JP7381078B2 - リベリバクター属細菌の増殖制御剤およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カンキツグリーニング病などの植物病害を引き起こすリベリバクター属細菌(Liberibacter)の増殖を阻害または促進するための増殖制御剤およびその制御方法に関する。
カンキツグリーニング病(citrus greening;huanglongbing)は、カンキツに壊滅的な被害を及ぼす病害である。カンキツグリーニング病は、篩部局在性の細菌であるカンジダタス・リベリバクター属(Candidatus Liberibacter spp.)細菌(以下「リベリバクター属細菌」ともいう。)によって引き起こされる(非特許文献1)。なかでも、カンジタダス・リベリバクター・アシアティクス(Candidatus Liberibacter asiaticus;以下、「Las」ともいう。)は、アジアを中心に、カンキツグリーニング病の主要な病原細菌となっている。
カンキツグリーニング病は、世界におけるカンキツ生産に多大な被害をもたらしている(非特許文献2)。日本では現在、鹿児島県の徳之島、沖永良部島および与論島と沖縄県全域で発生が確認されており、カンキツ主要産地への侵入を警戒している。しかしながら、この病原細菌の生物学的な特徴や病原性に関する知見はごくわずかであり、さらにこの病害に対する宿主植物の生化学的な応答や抵抗性についての情報も限られている。そのため、抵抗性品種の育種や治療薬等の防除技術の開発は、ほとんど進展していない。
また、同じリベリバクター属細菌として、近年、カンジダタス・リベリバクター・ソラナケアルム(Candidatus Liberibacter solanacearum;以下「Lso」ともいう。)が新たに発見されている。本細菌は、アメリカ合衆国、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアおよびニュージーランドにおいて、ジャガイモの塊茎部(芋)に縞状の病徴を示すゼブラチップ病を引き起こすことが報告されている(非特許文献3)。加えて、2010年以降は、欧州のフィンランド、ノルウェー、スウェーデン、フランスおよびスペインにおいて、セリ科に属するニンジンおよびセロリに対し、葉の脱色化ならびに茎および根の矮化といった病徴を引き起こすことが報告されている(非特許文献4)。
上述した病徴は、いずれも生理障害および虫害と区別することが難しい。また、ファイトプラズマによる病害とも似ており、さらなる発生拡大が懸念されている。そのため、栽培現場において、本病原菌による病害を早期に診断し、農薬等により適切な防除を行うことが必要である。しかし、本病原菌に対するオキシテトラサイクリン等を利用した抗生物質処理の薬剤処理の効果は低い。本病原菌に対する実用的かつ有効な防除技術は未だ無く、新規の防除技術の開発が急務である。
従来のカンキツグリーニング病を治療する技術として、非特許文献5には、ペニシリン系およびテトラサイクリン系の抗生物質をカンキツグリーニング病感染樹に処理することにより、病原菌の菌密度を低減させる方法が開示されている。しかし、この方法で処理した感染樹では、病原菌の菌密度は一時的にのみ低減し、その後は再び罹病化が進むため、根本的な治療には至っていない。
また、特許文献1には、カンキツグリーニング病に特徴的な病徴を改善する作用のある鉄資材を処理する方法が開示されている。しかし、鉄資材を処理したカンキツグリーニング病感染樹では、病徴の改善は認められるものの、病原細菌に対する殺菌効果および静菌効果は認められず、根本的な治療には至っていない。
国際公開第2012/081420号 特開2018-130058
Bove、"Huanglongbing: A destructive, newly emerging, century-old disease of citrus"、Journal of Plant Pathology、(伊)、2006年、88(1)巻、p.7-37 "Citrus:World Markets and trade"、United States Department of Agriculture、(米)、2015年7月 Bulletin OEPP/EPPO Bulletin、(欧州)、2013年、43(2)巻、p.197-201 Bertolini et al.、"Transmission of ‘Candidatus Liberibacter solanacearum’ in carrot seeds"、Plant Pathology、(英),2015年、64巻、p.276-285 Zhang, M et al.