以下、添付図面を参照しながら、本発明の第1~第85の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。また、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1の実施形態]
まず、図1~図25を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る遊技機10について説明する。
[遊技機10の概略構成]
ここで、図1は遊技機10の外観斜視図、図2及び図3は遊技機10の展開図、図4は遊技機10の遊技盤31の正面図である。以下、本実施形態で使用する前後左右及び上下の表現は、図1~図3に示されている前後方向D1、上下方向D2、及び左右方向D3により定義されるものとする。
図1~図3に示すように、遊技機10は、前面枠11、内枠12、裏パックユニット13、及び外枠14を備えるパチンコ遊技機であり、遊技ホールの島設備(不図示)に外枠14が固定されることにより遊技ホールに設置される。なお、本実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例に挙げて説明するが、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)、アレンジボール遊技機、じやん球遊技機のような他の遊技機にも本発明が適用可能である。
[前面枠11の構成]
前面枠11は、外枠14で左端部が回動可能に支持されることにより外枠14に対して開閉可能である。また、内枠12は、前面枠11で左端部が回動可能に支持されることにより前面枠11に対して開閉可能である。さらに、裏パックユニット13は、内枠12で左端部が回動可能に支持されることにより内枠12に対して開閉可能である。
前面枠11は、操作ボタン20、発射ハンドル22、上皿23、下皿24、パネル25、スピーカ26、及び電飾部27等を備える。
操作ボタン20は、上皿23の前方に設けられている。操作ボタン20は、押下操作の有無に応じて、後述の音声ランプ制御装置5に対する入力信号を切り換える操作スイッチ20a(図10参照)を備える。これにより、音声ランプ制御装置5では、操作ボタン20の操作状態(操作あり及び操作なし)を判断することが可能である。この操作ボタン20は、特図遊技演出における予め定められた特定期間での遊技者による操作ボタン20に対する操作を契機として実行される操作ボタン演出等を実行させるために操作される。
なお、操作ボタン20の設置位置は、上皿23の前方に限らず、遊技者が操作可能な位置であれば前面枠11の任意の位置であってよい。また、操作ボタン20は、一つに限らず二つ以上であってもよい。さらに、遊技者による操作の有無を検出するために用いることが可能であれば、操作スイッチ20aは、接点式スイッチに限らず、例えば圧電素子等であってもよい。
また、操作ボタン20に代えて、タッチキーを表示し、そのタッチキーの遊技者による操作を受け付けるタッチパネルが設けられることも考えられる。さらに、操作ボタン20に代えて、パネル25とパネル25に対する遊技者のタッチ操作を検出するタッチセンサとが設けられることも考えられる。また、操作ボタン20は、ジョグダイヤルを備えたものであってもよい。これらの場合には、特図遊技演出においてタッチパネル又はパネル25に対する遊技者の操作が操作ボタン演出等に反映されることになる。
発射ハンドル22は、遊技者が遊技球を発射させるために操作する回転式ハンドルである。遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の回転操作量に応じた強さで後述の遊技球発射機構32から遊技球が発射されることにより基本的な遊技が行われる。遊技機10では、遊技者により発射ハンドル22が操作されている状況では、例えば0.6秒に1個の一定間隔で遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構32が駆動制御される。なお、遊技球は、予め定められる複数の発射間隔のうち、遊技状態に応じて発射間隔が設定されるものであってもよい。例えば、特図遊技状態と大当たり遊技状態とで遊技球の発射間隔が異なるものとしてもよい。具体的には、特図遊技状態において0.6秒間隔で遊技球の打ち出しを行い、大当たり遊技状態では特図遊技状態よりも遊技球の打ち出し間隔を長く、例えば1秒間隔に設定してもよい。
上皿23は、パネル25の下方に配置されており、後述の払出機構130の払出装置132から払い出された遊技球を貯留し、貯留されている遊技球を1列に整列させた状態で遊技球発射機構32に導くために用いられる。また、下皿24は、上皿23のさらに下方に設けられており、上皿23で余剰となった遊技球を貯留するために用いられる。
パネル25は、遊技者が遊技機10の前方から内枠12の遊技盤31を視認することのできる無色透明又は有色透明のガラス又は合成樹脂製である。スピーカ26は、前面枠11の上端部の左右に設けられた一対のスピーカであり、遊技演出等において音声出力を行う。なお、スピーカ26の設置位置は、前面枠11の上端部に限らない。また、電飾部27は、表示ランプ、LED等の光源を内蔵しており、点灯又は点滅等の点灯態様によりランプ演出を実行する。
[内枠12の構成]
図2及び図3に示すように、内枠12は、遊技盤31、遊技球発射機構32、及び制御ユニット33を備える。なお、図2では図示の簡略化のために遊技盤31の盤面上の記載を省略している。
制御ユニット33は、メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332を有する。なお、遊技機10では、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332の一方向に、制御内容を指示するためのコマンド(制御信号)が送信される。メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332の詳細については後段で詳述する。
図4に示すように、遊技盤31には、内レール311、外レール312、一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、可変入賞口316bを有する可変入賞装置316、アウト口317、第1スルーゲート318、第2スルーゲート319、可変表示ユニット34、メイン表示部37、振分装置35及び普通電動役物である電動サポート部材36(可動役物部材)が設けられている。左第1始動口314L及び右第1始動口314Rは、機能が同一な入賞口に該当し、以下、これらを総称して「第1始動口314」と称する。第1始動口314及び第2始動口315を総称して「始動口314,315」と称することがある。また、第1スルーゲート318及び第2スルーゲート319を総称して「スルーゲート318,319」と称することがある。なお、一般入賞口313、第1始動口314、第2始動口315、及び可変入賞口316bは、互いに機能が異なる入賞口に該当する。
内レール311及び外レール312は、遊技球発射機構32から発射された遊技球を遊技盤31の盤面上の遊技領域に向けて送り出すための搬送路である。そして、内レール311及び外レール312から発射された後、各種入賞口(一般入賞口313、第1始動口314、第2始動口315又は可変入賞口316b)に入球しなかった遊技球はアウト口317から排出される。
ここで、遊技球発射機構32は、図2に示すように、発射レール321、球送り装置322、及びソレノイド323を備える。発射レール321は、遊技球発射機構32から遊技盤31の内レール311及び外レール312に向けて形成されており、遊技球発射機構32から発射される遊技球を内レール311及び外レール312に導くものである。球送り装置322は、ソレノイド等の駆動手段を有しており、上皿23に貯留されている遊技球を1球ずつ発射レール321上に供給する。ソレノイド323は、発射レール321上に供給された遊技球を内レール311及び外レール312に向けて発射させる駆動手段である。そして、遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の操作に応じてソレノイド323が駆動制御され、遊技球が遊技球発射機構32から遊技盤31に発射される。なお、遊技球発射機構32は、ソレノイド323に代えてモータ等の他の駆動手段を用いて遊技球を発射させる機構であってもよい。
図4の説明に戻り、一般入賞口313、第1始動口314、第2始動口315、可変入賞口316b、及びアウト口317には、遊技盤31を前後方向に貫通する開口部が形成されている。そして、一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、及び可変入賞口316b各々は、遊技球の通過を個別に検出可能な入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a(図10参照)を備える。入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316aは、例えば貫通孔を有する近接センサである。
スルーゲート318,319は、遊技球が通過し得るゲートである。スルーゲート318,319は、スルーゲート318,319を通過する遊技球を個別に検出可能な入球センサ318a,319a(図10参照)を有する。入球センサ318a,319aは、例えば貫通孔を有する近接センサである。スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合には、第2始動口315への入賞をサポートする普通電動役物としての電動サポート部材36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選が行われる。但し、普通図柄当たり抽選は、大当たり遊技状態では実行されない。なお、普通図柄当たり抽選での抽選結果は、後述の普通図柄表示器373でのLEDランプ対の点灯及び消灯の組み合わせである普通図柄によって明示される。以下、「普通図柄」を「普図」と略称することがあり、例えば「普図乱数記憶エリア」は「普通図柄保留エリア」の略称である。
ここで、第1スルーゲート318は、遊技盤31の下部中央に配置された振分装置35の第2通路352に設けられ、入球センサ318aによって第2通路352での遊技球の通過を検知する。遊技盤31では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の左側を通過する場合、即ち左打ちしている場合に遊技球が第1スルーゲート318を通過する可能性がある。なお、第1スルーゲート318は、振分装置35における右第1始動口314Rに至る経路での電動サポート部材36の上流側であればよく、例えば振分部材38の上方の導入口350付近に配置してもよい。また、第1スルーゲート318は、振分装置35の外部において、命釘(へそ釘)31Hの近傍に配置することも考えられ、命釘(へそ釘)31Hを省略し、命釘(へそ釘)31Hが設けられていた部分に配置することも考えられる。さらに、入球センサ318aによって特定領域(本実施形態では振分装置35の第2通路352)での遊技球の通過を検知できればよく、スルーゲートとして構成する必要はない。この場合、入球センサ318aの位置に特定領域であることを示す目印を振分装置35に付すことも考えられる。
一方、第2スルーゲート319は、遊技盤31の右側において、可変入賞装置316の右部上方に設けられている。遊技盤31では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の右側を通過する場合、即ち右打ちしている場合に遊技球が第2スルーゲート319を通過する可能性がある。
入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319a(図10参照)はメイン制御ユニット331に電気的に接続されており、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aの検出結果はメイン制御ユニット331に入力される。以下、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aにより遊技球の入球が検出されることを入賞と称することがある。なお、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aは、例えば電磁誘導型の近接センサであるが、他の検出手法により遊技球の入球を個別に検知することが可能な任意のセンサであってもよい。
可変入賞装置316は、可変入賞口316bの他に、可変入賞口316bへの遊技球の入球の制限の有無を切り換える開閉扉316cを有する。開閉扉316cは、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイド等の駆動手段によって開閉される。そして、可変入賞装置316では、開閉扉316cが開くことにより可変入賞口316bへの遊技球の入球が可能となり、開閉扉316cが閉じることにより可変入賞口316bへの遊技球の入球が制限される。可変入賞装置316は遊技盤31の右側に配置されており、開閉扉316cは大当たり遊技の開閉実行モードでのラウンド遊技において開放される。そのため、遊技者は、大当たり遊技での抽選結果が大当たりであることを契機として大当たり遊技状態に移行した場合に、開閉扉316cが開放するラウンド遊技において右打ちをすることで可変入賞口316bへ遊技球を入賞させることができる。これにより、遊技者は、大当たり遊技において、特図遊技よりも多くの賞球を得ることが可能になる。
遊技機10では、左第1始動口314L、右第1始動口314R又は第2始動口315への遊技球の入球が入球センサ314La,314Ra又は入球センサ315aによって検出されると、メイン制御ユニット331により大当たり抽選が行われる。そして、メイン制御ユニット331は、大当たり抽選での抽選結果に従ってメイン表示部37の表示を制御する。また、メイン制御ユニット331による抽選結果は、サブ制御ユニット332に送信され、サブ制御ユニット332は、抽選結果に従って可変表示ユニット34の表示等を制御する。
また、遊技機10では、一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、及び可変入賞口316bへの遊技球の入賞が、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316aによって検出されると、予め設定された数の賞球が払い出される。例えば、一般入賞口313に入球した場合の賞球数は10個、第1始動口314又は第2始動口315に入球した場合の賞球数は3個、可変入賞口316bに入球した場合の賞球数は13個である。特に、遊技機10では、メイン制御ユニット331で行われた抽選結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態(特別遊技状態)に移行し、可変入賞口316bが開放される後述のラウンド遊技(単位遊技)が所定回数(例えば2回、5回、16回)繰り返されることにより、多量の賞球の払い出しが期待できる。
また、第1始動口314又は第2始動口315に遊技球が入賞すると、上述のように大当たり抽選が実行される。そして、大当たり抽選結果が大当たりである場合は特図遊技状態よりも遊技者にとって有利な予め定められた大当たり遊技状態に移行する。なお、本実施形態では、大当たり遊技状態には、2R通常大当たり遊技状態、2R確変大当たり遊技状態、5R通常大当たり遊技状態、5R確変大当たり遊技状態、及び16R確変大当たり遊技状態が含まれる。2R通常大当たり遊技状態及び2R確変大当たり遊技状態は、可変入賞口316bが、所定時間が経過するまで、又は可変入賞口316bに所定数以上の遊技球が入賞するまで開放されるラウンド遊技が2回行われる開閉実行モードを含む遊技状態である。5R通常大当たり遊技状態及び5R確変大当たり遊技状態は開閉実行モードにおいてラウンド遊技が5回行われる遊技状態であり、16R確変大当たり遊技状態は開閉実行モードにおいてラウンド遊技が16回行われる遊技状態である。本実施形態では、いずれの遊技状態でのラウンド遊技も同程度の遊技球の獲得が可能であり、獲得可能な遊技球の点からは、開閉実行モードでのラウンド遊技数が多いほど遊技者に有利な遊技状態である。そのため、本実施形態では、獲得可能な遊技球数の点からは、16R確変大当たりが遊技者とって最も有利であり、次いで5R通常大当たり遊技状態及び5R確変大当たり遊技状態が遊技者とって有利であり、2R通常大当たり遊技状態及び2R確変大当たり遊技状態が遊技者にとって最も不利である。
可変表示ユニット34は、遊技盤31の略中央部に形成されている開口31Aを通して視認可能に配置された液晶ディスプレイ等の図柄表示部341を有している。この図柄表示部341は、静止画又は動画を表示するものであり、図柄表示部341の表示内容は、サブ制御ユニット332によって制御される。具体的に、図柄表示部341では、第1始動口314又は第2始動口315への入球に応じてメイン制御ユニット331により行われる大当たり抽選での抽選結果に応じた図柄変動表示及び特図遊技演出表示のような種々の表示が行われる。また、図柄表示部341は、ドットマトリクス、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等であってもよく、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイと、有機ELディスプレイとを組み合わせたものであってもよい。さらに、図柄表示部341とは別に、1又は複数のサブ表示部を設けることも考えられる。サブ表示部は、例えば図柄表示部341の上部や下部、又は左部や右部に配置される。サブ表示部は図柄表示部341を覆う位置と図柄表示部341を覆わない位置との間を移動可能なものでもよい。また、サブ表示部は上皿23に配置してもよい。
例えば、図柄表示部341における図柄変動表示は、例えば「1」~「9」の数字が付された複数種類の主図柄が縦方向、横方向、斜め方向等に順にスクロールすることにより行われる。なお、主図柄の間には、他の文字又は図柄等の副図柄が表示されてもよい。また、本実施形態では、副図柄はなく、主図柄の種類が「1」~「9」の9種類であるとする。
遊技機10では、特図遊技において、図柄表示部341における図柄変動表示の開始から予め設定されている変動表示時間の経過後に、全ての主図柄の変動が停止するように図柄変動表示が実行される。より具体的に、図柄変動表示では、まず予め設定されている変動方向(例えば横方向、縦方向等)に沿って主図柄が全て変動し、複数の主図柄の変動が順に停止する。そして、全てのラインにおける主図柄の変動が停止して所定時間が経過すると、当該図柄変動表示が終了する。
メイン表示部37では、遊技盤31の右上部に配置され、第1特別図柄表示器371、第2特別図柄表示器372、普通図柄表示器373、及び保留数表示器374を備える。なお、メイン表示部37の配置は、遊技盤31の左下部や右下部であってもよい。
第1特別図柄表示器371は、第1始動口314への入賞に対する大当たり抽選での抽選結果を表示する7セグメント表示器である。第1特別図柄表示器371としての7セグメント表示器で表示される図柄は、第1特別図柄と称される。なお、第1始動口314への入賞に対して、大当たり抽選での抽選結果を表示するために第1特別図柄表示器371において第1特別図柄が変動表示した後に停止表示することを第1特別図柄遊技という。
第2特別図柄表示器372は、第2始動口315への入賞に対する大当たり抽選での抽選結果を表示する7セグメント表示器である。第2特別図柄表示器372としての7セグメント表示器で表示される図柄は、第2特別図柄と称される。なお、第2始動口315への入賞に対して、大当たり抽選での抽選結果を表示するために第2特別図柄を変動させた後に停止させることで表示することを第2特別図柄遊技という。
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して、単に特別図柄と称することがある。また、「特別図柄」を「特図」と略称することがある。例えば、「第1特図」及び「第2特図」は、それぞれ「第1特別図柄」及び「第2特別図柄」の略称であり、「第1特図遊技」及び「第2特図遊技」は、それぞれ「第1特別図柄遊技」及び「第2特別図柄遊技」の略称である。さらに、第1特別図柄表示器371及び第2特別図柄表示器372は、7セグメント表示器に限らず、例えば複数のLEDが直線状、円状、円弧状、マトリックス状等に配置されたLED群であってもよい。
普通図柄表示器373は、スルーゲート318,319への入賞に対して、メイン制御ユニット331における電動サポート部材36(普通電動役物)を作動させるか否か(サポート状態とするか否か)の普通図柄当たり抽選での抽選結果を明示する。普通図柄表示器373は、LEDランプ対を含み、これらのLEDランプの点灯及び消灯の組み合わせである普通図柄によって抽選結果を明示する。なお、普通図柄表示器373は、LEDランプ対に代えて、7セグメントLED等を含む他の表示器によって構成してもよい。
保留数表示器374では、第1始動口314及び第2始動口315への入賞により生じた特別図柄の変動表示の保留数Nが、列状に複数のLEDランプ(本実施形態では8個)の点灯数によって表示される。このような保留数Nに対する表示処理は、図11を参照して後述するRAM412の特図保留格納エリア412bにおける特図保留数記憶エリアNAに記憶された保留数Nに基づいて実行される。
振分装置35は、遊技盤31の中央下部に設けられている。図4及び図5(A)に示すように、振分装置35は、導入口350、振分部材38、第1通路351及び第2通路352を備える。この振分装置35では、導入口350を介して入球した遊技球99が振分部材38の左方向(図4及び図5(A)の反時計回り方向)及び右方向(図4及び図5(A)の時計回り方向)への回転によって第1通路351及び第2通路352に交互に振り分けられる。
導入口350は、振分装置35への遊技球の入球を許容する部分である。この導入口350は、遊技盤31の命釘(へそ釘)31Hの直下に配置されている。そのため、導入口350には、命釘31Hを通過した遊技球が導入される。命釘31Hには、主に風車31Fから道釘31Mによって遊技球が導かれる。また、命釘31Hの上方には、遊技盤31の左側に設けられたワープ口31Wを介してステージ31Sに落下した遊技球を命釘31Hに誘導する誘導部31Eが設けられている。そのため、命釘31Hには、ステージ31Sに落下した遊技球も導かれる。ここで、風車31F及びワープ口31Wは、遊技盤31の左側に設けられている。そのため、遊技機10では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の左側を通過するように発射ハンドル22の操作を行う、いわゆる左打ちにより命釘31Hに遊技球を集め、導入口350を介して振分装置35に遊技球を導入させることができる。なお、遊技機10では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の右側を通過するように発射ハンドル22の操作を行う、いわゆる右打ちをした場合、可変入賞口316bに遊技球が集まり、命釘31Hには遊技球が集まらないように釘が配設されており、右打ちの場合には振分装置35の導入口350からの遊技球の導入が期待できない。従って、右打ちを行うよりも振分装置35を利用したほうが大当たり抽選を受け易く、右打ちに比べて左打ちのほうが遊技者に有利な遊状態(本実施形態では後述のモードA~モードC(図13(B)参照))では、左打ちで遊技を行うことが奨励される。
振分部材38は、導入口350から導入された遊技球を第1通路351又は第2通路352に振り分ける。第1通路351は、下方に開放しており、第1通路351に振り分けられた遊技球は、第1通路351の直下に設けられた左第1始動口314Lに向けた方向に放出される。第2通路352は、下方に開放しており、第2通路352に振り分けられた遊技球は、第2通路352の直下に設けられた右第1始動口314Rに向けた方向に放出される。
図5(A)及び図5(B)に示すように、振分部材38は、回転軸381、仕切片382、球受誘導片383及び偏心部384を有する。振分部材38では、回転軸381を中心として、仕切片382、球受誘導片383及び偏心部384が一体的に回動する。仕切片382は、球受誘導片383の中央から球受誘導片383に対して垂直に延出する。球受誘導片383は、仕切片382よりも左側の左球受誘導片385、及び仕切片382よりも右側の右球受誘導片386を有する。
また、偏心部384は、振分部材38の重心を変えるものであり、移動部材387、及びこの移動部材387を収容する収容部388を有する。移動部材387は、例えば球体、円柱体等であり、振分部材38の姿勢に応じて、収容部388を左右に移動する。振分部材38は、仕切片382が鉛直方向に対して右側に傾斜した右傾斜姿勢である場合(図5(A)及び図5(B)の実線の状態)、移動部材387が収容部388の右側に位置し、移動部材387によって振分部材38の重心が中央よりも右側に偏心される。これにより、振分部材38は、右傾斜姿勢を維持できる。一方、振分部材38は、仕切片382が鉛直方向に対して左側に傾斜した左傾斜姿勢である場合(図5(A)及び図5(B)の仮想線の状態)、移動部材387が収容部388の左側に位置し、振分部材38の重心が中央よりも左側に偏心される。これにより、振分部材38は、左傾斜姿勢を維持できる。
このような振分部材38では、振分装置35に入球された遊技球99が、仕切片382と左球受誘導片385との間、及び仕切片382と右球受誘導片386との間のいずれかに受け止められる。例えば、図6(A)及び図6(B)に示すように、振分部材38が右傾斜姿勢である場合、仕切片382と左球受誘導片385との間で遊技球99を受け止める。また、図6(C)及び図6(D)に示すように、振分部材38は、仕切片382と左球受誘導片385との間で遊技球99を受け止めた場合、遊技球の荷重により左側(反時計回り方向)に回転し、左傾斜姿勢に変化する。これにより、仕切片382と左球受誘導片385とによって受け止められた遊技球99は、左球受誘導片385に沿って左側(第1通路351側)に誘導される。
図7(A)及び図7(B)に示すように、左球受誘導片385に沿って左側に誘導された遊技球99は、第1通路351に沿って落下し、第1通路351の直下に配置された左第1始動口314Lに容易に入賞できる。なお、図4等では、第1通路351が直線状であるが、第1通路351は、屈曲形状、湾曲形状、傾斜形状、又はこれらの2以上の組み合わせた形状等のように、非直線状であってもよい。このような非直線状の第1通路351の場合、左第1始動口314Lは、第1通路351の出口の位置や形状に応じて、第1通路351を通過した遊技球が入賞容易な位置に配置される。
一方、図8(A)に示すように、振分部材38が左傾斜姿勢である場合、仕切片382と右球受誘導片386との間で遊技球99を受け止められる。また、図8(B)に示すように、振分部材38は、遊技球99を受け止めた場合、遊技球の荷重により右側(時計回り方向)に回転し、右傾斜姿勢に変化する。これにより、仕切片382と右球受誘導片386とによって受け止められた遊技球99は、右球受誘導片386に沿って右側に誘導され、第2通路352に沿って落下する。このとき、遊技球99は、第1スルーゲート318を通過する。遊技球99が第1スルーゲート318を通過したことは、入球センサ318a(図10参照)によって検知される。これにより、電動サポート部材36(普通電動役物)を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行う契機が与えられ、この普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合に電動サポート部材36が作動される。なお、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率、及び普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりの場合の電動サポート部材36の作動時間は、後述するように遊技状態(モード)に応じた値に設定されている(図13(B)~図13(D)参照)。
図8(B)及び図8(C)に示すように、右球受誘導片386に沿って右側に誘導された遊技球99は、第2通路352に沿って落下し、第2通路352の直下に配置された右第1始動口314Rに向けて移動する。
ここで、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間には、第2始動口315が配置されている。この第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間に形成された球受部391の中央に設けられており、球受部391に落下した遊技球99が第2始動口315に入賞する。また、第2通路352と右第1始動口314Rとの間には、普通電動役物としての板状の電動サポート部材36が配設されている。この電動サポート部材36は、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイド等の駆動手段(不図示)によって、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を制限すると共に第2始動口315への遊技球の入賞をサポートする作動位置(第2位置)と、第2始動口315への遊技球の入賞を制限すると共に右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を許容する待機位置(第1位置)との間で、遊技盤31に設けられた開口360において前後方向に移動される。
図8(C)に示すように、電動サポート部材36が待機位置にある場合、電動サポート部材36が遊技盤31から突出していないことから、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞が電動サポート部材36によって制限されることもないため、第2通路352に沿って落下する遊技球は、右第1始動口314Rに容易に入賞できる。なお、第2通路352は、第1通路351と同様な設計変更が可能であり、右第1始動口314Rの配置も第2通路352の形状等に応じて適宜変更される。
これに対して、図9(A)及び図9(B)に示すように、電動サポート部材36が作動位置にある場合、電動サポート部材36が遊技盤31から突出しており、右第1始動口314Rが電動サポート部材36の開閉部362によって塞がれることで、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞が制限される。また、電動サポート部材36が作動位置にある場合、第2通路352に沿って落下した遊技球99は、電動サポート部材36のガイド部363によって球受部391の上方に誘導された後、球受部391に落下する。球受部391に落下した遊技球99は、第2始動口315に入賞する。また、第2始動口315には、可変入賞装置316の下方に設けられたステージ310や電動サポート部材36の上方から流下し、電動サポート部材36によって受け止められた遊技球も入賞し得る。即ち、本実施形態では、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99、及び遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99のいずれも、1つの電動サポート部材36によって第2始動口315に入球させることができる。
ここで、図4及び図9(C)に示すように、電動サポート部材36は、可変入賞装置316の下方に設けられたステージ310の左方から右第1始動口314Rの上方の間において左下がり配置される板状部材である。また、図9(C)に示すように、幅方向の縁部上方に突出する一対の壁部361が設けられている。これらの壁部361は、右側(上流側)の上流側の端部から左側(下流側)の下流側の端部に遊技球99を導くガイドとして機能する。そして、電動サポート部材36の中央部よりも左側(下流側)の領域には、複数の遅延ガイド364(本実施形態では4つ)が設けられている。複数の遅延ガイド364は、壁部361から千鳥状に延出しており、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する傾斜状に形成されている。そのため、複数の遅延ガイド364(遅延部)は、前後に蛇行した経路で右側(上流側)から左側(下流側)に遊技球99を移動させる。ここで、電動サポート部材36に遅延ガイド364を設けた場合、遊技機10において予定された以上の利益を得られることを防止できるが、この点については後述する。
なお、電動サポート部材36の構成は、種々に変更可能である。例えば、電動サポート部材36の遅延部は、複数の傾斜状の遅延ガイド364が千鳥状に配置された構成に限定されず、電動サポート部材36は必ずしも板状部材である必要はない。なお、電動サポート部材36の代表的な変形例については、図55~図63を参照して第13~第29の実施形態として後述する。
ところで、上述のように、電動サポート部材36は、特図遊技が実行される特図遊技状態において、スルーゲート318,319での遊技球の通過が検出されることを契機に行われる普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであることで作動される。また、電動サポート部材36の作動時間(電動サポート部材36が待機位置ではない時間、又は電動サポート部材36の作動開始から復帰開始までの時間)は、遊技球がスルーゲート318,319を通過したときの特図遊技状態のモード種別(後述のモードA~モードE(図13(B)参照))に応じて決定され、モードA~モードCでの電動サポート部材36の作動時間が短く(例えば0.6秒)、モードD及びモードEでは電動サポート部材36の作動時間が長い(例えば6秒)。モードA~モードCでの電動サポート部材36の作動時間は、第2通路352を通過する遊技球が電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導可能である一方、右打ち時にステージ310から電動サポート部材36に移動した遊技球や後述の第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394によって誘導されて電動サポート部材36に受け取られる遊技球が第2始動口315に入賞できない時間(例えば0.6秒)に設定される。なお、第1スルーゲート318及び第2スルーゲート319の一方又は両方について、遊技球の通過が検出された場合に普通図柄当たり抽選を行うことなく電動サポート部材36を作動させるようにしてもよい。
ここで、左打ちにより振分装置35に導入される遊技球は、第1通路351又は第2通路352に振り分けられ、第1通路351の遊技球は左第1始動口314Lに入賞し、第2通路352の遊技球は右第1始動口314Rに向けて落下する。第2通路352から落下する遊技球は、電動サポート部材36が作動していなければ右第1始動口314Rに入球し、電動サポート部材36が作動すれば電動サポート部材36によるサポートによって第2始動口315に誘導される。これに対して、右打ちを行った場合などのように振分装置35の右側を流下する遊技球は、振分装置35に導入されないため第1始動口314には入賞せず、電動サポート部材36に作動により受け取られた場合でも電動サポート部材36の作動時間が短い場合(モードA~モードC)には第2始動口315に遊技球が到達する前に電動サポート部材36が待機位置に復帰し、第2始動口315に入賞しない。具体的には、電動サポート部材36は、ステージ310と右第1始動口314Rとの間に延びる板状であると共に遅延ガイド364を有するものであるため、ステージ310から電動サポート部材36に移動したサポート部材36の右端の遊技球がサポート部材36の左端に到達する時間は、モードA~モードCでの電動サポート部材36の作動時間よりも長くなる。そのため、電動サポート部材36の作動時間が短いモードA~モードCでは、遊技者は、命釘31Hに遊技球を集め、振分装置35を利用して第1始動口314又は第2始動口315に遊技球を入賞させるために左打ちが奨励される。その一方で、モードD及びモードEでは、ステージ310から電動サポート部材36に移動したサポート部材36の右端の遊技球がサポート部材36の左端に到達する時間よりも電動サポート部材36の作動時間が長いため、第2スルーゲート319に遊技球を通過させると共に電動サポート部材36によって第2始動口315に遊技球を入賞させるほうが、第1始動口314に遊技球が入賞する可能性のある振分装置35を利用するよりも遊技者に有利である。そのため、電動サポート部材36の作動時間が長いモードD及びモードEでは、右打ちが奨励される。
ところで、従来の遊技機としては、第1始動部と、この第1始動部とは機能が異なる第2始動部とに交互に遊技球を振り分ける振分装置を備えるものがある。しかしながら、振分装置によって第1始動部と第2始動部とに交互に遊技球を振り分ける場合、遊技が単調になり、遊技の興趣が低下することが懸念される。
これに対して、本実施形態に係る遊技機10では、第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球を振り分ける振分装置35を備えると共に、従来の遊技機とは異なり、第1通路351及び第2通路352のそれぞれの出口に下方に同一の機能を有する第1始動口314が設けられている。また、振分装置35では、第1通路351及び第2通路352のうちの第2通路352にのみ第1スルーゲート318が設けられている。そして、第2通路352への遊技球の通過がスルーゲート318によって検知されることを契機として、MPU41によって電動サポート部材36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選が行われる。そのため、振分装置35を利用するために左打ちを行った場合、第1通路351によって左第1始動口314Lに遊技球が導かれて左第1始動口314Lに遊技球が入賞する状態、第2通路352によって右第1始動口314Rに遊技球が入賞する状態、第2通路352及び電動サポート部材36によって第2始動口315に遊技球が導かれる状態になりうる。また、右打ちを行った場合、振分装置35に遊技球が入賞することはなく、第2スルーゲート319への遊技球の通過を契機として電動サポート部材36が作動されることで、第2始動口315に遊技球が導かれる状態になり得る。このように、本実施形態に係る遊技機10は、従来の遊技機のように機能の異なる2種類の始動部(第1始動部及び第2始動部)に遊技球を振り分ける単調なものとは異なり、振分装置35と電動サポート部材36との協働によって、第1始動口314又は第2始動口315に遊技球が入賞可能な複数の状態を達成することができ、遊技が単調になり難く、遊技の興趣を向上させることができる。
また、従来の遊技機としては、第1始動部が左打ち時に入賞可能な位置に配置される一方で、第2始動部がスルーゲート、電動サポート部材などの普通電動役物と共に遊技盤の右側に配置されたものが多く見受けられる。このような遊技機は、左打ちを行った場合に第1始動部に遊技球が入賞可能である一方で、遊技盤の右側に配置された第2始動部に遊技球が入賞しないのに対して、右打ちを行った場合に遊技盤の右側に配置された第2始動部に遊技球が入賞可能である一方で、第1始動部に遊技球が入賞しない。一般に、第1始動部への遊技球の入賞に比べて、第2始動部への遊技球の入賞を契機として行われる大当たり抽選での大当たりのほうが有利である。例えば、第2始動部への遊技球の入賞を契機として行われる大当たり抽選での大当たりでは、大当たり遊技でのラウンド数が多い大当たりなどのような遊技者に有利な大当たり種別の比率が高い。そして、左打ちの場合と右打ちの場合とで入賞可能な始動部の機能が異なる遊技機では、遊技状態として、大当たり当選確率及び普通図柄当たり当選確変が低く、特図変動時間及び普図変動時間が長い通常モードと、大当たり当選確率及び普通図柄当たり確率が高く、特図変動時間及び普図変動時間が短い時短確変モードとを有する。また、通常モードでは、普通図柄当たり当選確率が低い上に普図変動時間が長いだけでなく、普通図柄当たりの場合の普通電動役物のサポート時間が短い。そのため、通常モードでは、スルーゲートへの遊技球の通過を契機とする第2始動部への遊技球の入賞に対する普通電動役物のサポート時間が短い上に、普通電動役物のサポートを低頻度でしか受けることができない。即ち、通常モードでは、右打ちを行っても普通電動役物のサポートによる恩恵をほとんど受けることができないだけでなく、第1始動部への遊技球の入賞が望めないため、左打ちで遊技を行うことが得策である。これに対して、時間確変モードでは、普通図柄当たり当選確率が高い上に普図変動時間が短いだけでなく、普通図柄当たりの場合の普通電動役物のサポート時間が長い。そのため、時短確変モードでは、スルーゲートへの遊技球の通過を契機とする第2始動部への遊技球の入賞に対する普通電動役物のサポート時間が長い上に、普通電動役物のサポートを高頻度で受けることができる。即ち、時短確変モードでは、左打ちにより第1始動部に遊技球を入賞させる場合に比べて、右打ちを行うことで第2始動部への入賞させるほうが得策である。つまり、通常モードにおいて左打ちを行うことで第1始動部に遊技球を入賞させて第1特図遊技を行う一方、時短確変モードにおいて右打ちを行うことで第2特図遊技を行うことが遊技者にとっての利益が最大になる。また、確変モードとして、時短確変モードに加えて、確変モードであることが明示されない、いわゆる潜伏確変モードを有する遊技機もある。潜伏確変モードは、時短確変モードと同様に大当たり当選確率が高いが、一般に普通電動役物のサポートに関しては通常モードと同様である。即ち、潜伏確変モードでは、スルーゲートへの遊技球の通過を契機とする普通図柄抽選に対する普通図柄の変動時間が長く、普通図柄抽選での普通電動役物作動の当選確率が低いため、第2始動部への遊技球の入賞に対する普通電動役物のサポートを低時間かつ低頻度でしか受けることができない。そのため、潜伏確変モードでは、右打ちを行った場合に第2始動部への入賞がほとんど期待できないことから、通常モードと同様に左打ちにより第1始動部に遊技球を入賞させることで第1特図遊技を行うことが奨励される。通常モードや潜伏確変モードに限らず、左打ちが奨励される遊技状態では、例えば普通電動役物によるサポートを受け難くするなどの右打ちによる利点を無くすことが好ましい。
これに対して、遊技機10では、振分装置35を備えるものの、特図遊技状態として従来の遊技機と同様に確変モード(高確率モード)であることが明示されず、左打ちが奨励される潜伏確変に相当するモードCを含むものであり、モードCでは普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合に電動サポート部材36が短時間ながら作動する。そのため、遊技機10でも、モードCにおいて右打ちにより電動サポート部材36が作動した場合であっても第2始動口315に遊技球が入賞しないようにすることが好ましい。そして、遊技機10では、普通電動役物としての電動サポート部材36に遅延部としての複数の遅延ガイド364が設けられている。ここで、電動サポート部材36に遅延部としての複数の遅延ガイド364が設けられていない場合、電動サポート部材36の遊技球99は、直線的な経路で右側(上流側)から左側(下流側)に向けた方向に移動する。これに対して、本実施形態のように電動サポート部材36に遅延ガイド364を設けた場合、電動サポート部材36の遊技球99は、電動サポート部材36において蛇行しながら右側(上流側)から左側(下流側)に向けて移動する。そのため、電動サポート部材36に遅延ガイド364を設けることで、電動サポート部材36での移動距離が大きくなり、電動サポート部材36での遊技球99の滞留時間を長く確保できる結果、電動サポート部材36の遊技球が第2始動口315に到達するまでの時間を、モードCでの電動サポート部材36の作動時間よりも長くできる。これにより、特図遊技状態が上述のモードCである場合、またモードCと同様に左打ちが奨励されるモードA及びモードBである場合、即ち電動サポート部材36の作動時間が短いモードである場合、遊技者が右打ちを行うなどして電動サポート部材36に遊技球が受け取られたとしても、電動サポート部材36によって第2始動口315に遊技球が誘導される前に電動サポート部材36が待機状態に復帰するため、遊技球を第2始動口315に入賞させることが困難になる。これにより、奨励される打ち方(左打ち)以外の打ち方(右打ち)を行った場合に、第2始動口315に遊技球が入賞され難くなる。即ち、遊技機10では、左打ちが奨励される遊技状態で右打ちを行うことの利点を無くすことで、遊技者に対して積極的に左打ちを行わせることができる。
また、図4及び図5(A)に示すように、電動サポート部材36の上方には、可変入賞装置316の下方のステージ310と振分装置35との間に、複数の釘により構成される第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394(退避誘導部)が設けられている。これらの退避誘導釘393,394は、振分装置35の右方領域である電動サポート部材36の上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する。即ち、退避誘導釘393,394は、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を第2始動口315からより遠い位置に誘導する。そのため、第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394を設けた場合、上方から流下する遊技球を電動サポート部材36における第2始動口315から離れた位置で受け取らせるができ、遊技球が第2始動口315に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、電動サポート部材36に遅延ガイド364を設ける場合と同様に、電動サポート部材36によって受け取られた遊技球が、モードA~モードCにおいて、電動サポート部材36の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で第2始動口315に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に電動サポート部材36によるサポートを受け難くすることができる。また、遊技機10では、遊技盤31に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部(第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394)を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、電動サポート部材36が短時間作動する場合に電動サポート部材36によるサポートを受け難くすることができる。
なお、退避誘導部としては、退避誘導釘393,394に代えて、樹脂成形、金属加工、これらの組み合わせ等により形成されたブロック状部材等を採用することも考えられる。
一方、モードD及びモードEで遊技球がスルーゲート318,319を通過することを契機とする普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合、電動サポート部材36の作動時間が長い(例えば6秒)。例えば、第1スルーゲート318を通過した遊技球は、第1スルーゲート318から電動サポート部材36の最下流端までの距離が短く、モードCのように電動サポート部材36が短時間作動される場合でも第2始動口315に入賞可能であるため、電動サポート部材36が長時間作動されるモードD及びモードEにおいても第2始動口315に入賞される。一方、第2スルーゲート319を通過した遊技球、又は当該遊技球の前後に発射された遊技球は、第2スルーゲート319から電動サポート部材36の最下流端までの距離が長いが、電動サポート部材36の作動時間が長いために、たとえ電動サポート部材36に遅延部364が設けられる場合であっても、第2始動口315に入賞される。このように電動サポート部材36の長時間作動が実行される場合、振分装置35の第2通路352を通過して落下する遊技球だけでなく、振分装置35の右側領域を流下する遊技球や可変入賞口316bの下方のステージ310に落下した遊技球が電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導され得る。但し、振分装置35に導入された遊技球は、上述のように第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球を振り分けるため、電動サポート部材36が長時間作動する遊技状態であるモードD及びモードEにおいて左打ちを行うことは電動サポート部材36のサポートによる恩恵を十分に受けることができない。従って、電動サポート部材36が長時間作動される遊技状態であるモードD及びモードEでは、遊技者は、遊技盤31に配置された第2スルーゲート319に遊技球を通過させることで電動サポート部材36を作動させるべく、右打ちで遊技を行うように発射ハンドル22を操作することが奨励される。
[裏パックユニット13]
図3に示すように、裏パックユニット13は、払出機構130及び周辺制御ユニット140を備える。
払出機構130は、遊技ホールの島設備(不図示)から供給される球技球を貯留するタンク131と、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出す払出装置132とを備える。なお、上皿23の遊技球が飽和している場合、払出装置132から払い出される遊技球は下皿24に払い出される。
図10に示すように、周辺制御ユニット140は、払出制御装置7、発射制御装置8、及び電源制御装置9を備える。払出制御装置7は、払出装置132による遊技球の払出数等を制御する。発射制御装置8は、発射ハンドル22の操作に応じて遊技球発射機構32を制御する。電源制御装置9は、遊技機10が接続された島設備(不図示)から供給される電力を所定の電圧レベルに変換し、遊技機10内に設けられた制御装置及び駆動手段に供給する。
[遊技機10のシステム構成]
次に、図10を参照しつつ、遊技機10のシステム構成について説明する。
[メイン制御ユニット331]
メイン制御ユニット331は、遊技機10における遊技の主たる制御を実行する主制御装置4を備える。主制御装置4は、予め設定された大当たり遊技状態への移行の抽選として、大当たり抽選を実行する。主制御装置4には、MPU41及び入出力I/F42等が搭載されている。MPU41は、1チップマイコンとして構成された演算装置であり、本発明の主制御手段の一例である。また、MPU41には、ROM411及びRAM412が内蔵されている。MPU41は、ROM411等に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、主制御装置4で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
入出力I/F42は、主制御装置4に信号を入力し、主制御装置4から制御信号を出力する入出力インターフェースである。また、入出力I/F42には、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319a及びメイン表示部37等が接続されている。そして、MPU41は、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aからの検出信号に基づいて一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、可変入賞口316b、スルーゲート318,319への入球の有無を判断する。また、入出力I/F42には、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7、発射制御装置8及び電源制御装置9等が接続されている。
そして、MPU41は、音声ランプ制御装置5に、変動パターンコマンド、シフトコマンド等のコマンドを出力する。
変動パターンコマンドは、変動表示時間及び大当たり抽選での抽選結果を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合には大当たり種別に関する情報を含む。変動パターンコマンドは、図柄表示部341及びメイン表示部37による図柄変動表示を開始する際に、後述の特図保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、図22の特図変動開始処理でのステップS1808において設定される。なお、変動パターンコマンドは、変動表示時間のみを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであってもよい。この場合、大当たり抽選での抽選結果や大当たり種別を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドは、変動パターンコマンドとは別のコマンドとして設定される。
シフトコマンドは、保留数Nが減少する場合に、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8での大当たり抽選での抽選結果を示す特図当否情報がシフトしたことを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドである。シフトコマンドは、図21のデータ設定処理でのステップS1704において設定される。
なお、前述のコマンド以外のコマンドが主制御装置4から音声ランプ制御装置5に出力されることがあるがそれらの説明は省略する。
また、主制御装置4には、MPU41に動作クロックを供給する手段として、発振回路及び分周回路等も搭載される。発振回路は、予め定められた所定周波数のクロック信号を出力し、分周回路は、発振回路から出力されるクロック信号の周波数を変更してMPU41に入力する。具体的に、MPU41によって実行される後述の主タイマ割込処理の実行周期は、分周回路から出力されるクロック信号によって定まる。
本実施形態では、分周回路からMPU41に、予め設定された間隔(例えば4m秒)でクロック信号が供給され、MPU41が、クロック信号の立ち上がり(又は立下り)が発生するごとに後述の主タイマ割込処理を起動して実行するものとする。なお、発振回路及び分周回路は、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にも必要に応じて搭載され、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140における制御主体の動作クロックを供給する。また、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にクロック信号が供給されてもよい。
ROM411は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。RAM412は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU41によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。例えば、RAM412は、音声ランプ制御装置5等に送信されるコマンドの設定等に用いられる。なお、RAM412は不揮発性の記憶部であってもよい。
ここで、図11を参照しつつ、遊技機10の主制御装置4のMPU41が大当たり抽選等を行うための記憶領域について説明する。具体的には、MPU41は、RAM412の抽選用カウンタ412a、及び特図保留格納エリア412bに格納されるカウンタ情報を用いて、大当たり抽選及び変動表示時間の設定等を実行する。
抽選用カウンタ412aには、大当たり当選の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判断する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、外れ種別を判断する際に使用するリーチ乱数カウンタC3とが含まれる。また、抽選用カウンタ412aには、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する大当たり乱数初期値カウンタCIN1と、メイン表示部37及び図柄表示部341における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCS1とが含まれる。さらに、抽選用カウンタ412aには、普通電動役物としての電動サポート部材36を作動させるか否かの抽選に使用する普通図柄当たり乱数カウンタC4と、普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する普通図柄当たり初期値カウンタCIN2とが含まれる。以下、これらの複数種類のカウンタをまとめて説明する場合は単にカウンタと略称する。
そして、カウンタC1~C4,CIN1,CIN2,CS1は、MPU41によって短時間間隔で前回値に1が加算され、予め設定された最大値に達した後に0に戻るループカウンタとして用いられる。カウンタC1~C4,CIN1,CIN2,CS1には更新後の値が記録され、大当たり抽選及び変動表示時間の設定等の際にMPU41によって参照される。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の大当たり乱数初期値カウンタCIN1のカウンタ値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、大当たり乱数初期値カウンタCIN1は、大当たり乱数カウンタC1と同様の範囲内(0~738)で更新されるループカウンタである。大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングでのカウンタ値(乱数値)が特図保留格納エリア412bに格納される。一方、カウンタ値(乱数値)を取得した場合、大当たり乱数初期値カウンタCIN1のカウンタ値を大当たり乱数カウンタC1の初期値として設定する。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM411における当否テーブル記憶エリアに記憶された当否テーブルにより、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率の低い低確率モード(後述のモードA、モードB及びモードD(図13(B)参照))、及び大当たりとなる確率が高い高確率モード(後述のモードC及びモードE(図13(B)参照))に対応して2種類設定されている。ここで、図12(A)は低確率モードに対応する低確率モード当否テーブル、図12(B)は高確率モードに対応する高確率モード当否テーブルの一例を示す図である。図12(A)及び図12(B)に示す例では、低確率モード(モードA、モードB及びモードD)において大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は3個(0~2)であり、大当たり確率は3/739(=約1/246.3)である。一方、高確率モード(モードC及びモードE)において大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなるカウンタ値(乱数値)の数は30個(0~29)であり、大当たり確率は低確率モードの10倍である30/739(=約1/24.6)である。ここで、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルでは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる3つの乱数値(0~3)が共通するが、共通していないことも考えられる。また、大当たり当選となる乱数値は、連続した値である必要はなく、一部又は全部が離散した値であってもよい。なお、大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)が大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなるカウンタ値(乱数値)以外である場合には大当たり抽選での抽選結果が外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングでの大当たり種別カウンタC2のカウンタ値が特図保留格納エリア412bに格納される。遊技機10では、ROM411における振分テーブル記憶エリアに記憶された振分テーブルにより、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技のそれぞれの大当たりに対して個別に大当たり種別カウンタC2の値が設定されている。即ち、遊技機10では、第1始動口314への遊技球の入賞での大当たり(第1特図大当たり)と、第2始動口315への遊技球の入賞での大当たり(第2特図大当たり)とで大当たり種別の振り分け異なる。ここで、図12(C)及び図12(D)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図である。図12(C)に示す例では、第1始動口314への入賞を契機とする第1特別図柄遊技での大当たりの場合、大当たり種別として2R確変大当たり及び2R通常大当たりのいずれかに振り分けられる。そして、2R確変大当たりとなる乱数の数は0~14の15個、2R通常大当たりとなる乱数の数は15~19の5個であり、5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりとなる乱数は存在しない。一方、図12(D)に示す例では、第2始動口315への入賞を契機とする第2特別図柄遊技での大当たりの場合、5R確変大当たり、16R確変大当たり及び5R通常大当たりのいずれかに振り分けられる。そして、5R確変大当たりとなる乱数の数は0~4の5個、16R確変大当たりとなる乱数の数は5~14の10個、5R通常大当たりとなる乱数の数は15~19の5個であり、2R通常大当たり及び2R確変大当たりとなる乱数は存在しない。また、本実施形態では、第1特別図柄遊技における確変大当たり(2R確変大当たり)の確率が75%(15/20)であり、第2特別図柄遊技における確変大当たり(5R確変大当たり及び16R確変大当たり)の確率が75%(15/20)である。即ち、遊技機10は、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで、確変大当たりの確率が同じである、いわゆるループ確変機である。
このように、遊技機10では、第1特図大当たりと第2特図大当たりとで大当たり種別の振り分け異なるが、大当たり遊技でのラウンド遊技数は、第2特図大当たりのほうが第1特図大当たりに比べて多く、ラウンド遊技数の点から、第2特図大当たりのほうが遊技者にとって有利である。
なお、本実施形態では、第1特別図柄遊技を実行する契機となる第1始動口314への遊技球の入賞、第2特別図柄遊技を実行する契機となる第2始動口315への遊技球の入賞のそれぞれに対して個別の大当たり種別振分テーブルが設定されており、遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれに入賞したかに応じて大当たり種別の振り分け確率が異なるが、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで大当たり種別の振り分け確率が同一であることも考えられる。また、遊技機10は、ループ確変機に限らず、いわゆるリミット機、ST機、V-ST機、一種二種混合機等のループ確変機とは異なるスペックの遊技機として構成することも考えられる。なお、遊技機10をリミット機、ST機、V-ST機、及び一種二種混合機に適用した例については、図28~図50を参照し、第3~第6の実施形態として後述する。
そして、MPU41は、特図実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2のカウンタ値に基づいて、大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たり、2R確変大当たり、5R確変大当たり、5R通常大当たり、16R確変大当たり及び外れのいずれであるかを判定する。具体的には、MPU41は、第1始動口314に対する入賞に対しては、大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たり、2R確変大当たり及び外れのいずれであるかを判定し、第2始動口315に対する入賞に対しては、大当たり抽選での抽選結果が5R通常大当たり、5R確変大当たり、16R確変大当たり及び外れのいずれであるかを判定する。
ここで、大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たり又は2R通常大当たりの場合は、可変入賞口316bが開放されるラウンド遊技が2回繰り返される開閉実行モードが実行される。大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たり又は5R通常大当たりの場合は、可変入賞口316bが開放されるラウンド遊技が5回繰り返される開閉実行モードが実行される。大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりの場合は、ラウンド遊技が16回繰り返される開閉実行モードが実行される。
そして、大当たり遊技が終了した場合、大当たり遊技状態から大当たり種別に応じたモード(遊技状態)に移行する。ここで、図13(A)は大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定するモード移行テーブルである。図13(A)に示す例では、大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードBに移行する。抽選結果が2R確変大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードCに移行する。抽選結果が5R通常大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードDに移行する。抽選結果が5R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。即ち、第1始動口314L,314Rに対する入賞での大当たりの場合の大当たり種別が2R通常大当たり又は2R確変大当たりであるため(図12(C)参照)、第1始動口314L,314Rに対する入賞での大当たりでは大当たり遊技の終了後にモードB又はモードCに移行する。一方、第2始動口315に対する入賞での大当たりの場合の大当たり種別が5R通常大当たり、5R確変大当たり又は16R確変大当たりであるため(図12(D)参照)、第2始動口315に対する入賞での大当たりでは大当たり遊技の終了後にモードD又はモードEに移行する。
ここで、図13(B)は、遊技機10での始動口314L,314R,315への遊技球の入賞により特別図柄が変動する特図遊技状態でのモード種別(モードA~モードE)の内容を規定するモードデータテーブルである。
モードAは、後述する回数限定時短モードであるモードB又はモードDにおいて、上限数の特図遊技が終了した場合、即ち時短が終了する場合に移行するモードであり、後述の説明からも明らかになるが、モードA~モードEのうちで最も遊技者に不利な遊技状態である。また、遊技機10では、主電源のオン時にRAM412の内容がクリアされた場合にも遊技状態がモードAとなる。なお、主電源のオン時にRAM412の内容がクリアされなかった場合の遊技状態は、主電源のオフ時にRAM412に記憶された遊技状態になる。
モードA(第1遊技状態)は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードAは、普通図柄の変動表示時間の短縮(時短)が無く、普通図柄の変動表示時間が通常変動表示時間(例えば30秒)である非時短モードである。そのため、モードAでは、第1スルーゲート318を通過した遊技球が電動サポート部材36の位置を通過する際には普通図柄が変更表示中であり、普通図柄抽選での抽選結果が当たりとなって電動サポート部材36が作動したとしても、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への入賞は期待できない。さらに、モードAは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が低い普通図柄低確率当否テーブルに基づいて普通図柄当たり抽選が行われる普図当たり低確率モードである。従って、モードAでは、電動サポート部材36の作動タイミングに偶発的に遊技球が第2通路352を通過する等のイレギュラーなケースを除いて第1特図遊技が実行され、第2特図遊技は実質的に実行されない。
ここで、図13(C)は、普通図柄低確率当否テーブルの一例を示す。図13(C)に示す普通図柄低確率当否テーブルでは、0~199の200個のカウンタ値(乱数値)からなる普通図柄当たり乱数カウンタC4(図11参照)のうちの1個のカウンタ値(199)が普通図柄当たり抽選での抽選結果の当たりに対応し、残りの199個のカウンタ値(0~198)が抽選結果の外れに対応する。つまり、普通図柄低確率当否テーブルでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が0.5%(1/200)に設定されている。そのため、モードAでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率が低く、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりになることでの電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞に対する期待度が低い。なお、普通図柄低確率当否テーブルに基づく普通当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率は、後述の普通図柄高確率当否テーブルに基づく抽選結果が当たりになる確率と明確な確率差があれば特に制限はなく、抽選結果が当たりになる確率が0%であってもよく、またモードAでは普通図柄当たり抽選を行わないことも考えられる。また、モードAでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行う一方で、第2スルーゲート319を遊技球が通過した場合には普通図柄当たり抽選を行わないようにすることも考えられる。
また、図13(B)に示すように、モードAでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合の電動サポート部材36の作動時間が短い(例えば0.6秒)。そして、上述のように電動サポート部材36の上方には、電動サポート部材36の上方から流下する遊技球を振分装置35(第2始動口315)から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(図4及び図5(A)参照)が設けられている。そのため、モードAでは、上述ように普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合であっても、右打ちにより遊技盤31の右側を流下する遊技球については、電動サポート部材36の作動時間が短いため、右打ちの場合には電動サポート部材36によって第2始動口315への入賞をサポートさせることは困難である。このことに加え、上述の普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率が低いことで、モードAでは、遊技者に有利な大当たり種別に振り分けられる第2始動口315への遊技球の入賞が殆ど期待できない。また、右打ちでは、電動サポート部材36のサポートが期待できないだけでなく、振分装置35への遊技球の導入も期待できない。そのため、モードAでは、左打ちにより遊技盤31の左側で遊技球を流下させ、振分装置35に遊技球を導入させて第1始動口314L,314Rへの遊技球の入賞により大当たり抽選を受けることが奨励される。
このように、モードAでは、左打ちが奨励され、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が低い上に、電動サポート部材36の作動タイミングが遊技球の通過タイミングとはズレているため、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が殆ど期待できない。そのため、モードAでは、大当たり抽選の殆どが第1始動口314L,314Rへの遊技球の入賞に対して行われ、モードAでの大当たり種別は殆どが2R通常大当たり又は2R確変大当たりになる。その結果、モードAからは、大当たり遊技の終了後にモードB又はモードCに極めて移行しやすく、モードD及びモードEには実質移行しない。
モードB(第4遊技状態)は、上述のように2R通常大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードAよりも遊技者にとって有利なモード(遊技状態)である。
モードBは、モードAと同様に大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードBは、モードAとは異なり、普通図柄の変動表示時間が非時短モードの通常変動表示時間(例えば30秒)よりも短縮される短縮変動表示時間である時短モードであり、この時短モードは、最大で、特図遊技の実行回数が予め定められる上限数(例えば50回)に到達するまで継続される。つまり、モードBは、時短回数に上限が設けられる回数限定時短モードであるものの、時短モードであるためにモードAよりも有利なモードである。ここで、短縮変動表示時間は、第1スルーゲート318を通過した遊技球が電動サポート部材36のサポートによって第2始動口315に入賞できる時間に設定され、第1スルーゲート318と電動サポート部材36との位置関係(距離等)、及び電動サポート部材36の作動時間に応じて設定され、例えば0.004秒~0.2秒程度とされる。なお、本実施形態では、図柄表示部341等の演出手段においてモードB(時短モード)であることを明示する演出を実行してもよい。この場合、確変であることの可能性を示唆するチャンスゾーンとして演出手段において演出を行ってもよい。なお、モードBにおいて大当たり抽選での抽選結果が大当たりになることなく上限数の特図遊技が行われた場合にはモードAに移行する。
さらに、モードBは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高い普通図柄高確率当否テーブルに基づいて普通図柄当たり抽選が行われ、この点においてもモードAよりも有利なモードである。ここで、図13(D)は、普通図柄高確率当否テーブルの一例を示す。図13(D)に示す普通図柄高確率当否テーブルでは、普通図柄当たり乱数カウンタC4(図11参照)のカウンタ値(乱数値)のうちの199個(0~198)が普通図柄当たり抽選での抽選結果の当たりに対応し、残りの1個(199)が抽選結果の外れに対応する。つまり、普通図柄高確率当否テーブルでは、普通図柄低確率当否テーブルとは当たりと外れのカウンタ値(乱数値)が反対であり、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が99.5%(199/200)に設定されている。そのため、モードBでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであることによる電動サポート部材36のサポートで第2始動口315へ遊技球が入賞することを期待できる。なお、普通図柄低確率当否テーブルに基づく普通当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率は、99.5%である必要はなく、他のパーセンテージであってもよい。また、モードBでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行う一方で、第2スルーゲート319を遊技球が通過した場合には普通図柄当たり抽選を行わないようにすることも考えられる。また、モードBでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合の普通図柄当たり抽選での当選確率を100%としてもよく、また第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行うことなく、電動サポート部材36が短時間作動するようにしてもよい。この場合、モードBでは、第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球が振り分けられることで、左第1始動口314Lと第2始動口315との入球比率が50%:50%になる。
また、図13(B)に示すように、モードBでは、モードAと同様に普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が短く(例えば0.6秒)、右打ちでの電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できない。そのため、モードBでは、モードAと同様に左打ちが奨励される。
このように、モードBでは、電動サポート部材36の作動時間が短いために右打ちではなく左打ちが奨励されるが、モードAとは異なり、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高いため、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球については、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できる。具体的には、上述のように振分装置35に遊技球が導入された場合、遊技球が第1通路351と第2通路352とに交互に振り分けられる。第1通路351に振り分けられた遊技球は、左第1始動口314Lに入賞する。一方、第2通路352に振り分けられた遊技球は、第1スルーゲート318を通過する。このとき、モードBでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過することを契機として普通図柄当たり抽選が普図当たり普通図柄高確率当否テーブルに基づいて行われる。そのため、第2通路352に振り分けられて第1スルーゲート318を通過した遊技球は、高確率(本実施形態では99.5%)で電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞する。なお、普通図柄当たり抽選での抽選結果が外れである場合、第2通路352に振り分けられた遊技球は、右第1始動口314Rに入賞する。
そして、モードBでは、大当たり抽選が、50%の確率で左第1始動口314Lへの遊技球の入賞に対して、49.75%の確率で第2始動口315への遊技球の入賞に対して、0.25%の確率で右第1始動口314Rへの遊技球の入賞に対して行われる。その結果、モードBでの大当たりでは、約半数(50.25%)が2R通常大当たり又は2R確変大当たりとなり、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードB又はモードCに移行する。また、モードBでの大当たりでは、約半数(49.75%)が5R通常大当たり、5R確変大当たり又は16R確変大当たりとなり、5R通常大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードDに移行し、5R確変大当たり及び16R確変大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードEに移行する(図13(A)参照)。即ち、モードBでは、電動サポート部材36のサポートによって特図遊技のうちの約半数で第2始動口315への遊技球の入賞に対する大当たり抽選が受けられるため、獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりに当選することが期待でき、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後は後述するように電動サポート部材36の作動時間が長いモードD及びモードEに移行する。そのため、モードBでは、モードAとは異なり、遊技者とって有利な大当たりに当選する可能性があると共に、有利な大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードBよりも有利なモードに移行するため、この点においてもモードAに比べて遊技者とって有利なモード(遊技状態)である。
モードCは、上述のように2R確変大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードA及びモードBよりも遊技者に有利なモード(遊技状態)である。モードCは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い大当たり高確率モード(確変遊技状態)であり、大当たり抽選が高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて行われ、この点においてモードA及びモードBよりも遊技者に有利なモード(遊技状態)である。また、モードCは、モードBと同様に時短モードであるが、モードBとは異なり、時短モードが大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなるまで継続される。つまり、モードCは、次回大当たりが保証される大当たり保証時短モードであり、この点においてもモードBよりも有利なモード(遊技状態)である。なお、本実施形態では、モードC(高確率モード)であることが特図遊技や大当たり遊技に対する図柄表示部341等の演出手段での演出において明示されない。即ち、モードCは、いわゆる潜伏確変モードである。もちろん、モードCでは、高確率モードであることを演出手段において明示してもよく、またモードBと同様に時短モードであることを演出手段において明示し、確変であることの可能性を示唆するチャンスゾーンとして演出手段において演出を行ってもよい。
さらに、モードCは、モードBと同様に、普通図柄当たり抽選が普通図柄高確率当否テーブルに基づいて行われるが、モードA及びモードBと同様に、普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が短いことから(例えば0.6秒)、右打ちでの電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できない。そのため、モードCでも左打ちが奨励される。なお、モードCでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行う一方で、第2スルーゲート319を遊技球が通過した場合には普通図柄当たり抽選を行わないようにすることも考えられる。また、モードCでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合の普通図柄当たり抽選での当選確率を100%としてもよく、また第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行うことなく、電動サポート部材36が短時間作動するようにしてもよい。この場合、モードCでは、第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球が振り分けられることで、左第1始動口314Lと第2始動口315との入球比率が50%:50%になる。
このように、モードCでは、モードA及びモードBと同様に、電動サポート部材36の作動時間が短いために左打ちが奨励されるが、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高いため、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球については、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待でき、この点においてもモードAよりも有利なモード(遊技状態)である。そして、モードCでは、モードBと同様に、大当たり抽選が、50%の確率で左第1始動口314Lへの遊技球の入賞に対して、49.75%の確率で第2始動口315への遊技球の入賞に対して、0.25%の確率で右第1始動口314Rへの遊技球の入賞に対して行われる。そのため、モードCでの大当たりで期待される大当たり種別及び大当たり遊技の終了後の移行先のモードは、モードBと同様である。即ち、モードCでは、モードBと同様に、特図遊技のうちの約半数で第2始動口315への遊技球の入賞に対する大当たり抽選が受けられるため、獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりに当選することが期待でき、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後は後述するように電動サポート部材36の作動時間が長いモードD及びモードEに移行する。そのため、モードCでは、モードAとは異なり、またモードBと同様に、遊技者とって有利な大当たりに当選する可能性がある。
モードDは、上述のように5R通常大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードA及びモードBよりも遊技者にとって有利なモード(遊技状態)である。モードDは、モードA及びモードBと同様に大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードDは、モードBと同様に回数限定時短モードであり、上限数の特図遊技が行われた場合にモードAに移行する。さらに、モードDは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高い高確率当否テーブルに基づいて行われ、この点においてもモードCと同様である。なお、モードDでは、図柄表示部341等の演出手段での演出において時短モードであることが明示される。この場合、確変であることの可能性を示唆するチャンスゾーンとして演出手段において演出を行ってもよい。
但し、モードDは、モードA~モードCとは異なり、普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が長く(例えば6秒)、この点においてモードA~モードCよりも有利なモード(遊技状態)である。そして、モードDでは、電動サポート部材36の作動時間が長いため、上述のように振分装置35の右側領域を流下する遊技球や可変入賞口316bの下方のステージ310に落下した遊技球が電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導され得る。そのため、遊技盤31の右側に配置された第2スルーゲート319に遊技球を通過させることで電動サポート部材36を作動させるべく、右打ちが奨励される。また、モードDでは、右打ちをした場合には振分装置35へ遊技球が導入され難いため、殆ど第1始動口314L,314Rに遊技球が入賞することなく、高確率(略100%)で第2始動口315に遊技球が入賞して大当たり抽選が行われる。そのため、モードDでの大当たりは、高確率(略100%)で5R通常大当たり、5R確変大当たり又は16R確変大当たりとなる。そして、大当たり種別が5R通常大当たりである場合、この大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードDに移行し、大当たり種別が5R確変大当たり又は16R確変大当たりである場合、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードEに移行する(図13(A)参照)。即ち、モードDでは、上述のようにモードA~モードCとは異なり、電動サポート部材36の作動時間が長く、専ら第2始動口315への遊技球の入賞に対して大当たり抽選を受けることができる。そのため、モードDは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなった場合の大当たり種別が、遊技球の獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかであり、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後は電動サポート部材36の作動時間が長いモードD又はモードEに移行するため、これらの点でモードA~モードCよりも有利なモード(遊技状態)である。
モードEは、上述のように5R確変大当たり遊技又は16R確変大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードA~モードEのうちで最も遊技者に有利なモードである。モードEは、モードCと同様に、大当り抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い大当たり高確率モード(確変遊技状態)であり、大当たり抽選が高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて行われると共に、次回大当たりが保証される大当たり保証時短モードでもある。なお、モードEでは、図柄表示部341等の演出手段での演出において確変遊技状態(高確率モード)であることが明示される。
但し、モードEは、モードCとは異なり、モードDと同様に普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が長い(例えば6秒)。そのため、モードEは、モードDと同様に右打ちが奨励される。そして、モードEでは、右打ちをした場合には振分装置35へ遊技球が導入され難いため、殆ど第1始動口314L,314Rに遊技球が入賞することなく、高確率(略100%)で第2始動口315に遊技球が入賞して大当たり抽選が行われる。そのため、モードEでの大当たりで期待される大当たり種別及び大当たり遊技の終了後の移行先のモードは、モードDと同様である。即ち、モードEでは、専ら第2始動口315への遊技球の入賞に対して大当たり抽選が受けられるため、獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかに高確率(略100%)で当選する。
なお、電動サポート部材36は、一度の普通図柄当たり抽選での当たりに対して複数回作動することも考えられる。例えば、モードD及びモードEにおいて、電動サポート部材36を1.2秒間の作動させる動作を5回行うことで、電動サポート部材36の合計作動時間を6秒とすることも考えられる。但し、先に説明した電動役物36の1回の作動時間及び作動回数は例示であり、適宜変更可能である。もちろん、モードD及びモードEでの電動サポート部材36の作動時間も6秒に限らず、適宜変更可能である。また、モードEにおいて5R通常大当たりのような通常大当たりに当選した場合には、モードDではなく、非時短モードであるモードA、又は電動役物36の作動時間が短いモードBに移行するようにしてもよい。これらの場合、モードDは省略される。
ところで、従来の遊技機としては、電動サポート部材などの普通電動役物が高頻度かつ長時間作動することで第2始動口に入賞しやすい時短モードと、普通電動役物が低頻度かつ短作動する非時短モードとを有するものがある。この種の遊技機では、大当たり抽選確率が低い通常遊技状態では非時短モードとされ、大当たり抽選確率が高い確変遊技状態において時短モードされる。
しかしながら、従来の遊技機は、時短モードにおける普通電動役物によるサポートを受けることができる可能性の理論確率は一定であり、時短モードにおける遊技性に乏しく、新規な遊技性を創出が困難である。
これに対して、遊技機10では、特図遊技状態として、モードA、モードC及びモードEを含む。これらのモードA、モードC及びモードEは、第1始動部と第2始動部との入球比率の期待値が異なる。具体的には、モードAでは第1始動口314に対する入球比率が略100%であり、モードCでは第1始動部と第2始動部との入球比率が略50%:50%であり、モードEでは第2始動口315に対する入球比率が略100%である。そのため、遊技機10によれば、第1始動部と第2始動部との入球比率の期待値が異なる3つモードA、モードC及びモードEに基づいて、遊技性が向上された新規な遊技性を創出することが可能になる。
