JP7357850B2 - ブローバイガス漏れ検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブローバイガス漏れ検出装置に関し、特に、ブローバイガス通路の漏れを検出するブローバイガス漏れ検出装置に関する。
一般に、エンジンは、運転中において、燃焼室内の燃焼ガスや、未燃焼の混合気がピストンリングによるシールを越えてクランクケース内に僅かに漏れ出し、これがブローバイガスとなる。クランクケース内に漏れ出したブローバイガスを大気中に放出してしまうと、大気汚染の原因となるため、ブローバイガスは、一般に、ブローバイガス通路を介してエンジンの吸気管に環流される。また、ブローバイガスを環流させるブローバイガス通路に不具合があると、ブローバイガスが大気中に放出されてしまうため、ブローバイガス通路の漏れを検知して、車両の使用者に早期に報知することが望まれている。
特開2017-115584号公報(特許文献1)には、内燃機関の異常検出装置が記載されている。この異常検出装置においては、クランクケースからエンジンの吸気管にブローバイガスを環流させるPVC配管に圧力センサを設けておき、この圧力センサの検出信号に基づいて、PVC配管のリーク異常を検出している。即ち、特許文献1記載の内燃機関において、過給運転中は、スロットルバルブ上流側の吸気管内は負圧になる一方、クランクケース内は正圧になる傾向がある。この状態において、PVC配管にリーク異常があると、正常時と比較して、圧力センサによって検出される圧力が高くなる傾向があり、この圧力上昇に基づいてリーク異常が判定される。
特開2017-115584号公報
しかしながら、特許文献1記載の異常検出装置では、PVC配管(ブローバイガス通路)の圧力が内燃機関(エンジン)の運転状態によって変化してしまうため、ブローバイガス通路の異常を検知できなかったり、異常を誤検知したりするという問題がある。
従って、本発明は、ブローバイガス通路の異常を十分な精度で検出することができるブローバイガス漏れ検出装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、ブローバイガス通路の漏れを検出するブローバイガス漏れ検出装置であって、エンジンのクランクケースと、エンジンの吸気ダクトとを連通させるブローバイガス通路内の圧力を検出するための圧力センサと、エンジンの燃焼室内の空気量を調整する、空気量調整回路と、圧力センサによる検出信号に基づいて、ブローバイガス通路の異常診断を実行する異常判定回路と、を有し、空気量調整回路は、異常判定回路がブローバイガス通路の異常診断を実行する際、エンジンのスロットル弁を制御するスロットル弁アクチュエータに信号を送り、スロットル弁の開度を増加させることにより、エンジンの燃焼室内で圧縮される空気量を増加させることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、エンジンのクランクケースと吸気ダクトを連通させるブローバイガス通路内の圧力が、圧力センサによって検出される。また、圧力センサによる検出信号に基づいて、異常判定回路がブローバイガス通路の異常診断を実行する。空気量調整回路は、異常判定回路がブローバイガス通路の異常診断を実行する際、エンジンの燃焼室内で圧縮される空気量を増加させる。
このように構成された本発明によれば、異常診断を実行する際、空気量調整回路がエンジンの燃焼室内で圧縮される空気量を増加させるので、異常診断時におけるブローバイガス量を増加させることができ、ブローバイガス通路の異常検出の精度を向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、吸気弁が閉じられる時期を早めることにより、燃焼室内で圧縮される空気量を増加させるので、特別な装置を追加することなく、空気量を増加させることができ、ブローバイガス通路の異常検出の精度を向上させることができる。
また、本発明は、ブローバイガス通路の漏れを検出するブローバイガス漏れ検出装置であって、エンジンのクランクケースと、エンジンの吸気ダクトとを連通させるブローバイガス通路内の圧力を検出するための圧力センサと、エンジンの燃焼室内の空気量を調整する、空気量調整回路と、圧力センサによる検出信号に基づいて、ブローバイガス通路の異常診断を実行する異常判定回路と、を有し、空気量調整回路は、異常判定回路がブローバイガス通路の異常診断を実行する際、エンジンのスロットル弁を制御するスロットル弁アクチュエータに信号を送り、スロットル弁の開度を増加させることにより、エンジンの燃焼室内で圧縮される空気量を増加させることを特徴としている
このように構成された本発明によれば、スロットル弁の開度を増加させることにより、エンジンの燃焼室内で圧縮される空気量を増加させるので、吸気弁の開閉時期を微調整することができないエンジンにおいても、燃焼室内で圧縮される空気量を増加させることができる。
本発明において、好ましくは、異常判定回路は、エンジンの始動時において、圧力センサによって検出された検出信号に基づいて、ブローバイガス通路の異常診断を実行する。
このように構成された本発明によれば、エンジンの始動時における圧力センサの検出信号に基づいて、ブローバイガス通路の漏れの有無が判定されるので、エンジンの負荷や、回転数、吸気量等のエンジンの運転条件が大きくばらつくことがなく、安定した判定結果を得ることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、ブローバイガス通路を形成するように、吸気ダクトと接続されるブローバイガス管と、ブローバイガス通路と連通し、ブローバイガス通路内の圧力を圧力センサに導く圧力導管と、を有し、圧力導管は、吸気ダクト内を通ってブローバイガス管の内部まで延び、ブローバイガス管内の圧力を圧力センサに導く。
