実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る監視装置100の構成を示すブロック図である。監視装置100は、3次元レーザスキャナ10によって撮像された撮像画像に基づいて、監視領域に存在する対象物を認識する監視装置であり、3次元レーザスキャナ10、現データ演算部20、比較データ演算部30、変化領域抽出部40、認識処理部50および報知処理部60を備える。背景200は、監視領域であり、監視対象である対象物201が存在する場合がある。
3次元レーザスキャナ10は、レーザ光パルスを監視領域に照射してから、監視領域に存在する物体で反射されたレーザ光パルスの反射光を受光するまでの時間差に基づいて、監視領域に存在する物体の3次元情報を測定する。すなわち、レーザ光パルスは、3次元情報の測定に用いられるプローブ信号である。3次元レーザスキャナ10は、レーザ光パルスを照射して監視領域をスキャンすることで、監視領域を3次元で撮像する距離測定装置である。監視領域に存在する物体の3次元情報は、撮像画像の画素ごとに測定される。
また、3次元レーザスキャナ10は、レーザ光パルスを監視領域に照射する光学機構を有する。レーザ光パルスは、光学機構の動作に対応したスキャン角度で監視領域に向けて照射されるので、光学機構は、レーザ光パルスであるプローブ信号を監視領域に送信する駆動機構に相当する。3次元レーザスキャナ10では、光学機構の動きに同期した一定のスキャン角度間隔で照射されたレーザ光パルスで監視領域をスキャンする。
例えば、3次元レーザスキャナ10は、画像をX方向にα本で区切り、Y方向にβ本で区切った計α×β個の小領域の解像度で背景200を3次元で撮像する。この小領域は、グリッドと呼ばれ、撮像画像の画素に相当する。例えば、撮像画像は、X方向に80本とY方向に60本の計4800グリッド(画素)の解像度で撮像される。撮像画像の各画素の3次元情報は、画素の位置座標、画素における距離データおよび強度データを含む情報である。
距離データは、3次元レーザスキャナ10から、背景200に存在する物体(例えば、対象物201)までの距離を示すデータである。強度データは、反射点における反射率を示すデータである。反射点は、物体においてレーザ光パルスが反射された位置であって、反射率は、監視領域に照射したレーザ光パルスの光量と受光された反射光の光量との比率に基づき算出される。
各画素の3次元情報は、各画素の画像上の位置を示すX座標およびY座標と、各画素における距離データおよび強度データをZ座標のパラメータとした情報である。以下、各画素の3次元情報を、点群データと適宜記載する。
現データ演算部20は、3次元レーザスキャナ10によって撮像された撮像画像の点群データから距離データを取得し、取得した距離データを現データとする。現データとは、3次元レーザスキャナ10によって測定された現時点のスキャン範囲における距離データである。また、現データ演算部20は、現データ蓄積部21を有しており、現データ蓄積部21には、現データ演算部20によって点群データから取得された現データが蓄積される。例えば、現データは、対応する画素の画像上の位置情報(X座標、Y座標)とともに現データ蓄積部21に蓄積される。
比較データ演算部30は、3次元レーザスキャナ10によって過去に撮像された撮像画像の各画素の3次元情報から距離データを取得し、取得された距離データを比較データに変換する。例えば、比較データ演算部30は、比較データ蓄積部31を有しており、距離データに対して一定の演算を行って比較データに変換し、変換した比較データを、比較データ蓄積部31に蓄積する。一定の演算には、例えば、過去の撮像画像の10フレーム間の距離データの平均を求める演算がある。
変化領域抽出部40は、現データと比較データとの差分値を算出し、算出された差分値に基づいて過去の撮像画像からの変化領域を抽出する。背景200に対象物201が存在する場合に、現データは、背景200と対象物201の両方の距離データとなる。一方、比較データは、現データと同じスキャン範囲で得られた距離データに対して一定の演算を施して背景200のみに近いデータに変換されている。このため、現データと比較データの差分をとることにより、対象物201に関する画素ごとの差分値が得られる。この差分値は、背景200から対象物201までの距離差を示す画素ごとのデータであり、対象物201がない画素では、距離差が0となる。
以下、上記距離差を示す画素ごとのデータを距離差分データと呼び、各画素の画像上の位置情報(X座標、Y座標)と距離差分データとを紐付けたデータを、“変化領域”と呼ぶ。変化領域における各画素の位置は、X座標およびY座標の2次元座標で表され、各画素のZ座標に相当するデータは、距離差分データとなる。変化領域において、画素のZ座標のデータが、距離データから距離差分データに置き換わる。
