JP7367866B2 - 情報処理装置、評価方法、および評価プログラム - Google Patents

情報処理装置、評価方法、および評価プログラム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、評価方法、および評価プログラムに関する。
例えば、産業機器、産業プラント、情報処理システム、並びにその他の機器および設備などの異常や劣化を検出するための技術が開発されている。例えば、機器や設備などにセンサを設置し、センサから得られる時系列のデータに基づいて、機器や設備などの異常を検出したり、劣化の度合いを推定したりすることが考えられる。
これに関し、例えば、機器および設備などの異常や劣化を監視したり診断したりするための技術が知られている(例えば、特許文献1から特許文献3)。
特開2016-95751号公報 特開2004-86897号公報 特開2016-105687号公報
しかしながら、センサで計測した計測データには機器の異常や劣化以外にも、例えば、季節の移り変わりに起因する計測値の変動といった機器の異常や劣化とは相関の薄い事象に基づく変動が含まれている。こうした要因は無数に存在し得るため、そのすべてを特定して計測データから排除することは難しい。そのため、多様な要因の影響を受けて変動し得る計測データから、機器や設備などの劣化を評価することのできる技術の提供が望まれている。
1つの側面では、本発明は、多様な要因の影響を受けて変動し得る計測データから、機器や設備などの劣化を評価することを目的とする。
本発明の一つの態様の情報処理装置は、評価対象物の状態を計測する複数のセンサから得られた時系列の計測データのうちで、基準ウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルに対する、基準ウィンドウ期間よりも後のウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルのセンサ毎の変化度を成分とする変化スコアを、学習期間に含まれる複数のウィンドウ期間のそれぞれで求めて複数の変化スコアを取得する取得部と、複数の変化スコアをクラスタリングしてクラスタの位置を特定する特定部と、評価対象期間に含まれる少なくとも1つのウィンドウ期間で求めた少なくとも1つの変化スコアを、クラスタに追加することで生じるクラスタの位置の移動に基づいて、評価対象物の劣化を評価する評価部と、を含む。
多様な要因の影響を受けて変動し得る計測データから、機器や設備などの劣化を評価することができる。
ボイラーチューブの複数の種類の劣化を例示する図である。 実施形態に係る情報処理装置のブロック構成を例示する図である。 実施形態に係る劣化の評価処理の流れを例示する図である。 実施形態に係る基準となるウィンドウ期間のスパース構造モデルを生成する処理の動作フローを例示する図である。 実施形態に係る劣化の評価処理の動作フローを例示する図である。 実施形態に係る劣化の評価処理の流れを例示する図である。 複数のクラスタの移動を例示する図である。 実施形態に係る判定情報を例示する図である。 実施形態に係る情報処理装置を実現するためのコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。なお、複数の図面において対応する要素には同一の符号を付す。
上述のように、例えば、機器や設備などの状態を計測するセンサを設置し、センサから得られる時系列の計測データに基づいて、機器や設備などの劣化の状態を推定することが考えられる。なお、以下では、機器や設備などの劣化を評価する対象物を、評価対象物と呼ぶことがある。
一例として、火力発電所のボイラーチューブ群の劣化および余寿命を管理したいとする。この場合に、例えば、光ファイバ温度センサなどの温度センサや振動センサなどのセンサを、ボイラーチューブ群の温度や振動などの状態を計測できる配置で設置する。そして、センサで計測したボイラーチューブ群の各所の温度や振動などの計測データの変化から火力発電所のボイラーチューブ群の劣化を評価して、余寿命などを推定することが考えられる。そして、例えば、劣化を評価したり、余寿命を推定したりするがことができれば、点検、交換、および修理といった保守作業の実行タイミングを最適化することができる。また、例えば、ボイラーチューブのリークに起因する計画外の稼働停止といった状況を回避することができる。
しかしながら、センサの計測データの変化には、評価対象物の劣化以外の要因に起因する情報も含まれることがある。一例として、センサで1年間の時系列の計測データを取得したとする。この場合、計測データは、例えば、昼夜の差、季節および天気などの差に起因して変動し得る。また、評価対象物が、高速稼働、低速稼働、および停止というように稼働状態に複数の稼働モードを含む場合、それらの稼働モードの変更によってもセンサの計測データは変動し得る。更には、評価対象物の周辺に配置されているエアーコンディショナーの稼働および停止というように、周辺設備の状態の変化によってもセンサの計測データは変動し得る。
こうした評価対象物の劣化とは相関の弱い要因に基づく計測データの変動は、評価対象物の劣化を評価する上で排除することが望ましい。しかしながら、こうした要因のすべてを特定することは困難であり、評価対象物の劣化とは相関の弱い要因に起因する変動を計測データから排除することは現実的には難しい。また、排除することができたとしても、評価対象物の劣化とは相関の弱い要因に応じた変動を計測データから取り除くには大変な手間がかかる。
そのため、多様な要因の影響を受けて変動し得るセンサの計測データから、評価対象物の劣化を評価することのできる技術の提供が望まれている。