このように構成された本発明によれば、圧力導管が、吸気ダクト内を通ってブローバイガス管の内部まで延び、クランクケース内の圧力の変化を検出している。このため、クランクケースとブローバイガス管の間の接続が外れた場合にも、吸気ダクトとブローバイガス管の間の接続が外れた場合にも、何れもクランクケース内の圧力の変化が圧力センサによって検出されなくなるので、ブローバイガス通路の漏れを確実に検出することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、エンジンのクランクケースと、エンジンの吸気ダクトとを接続して、ブローバイガス通路を形成するブローバイガス管と、ブローバイガス通路と連通し、ブローバイガス通路内の圧力を圧力センサに導く圧力導管と、を有し、吸気ダクトには、ブローバイガス管を接続するためのジョイント部が設けられ、圧力導管は、圧力をジョイント部から圧力センサに導く。
このように構成された本発明によれば、圧力導管が、吸気ダクトに設けられたジョイント部から圧力を圧力センサに導いて、クランクケース内の圧力の変化を検出している。このため、クランクケースとブローバイガス管の間の接続が外れた場合にも、ジョイント部とブローバイガス管の間の接続が外れた場合にも、何れもクランクケース内の圧力の変化が圧力センサによって検出されなくなるので、ブローバイガス通路の漏れを確実に検出することができる。
本発明において、好ましくは、ジョイント部には、ブローバイガス通路の通路断面積を縮小した絞り部が設けられ、圧力導管は、ジョイント部に接続されているブローバイガス管と、絞り部の間から圧力を圧力センサに導く。
このように構成された本発明によれば、圧力導管は、ジョイント部に接続されているブローバイガス管と絞り部の間から、圧力を圧力センサに導く。このように絞り部が設けられているため、圧力センサによって検出される圧力が、エンジンの吸気ダクト内の圧力の影響を受けにくく、クランクケース内の圧力の変化を確実に検出することができる。
本発明において、好ましくは、ブローバイガス通路は、エンジンのスロットル弁よりも上流側の吸気ダクトと、クランクケースとを連通させる。
一般に、ブローバイガス通路には、クランクケースとスロットル弁の上流側の吸気ダクトとを接続するものと、クランクケースとスロットル弁の下流側の吸気ダクトとを接続するものが知られている。これらのブローバイガス通路のうち、クランクケースとスロットル弁の下流側の吸気ダクトを接続するものは、吸気通路内の気流を検出するエアフローセンサや、吸気圧センサの検出値に基づいて、比較的容易に、漏れを検出することが可能である。これに対して、クランクケースとスロットル弁の上流側の吸気ダクトを接続するブローバイガス通路は、エンジンを作動させるために元来設けられている既存のセンサの検出値に基づいて漏れを検出することが難しい。本発明のブローバイガス漏れ検出装置は、スロットル弁の上流側に接続されるブローバイガス通路の漏れ検出用に圧力センサを設けた検出装置への適用が好適である。
本発明のブローバイガス漏れ検出装置によれば、ブローバイガス通路の異常を十分な精度で検出することができる。
本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置を適用したエンジンの構成を例示する図である。 本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の主要部分を示す図である。 本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の作用を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態のブローバイガス漏れ検出装置に備えられている圧力センサによって検出された圧力変動の一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態のブローバイガス漏れ検出装置において、ブローバイガス通路に異常がある場合に圧力センサによって検出された圧力波形の一例を示すグラフである。 比較例として、従来のブローバイガス漏れ検出装置において、ブローバイガス通路に異常がある場合の圧力波形の一例を示すグラフである。 本発明の第2実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の構成を模式的に示す断面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置を説明する。
まず、図1乃至図3を参照して、本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置を適用したエンジンの構成について説明する。図1は、本実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置を適用したエンジンの構成を例示する図である。図2は、本実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の主要部分を示す図である。図3は、本実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態において、エンジン1はガソリンエンジンであり、具体的には、エンジン1は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを備えている。シリンダブロック12の内部に複数のシリンダ11が形成されている。図1では、1つのシリンダ11のみを示すが、本実施形態においてエンジン1は、多気筒エンジンである。
各シリンダ11内には、ピストン3が摺動自在に内挿されている。各シリンダ11の下方にはクランクケース16が設けられ、ピストン3は、クランクケース16内でコネクティングロッド14を介してクランクシャフト15に連結されている。ピストン3は、シリンダ11及びシリンダヘッド13と共に燃焼室17を区画する。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、2つの吸気ポート18が形成されている。吸気ポート18は、燃焼室17に連通している。吸気ポート18には、吸気弁21が配設されている。吸気弁21は、燃焼室17と吸気ポート18との間を開閉する。吸気弁21は吸気動弁機構によって、所定のタイミングで開閉する。本実施形態において、吸気動弁機構は、可変動弁機構である吸気電動SVT(Sequential Valve Timing)23を有している。吸気電動SVT23は、吸気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更するよう構成されている。それによって、吸気弁21の開弁時期及び閉弁時期を、連続的に変化させることができる。なお、吸気動弁機構は、電動SVTに代えて、液圧式のSVTを有していてもよい。
