以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、通信装置400を備える。システム10は、車両300を備えてよい。システム10は、サーバ100を備えてよい。システム10は、広告主端末200を備えてよい。システム10は、通信端末500を備えてよい。
通信装置400は、車両300に搭載されている。車両300は、移動体の一例であってよい。移動体の例としては、車両300の他、無人航空機等が挙げられる。
車両300は、自動車であってよい。車両300は、どのような種類の自動車であってもよい。車両300は、ガソリン車であってよく、また、いわゆるエコカーであってもよい。エコカーの種類としては、HV(Hybrid Vehicle)、PHEV/PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、及びFCV(Fuel Cell Vehicle)等が挙げられる。車両300は、例えば、自家用車である。なお、車両300は、どのような用途の自動車であってもよい。車両300は、例えば、タクシー、バス及び移動販売車等の事業用の車両であってもよい。また、車両300は自律走行する車両であってもよく、自律走行モードを備える車両であってもよい。
通信装置400は、いわゆるセルラ通信機能を有する。セルラ通信用のアンテナは、通信装置400が備えてもよく、また、通信装置400が搭載されている車両300が備えてもよい。通信装置400は、セルラ通信方式を用いて、無線基地局30と無線通信接続を確立して、無線基地局30を介してネットワーク20にアクセスする。ネットワーク20は、セルラネットワークを含む。ネットワーク20は、インターネットを含んでよい。ネットワーク20は、外部ネットワークの一例であってよい。
無線基地局30は、任意のセルラ通信方式に準拠していてよい。無線基地局30は、例えば、LTE(Long Term Evolution)通信方式に準拠する。無線基地局30は、例えば、3G(3rd Generation)通信方式に準拠する。無線基地局30は、例えば、5G(5th Generation)通信方式に準拠する。無線基地局30は、例えば、6G(6th Generation)通信方式以降のセルラ通信方式に準拠する。ここでは、無線基地局30がLTE通信方式に準拠している場合を主に例に挙げて説明する。
通信装置400は、通信端末500と無線通信する機能を有する。通信装置400は、例えば、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)通信機能を有する。Wi-Fi通信用のアンテナは、通信装置400が備えてよく、また、通信装置400が搭載されている車両300が備えてもよい。
通信端末500は、無線通信部及び表示部を有する任意の端末であってよい。通信端末500は、例えば、スマートフォン等の携帯電話である。通信端末500は、タブレット端末であってもよい。通信端末500は、眼鏡型デバイス等のウェアラブル端末であってもよい。通信端末500は、外部端末の一例であってよい。ここで、移動体の外部とは必ずしも移動体の外部である必要はなく、移動体の内部へ持ち込むことで移動体内部で使用されてもよい。通信端末500の保有者によって可搬であり、通信装置400が通信する内容とは異なる通信端末500の独自の通信を実行する端末であればよい。
通信装置400は、他の移動体と直接通信を行う機能を有する。例えば、車車間通信機能を有する。車車間通信は、移動体間通信の一例であってよい。通信装置400が、無人航空機に搭載された場合、通信装置400は、無人航空機間通信機能を有してよい。
通信装置400は、通信装置400が搭載されている車両300とは異なる車両300に搭載されている他の通信装置400と通信可能である。通信装置400は、例えば、DSRC(登録商標)(Dedicated Short Range Communications)通信方式によって、他の通信装置400と通信する。DSRC用のアンテナは、通信装置400が備えてよく、また、通信装置400が搭載されている車両300が備えてもよい。通信装置400は、Wi-Fi通信方式、Bluetooth(登録商標)通信方式によって、他の通信装置400と通信してもよい。また、通信装置400は経路上に設置される通信機能を有する路側機と通信することができる。この場合、例えば、通信装置400は、DSRC通信方式、Wi-Fi通信方式、Bluetooth通信方式によって路側機と通信してもよい。
通信装置400は、ネットワーク20と通信端末500との通信を中継する通信中継機能を有する。通信装置400、又は車両300は、いわゆるWi-Fiホットスポットとして機能してよい。通信端末500は、例えば、停車中又は駐車中の車両300の通信装置400と無線通信接続を確立して、通信装置400及び無線基地局30を介してネットワーク20にアクセスする。通信端末500は、走行中の車両300の通信装置400と無線通信接続を確立してもよい。
このように、車両300に搭載された通信装置400がWi-Fiホットスポットとして機能することによって、多くの通信端末500にWi-Fi通信サービスを提供することができる。しかし、一般的に、通信装置400と無線基地局30との間のセルラ通信においては、従量課金制やパケット定額制が採用されており、何もケアしなければ、通信の中継量に応じてセルラ通信の契約者、車両300の所有者の金銭的負担が大きくなってしまう。
それに対して、本実施形態に係るシステム10では、通信装置400による通信端末500に対する広告配信サービスを実現する。例えば、サーバ100が、広告主端末200から配信情報の配信要求を受信して、配信情報を車両300を介して通信端末500に配信する。配信情報は例えば、広告情報やレコメンド情報であってもよい。広告主端末200は、配信情報の配信を希望する広告主が使用する端末であってよい。広告主端末200は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等であってよい。配信情報の配信に関わった車両300の所有者に広告収入を分配することによって、車両300の所有者に、Wi-Fiホットスポットを提供するインセンティブを与えることができる。
特に、本実施形態に係るシステム10では、複数の車両300のうち、特定の車両300に対して配信情報を送信し、当該車両300から他の車両300に対して、車車間通信によって配信情報を伝達させる。車車間通信は、セルラ通信と比較して、通信コストが低い。一般的には、車車間通信では、従量課金制等が採用されることはなく、通信量が増加しても、車両300の所有者の金銭的負担は増えない。よって、サーバ100から、セルラ通信によって複数の車両300に対して配信情報を送信する場合と比較して、車車間通信を利用することによって、通信コストを低減することができる。
図2は、システム10による広告配信のイメージを概略的に示す。広告基点202は、広告に関連する位置を示す。例えば、広告主が店舗の経営者等である場合、広告基点202は、店舗の位置を示してよい。また、例えば、広告主がイベントの開催者である場合、広告基点202は、イベントの開催場所を示してよい。
広告基点202は、広告に関連する地理的領域を示してもよい。例えば、広告主が店舗の経営者等である場合、広告基点202は、店舗の地理的領域を示してよい。また、例えば、広告主がイベントの開催者である場合、広告基点202は、イベントの開催場所の地理的領域を示してよい。
広告エリア204は、広告主が配信情報、特に広告を出すことを希望するエリアを示す。図2では、広告エリア204が、広告基点202を中心とした円形状のエリアである場合を例示しているが、これに限らない。広告エリア204は、任意の形状のエリアであってよい。また、エリアの中に対象外地域を有するドーナツ型の配信領域であってもよい。この場合、エリアの中の対象領外地域は広告基点202を含んでいてもよい。車両位置302は、車両300の位置を示す。
広告主端末200は、例えば、広告コンテンツと、広告基点202の情報と、広告エリア204の情報とをサーバ100に登録して、配信情報の配信要求をサーバ100に送信する。広告コンテンツは、広告の内容を示すテキストを含んでよい。広告コンテンツは、広告の内容を示す画像を含んでよい。広告コンテンツは、広告の内容に関連する音声を含んでもよい。
サーバ100は、配信要求に応じて、広告エリア204内の複数の車両300から、配信情報を送信する対象となる1又は複数の車両300を特定する。サーバ100は、例えば、複数の車両300のうち、より広告基点202に近い車両300を特定する。サーバ100は、広告主による広告主端末200を用いた指示に従って車両300を特定してもよい。また、サーバ100は、過去の車両300の配信情報の配信の実績に基づいて車両300を特定してもよい。
