JP7398341B2 - 崩壊熱評価方法、プログラム及び崩壊熱評価装置 - Google Patents

崩壊熱評価方法、プログラム及び崩壊熱評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、崩壊熱評価方法、プログラム及び崩壊熱評価装置に関する。
核燃料の崩壊熱の熱量に基づいて原子炉を管理するシステムが知られている。例えば特許文献1には、安全条件として規定された設計崩壊熱と、サイクル毎に導出した評価崩壊熱とを比較して、原子炉の熱出力に関する運転計画を生成する旨が記載されている。評価崩壊熱は、原子炉の安全性を評価したり運転計画を生成したりするために算出される予測値であるともいえる。従来、評価崩壊熱は、所定の安全率を加味した上で、予め設定した炉心についての燃焼度に基づいて算出されていた。
特開2019-184530号公報
しかし、従来の評価崩壊熱の算出方法では、安全率を高く見積もっており、実際の原子炉の状態などを高精度に反映できていないおそれがある。そのため、評価崩壊熱を現実により則して高精度に算出することが求められている。
本開示は、上述した課題を解決するものであり、評価崩壊熱を現実により則して高精度に算出可能な崩壊熱評価方法、プログラム及び崩壊熱評価装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る崩壊熱評価方法は、基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出するステップと、前記複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得するステップと、前記設計崩壊熱と前記崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、を含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る崩壊熱評価方法は、調査炉心の燃焼度の測定値と前記調査炉心の燃焼度の設計値との差分に基づいて算出された燃焼度の不確かさ度合いを取得するステップと、基準炉心の設計燃焼度と、前記燃焼度の不確かさ度合いとに基づき、設計崩壊熱を算出するステップと、前記設計崩壊熱に基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、を含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るプログラムは、基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出するステップと、前記複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得するステップと、前記設計崩壊熱と前記崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、を、コンピュータに実行させる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る崩壊熱評価装置は、基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出する設計崩壊熱算出部と、前記複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得する崩壊熱ばらつき取得部と、前記設計崩壊熱と前記崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出する評価崩壊熱算出部と、を含む。
本開示によれば、評価崩壊熱を現実により則して高精度に算出することができる。
図1は、本実施形態に係る崩壊熱評価装置の模式的なブロック図である。 図2は、燃焼度の不確かさ度合いの算出を説明する模式図である。 図3は、燃焼度の不確かさ度合いの算出の他の例を示す模式図である。 図4は、燃焼度の不確かさ度合いの算出の他の例を示す模式図である。 図5は、崩壊熱のばらつき度合いの算出を説明する模式図である。 図6は、評価崩壊熱の算出フローを説明するフローチャートである。 図7は、評価崩壊熱の一例を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
(崩壊熱評価装置)
本実施形態に係る崩壊熱評価装置10は、本実施形態に係る崩壊熱評価方法を実行して、原子力発電プラントなどの原子力設備に設けられる原子炉からの崩壊熱を評価する装置である。崩壊熱評価装置10は、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出することで、原子炉からの崩壊熱を評価する。評価崩壊熱とは、原子炉の安全性を評価したり運転計画を生成したりするために算出される、原子炉からの崩壊熱の予測値であるともいえる。例えば、原子炉の安全性の評価は、評価崩壊熱が基準値を超えるか否かに基づいて行われる。また例えば、原子炉の熱出力に関する運転計画は、評価崩壊熱に基づいて設定される。
