JP7376072B2 - イオン液体モノマー、高分子およびその製造方法並びに架橋高分子 - Google Patents

イオン液体モノマー、高分子およびその製造方法並びに架橋高分子 Download PDF

Info

Publication number
JP7376072B2
JP7376072B2 JP2019164247A JP2019164247A JP7376072B2 JP 7376072 B2 JP7376072 B2 JP 7376072B2 JP 2019164247 A JP2019164247 A JP 2019164247A JP 2019164247 A JP2019164247 A JP 2019164247A JP 7376072 B2 JP7376072 B2 JP 7376072B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
internal functional
general formula
organic
functional group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019164247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021042150A (ja
Inventor
努 小野
貴一 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okayama University NUC
Original Assignee
Okayama University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okayama University NUC filed Critical Okayama University NUC
Priority to JP2019164247A priority Critical patent/JP7376072B2/ja
Publication of JP2021042150A publication Critical patent/JP2021042150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7376072B2 publication Critical patent/JP7376072B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

本発明は、アジド基とアルキン基を有するイオン液体モノマーに関する。また本発明は、主鎖にイオン液体部位の繰り返し単を有する高分子およびその製造方法に関する。また、本発明は、前記高分子を架橋した構造を有する架橋高分子に関する。
本発明のイオン液体モノマーは、当該イオン液体モノマーが有するアジド基とアルキン基とのクリック反応(環付加反応)を利用して、本発明の高分子の製造に供することできる。また、前記高分子は、架橋構造を導入した架橋高分子として用いることができる。このようにして得られた本発明の高分子および架橋高分子は、例えば、各種の高分子材料、コンポジット材料、固体電解質、二酸化炭素吸収剤、耐熱性樹脂、耐薬品性樹脂等の各種の用途に用いることができる。
イオン液体部位を有する高分子は、イオン液体由来の特異な性質(二酸化炭素吸収能、耐熱性、不燃性、イオン伝導性)を有するソフトマテリアルとして着目されており、近年盛んに研究されている。前記高分子の多くは、イオン液体部位を側鎖に持つビニルモノマーを重合したものであり、主鎖をアルキル骨格としたペンダント型高分子イオン液体(以降、側鎖型PILという)である(非特許文献1)。一方、主鎖にイオン液体部位を有する高分子イオン液体(以降、主鎖型PILという)も一部報告されているが、その合成方法では2種類のモノマーを等量で反応させる必要がある(非特許文献2)。
ACS Macro Lett. 2016,5,925-930 Journal OF Membrane Science 359 (2010)37-43
しかし、非特許文献1に記載のような側鎖型PILは、主鎖が通常のラジカル重合で得られた高分子と同じであることから、高分子の特性としては一般的な合成高分子に近く、イオン液体そのものの性質を高分子化したとは言い難い。特に、耐熱性やイオン伝導性、二酸化炭素吸収能などイオン液体に起因する機能を十分に発揮できているとはいえない。
一方、非特許文献2に記載の主鎖型PILは、主鎖骨格がイオン液体部位を有することから、上述のイオン液体機能を発揮した高分子材料を創製することができる。しかし、非特許文献2に記載の主鎖型PILのように、主鎖にイオン液体部位を有する高分子の合成法は、主に2つのモノマー基質(ジイミダゾール化合物およびジハロゲン化合物)を1:1で等量反応させる必要があり、高い重合度を得ることは容易ではない。
本発明は、主鎖型PILを容易に重合することができるイオン液体モノマーを提供することを目的とする。
また本発明は、前記イオン液体モノマーを用いて、主鎖型PILをおよびその製造方法を提供すること、さらには、当該主鎖型PILに係る架橋体を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記イオン液体モノマー等により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、一般式(A):
Figure 0007376072000001
(但し、一般式(A)中、R、Rは、同一または異なる、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい2価の炭化水素基を表す。R、Rは、同一または異なる、水素原子またはアジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。Rは、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。Xは、アニオン成分を表す。)で表されるイオン液体モノマー、に関する。
前記イオン液体モノマーにおいて、前記一般式(A)におけるXに係るアニオン成分としては無機アニオン成分が挙げられる。前記無機アニオン成分は、ハロゲンイオン、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、または(CN)、が代表例として挙げられる。
前記イオン液体モノマーにおいて、前記一般式(A)におけるXに係るアニオン成分としては有機アニオン成分が挙げられる。前記有機アニオン成分は、有機カルボキシルアニオン、有機スルホニルアニオン、有機スルホニルカルボアニオン、有機スルホニルイミドアニオン、有機カルボキシルスルホニルカルボアニオン、または有機カルボキシルスルホニルイミドアニオンがその代表例として挙げられる。前記有機アニオン成分のなかでも、ペルフルオロアルキル基を有するものが好適である。
また、本発明は、一般式(B1):
Figure 0007376072000002
(但し、一般式(B1)中、R、Rは、同一または異なる、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい2価の炭化水素基を表す。R、Rは、同一または異なる、水素原子またはアジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。Rは、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。Xは、アニオン成分を表す。)で表される繰り返し単位、および、
一般式(B2):
Figure 0007376072000003
