JP7359375B2 - セルロース分散用ブロック共重合体の製造方法、樹脂組成物の製造方法及び成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
少なくとも第1セグメント及び第2セグメントを有する、セルロース分散用ブロック共重合体の製造方法であって、
前記第1セグメントを、可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法により合成する工程(1)を含み、
前記第1セグメント及び前記第2セグメントは、一方がセルロース親和性セグメントであり、もう一方が樹脂親和性セグメントである、製造方法。
項2.
前記工程(1)の後、
前記第2セグメントを、可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法により合成する工程(2)をさらに含む、上記項1に記載の製造方法。
項3.
前記可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法の少なくとも1つが、ヨウ素含有化合物、及びアミン又はアンモニウム化合物を用いて行われる、上記項1又は2に記載の製造方法。
項4.
前記可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法の少なくとも1つが、溶媒の存在下で行われ、
前記溶媒の使用量が、モノマー及び溶媒の総質量に対して、80質量%以下である、上記項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
項5.
前記第1セグメントが、樹脂親和性セグメントである、上記項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
項6.
前記樹脂親和性セグメントの合成に、モノマーとして親水性基非含有(メタ)アクリレートを用いる、上記項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
項7.
前記樹脂親和性セグメントの合成に、モノマーとして環状アルキル基、環状アルケニル基、及びアリール基からなる群から選択される少なくとも1つの環状構造を含む不飽和モノマーを用いる、上記項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
項8.
前記樹脂親和性セグメントが、少なくとも1つの不飽和基を有する、上記項1~7のいずれか1項に記載の製造方法。
項9.
前記セルロース親和性セグメントの合成に、モノマーとして親水性基含有(メタ)アクリレートを用いる、上記項1~8のいずれか1項に記載の製造方法。
項10.
前記セルロース親和性セグメントが、カチオン性親水性基及びカチオン性親水性基からなる群から選択される少なくとも1つを有する、上記項1~9のいずれか1項に記載の製造方法。
項11.
上記項1~6、及び9のいずれか1項に記載の製造方法により得られたセルロース分散用ブロック共重合体を用いて、樹脂にセルロースを分散させる分散工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
項12.
前記セルロースがパルプであり、
前記分散工程が、前記パルプを解繊する工程を含む、
上記項11に記載の製造方法。
項13.
上記項7、8、及び10のいずれか1項に記載の製造方法により得られたセルロース分散用ブロック共重合体を用いて、樹脂にセルロースを分散させる分散工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
項14.
前記セルロースがパルプであり、
前記分散工程が、前記パルプを解繊する工程を含む、
上記項13に記載の製造方法。
項15.
前記パルプの解繊が、尿素、尿素の誘導体、糖、糖の誘導体、糖アルコール、有機酸、及び有機酸からなる群から選択される少なくとも1つの成分の存在下で行われる、上記項12又は14に記載の製造方法。
項16.
前記分散工程の前に、前記セルロース分散用ブロック共重合体、並びに水及び/又は有機溶媒を含む、溶液又は分散液を、樹脂及び/又はセルロースに混合する工程を含む、上記項11又は12に記載の製造方法。
項17.
前記分散工程の前に、前記セルロース分散用ブロック共重合体、並びに水及び/又は有機溶媒を含む、溶液又は分散液を、樹脂及び/又はセルロースに混合する工程を含む、上記項13~15のいずれか1項に記載の製造方法。
項18.
前記溶液又は分散液における前記セルロース分散用ブロック共重合体の濃度が、1~15質量%である、上記項16に記載の製造方法。
項19.
前記溶液又は分散液における前記セルロース分散用ブロック共重合体の濃度が、1~15質量%である、上記項17に記載の製造方法。
項20.
前記溶液又は分散液が、水及び有機溶媒を含み、
前記水及び有機溶媒の混合割合(有機溶媒/水)が、1/10~2/1である、上記項16~19のいずれか1項に記載の製造方法。
項21.
上記項11、12、16、又は18に記載の製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を含む、成形体の製造方法。
項22.
