JP7383196B2 - ロープ検査装置及びロープ検査方法 - Google Patents
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Description
ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記信号処理装置は、
第1のモードにおいて、前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から参照画像を生成し、
第2のモードにおいて、
前記複数の単位領域の各々内での検知の結果に基づいて生成された前記検出信号及び前記繊維画像に基づく欠陥の有無の判定を行い、
欠陥があるとの判定をしたときは、前記参照画像のうちの、欠陥があるとの判定に用いられた繊維画像又は欠陥があるとの判定に用いられた検出信号と同じ単位領域での検知の結果から生成された繊維画像に合致する部分を特定し、前記合致する部分の位置を示す情報を、欠陥の位置を示す情報として出力する。
本開示の他の態様のロープ検査装置は、
ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記検出器は、前記交流磁場として複数の周波数のうちの選択された周波数の交流磁場を印加することができ、
第1のモードにおいて、前記信号処理装置は、
前記複数の周波数の各々についての参照画像を生成し、
各周波数についての参照画像を、当該周波数が選択されているときに前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から生成し、
第2のモードにおいて、
前記ロープ検査装置は、前記複数の周波数の各々を用いた検査を行い、
各周波数を用いた検査において、
前記検出器は、当該周波数の交流磁場が印加されたときの渦電流を検知し、
前記信号処理装置は、
前記検出器で検知された渦電流から前記検出信号及び前記繊維画像を生成し、
前記検出信号及び前記繊維画像に基づく欠陥の有無の判定を行い、
欠陥があると判定した場合には、当該周波数についての参照画像のうちの、当該繊維画像又は当該検出信号と同じ単位領域での検知の結果から生成された繊維画像に合致する部分を特定し、
前記合致する部分の位置を示す情報を、欠陥の位置を示す情報として出力する。
本開示のさらに他の態様のロープ検査装置は、
ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記検出器は、少なくとも一つの検出素子を有し、
前記少なくとも一つの検出素子は複数のサブ素子を有し、
前記複数のサブ素子は、前記検出器が前記ロープに対向するように設置されたときに、前記CFRPに対向し、前記CFRPからの距離が互いに異なるように配置され、各々選択されたときに、前記CFRPの対向する位置で渦電流を検知し、
第1のモードにおいて、前記信号処理装置は、
前記複数のサブ素子の各々についての参照画像を生成し、
各サブ素子についての参照画像を、当該サブ素子が選択されているときに前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から生成し、
第2のモードにおいて、
前記複数のサブ素子のうちの一つのサブ素子が選択され、
前記信号処理装置は、
選択されたサブ素子での渦電流の検知の結果に基づいて前記検出信号及び前記繊維画像の生成を行い、
前記複数の参照画像のうちの、生成された繊維画像に合致する部分を、比較用画像として取得し、
前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果と、前記繊維画像と前記比較用画像との比較の結果とに基づいて、欠陥の有無を判定する。
本開示のさらに他の態様のロープ検査装置は、
ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記検出器は、前記交流磁場として複数の周波数のうちの選択された周波数の交流磁場を印加することができ、
前記検出器は、少なくとも一つの検出素子を有し、
前記少なくとも一つの検出素子は、複数のサブ素子を有し、
前記複数のサブ素子は、前記検出器が前記ロープに対向するように設置されたときに、前記CFRPに対向し、前記CFRPからの距離が互いに異なるように配置され、各々選択されたときに、前記CFRPの対向する位置で渦電流を検知し、
第1のモードにおいて、前記信号処理装置は、
前記複数のサブ素子と複数の周波数との複数の組合せの各々についての参照画像を生成し、
各組合せについての参照画像を、当該組合せを構成する周波数及びサブ素子が選択されているときに前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から生成し、
第2のモードにおいて、
前記複数のサブ素子のうちの一つのサブ素子が選択され、前記複数の周波数が順次選択され、
前記信号処理装置は、
各周波数が選択されているときに、選択されたサブ素子での渦電流の検知の結果に基づいて前記検出信号及び前記繊維画像の生成を行い、
生成された繊維画像と同じ周波数を用いて生成された前記複数の参照画像のうちの、生成された繊維画像に合致する部分を、比較用画像として取得し、
前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果と、前記繊維画像と前記比較用画像との比較の結果とに基づいて、欠陥の有無を判定する。
以下、実施の形態1のロープ検査装置及びロープ検査方法について説明する。
図1(a)は実施の形態1のロープ検査装置及びロープ検査方法の検査対象となるベルト状のロープ100の一例を示す。図1(a)において、Lはロープ100の長さ方向、Wはロープ100の幅方向、Tはロープ100の厚さ方向に対応している。図示のように、ロープ100は、横断面が矩形状であり、該矩形の一方(W方向)の辺が、他方(T方向)の辺よりも長い。以下では、ロープ100のL方向及びW方向に延在する面101を主表面と言う。
炭素繊維114はL方向に延在しており、図1(b)に示すように、樹脂材115中に分布している。分布は均一とは限らず、図示の如く不均一となる場合もある。
検査がエレベータの運用中に行われる場合には、例えばカゴの動きに伴い、ロープが動いている時に行われても良い。
以下では主にエレベータの運用中に行われる場合を想定して説明する。
図示のロープ検査装置1は、検出器200と、信号源280と、信号処理装置300とを有し、信号処理装置300は出力装置400に接続されている。
以下では、検出器200がロープ100の主表面101に対向するように設置されるものとする。
検知された渦電流を表す渦電流信号Aは信号処理装置300に入力される。
一例として、ロープ検査装置1がエレベータの運用中に検査を行うものであって、0.1mmの破断を検出することが求められる場合を想定する。その場合、50m/minで移動する中速のエレベータでは、励磁信号Hの周波数は、10kHz以上である必要があり、1000m/minで移動する超高速のエレベータでは、励磁信号Hの周波数は、200kHz以上である必要がある。
