JP7379468B2 - 骨密度の低下を伴う疾患の診断方法 - Google Patents

骨密度の低下を伴う疾患の診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、骨密度の低下を伴う疾患、例えば骨粗鬆症、骨軟化症、多発性骨髄腫、および/または腎機能不全の診断および/または除外に関する。
骨密度の低下を伴う疾患、例えば骨粗鬆症、骨軟化症、多発性骨髄腫、および/または腎機能不全は世界的に大きな問題である。WHOによると、骨粗鬆症だけでも10個の最も頻繁な疾患のうちに数えられる。
骨粗鬆症は特定の年齢から次第に起こり、女性においては男性よりもおよそ4倍頻繁に起こる。
独国では、2010年および2016年の間に、病的骨折において骨粗鬆症の主診断で20%超の上昇が記録されている。
よって、特に該当するリスク群においては、骨粗鬆症を発生するリスクを早くに検出し、対抗措置を取るために、より多くの診断(マススクリーニング)を行うことが非常に好都合であるように見える。このようにして、検出されない骨粗鬆症およびあり得るもたらされる健康上の結果(骨折、姿勢障害)のリスクもまた最小化され得る。
また、疾患の多数から判断して、予防医療の範囲内で用いられ得、よっておそらく罹患している患者から非罹患者を分離し得るスクリーニングプロセスが非常に望ましいであろう。
また、骨密度の低下を伴う疾患に対して所望の通りには進行していない治療を検出するために、および、理想的な状況においては、疾患の原因についてより多くを了知し、このようにしてより好適な措置を取ることができるために、治療を伴う診断を行うことが非常に好都合であろう。
骨粗鬆症および骨折の増大したリスクを有する他の骨代謝障害を診断およびモニタリングするための現行で用いられる標準的な方法は、X線に基づくDXAまたはDEXA(2重エネルギーX線吸収測定法)である。ここでの欠点は、患者のもたらされる放射線被ばくおよび決定された値の不良な比較可能性である;よって、結果はいずれかの絶対値を提供せず、代わりに年齢および性別特異的な平均からの偏差のみが決定され、標準偏差と比較される。
特許文献1は人間の骨格のミネラルバランスの変化を伴う疾患を診断するためのバイオマーカーとして44Ca/42Caの比を用いることを提案している。しかしながら、結論に至るためには、各個人についてのベースラインが第1に決定されなければならず(第1のサンプル)、治療を開始して間もなく後に、さらなるサンプルが取られ、測定されなければならない。
骨格のミネラルバランスをモニタリングし、より長期の長期臥床によって引き起こされるいずれかのあり得る「骨萎縮」を検出するために、非特許文献1は、より長期に渡って、異なる時において尿中のカルシウム同位体比δ4440Caを測定することを提案している。
特許文献2は、癌患者において人間の骨格のミネラルバランスをモニタリングすることに関する。ここでも、ベースラインが第1に決定されなければならず、それから、ひとたびアロマターゼ阻害剤の投与からなる治療が始まると、さらなるサンプルが取られる。
非特許文献2は、血液のカルシウム同位体組成に基づいて造血系の癌を検出することを試みている。「非活動性の疾患」から「活動性の疾患」へのステータスの変化の事態においては、カルシウム同位体値のいずれかの変化を決定することは可能ではなかった;著者らは、これを、多発性骨髄腫単独の影響を覆い隠し、このようにしてまた測定値の感度および特異度を縮減する、特に患者の個人的状態に依存する未知の因子に帰している。非特許文献2に従うと、測定値に基づく診断は可能ではない。
複数の測定による(例えばベースラインを記録することによる)個人の患者に合わせた標準化を要求する診断方法は、予防医療への使用にとって、特にまたスクリーニングプロセスの範囲内において不適でありがちである。
米国特許出願公開第2013/0115650号明細書 米国特許出願公開第2014/0273248号明細書
ジョセフ・スクーラン(Joseph Skulan)ら著,「骨のミネラルバランスマーカーとしての尿の自然のカルシウム同位体組成(Natural Calcium Isotopic Composition of Urine as a Marker of Bone Mineral Balance)」,クリニカルケミストリー(Clinical Chemistry),第53巻,p.1155-1158(2007年) ゴードン(Gordon)ら著,「自然のカルシウム同位体組成を分析することによって多発性骨髄腫疾患の活動性を予測する(predicting multiple myeloma disease activity by analyzing natural calcium isotopic composition)」,ルーキミア(Leukemia),第28巻,p.2112-2115,(2014年)
よって、本発明の目的は、骨密度の低下を伴う疾患を診断するための方法を提供することであり、この方法では、患者を被ばくリスクに曝すX線放射線と、例えばベースラインによる個人の患者についての込み入った標準化とを省くことが可能である。
本発明の目的は、次のステップを含む、骨密度の低下および/またはカルシウム損失を伴う疾患を診断するための方法によって達成され:
a)尿または血液または大便のサンプル中のアルカリ土類金属分の同位体比または量比を決定すること、
b)それによって少なくとも1つのサンプル値を決定すること、および
c)少なくとも1つのサンプル値を閾値と比較すること、
閾値は、個人の患者を前提とする1つ以上の因子に非依存的に選択される。
ここでは、サンプル値は先に取られた血液および/または尿および/または大便サンプルから決定される。
閾値が個人の患者を前提とする1つ以上の因子に非依存的に選択されるという表現は、本発明の範囲内においては、特に、確認されるべきサンプル値についての患者に関連するベースラインが予め決定されなくてもよく、また、さらなる因子、例えば実際の診断に先立って遵守されるべき栄養管理計画または類似の因子もしくは個人の患者の先の値の測定も、行われなくてよいかまたは診断方法に包含されなくてよいというように理解される。換言すると、尿、血液、または大便サンプルのサンプル型に依存して、閾値は固定された数値である。閾値は特に単純に複数のサンプルからの平均値ではない。代わりに、本発明の範囲内においては、驚くべきことに、多年続く鋭意の研究と各サンプル型についての検証とによって、固定された閾値を決定することが可能であった。
有利には、その取り扱いについて有意に単純化されており、かつこのようにして予防措置としてもまた用いられ得る、骨密度の低下および/またはカルシウム損失を伴う疾患を診断するための方法がここで初めて提供され得る。先には実際の診断がなされる前にさえも個人の患者によって行われ提供されなければならなかった、ベースラインならびに食事モニタリングおよび食事日誌などの他の影響因子の先立つ決定の本発明に従う省略を原因として、方法の実行および応用は有意に単純化されている。これは幅広い普及を許し、予防診断に、とりわけ年配の女性について、いずれかの先立つ疑いなしでさえも用いられ得る。加えて、単純化された方法の有意なコスト縮減はさらなる応用および普及の鍵因子であり、よって、かかる「スクリーニング」が、ずっと大きい患者群について初めて利用可能になる。