上記項13~15、17、及び19~20のいずれか1項に記載の製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を含む、成形体の製造方法。
本発明は、セルロース分散用ブロック共重合体の製造方法に関する。
ヨウ素含有化合物、及びアミン又はアンモニウム化合物を用いた可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法により第2セグメント(セルロース親和性セグメント)を合成する工程(2)
により、セルロース分散用ブロック共重合体を製造する方法が挙げられる。
工程(1)は、RCMP法により第1セグメント(樹脂親和性セグメント)を合成する工程である。
工程(1)で使用するモノマーは、重合によって樹脂親和性セグメントを形成するものである。「樹脂親和性」とは、対象となる樹脂の構造に類似しているか、又は対象となる樹脂に近い疎水性を有することをいう。樹脂親和性セグメントを形成するモノマーとして、親水性基を含有しない(メタ)アクリレート系モノマー(親水性基非含有(メタ)アクリレート系モノマー)、親水性基を含有しない(メタ)アクリルアミド系モノマー(親水性基非含有(メタ)アクリルアミド系モノマー)、親水性基を含有しないスチレン系モノマー(親水性基非含有スチレン系モノマー)等が挙げられる。
本発明の方法では、ヨウ素含有化合物を低分子休眠種(ドーマント種)として使用する。該ヨウ素含有化合物は、反応中に、成長鎖に保護基(ヨウ素原子)を提供するために使用される。
本発明の製造方法において、アミン又はアンモニウム化合物は、ヨウ素含有化合物からヨウ素原子を配位的に引き抜くための触媒として使用される。アミン化合物には、第一級アミン、第二級アミン、及び第三級アミンが含まれる。第一級アミンには、例えば、メチルアミン、エチルアミン等が挙げられる。第二級アミンとして、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン(EDA)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)等が挙げられる。第三級アミンとして、例えば、トリエチルアミン(TEA)、トリn-ブチルアミン(TBA)、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン(TDAE)、1,4,8,11-テトラメチル-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン(TDME)等が挙げられる。アンモニウム化合物には、第四級アンモニウム塩が含まれる。第四級アンモニウム塩として、例えば、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の第四級アンモニウムカチオンのハロゲン化物が挙げられる。
工程(1)では、必要に応じて、溶媒を使用することができる。溶媒を使用することで、モノマー等を均一に分散させる、重合反応の速度等を調整する等の効果が得られる。このような観点から溶媒を使用することが好ましいが、モノマー等の混合物が反応温度において液体であれば、必ずしも溶媒を使用しなくてもよい。溶媒を使用する場合、従来リビングラジカル重合に用いられる溶媒をそのまま使用することが可能である。
RCMP法では、反応速度、収率等を調整する目的で、ラジカル重合開始剤を用いることができる。なお、RTCP法とは異なり、RCMP法ではラジカル重合開始剤の添加は必須ではない。
工程(2)は、RCMP法により第2セグメント(セルロース親和性セグメント)を合成する工程である。
工程(2)で使用するモノマーは、重合によってセルロース親和性セグメントを形成するものである。「セルロース親和性」とは、セルロースの表面に存在する水酸基との水素結合又は双極子-双極子相互作用等によりセルロース表面と多点相互作用を示すことをいう。セルロース親和性セグメントを形成するモノマーとして、親水性基を含有する(メタ)アクリレート系モノマー(親水性基含有(メタ)アクリレート系モノマー)、親水性基を含有する(メタ)アクリルアミド系モノマー(親水性基含有(メタ)アクリルアミド系モノマー)、親水性基を含有するスチレン系モノマー(親水性基含有スチレン系モノマー)等が挙げられる。前記親水性基として、ノニオン性親水性基、カチオン性親水性基、及びアニオン性親水性基が挙げられる。ノニオン性親水性基として、例えば、水酸基、エーテル基、尿素基、イソシアナート基、アルコキシシリル基、ホウ酸基、グリシジル基等が挙げられる。カチオン性親水性基として、例えば、第四級アンモニウム塩基等が挙げられる。アニオン性親水性基として、例えば、カルボキシル基等が挙げられる。
上記の方法で製造したセルロース分散用ブロック共重合体を用いることにより、樹脂にセルロースを分散させることができるので、樹脂、セルロース、及び上記で得られたセルロース分散用ブロック共重合体(分散剤)を含む樹脂組成物を製造することができる。
樹脂組成物を製造に使用する樹脂として、セルロースの分散性又は相溶性が低い樹脂が用いられる。このような樹脂として、他の原料とともに溶融及び混合して樹脂組成物を得ることができるので、熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
セルロースとしては、分子式(C6H10O5)nで表される炭水化物(多糖類)を含むものであれば特に限定されず、リグノセルロース、パルプ、セルロースナノファイバー(CNF)等が挙げられる。
解繊助剤として、セルロース又はヘミセルロースと相互作用する極性の官能基、水素結合性の官能基等を有する物質が挙げられる。セルロース又はヘミセルロースと相互作用する極性の官能基として、例えば、アミド基、ウレア基等が挙げられる。水素結合性の官能基として、例えば水酸基、アミノ基等が挙げられる。解繊助剤として、セルロース又はヘミセルロースと相互作用する極性の官能基、及び水素結合性の官能基を合わせて有する物質が好ましい。
上記セルロースの中で、樹脂組成物の機械的強度を向上させる効果が大きいことから、CNFが好ましい。よって、得られる樹脂組成物は、その中にセルロースとしてCNFが分散されているものが好ましい。これより、CNFが分散している樹脂組成物を、直接CNFを使用して製造する方法、及び、CNFの原料であるパルプを使用して製造する方法を提供することができる。