渦電流信号Aは、CFRP110の異なる測定ラインでの渦電流検知が行われる度に入力される。
これらの測定ラインは、L方向の互いに異なる位置にあり、CFRP110のW方向の一方の縁から他方の縁まで延びている。
各測定ライン上の、W方向の互いに異なる複数の位置(検知点)において、一次元アレイ202を構成する複数の検出素子210によって同時に渦電流が検知される。
以上のように検出信号Bは、渦電流信号Aに対して補正などの処理を加えることで生成されるものであるが、渦電流信号Aと同じく渦電流の強度を表すものであると言える。
この画像Cは、CFRP110の炭素繊維の状態を表すものであるので、本書では繊維画像と呼ばれる。
Nfラインの検出信号Bで1フレームの繊維画像Cが生成されるので、Nfラインの検出信号Bを1フレーム分の検出信号Bと言う。
図5(a)に示される例では、隣り合う単位領域(そのL方向寸法がLhで示される領域)が、互いに重ならず、かつ相互間に隙間がない。
その場合、1フレームの繊維画像Cの生成のための渦電流の検知が開始されてから、次のフレームの繊維画像Cの生成のための渦電流の検知が開始されるまでに、検出器200がロープ100に対して移動する距離は、上記の単位領域のL方向寸法Lhに等しい。
上記のように検出信号Bは渦電流の強度を表すものであるので、各繊維画像Cは、各単位領域内での検知で得られた、渦電流の強度の分布を表すものであると言える。但し、より正確には、各繊維画像Cは、渦電流信号評価部302による補正等が加えられた渦電流の強度を表すものである。
以下では、各画素の明度即ち濃淡で渦電流の強度が表されるものとする。
繊維画像のW方向に並んだ複数の画素により一つの列が構成される。各列は、CFRP110の各測定ラインでの検知の結果に基づいて生成された検出信号Bに対応する。
ここでいう欠陥には、破断、剥離、縦割れが含まれる。
閾値判定においては、検出信号Bと閾値との比較を行い、検出信号Bが閾値よりも大きければ、欠陥があるとの判定をする。
画像認識においては、例えば予め定められたパターンに類似のパターンが現れれば、欠陥があるとの判定をする。
なお、図5(d)は、L方向に延在する線状の部分に沿っての検出信号Bの変化を示しているが、必ずしも図5(d)に示される信号が生成されることを意味しない。図5(b)及び(c)に例示される各測定ラインの検出信号Bの閾値判定をすべての測定ラインについて行えば、図5(d)に示される閾値を超える部分の検出は行える。
炭素繊維の密度が均一で、欠陥等がなければ、検出信号Bは一定である。実際のCFRP110はロープの製造中の、諸過程、例えば、CFRPシートの作製過程、成型過程、長尺化過程のいずれかおいて炭素繊維のよれが発生し、炭素繊維の密度が不均一となり、このため、検出信号BがW方向の位置によって異なるものとなることがある。
例えば、炭素繊維が密な場合は渦電流が多く流れるため、検出信号Bは大きくなり、繊維画像Cの対応する部分は明るくなる。一方、炭素繊維の密度が低い場合及び縦割れが生じている場合に、渦電流が流れにくくなり、このため、検出信号Bは小さくなり、繊維画像Cの対応する部分は暗くなる。
例えば、繊維画像C中に、L方向に延びた、暗い筋状の部分があれば、縦割れが存在すると推定することができる。
各単位領域についての検査においては、当該単位領域内で検知された渦電流から生成された検出信号Bと繊維画像Cとに基づいて当該領域内に欠陥があるか否かの判定が行われる。
以下では、検出器200が固定され、ロープ100が移動しており、ロープ100の移動に伴い、CFRP110のL方向の互いに異なる複数の位置で(当該位置にある測定ラインで)渦電流の検知が行われるものとする。
画像処理部304は、生成された検出信号Bを取得し、内部に蓄積する。
ステップST112において、欠陥判定部306が、検出信号Bの閾値判定と繊維画像Cの画像認識とから欠陥の有無を判定する。
ステップST114において、欠陥判定部306は、欠陥情報Dを出力装置400に通知する。
ステップST114の次にステップST103に進む。
ステップST104では、ロープ100に対して検出器200が1ライン分移動するのを待って、ステップST101に戻る。
また、ロープ100の全長のうちの一部のみを検査する場合、該検査すべき部分の終端に達したら、処理が終了される。
そのようにする場合には、1フレームの繊維画像Cの生成のための渦電流の検知の開始から、次のフレームの繊維画像Cの生成のための渦電流の検知の開始までに、ロープ100に対して検出器200が移動する距離を、上記の長さLhよりも短くすれば良い。
図2に示されるロープ検査装置では、複数の検出素子210に対して共通の信号源280が設けられている。代わりに、検出素子210の各々が信号源を有する構成であっても良い。例えば、検出素子210の各々が図7に示すように構成されていても良い。
検出素子210の各々が図7に示されるように構成されている場合には、図2に示される、共通の信号源280は不要である。
上記の例では、検出信号Bの強度をマッピングすることで得られた繊維画像Cに対する画像認識を行うことで、欠陥の有無を判定している。
代わりに、繊維画像Cに対し、FFT(高速フーリエ変換)を行い、高周波数成分を除去するフィルタリングを行い、IFFT(逆高速フーリエ変換)を行うことで得られる画像に対する画像認識を行うこととしても良い。
このような処理を行えば、繊維画像C中のノイズを除去することができ、検出しようとしている欠陥による信号の変化を観察し易くなる。また、データ量の削減の効果もある。
図8(a)は、検出信号Bの強度をマッピングすることで得られる繊維画像Cの一例(符号C-1で表す)を示す。図8(a)及び後述の図8(d)及び図8(e)において、画像の明るい部分は、渦電流が多く流れた部分である。図8(a)において、L方向に延びた筋が見られ、炭素繊維に対応した画像が得られていることが分かる。しかし、画像は全体的にコントラストが低く、炭素繊維の状態が不明瞭である。
図8(b)の画像において、縦方向に明るい色の筋が延びている。この筋のうちの、画像の中心から離れた部分は、高周波数のノイズ成分に対応する。
図8(e)では、中央付近に横方向に延びた黒い帯が確認される。これは渦電流が流れていない部分、つまり縦割れに対応している。
図8(e)の中央上部には2つの黒い点がみられる。これらは疲労試験時に生じた内部の欠陥と考えられる。なお、これらの欠陥は、目視では確認されなかったものである。このように、画質改善の結果を利用することで、目視では確認できない欠陥の検出を行うことができる。
図2のロープ検査装置1では、図3(a)に示される検出器200が用いられている。図3(a)に示される検出器200の代わりに、図3(b)に示される検出器200bを用いることも可能である。図3(b)は、検出器200bを、検査対象であるロープ100とともに示す。
検出素子210は、検出器200bがロープ100に、従ってCFRP110に対向するように設置されたとき、CFRP110に対向するように設けられ、CFRP110の対向する位置(当該位置にある検知点)における渦電流を検知して渦電流信号Aを出力する。