(但し、一般式(B2)中、R、Rは、同一または異なる、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい2価の炭化水素基を表す。R、Rは、同一または異なる、水素原子またはアジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。Rは、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。Xは、アニオン成分を表す。)で表される繰り返し単位、のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する、重量平均分子量が1000以上の高分子、に関する。
前記高分子において、前記一般式(B1)および一般式(B2)におけるXに係るアニオン成分としては無機アニオン成分が挙げられる。前記無機アニオン成分は、ハロゲンイオン、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、または(CN)、が代表例として挙げられる。
前記高分子において、前記一般式(B1)および一般式(B2)におけるXに係るアニオン成分としては有機アニオン成分が挙げられる。前記有機アニオン成分は、有機カルボキシルアニオン、有機スルホニルアニオン、有機スルホニルカルボアニオン、有機スルホニルイミドアニオン、有機カルボキシルスルホニルカルボアニオン、または有機カルボキシルスルホニルイミドアニオンがその代表例として挙げられる。前記有機アニオン成分のなかでも、ペルフルオロアルキル基を有するものが好適である。
また本発明は、前記一般式(A)で表されるイオン液体モノマーを少なくとも含有するモノマー成分を重合することにより、前記一般式(B1)で表される繰り返し単位および一般式(B2)で表される繰り返し単位のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する高分子の製造方法、に関する。
また本発明は、前記一般式(B1)で表される繰り返し単位および一般式(B2)で表される繰り返し単位のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する高分子と、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物との反応により、前記高分子におけるトリアゾール環が4級化されて、架橋した構造を有することを特徴とする架橋高分子、に関する。
さらに本発明は、前記架橋高分子において、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物に由来して生じた、トリアゾール環の4級化に関与しているハロゲンイオンが、ハロゲンイオン以外の無機アニオン成分または有機アニオン成分に置換されていることを特徴とする架橋高分子、に関する。
本発明のイオン液体モノマーは、トリアゾール環がアニオン成分により4級化された構造のイオン液体部位を有し、かつ、アジド基とアルキン基を1分子中に有する新規化合物である。また、本発明のイオン液体モノマーにおけるイオン液体部位のアニオン成分は他のアニオン成分に置換可能であり、アニオン成分を選択することによって、種々のイオン液体部位を有するイオン液体モノマーを設計することができる。
また本発明のイオン液体モノマーによれば、アジド基とアルキン基とのクリック反応(環付加反応)によって、1種類のモノマーから、主鎖にイオン液体部位を有する高分子を1段階で製造することができ、簡便な重合法によって主鎖にイオン液体部位を含む新規な高分子を製造することができる。また、本発明のイオン液体モノマーを100%含有するモノマー成分を重合する場合には、主鎖に前記一般式(B)で表される繰り返し単位を100%有する高分子を製造することができる。また本発明のイオン液体モノマーによれば、モノマー段階でアニオン種を選定して分子設計でき、任意のアニオン成分を選択することにより種々のイオン液体部位を主鎖に導入することができる。
また本発明の高分子は、非常に高い耐熱性、溶媒耐性を有している。また本発明の高分子は、イオン伝導度を有する高分子材料として利用することができ、例えば、固体電解質としての利用できる。また、本発明の高分子は、イオン液体部位の高い含有率を確保することができ、二酸化炭素吸収能力に優れた高分子材料として利用することができる。また本発明の高分子は、ガラス転移温度(Tg)を低く設定することができ、常温で非常によく伸びる性質の材料として使用することができる。さらには、本発明の高分子は、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物によって、前記一般式(B)で表される繰り返し単位におけるトリアゾール環(4級化されていない部位)が架橋された構造の架橋高分子として用いることができる。前記架橋高分子は、イオノゲルによる架橋構造を有しており、高弾性な高分子材料として利用することができる。また、不揮発性溶媒であるイオン液体を含むイオン液体ゲルの調製が可能である。
本発明のイオン液体モノマーの一例の製造段階で生じる中間体(化合物3)のH-NMRチャートである。 本発明のイオン液体モノマーの一例の製造段階で生じる中間体(化合物4)のH-NMRチャートである。 本発明のイオン液体モノマーの一例(化合物5)のH-NMRチャートである。 本発明のイオン液体モノマーの一例(化合物6)のFT-IRチャートである。 本発明のイオン液体モノマーの一例(化合物5,6)のDSCの測定結果である。 本発明の高分子の一例(化合物8)の重合時間と平均分子量の関係を示す図である。 本発明のイオン液体モノマーの一例(化合物6)から調整した、本発明の高分子の一例(化合物8)のH-NMRチャートである。 本発明の架橋高分子の一例(化合物10)を異なる架橋密度で作製した場合の各膜の写真である。 本発明の架橋高分子膜の一例(化合物10)を異なる架橋密度で作製した場合のイオン伝導特性を示す図である。 本発明の架橋高分子膜の一例(化合物10)を異なる架橋密度で作製した場合の引張試験結果を示す図である。
以下に本発明のイオン液体モノマー等を説明する。
<イオン液体モノマー>
前記一般式(A)中、R、Rはアジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい2価の炭化水素基を表す。R、Rは同じであってもよく、異なっていてもよい。前記2価の炭化水素基としては、炭素数1~20の直鎖、分岐又は環状のアルキレン基、アリーレン基等が挙げられ、これらの基は組み合わせて2価の炭化水素基を構成することができる。その他に、前記2価の炭化水素基は、ベンジル基等の置換基を有することができる。
前記R、Rに係る2価の炭化水素基は、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有することができる。前記官能基としては、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基、シアノ基の極性官能基を置換として有することができる。また前記官能基としては、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基、ジスルフィド基等の内部官能基を前記2価の炭化水素基中に有することができる。前記官能基としては内部官能基が好適であり、例えば、エーテル基としては、炭素数1~3のアルコキシ基や、炭素数2~10のアルキレンオキシド基またはその繰り返し単位が挙げられる。
前記R、Rに係る2価の炭化水素基は、イオン液体モノマーの重合性等の観点から、炭素数1~4のアルキレン基が好ましい。特に、前記Rは2~3のアルキレン基が好ましく、前記Rは2~6のアルキレン基が好ましい。