認識処理部50は、変化領域を用いて監視領域に存在する対象物を認識する。例えば、認識処理部50は、変化領域における各画素の距離差分データを、予め設定された閾値と比較する大小判定を行い、画素の距離差分データが閾値以上であれば、その画素のデータを“1”とし、画素の距離差分データが閾値未満であれば、その画素のデータを“0”とする2値化処理を行う。2値化処理の結果、変化領域は2値化変化領域となる。
認識処理部50は、2値化変化領域に基づいて、変化領域における対象物201が報知対象であるか否かを認識する。認識処理部50は、変化領域における対象物201が報知対象であると認識した場合に、報知指示情報を報知処理部60に出力する。
報知処理部60は、認識処理部50から出力された報知指示情報に基づいて報知処理を行う。報知処理には、例えば、監視装置100の上位に接続された外部装置に対して報知信号を送信する処理、あるいは外部装置が備えるブザーを鳴動させる処理が挙げられる。
図2は、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10の構成を示す図である。3次元レーザスキャナ10は、監視領域である背景200をスキャン範囲としてレーザ光パルスを照射することによって、背景200の撮像画像を撮像するレーザスキャナである。図2に示すように、3次元レーザスキャナ10は、レーザ発光ユニット11、分散機構13、レーザ受光ユニット16およびロジック部18を備える。
レーザ発光ユニット11は、レーザ光パルス12を出力する。例えば、レーザ発光ユニット11は、一定の時間間隔でレーザ光パルス12を出力することができ、またロジック部18から指示された照射タイミングに従ってレーザ光パルス12を出力することも可能である。
分散機構13は、レーザ発光ユニット11から出力されたレーザ光パルス12を、監視領域である背景200に照射する光学機構であり、例えば、回転ミラー13aおよび回転ミラー13bを備えている。回転ミラー13aは、レーザ光パルス12をX軸方向に分散させる第1の回転ミラーであり、回転ミラー13bは、回転ミラー13aから入射されたレーザ光パルス12をY軸方向に分散させてスキャン範囲に照射する第2の回転ミラーである。
例えば、回転ミラー13bが第2の回転軸周りに回転して高速に上下方向にあおられることで、Y軸方向のスキャン軌跡となる正弦波が設定され、回転ミラー13aが第1の回転軸周りに回転して低速に上下方向にあおられることで、X軸方向のスキャン軌跡が一定の時間間隔ごとに設定される。ここで、第2の回転軸は、第1の回転軸に直交する回転軸である。なお、分散機構13には、回転ミラーの代わりに、半導体ミラーまたはプリズムを用いる場合もある。
分散機構13によって広角範囲に分散された分散レーザ光パルス14は、スキャン範囲に存在する物体で反射される。スキャン範囲に存在する物体で分散レーザ光パルス14が反射されたレーザ反射光15は、レーザ受光ユニット16によって受光される。
レーザ受光ユニット16は、レーザ反射光15を受光して、撮像画像の画素ごとの3次元情報17を算出する。例えば、レーザ受光ユニット16は、分散レーザ光パルス14を照射してからレーザ反射光15が受光されるまでの時間差に基づいて、分散レーザ光パルス14を反射した物体までの距離データを含む3次元情報17を反射点ごとに算出する。なお、反射点が各画素に対応しており、レーザ受光ユニット16によって画素ごとの3次元情報17が算出される。
ロジック部18は、分散機構13の動きに同期した一定のスキャン角度間隔で分散レーザ光パルス14が背景200に照射されるように、レーザ発光ユニット11によるレーザ光パルス12の出力を制御する。例えば、スキャン角度は、回転ミラー13bの回転角度である。ロジック部18は、回転ミラー13bの回転に同期した一定の回転角度間隔で、分散レーザ光パルス14がスキャン範囲に照射されるように、レーザ発光ユニット11によるレーザ光パルス12の出力を制御する。なお、ロジック部18の機能は、処理回路により実現される。この処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
図3は、3次元レーザスキャナ10が備える分散機構13を示す説明図である。図3に示す分散機構13は、回転ミラー13a、回転ミラー13b、モータ13cおよびモータ13dを備える。モータ13cは、回転ミラー13aを駆動させる駆動源であって、回転ミラー13aは、モータ13cの回転力によって第1の回転軸13a1周りに回転する。回転ミラー13aは、レーザ光パルス12のパルス周波数に同期して第1の回転軸13a1周りに回転することで、レーザ光パルス12を、回転ミラー13aのミラー面に対して水平な面上で分散させる。レーザ光パルス12は、回転ミラー13aによって常に同一の角度間隔で分散される。