例えば、本実施形態の遊技機10は、ループ確変機であるが、従来のループ確変機では、第1始動口314に対する入球比率が略100%のモードと、第2始動口315に対する入球比率が略100%のモードとを有していたが、本実施形態の遊技機10のモードCのような第1始動口314と第2始動口315との入球比率が略50%:50%のモードを有するものではなかった。一方、多量の遊技価値が付与される大当たりに当選する最も遊技者に有利なモードEへは、典型的にはモードAでの初当たりによって高確率モードのモードCに移行させ、このモードCにおいて略50%の確率の第2始動口315への入賞を契機とする大当たり抽選で大当たりを獲得する必要がある。即ち、遊技機10では、モードEに移行するまでにモードCにおいて第2始動口315での大当たりを獲得するという段階を経る必要があり、最も有利なモードEに移行させるために乗り越えるべき障壁を有するという新規な遊技性がループ確変機に付与される。これにより、遊技が単調となることを抑制しつつ遊技性及び興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、特図遊技状態として回数限定の時短モードであるモードB及びモードDをさらに含むため、遊技性が向上された新規な遊技性を創出しやすくなる。具体的には、モードEには、上述のように典型的には高確率モードのモードCから移行されるが、低確率モードのモードB及びモードDからも移行される。即ち、大当たり抽選での抽選結果が通常大当たりであることで移行されるモードB及びモードDからもモードEに移行される可能性がある。そして、モードB及びモードDが低確率モードであるために、モードCに比べて大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低いため、モードB及びモードDからモードEに移行されるためには、モードCからモードEに移行される場合に比べてより高い障壁を乗り越える必要がある。また、モードDは電動サポート部材36の作動時間が長いのに対し、モードBは電動サポート部材36の作動時間が短いため、モードBとモードDとでは第2始動口315への入賞のし易さが異なるため、モードBとモードとでモードEに移行させるために乗り越えるべき障壁の高さが異なる。このように、特図遊技状態としてモードB及びモードDを有することで、モードEに移行させるために乗り越えるべき困難さの異なる複数の障壁(本実施形態では3種類の障壁)を有する遊技性がループ確変機に付与される。これにより、遊技が単調となることを抑制しつつ遊技性及び興趣をより向上させることができる。
図11の説明に戻り、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングで特図保留格納エリア412bに格納される。
遊技機10では、リーチ乱数カウンタC3によって、大当たり抽選での抽選結果が外れである場合に図柄表示部341での変動表示の停止結果の種別が選択される。具体的には、ROM411における外れ種別テーブル記憶エリアに記憶された外れ種別テーブルにより、リーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する前後外れリーチ、同じくリーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する前後外れ以外リーチ、及びリーチが発生しない完全外れの3種類の外れ種別ごとに対応するリーチ乱数カウンタC3の値が設定されている。ここで、リーチとは、図柄表示部341における図柄の変動表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの間に、大当たりに当選したことを示す主図柄の図柄組み合わせになりやすい状態が示される変動状態である。一例において、図柄表示部341における有効ライン上の3つの停止位置のうち2つの停止位置に同一の図柄が停止表示され、残りの1つの停止位置に対応する表示図柄が変動する状態である。また、図柄表示部341におけるリーチの変動状態中には、所定のキャラクタ等の動画が表示されて期待度を示唆するストーリー演出処理や、遊技者による操作ボタン20の操作が演出に反映される遊技者参加型の操作演出処理等が実行される。なお、これらの演出処理の実行中には図柄表示部341における変動表示が非表示となること、縮小又は拡大して表示されることも考えられる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。具体的に、変動種別カウンタCS1は、特図遊技演出として、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の大まかな変動種別を決定するものである。変動種別カウンタCS1は、MPU41により図17を参照して後述するメイン処理が1回実行されるごとに1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。また、変動種別カウンタCS1の値は、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングで特図保留格納エリア412bに格納される。
そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1と予め設定された変動テーブルとに基づいて変動表示時間を示す変動パターンを決定する。具体的に、MPU41は、ROM411の変動テーブル記憶エリアに、抽選結果に応じて予め記憶されている低確率モード大当たり変動テーブル、高確率モード大当たり変動テーブル、又は外れ変動テーブルを参照しつつ変動パターンの種別を特定する。なお、これらの変動テーブルは、現在の遊技状態が低確率モードであるか高確率モードであるかに応じて設けられていてもよく、モードA~モードEごとに個別に設けられてもよい。
そして、MPU41は、メイン表示部37の第1特別図柄表示器371、第2特別図柄表示器372及び図柄表示部341による変動表示時間を示す変動パターンを特定すると、その変動パターン及び大当たり抽選での抽選結果を示す変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する。これにより、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて、変動パターン(変動表示時間)及び抽選結果を判断することが可能であり、その変動パターン及び抽選結果に基づいて、図柄表示部341で表示される変動種別及び演出種別等の変動態様の詳細を決定する。そして、音声ランプ制御装置5は、決定した変動態様の詳細に基づいて図柄表示部341に変動表示を実行させ、スピーカ26から変動表示に合わせて音声を再生し、電飾部27を点灯、点滅、消灯させる。
従って、遊技機10では、主制御装置4のMPU41は、図柄表示部341における変動表示について、変動種別カウンタCS1及び変動テーブルに基づいて変動パターン(変動表示時間)を決定する簡易な処理を実行することになる。そのため、遊技機10のMPU41が8ビットマイコンで構成される場合であっても、そのMPU41により安定して大当たり抽選を実行することができる。また、実際に図柄表示部341に表示される変動態様の詳細は音声ランプ制御装置5で決定されるため、その変動態様としては多種多様な変動態様を選択的に実行することが可能である。
普通図柄当たり乱数カウンタC4は、電動サポート部材36を所定時間作動させるか否かの普通図柄当たり抽選に使用するものであり、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻されるループカウンタである。普通図柄当たり乱数カウンタC4は、後述の図14の主タイマ割込処理でのステップS1003において定期的に更新され、スルーゲート318,319を遊技球が通過したタイミングでカウンタ値(乱数値)が取得され、このカウンタ値(乱数値)に基づいて、普通図柄当たり抽選が行われる。普通図柄当たり抽選は、スルーゲート318,319を遊技球が通過したタイミングで、普通図柄が変動表示されていないこと(普通図柄表示器373のLEDランプ対が点滅していないこと)、大当たり遊技を実行していないこと、電動サポート部材36が作動していないことを条件に、スルーゲート318,319を遊技球が通過するたびに行われる。即ち、遊技機10では、普通図柄当たり抽選が大当たり抽選のように保留されることはない。一方、普通当たり抽選のために普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウント値(乱数値)を取得した場合、普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2のカウンタ値を普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値として設定する。
特図保留格納エリア412bは、第1特図保留エリアRE1、第2特図保留エリアRE2、第3特図保留エリアRE3、第4特図保留エリアRE4、第5特図保留エリアRE5、第6特図保留エリアRE6、第7特図保留エリアRE7、第8特図保留エリアRE8、特図保留数記憶エリアNA、及び特図実行エリアAEを含む。
そして、第1始動口314又は第2始動口315に遊技球が入球した場合には、特図当否情報が第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のいずれかに、第1始動口314に対する遊技球の入賞と第2始動口315に対する遊技球の入賞とで区別なく、入賞順に格納される。特図当否情報は、始動口314,315への遊技球の入賞時に取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値である数値情報と、第1始動口314への入賞に対するものであるか、第2始動口315への入賞に対するものであるかを区別できる始動口情報(特図情報)と、特図当否情報を取得したときのモード種別(モードA~モードE)に対するモード情報とを含む。
なお、第1始動口314に対する入賞、及び第2始動口315に対する入賞のそれぞれに対応して、抽選用カウンタ412a(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1等)が個別に設けられてもよい。
このように、遊技機10では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3に加えて、変動種別カウンタCS1が第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のいずれかに格納される。第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に格納されている特図当否情報に基づいて実行される特図遊技に対する大当たり抽選の抽選結果に加えて、図柄表示部341で表示される図柄変動表示の変動パターン(変動表示時間)を事前に判断することが可能である。
具体的に、始動口314,315に遊技球が入球した場合、特図当否情報は、第1特図保留エリアRE1、第2特図保留エリアRE2、第3特図保留エリアRE3、第4特図保留エリアRE4、第5特図保留エリアRE5、第6特図保留エリアRE6、第7特図保留エリアRE7、第8特図保留エリアRE8の優先順位で空いている領域に格納される。特図保留数記憶エリアNAには、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のうち特図当否情報が記憶されている数が保留数Nとして格納される。即ち、遊技機10では、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8の最大保留数に対応する合計8つの記憶領域により、始動口314,315への遊技球の入賞履歴としての特図当否情報を入賞順に最大8つまで保留することが可能である。
特図実行エリアAEは、メイン表示部37及び図柄表示部341における図柄変動表示が開始される際に、第1特図保留エリアRE1に格納された特図当否情報を移動させるために用いられる記憶領域である。そして、MPU41は、1回の第1特図遊技又は第2特図遊技の開始に際して、特図実行エリアAEに特図当否情報として記憶されている数値情報及びモード情報に基づいて大当たり抽選を行い、抽選結果が大当たりである場合には、特図当否情報として記憶されている始動口情報(特図情報)に基づいて大当たり種別の振分抽選を行う。また、第1特図保留エリアRE1の特図当否情報が特図実行エリアAEに移動された場合、第2特図保留エリアRE2~第8特図保留エリアRE8の特図当否情報を、それぞれ優先順位が一つ高い第1特図保留エリアRE1~第7特図保留エリアRE7にシフトする。即ち、本実施形態の遊技機10では、第1始動口314に対する遊技球の入賞と第2始動口315に対する遊技球の入賞とで区別なく入賞順に特図当否情報が第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に記憶されると共に、第1始動口314に対する遊技球の入賞と第2始動口315に対する遊技球の入賞とで区別なく入賞順に特図当否情報が特図実行エリアAEにシフトされることで特図当否情報に対する特図遊技が実行される。このように、本実施形態の遊技機10は、特図当否情報の保留及び保留消化(特図遊技の実行)に関して、いわゆるMAX8と称されるものである。
普図乱数記憶エリア412cは、スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合に、入球センサ318a,319aによって遊技球の通過が検出されたタイミングでMPU41によって取得される普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶される記憶エリアである。普図乱数記憶エリア412cには、複数の普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されることはなく、スルーゲート318,319を遊技球が通過したタイミングで、普通図柄が変動表示されていないこと(普通図柄表示器373のLEDランプ対が点滅していないこと)、大当たり遊技を実行していないこと、及び電動サポート部材36が作動していないことを条件に、スルーゲート318,319を遊技球が通過するたびに普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶される。即ち、遊技機10では、普通図柄当たり抽選が大当たり抽選のように保留されることはない。また、普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウント値(乱数値)を取得した場合、普通図柄当たり乱数値初期値カウンタCIN2のカウンタ値を普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値として設定する。
[サブ制御ユニット332]
図10に示すように、サブ制御ユニット332は、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6を備えており、主制御ユニット331から入力される制御信号に基づいて図柄表示部341における図柄変動表示及び演出表示を実行する。
[音声ランプ制御装置5]
音声ランプ制御装置5は、MPU51及び入出力I/F52等を備える。MPU51は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU51には、ROM511及びRAM512が内蔵されている。
ROM511は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、ROM511には、特図遊技演出、大当たり遊技演出等で使用される音声、ランプ点滅パターン等の情報も記憶されている。RAM512は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU51によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM512は、不揮発性の記憶部であってもよい。
音声ランプ制御装置5は、ROM511に記憶されている制御プログラムに従った処理をMPU51によって実行することにより、主制御装置4から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて、表示制御装置6にコマンド(制御信号)を出力し、図柄表示部341の表示を制御する。また、音声ランプ制御装置5は、図柄表示部341の表示に合わせてスピーカ26からの音声出力、及び電飾部27の点滅態様も制御する。例えば、MPU51は、遊技演出を実行する場合に、図柄表示部341での画像表示、スピーカ26からの音声出力、及び電飾部27の点滅態様を制御する。
入出力I/F52は、音声ランプ制御装置5に信号を入力し、音声ランプ制御装置5から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F52には、主制御装置4及び表示制御装置6が接続されている。そして、主制御装置4から音声ランプ制御装置5には、変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等のコマンドが入力される。また、音声ランプ制御装置5は、表示制御装置6に表示変動パターンコマンド等を出力する。なお、表示制御装置6が、主制御装置4からのコマンドを受信し、そのコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する構成も他の実施形態として考えられる。また、サブ制御ユニット332が、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の両方の機能を有する一つの制御装置を備える構成も他の実施形態として考えられる。
また、入出力I/F52には、スピーカ26、電飾部27、及びモータードライバ39cが接続されている。そして、音声ランプ制御装置5では、MPU51が、主制御装置4から入力されるコマンドに基づいて、スピーカ26からの音声出力、電飾部27の点滅態様等を制御することが可能である。さらに、入出力I/F52には、操作スイッチ20aが接続されている。これにより、MPU51は、操作ボタン20に対して操作が行われたことを検出し、その検出結果に基づいて、図柄表示部341で実行される遊技演出、スピーカ26からの音声出力、電飾部27の点滅態様等を制御することも可能である。
MPU51は、主制御装置4から入力される変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等のコマンドに基づいて所定の演算処理を実行する。
具体的に、MPU51は、変動パターンコマンドが入力された場合に、例えば変動パターンコマンドに基づいて変動パターン、演出種別を決定し、その変動パターンに対応する表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に送信し、図柄表示部341における主図柄の変動表示を開始させる。このとき、図柄表示部341では、変動パターンコマンドが大当たり抽選で抽選結果が外れを示すものである場合には外れに対応する主図柄の組み合わせが表示される。一方、変動パターンコマンドが大当たり抽選で抽選結果が大当たりを示す場合には大当たり種別に応じた主図柄の組み合わせが表示され。なお、MPU51は、変動パターンコマンドに大当たり種別に関する情報が含まれている場合、この大当たり種別に関する情報をRAM512に記憶し、大当たり遊技開始コマンドを受信した場合に大当たり遊技演出を決定する際にRAM512に記憶された大当たり種別に関する情報を参照する。
[表示制御装置6]
表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて図柄表示部341の表示を制御する。具体的に、表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力される表示変動パターンコマンド等に基づいて図柄表示部341の表示を制御することにより主図柄の変動表示、及び演出表示を実行する。
表示制御装置6は、MPU61及び入出力I/F62等を備え、入出力I/F62には音声ランプ制御装置5及び図柄表示部341が接続されている。なお、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の間は双方向通信可能であってよい。
MPU61は、1チップマイコンとして構成された演算装置であり、MPU61には、ROM611及びRAM612が内蔵されている。また、表示制御装置6には、時間を計時するタイマ回路、割込を受け付ける割込回路等の他の回路も内蔵されている。MPU61は、ROM611等に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、表示制御装置6で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
ROM611には、制御プログラムの他、図柄表示部341の図柄変動表示で用いられる主図柄等の変動図柄、予告演出画像、リーチ演出画像、大当たり演出画像、外れ演出画像、大当たり遊技演出で用いられるオープニング演出画像、開閉実行演出画像、エンディング演出画像等の画像が複数種類記憶されている。なお、図柄表示部341に表示される画像には静止画及び動画が含まれる。また、ROM611には、変動表示パターンコマンドごとに対応する表示スケジュールが記憶されている。具体的に、表示スケジュールには、使用する画像の種類や表示タイミングの他、変動図柄の変動表示時間も含まれる。そして、表示制御装置6では、MPU61が、変動表示パターンコマンドに対応する表示スケジュールに従って画像を図柄表示部341に表示させることにより主図柄の変動表示及び演出表示が実現される。
RAM612は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU61によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM612は不揮発性の記憶部であってもよい。
[払出制御装置7]
払出制御装置7には、MPU71及び入出力I/F72等が搭載されている。MPU71は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU71には、ROM711及びRAM712が内蔵されている。
ROM711は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、RAM712は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU71によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM712は不揮発性の記憶部であってもよい。
入出力I/F72は、払出制御装置7に信号を入力し、払出制御装置7から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F72には、払出装置132及び球貸装置100が接続されている。
払出装置132は、前述したように、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出すものであり、遊技球の払出の有無を切り換える球止部材を駆動させるモータ等の駆動部132aと、払い出される遊技球を個別に検出する払出センサ132bとを備える。払出制御装置7は、払出センサ132bによる検出結果に基づいて駆動部132aを制御することにより任意の数の遊技球を払い出す。
球貸装置100は、遊技機10と併せて島設備に設置される。そして、球貸装置100は、遊技機10の前面枠11に設けられている不図示の球貸操作装置の操作に応じて、球貸装置100に挿入されているカード等の記録媒体に記憶されている金額の範囲内で予め設定された金額に相当する数の遊技球を払い出して遊技者に貸し出すことが可能である。具体的には、球貸装置100から払出制御装置7に、所定数の遊技球を払い出す旨の制御信号が入力されることにより、MPU71により払出装置132が制御されて所定数の遊技球が払い出される。なお、記録媒体はカードに限らず、例えばICチップを内蔵するコイン型、スティック型の記憶媒体であってもよい。また、球貸装置100は、現金の挿入によりその現金に応じた所定数の遊技球を貸し出すことが可能なものであってもよい。
[発射制御装置8]
発射制御装置8は、遊技球発射機構32の駆動を制御する発射制御IC81を備える。具体的に、発射制御IC81は、発射ハンドル22が回転操作されている間、遊技球発射機構32の球送り装置322を駆動させることにより、上皿23に貯留されている遊技球を発射レール321上に供給させる。そして、発射制御IC81は、発射ハンドル22の操作量を検出し、その操作量に応じて遊技球発射機構32のソレノイド323を駆動させることにより、発射レール321上の遊技球を遊技盤31に向けて発射させる。このとき、発射制御IC81は、予め設定された周期(例えば0.6秒)でON/OFFが切り替わるクロック信号を駆動信号として球送り装置322及びソレノイド323を駆動させる。これにより、遊技機10では、0.6秒ごとに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射される。上述のように、遊技球の発射間隔は、特図遊技状態と大当たり遊技状態とで異なるものとしてもよい。
また、発射ハンドル22には、遊技者による回転操作量を検出するための可変抵抗が設けられており、発射ハンドル22の回転操作量に応じて電圧が発射制御IC81に入力される。これにより、発射制御IC81は、発射ハンドル22の回転操作量に応じて入力される電圧値に基づいて、発射ハンドル22の回転操作量が多いほど遊技球発射機構32からの遊技球の発射強度が強くなるようにソレノイド323への印加電圧を調整する。
さらに、発射ハンドル22には、遊技者が発射ハンドル22に触れていることを検出するためのタッチセンサ21a、及び遊技者が任意に遊技球の発射を停止させるための操作を行う球止めスイッチ21bが設けられている。発射制御IC81は、タッチセンサ21a及び球止めスイッチ21bを用いて、タッチセンサ21aにより遊技者が発射ハンドル22に触れていないことを検出した場合、又は球止めスイッチ21bが遊技者によって操作されていることを検出した場合に、遊技球発射機構32による遊技球の発射を停止させる。これにより、例えば発射ハンドル22が回転操作された状態で固定され、遊技者が発射ハンドル22に触れていない状況における遊技が防止される。また、遊技者は、発射ハンドル22を回転操作したまま親指等で球止めスイッチ21bを任意のタイミングで操作することにより、球技球の発射を停止させることができる。
[電源制御装置9]
電源制御装置9は、種々のセンサ、駆動部等を駆動するための+12V電圧、制御装置で使用されるロジック用の+5V電圧等を生成する。そして、電源制御装置9は、生成した+12V又は+5Vの電圧を、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、表示制御装置6、払出制御装置7、発射制御装置8等に供給する。
なお、電源制御装置9には、遊技機10の電源をON/OFFするための電源スイッチ90、遊技機10を初期状態に戻す際に操作されるRAM消去スイッチ91が設けられている。遊技機10は、RAM消去スイッチ91がONの状態で電源スイッチ90が操作されて電源が投入された場合に初期化される。
また、電源制御装置9には、電源設備から供給される電力により充電される充電手段としてコンデンサ及び二次電池が設けられている。これにより、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置に設けられたRAMの情報が、前記コンデンサから放電される電力によって所定期間保持される。また、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置が、二次電池から放電される電力により所定期間の間は駆動可能である。
さらに、電源制御装置9は、電力供給が遮断されたと判断した場合に、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7等に停電信号を入力する。例えば、電源制御装置9は、電源設備から供給される電力に基づいて予め設定された24Vの直流電圧を出力する場合に、その直流電圧が予め設定された22V未満に達した場合に停電状態であると判断する。なお、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7等は、電源制御装置9から停電信号を受信すると、実行中の制御を中断して所定のNMI割込処理を実行する。
[主制御装置4の処理]
次に、図14~図24を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行される処理について説明する。具体的に、遊技機10において、MPU41は、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理、立ち上げ処理後に実行されるメイン処理、定期的に起動される主タイマ割込処理、停電時に実行されるNMI割込処理等を実行する。なお、本実施形態では、立ち上げ処理、NMI割込処理等については説明を省略し、主タイマ割込処理及びメイン処理について説明する。
[主制御装置4の主タイマ割込処理]
ここで、図14は、主制御装置4のMPU41により実行される主タイマ割込処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。主タイマ割込処理は、例えば2msecごとに実行される。
<ステップS1001>
まず、ステップS1001では、MPU41は、主制御装置4に接続されているセンサ又はスイッチの検出状態を判断するセンサ検出処理を実行する。例えば、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319a等の検出状態を判断する。このとき、MPU41は、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aのいずれかによって遊技球の通過が検出された場合には、その情報を入賞検知情報としてRAM412に保存する。
<ステップS1002>
ステップS1002では、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2の更新を実行する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1003>
ステップS1003では、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通図柄当たり乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通図柄当たり乱数カウンタC4でのカウンタ値にそれぞれ1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1004及びS1005>
MPU41は、第1始動口314又は第2始動口315への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(ステップS1004)、発射制御処理を実行する(ステップS1005)。なお、始動入賞処理の詳細は、図15を参照して後述する。
発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていることがタッチセンサ21aにより検出されており、発射を停止させるための球止めスイッチ21bが操作されていないことを条件に、遊技球の発射を有効にする処理である。一方、発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていないことがタッチセンサ21aにより検出されている場合、又は球止めスイッチ21bが操作されている場合には、遊技球の発射を無効にする処理である。MPU41は、遊技球の発射が有効である場合に、発射制御装置8に対して遊技球の発射指示をする。
<ステップS1006>
ステップS1006では、MPU41は、スルーゲート処理を実行する。スルーゲート処理では、MPU41は、スルーゲート318,319を遊技球が通過したか否かの監視を行い、スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合に、RAM412の普図乱数記憶エリア412cに格納された情報の更新を行う。なお、スルーゲート処理の詳細は、図16を参照して後述する。
[始動入賞処理]
ここで、図15を参照しつつ、図14のステップS1004でMPU41により実行される始動入賞処理を説明する。
<ステップS1101>
まず、ステップS1101では、MPU41は、入球センサ314La,314Ra,315aでの検出結果に基づいて、始動口314,315に遊技球が入賞したか否かを判断する。ここで、MPU41は、遊技球が始動口314,315に入賞したと判断すると(ステップS1101:Yes)、処理をステップS1102に移行し、遊技球が始動口314,315に入賞していないと判断すると(ステップS1101:No)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図14のステップS1005に移行する。
<ステップS1102及びS1103>
ステップS1102では、MPU41は、RAM412の特図保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nが最大保留数(本実施形態では8)であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、保留数Nが最大保留数であれば(ステップS1102:Yes)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図14のステップS1005に移行する。一方、MPU41は、保留数Nが最大保留数でなければ(ステップS1102:No)、保留数Nに1を加算する(ステップS1103)。
<ステップS1104>
ステップS1104では、MPU41は、特図当否情報をRAM412における特図保留格納エリア412bの第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のうちの優先順位の高い空き保留エリアに格納する。具体的には、MPU41は、図14のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と、後述の図17のメイン処理におけるステップS1302で更新される変動種別カウンタCS1とのカウンタ値を取得し、それらのカウンタ値(数値情報)をRAM412における第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のうちの優先順位の高い空き保留エリアに特図当否情報として格納する。また、MPU41は、入球センサ314La,314Ra,315aでの検出結果に基づいて、今回の始動入賞が左第1始動口314L、右第1始動口314R及び第2始動口315のいずれに対するものであるかを特定すると共に、特定した始動口314,315に対する始動口情報を、特図当否情報として第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に格納する。さらに、MPU41は、数値情報を取得した保留遊技での遊技状態(モードA~モードE)を後述の図23及び図24の遊技状態移行処理のステップS1912、S1919、S1923、S1928及びS1931でオンに設定されるモード種別フラグ(モードAフラグ~モードEフラグ)に基づいてモードを特定すると共に、特定されたモードに対するモード情報を、特図当否情報として第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に格納する。
<ステップS1105>
ステップS1105では、MPU41は、ステップS1104で取得された特図当否情報が後述の図22の特図変動開始処理のS1802又はS1803における大当たりの当否の判定対象となる前に特図当否情報の内容を確認し、この確認結果に基づいて保留コマンドを設定する保留コマンド設定処理を実行する。なお、ステップS1105での処理が終了した場合、当該始動入賞処理を終了し、処理を図14のステップS1005に移行する。
[スルーゲート処理]
ここで、図16を参照しつつ、図14のステップS1006でMPU41により実行されるスルーゲート処理を説明する。スルーゲート処理では、スルーゲート318,319を遊技球が通過したか否かの監視を行い、スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合に、RAM412の普図乱数記憶エリア412cに普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)の記憶を行う。
<ステップS1201>
まず、ステップS1201では、MPU41は、入球センサ317a、318aの検知結果に基づいて、スルーゲート318,319を遊技球が通過したか否かを判断する。MPU41は、遊技球がスルーゲート318,319を通過したと判断した場合(ステップS1201:Yes)、処理をステップS1202に移行し、遊技球がスルーゲート318,319を通過していないと判断した場合(ステップS1201:No)、当該スルーゲート処理を終了する。
<ステップS1202>
ステップS1202では、MPU41は、後述の図18の普通図柄制御処理のステップS1412でオンに設定される普図変動表示中フラグに基づいて、普通図柄が変動表示中(普通図柄表示器373のLEDランプ対が点滅中)であるか否かを判断する。MPU41は、普通図柄が変動表示中であると判断した場合(ステップS1202:Yes)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、MPU41は、普通図柄の変動表示中には普通図柄当たり抽選を実行せず、電動サポート部材36の作動を開始することもない。一方、MPU41は、普通図柄が変動表示中でないと判断した場合(ステップS1202:No)、処理をステップS1203に移行する。
<ステップS1203>
ステップS1203では、MPU41は、後述の図19の普通電動役物制御処理のステップS1508でオンに設定される電動役物作動中フラグに基づいて、電動サポート部材36が作動中であるか否かを判断する。MPU41は、電動サポート部材36が作動中であると判断した場合(ステップS1203:Yes)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、MPU41は、電動サポート部材36が作動中には普通図柄当たり抽選を実行しない。一方、MPU41は、電動サポート部材36が作動中でないと判断した場合(ステップS1203:No)、処理をステップS1204に移行する。
<ステップS1204>
ステップS1204では、MPU41は、大当たり遊技中であるか否かを判断する。大当たり遊技中であるか否かは、例えば図23の遊技状態移行処理のステップS1907でオンに設定される大当たり遊技状態フラグがオンに設定されているか否かに基づいて判断する。MPU41は、大当たり遊技中であると判断した場合(S1204:Yes)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、MPU41は、大当たり遊技中には普通図柄当たり抽選を実行せず、電動サポート部材36の作動を開始することもない。一方、MPU41は、大当たり遊技中でないと判断した場合(S1204:No)、処理をステップS1205に移行する。
なお、本実施形態では、大当たり遊技中での普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を停止しているが、大当たり遊技のうちの開閉実行モードにおいてのみ普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を停止してもよく、またオープニング及び開閉実行モードにおいて普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を停止してもよい。即ち、エンディングでは、普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を行うようにしてもよい。
<ステップS1205及びS1206>
普通図柄が変動表示中でなく(S1202:No)、電動サポート部材36が作動中でなく(S1203:No)、かつ大当たり遊技中でもない場合(S1204:No)、MPU41は、普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)を取得し(ステップS1205)、このカウンタ値(乱数値)を普図乱数記憶エリア412cに記憶し(ステップS1206)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、普通図柄が変動表示中でなく、電動サポート部材36が作動中でなく、かつ大当たり遊技中でもないことを条件に、電動サポート部材36を作動させるか否か決定する普通図柄当たり抽選を行うための乱数値を取得し、その乱数値を記憶する。
[主制御装置4のメイン処理]
次に、図17を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行されるメイン処理について説明する。メイン処理では変動遊技及び大当たり遊技の進行に対する主要な制御処理が実行される。メイン処理では、ステップS1301~S1308の処理が、例えば4msec周期の定期処理として実行され、ステップS1309~S1311のカウンタ更新処理がステップS1301~S1308の処理の終了後から次周期までの残余時間で実行される。
<ステップS1301>
まず、ステップS1301では、MPU41は、図14の主タイマ割込処理又は前回のメイン処理で設定されたコマンド等の出力データをサブ制御ユニット332や周辺制御ユニット140等の制御装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、RAM412において変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等のコマンドが設定されている場合には、音声ランプ制御装置5にそのコマンドを送信する。また、当該メイン処理での後述のステップS1303の賞球コマンド設定処理においてRAM412に賞球コマンドが設定されている場合には、その賞球コマンドを払出制御装置7に対して送信する。
<ステップS1302>
ステップS1302では、MPU41は、変動種別カウンタCS1の値を更新する。具体的には、MPU41は、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1303>
ステップS1303では、MPU41は、払出制御装置7及びサブ制御ユニット332に出力する賞球コマンドをRAM412に設定する。具体的に、MPU41は、RAM412に記憶されている入賞検知情報に基づいて、一般入賞口313、可変入賞口316b等に入賞が発生したか否かを判断する。そして、入賞が発生している場合は、その入賞に応じて払い出す賞球数を示す賞球コマンドをRAM412に設定する。また、MPU41は、RAM412に記憶されている入賞検知情報に基づいて、可変入賞口316bに入賞が発生していると判断した場合、可変入賞口入賞コマンドをRAM412に設定する。この可変入賞口入賞コマンドは、当該メイン処理のステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、音声ランプ制御装置5のMPU51は、大当たり遊技において、図柄表示部341に遊技球の払い出し数の表示(出玉表示)を行わせることができる。
<ステップS1304>
ステップS1304では、MPU41は、普通図柄制御処理を実行する。普通図柄制御処理では、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに記憶されている普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)に基づいて、電動サポート部材36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細は、図18を参照して後述する。
<ステップS1305>
ステップS1305では、MPU41は、普通電動役物制御処理を実行する。普通電動役物制御処理では、MPU41は、特図遊技状態のモード種別(モードA~モードE)に応じた作動時間だけ電動サポート部材36を作動させる処理を実行する。なお、普通電動役物制御処理の詳細は、図19を参照して後述する。
<ステップS1306>
ステップS1306では、MPU41は、変動遊技における遊技を制御するための特図遊技制御処理を実行する。なお、特図遊技制御処理の詳細については後述するが、特図遊技制御処理では、前述の大当たり抽選が実行され、図柄表示部341による図柄変動表示に必要な変動パターンコマンドが設定される。このとき、MPU41は、図14の主タイマ割込処理のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、並びにステップS1302及びS1311で更新される変動種別カウンタCS1の各値に基づいて、変動表示時間及び大当たり抽選の抽選結果を示す変動パターンコマンドをRAM412に設定すると共に、メイン表示部37の第1特別図柄表示器371及び第2特別図柄表示器372の変動表示及び停止表示の制御を行う。
<ステップS1307>
ステップS1307では、MPU41は、大当たり遊技における遊技の進行を制御するための大当たり遊技制御処理を実行する。大当たり遊技制御処理では、開閉扉316cの開閉を制御する開閉実行モードを実行する。この開閉実行モードでは、可変入賞口316bへの遊技球の入球が可能なラウンド遊技が、大当たり種別に応じて複数回実行される。これにより、遊技者は、大当たり遊技において多くの遊技球の獲得が可能になる。また、大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技の開始時(オープニングの開始時)、開閉実行モードの開始時、開閉実行モードの終了時(エンディングの開始時)、大当たり遊技の終了時(エンディングの終了時)等に各種のフラグ及びコマンドを設定する。例えば、MPU41は、大当たり遊技の進行に応じて、大当たり遊技開始コマンド、大当たり遊技終了コマンド、開閉実行モード開始コマンド、開閉実行モード終了コマンド等のコマンドをRAM412にセットし、大当たり遊技開始フラグ、大当たり遊技終了フラグ、開閉実行モード開始フラグ、開閉実行モード終了フラグ等のフラグのオンオフを制御する。
<ステップS1308>
ステップS1308では、MPU41は、後述の図22の特図変動開始処理におけるステップS1804での大当たり抽選の判断結果などに基づいて、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU41は、所定の条件を満たす場合に遊技状態を大当たり遊技状態、及びモードA~モードEに移行させる。なお、遊技状態移行処理の詳細は、図23及び図24を参照して後述する。
<ステップS1309>
ステップS1309では、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングであるか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判断する。ここで、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングであると判断した場合(ステップS1309:Yes)、処理をステップS1301に移行させ、前述したS1301以降の各処理を実行する。一方、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングでないと判断した場合(ステップS1309:No)、次のメイン処理の実行タイミングが到来するまでの間、即ち次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間の間は、次のメイン処理の実行タイミングであると判断するまで(ステップS1309:Yes)、ステップS1309~S1311を繰り返し実行する。
<ステップS1310>
ステップS1310では、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2を更新する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1311>
ステップS1311では、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新する。具体的には、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にする。そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新した後、処理をステップS1309に戻す。
[普通図柄制御処理]
ここで、図18は、図17のメイン処理でのステップS1304において実行される普通図柄制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。普通図柄制御処理では、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに格納されている普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)に基づいて、電動役物36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行うと共に、普通図柄の変動表示を制御する。
<ステップS1401及びS1402>
まず、ステップS1401では、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、電動サポート部材36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行うか否かを判断する。MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されている場合(ステップS1401:Yes)、普図乱数記憶エリア412cに記憶されたカウンタ値(乱数値)を消去し(ステップS1402)、処理をステップS1403に移行する。一方、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されていない場合(ステップS1401:No)、処理をステップS1413に移行する。
<ステップS1403>
ステップS1403では、MPU41は、モード種別がモードAであるか否か、即ち普通図柄当たり抽選を普通図柄低確率当否テーブル(図13(C)参照)に基づいて行うか否かを判断する。MPU41は、モード種別がモードAであると判断した場合(ステップS1403:Yes)、即ち普通図柄当たり抽選を普通図柄低確率当否テーブル(図13(C)参照)に基づいて行うと判断した場合、処理をステップS1404に移行する。一方、MPU41は、モード種別がモードAでないと判断した場合(ステップS1403:No)、即ちモードB~モードEのいずれかであり、普通図柄当たり抽選を普通図柄高確率当否テーブル(図13(D)参照)に基づいて行うと判断した場合、処理をステップS1407に移行する。
<ステップS1404~S1406>
モード種別がモードAであると判断した場合(ステップS1403:Yes)、MPU41は、普通図柄変動表示カウンタに非時短モードのカウンタ値を設定する(ステップS1404)。このカウンタ値は、非時短モードでの普通図柄の変動表示時間を規定するものであり、例えば30秒に対応する値として設定される。そして、MPU41は、普通図柄低確率当否テーブル(図13(C)参照)に基づいて普通図柄当たり抽選を行い(ステップS1405)、抽選結果が当たりであるか否かを判断する(ステップS1406)。具体的には、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに記憶されたカウンタ値(乱数)が199であるか否かによって抽選結果が当たりであるか否かを判断する。
ここで、MPU41は、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであると判断した場合(ステップS1406:Yes)、処理をステップS1410に移行し、抽選結果が外れであると判断した場合(ステップS1406:No)、処理をステップS1411に移行する。
<ステップS1407~S1409>
モード種別がモードAでないと判断した場合(ステップS1403:No)、即ち遊技状態がモードB~モードEのいずれかであると判断した場合、MPU41は、普通図柄変動表示カウンタに時短モードのカウンタ値を設定する(ステップS1407)。このカウンタ値は、時短モードでの普通図柄の変動表示時間を規定するものであり、第1スルーゲート318を通過した遊技球が電動サポート部材36のサポートによって第2始動口315に入賞できる時間、例えば0.004秒~0.2秒程度に設定される。そして、MPU41は、普通図柄高確率当否テーブル(図13(D)参照)に基づいて普通図柄当たり抽選を行い(ステップS1408)、抽選結果が当たりであるか否かを判断する(ステップS1409)。具体的には、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに記憶されたカウンタ値(乱数)が0~198であるか否かによって抽選結果が当たりであるか否かを判断する。
ここで、MPU41は、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであると判断した場合(ステップS1409:Yes)、処理をステップS1410に移行し、抽選結果が外れであると判断した場合(ステップS1409:No)、処理をステップS1411に移行する。
<ステップS1410>
普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであると判断した場合(ステップS1406又はステップS1409でYes)、MPU41は、抽選結果が当たりであることを示す普図当たりフラグをオンに設定する(ステップS1410)。普図当たりフラグは、後述の図19の普通電動役物制御処理のステップS1503において、電動サポート部材36を作動させるか否かを判断するために参照される。
<ステップS1411及びS1412>
ステップS1411では、MPU41は、普通図柄の変動表示(普通図柄表示器373のLEDランプ対の点滅)を開始し、さらに普図変動表示中フラグをオンに設定し(ステップS1412)、当該普通図柄制御処理を終了する。ここで開始された普通図柄変動表示は、ステップS1404又はステップS1407で設定された普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値が0になった場合、即ちモード種別に応じて設定される普通図柄の変動表示時間の経過後に、後述のステップS1415において停止表示される。
<ステップS1413>
普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されていない場合(ステップS1401:No)、MPU41は、ステップS1404又はステップS1407で設定される普通図柄の変動表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1413)。変動表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1413:Yes)、処理をステップS1414に移行し、変動表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1413:No)、処理をステップS1418に移行する。
<ステップS1414>
普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値が0であると判断した場合(ステップS1413:Yes)、MPU41は、普図変動表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1414)。普図変動表示中フラグは、普通図柄が変動中であるか否かを示すものであり、ステップS1412でオンに設定される。換言すれば、MPU41は、普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値が0である場合に(ステップS1414:Yes)、普図変動表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断することで、普通図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、普図変動表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1414:Yes)、処理をステップS1415に移行し、普図変動表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1414:No)、当該普通図柄制御処理を終了する。
<ステップS1415~S1417>
普通図柄の変動カウンタのカウンタ値が0で(ステップS1413:Yes)、普図変動表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1414:Yes)、普通図柄の停止表示タイミングであるので、MPU41は、普通図柄表示器373のLEDランプ対を点灯又は消灯させることで普通図柄を停止表示させる(ステップS1415)。即ち、MPU41は、ステップS1405又はS1408における普通図柄当たり抽選での抽選結果を普通図柄の停止表示図柄によって明示する。また、MPU41は、普通図柄が変動中であることを示す普図変動表示中フラグをオフに設定し(ステップS1416)、普図変動停止フラグをオンに設定する(ステップS1417)。普図変動停止フラグは、普通図柄の変動表示が停止されたことを示すフラグであり、後述の普通電動役物制御処理のステップS1501において、電動サポート部材36を作動させるタイミングであるか否かを判断するために参照される。
<ステップS1418>
普通図柄の変動カウンタのカウンタ値が0でない場合(ステップS1413:No)、普通図柄の停止表示タイミングではないので、MPU41は、普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値を1減算し、当該普通図柄制御処理を終了する。
[普通電動役物制御処理]
ここで、図19は、図17のメイン処理でのステップS1305において実行される普通電動役物制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。普通電動役物制御処理では、MPU41は、モード種別(モードA~E)に応じた作動時間だけ普通電動役物としての電動サポート部材36を作動させる処理を実行する。
<ステップS1501>
まず、ステップS1501では、MPU41は、図18の普通図柄制御処理のステップS1417でオンに設定される普図変動停止フラグがオンに設定されているか否か、即ち電動サポート部材36を作動させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、普図変動停止フラグがオンに設定されている場合(ステップS1501:Yes)、普通変動停止フラグをオフに設定し(ステップS1502)、処理をステップS1503に移行する。一方、MPU41は、普図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1501:No)、処理をステップS1509に移行する。
<ステップS1502及びS1503>
普図変動停止フラグがオンに設定されている場合(ステップS1501:Yes)、MPU41は、普通変動停止フラグをオフに設定し(ステップS1502)、普図当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1503)。普図当たりフラグは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであることを示すものであり、図18の普通図柄制御処理のステップS1410でオンに設定される。MPU41は、普図当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1503:Yes)、処理をステップS1504に移行し、普図当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1503:Yes)、当該普通電動役物制御処理を終了する。
<ステップS1504~S1506>
普図当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1503:Yes)、MPU41は、モード種別がモードA~モードCのいずれかであるか否かを判断する。MPU41は、モード種別がモードA~モードCのいずれかであると判断した場合(ステップS1504:Yes)、電動役物作動カウンタのカウンタ値の初期値として、電動サポート部材36をショート作動させるための値を設定し(ステップS1505)、処理をステップS1507に移行する。ショート作動の場合の初期値は、例えば0.6秒に対応する値とされる。一方、モード種別がモードA~モードCのいずれでもないと判断した場合(ステップS1504:No)、即ちモードD又はモードEである場合、電動役物作動カウンタのカウンタ値の初期値として、電動サポート部材36をロング作動させるための値を設定し(ステップS1506)、処理をステップS1507に移行する。ロング作動の場合の初期値は、例えば6秒に対応する値とされる。
<ステップS1507及びS1508>
ステップS1507では、MPU41は、電動サポート部材36の作動を開始し、さらに電動役物作動中フラグをオンに設定する(ステップS1508)。電動役物作動中フラグは、電動サポート部材36が作動中であることを示すものであり、後述のステップS1511において電動サポート部材36を作動位置から待機位置に復帰させるか否かを判断するために参照される。
ここで、電動サポート部材36の作動を開始されることで電動サポート部材36が遊技盤31から突出した作動位置に移動し、電動サポート部材36によって右第1始動口314Rが覆われる(図9(B)参照)。この状態では、振分装置35の第2通路352から放出された遊技球は、右第1始動口314Rへの入賞が制限される。一方、振分装置35の第2通路352から放出された遊技球は、電動サポート部材36によって受け取り可能である。電動サポート部材36によって第2通路352から放出された遊技球が受け取られた場合、その遊技球は電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導される。また、振分装置35の右側を流下する遊技球に関しても、電動サポート部材36によって受け取り可能である。
<ステップS1509及びS1510>
MPU41は、普図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1501:No)、ステップS1505又はS1506で初期値が設定される電動役物作動カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判断する(ステップS1509)。電動役物作動カウンタは、電動サポート部材36が作動する残り時間を示す。即ち、MPU41は、電動サポート部材36が作動しておらず、電動サポート部材36が待機位置にあるか否かを判断する。MPU41は、電動役物作動カウンタのカウンタ値が0である場合(ステップS1509:Yes)、処理をステップS1511に移行する。一方、MPU41は、電動役物作動カウンタのカウンタ値が0でない場合(ステップS1509:No)、電動役物作動カウンタのカウンタ値を1減算し(ステップS1510)、当該普通電動役物制御処理を終了する。
<ステップS1511>
電動役物作動カウンタのカウンタ値が0である場合(ステップS1509:Yes)、即ち普通電動役物である電動サポート部材36が作動していない場合、MPU41は、電動役物作動中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1511)。電動役物作動中フラグは、電動サポート部材36が作動中であることを示すものであり、ステップS1508でオンに設定される。換言すれば、MPU41は、電動役物作動カウンタのカウンタ値が0である場合に(ステップS1509:Yes)、電動役物作動中フラグがオンに設定されているか否かを判断することで、電動サポート部材36の作動を終了させるタイミングであるか否か、即ち電動サポート部材36を作動位置から待機位置に復帰させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、電動役物作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1511:Yes)、処理をステップS1512に移行し、電動役物作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1511:No)、当該普通電動役物制御処理を終了する。
<ステップS1512及びS1513>
電動役物作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1511:Yes)、MPU41は、電動サポート部材36を作動位置から待機位置に復帰させる(ステップS1512)。即ち、MPU41は、遊技球が第2始動口315に入賞することを制限する。さらに、MPU41は、電動サポート部材36が作動していることを示す電動役物作動中フラグをオフに設定し(ステップS1513)、当該普通図柄制御処理を終了する。
ここで、電動サポート部材36の待機位置に復帰されることで、電動サポート部材36によって右第1始動口314Rが開放される(図8(C)参照)。この状態では、振分装置35の第2通路352から放出された遊技球は、右第1始動口314Rへの入賞が許容される一方、電動サポート部材36によって受け取り不能である。そのため、第2通路352から放出された遊技球は、第2始動口315への入球が制限される。また、振分装置35の右側を流下する遊技球に関しても、電動サポート部材36によって受け取り不能であり、第2始動口315への入球が制限される。
ところで、従来の遊技機では、大当たり遊技に移行させるための大当たり抽選を行う契機となる始動部として、普通電動役物のサポートを受けることなく遊技球の入球が可能な第1始動部と、普通電動役物のサポートを受けて遊技球の入球が可能になる第2始動部とを有するものがある。また、遊技機としては、振分装置によって第1始動部と第2始動部とに交互に遊技球を振り分けるものもある。
これに対して、本実施形態の遊技機10では、振分装置35によって第1通路351と第2通路352とに遊技球が振り分けられ、振分装置35によって第2通路352に遊技球が振り分けられた場合には電動サポート部材36の作動の有無に応じて、右第1始動口314R及び第2始動口315への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動せずに待機位置にある場合(図8(C)参照)、右第1始動口314Rへの遊技球の入球が許容される一方で第2始動口315への遊技球の入球が制限される。また、電動サポート部材36が作動して作動位置にある場合(図9(B)参照)、右第1始動口314Rへの遊技球の入球が制限される一方で第2始動口315への遊技球の入球が許容される。また、電動サポート部材36は、作動位置にある場合に、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球に加えて、振分装置35から放出される遊技球も第2始動口315に誘導することができる。このように、遊技機10は、従来の振分装置によって第1始動口と第2始動口とに遊技球を振り分けるものとは異なる。また、遊技機10の電動サポート部材36は、従来の普通電動役物とは異なり、第2始動口315への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、第2通路352に振り分けられた遊技球の右第1始動口314Rへの遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。また、1つの電動サポート部材36によって、第2通路352の遊技球と、右打ちされた遊技球とを第2始動口315に誘導できる。そして、遊技機10は、振分装置35と電動サポート部材36とが協働することで、右第1始動口314Rと第2始動口315との入球比率を可変化することができる。これにより、遊技機10では、遊技の単調さを低減し、電動サポート部材36の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣が向上された遊技機を提供できる。例えば、モードA~モードCにおいて電動サポート部材36をショート作動する一方、モードD及びモードEにおいてロング作動することで(図13(B)参照)、上述のように遊技者に最も有利なモードEに移行させるために、困難性の異なる複数の障壁を有する遊技性を遊技機10に付与できる。また、電動サポート部材36は、板状部材であり、樹脂成形等によって簡易に形成できる。そのため、本実施形態では、前述の効果を簡易な構成によって安価に実現可能である。
[特図遊技制御処理]
ここで、図20を参照しつつ、図17のメイン処理でのステップS1306でMPU41により実行される特図遊技制御処理について説明する。特図遊技制御処理では、第1特別図柄表示器371又は第2特別図柄表示器372での特別図柄の変動表示及び停止表示の制御、特図保留格納エリア412bのデータの設定、時短回数の管理等を行う処理が実行される。
<ステップS1601>
ステップS1601では、MPU41は、遊技機10が大当り遊技中であるか否かを判断し、大当り遊技中である場合は(ステップS1601:Yes)、当該変動遊技制御処理を終了し、大当り遊技中でない場合は(ステップS1601:No)、処理をステップS1602に移行する。例えば、大当り遊技の実行の有無は、MPU41が大当り遊技の開始時にオンに設定し、大当り遊技の終了時にオフに設定する大当り遊技実行フラグに基づいて判断される。
<ステップS1602>
ステップS1602では、MPU41は、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判断し、図柄変動表示中である場合は(ステップS1602:Yes)、処理をステップS1603に移行させ、図柄変動表示中でない場合は(ステップS1602:No)、処理をステップS1607に移行させる。例えば、特別図柄が変動表示中であるか否かは、後述の図22の特図変動開始処理でのステップS1810においてオンに設定され、変動表示時間が経過した場合に(ステップS1603:Yes)、ステップS1605でオフに設定される特図変動表示中フラグがオンに設定されているか否かに基づいて判断される。
<ステップS1603>
ステップS1603では、MPU41は、特別図柄の変動表示が開始してからの時間が、特別図柄大当たり抽選での抽選結果に応じて決定される変動表示時間を経過したか否かを判断し、変動表示時間が経過したと判断した場合は(ステップS1603:Yes)、処理をステップS1604に移行し、変動表示時間が経過していないと判断した場合は(ステップS1603:No)、当該特図遊技制御処理を終了する。
<ステップS1604~S1606>
変動表示時間が経過した場合(ステップS1603:Yes)、MPU41は、第1特別図柄表示器371及び第2特別図柄表示器372のうちの変動表示中である特別図柄表示器371,372において、当該特図遊技に対応する大当たり抽選での抽選結果に応じた図柄を停止表示させる(ステップS1604)。さらに、MPU41は、特図変動表示中フラグをオフに設定し(ステップS1605)、特別図柄の変動が停止されたことを示す特図変動停止フラグをオンに設定する(ステップS1606)。
<ステップS1607>
特別図柄が変動表示中でない場合(ステップS1602:No)、MPU41は、特図保留格納エリア412bの特図保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nが0であるか否かを判断する(ステップS1607)。ここで、MPU41は、保留数Nが0である場合(ステップS1607:Yes)、当該特別遊技制御処理を終了する。一方、MPU41は、保留数Nが0でない場合は(ステップS1607:No)、処理をステップS1608に移行する。
<ステップS1608>
ステップS1608では、MPU41は、特図保留格納エリア412bに記憶されている特図当否情報についてデータ設定処理を実行する。MPU41は、ステップS1608の処理を終了した場合、処理をステップS1609に移行する。なお、データ設定処理の詳細は図21を参照して後述する。
<ステップS1609>
ステップS1609では、MPU41は、特図実行エリアAEに格納された特図当否情報に基づく変動表示を特別図柄表示器371,372に実行させ、特図当否情報に基づく変動表示を図柄表示部341に実行させるため変動パターンコマンドを設定する変動開始処理を実行し、当該特図遊技制御処理を終了する。なお、特図変動開始処理の詳細は、図22を参照して後述する。
[データ設定処理]
ここで、図21を参照しつつ、図20のステップS1608においてMPU41によって実行されるデータ設定処理の一例について説明する。データ設定処理では、RAM412の特図保留格納エリア412bのデータの更新を行い処理が実行される。
<ステップS1701及びS1702>
まず、MPU41は、特図保留格納エリア412bの特図保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nを1減算し(ステップS1701)、さらに特図保留格納エリア412bの第1特図保留エリアRE1から特図実行エリアAEに特図当否情報を移動させる(ステップS1702)。
<ステップS1703>
ステップS1703では、MPU41は、第2特図保留エリアRE2~第8特図保留エリアRE8の特図当否情報を1つずつシフトさせる。具体的に、ステップS1703では、第2特図保留エリアRE2の特図当否情報を第1特図保留エリアRE1に移動させ、第3特図保留エリアRE3の特図当否情報を第2特図保留エリアRE2に移動させ、第4特図保留エリアRE4の特図当否情報を第3特図保留エリアRE3に移動させ、第5特図保留エリアRE5の特図当否情報を第4特図保留エリアRE4に移動させ、第6特図保留エリアRE6の特図当否情報を第5特図保留エリアRE5に移動させ、第7特図保留エリアRE7の特図当否情報を第6特図保留エリアRE6に移動させ、第8特図保留エリアRE8の特図当否情報を第7特図保留エリアRE7に移動させる。
<ステップS1704>
ステップS1704では、MPU41は、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8の特図当否情報がシフトした旨を示すシフトコマンドをRAM412に設定する。そして、このステップS1704で設定されたシフトコマンドは、MPU41により実行される次回のメイン処理(図17参照)のステップS1301の外部出力処理で音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、図柄表示部341に表示される保留図柄の表示数等が変更されることになる。ステップS1704の処理が終了した場合、MPU41は、当該データ設定処理を終了し、処理を図20のステップS1609の特図変動開始処理に移行する。
[特図変動開始処理]
ここで、図22を参照しつつ、図20のステップS1609においてMPU41によって実行される特図変動開始処理の一例について説明する。
<ステップS1801~S1803>
まず、MPU41は、RAM412の特図保留格納エリア412bの特図実行エリアAEに記憶されている特図当否情報中のモード情報に基づき、当該当否情報の取得時の遊技状態がモードC又はモードEであるか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、モードC及びモードEは、高確率モード当否テーブルに基づいて、特図実行エリアAEに記憶されている特図当否情報に数値情報として含まれる大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を行うモードである(図12(B)及び図13(B)参照)。即ち、ステップS1801では、当否判定を高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて行うモードであるか否かを判断する。MPU41は、特図遊技状態がモードC又はモードEである場合(ステップS1801:Yes)、高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて、当否判定を行う(ステップS1802)。一方、遊技状態がモードC又はモードEでない場合(ステップS1801:No)、即ち遊技状態がモードA、モードB又はモードDである場合、低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて当否判定を行う(ステップS1803)。
<ステップS1804及びS1805>
ステップS1804では、MPU41は、ステップS1802又はS1803での当否判定の結果が大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、当否判定の結果が大当たりである場合(ステップS1804:Yes)、特図実行エリアAEに記憶されている特図当否情報に数値情報として含まれる大当たり種別カウンタC2のカウンタ値、及び特図当否情報に含まれる始動口情報(特図情報)に基づいて大当たり種別の振り分けを行い、処理をステップS1806に移行する。例えば、始動口情報(特図情報)が第1始動口(第1特図)を示すものである場合、大当たり種別カウンタC2のカウンタ値に応じて、2R通常大当たり及び2R確変大当たりのいずれかに大当たり種別を振り分ける。また、始動口情報(特図情報)が第2始動口(第2特図)を示すものである場合、大当たり種別カウンタC2のカウンタ値に応じて、5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかに大当たり種別を振り分ける。一方、MPU41は、当否判定の結果が大当たりでない場合(ステップS1804:No)、即ち抽選結果が外れである場合、大当たり種別の振り分け(ステップS1805)を行うことなく、処理をステップS1806に移行する。
<ステップS1806>
ステップS1806では、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果、即ちステップS1802又はS1803での当否判定、及びステップS1805での大当たり種別の振り分け結果に応じた抽選結果フラグの設定を行う抽選結果フラグ設定処理を実行する。この抽選結果フラグ設定処理では、大当たり抽選での抽選結果が大当たり2R通常大当たりである場合に2R通常大当たりフラグが、2R確変大当たりである場合に2R確変大当たりフラグが、5R通常大当たりである場合に5R通常大当たりフラグが、5R確変大当たりである場合に5R確変大当たりフラグが、16R確変大当たりである場合に16R確変大当たりフラグが、外れである場合に外れフラグがそれぞれ設定される。ここで、2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ、5R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグは、抽選結果が大当たりであると共に大当たり種別を示すフラグであり、図23及び図24の遊技状態移行処理において、大当たり遊技の終了後に遊技状態を大当たり遊技状態からモードB~モードEに移行させる場合に参照され、大当たり遊技の終了後に目的とするモードに移行された場合にオフに設定される。また、外れフラグは、大当たり抽選での抽選結果が外れであることを示すものであり、後述のステップS1813でオフに設定される。そして、本ステップS1806では、抽選結果フラグを設定する際に大当たり抽選での抽選結果に応じてメイン表示部37の特図表示器371,372の停止表示図柄も設定される。
<ステップS1807及びS1808>
ステップS1807では、MPU41は、当該特図遊技に対する大当たり抽選での抽選結果に応じて、特別図柄表示器371,372での特別図柄の変動表示時間を示す変動パターンをリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値に基づいて決定する。そして、MPU41は、ステップS1807で決定された変動パターンに基づいて、変動パターンコマンドをRAM412に設定する(ステップS1808)。この変動パターンコマンドには、当該特図遊技に対する大当たり抽選での抽選結果を含ませてもよい。もちろん、大当たり抽選での抽選結果は、変動パターンコマンドに含ませることなく、変動パターンコマンドとは別のコマンドとして設定してもよい。なお、ステップS1808で設定された変動パターンコマンドは、MPU41により実行される次回のメイン処理のステップS1301(図17参照)において音声ランプ制御装置5に送信される。これに対し、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて図柄表示部341による図柄変動表示等を実行する。
<ステップS1809及びS1810>
MPU41は、変動パターンを設定した場合、特別図柄表示器371,372での特別図柄の変動表示を開始させ(ステップS1809)、特図変動表示中フラグをオンに設定する(ステップS1810)。ここで変動表示が開始された特別図柄は、図20の特図遊技制御処理において、ステップS1807で設定された変動表示時間(変動パターン)の経過後に停止される(図20のステップS1603:Yes及びS1604)。このとき、特別図柄は、大当たり抽選での抽選結果に応じてステップS1806で設定された停止表示図柄で停止する。
<ステップS1811>
ステップS1811では、MPU41は、後述の図23及び図24の遊技状態移行処理でのS1917又はS1926でオンに設定される時短フラグがオンに設定されているか否かを判断し、時短フラグがオンに設定されている場合(ステップS1811:Yes)、処理をステップS1812に移行し、時短フラグがオフに設定されている場合(ステップS1811:No)、当該特図変動開始処理を終了する。
<ステップS1812>
MPU41は、時短フラグがオンに設定されている場合(ステップS1811:Yes)、外れフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1812:Yes)。MPU41は、外れフラグがオンに設定されている場合(ステップS1812:Yes)、即ちステップS1802又はS1803での当否判定の結果が外れである場合、処理をステップS1813に移行する。一方、MPU41は、外れフラグがオフに設定されている場合(ステップS1812:No)、即ちステップS1802又はS1803での当否判定の結果が大当たりである場合、処理をステップS1817に移行する。
<ステップS1813~S1816>
MPU41は、外れフラグがオンに設定されている場合(ステップS1812:Yes)、外れフラグをオフに設定すると共に(ステップS1813)、後述の図23及び図24の遊技状態移行処理でのS1917又はS1926でオンに設定される時短フラグをオンに設定する際にセットされる時短カウンタのカウンタ値を1減算し(ステップS1814)、減算後の時短カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判断する(ステップS1815)。なお、時短カウンタのカウンタ値は、残りの時短回数を示す。MPU41は、減算後の時短カウンタのカウンタ値が0である場合(ステップS1815:Yes)、即ち残りの時短回数が0であり時短モードを終了する必要がある場合、時短終了フラグをオンに設定し(ステップS1816)、処理をステップS1817に移行する。時短終了フラグは、時短モードを終了か否かを判断するために、図23の遊技状態移行処理のステップS1909でMPU41によって参照される。一方、MPU41は、減算後の時短カウンタのカウンタ値が0でない場合(ステップS1815:No)、当該特図変動開始処理を終了する。
<ステップS1817>
MPU41は、外れフラグがオフに設定されている場合(ステップS1812:No)、即ち大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合、又は時短終了フラグをオンにセットした場合(ステップS1816)、時短フラグをオフに設定し(ステップS1817)、当該特図変動開始処理を終了する。
[遊技状態移行処理]
ここで、図23及び図24を参照しつつ、図17のメイン処理でのステップS1308でMPU41により実行される遊技状態移行処理を説明する。遊技状態移行処理では、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に遊技状態をモードA~モードEからなる特図遊技状態から開閉実行モードを含む大当たり遊技状態に移行させ、当該大当たり遊技状態での大当たり遊技の終了後に、大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たりの種別に応じて、大当たり遊技状態から特図遊技状態のモードB~モードEのいずれかに移行させる処理を実行する(図13(A)参照)。また、遊技状態移行処理では、特図遊技状態のモードB又はモードDにおいて、上限回数の特図遊技を実行した後に、モードAに移行させる処理を実行する(図13(A)参照)。なお、モードA~モードEの詳細については既に説明済みであるため、ここでのモードA~モードEの説明は省略する。
<ステップS1901及びS1902>
まず、ステップS1901では、MPU41は、図20の特図遊技制御処理のステップS1606でオンに設定される特図変動停止フラグがオンに設定されているか否か、即ち特図遊技が終了したことで遊技状態を他の遊技状態に移行するタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1901:Yes)、特図変動停止フラグをオフに設定し(ステップS1902)、処理をステップS1903に移行する。一方、MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1901:No)、処理をステップS1914に移行する。
<ステップS1903>
ステップS1903では、MPU41は、変動表示が停止された特別図柄を変動表示させる契機となった大当たり抽選での抽選結果が大当たりであるか否かを判断する。即ち、MPU41は、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断する。抽選結果が大当たりであるか否かは、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ、5R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのうちのいずれかのフラグがオンに設定いるか否かにより判断される。
MPU41は、抽選結果が大当たりであると判断した場合(ステップS1903:Yes)、処理をステップS1904に移行し、抽選結果が大当たりではない(外れである)と判断した場合(ステップS1903:No)、処理をステップS1909に移行する。
<ステップS1904及びS1905>
ステップS1904では、MPU41は、後述のステップS1917又はS1926でオンに設定される時短フラグがオンに設定されているか否かを判断する。時短フラグは、回数限定の時短モードであることを示すものである。MPU41は、時短フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1904:Yes)、即ちモードB又はモードDでの大当たりである場合、回数限定の時短モードを終了するために時短フラグをオフに設定し(ステップS1905)、処理をステップS1906に移行する。一方、MPU41は、時短フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1904:No)、即ちモードA、モードC又はモードEでの大当たりである場合、処理をステップS1906に移行する。
<ステップS1906及びS1907>
ステップS1906では、MPU41は、遊技状態を大当たり遊技状態に移行し、さらに大当たり遊技状態フラグをオンに設定する(ステップS1907)。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であることを示すものであり、例えば図16のスルーゲート処理でのステップS1204において大当たり遊技中であるか判断するために参照される。
<ステップS1908>
ステップS1908では、MPU41は、モード種別フラグをオフに設定し(ステップS1908)、モード種別フラグをオフに設定する(ステップS1908)。モード種別フラグは、特図遊技状態でのモード種別がモードA~モードEのいずれのモードであるかを示すものであり、本ステップS1908では、大当たり遊技状態に移行する場合にオンに設定されているモード種別フラグをオフに設定する。
なお、モード種別フラグは、ステップS1912でオンに設定されると共にモードAであることを示すモードAフラグ、ステップS1919でオンに設定されると共にモードBであることを示すモードBフラグ、ステップS1923でオンに設定されると共にモードCであることを示すモードCフラグ、ステップS1928でオンに設定されると共にモードDであることを示すモードDフラグ(図24参照)、及びステップS1931でオンに設定されると共にモードEであることを示すモードEフラグ(図24参照)を含む。
<ステップS1909>
大当たり抽選での抽選結果が外れである場合(ステップS1903:No)、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1816でオンに設定される時短終了フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1909)。時短終了フラグは、回数限定の時短モードにおいて上限数の特別図柄遊技を実行したこと(残りの時短回数が0であること)を示すものであり、時短モードを終了させるためのフラグである。
MPU41は、時短終了フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1909:Yes)、処理をステップS1910に移行する。一方、MPU41は、時短終了フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1909:No)、モードAへの移行を行うことなく、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1910~S1913>
時短終了フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1909:Yes)、MPU41は、時短終了フラグをオフに設定する(ステップS1910)。そして、MPU41は、モード種別を時短モードであるモードB又はモードDからモードAに移行させる(ステップS1911)。このとき、MPU41は、モードAフラグをオンに設定すると共に(ステップS1912)、モードAに移行する前のモードを示すモードBフラグ又はモードDフラグをオフに設定し(ステップS1913)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1914及びS1915>
ステップS1914では、MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されていると判断した場合に(ステップS1901:No)、図17のメイン処理におけるステップS1307の大当たり遊技制御処理でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されているか否か、即ち大当たり遊技が終了することでモードB~モードEのいずれかに移行させるタイミングであるか否かを判断する。
MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1914:Yes)、大当たり遊技終了フラグをオフに設定し(ステップS1915)、処理をステップS1916に移行する。一方、MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1914:No)、モードB~モードEへの移行を行うことなく、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1916>
