JP7360576B1 - 骨折治療用固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリュー部材の設置ミスを確実に防止することができる骨折治療用固定具を提供する。【解決手段】大腿骨頸部骨折を治療するための骨折治療用固定具であって、複数の貫通孔を有するプレート体と、プレート体に形成される貫通孔に挿通して大腿骨骨頭部に進入する複数のスクリュー部材とを備え、少なくとも二以上のスクリュー部材が互いに平行な状態で大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される複数の第1貫通孔と、第1貫通孔とは異なる角度でスクリュー部材3が大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される第2貫通孔23dとを備えており、複数の第1貫通孔のうち一の第1貫通孔23aの軸心は、第2貫通孔23dを介して大腿骨骨頭部に進入するスクリュー部材と交差するように、かつ、第2貫通孔23dの軸心は、一の第1貫通孔を介して大腿骨骨頭部に進入するスクリュー部材と交差するように構成される。【選択図】図5

Description

本発明は、骨折治療用固定具、特に、大腿骨頸部骨折治療用の骨折治療用固定具に関する。
従来、大腿骨頸部骨折の整復及び骨折部位の固定を行う場合に、例えば、特許文献1に示されるように、プレートとこれを挿通する複数本のスクリュー部材からなる固定具を用いて骨接合の治療を行っていた。この従来の固定具は、プレート、スクリュー部材、ボーンスクリューを有しており、プレートを骨幹部に沿わせてボーンスクリューで固定するため、プレートの直線部にはボーンスクリュー案内孔を形成するとともに、プレートの屈折部には、スクリュー部材を案内する貫通孔が複数形成されている。
スクリュー部材は、その先端が大腿骨骨頭に刺入されるものであり、効果的に大腿骨頸部骨折の整復等を行うため、3本以上のスクリュー部材が挿入可能となるように構成される固定具も知られている。また、大腿骨頸部骨折の状況、具体的には、骨折している詳細な位置や骨折線(骨折した際に骨に入る亀裂による線)の向き等によって、複数のスクリュー部材の全てが平行な状態で大腿骨に挿入するようにするか、或いは、一部のスクリュー部材を互いに平行な状態となるように挿入するとともに、残りのスクリュー部材を、互いに平行な状態として挿入されるスクリュー部材に対して傾斜した状態で大腿骨に挿入するようにするか決定される。
ここで、一般的には、複数のスクリュー部材の全てが平行な状態で大腿骨に挿入することが必要であると医師が判断した場合には、その設置状態に応じた専用の固定具が選択されて、大腿骨頸部骨折治療に用いられる。また、一部のスクリュー部材を互いに平行な状態となるように挿入するとともに、残りのスクリュー部材を、互いに平行な状態として挿入されるスクリュー部材に対して傾斜した状態で大腿骨に挿入する必要がある場合には、この設置状態に応じた専用の固定具が用いられる。このように、大腿骨頸部骨折の状況に応じて、専用の固定具、特に専用のプレート体が使用されているが、挿入されるスクリュー部材の全てを平行な状態で設置できる態様と、一部のスクリュー部材を、互いに平行に挿入されるスクリュー部材に対して傾斜した状態で挿入設置できる態様とを兼用化されたプレート体が望まれている。
このような兼用化を図る場合、例えば、3本のスクリュー部材を大腿骨に挿入して骨折治療を行う場合には、スクリュー部材案内容の貫通孔を4つ設け、そのうち3つの貫通孔に関しては、挿入されるスクリュー部材が互いに平行となるように形成し、残りの1つの貫通孔に関しては、互いに平行に挿入されるスクリュー部材に対して所定の角度傾斜した状態で、スクリュー部材が挿入されるように形成することが考えられる。
特開2004-97446号公報
しかしながら、上記のように4つの貫通孔を形成したプレート体を用いて大腿骨頸部骨折の治療を行う場合、本来ならば3本のスクリュー部材を大腿骨に挿入するところ、貫通孔が4つ存在することから、誤って、全ての貫通孔を介してスクリュー部材を大腿骨に挿入してしまうことが懸念される。全ての貫通孔を介してスクリュー部材が挿入されてしまうと、スクリュー部材が挿入される大腿骨(特に大腿骨頸部や大腿骨骨頭)に過度な負担を与えてしまうことになるため、避けなければならない。
