JP7367269B1 - 混合プラスチックの選別ラインの制御方法、制御装置、プログラムおよび選別システム - Google Patents

混合プラスチックの選別ラインの制御方法、制御装置、プログラムおよび選別システム Download PDF

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Abstract

最適な選別条件でリサイクルプラスチックを選別する技術が開示される。複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別システム(100)の制御方法は、オペレータが管理する選別ライン(110)と通信する組成計算機(190)が、当該選別ラインを構成する各装置から各々の動作状態を表わす情報を受信するステップ(S172)と、所要時間と第1の状態情報と第2の状態情報とに基づいて、当該選別ラインに投入された混合プラスチックが各装置に至るまでの到達時間を計算するステップと、当該選別ラインへの投入前に得られた組成比と計算された到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定するステップと、推定された組成比に応じた選別条件を各装置に送信するステップ(S180)とを含む。

Description

本開示はプラスチックの選別に関し、より特定的には、混合されたプラスチックを選別する技術の最適化に関する。
従来プラスチックの選別方法は、複数種類のプラスチック片が混合した混合プラスチック片群に対し、プラスチックの種類に応じて比重が異なることを利用した湿式比重選別を採用する。湿式比重選別は、より具体的には、比重が1.0以下であるポリプロピレン(PP)プラスチック片と、比重が1.0~1.1であるアクリルニトリルブタジエン(ABS)プラスチック片、ポリスチレン(PS)プラスチック片およびガラスファイバー入りPPプラスチック片(ガラス繊維等の添加により比重が大きいPP)と、比重が1.1以上である重比重プラスチック片とを選別する。選別されたガラスファイバー入りPPプラスチック片を除くPPプラスチック片が、洗浄され、異物が除去されると、リサイクルPPが得られる。
比重差のほとんどないABSプラスチック片、PSプラスチック片、およびガラスファイバー入りPPプラスチック片の場合、プラスチックの種類によって帯電序列が異なる性質を利用して第一段静電選別が行なわれ、マイナスに帯電するPSプラスチック片およびガラスファイバー入りPPプラスチック片の混合物と、プラスに帯電するABSプラスチック片とは、分別して回収される。このうち、PSプラスチック片およびガラスファイバー入りPPプラスチック片の混合プラスチック片群については、第一段静電選別とは異なる第二段静電選別がさらに行なわれ、プラスに帯電するPSプラスチック片とマイナスに帯電するガラスファイバー入りPPプラスチック片とは、選別して回収される。
被リサイクルプラスチックにおける混合プラスチック片群の組成比は季節や月日によって変動する。湿式比重選別装置または静電選別装置の選別条件は、組成比に基づいて設定される。そのため、従来の湿式比重選別装置または静電選別装置では、混合プラスチック片群の組成比が変動した場合、プラスチック片の選別精度が低くなり、回収率が低くなるという問題がある。
選別条件に関し、特許第5889449号公報(特許文献1)は、選別工程にプラスチック片の種類を識別するための工程を設け、この工程によって求められたプラスチック片群の組成比に基づいて静電選別装置の選別条件を設定する技術を開示している。
特許第5889449号公報
特許第5889449号に開示された技術は、選別条件を最適化するために、選別工程に投入するリサイクルプラスチックを抜き取って、プラスチック片の種類を分析する。この手法によれば、選別ラインに流れるプラスチックの組成が分析されている間は、最適な条件で選別装置を運転できず、プラスチック片の選別精度が低くなる可能性がある。また、リサイクルプラスチックは、複数の選別工程によって選別されるが、それぞれの工程毎に選別条件を最適化するための分析を行う必要がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、ある局面に従う一つの目的は、常に最適な選別条件でリサイクルプラスチックを選別する技術を提供することである。
ある実施の形態に従うと、複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインの制御方法が提供される。この制御方法は、選別ラインへの投入前に混合プラスチックを予め分析することにより得られた複数の種類のプラスチックの組成比にアクセスするステップと、混合プラスチックが、選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間にアクセスするステップと、所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報にアクセスするステップと、各装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信するステップと、所要時間と、第1の状態情報と、第2の状態情報とに基づいて、選別ラインに投入された混合プラスチックが各装置に至るまでの到達時間を計算するステップと、選別ラインへの投入前に得られた組成比と計算された到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定するステップと、推定された組成比に応じた選別条件を各装置に送信するステップとを含む。
他の実施の形態に従うと、複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインの制御装置が提供される。この制御装置は、選別ラインと通信するための通信手段と、メモリと、メモリに接続されたプロセッサとを備える。メモリは、選別ラインへの投入前に混合プラスチックを予め分析することにより得られた複数の種類のプラスチックの組成比と、混合プラスチックが、選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間と、所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを格納している。通信手段は、各装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信する。プロセッサは、所要時間と、第1の状態情報と、第2の状態情報とに基づいて、選別ラインに投入された混合プラスチックが各装置に至るまでの到達時間を計算し、選別ラインへの投入前に得られた組成比と計算された到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定し、推定された組成比に応じた選別条件を各装置に送信する。
他の実施の形態に従うと、複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインを制御するためのプログラムが提供される。このプログラムはコンピュータに、選別ラインへの投入前に混合プラスチックを予め分析することにより得られた複数の種類のプラスチックの組成比にアクセスするステップと、混合プラスチックが、選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間にアクセスするステップと、所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報にアクセスするステップと、各装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信するステップと、所要時間と、第1の状態情報と、第2の状態情報とに基づいて、選別ラインに投入された混合プラスチックが各装置に至るまでの到達時間を計算するステップと、選別ラインへの投入前に得られた組成比と計算された到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定するステップと、推定された組成比に応じた選別条件を各装置に送信するステップとを実行させる。
