JP7386536B2 - アルキル鎖修飾イミダゾキノリンtlr7/8アゴニスト化合物およびその使用 - Google Patents

アルキル鎖修飾イミダゾキノリンtlr7/8アゴニスト化合物およびその使用 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月22日に出願の米国特許仮出願第62/548,848号(その開示全体が本明細書中で参考として援用される)の優先権および利益を主張する。
発明の分野
本開示は、免疫応答を増大させるためのアルキル鎖修飾イミダゾキノリンTLR7/8アゴニスト化合物に関する。本開示はまた、アルキル鎖修飾イミダゾキノリン化合物を含む薬学的組成物、その調製方法、免疫応答を刺激する方法、ならびに被験体の疾患(例えば、感染症およびがん)の処置における薬学的組成物の使用に関する。
発明の背景
Toll様レセプター(TLR)は、病原体関連分子パターンと呼ばれる病原体に由来し、かつ病原体に固有の構造が保存された分子を認識する膜貫通タンパク質のファミリーである。こうして、TLRは、哺乳動物免疫系において侵入する病原体の存在を検出する病原体関連分子パターンの最前線のセンサーとして機能する(Takeuchi and Akira 2010 Cell 140:805-820)。センチネル免疫細胞におけるTLRの会合により、選択されたサイトカイン(例えば、タイプIインターフェロン)の生合成、共刺激分子の誘導、および抗原提示能力の向上を引き起こす。これらは、自然免疫応答および獲得免疫応答を活性化する重要な分子機序である。したがって、TLRのアゴニストおよびアンタゴニストは、免疫応答の調節で用いられる。TLRアゴニストは、典型的には、免疫応答を刺激するために使用されるのに対して、TLRアンタゴニストは、典型的には、免疫応答を阻害するために用いられる(Gosu et al 2012 Molecules 17:13503-13529)。
ヒトゲノムは、10種の公知のTLRを含み、これらのうちのTLR3、TLR7、TLR8、およびTLR9が核酸およびその分解産物を感知する。TLR7、TLR8、およびTLR9の分布は細胞のエンドリソソーム内区画に制限され、これらは免疫系の細胞中に優先的に発現される。活性化された二量体レセプターの立体配置では、TLR7およびTLR8は、それぞれ、1つのリガンド結合部位では一本鎖RNAを認識し、第2のリガンド結合部位ではリボヌクレオシド分解産物であるグアノシンおよびウリジン(ならびに関連構造モチーフを有する小分子リガンド)を認識する(Zhang et al 2016 Immunity 45:737-748;Tanji et al 2015 Nat Struct Mol Biol 22:109-115)。形質細胞様樹状細胞におけるTLR7会合により、獲得免疫応答の制御において不可欠な機能を果たすインターフェロン-α/βを誘導する(Bao and Liu 2013 Protein Cell 4:40-52)。骨髄系樹状細胞、単球、および単球由来樹状細胞におけるTLR8の会合により、腫瘍壊死因子-α、インターロイキン-12、およびIL-18の産生の増加を特徴とする卓越した炎症促進性サイトカインプロフィールが誘導される(Eigenbrod et al 2015 J Immunol 195:1092-1099)。したがって、単球および樹状細胞の実質的に全ての主要タイプがTLR7およびTLR8のアゴニストによって活性化されて有効性の高い抗原提示細胞になり、それにより、自然免疫応答および獲得免疫応答を有効に促進することができる。ほとんどの抗原提示細胞型はこれら2つのレセプターのうちの1つのみを発現するので、TLR7レセプターおよびTLR8レセプターの両方に対して強力なアゴニスト生物活性を有する小分子は、これらのTLRのうちの1つのみに特異的なアゴニストよりも潜在的に有効な免疫アジュバントである。したがって、バランスのとれた二重生物活性を有するTLR7/TLR8(TLR7/8)小分子アゴニストは、より広い範囲の抗原提示細胞および他の重要な免疫細胞型(形質細胞様樹状細胞および骨髄系樹状細胞、単球、ならびにB細胞が含まれる)において自然免疫応答を引き起こすであろう(van Haren et al 2016 J Immunol 197:4413-4424;Ganapathi et al 2015 PLoS One 10:e0134640)。かかる強力な二重TLR7/8アゴニストはまた、がんにおける有効な抗腫瘍免疫応答の刺激で有効であり得る(Singh et al 2014 J Immunol 193:4722-4731;Sabado et al 2015 Cancer Immunol Res 3:278-287;Spinetti et al 2016 Oncoimmunol 5:e1230578;Patil et al 2016 Mini Rev Med Chem 16:309-322)。
いくつかの小分子構造クラスは、グアノシン/ウリジンリガンド結合部位で相互作用し、種々のTLR7および/またはTLR8アゴニスト生物活性レベルを有することが公知であり(例えば、Lu et al 2012 Clin Cancer Res 18:499-509;米国特許第5,446,153号,同第6,194,425号,同第6,110,929号,および同第7,199,131号を参照のこと)、この小分子には、TLR7アゴニストまたは二重TLR7/8アゴニストである1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンの誘導体が含まれる(例えば、Vasilakos and Tomai 2013 Expert Rev Vaccines 12:809-819;米国特許第4,689,338号を参照のこと)。1つのかかる1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンは、1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(イミキモド)(1997年に光線性角化症、表在性基底細胞癌、および陰部疣贅の処置について承認され、その後に基底細胞癌の処置について承認されたTLR7特異的アゴニスト)である(例えば、Hemmi et al 2002 Nat Immunol 3:196-200を参照のこと)。1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンは、選択的なTLR7またはTLR8のアゴニスト活性を示すものもあれば、二重TLR7/8アゴニスト活性を示すものもある。例えば、1-ベンジル-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンは、TLR8に対する生物活性がわずかなTLR7アゴニストであることが見いだされた(Shukla et al 2010 J Med Chem 53:4450-4465)。対照的に、2-プロピル[1,3]チアゾロ[4,5-c]キノリン-4-アミンは、TLR7に対する活性がわずかなTLR8アゴニストであることが見いだされた(Gorden et al 2005 J Immunol 174:1259-1268)。1-(4-アミノメチルベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(IMDQ)および1-(3-アミノメチルベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(メタ-IMDQ)は、両方のレセプターに対して強力なアゴニスト活性を有する二重TLR7/8アゴニストであることが見いだされた(例えば、Shukla et al 2010 J Med Chem 53:4450-4465;Shukla et al 2010 Bioorg Med Chem Lett 10:6384-6386;米国特許第8,728,486号;米国特許第9,441,005号を参照のこと)。
しかし、皮下投与、腫瘍内投与、または筋肉内投与後の可溶性1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンベースのTLR7/8アゴニストが全身に急速に分布することが、患者に非常に有毒であることが実証されている(例えば、Vasilakos et al 2013 Expert Rev Vaccines 12:809-819;Savage et al 1996 Br J Cancer 74:1482-1486;Pockros et al 2007 J Hepatol 47:174-182を参照のこと)。脾臓および肝臓の細胞におけるTLRの活性化によって全身免疫系が活性化すると血清炎症促進性サイトカインレベルが増加し、それによりインフルエンザ様症状および他の有害事象が引き起こされることが、これらの化合物のヒト治療薬としての使用を局所投与経路に制限させている。したがって、強力かつバランスの取れたTLR7/8アゴニスト活性を有し、かつ薬学的組成物が注射部位での化合物の保持を促進することが可能な生理化学的性質も有する小分子治療剤が依然として必要である。
米国特許第5,446,153号 米国特許第6,194,425号 米国特許第7,199,131号
Takeuchi and Akira 2010 Cell 140:805-820 Gosu et al 2012 Molecules 17:13503-13529 Zhang et al 2016 Immunity 45:737-748 Tanji et al 2015 Nat Struct Mol Biol 22:109-115 Bao and Liu 2013 Protein Cell 4:40-52 Eigenbrod et al 2015 J Immunol 195:1092-1099
本開示は、両方のレセプターに対してバランスの取れた生物活性を示す強力なTLR7/8アゴニストであるアルキル鎖修飾1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン誘導体を提供する。1つの態様において、式(J):
Figure 0007386536000001
[式中、
は、1~4個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたC~C21ヒドロカルビルであり;
Xは、-NH-または-NH(C=O)-であり;
は、C~Cアルキル、-(CHOR1a、-(CHNHR1b、または-(CH1cであり;ここで、R1aおよびR1bは、独立して、C~Cアルキルであり;R1cはC~Cシクロアルキルであり;pは1または2であり;
はNHR2aであり;ここで、R2aは、H、OH、NH、またはメチルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、-(C~Cアルキレン)-NH、または-CH-フェニレン-CHNHであり;
qは、0、1、2、3、または4であり;
4aおよびR4bは、独立して、HまたはC~Cアルキルである]の化合物またはその塩であって、
但し、前記化合物が、2-ブチル-1-(4-((ヘキサデシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-32);N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド(化合物番号63-31);またはN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)ペンタ-4-インアミド(化合物番号63-37)以外である、化合物またはその塩が提供される。
いくつかの実施形態において、RはC~C14ヒドロカルビルである。
いくつかの実施形態において、Xは-NH(C=O)-である。いくつかの実施形態において、Xは-NH-である。
いくつかの実施形態において、Rは、分枝C~C14アルキル、-(CH(C(CH)R、または-(CHであり;mは、0、1、2、または3であり;zは、1または2であり;Rは、C~CアルキルおよびC~Cアルキレンからなる群より独立して選択される1~4個の基により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは分枝C~C14アルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは-(CHである。一つのバリエーションにおいて、mは1または2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。
いくつかの実施形態において、Rは-(CH(C(CH)Rである。一つのバリエーションにおいて、zは1であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。
いくつかの実施形態において、RはC~Cシクロアルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである。一つのバリエーションにおいて、mは1または2である。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロプロピルであり、mは1または2である。
いくつかの実施形態において、mは0または1であり、Rは、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロヘキシルである。
いくつかの実施形態において、Rは、以下からなる群より選択される:
Figure 0007386536000002
いくつかの実施形態において、RはC~Cアルキル(例えば、n-ブチル)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CHOR1a(例えば、CHOCHCH)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CHNHR1b(例えば、CHNHCHCH)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CH1cである。一つのバリエーションにおいて、R1cはシクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、RはNHである。
いくつかの実施形態において、qは0である。いくつかの実施形態において、qは1であり、RはC~Cアルキルである。
いくつかの実施形態において、R4aおよびR4bの各々はHである。
いくつかの実施形態において、化合物は、表1中の化合物番号63-33~63-36および63-38~63-49またはその塩からなる群より選択される。
別の態様において、式(K):
Figure 0007386536000003
[式中、
nは、4~21の整数であり;
Xは、-NH-または-NH(C=O)-であり;
は、C~Cアルキル、-(CHOR1a、-(CHNHR1b、または-(CH1cであり;ここで、R1aおよびR1bは、独立して、C~Cアルキルであり;R1cはC~Cシクロアルキルであり;pは1または2であり;
はNHR2aであり;ここで、R2aは、H、OH、NH、またはメチルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、-(C~Cアルキレン)-NH、または-CH-フェニレン-CHNHであり;
qは、0、1、2、3、または4であり;
4aおよびR4bは、独立して、HまたはC~Cアルキルである]の化合物またはその塩であって、
但し、前記化合物が、2-ブチル-1-(4-((ヘキサデシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-32)またはN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド(化合物番号63-31)以外である、化合物またはその塩が提供される。
いくつかの実施形態において、Xは-NH-である。一つのバリエーションにおいて、nは、4~15の整数である。一つのバリエーションにおいて、nは、4、5、6、または7である。
いくつかの実施形態において、Xは-NH(C=O)-である。一つのバリエーションにおいて、nは、11、12、13、または14である。
いくつかの実施形態において、RはC~Cアルキル(例えば、n-ブチル)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CHOR1a(例えば、CHOCHCH)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CHNHR1b(例えば、CHNHCHCH)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CH1cである。いくつかの実施形態において、R1cはシクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、RはNHである。
いくつかの実施形態において、qは0である。いくつかの実施形態において、qは1であり、RはC~Cアルキルである。
いくつかの実施形態において、R4aおよびR4bの各々はHである。
いくつかの実施形態において、化合物は、表1中の化合物番号63-01~63-30またはその塩からなる群より選択される。
(i)式(J)または(K)の化合物および(ii)1またはそれを超える薬学的に許容され得る賦形剤を含む薬学的組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、抗原をさらに含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、USPグレードの油および有機改変因子(例えば、95%ゴマ油/5%エタノール)を含む薬学的に許容され得る賦形剤から構成される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、水中油型ナノエマルジョンまたはリポソーム製剤を可能にする薬学的に許容され得る賦形剤から構成され、その例は当業者に公知である。いくつかの実施形態において、薬学的組成物には、抗原(単数または複数)(腫瘍関連抗原またはネオ抗原が挙げられるが、これらに限定されない)の混合物を含むことができる。
本開示はまた、免疫応答の刺激を必要とする哺乳動物被験体において免疫応答を刺激する方法であって、哺乳動物被験体に、哺乳動物被験体における免疫応答を刺激するのに十分な量、頻度、および時間枠で上記の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。1つの態様において、免疫応答は、局所免疫応答である。別の態様において、免疫応答は全身免疫応答である。
本開示はまた、ヒト患者などの哺乳動物被験体における上記の薬学的組成物の複数の使用方法を提供する。1つの態様において、がんの処置を必要とする哺乳動物被験体においてがんを処置する方法であって、哺乳動物被験体に、哺乳動物被験体におけるがんの処置に十分な量の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。方法の別の態様において、腫瘍内送達は、少なくとも1つの腫瘍病変への薬学的組成物の注射を含む。方法の1つの態様において、有効量の第2の治療剤が、被検体にさらに投与される。ある特定の実施形態において、第2の治療剤は、化学療法剤、エピジェネティック調節剤、免疫原性細胞死の誘導物質、または阻害性免疫チェックポイント分子のアンタゴニストである。別の態様において、抗原特異的抗体応答の誘導を必要とする哺乳動物被験体において抗原特異的抗体応答を誘導する方法であって、哺乳動物被験体に、哺乳動物被験体における抗原特異的抗体応答および/または抗原特異的T細胞応答を誘導するのに十分な量の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。1つの態様において、感染症の処置または予防を必要とする哺乳動物被験体において感染症を処置または予防する方法であって、哺乳動物被験体に、哺乳動物被験体における感染症を処置または予防するのに十分な量の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。1つの態様において、哺乳動物被験体におけるIgE関連障害を処置または予防する方法であって、哺乳動物被験体におけるIgE関連障害を処置または予防するのに十分な量の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
本発明の薬学的組成物ならびに感染症および/またはがんの処置で用いるための説明書を含むキットも本発明で提供する。感染症および/またはがんの処置で用いるキットの製造方法も提供する。
図1A~Bは、実施例B3に記載の野生型マウスへの化合物番号63-00(黒色のバー)、63-17(白色のバー)、および63-10(灰色のバー)の注射による単回皮下投与後のIL-6(図1A)およびIL-12p40(図1B)の血清レベルの経時変化を示す。群のサイズ=3、+/-平均値の標準誤差。
図2A~Cは、実施例B4に記載の化合物番号63-18(図2A)、63-33(図2B)、または63-10(図2C)の反復腫瘍内投与後の同系CT26腫瘍保有野生型マウスの腫瘍成長阻害を示す。動物に、記載のように、ビヒクルコントロール(____)、20μgの化合物(____)、5μgの化合物(--■--)、0.5μg化合物(--■--)、または50μgのTLR9アゴニストポジティブコントロール(____)のいずれかを投与した。群のサイズ=コントロールについては5、実験条件については8、+/-平均値の標準誤差。 図2A~Cは、実施例B4に記載の化合物番号63-18(図2A)、63-33(図2B)、または63-10(図2C)の反復腫瘍内投与後の同系CT26腫瘍保有野生型マウスの腫瘍成長阻害を示す。動物に、記載のように、ビヒクルコントロール(____)、20μgの化合物(____)、5μgの化合物(--■--)、0.5μg化合物(--■--)、または50μgのTLR9アゴニストポジティブコントロール(____)のいずれかを投与した。群のサイズ=コントロールについては5、実験条件については8、+/-平均値の標準誤差。
図3A~Bは、実施例B5に記載のスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンのビヒクルコントロール(____)、50ngの化合物番号63-10を含むスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョン(____)、または50ngの化合物番号63-10+50,000ngのAH-1クラスIIペプチドを含むスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョン(____)から構成される薬学的組成物の反復腫瘍内投与後のCT26腫瘍保有野生型マウスの注射された腫瘍(図3A)および遠位腫瘍(図3B)における経時的な腫瘍成長阻害を示す。実験8、12、16、および20日目に記載のように動物に投与した。群のサイズ=コントロールおよび全ての実験条件について8、データを、平均腫瘍容積(単位mm)+/-平均値の標準誤差として表す。27日目の注射した腫瘍または23日目の遠位腫瘍の群間の腫瘍容積の相違を、Kruskall-Wallis検定およびその後の特定の群ペアの比較のためのDunnの事後検定を使用して解析した。nsはP≧0.050を示し;はP≦0.050を示す。
図4A~Bは、実施例B6に記載のリン酸緩衝生理食塩水のビヒクルコントロール(____)、リン酸緩衝生理食塩水のビヒクルコントロールの250μgの抗PD-1抗体との組み合わせ(____)、95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中の5,000ngの化合物番号63-10の250μgの抗PD-1抗体との組み合わせ(____)、95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中の5,000ngの化合物番号63-33の250μgの抗PD-1抗体との組み合わせ(____)、またはリン酸緩衝生理食塩水中の5,000ngの化合物番号63-00の250μgの抗PD-1抗体との組み合わせ(____)から構成される薬学的組成物の実験14日目における単回腫瘍内投与後のCT26腫瘍保有野生型マウスの注射された腫瘍(図4A)および遠位腫瘍(図4B)における経時的な腫瘍成長阻害を示す。抗PD-1組み合わせを用いた全ての実験群について、抗PD-1処置を、実験12、15、19、22、26日目に腹腔内に行った。群のサイズ=コントロールおよび全ての実験条件について10匹、データを、平均腫瘍容積(単位mm)+/-平均値の標準誤差として表す。実験29日目の群間の腫瘍容積の相違を、Kruskall-Wallis検定およびその後の特定の群ペアの比較のためのDunnの事後検定を使用して解析した。nsはP≧0.050を示し;はP≦0.050を示し;**はP≦0.010を示す。
本開示は、TLR7/8の両方のレセプターに対してバランスの取れた生物活性を示し、かつ薬学的組成物が注射部位での化合物の保持を促進することが可能な生理化学的性質を有する強力なTLR7/8アゴニストであるアルキル鎖修飾1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン誘導体に関する。本開示はまた、アルキル鎖修飾1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン化合物を含む薬学的組成物およびその調製方法、免疫応答を刺激するための薬学的組成物の使用、ならびに被験体の疾患(例えば、感染症およびがん)の処置方法に関する。
I.一般的な方法および定義
本開示の実施には、別段の指示がない限り、当該分野の技術の範囲内にある有機化学、分析化学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の従来の技術を使用するであろう。かかる技術は、文献に十分に記載されており、例えば、以下を参照のこと:Fiesers’Reagents for Organic Synthesis,25th edition(Ho,ed.,Wiley,2016);Comprehensive Organic Functional Group Transformations,2nd edition(Katritsky and Taylor,eds.,Elsevier,2004);Comprehensive Organic Synthesis,version 1-8(Trost and Flemming,eds.,Permagon Press,1991);Beilsteins Handbuch der Organischen Chemie,4(Auflage,ed.,Springer-Verlag,1934);Animal Cell Culture,sixth edition(Freshney,Wiley-Blackwell,2010);Current Protocols in Cell Biology(Bonifacino et al.,ed.,John Wiley&Sons,Inc.,1996(2014年の補遺を含む));Current Protocols in Immunology(Coligan et al.,eds.,John Wiley&Sons,Inc.,1991(2014年の補遺を含む));Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.,John Wiley&Sons,Inc.,1987(2014年の補遺を含む));Molecular Cloning:A Laboratory Manual,third edition(Sambrook and Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001);およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual,fourth edition(Green and Sambrook,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2012)。
用語「個体」および「被験体」は、哺乳動物を指す。「哺乳動物」としては、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、家畜、競技用動物(例えば、ウマ)、げっ歯類(例えば、マウスおよびラット)、およびペット(例えば、イヌおよびネコ)が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「抗原」は、抗体またはT細胞抗原レセプターによって特異的に認識され、結合される物質を指す。抗原は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、複合糖質、糖、ガングリオシド、脂質およびリン脂質;それらの一部ならびにそれらの組み合わせを含み得る。抗原は、本開示の組成物中に存在する場合、合成の抗原であり得るか、または天然から単離された抗原であり得る。本開示の方法における投与に適した抗原には、抗原特異的B細胞応答または抗原特異的T細胞応答を誘発することができる任意の分子が含まれる。ハプテンは、「抗原」の範囲内に含められる。「ハプテン」は、それ自身は免疫原性ではないが、一般により大きい免疫原性分子に結合体化された場合に免疫原性となる、低分子量化合物である。