本発明は、このような事態を回避すべくなされたものであって、スクリュー部材の設置ミスを確実に防止することができる骨折治療用固定具を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、大腿骨頸部骨折を治療するための骨折治療用固定具であって、複数の貫通孔からなる貫通孔群を有し、大腿骨にあてがわれるプレート体と、前記プレート体に形成される前記貫通孔に挿通して大腿骨骨頭部に進入する複数のスクリュー部材とを備えており、前記貫通孔群は、少なくとも二以上の前記スクリュー部材が互いに平行な状態で大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される複数の第1貫通孔と、前記平行な状態で大腿骨骨頭部に進入可能なスクリュー部材とは異なる角度で前記スクリュー部材が大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される第2貫通孔とを備えており、前記複数の第1貫通孔のうち一の第1貫通孔の軸心は、前記第2貫通孔を介して大腿骨骨頭部に進入する前記スクリュー部材と交差するように、かつ、前記第2貫通孔の軸心は、前記一の第1貫通孔を介して大腿骨骨頭部に進入する前記スクリュー部材と交差するように構成されており、前記一の第1貫通孔と前記第2貫通孔とは選択的に使用可とされる骨折治療用固定具により達成される。
また、上記骨折治療用固定具において、前記一の第1貫通孔の軸心と、前記第2貫通孔の軸心とは、大腿骨における前記スクリュー部材の進入可能寸法範囲内において、互いに交差することが好ましい。
また、前記スクリュー部材は、スライディングスクリューであり、前記スライディングスクリューは、大腿骨骨頭部に進入するラグスクリューと、このラグスクリューのシャフトを摺動可能に収容するスリーブとを備えており、前記スリーブの一方端側の外周面には雄ネジ部が形成されており、前記第1貫通孔及び第2貫通孔の内周面には、前記雄ネジ部が螺合する雌ネジ部が形成されていることが好ましい。
また、前記一の第1貫通孔の軸心は、前記第2貫通孔を介して大腿骨内に挿入される前記スリーブと交差するように、かつ、前記第2貫通孔の軸心は、前記一の第1貫通孔を介して大腿骨に進入する前記スリーブと交差するように構成されることが好ましい。
また、前記スリーブは、その他方端が大腿骨頸部近傍位置に配置される長さ寸法に構成されることが好ましい。
また、前記一の第1貫通孔は、前記第2貫通孔よりも大腿骨上方側に形成されており、前記第2貫通孔を介して挿入され、前記一の第1貫通孔を介して挿入される前記スクリュー部材に先端部が当接する支持スクリュー部材を更に備えることが好ましい。
また、前記スクリュー部材は、スライディングスクリューであり、前記スライディングスクリューは、大腿骨骨頭部に進入するラグスクリューと、このラグスクリューのシャフトを摺動可能に収容するスリーブとを備えており、前記支持スクリュー部材の先端部は、前記スリーブに当接可能に構成されることが好ましい。
また、前記支持スクリュー部材の先端部と当接する前記スリーブの一部領域には、粗面部が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、スクリュー部材の設置ミスを確実に防止することができる骨折治療用固定具を提供することができる。
本発明に係る骨折治療用固定具を示す概略構成側面図である。 図1に示す骨折治療用固定具を大腿骨に設置した状態を示す説明図である。 図1に示す骨折治療用固定具が備えるプレート体に係る概略構成平面図である。 (a)は、図1に示す骨折治療用固定具が備えるスクリュー部材の斜視図であり、(b)はその断面図、(c)は、スクリュー部材が備えるラグスクリューの側面図である。 図1に示す骨折治療用固定具が備えるプレート体における貫通孔の構造を説明するための説明図である。 図1に示す骨折治療用固定具が備えるプレート体における貫通孔の構造を説明するための説明図である。 スクリュー部材の設置状態を説明するための説明図である。 図1に示す骨折治療用固定具に係る変形例を説明するための説明図である。