また、モータ13dは、回転ミラー13bを駆動させる駆動源であり、回転ミラー13bは、モータ13dの回転力によって第2の回転軸13b1周りに回転する。回転ミラー13bは、回転ミラー13aによって分散されたレーザ光パルス12aのパルス周波数に同期して第2の回転軸13b1周りに回転することで、レーザ光パルス12aを、さらに回転ミラー13bのミラー面に対して垂直な面上で分散させる。回転ミラー13bのミラー面に対して垂直な面上で分散されたレーザ光パルス12aが、分散レーザ光パルス14であり、常に同一の角度間隔で分散される。分散機構13は、モータを用いずにスキャンが可能な光学系であってもよい。
3次元レーザスキャナ10によって測定される各画素の3次元情報は、X座標が画素の水平方向の座標値であり、Y座標が画素の垂直方向の座標値であり、Z座標が距離データである。図2の例では、水平方向の座標の数が6つであり、垂直方向の座標の数が2つである。距離データはZ軸方向の距離を示すデータであり、単にZ軸情報と適宜記載する。対象物201がZ軸方向に沿って移動した場合、すなわち、3次元レーザスキャナ10に向かって直進してきた場合、対象物201が移動する前後で測定されたZ軸情報の差分をとることで、対象物201のZ軸方向の移動量を算出することができる。また、Z軸方向の異なる位置にそれぞれ対象物が存在する場合、各対象物に関するZ軸情報の差分を算出することで、対象物間のZ軸方向の距離が得られる。
続いて、従来の3次元レーザスキャナと比べながら、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10について詳細に説明する。従来の3次元レーザスキャナは、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10と基本的な構成は同じであるが、レーザ発光ユニット11が一定の時間間隔でレーザ光パルス12を出力する点で、3次元レーザスキャナ10とは異なる。
図4Aは、従来の3次元レーザスキャナの照射波を示す波形図である。前述した従来の3次元レーザスキャナにおいて、レーザ発光ユニット11が、一定の時間間隔でレーザ光パルス12を出力するので、従来の3次元レーザスキャナが備える分散機構には、一定の時間間隔でレーザ光パルス12が入射される。このため、分散機構によってスキャン範囲に照射される分散レーザ光パルス14の照射波は、図4Aに示すように、一定の時間間隔になる。
図4Bは、従来の3次元レーザスキャナにおけるスキャン軌跡130とレーザ照射ポイント14aとの関係を示す図である。スキャン軌跡130は、分散レーザ光パルス14を照射すべきジグザグの経路である。レーザ光パルス12が入射された分散機構において、回転ミラー13bが高速に上下方向にあおられ、回転ミラー13aが低速に上下方向にあおられることで、分散レーザ光パルス14がスキャン軌跡130上に照射される。
分散機構13(回転ミラー13aおよび回転ミラー13b)は物理的な質量を持つことから、回転ミラー13aおよび回転ミラー13bのあおり速度は、スキャン軌跡130における、スキャン方向の折り返し点に近づくに連れて低下して、折り返し点で0となり、スキャン方向が折り返されると徐々に上昇し、折り返し点と折り返し点との中間点で最大になる。このように3次元レーザスキャナのスキャン動作において、分散機構13の駆動速度は変動する。
レーザ照射ポイント14aは、スキャン範囲に照射された分散レーザ光パルス14の照射点である。スキャン範囲に物体が存在する場合に、レーザ照射ポイント14aは、分散レーザ光パルス14が物体で反射される反射点となる。
図4Bに示すように、スキャン軌跡130における分散機構13の駆動速度が遅い範囲に対応する部分(スキャン方向の折り返し点付近)には、分散レーザ光パルス14が密に照射されて、レーザ照射ポイント14aが密集する。一方、スキャン軌跡130における分散機構13の駆動速度が速い範囲に対応する部分(折り返し点と折り返し点との中間点付近)には、分散レーザ光パルス14が疎に照射される。これにより、レーザ反射光15の反射点に疎密が生じる。従って、従来の3次元レーザスキャナは、不均一に配置された反射点から3次元情報を測定することになる。
図5Aは、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10の照射波および反射波を示す波形図である。3次元レーザスキャナ10において、ロジック部18は、分散機構13の動きに同期した一定のスキャン角度間隔でレーザ光パルス12を出力するように、レーザ発光ユニット11の出力を制御する。これによって、図5Aに示すように、分散レーザ光パルス14の波形は、時間軸上で非等間隔になる。同様に、分散レーザ光パルス14が物体で反射して得られたレーザ反射光15の波形も、時間軸上で非等間隔になる。ΔTは、照射波が照射されてから反射波が受光されるまでの時間差である。
