JP7377086B2 - 牽引支援装置 - Google Patents

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Description

この発明は、牽引支援装置に関するものである。
自動車などの車両では、車両の後部に連結具を取付けることで、連結具にトレーラを連結して、牽引することが可能になる。
トレーラが連結された車両においては、後退の際に、車両とトレーラとが成す角度がある程度以上の急角度になると、いわゆるジャックナイフ現象によって、トレーラが動けなくなってしまうことが知られている。このようなジャックナイフ現象が発生すると、停止状態となったトレーラに対して後退する車両が衝突してしまうおそれがあるため、ジャックナイフ現象が発生しないように注意しながら車両を後退させることが必要になる。
そのため、車両の後退を監視してジャックナイフ現象が発生しないようなステアリング操作を行わせるための後退支援装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2015/0344067 A1号明細書
しかしながら、上記特許文献1に記載された後退支援装置は、車両に搭載されたモニタで車両とトレーラとの角度を、上から真下に見下ろしたような表示を見ながら(監視しながら)、モニタの近くに設置されたコントロールノブを回して、車両のステアリング操作を間接的に行わせるようなものであったため、表示とコントロールノブとの関係が感覚的に分かり難く、また、コントロールノブによる操作が難しいなどの問題があった。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものである。
上記課題に対して、本発明は、
トレーラを連結具で連結した車両の後退を支援する制御部と、
少なくとも前記車両の後退時に、前記車両の後部に取付けられた前記連結具の周辺を、車両前方側から車両後方側を見た後方視の状態で表示するモニタと、を備え、
前記制御部は、後退時に、前記車両と前記トレーラとがジャックナイフ現象を起こすジャックナイフ角度と同じかそれよりも角度の小さい警報角度を求める警報角算出部と、
前記車両と前記トレーラとが成すトレーラ角が前記警報角度を超えたときに、警報を発生させる警報発生部とを備え
前記制御部は、トレーラ角速度を用いて前記ジャックナイフ角度に到達するまでの推定時間を求める推定時間算出部を備え、
前記制御部は、前記推定時間算出部による前記推定時間が、第一設定時間を下回ったときに、前記車両に備えられた自動ブレーキシステムへ、前記車両を緊急停止させるブレーキ作動信号を送るブレーキ操作部を備え、
前記制御部は、前記推定時間算出部による前記推定時間が、前記第一設定時間よりも短い第二設定時間を下回ったときに、前記車両に備えられた自動操舵システムへ、前記車両に前記トレーラ角が小さくなる方向への緊急操舵を行わせる緊急操舵信号を送る緊急操舵部を備えた牽引支援装置を特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、トレーラが連結された車両を後退させる際に、感覚的に分かり易く後退を支援することなどができる。
また、推定時間算出部は、トレーラ角速度を用いてジャックナイフ角度に到達するまでの推定時間を求め、得られた推定時間を基にトレーラ角を監視したり、車両に対する各種の制御を行わせたりすることができる。そして、ブレーキ操作部は、推定時間算出部による推定時間が、第一設定時間を下回ったときに、車両に備えられた自動ブレーキシステムへブレーキ作動信号を送って、自動ブレーキシステムに車両を緊急停止させる。更に、緊急操舵部は、推定時間算出部による推定時間が、第一設定時間よりも短い第二設定時間を下回ったときに、車両に備えられた自動操舵システムへ、緊急操舵信号を送って、自動操舵システムにトレーラ角が小さくなる方向への緊急操舵を行わせる。これらにより、車両がジャックナイフ現象に陥ることを自動的に回避できる。
実施例にかかる牽引支援装置を備えた車両、および、この車両に連結されたトレーラの状態を示す側面図である。 図1の連結具を示す斜視図である。 トレーラ角を示す車両およびトレーラの平面図である。 牽引支援装置の概要を示すブロック図である。 モニタの表示を示す図である。 牽引支援装置の制御部を示すブロック図である。 ジャックナイフ角度と、ジャックナイフ角度を生じない操舵範囲と、警報角度との関係を示す図である。 角度検出装置を示す車両後部の斜視図である。 ジャックナイフ角度およびトレーラ角速度を算出するための関係式に代入する車両およびトレーラのパラメータを示す平面図である。 ゲインを求めるためのマップを示す図である。このうち、(a)はトレーラ速度閾値、(b)はトレーラ加速度閾値、(c)はタイヤ角閾値、(d)はトレーラ角速度閾値を求めるためのマップである。 操舵可能領域を、警報角度の内側領域内に規制する状態を示す図である。 (a)は操舵可能領域を狭める前の図、(b)は操舵可能領域を操舵制限角近傍まで狭めた状態を示す図である。 トレーラ角と操舵角との関係を示すグラフである。このうち、(a)はトレーラ角の経時的な変化を示すグラフ、(b)は操舵角の経時的な変化を示すグラフである。 切り増しの際の操舵の状態を示す図である。このうち、(a)は切り増しの前(時刻t1)の状態、(b)は切り増し中(時刻t2)の状態である。 操舵角の制限を行わない場合のフローチャートである。 操舵角の制限を行う場合のフローチャートである。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1~図16は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
図1に示すように、自動車などの車両1の後部に連結具2(図2)を取付けて、連結具2にトレーラ3を連結することで、トレーラ3を牽引することが行われている。
トレーラ3を連結した車両1(牽引車両)は、通常の車両1とは挙動が異なるため、運転には慣れが必要になる。例えば、車両1とトレーラ3との間には、車両1の加速時や減速時などに、トレーラ3の慣性によって、トレーラ3と車両1との間に速度差や角度変化が生じることで、車両1に対してトレーラ3が大きく「く」の字状(またはL字状)に折れ曲がるいわゆるジャックナイフ現象が発生する可能性があるので、ジャックナイフ現象に陥らないように注意する必要がある。特に、牽引車両の運転は、後退する場合が難しく、車両1とトレーラ3とが成す角度(トレーラ角4、図3)がある程度以上の大きさ(ジャックナイフ角度13)になると、または、車両1に対してトレーラ3が急角度に折れ曲がった状態になると、ジャックナイフ現象によってトレーラ3が動かなくなってしまう。なお、トレーラ角4は、(車両1を基準とする)車両前後方向Xの向きを0度としたトレーラ3の左右(車幅方向Y)の振れ角などとして表わすことができる(例えば、右側を+の角度、左側を-の角度などとする(なお、+と-は逆でも良い))。そして、図3の扇形の範囲の内側が、ジャックナイフ角度13未満のジャックナイフ現象を発生しない範囲(後述する許容操舵領域31)となる。