以下、本発明に係る骨折治療用固定具について、添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。図1は、本発明に係る骨折治療用固定具1を示す概略構成側面図であり、図2は、この骨折治療用固定具1を大腿骨に設置した状態を示す説明図である。
本発明に係る骨折治療用固定具1は、大腿骨頸部骨折の治療用に用いられる固定具であり、図1や図2に示すように、プレート体2と、複数のスクリュー部材3と、ボーンスクリュー4とを備えている。プレート体2は、大腿骨にあてがわれて固定される部材であり、大腿無名結節に対応する形状に形成される。このプレート体2は、骨幹部上部にそのままで添着し得る直線部21と所定角度で屈曲する屈折部22とを備えている。なお、プレート体2は、屈折部22が、直線部21よりも大腿骨上部側となるように大腿骨にあてがわれる。
プレート体2の直線部21には、図3のプレート体2に係る概略構成平面図に示すように、ボーンスクリュー4を案内するための案内孔25が複数穿設形成されている。また、屈折部22には、スクリュー部材3を案内固定するための複数の貫通孔23からなる貫通孔群が形成されている。貫通孔群を構成する各貫通孔23は、その内周面に後述のスクリュー部材3が備えるスリーブ32の外表面に形成される雄ネジ部33が螺合する雌ネジ部が形成されている。
このプレート体2は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム、炭素複合材料、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、吸収性ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)等のプラスチックから形成することができる。なお、十分な強度を有し、生体適合性も有する他の適切な材料によって形成することもできる。
スクリュー部材3は、プレート体2に形成される貫通孔23に挿通してその先端部を大腿骨骨頭部に進入させる部材であり、図4(a)の斜視図、及び、図4(b)の断面図に示すように、大腿骨骨頭部に進入するラグスクリュー31と、このラグスクリュー31のシャフトを摺動可能に収容するスリーブ32とを備えるスライディングスクリューを好ましく用いることができる。スリーブ32の一方端側の外周面には雄ネジ部33が形成されており、上述のように、プレート体2における貫通孔23の内周面に形成される雌ネジ部と螺着可能に構成されている。なお、スリーブ32が備える雄ネジ部33と貫通孔23における雌ネジ部との螺合により、スリーブ32は、プレート体2の屈折部22に対して所定の角度で大腿骨内部に進入する。また、スリーブ32の長さ寸法は特に限定されないが、例えば、スリーブ32をプレート体2に設置した状態で、スリーブ32の他方端が大腿骨頸部近傍位置に配置される長さ寸法に構成されることが好ましい。特に、大腿骨頸部近傍位置であって、大腿骨頸部における骨折線よりも手前側(プレート体2側)の位置となるような長さ寸法に形成することが好ましい。
ラグスクリュー31は、円管状に形成されており、その先端部外周には雄ネジ部34が形成されており、他端部には、図4(c)に示すように、レンチ用の角穴またはドライバー用の溝が形成される基部35を備えて構成されている。
スクリュー部材3は、例えば、チタン、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、ステンレス鋼、タングステンカーバイド当の材料によって形成することが好ましい。なお、その他の適切な生体適合性材料によって形成することもできる。