シリンダヘッド13にはまた、シリンダ11毎に、2つの排気ポート19が形成されている。排気ポート19は、燃焼室17に連通している。排気ポート19には、排気弁22が配設されている。排気弁22は、燃焼室17と排気ポート19との間を開閉する。排気弁22は排気動弁機構によって、所定のタイミングで開閉する。本実施形態において、排気動弁機構は、可変動弁機構である排気電動SVT24を有している。排気電動SVT24は、排気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更するよう構成されている。それによって、排気弁22の開弁時期及び閉弁時期を、連続的に変化させることができる。なお、排気動弁機構は、電動SVTに代えて、液圧式のSVTを有していてもよい。
詳細は後述するが、本実施形態において、エンジン1は、吸気電動SVT23及び排気電動SVT24によって、吸気弁21の開弁と排気弁22の開弁とに係るオーバーラップ期間の長さを調整することができる。これにより、燃焼室17の中の残留ガスを掃気したり、燃焼室17の中に熱い既燃ガスを閉じ込めたりすることができる。
また、各シリンダ11の吸気ポート18毎に、インジェクタ6が設けられている。インジェクタ6は、吸気内に燃料を噴射するように、吸気ポート18付近の天井面に取り付けられている。
さらに、シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、点火プラグ25が取り付けられている。点火プラグ25は、燃焼室17の中の混合気に強制的に点火をする。点火プラグ25は、本実施形態においては、シリンダ11の中心軸線上に配設されている。点火プラグ25の電極は、燃焼室17の中に臨んでかつ、燃焼室17の天井面の付近に位置している。
図1に示すように、エンジン1の一側面には吸気ダクトである吸気通路40が接続されている。吸気通路40は、各シリンダ11の吸気ポート18に連通している。吸気通路40は、燃焼室17に導入するガスが流れる通路である。吸気通路40の上流端部には、新気を濾過するエアクリーナー41が配設されている。吸気通路40の下流端近傍には、サージタンク42が配設されている。サージタンク42よりも下流の吸気通路40は、詳細な図示は省略するが、シリンダ11毎に分岐する独立通路を構成している。独立通路の下流端が、各シリンダ11の吸気ポート18に接続されている。
吸気通路40におけるエアクリーナー41とサージタンク42との間には、スロットル弁43が配設されている。また、スロットル弁43には、スロットル弁アクチュエータ43aが取り付けられており、スロットル弁43の開度を制御信号により調製することができるようになっている。スロットル弁43は、弁の開度を調整することによって、燃焼室17の中への新気の導入量を調整するよう構成されている。
吸気通路40にはまた、スロットル弁43の上流に、ターボチャージャー44が配設されている。ターボチャージャー44は、排気により回転駆動されるタービン44aと、吸気を圧縮するためのコンプレッサ44bを備え、燃焼室17に導入するガスを過給するよう構成されている。また、ターボチャージャー44には、ウエストゲートバルブ44cが設けられ、ターボチャージャー44による過給圧を調整するように構成されている。
さらに、ターボチャージャー44とスロットル弁43との間には、インタークーラー45が設けられている。インタークーラー45は、ターボチャージャー44により圧縮され、温度上昇した空気を冷却するように構成されている。インタークーラー45は、例えば水冷式に構成すればよい。
吸気通路40には、一次側のブローバイガス通路47、及び二次側のブローバイガス通路46が接続されている。一次側のブローバイガス通路47は、クランクケース16内と、スロットル弁43及びターボチャージャー44の上流側の吸気通路40と、を連通させるように設けられている。また、二次側のブローバイガス通路46は、クランクケース16内と、スロットル弁43の下流側の吸気通路40の一部であるサージタンク42と、を連通させるように設けられている。
また、二次側のブローバイガス通路46の基端側であるクランクケース16の近傍には、PCVバルブ(Positive Crankcase Ventilation Valve)46aが設けられている。このPCVバルブ46aは、クランクケース16内のブローバイガスを、吸気側(サージタンク42内)の負圧を利用して、吸気側に戻すように構成されている。この二次側のブローバイガス通路46及びPCVバルブ46aによるブローバイガスの環流は、主としてエンジン1のアイドリング時や、低負荷運転時等、吸気側に大きな負圧が発生する運転状態において機能する。
一方、クランクケース16内とターボチャージャー44の上流側の吸気通路40を連通させる一次側のブローバイガス通路47は、その末端側である吸気通路40近傍に、圧力センサ48が設けられている。この圧力センサ48は、後述するように、一次側のブローバイガス通路47内の圧力を検出することにより、一次側のブローバイガス通路47に、漏れ等の異常があるか否かを判定するために使用される。
なお、一次側のブローバイガス通路47は、エンジン1の低負荷時等においては、吸気側からクランクケース側への掃気用のベンチレーションホースとして作用する場合もある。しかしながら、本明細書においては、便宜的に、これをブローバイガス通路と呼び、ブローバイガス通路のクランクケース16側をブローバイガス通路の「上流側」ないし「基端」と称し、吸気通路40側をブローバイガス通路の「下流側」ないし「末端」と称することとする。
一方、エンジン1の他側面には、排気通路50が接続されている。排気通路50は、各シリンダ11の排気ポート19に連通している。排気通路50は、燃焼室17から排出された排気ガスが流れる通路である。排気通路50の上流部分は、詳細な図示は省略するが、シリンダ11毎に分岐する独立通路を構成している。独立通路の上流端が、各シリンダ11の排気ポート19に接続されている。
