉数が表示手段で表示されることがなかった。しかしながら、計測された差玉数が表示手段で表示されるようにしても良い。例えば、遊技制御用マイコン101は、表示器類8(図4参照)や7セグ表示器300(図9参照)にて、計測した差玉数を表示するようにしても良い。この場合、例えば、差玉数が0~50000(第1範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第1態様を表示して、差玉数が50001~70000(第2範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第2態様を表示して、差玉数が70001~80000(第3範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第3態様を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、総賞球数の情報、総発射球数の情報を演出制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121が、総賞球数の情報と総発射球数の情報とに基づいて差玉数を演算することで、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、払出した賞球数(又は払出す予定の賞球数)の情報と排出口センサの検知の情報とを、演出制御基板120に送信する。そして、演出制御用マイコン121が、これらの情報に基づいて、差玉数を演算することで、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。また演出制御用マイコン121は、差玉数を数値で直接的に示すようにしないで、発光手段(盤ランプ54、枠ランプ53)の発光態様(発光色)で差玉数(差玉数の範囲)を示すようにしても良い。
また遊技制御用マイコン101は、図156に示す変形例のように、7セグ表示器300にて差玉数を表示しても良い。即ち、この変形例では、差玉数の情報は、4つの区間(所定区間)に区分けされていて、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cの4つの記憶領域にそれぞれ記憶されている。1番目の記憶領域には、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が記憶されている。2番目の記憶領域には、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。3番目の記憶領域には、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。4(N)番目の記憶領域には、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。こうして、電源がOFF及びONされる度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4番目の記憶領域に記憶されていた差玉数は消去される。なお、1番目から4番目の記憶領域に記憶されている差玉数の情報は、RAMクリアが実行されても消去されない。
そして、この変形例では、1番目の記憶領域に記憶されている差玉数、2番目の記憶領域に記憶されている差玉数、3番目の記憶領域に記憶されている差玉数、4番目の記憶領域に記憶されている差玉数が、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330及び第4表示領域340)にて、千球単位で順番に切替わって表示される。具体的に、7セグ表示器300では、図156(A)に示すように、例えば「bL36」が5秒間表示される。これにより、現在の通常ベースが36%であることが示される。次に、図156(B)に示すように、例えば「b134」が5秒間表示される。これにより、1回前の通常ベースが36%であることが示される。次に、図156(C)に示すように、例えば「b238」が5秒間表示される。これにより、2回前の通常ベースが38%であることが示される。次に、図156(D)に示すように、例えば「b235」が5秒間表示される。これにより、3回前の通常ベースが38%であることが示される。
続いて、7セグ表示器300では、図156(E)に示すように、例えば「cL20」が5秒間表示される。これにより、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が20000であることが示される。次に、図156(F)に示すように、例えば「c100」が5秒間表示される。これにより、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が「0」であることが示される。なお総発射球数が総賞球数よりも多いことで、差玉数が「0」よりも小さい場合には、「0」が表示される。次に、図156(G)に示すように、例えば「c265」が5秒間表示される。これにより、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が65000であることが示される。次に、図156(H)に示すように、例えば「c348」が5秒間表示される。これにより、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が48000であることが示される。その後、図156(A)~(H)が5秒間毎に繰返して表示される。
上述した変形例では、電源がOFF及びON(再投入)される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにした。しかしながら、RAMクリアが実行される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。又は、遊技制御用マイコン101が予め定められた規定時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。なお、上記したNは、2以上の自然数であれば、適宜変更可能である。また、差玉数を千球単位で表示したが、十球単位、百球単位、万球単位で表示するようにしても良い。
上述した変形例では、図156に示すように、7セグ表示器300において、5秒間毎に、差玉数の表示が自動的に切替わった。しかしながら、RAMクリアスイッチ191への押下操作や、設定キーシリンダ180への回転操作など、所定の操作手段の操作によって、差玉数の表示が切替わるようにしても良い。また、所定の操作手段の操作によって、通常ベースの表示と、差玉数の表示とを切替えるようにしても良い。
上記形態では、差玉数が70000(事前基準数、特定数)以上になると、図28(A)に示す演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示した。しかしながら、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示す演出態様は、図28(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が70000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。また差玉数が多くになるにつれて、多段階に変化する演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。
上記形態では、差玉数が80000(基準数)に達すると、図28(B)に示す演出態様によって、遊技が停止し得る状況を示した。しかしながら、遊技が停止し得る状況を示す演出態様は、図28(B)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が80000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、遊技が停止し得る状況を示すようにしても良い。
上記形態では、過賞球防止機能が作動すると、図27(A)に示す演出態様によって、遊技が実行不能な状況を示した。しかしながら、遊技が実行不能な状況を示す演出態様は、図27(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、表示画面50aに「遊技が実行できません」を示す画像を表示したり、スピーカ52からの特殊音声(例えば「遊技が実行できません」)を出力するようにしても良い。
上記形態では、RAMクリアが実行されても、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、差玉数の情報を、遊技用RAM104の所定の記憶領域(消去記憶部)に記憶させるようにして、RAMクリアが実行されると、差玉数の情報がクリアされるようにしても良い。即ち、差玉数がリセットされる条件には、RAMクリアが実行されることが含まれているようにしたり、差玉数がリセットされるリセット条件を、RAMクリアが実行されることだけにしたり、電源の再投入だけにしても良い。
上記形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(ステップS102~S108の処理、図32参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(ステップ109の処理、図32参照)も停止させた。しかしながら、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技制御処理を停止させる一方、発射制御処理を停止しないようにしても良い。但し、この場合には、第5変形例で説明したように、過賞球防止機能が作動しても、遊技者がハンドル72kを回転操作すると、遊技球が遊技領域6を流下してしまう。よって、遊技制御用マイコン101が遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、遊技者に、遊技が実行不能である状況をすぐに把握させることが可能である。また、遊技制御用マイコン101は、発射制御処理を停止させる一方、遊技制御処理を停止させないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動したタイミングで、未だ遊技球が遊技領域6を流下していることがあり、遊技球が各種入賞口に入球して、遊技者に賞球が付与され得るという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、過賞球防止機能が作動した後、遊技者には確実に賞球を付与しないことが可能である。
上記形態では、遊技制御用マイコン101は、排出口センサの検知に基づいて、総発射球数をカウントした。しかしながら、各種入賞口への入賞を検知するセンサ(第1始動口センサ、第2始動口センサ、一般入賞口センサ、第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a)の検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。又は、内側壁部1B(図2参照)の上端部に戻り玉防止部が設けられていて、この戻り玉防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。
上記形態では、差玉数が70000に達すると、図28(A)に示すように、過賞球予告画像KYが表示された。しかしながら、差玉数に拘わらず、客待ち演出、大当たり遊技中の演出(例えばエンディング演出)、変動演出に伴う予告演出などにおいて、差玉数が80000以上になることを条件に遊技が実行不能になることを説明する演出を実行しても良い。このような演出によって、過賞球防止機能があるパチンコ遊技機PY1であることを、遊技者や遊技場の従業員に事前に知らせることができるからである。
上記形態では、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を、遊技用RAM104の非消去記憶部107に記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、遊技用RAM104とは別に設けた不揮発性の記憶手段(例えば主制御基板(遊技制御基板)100に設けられているFRAM)に、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにしても良い。
上記形態では、電源が投入されてから随時、差玉数がカウントされるようにした。しかしながら、差玉数のカウントの始期を、所謂初当たり(通常遊技状態における大当たりへの当選)からとしてもよい。この場合には、電源が投入されてから初当たりに至るまでの差玉数のマイナス分(つまり総発射球数)がカウントされないことになる。従って、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
上記形態では、遊技制御用マイコン101は、総賞球数と総発射球とを別個でカウントして、総賞球数から総発射球数を減算することで、差玉数を演算した。しかしながら、差玉数をカウントするための差玉カウンタだけを用いて、差玉数を計測(カウント)するようにしても良い。つまり、賞球がある度に、差玉カウンタに対して、賞球の値を加算する。また、遊技球が発射される度に(排出口センサの検知がある度)に、差玉カウンタの値を減算する。こうして、総賞球数と総発射球とを別個でカウントしないで、差玉数を計測するようにしても良い。この場合において、差玉カウンタの値が、マイナスにならないようにして、常に「0」以上になるようにしても良い。そうすれば、上述したように、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、実質的に初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
上記形態では、差玉数が80000以上になると、図28(B)に示す遊技停止予告画像KHの表示(遊技不能予告演出)により、高ベース状態が終了すると(通常遊技状態に移行すると)遊技が実行不能になることが予告された。しかしながら、遊技不能予告演出の演出態様は、図28(B)に示すものに限られず、適宜変更可能である。例えば、遊技不能予告演出は、どのタイミングで遊技が実行不能に制御されるのか(どのタイミングで過賞球防止機能が作動するのか)を示さずに、単に、後に遊技が実行不能に制御されることを示す演出としても良い。また遊技不能予告演出は、スピーカ52から遊技不能予告音(例えば「もうすぐ遊技が実行不能になります」という音声)を出力する演出としたり、枠ランプ53や盤ランプ54を遊技不能予告発光態様(例えば全点灯と全消滅とを繰り返す発光態様)で発光させる演出としても良い。なお遊技不能予告演出は、差玉数が80000(基準数)以上であれば、どのタイミングで実行されても良く、過賞球防止機能が作動されるまで実行され続けるようにしたり、ランダムなタイミングで複数回実行されるようにしても良い。
上記形態では、差玉数が70000(特定数)以上になると、図28(A)に示す事前遊技不能予告演出を実行し、上記第8変形例では、差玉数が78500(特定数)以上になると、図66(B)に示す次回大当たり到達予告演出、及び図66(B)~図68(B)に示す駆け上がり演出を実行し、上記第9変形例では、差玉数が79550以上になると、図72(C)に示す次回大当たり到達示唆演出、及び図72(D)に示すミニ次回大当たり到達示唆演出を実行した。しかしながら、上記した各演出(事前予告演出)の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、事前予告演出は、スピーカ52から遊技不能予告音(例えば「差玉数が〇〇〇〇〇(特定数)に到達しました。差玉数があと(基準数-特定数)増加すると遊技が実行不能になります」という音声)を出力する演出としたり、枠ランプ53や盤ランプ54を全て赤色の発光態様(特殊な発光態様)で発光させる演出としても良い。また事前予告演出の演出態様は、図28(A)や図66(B)に示すように遊技が実行不能になることを直接的に予告するものに限られず、遊技が実行不能になることを間接的に示唆する特殊専用画像が表示されたり、特殊専用音声が出力されるようにしても良い。例えば、差玉数が78500(特定数)以上である場合に限り、特殊専用キャラ画像や、特殊専用アイテム画像が表示されるようにして、遊技が実行不能になることを間接的に示唆するようにしても良い。なお、上記した第20変形例及び第21変形例の過賞球防止予告演出(事前予告演出)の演出態様も、上述したように変更しても良い。また事前予告演出の開始契機なる特定数は、70000、78500、79550に限られるものではなく、例えば60000であっても良く、適宜変更可能である。また例えば、事前予告演出の開始契機なる特定数は、基準数(80000)から、3つの大当たり図柄X、Y、Zへの当選に基づく大当たり遊技X、Y、Zで付与可能に設定されている賞球数の平均値(950)を減算した値(79050)としても良い。また事前予告演出の実行タイミングは、適宜変更可能あり、例えば当たり示唆演出(主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいることを示すSPリーチ用背景画像G113の表示中)に限って実行されるようにしたり、演出モードが切替わる度に実行されたり、所定の変動回数が実行される度に実行されたり、抽選によってランダムなタイミングで実行されるようにしても良い。
上記形態では、遊技が実行不能に制御された後、遊技者がハンドル72k(発射操作手段)を回転操作していると、図51(B)又は図52(B)に示す操作注意喚起演出(注意喚起演出)が実行された。また第5変形例において、遊技が実行不能に制御された後、遊技者がハンドル72kに触れていると、図61(B)又は図62(B)に示す接触注意喚起演出(注意喚起演出)が実行された。しかしながら、注意喚起演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。また遊技が実行不能に制御された後、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41(演出操作手段)を操作していると、注意喚起演出を実行するようにしても良い。
上記した第1変形例では、図53に示すように、差玉数が80000以上であって、通常遊技状態に移行してから(特図2残保留として)第2特別図柄の変動回数が4回実行されると、過賞球防止機能が作動すると共に、図54に示す残保留特別演出(特別演出)が終了するようにした。しかしながら、差玉数が80000以上であって、通常遊技状態に移行してから第2特別図柄の変動回数と第1特別図柄の変動回数との合算回数が4回実行されると、過賞球防止機能が作動すると共に、図54に示す残保留特別演出(特別演出)が終了するようにしても良い。なお上記した回数は、4回に限られるものではなく、例えば1回であっても良く、適宜変更可能である。
上記した第2変形例では、差玉数が80000以上になると、図55(A)に示すラウンド演出に替えて、図55(B)に示すラウンド代替演出(代替演出)が実行された。しかしながら、ラウンド代替演出の演出態様は、図55(B)に示すものに限られず、過賞球防止機能が作動することを示唆するものであれば、適宜変更可能である。また差玉数が80000以上になると、図18(C-1)に示す大当たりオープニング演出に替えて、過賞球防止機能が作動することを示唆する大当たりオープニング代替演出が実行されるようにしても良い。また差玉数が80000以上になると、図18(C-3)に示す大当たりエンディング演出に替えて、過賞球防止機能が作動することを示唆する大当たりエンディング代替演出が実行されるようにしても良い。
上記した第2変形例では、差玉数が80000以上になると、図18(B-5)に示す時短モード演出に替えて、図55(C)に示す時短モード代替演出(代替演出)が実行された。しかしながら、時短モード代替演出の演出態様は、図55(C)に示すものに限られず、過賞球防止機能が作動することを示唆するものであれば、適宜変更可能である。また上記した第6変形例では、差玉数が80000以上になると、図18(B-4)に示す確変モード演出に替えて、図63(C)に示す確変モード代替演出(代替演出)が実行された。しかしながら、確変モード代替演出の演出態様は、図63(C)に示すものに限られず、過賞球防止機能が作動することを示唆するものであれば、適宜変更可能である。
上記した第3変形例では、図57に示すように、差玉数が80000以上であって、高ベース状態から通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動回数が30回(規定回数)実行されると(所定の条件が成立すると)、過賞球防止機能が作動するようになっている。しかしながら、上記した規定回数は、30回に限られるものではなく、例えば1回や100回であっても良く、適宜変更可能である。また、差玉数が80000以上であって、通常遊技状態に移行した後、特別図柄の変動回数とは無関係の条件で、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。例えば、通常遊技状態に移行した後、客待ち状態に移行したり、通常遊技状態に移行してから或る定められた時間が経過すると、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
上記した第3変形例では、図57に示すように、差玉数が80000以上であって、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動回数が30回(規定回数)実行されると、過賞球防止機能が作動すると共に、図58に示す通常移行後専用演出(特殊演出)が終了するようにした。ここで、上記した規定回数(30)は、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合算回数を意味しているものであるが、第1特別図柄の変動回数だけとしたり、第2特別図柄の変動回数だけを意味しているようにしても良い。また、特殊演出の演出態様は、図58に示す通常移行後専用演出の演出態様に限られるものではなく、通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動回数が規定回数以内に限って実行される演出の演出態様であれば、適宜変更可能である。
上記形態、第5変形例、第12変形例、第17変形例、第18変形例、第19変形例、第25変形例、第27変形例、第28変形例、第29変形例では、遊技制御用マイコン101が、所定の停止条件の成立として、不正な磁気(特定の異常)があると判断すると、遊技を実行不能に制御した。しかしながら、特定の異常は、不正な磁気に限られるものではなく、不正な電波、不正な振動、球詰まり、制御的なエラー(バグ)などであっても良く、適宜変更可能である。
上記した第8変形例では、差玉数が78500(特定数)以上になると、次回大当たり到達予告演出が実行された後に、駆け上がり演出が実行されるようにした。しかしながら、差玉数が78500(特定数)以上になると、次回大当たり到達予告演出が実行されずに、駆け上がり演出だけが実行されるようにしても良い。また駆け上がり演出の演出態様は、図66(C)~図68(B)に示す演出態様に限られるものではなく、差玉数が78500(特定数)から80000(基準数)に至る過程が分かれば、適宜変更可能である。例えば、差玉数が多くなるほどメータが貯まるメータ演出や、差玉数が多くなるほど所定物が貯留されていく貯留演出によって、差玉数が78500(特定数)から80000(基準数)に至る過程を示すようにしても良い。
上記した第8変形例では、差玉数が78500(特定数)以上になると、差玉数が80000以上になるまで基準数到達示唆演出(次回大当たり到達予告演出、及び駆け上がり演出)を実行し、差玉数が80000以上になると、図68(C)に示す祝福演出を実行した。しかしながら、差玉数が特定数以上になると、過賞球防止機能が作動するまで(遊技が実行不能に制御されるまで)、非同期で一連であると認識可能な演出を実行する(例えば一連の動画を表示)するようにしても良い。これにより、遊技者には、差玉数が特定数以上になってから遊技が停止されるまでを一連の流れであると認識させて、遊技ができなくなる過程をより自然に感じさせることが可能である。
上記した第8変形例では、差玉数が78500(特定数)以上になった後で、縮小当たり示唆演出として、図67(D)に示すように、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいることを示すミニSPリーチ用背景画像g113を表示した。しかしながら、縮小当たり示唆演出の演出態様は、上記したもの(ミニSPリーチ用背景画像g113)に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、右下表示領域51bにて「V」を表示するようにしても良い。なお、右下表示領域51bにて「V」を表示する場合には、所謂1種2種遊技機であったり、2種遊技機であると良い。
上記した第8変形例では、大当たりの種類として、大当たり図柄X、大当たり図柄Y、大当たり図柄Zの3種類があって(図12(B)参照)、事前予告演出(基準数到達予告演出)の開始契機となる特定数が、基準数(80000)から、大当たり遊技Zで付与可能に設定されている賞球数(1500)が減算された値であった。しかしながら、事前予告演出(基準数到達予告演出)の開始契機となる特定数が、基準数(80000)から、特図1の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技Xで付与可能に設定されている賞球数(750)が減算された値(79250)、又は特図1の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技Yで付与可能に設定されている賞球数(600)が減算された値(79400)としても良い。また大当たりの種類は、第8変形例のように3種類(図12(B)参照)、又は第9変形例及び第10変形例のように4種類(図69参照)に限られるものではなく、1種類、2種類、5種類以上であっても良く、適宜変更可能である。
上記した第11変形例、及び第13変形例では、過賞球異常予告演出の実行の有無、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数、残差玉数報知演出の実行の有無、残差玉数報知演出を大当たり遊技のオープニングで実行するか否か、残差玉数報知演出を大当たり遊技のラウンド遊技で実行するか否か、残差玉数報知演出を大当たり遊技のエンディングで実行するか否か、残差玉数報知演出を変動演出が実行される度に実行するか否か、残差玉数報知演出を5回の変動演出が実行される度に実行するか否か、残差玉数報知演出を変動演出中に実行しないようにするか否かについて、設定可能であった。しかしながら、設定可能な演出事項は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、上記形態では、差玉数が80000(基準数)以上になると、遊技が実行不能になることを予告する遊技不能予告演出(図28(B)に示す遊技停止予告画像の表示)を実行するため、この遊技不能予告演出の実行の有無を設定できるようにしても良い。又は、残差玉数報知演出を、差玉数に関係なく実行されるように設定したり、その残差玉数報知演出(事前予告演出)を客待ち演出において実行されるように設定しても良い。或いは、残差玉数報知演出が何変動毎に実行されるのかを、任意に設定できるようにしても良い。
上記した第11変形例、及び第13変形例では、通常ボタン40及びセレクトボタン(操作手段)を操作することで、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定可能であった。しかしながら、演出事項を設定するための操作手段は、通常ボタン40及びセレクトボタン(操作手段)に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、演出には全く関与しないものであって、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定するための専用の操作手段が設けられているようにしても良い。
上記した第11変形例では、RAMクリアが実行されることを条件に、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定可能であった。しかしながら、電源を投入するだけで、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定できるようにしても良い。又は、遊技機枠2の開放を条件に、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定できるようにしても良い。
上記した第13変形例では、客待ち状態であるときに、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定可能であった。しかしながら、変動演出の実行中であっても、過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項を設定できるようにしても良い。
上記した第12変形例では、遊技が実行不能に制御されると、残高表示部61(表示手段)は、球貸し可能だった遊技球数に応じた数字を表示する状態(図78(A)参照)と、球貸しが実行不能であることを示す「E」が表示された状態(図78(B)参照)と、を3秒間毎に交互に繰り返すようにした。しかしながら、遊技が実行不能に制御されると、残高表示部61は、球貸しが実行不能であることを示す「E」を表示するだけとしても良い。なお、球貸しが実行不能であることを示す表示態様は、「E」に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、残高表示部61において、「888」(全点灯態様)を示すことで、球貸しが実行不能であることを示すようにしても良い。なお、球貸しが実行可能であることを示すと共に、球貸しが実行不能であることを示す表示手段は、残高表示部61に限られるものではなく、画像表示装置50であったり、サブ液晶表示装置などであっても良い。
