以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施の形態は、在庫として持つ複数の鋼片の中から、何れの鋼片を次の製造工程(以下、「次工程」という)の工場へ搬送するかを判断し、台車の配車及び鋼片の搬送を指示する鋼片物流管制業務を支援対象とするものである。
鋼片物流管制業務において、在庫として持つ複数の鋼片は、通常、上工程の製造単位であるロットと呼ばれる単位で管理されるが、ロットが分割され、複数の置場に分散して管理されることもある。
次工程の工場に、作業対象の鋼片を置いておくのに充分な置場がない場合、鋼片物流管制担当者は、一日又は一勤の作業開始前に、次工程の作業スケジュールに間に合うように次工程の工場へ搬送する鋼片を選択し、その搬送を指示する。この次工程の作業スケジュールは、更にその次の製造工程(以下、「次々工程」という)の作業スケジュールに間に合うよう、次工程の工程能力に応じて作成される。しかし、実際には、次工程の工場へ鋼片を運ぶ台車の配車、台車への鋼片の積み上げ、台車からの鋼片の積み下ろし等の作業負荷もある。そのため、次工程の工程能力だけを考慮した作業スケジュールでは、スケジュール通りに作業できない可能性がある。特に、次工程の作業スケジュールに組み込まれている鋼片が複数の置場に散在する場合には、搬送の負荷も増え、その可能性が高まる。作業スケジュールを守ることができない場合は、需要家への納期の遅れにつながる虞がある。
そこで、本実施の形態では、搬送が必要な鋼片が置かれている置場及び搬送すべき鋼片の数を提示することにより、次工程の作業スケジュールを守るための判断を効率的に行えるよう支援する。尚、本実施の形態では、具体的な数値を用いて説明することがあるが、その場合の数値はあくまで仮想のものであって、実際の操業データを示すものではない。また、以下では、鋼片の搬送に対して本実施の形態を適用した場合について説明するが、本実施の形態は、一般の資材の搬送に対しても適用可能である。
[搬送判断支援システムの構成]
図1は、本実施の形態における搬送判断支援システム1の機能構成例を示した図である。図示するように、搬送判断支援システム1は、搬送判断支援装置10と、端末装置20とを備える。搬送判断支援装置10は、何れの置場から何本の鋼片を選択して次工程へ搬送すればよいかを示す情報を端末装置20に表示し、端末装置20は、表示した情報に基づき鋼片の搬送に関する判断をユーザに促す。
搬送判断支援装置10は、在庫情報記憶部11と、次々工程スケジュール記憶部12と、優先順位マスタ記憶部13と、次工程スケジュール作成部14と、次工程スケジュール記憶部15と、置場別本数算出部16と、送付明細作成部17とを備える。
在庫情報記憶部11は、在庫情報を記憶する。図2に在庫情報の一例を示す。図示するように、在庫情報は、ロット名と、置場名と、次工程済みフラグと、ロット本数とを含む。
ロット名は、上工程の製造単位であるロットの識別情報である。但し、ロットを一意に識別できるものであれば、ロット名ではなく、ロット番号、ロットID、ロットコード等、如何なる情報を用いてもよい。
置場名は、対応するロットが置かれている置場の識別情報である。但し、置場を一意に識別できるものであれば、置場名ではなく、置場番号、置場ID、置場コード等、如何なる情報を用いてもよい。
次工程済みフラグは、対応するロットに対する次工程の作業が済んでいるかどうかを示すフラグである。次工程の作業が済んでいる(次工程済みである)ことを「1」で表し、次工程の作業が済んでいない(次工程未である)ことを「0」で表す。
ロット本数は、対応するロットの対応する置場に置かれている鋼片の本数である。ここで、ロット本数は、主に完成品について用いられる1ダース(12個)、1カートン(1箱に収納できる数)等のようなロットに対して決まった数ではない。本実施の形態では、鉄の半製品である鋼片を対象としているため、加工の難易度により、上工程で一度に作られる本数が一定ではないからである。
尚、本実施の形態では、第1の工程の一例として、次工程を用いており、複数の置場に在庫として置かれた第1の工程での作業の対象となる資材の数である在庫数の一例として、ロット本数を用いている。また、複数の置場と在庫数とを記憶する第1の記憶手段の一例として、在庫情報記憶部11を設けている。
次々工程スケジュール記憶部12は、次々工程の作業スケジュール(以下、「次々工程スケジュール」という)を記憶する。図3に次々工程スケジュールの一例を示す。図示するように、次々工程スケジュールは、Noと、作業日と、作業時間と、ロット名と、対象本数とを含む。
Noは、作業単位の識別情報である。但し、作業単位を一意に識別できるものであれば、Noではなく、作業単位ID、作業単位コード等、如何なる情報を用いてもよい。
作業日及び作業時間は、対応する作業単位を行うべき日及び時間帯である。
ロット名は、対応する作業単位で作業の対象となるロットの識別情報である。但し、ロットを一意に識別できるものであれば、ロット名ではなく、ロット番号、ロットID、ロットコード等、如何なる情報を用いてもよい。
対象本数は、対応する作業単位で作業の対象となる鋼片の本数である。ここで、対象本数は、ロットごとに、在庫情報のロット本数の合計値以下となるように設定されているものとする。
尚、本実施の形態は、次工程と次々工程とを対象としているが、次工程と次々工程との間に鋼片に対する作業とは直接関係しない別工程が存在することを除外するものではない。従って、本実施の形態では、第1の工程よりも後の第2の工程の一例として、次々工程を用いていることになる。また、第2の工程で必要となる資材の数である必要数の一例として、対象本数を用いている。更に、必要数を記憶する第2の記憶手段の一例として、次々工程スケジュール記憶部12を設けている。
優先順位マスタ記憶部13は、優先順位マスタを記憶する。図4に優先順位マスタの一例を示す。図示するように、優先順位マスタは、次々工程スケジュールの優先順位と、次工程済みフラグの優先順位と、置場の優先順位とを含む。
次々工程スケジュールの優先順位は、次々工程スケジュールの複数の作業単位で作業の対象となるロットのうち何れを優先すべきかを示す優先順位である。図には、次々工程スケジュールのNoの順に優先すべきことが「昇順」で示されている。
次工程済みフラグ及び置場の優先順位は、在庫情報において、同じロット名であっても、次工程済みのものと次工程未のものとがあったり、複数の置場に置かれていたりする場合に、何れを優先すべきかを示す優先順位である。図には、次工程済みフラグが「1」のロットは次工程済みフラグが「0」のロットよりも優先されることが示されている。また、次工程済みフラグが「1」の場合、置場は「次々工程内1」、「次工程内2」、「外1」、「外2」、「外3」、「外4」、「外5」の順に優先され、次工程済みフラグが「0」の場合、置場は「次工程内1」、「外1」、「外2」、「外3」、「外4」、「外5」の順に優先されることが示されている。ここで、置場は、搬送時の作業負荷が低い方から順に、「次々工程内1」、「次工程内2」、「外1」、「外2」、「外3」、「外4」、「外5」であるものとする。搬送時の作業負荷は、例えば、各置場から次工程の工場までの距離のみによって決めてもよいし、更に各置場における台車への鋼片の積み上げ等の作業の困難さを表す数値を加味して決めてもよい。