排気通路50の途中には、ターボチャージャー44のタービン44aが接続されており、排気によりタービン44aが駆動される。さらに、ターボチャージャー44の下流側の排気通路50には、触媒コンバーター51、52を有する排気ガス浄化システムが配設されている。本実施形態においては、これらの触媒コンバーターは、三元触媒を含んで構成されている。上流側の触媒コンバーター51は、「直キャタリスト」と呼ばれるエンジン1の近傍に設けられた小型の触媒コンバーターであり、下流側の触媒コンバーター52は、「アンダーフットキャタリスト」と呼ばれる車両の座席の下方に配置された比較的大型の触媒コンバーターである。
さらに、エンジン1は、これを運転するためのECU(Engine Control Unit)10を備えており、ECU10には、メモリ、マイクロプロセッサ等(以上、図示せず)が内蔵されている。ECU10は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)と、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)により構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力バス等を備えている。本実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の一部を構成する異常判定回路10a及び空気量調整回路10bの機能は、ECU10の中央演算処理装置、プログラム及びデータを格納するメモリによって実現される。
また、ECU10には、上述した圧力センサ48の他、図1に示す各種のセンサSW1~SW9が接続されている。これらのセンサSW1~SW9は、検知信号をECU10に出力する。センサには、以下のセンサが含まれる。
すなわち、吸気通路40におけるエアクリーナー41の下流に配置されかつ、吸気通路40を流れる新気の流量を検知するエアフローセンサSW1、及び、新気の温度を検知する第1吸気温度センサSW2、サージタンク42に取り付けられかつ、ターボチャージャー44の下流のガスの圧力を検知する吸気圧センサSW3、燃焼室17から排出された排気ガスに含まれる酸素濃度を検出するリニアO2センサSW4(リニアA/Fセンサ:LAFS)、触媒コンバーター51と触媒コンバーター52の間に配置されたλO2センサSW5、クランクケース16に取り付けられ、エンジン1のノッキングを検出するノックセンサSW6、エンジン1に取り付けられかつ、クランクシャフト15の回転角を検知するクランク角センサSW7、エンジン1に取り付けられかつ、吸気カムシャフトの回転角を検知する吸気カム角センサSW8、並びにエンジン1に取り付けられかつ、排気カムシャフトの回転角を検知する排気カム角センサSW9である。
ECU10は、これらの検知信号に基づいて、エンジン1の運転状態を判断すると共に、各デバイスの制御量を計算する。また、後述するように、ECU10に内蔵された異常判定回路10a及び空気量調整回路10bは、本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の一部として機能し、ブローバイガス通路の漏れの有無を判定する。
次に、図2を参照して、一次側のブローバイガス通路47の構成を説明する。
図2に示すように、可撓性の吸気ホース54が、エアクリーナー41とターボチャージャー44を接続し、吸気通路40の一部を構成している。クランクケース16と吸気通路40を連通させる一次側のブローバイガス通路47は、シリンダヘッド13から引き出され、ターボチャージャー44の近傍で吸気ホース54に接続されている。また、クランクケース16から導かれた一次側のブローバイガス通路47は、シリンダヘッド13に設けられたオイルセパレータ56を通った後、シリンダヘッド13から引き出される。オイルセパレータ56は、クランクケース16から導かれたブローバイガス中に含まれるエンジンオイルを分離するように構成されている。
オイルセパレータ56の出口には第1のブローバイガス管47aが接続され、第1のブローバイガス管47aの下流端には第2のブローバイガス管47bが接続されている。また、第2のブローバイガス管47bの下流端は、吸気ホース54の、ターボチャージャー44の近傍に接続されている。これら第1のブローバイガス管47a及び第2のブローバイガス管47bは、一次側のブローバイガス通路47の一部を形成している。
さらに、第2のブローバイガス管47bと吸気ホース54の接続部には、圧力導管48aが接続されている。この圧力導管48aは、一次側のブローバイガス通路47と連通し、一次側のブローバイガス通路47内の圧力を圧力センサ48に導くように構成されている。圧力センサ48によって検出された一次側のブローバイガス通路47内の圧力はECU10に送られ、一次側のブローバイガス通路47の異常検出に使用される。
次に、図3を参照して、吸気通路40の一部である吸気ホース54と、第2のブローバイガス管47bとの接続構造を説明する。
図3に示すように、吸気ホース54の、第2のブローバイガス管47bに接続される部分には、ジョイント部54aが設けられており、このジョイント部54aに第2のブローバイガス管47bが接続される。ジョイント部54aは、吸気ホース54に対してほぼ直角に突出するように設けられた管であり、吸気ホース54と一体に形成されている。このジョイント部54aの先端に、第2のブローバイガス管47bの下流端が接続され、これにより、クランクケース16からオイルセパレータ56を経て導かれたブローバイガスが、スロットル弁43よりも上流側で、吸気通路40(吸気ホース54)内に環流される。
詳細には、第2のブローバイガス管47bの下流端に、ジョイント部54aの先端が嵌め込まれている。さらに、第2のブローバイガス管47bの下流端外周には、クランプ58aが取り付けられており、第2のブローバイガス管47bを締め付けてジョイント部54aに固定している。さらに、ジョイント部54aの基端部には、側面から直角に突出するように枝管55が一体に設けられている。この枝管55は圧力導管48aの一端に差し込まれており、圧力導管48aの他端は圧力センサ48に接続されている。圧力導管48aの一端部の周囲にはクランプ58bが取り付けられており、圧力導管48aを締め付けて枝管55に固定している。
