JP7354334B1 - サーバシステム、車両、テーブル生成装置およびテーブル生成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、本発明の一の態様であるテーブル生成装置の実施形態について、詳細に説明する。
テーブル生成装置1は、図2に示したように、装置側通信部11(通信部)と、装置側記憶部12(記憶部)と、装置側制御部13と、を備えている。
装置側通信部11は、無線基地局Cが発する電波が及ぶ電波圏(以下、電波圏R)に設けられた道路r上を走行する車両と、少なくとも一つのプロバイダが提供する通信ネットワークを介して通信する。本実施形態に係る装置側通信部11は、通信モジュールで構成されている。なお、装置側通信部11が通信する車両は、後述する車両3であってもよいし、それ以外の車両であってもよい。
装置側記憶部12は、電波の強度と、対応消費量と、の関係を記憶する。対応消費量は、ある強度の電波を用いて通信する際に車両が消費することになる無線リソースの量である。本実施形態に係る装置側記憶部12は、対応消費量を、一の無線基地局Cが提供可能な無線リソースの上限量を100%としたときの割合(使用率)の形で記憶する。セルラー方式の通信においては、例えば図3に示したように、弱電界(例えば、相対的に無線基地局Cから遠い場所)での通信で一定のスループットを得るために消費される無線リソースの量は、強電界(相対的に近い場所)での通信で同じスループットを得るために消費される無線リソースよりも多くなる。なお、この関係は、ネットワーク測定により得ることができる。また、この関係は、無線基地局Cから車両へ送信する場合(DL:Down Linkにも、車両から無線基地局Cへ送信する場合(UL:Up Link)の両方において成り立つ。
装置側制御部13は、図2に示したように、装置側受信制御部131と、装置側生成部132(生成部)と、装置側送信制御部133と、を備えている。
装置側受信制御部131は、車両から、車両の位置と、当該位置において無線基地局Cから受信する電波の強度と、を受信するよう装置側通信部11を制御する。
装置側生成部132は、上記装置側通信部11が受信した電波の強度と、上記装置側記憶部12が記憶している上記関係と、に基づいてテーブルTを生成し、装置側記憶部12に記憶させる。テーブルTは、例えば図4に示したように、電波圏Rに設けられた道路r上の複数地点と、予定消費量と、提供可能量、の関係を示す。本実施形態に係る地点は、道路rの一部区間を構成するリンク(Link)LまたはリンクLの端(隣接するリンクとの結節点)であるノード(Node)である。予定消費量は、道路r上を自動走行する複数の車両が各地点においてそれぞれ消費することになる無線リソースの量である。提供可能量は、無線基地局Cが提供可能な無線リソースの量である。この提供可能量は、無線基地局のスループット(単位時間あたりに転送可能なデータ量)によって決まる量である。本実施形態に係る装置側生成部132は、上記各種情報と、ネットワーク測定情報との関係も示すテーブルTを生成する。なお、装置側生成部132は、線分と、予定消費量と、提供可能量と、の関係を示すテーブルを生成するよう構成されていてもよい。線分は、リンクLをその中間点を境として複数に分割したものである。このようにすれば、より精度の高いテーブルを生成することができる。
装置側送信制御部133は、上記装置側生成部132が生成したテーブルTを他の装置(例えば、後述するサーバシステム2等)へ送信するよう装置側通信部11を制御する。
なお、テーブル生成装置1は、テーブルTのデータをメディアへ書き込む記録部、テーブルTのデータを取得可能な他の装置と接続する端子等を備えていてもよい。その場合、テーブル生成装置1は装置側送信制御部133を備えていなくてもよい。
以上説明してきたテーブル生成装置1によれば、各車両が目標地点まで走行を継続した場合に、各車両3が消費する無線リソースの量の和が提供可能量を上回るか否かを判断するためのテーブルTを生成することができる。
次に、本発明の他の態様であるテーブル生成方法の実施形態について、詳細に説明する。
テーブル生成方法は、図5に示したように、取得ステップA1と、生成ステップA2と、を含む。
初めの取得ステップA1では、電波圏Rに設けられた道路r上を走行する車両から、プロセッサが、車両の位置と、当該位置において無線基地局Cから受信する電波の強度と、を取得する。本実施形態に係る取得ステップA1では、上記テーブル生成装置1が受信することにより取得する。