ステップS1916では、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される2R通常大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、終了した大当たり遊技の種別が2R通常大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、2R通常大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1916:Yes)、処理をステップS1917に移行し、2R通常大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1916:No)、処理をステップS1921に移行する。
<ステップS1917~S1920>
ステップS1917では、MPU41は、回数限定の時短モードであることを示す時短フラグをオンに設定する。このとき、MPU41は、時短回数の上限数を時短カウンタとしてセットする。時短回数は、例えば50回であり、この場合、時短カウンタとして「50」がセットされる。そして、MPU41は、遊技状態をモードBに移行すると共に(ステップS1918)、モードBフラグをオンに設定する(ステップS1919)。さらに、MPU41は、2R通常大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1920)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1921>
ステップS1921では、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される2R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、終了した大当たり遊技の種別が2R確変大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、2R確変大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1921:Yes)、処理をステップS1922に移行し、2R確変大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1921:No)、処理を図24のステップS1925に移行する。
<ステップS1922~S1924>
ステップS1922では、MPU41は、遊技状態をモードCに移行させ、さらにモードCフラグをオンに設定する(ステップS1923)。そして、MPU41は、2R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1924)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1925>
図24に示すステップS1925では、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される5R通常大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、終了した大当たり遊技の種別が5R通常大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、5R通常大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1925:Yes)、処理をステップS1926に移行し、5R通常大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1925:No)、処理をステップS1930に移行する。
<ステップS1926~S1929>
ステップS1926では、MPU41は、回数限定の時短モードであることを示す時短フラグをオンに設定する。このとき、MPU41は、時短回数の上限数を時短カウンタとしてセットする。時短回数は、例えば50回であり、この場合、時短カウンタとして「50」がセットされる。そして、MPU41は、遊技状態をモードDに移行させると共に(ステップS1927)、モードDフラグをオンに設定する(ステップS1928)。さらに、MPU41は、5R通常大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1929)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1930~S1932>
ステップS1930では、MPU41は、遊技状態をモードEに移行させ、さらにモードEフラグをオンに設定する。即ち、大当たり遊技終了フラグがオンに設定され(ステップS1914:Yes)、2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ及び5R通常大当たりフラグのいずれもがオフに設定されている場合(ステップS1916、S1921及びS1925のいずれもNo)、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのいずれかがオンに設定されていると判断できる。そのため、ステップS1930では、MPU41は、5R確変大当たり遊技及び16R確変大当たり遊技の終了後の移行先モードであるモードEに移行させ、モードEフラグをオンに設定する。そして、MPU41は、オンに設定されている5R確変大当たりフラグ又は16R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1932)、当該遊技状態移行処理を終了する。
[音声ランプ制御装置5の副タイマ割込処理]
ここで、図25は、MPU51によって実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。MPU51は、例えば副タイマ割込処理を1msec周期の定期処理として実行する。
図25に示すように、MPU51は、副タイマ割込処理において、操作ボタン操作検出処理(ステップS1951)、操作検出パターン判定処理(ステップS1952)、カウンタ更新処理(ステップS1953)、コマンド判定処理(ステップS1954)、特図遊技演出処理(ステップS1955)、及び大当たり遊技演出処理(ステップS1956)を実行する。
[操作検出処理]
ステップS1951の操作検出処理では、MPU51は、操作ボタン20の操作状態を検出し、例えば過去3回分の操作履歴を順次更新するための処理を実行する。遊技機10では、MPU51によって操作ボタン操作検出処理が実行されることにより、副タイマ割込処理の割込周期に対応した予め定められた間隔(本実施形態では1msec間隔)で操作ボタン20の操作の有無が判断されることになる。
[操作検出パターン判定処理]
ステップS1952の操作検出パターン判定処理では、MPU51は、例えば過去3回分の操作履歴から操作ボタン20に対する操作状態に応じた操作パターンフラグを設定する。この操作パターンフラグにより、操作ボタン20に対する操作状態を判定できる。操作状態としては、操作ボタン20に対する操作の開始状態、操作ボタン20に対する操作の継続状態、操作ボタン20に対する操作の終了状態、及び操作ボタン20に対する操作がなされていない非操作状態が挙げられる。
[カウンタ更新処理]
ステップS1953のカウンタ更新処理では、MPU51は、演出種別カウンタ、変動表示カウンタ等の更新を実行する。具体的には、MPU51は、演出種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。ここで更新される演出種別カウンタは、主制御装置4から受信する変動パターンコマンドに基づいて変動種別及び演出種別を決定するために使用される。一方、MPU51は、変動表示カウンタを1減算する。この変動表示カウンタは、図柄表示部341での飾り図柄の変動表示時間を計時するためのものであり、変動表示カウンタでのカウンタ値は残り変動表示時間が0になる場合に0になるように設定される。従って、変動表示カウンタのカウンタ値に基づいて、残りの変動表示時間、飾り図柄が変動中であること、図柄表示部341での飾り図柄の変動表示が終了したこと等を把握できる。
[コマンド判定処理]
ステップS1954のコマンド判定処理では、MPU51は、主制御装置4から受信するコマンドを判定し、そのコマンドに対応する処理を実行する。例えば、主制御装置4から受信するコマンドとしては、変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等が挙げられる。これらのコマンド以外のコマンドが主制御装置4から音声ランプ制御装置5に出力されることがあるが、それらのコマンドの説明は省略する。
変動パターンコマンドは、変動表示時間及び大当たり抽選での抽選結果を示すコマンドであり、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合には大当たり種別に関する情報を含む。変動パターンコマンドは、特別図柄表示器371,372で特別図柄の変動表示を開始する際に、特図保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、図22の特図変動開始処理でのステップS1808において設定される。MPU51は、変動パターンコマンドを受信した場合、変動パターンコマンドによって特定される内容に従い、図柄表示部341等に実行させる特図遊技演出、大当たり遊技演出を決定する。
保留コマンドは、特図保留格納エリア412bに記憶されている保留数Nが増加する際に、増加した保留に対する大当たり抽選での抽選結果、変動パターン、及び保留数Nを示すコマンドである。保留コマンドは、保留数Nの増加があった場合に、特図保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、図15の始動入賞処理でのステップS1105において設定される。
シフトコマンドは、保留数Nが減少する場合に、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8での大当たり抽選での抽選結果を示す特図当否情報がシフトしたことを示すコマンドである。シフトコマンドは、図21のデータ設定処理でのステップS1704において設定される。
[特図遊技演出処理]
ステップS1955の特図遊技演出処理では、特図遊技において、例えばコマンド判定処理において変動パターンコマンドを受信した場合に決定される特図遊技演出を図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27等に実行させる。
[大当たり遊技演出処理]
ステップS1956の大当たり遊技演出処理では、大当たり遊技において、例えばコマンド判定処理において変動パターンコマンドを受信した場合に決定される大当たり遊技演出(オープニング演出、開閉実行モード演出及びエンディング演出)を図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27等に実行させる。
以上、説明したように、本実施形態に係る遊技機10では、第1始動部とこの第1始動部とは機能の異なる第2始動とに遊技球を振り分ける振分装置を備えた従来の遊技機とは異なり、振分装置35の第1通路351と第2通路352との下方に同じ機能を有する第1始動口314が配置されている。また、遊技機10では、従来の遊技機と同様に普通電動役物(電動サポート部材36)が設けられているものの、この電動サポート部材36が、右打ち時に遊技球が集められるステージ310の下流側と第2通路352の遊技球の出口の下方(右第1始動口314Rの上方)との間で一連に延び、遅延部364を有する板状に形成されている。これにより、電動サポート部材36は、左打ち時に振分装置35に導入されて第2通路352に振り分けられた遊技球を第2始動口315に入賞させることを可能にすると共に、右打ち時にステージ310に集められた遊技球を第2始動口315に入賞させることを可能にする。換言すれば、電動サポート部材36は、作動の有無応じて、第2始動口315への遊技球の入賞を許容又は制限し、同時に、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を制限又は許容する。つまり、電動サポート部材36は、従来の遊技機の普通電動役物とは異なり、第2始動口315への遊技球の入賞を制限することで右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を許容する一方で、第2始動口315への遊技球の入賞を許容することで右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を制限する。また、遊技機10は、特図遊技状態として、従来の遊技機において採用されている通常モード(モードA)、潜伏確変モード(モードC)及び時短確変モード(モードE)を含むが、振分装置35及び電動サポート部材36と協働することで、潜伏確変モード(モードC)での遊技性が向上する。
具体的には、遊技機10では、モードA及びモードCにおいて左打ちが奨励され、左打ちを行った場合に振分装置35に遊技球が入球し、それらの遊技球が第1通路351と第2通路352に交互に振り分けられる。一方、モードEでは、右打ちが奨励され、右打ちを行うことで電動サポート部材36によるサポートを長時間かつ高頻度で受けることができ、大当たり遊技状態に移行するまでの特図遊技として第2特図遊技のみが実行される。つまり、モードEは、振分装置35を利用することなく右打ちで高確率モードが実行される従来の遊技機の時短確変モードと同様に、第2始動口315への入球比率が100%である。
そして、モードAでは、第1通路351に振り分けられた遊技球は、左第1始動口314Lに入賞する。また、モードAが時短モードではないため、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動する前に右第1始動口314Rに入賞する。つまり、モードAでは、振分装置35によって遊技球が第1通路351と第2通路352とに交互に振り分けられるものの、振分装置35に導入された遊技球は、第1始動口314(左第1始動口314L又は右第1始動口314R)に入賞する。そのため、モードAは、実質的に従来の遊技機の通常モードと同様に、第1始動口314への入球比率が100%である。
これに対して、モードCでは、モードAと同様に、左打ちが奨励され、左打ちを行った場合に振分装置35に遊技球が入球し、それらの遊技球が第1通路351と第2通路352に交互に振り分けられ、第1通路351に遊技球が振り分けられた場合に左第1始動口314Lに遊技球が入賞する。また、モードCは、モードAとは異なり時短モードであるため、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動して右第1始動口314Rへの入球を制限することで第2始動口315に入賞する。つまり、モードCでは、左打ちを行うことで、振分装置35によって第1始動口314(左第1始動口314L)と第2始動口315とに交互に遊技球が振り分けられる。そのため、モードCは、潜伏確変モードでありながら、第1始動口314(左第1始動口314L)と第2始動口315とに交互に遊技球が振り分けられ、第1始動口(左第1始動口314L)と第2始動口315との入球比率が普図当たり抽選の結果が外れとならない限り50%:50%である。
このように、遊技機10では、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なるモードA(期待値が0%)、モードC(期待値が50%)及びモードE(期待値が100%)の3つの遊技状態を有する。そのため、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。特に、遊技機10は、MAX8として構成されているため入賞順に保留が消化されることから、モードCでは、第1始動口314での大当たり抽選と第2始動口315での大当たり抽選とを交互に受けることになり、1/2の確率で第2始動口315への入賞による大当たり種別の振り分けを受けることができ、1/2の確率で第1始動口314への入賞による大当たり種別の振り分けを受けることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、第2通路352に振り分けられた遊技球は、モードAでは右第1始動口314Rに入球する一方で、モードCでは第2始動口315に入球する。これは、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動していない待機位置にある場合に右第1始動口314Rへの遊技球の入球が許容される一方で第2始動口315への遊技球の入球が制限され、電動サポート部材36が作動する作動位置にある場合に右第1始動口314Rへの遊技球の入球が制限される一方で第2始動口315への遊技球の入球が許容されるように電動サポート部材36を配置し、モードAとモードCとで電動サポート部材36の作動時間を異ならせていることに起因することで実現する。このように、電動サポート部材36は、第2始動口315への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、第2通路352に振り分けられた遊技球の右第1始動口314Rへの遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。つまり、振分装置35と電動サポート部材36とが協働することで、モードA及びモードCにおいて、右第1始動口314Rと第2始動口315との遊技球の入球比率を可変化することができる。これにより、遊技の単調さを低減し、電動サポート部材36の動作を制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
そして、遊技機10では、第2始動口315に遊技球を導く電動サポート部材36に遅延ガイド364が設けられることで、例えば左打ちが奨励される遊技状態(モードA又はモードC)において遊技者が右打ちを行うなどして電動サポート部材36に遊技球が受け取られたとしても、遅延ガイド364によって遊技球が第2始動口315に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、電動サポート部材36の作動開始から待機位置に復帰するまでに電動サポート部材36によって受け取られた遊技球が第2始動口315に到達することを防止できるため、左打ちが奨励される遊技状態で右打ちを行うことの利点を無くすことで、遊技者に対して積極的に左打ちを行わせることができる。
[他の実施形態]
以下、本発明に係る遊技機10の他の実施形態について説明する。また、下記の他の実施形態において、前述の第1の実施形態で説明した遊技機10と同様の構成、及び処理手順と同様のステップについては、同一の符号及び同一のステップ番号を付し、以下での説明を省略する。なお、前述の第1の実施形態及び下記の他の実施形態の各構成及び各処理手順を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
[第2~第6の実施形態]
前述の第1の実施形態では、遊技機10のループ確変機として構成され、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合について説明した。一方、第2~第6の実施形態は、遊技機10のスペックが前述の第1の実施形態とは異なる。以下、第2~第6の実施形態について、個別に説明する。
<第2の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態に係る遊技機10では、モードA、モードC及びモードEの3つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される。即ち、本実施形態の遊技機10では特図遊技状態として、回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを含まない点で前述の第1の実施形態とは異なる。また、特図遊技状態がモードA~モードCの3つから構成されるために、モードの移行についても前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図26及び図27を参照して具体的に説明する。ここで、図26(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図26(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図26(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図26(D)はモード移行例を示す図、図27は図17のメイン処理で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図26(A)に示す大当たり種別振分テーブルは、前述の第1実施形と同様である。即ち、本実施形態においても、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たり及び2R通常大当たりのいずれかに振り分けられ、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは5R確変大当たり、16R確変大当たり、及び5R通常大当たりのいずれかに振り分けられる。もちろん、大当たり種別の振り分けは、前述の第1の実施形態とは異なるものとしてもよく、例えば大当たりの種別数や大当たり遊技の開閉実行モードのラウンド数は適宜変更可能である。
図26(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC及びモードEの3つのモードの内容を規定しているが、これらのモードA、モードC及びモードEの内容は、前述の第1の実施形態と同様であり、モードE、モードC及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図26(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たり及び5R通常大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードAに移行される。抽選結果が2R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当たり遊技の終了後にモードCに移行される。抽選結果が5R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当たり遊技の終了後にモードEに移行される。即ち、抽選結果が大当たりであることを契機として実行される大当たり遊技の終了後に、通常大当たりの場合にはモードAに移行され、第1始動口314L,314Rに対する入賞での確変大当たりの場合にはモードCに移行され、第2始動口315に対する入賞での確変大当たりの場合にはモードEに移行される。
図26(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは2R通常大当たりが25%、2R確変大当たりが75%である。そのため、モードAからは、大当たり遊技の終了後に基本的にモードA又はモードCに移行され、モードAへの移行確率が25%、モードCへの移行確率は75%となる。
モードCでは、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。また、上述のように第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは2R通常大当たりが25%、2R確変大当たりが75%である。一方、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは5R確変大当たりが25%、16R確変大当たりが50%、5R通常大当たりが25%である。そのため、モードCからは、大当たり遊技の終了後にモードA、モードC及びモードEのいずれにも移行可能であり、モードAへの移行確率が25%、モードCへの移行確率は37.5%、モードEへの移行確率が37.5%となる。
モードEでは、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは5R確変大当たりが25%、16R確変大当たりが50%、5R通常大当たりが25%である。そのため、モードCからは、大当たり遊技の終了後に基本的にモードA又はモードEに移行され、モードAへの移行確率が25%、モードEへの移行確率は75%となる。
[遊技状態移行処理]
ここで、遊技機10では回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを実行しないため、図27に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、図20の特図遊技制御処理のステップS1606でオンに設定される特図変動停止フラグがオンに設定されている場合(ステップS1900:Yes)、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理での時短フラグに関するステップS1903及びS1904(図23参照)が省略され、抽選結果が外れである場合にモード移行を行うことなく当該遊技状態移行処理を終了する。
一方、特図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1900:No)、図17のメイン処理のステップS1307でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に(ステップS1914:Yes)、大当たり遊技終了フラグをオフに設定し(ステップS1915)、大当たり種別に応じて、大当たり遊技状態からモードA、モードC及びモードEのいずれかに移行させる処理を実行する(ステップS2001~S2009)。以下、ステップS2001~S2009について説明する。
<ステップS2001~S2003>
MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技フラグをオフにした場合(ステップS1914:Yes、ステップS1915)、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が通常大当たり(2R通常大当たり又は5R通常大当たり)であるか否かを判断する(ステップS2001)。抽選結果が通常大当たりであるか否かは、図22の特図変動開始処理のステップS1806においてオンに設定される2R通常大当たりフラグ又は5R通常大当たりがオンに設定されているか否かによって判断される。
MPU41は、抽選結果が通常大当たりである場合(ステップS2001:Yes)、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードAに移行させ(ステップS2002)、モードAフラグをオンに設定し(ステップS2003)、処理をステップS2009に移行する。一方、抽選結果が通常大当たりでない場合(ステップS2001:No)、処理をステップS2004に移行する。
<ステップS2004~S2006>
MPU41は、抽選結果が通常大当たりでない場合(ステップS2001:No)、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たりであるか否かを判断する(ステップS2004)。抽選結果が2R確変大当たりであるか否かは、図22の特図変動開始処理のステップS1806においてオンに設定される5R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かによって判断される。
MPU41は、抽選結果が2R確変大当たりである場合(ステップS2004:Yes)、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードCに移行させ(ステップS2005)、モードCフラグをオンに設定し(ステップS2006)、処理をステップS2009に移行する。一方、抽選結果が2R確変大当たりでない場合(ステップS2004:No)、処理をステップS2007に移行する。
<ステップS2007及びS2008>
MPU41は、抽選結果が通常大当たりでなく(ステップS2001:No)、2R確変大当たりでもない場合(ステップS2004:No)、抽選結果が5R確変大当たり又は16R確変大当たりであると判断できる。そのため、MPU41は、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードEに移行させ(ステップS2007)、モードEフラグをオンに設定し(ステップS2008)、処理をステップS2009に移行する。
<ステップS2009>
MPU41は、モード種別フラグをオンに設定した場合(ステップS2003、S2006及びS2008)、大当たり種別フラグをオフに設定する(ステップS2009)。即ち、MPU41は、2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ、5R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのうちのオンに設定されている大当たり種別フラグをオフに設定する。MPU41は、大当たり種別フラグをオフに設定した場合、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態では、特図遊技状態がモードA、モードB及びモードEの3モードからなり、時短モードとしては、回数限定の時短モード(モードB、モードD)がない。また、抽選結果が通常大当たりの場合には、当該大当たりに対する大当たり遊技の終了後に非時短モードであるモードAに移行する。そのため、本実施形態では、前述の第1の実施形態に比べて、時短モードの滞在割合が低くなる。一方、時短モードは、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できるモードであるため、モードEへの移行の契機となる5R確変大当たり又は16R確変大当たりが期待できる。そのため、時短モードの滞在割合が低くなることで時短モードであるモードEに移行し難く、モードAに転落し易いゲーム性を有することとなる。これにより、モード移行に対するメリハリがあり、遊技者が得られる賞球についてもメリハリのある遊技機を提供できる。
なお、本実施形態では、モードA、モードC及びモードEの3モードである場合を説明したが、3モードとする場合、モードA、モードB及びモードDの3モード、モードA、モードB及びモードEの3モード、又はモードA、モードC及びモードDの3モードであってもよい。また、特別遊技状態は、4モードであっても、6モード以上であってもよい。特別遊技状態が4モードである場合の例として、モードA、モードB、モードC及びモードDの4モード、モードA、モードB、モードC及びモードEの4モード、モードA、モードB、モードD及びモードEの4モードが挙げられる。
また、特図遊技状態は、モードA~モードE以外のモードを含んでいてもよい。例えば、特図遊技状態は、モードA及びモードEに加えて、時短回数が少なく制限された、例えば時短回数が大当たり確率の1/40~1/10程度の微時短モードを含むものであってもよい。微時短モードとしては、電動サポート部材36のサポートを受け難い難サポ微時短モードと、電動サポート部材36のサポートを受け易い易サポ微時短モードとを含んでいてもよい。難サポ微時短モードにはモードAでの大当たりに対する大当たり遊技後に移行し、易サポ微時短モードには難サポ微時短モードでの大当たりに対する大当たり遊技後に移行する。また、モードAには微時短モードにおいて所定回数の特図遊技を消化した後に移行し、モードEには第2始動口315に対する遊技球の入賞を契機とする大当たり抽選で抽選結果が大当たりである場合に、当該大当たりに対する大当たり遊技の終了後に移行する。このような難サポ微時短モードと易サポ微時短モードとを含む特別遊技状態が4モードの遊技機10は、例えばモードEからモードAに転落可能なように、大当たり当否テーブルとして高確率モード当否テーブルに基づいて大当たり抽選を行う回数に上限のあるST又はV-STとして構成することが好ましい。
<第3の実施形態>
前述の第1の実施形態では、特図遊技状態がモードA~モードEの5モードからなり、確変大当たりの継続数に上限がない場合について説明した。一方、本実施形態は、第2の実施形態と同様に特図遊技状態がモードA、モードC及びモードEの3モードであると共に、低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)での大当たりである、いわゆる初当たりからの大当たり数が予め定められた上限数まで継続する点で前述の第1の実施形態とは異なる。即ち、本実施形態に係る遊技機10は、特図遊技状態がモードA、モードC及びモードEの3モードとして構成されたリミット機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図28~図30を参照して具体的に説明する。ここで、図28(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図28(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図28(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図28(D)はモード移行例を示す図、図29は図20の特図遊技制御処理のステップS1609で実行される特図変動開始処理の手順の一例を示すフローチャート、図30は図17のメイン処理のステップS1308で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図28(A)に示す大当たり種別振分テーブルは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合の大当たり種別を規定する。本実施形態の大当たり種別は、前述の第1実施形とは異なり、2R確変大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりの3種であり、全ての大当たりが確変大当たりである。但し、初当たりからの大当たり回数が上限数に達した場合、その大当たりは通常大当たりとして扱われ、当該大当たり遊技の終了後に、低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて大当たり抽選が行われるモードAに強制的に移行される。
また、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たり及び5R確変大当たりのいずれかに振り分けられ、2R確変大当たりと5R確変大当たりとの振り分け比率は75:25である。即ち、第1特図遊技での大当たりでは、多量の遊技球の獲得が期待できる16R確変大当たりの振り分けがなく、獲得される遊技球の期待値が小さい2R確変大当たりの振り分けが大きくなっており、多量の遊技球の獲得が期待できない。一方、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかに振り分けられ、5R確変大当たりと16R確変大当たりとの振り分け比率は50:50である。即ち、第2特図遊技での大当たりでは、2R確変大当たりの振り分けがなく、多量の遊技球の獲得が期待できる。
図28(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC及びモードEの3つのモードの内容を規定しているが、これらのモードA、モードC及びモードEの内容は、前述の第1の実施形態と同様であり、モードE、モードC及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図28(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。本実施形態では、初当たり時にセットされる大当たり回数分の大当たりに当選し、最後の大当たり遊技の終了後にモードAに移行する。なお、初当たり時にセットされる大当たり回数分の大当たりに当選するまでは、RAM412に記憶された残りの大当たり回数が消去されない限り、モードAに転落することはない。また、最後の大当たり遊技の終了後を除き、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードCに移行し、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。
図28(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、上述のように第2始動口315への入賞が期待できず、第1始動口314への入賞による第1特図遊技が実行されるため、モードAからは、イレギュラーなケースを除いて、100%モードCに移行する。なお、モードAには最後の大当たり遊技の終了後に移行することから、モードAでの大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードAに移行することはない。
モードCでは、左打ちを行うことで第1始動口314への入賞による第1特図遊技と第2始動口315への入賞による第2特図遊技とが交互に実行される。そのため、最後の大当たり遊技の終了後を除き、第1特図遊技での大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードCに移行し、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。また、モードCでは、第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行されるため、イレギュラーなケースを除いて、モードCへの移行確率が50%、モードEへの移行確率が50%となる。
モードEでは、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行されるため、モードEからは、大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。
[特図変動開始処理]
本実施形態に係る遊技機10がリミット機として構成されているため、特図変動開始処理が、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22)とは相違点を有する。図29に示すように、本実施形態の特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)において、時短フラグや時短カウンタに関するステップS1811~S1817が省略され、特図変動表示中フラグをオンに設定した場合に(ステップS1810)、当該遊技状態移行処理を終了する。また、本実施形態の特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)において、大当たり種別を振り分けるステップS1805と、変動パターン設定処理(ステップS1807)との間で、抽選結果フラグ設定処理(ステップS1807)に代えて大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に大当たり種別フラグ、及び当該大当たり抽選の対象となった特図種別を設定する特図種別フラグを設定し(ステップS2101及びS2102)、さらに確変大当たり回数を監視するステップ(ステップS2103~S2107)を実行する点で異なる。また、本実施形態では、特図遊技状態として回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを含まないため、本実施形態の特図変動開始処理では、前述の第1の実施形態の特図変動開始処理での以下、ステップS2101~S2107について説明する。
<ステップS2101>
MPU41は、大当たり種別の振り分けを行った場合(ステップS1805)、大当たり種別フラグを設定する(ステップS2101)。具体的には、MPU41は、ステップS1805において振分られた大当たり種別に応じて、2R確変大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのいずれかをオンに設定する。なお、本ステップS2101では、前述の第1の実施形態における図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理とは異なり、時短回数のカウントに必要とされた外れフラグは設定されない。
<ステップS2102>
MPU41は、大当たり抽選の対象となった特図種別を特定する特図種別フラグを設定する(ステップS2102)。具体的には、MPU41は、第1特図遊技において大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に第1特図大当たりフラグをオンに設定し、第2特図遊技において大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に第2特図大当たりフラグをオンに設定する。
<ステップS2103~S2107>
ステップS2103では、MPU41は、次のステップS2104でセットされる大当たり上限数(初期セット数Mmax)に対する残りのセット数Mが0であるか否かを判断する。即ち、MPU41は、今回の大当たりが初当たりであるか否かを判断する。MPU41は、残りのセット数Mが0である場合(ステップS2103:Yes)、残りのセット数Mとして初期セット数Mmaxをセットし(ステップS2104)、処理をステップS1807に移行する。初期セット数Mmaxは、例えば3回~10回の範囲から予め決定されたセット数とされる。
一方、MPU41は、残りのセット数Mが0でない場合(ステップS2103:No)、残りのセット数Mから1を減算し(ステップS2105)、減算後の残りのセット数Mが0であるか否かを判断する(ステップS2106)。即ち、MPU41は、今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、減算後の残りのセット数Mが0である場合(ステップS2106:Yes)、即ち今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりである場合、大当たりリミットフラグをオンに設定し(ステップS2107)、処理をステップS1807に移行する。大当たりリミットフラグは、ステップS2104でセットされる初期セット数Mmaxに相当する回数の大当たりに当選したこと、即ち今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりであることを示すフラグである。この大当たりリミットフラグは、後述の図30の遊技状態移行処理でのステップS2202において、モードAに移行させるか否かを判断するために参照される。また、MPU41は、減算後の残りのセット数Mが0でない場合(ステップS2106:No)、即ち今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりでない場合、大当たりリミットフラグをオンに設定することなく、処理をステップS1807に移行する。
[遊技状態移行処理]
ここで、本実施形態の遊技機10では、特図遊技状態として回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを含まないため、図30に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理(図23参照)において、時短モードに関するステップが省略され、モードB及びモードDに移行させるステップが省略される。また、本実施形態の遊技状態移行処理では、初期セットされた大当たりでの最終の大当たりである場合にモードAに移行し、大当たり遊技状態への移行の契機となる大当たり抽選を行った特図種別に応じてモードC又はモードEに移行する点で(ステップS2201~S2212)、前述の第1の実施形態とは異なる。以下、ステップS2201~S2212について説明する。
<ステップS2201>
MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技フラグをオフにした場合(ステップS1914:Yes、ステップS1915)、図29の特図変動開始処理のステップS2101でオンに設定される大当たり種別フラグをオフに設定する(ステップS2201)。即ち、MPU41は、2R確変大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのうちのオンに設定されている大当たり種別フラグを、大当たり遊技の終了を契機としてオフに設定する。
<ステップS2202~S2205>
MPU41は、図29の特図変動開始処理のステップS2105でオンに設定される大当たりリミットフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2202)。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技が図29の特図変動開始処理のステップS2104でセットされる初期セット数Mmaxに対する最後の大当たりであり、当該大当たり遊技の終了後に特図遊技状態のうちのモードAに移行させるための大当たりリミットフラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU41は、大当たりリミットフラグがオンに設定されている場合(ステップS2202:Yes)、大当たりリミットフラグをオフに設定すると共に(ステップS2203)、大当たり遊技状態からモードAに移行させ(ステップS2204)、モードAフラグをオンに設定し(ステップS2205)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS2206~S2209>
MPU41は、大当たりリミットフラグがオフに設定されている(ステップS2202:No)、図29の特図変動開始処理でのステップS2102でオンに設定される第1特図大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2206)。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技の移行の契機となった大当たり抽選が第1特図遊技に対するものか否かを判断する。
MPU41は、第1特図大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2206:Yes)、第1特図大当たりフラグをオフに設定すると共に(ステップS2207)、特図遊技状態のうちのモードCに移行させ(ステップS2208)、モードCフラグをオンに設定し(ステップS2209)、当該遊技状態移行処理を終了する。一方、第1特図大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2206:No)、処理をステップS2010に移行する。
<ステップS2210~S2212>
MPU41は、第1特図大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2206:No)、第2特図大当たりフラグがオン設定されていると判断できるため、第2特図大当たりフラグをオフに設定すると共に(ステップS2210)、特図遊技状態のうちのモードEに移行させ(ステップS2211)、モードEフラグをオンに設定し(ステップS2212)、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態に係る遊技機10は、特図遊技状態が遊技者にとっての有利さの異なるモードA、モードC及びモードEの3モードであると共に、初当たりからの大当たり数が予め定められた上限数まで継続する。そして、本実施形態に係る遊技機10は、第1特図遊技での大当たりであるか、第2特図遊技での大当たりであるかによってモード移行先が異なる。そのため、本実施形態では、初当たり後の残りのセット数(初期セット数Mmax-1)で、多量の遊技球の獲得が期待できるモードEに、如何に多くのセット数の大当たりを残したままで移行させるか、またモードEに移行後は16R大当たり遊技に如何に多く振り分けられるかというゲーム性を有する遊技機10を提供できる。
なお、本実施形態では、モードAにおいて第1特図遊技で大当たりとなった場合に大当たり遊技の終了後にモードCに100%移行するが、モードAでの第1特図遊技での大当たりの場合に一定割合、例えば50%でモードCに移行し、残りの割合でモードAがループするようにしてもよい。このようにすることで、遊技者とって不利なモードAがループすることのあるゲーム性を提供でき、その結果、モードCに移行した場合に如何に多くのセット数の大当たりを残したまま多量の遊技球の獲得が期待できるモードEに移行させるかというゲーム性だけでなく、如何に多くのセット数の大当たりを残したままモードEへの移行が期待できるモードCに移行させるかというゲーム性を有する遊技機10を提供できる。
<第4の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態は、特図遊技状態として、モードAに加え、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い高確率モードかつ回数限定の時短モードであるモードC’及びモードE’を含む3モードである。また、本実施形態に係る遊技機10は、大当たり種別の全てが確変大当たりあると共に、大当たり遊技の終了後に回数限定の時短モード(モードC’又はモードE’)に移行するST機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図31~図33を参照して具体的に説明する。ここで、図31(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図31(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図31(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図31(D)はモード移行例を示す図、図32及び図33は図17のメイン処理のステップS1308で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図31(A)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たりに振り分けられ、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは16R確変大当たりに振り分けられる。即ち、本実施形態では、全ての大当たりが確変大当たりであり、特図種別に応じて大当たり種別が振り分けられる。もちろん、大当たり種別の振り分けは、大当たりの種別数や大当たり遊技の開閉実行モードのラウンド数は適宜変更可能であり、例えば全ての大当たりが確変大当たりである必要はなく、確変大当たりと通常大当たりとが所定の割合で振り分けられることも考えられる。
図31(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC’及びモードE’の3つのモードの内容を規定している。モードAの内容は、前述の第1の実施形態と同様である。モードC’及びモードE’は、回数限定の時短モードである点を除いて、前述の第1の実施形態のモードC及びモードEと同様である。即ち、モードC’及びモードE’は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い高確率モードかつ回数限定の時短モードである。ここで、モードC’及びモードE’の時短回数の上限数は、前述の第1の実施形態のモードB及びモードDの時短回数の上限数と同程度に設定され、例えば50回である。そして、モードE’、モードC’及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図31(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。モードC’及びモードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合には、モードAに移行する。抽選結果が2R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードC’に移行される。抽選結果が16R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードE’に移行される。即ち、回数限定の時短モードの終了後にモードC’又はモードE’からモードAに転落し、第1始動口314L,314Rに対する入賞での2R確変大当たりの場合にモードC’に移行され、第2始動口315に対する入賞での16R確変大当たりの場合にモードE’に移行される。
図31(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは2R確変大当たりが100%である。そのため、モードAからは、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードC’に移行する。
モードC’では、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。また、上述のように第1特図遊技では2R確変大当たりに100%振り分けられ、第2特図遊技では16R確変大当たりに100%振り分けられる。そのため、モードC’からは、時短モードが終了するまでに抽選結果が大当たりとなった場合に当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードC’及びモードE’のいずれかに移行される。なお、上述のように、モードC’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードC’からモードAに移行される。
モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは16R確変大当たりが100%であるため、モードE’からは、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードE’に移行する。なお、上述のように、モードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードE’からモードAに移行する。
[遊技状態移行処理]
ここで、本実施形態では、大当たり種別が2R確変大当たりと16R確変大当たりとの2つである点で前述の第1の実施形態とは異なるため、図22の特図変動開始処理のステップS1806では、大当たり抽選での抽選結果に応じて、抽選結果フラグとして2R確変大当たりフラグ、16R確変大当たりフラグ及び外れフラグのいずれかが設定される。また、本実施形態では、特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードであるため、図32及び図33に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理(図23及び図24参照)とは、モード移行に対する処理が異なる(ステップS2301~S2308)。以下、ステップS2301~S2308について説明する。
<ステップS2301>
図32に示すステップS2301では、MPU41は、時短モードが終了してモードC’又はモードE’からモードAに移行した場合(ステップS1908~S1912)、オンに設定されているモードC’フラグ又はモードE’フラグをオフに設定する。
<ステップS2302~S2305>
図33に示すステップS2302では、MPU41は、図17のメイン処理のステップS1307での大当たり遊技制御処理でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技状態フラグ及び時短フラグをオフに設定した場合(ステップS1914:Yes、ステップS1915及びS1917)、図22の特図変動開始処理のステップS1806で設定される2R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たりであるか否かを判断する。
MPU41は、2R確変大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2302:Yes)、即ち当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たりである場合、特図遊技状態のうちのモードC’に移行させ(ステップS2303)、モードC’フラグをオンに設定する(ステップS2304)。次いで、MPU41は、2R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS2305)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS2306~S2308>
MPU41は、2R確変大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2302:No)、即ち当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりである場合、特図遊技状態のうちのモードE’に移行させ(ステップS2306)、モードE’フラグをオンに設定する(ステップS2307)。次いで、MPU41は、16R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS2308)、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態では、遊技者に最も有利なモードE’に移行させるためには、モードC’を経由する必要がある。即ち、モードE’に移行させるためには、初当たりでモードC’に移行させた後に、時短モード終了するまでに第2特図遊技で大当たりとなる必要がある。そして、モードAでの初当たり及びモードC’での第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たりであるため、大当たり遊技で獲得できる遊技球が少量で、モードA及びモードC’に滞在する間は、遊技球の増加が期待できない。一方、右打ち時のモードE’では、100%16R確変大当たりとなるため、大当たり遊技で多量の遊技球の獲得が期待できる。そのため、本実施形態では、初当たり後にモードC’に移行させた後に、如何に早く第2特図遊技で大当たりを獲得し、多量の遊技球の獲得が期待できるモードE’に移行させるかというゲーム性を有し、さらにモードE’に移行した後に時短モードで如何に多くの大当たりを獲得して多量の遊技球を獲得するかというゲーム性を有する遊技機を提供できる。
<第5の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態は、前述の第1の実施形態とは異なり、前述の第4の実施形態と同様に特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードである。また、本実施形態に係る遊技機は、確変大当たり遊技の特定ラウンドにおいて特別可変入賞装置のV入賞口に遊技球が入賞することを条件に確変大当たり遊技の終了後に回数限定の時短モードに移行するV-ST機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図34~図41を参照して具体的に説明する。ここで、図34は、図1に示す遊技機10の遊技盤31の一例を示す正面図、図35(A)、図35(C)及び図35(E)は図34に示す遊技機10の特別可変入賞装置82の要部を示す断面図、図35(B)及び図35(D)は特別可変入賞装置82の要部を示す平面図、図36(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図36(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図36(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図36(D)はモード移行例を示す図、図37は図17のメイン処理のステップS1307で実行される大当たり遊技制御処理の手順の一例を示すフローチャート、図38及び図39は図37の大当たり遊技制御処理で実行される開閉実行モード制御処理の手順の一例を示すフローチャート、図40及び図41は図17のメイン処理のステップS1308で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図34に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技盤31に設けられた特別可変入賞装置82を備える。特別可変入賞装置82は、可変入賞口316bの下方に設けられている。図35(A)~図35(D)に示すように、特別可変入賞装置82は、遊技球99を特別可変入賞装置82の内部に導入する導入口821、及びこの導入口821を閉鎖する閉鎖位置と導入口821を開放する開放位置との間で、遊技盤31の背面に設けられるソレノイド等の駆動手段(不図示)によって、遊技盤31に対して進退される可動舌部822を備える。図35(A)及び図35(B)に示すように、可動舌部822が待機位置にあることで可動舌部822によって導入口821が閉鎖された状態では、遊技球99が特別可変入賞装置82の内部に導入されることはない。一方、図35(C)及び図35(D)に示すように、可動舌部822が開放位置にあることで導入口821が開放された状態では、遊技球99が特別可変入賞装置82の内部に導入され得る。なお、特別可変入賞口39が作動されていない状態では、可動舌部822によって導入口821が閉鎖されている。一方、導入口821は、大当たり遊技における後述のV入賞ラウンドにおいて、可動舌部822が作動されることで開放される。
図35(C)及び図35(E)に示すように、特別可変入賞装置82の内部には、可動爪部823、V入賞口824及び通常入賞口825が設けられている。V入賞口824及び通常入賞口825には、それぞれ入球センサ(不図示)が設けられており、これらの入球センサによってV入賞口824又は通常入賞口825に遊技球が入賞したことが検知される。可動爪部823は、V入賞口824に遊技球99を導く左傾斜位置と、通常入賞口825に遊技球99を導く右傾斜位置との間でソレノイド(不図示)等の駆動手段によって回動される。特別可変入賞口39が作動されていない状態では、可動爪部823は、左傾斜状態とされてV入賞口824に遊技球99を導く状態で待機している。そして、可動爪部823は、特別可変入賞装置82を作動させる後述のV入賞ラウンドにおいて、V入賞口824に遊技球99が入賞したことが検知された場合に、左傾斜状態から右傾斜状態に回動される。また、特別可変入賞装置82を作動させるV入賞ラウンドが終了した場合、可動爪部823は左傾斜状態に復帰し、V入賞口824に遊技球99を導く状態で待機する。
図36(A)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは4R通常大当たり又は5R確変大当たりに振り分けられる。4R通常大当たり遊技では、第1~第4ラウンド遊技が可変入賞口316bに対して遊技球を入賞される遊技として実行され、特別可変入賞装置82が遊技球を入賞させるV入賞ラウンド遊技は実行されない。そのため、4R通常大当たり遊技では、V入賞口824に遊技球を入賞させることができず、時短モードに移行することもない。これに対して、5R確変大当たり遊技では、例えば第1~第4ラウンドまでは可変入賞口316b(図4参照)に対して遊技球を入賞される遊技として実行され、第5ラウンド遊技がV入賞ラウンド遊技として実行される。そのため、遊技者は、5R確変大当たり遊技では、第5ラウンド遊技において特別可変入賞装置82のV入賞口824に遊技球99を入賞させることで、当該大当たり遊技の終了後に時短モードに移行させることができる。また、第5ラウンド遊技がV入賞ラウンド遊技として実行されることで、第4ラウンド遊技の終了後にV入賞ラウンド遊技である第5ラウンド遊技が実行される否かによって、4R通常大当たりであるか5R確変大当たりであるかを知り得ることができる。そのため、4ラウンド遊技の終了後に昇格演出(失敗演出を含む)を実行するなどして遊技の興趣を高めることができる。
一方、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは10R確変大当たり又は16R確変大当たりに振り分けられる。10R確変大当たり遊技、及び16R確変大当たり遊技では、特定のラウンド遊技がV入賞ラウンド遊技とされる。特定のラウンド遊技は、少なくとも1つあればよく、2つ以上であってもよい。また、モードE’での大当たり種別が10R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合、例えば10ラウンドが特定のラウンド遊技とされる。このようにすることで、V入賞ラウンド遊技を実行した後に11ラウンドがあるか否か、即ち大当たり種別が10R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれであるかをV入賞ラウンド遊技の終了後に知り得ることができる。そのため、10ラウンド遊技の実行又は終了後に10R確変大当たりから16R確変大当たりへの昇格演出を実行するなどして遊技の興趣を高めることができる。なお、大当たり種別の振り分けは、大当たりの種別数や大当たり遊技の開閉実行モードのラウンド数は適宜変更可能である。
図36(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC’及びモードE’の3つのモードの内容を規定している。モードAの内容は、前述の第1の実施形態と同様である。また、モードAでは、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行されるため、モードAにおいて抽選結果が大当たりとなる場合の確変期待度は50%である。モードC’及びモードE’は、回数限定の時短モードである点を除いて、前述の第1の実施形態のモードC及びモードEと同様であり、前述の第4の実施形態と同様である。また、モードC’では、左打ちを行うことで第1始動口314と第2始動口315に遊技球が交互に振り分けられるため、モードC’において抽選結果が大当たりとなる場合の確変期待度は75%である。モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行されるため、モードE’において抽選結果が大当たりとなる場合の確変期待度は100%である。このように、本実施形態では、確変期待度の異なる3つのモードを有し、モードE’、モードC’及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図36(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。モードC’及びモードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、抽選結果が4R確変大当たりの場合に大当たり遊技の終了した場合、及び抽選結果が確変大当たりの場合にV入賞口824に遊技球99が入賞することなく大当たり遊技が終了した場合にモードAに移行する。抽選結果が5R確変大当たりの場合、大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することを条件に大当たり遊技の終了後にモードC’に移行する。抽選結果が10R確変大当たり又は16R確変大当たりの場合、大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することを条件に大当たり遊技の終了後にモードE’に移行する。
図36(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは4R通常大当たりが50%、5R確変大当たりが50%である。そのため、モードAからは、大当たり遊技の終了後にモードAに50%、モードC’に50%の割合で移行する。
モードC’では、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。また、上述のように第1特図遊技では4R通常大当たりに50%、5R確変大当たりに50%の割合で振り分けられ、第2特図遊技では10R確変大当たりに25%、16R確変大当たりに75%の割合で振り分けられる。そのため、モードC’からは、時短モードが終了するまでに抽選結果が大当たりとなった場合に大当たり遊技の終了後にモードA、モードC’及びモードE’のいずれかに移行する。なお、上述のように、モードC’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードC’からモードAに移行する。
モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは10R確変大当たりが25%、16R確変大当たりが75%であるため、モードE’からは、大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することを条件に大当たり遊技の終了後にモードE’に移行する。なお、上述のように、モードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、及び大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することなく大当たり遊技が終了した場合、モードE’からモードAに移行する。
[大当たり遊技制御処理]
ここで、本実施形態では、大当たり種別が4R通常大当たり、5R確変大当たり、10R確変大当たり及び16R確変大当たりの4つであり、前述の第1の実施形態とは異なるため、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理では、大当たり抽選での抽選結果に応じて、抽選結果フラグとして4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ、16R確変大当たりフラグ及び外れフラグのいずれかが設定される。そして、図37に示す大当たり遊技制御処理では、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に大当たり種別に応じて、可変入賞口316b又は特別可変入賞装置82への遊技球の入球が可能なラウンド遊技を複数回実行する大当たり遊技を行うための制御を実行する。
<ステップS2401>
ステップS2401では、MPU41は、後述の図40の遊技状態移行処理のステップS2600でオンに設定される大当たり遊技開始フラグがオンであるか否か、即ち大当たり遊技を開始するタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、大当たり遊技を開始するタイミングであると判断した場合(ステップS2401:Yes)、処理をステップS2402に移行し、大当たり遊技を開始するタイミングでないと判断した場合(ステップS2401:No)、処理をステップS2407に移行する。
<ステップS2402~S2404>
大当たり遊技を開始するタイミングである場合に(ステップS2401:Yes)、MPU41は、大当たり種別を特定し(ステップS2402)、大当たり種別が確変大当たりであるか否かを判断する(ステップS2403)。大当たり種別は、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される大当たり種別フラグ(4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグ)がオンに設定されているか否かに基づいて特定される。
ここで、MPU41は、大当たり種別が確変大当たりであると判断した場合(ステップS2403:Yes)、確変大当たりのラウンド数に応じて、特別可変入賞装置82を作動させるV入賞ラウンドをセットし(ステップS2404)、処理をステップS2405に移行する。例えば、MPU41は、5R確変大当たりの場合にV入賞ラウンドとして5ラウンドをセットし、10R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合にV入賞ラウンドとして10ラウンドをセットする。一方、MPU41は、大当たり種別が確変大当たりでないと判断した場合(ステップS2403:No)、特別可変入賞装置82を作動させるV入賞ラウンドをセットすることなく処理をステップS2405に移行する。
<ステップS2405及びS2406>
ステップS2405において、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される大当たり種別フラグ(4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグ)に基づいて、大当たり遊技の開閉実行モードにおいて実行するラウンド遊技数Rをセットする。具体的には、MPU41は、4R通常大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「4」として、5R確変大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「5」として、10R確変大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「10」として、16R確変大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「16」としてRAM412に記憶させる。これにより、MPU41は、後述のステップS2416の開閉実行モード制御処理において、大当たり種別に応じたラウンド遊技数Rのラウンド遊技が実行される。次いで、MPU41は、オープニングフラグをオンに設定し(ステップS2406)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。オープニングフラグは、後述のステップS2407においてオープニング時間の計時を開始するか否かを判断するために参照される。
<ステップS2407>
ステップS2407において、MPU41は、ステップS2406においてオンに設定されるオープニングフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、オープニングが開始されているか否かを判断する。MPU41は、オープニングフラグがオンに設定されている場合(ステップS2407:Yes)、処理をステップS2408に移行し、オープニングフラグがオフに設定されている場合(ステップS2407:No)、処理をステップS2415に移行する。
<ステップS2408>
オープニングフラグがオンに設定されている場合に(ステップS2407:Yes)、MPU41は、後述のステップS2409で計時が開始されるオープニング時間の計時中であるか否かを判断する(ステップS2408)。MPU41は、オープニング時間の計時中である場合(ステップS2408:Yes)、処理をステップS2410に移行し、オープニング時間の計時中でない場合(ステップS2408:No)、処理をステップS2409に移行する。
<ステップS2409>
ステップS2409において、MPU41は、オープニングの実行時間の計時を開始し、当該大当たり遊技制御処理を終了する。このステップS2409において計時が開始されるオープニング時間は、後述のステップS2410においてオープニングを終了して開閉実行モードに移行させるか否かを判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2410>
ステップS2410において、MPU41は、ステップS2409において計時が開始されるオープニング時間がオープニングの実行に必要な予め定められる所定時間に達したか否かを判断する。MPU41は、オープニング時間が所定時間に達している場合(ステップS2410:Yes)、処理をステップS2411に移行し、オープニング時間が所定時間に達していない場合(ステップS2410:No)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。
<ステップS2411~S2414>
MPU41は、オープニング時間が所定時間に達している場合(ステップS2410:Yes)、オープニング時間の計時を終了し(ステップS2411)、オープニングフラグをオフに設定する(ステップS2412)。次いで、MPU41は、開閉実行モードフラグをオンに設定し(ステップS2413)、1ラウンド開始フラグをオンに設定する(ステップS2214)。開閉実行モードフラグは、後述のステップS2415において開閉実行モード処理に移行させるか否かを判断する際に参照される。また、1ラウンド開始フラグは、後述の図38の開閉実行モード処理のステップS2501において、開閉実行モードの1ラウンド目を開始するか否かを判断する際に参照される。
<ステップS2415>
ステップS2415において、MPU41は、ステップS2413でオンに設定される開閉実行モードフラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU41は、開閉実行モードフラグがオンに設定されている場合(ステップS2415:Yes)、処理をステップS2416に移行し、開閉実行モードフラグがオフに設定されている場合(ステップS2415:No)、処理をステップS2417に移行する。
<ステップS2416>
ステップS2416において、MPU41は、開閉実行モード制御処理を実行する。開閉実行モード制御処理では、MPU41は、可変入賞装置316又は特別可変入賞装置82を作動するラウンド遊技を大当たり種別に応じて複数回実行する。なお、開閉実行モード制御処理の詳細は、図38及び図39を参照して後述する。
<ステップS2417>
ステップS2417において、MPU41は、後述の図39の開閉実行モード制御処理でのステップS2524でオンに設定されるエンディングフラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU41は、エンディングフラグがオンに設定されている場合(ステップS2417:Yes)、処理をステップS2418に移行し、エンディングフラグがオフに設定されている場合(ステップS2417:No)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。
<ステップS2418>
エンディングフラグがオンに設定されている場合に(ステップS2417:Yes)、MPU41は、後述のステップS2419で計時が開始されるエンディング時間の計時中であるか否かを判断する(ステップS2418)。MPU41は、エンディング時間の計時中である場合(ステップS2418:Yes)、処理をステップS2420に移行し、エンディング時間の計時中でない場合(ステップS2418:No)、処理をステップS2419に移行する。
<ステップS2419>
ステップS2419において、MPU41は、エンディングを開始してからのエンディング時間の計時を開始し、当該大当たり遊技制御処理を終了する。このステップS2419において計時されるエンディング時間は、後述のステップS2420においてエンディング(大当たり遊技)を終了するか否かを判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2420>
ステップS2420において、MPU41は、ステップS2419で計時が開始されるエンディング時間がエンディングの実行に必要な予め定められる所定時間に達したか否かを判断する。MPU41は、エンディング時間が所定時間に達している場合(ステップS2420:Yes)、処理をステップS2421に移行し、エンディング時間が所定時間に達していない場合(ステップS2420:No)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。
<ステップS2421~S2423>
MPU41は、エンディング時間が所定時間に達している場合(ステップS2420:Yes)、後述の図39の開閉実行モード制御処理でのステップS2524でオンに設定されるエンディングフラグをオフに設定する(ステップS2421)。さらに、MPU41は、エンディング時間の計時を終了し(ステップS2422)、大当たり遊技終了フラグをオンに設定し(ステップS2423)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。これにより、MPU41は、エンディング、即ち大当たり遊技を終了させることができる。なお、大当たり遊技終了フラグは、図41の遊技状態移行処理でのステップS1914でMPU41によって参照され、MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に(ステップS1914:Yes)、大当たり種別に応じて遊技状態を大当たり遊技状態からモードA,モードC’及びモードE’のいずれかに移行させる。
[開閉実行モード制御処理]
図38及び図39に示す開閉実行モード制御処理では、上述のように可変入賞装置316又は特別可変入賞装置82を作動するラウンド遊技を大当たり種別に応じて複数回実行する。
<ステップS2501及びS2502>
ステップS2501において、MPU41は、図37の大当たり遊技制御処理のステップS2414でオンに設定される1ラウンド開始フラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、開閉実行モードを開始するか否か(ラウンド遊技での1ラウンド目を開始するか否か)を判断する。MPU41は、1ラウンド開始フラグがオンに設定されている場合(ステップS2501:Yes)、1ラウンド開始フラグをオフに設定した後に(ステップS2502)、処理をステップS2506に移行する。一方、MPU41は、1ラウンド開始フラグがオフに設定されている場合(ステップS2501:No)、処理をステップS2503に移行する。
<ステップS2503>
ステップS2503において、MPU41は、当該開閉実行モード制御処理のステップS2510でオンに設定される可変入賞口開放フラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、可変入賞装置316の可変入賞口316bが開放中であるか否かを判断する。MPU41は、可変入賞口開放フラグがオンに設定されている場合(ステップS2503:Yes)、処理を図39のステップS2511に移行し、可変入賞口開放フラグがオフに設定されている場合(ステップS2503:No)、処理をステップS2504に移行する。
<ステップS2504>
ステップS2504において、MPU41は、当該開閉実行モード制御処理のステップS2508でオンに設定される特別可変入賞装置作動フラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、特別可変入賞装置82が作動中であるか否かを判断する。MPU41は、特別可変入賞装置作動フラグがオンに設定されている場合(ステップS2504:Yes)、処理を図39のステップS2514に移行し、可変入賞口開放フラグがオフに設定されている場合(ステップS2504:No)、処理をステップS2505に移行する。
<ステップS2505>
可変入賞口開放フラグがオフに設定され(ステップS2503:No)、特別可変入賞装置作動フラグがオフに設定されている場合(ステップS2504:No)、MPU41は、図39のステップS2522で計時が開始されるインターバル時間が予め定められた所定時間を超えたか否かを判断する(ステップS2505)。ここで、インターバル時間は、ラウンド遊技を終了してから次のラウンド遊技を開始するまでの休止時間である。即ち、本ステップS2505において、MPU41は、インターバルを終了してラウンド遊技を開始させるか否かを判断する。MPU41は、インターバル時間が所定時間を超えたと判断した場合(ステップS2505:Yes)、処理をステップS2506に移行し、インターバル時間が所定時間を超えていないと判断した場合(ステップS2505:No)、インターバルを継続すべく、当該開閉実行モード制御処理を終了する。
<ステップS2506~S2508>
インターバル時間が所定時間を超えた場合(ステップS2505:Yes)、MPU41は、開始予定のラウンド遊技が図37の大当たり遊技制御処理のステップS2404でセットされるV入賞ラウンドであるか否か判断する(ステップS2506)。MPU41は、V入賞ラウンドであると判断した場合(ステップS2506:Yes)、特別可変入賞装置82を作動させる(ステップS2507)。具体的には、MPU41は、特別可変入賞装置82の可動舌部822を、導入口821を閉鎖する待機位置から導入口821を開放する開放位置に移動させる。さらに、MPU41は、特別可変入賞装置作動フラグをオンに設定し(ステップS2508)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。なお、特別可変入賞装置作動フラグは、上述のステップS2504において特別可変入賞装置82が作動であるか否かを判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2509及びS2510>
開始予定のラウンド遊技がV入賞ラウンドでない場合(ステップS2506:No)、MPU41は、開始予定のラウンド遊技が可変入賞口316bを開放するラウンド遊技であると判断できるため、可変入賞装置316の開閉扉316cを作動させることで可変入賞口316bを開放する(ステップS2509)。さらにMPU41は、可変入賞口開放フラグをオンに設定し(ステップS2510)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。なお、可変入賞口開放フラグは、上述のステップS2503において可変入賞装置316が作動しているか否か(可変入賞口316bが開放しているか否か)を判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2511>
可変入賞口開放フラグがオンに設定されている場合(ステップS2503:Yes)、図39のステップS2511において、MPU41は、可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立しているか否かを判断する。具体的には、MPU41は、可変入賞口316bが開放されてから所定時間(例えば30秒)が経過したか、可変入賞口316bに入賞した遊技球数が所定数(例えば9個)を超えたか否かを判断する。MPU41は、可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立している場合(ステップS2511:Yes)、処理をステップS2512に移行し、可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立していない場合(ステップS2511:No)、可変入賞口316bの開放状態を維持すべく、当該開閉実行モード制御処理を終了する。
<ステップS2512及びS2513>
可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立している場合(ステップS2511:Yes)、MPU41は、開閉扉316cを復帰させることで可変入賞口316bを閉鎖し(ステップS2512)、さらに可変入賞口開放フラグをオフに設定する(ステップS2513)。
<ステップS2514~S2516>
特別可変入賞装置作動フラグがオンに設定されている場合(図38のステップS2504:Yes)、ステップS2514において、MPU41は、特別可変入賞装置82のV入賞口824に遊技球が入賞したか否かを判断する。V入賞口824に遊技球が入賞したか否かは、V入賞口824に設けられる入球センサ(不図示)での検出結果に基づいて判断される。なお、特別可変入賞装置82では、作動開始時において可変爪部393が左傾斜状態とされているため、最初に特別可変入賞装置82に導入される遊技球は、左傾斜状態の可変爪部393によってV入賞口824に誘導される。MPU41は、V入賞口824に遊技球が入賞したと判断した場合(ステップS2514:Yes)、V入賞フラグをオンに設定し(ステップS2515)、特別可変入賞装置82の可変爪部393を左傾斜状態から右傾斜状態に回動させる(ステップS2516)。即ち、MPU41は、V入賞口824への遊技球の入賞が確認された場合、特別可変入賞装置82に導入された遊技球が右傾斜状態の可変爪部393によって通常入賞口825に誘導される。
<ステップS2517>
V入賞口824に遊技球が入賞していない場合(ステップS2514:No)、又はV入賞口824に遊技球が入賞することで、V入賞フラグをオンに設定して可動爪部823を右傾斜状態に作動させた場合(ステップS2514:YesかつステップS2515及びS2516)、MPU41は、特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立しているか否かを判断する(ステップS2517)。具体的には、MPU41は、特別可変入賞装置82の作動が開始されてから(可動舌部822の作動が開始されることで導入口821が開放されてから)所定時間(例えば30秒)が経過したか、特別可変入賞装置82に導入された遊技球数(V入賞口824及び通常入賞口825に入賞した合計遊技球数)が所定数(例えば9個)を超えたか否かを判断する。MPU41は、特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立している場合(ステップS2517:Yes)、処理をステップS2518に移行し、特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立していない場合(ステップS2517:No)、特別可変入賞装置82の作動を継続すべく、当該開閉実行モード制御処理を終了する。
<ステップS2518~S2520>
特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立している場合(ステップS2517:Yes)、MPU41は、特別可変入賞装置82の作動を停止する(ステップS2518)。具体的には、MPU41は、可動舌部822を復帰させることで導入口821を閉鎖すると共に、可動爪部823を左傾斜状態に復帰させ、次回の特別可変入賞装置82の作動開始時に、遊技球がV入賞口824に誘導される状態にする。さらに、MPU41は、特別可変入賞装置作動フラグをオフに設定し(ステップS2519)、処理をステップS2520に移行する。
<ステップS2520及びS2521>
可変入賞口開放フラグをオフに設定した場合(ステップS2513)、又は特別可変入賞装置作動フラグをオフに設定した場合(ステップS2519)、MPU41は、RAM412に記憶されたラウンド遊技数Rを1だけ減算した後(ステップS2520)、減算後のラウンド遊技数Rが「0」であるか否かを判断する(ステップS2521)。即ち、MPU41は、先に終了したラウンド遊技が開閉実行モードでの最終のラウンド遊技であるか否かを判断する。MPU41は、減算後のラウンド遊技数Rが「0」である場合(ステップS2521:Yes)、処理をステップS2523に移行し、減算後のラウンド遊技数Rが「0」でない場合(ステップS2521:No)、処理をステップS2522に移行する。
<ステップS2522>
減算後のラウンド遊技数Rが「0」でない場合(ステップS2521:No)、MPU41は、次のラウンド遊技を実行するまでのインターバル時間の計時を開始し(ステップS2522)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。このステップS2522において計時が開始されるインターバル時間は、可変入賞装置316又は特別可変入賞装置82を作動させるタイミングであるか否かを判断するために図38のステップS2505においてMPU41によって参照される。
<ステップS2523及びS2524>
減算後のラウンド遊技数Rが「0」である場合(ステップS2521:Yes)、MPU41は、先に終了したラウンド遊技が開閉実行モードでの最終のラウンド遊技であると判断できるために、開閉実行モードを終了すべく開閉実行モードフラグをオフに設定し(ステップS2523)、さらにエンディングフラグをオンに設定し(ステップS2524)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。このエンディングフラグは、エンディングを開始するかを判断するために図37の大当たり遊技制御処理でのステップS2417においてMPU41によって参照される。
[遊技状態移行処理]