図5Bは、3次元レーザスキャナ10におけるスキャン軌跡130とレーザ照射ポイント14aとの関係を示す図である。スキャン軌跡130は、図4Bと同様に、分散レーザ光パルス14を照射すべきジグザグの経路である。レーザ光パルス12が入射された分散機構において、回転ミラー13bが高速に上下方向にあおられ、回転ミラー13aが低速に上下方向にあおられることで、分散レーザ光パルス14がスキャン軌跡130上に照射される。
ロジック部18は、回転ミラー13bが高速に上下方向にあおられる動作に同期させて同一の回転角度ごとに、分散機構13から分散レーザ光パルス14が照射されるように、レーザ発光ユニット11の出力を制御する。これによって、回転ミラー13aおよび回転ミラー13bの回転速度に関係なく、分散レーザ光パルス14は、スキャン軌跡130に沿ってY軸方向に等距離間隔で照射されて、レーザ照射ポイント14aは、図5Bに示すように、スキャン軌跡130に沿って等間隔で並ぶ。これにより、複数のレーザ反射光15の反射点も均一な配置になる。
図6は3次元レーザスキャナ10と対象物201の位置関係を示すイメージ図である。図6に示す例は、床面200Aに配置された3次元レーザスキャナ10が、視野202をスキャンしている。視野202内には、対象物201が存在する。
図7Aは、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10によって撮像された撮像画像300Aを示す図であり、図6に記載した3次元レーザスキャナ10が、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナである場合を示している。図7Bは、従来の3次元レーザスキャナによって撮像された撮像画像300Bを示す図であり、図6に記載した3次元レーザスキャナ10が、従来の3次元レーザスキャナである場合を示している。
従来の3次元レーザスキャナは、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナと基本的な構成は同じであるが、レーザ発光ユニット11が一定の時間間隔でレーザ光パルス12を出力する点で異なる。
図6に示す3次元レーザスキャナ10が、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナである場合に、ロジック部18は、回転ミラー13bが高速に上下方向にあおられる動作に同期させて、同一の回転角度ごとに分散レーザ光パルス14が照射されるように、レーザ発光ユニット11の出力を制御する。このとき、図5Bに示したように、レーザ照射ポイント14aが、スキャン軌跡130に沿って等距離間隔で並ぶので、複数のレーザ反射光15の反射点も、等距離間隔に均一な配置になる。3次元レーザスキャナ10は、均一に配置された複数の反射点から3次元情報を測定するので、対象物201が均一に撮像されて、図7Aに示すように、変形のない画像201aが得られる。
一方、図6に示す3次元レーザスキャナ10が従来の3次元レーザスキャナである場合には、レーザ発光ユニット11は、一定の時間間隔でレーザ光パルス12を出力し、分散機構13も、一定の時間間隔で分散レーザ光パルス14を照射する。この場合、図4Bに示したように、複数のレーザ照射ポイント14aは、スキャン軌跡130に沿って配置に疎密が生じ、複数のレーザ反射光15の反射点も不均一な配置になる。従来の3次元レーザスキャナ10は、不均一に配置された複数の反射点から3次元情報を測定することで、対象物201が不均一に撮像されて、図7Bに示すように、一部が撮像されずに変形した画像201a’が得られる。
図7Bに示すように、変形した画像201a’では、対象物201の形状を正確に把握することができないが、変形のない画像201aであれば、対象物201の形状を正確に把握することが可能である。このように、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10は、光学機構の動きに同期した一定のスキャン角度間隔でレーザ光パルスを照射して監視領域をスキャンするので、撮像画像の変則的な変形を防止することができる。
次に、撮像画像における3次元レーザスキャナ同士の干渉について説明する。
図8は、第1の3次元レーザスキャナ10Aと対象物201Aの位置関係、および第2の3次元レーザスキャナ10Bと対象物201Bの位置関係とを示すイメージ図である。床面200Aには、第1の3次元レーザスキャナ10Aと、第2の3次元レーザスキャナ10Bが配置されている。第1の3次元レーザスキャナ10Aは、視野202Aをスキャンしている。視野202A内には、対象物201Aが存在する。床面200Aにおいて、第2の3次元レーザスキャナ10Bは、視野202Bをスキャンしている。視野202B内には、対象物201Bが存在する。
図8に示すように、床面200Aにおいて、視野202Bは、視野202Aの前に位置しているので、第2の3次元レーザスキャナ10Bから視野202Bに照射されたレーザ光パルスが物体で反射すると、そのレーザ反射光が、第1の3次元レーザスキャナ10Aにも受光される場合がある。第2の3次元レーザスキャナ10Bに由来したレーザ反射光の受光分は、第1の3次元レーザスキャナ10Aによって撮像された画像において、第2の3次元レーザスキャナ10Bからの干渉成分になる。