従来においては、評価崩壊熱は、所定の安全率を加味した上で、予め設定した炉心の燃焼度などから、既知の計算コードに基づいて算出されていた。しかし、従来の評価崩壊熱の算出方法では、安全率を高く見積もっており、実際の原子炉の状態などを高精度に反映できていないおそれがある。それに対し、本実施形態に係る崩壊熱評価装置10は、以降で説明するような方法を用いることで、実際の原子炉の状態などを高精度に反映した評価崩壊熱を算出することができる。
なお、実施形態では、崩壊熱評価装置10は、後述のように評価崩壊熱に基づき原子炉の運転計画を生成することで、原子炉を管理するが、原子炉の運転計画の生成は必須ではない。また、崩壊熱評価装置10は、単体の装置で構成してもよいし、機能に応じた複数の装置で構成するシステムとしてもよいし、他の装置と一体となる構成としてもよく、特に限定されない。例えば、評価崩壊熱を算出する装置と、評価崩壊熱に基づいて原子炉の熱出力に関する運転計画を生成する装置と、に分けた運転管理システムとして構成してもよい。また、崩壊熱評価装置10を、原子力発電プラントを制御する制御装置と一体としてもよい。
図1は、本実施形態に係る崩壊熱評価装置の模式的なブロック図である。崩壊熱評価装置10は、コンピュータであり、図1に示すように、入力部12と、出力部14と、記憶部16と、制御部18とを備える。入力部12は、作業者の操作を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボードやタッチパネルなどである。出力部14は、情報を出力する装置であり、例えば制御部18の制御内容などを表示する表示装置を含む。記憶部16は、制御部18の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
制御部18は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部18は、設計崩壊熱取得部20と、崩壊熱ばらつき取得部30と、評価崩壊熱算出部40と、運転計画生成部50とを含む。制御部18は、記憶部16からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、設計崩壊熱取得部20と崩壊熱ばらつき取得部30と評価崩壊熱算出部40と運転計画生成部50とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部18は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、設計崩壊熱取得部20と崩壊熱ばらつき取得部30と評価崩壊熱算出部40と運転計画生成部50との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。
(設計崩壊熱取得部)
設計崩壊熱取得部20は、設計崩壊熱を算出する。設計崩壊熱とは、崩壊熱の設計値であり、評価崩壊熱の算出に用いられる。設計崩壊熱取得部20は、燃焼度不確かさ取得部22と、設計崩壊熱算出部24とを含む。
(燃焼度不確かさ取得部)
燃焼度不確かさ取得部22は、燃焼度の不確かさ度合いの情報を取得する。燃焼度の不確かさ度合いとは、設計崩壊熱を算出するための入力値である燃料集合体の燃焼度についての、不確かさの度合いであり、燃料集合体の燃焼度のばらつき度合いであるということもできる。本実施形態では、燃焼度の不確かさ度合いは、燃料集合体毎に共通する(一定の)値として取得される。
図2は、燃焼度の不確かさ度合いの算出を説明する模式図である。燃焼度の不確かさ度合いは、調査炉心における燃料集合体毎の燃焼度の測定値と、調査炉心における燃料集合体毎の燃焼度の設計値との、差分に基づき算出される。調査炉心とは、燃焼度の不確かさ度合いの算出のために、複数の炉心から選定される炉心である。なお、ここでの炉心とは、炉心の状態、すなわちどのような状態の燃料集合体が装填されているかを意味するものであってよい。
燃焼度の不確かさ度合いを算出する際には、最初に、調査炉心を選定して、調査炉心における燃料集合体毎の燃焼度の測定値と、燃料集合体毎の燃焼度の設計値とを取得する。本実施形態では、複数の調査炉心を選定して、複数の調査炉心のそれぞれについて、燃料集合体毎の燃焼度の測定値と設計値とを取得する。調査炉心の選定方法は任意であってよく、異なる原子炉の炉心を調査炉心として選定してよいし、同じ原子炉であってサイクルが異なる炉心を調査炉心として選定してもよいし、それらの両方を調査炉心に含めてもよい。燃焼度の測定値は、実績燃焼度であり、例えば毎月実施される出力分布測定結果に基づいて測定される。燃焼度の設計値は、設計燃焼度、すなわち燃焼度の計算値であり、例えば炉心設計コードを用いた解析によって算出される。図2では、IDがNo.1となる調査炉心の、IDがNo.1からNo.3となる燃料集合体についての燃焼度の測定値と設計値とが、それぞれ燃焼度測定値Ba(1)、Ba(2)、Ba(3)、燃焼度設計値Bb(1)、Bb(2)、Bb(3)として例示されている。ただし、調査炉心の数や、調査炉心に含まれる燃料集合体の数は任意であってよい。