尚、本実施の形態では、第2の工程で先に必要となる資材が第2の工程で後に必要となる資材よりも優先されるように定められた優先順位の一例として、次々工程スケジュールの優先順位を用いており、第1の工程での作業が済んでいる資材が第1の工程での作業が済んでいない資材よりも優先されるように定められた優先順位の一例として、次工程済みフラグの優先順位を用いており、搬送時の負荷が低い置場に置かれた資材が搬送時の負荷が高い置場に置かれた資材よりも優先されるように定められた優先順位の一例として、置場の優先順位を用いている。また、資材の搬送に関する資材の優先順位を記憶する第3の記憶手段の一例として、優先順位マスタ記憶部13を設けている。
次工程スケジュール作成部14は、在庫情報記憶部11に記憶された在庫情報と、次々工程スケジュール記憶部12に記憶された次々工程スケジュールと、優先順位マスタ記憶部13に記憶された優先順位マスタとに基づいて、次工程の作業スケジュール(以下、「次工程スケジュール」という)を作成する。具体的には、在庫情報と次々工程作業スケジュールとを参照して、次工程での作業が必要なロットのロット名と次工程での作業が必要な鋼片の本数(以下、「次工程対象本数」という)を特定し、次々工程での作業順に各々1日のマージンを持って並べる。そして、並べた結果の上から順に、各ロット名について、優先順位マスタと在庫情報とを参照して、何れの置場から鋼片を選択するかを決定する。その際、選択する鋼片の本数は、次々工程での作業が必要な鋼片の本数(以下、「次々工程対象本数」という)に揃える場合と、在庫情報のロット本数単位とする場合と、在庫情報のチャージ本数単位とする場合とがある。チャージとは一般にロットをまとめたものであるが、ここでは、同じ置場に置かれているものに限りチャージと呼ぶことにする。具体的には、ロット名の上2桁が同じであり、かつ、置場が同じである鋼片を同じチャージの鋼片とし、そのロット本数をチャージ本数としている。本実施の形態では、複数の置場のうちの第1の工程へ搬送すべき資材が置かれた少なくとも1つの置場の一例として、選択される置場を用いており、その少なくとも1つの置場から第1の工程へ搬送すべき資材の数である搬送数の一例として、次工程対象本数を用いている。また、同じ置場に置かれた同じ製造単位に属する資材の在庫数の一例として、チャージ本数を用いている。更に、少なくとも1つの置場と搬送数とを決定する決定手段の一例として、次工程スケジュール作成部14を設けている。
尚、以下の説明でも、次工程スケジュール作成部14は、在庫情報記憶部11に記憶された在庫情報と、次々工程スケジュール記憶部12に記憶された次々工程スケジュールとに加え、優先順位マスタ記憶部13に記憶された優先順位マスタを参照して、次工程スケジュールを作成するものとするが、これには限られない。次工程スケジュール作成部14は、在庫情報記憶部11に記憶された在庫情報と、次々工程スケジュール記憶部12に記憶された次々工程スケジュールとに加え、予め定められた条件を用いて、次工程スケジュールを作成するものでもよい。優先順位マスタを参照して次工程スケジュールを作成する場合は、優先順位に基づく条件を、上記の予め定められた条件として用いるものと捉えればよい。
次工程スケジュール記憶部15は、次工程スケジュール作成部14により作成された次工程スケジュールを記憶する。図5、図6-1及び図6-2に次工程スケジュールの一例を示す。図示するように、次工程スケジュールは、作業日と、作業時間と、ロット名と、次々工程対象本数と、次工程対象本数と、置場名とを含む。作業日、作業時間、ロット名、及び、次々工程対象本数は、図3に示した次々工程スケジュールの作業日、作業時間、ロット名、及び、対象本数に対応する。次工程対象本数は、対応する次々工程の作業単位のために次工程で作業の対象となる鋼片の本数である。置場名は、対応する次々工程の作業単位のために次工程で作業の対象となる鋼片が置かれた置場の識別情報である。但し、図5、図6-1及び図6-2の次工程スケジュールは、初期状態では作成されておらず、次工程スケジュール作成部14が実行されることにより作成される。図5は、次工程対象本数を次々工程対象本数に揃えた場合の例であり、図6-1は、次工程対象本数をロット本数単位とした場合の例であり、図6-2は、次工程対象本数をチャージ本数単位とした場合の例である。
尚、以下の説明でも、次工程スケジュール記憶部15は、図5、図6-1及び図6-2に例示した形式の次工程スケジュールを記憶するものとするが、これには限られない。次工程スケジュール記憶部15は、図5、図6-1及び図6-2の形式の次工程スケジュールから次工程対象本数が「0」である行を取り除いた形式の次工程スケジュールを記憶するものでもよい。
置場別本数算出部16は、次工程スケジュール記憶部15に記憶された次工程スケジュールに基づいて、置場別本数を算出する。具体的には、次工程作業スケジュールにおける鋼片の本数を、次々工程作業スケジュールの作業日及び作業時間ごとに置場別に合計し、合計結果を端末装置20に一覧表示する。その際、合計する鋼片の本数は、次工程対象本数に合わせて、次々工程対象本数に揃える場合と、ロット本数単位とする場合とがある。本実施の形態では、少なくとも1つの置場及び搬送数を示す情報を表示する表示手段の一例として、置場別本数算出部16を設けている。
送付明細作成部17は、次工程スケジュール記憶部15に記憶された次工程スケジュールに基づいて、置場ごとの送付明細を作成する。具体的には、置場ごとに、指定期間に次工程に送付すべき在庫である鋼片の本数を、次工程のスケジュール順に端末装置20に一覧表示する。その際、鋼片の本数は、次工程対象本数に合わせて、次々工程対象本数に揃える場合と、ロット本数単位とする場合とがある。本実施の形態では、作業単位ごとの搬送数を示す情報を表示する表示手段の一例として、置場別本数算出部16を設けている。
[搬送判断支援装置の動作]
図7は、本実施の形態における搬送判断支援装置10の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、搬送判断支援装置10では、まず、次工程スケジュール作成部14が、在庫情報記憶部11から在庫情報を、次々工程スケジュール記憶部12から次々工程スケジュールを、優先順位マスタ記憶部13から優先順位マスタを、それぞれ読み込む(ステップ101)。
次に、次工程スケジュール作成部14は、次工程スケジュール作成処理を行う(ステップ102)。これにより作成された次工程スケジュールは、次工程スケジュール記憶部15に記憶される。尚、この次工程スケジュール作成処理の詳細については、後述する。
次いで、置場別本数算出部16が、次工程スケジュール記憶部15に記憶された次工程スケジュールに基づいて、次工程で必要となる鋼片の本数を置場別に合計する(ステップ103)。
その後、置場別本数算出部16は、合計結果を端末装置20に表示する(ステップ104)。
次いで、送付明細作成部17が、次工程スケジュール記憶部15に記憶された次工程スケジュールに基づいて、置場ごとの次工程に送付すべき在庫の明細である送付明細を作成する(ステップ105)。
その後、送付明細作成部17は、作成した送付明細を端末装置20に表示する(ステップ106)。