また更に、例えば、評価対象物の劣化の形態に、複数の種類が存在することもある。図1は、ボイラーチューブの複数の種類の劣化を例示する図である。図1では、劣化の要因と、劣化の分類と、劣化の内容とが対応づけられている。ボイラーチューブの劣化要因には、クリープ、疲労、腐食・摩耗などがある。また、それぞれの劣化要因について、その発生の仕方などに応じた劣化の分類が示されている。例えば、クリープは、高温下での長時間にわたる応力作用のもとで低速度の変形が起こる長時間クリープと、スケールによる蒸気の流れの障害などによって過熱されたときに急激な変形が生じる短時間クリープとに分類することができる。この様に、ボイラーチューブに発生する劣化といっても多岐にわたる。そして、劣化の種類のよって、センサの計測データへの劣化の表れ方も異なり得る。
そのため、計測データから、評価対象物の複数の劣化の種別に応じて劣化を評価することのできる技術の提供も望まれている。以下、実施形態に係る評価対象物の劣化の評価について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置200のブロック構成を例示する図である。情報処理装置200は、例えば、サーバーコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、モバイルPC、タブレット端末などのコンピュータであってよい。情報処理装置200は、例えば、制御部201、記憶部202、および通信部203を含む。制御部201は、例えば取得部211、特定部212、および評価部213などを含み、また、その他の機能部を含んでもよい。情報処理装置200の記憶部202は、例えば、後述する判定情報800などの情報を記憶している。通信部203は、例えば、制御部201の指示に従ってセンサなどの他の装置と通信してよい。これらの各部の詳細および記憶部202に格納されている情報の詳細については後述する。
図3は、実施形態に係る劣化の評価処理の流れを例示する図である。図3(a)には、評価対象物の状態を計測する複数のセンサから取得された計測データが示されている。情報処理装置200の制御部201は、例えば、複数のセンサから計測データを直接収集してもよいし、別の通信装置から複数のセンサで計測された計測データを取得してもよい。
続いて、制御部201は、例えば、計測データに前処理を実行してよい。前処理では、例えば、ノイズとなり得る望ましくないデータの除去などが行われる。例えば、評価対象物を清掃している時、点検している時、起動したばかりでまだ動作が安定していない時の計測データのように通常の安定した稼働状態とは異なる状態でのデータを含む期間の計測データを劣化の評価に持ち込むと、ノイズとなり得る。そのため、制御部201は、これらの非通常稼働時の計測データを予め除去する前処理を実行してもよい。なお、別の実施形態では、制御部201は、以下に述べるウィンドウ期間を非通常稼働時の計測データを含まないように配置してもよい。
続いて、制御部201は、計測データに複数のウィンドウ期間を設定する。ウィンドウ期間は、例えば、所定の長さの期間であってよく、一実施形態では制御部201は、ウィンドウ期間の単位で計測データを処理してよい。
図3(a)では、時系列にウィンドウ期間1~ウィンドウ期間nのn個のウィンドウ期間が設定されている。ここで、時系列の最初のウィンドウ期間1は、基準となるウィンドウ期間として用いてよい。基準となるウィンドウ期間は、例えば、評価対象物の劣化が少なく、評価対象物が正常に稼働している期間に設定されてよい。一例では、基準となるウィンドウ期間は、評価対象物を設置または交換し、稼働を開始したばかりの初期の時期に設定されていてよい。また、複数のウィンドウ期間の他のウィンドウ期間は、例えば、基準となるウィンドウ期間の後に設定されていてよい。
そして、制御部201は、基準としたウィンドウ期間1の計測データ1と、他の複数のウィンドウ期間の計測データとを取得する。図3(b)では、ウィンドウ期間2の計測データ2が取得された場合を例示している。
続いて、制御部201は、取得した複数のウィンドウ期間の計測データのそれぞれについて、ウィンドウ期間におけるセンサ間の関係をスパース構造モデルとしてモデリングする。なお、スパース構造モデルは、例えば、多変量データの中から変数同士の本質的な繋がりを抽出して得られる構造を持つモデルであってよい。スパース構造モデルは、例えば、全ての変数同士が何らかの相関関係で繋がっている「密な構造」ではない構造であってよく、弱い相関関係を省略しつつ強い相関関係のみを残した結果として得られる「疎な構造」であってよい。スパース構造モデルは、例えば、行列表現された相関関係(例えば、多変量データの分散共分散行列に対する精度行列)において、ほとんどの成分が0の疎行列(スパース行列)であるような構造を持ったモデルで表すことができる。例えば、上述のウィンドウ期間における計測データに基づくセンサ間の関係をモデル化したスパース構造モデルは、ガウシアングラフィカルモデル(GGM:Gaussian Graphical Model)、およびグラフィカルラッソ(Graphical lasso)などのアルゴリズムを用いて生成することができる。図3(c)には、スパース構造モデルがグラフ構造で例示されている。なお、スパース構造モデルは、イジングモデル(Ising Model)、ポッツモデル(Potts Model)などのその他の表現で示されてもよい。