ここで、本実施形態では、大当たり種別が2R確変大当たりと16R確変大当たりとの2つであるため、図22の特図変動開始処理のステップS1806では、大当たり抽選での抽選結果に応じて、抽選結果フラグとして2R確変大当たりフラグ、16R確変大当たりフラグ及び外れフラグのいずれかが設定される。なお、本実施形態では、特図変動開始処理の手順に関するフローチャートは省略する。また、本実施形態の遊技状態移行処理では、ステップS1906において大当たり遊技状態フラグをオンに設定した後に大当たり遊技開始フラグがオンに設定される(図40のステップS2600)。大当たり遊技開始フラグは、大当たり遊技が開始されることを示すものであり、図37に示す大当たり遊技制御処理のステップS2401においてMPU41によって参照される。
さらに、本実施形態では、特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードであるため、図40及び図41に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理(図23及び図24参照)とは、モード移行のための処理が異なる(ステップS2601~S2610)。以下、ステップS2601~S2610について説明する。
<ステップS2601>
図40に示すステップS2601では、MPU41は、時短モードが終了してモードC’又はモードE’からモードAに移行した場合(ステップS1908~S1912)、オンに設定されているモードC’フラグ又はモードE’フラグをオフに設定する。
<ステップS2602~S2604>
図41に示すステップS2602では、MPU41は、大当たり遊技を終了する場合に(ステップS1914:YesかつステップS1915及びS1917)、図39の開閉実行モード制御処理のステップS2515でオンに設定されるV入賞フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2602)。MPU41は、V入賞フラグがオンに設定されていない場合(ステップS2602:No)、特図遊技状態のうちのモードAに移行させ(ステップS2603)、さらにモードAフラグをオンに設定し(ステップS2604)、処理をステップS2610に移行する。即ち、MPU41は、4R通常大当たりの場合、又は確変大当たり遊技におけるV入賞ラウンドにおいてV入賞口824への遊技球の入賞がなかった場合、大当たり遊技の終了後に時短モードでも高確率モードでもないモードAに移行させる。
<ステップS2605~S2607>
MPU41は、V入賞フラグがオンである場合(ステップS2602:Yes)、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される5R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2605)。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、5R確変大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2605:Yes)、特図遊技状態のうちのモードC’に移行させ(ステップS2606)、さらにモードC’フラグをオンに設定し(ステップS2607)、処理をステップS2610に移行する。即ち、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たりであり、大当たり遊技のV入賞ラウンドにおいてV入賞口824への遊技球の入賞があった場合、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであるモードC’に移行させる。
<ステップS2608及びS2609>
MPU41は、V入賞フラグがオンで5R確変大当たりフラグがオフである場合(ステップS2602:YesかつステップS2605:No)、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される10R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのいずれかがオンに設定されていると判断できるため、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードE’に移行させ(ステップS2608)、さらにモードE’フラグをオンに設定し(ステップS2609)、処理をステップS2610に移行する。即ち、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が10R確変大当たり又は16R確変大当たりであり、大当たり遊技のV入賞ラウンドにおいてV入賞口824への遊技球の入賞があった場合、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであるモードE’に移行させる。
<ステップS2610>
MPU41は、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される大当たり種別フラグ、即ち4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ又は16R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS2610)、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態では、遊技者に最も有利なモードE’に移行させるためには、初当たりにおいて50%の確率で振り分けられるモードC’に移行させた後に、モードC’で時短モード終了するまでに、振分装置35によって50%の確率で振り分けられる第2特図遊技で大当たりを獲得する必要がある。即ち、本実施形態では、時短モードの終了によりモードが転落する場合を除き、確変大当たりの確率がモードAでは50%、モードC’では75%、モードE’では100%であり、3段階の確変割合を有する遊技機を提供できる。
なお、本実施形態では、可変入賞装置316とは別に、V入賞口824を有する特別可変入賞装置82を設ける場合を説明したが、開閉可能なV入賞口824を可変入賞装置316に設け、大当たり遊技のV入賞ラウンドにおいてV入賞口824を開放する構成であってもよい。
<第6の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態は、前述の第2の実施形態と同様に特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードである。また、本実施形態に係る遊技機は、第1始動口314及び第2始動口315による特図遊技である1種遊技と、羽役物装置による2種遊技とを行う1種2種混合機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図42~図50を参照して具体的に説明する。ここで、図42は、図1に示す遊技機10の遊技盤31の一例を示す正面図、図43及び図44は図42に示す遊技機10の羽役物装置83の要部を示す断面図、図45(A)は大当たり当否テーブルの一例を示す図、図45(B)は1種大当たり時の大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図45(C)は2種大当たり時の大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図45(D)はモードデータテーブルの一例を示す図、図45(E)はモード移行テーブルの一例を示す図、図46は主制御装置4で実行されるメイン処理の手順の一例を示すフローチャート、図47は図46のメイン処理で実行される羽役物装置制御処理の手順の一例を示すフローチャート、図48は図20の特図遊技制御処理で実行される特図変動開始処理の手順の一例を示すフローチャート、図49及び図50は図46のメイン処理で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図42に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技盤31に設けられた羽役物装置83を備える。羽役物装置83は、可変入賞装置316の上方かつ図柄表示部341の右側に設けられている。図43に示すように、羽役物装置83は、遊技球99を羽役物装置83の内部に導入する導入口831、及びこの導入口831を閉鎖とする閉鎖位置(図43の実線の位置)と導入口831を開放する開放位置(図43の仮想線の位置)との間で、ソレノイド(不図示)等の駆動手段によって回動される可動羽部832を有する。可動羽部832が待機位置にあることで可動羽部832によって導入口831が閉鎖された状態では、遊技球99が羽役物装置83の内部に導入されることはない。一方、図44(A)及び図44(B)に示すように、可動羽部832が開放位置にあることで導入口831が開放された状態では、可動羽部832によって遊技球の受け取りが可能である。可動羽部832によって受け取られた遊技球は、導入口831を介して羽役物装置83の内部に導入され得る。可動羽部832は、第2始動口315の入賞を契機とする大当たり抽選での抽選結果が小当たり(図45(A)参照)である場合に開放位置に作動され、導入口831を所定時間、例えば羽役物装置83に1~3個の遊技球が入球する時間(0.5秒~1.5秒程度)だけ開放する。もちろん、小当たり時の導入口831の開放時間は、適宜設定すればよく、先に示した時間には限定されない。
羽役物装置83の内部には、V入賞口833、通常入賞口834及びV入賞口開閉部835が設けられている。V入賞口833及び通常入賞口834には、それぞれ入球センサ(不図示)が設けられており、これらの入球センサによってV入賞口833又は通常入賞口834に遊技球が入賞したことが検知される。V入賞口開閉部835は、V入賞口833を閉鎖状態とする閉鎖位置(図44(A))とV入賞口833を開放する開放位置(図44(B))との間で、ソレノイド(不図示)等の駆動手段によって回動される。V入賞口開閉部835は、通常はV入賞口833を閉鎖する閉鎖位置で待機しており、例えば大当たり抽選での抽選結果が小当たりである場合に可動羽部832が開放位置に作動されるタイミングに同期して可動羽部832の作動時間よりも短い所定時間、例えばEモードにおいて時短回数と同数だけ羽役物装置83を作動させた場合に50%~80%の確率でV入賞口824に遊技球が入賞する時間だけV入賞口833を開放する。
図45(A)に大当たり当否テーブルとして示すように、本実施形態の大当たり当否テーブルは、前述の第1の実施形態のように高確率モードと低確率モードとで分類されるものではなく(図12(A)及び図12(B)参照)、第1始動口314への入賞による第1特図遊技と、第2始動口315への入賞による第2特図遊技とで分類される。第1特図遊技では、0~738の大当たり乱数カウンタのカウンタ値(乱数値)のうちの0~2の3個が大当たりで、残りの3~738の736個が外れであり、第1特図遊技での大当たり確率は前述の第1の実施形態に低確率モードと同様に3/739(=約1/246.3)である。一方、第2特図遊技では、第1特図遊技と同様に0~738の大当たり乱数カウンタのカウンタ値(乱数値)のうちの0~2の3個のカウンタ値(乱数値)が大当たりであり、大当たり確率が3/739(=約1/246.3)である。即ち、第1特図遊技及び第2特図遊技を問わず、大当たり抽選での大当たりは、1種遊技での大当たりとなる。また、3~735の723個が小当たり、736~738の3個が外れである。ここで、小当たりとは、羽役物装置83の可動羽部832を所定時間開放させる2種遊技を実行する当たりである。そして、小当たりにより羽役物装置83が作動された場合に羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞した場合、2種遊技での大当たりとなる。即ち、第2特図遊技では、2種遊技での大当たりがメインであり、第2特図遊技と同様に1種遊技で大当たりとなる確率は低い。以下、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる1種遊技での大当たりを「1種大当たり」、羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞することによる大当たりを「2種大当たり」と呼称することがある。
図45(B)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、1種大当たりでは、4R時短大当たり又は8R時短大当たりに振り分けられる。また、図45(C)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、2種大当たりでは、4R時短大当たり、8R時短大当たり、又は16R時短大当たりに振り分けられる。ここで、各時短大当たりでの時短回数は、大当たり抽選での抽選確率、小当たり確率、小当たり時の羽役物装置83の作動時間やV入賞口開閉部835の作動時間等に応じて設定され、本実施形態では、例えば50回とされる。また、本実施形態では、1種大当たり及び2種大当たり共に全ての大当たりが時短大当たりであるが、一定の割合(例えば20%~50%)で非時短大当たりとなるように大当たり種別を振り分けるようにしてもよい。この場合、モードE’において時短モードが終了するまでに羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞する確率が、止め打ちや捻り打ちなどの特殊な打ち方をすることなく右打ちを行う限り、90%以上、好ましくは実質的に100%となるようにV入賞口開閉部835を作動させるようにしてもよい。また、モードE’において時短モードが終了するまでに羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞する確率を実質的に100%とすると共に、初当たりからの大当たり回数に上限を設けてもよい。即ち、本実施形態に係る1種2種混合機としての遊技機10は、前述の第3の実施形態に係るリミット機のスペックを組み合わせてもよい。
図45(D)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC’及びモードE’の3つのモードの内容を規定している。モードA、モードC’及びモードE’の内容は、前述の第4の実施形態と同様であり、モードE’、モードC’及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図45(E)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。時短モードであるモードC’及びモードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合にモードAに移行する。また、1種大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードC’に移行し、2種大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードE’に移行する。
ここで、モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たりは1種大当たりであるため、モードAからは大当たり遊技の終了後にモードC’に移行する。
モードC’では、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。即ち、モードC’では、1種大当たりが100%の第1特図遊技と、2種大当たりがメインとなる第2特図遊技とが交互に実行される。そのため、モードC’からは、時短モードが終了しないことを条件に、大当たり遊技の終了後に概ね50%の確率(正確には50%を少し上回る確率)でモードC’に移行し、概ね50%の確率(正確には50%を少し下回る確率)でモードE’に移行する。なお、上述のように、モードC’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードC’からモードAに移行する。
モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、2種大当たりがメインとなり、低い確率(本実施形態では約1/246.3)で1種大当たりとなる。そのため、モードE’からは、大当たり遊技の終了後に概ねモードE’に移行し、低い確率でモードC’に転落する。なお、上述のように、モードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードE’からモードAに移行する。また、モードE’での1種大当たりの場合に、モードC’に転落することなく、モードE’をループするようにしてもよい。
本実施形態に係る遊技機10は、大当たり当否テーブルが前述の第1の実施形態とは異なり(図45(A)参照)、羽役物装置83を作動させる2種遊技を実行可能であるため、前述の第1の実施形態とは、メイン処理の一部が異なり、メイン処理として実行される特図遊技制御処理での特図変動開始処理、及び遊技状態移行処理が異なる。
[メイン処理]
図46に示すように、本実施形態のメイン処理では、ステップS1306の特図遊技制御処理とステップS1307の大当たり遊技制御処理との間において、羽役物装置制御処理を実行する(ステップS2701)。なお、羽役物装置制御処理の詳細は、図47を参照して後述する。
[羽役物装置制御処理]
<ステップS2801>
図47に示すように、羽役物装置制御処理では、まずMPU41は、図20の特図遊技制御処理のステップS1606でオンに設定される特図変動停止フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2801)。即ち、MPU41は、特図遊技が終了したことで2種遊技を実行するタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS2801:Yes)、処理をステップS2802に移行し、羽役物装置作動フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS2801:No)、処理をステップS2809に移行する。
<ステップS2802>
MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS2801:Yes)、後述の図48の特図変動開始処理のステップS2907でオンに設定される羽役物装置作動フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2802)。MPU41は、羽役物装置作動フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS2802:Yes)、羽役物装置83を作動させるタイミングであると判断できるため、処理をステップS2803に移行する。一方、MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS2801:No)、羽役物装置83を作動させるタイミングでないと判断できるため、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2803~S2808>
MPU41は、羽役物装置作動フラグがオンに設定されている場合(ステップS2802:Yes)、羽役物装置作動フラグをオフに設定すると共に(ステップS2803)、羽役物装置83の可動羽部832の作動を開始し(ステップS2804)、可動羽部作動中フラグをオンに設定する(ステップS2805)。これにより、羽役物装置83では、導入口831が開放され、可動羽部832によって羽役物装置83の内部に遊技球を導入可能な状態とされる。次いで、MPU41は、V入賞口開閉部835の作動を開始し(ステップS2806)、V入賞口開閉部作動中フラグをオンに設定する(ステップS2807)。これにより、羽役物装置83のV入賞口833が開放され、羽役物装置83の内部に導入口831を介して導入された遊技球がV入賞口833に入賞可能な状態とされる。さらに、MPU41は、作動時間の計時を開始する(ステップS2808)。このステップS2808での計時時間は、後述のステップS2810においてV入賞口開閉部835を待機状態に復帰させてV入賞口833を閉鎖させるタイミングであるか否かを判断するために、又はステップS2814において可動羽部832を復帰させて導入口831を閉鎖するタイミングであるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。
<ステップS2809>
MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS2801:No)、即ち羽役物装置83を作動させるタイミングではない場合、ステップS2807でオンに設定されるV入賞口開閉部作動中フラグをオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2809)。即ち、MPU41は、V入賞口833が開放中であるか否かを判断する。MPU41は、V入賞口開閉部作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2809:Yes)、処理をステップS2810に移行し、V入賞口開閉部作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2809:No)、処理をステップS2815に移行する。
<ステップS2810>
MPU41は、V入賞口開閉部作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2809:Yes)、ステップS2808で計時が開始される計時時間が予め定められる第1所定時間に対しているか否かを判断する(ステップS2810)。即ち、MPU41は、V入賞口開閉部835を待機位置に復帰させてV入賞口833を閉鎖させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、計時時間が第1所定時間に達していると判断した場合(ステップS2810:Yes)、処理をステップS2813に移行し、計時時間が第1所定時間に達していないと判断した場合(ステップS2810:No)、処理をステップS2811に移行する。
<ステップS2811及びS2812>
MPU41は、計時時間が第1所定時間に達していないと判断した場合(ステップS2810:No)、V入賞口833に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS2811)。V入賞口833に遊技球が入賞したか否かは、例えばV入賞口833に設けられる入球センサ(不図示)によって遊技球が検知されたか否かによって判断される。MPU41は、V入賞口833に遊技球が入賞したと判断した場合(ステップS2811:Yes)、2種大当たりフラグをオンに設定し(ステップS2812)、当該羽役物装置制御処理を終了する。ここで、2種大当たりフラグは、V入賞口833への遊技球の入賞に基づく大当たり遊技を実行するかを示すものであり、後述の図49の遊技状態移行処理でのステップS3005において大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。一方、MPU41は、V入賞口833に遊技球が入賞していない判断した場合(ステップS2811:No)、2種大当たりフラグをオンに設定することなく、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2813及びS2814>
MPU41は、計時時間が第1所定時間に達していると判断した場合(ステップS2810:Yes)、即ちV入賞口833を閉鎖させるタイミングであると判断した場合、V入賞口開閉部835を待機位置に復帰させると共に(ステップS2813)、V入賞口開閉部作動中フラグをオフに設定し(ステップS2814)、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2815>
MPU41は、V入賞口開閉部作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2809:No)、ステップS2805でオンに設定される可動羽部作動中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2815)。即ち、MPU41は、V入賞口833が開放中であるか否かを判断する。MPU41は、羽役物装置83の導入口831が開放中であるか否かを判断する。MPU41は、可動羽部作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2815:Yes)、処理をステップS2816に移行し、可動羽部作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2815:No)、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2816>
MPU41は、可動羽部作動中フラグがオンに設定されている(ステップS2815:Yes)、ステップS2808で計時が開始される計時時間が予め定められる第2所定時間に達したか否かを判断する(ステップS2816)。即ち、MPU41は、可動羽部832を待機位置に復帰させて導入口831を閉鎖させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、計時時間が第2所定時間に達していると判断した場合(ステップS2816:Yes)、処理をステップS2817に移行し、計時時間が第2所定時間に達していないと判断した場合(ステップS2816:No)、羽役物装置83の導入口831の開放状態を維持すべく、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2817~S2820>
MPU41は、計時時間が第2所定時間に達している場合(ステップS2816:Yes)、可動羽部832を待機位置に復帰させて導入口831を閉鎖し(ステップS2817)、可動羽部作動中フラグをオフに設定する(ステップS2818)。これにより、第2始動口315への遊技球の入賞を契機とする大当たり抽選での抽選結果が小当たりである場合の2種遊技を終了する。さらに、MPU41は、ステップS2808で開始された羽役物装置83の作動時間の計時を終了すると共に(ステップS2819)、羽役物装置作動終了フラグをオンに設定し(ステップS2820)、当該羽役物装置制御処理を終了する。羽役物装置作動終了フラグは、羽役物装置83の作動が終了したこと、即ち2種遊技が終了したことを示すものであり、後述の図49の遊技状態移行処理のステップS3003において2種遊技の終了後に大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。
[特図変動開始処理]
本実施形態に係る遊技機10が1種2種混合機として構成されているため、特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)とは相違点を有する。図48に示すように、本実施形態の特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)とは、抽選結果フラグを設定するまでの処理が異なる(ステップS2901~S2908)。また、本実施形態では、第2特図遊技での大当たり抽選での大当たり以外の抽選結果として、外れに加えて小当たりがあるため、本実施形態の特図変動開始処理では、前述の第1の実施形態の特図変動開始処理での外れに関するステップS1811及びS1817(図22参照)が小当たりの場合を考慮したものとされている(ステップS2909及びS2910)。以下、ステップS2901~S2910について説明する。
<ステップS2901~S2903>
本実施形態の特図変動開始処理では、まずMPU41は、特図の変動を開始する場合、開始予定の特図遊技が第1特図遊技であるか否かを判断する(ステップS2901)。MPU41は、第1特図遊技を開始すると判断した場合(ステップS2901:Yes)、第1特図大当たり当否テーブル(図45(A)参照)に基づいて当否判定を行い(ステップS2902)、処理をステップS2904に移行する。一方、MPU41は、第1特図遊技を開始しないと判断した場合(ステップS2901:No)、即ち第2特図遊技を開始すると判断した場合、第2特図大当たり当否テーブル(図45(A)参照)に基づいて当否判定を行い(ステップS2903)、処理をステップS2904に移行する。
<ステップS2904>
ステップS2904では、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、抽選結果が大当たりである場合(ステップS2904:Yes)、処理をステップS2905に移行し、抽選結果が大当たりでない場合(ステップS2904:No)、即ち抽選結果が小当たり又は外れである場合、処理をステップS2906に移行する。
<ステップS2905>
MPU41は、抽選結果が大当たりである場合(ステップS2904:Yes)、特図大当たりテーブル(図45(B)参照)に基づいて大当たり種別の振り分けを行い(ステップS2905)、処理をステップS2908に移行する。具体的には、MPU41は、大当たり種別カウンタのカウンタ値に応じて、4R時短大当たり又は8R時短大当たりのいずれかに大当たり種別を振り分ける。
<ステップS2906及びS2907>
MPU41は、抽選結果が大当たりでない場合(ステップS2904:No)、即ち抽選結果が小当たり又は外れである場合、抽選結果が小当たりであるか否かを判断する(ステップS2906)。MPU41は、抽選結果が小当たりである場合(ステップS2906:Yes)、羽役物装置作動フラグをオンに設定し(ステップS2907)、処理をステップS2908に移行する。羽役物装置作動フラグは、羽役物装置83を作動させるためのフラグであり、図47の羽役物装置制御処理のステップS2802において、羽役物装置83を作動させるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。一方、MPU41は、抽選結果が小当たりでない場合(ステップS2906:No)、即ち抽選結果が外れである場合、羽役物装置作動フラグをオンに設定することなく、処理をステップS2908に移行する。
<ステップS2908>
MPU41は、抽選結果に応じた処理を実行した場合(ステップS2904~S2907)、抽選結果フラグをオンに設定する。具体的には、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が4R時短大当たり又は8R時短大当たりである場合に1種大当たりフラグをオンに設定し、小当たりである場合に小当たりフラグをオンに設定し、外れである場合に外れフラグをオンに設定する。
<ステップS2909及びS2910>
MPU41は、抽選結果フラグをオンに設定した場合(ステップS2908)、前述の第1の形態と同様に所定の処理(ステップS1807~S1811)を実行した後に、ステップS2908でオンに設定される外れフラグ又は小当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2809)。MPU41は、外れフラグ又は小当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2909:Yes)、外れフラグ又は小当たりフラグがオンをオフに設定し(ステップS2810)、処理をステップS1815に移行する。一方、外れフラグ又は小当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2909:No)、処理をステップS1818に移行する。以下、前述の第1の実施形態の特図変動開始処理(図22参照)のステップS1815~S1818の処理を実行し、当該特図変動開始処理を終了する。
[遊技状態移行処理]
前述の第1の実施形態に係る遊技機は、ループ確変機として構成されているため、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理では、特図遊技の終了時(1種遊技の終了時)に時短モードが終了するか否かを判断し、時短モードの終了後にモードAに移行させている(図23のステップS1909~S1913参照)。これに対して、本実施形態の遊技機10は1種2種混合機として構成されているため、特図遊技の終了時(1種遊技の終了時)だけでなく、羽役物装置の作動終了時(2種遊技の終了時)にも時短モードが終了するか否かを判断し、時短モードの終了後にモードAに移行させる点で(図49のステップS3001及びS3002)、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理とは異なる。また、前述の第1の実施形態では、特図遊技の大当り(1種大当たり)を契機として大当たり遊技状態に移行させているが、本実施形態では、1種大当りだけでなく、羽役物装置83のV入賞口833への遊技球の入賞に基づく2種大当たりによって大当たり遊技状態に移行する点で(図49のステップS3003~S3005)、前述の第1の実施形態とは異なる。さらに、前述の第1の実施形態では、大当たり種別に応じてモードの移行先が決定されていたが(図13(A)、図23のステップS1914~S1932参照)、本実施形態では、1種大当たりか2種大当たりかによってモードの移行先が決定される点で(図45(E)、図50のステップS3006~S3012)、前述の第1の実施形態とは異なる。以下、図49及び図50を参照してステップS3001~S3012について説明する。
<ステップS3001>
図49に示すステップS3001では、MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されている場合に特図変動停止フラグをオフに設定した場合(ステップS1900:YesかつステップS1901)、図48の特図変動開始処理のステップS2908でオンに設定される1種大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3001)。1種大当たりフラグは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりであることを示すものである。MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3001:Yes)、大当たり遊技状態に移行させるために処理を実行する(ステップS1903~S1907)。一方、MPU41は、1種大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS3001:No)、即ち大当たり抽選での抽選結果が小当たり又は外れである場合、処理をステップS3002に移行する。
<ステップS3002>
ステップS3002では、MPU41は、図48の特図変動開始処理のステップS2907でオンに設定される羽役物装置作動フラグがオンに設定されているか否かを判断する。羽役物装置作動フラグは、大当たり抽選での抽選結果が小当たりであること、即ち羽役物装置83を作動させることを示すものである。MPU41は、羽役物装置作動フラグがオンに設定されている場合(ステップS3002:Yes)、羽役物装置83を作動する必要があるために遊技状態を移行するタイミングではないと判断できるため、当該遊技状態移行処理を終了する。一方、MPU41は、羽役物装置作動フラグがオフに設定されている場合(ステップS3002:No)、モードA、モードC’又はモードE’のいずれかに移行させるか否かの処理を実行する(ステップS1908~S1911、S3013、図50のステップS1914、S1915、S1917、S3006~S3012)。
<ステップS3003~S3004>
MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1900:No)、図47の羽役物装置制御処理のステップS2820でオンに設定される羽役物装置作動終了フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3003)。羽役物装置作動終了フラグは、羽役物装置83の作動を終了させるタイミングであること、即ち可動羽部832を待機位置に復帰させて導入口831を閉鎖させるタイミングであることを示すものである。MPU41は、羽役物装置作動終了フラグがオンに設定されている場合(ステップS3003:Yes)、羽役物装置作動終了フラグをオフに設定し(ステップS3004)、処理をステップS3005に移行する。一方、羽役物装置作動終了フラグがオフに設定されている場合(ステップS3003:No)、図50のステップS1914に処理を移行する。
<ステップS3005>
MPU41は、羽役物装置83の作動を終了させるタイミングである場合(ステップS3003:YesかつステップS3004)、図47の羽役物装置制御処理のステップS2812でオンに設定される2種大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3005)。即ち、MPU41は、羽役物装置83の作動終了後に大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断する。MPU41は、2種大当たりフラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS3005:Yes)、1種当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3001:Yes)と同様に、大当たり遊技状態に移行させるために処理を実行する(ステップS1903~S1907)。一方、MPU41は、2種大当たりフラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS3005:No)、羽役物装置作動フラグがオフに設定されている場合(ステップS3002:No)と同様に、モードA、モードC’又はモードE’のいずれかに移行させるか否かの処理を実行する(ステップS1908~S1911、S3013、図50のステップS1914、S1915、S1917、S3006~S3012)。
<ステップS3006>
図50に示すステップS3006では、MPU41は、図17のメイン処理のステップS1307での大当たり遊技制御処理でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技状態を終了する処理を実行した場合(ステップS1914:Yes、ステップS1915及びS1917)、図48の特図変動開始処理のステップS2908でオンに設定される1種大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、大当たり遊技の終了後の移行先が特図遊技状態のうちのモードC’及びモードE’のいずれであるか否かを判断する。MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3006:Yes)、処理をステップS3007に移行する。一方、MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されていない場合(ステップS3002:No)、即ち2種大当たりフラグがオンに設定されている場合、処理をステップS3010に移行する。
<ステップS3007~S3009>
MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3006:Yes)、特図遊技状態のうちのモードC’に移行させ(ステップS3007)、さらにモードC’フラグをオンに設定する(ステップS3008)。即ち、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである1種大当たりの場合に、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであり、第1始動口314と第2始動口315に交互に遊技球が入球し得るモードC’に移行させる。そして、MPU41は、1種大当たりフラグをオフに設定し(ステップS3009)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS3010~S3012>
MPU41は、1種大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS3006:No)、即ち2種大当たりフラグがオンに設定されている場合、特図遊技状態のうちのモードE’に移行させ(ステップS3010)、さらにモードE’フラグをオンに設定する(ステップS3011)。即ち、MPU41は、羽役物装置83のV入賞口833への遊技球の入賞による2種大当たりの場合に、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであり、電動サポート部材36によるサポートで遊技球が第2始動口315に入賞し易いモードE’に移行させる。そして、MPU41は、2種大当たりフラグをオフに設定し(ステップS3012)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS3013>
なお、1種大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードC’に移行されてモードC’フラグがオンに設定され(ステップS3007及びS3008)、2種大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードE’に移行されてモードE’フラグがオンに設定されるため(ステップS3010及びS3011)、時短モードの終了によりモードAに移行される場合には(図49のステップS1908~S1910)、ステップS3008でオンに設定されるモードC’フラグ、又はステップS3010でオンに設定されるモードE’フラグがオフに設定される。
このように、本実施形態の遊技機10は、特図遊技状態において、モードAからモードC’に、モードC’からモードA、モードC’及びモードE’のいずれかに、モードE’からモードA及びモードE’のいずれかに移行する。即ち、モードAでの初当たり後、時短終了によるモードAへの転落の前に時短モードであるモード’C及びモードE’において如何に1種大当たり又は2種大当たりによって時短モードを継続するかというゲーム性を有する。即ち、本実施形態では、1種2種混合機でありながら、ST機のようなゲーム性を有する遊技機10を提供できる。また、モードC’では、左打ちにより第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行され得る一方で、モードE’では、右打ちにより基本的に第2特図遊技が実行されると共に、第1特図遊技及び第2特図遊技での1種大当たりとなる確率に比べて、第2特図遊技での小当たりによる羽役物装置の作動により2種大当たりとなる期待度が高い。そのため、本実施形態の遊技機10では、モードE’では、モードC’に比べて時短モードの終了によりモードAへ転落する可能性が低く、その結果、大当たりとなる期待度ひいては遊技者に有利なモードC’及びモードE’が継続する期待度が異なる2種類のモードを有することになり、遊技の興趣を向上させることが可能になる。
[第7~第12の実施形態]
前述の第1の実施形態では、遊技球によって時計回り方向及び反時計回り方向に交互に回動される振分部材38によって第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球が振り分けられる振分装置35を備える遊技機10について説明した。一方、第7~第12の実施形態は、振分装置の振分部の構成が第1の実施形態とは異なる。以下、第7~第12の実施形態について、図51~図54を参照して個別に説明する。
<第7の実施形態>
本実施形態の振分装置は、時計回り方向及び反時計回り方向に交互に回動される振分部を備える点で前述の第1の実施形態と共通するが、振分部がソレノイド等の駆動手段(不図示)によって時計回り方向及び反時計回り方向に交互に回動される点で前述の第1の実施形態とは異なる。
図51(A)及び図51(B)に示すように、本実施形態の振分装置35Aは、導入口350の直下に回動可能に固定された振分部材38A(振分部)を備える。この振分部材38Aは、爪状に形成されており、図51(A)に示す右傾斜位置と、図51(B)に示す左傾斜位置との間で、駆動手段(不図示)によって回動駆動される。図51(A)に示す右傾斜位置に振分部材38Aが位置する場合に、導入口350を介して導入された遊技球99は、振分部材38Aによって第1通路351に誘導される。これにより、遊技球99は、左第1始動口314Lに入賞する。これに対して、図51(B)に示す左傾斜位置に振分部材38Aが位置する場合に、導入口350を介して導入された遊技球99は、振分部材38Aによって第2通路352に誘導される。これにより、遊技球99は、電動サポート部材36のサポートを受ける場合には第2始動口315に入賞し、電動サポート部材36のサポートを受けない場合には右第1始動口314Rに入賞する。なお、本実施形態の振分装置35Aでは、第2通路352に遊技球が入球されるように遊技球が打ち出されるのを防止するために、例えば振分装置35Aを不透明にするなどして振分部材38Aを外部から視認不能にすることが好ましい。
また、振分部材38Aは、例えば一定時間(例えば0.5秒~2秒程度)ごとに左傾斜位置と右傾斜位置との間で交互に回動するように駆動手段によって駆動されることが考えられる。もちろん、振分部材38Aは、必ずしも一定周期で回動させる必要はなく、パターン化された不規則な回動動作を行うように駆動してもよく、複数の異なる回動パターンで一定時間又は不定時間ごとに変更して動作させてもよい。例えば、第1通路351に入球し易い回動パターンと第2通路352に入球し易い回動パターンとを一定時間又は不定時間ごとに変更してもよい。第1通路351に入球し易い回動パターンとしては、振分部材38Aが右傾斜位置で停止する時間が左傾斜位置で停止する時間よりも長いパターン、振分部材38Aが右傾斜位置から左傾斜位置に回動する速度(時間)が左傾斜位置から右傾斜位置に回動する速度(時間)よりも遅い(長い)パターンなどが考えられる。複数の回動パターンを併用する場合、最終的に1:1の理論値で第1通路351と第2通路352とに遊技球99が振分られるように振分部材38Aを回動駆動させるのが好ましい。但し、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率が1:1以外となるように振分部材38Aを回動駆動させるようにしてもよい。この場合、遊技状態に応じて、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率を変更するようにしてもよい。例えば、モードBに比べてモードCのほうが第2通路352に遊技球が誘導され易いように構成することができ、その逆に構成することも考えられる。また、導入口350の近傍に入球センサを設け、この入球センサによって導入口350への遊技球99の入球が検知された場合、振分部材38Aが左傾斜位置にある場合は振分部材38Aを右傾斜位置に回動させる一方で、振分部材38Aが右傾斜位置にある場合は振分部材38Aを左傾斜位置に回動させることも考えられる。
このように、本実施形態では、振分部材38Aが駆動手段によって予め定められたタイミングで回動されるため、遊技球99が第1通路351と第2通路352とに振り分けられる比率について、一時的に偶発的又は意図的に偏りを持たせることができる。これにより、特図遊技状態がモードB又はモードCである場合に、遊技球99が第1通路351及び第2通路352のいずれに誘導されるか、即ち遊技球99が電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第8の実施形態>
本実施形態に係る遊技機10は、前述の第7の実施形態に係る遊技機10と同様に、ソレノイド等の駆動手段によって振分部が右傾斜位置と左傾斜位置との間で回動される点で前述の第1の実施形態に係る遊技機10とは異なる。また、本実施形態に係る遊技機は、振分部の形状が前述の第7の実施形態に係る遊技機とは異なる。
図52(A)及び図52(B)に示すように、本実施形態の振分装置35Bは、導入口350の直下に回動可能に固定された振分部材38B(振分部)を備える。この振分部材38Bは、円弧部382B及びシャフト部383Bを有する略T字状ないし錨状に形成されており、図52(A)に示す右傾斜位置と、図52(B)に示す左傾斜位置との間で、不図示の駆動手段によって回動駆動される。なお、本実施形態の振分部材38Bは、形状のみが前述の第7の実施形態の振分部材38Aとは異なり、その他の点では前述の第7の実施形態の振分部材38Aと同様であり、前述の第7の実施形態に係る遊技機10と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態の振分部材38Bは、前述の第7の実施形態の振分部材38Aと同様な設計変更が可能である。
さらに、駆動手段によって回動されることで遊技球99を第1通路351又は第2通路352に振り分ける振分部の形状等は、図51に示す第7の実施形態の振分部材38Aや図52に示す第8の実施形態の振分部材38Bには限定されず、種々に設計変更可能である。例えば、前述の第1の実施形態の振分部材38と同一又は類似の形状としてもよく、第8の実施形態の振分部材38Bにおいて、円弧部382Bに代えて平板部や屈曲部を設けた構成であってもよい。
<第9及び第10の実施形態>
第9及び第10の実施形態の振分装置35は、振分部として、遊技球99が干渉することで、時計回り方向又は反時計回り方向に回転することで遊技球99を第1通路351又は第2通路352のいずれかに振り分ける回転体を備える点で前述の第1の実施形態とは異なる。
図53(A)に示すように、第9の実施形態に係る遊技機10では、振分装置35Cの振分部が、時計回り方向及び反時計回り方向の双方に自由回転可能な円柱状のローラ38C(回転体)として構成されて、導入口350の直下に配置されている。
一方、図53(B)に示すように、第10の実施形態に係る遊技機10では、振分装置35Dの振分部が、時計回り方向及び反時計回り方向の双方に自由回転可能な風車38Dとして構成され、導入口350の直下に配置されている。風車38Dは、回転体382Dが釘381D(固定部)によって自由回転可能に固定されたものである。釘381Dは、端部が遊技盤31に打設されており、前記端部が固定端部、前記端部の反対側の端部が自由端とされている。また、釘381Dは、例えば金属により形成されており、塑性変形が可能である。そのため、風車38Dの釘381Dが塑性変化可能とされていることで、釘381Dの位置が初期設定位置からズレ、ひいては回転体382Dの位置が初期設定位置からズレた場合に釘381Dを初期設定位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを釘381Dの位置を調整することで改善することが可能になる。
また、第9及び第10の実施形態に係る遊技機10においても、遊技球99が干渉することで時計回り方向又は反時計回り方向に自由回転するローラ38Cや風車38Dなどの回転体が振分部として採用されているため、遊技球99が第1通路351と第2通路352とに振り分けられる比率について、一時的かつ偶発的に偏りを持たせることができる。これにより、前述の第7の実施形態や第8の実施形態に係る遊技機10と同様に、特図遊技状態がモードB又はモードCである場合に、遊技球99が第1通路351及び第2通路352のいずれに誘導されるか、即ち遊技球99が電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、振分部がローラ38Cや風車38Dなどの回転体である場合、遊技者は振分部としての回転体による第1通路351と第2通路352との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路352に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路352に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路352に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
なお、振分部としての回転体の構成は、図53(A)に示す円柱状のローラ38Cや図53(B)に示す風車38Dに限定されず、設計変更可能である。例えば、回転体としては、三角柱や四角柱等の角柱状の回転体、楕円柱部材や平板状部材等の断面扁平状部材、歯車等の外周面に凹凸を有する回転体、複数の羽を有するプロペラ状部材等であってもよい。
また、円柱状のローラ38Cや風車38D等の回転体は、当該回転体に接続されたソレノイド等の駆動手段によって時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能に構成してもよい。この場合の回転体の回転駆動は、例えば一定時間(例えば0.5秒~2秒程度)ごとに時計回り方向と反時計回り方向とを交互に切り替えることが考えられる。もちろん、回転体は、必ずしも一定時間ごとに回転方向を切り替える必要はなく、パターン化された不規則な時間間隔で回転方向を切り替えてもよい。この場合、1:1の理論値で第1通路351と第2通路352とに遊技球99が振分られるように回転体の回転方向を切り替えるのが好ましいが、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率が1:1以外となるように回転体の回転方向を切り替えるようにしてもよい。この場合、遊技状態に応じて、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率を変更するようにしてもよい。例えば、モードBに比べてモードCのほうが第2通路352に遊技球が誘導され易いように回転体を駆動するように構成することができ、その逆に構成することも考えられる。また、導入口350の近傍に入球センサを設け、この入球センサによって導入口350への遊技球99の入球が検知された場合、前回の回転方向とは逆方向に回転体を回転させることも考えられる。
<第11及び第12の実施形態>
第11及び第12の実施形態の振分装置は、回動や回転によらず、不動かつ回転不能な振分部(固定振分部)によって遊技球99を第1通路351又は第2通路352のいずれかに振り分ける点で前述の第1の実施形態とは異なる。
図54(A)に示すように、第11の実施形態に係る遊技機10の振分装置35Eでは、導入口350の直下に頂部389Eを有し、左右対称な山状固定部38Eとして振分部が形成されている。この山状固定部38Eでは、頂部389E又はその近傍に干渉した遊技球99が左右に振り分けられるため、第1通路351及び第2通路352に遊技球99が振り分けられる。
一方、図54(B)に示すように、第12の実施形態に係る遊技機10の振分装置35Fでは、頂点釘389F(固定部)が導入口350の直下に位置し、左右対称な三角釘38Fによって構成された振分部が形成されている。この三角釘38Fでは、頂点釘389Fに干渉した遊技球99が左右に振り分けられるため、第1通路351及び第2通路352に遊技球99が振り分けられる。三角釘38Fは、それぞれ端部が遊技盤31に打設されており、前記端部が固定端部、前記端部の反対側の端部が自由端とされている。また、三角釘38Fは、例えば金属により形成されており、塑性変形が可能である。そのため、三角釘38Fのそれぞれが塑性変化可能とされていることで、三角釘38Fの位置が初期設定位置からズレた場合に三角釘38Fを初期設定位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを三角釘38Fの位置を調整することで改善することが可能になる。
また、第11及び第12の実施形態に係る遊技機10においても、振分部が山状固定部38Eや三角釘38Fなどの不動かつ回転不能な固定振分部であるため、遊技球99が第1通路351と第2通路352とに振り分けられる比率について、一時的かつ偶発的に偏りを持たせることができる。これにより、前述の第7の実施形態や第8の実施形態に係る遊技機10と同様に、特図遊技状態がモードB又はモードCである場合に、遊技球99が第1通路351及び第2通路352のいずれに誘導されるか、即ち遊技球99が電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、振分部が山状固定部38Eや三角釘38Fなどの不動かつ回転不能な固定振分部である場合、遊技者は固定振分部による第1通路351と第2通路352との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路352に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路352に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路352に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
なお、遊技球99を第1通路351及び第2通路352に振り分ける振分部の構成は、図54(A)に示す山状固定部38Eや図54(B)に示す三角釘38Fに限定されず、設計変更可能である。例えば、振分部としては、ドーム状山部等の左右対称な他の形状であってもよく、また頂点釘が導入口350の直下に位置する四角釘(菱形釘)等の4本以上の釘からなるものや、1本の釘からなるものであってもよい。もちろん、左右非対称な形状とすることで、第1通路351と第2通路352との遊技球の振り分け比率に偏りを持たせてもよい。
[第13~第29の実施形態]
前述の第1の実施形態では、普通電動役物としての電動サポート部材36に、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する傾斜状に壁部361から複数の遅延ガイド364を設け、これらの複数の遅延ガイド364を千鳥状に配置することで、電動役物36における遊技球99の滞留時間を長く確保できるように構成されていた。これに対して、第13~第29の実施形態では、前述の第1の実施形態とは異なる構成によって電動サポート部材36における遊技球99の滞留時間を長く確保している。以下、第13~第29の実施形態について、図55~図63を参照して個別に説明する。
<第13~第15の実施形態>
前述の第1の実施形態では、普通電動役物である電動サポート部材36の遅延部として、壁部361から千鳥状に延出し、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する複数の傾斜状の遅延ガイド364を設け、電動サポート部材36において遊技球99を蛇行した経路で移動させることで、電動サポート部材36における遊技球99の滞留時間を長く確保していた。これに対して、第13の実施形態~第15の実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に電動サポート部材において遅延部によって遊技球99を蛇行した経路で移動させるように構成されているが、遅延部の構成が前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図55(A)~図55(C)を参照して第13~第15の実施形態を説明する。ここで、図55(A)は第13の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Aの平面図、図55(B)は第14の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Bの平面図、図55(C)は第15の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Cの平面図である。
図55(A)に示すように、第13の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Aでは、遅延部としての複数の遅延ガイド364Aのそれぞれが、平面視において正三角形であり、右側(上流側)に傾斜辺が位置し、全体で千鳥状に配置されている。一方、図55(B)に示すように、第14の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Bでは、遅延部としての複数の遅延ガイド364Bのそれぞれが、平面視において半円形であり、全体で千鳥状に配置されている。図55(A)及び図55(B)に示す複数の遅延ガイド364A,364Bでは、電動サポート部材36A,36Bにおいて、遊技球99が各遅延ガイド364A,364Bに干渉することで、遊技球99が蛇行しながら右側(上流側)から左側(下流側)に移動する。
なお、遅延部としての複数の遅延ガイドは、平面視形状が正三角形や半円形のものに限らず、遊技球99を蛇行させることができる形状であれば特に制限はない。例えば、複数の遅延ガイドは、それぞれを2等辺三角形、直角三角形、台形、平行四辺形等の角形に形成し、傾斜辺が右側(上流側)に位置するように千鳥状に配置したもの、それぞれを4分円、半楕円、4分楕円等の放物線状や円弧状の外周部を有する形状に形成し、放物線状や円弧状の外周部が右側(上流側)に位置するように千鳥状に配置したもの等であってもよい。
図55(C)に示すように、第15の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Cでは、遅延部が蛇行溝364Cとして形成されている。このような蛇行溝364Cによっても、電動サポート部材36Cにおいて遊技球99が蛇行しながら右側(上流側)から左側(下流側)に移動する。なお、遅延部としての蛇行溝364Cの形状は、遊技球99を蛇行させることができる溝形状であるある限り、種々に可能である。
このように第13~第15の実施形態の電動サポート部材36A~36Cでは、前述の第1の実施形態に係る遊技機10と同様に、電動サポート部材36A~36Cにおいて遊技球99を蛇行させながら右側(上流側)から左側(下流側)に移動させることで、電動サポート部材36A~36Cにおける遊技球99の滞留時間を長く確保できる。これにより、第13~第15の実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、特図遊技状態がモードB又はモードCであるときに遊技者が右打ちを行った場合、電動サポート部材36A~36Cによるサポートを受けることが困難になる。そのため、左打ちが奨励される状況下で右打ちをした場合に、遊技機10において予定される利益を超えた異常な利益が得られることを防止できる。
<第16~第29の実施形態>
前述の第1の実施形態では、電動サポート部材36の遅延部として、壁部361から千鳥状に延出し、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する複数の傾斜状の遅延ガイド364を設けて電動サポート部材36において遊技球99を蛇行した経路で移動させることで、電動サポート部材36での遊技球の移動距離を大きくし、電動サポート部材36における遊技球99の滞留時間を長く確保していた。これに対して、第16の実施形態~第29の実施形態では、電動サポート部材の遅延部として、電動サポート部材において遊技球を直線的に移動させつつも、電動サポート部材における遊技球の滞留時間を長く確保できるように構成されている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図56~図63を参照して第16~第29の実施形態を具体的に説明するが、これらの実施形態の電動サポート部材においても遊技球の滞留時間を長く確保できるため、前述の第1の実施形態と同様の効果を奏する。即ち、特図遊技状態がモードB又はモードCであるときに遊技者が右打ちを行った場合に電動サポート部材によるサポートを受けることが困難になるため、左打ちが奨励される状況下で右打ちをした場合に遊技機10において予定される利益を超えた異常な利益が得られることを防止できる。
(第16の実施形態)
ここで、図56(A)は第16の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Dの斜視図、図56(B)は図56(A)のA1-A1切断線に沿う断面図である。
図56(A)及び図56(B)に示すように、第16の実施形態では、電動サポート部材36Dの遅延部として、壁部361の間で一連に延びる複数の線状凸部364Dが設けられている。複数の線状凸部364Dは、一定間隔を隔てて互いに平行に延びている。各線状凸部364Dは、水平面365Dと垂直面366Dとを有し、三角形の一様断面を有する。本実施形態の電動サポート部材36Dでは、水平面365Dが設けられることで、この水平面365Dにおいて遊技球99の移動が遅延される。
なお、水平面365Dは、滑面であっても、粗面であってもよいが、遊技球を遅延させる観点からは移動抵抗の大きい粗面が好ましい。ここで、粗面には、シボによる梨地面の他、エンボスなどによる凹凸を有する面などが含まれる。また、水平面に弾性部材を配置し、あるいは水平面を弾性材料により形成することで、遊技球の移動抵抗を大きくするようにしてもよい。
線状凸部364Dは、水平面365Dに代えて、左側(下流側)が右側(上流側)に比べて若干低位又は高位である微傾斜面を設けたものであってもよい。この場合の微傾斜面の水平に対する傾斜角度は、電動サポート部材36Dの水平に対する傾斜角度よりも小さければ遅延機能を奏するため、例えば水平面に対して-10°~+10°(0°を除く)が好ましい。また、遅延部としての線状凸部は、必ずしも複数設ける必要はなく、1つであってもよい。
(第17~第19の実施形態)
ここで、図57(A)は第17の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Eの要部を示す断面図、図57(B)は第18の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Fの要部を示す断面図、図57(C)は第19の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Gの要部を示す断面図である。
第17~第19の実施形態の電動サポート部材36E~36Gは、水平面365E~365Gを有する線状凸部364E~364Gが複数設けられている点で、前述の第16の実施形態の電動サポート部材36Dと共通する。一方、図57(A)に示すように、第17の実施形態の線状凸部364Eは、前述の第16の実施形態の垂直面366Dに代えて傾斜面366Eが設けられている点で、図57(B)に示すように、第18の実施形態の線状凸部364Fは、水平面365Fを有するが、前述の第16の実施形態の垂直面366Dに代えて円弧面366Fが設けられている点で、前述の第16の実施形態とは異なる。なお、第16の実施形態の電動サポート部材36Dの垂直面366Dの代替となる面は、傾斜面366Eや円弧面366Fに限らず、他の形状の面であってもよい。
また、図57(C)に示すように、第18の実施形態では、複数の線状凸部364Gが隣接して設けられ、水平面365Gと垂直面366Gとが交互に連続している点で、前述の第16の実施形態の線状凸部364Dとは異なる。もちろん、第18の実施形態においても、垂直面366Gに代えて、傾斜面や円弧面等の他の形状の面を採用してもよい。
なお、第17~第19の実施形態の線状凸部364E,364F,364Gにおいても、前述の第16の実施形態と同様な変更が可能である。
(第20の実施形態)
ここで、図58(A)は第20の実施形態に係る遊技機の電動サポート部材36Hの斜視図、図58(B)は図58(A)のA2-A2切断線に沿う断面図である。
図58(A)及び図58(B)に示す第20の実施形態の電動サポート部材36Hは、複数の線状凹部として設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図58(A)及び図56(B)に示すように、第20の実施形態では、電動サポート部材36Hの遅延部として、壁部361の間で一連に延びる複数の線状凹部364Hが設けられている。複数の線状凹部364Hは、一定間隔を隔てて互いに平行に延びている。各線状凹部364Hは、水平面365Hと垂直面366Hとを有し、三角形の一様断面を有する。本実施形態の電動サポート部材36Hでは、水平面365Hが設けられることで、この水平面365Hにおいて遊技球99の移動が遅延される。なお、線状凹部364Hは、水平面365H及び垂直面366Hに代えて、前述の第16~第19の実施形態と同様に他の形状の面を採用してもよい。また、遅延部としての線状凹部は、必ずしも複数設ける必要はなく、1つであってもよい。
(第21~第26の実施形態)
ここで、図59(A)は第21の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Iの斜視図、図59(B)は第22の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Jの斜視図、図60(A)は第23の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Kの要部を示す斜視図、図60(B)は第24の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Lの要部を示す斜視図、図61(A)は第25の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Mの要部を示す斜視図、図61(B)は第26の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Nの要部を示す斜視図である。
図59~図61に示す第21~第26の実施形態の電動サポート部材36I~36Nは、遅延部が離散的に配置された複数の凸部364I~364Nとして設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図59(A)に示すように、第21の実施形態では、電動サポート部材36Iの遅延部が複数の凸部364Iとして形成され、これらの凸部364Iが矩形格子状に配置されている。各凸部364Iは、電動サポート部材36Iの長手方向に沿った断面形状が前述の第16の実施形態の線状凸部364Dの長手方向に沿った断面形状(図56(A)のA1-A1切断線に沿った断面形状(図56(B)参照))と同様な形状とされている。
図59(B)に示すように、第22の実施形態では、前述の第21の実施形態と同様な形状を有する複数の凸部364Jが、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置されている。
図60(A)に示すように、第23の実施形態では、複数の凸部364Kが四角柱状に形成され、これらの凸部364Kが矩形格子状に配置されている。複数の凸部364Kは、三角柱状、五角柱状等の四角柱状以外に多角柱状に形成してもよく、千鳥状(斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状))に配置してもよい。
図60(B)に示すように、第24の実施形態では、複数の凸部364Lが四角錐状に形成され、これらの凸部364Lが矩形格子状に配置されている。複数の凸部364Lは、三角錐状、五角錐状等の四角錐状以外に多角錐状に形成してもよく、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置してもよい。
図61(A)に示すように、第25の実施形態では、複数の凸部364Mが円柱状に形成され、これらの凸部364Mが矩形格子状に配置されている。
図61(B)に示すように、第26の実施形態では、複数の凸部364Nが半球状に形成され、これらの凸部364Nが矩形格子状に配置されている。
第25の実施形態の複数の凸部364M及び第26の実施形態の複数の凸部364Nは、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置してもよい。また、複数の凸部364M及び複数の凸部364Nに代えて、円錐状、円錐台形状等の底面が円形の他の形状の複数の凸部を離散的に配置してもよい。
なお、遅延部としての複数の凸部は、全てが同一の形状である必要はなく、複数の異なる形状の凸部を組み合わせて配置してもよく、線状凸部や線状凹部と組み合わせて配置してもよい。また、遅延部としての複数の凸部は、必ずしも格子状に配置する必要はなく、格子状以外に規則性を有するように配置し、又は規則性を有しないランダム配置等であってもよい。
(第27及び第28の実施形態)
ここで、図62(A)は第27の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Oの斜視図、図62(B)は第28の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Pの斜視図である。
図62(A)及び図62(B)に示す第27及び第28の実施形態の電動サポート部材36O,36Pは、遅延部が離散的に配置された複数の凹部364O,364Pとして設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図62(A)に示すように、第27の実施の形態の電動サポート部材36Oでは、遅延部として複数の凹部364Oが形成され、これらの凹部364Oが矩形格子状に配置されている。各凹部364Oは、電動サポート部材36Oの長手方向に沿った断面形状が前述の第16の実施形態の線状凸部364Dの長手方向に沿った断面形状(図56(A)のA1-A1切断線に沿った断面形状(図56(B)参照))と同様な形状とされている。
図62(B)に示すように、第28の実施の形態の電動サポート部材36Pでは、遅延部として、前述の第27の実施形態の凹部364Oと同様な形状を有する複数の凹部364Pが、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置されている。
なお、遅延部としての複数の凹部の形状は、種々に変更可能であり、例えば四角柱状等の多角柱状、四角錐状等の多角錐状、円柱状、半球状、円錐状、円錐台形状等の底面が円形形状のもの等であってもよい。
また、遅延部としての複数の凹部は、全てが同一の形状である必要はなく、複数の異なる形状の凹部を組み合わせて配置してもよく、線状凸部、線状凹部、複数の凸部と組み合わせて配置してもよい。さらに、遅延部としての複数の凹部は、必ずしも格子状に配置する必要はなく、格子状以外に規則性を有するように配置し、又は規則性を有しないランダム配置等であってもよい。
(第29の実施形態)
ここで、図63(A)は第29の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Qの斜視図、図63(B)は図63(A)のA3-A3切断線に沿う断面図である。
図63(A)及び図63(B)に示す第29の実施形態の電動サポート部材36Qは、遅延部が回転駆動される複数のローラ364Qとして設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図63(A)及び図63(B)に示すように、第29の実施形態の電動サポート部材36Qは、遅延部としての複数のローラ364Q(本実施形態では5つ)を備える。但し、ローラ364Qは、必ずしも複数設ける必要はなく、少なくとも1つあればよい。各ローラ364Qは、回転軸が電動サポート部材36Qの短手方向(遊技球99の移動方向に交差する方向)に沿うように配置され、回転可能に支持されている。また、各ローラ364Qは、ソレノイド等の駆動手段(不図示)によって、遊技球の移動方向とは逆方向である時計回り方向に回転駆動される。そのため、電動サポート部材36Qを移動する遊技球99は、複数のローラ364Qと干渉することで、右側(上流側)に向けら負荷が作用される。これにより、右側(上流側)から左側(下流側)に移動する遊技球99の勢いが減ぜられることで、電動サポート部材36Qを移動する遊技球99の滞留時間が長く確保される。
なお、ローラ364Qは、外表面が滑面であっても、粗面であってもよいが、遊技球を遅延させる観点からは移動抵抗の大きい粗面が好ましい。ここで、粗面には、シボによる梨地面の他、エンボスなどによる凹凸を有する面などが含まれる。また、ローラ364Qの外表面に弾性部材を配置し、あるいはローラ364Qは、外表面を弾性材料により形成することで、遊技球の移動抵抗を大きくするようにしてもよい。
また、遅延部をローラとして構成する場合、ローラを介して遊技球99に対して磁力又は電磁力を与える構成としてもよい。これにより、遊技球99がローラに吸引されることで、遊技球99の勢いを減じることができる。この場合、ローラが、第29の実施形態のように反時計回り方向に回転駆動してもよいが、駆動手段によって回転駆動することなく、自由回転可能な構成としてもよい。
さらに、ローラ364Qは、前述の第16~第28の実施形態の電動サポート部材36D~36Pのように、線状凸部364D~364G、線状凹部364H、格子状に配置された複数の凸部364I~364Nや凹部364O,364Pを設ける構成に付加して使用することも考えられる。
[第30~第38の実施形態]
前述の第1の実施形態では、機能が同一である2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられ、また第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315が左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間における振分装置35の導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられる場合を説明した。これに対して、第30~第38の本実施形態では、第1始動口及び第2始動口のそれぞれが1つずつ設けられる点で前述の第1の実施形態とは異なる。以下、図面を参照し、第30~第38の実施の形態を個別に説明する。
<第30の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36によって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が逆への字状に形成されている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、電動サポート部材が逆への字状に形成されているため、第1始動口及び第2始動口の構成も前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図64~図66を参照して第30の実施形態を具体的に説明する。ここで、図64(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Rを含む遊技盤31の要部を示す図、図64(B)は電動サポート部材36Rの斜視図、図65(A)は図64(A)において電動サポート部材36Rが待機状態にある場合の図、図65(B)は図65(A)のA3-A3切断線に沿う断面図、図66(A)は図64(A)において電動サポート部材36Rが作動位置にある場合の図、図66(B)は図66(A)のA4-A4切断線に沿う断面図である。
前述の第1の実施形態では、機能が同一の2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。さらに、前述の第1の実施形態では、電動サポート部材36は、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方と、振分装置35の第2通路352の出口下方(第2始動口315の上方)との間に一連に延びており、第2始動口315への遊技球の入球を制限する待機位置と、第2始動口315への遊技球の入球を許容する作動位置との間で遊技盤31の前後に移動可能である。
これに対して、本実施形態では、図64(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられている。即ち、本実施形態の第1始動口314は、前述の第1の実施形態の第2始動口315の位置に設けられており、第1通路351に振り分けられる遊技球99及び第2通路352に振り分けられる遊技球99のいずれも、同一の第1始動口314に入賞可能である。また、本実施形態の第2始動口315は、後述の振分装置35の第2通路352の直下から右側にオフセットした位置に設けられており、第2通路352から放出される遊技球99がダイレクトに第2始動口315に入球されることはない。
図64(A)及び図64(B)に示すように、電動サポート部材36Rは、左誘導部361R(第1部分)及び右誘導部362R(第2部分)を有する逆への字状である。左誘導部361Rは、振分装置35の第2通路352の下方かつ第2始動口315の左方に位置し、第2始動口315に向けて右下がりに傾斜している。そのため、左誘導部361Rは、第2通路352から放出される遊技球99を右側に誘導可能である。右誘導部362Rは、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方と第2始動口315の右方との間に一連に延び、第2始動口315に向けて左下がりに傾斜している。そのため、右誘導部362Rは、ステージ310から移動する遊技球を第2始動口315に向けて左側に誘導可能である。また、右誘導部362Rには、前述の第1の実施形態と同様に遅延部を設けるのが好ましい。これにより、電動サポート部材36Rが短時間動作される遊技状態において、奨励される打ち方(左打ち)以外の打ち方(右打ち)を行った場合に、第2始動口315に遊技球が入賞され難くなる。即ち、遊技機10では、左打ちが奨励される遊技状態で右打ちを行うことの利点を無くすことで、遊技者に対して積極的に左打ちを行わせることができる。
左誘導部361Rと右誘導部362Rとの間には、第2始動口315の上方に位置するように貫通部363Rが設けられている。この貫通部363Rは、前方に開放する切欠状であり、遊技球99を通過させることが可能な形態に形成されている。そのため、左誘導部361Rから誘導される遊技球99は、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球可能であり、右誘導部362Rから誘導される遊技球99は、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球可能である。また、電動サポート部材36Rは、遊技球の第2始動口315への入球を制限する待機位置と、遊技球の第2始動口315への入球を許容する作動位置との間で前後方向に移動可能である。電動サポート部材36Rの前後方向への移動は、ソレノイド等の駆動手段(不図示)により実現される。また、電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36とは形状が異なるものの、作動条件及び作動パターンなどは前述の第1の実施形態と同様である。具体的には、モードA~モードCでは、普図当たり抽選での抽選結果が当たりである場合に第1スルーゲート318を通過する遊技球99が第2始動口315に入球可能に短時間駆動され、モードD及びモードEでは、普図当たり抽選での抽選結果が当たりである場合にステージ310から移動してくる遊技球99が第2始動口315に入球可能に長時間駆動される。なお、電動サポート部材36Rは、普図当たり抽選を行うことなく、第1スルーゲート318において振分装置35の第2通路352での遊技球の通過が検知されることを条件に作動させるようにしてもよい。
図65(A)及び図65(B)に示すように、電動サポート部材36Rが待機位置にある場合、電動サポート部材36Rは、遊技盤31から突出することはなく、全体が遊技盤31の内部に位置する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、左誘導部361Rによって第2始動口315に誘導されることなく、第1始動口314に入球される。また、ステージ310から移動してくる遊技球99は、右誘導部362Rによって第2始動口315に誘導されることなく、ステージ310の左方で遊技盤31に沿って落下してアウト口317から排出される。即ち、電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36と同様に、待機位置にある場合に第1始動口314への遊技球99の入球を許容する一方で、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。
図66(A)及び図66(B)に示すように、電動サポート部材36Rが作動位置にある場合、電動サポート部材36Rは、遊技盤31から突出する。そのため、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99は、左誘導部361Rによって貫通部363Rに向けて誘導され、遊技球99が貫通部363Rに到達するまで電動サポート部材36Rが作動位置にある場合に、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球される。また、ステージ310から移動してくる遊技球99は、右誘導部362Rによって貫通部363Rに向けて誘導され、遊技球99が貫通部363Rに到達するまで電動サポート部材36Rが作動位置にある場合に、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球される。即ち、電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36と同様に、作動位置にある場合に第1始動口314への遊技球99の制限を許容する一方で、第2始動口315への遊技球99の入球を許容する。また、電動サポート部材36Rは、作動位置にある場合に振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99、及び遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99のいずれもが第2始動口315に入球されることを許容する。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられている。退避誘導釘393,394は、電動サポート部材36Rの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する。即ち、退避誘導釘393,394は、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Rが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Rによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Rが作動されることで電動サポート部材36Rのサポートを受けた場合に第2始動口315に入球され、電動サポート部材36Rによるサポートを受けることができなかった場合には第1始動口314に入球される。そのため、本実施形態では、第1通路351によって第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352によって第1始動口314に遊技球99が入球される状態と、第2通路352又は電動サポート部材36Rによって第2始動口315に遊技球が入球される状態との3つの状態をとり得る。また、第2通路352に振り分けられた遊技球99が第1始動口314及び第2始動口315のいずれかに入球するかは電動サポート部材36Rの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Rの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態では、振分装置35と電動サポート部材36Rとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352に振り分けられた遊技球99の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態の電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態と同様に、第2始動口315への遊技球99の入球の制限の有無だけでなく、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99の第1始動口314への入球の制限の有無を同時に切り替える。そのため、本実施形態の遊技機10では、前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35と電動サポート部材36Rとが協働することで、第1始動口314と第2始動口315との入球比率を可変化することができる。これにより、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なるモードA(期待値が0%)、モードC(期待値が50%)及びモードE(期待値が100%)の3つの遊技状態を実現し、入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて遊技の単調さを低減し、電動サポート部材36Rの動作を制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
ところで、前述の第1の実施形態では、電動サポート部材36のように右打ち時の遊技球が第1始動口314Rの上方を通過して第2始動口315に入球する。この場合、第1始動口314Rの上方を遊技球が通過するタイミングで電動サポート部材36が待機位置に復帰した場合、右打ち時の遊技球が第1始動口314に入球する可能性がある。これに対して、本実施形態では、右打ち時の遊技球が電動サポート部材36Rの右誘導部362Rによって第2始動口315に誘導されるため、右打ち時の遊技球が第1始動口314の上方を通過することがない。そのため、右打ち時の遊技球が第1始動口314に入球されることを防止できる。
なお、電動サポート部材36Rの貫通部は、前方に開放した切欠状に限らず、水平方向に開放することなく、上方及び下方にのみ開放する貫通孔であってもよい。
<第31の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36によって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、普通電動役物が電動チューリップとして構成されている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、普通電動役物が電動チューリップとして構成されているため、第1始動口及び第2始動口の構成も前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図67(A)及び図67(B)を参照して第31の実施形態を具体的に説明する。ここで、図67(A)及び図67(B)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動チューリップ役物装置36Sを含む遊技盤31の要部を示す図であり、図67(A)は電動チューリップ役物装置36Sが閉鎖された状態を、図67(B)は電動チューリップ役物装置36Sが開放された状態をそれぞれ示している。
前述の第1の実施形態では、機能が同一の2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図67(A)及び図67(B)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。即ち、本実施形態の第1始動口314は、前述の第1の実施形態の第2始動口315の位置に設けられており、第1通路351に振り分けられた遊技球99及び第2通路352に振り分けられた遊技球99のいずれも、同一の第1始動口314に入賞可能である。また、本実施形態の第2始動口315は、後述の電動チューリップ役物装置36Sの内部に設けられている。
電動チューリップ役物装置36Sは、振分装置35の第2通路352の直下領域から右側にオフセットした位置に設けられ、遊技盤31に固定されたハウジング367S、及び回動可能な左右羽部材3681S,3682Sを有する。
ハウジング367Sは、左右羽部材3681S,3682Sの回動及び遊技球99の入球を許容する上部開口369Sを有する。この上部開口369Sは、電動チューリップ役物装置36Sの内部に遊技球99を導入する部分であり、振分装置35の第2通路352の直下領域よりも右側にオフセットした位置に設けられている。即ち、第2通路352に誘導された遊技球は、上部開口369Sに直接導入されることが制限されている。また、上部開口369Sの直下には、第2始動口315が設けられている。第2始動口315は、上部開口369Sと同様に、第2通路352に対して右側にオフセットしている。
また、上部開口369Sの上方には3本の釘により構成される三角釘31Sが設けられている。この三角釘31Sは、左右羽部材3681S,3682Sが閉鎖された状態(図67(A)参照)において、電動チューリップ役物装置36Sの内部への遊技球99の入球を制限する。なお、三角釘31Sに代えて、1本の釘により遊技球99の入球を制限してもよく、釘以外のもので遊技球の入球を制限してもよい。また、閉鎖状態での左右羽部材3681S,3682Sの先端部間の距離を小さくするなどして、左右羽部材3681S,3682Sが閉鎖された状態での電動チューリップ役物装置36Sへの遊技球99の入球を制限できる場合、三角釘31Sを省略してもよい。