図9Aは、第1の3次元レーザスキャナ10Aの照射波および反射波を示す波形図である。図9Bは、第2の3次元レーザスキャナ10Bの照射波および反射波を示す波形図である。図9Cは、第1の3次元レーザスキャナ10Aの照射波、反射波および干渉波を示す波形図である。図9A、図9Bおよび図9Cは、図8に示した第1の3次元レーザスキャナ10Aおよび第2の3次元レーザスキャナ10Bが、従来の3次元レーザスキャナである場合を示している。なお、従来の3次元レーザスキャナは、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10と基本的な構成は同じであるが、レーザ発光ユニット11が一定の時間間隔でレーザ光パルス12を出力する点で異なる。
第1の3次元レーザスキャナ10Aが従来の3次元レーザスキャナであるので、第1の3次元レーザスキャナ10Aは、図9Aに示すように、一定の時間間隔で、分散レーザ光パルス14Aを視野202Aに照射する。分散レーザ光パルス14Aが対象物201Aで反射されたレーザ反射光15Aが、第1の3次元レーザスキャナ10Aに受光される。
第1の3次元レーザスキャナ10Aは、分散レーザ光パルス14Aを照射してからレーザ反射光15Aが受光されるまでの時間差ΔTAに基づいて、対象物201Aまでの距離データを含む3次元情報を測定することで、視野202Aを3次元で撮像する。
第2の3次元レーザスキャナ10Bも従来の3次元レーザスキャナであるので、第2の3次元レーザスキャナ10Bは、図9Bに示すように、一定の時間間隔で、分散レーザ光パルス14Bを視野202Bに照射する。分散レーザ光パルス14Bが対象物201Bで反射されたレーザ反射光15Bが、第2の3次元レーザスキャナ10Bに受光される。
第2の3次元レーザスキャナ10Bは、分散レーザ光パルス14Bを照射してからレーザ反射光15Bが受光されるまでの時間差ΔTBに基づいて、対象物201Bまでの距離データを含む3次元情報を測定することで、視野202Bを3次元で撮像する。
一方、図8で示したように、第2の3次元レーザスキャナ10Bによって視野202Bに照射された分散レーザ光パルス14Bが物体(例えば、対象物201B)で反射されて生じたレーザ反射光15Bは、第1の3次元レーザスキャナ10Aに受光される場合がある。この場合、第1の3次元レーザスキャナ10Aには、図9Cに示すように、レーザ反射光15Aと、レーザ反射光15Bに由来した干渉光15Cが受光される。
干渉光15Cは、レーザ反射光15Bが減衰したものに相当する。例えば、第1の3次元レーザスキャナ10Aと第2の3次元レーザスキャナ10Bとが100メートル離れていたとすると、干渉光15Cは、100メートルの距離だけ減衰し、振幅の小さい波形になる。
分散レーザ光パルス14Aが照射されてからレーザ反射光15Aが受光されるまでの時間差ΔTAが100ナノ秒である場合、光速を30万キロメートル毎秒とすると、第1の3次元レーザスキャナ10Aから対象物201Aまでの距離は30メートル程度となる。
一方、分散レーザ光パルス14Aが照射されてから干渉光15Cが受光されるまでの時間差ΔTCが50ナノ秒であった場合、光速を30万キロメートル毎秒とすると、第1の3次元レーザスキャナ10Aから対象物201Bまでの距離は15メートル程度となる。
図10は、第2の3次元レーザスキャナ10Bからの干渉が生じた第1の3次元レーザスキャナ10Aの撮像画像300Cを示す図である。第1の3次元レーザスキャナ10Aと第2の3次元レーザスキャナ10Bは、前述した従来の3次元レーザスキャナである。第1の3次元レーザスキャナ10Aでは、分散レーザ光パルス14Aを照射してから干渉光15Cが受光されるまでの時間差ΔTCに基づいて、対象物201Bまでの距離が15メートル程度と計算される。このため、図10に示すように、撮像画像300Cには、本来は不要である対象物201Bに由来した画像201bが存在する。さらに、第1の3次元レーザスキャナ10Aは、レーザ発光ユニット11が一定の時間間隔でレーザ光パルス12を出力するので、対象物201Aが不均一に撮像され、一部が撮像されずに変形した画像201a’が得られる。
第1の3次元レーザスキャナ10Aと第2の3次元レーザスキャナ10Bは、非同期で動作しており、ランダムな位置関係にある。従って、第1の3次元レーザスキャナ10Aからの照射波と第2の3次元レーザスキャナ10Bからの照射波とは、時間軸上で互いに一致しない。レーザ反射光15Bに由来した干渉光15Cに基づき算出される距離値は、3次元レーザスキャナ同士のランダムな位置関係に起因して、ランダムな値になる。このため、撮像画像300Cにおいて、対象物201Aは、およそ30メートル先に相当する位置に撮像されるが、対象物201Bは、ランダムで距離が変動する。監視装置は、このような不安定な撮像画像300Cを処理して対象物201Aを認識することになるので、対象物201Aの検知精度が低下する。