、"Chemical Compounds Effective Against the Citrus Huanglongbing Bacterium ‘Candidatus Liberibacter asiaticus’ In Planta"、Phytopathology、(米)、2011年、101巻、p.1097-1103 Fujikawa et al.、"Convenient Detection of the Citrus Greening (Huanglongbing) Bacterium ‘Candidatus Liberibacter asiaticus’ by Direct PCR from the Midrib Extract"、PLOS ONE、(米)、2013年2月、Vol.8(2)、e57011 Fujiwara et al.、"Alterations of Candidatus Liberibacter asiaticus-Associated Microbiota Decrease Survival of Ca. L. asiaticus in in vitro Assays"、Frontiers in Microbiology、(瑞)、2018年12月、Vol.9、3089 Citrus and Subtropical Fruit Journal,(南ア),1984,Vol.611,p.4-5 Michael J. Davis et al.、"Co-cultivation of ‘Candidatus Liberibacter asiaticus’ with Actinobacteria from Citrus with Huanglongbing"、Plant Disease、(米)、2008、Vol.92(11)、p.1547-1550 A. Sechler et al.、"Cultivation of ‘Candidatus Liberibacter asiaticus’, ‘Ca. L. africanus’, and ‘Ca. L. americanus’ Associated with Huanglongbing"、Phytopathology、(米)、2009、Vol.99、p.480-486 Jennifer K. Parker et al.、"Viability of ‘Candidatus Liberibacter asiaticus’ Prolonged by Addition of Citrus Juice to Culture Medium"、Phytopathology、(米)、2014、Vol.104(1)、p.15-26
上述したように、従来の方法では、カンキツグリーニング病を根本的に治療することができない。また、カンキツグリーニング病原細菌であるリベリバクター属細菌は、難培養性細菌であり、カンキツグリーニング病の防除のための研究を進めるためには、リベリバクター属細菌を培養して増殖させる技術も求められている。
そこで、本発明は、リベリバクター属細菌の増殖を阻害または促進させることができる増殖制御剤およびその増殖制御方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、リベリバクター属細菌のゲノムに保存されている遺伝子から、メバロン酸経路がリベリバクター属細菌に特異的に保存されていると予測した。そこで、メバロン酸経路の代謝産物の産生に関与する酵素の阻害物質(たとえば、中間代謝産物であるメバロン酸産生に関与するHMG-CoA還元酵素の阻害物質であるスタチン類およびゲラニル二リン酸(Geranyl-PP)あるいはファルネシル二リン酸(Farnesyl-PP)産生の両生合成に関与するFarnesyl-PP合成酵素の阻害物質であるビスフォスフォネート類)をリベリバクター属細菌に処理したところ、リベリバクター属細菌の増殖が顕著に抑制されることを新たに見出した。また、メバロン酸代謝経路の中間物質または産生物質(たとえば、メバロン酸およびアブシジン酸)をリベリバクター属細菌に処理したところ、リベリバクター属細菌の増殖が促進されることを新たに見出した。
すなわち、本発明者らは、リベリバクター属細菌にメバロン酸経路が存在することを新たに見出し、さらにリベリバクター属細菌のメバロン酸経路に作用する化合物を新たに見出した。また、本発明者らは、メバロン酸経路に作用する化合物が、リベリバクター属細菌の増殖を制御する作用を有することを新たに見出した。これまでリベリバクター属細菌の増殖能に作用する有効な薬剤は皆無であったが、本発明者らは、メバロン酸経路に作用する化合物を利用することで、リベリバクター属細菌の増殖を制御することができる方法を新たに見出した。