そのために、トレーラ3を牽引する車両1に対し、図4に示すような牽引支援装置5を設置する。この実施例の牽引支援装置5は、後退の際に車両1がジャックナイフ現象に陥らないように支援を行うための装置である。牽引支援装置5は、車両1に搭載されることで車両1の一部となる。
この牽引支援装置5は、以下のような構成のものとされる。
「牽引支援装置5の基本的な構成について」
(1)牽引支援装置5は、トレーラ3を連結具2で連結した車両1の後退を支援する制御部11と、
少なくとも車両1の後退時に、車両1の後部に取付けられた連結具2の周辺を、車両前方側から車両後方側を見た後方視の状態(図5)で表示するモニタ12と、を備えるようにする。
制御部11は、図6に示すように、後退時に、車両1とトレーラ3とがジャックナイフ現象を起こすジャックナイフ角度13(図7)と同じかそれよりも角度の小さい警報角度14(図7)を求める警報角算出部15と、
車両1とトレーラ3とが成すトレーラ角4が警報角度14を超えたときに、警報を発生させる警報発生部18とを備えるようにする。
ここで、トレーラ3は、車両1によって牽引される被牽引車両である。トレーラ3は、従動式のものとされる。
車両1は、トレーラ3を牽引する牽引車両である。車両1は、自走可能で(前進や後退などができ)、(左右の操舵によって)方向転換または方向変更が可能なものとされる。車両1には、乗員が運転するものや、乗員による運転を支援する機能、または、乗員に代わって自動で運転を行う機能を備えたもの(運転支援車や自動運転車など)を使用することができる。運転支援車や自動運転車などの車両1には、自動ブレーキシステム21や自動操舵システム22(図6)の少なくともいずれかが搭載される。自動ブレーキシステム21や自動操舵システム22は、車両1に搭載されることで運転支援車や自動運転車などの車両1の一部となる。
制御部11は、主に、車両1に搭載されたコンピュータなどの演算制御装置と、コンピュータにインストールされた制御ソフトによって構成され、トレーラ3の牽引を支援するために必要となる各種の制御量を算出したりすることができるようになっている。制御部11には、連結具2の周辺の映像を取得するためのカメラ23などの映像取得部が、直接、または、信号処理装置24を介して接続される。カメラ23および信号処理装置24からの情報は、後述する重畳表示部17へ送られて、モニタ12の表示に使用される。モニタ12には、カメラ23および信号処理装置24からの情報を用いて連結具2の周辺の映像や図形が表示される。カメラ23や信号処理装置24は、牽引支援装置5の一部として車両1に備えられる。牽引支援装置5は、カメラ23および信号処理装置24からの情報を、連結具2における車両1とトレーラ3との連結状況を確認するのに用いることができる。車両1とトレーラ3との連結状況の確認は、Lidarなどのレーダーセンサや、Miliwaveなどのミリ波センサなど周辺状況検知装置を用いて行うことも可能である。カメラ23や周辺状況検知部は、車両1の後部に搭載されているもの(例えば、バックモニタ用カメラ23aやバックセンサ23bなど、図8)を使用することができる。信号処理装置24は、カメラ23からの信号を処理して制御部11へ渡すための装置である。信号処理装置24は、制御部11の外部構成として設けたり、制御部11の内部機能として設けたりすることができる。
また、制御部11には、牽引支援装置5に関する各種の情報やデータなどを記録するためのメモリ25(図6)などが設けられる。メモリ25は、制御部11の内部に設けても良いし(内部メモリ)、外部に設けたものを使っても良い(外部メモリ)。
連結具2は、車両1にトレーラ3を連結するための治具である。トレーラ3は、連結具2に設けられた連結点26(図3)を中心として左右に回動自在に連結される。この実施例では、連結具2の連結点26を車両1とトレーラ3との連結部としている。
「連結具2の周辺」は、連結具2、および、連結具2に連結されたトレーラ3の前部などのことである。
後方視の状態は、車両1の後側の光景を、ほぼ水平(または、水平に対して若干上向きまたは下向きに)に見た状態である。
モニタ12は、液晶パネルや有機ELパネルなどを用いた表示装置などとすることができる。モニタ12は、車両1の車室内(特に車室前部)に設置したものを使用するのが好ましい。モニタ12は、牽引支援装置5に専用のものを設けても良いし、車両1に設置されている他の電子機器(例えば、モニタを有する計器装置やカーナビゲーションシステムや車載テレビやドライブレコーダー)などのものを流用しても良い。なお、カメラ23にバックモニタ用カメラ23aやその他のカメラを用いた場合には、カメラで撮影した連結具2の周辺の映像(動画)をモニタ12に表示することができる。また、映像に代えて連結具2の周辺を描いた図形(アニメーション)などをモニタ12に表示させることもできる。モニタ12は、タッチパネル27を備えたものなどとすることにより、タッチパネル27を牽引支援装置5に対する入力装置として使用することができる。この場合、制御部11には、タッチパネル27からの信号を入力する入力部28を備えるようにする。
ジャックナイフ角度13(Jackknife angle)は、例えば、図9に示すような、車両1およびトレーラ3の各パラメータ(車両諸元)を、線形幾何学的な関係式(式1)に代入することによって算出される。関係式中のDは連結具2の連結点26からトレーラ3の従動輪3a(の中心)までの距離、Wは車両1の前輪1a(の中心)と後輪1b(の中心)との間の距離(ホイールベース)、Lは車両1の後輪1b(の中心)から連結具2の連結点26までの距離、δは車両1のタイヤ角、γcはジャックナイフ角度13である。
この実施例では、車両1の前輪1aが操舵輪となっている。D、W、Lなどのパラメータは、例えば、入力部28から入力して、メモリ25に記憶させておくことができる。ジャックナイフ角度13は、その車両1およびトレーラ3にとって固有の値(固定値)となり、車両前後方向Xの両側に、同じ角度で左右対称に存在する。ジャックナイフ角度13は、例えば、予め算出しておいたものをタッチパネル27から制御部11へ入力し、メモリ25に記憶させておくなどによって、制御部11でいつでも使用できるようにしても良い。また、制御部11の内部で算出したものを直接またはメモリ25に記憶させて使用できるようにしても良い。制御部11には、専用のジャックナイフ角度算出部を設けたり、例えば、警報角算出部15などをジャックナイフ角度算出部にしたりして、専用のジャックナイフ角度算出部や警報角算出部15でジャックナイフ角度13を算出させることができる。
