JP7354708B2 - 複合タングステン酸化物微粒子の製造方法、複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造方法、および複合タングステン酸化物微粒子分散体の製造方法 - Google Patents

複合タングステン酸化物微粒子の製造方法、複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造方法、および複合タングステン酸化物微粒子分散体の製造方法 Download PDF

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本発明は、可視光透過性が良好で、且つ、赤外線領域の光を吸収する特性を有しながら光着色し難い、複合タングステン酸化物微粒子の製造方法、複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造方法、および複合タングステン酸化物微粒子分散体の製造方法に関する。
良好な可視光透過率を有し透明性を保ちながら、日射透過率を低下させる近赤外線遮蔽技術として、これまでさまざまな技術が提案されてきた。なかでも、無機物である導電性微粒子を用いた近赤外線遮蔽技術は、その他の技術と比較して近赤外線遮蔽特性に優れ、低コストである上、電波透過性が有り、さらに耐候性が高い等のメリットがある。
例えば特許文献1には、酸化錫微粉末の近赤外線遮蔽特性を応用した技術が記載され、酸化錫微粉末を分散状態で含有させた透明樹脂や、酸化錫微粉末を分散状態で含有させた透明合成樹脂をシートまたはフィルムに成形したものを、透明合成樹脂基材に積層してなる近赤外線遮蔽性合成樹脂成形品が提案されている。
特許文献2には、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moといった金属、当該金属の酸化物、当該金属の窒化物、当該金属の硫化物、当該金属へのSbやFのドープ物、または、これらの混合物の近赤外線遮蔽特性を応用した技術が記載され、これらが媒体中に分散させた中間層を挟み込んだ合わせガラスが提案されている。
また、出願人は特許文献3にて、窒化チタン微粒子やホウ化ランタン微粒子の近赤外線遮蔽特性を応用した技術を提案しており、これらのうちの少なくとも1種を、溶媒中や媒体中に分散させた選択透過膜用塗布液や選択透過膜を開示している。
しかしながら出願人の検討によると、特許文献1~3に開示されている近赤外線遮蔽性合成樹脂成形品等の近赤外線遮蔽構造体は、いずれも高い可視光透過率が求められたときの近赤外線遮蔽特性が十分でなく、近赤外線遮蔽構造体としての機能が十分でないという問題点が存在した。例えば、特許文献1~3に開示されている近赤外線遮蔽構造体の持つ近赤外線遮蔽特性の具体的な数値の例として、JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率(本発明において、単に「可視光透過率」と記載する場合がある。)が70%のとき、同じくJIS R 3106に基づいて算出される日射透過率(本発明において、単に「日射透過率」と記載する場合がある。)は、50%を超えてしまっていた。
そこで、出願人は特許文献4にて、一般式M(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物微粒子を近赤外線遮蔽微粒子として応用した技術を提案し、当該複合タングステン酸化物微粒子の製造方法と、当該複合タングステン酸化物が六方晶、正方晶、または立方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子のいずれか1種類以上を含み、前記近赤外線遮蔽材料微粒子の粒子径が1nm以上800nm以下であることを特徴とする近赤外線遮蔽分散体を開示した。
特許文献4に開示したように、前記一般式Mで表される複合タングステン酸化物微粒子を含む近赤外線遮蔽微粒子分散体は高い近赤外線遮蔽特性を示し、可視光透過率が70%のときの日射透過率は50%を下回るまでに改善された。とりわけM元素としてCsやRb、Tlなど特定の元素から選択される少なくとも1種類を採用し、結晶構造を六方晶とした複合タングステン酸化物微粒子を用いた近赤外線遮蔽微粒子分散体は卓越した近赤外線遮蔽特性を示し、可視光透過率が70%のときの日射透過率は37%を下回るまでに改善された。この成果を得て、当該近赤外線遮蔽微粒子分散体へハードコート処理等を加え、窓ガラスやプラズマディスプレイパネル、等の用途へ適用することが検討された。
しかしながら、特許文献4に記載の複合タングステン酸化物微粒子を分散させた近赤外線遮蔽微粒子分散体に紫外線を含む強い光が照射されることで、当該日射遮蔽体の青色が濃くなり、可視光透過率が下がるという問題(以下、「光着色」と記載する場合がある。)があった。但し、この光着色は、当該日射遮蔽体を一定時間(数日)暗所で放置することで元に戻る性質がある。
上記問題を解決するため、特許文献5では、一般式CsxWyOz(但し、Csはセシウム、Wはタングステン、Oは酸素、0.30≦x/y≦0.33、2.2≦z/y≦3.0)で表され、六方晶系の結晶構造を有する日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子に、六方晶以外のタングステン酸化物とWOを混在させて光着色を抑制することが提案されている。
また、特許文献6では、タングステン酸(HWO)粉体と炭酸セシウム(CsCO)粉体との混合粉、または、タングステン酸(HWO)粉体と炭酸セシウム水溶液との混合物を乾燥して得た混合粉であって、タングステンとセシウムとの混合モル比が0.33≦Cs/W≦0.37である混合粉を、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気下において500℃以上600℃以下の温度で焼成することにより得られた、主相が六方晶系の結晶構造を有することを特徴とする一般式CsxWyOz(但し、Csはセシウム、Wはタングステン、Oは酸素、0.30≦x/y≦0.33、2.2≦z/y≦3.0)で表される日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子が提案されている。
また、特許文献7では、Mで表される複合タングステン酸化物微粒子の結晶中または/および該微粒子表面に、Cu、Fe、Mn、Ni、Co、Pt、Au、Ag、Na、In、Sn、Cs、Rbのうちから選択された1種類以上の元素、または、その化合物が含まれていることを特徴とするタングステン含有酸化物微粒子が提案されている。