その有効性および重要性がさらに下でもまたより詳細に説明される本発明に従う方法は、特にゴードン(Gordon)ら,ルーキミア(Leukemia),2014年による専門記事の結果として流布している先入観をもまた克服することができた。これは、根本的に、個人の患者のパラメータの同時の考慮がサンプル中のアルカリ土類金属の同位体比の評価に必須であると考えられる。これは、多発性骨髄腫の患者群およびそれらの同位体比δ4442Caの考慮は、これらの個人の患者のパラメータなしでは、著者ら自身によって主張されている通り、確かな診断方法につながらないからである。加えて、診断に該当する閾値は定められていない;言及されている値は単に当該群のサンプルから出された平均値である。
サンプル値はアルカリ土類元素の確認された同位体比または量比である。特に、値は、カルシウム(Ca)の同位体比または、カルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)のアルカリ土類元素の量比である。
好ましくは、サンプル値は質量分析によって確認されるアルカリ土類元素の同位体比または量比である。
方法の好ましい実施形態では、カルシウム(Ca)の同位体比がステップa)において決定される。
方法のさらなる好ましい実施形態では、カルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)のアルカリ土類元素の量比がステップa)において決定される。
本発明の1つの態様では、サンプル型に依存して定められた個人に非依存的な固定された閾値が、ステップc)において比較値として用いられる。
本発明の1つの態様では、δ記号に従う血液サンプルの同位体比44Ca/42Caのステップc)における閾値はδ44/42Ca血液=-0.85±0.06‰である。
本発明の別の態様では、δ記号に従う尿サンプルの同位体比44Ca/42Caのステップc)における閾値はδ44/42Ca尿=0.23±0.06‰である。
m3>m2>m1であり、式中、m3、m2、m1が質量数を表す、式:
Figure 0007379468000001
に対応する閾値は、カルシウムの他の同位体比に適用され得る。
本発明のさらなる態様では、カルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)のアルカリ土類元素の量比のステップc)における閾値は1772±250molCa/molSrである。
本発明の好ましい実施形態では、加えて腎臓機能を確認するために、ステップb)において、1つのサンプル値がδ4442Ca尿として確認され、かつさらなるサンプル値がδ4442Ca血液として確認され、ステップc)において、2つのサンプル値の間の差が閾値と比較される。
本発明のさらに好ましい実施形態では、加えて腸機能を確認するために、ステップb)において、1つのサンプル値がδ4442Ca大便として決定され、かつさらなるサンプル値がδ4442Ca血液として決定され、ステップc)において、2つのサンプル値の間の差が閾値と比較される。
本発明の1つの態様では、骨密度の低下および/またはカルシウム損失を伴う疾患は骨粗鬆症、骨軟化症、多発性骨髄腫、および/または腎機能不全である。
方法の好ましい実施形態では、ステップa)における量比は、サンプル中のアルカリ土類金属分のモル比としてまたはサンプル中のアルカリ土類金属分の質量比として決定される。
方法のさらに好ましい実施形態は、ステップb)においてサンプル値がδ4442Ca尿として決定され、かつステップc)においてδ4442Ca尿=0.23±0.06‰というδ記号に従う閾値との比較が、サンプル値がより多大であるということを明らかにする場合には、骨粗鬆症疾患の存在は非蓋然的として除外され得るということを特徴とする。
方法のさらなる好ましい実施形態は、ステップb)においてサンプル値がδ4442Ca血液として決定され、かつステップc)においてδ4442Ca血液=-0.85±0.06‰というδ記号に従う閾値との比較が、サンプル値がより多大であるということを明らかにする場合には、骨粗鬆症疾患の存在は非蓋然的として除外され得るということを特徴とする。
本発明の1つの態様では、方法は、カルシウム同位体の同位体比を測定することによって、閉経後の女性において、骨粗鬆症、骨軟化症、および/もしくは多発性骨髄腫などの骨密度の低下を伴う疾患がないかどうか、またはこれらの疾患の1つの陽性診断について増大した蓋然性があるかどうかを決定することが可能である検査である。
本発明のさらなる態様では、先に採取された血液サンプルの同位体比44Ca/42Caが決定され、δ記号に従って国際標準に合わせて標準化される。
δm3/m2Ca値は、m3>m2>m1である次の式に従って、他のCa同位体比(例えば40Ca、41Ca、46Ca、48Ca、43Caの包含による)にもまた適用され得る:
Figure 0007379468000002
本発明に従うと、このようにして確認された値は閾値(δ44/42Ca血液では:-0.85±0.06‰)と比較される;値がこの閾値よりも上にある場合には、骨粗鬆症、骨軟化症、および/または多発性骨髄腫などの骨密度の低下を伴う疾患がない。値が閾値よりも下にある場合には、骨密度の低下を伴う疾患の1つの陽性診断の増大したリスクがある。
よって、単一サンプルに基づいて診断結果に至ることが可能である。δ44/42Ca血液=-0.85±0.06‰という閾値は、医療規範のヘルシンキ基準に従う50および75歳の間である100人の閉経後の女性被験者の登録研究(NCT02967978)に基づいて確認された(OSTEOGEO研究)。測定値のばらつきを原因として、値は±0.06‰という統計的不確かさを提供されるべきである。すなわち、-0.79‰から-0.91‰まで、患者が骨萎縮を患っているか否かについて、測定方法からもたらされる不確かさがある。後者は評価または診断において考慮に入れられるべきである(図8、9、および10を見よ)。
δ44/42Ca血液の閾値は、m3>m2>m1である次の式に基づいて、他のCa同位体比(例えば40Ca、41Ca、46Ca、48Ca、43Caの包含による)にもまた適用され得る:
Figure 0007379468000003
結果は非常に確かである:方法の感度は94.4%であり、陰性蓋然性係数は0.1である;これは、その測定値が閾値よりも上にある女性は健康な者に対して相対的に骨粗鬆症陽性診断の0.1倍の蓋然性のみを有するということを意味する。
研究に先立っては、1つの値のみに基づきかつこの有効性を有する診断が可能であり得ることは予期されていなかった;むしろ、食される食事のカルシウム同位体含量もまた結果への影響を有するであろうことが想定されなければならなかった。これは、食事のカルシウム同位体含量を管理する食事が遵守されるときに、1人の者からの種々のサンプルを測定することによっておよび/または場合によってはいくつかの測定を取ることによって、個人に合わせた標準化が必要であろうということを意味するであろう。