上記した第12変形例では、遊技が実行不能に制御されると、球貸しが実行不能であることを示す球貸不能報知演出(図79(A)(B)参照)が実行されるようにした。しかしながら、球貸不能報知演出の演出態様は、図79(A)(B)に示すものに限られず、適宜変更可能である。例えば、球貸不能報知演出の演出態様として、スピーカ52から「球貸しができません」という音声を出力したり、枠ランプ53及び盤ランプ54を特定の発光態様で発光させるようにしても良い。
上記した第12変形例では、遊技が実行不能に制御されると、カードの取り出しを促すカード返却示唆演出(図79(A)(B)参照)が実行されるようにした。しかしながら、カード返却示唆演出の演出態様は、図79(A)(B)に示すものに限られず、適宜変更可能である。例えば、カード返却示唆演出の演出態様として、スピーカ52から「返却ボタンを押してカードを取り出して下さい」という音声を出力したり、枠ランプ53及び盤ランプ54を特定の発光態様で発光させるようにしても良い。
上記した第14変形例では、現時点での差玉数を遊技者に示唆する現差玉数示唆演出(特定計測数演出)を実行可能であると共に(図83(C)参照)、実差玉数を正しく示すための現差玉数調整演出を実行可能であった(図84(B)参照)。これに対して、図157に示す変形例のように、80000(基準数)から実差玉数を減算した値(特定計測数に係る数字)を示唆する残差玉数示唆演出(特定計測数演出)を実行すると共に、80000(基準数)から実差玉数を減算した値を正しく示すための残差玉数調整演出を実行するようにしても良い。
例えば、図157(A)に示すように、高確高ベース状態において、確変用背景画像G105が表示されていて、表示画面50aの下側では、残差玉数示唆演出が実行されている。残差玉数示唆演出は、差玉数が残りいくつ増加すると、遊技が実行不能に制御される(過賞球防止機能が作動する)のかを示唆する演出であり、例えば図157(A)では、「残り129発増加で過賞球異常」を示す残差玉数示唆画像ZUが表示されている。この残差玉数示唆画像ZUで示される数字は、実差玉数が増加する(賞球が付与される)度に、減算されて示されていく。しかしながら、残差玉数示唆画像ZUで示される数字は、実差玉数が減算されても(遊技球が発射されても)、増加しないで維持される。そのため、第14変形例の現差玉数調整演出のように、残差玉数調整演出が実行されることで、過賞球防止機能が作動するまでの残りの差玉数を正しく示すようになっている。
具体的に、図157(A)に示す状態から遊技が進行して、特図2の抽選によって大当たりに当選したこととする。この場合、図157(B)に示すように、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、残差玉数示唆演出として、「残り110発増加で過賞球異常」を示す残差玉数示唆画像ZUが表示されている。
続いて、大当たり遊技が開始されると、図157(C)に示すように、残差玉数調整演出が実行される。具体的には、差玉数調整画像STが表示されると共に、「残り788発増加で過賞球異常」を示す残差玉数示唆画像ZUが表示される。こうして、残差玉数調整演出により、残差玉数示唆画像ZUで示される数字が、「110」から「788」に切替わり、高確高ベース状態で遊技者が発射した遊技球の数だけ減算される。これにより、大当たり遊技が開始した時点で、遊技者に、過賞球防止機能が作動するまでの残りの差玉数を正しく把握させることが可能である。その後、図157(D)に示すように、オープニング演出として、表示画面50aでは、「BONUS」を示すボーナス獲得画像BKが表示される。
上記した第14変形例では、大当たり遊技が開始されるとき、又は大当たり遊技が終了するときに、現差玉数調整演出を実行するようにした(図83(B)参照、図84(B)参照)。しかしながら、現差玉数調整演出が実行されるタイミングは、上記したタイミングに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、大当たり遊技のオープニングの実行中やオープニングが終了するとき、大当たり遊技のラウンド中や大当たり遊技のエンディングが開始されるときに、現差玉数調整演出を実行するようにしても良い。また客待ち状態に移行するタイミングや、変動演出の実行途中に、現差玉数調整演出を実行するようにしても良い。また或る一定時間が経過したタイミングや、特別図柄の変動回数が或る回数に達すると、現差玉数調整演出を実行するようにしても良い。なお、上述した残差玉数調整演出においても、実行タイミングは適宜変更可能であり、上記の例示したタイミングで実行しても良い。
上記した第14変形例では、現差玉数示唆演出は、開始された後に、実差玉数が78500(演出下限数)未満にならない限り、どの遊技状態であっても実行され続けるようにした。しかしながら、現差玉数示唆演出は、大当たり遊技状態(有利遊技状態)に限り実行されるようにしても良い。こうすれば、通常遊技状態に制御されている場合のように、実差玉数が大きく減少していく場合に、差玉数の値を遊技者に気にさせないようにすることが可能である。又は、現差玉数示唆演出は、大当たり遊技状態及び高確高ベース状態(有利遊技状態)に限り実行されるようにしたり、大当たり遊技状態及び高確低ベース状態(有利遊技状態)に限り実行されるようにしても良い。或いは、大当たり遊技状態及び小当たりラッシュ状態(有利遊技状態)に限り実行されるようにしたり、大当たり遊技状態及び時短状態(有利遊技状態)に限り実行されるようにしても良い。なお、上述した残差玉数示唆演出においても、実行される遊技状態は適宜変更可能であり、上記の例示した遊技状態で実行しても良い。
上記した第14変形例では、現差玉数示唆演出は、実差玉数が78500以上になると、開始されるようにした。しかしながら、現差玉数示唆演出の開始契機となる実差玉数の値は、78500に限られるものではなく、適宜変更可能である。従って、例えば、実差玉数が75000以上になると、開始されるようにしても良い。但し、現差玉数示唆演出は、少なくとも基準数である80000の半分以上である(この場合は40000以上である)ときに開始されるようにすると良い。このようにすれば、実差玉数が基準数(80000)に十分に近づいていない状況では、現差玉数示唆演出が開始されないことで、遊技者に差玉数の値を過度に意識させないようにすることが可能である。なお、上述した残差玉数示唆演出においても、開始契機となる実差玉数の値は適宜変更可能である。
上記した第14変形例では、現差玉数示唆演出において、実差玉数が増加すると現差玉数示唆画像ZTで示す数字を増加させて、実差玉数が減少すると現差玉数示唆画像ZTで示す数字を変化させなかった。しかしながら、現差玉数示唆演出において、実差玉数が増加すると、現差玉数示唆画像ZTで示す数字が増加する場合と増加しない場合とがあるようにしても良い。また現差玉数示唆演出において、実差玉数が減少すると、現差玉数示唆画像ZTで示す数字が減少する場合と減少しない場合とがあるようにしても良い。なお、上述した残差玉数示唆演出においても、実差玉数が増加すると、残差玉数示唆画像ZUで示す数字が減少する場合と減少しない場合とがあるようにしても良い。また残差玉数示唆演出において、実差玉数が減少すると、現差玉数示唆画像ZTで示す数字が増加する場合と増加しない場合とがあるようにしても良い。
上記した第14変形例では、現差玉数示唆画像ZTの表示によって、差玉数に係る数字を示したが、スピーカ52からの音声、又は枠ランプ53及び盤ランプ54の発光によって、差玉数に係る数字を示すようにしても良い。また変形例において、残差玉数示唆画像ZUの表示によって、差玉数に係る数字を示したが、スピーカ52からの音声、又は枠ランプ53及び盤ランプ54の発光によって、差玉数に係る数字を示すようにしても良い。なお第11変形例のように、遊技場の従業員が、現差玉数示唆演出や残差玉数示唆演出の実行の有無を設定できるようにしても良い。
上記した第14変形例では、現差玉数示唆演出が実行された後、現差玉数調整演出が実行されるようにしたが、現差玉数調整演出が実行されないようにしても良い。また、残差玉数示唆演出が実行された後、残差玉数調整演出が実行されるようにしたが、残差玉数調整演出が実行されないようにしても良い。要するに、差玉数に係る数字を示す現差玉数示唆演出又は残差玉数示唆演出(特定計測数演出)を実行するものの、現差玉数示唆演出又は残差玉数示唆演出で示している差玉数の値を補正する現差玉数調整演出又は残差玉数調整演出については実行しないようにしても良い。
上記した第15変形例では、過賞球防止機能が作動した後、セレクトボタン及び通常ボタン40(所定操作手段)を操作することで、特別操作演出として、入力反映画像NPが表示(特別操作演出が実行)されるようにした(図87(D)参照)。しかしながら、過賞球防止機能が作動した後に実行される特別操作演出は、入力反映画像NPの表示に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、図158に示す変形例のように、特別操作演出が実行されるようにしても良い。
即ち、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技のエンディングで、図158(A)に示すように、遊技停止予告演出(遊技停止予告画像YTの表示)が実行されていることとする。その後、大当たり遊技(エンディング)が終了すると、過賞球防止機能が作動して、遊技が実行不能に制御される。これにより、図158(B)に示すように、キャラ登場演出として、悲しんでいるキャラを示すキャラ画像OGが表示される。またこのときには、過賞球異常報知演出として、「過賞球異常」の文字を示す過賞球異常報知画像KFが表示される。ここで、図158(B)に示すように、キャラ画像OGが表示されているときに、表示画面50aの右下部では、通常ボタン40への押下操作を促す操作促進演出が実行されている。具体的に、操作促進演出では、通常ボタン40の形状と「押せ!」の文字とを示す押下促進画像BSが表示されている。こうして、押下促進画像BSの表示中に遊技者が通常ボタン40を押下操作すると、図158(C)に示すように、特別操作演出として、到達達成演出が実行される。即ち、「80000発達成おめでとう」の文字と喜んでいるキャラとを示す到達達成画像OFが表示される。こうして、過賞球防止機能の作動した後、遊技者に通常ボタン40を押下操作させることで、到達達成演出が実行される。これにより、遊技が実行不能になった後でも、遊技者に演出に関与させて、遊技者を楽しませることが可能である。
上記した第15変形例では、過賞球防止機能が作動した後に実行される特別操作演出は、表示画面50aに入力反映画像NPを表示するものであった。しかしながら、特別操作演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、過賞球防止機能が作動した後、遊技者が通常ボタン40を押下操作することで、特別操作演出として、スピーカ52から「80000発達成おめでとう」という音声が繰返し出力されたり、盤上可動体55k及び盤下可動体56k(図5参照)が図5(A)に示す初期位置から図5(B)に示す動作位置に移動するようにしても良い。又は、特別操作演出として、遊技機枠2に設けられている枠可動体(例えば枠可動装置58)が初期位置から動作位置へ移動するようにしたり、枠ランプ53及び盤ランプ54が特別な発光態様で発光するようにしても良い。こうして、過賞球防止機能が作動した後、上述したような特別操作演出が実行され続けるようにすることで、他の遊技者等に過賞球防止機能が作動したことアピールすることが可能である。ここで、特別操作演出の実行契機となる所定操作手段は、通常ボタン40やセレクトボタンに限られるものではなく、適宜変更可能であり、例えば特殊ボタン41(図1参照)であっても良い。なお、過賞球防止機能が作動した後、遊技者が所定操作手段への操作を行わなくても、上述したような演出が実行され続けるようにしても良い。
上記した第15変形例では、過賞球防止機能が作動した後、図87(B)に示すように、到達達成演出では、「80000発達成おめでとう」の文字と喜んでいるキャラとを示す到達達成画像OF(達成画像)が表示された。しかしながら、達成画像の表示態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、達成画像の表示態様として、過賞球防止機能が作動する前では示されることがない特別レアキャラ、特別レアアイテム、特別レアセリフが示されるようにしても良い。
上記した第15変形例では、過賞球防止機能が作動した後に、図87(C)に示すように、文字入力演出が実行された。しかしながら、文字入力演出の実行タイミングは、過賞球防止機能が作動する前であっても良く、適宜変更可能である。例えば、過賞球防止機能が作動する契機となった大当たり遊技のエンディング中に、文字入力演出が実行されるようにしても良い。又は、客待ち演出の実行中や、変動演出中に、文字入力演出が実行され得るようにしても良い。
上記した第15変形例では、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後において、客待ち演出の実行中に、特別操作演出として、入力反映画像NPが表示されるようにした(図88(B)参照)。しかしながら、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後において、入力反映画像NPが表示されるタイミングは、客待ち演出の実行中に限られるものではなく、適宜変更可能であり、例えば大当たり遊技のエンディング中であっても良い。なお第11変形例のように、遊技場の従業員が、過賞球防止機能が作動した直後に特別操作演出(図87(D)に示す入力反映画像NPの表示)が実行されるか否かの有無や、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後において特別操作演出(図88(B)に示す入力反映画像NPの表示)が実行されるか否かの有無を設定できるようにしても良い。
上記した第16変形例では、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、特別演出(過賞球異常作動後演出)として、特別SPリーチ(図89(B)参照)と、特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照)と、特別オープニング演出(図91(B-2)(C-2)参照)と、特別客待ちデモ演出(図92(B-2)参照)と、があった。しかしながら、特別演出は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、特別演出は、特別リーチ演出として、リーチ演出に発展するときの特別リーチ発展演出や、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が一列に並んだ状態で同じ速度で変動表示する特別全回転リーチ演出などであっても良い。また特別演出は、特別予告演出として、当選期待度が段階的に(ステップ毎に)上昇していく特別ステップアップ予告演出、特別なストーリーが動画として展開していく特別ストーリー予告演出、アイコンTAが特別態様に変化する特別保留変化予告演出、盤可動体(盤上可動体55k、盤下可動体56k)や枠可動体(例えば枠可動装置58)などが特別態様で移動する特別可動体駆動予告演出、通常ボタン40が特別態様で振動する特別バイブ予告演出、特別図柄の変動表示の開始時点で実行される特別変動開始時予告演出などであっても良い。また特別演出は、特別当たり演出として、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行される特別ラウンド演出、大当たり遊技のエンディング中に実行される特別エンディング演出であっても良い。また特別演出は、特別客待ち演出として、停止表示している演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の表示態様が特別な表示態様になっている特別図柄待機演出であっても良い。
上記した第16変形例では、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されている場合に、特別演出(過賞球異常作動後演出)が実行可能になるようにした。しかしながら、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されているか否かに拘わらず、電源投入後に遊技が実行不能な制御が解除されることを条件として、特別演出(過賞球異常作動後演出)が実行可能になるようにしても良い。
上記した第16変形例では、特別リーチ演出として実行される特別SPリーチ(図89(B)参照)は、大当たりへの当選が確定していることを示す演出であった。しかしながら、特別リーチ演出は、大当たりへの当選が確定しておらず、大当たりへの当選期待度がある程度高い(例えば当選期待度が50%である)ことを示唆している演出であっても良い。
上記した第16変形例では、特別予告演出として実行される特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照)は、大当たりへの当選が確定していることを示す演出であった。しかしながら、特別予告演出は、大当たりへの当選が確定しておらず、大当たりへの当選期待度がある程度高い(例えば当選期待度が50%である)ことを示唆している演出であっても良い。なお、特別予告演出は、単に以前に過賞球防止機能が作動したことがあることを示唆する予告演出であっても良い。
上記した第16変形例では、特別当たり演出として実行される特別オープニング演出(図91(B-2)(C-2)参照)は、Vロング大当たり(大当たり図柄X、大当たり図柄Z1)に当選していることを示す演出、即ち、正しく遊技を行っている限り実質的に高確率状態への移行が確定していることを示す演出であった。しかしながら、特別当たり演出は、高確率状態への移行以外の特典(例えば10ラウンドの大当たり遊技の実行)が付与されることを示す演出であっても良い。なお、特別当たり演出は、特典が付与されることを示しておらず、単に以前に過賞球防止機能が作動したことがあることを示唆する演出であっても良い。
上記した第16変形例では、過賞球防止機能が作動すると、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報が記憶されるようにした。これに対して、過賞球防止機能が作動する度に、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動した回数を示す作動回数情報(作動情報)が記憶されるようにしても良い。この場合、例えば、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に、過賞球防止機能が作動した回数が1回であることを示す作動回数情報が記憶されていれば、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない第1特別演出を実行可能にする。そして、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に、過賞球防止機能が作動した回数が2回であることを示す作動回数情報が記憶されていれば、第1特別演出ではなく、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない第2特別演出を実行可能にする。更に、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に、過賞球防止機能が作動した回数が3回であることを示す作動回数情報が記憶されていれば、第1特別演出及び第2特別演出ではなく、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない第3特別演出を実行可能にする。こうして、過賞球防止機能が作動した回数に応じた特別演出(第1特別演出、第2特別演出、第3特別演出)が実行されることで、遊技者には、特別演出の種類で過賞球防止機能が作動した回数を把握させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。なお第11変形例のように、遊技場の従業員が、過賞球防止機能が作動した後、特別演出(特別SPリーチ(図89(B)参照)と、特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照)と、特別オープニング演出(図91(B-2)(C-2)参照)と、特別客待ちデモ演出(図92(B-2)参照)が実行されるか否かの有無を設定できるようにしても良い。
また、過賞球防止機能が作動する度に、演出用RAM124の非消去記憶領域に過賞球防止機能が作動した回数を示す作動回数情報(作動情報)が記憶されるようにした場合、以下のように実行しても良い。即ち、所定演出(例えばリーチ演出、予告演出、大当たり演出など)の演出態様には、第1演出態様と、第2演出態様と、第3演出態様と、第4演出態様と、があることとする。そして例えば、演出制御用マイコン121は、過賞球防止機能が作動したことがないと判断する場合には、第1演出態様の振分率が25%であり、第2演出態様の振分率が25%であり、第3演出態様の振分率が25%であり、第4演出態様の振分率が25%であるように、所定演出を実行する。また演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に、過賞球防止機能が作動した回数が1回であることを示す作動回数情報が記憶されていれば、第1演出態様の振分率が10%であり、第2演出態様の振分率が20%であり、第3演出態様の振分率が30%であり、第4演出態様の振分率が40%であるように、所定演出を実行する。また演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の非消去記憶領域に、過賞球防止機能が作動した回数が2回であることを示す作動回数情報が記憶されていれば、第1演出態様の振分率が40%であり、第2演出態様の振分率が30%であり、第3演出態様の振分率が20%であり、第4演出態様の振分率が10%であるように、所定演出を実行する。こうして、所定演出が実行された場合において、第1演出態様と第2演出態様と第3演出態様と第4演出態様とが同程度に現れると感じれば、過賞球防止機能が作動したことがないと推測することになる。また所定演出が実行された場合において、第1演出態様<第2演出態様<第3演出態様<第4演出態様という感じで多く現れると感じれば、過賞球防止機能が1回だけ作動したことがあると推測することになる。また所定演出が実行された場合において、第4演出態様<第3演出態様<第2演出態様<第1演出態様という感じで多く現れると感じれば、過賞球防止機能が2回だけ作動したことがあると推測することになる。以上の変形例によれば、遊技者には、過賞球防止機能が作動した回数を推測させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
上記した第17変形例では、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御された後、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、画像表示装置50(報知手段)の表示画面50aにて、赤背景画像RE及び過賞球異常維持画像KRXが表示され、スピーカ52(報知手段)から「過賞球異常が解除されていません RAMクリアして下さい」という音声が出力され、枠ランプ53及び盤ランプ54(報知手段)が全て赤色で点滅した。しかしながら、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されていることを示す報知手段は、画像表示装置50、スピーカ52(音出力手段)、枠ランプ53及び盤ランプ54(発光手段)に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、遊技機枠2の上部装飾体31に移動可能な枠可動体(報知手段)が設けられていることとする。そして、この枠可動体は、初期位置から遊技機枠2の上縁よりも上方に移動可能な動作位置へ移動可能であることとする。この場合、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御された後、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、枠可動体が初期位置から動作位置へ移動して、枠可動体が動作位置になる状態が維持されるようにしても良い。このようにすれば、営業時間の開始前に、遊技場の従業員は、遊技機枠2の上縁よりも上方に移動している枠可動体を見ることで、遊技が実行不能にされた制御が解除されていないことを容易に把握することが可能である。また、例えば通常ボタン40(報知手段)が特殊態様で振動可能に構成されていることとする。この場合、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能に制御された後、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、通常ボタン40が特殊態様で振動し続けるようにしても良い。このようにすれば、営業時間の開始前に、遊技場の従業員は、通常ボタン40が特殊態様で振動し続けるのを見ることで、遊技が実行不能にされた制御が解除されていないことを容易に把握することが可能である。
上記した第17変形例では、不正な磁気の検知(特定の異常がある判断されること)によって遊技が実行不能に制御された後、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、画像表示装置50(報知手段)の表示画面50aにて、青背景画像BL及び磁気異常維持画像KR1が表示され、スピーカ52(報知手段)から「磁気検知異常が解除されていません RAMクリアして下さい」という音声が出力され、枠ランプ53及び盤ランプ54(報知手段)が全て青色で点滅した。しかしながら、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されていることを示す報知手段は、画像表示装置50、スピーカ52(音出力手段)、枠ランプ53及び盤ランプ54(発光手段)に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、遊技機枠2の上部装飾体31に移動可能な枠可動体(報知手段)が設けられていることとする。そして、この枠可動体は、初期位置から遊技機枠2の上縁よりも上方に移動可能な動作位置へ移動可能であることとする。この場合、特定の異常があると判断されること(例えば不正な磁気の検知)によって遊技が実行不能に制御された後、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、枠可動体が初期位置から動作位置へ移動して、枠可動体が動作位置になる状態が維持されるようにしても良い。このようにすれば、営業時間の開始前に、遊技場の従業員は、遊技機枠2の上縁よりも上方に移動している枠可動体を見ることで、遊技が実行不能にされた制御が解除されていないことを容易に把握することが可能である。また、例えば通常ボタン40(報知手段)が特殊態様で振動可能に構成されていることとする。この場合、特定の異常があると判断されること(例えば不正な磁気の検知)によって遊技が実行不能に制御された後、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、通常ボタン40が特殊態様で振動し続けるようにしても良い。このようにすれば、営業時間の開始前に、遊技場の従業員は、通常ボタン40が特殊態様で振動し続けるのを見ることで、遊技が実行不能にされた制御が解除されていないことを容易に把握することが可能である。
上記した第17変形例では、遊技が実行不能にされた制御が継続されていることを示す特別異常態様として、過賞球異常維持画像KRXの表示、「過賞球異常が解除されていません RAMクリアして下さい」という音声の出力、枠ランプ53及び盤ランプ54による赤色の点滅、磁気異常維持画像KR1の表示、「磁気検知異常が解除されていません RAMクリアして下さい」という音声の出力、枠ランプ53及び盤ランプ54による青色の点滅があった。しかしながら、特別異常態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、特別異常態様として、盤上可動体55k及び盤下可動装置56が、図5(A)に示す初期位置と図5(B)に示す動作位置との間で移動し続けるようにしても良い。
上記した第18変形例では、図95に示すように、遊技が実行不能に制御された後で、電源投入後にRAMクリアが実行されることを条件に、球噛み防止モードが設定された(遊技可動部材を移動させた)。しかしながら、遊技が実行不能に制御された後で、電源投入後にRAMクリアの実行の有無に拘わらず、球噛み防止モードに設定されるようにしても良い。つまり、遊技が実行不能に制御された後で、RAMクリアスイッチ191を押下操作しないで、電源スイッチ193をON操作するだけで、遊技可動部材を移動させるようにしても良い。
上記した第18変形例では、図95に示すように、球噛み防止モードの終了条件は、RAMクリアスイッチ191が押下操作されることであった。しかしながら、球噛み防止モードの終了条件は、RAMクリアスイッチ191の押下操作に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、球噛み防止モードの終了条件は、RAMクリアスイッチ191以外の操作手段(例えば設定キーシリンダ180、特別リセットスイッチ181)等への操作であっても良い。また球噛み防止モードの終了条件は、球噛み防止モードが開始されてから規定時間(例えば30秒)が経過することや、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)の入球部(第1大入賞口14、第2大入賞口15、第2始動口12、特定領域16)に対する開閉動作が規定の回数(例えば5回)実行されることとしても良い。なお、球噛み防止モードは、電源が投入されてから大当たり判定処理(S1402,S1408)が初めて開始されるまで(電源が投入されてから特別図柄の変動表示が初めて開始されまで)に実行されれば良い。