アクチュエータ215は、渦電流検知の際、検出素子210をW方向に移動させることで、検出素子210をCFRP110のW方向の互いに異なる複数の位置で、CFRP110に順次対向させることができる。
画像処理部304は、渦電流信号評価部302から順次出力されるそれぞれの測定ラインの検出信号Bを蓄積し、Nfラインの検出信号Bに基づいて繊維画像Cを生成する。
上記以外の処理は、実施の形態1で説明したのと同様である。
上記の検出器200及び200bの代わりに図3(c)に示される検出器200cを用いることも可能である。図3(c)は、検出器200cを、検査対象であるロープ100とともに示す。
二次元アレイ204を構成する検出素子210は、互いに直交する方向、即ちU方向及びV方向の互いに異なる複数の位置に、かつU方向及びV方向に整列するように配置されている。
渦電流検知の際には検出器200cは、U方向がL方向に一致し、V方向がW方向に一致するように設置される。即ち、検出器200cは、二次元アレイ204を構成する複数の検出素子210が、CFRP110のL方向及びW方向の互いに異なる複数の位置において、CFRP110に対向するように設置され、その状態で、検出素子210は、各々CFRP110の対向する位置における渦電流を検知して渦電流信号Aを出力する。この場合、二次元アレイ204を構成する複数の検出素子210によって渦電流の検知が行われるそれぞれの検知点の集合によって1つの単位領域が構成される。
繊維画像CのW方向及びL方向の分解能は、それぞれ検出素子210のV方向及びU方向の配置の間隔で決まる。
即ち、図9に示すようにある単位領域で、1フレームの繊維画像C(n)の生成のための渦電流信号Aを生成したら、ロープ100に対して検出器200cを長さLhだけ移動させ、次のフレームの繊維画像C(n+1)の生成のための渦電流信号Aを生成する。以下同様の処理を繰り返す。
また、欠陥の検出の精度の向上が可能となる。
図3(a)に示される検出器200及び図3(c)に示される検出器200cは、複数の検出素子210を有し、各検出素子210が1個の励磁コイル220と1個の検知器230とを有する。
検出器200を構成する複数の検出素子210の各々が1個の励磁コイル220を有するとともに、互いに隣接し或いは連続して配置された2以上の励磁コイル220に対して1個の検知器230が共通に設けられている構成であっても良い。例えば、検出器200を構成する複数の検出素子210を、それぞれ隣接し或いは連続して配置されている2以上の検出素子から成る複数の群に分け、各群に属する2以上の検出素子210は、それぞれ励磁コイル220を有するとともに、共通の1個の検知器230を有する構成であってもよい。例えば、検知器230のサイズ(特にロープ100に対向したときのL方向及びW方向のサイズ)を励磁コイル220と同程度に小さくすることができない場合に、このように構成を採用するのが良い場合がある。
図10は、実施の形態2のロープ検査装置1bを示す。実施の形態2のロープ検査装置1bの全体的構成は、図2に示されるロープ検査装置1と同じである。実施の形態2のロープ検査装置1bは、図2の信号処理装置300の代わりに信号処理装置300bを備えている。
画像処理部304b及び欠陥判定部306bは、図2の画像処理部304及び欠陥判定部306と同様のものであるが、以下の説明から明らかとなる違いがある。
例えば、CFRP110のL方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある単位領域の各々における検出器200による渦電流信号Aの出力、渦電流信号評価部302による検出信号Bの生成、及び画像処理部304bによる1フレームの繊維画像Cの生成が行われ、複数の単位領域での検知の結果に基づいて生成された複数フレームの繊維画像Cを参照画像記録部312で互いに連結することで参照画像Eを生成する。生成された参照画像Eは参照画像記録部312に記録される。
以上の処理が行われるときの信号及び画像データの流れが図10に矢印付きの点線で示されている。
第2のモードでの処理が行われるときの信号及び画像データの流れが、図10に矢印付きの実線で示されている。
欠陥判定部306bは、欠陥があるとの判定をしたときは、欠陥情報Dを位置特定部314に通知する。
即ち、位置特定部314は、欠陥位置の繊維画像Cを、参照画像記録部312に記録されている参照画像Eと比較し、参照画像Eのうちの、欠陥位置の繊維画像Cに合致する部分を特定する。例えば、類似度が閾値以上であれば、合致するとの判定をする。
ここで欠陥位置の繊維画像Cとは、欠陥があるとの判定に用いられた繊維画像C又は欠陥があるとの判定に用いられた検出信号Bに対応する繊維画像Cを意味する。
欠陥があるとの判定に用いられた検出信号Bに対応する繊維画像Cとは、当該検出信号Bから生成された繊維画像C、従って、当該検出信号Bと同じ単位領域での検知の結果から生成された繊維画像Cを意味する。
参照画像のW方向の画素の数は、一次元アレイ202の検出素子210の数に等しい。参照画像のL方向の画素の数は、ロープ100の全長、従ってCFRP110の全長に亘る測定ラインの数に等しい。参照画像のW方向に並んだ複数の画素により一つの列が構成される。各列は、CFRP110の各測定ラインで検知された渦電流の強度(各測定ラインでの検知で生成された検出信号B)に対応する。
ここではロープ100の全長に亘り連続した参照画像Eを生成する場合を想定している。この場合、ロープ100の一端に検出器200が対向している状態で、図12の処理が開始される。
参照画像記録部312に最初の1フレームの繊維画像Cが供給されたときは、供給された繊維画像Cのみで参照画像Eが形成される。すでに参照画像Eが形成されている状態で、新たに繊維画像Cが供給されると、すでに形成されている参照画像Eの末尾に、新たに供給された繊維画像Cが連結され、参照画像Eが拡張されてより長いものとなる。
ステップST211の次にステップST103に進む。
ここではロープ100の全長に亘る参照画像Eを生成する場合を想定しているので、処理を続けるか否は、検出器200がロープ100の他端に対向する状態になったか否かで判断される。
図13で、ステップST101、ST102、ST111、ST112、ST113、ST103、及びST104は、図6のステップST101、ST102、ST111、ST112、ST113、ST103、及びST104と同じである。
ステップST122において、位置特定部314は、合致した部分についての位置情報Faを欠陥位置情報Fbとして取得し、欠陥位置情報Fbを欠陥判定部306bに通知する。
ステップST114bにおいて、欠陥判定部306bは、欠陥情報Dと欠陥位置情報Fbとを出力装置400に通知する。
欠陥の位置を特定することができるので、ロープ100に予めマーカを付けておくことも、別途位置検出器を用いることも不要である。