図1は、OSTEOGEO研究からの100人の閉経後の女性の食事、大便、血液、および尿中の測定されたカルシウム同位体を示している。100人の女性の食生活は個人間で非常に多大に変動したが、それらのカルシウム同位体含量は狭い限界内で非常に一定であり、δ44Ca/42Ca:-0.43±0.05‰と推算され得る。また、結果として、食される食事についての詳細な質問表は診断にとって絶対的には必要でないということになる。なぜなら、菜食主義またはビーガニズムなどの特定の食事状況が存在する場合であっても、一般的に既知の値が出発点として用いられ得るからである。
さらにその上、OSTEOGEO研究によって、血液のカルシウム同位体組成への食事中のカルシウムの影響は低いということを示すことが可能であった。なぜなら、腸からのカルシウムの吸収率は最大で30%からおよそ10%であるからである。換言すると、1日あたりおよそ1グラムのカルシウム(gCa/日)のオーダーの1日の摂取されるカルシウムのうち、およそ0.3から0.15gのみが吸収される。しかしながら、これは、腎臓(およそ6.67gのCa/日、およそ50%)および骨(6.36gのCa/日、およそ48%)から毎日血流中に導入されるカルシウムの量(13.18gのCa/日)のおよそ2.2%から1.1%のみに対応する。物質収支を原因として、食事中のカルシウムのいずれかの同位体ばらつきは、低くから無視できるまでであるということになる。
研究の全ての被験者について食事のカルシウム同位体は事実上一定であったが、血液、尿、および大便のカルシウム同位体値は内在的な分別プロセスを理由として種々の臓器間で異なる。
OSTEOGEO研究の範囲内で確認された通り、健康な閉経後の女性の種々の臓器間におけるカルシウムの流れは以降でグラフ的に示され得る:図1を見よ。
また、図2に従う次の図面は、骨粗鬆症を患っている閉経後の女性の臓器間における確認されたカルシウムの流れを示している。関与する区画間におけるカルシウムの流れの差は破線によってマークをされている。
ここで、本発明は、健康な女性および骨粗鬆症を患っている者の臓器間におけるカルシウムの流れについてのこれらの深い知見が、検査方法に実装され得るということを同定した。これによると、骨粗鬆症、骨軟化症、および/または多発性骨髄腫などの骨密度の低下を伴う疾患の不在と(陰性検査)、同時に、前記疾患の陽性診断がなされる増大した蓋然性とを検査することが可能である。よって、単一の血液サンプルに基づいて診断結果に至ることが可能である。
本発明のさらなる態様は、先に取られた尿サンプル中のカルシウム同位体の同位体比を測定することによって、閉経後の女性において、骨粗鬆症、骨軟化症、および/もしくは多発性骨髄腫などの骨密度の低下を伴う疾患がないかどうかを、またはこれらの疾患の1つの陽性診断の増大した蓋然性があるかどうかを決定することが可能である検査に関する。
同位体比44Ca/42Caは先に取られた尿サンプルから決定され、δ記号に従って国際標準に合わせて標準化される。
本発明に従うと、このようにして確認された値は閾値(δ44Ca/42Ca尿では0.23±0.06‰)と比較される;値がこの閾値よりも上にある場合には、骨粗鬆症が存在し、値が閾値よりも下にある場合には、骨粗鬆症陽性診断の増大したリスクがある。
よって、単一サンプルに基づいて診断結果に至ることが可能である。δ44Ca/42Ca尿0.23±0.06‰という閾値が、50および75歳の間の年齢の100人の女性被験者の研究に基づいて確認された。
閾値δ44Ca/42Ca尿は、m3>m2>m1である次の式に基づいて、他のCa同位体比(例えば40Ca、41Ca、46Ca、48Ca、43Caの包含による)にもまた適用され得る:
Figure 0007379468000004
方法の感度は72.2%であり、陰性蓋然性係数は0.41である;これは、その測定値が閾値よりも上にある女性が健康な者に対して相対的に骨粗鬆症陽性診断の0.41倍の蓋然性のみを有するということを意味する。
研究に先立っては、1つの値のみに基づく診断が可能であり得ることは予期されていなかった;むしろ、食される食事のカルシウム同位体含量もまた、結果への影響を有するであろうことが想定されなければならなかった。これは、食事のカルシウム同位体含量を管理する食事が遵守されるときに、1人の者からの種々のサンプルを測定することによっておよび/または場合によってはいくつかの測定を取ることによって、個人に合わせた標準化が必要であろうということを意味するであろう。
ここで、本発明は、健康な女性および骨粗鬆症を患っている者の臓器間のカルシウムの流れについてのこれらの深い知見が、検査方法に実装され得るということを同定した。これによると、骨粗鬆症、骨軟化症、および/または多発性骨髄腫などの骨密度の低下を伴う疾患の不在と(陰性検査)、同時に、前記疾患の陽性診断がなされる増大した蓋然性とを検査することが可能である。よって、単一の尿サンプルに基づいて診断結果に至ることが可能である。
個人の単一サンプルに基づく診断の可能性は非常に驚くべき結果である。δ44Ca/42Ca尿の0.23±0.06‰およびδ44Ca/42Ca血液の-0.85±0.06‰という閾値の存在は予想されなかった。
本発明のさらなる態様は、尿中のアルカリ土類元素のカルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)の比(Ca/Sr)尿を測定することによって、Caの再吸収能と、よって、骨粗鬆症、骨軟化症、および/または多発性骨髄腫などの骨密度の低下を伴う疾患の存在の蓋然性とを判定することが可能である検査に関する。特に、Caおよび同様にアルカリ土類元素であるマグネシウム(Mg)の比がこの相関を有さないという背景に対して、結果は驚くべきである。
DXA値との(Ca/Sr)尿値の統計的に有意な関係がROC(受信者動作特性)分析によって確認され得る。DXA法は、骨密度を確認しおよび骨粗鬆症を診断するための現行で有効な標準的な方法である。
骨粗鬆症を患っている女性患者を健康な女性患者から見分けることを可能にする(Ca/Sr)尿閾値が確認され得る。閾値は1772±250molCa/molSrであり、疾患を有する患者を健康な患者から分離した。
診断プロセスは以降で図3に従ってグラフ的に見られ得る。
本発明のさらなる態様は、先に取られた尿および血液サンプルのCa同位体差の比較に基づいて腎臓機能を決定するための方法に関する。
Ca同位体差Δ尿-血液=δ44/42Ca血液は微量元素についての腎臓のリサイクル効率を反映するということと、この関係は非線形であるが、腎臓のリサイクル率f腎-吸収が値から計算され得る限りは計算可能であるということとが見いだされた(図を見よ)。
図4に従う次の図面は、血液系および腎臓の間におけるカルシウムの流れおよび同位体分別を示している。血液および尿中の測定されたカルシウム同位体比の助けによって、腎臓によるカルシウムの腎再吸収率が計算され得る。後者は腎臓の機能性の尺度である。