特開平2-136230号公報 特開平8-259279号公報 特開平11-181336号公報 WO2005/037932公報 特開2015-199668号公報 特開2013-173642号公報 特開2007-238353号公報
しかしながら出願人のさらなる検討によると、特許文献5~8にて開示された方法で製造した複合タングステン酸化物微粒子であっても、その光着色は十分に抑制されておらず、市場の要求を満たすものではなかった。
本発明は、上述の状況の下で成されたものであり、その解決しようとする課題は、可視光透過性と赤外線吸収特性に優れ、耐光性が高く光着色が抑制されている複合タングステン酸化物微粒子の製造方法、複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造方法、および複合タングステン酸化物微粒子分散体の製造方法を提供することである。
上述の課題を解決する為、本発明者らが研究を行った結果、第1の発明として、
赤外線吸収特性を有する複合タングステン酸化物微粒子の製造方法であって、
熱プラズマ法により熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子を合成し、
前記熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子へ還元雰囲気下において400℃以上600℃以下の温度で熱処理を施し、前記熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子を粒成長させて、複合タングステン酸化物微粒子を製造することを特徴とする複合タングステン酸化物微粒子の製造方法を完成した。
本発明により製造された複合タングステン酸化物微粒子や、複合タングステン酸化物微粒子分散液を用いることで、可視光透明性、赤外線吸収特性に優れ、高い耐光性を有し光着色が抑制される複合タングステン酸化物微粒子分散体を製造することが出来る。
本発明に用いられる高周波プラズマ反応装置の概念図である。
以下、本発明の実施の形態について、[a]複合タングステン酸化物微粒子、[b]熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子の合成方法、[c]複合タングステン酸化物微粒子の熱処理方法、[d]複合タングステン酸化物微粒子分散液、[e]複合タングステン酸化物微粒子分散体、の順で説明する。
[a]複合タングステン酸化物微粒子
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子は、その結晶子径が15nm以上40nm以下の熱プラズマ法で合成した複合タングステン酸化物微粒子を、還元雰囲気下において400℃以上600℃以下の温度で熱処理したものである。
以下、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子について、(1)組成、(2)結晶構造、(3)結晶子径、(4)BET比表面積、の順に説明する。
(1)組成
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子は、一般式M(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、I、Ybの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物微粒子であることが好ましい。
当該一般式Mで示される複合タングステン酸化物微粒子について説明する。
一般式M中のM元素、x、y、zおよびその結晶構造は、複合タングステン酸化物微粒子の自由電子密度と密接な関係があり、赤外線遮蔽特性に大きな影響を及ぼす。
一般に、三酸化タングステン(WO)中には有効な自由電子が存在しないため赤外線遮蔽特性が低い。
ここで本発明者らは、当該タングステン酸化物へ、M元素(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、I、Ybの内から選択される1種以上の元素)を添加して複合タングステン酸化物とすることで、当該複合タングステン酸化物中に自由電子が生成され、赤外線領域に自由電子由来の遮蔽特性が発現し、波長1000nm付近の赤外線遮蔽材料として有効なものとなり、且つ、当該複合タングステン酸化物は化学的に安定な状態を保ち、耐候性に優れた赤外線遮蔽材料として有効なものとなることを知見したものである。さらに、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、Ba、Cu、Al、Mn、Inが好ましいこと、なかでも、M元素がCs、Rbであると、当該複合タングステン酸化物が六方晶構造を取り易くなる。この結果、可視光線を透過し、赤外線を吸収し遮蔽することから、特に好ましいことも知見したものである。
ここで、M元素の添加量を示すxの値についての本発明者らの知見を説明する。
x/yの値が0.001以上であれば、十分な量の自由電子が生成され目的とする赤外線遮蔽特性を得ることが出来る。そして、M元素の添加量が多いほど、自由電子の供給量が増加し、赤外線遮蔽特性も上昇するが、x/yの値が1程度で当該効果も飽和する。また、x/yの値が1以下であれば、複合タングステン微粒子に不純物相が生成されるのを回避できるので好ましい。
次に、酸素量の制御を示すzの値についての本発明者らの知見を説明する。
一般式Mで示される複合タングステン酸化物微粒子において、z/yの値は、2.0<z/y≦3.0であることが好ましく、より好ましくは2.2≦z/y≦3.0であり、さらに好ましくは2.6≦z/y≦3.0、最も好ましくは2.7≦z/y≦3.0である。このz/yの値が2.0を超えていれば、当該複合タングステン酸化物中に目的以外であるWOの結晶相が現れるのを回避することが出来ると伴に、材料としての化学的安定性を得ることが出来るので、有効な赤外線遮蔽材料として適用できるためである。一方、このz/yの値が3.0以下であれば、当該タングステン酸化物中に必要とされる量の自由電子が生成され、効率よい赤外線遮蔽材料となる。
(2)結晶構造
複合タングステン酸化物微粒子は、六方晶以外に、正方晶、立方晶のタングステンブロンズの構造をとるが、いずれの構造をとるときも赤外線遮蔽材料として有効である。しかしながら、当該複合タングステン酸化物微粒子がとる結晶構造によって、赤外線領域の遮蔽位置が変化する傾向がある。即ち、赤外線領域の遮蔽位置は、立方晶よりも正方晶のときが長波長側に移動し、六方晶のときは正方晶のときよりも、さらに長波長側へ移動する傾向がある。また、当該遮蔽位置の変動に付随して、可視光線領域の遮蔽は六方晶が最も少なく、次に正方晶であり、立方晶はこの中では最も大きい。