代わりに、渦電流信号評価部302で1ラインの検出信号Bが生成される毎に、該1ラインの検出信号Bを参照画像記録部312に供給し、順次供給されるそれぞれのラインの検出信号Bを蓄積することで、参照画像Eを生成することしても良い。即ち、第1のモードでは、画像処理部304bで1フレームの繊維画像Cを生成せず、渦電流信号評価部302で生成される各ラインの検出信号Bを参照画像記録部312に供給し、順次供給されれる複数ラインの検出信号Bで参照画像Eを生成することとしても良い。この場合、最初の1ラインの検出信号Bが供給されたときは、供給された検出信号Bのみで参照画像Eを形成し、すでに参照画像Eが形成されている状態で新たに検出信号Bが供給されたら、すでに形成されている参照画像Eの末尾に、新たに供給された1ラインの検出信号Bを連結することとしても良い。
図14は、実施の形態3に係るロープ検査装置1cを示す。図14に示されるロープ検査装置1cの全体的構成は、図2に示されるロープ検査装置1と同じである。但し、図2の検出器200、信号源280、信号処理装置300の代わりに検出器200c、信号源280c、及び信号処理装置300cが設けられている。
渦電流信号評価部302c、画像処理部304c及び欠陥判定部306cは、図2の渦電流信号評価部302、画像処理部304及び欠陥判定部306と同様のものであるが、以下の説明から明らかとなる違いがある。
検出器200cが、実施の形態1の変形例5で記載した構成のものである場合にも、、二次元アレイ204を構成する複数の検出素子210で一度ずつ渦電流の検知を行うことで、各単位領域の全体で渦電流の検知を行うことができ、検出器200cからは、検知された渦電流の強度を表す1フレーム分の渦電流信号Aを得ることができる。
信号源280cとしては、周波数可変の電流源又は電圧源、或いはファンクションジェネレーターを用いることができる。
例えば、信号源280cは、互いに異なる複数の周波数、例えば、第1乃至第M(Mは2以上の整数)の周波数f1~fMの励磁信号H1~HMを順に選択して出力する。以下では、Mが4であるものとする。
信号源280cが、複数の周波数のうちの選択された周波数の励磁信号Hmを供給することができるので、検出器200cは、複数の周波数のうちの選択された周波数の交流磁場を印加することができると言える。
各周波数fmの励磁信号Hmが出力されている間に、検出器200cが対向している単位領域内で渦電流の検知を行い、1フレーム分の渦電流信号Amを出力する。
信号処理装置300cは、検出器200cから出力された1フレーム分の渦電流信号Amに基づいて、1フレーム分の検出信号Bm及び1フレームの繊維画像Cmを生成する。
全ての周波数について、上記の一連の処理が終わったら、ロープ100に対して検出器200cを1フレーム分移動させる。
例えば、複数の周波数について順に閾値判定及び画像認識を行い、いずれかの周波数についての閾値判定又は画像認識の結果欠陥があると判定されたら、その時点で、当該単位領域についての処理を終了し、他の周波数については処理を行わないこととしても良い。
導体に交流電流を流す場合、交流電流の周波数の増加とともに、電流が流れる範囲は表面により近い範囲に限定されるようなる。これは表皮効果による。電流の大部分が流れる範囲の深さDsは、表皮深さと呼ばれる。
図15(a)はCFRP110における表皮深さDsを示す。表皮深さDsは式(1)で表される。
式(1)で、fは電流の周波数、μrはCFRP110の比透磁率、μ0は真空の透磁率、σはCFRP110の導電率である。
例えば、CFRP110の厚さが1mmである場合、一方の面から0.5mmまで、他方の面から0.5mmまでが渦電流の流れる範囲(表皮深さ)とするには、励磁信号の周波数を10GHzとすれば良い。表面部分に限ってより精密な検査結果を得るには、10GHzよりも高い周波数の励磁信号を用いれば良い。
励磁周波数fが低いと、T方向の全体にわたって渦電流が流れるため、CFRP110の、より深い部分までの状態を反映した繊維画像Cが得られる。
一方、励磁周波数fが高いほど、CFRP110の、より浅い部分のみの状態を反映した画像が得られる。この画像は、浅い部分については、励磁周波数fがより低い場合に比べてよりコントラストが高いものとなる。逆に言えば、励磁周波数fが低い場合は、より深い部分までの状態を反映した画像が得られるが、コントラストが比較的低く、浅い部分に欠陥があっても、より深い部分の影響を受けて、該欠陥の検出ができない場合がある。
例えばロープ100の全長に亘り検査を行う場合、ロープ100の一端に検出器200cが対向している状態で、図16の処理が開始される。ロープ100の全長のうちの一部のみを検査する場合、該検査すべき部分の始端に検出器200cが対向している状態で、図16の処理が開始される。
信号源280cは、選択した周波数fmの励磁信号Hmを検出器200cに供給するとともに、選択した周波数fmの参照信号Imを出力する。
即ち、検出器200cが1フレーム分の渦電流信号Amを出力し、渦電流信号評価部302cが1フレーム分の渦電流信号Amの取得及び1フレーム分の検出信号Bmの生成を行い、画像処理部304cが1フレーム分の検出信号Bmの取得及び繊維画像Cmの生成を行う。
ステップST305において、ステップST304での判定結果がNOであればステップST306に進み、YESであればステップST308に進む。
ステップST306でNOであるためにステップST302に戻った場合には、次の周波数が選択される。次の周波数とは、直前にステップST302の処理が行われたときに選択された周波数の次の周波数である。
例えばロープ100の全長について検査を行う場合であって、ロープ100の一端で処理が開始された場合、ロープ100の他端に達したら、処理が終了される。また、ロープ100の全長のうちの一部のみを検査する場合、該検査すべき部分の終端に達したら、処理が終了される。
ステップST310で、ロープ100に対して検出器200cが1フレーム分移動するのを待って、ステップST302に戻る。ステップST310を経てステップST302に戻った場合には、最初の周波数f1が選択される。
即ち、信号源280cで異なる周波数を設定し、周波数を切替えることで異なる深さの部分についての欠陥に関するより精細な情報を得ることができ、欠陥の検出の精度が向上する。
その場合の動作は例えば以下のようになる。
ロープ100に対する検出器200のL方向での対向位置を変化させながら、それぞれの測定ラインについて上記の処理、即ち渦電流信号A1~AM及び検出信号B1~BMの生成をNf回繰り返す。これにより、それぞれ1フレーム分の渦電流信号A1~AM及び検出信号B1~BMが順次生成される。生成された1フレーム分の検出信号B1~BMからそれぞれ1フレームの繊維画像C1~CMを生成する。
即ち、1つの周波数fmが選択されている状態で、ロープ100に対する検出器200のL方向での対向位置を変化させながら、1ライン分の渦電流信号Am及び検出信号Bmの生成をNf回繰り返す。これにより、1フレーム分の渦電流信号Am及び検出信号Bmが生成される。生成された1フレーム分の検出信号Bmから1フレームの繊維画像Cmを生成する。その後、ロープ100に対する検出器200のL方向での対向位置を元の位置に戻す。以上の処理をM回繰り返す(それによりM個の繊維画像C1~CMを得る)。