さらに他の実施の形態に従うと、複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別システムが提供される。この選別システムは、混合プラスチックを選別する選別ラインと、選別ラインの制御装置とを備える。制御装置は、選別ラインと通信するための通信手段と、メモリと、メモリに接続されたプロセッサとを備える。メモリは、選別ラインへの投入前に混合プラスチックを予め分析することにより得られた複数の種類のプラスチックの組成比と、混合プラスチックが、選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間と、所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを格納している。通信手段は、各装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信する。プロセッサは、所要時間と、第1の状態情報と、第2の状態情報とに基づいて、選別ラインに投入された混合プラスチックが各装置に至るまでの到達時間を計算し、選別ラインへの投入前に得られた組成比と計算された到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定し、推定された組成比に応じた選別条件を各装置に送信する。
ある実施の形態に従うと、常に最適な選別条件でリサイクルプラスチックを選別することができる。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
ある実施の形態に従う選別システム100の構成の概要を例示する図である。 組成計算機190のハードウェア構成を表わすブロック図である。 本実施の形態に従う選別システム100に投入されるリサイクルプラスチックの組成比と投入量(重量)の例を表す図である。 本実施の形態に従うプラスチックの選別ライン110における任意の位置におけるプラスチック組成比を示す模式図である。 本実施の形態に係るプラスチックの選別ライン110に投入された識別用プラスチック片の個数の時系列変化を示す図である。 プラスチック片が各装置を通過する時間を求める手順の一例を表わすフローチャートである。 本実施の形態に係るプラスチックの選別ライン110において混合プラスチック片が各装置に投入されるまでの時間を求める方法の概略を示す図である。 プラスチック片が各装置を通過する時間を求める他の手順の一例を表わすフローチャートである。 本実施の形態に従うプラスチック選別ラインにおける任意の位置におけるプラスチック組成比(%)を示す模式図である。 本実施の形態に従う選別ライン110に投入された識別用プラスチック片の個数の時系列変化を示す図である。 本実施の形態に従う選別ライン110において、混合プラスチック片が各装置に投入されるまでの時間およびそのばらつきを求める方法の概略を示す図である。 複数の選別ライン110-1,110-2・・・110-nがネットワーク1200を介して組成計算機190と通信可能に接続されている状態を表わす図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1~図8を参照して、実施の形態1に従ってプラスチックを選別する手法について説明する。図1は、ある実施の形態に従う選別システム100の構成の概要を例示する図である。選別システム100は、選別ライン110と、組成計算機190とを備える。選別ライン110と組成計算機190とは、通信可能に互いに接続されている。
[選別ライン]
選別ライン110は、フレキシブルコンテナ(以下「フレコン」と表わす)115と、投入用タンク120と、投入フィーダー125と、搬送機130と、バッファ槽135と、湿式比重選別装置140と、乾燥機150と、第一段静電選別装置155と、第二段静電選別装置160とを備える。
ある実施の形態に従うと、混合プラスチック片がフレコン115から投入用タンク120に投入されると、混合プラスチック片は、投入フィーダー125によって搬送機130に送られる。搬送機130は、混合プラスチック片をバッファ槽135に投入する。バッファ槽135に投入された混合プラスチック片は、予め定められた速度で湿式比重選別装置140に投入される。
湿式比重選別装置140は、プラスチックの種類に応じて比重が異なることを利用した湿式比重選別工程を行なう。より具体的には、湿式比重選別装置140は、比重が1.0以下のプラスチック片と、比重が1.0~1.1のプラスチック片と、比重が1.1以上のプラスチック片とを選別し、各プラスチック片を回収する。ある局面において、比重が1.0以下であるプラスチック片は、PPプラスチック片を含み得る。比重が1.0~1.1のプラスチック片は、ABSプラスチック片と、PSプラスチック片と、ガラスファイバー入りPPプラスチック片とを含み得る。比重が1.1以上であるプラスチック片は、重比重プラスチック片を含み得る。
回収された各プラスチック片は、乾燥機150にそれぞれ投入される。乾燥機150が各プラスチック片毎に割り当てられている場合は、それぞれの乾燥機150が、投入されたプラスチック片を乾燥する。一台の乾燥機150が使用される場合は、各プラスチック片は、順次乾燥される。
比重差のほとんどないABSプラスチック片と、PSプラスチック片と、ガラスファイバー入りPPプラスチック片とは、第一段静電選別装置155に投入される。第一段静電選別装置155は、プラスチックの種類によって帯電序列が異なる性質を利用した第一段静電選別工程を行い、マイナスに帯電するPSプラスチック片およびガラスファイバー入りPPプラスチック片の混合物と、プラスに帯電するABSプラスチック片とを分別して回収する。PSプラスチック片およびガラスファイバー入りPPプラスチック片の混合物は、第二段静電選別装置160に投入される。
第二段静電選別装置160は、第二段静電選別工程として、PSプラスチック片およびガラスファイバー入りPPプラスチック片の混合物から、プラスに帯電するPSプラスチック片と、マイナスに帯電するガラスファイバー入りPPプラスチック片とを選別して各プラスチック片をそれぞれ回収する。
組成計算機190は、例えば、周知の構成を有するコンピュータによって実現される。組成計算機190は、選別ライン110を構成する各装置(すなわち、搬送機130、バッファ槽135、湿式比重選別装置140、乾燥機150、第一段静電選別装置155、第二段静電選別装置160)の動作状態と、プラスチック片の移動速度および単位時間当たりの移動量の関係とを保持している。動作状態を表わす情報は、予め定められたタイミングで各装置から組成計算機190に送信される。組成計算機190が当該関係を取得する方法は、後述する。
組成計算機190は、湿式比重選別装置140、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160にそれぞれ投入されるプラスチック片群の組成比に応じた最適な選別条件を保持している。当該最適な選別条件は、湿式比重選別装置140、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160にぞれぞれ投入されるプラスチック片群の組成比と選別条件とを変えた複数の実験を予め行なうことで取得される。すなわち、複数の選別条件のうち選別精度が最も良い結果をもたらした選別条件が、最適な選別条件として選別システム100の使用者によって選択される。
プラスチックの選別工程において、投入用タンク120に投入されたフレコン115ごとの混合プラスチック片群の組成分析結果に対応した信号と、フレコン115ごとのプラスチック片の総重量の信号と、選別ライン110を構成する各装置の動作状態を表す信号とは、組成計算機190に逐次入力される(ステップS170,S172)。各装置の動作状態を表す信号を組成計算機190に送るタイミングは、定期的でもよいし、各装置の動作状態の変更が検知された時でもよい。