「ポリペプチド抗原」は、精製された天然のペプチド、合成ペプチド、操作されたペプチド、組換えペプチド、粗ペプチド抽出物、または部分的に精製されたもしくは未精製の活性な状態のペプチド(弱毒化または不活性化されたウイルス、微生物または細胞の一部であるペプチドなど)あるいはそのようなペプチドのフラグメントを含み得る。ポリペプチド抗原は、好ましくは、少なくとも6アミノ酸残基長、好ましくは、8~1800アミノ酸長、より好ましくは、9~1000アミノ酸長または10~100アミノ酸長である。同様に、いくつかの実施形態において、そのポリペプチドは、約9~約2000、約9~約1000、約9~約100または約9~約60アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、そのポリペプチドは、少なくとも(下限)9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80または90アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、そのポリペプチドは、多くとも(上限)1000、900、800、700、600、500、400、300、250、200、150、100、50、または25アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、ポリペプチド抗原は、9~35アミノ酸長である。
本明細書中で使用される場合、用語「免疫原性」は、適切な条件下で哺乳動物被験体に投与されたとき獲得免疫応答を誘発する作用物質(例えば、ポリペプチド抗原)を指す。その免疫応答は、B細胞(液性)応答および/またはT細胞(細胞性)媒介応答であり得る。
「アジュバント」は、抗原などの免疫原性の作用物質と混合された場合に、その混合物に曝露されたレシピエントにおいてその作用物質に対する免疫応答を非特異的に増大または増強する物質を指す。
用語「アゴニスト」は、最も広い意味において使用され、レセプターを介したシグナル伝達を活性化する任意の分子を含む。例えば、TLR7アゴニストはToll様レセプター7タンパク質に結合してTLR7-シグナル伝達経路を活性化し;TLR8アゴニストはToll様レセプター8タンパク質に結合してTLR8-シグナル伝達経路を活性化する。二重TLR7/8アゴニストはToll様レセプター7タンパク質およびToll様レセプター8タンパク質の両方に結合してTLR7-シグナル伝達経路およびTLR8-シグナル伝達経路の両方を活性化する。
応答またはパラメータの「刺激」は、作用因子または分子以外、その他の点で同じ条件と比べたとき、あるいは、別の条件(例えば、TLRアゴニストの非存在下と比べたときのTLRアゴニストの存在下におけるTLRシグナル伝達の増大)と比べた場合に、その応答またはパラメータを誘発および/または増大することを含む。例えば、免疫応答の「刺激」は、応答の増大を意味する。
本明細書中に開示される作用物質の「有効量」は、具体的に述べられる目的を果たすために十分な量である。「有効量」は、述べられる目的に対して経験的かつ慣用的な様式で決定され得る。作用物質の「有効量」または「十分な量」は、所望の生物学的効果(有益な臨床結果を含む有益な結果など)をもたらすために適切な量である。用語「治療有効量」は、被験体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)における疾患または障害を「処置する」のに有効な、作用物質(例えば、TLR調節剤)の量を指す。
疾患を「処置する」または疾患の「処置」という用語は、その疾患の徴候または症状を軽減することを目指して個体(ヒトまたはそれ以外の個体)に1またはそれを超える薬物を投与することを含み得るプロトコールを実行することを指す。したがって、「処置する」または「処置」は、徴候または症状の完全な軽減を必要とせず、治癒を必要とせず、かつ具体的には、個体に緩和効果を及ぼすだけのプロトコールを含む。本明細書中で使用される場合、また、当該分野において十分に理解されているように、「処置」は、臨床結果を含む有益な結果または所望の結果を得るためのアプローチである。有益な臨床結果または所望の臨床結果としては、検出可能であるか検出不可能であるかを問わず、1またはそれを超える症状の軽減または回復、疾患の程度の低下、安定化された(すなわち、悪化していてない)疾患状態、疾患の広がりの防止、疾患の進行の遅延または減速、疾患状態の回復または緩和、および緩解(部分的であるか全体的であるかを問わない)が挙げられるがこれらに限定されない。「処置」は、処置を受けていない個体の予想される生存と比べたときの、生存の延長も意味し得る。
疾患または障害を「緩和する」は、予想される無処置の結果と比べて、疾患または障害の程度および/もしくは望ましくない臨床症状が和らぐこと、ならびに/または疾患もしくは障害の進行の時間経過が減速することを意味する。特に、アレルギーの文脈において、アレルゲン(複数可)に対してTh1免疫応答が刺激されたときに緩和し得る。さらに、緩和は、必ずしも1回の投与によって生じるわけではないが、連続した回数の投与で生じることが多い。したがって、応答または障害を緩和するのに十分な量を、1回または複数回投与してよい。
本明細書中で使用される「アルキル」は、飽和した直鎖(すなわち、非分枝)または分枝の一価炭化水素鎖またはその組み合わせを指す。特定のアルキル基は、指定した数の炭素原子を有するアルキル基(例えば、1~20個の炭素原子(「C~C20アルキル」)、1~10個の炭素原子(「C~C10」アルキル)、1~8個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、1~6個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、2~6個の炭素原子(「C~Cアルキル」)、または1~4個の炭素原子(「C~Cアルキル」)を有するアルキル基)である。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、およびn-オクチルのホモログおよび異性体などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「アルケニル」は、少なくとも1つのオレフィン性不飽和部位を有する(すなわち、少なくとも1つの式C=C部分を有する)不飽和の直鎖(すなわち、非分枝)または分枝の一価炭化水素鎖またはその組み合わせを指す。特定のアルケニル基は、指定した数の炭素原子を有するアルケニル基(例えば、2~20個の炭素原子(「C~C20アルケニル」)、2~10個の炭素原子(「C~C10」アルケニル)、2~8個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)、2~6個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)、または2~4個の炭素原子(「C~Cアルケニル」)を有するアルケニル基)である。アルケニル基は、「シス」立体配置または「トランス」立体配置、あるいは、「E」立体配置または「Z」立体配置であり得る。アルケニル基の例としては、エテニル(またはビニル)、プロパ-1-エニル、プロパ-2-エニル(またはアリル)、2-メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2-メチルブタ-1,3-ジエニル、そのホモログ、および異性体などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「アルキニル」は、少なくとも1つのアセチレン性不飽和部位を有する(すなわち、少なくとも1つの式C≡C部分を有する)不飽和の直鎖(すなわち、非分枝)または分枝の一価炭化水素鎖またはその組み合わせを指す。特定のアルキニル基は、指定した数の炭素原子を有するアルキニル基(例えば、2~20個の炭素原子(「C~C20アルキニル」)、2~10個の炭素原子(「C~C10アルキニル」)、2~8個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)、2~6個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)、または2~4個の炭素原子(「C~Cアルキニル」)を有するアルキニル基)である。アルキニル基の例としては、エチニル(またはアセチルレニル)、プロパ-1-イニル、プロパ-2-イニル(またはプロパルギル)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、そのホモログ、および異性体などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「アルキレン」は、アルキルと同一であるが二価である残基を指す。特定のアルキレン基は、1~6個の炭素原子(「C~Cアルキレン」)、1~5個の炭素原子(「C~Cアルキレン」)、1~4個の炭素原子(「C~Cアルキレン」)、または1~3個の炭素原子(「C~Cアルキレン」)を有するアルキレン基である。アルキレン基の例としては、メチレン(-CH-または=CH)、エチレン(-CHCH-または=CHCH)、プロピレン(-CHCHCH-または=CHCHCH)、およびブチレン(-CHCHCHCH-または=CHCHCHCH)などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「シクロアルキル」は、非芳香族の、飽和または不飽和の一価の環式炭化水素構造を指す。特定のシクロアルキル基は、指定した数の環状(すなわち、環)炭素原子を有するシクロアルキル基(例えば、3~12個の環状炭素原子を有するシクロアルキル基(「C~C12シクロアルキル」))である。好ましいシクロアルキルは、3~8個の環状炭素原子(「C~Cシクロアルキル」)または3~6個の環状炭素原子(「C~Cシクロアルキル」)を有する環式炭化水素である。シクロアルキルは、1つの環(シクロヘキシルなど)または複数の環(アダマンチルなど)からなることができるが、アリール基は除外される。1つを超える環を含むシクロアルキルは、縮合、スピロ、架橋、またはその組み合わせであり得る。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「シクロアルキレン」は、シクロアルキルと同一であるが二価である残基を指す。特定のシクロアルキレン基は、3~12個の環状炭素原子(「C~C12シクロアルキレン」)、3~8個の環状炭素原子(「C~Cシクロアルキレン」)、または3~6個の環状炭素原子(「C~Cシクロアルキレン」)を有するシクロアルキレン基である。シクロアルキレン基の例としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、1,2-シクロヘキセニレン、1,3-シクロヘキセニレン、1,4-シクロヘキセニレン、シクロヘプチル、およびノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用される「ヒドロカルビル」は、完全飽和、一価不飽和、または多価不飽和であってよく、指定された炭素原子数(すなわち、C~C20は、1~20個の炭素原子を意味する)を有する、非芳香族炭化水素からの水素原子の除去によって形成された一価の基を指し、これを含む。ヒドロカルビル基は、1またはそれを超える直鎖、分枝、環式の部分、またはその組み合わせを含み得る。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、ヒドロカルビル基の特定の部分集合である。ヒドロカルビル基はまた、1またはそれを超えるシクロアルキル基によりさらに置換されたアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基;ならびに/あるいはアルキル基、アルケニル基、および/またはアルキニル基のうちの1またはそれより多くによりさらに置換されたシクロアルキル基も含み得る。ヒドロカルビル基を、1またはそれを超える位置で、1またはそれを超えるハロゲン原子(塩素またはフッ素など)により置換することができる。ヒドロカルビル基の例としては、例えば、以下:
Figure 0007386536000004
などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「アリール」は、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合した環(例えば、ナフチルまたはアントリル)(ここで、縮合環のうちの1またはそれを超える環は芳香族でなくてよい)を有する不飽和の芳香族炭素環基を指す。特定のアリール基は、6~14個の環状(すなわち、環)炭素原子を有するアリール基(「C~C14アリール」)である。1を超える環を有し、少なくとも1つの環が非芳香族であるアリール基を、芳香環の位置または非芳香環の位置のいずれかで親構造に結合することができる。一つのバリエーションにおいて、1を超える環を有し、少なくとも1つの環が非芳香族であるアリール基は、芳香環の位置で親構造に結合される。アリールの例としては、フェニル、ナフチル、1-ナフチル、および2-ナフチルなどの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「アリーレン」は、アリールと同一であるが二価である残基を指す。特定のアリーレン基は、6~14個の環状炭素原子を有するアリーレン基(「C~C14アリーレン」)である。アリーレンの例としては、フェニレン、o-フェニレン(すなわち、1,2-フェニレン)、m-フェニレン(すなわち、1,3-フェニレン)、p-フェニレン(すなわち、1,4-フェニレン)、ナフチレン、1,2-ナフチレン、1,2-ナフチレン、および1,4-ナフチレンなどの基が挙げられるが、これらに限定されない。
「ハロ」または「ハロゲン」は、原子番号9~85の17族の元素を指す。好ましいハロ基としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが挙げられる。残基が1を超えるハロゲンで置換される場合、この残基を、ハロゲン部分の付着数に対応する接頭辞を使用して言及することができる。例えば、ジハロアリール、ジハロアルキル、およびトリハロアリールなどは、2個(「ジ」)または3個(「トリ」)のハロ基で置換されたアリールおよびアルキルを指し(ここで、ハロは、同一のハロであり得るが、必ずしも同一でなくてよい);したがって、4-クロロ-3-フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内にある。各水素がハロ基で置き換えられたアルキル基は、「ペルハロアルキル」と呼ばれる。好ましいペルハロアルキル基は、トリフルオロアルキル(-CF)である。同様に、「ペルハロアルコキシ」は、アルコキシ基のアルキル部分を構成している炭化水素中の各Hがハロゲンで置き換わったアルコキシ基を指す。ペルハロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシ(-OCF)である。
「アミノ」は、-NH基を指す。
「置換アミノ」は、-NR’R’’基を指し、ここで、R’およびR’’は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、但し、R’およびR’’のうちの少なくとも1つが水素ではない。
「必要に応じて置換された」は、別段の指定が無い限り、ある基が、非置換であっても、その基について列挙した1またはそれを超える(例えば、1、2、3、4、または5個の)置換基により置換されてもよいことを意味し、この置換基は同一であっても異なっていてもよい。1つの実施形態では、必要に応じて置換された基は、1個の置換基を有する。別の実施形態において、必要に応じて置換された基は、2個の置換基を有する。別の実施形態において、必要に応じて置換された基は、3個の置換基を有する。別の実施形態において、必要に応じて置換された基は、4個の置換基を有する。いくつかの実施形態において、必要に応じて置換された基は、1~2、1~3、1~4、または1~5個の置換基を有する。
「有機改変因子」は、別段の指定が無い限り、有機化合物を溶解するために典型的に使用される溶媒群のうちの1つを意味する。この群は、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン(methylenthylketone)、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(イソプロパノール)、酢酸プロピル、およびその組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
本明細書中の本開示に加えて、用語「置換された」は、指定された基またはラジカルを修飾するために使用される場合、指定された基またはラジカルの1またはそれを超える水素原子が、各々相互に独立して、本明細書中に定義の同一または異なる置換基で置き換えられることも意味し得る。いくつかの実施形態において、置換される基は、1、2、3、または4個の置換基、1、2、もしくは3個の置換基、1もしくは2個の置換基、または1個の置換基を有する。
元素の特定の同位体が式中に示されない限り、本発明は、本明細書中に開示の化合物の全ての同位体置換体(isotopologue)(例えば、化合物の重水素化誘導体(HがH、すなわち、Dであり得る)など)を含む。同位体置換体は、構造中の任意の位置または全ての位置が同位体に置換され得るか、原子が構造中の任意の位置または全ての位置に天然存在度で存在し得る。
明確にするために個別の実施形態の文脈で記載された本発明の一定の特徴を単一の実施形態に組み合わせて提供することもできると認識される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載された本発明の種々の特徴を、個別に提供するか、任意の適切なサブコンビネーションで提供することもできる。変数によって表した化学基に関する実施形態の全ての組み合わせが本発明に具体的に含まれ、この組み合わせは、かかる組み合わせが安定な化合物(すなわち、単離し、特徴づけ、生物学的活性について試験することができる化合物)である化合物を包含する程度まで、各々の組み合わせおよびあらゆる組み合わせがまるで個別かつ明確に開示されているかのように本明細書中に開示される。さらに、かかる変数を記載している実施形態に列挙した化学基の全てのサブコンビネーションも、本発明に具体的に含まれ、このサブコンビネーションは、化学基のかかる各々のサブコンビネーションおよびあらゆるサブコンビネーションがまるで個別かつ明確に本明細書中に開示されているかのように本明細書中に開示される。
本明細書中に「~を含む」と記載した態様および実施形態には実施形態「からなる」および「から本質的になる」が含まれると理解される。
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」には、別段の指示がなく、文脈から明らかでない限り、複数形が含まれる。
別段の指示が明確に無い限り、用語「約」は、値を決定するために使用されるデバイスまたは方法の標準偏差または標準誤差を値が含むことを示すために使用される。本明細書中の値またはパラメータに対する「約」の言及は、前述の値またはパラメータ自体に関する実施形態を含む(そして記載する)。例えば、「約X」に関する記載には、「X」の記載が含まれる。
II.化合物
1つの態様において、式(J):
Figure 0007386536000005
[式中、
は、1~4個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたC~C21ヒドロカルビルであり;
Xは、-NH-または-NH(C=O)-であり;
は、C~Cアルキル、-(CHOR1a、-(CHNHR1b、または-(CH1cであり;ここで、R1aおよびR1bは、独立して、C~Cアルキルであり;R1cはC~Cシクロアルキルであり;pは1または2であり;
はNHR2aであり;ここで、R2aは、H、OH、NH、またはメチルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、-(C~Cアルキレン)-NH、または-CH-フェニレン-CHNHであり;
qは、0、1、2、3、または4であり;
4aおよびR4bは、独立して、HまたはC~Cアルキルである]の化合物またはその塩であって、
但し、前記化合物が、2-ブチル-1-(4-((ヘキサデシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-32);N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド(化合物番号63-31);またはN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)ペンタ-4-インアミド(化合物番号63-37)以外である、化合物またはその塩が提供される。
いくつかの実施形態において、RはC~C21ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態において、RはC~C14ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態において、RはC~C10ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態において、RはC10~C14ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態において、RはC~Cヒドロカルビルである。
いくつかの実施形態において、Xは-NH(C=O)-である。別の実施形態において、Xは-NH-である。
いくつかの実施形態において、Rは、分枝C~C14アルキルまたは-(CHであり;mは、0、1、2、または3であり;Rは、C~CアルキルおよびC~Cアルキレンからなる群より独立して選択される1~4個の基により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは分枝C~C14アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは分枝C~C10アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは分枝C10~C14アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは分枝C~Cアルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは-(CHである。一つのバリエーションにおいて、mは1または2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。別のバリエーションにおいて、mは0であり、Rは、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
いくつかの実施形態において、RはC~Cシクロアルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである。一つのバリエーションにおいて、mは1または2である。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロプロピルであり、mは1または2である。
いくつかの実施形態において、mは0または1であり、Rは、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロヘキシルである。
いくつかの実施形態において、Rは、1~4個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、1~3個の塩素原子またはフッ素原子により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、1~2個の塩素原子またはフッ素原子により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、1~2個のフッ素原子により必要に応じて置換されたシクロブチルである。一つのバリエーションにおいて、mは1である。
いくつかの実施形態において、Rは-(CH(C(CH)Rである。一つのバリエーションにおいて、zは1または2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。一つのバリエーションにおいて、zは1であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、以下からなる群より選択される:
Figure 0007386536000006
いくつかの実施形態において、Rは、以下からなる群より選択される:
Figure 0007386536000007
Figure 0007386536000008
いくつかの実施形態において、Rは、以下からなる群より選択される:
Figure 0007386536000009
いくつかの実施形態において、Xは-NH-であり、Rは-(CHであり、mは2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。
いくつかの実施形態において、Xは-NH-であり、Rは-(CH(C(CH)Rであり、zは1であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。
いくつかの実施形態において、Xは-NH-であり、Rは-(CHであり、mは0であり、Rは、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
いくつかの実施形態において、Xは-NH(C=O)-であり、Rは-(CHであり、mは1であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。
いくつかの実施形態において、RはC~Cアルキル(例えば、n-ブチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。いくつかの好ましい実施形態において、Rはn-ブチルである。いくつかの実施形態において、Rはn-ペンチルである。いくつかの実施形態において、Rは-(CHOR1a(例えば、CHOCHCH)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CHNHR1b(例えば、CHNHCHCH)である。いくつかの実施形態において、Rは-(CH1cである。一つのバリエーションにおいて、R1cはシクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、RはNHR2aであり、ここで、R2aは、H、OH、NH、またはメチルである。いくつかの実施形態において、RはNHである。いくつかの実施形態において、Rは、NHOH、NHNH、またはNHCHである。
いくつかの実施形態において、R4aおよびR4bは、独立して、HまたはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態において、R4aおよびR4bの各々はHである。
いくつかの実施形態において、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンコアのフェニル部分は、非置換である(すなわち、qは0である)。いくつかの実施形態において、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンコアのフェニル部分は、ハロゲン、C~Cアルキル、-(C~Cアルキレン)-NH、および-CH-フェニレン-CHNHからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基により置換されている。いくつかの実施形態において、qは1であり、RはC~Cアルキルである。
存在する場合、式(J)について記載のXおよびRの各々およびあらゆるバリエーションを、各々およびあらゆる組み合わせを具体的かつ個別に記載しているのと同じように、式(J)について記載のR、p、R、q、R、R4a、およびR4bの各々およびあらゆるバリエーションと組み合わせることができることが意図され、理解される。
いくつかの実施形態において、式(J)の化合物は、式(J-1):
Figure 0007386536000010
(式中、RはC~C21ヒドロカルビルである)の化合物またはその塩である。いくつかの実施形態において、Rは-(CHである。一つのバリエーションにおいて、mは1または2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。一つのバリエーションにおいて、mは2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。別のバリエーションにおいて、mは0であり、Rは、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態において、Rは-(CH(C(CH)Rである。一つのバリエーションにおいて、zは1であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。いくつかの実施形態において、Rは、メチル、メチレン、およびハロゲンからなる群より独立して選択される1~4個の基により必要に応じて置換される。
いくつかの実施形態において、式(J)の化合物は、式(J-2):
Figure 0007386536000011