警報角度14は、警報を発生させるための閾値となる角度である。警報角度14は、ジャックナイフ角度13と同じに設定することもできるが、より早期に警報を発生させるためには、ジャックナイフ角度13よりも小さな角度に設定するのが好ましい。但し、警報角度14をあまり小さくし過ぎると、警報が頻繁に生じて煩わしいものとなり、実用的でなくなる。よって、警報角度14は、小さ過ぎず、大き過ぎない、実用上最適な角度に設定するのが好ましい。また、警報角度14は、固定値としても良いが、車両1やトレーラ3の状況に応じて経時的に変化する可変値とするのが、警報角度14の最適化を図る上では好ましい。警報角度14は、通常の場合、車両前後方向Xを0度として、車両前後方向Xの両側に同じ角度で左右対称に設定するのが好ましい。警報角度14については、後述する。
警報角算出部15は、警報角度14を算出するための制御部11の機能部分である。警報角算出部15は、車両1やトレーラ3の状況に応じて経時的に変化する最適な警報角度14を逐次算出する。
トレーラ角4は、車両1とトレーラ3との折れ角のことであり(図9)、連結具2の連結点26を通る、車両1の幅中心線とトレーラ3の幅中心線とが成す角度のことである。トレーラ角4は、経時的に変化する値であり、制御部11によって算出される。制御部11には、トレーラ角4を算出するためのトレーラ角算出部34が設けられる。トレーラ角算出部34は、例えば、カメラ23からの情報を入力して画像認識処理やデータ解析処理などを行うことでトレーラ角4を得ることができる。
また、例えば、トレーラ角4は、トレーラ角速度を経過時間で積分することによって算出することもできる。この場合、トレーラ角速度は、上記したD、W、Lのパラメータや、車速Vや、タイヤ角δなどを関係式(図9の式2)に代入することで算出される。車速Vやタイヤ角δは経時的に変化する値である。そして、カメラ23からの情報を画像認識処理やデータ解析処理して得たトレーラ角4(実際のトレーラ角4)と、トレーラ角速度から算出したトレーラ角4(計算上のトレーラ角4)とは、基本的に同じ値になるので、トレーラ角算出部34は、どちらを用いてトレーラ角4を得るようにしても良い。なお、上記したジャックナイフ角度13は、トレーラ角算出部34を上記したジャックナイフ角度算出部として、トレーラ角算出部34で算出するようにしても良い。
警報発生部18は、車両1に搭載された警報装置35に警報を発生させるための制御部11の機能部分である。警報装置35には、例えば、モニタ12や車両1に搭載された電子機器(例えば、カーナビゲーションシステムや、車載テレビや、カーオーディオシステムなど)などの機能を用いることができる。警報は音や表示などで行うことができる。音による警報は、例えば、モニタ12や車両1に搭載された電子機器に備えられているスピーカー36やブザーなどから発生させることができる。表示による警報は、例えば、モニタ12によって行わせることができる。モニタ12の表示による警報は、例えば、色の変化や、警告文字や警告用図形などの表示などを適宜組み合わせることによって行わせることができる。この実施例では、トレーラ角4が警報角度14を超えたときに警報音を発生させるようにしている。また、トレーラ角4がジャックナイフ角を超えたときにモニタ12の画面や、モニタ12に青色で表示されている扇形の内側領域16を黄色などの警告色に変化させて表示するようにしている。但し、表示による警報は、上記に限るものではなく、また、警告色は黄色に限るものではない。なお、警報発生部18の機能は、警報角算出部15に持たせるようにしても良い。
(2)制御部11は、警報角度14の内側に位置する内側領域16の少なくとも一部を連結具2の位置に重ねてモニタ12(図5)に表示する重畳表示部17を備えても良い。
ここで、内側領域16(図7)は、左右2つのジャックナイフ角度13の間に位置する(ように設定された)左右2つの警報角度14によって挟まれた扇形の範囲である。内側領域16は、重畳表示部17が警報角算出部15からの警報角度14に基づいてモニタ12に表示させる。左右2つのジャックナイフ角度13の間の角度は、ジャックナイフ現象を引き起こさない許容操舵領域31(図7)となり、このうち、左右2つの警報角度14の間に位置する内側領域16は、ジャックナイフ現象にならずに安心して操舵できる安心領域、または、警報が発生されない非警報領域となる。そして、ジャックナイフ角度13と警報角度14との間の角度は、ジャックナイフ現象に陥る寸前の警戒領域32(図7)、または、警報が発生される警報領域となる。そして、左右2つのジャックナイフ角度13よりも外側の角度は、ジャックナイフ現象が起きる発生領域となる。
扇形をした内側領域16は、その少なくとも一部を、例えば、青色などに着色することでモニタ12に分かり易く表示できる。これにより、モニタ12を見ることによって、青色をした内側領域16の範囲内にトレーラ角4(または連結具2)が収まっているかどうかが分かり、また、内側領域16の範囲内に収まるように車両1を後退させることが容易にできるようになり、車両1の後退をうまく案内してジャックナイフ現象の発生を有効に防止できるようになる。なお、内側領域16の色は青色に限るものではない。また、車両1やトレーラ3の状況に応じて算出された警報角度14を用いた場合、内側領域16は、経時的に大きさが変化するものとなる。
内側領域16の少なくとも一部とは、内側領域16の全部または一部のことである。内側領域16は、安心領域であるため、トレーラ角4が内側領域16の一部に収まってさえいれば良いので、内側領域16の一部のみを表示するように構成しても車両1の後退を支援する目的を達成することができる。なお、モニタ12の内側領域16の表示は、構成上は、最大限、左右のジャックナイフ角度13の間の左右の許容操舵領域31まで拡げることが可能である。
重畳表示部17は、モニタ12(図5)に、少なくとも、連結具2の周辺の映像または図形と、扇形をした内側領域16の少なくとも一部とを同時に表示させるための制御部11の機能部分である。重畳表示部17は、モニタ12にその他の表示も行わせることができるが、連結具2の周辺の映像または図形と、扇形をした内側領域16の少なくとも一部との2つのみを表示させることで、表示が必要最低限のシンプルなものとなって、最も見易くなる。なお、この実施例では、上記に加え、後述するような目標トレーラ角65や操舵制限角61を示す線を、必要に応じて表示させ得るようにしている。
(3)警報角算出部15は、ジャックナイフ角度13を基に、車速、加速度、操舵角、トレーラ角速度の少なくとも1つを用いて、警報角度14を常時更新し、
重畳表示部17は、更新された警報角度14の内側領域16の少なくとも一部をモニタ12に逐次表示させるようにしても良い。
ここで、車速は、車両1やトレーラ3の速度である。車速は、車両1やトレーラ3に設けられた車速センサなどから得ることができる。
加速度は、車両1やトレーラ3に作用される振動や衝撃などによる速度変化量のことである。加速度は、車両1やトレーラ3に設けられた加速度センサなどから得ることができる。
操舵角は、車両1のステアリングホイールの切れ角のことである。操舵角は、車両1の舵角センサなどから得ることができる。なお、この実施例では、タイヤ角を操舵角とほぼ同様のものとして取扱っている。