その場合の動作は例えば以下のようになる。
ロープ100に対する検出素子210のW方向及びL方向での対向位置を変えながら、1フレームを構成する全ての検知点について上記の処理、即ち渦電流信号A1~AM及び検出信号B1~BMの生成を行う。これにより、それぞれ1フレーム分の渦電流信号A1~AM及び1フレーム分の検出信号B1~BMが生成される。そして生成された1フレーム分の検出信号B1~BMからそれぞれ1フレームの繊維画像C1~CMを生成する。
即ち、1つの周波数fmが選択されている状態で、ロープ100に対する検出素子210のW方向及びL方向での対向位置(検知点)を変えながら、各検知点の渦電流信号Am及び検出信号Bmの生成及び取得を、1フレームを構成する全ての検知点について行う。これにより、1フレーム分の渦電流信号Am及び1フレーム分の検出信号Bmが生成される。生成された1フレーム分の検出信号Bmから1フレームの繊維画像Cmを生成する。その後、ロープ100に対する検出素子210のW方向及びL方向での対向位置を元の位置に戻す。以上の処理をM回繰り返す(それによりM個の繊維画像C1~CMを得る)。
図17は、実施の形態4のロープ検査装置1dを示す。実施の形態4のロープ検査装置1dの全体的構成は、図14に示されるロープ検査装置1cと同じである。実施の形態4のロープ検査装置1dは、図14の信号処理装置300cの代わりに信号処理装置300dを備えている。
参照画像記録部312d及び位置特定部314dは図10の参照画像記録部312及び位置特定部314と同様のものであるが、以下の説明から明らかとなる違いがある。
第1のモードでは、複数の周波数f1~f4についての参照画像E1~E4を生成する。例えば、複数の周波数f1~f4を順に選択し、各周波数fmについての参照画像Emの生成を行なう。各周波数fmについての参照画像Emは、当該周波数fmが選択されているときにCFRP110のL方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から生成される。
全ての周波数について、上記の一連の処理が終わったら、ロープ100に対して検出器200cを1フレーム分移動させる。
例えば、上記の処理は、ロープ100の全長に亘って行われ、ロープ100の全長に亘り連続した参照画像Emが生成される。
第2のモードでは、複数の周波数の各々を用いた検査が行われる。
各周波数を用いた検査において、信号源280cは、当該周波数の励磁信号Hmを検出器200cに供給し、検出器200cは、当該周波数の交流磁場を印加することで、渦電流信号Amを出力し、信号処理装置300dは、検出器200cが出力した渦電流信号Amから検出信号Bm及び繊維画像Cmを生成する。
但し、欠陥判定部306dは欠陥情報Dを位置特定部314dに送る。欠陥判定部306dはまた、位置特定部314dから欠陥位置情報Fbを受けて、欠陥情報Dとともに欠陥位置情報Fbを出力する。
即ち、位置特定部314dは、参照画像記録部312dに記録されている参照画像E1~E4のうちの、欠陥があるとの判定に用いられた繊維画像Cm又は欠陥があるとの判定に用いられた検出信号Bmと同じ周波数fmを用いて生成された参照画像Emを選択し、選択された参照画像Emのうち、欠陥位置の繊維画像Cmに合致する部分を特定する。例えば、類似度が閾値以上であれば、合致するとの判定をする。
欠陥があるとの判定に用いられた検出信号Bmに対応する繊維画像Cmとは、当該検出信号Bmから生成された繊維画像Cm、従って、当該検出信号Bmと同じ単位領域での検知の結果から生成された繊維画像Cmを意味する。
欠陥があるとの判定に用いられた繊維画像Cm又は欠陥があるとの判定に用いられた検出信号Bmと同じ周波数fmを用いて生成された参照画像Emとは、当該繊維画像Cm又は当該検出信号Bmの生成に用いられた渦電流信号Amを取得する際に選択されていた周波数と同じ周波数が選択されているときに取得された渦電流信号Amから生成された参照画像Emを意味する。
位置特定部314dは、合致すると特定した部分の位置を示す情報Faを、欠陥位置情報Fbとして取得し、欠陥位置情報Fbを欠陥判定部306dに伝える。
ここではロープ100の全長に亘り連続した参照画像を生成する場合を想定している。この場合、ロープ100の一端に検出器200cが対向している状態で、図18の処理が開始される。
参照画像記録部312dに、各周波数fmに関し、最初の1フレームの繊維画像Cmが供給されたときは、供給された繊維画像Cmのみで参照画像Emが形成される。すでに参照画像Emが形成されている状態で、新たに繊維画像Cmが供給されると、すでに形成されている参照画像Emの末尾に、新たに供給された繊維画像Cmが連結され、参照画像Emが拡張されてより長いものとなる。
ステップST211dの次にステップST306に進む。
図19で、ステップST301、ST302、ST303、ST304、ST305、ST306、ST309、及びST310は、図16のステップST301、ST302、ST303、ST304、ST305、ST306、ST309、及びST310と同じである。
ステップST122dにおいて、位置特定部314dは、合致した部分についての位置情報Faを欠陥位置情報Fbとして取得し、欠陥位置情報Fbを欠陥判定部306dに通知する。
ステップST308dにおいて、欠陥判定部306dは、欠陥情報Dと欠陥位置情報Fbとを出力装置400に通知する。
即ち、第1のモードで互いに異なる複数の周波数f1~f4を用いて複数の参照画像E1~E4を生成して保存し、第2のモードで、欠陥があるとの判定がされた場合に、当該判定に用いられた繊維画像Cm又は検出信号Bmと同じ周波数fmを用いて生成された参照画像Emのうちの、当該繊維画像Cmに合致する部分を特定して、欠陥位置情報Fbを取得するので、欠陥位置情報Fbの精度を向上できる。
図20は、実施の形態5に係るロープ検査装置1eを示す。実施の形態5のロープ検査装置1eの全体的構成は、図17に示されるロープ検査装置1dと同じである。しかし、以下の点で異なる。
まず、検出器200c、信号源280c及び信号処理装置300cの代わりに、検出器200e、信号源280e及び信号処理装置300eが設けられている。
各サブ素子は、検出器200eがロープ100に、従ってCFRP110に対向するように設置されたときに、CFRP110に対向するように設けられており、CFRP110の対向する位置における渦電流を検知する。
第1のモードでは、複数の周波数f1~f4と複数のサブ素子212a~212cの組合せの各々についての参照画像E(m,q)を生成する。
信号源280eは、第1乃至第4の周波数f1~f4を順次選択し、選択した周波数fmの励磁信号Hm(m=1、2、3又は4)を、選択されているサブ素子212qに供給する。
検出信号B、繊維画像C、参照画像Eについても同様である。
複数の周波数f1~f4が順次選択される結果、検出素子210eからは、サブ素子212aによる渦電流信号A(1,a)、A(2,a)、A(3,a)、A(4,a)、サブ素子212bによる渦電流信号A(1,b)、A(2,b)、A(3,b)、A(4,b)、サブ素子212cによる渦電流信号A(1,c)、A(2,c)、A(3,c)、A(4,c)が順次出力される。