サーバ100は、特定した車両300に対して、ネットワーク20及び無線基地局30を介して配信情報を送信する。配信情報は、広告コンテンツを含んでよい。配信情報は、広告基点202の情報を含んでよい。配信情報は、広告エリア204の情報を含んでよい。
配信情報を受信した車両300は、車車間通信によって、他の車両300に配信情報を伝達する。配信情報の伝達は、例えば、広告エリア204内の車両300で行われる。
配信情報を受信した車両300は、通信端末500に対して配信情報を送信する。車両300は、無線通信接続を確立している通信端末500に対して配信情報を送信してよい。これにより、広告エリア204内に位置する通信端末500に対して、配信情報を配信することができる。
図3は、通信装置400の機能構成の一例を概略的に示す。通信装置400は、格納部402、セルラ通信部404、端末通信部406、通信中継部408、通信制御部410、AP通信部412、車車間通信部414、配信情報管理部416、位置情報取得部420、速度情報取得部422、撮像画像取得部430、及び画像情報生成部432を備える。なお、通信装置400がこれらのすべてを備えることは必須とは限らない。また、一部の構成を通信装置400の外部、例えば車両300に備えていてもよい。
格納部402は、各種情報を格納する。格納部402は、例えば、配信情報を格納する。また、格納部402は、車両300が有する撮影部310によって撮影された撮影画像を格納する。撮影部310は、例えば、ドライブレコーダである。撮影部310は、ドライブレコーダとは別に、車両300に設置されたカメラであってもよい。
セルラ通信部404は、セルラ通信方式によって無線基地局30と無線通信する。セルラ通信部404は、無線基地局30を介してネットワーク20にアクセスする。セルラ通信部404は、サーバ100からネットワーク20及び無線基地局30を介して配信情報を受信して、格納部402に格納し得る。セルラ通信部404は、配信情報を受信する受信部の一例であってよい。
端末通信部406は、車両300の外部に位置する通信端末500と無線通信する。端末通信部406は、車両300の内部に位置する通信端末500と無線通信してもよい。端末通信部406は、Wi-Fi通信方式によって通信端末500と無線通信してよい。端末通信部406は、格納部402に格納されている配信情報を通信端末500に送信し得る。端末通信部406は、配信情報を通信端末500に送信する送信部の一例であってよい。
通信中継部408は、通信端末500とネットワーク20との通信を中継する。通信中継部408は、例えば、端末通信部406が通信端末500から受信したデータを、セルラ通信部404を介してネットワーク20に送信する。通信中継部408は、例えば、セルラ通信部404がネットワーク20から受信したデータを、端末通信部406を介して通信端末500に送信する。通信中継部408は、端末通信部406を介して、配信情報を通信端末500に送信してよい。
通信制御部410は、通信端末500との通信のための通信設定を制御する。通信制御部410は、例えば、端末通信部406が通信端末500と無線通信を行う無線通信エリアを制御する。具体例として、通信制御部410は、端末通信部406が通信端末500と無線通信を行う無線通信エリアの大きさを制御する。また、通信制御部410は、例えば、端末通信部406が通信端末500と無線通信接続を確立する接続許容数を制御する。また、通信制御部410は、例えば、端末通信部406が通信端末500と無線通信接続を確立する接続許容時間を制御する。また、通信制御部410は、例えば、通信中継部408による中継機能のオンオフを制御する。
AP通信部412は、アクセスポイントと無線通信する。AP通信部412は、例えば、各地に配置されているWi-Fiホットスポットと無線通信する。AP通信部412は、各地に配置されているフリーWi-Fiホットスポットと無線通信してよい。また、AP通信部412は各地に配置される路側機とWi-Fi通信方式、Bluetooth通信方式又は、DSRC通信方式によって無線通信してもよい。路側機は交通制御システム、例えば信号機に配置されていてもよい。
AP通信部412は、アクセスポイントを介してネットワーク20にアクセスしてよい。AP通信部412は、サーバ100からネットワーク20及びアクセスポイントを介して配信情報を受信して、格納部402に格納し得る。AP通信部412は、配信情報を受信する受信部の一例であってよい。
車車間通信部414は、車車間通信を実行する。車車間通信部414は、DSRC通信方式によって他の通信装置400と通信してよい。車車間通信部414は、Wi-Fi通信方式によって他の通信装置400と通信してよい。車車間通信部414は、Bluetooth通信方式によって他の通信装置400と通信してよい。車車間通信部414は、他の通信装置400から配信情報を受信して、格納部402に格納し得る。車車間通信部414は、配信情報を受信する受信部の一例であってよい。車車間通信部414は、格納部402に格納されている配信情報を他の通信装置400に送信し得る。車車間通信部414は、他の車両に配信情報を送信する送信部の一例であってよい。
配信情報管理部416は、格納部402に格納されている配信情報を管理する。配信情報管理部416は、例えば、配信情報を編集する。
位置情報取得部420は、通信装置400が搭載されている車両300(自車両と記載する場合がある。)の現在位置に関する位置情報を取得する。位置情報取得部420は、例えば、自車両のカーナビゲーションシステムから、自車両の位置情報を取得する。通信装置400がGPS測位等の測位機能を有している場合、位置情報取得部420は、当該測位機能による測位結果を、自車両の位置情報として取得してもよい。
速度情報取得部422は、自車両の移動速度に関する速度情報を取得する。速度情報取得部422は、自車両の走行速度に関する速度情報を取得してよい。速度情報取得部422は、例えば、自車両の速度センサ、車両メーター、カーナビゲーションシステムから、自車両の速度情報を取得してもよく、通信装置400で測定してもよい。
撮像画像取得部430は、撮影部310が広告に関連する位置を撮影した撮影画像を取得する。撮像画像取得部430は、当該撮像画像を格納部402から取得してよい。
画像情報生成部432は、広告に関連する位置を撮影した撮影画像と、当該撮影画像に関連する画像関連情報との少なくともいずれかを含む画像情報を生成する。画像情報生成部432は、生成した画像情報を格納部402に格納してよい。
図4は、通信端末500の機能構成の一例を概略的に示す。通信端末500は、格納部502、セルラ通信部504、Wi-Fi通信部506、位置情報取得部508、及び表示制御部510を備える。
格納部502は、各種情報を格納する。格納部402は、例えば、配信情報を格納する。格納部402は、端末格納部の一例であってよい。
セルラ通信部504は、セルラ通信方式によって無線基地局30と無線通信する。セルラ通信部504は、無線基地局30を介してネットワーク20にアクセスする。Wi-Fi通信部506は、Wi-Fi通信方式によって通信装置400と無線通信する。
位置情報取得部508は、通信端末500の現在位置に関する位置情報を取得する。位置情報取得部508は、通信端末500が有する測位機能によって測位された結果を取得してよい。
表示制御部510は、格納部502に格納されている情報を通信端末500の表示部520に表示させる。表示制御部510は、格納部502に格納されている配信情報に含まれる広告コンテンツを表示部520に表示させてよい。表示制御部510は、格納部502に格納されている配信情報を表示部520に表示させてよい。
図5は、システム10における処理の流れの一例を概略的に示す。図5では、配信情報の伝達処理を主に説明する。
車両300による通信は、車両300の通信装置400によって実行される。車両300は、第1移動体の一例であってよい。車両320による通信は、車両320の通信装置400によって実行される。車両320は、第2移動体の一例であってよい。車両330による通信は、車両330の通信装置400によって実行される。車両330は、第3移動体の一例であってよい。
ステップ102(ステップをSと省略して記載する場合がある。)では、広告主端末200が、サーバ100に対して各種情報を登録する。広告主端末200は、広告主の指示に従って、サーバ100に対して各種情報を登録してよい。