トレーラ角速度は、連結具2の連結点26を中心とするトレーラ3の回転運動の速度のことである。トレーラ角速度は、上記したように、トレーラ角算出部34によって算出される。車速、加速度、操舵角、トレーラ角速度は、経時的に変化する物理量である。
警報角度14は、例えば、ジャックナイフ角度13に、車速や、加速度や、操舵角や、トレーラ角速度などから得られたゲインを乗算することで得ることができる。
警報角度14 = ジャックナイフ角度13 X ゲイン
ゲインは、1よりも小さな値となるように作成される。ゲインは、例えば、「マップ値/実際の値」などの式によって求めることができる。この式は、分母(実際の値)が大きくなるに従ってゲイン(および警報角度14)が小さくなり、分子(マップ値)が大きくなるに従ってゲイン(および警報角度14)が大きくなるように作られている。
具体的には、ゲインを求める式は、
「車速のマップ値/実際の車速の値」
「加速度のマップ値/実際の加速度の値」
「操舵角のマップ値/実際の操舵角の値」
「トレーラ角速度のマップ値/実際のトレーラ角速度の値」などの少なくともいずれかとなる。
マップは、例えば、図10(a)~(d)に示すように、横軸を現在のトレーラ角4とし、縦軸を上記した変化される物理量の閾値として、例えば、比例的に増加する一次関数などとなるように設定される。マップ値は、マップによって得られた値のことである。マップ値は、現在のトレーラ角4における関数の値(例えば、トレーラ速度閾値、トレーラ加速度閾値、タイヤ角閾値、トレーラ角速度閾値などの各閾値)として求められる。各物理量から得られたゲインは、例えば、互いに乗算されて1つのゲインとされる。例えば、ジャックナイフ角度13が30度で、ゲインが0.83・・となった場合、警報角度14は(30X0.83・・=)25度になる。
上記したような牽引支援装置5の基本的な構成は、主に、乗員が運転する車両1に適用されるが、運転支援車および自動運転車に対しても適用することができる。
「牽引支援装置5の追加機能について」
(4)制御部11は、トレーラ角速度を用いてジャックナイフ角度13に到達するまでの推定時間を求める推定時間算出部41を備えても良い。
ここで、推定時間は、トレーラ角4がジャックナイフ角度13になるまでに要する時間(余裕時間または猶予時間)の推定値のことである。推定時間は、ある車速とあるタイヤ角がそのまま継続したと仮定して、トレーラ角速度をある経過時間で積分することによってトレーラ角4が得られるので、このトレーラ角4が、ジャックナイフ角度13と一致するまでにかかる経過時間を算出することによって得ることができる。但し、車速やタイヤ角は、車両1やトレーラ3の状況に応じて経時的に変化するので、推定時間も経時的に変化する。トレーラ角速度は、推定時間算出部41で独自に算出するようにしても良いし、警報角算出部15でトレーラ角4の算出に用いたものを入力して使用しても良い。このようにして計算で得られた推定時間は、例えば、警報発生部18へ送って、警報発生部18に、推定時間が所定時間を下回った時に、警報装置35に警報を発生させるのに使用することができる。この場合の所定時間は、例えば、乗員がブレーキ操作を行うのに必要な反応時間などに基づいて最適に設定することができる。また、推定時間は、後述するような使い方も可能である。
推定時間算出部41は、ジャックナイフ角度13に到達するまでの推定時間を求めるための制御部11の機能部分である。
なお、推定時間算出部41は、上記したような基本的な構成の牽引支援装置5に対して、追加で設けるものとなっているが、トレーラ角4が警報角度14を超えるかどうかを監視せずに、推定時間が所定時間を下回るかどうかだけを監視するような構成で良いという場合には、制御部11は、例えば、推定時間算出部41と、(ジャックナイフ角度13の内側の)許容操舵領域31の少なくとも一部を連結具2の位置に重ねてモニタ12(図5)に表示する重畳表示部17と、を基本として、例えば、推定時間が所定時間を下回ったときに警報を発生させる警報発生部18や、後述するような構成などのいずれかを備えたものなどとすることもできる。
(5)制御部11は、推定時間算出部41による推定時間が、第一設定時間を下回ったときに、車両1に備えられた自動ブレーキシステム21へ、車両1を緊急停止させるブレーキ作動信号43(図6)を送るブレーキ操作部44を備えても良い。
ここで、第一設定時間は、自動ブレーキシステム21によって車両1を緊急停止させるのに要する時間などの最適な時間がブレーキ操作部44に設定される。第一設定時間は、車両1や、車両1(運転支援車や自動運転車などの車両1)に搭載された自動ブレーキシステム21の性能などに応じて個別に設定することができる。第一設定時間は、例えば、0.8秒などとすることができる。但し、第一設定時間は、0.8秒に限るものではない。
自動ブレーキシステム21は、運転支援車や自動運転車などの車両1に搭載された、ブレーキの作動を自動で制御するようにしたシステムである。
ブレーキ作動信号43は、自動ブレーキシステム21に緊急停止のためのブレーキ操作を行わせる信号(緊急ブレーキ信号)のことである。
ブレーキ操作部44は、車両1の自動ブレーキシステム21と通信を行って、(推定時間が第一設定時間を下回ったときに)ブレーキを作動させるためのブレーキ作動信号43を自動ブレーキシステム21へ送るようにした制御部11の機能部分である。自動ブレーキシステム21は、ブレーキ作動信号43を受信すると、ブレーキを作動させて、例えば、1Gの加速度で車両1を緊急停止させる。
(6)制御部11は、推定時間算出部41による推定時間が、第一設定時間よりも短い第二設定時間を下回ったときに、車両1に備えられた自動操舵システム22へ、車両1にトレーラ角4が小さくなる方向への緊急操舵を行わせる緊急操舵信号46を送る緊急操舵部47を備えても良い。
ここで、第二設定時間は、自動操舵システム22によって車両1を緊急操舵させるのに要する時間などの最適な時間が緊急操舵部47に設定される。第二設定時間は、車両1(運転支援車や自動運転車などの車両1)に搭載された自動操舵システム22の性能に応じて個別に設定することができる。第二設定時間は、例えば、0.6秒などとすることができる。但し、第二設定時間は、0.6秒に限るものではない。
自動操舵システム22は、運転支援車や自動運転車などの車両1に搭載された、操舵を自動で制御するようにしたシステムである。
緊急操舵信号46は、自動操舵システム22に緊急操舵を行わせるための操舵信号54のことである。
緊急操舵部47は、車両1の自動操舵システム22と通信を行って、(推定時間が第二設定時間を下回ったときに)緊急操舵を行わせるための緊急操舵信号46を自動操舵システム22へ送る制御部11の機能部分である。自動操舵システム22は、緊急操舵信号46を受信すると、例えば、最大トルクでタイヤ角を0度まで操舵させる。緊急操舵部47は、ブレーキ操作部44を補助するものとして設けられる。
以上の構成は、ジャックナイフ角度13を越える最大操舵角までの操舵が可能となっている(操舵角の規制を特に行っていない)車両1(例えば、運転支援車および自動運転車)に対して適用するものとなっている。