これにより、一次側のブローバイガス通路47内の圧力は、圧力導管48aを介して圧力センサ48に導かれ、圧力センサ48によって一次側のブローバイガス通路47内の圧力が検出される。なお、本実施形態においては、第1、第2のブローバイガス管の通路断面積は、吸気ホース54の通路断面積よりも小さく、圧力導管48aの通路断面積は、第1、第2のブローバイガス管の通路断面積よりも小さく構成されている。また、本実施形態において、第2のブローバイガス管47b及び吸気ホース54は樹脂製である。さらに、本実施形態においては、圧力センサ48と圧力導管48aは別体で構成され、比較的長い圧力導管48aによって圧力が導かれているが、比較的短い導管を圧力導管48aとして圧力センサ48と一体に構成しても良い。
さらに、ジョイント部54aの基端部には、第2のブローバイガス管47bよりも通路断面積が縮小された絞り部54bが設けられている。即ち、絞り部54bは、ジョイント部54aから延びる圧力導管48aと、吸気ホース54の間に設けられている。換言すれば、圧力導管48aは、第2のブローバイガス管47bと、絞り部54bの間の管路に接続されている。
上記のように、吸気ホース54の通路断面積は、第2のブローバイガス管47bの通路断面積よりも大きく形成されているため、第2のブローバイガス管47bから導かれた流体の圧力は、吸気ホース54に流入すると急激に低下する。圧力導管48aと吸気ホース54の間に絞り部54bを設けておくことにより、第2のブローバイガス管47bから導かれた流体の圧力を大きく低下させることなく圧力導管48aに導くことができる。これにより、クランクケース16内の圧力の変動を、圧力センサ48によって正確に検出することかできる。圧力センサ48の検出信号は、ECU10に送られ、ブローバイガス通路の漏れ検出に使用される。
このように、第1、第2のブローバイガス管、圧力センサ48、圧力導管48a、ジョイント部54aが設けられた吸気ホース54、及びECU10に内蔵された異常判定回路10aは、本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置として機能する。また、後述するように、ECU10に内蔵された空気量調整回路10bも、本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の一部として機能する。
次に、図4乃至図7を参照して、本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の作用を説明する。
図4は、本発明の第1実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の作用を示すフローチャートである。図5は、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置に備えられている圧力センサ48によって検出された圧力変動の一例を示すグラフである。図6は、ブローバイガス通路に異常がある場合において、圧力センサ48によって検出された圧力波形の一例を示すグラフである。図7は、比較例として、従来のブローバイガス漏れ検出装置において、ブローバイガス通路に異常がある場合の圧力波形の一例を示すグラフである。
図4に示すフローチャートによる処理は、エンジン1の作動中、所定の時間間隔で繰り返し実行される。まず、図4のステップS1においては、センサ等からの各種信号がECU10に読み込まれる。ステップS1において読み込まれる信号には、エンジン1の回転数を示す信号や、車両のイグニッションスイッチ(図示せず)の状態を表す信号等、エンジン1が始動中であるか否かを判定するための信号、圧力センサ48からの圧力の検出信号、及び、吸気電動SVT23及び排気電動SVT24の状態を表す信号が含まれている。
次に、ステップS2においては、ステップS1において読み込まれた信号に基づいて、エンジン1が始動中であるか否かが判断される。エンジン1が始動中で、クランキングが行われている場合にはステップS3に進み、始動中でない場合には図4に示すフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置は、エンジン1が始動中でない場合には、ブローバイガス漏れ検出処理を実行せず、ステップS3以下の処理を実行せずにフローチャートの処理を終了する。これは、エンジン1の始動中においては、エンジン1の回転数や、吸入空気量等の、エンジン1の運転条件がほぼ一定であり、ブローバイガス漏れ検出を行いやすいためである。これに対し、エンジン1の運転中においては、エンジン1の負荷条件等によって、エンジン1の回転数や、吸入空気量が大きく変化するため、正確なブローバイガス漏れ検出が困難である。
次いで、ステップS3においては、ブローバイガスの漏れ検出が既に行われているか否かが判断される。具体的には、ステップS3においては、後述する「漏れ検出完了フラグ」の値に基づいて、漏れ検出が既に行われているか否かを判断する。「漏れ検出完了フラグ」が「0」である場合にはステップS4に進んで漏れ検出が実行され、「漏れ検出完了フラグ」が「1」である場合にはステップS10に進む。
ステップS4以下では、ブローバイガスの漏れ検出が実行される。まず、ステップS4においては、ECU10に内蔵された空気量調整回路10bが、吸気電動SVT23に制御信号を送信し、吸気弁21の開弁時期を、通常の開弁時期よりも早くする。これにより、クランク角に対して、吸気弁21が閉弁される時期も通常よりも早くなるため、シリンダ11及び燃焼室17内では、通常よりも多くの空気が圧縮される。このように、本実施形態においては、ブローバイガスの漏れ検出は、シリンダ11及び燃焼室17内で圧縮される空気量を増加させた状態で実行される。即ち、圧縮される空気量が増加すると、シリンダ11及び燃焼室17側からピストン3を越えてクランクケース16内に漏れる空気量も多くなるので、一次側のブローバイガス通路47を通るガス量も多くなり、漏れの検出精度を高くすることができる。
なお、本実施形態において、空気量調整回路10bは、吸気弁21の閉弁時期を通常よりも早くすることにより、シリンダ11及び燃焼室17内で圧縮される空気の量を増加させている。これに対して、変形例として、空気量調整回路10bがスロットル弁アクチュエータ43aに制御信号を送り、スロットル弁43の開度を大きくすることにより、シリンダ11及び燃焼室17内で圧縮される空気の量を増加させることもできる。