図8-1及び図8-2は、図7のステップ102の次工程スケジュール作成処理の流れを示したフローチャートである。
図8-1に示すように、次工程スケジュール作成部14は、ステップ101で読み込んだ次々工程スケジュールからNo順が最先の未処理の行を読み込む(ステップ151)。そして、ステップ101で読み込んだ在庫情報の行のうち、ステップ151で読み込んだ行におけるロット名を含む行の中に、ロット本数が「0」より大きい次工程済みの行があるかどうかを判定する(ステップ152)。
その結果、在庫情報の該当ロット名を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行があると判定すれば、次工程スケジュール作成部14は、その行におけるロット本数(次工程済み本数)が、ステップ151で読み込んだ行における対象本数(次々工程対象本数)以上であるかどうかを判定する(ステップ153)。
次工程済み本数が次々工程対象本数以上である場合、即ち、次々工程で必要とされる鋼片に対する次工程の作業が済んでいる場合、次工程スケジュール作成部14は、次工程対象本数を「0」とする(ステップ154)。そして、在庫情報のステップ152で特定した行におけるロット本数から次々工程対象本数を減ずる(ステップ155)。
次工程済み本数が次々工程対象本数以上でない場合、即ち、次々工程で必要とされる鋼片に対する次工程の作業が済んでいない場合、次工程スケジュール作成部14は、次工程対象本数を、次々工程対象本数から次工程済み本数を減じた本数とする(ステップ156)。そして、在庫情報のステップ152で特定した行におけるロット本数を「0」にする(ステップ157)。
一方、ステップ152で、在庫情報の該当ロット名を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がないと判定すれば、図8-2に示すように、次工程スケジュール作成部14は、ステップ101で読み込んだ在庫情報の行のうち、ステップ151で読み込んだ行におけるロット名を含む行の中に、ロット本数が「0」より大きい次工程未の行があるかどうかを判定する(ステップ158)。
その結果、在庫情報の該当ロット名を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行があると判定すれば、次工程スケジュール作成部14は、次工程対象本数を次々工程対象本数とする(ステップ159)。
このようにステップ156又はステップ159で次工程対象本数に値が設定されると、次工程スケジュール作成部14は、在庫情報の行のうち、ステップ151で読み込んだ行におけるロット名を含み、次工程未の行から、ステップ101で読み込んだ優先順位マスタに従って行を選択する(ステップ160)。具体的には、優先順位マスタで優先順位が高くなっている行を選択する。また、次工程スケジュール作成部14は、置場名を、選択した行における置場名とする(ステップ161)。更に、次工程スケジュール作成部14は、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合、次工程対象本数を、ステップ156又はステップ159で決定された次工程対象本数とし、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合、次工程対象本数を、在庫情報のステップ160で選択した行におけるロット本数とし、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合、次工程対象本数を、在庫情報のステップ160で選択した行に関するチャージ本数とする(ステップ162)。このうち、選択した行に関するチャージ本数とは、選択した行におけるロット本数に、選択した行と同じチャージの行におけるロット本数を加算した本数である。そして、次工程スケジュール作成部14は、在庫情報のステップ160で選択した行におけるロット本数から次工程対象本数を減ずる(ステップ163)。
一方、ステップ158で、在庫情報の該当ロット名を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行がないと判定すれば、次工程スケジュール作成部14は、次工程対象本数を「0」とする(ステップ164)。
以上の処理で次工程対象本数及び置場名に値が設定されると、次工程スケジュール作成部14は、ステップ151で読み込んだ行における作業日、作業時間、ロット名、及び、次々工程対象本数に、次工程対象本数及び置場名を付加して、次工程スケジュールとして次工程スケジュール記憶部15に書き出す(ステップ165)。その後、次工程スケジュール作成部14は、ステップ101で読み込んだ次々工程スケジュールに未処理の行があるかどうかを判定する(ステップ166)。そして、未処理の行があれば、処理をステップ151に戻し、未処理の行がなければ、処理を終了する。
以下、図8-1及び図8-2の次工程スケジュール作成処理の流れを、図2~図6-2の具体例を用いて詳細に説明する。
まず、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo1の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「A1-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行である1行目があるので、ステップ152の判定は「YES」となる。そして、図2の在庫情報の1行目におけるロット本数「3」は次々工程対象本数「2」以上であるので、ステップ153の判定も「YES」となる。その結果、ステップ154で、次工程対象本数に「0」が設定され、ステップ155で、図2の在庫情報の1行目におけるロット本数は、「3」から次々工程対象本数「2」が減算されて「1」となる。その後、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo1の行に、次工程対象本数「0」が付加されて、図5、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの1行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo2の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図3の次々工程スケジュールのNo1の行が読み込まれた場合と同様の処理が行われ、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo2の行に、次工程対象本数「0」が付加されて、図5、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの2行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo3の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「A1-3」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がないので、ステップ152の判定は「NO」となる。