上記した第18変形例では、図95に示すように、RAMクリアが実行された後に、球噛み防止モードが設定された。しかしながら、RAMクリアが開始される前、又はRAMクリアの実行中に、球噛み防止モードが設定されるようにしても良い(遊技可動部材が移動するようにしても良い)。
上記した第19変形例では、図99に示すように、遊技が実行不能に制御されるとすぐに、球噛み防止モードが設定された。しかしながら、遊技が実行不能に制御されてから或る規定時間(例えば30秒)が経過すると、球噛み防止モードに設定されるようにしても良い。この場合には、規定時間によって、全ての遊技球が遊技領域6から完全に排出されるまでの時間を確保した上で、遊技可動部材を移動させることができるためである。
上記した第19変形例では、図99に示すように、遊技が実行不能に制御された後に、遊技場の従業員の操作を必要としないで、自動的に球噛み防止モードが設定された。しかしながら、遊技が実行不能に制御された後に、遊技場の従業員が操作手段(例えばRAMクリアスイッチ191、設定キーシリンダ180、特別リセットスイッチ181など)を操作したり、遊技機枠2を開放することを条件に、球噛み防止モードに設定されるようにしても良い。このようにすれば、遊技者に、球噛み防止モードの設定によって遊技可動部材が移動していることをできるだけ見せないようにすることが可能である。
上記した第19変形例では、図95に示すように、球噛み防止モードの終了条件は、球噛み防止モードが開始されてから規定時間(例えば30秒)が経過することであった。しかしながら、球噛み防止モードの終了条件は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、球噛み防止モードの終了条件は、遊技場の従業員が操作手段(例えばRAMクリアスイッチ191、設定キーシリンダ180、特別リセットスイッチ181など)を操作することとしても良い。また球噛み防止モードの終了条件は、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)の入球部(第1大入賞口14、第2大入賞口15、第2始動口12、特定領域16)に対する開閉動作が規定の回数(例えば5回)実行されることとしても良い。
上記した第19変形例では、遊技が実行不能に制御されれば、必ず球噛み防止モードが設定されるようにした。しかしながら、遊技制御用マイコン101が、遊技を実行不能に制御した後に、球噛みが生じていると判断した場合に限り、球噛み防止モードに設定するようにしても良い。具体的には、遊技制御用マイコン101は、遊技領域6に進入する遊技球の数と、遊技領域6から排出された遊技球の数と、が一致するか否かを判定できるようにする。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技を実行不能に制御した後、遊技領域6に進入する遊技球の数と遊技領域6から排出された遊技球の数とが一致する場合には、球噛みが生じていないと判断して、球噛み防止モードに設定しない。一方、遊技制御用マイコン101は、遊技を実行不能に制御した後、遊技領域6に進入する遊技球の数と遊技領域6から排出された遊技球の数とが一致しない場合には、球噛みが生じていると判断して、球噛み防止モードに設定する。このようにすれば、遊技が実行不能に制御された後に、球噛みが生じている可能性が高い状況に限り、球噛み防止モードに設定されるため、遊技可動部材の移動をできるだけ遊技者に見せないようにすることが可能である。なお、遊技領域6に進入する遊技球の数をカウントする方法として、例えば、内側壁部1Bの上端部に戻り玉防止部が設けられていて、この戻り玉防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられていることとする。この場合、遊技制御用マイコン101が上記センサの検知に基づいて、遊技領域6に進入する遊技球の数をカウントするようにすれば良い。また遊技領域6から排出された遊技球の数をカウントする方法として、例えば、遊技制御用マイコンが排出口センサの検知に基づいて遊技領域6から排出された遊技球の数をカウントするようにすれば良い。
ここで、上述したように、遊技制御用マイコン101が遊技領域6に進入する遊技球の数と遊技領域6から排出された遊技球の数とが一致しないと判断すると、球噛み防止モードに設定する場合、球噛み防止モードの終了条件は、以下のようにしても良い。即ち、球噛み防止モードの終了条件は、遊技制御用マイコン101が遊技領域6に進入する遊技球の数と遊技領域6から排出された遊技球の数とが一致すると判断することとしても良い。又は、球噛み防止モードの終了条件は、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)の入球部(第1大入賞口14、第2大入賞口15、第2始動口12、特定領域16)に対する開閉動作が規定の回数(例えば5回)実行されることとしても良い。この場合において、遊技可動部材の入球部に対する開閉動作を規定の回数だけ実行しても、遊技領域6に進入する遊技球の数と遊技領域6から排出された遊技球の数とが一致しない場合、演出制御用マイコン121が、球噛みが解消されていないことを示す演出を実行するようにすると良い。
上記した第18変形例及び第19変形例では、球噛み防止モードにおいて、通常AT開閉部材14kの開閉動作、VAT開閉部材15kの開閉動作、電チュー開閉部材12kの開閉動作、振分部材16kの開閉動作は、並行(同時)に実行された。しかしながら、通常AT開閉部材14kの開閉動作、VAT開閉部材15kの開閉動作、電チュー開閉部材12kの開閉動作、振分部材16kの開閉動作は、それぞれ異なるタイミングで実行されるようにしても良い。例えば、球噛み防止モードに設定されると、先ず通常AT開閉部材14kの開閉動作を開始して、通常AT開閉部材14kの開閉動作が終了した後にVAT開閉部材15kの開閉動作を開始して、VAT開閉部材15kの開閉動作が終了した後に電チュー開閉部材12kの開閉動作を開始して、電チュー開閉部材12kの開閉動作が終了した後に振分部材16kの開閉動作を開始して、振分部材16kの開閉動作が終了した後に通常AT開閉部材14kの開閉動作を開始して、以後上記の開閉動作を繰り返すようにしても良い。
上記した第18変形例及び第19変形例では、遊技球が特定領域16を通過すると、大当たり遊技後に高確率状態に移行するように構成されていた。これに対して、遊技球が特定領域16を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行されるように構成しても良い。この場合には、球噛み防止モードに設定されているときに、特定領域センサ16aによる検出が無効に設定されている。そのため、球噛み防止モードに設定されているときに、振分部材16kが特定領域16に対する開閉動作を行うことで、遊技球が特定領域16を通過しても、大当たり遊技が実行されないようにすることが可能である。
上記した第20変形例及び第21変形例では、電断状態でも記憶情報(閾値設定情報パターンA1~F1)を保持可能な電断保持記憶手段が、FRAM125であった。しかしながら、電断保持記憶手段は、FRAM125に限られるものではなく、例えばEEPROMであっても良く、適宜変更可能である。また図102に示すように、FRAM125は、演出制御用マイコン121とは別に設けられていたが、FRAM125(電断保持記憶手段)は、演出制御用マイコン121(特定制御手段)の中に組み込まれていても良い。
上記した第20変形例及び第21変形例では、過賞球異常予告演出(事前予告演出)として(図74(B)参照)、表示画面50aにて例えば「残り20000発増加で、過賞球異常」を示す過賞球異常予告画像ZIが表示されるようにした。しかしながら、過賞球異常予告演出(事前予告演出)の演出態様は、適宜変更可能である。例えば、過賞球異常予告演出は、スピーカ52から異常予告音(例えば「残り20000発増加で、過賞球異常」という音声)を出力する演出としたり、枠ランプ53や盤ランプ54を異常予告発光態様(例えば全点灯と全消滅とを繰り返す発光態様)で発光させる演出としたり、可動装置55、56、58が異常予告動作態様で動作するようにしても良い。なお、第22変形例で説明した過賞球異常予告演出(事前予告演出)でも、演出態様は適宜変更可能であり、上述のように、スピーカ52から異常予告音(例えば「残り5000発増加で、過賞球異常」という音声)を出力する演出としたり、枠ランプ53や盤ランプ54を異常予告発光態様(例えば全点灯と全消滅とを繰り返す発光態様)で発光させる演出としたり、可動装置55、56、58が異常予告動作態様で動作するようにしても良い。
上記した第20変形例及び第21変形例では、FRAM125に記憶可能な特定記憶情報が、閾値設定情報パターンA1~F1であった(図103参照)。しかしながら、FRAM127に記憶可能な特定記憶情報は、閾値設定情報パターンA1~F1に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、FRAM125には、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が79000以上にするための設定情報(閾値設定情報パターン)や、過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が79500以上にするための設定情報(閾値設定情報パターン)を記憶できるようにしても良い。
上記した第20変形例及び第21変形例では、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1(特定記憶情報)に基づいて、過賞球異常予告演出(特定演出)が実行されるようにした。しかしながら、FRAM125に記憶されている特定記憶情報に基づいて実行される特定演出は、過賞球異常予告演出(事前予告演出)に限られるものではなく、遊技球の数に係る特定遊技球数に基づいて実行される演出であれば、適宜変更可能である。従って、特定演出は、総賞球数(獲得球数、特定遊技球数)が例えば10000(特定値)以上に達したことを示す総賞球数演出、通常遊技状態でのベース(通常遊技状態での発射球数に対する通常遊技状態での総賞球数の割合)が例えば40(特定値)に達したことを示すベース演出、発射球数(特定遊技球数)が例えば100000(特定値)以上に達したことを示す発射球数演出であっても良い。なお、遊技球の数に係る特定遊技球数は、上記した第20変形例及び第21変形例では、差玉数であったが、上記した変形例のように、総賞球数、発射球数であっても良く、適宜変更可能である。従って、特定遊技球数は、例えば或る遊技状態(大当たり遊技状態)での総賞球数、連荘状態(RUSH状態)での総賞球数、或る遊技状態(大当たり遊技状態)での発射球数、連荘状態(RUSH状態)での発射球数などであっても良い。
上記した第20変形例では、FRAM125(電断保持記憶手段)に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1(記憶情報)が書換えられた場合に、画像表示装置50(書換え報知手段)が、表示画面50aにて閾値設定情報パターンA1~F1が書換えられたことを示す確認コードKCを表示可能であった(図105(A)参照)。しかしながら、確認コードKC以外の表示態様(書換え成功の文字表示)によって、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報が書換えられたことを示すようにしても良い。また、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報が書換えられたことを示す書換え報知手段は、画像表示装置50に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、枠ランプ53や盤ランプ54の発光態様、スピーカ52から出力される音声、可動装置55、56、58などの可動体の動作態様によって、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報が書換えられたことを示すようにしても良い。
上記した第20変形例では、演出制御用マイコン121が、検査時出荷工程において、パチンコ遊技機PY1の外部である検査用基板400から検査コマンド(特定コマンド)を受信することに基づいて、FRAM125(電断保持記憶手段)に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1(記憶情報)を書換え可能であった(図104参照)。しかしながら、検査用基板400が主制御基板100に接続されていて、演出制御用マイコン121が、検査用基板400から主制御基板100を介して検査コマンドを受信することに基づいて、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換えるようにしても良い。また演出制御用マイコン121は、検査時出荷工程以外において、パチンコ遊技機PY1の外部(例えばパチンコ遊技機PY1の左隣に配置されている専用外部ユニットやホールコンピュータなど)から特定コマンドを受信することに基づいて、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換えるようにしても良い。
上記した第20変形例及び第21変形例では、演出制御基板120にFRAM125(電断保持記憶手段)が設けられていて、演出制御用マイコン121(特定制御手段)が、FRAM125に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1(記憶情報)を書換え可能であった。しかしながら、演出制御基板120以外の制御基板に電断保持記憶手段が設けられていて、その制御基板に設けられている特定制御手段が、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換え可能であっても良い。例えば、主制御基板100に電断保持記憶手段が設けられていて、遊技制御用マイコン101が、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換え可能であっても良い。具体的には、検査時(申請時)に、主制御基板100に設けられている電断保持記憶手段には、遊技を実行不能に制御する契機となる差玉数が80000以上であることを示す情報(所定記憶情報)が記憶されていることとする。この場合、検査時出荷工程において、遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の外部である検査用基板から検査コマンドを受信することに基づいて、電断保持記憶手段に記憶されている情報を、遊技を実行不能に制御する契機となる差玉数が例えば90000以上であることを示す情報(特定記憶情報)に書換えるようにしても良い。なお上記した変形例では、遊技を実行不能にする処理が、「特定制御処理」に相当する。
また例えば、払出制御基板170に電断保持記憶手段が設けられていて、払出制御用マイコン171が、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換え可能であっても良い。具体的には、検査時(申請時)に、払出制御基板170に設けられている電断保持記憶手段には、外端信号(外部端子板160に出力する信号)を出力する契機となる賞球数が10以上であることを示す情報(所定記憶情報)が記憶されていることとする。この場合、検査時出荷工程において、払出制御用マイコン171は、パチンコ遊技機PY1の外部である検査用基板から検査コマンドを受信することに基づいて、電断保持記憶手段に記憶されている情報を、外部出力信号を出力する契機となる賞球数が15以上であることを示す情報(特定記憶情報)に書換えるようにしても良い。なお上記した変形例では、外端信号を出力する処理が、「特定制御処理」に相当する。
上記した第21変形例では、セレクトボタン(操作手段)に対して特殊操作を行うことで、FRAM125(電断保持記憶手段)に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1(記憶情報)を書換え可能であった。しかしながら、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換えるための操作手段は、セレクトボタンに限られるものではなく、適宜変更可能である。従って、通常ボタン40への押下操作、RAMクリアスイッチ191への押下操作、設定キーシリンダ180への回転操作で、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換えることができるようにしても良い。なお上記した変形例では、通常ボタン40への押下操作を示す信号、RAMクリアスイッチ191への押下操作を示す信号、設定キーシリンダ180への回転操作を示す信号が、「特定情報」に相当する。
上記した第21変形例では、電源が投入された後の初期設定時に限り、FRAM125(電断保持記憶手段)に記憶されている閾値設定情報パターンA1~F1(記憶情報)の書換えが可能であった。しかしながら、変動演出の実行中や客待ち演出の実行中であっても、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報の書換えができるようにしても良い。即ち、遊技場の従業員に限られず、遊技者であっても、操作手段(セレクトボタンや通常ボタン40など)を操作することに基づいて、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報の書換えができるようにしても良い。
上記した第22変形例及び上記第23変形例では、作動契機差玉数(過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数)が、20000(第1基準数)、40000、60000、80000(第2基準数)であった。しかしながら、作動契機差玉数(第1基準数、第2基準数)は、適宜変更可能であり、例えば少なくとも80000(基準数)以上であるようにして、80000、100000、120000、140000であるようにしても良い。
上記した第22変形例では、差玉数がリセットされる条件は、差玉数が80000以上であって、RAMクリアが実行されることであった。しかしながら、差玉数がリセットされる条件は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、上記形態のように、特別リセットスイッチ181が押下操作されること、又は設定キーシリンダ180が回転操作されることなどであっても良い。また例えば、作動契機差玉数が20000、40000、60000、80000、100000…のように20000毎に設定されていることで、差玉数がリセットされることがないようにしても良い。
上記した第22変形例及び第23変形例では、差玉数が作動契機差玉数以上になって、大当たり遊技状態が終了すると、過賞球防止機能が作動するようになっていた。しかしながら、過賞球防止機能が作動するタイミングは、適宜変更可能であり、上記各形態や上記変形例で説明するようにしても良い。
上記した第22変形例では、遊技が実行不能に制御された後、遊技が実行可能な状況に復帰するための条件が、RAMクリアが実行されることであった。また上記した第23変形例では、遊技が実行不能に制御された後、遊技が実行可能な状況に復帰するための条件が、特別リセットスイッチ181が押下操作されることであった。しかしながら、遊技が実行可能な状況に復帰するための条件は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、電源の遮断及び電源が投入されること(電源の再投入)だけであっても良く、特別リセットスイッチ181以外の操作手段(例えば設定キーシリンダ180)が操作されることや、遊技機枠2の開放(前扉23の開放、前枠23mの開放)であっても良い。なお、特別リセットスイッチ181は、主制御基板100以外の基板に設けられていても良く、例えば、払出制御基板170に設けられていても良い。
上記した第24変形例では、設定モードにおいて、作動契機差玉数を、20000、40000、60000、80000、100000、120000の中で設定できるようにした。しかしながら、設定モードにおいて、上記以外の作動契機差玉数に設定できるようにしても良く、例えば、遊技場の従業員が任意に(例えば1球単位で)作動契機差玉数を設定できるようにしても良い。また設定モードに設定されていないときであっても、作動契機差玉数を設定できるようにしても良い。
上記した第24変形例では、設定モードにおいて、作動契機差玉数が設定された場合、その作動契機差玉数の値が報知されることがなかった。しかしながら、作動契機差玉数が設定された場合、その作動契機差玉数の値を、例えば画像表示装置50などを用いて報知するようにしても良い。
上記した第25変形例では、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)が、払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信することに基づいて、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信した(図127(1)参照)。そして、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、賞球指示コマンドを受信しても、大入賞口入賞演出を実行しなかった。これに対して、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、賞球指示コマンドを受信すると、図143(A)に示すように大入賞口入賞演出を実行するようにしても良い。そしてこの変形例において、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が、払出制御基板170から賞球開始コマンドを受信することに基づいて、演出制御基板120に賞球指示コマンドを送信しても(図125(1)参照)、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、大入賞口入賞演出を実行しないようにしても良い。
上記した第25変形例では、不正な磁気の検知により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)が、払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信することに基づいて、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信した(図127(2)参照)。そして、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、下皿満杯指示コマンドを受信しても、下皿満杯エラー演出を実行しなかった。これに対して、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、下皿満杯コマンドを受信すると、図143(B)に示すように下皿満杯エラー演出を実行するようにしても良い。そしてこの変形例において、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板100が、払出制御基板170から下皿満杯コマンドを受信することに基づいて、演出制御基板120に下皿満杯指示コマンドを送信しても(図125(2)参照)、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、下皿満杯エラー演出を実行しないようにしても良い。
上記した第25変形例では、本パチンコ遊技機PY1に所定の異常があるかが監視されるようになっていて。所定の異常(遊技機の異常)とは、下皿35が満杯であることと、遊技機枠2の裏側に設けられている貯留タンクに遊技球が無いことであった。しかしながら、所定の異常は、上記に限られるものではなく、遊技球の球詰まりや、遊技機枠2の開放(前扉23の開放、前枠23mの開放)などであっても良い。この場合、例えば、遊技球の球詰まりを検知可能な球詰まり検知センサ(異常検知手段)が設けられている。そして、遊技制御基板100は、遊技を実行不能に制御した後、球詰まり検知センサによる検知に基づいて、演出制御基板120に球詰まり異常コマンド(異常コマンド)を送信する。これにより、演出制御基板120は、遊技が実行不能に制御された後に、球詰まり異常コマンドの受信に基づいて、遊技球の球詰まり(遊技機の異常)を報知するようにしても良い。
また例えば、遊技機枠2の開放(前扉23の開放、前枠23mの開放)を検知可能な枠開放センサが設けられている。そして、遊技制御基板100は、遊技を実行不能に制御した後、枠開放センサによる検知に基づいて、演出制御基板120に枠開放異常コマンド(異常コマンド)を送信する。これにより、演出制御基板120は、遊技が実行不能に制御された後に、枠開放異常コマンドの受信に基づいて、遊技機枠2の開放(遊技機の異常)を報知するようにしても良い。
上記した第25変形例では、万一、過賞球防止機能の作動と不正な磁気の検知とが同じタイミングで実行された場合、遊技制御用マイコン101は遊技を実行不能に制御しつつ、演出制御用マイコン121は、図124(B)に示すように、不正な磁気が検知されたことを報知した。しかしながら、過賞球防止機能が作動したことの方が、不正な磁気が検知されたことよりも、報知としての重要度が高いものとして、演出制御用マイコン121は、図124(A)に示すように、過賞球防止機能が作動したことを報知しても良い。
上記した第26変形例では、画像制御基板140は、演出制御基板120からイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を受信しない場合、イルミ初期発光(初期動作)を実行しないと共に、イルミ表示装置57(特定演出手段)での発光制御を全く実行しないようになっていた。しかしながら、画像制御基板140は、演出制御基板120からイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を受信しない場合、イルミ初期発光(初期動作)を実行しないものの、イルミ初期発光以外のイルミ表示装置57での発光制御(例えばロゴイルミ登場演出)については実行するようにしても良い。又は、画像制御基板140は、演出制御基板120からイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を受信しない場合、イルミ初期発光(初期動作)を実行するものの、イルミ初期発光以外のイルミ表示装置57での発光制御(例えばロゴイルミ登場演出)を実行しないようにしても良い。
上記した第26変形例では、遊技板1(第1ユニット)と裏ユニット1U(第2ユニット)との組合せに異常が生じている場合には、1msタイマ割り込み処理(S4011)及び10msタイマ割り込み処理(S4012)が実行されず、各種演出が実行されないようになっていた。しかしながら、第1ユニットと第2ユニットとの組合せに異常が生じていても、1msタイマ割り込み処理(S4011)及び10msタイマ割り込み処理(S4012)が実行されて、各種演出が実行されるようにしても良い。なおこの場合には、図138に示すステップS4021の処理(演出制御許可フラグがONであるか否かを判定する処理)を設けないようにすれば良い。
上記した第26変形例では、演出制御基板120は、遊技板1(第1ユニット)と裏ユニット1U(第2ユニット)との組合せに異常が生じているか否かを判断した。しかしながら、第1ユニットと第2ユニットとは、遊技板1と裏ユニット1Uとに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1ユニットは遊技板1であり、第2ユニットは大入賞装置14D、15D(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)であっても良い。この場合、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、電源投入に伴って、遊技板1と大入賞装置14D、15Dとの組合せに異常が生じていないと判断した場合には、画像制御基板140にイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を送信する一方、遊技板1と大入賞装置14D、15Dとの組合せに異常が生じていると判断した場合には、画像制御基板140にイルミ許可コマンドを送信しないようになっている。
また例えば、第1ユニットは前扉23であり、第2ユニットは枠可動装置58であっても良い。この場合、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、電源投入に伴って、前扉23と枠可動装置58との組合せに異常が生じていないと判断した場合には、画像制御基板140にイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を送信する一方、前扉23と枠可動装置58との組合せに異常が生じていると判断した場合には、画像制御基板140にイルミ許可コマンドを送信しないようになっている。以上のように、第1ユニットと第2ユニットとの関係は、適宜変更可能であり、その他に、例えば、下部装飾体36とハンドル72k、下部装飾体36と通常ボタン40、裏ユニット1Uと盤可動装置55、56(盤上可動装置55、盤下可動装置56)などであっても良い。