次に、ステップS5においては、圧縮される空気量を増加させた状態で、圧力センサ48により検出された圧力変動が所定値以上であるか否かが判断される。
図5は、圧力センサ48によって測定された圧力変動波形の一例を示す。エンジン1の始動時のクランキングにより、ピストン3が往復運動すると、これに伴いクランクケース16内の圧力も変動する。この圧力変動が一次側のブローバイガス通路47を通って伝達され、圧力センサ48によって測定される。ステップS5において、ECU10に内蔵された異常判定回路10aは、圧力センサ48によって検出された圧力の変化・変動幅が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上である場合には一次側のブローバイガス通路47に漏れ等の異常はないと判断する。
一方、図6は、一次側のブローバイガス通路47に異常がある場合において、圧力センサ48によって測定された圧力変動波形の一例を示している。図6に示す例は、一次側のブローバイガス通路47を構成する第1のブローバイガス管47a(図2)がオイルセパレータ56から外れた場合の圧力変動の波形である。図6に示すように、一次側のブローバイガス通路47に漏れ等の異常があると、クランクケース16内の圧力変動が圧力センサ48まで伝わらなくなり、検出される圧力変動が非常に小さくなる。このような場合には、ステップS5において、異常判定回路10aは、一次側のブローバイガス通路47に漏れ等の異常があると判断する。
また、図7は、比較例として、従来のブローバイガス漏れ検出装置によって測定された、ブローバイガス通路に異常がある場合の圧力変動波形の一例である。ここで、従来のブローバイガス漏れ検出装置では、吸気通路に接続されるブローバイガス管(本実施形態の第2のブローバイガス管47bに相当)の下流側の端部から圧力センサの圧力導管が引き出されていた。このような構造の従来のブローバイガス漏れ検出装置において、ブローバイガス管の末端が吸気通路から外れた場合には、圧力センサの圧力導管もブローバイガス管と共に外れることになる。このため、従来のブローバイガス漏れ検出装置では、ブローバイガス管が吸気通路から外れた状態でも、クランクケース内の圧力変動が依然として圧力導管を介して圧力センサに伝達されてしまう。即ち、従来の検出装置では、ブローバイガス管が吸気通路から外れた状態でも、図7に示すように、大きな圧力変動が圧力センサによって検出されてしまう。図7に示す圧力波形は、図5に示す正常時における圧力波形と区別することが難しく、ブローバイガス通路の異常を判定することが困難となる。
これに対して、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置では、圧力センサ48の圧力導管48aが、吸気ホース54と一体に設けられたジョイント部54aから引き出されている。このため、第2のブローバイガス管47bがジョイント部54aから外れると、クランクケース16内の圧力変動は、もはや圧力導管48aに伝わらなくなる。これにより、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置では、第2のブローバイガス管47bと吸気ホース54(ジョイント部54a)の間が外れた場合でも、図6に示す波形と同様に、圧力変動が極めて小さくなる。従って、ステップS5において、異常判定回路10aは、一次側のブローバイガス通路47の異常を確実に判断することができる。
ステップS5において、圧力センサ48によって検出された圧力変動が所定値以上であると判定された場合には、ステップS6に進み、そこで、一次側のブローバイガス通路47は正常であると判断される。
次いで、ステップS7においては、「漏れ検出完了フラグ」の値が「1」に変更され、一次側のブローバイガス通路47の異常検出処理が終了したことが記憶され、図4に示すフローチャートの1回の処理を終了する。この「漏れ検出完了フラグ」の値は、車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオフにされるまで「1」のまま維持され、イグニッションスイッチがオフにされると、リセットされ「0」に変更される。
一方、ステップS5において、圧力センサ48によって検出された圧力変動が所定値未満であると判定された場合には、ステップS8に進み、そこで、一次側のブローバイガス通路47には異常があると判断される。この情報は、ECU10に記憶される。
次いで、ステップS9において、ECU10は、車両の使用者に異常が検出されたことを報知する。具体的には、ECU10は、車両に備えられた異常検出ランプ(図示せず)を点灯させる。使用者は、異常検出ランプが点灯していることを認識すると、車両を整備工場等に持ち込み、整備工場ではECU10に記憶されているメンテナンス情報が読み出される。読み出されたメンテナンス情報から、一次側のブローバイガス通路47に不具合があることが認識され、必要な処置が施される。なお、ECU10に記憶された、一次側のブローバイガス通路47に異常がある旨の情報は、車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオフにされた後も保持される。
ステップS9の後、ステップS7に進み、ステップS7においては、「漏れ検出完了フラグ」の値が「1」に変更され、一次側のブローバイガス通路47の異常検出処理が終了したことが記憶され、図4に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
一方、ステップS3において、「漏れ検出完了フラグ」の値が「1」である場合には、処理は、ステップS10に進む。即ち、車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオンにされた後、1回、ステップS4以下のブローバイガス通路の異常検出処理が実行されると、「漏れ検出完了フラグ」の値が「1」に変更される。この後、アイドリングストップ等によりエンジン1が一旦停止され、その後エンジン1が再始動された場合でも、「漏れ検出完了フラグ」の値が「1」に設定されているため、漏れ検出は実行されない。これにより、過剰な回数のブローバイガスの漏れ検出を防止している。一方、車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオフにされると、「漏れ検出完了フラグ」の値が「0」にリセットされる。このため、再びイグニッションスイッチ(図示せず)がオンにされ、エンジン1が始動されたとき、異常検出処理が実行される。