組成計算機190は、入力された信号を用い、各装置に投入されるプラスチック片群の組成を逐次計算する。組成計算機190は、当該計算によって得られた組成を用いて、各装置の最適な選別条件を求める。組成計算機190は、選別ライン110を構成する各装置に、当該装置の動作状態を最適な条件にするために必要な信号を逐次送る(ステップS180)。各装置は、当該信号を受信すると、逐次、当該装置の動作状態をプラスチック片群の組成に応じた最適条件に変更する。本実施の形態において、装置の動作状態とは、例えば、搬送機130におけるプラスチック片の搬送速度と、湿式比重選別装置140の運転および停止とを含むが、その他の要素が装置の動作状態としても採用され得る。たとえば、乾燥機150における温度および乾燥時間も、装置の動作状態として採用され得る。
なお、本実施の形態において、混合プラスチック片は、主として回収される廃家電製品の被リサイクルプラスチックを破砕して得られる破砕片である。しかしながら、混合プラスチック片は、本明細書において例示されるものに限られず、本明細書において開示される技術思想は、破砕されていないプラスチック片または新たに製造されたプラスチック片に対しても適用され得る。
[組成計算機]
図2を参照して、組成計算機190の具体的構成について説明する。図2は、組成計算機190のハードウェア構成を表わすブロック図である。
組成計算機190は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1と、組成計算機190の使用者(たとえば、選別ライン110のオペレータ)による指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、通信インターフェイス(I/F)7と、モニタ8とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)9その他の光ディスクが装着される。
組成計算機190における処理は、各ハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されて、コンピュータプログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なアプリケーションプログラムとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
図2に示される組成計算機190を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本開示に係る技術思想の本質的な部分の一つは、RAM4、ハードディスク5、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。記録媒体は、一時的でない、コンピュータ読取可能なデータ記録媒体を含み得る。組成計算機190の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
記録媒体としては、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
ここでいうプログラムとは、CPU1により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
また、CPU1に代えて、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはこれらを組み合わせたものも用いられ得る。
[リサイクルプラスチックの組成比]
図3を参照して、リサイクルプラスチックのロット毎の相違について説明する。図3は、本実施の形態に従う選別システム100に投入されるリサイクルプラスチックの組成比と投入量(重量)の例を表す図である。
選別ライン110に投入される混合プラスチックは、大型のフレコン115(1フレコン=1ロット)で搬送されて工場に到着し、投入用タンク120に投入された後に、湿式比重選別装置140、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160による各選別工程に送られる。同一フレコン115内の混合プラスチックの組成は、ほぼ均一であることが分かっている。混合プラスチックの組成は、季節や購入元によって常に変動する。一例を図2に示すと、ロットA、ロットB、またはロットCのように、各種のプラスチック片の組成が異なったロットが存在し得る。
[選別ラインにおける組成比]
図4を参照して、プラスチック組成比の推移について説明する。図4は、本実施の形態に従うプラスチックの選別ライン110における任意の位置におけるプラスチック組成比を示す模式図である。当該模式図は、図3に示される混合プラスチックのロットA、ロットBおよびロットCがそれぞれ順に選別ライン110に投入された場合のプラスチック組成比を示している。
状態(A)は、選別ライン110への投入前におけるロットA、ロットB、ロットCのプラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。時間が進行しても、各ロットに含まれるプラスチック片の個数の比率は、ほぼ一定である。
状態(B)は、湿式比重選別装置140に投入される前のプラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。プラスチック片の選別が行なわれていないため、各ロットに含まれるプラスチック片の個数の比率は、状態(A)における比率と同じである。
状態(C)は、第一段静電選別装置155による選別前(すなわち、湿式比重選別装置140による選別の結果、PPおよび重比重プラスチックが取り除かれた状態)の各プラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。
状態(D)は、第二段静電選別装置160による選別前(すなわち、第一段静電選別装置155による選別の結果、PSが取り除かれた状態)の各プラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。
図4の例示では、選別ライン110の各選別工程を流れる混合プラスチック片におけるロット間の混合が無視できる。このような場合には、各ロットの投入量と、混合プラスチック片が選別ライン110を構成する各装置を通過する量および時間と、を把握できれば、組成計算機190は、選別ライン110に投入する前に予め求められた混合プラスチック片群の組成から、任意の時刻における混合プラスチック片群の組成を推定できる。
[装置を通過する時間の算出]
図5および図6を参照して、選別ライン110を構成する各装置を通過する時間を求める一手法について説明する。図5は、本実施の形態に係るプラスチックの選別ライン110に投入された識別用プラスチック片の個数の時系列変化を示す図である。図6は、プラスチック片が各装置を通過する時間を求める手順の一例を表わすフローチャートである。
ある局面において、100個程度の識別用プラスチック片が選別ライン110に一度に投入される。識別用プラスチック片とは、目視でその位置を把握することができるプラスチック片である。識別用プラスチック片は、例えば、他のプラスチック片と区別できる色や形状を有する。あるいは、蛍光塗料を含むプラスチック片が識別用プラスチック片として使用されてもよい。この場合、当該識別用プラスチック片は、紫外線を受けると発色し、その位置が特定される。
図5のグラフ(A)は、選別ライン110への投入前に検出される識別用プラスチック片の個数の分布を概念的に表わしている。ここで、時刻t(1)は、最も多くの識別用プラスチック片が検出されるタイミングを示している。
グラフ(B)は、時刻t(1)の後に、湿式比重選別装置140に投入される前に検出される識別用プラスチック片の個数の分布を概念的に表わしている。ここで、時刻t(2)は、最も多くの識別用プラスチック片が検出されるタイミングを示している。