以上の知見から、可視光領域の光をより透過させ、赤外線領域の光をより遮蔽する用途には、六方晶のタングステンブロンズを用いることが最も好ましい。複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を有する場合、当該微粒子の可視光領域の透過が向上し、赤外領域の遮蔽が向上する。
また、複合タングステン酸化物微粒子が、斜方晶の結晶構造をとっている場合や、マグネリ相と呼ばれるWO2.72と同様の単斜晶の結晶構造をとっている場合も、赤外線吸収に優れ、近外線遮蔽材料として有効なことがある。
以上の知見より、六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子が均一な結晶構造を有するとき、添加M元素の添加量は、x/yの値で0.2以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.29≦x/y≦0.39である。理論的にはz/y=3の時、x/yの値が0.33となることで、添加M元素が六角形の空隙の全てに配置されると考えられる。典型的な例としてはCs0.33WO、Cs0.03Rb0.30WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができる。
(3)結晶子径
上述した複合タングステン酸化物微粒子の結晶子径は、当該微粒子の赤外線吸収特性や耐光性に影響する。
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子は、その結晶子径が15nm以上40nm以下のものを、還元雰囲気下において400℃以上600℃以下の温度で熱処理することによって得られる。
ここで、熱処理前の結晶子径が40nm以下であれば、温度400℃以上600℃以下の熱処理で粒成長したときであっても、結晶子径は80nmを超えて粒成長しない。熱処理後の結晶子径が80nm以下であれば、可視光透明性と赤外線吸収特性に優れた複合タングステン酸化物微粒子となる。また、熱処理前の結晶子径が15nm以上であれば、温度400℃以上600℃以下の熱処理で結晶子径20nm以上まで粒成長させることができ、耐光性を向上させ光着色を抑制することができる。
結晶子径の測定には、粉末X線回折法(θ―2θ法)によるX線回折パターンの測定と、リートベルト法による解析を用いる。X線回折パターンの測定には、例えばスペクトリス株式会社PANalytical製の粉末X線回折装置「X’Pert-PRO/MPD」などを用いて行うことができる。
(4)BET比表面積
上述した複合タングステン酸化物微粒子のBET比表面積は、当該微粒子の粒度と密接な関係があるが、それと共に、当該微粒子自体の赤外線吸収特性や耐光性にも影響する。
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子のBET比表面積は20m/g以上200m/g以下であることが好ましい。当該微粒子のBET比表面積が大きいことは、当該微粒子の結晶子径が小さいことを意味している。従って、「(3)結晶子径」の項目でも説明したように、当該微粒子のBET比表面積が20m/g以上であれば、可視光透明性と赤外線吸収特性に優れた複合タングステン酸化物微粒子となる。また、BET比表面積が200m/g以下であれば、耐光性を向上させ光着色を抑制することができる。
上述した複合タングステン酸化物微粒子のBET比表面積の測定には、吸着に用いるガスとして、窒素ガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスなどが使用される。尤も、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子のように、測定試料が粉体で、比表面積が0.1m/g以上の場合は、比較的取扱いが容易で低コストな窒素ガスを使用することが望ましい。複合タングステン酸化物微粒子のBET比表面積は、25m/g以上150m/g以下とするのが良く、より好ましくは、25m/g以上90m/g以下、さらに好ましくは25m/g以上70m/g以下とするのが良い。
[b]熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子の合成方法
本発明に係る熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子の合成方法について説明する。尚、本発明において、後述する「[c]複合タングステン酸化物微粒子の熱処理方法」を施す前の複合タングステン酸化物微粒子を「熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子」と記載する。
本発明に係る熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子の合成方法としては、熱プラズマ中にタングステン化合物出発原料を投入する熱プラズマ法が挙げられる。
以下、熱プラズマ法について説明する。
熱プラズマ法について(i)熱プラズマ法に用いる原料、(ii)熱プラズマ法とその条件、の順に説明する。
(i)熱プラズマ法に用いる原料
本発明に係る熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子を、熱プラズマ法で合成する際には、タングステン化合物と、M元素化合物との混合粉体を原料として用いることができる。
タングステン化合物としては、タングステン酸(HWO)、タングステン酸アンモニウム、六塩化タングステン、アルコールに溶解した六塩化タングステンに水を添加して加水分解した後溶媒を蒸発させたタングステンの水和物、から選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、M元素化合物としては、M元素の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
上述したタングステン化合物と上述したM元素化合物と適宜な溶媒を含む液体を、M元素とW元素の比が、M(但し、Mは前記M元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.0、2.0<z/y≦3.0)のM元素とW元素の比となるように湿式混合する。そして、得られた混合液を乾燥することによって、M元素化合物とタングステン化合物との混合粉体が得られる、そして、当該混合粉体は、熱プラズマ法の原料とすることが出来る。溶媒としては、取扱いの観点から水やアルコール等の有機溶媒を好ましく挙げることが出来る。