そして、制御部201は、基準としたウィンドウ期間1の計測データ1から得たスパース構造モデルと、他のウィンドウ期間の計測データから得たスパース構造モデルとの間で生じた関係の崩れを変化スコアとして検出する。例えば、制御部201は、基準としたウィンドウ期間1と、ウィンドウ期間2のスパース構造モデルからセンサ毎の変化度を成分とする変化スコアを算出してよい(図3(c))。なお、変化スコアは、基準としたウィンドウ期間1と、他のウィンドウ期間のスパース構造モデルから求めることができるため、ウィンドウ期間がn個であれば、n-1個の変化スコアを得ることができる。また、変化スコアは、例えば、KLダイバージェンス(Kullback-Leibler divergence)、JSダイバージェンス(Jensen-Shannon divergence)などを用いて分布間の差を計算することで求めることができる。
続いて、制御部201は、得られた複数の変化スコアをクラスタリングする。例えば、変化スコアをKLダイバージェンスで求める場合、変化スコアは複数のセンサの各センサごとの変化度を成分とするベクトルで表される。そのため、変化スコアは、変化スコアの成分のそれぞれを軸とする多次元空間上に点としてプロットすることができる。図3(d)では、変化スコアの点を2次元でプロットした例が示されているが、実際にはセンサ数分の次元を有する多次元空間に変化スコアの点がプロットされていてよい。そして、制御部201は、多次元空間上にプロットされた複数の変化スコアと対応する点をクラスタリングしてよい。例えば、制御部201は、混合ガウスモデルを用いて学習を行い、変化スコアのクラスタリングを実行してよい。或いは、制御部201は、例えば、DBSCAN(Density-based spatial clustering of applications with noise)、K平均法(k-means)などのその他のアルゴリズムを用いてクラスタリングを実行してもよい。図3(d)では、クラスタリングの結果得られた2つのクラスタが示されている。
続いて、制御部201は、クラスタリングに用いた複数のウィンドウ期間よりも後の計測データに、更に複数のウィンドウ期間を設け、各ウィンドウ期間と対応する変化スコアの点をクラスタに追加してゆく。なお、追加する変化スコアの点がクラスタリングされるクラスタは、例えば、追加する変化スコアの点と最も距離の近いクラスタであってよい。或いは、別の実施形態では、追加する変化スコアの点がクラスタリングされるクラスタは、再度クラスタリングを実行して決定するなどその他の手法で決定されてもよい。また、制御部201は、クラスタに点を追加する際に、例えば、そのクラスタに属する変化スコアの点のうちウィンドウ期間が最も古い点を除去するなど、クラスタへの点の追加に応じて、クラスタに属する古い点を除去してもよい。
そして、この様にクラスタに新たな変化スコアの点を追加してゆくと、図3(e)に示すように、クラスタの位置が移動する。実施形態では制御部201は、このクラスタの位置の移動に基づいて、評価対象物の劣化を評価する。例えば、制御部201は、クラスタの位置の移動距離、移動速度、および移動加速度などに基づいて、評価対象物の劣化を評価してよい。クラスタの移動距離は、例えば、稼働初期の計測データに基づいて特定したクラスタと、その後の計測データに基づいて特定した移動後のクラスタとの間の距離であってよい。クラスタ間の距離は、一例では、クラスタの重心間の距離で表すことができる。また、図3(e)に示すように、複数のクラスタで移動が起こる場合には、制御部201は、複数のクラスタのそれぞれでの移動距離、移動速度、および移動加速度などの値の平均および分散などの統計値に基づいて、評価対象物の劣化を評価してもよい。
上述のように、センサで計測される計測データには、評価対象物の劣化以外の要因に起因する変動も含まれ得る。しかしながら、劣化以外の要因による計測値の変動には、元の状態に戻り得る可逆的な変化を示す要因が多く含まれている。例えば、昼夜の差、天気の差、周辺機器が稼働しているか否かなどに起因するセンサの計測値の変動は、可逆的な変化であり、長期的に見れば元の値に戻り得る変動である。そのため、これらの可逆的な変化を示す要因による計測値の変動は、クラスタ分けには寄与し得るが、長期的にみればクラスタの位置をあまり変化させない成分であることが推定される。
一方で、評価対象物に生じる劣化は多くの場合、不可逆な現象であり、劣化に起因して一度発生したセンサの計測値の変動は、もとに戻る可能性が低い。そのため、上述のように、変化スコアをクラスタリングし、例えば、数カ月、数年、および数十年などの長期的な期間にわたってクラスタの位置の移動を追うことで、クラスタの移動に基づいて評価対象物の劣化を評価することが可能である。そして、このようにクラスタの移動に基づいて評価対象物の劣化を評価すると、劣化以外の要因に起因する計測データの変動の影響を抑えて評価対象物の劣化を評価することができる。
以下、実施形態に係る劣化の評価処理について更に詳細に説明する。
なお、以下では、評価対象物の状態を計測する複数のセンサの或るウィンドウ期間jにおける計測データを含むデータ行列Xを式1で表すものとする。
={x,x,…,x,…,x} ・・・式1
ここで、ウィンドウ期間は、所定の長さの期間であってよく、x,x,…,x,…,x(ここで、k=1~N)は、例えば、ウィンドウ期間の各時点における複数のセンサの計測値を要素とするベクトルである。例えば、xは、時点kにおける複数のセンサの各センサの計測値を要素とするベクトルであり、以下の式で表すことができる。
=(xk1,xk2,…,xki,…,xkM ・・・式2
ここで、Mはセンサの総数である。また、iは、i=1~Mであり、センサを識別するための番号を表す。従って、xk1,xk2,…,xki,…,xkMは、ウィンドウ期間内の時点kにおける複数のセンサの各センサiの計測値である。
図4は、実施形態に係る基準となるウィンドウ期間のスパース構造モデルを生成する処理の動作フローを例示する図である。制御部201は、例えば、図4の基準となるウィンドウ期間のスパース構造モデルを生成する動作フローの実行指示が入力されると、図4の処理を開始してよい。