グラフ(C)は、時刻t(2)の後に、第一段静電選別装置155による選別前に検出される識別用プラスチック片の個数の分布を概念的に表わしている。ここで、時刻t(3)は、最も多くの識別用プラスチック片が検出されるタイミングを示している。
グラフ(D)は、時刻t(3)の後に、第二段静電選別装置160による選別前に検出される識別用プラスチック片の個数の分布を概念的に表わしている。ここで、時刻t(4)は、最も多くの識別用プラスチック片が検出されるタイミングを示している。
オペレータは、選別ライン110においてこれらの位置をモニタリングし(ステップS610)、選別ライン110を構成する各装置の動作状態を記録する(ステップS620)。オペレータは、選別ライン110に投入された混合プラスチック片が、選別ライン110を構成する各装置を通過するまでの時間と、各装置の動作状態の関係とを求めることができる(ステップS630)。
また、選別ライン110における識別用プラスチック片の個数から、統計的なばらつきを求められればいいので、選別ライン110に投入される識別用プラスチック片の個数は、必ずしも100個に限定されない。本実施の形態では、ロットの異なるプラスチック片同士が選別ラインにおいて混ざり合うことがないため、図5に示されるように、識別用プラスチック片が各工程を通過するまでの時間は、ばらつかない。
図7および図8を参照して、選別ライン110を構成する各装置を通過する時間を求める他の手法について説明する。図7は、本実施の形態に係るプラスチックの選別ライン110において混合プラスチック片が各装置に投入されるまでの時間を求める方法の概略を示す図である。図8は、プラスチック片が各装置を通過する時間を求める他の手順の一例を表わすフローチャートである。
図7に示されるように、状態(A)は、選別ライン110への投入前におけるロットA、ロットB、ロットCのプラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。時間が進行しても、各ロットに含まれるプラスチック片の個数の比率は、ほぼ一定である。
状態(B)は、湿式比重選別装置140に投入される前のプラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。プラスチック片の選別が行なわれていないため、各ロットに含まれるプラスチック片の個数の比率は、状態(A)における比率と同じである。
状態(C)は、第一段静電選別装置155による選別前(すなわち、湿式比重選別装置140による選別の結果、PPおよび重比重プラスチックが取り除かれた状態)の各プラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。
状態(D)は、第二段静電選別装置160による選別前(すなわち、第一段静電選別装置155による選別の結果、PSが取り除かれた状態)の各プラスチック片の個数の比率(%)を概念的に表わしている。
オペレータは、選別ライン110に混合プラスチック片を投入する前に、混合プラスチック片群の組成を予め分析しておく(ステップS810)。図7の状態(A)に示されるように、混合プラスチック片群に含まれる各種のプラスチック片の比率は、一定である。
その後、オペレータは、選別ライン110における各装置の動作状態を記録しながら(ステップS820)、各選別工程からプラスチック片を定期的に抜き取って、当該プラスチック片の組成を分析する(ステップS830)。本実施の形態において、オペレータは、定期的に抜き取るタイミングを、たとえば、5分ごと、10分ごとというように、任意に決定できる。あるいは、当該タイミングは、選別ライン110を構成する各装置による処理速度に応じて決定され得る。
図7の状態(B)に示されるように、湿式比重選別装置140による選別が行なわれる前では、各プラスチックの比率は、状態(A)の場合の比率と変わっていない。湿式比重選別装置140による選別が行なわれると、PPおよび重比重プラスチックが取り除かれるため、残りのプラスチック片の比率は、ABSとガラスファイバー入りPPとPSとによる比率となる(状態(C))。さらに、第一段静電選別装置155による選別が行なわれると、ABSが取り除かれるため、残りのプラスチック片の比率は、ガラスファイバー入りPPとPSとによる比率となる(状態(D))。
オペレータは、選別工程における混合プラスチック片群の組成の経時変化と、選別ライン110に投入される前の混合プラスチック片群の組成とを照合することにより(ステップS840)、混合プラスチック片が各装置を通過するまでの時間を求めることができる(ステップS850)。これにより、オペレータは、選別ラインに投入された混合プラスチック片が、選別ラインを構成する各装置を通過するまでの時間と、各装置の動作状態との関係を求めることができる。
選別ライン110のオペレータは、以上の方法で予め求めた、混合プラスチック片が各選別装置を通過するまでに要する時間と装置の動作状態との関係を、組成計算機190に入力する。
組成計算機190のCPU1は、当該関係と、選別ライン110を構成する各装置(搬送機130、バッファ槽135、湿式比重選別装置140、乾燥機150、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160)の各動作状態のデータを用い、選別ライン110に投入された混合プラスチック片が各装置を通過するまでに要する時間を推定する。選別ライン110に投入される混合プラスチック片群の組成は、オペレータによって予め行なわれた分析により明らかである。したがって、CPU1は、任意の時刻に各選別装置に投入される混合プラスチック片群の組成を計算により推定できる。
組成計算機190は、CPU1による組成の推定結果を基に、各装置に対して最適な選別条件を逐次送信する。各装置は、当該選別条件を受信すると、当該装置の選別条件を受信した選別条件に変更する。
ここで、他の局面に従う静電選別装置について、組成計算機190による制御機能を設けて構成されている場合を説明する。当該静電選別装置は、混合プラスチック片が通過する一対の電極を有しており、混合プラスチック片群の組成に応じて、電極間の距離を調節することで、高精度な選別を行うことができる。
これに対して、本実施の形態に従う組成計算機190は、選別ライン110に投入される混合プラスチック片群の組成の分析結果と、選別ライン110を構成する各装置の動作状態のデータと、予め求められた、選別ライン110に投入される混合プラスチック片が各装置を通過するまでに要する時間と当該装置の動作状態と、の関係から、任意の時刻に選別ライン110の各装置に投入される混合プラスチック片群の組成を計算する。組成計算機190は、混合プラスチック片群の組成の推定結果から、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160のそれぞれにおける最適な電極間の距離を計算する。組成計算機190は、当該電極間の距離を第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160にそれぞれ送信する。第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160は、組成計算機190から受信した情報に基づいて、電極間の距離を最適な値に調節する。
なお、上述の実施の形態は、各ロット内の組成が一定の場合を説明した(たとえば、ロットA、ロットB、ロットC)。仮に、一つのロット内での組成がばらつくときは、図1に示す投入フィーダー125への投入の直前でプラスチック片群を抜き取って組成を分析し、その結果(信号)を組成計算機190に入力すればよい。
すなわち、組成がばらつくことが予想される一つのロットは、各組成に応じたミニロットの集合体として扱うことができる。オペレータは、各ミニロットに含まれるプラスチック片の組成を分析し、分析精度が高まる選別条件を導出することで、一つのロット内での組成がばらつく場合でも最適な選別条件を求めることができる。
実施の形態2.