それから、腎臓の機能性は、本発明に従うと、計算されたリサイクル率に基づいて表1に従って分類され得る。
Figure 0007379468000005
ここで、値はeGFR(推算糸球体ろ過量)を決定することによって校正された。これは異なる腎臓機能を有する12人の女性患者について行われた。糸球体ろ過量(GFR)については、これは腎臓機能を推算するための現行で確立されている方法であるということを言っておかれなければならない。
GFRは、比較的込み入った様式で、クレアチニンクリアランスとして24h採尿からか、または広範囲の異なるeGFR近似式によって血漿中クレアチニン濃度からかどちらかで、肌の色、年齢、性別、および他の変数をもまた考慮して決定される。
MDMR式として公知であるものが最も普通である[サウロ・クラー(Saulo Klahr),アンドリュー・S.レヴィー(Andrew S. Levey),ジェラルド・J.ベック(Gerald J. Beck),アーリーン・W.カジューラ(Arlene W. Caggiula),ローレンス・ハンシッカー(Lawrence Hunsicker),ジョン・W.クセック(John W. Kusek),ゲリー・ストライカー(Gary Striker)著,「腎臓病研究群における食事の改変:慢性腎臓病の進行への食事タンパク質制限および血圧管理の効果(The Modification of Diet in Renal Disease Study Group: The Effects of Dietary Protein Restriction and Blood-Pressure Control on the Progression of Chronic Renal Disease)」,ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine),第330巻,第13号,1994年3月31日,887-884頁.doi:10.1056/NEJM199403313301301]。
近似式は中等症から重症の腎臓機能の限定による慢性腎臓病(ステージ3および4)を患っている外来患者について検証される。式は一般的には軽症の腎臓機能不全または腎臓機能不全なしにもまた適用可能ではない。
また、式は:
・ 正常な腎臓機能
・ 軽症の腎臓機能不全
・ 特に、60ml/minよりも上の糸球体ろ過量を有する人では、MDRD式はこれをおよそ10ml/minだけ過小評価する[A.レスリー・スティーブンス(Lesley Stevens)ら著,「多様な大集団の腎臓病研究方程式における食事の改変の評価(Evaluation of the Modification of Diet in Renal Disease Study Equation in a Large Diverse Population)」,米国腎臓学会誌(J Am Soc Nephrol),第18号,2007年,2749-2757頁(asnjournals.org)]
・ 急性の腎臓機能低下、
・ 重症の肥満
・ 重度に縮減した筋肉量(四肢切断、栄養不良)
・ 特に高い筋肉量を有する(ボディービルダーのダイエタリーサプリメント)
・ 食事による低いクレアチン供給量(菜食主義者)
を有する人の糸球体ろ過量を決定することにとって、
・ 糖尿病性腎症の特に重要な早期において腎臓機能をモニタリングすることにとって[「ネフロロジー・ビヨンド・JASN(Nephrology beyond JASN)」,エバーハルト・リッツ(Eberhard Ritz)特集編集:「推算GFR:その有用性に限界はあるか(Estimated GFR: Are There Limits to Its Utility?)」,米国腎臓学会誌(J Am Soc Nephrol),2006年,第17巻,2077-2085頁]、
好適ではない。
本発明に従うと、Ca同位体差Δ尿-血液=δ44/42Ca尿-δ44/42Ca血液が、腎臓のリサイクル効率を分類するための根拠として用いられる。腎臓のリサイクル率f腎-吸収が値から計算される。それから、分類が表1からの閾値に基づいて行われる。
ここで、δ記号δ44/42Caは、m3>m2>m1である次の式に基づいて、他のCa同位体比(例えば40Ca、41Ca、46Ca、48Ca、43Caの包含による)にもまた適用され得る:
Figure 0007379468000006
δ44/42Ca血液、δ44/42Ca尿、およびF尿の計算の該当する変数は測定によって知られる。F尿は尿によるカルシウムの1日損失を定める。
破線によってマークをされているCaの同位体および流れはレイリー方程式および同位体バランスによって計算され得る。次のアプローチが想定される。
δ記号の定義は:
Figure 0007379468000007
である。
尿では:
Figure 0007379468000008
単純化のために:
Figure 0007379468000009
それから、R尿/R血液の比が方程式(03)から与えられる:
Figure 0007379468000010
また、方程式(03)はR尿/R血液の比が(44Ca/42Ca)標準の絶対値を知ることなしに計算され得るという利点を有する。
Caの流れの分画およびそれに伴うCa同位体分別を記述するために、レイリー蒸留式がここで適用される。
次の既知の(測定された)変数:
a)尿および血液のCa同位体測定値の比
R尿/R血液 = (δ44/42Ca尿 - 1)/(δ44/42Ca血液 - 1)
ならびに次の未知の変数が、蒸留を記述する式の式(04)から(06)に包含される:
i. 血液および尿の間におけるCaの分割を記述する分配率(0≦f尿≦1)。表現f尿は尿によって排出されるカルシウムの相対的割合を記述し、f腎-吸収=(1-f尿)は血流中の再吸収されるカルシウムの割合を記述する。
ii. 血液および尿の間における分別係数「α」、および
iii. 血流中に再び流れ込むカルシウムのCa同位体値δ44/42Ca腎-吸収
方程式(04)から(06)が適用される。
Figure 0007379468000011
Figure 0007379468000012
Figure 0007379468000013
方程式(04)から(06)のさらなる単純化および取り扱いには、数学の分野において「小角近似」として普通に知られるものが用いられ得る。このアプローチの利点は、血液および尿の間の測定された同位体差(Δ尿-血液=δ44/42Ca尿-δ44/42Ca血液)が用いられ得るということである。さらにその上、それから、同位体尿-血液差およびろ過効率「f」の間の直接的な関係が作られ得る。
それは:
Figure 0007379468000014
である(「小角近似」)。
ln(x)=xの小角近似はx<<1であるときに適用される。同位体化学では、これはおよそ-30から+40‰の全ての範囲に用いられる。そのケースでは、1000ln(x)=d-d(d、d同位体比)である。dはパーミル(‰)で定められるので、1000倍することが必要である。
これは:
Figure 0007379468000015