「牽引支援装置5の別の機能について」
(7)制御部11は、車両1に備えられた自動操舵システム22へ、車両1の操舵可能領域51を、警報角度14の内側領域16内(図10)に規制する操舵可能領域規制信号52を送る操舵規制部53(図6)を備えても良い。
ここで、操舵可能領域51は、操舵が可能な領域のことであり、通常の場合には、車両1の左右の最大操舵角の範囲内となっている。この実施例では、操舵可能領域51を規制することで、操舵可能領域51は、車両1の左右の最大操舵角よりも狭い範囲となる。操舵可能領域51は、車両1やトレーラ3の状態に応じて、経時的に変化する。この実施例では、操舵可能領域51は、警報角度14の内側領域16と同じかそれよりも狭い範囲内に収まるように操舵角が自動的に規制されるようにしている。これにより、警報角度14を超えるような操舵や自動操舵ができなくなる。
なお、操舵可能領域51は、ジャックナイフ角度13を超えない範囲(許容操舵領域31)まで操舵角を規制するように構成することも可能である(例えば、図12(a))。この場合には、例えば、制御部11は、車両1の操舵可能領域51を、ジャックナイフ角度13の内側となる許容操舵領域31内に規制する操舵可能領域規制信号52を自動操舵システム22へ送る操舵規制部53と、許容操舵領域31の少なくとも一部を連結具2の位置に重ねてモニタ12(図5)に表示する重畳表示部17とを備えた構成などとすることができる。
操舵可能領域規制信号52は、自動操舵システム22に操舵規制を行わせるようにするための操舵信号54のことである。操舵可能領域規制信号52は、車両1の後退中に自動操舵システム22へ送られる。
操舵規制部53は、車両1の自動操舵システム22と通信を行って、自動操舵システム22に警報角度14の内側領域16内(または許容操舵領域31内)に規制した自動操舵を行わせるための制御部11の機能部分である。この操舵規制部53を備えることにより、車両1は、後退時に警報角度14の内側領域16(または許容操舵領域31)から出るような操舵が行えなくなる(即ち、ジャックナイフ現象に陥らせないように車両1を後退させることが可能になる)。よって、上記したブレーキ操作部44や緊急操舵部47の機能は備えなくても良いことになるが、操舵規制部53の機能と、ブレーキ操作部44や緊急操舵部47の機能とを組み合わせることも構成的には可能である。なお、操舵規制部53と緊急操舵部47とは、まとめて一つの機能部分として構成することができる。
以上の構成は、主に、運転支援車や自動運転車などの車両1に対して適用されるものであるが、乗員が運転する車両1に対しても適用することができる。この場合には、例えば、車両1のパワーステアリングモーターへ操舵可能領域規制信号52を送るようにすれば、操舵角を規制させることが可能になる。
(8)制御部11は、自動操舵システム22による車両1の後退支援が行われているときに、ジャックナイフ現象を起こさないための操舵制限角61(図12(b))を求める操舵制限角算出部62(図6)を有し、
重畳表示部17は、操舵可能領域51を操舵制限角61の近傍まで狭めてモニタ12に表示させ、
操舵制限角算出部62は、車両1の操舵可能領域51を、操舵制限角61によって狭められた制限領域63内に制限する操舵可能領域規制信号60(図6)を操舵規制部53から自動操舵システム22へ送らせるようにしても良い。
ここで、車両1の後退支援は、トレーラ3を牽引する車両1の後退を支援するための機能であり、運転支援車や自動運転車などの車両1の自動操舵システム22や、乗員が運転する車両1に設けられる後退支援システムに備えられる。後退支援システムは、牽引車両に特化された後退を支援するための機能として車両1に設けられるものである。後退支援システムは、例えば、車両1のパワーステアリングモーターに制御信号を送って後退時の操舵をコントロールするものとされる。以下、自動操舵システム22には、後退支援システムが含まれるものとして説明する。車両1(牽引車両)に対する後退支援では、切り増し64(図13(b))と呼ばれる操作が行われる。切り増し64についての情報は、例えば、通信によって自動操舵システム22や後退支援システムから制御部11へ送らせるようにすることができる。
即ち、自動操舵システム22や後退支援システムによる後退支援では、例えば、図13(a)に示すように、トレーラ角4を反対側へ戻そうとするとき(または、トレーラ角4の符号を変えるとき)に、より早くトレーラ角4を変えられるように、図13(b)に示すような、変える前の方向と同じ方向への操舵を行う(同じ側に一旦大きく切ってから反対側へ戻す)切り増し64と呼ばれる特殊な操舵が行われる。なお、図13(a)中の実線は制御上のトレーラ角を示し、破線は、トレーラ角4が実際に変化された状態を示している。また、図13(b)は、トレーラ角4を図13(a)のように変化させるための操舵角の変化を示している。このような切り増し64は、比較的頻繁に行われている。
そして、このような切り増し64を行う際には、全体としての操舵量が大きくなったり操舵方向が急激に変化されたりすることで、トレーラ3が大きく振られるなどして、ジャックナイフ現象に陥るおそれが発生する。この切り増し64の際の操舵量は、トレーラ角4を変える角度(目標トレーラ角65(図13(a)))によって異なるものとされる。なお、トレーラ角4を変える目標トレーラ角65は、車両1やトレーラ3の状況に応じて経時的に変更するものである。目標トレーラ角65は、自動操舵システム22や後退支援システムが自動的に設定して制御部11に送信するようにしても良いし、乗員がタッチパネル27などを用いて制御部11の入力部28へ直接入力するようにしても良い。
操舵制限角61は、目標トレーラ角65へ向かうトレーラ角4の急激な角度変化を制限するために現在のトレーラ角4と目標トレーラ角65との間に設定されるトレーラ3の角度である(制限目標トレーラ角)。そして、自動操舵システム22や後退支援システムは、目標トレーラ角65ではなく、操舵制限角61を目標にしながら、徐々に目標トレーラ角65に近付づいて行くように操舵制御を行う。この際、操舵制限角61は、目標トレーラ角65に近付いて行くように経時的に変化する。
そのため、操舵制限角61を設けることで、操舵制限角61までの操舵しかできなくなるので、図12(a)に示すような、自動操舵システム22による操舵可能領域51(内側領域16または許容操舵領域31)は、実質的に図12(b)に示すような、操舵制限角61までの範囲(制限領域63または操舵可能制限領域)に狭められる。操舵制限角61によって操舵可能領域51(の目標トレーラ角65側の部分)が制限されることで、図12(a)のように左右対称となっている操舵可能領域51は、図12(b)のような左右非対称の制限領域63になる。なお、制限領域63は、操舵制限角61よりも若干(例えば、3度~5度程度)目標トレーラ角65側に広めに設定しても良い。また、モニタ12には、左右非対称の制限領域63を表示させるようにするのが好ましいが、操舵制限角61による操舵制限がかかる前の操舵可能領域51をそのまま表示させておくようにしても良い。