図9~図11を参照して、実施の形態2について説明する。実施の形態1は、先に投入されたロットのプラスチック片と、後に投入されるロットのプラスチック片とが混じり合わない場合を示した。ある局面において、各ロットのプラスチック片がそれぞれ混じり合う場合があり得る。そこで、実施の形態2では、各ロットのプラスチック片が混じりあう場合について説明する。なお、本実施の形態に従う選別システムのハードウェア構成は、実施の形態1に従う選別システム100のハードウェア構成と同じである。したがって、以下では、選別システム100のハードウェア構成を参照して説明する。
図9は、本実施の形態に従うプラスチック選別ラインにおける任意の位置におけるプラスチック組成比(%)を示す模式図である。状態(A)は、実施の形態1において図6を参照して示されるロットA、ロットBおよびロットCをそれぞれ順に選別ライン110に投入した場合について示しているが、本実施の形態では、選別ライン110において、ロットの異なるプラスチック片が混ざり合う。
ある局面において、混合プラスチックに含まれる個々のプラスチック片が、投入用タンク120、投入フィーダー125、搬送機130、バッファ槽135、湿式比重選別装置140、乾燥機150、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160をそれぞれ通過する際に、前を流れるプラスチックと後を流れるプラスチックで混合が起こる。装置を通過するにつれて、その混合の度合は増加していく。このため、選別の各工程におけるプラスチック片群の組成比は、不連続な組成比から、なだらかな組成比に変化し得る。
たとえば、状態(B)は、湿式比重選別装置140に投入される前の混合プラスチック片の組成比を表わす。状態(C)は、第一段静電選別装置155に投入される前の混合プラスチック片の組成比を表わす。状態(D)は、第二段静電選別装置160に投入される前の混合プラスチック片の組成比を表わす。
このような場合は、任意の時刻において選別ライン110に流れるプラスチック片群の組成比を推定するために、プラスチック片が選別ライン110を構成する各装置を通過するまでの時間に加え、そのばらつきについても予め把握する必要がある。
そこで、図10を参照して、プラスチック片が選別ライン110を構成する各装置を通過するまでの時間と、そのばらつきを求める方法とについて説明する。
図10は、本実施の形態に従う選別ライン110に投入された識別用プラスチック片の個数の時系列変化を示す図である。オペレータは、実施の形態1において説明した識別用プラスチック片を選別ライン110に100個程度投入する。オペレータは、選別ライン110に投入してからの経過時間と、選別ライン110を構成する各装置を流れる識別用プラスチックの個数と、各装置の動作状態とを記録する。オペレータは、選別ライン110において各識別用プラスチック片の位置をモニタリングし、選別ライン110を構成する各装置の動作状態を記録する。オペレータは、選別ライン110に投入された混合プラスチック片が選別ライン110を構成する各装置を通過するまでの平均的な所要時間と、所要時間の分散と、各装置の動作状態との関係を求めることができる。
本実施の形態では、ロットの異なる混合プラスチック片同士が選別ライン110において混ざり合うため、図10に示されるように、識別用プラスチック片が各装置から排出されるまでの所要時間は、ばらつく。なお、選別ライン110における識別用プラスチック片の個数から、統計的なばらつきを求められればいいので、選別ライン110に投入される識別用プラスチック片の個数は、必ずしも100個に限定されない。
図11を参照して、各装置を通過する時間を求める別の方法について説明する。図11は、本実施の形態に従う選別ライン110において、混合プラスチック片が各装置に投入されるまでの時間およびそのばらつきを求める方法の概略を示す図である。
オペレータは、選別ライン110に混合プラスチック片を投入する前に、混合プラスチック片群の組成を予め分析し、分析結果に基づく組成比(「初期組成比」ともいう)を組成計算機190に格納する。
オペレータは、選別ライン110における各装置の動作状態を記録しながら、各装置から適量のプラスチック片を定期的に抜き取り、抜き取ったプラスチック片の組成を分析し、分析結果に基づく組成比を導出する。抜き取るプラスチック片の数は特に限られず、例えば、100個程度のプラスチック片を収容可能な容器に入る程度のプラスチック片が抜き取られる。オペレータは、導出した組成比を組成計算機190に記憶させる。
組成計算機190のCPU1は、湿式比重選別装置140ならびに第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160で構成される各選別工程に投入される混合プラスチックに含まれる各種類のプラスチック片群の組成比の経時変化と、選別ライン110に投入される前の混合プラスチック片群の組成比(初期組成比)とを照合することにより、混合プラスチック片が湿式比重選別装置140ならびに第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160を通過するまでに要する平均所要時間と所要時間のばらつきとを求める。これより、CPU1は、選別ライン110に投入された混合プラスチックが、選別ライン110を構成する各装置を通過するまでに要する平均所要時間と、所要時間の分散と、各装置の動作状態との関係を求めることができる。
オペレータは、以上の方法に従って求めた、混合プラスチックが各装置を通過するまでに要する平均所要時間と、所要時間の分散と、装置の動作状態との関係を組成計算機190に入力する。たとえば、オペレータは、当該平均所要時間と、当該分散と、当該動作状態とを互いに関連付けて、関連付けられたデータ(「関係データ」ともいう。)をハードディスク5に格納する。関係データの保持の形態は、例えば、テーブル形式であるが、関係データの保持の形態は、特に限定されない。
組成計算機190のCPU1は、この関係と、選別ライン110を構成する各装置(搬送機130、バッファ槽135、湿式比重選別装置140、乾燥機150、第一段静電選別装置155、および第二段静電選別装置160)のそれぞれの動作状態を表わすデータとを用いて、選別ライン110に投入された混合プラスチックが当該各装置を通過するまでに要する所要時間と、異なるロットに含まれる混合プラスチックの混合度合とを推定する。選別ライン110に投入される混合プラスチックの組成比は、選別ライン110に投入される前の分析により予め明らかにされている。したがって、CPU1は、各選別装置すなわち、湿式比重選別装置140、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160にそれぞれ投入される混合プラスチックの各組成比を推定できる。
CPU1は、当該各選別装置に対して、この推定結果に応じた最適な選別条件を伝達する。選別条件は、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160で使用される二つの電極官の電圧の大きさ、プラスまたはマイナスに帯電したプラスチック片を受ける回収箱に設けられる仕切り板(図示しない)の位置等を含む。
なお、選別ライン110を構成する各装置によるそれぞれのスループット(装置が稼働している時に、単位時間に当該装置を流れるプラスチック片の量、または、単位時間に当該装置が選別できるプラスチック片の量(処理量))は同一とは限らない。選別ライン110におけるプラスチック片の処理量は、処理が遅い装置によって律速されるので、速い装置は一時停止を繰り返すことになる。
また、投入フィーダー125を通るプラスチック片の流量が一定でも、選別が進んで(後工程になって)流れる混合プラスチックを構成するプラスチック片の種類が減少すると、その(減少した)混合プラスチックの量は、(さかのぼって)投入フィーダー125を通過した時の混合プラスチックの組成比の変動に応じて変化する。さらに、各装置のいずれかが故障、詰まりその他の不具合により一時的に停止する場合があり得る。この場合、一時的な停止は、不定期に発生し得る。
そこで、本実施の形態に従う選別ライン110における装置の一時的な停止の影響は、次のように取り扱う。実施の形態1と実施の形態2において、各装置を通過する時間を求める各々2つの方法が例示された。