燃焼度の不確かさ度合いを算出する際には、次に、燃料集合体毎に、燃焼度の測定値と燃焼度の設計値との差分を算出する。そして、算出した差分に基づき、燃料集合体毎に、燃焼度差分比率を算出する。燃焼度差分比率とは、燃焼度の測定値と設計値との差分の相対値を指し、例えば、燃料集合体のサイクル長さに対する、燃焼度の測定値と設計値との差分の比率を指してよい。図2の例では、IDがNo.1からNo.3となる燃料集合体について、燃焼度の測定値と燃焼度の設計値との差分が、それぞれ燃焼度差分Bc(1)、Bc(2)、Bc(3)として例示されており、差分比率が、それぞれ燃焼度差分比率Bd(1)、Bd(2)、Bd(3)として例示されている。
燃焼度の不確かさ度合いを算出する際には、次に、燃料集合体毎の燃焼度差分比率に基づき、燃焼度の不確かさ度合いを算出する。本実施形態においては、それぞれの燃料集合体の燃焼度差分比率から、燃焼度差分比率の標準偏差を算出し、標準偏差に基づき、燃焼度の不確かさ度合いを算出する。より詳しくは、本実施形態においては、燃焼度の差分の頻度分布を正規分布と判断して、燃料集合体毎の燃焼度の差分の頻度から、Owenの信頼係数を算出する。そして、信頼係数に標準偏差を乗じることで、燃焼度の不確かさ度合いを算出する。算出される燃焼度の不確かさ度合いは、95%信頼度、95%確率における、燃焼度の不確かさ度合いであるといえる。図2の例では、燃焼度差分比率の最大値Bmax、最小値Bminが算出され、それらに基づき、燃焼度差分比率の標準偏差Bsdが算出される旨が例示されている。そして、標準偏差Bsdに基づき、燃焼度の不確かさ度合いBが算出される旨が例示されている。
以上のように、本実施形態では、調査炉心における燃料集合体毎の燃焼度の測定値と、調査炉心における燃料集合体毎の燃焼度の設計値との差分に基づき、燃焼度の不確かさ度合いが算出される。燃焼度の不確かさ度合いは、燃料集合体の配置場所、燃焼度の値、及び燃料種類など、燃料集合体の状態に関わらず、全ての燃料集合体について共通の値として算出される。
図3及び図4は、燃焼度の不確かさ度合いの算出の他の例を示す模式図である。上述のように、燃焼度の不確かさ度合いは、燃料集合体の状態に関わらず共通の値として算出されるが、それに限られない。例えば、燃焼度の不確かさ度合いは、燃料の種類毎に設定されてもよい。この場合例えば、図3に示すように、調査炉心の燃料集合体を、燃料種類毎に区分して、燃料種類毎に、上述と同様の方法で燃焼度の不確かさ度合いを算出する。図3では、燃料種類F1、F2、F3のそれぞれについて、燃焼度差分比率の標準偏差がBsd(F1)、Bsd(F2)、Bsd(F3)であり、燃焼度の不確かさ度合いがB(F1)、B(F2)、B(F3)である旨が例示されている。ただし、本実施形態では、燃料種類毎の燃焼度の不確かさ度合いの差異が小さいため、燃料種類毎に燃焼度の不確かさ度合いを算出せずに、燃料種類によらず燃焼度の不確かさ度合いを共通の値とすることが好ましい。
また例えば、燃焼度の不確かさ度合いは、燃焼度の値毎に設定されてもよい。この場合例えば、図4に示すように、燃焼度(燃焼度の測定値又は設計値)がとり得る数値範囲を複数の数値範囲に区分して燃焼度区分とし、それぞれの燃料集合体を、いずれかの燃焼度区分に割り当てる。言い換えれば、調査炉心の燃料集合体を燃焼度の数値範囲毎に区分する。そして、燃焼度区分毎に、上述と同様の方法で燃焼度の不確かさ度合いを算出する。図4では、燃焼度区分G1、G2、G3のそれぞれについて、燃焼度差分比率の標準偏差がBsd(G1)、Bsd(G2)、Bsd(G3)であり、燃焼度の不確かさ度合いがB(G1)、B(G2)、B(G3)である旨が例示されている。このように、燃焼度の不確かさ度合いを燃焼度区分毎に設定してもよいが、本実施形態では、燃焼度区分毎の燃焼度の不確かさ度合いの差異を考慮し、燃焼度区分毎の燃焼度の不確かさ度合いのうちの最大値に基づき、全ての燃料集合体について共通となる燃焼度の不確かさ度合いを算出することが好ましい。この場合、燃焼度区分毎の燃焼度の不確かさ度合いのうちの最大値を、共通となる燃焼度の不確かさ度合いとしてもよいし、燃焼度区分毎の燃焼度の不確かさ度合いのうちの最大値に所定値を加えたものを、共通となる燃焼度の不確かさ度合いとしてもよい。
なお、本実施形態では、燃焼度不確かさ取得部22は、例えば上述の方法で予め算出された燃焼度の不確かさ度合いを取得する。例えば、燃焼度不確かさ取得部22は、予め記憶部16に記憶された燃焼度の不確かさ度合いを読み出してもよいし、図示しない通信部を介して、別の装置などから燃焼度の不確かさ度合いを受信してもよい。ただし、燃焼度不確かさ取得部22は、予め算出された燃焼度の不確かさ度合いを取得することに限られず、上述の方法を用いて、燃焼度の不確かさ度合いを算出してもよい。
(設計崩壊熱算出部)
図1に示す設計崩壊熱算出部24は、設計崩壊熱を算出する。設計崩壊熱とは、崩壊熱の算出対象となる原子炉、すなわち管理対象となる原子炉の、崩壊熱の予測値である。設計崩壊熱算出部24は、原子炉の冷却を開始してから、すなわち原子炉の運転を停止してから、所定時間が経過した時点における設計崩壊熱を算出する。ここでの設計崩壊熱は、炉心平均崩壊熱として算出される。炉心平均崩壊熱とは、炉心内のそれぞれの燃料集合体の崩壊熱の平均値である。