S401において制御部201は、評価対象物の情報を計測する複数のセンサにより計測された計測データから、基準となるウィンドウ期間に計測された計測値を含むデータ行列Xrefを取得する。なお、以下では基準となるウィンドウ期間を、例えば、基準ウィンドウ期間と呼ぶことがある。基準ウィンドウ期間は、例えば、評価対象物の劣化が少なく、評価対象物が正常に稼働している期間に設定されてよい。例えば、制御部201は、記憶部202に記憶されている計測データからデータ行列Xrefを読み出してよい。
S402において制御部201は、基準ウィンドウ期間におけるセンサの計測データを含むデータ行列Xrefからスパース構造モデルを生成し、本動作フローは終了する。例えば、制御部201は、基準ウィンドウ期間の複数のセンサの各センサの計測データに基づき分散共分散行列を生成し、生成した分散共分散行列をスパース化してスパース構造モデルを生成してよい。一例では、スパース構造モデルは、GGMにより導出することができる。以下では、制御部201が、データ行列Xrefからスパース構造モデルとしてGGM:p(x|Xref)を導出する場合の例を述べる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、その他の手法でスパース構造モデルが生成されてもよい。
以上において、基準ウィンドウ期間の計測データから得られたスパース構造モデル(例えば、GGM:p(x|Xref))を、評価対象物が劣化していない状態の基準となるモデルとして用い、変化スコアを計算する。
変化スコアは、例えば、上述の基準ウィンドウ期間に計測された複数のセンサの計測データに対して、基準ウィンドウ期間よりも後のウィンドウ期間に計測された複数のセンサの計測データがどれくらい変化しているかを評価したスコアであってよい。変化スコアは、基準ウィンドウ期間のスパース構造モデルと、評価対象のウィンドウ期間のスパース構造モデルとの間で、分布間の差を計算することで求めることができる。分布間の差は、例えば、KLダイバージェンス、JSダイバージェンスなどを用いて計算することができる。以下では、KLダイバージェンスを用いて変化スコアを求める場合を例に実施形態を説明する。
図5は、実施形態に係る劣化の評価処理の動作フローを例示する図である。例えば、制御部201は、劣化の評価処理の実行指示が入力されると、図5の動作フローを開始してよい。
S501において制御部201は、クラスタリングを行うための学習期間における複数のウィンドウ期間のデータ行列X(j=1…L)を取得する。なお、例えば、jはウィンドウ期間を識別する番号であってよく、Lは学習に用いるウィンドウ期間の数であってよい。例えば、制御部201は、記憶部202に予め記憶されている計測データからデータ行列Xを読み出してよい。
S502において制御部201は、各ウィンドウ期間jごとにスパース構造モデルを生成する。例えば、制御部201は、データ行列XからGGM:p(x|X)を導出してよい。
S503において制御部201は、各ウィンドウ期間j(j=1…L)のそれぞれにおいて、複数のセンサの各センサiごとに変化度aを算出する。制御部201は、例えば、以下の式3に示すKLダイバージェンスの式を用いて、基準ウィンドウ期間のGGM:p(x|Xref)と、評価対象のウィンドウ期間jのGGM:p(x|X)との間でセンサiごとの変化度aを算出してよい。そして、制御部201は、ウィンドウ期間jに対して、各センサiごとの変化度aを成分とする変化スコアA={a,a,…,a,…,a}を取得する。
Figure 0007367866000001
S504において制御部201は、得られた変化スコアAをクラスタリングする。例えば、制御部201は、変化スコアAの成分のそれぞれを軸とする多次元空間上に、各ウィンドウ期間jごとの変化スコアAと対応する点がプロットしてよい。図6は、実施形態に係る劣化の評価処理の流れを例示する図であり、図6(a)に示すように、制御部201は、各ウィンドウ期間jのそれぞれについて得られた変化スコアAを、多次元空間上にプロットしてよい。なお、図6では、変化スコアの2つの成分を軸として平面に点がプロットされている例が示されているが、実際には変化スコアAの成分のそれぞれを軸とする多次元空間上に変化スコアAと対応する点がプロットされてよい。
そして、制御部201は、プロットされた複数の変化スコアの点をクラスタリングしてよい。一例では、制御部201は、混合ガウスモデルを用いて学習を行い、複数の変化スコアの点に対してクラスタリングを実行してよい。
なお、制御部201は、混合ガウスモデルにおいてクラスタリングに用いるクラスタの数を、例えば、赤池情報量基準(AIC)およびベイズ情報量基準(BIC)などの指標を用いて決定してよい。また、実施形態は、混合ガウスモデルによるクラスタリングに限定されるものではなく、制御部201は、DBSCAN、K平均法などのその他のアルゴリズムでクラスタリングを実行してもよい。
図6(b)は、変化スコアのクラスタリングを例示しており、変化スコアが2つのクラスタに分類されている。
S505において制御部201は、クラスタリングモデルから、各クラスタの位置を特定する。例えば、制御部201は、クラスタの位置として、各クラスタを代表する代表点μ(r=1…s,sはクラスタ数)の位置を算出してよい。クラスタを代表する代表点には、例えば、クラスタの重心を用いることができる。図6(b)では、クラスタの代表点として、重心が示されている。なお、クラスタを代表する代表点は、重心以外のその他のクラスタ内の点を代表する点であってもよい。