(1)上記(2-2)に記載の解繊方法により含水状態のCNFを調製する。
(2)セルロース分散用ブロック共重合体を水及び/又は有機溶媒に溶解又は分散させて、ブロック共重合体の溶液又は分散液を調製する。予め、ブロック共重合体を溶媒に溶解又は分散させておくことにより、セルロース分散剤の効果を十分に発揮させることができる。前記溶液又は分散液におけるセルロース分散用ブロック共重合体の濃度は、1~15質量%であることが好ましい。前記溶媒としては、水、有機溶媒、又は、水と有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。有機溶媒として、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒等が挙げられる。前記溶媒として、水と有機溶媒との混合溶媒が好ましく、水とイソプロパノールとの混合溶媒がより好ましい。水及び有機溶媒の混合割合(有機溶媒/水)は、質量比で、1/10~2/1が好ましい。有機溶媒がイソプロパノールである場合には、水とイソプロパノールとの混合割合(イソプロパノール/水)が質量比で1/3~2/1が好ましく、1/3~1/1がさらに好ましい(以下の実験例1参照)。なお、上記(1)と(2)とは、いずれを先に行ってもよい。
(3)含水状態のCNFと、ブロック共重合体の溶液又は分散液とを混合する。
(4)得られた混合液に、さらに熱可塑性樹脂を添加し、撹拌及び混合することにより、樹脂組成物が得られる。
(a)パルプを水系溶媒に分散させて、パルプの分散液を調製する。予め、パルプの分散液を作製しておくことにより、樹脂組成物におけるCNFの凝集を抑制することができる。水系溶媒としては、水を含む溶媒、例えば、水;水と、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールとの混合溶媒;水と、THF、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒との混合溶媒等が挙げられ、水が好ましい。
(b)セルロース分散用ブロック共重合体を水及び/又は有機溶媒に溶解又は分散させて、ブロック共重合体の溶液又は分散液を調製する。予め、ブロック共重合体を溶媒に溶解又は分散させておくことにより、セルロース分散剤の効果を十分に発揮させることができる。前記溶液又は分散液におけるセルロース分散用ブロック共重合体の濃度は、1~15質量%であることが好ましい。前記溶媒としては、水、有機溶媒、又は、水と有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。有機溶媒として、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒等が挙げられる。前記溶媒として、水と有機溶媒との混合溶媒が好ましく、水とイソプロパノールとの混合溶媒がより好ましい。水及び有機溶媒の混合割合(有機溶媒/水)は、質量比で、1/10~2/1が好ましい。有機溶媒がイソプロパノールである場合には、水とイソプロパノールとの混合割合(イソプロパノール/水)が質量比で1/3~2/1が好ましく、1/3~1/1がさらに好ましい(以下の実験例1参照)。なお、上記(1)と(2)とは、いずれを先に行ってもよい。
(c)パルプの分散液と、ブロック共重合体の溶液又は分散液とを混合する。
(d)得られた混合物に、熱可塑性樹脂を添加し、混合する。
(e)得られた混合物に、必要であれば解繊助剤を添加し、溶融及び混合する。
上記製造方法で得られた樹脂組成物は、強度があり、高い力学物性を示す複合樹脂材料なので、これを成形して、成形体を製造することができる。樹脂組成物を用いることで、熱可塑性樹脂中のセルロースの凝集を抑制することができ、強度及び弾性率に優れた成形体を得ることができる。
工程(1)
ヨウ素0.436g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(DCPOEMA)(日立化成株式会社製、商品名「FA-512M」)30g、ジメチルジグリコール(以下、「DMDG」と略す)30g、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬株式会社製、商品名「V-65」)0.284g、テトラブチルアンモニウムヨージド(以下、「Bu4NI」と略す)0.21g、及び2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬株式会社製、商品名「V-70」)0.927gを、この順に秤量し、混合物をスターラーで撹拌した。混合物にアルゴンガスを50mL/minで20分間バブリングした後、アルゴン雰囲気下、60℃で3時間重合を行い、ポリマーブロックAを得た。
次いで、上記反応系に2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(以下、「DMAEMA」と略す)18g及びDMDG18gを添加し、混合物を60℃で3時間重合し、ポリマーブロックBを得た。
Mn,theo=([M]0/[R-I]0)×(モノマーの分子量)×(重合率)/100で算出される理論値である。なお、[M]0はモノマーの初期濃度(仕込み濃度)を表し、[R-I]0はドーマント種となるヨウ素含有化合物の初期濃度であり、[R-I]0=2[I2]0である。
分散剤(セルロース分散用ブロック共重合体)は、樹脂組成物を製造する際に、溶媒に溶解又は分散させた状態で添加されるため、溶媒への溶解性が高いことが好ましい。
(粘度評価)
○・・・水平面に対して90度の角度で傾けて約30秒間置くと液面が水平になる
×・・・水平面に対して90度の角度で傾けて約30秒間置くと液面が水平にならない(濁度評価)
◎・・・透明
○・・・光散乱あり、沈殿なし
×・・・白濁、沈殿あり