電動チューリップ役物装置36Sの右側には、遊技球99の通過を許容する隙間を介して、複数の釘により構成される道釘31M’(誘導部)が設けられている。道釘31M’は、左下がりに傾斜するように設けられており、遊技盤31の右側領域に打ち出されて右側領域を流下する遊技球99を電動チューリップ役物装置36Sに向けて誘導する。そのため、後述の左右羽部材3681S,3682Sが開放された状態(図67(B)参照)では、道釘31M’に誘導されることで、遊技球99が上部開口369Sを介して電動チューリップ役物装置36Sの内部に導入され、第2始動口315に遊技球99が入球される。一方、後述の左右羽部材3681S,3682Sが閉鎖された状態(図67(A)参照)では、道釘31M’に誘導された遊技球99は、右羽部材3682Sによって上部開口369Sへの入球が制限され、電動チューリップ役物装置36Sと道釘31M’の間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
左右羽部材3681S,3682Sは、遊技盤31の背面に設けられたソレノイド等の駆動手段(不図示)によって回動可能であり、駆動手段によって、左右羽部材3681S,3682Sの先端部が近接する閉鎖状態(図67(A)参照)と、左右羽部材3681S,3682Sの先端部が離間する開放状態(図67(B)参照)とが切り替えられる。なお、左右羽部材3681S,3682Sは、MPU41によって、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36と同様に駆動される。即ち、前述の第1の実施形態での普通電動役物制御処理(図19参照)において、普通電動役物(電動サポート部材36)の作動が本実施形態の左右羽部材3681S,3682Sの開放に相当し、普通電動役物(電動サポート部材36)の復帰が本実施形態の左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖に相当する。
図67(A)に示す左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖状態では、第2通路352を通過した遊技球99は、左羽部材3681Sの側面に衝突し、電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球できない。即ち、左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖状態では、第2通路352から放出される遊技球99の第2始動口315への入球が、左羽部材3681Sによって阻害される。このとき、左羽部材3681Sの側面に衝突した遊技球99は、左側に弾かれて球受部391に落下し、球受部391によって第1始動口314に誘導されることで第1始動口314に入賞する。また、遊技盤31の右側領域に打ち出されて道釘31M’によって電動チューリップ役物装置36Sに向けて誘導される遊技球99は、電動チューリップ役物装置36Sの側面に衝突し、電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球できない。このとき、電動チューリップ役物装置36Sの側面に衝突した遊技球99は、上述のように電動チューリップ役物装置36Sと道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
図67(B)に示す左右羽部材3681S,3682Sの開放状態では、第2通路352から放出される遊技球99は、左羽部材3681Sに拾われて電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球し、第2始動口315に入賞される。また、遊技盤31の右側領域を流下して道釘31M’によって電動チューリップ役物装置36Sに向けて誘導される遊技球99は、第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しする右羽部材3682Sに拾われて電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球し、第2始動口315に入賞される。即ち、電動チューリップ役物装置36Sは、左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖状態である場合に、振分装置35の第2通路352を通過した遊技球99、及び遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99のいずれもが第2始動口315に入球されることを許容する。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態の電動チューリップ役物装置36Sは、前述の第1の実施形態と同様に、第2始動口315への遊技球99の入球の制限の有無だけでなく、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99の第1始動口314への入球の制限の有無を同時に切り替える。そのため、本実施形態の遊技機10では、前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35と電動チューリップ役物装置36S(左右羽部材3681S,3682S)とが協働することで、第1始動口314と第2始動口315との入球比率を可変化することができる。これにより、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なるモードA(期待値が0%)、モードC(期待値が50%)及びモードE(期待値が100%)の3つの遊技状態を実現し、入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて遊技の単調さを低減し、電動チューリップ役物装置36S(左右羽部材3681S,3682S)の動作を制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。特に、電動チューリップ役物装置36Sとして構成する場合、例えば遊技盤31の左側領域に遊技球を打ち出す左打ちが奨励される遊技状態(例えばモードAやモードC)において、遊技盤31の右側領域に遊技球を打ち出す右打ちが行われた場合に電動チューリップ役物装置36Sに遊技球99が入球するのを防止するため遅延部(前述の第1の実施形態の電動サポート部材36の遅延ガイド364)を設ける必要はなく、公知の電動チューリップ役物装置36Sを採用できる。そのため、本実施形態の遊技機10は、前述の第1の実施形態に比べて設計が容易になるといった利点を有する。また、本実施形態では、第1始動口314が一つでよいことから、前述の第1の実施形態に比べて第1始動口及び入球センサを一つ省略できるため、この点においても前述の第1の実施形態に比べて設計が容易であり、また製造コスト的に有利である。
<第32の実施形態>
前述の第1の実施形態では、振分装置35の第2通路352の直下に右第1始動口314Rが設けられる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、振分装置の第2通路の直下に第1始動口とは機能の異なる一般入賞口が設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図68(A)を参照して第32の実施形態を具体的に説明する。ここで、図68(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36を含む遊技盤31の要部を示す図である。
図68(A)に示すように、本実施形態では、第1始動口314が1つである点で前述の第1の実施形態とは異なるが、この第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に設けられている点で前述の第1の実施形態と共通する。なお、第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315は、前述の第1の実施形態と同様に、導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられている。また、電動サポート部材36は、前述の第1の実施形態と同様に、可変入賞装置316の下方のステージ310の左側と、振分装置35の第2通路352の出口下方との間に一連に延びており、待機位置と作動位置との間で遊技盤31の前後方向に移動可能である。さらに、第2通路352の下方には、第1始動口ではなく、第1始動口314及び第2始動口315とは機能が異なる一般入賞口313’が設けられている。即ち、電動サポート部材36は、待機位置において一般入賞口313’が開放された状態とする一方で、作動位置において一般入賞口313’が閉鎖された状態とする。また、電動サポート部材36は、待機位置において一般入賞口313’を開放した状態では第2始動口315への遊技球の入球を制限する一方、作動位置において一般入賞口313’を閉鎖した状態では第2始動口315へ誘導し、第2始動口315への遊技球の入球を許容する。
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられた遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられた遊技球99は、電動サポート部材36が作動されることで電動サポート部材36のサポートを受けた場合に第2始動口315に入球され、電動サポート部材36によるサポートを受けることができなかった場合には一般入賞口313’に入球される。
ここで、従来の遊技機の振分装置は、第1始動部と第2始動部とに遊技球を振り分けるものであり、遊技が単調になる欠点があった。これに対して、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に入球される状態と、第2通路352の遊技球が一般入賞口313’に入球される状態と、第2通路352及び電動サポート部材36によって第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態との3つの状態をとり得る。また、第2通路352に振り分けられた遊技球99が一般入賞口313’及び第2始動口315のいずれに入球されるかは電動サポート部材36の作動の有無に依存し、電動サポート部材36の作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態では、振分装置35と電動サポート部材36との協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352に振り分けられる遊技球99の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
特に、本実施形態では、第2通路352の遊技球99が一般入賞口313’に入球し得ることで、従来の遊技機では実現し得ない新規な遊技性を有する遊技機10が提供される。具体的には、例えばモードAでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球されるが、第2通路352に振り分けられる遊技球99は第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されることなく一般入賞口313’に入球される。一方、潜伏確変としてのモードCでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球され、第2通路352に振り分けられる遊技球99は第2始動口315に入球する。即ち、振分装置35に導入された遊技球99は、モードAでは半分が始動口(第1始動口314)に入球されると共に半分が一般入賞口313’に入球される一方で、モードCでは全ての遊技球99が始動口(半部が第1始動口314、半分が第2始動口315)に入球される。そのため、モードCでは、モードAでは実行されない第2特図遊技が実行されるだけでなく、振分装置35に入球される遊技球数を基準とすれば、モードAの2倍数の特図遊技が実行される。換言すれば、モードC(潜伏確変)では、モードAに比べて大当たり抽選を受ける機会が2倍になる。このように、本実施形態では、従来の遊技機では実現し得なかった新たな遊技機の遊技機10が提供される。
また、第1始動口314と一般入賞口313’とで賞球数を異なったものとずれば、特図遊技における遊技球の増減を前述の第1の実施形態とは異なったものとすることもできる。例えば、一般入賞口313’に対する賞球数を第1始動口314に対する賞球数よりも多くすることで、特図遊技における遊技球の減少が緩やかな遊技性を付与できる。一方、一般入賞口313’に対する賞球数を第1始動口314に対する賞球数よりも少なくすることで、特図遊技における遊技球の減少が激しい遊技性を付与できる。この場合、大当たり遊技での獲得遊技球数を多くすることで、遊技球の増減の激しい遊技機10とすることもできる。
<第33の実施形態>
前述の第1の実施形態では、振分装置35の第2通路352の直下に右第1始動口314Rが設けられる場合を説明した。また、前述の第32の実施形態では、第2通路352の直下に一般入賞口313’が設けられる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、振分装置の第2通路の直下に第1始動口及び一般入賞口のいずれも設けられていない点で、前述の第1の実施形態及び第32の実施形態とは異なる。なお、本実施形態では、振分装置の第2通路の直下に第2始動口も設けられていない。
以下、図68(B)を参照して第33の実施形態を具体的に説明する。ここで、図68(B)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36を含む遊技盤31の要部を示す図である。
図68(B)に示すように、本実施形態では、第1始動口314が1つである点で前述の第1の実施形態とは異なるが、この第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に設けられている点で前述の第1の実施形態と共通し、さらには第32の実施形態と共通する。また、本実施形態は、第2始動口315及び電動サポート部材36についても前述の第1の実施形態及び第32の実施形態と共通する。一方、本実施形態では、振分装置35の第2通路352の直下には、第1始動口及び一般入賞口のいずれも設けられていない。また、振分装置35の第2通路352の直下には、第1始動口及び一般入賞口とは機能の異なる第2始動口やスルーゲート等の入賞口等も設けられていない。そして、本実施形態では、電動サポート部材36が作動位置にある場合に遊技球99を第2始動口315へ誘導し、第2始動口315への遊技球の入球を許容する点で前述の第1の実施形態及び第32の実施形態と共通するが、電動サポート部材36が待機位置にある場合には、第2通路352の遊技球99は遊技盤31に沿って落下し、各種入賞口に入賞することなくアウト口317から排出される点で、前述の第1の実施形態及び第32の実施形態とは異なる。
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36が作動されることで電動サポート部材36のサポートを受けた場合に第2始動口315に入球され、電動サポート部材36によるサポートを受けることができなかった場合にはアウト口317から排出される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に入球する状態と、第2通路352の遊技球がアウト口317から排出される状態と、第2通路352及び電動サポート部材36によって第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球する状態との3つの状態をとり得る。また、第2通路352に振り分けられる遊技球99がアウト口317から排出されるか、第2始動口315に入球されるかは電動サポート部材36の作動の有無に依存し、電動サポート部材36の作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36との協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352に振り分けられた遊技球99の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
特に、本実施形態では、第2通路352の遊技球99が第1始動口314にも第2始動口315にも入球されないことで、従来の遊技機ではなし得ない新規な遊技性を有する遊技機10が提供される。具体的には、例えばモードAでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球されるが、第2通路352に振り分けられる遊技球99はアウト口317から排出される。一方、潜伏確変であるモードCでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球され、第2通路352に振り分けられる遊技球99は第2始動口315に入球される。即ち、振分装置35に導入された遊技球99は、モードAでは半分が始動口(第1始動口314)に入球されると共に半分がアウト口317から排出される一方で、モードCでは全ての遊技球99が始動口(半部が第1始動口314、半分が第2始動口315)に入球される。そのため、モードCでは、モードAでは実行されない第2特図遊技が実行されるだけでなく、振分装置35に入球される遊技球数を基準とすれば、モードAの2倍数の特図遊技が実行される。換言すれば、モードC(潜伏確変)では、モードAに比べて大当たり抽選を受ける機会が2倍になる。このように、本実施形態では、従来の遊技機では実現し得なかった新たな遊技機の遊技機10が提供される。
なお、本実施形態では、第2通路352を通過した遊技球は、電動サポート部材36によるサポートがない場合にアウト口317から排出されるが、振分装置35の下方において、第2通路352から離れた位置に入賞口を設け、第2通路352を通過した遊技球が当該入賞口に入球し得るようにしてもよい。
<第34の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入球がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に沿ってスライド移動される点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図69及び図70を参照して第34の実施形態を具体的に説明する。ここで、図69(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び待機状態にある電動サポート部材36Tを含む遊技盤31の要部を示す図、図69(B)は図69(A)の要部の斜視図、図70(A)は図69(A)において電動サポート部材36Tが作動位置にある場合の要部を示す図、図70(B)は図70(A)の要部を示す斜視図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図69(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Tが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Tに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
電動サポート部材36Tは、若干左下がりに傾斜した板状であり、遊技盤31に沿って電動サポート部材36Tにおける遊技球99の移動方向に沿って移動可能である。具体的には、電動サポート部材36Tは、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上の待機位置と、道釘31M’の左方側に隣接する作動位置との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Tは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置との間で動作可能である。
図69(A)及び図69(B)に示すように、電動サポート部材36Tが待機位置にある場合、即ち電動サポート部材36Tが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材36Tは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Tが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Tによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Tは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な隙間を形成する。そのため、道釘31M’によって第2始動口315側に誘導される遊技球99は、電動サポート部材36T(第2始動口315)と道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
図70(A)及び図70(B)に示すように、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合、即ち電動サポート部材36Tが道釘31M’の左方側に隣接する位置する場合、電動サポート部材36Tは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入球が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左側に移動する遊技球は、電動サポート部材36Tによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、第2始動口315の左上方には、ガード部としての複数のガード釘31B(本実施形態では2本)が配設されている。複数の釘31Bは、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Tから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止するものである。即ち、電動サポート部材36Tから第2始動口315に向かう遊技球99は、移動速度が大きな場合等には、第2始動口315にダイレクトに入球されることなく、複数のガード釘31Bに衝突してから第2始動口315に入球される。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられた遊技球99は、電動サポート部材36Tが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Tが待機位置にある場合に道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合、電動サポート部材36Tが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられる遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Tの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Tの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態において、振分装置35と電動サポート部材36Tとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
<第35の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に交差する方向に(略水平面で)回動可能である点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図71を参照して第35の実施形態を具体的に説明する。ここで、図71(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Uを含む遊技盤31の要部を示す図、図71(B)は図71(A)の要部を示す図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図71(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Uが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Uに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
図71(A)及び図71(B)に示すように、電動サポート部材36Uは、幅方向の縁部上方に突出する一対の壁部361Uを有する板状であり、若干左下がりに傾斜して配置されている。一対の壁部361Uは、右側(上流側)の端部362から左側(下流側)の端部363に遊技球99を導くガイドとして機能する。電動サポート部材36Uには、回転軸362Uが設けられており、この回転軸362Uにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材36Uが平面視において図71(B)の時計回り方向及び反時計回り方向に回転される。電動サポート部材36Uは、若干傾斜した状態であることから、水平面に対して若干傾斜した略水平面において回転される。
また、電動サポート部材36Uは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで略水平面において回転され、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上の待機位置(図71(A)及び図71(B)の実線の位置)と、道釘31M’の左側に隣接する作動位置(図71(A)及び図71(B)の2点鎖線の位置)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Uは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置との間で動作可能である。
図71(A)及び図71(B)に実線で示す待機位置に電動サポート部材36Uがある場合、即ち電動サポート部材36Uが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材36Uは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Uが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Uによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Uは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な隙間を形成する。そのため、道釘31M’によって第2始動口315側に誘導される遊技球99は、電動サポート部材36U(第2始動口315)と道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
一方、図71(A)及び図71(B)に2点鎖線で示す作動位置に電動サポート部材36Uがある場合、即ち電動サポート部材36Uが道釘31M’の左側に隣接する位置する場合、電動サポート部材36Uは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入球が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左側に移動する遊技球は、電動サポート部材36Tによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Uが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Uが待機位置にある場合に道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Uが作動位置にある場合、電動サポート部材36Uが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられる遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Uの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Tの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Uとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、電動サポート部材36Uは、水平面に対して傾斜させることなく、水平に配置し、水平面に沿って回動可能に構成してもよい。この場合、電動サポート部材36Uの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
<第36の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に沿って鉛直面において回動可能である点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図72を参照して第36の実施形態を具体的に説明する。ここで、図72は、本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Vを含む遊技盤31の要部を示す図であり、図72(A)は電動サポート部材36Vが待機位置にある場合、図72(B)は電動サポート部材36Vが待機位置と作動位置の中間位置にある場合、図72(C)は電動サポート部材36Vが作動位置にある場合をそれぞれ示している。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図面上は省略しているが、前述の第34の実施形態及び第35の実施形態と同様に、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、図72(A)に示すように、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、本実施形態においても、可変入賞装置316の下方のステージ310(不図示)の左側には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方と、第2始動口315の上方との間で回動可能に電動サポート部材36Vが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Vに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
電動サポート部材36Vには、回転軸362Vが設けられており、この回転軸362Vにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材36Vが遊技盤31の沿う鉛直面において図72(A)~図72(C)の時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。また、電動サポート部材36Vは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで鉛直面において回転され、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上の待機位置(図72(A)の実線の位置)と、道釘31M’の左側に隣接する作動位置(図72(C)の実線の位置)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Vは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置(図72(A)の実線の位置)と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置(図72(C)の実線の位置)との間で動作可能である。なお、電動サポート部材36Vは、待機位置及び作動位置において若干左下がりに傾斜した状態とされている。これにより、電動サポート部材36Vにおいて、遊技球99を左側に移動させやすくなる。但し、電動サポート部材36Vは、水平に配置してもよく、この場合には電動サポート部材36Vの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
図72(A)に実線で示す待機位置に電動サポート部材36Vがある場合、即ち電動サポート部材36Vが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材36Vは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Vが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Vによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Vは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な隙間を形成する。そのため、道釘31M’によって第2始動口315側に誘導される遊技球99は、電動サポート部材36V(第2始動口315)と道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
一方、図72(C)に実線で示す待機位置に電動サポート部材36Vがある場合、即ち電動サポート部材36Vが道釘31M’の左側に隣接する位置する場合、電動サポート部材36Vは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入球が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左方に移動する遊技球は、電動サポート部材36Vによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Vが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Vが待機位置にある場合に道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Vが作動位置にある場合、電動サポート部材36Vが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられる遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Vの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Vの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Vとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態では、電動サポート部材36Vが第2始動口315の上方と道釘31M’の左方との2か所を停止位置としているが、これらの停止位置に加えて、図72(B)に示す電動サポート部材36Vが起立する位置を作動位置として停止するようにしてもよい。この電動サポート部材36Vが起立する位置では、第2始動口315、及び第2始動口315と道釘31M’との間の隙間の双方が同時に開放される。そのため、第2通路352の遊技球99が第2始動口315に入球可能であるのに対して、振分装置35の右側を流下する遊技球99や道釘31M’を移動する遊技球99の第2始動口315への入球が、起立した電動サポート部材36Vによって制限される。これにより、退避誘導釘393,394などの退避誘導部を設けるまでもなく、電動サポート部材36Vが短時間開放される遊技状態(モードA~モードC)において、振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Vによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
<第37の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入球がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に交差する方向に(略水平面で)回動可能であり、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有する点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図73及び図74を参照して第37の実施形態を具体的に説明する。ここで、図73(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び待機位置にある電動サポート部材36Wを含む遊技盤31の要部を示す図、図73(B)は図73(A)の要部の斜視図、図74(A)は図73(B)において電動サポート部材36Wが作動位置にある場合を示す図、図74(B)は本実施形態における電動サポート部材36Wの変形例を示す平面図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図73(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Wが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Wに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
図73(A)及び図73(B)に示すように、電動サポート部材36Wは、平面視において楕円形の板材であり、楕円形の貫通孔363W及び閉鎖部364Wを有する。電動サポート部材36Wは、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有し、若干左下がりに傾斜した状態で配置されている。これにより、電動サポート部材36Wは、作動位置において道釘31M’の遊技球99を第2始動口315に適切に移動させることができる。なお、電動サポート部材36Wは、水平に配置してもよく、この場合にはサポート部材36Wの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
貫通孔363Wは、短径が遊技球99の直径よりも大きく、遊技球99の通過が可能である。また、貫通孔363Wは、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に第2始動口315と道釘31M’との間に位置し、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合に第2始動口315の直上に位置することが可能な箇所に形成されている。なお、電動サポート部材36W及び貫通孔363Wの形状は、楕円形に限らず、円形、長円形、長矩形などの他の形状であってもよい。閉鎖部364Wは、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に第2始動口315の上方に位置し、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合に第2始動口315と道釘31M’との間に位置する。
電動サポート部材36Wには、回転軸362Wが設けられており、この回転軸362Wにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材36Wが遊技盤31に交差する方向に(略水平面で)、図73(B)の時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。また、電動サポート部材36Wは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで略水平面において回転され、振分装置35の第2通路352を塞く一方で貫通孔363Wが第2始動口315と道釘31M’との間に位置する待機位置(図73(B)参照)と、貫通孔363Wが振分装置35の第2通路352の直上に位置して第2始動口315を開放する一方で、第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しする作動位置(図74(A)参照)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Wは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置との間で動作可能である。
電動サポート部材36Wが待機位置にある場合、即ち電動サポート部材36Wの閉鎖部364Wが第2始動口315の上方に位置し、貫通孔363Wが道釘31M’の左側に隣接する位置にある場合、電動サポート部材36Wは閉鎖部364Wによって第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Wが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Wによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Wは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な位置に貫通孔363Wが位置する。そのため、道釘31M’によって左側に誘導される遊技球99は、貫通孔363Wを通過し、アウト口317から排出される。
一方、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合、即ち電動サポート部材36Wの貫通孔363Wが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置し、閉鎖部364Wが第2始動口315と道釘31M’との間に位置する場合、電動サポート部材36Wは、貫通孔363Wによって第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入賞が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を閉鎖部364Wによって橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左側に移動する遊技球は、電動サポート部材36Wによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に貫通孔363Wを通過して道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合、電動サポート部材36Wの貫通孔363Wが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左方に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられた遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Wの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Wの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Wとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、電動サポート部材36Wは、上下にのみ開放する貫通孔363Wに代えて、図74(B)に示すように、上下だけでなく一部が側方に開放した切欠などの貫通部363W’を設けたものであってもよい。
<第38の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入球がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、水平方向に対して傾斜した回転軸周りに回転可能であり、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有する点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図75から図78を参照して第38の実施形態を具体的に説明する。ここで、図75(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Xを含む遊技盤31の要部を示す図、図75(B)は電動サポート部材36Xの斜視図、図76(A)は図75(B)のA5-A5切断線に沿う断面図、図76(B)は図75(B)のA6-A6切断線に沿う断面図、図77(A)は電動サポート部材36Xが待機位置にある場合の電動サポート部材36Xを含む要部を示す図、図77(B)は電動サポート部材36Xが作動位置にある場合の電動サポート部材36Xを含む要部を示す図、図78は本実施形態における電動サポート部材36Xの変形例を示す斜視図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図75(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左側には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Xが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Xに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
図75(A)、図75(B)、図76(A)及び図76(B)に示すように、電動サポート部材36Xは、第1貫通部361X及び第2貫通部362Xを有し、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有し、若干左下がりに傾斜した状態で配置されている。これにより、電動サポート部材36Xは、作動位置において道釘31M’の遊技球99を第2始動口315に適切に移動させることができる。なお、電動サポート部材36Xは、水平に配置してもよく、この場合にはサポート部材36Wの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
第1貫通部361Xは、互いに対向する一対の突出片361aX,361bXによって規定され、左側方に開放している。第1貫通部361Xは、振分装置35の第2通路352の直下に位置し、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に突出片361aXによって第2始動口315への遊技球99の入球を制限し(図77(A)参照)、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合に上下方向に貫通した状態となることで第2始動口315への遊技球99の入球を許容する(図77(B)参照)。
第2貫通部362Xは、互いに対向する一対の突出片362aX,362bXによって規定され、右側方に開放している。また、第2貫通部362Xは、第1貫通部361Xと直交する方向に貫通している。なお、第2貫通部362Xは、必ずしも第1貫通部362Xと直交した方向に貫通している必要はなく、第1貫通部361Xと交差する方向に貫通していればよい。第2貫通部362Xは、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間に位置し、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に上下方向に貫通した状態となることで第2始動口315と道釘31M’との間の隙間での遊技球99の通過を許容し(図77(A)参照)、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合に突出片362aXによって第2始動口315と道釘31M’との間に遊技球99の通過を制限する(図77(B)参照)。
電動サポート部材36Xは、MPU41によって制御されるソレノイド等の駆動手段(不図示)によって水平方向に対して若干傾斜した略水平方向に沿って延びる回転軸周りに回転可能とされる。また、電動サポート部材36Xは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで回転され、第1貫通部361Xが前後方向に貫通した状態となって振分装置35の第2通路352を塞く一方で、第2貫通部363Wが第2始動口315と道釘31M’との間で上下方向に貫通した状態となる待機位置(図77(A)参照)と、第1貫通部361Xが振分装置35の第2通路352の直下において上下方向に貫通する一方で、第2貫通部362Wが前後方向に貫通して第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しする作動位置(図77(B)参照)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Xは、図77(A)に示す第2始動口315を閉鎖状態とする一方で第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を開放状態とする待機位置と、図77(B)に示す第2始動口315を開放状態とする一方で第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を閉鎖状態とする作動位置との間で動作可能である。
図77(A)に示すように、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合、電動サポート部材36Xは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Xが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Xによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Xは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間で第2貫通部362Xが上下方向に貫通することで遊技球99が通過可能である。そのため、道釘31M’によって左側に誘導される遊技球99は、第2貫通部362Xを通過し、アウト口317から排出される。
一方、図77(B)に示すように、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合、電動サポート部材36Xは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入賞が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左方に移動する遊技球は、電動サポート部材36Xによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられた遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に第2貫通部362Xを通過して道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合、電動サポート部材36Xの第1貫通部361Xが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第1貫通部361Xを通過して第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられた遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Xの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Xの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Xとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、電動サポート部材36Xは、上下だけでなく一部が側方に開放した第1貫通部361X及び第2貫通部362Xに代えて、図78に示すように、上下にだけ開放した貫通孔361X’,362X’を設けたものであってもよく、上下だけでなく一部が側方に開放した貫通部と、上下にだけ開放した貫通孔とを併用してもよい。
さらに、第30~第38の実施形態では、第1始動口314が1つ設けられていたが、前述の第1の実施形態と同様に、2つの第1始動口を設け、一方の第1始動口によって第1通路351から放出される遊技球99を入球させ、他方の第1始動口314Lによって第2通路352から放出される遊技球99を入球させるようにしてもよい。
また、第30~第38の実施形態では、前述の第1の実施形態と同一の構成については、前述の第1の実施形態と同様な変更が可能であり、前述の第2~12の実施形態の構成(図26~図54参照)及びその変形例の構成を採用することもできる。例えば、第30~第37の実施形態では、振分部として、第9の実施形態のローラ38C(図53(A)参照)及び第10の実施形態の風車38D(図53(B)参照)などの回転体、第11の実施形態の山状固定部38E(図54(A)参照)、第12の実施形態の三角釘38F(図53(A)参照)、及び三角釘38Fの頂点釘のみの1本釘などの固定振分部を好適に採用できる。このような回転体や固定振分部を振分部として採用した場合、遊技者は振分部による第1通路351と第2通路352との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路352に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路352に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路352に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[第39~第85の実施形態]
前述の第1の実施形態では、振分装置が遊技盤31の中央下部(図柄表示部の下方)に設けられ、遊技盤の左側領域に打ち出された遊技球が振分装置に導入される場合について説明した。一方、第39~第85の実施形態に係る遊技機は、振分装置が遊技盤31の右側下部(図柄表示部の右方)に設けられ、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球が振分装置に導入される点で前述の第1の実施形態とは異なる。また、第39~第85の実施形態に係る遊技機は、第1通路に振り分けられる遊技球が第1始動口に入球不能であるのに対して、第1通路に振り分けられる遊技球が普通電動役物のサポートを受けて第2始動口に入球可能である点でも前述の第1の実施形態とは異なる。以下、第39~第85の実施形態について、図面を参照しつつ個別に説明する。なお、第40~第85の実施形態は、第39の実施形態の変形例である。
<第39の実施形態>
前述の第1の実施形態では、振分装置35が遊技盤の左側領域に打ち出される左打ち時の遊技球が導入可能に遊技盤31の中央下部(図柄表示部341の下方)に設けられ、可変入賞装置316が遊技盤の右側領域に打ち出される右打ち時の遊技球が入球可能に遊技盤31の右側下部(図柄表示部341の右方)に設けられていた。また、前述の第1の実施形態では、電動サポート部材36が待機位置にある場合に振分装置35の第1通路351及び第2通路352の遊技球が第1始動口314に入球可能であり、電動サポート部材36が作動位置にある場合に、振分装置35の第2通路352に振り分けられた遊技球、及び遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球のいずれも入球可能である。つまり、前述の第1の実施形態では、左打ち時の遊技球が第1移動口314又は第2始動口315に入球可能であり、右打ち時の遊技球が第2始動口に入球可能である。
一方、本実施形態に係る遊技機では、可変入賞装置及び第1始動口が図柄表示部の下方に設けられ、左打ち時の遊技球が可変入賞装置及び第1始動口に入球可能である。また、本実施形態では、振分装置及び第2始動口が図柄表示部の右方に設けられ、右打ち時の遊技球が振分装置に導入されると共に第2始動口に入球可能である。なお、本実施形態では、右打ち時の遊技球が第2始動口に入球しない場合に、右打ち時の遊技球が可変入賞装置に入球可能に道釘が設けられている。但し、本実施形態では、前記道釘を省略し、又は前記道釘の配置を変えるなどして、右打ち時の遊技球が可変入賞装置に入球しないようにしてもよい。
以下、本実施形態に係る遊技機を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点である振分装置、及び振分装置との関連部分を中心に図79~図93を参照して具体的に説明する。
ここで、図79は、本実施形態に係る遊技機の遊技盤の一例を示す正面図である。図80は、図79に示す遊技機の振分装置及び第2始動口を含む遊技盤の一例を示す図である。図81は、図80の振分装置の振分部を示す図である。図82は、図80の振分装置の振分部の動作を示す図である。図83及び図84は、図80の振分装置の振分部の作用を示す図である。図85は、図80の可変入賞装置の開閉扉を示す斜視図である。図86(A)は図80のA6-A6切断線に沿う断面図、図86(A)は図80のA6-A6切断線に沿う断面図、図86(B)は図80のA7-A7切断線に沿う断面図である。図87(A)は図86(A)において電動サポート部材が作動位置にある場合の図、図87(B)は図86(A)において電動サポート部材が作動位置にある場合の図である。図88は、同期ランプの点灯タイミング及び消灯タイミングの一例を示す図である。
図79に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、振分装置92、スルーゲート319’、第1始動口314、第2始動口315、可変入賞装置316及び電動サポート部材93を備える。これらのうち、第1始動口314及び可変入賞装置316は図柄表示部341の下方に設けられ、第2始動口315、振分装置92及び電動サポート部材93は図柄表示部341の右方に設けられている。
具体的には、第1始動口314は、図柄表示部341の下方に設けられ、遊技盤31の左側領域に打ち出す左打ち時の遊技球が入可能に配置されている。可変入賞装置316は、図柄表示部341の下方において、第1始動口314とアウト口317との間に設けられている。可変入賞装置316は、開閉扉316aが開放されることで、左打ち時の遊技球のうち、第1始動口314に入球されなかった遊技球が可変入賞口316bに入球可能になされる。また、開閉扉316aが開放された状態で遊技盤31の右側領域に遊技球を打ち出した場合、第2始動口315に入球されなかった遊技球が可変入賞口316bに入球可能である。第2始動口315は、振分装置92の下方における第1通路921と第2通路922との間に設けられ、電動サポート部材93によって開閉可能とされている。なお、第1始動口314及び第2始動口315は、遊技球が入球されることを条件に大当たり抽選の機会を付与するものである。
図86(B)及び図87(B)に示すように、スルーゲート319’は、後述の振分装置92の第2通路922を遊技球99が通過したことを検知する。スルーゲート319’は、例えば近接センサを含み、この近接センサによって遊技球99の通過を検知する。スルーゲート319’によって第2通路922を遊技球99が通過したことが検知された場合、普図当たり抽選が行われ、普図当たり抽選の結果が当たりである場合に、電動サポート部材93が所定時間作動する。そのため、振分装置92の第2通路922に遊技球99が振り分けられた場合、電動サポート部材93が作動し、第2始動口315に遊技球が入球し得る。そして、第2始動口315は、遊技球99が入球されることを条件に大当たり抽選の機会を付与するものであることから、振分装置92では、第1通路921に遊技球99が振り分けられる場合に比べて、第2通路922に遊技球99が振り分けられるほうが有利である。
なお、スルーゲート319’によって第2通路922を遊技球99が通過したことが検知された場合、普図当たり抽選を行うことなく、スルーゲート319’によって第2通路922を遊技球99が通過したことが検知されてから所定時間経過後に電動サポート部材93が作動を作動させるようにしてもよい。この場合、特図遊技状態の種別に応じて電動サポート部材93を作動させるタイミング及び作動時間を設定することが好ましい。例えば、モードAでは、スルーゲート319’を通過した遊技球99が第2始動口315に入球しないように電動サポート部材93の正面を通過した後に電動サポート部材93をショート作動させる。また、モードBでは、スルーゲート319’を通過した遊技球99が電動サポート部材93によりサポートを受けて第2始動口315に入球可能なタイミングで電動サポート部材93をショート作動させる。さらに、モードEでは、スルーゲート319’を通過した遊技球99が電動サポート部材93によるサポートを受けて第2始動口315だけでなく、スルーゲート319’を通過した遊技球99の後に打ち出される一定数の遊技球99も第1通路921を通過した場合でも第2始動口315に入球可能なように電動サポート部材93をロング作動させる。
電動サポート部材93は、図86(A)及び図86(B)に示す待機位置と、図87(A)及び図87(B)に示す作動位置との間で、ソレノイドなどの駆動手段(不図示)によって回動可能であり、第2始動口315を開閉する。電動サポート部材93は、図86(A)及び図86(B)に示す待機位置にある場合に振分装置92から放出される遊技球の第2始動口315への入球を制限し、図87(A)及び図87(B)に示す作動位置にある場合に振分装置92から放出される遊技球の第2始動口315への入球を許容する。
図85に示すように、電動サポート部材93は、ベース931、一対のガード壁932、及び一対のガイド933を有する。ベース931は、電動サポート部材93を遊技盤31に回動可能に取り付けるための一対の取り付け部934を有し、電動サポート部材93が作動位置にある場合に遊技盤31から水平よりも若干上方に突出する(図87(A)及び図87(B)参照)。これにより、電動サポート部材93は、作動位置にある場合に、後述の振分装置92の第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球99を受け取ることができる。一対のガード壁932は、ベース931の左右の縁部において延出し、ベース931が受け取った遊技球99がベース931の左右からこぼれ落ちるのを防止する。ベース931が受け取った遊技球99を第2始動口315に誘導するものである。一対のガイド933は、ガード壁932から第2始動口315の近傍まで延びており、遊技球99が通過可能な隙間を第2始動口315の正面に形成している。
ここで、電動サポート部材93の作動時間は、後述のように遊技状態よって規定されており、遊技状態がモードA及びモードBの場合にショート作動し(例えば0.05秒)、モードEの場合にロング作動する(例えば1秒)(図89(B)参照))。電動サポート部材93がロング作動するモードEでは、第2通路922を遊技球が通過することを契機とする普図当たり抽選での結果が当たりである場合に、第2通路922を通過した遊技球99だけでなく、第1通路921を通過した遊技球99も、第1始動口314よりも有利な第2始動口315に入球可能である。そのため、モードEでは、遊技盤31の右側領域に遊技球99を打ち出す右打ちを行うことが奨励される。また、電動サポート部材93がショート作動するモードBでは、第1通路921を通過した遊技球99の第2始動口315への入球は困難であるが、第2通路922を通過した遊技球99は第2始動口315に入球可能である。モードBにおいても、第1始動口314よりも大当たり時の大当たり種別の振り分けが有利な第2始動口315に遊技球が入球可能であるため(図12(C)及び図12(D))、右打ちを行うことが奨励される。なお、モードAでは、時短が無く(図89(B)参照))、普図当たり当否テーブルとして低確率テーブルが参照されることから(図13(C)参照))、第2通路922を通過した遊技球99は第2始動口315に入球できない。それどころか、遊技盤31の右側領域には第1始動口314が設けられておらず、第1始動口314は左打ち時の遊技球99が入球可能に遊技盤31の中央下部に設けられている。そのため、モードAでは、右打ちを行うことは得策ではなく、第1始動口314に遊技球99を入球させるように左打ちが奨励される。
振分装置92は、図柄表示部341の右方に設けられており、右打ち時の遊技球を振り分ける。図80に示すように、振分装置92は、導入口920、振分部材94、第1通路921、第2通路922及び同期ランプ923を備える。この振分装置92では、導入口920を介して入球した遊技球99が振分部材94の左方向(図4及び図5(A)の反時計回り方向)及び右方向(図4及び図5(A)の時計回り方向)への回転によって第1通路921及び第2通路922のいずれかに振り分けられる。なお、導入口920、振分部材94、第1通路921及び第2通路922は、ハウジング924によって規定されている。このハウジング924は、振分部材94を内部に収容しており、例えば無色透明又は有色透明の合成樹脂により形成されて内部が視認可能とされている。そのため、振分装置92では、振分部材94が外部から視認可能である、なお、ハウジング924は、必ずしも全体を透明に形成する必要はなく、少なくとも振分部材94が外部から視認可能であればよい。また、本実施形態のように、振分部材94の姿勢を報知する後述の同期ランプ923を備える場合には、必ずしも振分部材94を視認可能にする必要はなく、少なくとも同期ランプ923の点灯状態を視認可能にすればよい。
導入口920は、振分装置92への遊技球99の入球を許容する部分である。この導入口920は、遊技盤31の右側領域の下部よりの部位(図柄表示部341の右方)において、遊技盤31に先細りとなるように袴状に打設された一対の寄り釘31Yの直下に配置されている。一対の寄り釘31Yは、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99の全てを導入口920に誘導可能であり、最下部の釘対が導入口920の直上に配置されている。これにより、右打ち時の遊技球99は、全て寄り釘31Yによって導入口920に誘導される。換言すれば、右打ち時の遊技球99は、全て導入口920を介して振分装置92に導入される。右打ち時の遊技球99の全てが振分装置92に導入されることで、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで打ち出した遊技球99を高確率で振分装置92に導入させることが可能になる。また、寄り釘31Yに代えて、右打ちされた全遊技球を樹脂等により形成された規定ルートを通過させて振分装置92に遊技球99が導入されるようにしてもよい。この場合、規定ルートでの遊技球99の移動距離や移動速度によって遊技球99の打ち出しから振分装置92に導入されるまでの時間を一定化することが可能になる。これにより、寄り釘31Yによって右打ち時の遊技球99を振分装置92に導入する場合に比べて、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで打ち出した遊技球99をより高確率で振分装置92に導入させることが可能になる。もちろん、右打ち時の遊技球99の全てではなく一部の遊技球99のみが振分装置92に導入されるようにしてもよい。
第1通路921及び第2通路922は、下方に開放しており、各々の通路921,922に振り分けられた遊技球99は、電動サポート部材93に向けて下方に放出される。
図81(A)に示すように、振分部材94は、導入口920から導入された遊技球99を第1通路921又は第2通路922に振り分けるものであり、回転軸941、左球受誘導片942L、右球受誘導片942R、偏心部943及び負荷発生部944を有する。振分部材94では、前後方向に延びる回転軸941を中心として、回転軸941、球受誘導片942、偏心部943及び負荷発生部944が一体的に、図80の時計回り方向(第1方向)及び反時計回り方向(第2方向)のいずれにも回転可能である。
球受誘導片942は、回転軸941から左上方に延出する左球受誘導片942L、及び右上方に延出する右球受誘導片942Rを含み、左球受誘導片942Lと右球受誘導片942Rとは線対称の関係に設けられている。この球受誘導片942は、振分部材94が遊技球99を受け取った場合の姿勢や回転方向に応じて、遊技球99を第1通路921及び第2通路922のいずれかに振り分ける。例えば、球受誘導片942は、左球受誘導片942Lと右球受誘導片942Rとの対称軸が垂直軸よりも左側に回転した位置にあり、振分部材94が反時計回り方向に回転している場合に左球受誘導片942Lによって第1通路921に遊技球99を振り分け、対称軸が垂直軸よりも右側に回転した位置にあり、振分部材94が時計回り方向に回転している場合に右球受誘導片942Rによって第2通路922に遊技球99を振り分ける。
偏心部943は、左球受誘導片942Lと右球受誘導片942Rとの対称軸に沿って回転軸941の前方側で下方に延出する支持部946を介して回転軸941に一体化されている。偏心部943は、回転軸941と同方向に延びる円柱状であり、支持部946に対して左側にオフセットしている。これにより、振分部材94は、静止した状態において反時計回り方向に回転した位置で停止する。その結果、球受誘導片942は、静止状態において若干左側に傾斜した姿勢(左球受誘導片942Lが右球受誘導片942Rよりも若干低位の姿勢)とされるため、第1通路921に遊技球99を振り分ける状態で待機する。また、振分部材94は、偏心部943によって球受誘導片942が静止状態で左側に傾斜した状態とされることで、振分装置92の導入口920から導入される遊技球99が球受誘導片942によって受け止められた場合に静止状態を維持することを抑制できる。これにより、振分部材94が静止状態である場合に振分装置92に遊技球99が導入されたときの遊技球9の球詰まりを抑制できる。また、遊技場での開店時間において、振分部材94が遊技球99を第1通路921に振り分ける状態となっていることで、遊技場の開店時に遊技者に有利な状態である、いわゆるモーニングに対する対策を行うことができる。なお、偏心部943は、円柱状に限らず、球状、半球状、角柱状等の円柱状以外の形状であってもよい。
負荷発生部944は、板バネであり、左球受誘導片942Lと右球受誘導片942Rとの対称軸に沿って回転軸941の後方側で下方に延出する。この負荷発生部944は、時計回り方向又は反時計回り方向に回転した場合に、振分部材94よりも全体的に下方に設けられた回転規制部945に干渉することで弾性力を発生する。なお、板バネとしては、金属製や樹脂製のものが好適に使用される。
回転規制部945は、基部947の左右縁部から上方に剛体又は略剛体として形成される一対の規制片948,949が延出した形状を有する上開きコの字状である。ここで、回転規制部945が剛体又は略剛体とは、回転規制部945に負荷発生部944が干渉した場合に、回転規制部945が全く変形しないか殆ど変形しないことを意味する。回転規制部945は、一対の規制片948,949の間に負荷発生部944が位置するように配置される。そのため、負荷発生部944は、一対の規制片948,949のいずれかに干渉した場合に弾性変形することで弾性力を発生する。負荷発生部944で発生した弾性力は、弾性力を発生させたときの回転方向とは反対方向に振分部材94を回転させる力として作用する。例えば、図82(A)及び図82(B)に示すように、振分部材94が反時計回り方向に回転されることで規制片949に干渉して負荷発生部944に弾性力が発生した場合、図82(B)~図82(D)に示すように、負荷発生部944は振分部材94を時計回り方向に回転させる。これとは逆に、図82(C)及び図82(D)に示すように、振分部材94が時計回り方向に回転されることで規制片948に干渉して負荷発生部944が弾性変形して弾性力が発生した場合、負荷発生部944は振分部材94を反時計回り方向に回転させる。なお、回転規制部945は、基部947を省略し、一対の規制片948,949のみで構成してもよい。また、規制片948,949は、弾性体として形成してもよい。この場合、規制片948,949は、負荷発生部944と干渉した場合に弾性変形することで振分部材94を回転させる弾性力を発生する。
また、規制片948には、負荷発生部944が干渉する部位に検知部95が設けられている。検知部95は、圧電素子であり、負荷発生部944が干渉することで電圧を発生する。即ち、検知部95からの出力を監視することで、負荷発生部944が規制片948に干渉していることを検知できる。負荷発生部944が規制片948に干渉している状態では、左球受誘導片942Lと右球受誘導片942Rとの対称軸が垂直軸よりも左側に回転した位置にあることから、検知部95の出力に基づいて振分部95が第2通路922に遊技球を振り分ける状態であることを知り得ることができる。なお、検知部95は、圧電素子に代えて、接点スイッチ、光学センサであってもよい。
ところで、図81(B)に示すように、振分部材94は、静止状態において、若干左側に傾斜した姿勢(左球受誘導片942Lが右球受誘導片942Rよりも若干低位の姿勢)とされるため、図83(A)に示すように、振分部材94の静止状態において振分装置92に遊技球99が導入された場合、球受誘導片942に遊技球99が受け取られることで振分部材94が反時計回り方向に回転される。このとき、負荷発生部944が規制片949に干渉することで、負荷発生部944が弾性変形し、負荷発生部944には振分部材94を時計回り方向に回転させる弾性力を発生する。そして、図83(B)に示すように、振分部材94が所定位置まで回転した場合、例えば左球受誘導片942Lの先端が水平よりも下方に位置する場合、遊技球99が左球受誘導片942Lによって振分装置92の第1通路921(図80参照)に振り分けられる。
ここで、振分部材94によって遊技球99が第1通路921に振り分けられた場合、負荷発生部944では振分部材94を時計回り方向に回転させる弾性力が発生する。そのため、振分部材94は、負荷発生部944の弾性力によって反時計回り方向に回転される。このとき、図83(C)及び図83(D)に示すよう負荷発生部944が規制片948に干渉することで、負荷発生部944が弾性変形し、負荷発生部944では振分部材94を反時計回り方向に回転させる弾性力が発生する。その後、振分部材94は、振分装置92への遊技球99の導入がない場合、時計回り方向及び反時計回り方向への回転を繰り返すが、減衰により徐々に振幅が小さくなって最終的には停止する。つまり、振分部材94は、静止状態になるまでの間に第1通路921に遊技球99が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)と、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)とが複数回繰り返えされることで回動する。
このような弾性力による振分部材94の回動動作において、振分部材94の単位回動周期Ts(図88参照)は、遊技球99の発射間隔Th(図88参照)の正の整数倍(例えば1倍~3倍、好ましくは1倍又は2倍)又はそれに近い値(例えば正の整数倍の±15%の範囲、好ましくは正の整数倍の±10%の範囲、より好ましくは正の整数倍の±5%の範囲)である。例えば、単位回動周期Tsは、発射間隔Thが0.6秒である場合、0.51秒~0.69秒、又は1.02秒~1.38秒の範囲に設定される。なお、遊技球99の発射間隔として複数の間隔が設定される場合、振分部材94の単位回動周期Tsは、最も短い発射間隔の正の整数倍又はそれに近い値とされる。
ここで、図88は、振分部材94が回動を行う場合の回転角度の経時的変化と、この経時的変化に対応する検知部95での出力電圧、発射電圧及び同期ランプ923の点灯・消灯制御の関係を示す。なお、図88において回転角度は、左球受誘導片942Kと右球受誘導片942Rとが垂直軸に対して左右対称位置にある場合が0°である。また、図88の例において、単位回動周期Tsは、例えば振分部材94が反時計回り方向(左回転方向)から時計回り方向(右回転方向)に回転方向を切り替える左切替点Plを起点とした場合に、時計回り方向から反時計回り方向に回転方向を切り替える右切替点Prを経由して再度左切替点Plに到達するまでの時間である。そして、図88に示す例は、単位回動周期Tsが発射間隔Thの2倍である。
このように、単位回動周期Tsが発射間隔Thの正の整数倍又はそれに近い値であることで、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)と、遊技球99の発射タイミングとをリンクさせ易くなる。また、遊技球99の発射タイミングと振分装置92の第2通路922に振り分けられるタイミングと合致させることができれば、その後は止め打ちを行うことによって高確率で第2通路922に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。例えば、図88の例では、遊技球99の発射タイミングと振分装置92の第2通路922に振り分けられるタイミングと合致させた後は、1球の打ち出しと、1球の打ち止めとを繰り返すことで、高確率で第2通路922に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。つまり、本実施形態に係る遊技機10では、遊技者の技量によって、第2通路922に高確率で遊技球99を通過させることが可能になる。
また、振分部材94が回動している場合に振分装置92に遊技球99が導入された場合、振分部材94によって遊技球99を受け取ったときの振分部材94の姿勢や回転方向が第1通路921に遊技球99を振り分ける状態にあれば、遊技球99は第1通路921に振り分けられる。これとは逆に、振分部材94によって遊技球99を受け取ったときの姿勢や回転方向が第2通路922に遊技球99を振り分ける状態にあれば、遊技球99は第2通路922に振り分けられる。
ところで、従来の遊技機としては、第1始動部と、この第1始動部とは機能が異なる第2始動部とに交互に遊技球を振り分ける振分装置を備えるものがある。しかしながら、従来の振分装置では、遊技者の意図に関係なく遊技球が物理的に第1始動部と第2始動部とに交互に振り分けられるため、遊技者による遊技の自由度が無いために遊技が単調になり、遊技の興趣が低下することが懸念される。また、前記振分装置は、半数の遊技球が第1始動部に入球されるため、確変遊技状態のように第2特図遊技を主体として特図遊技を実行したい場合に採用し難い。
これに対して、本実施形態に係る遊技機10では、振分部材94が静止している状態で振分装置92に遊技球が導入されることで振分部材94を時計回り方向及び反時計回り方向に交互に回転させることができる。また、振分部材94が回動している場合に振分部材94が遊技球99を受け取った場合、遊技球99の受け取り姿勢等に応じて遊技球99が第1通路921及び第2通路922のいずれかに振り分けられる。そして、振分部材94は、上述のように外部から視認可能であるため、遊技者は振分部材94の姿勢や回転方向を確認できる。これにより、遊技者は、振分部材94の姿勢(重心)を確認しつつ遊技球99の打ち出しを行うことが可能になるため、球止めスイッチ21bの操作及び非操作を繰り返して遊技球99を打ち出す、いわゆる止め打ちにより、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで遊技球99を打ち出すことが可能になる。また、遊技盤31の左側領域と右側領域とに1球ずつ交互に遊技球99を打ち出すことによっても、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで遊技球99を打ち出すことが可能になる。
図79及び図80に示す同期ランプ923は、例えば発光ダイオードなどの光源であり、振分部材94が振分装置92の第2通路922に遊技球を振り分ける姿勢である場合に点灯し、振分部材94によって第2通路922に遊技球99を振り分け可能なタイミングであることを遊技者に報知する。この同期ランプ923は、振分部材94の視認を阻害しない部位に設けられている。振分装置92のハウジング924には、同期ランプ923の正面領域に点灯マーク925が設けられている。点灯マーク925は、光を透過する透光性領域9251と、光の透過率が低く、光を透過しないか、光を殆ど透過しないマスク領域9252と、を含む(図88参照)。透光性領域9251は、星形に形成された無色透明又は有色透明な部分であり、同期ランプ923が点灯された場合に同期ランプ923の光を透過する。マスク領域9252は、透光性領域9251を囲むように透光性領域9251の周辺部において外縁が円形に形成されている。このマスク領域9252により、同期ランプ923が点灯された場合に透光性領域9251を透過する光を際立たせることができるため、同期ランプ923の点灯を明確に認識することが可能になる。そのため、モードCのように第1通路922に振り分けられた遊技球99が第2始動口315に入球し難く、第2通路922に振り分けられた遊技球99が第2始動口315に振り分けられる場合には、同期ランプ923の点灯を確認しつつ、遊技球99を遊技盤31の右側領域に打ち出せばよい。なお、モードEのように電動サポート部材93の作動時間が長い場合には、電動サポート部材93の作動時に第1通路921に遊技球99が振り分けられた場合であっても第2始動口315に遊技球99を入球させることができるため、止め打ち等を行うことなく連続して遊技球99を最小発射間隔で打ち出したとしても、自動的に遊技球99が第1通路921と第2通路922に交互に振り分けられる。
なお、透光性領域9251は星形には限定されず、例えば円形等であってもよく、文字等であってもよい。透光性領域9251を文字として形成する場合、例えば「打て!」、「打」、「CHANCE」、「GO」等のように遊技球99の発射タイミングを示唆する表示であってもよく、「右」、「左」等のように振分部材94の回転方向や姿勢を示唆する表示であってもよい。また、マスク領域9252の外縁は、透光性領域9251の形状等に応じて設定すればよく、円形には限定されない。
同期ランプ923は、MPU41が設定するコマンドによって、検知部95からの出力電圧に基づいて点灯及び消灯が制御される。具体的には、図88に示すように、MPU41は、検知部95からの出力電圧が検出される場合(0Vでない場合)、同期ランプ923を点灯させる同期ランプ点灯コマンドを設定し、検知部95からの出力電圧が検出されない場合(0Vである場合)、同期ランプ923を消灯させる同期ランプ消灯コマンドを設定する。これに対して、音声ランプ制御装置5のMPU51は、MPU41によって設定される同期ランプ点灯コマンド及び同期ランプ消灯コマンドに従って同期ランプ923を点灯又は消灯させる。つまり、同期ランプ923は、振分部材94の負荷発生部944が検知部95に干渉している間、点灯される。なお、同期ランプ923は、出力電圧が正の所定値以上である場合に点灯させるようにしてもよい。これにより、振動等により出力電圧が検出される場合に同期ランプ923が不必要に点灯することを防止できる。
ところで、振分装置92の第2通路922には、第2始動口315を開放するための普図当たり抽選を行うスルーゲート319’が設けられていることから、第1通路921に比べて、第2通路922に遊技球99が振り分けられるほうが遊技者に有利である。そして、本実施形態では、振分部材94が視認可能であることから止め打ちにより、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで遊技球99を打ち出し、第2通路922に遊技球99が振り分けられるように狙い撃ちすることが可能になる。しかしながら、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで遊技球99を打ち出すことは、遊技者によっては困難さを伴うことがある。
これに対して、本実施形態では、振分部材94の負荷発生部944が検知部95に干渉している間、同期ランプ923を点灯させる。負荷発生部944が検知部95に干渉しているタイミングは、第2通路922に遊技球99が導かれ易い状態である。そのため、同期ランプ923の点灯によって、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングであることを遊技者に報知することで、同期ランプ923の点灯及び消灯を目安として遊技球99を打ち出すことが可能になる。これにより、遊技者は、振分部材94の姿勢や回転方向を目視で確認しつつ遊技球99を打ち出す場合に比べて、第2通路922に遊技球99が導かれ易い遊技球99の打ち出しタイミングを見つけ出すのが容易になるため、技量の低い遊技者であっても第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
また、振分部材94によって第2通路922に遊技球99が導かれ易い状態になるタイミングと、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い遊技球99の発射タイミングとを一致又は略一致させることも考えられる。この場合、同期ランプ923の点灯タイミングは、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングを遊技者に報知するだけでなく、第2通路922に遊技球99を通過させるための遊技球99の発射タイミングを遊技者に報知することになる。遊技者は、同期ランプ923によって遊技球99の発射タイミングが報知される場合、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングが報知される場合に比べて、第2通路922を通過させるタイミングで遊技球99を打ち出し易くなる。
ここで、図89(A)及び図89(B)は本実施形態に係る遊技機の主制御装置で使用されるテーブルの一例を示す図である。具体的には、図89(A)はモード移行テーブルの一例であり、図89(B)はモードデータテーブルの一例である。なお、本実施形態において、大当たり抽選に関する当否テーブル、大当たり種別振分テーブル及び普図当たり抽選に関する当否テーブルは、前述の第1の実施形態と同様であり(図12(A)~図12(D)、図13(C)及び図13(D)参照)、大当たり種別として、2R確変大当たり、2R通常大当たり、5R確変大当たり、5R通常大当たり、及び16R確変大当たりを含む。
図89(A)に示すモード移行テーブルは、モード移行条件とモード移行先との関係を規定し、図89(B)に示すモードデータテーブルは、特図遊技状態のモードの内容を規定する。本実施形態では、特図遊技状態におけるモードとして、モードA、モードB及びモードEを含む。これらのモードA、モードB及びモードEの内容は、前述の第1の実施形態と同様であり(図13(B)参照)、モードE、モードB及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
モードAは、後述する回数限定時短モードであるモードBにおいて、上限数の特図遊技が終了した場合、即ち時短が終了する場合に移行するモードである。モードAは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードAは、普通図柄の変動表示時間の短縮(時短)が無く、普通図柄の変動表示時間が通常変動表示時間(例えば30秒)である非時短モードである。そのため、モードAでは、スルーゲート319’を通過した遊技球99が電動サポート部材93の位置を通過する際には普通図柄が変更表示中であり、普通図柄抽選での抽選結果が当たりとなって電動サポート部材93が作動したとしても、電動サポート部材93のサポートによる第2始動口315への入賞は期待できない。さらに、モードAは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が低い普通図柄低確率当否テーブル(図13(C)参照)に基づいて普通図柄当たり抽選が行われる普図当たり低確率モードである。また、図89(B)に示すように、モードAでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合の電動サポート部材93の作動時間が短い(例えば0.05秒)。そのため、モードAでは、遊技盤31の右側領域に打ち出されて振分装置92に導入される遊技球99が第2始動口315に入球される確率は極めて低い。また、遊技盤31の右側領域には第1始動口314が設けられておらず、第1始動口314は左打ち時の遊技球99が入球可能に遊技盤31の中央下部に設けられている。そのため、モードAでは、振分装置92に遊技球99を導入させるために右打ちを行うことは得策ではなく、第1始動口314に遊技球99を入球させるように左打ちを行うことが奨励される。
モードBは、通常大当たり遊技(2R通常大当たり遊技及び5R通常大当たり遊技)の終了後に移行するモードであり(図89(A)参照)、モードAよりも遊技者にとって有利なモード(遊技状態)である。モードBは、モードAと同様に大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードBは、モードAとは異なり、普通図柄の変動表示時間が非時短モードの通常変動表示時間(例えば30秒)よりも短縮される短縮変動表示時間である時短モードであり、この時短モードは、最大で、特図遊技の実行回数が予め定められる上限数(例えば50回)に到達するまで継続される。つまり、モードBは、時短回数に上限が設けられる回数限定時短モードであるものの、時短モードであるためにモードAよりも有利なモードである。ここで、短縮変動表示時間は、スルーゲート319’を通過した遊技球が電動サポート部材93のサポートによって第2始動口315に入賞できる時間に設定され、スルーゲート319’と電動サポート部材93との位置関係(距離等)、及び電動サポート部材93の作動時間に応じて設定され、例えば0.004秒~0.2秒程度とされる。また、図89(B)に示すように、モードBでは、モードAと同様に普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が短いが(例えば0.05秒)、電動サポート部材36のサポートによって第2始動口315への遊技球の入球が可能である。そのため、モードBでは、モードAとは異なり、遊技盤31の右側領域に遊技球99を打ち出す右打ちを行うことが奨励される。
なお、モードBにおいて大当たり抽選での抽選結果が大当たりになることなく上限数の特図遊技が行われた場合には、上述のようにモードAに移行する。また、本実施形態では、図柄表示部341等の演出手段においてモードB(時短モード)であることを明示する演出を実行してもよい。この場合、確変であることの可能性を示唆するチャンスゾーンとして演出手段において演出を行ってもよい。
モードEは、確変大当たり遊技(2R確変大当たり遊技、5R確変大当たり遊技及び16R確変大当たり遊技)の終了後に移行するモードであり(図89(A)参照)、モードA、モードB及びモードEのうちで最も遊技者に有利なモードである。モードEは、大当り抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い大当たり高確率モード(確変遊技状態)であり、大当たり抽選が高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて行われる。また、モードEは、モードBと同様に、普通図柄の変動表示時間が非時短モードの通常変動表示時間(例えば30秒)よりも短縮される短縮変動表示時間である時短モードであり、次回大当たりが保証される大当たり保証時短モードでもある。なお、モードEでは、図柄表示部341等の演出手段での演出において確変遊技状態(高確率モード)であることが明示される。
また、モードEは、普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材93の作動時間が長い(例えば1秒)(図89(B)参照))。電動サポート部材93がロング作動するモードEでは、第2通路922を遊技球が通過することを契機とする普図当たり抽選での結果が当たりである場合に、第2通路922を通過した遊技球99だけでなく、第1通路921を通過した遊技球99も、第1始動口314よりも有利な第2始動口315に入球可能である。そのため、モードEでは、遊技盤31の右側領域に遊技球99を打ち出す右打ちを行うことが奨励される。