車両の位置および電波の強度を取得した後は、生成ステップA2に移る。生成ステップA2では、電波の強度と対応消費量との関係と、取得した電波の強度と、に基づいて、電波圏Rに設けられた道路r上の複数地点と、提供可能量と、予定消費量と、の関係を示すテーブルTを、プロセッサを用いて生成する。本実施形態に係る生成ステップA2では、上記テーブル生成装置1を用いて、テーブルTを生成する。
以上説明してきたテーブル生成方法によれば、上記テーブル生成装置1と同様、各車両が目標地点まで走行を継続した場合に、各車両3が消費する無線リソースの量の和が提供可能量を上回るか否かを判断するためのテーブルTを生成することができる。
次に、本発明の他の態様であるサーバシステム2の第一実施形態について、詳細に説明する。
サーバシステム2は、複数の車両3の位置および目標地点を受信すると、各車両3が目標地点まで走行を継続した場合に、各車両3が消費する無線リソースの量の和(以下、消費量の和)が、提供可能量を上回ることがあるか否かの判断結果を送信するものである。サーバシステム2は、車両3を遠隔制御する遠隔監視装置を構成するものであってもよいし、遠隔監視装置とは別の装置であってもよい。サーバシステム2は、図6に示したように、サーバ側通信部21(通信部)と、サーバ側記憶部22(記憶部)と、サーバ側制御部23と、を備えている。
サーバ側通信部21は、複数の通信対象となる車両3(以下、対象車両3)と、少なくとも一つのプロバイダが提供する通信ネットワークを介して通信する。本実施形態に係るサーバ側通信部21は、通信モジュールで構成されている。
サーバ側記憶部22は、テーブルTを記憶する。テーブルTは、上記テーブル生成装置1が作成したものと同じである。本実施形態に係るサーバ側記憶部22は、電波の強度と、対応消費量との関係(図3参照)を記憶している。また、サーバ側記憶部22は、静的データベースD1を記憶している。静的データベースD1は、リンク長さ(LinkLength:詳細後述)を複数蓄積している。サーバ側記憶部22は、動的データベースD2を記憶している。動的データベースD2は、リンク通過時間(LinkPassingTime:詳細後述)および無線リソース消費量(RRUse:詳細後述)を複数蓄積している。静的データベースD1および動的データベースD2は、更新可能となっている。
サーバ側制御部23は、サーバ側受信制御部231と、サーバ側生成部232(生成部)と、判断部234と、作成部233と、サーバ側送信制御部235と、を備えている。
サーバ側受信制御部231は、各対象車両3から、当該対象車両3の位置および目標地点を受信するようサーバ側通信部21を制御する。また、本実施形態に係るサーバ側受信制御部231は、道路r上を走行する車両3から、車両3の位置と、当該位置において車両3が無線基地局Cから受信する電波の強度と、を受信するようサーバ側通信部21を制御する。本実施形態に係るサーバ側受信制御部231は、交通情報を更に受信するようサーバ側通信部21を制御する。交通情報は、道路rの渋滞情報等を含む、リアルタイムの情報である。なお、サーバ側受信制御部231は、上記テーブル生成装置1からテーブルTのデータを受信するようサーバ側通信部21を制御してもよい。
サーバ側生成部232は、サーバ側通信部21が受信した電波の強度と、サーバ側記憶部22が記憶している関係と、に基づいて、テーブルTを生成し、サーバ側記憶部22に記憶させる。このようなサーバ側生成部232を備えることで、サーバシステム2は、使用初期にテーブルTが記憶されていなくても、電波圏Rを走行する車両3から情報を集めることによってテーブルを生成することができる。なお、サーバ側通信部21がテーブルTを受信する用構成されている場合、サーバシステム2は、サーバ側生成部232を備えていなくてもよい。
作成部233は、受信した各対象車両3の目標地点と、テーブルTと、に基づいて、各対象車両3の走行計画Pを作成する。具体的には、作成部233は、まず、生成したテーブルTおよび交通情報に基づいて、動的データベースD2を更新する。
(数1)
LinkCost=α×LinkLength+β×LinkPassingTime+LinkCostOfset