本発明は、メバロン酸経路の代謝を阻害する作用を有するメバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路の代謝を促進する作用を有するメバロン酸経路促進剤のいずれかを有効成分として含有する、リベリバクター属細菌の増殖制御剤を提供する。
また本発明は、上記メバロン酸経路阻害剤が、スタチン系化合物およびビスフォスフォネート系化合物からなる群より選択される少なくとも1つである、上記増殖制御剤を提供する。
また本発明は、上記メバロン酸経路阻害剤が、ロバスタチン、プラバスタチン、アレンドロネート、イバンドロネートおよびリセドロネートからなる群より選択される少なくとも1つである、上記増殖制御剤を提供する。
また本発明は、上記メバロン酸経路促進剤がメバロン酸およびアブシジン酸からなる群より選択される少なくとも1つである、上記増殖制御剤を提供する。
さらに、本発明は、リベリバクター属細菌をメバロン酸経路の代謝を阻害する作用を有するメバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路の代謝を促進する作用を有するメバロン酸経路促進剤で処理することを含む、リベリバクター属細菌の増殖を制御する方法を提供する。
また本発明は、上記メバロン酸経路阻害剤が、スタチン系化合物およびビスフォスフォネート系化合物からなる群より選択される少なくとも1つである、上記のリベリバクター属細菌の増殖を制御する方法を提供する。
また本発明は、上記メバロン酸経路阻害剤が、ロバスタチン、プラバスタチン、アレンドロネート、イバンドロネートおよびリセドロネートからなる群より選択される少なくとも1つである、上記のリベリバクター属細菌の増殖を制御する方法を提供する。
また本発明は、上記メバロン酸経路促進剤が、メバロン酸およびアブシジン酸からなる群より選択される少なくとも1つである、上記のリベリバクター属細菌の増殖を制御する方法。
本発明に係る増殖制御剤および方法を用いることにより、リベリバクター属細菌による感染樹中の病原細菌の増殖を阻害または抑制することができ、リベリバクター属細菌による植物病害の治療および防除が可能となる。また、本発明に係る増殖制御剤および方法を用いることにより、難培養性細菌であるリベリバクター属細菌を増殖させることができ、リベリバクター属細菌の検出および病害診断に寄与することができる。また、本発明に係る増殖制御剤および方法は、リベリバクター属細菌に関する研究にも貢献することができる。
メバロン酸経路を説明する図。 ロバスタチンまたはプラバスタチンを処理したときのリベリバクター属細菌の増殖量を示すグラフ。 アレンドロネート、イバンドロネートまたはリセドロネートを処理したときのリベリバクター属細菌の増殖量を示すグラフ メバロン酸またはアブシジン酸を処理したときのリベリバクター属細菌の増殖量を示すグラフ。
本発明は、リベリバクター属細菌の増殖制御剤を提供する。
本明細書において、リベリバクター属細菌とは、カンジダタス・リベリバクター属(Candidatus Liberibacter spp.)細菌のことをいう。リベリバクター属細菌は、多くがカンキツグリーニング病などの植物病害を引き起こす病原細菌として知られている。リベリバクター属細菌には、たとえばカンジタダス・リベリバクター・アシアティクス(Candidatus Liberibacter asiaticus;Las)、カンジダタス・リベリバクター・ソラナケアルム(Candidatus Liberibacter solanacearum;Lso)、カンジダタス・リベリバクター・アメリカヌス(Candidatus Liberibacter americanus)、カンジダタス・リベリバクター・アフリカヌス(Candidatus Liberibacter africanus)、カンジダタス・リベリバクター・エウロパエウス(Candidatus Liberibacter europaeus)およびカンジダタス・リベリバクター・クレセンス(Candidatus Liberibacter crescens)などが含まれる。
本明細書において、「リベリバクター属細菌の増殖を制御する」とは、リベリバクター属細菌の増殖を阻害または抑制すること、ならびにリベリバクター属細菌の増殖を促進することの両方が含まれる。本明細書において、「リベリバクター属細菌の増殖を阻害または抑制する」とは、本発明の増殖制御剤で処理していない無処置のリベリバクター属細菌と比較して、リベリバクター属細菌の増殖速度が低下すること、およびリベリバクター属細菌の倍加時間が長くなることを含む。本明細書において、「リベリバクター属細菌の増殖を促進する」とは、本発明の増殖制御剤で処理していない無処置のリベリバクター属細菌と比較して、リベリバクター属細菌の増殖速度が上昇すること、およびリベリバクター属細菌の倍加時間が短くなることを含む。