本実施形態では、設計崩壊熱算出部24は、燃焼度不確かさ取得部22が取得した燃焼度の不確かさ度合いと、基準炉心の設計燃焼度とに基づき、設計崩壊熱を算出する。基準炉心とは、搭載される燃料集合体が所定状態となる炉心を指し、本実施形態では平衡炉心である。ただし、基準炉心は、平衡炉心に限られず、任意に設定されてよい。また、基準炉心の設計燃焼度は、基準炉心における燃料集合体毎の燃焼度の設計値を指し、例えば炉心設計を行うにあたり、燃料集合体毎の集合体燃焼度は、過去サイクルの計算結果又は実機炉心の場合は測定値が、入力として与えられる。設計崩壊熱算出部24は、基準炉心における燃料集合体毎の設計燃焼度に、燃焼度の不確かさ度合いを加味して、設計燃焼度補正値を算出する。設計燃焼度補正値をA、基準炉心の設計燃焼度をA0、燃焼度の不確かさ度合いをBとすると、本実施形態では、例えば以下の式(1)に基づき設計燃焼度補正値を算出する。
A=A0・(100+B)/100 ・・・(1)
そして、設計崩壊熱算出部24は、設計燃焼度補正値を燃料集合体の燃焼度として所定の計算コードに入力して、解析を実行することで、設計崩壊熱を算出する。計算コードへの入力値は、燃料集合体の燃焼度(設計燃焼度補正値)だけに限られず、燃料の種類、集合体出力、サイクル燃焼度、燃料組成なども含まれる。従って、設計崩壊熱算出部24は、評価対象となる原子炉に装填される燃料の種類も入力値として、設計崩壊熱を算出する。設計崩壊熱算出部24が用いる計算コードは任意のものであってよいが、例えばORIGENコードなどを用いてもよい。
このように、設計崩壊熱算出部24は、設計燃焼度を燃焼度の不確かさ度合いで補正して、設計崩壊熱を算出するため、計算の入力値となる燃焼度の不確かさを加味して、崩壊熱の予測値を高精度に算出することが可能となる。
(崩壊熱ばらつき取得部)
図1に示す崩壊熱ばらつき取得部30は、崩壊熱のばらつき度合いの情報を取得する。崩壊熱のばらつき度合いとは、設計崩壊熱のばらつき度合いを示す値である。
崩壊熱のばらつき度合いは、複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出される。ここでの調査炉心は、燃焼度の不確かさ度合いを算出する際の調査炉心と同じ炉心であることが好ましいが、それに限られず、燃焼度の不確かさ度合いを算出する際の調査炉心と異なる炉心であってもよい。
本実施形態においては、崩壊熱のばらつき度合いは、調査炉心の状態としての入力パラメータ値に基づき、算出される。入力パラメータ値とは、崩壊熱に影響を及ぼすパラメータ(条件)である入力パラメータの値を指す。すなわち、入力パラメータとは、崩壊熱に影響を及ぼす条件の種類であり、入力パラメータ値とは、入力パラメータの値である。
図5は、崩壊熱のばらつき度合いの算出を説明する模式図である。図5に示すように、本実施形態においては、調査炉心の炉心平均燃焼度と、調査炉心のホウ素濃度と、調査炉心に挿入されている旧BP(バーナブルポイズン)の本数と、調査炉心に挿入されている新BPの本数と、調査炉心の燃料構成とが、入力パラメータとされる。炉心平均燃焼度は、炉心に装填される燃料集合体の燃焼度の平均値である。ホウ素濃度は、炉心におけるホウ素の濃度である。旧BPとは、過去に使用履歴があるバーナブルポイズン、すなわち新品でないバーナブルポイズンである。新BPは、過去に使用履歴がない新品のバーナブルポイズンである。燃料構成とは、調査炉心に装填されている燃料の種類毎の本数を指す。ただし、入力パラメータは、これらに限られず任意であってよい。例えば、炉心平均燃焼度、ホウ素濃度、及び旧BPの本数との少なくとも1つを、入力パラメータとしてよい。また、入力パラメータとして、炉心を構成する燃料集合体が経験している停止期間(中間停止期間)も含めてよい。燃料集合体が経験している停止期間とは、1サイクル終了後に次のサイクルが開始するまでの停止期間を指す。炉心平均燃焼度、ホウ素濃度、及び旧BPの本数と、炉心を構成する燃料集合体が経験している停止期間の少なくとも1つを、入力パラメータとしてよい。
崩壊熱のばらつき度合いを算出する際には、調査炉心毎に入力パラメータ値を取得する。入力パラメータが複数ある場合には、それぞれの入力パラメータの値を、調査炉心毎に取得する。すなわち、本実施形態では、炉心平均燃焼度の値と、ホウ素濃度の値と、旧BPの本数と、新BPの本数と、燃料種類毎の燃料の本数とを、調査炉心毎に取得する。図5では、IDがNo.1、No.2の調査炉心についての、炉心平均燃焼度の値とホウ素濃度の値と旧BPの本数と新BPの本数と燃料の本数とが、それぞれ、Ca(1)、Cb(1)、Cc(1)、Cd(1)、Ce(1)、Ca(2)、Cb(2)、Cc(2)、Cd(2)、Ce(2)として例示されている。
崩壊熱のばらつき度合いを算出する際には、次に、調査炉心毎の入力パラメータ値から、入力パラメータ毎に、入力パラメータ値のばらつき度合いを算出する。入力パラメータ値のばらつき度合いは、調査炉心毎の入力パラメータ値のうちの最大値に基づき算出される。例えば、調査炉心毎の入力パラメータ値のうちの最大値をばらつき度合いとしてもよいし、最大値に対して所定のマージンを加算した値をばらつき度合いとしてもよい。図5の例では、炉心平均燃焼度のばらつき度合いがCa1とされ、ホウ素濃度のばらつき度合いがCb1とされ、旧BP本数のばらつき度合いがCc1とされ、新BP本数のばらつき度合いがCd1とされ、燃料の本数のばらつき度合いがCe1とされている。また、崩壊熱のばらつき度合いを算出する際には、入力パラメータ毎に、基準入力パラメータ値が算出される。基準入力パラメータ値は、基準炉心における入力パラメータ値であり、例えば平衡炉心における入力パラメータ値であってよい。図5の例では、炉心平均燃焼度の基準入力パラメータ値がCa0とされ、ホウ素濃度の基準入力パラメータ値がCb0とされ、旧BP本数の基準入力パラメータ値がCc0とされて、新BP本数の基準入力パラメータ値がCd0とされ、燃料の本数の基準入力パラメータ値がCe0とされている。