上記した第26変形例では、電源投入に伴って、演出制御基板120は、遊技板1(第1ユニット)と裏ユニット1U(第2ユニット)との組合せによって、パチンコ遊技機PY1に異常が生じているか否かを判断した。しかしながら、パチンコ遊技機PY1に異常が生じているか否かを判断する対象は、第1ユニット第2ユニットとの組合せに限られず、適宜変更可能である。例えば、演出制御基板120は、下皿満杯スイッチの検知に基づいて下皿35が満杯であると判断すると、パチンコ遊技機PY1に異常が生じていると判断する。この場合、演出制御基板120は、画像制御基板140にイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を送信しないようにしても良い。なお、この変形例では、演出制御基板120は、下皿35が満杯ではないと判断すれば、画像制御基板140にイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を送信することになる。また例えば、演出制御基板120は、枠開放センサの検知に基づいて遊技機枠2が開放している(前扉23が開放している、前枠23mが開放している)と判断すると、パチンコ遊技機PY1に異常が生じていると判断する。この場合、演出制御基板120は、画像制御基板140にイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を送信しないようにしても良い。なお、この変形例では、演出制御基板120は、遊技機枠2が閉鎖している(前扉23が閉鎖している、前枠23mが閉鎖している)と判断すれば、画像制御基板140にイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を送信することになる。
上記した第26変形例では、図132に示すように、イルミ表示装置57(特定演出手段)が、画像制御基板140に発光制御(駆動制御)されるように接続されていた。そして、このイルミ表示装置57(特定演出手段)は、画像制御基板140が演出制御基板120からイルミ許可コマンド(駆動許可コマンド)を受信しない限り、発光制御しなかった。しかしながら、画像制御基板140に駆動制御されるように接続される特定演出手段は、イルミ表示装置57に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、特定演出手段として、枠ランプ53又は盤ランプ54を、画像制御基板140に発光制御されるように接続する。そして、枠ランプ53又は盤ランプ54は、画像制御基板140が演出制御基板120から駆動許可コマンドを受信しない限り、発光制御しないようにしても良い。また例えば、特定演出手段として、可動装置55、56、58(盤可動装置55、56、枠可動装置58)を、画像制御基板140に駆動制御されるように接続する。そして、可動装置55、56、58は、画像制御基板140が演出制御基板120から駆動許可コマンドを受信しない限り、駆動制御しないようにしても良い。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに、総発射球数が24000(規定球数)以上である場合には、図154(B)に示す変動中ロングメータ演出実行抽選テーブルが用いられて、変動演出の開始に伴って、30%の確率で、メータ画像COM(図149(B)参照)が6秒間だけ表示されることがあるようにして、総発射球数が12000以上であって且つ24000未満である場合には、図154(A)に示す変動中ショートメータ演出実行抽選テーブルが用いられて、変動演出の開始に伴って、15%の確率で、メータ画像COM(図149(B)参照)が3秒間だけ表示されることがあるようにした。しかしながら、通常遊技状態であるときに、総発射球数が多くなるほど、より段階的に、メータ画像COMの表示割合が多くなるようにしても良い。
具体的に、演出制御用マイコン121は、通常遊技状態であるときに、総発射球数が12000以上であって且つ24000(第1規定球数)未満である場合には、図159(A)に示す変動中ショートメータ演出実行抽選テーブルを用いて、変動演出の開始に伴って、15%の確率で、メータ画像COM(図149(B)参照)を3秒間だけ表示することがある。また演出制御用マイコン121は、通常遊技状態であるときに、総発射球数が24000(第1規定球数)以上であって且つ36000(第2規定球数)未満である場合には、図159(B)に示す変動中ロングメータ演出実行抽選テーブルを用いて、変動演出の開始に伴って、30%の確率で、メータ画像COM(図149(B)参照)を6秒間だけ表示することがある。また演出制御用マイコン121は、通常遊技状態であるときに、総発射球数が36000(第2規定球数)以上である場合には、図159(C)に示す変動中スーパーロングメータ演出実行抽選テーブルを用いて、変動演出の開始に伴って、50%の確率で、メータ画像COM(図149(B)参照)を9秒間だけ表示することがある。この変形例によれば、総発射球数が多くなるほど、通常遊技状態で遊技者に現時点での差玉数を段階的により把握させ易くすることが可能である。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに、総発射球数が12000(一定球数)未満である場合には、差玉数の目安を示すメータ画像COMが表示されることがなかった。しかしながら、通常遊技状態であるときに、総発射球数の値に拘わらず、差玉数の目安を示すメータ画像COMが表示されることがあるようにしても良い。また、通常遊技状態で、変動演出が開始される度に、差玉数の目安を示すメータ画像COMが表示されるようにしても良い。
上記した第30変形例では、客待ち状態であるときに、総発射球数が24000(所定球数)以上である場合には、1サイクル1分30秒で構成されている客待ち演出(30秒間の演出量設定画像TT1の表示⇒30秒間のホールコード対応画像TT2の表示⇒30秒間のデモ画像TT3の表示が繰返し行われる客待ち演出)において、図148(B)(C)(D)に示すように、差玉数の目安を示すメータ画像COMが10秒間表示され、客待ち状態であるときに、総発射球数が12000(特定球数)以上である且つ24000(所定球数)未満である場合には、1サイクル1分30秒で構成されている客待ち演出において、図147(B)(C)(D)に示すように、差玉数の目安を示すメータ画像COMが5秒間表示された。しかしながら、客待ち状態であるときに、総発射球数が多くなるほど、より段階的に、メータ画像COMの表示割合が多くなるようにしても良い。
具体的に、演出制御用マイコン121は、客待ち状態であるときに、総発射球数が12000以上であって且つ24000(第1所定球数)未満である場合には、1サイクル1分30秒で構成されている客待ち演出において、メータ画像COMを5秒間だけ表示する(図147(D)参照)。また演出制御用マイコン121は、客待ち状態であるときに、総発射球数が24000(第1所定球数)以上であって且つ36000(第2所定球数)未満である場合には、1サイクル1分30秒で構成されている客待ち演出において、メータ画像COMを10秒間だけ表示する(図148(C)(D)参照)。また演出制御用マイコン121は、客待ち状態であるときに、総発射球数が36000(第2所定球数)以上である場合には、1サイクル1分30秒で構成されている客待ち演出において、メータ画像COMを15秒間だけ表示する。この変形例によれば、総発射球数が多くなるほど、客待ち状態で遊技者に現時点での差玉数を段階的により把握させ易くすることが可能である。
上記した第30変形例では、客待ち状態であるときに、総発射球数が12000(特定数)未満である場合には、差玉数の目安を示すメータ画像COMが表示されることがなかった。しかしながら、客待ち状態であるときに、総発射球数の値に拘わらず、差玉数の目安を示すメータ画像COMが表示されることがあるようにしても良い。また、客待ち状態又は客待ち演出の実行中は、常に差玉数の目安を示すメータ画像COMが表示されるようにしても良い。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに、総発射球数が12000(一定球数)以上であって且つ24000(規定球数)未満である場合に、変動演出に伴って、抽選により(図154(A)に示す変動中ショートメータ演出実行抽選テーブルを用いて)、変動中ショートメータ演出を実行するか否かを決定した。しかしながら、通常遊技状態であるときに、総発射球数が12000以上であって且つ24000未満である場合に、変動演出に伴って必ず、変動中ショートメータ演出を実行するようにしても良い。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに、総発射球数が24000(規定球数)以上である場合に、変動演出に伴って、抽選により(図154(B)に示す変動中ロングメータ演出実行抽選テーブルを用いて)、変動中ロングメータ演出を実行するか否かを決定した。しかしながら、通常遊技状態であるときに、総発射球数が24000以上である場合に、変動演出に伴って必ず、変動中ロングメータ演出を実行するようにしても良い。
上記した第30変形例では、客待ち状態であるときに、総発射球数が12000(特定球数)以上であって且つ24000(所定球数)未満である場合に、必ず客待ちショートメータ演出を実行した(図147参照)。しかしながら、客待ち状態であるときに、総発射球数が12000以上であって且つ24000未満である場合に、抽選により(客待ちショートメータ演出実行抽選テーブルを用いて)、客待ちショートメータ演出を実行し得るようにしても良い。
上記した第30変形例では、客待ち状態であるときに、総発射球数が24000(所定球数)以上である場合に、必ず客待ちロングメータ演出を実行した(図148参照)。しかしながら、客待ち状態であるときに、総発射球数が24000である場合に、抽選により(客待ちロングメータ演出実行抽選テーブルを用いて)、客待ちロングメータ演出を実行し得るようにしても良い。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに、変動演出の開始時に(特別図柄の変動表示の開始時に)、変動中メータ演出(変動中ショートメータ演出、変動中ロングメータ演出)が実行されるようにした。しかしながら、通常遊技状態であるときに、変動中メータ演出の実行タイミングは、変動演出の開始時に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、変動中メータ演出は、リーチの成立時や、当落分岐時点を経て当選報知演出又はハズレ報知演出が実行されるタイミングで、実行されるようにしても良い。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに、変動中メータ演出(変動中ショートメータ演出、変動中ロングメータ演出)が実行されるときと、変動中メータ演出が実行されないときと、があった。しかしながら、通常遊技状態であるときに、常に、差玉数の目安を示すメータ画像COMが表示され続けるようにしても良い。また例えば、通常遊技状態であるときに、リーチになる前の演出(リーチ前演出)では、変動中メータ演出が実行される場合があるようにして、リーチになった後の演出(リーチ後演出)では、変動中メータ演出が実行されないようにしても良い。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに限り、変動中メータ演出(変動中ショートメータ演出、変動中ロングメータ演出)が実行されるときがあるようにした。しかしながら、通常遊技状態以外の遊技状態において、変動中メータ演出が実行されるときがあるようにしても良い。例えば、低確高ベース状態、又は高確高ベース状態において、変動中メータ演出が実行されるときがあるようにしても良い。
上記した第30変形例では、客待ち状態であるときに(客待ち演出の実行中に)、差玉数を把握可能な把握態様として、メータ画像COM(図147(D)、図148(C)、図148(D)参照)を表示した。しかしながら、客待ち状態であるときに、差玉数を把握可能な把握態様は、メータ画像COMに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、図160(A)に示すように、差玉数を把握可能な把握態様として、10段階の目盛りによって差玉数(差玉数の目安)を示すゲージ画像GAGを表示するようにしても良い。具体的に、ゲージ画像GAGでは、「コンプリートメータ」の文字が示されていて、現時点での差玉数が10000ずつ増える度に、目盛りが1つずつ増えるようになっている。従って、図160(A)に示すゲージ画像GAGでは、4つの目盛りが増加しているのが示されていて、差玉数が40000以上であって且つ50000未満であることを示している。なお、上記した差玉数を把握可能な把握態様は、メータ画像COMやゲージ画像GAGのように、おおよその差玉数の目安を示すものに限られず、差玉数を1球単位で示すものであっても良い。
上記した第30変形例では、通常遊技状態であるときに、差玉数を把握可能な把握態様として、メータ画像COM(図149(B)参照)を表示した。しかしながら、通常遊技状態であるときに、差玉数を把握可能な把握態様は、メータ画像COMに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、図160(B)に示すように、差玉数を把握可能な把握態様として、10段階の目盛りによって差玉数(差玉数の目安)を示すゲージ画像GAGを表示するようにしても良い。具体的に、ゲージ画像GAGでは、「コンプリートメータ」の文字が示されていて、現時点での差玉数が10000ずつ増える度に、目盛りが1つずつ増えるようになっている。従って、図160(B)に示すゲージ画像GAGでは、6つの目盛りが増加しているのが示されていて、差玉数が60000以上であって且つ70000未満であることを示している。なお、上記した差玉数を把握可能な把握態様は、メータ画像COMやゲージ画像GAGのように、おおよその差玉数の目安を示すものに限られず、差玉数を1球単位で示すものであっても良い。
上記した第30変形例では、客待ち状態であるときに(客待ち演出の実行中に)、差玉数を把握可能な把握態様として示されるメータ画像COM(図147(D)、図148(C)、図148(D)参照)と、通常遊技状態であるときに、差玉数を把握可能な把握態様として示されるメータ画像COM(図149(B)参照)とが、同じ表示態様であった。しかしながら、客待ち状態であるときの差玉数を把握可能な把握態様と、通常遊技状態であるときの差玉数を把握可能な把握態様と、が異なるようにしても良い。
上記した第30変形例及びその変形例では、基準数が95000であり、特定球数が12000であり、所定球数が24000であり、規定球数及び第1規定球数が24000であり、第2規定球数が36000であり、一定球数が12000であった。しかしながら、上記した基準数、特定球数、所定球数、規定球数、第1規定球数、第2規定球数、一定球数の各値は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。
上記形態、及び上記各変形例では、第22~第24変形例及び第30変形例を除き、差玉数(特定計測数)が80000(基準数)以上であることを条件に、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、過賞球防止機能が作動するための基準となる差玉数(基準数)は、80000に限られるものではなく、50000、100000、120000であっても良く、適宜変更可能である。
上記形態、及び上記各変形例では、過賞球防止機能が作動するための契機となる特定計測数は、総賞球数と総発射球数との差である差玉数であった。しかしながら、特定計測数は、過剰な賞球を付与しないという観点により、遊技者に付与される賞球数に基づくものであれば、適宜変更可能である。例えば、特定計測数は、大当たり遊技状態など或る遊技状態や、連荘期間など或る期間に限った差玉数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態での総賞球数、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限った総賞球数、連荘期間など或る期間に限った総賞球数であっても良い。
上記形態、及び上記各変形例では、パチンコ遊技機PY1が、内部に収容している遊技球が遊技領域6を流下した後に、当該パチンコ遊技機PY1の外部に排出される非封入式パチンコとして構成されていた。しかしながら、パチンコ遊技機が、内部に収容している遊技球が遊技領域を流下した後に、循環して再び遊技領域に進入可能な封入式パチンコとして構成されていても良い。この場合には、払出制御基板170に相当する枠制御基板に、7セグ表示器が配置されている。よって、この7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。又は、図161に示すように、前扉の下部に、持ち球数を表示する6桁の7セグ表示器200を配置して、この7セグ表示器200に、差玉数(特定計測数)を表示できるようにしても良い。また封入式パチンコにおいて、遊技制御基板100上に7セグ表示器を設けて、この7セグ表示器での表示制御が、遊技制御用マイコン101により実行されるようにしても良い。
上記形態、及び上記各変形例では、過賞球防止機能は、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報のクリアが行われた(すなわち、非消去クリア処理)後の総賞球数と総発射球数との差である差玉数が予め定められた基準数以上となることに基づいて作動することとして説明した。しかし、過賞球防止機能は、最大差玉数(最大持ち球、MY等ということもある)として計測される値が予め定められた基準数となることに応じて作動させてもよい。つまり、特定計測数は、最大差玉数であってもよい。ここで、図162により、最大差玉数について説明する。図162(A)~(C)にはそれぞれ、差玉数の推移の例と、各差玉数の推移に応じて算出される最大差玉数の例とを示している。
図162(A)は、最初の最低差玉数が記録された後、最低差玉数が更新されることなく差玉数が推移する例である。最低差玉数は、計測された差玉数の最低値である。具体的に、図162(A)では、前回の非消去クリア処理が行われた後、差玉数が減少傾向にて推移し、時刻tA1にて最低差玉数「-10000」が記録されている。その後、差玉数は増加および減少するものの、時刻tA1における最低差玉数よりも減少することなく、推移している。そして、時刻tA1のよりも後の時刻tA2には、差玉数のピーク「70000」が記録されている。差玉数のピークは、最低差玉数が計測された後における差玉数の最高値である。そして、図162(A)の例おける最大差玉数MYAは、時刻tA1における最低差玉数「-10000」と時刻tA2における差玉数のピーク「70000」との差である「80000」である。
なお、図162(A)の例において、最低差玉数は、時刻tA1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。しかし、その後、時刻tA1における最低差玉数を下回ることがないため、時刻tA1よりも後には、最低差玉数は更新されていない。
図162(B)は、最低差玉数の更新が複数回なされつつ差玉数が推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tB1に最初の最低差玉数「-10000」が記録されている。また、時刻tB4には、時刻tB1における差玉数「-10000」よりも少ない最低差玉数「-20000」が記録されている。さらに、時刻tB7には、時刻tB4における差玉数よりも少ない最低差玉数「-30000」が記録されている。そして、図162(B)の時刻tB1から時刻tB4までの間においては、時刻tB2に差玉数のピーク「20000」が記録されている。また、時刻tB4から時刻tB7までの間においては、時刻tB5に差玉数のピーク「0」が記録されている。さらに、時刻tB7よりも後の時刻tB8には、差玉数のピーク「50000」が記録されている。そして、図162(B)の例における最大差玉数MYBは、時刻tB7における最低差玉数「-30000」と時刻tB8における差玉数のピーク「50000」との差である「80000」である。
なお、図162(B)の例においても、最低差玉数は、時刻tB1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、最低差玉数は、時刻tB3から時刻tB4までの間には、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tB1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。さらに、最低差玉数は、時刻tB6から時刻tB7までの間にも、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tB4における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
図162(C)は、差玉数がマイナスで推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tC1に最初の最低差玉数「-30000」が記録されている。また、時刻tC4には、時刻tC1の最低差玉数「-30000」よりも少ない最低差玉数「-50000」が記録されている。そして、図162(C)の時刻tC1から時刻tC4までの間においては、時刻tC2に差玉数のピーク「-10000」が記録されている。また、時刻tC4よりも後の時刻tC5には、差玉数のピーク「-10000」が記録されている。そして、図162(C)の例における最大差玉数MYCは、時刻tC4における最低差玉数「-50000」と時刻tC5における差玉数のピーク「-10000」との差である「40000」である。
なお、図162(C)の例においても、最低差玉数は、時刻tC1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、最低差玉数は、時刻tC3から時刻tC4までの間には、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tC1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
上記の通り、最大差玉数は、計測された差玉数の最低値である最低差玉数と、最低差玉数が計測された後における差玉数のピーク(最高値)との差により算出される。そして、過賞球防止機能は、最低差玉数と、最低差玉数が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。換言すれば、過賞球防止機能は、最低差玉数からの差玉数の増加数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。また、過賞球防止機能は、最大差玉数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。
具体的には、例えば、過賞球防止機能は、最低差玉数を所定の記憶領域に記憶させつつ、記憶されている最低差玉数と現在(最新)の差玉数との差を算出するとともに、その算出値が予め定められた基準数となることに応じて作動させることが考えられる。最低差玉数の情報、および、最低差玉数と現在の差玉数との差の算出値の情報は、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、これらの値は、所定の非消去クリア処理にて、差玉数のクリアがなされる際にクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
また、過賞球防止機能を、最低差玉数と、最低差玉数が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させる場合、すなわち、最低差玉数からの差玉数の増加数を特定計測数とする場合には、特定計測数をカウントするためのカウンタを設けることとしてもよい。そのようなカウンタは、例えば、賞球数に基づく加算については値に関係なく常に行い、発射球数に基づく減算については「0」よりも多い場合に行うものとすることができる。差玉数が「0」以下の場合には、発射球数に基づく減算を行わない。このようなカウンタの値は、「0」以上の整数で推移する。このカウンタを以下、差玉自然数カウンタということがある。差玉自然数カウンタの情報についても、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、差玉自然数カウンタの値は、所定の非消去クリア処理に相当する処理(上記の実施形態にて差玉数をクリアするとした処理)にてクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
差玉自然数カウンタの値の推移の例について図163により説明する。図163(A)~(C)にはそれぞれ、差玉自然数カウンタの値の推移を示している。図163(A)~(C)に示す差玉自然数カウンタの値の推移はそれぞれ、図163(A)~(C)の差玉数の推移に対応したものである。
図163(A)~(C)に示すように、差玉自然数カウンタの値は、最低差玉数が更新されている間には「0」となる。そして、差玉自然数カウンタは、最低差玉数からの差玉数の増加数を自然数によりカウント可能である。よって、差玉自然数カウンタを用いることにより、過賞球防止機能を適切に機能させることが可能である。さらに、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタでは、過賞球防止機能の作動に最低限必要な値をわかりやすい態様で算出可能である。また、「0」未満の値を用いる場合、遊技制御用マイコン101による演算に係る情報量が多くなってしまうことがある。このような場合、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタを用いることで、遊技制御用マイコン101の負荷を低減可能である。
上記形態、及び上記各変形例では、遊技制御用マイコン101は、差玉数が80000(基準数)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御した。しかしながら、遊技制御用マイコン101は、差玉数を計測(カウント)するものの、差玉数に基づいて、遊技を実行不能に制御することがないようにしても良い。なお本明細書において、「計測」とは、カウント又は計数と同じ意味である。
12.上記の実施形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上であって、遊技者にとって有利な有利遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)が終了すると(図25参照)、遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては有利遊技状態の途中で突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、前記有利遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)から通常遊技状態に移行すると、遊技を実行不能に制御することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって遊技を止めやすいタイミングにて、遊技を中止させることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当たり判定処理により当たりと判定すると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、前記有利遊技状態から通常遊技状態に移行したときに所定数(例えば4個)だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されると、遊技を実行不能に制御する(図53参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態から通常遊技状態に移行したときに当たり判定処理が所定数だけ保留されていることがある。この場合には、所定数だけ保留されていた当たり判定処理が通常遊技状態にて消化されるまで実質的な有利遊技状態とみなして、その実質的な有利遊技状態が終了すると、遊技を中止させることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
入球口(第2始動口12)を備え、
前記遊技制御手段は、通常遊技状態よりも前記入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態(高ベース状態)に制御可能であり、
前記有利遊技状態は、前記入球容易状態(高ベース状態)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態よりも入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって、入球容易状態が終了した後で持ち球が減っていくような状況になる前に、遊技を中止させることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段A1~A4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上であって、遊技者にとって有利な有利遊技状態が終了すると、遊技を実行不能に制御する点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御(遊技制御処理及び発射制御処理を停止)することがあり(図25参照)、
電源投入を契機としないリセット条件(特別リセットスイッチ181が押下操作された第1リセット条件、客待ち状態が1時間継続する第2リセット条件)の成立に基づいて、計測された前記特定計測数を消去する(図26(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。但し、特定計測数が基準数になる前に、或る遊技者が遊技を止めて、後で遊技を行う遊技者が遊技を開始してからすぐに、特定計測数が基準数以上になると、酷な事態となる。そのため、電源投入を契機としないリセット条件が成立することに基づいて、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行った遊技者に対して、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることができて、酷な事態となるのを防ぐことが可能である。
手段B2に係る発明は、