また、当該混合粉体に替えて、不活性ガス単独または不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気下にて1段階目の焼成によって得られる複合タングステン酸化物を、熱プラズマ法の原料とすることもできる。他にも、1段階目で不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス雰囲気下で焼成し、当該1段階目の焼成物を、2段階目にて不活性ガス雰囲気下で焼成する、という2段階の焼成によって得られる複合タングステン酸化物を、熱プラズマ法の原料とすることも出来る。
(ii)熱プラズマ法とその条件
本発明で用いる熱プラズマとして、例えば、直流アークプラズマ、高周波プラズマ、マイクロ波プラズマ、低周波交流プラズマ、のいずれか、または、これらのプラズマの重畳したもの、または、直流プラズマに磁場を印加した電気的な方法により生成するプラズマ、大出力レーザーの照射により生成するプラズマ、大出力電子ビームやイオンビームにより生成するプラズマ、が適用出来る。尤も、いずれの熱プラズマを用いるにしても、10000~15000Kの高温部を有する熱プラズマであり、特に、微粒子の生成時間を制御できるプラズマであることが好ましい。
当該高温部を有する熱プラズマ中に供給された原料は、当該高温部において瞬時に蒸発する。そして、当該蒸発した原料は、プラズマ尾炎部に至る過程で凝縮し、プラズマ火炎外で急冷凝固されて、熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子を生成する。
高周波プラズマ反応装置を用いる場合を例として、図1を参照しながら合成方法について説明する。
先ず、真空排気装置により、水冷石英二重管内とチャンバー6内とで構成される反応系内を、約0.1Pa(約0.001Torr)まで真空引きする。反応系内を真空引きした後、今度は、当該反応系内をアルゴンガスで満たし、1気圧のアルゴンガス流通系とする。
その後、反応容器内にプラズマガスとして、アルゴンガス、アルゴンとヘリウムの混合ガス(Ar-He混合ガス)、またはアルゴンと窒素の混合ガス(Ar-N混合ガス)から選択されるいずれかのガスを、プラズマガス供給ノズル4から導入する。一方、プラズマ領域のすぐ外側に流すシースガスとして、Ar-He混合ガスを、シースガス供給ノズル3から導入する。
そして、高周波コイル2に交流電流をかけて、高周波電磁場(周波数4MHz)により熱プラズマ1を発生させる。このとき、プレート電力は30~40kWとする。
さらに、粉末供給ノズル5より、上記合成方法で得たM元素化合物とタングステン化合物との混合粉体、または、複合タングステン酸化物を、ガス供給装置から供給するアルゴンガスをキャリアガスとして、熱プラズマ中に導入して所定時間反応を行う。反応後、合成された熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子は、回収フィルター7に堆積するので、これを回収する。
キャリアガス流量と原料供給速度は、微粒子の生成時間に大きく影響する。そこで、キャリアガス流量を6L/min以上20L/min以下とし、原料供給速度を25g/min以上70g/min以下とするのが好ましい。
また、プラズマガス流量を20L/min以上45L/min以下、シースガス流量を40L/min以上70L/min以下とすることが好ましい。プラズマガスは10000~15000Kの高温部を有する熱プラズマ領域を保つ機能があり、シースガスは反応容器内における石英トーチの内壁面を冷やし、石英トーチの溶融を防止する機能がある。それと同時に、プラズマガスとシースガスはプラズマ領域の形状に影響を及ぼすため、それらのガスの流量はプラズマ領域の形状制御に重要なパラメータとなる。プラズマガスとシースガス流量を上げるほどプラズマ領域の形状がガスの流れ方向に延び、プラズマ尾炎部の温度勾配が緩やかなるので、合成される微粒子の生成時間が長くなり結晶子径は増加する。逆に、プラズマガスとシースガス流量を下げるほどプラズマ領域の形状がガスの流れ方向に縮み、プラズマ尾炎部の温度勾配が急になるので、生成される微粒子の生成時間が短くなり結晶子径は減少する。そこでこれらの条件を適宜調整して、結晶子径15nm以上40nm以下の熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子を合成する。
[c]複合タングステン酸化物微粒子の熱処理方法
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子は、還元雰囲気下において温度400℃以上600℃以下で、0.5時間以上24時間以下の熱処理をされたものである。そして当該熱処理の結果、その結晶子径が15nm以上40nm以下のものが、結晶子径20nm以上80nm以下となったものである。
還元雰囲気とは還元性ガスを含む雰囲気のことであり、水素ガスを含む雰囲気であることが好ましい。また、水素ガス以外には不活性ガスのみを含むことが好ましく、水素ガスおよび不活性ガスの混合ガスを使用することが好ましい。水素ガスの濃度は適宜調整可能だが、複合タングステン酸化物微粒子を過剰に還元しないように、5体積%以下であることが好ましい。より好ましくは3体積%以下、さらに好ましくは1体積%以下、最も好ましくは0.05体積%以上0.3体積%以下である。
複合タングステン酸化物微粒子は、その結晶子径が15nm以上であれば、温度400℃以上の熱処理で結晶子径20nm以上に粒成長する。また、その結晶子径が40nm以下であれば、温度600℃以下の熱処理で結晶子径が80nmを超えないように粒成長を制御することが容易となる。
[d]複合タングステン酸化物微粒子分散液
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液は、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が液体媒質中に分散しているものである。当該液体媒質としては、有機溶剤、油脂、液状プラスチック用可塑剤、液状樹脂、硬化により高分子化される化合物(高分子単量体)、水、から選択される1種以上の液体媒質を用いることが出来る。
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液について(i)製造方法、(ii)使用する有機溶剤、(iii)使用する油脂、(iv)使用する液状プラスチック用可塑剤、(v)使用する硬化により高分子化される化合物(高分子単量体)、(vi)使用する分散剤、(vii)複合タングステン酸化物微粒子分散液の使用方法、の順に説明する。
(i)製造方法
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液を製造するには、複合タングステン酸化物微粒子を、上述した液体媒質中に添加して分散させればよい。