広告主端末200は、広告コンテンツを登録する。広告主端末200は、広告基点202の情報である基点情報を登録してよい。広告主端末200は、広告を配信する地理的領域(配信領域と記載する場合がある。)を示す配信領域情報を登録してよい。広告主端末200は、広告を通信端末500の表示部520に表示させる地理的領域(表示領域と記載する場合がある。)を示す表示領域情報を登録してよい。広告主端末200は、広告の送信、他の装置への転送を制限する制限条件を登録してよい。
サーバ100は、広告毎に、広告を識別する広告識別情報(広告IDと記載する場合がある。)と、広告主端末200によって登録された各種情報とを含む配信情報を生成してよい。広告IDは、例えば、広告毎に固有の固有番号である。
S104では、広告主端末200が、配信情報の配信要求をサーバ100に送信する。広告主端末200は、例えば、広告IDを指定した配信要求をサーバ100に送信する。
S106では、サーバ100が、配信情報を送信する対象として特定した車両330に、ネットワーク20及び無線基地局30を介して、配信情報を送信する。また、S106ではサーバ100ではなく、広告主端末200から配信情報を車両330に送信してもよい。この場合、車両330と広告主端末200は直接通信であってもよく、無線基地局30を介した間接通信であってもよい。車両330のセルラ通信部404は、サーバ100あるいは広告主端末200によって送信された配信情報を受信する。
図5に示す例において、配信情報は、広告ID、広告コンテンツ、基点情報、配信領域情報、表示領域情報、制限条件、及び伝達経路情報を含む。伝達経路情報は、配信情報が伝達された経路を示すための情報である。伝達経路情報には、例えば、配信情報を伝達した車両300の移動体識別情報が登録される。移動体識別情報は、車両300を識別可能な任意の情報であってよい。
車両330の通信装置400は、受信した配信情報に含まれる配信領域情報を参照して、車両330の現在位置が配信領域に含まれると判定した場合に、配信情報の伝達を実行してよい。ここでは、含まれると判定したものとして説明を続ける。
S108では、車両330が、配信情報に含まれる伝達経路情報に車両330の移動体識別情報を追加して、車車間通信を介して配信情報を車両300に送信する。車両300の車車間通信部414は、車両330によって送信された配信情報を受信して、格納部402に格納する。配信情報管理部416は、受信した配信情報の伝達経路情報に、車両300の移動体識別情報を追加してよい。
車両300の配信情報管理部416は、受信した配信情報の広告識別情報の履歴を管理してよく、車車間通信部414が配信情報を受信した場合に、当該配信情報の広告識別情報が履歴に含まれている場合、当該配信情報を削除してよい。なお、車両330の配信情報管理部416が、受信した配信情報の広告識別情報を車両300に通知し、車両300からの応答に応じて、配信情報を車両300に送信するようにしてもよい。
車両300の通信装置400の制御部は、位置情報取得部420によって取得された位置情報によって示される位置が、配信情報に含まれる配信領域情報によって示される配信領域に含まれているか否かを判定する。含まれていると判定された場合、車車間通信部414は、配信情報を他の車両に送信可能と判定する。また、含まれていると判定された場合、通信中継部408は、通信を中継している通信端末500に対して、配信情報を送信可能と判定する。
S110では、車両300の車車間通信部414が、車車間通信を介して配信情報を車両320に送信する。S112では、車両300の通信中継部408が、通信の中継を実行している通信端末500に対して、端末通信部406を介して配信情報を送信する。
通信端末500のWi-Fi通信部506は、受信した配信情報を格納部502に格納する。通信端末500の表示制御部510は、通信端末500が、配信情報に含まれる表示領域情報によって示される表示領域内に位置するか否かを判定する。表示制御部510は、位置情報取得部508によって取得された位置情報によって示される位置が表示領域に含まれるか否かを判定してよい。
S114では、表示制御部510が、通信端末500が表示領域内に位置すると判定したことに応じて、広告を表示部520に表示させる。表示制御部510は、配信情報に含まれる広告コンテンツを表示部520に表示させてよい。表示制御部510は、通信端末500が表示領域内に位置しない間は、配信情報に含まれる広告を表示部520に表示させない。
S116では、広告を表示部520に表示させたことに応じて、セルラ通信部504が、報告情報をサーバ100に送信する。セルラ通信部504は、無線基地局30及びネットワーク20を介して報告情報をサーバ100に送信してよい。報告情報は、広告ID、広告を表示した場所及び時刻の情報、伝達経路情報、及び通信端末500を識別する端末識別情報(端末IDと記載する場合がある。)を含んでよい。広告を表示した場所の情報は、表示部520が広告を表示したときに位置情報取得部508が取得した位置情報であってよい。
S118では、通信端末500の制御部が、通信端末500が、広告に関連する位置に移動したか否かを判定する。通信端末500の制御部は、例えば、配信情報に含まれる基点情報の広告基点202によって示される地理的領域内に通信端末500が位置した場合、通信端末500が、広告に関連する位置に移動したと判定する。ここでは、移動したと判定したものとして説明を続ける。
S120では、通信端末500が広告に関連する位置に移動したと判定されたことに応じて、セルラ通信部504が、報告情報をサーバ100に送信する。セルラ通信部504は、無線基地局30及びネットワーク20を介して報告情報をサーバ100に送信してよい。報告情報は、広告ID、通信端末500の端末ID、及び、通信端末500が広告に関連する位置に移動したことを示す移動報告とを含んでよい。
S122では、サーバ100が、受信した報告情報の集計及び分析等を実行する。当該集計及び分析によって、配信情報がどのように伝達されたのか、配信情報の伝達に貢献した車両、配信情報が表示された回数、配信情報を閲覧した人の数、及び配信情報によって広告に関連する位置に移動した人の数等を特定することができる。なお、図5では、通信端末500が広告に関連する位置に移動したことをサーバ100に報告する場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。広告に関連する位置にWi-Fiホットスポットが配置されている場合において、当該Wi-Fiホットスポットに通信端末500が接続されたことを、当該Wi-Fiホットスポットがサーバ100に通知してもよい。
図6は、システム10における処理の流れの一例を概略的に示す。図6では、配信情報の伝達処理を主に説明する。ここでは、図5と異なる点を主に説明する。
S202では、広告主端末200が、広告主の指示に従って、サーバ100に対して各種情報を登録する。S202では、広告主端末200が、配信情報の配信要求をサーバ100に送信する。
S206では、サーバ100が、配信情報を送信する対象として特定した車両330に、ネットワーク20及び無線基地局30を介して、配信情報を送信する。図6に示す例において、当該配信情報は、広告ID、広告コンテンツ、基点情報、配信領域情報、表示領域情報、制限条件、及び伝達経路情報を含む。車両330のセルラ通信部404は、サーバ100によって送信された配信情報を受信する。
S208では、車両330が、配信情報に含まれる広告コンテンツを車両330の格納部402に保存し、配信情報に含まれる広告コンテンツを、広告コンテンツが保存されている位置を示す保存位置情報に置換する。保存位置情報は、広告コンテンツが保存されている位置を、外部から特定可能な情報であってよい。例えば、保存位置情報は、車両330の移動体識別情報と、車両330の格納部402における保存箇所とを含む。そして、車両330は、車車間通信を介して配信情報を車両300に送信する。
車両300の車車間通信部414は、車両330によって送信された配信情報を受信して、格納部402に格納する。配信情報管理部416は、配信情報の伝達経路情報に、車両300の移動体識別情報を追加してよい。車両300の通信装置400の制御部は、位置情報取得部420によって取得された位置情報によって示される位置が、配信情報に含まれる配信領域情報によって示される配信領域に含まれているか否かを判定する。含まれていると判定された場合、車車間通信部414は、配信情報を他の車両に送信可能と判定する。また、含まれていると判定された場合、通信中継部408は、通信を中継している通信端末500に対して、配信情報を送信可能と判定する。
S210では、車両300の車車間通信部414が、車車間通信を介して配信情報を車両320に送信する。S212では、車両300の通信中継部408が、通信の中継を実行している通信端末500に対して、端末通信部406を介して配信情報を送信する。なお、ここでは、通信端末500が、車両300の通信中継部408から配信情報を受信した場合について説明するが、通信端末500は、車両320の通信中継部408から配信情報を受信してもよい。