周波数fmが選択されているときは、周波数fmの参照信号Imが供給されているので、渦電流信号評価部302eは、参照信号Imに基づいて、渦電流信号A(m,q)のうちの、周波数fmの成分を抽出して、検出信号B(m,q)を生成する。
上記の処理が複数の周波数f1~f4と複数のサブ素子212a~212cの組合せの各々について行われる。
即ち、第mの周波数fmが選択されているときにサブ素子212qから出力された渦電流信号A(m,q)に対応する検出信号B(m,q)に基づいて繊維画像C(m,q)を生成する。
選択される周波数と選択されるサブ素子の組合せは12個であるので、12個の繊維画像C(1,a)~C(4,c)が生成される。
上記の処理を複数の単位領域で順次行うことで、周波数とサブ素子との12個の組合せの各々についての複数フレームの繊維画像C(1,a)~C(4,c)が生成される。
画像処理部304eで各単位領域について12個の繊維画像C(1,a)~C(4,c)が生成されることに対応して、参照画像記録部312eでは12個の参照画像E(1,a)~E(4,c)が記憶される。
画像処理部304eで生成された繊維画像C(1,a)~C(4,c)は、それぞれ参照画像記録部312eに、参照画像E(1,a)~E(4,c)の一部として、参照画像E(1,a)~E(4,c)の末尾に連結される。
繊維画像C(1,a)~E(4,c)の各々C(m,q)が、最初に生成されたときは、該繊維画像が参照画像E(m,q)として記録される。
第2のモードでは、第1乃至第3のサブ素子212a、212b、212cのうちのいずれか一つ、例えば第1のサブ素子212aのみが用いられる。
信号源280eは、第1乃至第4の周波数f1~f4を順次選択し、選択した周波数fmの励磁信号Hm(m=1、2、3又は4)を、上記の一つのサブ素子212aに供給する。
複数の周波数f1~f4が順次選択される結果、検出素子210eからは、サブ素子212aによる渦電流信号A(1,a)、A(2,a)、A(3,a)、A(4,a)が順次出力される。
周波数fmが選択されているときは、周波数fmの参照信号Imが供給されているので、渦電流信号評価部302eは、参照信号Imに基づいて、渦電流信号A(m,a)のうちの、周波数fmの成分を抽出して、検出信号B(m,a)を生成する。
上記の処理が複数の周波数f1~f4の各々について行われる。
即ち、第mの周波数fmが選択されているときにサブ素子212aから出力された渦電流信号A(m,a)に対応する検出信号B(m,a)に基づいて繊維画像C(m,a)を生成する。
選択される周波数fmは4個であるので、4個の繊維画像C(1,a)~C(4,a)が生成される。
これらの処理において、類似度が閾値以上であることを付加条件としても良い。
位置特定部314eは、合致する部分J(m,p)を比較用画像として取得する。
取得された比較用画像J(m,p)と位置情報Faとは欠陥判定部306eに送られる。
繊維画像C(m,a)と比較用画像J(m,p)との比較においては、対応する画素値の比較を行っても良く、それぞれの画像認識の結果の比較を行っても良い。
ここで言う欠陥判定に用いられた比較用画像J(m,p)は、欠陥があるとの判定に用いられた繊維画像C(m,a)又は欠陥があるとの判定に用いられた検出信号B(m,a)に対応する繊維画像C(m,a)に合致するとして取得された比較用画像である。
例えば、複数の周波数及び複数のサブ素子について順に閾値判定及び画像認識を行い、いずれかの周波数又はいずれかのサブ素子についての閾値判定又は画像認識の結果欠陥があると判定されたら、その時点で、当該単位領域についての処理を終了しても良い。
各周波数fmが選択されているときに、信号処理装置300eは、検出信号B(m,a)及び繊維画像C(m,a)の生成を行う。信号処理装置300eは、生成された繊維画像C(m,a)と同じ周波数を用いて生成された複数の参照画像E(m,a)~E(m,c)のうちの、生成された繊維画像C(m,a)に合致する部分を、比較用画像J(m,p)として取得し、検出信号B(m,a)に対する閾値判定の結果と、繊維画像C(m,a)に対する画像認識の結果と、繊維画像C(m,a)と比較用画像J(m,p)との比較の結果とに基づいて、欠陥の有無を判定する。
検出器200eを固定し、ロープ100を移動させて検査を行う場合、ロープ100が振動してロープ100と検出器200eとの距離、即ちギャップgが変動することがある。ギャップgが変化すると、渦電流信号Aが変化し、渦電流信号Aに由来する繊維画像Cが変化する。また、励磁信号の周波数が変化すると、繊維画像Cが変化する。
図22で縦軸はギャップgを表し、横軸は励磁周波数を表す。
図15(c)を参照して説明したように、励磁周波数が高いほど、繊維画像CはCFRP110の、表面111により近い部分の状態を反映したものとなる。
また、ギャップgがより大きくなると、渦電流信号Aがより小さくなり、繊維画像Cにおける炭素繊維に対応する帯状部分の形状が変化し、コントラストが低下する。
また、最も類似度が高い画像部分との比較の結果を欠陥の有無の判定にも用いている。このようにすることで、検査時のギャップの変動に対してロバストな欠陥検出を実現できる。
ここではロープ100の全長に亘り連続した参照画像を生成する場合を想定している。この場合、ロープ100の一端に検出器200eが対向している状態で、図23の処理が開始される。
即ち、検出器200eが、1フレーム分の渦電流信号A(m,q)を出力し、渦電流信号評価部302eは1フレーム分の渦電流信号A(m,q)の取得及び1フレーム分の検出信号B(m,q)の生成を行い、画像処理部304eは1フレーム分の検出信号B(m,q)の取得及び繊維画像C(m,q)の生成を行う。
参照画像記録部312eに、複数の周波数f1~f4と複数のサブ素子212a~212cとの組合せの各々について、最初の1フレームの繊維画像C(m,q)が供給されたときは、供給された繊維画像C(m,q)のみで参照画像E(m,q)が形成される。すでに参照画像E(m,q)が形成されている状態で、新たに繊維画像C(m,q)が供給されると、すでに形成されている参照画像E(m,q)の末尾に、新たに供給された繊維画像C(m,q)が連結され、参照画像E(m,q)が拡張されてより長いものとなる。
ステップST211eの次にステップST502に進む。
NOであれば、ステップST501に戻る。
ステップST502でNOであるためにステップST501に戻った場合には、次のサブ素子が選択される。
ステップST502でYESであれば、ステップST306に進む。
ステップST306でNOであるためにステップST302に戻った場合には、次の周波数が選択される。
図24で、ステップST301、ST302、ST305、ST306、ST309、及びST310は、図19のステップST301、ST302、ST305、ST306、ST309、及びST310と同じである。
また、図24のステップST303fは、図23のステップST303eに類似である。