なお、図12(a)および図14(a)は、図13中の最後に行われる切り増し64の場合の、時刻t1(切り増し64の直前)に対応するものであり、図12(b)および図14(b)は、図13の時刻t2(切り増し64の途中)に対応するものである。そして、最後に行われる切り増し64の場合には、直前の時刻t1で、目標トレーラ角65とその時点でのトレーラ角4とが一致しているのに対し、時刻t2では、目標トレーラ角65が0度とされ、操舵制限角61は、0度よりも大きい、目標トレーラ角65とトレーラ角4との間の値となっている。タイヤ角は、時刻t1に対し時刻t2では目標トレーラ角65と反対側へ大きく切られている(δ(t1)→δ(t2))。
具体的な操舵制限角61は、どのように設定しても良いが、例えば、
操舵制限角61=(ジャックナイフ角度13-現在のトレーラ角4)-目標トレーラ角65
などの式を用いて算出できる。このような式を用いて操舵制限角61を算出することで、操舵制限角61を目標トレーラ角65よりも小さな操舵量に抑えることができる。操舵制限角61は、狭められた制限領域63および連結具2の周辺の表示と共に、例えば、赤線などによってモニタ12に表示させることができる。但し、操舵制限角61を示す線は、赤線に限るものではない。なお、目標トレーラ角65は、表示させても、表示させなくても良い。この実施例では、目標トレーラ角65は、必要な場合以外は、特に表示させないようにしている。
操舵制限角算出部62は、操舵規制部53へ算出した操舵制限角61を送って、車両1の操舵可能領域51を、操舵制限角61によって狭められた制限領域63内に制限するための制御部11の機能部分である。操舵規制部53は、車両1の自動操舵システム22と通信を行って、自動操舵システム22に対し、狭められた制限領域63内に限定した自動操舵を行わせるための操舵可能領域規制信号60を送る制御部11の機能部分となる。
このような操舵制限角算出部62および操舵規制部53を備えることにより、車両1を制限領域63の範囲内に制限して後退させる(即ち、切り増し64を行ってもジャックナイフ現象に陥ることがないように緩やかな操舵で車両1を後退させる)ことが可能になる。よって、上記したブレーキ操作部44や緊急操舵部47の機能はなくても良いことになるが、操舵制限角算出部62および操舵規制部53の機能と、ブレーキ操作部44や緊急操舵部47の機能と組み合わせることも構成的には可能である。なお、このような制限領域63の範囲内での後退は、切り増し64が行われている間のみ行わせるようにしても良いが、切り増し64に限ることなく後退の間中に継続して行わせるようにしても良い。
また、乗員が目標トレーラ角65を設定する場合には、例えば、以下のような構成にすることができる。
即ち、トレーラ3の後退方向の目標トレーラ角65を入力可能なタッチパネル27と、タッチパネル27へのタッチの位置を目標トレーラ角65の入力として、入力された目標トレーラ角65に基づいて操舵制限角61を算出する操舵制限角算出部62と、算出された操舵制限角61をモニタ12に表示させる重畳表示部17とを備えるようにしても良い。
この場合、上記と同様に、操舵制限角算出部62は、車両1の操舵可能領域51を、操舵制限角61によって狭められた制限領域63内に制限する操舵可能領域規制信号60を操舵規制部53から自動操舵システム22へと送らせるようにし、操舵規制部53は、操舵可能領域規制信号60に基づき、車両1の自動操舵システム22と通信を行って、自動操舵システム22に対し、狭められた制限領域63内に限定した自動操舵を行わせることになる。
そして、操舵制限角61は、その時点でのトレーラ角4と目標トレーラ角65との間の角度となるように算出される。モニタ12には、上記した制限領域63が操舵制限角61と共に表示されるようにする。
これにより、例えば、モニタ12がタッチパネル27とされた場合に、乗員がタッチパネル27に指で触れることによって、指で触れたモニタ12上の位置と連結具2の連結点26とを結んだ線の角度として目標トレーラ角65を簡単に入力することができ、目標トレーラ角65に基づいて得られた操舵制限角61を逐次モニタ12に表示させることができると共に、いきなり目標トレーラ角65へ向かうような急激な操舵が行われないように操舵量や操舵角の変化などを緩やかに抑制することができる。
なお、上記した各項目の構成は、可能な範囲内で適宜組み合わせて使用することができる。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
トレーラ3が連結された車両1においては、後退の際に、車両1とトレーラ3とが成す角度(トレーラ角4)がある程度以上の大きさ(ジャックナイフ角度13)になると、いわゆるジャックナイフ現象によって、トレーラ3が動けなくなってしまう。このようなジャックナイフ現象が発生すると、停止状態となったトレーラ3に対して後退する車両1が衝突してしまうおそれがあるため、ジャックナイフ現象が発生しないように注意しながら車両1を後退させることが必要になる。
そこで、この実施例の牽引支援装置5は、以下のように車両1(牽引車両)の後退を支援する。
図15は、牽引支援装置5の制御部11による制御(操舵角を規制しない場合)の一例を示すフローチャートである。
車両1の後退が開始されると、制御が開始され、S1で、トレーラ角算出部34がトレーラ角4を算出する(トレーラ角取得)。トレーラ角4は、カメラ23からの情報を画像認識処理やデータ解析処理するか、または、トレーラ角速度を経過時間で積分することによって算出して得ることができる。トレーラ角速度は、車両1やトレーラ3のパラメータ(D、W、L)や、車速Vや、タイヤ角δなどを関係式(図9の式2)に代入することで算出される。トレーラ角算出部34が算出したトレーラ角4は、警報発生部18や制御部11内の各部へ渡されて各部で使用される。
次に、S2で、警報角算出部15が警報角度14を算出する。警報角度14は、ジャックナイフ角度13を基に、車速、加速度、操舵角、トレーラ角速度の少なくとも1つを用いて算出する。ジャックナイフ角度13は、車両1およびトレーラ3の各パラメータを、線形幾何学的な関係式に代入することによって算出される。車速、加速度、操舵角、トレーラ角速度は、ゲインを求めるのに使用される。警報角度14は、ジャックナイフ角度13にゲインを掛けることによって算出される。警報角算出部15で算出された警報角度14は、警報発生部18や重畳表示部17や制御部11内の各部へ渡されて各部で使用される。
次に、S3で、重畳表示部17が、カメラ23で撮影した実際の連結具2の映像(や図形)をモニタ12に表示すると共に、警報角度14の内側領域16を、連結具2の映像や図形に重ねてモニタ12に表示させる。