また、図2の在庫情報のロット名「A1-3」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行である4行目があるので、ステップ158の判定は「YES」となる。その結果、ステップ159で、次工程対象本数に次々工程対象本数「5」が設定される。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「A1-3」を含む行の中の次工程未の行である4行目が選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の4行目における置場名「次工程内1」が設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、次工程対象本数にそのまま次工程対象本数「5」が再設定され、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の4行目におけるロット本数「5」が再設定される。次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の4行目に関するチャージ本数が再設定される。ここで、図2の在庫情報の4行目に関するチャージ本数は、図2の在庫情報の4行目におけるロット本数「5」にこれと同じチャージである図2の在庫情報の2行目におけるロット本数「2」を加算した本数「7」である。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の4行目におけるロット本数は、「5」から次工程対象本数「5」が減算されて「0」となる。尚、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、図2の在庫情報の2行目におけるロット本数も、「2」からロット本数「2」が減算されて「0」となる。その後、次工程対象本数としてそのままの本数又はロット本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo3の行に、次工程対象本数「5」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図5又は図6-1の次工程スケジュールの3行目が書き出される。また、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo3の行に、次工程対象本数「7」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図6-2の次工程スケジュールの3行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo4の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「A1-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行である1行目があるので、ステップ152の判定は「YES」となる。そして、図2の在庫情報の1行目におけるロット本数「1」(次々工程スケジュールのNo1の行が読み込まれたときに減算されている)は次々工程対象本数「2」以下であるので、ステップ153の判定は「NO」となる。その結果、ステップ156で、次工程対象本数に、次々工程対象本数「2」から次工程済み本数「1」を減算した本数「1」が設定される。また。ステップ157で、図2の在庫情報の1行目におけるロット本数は「0」となる。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「A1-1」を含む行の中の次工程未の行である2行目が選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の2行目における置場名「次工程内1」が設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、次工程対象本数にそのまま次工程対象本数「1」が再設定され、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の2行目におけるロット本数「2」が再設定される。次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の2行目に関するチャージ本数が再設定される。ここで、図2の在庫情報の2行目に関するチャージ本数は、図2の在庫情報の2行目におけるロット本数(次々工程スケジュールのNo3の行が読み込まれたときに「0」になっている)にこれと同じチャージである図2の在庫情報の4行目におけるロット本数(次々工程スケジュールのNo3の行が読み込まれたときに「0」になっている)を加算した本数「0」である。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の2行目におけるロット本数は、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、「2」からその場合の次工程対象本数「1」が減算されて「1」となり、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、「2」からその場合の次工程対象本数「2」が減算されて「0」となり、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、「0」のままとなる。その後、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo4の行に、次工程対象本数「1」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図5の次工程スケジュールの4行目が書き出される。また、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo4の行に、次工程対象本数「2」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図6-1の次工程スケジュールの4行目が書き出される。更に、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo4の行に、次工程対象本数「0」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図6-2の次工程スケジュールの4行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo5の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図3の次々工程スケジュールのNo1の行が読み込まれた場合と同様の処理が行われ、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo5の行に、次工程対象本数「0」が付加されて、図5、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの5行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo6の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「A1-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がなくなっているので、ステップ152の判定は「NO」となる。但し、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合と、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合とで、ステップ158の判定結果が異なるので、場合を分けて説明する。