また、前記一般式(A)中、R、Rは、水素原子またはアジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。R、Rは同じであってもよく、異なっていてもよい。前記1価の炭化水素基としては、炭素数1~20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。
前記R、Rに係る1価の炭化水素基は、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有することができる。前記官能基としては、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基、シアノ基等の極性官能基を置換として有することができる。また前記官能基としては、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基、ジスルフィド基等の内部官能基を前記1価の炭化水素基中に有することができる。前記官能基としては内部官能基が好適であり、例えば、エーテル基としては、炭素数1~3のアルコキシ基や、炭素数2~10のアルキレンオキシド基またはその繰り返し単位が挙げられる。
前記R、Rに係る1価の炭化水素基は、反応性等の観点から、水素原子が好適に適用される。
また、前記一般式(A)中、Rは、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい1価の炭化水素基を表す。前記1価の炭化水素基としては、炭素数1~20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。
また、前記Rに係る1価の炭化水素基は、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有することができる。前記官能基としては、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基、シアノ基、等の極性官能基を置換として有することができる。また前記官能基としては、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基、ジスルフィド基等の内部官能基を前記2価の炭化水素基中に有することができる。前記官能基としては内部官能基が好適であり、例えば、エーテル基としては、炭素数1~3のアルコキシ基や、炭素数2~10のアルキレンオキシド基またはその繰り返し単位が挙げられる。
前記Rに係る1価の炭化水素基は、前記1価の炭化水素基としては、イオン液体モノマーの合成時の安全性等の観点から、炭素数6~15のアルキル基、アリールアルキル基が好ましく、さらには炭素数7~10のアリールアルキル基が好ましい。
また、前記一般式(A)中、Xはアニオン成分を表し、当該アニオン成分としては、無機アニオン成分、有機アニオン成分が挙げられる。
無機アニオン成分としては、例えば、Cl、Br、I等のハロゲンイオン、その他に、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、(CN)、等が挙げられる。無機アニオン成分のなかでも、ハロゲンイオンは、他の無機アニオン成分または有機アニオン成分との置換を行うことできる。特に、有機アニオン成分との置換を行うことでき好適である。
また、有機アニオン成分としては、例えば、有機カルボキシルアニオン、有機スルホニルアニオン、有機スルホニルカルボアニオン、有機スルホニルイミドアニオン、有機カルボキシルスルホニルカルボアニオン、または有機カルボキシルスルホニルイミドアニオン等が挙げられる。前記有機アニオン成分のなかでも、ペルフルオロアルキル基を有するものが好適である。前記有機アニオン成分の具体例としては、例えば、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、CSO 、CCOO、((CFSO)(CFCO)NS(CFSO 、や(CFSOで表わされるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等の(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが挙げられる。これらの有機アニオン成分のなかでも、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性の良いイオン液体モノマーが得られることから好ましく、特に、(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが好ましい。
<イオン液体モノマーの製造方法>
前記一般式(A)で表されるイオン液体モノマーは、例えば、下記反応式(1)に示す方法により製造することができる。
Figure 0007376072000004
上記反応式(1)に示すように、まず、工程(1)として、一般式(1)で表されるハロゲン化アルキン化合物(式中、Xはハロゲン原子、R、Rは前記に同じ)と、一般式(2)で表されるアジド化合物(式中、Rは前記に同じ)をクリック反応させて、トリアゾール環を形成した、一般式(3)で表されるトリアゾール環を有する化合物(式中、Xはハロゲン原子、R、R、Rは前記に同じ)を製造する。一般式(1)で表されるハロゲン化アルキン化合物と、一般式(2)で表されるアジド化合物とは、通常、等モルで反応させることが好ましい。前記工程(1)は、一般的なアジドアルキン環化付加反応の条件を採用することができ、銅系等のアジドアルキン環化付加反応に適用される各種の触媒を用いることができる。その他、N-エチルジイソプロピルアミン等のアミン類を銅錯体形成のためのリガンドとして反応系中に存在させることができる。また、前記工程(1)は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等の溶媒中で行うことができる。前記工程(1)は、通常、10~80℃で行うことができ、室温(23℃)で行うことができる。
次いで、工程(2)として、工程(1)で得られた一般式(3)で表されるトリアゾール環を有する化合物と、アジ化ナトリウム等のアジ化アルカリ金属(反応式(1)では、アジ化ナトリウムを代表例として記載)とを反応させて、一般式(3)で表されるトリアゾール環を有する化合物のハロゲン原子をアジ化した、一般式(4)で表される化合物(式中、R、R、Rは前記に同じ)を製造する。一般式(3)で表されるトリアゾール環を有する化合物と、アジ化アルカリ金属とは、通常、アジ化アルカリ金属を過剰量(通常、1.2倍~1.5モル程度)で反応させることが好ましい。前記工程(2)は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒としては、無機化合物、有機化合物のいずれに対しても溶解性の良好な、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒中で行うのが好ましい。前記工程(2)は、通常、20~100℃で行うことが好ましい。
次いで、工程(3)として、工程(2)で得られた一般式(4)で表される化合物と、一般式(1´)で表されるハロゲン化アルキン化合物(式中、Xはハロゲン原子、R、Rは前記に同じ)とを反応させて、一般式(4)で表される化合物におけるトリアゾール環を4級化して、一般式(5)で表される化合物(式中、Xはハロゲン原子、R、R、R、R、Rは前記に同じ)を製造する。一般式(5)で表される化合物は、一般式(A)で表されるイオン液体モノマーにおいて、Xがハロゲンイオンの場合に対応する。一般式(4)で表される化合物と、一般式(1´)で表されるハロゲン化アルキン化合物とは、通常、等モルで反応させることが好ましい。また、前記工程(3)は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等の溶媒中で行うことができる。前記工程(3)は、通常、20~50℃で行うことが好ましい。