図11Aは、実施の形態1に係る第1の3次元レーザスキャナ10Aの照射波および反射波を示す波形図である。図11Bは、実施の形態1に係る第2の3次元レーザスキャナ10Bの照射波および反射波を示す波形図である。図11Cは、実施の形態1に係る第1の3次元レーザスキャナ10Aの照射波、反射波および干渉波を示す波形図である。図11A、図11Bおよび図11Cは、図8に示した第1の3次元レーザスキャナ10Aおよび第2の3次元レーザスキャナ10Bが、実施の形態1に係る3次元レーザスキャナ10である場合を示している。
第1の3次元レーザスキャナ10Aが備えるロジック部18は、分散機構13の動きに同期した一定のスキャン角度間隔でレーザ光パルス12を出力するようにレーザ発光ユニット11の出力を制御する。例えば、回転ミラー13bの回転に同期した一定の回転角度間隔で、分散レーザ光パルス14Aが視野202Aに照射される。このとき、分散レーザ光パルス14Aの波形は、図11Aに示すように時間軸上で非等間隔になる。また、分散レーザ光パルス14Aが対象物201Aで反射して得られたレーザ反射光15Aの波形も時間軸上で非等間隔になる。
回転ミラー13aおよび回転ミラー13bの回転速度に関係なく、分散レーザ光パルス14Aは、図5Bに示したように、スキャン軌跡130に沿ってY軸方向に等距離間隔で照射される。レーザ照射ポイント14aは、スキャン軌跡130に沿って等間隔で並び、複数のレーザ反射光15Bの反射点も均一な配置になる。第1の3次元レーザスキャナ10Aは、分散レーザ光パルス14Aを照射してからレーザ反射光15Aが受光されるまでの時間差ΔTAに基づいて対象物201Aまでの距離データを測定して、視野202Aを3次元で撮像する。
例えば、分散レーザ光パルス14Aを照射してからレーザ反射光15Aが受光されるまでの時間差ΔTAが100ナノ秒である場合、光速を30万キロメートル毎秒とすると、第1の3次元レーザスキャナ10Aから対象物201Aまでの距離は30メートル程度となる。なお、対象物201Aで反射されたレーザ反射光15Aに基づいて算出される距離は、一律、同一の距離であるものとする。
第2の3次元レーザスキャナ10Bが備えるロジック部18は、分散機構13の動きに同期した一定のスキャン角度間隔でレーザ光パルス12を出力するようにレーザ発光ユニット11の出力を制御する。例えば、回転ミラー13bの回転に同期した一定の回転角度間隔で、分散レーザ光パルス14Bが視野202Bに照射される。このとき、分散レーザ光パルス14Bの波形は、図11Bに示すように時間軸上で非等間隔になる。また、分散レーザ光パルス14Bが対象物201Bで反射して得られたレーザ反射光15Bの波形も時間軸上で非等間隔になる。
回転ミラー13aおよび回転ミラー13bの回転速度に関係なく、分散レーザ光パルス14Bは、図5Bに示したように、スキャン軌跡130に沿ってY軸方向に等距離間隔で照射される。レーザ照射ポイント14aは、スキャン軌跡130に沿って等間隔で並び、複数のレーザ反射光15Bの反射点も均一な配置になる。第2の3次元レーザスキャナ10Bは、分散レーザ光パルス14Bを照射してからレーザ反射光15Bが受光されるまでの時間差ΔTBに基づいて対象物201Bまでの距離データを測定して、視野202Bを3次元で撮像する。
例えば、分散レーザ光パルス14Bを照射してからレーザ反射光15Bが受光されるまでの時間差ΔTBが200ナノ秒である場合、光速を30万キロメートル毎秒とすると、第2の3次元レーザスキャナ10Bから対象物201Bまでの距離は60メートル程度となる。なお、対象物201Bで反射されたレーザ反射光15Bに基づいて算出される距離は、一律、同一の距離であるものとする。
一方、図8で示したように、第2の3次元レーザスキャナ10Bによって視野202Bに照射された分散レーザ光パルス14Bが物体(例えば、対象物201B)で反射されて生じたレーザ反射光15Bは、第1の3次元レーザスキャナ10Aに受光される場合がある。この場合、第1の3次元レーザスキャナ10Aには、図11Cに示すように、レーザ反射光15Aと、レーザ反射光15Bに由来した干渉光15Cが受光される。
干渉光15Cは、レーザ反射光15Bが減衰したものに相当する。例えば、第1の3次元レーザスキャナ10Aと第2の3次元レーザスキャナ10Bとが100メートル離れていたとすると、干渉光15Cは、100メートルの距離だけ減衰し、振幅の小さい波形になる。
干渉光15Cが4つのパルスである場合に、個々のパルスと最寄りの照射波との時間差ΔTCa、ΔTCb、ΔTCcおよびΔTCdは、図11Aと図11Bとに示すように、分散レーザ光パルス14Aの照射波と分散レーザ光パルス14Bの照射波が非同期であるため、図11Cに示すように互いに異なった時間差になる。