(式中、RはC~C21ヒドロカルビルである)の化合物またはその塩であり、但し、前述の化合物は、N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)ペンタ-4-インアミド(化合物番号63-37)以外である。いくつかの実施形態において、Rは-(CHである。一つのバリエーションにおいて、mは1または2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。一つのバリエーションにおいて、mは1であり、Rはシクロプロピルである。
別の態様において、式(K):
Figure 0007386536000012
[式中、
nは、4~21の整数であり;
Xは、-NH-または-NH(C=O)-であり;
は、C~Cアルキル、-(CHOR1a、-(CHNHR1b、または-(CH1cであり;ここで、R1aおよびR1bは、独立して、C~Cアルキルであり;R1cはC~Cシクロアルキルであり;pは1または2であり;
はNHR2aであり;ここで、R2aは、H、OH、NH、またはメチルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、-(C~Cアルキレン)-NH、または-CH-フェニレン-CHNHであり;
qは、0、1、2、3、または4であり;
4aおよびR4bは、独立して、HまたはC~Cアルキルである]の化合物またはその塩であって、
但し、前記化合物が、2-ブチル-1-(4-((ヘキサデシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-32)またはN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド(化合物番号63-31)以外である、化合物またはその塩が提供される。
いくつかの実施形態において、Xは-NH-である。いくつかの実施形態において、Xは-NH(C=O)-である。
いくつかの実施形態において、Xは-NH-であり、nは、4~15の整数である。いくつかの好ましい実施形態において、Xは-NH-であり、nは、4~12の整数である。いくつかの好ましい実施形態において、Xは-NH-であり、nは、4、5、6、または7である。いくつかの実施形態において、nは、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態において、Xは-NH(C=O)-であり、nは、4~14の整数である。いくつかの好ましい実施形態において、Xは-NH(C=O)-であり、nは、11、12、13、または14である。いくつかの実施形態において、nは、4、5、6、7、8、9、または10である。
いくつかの実施形態において、RはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。いくつかの好ましい実施形態において、Rはn-ブチルである。いくつかの実施形態において、Rはn-ペンチルである。
いくつかの実施形態において、Rは-(CHOR1aであり、ここで、pは1または2であり、R1aはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは-CHOCHCHである。
いくつかの実施形態において、Rは-(CHNHR1bであり、ここで、R1bはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは-CHNHCHCHである。
いくつかの実施形態において、Rは-(CH1cであり、ここで、pは1または2であり、R1cは、シクロプロピルまたはシクロブチルである。いくつかの実施形態において、Rは、-CH-シクロプロピルまたは-CHCH-シクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、RはNHR2aであり、ここで、R2aは、H、OH、NH、またはメチルである。いくつかの好ましい実施形態において、RはNHである。いくつかの実施形態において、Rは、NHOH、NHNH、またはNHCHである。
いくつかの実施形態において、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンコアのフェニル部分は、非置換である(すなわち、qは0である)。いくつかの実施形態において、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンコアのフェニル部分は、ハロゲン、C~Cアルキル、-(C~Cアルキレン)-NH、および-CH-フェニレン-CHNHからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基により置換されている。いくつかの実施形態において、qは1であり、RはC~Cアルキルである。
いくつかの実施形態において、R4aおよびR4bは、独立して、HまたはC~Cアルキルである。いくつかの好ましい実施形態において、R4aおよびR4bの各々はHである。
存在する場合、式(K)について記載のXおよびnの各々およびあらゆるバリエーションを、各々およびあらゆる組み合わせを具体的かつ個別に記載しているのと同じように、式(K)について記載のR、R、q、R、R4a、およびR4bの各々およびあらゆるバリエーションと組み合わせることができることが意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態において、RはC~Cアルキル(例えば、n-ブチル)であり、RはNHであり、qは0であり、Xは-NH-であり、nは、4、5、6、または7である。いくつかの実施形態において、RはC~Cアルキル(例えば、n-ブチル)であり、RはNHであり、qは0であり、Xは-NH(C=O)-であり、nは、11、12、13、または14である。
いくつかの実施形態において、式(K)の化合物は、式(K-1):
Figure 0007386536000013
(式中、R’’は直鎖C~C21アルキルである)の化合物またはその塩であり、但し、前述の化合物は、2-ブチル-1-(4-((ヘキサデシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-32)以外である。いくつかの実施形態において、R’’は直鎖C~C15アルキルである。いくつかの実施形態において、R’’は直鎖C~Cアルキルである。いくつかの実施形態において、R’’は直鎖C~C15アルキルである。いくつかの実施形態において、R’’は直鎖C17~C21アルキルである。
いくつかの実施形態において、式(K)の化合物は、式(K-2):
Figure 0007386536000014
(式中、Rは直鎖C~C21アルキルである)の化合物またはその塩であり、但し、前述の化合物は、N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド(化合物番号63-31)以外である。いくつかの実施形態において、Rは直鎖C~C14アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは直鎖C11~C14アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは直鎖C~C10アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは直鎖C16~C21アルキルである。
本発明の代表的な化合物を、表1に列挙する。
Figure 0007386536000015
Figure 0007386536000016
Figure 0007386536000017
Figure 0007386536000018
Figure 0007386536000019
Figure 0007386536000020
Figure 0007386536000021
Figure 0007386536000022
Figure 0007386536000023
Figure 0007386536000024
Figure 0007386536000025
Figure 0007386536000026
Figure 0007386536000027
Figure 0007386536000028
さらなる化合物を、表2に列挙する。
Figure 0007386536000029
Figure 0007386536000030
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、表2に列挙した化合物を除外する。
いくつかの実施形態において、表1中の化合物番号63-01~63-30、63-33~63-36、および63-38~63-49から選択される化合物またはその塩を提供する。いくつかの実施形態において、化合物は、表1中の化合物番号63-01~63-30のうちの1またはそれより多く、またはその塩からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、化合物は、表1中の化合物番号63-33~63-36および63-38~63-49のうちの1またはそれより多く、またはその塩からなる群より選択される。
本発明はまた、本明細書中で言及した化合物の全ての塩(薬学的に許容され得る塩など)を含む。本発明はまた、記載の化合物の任意のまたは全ての立体化学形態(任意の鏡像異性体またはジアステレオマー形態、および任意の互変異性体または他の形態が含まれる)を含む。立体化学が化学構造または化学名に明確に示されない限り、前述の構造または名称は、示した化合物の全ての可能な立体異性体を包含することを意図する。さらに、特定の立体化学形態を示す場合、他の立体化学形態も本発明に含まれると理解される。化合物の全ての形態(化合物の結晶形態または非結晶形態など)も本発明に含まれる。本発明の化合物を含む組成物(化合物の特定の立体化学形態を含む実質的に純粋な化合物の組成物など)も意図される。化合物のラセミ混合物、非ラセミ混合物、鏡像異性体富化混合物、および鏡像異性体の不均一(scalemic)混合物が含まれるように、任意の比の本発明の化合物の混合物(任意の比の本発明の化合物の2またはそれを超える立体化学形態の混合物が含まれる)を含む組成物も本発明に含まれる。
本開示の化合物は、TLR7およびTLR8の両方のレセプターに対してバランスの取れた生物活性を示す強力なTLR7/8アゴニストであり、かつ生理化学的性質(疎水性の増加など)を有する。TLR7およびTLR8の両レセプターに対して強力なアゴニスト生物活性を有する化合物は、これらのTLRのうちの1つのみに特異的なアゴニストより潜在的に有効な免疫アジュバントであり、広範な抗原提示細胞および他の重要な免疫細胞型(形質細胞様樹状細胞および骨髄系樹状細胞、単球、およびB細胞が含まれる)における自然免疫応答を促進するであろう(例えば、Vasilakos et al 2013 Expert Rev Vaccines 12:809-819を参照のこと)。疎水性の増加などの生理化学的性質を有する化合物は、油系処方アプローチに適合し、かつ薬学的組成物が注射部位での化合物の保持を促進することが可能であることが公知である。
いくつかの実施形態において、式(J)または(K)の化合物は、TLR7およびTLR8の両方を活性化することができる。いくつかの実施形態において、式(J)または(K)の化合物は、TLR7については約200nMまたはそれ未満のEC50、TLR8については約2000nMまたはそれ未満のEC50を有し、ここで、EC50値は、実施例B1に記載のとおりである。いくつかの実施形態において、式(J)または(K)の化合物は、TLR7については約50nMまたはそれ未満のEC50、TLR8については約1000nMまたはそれ未満のEC50を有する。いくつかの実施形態において、式(J)または(K)の化合物は、TLR7については約200nM、約175nM、約150nM、約125nM、約100nM、約75nM、約50nM、約40nM、約30nM、約20nM、約10nM、約8nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、約1nM、または約0.5nMのEC50;およびTLR8については約2000nM、1500nM、1000nM、900nM、800nM、700nM、600nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、50nM、25nM、10nM、5nM、1nM、または0.5nMのEC50を有する。
式(J-1)または(K-1)の化合物は、1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(IMDQ)のN-アルキル誘導体であり;一方で、式(J-2)または(K-2)の化合物は、IMDQのN-アシル誘導体である。IMDQ(化合物番号63-00)は、TLR7レセプターおよびTLR8レセプターの両方に強力なインビトロ活性を示す(例えば、米国特許第8,728,486号および同第9,441,005号を参照のこと)。本発明の化合物のベンジルアミンでのアルキル鎖修飾により疎水性が増大し、それにより、薬学的組成物による注射部位での化合物の保持の促進が可能である。しかし、炭素鎖長が増加したアルキル鎖誘導体の疎水性が有意に増加し得る一方で(例えば、分配係数またはcLogPの計算によって評価した場合)、これらの誘導体はまた、TLR7およびTLR8の両方に対するアゴニスト効力が減少し得るか、前述の2つのレセプターのうちの1つに対する生物活性が選択的に減少し得る。例えば、N-オクタデカノイル誘導体(化合物番号63-13)は、同一のインビトロヒト免疫細胞生物活性アッセイにおいて、その同類の親IMDQよりもTLR7に対する効力は1/40未満であり、TLR8に対する効力は1/26未満である。予想外には、IMDQのN-テトラデカノイル誘導体(化合物番号63-10)は、TLR7およびTLR8に対する効力がそれぞれIMDQのたった1/2および1/2.4である。これらのデータは、アルキル鎖が最適な長さであると強力でバランスの取れたTLR7/8アゴニスト生物活性が得られ、また、薬学的組成物に組み込まれる疎水性の増加により注射部位での化合物の保持が促進されることを実証している。
式(J-1)または(K-1)の化合物は、1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(IMDQ)のN-アルキル誘導体である。炭素鎖長が増加したアルキル鎖誘導体の疎水性が増加し得る一方で(例えば、分配係数またはcLogPの計算によって評価した場合)、これらの誘導体はまた、TLR7およびTLR8の両方に対するアゴニスト効力が減少し得るか、前述の2つのレセプターのうちの1つに対する生物活性が選択的に減少し得る。例えば、4-オクタデシルアミノ誘導体(化合物番号63-29)は、同一のインビトロヒト免疫細胞生物活性アッセイにおいて、その同類の親IMDQよりもTLR7に対する効力は1/19未満であり、TLR8に対する効力は1/12未満である(例えば、実施例B1を参照のこと)。興味深いことに、4-ペンチルアミノ誘導体(化合物番号63-17)は、IMDQよりTLR7に対する効力は1/2しか低くなく、TLR8に対する効力は2倍であるが、疎水性は化合物番号63-29より有意に低い。予想外には、4-(2-シクロプロピルエチル)アミノ誘導体(化合物番号63-33)は、IMDQよりTLR7に対する効力は1/4しか低くなく、TLR8に対する効力は2.9倍であり、直鎖5炭素バリアント(化合物番号63-17)と比較して、cLogPが増大している。これらのデータは、アルキル鎖が最適な長さであると強力でバランスの取れたTLR7/8アゴニスト生物活性が得られ、また、薬学的組成物に組み込まれ得る疎水性の増加により注射部位での化合物の保持が促進されることを実証している。
バランスの取れた二重効力を有するTLR7/8アゴニスト小分子はまた、単一の薬学的有効成分を合成して特徴付けることが可能であり、それにより、より低価格でのGMPの製造を容易にし、制御経路を簡潔かつ予想可能にすることができる。
式(J)の化合物を、スキーム1に従い、そして/または当該分野で公知の方法を使用して合成することができる。
スキーム1
Figure 0007386536000031
(式中、R、R、q、およびRは、式(J)について定義のとおりであり、RおよびRは、ヒドロカルビル基である)。
Xが-NH-であり、Rが-(CHであり、mは1または2であり、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである、式(J)の好ましい化合物を、以下のカルボン酸を使用して調製することができる:シクロプロパンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、シクロブタンカルボン酸、シクロブチル酢酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンチル酢酸、シクロヘキサンカルボン酸、およびシクロヘキサン酢酸。Xが-NH-であり、Rが-(CHであり、mは、1、2、または3であり、Rは、シクロプロピル、2-メチルシクロプロピル、2,2,-ジメチルシクロプロピル、1-メチルシクロプロピル、1-メチルシクロブチル、3-メチルシクロブチル、または3-フルオロシクロブチルである、式(J)の好ましい化合物を、以下のカルボン酸を使用して調製することができる:シクロプロパンカルボン酸、2-メチルシクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸、1-メチルシクロプロパンカルボン酸、1-メチルシクロブタンカルボン酸、3-メチルシクロブタンカルボン酸、または3-フルオロシクロブタンカルボン酸。Xが-NH-であり、Rが-(CH)(C(CH)Rであり、Rはシクロプロピルまたはシクロブチルである、式(J)の好ましい化合物を、以下のカルボン酸を使用して調製することができる:シクロプロパンカルボン酸またはシクロブタンカルボン酸。代表的な化合物番号63-33の合成スキームの詳細な説明を、実施例S3に見出すことができる。
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル(例えば、n-ブチル)であり、RはNHであり、Xは-NH-であり、Rは-(CHであり、mは0であり、Rはシクロアルキルである場合、化合物を、スキーム1-2にしたがって合成する。Rがn-ブチルであり、RがNHであり、Xが-NH-であり、Rが-(CHであり、mは0であり、Rはシクロヘキシルである、式(J)の化合物(化合物番号63-49)を、実施例S10に記載の合成にしたがって調製する。
スキーム1-2
Figure 0007386536000032
(式中、R、q、およびRは、式(J)について定義のとおりであり、Rはシクロアルキル基である)。
式(K)の化合物を、スキーム2にしたがって、そして/または当該分野で公知の方法を使用して合成することができる。
スキーム2
Figure 0007386536000033
(式中、R、R、q、およびRは、式(K)について定義のとおりであり、RおよびR’’は直鎖アルキル基である。
Xが-NH(C=O)-であり、nが4~21の整数であり、但し、化合物がN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド(化合物番号63-31)以外である、式(K)の好ましい化合物を、以下のカルボン酸を使用して調製することができる;ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸(heptaonic)、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンエイコサン酸、およびドコサン酸。代表的な化合物番号63-10および63-17の合成スキームの詳細な説明を、実施例S1およびS2にそれぞれ見出すことができる。
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル(例えば、n-ブチル)であり、RはNHであり、qは0である場合、化合物を、スキーム3または4にしたがって合成する。化合物番号63-00(スキーム3および4中の出発化合物)の調製に有用な各反応工程のより詳細な説明については、例えば、米国特許第8,728,486号および同第9,441,005号を参照のこと。
スキーム3
Figure 0007386536000034
(式中、RおよびRはヒドロカルビル基である)
スキーム4
Figure 0007386536000035
(式中、RおよびR’’は直鎖アルキル基である)。
当業者は、他の合成経路(種々の溶媒、触媒、還元剤、温度、反応時間、および大気条件が含まれる)を使用して、本発明に記載の範囲の化合物を合成することができることを認識するであろう。
従来の分離および精製の方法および技術を使用して、本発明の化合物を単離することができる。技術としては、異なるマトリックス(例えば、C18、C8、C4などを参照のこと)を使用した高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、典型的な吸着剤(例えば、シリカゲル、活性炭、アルミナ、およびゼオライトなどを参照のこと)を使用したクロマトグラフィ、再結晶、および差分抽出法(例えば、液体-液体および固相など)が挙げられ得る。
III.薬学的組成物
本開示のアルキル鎖修飾1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンTLR7/8アゴニストを含む薬学的組成物も提供する。薬学的組成物は、慣用的には、1またはそれを超える薬学的に許容され得る賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、抗原をさらに含む。本開示の薬学的組成物は、好ましくは、無菌であり、好ましくは本質的に内毒素を含まない。
賦形剤
本開示の薬学的に許容され得る賦形剤としては、例えば、油、脂質、溶媒、増量剤、界面活性剤、緩衝剤、張度調整剤、および防腐剤が挙げられる(例えば、Pramanick et al 2013 Pharma Times 45:65-77を参照のこと)。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、溶媒、増量剤、緩衝剤、および張度調整剤のうちの1つまたは複数として機能する賦形剤を含む(例えば、生理食塩水中の塩化ナトリウムは水性ビヒクルおよび張度調整剤の両方としての機能を果たし得る)。本開示の薬学的組成物は、非経口投与経路に適切であり、場合によっては、腫瘍内投与が優先される。ある特定の実施形態において、本開示の薬学的組成物は、腸内投与を意図しない。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、非経口投与を可能にするためおよび注射部位での化合物の保持を促進するためにTLR7/8アゴニスト化合物を可溶化するための油ベースの賦形剤を含む。油ベースの賦形剤の非限定的な例は当業者に公知であり、医薬品グレードのゴマ油、ダイズ油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ミグリオール(登録商標)、およびスクアレンオイルなどが含まれる。これらの油を、クロマトグラフィプロセスによって精製または不純物を除去して極性不純物レベルを低下させることができ、それにより、一貫した性質および不純物プロフィールを有する米国薬局方-国民医薬品集/日本薬局方/欧州薬局方グレードの生成物を生成することができる。
いくつかの実施形態において、TLR7/8アゴニスト化合物を、最初に100%エタノール賦形剤に溶解し、次いで、油への化合物の可溶化を容易にするために油で最終濃度2~20%エタノールに希釈する。使用に適切なエタノールは、水または変性剤を含まないエタノール(例えば、200プルーフのエタノール、USPグレードの脱水アルコールなどを参照のこと)である。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、防腐剤を含む。適切な防腐剤としては、例えば、抗菌剤および抗酸化剤が挙げられる。好ましい実施形態において、薬学的組成物を、滅菌条件下で調製して単回使用の容器に入れるため、抗菌剤を含める必要はない。当業者は、着色、匂い、または過酸化物形成を防止するために使用される医薬品グレードの抗酸化剤(ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第三ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ビタミンE、および没食子酸プロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない)を、これらの油ベースの製剤に添加することができると認識するであろう。ある特定の実施形態において、5℃~40℃の温度で保存した場合に、1年間までの期間油ベースの製剤の安定性を確保するための製剤中の抗酸化剤の添加濃度は、少なくとも10ppm、50ppm、100ppm、300ppm、500ppm、および1000ppmまでである。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、水中油型ナノエマルジョン(例えば、Dowling et al 2017 JCI Insight 2:e91020を参照のこと)またはリポソームベースの製剤(例えば、VanHoeven et al 2017 Sci Rep 7:46426を参照のこと)を含む。水中油型ナノエマルジョンベースの薬学的組成物を例証している1つの実施形態において、式(J)または(K)のTLR7/8アゴニスト化合物を、リン脂質(例えば、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール);1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;およびL-α-ホスファチジルコリンなど)、トリグリセリドベースの油(例えば、ゴマ油、ダイズ油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ミグリオール(登録商標)、およびスクアレンオイルなどを参照のこと)、および必要に応じて有機改変因子(例えば、エタノール)から構成される油相に溶解する。次に、適切な緩衝液、等張剤、乳化剤、および必要に応じて防腐剤を含む水相を油相に添加し、粗エマルジョンを、5~10分間の高剪断混合(例えば、Polytron(登録商標))によって形成する。最後に、平均直径100~150nmの範囲(動的光散乱によって評価)および分散度指数0.1~0.2の範囲の粒子を含むナノエマルジョンを、高剪断ホモジナイザー(例えば、Microfluidizer M110Pを参照のこと)を30,000psiで10~15回通過させることによって粗エマルジョンを処理することによって形成する。
リポソームベースの薬学的組成物を例証している別の実施形態において、式(J)または(K)のTLR7/8アゴニスト化合物を、有機改変因子ならびに脂質テール長が様々な電荷を持たない、正電荷、負電荷、およびPEG化されたリン脂質と、コレステロールとを種々の比で(リポソームの所望の生理化学的性質に依存する)使用したリン脂質の適切な混合物に溶解する。次いで、有機溶媒を、ロータリーエバポレーターを使用して除去し、脂質/化合物薄膜を製剤が目視可能な粒子を持たない半透明な状態になるまで、水性緩衝液に再溶解する。最後に、得られた多重膜リポソームを、高剪断均質化または膜押出機(例えば、Lipex(登録商標))のいずれかを使用して、平均直径100~150nmの範囲(動的光散乱によって評価)および分散度指数0.1~0.2の範囲の単層リポソームに加工する。これらの例は非限定的であり、当業者は、水中油型ナノエマルジョンおよびリポソームベースの薬学的組成物をいくつかの異なる方法のうちのいずれかによって形成することができることを認識するであろう(例えば、Brito et al 2013 Seminar Immunol 25:130-145を参照のこと)。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は増量剤を含む。増量剤は、薬学的組成物を投与前に凍結乾燥させなければならない場合に特に有用である。いくつかの実施形態において、増量剤は、フリーズドライおよび/または保存中の活性な作用物質の安定化および分解の防止を補助する凍結乾燥保護剤である。適切な増量剤は、糖類(単糖、二糖、および多糖)(スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール(sorbital)、グルコース、およびラフィノースなど)である。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、緩衝剤を含む。緩衝剤は、加工中、貯蔵中および必要に応じて再構成中の活性な作用物質の分解を阻害するようにpHを制御する。適切な緩衝剤としては、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩または硫酸塩を含む塩が挙げられる。他の適切な緩衝剤としては、例えば、アミノ酸(例えば、アルギニン、グリシン、ヒスチジンおよびリジンなど)が挙げられる。緩衝剤は、塩酸または水酸化ナトリウムをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、組成物のpHを4~9の範囲内で維持する。いくつかの実施形態において、そのpHは、(下限)4、5、6、7、または8より高い。いくつかの実施形態において、そのpHは、(上限)9、8、7、6、または5未満である。すなわち、そのpHは、下限が上限より小さい、約4.0~9.0の範囲内である。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、張度調整剤を含む。適切な張度調整剤としては、例えば、デキストロース、グリセロール、塩化ナトリウム、グリセリンおよびマンニトールが挙げられる。