複合タングステン酸化物微粒子の分散液への分散方法は、当該微粒子を分散液中において、凝集させることなく均一に分散できる方法であれば特に限定されない。当該分散方法として、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、超音波ホモジナイザーなどの装置を用いた分散処理方法が挙げられる。その中でも、媒体メディア(ビーズ、ボール、オタワサンド)を用いるビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー等の媒体攪拌ミルで粉砕、分散させることが所望とする分散粒子径に要する時間が短いことから好ましい。媒体攪拌ミルを用いた粉砕・分散処理によって、複合タングステン酸化物微粒子の分散液中への分散と同時に、複合タングステン酸化物微粒子同士の衝突や媒体メディアの該微粒子への衝突などによる微粒子化も進行し、複合タングステン酸化物微粒子をより微粒子化して分散させることができる(即ち、粉砕・分散処理される。)。
(ii)使用する有機溶剤
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液に使用する有機溶剤としては、アルコール系、ケトン系、炭化水素系、グリコール系、水系、等を使用することが出来る。
具体的には、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤;
3-メチル-メトキシ-プロピオネートなどのエステル系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;
フォルムアミド、N-メチルフォルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどのアミド類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
エチレンクロライド、クロルベンゼン、等を使用することが出来る。
そして、これらの有機溶剤中でも、特に、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸n-ブチル、等を好ましく使用することが出来る。
(iii)使用する油脂
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液に使用する油脂としては、植物油脂または植物由来油脂が好ましい。
植物油としては、アマニ油、ヒマワリ油、桐油、エノ油等の乾性油、ゴマ油、綿実油、菜種油、大豆油、米糠油、ケシ油等の半乾性油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、脱水ヒマシ油等の不乾性油、等を使用することが出来る。
植物油由来の化合物としては、植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステル、エーテル類、等を使用することが出来る。
また、市販の石油系溶剤も油脂として用いることが出来る。
市販の石油系溶剤として、アイソパー(登録商標)E、エクソール(登録商標)Hexane、Heptane、E、D30、D40、D60、D80、D95、D110、D130(以上、エクソンモービル社製)、等を使用することが出来る。
(iv)使用する液状プラスチック用可塑剤
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液に使用する液状のプラスチック用可塑剤としては、例えば、一価アルコールと有機酸エステルとの化合物である可塑剤、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系である可塑剤、有機リン酸系可塑剤等のリン酸系である可塑剤、等を使用することが出来る。尚、いずれも室温で液状であるものが好ましい。
なかでも、多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物である可塑剤を好ましく使用することが出来る。当該多価アルコールと脂肪酸とから合成されたエステル化合物は特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、ヘプチル酸、n-オクチル酸、2-エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n-ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られた、グリコール系エステル化合物、等を使用することが出来る。
また、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールと、前記一塩基性有機とのエステル化合物等も挙げられる。
なかでも、トリエチレングリコールジヘキサネート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-オクタネート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノネート等のトリエチレングリコールの脂肪酸エステル、等を使用することが出来る。さらに、トリエチレングリコールの脂肪酸エステルも好ましく使用することが出来る。
(v)使用する硬化により高分子化される化合物(高分子単量体)
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液に使用する、硬化により高分子化される化合物は、重合等により高分子を形成する単量体やオリゴマーである。
具体的には、メチルメタクリレート単量体、アクレリート単量体、スチレン樹脂単量体、等を使用することが出来る。
以上、説明した液状媒質は、2種以上を組み合わせて用いることが出来る。さらに、必要に応じて、これらの液状媒質へ酸やアルカリを添加してpH調整してもよい。
(vi)使用する分散剤
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液中において、複合タングステン酸化物微粒子の分散安定性を一層向上させ、再凝集による分散粒子径の粗大化を回避する為に、各種の分散剤、界面活性剤、カップリング剤などの添加も好ましい。
当該分散剤、カップリング剤、界面活性剤は用途に合わせて選定可能であるが、アミンを含有する基、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、または、エポキシ基を官能基として有するものであることが好ましい。これらの官能基は、複合タングステン酸化物微粒子の表面に吸着して凝集を防ぎ、均一に分散させる効果を持つ。これらの官能基のいずれかを分子中にもつ高分子系分散剤は、さらに好ましい。