しかし、いずれかの装置が一時的に停止した場合、停止した装置において処理された後の混合プラスチックは、停止した時間だけ、次の装置(後工程)に遅れて投入されることになる。そこで、オペレータまたはCPU1は、一時的に停止した装置について、その停止した時間だけ少ない時間(=実際に稼働していた時間)でプラスチック片が移動したと読み替えたデータを作成し、組成計算機190のハードディスク5に格納しておく。
混合プラスチックの選別において、各選別装置、すなわち、湿式比重選別装置140、第一段静電選別装置155および第二段静電選別装置160に投入されるプラスチック片群の組成比を求める場合には、オペレータまたはCPU1は、当該各選別装置から送られる動作状態の情報のうち、当該選別装置が一時的に停止していた時間の情報を使って、当該一時的に停止した時間の遅れ分を補正し得る。
なお、実施の形態2におけるプラスチック片の混合度合は、一時的に停止した時間によって影響を受けない。
実施の形態3.
図12を参照して、実施の形態3について説明する。本実施の形態に従う組成計算機は、複数の選別ライン110の各々について、当該選別ライン110の動作状態に応じた最適な選別条件を決定できる点で、前述の各実施の形態に従う組成計算機190と異なる。
図12は、複数の選別ライン110-1,110-2・・・110-nがネットワーク1200を介して組成計算機190と通信可能に接続されている状態を表わす図である。ネットワーク1200は、インターネットおよびイントラネットのいずれであってもよい。
なお、本実施の形態に従う組成計算機のハードウェア構成は、前述の組成計算機190のハードウェア構成と同じである。したがって、当該ハードウェア構成の説明は繰り返さない。
ある局面において、複数の選別ライン110-1,110-2・・・110-nが同一の事業者によって使用されている場合には、組成計算機190は、当該事業者によって管理されて運営される。
他の局面において、複数の選別ライン110-1,110-2・・・110-nが別個の事業者に属する場合もあり得る。この場合、組成計算機190は、当該選別ラインの製造事業者によって管理されて運営される。複数の選別ライン110-1,110-2・・・110-nの各々のユーザは、当該製造事業者とは別個の事業者であり得る。この場合、組成計算機190の管理者(たとえば、当該製造事業者)は、複数の選別ライン110-1,110-2・・・110-nの各々のユーザに対して、選別ラインの運転を最適化するサービスを提供し得る。
この場合、たとえば、組成計算機190は、サーバ装置として、以下のように動作し得る。まず、組成計算機190は、複数の選別ライン110-1,110-2・・・110-nのいずれかから、予め割り当てられたユーザIDおよびパスワードを含むログイン認証情報を受信する。ログイン認証情報が真正な情報である場合には、組成計算機190は、当該ログイン認証情報を送信した選別ラインによるサービスの利用リクエストを受け付ける。
組成計算機190は、当該選別ラインに対して、投入予定の混合プラスチックの組成比の情報、当該選別ラインを構成する各装置の動作状態を表わす情報その他、前述の実施の形態において説明した各種の情報の送信を要求する。当該選別ラインは、組成計算機190から当該要求を受信すると、求められた各種の情報を組成計算機190に送信する。
組成計算機190は、当該選別ラインから受信した各種の情報に基づいて、当該選別ラインの動作状態に応じた最適な選別条件を決定し、決定した選別条件を当該選別ラインに送信する。当該選別ラインは、この選別条件に基づいて、各選別装置の条件(たとえば、電極間に印加される電圧値、帯電したプラスチック片を受ける複数の回収箱の間に設けられる仕切り板の位置)を調整し得る。
本実施の形態に従うと、選別ラインのユーザは、組成計算機190によって提供される選別条件の最適化サービスを受けることができる。
以上のようにして、開示された実施の形態に従うと、選別ライン110を構成する各装置に対応する各選別工程の任意の箇所を通過する混合プラスチック片群の組成比が常時把握される。そのため、各装置の選別条件の最適化のために必要な、投入される混合プラスチック片群の組成について、各装置毎に混合プラスチック片の組成を分析する必要がなく、選別工程への投入前にのみ当該組成を分析するだけでよい。これにより、分析回数が大幅に減るだけでなく、分析のために混合プラスチックをサンプリングした時刻と、分析結果から最適条件を設定する時刻とのずれによる選別精度への影響が抑制され得る。
上記で開示された技術的特徴の一部は、以下のように要約され得る。
(構成例1)ある局面において、ハードディスク5は、選別ライン110への投入前に混合プラスチックを予め分析することにより得られた複数の種類のプラスチックの組成比と、混合プラスチックが、選別ライン110を構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間と、所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを保持している。CPU1は、ハードディスク5から、これらの情報を読み出す。CPU1は、各装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信する(ステップS172)。CPU1は、所要時間と、第1の状態情報と、第2の状態情報とに基づいて、選別ライン110に投入された混合プラスチックが各装置に至るまでの到達時間を計算する。CPU1は、選別ライン110への投入前に得られた組成比と計算された到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定する。CPU1は、推定された組成比に応じた選別条件を各装置に送信する(ステップS180)。
(構成例2)他の局面において、ハードディスク5は、選別ライン110への投入前に混合プラスチックを予め分析することにより得られた複数の種類のプラスチックの組成比と、混合プラスチックが、選別ライン110を構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間の平均値およびばらつきと、所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを保持している。CPU1は、ハードディスク5から、これらの情報を読み出す。CPU1は、各装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信する。CPU1は、所要時間の平均値およびばらつきと、第1の状態情報と、第2の状態情報とに基づいて、選別ライン110に投入された混合プラスチックが各装置に至るまでの到達時間を計算する。CPU1は、選別ライン110への投入前に得られた組成比と計算された到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定する。CPU1は、推定された組成比に応じた選別条件を各装置に送信する。
(構成例3)他の局面において、構成例1または構成例2に加えて、ハードディスク5は、選別ライン110を構成する複数の工程の各々に設けられる装置のいずれかが一時的に停止していた時間として予め取得された停止時間をさらに保持している。CPU1は、ハードディスク5から、この情報を読み出す。CPU1は、予め計測された所要時間から停止時間を差し引くことにより得られる時間を実質的な到達時間として計算する。CPU1は、投入前に得られた組成比と、実質的な到達時間とに基づいて、各装置に投入される混合プラスチックに含まれる各プラスチック片の組成比を推定する。
(構成例4)他の局面において、構成例1または構成例2に加えて、予め計測された所要時間は、複数の種類のプラスチック片とは異なるプラスチック片として識別可能なプラスチック片と、複数の種類のプラスチック片とが混在した混合プラスチックが、装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間を含む。
(構成例5)他の局面において、構成例1または構成例2に加えて、複数の装置は、静電選別装置を含む。選別条件は、静電選別装置の動作を規定する条件を含む。