なお、電動サポート部材36は、一度の普通図柄当たり抽選での当たりに対して複数回作動することも考えられる。例えば、モードEにおいて、電動サポート部材93を0.2秒間の作動させる動作を5回行うことで、電動サポート部材93の合計作動時間を1秒とすることも考えられる。但し、先に説明した電動役物93の1回の作動時間及び作動回数は例示であり、適宜変更可能である。もちろん、モードEでの電動サポート部材93の作動時間も1秒に限らず、適宜変更可能である。
[主タイマ割込処理]
ここで、図90は、本実施形態の主制御装置で実行される主タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャート。
本実施形態の主タイマ割込処理では、MPU41が前述の第1の実施形態の主タイマ割込処理と同様に、センサ検出処理(ステップS1001)、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2の更新処理(ステップS1002)、カウンタC1~C4の更新処理(ステップS1003)、始動入賞処理(ステップS1004)、発射制御処理(ステップS1005)、及びスルーゲート処理(ステップS1006)を実行する。本実施形態の主タイマ割込処理ではさらに、前述の第1の実施形態とは異なり、MPU41が、同期ランプ923の点灯及び消灯を制御する同期ランプ制御処理を実行する(ステップS3201)。
[同期ランプ制御処理]
ここで、図91は、図90の主タイマ割込処理で実行される同期ランプ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。同期ランプ制御処理では、検知部95の出力に基づいて、振分部材94の姿勢に応じて同期ランプ923の点灯及び消灯が制御される。
<ステップS3301及びS3302>
同期ランプ制御処理では、まずMPU41が検知部95からの出力電圧を取得し(ステップS3301)、出力電圧が予め定められる閾値電圧(例えば0V)以上であるか否かを判断する(ステップS3302)。MPU41は、出力電圧が閾値電圧以上である場合(ステップS3302:Yes)、処理をステップS3303に移行し、出力電圧が閾値電圧以上でない場合(ステップS3302:No)、処理をステップS3306に移行する。
<ステップS3303~S3305>
MPU41は、出力電圧が予め定められる閾値電圧(例えば0V)以上である場合(ステップS3302:Yes)、同期ランプ点灯フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3303)。ここで、同期ランプ点灯フラグは、同期ランプ923が点灯中であるか否かを示すものであり、後述のステップS3305でオンに設定される。即ち、MPU41は、ステップS3303において、同期ランプ923が点灯中であるか否かを判断する。MPU41は、出力電圧が閾値電圧以上である場合(ステップS3302:Yes)において、同期ランプ点灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS3303:Yes)、同期ランプ923の点灯状態を維持すべく、当該同期ランプ制御処理を終了する。一方、MPU41は、同期ランプ点灯フラグがオフに設定されている場合(ステップS3303:No)、同期ランプ点灯コマンドを設定すると共に(ステップS3304)、同期ランプ点灯フラグをオンに設定し(ステップS3305)、当該同期ランプ制御処理を終了する。即ち、出力電圧が閾値電圧以上である場合に(ステップS3302:Yes)、同期ランプ点灯フラグがオフに設定されている場合に(ステップS3303:No)音声ランプ制御装置5のMPU51に同期ランプ923を点灯させるための同期ランプ点灯コマンドを設定すると共に(ステップS3304)、同期ランプ923が点灯中であることを示す同期ランプ点灯フラグをオンに設定し(ステップS3305)、当該同期ランプ制御処理を終了する。
なお、ステップS3304で設定される同期ランプ点灯コマンドは、図17のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、音声ランプ制御装置5のMPU51は、後述の図93のコマンド判定処理でのステップS3507において同期ランプ923を点灯させる。その結果、遊技者は、透光性領域9251において同期ランプ923の点灯を確認することで、振分装置92の振分部材94が第2通路922に遊技球99を振り分け可能な姿勢であることを認識できる。また、振分装置92の振分部材94が第2通路922に遊技球99を振り分け可能な姿勢であるタイミングと、第2通路922に遊技球99を通過させることが可能な遊技球の発射タイミングが一致又は略一致している場合には、遊技者は第2通路922に遊技球99を通過させることが可能な遊技球の発射タイミングであることを認識できる。そして、遊技者は、透光性領域9251での同期ランプ923の点灯を確認することで、第2通路922に遊技球が振り分けられ易いタイミング(第2始動口315に遊技球99が入球されやすいタイミング)で遊技球99を打ち出すことが可能になる。透光性領域9251での同期ランプ923の点灯を確認する場合、遊技者は、振分部材94の位置を目視により確認することに比べて、より容易に第2始動口315に遊技球99を入球させることが可能になる。
<ステップS3306~S3308>
MPU41は、出力電圧が予め定められる閾値電圧(例えば0V)以上でない場合(ステップS3302:No)、同期ランプ923が点灯中であるか否かを判断すべく、同期ランプ点灯フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3306)。MPU41は、出力電圧が閾値電圧以上でない場合に(ステップS3302:No)、同期ランプ点灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS3306:Yes)、同期ランプ923の音声ランプ制御装置5のMPU51に同期ランプ923を消灯させるための同期ランプ消灯コマンドを設定すると共に(ステップS3307)、同期ランプ点灯フラグをオフに設定し(ステップS3308)、当該同期ランプ制御処理を終了する。また、MPU41は、出力電圧が予め定められる閾値電圧以上でない場合に(ステップS3302:No)、同期ランプ点灯フラグがオフに設定されている場合には(ステップS3306:No)、同期ランプ923の消灯状態を維持すべく、当該同期ランプ制御処理を終了する。
なお、ステップS3307で設定される同期ランプ消灯コマンドは、図17のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、音声ランプ制御装置5のMPU51は、後述の図93のコマンド判定処理でのステップS3509において消灯させる。その結果、遊技者は、透光性領域9251において同期ランプ923の消灯を確認することで、振分装置92の振分部材94が第2通路922に遊技球99を振り分けられ難い姿勢であることを認識できる。
[メイン処理]
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様にメイン処理が実行されるが、前述の第1の実施形態とは異なり、特図遊技状態の種別としてモードA、モードB及びモードEの3つであり、モードC及びモードDがない。そのため、本実施形態では、メイン処理における各種処理でのモードに関連ステップの一部が前述の第1実施形態とは異なる。具体的には、図18の普通電動役物制御処理(図17のメイン処理のステップS1305)では、ステップS1504の「モードA~モードC?」が「モードA又はモードB?」となり、図22の特図変動開始処理(図17のメイン処理のステップS1308)では、ステップS1801の「モードC又はモードE?」が「モードE?」となる。そして、図17のメイン処理におけるステップS1308の遊技状態移行処理は、以下に説明する処理として実行される。
[遊技状態移行処理]
ここで、図92は、本実施形態のメイン処理で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<ステップS3401>
本実施形態では、上述の通り、特図遊技状態の種別としてモードA、モードB及びモードEの3つであり、モードC及びモードDがない。そのため、図92に示すように、本実施形態の遊技状態移行処理では、前述の第1の実施形態の図23の遊技状態移行処理において時短を終了してモードAに移行する場合のステップS1913の「モードBフラグ又はモードDフラグをオフ」が「モードBフラグをオフ」となる(ステップS3401)。
<ステップS3402>
MPU41は、大当たり遊技を終了する場合(ステップS1901、S1914及びS1915)、図22の特図変動開始処理でのステップS1806でオンに設定された抽選結果フラグが通常大当たりフラグであるか否か、即ち2R通常大当たりフラグ又は5R通常大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3402)。MPU41は、通常大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3402:Yes)、処理をステップS3403に移行し、通常大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS3402:No)、処理をステップS3407に移行する。
<ステップS3403~S3406>
ステップS3403では、MPU41は、通常大当たり遊技(2R通常大当たり遊技又は5R通常大当たり遊技)を終了する場合、回数限定の時短モードであることを示す時短フラグをオンに設定する。このとき、MPU41は、時短回数の上限数を時短カウンタとしてセットする。時短回数は、例えば50回であり、この場合、時短カウンタとして「50」がセットされる。そして、MPU41は、遊技状態をモードBに移行すると共に(ステップS3404)、モードBフラグをオンに設定する(ステップS3405)。さらに、MPU41は、通常大当たりフラグをオフに設定し(ステップS3406)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS3407~S3409>
ステップS3407では、MPU41は、遊技状態をモードEに移行させ、さらにモードEフラグをオンに設定する(ステップS3408)。即ち、大当たり遊技終了フラグがオンに設定され(ステップS1914:Yes)、通常大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS3402:No)、確変大当たりフラグ(2R確変大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのいずれか)がオンに設定されていると判断できる。そのため、ステップS3407及びS3408では、MPU41は、確変大当たり遊技の終了後の移行先モードであるモードEに移行させ、モードEフラグをオンに設定する。そして、MPU41は、オンに設定されている確変大当たりフラグフラグをオフに設定し(ステップS3409)、当該遊技状態移行処理を終了する。
[コマンド判定処理]
ここで、図93は、図25の副タイマ割込処理でのステップS1954で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。コマンド判定処理では、主制御装置4から受信するコマンドを判定し、そのコマンドに対応する処理を実行する。
<ステップS3501>
図93に示すように、本実施形態のコマンド判定処理では、まずステップS3501において、MPU51は、主制御装置4からコマンドを受信したか否かを判断する。ここで、MPU51は、コマンドを受信した場合(S3501:Yes)、処理をステップS3502に移行する。一方、MPU51は、コマンドを受信していない場合(ステップS3501:No)、当該コマンド判定処理を終了する。なお、主制御装置4から受信したコマンドは、RAM512の未処理コマンド記憶エリアに格納され、MPU51は、未処理コマンド記憶エリアを参照することによりコマンドの受信の有無を判断する。なお、未処理コマンド記憶エリアに記憶されているコマンドは、ステップS3501でコマンドを受信したと判断され、処理の対象となった場合に未処理コマンド記憶エリアから消去され、例えば処理作業用記憶エリアに記憶される。
<ステップS3502>
ステップS3502では、MPU51は、受信したコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判断する。ここで、MPU51は、変動パターンコマンドである場合(ステップS3502:Yes)、処理をステップS3503に移行し、コマンドが変動パターンコマンドでない場合(ステップS3502:No)、処理をステップS3506に移行する。
<ステップS3503>
ステップS3503では、MPU51は、主制御装置4から受信した変動パターンコマンドに基づいて変動パターン(主図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別及び演出種別)を決定する。具体的に、MPU51は、変動パターンコマンドと、予めROM511に記憶されている変動種別テーブル及び演出種別テーブルと、RAM512に記憶されている演出種別カウンタのカウンタ値とに基づいて変動パターンを決定する。また、MPU51は、変動パターンコマンドに大当たり種別に関する情報が含まれている場合、大当たり種別に応じた大当たりフラグをオンに設定する。具体的には、MPU51は、大当たり種別が2R通常大当たりである場合に2R通常大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が5R通常大当たりである場合に5R通常大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が2R確変大当たりである場合に2R確変大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が5R確変大当たりである場合に5R確変大当たりフラグをオンに設定し、大当たり種別が16R確変大当たりである場合に16R確変大当たりフラグをオンに設定する。
なお、演出種別テーブルには、例えばノーマルリーチに対応するノーマルリーチ演出テーブル、スーパーリーチに対応するスーパーリーチ演出テーブル、スペシャルリーチに対応するスペシャルリーチ演出テーブルが含まれる。
<ステップS3504>
ステップS3504では、MPU51は、変動パターンコマンドに対応する変動表示時間を変動表示カウンタに設定する。変動表示時間は、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン情報に応じて判断される。そして、変動表示カウンタは、図25の副タイマ割込処理におけるステップS1953のカウンタ更新処理で1ずつ減算され、MPU51は、変動表示カウンタに基づいて、図柄変動表示中であるか否か、変動表示時間の残り時間などを判断することが可能である。例えば、MPU51は、変動表示カウンタのカウント値が0になった場合に図柄変動表示の終了と判断することが可能である。
<ステップS3505>
ステップS3505では、MPU51は、図柄表示部341における主図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別及び演出種別の内容を特定するための表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に出力し、当該コマンド判定処理を終了させる。表示変動パターンコマンドは、ステップS3503で決定された主図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別及び演出種別を識別するための情報である。一方、表示制御装置6のROM611には、表示変動パターンコマンド各々に対応する主図柄の変動画像及び演出画像などが記憶されている。これにより、表示制御装置6では、MPU61が、表示変動パターンコマンドに対応する主図柄の停止図柄組み合わせ、変動種別及び演出種別に応じて図柄表示部341における変動表示及び演出表示を実行する。
具体的に、図柄表示部341では、表示制御装置6のMPU61は、予め設定されている変動表示時間が経過するまでの間に複数の主図柄(本実施形態では3つ)の変動表示を実行し、複数の主図柄の変動が順に停止表示させる。そして、全ての主図柄が停止表示して大当たり抽選の結果が表示されると、次の変動遊技の図柄変動表示又は大当たり遊技に対応する処理などが実行される。ここで、主図柄の変動表示中には、表示変動パターンコマンドによって特定される変動種別及び演出種別の内容に対応する演出が実行される。
<ステップS3506及びS3507>
ステップS3506では、MPU51は、受信したコマンドが同期ランプ点灯コマンドであるか否かを判断する。同期ランプ点灯コマンドは、同期ランプ923を点灯させることを示すコマンドであり、上述のように主制御装置4のMPU41によって図91の同期ランプ制御処理でのステップS3304で設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが同期ランプ点灯コマンドである場合(ステップS3506:Yes)、MPU51は、同期ランプ923を点灯させる(ステップS3707)。一方、MPU51は、受信したコマンドが同期ランプ点灯コマンドでない場合(ステップS3506:No)、処理をステップS3508に移行する。
<ステップS3508及びS3509>
ステップS3508では、受信したコマンドが同期ランプ消灯コマンドであるか否かを判断する。同期ランプ消灯コマンドは、同期ランプ923を消灯させることを示すコマンドであり、上述のように主制御装置4のMPU41によって図91の同期ランプ制御処理でのステップS3307で設定される。ここで、MPU51は、受信したコマンドが同期ランプ消灯コマンドである場合(ステップS3508:Yes)、MPU51は、同期ランプ923を消灯させる(ステップS3709)。一方、MPU51は、受信したコマンドが同期ランプ点灯コマンドでない場合(ステップS3508:No)、処理をステップS3510に移行する。
<ステップS3510>
ステップS3510では、MPU51は、主制御装置4から受信したその他のコマンドに基づく処理を実行した後、当該コマンド判定処理を終了させる。
以上、説明したように、本実施形態に係る遊技機10では、第1始動部とこの第1始動部とは機能の異なる第2始動部とに遊技球を交互に振り分ける振分装置を備えた従来の遊技機とは異なり、振分装置92に遊技球を導入させることで振分部材94を時計回り方向及び反時計回り方向に交互に回転させることができる。具体的には、振分部材94は静止状態にある場合に偏心部943によって第1通路921に遊技球99を振り分ける姿勢とされているため、振分部材94が静止状態である場合に振分装置92に遊技球99が導入されると、振分部材94を反時計回り方向に回転されることで遊技球99が第1通路921に振り分けられる。このとき、負荷発生部944が規制片948に干渉することで、負荷発生部944が弾性変形し、負荷発生部944には振分部材94を反時計回り方向に回転させる弾性力が発生する。そのため、振分部材94は、負荷発生部944の弾性力によって反時計回り方向に回転される。その後、振分部材94は、振分装置92への遊技球99の導入がない場合、時計回り方向及び反時計回り方向への回転を繰り返すが、減衰により徐々に振幅が小さくなって最終的には停止する。つまり、振分部材94は、静止状態になるまでの間に第1通路921に遊技球99が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)と、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)とを複数回繰り返す回動作を行う。
また、振分部材94が回動している場合に振分部材94が遊技球99を受け取った場合、遊技球99の受け取り姿勢等に応じて遊技球99が第1通路921及び第2通路922のいずれかに振り分けられる。振分部材94は、回動中に遊技球99を受け取って第1通路921及び第2通路922のいずれかに遊技球99を振り分けることで、減衰前と同様に回動動作を継続する。
ここで、振分部材94は、上述のように外部から視認可能であるために振分部材94の回動動作を視認可能であり、振分部材94の姿勢(重心)を確認しつつ遊技球99の打ち出しを行うことが可能になる。そのため、遊技者は、球止めスイッチ21bの操作及び非操作を繰り返して遊技球99を打ち出す、いわゆる止め打ちにより、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングで遊技球99を打ち出すことが可能になる。そして、振分部材94の単位回動周期Tsは、遊技球99の発射間隔Thの正の整数倍又はそれに近い値であるため、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)と、遊技球99の発射タイミングとをリンクさせ易くなる。また、遊技球99の発射タイミングと振分装置92の第2通路922に振り分けられるタイミングと合致させることができれば、その後は止め打ちを行うことにより高確率で第2通路922に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。
また、規制片948には、負荷発生部944が干渉する部位に検知部95が設けられており、検知部95からの出力を監視することで、負荷発生部944が規制片948に干渉していることを検知できる。負荷発生部944が規制片948に干渉している状態では、第2通路922に遊技球を振り分けられる状態であることから、検知部95の出力に基づいて振分部材94が第2通路922に遊技球を振り分ける状態であることを知り得ることができる。具体的には、本実施形態では、振分部材94の負荷発生部944が検知部95に干渉している間、同期ランプ923を点灯させることで、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングであることが遊技者に報知する。これにより、遊技者は、同期ランプ923の点灯及び消灯を目安として遊技球99を打ち出すことが可能になるため、第2通路922に遊技球99が導かれ易い遊技球99の打ち出しタイミング、即ち球止めスイッチ21bを操作状態から非操作状態にするタイミングを見つけ出すのが容易になる。
<第40~第73の実施形態>
前述の第39の実施形態では、振分部材94に設けられた負荷発生部944が回転規制部945の規制片948,949に繰り返し干渉することで負荷発生部944に弾性力が発生し、その弾性力によって振分部材94が回動動作を行う場合について説明した。一方、第40~第73の実施形態は、弾性力によって振分部材の回動動作が行われる点で共通するものの、振分部材に回動動作を行わせるための弾性力を発生する構成が前述の第39の実施形態とは異なる。第40~第73の実施形態では、振分部材の回転により発生する弾性力によって振分部材が回動動作を行うため、前述の第39の実施形態が奏する効果と同様な効果を奏することができる。以下、第40~第73の実施形態の各実施形態について、図面を参照しつつ前述の第39の実施形態との相違点を説明する。なお、各実施の形態の説明において参照する図面においては、他の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してある。
(第40~第47の実施形態)
前述の第39の実施形態では、板バネとして形成された振分部材94の負荷発生部944が回転軸941の後方において下方に突出し、負荷発生部944に干渉する回転規制部945が負荷発生部944よりも全体に下方位置に設けられていた。これに対して、第40~第47の実施形態では、負荷発生部及び回転規制部の構成が前述の第39の実施形態とは相違する。
(第40の実施形態)
ここで、図94は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図94に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、振分部材94Aにおいて負荷発生部944Aが回転軸941から上方に突出し、回転規制部945Aが振分部材94Aよりも全体的に上方に設けられている。
回転規制部945Aは、基部947A及び基部947Aから下方に延びる一対の規制片948A,949Aを有し、下開きコの字状に形成されている。規制片949Aには、検知部95が設けられている。
本実施形態の振分装置92では、前述の第39の実施形態とは負荷発生部944Aの突出方向が異なり、回転規制部945Aの向きが異なるが、前述の第39の実施形態と同様な作用効果を奏する。
(第41の実施形態)
ここで、図95(A)は本実施形態における振分装置の振分部材の一例を示す斜視図であり、図95(B)は本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図95(A)及び図95(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第39の実施形態と同様に、振分部材94Bが回転軸941から下方に突出する負荷発生部944を有し、振分部材94Bの回転時に負荷発生部944が干渉する回転規制部945を備える。本実施形態の振分装置92はさらに、前述の第40の実施形態と同様に、振分部材94Bが回転軸941から負荷発生部944とは反対の上方に突出する負荷発生部944Aを有し、振分部材94Bの回転時に負荷発生部944Aが干渉する回転規制部945Bを備える。つまり、本実施形態の振分装置92は、前述の第39の実施形態と第40の実施形態とを組み合わせた構成とされている。
本実施形態の振分装置92では、前述の第39の実施形態と第40の実施形態とを組み合わせた構成であるため、前述の第39の実施形態及び第40の実施形態と同様な作用効果を奏する。また、本実施形態の振分装置92では、負荷発生部944及び負荷発生部944Aは互いに反対方向に突出し、これらの負荷発生部944,944Aは、同じタイミングで回転規制部945,945Bに干渉する。そのため、本実施形態の振分装置92では、2つの負荷発生部944,944Aによって弾性力を発生できるだけでなく、負荷発生部944,944Aが回転規制部945,945Bに干渉する場合の衝撃を緩和できる。これにより、負荷発生部944,944Aが繰り返し回転規制部945,945Bに干渉する場合であっても、負荷発生部944,944Aの破損を抑制することができる。
(第42及び第43の実施形態)
ここで、図96(A)は第42の実施形態における振分装置の要部の一例を示す図であり、図96(B)は第43の実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。
図96(A)及び図96(B)に示すように、第42及び第43の実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第41の実施形態と同じ振分部材94Bを備えているが、回転規制部945の構成が前述の第41の実施形態とは異なる。
図96(A)に示すように、第42の実施形態では、回転規制部945Cは、振分部材94Bの負荷発生部944及び負荷発生部944Aを囲むケース状に形成されている。この回転規制部945Cは、上壁9471Cと下壁9472Cとの間に延びる一対の側壁948C,949Cを備える。一対の側壁948C,949Cは、振分部材94Bが回転した場合に負荷発生部944及び負荷発生部944Aが干渉する。一対の側壁948C,949Cは、所定間隔を介して互いに対向しており、側壁948Cに圧電素子などで構成される検知部95が設けられている。なお、回転規制部945Cは、一対の側壁948C,949Cを有すればよく、上壁9471C及び下壁9472Cのうちの一方又は双方を省略したものであってもよい。
本実施形態の振分装置92では、前述の第41の実施形態と同様の振分部材94Bを備え、負荷発生部944,944Aは、同じタイミングで回転規制部94Cの側壁948C,949Cに干渉する。そのため、本実施形態の振分装置92においても、2つの負荷発生部944,944Aによって弾性力を発生できるだけでなく、負荷発生部944,944Aが繰り返し回転規制部945,945Aに干渉する場合であっても負荷発生部944,944Aの破損を抑制することができる。
一方、図96(B)に示すように、第43の実施形態では、回転規制部は、一対の規制片948D,949Dを含む。これらの規制片948D,949Dは、所定間隔を介して上下に並んでおり、規制片948Dに圧電素子などで構成される検知部95が設けられている。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Bが回動した場合に、回転規制部の規制片948Dに対して負荷発生部944が干渉する状態と、規制片949Dに対して負荷発生部944Aが干渉する状態とが繰り返される。本実施形態では、同じ振分部材94Bを備える前述の第42の実施形態等に比べ、簡易な構成により弾性力を利用して振分部材94Bの回動させることができる。
(第44の実施形態)
ここで、図97(A)は本実施形態における振分装置の振分部材の一例を示す斜視図であり、図97(B)は本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図97(A)及び図97(B)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、振分部材94Eにおいて負荷発生部944Eが回転軸941から右方に突出し、回転規制部945Eが振分部材94Eよりも全体的に右方に設けられている。
回転規制部945Eは、基部947E及び基部947Eから左方に延びる一対の規制片948E,949Eを有し、左開きコの字状に形成されている。規制片948Eには、検知部95が設けられている。
本実施形態の振分装置92では、前述の第39の実施形態とは負荷発生部944Eの突出方向が異なり、回転規制部945Eの向きが異なるが、前述の第39の実施形態と同様な作用効果を奏する。
(第45の実施形態)
ここで、図98(A)は本実施形態における振分装置の振分部材の一例を示す斜視図であり、図98(B)は本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図98(A)及び図98(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第44の実施形態と同様に、振分部材94Fが回転軸941から右方に突出する負荷発生部944Eを有し、振分部材94Fの回転時に負荷発生部944Eが干渉する回転規制部945Eを備える。本実施形態の振分装置92はさらに、振分部材94Fが回転軸941から振分部材94Eとは反対の左方に突出する負荷発生部944Fを有し、振分部材94Fの回転時に負荷発生部944Fが干渉する回転規制部945Fを備える。
本実施形態の振分装置92では、前述の第44の実施形態と同様に負荷発生部944Eを有するため、前述の第44の実施形態と同様な作用効果を奏する。また、本実施形態の振分装置92では、負荷発生部944E及び負荷発生部944Fは互いに反対方向に突出し、これらの負荷発生部944E,944Fは、同じタイミングで回転規制部945E,945Fに干渉する。そのため、本実施形態の振分装置92では、2つの負荷発生部944E,944Fによって弾性力を発生できるだけでなく、負荷発生部944E,944Fが回転規制部945E,945Fに干渉する場合の衝撃を緩和できる。これにより、負荷発生部944E,944Fが繰り返し回転規制部945E,945Fに干渉する場合であっても、負荷発生部944E,944Fの破損を抑制することができる。
(第46及び第47の実施形態)
ここで、図99(A)は第46の実施形態における振分装置の要部の一例を示す図であり、図99(B)は第47の実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。
図99(A)及び図99(B)に示すように、第46及び第47の実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第45の実施形態と同じ振分部材94Fを備えているが、回転規制部945の構成が前述の第41の実施形態とは異なる。
図99(A)に示すように、第46の実施形態では、回転規制部945Gは、振分部材94Fの負荷発生部944E及び負荷発生部944Fを囲むケース状に形成されている。この回転規制部945Gは、一対の側壁9471G,9472Gの間に延びる下壁948G及び上壁949Gを備える。下壁948G及び上壁949Gは、振分部材94Fが回転した場合に負荷発生部944E及び負荷発生部944Fが干渉する。下壁948G及び上壁949Gは、所定間隔を介して互いに対向しており、下壁948Gに圧電素子などで構成される検知部95が設けられている。なお、回転規制部945Gは、下壁948G及び上壁949Gを有すればよく、一対の側壁9471G,9472Gのうちの一方又は双方を省略したものであってもよい。
本実施形態の振分装置92では、前述の第45の実施形態と同様の振分部材94Fを備え、負荷発生部944E,944Fは、同じタイミングで回転規制部94Gの下壁948G又は上壁949Gに干渉する。そのため、本実施形態の振分装置92においても、2つの負荷発生部944E,944Fによって弾性力を発生できるだけでなく、負荷発生部944E,944Fが繰り返し回転規制部945Gの下壁948G及び上壁949Gに干渉する場合であっても負荷発生部944E,944Fの破損を抑制することができる。
一方、図99(B)に示すように、第47の実施形態では、回転規制部は、一対の規制片948H,949Hを含む。これらの規制片948H,949Hは、所定間隔を介して左右に並んでおり、規制片948Hに圧電素子などで構成される検知部95が設けられている。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Fが回転した場合に、回転規制部の規制片948Hに対して負荷発生部944Fが干渉する状態と、規制片949Hに対して負荷発生部944Eが干渉する状態とが繰り返される。本実施形態では、同じ振分部材94Fを備える前述の第45の実施形態等に比べ、簡易な構成により弾性力を利用して振分部材94Hを回動させることができる。
なお、負荷発生部が回転軸から左方に突出し、回転規制部が負荷発生部よりも全体的に左方に配置された構成であってもよい。また、負荷発生部は、回転軸から上下左右以外の方向に突出していてもよい。
(第48の実施形態)
前述の第39の実施形態では、振分部材94の負荷発生部944が板バネとして形成されていた。これに対して、本実施形態では、負荷発生部が圧縮コイルバネを備える構成である点で前述の第39の実施形態とは相違する。また、本実施形態では、負荷発生部が圧縮コイルバネを備えるため、回転規制部の構成も前述の第39の実施形態とは相違する。
ここで、図100は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図100に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、振分部材94Iが回転軸941の後部側に下方に突出する負荷発生部944Iと、振分部材94Iが回転した場合に負荷発生部944Iが干渉する左干渉面9451I及び右干渉面9452Iを備える。
負荷発生部944Iは、回転軸941から下方に延出するアーム部9441Iと、アーム部9441Iの先端側に固定された一対の圧縮コイルバネ9442I,9443Iとを備える。一対の圧縮コイルバネ9442I,9443Iは、アーム部9441Iから左方やや上方に突出する左圧縮コイルバネ9442I、及びアーム部9441Iから右方やや上方に突出する右圧縮コイルバネ9443Iを含む。各圧縮コイルバネ9442I,9443Iは、振分部材94Iが回転することで負荷発生部944Iが干渉面9451I,9452Iに干渉した場合に圧縮され、弾性力を発生する。振分部材94Iは、圧縮コイルバネ9442I,9443Iが発生する弾性力によって反対方向に回転される。つまり、圧縮コイルバネ9442I,9443Iは、前述の第39の実施形態の負荷発生部944と同様の機能を有する。左圧縮コイルバネ9442Iには、先端部側に左干渉面9451Iに干渉可能な左干渉プレート9444Iが固定されている。右圧縮コイルバネ9443Iには、先端部側に右干渉面9452Iと干渉可能な右干渉プレート9445Iが固定されている。各干渉プレート9444I,9445Iは、各圧縮コイルバネ9442I,9443Iが水平方向のやや上方に突出することから、垂直方向に対して若干傾斜して固定されている。
各干渉面9451I,9452Iは、振分部材94Iが回転した場合に負荷発生部944Iの干渉プレート9444I,9445Iが干渉し、振分部材94Iの回転を規制する回転規制部である。干渉面9451I,9452Iは、干渉プレート9444I,9445Iと面接触可能に干渉プレート9444I,9445Iと同様に傾斜している。これにより、干渉プレート9444I,9445Iが干渉面9451I,9452Iと干渉した場合に効果的に圧縮コイルバネ9442I,9443Iを圧縮させることができるたけでなく、圧縮コイルバネ9442I,9443Iで発生した弾性力を効率良く利用して振分部材94Iを回転させることができる。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Iが時計回り方向に回転した場合に左干渉面9451Iに対して左干渉プレート9444Iが干渉し、振分部材94Iが反時計回り方向に回転した場合に右干渉面9452Iに対して右干渉プレート9445Iが干渉する。振分部材94Iの時計回り方向の回転により左干渉プレート9444Iが左干渉面9451Iに干渉した場合、左圧縮コイルバネ9442Iが圧縮され、左圧縮コイルバネ9442Iに弾性力が発生する。また、左圧縮コイルバネ9442Iが一定量圧縮された場合、左圧縮コイルバネ9442Iで発生した弾性力により左圧縮コイルバネ9442Iが伸長する。これにより、振分部材94Iは、反時計回り方向に回転される。これとは逆に、振分部材94Iが反時計回り方向に回転された場合には、右干渉プレート9445Iが右干渉面9452Iに干渉することで右圧縮コイルバネ9443Iに弾性力が発生し、右圧縮コイルバネ9443Iで発生した弾性力によって振分部材94Iが時計回り方向に回転される。そのため、振分部材94Iは、時計回り方向への回転により左干渉面9451Iに対して負荷発生部944Iの左干渉プレート9444Iが干渉する状態と、反時計回り方向への回転により右干渉面9452Iに対して負荷発生部944Iの右干渉プレート9445Iが干渉する状態とが繰り返されることで、左圧縮コイルバネ9442I及び右圧縮コイルバネ9443Iで発生する弾性力によって回動される。そのため、本実施形態においても、前述の第39の実施形態とは負荷発生部及び回転規制部の構成が異なるものの、前述の第39の実施形態の同様の効果を奏することができる。
なお、図100においては、振分装置92の第2通路922に遊技球が入球され易い状態であることを検知する検知部が記載されていないが、本実施形態においても、検知部を設けることが好ましい。この場合、検知部は、例えば圧電素子を備えるものとして構成される場合に右干渉面9452I又は右干渉プレート9445Iに設けられる。もちろん、検知部は、右干渉面9452I及び右干渉プレート9445I以外の部分に設けてもよく、接点スイッチや光学センサを備えるものとして構成してもよい。
(第49の実施形態)
前述の第48の実施形態では、振分部材94Iの負荷発生部944Iが圧縮コイルバネ9442I,9443Iを備え、圧縮コイルバネ9442I,9443Iで発生する弾性力によって振分部材94Iの回転動作が実行される場合を説明した。これに対して、本実施形態では、圧縮コイルバネの弾性力を利用して振分部材の回動動作が実行される点で前述の第48の実施形態と共通するものの、振分部材が負荷発生部を備えておらず、弾性力を発生する圧縮コイルバネ(負荷作用部)が振分部材とは別に設けられている点で、前述の第48の実施形態とは異なる。
ここで、図101(A)は本実施形態における振分装置の振分部材の一例を示す斜視図であり、図101(B)は本実施形態における振分装置の要部の一例を示す断面図である。
図101(A)及び図101(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、振分部材94Jが負荷入力部940Jを備える。また、本実施形態に係る遊技機10は、振分部材94Jが回転した場合に干渉する負荷入力部940Jと干渉する一対の負荷作用部961J,962Jを備える。なお、図100(A)及び図100(B)において、振分装置92の第2通路922に遊技球が入球され易い状態であることを検知する検知部が記載されていないが、本実施形態においても、前述の第48の実施形態等と同様に検知部を設けることが好ましい。
振分部材94Jの負荷入力部940Jは、前述の第39の実施形態の負荷発生部944と同様に回転軸941から下方に突出するものの、前述の負荷発生部944とは異なり、剛体又は略剛体として形成されている。ここで、負荷入力部940Jが剛体又は略剛体とは、負荷入力部940Jに負荷作用部961J,962Jが干渉した場合に、負荷入力部940Jが全く変形しないか殆ど変形しないことを意味する。この負荷入力部940Jは、回転軸941に連続する回動片9401Jと、この回動片9401Jと一体的に回動すると共に負荷作用部961J,962Jと干渉する干渉部9402Jとを有し、回転軸941を中心として回転可能である。
負荷作用部961J,962Jは、左負荷作用部961J及び右負荷作用部962Jを含む。左負荷作用部961Jは、左圧縮コイルバネ9611Jを備える。左圧縮コイルバネ9611Jは、基端部が左固定面9612Jに固定されて右下がりに左固定面9612Jから突出している。また、左圧縮コイルバネ9611Jの先端部には、左干渉プレート9613Jが固定されている。右負荷作用部962Jは、右圧縮コイルバネ9621Jを備える。右圧縮コイルバネ9621Jは、基端部が右固定面9622Jに固定され左下がりに右固定面9622Jから突出している。また、右圧縮コイルバネ9621Jの先端部には、右干渉プレート9623Jが固定されている。
ここで、左圧縮コイルバネ9611Jが右下がりに配置され、右圧縮コイルバネ9621Jが左下がりに配置されるが、例えば圧縮コイルバネ9611J,9621Jは、伸縮方向が振分部材94Jにおける負荷入力部940Jの干渉部9402Jの移動軌跡(円弧規制)の接線方向に沿うように配置される。また、左干渉プレート9613J及び右干渉プレート9623Jは、振分部材94Jが回転した場合の負荷入力部940Jにおける干渉部9402Jの回転軌跡上に配置されている。これにより、振分部材94Jが回転した場合に干渉部9402Jが左干渉プレート9613J又は右干渉プレート9623Jに干渉する。なお、左固定面9612J及び右固定面9622Jは、遊技盤31に貫通孔や凹部などを形成することで設けることができ、また遊技盤31に左固定面9612J及び右固定面9622Jを有する部材を固定することが設けることもできる。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Jが時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが左干渉プレート9613Jに干渉し、振分部材94Jが反時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが右干渉プレート9623Jに干渉する。振分部材94Jの時計回り方向の回転により干渉部9402Jが左干渉プレート9613Jに干渉した場合、左圧縮コイルバネ9611Jが圧縮され、左圧縮コイルバネ9611Jに弾性力が発生する。また、左圧縮コイルバネ9611Jが一定量圧縮された場合、左圧縮コイルバネ9611Jで発生した弾性力により左圧縮コイルバネ9611Jが伸長する。これにより、振分部材94Jは、反時計回り方向に回転される。これにとは逆に、振分部材94Jが反時計回り方向に回転された場合には、干渉部9402Jが右干渉プレート9623Jに干渉することで右圧縮コイルバネ9621Jに弾性力が発生し、右圧縮コイルバネ9621Jで発生した弾性力によって振分部材94Jが時計回り方向に回転される。そのため、振分部材94Jは、時計回り方向への回転により干渉部9402Jが左干渉プレート9613Jに干渉する状態と、反時計回り方向への回転により干渉部9402Jが右干渉プレート9623Jに干渉する状態とが繰り返されることで、左圧縮コイルバネ9611J及び右圧縮コイルバネ9621Jで発生する弾性力によって振分部材94Jが回動される。そのため、本実施形態においても、前述の第39の実施形態とは振分部材94Jを回動させるための弾性力を発生する構成が異なるものの、前述の第39の実施形態の同様の効果を奏することができる。
また、左圧縮コイルバネ9611J及び右圧縮コイルバネ9621Jは、伸縮方向が干渉部9402Jの移動軌跡(円弧規制)の接線方向に沿って配置されることで、左圧縮コイルバネ9611J及び右圧縮コイルバネ9621Jを効果的に圧縮及び伸長させることができるため、振分部材94Jを適切に回転させることが可能になる。
(第50~第52の実施形態)
ここで、図102(A)は、第50の実施形態における振分装置の要部の一例を示す断面図である。図102(B)は、第51の実施形態における振分装置の要部の一例を示す断面図である。図103は、第52の実施形態における振分装置の要部の一例を示す図断面である。図102(A)、図102(B)及び図103に示すように、第50~第52の実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第49の実施形態と同じ振分部材94Jを備えるが、負荷作用部の構成が前述の第49の実施形態とは異なる。なお、図102(A)、図102(B)及び図103において、振分装置92の第2通路922に遊技球が入球され易い状態であることを検知する検知部が記載されていないが、第50~第52の実施形態においても、前述の第48の実施形態等と同様に検知部を設けることが好ましい。
図102(A)に示すように、第50の実施形態の負荷作用部961K,962Kは、左負荷作用部961K及び右負荷作用部962Kを含む。左負荷作用部961Kは、左圧縮コイルバネ9611K及び左干渉アーム9613Kを備える。左圧縮コイルバネ9611Kは、基端部が左固定面9612Kに固定されており、左圧縮コイルバネ9611Kの先端部が左干渉アーム9613Kに接触している。左干渉アーム9613Kは、基端部が左回転支持部9614Kによって回動可能に固定されており、先端部が振分部材94Jにおける負荷入力部940の干渉部9402Jが干渉可能な位置に配置されている。右負荷作用部962Kは、右圧縮コイルバネ9621K及び右干渉アーム9623Kを備える。右圧縮コイルバネ9621Kは、基端部が右固定面9622Kに固定されており、先端部が右干渉アーム9623Kに接触している。右干渉アーム9623Kは、基端部が右回転支持部9624Kによって回動可能に固定されており、先端部が振分部材94Jにおける負荷入力部940の干渉部9402Jが干渉可能な位置に配置されている。なお、左固定面9612K及び右固定面9622Kは、遊技盤31に貫通孔や凹部などを形成することで設けることができ、また遊技盤31に左固定面9612K及び右固定面9622Kを有する部材を固定することが設けることもできる。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Jが時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが左干渉アーム9613Kの先端部に干渉し、振分部材94Jが反時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが右干渉アーム9623Kに干渉する。振分部材94Jの時計回り方向の回転により干渉部9402Jが左干渉アーム9613Kの先端部に干渉した場合、左干渉アーム9613Kが左圧縮コイルバネ9611Kを圧縮しつつ時計回り方向に回転し、左圧縮コイルバネ9611Kに弾性力が発生する。また、左圧縮コイルバネ9611Kが一定量圧縮された場合、左圧縮コイルバネ9611Kで発生した弾性力により左圧縮コイルバネ9611Kが伸長する。これにより、振分部材94Jは、反時計回り方向に回転される。これにとは逆に、振分部材94Jが反時計回り方向に回転された場合には、干渉部9402Jが右干渉アーム9623Kに干渉することで、右干渉アーム9623Kの反時計回り方向への回動により右圧縮コイルバネ9621Kに弾性力が発生し、右圧縮コイルバネ9621Kで発生した弾性力によって振分部材94Jが時計回り方向に回転される。そのため、振分部材94Jは、時計回り方向への回転により干渉部9402Jが左干渉アーム9613Kに干渉する状態と、反時計回り方向への回転により干渉部9402Jが右干渉アーム9623Jに干渉する状態とが繰り返されることで、左圧縮コイルバネ9611K及び右圧縮イルバネ9612Kで発生する弾性力によって回転される。そのため、本実施形態においても、前述の第39の実施形態とは振分部材94Jを回転させるための弾性力を発生する構成が異なるものの、前述の第39の実施形態の同様の効果を奏することができる。
図102(B)に示すように、第51の実施形態の負荷作用部961L,962Lは、左負荷作用部961L及び右負荷作用部962Lを含む。左負荷作用部961Lは、左圧縮コイルバネ9611Lを備える。左圧縮コイルバネ9611Lは、全体が左収容部9612Lに収容され、先端部に左干渉プレート9613Lが固定されている。左収容部9612Lは左上がりに傾斜しており、左圧縮コイルバネ9611Lが左上がりに配置されている。右負荷作用部962Lは、右圧縮コイルバネ9621Lを備える。右圧縮コイルバネ9621Lは、全体が右収容部9622Lに収容され、先端部に右干渉プレート9623Lが固定されている。右収容部9622Lは左上がりに傾斜しており右圧縮コイルバネ9621Lが左上がりに配置されている。ここで、左圧縮コイルバネ9611Lが左上がりに配置され、右圧縮コイルバネ9621Lが右上がりに配置されるが、例えば圧縮コイルバネ9611L,9621Lは、伸縮方向が振分部材94Jにおける負荷入力部940Jの干渉部9402Jの移動軌跡(円弧規制)の接線方向に沿うように配置される。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Jが時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが左干渉プレート9613Lに干渉し、振分部材94Jが反時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが右干渉プレート9623Lに干渉する。振分部材94Jの時計回り方向の回転により干渉部9402Jが左干渉プレート9613Lに干渉した場合、左圧縮コイルバネ9611Lが圧縮され、左圧縮コイルバネ9611Lに弾性力が発生する。また、左圧縮コイルバネ9611Lが一定量圧縮された場合、左圧縮コイルバネ9611Lで発生した弾性力により左圧縮コイルバネ9611Lが伸長する。これにより、振分部材94Jは、反時計回り方向に回転される。これにとは逆に、振分部材94Jが反時計回り方向に回転された場合には、干渉部9402Jが右干渉プレート9623Lに干渉することで右圧縮コイルバネ9621Lに弾性力が発生し、右圧縮コイルバネ9621Lで発生した弾性力によって振分部材94Jが時計回り方向に回転される。そのため、振分部材94Jは、時計回り方向への回転により干渉部9402Jが左干渉プレート9613Lに干渉する状態と、反時計回り方向への回転により干渉部9402Jが右干渉プレート9623Lに干渉する状態とが繰り返されることで、左圧縮コイルバネ9611L及び右圧縮コイルバネ9621Lで発生する弾性力によって振分部材94Jが回動される。そのため、本実施形態においても、前述の第39の実施形態とは振分部材94Jを回転させるための弾性力を発生する構成が異なるものの、前述の第39の実施形態の同様の効果を奏することができる。
また、左圧縮コイルバネ9611L及び右9621Lは、伸縮方向が干渉部9402Jの移動軌跡(円弧規制)の接線方向に沿って配置されることで、左圧縮コイルバネ9611L及び右圧縮コイルバネ9621Lを効果的に圧縮及び伸長させることができるため、振分部材94Jを適切に回動させることが可能になる。
図103に示すように、第52の実施形態の負荷作用部961Mは、左圧縮コイルバネ9611M及び右圧縮コイルバネ9612Mを備える。圧縮コイルバネ9611M,9612Mは、全体が収容部9613Mに収容され水平に配置されている。また、左圧縮コイルバネ9611Mの先端部には左干渉プレート9614Mが固定され、右圧縮コイルバネ9612Mの先端部には右干渉プレート9615Mが固定されている。左干渉プレート9614M及び右干渉プレート9615Mは、常時、振分部材94Jにおける負荷入力部940Jの干渉部9402Jに接触している。換言すれば、干渉部9402Jは、左干渉プレート9614Mと右干渉プレート9615Mとの間に配置されている。ここで、振分部材94Jが静止した状態では、左圧縮コイルバネ9611M及び右圧縮コイルバネ9612Mの双方が圧縮状態とされているが、振分部材94Jの偏心部943の作用によって干渉部9402Jが中央よりも右側に位置している。つまり、振分部材94Jが静止した状態では、右圧縮コイルバネ9612Mは、左圧縮コイルバネ9611Mに比べて大きく圧縮されている。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Jが時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが左干渉プレート9614Mを左側に移動させ、左圧縮コイルバネ9611Mが圧縮される。ここで、右圧縮コイルバネ9612Mは、静止状態で左圧縮コイルバネ9611Mに比べて圧縮されているため、干渉部9402Jが時計回り方向に回転した場合に伸長し、右干渉プレート9615Mが干渉部9402Jに追従して左側に移動する。また、左圧縮コイルバネ9611Mが一定量圧縮された場合、左圧縮コイルバネ9611Mで発生した弾性力により左圧縮コイルバネ9611Mが伸長する。これにより、振分部材94Jは、反時計回り方向に回転される。これにとは逆に、振分部材94Jが反時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが右干渉プレート9615Mを右側に移動させ、右圧縮コイルバネ9612Mが圧縮される。このとき、干渉部9402Jの反時計回り方向への回転によって左干渉プレート9614Mが干渉部9402Jに追従して右側に移動する。また、右圧縮コイルバネ9612Mが一定量圧縮された場合、右圧縮コイルバネ9612Mで発生した弾性力により右圧縮コイルバネ9612Mが伸長する。これにより、振分部材94Jは、時計回り方向に回転される。そのため、振分部材94Jの時計回り方向への回転によって左圧縮コイルバネ9611Mにおいて振分部材94Jを反時計回り方向へ回転させる弾性力が発生する状態と、振分部材94Jの反時計回り方向への回転によって右圧縮コイルバネ9612Mにおいて振分部材94Jを時計回り方向へ回転させる弾性力が発生する状態とが繰り返されることで、振分部材94Jが回動される。そのため、本実施形態においても、前述の第39の実施形態とは振分部材94Jを回転させるための弾性力を発生する構成が異なるものの、前述の第39の実施形態の同様の効果を奏することができる。
(第53の実施形態)
前述の第49の実施形態では、振分部材94Jとは別に設けられた負荷作用部961J,962Jが圧縮コイルバネ9611J,9621Jを備え、圧縮コイルバネ9611J,9621Jに発生する弾性力によって振分部材94Jが回転される場合を説明した。これに対して、第53の実施形態では、振分部材とは別に設けられた負荷作用部のバネの弾性力を利用して振分部材を回転させる点で前述の第49の実施形態と共通するものの、弾性力が発生するバネが捩じりコイルバネである点で、前述の第49の実施形態とは異なる。
ここで、図104(A)は本実施形態における振分装置の要部の一例を示す断面図であり、図104(B)は図104(A)の捩じりコイルバネを示す図である。
図104(A)及び図104(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第49の実施形態と同じ振分部材94Jを備える。また、本実施形態の負荷作用部961N,962Nは、左捩じりコイルバネ9611Nを備える左捩負荷作用部961N、及び右捩じりコイルバネ9621Nを備える右負荷作用部962Nを含む。捩じりコイルバネ9611N,9621Nは、固定端末部9612N,9622N、可動端末部9613N,9623N、及びコイル部9614N,9624Nを有し、同じ構成を有する。
固定端末部9612N,9622Nは、捩じりコイルバネ9611N,9621Nを固定面963Nに固定する部分であり、コイル部9614N,9624Nに連続して形成されている。可動端末部9613N,9623Nは、固定端末部9612N,9622Nに近接する方向及び離間する方向に移動可能であり、コイル部9614N,9624Nに連続して形成されている。可動端末部9613N,9623Nには、振分部材94Jの干渉部9402Jが接触している。ここで、振分部材94Jは、上述のように静止状態において、偏心部943によって振分装置92の第1通路921に遊技球99が振り分けられ易い状態とされている。つまり、振分部材94Jは、静止状態において左球受誘導片942Lと右球受誘導片942Rとが対称位置にある場合に比べて、反時計回り方向に若干回転した位置で停止している。コイル部9614N,9624Nは、干渉部9402Jの回転により可動端末部9613Nに移動された場合に弾性力が発生し、コイル部9614N,9624Nで発生した弾性力により干渉部9402Jひいては振分部材94Jを反対方向に回転させる。
なお、図104(A)及び図104(B)において、振分装置92の第2通路922に遊技球が入球され易い状態であることを検知する検知部が記載されていないが、本実施形態においても、前述の第48の実施形態等と同様に、可動端末部9613N,9623Nに検知部を設けることが好ましい。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Jが時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが左捩じりコイルバネ9611Nの可動端末部9613Nを固定端末部9612Nに近接させる方向に移動させることで左捩じりコイルバネ9611Nに巻き込み方向への負荷が作用される。これにより、振分部材94Jが時計回り方向に回転した場合には、左捩じりコイルバネ9611Nに弾性力が発生する。また、左捩じりコイルバネ9611Nにおいて可動端末部9613Nが巻き込み方向に一定の捩じり角だけ移動した場合、左捩じりコイルバネ9611Nで発生した弾性力により可動端末部9613Nが巻き込み方向とは反対方向の展開方向に移動する。これにより、振分部材94Jは、反時計回り方向に回転される。これにとは逆に、振分部材94Jが反時計回り方向に回転した場合に干渉部9402Jが右捩じりコイルバネ9621Nの可動端末部9623Nを固定端末部9622Nに近接させる方向に移動させることで右捩じりコイルバネ9621Nに巻き込み方向への負荷が作用される。これにより、振分部材94Jが反時計回り方向に回転した場合には、右捩じりコイルバネ9621Nに弾性力が発生する。また、右捩じりコイルバネ9621Nにおいて可動端末部9623Nが巻き込み方向に一定の捩じり角だけ移動した場合、右捩じりコイルバネ9621Nで発生した弾性力により可動端末部9623Nが展開方向に移動する。これにより、振分部材94Jは、時計回り方向に回転される。そのため、振分部材94Jの時計回り方向への回転によって左捩じりコイルバネ9611Nにおいて振分部材94Jを反時計回り方向へ回転させる弾性力が発生する状態と、振分部材94Jの反時計回り方向への回転によって右捩じりコイルバネ9612Nにおいて振分部材94Jを時計回り方向へ回転させる弾性力が発生する状態とが繰り返されることで、振分部材94Jが回動される。そのため、本実施形態においても、前述の第39の実施形態とは振分部材94Jを回転させるための弾性力を発生する構成が異なるものの、前述の第39の実施形態の同様の効果を奏することができる。
なお、図105に示すように、本実施形態において、左捩じりコイルバネ9611N及び右捩じりコイルバネ9621Nは、振分部材94Jの静止状態において、可動端末部9613N,9623Nが振分部材94Jの干渉部9402Jから離間して配置してもよい。また、左捩じりコイルバネ9611N及び右捩じりコイルバネ9621Nは、振分部材94Jの静止状態において、一方の捩じりコイルバネの可動端末部が干渉部9402Jに接触し、他方の捩じりコイルバネの可動端末部が干渉部9492Jから離間して配置してもよい。さらに、捩じりコイルバネは、振分部材の一部として構成してもよい。例えば、第48の実施形態(図100参照)における負荷発生部として、圧縮コイルバネに代えて、捩じりコイルバネを採用することもできる。
(第54~第67の実施形態)
前述の第49の実施形態では、振分部材94Jとは別に設けられた負荷作用部961J,962Jの圧縮コイルバネ9611J,9621Jで発生する弾性力によって振分部材94Jが回動される場合を説明した。また、第53の実施形態では、負荷作用部961N,962Nの捩じりコイルバネ9611N,9621Nで発生する弾性力によって振分部材94Jが回動される場合を説明した。これに対して、第54~第67の実施形態では、振分部材とは別に設けられた負荷作用部で発生する弾性力を利用して振分部材を回転させる点で前述の第49及び第53の実施形態と共通するものの、弾性力を発生するのが板バネである点で、前述の第49及び第53の実施形態とは異なる。
(第54の実施形態)
ここで、図106(A)~図106(C)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図106(A)に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第39の実施形態と同様な振分部材94と、前述の第39の実施形態とは異なる負荷作用部961Oとを備える。振分部材94は、回転軸941から下方に延びる負荷発生部944を有する。負荷発生部944は、板バネとして構成されている。負荷作用部961Oは、左板バネ9611O及び右板バネ9612Oを備える。板バネ9611O,9612Oは、対向状態で水平な支持面9613Oから上方に延出しており、振分部材94が回転した場合に振分部材94の負荷発生部944の先端部が干渉可能に、全体として負荷作用部961Oよりも下方に配置されている。
図106(B)に示すように、本実施形態の振分装置92では、振分部材94が時計回り方向に回転した場合に負荷発生部944が左板バネ9611Oに干渉し、負荷発生部944及び左板バネ9611Oの双方が弾性変形する。これにより、振分部材94が時計回り方向に回転した場合には、負荷発生部944及び左板バネ9611Oの双方に弾性力が発生する。また、負荷発生部944及び左板バネ9611Oが一定量弾性変形した場合、負荷発生部944及び左板バネ9611Oの双方で発生した弾性力により振分部材94が反時計回り方向に回転する。
これにとは逆に、図106(C)に示すように、本実施形態の振分装置92では、振分部材94が反時計回り方向に回転した場合に負荷発生部944が右板バネ9612Oに干渉し、負荷発生部944及び右板バネ9612Oの双方が弾性変形する。これにより、振分部材94が反時計回り方向に回転した場合には、負荷発生部944及び右板バネ9612Oの双方で弾性力が発生する。また、負荷発生部944及び右板バネ9612Oが一定量弾性変形した場合、負荷発生部944及び右板バネ9612Oの双方で発生した弾性力により振分部材94が時計回り方向に回転する。
このように、本実施形態の振分装置92では、振分部材94の時計回り方向への回転によって負荷発生部944及び左板バネ9611Oにおいて振分部材94を反時計回り方向へ回転させる弾性力が発生する状態と、振分部材94の反時計回り方向への回転によって負荷発生部944及び右板バネ9612Oにおいて振分部材94を時計回り方向へ回転させる弾性力が発生する状態とが繰り返されることで、振分部材94が回動される。そのため、本実施形態においても、前述の第39の実施形態とは振分部材94を回動させるための弾性力を発生する構成が一部異なるものの、前述の第39の実施形態の同様の効果を奏することができる。
(第55~第60の実施形態)
前述の第54の実施形態では、板バネとして形成された振分部材94の負荷発生部944が回転軸941の後方において下方に突出し、負荷発生部944に干渉する負荷作用部961Oが上方に突出する板バネ9611O,9612Oとして形成され、負荷発生部944に干渉する負荷発生部961Oが負荷発生部944よりも全体に下方位置に設けられていた。これに対して、第55~第60の実施形態では、負荷発生部及び負荷作用部が板バネとして構成されている点で前述の第54の実施形態と共通するもの、負荷発生部及び負荷作用部の構成が前述の第54の実施形態とは異なる。
(第55の実施形態)
ここで、図107(A)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図107(A)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、振分部材94P1において負荷発生部944P1が回転軸941から上方に突出し、負荷作用部961P1が振分部材94P1よりも全体的に上方に設けられている。具体的には、負荷作用部961P1は、左板バネ9611P1及び右板バネ9612P2を備え、板バネ9611P1,9612P2が対向状態で水平な支持面9613P1から下方に延出している。
本実施形態の振分装置92では、前述の第54の実施形態とは負荷発生部944P1の突出方向が異なり、負荷作用部961P1の向きが異なるが、前述の第54の実施形態と同様な作用効果を奏する。
(第56の実施形態)
ここで、図107(B)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図107(B)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第54の実施形態と同様に、振分部材94P2が回転軸941から下方に突出する負荷発生部944を有し、振分部材94P1の回転時に負荷発生部944が干渉する負荷発生部961Oを備える。本実施形態の振分装置92はさらに、前述の第55の実施形態と同様に、振分部材94P2が回転軸941から上方に突出する負荷発生部944P1を有し、振分部材94P2の回転時に負荷発生部944P1が干渉する負荷作用部961P1を備える。つまり、本実施形態の振分装置92は、前述の第54の実施形態と第55の実施形態とを組み合わせた構成とされている。
本実施形態の振分装置92では、前述の第54の実施形態と第55の実施形態とを組み合わせた構成であるため、前述の第54の実施形態及び第55の実施形態と同様な作用効果を奏する。また、本実施形態の振分装置92では、負荷発生部944及び負荷発生部944P1は互いに反対方向に突出し、これらの負荷発生部944,944P1は、同じタイミングで負荷作用部961O,961P1に干渉する。そのため、本実施形態の振分装置92では、2つの負荷発生部944,944P1に加え2つの負荷作用部961O,961P1によって弾性力を発生できるだけでなく、負荷発生部944,944P1が負荷作用部961O,961P1に干渉する場合の衝撃をより緩和できる。これにより、負荷発生部944,944P1が繰り返し負荷作用部961O,961P1に干渉する場合であっても、負荷発生部944,944P1及び負荷作用部961O,961P1の破損をより抑制することができる。
(第57の実施形態)
ここで、図108(C)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図108(C)に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第56の実施形態と同じ振分部材94P2と、前述の第56の実施形態とは異なる負荷作用部を備える。負荷作用部は、上板バネ9611P3及び下板バネ9612P3を含む。これらの板バネ9611P3,9612P3は、所定間隔を介して上下に並んでいる。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94P2が回転した場合に、負荷作用部の上板バネ9611P3に対して負荷発生部944P1が干渉する状態と、下板バネ9612P3に対して負荷発生部944が干渉する状態とが繰り返される。本実施形態では、同じ振分部材94P2を備える前述の第56の実施形態等に比べ、簡易な構成により弾性力を利用して振分部材94P2を回転させることができる。
(第58の実施形態)
ここで、図108(A)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図108(A)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、振分部材94Q1において負荷発生部944Q1が回転軸941から右方に突出し、負荷作用部961Q1が振分部材94Q1よりも全体的に右方に設けられている。
負荷作用部961Q1は、上板バネ9611Q1及び下板バネ9612Q1を含む。これらの板バネ9611Q1,9612Q1は、互いに対向し、所定間隔を介して上下に並んでいる。
本実施形態の振分装置92では、前述の第55の実施形態とは負荷発生部944Q1の突出方向が異なり、負荷作用部961Q1の板バネ9611Q1,9612Q1の向きが異なるが、前述の第55の実施形態と同様な作用効果を奏する。
(第59の実施形態)
ここで、図108(B)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図108(B)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第58の実施形態と同様に、振分部材94Q2が回転軸941から右方に突出する負荷発生部944Q1を有し、振分部材94Q2の回転時に負荷発生部944Q1が干渉する上板バネ9611Q1及び下板バネ9612Q1を備える。本実施形態の振分装置92はさらに、振分部材94Q2が回転軸941から左方に突出する負荷発生部944Q2を有し、振分部材94Q2の回転時に負荷発生部944Q2が干渉する上板バネ9611Q2及び下板バネ9612Q2を備える。
本実施形態の振分装置92では、前述の第58の実施形態と同様に負荷発生部944Q1を有するため、前述の第58の実施形態と同様な作用効果を奏する。また、本実施形態の振分装置92では、負荷発生部944Q1及び負荷発生部944Q2は互いに反対方向に突出し、これらの負荷発生部944Q1,944Q2は、同じタイミングで負荷作用部961Q1,バネ961Q2に干渉する。そのため、本実施形態の振分装置92では、2つの負荷発生部944Q1,944Q2によって弾性力を発生できるだけでなく、負荷発生部944Q1,944Q2が負荷作用部961Q1,961Q2に干渉する場合の衝撃を緩和できる。これにより、負荷発生部944Q1,944Q2が繰り返し負荷作用部961Q1,961Q2に干渉する場合であっても、負荷発生部944Q1,944Q2及び負荷作用部961Q1,バネ961Q2の破損を抑制することができる。
(第60の実施形態)
ここで、図108(C)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図108(C)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第59の実施形態と同じ振分部材94Q2と、前述の第59の実施形態とは異なる負荷作用部を備える。負荷作用部は、左板バネ9611Q3及び右板バネ9612Q3を含む。これらの板バネ9611Q3,9612Q3は、所定間隔を介して左右に並んでいる。
本実施形態の振分装置92では、振分部材94Q2が回転した場合に、負荷作用部の左板バネ9611Q3に対して負荷発生部944Q2が干渉する状態と、右板バネ9612Q3に対して負荷発生部944Q1が干渉する状態とが繰り返される。本実施形態では、同じ振分部材94Q2を備える前述の第59の実施形態等に比べ、簡易な構成により弾性力を利用して振分部材94Q2を回動させることができる。
なお、負荷発生部は、回転軸から左方に突出していてもよく、また回転軸から上下左右以外の方向に突出していてもよい。
(第61~第67の実施形態)
前述の第54~第60の実施形態では、振分部材94,94P1,94P2,94Q1,94Q2の負荷発生部が弾性体である板バネ944,944P1,944Q1,944Q2として形成される場合を説明した。これに対して、第61~第67の実施形態では、振分部材が剛体として形成される負荷入力部を備える点で、前述の第54~第60の実施形態とは異なる。
(第61の実施形態)
ここで、図109(A)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図109(A)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第54の実施形態と同じ負荷作用部961Oと、前述の第54の実施形態とは異なる負荷入力部944R1を有する振分部材94R1とを備える。負荷入力部944R1は、振分部材94R1を回転させる負荷が負荷作用部961Oから入力される部分であり、回転軸941から下方に突出する。この負荷入力部944R1は、回転軸941から下方に突出するアーム9441R1と、アーム9441R1の端部に設けられ、振分部材94R1の回転時に負荷作用部961Oと干渉する干渉部9441R1とを有し、剛体又は略剛体として形成されている。即ち、本実施形態の振分装置92は、前述の第54の実施形態の振分装置92における振分部材94の負荷発生部944を、剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944R1に変更したものである。
(第62の実施形態)
ここで、図109(B)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図109(B)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第55の実施形態と同じ負荷作用部961P1と、前述の第55の実施形態とは異なる負荷入力部944R2を有する振分部材94R2とを備える。負荷入力部944R2は、振分部材94R2を回転させる負荷が負荷作用部961P1から入力される部分であり、回転軸941から上方に突出する。この負荷入力部944R2は、回転軸941から上方に突出するアーム9441R2と、アーム9441R2の端部に設けられ、振分部材94R2の回転時に負荷作用部961P1と干渉する干渉部9442R2とを有し、剛体又は略剛体として形成されている。即ち、本実施形態の振分装置92は、前述の第55の実施形態の振分装置92における振分部材94の負荷発生部944P1を、剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944R2に変更したものである。
(第63の実施形態)
ここで、図109(C)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図109(C)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第56の実施形態と同じ負荷作用部961O,961P1と、前述の第56の実施形態とは異なる負荷入力部944R1,944R2を有する振分部材94R3とを備える。負荷入力部944R1,944R2は、前述の第61の実施形態と同じ負荷入力部944R1と、前述の第62の実施形態と同じ負荷入力部944R2とを含む。即ち、本実施形態の振分装置92は、前述の第56の実施形態の振分装置92における振分部材94P2の負荷発生部944,944P1を、剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944R1,944R2に変更したものである。
(第64の実施形態)
ここで、図109(D)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図109(D)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第57の実施形態と同じ負荷作用部(板バネ9611P3,9612P3)と、前述の第63の実施形態と同じ振分部材94R3とを備える。即ち、本実施形態の振分装置92は、前述の第57の実施形態の振分装置92における振分部材94P2の負荷発生部944,944P1を、剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944R1,944R2に変更したものである。
(第65の実施形態)
ここで、図110(A)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図110(A)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第58の実施形態と同じ負荷作用部961Q1と、前述の第58の実施形態とは異なる負荷入力部944S1を有する振分部材94S1とを備える。負荷入力部944S1は、振分部材94S1を回転させる負荷が負荷作用部961Q1から入力される部分であり、回転軸941から右方に突出する。この負荷入力部944S1は、回転軸941から右方に突出するアーム9441S1と、アーム9441S1の端部に設けられ、振分部材94S1の回転時に負荷作用部961Q1と干渉する干渉部9442S1とを有し、剛体又は略剛体として形成されている。即ち、本実施形態の振分装置92は、前述の第58の実施形態の振分装置92における振分部材94Q1の負荷発生部944Q1を、剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944S1に変更したものである。
(第66の実施形態)
ここで、図110(B)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図110(B)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第59の実施形態と同じ負荷作用部(板バネ9611Q1,9612Q1,9611Q2,9612Q2)と、前述の第59の実施形態とは異なる負荷入力部944S1,944S2を有する振分部材94S2とを備える。負荷入力部944S1,944S2は、前述の第65の実施形態と同じ負荷入力部944S1と、回転軸941から左方に突出する負荷入力部944S2とを含む。即ち、本実施形態の振分装置92は、前述の第59の実施形態の振分装置92における振分部材94Q1の負荷発生部944Q1,944Q2を、剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944S1,944S2に変更したものである。
(第67の実施形態)
ここで、図110(C)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図110(C)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第60の実施形態と同じ負荷作用部(板バネ9611Q3,9612Q3)と、前述の第66の実施形態と同じ振分部材94S2とを備える。即ち、本実施形態の振分装置92は、前述の第60の実施形態の振分装置92における振分部材94Q1の負荷発生部944Q2,944Q3を、剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944S1,944S2に変更したものである。
なお、負荷入力部は、回転軸から左方に突出していてもよく、また回転軸から上下左右以外の方向に突出していてもよい。
(第68の実施形態)
前述の第61の実施形態では、振分部材94Iが剛体又は略剛体として形成された負荷入力部944R1を有し、負荷入力部944R1がアーム9441R1及び干渉部9441R2を有する場合を説明した。これに対して、本実施形態では、負荷入力部が剛体又は略剛体として形成されている点で前述の第61の実施形態と共通するものの、負荷発生部がカムとして形成されている点で前述の第61の実施形態とは異なる。
ここで、図111(A)及び図111(B)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図111(A)及び図111(B)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第61の実施形態と同じ負荷作用部961Oと、前述の第61の実施形態とは異なる振分部材94Tとを備える。振分部材94Tは、正面視において逆涙粒状の形状を有する負荷入力部944Tを備える。負荷入力部944Tは、回転軸941を固定されており、回転軸941の回転によって一体的に回転する。この負荷入力部944Tは、左カム面9441T及び右カム面9442Tを有する。
左カム面9441Tは、負荷作用部961Oの左板バネ9611Oに接触しており、振分部材94Tが時計回り方向に回転した場合に左板バネ9611Oを弾性変形させる。右カム面9442Tは、負荷作用部961Oの右板バネ9612Oに接触しており、振分部材94Tが反時計回り方向に回転した場合に右板バネ9612Oを弾性変形させる。
本実施形態では、振分部材94Tが時計回り方向に回転した場合、左カム面9441Tが左板バネ9611Oを弾性変形させることで左板バネ9611Oにおいて弾性力が発生し、左板バネ9611Oの弾性力によって振分部材94Tが反時計回り方向に回転される。振分部材94Tが反時計回り方向に回転した場合、右カム面9442Tが右板バネ9612Oを弾性変形させることで右板バネ9612Oにおいて弾性力が発生し、右板バネ9612Oの弾性力によって振分部材94Tが時計回り方向に回転される。これにより、振分部材94Tは、交互に発生する板バネ9611O,9612Oの弾性力によって一方向(例えば時計回り方向)の回転と他方向(例えば反時計回り方向)との回転が繰り返されることで回動する。
なお、カム面9441T,9442Tは、振分部材94Tが回転した場合に板バネ9611O,9612Oを弾性変形させることができればよく、カム面9441T,9442Tと板バネ9611O,9612Oとが離間していてもよい。
(第69の実施形態)
ここで、図111(C)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図111(C)に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、前述の第68の実施形態と同じ負荷入力部944Tがカムとして形成された振分部材94Tと、前述の第68の実施形態とは異なる構成の負荷作用部961Uとを備える。負荷作用部961Uは、先端部が筒状に丸められた左板バネ9611U及び右板バネ9612Uを含む。なお、左板バネ9611U及び右板バネ9612Uは、棒状の部材により形成してもよく、この場合には先端部がリング状に形成される。
(第70の実施形態)
前述の第39の実施形態では、振分部材94の負荷発生部944が板バネとして形成される場合を説明した。これに対して、本実施形態では、負荷発生部が2つの渦巻きバネにより形成されている点で前述の第39の実施形態とは異なる。
ここで、図112(A)は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図112(B)及び図112(C)は、図112(A)の渦巻きバネを示す斜視図である。図113(A)は、図112(A)のA8-A8切断線に沿う断面図である。図113(B)は、図112(A)のA9-A9切断線に沿う断面図である。
図112~図113に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、負荷発生部944Vを有する振分部材94V、及び回転規制部947V,948Vを備える。
負荷発生部944Vは、回転軸941に固定された右巻き渦巻きバネ945V、及び右巻き渦巻きバネ945Vよりも回転軸941の後方に固定された左巻き渦巻きバネ946Vを含む。
右巻き渦巻きバネ945Vは、巻回部9451V、入力片9452V及び固定片9453Vを有する。巻回部9451Vは、弾性力を発生する部分であり、前方から見た場合に回転軸941の周面に沿って右巻きに巻回されている。入力片9452Vは、左回転規制部947Vに干渉することで負荷が入力される部分であり、巻回部9451Vの外端部から左方に延出する。固定片9453Vは、右巻き渦巻きバネ945Vを回転軸941に固定する部分であり、巻回部9451Vの内端部から下方に延出している。この固定片9453Vが回転軸941に埋設されることで、右巻き渦巻きバネ945Vが回転軸941に固定される。
左巻き渦巻きバネ946Vは、巻回部9461V、入力片9462V及び固定片9463Vを有する。巻回部9461Vは、弾性力を発生する部分であり、前方から見た場合に回転軸941の周面に沿って左巻きに巻回されている。入力片9462Vは、右回転規制部948Vに干渉することで負荷が入力される部分であり、巻回部9461Vの外端部から右方に延出する。固定片9463Vは、左巻き渦巻きバネ946Vを回転軸941に固定する部分であり、巻回部9461Vの内端部から下方に延出している。この固定片9463Vが回転軸941に埋設されることで、左巻き渦巻きバネ946Vが回転軸941に固定される。
回転規制部947V,948Vは、左回転規制部947V及び右回転規制部948Vを含む。
左回転規制部947Vは、振分部材94Vが回転した場合に右巻き渦巻きバネ945Vの回転を規制することで、入力片9452Vを介して右巻き渦巻きバネ945Vに負荷を入力する。左回転規制部947Vは、基部9471Vの上下縁部から右方に一対の規制片9472V,9473Vが延出した形状を有する右開きコの字状である。この左回転規制部947Vでは、振分部材94Vが時計回り方向に回転した場合に入力片9452Vが規制片9472Vに干渉することで振分部材94Vの時計回り方向の回転が規制される。このとき、右巻き渦巻きバネ945Vは、固定片9453Vが回転軸941に固定されていることから、巻回部9451Vに巻き込み方向とは反対方向の展開方向に対する負荷が入力されることで、巻回部9451Vが巻き込み方向の弾性力を発生する。このような巻回部9451Vの巻き込み方向の弾性力により、時計回り方向の回転が規制された振分部材94Vは、反時計回り方向に回転する。これに対して、振分部材94Vが反時計回り方向に回転した場合、入力片9452Vが規制片9473Vに干渉することで振分部材94Vの反時計回り方向の回転が規制される。このとき、巻回部9451Vに巻き込み方向に対する負荷が入力されることで、巻回部9451Vが展開方向の弾性力を発生する。このような巻回部9451Vの展開方向の弾性力により、反時計回り方向の回転が規制された振分部材94Vは、時計回り方向に回転する。
一方、右回転規制部948Vは、振分部材94Vが回転した場合に左巻き渦巻きバネ946Vの回転を規制することで、入力片9462Vを介して左巻き渦巻きバネ946Vに負荷を入力する。右回転規制部948Vは、基部9481Vの上下縁部から左方に一対の規制片9482V,9483Vが延出した形状を有する左開きコの字状である。この右回転規制部948Vでは、振分部材94Vが時計回り方向に回転した場合に入力片9462Vが規制片9483Vに干渉することで振分部材94Vの時計回り方向の回転が規制される。このとき、左巻き渦巻きバネ946Vは、固定片9463Vが回転軸941に固定されていることから、巻回部9461Vに巻き込み方向に対する負荷が入力されることで、巻回部9461Vが展開方向の弾性力を発生する。このような巻回部9461Vの展開方向の弾性力により、時計回り方向の回転が規制された振分部材94Vは、反時計回り方向に回転する。これに対して、振分部材94Vが反時計回り方向に回転した場合、入力片9462Vが規制片9462Vに干渉することで振分部材94Vの反時計回り方向の回転が規制される。このとき、巻回部9461Vに展開方向に対する負荷が入力されることで、巻回部9461Vが巻き込み方向の弾性力を発生する。このような巻回部9461Vの巻き込み方向の弾性力により、反時計回り方向の回転が規制された振分部材94Vは、時計回り方向に回転する。
本実施形態では、振分部材94Vが時計回り方向に回転された場合に、右巻き渦巻きバネ945Vの巻回部9451Vに巻き込み方向の弾性力が発生し、左巻き渦巻きバネ946Vの巻回部9461Vに展開方向の弾性力が発生する。そのため、振分部材94Vは、時計回り方向に回転された場合に右巻き渦巻きバネ945V及び左巻き渦巻きバネ946Vの巻回部9451V,9461Vで発生する弾性力によって反時計回り方向に回転される。これとは逆に、振分部材94Vが反時計回り方向に回転された場合に、右巻き渦巻きバネ945Vの巻回部9451Vに展開方向の弾性力が発生し、左巻き渦巻きバネ946Vの巻回部9461Vに巻き込み方向の弾性力が発生する。そのため、振分部材94Vは、反時計回り方向に回転された場合に右巻き渦巻きバネ945V及び左巻き渦巻きバネ946Vの巻回部9451V,9461Vで発生する弾性力によって時計回り方向に回転される。このように、本実施形態においても、振分部材94Vの回転時に発生する弾性力によって、振分部材94Vの一方向(例えば時計回り方向)の回転と、振分部材94Vの他方向(例えば反時計回り方向)の回転とが交互に繰り返えされる回動動作を実現可能である。
(第71の実施形態)
前述の第70の実施形態では、振分部材94Vの負荷発生部944Vが渦巻きバネである場合を説明した。これに対して、本実施形態では、渦巻きバネで発生する弾性力を利用して振分部材を回転させる点で前述の第70の実施形態と共通するものの、渦巻きバネが負荷作用部として利用されている点で前述の第70の実施形態とは異なる。
ここで、図114は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図114に示すように、本実施形態の遊技機10の振分装置92は、振分部材94W、及び負荷作用部945Wを備える。
振分部材94Wは、前述の第39の実施形態の振分部材94において、板バネである負荷発生部944に代えて、剛体又は略剛体として形成された干渉部944Wを有する構成である。干渉部944Wは、振分部材94Wが回転した場合に後述の負荷作用部945Wの右巻き渦巻きバネ946W又は左巻き渦巻きバネ947Wに干渉する部分であり、回転軸941から下方に延出する板状である。
負荷作用部945Wは、右巻き渦巻きバネ946W、左巻き渦巻きバネ947W及び支持部948Wを備える。
右巻き渦巻きバネ946Wは、巻回部9461W、入力片9462W及び固定片9463Wを有する。巻回部9461Wは、弾性力を発生する部分であり、前方から見た場合に右巻きである。入力片9462Wは、振分部材94Wの干渉部944Wが干渉することで負荷が入力される部分であり、巻回部9461Wの外端部から上方に延出する。固定片9463Wは、右巻き渦巻きバネ946Wを支持部948Wに固定する部分であり、巻回部9461Wの内端部から右方に延出している。
左巻き渦巻きバネ947Wは、巻回部9471W、入力片9472W及び固定片9473Wを有する。巻回部9471Wは、弾性力を発生する部分であり、前方から見た場合に左巻きである。入力片9472Wは、振分部材94Wの干渉部944Wが干渉することで負荷が入力される部分であり、巻回部9471Wの外端部から上方に延出する。固定片9472Wは、左巻き渦巻きバネ947Wを支持部948Wに固定する部分であり、巻回部9471Wの内端部から左方に延出している。
支持部948Wは、ベース9481Wから上方に延出する一対の支持アーム9482W,9483Wを有する。支持アーム9482W,9483Wは、渦巻きバネ946W,947Wを支持する。具体的には、支持アーム9482W,9483Wから前後方向に延出する固定軸9484W,9485Wに巻回部9461W,9471Wの中心が挿通され、固定片9463W,9473Wが固定軸9484W,9485Wに埋設されることで、渦巻きバネ946W,947Wが支持アーム9482W,9483Wに支持される。