抗原
1つの態様において、本開示は、抗原を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、アルキル鎖修飾1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンTLR7/8アゴニスト、1またはそれを超える賦形剤、および抗原を含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、抗原はタンパク質抗原である。これらの実施形態のいくつかにおいて、抗原は、好ましくは担体タンパク質に共有結合性に付着した多糖抗原である。いくつかの実施形態において、抗原は、微生物抗原、アレルゲン、または腫瘍関連抗原である。いくつかの実施形態において、抗原は、ウイルス抗原、原生動物抗原、細菌抗原、または真菌抗原である。いくつかの実施形態において、腫瘍抗原は、自己抗原またはネオ抗原である。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、および寄生虫抗原からなる群より選択される微生物抗原を含む。いくつかの実施形態において、微生物抗原は、非ヒトの哺乳動物被験体において感染症を引き起こす微生物に由来する。いくつかの実施形態において、微生物抗原は、ヒト被験体において感染症を引き起こす微生物に由来する。いくつかの実施形態において、感染症は、ウイルス、細菌、真菌、または寄生原生動物により引き起こされる。適切な微生物抗原としては、例えば、アデノウイルスタイプ4、アデノウイルスタイプ7、Bacillus anthracis(炭疽)、Mycobacterium tuberculosis、Corynebacterium diphtheriae(例えば、ジフテリアトキソイド)、Clostridium tetani(例えば、破傷風トキソイド)、Bordetella pertussis、インフルエンザ菌タイプB、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス(例えば、HBsAg)、ヒトパピローマウイルス(タイプ6、11、16、18、31、33、45、52、および58)インフルエンザウイルスタイプAおよびB(例えば、赤血球凝集素、ノイラミニダーゼ(neuraminadase))、インフルエンザウイルスタイプB、パラインフルエンザウイルス、日本脳炎ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹ウイルス、Neisseria menigitidis(A、B、C、Y、およびW-135群)、Streptococcus pneumoniae(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23F)、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、ロタウイルス、ワクシニアウイルス、Salmonella typhi、水痘帯状疱疹ウイルス、および黄熱病ウイルスの抗原が挙げられる(例えば、Plotkin,S.A.,Orenstein,W.,Offit,P.A.,Edwards K.M.(2017).Plotkin’sVaccines,7th edition.Elsevierを参照のこと)。いくつかの実施形態において、微生物抗原は、単純ヘルペスウイルスタイプ1または2、ヒトヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルスタイプ1、および呼吸器合胞体ウイルスのウイルス抗原である。いくつかの実施形態において、微生物抗原は、Candida albicans、Aspergillus flavus、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、およびPneumocystis cariniiの真菌抗原である。いくつかの実施形態において、微生物抗原は、Leishmania種、Plasmodium種、Schistosoma種、またはTrypanosoma種の寄生虫抗原である。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物はアレルゲンを含む。いくつかの実施形態において、アレルゲンは、環境抗原(哺乳動物、昆虫、植物、およびカビのアレルゲンなど)である。いくつかの実施形態において、哺乳動物アレルゲンには、毛皮および鱗屑が挙げられる。適切な哺乳動物アレルゲンとしては、例えば、ネコFel d1、ウシBos d2、イヌCan f IおよびCan f II、ウマEqu c1、およびマウスMUPが挙げられる。いくつかの実施形態において、昆虫アレルゲンには、昆虫の糞および毒液が挙げられる。例示的な昆虫アレルゲンとしては、アリSol i2、ミツバチPLAおよびHya、ゴキブリBla g Bd9OK、Bla g4、GST、およびPer a3、チリダニDer p2、Der f2、Der p10、およびTyr p2、ホーネットDol m V、カAed a1、ならびにスズメバチのヒアルロニダーゼおよびホスホリパーゼが挙げられる。いくつかの実施形態において、植物アレルゲンとしては、イネ科草本、雑草、および樹木のアレルゲン(例えば、花粉)が挙げられる。適切なイネ科草本アレルゲンとしては、例えば、ケンタッキーブルーグラス、ヒロハノウシノケグサ、カモガヤ、コヌカグサ、ペレニアルライグラス、ハルガヤ、およびチモシーのアレルゲンが挙げられる。例示的な植物アレルゲンとしては、オオムギHor v9、カバノキBet v1およびv2、チェリーPru a1、トウモロコシZml3、イネ科草本Phl p1、2、4、5、6、7、11、および12、Hol 15、Cyn d7およびd12、ヒマラヤスギJun a2、Cry j1、およびj2、ビャクシンJun o2、ラテックスHev b7、イエローマスタードSin a I、アブラナBra r1、ブタクサAmb a1、ならびにライムギLol p1が挙げられる。いくつかの実施形態において、カビアレルゲンは、Aspergillus fumigatusアレルゲン(Asp f 1、2、3、4、および6など)である。いくつかの実施形態において、アレルゲンは、食物アレルゲン(甲殻類アレルゲン、マメ科植物アレルゲン、堅果アレルゲン、またはミルクアレルゲンなど)である。例示的な食物アレルゲンとしては、エビトロポミオシン、ピーナッツAra h1、2、3、8、および9、クルミJug r1および3、ヘーゼルナッツCor a1、14、および8 LTP、牛乳ラクトアルブミン、カゼイン、およびラクトフェリンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は腫瘍抗原を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍抗原は、完全長タンパク質またはそのフラグメント(例えば、約10~約100アミノ酸長のポリペプチド)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍抗原は、WT1、MUC1、LMP2、HPV E6、HPV E7、EGFRvIII、Her-2/neu、イディオタイプ、MAGE A3、p53、NY-ESO-1(CTAG1)、PSMA、CEA、MelanA/Mart1、Ras、gp100、プロテイナーゼ3、bcr-able、チロシナーゼ、サバイビン、PSA、hTERT、肉腫転座ブレークポイント(sarcoma translocation breakpoint)、EphA2、PAP、MP-IAP、AFP、EpCAM、ERG、NA17-A、PAX3、ALK、アンドロゲンレセプター、サイクリンB1、MYCN、PhoC、TRP-2、メソテリン、PSCA、MAGE A1、CYP1B1、PLAC1、BORIS、ETV6-AML、NY-BR-1、RGS5、SART3、炭酸脱水酵素IX、PAX5、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、HMWMAA、AKAP-4、SSX2、XAGE1、B7-H3、レグマイン、Tie2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PAP、PDGFR-ベータ、MAD-CT-2、CEA、TRP-1(gp75)、BAGE1、BAGE2、BAGE3、BAGE4、BAGE5、CAMEL、MAGE-A2、MAGE-A4、MAGE-A5、MAGE-A6、MAGE-A8、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-A11、MAGE-A12、およびFos関連抗原1からなる群のうちの1つまたは複数の完全長タンパク質またはポリペプチドフラグメントを含む。いくつかの好ましい実施形態において、腫瘍抗原は、gp100、hTERT、MAGE A1、MAGE A3、MAGE A10、MelanA/Mart1、NY-ESO-1、PSA、Ras、サバイビン、TRP1(gp75)、TRP2、およびチロシナーゼからなる群のうちの1つまたは複数に由来するアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む。
IV.使用方法
本開示の薬学的組成物は、免疫応答の刺激を必要とする哺乳動物被験体における免疫応答の刺激を含む複数の使用に適している。哺乳動物被験体としては、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、ペットおよび家畜が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、特定の結果を達成するために有効な量で被験体に投与される。
投与量および投与様式
あらゆる薬学的組成物と同様に、有効量および投与様式は、当業者に明らかないくつかの因子に基づいて変化し得る。考慮されるべき因子としては、アルキル鎖修飾1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンTLR7/8アゴニスト化合物の効力、化合物および薬学的組成物が投与部位でのアゴニスト化合物の保持を促進する能力、投与経路、および薬学的組成物が抗原を含むかどうかが挙げられる。考慮されるべき他の因子としては、達成されるべき疾患改変の結果および治療レジメン中に与えられる投与の回数/頻度が挙げられる。
適切な投与量範囲は、所望の臨床効果が得られる投与量範囲である。投与量を、最小限の有害事象で所望の治療応答を得るために被験体に送達される必要がある薬学的組成物中のTLR7/8アゴニストの量によって決定することができる。被験体の体重を基準とした送達すべき量で示されたTLR7/8アゴニスト化合物の例示的な投与量の範囲は、約1~5000ng/kg(約1~2,500ng/kg、約1~1,000ng/kg、約1~500ng/kg、約1~250ng/kg、約1~100ng/kg、約1~50ng/kg、約50~2,500ng/kg、約50~1,000ng/kg、約50~500ng/kg、約100~5,000ng/kg、約100~2,500ng/kg、約100~1,000ng/kg、約100~500ng/kg、約500~5,000ng/kg、約1,000~5,000ng/kg、約2,000~5,000ng/kg、約2,500~5,000ng/kg、約3,000~5,000ng/kg、または約4,000~5,000ng/kgなど)である。いくつかの実施形態において、投与量は、およそ(下限)1、5、10、50、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ng/kg超である。いくつかの実施形態において、投与量は、およそ(上限)5000、2000、1000、900、800、700、600、500、450、400、350、300、250、200、150、または100ng/kg未満である。すなわち、投与量は、下限が上限より小さい、約1~5000ng/kgの範囲のいずれかである。被験体に送達すべき量で示したTLR7/8アゴニストの例示的な投与量範囲は、約1~5000ngである。いくつかの実施形態において、投与量は、さらに多量であり得る(例えば、約2,500~500,000ng/kg、約5,000~500,000ng/kg、約2,500~150,000ng/kg、約2,500~100,000ng/kg、約2,500~50,000ng/kg、約2,500~25,000ng/kg、約2,500~10,000ng/kg、約10,000~500,000ng/kg、約25,000~500,000ng/kg、約50,000~500,000ng/kg、約100,000~500,000ng/kg、または約150,000~500,000ng/kg)。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物が抗原をさらに含む場合、被験体に送達すべき量で示した抗原投与量範囲は、約1μg~500μgである。いくつかの実施形態において、抗原投与量は、約1μg~50μgである。いくつかの実施形態において、抗原投与量は、およそ(下限)1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、または400μg超である。いくつかの実施形態において、抗原投与量は、およそ(上限)500、400、300、200、100、50、45、40、35、30、25、20、15、または10μg未満である。すなわち、抗原投与量は、下限が上限より小さい、約1~500μgの範囲のいずれかである。最適な抗原投与量を、個別の抗原についての実験手段によって決定することができる。
同様に、適切な投与経路は、所望の効果が得られる投与経路である。一般に、本開示の薬学的組成物は、非経口投与を意図する(例えば、経口投与や直腸投与ではない)。適切な投与経路には、注射、局所、および吸入が挙げられる。特に、本開示の薬学的組成物を、腫瘍内、筋肉内、皮下、静脈内、上皮(遺伝子銃)、経皮、および吸入などの経路によって投与することができる。吸入による投与に適切なデバイスとしては、例えば、アトマイザー、気化器、ネブライザー、およびドライパウダー吸入送達デバイスが挙げられる。いくつかの実施形態において、薬学的組成物が固形腫瘍の処置を意図する場合、組成物を腫瘍内投与する。1つの実施形態では、腫瘍内投与は、少なくとも1つの腫瘍病変への注射による投与である。
薬学的組成物中に製剤化されたTLR7/8アゴニストの適切な投薬レジメンは、予防的または治療的な状況において最小の有害事象で所望の効果をもたらす投薬レジメンである。選択された経路によって投与される回数は、1回または1回を超える回数であり得る。投薬頻度は、毎週、隔週、毎月、隔月、または3~12ヶ月の投与間隔の範囲であり得る。TLR7/8アゴニストの例示的な投与頻度は、およそ1週間に1回から8週間毎に1回までである。いくつかの実施形態において、投与頻度は、8、6、4、2、または1週間毎に約1回超(上限)である。いくつかの実施形態において、投与頻度は、7、10、または14日毎に約1回未満(下限)である。被験体に送達されるべきTLR7/8アゴニストの例示的な投与頻度範囲は、およそ1週間毎に1回から4週間毎に1回である。いくつかの実施形態では、2回投与され、2回目の投与は、1回目の投与の1~2ヶ月後に投与される。いくつかの実施形態では、3回投与され、2回目の投与は、1回目の投与の1~2ヶ月後に投与され、3回目の投与は、2回目の投与の1~5ヶ月後に投与される。他の実施形態では、3~12ヶ月間の処置スケジュールにわたって一連の用量を投与することができ、ここで、投与頻度は、1週間毎、隔週、3週間毎、または1ヶ月に1回である。他の実施形態では、それより短いまたは長い期間が、投与間に経過し得る。ある特定の実施形態では、連続する投与の間の間隔は、週数または月数で変動し得る。1つの実施形態において、1週間に2、3、4、5または6回というひと続きの投与が行われた後、その後の時点において、1週間に数回という第2のひと続きの投与が行われ得る。当業者は、生物学的結果(抗原特異的抗体応答または腫瘍退縮など)を計測することによって、投与レジメンを調整することができるであろう。
免疫応答の刺激
1つの態様において、本開示は、免疫応答の刺激を必要とする哺乳動物被験体において免疫応答を刺激する方法であって、哺乳動物被験体に、前述の被験体における免疫応答を刺激するのに十分な量および頻度で薬学的組成物を投与する工程を含む方法を提供する。免疫応答を「刺激する」は、新規の免疫応答を誘発する(例えば、初回のワクチン接種レジメンの結果として)かまたは既存の免疫応答を増大する(例えば、追加免疫のワクチン接種レジメンの結果として)ことによって生じ得る、免疫応答の増大を意味する。いくつかの実施形態において、免疫応答を刺激することは、IFNαの産生を刺激すること、タイプ1および/またはタイプ2インターフェロンの産生を刺激すること、IL-6の産生を刺激すること、TNFαの産生を刺激すること、Bリンパ球の増殖を刺激すること、インターフェロン経路に関連する遺伝子の発現を刺激すること、化学誘引物質に関連する遺伝子の発現を刺激すること、および形質細胞様樹状細胞(pDC)または骨髄系樹状細胞(mDC)の成熟を刺激することからなる群のうちの1つまたは複数を含む。免疫応答の刺激を計測するための方法は、当該分野で公知であり、本開示の生物学的実施例に記載されている。薬学的組成物が抗原をさらに含む実施形態において、免疫応答を刺激することは、抗原特異的抗体応答を誘導することを含む。
例えば、薬学的組成物が抗原をさらに含むいくつかの実施形態において、本開示は、抗原特異的抗体応答および/またはT細胞応答の誘導を必要とする哺乳動物被験体において抗原特異的抗体応答および/またはT細胞応答を誘導する方法であって、前述の被験体における抗原特異的抗体応答および/またはT細胞応答を誘導するのに十分な量で薬学的組成物を投与することによる、方法を提供する。抗原特異的抗体応答を「誘導する」は、抗原特異的抗体の力価を閾値レベル(投与前のベースライン力価または血清防御的レベルなど)より上に上昇させることを意味する。抗原特異的T細胞応答を「誘導する」は、抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球を刺激すること、非免疫化腫瘍部位に存在する抗原特異的T細胞を生成すること、疲弊が小さく、そして/またはエピトープ拡大によるさらなる腫瘍抗原に対する免疫応答が増強されているT細胞を生成することを意味する。
免疫応答の解析(定性的と定量的の両方)は、当該分野で公知の任意の方法による解析であってよく、それらの方法としては、抗原特異的抗体の産生の計測(特異的抗体サブクラスの計測を含む)、特定集団のリンパ球(例えば、B細胞およびヘルパーT細胞)の活性化の計測、特定の免疫細胞型に特異的な遺伝子セットの発現の計測、サイトカイン(IFNα、IL-6、IL-12、IL-18、TNFαなど)の産生の計測、および/または好塩基球もしくは肥満細胞からのヒスタミンの放出の計測が挙げられるがこれらに限定されない。抗原特異的抗体応答を計測するための方法には、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)が含まれる。サイトカインの産生も、ELISAによって計測され得る。遺伝子発現解析を、TaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイまたはnCounter(登録商標)遺伝子発現アッセイによって行うことができる。特定集団のリンパ球の活性化は、増殖アッセイおよび蛍光励起細胞分取(FACS)によって計測され得る。
好ましくは、Th1型免疫応答が刺激される(すなわち、誘発または増大される)。本開示に関しては、Th1型免疫応答の刺激は、本開示の活性な作用物質(TLR7/8アゴニストである1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンのアルキル鎖誘導体)で処置された細胞からのサイトカインの産生を、活性な作用物質で処置されていないコントロール細胞と比較して計測することによって、インビトロまたはエキソビボにおいて決定され得る。「Th1型サイトカイン」の例としては、IL-2、IL-12、IFNγ、およびIFNαが挙げられるがこれらに限定されない。対照的に、「Th2型サイトカイン」としては、IL-4、IL-5、およびIL-13が挙げられるがこれらに限定されない。免疫刺激活性の決定に有用な細胞としては、免疫系の細胞(抗原提示細胞、リンパ球、好ましくは、マクロファージおよびT細胞など)が挙げられる。適切な免疫細胞としては、哺乳動物被験体から単離された初代細胞(pDC、単球、mDC、およびB細胞を含む末梢血単核球、または脾細胞など)が挙げられる。
Th1型免疫応答の刺激は、本開示の活性な作用物質で処置された哺乳動物被験体において、IL-2、IL-12およびインターフェロンのレベルを、投与の前および後に、または活性な作用物質で処置されていないコントロール被験体と比較して、計測することによっても決定され得る。Th1型免疫応答の刺激は、Th1型抗体価とTh2型抗体価との比を計測することによっても決定され得る。「Th1型」抗体としては、ヒトIgG1およびIgG3ならびにマウスIgG2aが挙げられる。対照的に、「Th2型」抗体としては、ヒトIgG2、IgG4、およびIgE、ならびにマウスIgG1およびIgEが挙げられる。
疾患の処置
本開示は、さらに、感染症の予防を必要とする哺乳動物被験体において感染症を予防する方法であって、前述の被験体において感染症を予防するのに十分な量の薬学的組成物の投与を含む方法を提供する。すなわち、いくつかの実施形態において、本開示は、予防ワクチンを提供する。いくつかの実施形態において、哺乳動物被験体は、感染性因子に暴露されるリスクがある。感染症を「予防する」は、被験体を感染症の発症から防御することを意味する。いくつかの実施形態において、感染症の予防は、被験体を感染性因子の感染から防御すること(例えば、被験体を急性または慢性の感染症の発症から防御すること)をさらに含む。さらに、本開示は、感染症の症状の回復を必要とする哺乳動物被験体において感染症の症状を回復させる方法であって、前述の被験体において感染症の症状を回復させるのに十分な量の薬学的組成物の投与を含む方法を提供する。すなわち、いくつかの実施形態において、本開示は、治療ワクチンを提供する。いくつかの実施形態において、被験体は、急性または慢性に感染性因子に感染している。感染症は、ウイルス(例えば、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、またはヒト乳頭腫ウイルス)、細菌、真菌、または寄生虫の疾患であり得る。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、ウイルス、細菌、真菌、または寄生虫の抗原をさらに含む。感染症の症状を「回復させること」は、疾患の症状を改善すること、好ましくは、疾患の範囲を減少させることを意味する。
さらに、本開示は、IgE関連障害の症状の回復を必要とする哺乳動物被験体においてIgE関連障害の症状を回復させる方法であって、前述の被験体においてIgE関連障害の症状を回復させるのに十分な量の薬学的組成物の投与を含む方法を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、IgE関連障害はアレルギーである。アレルギーとしては、アレルギー性鼻炎(枯草熱)、副鼻腔炎、湿疹、およびじんま疹が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、アレルゲンをさらに含む。IgE関連障害の症状を「回復させること」は、障害の症状を改善すること、好ましくは、障害の範囲を減少させることを意味する。例えば、IgE関連障害がアレルギー性鼻炎である場合、症状を回復させることは、鼻粘膜の腫脹を軽減すること、鼻漏(鼻水)を軽減すること、および/またはくしゃみを軽減することを意味する。
さらに、本開示は、がんの処置を必要とする哺乳動物被験体においてがんを処置する複数の方法であって、前述の被験体においてがんを処置するのに十分な量の薬学的組成物の投与を含む方法を提供する。ある特定の実施形態において、本開示は、がんの処置を必要とする哺乳動物被験体においてがんを処置する方法であって、有効量の薬学的組成物を腫瘍内送達によって投与する工程を含む方法を提供する。方法の別の態様において、腫瘍内送達は、少なくとも1つの腫瘍病変への薬学的組成物の注射を含む。他の態様において、がんを処置することは、例えば、薬学的組成物が腫瘍外部位に投与された場合よりも多くの数で、注射された腫瘍において腫瘍抗原特異的T細胞の蓄積を誘導することを含む。他の態様において、がんを処置することは、全身性の腫瘍抗原特異的T細胞応答(例えば、免疫原性組成物が腫瘍外部位に投与されたときよりも高度な全身性の腫瘍抗原特異的T細胞応答が含まれる)を誘発することを含む。他の態様において、がんを処置することは、全身性の腫瘍抗原特異的T細胞応答を誘発することを含む。他の態様において、がんを処置することは、注射された腫瘍においてCD4+FoxP3+制御性T細胞の数を減少させることを含む。他の態様において、被験体は、前述の注射された腫瘍に加えて、1またはそれを超える注射されていない腫瘍(原発性または転移性の病変)を有し、がんを処置することは、以下:(a)注射されていない腫瘍の数を減少させること;(b)注射されていない腫瘍の体積を減少させること;および(c)注射されていない腫瘍の成長を遅らせることのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、がんを処置することは、以下:(d)被験体の生存時間を延長すること;(e)注射された腫瘍の体積を減少させること;および(f)注射された腫瘍の成長を遅らせることのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態において、がんが固形腫瘍である場合、がんを「処置すること」は、固形腫瘍および任意の転移性病変のサイズを縮小させること、または生存がん細胞数を減少させることを含む。他の実施形態において、がんが固形腫瘍である場合、がんを「処置すること」は、固形腫瘍および任意の転移性病変の成長を遅延させることを含む。いくつかの態様において、がんを処置することは、無増悪生存期間の延長または増殖までの期間の延長を含む。他の実施形態において、本方法は、さらに、有効量の第2の、またはさらなる治療剤を被験体に投与する工程を含む。がんを「処置すること」は、有益な臨床結果(緩解を引き起こすこと、または、処置の非存在下において予想される生存と比べて生存を延長することなど)を生じさせることを意味する。いくつかの好ましい実施形態において、「がんを処置すること」は、記載されているようなResponse Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECISTバージョン1.1)(例えば、Eisenhauer et al 2009 Eur J Cancer 45:228-247を参照のこと)に従って、免疫原性組成物に対する患者の応答を評価することを含む。RECISTに従って客観的な抗腫瘍応答を決定するための応答基準としては、完全奏効、部分奏効、進行性疾患、および安定疾患が挙げられる。
いくつかの実施形態において、腫瘍は、肉腫、癌腫または光線性角化症である。いくつかの実施形態において、腫瘍が、リンパ腫である。いくつかの実施形態において、がんは、乳がん、前立腺がん、肺がん、直腸結腸がん、子宮がん、膀胱がん、メラノーマ、頭頚部がん、非ホジキンリンパ腫、腎臓がん、卵巣がん、膵臓がんおよび甲状腺がんからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、がんは、口腔、消化器系、呼吸器系、皮膚、胸部、生殖器系、泌尿器系、眼球系、神経系、内分泌系およびリンパ腫からなる群より選択される部位の原発性がんである。