(構成例6)他の局面において、構成例1または構成例2に加えて、静電選別装置は、複数の電極を含む。選別条件は、各電極間の距離を含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 CPU、2 マウス、3 キーボード、4 RAM、5 ハードディスク、6 光ディスク駆動装置、7 通信インターフェイス、8 モニタ、9 CD-ROM、100 選別システム、110 選別ライン、115 フレコン、120 投入用タンク、125 投入フィーダー、130 搬送機、135 バッファ槽、140 湿式比重選別装置、150 乾燥機、155 第一段静電選別装置、160 第二段静電選別装置、190 組成計算機、1200 ネットワーク。

Claims (20)

  1. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインの制御方法であって、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比にアクセスするステップと、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間にアクセスするステップと、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報にアクセスするステップと、
    各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信するステップと、
    前記所要時間と、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算するステップと、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定するステップと、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信するステップとを含む、制御方法。
  2. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインの制御方法であって、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比にアクセスするステップと、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間の平均値およびばらつきにアクセスするステップと、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報にアクセスするステップと、
    各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信するステップと、
    前記所要時間の平均値およびばらつきと、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算するステップと、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定するステップと、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信するステップとを含む、制御方法。
  3. 前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置のいずれかが一時的に停止していた時間として予め取得された停止時間にアクセスするステップをさらに含み、
    前記到達時間を計算するステップは、前記予め計測された所要時間から前記停止時間を差し引くことにより得られる時間を実質的な到達時間として計算するステップを含み、
    前記推定するステップは、前記投入前に得られた組成比と、前記実質的な到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定するステップを含む、請求項1または2に記載の制御方法。
  4. 前記予め計測された所要時間は、前記複数の種類のプラスチック片とは異なるプラスチック片として識別可能なプラスチック片と、前記複数の種類のプラスチック片とが混在した混合プラスチックが、前記装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間を含む、請求項1または2に記載の制御方法。
  5. 前記複数の工程に設けられる各々の装置は、静電選別装置を含み、
    前記選別条件は、前記静電選別装置の動作を規定する条件を含む、請求項1または2に記載の制御方法。
  6. 前記静電選別装置は、複数の電極を含み、
    前記選別条件は、各前記電極間の距離を含む、請求項5に記載の制御方法。
  7. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインの制御装置であって、
    前記選別ラインと通信するための通信手段と、
    メモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記メモリは、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比と、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間と、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを格納しており、
    前記通信手段は、各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信し、
    前記プロセッサは、
    前記所要時間と、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算し、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定し、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信する、制御装置。
  8. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインの制御装置であって、
    前記選別ラインと通信するための通信手段と、
    メモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記メモリは、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比と、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間の平均値およびばらつきと、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを格納しており、
    前記通信手段は、各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信し、
    前記プロセッサは、
    前記所要時間の平均値およびばらつきと、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算し、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定し、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信する、制御装置。
  9. 前記メモリは、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置のいずれかが一時的に停止していた時間として予め取得された停止時間をさらに格納しており、
    前記到達時間を計算することは、前記予め計測された所要時間から前記停止時間を差し引くことにより得られる時間を実質的な到達時間として計算することを含み、
    前記推定することは、前記投入前に得られた組成比と、前記実質的な到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定することを含む、請求項7または8に記載の制御装置。
  10. 前記予め計測された所要時間は、前記複数の種類のプラスチック片とは異なるプラスチック片として識別可能なプラスチック片と、前記複数の種類のプラスチック片とが混在した混合プラスチックが、前記装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間を含む、請求項7または8に記載の制御装置。
  11. 前記複数の工程に設けられる各々の装置は、静電選別装置を含み、