通信端末500のWi-Fi通信部506は、受信した配信情報を格納部502に格納する。通信端末500の制御部は、通信端末500が、配信情報に含まれる表示領域情報によって示される表示領域内に位置するか否かを判定する。表示制御部510は、位置情報取得部508によって取得された位置情報によって示される位置が表示領域に含まれるか否かを判定してよい。
S214では、Wi-Fi通信部506が、通信端末500が表示領域内に位置すると判定されたことに応じて、広告コンテンツの送信要求を車両300に送信する。車両300の通信中継部408は、広告コンテンツの送信要求を受信して、格納部402に格納する。
なお、ここでは、広告コンテンツの送信要求を車両300に送信する例を挙げて説明するが、これに限らない。通信端末500が、広告コンテンツの送信要求を送信するタイミングで、車両300以外の車両と無線通信接続を確立している場合、Wi-Fi通信部506は、当該車両に広告コンテンツの送信要求を送信してよい。また、セルラ通信部504が、無線基地局30及びネットワーク20を介して、広告コンテンツを保存している車両330に対して、広告コンテンツの送信要求を送信してもよい。
S216では、車両300の車車間通信部414が、広告コンテンツの送信要求を車両330に送信する。車両300の車車間通信部414は、他の車両を介して広告コンテンツの送信要求を車両330に送信してもよい。例えば、車両300の車車間通信部414は、車車間通信の範囲内に車両330が位置する場合、広告コンテンツの送信要求を車両330に直接送信し、車車間通信の範囲内に車両330が位置しない場合、広告コンテンツの送信要求を車両330以外の車両を介して、車両330に送信する。このように、広告コンテンツの送信要求の伝達経路は、配信情報の伝達経路に依存しても依存しなくてもよい。S218では車両330の車車間通信部414が、S216において受信した広告コンテンツの送信要求に応じて、格納部402に格納されている広告コンテンツを車両300に送信する。車両330の車車間通信部414は、他の車両を介して広告コンテンツを車両300に送信してもよい。例えば、車両330の車車間通信部414は、車車間通信の範囲内に車両300が位置する場合、広告コンテンツを車両300に直接送信し、車車間通信の範囲内に車両300が位置しない場合、広告コンテンツを車両300以外の車両を介して、車両300に送信する。このように、広告コンテンツの伝達経路は、配信情報の伝達経路、及び広告コンテンツの送信要求の伝達経路に依存しても依存しなくてもよい。車両300の車車間通信部414は、受信した広告コンテンツを格納部402に格納する。S220では、車両300の通信中継部408が、S218において格納部402に格納された広告コンテンツを、S214において通信端末500から受信した広告コンテンツの送信要求に対する応答として、通信端末500に送信する。通信端末500のWi-Fi通信部506は、受信した広告コンテンツを格納部502に格納する。S222では、通信端末500の表示制御部510が、S220において受信した広告コンテンツを表示部520に表示させる。
S224では、広告コンテンツを表示部520に表示させたことに応じて、セルラ通信部504が、報告情報をサーバ100に送信する。S226では、通信端末500の制御部が、通信端末500が、広告に関連する位置に移動したか否かを判定する。S228では、通信端末500が広告に関連する位置に移動したと判定されたことに応じて、セルラ通信部504が、報告情報をサーバ100に送信する。S230では、サーバ100が、受信した報告情報の集計及び分析等を実行する。
図6に示したように、広告コンテンツに代えて、広告コンテンツの保存位置を示す保存位置情報を伝達することによって、配信情報を伝達する際の通信量を低減することができる。このため、通信時間に制約がある通信、例えば車車間通信でも配信情報の伝達が信頼性高く行える。
S206において、サーバ100は、広告コンテンツを含む配信情報を送信する対象として、移動する可能性が低い車両を特定するようにしてもよい。サーバ100は、例えば、配信情報を送信する対象として、駐車中の車両を特定する。また、サーバ100は、例えば、配信情報を送信する対象として、停車中の車両を特定する。これにより、広告コンテンツを保存している車両が配信領域外に移動してしまって、広告コンテンツの取得先が配信領域内に存在しなくなってしまう可能性を低減できる。
また、S206において、サーバ100は、広告コンテンツを含む配信情報を送信する対象として、移動速度がより遅い車両を特定するようにしてもよい。サーバ100は、例えば、複数の車両の移動速度を定期的に収集して、複数の車両のうち移動速度がより遅い車両を特定する。
なお、図6では、S206において、サーバ100が、広告コンテンツを含む配信情報を車両330に送信する場合を例に挙げているが、これに限らない。サーバ100は、広告コンテンツを車両に伝達せずに、自らが保存してもよい。例えば、S206において、サーバ100は、広告コンテンツではなく、保存位置情報を含む配信情報を車両330に送信する。この場合、広告コンテンツの送信要求を、車車間通信で伝達することに代えて、通信端末500が、セルラ通信によって、無線基地局30及びネットワーク20を介してサーバ100に送信してもよい。
図7は、システム10における報告処理の流れを概略的に示す。図7に示す例では、通信装置400及び通信端末500は、セルラ通信を用いて報告情報220をサーバ100に送信する。図7に示す例では、車両330が、サーバ100、広告主端末200、又は他の車両から配信情報210を受信して車両300に伝達し、車両300が車両320及び通信端末500のそれぞれに伝達している。
例えば、車両330のセルラ通信部404は、配信情報210を受信したことを報告する報告情報220を、無線基地局30及びネットワーク20を介してサーバ100に送信する。車両330のセルラ通信部404は、配信情報210に含まれる広告IDと、車両330の移動体識別情報とを含む報告情報220をサーバ100に送信してよい。
また、例えば、車両300のセルラ通信部404は、車車間通信部414が車両330から配信情報210を受信したことを報告する報告情報220を、無線基地局30及びネットワーク20を介してサーバ100に送信する。セルラ通信部404は、配信情報210に含まれる広告IDと、車両300の移動体識別情報とを含む報告情報220をサーバ100に送信してよい。
セルラ通信部404は、車車間通信部414が受信した配信情報210の送信元として、車両330の移動体識別情報を報告情報220に含めてもよい。また、セルラ通信部404は、車車間通信部414が配信情報210を車両320に送信した場合、配信情報210の送信先として車両320の移動体識別情報を報告情報220に含めてもよい。
セルラ通信部404は、位置情報取得部420によって取得された、車車間通信部414が配信情報210を受信したときの車両300の位置情報を、報告情報220に含めてもよい。セルラ通信部404は、位置情報取得部420によって取得された、車車間通信部414が配信情報210を車両320に送信したときの車両300の位置情報を、報告情報220に含めてもよい。セルラ通信部404は、車車間通信部414が配信情報210を受信した時刻に関する時刻情報を報告情報220に含めてもよい。
車両330のセルラ通信部404は、車両300に配信情報210を送信したことを報告する報告情報220を、無線基地局30及びネットワーク20を介してサーバ100に送信してもよい。車両300のセルラ通信部404は、車車間通信部414が車両320に配信情報210を送信したことを報告する報告情報220を、無線基地局30及びネットワーク20を介してサーバ100に送信してもよい。
通信端末500のセルラ通信部504は、Wi-Fi通信部506が車両300から配信情報210を受信したことを報告する報告情報220を、無線基地局30及びネットワーク20を介してサーバ100に送信してよい。セルラ通信部504は、配信情報210に含まれる広告IDと、通信端末500の端末識別情報とを含む報告情報220をサーバ100に送信してよい。また、通信端末500はWi-Fi通信部506を用いて報告情報220を車両300経由で無線基地局30へ送信してもよい。
セルラ通信部504は、受信した配信情報に含まれる広告コンテンツが表示部520に表示された後、通信端末500が、配信情報210に含まれる広告関連位置情報によって示される地理的領域内に位置した場合に、広告IDと、通信端末500の端末識別情報と、通信端末500が広告関連位置に移動したことを示す情報とを含む報告情報220をサーバ100に送信してよい。