次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合、図2の在庫情報のロット名「A1-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行である2行目がある(次々工程スケジュールのNo4の行が読み込まれたときに「1」になっている)ので、ステップ158の判定は「YES」となる。その結果、ステップ159で、次工程対象本数に次々工程対象本数「1」が設定される。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「A1-1」を含む行の中の次工程未の行である2行目が選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の2行目における置場名「次工程内1」が設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数にそのまま次工程対象本数「1」が再設定される。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の2行目におけるロット本数は、「1」から次工程対象本数「1」が減算されて「0」となる。その後、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo6の行に、次工程対象本数「1」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図5の次工程スケジュールの6行目が書き出される。
一方、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合、図2の在庫情報のロット名「A1-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行がない(次々工程スケジュールのNo4の行が読み込まれたときに「0」になっている)ので、ステップ158の判定は「NO」となる。その結果、ステップ164で、次工程対象本数に「0」が設定される。その後、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo6の行に、次工程対象本数「0」が付加されて、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの6行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo7の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図3の次々工程スケジュールのNo3の行が読み込まれた場合と同様の処理が行われる。その後、次工程対象本数としてそのままの本数又はロット本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo7の行に、次工程対象本数「6」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図5又は図6-1の次工程スケジュールの7行目が書き出される。また、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo7の行に、次工程対象本数「15」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図6-2の次工程スケジュールの7行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo8の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「B1-3」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がないので、ステップ152の判定は「NO」となる。但し、次工程対象本数としてそのままの本数又はロット本数を用いる場合と、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合とで、ステップ158の判定結果が異なるので、場合を分けて説明する。
次工程対象本数としてそのままの本数又はロット本数を用いる場合、図2の在庫情報のロット名「B1-3」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行である7行目があるので、ステップ158の判定は「YES」となる。その結果、ステップ159で、次工程対象本数に次々工程対象本数「9」が設定される。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「B1-3」を含む行の中の次工程未の行である7行目が選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の7行目における置場名「次工程内1」が設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、次工程対象本数にそのまま次工程対象本数「9」が再設定され、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の7行目におけるロット本数「9」が再設定される。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の7行目におけるロット本数は、「9」から次工程対象本数「9」が減算されて「0」となる。その後、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo8の行に、次工程対象本数「9」及び置場名「次工程内1」が付加されて、図5又は図6-1の次工程スケジュールの8行目が書き出される。