本実施形態では、振分部材94Wが時計回り方向に回転された場合、振分部材94Wの干渉部944Wが右巻き渦巻きバネ946Wの入力片9462Wに干渉する。これにより、右巻き渦巻きバネ946Wでは、入力片9462Wが左方に移動することで巻回部9461Wに対して巻き込み方向に負荷が作用する。そのため、右巻き渦巻きバネ946Wには、巻回部9461Wにおいて展開方向の弾性力が発生し、この弾性力によって巻回部9461Wが展開されることで入力片9462Wから振分部材94Wの干渉部944Wに対して振分部材94Wを反時計回り方向に回転させる負荷が入力される。これに対して、振分部材94Wが反時計回り方向に回転された場合、振分部材94Wの干渉部944Wが左巻き渦巻きバネ947Wの入力片9472Wに干渉する。これにより、左巻き渦巻きバネ947Wでは、入力片9472Wが右方に移動することで巻回部9471Wに対して巻き込み方向に負荷が作用する。そのため、左巻き渦巻きバネ947Wには、巻回部9471Wにおいて展開方向の弾性力が発生し、この弾性力によって巻回部9471Wが展開されることで入力片9472Wから振分部材94Wの干渉部944Wに対して振分部材94Wを時計回り方向に回転させる負荷が入力される。このように、本実施形態においても、振分部材94Wの回転時に発生する弾性力によって、振分部材94Wの一方向(例えば時計回り方向)の回転と、振分部材94Wの他方向(例えば反時計回り方向)の回転とが交互に繰り返えされる回動動作を実現可能である。
なお、本実施形態では、時計回り方向又は反時計回り方向に振分部材94Wが回転される場合に渦巻きバネ946W,947Wが巻き込まれることで発生する展開方向の弾性力を利用して振分部材94Wを反対方向に回転させているが、渦巻きバネ946W,947Wが展開されることで発生する巻き込み方向の弾性力を利用して振分部材94Wを反対方向に回転させてもよい。
<第72の実施形態>
前述の第39の実施形態では、振分装置92の振分部材94が遊技球99を第1通路921又は第2通路922に振り分けることによる負荷発生部944で発生する弾性力によって振分部材94を回動させる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、遊技球の振り分けとは無関係に外部から継続的に入力される負荷によって振分部材を回動される点で前述の第39の実施形態とは異なる。
ここで、図115(A)は本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図115(B)、図116(A)及び図116(B)は、図115(A)に示す振分装置の動作を示す図である。
図115に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、振分部材94X及び駆動機構97Xを備える。
振分部材94Xは、回転軸941、左球受誘導片942L及び右球受誘導片942Rの他、左負荷入力部944X及び右負荷入力部945Xを有する。左負荷入力部944Xは、板状の剛体又は略剛体であり、回転軸941から左方に突出する。右負荷入力部945Xは、板状の剛体又は略剛体であり、回転軸941から右方に突出する。なお、左負荷入力部944X及び右負荷入力部945Xは、板バネなどの弾性体として形成してもよい。
駆動機構97Xは、左回転体971X、右回転体972X、回転体971X,972Xを回転させる回転力を付与するモータ973X、及びモータ973Xから付与される回転力を回転体971X,972Xに伝達する互いに噛み合う複数の伝達ギア974X~977X(本実施形態では4つ)を備える。なお、モータ973Xとしては、DCモータ、ステッピングモータ等を使用できる。また、モータ973Xに代えて、ソレノイド等の他の駆動源を用いることもできる。複数の伝達ギア974X~977Xは、ギア径及びギア比が同一であることが好ましい。
左回転体971Xは、モータ973Xから伝達ギア975Xに入力される回転力が伝達ギア974Xを介して入力されることで時計回り方向に回転される。この左回転体971Xは、回転軸9711Xに一体化されたギア9712X、及び回転軸9711Xから等角度間隔で延出する複数の干渉板9713X(本実施形態では3つ)を備える。ギア9712Xは、伝達ギア974X,975Xを介してモータ973Xからの回転力が入力される部分である。複数の干渉板9713Xは、左回転体971Xが時計回り方向に回転される場合に振分部材94Xの左負荷入力部944Xと干渉する部分であり、弾性変形可能な板バネにより形成されている。
右回転体972Xは、モータ973Xから伝達ギア975Xに入力される回転力が伝達ギア976X,977Xを介して入力されることで反時計回り方向に回転される。この右回転体972Xは、回転軸9721Xに一体化されたギア9722X、及び回転軸9721Xか等角度間隔で延出する複数の干渉板9723X(本実施形態では3つ)を備える。ギア9722Xは、伝達ギア975X~977Xを介してモータ973Xからの回転力が入力される部分である。複数の干渉板9723Xは、右回転体972Xが反時計回り方向に回転される場合に振分部材94Xの右負荷入力部945Xと干渉する部分であり、弾性変形可能な板バネにより形成されている。なお、右回転体972Xの複数の干渉板9723Xは、左回転体971Xの複数の干渉板9713Xとは位相が60°ずれた状態で配置される。また、右回転体972Xの回転速度は、左回転体971Xの回転速度と同じである。
図115(A)に示す左回転体971Xの複数の干渉片9713Xに対して右回転体972Xの複数の干渉片9723Xの位相が60°ずれた状態で、左回転体971Xが時計回りに回転し、右回転体972Xが反時計回り方向で回転した場合、図115(B)に示すように、左回転体971Xの干渉片9713Xが振分部材94Xの左負荷入力部944Xに干渉する。これにより、図116(A)に示すように、左回転体971Xの時計回り方向の回転力が干渉片9713Xを介して振分部材94Xの左負荷入力部944Xに入力され、振分部材94Xが反時計回り方向に回転される。また、左回転体971Xの回転力によって振分部材94Xが回転される場合、左回転体971Xの干渉片9713Xが弾性変形すると共に、振分部材94Xの右負荷入力部945Xが右回転体972Xの干渉片9723Xに干渉する。これにより、振分部材94Xに対して、右回転体972Xの反時計回り方向の回転力が干渉片9723Xを介して振分部材94Xの右負荷入力部945Xに入力される。このとき、図116(B)に示すように、弾性変形した左回転体971Xの干渉片9713Xが振分部材94Xの左負荷入力部944Xから離脱する。そのため、振分部材94Xは、右回転体972Xの反時計回り方向の回転力によって時計回り方向に回転される。
一方、図面を省略しているが、右回転体972Xの回転力によって振分部材94Xが時計回り方向に回転されると、振分部材94Xの左負荷入力部944Xが左回転体971Xの干渉片9713Xに干渉すると共に、右回転体972Xの干渉片9723Xが弾性変形する。その後、右回転体972Xの干渉片9723Xが振分部材94Xの右負荷入力部945Xから離脱することで、先に説明したように、左回転体971Xによって振分部材94Xが反時計回り方向に回転される。このように、振分部材94Xは、左回転体971X及び右回転体972Xによって交互に反時計回り方向及び時計回り方向に回転されることで回動される。
このように、本実施形態では、振分部材94Xによる遊技球99の振り分けとは無関係に、駆動機構97Xによって左回転体971Xを時計回り方向に回転させると共に、右回転体972Xを反時計回り方向に回転させることで、振分部材94Xが反時計回り方向及び時計回り方向に交互に回転されることで回動される。そのため、本実施形態においても、遊技者が振分装置92の第2通路922に遊技球99が振り分けられやすいタイミングを見計らって遊技球99を打ち出すことが可能になる。また、本実施形態では、モータ973Xを同一方向に等速で回転させることで振分部材94Xを回動させることができるため、モータ973Xの制御が容易になる。
<第73の実施形態>
前述の第72の実施形態では、振分部材94Xによる遊技球99の振り分けとは無関係に、駆動機構97Xによって左回転体971Xを時計回り方向に回転させると共に、右回転体972Xを反時計回り方向に回転させることで、振分部材94Xを回動させる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、駆動機構によって振分部材を回動させる点で前述の第72の実施形態と共通するものの、振分部材の回転軸に振分部材の外部から回転力を入力することで振分部材を回動させる点で前述の第72の実施形態とは異なる。
ここで、図117は、本実施形態における振分装置の要部の一例を示す図である。図117に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、振分部材94Y、及び駆動機構97Yを備える。
振分部材94Yは、回転軸941、左球受誘導片942L及び右球受誘導片942Rの他、負荷入力部944Yを備える。負荷入力部944Yは、回転軸941の後端部に一体化された傘歯車であり、回転軸941と共に回転する。
駆動機構97Yは、負荷入力部944Yに振分部材94Yを回転させるための回転力を入力する。この駆動機構97Yは、モータ970Yによって回転される回転シャフト971Y、及び回転シャフト971Yの端部に一体的に設けられた傘歯車972Yを備える。なお、モータ970Yとしては、DCモータ、ステッピングモータ等を使用できる。また、モータ970Yに代えて、ソレノイド等の他の駆動源を用いることもできる。傘歯車972Yは、モータ970Yによって回転シャフト971Yが回転された場合に回転シャフト971Yと一体的に回転する。この傘歯車972Yには、振分部材94Yの負荷入力部944Yが噛み合わされている。そのため、モータ970Yからの回転力によって回転シャフト971Yが回転された場合、回転シャフト971Yの回転に伴う傘歯車972Yの回転によって振分部材94Yの負荷入力部944Yが回転される。これにより、振分部材94Yの回転軸941が回転されることで、振分部材94Yの全体が回転される。なお、モータ970Yは、MPU41によって動作制御される。つまり、MPU41によって駆動源を制御することで回転シャフト971Yが正方向又は逆方向に回転され、これに伴い振分部材94Yが時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。
ところで、前述の第39の実施形態では、検知部95の出力電圧に基づいて振分部材94の姿勢(回転角度)に応じて同期ランプ923の点灯及び消灯が制御されていた。これに対して、本実施形態では、振分部材94Yの回転方向に応じて、同期ランプ923の点灯及び消灯が制御される点で前述の第39の実施形態とは異なる。
ここで、図118は、同期ランプ923の点灯タイミング及び消灯タイミングを示す図である。図118に示すように、本実施形態では、MPU41は、振分部材94Yを所定の回転角度だけ時計回り方向(右方向)及び反時計回り方向(左方向)に交互に回転させることで振分部材94Yを回動させる。また、本実施形態では、同期ランプ923は、振分部材94Yが反時計回り方向(左方向)に回転制御されるタイミングで点灯され、振分部材94Yが時計回り方向(右方向)に回転制御されるタイミングで消灯される。これにより、遊技者は、同期ランプ923の点灯により振分部材94Yが反時計回り方向に回転していること認識でき、同期ランプ923の消灯により振分部材94Yが時計回り方向に回転していること認識できる。そのため、遊技者は、同期ランプ923の点灯及び消灯によって把握される振分部材94Yの回転方向を目安として第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球99の打ち出しを行うことが可能になる。例えば、同期ランプ923の点灯しているタイミングが第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い遊技球99の打ち出しタイミングに設定されている場合、同期ランプ923が点灯しているタイミングで遊技球99の打ち出しを行うことで、第2通路922に対して遊技球99を効率良く通過させることができる。この場合、同期ランプ923の点灯が第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い遊技球99の打ち出しタイミングを報知することになる。なお、これとは逆に、同期ランプ923の消灯が第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い遊技球99の打ち出しタイミングを報知するように振分部材94Yの回動パターンを設定してもよく、振分部材94Yが時計回り方向(右方向)に回転制御されるタイミングで同期ランプ923を点灯するようにしてもよい。
なお、振分部材94Yの単位回動周期Ts(図118参照)は、前述の第39の実施形態と同様に、遊技球99の発射間隔Th(図88参照)の正の整数倍(例えば1倍~3倍、好ましくは1倍又は2倍)又はそれに近い値(例えば正の整数倍の±15%の範囲、好ましくは正の整数倍の±10%の範囲、より好ましくは正の整数倍の±5%の範囲)である。例えば、単位回動周期Tsは、発射間隔Thが0.6秒である場合、0.51秒~0.69秒、又は1.02秒~1.38秒の範囲に設定される。このように、単位回動周期Tsが発射間隔Thの正の整数倍又はそれに近い値であることで、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)と、遊技球99の発射タイミングとをリンクさせ易くなる。また、遊技球99の発射タイミングと振分装置92の第2通路922に振り分けられるタイミングと合致させることができれば、その後は止め打ちを行うことにより高確率で第2通路922に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。
[主タイマ割込み処理]
ここで、図119は、主制御装置で実行される主タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図119に示すように、本実施形態の主タイマ割込処理では、前述の第1の実施形態と同様に、センサ検出処理(ステップS1001)、乱数初期値カウンタCIN1,CIN2の更新処理(ステップS1002)、カウンタC1~C4の更新処理(ステップS1003)、始動入賞処理(ステップS1004)、発射制御処理(ステップS1005)、及びスルーゲート処理(ステップS1006)が実行される。本実施形態の主タイマ割込処理ではさらに、振分部材制御処理(ステップS3601)及び同期ランプ制御処理(ステップS3602)が実行される。なお、本実施形態では、スルーゲート処理において、スルーゲート319’での遊技球99の通過が検知された場合(図16のステップS1201でYes)、遊技球数のカウントが行われる。この遊技球数のカウントは、後述の振分部材制御処理のステップS3707において、左回転時間をセットする場合に参照される。
[振分部材制御処理]
ここで、図120は、図119の主タイマ割込処理のステップS3601において実行される振分部材制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。振分部材制御処理では、MPU41が駆動機構97Yにおけるモータ972Yの出力を制御することで回転シャフト971Yの正方向又は逆方向への回転が制御される。これにより、振分部材94Yの右回転(時計回り方向の回転)及び左回転(反時計回り方向の回転)が制御され、振分部材94Yの回動動作が制御される。
<ステップS3701>
振分部材制御処理では、MPU41は、まず右回転フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3701)。右回転フラグは、振分部材94Yが右回転されていることを示すフラグであり、後述のステップS3714においてオンに設定される。MPU41は、右回転フラグがオンに設定されている場合(ステップS3701:Yes)、処理をステップS3702に移行し、右回転フラグがオフに設定されている場合(ステップS3701:No)、処理をステップS3709に移行する。
<ステップS3702~S3704>
ステップS3702では、MPU41は、後述のステップS3712でセットされる右回転時間が経過したか否か、即ち振分部材94Yの回転方向を右回転から左回転に変更するタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、右回転時間が経過している場合(ステップS3702:Yes)、右回転フラグをオフに設定し(ステップS3703)、右回転時間の計時を終了する(ステップS3704)。なお、右回転時間が経過していない場合(ステップS3702:No)、MPU41は当該振分部材制御処理を終了する。
<ステップS3705>
ステップS3705では、MPU41は、左回転時間を決定し、決定された左回転時間をセットする。左回転時間の決定は、第2通路922に対する遊技球99の振分頻度又は振分割合に応じて、短時間(例えば0.5秒)、標準時間(例えば1秒)及び長時間(例えば1.5秒)のいずれかに左回転時間が決定される。例えば、左回転時間の標準時間は、第1通路921と第2通路922とに遊技球99が略1:1(例えば0.4:0.6~0.6:0.4の範囲)で振り分けられている場合に選択され、短時間は第1通路921に対する振り分け割合が低く、第2通路922に対する振り分け割合が高い場合に選択され、長時間は第1通路921に対する振り分け割合が高く、第2通路922に対する振り分け割合が低い場合に選択される。
具体的には、MPU41は、まずスルーゲート319’での遊技球99の通過が検知された場合(図16のステップS1201でYes)にカウントされる遊技球数が所定時間(例えば、15秒、30秒、45秒、60秒、120秒等)を経過した段階で第1閾値以上であるか否か、第1閾値以上でない場合に第1閾値よりも小さい値に設定される第2閾値以下であるか否かを判断する。第1閾値は、例えば第1通路921と第2通路922との遊技球99の振り分け比率が0.4:0.6以上になる値、即ち第2通路922の振り分け割合が第1通路921の振り分け割合の1.5倍相当の値に設定される。第2閾値は、例えば第1通路921と第2通路922との遊技球99の振り分け比率が0.6:0.4以下になる値、即ち第1通路921の振り分け割合が第2通路922の振り分け割合の1.5倍相当の値に設定される。つまり、第2通路922の振り分け割合が高い場合に左回転時間として短時間が選択されることで第2通路922に遊技球99が振り分けられ難くする一方で、第2通路922の振り分け割合が高い場合に左回転時間として短時間が選択されることで第2通路922に遊技球99が振り分けられ易くし、第1通路921と第2通路922との振り分け割合の一定化を図ることが可能になる。これにより、第2通路922に対する遊技球99の振り分け割合が低い場合に遊技者99の救済を図ることができ、また第2通路922に対する遊技球99の振り分け割合が高い場合に第2通路922に遊技球99を振り分けさせるために、より高度な技量を要することになるため遊技性を高めることができる。つまり、本実施形態では、遊技者の技量に応じて、第2通路922に遊技球99が振り分けられるタイミングで遊技球99の発射させることの難易度を調整可能な遊技機10を提供できる。これにより、技量の低い遊技者に対する不公平さを低減できる一方で、技量の高い遊技者に対しては第2通路922に遊技球99を振り分けさせるための遊技球99の発射タイミングの難易度がより高められた遊技性を提供できる。なお、第1閾値以上であるか、第2閾値以下であるかを判断するための所定時間は、前回に左回転時間をセットしてからの時間であり、同様に第2通路922を通過する遊技球のカウント数も前回に左回転時間をセットしてからのカウント数である。
本実施形態では、左回転時間が短時間、標準時間及び長時間の3段階から選択されるが、左回転時間は、短時間及び標準時間の2段階、標準時間及び長時間の2段階から選択されてもよく、もちろん4段階以上に設定される時間から選択されるようにしてもよい。また、本実施形態では、後述の右回転時間は固定値(1段階)であるが、右回転時間を複数の時間から選択するようにしてもよい。この場合、左回転時間は、固定値(1段階)であってもよく、多段階から選択されるものであってもよい。さらに、左回転時間又は右回転時間を調整することに代えて、左切替点Pl又は右切替点Prで振分部材94Yを一定時間停止させると共に左切替点Pl又は右切替点Prでの停止時間を調整することで、第1通路921に比べて第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態、又は第2通路922に比べて第1通路921に遊技球99が振り分けられ易い状態を実現してもよい。例えば、左切替点Plでの振分部材94Yの停止時間に比べて、右切替点Prでの振分部材94Yの停止時間を大きくすることで、第1通路921に比べて第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態とすることができる。
また、本実施形態では、スルーゲート319’を通過する遊技球数に基づいて、即ち第2通路922を通過する遊技球数に基づいて左回転時間を決定しているが、第2通路922だけでなく、導入口920の近傍や第1通路921に遊技球99の通過を検知する検知手段を設け、第1通路921と第2通路922とに振り分けられる遊技球99の比率を正確に把握した上で左回転時間を決定するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が一時的に遊技盤31の左側領域に遊技球99の打ち出しを行い、又は遊技球99の打ち出しを停止することで遊技盤31の右側領域への遊技球99の打ち出しを停止している場合であっても、第2通路922に対する振り分け割合を正確に把握できる。これにより、遊技者による攻略打ち対策を行うことができる。
<ステップS3706>
左回転時間をセットした場合、MPU41は、振分部材94Yの回転方向を右回転から左回転に変更する(ステップS3706)。MPU41は、前述のステップS3705において決定される左回転時間に対応する回転速度で振分部材94Yを左回転させる。例えば、回転速度として、左回転時間が長時間である場合に対応する低速度、左回転時間が標準時間である場合に対応する標準速度、及び左回転時間が短時間である場合に対応する高速度を準備しておき、MPU41は、前述のステップS3705において決定される左回転時間に応じた回転速度で振分部材94Yを左回転させる。
<ステップS3707及びS3708>
MPU41は、振分部材94Yの左回転を開始した場合、左回転フラグをオンに設定すると共に(ステップS3707)、同期ランプ点灯フラグをオンに設定し(ステップS3708)、当該振分部材制御処理を終了する。ここで、左回転フラグは、振分部材94Yが左回転されていることを示すフラグである。また、同期ランプ点灯フラグは、同期ランプ923を点灯させるか否かを判断するために後述の同期ランプ制御処理のステップS3801において参照される。
<ステップS3709~3711>
右回転フラグがオフに設定されている場合(ステップS3701:No)、即ち振分部材94Yが左回転している場合、MPU41は、ステップS3705でセットされる左回転時間が経過したか否か、即ち振分部材94Yの回転方向を左回転から右回転に変更するタイミングであるか否かを判断する(ステップS3709)。MPU41は、左回転時間が経過している場合(ステップS3709:Yes)、左回転フラグをオフに設定し(ステップS3710)、左回転時間の計時を終了する(ステップS3711)。なお、左回転時間が経過していない場合(ステップS3709:No)、MPU41は当該振分部材制御処理を終了する。
<ステップS3712~S3715>
ステップS3712では、MPU41は、右回転時間を決定し、決定された右回転時間をセットする。本実施形態では、右回転時間は固定値であり、左回転時間のように多段階から決定される訳ではないが、前述のように多段階から選択するようにしてもよい。右回転時間をセットした場合、MPU41は、振分部材94Yの回転方向を左回転から右回転に変更し、振分部材94Yの右回転を開始する(ステップS3713)。そして、MPU41は、振分部材94Yの右回転を開始した場合、右回転フラグをオンに設定すると共に(ステップS3714)、同期ランプ消灯フラグをオンに設定し(ステップS3715)、当該振分部材制御処理を終了する。ここで、右回転フラグは、振分部材94Yが右回転されていることを示すフラグである。
[同期ランプ制御処理]
ここで、図121は、図119の主タイマ割込処理のステップS3602において実行される同期ランプ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。同期ランプ制御処理では、振分部材94Yの制御状態に基づいて、同期ランプ923の点灯及び消灯が制御される。
<ステップS3801>
同期ランプ制御処理では、まずMPU41は、同期ランプ点灯フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3801)。ここで、同期ランプ点灯フラグは、同期ランプ923を点灯させる同期ランプ点灯コマンドを設定するためのフラグであり、前述の振分部材制御処理のステップS3708でオンに設定される。MPU41は、同期ランプ点灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS3801:Yes)、処理をステップS3802に移行し、同期ランプ点灯フラグがオフに設定されている場合(ステップS3801:No)、処理をステップS3804に移行する。
<ステップS3802及びS3803>
MPU41は、同期ランプ点灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS3801:Yes)、同期ランプ点灯コマンドを設定すると共に(ステップS3802)、同期ランプ点灯フラグをオフに設定し(ステップS3803)、当該同期ランプ制御処理を終了する。即ち、MPU41は、振分部材94Yの回転方向が右回転から左回転に変更される場合に、音声ランプ制御装置5のMPU51に同期ランプ923を点灯させるための同期ランプ点灯コマンドを設定する。
なお、ステップS3802で同期ランプ点灯コマンドは、図17のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、音声ランプ制御装置5のMPU51は、図93のコマンド判定処理でのステップS3507において同期ランプ923を点灯させる。その結果、遊技者は、透光性領域9251において同期ランプ923の点灯を確認することで、振分装置92の振分部材94が左回転していることを認識できる。そして、透光性領域9251での同期ランプ923の点灯を確認することで、第2通路922に遊技球が振り分けられ易いタイミング(第2始動口315に遊技球99が入球されやすいタイミング)で遊技球99を打ち出すことが可能になる。透光性領域9251での同期ランプ923の点灯を確認する場合、遊技者は、振分部材94Yの位置を目視により確認することに比べて、より容易に第2始動口315に遊技球99を入球させることが可能になる。
<ステップS3804~S3806>
MPU41は、同期ランプ点灯フラグがオフに設定されている場合(ステップS3801:No)、同期ランプ消灯フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3804)。ここで、同期ランプ消灯フラグは、同期ランプ923を消灯させる同期ランプ消灯コマンドを設定するためのフラグであり、前述の振分部材制御処理のステップS3715でオンに設定される。MPU41は、同期ランプ消灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS3804:Yes)、音声ランプ制御装置5のMPU51に同期ランプ923を消灯させるための同期ランプ消灯コマンドを設定すると共に(ステップS3805)、同期ランプ消灯フラグをオフに設定し(ステップS3806)、当該同期ランプ制御処理を終了する。
なお、ステップS3805で同期ランプ消灯コマンドは、図17のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、音声ランプ制御装置5のMPU51は、図93のコマンド判定処理でのステップS3509において消灯させる。その結果、遊技者は、透光性領域9251において同期ランプ923の消灯を確認することで、振分装置92の振分部材94Yが右回転されていることを認識できる。
以上のように、本実施形態では、駆動機構97Xによって振分装置92の振分部材94Yが左回転及び右回転されることで回動される。そのため、振分部材94Yが規則的な動作を行うために、遊技球99の受け取りにより回動される前述の第38の実施形態に比べて、遊技球99が第2通路922に振り分けられるタイミングで遊技球99を打ち出し易くなる。
また、同期ランプ923は、MPU41によって制御される振分部材94Yの回転方向に応じて点灯又は消灯される。つまり、振分部材94Yの姿勢を検知するまでもなく、MPU41による振分部材94Yの回転方向の制御に基づいて同期ランプ923を点灯又は消灯できる。そのため、振分部材94Yの姿勢を検知する場合のように、検知部の誤作動により同期ランプ923が点灯されてしまうなどの不具合の発生がなく、検知部を設ける必要がない分だけ製造工程的に有利であり、また製造コスト的にも有利である。
さらに、本実施形態では、振分部材94Yによる第1通路921と第2通路922との遊技球99の振り分け割合に応じた回転速度で振分部材94Yが左回転されるため、第1通路921と第2通路922との振り分け割合の一定化を図ることが可能になる。これにより、第2通路922に対する遊技球99の振り分け割合が低い場合に遊技者99の救済を図ることができ、また第2通路922に対する遊技球99の振り分け割合が高い場合に第2通路922に遊技球99を振り分けさせるために、より高度な技量を要することになるため遊技性を高めることができる。
なお、振分部材の回転方向を遊技者に報知するという技術思想は、前述の第39の実施形態のように弾性力によって振分部材を回転させる場合にも適用できる。この場合、振分部材の回転方向を検知するための光学センサ等の検知手段によって振分部材の回転方向が把握される。
<第74の実施形態>
前述の第73の実施形態では、振分部材94Yの外部から回転力を入力することで振分部材94Yを回動させ、振分部材94Yの回転制御に基づいて1つの同期ランプ923の点灯及び消灯が制御される場合を説明した。これに対して、本実施形態では、振分部材の外部から回転力を入力することで振分部材を回動させる点で前述の第73の実施形態と共通するものの、振分部材の回転方向に応じて点灯及び消灯される2つの同期ランプを備える点で前述の第73の実施形態とは異なる。
ここで、図122(A)は本実施形態における振分装置の外観の一例を示す図であり、図122(B)は振分装置の内部構成を示す断面図である。図122(A)及び図122(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、前述の第73の実施形態と同じ振分部材94Y、及び2つの同期ランプ923L,923Rを備える。振分部材94Yは、前述の第73の実施形態と同様にモータ等の駆動源から付与される回転力によって左方向及び右方向に所定回転角度だけ交互に回転される。同期ランプ923L,923Rは、左同期ランプ923L及び右同期ランプ923Rを含む。左同期ランプ923L及び右同期ランプ923Rは、例えば発光ダイオードなどの光源である。
ここで、図123は、同期ランプの点灯タイミング及び消灯タイミングを示す図である。図123に示すように、左同期ランプ923Lは、振分部材94Yが左回転しているタイミングで点灯し、振分部材94Yが右回転しているタイミングで消灯する。一方、右同期ランプ923Rは、振分部材94Yが右回転しているタイミングで点灯し、振分部材94Yが左回転しているタイミングで消灯する。つまり、左同期ランプ923Lが点灯している間は右同期ランプ923Rが消灯し、これとは逆に右同期ランプ923Rが点灯している間は左同期ランプ923Lが消灯することで、振分部材94Yの回転方向に応じて左同期ランプ923Lと右同期ランプ923Rとが交互に点灯する。このような左同期ランプ923L及び右同期ランプ923Rの点灯及び消灯の制御は、MPU41によって設定される左同期ランプ点灯コマンド及び右同期ランプ点灯コマンドに従って音声ランプ制御装置5のMPU51が同期ランプ923L,923Rの点灯又は消灯させることで実行される。なお、左同期ランプ点灯コマンドは、振分部材94Yが右回転から左回転に変更される場合に設定され、右同期ランプ点灯コマンドは、振分部材94Yが左回転から右回転に変更される場合に設定される。
これらの同期ランプ923L,923Rは、振分部材94Yの視認を阻害しない部位に設けられている。図122(A)及び図122(B)に示す例では、第1通路921又は第2通路922の上方である。振分装置92のハウジング924には、左同期ランプ923Lの正面領域に左点灯マーク925Lが設けられ、右同期ランプ923Rの正面領域に右点灯マーク925Rが設けられている。点灯マーク925L,925Rは、光を透過する透光性領域9251L,9251Rと、光の透過率が低く、光を透過しないか、光を殆ど透過しないマスク領域9252L,9252Rとを含む。透光性領域9251L,9251Rは、星形に形成された無色透明又は有色透明な部分であり、同期ランプ923L,923Rが点灯された場合に同期ランプ923L,923Rの光を透過する。マスク領域9252L,9252Rは、透光性領域9251L,9251Rを囲むように透光性領域9251L,9251Rの周辺部において外縁が円形に形成されている。このマスク領域9252L,9252Rにより、同期ランプ923L,923Rが点灯された場合に透光性領域9251L,9251Rを透過する光を際立たせることができるため、振分部材94Yを視認可能にハウジング924が形成される場合であっても、同期ランプ923L,923Rの点灯を明確に認識することが可能になる。なお、点灯マーク925L,925Rは、前述の第39の実施形態の点灯マーク925と同様な設計変更が可能である。
ところで、前述の第39の実施形態では、振分装置92の第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い状態に振分部材94Yがある場合や第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い遊技球99の発射タイミングである場合に同期ランプ923を点灯させていた。しかしながら、遊技者によっては、同期ランプ923が第2通路922に遊技球99が導かれ易いタイミングであることを理解していないことも想定される。
これに対して、本実施形態では、左同期ランプ923Lは振分部材94Yが左回転しているタイミングで点灯する一方で、右同期ランプ923Rは振分部材94Yが右回転しているタイミングで点灯する。このように、本実施形態では、同期ランプ923L,923Rの点灯タイミングが振分部材94Yの回転方向に同期しており、遊技者は同期ランプ923L,923Rの点灯タイミングの意義を理解しやすい。これにより、振分装置92の第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い遊技球99の打ち出しタイミングを模索するために、同期ランプ923L,923Rの点灯タイミングを目安として利用し易くなる。
[振分部材制御処理]
ここで、図124は、図119の主タイマ割込処理のステップS3601で実行される振分部材制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。図124に示すように、本実施形態の振分部材制御処理は、前述の第72の実施形態での振分部材制御処理と基本的に同様である。具体的には、右回転フラグがオンに設定されている場合に(ステップS3701:Yes)、前述の第73の実施形態と同様にステップS3702~S3703を実行し、右回転フラグがオフに設定されている場合に(ステップS3701:No)、前述の第74の実施形態と同様にステップS3709~S3714を実行する。一方、本実施形態では、振分部材94Yが右回転から右回転に回転方向が変更されて左回転フラグがオンに設定された場合に(ステップS3706及びS3707)、左同期ランプ923Lを点灯させるコマンドを設定するための左同期ランプ点灯フラグをオンに設定する(ステップS3901)。また、本実施形態では、振分部材94Yが右回転から左回転に回転方向が変更されて右回転フラグがオンに設定された場合に(ステップS3713及びS3714)、右同期ランプ923Rを点灯させるコマンドを設定するための右同期ランプ点灯フラグをオンに設定する(ステップS3902)。
点で異なる。
[同期ランプ制御処理]
ここで、図125は、図119の主タイマ割込処理のステップS3602で実行される同期ランプ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。同期ランプ制御処理では、左同期ランプ923L及び右同期ランプ923Rの点灯及び消灯を音声ランプ制御装置5のMPU51に実行させるためのコマンドが設定される。
<ステップS4001>
同期ランプ制御処理では、まずMPU41は、左同期ランプ点灯フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS4001)。ここで、左同期ランプ点灯フラグは、左同期ランプ923Lを点灯させる左同期ランプ点灯コマンドを設定するためのフラグであり、前述の振分部材制御処理のステップS3901でオンに設定される。MPU41は、左同期ランプ点灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS4001:Yes)、処理をステップS4002に移行し、左同期ランプ点灯フラグがオフに設定されている場合(ステップS4001:No)、処理をステップS4004に移行する。
<ステップS4002及びS4003>
MPU41は、左同期ランプ点灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS4001:Yes)、左同期ランプ点灯コマンドを設定すると共に(ステップS4002)、左同期ランプ点灯フラグをオフに設定し(ステップS4003)、当該同期ランプ制御処理を終了する。即ち、MPU41は、振分部材94Yの右回転から左回転に変更される場合に、音声ランプ制御装置5のMPU51に左同期ランプ923Lを点灯させるための左同期ランプ点灯コマンドを設定する。
<ステップS4004~S4006>
MPU41は、左同期ランプ点灯フラグがオフに設定されている場合(ステップS4001:No)、右同期ランプ点灯フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS4004)。ここで、右同期ランプ点灯フラグは、右同期ランプ923Rを点灯させる右同期ランプ点灯コマンドを設定するためのフラグであり、前述の振分部材制御処理のステップS3902でオンに設定される。MPU41は、右同期ランプ点灯フラグがオンに設定されている場合(ステップS4004:Yes)、音声ランプ制御装置5のMPU51に右同期ランプ923Rを点灯させるための右同期ランプ点灯コマンドを設定すると共に(ステップS4005)、右同期ランプ点灯フラグをオフに設定し(ステップS4006)、当該同期ランプ制御処理を終了する。
なお、ステップS4002で設定される左同期ランプ点灯コマンド、及びステップS4005で設定される左同期ランプ点灯コマンドは、図17のメイン処理でのステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、音声ランプ制御装置5のMPU51は、後述の図126のコマンド判定処理において、左同期ランプ923Lの点灯及び消灯を制御し、右同期ランプ923Rの点灯及び消灯を制御する。その結果、遊技者は、透光性領域9251Lにおいて左同期ランプ923Lの点灯を、透光性領域9251Rにおいて右同期ランプ923Rの点灯を確認することで、振分装置92の振分部材94Yが左回転しているか右回転しているかを認識できる。そして、透光性領域9251L,9251Rでの左同期ランプ923L又は右同期ランプ923Rの点灯を確認することで、第2通路922に遊技球99が振り分けられ易いタイミング(第2始動口315に遊技球99が入球されやすいタイミング)で遊技球99を打ち出すことが可能になる。透光性領域9251L,9251Rでの左同期ランプ923L又は右同期ランプ923Rの点灯を確認する場合、遊技者は、振分部材94Yの位置を目視により確認することに比べて、より容易に第2始動口315に遊技球99を入球させることが可能になる。
[コマンド判定処理]
ここで、図126は、図25の副タイマ割込処理で実行されるコマンド判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のコマンド判定処理は、前述の第39の実施形態のコマンド判定処理と同様に、変動パターンコマンドを受信した場合に(ステップS2001及びS2002でYes)、ステップS2003~S2005の処理を実行する。また、本実施形態のコマンド判定処理では、同期ランプ制御処理のステップS4002で設定される左同期ランプ点灯コマンドを受信した場合に(ステップS4101:Yes)、ステップS4102及びS4103の処理を実行し、同期ランプ制御処理のステップS4005で設定される右同期ランプ点灯コマンドを受信した場合に(ステップS4104:Yes)、ステップS4105及びS4105の処理を実行する。
<ステップS4101~S4003>
ステップS4101では、MPU51は、同期ランプ制御処理のステップS4002で設定される左同期ランプ点灯コマンドを受信したか否かを判断する。MPU41は、左同期ランプ点灯コマンドを受信した場合(ステップS4101:Yes)、左同期ランプ923Lを点灯する一方で(ステップS4102)、右同期ランプ923Rを消灯する(4103)。なお、MPU51は、左同期ランプ点灯コマンドを受信していない場合(ステップS4101:No)、処理をステップS4104に移行する。
<ステップS4104~S4006>
ステップS4104では、MPU51は、同期ランプ制御処理のステップS4005で設定される右同期ランプ点灯コマンドを受信したか否かを判断する。MPU41は、右同期ランプ点灯コマンドを受信した場合(ステップS4104:Yes)、右同期ランプ923Rを点灯する一方で(ステップS4105)、左同期ランプ923Lを消灯する(4106)。なお、MPU51は、右同期ランプ点灯コマンドを受信していない場合(ステップS4104:No)、その他のコマンドに基づく処理を実行し(ステップS2008)、当該コマンド判定処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、前述の第73の実施形態との共通構成に基づき、前述の第73の実施形態と同様の効果を奏する。つまり、振分部材94Yが規則的な動作を行うために遊技球99の受け取りにより回動される前述の第39の実施形態に比べて遊技球99が第2通路922に振り分けられるタイミングで遊技球99を打ち出し易くなり、振分部材94Yの姿勢を検知する必要がないために検知部の誤作動により同期ランプ923が点灯されてしまうなどの不具合の発生がなく、検知部を設ける必要がない分だけ製造工程的に有利であり、また製造コスト的にも有利である。そして、本実施形態では、前述の第73の実施形態と同様に振分部材94Yによる第1通路921と第2通路922との遊技球99の振り分け割合に応じた回転速度で振分部材94Yを左回転させるようにすれば、第1通路921と第2通路922との振り分け割合の一定化を図ることができる。これにより、第2通路922に対する遊技球99の振り分け割合が低い場合に遊技者99の救済を図ることができ、また第2通路922に対する遊技球99の振り分け割合が高い場合に第2通路922に遊技球99を振り分けさせるために、より高度な技量を要することになるため遊技性を高めることができる。
そして、本実施形態では、2つの同期ランプ(左同期ランプ923L及び右同期ランプ923R)を備え、一方の同期ランプ(左同期ランプ923L)が振分部材94Yの左回転に伴い点灯し、他方の同期ランプ(右同期ランプ923R)が振分部材94Yの右回転に伴い点灯する。そのため、本実施形態では、同期ランプ923L,923Rの点灯タイミングが振分部材94Yの回転方向に同期しており、遊技者は同期ランプ923L,923Rの点灯タイミングの意義を理解しやすい。これにより、振分装置92の第2通路922に遊技球99が振り分けられ易い遊技球99の打ち出しタイミングを模索するために、同期ランプ923L,923Rの点灯タイミングを目安として利用し易くなる。
なお、振分部材の回転方向を2つの点灯ランプで遊技者に報知するという技術思想は、前述の第39の実施形態のように弾性力によって振分部材を回転させる場合にも適用できる。この場合、振分部材の回転方向を検知するための光学センサ等の検知手段によって振分部材の回転方向が把握される。
<第75~第81の実施形態>
前述の第39の実施形態では、電動サポート部材93が回動することで第2始動口315を開閉し、第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球が第2始動口に遊技球が誘導されるサポート状態と、遊技球が第2始動口に誘導されない非サポート状態とが切り替えられる場合を説明した。これに対して、第75~第81実施形態では、電動サポート部材の構成及び動作が前述の第39の実施形態とは異なる。但し、第75~第81実施形態では、振分装置の構成が前述の第39の実施形態と同様であるため、前述の第39の実施形態と同様な効果を奏する。
(第75の実施形態)
ここで、図127(A)は本実施形態における振分装置、電動サポート部材及び第2始動口を含む遊技盤の一例を示す図であり、図127(B)は電動サポート部材の斜視図である。図128(A)は図127(A)のA10-A10切断線に沿う断面図であり、図128(B)は図128(A)において電動サポート部材が作動位置にある場合の図である。
図127(A)及び図127(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、前述の第39の実施形態と同じ振分装置92と、前述の第39の実施形態とは異なる電動サポート部材93Aとを備える。
電動サポート部材93Aは、第2始動口315に振分装置92の第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球99が誘導されず、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する待機位置(図128(A)参照)と、第2始動口315に振分装置92の第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球99を誘導可能であり、第2始動口315への遊技球99の入球を許容する作動位置(図128(B)参照)との間で、不図示のソレノイド等の駆動手段によって前後方向に移動可能である。この電動サポート部材93Aは、左誘導部931A、右誘導部932A及び貫通孔933Aを備える。左誘導部931Aは、振分装置92の第1通路921から放出される遊技球99を第2始動口315に誘導する部分であり、第2始動口315に向けて右下がりに傾斜している。右誘導部932Aは、振分装置92の第2通路922から放出される遊技球99を第2始動口315に誘導する部分であり、第2始動口315に向けて左下がりに傾斜している。貫通孔933Aは、左誘導部931Aと右誘導部932Aとの間に設けられ、電動サポート部材93Aが作動位置にある場合に左誘導部931A及び右誘導部932Aから誘導される遊技球99を下方に落下させることで第2始動口315に入球させる部分である。
図128(A)に示すように、電動サポート部材93Aは、待機位置にある場合には遊技盤31から突出しておらず、第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球99は、電動サポート部材93Aによって第2始動口315に誘導されない。これに対して、図128(B)に示すように、電動サポート部材93Aは、作動位置にある場合には遊技盤31から突出しており、第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球99は、電動サポート部材93Aの左誘導部931A及び右誘導部932Aによって貫通孔933Aに誘導され、貫通孔933Aによって第2始動口315に入球される。
(第76の実施形態)
ここで、図129(A)は、本実施形態における振分装置、電動サポート部材及び第2始動口を含む遊技盤の要部の一例を示す図である。図129(A)に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、本実施形態に係る遊技機10は、前述の第39の実施形態と同じ振分装置92と、前述の第39の実施形態とは異なる電動サポート部材93Bとを備える。なお、本実施形態では、第2始動口315が第2通路922の直下に設けられている点でも、前述の第39の実施形態とは異なる。
電動サポート部材93Bは、若干左下がりに傾斜した板状であり、遊技盤31に沿って電動サポート部材93Bにおける遊技球99の移動方向に沿って移動可能である。具体的には、電動サポート部材93Bは、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上で第2始動口315を開放する待機位置(図129(A)の実線の位置)と、この待機位置よりも左方で第2始動口315を開放する作動位置(図129(B)の仮想線の位置)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材93Bは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置(図129(A)の実線の位置)と、第2始動口315を開放する作動位置(図129(B)の仮想線の位置)との間で動作可能である。
図129(A)に実線で示す待機位置に電動サポート部材93Bがある場合、即ち電動サポート部材93Bが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材93Bは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材93Bが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材93Bによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。
一方、図129(A)に仮想線で示す作動位置に電動サポート部材93Bがある場合、即ち電動サポート部材93Bが第2始動口315の左方側に位置する場合、電動サポート部材93Bは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球される。
(第77の実施形態)
ここで、図129(B)は、本実施形態における電動サポート部材を含む遊技盤の要部を示す図である。図129(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、前述の第39の実施形態と同じ振分装置92と、前述の第39の実施形態とは異なる電動サポート部材93Cとを備える。なお、図面上は明確に記載されていないが、本実施形態においても、前述の第76の実施形態と同様に、第2始動口315が第2通路922の直下に設けられている。
電動サポート部材93Cは、若干左下がりに傾斜した板状であり、回転軸931Cにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材93Cが平面視において図129(B)の時計回り方向及び反時計回り方向に回転される。電動サポート部材93Cは、若干傾斜した状態であることから、水平面に対して若干傾斜した略水平面において回転される。
また、電動サポート部材93Cは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで略水平面において回転され、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上で第2始動口315を閉鎖する待機位置(図129(B)の実線の位置)と、第2始動口315の右方の隣接位置で前方に突出して第2始動口315を開放する作動位置(図129(B)の仮想線の位置)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材93Cは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置と、第2始動口315を開放状態とする作動位置との間で動作可能である。
図129(B)に実線で示す待機位置に電動サポート部材93Cがある場合、即ち電動サポート部材93Cが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材93Cは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材93Cが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材93Cによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。
一方、図129(B)に仮想線で示す作動位置に電動サポート部材93Cがある場合、即ち電動サポート部材93Cが第2始動口315の右方の隣接位置で前方に突出する場合、電動サポート部材93Cは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球される。
なお、電動サポート部材93Cは、水平面に対して傾斜させることなく、水平に配置し、水平面に沿って回動可能に構成してもよい。この場合、電動サポート部材93Cの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
(第78の実施形態)
ここで、図130は、本実施形態におけるにおける振分装置、電動サポート部材及び第2始動口を含む遊技盤の一例を示す図である。図130に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、前述の第39の実施形態と同じ振分装置92と、前述の第39の実施形態とは異なる電動サポート部材93Dとを備える。なお、本実施形態においても、前述の第76の実施形態と同様に、第2始動口315が第2通路922の直下に設けられている。
電動サポート部材93Dは、回転軸931Dにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、遊技盤31の沿う鉛直面において図130の時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。また、電動サポート部材93Dは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで鉛直面において回転され、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上の待機位置(図130の実線の位置)と、第32始動口315の右側で起立する作動位置(図130の仮想線の位置)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材93Dは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置(図130の実線の位置)と、第2始動口315の右側で起立して第2始動口315を開放する作動位置(図130の仮想線の位置)との間で動作可能である。なお、電動サポート部材93Dは、待機位置において若干左下がりに傾斜した状態とされている。これにより、電動サポート部材93Dにおいて、遊技球99を左側に移動させやすくなる。但し、電動サポート部材93Dは、水平に配置してもよく、この場合には電動サポート部材93Dの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
図130に実線で示す待機位置に電動サポート部材93Dがある場合、即ち電動サポート部材93Dが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材93Dは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材93Dが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材93Dによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。
一方、図130に仮想線で示す待機位置に電動サポート部材93Dがある場合、即ち電動サポート部材93Dが第2始動口315の右側で起立する場合、電動サポート部材93Dは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球される。
(第79の実施形態)
ここで、図131(A)及び図131(B)は、本実施形態における電動サポート部材及び第2始動口を含む遊技盤の要部の一例を示す図である。図131(A)及び図131(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、前述の第39の実施形態と同じ振分装置92と、前述の第39の実施形態とは異なる電動サポート部材93Eとを備える。なお、図面上は明確に記載されていないが、本実施形態においても、前述の第76の実施形態と同様に、第2始動口315が第2通路922の直下に設けられている。
電動サポート部材93Eは、平面視において楕円形の板材であり、若干左下がりに傾斜した状態で配置されている。電動サポート部材93Eは、楕円形の貫通孔931E、閉鎖部932E、及び回転軸933Eを有する。貫通孔931Eは、短径が遊技球99の直径よりも大きく、遊技球99の通過が可能である。
電動サポート部材93Eは、回転軸362Wにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材93Eが遊技盤31に交差する方向に(略水平面で)、図131(A)及び図131(B)の時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。また、電動サポート部材93Eは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで略水平面において回転され、閉鎖部932Eが第2始動口315の直上に位置して閉鎖部932Eによって第2始動口315を閉鎖する待機位置(図131(A)参照)と、貫通孔931Eが第2始動口315の直上に位置して第2始動口315を開放する作動位置(図131(B)参照)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材93Eは、第2始動口315を閉鎖する待機位置と、第2始動口315を開放する作動位置との間で動作可能である。
なお、電動サポート部材93E及び貫通孔931Eの形状は、楕円形に限らず、円形、長円形、長矩形などの他の形状であってもよい。また、電動サポート部材93Eは、水平に配置してもよく、この場合には電動サポート部材93Eの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
図131(A)に示す待機位置に電動サポート部材93Eがある場合、即ち電動サポート部材93Eの閉鎖部932Eが第2始動口315の上方に位置にある場合、電動サポート部材93Eは閉鎖部932Eによって第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材93Eが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材93Eによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。
一方、図131(B)に示す作動位置に電動サポート部材93Eがある場合、即ち電動サポート部材93Eの貫通孔931Eが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材93Eは、貫通孔931Eによって第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球される。
(第80の実施形態)
ここで、図132(A)は本実施形態における電動サポート部材及び第2始動口を含む遊技盤の要部の一例を示す図であり、図132(B)は電動サポート部材の斜視図である。図132(A)及び図132(B)に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、前述の第39の実施形態と同じ振分装置92と、前述の第39の実施形態とは異なる電動サポート部材93Fとを備える。なお、本実施形態においても、第2始動口315が第2通路922の直下に設けられている。
電動サポート部材93Fは、貫通部931Fを有し、若干左下がりに傾斜した状態で配置されている。電動サポート部材93Fは、MPU41によって制御されるソレノイド等の駆動手段(不図示)によって水平方向に対して若干傾斜した略水平方向に沿って延びる回転軸周りに回転可能とされる。また、電動サポート部材93Fは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで回転され、貫通部931Fが前後方向に貫通した状態となって第2始動口315を閉鎖する待機位置(図132(C)参照)と、貫通部931Fが振分装置35の第2通路352の直下において上下方向に貫通して第2始動口315を開放する作動位置(図132(A)参照)との間で移動可能である。
図132(C)に示す待機位置に電動サポート部材93Fがある場合、電動サポート部材93Fは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材93Fが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材93Fによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。
一方、図132(A)に示す作動位置に電動サポート部材93Fがある場合、電動サポート部材93Fは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球される。
なお、電動サポート部材93Fの貫通部931Fは、上下だけでなく一部が側方に開放した形状であってもよい。
(第81の実施形態)
ここで、図133は、本実施形態における振分装置、電動サポート部材及び第2始動口を含む遊技盤の要部の一例を示す図である。図133に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、前述の第39の実施形態と同じ振分装置92と、前述の第39の実施形態の電動サポート部材93とは異なる電動サポート部材(左右羽部材932G,933G)を有する電動役物装置93Gとを備える。
電動役物装置93Gは、いわゆる電動チューリップとして構成され、振分装置35の直下領域に設けられている。電動役物装置93Gは、遊技盤31に固定されたハウジング931G、及び回動可能な左右羽部材932G,933Gを有する。
ハウジング931Gは、左右羽部材932G,933Gの回動及び遊技球99の入球を許容する上部開口934Gを有する。この上部開口934Gは、電動役物装置93Gの内部に遊技球99を導入する部分であり、振分装置92の第1通路921と第2通路922との間の直下領域(導入口920の直下領域)に設けられている。即ち、第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球99は、上部開口934Gに直接導入されることが制限されている。また、上部開口934Gの直下には、第2始動口315が設けられている。
左右羽部材932G,933Gは、遊技盤31の背面に設けられたソレノイド等の駆動手段(不図示)によって回動可能であり、駆動手段によって、左右羽部材932G,933Gの先端部が近接して第2始動口315を閉鎖する状態(図133(A)参照)と、左右羽部材932G,933Gの先端部が離間して第2始動口315を開放する状態(図133(B)参照)とが切り替えられる。なお、左右羽部材932G,933Gは、MPU41によって、前述の第1の実施形態の電動サポート部材93と同様に駆動される。即ち、前述の第1の実施形態での普通電動役物制御処理(図19参照)において、普通電動役物(電動サポート部材36)の作動が本実施形態の左右羽部材932G,933Gの開放に相当し、普通電動役物(電動サポート部材36)の復帰が本実施形態の左右羽部材932G,933Gの閉鎖に相当する。
図133(A)に示す左右羽部材932G,933Gの先端部が近接する状態では、第1通路921を通過した遊技球99は左羽部材932Gの側面に衝突し、電動役物装置93Gの内部に入球できす、第2通路922を通過した遊技球99は右羽部材933Gの側面に衝突し、電動役物装置93Gの内部に入球できない。即ち、左右羽部材932G,933Gの先端部が近接する状態では、第1通路921及び第2通路922から放出される遊技球99の第2始動口315への入球が、左右羽部材932G,933Gによって阻害される。このとき、左右羽部材932G,933Gの側面に衝突した遊技球99は、電動役物装置93Gの側方を通過し、アウト口317から排出される。
一方、図133(B)に示す左右羽部材932G,933Gの先端部が離間する状態では、振分装置92の第1通路921から放出される遊技球99は、左羽部材932Gに拾われて電動役物装置93Gの内部に入球し、振分装置92の第2通路922から放出される遊技球99は、右羽部材933Gに拾われて電動役物装置93Gの内部に入球する。これにより、電動役物装置93Gは、左右羽部材932G,933Gの先端部が離間する状態である場合に、振分装置92の第1通路921及び第2通路922を通過した遊技球99のいずれもが第2始動口315に入球される。
<第82及び第83の実施形態>
前述の第39の実施形態では、遊技球99の受け取りにより時計回り方向又は反時計回り方向に回転することで回動する振分部材94を備える振分装置92を説明した。これに対して、第82及び第83の実施形態の振分装置は、振分部として、遊技球の干渉により時計回り方向又は反時計回り方向に回転することで遊技球を第1通路又は第2通路のいずれかに振り分ける回転体を備える点で前述の第39の実施形態とは異なる。
図134(A)に示すように、第82の実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、振分部が、時計回り方向及び反時計回り方向の双方に自由回転可能な円柱状のローラ94D(回転体)として構成されている。ローラ94Dは、振分装置92の導入口920の直下に配置されている。
一方、図134(B)に示すように、第83の実施形態に係る遊技機10の振分装置92は、振分部が、時計回り方向及び反時計回り方向の双方に自由回転可能な風車94Eとして構成されている。風車94Eは、振分装置92の導入口920の直下に配置されている。風車94Eは、回転体941Eが釘942E(固定部)によって自由回転可能に固定されたものである。釘942Eは、端部が遊技盤31に打設されており、前記端部が固定端、前記端部の反対側の端部が自由端とされている。また、釘942Eは、例えば金属により形成されており、塑性変形が可能である。そのため、風車94Eの釘942Eが塑性変化可能とされていることで、釘942Eの位置が初期設定位置からズレ、ひいては回転体941Eの位置が初期設定位置からズレた場合に釘942Eを初期設定位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを釘942Eの位置を調整することで改善することが可能になる。
また、第82及び第83の実施形態の振分装置92では、遊技球99が干渉することで時計回り方向又は反時計回り方向に自由回転するローラ94Dや風車94Eの回転体941Eを有するため、遊技球99が第1通路921と第2通路922とに振り分けられる比率について、一時的かつ偶発的に偏りを持たせることができる。これにより、特図遊技状態がモードB又はモードEである場合に、遊技球99が第1通路921及び第2通路922のいずれに振り分けられるか、即ち遊技球99が電動サポート部材93のサポートを受けて第2始動口315に入球するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、振分部がローラ94Dや風車94Eのような自由回転可能なものである場合、遊技者は振分部としての回転体による第1通路921と第2通路922との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路922に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路922に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路922に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
なお、振分部としての回転体の構成は、図134(A)に示す円柱状のローラ94Dや図134(B)に示す風車94Eの回転体941Eに限定されず、設計変更可能である。例えば、回転体としては、三角柱や四角柱等の角柱状の回転体、楕円柱部材や平板状部材等の断面扁平状部材、歯車等の外周面に凹凸を有する回転体、複数の羽を有するプロペラ状部材等であってもよい。
また、円柱状のローラ94Dや風車94Eの回転体941E等の回転体は、当該回転体に接続されたソレノイド等の駆動手段によって時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能に構成してもよい。この場合の回転体の回転駆動は、例えば一定時間(例えば0.5秒~2秒程度)ごとに時計回り方向と反時計回り方向とを交互に切り替えることが考えられる。もちろん、回転体は、必ずしも一定時間ごとに回転方向を切り替える必要はなく、パターン化された不規則な時間間隔で回転方向を切り替えてもよい。この場合、1:1の理論値で第1通路921と第2通路922とに遊技球99が振分られるように回転体の回転方向を切り替えるのが好ましいが、第1通路921と第2通路922との遊技球の理論振分比率が1:1以外となるように回転体の回転方向を切り替えるようにしてもよい。この場合、遊技状態に応じて、第1通路921と第2通路922との遊技球の理論振分比率を変更するようにしてもよい。例えば、モードBに比べてモードEのほうが第2通路922に遊技球が誘導され易いように回転体を駆動するように構成することができ、その逆に構成することも考えられる。また、振分装置92の導入口920の近傍に入球センサを設け、この入球センサによって導入口920への遊技球99の入球が検知された場合、前回の回転方向とは逆方向に回転体を回転させることも考えられる。
<第84及び第85の実施形態>
第84及び第85の実施形態の振分装置は、回動や回転によらず、不動かつ回転不能な振分部(固定振分部)によって遊技球99を第1通路921又は第2通路922のいずれかに振り分ける点で前述の第1の実施形態とは異なる。
図134(C)に示すように、第84の実施形態に係る遊技機10の振分装置92では、導入口920の直下に頂部941Fを有し、左右対称な山状固定部94Fとして振分部が形成されている。この山状固定部94Fでは、頂部941F又はその近傍に干渉した遊技球99が左右に振り分けられるため、第1通路921及び第2通路922に遊技球99が振り分けられる。
一方、図134(D)に示すように、第85の実施形態に係る遊技機10の振分装置92では、頂点釘941G(固定部)が導入口920の直下に位置し、左右対称な三角釘94Gによって構成された振分部が形成されている。この三角釘94Gでは、頂点釘941Gに干渉した遊技球99が左右に振り分けられるため、第1通路921及び第2通路922に遊技球99が振り分けられる。三角釘38Fは、それぞれ端部が遊技盤31に打設されており、前記端部が固定端、前記端部の反対側の端部が自由端とされている。また、三角釘94Gは、例えば金属により形成されており、塑性変形が可能である。そのため、三角釘94Gのそれぞれが塑性変化可能とされていることで、三角釘94Gの位置が初期設定位置からズレた場合に三角釘94Gを初期設定位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを三角釘94Gの位置を調整することで改善することが可能になる。
また、第84及び第85の実施形態に係る遊技機10では、振分部が山状固定部94Fや三角釘94Gなどの不動かつ回転不能な固定振分部であるため、遊技球99が第1通路921と第2通路922とに振り分けられる比率について、一時的かつ偶発的に偏りを持たせることができる。これにより、前述の第82の実施形態や第83の実施形態に係る遊技機10と同様に、特図遊技状態がモードB又はモードEである場合に、遊技球99が第1通路921及び第2通路922のいずれに振り分けられる、即ち遊技球99が電動サポート部材93のサポートを受けて第2始動口315に入球するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、振分部が山状固定部94Fや三角釘94Gなどの不動かつ回転不能な固定振分部である場合、遊技者は固定振分部による第1通路921と第2通路922との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路922に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路922に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路922に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
なお、遊技球99を第1通路921及び第2通路922に振り分ける振分部の構成は、図134(C)に示す山状固定部94Fや図134(D)に示す三角釘94Gに限定されず、設計変更可能である。例えば、振分部としては、ドーム状山部等の左右対称な他の形状であってもよく、また頂点釘が導入口920の直下に位置する四角釘(菱形釘)等の4本以上の釘からなるものや、1本の釘からなるものであってもよい。もちろん、左右非対称な形状とすることで、第1通路921と第2通路922との遊技球の振り分け比率に偏りを持たせてもよい。
また、以上では、弾性力によって振分部材を回動させる場合、モータ等の回転力を利用して振分部材を回動させる例を説明したが、例えば振分部材の回転軸から延出す支持部の先端部に重り部を形成することで、遊技球99を振り分けた場合に振り子運動を行う構成を採用することもできる。
[発明の概要]
以下、上述の各実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、各付記と各実施形態との対応関係の理解に供するために便宜上符号等を付して説明することがあるが、当該付記に係る発明はその符号を付した具体的構成に限定されるものではない。また、以下で説明する各構成及び各処理機能を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
[付記A1]
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)を備え、
前記振分部(94等)は、前記第1方向に回転されることで得られる第2方向への回転力によって前記第2方向に回転可能であることを特徴とする遊技機。
付記A1に係る遊技機では、振分部によって第1通路に遊技球を振り分けることで振分部が第1方向に回転した場合に、振分部を第2方向に回転させる回転力が発生する。そのため、振分部は、第1方向に回転されることを契機として第2方向に回転されるため、第2通路に遊技球を振り分けることが可能に状態になり得るため、遊技者は振分部が第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングを見計らって遊技球の打ち出しを行うことで、第2通路に対してより多くの遊技球を振り分けさせることが可能になる。これにより、単なる運不運ではなく、第2通路に遊技球が振り分けられ易い遊技球の打ち出しタイミングで遊技球を打ち出すことができるかという遊技者の技量の高低によって第2通路に対する遊技球の振り分け割合が変動するため、遊技の興趣が向上する。
[付記A2]
前記振分部(94等)は、前記第2方向に回転されることで得られる前記第1方向への回転力によって前記第1方向に回転可能であることを特徴とする付記A1に記載の遊技機。
付記A2に係る遊技機では、振分部は、第1方向に回転されることで発生する弾性力によって第2方向に回転された後に、第2方向に回転されることで得られる第1方向への回転力によって第1方向に回転され。即ち、振分部は、第1通路への遊技球の振り分けにより第1方向に回転されることを契機として、第2方向への回転及び第1方向への回転を繰り返すことで回動される。そのため、第1通路への遊技球の振り分けによって振分部が第1方向に回転された場合に、これを契機として振分部を繰り返し回動させることが可能になる。これにより、一度の第1通路への遊技球の振り分けによって、遊技者は第2通路に遊技球を振り分けるタイミングを複数回得ることができるため、技量の低い遊技者であっても振分部に対して第2通路に遊技球を振り分けさせるタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
また、振分部が第2方向に回転されることを契機として振分部が第1方向に回転されることで、この第1方向への回転後に再び振分部が第2方向に回転される。そのため、第2通路に遊技球を振り分けた後にも振分部が第2通路に遊技球を振り分ける状態となり得るため、第2通路への遊技球の振り分けを契機とする振分部の回動動作において、止め打ち等により遊技球を適切なタイミングで打ち出すことで、遊技球を連続して第2通路に振り分けさせることも可能になる。このことによっても、遊技の興趣が向上する。
[付記A3]
前記振分部(94等)は、前記第1方向に回転されることで得られる弾性力によって前記第2方向に回転可能であることを特徴とする付記A1に記載の遊技機。
[付記A4]
前記振分部(94等)は、前記第2方向に回転されることで得られる弾性力によって前記第1方向に回転可能であることを特徴とする付記A2に記載の遊技機。
付記A3及び付記A4に係る遊技機では、弾性力を利用するという簡易な原理によって振分部を第1方向に回転されることを契機として第2方向に回転させることができるため、簡易な構成により実現可能になる。
[付記A5]
前記振分部(94)は、前記第1方向に回転されることで前記第2方向に回転するための弾性力を発生する負荷発生部(944,944A,944E,944F,944P1,944Q1,944Q2,9442I,9443I,9452V,9462V)を有することを特徴とする付記A3に記載の遊技機。
付記A5に係る遊技機では、振分部に弾性力を発生する負荷発生部を設けるという簡易な構成により、振分部によって第2通路に遊技球を振り分けることが可能な状況を提供できる。
[付記A6]
前記負荷発生部(944等)は、前記振分部(94等)が前記第2方向に回転されることで前記振分部(94等)を前記第1方向に回転させるための弾性力を発生することを特徴とする付記A5に記載の遊技機。
付記A6に係る遊技機では、振分部に弾性力を発生する負荷発生部を設けるという簡易な構成により、一度の第1通路への遊技球の振り分けによって、遊技者は第2通路に遊技球を振り分けるタイミングを複数回得ることができる。
[付記A7]
前記負荷発生部(944等)は、前記回転軸(941)に突設されている付記A5又は付記A6に記載の遊技機。
付記A7に係る遊技機では、負荷発生部が回転軸に突設されていることで、振分部の回動周期の均一化を図ることができる。これにより、第2通路に遊技球が振り分けられると予想される遊技球の発射タイミングと、実際に第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングとのズレが発生することを防止できる。
[付記A8]
前記負荷発生部(944等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記A7に記載の遊技機。
付記A8に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷発生部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記A9]
前記負荷発生部(944等)は、板バネを含むことを特徴とする付記A5から付記A8のいずれかに記載の遊技機。
[付記A10]
前記板バネ(944等)は、前記回転軸(941)から延出することを特徴とする付記A9に記載の遊技機。
[付記A11]
前記負荷発生部(9442I,9443I)は、圧縮コイルバネを含むことを特徴とする付記A5から付記A8のいずれかに記載の遊技機。
[付記A12]
前記圧縮コイルバネ(9442I,9443I)は、前記回転軸(941)から延出する支持部(9441I)に固定されていることを特徴とする付記A11に記載の遊技機。
[付記A13]
前記負荷発生部は、捩じりコイルバネを含むことを特徴とする付記A5から付記A8のいずれかに記載の遊技機。
[付記A14]
前記捩じりコイルバネは、前記回転軸(941)から延出する支持部(9441I)に固定されていることを特徴とする付記A13に記載の遊技機。
[付記A15]
前記負荷発生部(9452V,9462V)は、渦巻きバネを含むことを特徴とする付記A5から付記A8のいずれかに記載の遊技機。
[付記A16]
前記渦巻きバネ(9452V,9462V)は、前記回転軸(941)の周面に沿って巻回されていることを特徴とする付記A15に記載の遊技機。
[付記A17]
前記渦巻きバネ(9452V,9462V)は、一端部が前記回転軸(941)に固定され、前記第1方向に巻回された第1渦巻きバネ(9452V)と、一端部が前記回転軸(941)に固定され、前記第2方向に巻回された第2渦巻きバネ(9462V)と、を含むことを特徴とする付記A16に記載の遊技機。
付記A9から付記A17に係る遊技機では、板バネ、圧縮コイルバネ、捩じりコイルバネ、渦巻きバネといった公知のバネの弾性力を利用する簡易な構成によって、振分部の第1方向への回転によって振分部を第2方向に回転させることができ、また振分部の第2方向への回転によって振分部を第1方向に回転させることができる。
[付記A18]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94等)が前記第1方向又は前記第2方向に回転された場合に前記負荷発生部(944等)と干渉し、前記振分部(94)の前記第1方向又は前記第2方向への回転を規制する回転規制手段(945等)をさらに備えることを特徴とする付記A5から付記A17のいずれかに記載の遊技機。
付記A18に係る遊技機では、回転規制手段によって振分部の回転が規制されるため、振分部が必要以上に回転してしまうことを防止できる。また、回転規制手段によって振分部の回転を規制する際に負荷発生部を弾性変形させることができるため、回転規制部によって負荷発生部の回転を規制するという簡易な構成によって、負荷発生部に適切に弾性力を発生させることができる。また、回転規制手段によって振分部の回転か規制されることで、振分部の最大回転角度の均一化を図ることが可能になるため、振分部の回動周期の安定化を図ることが可能になる。これにより、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられやすいタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記A19]
前記回転規制手段(945等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記A18に記載の遊技機。
付記A19に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって回転規制部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記A20]
前記振分部(94等)が前記第1方向に回転される場合に発生する弾性力によって前記振分部(94等)を前記第2方向に回転させる負荷作用部(961J,962J等)をさらに備えることを特徴とする付記A1から付記A19のいずれかに記載の遊技機。
付記A19に係る遊技機では、振分部の第1方向への回転によって振分部を第2方向に回転させるための弾性力が発生する負荷作用部が設けられている。このような負荷作用部を設ける構成も簡易に実現可能である。
[付記A21]
前記負荷作用部(961J,962J等)は、前記振分部(94)が前記第2方向に回転されることで発生する弾性力によって前記振分部(94)を前記第1方向に回転させることを特徴とする付記A20に記載の遊技機。
付記A21に係る遊技機では、振分部が第2方向に回転されることで振分部を第1方向に回転させるための弾性力が負荷作用部で発生するため、振分部が第1通路への遊技球の振り分けにより第1方向に回転されることを契機として、第2方向への回転及び第1方向への回転を繰り返すことで回動される。また、振分部が第2方向に回転されることを契機として第1方向に回転されることで、この第1方向への回転後に再び振分部が第2方向に回転される。そのため、付記A21に係る遊技機においても、付記A2に係る遊技機と同様の効果を奏する。
[付記A22]
前記負荷作用部(961J,962J等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記A21に記載の遊技機。
付記A22に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷作用部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記A23]
前記負荷作用部は、板バネ(9611O,9612O等)を含むことを特徴とする付記A20から付記A22のいずれかに記載の遊技機。
[付記A24]
前記負荷作用部は、圧縮コイルバネ(961J,962J等)を含むことを特徴とする付記A20から付記A22のいずれかに記載の遊技機。
[付記A25]
前記負荷作用部は、捩じりコイルバネ(961N,962N)を含むことを特徴とする付記A20から付記A22のいずれかに記載の遊技機。
[付記A26]
前記負荷作用部は、渦巻きバネ(946W,947W)を含むことを特徴とする付記A20から付記A22のいずれかに記載の遊技機。
付記A23から付記A26に係る遊技機では、板バネ、圧縮コイルバネ、捩じりコイルバネ、渦巻きバネといった公知のバネの弾性力を利用する簡易な構成によって、振分部の第1方向への回転によって振分部を第2方向に回転させることができ、また振分部の第2方向への回転によって振分部を第1方向に回転させることができる。
[付記A27]
前記振分部(94等)は、前記負荷作用部(961J,962J等)に干渉する負荷入力部(940J等)をさらに有することを特徴とする付記A20から付記A26のいずれかに記載の遊技機。
[付記A28]
前記負荷入力部(940J等)は、前記負荷作用部(961J,962J等)との干渉によって弾性変形されることで前記振分部(94J等)を回転させる弾性力を発生することを特徴とする付記A27に記載の遊技機。
付記A27及び付記A28に係る遊技機では、負荷作用部が負荷入力部に干渉することで、振分部を回転させるために負荷作用部で発生した弾性力が負荷入力部から入力される。このとき、負荷入力部が弾性変形されることで、負荷入力部に振分部を回転させる弾性力を発生するそのため、付記A27及び付記A28に係る遊技機では、負荷作用部と負荷発生部との干渉時の衝撃を負荷作用部及び負荷発生部の双方の弾性変形によって吸収できるために負荷作用部及び負荷発生部の寿命を向上させることが可能になる。加えて、負荷作用部と負荷発生部との干渉時の弾性変形によって発生する弾性力を振分部の回転に利用することが可能になる。また、遊技場での開店時間において、振分部材が遊技球を第1通路に振り分ける状態となっていることで、例えば第1通路に遊技球を通過させる場合に比べて、第2通路に遊技球を通過させるほうが遊技者に有利である場合に、遊技場の開店時に遊技者に有利な状態である、いわゆるモーニングに対する対策を行うことができる。
[付記A29]
前記負荷入力部(940J等)は、前記回転軸(941)に突設されている付記A27又は付記A28に記載の遊技機。
付記A29に係る遊技機では、負荷入力部が回転軸に突設されていることで、振分部の回動周期の均一化を図ることができる。これにより、第2通路に遊技球が振り分けられると予想される遊技球の発射タイミングと、実際に第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングとのズレが発生することを防止できる。
[付記A30]
前記負荷入力部(940J等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記A29に記載の遊技機。
付記A30に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷入力部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記A31]
前記負荷入力部(944T)は、前記負荷作用部(961O,961U)が摺動するカム面(9441T,9442T)を有することを特徴とする付記A27に記載の遊技機。
[付記A32]
前記振分部(94)は、静止状態において前記導入口(920)から導入された遊技球を前記第1通路(921)に振り分け可能であることを特徴とする付記A1から付記A31のいずれかに記載の遊技機。
付記A32に係る遊技機では、振分部が静止状態にある場合、振分部が第1通路に遊技球を振り分ける姿勢とされているため、振分部が静止状態である場合に振分装置に遊技球が導入されると、振分部の回転によって遊技球が第1通路に振り分けられる。そのため、振分装置に導入された遊技球が振分部に受け取られた場合に振分部の静止状態が維持されることを抑制し、振分装置での遊技球の球詰まりを防止できる。
[付記A33]
前記振分部(94)は、前記静止状態において前記第1通路(921)に遊技球が振り分けられ易い姿勢にする偏心部(943)を有することを特徴とする付記A32に記載の遊技機。
[付記A34]
前記偏心部(943)は、前記回転軸(941)から延出する支持部(946)を介して前記回転軸(941)に一体化されていることを特徴とする付記A33に記載の遊技機。
[付記A35]
前記振分部(94)は、前記導入口(920)から導入される遊技球を前記第1通路(921)に誘導する第1誘導部(942L)と、前記第1誘導部(942L)に対して線対称に配置され、前記導入口(920)から導入される遊技球を前記第2通路(922)に誘導する第2誘導部(942R)とをさらに有し、
前記静止状態において、前記第1誘導部(942L)と前記第2誘導部(942R)との対称軸が、垂直軸に対して前記第1通路(921)側に傾斜していることを特徴とする付記A33又は付記A34に記載の遊技機。
付記A33から付記A35に係る遊技機では、振分部に偏心部を設けるという簡易な構成によって振分装置での球詰まりを効果的に防止できると共に、モーニング対策を行うことができる。
[付記A36]
所定間隔(Th)で遊技球を発射させることが可能な発射制御手段(41)をさらに備え、
前記振分部(94)は、前記第1方向から前記第2方向に回転方向を切り替える第1切替点(P1)を起点とした場合に、前記第2方向から前記第1方向に回転方向を切り替える第2切替点(P2)を経由して再度前記第1切替点(P1)に到達するまでの単位回動周期(Ts)が、前記所定間隔(Th)の正の整数倍又は略正の整数倍(例えば回動周期の正の整数倍の±15%の範囲)であることを特徴とする付記A1から付記A35のいずれかに記載の遊技機。
付記A36に係る遊技機では、単位回動周期(Ts)が遊技球の発射間隔(所定間隔(Th))の正の整数倍又はそれに近い値であることで、第2通路に遊技球が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)と、遊技球の発射タイミングとをリンクさせ易くなる。また、遊技球の発射タイミングと振分装置の第2通路に振り分けられるタイミングと合致させることができれば、その後は止め打ちを行うことによって高確率で第2通路に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。例えば、遊技球の発射タイミングと振分装置の第2通路に振り分けられるタイミングと合致させた後は、1球の打ち出しと、1球の打ち止めとを繰り返すことで、高確率で第2通路に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。なお、発射制御手段による遊技球の発射間隔が複数設定されている場合、単位回動周期は、複数ある発射間隔のうちの最も時間が短い発射間隔の正の整数倍又はそれに近い値とされる。
[付記A37]
前記単位回動周期(Ts)は、前記所定間隔(Th)の正の整数倍±15%の範囲であることを特徴とする付記A36に記載の遊技機。