図7に示したように、車両300及び通信端末500が、セルラ通信を用いて報告情報220をサーバ100に送信するように構成することによって、セルラ通信費用が発生してしまう可能性はあるものの、確実でリアルタイム性の高い集計及び分析を実現できる。
図8は、システム10における報告処理の流れを概略的に示す。ここでは、図7と異なる点を主に説明する。図8では、報告情報220を車車間で伝達し、セルラ通信方式よりも通信コストの低い低コスト通信方式が利用可能になった車両が、低コスト通信方式を用いて、まとめて報告情報220をサーバ100に送信する場合について説明する。図8に示す例では、低コスト通信方式として、アクセスポイント40を介したWi-Fi通信方式を例示する。アクセスポイント40は、例えば、いわゆるフリーWi-Fiホットスポット、又は路側機である。
図8に示す例では、配信情報210が、車両330から車両300に伝達し、車両300から車両320及び通信端末500のそれぞれに伝達されている。そして、車両320が、車両300から配信情報210を受信したことを報告する報告情報220を車両300に送信し、通信端末500が、車両300から配信情報210を受信したことを報告する報告情報220を車両300に送信している。通信端末500は、通信端末500が広告に関連する位置に移動したことを報告する報告情報220を車両300に送信してもよい。
車両300の車車間通信部414は、車両320から受信した報告情報220を格納部402に格納する。また、車両300の通信中継部408は、通信端末500から受信した報告情報220を格納部402に格納する。そして、車両300の車車間通信部414は、車両330から配信情報210を受信したことを報告する報告情報220と、格納部402に格納されている、車両330から受信した報告情報220及び通信端末500から受信した報告情報220とを、車両330に送信する。車車間通信部414は、格納情報送信部の一例であってよい。
車両330の車車間通信部414は、車両300から受信した報告情報220を格納部402に格納する。車両330のAP通信部412は、アクセスポイント40との無線通信接続を確立したことに応じて、格納部402に格納されている報告情報220を、アクセスポイント40及びネットワーク20を介してサーバ100に送信し、格納部402から報告情報220を削除する。
車両300のAP通信部412が、アクセスポイント40との無線通信接続を確立した場合、車両300のAP通信部412は、アクセスポイント40との無線通信接続を確立したことに応じて、格納部402に格納されている報告情報220を、アクセスポイント40及びネットワーク20を介してサーバ100に送信し、格納部402から報告情報220を削除してよい。AP通信部412は、格納情報送信部の一例であってよい。
図8に示すように、報告情報220を車車間で伝達し、低コスト通信方式が利用可能になった車両が、まとめて報告情報220をサーバ100に送信するように構成することによって、車両300及び通信端末500がセルラ通信方式を用いて報告情報220をサーバ100に送信する場合と比較して、通信コストを低減することができる。
図8に示す例において、報告情報220には、報告情報220の伝達を停止する停止条件が含められてよい。停止条件は、例えば、停止時刻を示す。この場合、報告情報220を受信した車両は、報告情報220の停止条件によって示される停止時刻を経過していた場合、当該報告情報220の他の車両への伝達を行わず、当該報告情報220を削除してよい。
また、停止条件は、停止ホップ数を示してもよい。この場合、報告情報220には、伝達のホップ数が記録されてよい。報告情報220を受信した車両は、報告情報220に記録されているホップ数が、報告情報220の停止条件によって示される伝達のホップ数と等しい場合、当該報告情報220の他の車両への伝達を行わず、当該報告情報220を削除してよい。これにより、車両ネットワーク内での通信トラフィックの増加を防ぐことができる。
なお、図8では、配信情報210の伝達経路と同じ伝達経路で、報告情報220を伝達する場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。報告情報220の伝達経路は、配信情報210の伝達経路とは異なってもよい。
図9は、通信制御部410による通信設定の制御処理を説明するための説明図である。図9では、通信制御部410が、端末通信部406が通信端末500と無線通信を行う無線通信エリアの大きさを制御する場合を例示している。
通信制御部410は、車両300の格納部402に格納されている配信情報に含まれる、広告に関連する位置を示す広告関連位置情報と、位置情報取得部420によって取得された車両300の現在位置に関する移動体位置情報とに基づいて、無線通信エリアの大きさを制御してよい。
通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置が、広告関連位置情報によって示される位置に対応しない状態から対応する状態に変化した場合に、通信設定を制御する。図9では、無線通信エリア304が、移動体位置情報によって示される位置が広告関連位置情報によって示される位置に対応しない状態における無線通信エリアを示し、無線通信エリア306が対応する状態における無線通信エリアを示す。このように、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が広告関連位置情報によって示される位置に対応しない場合と比較して、対応する場合の無線通信エリアの大きさが大きくなるように、通信設定を制御してよい。
広告関連位置情報が、広告の発信元の位置を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置と、広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い状態から短い状態に変化した場合に、通信設定を制御してよい。図9では、無線通信エリア304が、移動体位置情報によって示される位置と広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い状態における無線通信エリアを示し、無線通信エリア306が閾値より短い状態における無線通信エリアを示す。このように、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置と広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い場合と比較して、短い場合の無線通信エリアの大きさが大きくなるように、通信設定を制御してよい。
広告関連位置情報が、広告に関連する地理的領域を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が、広告に関連する地理的領域内に含まれない状態から含まれる状態に変化した場合に、通信設定を制御してよい。広告関連位置情報は、広告を配信する配信領域を示してよい。また、広告関連位置情報は、広告を表示する表示領域を示してもよい。図9では、無線通信エリア304が、移動体位置情報によって示される位置が広告に関連する地理的領域内に含まれない状態における無線通信エリアを示し、無線通信エリア306が含まれる状態における無線通信エリアを示す。このように、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が関連する地理的領域内に含まれない場合と比較して、含まれる場合の無線通信エリアの大きさが大きくなるように、通信設定を制御してよい。
これらにより、車両300が広告の発信元の近くに位置する場合に、無線通信エリアの大きさを相対的に大きくすることによって、より多くの通信端末500に対して配信情報を送信することができる。また、車両300が広告の発信元の近くに位置しない場合、無線通信エリアの大きさを相対的に小さくすることによって、車両300の消費電力を低減することができる。
車両300が広告の発信元の近くに位置するということは、車両300と無線通信接続を確立している通信端末500も、広告の発信元の比較的近くに位置するということになる。したがって、配信情報を通信端末500に送信することによって、通信端末500の所有者が広告の発信元に移動する可能性は、車両300が広告の発信元の近くに位置しない場合と比較して、高くなる。よって、車両300が広告の発信元の近くに位置する場合に無線通信エリアの大きさを相対的に大きくすることによって、広告の効果がより大きいときに広告の配信数を増加し、広告の効果がより小さいときに消費電力を低減することができる。