いくつかの実施形態において、方法は、有効量の第2の治療剤を被験体に投与する工程をさらに含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の治療剤は、アクチノマイシン、アファチニブ、アレクチニブ、アスパラギナーゼ、アザシチジン、アザチオプリン、ビカルタミド、ビニメチニブ、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カルボプラチン、カペシタビン、カルムスチン、セリチニブ(certinib)、シスプラチン、クロラムブシル、コビメチニブ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エンコラフェニブ、エルロチニブ、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルダラビン、フルタミン(flutamine)、フルオロウラシル、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イリノテカン、ラパチニブ、レトロゾール、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オクトレオチド、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、ラルチトレキセド(raltitrexed)、ソラフェニブ、スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロマイド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、トラメチニブ、バルルビシン、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される化学療法剤を含む。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、BRAF阻害剤およびMEK阻害剤の一方または両方を含む。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット(voronistat)[SAHA]、ロミデプシン、エンチノスタット、アベキシノスタット(abexinostat)、エリノスタット(elinostat)[CHR-3996]、パノビノスタット、キシノスタット(quisinostat)[JNJ-26481585]、4SC-202、レスミノスタット(resminostat)[SB939]、プラシノスタット(pracinostat)[CI-9940]およびバルプロエート)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン、デシタビン(decitabine)、ゼブラリン、SGI-1027、RG-108およびシネフンギン(sinfungin)を参照のこと)を参照のこと)およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるエピジェネティック調節剤を含む。
これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の治療剤は、阻害性免疫チェックポイント分子のアンタゴニスト、例えば、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4(CD152)、LAG-3、TIM-3、TIGIT、IL-10、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、P-セレクチン糖たんぱく質リガンド-1(PSGL-1)およびTGF-ベータからなる群より選択される阻害性免疫チェックポイント分子のアンタゴニストである。これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の治療剤は、免疫刺激分子のアゴニストである。これらの実施形態のいくつかにおいて、免疫刺激分子は、CD27、CD40、OX40(CD134)、GITR、4-1BB(CD137)、CD28およびICOS(CD278)からなる群より選択される。これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の治療剤は、抗体、そのフラグメントまたは誘導体を含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の治療剤は、阻害性免疫チェックポイント分子のアンタゴニストであり、第2の治療剤は、抗体、そのフラグメントまたは誘導体を含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、被験体に放射線治療を行う工程および/または有効量の第2の治療剤を投与する工程をさらに含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、有効量の免疫原性組成物と有効量の第2の治療剤とは一緒になって、腫瘍に対して相加効果またはそれより良好な効果をもたらす。これらの実施形態のいくつかにおいて、有効量の免疫原性組成物と有効量の第2の治療剤とは一緒になって、腫瘍に対して相乗効果をもたらす
方法の実施形態のいくつかにおいて、感染性疾患またはがんを処置する工程は、免疫原性組成物の反復投与が禁忌となるような重症度のインフルエンザ様症状の発生をもたらさず、インフルエンザ様症状は、発熱、頭痛、悪寒、筋痛および疲労からなる群のうちの1つまたは複数を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、薬学的組成物(例えば、式(K)のTLR7/8アゴニスト化合物、賦形剤(単数または複数)、および必要に応じた抗原)および本明細書中に記載の方法のための組成物の使用に関する説明書一式を含むキットを提供する。キットの薬学的組成物は、適切に包装されている。薬学的組成物が液体またはナノ粒子の懸濁液である場合、ゴム栓(例えば、Exxproハロブチルエラストマー)およびアルミニウム圧着トップを備えた二酸化ケイ素バイアル(例えば、SCHOTTタイプIプラス(登録商標))が、容器施栓系として通常使用される。いくつかの実施形態において、キットは、薬学的組成物を投与するためのデバイス(例えば、シリンジおよび針)をさらに含む。他の実施形態において、キットは、予め充填されたシリンジ/針システム、自動注入装置または無針デバイスをさらに含む。薬学的組成物の使用に関する指示書は、一般に、意図される使用方法に対する投与量、スケジュールおよび投与経路に関する情報を含む。
V.実施例
本開示は、明確にする目的および理解させる目的で例証および例示としていくらか詳細に記載されてきたが、ある特定の変更および改変が行われ得ることが、当業者には明らかであろう。ゆえに、以下の合成実施例および生物学的実施例は、添付の請求項によって詳細に描写される本開示の範囲を限定すると解釈されるべきでない。
合成例
実施例S1:N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)テトラデカンアミド(化合物番号63-10)の合成
パートA。硝酸(125mL)を、キノリン-2,4-ジオール(50g、0.3モル)を含む酢酸(500mL)のスラリーに添加し、反応混合物を65℃に3時間加熱した。次いで、混合物を5~10℃に冷却し、固体材料を濾過によって回収し、冷水で洗浄し、風乾した。次いで、得られた固体を、メタノールから再結晶し、真空下で乾燥させて、58gの3-ニトロ-2,4-キノリンジオールを黄色固体として得た。
パートB。オキシ塩化リン(150mL)を、3-ニトロ-2,4-キノリンジオール(58g)にアルゴン雰囲気下で添加し、95℃に4時間加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、一定の速度で撹拌しながらクラッシュアイス上に注いだ。沈殿した生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。粗固体を、ヘキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、35gの2,4-ジクロロ-3-ニトロキノリンを得た。
パートC。tert-ブチル(4-(アミノメチル)ベンジル)カルバマート(37.3g、0.16mole、1.1当量)を、2,4-ジクロロ-3-ニトロキノリン(35g、0.15mole、1.0当量)を含む無水ジクロロメタン(400mL)およびトリメチルアミン(16.0g、0.16mole、1.1当量)の溶液に添加し、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、52gのtert-ブチル(4-(((2-クロロ-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)カルバマートを得た。
パートD。tert-ブチル(4-(((2-クロロ-3-ニトロキノリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)カルバマート(52g、0.12モル)を含む酢酸エチル(250mL)の溶液を、5%炭素担持白金(2.0g)および硫酸ナトリウム(52g)の存在下でParr水素化装置を使用して60psiで12時間水素化した。白金触媒および硫酸ナトリウムを、Celite(登録商標)パッドでの濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。生成物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、32gのtert-ブチル(4-(((3-アミノ-2-クロロキノリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)カルバマートを得た。
パートE。ペンタノイルクロリド(9.7mL、81.5mmol、1.05当量)を、tert-ブチル(4-(((3-アミノ-2-クロロキノリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)カルバマート(32g、77.6mmol、1.0当量)を含む無水テトラヒドロフラン(350mL)およびピリジン(30mL)の溶液に0~5℃でゆっくり添加した。次いで、反応混合物を室温に加温し、12時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いで、固体を酢酸エチル(400mL)に再溶解し、水および飽和重炭酸ナトリウム(150mL)で連続的に洗浄し、最後に無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。生成物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、22gのtert-ブチル(4-(((3-ブチルアミド-2-クロロキノリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)カルバマートを得た。
パートF。水(80mL)を、tert-ブチル(4-(((3-ブチルアミド-2-クロロキノリン-4-イル)アミノ)メチル)ベンジル)カルバマート(22g、44.2mmol、1.0当量)を含むエタノール(320mL)の溶液に添加後、炭酸カリウム(12.2g、88.4mmol、2.0当量)を添加し、混合物を強く撹拌しながら55℃に16時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、酢酸エチル(500mL)と水(250mL)との間で分配した。次いで、酢酸エチル層を水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、15.4gのtert-ブチル(4-((2-ブチル-4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)カルバマートを得た。
パートG。tert-ブチル(4-((2-ブチル-4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)カルバマート(15.4g、32.2mmol、1当量)を、無水ジメチルホルムアミド(125mL)に溶解し、次いで、アジ化ナトリウム(8.4g、128.6mmol、4当量)をこの溶液に添加した。得られた懸濁液を脱気し、アルゴン雰囲気下にて110~115℃で撹拌し、反応の進行を逆相HPLC分析によってモニタリングした。18時間後、反応混合物を室温に冷却し、冷水(500mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(2×75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、Celiteで濾過し、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体を得た。この固体を、1:1エチル/ヘキサンでの再結晶によってさらにワークアップして、12.5gのtert-ブチル(4-((4-アジド-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)カルバマートを得た。
パートH。tert-ブチル(4-((4-アジド-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)カルバマート(12.5g、25.7mmol)を濃塩酸(65mL)に添加し、10%炭素担持白金(3.0g)をこの懸濁液に添加した。この反応混合物を65psiでの水素化に供し、反応の進行を逆相HPLC分析によってモニタリングした。6日後、触媒を濾別し、濾過ケーキを水(2×25mL)で洗浄した。ケーキを氷浴中で冷却し、氷冷1N水酸化ナトリウムを、pH8.5に到達するまで強く撹拌しながら滴下により添加し、材料を、5%メタノールを含むジクロロメタン(4×75mL)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、8%メタノール/1%アンモニア水を含むジクロロメタンを使用したシリカゲルカラムで精製して、5.3gの1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを得た。
パートI。ミリスチン酸(27.4mg、0.12mmol、1.2当量)およびトリメチルアミン(0.2mL)を、1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(34mg、0.1mmol、1.0当量)を含む無水ジメチルホルムアミド(2mL)の溶液に添加し、スラリーを5分間混合後、HBTU(47.4mg、0.125mmol、1.25当量)を添加した。この反応混合物を、アルゴン雰囲気下で2時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(30mL)に溶解し、水(2×10mL)で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムを使用して乾燥させ、真空下で濃縮した。この生成物を、カラムクロマトグラフィ(6%メタノール/ジクロロメタン)を使用して精製して、35mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)テトラデカンアミド(化合物番号63-10)を得た。生成物の純度は逆相HPLCによって約98%であると評価され、意図する合成質量569.8がLC/MSによって確認され、意図する合成構造が300MHzプロトンNMR(CDCl):δ 7.98 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 5.95 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), 3.01 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.20 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.82-1.9 (m, 2H), 1.42-1.70 (m,4H), 1.26-1.48 (m, 20 H), 0.85-1.05 (m, 6H)によって確認された。
実施例S2:2-ブチル-1-(4-((ペンチルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-17)の合成
パートA~Hは、実施例S1と同一であった。
パートI。吉草酸(34mg、0.33mmol、1.2当量)およびトリメチルアミン(140mg、1.39mmol、5.0当量)を、1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(100mg、0.28mmol、1.0当量)を含む無水ジメチルホルムアミド(2mL)の溶液に添加し、スラリーを5分間混合後、HBTU(131mg、0.34mmol、1.25当量)を添加した。この反応混合物を、アルゴン雰囲気下で2時間さらに撹拌した。反応物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×30mL)で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムを使用して乾燥させ、真空下で濃縮した。粗残渣を、酢酸エチルおよびメタノールに取り、カラムクロマトグラフィ(6%メタノール/ジクロロメタン)を使用して精製して、160mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)ペンタンアミドを得た。
パートJ。ボラン-ジメチルスルフィド錯体の溶液(2.0M、1.5mL、過剰量)を、N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)ペンタンアミド(127mg、0.28mmol、1.0当量)を含む無水テトラヒドロフラン(5mL)の溶液に室温で添加し、反応混合物を12時間加熱還流した。混合物を周囲温度に冷却し、3N HCl(1mL)でクエンチし、4時間撹拌した。反応混合物のpHを、2N水酸化ナトリウムの添加によってアルカリ性にし、生成物をジクロロメタン(20mL×10)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、残渣を、溶出液として6%メタノール/ジクロロメタンを使用したフラッシュクロマトグラフィによって精製して、24mgの2-ブチル-1-(4-((ペンチルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-17)を得た。生成物の純度は逆相HPLCによって約96%であると評価され、意図する合成質量429.6がLC/MSによって確認され、意図する合成構造が300MHzプロトンNMR(CDCl):δ 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.70 (br s, 4H), 3.80 (s, 2H), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H), 1.2-1.75 (m, 8H), 0.65-1.0 (m, 6H)によって確認された。
実施例S3:2-ブチル-1-(4-(((2-シクロプロピルエチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-33)の合成
パートA~Hは、実施例S1と同一であった。
パートI。シクロプロピル酢酸(33mg、0.33mmol、1.2当量)およびトリメチルアミン(140mg、1.39mmol、5.0当量)を、1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(100mg、0.28mmol、1.0当量)を含む無水ジメチルホルムアミド(2mL)の溶液に添加し、スラリーを5分間混合後、HBTU(131mg、0.34mmol、1.25当量)を添加した。この反応混合物を、アルゴン雰囲気下で2時間さらに撹拌した。反応物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×30mL)で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムを使用して乾燥させ、真空下で濃縮した。粗残渣を酢酸エチルおよびメタノールに取り、カラムクロマトグラフィ(6%メタノール/ジクロロメタン)を使用して精製して、140mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-2-シクロプロピルアセトアミド(化合物番号63-34)を得た。
パートJ。ボラン-ジメチルスルフィド錯体の溶液(2.0M、1.5mL、過剰量)を、N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-2-シクロプロピルアセトアミド(123mg、0.28mmol、1.0当量)を含む無水テトラヒドロフラン(5mL)の溶液に室温で添加し、反応混合物を12時間加熱還流した。混合物を周囲温度に冷却し、3N HCl(1mL)でクエンチし、4時間撹拌した。反応混合物のpHを、2N水酸化ナトリウムの添加によってアルカリ性にし、生成物をジクロロメタン(20mL×10)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、残渣を、溶出液として6%メタノール/ジクロロメタンを使用したフラッシュクロマトグラフィによって精製して、28mgの2-ブチル-1-(4-(((2-シクロプロピルエチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-33)を得た。生成物の純度は、逆相HPLCによって97%であると評価され、意図する合成質量427.6がLC/MSによって確認され、意図する合成構造が400MHz H NMR (CDCl): δ 7.80 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 8.3, 1.1 Hz, 1H), 7.42 (m, J = 8.4. 7.0, 1.4 Hz, 1H), 7.29 (as, 1H), 7.25 (as, 1H), 7.10 (m, J = 8.2, 7.1, 1.3 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.92 (bs, 2H), 5.69 (s, 2H), 3.75 (s, 2H), 2.86 (dd, J = 8.0 Hz, 2H), 2.68 (dd, J = 8.0 Hz, 2H), 1.82-1.74 (m, 2H), 1.45-1.36 (m, 4H), 0.91 (t, J = 7.8 Hz, 3H), 0.91-0.85 (m, 1H), 0.68-0.60 (m, 1H), 0.42-0.37 (m, 2H), 0.04-0.00 (m, 2H)によって確認された。
実施例S4:他の例示的な化合物の合成
式(J-1)の例示的なN-アルキル化合物を、化合物番号63-33に類似の手順を使用して合成した。当業者に公知の技術を使用して、例示的な化合物の計算分配係数(cLogP)を、Molecular Operating EnvironmentソフトウェアのMolecular Descriptorsアルゴリズムを使用して決定した(例えば、Labute P,The Derivation and Applications of Molecular Descriptors Based Upon(Approximate)Surface Area;Chemoinformatics:Concepts,Methods,and Tools for Drug Discovery,J.Bajorath ed.2003を参照のこと)。H NMRおよび質量分析のデータを、本発明の一定の化合物について以下に詳述し、表3は、純度データおよびcLogP値を提供する。
Figure 0007386536000036
ND=未決定。
化合物番号63-33: H NMR (CDCl, 400 MHz): δ 7.80 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 8.3, 1.1 Hz, 1H), 7.42 (m, J = 8.4. 7.0, 1.4 Hz, 1H), 7.29 (as, 1H), 7.25 (as, 1H), 7.10 (m, J = 8.2, 7.1, 1.3 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.92 (bs, 2H), 5.69 (s, 2H), 3.75 (s, 2H), 2.86 (dd, J = 8.0 Hz, 2H), 2.68 (dd, J = 8.0 Hz, 2H), 1.82-1.74 (m, 2H), 1.45-1.36 (m, 4H), 0.91 (t, J = 7.8 Hz, 3H), 0.91-0.85 (m, 1H), 0.68-0.60 (m, 1H), 0.42-0.37 (m, 2H), 0.04-0.00 (m, 2H). Mass Spec: m/z 428.6 (M+1).
化合物番号63-35: H NMR (CDCl, 300 MHz): δ 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.72 (s, 2H), 3.85 (s, 2H), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.60 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.20-2.35 (m, 1H), 1.8-2.1(m, 2H), 1.65-1.8 (m, 6H), 1.4-1.55 (m, 4H), 0.94 (t, J = 7.3 Hz, 3H). Mass Spec: m/z 442.9 (M+1).
化合物番号63-36: H NMR (CDCl, 300 MHz): δ 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.72 (s, 2H), 3.80 (br s, 4H), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.62-1.84 (m, 7H), 1.0-1.20 (m, 1H), 0.94 (t, J = 7.3 Hz, 3H). Mass Spec: m/z 456.4 (M+1).
化合物番号63-39: H NMR (CDOD, 300 MHz): δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.30-7.48 (m, 3H), 7.05-7.14 (m, 3H), 5.88 (s, 2H), 3.81 (s, 2H), 2.89 (t, J = 7.5, 15.6 Hz, 2H), 2.44-2.55 (m, 2H), 1.70-1.85 (m, 2H), 1.35-1.55 (m,3H), 1.02 (s, J = 6 Hz, 3H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H), 0.50-0.75 (m, 2H), 0.20-0.35 (m,2H). Mass Spec: m/z 428.4 [M+1].
化合物番号63-40: H NMR (CDCl, 300 MHz): δ 7.82 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.73 (s, 2H), 5.54 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 2.50-2.70 (m, 2H), 1.75-1.80 (m, 2H), 1.40-1.55 (m, 2H), 1.04 (s, 3H), 1.02 (s, 3H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H), 0.7-0.8 (m, 1H), 0.4-0.5 (m, 1H), 0.1-0.05 (m, 1H). Mass Spec: m/z 442.5 [M+1].
化合物番号63-42: H NMR (CDCl, 300 MHz): δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.14 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.71 (s, 2H), 3.76 (s, 2H), 2.89 (t, J = 7.5, 15.6 Hz, 2H), 2.70 (t, J = 7.2, 15.0 Hz, 2H), 1.77-1.92 (m, 2H), 1.70-1.84 (m, 4H), 0.98 (s, 3H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H), 0.18-0.35 (m, 4H). Mass Spec: m/z 442.5 [M+1].
化合物番号63-43: H NMR (CDCl, 300 MHz): δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.25-7.31 (m, 2H), 7.14 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.71 (s, 2H), 5.59(s, 2H), 3.75 (s, 2H), 2.88 (br t, 2H), 2.63 (t, J = 7.2, 14.1 Hz, 3H), 0.55-0.72 (m, 1H), 0.4 (br d, 2H), 0.01 (d, J = 4.5 Hz, 2H). Mass Spec: m/z 442.5 [M+1].
化合物番号63-46: H NMR (CDCl, 300 MHz): δ 7.81 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.73 (s, 2H), 5.51 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), 2.86 (t, J = 7.5, 15.6 Hz, 2H), 2.60-2.7 (m, 2H), 2.1-2.4 (m, 3H), 1.6-1.85 (m, 4H), 1.40-1.55 (m, 2H), 0.95-1.15 (m, 5H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H). Mass Spec: m/z 442.4 [M+1].