このようなプレート体2及びスクリュー部材3を用いて大腿骨頸部骨折を治療する方法の一例について以下説明する。まず、骨折部頸部における骨折部分を向かい合わせて整復し、予め決定していた大腿骨の所定位置にプレート体2を設置する。この設置は、案内孔25を介してボーンスクリュー4を大腿骨に刺入することにより行う。次に、専用の治具を用いてプレート体2の貫通孔23を介してガイドピンを刺し込み、該ガイドピンに合わせて下穴を形成する。下穴は、ラグスクリュー31の外径に対応する穴径と、スリーブ32の外径に対応する穴径とを有する段付き穴として形成されることが好ましい。なお、ガイドピンは、貫通孔23の軸線と同軸となるようにして刺し込まれる。また、ガイドピンに合わせて形成される下穴の軸線も貫通孔23の軸線と同軸となるように形成される。
次いで、ラグスクリュー31のシャフトをスリーブ32内に収容して組み上げたスライディングスクリュー(スクリュー部材3)を、貫通孔23を介して大腿骨に挿入する。この時、円管状のラグスクリュー31の内側にガイドピンを挿通させた状態で、つまり、ガイドピンによって案内された状態でラグスクリュー31を挿入していく。また、ラグスクリュー31の基部35に形成されるレンチ用の角穴またはドライバー用の溝にレンチ又はドライバーの先端を差し込み、ラグスクリュー31を回転させて大腿骨内にラグスクリュー31を進入させる。ラグスクリュー31がある程度大腿骨内に侵入した段階(例えば、ラグスクリュー31の先端が、大腿骨頸部における骨折線の手前にまで達した段階)で、ラグスクリュー31の回転操作を停止し、スリーブ32を移動させてスリーブ32に形成される雄ネジ部33を、プレート体2の屈折部22に形成される貫通孔23の雌ネジ部に螺合させて、スリーブ32を大腿骨に進入させつつプレート体2に固定する。スリーブ32の固定が完了した後、ラグスクリュー31の先端が大腿骨骨頭の所定位置に到達するまで、該ラグスクリュー31を回転させる。このようなスライディングスクリューの設置作業を他の貫通孔23に対しても行っていき、スライディングスクリューのプレート体2への設置が完了する。
ここで、本発明においては、プレート体2に形成される貫通孔群は、少なくとも二以上のスクリュー部材3が互いに平行な状態で大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される複数の第1貫通孔23a,23b,23cと、平行な状態で大腿骨骨頭部に進入可能なスクリュー部材3とは異なる角度でスクリュー部材3が大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される第2貫通孔23dとを備えるように構成されている。より具体的には、図3に示す構成においては、プレート体2の屈折部22にスクリュー部材3を挿通するための貫通孔23として、4つの貫通孔23a,23b,23c,23dが形成されているが、このうち3つの貫通孔23が第1貫通孔23a,23b,23cであり、挿入されるスクリュー部材3が、互いに平行な状態で大腿骨骨頭部に進入できるように形成されている。一方、残り一つの貫通孔23が第2貫通孔23dであり、当該第2貫通孔23dを介して挿入されるスクリュー部材3は、第1貫通孔23a,23b,23cを介して挿入されるスクリュー部材3とは異なる角度で大腿骨骨頭部に進入できるように構成される。
また、図5の説明図に示すように、複数の第1貫通孔23a,23b,23cのうち一の第1貫通孔23aの軸心L1は、第2貫通孔23dを介して大腿骨骨頭部に進入するスクリュー部材3と交差するように、かつ、図6の説明図に示すように、第2貫通孔23dの軸心L2は、上記一の第1貫通孔23aを介して大腿骨骨頭部に進入するスクリュー部材3と交差するように構成されている。特に、一の第1貫通孔23aの軸心L1と、第2貫通孔23dの軸心L2とは、大腿骨におけるスクリュー部材3の進入可能寸法範囲内において、互いに交差するように、一の第1貫通孔23a及び第2貫通孔23dが形成されることが好ましい。
つまり、一の第1貫通孔23aと第2貫通孔23dとは選択的に使用可とされ、両方の貫通孔23(一の第1貫通孔23aと第2貫通孔23dの両方)にスクリュー部材3を同時に挿入して使用することができないように構成されている。換言すると、一の第1貫通孔23aを介してスクリュー部材3を挿入して大腿骨に設置した場合、第2貫通孔23dを介してスクリュー部材3を挿入することができず、また、第2貫通孔23dを介してスクリュー部材3を挿入して大腿骨に設置した場合、一の第1貫通孔23aを介してスクリュー部材3を挿入することができず、図1に示すようなスクリュー部材3の設置状態、或いは、図7に示すようなスクリュー部材3の設置状態のいずれかの形態としてスクリュー部材3は大腿骨に設置されることになる。