崩壊熱のばらつき度合いを算出する際には、さらに、入力パラメータ毎に、感度を算出する。ここでの感度は、入力パラメータ値が単位量だけ変化した際の崩壊熱の変化量を示す。図5の例では、炉心平均燃焼度の感度がCa2とされ、ホウ素濃度の感度がCb2とされ、旧BP本数の感度がCc2とされ、新BP本数の感度がCd2とされ、燃料の本数の感度がCe2とされている。感度は、例えば所定の計算コードを用いて算出される。例えば、計算コードの入力値のうち、感度を算出したい入力パラメータの値のみを変えて、崩壊熱を算出して、その際の入力パラメータの値の変化量と、崩壊熱の変化量とから、感度を算出する。ここで用いる計算コードは任意であってよいが、例えばSCALEコードを用いてよい。
崩壊熱のばらつき度合いを算出する際には、入力パラメータ値のばらつき度合いと感度とから、入力パラメータ毎に、崩壊熱への影響度を算出する。崩壊熱への影響度とは、その入力パラメータが崩壊熱に与える影響(感度)を、入力パラメータ値のばらつき度合いを加味して算出したものである。本実施形態では、例えば、入力パラメータ値のばらつき度合いと感度とを乗じた値を、崩壊熱への影響度として算出する。図5の例では、炉心平均燃焼度の崩壊熱への影響度がCaとされ、ホウ素濃度の崩壊熱への影響度がCbとされ、旧BP本数の崩壊熱への影響度がCcとされ、新BP本数の崩壊熱への影響度がCdとされ、燃料の本数の崩壊熱への影響度がCeとされている。
そして、崩壊熱への影響度に基づき、崩壊熱のばらつき度合いの算出に用いる入力パラメータである、算出用入力パラメータを選定する。本実施形態では、複数の入力パラメータのうち、入力パラメータ値のばらつきに起因して崩壊熱が高くなる入力パラメータを、算出用入力パラメータとして選定する。言い換えれば、崩壊熱への影響度がプラスとなる入力パラメータを、算出用入力パラメータとして選定する。そして、崩壊熱への影響度がマイナスとなる入力パラメータについては、算出用入力パラメータから除外する。本実施形態においては、炉心平均燃焼度、ホウ素濃度、及び旧BPの本数を、算出用入力パラメータとして、新BP本数及び燃料の本数(燃料構成)は、算出用入力パラメータから除外することが好ましい。なお、算出用入力パラメータ炉心を構成する燃料集合体が経験している停止期間(中間停止期間)も含めてよい。このように、本実施形態では、崩壊熱への影響度に基づき、算出用入力パラメータを選定するが、このプロセスは必須ではない。
次に、算出用入力パラメータの入力パラメータ値のばらつき度合いと、感度とに基づき、崩壊熱のばらつき度合いを算出する。本実施形態では、算出用入力パラメータ毎の相関関係から、崩壊熱のばらつき度合いを一定の値として算出する。具体的には、入力パラメータ値の標準偏差を、算出用入力パラメータ毎に算出する。入力パラメータ値の標準偏差は、調査炉心毎の入力パラメータ値や入力パラメータ値のばらつき度合いなどから算出される。そして、算出用入力パラメータ同士の相関係数を算出する。本実施形態では、炉心平均燃焼度、ホウ素濃度、及び旧BPの本数が算出用入力パラメータなので、炉心平均燃焼度とホウ素濃度との相関係数、炉心平均燃焼度と旧BPの本数との相関係数、及び、ホウ素濃度と旧BPの本数との相関係数が算出される。次に、標準偏差と相関係数から、算出用入力パラメータ毎に共分散を算出する。そして、感度と共分散とから、SVS(崩壊熱影響)を算出し、SVSの平方根を、崩壊熱のばらつき度合いとして算出する。このように、本実施形態では、入力パラメータ毎の相関関係と、入力パラメータ値のばらつき度合いとを加味して、崩壊熱のばらつき度合いを算出することができる。図5では、崩壊熱のばらつき度合いをCとして算出する旨が例示されている。
崩壊熱のばらつき度合いは、以上のような方法で算出されるが、算出方法は以上の説明に限られず、複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出されるものであればよい。例えば、入力パラメータ毎の崩壊熱への影響度に基づき、崩壊熱のばらつき度合いを算出してもよい。また、入力パラメータ値に基づいて算出されなくてもよく、例えば、調査炉心の状態として、複数の調査炉心の崩壊熱の平均値を算出し、崩壊熱が最大となる調査炉心の崩壊熱と平均値とのずれ量から、崩壊熱のばらつき度合いを算出してもよい。
なお、本実施形態では、崩壊熱ばらつき取得部30は、上述の方法で予め算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得する。例えば、崩壊熱ばらつき取得部30は、予め記憶部16に記憶された崩壊熱のばらつき度合いを読み出してもよいし、図示しない通信部を介して、別の装置などから崩壊熱のばらつき度合いを受信してもよい。ただし、崩壊熱ばらつき取得部30は、予め算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得することに限られず、上述の方法を用いて、崩壊熱のばらつき度合いを算出してもよい。