実施例S5:2-ブチル-1-(4-(((シクロプロピルメチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-38)の合成。
パートA。N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(272mg、2.15mmol)を、シクロプロパンカルボン酸(172mg、2.0mmol)およびペンタフルオロフェノール(387mg、2.1mmol)を含むジクロロメタン(4mL)の溶液に、触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン(12mg)の存在下で添加し、室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物をエーテル(20mL)で希釈し、沈殿した尿素を濾過によって除去し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を1%酢酸エチル/ヘキサンに懸濁し、任意の残存した沈殿尿素を濾過によって再度除去した。得られた濾液を減圧下で濃縮して、440mgの所望の(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-シクロプロパンカルボキシラート生成物を得た。
パートB。化合物番号63-00(80mg、0.22mmol)を、(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-シクロプロパンカルボキシラート(61mg、0.24mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリエチルアミン(45mg、0.44mmol)の存在下で添加し、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、3~8%メタノール/1%アンモニア水を含むジクロロメタンで溶出するフラッシュクロマトグラフィによって精製して、78mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)シクロプロパンカルボキサミドをオフホワイトの固体として得た。
パートC。N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)シクロプロパンカルボキサミド(78mg)を、ボランジメチルスルフィド錯体(3.5当量)を用いて55℃で12時間還元した。次いで、反応物を室温に冷却し、1M HCl(過剰量)で慎重にクエンチし、55℃でさらに3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、次いで、ジクロロメタン(10mL)で抽出して、不純物を除去した。反応混合物のpHを氷冷1M NaOH溶液の添加によって8.0に調整し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体を得た。9:1酢酸エチル/ヘキサンで再結晶すると、反応物は27mgの2-ブチル-1-(4-(((シクロプロピルメチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-38)を与えた。生成物の純度は254nmでの逆相HPLCによって純度96%であると評価され、意図する合成質量413.3ダルトンがLC/MSによって確認され、意図する合成構造が300MHz H NMR (CDOD): δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.38-7.48 (m, 3H), 7.07-7.20 (m, 3H), 5.92 (s, 2H), 3.97 (s, 2H), 3.0 (t, J = 7.8, 15.3 Hz, 2H), 2.66 (2, J = 7.2 Hz, 2H), 1.78-1.90 (m, 2H), 1.40-1.60 (m, 2H), 1.0 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 0.5-0.6 (m, 2H), 0.2-0.3 (m, 2H)によって確認された。
実施例S6:2-ブチル-1-(4-((((1-メチルシクロブチル)メチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-45)の合成。
パートA。N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(76mg、0.6mmol)を、1-メチルシクロブタンカルボン酸(57mg、0.5mmol)およびペンタフルオロフェノール(94mg、0.52mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン(6mg)の存在下で添加し、室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物をエーテル(20mL)で希釈し、沈殿した尿素を濾過によって除去し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を1%酢酸エチル/ヘキサンに懸濁し、任意の残存した沈殿尿素を濾過によって再度除去した。得られた濾液を減圧下で濃縮して、126mgの所望の(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-1-メチルシクロブタンカルボキシラート生成物を得た。
パートB。化合物番号63-00(84mg、0.23mmol)を、(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-1-メチルシクロブタンカルボキシラート(72mg、0.26mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリエチルアミン(48mg、0.47mmol)の存在下で添加し、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄した。残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解し、1M HClで洗浄後に水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、88mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-1-メチルシクロブタン-1-カルボキサミドをオフホワイトの固体として得た。
パートC。N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-1-メチルシクロブタン-1-カルボキサミド(88mg)を、ボランジメチルスルフィド錯体(3.5当量)を用いて55℃で12時間還元した。次いで、反応物を室温に冷却し、2M HCl(過剰量)で慎重にクエンチし、55℃でさらに3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、次いで、ジクロロメタン(10mL)で抽出して、不純物を除去した。反応混合物のpHを氷冷1M NaOH溶液の添加によって8.0に調整し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体を得た。9:1酢酸エチル/ヘキサンで再結晶すると、反応物は32mgの2-ブチル-1-(4-((((1-メチルシクロブチル)メチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-45)を与えた。生成物の純度は254nmでの逆相HPLCによって純度96%であると評価され、意図する合成質量441.3ダルトンがLC/MSによって確認され、意図する合成構造が300MHz H NMR (CDCl): δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.14 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.71 (s, 2H), 5.52 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 2.89 (t, J = 7.5, 15.6 Hz, 2H), 2.52 (s, 2H), 1.6-1.88 (m, 8H), 1.35-1.60 (m, 2H), 1.12 (s, 3H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H)によって確認された。
実施例S7:2-ブチル-1-(4-(((シクロブチルメチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-44)の合成。
パートA。N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(127mg、1.0mmol)を、シクロブタンカルボン酸(106mg、0.93mmol)およびペンタフルオロフェノール(175mg、0.97mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン(12mg)の存在下で添加し、室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物をエーテル(20mL)で希釈し、沈殿した尿素を濾過によって除去し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を1%酢酸エチル/ヘキサンに懸濁し、任意の残存した沈殿尿素を濾過によって再度除去した。得られた濾液を減圧下で濃縮して、126mgの所望の(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)シクロブタンカルボキシラート生成物を得た。
パートB。化合物番号63-00(62mg、0.17mmol)を、(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)シクロブタンカルボキシラート(50mg、0.18mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリエチルアミン(35mg、0.34mmol)の存在下で添加し、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄した。残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解し、1M HClで洗浄後に水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、85mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)シクロブタンカルボキサミドをオフホワイトの固体として得た。
パートC。N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)シクロブタンカルボキサミド(85mg)を、ボランジメチルスルフィド錯体(3.5当量)を用いて55℃で12時間還元した。次いで、反応物を室温に冷却し、2M HCl(過剰量)で慎重にクエンチし、55℃でさらに3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、次いで、ジクロロメタン(10mL)で抽出して、不純物を除去した。反応混合物のpHを氷冷1M NaOH溶液の添加によって8.0に調整し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体を得た。9:1酢酸エチル/ヘキサンで再結晶すると、反応物は21mgの2-ブチル-1-(4-(((シクロブチルメチル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-44)を与えた。生成物の純度は254nmでの逆相HPLCによって純度95%であると評価され、意図する合成質量427.3ダルトンがLC/MSによって確認され、意図する合成構造が300MHz H NMR (CDCl): δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.72 (s, 2H), 5.51 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), 2.89 (t, J = 7.5, 15.6 Hz, 2H), 2.62 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.40-2.58 (m, 1H), 1.75-2.15 (m, 7H), 1.60-1.70 (m, 2H), 1.35-1.50 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H)によって確認された。
実施例S8:2-ブチル-1-(4-(((2-シクロブチル-2-メチルプロピル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-47)の合成。
パートA。N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(113mg、0.89mmol)を、3-シクロブチル-3-メチル-ブタン-2-オン(70mg、0.5mmol)およびペンタフルオロフェノール(108mg、0.59mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン(11mg)の存在下で添加し、室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物をエーテル(20mL)で希釈し、沈殿した尿素を濾過によって除去し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を1%酢酸エチル/ヘキサンに懸濁し、任意の残存した沈殿尿素を濾過によって再度除去した。得られた濾液を減圧下で濃縮して、141mgの所望の(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-2-シクロブチル-2-メチル-プロパノアート生成物を得た。
パートB。化合物番号63-00(60mg、0.17mmol)を、(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-2-シクロブチル-2-メチル-プロパノアート(54mg、0.18mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリエチルアミン(34mg、0.34mmol)の存在下で添加し、還流状態で3日間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄した。洗浄した残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解し、1M HClで洗浄後に水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、67mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-2-シクロブチル-2-メチルプロパンアミドをオフホワイトの固体として得た。
パートC。N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-2-シクロブチル-2-メチルプロパンアミド(67mg)を、ボランジメチルスルフィド錯体(3.5当量)を用いて55℃で12時間還元した。次いで、反応物を室温に冷却し、2M HCl(過剰量)で慎重にクエンチし、55℃でさらに3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、次いで、ジクロロメタン(10mL)で抽出して、不純物を除去した。反応混合物のpHを氷冷1M NaOH溶液の添加によって8.0に調整し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体を得た。9:1酢酸エチル/ヘキサンで再結晶すると、反応物は13mgの2-ブチル-1-(4-(((2-シクロブチル-2-メチルプロピル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-47)を与えた。生成物の純度は254nmでの逆相HPLCによって純度92%であると評価され、意図する合成質量469.3ダルトンがLC/MSによって確認され、意図する合成構造が300MHz H NMR (CDCl): δ 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.14 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.60 (br s, 1H), 5.73 (s, 2H), 3.74 (br s, 4H), 2.90 (t, J = 7.5, 15.6 Hz, 2H), 2.35 (s, 2H), 1.20-1.8 (m, 10H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H), 0.90 (s, 6H)によって確認された。
実施例S9:2-ブチル-1-(4-(((2-シクロプロピル-2-メチルプロピル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-41)の合成。
パートA。N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(127mg、1.0mmol)を、2-シクロプロピル-2-メチル-プロパン酸(106mg、0.93mmol)およびペンタフルオロフェノール(175mg、0.97mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン(12mg)の存在下で添加し、室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物をエーテル(20mL)で希釈し、沈殿した尿素を濾過によって除去し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を1%酢酸エチル/ヘキサンに懸濁し、任意の残存した沈殿尿素を濾過によって再度除去した。得られた濾液を減圧下で濃縮して、130mgの所望の(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート生成物を得た。
パートB。化合物番号63-00(62mg、0.17mmol)を、(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(50mg、0.18mmol)を含むジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリエチルアミン(35mg、0.34mmol)の存在下で添加し、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄した。洗浄した残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解し、1M HClで洗浄後に水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、85mgのN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-2-シクロプロピル-2-メチルプロパンアミドをオフホワイトの固体として得た。
パートC。N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)-2-シクロプロピル-2-メチルプロパンアミド(85mg)を、ボランジメチルスルフィド錯体(3.5当量)を用いて55℃で12時間還元した。次いで、反応物を室温に冷却し、2M HCl(過剰量)で慎重にクエンチし、55℃でさらに3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、次いで、ジクロロメタン(10mL)で抽出して、不純物を除去した。反応混合物のpHを氷冷1M NaOH溶液の添加によって8.0に調整し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固体を得た。9:1酢酸エチル/ヘキサンで再結晶すると、反応物は14mgの2-ブチル-1-(4-(((2-シクロプロピル-2-メチルプロピル)アミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-41)を与えた。生成物の純度は254nmでの逆相HPLCによって純度94%であると評価され、意図する合成質量455.3ダルトンがLC/MSによって確認され、意図する合成構造が300MHz H NMR (CDCl): δ 7.82 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15 (t, J = 7.5, 15.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.72 (s, 2H), 5.62 (s, 2H), 3.79 (s, 2H), 2.90 (t, J = 7.5, 15.6 Hz, 2H), 2.87 (s, 2H), 1.75-1.90 (m, 2), 1.40-1.55 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.5, 14.7 Hz, 3H), 0.75 (s, 6H), 0.6-0.75 (m, 1H), 0.15-0.3 (m, 4H)によって確認された。
実施例S10:2-ブチル-1-(4-((シクロヘキシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-49)の合成。
パートA。tert-ブチルジメチルシリルクロリド(3.31g、22mmol)を、4-シアノベンジルアルコール(2.66g、20mmol)を含むN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)の溶液に、イミダゾール(2.72g、40mmol)の存在下にて室温で添加し、4時間撹拌した。反応混合物を水(150mL)に注ぎ、10%酢酸エチル/ヘキサン(3×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた生成物を、ヘキサンを用いて溶離するフラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、4.84gの4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンゾニトリルを得た。
パートB。4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンゾニトリル(4.84g)を含むメタノール(200mL)の溶液を、Parr水素化装置を用いてラネーニッケル(1.0gの水中のスラリー)の存在下で60psiの水素下にて4時間水素化した。反応物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた生成物(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)メタンアミン(4.8g)を、精製せずに使用した。
パートC。4-クロロ-3-ニトロキノリン(4.16g、20mmol)を含むジクロロメタン(100mL)の溶液を、4-(tert-ブチルジメチルシロキシメチル)ベンジルアミン(4.8g、19mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3.87g、30mmol)を含むジクロロメタン(100mL)の溶液にゆっくり添加し、12時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、得られた生成物を、1:1酢酸エチル/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィによって精製して、4.67gの(4-((4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)アミノ)キノリン-3-イル)(オキソ)-λ-アザノールを得た。
パートD。(4-((4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)アミノ)-キノリン-3-イル)(オキソ)-λ-アザノール(4.67g)を含む酢酸エチル(250mL)の溶液を、炭素担持パラジウム(10%、1.0g)の存在下にて60psiで4時間水素化した。触媒を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で濾液から除去し、生成物N-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)キノリン-3,4-ジアミン(4.5g)をさらに精製せずに使用した。
パートE。バレリルクロリド(1.50g、12.46mmol、1.05当量)を含むジクロロメタン(30mL)の溶液を、N-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-ベンジル)キノリン-3,4-ジアミン(4.5g、11.86mmol)を含む乾燥ピリジン(20mL)の溶液に0℃で滴下により添加した。添加後、反応混合物を室温に加温し、4時間撹拌した。溶媒およびピリジンを、減圧下で除去した。残渣をジクロロメタン(300mL)に溶解し、次いで、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液(100mL)、飽和硫酸銅溶液(3×50mL)、および水(100mL)で順次洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物N-(4-((4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)アミノ)キノリン-3-イル)ペンタンアミド(5.5g)を、さらに精製せずに使用した。
パートF。N-(4-((4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)アミノ)-キノリン-3-イル)ペンタンアミド(5.5g、11.87mmol)を含むエタノール/水(8:2v/v、150mL)の混合物の溶液を、炭酸カリウム(2.5g、18.11mmol、1.5当量)の存在下にて60℃に18時間加熱した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を、酢酸エチル(200mL)と水(100mL)との間で分配し、酢酸エチル層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、残渣を減圧下で濃縮した。20%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出するフラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、3.43gの2-ブチル-1-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンを得た。
パートG。メタ-クロロ過安息香酸(60~70%、2.5g)を、2-ブチル-1-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン(3.43g、7.4mmol)を含むジクロロメタン(200mL)の溶液に室温で添加し、6時間撹拌した。反応を、飽和亜硫酸ナトリウム溶液(20mL)の添加によってクエンチした。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、次いで水(50mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。25%酢酸エチル/ヘキサンによる溶出を用いたフラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、3.1gの2-ブチル-1-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-ベンジル)-1H-5λ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-5-オールを得た。
パートH。2-ブチル-1-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)-1H-5λ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-5-オール(3.1g、6.5mmol)を含むジクロロメタン(50mL)の溶液を、トリ-n-ブチルアミン(2.4g、13mmol)およびフタルイミド(1.91g、13mmol)に添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化ベンゾイル(1.82g、13mmol)を含むジクロロメタン(10mL)の溶液を反応物にゆっくり添加し、混合物を室温に加温し、30分間撹拌した。反応物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)、次いで水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた生成物を、10%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶離するフラッシュクロマトグラフィによって単離して、2.85gの2-(2-ブチル-1-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオンを得た。
パートI。1Mのテトラブチルアンモニウムフルオリド溶液(6mL)を、2-(2-ブチル-1-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(2.85g、4.7mmol)を含む乾燥テトラヒドロフラン(10mL)の溶液に0℃で添加した。添加後、反応混合物を室温に加温し、6時間さらに撹拌した。反応を、飽和塩化アンモニウム(20mL)の添加によってクエンチし、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン/ヘキサン(1:1)を用いて溶離するフラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、1.57gの2-(2-ブチル-1-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオンを得た。
パートJ。DMSO(2.5g、32mmol)を含むCHCl(10mL)の溶液を、塩化オキサリル(2.0g、16mmol)を含むジクロロメタン(10mL)および3Åモレキュラーシーブを含むCHCl(20mL)の溶液に-78℃のアルゴン下で添加した。15分後、2-(2-ブチル-1-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.57g、3.2mmol)を含むCHCl(3mL)の溶液を、ゆっくり滴下により添加した。30分後、EtN(4.5g、45mmol)を滴下により添加し、反応物を-78℃で30分間撹拌し、次いで、室温にゆっくり昇温させた。室温でさらに1時間の撹拌後、反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液の添加によってクエンチした。有機層を分離し、水(25mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィによってさらに精製して、1.15gの4-((2-ブチル-4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンズアルデヒドを得た。
パートK。4-((2-ブチル-4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンズアルデヒド(2.33mmol)およびシクロヘキシルアミン(7mmol)を含むジクロロメタンの溶液を、触媒量のp-トルエンスルホン酸の存在下で12時間加熱還流する。反応混合物を減圧下で濃縮する。粗生成物2-(2-ブチル-1-(4-((シクロヘキシルイミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオンを、さらに精製せずに使用する。
パートL。水素化ホウ素ナトリウム(10mmol)を、2-(2-ブチル-1-(4-((シクロヘキシルイミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオンを含むメタノールの溶液に室温で添加し、2時間撹拌する。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出する。合わせた有機層を、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。生成物2-(2-ブチル-1-(4-((シクロヘキシルアミノ)メチル)-ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオンを、フラッシュクロマトグラフィによって精製する。
パートM。ヒドラジン(100mg)を、2-(2-ブチル-1-(4-((シクロヘキシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(0.38mmol)を含むメタノールの溶液に添加し、12時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、得られる生成物2-ブチル-1-(4-((シクロヘキシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを、フラッシュクロマトグラフィによって精製する。
実施例S11:式(J-2)の例示的なN-アシル化合物の合成
式(J-2)の例示的なN-アシル化合物を、化合物番号63-33のパートIまでに類似の手順を使用して合成した。H NMRおよび質量分析のデータを、本発明の一定の化合物について以下に詳述し、表4は、純度データおよびcLogP値を提供する。
Figure 0007386536000037
化合物番号63-34: H NMR (CDCl, 400 MHz): δ 7.75 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 8.3, 1.1 Hz, 1H), 7.40 (m, J = 8.3, 7.1, 1.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.11 (m, J = 8.2, 7.1, 1.2 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.30 (at, 1H), 5.68 (s, 2H), 4.42 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.84 (add, 2H), 2.16 (dd, J = 7.2 Hz, 2H), 1.81-1.75 (m, 2H), 1.48-1.37 (m, 2H), 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.57-0.53 (m, 2H), 0.17-0.14 (m, 2H). Mass Spec: m/z 442.6 (M+1).
実施例S12:式(K)の例示的な化合物の合成
式(K-2)の例示的なN-アシル化合物を、化合物番号63-10に類似の手順を使用して合成した。H NMRおよび質量分析のデータを、本発明の一定の化合物について以下に詳述し、表5は、化合物を純度データおよびcLogP値と共に列挙している。
式(K-1)の例示的なN-アルキル化合物を、化合物番号63-17に類似の手順を使用して合成した。H NMRおよび質量分析のデータを、本発明の一定の化合物について以下に詳述し、表6は、純度データおよびcLogP値を提供する。
化合物番号63-02: H NMR (CDCl, 400 MHz): δ 7.80 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 8.2, 1.0 Hz, 1H), 7.40 (m, J = 8.4, 7.0, 1.0 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.09 (m, J = 8.2, 7.1, 1.3 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.28 (bs, 2H), 6.02 (bt, J = 5.7 Hz, 1H), 5.65 (s, 2H), 4.37 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.83 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 2H), 2.15 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 1.81-1.73 (m, 2H), 1.64-1.56 (m, 2H), 1.42 (dq, J = 15.0, 7.4 Hz, 2H), 1.32-1.21 (m, 4H), 0.91 (t, J= 7.3 Hz, 3H), 0.84 (t, J = 7.3 Hz, 3H). Mass Spec: m/z 468.2 (M+1).
化合物番号63-05: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.89 (d, J = 8.1 Hz, 1H),7.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.69(t, 1H), 7.74 (t, J = 15.6, 8.4, 1H), 7.47 (t, J = 15.5, 7.5 Hz, 1H), 7.38 (m, 4H), 7.14(bs, 1H) 7.08 (d, J=8.1 Hz) 5.85 (s, 2H), 4.53 (d, J=6Hz, 2H), 2.99 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.30 (t, J=7.5 Hz, 2H), 1.90-1.97 (m, 4H), 1.52-1.75 (m, 4H), 1.26-1.48 (m, 14 H), 0.90-1.10 (m, 6H). Mass Spec: m/z 500.8 (M+1).
化合物番号63-06: H NMR (CDCl, 300 MHz): 8.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.84(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.74 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.14(d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.04 (s, 2H), 4.42 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), ), 3.10 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.29 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.90-1.97 (m, 2H), 1.52-1.75 (m,4H), 1.26-1.48 (m, 12 H), 0.90-1.10 (m, 6H). Mass Spec: m/z 514.5 (M+1).
化合物番号63-07: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.88 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.69(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 15.6, 8.4, 1H),7.29 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.20 (t, J = 15.5, 7.5 Hz, 1H), 7.06(d, J = 8.1 Hz, 2H), 5.90 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), ), 3.0 (t, J = 15.0, 7.8 Hz, 2H), 2.21 (t, J = 14.7, 7.5 Hz, 2H), 1.90-1.97 (m, 2H), 1.42-1.70 (m,4H), 1.26-1.48 (m, 14 H), 0.85-1.05 (m, 6H). Mass Spec: m/z 528.6 (M+1).
化合物番号63-08: H NMR (CDCl, 400 MHz): δ 7.74 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.98 (bt, J = 5.6 Hz, 1H), 5.89 (bs, 2H), 5.63 (s, 2H), 4.35 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.81 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 2H), 2.14 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 1.80-1.71 (m, 2H), 1.61-1.56 (m, 2H), 1.39 (dq, J = 15.0, 7.4 Hz, 2H), 1.32-1.21 (m, 18H), 0.90 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.86 (t, J = 7.3 Hz, 3H). Mass Spec: m/z 542.4 (M+1).
化合物番号63-09: H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 8.18 (t, 1H), 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.6 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 8.4, 1H), 7.18 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.9-7.12 (m, 3H),6.55 (s, 2H), 5.8 ( s, 2H),4.2 (d, 2H), 2.90 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.2 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.65-1.80 (m, 2H),1.3-1.75 (m, 4H), 1.25-1.38 (m, 10 H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 556.9 (M+1).
化合物番号63-10: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.98 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 5.95 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), ), 3.01 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.20 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.82-1.9 (m, 2H), 1.42-1.70 (m,4H), 1.26-1.48 (m, 20 H), 0.85-1.05 (m, 6H). Mass Spec: m/z 570.8 (M+1).
化合物番号63-11: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.98 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.76(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.65 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 5.95 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), 3.03 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.21 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.82-1.9 (m, 2H), 1.42-1.70 (m,4H), 1.26-1.48 (m, 22 H), 0.85-1.05 (m, 6H). Mass Spec: m/z 585.2 (M+1).
化合物番号63-31: H NMR (CDOD, 300 MHz): 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.9 (s, 2H), 4.39 (s, 2H), ), 3.0 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.25 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.42-1.90 (m, 6H),1.2-1.4 (m, 13H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 598.7 (M+1).
化合物番号63-13: H NMR (CDCl, 400 MHz): δ 7.77 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.11 (dd, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.87 (bt, J = 5.6 Hz, 1H), 5.87 (bs, 2H), 5.68 (s, 2H), 4.39 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.85 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 2H), 2.17 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 1.83-1.75 (m, 2H), 1.65-1.58 (m, 2H), 1.43 (dq, J = 15.0, 7.4 Hz, 2H), 1.32-1.21 (m, 30H), 0.92 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.88 (t, J = 7.3 Hz, 3H). Mass Spec: m/z 625.5 (M+1).
化合物番号63-00: H NMR (MeOHd4, 400 MHz): δ 7.70 (dd, J = 8.4, 1.0 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 7.36 (m, J = 8.4, 7.0, 1.4 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.03 (m, J = 8.3, 7.0, 1.3 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.72 (s, 2H), 3.72 (s, 2H), 2.88 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 2H), 1.77-1.69 (m, 2H), 1.45-1.35 (m, 2H), 0.90 (t, J = 7.4 Hz, 3H). Mass Spec: m/z 360.2 (M+1).
化合物番号63-17: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.70 (br s, 4H), 3.80 (s, 2H), ), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H),1.2-1.75 (m, 8H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 430.3 (M+1).
化合物番号63-18: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.72 (br s, 4H), 3.76 (s, 2H), ), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H),1.4-1.6 (m, 4H),1.2-1.35 (br s, 4H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 444.6 (M+1).
化合物番号63-19: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.70 (br s, 4H), 3.80 (s, 2H), ), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H),1.4-1.6 (m, 4H),1.2-1.35 (b, s, 8H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 458.4 (M+1).
化合物番号63-20: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.70 (br s, 4H), 3.80 (s, 2H), ), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H),1.4-1.6 (m, 4H),1.2-1.35 (b, s, 10H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 472.4 (M+1).
化合物番号63-21: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.70 (br s, 4H), 3.80 (s, 2H), ), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H),1.4-1.6 (m, 4H),1.2-1.35 (b, s, 12H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 486.5 (M+1).
化合物番号63-22: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.70 (br s, 4H), 3.80 (s, 2H), ), 2.89 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H),1.4-1.6 (m, 4H),1.2-1.35 (b, s, 14H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 500.5 (M+1).