JIS P8121-2:2012に準拠して測定したフリーネスが100ml以下になるように、ナイアガラビーターで4時間叩解処理した2質量%の針葉樹晒クラフトパルプ水分散液を吸引濾過及び遠心分離により濃縮し、パルプ固形分3g及び水14.5gを含むパルプ分散液を調製した。得られたパルプ分散液17.5gに、水85.5gを添加し、プロペラ機で15分間撹拌し、上記実験例1で製造した分散剤1.8gをIPA:水=1:1(w/w)の混合溶媒に溶解させた溶液、及びポリエチレン(住友精化株式会社製、商品名「フロービーズHE3040」)5.2gを加え、プロペラ機で15分間撹拌した後、105℃で一晩送風乾燥し、パルプ、分散剤及び熱可塑性樹脂を含むプレミックス(パルプ/分散剤/ポリエチレン=3/1.8/5.2(g/g/g))を得た(設計値:パルプ30質量%)。得られたプレミックス(4.33g)に、解繊助剤として尿素をパルプに対して40質量%(0.52g)添加し、且つパルプ濃度が10質量%となるようにポリエチレン(旭化成株式会社製、商品名「サンテックHD-J320」)(8.15g)で希釈した。これを以下の条件で溶融及び混練に供し、射出成型した。
混練装置:Xplore Instruments社製のXplore MC15K
混練条件:二軸回転数200rpm、混練時間60min、混練温度140℃
射出成型機:Xplore Instruments社製のIM12K
成型条件:成型温度150℃
金型温度:50℃
射出圧力:10bar/5s→13bar/32s
溶媒の添加量を180gとし、及び反応時間を3.5時間にした以外は、entry1と同様の条件で工程(1)を行った。工程(2)は、アミン又はアンモニウム化合物の代わりにヨウ化物触媒であるN-コハク酸イミド(NIS)を用い、下記表4に記載した条件でRTCP法により重合を行い、分散剤を製造した(表4のentry7)。
Claims (11)
- 少なくとも第1セグメント及び第2セグメントを有する、ブロック共重合体からなるセルロース分散剤の製造方法であって、
前記第1セグメントを、可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法により合成する工程(1)を含み、前記工程(1)の後、
前記第2セグメントを、可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法により合成する工程(2)をさらに含み、
前記第1セグメント及び前記第2セグメントは、一方がセルロース親和性セグメントであり、もう一方が樹脂親和性セグメントであり、
前記セルロース親和性セグメントの合成において使用されるモノマーが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコ-ルモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイロキシエチルウレア、(メタ)アクリロイロキシエチルエチレンウレア、[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムヨージド、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムヨージド、[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]トリエチルアンモニウムヨージド、及び[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]トリn-プロピルアンモニウムヨージドからなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記樹脂親和性セグメントの合成において使用されるモノマーが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸合成ラウリルメタクリル酸4-t-ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、及びメタクリル酸ベンジルからなる群から選択される1種又は2種以上である、
製造方法。 - 前記可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法の少なくとも1つが、ヨウ素含有化合物、及びアミン又はアンモニウム化合物を用いて行われる、請求項1に記載の製造方法。
- 前記可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)法の少なくとも1つが、溶媒の存在下で行われ、
前記溶媒の使用量が、モノマー及び溶媒の総質量に対して、80質量%以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記第1セグメントが、樹脂親和性セグメントである、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法により得られたセルロース分散剤を用いて、樹脂にセルロースを分散させる分散工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
- 前記セルロースがパルプであり、
前記分散工程が、前記パルプを解繊する工程を含む、
請求項5に記載の製造方法。 - 前記パルプの解繊が、尿素、尿素の誘導体、糖、糖の誘導体、糖アルコール、有機酸、及び有機酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの成分の存在下で行われる、請求項6に記載の製造方法。
- 前記分散工程の前に、前記セルロース分散剤、並びに水及び/又は有機溶媒を含む、溶液又は分散液を、樹脂及び/又はセルロースに混合する工程を含む、請求項5又は6に記載の製造方法。
- 前記溶液又は分散液における前記セルロース分散剤の濃度が、1~15質量%である、請求項8に記載の製造方法。
- 前記溶液又は分散液が、水及び有機溶媒を含み、
前記水及び有機溶媒の混合割合(有機溶媒/水)が、1/10~2/1である、請求項8又は9に記載の製造方法。 - 請求項5~10に記載の製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を含む、成形体の製造方法。
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