操作可能な特別操作手段(特別リセットスイッチ181)を備え、
前記リセット条件は、前記特別操作手段が操作されることである(図26(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、例えば、或る遊技者が遊技を終えた後、遊技場の従業員が特別操作手段を操作することで、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行う遊技者にとって、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を停止表示した後、客待ち状態に制御可能であり、
前記リセット条件は、前記客待ち状態が所定時間(例えば1時間)継続すること(図26(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、客待ち状態が所定時間継続すると、遊技者が変わった場合と想定して、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行う遊技者にとって、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記リセット条件は、遊技者にとって有利な有利遊技状態(高確高ベース状態)から通常遊技状態に移行すること(図81(A)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、計測された特定計測数が消去される。こうして、有利遊技状態が継続する状況が一旦終了すれば、しばらく特定計測数が基準数以上にならないようにすることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記リセット条件は、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すること(図65(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常遊技状態にて特定時間が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、計測された特定計測数を消去することで、しばらく特定計測数が基準数以上にならないようにすることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段B1~B5に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御することがあり、電源投入を契機としないリセット条件の成立に基づいて、計測された前記特定計測数を消去する点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
操作可能な特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御(遊技制御処理及び発射制御処理を停止)することがあり、
電源投入時に前記特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する(RAMクリアが実行される)一方、計測された前記特定計測数を消去しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球数を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、遊技場の従業員が、電源投入時に特定操作手段を操作すると、遊技に係る遊技情報は消去されるものの、計測された特定計測数は消去されない。従って、営業時間中に、不具合等によって遊技に係る遊技状態を消去しなければならない状況でも、計測された特定計測数を消去しないようにすることが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
操作可能な特別操作手段(特別リセットスイッチ181)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記特別操作手段が操作されることに基づいて、計測された前記特定計測数を消去可能である(図26(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が特別操作手段を操作することで、計測された特定計測数が消去される。これにより、遊技に係る遊技状態を消去しないでも、遊技場の従業員は任意のタイミングで、計測された特定計測数を消去することが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された前記特定計測数を消去可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、予め定められた基準時間になると、計測された特定計測数が消去される。従って、遊技場の従業員に操作させることなく、計測された特定計測数を自動的に消去させることが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C1乃至手段C4に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
1番目からN(4)番目までの所定期間(電源が投入されてから電源が遮断されるまでの期間)毎に区分けして前記特定計測数を順番に記憶していて、
N番目の所定期間の前記特定計測数を消去することに伴って、1番目から(N-1)番目の所定期間の前記特定計測数を、2番目からN番目の所定期間の前記特定計測数としてシフトして、1番目の所定期間の前記特定計測数の計測を開始することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、1番目からN番目までの所定期間毎の特定計測数を記憶しておくことが可能である。その上で、N番目の所定期間の特定計測数が消去されることに伴って、1番目から(N-1)番目の所定期間の特定計測数が、2番目からN番目の所定期間の特定計測数としてシフトされる。そして、1番目の所定期間の特定計測数の計測が開始される。こうして、遊技場の従業員に操作させることなく、1番目からN番目までの所定期間毎の特定計測数を、自動的に更新することが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段C1~C4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御することがあり、電源投入時に特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する一方、計測された特定計測数を消去しない点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
遊技者にとって有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態及び高確高ベース状態)で前記特定計測数が前記基準数未満であるときには、有利演出(図18(C-2)に示すラウンド演出及び図18(B-4)に示す確変モード演出)を実行可能である一方、
前記有利遊技状態で前記特定計測数が前記基準数以上であるときには、前記有利演出に替えて代替演出(図63(B)に示すラウンド代替演出及び図63(C)に示す確変モード代替演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。但し、有利遊技状態で特定計測数が基準数以上であるときに、仮に有利演出が実行されていると、未だ遊技を継続することができるという印象を遊技者に与えるおそれがある。そのため、このときには、有利演出に替えて代替演出が実行されることで、遊技者には、遊技が実行できなくなる状況を認識させ易くすることが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、前記有利遊技状態(大当たり遊技状態及び高確高ベース状態)が終了すると、遊技を実行不能に制御する(図25参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であっても、有利遊技状態であれば、遊技が実行不能にならない。そのため、有利遊技状態において、仮に有利演出が実行されたままだと、特定計測数が未だ基準数以上ではないと遊技者に誤解を与えるおそれがある。そこで、有利遊技状態において、特定計測数が基準数以上であれば、有利演出に替えて代替演出が実行されることで、遊技者には、遊技を行わせつつ、特定計測数が基準数以上になっていることを確実に把握させることが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当たり判定処理により当たりと判定すると、当たり遊技を実行可能であり、
前記有利遊技状態(図53に示す有利期間での遊技状態(大当たり遊技状態、高ベース状態、特図2の抽選での通常遊技状態))は、前記特定計測数が前記基準数以上であって、通常遊技状態に移行したときに所定数(例えば4)だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されると終了し、
前記有利演出は、通常遊技状態に移行したときに所定数(例えば4)だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されるときに実行される演出(図56に示す残保留代替特別演出)を含むことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であっても、通常遊技状態に移行したときに所定数だけ保留されていた当たり判定処理が消化されるまでは、遊技が実行不能にならない。ここで、仮に、通常遊技状態に移行して有利演出が実行されたままだと、特定計測数が未だ基準数以上ではないと遊技者に誤解を与えるおそれがある。そこで、通常遊技状態に移行した後、有利演出に替えて代替演出が実行されることで、遊技者には、特定計測数が基準数以上になっていることを確実に把握させることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段D1~D3に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり、演出制御手段は、遊技者にとって有利な有利遊技状態で特定計測数が基準数未満であるときには、有利演出を実行可能である一方、有利遊技状態で特定計測数が基準数以上であるときには、有利演出に替えて代替演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上であって、通常遊技状態で所定の終了条件が成立すると(例えば通常遊技状態に移行してから特別図柄の変動回数が30回に達すると、図57参照)、遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態で所定の終了条件が成立すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては有利な状況の途中で突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示可能であり、
前記終了条件は、通常遊技状態に移行してから前記識別図柄の変動表示が予め定められた規定回数(例えば30回)実行されることである(図57参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態に移行してから識別図柄の変動表示が規定回数実行されると、遊技が実行不能になる。こうして、遊技者には、通常遊技状態に移行しても、識別図柄の変動表示が規定回数実行されるまで、しばらく遊技を継続させることが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E2に記載の遊技機において、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数未満であるときには、通常遊技状態に移行してから前記識別図柄の変動表示が前記規定回数(30回)実行されるまで、特殊演出(図58(B)(C)に示す通常移行後専用演出)を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数以上であるときでも、通常遊技状態に移行してから前記識別図柄の変動表示が前記規定回数(30回)実行されるまで、前記特殊演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数未満であるときには、通常遊技状態に移行してから識別図柄の変動表示が規定回数実行されるまで、特殊演出を堪能させることが可能である。一方、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であるときでも、通常遊技状態に移行してから識別図柄の変動表示が規定回数実行されるまで、特殊演出を堪能させることが可能である。こうして、特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態に移行しても、遊技が実行不能になる前の特殊演出をそのまま実行するようにして、遊技が実行不能になるタイミングと特殊演出の終了タイミングとを合わせることが可能である。
手段E4に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当たり判定処理により当たりと判定すると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記終了条件は、通常遊技状態に移行したときに所定数(例えば4個)だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されることである(図53参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態に移行したときに所定数だけ保留されていた当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されると、遊技が実行不能になる。こうして、遊技者には、通常遊技状態に移行しても、所定数だけ保留されていた当たり判定処理が消化されるまで、しばらく遊技を継続させることが可能である。
手段E5に係る発明は、
手段E4に記載の遊技機において、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数未満であるときには、通常遊技状態に移行したときに所定数だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されるまで、有利演出(図54に示す残保留特別演出)を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数以上であるときでも、通常遊技状態に移行したときに所定数だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されるまで、前記有利演出(図54に示す残保留特別演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数未満であるときには、通常遊技状態に移行したときに所定数だけ保留されていた当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されるまで、有利演出を堪能させることが可能である。一方、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であるときでも、通常遊技状態に移行したときに所定数だけ保留されていた当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されるまで、有利演出を堪能させることが可能である。こうして、特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態に移行しても、遊技が実行不能になる前の有利演出をそのまま実行するようにして、遊技が実行不能になるタイミングと有利演出の終了タイミングとを合わせることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段E1~E5に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上であって、通常遊技状態で所定の終了条件が成立すると、遊技を実行不能に制御する点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段F>
手段F1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)ことがあり、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数以上になると、遊技が実行不能になることを予告する遊技不能予告演出(図28(B)に示す遊技停止予告画像の表示)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。また、特定計測数が基準数以上になると、遊技が実行不能になることを予告する遊技不能予告演出が実行される。そのため、遊技者は、遊技が実行不能になることを事前に把握することができて、突然遊技が実行できなくなって困惑する事態を防ぐことが可能である。
手段F2に係る発明は、
手段F1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数未満である事前基準数(70000)以上になると、当該特定計測数が前記基準数に近づいていることを予告する事前遊技不能予告演出(図28(A)に示す過賞球予告画像KYの表示)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が事前基準数以上になると、特定計測数が基準数に近づいていることを予告する事前遊技不能予告演出が実行される。その後、特定計測数が基準数以上になると、遊技が実行不能になることを予告する遊技不能予告演出が実行される。こうして、遊技者には、遊技が実行不能になる状況を事前に段階的に把握させて、状況を把握させ易くすることが可能である。
手段F3に係る発明は、
手段F1又は手段F2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記特定計測数が前記基準数以上であって、遊技者にとって有利な有利遊技状態(高ベース状態)が終了すると、遊技を実行不能に制御する(図25参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては有利遊技状態の途中で突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、遊技者にとって区切りの良いタイミングで、遊技を中止させることが可能である。
手段F4に係る発明は、
手段F3に記載の遊技機において、
前記遊技不能予告演出は、前記有利遊技状態が終了すると遊技が実行不能になることを予告する演出(「高ベース状態終了で遊技終了」を示す演出、図28(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技不能予告演出によって、有利遊技状態が終了すると遊技が実行不能になることが予告される。そのため、遊技者には、いつ遊技が実行できなくなるのかを正確に把握させておくことが可能である。
手段F5に係る発明は、
手段F1又は手段F2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示可能であり、
前記遊技不能予告演出は、遊技が実行不能になるまでの前記識別図柄の変動表示の回数を示す演出(図56(B)に示す遊技中止残回数画像LN1の表示)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になると、遊技不能予告演出によって、遊技者は、遊技が実行不能になるまでの識別図柄の変動表示の回数を把握する。そのため、遊技者には、識別図柄の変動表示が実行される度に、遊技が実行できなくなる状況に段階的に近づいていくことを把握させることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段F1~F4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御することがあり、演出制御手段は、特定計測数が前記基準数以上になると、遊技が実行不能になることを予告する遊技不能予告演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段G>
手段G1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
操作に基づいて遊技球を発射可能な発射操作手段(ハンドル72k)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、所定の停止条件が成立すると(例えば差玉数が80000以上になると)、遊技を実行不能に制御し、
前記演出制御手段は、遊技が実行不能に制御されているときに、前記発射操作手段への接触に基づいて、注意を促す注意喚起演出(図51(B)又は図52(B)に示す操作注意喚起演出、図61(B)又は図62(B)に示す接触注意喚起演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定の停止条件が成立すると、遊技が実行不能になる。このとき、遊技者は、遊技が実行不能になっている状況を十分に把握しないで、発射操作手段を操作する場合がある。この場合、注意を促す注意喚起演出が実行される。こうして、発射操作手段に接触した遊技者に対して、遊技が実行できない状況であることを確実に把握させることが可能である。
手段G2に係る発明は、
手段G1に記載の遊技機において、
前記発射操作手段は、遊技が実行不能に制御されているときでも、遊技球を発射可能である(発射制御処理(S109)が中止されるわけでない)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御されていても、遊技者が発射操作手段を操作すると、遊技球が発射される。そのため、遊技者は、遊技が実行できるのではないかと誤解するおそれがある。そこで、注意喚起演出が実行されることで、遊技者には、遊技が実行できない状況であることを確実に把握させることが可能である。
手段G3に係る発明は、
手段G1又は手段G2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記停止条件には、前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることが含まれていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。更に、遊技が実行不能であるときに、遊技者が発射操作手段を操作しても、注意喚起演出により、遊技が実行できない状況であることを確実に把握させることが可能である。
手段G4に係る発明は、
手段G1又は手段G2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、特定の異常(不正な磁気)があるかを判断可能であり(エラー処理(S111)を実行可能であり)、
前記停止条件には、前記遊技制御手段により前記特定の異常があると判断されることが含まれていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御手段により特定の異常があると判断されると、遊技が実行不能になる。これにより、特定の異常がある状況で、遊技者に遊技させないことが可能である。更に、遊技が実行不能であるときに、遊技者が発射操作手段を操作しても、注意喚起演出により、遊技が実行できない状況であることを確実に把握させることが可能である。
ところで、特開2017-070611号公報に記載の遊技機では、不正な磁気が検知されると(所定の停止条件が成立すると)、遊技制御用マイコン(遊技制御手段)が、遊技を実行不能に制御する。従って、遊技が実行不能に制御された後では、遊技者は、継続して遊技を行うことできない。しかしながら、遊技が実行不能に制御された後、遊技者は、遊技が実行不能になっている状況を十分に把握しないで、発射操作手段を操作するおそれがある。そこで手段G1~G4に係る発明は、特開2017-070611号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、遊技が実行不能に制御されているときに、発射操作手段への接触に基づいて、注意を促す注意喚起演出を実行可能である点で相違している。これにより、発射操作手段に接触する遊技者に対して、遊技が実行できない状況であることを確実に把握させることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段H>
手段H1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数よりも小さい特定数(78500)未満であるときには、事前予告演出(基準数到達予告演出(次回大当たり到達予告演出及び駆け上がり演出))を実行することがない一方、
前記特定計測数が前記特定数以上になることに基づいて、前記事前予告演出(基準数到達予告演出(次回大当たり到達予告演出及び駆け上がり演出))を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技者にとって突然に遊技が実行不能になると、大きな不快感を与えるおそれがある。そこで、特定計測数が基準数よりも小さい特定数未満であるときには、事前予告演出が実行されずに、特定計測数が特定数以上であることに基づいて、事前予告演出が実行される。これにより、遊技者には、特定計測数が基準数以上になる前に、遊技が実行不能になる状況を事前に把握させて、遊技が実行不能になったときに大きな不快感を与えないようにすることが可能である。
手段H2に係る発明は、
手段H1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記事前予告演出(基準数到達予告演出(次回大当たり到達予告演出及び駆け上がり演出))を実行中の演出とは非同期に実行し、
少なくとも前記特定計測数が前記基準数以上になるまで、前記事前予告演出を継続する(図65参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が特定数以上になることに基づいて、事前予告演出が実行中の演出とは非同期に実行される。そして、その事前予告演出が、特定計測数が基準数以上になるまで継続される。こうして、特定計測数が特定数以上になってから基準数になるまでの間、非同期に実行される事前予告演出によって、遊技者には、自然に遊技が実行不能になっていくように見せることが可能である。
手段H3に係る発明は、
手段H1又は手段H2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
当たりであるかを示す演出図柄(EZ)を変動表示を経て停止表示可能であり、
前記事前予告演出の実行中には、前記演出図柄が縮小された縮小演出図柄(ミニ演出図柄ez)を変動表示を経て停止表示させる(図67(B)(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、事前予告演出の実行中には、演出図柄が縮小された縮小演出図柄が変動表示を経て停止表示する。こうして、演出図柄に替わる縮小演出図柄によって、当たりであるかを示しつつ、事前予告演出が把握し難くなるのを防ぐことが可能である。
手段H4に係る発明は、
手段H1乃至手段H3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、遊技者に有利な当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記演出制御手段は、
前記当たり遊技が実行されることを示唆する当たり示唆演出を実行可能であり、
前記事前予告演出の実行中に前記当たり遊技が実行されることを示唆する場合に、前記当たり示唆演出が縮小された縮小当たり示唆演出(主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいることを示すミニSPリーチ用背景画像g113の表示、図67(D)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、事前予告演出の実行中に当たり遊技が実行されることを示唆する場合に、当たり示唆演出が縮小された縮小当たり示唆演出が実行される。こうして、当たり示唆演出に替わる縮小当たり示唆演出によって、当たり遊技が実行されることを示唆しつつ、事前予告演出が把握し難くなるのを防ぐことが可能である。
手段H5に係る発明は、
手段H2乃至手段H4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、遊技者に有利な当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
1回の前記当たり遊技では、規定数(1500)の賞球を付与可能に設定されていて、
前記特定数は、前記基準数(80000)から前記規定数(1500)が減算された数(78500)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数に達するまでに、1回の当たり遊技で付与される賞球数である規定数以下になると、事前予告演出が実行される。こうして、次回の当たり遊技で遊技が実行不能になりそうな状況に限り、事前予告演出を実行させることで、頻繁の事前予告演出の実行による不快感を与えないようにすることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段H1~H5に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり、演出制御手段は、特定計測数が基準数よりも小さい特定数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段I>