また、官能基を有するアクリル-スチレン共重合体系分散剤も好ましい分散剤として挙げられる。中でも、カルボキシル基を官能基として有するアクリル-スチレン共重合体系分散剤、アミンを含有する基を官能基として有するアクリル系分散剤が、より好ましい例として挙げられる。官能基にアミンを含有する基を有する分散剤は、分子量Mw2000~200000、アミン価5~100mgKOH/gのものが好ましい。また、カルボキシル基を有する分散剤では、分子量Mw2000~200000、酸価1~50mgKOH/gのものが好ましい。
市販の分散剤における好ましい具体例としては、日本ルーブリゾール社製SOLSPERSE(登録商標)(以下同じ)3000、5000、9000、11200、12000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000SC、24000GR、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、32600、33000、33500、34750、35100、35200、36600、37500、38500、39000、41000、41090、53095、55000、56000、71000、76500、J180、J200、M387等;SOLPLUS(登録商標)(以下同じ)D510、D520、D530、D540、DP310、K500、L300、L400、R700等;ビックケミー・ジャパン社製Disperbyk(登録商標)(以下同じ)-101、102、103、106、107、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、191、192、2000、2001、2009、2020、2025、2050、2070、2095、2096、2150、2151、2152、2155、2163、2164、Anti-Terra(登録商標)(以下同じ)-U、203、204等;BYK(登録商標)(以下同じ)-P104、P104S、P105、P9050、P9051、P9060、P9065、P9080、051、052、053、054、055、057、063、065、066N、067A、077、088、141、220S、300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、345、346、347、348、350、354、355、358N、361N、370、375、377、378、380N、381、392、410、425、430、1752、4510、6919、9076、9077、W909、W935、W940、W961、W966、W969、W972、W980、W985、W995、W996、W9010、Dynwet800、Siclean3700、UV3500、UV3510、UV3570等;エフカアディティブズ社製EFKA(登録商標)(以下同じ)2020、2025、3030、3031、3236、4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4310、4320、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4500、5066、5220、6220、6225、6230、6700、6780、6782、7462、8503等;BASFジャパン社製JONCRYL(登録商標)(以下同じ)67、678、586、611、680、682、690、819、-JDX5050等;大塚化学社製TERPLUS(登録商標)(以下同じ)MD1000、D1180、D 1130等;味の素ファインテクノ社製アジスパー(登録商標)(以下同じ)PB-711、PB-821、PB-822等;楠本化成社製ディスパロン(登録商標)(以下同じ)1751N、1831、1850、1860、1934、DA-400N、DA-703-50、DA-325、DA-375、DA-550、DA-705、DA-725、DA-1401、DA-7301、DN-900、NS-5210、NVI-8514L等;東亞合成社製アルフォン(登録商標)(以下同じ)UH-2170、UC-3000、UC-3910、UC-3920、UF-5022、UG-4010、UG-4035、UG-4040、UG-4070、レゼダ(登録商標)(以下同じ)GS-1015、GP-301、GP-301S等;三菱化学社製ダイヤナール(登録商標)(以下同じ)BR-50、BR-52、BR-60、BR-73、BR-77、BR80、BR-83、BR85、BR87、BR88、BR-90、BR-96、BR102、BR-113、BR116等が挙げられる。
(vii)複合タングステン酸化物微粒子分散液の使用方法
上述のようにして製造された本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液は、適宜な基材の表面に塗布し、ここに分散膜を形成して赤外線吸収基材として利用することが出来る。つまり、当該分散膜は、複合タングステン酸化物微粒子分散液の乾燥固化物の一種である。
また、当該複合タングステン酸化物微粒子分散液を乾燥し、粉砕処理して、本発明に係る粉末状の複合タングステン酸化物微粒子分散体(本発明において「分散粉」と記載する場合もある。)とすることが出来る。つまり、当該分散粉は、複合タングステン酸化物微粒子分散液の乾燥固化物の一種である。当該分散粉は複合タングステン酸化物微粒子が固体媒質中(分散剤等)に分散された粉末状の分散体である。当該分散粉は分散剤を含んでいるため、適宜な媒質と混合することで複合タングステン酸化物微粒子分散液を媒質中へ容易に再分散させることが可能である。
当該分散粉は、赤外線吸収製品へ複合タングステン酸化物微粒子を分散状態で添加する原料として用いることが出来る。即ち、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が固体媒質中に分散された当該分散粉を、再度、液体媒質中に分散させ、赤外線吸収製品用の分散液として使用しても良いし、後述するように当該分散粉を樹脂中に練り込んで使用しても良い。
一方、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を液状の媒質に混合・分散させた複合タングステン酸化物微粒子分散液は、光熱変換を利用した様々な用途に用いられる。