をもたらす。
方程式(04)への使用は:
Figure 0007379468000016
を与える。
類似のアプローチが方程式(05)に採用され、そこで、それから:
Figure 0007379468000017
解かれるべき方程式系は次の通りである:
Figure 0007379468000018
変換された非線形方程式系(09)から(11)は(04)から(06)のものと同一であるが、解析的には特に方程式(9)では、血液および尿の間のCa同位体差ならびに腎臓のリサイクル率「f」の間に関数的な非線形関係があるということを示している。この方程式系は3つの未知数(f、α、およびδ44/42Ca腎-再吸収)を有し、よって、提供された3つの方程式によって解かれ得る。しかしながら、これらは非線形系であり、よって線型代数学のルールはここでは適用されない。代わりに、同時解を探すときには、反復最適化が用いられなければならない。
方程式(04)および(05)または等しく(09)および(10)の関数値はグラフ的に示され得る(レイリー方程式;図5を見よ)。
上側の曲線は、尿中に留まるカルシウムの関数としての尿のCa同位体組成(δ44/42Ca尿)を反映している。下側の曲線は、血流中に再吸収される腎再吸収された(δ44/42Ca腎-再吸収)カルシウムのCa同位体を反映している。分別係数「α」は同位体差の原因であり、その量的変数である。
図2は、血液および尿の間の同位体差(Δ44/42Ca血液-尿)ならびに腎吸収率(f腎-吸収)の間の関係をグラフ的に示している。加えて、腎臓機能の範囲(さらに上を見よ)が示されている。
さらなる態様では、本発明は、Ca同位体比δ44/42Caの差(デルタ記号)によって腸から血液への個人のカルシウム(Ca)吸収を決定するための方法に関する。骨粗鬆症が決定される場合には、このようにして、特に腎臓のリサイクル効率Δ尿-血液=δ44/42Ca尿-δ44/42Ca血液からの腎臓機能についての知見と併せて、どの問題が骨粗鬆症の原因であり得るかおよびどんな治療が勧められるかについて、主治医は重要な手掛かりを提供され得る。
ここで、決定は血液、大便、および食事中のカルシウム同位体比の差に基づいて行われる。ここでは、数日の期間に渡って取られたいくつかのサンプルが用いられる。
OSTEOGEO研究から得られた知見が、腸血液関門からの吸収率の計算を説明するために用いられる。
研究の範囲内で測定されたδ44/42Ca食事値は-0.43±0.01‰である。
大便の測定値δ44/42Ca大便値は-0.32±0.09‰である。
未知の相対的カルシウム量(f血液-腸)が血液によって吸収され(f血液-腸:0≦f血液-腸≦1、式中、f血液-腸は吸収率と言われる)、相補的なCa量(1-f血液-腸)が大便によって排出される。Caが腸から血液へと移行する際には、未知の大きさ(α)の同位体分別があり、よって、吸収されるCaのCa同位体値(δ44/42Ca吸収)もまた未知である。3つの未知の変数f血液-腸、α、およびδ44/42Ca吸収は3つの非線形方程式によって計算され得る。
3つの未知の変数f血液-腸、α、およびδ44/42Ca吸収は、3つの非線形方程式と2つの測定された既知の同位体値(δ44/42Ca食事およびδ44/42Ca大便)とから計算され得る:
Figure 0007379468000019
「R」は測定される44Ca/42Ca比であり、これはδ記号から逆算され得る。
Figure 0007379468000020
が成り立つ。
しかしながら、これは非線形系であり、よって線型代数学のルールはここでは適用されない。代わりに、同時解を探すときには、反復最適化が用いられなければならない。専門医学文献からのデータに従うと[R.P.ヒーニー(Heaney)著,「カルシウムエコノミー(The Calcium Economy)」,C.M.ウィーバー(Weaver),R.P.ヒーニー(Heaney)編,「人間の健康におけるカルシウム(Calcium in Human Health)」,p.145-162,トトワ,ニュージャージー州:ヒューマンプレス(Human Press);2006年]、平均吸収率f血液-腸はf血液-腸=0.3、すなわち30%である。文献からの引用文では、20mmol/d(0.8gCa/日)を食事と共に取り、かつ3.4mmol/d(0.136gCa/日)をCa含有消化液から吸収する被験者が、16.6mmol/d(0.66g/Ca/日)を排出するということが示されている。このようにして、食事のみを勘定に入れると吸収は17%であり、それから、食事およびCa含有消化液を勘定に入れると吸収はおよそ30%である。
よって、Ca含有消化液を考慮すると、実際には、f血液-腸=0.3すなわち30%という値が、およそ1gカルシウムという平均Ca吸収による指標値として考慮され得る。
ここで、先の発明のように、δ記号δ44/42Caは、m3>m2>m1である次の式に基づいて、他のCa同位体比(例えば40Ca、41Ca、46Ca、48Ca、43Caの包含による)にもまた適用され得る:
Figure 0007379468000021
このようにして、結果として、医師は、存在する骨粗鬆症が腎性骨異栄養症(腎臓機能不全)によってまたは腸からの低下したカルシウム(Ca)吸収によって誘発されたかどうかと、よって続発性骨粗鬆症が存在するかどうかとを発見する。
健康な対照群のカルシウムバランスを示す。 閉経後の骨粗鬆症群のカルシウムバランスを示す。 尿のCa/Sr元素比に基づく診断プロセスを示す。 臨床研究からの例示的な値を示す。 レイリー方程式を示す。 血液および尿のカルシウム同位体測定に基づく診断プロセスを示す。 血液のカルシウム同位体測定に基づく診断プロセスを示す。 尿の同位体測定に基づく診断プロセスを示す。 閉経後の女性の食事、大便、血液、および尿中のカルシウム同位体を示す。 腎臓機能の直接的な尺度としての、血液および尿の間の同位体差(Δ44/42Ca血液-尿)ならびに腎再吸収率(f腎-再吸収)の間の関係を示す。
材料および方法:
教示の一般性を限定することなしに、例示的なアプローチが以降で説明される。
血液および尿のサンプル採取:
血液サンプルは、血液検査に要求される正常な血液量(およそ8ml)で、医師によって患者から取られる。血液サンプルは半時間に渡って静置され、それから遠心された。もたらされた血清は凝血塊から分離された。さらなる化学的処理では、血清のみが用いられる。
さらなる化学的処理では、50μgカルシウムという絶対量に対応する血液量が採取される。
およそ10mlの尿サンプルは、この目的のために提供された容器を用いて患者自身によって取られ得る。さらなる化学的処理では、血液と類似に、50μgカルシウムという絶対量に対応する尿量が取られる。
サンプルからのアルカリ土類元素の抽出:
およそ5ppmの濃度の溶液が質量分析による測定のために利用可能であるまで、化学的プロセスによって、血液および尿からのカルシウムが抽出される。
カルシウムの化学的抽出のための血液の処理は次の方法によって行われ得る。
血液および尿中のカルシウムの同位体を決定するための化学的サンプル処理
第1日