判断部234は、サーバ側通信部21が受信した各対象車両3の位置および目標地点と、テーブルTと、に基づいて、各対象車両3が目標地点まで走行を継続した場合に、各対象車両3が消費する無線リソースの量の和が、提供可能量を上回ることがあるか否かを判断する。本実施形態に係る判断部234は、まず、各対象車両3が走行計画Pに基づいて走行を継続した場合の無線リソースの消費量の経時変化を算出する。具体的には、判断部234は、上記作成部233が作成した複数の当初の走行計画P(LinkSet)に基づいて、各車両3の無線リソース消費量(RRUse)を、無線基地局CのPCI毎にグルーピングし、図8右上に示したようなグループデータI2を生成する。このグループデータI2を可視化すると、例えば図8右下に示したような、一の電波圏内を走行する少なくとも1台の車両3の経過時間(Time)と無線リソース消費量との関係を示すグラフGになる。このため、複数の車両3が、例えば図9左側に示したように、二つの電波圏R内を、それぞれ走行計画P(A),(B),(C)・・で走行する場合には、図9右側に示したようなグラフGを示すグループデータI2が得られることになる。
上記作成部233は、消費量の和が閾値を上回ることがある(ピークカウントが1である)と上記判断部234が判断した場合に、消費量の和が閾値を上回らないようにする新たな走行計画Pを作成する。新たな走行計画Pの作成方法は、上述した走行計画Pの作成方法と同様であるが、上記判断部234がリンク情報I1のオフセットを増加させたことにより、当初の走行計画Pとは異なる走行計画Pを作成する。作成部233は、例えば、遅延計画、迂回計画、および前倒し計画の3種類の走行計画Pの少なくともいずれかを作成することになる。
遅延計画は、図12右側上段に示したように、対象車両3が、閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所に入る時刻を遅らせた走行計画Pである。対象車両3は、優先順位が低いと上記判断部234が判断した車両3である。作成部233がこのような走行計画Pを作成することで、閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所に対象車両3が入るのが遅くなるため、当該箇所を通る際の通信が分散される。その結果、消費量の和が閾値を上回らず、通信品質(SLA:Service Level Agreement)が維持される。
迂回計画は、図12右側中段に示したように、対象車両3が、閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所を通らない走行計画Pである。作成部233がこのような走行計画Pを作成することで、閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所に対象車両3が通らなくなる(当該箇所を迂回する)ため、当該箇所を通る際の通信が分散される。その結果、消費量の和が閾値を上回らず、通信品質が維持される。なお、図12には、同一電波圏内の他の道路を走行する迂回計画を例示したが、作成部233は、他の電波圏内の道路を走行する迂回計画を作成する用構成されていてもよい。
前倒し計画は、図12右側下段に示したように、対象車両3が、閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所を出る時刻を早めた走行計画Pである。作成部233がこのような走行計画Pを作成することで、閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所を対象車両3が出るのが早くなるため、当該箇所を通る際の通信が分散される。その結果、消費量の和が閾値を上回らず、通信品質が維持される。なお、対象車両3が走行計画Pに従った自動運転を行う機能を有していない(通知のみ行う)場合、サーバシステム2は、作成部233を備えていなくてもよい。
サーバ側送信制御部235は、消費量の和が閾値を上回ることがあると判断部234が判断した場合に、その判断結果を各対象車両3の制御部へ送信するようサーバ側通信部21を制御する。上述したように、本実施形態に係るサーバ側制御部23は、作成部233が走行計画Pを作成する。このため、本実施形態に係るサーバ側送信制御部235は、新たな走行計画Pを対象車両3へ送信するようサーバ側通信部21を制御する。この新たな走行計画Pを対象車両3が受信することにより、対象車両3は新たな走行計画Pに従って走行するようになる。その結果、この対象車両3が走行する電波圏R内では、消費量の和が閾値を上回らず、通信品質が維持される。