一方、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合、図2の在庫情報のロット名「B1-3」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行がない(次々工程スケジュールのNo7の行が読み込まれたときに「0」になっている)ので、ステップ158の判定は「NO」となる。その結果、ステップ164で、次工程対象本数に「0」が設定される。その後、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo8の行に、次工程対象本数「0」が付加されて、図6-2の次工程スケジュールの8行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo9の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図3の次々工程スケジュールのNo1の行が読み込まれた場合と同様の処理が行われ、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo9の行に、次工程対象本数「0」が付加されて、図5、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの9行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo10の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「C1-2」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がないので、ステップ152の判定は「NO」となる。また、図2の在庫情報のロット名「C1-2」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行である9行目があるので、ステップ158の判定は「YES」となる。その結果、ステップ159で、次工程対象本数に次々工程対象本数「2」が設定される。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「C1-2」を含む行の中の次工程未の行である9行目が選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の9行目における置場名「外2」が設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、次工程対象本数にそのまま次工程対象本数「2」が再設定され、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の9行目におけるロット本数「2」が再設定され、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の9行目に関するチャージ本数「2」が再設定される。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の9行目におけるロット本数は、「2」から次工程対象本数「2」が減算されて「0」となる。その後、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo10の行に、次工程対象本数「2」及び置場名「外2」が付加されて、図5、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの10行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo11の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「D2-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がないので、ステップ152の判定は「NO」となる。また、図2の在庫情報のロット名「D2-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行である10行目があるので、ステップ158の判定は「YES」となる。その結果、ステップ159で、次工程対象本数に次々工程対象本数「1」が設定される。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「D2-1」を含む行の中の次工程未の行である10行目が選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の10行目における置場名「外1」が設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、次工程対象本数にそのまま次工程対象本数「1」が再設定され、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の10行目におけるロット本数「5」が再設定され、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の10行目に関するチャージ本数「5」が再設定される。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の10行目におけるロット本数は、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、「5」からその場合の次工程対象本数「1」が減算されて「4」となり、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合は、「5」からその場合の次工程対象本数「5」が減算されて「0」となる。その後、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo11の行に、次工程対象本数「1」及び置場名「外1」が付加されて、図5の次工程スケジュールの11行目が書き出される。また、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo11の行に、次工程対象本数「5」及び置場名「外1」が付加されて、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの11行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo12の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図3の次々工程スケジュールのNo10の行が読み込まれた場合と同様の処理が行われ、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo12の行に、次工程対象本数「8」及び置場名「外3」が付加されて、図5、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの12行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo13の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「A2-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がないので、ステップ152の判定は「NO」となる。また、図2の在庫情報のロット名「A2-1」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行である12行目及び13行目があるので、ステップ158の判定は「YES」となる。その結果、ステップ159で、次工程対象本数に次々工程対象本数「9」が設定される。