(評価崩壊熱算出部)
図1に示す評価崩壊熱算出部40は、設計崩壊熱算出部24が算出した設計崩壊熱と、崩壊熱ばらつき取得部30が取得した崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、評価崩壊熱を算出する。評価崩壊熱算出部40は、設計崩壊熱に、崩壊熱のばらつき度合いを加味することで、評価崩壊熱を算出する。設計崩壊熱をC0、崩壊熱のばらつき度合いをC、評価崩壊熱をDとすると、本実施形態では、例えば以下の式(2)に基づき評価崩壊熱を算出する。
D=C0・(100+C)/100 ・・・(2)
評価崩壊熱算出部40が算出した評価崩壊熱は、原子炉の冷却を開始してから、すなわち原子炉の運転を停止してから、所定時間が経過した時点における崩壊熱の予測値である。そのため、評価崩壊熱算出部40が算出した評価崩壊熱に基づき、原子炉の安全性を評価することができる。例えば、評価崩壊熱算出部40は、評価崩壊熱が制限値を超えないかを判定して、制限値を超えない場合は、原子炉の安全性が確保される旨の情報を出力し、制限値を超える場合は、原子炉の安全性が確保されないリスクがある旨の情報を出力してよい。
(運転計画生成部50)
図1に示す運転計画生成部50は、評価崩壊熱算出部40が算出した評価崩壊熱に基づき、原子炉の熱出力に関する運転計画を生成する。ただし、運転計画生成部50は必須の構成でなく、崩壊熱評価装置10は、評価崩壊熱に基づき原子炉の運転計画を生成しなくてもよい。
(評価崩壊熱の算出フロー)
次に、評価崩壊熱の算出フローを説明する。図6は、評価崩壊熱の算出フローを説明するフローチャートである。図6に示すように、原子炉の評価崩壊熱を算出する場合、崩壊熱評価装置10は、燃焼度不確かさ取得部22により、燃焼度の不確かさ度合いの情報を取得し(ステップS10)、設計崩壊熱算出部24により、設計燃焼度と燃焼度の不確かさ度合いに基づき、原子炉の設計崩壊熱を算出する(ステップS12)。また、崩壊熱評価装置10は、崩壊熱ばらつき取得部30により、崩壊熱のばらつき度合いの情報を取得する(ステップS14)。そして、崩壊熱評価装置10は、評価崩壊熱算出部40により、設計崩壊熱と崩壊熱のばらつき度合いとに基づき、原子炉の評価崩壊熱を算出する(ステップS16)。
(効果)
このように、崩壊熱評価装置10は、燃焼度の不確かさ度合いと崩壊熱のばらつき度合いとを加味して、原子炉の評価崩壊熱を算出する。従って、崩壊熱評価装置10によって算出される評価崩壊熱は、燃焼度の不確かさと崩壊熱のばらつきを反映して、実際の原子炉の状態を高精度に反映したものとなる。図7は、評価崩壊熱の一例を示すグラフである。図7の横軸は時間であり、縦軸が算出される崩壊熱を示す。図7においては、時刻t0が原子炉を停止したタイミングを示し、時刻t0から所定時間経過した時刻t1における評価崩壊熱を算出するものとする。時刻t1は、例えば時刻t0から10秒後であるが、それに限られない。図7の線分L1は、燃焼度の不確かさと崩壊熱のばらつきとを加味しない場合の設計崩壊熱を示しており、線分L2は、燃焼度の不確かさを加味した場合の設計崩壊熱を示しており、線分L3は、燃焼度の不確かさと崩壊熱のばらつきとを加味した評価崩壊熱を示している。すなわち、線分L3が、崩壊熱評価装置10によって算出される評価崩壊熱である。一方、線分L0は、従来の方法で算出される評価崩壊熱であり、線分L0の設計崩壊熱に、予め設定された安全率を加味したものとなる。線分L3と線分L0とを比較すると、線分L3の評価崩壊熱の方が、より現実の原子炉の状態に則した値となっており、線分L0の評価崩壊熱より値が低くなっている。従って、本実施形態の方法で算出した評価崩壊熱を用いた場合、従来の方法よりも、現実の状態に則して原子炉の安全性の評価や運転計画の作成を実施することが可能となり、例えば、原子炉の設備工事を行うことなくより既存の燃料と比べてより大きな崩壊熱を発生する燃料を搭載することが可能となる。
なお、本実施形態においては、燃焼度の不確かさ度合いに基づいて算出した設計崩壊熱と、崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、評価崩壊熱を算出していた。ただし、燃焼度の不確かさ度合いと崩壊熱のばらつき度合いとの両方を用いることに限られず、燃焼度の不確かさ度合いと崩壊熱のばらつき度合いとの少なくとも一方を用いて評価崩壊熱を算出してよい。
以上説明したように、本実施形態に係る崩壊熱評価方法は、基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出するステップと、複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得するステップと、設計崩壊熱と崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、を含む。本方法によると、崩壊熱のばらつき度合いを用いることで、現実により則して、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。そのため、本方法により算出された評価崩壊熱を用いることで、原子炉をより適切に評価することができる。さらに言えば、従来の方法に比べて、評価崩壊熱を高く見積もり過ぎなくすることが可能となるため、例えば原子炉の設備工事を行うことなく、既存の燃料と比べてより大きな崩壊熱を発生する燃料燃料を搭載することが可能となる。