通信制御部410は、速度情報取得部422によって取得された、車両300の速度情報に基づいて、通信端末500との通信のための通信設定を制御してもよい。通信制御部410は、例えば、車両300の移動速度が速いほど、通信端末500と無線通信を行う無線通信エリアの大きさを小さくするように通信設定を制御する。これにより、車両300の移動速度が比較的早く、通信端末500との無線通信が安定して実行できないような場合に、配信情報を送信する対象となる通信端末500の数を低減することができる。
通信制御部410は、車両300の移動速度が速いほど、通信端末500と無線通信を行う無線通信エリアの大きさを大きくするように通信設定を制御してもよい。これにより、車両300の移動速度が比較的早い場合に、通信端末500が無線通信エリアから出てしまうまでの時間を長くすることができ、配信情報を通信端末500に送信できる可能性を向上することができる。
通信制御部410は、格納部402に格納されている配信情報の数に基づいて、通信端末500との通信のための通信設定を制御してもよい。例えば、通信制御部410は、格納部402に格納されている配信情報の数が多いほど、端末通信部406が通信端末500と無線通信を行う無線通信エリアの大きさを大きくするように、通信設定を制御する。
図9では、通信制御部410が、端末通信部406が通信端末500と無線通信を行う無線通信エリアの大きさを制御する場合について説明したが、これに限らない。通信制御部410は、通信設定として、通信中継部408が通信端末500と無線通信接続を確立する接続許容数を制御してもよい。
通信制御部410は、車両300の格納部402に格納されている配信情報に含まれる、広告に関連する位置を示す広告関連位置情報と、位置情報取得部420によって取得された車両300の現在位置に関する移動体位置情報とに基づいて、接続許容数を変更してよい。通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置が、広告関連位置情報によって示される位置に対応しない状態から対応する状態に変化した場合に、接続許容数を変更する。
広告関連位置情報が、広告の発信元の位置を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置と、広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い状態から短い状態に変化した場合に、接続許容数を変更してよい。通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置と広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い場合と比較して、短い場合の接続許容数を多くする。
広告関連位置情報が、広告に関連する地理的領域を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が、広告に関連する地理的領域内に含まれない状態から含まれる状態に変化した場合に、接続許容数を変更してよい。通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置が関連する地理的領域内に含まれない場合と比較して、含まれる場合の接続許容数を多くする。
これらにより、車両300が広告の発信元の近くに位置する場合に、接続許容数を相対的に多くすることによって、より多くの通信端末500に対して配信情報を送信することができる。また、車両300が広告の発信元の近くに位置しない場合、接続許容数を相対的に少なくすることによって、車両300の消費電力を低減することができる。
通信制御部410は、通信設定として、通信中継部408が通信端末500と無線通信接続を確立する接続許容時間を制御してもよい。通信制御部410は、車両300の格納部402に格納されている配信情報に含まれる、広告に関連する位置を示す広告関連位置情報と、位置情報取得部420によって取得された車両300の現在位置に関する移動体位置情報とに基づいて、接続許容時間を変更してよい。通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置が、広告関連位置情報によって示される位置に対応しない状態から対応する状態に変化した場合に、接続許容時間を変更する。
広告関連位置情報が、広告の発信元の位置を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置と、広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い状態から短い状態に変化した場合に、接続許容時間を変更してよい。通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置と広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い場合と比較して、短い場合の接続許容時間を短くする。
広告関連位置情報が、広告に関連する地理的領域を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が、広告に関連する地理的領域内に含まれない状態から含まれる状態に変化した場合に、接続許容時間を変更してよい。通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置が関連する地理的領域内に含まれない場合と比較して、含まれる場合の接続許容時間を短くする。
これらにより、車両300が広告の発信元の近くに位置する場合に、接続許容時間を相対的に短くすることによって、より多くの通信端末500に対して配信情報を送信することができる。
通信制御部410は、通信設定として、通信中継部408の中継機能のオンオフを制御してもよい。通信制御部410は、車両300の格納部402に格納されている配信情報に含まれる、広告に関連する位置を示す広告関連位置情報と、位置情報取得部420によって取得された車両300の現在位置に関する移動体位置情報とに基づいて、通信中継部408のオンオフを制御してよい。通信制御部410は、例えば、移動体位置情報によって示される位置が、広告関連位置情報によって示される位置に対応しない状態から対応する状態に変化した場合に、通信中継部408の中継機能のオンオフを制御する。
広告関連位置情報が、広告の発信元の位置を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置と、広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より長い状態では、中継機能をオフとし、短い状態に変化した場合に、中継機能をオンにする。広告関連位置情報が、広告に関連する地理的領域を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が、広告に関連する地理的領域内に含まれない状態では、中継機能をオフとし、含まれる状態に変化した場合に、中継機能をオンにする。
これらにより、車両300が広告の発信元の近くに位置する場合にのみ、中継機能をオンにして、配信情報の配信を実行するようにできる。
なお、通信制御部410は、車車間通信部414による他の車両との通信のための通信設定を制御してもよい。通信制御部410は、例えば、広告関連位置情報及び移動体位置情報に基づいて、車車間通信部414による他の車両との通信のための通信設定を制御する。
通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が、広告関連位置情報によて示される位置に対応すると判定した場合に、対応しないと判定した場合と比較して、車車間通信部414が他の車両と無線通信を行う通信範囲を広くしてよい。例えば、広告関連位置情報が、広告の発信元の位置を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置と、広告の発信元の位置との距離が予め定められた閾値より短い場合に、長い場合と比較して、車車間通信部414が他の車両と無線通信を行う通信範囲を広くする。また、例えば、広告関連位置情報が、広告に関連する地理的領域を示す場合において、通信制御部410は、移動体位置情報によって示される位置が、広告に関連する地理的領域内に含まれる場合に、含まれない場合と比較して、車車間通信部414が他の車両と無線通信を行う通信範囲を広くする。これにより、車両300が広告の発信元の近くに位置する場合に、車両300の車車間通信の通信範囲を広くすることができ、より多くの他の車両300に配信情報を伝達することができる。