ステップS10においては、吸気弁21の開弁時期を、通常の開弁時期に設定される。即ち、ブローバイガスの漏れ検出を実行するステップS4の処理においては、吸気弁21の開弁時期が早められていたが、漏れ検出を実行しないステップS10以下の処理では、吸気弁21の開弁時期は通常の開弁時期に設定される。
次いで、ステップS11においては、前回実行されたブローバイガスの漏れ検出の判定結果が維持され、図4に示すフローチャートの1回の処理を終了する。即ち、車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオンにされた後に、ブローバイガス通路に異常なし、という検出結果が出されると、この検出結果はイグニッションスイッチがオフにされるまで維持される。一方、ブローバイガス通路に異常がある、という検出結果が出された場合には、この検出結果は、整備工場等におけるメンテナンスが行われるまで維持される。或いは、ブローバイガス通路の漏れ検出が再度実行され、ブローバイガス通路に異常は無い、との検出結果が得られた場合には、メンテナンスが行われていなくても、検出結果が「異常なし」に変更されるように、本発明を構成することもできる。
本発明の第1実施形態のブローバイガス漏れ検出装置によれば、異常診断を実行する際、空気量調整回路10bがエンジン1の燃焼室17内で圧縮される空気量を増加させる(図4のステップS4)ので、異常診断時におけるブローバイガス量を増加させることができ、一次側のブローバイガス通路47の異常検出の精度を向上させることができる。
また、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置によれば、吸気弁21が閉じられる時期を早める(図4のステップS4)ことにより、燃焼室17内で圧縮される空気量を増加させるので、特別な装置を追加することなく、空気量を増加させることができ、一次側のブローバイガス通路47の異常検出の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置によれば、エンジン1の始動時における圧力センサ48の検出信号に基づいて(図4のステップS2→S3)、一次側のブローバイガス通路47の漏れの有無が判定されるので、エンジン1の負荷や、回転数、吸気量等のエンジン1の運転条件が大きくばらつくことがなく、安定した判定結果を得ることができる。
また、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置によれば、圧力導管48aが、吸気通路40に設けられたジョイント部54aから圧力を圧力センサ48に導いて、クランクケース16内の圧力の変化を検出している(図3)。このため、クランクケース16と第1のブローバイガス管47aの間の接続が外れた場合にも、ジョイント部54aと第2のブローバイガス管47bの間の接続が外れた場合にも、何れもクランクケース16内の圧力の変化が圧力センサ48によって検出されなくなるので、一次側のブローバイガス通路47の漏れを確実に検出することができる。
さらに、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置によれば、圧力導管48aは、ジョイント部54aに接続されている第2のブローバイガス管47bと絞り部54b(図3)の間から、圧力を圧力センサ48に導く。このように絞り部54bが設けられているため、圧力センサ48によって検出される圧力が、エンジン1の吸気通路40内の圧力の影響を受けにくく、クランクケース16内の圧力の変化を確実に検出することができる。
さらに、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置によれば、一般に、既存のセンサを使用して異常を検出することが難しい、スロットル弁43の上流側に接続される一次側のブローバイガス通路47についても、異常を検出することができる。
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置を説明する。
図8は、本実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置は、第2のブローバイガス管と、吸気ダクトである吸気通路との間の接続構造、及び圧力センサの圧力導管の構成が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の、第1実施形態とは異なる部分のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置においては、一次側のブローバイガス通路の一部を構成するブローバイガス管147(第1実施形態における第2のブローバイガス管47bに相当)が、スロットル弁の上流側で吸気ダクトである吸気通路140(第1実施形態における吸気通路40に相当)に接続されている。なお、本実施形態において、図8における吸気通路140の上方は、ターボチャージャーに接続され、下方は、エアクリーナーに接続されている。吸気通路140の、ブローバイガス管147が接続される部分にはT字形に分岐した分岐部140aが形成されている。この分岐部140aに、オイルセパレータから延びるブローバイガス管147の先端が挿入されている。分岐部140aの周囲にはクランプ142が取り付けられ、ブローバイガス管147の先端を分岐部140aに固定している。
また、一次側のブローバイガス通路(ブローバイガス管147)内の圧力を検出するための圧力センサ148が、分岐部140aの近傍に設けられている。この圧力センサ148から延びる細い圧力導管148aは、分岐部140aの近傍で吸気通路140の壁面を貫通して吸気通路140の内部に延びている。さらに、吸気通路140の内部に延びる圧力導管148aの先端は、分岐部140aに挿入されているブローバイガス管147の内部まで延びている。これにより、ブローバイガス管147内の圧力を、圧力導管148aを介して圧力センサ148によって検出することができる。