また、一の第1貫通孔23aの軸心L1は、第2貫通孔23dを介して大腿骨内に挿入されるスリーブ32と交差するように、かつ、第2貫通孔23dの軸心L2は、一の第1貫通孔23aを介して大腿骨に進入するスリーブ32と交差するように構成されることがより好ましい。
本発明に係る骨折治療用固定具1は、複数の第1貫通孔23のうち一の第1貫通孔23aの軸心L1は、第2貫通孔23dを介して大腿骨骨頭部に進入するスクリュー部材3と交差するように、かつ、第2貫通孔23dの軸心L2は、一の第1貫通孔23aを介して大腿骨骨頭部に進入するスクリュー部材3と交差するように構成されるため、誤って一の第1貫通孔23a及び第2貫通孔23dの両方にスクリュー部材3を挿入してしまうことを効果的に防止することができる。具体的に説明すると、骨折治療用固定具1を大腿骨に設置する場合、上述のように、スクリュー部材3を挿入する前にガイドピンを挿入することになるが、例えば、一の第1貫通孔23aを介してスクリュー部材3を大腿骨内に設置している場合、第2貫通孔23dを介してガイドピンを大腿骨内に挿入する際に、ガイドピンの先端が、既に一の第1貫通孔23aを介して挿入されているスクリュー部材3に当接することになるため、ガイドピンをそれ以上挿入することができなくなる。これにより、術者は、第2貫通孔23dにはスクリュー部材3を挿入することができないことを認識できるため、誤ってスクリュー部材3を第2貫通孔23dに挿入してしまうことが防止される。第2貫通孔23dを介してスクリュー部材3が大腿骨内に設置されている場合も同様に、術者は、一の第1貫通孔23aにはスクリュー部材3を挿入することができないことを認識できるため、誤ってスクリュー部材3を一の第1貫通孔23aに挿入してしまうことが防止される。
また、一の第1貫通孔23aの軸心L1と、第2貫通孔23dの軸心L2とが、大腿骨におけるスクリュー部材3の進入可能寸法範囲内において、互いに交差するように構成する場合、例えば、屈折部22に形成される貫通孔23の全て(第1貫通孔23a,23b,23c、第2貫通孔23d)に対して予めガイドピンを挿入するような場合であっても、一の第1貫通孔23aを介してガイドピンが挿入された後、第2貫通孔23dを介してガイドピンを挿入しようとすると、第1貫通孔23aを介して挿入されているガイドピンに当接して、このガイドピン(第2貫通孔23dを介して挿入されるガイドピン)は途中で挿入できなくなることから、術者は、第2貫通孔23dにはスクリュー部材3を挿入することができないことを認識でき、誤ってスクリュー部材3を第2貫通孔23dに挿入してしまうことが防止される。
また、スクリュー部材3としてスライディングスクリューを用いる場合、一の第1貫通孔23aの軸心L1が、第2貫通孔23dを介して大腿骨内に挿入されるスリーブ32と交差するように、かつ、第2貫通孔23dの軸心L2が、一の第1貫通孔23aを介して大腿骨に進入するスリーブ32と交差するように構成することにより、一の第1貫通孔23a(或いは第2貫通孔23d)を介してスクリュー部材3が挿入された状態で、第2貫通孔23d(或いは一の第1貫通孔23a)を介してガイドピンを挿入すると、ガイドピンはスリーブ32の表面に当接することになる。このようにガイドピンの先端部が当接する対象をスリーブ32とすることにより、ガイドピンの挿入深さを短くすることができ、ガイドピン挿入に伴って形成されてしまう穴による大腿骨へのダメージを小さくすることができる。また、このような構成を採用する場合、ガイドピン先端部が、既に挿入されているラグスクリュー31の雄ネジ部34に接触することが無く、該雄ネジ部34に損傷が発生してしまうことを防止することができる。