以上説明してきたサーバシステム2によれば、サーバが各対象車両3と通信するために利用する通信ネットワークは一つなので、複数プロバイダと契約することなく利用することができる。また、無線リソース消費量の和が閾値を上回ることがある場合、各対象車両3へその旨を通知するため、各対象車両3のユーザは、そのまま自動走行を実施し続けることができないことを事前に知ることができ、閾値を上回らないための対策をとることができる。具体的には、ユーザは、対象車両3を自動走行から手動走行へ切り替えたり、対象車両3を停止させたりすることができる。その結果、無線リソースを消費するタイミングが分散され、消費量の和が閾値を上回りにくくなる(通信品質が低下しにくくなる)。
なお、サーバシステム2は、図13に示したように、サーバ側記憶部22を有する第一サーバ2aと、サーバ側通信部21、およびサーバ側制御部23Aを有する第二サーバ2bと、を備えていてもよい。この場合、第一サーバ2aは、テーブルTのデータを第二サーバ2bへ送信するための第二通信部24を備えている。また、サーバ側制御部23Aは、上記実施形態に係るサーバ側制御部23のサーバ側生成部232に相当する構成を備えていない。そして、第二サーバ2bのサーバ側受信制御部231は、車両3から各種情報を受信するだけではなく、第一サーバ2aからデータを受信するようサーバ側通信部21を制御する。このようにすれば、車両3と通信することになる第二サーバ2bを複数用意して各地に配置し、テーブルTを記憶する一つの第一サーバ2aを用意することにより、テーブルTをそれぞれ備えるサーバシステムを複数用意する場合に比べて、低コストで広範囲のサービス展開が可能となる。第一サーバ2aと第二サーバ2bとに分かれている場合、第一サーバ2aは、上記テーブル生成装置1であってもよい。
次に、本発明の他の態様である車両3の第一実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態に係る車両3は、レベル4程度の自動運転を行う自動運転車両である。車両3は、図14に示したように、位置センサ31と、カメラ32と、車両側通信部33(通信部)と、車両側記憶部34(記憶部)と、通知部35と、車両側制御部36(制御部)と、を備えている。なお、車両3は、位置センサ31およびカメラ32の少なくとも一方の代わりに/一方と共に、他の車載センサを備えていてもよい。他の車載センサには、例えば、Lidar(光センサおよび三次元高精度マップ)、Radar(電波センサ)および超音波センサの少なくともいずれかが含まれる。このようにすれば、車両3と、その周囲にある物体との相対位置関係を認識することができる。
位置センサ31は、車両3(自身)の位置を検知して位置データを生成する。本実施形態に係る位置センサ31は、例えばGPSの受信器等で構成されている。また、本実施形態に係る位置センサ31は、所定時間が経過する度に、位置データを生成する。
カメラ32は、車両3の外を撮影し、動画データを生成する。
車両側通信部33は、サーバシステム2と、少なくとも一のプロバイダが提供する通信ネットワークを介して通信する。また、車両側通信部33は、サーバシステム2と、セルラー方式で(無線基地局Cを介して)通信する。本実施形態に係る車両側通信部33は、通信モジュールで構成されている。
車両側記憶部34は、車両3の目標地点を記憶する。
通知部35は、後述する通知制御部364による制御に応じた内容を通知する。本実施形態に係る通知部35は、液晶パネル、スピーカ等で構成されている。
車両側制御部36は、取得部361と、車両側送信制御部362と、車両側受信制御部363と、通知制御部364と、実行部365と、を備えている。なお、車両側制御部36は、車両3の外に設けられていてもよい。
取得部361は、位置センサ31から位置データを取得する。また、取得部361は、カメラ32から動画データを取得する。
車両側送信制御部362は、取得部361が取得した位置データ(位置センサ31が検知した車両3の位置)および車両側記憶部34に記憶された目標地点を、サーバシステム2へ送信するよう車両側通信部33を制御する。本実施形態に係る車両側送信制御部362は、動画データを、無線基地局Cを介して遠隔監視装置等へ送信する。
車両側受信制御部363は、サーバシステム2から、判断結果を受信するよう車両側通信部33を制御する。本実施形態に係る車両側受信制御部363は、サーバシステム2から、走行計画を更に受信するよう車両側通信部33を制御する。上述したように、サーバシステム2は、少なくとも当初の走行計画を作成し、場合によって新たな走行計画を更に作成する。このため、車両側通信部33は、車両側受信制御部363の制御により、少なくとも一つの走行計画を受信することになる。