また、前記反応式(1)には示していないが、前記一般式(5)で表される化合物は、工程(4)として、有機アルカリ金属塩と反応させることにより、トリアゾール環の4級化に関与しているハロゲンイオンを、有機アニオンに置換することができる。このようにして得られた化合物は、一般式(A)で表されるイオン液体モノマーにおいて、Xが有機アニオン成分の場合に対応する。前記有機アルカリ金属塩は、前記有機アニオン成分とアルカリ金属イオン成分から構成されるものである。前記アルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが挙げられる。有機アルカリ金属塩のなかでも、有機リチウム塩は、電解質への応用の観点から好ましい。その他、前記ハロゲンイオンは、無機アルカリ金属塩(ハロゲン化アルカリ金属を除く)により、他の無機アニオンに置換することもできる。前記ハロゲンイオンの置換は全部をまたは一部に対して行うことができる。前記一般式(5)で表される化合物に対する、無機アルカリ金属塩(ハロゲン化アルカリ金属を除く)または有機アルカリ金属塩の割合(溶媒中、通常は、水溶液中の割合)は、前記ハロゲン4級化物1当量に対して1当量以上、好ましくは5当量以上であるのが好ましい。また、前記工程(4)は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒としては、水等の溶媒中で行うことができる。前記工程(3)は、通常、20~40℃で行うことが好ましい。
<高分子およびその製造方法>
本発明の高分子は、前記一般式(B1)で表される繰り返し単位および一般式(B2)で表される繰り返し単位のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する。本発明の前記繰り返し単位を有する高分子は、前記前記一般式(A)で表されるイオン液体モノマーを少なくとも含有するモノマー成分を重合することにより得られる。従って、前記一般式(B1)および一般式(B2)における、R乃至R、Xは、前記一般式(A)におけるR乃至R、Xに同じである。
また、本発明の高分子は、前記一般式(B1)および一般式(B2)表される繰り返し単位を100%とすることができる他に、他の繰り返し単位を有することができる。前記他の繰り返し単位は、本発明のイオン液体モノマー以外の、アジド基およびアルキン基を有する化合物を、前記モノマー成分に含有させることにより、本発明の高分子中に共重合することができる。本発明の高分子が、他の繰り返し単位を有する場合には、前記一般式(B1)および一般式(B2)表される繰り返し単位を、高分子の機能性の観点から、全繰り返し単位の10モル%以上、さらには50モル%以上に調整することが好ましい。本発明のイオン液体モノマー以外の、アジド基およびアルキン基を有する化合物としては、例えば、1-プロピン,3-[2-(2‐アジドエトキシ)エトキシ]等が挙げられる。
前記重合は、通常、溶媒中で行うことができる。溶媒としては、例えば、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド等が用いられる。前記重合の条件としては、重合温度20~110℃、好ましくは80~110℃であり、反応時間は1~72時間、好ましくは24~48時間である。重合に際しては、
銅触媒を任意に用いることができるが、加熱のみでも重合を進行させることができる。
前記高分子は、前記重合条件を調整することによって、平均分子量を制御することができる。前記高分子の重量平均分子量は1000以上であり、取り扱いやすさの観点から2万以上であるのが好ましく、さらには5万以上であるのが好ましい。一方、重量平均分子量が大きくなりすぎると、攪拌が困難になるため、重量平均分子量は200万以下、さらには100万以下に調整するのが好ましい。
数平均分子量は500以上であり、取り扱いやすさの観点から5000以上であるのが好ましく、さらには1万以上であるのが好ましい。一方、数平均分子量が大きくなりすぎると、攪拌が困難になるため、数平均分子量は、100万以下、さらには50万以下に調整するのが好ましい。
<架橋高分子>
本発明の一般式(B1)で表される繰り返し単位および一般式(B2)で表される繰り返し単位のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する高分子は、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物との反応により、前記高分子におけるトリアゾール環を4級化して、架橋した構造を有する架橋高分子とすることができる。
前記二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物は、炭化水素基の末端が複数のハロゲン原子で置換され構造を有するものであり、炭化水素基は、前記一般式(A)または(B)中の、R、Rと同様に、アジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい。二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物としては、例えば、
一般式(C):X-R-X
(Xはハロゲン原子、Rはアジド基およびアルキン基を除く官能基を有してもよい2価の炭化水素基を表す。)で表されるジハロゲン化炭化水素化合物が挙げられる。前記Rは、前記R、Rと同様であり、これらは同じであってもよく、異なっていてもい。前記Rは、架橋構造の形成しやすさと架橋高分子の物性等の観点から、炭素数2~20のアルキレン基が好ましく、さらには炭素数3~8のアルキレン基が好ましい。また2つのXは同じでもよく、異なっていてもよい。
前記高分子と、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物との反応割合は、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物が有するハロゲン原子を考慮して適宜に決定される。通常は、前記高分子中のトリアゾール環1当量に対して、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物が有するハロゲン原子が0.2~4当量、さらには0.5~2当量の範囲となるように調整される。前記割合によって架橋度合を制御して、得られる架橋高分子の物性を調整することができる。
前記架橋反応は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒としては、高分子および架橋高分子に対する溶解性の良好な、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒中で行うのが好ましい。前記架橋反応は、通常、40~110℃で行うことが好ましい。