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「A2-1」を含む行の中の次工程未の行である12行目及び13行目がこの順に選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の12行目における置場名「外4」及び13行目における置場名「外5」がこの順に設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の12行目におけるロット本数「2」、及び、次々工程対象本数「9」からこのロット本数「2」を減算した本数「7」がこの順に再設定され、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の12行目におけるロット本数「2」、及び、図2の在庫情報の13行目におけるロット本数「11」がこの順に再設定される。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の12行目及び13行目におけるロット本数は、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、「2」「11」からその場合の次工程対象本数「2」「7」が減算されて「0」「4」となり、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合は、「2」「11」からその場合の次工程対象本数「2」「11」が減算されて「0」「0」となる。その後、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo13の行に、次工程対象本数「2」及び置場名「外4」並びに次工程対象本数「7」及び置場名「外5」が付加されて、図5の次工程スケジュールの13行目及び14行目が書き出される。一方、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo13の行に、次工程対象本数「2」及び置場名「外4」並びに次工程対象本数「11」及び置場名「外5」が付加されて、図6-1又は図6-2の次工程スケジュールの13行目及び14行目が書き出される。
次に、ステップ151で、図3の次々工程スケジュールのNo14の行が読み込まれた場合について説明する。この場合、図2の在庫情報のロット名「A1-4」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程済みの行がないので、ステップ152の判定は「NO」となる。また、図2の在庫情報のロット名「A1-4」を含む行の中にロット本数が「0」より大きい次工程未の行である5行目があるので、ステップ158の判定は「YES」となる。その結果、ステップ159で、次工程対象本数に次々工程対象本数「2」が設定される。そして、ステップ160で、図4の優先順位マスタに従って、図2の在庫情報のロット名「A1-4」を含む行の中の次工程未の行である5行目が選択され、ステップ161で、置場名に、図2の在庫情報の5行目における置場名「外5」が設定される。また、ステップ162で、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、次工程対象本数にそのまま次工程対象本数「2」が再設定され、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の5行目におけるロット本数「4」が再設定される。次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、次工程対象本数に、図2の在庫情報の5行目に関するチャージ本数が再設定される。ここで、図2の在庫情報の5行目に関するチャージ本数は、図2の在庫情報の5行目におけるロット本数「4」にこれと同じチャージである図2の在庫情報の14行目におけるロット本数「2」を加算した本数「6」である。更に、ステップ163で、図2の在庫情報の5行目におけるロット本数は、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、「4」からその場合の次工程対象本数「2」が減算されて「2」となり、次工程対象本数としてロット本数又はチャージ本数を用いる場合は、「4」からその場合の次工程対象本数「4」が減算されて「0」となる。尚、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、図2の在庫情報の14行目におけるロット本数も、「2」からロット本数「2」が減算されて「0」となる。その後、次工程対象本数としてそのままの本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo14の行に、次工程対象本数「2」及び置場名「外5」が付加されて、図5の次工程スケジュールの14行目が書き出される。また、次工程対象本数としてロット本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo14の行に、次工程対象本数「4」及び置場名「外5」が付加されて、図6-1の次工程スケジュールの14行目が書き出される。更に、次工程対象本数としてチャージ本数を用いる場合は、ステップ165で、次々工程スケジュールのNo14の行に、次工程対象本数「6」及び置場名「外5」が付加されて、図6-2の次工程スケジュールの14行目が書き出される。
図9、図10-1及び図10-2は、図7のステップ103で次工程で必要となる鋼片の本数を置場別に合計した結果が、図7のステップ104で端末装置20に表示されたときの状態を示した図である。
図9には、次工程対象本数としてそのままの本数を用いた場合の図5の次工程対象本数に基づく合計結果を示す。例えば、図9の4行目では、置場名「外1」の置場から搬入する鋼片の数が、図5の11行目における次工程対象本数の1本となっており、置場名「外5」の置場から搬入する鋼片の数が、図5の14行目及び15行目における次工程対象本数を合計した9本となっている。
図10-1には、次工程対象本数としてロット本数を用いた場合の図6-1の次工程対象本数に基づく合計結果を示す。例えば、図10-1の4行目では、置場名「外1」の置場から搬入する鋼片の数が、図6-1の11行目における次工程対象本数の5本となっており、置場名「外5」の置場から搬入する鋼片の数が、図6-1の14行目及び15行目における次工程対象本数を合計した15本となっている。
図10-2には、次工程対象本数としてチャージ本数を用いた場合の図6-2の次工程対象本数に基づく合計結果を示す。例えば、図10-2の4行目では、置場名「外1」の置場から搬入する鋼片の数が、図6-2の11行目における次工程対象本数の5本となっており、置場名「外5」の置場から搬入する鋼片の数が、図6-2の14行目及び15行目における次工程対象本数を合計した17本となっている。