本発明の増殖制御剤は、メバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路促進剤のいずれかを有効成分として含有する。本明細書において、メバロン酸経路(Mevalonic pathway)は、図1に示すように、アセチルCoA(Acetyl-CoA)からファルネシル二リン酸(Farnesyl-PP)を合成する生合成経路である。ファルネシル二リン酸は、テルペノイドおよびステロイド合成に用いられる。
メバロン酸経路阻害剤は、メバロン酸経路の代謝を阻害する作用を有する薬剤であり、任意の薬剤であってもよい。メバロン酸経路阻害剤は、たとえばメバロン酸経路の代謝を促進することに関与する各種分子および酵素の阻害剤であることができる。メバロン酸経路の代謝を促進する分子および酵素は、たとえばアセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ、HMG-CoAシンターゼ、HMG-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、5-ホスホメバロン酸キナーゼ、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼおよびファルネシル二リン酸シンターゼなどが知られている。
メバロン酸経路阻害剤には、たとえばスタチン系化合物、ビスフォスフォネート系化合物およびこれらの誘導体ならびにこれらの薬理学的に許容される塩などを用いることができる。スタチン系化合物には、たとえばロバスタチン、プラバスタチン、メバスタチンおよびこれらの誘導体ならびにこれらの薬理学的に許容される塩などが含まれる。ビスフォスフォネート系化合物には、たとえばアレンドロン酸(アレンドロネート)、イバンドロン酸(イバンドロネート)、リセドロン酸(リセドロネート)、エチドロン酸(エチドロネート)、ミノドロン酸(ミノドロネート)、ゾレドロン酸(ゾレドロネート)、パミドロン酸(パミドロネート)およびこれらの誘導体ならびにこれらの薬理学的に許容される塩などが含まれる。
メバロン酸経路促進剤は、メバロン酸経路の代謝を促進する作用を有する薬剤であり、任意の薬剤であってもよい。メバロン酸経路促進剤は、メバロン酸経路促進剤は、メバロン酸経路により産生される化合物およびその誘導体ならびにその薬理学的に許容される塩であることができる。また、メバロン酸経路促進剤は、メバロン酸経路の代謝を阻害することに関与する各種分子および酵素の阻害剤であることができる。メバロン酸経路促進剤には、たとえばメバロン酸、アブシジン酸(アブシシン酸ともいう。)およびこれらの誘導体ならびにこれらの薬理学的に許容される塩などを用いることができる。
本発明の増殖制御剤は、メバロン酸経路阻害剤を1種類または複数種類含有してもよい。本発明の増殖制御剤は、メバロン酸経路阻害剤を含有することにより、リベリバクター属細菌の増殖を阻害または抑制することができる。
本発明の増殖制御剤は、メバロン酸経路促進剤を1種類または複数種類含有してもよい。本発明の増殖制御剤は、メバロン酸経路促進剤を含有することにより、リベリバクター属細菌の増殖を促進することができる。
本発明の増殖制御剤は、上述したメバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路促進剤以外の成分をさらに含有してもよい。本発明の増殖制御剤は、たとえば溶媒、担体、界面活性剤、乳化剤、pH調整剤、分散剤、増量剤、着色剤、安定剤およびその他の添加剤などの任意の成分をさらに含有することができる。
本発明の増殖制御剤は、粉末、顆粒、懸濁液、溶液、エマルジョン、エアロゾル、含浸顆粒、ペーストおよびカプセルなどの任意の形態であることができる。
本発明はまた、リベリバクター属細菌をメバロン酸経路の代謝を阻害する作用を有するメバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路の代謝を促進する作用を有するメバロン酸経路促進剤で処理することを含む、リベリバクター属細菌の増殖を制御する方法を提供する。すなわち、本発明の方法は、上述した増殖制御剤を処理することを含む、リベリバクター属細菌の増殖を制御する方法を提供する。