以上のS505までの処理により、制御部201は、例えば、クラスタの初期の位置を特定することができる。そして、続く、S506以降の処理において、制御部201は、例えば、評価対象物の劣化の状態を評価する対象の期間(以下、評価対象期間と呼ぶことがある)におけるセンサの計測データから評価対象物の劣化を評価する。
S506において制御部201は、評価対象期間の計測データがあるか否かを判定する。評価対象期間は、例えば、評価対象物の劣化を評価する対象とする期間であってよく、クラスタリングを行うための学習期間の後に計測された計測データを含む期間であってよい。評価対象期間の計測データが無い場合(S506がNO)、フローはS506の処理を繰り返す。一方、評価対象期間の計測データがある場合(S506がYES)、フローはS507に進む。
続く、S507において制御部201は、評価対象期間の計測データからデータ行列Xを取得する。oは、o=1…Qであってよく、評価対象期間の計測データに含まれるウィンドウ期間を識別する番号であってよい。また、Qは、評価対象期間の計測データに含まれるウィンドウ期間の数であってよい。例えば、制御部201は、記憶部202に予め記憶されている計測データからデータ行列Xを読み出してよい。
S508において制御部201は、各ウィンドウ期間oごとのデータ行列Xからスパース構造モデルを生成する。例えば、制御部201は、データ行列XからGGM:p(x|X)を導出してよい。
S509において制御部201は、例えば、評価対象期間の各ウィンドウ期間oのそれぞれにおいて、複数のセンサの各センサiごとに変化度を算出する。変化度は、例えば、上述の式3に示すKLダイバージェンスの式においてXの代わりにXを用いることで算出することができ、制御部201は、それによりウィンドウ期間oごとに変化スコアAを取得する。
S510において制御部201は、得られた変化スコアAをクラスタに追加する。一例では、制御部201は、多次元空間上に変化スコアAをプロットした点から最も近いクラスタに、変化スコアAをクラスタリングしてよい。或いは、別の実施形態では、制御部201は、変化スコアAを加えて再度、混合ガウスモデルなどによるクラスタリングを実行し、変化スコアAがクラスタリングされるクラスタを決定してもよい。そして、例えば、変化スコアAをクラスタに追加することにより、クラスタが移動し得る。図6(c)には、変化スコアAをクラスタに追加した例が示されており、クラスタへの変化スコアAの追加により、クラスタが移動している。
S511において制御部201は、クラスタの位置を再度特定する。例えば、制御部201は、クラスタの位置として、各クラスタを代表する代表点μ(t=1…s,sはクラスタ数)を特定してよい。代表点には、例えば、クラスタの重心など、S505で用いたのと同様の点を用いることができる。なお、クラスタには評価対象期間の計測データから得られた変化スコアAの点が含まれるため、クラスタの代表点の位置には、S505と比較して変化が生じ得る。
S512において制御部201は、クラスタの位置の移動に基づいて、評価対象物の劣化を評価し、評価結果を出力し、本動作フローは終了する。評価結果は、例えば、評価対象物の劣化の度合いを表す劣化度であってよい。例えば、S512において制御部201は、S505で特定した学習期間におけるクラスタの位置から、S511で特定した評価対象期間の変化スコアの点を含むクラスタの位置までのクラスタの移動を表す値を、評価対象物の劣化度として出力してよい。移動を表す値は、例えば、クラスタの移動距離、移動速度、および移動加速度などであってよい。例えば、図6(d)では、2つのクラスタの重心間の距離を劣化度として用いる例が示されており、ユーザは劣化度として出力された重心間の距離の大きさから、評価対象物の劣化の状態を推定することができる。
なお、図6(d)では、1つのクラスタの移動を表す値を劣化度として用いる例が示されているが、クラスタリングの結果得られた複数のクラスタが移動することも起こり得る。この場合、クラスタの移動を表す値は、例えば、複数のクラスタのそれぞれのクラスタの移動を表す値の平均値、中央値、最頻値、および分散などの統計値で表されてよい。図7は、複数のクラスタの移動を例示する図である。例えば、図7(a)に示すように、3つのクラスタA、クラスタB、およびクラスタCがあり、それぞれのクラスタが移動しているとする。この場合に、制御部201は、3つのクラスタのそれぞれで取得した移動を表す値の統計値(例えば、平均値)を、劣化度として出力してよい。
また、別の実施形態では、制御部201は、クラスタの移動を表す値が所定値以下で移動の小さいクラスタについては、劣化の評価において利用しなくてもよい。例えば、図7(b)では、クラスタBの移動は非常に小さい。このように、移動の小さいクラスタは、評価対象物の劣化に基づく変化の成分をあまり含んでいないことが推定される。そのため、制御部201は、例えば、移動を表す値が所定値以下のクラスタについては除いて、残りのクラスタの移動を表す値から、劣化度を取得してもよい。例えば、図7(b)の例では、制御部201は、移動を表す値が所定値以下のクラスタBを除いて、クラスタAおよびクラスタCの移動を表す値の統計値(例えば、平均値)を、劣化度として出力してよい。
また、S512において制御部201が出力する評価対象物の劣化の評価結果の別な例として、制御部201は、クラスタの移動に基づいて、評価対象物に対する保守の要否を判定して出力してもよい。例えば、制御部201は、判定情報800を参照し、評価対象物に対する保守の要否を判定してよい。