次工程の作業をロット本数単位又はチャージ本数単位で行うと、次工程の作業内容は同じであるため作業効率がよく、また、将来の次工程の作業を先回りして行うことになることから将来の余裕を生み出すことにもなる。しかし、その反面、直近の作業スケジュールの余裕を奪うことにもつながる。そのため、前述の通り、直近の次々工程スケジュールに対して、ロット本数単位又はチャージ本数単位では次工程スケジュールが実行不可能と判断した場合、ロット本数単位又はチャージ本数単位ではなく、次々工程対象本数にするといった検討が可能となる。ここで、次工程スケジュールが実行可能か実行不可能かの判断は、図9の枠301、図10-1の枠302及び図10-2の枠303で囲ったエリアの本数(次工程で作業が必要で、かつ、これから台車の配車、台車への積み上げ、台車からの積み下ろし等が必要な本数)を参照して行えばよい。
図11(a)~(e)、図12-1(a)~(e)及び図12-2(a)~(e)は、図7のステップ105で作成された置場ごとの次工程に送付すべき在庫の明細である送付明細が、図7のステップ106で端末装置20に表示されたときの状態を示した図である。
図11(a)~(e)には、次工程対象本数としてそのままの本数を用いた場合の図5の次工程対象本数に基づく送付明細を示す。このうち、(a)では、置場名「外1」の置場から送付すべき鋼片の数が、図5の11行目におけるロット名「D2-1」に対する次工程対象本数の1本となっている。(b)では、置場名「外2」の置場から送付すべき鋼片の数が、図5の10行目におけるロット名「C1-2」に対する次工程対象本数の2本となっている。(c)では、置場名「外3」の置場から送付すべき鋼片の数が、図5の12行目におけるロット名「D2-2」に対する次工程対象本数の8本となっている。(d)では、置場名「外4」の置場から送付すべき鋼片の数が、図5の13行目におけるロット名「A2-1」に対する次工程対象本数の2本となっている。(e)では、置場名「外5」の置場から送付すべき鋼片の数が、図5の14行目におけるロット名「A2-1」に対する次工程対象本数の7本、及び、図5の15行目におけるロット名「A1-4」に対する次工程対象本数の2本となっている。
図12-1(a)~(e)には、次工程対象本数としてロット本数を用いた場合の図6-1の次工程対象本数に基づく送付明細を示す。このうち、(a)では、置場名「外1」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-1の11行目におけるロット名「D2-1」に対する次工程対象本数の5本となっている。(b)では、置場名「外2」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-1の10行目におけるロット名「C1-2」に対する次工程対象本数の2本となっている。(c)では、置場名「外3」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-1の12行目におけるロット名「D2-2」に対する次工程対象本数の8本となっている。(d)では、置場名「外4」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-1の13行目におけるロット名「A2-1」に対する次工程対象本数の2本となっている。(e)では、置場名「外5」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-1の14行目におけるロット名「A2-1」に対する次工程対象本数の11本、及び、図6-1の15行目におけるロット名「A1-4」に対する次工程対象本数の4本となっている。
図12-2(a)~(e)には、次工程対象本数としてチャージ本数を用いた場合の図6-2の次工程対象本数に基づく送付明細を示す。このうち、(a)では、置場名「外1」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-2の11行目におけるロット名「D2-1」に対する次工程対象本数の5本となっている。(b)では、置場名「外2」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-2の10行目におけるロット名「C1-2」に対する次工程対象本数の2本となっている。(c)では、置場名「外3」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-2の12行目におけるロット名「D2-2」に対する次工程対象本数の8本となっている。(d)では、置場名「外4」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-2の13行目におけるロット名「A2-1」に対する次工程対象本数の2本となっている。(e)では、置場名「外5」の置場から送付すべき鋼片の数が、図6-2の14行目におけるロット名「A2-1」に対する次工程対象本数の11本、及び、図6-2の15行目におけるロット名「A1-4」に対する次工程対象本数の6本となっている。
このように送付明細を置場ごとに表示することにより、送付が必要なロットの詳細を置場ごとに判断することが可能となる。また、その際、例えば、置場におけるロットの所在の情報も併せて表示すれば、段積みの下方にあるロット等、本数だけでは分からない搬送の負荷をより詳細に判断することが可能となる。
[搬送判断支援装置10のハードウェア構成]
図13は、搬送判断支援装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図示するように、搬送判断支援装置10は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU91と、記憶手段であるメインメモリ92及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)93とを備える。ここで、CPU91は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、搬送判断支援装置10の各機能を実現する。また、メインメモリ92は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD93は、記憶媒体の一例であって、各種プログラムに対する入力データ(在庫情報、次々工程スケジュール、優先順位マスタ)や各種プログラムからの出力データ(次工程スケジュール)等を記憶する記憶領域である。
また、搬送判断支援装置10は、外部との通信を行うための通信I/F94と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構95と、キーボードやマウス等の入力デバイス96と、記憶媒体に対してデータの読み書きを行うためのドライバ97とを備える。尚、図13は、搬送判断支援装置10をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、搬送判断支援装置10は図示の構成に限定されない。
[本実施の形態の効果]
以上述べたように、本実施の形態では、その日又はその勤における次工程スケジュールの実行に先立ち、作業スケジュールが実行可能かどうかを予測し、作業スケジュールが実行不可能な場合は、各種対策を講じることが容易になった。具体的には、納期に余裕のある作業の翌日以降への先送り等の次々工程以降の作業スケジュールの見直しを行ったり、次工程スケジュールの対象本数をロット本数又はチャージ本数から次々工程での必要本数に変更したりすることが容易になった。