通知制御部364は、車両側通信部33が判断結果や新たな走行計画を受信すると、通知部35を制御する。これにより、通知部35は、受信した判断結果をユーザに通知する。また、通知部35は、受信した走行計画をユーザに通知する。上述したように、車両側通信部33は少なくとも当初の走行計画を受信し、場合によって新たな走行計画を更に受信する。このため、本実施形態に係る通知部35は、少なくとも一つの走行計画を通知する。
実行部365は、車両側通信部33が走行計画を受信すると、走行計画を実行する。具体的には、走行計画に従って、加減速機構および操舵機構の少なくとも一方を制御する。こうすることで、車両3は、新たな走行計画に従って走行するようになる。その結果、この車両3が走行する電波圏R内では、消費量の和が閾値を上回らず、通信品質が維持される。また、こうすることで、新たな走行計画に従って走行することをユーザが知ることができる。その結果、車両3が当初と異なる走行計画で走行してユーザが不安を感じることがなくなる。
以上説明してきた車両3によれば、車両3のユーザは、無線リソース消費量の和が閾値(提供可能量)を上回ることを事前に知ることができる。その結果、ユーザは、通信品質が低下している間、自動走行から手動走行へ切り替えたり、車両3を停止させたりすることができる。
次に、本発明の他の態様であるサーバシステムおよび車両の第二実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
サーバシステム2Aは、図15に示したように、サーバ側通信部21およびサーバ側記憶部22の他、サーバ側制御部23Aを備えている。このサーバ側制御部23Aは、上記第一実施形態に係るサーバ側制御部23(図6参照)が備えていた作成部233に相当する構成を備えていない。
車両3Aは、図16に示したように、位置センサ31、カメラ32、車両側通信部33(通信部)、車両側記憶部34(記憶部)および通知部35の他、車両側制御部36A(制御部)を備えている。この車両側制御部36Aは、取得部361、車両側送信制御部362、車両側受信制御部363、通知制御部364および実行部365の他、作成部366を備えている。作成部366は、上記第一実施形態に係るサーバシステム2が備えていた作成部233(図6参照)と同様、判断結果を受信した場合に、消費量の和が閾値を上回らないようにする新たな走行計画を作成する。本実施形態に係る作成部366は、上記第一実施形態に係る作成部233と同様、少なくとも当初の走行計画を作成し、場合によって新たな走行計画を更に作成する。
次に、本発明の他の態様である走行計画作成方法の実施形態について、詳細に説明する。
走行計画作成方法は、図17に示したように、取得ステップB1と、第一作成ステップB2と、判断ステップB3と、第二判断ステップB4と、第二作成ステップB5と、を有する。
初めの取得ステップB1では、プロセッサが、各対象車両3から、当該対象車両3の位置および走行計画を取得する。本実施形態に係る取得ステップB1では、上記サーバシステム2が受信することにより取得する。また、本実施形態に係る取得ステップB1では、道路r上を走行する車両3から、車両3の位置と、当該位置において無線基地局Cから受信する電波の強度と、を取得する。また、本実施形態に係る取得ステップB1では、交通情報を取得する。なお、この取得ステップB1において、他の装置(例えば、上記テーブル生成装置1)から、テーブルTのデータを取得してもよい。
対象車両3から走行計画等を取得した後は、第一作成ステップB2に移る。第一作成ステップB2では、プロセッサが走行計画を作成する。本実施形態に係る第一作成ステップB2では、上記サーバシステム2が作成する。第一作成ステップB2は、データベース更新ステップB21と、リンク情報作成ステップB22と、経路算出ステップB23と、を有する。
データベース更新ステップB21では、プロセッサが、生成したテーブルTおよび交通情報に基づいて、動的データベースD2を更新する。
動的データベースD2を更新した後は、リンク情報作成ステップB22に移る。リンク情報作成ステップB22では、各リンクLを示すリンク情報I1(LinkInfo)を作成する。また、本実施形態に係る第一作成ステップB2では、このようなリンク情報作成ステップB22を、電波圏Rに設けられた全ての道路rを構成する全てのリンクLについて行う。また、本実施形態に係る第一作成ステップB2では、リンク情報作成ステップB22を、電波圏R内を走行することになる車両3毎に行う。