手段I1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)で当たり(大当たり)と判定されると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数よりも小さい特定数(78500、79550)以上になることに基づいて、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出(図72(C)に示す次回大当たり到達示唆演出、図74(B)に示す過賞球異常予告演出)を実行可能であり、
1回の前記当たり遊技では、規定数(1500、450)の賞球を付与可能に設定されていて、
前記特定数(78500、79550)は、前記基準数(80000)から前記規定数(1500、450)が減算された数であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、特定計測数が基準数になる前に、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出を実行することが考えられるが、事前予告演出が頻繁に実行されると、遊技者に不快感を与えるおそれがある。そこで、特定計測数が基準数に達するまでに、1回の当たり遊技で付与される賞球数である規定数以下になると、事前予告演出が実行される。こうして、次回の当たり遊技で遊技が実行不能になりそうな状況になると、事前予告演出を実行させることで、頻繁の事前予告演出の実行による不快感を与えないようにすることが可能である。
手段I2に係る発明は、
手段I1に記載の遊技機において、
前記当たりの種類には、第1当たり(大当たり図柄Z2)と、第2当たり(大当たり図柄Z1)と、があり(図69参照)、
前記第1当たりと判定されることに基づいて実行される1回の前記当たり遊技では、第1規定数(450)の賞球を付与可能に設定されていて(図70参照)、
前記第2当たりと判定されることに基づいて実行される1回の前記当たり遊技では、前記第1規定数よりも多い第2規定数(1500)の賞球を付与可能に設定されていて(図70参照)、
前記特定数(78500)は、前記基準数(80000)から前記第2規定数(1500)が減算された数であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数に達するまでに、第2当たりと判定された場合の1回の当たり遊技で付与される賞球数(第2規定数)以下になることに基づいて、事前予告演出が実行される。こうして、当たりの種類が複数あっても、次回の当たりで遊技者にとって有利な第2当たりに当選した場合を想定して、事前予告演出を実行させることが可能である。
手段I3に係る発明は、
手段I2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記当たり遊技の実行中に前記特定計測数が前記特定数(78500)以上になることに基づいて、当該当たり遊技のエンディング中に、前記事前予告演出(図72(C)に示す次回大当たり到達示唆演出)を開始可能である(図71参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、当たり遊技の実行中に特定計測数が特定数以上になると、当該当たり遊技のエンディング中に、事前予告演出が開始される。これにより、当たり遊技が終了する間際に、事前予告演出によって、次回の当たり遊技で遊技が実行不能になり得る状況が生じているのを把握させることが可能である。言い換えると、当たり遊技において、特定計測数が特定数以上になっても、エンディングが開始されるまで事前予告演出が開始されない。これにより、遊技者には遊技が不能になることを過度に意識させずに、当たり遊技を堪能させることが可能である。
手段I4に係る発明は、
手段I1に記載の遊技機において、
前記当たりの種類には、第1当たり(大当たり図柄Z2)と、第2当たり(大当たり図柄Z1)と、があり(図69参照)、
前記第1当たりと判定されることに基づいて実行される1回の前記当たり遊技では、第1規定数(450)の賞球を付与可能に設定されていて(図70参照)、
前記第2当たりと判定されることに基づいて実行される1回の前記当たり遊技では、前記第1規定数よりも多い第2規定数(1500)の賞球を付与可能に設定されていて(図70参照)、
前記特定数(79550)は、前記基準数(80000)から前記第1規定数(450)が減算された数であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数に達するまでに、第1当たりと判定された場合の1回の当たり遊技で付与される賞球数である第1規定数以下になると、事前予告演出が実行される。こうして、次回の当たりで遊技者にとって不利な第1当たりに当選した場合を想定して、少なくとも次回の当たり遊技までに遊技が実行不能になる状況が高い場合に、事前予告演出を実行させることが可能である。
手段I5に係る発明は、
手段I2乃至手段I4の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記特定数以上になったタイミングで、前記事前予告演出(図74(B)に示す過賞球異常予告演出)を実行可能である(図73参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数に達するまでに、1回の当たり遊技で付与される賞球数である規定数以下になったタイミングで、事前予告演出が実行される。こうして、次回の当たり遊技で遊技が実行不能になりそうな状況になったときに、事前予告演出を実行させることで、頻繁の事前予告演出の実行による不快感を与えないようにすることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段I1~I5に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり、演出制御手段は、特定計測数が基準数よりも小さい特定数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出を実行可能であり、1回の前記当たり遊技では、規定数の賞球を付与可能に設定されていて、特定数は、基準数から規定数が減算された数である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段J>
手段J1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
操作可能な操作手段(通常ボタン40、セレクトボタン)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数以上になる前に、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出(過賞球異常予告演出、残差玉数報知演出)を実行可能であり、
前記操作手段への操作に基づいて、前記事前予告演出に係わる演出事項(過賞球異常予告演出に係わる演出事項、残差玉数報知演出に係わる演出事項)を設定可能である(図75(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、特定計測数が基準数以上になる前に、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出が実行される。これにより、遊技が実行不能になる状況を事前に把握させて、遊技が実行不能になったときに大きな不快感を与えないようにすることが可能である。更に、操作手段への操作に基づいて、事前予告演出に係わる演出事項を設定することで、事前予告演出に係わる演出事項を最適に調整することが可能である。
手段J2に係る発明は、
手段J1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数よりも小さい特定数(75000)以上になることに基づいて、前記事前予告演出(図76(B)に示す過賞球異常予告演出)を実行可能であり、
前記操作手段への操作に基づいて、前記事前予告演出に係わる演出事項として、前記特定数(75000)を設定可能である(図75(C)参照)ことを特徴とする遊技機である。
仮に、特定計測数が基準数よりも大幅に小さいにも拘わらず、事前予告演出が実行されると、遊技者に過剰な不安を抱かせることになる。一方、特定計測数が基準数になる直前で、事前予告演出が実行されると、すぐに遊技が実行不能になるという焦りを抱かせることになる。そこで、事前予告演出の実行契機となる特定数が、操作手段への操作に基づいて設定されることで、事前予告演出の実行タイミングを適切に調整することが可能である。
手段J3に係る発明は、
手段J2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源が投入された後の初期設定時(図75(C)に示す過賞球異常予告演出設定画像SX、又は図75(D)に示す残差玉数報知演出設定画像SYの表示中)に、前記操作手段への操作に基づいて、前記特定数を設定可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が投入された後の初期設定時に、遊技場の従業員が、操作手段への操作に基づいて、事前予告演出の実行契機となる特定数を設定する。こうして、遊技場の従業員が、状況に応じて、事前予告演出の実行タイミングを適宜最適に調整することが可能である。
手段J4に係る発明は、
手段J1乃至手段J3の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記操作手段への操作に基づいて、前記事前予告演出に係わる演出事項として、前記事前予告演出の実行の有無(過賞球異常予告演出の実行の有無、残差玉数報知演出の実行の有無)を設定可能である(図75(C)、図75(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、事前予告演出が実行されないことが望まれる場合、操作手段への操作に基づいて、事前予告演出の非実行を設定する。これにより、事前予告演出が実行されないことを望む遊技者に対して、事前予告演出の実行による不快感を与えないようにすることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段J1~J4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり、演出制御手段は、特定計測数が基準数以上になる前に、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出を実行可能であり、操作手段への操作に基づいて、事前予告演出に係わる演出事項を設定可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段K>
手段K1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
操作可能な操作手段(球貸ボタン62)と、
前記操作手段への操作に基づいて遊技球の球貸しを実行可能な球貸制御部(払出制御用マイコン171)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
所定の停止条件の成立(差玉数が80000以上になること、不正な磁気が検知されること)に基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
遊技を実行不能に制御した場合に、前記操作手段が操作されても、前記球貸制御部による球貸しを実行不能にする(ステップS115に示す球貸制御停止処理を実行する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御されると、遊技者は遊技を継続することができない。このとき、仮に遊技者が操作手段を操作して、遊技球の球貸しが実行されてしまうと、当該遊技機で遊技できない遊技者にとっては、損をしてしまう。よって、遊技が実行不能になった後では、操作手段が操作されても、遊技球の球貸しが実行されないようにすることで、遊技者に損になる事態が生じるのを防ぐことが可能である。
手段K2に係る発明は、
手段K1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。そして、特定計測数が基準数以上になることによって、遊技が実行不能になった後、遊技者が操作手段を操作しても、球貸しが実行されない。よって、球貸しが実行されてしまい、遊技者に損になる事態を防ぐことが可能である。
手段K3に係る発明は、
手段K1又は手段K2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
特定の異常(不正な磁気)があるかを判断可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定の異常があると判断することに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の異常が生じると、遊技が実行不能になる。その後、遊技者が操作手段を操作しても、球貸しが実行されない。よって、球貸しが実行されてしまい、遊技者に損になる事態を防ぐことが可能である。
手段K4に係る発明は、
手段K1乃至手段K3の何れかに記載の遊技機において、
球貸しが実行可能であることを示す報知手段(残高表示部61)を備え、
前記報知手段は、
前記所定の停止条件の成立に基づいて遊技が実行不能に制御されると、球貸しが実行不能であることを示すことが可能(球貸しが実行不能であることを示す「E」を表示可能)である(図78(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、球貸しが実行可能であることを示す報知手段が設けられている。そして、遊技が実行不能に制御されると、報知手段は、球貸しが実行不能であることを示す。これにより、遊技者に対して、球貸しが実行されない状況を把握させ易くすることが可能である。
手段K5に係る発明は、
手段K1乃至手段K4の何れかに記載の遊技機において、
演出を制御可能な演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記所定の停止条件の成立に基づいて遊技が実行不能に制御されると、球貸しが実行不能であることを示す球貸不能報知演出(図79(A)(B)に示す球貸不能報知演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御されると、球貸しが実行不能であることを示す球貸不能報知演出が実行される。これにより、遊技者に対して、球貸しが実行されない状況を把握させ易くすることが可能である。
ところで、特開2017-070611号公報に記載の遊技機では、不正な磁気が検知されると(所定の停止条件が成立すると)、遊技制御用マイコン(遊技制御手段)が、遊技を実行不能に制御する。従って、遊技が実行不能に制御された後では、遊技者は、継続して遊技を行うことできない。ところで、遊技が実行不能に制御された後でも、遊技者が遊技球の球貸しを行うために、操作手段(球貸ボタン)を操作するおそれがある。しかしながら、遊技が実行できないにも拘わらず、遊技球の球貸しが実行されてしまうと、遊技者にとって損になる事態が生じる。そこで手段K1~K5に係る発明は、特開2017-070611号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技を実行不能に制御した場合に、操作手段が操作されても、球貸制御部による球貸しを実行不能にする点で相違している。これにより、遊技者に損になる事態を防ぐことが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段L>
手段L1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数に係る数字を示す特定計測数演出(図82(C)に示す現差玉数示唆演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。また、特定計測数に係る数字を示す特定計測数演出が実行されることで、遊技者には、遊技が実行不能になる状況にどのくらい近づいているかを把握させることが可能である。
手段L2に係る発明は、
手段L1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数演出の実行中に、前記特定計測数が変化(増加)することで、前記特定計測数に係る数字を変化(増加)して示すことが可能であり(図82(C)(D)参照)、
前記特定計測数演出の実行中に、前記特定計測数が変化(減少)しても、前記特定計測数に係る数字を変化(減少)させずに示すことが可能である(図83(D)及び図84(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数演出の実行中に、特定計測数が変化することで、特定計測数に係る数字が変化して示される。その一方で、特定計測数演出の実行中に、特定計測数が変化しても、特定計測数に係る数字が変化しないで示されることもある。これにより、特定計測数が頻繁に変化する場合において、遊技者には、特定計測数に係る数字を敢えて気にさせないようにすることが可能である。
手段L3に係る発明は、
手段L2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数演出の実行中に、前記特定計測数が増加することで、前記特定計測数に係る数字を増加して示すことが可能であり(図82(C)(D)参照)、
前記特定計測数演出の実行中に、前記特定計測数が減少しても、前記特定計測数に係る数字を減少させずに示すことが可能である(図83(D)及び図84(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数演出の実行中に、特定計測数が増加する場合には、特定計測数に係る数字が増加して示される一方、特定計測数が減少する場合には、特定計測数に係る数字が減少しないで維持した状態で示される。これにより、遊技者には、特定計測数が増加する場合にだけ、特定計測数に係る数字を気にさせることが可能である。
手段L4に係る発明は、
手段L3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、大当たり遊技状態及び高確高ベース状態)に制御可能であり、
前記演出制御手段は、前記有利遊技状態に制御されているときに限り、前記特定計測数演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、有利遊技状態に制御されていて、且つ特定計測数が増加する場合にだけ、遊技者に、特定計測数に係る数字を気にさせることが可能である。言い換えれば、通常遊技状態に制御されている場合や、特定計測数が減少する場合には、特定計測数に係る数字を敢えて気にさせないようにすることが可能である。
手段L5に係る発明は、
手段L2乃至手段L4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当たり判定処理により当たり(大当たり)と判定すると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記当たり遊技が開始されると、前記遊技制御手段により計測されている前記特定計測数に基づいて、前記特定計測数に係る数字を補正して示すことが可能である(図84(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数演出の実行中に、特定計測数が変化しても、特定計測数に係る数字が変化しないで示されることがある。しかしながら、当たり遊技が開始されると、正しい特定計測数に係る数字に補正して示される。こうして、当たり遊技が開始されることで、正しい特定計測数に係る数字を遊技者に把握させることが可能である。
手段L6に係る発明は、
手段L2乃至手段L5の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当たり判定処理により当たり(大当たり)と判定すると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記当たり遊技が終了すると、前記遊技制御手段により計測されている前記特定計測数に基づいて、前記特定計測数に係る数字を補正して示すことが可能である(図83(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数演出の実行中に、特定計測数が変化しても、特定計測数に係る数字が変化しないで示されることがある。しかしながら、当たり遊技が終了すると、正しい特定計測数に係る数字に補正して示される。こうして、当たり遊技が終了することで、正しい特定計測数に係る数字を遊技者に把握させることが可能である。
手段L7に係る発明は、
手段L1乃至手段L6の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数の半分(40000)以上であるときには、前記特定計測数演出を開始可能である一方、
前記特定計測数が前記基準数の半分(40000)未満であるときには、前記特定計測数演出を開始することがないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数の半分以下であるときには、特定計測数を示す特定計測数演出が開始されない。こうして、特定計測数が基準数に十分に近づいていない状況では、遊技者に、特定計測数に係る数字を意識させないようにすることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段L1~L7に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり、演出制御手段は、特定計測数に係る数字を示す特定計測数演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段M>
手段M1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
操作可能な所定操作手段(通常ボタン40及びセレクトボタン)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
遊技が実行不能に制御された後に、前記所定操作手段への操作に基づいて、特別操作演出(図87(D)に示す入力反映画像NPの表示)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、遊技者は遊技が実行不能に制御された後に所定操作手段を操作すると、特別操作演出が実行される。これにより、遊技が実行不能になった後でも、遊技者を楽しませることが可能である。
手段M2に係る発明は、
手段M1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
遊技が実行不能に制御された後に、前記所定操作手段への操作に基づいて、文字を受け付けることが可能であり(図87(C)参照)、
前記特別操作演出として、前記受け付けている文字(「クリアBYタロウ」)を表示させることが可能である(図87(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御された後、遊技者は、所定操作手段への操作に基づいて任意の文字を入力する。これにより、特別操作演出として、遊技者が入力した文字が表示される。こうして、特定計測数が基準数以上になった記念として、遊技者に任意の文字を表示させることができて、特別な達成感を与えることが可能である。
手段M3に係る発明は、
手段M2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
遊技が実行不能に制御された後に、前記特定計測数が前記基準数以上になったことを示唆する達成画像(図87(B)に示す到達達成画像OF)に付随して、前記受け付けている文字(「クリアBYタロウ」)を表示させることが可能である(図87(C)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御された後に、特定計測数が基準数以上になったことを示唆する達成画像に付随して、遊技者が入力した文字が表示される。これにより、遊技者には、達成画像と自身が入力した文字とを見せて、大きな満足感を与えることが可能である。
手段M4に係る発明は、
手段M2又は手段M3に記載の遊技機において、
操作可能な特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)を備え、
前記遊技制御手段は、
電源投入時に前記特定操作手段が操作されていることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する一方、前記受け付けている文字の文字情報(「クリアBYタロウ」の文字情報)を消去しないで、
前記演出制御手段は、
遊技が実行不能に制御された後の電源投入後に、前記文字情報に基づいて、前記受け付けている文字を表示させることが可能である(図88(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御された後、電源が遮断される。その後、電源投入時に特定操作手段が操作されていることに基づいて、遊技に係る遊技情報が消去される。しかしながら、このとき、受け付けている文字の文字情報は消去されない。これにより、遊技が実行不能に制御された後の電源投入後であっても、特定計測数を基準数以上にした遊技者が入力した文字を、記念として表示することが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段M1~M4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり、演出制御手段は、遊技が実行不能に制御された後に、所定操作手段への操作に基づいて、特別操作演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段N>
手段N1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御する過賞球防止機能を作動可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、前記過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別演出(過賞球異常作動後演出(特別SPリーチ(図89(B)参照)、特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照)、特別オープニング演出(図91(B-2)(C-2)参照)、特別客待ちデモ演出(図92(B-2)参照))を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる過賞球防止機能が作動する。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別演出が実行されることがある。従って、特別演出を把握した遊技者には、過剰な賞球が付与されたことがある遊技機であることを認識させて、高揚感を与えることが可能である。
手段N2に係る発明は、
手段N1に記載の遊技機において、
操作可能な特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)を備え、
前記遊技制御手段は、
電源投入時に前記特定操作手段が操作されていることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する一方、前記過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報を消去しないで、
前記演出制御手段は、
前記遊技情報が消去された場合であっても、前記作動情報に基づいて、前記特別演出(過賞球異常作動後演出(特別SPリーチ(図89(B)参照)、特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照)、特別オープニング演出(図91(B-2)(C-2)参照)、特別客待ちデモ演出(図92(B-2)参照))を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に特定操作手段が操作されて、遊技に係る遊技情報が消去されても、過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報は消去されない。よって、過賞球防止機能が作動した後に、遊技に係る情報が消去された場合であっても、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別演出を遊技者に把握させることが可能である。
手段N3に係る発明は、
手段N1又は手段N2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、演出図柄(EZ1、EZ2、EZ3)がリーチになった後に、リーチ演出を実行可能であり、
前記リーチ演出には、前記特別演出として、前記過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別リーチ演出(特別SPリーチ(図89(B)参照))があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別リーチ演出が実行されることがある。従って、特別リーチ演出を把握した遊技者には、斬新なリーチ演出を堪能させると共に、過剰な賞球が付与されたことがある遊技機であることを認識させることが可能である。
手段N4に係る発明は、
手段N1乃至手段N3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、遊技者に有利な当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記演出制御手段は、前記当たり遊技が実行される可能性を示唆する予告演出を実行可能であり、