本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置においては、吸気通路140からブローバイガス管147の内部へ延びる圧力導管148aを介して、ブローバイガス管147内の圧力が検出される。また、ブローバイガス管147が、吸気通路140の分岐部140aから外れたときは、クランクケース内の圧力変動が、圧力導管148aに伝わらなくなるため、ブローバイガス通路の異常を確実に検出することができる。このように、本実施形態のブローバイガス漏れ検出装置によれば、クランクケースとブローバイガス管147の接続が外れた場合にも、吸気通路140とブローバイガス管147の接続が外れた場合にも、クランクケース内の圧力の変化が圧力センサ148によって検出されなくなるので、ブローバイガス通路の漏れを確実に検出することができる。
以上、本発明の実施形態によるブローバイガス漏れ検出装置を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、クランクケースと、スロットル弁の上流側の吸気通路を接続するブローバイガス通路(上述した実施形態における一次側のブローバイガス通路)の漏れ検出に本発明を適用していた。しかしながら、クランクケースと、スロットル弁の下流側の吸気通路を接続するブローバイガス通路(上述した実施形態における二次側のブローバイガス通路)の漏れ検出に本発明を適用することもできる。
1 エンジン
3 ピストン
6 インジェクタ
10 ECU
10a 異常判定回路
10b 空気量調整回路
11 シリンダ
12 シリンダブロック
13 シリンダヘッド
14 コネクティングロッド
15 クランクシャフト
16 クランクケース
17 燃焼室
18 吸気ポート
19 排気ポート
21 吸気弁
22 排気弁
23 吸気電動SVT(可変動弁機構)
24 排気電動SVT
40 吸気通路(吸気ダクト)
41 エアクリーナー
42 サージタンク
43 スロットル弁
43a スロットル弁アクチュエータ
44 ターボチャージャー
44a タービン
44b コンプレッサ
45 インタークーラー
46 二次側のブローバイガス通路
46a PCVバルブ
47 一次側のブローバイガス通路
47a 第1のブローバイガス管
47b 第2のブローバイガス管
48 圧力センサ
48a 圧力導管
50 排気通路
51 触媒コンバーター
52 触媒コンバーター
54 吸気ホース
54a ジョイント部
54b 絞り部
55 枝管
56 オイルセパレータ
58a クランプ
58b クランプ
140 吸気通路(吸気ダクト)
140a 分岐部
142 クランプ
147 ブローバイガス管
148 圧力センサ
148a 圧力導管

Claims (7)

  1. ブローバイガス通路の漏れを検出するブローバイガス漏れ検出装置であって、
    エンジンのクランクケースと、上記エンジンの吸気ダクトとを連通させるブローバイガス通路内の圧力を検出するための圧力センサと、
    上記エンジンの燃焼室内の空気量を調整する、空気量調整回路と、
    上記圧力センサによる検出信号に基づいて、上記ブローバイガス通路の異常診断を実行する異常判定回路と、
    を有し、
    上記空気量調整回路は、上記異常判定回路が上記ブローバイガス通路の異常診断を実行する際、上記エンジンの吸気弁を開閉させる可変動弁機構に信号を送り、上記吸気弁が閉じられる時期を早めることにより、上記エンジンの燃焼室内で圧縮される空気量を増加させることを特徴とするブローバイガス漏れ検出装置。
  2. ブローバイガス通路の漏れを検出するブローバイガス漏れ検出装置であって、
    エンジンのクランクケースと、上記エンジンの吸気ダクトとを連通させるブローバイガス通路内の圧力を検出するための圧力センサと、
    上記エンジンの燃焼室内の空気量を調整する、空気量調整回路と、
    上記圧力センサによる検出信号に基づいて、上記ブローバイガス通路の異常診断を実行する異常判定回路と、
    を有し、
    上記空気量調整回路は、上記異常判定回路が上記ブローバイガス通路の異常診断を実行する際、上記エンジンのスロットル弁を制御するスロットル弁アクチュエータに信号を送り、上記スロットル弁の開度を増加させることにより、上記エンジンの燃焼室内で圧縮される空気量を増加させることを特徴とするブローバイガス漏れ検出装置。
  3. 上記異常判定回路は、上記エンジンの始動時において、上記圧力センサによって検出された検出信号に基づいて、上記ブローバイガス通路の異常診断を実行する請求項1又は2に記載のブローバイガス漏れ検出装置。
  4. さらに、上記ブローバイガス通路を形成するように、上記吸気ダクトと接続されるブローバイガス管と、上記ブローバイガス通路と連通し、上記ブローバイガス通路内の圧力を上記圧力センサに導く圧力導管と、を有し、上記圧力導管は、上記吸気ダクト内を通って上記ブローバイガス管の内部まで延び、上記ブローバイガス管内の圧力を上記圧力センサに導く請求項1乃至の何れか1項に記載のブローバイガス漏れ検出装置。
  5. さらに、上記エンジンのクランクケースと、上記エンジンの吸気ダクトとを接続して、上記ブローバイガス通路を形成するブローバイガス管と、上記ブローバイガス通路と連通し、上記ブローバイガス通路内の圧力を上記圧力センサに導く圧力導管と、を有し、上記吸気ダクトには、上記ブローバイガス管を接続するためのジョイント部が設けられ、上記圧力導管は、圧力を上記ジョイント部から上記圧力センサに導く請求項1乃至の何れか1項に記載のブローバイガス漏れ検出装置。
  6. 上記ジョイント部には、上記ブローバイガス通路の通路断面積を縮小した絞り部が設けられ、上記圧力導管は、上記ジョイント部に接続されている上記ブローバイガス管と、上記絞り部の間から圧力を上記圧力センサに導く請求項記載のブローバイガス漏れ検出装置。
  7. 上記ブローバイガス通路は、上記エンジンのスロットル弁よりも上流側の吸気ダクトと、上記クランクケースとを連通させる請求項1乃至の何れか1項に記載のブローバイガス漏れ検出装置。
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