本明細書において、リベリバクター属細菌を「メバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路促進剤で処理する」および「増殖制御剤を処理する」には、メバロン酸経路阻害剤、メバロン酸経路促進剤または増殖制御剤をリベリバクター属細菌と接触させることを含む。たとえば、メバロン酸経路阻害剤、メバロン酸経路促進剤または増殖制御剤を、植物に投与すること、および培地に添加することなどを含む。たとえば、増殖制御剤を処理することには、リベリバクター属細菌に感染している植物あるいは感染している可能性のある植物に増殖制御剤を投与すること、およびリベリバクター属細菌を培養するための培地に増殖制御剤を添加することなどが含まれる。植物に増殖制御剤を投与する方法としては、たとえば増殖制御剤の水溶液などを植物に噴霧する方法、植物体内で増殖抑制剤を分泌(合成)させる方法、増殖制御剤を植物に浸透させる方法および増殖制御剤を植物の根部または土壌に処理する方法などを用いることができる。植物体内で増殖抑制剤を分泌(合成)させる方法としては、たとえば増殖制御剤を合成することが可能な遺伝子(たとえば有効成分がスタチン系化合物であった場合に、スタチン合成遺伝子など)を保持する組換ウイルス等を用いて、植物体内で増殖制御剤(たとえばスタチン系化合物など)を合成させる方法を用いることができる。
本発明の方法では、メバロン酸経路阻害剤を含有する増殖制御剤を植物に処理することにより、植物におけるリベリバクター属細菌の増殖を阻害または抑制することができる。したがって、本発明の増殖制御剤および方法は、リベリバクター属細菌を原因とする植物病害の治療および/または予防に用いることができる。
本発明において、植物病害の治療および/または予防とは、植物に関連する分野において植物病害の治療および/または予防として観念されている一般的概念をさす。たとえば、「治療」には、感染によって生じた植物体の成長速度の低下を改善すること、感染した部位における病徴を改善すること、病徴の発症を遅延させること、および病徴の進行を防止することなどが含まれる。「予防」には、病原細菌を防除すること、病原細菌が植物内に侵入して病気を発症させることを阻止すること、病原細菌において病気を発症させる能力を失わせること、および感染した部位における病徴の再発を防ぐことなどが含まれる。
本発明の増殖制御剤および方法を適用する対象の植物には、リベリバクター属細菌が感染し得る植物であれば特に限定されないが、たとえば果樹、農作物、野菜、観葉植物およびこれら以外の樹などが挙げられる。
本発明の方法では、メバロン酸経路阻害剤を含有する増殖制御剤を培地に添加することにより、培地上でのリベリバクター属細菌の増殖を阻害または抑制することができる。また、メバロン酸経路促進剤を含有する増殖制御剤を培地に添加することにより、培地上でのリベリバクター属細菌の増殖を促進することができる。培地は、たとえばリベリバクター属細菌を生育させるための選択培地であってもよい。したがって、本発明の増殖制御剤および方法は、培養によるリベリバクター属細菌の検出および病害診断に寄与することができる。
培地または植物におけるリベリバクター属細菌の有無または増減は、培地片あるいは葉片からDNAを抽出し、リベリバクター属細菌に特異的なプライマーを用いてPCR等によりDNA増幅させることにより確認することができる。
培地上のリベリバクター属細菌は、in situハイブリダイゼーション法などを用いて菌を色素染色し、顕微鏡観察することによって可視化することができる。また、ELIZA法および電子顕微鏡観察などによって細菌の有無を確認することも可能である。
本発明の方法に用いる培地には、特に限定されず、任意の培地を用いることができる。たとえば、リベリバクター属細菌を培養するための培地および選択培地などであってもよい。リベリバクター属細菌を培養するための培地として、MIG培地(非特許文献8)、BBM3培地(非特許文献9)、LiberA培地(非特許文献10)およびジュースを添加したKB培地(非特許文献11)などが報告されている。
また、本発明の方法に用いる培地は、特許文献2に記載の培地であってもよい。この培地は、リベリバクター属細菌を培養および検出するための培地であり、グルコースおよび/またはグルコースを含むオリゴ糖と、ケトグルタル酸とを含有する。培地は、グルコースおよびグルコースを含むオリゴ糖以外の糖質をさらに含有してもよい。また、培地は、CoA、CoA誘導体、グリセロリン酸塩およびグリセロールからなる群より選択される少なくとも1つをさらに含有してもよい。また、培地は、バリン、イソロイシン、プロリン、オルニチン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンおよびシステインからなる群より選択される少なくとも1つをさらに含有してもよい。培地は、抗生物質をさらに含有してもよい。