また、前記架橋高分子において、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物に由来してトリアゾール環の4級化に関与しているハロゲンイオンは、ハロゲンイオン以外の無機アニオン成分または有機アニオン成分に置換することができる。例えば、前記架橋高分子に無機アルカリ金属塩(ハロゲン化アルカリ金属を除く)または有機アルカリ金属塩を反応させることにより、ハロゲンイオン以外の無機アニオン成分または有機アニオン成分に置換することができる。無機アルカリ金属塩(ハロゲン化アルカリ金属を除く)または有機アルカリ金属塩としては、前記例示と同様のものを使用することができる。前記置換は、有機アニオン成分への置換に好適に適用でき、有機アルカリ金属塩のなかでも、有機リチウム塩は、電解質としての応用の観点から好ましい。前記ハロゲンイオンの置換は全部をまたは一部に対して行うことができる。前記架橋高分子(ハロゲン4級化物)に対する、無機アルカリ金属塩(ハロゲン化アルカリ金属を除く)または有機アルカリ金属塩の割合(溶媒中、通常は、水溶液中の割合)は、前記ハロゲン4級化物1当量に対して1当量以上、好ましくは5当量以上であるのが好ましい。前記反応、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒としては、水等の溶媒中で行うことができる。前記反応は、通常、20~90℃で行うことが好ましい。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の%は特記ない限りいずれも重量基準である。
実施例で合成した各化合物のNMR、FT-IRは下記方法で測定した。
HNMR:核磁気共鳴分光の測定)
NMR測定にはVarian 400 MR(Varian社製)を使用した。いずれの測定においても溶媒としてDMSO-dを使用した。
(FT-IR:フーリエ変換赤外分光光度の測定)
FT-IR測定には、IRPrestige-21((株)島津製作所製)を用いた。KBr錠剤法によって測定した。
実施例1<イオン液体モノマーの合成と評価>
下記に示す反応式(2)のとおり、工程(1)乃至工程(3)の3段階の手順でイオン液体モノマー(化合物5)を合成し、さらに、工程(4)を施すことで、イオン液体モノマー(化合物6)を合成した。ここで合成するイオン液体モノマー(化合物5,6)に構造式を示すように、イオン液体部位と重合に寄与するアジド基とアルキン基を有する。化合物5、6はイオン液体のアニオン種としてそれぞれI、Tf(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン)を有する。
Figure 0007376072000005
<工程(1)>
シュレンク管に、酢酸銅(II)((Cu(OAc),1mmol,0.182g)、アセトニトリル(MeCN,65mL)、5-クロロ-1-ペンチン(化合物1,20mmol,2.12mL)、ベンジルアジド(化合物2,20mmol,2.50mL)、およびN-エチルジイソプロピルアミン(DIPEA,2mmol,0.345mL)を加え、アルミホイルで遮光し、アルゴン雰囲気下、室温で24時間撹拌した。反応終了後、エバポレーターでアセトニトリルを除去した後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=4:1,容量比)により生成物を分離した。エバポレーターで溶媒を除去し、減圧乾燥することで、白色粉末(化合物3)を得た(収率:74%)。生成物のHNMRチャートを図1に示す。
<工程(2)>
シュレンク管に、化合物3(20mmol,4.71g)、アジ化ナトリウム(NaN,24mmol,1.56g)、およびDMF(25mL)を加え、アルゴン雰囲気下、50℃で24時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応溶液を希釈した後、生成物を酢酸エチル100mLで3回抽出した。その後、純水100mlで2回、飽和塩化ナトリウム水溶液100mlで2回、純水100mlで2回の洗浄を行った。さらに、前記酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレーターで溶媒を除去し、減圧乾燥することにより、黄色液体の化合物4を得た(収率:82%)。生成物のHNMRチャートを図2に示す。
<工程(3)>
ナスフラスコに、化合物4(10mmol,2.05g)、6-ヨード-1-ヘキシン(15mmol,1.99mL)とアセトニトリル(MeCN,20mL)を加え、アルミホイルで遮光し、アルゴン雰囲気下、50℃で120時間撹拌した。反応終了後、エバポレーターでアセトニトリルを除去し、ジエチルエーテル60mLで5回洗浄した後、減圧乾燥することにより、粘性のある橙色のイオン液体モノマーである化合物5を得た(収率:52%)。生成物のHNMRチャートを図3に示す。
<工程(4)>
ナスフラスコに化合物5(8.50mmol,3.83g)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTfN,9.35mmol,2.68g)、純水(25mL)を加え、アルミホイルで遮光し、アルゴン雰囲気下、40℃で24時間撹拌した。さらに、純水50mlで3回洗浄した後、減圧乾燥することにより、粘性のある淡黄色のイオン液体モノマーである化合物6を得た(収率:85%)。生成物のFT-IPスペクトルを図4に示す。
(元素分析)
合成して得られたイオン液体モノマー(化合物5,6)の元素分析をパーキン・エルマー社製の2400IIによって評価した。この分析によって、主にC、H、Nの含有元素割合を定量した。元素分析を2回行った結果は、目的物の組成とほぼ一致した。測定結果を表1に示す。これらの結果より、目的物のイオン液体モノマー(化合物5,6)が合成されたことを確認した。
Figure 0007376072000006
(溶解性試験)
得られたイオン液体モノマー(化合物5,6)の溶解性を確認するために、室温(23℃)でイオン液体モノマーを様々な溶媒に濃度が1mg/mLとなるように加えて完全に相溶するかどうかを目視にて確認した。結果を表2に示す。
Figure 0007376072000007
表2中、「+」は「溶解性あり」、「-」は「溶解を確認できない」ことを示す。
(熱物性測定)
また、イオン液体モノマー(化合物5,6)のガラス転移点(Tg:℃)および融点(Tm:℃)を示差走査熱量計(DSC)にて測定した。DSC測定は、DSC 6100 (セイコーインスツル(株)製)を使用した。測定では、アルミニウム製オープンパンにサンプル5gを測り取り、-130℃~130℃の温度範囲を10℃/minの昇温速度でスキャンした。DSCの測定結果を図5に示す。
図5に示すように、化合物5、6のTg、Tmは下記のとおりである。
化合物5:Tg=-42.6℃、Tm=-9.3℃
化合物6:Tg=-55.0℃、Tm=3.1℃
実施例2<高分子の合成と評価>
下記に示す反応式(3)のとおり、実施例1で合成したイオン液体モノマー(化合物5,化合物6)を重合して、高分子(化合物7,8)を合成した。以下に詳細な重合条件を示す。
Figure 0007376072000008
ねじ蓋付試験管にイオン液体モノマー(化合物5,0.22mmol,100mg/または化合物6,0.17mmol,100mg)を加え、アルゴン雰囲気下、110℃で24時間加熱して、前記イオン液体モノマーを重合した。重合後に、化合物5の場合はアセトンで、化合物6の場合は酢酸エチルで、それぞれ洗浄し、減圧乾燥することで、高分子(化合物7,8)を得た[転化率:90%(重量法により算出)]。
(平均分子量)
また、重合時間が高分子(化合物8)の分子量に及ぼす影響を検討したところ、重合時間の増加につれて高分子(化合物8)の平均分子量は増大する傾向を示した(図6)。この結果より、重合時間を変えることで高分子(化合物8)の分子量を制御できることを確認した。
なお、高分子の平均分子量の測定は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)として、GPC(HLC-8120GPC,東ソー(株)製)によって測定した。カラムとしてTSK gel SUPER Hシリーズを用いた。カラム温度は40℃とした。流量は0.3ml/minとした。溶離液として60mMのLiTfNのDMF溶液を使用した。検量線は標準物質(TSK 標準ポリスチレン)で作成した。