即ち、検出器200eが1フレーム分の渦電流信号A(m,a)を出力し、渦電流信号評価部302eが1フレーム分の渦電流信号A(m,a)の取得及び1フレーム分の検出信号B(m,a)の生成を行い、画像処理部304eが1フレーム分の検出信号B(m,a)の取得及び繊維画像C(m,a)の生成を行う。
即ち、検出素子210がロープ100からの距離が互いに異なるように配置された複数のサブ素子212a~212cを有し、複数の異なるギャップga、gb、gcに対応する複数の参照画像を記録することで、検査時のギャップの変動に対してロバストな欠陥検出を実現できる。
例えば、各参照画像E(m,q)の生成に用いられた検出信号B(m,q)の大きさに基づいて、閾値を決定し、決定した閾値を、当該検出信号B(m,q)から生成された当該参照画像E(m,q)に関連付けて、記録しておく。
言い換えると、検出信号B(m,a)と閾値との比較に当たり、複数の参照画像E(m,a)、E(m,b)、E(m,c)のうちの、上記検出信号B(m,a)と同じ単位領域での検知の結果に基づいて生成された繊維画像C(m,a)、即ち上記検出信号B(m,a)と同じ単位領域での検知の結果に基づいて生成された繊維画像C(m,a)に合致する部分を含む参照画像E(m,p)に関連付けて記録されている閾値を用いることとしても良い。
以上の処理を行うことにより、検査実行中のギャップの変動による検出信号Bの変動にともなう欠陥の誤検出を防ぐことができる。
即ち、周波数の順次選択及びサブ素子の順次選択は、一次元アレイ202が一つの測定ラインに対向している間に行われても良い。
その場合の動作は例えば以下のようになる。
即ち、1つの周波数fmが選択され、1つのサブ素子212q(qはa、b又はc)が選択されている状態で、ロープ100に対する検出器200eaのL方向での対向位置を変化させながら、1ライン分の渦電流信号A(m,q)及び検出信号B(m,q)を生成する処理をNf回繰り返す。これにより、1フレーム分の渦電流信号A(m,q)及び検出信号B(m,q)が順次生成される。生成された1フレーム分の検出信号B(m,q)から1フレームの繊維画像C(m,q)を生成する。その後、ロープ100に対する検出器200eaのL方向での対向位置を元の位置に戻す。以上の処理を12回繰り返す(それにより、12個の繊維画像C(1,a)~C(4,c)を得る)。
即ち、周波数の順次選択及びサブ素子の順次選択は、検出素子210が一つの検知点に対向している間に行っても良い。
代わりに、1つの周波数fmが選択され、1つのサブ素子212q(qはa、b又はc)が選択されている状態で、ロープ100に対する検出素子210ebのW方向及びL方向での対向位置を変えることで、1フレーム分の渦電流信号A(m,q)及び検出信号B(m,q)を生成する処理を繰り返すこととしても良い。
即ち、第1のモードにおいて、複数のサブ素子212a~212cの各々についての参照画像E(a)~E(c)を生成する。各サブ素子212q(qはa、b又はc)についての参照画像E(q)は、当該サブ素子212qが選択されているときにCFRP110のL方向の互いに異なる複数の位置で取得された渦電流信号A(q)から生成される。
例えば、実施の形態1に対して説明した変形は、実施の形態2~5にも適用可能である。例えば、実施の形態1で、繊維画像Cに対し、FFT、BPF、及びIFFTを行うことで得られる画像に対する画像認識を行うこととしても良い旨述べた。実施の形態2~5についても同様の変形が可能である。
その場合、図12、図18、及び図23の処理は、上記一定の長さの部分の一端に検出器が対向しているときに開始され、上記一定の長さの部分の他端に検出器が対向する状態となったら、処理が終了される。
Claims (15)
- ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記信号処理装置は、
第1のモードにおいて、前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から参照画像を生成し、
第2のモードにおいて、
前記複数の単位領域の各々内での検知の結果に基づいて生成された前記検出信号及び前記繊維画像に基づく欠陥の有無の判定を行い、
欠陥があるとの判定をしたときは、前記参照画像のうちの、欠陥があるとの判定に用いられた繊維画像又は欠陥があるとの判定に用いられた検出信号と同じ単位領域での検知の結果から生成された繊維画像に合致する部分を特定し、前記合致する部分の位置を示す情報を、欠陥の位置を示す情報として出力する
ロープ検査装置。 - ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記検出器は、前記交流磁場として複数の周波数のうちの選択された周波数の交流磁場を印加することができ、
第1のモードにおいて、前記信号処理装置は、
前記複数の周波数の各々についての参照画像を生成し、
各周波数についての参照画像を、当該周波数が選択されているときに前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から生成し、
第2のモードにおいて、
前記ロープ検査装置は、前記複数の周波数の各々を用いた検査を行い、
各周波数を用いた検査において、
前記検出器は、当該周波数の交流磁場が印加されたときの渦電流を検知し、
前記信号処理装置は、
前記検出器で検知された渦電流から前記検出信号及び前記繊維画像を生成し、
前記検出信号及び前記繊維画像に基づく欠陥の有無の判定を行い、
欠陥があると判定した場合には、当該周波数についての参照画像のうちの、当該繊維画像又は当該検出信号と同じ単位領域での検知の結果から生成された繊維画像に合致する部分を特定し、
前記合致する部分の位置を示す情報を、欠陥の位置を示す情報として出力する
ロープ検査装置。 - ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記検出器は、少なくとも一つの検出素子を有し、
前記少なくとも一つの検出素子は複数のサブ素子を有し、
前記複数のサブ素子は、前記検出器が前記ロープに対向するように設置されたときに、前記CFRPに対向し、前記CFRPからの距離が互いに異なるように配置され、各々選択されたときに、前記CFRPの対向する位置で渦電流を検知し、
第1のモードにおいて、前記信号処理装置は、
前記複数のサブ素子の各々についての参照画像を生成し、
各サブ素子についての参照画像を、当該サブ素子が選択されているときに前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から生成し、
第2のモードにおいて、
前記複数のサブ素子のうちの一つのサブ素子が選択され、
前記信号処理装置は、
選択されたサブ素子での渦電流の検知の結果に基づいて前記検出信号及び前記繊維画像の生成を行い、
前記複数の参照画像のうちの、生成された繊維画像に合致する部分を、比較用画像として取得し、