本発明の増殖制御剤および方法は、リベリバクター属細菌が引き起こす様々な植物病害、たとえばカンキツグリーニング病、ジャガイモゼブラチップ病およびニンジンLso病などの治療および防除に有用である。たとえば、これらの病害の発生地において、本発明の増殖制御剤を感染樹に処理することにより、病徴の改善を行うことができる。また、これらの病害の発生地において、本発明の増殖制御剤を健全樹に処理することにより、感染樹の新たな発生を防ぐことができる。さらに、上述した病害が発生していない地域(未発生地)において、本発明の増殖制御剤を健全樹に処理することにより、病原細菌による病害を予防することができる。このように、本発明を用いることにより、リベリバクター属細菌による感染の拡大のリスクを最小限に抑えることができる。
(リベリバクター属細菌におけるメバロン酸経路の同定)
本発明者らは、カンキツグリーニング病原細菌であるリベリバクター属細菌のゲノムに保存されている遺伝子について鋭意検討した。その結果、リベリバクター属細菌が図1に示すメバロン酸経路を有していることを見出した。本経路は、植物や糸状菌に存在することが知られており、またこれまでにいくつかの細菌で発見されているものの、植物病原細菌において本経路を有するものは知られていない。本発明者らは、リベリバクター属細菌が上記メバロン酸経路を有しているならば、本経路の代謝を制御することにより当該の病原細菌の増殖を制御することができると推測した。そして、リベリバクター属細菌の増殖を制御することができれば、リベリバクター属細菌が引き起こす植物病害であるカンキツグリーニング病、ジャガイモゼブラチップ病およびニンジンLso病等を抑制することが可能となると考えた。
(実施例1)
メバロン酸経路の代謝を阻害する物質(メバロン酸経路阻害剤)について、カンキツグリーニング病原細菌(リベリバクター属細菌)の増殖に対する効果を調べた。メバロン酸経路阻害剤には、スタチン系化合物(ロバスタチンおよびプラバスタチン)およびビスフォスフォネート系化合物(アレンドロネート、イバンドロネートおよびリセドロネート)を用いた。スタチン系化合物は、メバロン酸経路の中間代謝産物であるメバロン酸産生に関与するHMG-CoA還元酵素の阻害物質である。ビスフォスフォネート系化合物は、ゲラニル二リン酸(Geranyl-PP)産生およびファルネシル二リン酸(Farnesyl-PP)産生の両生合成に関与するファルネシル二リン酸シンターゼ(Farnesyl-PP合成酵素)の阻害物質である。以下の方法により、スタチン系化合物またはビスフォスフォネート系化合物をカンキツグリーニング病原細菌の選択培地に添加し、カンキツグリーニング病原細菌の培養を行った。
非特許文献6に記載の方法を用いて、カンジタダス・リベリバクター・アシアティクスに感染しているラフレモン(Citrus jambhiri Lush)の罹病葉の中肋部を回収し、細断した後、バイオマッシャーIII(株式会社ニッピ)中で滅菌水400μLと共に摩砕および遠心(6,000g、2分)した。沈殿物のみを新たに滅菌水400μLで再懸濁し、培養に用いる菌液とした。
培地には、非特許文献7に記載の選択培地を用いた。具体的にはグルコース0.1g、フルクトース0.1g、スクロース 0.1g、デンプン0.1g、ケトグルタル酸0.1g、MEM必須アミノ酸溶液500ml、MEM非必須アミノ酸溶液1ml,グルタミン0.1g、メチオニン0.1g、システイン0.1g、シスチン0.1g、グリセロリン酸ナトリウム0.5g、CoA 0.1g、グリセロール1mlおよびアガロース2gを蒸留水100mLに溶解した選択培地に、ロバスタチン、プラバスタチン、アレンドロネート、イバンドロネートまたはリセドロネートをそれぞれ終濃度10μMおよび1mMとなるように混合し、プラスチックシャーレを用いて培地を作製した。これらの培地中に、菌液を100μLずつ分注し、スプレッダーで広げた。培養を14日間行ったところ、グリーニング病原細菌由来のコロニーは見られなかった。培養14日後に培地の断片を切り出し、DNeasy Plant Mini Kit(株式会社キアゲン)を用いてDNAを抽出した。
抽出したDNAを用いて、非特許文献6に記載の方法により、グリーニング病原細菌特異的なプライマーセットを用いてリアルタイムPCR検定を行った。グリーニング病原細菌の増殖量はPCRによるDNA増幅量に基づき算出した。リアルタイムPCRはSYBR Premix ExTaqII (Tli RNaseH Plus)(タカラバイオ株式会社)を用いて定法で行った。その結果を図2および図3に示す。なお、図2および図3では、ダネット法(Dunnett's test)により統計解析を行った。図2では、P値が0.05未満であれば統計学的に有意であるとした。図3では、P値が0.01未満であれば統計学的に有意であるとした。図2に示すように、ロバスタチンまたはプラバスタチンを処理した場合には、処理しなかった場合(無処理)と比較して、検出された菌DNAの有意な低減が認められた。図3に示すように、アレンドロネート、イバンドロネートまたはリセドロネートを処理した場合には、処理しなかった場合(無処理)と比較して、検出された菌DNAの有意な低減が認められた。