例えば、複合タングステン酸化物微粒子を未硬化の熱硬化性樹脂へ添加する、または、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を適宜な溶媒中に分散した後、未硬化の熱硬化性樹脂を添加することにより、硬化型インク組成物を得ることが出来る。当該硬化型インク組成物は、所定の基材上に設けられ、赤外線などの電磁波を照射されて硬化した際、当該基材への密着性に優れたものである。そして、当該硬化型インク組成物は、従来のインクとしての用途に加え、所定量を塗布し、ここへ赤外線などの電磁波を照射して硬化させて積み上げ、後3次元物体を造形する光造形法に最適な硬化型インク組成物となる。
[e]複合タングステン酸化物微粒子分散体
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散体は、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が固体媒質中に分散しているものである。尚、当該固体媒質としては、樹脂、ガラス、等の固体媒質を用いることが出来る。
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を樹脂に練り込み、フィルムやボードに成形する場合、当該複合タングステン酸化物微粒子を直接樹脂に練り込むことが可能である。また、前記複合タングステン酸化物微粒子分散液と樹脂とを混合すること、または、当該複合タングステン酸化物微粒子が固体媒質に分散された粉末状の分散体を液体媒質に添加しかつ樹脂と混合することも可能である。
固体媒質として樹脂を用いた場合、例えば、厚さ0.1μm~50mmのフィルムまたはボードを構成する形態であってもよい。
一般的に、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を樹脂に練り込むとき、樹脂の融点付近の温度(200~300℃前後)で加熱混合して練り込むこととなる。
この場合、さらに、当該複合タングステン酸化物微粒子を樹脂に混合してペレット化し、当該ペレットを各方式でフィルムやボードを形成することも可能である。例えば、押し出し成形法、インフレーション成形法、溶液流延法、キャスティング法等により形成可能である。この時のフィルムやボードの厚さは、使用目的によって適宜設定すればよく、樹脂に対するフィラー量(すなわち、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子の配合量)は、基材の厚さや必要とされる光学特性、機械特性に応じて可変であるが、一般的に樹脂に対して50質量%以下が好ましい。
樹脂に対するフィラー量が50質量%以下であれば、固体状樹脂中での微粒子同士が造粒を回避出来るので、良好な透明性を保つことが出来る。また、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子の使用量も制御出来るのでコスト的にも有利である。
一方、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を固体媒質に分散させた複合タングステン酸化物微粒子分散体を、さらに粉砕し粉末とした状態でも利用することが出来る。当該構成を採る場合、粉末状の複合タングステン酸化物微粒子分散体において、既に、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が固体媒質中で十分に分散している。従って、当該粉末状の複合タングステン酸化物微粒子分散体を所謂マスターバッチとして、適宜な液体媒質に溶解させたり、樹脂ペレット等と混練することで、容易に、液状または固形状の複合タングステン酸化物微粒子分散体を製造することが出来る。
また、上述したフィルムやボードのマトリクスとなる樹脂は、特に限定されるものではなく用途に合わせて選択可能である。低コストで透明性が高く汎用性の広い樹脂として、PET樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、等の使用することが出来る。また、耐候性を考慮してフッ素樹脂を使用することも出来る。
以下、実施例を参照しながら本発明を具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における分散液中の微粒子の結晶子径は、まず粉末X線回折装置(スペクトリス株式会社PANalytical製X’Pert-PRO/MPD)を用いて粉末X線回折法(θ―2θ法)によりX線回折パターンを測定し、リートベルト法による解析で算出した。BET比表面積は、全自動比表面積測定装置(株式会社マウンテック製Macsorb)を用いたガス吸着法により測定した。吸着に用いるガスは、窒素ガスとした。
実施例および比較例中の分散液、分散体(硬化膜)の光学特性は、分光光度計(日立製作所株式会社製U-4100)を用いて測定し、可視光透過率と日射透過率は、JISR3106に従って算出した。
耐光性の評価方法は次の通りとした。まず、可視光透過率80%前後の硬化膜を用意し、塗布膜へ10mW/cmの強度でメタルハライドランプによる1時間の紫外線照射を行う。次に、分光光度計により光学特性を測定し、照射前後で可視光透過率の変化量を算出する。そして、例えば六方晶セシウムタングステンブロンズの場合は、当該照射前後における可視光透過率の変化量の絶対値が20%以下のものを耐光性が良好と判断し、変化量の絶対値が20%を超えるものは耐光性が不足と判断した。
尚、ここでいう硬化膜の光学特性値(可視光透過率、ヘイズ値)は、基材であるガラス板の光学特性値を含む値である。
[実施例1]
水0.330kgにCsCO0.216kgを溶解し、これをHWO1.000kgに添加して十分攪拌した後、乾燥し、狙いの組成であるCs0.33WO混合粉体を得た。
次に、上記図1にて説明した高周波熱プラズマ反応装置を用い、真空排気装置により反応系内を約0.1Pa(約0.001Torr)まで真空引きした後、アルゴンガスで完全に置換して1気圧の流通系とした。その後、反応容器内にプラズマガスとしてアルゴンガスを25L/minの流量で導入し、シースガスとしてシースガス供給口より螺旋状にアルゴンガス45L/minとヘリウムガス5L/minの流量で導入した。そして、高周波プラズマ発生用の水冷銅コイルに高周波電力を印加し、高周波プラズマを発生させた。このとき、10000~15000Kの高温部を有している熱プラズマを発生させるため、高周波電力は35kWとした。
こうして、高周波熱プラズマを発生させた後、キャリアガスとして、アルゴンガスをガス供給装置から9L/minの流量で供給しながら、上記混合粉体を30g/minの割合で熱プラズマ中に供給した。
その結果、混合粉体は熱プラズマ中にて瞬時に蒸発し、プラズマ尾炎部に至る過程で急冷凝固して微粒子化した。当該生成した微粒子は、回収フィルターに堆積した。当該堆積した微粒子を回収し、結晶子径を測定したところ、29nmであった。また、BET比表面積を測定したところ、42m/gであった。