図12Aは、ランダムノイズを含む撮像画像300Dを示す図である。また、図12Bは、図12Aのランダムノイズを除去した撮像画像300Eを示す図である。第1の3次元レーザスキャナ10Aは、図11Cに示した、時間差ΔTAと、時間差ΔTCa、ΔTCb、ΔTCcおよびΔTCdに基づいて、対象物201Aまでの距離データと対象物201Bまでの距離データを測定して、視野202Aを3次元で撮像する。
分散レーザ光パルス14Aを照射してからレーザ反射光15Aが受光されるまでの時間差ΔTAが100ナノ秒である場合、光速を30万キロメートル毎秒とすると、第1の3次元レーザスキャナ10Aから対象物201Aまでの距離は、30メートル程度となる。このため、撮像画像300Dにおいて、対象物201Aについて変形のない画像201aが30メートル先に相当する位置に存在する。一方、第1の3次元レーザスキャナ10Aから対象物201Bまでの距離データは、干渉光15Cのパルスごとに異なった時間差に基づいて算出されるので、図12Aに示すように、対象物201Bは、撮像画像300Dにおいてランダムな距離位置に分割された画像201b’となる。
第1の3次元レーザスキャナ10Aと第2の3次元レーザスキャナ10Bは、非同期で動作しており、ランダムな位置関係にある。従って、第1の3次元レーザスキャナ10Aからの照射波と第2の3次元レーザスキャナ10Bからの照射波とは、時間軸上で互いに一致しない。レーザ反射光15Bに由来した干渉光15Cに基づき算出される距離値は、画素ごとにランダムに異なる値になる。撮像画像300Dにおいて、対象物201Aは、30メートル先に相当する位置に撮像されるが、対象物201Bは、ランダムに分布する意味のない複数の点の画像201b’になる。
簡易なノイズフィルタを用いて、撮像画像300Dから画像201b’を除去することで、図12Bに示すように、変形のない画像201aのみを含む撮像画像300Eが得られる。実施の形態1に係る監視装置100は、変形のない画像201aのみを含んだ撮像画像300Eを処理して対象物201Aを認識することから、対象物201Aの検知精度が向上する。
次に、実施の形態1に係る監視装置100の動作について詳細に説明する。
図13は、実施の形態1に係る監視装置100の動作示すフローチャートである。
なお、以降では、3次元レーザスキャナ10の解像度が80×60画素である場合を例に挙げて説明する。
まず、3次元レーザスキャナ10は、監視領域である背景200をスキャンし(ステップST1)、距離データおよび強度データを取得する(ステップST2)。具体的には、背景200の範囲を3次元レーザスキャナ10の解像度である80×60に分割してスキャンする。距離データは、一般にデジタルデータであり、ここでは、80×60画素において、1画素あたり8ビットの多値データとする。
現データ演算部20は、3次元レーザスキャナ10によって取得された80×60画素分の距離データを、現データとして現データ蓄積部21に蓄積する(ステップST3)。
比較データ演算部30は、3次元レーザスキャナ10によって過去に取得された80×60画素ごとの距離データを比較データに変換して、比較データ蓄積部31に蓄積する(ステップST4)。
変化領域抽出部40は、現データ蓄積部21に蓄積された現データと、比較データ蓄積部31に蓄積された比較データを取得して、現データと比較データとを画素(グリッド)単位で比較して差分値を算出する(ステップST5)。この差分値が距離差であり、変化領域抽出部40は、算出された差分値が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する(ステップST6)。
差分値が閾値以上であれば(ステップST6;YES)、変化領域抽出部40は、当該画素を、変化領域として抽出する(ステップST7)。この後、ステップST9の処理に移行する。一方、差分値が閾値未満である場合(ステップST6;NO)、変化領域抽出部40は、当該画素が変化領域ではないと判断し(ステップST8)、ステップST9の処理に進む。
次に、変化領域抽出部40は、80×60画素の全てについて上記処理を行ったか否かを判定する(ステップST9)。ここで、80×60画素の全てについて上記処理が行われていない場合(ステップST9;NO)、ステップST5の処理に戻って、上記一連の処理が繰り返される。
一方、80×60画素の全てについて上記処理が行われた場合(ステップST9;YES)、認識処理部50は、変化領域抽出部40によって抽出された変化領域が照合条件を満たすか否かを判定する(ステップST10)。変化領域が照合条件を満たす場合(ステップST10;YES)、認識処理部50は、この変化領域が報知対象であると認識する(ステップST11)。また、変化領域が照合条件を満たさない場合(ステップST9;NO)、認識処理部50は、変化領域が報知対象でないと判断し(ステップST12)、ステップST1の処理に戻る。