以下の評価に表した化合物8は、下記重量平均分子量を有するものを用いた。
化合物8:重量平均分子量 146,000g/mol。
化合物8のH NMRチャートを図7に示す。
(溶解性試験)
得られた高分子(化合物7,8)の溶解性を確認するために、室温(23℃)で高分子(化合物7,8)を様々な溶媒に濃度が1mg/mLとなるように加えて完全に溶解するかどうかを目視にて確認した。結果を表3に示す。
Figure 0007376072000009
表3中、「+」は「溶解性あり」、「-」は「溶解を確認できない」ことを示す。
(引張試験)
高分子(化合物8)を円柱状(直径1mm)で成型し、はさみ具間距離を9.1に成形したものをサンプルとして、引張強度を測定した。前記サンプルは引張試験前の長さに対して17倍以上伸びた。この結果から、高分子(化合物8)は非常に延性の高い樹脂であることを確認した。
高分子の引張試験には、小型卓上試験機 EZ Testシリーズ EZ-SX((株)島津製作所製)を使用した。ロードセルとして5Nのものを使用した。引張速度は1mm/minとした。
(熱物性測定)
また、高分子(化合物7,8)のガラス転移点(Tg:℃)を上記DSCで測定し、また、10%重量減少温度(Td10:℃)を熱重量測定(TG-DTA)にて測定した。TG-DTAは、DTG-60((株)島津製作所製)を使って高分子の熱分解温度を測定した。サンプル量は5~10mgとして,昇温速度10℃/minで測定した。
化合物7、8のTg、Td10は下記のとおりである。
化合物7:Tg=37.8℃、Td10=226℃
化合物8:Tg=7.4℃、Td10=295℃
(イオン伝導度の測定)
高分子のイオン伝導性の評価を抵抗計(RM3545,日置電機(株)製)により評価した。高分子(化合物7,8)のイオン伝導度(22.5℃)は下記のとおりである。
化合物7: 測定範囲外(抵抗を示さず)
化合物8: 1.67×10-8±1.21×10-9 [S・cm-1
実施例3<架橋高分子の合成と評価>
下記に示す反応式(4)のとおり、高分子(化合物7)から、架橋高分子(化合物9,10)を合成した。以下に詳細な重合条件を示す。
Figure 0007376072000010
ねじ蓋付試験管に高分子(化合物7,350mg,トリアゾール基の0.78mmol)、DMF(1.0mL)および架橋剤として1,4-ジヨードブタンを添加した。トリアゾール環1当量に対して、1,4-ジヨードブタンを0.25当量(eq)、0.5当量(eq)、または1.0当量(eq)[ヨウ素原子に対する当量としては、順に、0.5当量、1.0当量、2.0当量]を添加した。室温で15分間撹拌した後、ガラス板上のスペーサーに溶液を流し込んだ。さらに、110℃で12時間加熱して、架橋高分子(化合物9)を得た。続いて、5%のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTfN)を含有する溶液(水/アセトニトリル=3:1の容量比の混合溶媒を使用)に架橋高分子(化合物9,DMFの膨潤状態)を加え、50℃で48時間加熱することによって、架橋高分子(化合物9)のアニオン成分を交換した。生成物を110℃で減圧乾燥することによって溶媒を除去し、架橋高分子(化合物10)を得た。
図8に架橋密度の異なる架橋高分子(化合物10)で形成された膜(厚み0.45mm)の写真を示す。いずれの架橋剤添加量においても自己支持性を有する架橋物が得られた。
(イオン伝導度の測定)
架橋密度の異なる架橋高分子(化合物10)のイオン伝導性の温度特性評価をインピーダンスアナライザー(Model 4294A;Keysight,Santa Clara,cA,USA)により評価した。10℃ステップで130~20℃まで降温し、40~110MHzの範囲で測定した。図9は、架橋密度の異なる架橋高分子(化合物10)のイオン伝導度の温度特性曲線を示す。高分子(化合物7)のトリアゾール環1当量に対して、架橋剤を過剰量(1当量:ヨウ素原子の当量として2.0当量)加えて得られた架橋高分子(化合物9)のアニオン成分をTfに交換した架橋高分子(化合物10)が最も高いイオン伝導性を示した。
(熱物性測定)
また、架橋高分子(化合物9,10)のガラス転移点(Tg:℃)を上記DSCで測定し、また、10%重量減少温度(Td10:℃)を上記熱重量測定(TG-DTA)にて測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007376072000011
表4中の「架橋剤の比」は、トリアゾール環1当量に対する、架橋剤の当量である。
(引張試験:力学物性)
架橋高分子(化合物10)の引張試験結果を図9および表9に示す。
引張試験は、短冊状(横2mm×縦8.3mm,厚み0.45mm)に成型したものをサンプルとし、ひずみ速度は10% min-1でおこなった。引張試験の測定装置は前記に同じである。
Figure 0007376072000012
表5中の「架橋剤の比」は、トリアゾール環1当量に対する、架橋剤の当量である。

Claims (17)

  1. 一般式(A):
    Figure 0007376072000013
    (但し、一般式(A)中、R は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキレン基またはアリーレン基の2価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキレン基、アリーレン基が内部官能基を有する場合を除く)を表し、
    は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキレン基またはアリーレン基の2価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキレン基、アリーレン基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、水素原子またはカルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し、
    は、水素原子またはカルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、アニオン成分を表す。)で表されるイオン液体モノマー。
  2. 前記R は、炭素数1~4の前記内部官能基を有してもよいアルキレン基であり、
    前記R は、炭素数2~6の前記内部官能基を有してもよいアルキレン基であり、
    は、水素原子または前記内部官能基を有してもよい前記1価の炭化水素基であり、
    は、水素原子または前記内部官能基を有してもよい前記1価の炭化水素基であり、
    は、炭素数6~15のアルキル基またはアリールアルキル基であることを特徴とする請求項1記載のイオン液体モノマー。
  3. 前記一般式(A)におけるXに係るアニオン成分が無機アニオン成分であることを特徴とする請求項1または2記載のイオン液体モノマー。
  4. 前記無機アニオン成分が、ハロゲンイオン、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、または(CN)、であることを特徴とする請求項記載のイオン液体モノマー。
  5. 前記一般式(A)におけるXに係るアニオン成分が有機アニオン成分であることを特徴とする請求項1または2記載のイオン液体モノマー。