化合物番号63-24: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.78 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 8.4, 1H), 7.28 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.70 (br s, 4H), 3.73 (s, 2H), ), 2.87 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.58 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.71-1.84 (m, 2H),1.38-1.55 (m, 4H), 1.10-1.35 (m, 18H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 528.7 (M+1).
化合物番号63-32: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.12 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.73 ( s, 2H),5.5 (br s, 2H) 3.75 (s, 2H), ), 2.90 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.85 (m, 4H),1.4-1.6 (m, 4H), 1.25-1.38 (m, 15 H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 584.9 (M+1).
化合物番号63-29: H NMR (CDCl, 300 MHz): 7.8 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 8.4, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.12 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.72 ( s, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 2.90 (t, J =7.6 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.65-1.85 (m, 2H),1.35-1.6 (m, 4H), 1.25-1.38 (m, 15 H), 0.65-1.0 (m, 6H). Mass Spec: m/z 612.8 (M+1).
Figure 0007386536000038
Figure 0007386536000039
Figure 0007386536000040
Figure 0007386536000041
実施例S13:式(K-1)のさらなる例示的なN-アルキル化合物の合成
式(K-1)の例示的なN-アルキル化合物番号63-16、63-23、63-25、63-26、63-27、63-28、および63-30を、化合物番号63-17について記載の手順(実施例S2)に類似の手順を使用して合成する。パートIでは、以下のカルボン酸を、化合物番号63-17のために使用した吉草酸の代わりに使用する:n-ブタン酸(化合物番号63-16);ウンデカン酸(化合物番号63-23);トリデカン酸(化合物番号63-25);テトラデカン酸(化合物番号63-26);ペンタデカン酸(化合物番号63-27);ヘプタデカン酸(化合物番号63-28);およびノナデカン酸(化合物番号63-30)。次いで、得られたN-アシル誘導体を実施例S2について記載のパートJにしたがって最終N-アルキル化合物に還元する。
実施例S14:式(K-2)のさらなる例示的なN-アシル化合物の合成
式(K-2)の例示的なN-アシル化合物番号63-01、63-03、63-04、63-12、63-14、および63-15を、化合物番号63-10(実施例S1)のパートHまでに記載の手順に類似の手順を使用して合成する。パートIでは、N-アシル生成物を形成するために、以下のカルボン酸を、化合物番号63-10のために使用したミリスチン酸の代わりに使用する:ペンタン酸(化合物番号63-01)、ヘプタン酸(化合物番号63-03)、オクタン酸(化合物番号63-04)、ヘプタデカン酸(化合物番号63-12)、ノナデカン酸(化合物番号63-14)、およびアラキジン酸(化合物番号63-15)。
生物学的実施例
実施例B1。インビトロ生物学的アッセイおよび結果
方法
形質細胞様樹状細胞(pDC)富化末梢血単核球(PBMC)を、一連のヒトドナー(3~5ドナー/実験)の血液から調製した。PBMCを、当業者に周知の方法を使用してFicoll-Paque Premium(登録商標)(GE Healthcare,Chicago IL)を用いて単離した。製造者の説明書にしたがって、CD304(BDCA-4/ニューロピリン-1)マイクロビーズ(Miltenyi Biotec,San Diego CA)を使用して、回収した全PBMC集団からpDCを磁性的に単離した。次いで、単離したpDCを、この細胞型を相対的に富化させるために、1×10と2×10との間の対応するドナーのPBMCに戻した。次いで、pDC富化PBMCの二連の培養物(RPMI-1640培地+10%ウシ胎児血清中に2.5×10細胞/mL、96ウェルプレート中で培養)を、0.1nM~400nMの範囲をカバーする10の連続希釈濃度の化合物番号63-02、63-05~63-11、63-13、63-31、63-34、63-38~63-47、およびこれらの未改変同類物1-(4-アミノメチルベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-00)と共に24時間インキュベートした。培養上清を回収し、インターフェロン-アルファ(IFNα)タンパク質レベルを、製造者の説明書に従ってELISA(MabTech、Cincinnati OH)によって測定した。
単球を、上記のように調製し、製造者の説明書に従ってCD14マイクロビーズ(Miltenyi Biotec、San Diego CA)で標識した後にPBMCから磁性的に単離した。単球の二連の培養物(RPMI-1640+10%ウシ胎児血清の重複培養中に1×10細胞/mL、96ウェルプレート中で培養)を、2nM~40μMの範囲をカバーする10の連続希釈濃度の化合物番号63-02、63-05~63-11、63-13、63-31、63-34、63-38~63-47、およびこれらの未改変同類物1-(4-アミノメチルベンジル)-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(化合物番号63-00)と共に24時間インキュベートした。培養上清を回収し、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)タンパク質レベルを、製造者の説明書に従ってELISA(MabTech、Cincinnati OH)によって測定した。
結果
i)Rが、ベンジルメチル部分上のアミド基に5(化合物番号63-02)、8(化合物番号63-05)、9(化合物番号63-06)、10(化合物番号63-07)、11(化合物番号63-08)、12(化合物番号63-09)、13(化合物番号63-10)、14(化合物番号63-11)、15(化合物番号63-31)、または17(化合物番号63-13)個の炭素が付加された直鎖アルキル鎖である式(K-2)の化合物、またはii)Rが、ベンジルメチル部分上のアミド基に4(化合物番号63-34)個の炭素が付加されたシクロプロピルメチル部分である式(J-2)の化合物のいずれかの、インビトロでのTLR7(pDC富化PBMC培養物におけるIFNαタンパク質の誘導)およびTLR8(単球培養物におけるTNFαタンパク質の誘導)のアゴニスト生物活性に及ぼす改変効果を評価した。表B1-1は、化合物番号63-00、63-02、63-05~63-11、63-13、63-31、および63-34についての構造、cLogP計算値、およびTLR7/8アゴニスト生物活性の関係をまとめている。TLR7およびTLR8のアゴニスト効力を表B1-1に示し、単位をナノモルとする最大応答の50%効果濃度(EC50、単位nM)として報告する。これらのアルキル鎖での化合物番号63-00の改変により、TLR7アゴニスト効力がそれぞれ1/11および1/41に低下した5(化合物番号63-02)および17(化合物番号63-13)個の炭素のバリアントを除いて、一般に、TLR7アゴニスト効力が1/2~1/3に低下した。対照的に、5(化合物番号63-02)、8(化合物番号63-05)、9(化合物番号63-06)、10(化合物番号63-07)、15(化合物番号63-31)、および17(化合物番号63-13)個の炭素鎖バリアントは、未改変の化合物番号63-00と比較して、TLR8アゴニスト効力が1/10未満~1/26に低下した。予想外には、炭素鎖長が11(化合物番号63-08)、12(化合物番号63-09)、13(化合物番号63-10)、および14(化合物番号63-11)のバリアントは、アゴニスト活性がそれほど低下せず、化合物番号63-10は、未改変化合物番号63-00と比較して、TLR8アゴニスト効力の低下が1/2.4しかないことが実証された。Rがシクロプロピルメチル基である化合物番号63-34は、未改変化合物番号63-00と比較してTLR7アゴニスト効力が1/8に低下し、TLR8アゴニスト効力が1/7に低下することが証明された。これらのデータは、直鎖の5炭素アルキル鎖修飾された化合物番号63-02で認められたTLR7およびTLR8のアゴニスト効力の低下に匹敵する。
Figure 0007386536000042
i)Rが、ベンジルメチル部分上のアミン基に5(化合物番号63-17)、6(化合物番号63-18)、7(化合物番号63-19)、8(化合物番号63-20)、9(化合物番号63-21)、10(化合物番号63-22)、12(化合物番号63-24)、16(化合物番号63-32)、または18(化合物番号63-29)個の炭素を付加した直鎖アルキル鎖である式(K-1)の化合物の改変、またはii)Rが、アミド基に5(化合物番号63-33)個の炭素が付加されたシクロプロピルエチル部分、6(化合物番号63-35)個の炭素が付加されたシクロブチルエチル部分、または7(化合物番号63-36)個の炭素が付加されたシクロペンチルエチル部分である式(J-1)の化合物の改変のいずれかの、インビトロでのTLR7(pDC富化PBMC培養物におけるIFNαタンパク質の誘導)およびTLR8(単球培養物におけるTNFαタンパク質の誘導)のアゴニスト生物活性に及ぼす効果を評価した。表B1-2は、化合物番号63-00、63-17~63-22、63-24、63-29、63-32、63-33、63-35、および63-36についての構造、cLogP計算値、およびTLR7/8アゴニスト生物活性の関係をまとめている。TLR7およびTLR8のアゴニスト効力を表B1-2に示し、単位をナノモルとする最大応答の50%効果濃度(EC50、単位nM)として報告する。直鎖アルキル鎖での化合物番号63-00の改変によって炭素数が増加するにつれてTLR7/8アゴニスト効力の低下が大きくなることが実証されたが、5(化合物番号63-17)および6(化合物番号63-18)個の炭素バリアントはTLR8アゴニスト効力がわずかに改善されたことを実証していた。3つのヒドロカルビル基(シクロプロピルエチル、シクロブチルエチル、およびシクロペンチルエチル)での化合物番号63-00の改変によってTLR7アゴニスト生物活性が1/4~1/12に低下したが、アゴニスト効力は2~3倍に増加した。
Figure 0007386536000043
が、(シクロプロピル)エチル部分(化合物番号63-33)、(シクロブチル)エチル部分(化合物番号63-35)、(シクロペンチル)エチル部分(化合物番号63-36)、(シクロプロピル)メチル部分(化合物番号63-38)、(2-メチルシクロプロピル)メチル部分(化合物番号63-39)、(2,2-ジメチルシクロプロピル)メチル部分(化合物番号63-40)、(2-シクロプロピル)-(2,2-ジメチル)エチル部分(化合物番号63-41)、(1-メチルシクロプロピル)エチル部分(化合物番号63-42)、(3-シクロプロピル)プロピル部分(化合物番号63-43)、(シクロブチル)メチル部分(化合物番号63-44)、(1-メチルシクロブチル)メチル部分(化合物番号63-45)、(3-メチルシクロブチル)メチル部分(化合物番号63-46)、または(2-シクロブチル)-(2,2-ジメチル)エチル部分(化合物番号63-47)である式(J-1)の化合物の、インビトロでのTLR7(pDC富化ヒトPBMC培養物におけるIFNαタンパク質の誘導)およびTLR8(ヒト単球培養物におけるTNFαタンパク質の誘導)のアゴニスト生物活性に及ぼす改変効果を評価した。表B1-3は、化合物番号63-00、63-33、63-35、63-36、および63-38~63-47についてのTLR7/8アゴニスト生物活性の関係をまとめている。表B1-3に示したTLR7およびTLR8のアゴニスト効力を、化合物番号63-00について決定した最大応答の50%効果化合物濃度に対する百分率として報告する。TLR7およびTLR8のアゴニスト化合物の効力を評価するために使用した精製免疫細胞から分泌されたサイトカインレベルのヒト血液ドナー間におけるばらつきにより、所与の化合物についてのEC50効力の計算された絶対値がわずかに変動し;この影響を正規化するために、表B1-3中のデータを、未改変のイミダゾキノリンベースの化学構造(化合物番号63-00)について決定したEC50に対する百分率として示す。
表B1-3に示すように、式(J-1)の化合物を生成するための様々なシクロアルキル部分での化合物番号63-00の化学構造の改変により、TLR7アゴニスト効力が1/11まで減弱した。(シクロブチル)メチルバリアント(化合物番号63-44)および(1-メチルシクロブチル)メチルバリアント(化合物番号63-45)は、TLR7アゴニスト活性の減弱量は最小であることが実証され(それぞれ、1/1.2および1/1.9の効力低下)、それに対して、(シクロペンチル)エチルバリアント(化合物番号63-36)および(2-シクロブチル)-(2,2-ジメチル)エチルバリアント(化合物番号63-47)は、TLR7アゴニスト活性の減弱量は最大であることが実証された(それぞれ、1/10.9および1/9.0の効力低下)。化合物番号63-00の化学構造に対する同一の構造改変組のTLR8アゴニスト効力が同様であるかそれを超えたことが予想外であった。(シクロブチル)メチルバリアント(化合物番号63-44)および(1-メチルシクロブチル)メチルバリアント(化合物番号63-45)は、TLR8アゴニスト効力の増加が最大であることが実証された(それぞれ、5.9倍および7.7倍)。対照的に、(1-メチルシクロプロピル)エチルバリアント(化合物番号63-42)および(2-シクロブチル)-(2,2-ジメチル)エチルバリアント(化合物番号63-47)のTLR8アゴニスト活性は、化合物番号63-00と比較してわずかな改善からわずかに劣ることが実証された。TLR7およびTLR8アゴニスト効力がより厳密に適合したTLR7/8アゴニスト小分子は、所与の薬学的組成物中で治療用量の化合物を投与した際に2レセプター系に匹敵する活性化が得られる可能性がより高く、したがって、より広い範囲の関連する免疫細胞型が活性化される可能性がより高い。バランスの取れた二重効力を有する化合物はまた、単一の活性薬学的有効成分を合成して特徴付けることが可能であり、それにより、より低価格でのGMPの製造を容易にし、規制経路をより簡潔かつ予想可能にすることができる。
Figure 0007386536000044
実施例B2。薬学的組成物の調製
実施例B2-1。ゴマ油ベースの薬学的組成物の調製。化合物番号63-17、63-18、63-10、および63-33を、95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中でのインビボ投与のために以下のとおり製剤化した。超精製(登録商標)ゴマ油を、Croda Inc.(Edison,NJ)から入手し、エタノール(200プルーフ、USPグレード)を、Pharmaco-AAPER(Brookfield,CT)から入手した。化合物をガラスバイアルに入れ、100%エタノールを添加して2.75mg/mL懸濁液を作製した。溶液を30秒間のボルテックスによって可溶化し、次いで、50℃に設定した超音波水浴中に30分間保持した。次いで、1mLのこれらの溶液を、16.0gのゴマ油を含む20mLガラスバイアルに移し、回転ミキサーにて周囲温度で20分間混合し、次いで、90℃の水浴に2時間移して完全に可溶化させた。製剤化した化合物を37℃に冷却後、0.2ミクロンの濾過によって滅菌した。製剤化した化合物を、ゴム栓をした滅菌ガラスバイアル中にて2~8℃で保存した。最終製剤中の成分の濃度は、以下のとおりであった:95%ゴマ油および5%エタノール(v/v)中0.1mg/mL(w/v)化合物。
実施例B2-2。スクアレン水中油型ナノエマルジョンベースの薬学的組成物の調製。化合物番号63-17、63-18、63-10、および63-33を、スクアレン水中油型ベースのナノエマルジョン中でのインビボ投与のために以下のとおり製剤化した。スクアレン(98%以上、液体)、Tween(登録商標)80(ポリソルベート80)、グリセロール、およびクエン酸三ナトリウム二水和物をSigma-Aldrich(St.Louis,MO)から入手した。1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)を、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)から入手した。細胞培養グレードの水(注射用滅菌水)を、Corning Life Sciences(Tewksbury,MA)から入手した。
油相を形成するために、DOPC(175.6mg)を、4mLガラスバイアル中のスクアレンオイル(1.4mL)に添加した。次いで、混合物を、脂質が溶解するまで15分毎に短時間ボルテックスしながら超音波水浴中で70℃で45分間インキュベートした。示した化合物(13.7mg)をスクアレン/DOPC溶液に添加し、1分間強くボルテックスした。次いで、この溶液を、超音波水浴中にて10分毎に短時間ボルテックスしながら70℃で30分間インキュベートした。必要に応じて透明な溶液を作製するために、混合物を90℃の水浴中で15分毎に短時間ボルテックスしながら2時間さらにインキュベートした。別で水相を形成するために、Tween(登録商標)80(70mg)およびグリセロール(315mg)を、50mLポリプロピレンチューブ中で100mMクエン酸ナトリウム(pH6.5)溶液(3.5mL)および水(29.8mL)と混合した。
スクアレンオイル/DOPC/化合物含有油相およびTween(登録商標)80/グリセロール/クエン酸ナトリウム含有水相を合わせた後にPolytron(登録商標)ミキサー(Kinematica,Luzern CH)を用いて24,000rpmで5分間高剪断混合することによって水中油型エマルジョンを形成させた。次いで、粗エマルジョンを、Microfluidics M-110P Microfluidizer(登録商標)(Westwood,MA)を使用しておよそ30,000psiで8回通過させる高圧均質化に供した。動的光散乱(Malvern NanoS(登録商標),Malvern UK)による解析は、平均油滴直径150~175nm、分散指数0.15未満を示していた。次いで、化合物含有ナノエマルジョン製剤を、0.2ミクロン滅菌シリンジフィルターを使用して滅菌濾過し、ゴム栓をした滅菌ガラスバイアル中にて2~8℃で保存した。
最終ナノエマルジョン製剤中の種々の成分の濃度は以下のとおりであった:0.4mg/mL化合物(w/v)、4%スクアレンオイル(v/v)、0.5%DOPC(w/v)、0.2%Tween(登録商標)80(w/v)、0.9%グリセロール(w/v)、および10mM酢酸ナトリウム。スクアレン水中油型ナノエマルジョン製剤中の化合物のインビボ投与のための薬学的調製物を、穏やかに反転させて混合しながらダルベッコリン酸緩衝生理食塩水と1:1希釈することによって使用前に調製した。
実施例B3。インビボ全身免疫活性化アッセイ
1H-イミダゾ[4,5-c]キノリンプリビリッジドテンプレート(例えば、イミキモド、レシキモドを参照のこと)から誘導された小分子TLR7およびTLR7/8アゴニストは、腫瘍内注射、皮下注射、または筋肉内注射後に全身区画に迅速に分布することが公知である。野生型マウスにおけるこれらのアゴニスト化合物の広範な全身分布により、主に脾臓細胞および肝臓細胞におけるTLR7依存性サイトカイン応答が誘導され、その後に3~6時間以内に血清中で検出することができる。血清サイトカインバイオマーカー(例えば、IL-6およびIL-12p40)の急速な増加を使用して、局所投与されたTLRアゴニストの全身分布の動態学を評価することができる。
95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中で製剤化した化合物番号63-00、63-17、または63-10から構成される薬学的組成物分布の動態学を、野生型マウスにおける単回皮下注射後に評価した。全てのインビボ手順を、承認されたInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)のプロトコールにしたがって実施した。動物を、Association for Accreditation and Laboratory Animal Care(AALAC,Frederick MD)の認定施設に収容した。野生型雌BALB/cマウス(15~20gm)を、Envigo(Hayward、CA)から入手し、使用前に2~3日間馴化させた。
薬学的組成物を、実施例B2-1に記載の様式に類似の様式で最終濃度200μg/mLの3つの化合物を用いて作製した。T=0では、3匹のマウスから構成される群を、1%イソフルランで麻酔し、5μgの3つの各化合物またはビヒクルコントロールを含む25uLの95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)を右足蹠に皮下注射した。次いで、T=3、6、および24時間で、心穿刺による採血を容易にするために各群の3匹の動物を1%イソフルランで麻酔した。試料を血清に処理し、さらなる解析のために-20℃で保存した。
IL-6およびIL-12p40の血清レベルをELISAによって各動物から定量して、より長いアルキル鎖を用いて誘導体化した化合物の全身分布速度が遅くなるかどうかを判定した。図1に示すように、アルキル鎖修飾していない化合物番号63-00は、3時間(IL-6=772±141pg/mL、IL-12p40=139,767±31,024pg/mL)および6時間(IL-6=160±19pg/mL、IL-12p40=142,359±22,350pg/mL)でのIL-6およびIL-12p40の血清レベル上昇が誘導され、24時間までにベースラインに戻った(IL-6=32±2pg/mL、IL-12p40=7,796±1,545pg/mL)。ペンチルアミノバリアント(化合物番号63-17)は、3時間(IL-6=853±539pg/mL、IL-12p40=84,731±32,530pg/mL)および6時間(IL-6=414±105pg/mL、IL-12p40=258,645±19,982pg/mL)における血清区画中の初期サイトカイン産生の規模および動態学が類似し、24時間までのベースラインレベルまでの回復も類似していた(IL-6=33±4pg/mL、IL-12p40=19,546±2,116pg/mL)。cLogP値が実質的により高いテトラデカンアミドバリアント(化合物番号63-10)は、3、6、24時間のいずれにおいても血清サイトカインの検出可能な増加は実証されなかった(3時間:IL-6=49±32pg/mL、IL-12p40=1,012±246pg/mL;6時間:IL-6=33±4pg/mL、IL-12p40=2,179±597pg/mL;および24時間:IL-6=32±2pg/mL、IL-12p40=2,436±237pg/mL)。これらのデータは、3つ全ての化合物においてインビトロでTLR7アゴニスト生物活性が等しいことが実証される(表B1-1およびB1-2を参照のこと)という事実があるが、化合物番号63-10およびゴマ油/エタノールの薬学的組成物の製剤の疎水性の高さが注射部位での分子の保持を促進するという解釈と一致する。
実施例B4。CT26結腸癌保有野生型マウスにおけるアルキル鎖修飾TLR7/8アゴニストの抗腫瘍有効性
95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中に製剤化された化合物番号63-10、63-18、または63-33から構成される、腫瘍内送達される薬学的組成物の週1回の反復投与の腫瘍成長阻害に及ぼす効果を、同系CT26結腸癌保有Balb/cマウスにおいて評価した。全てのインビボ手順を、承認されたInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)のプロトコールにしたがって実施した。動物を、Association for Accreditation and Laboratory Animal Care(AALAC,Frederick,MD)の認定施設に収容した。野生型雌Balb/cマウス(15~20gm)を、Envigo(Hayward、CA)から入手し、使用前に2~3日間馴化させた。
薬学的組成物を、実施例B2-1に記載の様式に類似の様式で最終濃度5、50、200μg/mLの3つの化合物を用いて作製した。このマウス腫瘍モデルにおいて有効性が事前に実証されているTLR9 CpGアゴニストを、ポジティブコントロールとして使用した(Wang et al 2016 PNAS 113:E7240-E7249)。0日目に、マウスを1%イソフルランで麻酔し、200uLのRMPI-1640培養培地+2.5%ウシ胎児血清中80,000個のCT26腫瘍細胞を右側腹部に皮下注射した。腫瘍を約35mmまで成長させ、その時点で、動物を、処置を開始するための群に割り付けた。マウスに、95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中に製剤化された100uLの、20、5、または0.5μgの化合物番号63-10、または20μgもしくは5μgの化合物番号63-18、または63-33を含む薬学的組成物を4週間にわたって週1回、またはビヒクルコントロールを3週間にわたって週2回(実験日9、12、16、19、23、および26)腫瘍内注射した。TLR9 CpGアゴニストを、リン酸緩衝生理食塩水中に製剤化された100μLの、50μgの化合物から構成される薬学的組成物を同一の投与計画で腫瘍内注射した。腫瘍サイズを、カリパスを使用して8日目から30日目まで週2回測定し、腫瘍容積を以下の式を使用して計算した:長径×短径×短径/2。
化合物番号63-10、63-18、および63-33は、ビヒクルコントロールと比較して、試験用量範囲にわたってCT26腫瘍成長を強力に制御することが実証された(図2)。化合物番号63-10、63-18、および63-33について認められた腫瘍成長制御レベルは、TLR9 CpGに匹敵していた。これらのデータは、本発明のTLR7/8アゴニストがこの同系マウス腫瘍成長モデル系において強力な抗腫瘍効果を有することを実証しており、この効果は、ビヒクルコントロールと比較して腫瘍成長をより制御する(かつ、TLR9 CpGによる腫瘍成長阻害に匹敵する)。これらのデータは、化合物番号63-10、63-18、および63-33の腫瘍成長阻害がインビトロでのそのTLR7アゴニスト生物活性と相関し(例えば、表B1-1およびB1-2を参照のこと)、その改変したアルキル鎖長とは無関係であるという解釈と一致する。
実施例B5。2つの側腹部にCT26結腸癌を保有する野生型マウスにおける腫瘍関連抗原を共投与したアルキル鎖修飾TLR7/8アゴニストの抗腫瘍有効性
スクアレンベースの水中油型ナノエマルジョン中にCT-26腫瘍関連AH-1クラスIIペプチド(内因性レトロウイルス遺伝子産物gp70由来の免疫優性エピトープ配列;例えば、Rice J,Buchan S and Stevenson F 2002 J Immunol 169:3908-3913を参照のこと)と共製剤化した化合物番号63-10から構成される、腫瘍内送達される薬学的組成物の週1回の反復投与の、注射された腫瘍および遠位の腫瘍の成長阻害に及ぼす効果を、2つの側腹部に腫瘍を保有するCT26結腸癌保有Balb/cマウスにおいて評価した。全てのインビボ手順を、承認されたIACUCのプロトコールにしたがって実施した。動物を、AALACの認定施設に収容した。野生型雌Balb/cマウス(15~20g)を、Envigo(Hayward,CA)から入手し、使用前に2~3日間馴化させた。
スクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンから構成される薬学的組成物を、一般に実施例B2-2に記載のように作製した。コントロールであるスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンに加えて、最終濃度500ng/mLの化合物番号63-10のみ、または最終濃度500ng/mLの化合物番号63-10+最終濃度500,000ng/mLのAH-1クラスIIペプチドのいずれかを組み込んださらなるナノエマルジョンを作製した。後者の薬学的組成物について、AH-1ペプチドを、最初にリン酸緩衝生理食塩水中に2倍濃度で溶解し、次いで、最終混合工程中にスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンに製剤化して、最終濃度500,000ng/mLのナノエマルジョンを得た。0日目に、マウスを1%イソフルランで麻酔し、を含む2.5%ウシ胎児血清を含む200uLのRMPI-1640培養培地中80,000個のCT26腫瘍細胞を、右側腹部および左側腹部の両方に皮下注射した。腫瘍を8日目まで成長させ、平均腫瘍サイズがおよそ50mmに到達したとき、その時点でマウスを群に無作為化し、100uLのスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンのビヒクルコントロール、50ngの化合物番号63-10を含むナノエマルジョン、または50ngの化合物番号63-10+50,000ngのAH-1腫瘍抗原ペプチドを含むナノエマルジョンを右側腹部の腫瘍に腫瘍内注射した。これら3つの薬学的組成物を、実験日12、16、20日目に右側腹部腫瘍にさらに注射した。次いで、右(注射)および左(遠位)の腫瘍容積を、カリパスを使用して8日目から30日目まで週2回測定し、腫瘍容積を以下の式を使用して計算した:長径×短径×短径/2。
50ngの化合物番号63-10を含むスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンから構成される薬学的組成物は、ナノエマルジョンのビヒクルコントロールと比較して、注射した(右)腫瘍の腫瘍成長阻害が大きい傾向が実証された(図3A);しかし、この腫瘍成長阻害は27日目のビヒクルコントロールと有意に異ならなかった。対照的に、50ngの化合物番号63-10+50,000ngのAH-1腫瘍関連ペプチドを含むスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンから構成される薬学的組成物は、27日目のナノエマルジョンのビヒクルコントロールと比較して、注射した(右)腫瘍の腫瘍成長阻害が有意に大きいことが実証された。さらに、50ngの化合物番号63-10を含むスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンから構成される薬学的組成物は、ナノエマルジョンのビヒクルコントロールと比較して、遠位(左)腫瘍の腫瘍成長阻害が大きい傾向が実証された(図3B);しかし、この腫瘍成長阻害は23日目のビヒクルコントロールと有意に異ならなかった。対照的に、50ngの化合物番号63-10+50,000ngのAH-1腫瘍関連ペプチドを含むスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンから構成される薬学的組成物は、23日目のナノエマルジョンのビヒクルコントロールと比較して、遠位(左)腫瘍の腫瘍成長阻害が有意に大きいことが実証された。これらのデータは、化合物番号63-10による注射した腫瘍および遠位腫瘍の成長阻害が、前述の化合物を外因的に添加したCT26腫瘍関連抗原と共に腫瘍微小環境中の抗原提示細胞に送達された場合により優れているという解釈と一致する。
実施例B6。両側腹部にCT26結腸癌を保有する野生型マウスにおける免疫チェックポイント阻害と組み合わせたアルキル鎖修飾TLR7/8アゴニストの抗腫瘍有効性
抗マウスPD-1(CD279)抗体(免疫チェックポイント阻害剤;BioX Cell,Lebanon NH)の腹腔内送達と組み合わせた、95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中に製剤化した化合物番号63-10もしくは63-33、またはリン酸緩衝生理食塩水中に製剤化した化合物番号63-00から構成される薬学的組成物の腫瘍内送達の腫瘍成長阻害に及ぼす効果を、2つの側腹部に腫瘍を保有するCT26結腸癌保有Balb/cマウスにおいて評価した。全てのインビボ手順を、承認されたIACUCのプロトコールにしたがって実施した。動物を、AALACの認定施設に収容した。野生型雌Balb/cマウス(15~20g)を、Envigo(Hayward,CA)から入手し、使用前に2~3日間馴化させた。
薬学的組成物を、実施例B2-1に記載の様式と類似の様式で最終濃度50,000ng/mLの化合物番号63-10または63-33を用いて作製した。化合物番号63-00の薬学的組成物を、リン酸緩衝生理食塩水を用いて最終濃度50,000ng/mLで作製した。0日目に、マウスを1%イソフルランで麻酔し、200uLのRMPI-1640培養培地+2.5%ウシ胎児血清中80,000個のCT26腫瘍細胞を右側腹部および左側腹部の両方に皮下注射した。腫瘍(左および右)を8日目まで成長させ、右および左の側腹部の腫瘍サイズがおよそ35mmに到達したとき、その時点でマウスにリン酸緩衝生理食塩水中に製剤化した250μgの抗PD-1抗体またはリン酸緩衝生理食塩水のビヒクルコントロールを腹腔内注射した。抗PD-1処置を、実験12、15、19、22、および26日目に繰り返した。実験14日目に、右(注射した)および左(遠位)の側腹部腫瘍がおよそ100mmに到達したとき、マウスを処置群に無作為化した。抗PD-1+処置群の右側腹部腫瘍のみに、リン酸緩衝生理食塩水中に5,000ngの化合物番号63-00を含む100uLの薬学的組成物、95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中5,000ngの化合物番号63-10、または95%ゴマ油/5%エタノール(v/v)中5,000ngの化合物番号63-33をさらに腫瘍内注射した。腫瘍サイズを、カリパスを使用して14日目から29日目まで週2回測定し、腫瘍容積を以下の式を使用して計算した:長径×短径×短径/2。
抗PD-1処置と組み合わせた5,000ngの化合物番号63-00、63-10、または63-33から構成される薬学的組成物は、抗PD-1処置のみと比較して、注射した腫瘍(右側腹部)の腫瘍成長阻害が大きいことが実証された(図4A)。この腫瘍成長阻害は、化合物番号63-33および63-00について29日目の抗PD-1処置コントロールと有意に異なっていた。さらに、抗PD-1処置と組み合わせた5,000ngの化合物番号63-00または60-33から構成される薬学的組成物は、抗PD-1処置のみと比較して、遠位腫瘍(左側腹部)の腫瘍成長阻害が大きい傾向が実証されたが(図4B)、この腫瘍成長阻害は29日目の抗PD-1処置コントロールからの統計的有意性に到達しなかった。抗PD-1処置と組み合わせた5,000ngの化合物番号63-10から構成される薬学的組成物は、抗PD-1処置のみと比較して、遠位腫瘍成長阻害の改善が実証されなかった。これらのデータは、免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1と組み合わせた化合物番号63-33が、ビヒクルコントロール+抗PD-1での処置と比較して、注射および遠位のCT26腫瘍成長の両方の制御において優れているという解釈と一致する。
本明細書中で言及した特許、特許出願、および科学論文を含む全ての刊行物は、あたかも特許、特許出願、または科学論文を含む各々の刊行物が参考として援用されることを具体的かつ個別に示しているのと同じ程度に、あらゆる目的のためにその全体が本明細書中で参考として援用される。
理解を深めるための実例および例示のために前述の発明をいくらか詳細に記載しているが、上記教示を考慮して、一定の軽微な変更および修正が行われることが当業者に明らかである。したがって、前述の説明および実施例を、本発明の範囲の限定と解釈すべきではない。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
式(J):
Figure 0007386536000045
[式中、
は、1~4個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたC ~C 21 ヒドロカルビルであり;
Xは、-NH-または-NH(C=O)-であり;
は、C ~C アルキル、-(CH OR 1a 、-(CH NHR 1b 、または-(CH 1c であり;ここで、R 1a およびR 1b は、独立して、C ~C アルキルであり;R 1c はC ~C シクロアルキルであり;pは1または2であり;
はNHR 2a であり;ここで、R 2a は、H、OH、NH 、またはメチルであり;
各R は、独立して、ハロゲン、C ~C アルキル、-(C ~C アルキレン)-NH 、または-CH -フェニレン-CH NH であり;
qは、0、1、2、3、または4であり;
4a およびR 4b は、独立して、HまたはC ~C アルキルである]の化合物またはその塩であって、
但し、前記化合物が、2-ブチル-1-(4-((ヘキサデシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン;N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド;またはN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)ペンタ-4-インアミド以外である、化合物またはその塩。
(項目2)
がC ~C 14 ヒドロカルビルである、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目3)
Xが-NH(C=O)-である、項目1または2に記載の化合物またはその塩。
(項目4)
Xが-NH-である、項目1または2に記載の化合物またはその塩。
(項目5)
は、分枝C ~C 14 アルキル、-(CH (C(CH )R 、または-(CH であり;mは、0、1、2、または3であり;zは、1または2であり;R は、C ~C アルキル、C ~C アルキレン、およびハロゲンからなる群より独立して選択される1~4個の基により必要に応じて置換されたC ~C シクロアルキルである、項目1~4のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目6)
が分枝C ~C 14 アルキルである、項目1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目7)
が-(CH である、項目1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目8)
mが2である、項目7に記載の化合物またはその塩。
(項目9)
が-(CH (C(CH )R である、項目1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目10)
zが1である、項目9に記載の化合物またはその塩。
(項目11)
が、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである、項目7~10のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目12)
が、メチル、メチレン、およびハロゲンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたC ~C シクロアルキルである、項目7~10のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目13)
mが1または2である、項目5に記載の化合物またはその塩。
(項目14)
がC ~C シクロアルキルである、項目13に記載の化合物またはその塩。
(項目15)
が、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロプロピルである、項目13または14に記載の化合物またはその塩。
(項目16)
mが0であり、R が、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロヘキシルである、項目5に記載の化合物またはその塩。
(項目17)
が、
Figure 0007386536000046
からなる群より選択される、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目18)
前記化合物が、表1中の化合物番号63-33~63-36および63-38~63-49からなる群より選択される、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目19)
式(K):
Figure 0007386536000047
[式中、
nは、4~21の整数であり;
Xは、-NH-または-NH(C=O)-であり;
は、C ~C アルキル、-(CH OR 1a 、-(CH NHR 1b 、または-(CH 1c であり;ここで、R 1a およびR 1b は、独立して、C ~C アルキルであり;R 1c はC ~C シクロアルキルであり;pは1または2であり;
はNHR 2a であり;ここで、R 2a は、H、OH、NH 、またはメチルであり;
各R は、独立して、ハロゲン、C ~C アルキル、-(C ~C アルキレン)-NH 、または-CH -フェニレン-CH NH であり;
qは、0、1、2、3、または4であり;
4a およびR 4b は、独立して、HまたはC ~C アルキルである]の化合物またはその塩であって、
但し、前記化合物が、2-ブチル-1-(4-((ヘキサデシルアミノ)メチル)ベンジル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンまたはN-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)メチル)ベンジル)パルミトアミド以外である、化合物またはその塩。
(項目20)
Xが-NH-である、項目19に記載の化合物またはその塩。
(項目21)
nは、4~15の整数である、項目19または20に記載の化合物またはその塩。
(項目22)
nが、4、5、6、または7である、項目19~21のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目23)
Xが-NH(C=O)-である、項目19に記載の化合物またはその塩。
(項目24)
nが、11、12、13、または14である、項目23に記載の化合物またはその塩。
(項目25)
がC ~C アルキルである、項目19~24のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目26)
がn-ブチルである、項目25に記載の化合物。
(項目27)
が-(CH OR 1a である、項目19~24のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目28)
が-(CH NHR 1b である、項目19~24のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目29)
が-(CH 1c である、項目19~24のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目30)
がNH である、項目19~29のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目31)
qが0である、項目19~30のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目32)
qが1であり、R がC ~C アルキルである、項目19~30のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目33)
4a およびR 4b の各々がHである、項目19~32のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
(項目34)
前記化合物が、表1中の化合物番号63-01~63-30からなる群より選択される、項目19に記載の化合物またはその塩。
(項目35)
(i)項目1~34のいずれか1項に記載の化合物またはその塩;および(ii)薬学的に許容され得る賦形剤を含む薬学的組成物。
(項目36)
抗原をさらに含む、項目35に記載の薬学的組成物。
(項目37)
前記薬学的に許容され得る賦形剤が油を含む、項目35または36に記載の薬学的組成物。
(項目38)
前記薬学的組成物がスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンである、項目35~37のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目39)
前記薬学的組成物がリポソーム製剤である、項目35または36に記載の薬学的組成物。
(項目40)
免疫応答の刺激を必要とする哺乳動物被験体において免疫応答を刺激する方法であって、前記哺乳動物被験体に、前記哺乳動物被験体における前記免疫応答を刺激するのに十分な量の項目35~39のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目41)
抗原特異的抗体応答の誘導を必要とする哺乳動物被験体において抗原特異的抗体応答を誘導する方法であって、前記哺乳動物被験体に、前記哺乳動物被験体における前記抗原特異的抗体応答および/または抗原特異的T細胞応答を誘導するのに十分な量の項目35~39のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目42)
感染症の処置を必要とする哺乳動物被験体において感染症を処置する方法であって、前記哺乳動物被験体に、前記哺乳動物被験体における前記感染症を処置するのに十分な量の項目35~39のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目43)
感染症の予防を必要とする哺乳動物被験体において感染症を予防する方法であって、前記哺乳動物被験体に、前記哺乳動物被験体における前記感染症を予防するのに十分な量の項目35~39のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目44)
IgE関連障害の処置を必要とする哺乳動物被験体においてIgE関連障害を処置する方法であって、前記哺乳動物被験体に、前記哺乳動物被験体における前記IgE関連障害を処置するのに十分な量の項目35~39のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目45)
IgE関連障害の予防を必要とする哺乳動物被験体においてIgE関連障害を予防する方法であって、前記哺乳動物被験体に、前記哺乳動物被験体における前記IgE関連障害を予防するのに十分な量の項目35~39のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目46)
がんの処置を必要とする哺乳動物被験体においてがんを処置する方法であって、前記哺乳動物被験体に、前記哺乳動物被験体におけるがんを処置するのに十分な量の項目35~39のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目47)
前記薬学的組成物が腫瘍内注射によって投与される、項目46に記載の方法。
(項目48)
有効量の第2の治療剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む、項目46または47に記載の方法。
(項目49)
前記第2の治療剤が化学療法剤である、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記第2の治療剤が、阻害性免疫チェックポイント分子のアンタゴニストである、項目48に記載の方法。
(項目51)
前記第2の治療剤がエピジェネティック調節剤である、項目48に記載の方法。
(項目52)
前記第2の治療剤が免疫原性細胞死の誘導物質である、項目48に記載の方法。
(項目53)
前記阻害性免疫チェックポイント分子が、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4(CD152)、LAG-3、TIM-3、TIGIT、IL-10、およびTGF-ベータからなる群より選択される、項目50に記載の方法。

Claims (34)

  1. 式(J):
    Figure 0007386536000048

    [式中、
    は、-(CHまたは-(CH(C(CH)Rであり;mは、0、1、2、または3であり;zは、1または2であり;Rは、C~Cアルキル、C~Cアルキレン、およびハロゲンからなる群より独立して選択される1~4個の基により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルであり;
    Xは、-NH-であり;
    は、C~Cアルキル、-(CHOR1a、-(CHNHR1b、または-(CH1cであり;ここで、R1aおよびR1bは、独立して、C~Cアルキルであり;R1cはC~Cシクロアルキルであり;pは1または2であり;
    はNHR2aであり;ここで、R2aは、H、OH、NH、またはメチルであり;
    各Rは、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、-(C~Cアルキレン)-NH、または-CH-フェニレン-CHNHであり;
    qは、0、1、2、3、または4であり;
    4aおよびR4bは、独立して、HまたはC~Cアルキルである]の化合物またはその塩
  2. が-(CHである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  3. mが2である、請求項2に記載の化合物またはその塩。
  4. が-(CH(C(CH)Rである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  5. zが1である、請求項4に記載の化合物またはその塩。
  6. が、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである、請求項2~5のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
  7. が、メチル、メチレン、およびハロゲンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたC~Cシクロアルキルである、請求項2~5のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
  8. mが1または2である、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
  9. がC~Cシクロアルキルである、請求項8に記載の化合物またはその塩。
  10. が、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロプロピルである、請求項8または9に記載の化合物またはその塩。
  11. mが0であり、Rが、メチルおよびメチレンからなる群より独立して選択される1~3個の基により必要に応じて置換されたシクロヘキシルである、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
  12. が、

    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  13. 前記化合物が、表1中の化合物番号63-33、63-35、63-36および63-38~63-49:



    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  14. (i)請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物またはその塩;および(ii)薬学的に許容され得る賦形剤を含む薬学的組成物。
  15. 抗原をさらに含む、請求項14に記載の薬学的組成物。
  16. 前記薬学的に許容され得る賦形剤が油を含む、請求項14または15に記載の薬学的組成物。
  17. 前記薬学的組成物がスクアレンベースの水中油型ナノエマルジョンである、請求項14~16のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  18. 前記薬学的組成物がリポソーム製剤である、請求項14または15に記載の薬学的組成物。
  19. 免疫応答の刺激を必要とする哺乳動物被験体において免疫応答を刺激するための、請求項14~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  20. 抗原特異的抗体応答および/または抗原特異的T細胞応答の誘導を必要とする哺乳動物被験体において抗原特異的抗体応答および/または抗原特異的T細胞応答を誘導するための、請求項14~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  21. 感染症の処置を必要とする哺乳動物被験体において感染症を処置するための、請求項14~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  22. 感染症の予防を必要とする哺乳動物被験体において感染症を予防するための、請求項14~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  23. IgE関連障害の処置を必要とする哺乳動物被験体においてIgE関連障害を処置するための、請求項14~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  24. IgE関連障害の予防を必要とする哺乳動物被験体においてIgE関連障害を予防するための、請求項14~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  25. がんの処置を必要とする哺乳動物被験体においてがんを処置するための、請求項14~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  26. 前記薬学的組成物が腫瘍内注射によって投与される、請求項25に記載の薬学的組成物。
  27. 前記薬学的組成物が第2の治療剤と組み合わせて前記被験体に投与されることを特徴とする、請求項25または26に記載の薬学的組成物。
  28. 前記第2の治療剤が化学療法剤である、請求項27に記載の薬学的組成物。
  29. 前記第2の治療剤が、阻害性免疫チェックポイント分子のアンタゴニストである、請求項27に記載の薬学的組成物。
  30. 前記第2の治療剤がエピジェネティック調節剤である、請求項27に記載の薬学的組成物。
  31. 前記第2の治療剤が免疫原性細胞死の誘導物質である、請求項27に記載の薬学的組成物。
  32. 前記阻害性免疫チェックポイント分子が、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4(CD152)、LAG-3、TIM-3、TIGIT、IL-10、TGF-ベータ、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、およびP-セレクチン糖たんぱく質リガンド-1(PSGL-1)からなる群より選択される、請求項29に記載の薬学的組成物。
  33. 前記第2の治療剤が、免疫刺激分子のアゴニストである、請求項27に記載の薬学的組成物。
  34. 前記免疫刺激分子が、CD27、CD40、OX40(CD134)、GITR、4-1BB(CD137)、CD28およびICOS(CD278)からなる群より選択される、請求項33に記載の薬学的組成物。
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