続いて、報知処理部60は、認識処理部50によって変化領域が報知対象であると認識された場合に、報知処理を行う(ステップST13)。この後、ステップST1の処理に戻る。
次に、認識処理部50の動作の詳細について説明する。
図14は、実施の形態1に係る監視装置100が備える認識処理部50による判定処理を示すフローチャートであり、図13のステップST10の処理の詳細である。
認識処理部50は、変化領域が監視範囲内に存在するか否かを判定する(ステップST1a)。なお、監視範囲は、監視装置100の監視対象である監視領域である。変化領域が監視範囲内に存在しない場合(ステップST1a;NO)、図13のステップST12の処理に移行する。
変化領域が監視範囲内に存在する場合(ステップST1a;YES)、認識処理部50は、変化領域が基準の面積を有しているか否かを判定する(ステップST2a)。変化領域が基準の面積を有していない場合(ステップST2a;NO)、図13のステップST12の処理に移行する。
一方、変化領域が基準の面積を有する場合(ステップST2a;YES)、認識処理部50は、変化領域が基準の縦横寸法を有しているか否かを判定する(ステップST3a)。変化領域が基準の縦横寸法を有していない場合(ステップST3a;NO)、図13のステップST12の処理に移行する。
変化領域が基準の縦横寸法を有する場合(ステップST3a;YES)、認識処理部50は、変化領域が基準の移動速度を有しているか否かを判定する(ステップST4a)。変化領域が基準の移動速度を有していない場合(ステップST4a;NO)、図13のステップST12の処理に移行する。変化領域が移動速度を有している場合(ステップST4a;YES)、図13のステップST11に移行し、変化領域が報知対象であると認識される。
また、認識処理部50による判定処理は下記の手順であってもよい。
図15は、実施の形態1に係る監視装置が備える認識処理部50による判定処理および報知処理部60の報知処理を示すフローチャートである。ステップST1aからステップST4aまでの処理は、図14と同じである。
変化領域が移動速度を有している場合(ステップST4a;YES)、認識処理部50は、変化領域の類似箇所に周期的なノイズがあるか否かを判定する(ステップST5a)。例えば、認識処理部50は、3次元レーザスキャナ10によって撮像された撮像画像のフレーム間の各変化領域の類似箇所にノイズが発生しているか否かを確認する。変化領域の類似箇所にノイズがなければ(ステップST5a;NO)、認識処理部50は、3次元レーザスキャナ10同士の撮像画像に干渉が発生していないと判定し、図13のステップST12に移行する。
類似箇所にノイズがある場合、認識処理部50は、このノイズが撮像画像のフレーム間の各変化領域で周期性を有するか否かを確認する。ノイズに周期性がなければ(ステップST5a;NO)、認識処理部50は、3次元レーザスキャナ10同士の干渉が発生していないと判定して、図13のステップST12に移行する。
一方、ノイズに周期性がある場合(ステップST5a;YES)、認識処理部50は、3次元レーザスキャナ10同士撮像画像に干渉が発生していると判定して、この判定結果を報知処理部60に通知する。報知処理部60は、認識処理部50から上記通知を受けると、警報を発生する(ステップST6a)。この後、図13のステップST11の処理に移行する。警報を受けたユーザは、3次元レーザスキャナ10同士の干渉が発生していることを認識できるので、3次元レーザスキャナ10の配置を見直すことができる。
これまでの説明では、3次元レーザスキャナ10を備える監視装置100を示したが、3次元レーザスキャナ10に限定されるものではない。実施の形態1に係る距離測定装置は、プローブ信号を監視領域に送信する駆動機構を有し、駆動機構の動きに同期した一定のスキャン角度間隔でプローブ信号を送信して監視領域をスキャンすることにより、当該監視領域に存在する物体までの距離データを画素ごとの3次元情報に含む撮像画像を撮像する装置であればよい。例えば、距離測定装置には、超音波センサを用いた装置を用いることができる。超音波センサは、超音波をプローブ信号として監視領域に送信し、監視領域に存在する物体で反射した超音波の反射信号を受信することにより、物体までの距離を測定する。
これまでの説明では、2値化処理を認識処理部50が行うことを示したが、2値化処理は、変化領域抽出部40が行ってもよい。また、監視装置100の演算能力が高い場合には、2値化処理を省略してもよい。
以上のように、実施の形態1に係る監視装置100が、分散機構13の動きに同期した一定のスキャン角度間隔で分散レーザ光パルス14を照射して背景200をスキャンする3次元レーザスキャナ10を備えるので、監視対象の撮像画像の変則的な変形を防止することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。