前記予告演出には、前記特別演出として、前記過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別予告演出(特別カットイン予告演出(図90(B-2)参照))があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別予告演出が実行されることがある。従って、特別予告演出を把握した遊技者には、斬新な予告演出を堪能させると共に、過剰な賞球が付与されたことがある遊技機であることを認識させることが可能である。
手段N5に係る発明は、
手段N1乃至手段N4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、遊技者に有利な当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記演出制御手段は、前記当たり遊技の実行中に、当たり演出(大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出))を実行可能であり、
前記当たり演出には、前記特別演出として、前記過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別当たり演出(特別オープニング演出(図91(B-2)(C-2)参照))があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別当たり演出が実行されることがある。従って、特別当たり演出を把握した遊技者には、斬新な当たり演出を堪能させると共に、過剰な賞球が付与されたことがある遊技機であることを認識させることが可能である。
手段N6に係る発明は、
手段N1乃至手段N5の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、変動演出が実行されていないことを示す客待ち演出を実行可能であり、
前記客待ち演出には、前記特別演出として、前記過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別客待ち演出(特別客待ちデモ演出(図92(B-2)参照))があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別客待ち演出が実行されることがある。従って、特別客待ち演出を把握した遊技者には、過剰な賞球が付与されたことがある遊技機であることを認識させて、遊技意欲を高めることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段N1~N6に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御する過賞球防止機能を作動可能であり、特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する一方、過賞球防止機能が作動したことを示す作動情報を消去しないで、過賞球防止機能が作動した後の電源投入後では、過賞球防止機能が作動する前では実行されることがない特別演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段O>
手段O1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン)と、
所定の報知手段(画像表示装置50(表示画面50a)、スピーカ52、枠ランプ53及び盤ランプ54)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、所定の停止条件(差玉数が80000以上になること、不正な磁気が検知されること)が成立すると、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記報知手段は、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、遊技が実行不能にされた制御が継続されていることを示す特別異常態様(表示画面50aに表示される過賞球異常維持画像KRX、スピーカ52から出力される「過賞球異常が解除されていません RAMクリアしてください」という音声、枠ランプ53及び盤ランプ54の赤色の点滅)になる(図93(A)、図93(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定の停止条件が成立すると、遊技が実行不能に制御される。その後、電源が遮断されて、電源が投入されると、遊技を実行不能にした制御が継続している場合がある。この場合、報知手段が、遊技が実行不能にされた制御が継続されていることを示す特別異常態様になる。これにより、遊技場の従業員には、電源投入後に、遊技が実行不能にされた制御が未だ継続していることを確実に把握させることが可能である。
手段O2に係る発明は、
手段O1に記載の遊技機において、
操作可能な特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)を備え、
前記遊技制御手段は、
電源投入時に前記特定操作手段が操作されていることに基づいて、遊技を実行不能にした制御を解除することが可能であり(RAMクリアが実行されると遊技が実行不能な制御を解除可能であり)、
電源投入時に前記特定操作手段が操作されていないことに基づいて、遊技を実行不能にした制御を継続することが可能である(RAMクリアが実行されないと遊技が実行不能な制御を解除不能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御された後、電源が遮断されて、電源が投入されるときに、遊技場の従業員は、特定操作手段を操作していない場合がある。この場合、遊技を実行不能にした制御が継続しているにも拘らず、遊技場の従業員は、遊技が実行可能な遊技機であると勘違いするおそれがある。しかしながら、このような場合であっても、報知手段が特別異常態様になるため、遊技場の従業員に、遊技を実行不能にした制御が継続していることを確実に把握させることが可能である。
手段O3に係る発明は、
手段O1又は手段O2に記載の遊技機において、
前記特別異常態様は、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に限り示される態様である(図93(A)、図93(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、報知手段で示される特別異常態様は、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に限り示される態様である。従って、特別異常態様を把握した遊技場の従業員に、電源投入後に異常が生じていることを認識させ易くすることが可能である。
手段O4に係る発明は、
手段O1乃至手段O3の何れかに記載の遊技機において、
前記報知手段は、電源投入後に前記特別異常態様になると、当該特別異常態様を電源が遮断されるまで継続する(図93(A)、図93(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、報知手段が電源投入後に特別異常態様になると、当該特別異常態様は、電源が遮断されるまで継続する。従って、遊技場の従業員には、電源投入後に、報知手段が特別異常態様になっていることに気付き易くすることが可能である。
手段O5に係る発明は、
手段O1乃至手段O4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。そして、遊技が実行不能になった後、電源が遮断されて、電源が投入されると、遊技を実行不能にした制御が継続している場合がある。この場合、報知手段が特別異常態様になることで、遊技場の従業員には、遊技が実行不能にされた制御が未だ継続していることを確実に把握させることが可能である。
手段O6に係る発明は、
手段O1乃至手段O5の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
特定の異常(不正な磁気)があるかを判断可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定の異常があると判断することに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の異常が生じると、遊技が実行不能になる。そして、遊技が実行不能になった後、電源が遮断されて、電源が投入されると、遊技を実行不能にした制御が継続している場合がある。この場合、報知手段が特別異常態様になることで、遊技場の従業員には、遊技が実行不能にされた制御が未だ継続していることを確実に把握させることが可能である。
ところで、特開2017-70611号公報に記載の遊技機では、不正な磁気が検知されると(所定の停止条件が成立すると)、遊技制御用マイコン(遊技制御手段)が、遊技を実行不能に制御する。従って、遊技が実行不能に制御された後では、遊技者は、継続して遊技を行うことできない。ここで、遊技が実行不能に制御された後、遊技場の従業員によって、電源が遮断されて、電源が投入されることになる。この場合、営業時間の開始前に電源を投入する遊技場の従業員は、遊技が実行不能にされた制御が継続しているにも拘わらず、遊技が実行不能にされた制御を解除できたと誤解するおそれがある。又は、営業時間の開始前に電源を投入する遊技場の従業員が、前日に遊技が実行不能に制御されていた遊技機であることを十分に把握していないおそれがある。これらの場合に、仮に遊技が実行不能にされた制御が継続したまま、営業時間が開始されると、遊技者が遊技できない事態が生じ得る。そこで手段O1~O6に係る発明は、特開2017-70611号公報に記載の遊技機に対して、報知手段は、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が継続されている場合に、遊技が実行不能にされた制御が継続されていることを示す特別異常態様になる点で相違している。これにより、電源投入後に、遊技が実行不能にされた制御が未だ継続していることを確実に把握させることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段P>
手段P1に係る発明は、
入球部(第1大入賞口14、第2大入賞口15、第2始動口12、特定領域16)と、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
当たり判定処理で当たりと判定すると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
所定の停止条件(差玉数が80000以上になること、不正な磁気が検知されること)が成立すると、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
電源が投入されてから前記当たり判定処理が開始されるまでに、前記入球部への遊技球の入球し易さが変化するように、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)を移動可能である(図95参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御される際に、遊技可動部材によって球噛みが生じるおそれがある。そこで、遊技が実行不能に制御された後で、電源が投入されてから当たり判定処理が開始されるまでに、入球部への遊技球の入球し易さが変化するように、遊技可動部材が移動する。これにより、遊技可動部材によって球噛みが生じていても、自動で球噛みを解消することが可能である。
手段P2に係る発明は、
手段P1に記載の遊技機において、
前記入球部への遊技球の入球を検出可能な検出手段(第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a、第2始動口センサ、特定領域センサ16a)を備え、
前記遊技制御手段は、
電源が投入されてから前記当たり判定処理が開始されるまでに前記遊技可動部材を移動させた場合に、遊技球が前記入球部に入球しても、前記検出手段の検出を無効にすることが可能である(ステップS035のセンサ検出無効処理を実行可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に遊技可動部材が移動することによって、球噛みを解消することが可能である。しかしながら、球噛みの解消によって、遊技球が入球部に入球するおそれがある。そこで、遊技球が入球部に入球しても、検出手段の検出を無効にすることで、電源投入後に意図しない特典が付与されるのを防ぐことが可能である。
手段P3に係る発明は、
手段P1又は手段P2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
電源投入前に遊技が実行不能に制御されていなければ、電源が投入されてから前記当たり判定処理が開始されるまでに前記遊技可動部材を移動させない(球噛み防止モードに設定しない)一方、
電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が解除されれば、電源が投入されてから前記当たり判定処理が開始されるまでに前記遊技可動部材を移動可能(球噛み防止モードに設定可能)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に遊技が実行不能にされた制御が解除されれば、電源が投入されてから当たり判定処理が開始されるまでに遊技可動部材が移動する。一方、電源投入前に遊技が実行不能に制御されていなければ、遊技可動部材が移動しない。従って、電源投入後に毎回、遊技可動部材が移動する事態を防ぐことが可能である。
手段P4に係る発明は、
手段P1乃至手段P3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、遊技が実行不能になったときに、遊技可動部材が移動しなくなることで、球噛みが生じるおそれがある。そこで、電源投入後に、遊技可動部材が移動することで、球噛みを解消することが可能である。
手段P5に係る発明は、
手段P1乃至手段P4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
特定の異常(不正な磁気)があるかを判断可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定の異常があると判断することに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の異常が生じると、遊技が実行不能になる。このとき、遊技可動部材が移動しなくなることで、球噛みが生じるおそれがある。そこで、電源投入後に、遊技可動部材が移動することで、球噛みを解消することが可能である。
ところで、特開2017-70611号公報に記載の遊技機では、不正な磁気が検知されると(所定の停止条件が成立すると)、遊技制御用マイコン(遊技制御手段)が、遊技を実行不能に制御する。従って、遊技が実行不能に制御された後では、遊技者は、継続して遊技を行うことできない。ここで、遊技制御手段は、遊技を実行不能に制御すると、入球部に対する遊技可動部材の移動を実行しなくなる。しかしながら、遊技制御手段にとっては、想定外のタイミングで遊技可動部材を停止することで、遊技可動部材によって球噛みが生じるおそれがある。そこで手段P1~P5に係る発明は、特開2017-70611号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに、入球部への遊技球の入球し易さが変化するように、遊技可動部材を移動可能である点で相違している。これにより、球噛みを解消することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段Q>
手段Q1に係る発明は、
入球部(第1大入賞口14、第2大入賞口15、第2始動口12、特定領域16)と、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
所定の停止条件(差玉数が80000以上になること、不正な磁気が検知されること)が成立すると、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに、前記入球部への遊技球の入球し易さが変化するように、遊技可動部材(通常AT開閉部材14k、VAT開閉部材15k、電チュー開閉部材12k、振分部材16k)を移動可能である(図99参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御される際に、遊技可動部材によって球噛みが生じるおそれがある。そこで、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに、入球部への遊技球の入球し易さが変化するように、遊技可動部材が移動する。これにより、遊技可動部材によって球噛みが生じていても、自動で球噛みを解消することが可能である。
手段Q2に係る発明は、
手段Q1に記載の遊技機において、
前記入球部への遊技球の入球を検出可能な検出手段(第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a、第2始動口センサ、特定領域センサ16a)を備え、
前記遊技制御手段は、
遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに前記遊技可動部材を移動させた場合に、遊技球が前記入球部に入球しても、前記検出手段の検出を無効にすることが可能である(ステップS047のセンサ検出無効処理を実行可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技が実行不能に制御されてから遊技可動部材が移動することによって、球噛みを解消することが可能である。しかしながら、球噛みの解消によって、遊技球が入球部に入球するおそれがある。そこで、遊技球が入球部に入球しても、検出手段の検出を無効にすることで、遊技が実行不能に制御された後に意図しない賞球が付与されるのを防ぐことが可能である。
手段Q3に係る発明は、
手段Q1又は手段Q2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、遊技が実行不能になったときに、遊技可動部材が移動しなくなることで、球噛みが生じるおそれがある。そこで、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに遊技可動部材が移動することで、上記した球噛みを解消することが可能である。
手段Q4に係る発明は、
手段Q1乃至手段Q3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
特定の異常(不正な磁気)があるかを判断可能であり、
前記所定の停止条件の成立として、前記特定の異常があると判断することに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の異常が生じると、遊技が実行不能になる。このとき、遊技可動部材が移動しなくなることで、球噛みが生じるおそれがある。そこで、遊技が実行不能に制御されてから電源が遮断されるまでに遊技可動部材が移動することで、上記した球噛みを解消することが可能である。
ところで、特開2017-70611号公報に記載の遊技機では、不正な磁気が検知されると(所定の停止条件が成立すると)、遊技制御用マイコン(遊技制御手段)が、遊技を実行不能に制御する。従って、遊技が実行不能に制御された後では、遊技者は、継続して遊技を行うことできない。ここで、遊技制御手段は、遊技を実行不能に制御すると、入球部に対する遊技可動部材の移動を実行しなくなる。しかしながら、遊技制御手段にとっては、想定外のタイミングで遊技可動部材を停止することで、遊技可動部材によって球噛みが生じるおそれがある。そこで手段Q1~Q4に係る発明は、特開2017-70611号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、電源が投入されてから当たり判定処理が開始されるまでに、入球部への遊技球の入球し易さが変化するように、遊技可動部材を移動可能である点で相違している。これにより、球噛みを解消することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段R>
手段R1に係る発明は、
電断状態で記憶情報を保持可能な電断保持記憶手段(FRAM125)と、
遊技球の数に係る特定遊技球数(差玉数)に基づいて特定制御処理(過賞球異常予告演出を実行するための処理)を実行可能な特定制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記電断保持記憶手段は、前記特定制御処理の実行契機となる前記特定遊技球数が所定値(75000)以上であることを示す所定記憶情報(過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が75000以上であることを示す情報、閾値設定情報パターンF1)を記憶可能であり、
前記特定制御手段は、
特定情報(検査コマンド)を受信することに基づいて、前記電断保持記憶手段に記憶されている前記所定記憶情報を、前記特定制御処理の実行契機となる前記特定遊技球数が特定値(60000)以上であることを示す特定記憶情報(例えば過賞球異常予告演出の開始契機となる差玉数が60000以上であることを示す情報、閾値設定情報パターンD1)に書換え可能であり、
前記特定遊技球数が前記特定値以上になることに基づいて、前記特定制御処理を実行可能である(差玉数が60000以上になることに基づいて過賞球異常予告演出を実行可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電断保持記憶手段が、特定制御処理の実行契機となる特定遊技球数が所定値以上であることを示す所定記憶情報を記憶している。しかしながら、特定制御手段は、特定情報を受信することに基づいて、電断保持記憶手段に記憶されている所定記憶情報を、特定制御処理の実行契機となる特定遊技球数が特定値以上であることを示す特定記憶情報に書換え可能である。これにより、特定遊技球数が所定値以上ではなく、特定値以上になることで、特定制御処理が実行されるようにすることが可能である。
手段R2に係る発明は、
手段R1に記載の遊技機において、
前記特定制御手段は、当該遊技機の外部(検査用基板400)から、前記特定情報として特定コマンド(検査コマンド)を受信することに基づいて、前記電断保持記憶情報に記憶されている前記所定記憶情報を前記特定記憶情報に書換え可能である(図104参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、出荷前の量産時に、当該遊技機の外部から特定コマンドが特定制御手段に送信される。これにより、特定制御手段は、電断保持記憶手段に記憶されている所定値情報を特定記憶情報に書換え可能である。その結果、遊技機が市場に出る前に、特定遊技球数が特定値以上になることで特定制御処理が実行される仕様にしておくことが可能である。
手段R3に係る発明は、
手段R1に記載の遊技機において、
前記電断保持記憶情報に記憶されている前記所定記憶情報が前記特定記憶情報に書換えられた場合に、前記電断保持記憶情報に記憶されている記憶情報が書換えられたこと(例えば図105(A)に示す「99D1D1」)を示す書換え報知手段(画像表示装置50)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電断保持記憶情報に記憶されている所定記憶情報が特定記憶情報に書換えられた場合に、書換え報知手段が、電断保持記憶情報に記憶されている記憶情報が書換えられたことを示す。これにより、電断保持記憶情報での記憶情報の書換えが正しく実行されたことを確認することが可能である。
手段R4に係る発明は、
手段R1乃至手段R3の何れかに記載の遊技機において、
前記特定制御手段は、演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)であり、
前記演出制御手段は、前記特定制御処理として特定演出(過賞球異常予告演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出制御手段が、電断保持記憶手段において、特定演出の実行契機となる特定遊技球数が特定値以上であることを示す特定記憶情報に書換え可能である。これにより、特定遊技球数が特定値以上になることで、特定演出が実行されるようにすることが可能である。
手段R5に係る発明は、
手段R4に記載の遊技機において、
操作可能な操作手段(セレクトボタン)を備え、
前記演出制御手段は、前記特定情報として、前記操作手段への操作(例えば「下下左左右右」の操作)に基づく操作情報(「下下左左右右」を示す操作情報」)を受信することに基づいて、前記電断保持記憶手段に記憶されている前記所定記憶情報を前記特定記憶情報に書換え可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段を操作すると、演出制御手段が、操作手段への操作に基づく操作情報を受信する。これにより、電断保持記憶手段において、特定演出の実行契機となる特定遊技球数が特定値以上であることを示す特定記憶情報に書換えられる。こうして、操作手段を操作することで、特定演出の実行契機となる特定遊技球数の値を変えることが可能である。
手段R6に係る発明は、
手段R4に記載の遊技機において、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記特定遊技球数として、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数よりも小さい前記特定値(60000)以上になることに基づいて、前記特定演出として、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出(過賞球異常予告演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、特定計測数が基準数以上になる前に、遊技が実行不能になることを予告する事前予告演出が実行される。しかしながら、市場の状況やトレンドに応じて、事前予告演出の実行契機となる特定計測数の値を変更したい場合がある。そこでこの場合には、演出制御手段が、電断保持記憶手段において、事前予告演出の実行契機となる特定計測数が特定値以上であることを示す特定記憶情報に書換えることが可能である。これにより、事前予告演出の実行契機となる特定計測数の値を変更することが可能である。
ところで、特開2017-012662号公報に記載の遊技機では、電断状態で記憶情報を保持可能な不揮発性の記憶手段(電断保持記憶手段)が設けられている。ここで、特定制御手段が、遊技球の数に係る特定遊技球数に基づいて、特定制御処理を実行する場合がある。この場合に、電断保持記憶手段に、特定制御処理の実行契機となる特定遊技球数が所定値以上であることを示す所定記憶情報を記憶させておくことが考えられる。この場合、電断状態であっても所定記憶情報を記憶させておくことができる。即ち、電断に拘わらず、特定制御処理の実行契機となる特定遊技球数が所定値以上であるという仕様を維持することができる。しかしながら、開発時点から時間が経過して、市場の状況やトレンドにより、特定制御処理の実行契機となる特定遊技球数が所定値以上ではなく、特定値以上に変更したい場合がある。この場合、電断保持記憶手段に所定記憶情報が既に記憶されているため、その記憶情報を書換えることができない。そこで手段R1~R6に係る発明は、特開2017-012662号公報に記載の遊技機に対して、電断保持記憶手段は、特定制御処理の実行契機となる特定遊技球数が所定値以上であることを示す所定記憶情報を記憶可能であり、特定制御手段は、特定情報を受信することに基づいて、電断保持記憶手段に記憶されている所定記憶情報を、特定制御処理の実行契機となる特定遊技球数が特定値以上であることを示す特定記憶情報に書換え可能であり、特定遊技球数が特定値以上になることに基づいて、特定制御処理を実行可能である点で相違している。これにより、電断保持記憶手段に記憶されている記憶情報を書換え可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段S>
手段S1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた第1基準数(20000)以上になることに基づいて遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)場合と、
前記特定計測数が前記第1基準数よりも多い第2基準数(80000)以上になることに基づいて遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)場合と、があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が第1基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球数を付与しない遊技機を提供することが可能である。但し、この構成の遊技機では、賞球数に基づく特定計測数が第1基準数よりも多い第2基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になることもある。こうして、遊技が実行不能になるための特定計測数の値が複数あることで、斬新な遊技機を提供することが可能である。
手段S2に係る発明は、
手段S1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が前記第1基準数以上になることに基づいて遊技を実行不能に制御した後では、前記特定計測数が前記第1基準数よりも多い第2基準数以上になることに基づいて遊技を実行不能に制御する(図110及び図111参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が第1基準数以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、特定計測数が第1基準数よりも多い第2基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。こうして、特定計測数を第1基準数に到達させることができた遊技者には、次に特定計測数を第2基準数に到達させたいと思わせて遊技させることが可能である。