図8は、実施形態に係る判定情報800を例示する図である。判定情報800には、例えば、評価対象物に対する保守作業の要否を判定するための情報が登録されていてよい。例えば、図8(a)の判定情報800には閾値が登録されている。閾値には、例えば、評価対象物の劣化が少ない状態でのクラスタの位置から、評価対象物に保守作業を行うことが望ましい状態でのクラスタの位置までのクラスタの移動を表す値が予め調べられ、登録されている。それにより、例えば、制御部201は、S512において特定したクラスタの移動を表す値が閾値よりも大きい場合に、評価対象物に対する保守作業を促す情報を出力してもよい。保守作業を促す情報の出力は、例えば、情報処理装置200と接続されたディスプレイなどの表示装置に、評価対象物の保守作業を実行するよう促すメッセージなどの情報を表示させることであってよい。また、別な例では、保守作業を促す情報の出力は、メールなどで評価対象物の管理者に保守作業を促す情報を通知することであってよい。
また、判定情報800には、例えば、評価対象物の劣化の種別ごとに保守作業の要否を判定するための情報が登録されてもよい。例えば、図8(b)の判定情報800では、評価対象物の劣化の種別と対応づけてクラスタの移動距離の閾値に加えて、移動方向の情報が登録されている。また、図8(c)の判定情報800では、評価対象物の劣化の種別と対応づけてクラスタの移動距離の閾値と、移動距離の特定に用いるクラスタを指定する情報とが対応づけて登録されている。図8(d)の判定情報800では、評価対象物の劣化の種別と対応づけてクラスタの移動距離の閾値と、移動速度の範囲と、移動の加速度の範囲とが登録されている。
図1を参照して述べたように、評価対象物の劣化には様々な種類があることがあり、劣化の過程も劣化の種類に応じて異なることがある。そして、劣化の種類に応じてクラスタの移動の傾向も異なり得る。この場合にも、例えば、図8(b)に示すクラスタの移動方向や、図8(c)に示す移動距離の特定に用いるクラスタを指定する情報などのクラスタの移動を特徴付ける別の情報を用いることで、劣化の種別を特定することが可能である。また、同様に、例えば、図8(d)に示すように、クラスタの移動を表す値としてクラスタの移動距離の閾値、移動速度の範囲、移動の加速度の範囲といった複数の情報を用いることで、劣化の種別を特定することが可能である。そして、S512の処理では、制御部201は、例えば、判定情報800を参照し、劣化の種別に応じて評価対象物に対する保守の要否を判定し、判定結果を出力してもよい。例えば、制御部201は、クラスタの移動が、判定情報800に登録されている長時間クリープの劣化の条件を満たす場合、長時間クリープの劣化の保守を促す情報を出力してよい。一方、制御部201は、クラスタの移動が、判定情報800に登録されている腐食・摩耗の劣化の条件を満たす場合、腐食・摩耗の劣化の保守を促す情報を出力してよい。
以上で述べたように、図5の動作フローによれば、制御部201は、変化スコアをクラスタリングして得られたクラスタの移動に基づいて、評価対象物の劣化を評価することができる。
例えば、定期的に保守作業を実行して評価対象物の状態を維持する場合、たまたま劣化が早く進んでしまうことも起こり得るため、保守作業の実行間隔は、評価対象物の平均的な寿命よりも短めに設定され得る。しかしながら、実施形態によれば、クラスタの移動に基づいて、評価対象物の劣化状態を高い精度で推定することができるため、保守作業の実行間隔を長くしたりすることが可能である。その結果、保守作業にかかるコストや、作業負担を軽減することができる。
また、たまたま評価対象物の劣化が早く進んでしまった場合にも、実施形態によればクラスタの移動に基づいて、評価対象物の劣化を高い精度で検出することができるため、ユーザは評価対象物が壊れる前に保守作業を実施することができる。そのため、評価対象物の計画外の停止などを回避することができる。なお、上記においては評価対象物の例としてボイラーチューブ群の劣化を述べたが、実施形態はこれに限定されるものではなく、その他の部品、機器、および設備の劣化にも実施形態は適用することができる。
以上において、実施形態を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の動作フローは例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。可能な場合には、動作フローは、処理の順番を変更して実行されてもよく、別に更なる処理を含んでもよく、または、一部の処理が省略されてもよい。
例えば、図5では、S501からS505までの処理と、S506からS512までの処理とを続けて実行する例が示されているが、実施形態はこれに限定されるものではない。別の実施形態では、S501からS505までの処理と、S506からS512までの処理とは別の動作フローとして実行されてもよい。一例として、S501からS505までの処理は、評価対象物の稼働初期の動作が安定している時期に1度だけ実行されればよい。また、例えば、S506からS512までの処理は、月に1度、半年に1度などの所定期間の計測データが蓄積すると、その都度、その所定期間の計測データを評価対象期間のデータとして実行されてよい。
また、上述の実施形態では、例えば、クラスタの移動距離を、クラスタの重心間の距離を用いて特定する例を述べているが実施形態はこれに限定されるものではなく、その他の値をクラスタの移動距離として用いることもできる。例えば、別の実施形態では、移動前のクラスタ内の複数の変化スコアの点と、移動後のクラスタ内の複数の変化スコアの点との間で、最も短い距離または最も長い距離をクラスタの移動距離として用いてもよい。或いは、別の実施形態では、移動前と移動後の2つのクラスタに含まれる変化スコアの点の全ての組み合わせでの距離の平均を、クラスタの移動距離として用いてもよい。