    前記選別条件は、前記静電選別装置の動作を規定する条件を含む、請求項7または8に記載の制御装置。
  12. 前記静電選別装置は、複数の電極を含み、
    前記選別条件は、各前記電極間の距離を含む、請求項11に記載の制御装置。
  13. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインを制御するためのプログラムであって、前記プログラムはコンピュータに、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比にアクセスするステップと、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間にアクセスするステップと、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報にアクセスするステップと、
    各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信するステップと、
    前記所要時間と、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算するステップと、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定するステップと、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信するステップとを実行させる、プログラム。
  14. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別ラインを制御するためのプログラムであって、前記プログラムはコンピュータに、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比にアクセスするステップと、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間の平均値およびばらつきにアクセスするステップと、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報にアクセスするステップと、
    各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信するステップと、
    前記所要時間の平均値およびばらつきと、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算するステップと、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定するステップと、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信するステップとを実行させる、プログラム。
  15. 前記プログラムは前記コンピュータに、
    前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置のいずれかが一時的に停止していた時間として予め取得された停止時間にアクセスするステップをさらに実行させ、
    前記到達時間を計算するステップは、前記予め計測された所要時間から前記停止時間を差し引くことにより得られる時間を実質的な到達時間として計算するステップを含み、
    前記推定するステップは、前記投入前に得られた組成比と、前記実質的な到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定するステップを含む、請求項13または14に記載のプログラム。
  16. 前記予め計測された所要時間は、前記複数の種類のプラスチック片とは異なるプラスチック片として識別可能なプラスチック片と、前記複数の種類のプラスチック片とが混在した混合プラスチックが、前記装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間を含む、請求項13または14に記載のプログラム。
  17. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別システムであって、
    前記混合プラスチックを選別する選別ラインと、
    前記選別ラインの制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記選別ラインと通信するための通信手段と、
    メモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記メモリは、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比と、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間と、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを格納しており、
    前記通信手段は、各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信し、
    前記プロセッサは、
    前記所要時間と、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算し、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定し、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信する、選別システム。
  18. 複数の種類のプラスチック片が混在した混合プラスチックの選別システムであって、
    前記混合プラスチックを選別する選別ラインと、
    前記選別ラインの制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記選別ラインと通信するための通信手段と、
    メモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサとを備え、
    前記メモリは、
    前記選別ラインへの投入前に前記混合プラスチックを予め分析することにより得られた前記複数の種類のプラスチックの組成比と、
    前記混合プラスチックが、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間の平均値およびばらつきと、
    前記所要時間が計測された時に取得された当該装置の動作状態を表わす第1の状態情報とを格納しており、
    前記通信手段は、各前記装置から、各々の動作状態を表わす第2の状態情報をそれぞれ受信し、
    前記プロセッサは、
    前記所要時間の平均値およびばらつきと、前記第1の状態情報と、前記第2の状態情報とに基づいて、前記選別ラインに投入された混合プラスチックが各前記装置に至るまでの到達時間を計算し、
    前記選別ラインへの投入前に得られた組成比と前記計算された到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定し、
    前記推定された組成比に応じた選別条件を各前記装置に送信する、選別システム。
  19. 前記メモリは、前記選別ラインを構成する複数の工程の各々に設けられる装置のいずれかが一時的に停止していた時間として予め取得された停止時間をさらに格納しており、
    前記到達時間を計算することは、前記予め計測された所要時間から前記停止時間を差し引くことにより得られる時間を実質的な到達時間として計算することを含み、
    前記推定することは、前記投入前に得られた組成比と、前記実質的な到達時間とに基づいて、各前記装置に投入される混合プラスチックに含まれる各前記プラスチック片の組成比を推定することを含む、請求項17または18に記載の選別システム。
  20. 前記予め計測された所要時間は、前記複数の種類のプラスチック片とは異なるプラスチック片として識別可能なプラスチック片と、前記複数の種類のプラスチック片とが混在した混合プラスチックが、前記装置を通過するまでに要する時間として予め計測された所要時間を含む、請求項17または18に記載の選別システム。
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