得られた微粒子を、Nガスをキャリアーとした0.3体積%Hガスを供給しながら加熱し、500℃の温度で1時間熱処理し、実施例1に係る複合タングステン酸化物微粒子を得た。実施例1に係る複合タングステン酸化物微粒子の結晶子径を測定したところ45nmであった。また、BET比表面積を測定したところ、27m/gであった。
得られた複合タングステン酸化物微粒子20重量部と、メチルイソブチルケトン64重量部と、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系高分子分散剤(アミン価48mgKOH/g、分解温度250℃のアクリル系分散剤)(以下、「分散剤a」と記載する。)16重量部を混合し、3kgのスラリーを調製した。このスラリーをビーズと共に媒体攪拌ミルに投入し、1時間粉砕分散処理を行った。尚、媒体攪拌ミルは横型円筒形のアニュラータイプ(アシザワ株式会社製)を使用し、ベッセル内壁とローター(回転攪拌部)の材質はジルコニアとした。また、ビーズには、直径0.1mmのYSZ(Yttria-Stabilized Zirconia:イットリア安定化ジルコニア)製のビーズを使用した。ローターの回転速度は14rpm/秒とし、スラリー流量0.5kg/minにて粉砕分散処理を行い、実施例1に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液を得た。
実施例1で得られた複合タングステン酸化物微粒子分散液に紫外線硬化樹脂および溶媒のメチルイソブチルケトンと混合し、厚さ3mmのガラス基板上にバーコーター(井元製作所製IMC-700)で塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜から溶媒を蒸発させた後、紫外線照射して、塗布膜を硬化させた複合タングステン酸化物微粒子分散体である硬化膜を得た。このとき、硬化膜の可視光透過率が80%になるように予め溶媒のメチルイソブチルケトンによる希釈で分散液の濃度を調整した。
得られた実施例1に係る硬化膜の透過率を、分光光度計(日立製作所製U-4100)により波長200nm~2600nmの範囲において5nmの間隔で測定し、可視光透過率を求めたところ、80.2%であった。また、日射透過率は48.6%であった。
得られた実施例1に係る硬化膜に対し、メタルハライドランプによる1時間の紫外線照射を行った後、光学特性を測定したところ、可視光透過率が62.9%となった。紫外線照射による可視光透過率の変化量の絶対値は17.3%と小さく、優れた耐光性を有していることを確認した。当該製造条件を表1に、評価結果を表2に示す。
[実施例2、3]
熱プラズマ中に供給する混合粉体の割合を30g/minから、45g/min(実施例2)、または60g/min(実施例3)に変更したこと以外は実施例1と同様に操作して、実施例2および3に係る複合タングステン酸化物微粒子と硬化膜とを得た。得られた微粒子と硬化膜とに対して、実施例1と同様の評価を実施した。当該製造条件を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1の高周波熱プラズマ反応装置の回収フィルターにて堆積した微粒子を熱処理せずに、そのまま複合タングステン酸化物微粒子に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る複合タングステン酸化物微粒子と硬化膜を得た。得られた微粒子と硬化膜に対して、実施例1と同様の評価を実施した。紫外線照射による可視光透過率の変化量の絶対値は22.1%と大きく、耐光性は悪いことを確認した。当該製造条件を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 0007354708000001
Figure 0007354708000002
1 熱プラズマ
2 高周波コイル
3 シースガス供給ノズル
4 プラズマガス供給ノズル
5 原料粉末供給ノズル
6 チャンバー
7 回収フィルター

Claims (6)

  1. 赤外線吸収特性を有する複合タングステン酸化物微粒子の製造方法であって、
    前記複合タングステン酸化物微粒子が、一般式M (但し、Mはアルカリ金属の内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で標記される複合タングステン酸化物の微粒子であり、
    熱プラズマ法により、熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子を合成し、
    前記熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子へ還元雰囲気下において400℃以上600℃以下の温度で熱処理を施し、前記熱プラズマ合成複合タングステン酸化物微粒子を粒成長させて、複合タングステン酸化物微粒子を製造することを特徴とする複合タングステン酸化物微粒子の製造方法。
  2. 前記還元雰囲気が、水素ガスと不活性ガスとを含み、前記水素ガスの濃度が5体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合タングステン酸化物微粒子の製造方法。
  3. 前記複合タングステン酸化物微粒子のBET比表面積が、20m/g以上200以下m/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の複合タングステン酸化物微粒子の製造方法。
  4. 前記複合タングステン酸化物微粒子が、六方晶の結晶構造を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合タングステン酸化物微粒子の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の複合タングステン酸化物微粒子の製造方法により製造された複合タングステン酸化物微粒子を、水、有機溶媒、油脂、液状樹脂、液状プラスチック用可塑剤、高分子単量体から選択される1種以上の液状媒体中に分散させることを特徴とする複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造方法。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の複合タングステン酸化物微粒子の製造方法により製造された複合タングステン酸化物微粒子を、固体媒体中に分散させることを特徴とする複合タングステン酸化物微粒子分散体の製造方法。
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