図10は、システム10における処理の流れの一例を概略的に示す。図10では、配信情報の伝達処理を主に説明する。ここでは、図5と異なる点を主に説明する。
S302では、広告主端末200が、サーバ100に対して各種情報を登録する。S304では、広告主端末200が、配信情報の配信要求をサーバ100に送信する。
S306では、サーバ100が、配信情報を送信する対象として特定した車両330に、ネットワーク20及び無線基地局30を介して、配信情報を送信する。車両330のセルラ通信部404は、サーバ100によって送信された配信情報を受信する。図10に示す例において、配信情報は、広告ID、広告コンテンツ、基点情報、配信領域情報、表示領域情報、制限条件、及び伝達経路情報を含む。
S308では、車両330が、配信情報に含まれる伝達経路情報に車両330の移動体識別情報を追加して、車車間通信を介して配信情報を車両300に送信する。車両300の車車間通信部414は、車両330によって送信された配信情報を受信して、格納部402に格納する。
S310では、車両300の撮影部310が、配信情報に含まれる基点情報によって示される広告に関連する位置を撮影した撮影画像を、撮像画像取得部430が取得する。S312では、画像情報生成部432が、画像情報を生成する。
画像情報生成部432は、例えば、S310において撮像画像取得部430が取得した撮影画像を含む画像情報を生成する。画像情報生成部432は、S310において撮像画像取得部430が取得した撮影画像に関連する画像関連情報を含む画像情報を生成してもよい。画像関連情報は、撮影画像が保存されている位置を示す保存位置情報を含んでよい。画像関連情報は、撮影画像を解析した解析結果を含んでよい。画像関連情報は、撮影画像に含まれる広告に関連する位置の画像を解析した解析結果として、広告に関連する位置の状況を示す状況情報を含んでよい。画像情報生成部432は、例えば、撮影画像を解析することによって状況情報を生成する。具体例として、広告に関連する位置が店舗である場合、画像情報生成部432は、撮影画像中の店舗の部分を解析することによって、店舗の状況を示す状況情報を生成する。状況情報は、例えば、店舗の混み具合、及び店舗の行列の量等を示す。画像情報生成部432は、生成した画像情報を格納部402に格納する。
S314では、車両300の車車間通信部414が、配信情報管理部416によって伝達経路情報に車両300の移動体識別情報が追加された配信情報と、画像情報とを車両320に送信する。車車間通信部414は、例えば、配信情報管理部416によって、画像情報を含むように編集された配信情報を車両320に送信してよい。車車間通信部414は、配信情報と画像情報とを別々に車両320に送信してもよい。
S316では、車両300の通信中継部408が、配信情報管理部416によって伝達経路情報に車両300の移動体識別情報が追加された配信情報と、画像情報とを通信端末500に送信する。通信中継部408は、例えば、配信情報管理部416によって、画像情報を含むように編集された配信情報を通信端末500に送信してよい。通信中継部408は、配信情報と画像情報とを別々に通信端末500に送信してもよい。
図10に示すように、広告に関連する位置を撮影した撮影画像及び画像関連情報の少なくともいずれかを含む画像情報を、配信情報とともに伝達することによって、広告に関連する位置の状況を、配信情報の閲覧者に把握させることができる。
なお、図10では、画像情報を車車間通信で伝達する場合について説明したが、これに限らず、画像情報をサーバ100に送信するようにしてもよい。例えば、車両300は、広告ID及び画像情報をセルラ通信を用いてサーバ100に送信する。サーバ100は、広告IDに対応付けて画像情報を格納する。そして、通信端末500は、例えば、セルラ通信によって、広告IDをサーバ100に送信することによって、サーバ100から、広告IDに対応する画像情報を取得する。
図11は、通信装置400による処理の流れの一例を示す。図11では、広告に関連する位置を撮影した撮影画像及び当該撮影画像に関連する画像関連情報の少なくともいずれかを含む画像情報及び配信情報を外部に送信する流れを説明する。ここでは、撮像画像取得部430が、車両300の移動体位置情報及び広告関連位置情報に基づいて撮影部310に撮影を指示し、撮影部310によって撮影された撮影画像を取得する場合について説明する。
S402では、セルラ通信部404又は車車間通信部414が配信情報を受信する。配信情報に含まれる基点情報によって示される広告関連位置を撮影済みでない場合(S404でNO)、S406に進み、撮影済みである場合(S404でYES)、S412に進む。
S406では、撮像画像取得部430が、撮影部310によって広告関連位置を撮影可能であるか否かを判定する。撮像画像取得部430は、移動体位置情報によって示される位置と、広告関連位置情報によって示される位置によって、広告関連位置を撮影可能であるか否かを判定してよい。撮影可能であると判定した場合、S408に進み、撮影可能でないと判定した場合、S412に進む。S408では、撮像画像取得部430が、撮影部310に撮影を実行させる。
S410では、画像情報生成部432が、S408において撮影された撮影画像を用いて、画像情報を生成する。そして、配信情報管理部416が、S402において受信した配信情報に画像情報を含めるように配信情報を編集する。
S412では、車車間通信部414及び通信中継部408が、配信情報を送信可能であるか否かを判定する。車車間通信部414は、配信情報に含まれる配信領域情報によって示される配信領域内に車両300が位置する場合であって、送信先の車両が存在する場合に、配信情報を送信可能であると判定してよい。通信中継部408は、配信情報に含まれる配信領域情報によって示される配信領域内に車両300が位置する場合であって、送信先の通信端末500が存在する場合に、配信情報を送信可能であると判定してよい。送信可能であると判定した場合、配信情報を送信する(S414)。
S416では、通信装置400が、広告配信処理を終了するか否かを判定する。終了しないと判定した場合、S404に戻り、終了すると判定した場合、処理を終了する。
図12は、通信装置400による処理の流れの一例を示す。図12では、広告に関連する位置を撮影した撮影画像及び当該撮影画像に関連する画像関連情報の少なくともいずれかを含む画像情報と、配信情報を外部に送信する流れを説明する。ここでは、撮影部310が継続的に撮影を実行して撮影画像を撮影位置と対応付けて格納部402に格納しており、撮像画像取得部430が、格納部402から、広告関連位置を撮影した撮影画像を取得する場合について説明する。
S502では、セルラ通信部404又は車車間通信部414が配信情報を受信する。配信情報に含まれる基点情報によって示される広告関連位置を撮影した撮影画像を取得済みでない場合(S504でNO)、S506に進み、取得済みである場合(S504でYES)、S510に進む。
S506では、撮像画像取得部430が、広告関連位置を撮影した撮影画像が格納部402に格納されているか否かを判定する。格納されている場合、S508に進み、格納されていない場合、S510に進む。
S508では、画像情報生成部432が、格納部402に格納されている、広告関連位置を撮影した撮影画像を用いて、画像情報を生成する。そして、配信情報管理部416が、S502において受信した配信情報に画像情報を含めるように配信情報を編集する。
S510では、車車間通信部414及び通信中継部408が、配信情報を送信可能であるか否かを判定する。車車間通信部414は、配信情報に含まれる配信領域情報によって示される配信領域内に車両300が位置する場合であって、送信先の車両が存在する場合に、配信情報を送信可能であると判定してよい。通信中継部408は、配信情報に含まれる配信領域情報によって示される配信領域内に車両300が位置する場合であって、送信先の通信端末500が存在する場合に、配信情報を送信可能であると判定してよい。送信可能であると判定した場合、配信情報を送信する(S512)。
S514では、通信装置400が、広告配信処理を終了するか否かを判定する。終了しないと判定した場合、S504に戻り、終了すると判定した場合、処理を終了する。
図13は、広告関連位置600に対する、表示エリア602、感染エリア604、非感染エリア606、及び除菌エリア608の一例を概略的に示す。図13では、広告関連位置600が、広告主であるそば屋の店舗の位置である場合を例示している。