(実施例2)
メバロン酸経路の代謝を促進する物質(メバロン酸経路促進剤)について、カンキツグリーニング病原細菌(リベリバクター属細菌)の増殖に対する効果を調べた。メバロン酸経路促進剤には、中間代謝産物であるメバロン酸および最終産物の一種であるアブシジン酸を用いた。以下の方法により、メバロン酸およびアブシジン酸をカンキツグリーニング病原細菌の選択培地に添加し、カンキツグリーニング病原細菌の培養を行った。
非特許文献6に記載の技術を用いて、カンジタダス・リベリバクター・アシアティクスに感染しているラフレモンの罹病葉の中肋部を回収し、細断した後、バイオマッシャーIII(株式会社ニッピ)中で滅菌水400μLと共に摩砕および遠心(6,000g、2分)した。沈殿物のみを新たに滅菌水400μLで再懸濁し、培養に用いる菌液とした。
実施例1と同様の選択培地に、メバロン酸またはアブシジン酸をそれぞれ終濃度10μMとなるように混合し、プラスチックシャーレを用いて培地を作製した。これらの培地中に、菌液を100μLずつ分注し、スプレッダーで広げた。培養を14日間行ったところ、グリーニング病原細菌由来のコロニーは見られなかった。培養14日後に培地の断片を切り出し、DNeasy Plant Mini Kit(株式会社キアゲン)を用いてDNAを抽出した。
抽出したDNAを用いて、非特許文献6に記載の方法により、グリーニング病原細菌特異的なプライマーセットを用いてリアルタイムPCR検定を行った。グリーニング病原細菌の増殖量はPCRによるDNA増幅量に基づき算出した。リアルタイムPCRはSYBR Premix ExTaqII (Tli RNaseH Plus)(タカラバイオ株式会社)を用いて定法で行った。その結果を図4に示す。なお、図4では、ダネット法(Dunnett's test)により統計解析を行い、P値が0.05未満であれば統計学的に有意であるとした。図4に示すように、メバロン酸またはアブシジン酸を処理した場合には、処理しなかった場合(無処理)と比較して、検出された菌DNAの有意な増加が認められた。
本発明は、リベリバクター属細菌が引き起こす病原細菌の治療および防除に利用可能である。また、本発明は、リベリバクター属細菌の検出および病害診断に利用可能である。

Claims (4)

  1. メバロン酸経路の代謝を阻害する作用を有するメバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路の代謝を促進する作用を有するメバロン酸経路促進剤のいずれかを有効成分として含有する、リベリバクター属細菌の増殖制御剤であって、
    前記メバロン酸経路阻害剤が、スタチン系化合物およびビスフォスフォネート系化合物からなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記メバロン酸経路促進剤が、メバロン酸およびアブシジン酸からなる群より選択される少なくとも1つである、リベリバクター属細菌の増殖制御剤
  2. 前記メバロン酸経路阻害剤が、ロバスタチン、プラバスタチン、アレンドロネート、イバンドロネートおよびリセドロネートからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の増殖制御剤。
  3. リベリバクター属細菌をメバロン酸経路の代謝を阻害する作用を有するメバロン酸経路阻害剤またはメバロン酸経路の代謝を促進する作用を有するメバロン酸経路促進剤で処理することを含む、リベリバクター属細菌の増殖を制御する方法であって、
    前記メバロン酸経路阻害剤が、スタチン系化合物およびビスフォスフォネート系化合物からなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記メバロン酸経路促進剤が、メバロン酸およびアブシジン酸からなる群より選択される少なくとも1つである、リベリバクター属細菌の増殖を制御する方法
  4. 前記メバロン酸経路阻害剤が、ロバスタチン、プラバスタチン、アレンドロネート、イバンドロネートおよびリセドロネートからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項3に記載のリベリバクター属細菌の増殖を制御する方法。

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