  6. 前記有機アニオン成分が、有機カルボキシルアニオン、有機スルホニルアニオン、有機スルホニルカルボアニオン、有機スルホニルイミドアニオン、有機カルボキシルスルホニルカルボアニオン、または有機カルボキシルスルホニルイミドアニオンであることを特徴とする請求項記載のイオン液体モノマー。
  7. 前記有機アニオン成分が、ペルフルオロアルキル基を有することを特徴とする請求項5または6記載のイオン液体モノマー。
  8. 一般式(B1):
    Figure 0007376072000014
    (但し、一般式(B1)中、R は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキレン基またはアリーレン基の2価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキレン基、アリーレン基が内部官能基を有する場合を除く)を表し、
    は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキレン基またはアリーレン基の2価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキレン基、アリーレン基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、水素原子またはカルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し、
    は、水素原子またはカルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、アニオン成分を表す。)で表される繰り返し単位、および、
    一般式(B2):
    Figure 0007376072000015
    (但し、一般式(B2)中、R は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキレン基またはアリーレン基の2価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキレン基、アリーレン基が内部官能基を有する場合を除く)を表し、
    は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキレン基またはアリーレン基の2価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキレン基、アリーレン基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、水素原子またはカルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し、
    は、水素原子またはカルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルホニル基およびシアノ基から選択される極性官能基を置換基として有してもよく、エーテル基、エステル基、アミド基、ジアゾ基およびジスルフィド基から選択される内部官能基を有してもよい、炭素数1~20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基の1価の炭化水素基(但し、前記環状のアルキル基、アリール基が内部官能基を有する場合を除く)を表し
    は、アニオン成分を表す。)で表される繰り返し単位、のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する、重量平均分子量が1000以上の高分子。
  9. 前記R は、炭素数1~4の前記内部官能基を有してもよいアルキレン基であり、
    前記R は、炭素数2~6の前記内部官能基を有してもよいアルキレン基であり、
    は、水素原子または前記内部官能基を有してもよい前記1価の炭化水素基であり、
    は、水素原子または前記内部官能基を有してもよい前記1価の炭化水素基であり、
    は、炭素数6~15のアルキル基またはアリールアルキル基であることを特徴とする請求項8記載の高分子。
  10. 前記一般式(B1)および一般式(B2)におけるXに係るアニオン成分が無機アニオン成分であることを特徴とする請求項8または9記載の高分子。
  11. 前記無機アニオン成分が、ハロゲンイオン、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、または(CN)、であることを特徴とする請求項10記載の高分子。
  12. 前記一般式(B1)および一般式(B2)におけるXに係るアニオン成分が有機アニオン成分であることを特徴とする請求項8または9記載の高分子。
  13. 前記有機アニオン成分が、有機カルボキシルアニオン、有機スルホニルアニオン、有機スルホニルカルボアニオン、有機スルホニルイミドアニオン、有機カルボキシルスルホニルカルボアニオン、または有機カルボキシルスルホニルイミドアニオンであることを特徴とする請求項12記載の高分子。
  14. 前記有機アニオン成分が、ペルフルオロアルキル基を有することを特徴とする請求項12または13記載の高分子。
  15. 請求項1~のいずれかに記載の一般式(A)で表されるイオン液体モノマーを少なくとも含有するモノマー成分を重合することにより、請求項8~14のいずれかに記載の一般式(B1)で表される繰り返し単位および一般式(B2)で表される繰り返し単位のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する高分子を製造することを特徴とする高分子の製造方法。
  16. 請求項8~14のいずれかに記載の一般式(B1)で表される繰り返し単位および一般式(B2)で表される繰り返し単位のいずれかの繰り返し単位を少なくとも有する高分子と、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物との反応により、前記高分子におけるトリアゾール環が4級化されて、架橋した構造を有することを特徴とする架橋高分子。
  17. 請求項16記載の架橋高分子において、二個以上のハロゲン基を有する炭化水素化合物に由来して生じた、トリアゾール環の4級化に関与しているハロゲンイオンが、ハロゲンイオン以外の無機アニオン成分または有機アニオン成分に置換されていることを特徴とする架橋高分子。
JP2019164247A 2019-09-10 2019-09-10 イオン液体モノマー、高分子およびその製造方法並びに架橋高分子 Active JP7376072B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164247A JP7376072B2 (ja) 2019-09-10 2019-09-10 イオン液体モノマー、高分子およびその製造方法並びに架橋高分子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164247A JP7376072B2 (ja) 2019-09-10 2019-09-10 イオン液体モノマー、高分子およびその製造方法並びに架橋高分子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021042150A JP2021042150A (ja) 2021-03-18
JP7376072B2 true JP7376072B2 (ja) 2023-11-08

Family