また、崩壊熱のばらつき度合いは、複数の調査炉心の、崩壊熱に影響を及ぼす入力パラメータの値である入力パラメータ値に基づいて算出される。本方法によると、入力パラメータ値に基づいて算出された崩壊熱のばらつき度合いを用いることで、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
また、崩壊熱のばらつき度合いは、複数の調査炉心の入力パラメータ値に基づいて算出された入力パラメータ値のばらつき度合いと、入力パラメータ値が単位量だけ変化した際の崩壊熱の変化量である感度と、に基づいて算出される。本方法によると、このように算出された崩壊熱のばらつき度合いを用いることで、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
また、崩壊熱のばらつき度合いは、複数種類の入力パラメータ毎に算出された入力パラメータ値のばらつき度合いと、複数種類の入力パラメータ毎に算出された感度と、に基づいて算出される。本方法によると、このように算出された崩壊熱のばらつき度合いを用いることで、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
入力パラメータは、調査炉心の炉心平均燃焼度と、調査炉心のホウ素濃度と、調査炉心に挿入されており過去に使用履歴があるバーナブルポイズン棒の数と、算出用入力パラメータ炉心を構成する燃料集合体が経験している停止期間との少なくとも1つを含む。本方法によると、このような入力パラメータに基づいて算出された崩壊熱のばらつき度合いを用いることで、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
設計崩壊熱を算出するステップにおいては、調査炉心の燃焼度の測定値と調査炉心の燃焼度の設計値との差分に基づいて算出された燃焼度の不確かさ度合いを取得し、燃焼度の不確かさ度合いと、基準炉心の設計燃焼度とに基づき、設計崩壊熱を算出する。本方法によると、燃焼度の不確かさ度合いを用いることで、現実により則して、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
燃焼度の不確かさ度合いは、複数の調査炉心の、燃料集合体毎の燃焼度の測定値と設計値との差分に基づいて算出される。本方法によると、このように算出された燃焼度の不確かさ度合いを用いることで、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
燃焼度の不確かさ度合いは、燃焼度を数値範囲毎に区分した燃焼度区分毎に算出されてもよい。本方法によると、このように算出された燃焼度の不確かさ度合いを用いることで、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
燃焼度の不確かさ度合いは、燃燃焼の種類毎に算出されてもよい。本方法によると、このように算出された燃焼度の不確かさ度合いを用いることで、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
本方法は、評価崩壊熱に基づき、原子炉の運転計画を生成するステップをさらに含む。本方法によると、評価崩壊熱に基づいて原子炉の運転計画を生成するため、運転計画を適切に生成できる。
本実施形態に係る崩壊熱評価方法は、調査炉心の燃焼度の測定値と調査炉心の燃焼度の設計値との差分に基づいて算出された燃焼度の不確かさ度合いを取得するステップと、基準炉心の設計燃焼度と燃焼度の不確かさ度合いとに基づき、設計崩壊熱を算出するステップと、設計崩壊熱に基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、を含む。本方法によると、燃焼度の不確かさ度合いを用いることで、現実により則して、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
本実施形態に係るプログラムは、基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出するステップと、複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得するステップと、設計崩壊熱と崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップとを、コンピュータに実行させる。本プログラムによると、崩壊熱のばらつき度合いを用いることで、現実により則して、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