リンク情報I1を作成した後は、経路算出ステップB23に移る。経路算出ステップB23では、作成した複数のリンク情報I1に基づいて、コストが最小となる走行経路(当初の走行計画)を算出する。また、経路算出ステップB23では、作成した当初の走行計画に基づいて、各リンク情報I1に、走行開始時刻(PassingStartTime)、走行終了時刻(PassingEndTime)を追加する。本実施形態に係る第一作成ステップB2では、このような経路算出ステップB23を、電波圏R内を走行することになる車両3毎に行う。
当初の走行計画を作成した後は、判断ステップB3に移る。判断ステップB3では、プロセッサが、受信した各対象車両3の位置および走行計画と、テーブルTと、に基づいて、各対象車両3が走行計画に基づいて走行を継続した場合に、各対象車両3が消費する無線リソースの量の和が閾値を上回ることがあるか否かを判断する。本実施形態に係る判断ステップB3では、上記サーバシステム2が判断する。判断ステップB3は、グルーピングステップB31と、合算ステップB32と、比較ステップB33と、カウント変更ステップB34と、存在判断ステップB35と、オフセット変更ステップB36と、を有する。
グルーピングステップB31では、上記第一作成ステップB2において作成した当初の走行計画(LinkSet)に含まれる無線リソース消費量を、無線基地局CのPCI毎にグルーピングし、グループデータI2を生成する。なお、PCIに代えて、無線基地局CのNRCGI(New Radio Cell Global ID)や、ECGI(E-UTRAN Cell Global ID)毎にグルーピングし、グループデータI2を生成してもよい。
グループデータI2を生成した後は、合算ステップB32に移る。合算ステップB32では、算出した各対象車両3の消費量の経時変化(グループデータI2に含まれる車両3毎の無線リソース消費量)を合算することにより、消費量の合算値の経時変化Vを算出する。
消費量の合算値の経時変化Vを算出した後は、比較ステップB33に移る。比較ステップB33では、合算値の経時変化Vと閾値を比較し、閾値を超える時間帯が存在するか否かを判断する。この比較ステップB33において、閾値を超える時間帯が存在しないと判断した場合は、ピークカウントの値を0に変更して(ステップB37)、第二判断ステップB4に移る。
上記比較ステップB33において閾値を超える時間帯が存在すると判断した場合は、カウント変更ステップB34に移る。カウント変更ステップB34では、ピークカウントの値を1に変更する。
ピークカウントの値を変更した後は、存在判断ステップB35に移る。存在判断ステップB35では、優先順位の低い車両3が存在するか否かを判断する。
優先順位の低い車両3が存在するか否かを判断した後は、オフセット変更ステップB36に移る。上記存在判断ステップB35において優先順位の低い車両3が存在すると判断した場合は、オフセット変更ステップB36では、当該車両3のリンク情報I1のオフセットを所定数倍(例えば10倍)にする。一方、上記存在判断ステップB35において優先順位の低い車両3が存在しないと判断した場合は、オフセット変更ステップB36では、グルーピングした無線リソース消費量のうち、無線リソース消費量と消費時間の積が最も大きい車両3のリンク情報I1のオフセットを所定数倍(例えば10倍)する。本実施形態に係る判断ステップB3では、この存在判断ステップB35およびオフセット変更ステップB36を、無線基地局C毎に行う。
オフセットを変更した後、または比較ステップB33において閾値を超える時間帯が存在しないと判断した後は、第二判断ステップB4に移る。第二判断ステップB4では、ピークカウントが0であるか否かを判断する。ピークカウントが0であると判断した場合は、走行計画作成方法は終了となる。
上記第二判断ステップB4においてピークカウントが0ではないと判断した場合は、第二作成ステップB5に移る。第二作成ステップB5では、プロセッサが、消費量の和が閾値を上回らないようにする新たな走行計画を作成する。具体的には、変更されたオフセットに基づいて、上記第一作成ステップと同様の流れで走行計画を作成する。本実施形態に係る第二作成ステップB5では、上記サーバシステム2が作成する。
以上説明してきた本実施形態に係る走行計画作成方法によれば、上記サーバシステム2と同様、複数のプロバイダと契約することなく、複数の車両3による無線リソースの消費量の和が、閾値(提供可能量)を上回らないための対策をとることができる。