次に、S4で、警報発生部18が、トレーラ角算出部34からのトレーラ角4が警報角算出部15からの警報角度14の内側領域16内に入っているかどうかを判断し、トレーラ角4が内側領域16内に入っている場合には、S1に戻って上記を繰り返し、トレーラ角4が内側領域16から出た場合には、S5で、警報発生部18に警報を発生させる。乗員は、この警報によってブレーキ操作を行う。乗員が運転する車両1の場合、S5で警報によって乗員にブレーキ操作を促したあとは、S1に戻って上記を繰り返す。
また、自動運転車や運転支援車の場合には、S5の次に、S6で、推定時間算出部41がトレーラ角速度を用いてジャックナイフ角度13を越えるまでの推定時間を算出する。推定時間は、トレーラ角速度をある経過時間で積分することによってトレーラ角4を得ると共に、このトレーラ角4が、ジャックナイフ角度13と一致するまでにかかる経過時間を算出することによって得ることができる。
次に、S7で、ブレーキ操作部44は、推定時間算出部41で算出された推定時間が第一設定時間を下回っているかどうかを監視して、推定時間が第一設定時間を下回っていない場合には、S1に戻って上記を繰り返し、推定時間が第一設定時間を下回った時に、S8で、ブレーキ操作部44が車両1の自動ブレーキシステム21へブレーキ作動信号43を送って、車両1を緊急停止させる。
更に、S9で、緊急操舵部47は、推定時間算出部41で算出された推定時間が第二設定時間を下回っているかどうかを監視して、推定時間が第二設定時間を下回っていない場合には、S1に戻って上記を繰り返し、推定時間が第二設定時間を下回った時に、S10で、緊急操舵部47が、車両1の自動操舵システム22に緊急操舵信号46を送って、ジャックナイフ現象が発生しないように車両1の緊急操舵を行わせるようにしても良い。
また、ジャックナイフ現象が発生されないように操舵角を規制する場合の制御部11による制御は、例えば、図16に示すようになる。なお、S11~S13までは、図15のS1~S3までとほぼ同じなので説明を省略する。また、操舵角の規制の有無で条件分岐させるようにすることによって、図15と図16の制御は1つにまとめることができる。
そして、S14で、操舵規制部53が自動操舵システム22へ操舵可能領域規制信号52を送って、操舵可能領域51を、警報角算出部15からの警報角度14の内側領域16内(または許容操舵領域31内)に規制し、S1に戻って上記を繰り返す。これにより、操舵角が規制されて、ジャックナイフ現象に陥らないように車両1を後退させることが可能になる。
更に、切り増し64による後退支援の機能を有する自動操舵システム22を備えた車両1の場合には、S15で、制御部11は、自動操舵システム22や後退支援システムと通信を行うことで切り増し64の有無を監視し、切り増し64が行われない場合には、S1に戻って上記を繰り返し、切り増し64が行われる場合には、S16で、操舵制限角算出部62が操舵制限角61を算出し、操舵規制部53が車両1の自動操舵システム22に操舵可能領域規制信号60を送って、操舵制限角61を操舵制限角61によって狭められた制限領域63内に規制する。操舵制限角61は、操舵制限角算出部62によって現時点のトレーラ角4と目標トレーラ角65との間の値となるように適宜設定される。これにより、緩やかな操舵で車両1が後退されるようになり、ジャックナイフ現象の発生が防止される。この際、モニタ12の表示は、制限領域63に変更するのが最も好ましいが、必ずしも変更しなくても良い。その後は、S1に戻って上記を繰り返す。
なお、上記した図15と図16のフローチャートは、あくまでも一例であり、手順を若干異ならせることは可能である。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果 1)牽引支援装置5は、制御部11とモニタ12とを備えている。制御部11は、トレーラ3を連結具2で連結した車両1の後退を支援することができるようになっている。これにより、乗員は、制御部11による支援を受けながら、トレーラ3を連結した車両1を、モニタ12を見つつ目標通りに容易に後退させることが可能になる。
即ち、モニタ12は、少なくとも車両1の後退時に、車両1の後部に取付けられた連結具2の周辺を、車両前方側から車両後方側を見た後方視の状態で表示する。これにより、モニタ12の表示が、運転席から車両後方側を見た光景と近い状態に見えるので、感覚的に分かり易い表示を行うことができる。そのため、乗員は、牽引支援装置5のモニタ12を見るだけでも十分な支援を受けることができる。
そして、制御部11は、少なくとも、警報角算出部15と警報発生部18とを有している。警報角算出部15は、後退時に、車両1とトレーラ3とがジャックナイフ現象を起こすジャックナイフ角度13と同じかそれよりも角度の小さい警報角度14を求める。これにより、車両1とトレーラ3とが成すトレーラ角4が警報角度14内に入っているかどうかを判定できるようになり、トレーラ角4が警報角度14内に入っていれば、ジャックナイフ現象に陥らないと判断することきができる。よって、トレーラ角4が警報角度14内に入っている状態が保たれるように車両1の後退を導くことでジャックナイフ現象の回避が可能になる。
警報発生部18は、トレーラ角4が警報角度14を超えたときに、警報を発生させる。これにより、乗員は、警報が発生されるまでは安心して車両1を後退させることができると共に、警報が発生されたときに、ブレーキを踏むなどによって、ジャックナイフ現象に陥る前に、車両1を確実に停止させたり、ジャックナイフ現象を回避したりすることができる。よって、例えば、上記した特許文献1などのようにコントロールノブなどの操作によって間接的に車両1のステアリング操作を行わせることでジャックナイフ現象の回避を図るような煩わしさを感じさせないような、牽引支援装置5を得ることができる。
(効果 2)制御部11は、警報角度14の内側に位置する内側領域16の少なくとも一部を連結具2の位置に重ねてモニタ12に表示する重畳表示部17を備えても良い。これにより、連結具2の状態(例えば、実際のトレーラ角4の様子など)と警報角度14の内側領域16との関係がひと目で把握できるようになり、トレーラ角4が警報角度14の内側領域16に入っているかどうかを、モニタ12に分かり易く無駄なく簡単に表示して乗員に知らせることができる。そして、乗員は、モニタ12の表示を見ることで、トレーラ角4が警報角度14の内側領域16に入っているかどうかを実際に確認しながら車両1を容易に後退させることができる。
(効果 3)警報角算出部15は、ジャックナイフ角度13を基に、車速、加速度、操舵角、トレーラ角速度の少なくとも1つを用いて、警報角度14を常時更新する。これにより、常に最新の警報角度14を得ることができ、最新の警報角度14を使用して各種の制御をより精度良く行わせることなどができる。重畳表示部17は、更新された警報角度14に基づく内側領域16の少なくとも一部をモニタ12に逐次表示させる。これにより、モニタ12を常に最新の表示に改めることができると共に、乗員は、モニタ12から最新の情報を得ることができる。
(効果 4)制御部11は、推定時間算出部41を備えても良い。推定時間算出部41は、トレーラ角速度を用いてジャックナイフ角度13に到達するまでの推定時間を求める。これにより、得られた推定時間を基にトレーラ角4を監視したり、車両1に対する各種の制御を行わせたりすることができる。