手段S3に係る発明は、
手段S2に記載の遊技機において、
操作可能な特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が前記第1基準数以上になることに基づいて遊技が実行不能に制御された後の電源投入時に、前記特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技を実行可能に制御すると共に、計測された前記特定計測数を消去しない(図110及び図111参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が第1基準数以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、電源が遮断される。その後、電源投入時に特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技が実行可能になる。しかしながら、このときには、特定計測数が消去されない。よって、遊技者には、特定計測数が第1基準数以上になった続きから、遊技を再開させることが可能である。
手段S4に係る発明は、
手段S3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が前記第2基準数以上になることに基づいて遊技が実行不能に制御された後の電源投入時に、前記特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技を実行可能に制御する一方、計測された前記特定計測数を消去する(図111参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が第2基準数以上になることに基づいて遊技が実行不能になった後、電源を遮断する。その後、電源投入時に特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技が実行可能になる。しかしながら、このときには、特定計測数が消去される。よって、遊技者には、特定計測数が消去された状態から、遊技を再開させることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段S1~S4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた第1基準数以上になることに基づいて遊技を実行不能に制御する場合と、特定計測数が第1基準数よりも多い第2基準数以上になることに基づいて遊技を実行不能に制御する場合と、がある点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段T>
手段T1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御基板(100)と、
前記遊技制御基板と異なる特定制御基板(演出制御基板120、払出制御基板170)と、を備え、
前記遊技制御基板は、
所定の停止条件の成立(差玉数が80000以上になること、不正な磁気が検知されること)に基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
遊技を実行不能に制御した後に、前記特定制御基板に特定コマンド(動作中コマンド、賞球指示コマンド、下皿満杯指示コマンド)を送信可能である(図125、図127参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後に、特定制御基板に特定コマンドを送信可能である。こうして、遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後でも、特定制御基板に対して特定コマンドに基づく処理を実行させることが可能である。
手段T2に係る発明は、
手段T1に記載の遊技機において、
前記特定制御基板は、遊技球の払出しを制御可能な払出制御基板(170)であり、
前記遊技制御基板は、
遊技を実行不能に制御する前に、前記払出制御基板に動作中であることを示す動作中コマンドを送信可能であり(図122参照)、
遊技を実行不能に制御した後に、前記払出制御基板に前記特定コマンドとして前記動作中コマンドを送信可能である(図125、図127参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御する前に、払出制御基板に動作中であることを示す動作中コマンドを送信し、遊技を実行不能に制御した後でも、動作中コマンドを送信することができる。これにより、払出制御基板は、遊技が実行不能に制御された後でも、遊技制御基板が動作中であることを把握して、処理を行うことが可能である。
手段T3に係る発明は、
手段T1に記載の遊技機において、
遊技球の払出しを制御可能な払出制御基板(170)を備え、
前記特定制御基板は、演出を制御可能な演出制御基板(120)であり、
前記払出制御基板は、遊技が実行不能に制御された後に、前記遊技制御基板に所定コマンド(賞球開始コマンド、下皿満杯コマンド)を送信可能であり、
前記遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後に、前記所定コマンドを受信することに基づいて、前記演出制御基板に前記特定コマンド(賞球指示コマンド、下皿満杯指示コマンド)を送信可能であり、
前記演出制御基板は、遊技が実行不能に制御された後に、前記特定コマンドを受信することに基づいて、遊技球の払出しに関係する演出(大入賞口入賞演出、下皿満杯エラー演出)を実行可能である(図126(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後に、払出制御基板から所定コマンドを受信することに基づいて、演出制御基板に特定コマンドを送信する。これにより、演出制御基板は、遊技が実行不能に制御された後でも、特定コマンドを受信することに基づいて、遊技球の払出しに関係する演出を実行可能である。
手段T4に係る発明は、
手段T3に記載の遊技機において、
前記遊技制御基板は、
特定の異常(不正な磁気)があるかを判断可能であり、
前記特定の異常があると判断することに基づいて、遊技を実行不能に制御可能であり(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能であり)、
前記演出制御基板は、
前記遊技制御基板により前記特定の異常があると判断された場合に、特定の異常報知(赤背景画像REと磁気検出異常画像FR1の表示)を実行可能であり(図124(B)参照)、
前記特定の異常報知を実行しているときに、前記特定コマンドを受信した場合には、遊技球の払出しに関係する演出を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の異常がある場合、遊技が実行不能に制御される。この場合、演出制御基板は、特定の異常報知を実行する。しかしながら、演出制御基板は、特定の異常報知の実行中に、遊技制御基板から特定コマンドを受信しても、遊技の払出しに関係する演出を実行しない。こうして、特定の異常があることによって遊技が実行不能に制御された場合、特定の異常報知を、遊技球の払出しに関係する演出よりも優先して実行することが可能である。
手段T5に係る発明は、
手段T1に記載の遊技機において、
当該遊技機の異常を検知可能な異常検知手段(下皿満杯スイッチ、貯留タンク監視センサ)を備え、
前記特定制御基板は、演出を制御可能な演出制御基板(120)であり、
前記遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後に、前記異常検知手段による異常の検知に基づいて、前記演出制御基板に前記特定コマンドとして異常コマンド(下皿満杯指示コマンド、貯留タンク無し指示コマンド)を送信可能であり(図125(2)、図127(2)参照)、
前記演出制御基板は、遊技が実行不能に制御された後に、前記異常コマンドの受信に基づいて、前記遊技機の異常を報知可能(下皿満杯エラー演出を実行可能、貯留タンクに遊技球が無いことを示す球無し報知演出を実行可能)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後に、異常検知手段による異常の検知に基づいて、演出制御基板に異常コマンドを送信可能である。これにより、演出制御基板は、遊技が実行不能に制御された後でも、異常コマンドの受信に基づいて、遊技機の異常を報知可能であることを特徴とする遊技機。
手段T6に係る発明は、
手段T1乃至手段T4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御基板は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記所定の停止条件として、前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御可能である(遊技制御処理及び発射制御処理を停止可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御基板は、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御する。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機にすることが可能である。そして、遊技制御基板は、過剰な賞球を付与しないように、遊技を実行不能に制御した後でも、特定制御基板に対して特定コマンドを送信することが可能である。
ところで、特開2017-248703号公報に記載の遊技機では、遊技を制御可能な遊技制御基板と、遊技制御基板と異なる演出制御基板や払出制御基板(特定制御基板)と、を備える。そして、遊技制御基板は、不正な磁気が検知された場合(所定の停止条件の成立に基づいて)、遊技を実行不能に制御する。ここで、遊技が実行不能に制御された後、遊技制御基板は、動作しなくなるため、特定制御基板にコマンドを送信することができない。従って、遊技が実行不能に制御された後でも、特定制御基板が遊技制御基板からのコマンドに基づく処理を実行できることが好ましい。そこで手段T1~T6に係る発明は、特開2017-248703号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後に、特定制御基板に特定コマンドを送信可能である点で相違している。これにより、遊技制御基板は、遊技を実行不能に制御した後でも、特定制御基板に対して特定コマンドに基づく処理を実行させることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段U>
手段U1に係る発明は、
演出を制御可能な演出制御基板(120)と、
画像を表示可能な表示手段(画像表示装置50)と、
前記表示手段で画像を表示させる表示制御を実行可能な画像制御基板(140)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記画像制御基板に駆動制御されるように接続されている特定演出手段(イルミ表示装置57)を備え(図132参照)、
前記演出制御基板は、電源投入に伴って、前記画像制御基板に駆動許可コマンド(イルミ許可コマンド)を送信可能であり、
前記画像制御基板は、前記駆動許可コマンドを受信した場合には、前記特定演出手段の駆動制御(ステップS5023のイルミ発光制御処理)を実行可能である一方、前記駆動許可コマンドを受信しない場合には、前記特定駆動手段の駆動制御を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定演出手段は、画像制御基板に駆動制御されるように接続されている。そして、画像制御基板は、電源投入に伴って、演出制御基板から駆動許可コマンドを受信した場合には、特定演出手段の駆動制御を実行可能である一方、演出制御基板から駆動許可コマンドを受信しない場合には、特定演出手段の駆動制御を実行しない。こうして、特定演出手段は、電源投入に伴って画像制御基板が演出制御基板から駆動許可コマンドを受信することを条件に、駆動できるようになり、演出制御基板の制御と無関係に駆動するのを防ぐことが可能である。
手段U2に係る発明は、
手段U1に記載の遊技機において、
前記演出制御基板は、
電源投入に伴って、当該遊技機に異常が生じていない(遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せが正しいものである)と判断した場合には、前記画像制御基板に前記駆動許可コマンドを送信する(ステップS4034のイルミ許可コマンド出力処理を実行する)一方、当該遊技機に異常が生じている(遊技板1と裏ユニット1Uとの組合せが誤っているものである)と判断した場合には、前記画像制御基板に前記駆動許可コマンドを送信しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出制御基板は、電源投入に伴って、当該遊技機に異常が生じていないと判断した場合には、画像制御基板に駆動許可コマンドを送信する。一方、演出制御基板は、当該遊技機に異常が生じていると判断した場合には、画像制御基板に駆動許可コマンドを送信しない。こうして、特定演出手段は、電源投入に伴って演出制御基板が遊技機に異常が生じていないと判断した場合に限り、駆動することが可能である。
手段U3に係る発明は、
手段U2に記載の遊技機において、
前記画像制御基板は、電源投入に伴って、前記駆動許可コマンドを受信した場合には、前記特定演出手段の初期動作(図133(A)(B)(C)に示すイルミ初期発光)を実行する(ステップS5012のイルミ初期発光処理を実行する)一方、前記駆動許可コマンドを受信しない場合には、前記特定演出手段の初期動作を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入に伴って演出制御基板が遊技機に異常が生じていないと判断した場合には、特定演出手段の初期動作が実行される。一方、電源投入に伴って演出制御基板が遊技機に異常が生じていると判断した場合には、特定演出手段の初期動作が実行されない。こうして、電源投入に伴って、演出制御基板が遊技機に異常が生じていないと判断しているにも拘わらず、特定演出手段の初期動作が実行されるのを防ぐことが可能である。
手段U4に係る発明は、
手段U2に記載の遊技機において、
前記演出制御基板は、
第1ユニット(遊技板1)と第2ユニット(裏ユニット1U)との組合せに異常が生じているか否かを判断可能であり(ステップS4031の判定処理を実行可能であり)、
電源投入に伴って、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの組合せに異常が生じていないと判断した場合には、前記画像制御基板に前記駆動許可コマンドを送信する(ステップS4034のイルミ許可コマンド出力処理を実行する)一方、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの組合せに異常が生じていると判断した場合には、前記画像制御基板に前記駆動許可コマンドを送信しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出制御基板が、電源投入に伴って、第1ユニットと第2ユニットとの組合せに異常が生じていないと判断した場合には、画像制御基板に駆動許可コマンドを送信するため、特定演出手段は駆動することができる。つまり、第1ユニットと第2ユニットとの組合せに異常が生じていると判断された場合、画像制御基板に駆動許可コマンドが送信されなくて、特定演出手段は駆動することができない。こうして、第1ユニットと第2ユニットとの組合せが正常であるか否かに応じて、特定演出手段が駆動することができる。
手段U5に係る発明は、
手段U4に記載の遊技機において、
開閉可能な遊技機枠(2)の内部に配置されている遊技盤(YU)を備え、
前記遊技盤では、遊技球が流下可能な遊技領域(6)を備える遊技板(1)と、前記遊技板の後方に配置される裏ユニット(1U)と、が組合わされていて(図134参照)、
前記第1ユニットは、前記遊技板(1)であり、
前記第2ユニットは、前記裏ユニット(1U)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出制御基板が、電源投入に伴って、遊技板と裏ユニットとの組合せに異常が生じていないと判断した場合に限り、画像制御基板に駆動許可コマンドが送信されて、特定演出手段は駆動することができる。こうして、遊技板と裏ユニットとの組合せが正常であるか否かに応じて、特定演出手段が駆動することができる。
手段U6に係る発明は、
手段U2乃至手段U5の何れかに記載の遊技機において、
前記画像制御基板に発光制御されるように接続されている特定発光手段(イルミ表示装置57)を備え(図132参照)、
前記特定演出手段は、前記特定発光手段であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定演出手段である特定発光手段は、画像制御基板に発光制御されるように接続されている。そして、演出制御基板は、電源投入に伴って、当該遊技機に異常が生じていないと判断した場合に限り、画像制御基板に駆動許可コマンドを送信する。こうして、特定発光手段は、電源投入に伴って演出制御基板が遊技機に異常が生じていないと判断した場合に限り、発光することが可能である。つまり、遊技機に異常が生じていると判断されているにも拘わらず、特定発光手段が発光する事態を防ぐことが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、演出を制御可能な演出制御基板と、画像を表示可能な画像表示装置(表示手段)と、画像表示装置で画像を表示させる表示制御を実行可能な画像制御基板と、演出制御基板に発光制御(駆動制御)されるように接続されているランプ(発光手段、特定演出手段)と、を備えている。このように、従来から、演出制御基板がランプの発光制御を行い、画像制御基板が画像表示装置の表示制御を行うことが多い。こで、表示手段での表示制御と、特定演出手段での駆動制御との同調を図り易くするために、画像制御基板が、表示手段での表示制御と、特定演出手段での駆動制御との両方を行うことが考えられる。つまり、画像制御基板には、表示手段が表示制御されるように接続されているだけでなく、特定演出手段が駆動制御されるように接続される構成が考えられる。しかしながら、この構成の場合、演出制御基板が、特定演出手段での駆動制御を実行するわけでないため、特定演出手段が、演出制御基板の制御と無関係に駆動するおそれがあった。そこで手段U1~U6に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、画像制御基板に駆動制御されるように接続されている特定演出手段を備え、演出制御基板は、電源投入に伴って、画像制御基板に駆動許可コマンドを送信可能であり、画像制御基板は、駆動許可コマンドを受信した場合には、特定演出手段の駆動制御を実行可能である一方、駆動許可コマンドを受信しない場合には、特定駆動手段の駆動制御を実行しない点で相違している。これにより、特定演出手段が、演出制御基板の制御と無関係に駆動するのを防ぐことが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段V>
手段V1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
表示可能な表示手段(画像表示装置50)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示可能であり、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を演算可能であり、
前記表示手段は、
前記識別図柄が変動表示していない客待ち状態であるときに、前記特定計測数を把握可能な把握態様(メータ画像COM)で表示可能である(図147(D)、図148(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、客待ち状態であるにも拘わらず、表示手段にて、特定計測数が把握可能な把握態様で表示されることがある。これにより、遊技者には、遊技を開始する前に、どの遊技機で遊技を開始すれば良いかを判断させ易くすることが可能である。
手段V2に係る発明は、
手段V1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、遊技者により発射された発射球数(総発射球数)を計測可能であり、
前記表示手段は、
前記客待ち状態であるときに、前記発射球数が特定球数(12000)以上である場合には、前記特定計測数を前記把握態様(メータ画像COM)で表示可能である一方(図147(D)、図148(C)(D)参照)、
前記客待ち状態であるときに、前記発射球数が前記特定球数(12000)未満である場合には、前記特定計測数を前記把握態様で表示することがないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、客待ち状態であるときに、発射球数が特定球数以上である場合には、特定計測数が把握態様で表示されることがある一方、発射球数が特定球数未満である場合には、特定計測数が把握態様で表示されることがない。これにより、発射球数が十分に多くない状況では、客待ち状態で特定計測数が把握態様で表示されることがないため、遊技者に必要以上に特定計測数を気にさせないことが可能である。
手段V3に係る発明は、
手段V2に記載の遊技機において、
前記表示手段は、
前記客待ち状態であるときに、前記発射球数が前記特定球数(12000)よりも多い所定球数(24000)以上である場合には、前記発射球数が前記特定球数(12000)以上であり且つ前記所定球数(24000)未満である場合よりも、前記特定計測数を前記把握態様で表示する表示時間割合を多くする(図147と図148との比較参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、客待ち状態であるときに、発射球数が特定球数よりも多い所定球数以上である場合には、発射球数が特定球数以上である且つ所定球数未満である場合よりも、特定計測数が把握態様で表示される表示時間割合が多くなる。これにより、発射球数が多いほど、長い時間遊技が行われた遊技機であることとして、遊技者に現時点での特定計測数をより把握させ易くすることが可能である。
手段V4に係る発明は、
手段V1乃至手段V3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が予め定められた基準数(95000)以上であることに基づいて、遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であることに基づいて、遊技が実行不能になる。従って、遊技者には、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。
ところで、特開2023-028948号公報に記載の遊技機では、遊技制御手段により、遊技者に付与される賞球数に基づく差玉数(特定計測数)がカウント(計測)される。そして、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、差玉数が予め定められた基準数以上になると、遊技が実行不能に制御されるようになっている。ここで、遊技を開始しようとする遊技機を探している遊技者にとって、現時点において特定計測数がどのくらいなのかを知りたい場合がある。しかしながら、識別図柄が変動表示していない客待ち状態であるときに、特定計測数がどのくらいなのかが表示されることはなかった。そこで手段V1~V4に係る発明は、特開2023-028948号公報に記載の遊技機に対して、表示手段は、識別図柄が変動表示していない客待ち状態であるときに、特定計測数を把握可能な把握態様で表示可能である点で相違している。これにより、遊技を開始する前に、どの遊技機で遊技を開始すれば良いかを判断させ易くすることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段W>
手段W1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
表示可能な表示手段(画像表示装置50)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
通常遊技状態にて当たり判定処理(大当たり判定処理)で当たり(大当たり)と判定されると、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能であり、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を演算可能であり、
遊技者により発射された発射球数(総発射球数)を計測可能であり、
前記表示手段は、
前記通常遊技状態であるときに、前記特定計測数を把握可能な把握態様(メータ画像COM)で表示するときと(図149(B)参照)、前記特定計測数を前記把握態様で表示しないときと、があり、
前記通常遊技状態であるときに、前記発射球数が規定球数(24000)以上である場合には、前記発射球数が前記規定球数(24000)未満である場合よりも、前記特定計測数を前記把握態様で表示する表示時間割合を多くすることが可能である(図154(A)(B)に示すテーブル参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常遊技状態であるときに、特定計測数が把握態様で表示されるときがある。但し、通常遊技状態であるときに、発射球数が規定球数以上である場合には、発射球数が規定球数未満である場合よりも、特定計測数が把握態様で表示される表示時間割合が多くなる。これにより、発射球数が多いほど、長い時間遊技を行った特典として、通常遊技状態で遊技者に現時点での特定計測数を把握させ易くすることが可能である。
手段W2に係る発明は、
手段W1に記載の遊技機において、
前記表示手段は、
前記通常遊技状態であるときに、前記発射球数が第1規定球数(24000)以上である場合には、前記発射球数が前記第1規定球数(24000)未満である場合よりも、前記特定計測数を前記把握態様(メータ画像COM)で表示する表示時間割合を多くして(図159(A)(B)に示すテーブル参照)、
前記通常遊技状態であるときに、前記発射球数が前記第1規定球数(24000)よりも多い第2規定球数(36000)以上である場合には、前記発射球数が前記第1規定球数以上であり且つ前記第2規定球数(36000)未満である場合よりも、前記特定計測数を前記把握態様(メータ画像COM)で表示する表示時間割合を多くする(図159(B)(C)に示すテーブル参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常遊技状態であるときに、発射球数が第1規定球数以上である場合には、発射球数が第1規定球数未満である場合よりも、特定計測数が把握態様で表示される表示時間割合が多くなる。更に、通常遊技状態であるときに、発射球数が第1規定球数よりも多い第2規定球数以上である場合には、発射球数が第1規定球数以上であり且つ第2規定球数未満である場合よりも、特定計測数が把握態様で表示される表示時間割合が多くなる。こうして、発射球数が多くなるほど、通常遊技状態で遊技者に現時点での特定計測数を段階的により把握させ易くすることが可能である。
手段W3に係る発明は、
手段W1に記載の遊技機において、
前記表示手段は、
前記通常遊技状態であるときに、前記発射球数が前記規定球数よりも少ない一定球数(12000)以上である場合には、前記特定計測数を前記把握態様(メータ画像COM)で表示することがある一方(図149(B)参照)、
前記通常遊技状態であるときに、前記発射球数が前記一定球数(12000)未満である場合には、前記特定計測数を前記把握態様で表示することがないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、発射球数が規定球数よりも少ない一定球数以上である場合には、特定計測数が把握態様で表示されることがある一方、発射球数が一定球数未満である場合には、特定計測数が把握態様で表示されることがない。これにより、発射球数が十分に多くない状況では、通常遊技状態で特定計測数が把握態様で表示されることがないため、遊技者に必要以上に特定計測数を気にさせないことが可能である。
手段W4に係る発明は、
手段W1乃至手段W3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が予め定められた基準数(95000)以上であることに基づいて、遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であることに基づいて、遊技が実行不能になる。従って、遊技者には、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。
ところで、特開2023-028948号公報に記載の遊技機では、遊技制御手段により、遊技者に付与される賞球数に基づく差玉数(特定計測数)がカウント(計測)される。そして、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、差玉数が予め定められた基準数以上になると、遊技が実行不能に制御されるようになっている。ここで、通常遊技状態で長い間遊技を行っているにも拘わらず、当たりを引けない遊技者にとって、現時点において特定計測数がどのくらいなのかを知りたい場合がある。しかしながら、通常遊技状態であるときに、特定計測数がどのくらいなのかが表示されることはなかった。そこで手段W1~W4に係る発明は、特開2023-028948号公報に記載の遊技機に対して、表示手段は、通常遊技状態であるときに、発射球数が規定球数以上である場合には、発射球数が規定球数未満である場合よりも、特定計測数を把握態様で表示する表示時間割合を多くすることが可能である点で相違している。これにより、長い間遊技を行った場合に、現時点での特定計測数を把握させ易くすることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。