また、ラグスクリュー31は、スリーブ32内に摺接するものではあるが、スリーブ32の軸方向にスライディング可能に構成されるものであり、スリーブ32の内周面とラグスクリュー31のシャフトの外表面との間には僅かな隙間が形成されている。また、患者が歩行訓練等のリハビリを開始して、大腿骨の骨頭等に下向きの荷重がかかるような場合、スクリュー部材3は、下方側に僅かに撓んでしまうことになる。スリーブ32の内周面とラグスクリュー31のシャフトの外表面との間における隙間と、スクリュー部材3の撓みは、スクリュー部材3の先端部での位置ズレが大きくなる原因となるが、上述のように、スリーブ32が、その他方端(挿入方向側の端部)が大腿骨頸部近傍位置に配置される長さ寸法に構成することにより、この位置ズレ量を極力小さくすることが可能となり、骨癒合が促進される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態においては、スクリュー部材3としてスライディングスクリューを例示しているが、特にスライディングスクリューに限定されず、大腿骨頸部骨折治療に従来から使用されている各種スクリューを用いることもできる。
また、図3、図5、図6に示すように、プレート体2に形成される一の第1貫通孔23aが、第2貫通孔23dよりも大腿骨上方側に形成される場合、一の第1貫通孔23aを介して挿入されるスクリュー部材3に、第2貫通孔23dを介して挿入され、先端部が当接する支持スクリュー部材5を更に備えるように構成してもよい。一の第1貫通孔23aにスクリュー部材3が挿入されて設置されると、第2貫通孔23dにはスクリュー部材3が挿入されなくなるため、利用しない貫通孔23(23d)が残ってしまうことになるが、上記のような支持スクリュー部材5を備えることにより、図8の説明図に示すように、該支持スクリュー部材5が、一の第1貫通孔23aを介して挿入されるスクリュー部材3を下方側から支えることになり、患者が歩行訓練等のリハビリを開始し、大腿骨の骨頭等に下向きの荷重がかかった場合であっても、一の第1貫通孔23aに挿入されるスクリュー部材3が、下方側に撓んでしまうことを効果的に防止することが可能となり、骨折部にずれが生じることを防止でき、骨癒合が促進される。
ここで、支持スクリュー部材5は、シャフトの先端部外周に雄ネジ部51が形成されており、他端部には、第2貫通孔23dの雌ネジ部に螺合する雄ネジ部52が形成されている。また、シャフト他端には、レンチ用の角穴またはドライバー用の溝が形成される基部53を備えている。また、この支持スクリュー部材5を第2貫通孔23dに挿入するには、上述のスクリュー部材3の挿入と同様であり、専用治具を用いて第2貫通孔23dを介してガイドピンを刺し込み、該ガイドピンに合わせて下穴を形成した後、挿入される。また、支持スクリュー部材5は、例えば、チタン、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、ステンレス鋼、タングステンカーバイド当の材料によって形成することが好ましい。なお、その他の適切な生体適合性材料によって形成することもできる。
また、支持スクリュー部材5の先端部が、スクリュー部材3が有するラグスクリュー31の雄ネジ部34と当接して該雄ネジ部34に損傷が発生することを防止するために、支持スクリュー部材5の先端部が、スクリュー部材3が備えるスリーブ32に当接可能に構成されることが好ましい。
また、支持スクリュー部材5の先端部と当接する部分を含むスリーブ32の一部領域Eには、他の領域よりも表面粗さが大きい粗面部37が形成されることが好ましい。粗面部37は、例えば、スリーブ32の所定表面にブラスト処理を施すことにより形成することができる。粗面部37が形成されていない場合、支持スクリュー部材5の先端部がスリーブ32に当接したとしても両者の接触摩擦力が低いことに起因して、術者は、両者が接触したことを手指の感覚に基づいて認識しづらく、支持スクリュー部材5を過度に回転させてしまい、所定位置に設置されているスクリュー部材3を上方側に突き上げてしまうことになる。このようなスクリュー部材3の突き上げが発生すると、骨折部のみならず大腿骨頸部や骨頭にも損傷が発生することが懸念されるが、本構成のように粗面部37を備えることにより、先端部とスリーブ32との接触摩擦力が大きくなる結果、手指の感覚で支持スクリュー部材5の先端部がスリーブ32に当接したことを容易に認識することが可能となり、支持スクリュー部材5を過度に回転させてしまうことを効果的に抑制することができる。