(効果 5)制御部11は、ブレーキ操作部44を備えても良い。ブレーキ操作部44は、推定時間算出部41による推定時間が、第一設定時間を下回ったときに、車両1に備えられた自動ブレーキシステム21へブレーキ作動信号43を送って、自動ブレーキシステム21に車両1を緊急停止させる。これにより、自動ブレーキシステム21がブレーキ操作を行って車両1を緊急停止させることで、車両1がジャックナイフ現象に陥ることを自動的に回避できる。
(効果 6)制御部11は、緊急操舵部47を備えても良い。緊急操舵部47は、推定時間算出部41による推定時間が、第一設定時間よりも短い第二設定時間を下回ったときに、車両1に備えられた自動操舵システム22へ、緊急操舵信号46を送って、自動操舵システム22にトレーラ角4が小さくなる方向への緊急操舵を行わせる。これにより、自動ブレーキシステム21のブレーキによる回避動作だけでは回避できないような場合であっても、自動操舵システム22がジャックナイフ現象を回避させるための緊急操舵を行うことで、車両1がジャックナイフ現象に陥ることを自動的に回避できる。
(効果 7)制御部11は、操舵規制部53を備えても良い。操舵規制部53は、車両1に備えられた自動操舵システム22へ操舵可能領域規制信号52を送って、車両1の操舵可能領域51を、警報角度14の内側領域16内(または許容操舵領域31内)に規制する。これにより、自動操舵システム22は、警報角度14(またはジャックナイフ角度13)を超えない範囲内でしか自動操舵が行えなくなるので、車両1がジャックナイフ現象に陥ることを未然に回避できる。
(効果 8)制御部11は、操舵制限角算出部62を有しても良い。操舵制限角算出部62は、自動操舵システム22による車両1の後退支援が行われているときに、ジャックナイフ現象を起こさないための操舵制限角61を求める。そして、重畳表示部17が、操舵可能領域51を操舵制限角61の近傍まで狭めてモニタ12に表示させる。操舵制限角算出部62は、車両1の操舵可能領域51を、操舵制限角61によって狭められた制限領域63内に制限する操舵可能領域規制信号60を操舵規制部53から自動操舵システム22へ送らせる。そして、自動操舵システム22は、操舵可能領域規制信号60に基づいて、車両1の操舵可能領域51を、操舵制限角61によって狭められた制限領域63内に制限する。
これにより、自動操舵システム22による操舵可能領域51が、操舵制限角61によって狭められた制限領域63内にまで制限されて、大きな角度の操舵や急激な操舵ができなくなるため、自動操舵システム22による後退支援の最中に、自動操舵システム22が、例えば、トレーラ角4をより早く0度などにするために、大きな角度の操舵や急激な操舵を伴う切り増し64などを行おうとした場合に、切り増し64の際の操舵量を抑制することができるので、切り増し64を原因として車両1がジャックナイフ現象に陥るのを防止できるようになる。
1 車両
2 連結具
3 トレーラ
4 トレーラ角
5 牽引支援装置
11 制御部
12 モニタ
13 ジャックナイフ角度
14 警報角度
15 警報角算出部
16 内側領域
17 重畳表示部
18 警報発生部
21 自動ブレーキシステム
22 自動操舵システム
23 カメラ
41 推定時間算出部
43 ブレーキ作動信号
44 ブレーキ操作部
46 緊急操舵信号
47 緊急操舵部
51 操舵可能領域
52 操舵可能領域規制信号
53 操舵規制部
60 操舵可能領域規制信号
61 操舵制限角
62 操舵制限角算出部
63 制限領域
X 車両前後方向

Claims (5)

  1. トレーラを連結具で連結した車両の後退を支援する制御部と、
    少なくとも前記車両の後退時に、前記車両の後部に取付けられた前記連結具の周辺を、車両前方側から車両後方側を見た後方視の状態で表示するモニタと、を備え、
    前記制御部は、後退時に、前記車両と前記トレーラとがジャックナイフ現象を起こすジャックナイフ角度と同じかそれよりも角度の小さい警報角度を求める警報角算出部と、
    前記車両と前記トレーラとが成すトレーラ角が前記警報角度を超えたときに、警報を発生させる警報発生部とを備え
    前記制御部は、トレーラ角速度を用いて前記ジャックナイフ角度に到達するまでの推定時間を求める推定時間算出部を備え、
    前記制御部は、前記推定時間算出部による前記推定時間が、第一設定時間を下回ったときに、前記車両に備えられた自動ブレーキシステムへ、前記車両を緊急停止させるブレーキ作動信号を送るブレーキ操作部を備え、
    前記制御部は、前記推定時間算出部による前記推定時間が、前記第一設定時間よりも短い第二設定時間を下回ったときに、前記車両に備えられた自動操舵システムへ、前記車両に前記トレーラ角が小さくなる方向への緊急操舵を行わせる緊急操舵信号を送る緊急操舵部を備えたことを特徴とする牽引支援装置。
  2. 請求項1に記載の牽引支援装置であって、
    前記制御部は、前記警報角度の内側に位置する内側領域の少なくとも一部を前記連結具の位置に重ねて前記モニタに表示する重畳表示部を備えたことを特徴とする牽引支援装置。
  3. 請求項2に記載の牽引支援装置であって、
    前記警報角算出部は、前記ジャックナイフ角度を基に、車速、加速度、操舵角、前記トレーラ角速度の少なくとも1つを用いて、前記警報角度を常時更新し、
    前記重畳表示部は、更新された前記警報角度の前記内側領域の少なくとも一部を前記モニタに逐次表示させることを特徴とする牽引支援装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の牽引支援装置であって、
    前記制御部は、前記車両に備えられた前記自動操舵システムへ、前記車両の操舵が可能な領域である操舵可能領域を規制することによって、前記警報角度の前記内側領域内に前記トレーラ角が収まるように、操舵による前記トレーラ角の角度変化を規制させる操舵可能領域規制信号を送る操舵規制部を備えたことを特徴とする牽引支援装置。
  5. 請求項2を引用する請求項に記載の牽引支援装置であって、
    前記制御部は、前記自動操舵システムによる前記車両の後退支援が行われているときに、前記ジャックナイフ現象を起こさないように前記トレーラ角の角度変化を制限するための前記車両に対する前記トレーラの角度である操舵制限角を求める操舵制限角算出部を有し、
    前記重畳表示部は、操舵による前記トレーラ角の角度変化を操舵制限角近傍まで狭めた制限領域を前記モニタに表示させ、
    前記操舵制限角算出部は、前記車両の前記操舵可能領域を制限することによって前記制限領域内に前記トレーラ角が収まるように操舵による前記トレーラ角の角度変化を制限させる前記操舵可能領域規制信号を前記操舵規制部から前記自動操舵システムへ送らせることを特徴とする牽引支援装置。
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