[付記A38]
前記単位回動周期(Ts)は、前記所定間隔(Th)の1.6倍~2.4倍であることを特徴とする付記A36に記載の遊技機。
付記A37及び付記A38に係る遊技機では、単位回動周期(Ts)が遊技球の発射間隔(Th)の正の整数倍からズレている場合であっても、所定の範囲内のズレであれば、付記A36に係る遊技機と同等の効果を奏することができる。
[付記A39]
前記振分部(94)が前記第2通路(922)に遊技球を振り分け可能な位置にあることを遊技者に示す位置指示部(923)と、
前記位置指示部(923)を制御し、前記振分部(94)が前記第2通路(922)に遊技球を振り分け可能な位置にあることを遊技者に示す指示状態と、前記指示状態とは異なる非指示状態との切り替えを制御する位置指示部制御手段(51)と、
をさらに備えることを特徴とする付記A1から付記A38のいずれかに記載の遊技機。
付記A39に係る遊技機では、位置指示部制御手段によって位置指示部が制御されることで、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な位置にあることが遊技者に報知される。そのため、遊技者は、位置指示部の指示状態を目安として遊技球を打ち出すことが可能になる。これにより、遊技者は、振分部の回転方向や姿勢を目視で確認しつつ遊技球を打ち出す場合に比べて、第2通路に遊技球が振り分けられ易い遊技球の打ち出しタイミングを見つけ出すのが容易になるため、技量の低い遊技者であっても、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記A40]
前記位置指示部(923)は、前記振分部(94)が前記第2通路(922)に遊技球を振り分け可能な位置にある場合に点灯されることで前記指示状態とされる発光部(923)を有することを特徴とする付記A39に記載の遊技機。
付記A40に係る遊技機では、位置指示部が発光部の点灯及び消灯によって指示状態及び非指示状態とされるため、発光部を有する簡易な構成により位置指示部が実現される。
[付記A41]
振分装置(92)は、前記発光部(923)の点灯状態と消灯状態との区別を視認容易にするための視認補助部(925)をさらに有することを特徴とする付記A40に記載の遊技機。
付記A41に係る遊技機では、位置指示部が発光部を有する構成とした場合、位置指示部以外のランプの点灯等により発光部の点灯及び消灯が視認し難くなるが懸念されるが、視認補助部を設けることで発光部の点灯状態と消灯状態との区別が視認容易になる、先の懸念が解消される。
[付記A42]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94)の位置を検知する位置検知手段(95)をさらに備え、
前記位置指示部制御手段(51)は、前記位置検知手段(95)での検知結果に基づいて、前記位置指示部(923)の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記A39から付記A41のいずれかに記載の遊技機。
付記A42に係る遊技機では、位置検知手段での検知結果に基づいて位置指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転位置(姿勢)を適切に反映させた指示状態及び非指示状態を実現することができる。そのため、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な位置にあることを遊技者に正確に報知することが可能になる。
[付記A43]
前記位置指示部(923)は、前記振分装置(92)に設けられていることを特徴とする付記A39から付記A42のいずれかに記載の遊技機。
付記A43に係る遊技機では、位置指示部が振分装置に設けられているため、遊技者は振分装置から視線を逸らすことなく、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを把握できる。そのため、遊技者は、振分装置を確認して遊技球の打ち出しタイミングを計りつつ、振分装置に導入された遊技球が第1通路及び第2通路のいずれに振り分けられたかを視線を大きく移動させることなく確認できる。これにより、視線移動を極力小さくしつつ、遊技者による遊技球の打ち出しタイミングと、そのタイミングでの遊技球の打ち出しに対する振り分け結果との関係を把握できる。
[付記A44]
前記第2通路(922)に遊技球が振り分けられ易い遊技球の発射タイミングを示す発射指示部(923)と、
前記発射指示部(923)を制御し、前記第2通路(922)に遊技球が振り分けられ易い発射タイミングであることを示す指示状態と、前記指示状態とは異なる非指示状態との切り替えを制御する発射指示部制御手段(51)と、
をさらに備えることを特徴とする付記A39から付記A43のいずれかに記載の遊技機。
付記A44に係る遊技機では、発射指示部制御手段によって発射指示部が制御されることで、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な遊技球の発射タイミングであることが遊技者に報知される。そのため、遊技者は、発射指示部の指示状態を目安として遊技球を打ち出すことが可能になる。これにより、遊技者は、振分部の回転方向や姿勢を目視で確認しつつ遊技球を打ち出す場合に比べて、第2通路に遊技球が導かれ易い遊技球の発射タイミングを見つけ出すのが容易になるため、技量の低い遊技者であっても、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記A45]
前記発射指示部(923)は、前記第2通路(922)に遊技球が振り分けられ易い遊技球の発射タイミングである場合に点灯されることで前記指示状態とされる発光部(923)を有することを特徴とする付記A44に記載の遊技機。
付記A45に係る遊技機では、発射指示部が発光部の点灯及び消灯によって指示状態及び非指示状態とされるため、発光部を有する簡易な構成により発射指示部が実現される。
[付記A46]
振分装置(92)は、前記発光部(923)の点灯状態と消灯状態との区別を視認容易にするための視認補助部(925)をさらに有することを特徴とする付記A45に記載の遊技機。
付記A46に係る遊技機では、発射指示部が発光部を有する構成とした場合、発射指示部以外のランプの点灯等により発光部の点灯及び消灯が視認し難くなるが懸念されるが、視認補助部を設けることで発光部の点灯状態と消灯状態との区別が視認容易になるため、先の懸念が解消される。
[付記A47]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94)の位置を検知する位置検知手段(95)をさらに備え、
前記発射指示部制御手段(51)は、前記位置検知手段(95)での検知結果に基づいて、前記位置指示部(923)の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記A44から付記A46のいずれかに記載の遊技機。
付記A47に係る遊技機では、位置検知手段での検知結果に基づいて発射指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転位置(姿勢)を適切に反映させた指示状態及び非指示状態を実現することができる。そのため、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な遊技球の発射タイミングであることを遊技者に正確に報知することが可能になる。
[付記A48]
前記発射指示部(923)は、前記振分装置(92)に設けられていることを特徴とする付記A44から付記A47のいずれかに記載の遊技機。
付記A48に係る遊技機では、発射指示部が振分装置に設けられているため、遊技者は振分装置から視線を逸らすことなく、第2通路に遊技球が振り分けられ易い発射タイミングを把握できる。そのため、遊技者は、振分装置を確認して遊技球の発射タイミングを計りつつ、振分装置に導入された遊技球が第1通路及び第2通路のいずれに振り分けられたかを視線を大きく移動させることなく確認できる。これにより、視線移動を極力小さくしつつ、遊技者による遊技球の打ち出しタイミングと、そのタイミングでの遊技球の打ち出しに対する振り分け結果との関係を把握できる。
[付記A49]
前記振分部(94)の回転方向を示す方向指示部(923,923L,923R)と、
前記方向指示部(923,923L,923R)を制御し、前記振分部(94)が前記第1方向又は前記第2方向に回転している状態であることを示す指示状態と、前記指示状態とは異なる非指示状態との切り替えを制御する方向指示部制御手段(51)と、
を備えることを特徴とする付記A1から付記A48のいずれかに記載の遊技機。
付記A49に係る遊技機では、方向指示部制御手段によって方向指示部が制御されることで、振分部の回転方向が遊技者に報知される。そのため、方向指示部の指示状態を目安として、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことが可能になる。これにより、遊技者は、振分部の回転方向や姿勢を目視で確認しつつ遊技球を打ち出す場合に比べて、第2通路に遊技球が導かれ易い遊技球の打ち出しタイミングを見つけ出すのが容易になるため、技量の低い遊技者であっても、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記A50]
前記方向指示部(923,923L,923R)は、前記振分部(94)が前記第1方向又は前記第2方向に回転している状態である場合に点灯されることで前記指示状態とされる発光部(923,923L,923R)を有することを特徴とする付記A49に記載の遊技機。
付記A50に係る遊技機では、方向指示部が発光部の点灯及び消灯によって指示状態及び非指示状態とされるため、発光部を有する簡易な構成により方向指示部が実現される。
[付記A51]
振分装置(92)は、前記発光部(923)の点灯状態と消灯状態との区別を視認容易にするための視認補助部(925)をさらに有することを特徴とする付記A50に記載の遊技機。
付記A51に係る遊技機では、方向指示部が発光部を有する構成とした場合、方向指示部以外のランプの点灯等により発光部の点灯及び消灯が視認し難くなるが懸念されるが、視認補助部を設けることで発光部の点灯状態と消灯状態との区別が視認容易になるため、先の懸念が解消される。
[付記A52]
前記方向指示部(923L,923R)は、
前記振分部(94)が前記第1方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記指示状態とされ、前記第2方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記非指示状態とされる第1方向指示部(923L)と、
前記振分部(94)が前記第2方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記指示状態とされ、前記第1方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記非指示状態とされる第2方向指示部(923R)と、
を含むことを特徴する付記A49から付記A51のいずれかに記載の遊技機。
付記A52に係る遊技機では、方向指示部が第1方向指示部及び第2方向指示部の2つを含むため、1つの方向指示部の指示状態及び非指示状態によって振分部の回転方向を把握する場合に比べて、振分部の回転方向を正確に把握し易くなる。また、方向指示部の指示及び非指示状態の方向に着目するまでもなく、例えば第1方向指示部の点灯状態と、第2方向指示部の点灯状態といったように、第1方向指示部及び第2方向指示部の指示状態のみに着目して振分部の回転方向を把握できるため、振分部の回転方向を正確に把握し易くなる。これにより、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことが容易になるため、技量の低い遊技者であっても第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングで遊技球を打ち出すことができる確率を向上させることが可能になる。
[付記A53]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94)の回転方向する検知手段をさらに備え、
前記方向指示部制御手段(51)は、前記検知手段での検知結果に基づいて、前記方向指示部(923の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記A49から付記A52のいずれかに記載の遊技機。
付記A53に係る遊技機では、検知手段での検知結果に基づいて方向指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転方向(姿勢)を適切に反映させた指示状態及び非指示状態を実現することができる。そのため、方向指示部の指示状態と非指示状態とに基づいて、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことが可能になるため、遊技者の技量が適切に反映される遊技性の遊技機を提供できる。
[付記A54]
前記方向指示部(923,923L,923R)は、前記振分装置(92)に設けられていることを特徴とする付記A49から付記A53のいずれかに記載の遊技機。
付記A54に係る遊技機では、方向指示部が振分装置に設けられているため、遊技者は振分装置から視線を逸らすことなく、振分部の回転方向を把握できる。そのため、遊技者は、振分装置での振分部の回転方向を確認して遊技球の打ち出しタイミングを計りつつ、振分装置に導入された遊技球が第1通路及び第2通路のいずれに振り分けられたかを視線を大きく移動させることなく確認できる。これにより、視線移動を極力小さくしつつ、遊技者による遊技球の打ち出しタイミングと、そのタイミングでの遊技球の打ち出しに対する振り分け結果とを関係を把握し易くなる。
[付記A55]
前記振分部(94等)は、外部から視認可能であることを特徴とする付記A1から付記A54に記載の遊技機。
付記A55に係る遊技機では、振分部が外部から視認可能であることため、遊技者は振分部の回動動作を確認しつつ第2通路に遊技球が振り分けられやすいタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことができる。
[付記A56]
遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの判定を行う契機を与える入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記A1から付記A55のいずれかに記載の遊技機。
付記A56に係る遊技機では、通過検知手段によって遊技球が第2通路を通過したことが検知されることを契機として入賞口への遊技球の入球が可能になり、この遊技球の入球により特別遊技状態に移行させるか否かの判定が行われる。つまり、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられる場合に特別遊技状態への移行の判定の契機となる入賞口への遊技球の入球が見込めるタイミングを見払って遊技球の打ち出しが可能になる。これにより、遊技者は、自身の技量によって自身に有利になるように遊技を進行させることが可能になる。換言すれば、遊技者は、少ない遊技球の打ち出し数で多くの特別遊技への移行判定を受ける機会を得ることが可能になる。
[付記A57]
遊技球が入球可能な入賞口(314L)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記A1から付記A56のいずれかに記載の遊技機。
付記A57に係る遊技機では、可動役物部材が第2位置にある場合に、可動役物部材によって第1通路を通過する遊技球、及び第2通路を通過する遊技球のいずれも可動役物部材によって入賞口に入球可能になる。即ち、可動役物部材は、第1通路を通過する遊技球、及び第2通路を通過する遊技球に対して同時に、入賞口への遊技球の入球の制限及び入球許容を行う。そのため、第1通路を通過する遊技球の入賞口への入球の制限及び許容を行う可動役物部材と、第2通路を通過する遊技球の入賞口への入球の制限及び許容を行う可動役物部材とを個別に設ける場合に比べて、入賞口への第1通路及び第2通路の遊技球の入球の制限及び許容を、より簡素化された構成によって実現できるだけでなく、可動役物部材の制御も簡易になる。
[付記A58]
第1遊技状態(モードB)と、前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とする前記可動役物部材(93)の作動時間が前記第1遊技状態よりも長い第2遊技状態(モードB)と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備えることを特徴とする付記A57に記載の遊技機。
[付記A59]
前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態に比べて、前記可動役物部材(93)が作動された場合に、前記第1通路(921)を通過する遊技球が前記可動役物部材(93)に入球され易いことを特徴とする付記A58に記載の遊技機。
[付記A60]
前記複数の遊技状態は、前記第1遊技状態(モードB)及び前記第2遊技状態(モードE)よりも遊技者な有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)をさらに含み、
前記第1遊技状態(モードB)及び前記第2遊技状態(モードE)において、前記入賞口(315)への遊技球の入球を契機として前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)へ移行させるか否かの判定を行う判定手段(41)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記判定手段(41)での判定結果が前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるものである場合に前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させ、
前記第2遊技状態(モードE)は、前記第1遊技状態(モードB)に比べて、前記判定手段(41)において前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記A58又は付記A59に記載の遊技機。
付記A58から付記A60に係る遊技機によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とで可動役物部材の作動時間が異なり、可動役物部材が作動した場合の入賞口への遊技球の入球し易さ、特に第1通路を通過する遊技球の入賞口への遊技球の入球し易さが異なる。そのため、第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかによって、また振分装置の第1通路及び第2通路のいずれを通過したかによって入賞口への遊技球の入球し易さが異なる遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記A61]
前記振分装置(92)は、遊技盤(31)の右側領域に打ち出される遊技球が導入される位置に設けられていることを特徴とする付記A47から付記A60のいずれかに記載の遊技機。
[付記A62]
前記遊技盤(31)の右側領域に打ち出される遊技球の全てを前記振分装置(92)の前記導入口(920)に誘導するガイド部(31Y)をさらに備えることを特徴とする付記A61に記載の遊技機。
付記A61及び付記A62に係る遊技機では、遊技盤の右側領域に遊技球を打ち出す、いわゆる右打ちを行うことで振分装置に遊技球が導入される。そのため、複数の遊技状態のうちの特定の遊技状態において振分装置を利用して入賞口に遊技球を入球させる遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記A63]
前記可動役物部材(93)は、
前記第2位置において前記第1通路(921)を通過する遊技球を前記入賞口(315)に向けて誘導する第1誘導部(931A,932G)と、
前記第2位置において前記第2通路(922)を通過する遊技球の前記入賞口(315)に向けて誘導する第2誘導部(932A,933G)と、
を有することを特徴とする付記A57から付記A62のいずれかに記載の遊技機。
付記A63に係る遊技機では、第1誘導部及び第2誘導部を有する簡易な構成の可動役物部材によって、可動役物部材が第2位置にある場合に第1通路の遊技球と第2通路の遊技球との双方を入賞口に誘導することが可能になる。
[付記A64]
前記可動役物部材(93)は、前記第1誘導部(931A)と前記第2誘導(932A)との間に設けられ、前記第2位置において前記入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通孔(933A)をさらに有することを特徴とする付記A63に記載の遊技機。
付記A64に係る遊技機では、第1誘導部及び第2誘導部に加えて、貫通孔を有する簡易な構成の可動役物部材によって、第1通路の遊技球と第2通路の遊技球とを入賞口に入球させることが可能になる。
[付記A65]
前記第1誘導部(932G)及び前記第2誘導部(933G)は、
前記第1位置において互いに近接した状態となって前記入賞口(315)を閉鎖状態として前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過する遊技球の前記入賞口(315)への遊技球の入球を制限し、
前記第2位置において互いに離間した状態となって前記入賞口(315)を開放状態として前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過する遊技球の前記入賞口(315)への遊技球の入球を許容することを特徴とする付記A64に記載の遊技機。
付記A56に係る遊技機では、近接離間可能な第1誘導部及び第2誘導部を有する簡易な構成の可動役物部材によって、可動役物部材が第2位置にある場合に第1通路の遊技球と第2通路の遊技球とを入賞口に誘導することが可能になる。
[付記B1]
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)と、
を備え、
前記振分部(94)は、静止状態において前記導入口(920)から導入された遊技球を前記第1通路(921)に振り分け可能であることを特徴とする遊技機。
付記B1に係る遊技機では、振分部が静止状態にある場合、振分部が第1通路に遊技球を振り分ける姿勢とされているため、振分部が静止状態である場合に振分装置に遊技球が導入されると、振分部の回転によって遊技球が第1通路に振り分けられる。そのため、振分装置に導入された遊技球が振分部に受け取られた場合に振分部の静止状態が維持されることを抑制し、振分装置での遊技球の球詰まりを防止できる。
[付記B2]
前記振分部(94)は、前記静止状態において前記第1通路(921)に遊技球が振り分けられ易い姿勢にする偏心部(943)を有することを特徴とする付記B1に記載の遊技機。
[付記B3]
前記偏心部(943)は、前記回転軸(941)から延出する支持部(946)を介して前記回転軸(941)に一体化されていることを特徴とする付記B2に記載の遊技機。
[付記B4]
前記振分部(94)は、前記導入口(920)から導入される遊技球を前記第1通路(921)に誘導する第1誘導部(942L)と、前記第1誘導部(942L)に対して線対称に配置され、前記導入口(920)から導入される遊技球を前記第2通路(922)に誘導する第2誘導部(942R)とをさらに有し、
前記静止状態において、前記第1誘導部(942L)と前記第2誘導部(942R)との対称軸が、垂直軸に対して前記第1通路(921)側に傾斜していることを特徴とする付記B2又は付記B3に記載の遊技機。
付記B2から付記B4に係る遊技機では、振分部に偏心部を設けるという簡易な構成によって振分装置での球詰まりを効果的に防止できる。
[付記B5]
前記振分部(94等)は、前記第1方向に回転されることで得られる前記第2方向への回転力によって前記第2方向に回転可能であることを特徴とする付記B1から付記B4のいずれかに記載の遊技機。
付記B5に係る遊技機では、振分部によって第1通路に遊技球を振り分けることで振分部が第1方向に回転した場合に、振分部を第2方向に回転させる回転力が発生する。そのため、振分部は、第1方向に回転されることを契機として第2方向に回転されるため、第2通路に遊技球を振り分けることが可能に状態になり得るため、遊技者は振分部が第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングを見計らって遊技球の打ち出しを行うことで、第2通路に対してより多くの遊技球を振り分けさせることが可能になる。これにより、単なる運不運ではなく、第2通路に遊技球が振り分けられ易い遊技球の打ち出しタイミングで遊技球を打ち出すことができるかという遊技者の技量の高低によって第2通路に対する遊技球の振り分け割合が変動するため、遊技の興趣が向上する。
[付記B6]
前記振分部(94等)は、前記第2方向に回転されることで得られる前記第1方向への回転力によって前記第1方向に回転可能であることを特徴とする付記B5に記載の遊技機。
付記B6に係る遊技機では、振分部は、第1方向に回転されることで発生する弾性力によって第2方向に回転された後に、第2方向に回転されることで得られる第1方向への回転力によって第1方向に回転され。即ち、振分部は、第1通路への遊技球の振り分けにより第1方向に回転されることを契機として、第2方向への回転及び第1方向への回転を繰り返すことで回動される。そのため、第1通路への遊技球の振り分けによって振分部が第1方向に回転された場合に、これを契機として振分部を繰り返し回動させることが可能になる。これにより、一度の第1通路への遊技球の振り分けによって、遊技者は第2通路に遊技球を振り分けるタイミングを複数回得ることができるため、技量の低い遊技者であっても振分部に対して第2通路に遊技球を振り分けさせるタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
また、振分部が第2方向に回転されることを契機として振分部が第1方向に回転されることで、この第1方向への回転後に再び振分部が第2方向に回転される。そのため、第2通路に遊技球を振り分けた後にも振分部が第2通路に遊技球を振り分ける状態となり得るため、第2通路への遊技球の振り分けを契機とする振分部の回動動作において、止め打ち等により遊技球を適切なタイミングで打ち出すことで、遊技球を連続して第2通路に振り分けさせることも可能になる。このことによっても、遊技の興趣が向上する。
[付記B7]
前記振分部(94等)は、前記第1方向に回転されることで得られる弾性力によって前記第2方向に回転可能であることを特徴とする付記B6に記載の遊技機。
[付記B8]
前記振分部(94等)は、前記第2方向に回転されることで得られる弾性力によって前記第1方向に回転可能であることを特徴とする付記B7に記載の遊技機。
付記B7及び付記B8に係る遊技機では、弾性力を利用するという簡易な原理によって振分部を第1方向に回転されることを契機として第2方向に回転させることができるため、簡易な構成により実現可能になる。
[付記B9]
前記振分部(94)は、前記第1方向に回転されることで前記第2方向に回転するための弾性力を発生する負荷発生部(944,944A,944E,944F,944P1,944Q1,944Q2,9442I,9443I,9452V,9462V)を有することを特徴とする付記B8に記載の遊技機。
付記B9に係る遊技機では、振分部に弾性力を発生する負荷発生部を設けるという簡易な構成により、振分部によって第2通路に遊技球を振り分けることが可能な状況を提供できる。
[付記B10]
前記負荷発生部(944等)は、前記振分部(94等)が前記第2方向に回転されることで前記振分部(94等)を前記第1方向に回転させるための弾性力を発生することを特徴とする付記B9に記載の遊技機。
付記B10に係る遊技機では、振分部に弾性力を発生する負荷発生部を設けるという簡易な構成により、一度の第1通路への遊技球の振り分けによって、遊技者は第2通路に遊技球を振り分けるタイミングを複数回得ることができる。
[付記B11]
前記負荷発生部(944等)は、前記回転軸(941)に突設されている付記B9又は付記B10に記載の遊技機。
付記B11に係る遊技機では、負荷発生部が回転軸に突設されていることで、振分部の回動周期の均一化を図ることができる。これにより、第2通路に遊技球が振り分けられると予想される遊技球の発射タイミングと、実際に第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングとのズレが発生することを防止できる。
[付記B12]
前記負荷発生部(944等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記B11に記載の遊技機。
付記B12に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷発生部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記B13]
前記負荷発生部(944等)は、板バネを含むことを特徴とする付記B9から付記B12のいずれかに記載の遊技機。
[付記B14]
前記板バネ(944等)は、前記回転軸(941)から延出することを特徴とする付記B13に記載の遊技機。
[付記B15]
前記負荷発生部(9442I,9443I)は、圧縮コイルバネを含むことを特徴とする付記B9から付記B12のいずれかに記載の遊技機。
[付記B16]
前記圧縮コイルバネ(9442I,9443I)は、前記回転軸(941)から延出する支持部(9441I)に固定されていることを特徴とする付記B15に記載の遊技機。
[付記B17]
前記負荷発生部は、捩じりコイルバネを含むことを特徴とする付記B9から付記B12のいずれかに記載の遊技機。
[付記B18]
前記捩じりコイルバネは、前記回転軸(941)から延出する支持部(9441I)に固定されていることを特徴とする付記B17に記載の遊技機。
[付記B19]
前記負荷発生部(9452V,9462V)は、渦巻きバネを含むことを特徴とする付記B9から付記B12のいずれかに記載の遊技機。
[付記B20]
前記渦巻きバネ(9452V,9462V)は、前記回転軸(941)の周面に沿って巻回されていることを特徴とする付記B19に記載の遊技機。
[付記B21]
前記渦巻きバネ(9452V,9462V)は、一端部が前記回転軸(941)に固定され、前記第1方向に巻回された第1渦巻きバネ(9452V)と、一端部が前記回転軸(941)に固定され、前記第2方向に巻回された第2渦巻きバネ(9462V)と、を含むことを特徴とする付記B20に記載の遊技機。
付記B13から付記B21に係る遊技機では、板バネ、圧縮コイルバネ、捩じりコイルバネ、渦巻きバネといった公知のバネの弾性力を利用する簡易な構成によって、振分部の第1方向への回転によって振分部を第2方向に回転させることができ、また振分部の第2方向への回転によって振分部を第1方向に回転させることができる。
[付記B22]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94等)が前記第1方向又は前記第2方向に回転された場合に前記負荷発生部(944等)と干渉し、前記振分部(94)の前記第1方向又は前記第2方向への回転を規制する回転規制手段(945等)をさらに備えることを特徴とする付記B11から付記B21のいずれかに記載の遊技機。
付記B22に係る遊技機では、回転規制手段によって振分部の回転が規制されるため、振分部が必要以上に回転してしまうことを防止できる。また、回転規制手段によって振分部の回転を規制する際に負荷発生部を弾性変形させることができるため、回転規制手段によって負荷発生部の回転を規制するという簡易な構成によって、負荷発生部に適切に弾性力を発生させることができる。また、回転規制手段によって振分部の回転か規制されることで、振分部の最大回転角度の均一化を図ることが可能になるため、振分部の回動周期の安定化を図ることが可能になる。これにより、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられやすいタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記B23]
前記回転規制手段(945等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記B22に記載の遊技機。
付記B23に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって回転規制部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記B24]
前記振分部(94等)が前記第1方向に回転される場合に発生する弾性力によって前記振分部(94等)を前記第2方向に回転させる負荷作用部(961J,962J等)をさらに備えることを特徴とする付記B1から付記B23のいずれかに記載の遊技機。
付記B24に係る遊技機では、振分部の第1方向への回転によって振分部を第2方向に回転させるための弾性力を発生する負荷作用部が設けられている。このような負荷作用部を設ける構成も簡易に実現可能であり、また振分部に負荷発生部を設ける付記B23に係る遊技機と同様の効果を奏する。
[付記B25]
前記負荷作用部(961J,962J等)は、前記振分部(94)が前記第2方向に回転される場合に発生する弾性力によって前記振分部(94)を前記第1方向に回転させることを特徴とする付記B24に記載の遊技機。
付記B25に係る遊技機では、振分部が第2方向に回転されることで振分部を第1方向に回転させるための弾性力が負荷作用部で発生するため、振分部が第1通路への遊技球の振り分けにより第1方向に回転されることを契機として、第2方向への回転及び第1方向への回転を繰り返すことで回動される。また、振分部が第2方向に回転されることを契機として第1方向に回転されることで、この第1方向への回転後に再び振分部が第2方向に回転される。そのため、付記B23に係る遊技機においても、付記B9に係る遊技機と同様の効果を奏する。
[付記B26]
前記負荷作用部(961J,962J等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記B25に記載の遊技機。
付記B26に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷作用部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記B27]
前記負荷作用部は、板バネ(9611O,9612O等)を含むことを特徴とする付記B24から付記B26のいずれかに記載の遊技機。
[付記B28]
前記負荷作用部は、圧縮コイルバネ(961J,962J等)を含むことを特徴とする付記B24から付記B26のいずれかに記載の遊技機。
[付記B29]
前記負荷作用部は、捩じりコイルバネ(961N,962N)を含むことを特徴とする付記B24から付記B26のいずれかに記載の遊技機。
[付記B30]
前記負荷作用部は、渦巻きバネ(946W,947W)を含むことを特徴とする付記B24から付記B26のいずれかに記載の遊技機。
付記B27から付記B30に係る遊技機では、板バネ、圧縮コイルバネ、捩じりコイルバネ、渦巻きバネといった公知のバネの弾性力を利用する簡易な構成によって、振分部の第1方向への回転によって振分部を第2方向に回転させることができ、また振分部の第2方向への回転によって振分部を第1方向に回転させることができる。
[付記B31]
前記振分部(94等)は、前記負荷作用部(961J,962J等)に干渉する負荷入力部(940J等)をさらに有することを特徴とする付記B24から付記B30のいずれかのいずれかに記載の遊技機。
[付記B32]
前記負荷入力部(940J等)は、前記負荷作用部(961J,962J等)との干渉によって弾性変形されることで前記振分部(94J等)を回転させる弾性力を発生することを特徴とする付記B31に記載の遊技機。
付記B31及び付記B32に係る遊技機では、負荷作用部が負荷入力部に干渉することで、振分部を回転させるために負荷作用部で発生した弾性力が負荷入力部から入力される。このとき、負荷入力部が弾性変形されることで、負荷入力部に振分部を回転させる弾性力が発生する。そのため、付記B31及び付記B32に係る遊技機では、負荷作用部と負荷発生部との干渉時の衝撃を負荷作用部及び負荷発生部の双方の弾性変形によって吸収できるために負荷作用部及び負荷発生部の寿命を向上させることが可能になる。加えて、負荷作用部と負荷発生部との干渉時の弾性変形によって発生する弾性力を振分部の回転に利用することが可能になる。また、遊技場での開店時間において、振分部材が遊技球を第1通路に振り分ける状態となっていることで、例えば第1通路に遊技球を通過させる場合に比べて、第2通路に遊技球を通過させるほうが遊技者に有利である場合に、遊技場の開店時に遊技者に有利な状態である、いわゆるモーニングに対する対策を行うことができる。
[付記B33]
前記負荷入力部(940J等)は、前記回転軸(941)に突設されている付記31又は付記32に記載の遊技機。
付記B33に係る遊技機では、負荷入力部が回転軸に突設されていることで、振分部の回動周期の均一化を図ることができる。これにより、第2通路に遊技球が振り分けられると予想される遊技球の発射タイミングと、実際に第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングとのズレが発生することを防止できる。
[付記B34]
前記負荷入力部(940J等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記A29に記載の遊技機。
付記B34に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷入力部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記B35]
前記負荷入力部(944T)は、前記負荷作用部(961O,961U)が摺動するカム面(9441T,9442T)を有することを特徴とする付記B31に記載の遊技機。
[付記B36]
前記振分部(94等)は、外部から視認可能であることを特徴とする付記B1から付記B35に記載の遊技機。
付記B36に係る遊技機では、振分部が外部から視認可能であることため、遊技者は振分部の回動動作を確認しつつ第2通路に遊技球が振り分けられやすいタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことができる。
[付記B37]
遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの判定を行う契機を与える入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記B1から付記B36のいずれかに記載の遊技機。
付記B37に係る遊技機では、通過検知手段によって遊技球が第2通路を通過したことが検知されることを契機として入賞口への遊技球の入球が可能になり、この遊技球の入球により特別遊技状態に移行させるか否かの判定が行われる。つまり、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられる場合に特別遊技状態への移行の判定の契機となる入賞口への遊技球の入球が見込めるタイミングを見払って遊技球の打ち出しが可能になる。これにより、遊技者は、自身の技量によって自身に有利になるように遊技を進行させることが可能になる。換言すれば、遊技者は、少ない遊技球の打ち出し数で多くの特別遊技への移行判定を受ける機会を得ることが可能になる。
[付記C1]
所定間隔(Th)で遊技球を発射させることが可能な発射制御手段(41)と、
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)と、
を備え、
前記振分部(94)は、前記第1方向から前記第2方向に回転方向を切り替える第1切替点(P1)を起点とした場合に、前記第2方向から前記第1方向に回転方向を切り替える第2切替点(P2)を経由して再度前記第1切替点(P1)に到達するまでの単位回動周期(Ts)が、前記所定間隔(Th)の正の整数倍又は略正の整数倍(例えば回動周期の正の整数倍の±15%の範囲)であることを特徴とする遊技機。
付記C1に係る遊技機では、単位回動周期(Ts)が遊技球の発射間隔(所定間隔(Th))の正の整数倍又はそれに近い値であることで、第2通路に遊技球が振り分けられ易い状態(振り分け可能な状態)と、遊技球の発射タイミングとをリンクさせ易くなる。また、遊技球の発射タイミングと振分装置の第2通路に振り分けられるタイミングと合致させることができれば、その後は止め打ちを行うことによって高確率で第2通路に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。例えば、遊技球の発射タイミングと振分装置の第2通路に振り分けられるタイミングと合致させた後は、1球の打ち出しと、1球の打ち止めとを繰り返すことで、高確率で第2通路に遊技球が振り分けられるようにすることも可能である。なお、発射制御手段による遊技球の発射間隔が複数設定されている場合、単位回動周期は、複数ある発射間隔のうちの最も時間が短い発射間隔の正の整数倍又はそれに近い値とされる。
[付記C2]
前記単位回動周期(Ts)は、前記所定間隔(Th)の正の整数倍±15%の範囲であることを特徴とする付記C1に記載の遊技機。
[付記C3]
前記単位回動周期(Ts)は、前記所定間隔(Th)の1.6倍~2.4倍であることを特徴とする付記C2に記載の遊技機。
付記C2及び付記C3に係る遊技機では、単位回動周期(Ts)が遊技球の発射間隔(Th)の正の整数倍からズレている場合であっても、所定の範囲内のズレであれば、付記C1に係る遊技機と同等の効果を奏することができる。
[付記C4]
前記振分部(94)は、前記第1方向に回転されることで得られる第2方向への回転力によって前記第2方向に回転可能であることを特徴とする付記C1から付記C3のいずれかに記載の遊技機。
付記C4に係る遊技機では、振分部によって第1通路に遊技球を振り分けることで振分部が第1方向に回転した場合に、振分部を第2方向に回転させる回転力が発生する。そのため、振分部は、第1方向に回転されることを契機として第2方向に回転されるため、第2通路に遊技球を振り分けることが可能に状態になり得るため、遊技者は振分部が第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングを見計らって遊技球の打ち出しを行うことで、第2通路に対してより多くの遊技球を振り分けさせることが可能になる。これにより、単なる運不運ではなく、第2通路に遊技球が振り分けられ易い遊技球の打ち出しタイミングで遊技球を打ち出すことができるかという遊技者の技量の高低によって第2通路に対する遊技球の振り分け割合が変動するため、遊技の興趣が向上する。
[付記C5]
前記振分部(94等)は、前記第2方向に回転されることで得られる前記第1方向への回転力によって前記第1方向に回転可能であることを特徴とする付記C4に記載の遊技機。
付記C5に係る遊技機では、振分部は、第1方向に回転されることで発生する弾性力によって第2方向に回転された後に、第2方向に回転されることで得られる第1方向への回転力によって第1方向に回転され。即ち、振分部は、第1通路への遊技球の振り分けにより第1方向に回転されることを契機として、第2方向への回転及び第1方向への回転を繰り返すことで回動される。そのため、第1通路への遊技球の振り分けによって振分部が第1方向に回転された場合に、これを契機として振分部を繰り返し回動させることが可能になる。これにより、一度の第1通路への遊技球の振り分けによって、遊技者は第2通路に遊技球を振り分けるタイミングを複数回得ることができるため、技量の低い遊技者であっても振分部に対して第2通路に遊技球を振り分けさせるタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
また、振分部が第2方向に回転されることを契機として振分部が第1方向に回転されることで、この第1方向への回転後に再び振分部が第2方向に回転される。そのため、第2通路に遊技球を振り分けた後にも振分部が第2通路に遊技球を振り分ける状態となり得るため、第2通路への遊技球の振り分けを契機とする振分部の回動動作において、止め打ち等により遊技球を適切なタイミングで打ち出すことで、遊技球を連続して第2通路に振り分けさせることも可能になる。このことによっても、遊技の興趣が向上する。
[付記C6]
前記振分部(94等)は、前記第1方向に回転されることで得られる弾性力によって前記第2方向に回転可能であることを特徴とする付記C4に記載の遊技機。
[付記C7]
前記振分部(94等)は、前記第2方向に回転されることで得られる弾性力によって前記第1方向に回転可能であることを特徴とする付記C6に記載の遊技機。
付記C6及び付記C7に係る遊技機では、弾性力を利用するという簡易な原理によって振分部を第1方向に回転されることを契機として第2方向に回転させることができるため、簡易な構成により実現可能になる。
[付記C8]
前記振分部(94)は、前記第1方向に回転されることで前記第2方向に回転するための弾性力を発生する負荷発生部(944,944A,944E,944F,944P1,944Q1,944Q2,9442I,9443I,9452V,9462V)を有することを特徴とする付記C7に記載の遊技機。
付記C8に係る遊技機では、振分部に弾性力を発生する負荷発生部を設けるという簡易な構成により、振分部によって第2通路に遊技球を振り分けることが可能な状況を提供できる。
[付記C9]
前記負荷発生部(944等)は、前記振分部(94等)が前記第2方向に回転されることで前記振分部(94等)を前記第1方向に回転させるための弾性力を発生することを特徴とする付記C5に記載の遊技機。
付記C9に係る遊技機では、振分部に弾性力を発生する負荷発生部を設けるという簡易な構成により、一度の第1通路への遊技球の振り分けによって、遊技者は第2通路に遊技球を振り分けるタイミングを複数回得ることができるため、技量の低い遊技者であっても振分部に対して第2通路に遊技球を振り分けさせるタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記C10]
前記負荷発生部(944等)は、前記回転軸(941)に突設されている付記C8又は付記C9に記載の遊技機。
付記C10に係る遊技機では、負荷発生部が回転軸に突設されていることで、振分部の回動周期の均一化を図ることができる。これにより、第2通路に遊技球が振り分けられると予想される遊技球の発射タイミングと、実際に第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングとのズレが発生することを防止できる。
[付記C11]
前記負荷発生部(944等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記C10に記載の遊技機。
付記C11に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷発生部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記C12]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94等)が前記第1方向又は前記第2方向に回転された場合に前記負荷発生部(944等)と干渉し、前記振分部(94)の前記第1方向又は前記第2方向への回転を規制する回転規制手段(945等)をさらに備えることを特徴とする付記C8から付記C11のいずれかに記載の遊技機。
付記C12に係る遊技機では、回転規制手段によって振分部の回転が規制されるため、振分部が必要以上に回転してしまうことを防止できる。また、回転規制手段によって振分部の回転を規制する際に負荷発生部を弾性変形させることができるため、回転規制手段によって負荷発生部の回転を規制するという簡易な構成によって、負荷発生部に適切に弾性力を発生させることができる。また、回転規制手段によって振分部の回転か規制されることで、振分部の最大回転角度の均一化を図ることが可能になるため、振分部の回動周期の安定化を図ることが可能になる。これにより、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられやすいタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記C13]
前記回転規制手段(945等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記C12に記載の遊技機。
付記C13に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって回転規制部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記C14]
前記振分部(94等)が前記第1方向に回転される場合に発生する弾性力によって前記振分部(94等)を前記第2方向に回転させる負荷作用部(961J,962J等)をさらに備えることを特徴とする付記C8から付記C13のいずれかに記載の遊技機。
付記C14に係る遊技機では、振分部の第1方向への回転によって振分部を第2方向に回転させるための弾性力を発生する負荷作用部が設けられている。このような負荷作用部を設ける構成も簡易に実現可能であり、また振分部に負荷発生部を設ける付記C8に係る遊技機と同様の効果を奏する。
[付記C15]
前記負荷作用部(961J,962J等)は、前記振分部(94)が前記第2方向に回転される場合に発生する弾性力によって前記振分部(94)を前記第1方向に回転させることを特徴とする付記C14に記載の遊技機。
付記C15に係る遊技機では、振分部が第2方向に回転されることで振分部を第1方向に回転させるための弾性力が負荷作用部で発生するため、振分部が第1通路への遊技球の振り分けにより第1方向に回転されることを契機として、第2方向への回転及び第1方向への回転を繰り返すことで回動される。また、振分部が第2方向に回転されることを契機として第1方向に回転されることで、この第1方向への回転後に再び振分部が第2方向に回転される。そのため、付記C15に係る遊技機においても、付記C9に係る遊技機と同様の効果を奏する。
[付記C16]
前記振分部(94等)は、前記負荷作用部(961J,962J等)に干渉する負荷入力部(940J等)をさらに有することを特徴とする付記C15又は付記C16に記載の遊技機。
[付記C17]
前記負荷入力部(940J等)は、前記負荷作用部(961J,962J等)との干渉によって弾性変形されることで前記振分部(94J等)を回動させる弾性力を発生することを特徴とする付記C16に記載の遊技機。
付記C16及び付記C17に係る遊技機では、負荷作用部が負荷入力部に干渉することで、振分部を回転させるために負荷作用部で発生した弾性力が負荷入力部から入力される。このとき、負荷入力部が弾性変形されることで、負荷入力部で振分部を回転させる弾性力が発生する。そのため、付記C16及び付記C17に係る遊技機では、負荷作用部と負荷発生部との干渉時の衝撃を負荷作用部及び負荷発生部の双方の弾性変形によって吸収できるために負荷作用部及び負荷発生部の寿命を向上させることが可能になる。加えて、負荷作用部と負荷発生部との干渉時の弾性変形によって発生する弾性力を振分部の回転に利用することが可能になる。
[付記C14]
前記負荷作用部(961J,962J等)は、遊技盤(31)の裏面側に設けられていることを特徴とする付記C17に記載の遊技機。
付記C14に係る遊技機では、悪意のある遊技者によって負荷作用部が操作されることで、振分部が第2通路に遊技球が振り分けられる姿勢とされる、いわゆるゴト行為が行われることを防止できる。
[付記C15]
前記振分部(94等)は、外部から視認可能であることを特徴とする付記C1から付記C14に記載の遊技機。
付記C15に係る遊技機では、振分部が外部から視認可能であることため、遊技者は振分部の回動動作を確認しつつ第2通路に遊技球が振り分けられやすいタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことができる。
[付記C16]
前記振分部(94)を前記第1方向又は前記第2方向に回動させる駆動力を付与する駆動手段(973X)と、
前記駆動手段(973X)を制御し、前記振分部(94)を前記第1方向及び前記第2方向に交互に回転させることで前記振分部(94)を回動させる駆動制御手段(41)と、
をさらに備えることを特徴とする付記C1から付記C3のいずれかに記載の遊技機。
付記C16に係る遊技機では、振分部が外部動力によって回動される振分装置を備える場合において、付記C1に係る遊技機の効果を奏することができる。
[付記C17]
遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの判定を行う契機を与える入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記C1から付記C17のいずれかに記載の遊技機。
付記C17に係る遊技機では、通過検知手段によって遊技球が第2通路を通過したことが検知されることを契機として入賞口への遊技球の入球が可能になり、この遊技球の入球により特別遊技状態に移行させるか否かの判定が行われる。つまり、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられる場合に特別遊技状態への移行の判定の契機となる入賞口への遊技球の入球が見込めるタイミングを見払って遊技球の打ち出しが可能になる。これにより、遊技者は、自身の技量によって自身に有利になるように遊技を進行させることが可能になる。換言すれば、遊技者は、少ない遊技球の打ち出し数で多くの特別遊技への移行判定を受ける機会を得ることが可能になる。
[付記D1]
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)と、
前記振分部(94)が前記第2通路(922)に遊技球を振り分け可能な位置にあることを遊技者に示す位置指示部(923)と、
前記位置指示部(923)を制御し、前記振分部(94)が前記第2通路(922)に遊技球を振り分け可能な位置にあることを遊技者に示す指示状態と、前記指示状態とは異なる非指示状態との切り替えを制御する位置指示部制御手段(51)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記D1に係る遊技機では、位置指示部制御手段によって位置指示部が制御されることで、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な位置にあることが遊技者に報知される。そのため、遊技者は、位置指示部の指示状態を目安として遊技球を打ち出すことが可能になる。これにより、遊技者は、振分部の回転方向や姿勢を目視で確認しつつ遊技球を打ち出す場合に比べて、第2通路に遊技球が振り分けられ易い遊技球の打ち出しタイミングを見つけ出すのが容易になるため、技量の低い遊技者であっても、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記D2]
前記位置指示部(923)は、前記振分部(94)が前記第2通路(922)に遊技球を振り分け可能な位置にある場合に点灯されることで前記指示状態とされる発光部(923)を有することを特徴とする付記D1に記載の遊技機。
付記D2に係る遊技機では、位置指示部が発光部の点灯及び消灯によって指示状態及び非指示状態とされるため、発光部を有する簡易な構成により位置指示部が実現される。
[付記D3]
振分装置(92)は、前記発光部(923)の点灯状態と消灯状態との区別を視認容易にするための視認補助部(925)をさらに有することを特徴とする付記D2に記載の遊技機。
付記D3に係る遊技機では、位置指示部が発光部を有する構成とした場合、位置指示部以外のランプの点灯等により発光部の点灯及び消灯が視認し難くなるが懸念されるが、視認補助部を設けることで発光部の点灯状態と消灯状態との区別が視認容易になる、先の懸念が解消される。
[付記D4]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94)の位置を検知する位置検知手段(95)をさらに備え、
前記位置指示部制御手段(51)は、前記位置検知手段(95)での検知結果に基づいて、前記位置指示部(923)の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記D1から付記D3のいずれかに記載の遊技機。
付記D4に係る遊技機では、位置検知手段での検知結果に基づいて位置指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転位置(姿勢)を適切に反映させた指示状態及び非指示状態を実現することができる。そのため、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な位置にあることを遊技者に正確に報知することが可能になる。
[付記D5]
前記振分部(94)を前記第1方向又は前記第2方向に回動させる駆動力を付与する駆動手段(97X)と、
前記駆動手段(97X)を制御し、前記振分部(94)を前記第1方向及び前記第2方向に交互に回転させることで前記振分部(94)を回動させる駆動制御手段(41)と、
をさらに備え、
前記位置指示部制御手段(51)は、前記駆動制御手段(41)による前記駆動手段(97X)に対する制御状態に基づいて、前記位置指示部(923)の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記D1から付記D4のいずれかに記載の遊技機。
付記D5に係る遊技機では、駆動制御手段による駆動手段に対する制御状態に基づいて、位置指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転方向(姿勢)を適切に反映させた指示状態及び非指示状態を実現できる。そのため、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な位置にあることを遊技者に正確に報知することが可能になる。
[付記D6]
前記位置指示部(923)は、前記振分装置(92)に設けられていることを特徴とする付記D1から付記D5のいずれかに記載の遊技機。
付記D6に係る遊技機では、位置指示部が振分装置に設けられているため、遊技者は振分装置から視線を逸らすことなく、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを把握できる。そのため、遊技者は、振分装置を確認して遊技球の打ち出しタイミングを計りつつ、振分装置に導入された遊技球が第1通路及び第2通路のいずれに振り分けられたかを視線を大きく移動させることなく確認できる。これにより、視線移動を極力小さくしつつ、遊技者による遊技球の打ち出しタイミングと、そのタイミングでの遊技球の打ち出しに対する振り分け結果との関係を把握できる。
[付記D7]
遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの判定を行う契機を与える入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記D1から付記D6のいずれかに記載の遊技機。
付記D7に係る遊技機では、通過検知手段によって遊技球が第2通路を通過したことが検知されることを契機として入賞口への遊技球の入球が可能になり、この遊技球の入球により特別遊技状態に移行させるか否かの判定が行われる。つまり、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられる場合に特別遊技状態への移行の判定の契機となる入賞口への遊技球の入球が見込めるタイミングを見払って遊技球の打ち出しが可能になる。これにより、遊技者は、自身の技量によって自身に有利になるように遊技を進行させることが可能になる。換言すれば、遊技者は、少ない遊技球の打ち出し数で多くの特別遊技への移行判定を受ける機会を得ることが可能になる。
[付記E1]
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)と、
前記第2通路(922)に遊技球が振り分けられ易い遊技球の発射タイミングを示す発射指示部(923)と、
前記発射指示部(923)を制御し、前記第2通路(922)に遊技球が振り分けられ易い発射タイミングであることを示す指示状態と、前記指示状態とは異なる非指示状態との切り替えを制御する発射指示部制御手段(51)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記E1に係る遊技機では、発射指示部制御手段によって発射指示部が制御されることで、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な遊技球の発射タイミングであることが遊技者に報知される。そのため、遊技者は、発射指示部の指示状態を目安として遊技球を打ち出すことが可能になる。これにより、遊技者は、振分部の回転方向や姿勢を目視で確認しつつ遊技球を打ち出す場合に比べて、第2通路に遊技球が導かれ易い遊技球の発射タイミングを見つけ出すのが容易になるため、技量の低い遊技者であっても、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記E2]
前記発射指示部(923)は、前記第2通路(922)に遊技球が振り分けられ易い遊技球の発射タイミングである場合に点灯されることで前記指示状態とされる発光部(923)を有することを特徴とする付記E1に記載の遊技機。
付記E2に係る遊技機では、発射指示部が発光部の点灯及び消灯によって指示状態及び非指示状態とされるため、発光部を有する簡易な構成により発射指示部が実現される。
[付記E3]
振分装置(92)は、前記発光部(923)の点灯状態と消灯状態との区別を視認容易にするための視認補助部(925)をさらに有することを特徴とする付記E2に記載の遊技機。
付記E3に係る遊技機では、発射指示部が発光部を有する構成とした場合、発射指示部以外のランプの点灯等により発光部の点灯及び消灯が視認し難くなるが懸念されるが、視認補助部を設けることで発光部の点灯状態と消灯状態との区別が視認容易になるため、先の懸念が解消される。
[付記E4]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94)の位置を検知する位置検知手段(95)をさらに備え、
前記発射指示部制御手段(51)は、前記位置検知手段(95)での検知結果に基づいて、前記位置指示部(923)の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記E1から付記E3のいずれかに記載の遊技機。
付記E4に係る遊技機では、位置検知手段での検知結果に基づいて発射指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転位置(姿勢)を適切に反映させた指示状態及び非指示状態を実現することができる。そのため、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な遊技球の発射タイミングであることを遊技者に正確に報知することが可能になる。
[付記E5]
前記振分部(94)を前記第1方向又は前記第2方向に回動させる駆動力を付与する駆動手段(973X)と、
前記駆動手段(973X)を制御し、前記振分部(94)を前記第1方向及び前記第2方向に交互に回転させることで前記振分部(94)を回動させる駆動制御手段(41)と、
をさらに備え、
前記発射指示部制御手段(51)は、前記駆動制御手段(41)による前記駆動手段(973X)に対する制御状態に基づいて、前記発射指示部(923)の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記E1から付記E4のいずれかに記載の遊技機。
付記E5に係る遊技機では、駆動制御手段による駆動手段に対する制御状態に基づいて、位置指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転方向(姿勢)を適切に反映させた指示状態と非指示状態とを実現できる。そのため、振分部が第2通路に遊技球を振り分け可能な遊技球の発射タイミングであることを遊技者に正確に報知することが可能になる。
[付記E6]
前記発射指示部(923)は、前記振分装置(92)に設けられていることを特徴とする付記E1から付記E5のいずれかに記載の遊技機。
付記E6に係る遊技機では、発射指示部が振分装置に設けられているため、遊技者は振分装置から視線を逸らすことなく、第2通路に遊技球が振り分けられ易い発射タイミングを把握できる。そのため、遊技者は、振分装置を確認して遊技球の発射タイミングを計りつつ、振分装置に導入された遊技球が第1通路及び第2通路のいずれに振り分けられたかを視線を大きく移動させることなく確認できる。これにより、視線移動を極力小さくしつつ、遊技者による遊技球の打ち出しタイミングと、そのタイミングでの遊技球の打ち出しに対する振り分け結果との関係を把握できる。
[付記E7]
遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの判定を行う契機を与える入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記E1から付記E6のいずれかに記載の遊技機。
付記E7に係る遊技機では、通過検知手段によって遊技球が第2通路を通過したことが検知されることを契機として入賞口への遊技球の入球が可能になり、この遊技球の入球により特別遊技状態に移行させるか否かの判定が行われる。つまり、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられる場合に特別遊技状態への移行の判定の契機となる入賞口への遊技球の入球が見込めるタイミングを見払って遊技球の打ち出しが可能になる。これにより、遊技者は、自身の技量によって自身に有利になるように遊技を進行させることが可能になる。換言すれば、遊技者は、少ない遊技球の打ち出し数で多くの特別遊技への移行判定を受ける機会を得ることが可能になる。
[付記F1]
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)と、
前記振分部(94)の回転方向を示す方向指示部(923,923L,923R)と、
前記方向指示部(923,923L,923R)を制御し、前記振分部(94)が前記第1方向又は前記第2方向に回転している状態であることを示す指示状態と、前記指示状態とは異なる非指示状態との切り替えを制御する方向指示部制御手段(51)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記F1に係る遊技機では、方向指示部制御手段によって方向指示部が制御されることで、振分部の回転方向が遊技者に報知される。そのため、方向指示部の指示状態を目安として、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことが可能になる。これにより、遊技者は、振分部の回転方向や姿勢を目視で確認しつつ遊技球を打ち出す場合に比べて、第2通路に遊技球が導かれ易い遊技球の打ち出しタイミングを見つけ出すのが容易になるため、技量の低い遊技者であっても、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングで遊技球を打ち出すことが容易になる。
[付記F2]
前記方向指示部(923,923L,923R)は、前記振分部(94)が前記第1方向又は前記第2方向に回転している状態である場合に点灯されることで前記指示状態とされる発光部(923,923L,923R)を有することを特徴とする付記F1に記載の遊技機。
付記F2に係る遊技機では、方向指示部が発光部の点灯及び消灯によって指示状態及び非指示状態とされるため、発光部を有する簡易な構成により方向指示部が実現される。
[付記F3]
振分装置(92)は、前記発光部(923)の点灯状態と消灯状態との区別を視認容易にするための視認補助部(925)をさらに有することを特徴とする付記F2に記載の遊技機。
付記F3に係る遊技機では、方向指示部が発光部を有する構成とした場合、方向指示部以外のランプの点灯等により発光部の点灯及び消灯が視認し難くなるが懸念されるが、視認補助部を設けることで発光部の点灯状態と消灯状態との区別が視認容易になるため、先の懸念が解消される。
[付記F4]
前記方向指示部(923L,923R)は、
前記振分部(94)が前記第1方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記指示状態とされ、前記第2方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記非指示状態とされる第1方向指示部(923L)と、
前記振分部(94)が前記第2方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記指示状態とされ、前記第1方向に回転している場合に前記指示部制御手段(51)によって前記非指示状態とされる第2方向指示部(923R)と、
を含むことを特徴する付記F1から付記F3のいずれかに記載の遊技機。
付記F4に係る遊技機では、方向指示部が第1方向指示部及び第2方向指示部の2つを含むため、1つの方向指示部の指示状態及び非指示状態によって振分部の回転方向を把握する場合に比べて、振分部の回転方向を正確に把握し易くなる。また、方向指示部の指示及び非指示状態の方向に着目するまでもなく、例えば第1方向指示部の点灯状態と、第2方向指示部の点灯状態といったように、第1方向指示部及び第2方向指示部の指示状態のみに着目して振分部の回転方向を把握できるため、振分部の回転方向を正確に把握し易くなる。これにより、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことが容易になるため、技量の低い遊技者であっても第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングで遊技球を打ち出すことができる確率を向上させることが可能になる。
[付記F5]
前記振分装置(92)は、前記振分部(94)の回転方向する検知手段をさらに備え、
前記方向指示部制御手段(51)は、前記検知手段での検知結果に基づいて、前記方向指示部(923の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記F1から付記F4のいずれかに記載の遊技機。
付記F5に係る遊技機では、検知手段での検知結果に基づいて方向指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転方向(姿勢)を適切に反映させた指示状態及び非指示状態を実現することができる。そのため、方向指示部の指示状態と非指示状態とに基づいて、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことが可能になるため、遊技者の技量が適切に反映される遊技性の遊技機を提供できる。
[付記F6]
前記振分部(94)を前記第1方向又は前記第2方向に回動させる駆動力を付与する駆動手段(973X)と、
前記駆動手段(973X)を制御し、前記振分部(94)を前記第1方向及び前記第2方向に交互に回転させることで前記振分部(94)を回動させる駆動制御手段(41)と、
をさらに備え、
前記方向指示部制御手段(51)は、前記駆動制御手段(41)による前記駆動手段(973X)に対する制御状態に基づいて、前記(923,923L,923R)の前記指示状態と前記非指示状態との切り替えを制御することを特徴とする付記F1から付記F5のいずれかに記載の遊技機。
付記F6に係る遊技機では、駆動制御手段による駆動手段に対する制御状態に基づいて、方向指示部の指示状態と非指示状態とが切り替えられるため、振分部の回転方向(姿勢)を適切に反映させた方向指示部の指示状態及び非指示状態を実現できる。そのため、方向指示部の指示状態と非指示状態とに基づいて、第2通路に遊技球が振り分けられ易いタイミングを見計らって遊技球を打ち出すことが可能になるため、遊技者の技量が適切に反映される遊技性の遊技機を提供できる。
[付記F7]
前記方向指示部(923,923L,923R)は、前記振分装置(92)に設けられていることを特徴とする付記F1から付記F6のいずれかに記載の遊技機。
付記F7に係る遊技機では、方向指示部が振分装置に設けられているため、遊技者は振分装置から視線を逸らすことなく、振分部の回転方向を把握できる。そのため、遊技者は、振分装置での振分部の回転方向を確認して遊技球の打ち出しタイミングを計りつつ、振分装置に導入された遊技球が第1通路及び第2通路のいずれに振り分けられたかを視線を大きく移動させることなく確認できる。これにより、視線移動を極力小さくしつつ、遊技者による遊技球の打ち出しタイミングと、そのタイミングでの遊技球の打ち出しに対する振り分け結果とを関係を把握し易くなる。
[付記F8]
遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの判定を行う契機を与える入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記F1から付記F7のいずれかに記載の遊技機。
付記F8に係る遊技機では、通過検知手段によって遊技球が第2通路を通過したことが検知されることを契機として入賞口への遊技球の入球が可能になり、この遊技球の入球により特別遊技状態に移行させるか否かの判定が行われる。つまり、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられる場合に特別遊技状態への移行の判定の契機となる入賞口への遊技球の入球が見込めるタイミングを見払って遊技球の打ち出しが可能になる。これにより、遊技者は、自身の技量によって自身に有利になるように遊技を進行させることが可能になる。換言すれば、遊技者は、少ない遊技球の打ち出し数で多くの特別遊技への移行判定を受ける機会を得ることが可能になる。
[付記G1]
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)と、
前記振分部(94)を前記第1方向又は前記第2方向に回動させる駆動力を付与する駆動手段(973X)と、
前記駆動手段(973X)を制御し、前記振分部(94)を前記第1方向及び前記第2方向に交互に回転させることで前記振分部(94)を回動させる駆動制御手段(41)と、
を備え、
前記駆動制御手段(41)は、前記振分装置(92)における前記第2通路(922)への遊技球の振り分け状況に応じて、前記振分部(94)の回動パターンを制御することを特徴とする遊技機。
付記G1に係る遊技機では、駆動制御手段によって第2通路への遊技球の振り分け状況に応じて振分部の回動パターンが制御される。つまり、付記G1に係る遊技機では、一定周期で振分部が回動されるのではなく、第2通路への遊技球の振り分け状況に応じて、第2通路に対する遊技球の振り分け期待度が調整される。そのため、遊技者の技量に応じて、第2通路に遊技球が振り分けられるタイミングで遊技球の発射させることの難易度を調整可能な遊技機を提供できる。これにより、技量の低い遊技者に対する不公平さを低減できる一方で、技量の高い遊技者に対しては第2通路に遊技球を振り分けさせるための遊技球の発射タイミングの難易度がより高められた遊技性を提供できる。
[付記G2]
前記回動パターンは、
遊技球を最小発射間隔で連続的に発射させる連続発射遊技での前記第1通路(921)への遊技球の振り分け割合に対する第1期待値と、前記連続発射遊技での前記第2通路(922)への遊技球の振り分け割合に対する第2期待値とが同等又は略同等である第1回動パターンと、
前記第1期待値に比べて前記第2期待値が所定値以上大きい第2回動パターンと、
を含み、
前記駆動制御手段(41)は、
前記第1通路に対する遊技球の振り分け割合と前記第2通路に対する遊技球の振り分け割合との振り分け割合差の絶対値が特定値以下である場合(例えば0.4:0.6~0.6:0.4の場合)、前記振分部(94)を前記第1回動パターンで制御し、
前記振り分け割合差が前記特定値を超える場合(例えば0.6:0.4を超える場合)、前記振分部(94)を前記第2回動パターンで制御することを特徴とする付記G1に記載の遊技機。
[付記G3]
前記第2回動パターンは、前記第1方向から前記第2方向に前記振分部の回転方向を切り替える第1切替点から、前記第2方向から前記第1方向に前記振分部の回転方向を切り替える第2切替点まで前記振分部が前記第2方向に回転するのに要する時間が、前記第2切替点から前記第1切替点まで前記振分部が前記第1方向に回転するのに要する時間に比べて長いことを特徴とする付記G2に記載の遊技機。
[付記G4]
前記振り分け割合差の絶対値が特定値以下とは、所定時間(例えば、15秒、30秒、45秒、60秒、120秒等)に前記振分装置に対して導入される総遊技球数のうち、前記第1通路に対する遊技球の振り分け割合が0.4~0.6、前記第2通路に対する遊技球の振り分け割合が0.6~0.4の場合であり、
前記振り分け割合差が前記特定値を超えるとは、前記第1通路に対する遊技球の振り分け割合が0.6を超え、前記第2通路に対する遊技球の振り分け割合が0.4未満の場合であることを特徴とする付記G2又は付記G3に記載の遊技機。
付記G2から付記G4に係る遊技機では、第2通路への遊技球の振り分けに対して第1通路への遊技球の振り分けが過剰である場合に、第2通路に遊技球が振り分けられ易い第2回動パターンで振分部が回動される。そのため、第2回動パターンで振分部を回動させることで、技量の低い遊技者に対する不公平さを低減できる。
[付記G5]
前記回動パターンは、
遊技球を最小発射間隔で連続的に発射させる連続発射遊技での前記第1通路(921)への遊技球の振り分け割合に対する第1期待値と、前記連続発射遊技での前記第2通路(922)への遊技球の振り分け割合に対する第2期待値とが同等又は略同等である第1回動パターンと、
前記第1期待値に比べて前記第2期待値が所定値以上小さい第3回動パターンと、
を含み、
前記駆動制御手段(41)は、
前記第2通路に対する遊技球の振り分け割合と前記第1通路に対する遊技球の振り分け割合との振り分け割合差の絶対値が特定値以下である場合(例えば0.4:0.6~0.6:0.4の場合)、前記振分部(94)を前記第1回動パターンで制御し、
前記振り分け割合差が前記特定値を超える場合(例えば0.6:0.4を超える場合)、前記振分部(94)を前記第3回動パターンで制御することを特徴とする付記G1から付記G4のいずれかに記載の遊技機。
[付記G6]
前記第3回動パターンは、前記第1方向から前記第2方向に前記振分部の回転方向を切り替える第1切替点から、前記第2方向から前記第1方向に前記振分部の回転方向を切り替える第2切替点まで前記振分部を前記第2方向に回転するのに要する時間が、前記第2切替点から前記第1切替点まで前記振分部を前記第1方向に回転するのに要する時間に比べて短いことを特徴とする付記G5に記載の遊技機。
[付記G7]
前記振り分け割合差の絶対値が特定値以下とは、所定時間(例えば、15秒、30秒、45秒、60秒、120秒等)に前記振分装置に対して導入される総遊技球数のうち、前記第1通路に対する遊技球の振り分け割合が0.4~0.6、前記第2通路に対する遊技球の振り分け割合が0.6~0.4である場合であり、
前記振り分け割合差が前記特定値を超えるとは、前記第1通路に対する遊技球の振り分け割合が0.4を未満であり、前記第2通路に対する遊技球の振り分け割合が0.6を超える場合であることを特徴とする付記G5又は付記G6に記載の遊技機。
付記G5から付記G7に係る遊技機では、第1通路への遊技球の振り分けに対して第2通路への遊技球の振り分けが過剰である場合に、第1通路に遊技球が振り分けられ易い第3回動パターンで振分部が回動される。そのため、第3回動パターンで振分部を回動させることで、技量の高い遊技者に対しては第2通路に遊技球を振り分けさせるための遊技球の発射タイミングの難易度がより高められた遊技性を提供できる。
[付記G8]
遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの判定を行う契機を与える入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
をさらに備えることを特徴とする付記G1から付記G7のいずれかに記載の遊技機。
付記G8に係る遊技機では、通過検知手段によって遊技球が第2通路を通過したことが検知されることを契機として入賞口への遊技球の入球が可能になり、この遊技球の入球により特別遊技状態に移行させるか否かの判定が行われる。つまり、遊技者は、第2通路に遊技球が振り分けられる場合に特別遊技状態への移行の判定の契機となる入賞口への遊技球の入球が見込めるタイミングを見払って遊技球の打ち出しが可能になる。これにより、遊技者は、自身の技量によって自身に有利になるように遊技を進行させることが可能になる。換言すれば、遊技者は、少ない遊技球の打ち出し数で多くの特別遊技への移行判定を受ける機会を得ることが可能になる。
[付記H1]
導入口(920)と、第1通路(921)と、第2通路(922)と、回転軸(941)を中心に第1方向(反時計回り方向)及び前記第1方向とは反対の第2方向(時計回り方向)に回転可能な振分部(94等)とを有し、前記導入口(920)から導入された遊技球を、前記振分部(94等)の前記第1方向又は前記第2方向への回転によって前記第1通路(921)又は前記第2通路(922)に振り分ける振分装置(92)と、
遊技球が入球可能な入賞口(314L)と、
遊技球が前記第2通路(922)を通過したことを検知する通過検知手段(319’)と、
前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過した遊技球の前記入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(93)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記H1に係る遊技機では、可動役物部材が第2位置にある場合に、可動役物部材によって第1通路を通過する遊技球、及び第2通路を通過する遊技球のいずれも可動役物部材によって入賞口に入球可能になる。即ち、可動役物部材は、第1通路を通過する遊技球、及び第2通路を通過する遊技球に対して同時に、入賞口への遊技球の入球の制限及び入球許容を行う。そのため、第1通路を通過する遊技球の入賞口への入球の制限及び許容を行う可動役物部材と、第2通路を通過する遊技球の入賞口への入球の制限及び許容を行う可動役物部材とを個別に設ける場合に比べて、入賞口への第1通路及び第2通路の遊技球の入球の制限及び許容を、より簡素化された構成によって実現できるだけでなく、可動役物部材の制御も簡易になる。
[付記H2]
第1遊技状態(モードB)と、前記通過検知手段(319’)によって遊技球が前記第2通路(922)を通過したことが検知されることを契機とする前記可動役物部材(93)の作動時間が前記第1遊技状態よりも長い第2遊技状態(モードB)と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備えることを特徴とする付記H1に記載の遊技機。
[付記H3]
前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態に比べて、前記可動役物部材(93)が作動された場合に、前記第1通路(921)を通過する遊技球が前記可動役物部材(93)に入球され易いことを特徴とする付記H2に記載の遊技機。
[付記H4]
前記複数の遊技状態は、前記第1遊技状態(モードB)及び前記第2遊技状態(モードE)よりも遊技者な有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)をさらに含み、
前記第1遊技状態(モードB)及び前記第2遊技状態(モードE)において、前記入賞口(315)への遊技球の入球を契機として前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)へ移行させるか否かの判定を行う判定手段(41)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記判定手段(41)での判定結果が前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるものである場合に前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させ、
前記第2遊技状態(モードE)は、前記第1遊技状態(モードB)に比べて、前記判定手段(41)において前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記H2又は付記H3に記載の遊技機。
付記H2から付記H4に係る遊技機によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とで可動役物部材の作動時間が異なり、可動役物部材が作動した場合の入賞口への遊技球の入球し易さ、特に第1通路を通過する遊技球の入賞口への遊技球の入球し易さが異なる。そのため、第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかによって、また振分装置の第1通路及び第2通路のいずれを通過したかによって入賞口への遊技球の入球し易さが異なる遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記H5]
前記振分装置(92)は、遊技盤(31)の右側領域に打ち出される遊技球が導入される位置に設けられていることを特徴とする付記H1から付記H4のいずれかに記載の遊技機。
[付記H6]
前記遊技盤(31)の右側領域に打ち出される遊技球の全てを前記振分装置(92)の前記導入口(920)に誘導するガイド部(31Y)をさらに備えることを特徴とする付記H5に記載の遊技機。
付記H5及び付記H6に係る遊技機では、遊技盤の右側領域に遊技球を打ち出す、いわゆる右打ちを行うことで振分装置に遊技球が導入される。そのため、複数の遊技状態のうちの特定の遊技状態において振分装置を利用して入賞口に遊技球を入球させる遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記H7]
前記可動役物部材(93)は、
前記第2位置において前記第1通路(921)を通過する遊技球を前記入賞口(315)に向けて誘導する第1誘導部(931A,932G)と、
前記第2位置において前記第2通路(922)を通過する遊技球の前記入賞口(315)に向けて誘導する第2誘導部(932A,933G)と、
を有することを特徴とする付記H1から付記H6のいずれかに記載の遊技機。
付記H7に係る遊技機では、第1誘導部及び第2誘導部を有する簡易な構成の可動役物部材によって、可動役物部材が第2位置にある場合に第1通路の遊技球と第2通路の遊技球との双方を入賞口に誘導することが可能になる。
[付記H8]
前記可動役物部材(93)は、前記第1誘導部(931A)と前記第2誘導(932A)との間に設けられ、前記第2位置において前記入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通孔(933A)をさらに有することを特徴とする付記H7に記載の遊技機。
付記H8に係る遊技機では、第1誘導部及び第2誘導部に加えて、貫通孔を有する簡易な構成の可動役物部材によって、第1通路の遊技球と第2通路の遊技球とを入賞口に入球させることが可能になる。
[付記H9]
前記第1誘導部(932G)及び前記第2誘導部(933G)は、
前記第1位置において互いに近接した状態となって前記入賞口(315)を閉鎖状態として前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過する遊技球の前記入賞口(315)への遊技球の入球を制限し、
前記第2位置において互いに離間した状態となって前記入賞口(315)を開放状態として前記第1通路(921)及び前記第2通路(922)を通過する遊技球の前記入賞口(315)への遊技球の入球を許容することを特徴とする付記H8に記載の遊技機。
付記H9に係る遊技機では、近接離間可能な第1誘導部及び第2誘導部を有する簡易な構成の可動役物部材によって、可動役物部材が第2位置にある場合に第1通路の遊技球と第2通路の遊技球とを入賞口に誘導することが可能になる。
[付記H10]
前記振分部(94D~94G)は、前記導入口(920)から導入された遊技球が干渉する位置に固定されていることを特徴とする付記H1から付記H9のいずれかに記載の遊技機。
付記H10に係る遊技機では、振分装置の振分部が導入口から導入された遊技球が干渉する位置に固定されている。そのため、遊技者は振分部による第1通路と第2通路との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、遊技球の打ち出し位置を調整して試行錯誤することで、第2通路に遊技球が振り分けられやすい遊技球の打ち出し位置を見つけ出すことも可能になるため、第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技球の打ち出し位置を模索する楽しみ、あるいは遊技ホールの島設備に同種の遊技機が複数設置されている場合に、それらの遊技機から第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技機を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[付記H11]
前記振分部(94F,94G)は、不動かつ回転不能な固定部を有することを特徴とする付記H10に記載の遊技機。
付記H11に係る遊技機では、固定部に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記H12]
前記固定部(942E,941G)は、一端部が固定され、前記一端部以外の部分の少なくとも一部が塑性変形可能であることを特徴とする付記H11に記載の遊技機。
[付記H13]
前記固定部(942E,941G)は、前記一端部と前記一端部以外の部分との境界部分が塑性変形可能であることを特徴とする付記H12に記載の遊技機。
[付記H14]
前記固定部(942E,941G)は、釘であることを特徴とする付記H11から付記H13のいずれかに記載の遊技機。
付記H12から付記H14に係る遊技機では、振分部の固定部の少なくとも一部が塑性変化可能であるため、固定部の位置が初期設定値からズレて来た場合に固定部を初期位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記H15]
前記振分部(94G)は、複数本の釘を有し、
前記複数本の釘は、正面視において、1本の釘(941G)を頂部とし、この1本の釘(941G)を通る鉛直線を対称軸する左右対称に配置されていることを特徴とする付記H11から付記H14のいずれかに記載の遊技機。
付記H15に係る遊技機では、頂部の釘を調整することで、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記H16]
前記振分部(94E)は、前記固定部(942E)により回転可能に固定された回転体(941E)を有し、
前記回転体(941E)は、前記第1通路(921)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(922)に向けて遊技球を移動させる第2方向に回転可能であることを特徴とする付記H11から付記H14のいずれかに記載の遊技機。
付記H16に係る遊技機では、回転体の回転方法を選択することで、第1通路及び第2通路への遊技球の振り分けパターンを種々のパターンから選択して設計することが可能になり、第1通路と第2通路との振分割合を調整することも可能になる。
[付記H17]
前記回転体(941E)は、前記第1方向及び前記第2方向に自由回転可能であることを特徴とする付記H16に記載の遊技機。
[付記H18]
前記振分部(94D)は、前記第1通路(921)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(922)に向けて遊技球を移動させる第2方向に自由回転可能に固定されたローラを含むことを特徴とする付記H10に記載の遊技機。
付記H17及び付記H18に係る遊技機では、振分部として自由回転可能なローラなどの回転体が採用されており、この回転体によっても、回転体に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。