表示エリア602は表示領域の一例であってよい。表示エリア602は、広告関連位置600から予め定められた範囲内のエリアであってよい。図13に示す例において、表示エリア602は、広告関連位置600から0.5kmの範囲内のエリアである。表示エリア602において、車両300は、配信情報を他の車両300に送信すること、及び、配信情報を通信端末500に送信することが許可される。また、表示エリア602において、通信端末500は、格納している配信情報を表示することが許可される。
表示エリア602及び感染エリア604は、配信領域の一例であってよい。配信領域は、広告関連位置600から予め定められた範囲内のエリアであってよい。図13に示す例において、配信領域は、広告関連位置600から10kmの範囲内のエリアである。
車車間で配信情報を伝達することを、感染させると記載する場合がある。感染エリア604は、広告関連位置600から予め定められた範囲内のエリアであって、表示エリア602よりも外側のエリアである。図13に示す例において、感染エリア604は、広告関連位置600から10kmの範囲内であって、表示エリア602の外側のエリアである。感染エリア604において、車両300は、配信情報を他の車両300に送信すること、及び、配信情報を通信端末500に送信することが許可される。なお、感染エリア604において、車両300が、配信情報を通信端末500に送信することを制限されるようにしてもよい。感染エリア604において、通信端末500は、配信情報を格納していても、配信情報を表示することが制限される。制限されるとは、例えば、禁止されることであってよい。
非感染エリア606及び除菌エリア608は、車車間での配信情報の伝達が制限される配信制限領域の一例であってよい。配信制限領域は、広告関連位置600から予め定められた範囲よりも外側の領域であってよい。配信制限領域は、例えば、広告関連位置600を基準とした、配信領域よりも外側の領域である。
非感染エリア606は、広告関連位置600から予め定められた範囲内のエリアであって、感染エリア604よりも外側のエリアである。図13に示す例において、非感染エリア606は、広告関連位置600から100kmの範囲内であって、感染エリア604の外側のエリアである。非感染エリア606において、車両300は、配信情報を他の車両300に送信すること、及び配信情報を通信端末500に送信することが制限される。非感染エリア606において、通信端末500は、配信情報を格納していても、配信情報を表示することが制限される。
除菌エリア608は、配信情報を破棄する破棄領域の一例であってよい。破棄領域は、広告関連位置600を基準として、配信制限領域よりも外側の領域であってよい。配信情報を破棄することを、除菌すると記載する場合がある。除菌エリア608は、非感染エリア606よりも外側のエリアである。図13に示す例において、除菌エリア608は、広告関連位置600から100km以上離れたエリアである。除菌エリア608において、車両300は、広告関連位置600に対応する配信情報を格納している場合に、当該配信情報を破棄する。除菌エリア608において、通信端末500は、広告関連位置600に対応する配信情報を格納している場合に、当該配信情報を破棄する。
配信情報に含まれる制限条件は、配信制限領域を示す配信制限領域情報を含んでよい。また、配信情報に含まれる制限条件は、破棄領域を示す破棄領域情報を含んでよい。
車車間通信部414は、配信情報に含まれる制限条件に基づいて、配信情報を他の車両300に送信するか否かを判定してよい。車車間通信部414は、制限条件に基づいて配信情報を他の車両300に送信することが制限されないと判定した場合、配信情報を他の車両300に送信し、制限されると判定した場合、配信情報を他の車両300に送信しない。
例えば、車車間通信部414は、位置情報取得部420によって取得された位置情報によって示される位置が、配信制限領域内に位置しない場合、配信情報の他の車両300への送信を実行し、配信制限領域内に位置する場合、配信情報の他の車両300への送信を実行しない。
通信中継部408は、配信情報に含まれる制限条件に基づいて、配信情報を通信端末500に送信するか否かを判定してよい。通信中継部408は、制限条件に基づいて配信情報を通信端末500に送信することが制限されないと判定した場合、配信情報を通信端末500に送信し、制限されると判定した場合、配信情報を通信端末500に送信しない。
例えば、通信中継部408は、位置情報取得部420によって取得された位置情報によって示される位置が、配信制限領域内に位置しない場合、配信情報の通信端末500への送信を実行し、配信制限領域内に位置する場合、配信情報の通信端末500への送信を実行しない。
配信情報に含まれる制限条件は、配信情報の表示が制限される表示制限領域を示す表示制限領域情報を含んでもよい。表示制限領域は、広告関連位置600を基準とした、表示領域よりも外側の領域であってよい。感染エリア604、非感染エリア606、及び除菌エリア608は、表示制限領域の一例であってよい。
通信端末500の表示制御部510は、位置情報取得部508によって取得された位置情報によって示される位置が、表示制限領域に含まれない場合、配信情報を表示部520に表示させ、表示制限領域に含まれる場合、配信情報を表示部520に表示させないよう制御してよい。
配信情報管理部416は、配信情報に含まれる破棄領域情報に基づいて、当該配信情報を破棄するか否かを判定してよい。配信情報管理部416は、位置情報取得部420によって取得された位置情報と、格納部402に格納されている配信情報に含まれる破棄領域情報に基づいて、当該配信情報を格納部402から破棄してよい。配信情報管理部416は、第1破棄実行部の一例であってよい。
配信情報管理部416は、例えば、位置情報取得部420によって取得された位置情報によって示される位置が、配信情報に含まれる破棄領域情報によって示される破棄領域内に位置する場合に、当該配信情報を格納部402から削除する。
システム10は、車両300及び通信端末500に感染している配信情報を、一斉に破棄させることが可能なように構成されてもよい。例えば、広告主端末200が、配信を要求した配信情報を破棄する破棄指示をサーバ100に送信する。破棄指示には、広告識別情報が含まれてよい。
サーバ100は、破棄指示を車両300及び通信端末500に送信する。サーバ100は、セルラ通信によって、破棄指示を車両300及び通信端末500に送信してよい。すなわち、サーバ100は、ネットワーク20及び無線基地局30を介して、各地の車両300及び通信端末500に対して破棄指示を送信してよい。
配信情報管理部416は、セルラ通信部404が破棄指示を受信したことに応じて、破棄指示に含まれる広告識別情報を含む配信情報を、格納部402から破棄する。セルラ通信部404は、破棄指示を受信する第2受信部の一例であってよい。配信情報管理部416は、第2破棄実行部の一例であってよい。通信端末500の制御部は、セルラ通信部504が破棄指示を受信したことに応じて、破棄指示に含まれる広告識別情報を含む配信情報を格納部502から破棄する。
これにより、例えば、そば屋がランチサービスの広告配信を要求したものの当日分のランチサービスが完売したときのように、配信要求した広告を消したいと考えた場合に、広告の伝達及び表示を一斉に停止させることができる。さらに、破棄指示の送信をセルラ通信によって行うことによって、車車間通信によって行う場合と比較して、短時間で複数の車両300及び通信端末500に配信情報を破棄させることができる。
図14は、サーバ100、通信装置400、又は通信端末500として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上記実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びタッチパネルのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。コンピュータ1200は、ディスプレイデバイス1218を備えていなくてもよく、その場合、グラフィックコントローラ1216は、イメージデータが外部のディスプレイデバイスに表示されるようにする。
通信インタフェース1222は、無線通信ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、USBポート等を介して、様々な入出力ユニットを入出力コントローラ1220に接続してよい。
プログラムは、ICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU1212は、記憶装置1224、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
上記実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。