前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果と、前記繊維画像と前記比較用画像との比較の結果とに基づいて、欠陥の有無を判定する
ロープ検査装置。 - ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査装置であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知する検出器と、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定する信号処理装置とを有し、
前記検出器は、前記交流磁場として複数の周波数のうちの選択された周波数の交流磁場を印加することができ、
前記検出器は、少なくとも一つの検出素子を有し、
前記少なくとも一つの検出素子は、複数のサブ素子を有し、
前記複数のサブ素子は、前記検出器が前記ロープに対向するように設置されたときに、前記CFRPに対向し、前記CFRPからの距離が互いに異なるように配置され、各々選択されたときに、前記CFRPの対向する位置で渦電流を検知し、
第1のモードにおいて、前記信号処理装置は、
前記複数のサブ素子と複数の周波数との複数の組合せの各々についての参照画像を生成し、
各組合せについての参照画像を、当該組合せを構成する周波数及びサブ素子が選択されているときに前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から生成し、
第2のモードにおいて、
前記複数のサブ素子のうちの一つのサブ素子が選択され、前記複数の周波数が順次選択され、
前記信号処理装置は、
各周波数が選択されているときに、選択されたサブ素子での渦電流の検知の結果に基づいて前記検出信号及び前記繊維画像の生成を行い、
生成された繊維画像と同じ周波数を用いて生成された前記複数の参照画像のうちの、生成された繊維画像に合致する部分を、比較用画像として取得し、
前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果と、前記繊維画像と前記比較用画像との比較の結果とに基づいて、欠陥の有無を判定する
ロープ検査装置。 - 前記第1のモードにおいて、前記信号処理装置は、前記複数の単位領域の各々において検知された渦電流の強度を表す繊維画像を生成する処理を繰り返すことで、複数フレームの繊維画像を順次生成し、生成した前記複数フレームの繊維画像を互いに連結することで、前記参照画像を生成する
請求項1から4のいずれか1項に記載のロープ検査装置。 - 前記第2のモードにおいて、前記信号処理装置は、
前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果と、前記繊維画像と前記比較用画像との比較の結果とに基づいて、欠陥の有無を判定した結果、欠陥があると判定した場合には、前記比較用画像についての位置を示す情報を、欠陥の位置を示す情報として出力する
請求項3又は4に記載のロープ検査装置。 - 前記信号処理装置は、前記第2のモードで前記検出信号との比較に用いられる閾値を、前記サブ素子と前記CFRPとの距離の推定値に基づいて調整する
請求項3、4又は6に記載のロープ検査装置。 - 前記信号処理装置は、
前記第1のモードにおいて、前記複数の参照画像の各々の生成のために用いられた前記渦電流の強度に基づいて閾値を決定し、決定した閾値を、当該渦電流の強度に基づいて生成された参照画像に関連付けて記録し、
前記第2のモードにおいて、前記検出信号と閾値との比較において、前記複数の参照画像のうちの、前記検出信号を用いて生成された繊維画像に合致する部分を含む参照画像に関連付けて記録されている閾値を用いる
請求項3、4又は6に記載のロープ検査装置。 - 前記検出器に前記選択された周波数の交流磁場を発生させるための励磁信号を供給する信号源をさらに備え、
前記信号源は、前記検出器に供給している励磁信号と同じ周波数の参照信号を前記信号処理装置に供給し、
前記信号処理装置は、前記参照信号に用いて、前記検出器の出力のうち、前記参照信号と同じ周波数の成分を抽出して、前記検出信号を生成する
請求項2又は4に記載のロープ検査装置。 - 前記信号処理装置は、前記第1のモードにおいて、
前記ロープの長さ方向の全体又は特定の範囲内において前記CFRPで検知された渦電流の強度から前記参照画像を生成する
請求項1から5のいずれか1項に記載のロープ検査装置。 - 前記検出器は、前記ロープの長さ方向及び幅方向に延在する面に対向するように設置され、
前記信号処理装置は、前記CFRPの幅方向の端部での検知の結果を示す前記検出器の出力に対して補正を行って前記検出信号を生成する
請求項1から10のいずれか1項に記載のロープ検査装置。 - 前記検出器は、少なくとも1つの検出素子を有し、
前記少なくとも1つの検出素子の各々は、
前記CFRPに対して前記交流磁場を印加する励磁コイルと、
前記CFRPで生じた渦電流による二次磁場を検知することで、前記二次磁場を生じさせた渦電流を検知する検知器とを有する
請求項1又は2に記載のロープ検査装置。 - 前記複数の単位領域の各々内での検知の結果に基づいて生成される繊維画像は、当該単位領域内においてマトリックス状に配列された検知点で検知された渦電流の強度を表す画素で構成されている
請求項1から12のいずれか1項に記載のロープ検査装置。 - 前記渦電流の検知が、それぞれ前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置において、前記CFRPの幅方向に延在する測定ラインの各々に沿う複数の検知点で行われ、前記単位領域の各々が予め定められた数の測定ラインによって構成される
請求項1から13のいずれか1項に記載のロープ検査装置。 - ベルト状のCFRPと、前記CFRPを覆う被覆とを含むベルト状のロープを検査するロープ検査方法であって、
前記CFRPに交流磁場を印加し、前記交流磁場によって発生する渦電流を検知し、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置にそれぞれ一方の端部がある複数の単位領域の各々内における前記検知の結果に基づいて、渦電流の強度を表す検出信号及び渦電流の強度の分布を表す繊維画像を生成し、前記検出信号と閾値との比較の結果と、前記繊維画像に対する画像認識の結果とに基づいて、当該単位領域内における欠陥の有無を判定し、
第1のモードにおいて、
前記CFRPの長さ方向の互いに異なる複数の位置で検知された渦電流の強度から参照画像を生成し、
第2のモードにおいて、
前記複数の単位領域の各々内での検知の結果に基づいて生成された前記検出信号及び前記繊維画像に基づく欠陥の有無の判定を行い、
欠陥があるとの判定をしたときは、前記参照画像のうちの、欠陥があるとの判定に用いられた繊維画像又は欠陥があるとの判定に用いられた検出信号と同じ単位領域での検知の結果から生成された繊維画像に合致する部分を特定し、前記合致する部分の位置を示す情報を、欠陥の位置を示す情報として出力する
ロープ検査方法。
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