また、上述の実施形態において、評価対象期間のウィンドウ期間と対応する変化スコアの点のクラスタへの追加は、一例では、計測データの計測の時系列に従う順序で実行されてよい。クラスタへの変化スコアの点の追加を、時系列に従う順序で実行することで、クラスタの位置の移動の時系列な変化を捉えることができる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、別の実施形態では、制御部201は、所定期間ごとにまとめて、所定期間に含まれるウィンドウ期間と対応する変化スコアの点を時系列に従ってクラスタに追加してもよい。この場合、所定期間内のウィンドウ期間と対応する変化スコアの点は任意の順序で追加されてもよい。
なお、上述の実施形態においてS503の処理では制御部201は、例えば、取得部211として動作する。また、S505の処理では制御部201は、例えば、特定部212として動作する。S512の処理では制御部201は、例えば、評価部213として動作する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置200を実現するためのコンピュータ900のハードウェア構成を例示する図である。図9の情報処理装置200を実現するためのハードウェア構成は、例えば、プロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、読取装置904、通信インタフェース906、および入出力インタフェース907を備える。なお、プロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、読取装置904、通信インタフェース906、入出力インタフェース907は、例えば、バス908を介して互いに接続されている。
プロセッサ901は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。プロセッサ901は、メモリ902を利用して例えば上述の動作フローの手順を記述したプログラムを実行することにより、上述した制御部201の一部または全部の機能を提供する。例えば、情報処理装置200のプロセッサ901は、記憶装置903に格納されているプログラムを読み出して実行することで、取得部211、特定部212、および評価部213として動作する。
メモリ902は、例えば半導体メモリであり、RAM領域およびROM領域を含んでよい。記憶装置903は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、または外部記憶装置である。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。
読取装置904は、プロセッサ901の指示に従って着脱可能記憶媒体905にアクセスする。着脱可能記憶媒体905は、例えば、半導体デバイス、磁気的作用により情報が入出力される媒体、光学的作用により情報が入出力される媒体などにより実現される。なお、半導体デバイスは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリである。また、磁気的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、磁気ディスクである。光学的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、CD-ROM、DVD、Blu-ray Disc等(Blu-rayは登録商標)である。CDは、Compact Discの略称である。DVDは、Digital Versatile Diskの略称である。
記憶部202は、例えばメモリ902、記憶装置903、および着脱可能記憶媒体905を含んでよい。例えば、情報処理装置200の記憶装置903には、例えば、判定情報800が格納されている。
通信インタフェース906は、プロセッサ901の指示に従って、他の装置と通信する。一例では、通信インタフェース906は、評価対象物の状態を計測するセンサ950と有線または無線通信で通信し、センサ950から計測データを収集してよい。また、別の実施形態では、通信インタフェース906は、センサ950で計測された計測データを記憶する別の装置と有線または無線通信で通信し、計測データを取得してもよい。通信インタフェース906は、上述の通信部203の一例である。
入出力インタフェース907は、例えば、入力装置および出力装置との間のインタフェースである。入力装置は、例えばユーザからの指示を受け付けるキーボード、マウス、タッチパネルなどのデバイスである。出力装置は、例えばディスプレイなどの表示装置、およびスピーカなどの音声装置である。
実施形態に係る各プログラムは、例えば、下記の形態で情報処理装置200に提供される。
(1)記憶装置903に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体905により提供される。
(3)プログラムサーバなどのサーバから提供される。
なお、図9を参照して述べた情報処理装置200を実現するためのコンピュータ900のハードウェア構成は、例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の構成の一部が削除されてもよく、また、新たな構成が追加されてもよい。また、別の実施形態では、例えば、上述の制御部201の一部または全部の機能がFPGA、SoC、ASIC、およびPLDなどによるハードウェアとして実装されてもよい。なお、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。SoCは、System-on-a-chipの略称である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。PLDは、Programmable Logic Deviceの略称である。