・ マイクロウェーブ分解(MD)に要求されるベッセルにHNOおよびHが入れられる。
・ 調製されたサンプルおよび標準は対応するベッセル中へとピペッティングされる。
・ ベッセルは密封され、マイクロウェーブ装置が開始され、1.5時間に渡ってMDにセットされる。
・ 分解されたサンプルがMDから回収される。取り出し中には、溶液は順にビーカーに入れられ、乾燥するためにホットプレート上に置かれる(一晩)。
第2日
・ 一晩乾燥した分解されたサンプルは1mlのHNO+0.5mlのH中に組み込まれ、再度密封され、3時間に渡って沸騰させられる。
・ ビーカーが開けられ、溶液が乾燥させられる。
・ 乾燥したサンプルは1mlの2MのHNO中に組み込まれる。
第3日
・ アルカリ土類元素ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca、およびマグネシウム)の濃度が標準的な方法によるQ-ICP-MSによって測定される。
第4日
・ カラムクロマトグラフィーのための同じCa絶対量(50μgCa)を常に有するためには、ESIのPrepFastによる自動化された測定に要求される酸の量が計算され、サンプルはしかるべく希釈される。
・ サンプルはビーカーからPrepFAST(登録商標)チューブ(エレメンタル・サイエンティフィック)に移される。
・ アルカリ土類元素はPrepFAST(登録商標)装置(エレメンタル・サイエンティフィック)によって自動的に分離される。
第5日
・ 元素に従って分離されたサンプルがチューブからビーカーに再び移され、乾燥するためにホットプレート上に置かれる。
・ ひとたび乾燥されたら、それらは1mlのHNOおよび0.5mlのH中に再度組み込まれ、密封されてさらなる3時間に渡って沸騰させられる。
第6日
・ サンプルのビーカーが開けられ、乾燥させられる。
・ サンプルは10mlのHNO中に組み込まれ、平衡まで4時間に渡って静置される。
・ サンプルはNeptune(登録商標)(プラズマ質量分析計、サーモフィッシャー)による質量分析による測定のためのチューブに移され、そこで測定される。
アルカリ土類元素の同位体比および/または比を決定するためには、質量分析法以外に、分光法もまた用いられ得、発光によるスペクトル線の超微細構造の質量依存性を利用し得る。方法の一般的な有効性を限定することなしに、質量分析による値の決定が以降で記載される。
質量分析による測定:
一般的に、この溶液はプラズマ質量分析計(MC-ICP-MS:マルチコレクターイオン化結合質量分析計)(例えばサーモフィッシャーNeptune)によって測定される(この方法は以降で簡略的に記載される)。しかしながら、測定は代替的には熱イオン化質量分析計によってもまた行われ得る。目標は血清および/または尿のカルシウム同位体組成を決定することである。TIMSでは44Ca/40Ca比、MC-ICP-MSでは44Ca/40Ca比または代替的な比が測定される。両方の同位体比は同等の結果を与える。値は係数:44Ca/40Ca≒2.05.44Ca/40Caだけ異なるのみである。
プラズマ質量分析計の使用によるカルシウム同位体組成44Ca/40Caの決定:
カルシウム同位体測定はMC-ICPMS(Neptune(登録商標)、サーモフィッシャーサイエンティフィック)によって行われる。質量分析計は9つのファラデーカップを備え、それらの8つは移動可能である。これらは原子質量(u)42、43、43.5、および44が同時測定され得るように設計されている。干渉するCaおよびAr水素化物(例えば42Caに対する40Ar)を除くために、APEX-IRサンプル導入系(エレメンタル・サイエンティフィック(登録商標))が用いられる。全ての測定は中位の分解能(m/Δm~4000)で中心測定ピークの低質量側の干渉がないプラトーについて行われる。これは4.687±0.001uの好適な中位のカップ質量を選ぶことによって達成され、毎日検証される。
機器による分別(「マスバイアス」)は「標準サンプル挟み込み(SSB)」法を適用することによって補正される。サンプルの測定は、10000μg/mlのCa-ICP標準溶液から作られた5μg/mlのCa溶液の測定によって補正される。各サンプルは1つのセッションにおいて少なくとも4回測定され、平均値がさらなる手続きに用いられる。Ca同位体組成はδ44/42Caとして千分率(‰)で定められる:
δ44/42Ca(‰) = [(δ44/42Ca)サンプル/(δ44/42Ca)参照] - 1
測定されたCa-ICP標準溶液は一次参照材料として用いられる。それから、δ44/42CaICP値はNIST-SRM915aからの測定されたδ44/42CaICP値の使用によってNIST-SRM915aに変換される:
δ44/42CaSRM915a(サンプル,‰) = δ44/42CaICP(サンプル) - δ44/42CaICP(SRM 915a)
すなわち、全ての測定値は国際標準SRM915aに対して相対的に定められる。
各セッションにおいては、化学的に未処理のNIST-SRM915a材料が各セッションの開始時および終了時に測定され、これらの結果は化学的に処理されたNIST-SRM915aのものと比較された。処理されたおよび未処理のSRM915aの間の平均差は一般的には0.01‰未満であるべきであり、よって、化学的精製の間のCa同位体分別は無視できると考慮され得る。
バックグラウンド補正のためには、「オンピーク」アプローチが用いられる。1%HNO溶液の測定された強度が爾後のサンプル測定の強度から差し引かれる。
加えて、42Ca、43Ca、および44Caの質量の強度の正しい測定を保証するために、二価のストロンチウム(84Sr、86Sr、および88Sr)のイオンの測定が調べられた。これのためには、各セッションの開始時に、2μg/mlのSr溶液の質量42/43.5、43/43.5、および44/43.5の強度比が測定された。それから、これらの比は、所与のサンプルの質量43.5の測定された強度から二価のSrの強度を計算するために用いられた。
品質管理のために、測定フェーズにおいて測定されたNIST-SRM1486およびIAPSO海水標準のδ44/42Ca値が公表値と比較された。およそ2ヶ月の期間に渡る長期の再現性(2SD=標準偏差)は、全ての分析された参照材料について一般的に0.06‰よりも良好である。
さらなる品質保証のために、個々の測定、個々のサンプル、および手順全体を棄却するためのいくつかの基準が適用された。個々の測定または手順は:
・ |δ44/42Ca-2・δ43/42Ca|>0.2‰の場合には捨てられる。
・ 同じ電荷の5μg/mlのCaのICP溶液またはNIST-SRM915a溶液の平均強度と比較して、平均強度が70から130%の強度ウインドウ外にある場合には、サンプル測定は捨てられる。
・ 測定された国際参照材料の1つ超が文献値から取られた0.2‰超であるか、またはデータが質量依存分別線に沿って落ちない場合には、手順全体が棄却される。
Ca/Sr比は標準的な方法によって四重極型質量分析計によって決定される(方法は以降で記載される)。