ID=74863640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019164247A Active JP7376072B2 (ja) 2019-09-10 2019-09-10 イオン液体モノマー、高分子およびその製造方法並びに架橋高分子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7376072B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103819668A (zh) 2014-01-16 2014-05-28 昆山京昆油田化学科技开发公司 一种离子液体聚合物的制备方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103819668A (zh) 2014-01-16 2014-05-28 昆山京昆油田化学科技开发公司 一种离子液体聚合物的制备方法

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ACS Macro Letters,2019年,Vol.8(7),p.795-799
Angewandte Chemie Int. Ed.,2012年,Vol.51(18),p.4362-4366
Journal of Membrane Science,2010年,Vol.359(1-2),p.37-43
Macromolecular Chemistry and Physics,2017年,Vol.218(21),170337(1-11)
Organic Letters,2016年,Vol.18(10),p.2511-2514

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021042150A (ja) 2021-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Green et al. Alkyl‐Substituted N‐Vinylimidazolium Polymerized Ionic Liquids: Thermal Properties and Ionic Conductivities
US8853286B2 (en) Polymerized ionic liquid block copolymers as battery membranes
Xie et al. Synthesis of highly branched sulfonated polymers and the effects of degree of branching on properties of branched sulfonated polymers as proton exchange membranes
Hu et al. Low glass transition temperature polymer electrolyte prepared from ionic liquid grafted polyethylene oxide
JP7001284B2 (ja) 水酸化物安定性のポリベンズイミダゾリウム及びポリイミダゾリウムの膜及びイオノマーの架橋
Xie et al. Synthesis and properties of highly branched star-shaped sulfonated block poly (arylene ether) s as proton exchange membranes
Matsumoto et al. Synthesis of networked polymers by copolymerization of monoepoxy‐substituted lithium sulfonylimide and diepoxy‐substituted poly (ethylene glycol), and their properties
JP6653434B2 (ja) 陰イオン交換樹脂の製造方法、燃料電池用電解質膜の製造方法、電極触媒層形成用バインダーの製造方法、電池電極触媒層の製造方法および燃料電池の製造方法
US9315630B2 (en) Anion-conducting polymer
Golcuk et al. Synthesis and characterization of polymer electrolyte membranes based on PVDF and styrene via photoinduced grafting
Tawade et al. Processable aromatic polyesters based on bisphenol derived from cashew nut shell liquid: synthesis and characterization
Zhou et al. A well-defined amphiphilic polymer co-network from precise control of the end-functional groups of linear RAFT polymers
Shen et al. High temperature proton exchange membranes based on poly (arylene ether) s with benzimidazole side groups for fuel cells
Wu et al. Preparation and thermoresponsive properties of helical polypeptides bearing pyridinium salts
JP2013221086A (ja) ポリアリーレン及びその製造方法
JP6512555B2 (ja) カチオン性グリシジルポリマー
JP7376072B2 (ja) イオン液体モノマー、高分子およびその製造方法並びに架橋高分子
Sinirlioglu et al. Investigation of proton conductivity of PVDF based anhydrous proton exchange membranes (PEMs) obtained via a facile “Grafting Through” strategy
Mohanty et al. Imidoaryl biphenol based new fluorinated sulfonated poly (arylene ether sulfone) copolymers and their proton exchange membrane properties
WO2011030921A1 (ja) ビフェニルテトラスルホン酸化合物、その製造方法、重合体及び高分子電解質
JP2004263153A (ja) スルホン酸基を有するアミン硬化型エポキシ樹脂電解質および製造法
CN102190752B (zh) 碳氟聚合物材料及其合成方法
KR102385168B1 (ko) 폴리머 조성물
Zhu et al. Facile synthesis of anion conductive poly (2, 6-dimethyl-1, 4-phenylene oxide) s from a clickable di-quaternized side-chain precursor
Lakshmi et al. Synthesis, characterisation and membrane properties of sulphonated poly (aryl ether sulphone) copolymers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7376072

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150