1 骨折治療用固定具
2 プレート体
21 直線部
22 屈折部
23 貫通孔
23a,23b,23c 第1貫通孔
23d 第2貫通孔
25 案内孔
3 スクリュー部材
31 ラグスクリュー
32 スリーブ
33 雄ネジ部
34 雄ネジ部
35 基部
37 粗面部
4 ボーンスクリュー
5 支持スクリュー部材
51 雄ネジ部
52 雄ネジ部
53 基部
E スリーブの一部領域
L1 一の第1貫通孔の軸心
L2 第2貫通孔の軸心

Claims (8)

  1. 大腿骨頸部骨折を治療するための骨折治療用固定具であって、
    複数の貫通孔からなる貫通孔群を有し、大腿骨にあてがわれるプレート体と、
    前記プレート体に形成される前記貫通孔に挿通して大腿骨骨頭部に進入する複数のスクリュー部材とを備えており、
    前記貫通孔群は、少なくとも二以上の前記スクリュー部材が互いに平行な状態で大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される複数の第1貫通孔と、前記平行な状態で大腿骨骨頭部に進入可能なスクリュー部材とは異なる角度で前記スクリュー部材が大腿骨骨頭部に進入可能となるように形成される第2貫通孔とを備えており、
    前記複数の第1貫通孔のうち一の第1貫通孔の軸心は、前記第2貫通孔を介して大腿骨骨頭部に進入する前記スクリュー部材と交差するように、かつ、前記第2貫通孔の軸心は、前記一の第1貫通孔を介して大腿骨骨頭部に進入する前記スクリュー部材と交差するように構成されており、
    前記一の第1貫通孔と前記第2貫通孔とは選択的に使用可とされる骨折治療用固定具。
  2. 前記一の第1貫通孔の軸心と、前記第2貫通孔の軸心とは、大腿骨における前記スクリュー部材の進入可能寸法範囲内において、互いに交差することを特徴とする請求項1に記載の骨折治療用固定具。
  3. 前記スクリュー部材は、スライディングスクリューであり、
    前記スライディングスクリューは、大腿骨骨頭部に進入するラグスクリューと、このラグスクリューのシャフトを摺動可能に収容するスリーブとを備えており、
    前記スリーブの一方端側の外周面には雄ネジ部が形成されており、
    前記第1貫通孔及び第2貫通孔の内周面には、前記雄ネジ部が螺合する雌ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の骨折治療用固定具。
  4. 前記一の第1貫通孔の軸心は、前記第2貫通孔を介して大腿骨内に挿入される前記スリーブと交差するように、かつ、前記第2貫通孔の軸心は、前記一の第1貫通孔を介して大腿骨に進入する前記スリーブと交差するように構成されることを特徴とする請求項3に記載の骨折治療用固定具。
  5. 前記スリーブは、その他方端が大腿骨頸部近傍位置に配置される長さ寸法に構成される請求項4に記載の骨折治療用固定具。
  6. 前記一の第1貫通孔は、前記第2貫通孔よりも大腿骨上方側に形成されており、
    前記第2貫通孔を介して挿入され、前記一の第1貫通孔を介して挿入される前記スクリュー部材に先端部が当接する支持スクリュー部材を更に備える請求項1又は2に記載の骨折治療用固定具
  7. 前記スクリュー部材は、スライディングスクリューであり、
    前記スライディングスクリューは、大腿骨骨頭部に進入するラグスクリューと、このラグスクリューのシャフトを摺動可能に収容するスリーブとを備えており、
    前記支持スクリュー部材の先端部は、前記スリーブに当接可能に構成される請求項6に記載の骨折治療用固定具
  8. 前記支持スクリュー部材の先端部と当接する前記スリーブの一部領域には、粗面部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の骨折治療用固定具
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