Ca/SrおよびMg/Ca元素比の決定
Ca同位体分析の前に、マトリックス適合した外部校正曲線および内部標準としてのインジウムを用いて、四重極型質量分析計(アジレント7500cx(登録商標))によって、サンプル溶液のCa、Mg、およびSr濃度が測定される。42Ca、43Ca、および44Caに対する二価の84Sr、86Sr、および88Srとの干渉を最小化するために、測定中には、二価イオンの強度は2%よりも下に保たれる。溶液のブランク全体は一般的に50ngよりも下である。国際的に利用可能な標準を用いる濃度測定およびそれらの比の長期の再現性は、一般的に5%(1SD=標準偏差)よりも良好である。
カルシウム同位体データの評価:
測定されたカルシウム同位体値は従来のδ記号:
Figure 0007379468000022
によって報告され、式中、(44Ca/42Ca)サンプルは質量分析計によって測定される血液サンプルの比であり、(44Ca/42Ca)標準は国際的に公知のかつ公認の比のカルシウム同位体比である。このアプローチは測定される同位体比の国際的な比較可能性を許す。
閾値の決定:
臨床研究(OSTEOGEO研究)から、ROC(受信者動作特性)分析の範囲内でδ44/42Ca血液、δ44/42Ca尿、および(Ca/Sr)尿について女性を見分けるための統計的に有意な閾値が確認された。有効な国際(WHO世界保健機関)および国内(DVO骨粗鬆症アンブレラ組織)規則に従う骨粗鬆症の定義を満たすために、ビタミンD欠乏の症状(≦25μmol/l)を有するいずれかの研究参加者は除外されなければならなかった。これには20人の女性が罹患しており、よって、骨粗鬆症の標準的な基準を満たす80人の女性が研究に留まった。
これらの80人の女性のうち、66人はX線結果(DXA、ゴールドスタンダード)に従って骨粗鬆症の徴候を有さないと判定され、14人は骨粗鬆症を患っていると診断された。
Figure 0007379468000023
陰性蓋然性係数(L)は、閾値よりも上の値が健康な者に対して相対的に陽性の骨粗鬆症診断をもたらす蓋然性を定める。
陽性蓋然性係数(L)は、閾値よりも下の値が健康な者に対して相対的に陽性の骨粗鬆症診断をもたらす蓋然性を定める。
血液サンプル(δ44/42Ca血液)および尿サンプル(δ44/42Ca尿)に基づく本発明に従う診断の例示的アプローチ.
値の多大な類似性に留意して(表2)、OSTEOGEO研究の全ての100被験者はビタミンD濃度による限定なしに考慮された。それにもかかわらず、診断の感度はビタミンD濃度が既知であるときに増大する(表2)。
ROC統計分析は、研究群全体について、-0.85±0.06‰というδ44/42Ca血液の閾値(δ44/42Ca閾値-血液)を明らかにした。方法の感度は94.4%と計算され、特異度は53.7%であった(表2)。この閾値よりも上にある健康な被験者の血液測定値は陽性診断(骨粗鬆症)をもたらす0.1倍の蓋然性のみを有する(陰性蓋然性係数L=0.1)。閾値よりも下の測定されたカルシウム同位体値は、患者が陽性診断(骨粗鬆症)を受ける2.04倍高い蓋然性を有する(陽性蓋然性係数L=2.04)。
血液サンプル(δ44/42Ca血液)および尿サンプル(δ44/42Ca尿)のカルシウム同位体値両方が存在するケースにおける本発明に従う骨粗鬆症/腎臓機能診断の例示的な手続き - 図8:
a) 差Δ尿-血液を出し、腎再吸収(f腎-再吸収)を計算する。表1に従って腎臓機能を分類する。
b) δ44/42Ca血液-測定 ≧ δ44/42Ca閾値-血液 + 0.06。
忍容値を包含するこの閾値よりも上にある健康な被験者の血液測定値は、骨粗鬆症陽性診断をもたらす0.1倍の蓋然性のみを有する。青信号!
骨粗鬆症は存在しないということが高度に蓋然的である(青信号!)
c) δ44/42Ca閾値-血液 + 0.06 ≧ δ44/42Ca血液-測定 ≧ δ44/42Ca閾値-血液- -0.06 ‰。
閾値の忍容範囲内の位置を原因として、患者は骨粗鬆症の初期と診断される。黄信号! これらの患者は特定の骨(例えば大腿骨)について骨折の個人リスクを決定するために追加のDXA測定を推奨される。
d) δ44/42Ca血液-測定 ≦ δ44/42Ca閾値-血液 - 0.06 ‰。
忍容値を包含する閾値よりも下の血液の測定されたカルシウム同位体値は、陽性診断(骨粗鬆症)の2.04倍高い蓋然性を有する。おそらく、カルシウムの正味の損失および骨粗鬆症がある。これらの患者は特定の骨について骨折の個人リスクを決定するために追加のDXA測定を推奨される。
診断手続きのグラフ的な提示は以降で提供される(図6を見よ)。
血液サンプル(δ44/42Ca血液)のみが存在するケースにおける本発明に従う診断の例示的手続き(図7):
骨粗鬆症についての結論は、血液サンプルのみが存在する場合にもまたなされ得る。尿サンプルと比較して血液サンプルの高い感度を原因として(表2)、血液サンプルの診断上の結論は尿サンプルのものよりも高い。なぜなら、尿サンプルは限定された腎臓機能によって損なわれ得るからである。加えて、診断上の結論の感度は患者のビタミンD濃度が既知である場合に増大する(表2)。
a) δ44/42Ca血液-測定 ≧ δ44/42Ca閾値-血液 + 0.06:
忍容値を包含するこの閾値よりも上の測定されたカルシウム同位体値は、陽性診断(骨粗鬆症)をもたらす0.1倍の蓋然性のみを有する(青信号!)。
b) δ44/42Ca閾値-血液 + 0.06 ≧ δ44/42Ca血液-測定 ≧ δ44/42Ca閾値-血液 - 0.06:
閾値の忍容範囲内の位置を原因として、患者は骨粗鬆症の初期と診断される(黄信号!)。これらの患者は特定の骨について骨折の個人リスクを決定するために追加のDXA測定を推奨される。
c) δ44/42Ca血液-測定 ≦ δ44/42Ca閾値-血液 - 0.06:
忍容値を包含する閾値よりも下の測定されたCa同位体値は、陽性診断(骨粗鬆症)の2.04倍高い蓋然性を有する(赤信号!)。カルシウムの疑われる全身的な損失およびあり得る骨粗鬆症がある。これらの患者は特定の骨について骨折の個人リスクを決定するために追加のDXA測定を推奨される。
尿サンプル(δ44/42Ca尿)のみが存在するケースにおける本発明に従う診断の例示的手続き(図8):
骨粗鬆症についての結論は尿サンプルのみが存在する場合にもまたなされ得る。診断上の結論の感度は患者のビタミンD濃度が既知である場合に増大する。
a) δ44/42Ca尿-測定 ≧ δ44/42Ca閾値-尿 + 0.06:
忍容値を包含するこの閾値よりも上の測定されたカルシウム同位体値は、陽性診断(骨粗鬆症)をもたらす0.41倍の蓋然性のみを有する(青信号!)。
b) δ44/42Ca閾値-尿 + 0.06: ≧ δ44/42Ca尿-測定 ≧ δ44/42Ca閾値-尿 - 0.06:
閾値の忍容範囲内の位置を原因として、患者は骨粗鬆症の初期と診断される(黄信号!)。これらの患者は特定の骨について骨折の個人リスクを決定するために追加のDXA測定を推奨される。
c) δ44/42Ca尿-測定 ≦ δ44/42Ca閾値-尿 - 0.06:
忍容値を包含する閾値よりも下の測定されたCa同位体値は、陽性診断(骨粗鬆症)の2.19倍高い蓋然性を有する(赤信号!)。カルシウムの疑われる全身的な損失およびあり得る骨粗鬆症がある。これらの患者は特定の骨について骨折の個人リスクを決定するために追加のDXA測定を推奨される。
図9:閉経後の女性の食事、大便、血液、および尿中のカルシウム同位体。
図10:腎臓機能の直接的な尺度としての、血液および尿の間の同位体差(Δ44/42Ca血液-尿)ならびに腎再吸収率(f腎-再吸収)の間の関係。加えて、異なる腎臓機能(閾値)の定められた範囲が示されている。
本発明は、骨密度の低下および/またはカルシウム損失を伴う疾患を診断するための方法への使用のための検査キットにもまた関し:
- サンプル液を受ける採集容器と、
- サンプル液の一部を受け、それをアルカリ土類金属分の同位体比および/または量比を決定する測定装置に輸送するための少なくとも1つのモノベットと、
- 説明書と、を含む、
- パッケージングを含み、
説明書は、確認されるべき1つ以上のサンプル値との比較のための、アルカリ土類金属分の同位体比および/または量比の個人に非依存的な固定された閾値を有する。
特に尿検査キットではδ44/42Ca尿=0.23±0.06‰または血液検査キットではδ44/42Ca血液=-0.85±0.06‰という、δ記号に従う同位体比44Ca/42Caの固定された閾値が、検査キットの説明書に定められ得る。
さらにその上、本発明は、本発明に従う方法への使用のための検査キットに関し:
- サンプル液を受ける採集容器と、
- サンプル液の一部を受け、それをアルカリ土類金属分の同位体比および/または量比を決定する測定装置に輸送するための少なくとも1つのモノベットと、
- 説明書と、を含む、
- パッケージングを含み、
閾値との少なくとも1つのサンプル値の比較のために、検査キットによって、個人の患者を前提とする1つ以上の因子に非依存的な閾値が定められる。
かかる検査キットは、方法について上で言及されている特徴の全て、または本発明に従う方法およびその実施形態に必要な全ての構成要素を、個々にまたは組み合わせで含み得る。
特に、本発明に従う検査キットの利点は、初めて、骨密度の低下および/またはカルシウム損失を伴う疾患についての診断の根拠を提供するために、単一サンプルが十分であるということである。特に患者に非依存的な固定された閾値との比較は、先に公知の診断キットによって行われる手順の非常に有意な単純化に当たる。

Claims (8)

  1. 次のステップを含む、骨密度の低下および/またはカルシウム損失を伴う疾患を診断するための方法であって:
    a)個人の患者の尿または血液のサンプル中のカルシウム(Ca)の同位体比またはカルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)の量比を決定すること、
    b)それによって、血液サンプルの同位体比 44 Ca/ 42 Ca、尿サンプルの同位体比 44 Ca/ 42 Caおよび、尿サンプルのカルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)の量比から選ばれる少なくとも1つのサンプル値を決定すること、および
    c)少なくとも1つのサンプル値を閾値と比較すること、
    閾値が個人の患者を前提とする1つ以上の因子に非依存的に選択され、
    ステップc)において、サンプル型に依存して予め定められた個人に非依存的な固定された閾値が比較値として用いられ、
    δ記号に従う血液サンプルの同位体比44Ca/42Caのステップc)における閾値が、δ4442Ca血液=-0.85±0.06‰であるか、
    δ記号に従う尿サンプルの同位体比44Ca/42Caのステップc)における閾値がδ4442Ca尿=0.23±0.006‰であるか、
    尿サンプルのカルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)の量比のステップc)における閾値が1772±250molCa/molSrである、
    ということを特徴とする、方法。
  2. ステップa)において、サンプル中のカルシウム(Ca)の同位体比またはカルシウム(Ca)対ストロンチウム(Sr)の量比が質量分析によって決定されるということを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. δ4442Ca血液の閾値が、
    m3>m2>m1であり、式中、m3、m2、m1がそれぞれ44、43、42の質量数を表す、式:
    Figure 0007379468000024

    によりδ 44 43 Ca 血液 の閾値に適用されるということを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 加えて腎臓機能を確認するために、ステップb)において、1つのサンプル値がδ44/42Ca尿として確認され、かつさらなるサンプル値がδ44/42Ca血液として確認され、ステップc)において、2つのサンプル値の間の差が閾値と比較されるということを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 加えて腸機能を確認するために、ステップa)において、個人の患者の大便のサンプル中のカルシウム(Ca)の同位体比が決定され、ステップb)において、1つのサンプル値がδ4442Ca大便として決定され、かつさらなるサンプル値がδ4442Ca血液として決定され、ステップc)において、2つのサンプル値の間の差が閾値と比較されるということを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 骨密度の低下および/またはカルシウム損失を伴う疾患が骨粗鬆症、骨軟化症、多発性骨髄腫、および/または腎機能不全であるということを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ステップb)においてサンプル値がδ4442Ca尿として決定され、かつステップc)においてδ4442Ca尿=0.23±0.06‰というδ記号に従う閾値との比較が、サンプル値がより多大であることを明らかにする場合には、骨粗鬆症疾患の存在が非蓋然的として除外されるということを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  8. ステップb)においてサンプル値がδ4442Ca血液として決定され、かつステップc)においてδ4442Ca血液=-0.85±0.06‰というδ記号に従う閾値との比較が、サンプル値がより多大であることを明らかにする場合には、骨粗鬆症疾患の存在が非蓋然的として除外されるということを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
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