以上において、いくつかの実施形態が説明される。しかしながら、実施形態は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の各種変形形態および代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、各種実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できることが理解されよう。また、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の実施形態が実施され得ることが理解されよう。更には、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加して種々の実施形態が実施され得ることが当業者には理解されよう。
200 情報処理装置
201 制御部
202 記憶部
203 通信部
211 取得部
212 特定部
213 評価部
800 判定情報
900 コンピュータ
901 プロセッサ
902 メモリ
903 記憶装置
904 読取装置
905 着脱可能記憶媒体
906 通信インタフェース
907 入出力インタフェース
908 バス
950 センサ

Claims (7)

  1. 評価対象物の状態を計測する複数のセンサから得られた時系列の計測データのうちで、基準ウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルに対する、前記基準ウィンドウ期間よりも後のウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルのセンサ毎の変化度を成分とする変化スコアを、学習期間に含まれる複数のウィンドウ期間のそれぞれで求めて複数の変化スコアを取得する取得部と、
    前記複数の変化スコアをクラスタリングしてクラスタの位置を特定する特定部と、
    評価対象期間に含まれる少なくとも1つのウィンドウ期間で求めた少なくとも1つの変化スコアを、前記クラスタに追加することで生じる前記クラスタの位置の移動に基づいて、前記評価対象物の劣化を評価する評価部と、
    を含む、情報処理装置。
  2. 前記評価部は、前記クラスタに追加することで生じる前記クラスタの位置の移動距離、移動速度、および移動加速度の少なくとも1つに基づいて、前記評価対象物の劣化を評価する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記特定部は、前記クラスタリングにより得られた複数のクラスタの位置を特定し、
    前記評価部は、前記複数のクラスタのうちの少なくとも1つのクラスタの位置の移動に基づいて、前記評価対象物の劣化を評価する、
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記評価部は、前記クラスタの位置の移動が所定の条件を満たす場合に、前記評価対象物に対する保守作業を促す情報を出力する、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記評価部は、
    前記クラスタの位置の移動が第1の条件を満たす場合に、前記評価対象物に対する第1の種別の劣化の保守作業を促す情報を出力し、
    前記クラスタの位置の移動が第2の条件を満たす場合に、前記評価対象物に対する第2の種別の劣化の保守作業を促す情報を出力する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 評価対象物の状態を計測する複数のセンサから得られた時系列の計測データのうちで、基準ウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルに対する、前記基準ウィンドウ期間よりも後のウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルのセンサ毎の変化度を成分とする変化スコアを、学習期間に含まれる複数のウィンドウ期間のそれぞれで求めて複数の変化スコアを取得し、
    前記複数の変化スコアをクラスタリングしてクラスタの位置を特定し、
    評価対象期間に含まれる少なくとも1つのウィンドウ期間で求めた少なくとも1つの変化スコアを、前記クラスタに追加することで生じる前記クラスタの位置の移動に基づいて、前記評価対象物の劣化を評価する、
    ことを含む、情報処理装置が実行する評価方法。
  7. 評価対象物の状態を計測する複数のセンサから得られた時系列の計測データのうちで、基準ウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルに対する、前記基準ウィンドウ期間よりも後のウィンドウ期間に計測されたデータから生成したスパース構造モデルのセンサ毎の変化度を成分とする変化スコアを、学習期間に含まれる複数のウィンドウ期間のそれぞれで求めて複数の変化スコアを取得し、
    前記複数の変化スコアをクラスタリングしてクラスタの位置を特定し、
    評価対象期間に含まれる少なくとも1つのウィンドウ期間で求めた少なくとも1つの変化スコアを、前記クラスタに追加することで生じる前記クラスタの位置の移動に基づいて、前記評価対象物の劣化を評価する、
    処理を情報処理装置に実行させる評価プログラム。

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