本実施形態に係る崩壊熱評価装置10は、基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出する設計崩壊熱算出部24と、複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得する崩壊熱ばらつき取得部30と、設計崩壊熱と崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出する評価崩壊熱算出部40とを含む。崩壊熱評価装置10によると、崩壊熱のばらつき度合いを用いることで、現実により則して、高精度に評価崩壊熱を算出することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
10 崩壊熱評価装置
20 設計崩壊熱取得部
22 燃焼度不確かさ取得部
24 設計崩壊熱算出部
30 崩壊熱ばらつき取得部
40 評価崩壊熱算出部

Claims (13)

  1. 任意の炉心における燃焼度の設計値である基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出するステップと、
    複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得するステップと、
    前記設計崩壊熱と前記崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、
    を含む、崩壊熱評価方法。
  2. 前記崩壊熱のばらつき度合いは、複数の前記調査炉心の、崩壊熱に影響を及ぼす入力パラメータの値である入力パラメータ値に基づいて算出される、請求項1に記載の崩壊熱評価方法。
  3. 前記崩壊熱のばらつき度合いは、複数の前記調査炉心の前記入力パラメータ値に基づいて算出された入力パラメータ値のばらつき度合いと、前記入力パラメータ値が単位量だけ変化した際の崩壊熱の変化量である感度と、に基づいて算出される、請求項2に記載の崩壊熱評価方法。
  4. 前記崩壊熱のばらつき度合いは、複数種類の前記入力パラメータ毎に算出された入力パラメータ値のばらつき度合いと、複数種類の前記入力パラメータ毎に算出された前記感度と、に基づいて算出される、請求項3に記載の崩壊熱評価方法。
  5. 前記入力パラメータは、前記調査炉心の炉心平均燃焼度と、前記調査炉心のホウ素濃度と、前記調査炉心に挿入されており過去に使用履歴があるバーナブルポイズン棒の数と、炉心を構成する燃料集合体が経験している停止期間の少なくとも1つを含む、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の崩壊熱評価方法。
  6. 前記設計崩壊熱を算出するステップにおいては、
    調査炉心の燃焼度の測定値と前記調査炉心の燃焼度の設計値との差分に基づいて算出された燃焼度の不確かさ度合いを取得し、
    前記燃焼度の不確かさ度合いと、前記基準炉心の設計燃焼度とに基づき、前記設計崩壊熱を算出する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の崩壊熱評価方法。
  7. 前記燃焼度の不確かさ度合いは、複数の前記調査炉心の、燃料集合体毎の燃焼度の測定値と設計値との差分に基づいて算出される、請求項6に記載の崩壊熱評価方法。
  8. 前記燃焼度の不確かさ度合いは、燃焼度を数値範囲毎に区分した燃焼度区分毎に算出される、請求項7に記載の崩壊熱評価方法。
  9. 前記燃焼度の不確かさ度合いは、燃焼の種類毎に算出される、請求項7又は請求項8に記載の崩壊熱評価方法。
  10. 前記評価崩壊熱に基づき、原子炉の運転計画を生成するステップをさらに含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の崩壊熱評価方法。
  11. 調査炉心の燃焼度の測定値と前記調査炉心の燃焼度の設計値との差分に基づいて算出された燃焼度の不確かさ度合いを取得するステップと、
    任意の炉心における燃焼度の設計値である基準炉心の設計燃焼度と、前記燃焼度の不確かさ度合いとに基づき、設計崩壊熱を算出するステップと、
    前記設計崩壊熱に基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、
    を含む、崩壊熱評価方法。
  12. 任意の炉心における燃焼度の設計値である基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出するステップと、
    複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得するステップと、
    前記設計崩壊熱と前記崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出するステップと、
    を、コンピュータに実行させる、プログラム。
  13. 任意の炉心における燃焼度の設計値である基準炉心の設計燃焼度に基づき設計崩壊熱を算出する設計崩壊熱算出部と、
    複数の調査炉心の状態の情報に基づき算出された崩壊熱のばらつき度合いを取得する崩壊熱ばらつき取得部と、
    前記設計崩壊熱と前記崩壊熱のばらつき度合いとに基づいて、原子炉を評価するための評価崩壊熱を算出する評価崩壊熱算出部と、
    を含む、崩壊熱評価装置。
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