上記各装置1~3の機能は、当該装置1~3としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置1~3の各制御ブロック(特に装置側制御部13、サーバ側制御部23、車両側制御部36に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。この場合、上記装置1~3は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記実施形態で説明した各機能が実現される。上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
11 装置側通信部
12 装置側記憶部
13 装置側制御部
131 装置側受信制御部
132 装置側生成部
133 装置側送信制御部
2、2A サーバシステム
2a 第一サーバ
2b 第二サーバ
21 サーバ側通信部
22 サーバ側記憶部
23、23A サーバ側制御部
231 サーバ側受信制御部
232 サーバ側生成部
233 作成部
234 判断部
235 サーバ側送信制御部
24 第二通信部
3、3A 車両(対象車両)
33 車両側通信部
31 位置センサ
32 カメラ
34 車両側記憶部
35 通知部
36、36A 車両側制御部
361 取得部
362 車両側送信制御部
363 車両側受信制御部
364 通知制御部
365 実行部
Claims (7)
- 無線基地局が発する電波が及ぶ電波圏に設けられた道路上の複数地点と、当該無線基地局が提供可能な無線リソースの量と、前記道路上を自動走行する車両が各地点において消費することになる前記無線基地局の無線リソースの量と、の関係を示すテーブルを記憶する記憶部と、
複数の対象車両と、少なくとも一つのプロバイダが提供する通信ネットワークを介して通信する通信部と、
各対象車両から、当該対象車両の位置および目標地点を受信するよう前記通信部を制御する受信制御部と、
受信した前記各対象車両の目標地点と、前記テーブルと、に基づいて、前記各対象車両の走行計画を作成する作成部と、
受信した前記各対象車両の位置および目標地点と、前記テーブルと、に基づいて、前記各対象車両が前記走行計画に基づいて走行を継続した場合に、前記各対象車両が消費する無線リソースの量の和が、前記提供可能な無線リソースの量を上回ることがあるか否かを判断する判断部と、
前記和が前記提供可能な無線リソースの量を上回ることがあると前記判断部が判断した場合に、その判断結果を前記各対象車両の制御部へ送信するよう前記通信部を制御する送信制御部と、
を備え、
前記テーブルは、電波の強度が低くなるほど車両が消費する無線リソースが多くなる関係に基づいて、前記車両が各地点において消費することになる無線リソースの量が決定されており、
前記作成部は、前記和が前記提供可能な無線リソースの量を上回ることがあると前記判断部が判断した場合に、前記和が前記提供可能な無線リソースの量を上回らないようにする新たな走行計画を作成し、
前記送信制御部は、前記新たな走行計画を、前記判断結果として、前記複数の対象車両のうち優先順位の低い対象車両へ送信するよう前記通信部を制御する、
いるサーバシステム。 - 前記判断部は、
前記各対象車両が前記走行計画に基づいて走行を継続した場合の無線リソースの消費量の経時変化を算出し、
算出した前記各対象車両の前記消費量の経時変化を合算することにより、前記消費量の合算値の経時変化を算出し、
前記合算値の経時変化と所定の閾値とを比較し、前記合算値が前記閾値を超える時間帯が存在するか否かを判断する、
請求項1に記載のサーバシステム。 - 前記作成部は、前記対象車両が、前記閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所に入る時刻を遅らせた走行計画を作成する、請求項2に記載のサーバシステム。
- 前記作成部は、前記対象車両が、前記閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所を通らない走行計画を作成する、請求項2に記載のサーバシステム。
- 前記作成部は、前記対象車両が、前記閾値を超える時間帯に通る予定であった箇所を出る時刻を早めた走行計画を作成する、請求項2に記載のサーバシステム。
- 前記作成部が前記新たな走行計画を作成できない場合、前記送信制御部は、通信品質の低下を回避できない旨を対象車両へ送信するよう前記通信部を制御する、請求項2に記載のサーバシステム。
- 前記受信制御部は、前記道路上を走行する前記車両から、前記車両の位置と、当該位置において前記無線基地局から受信する電波の強度と、を受信するよう前記通信部を制御し、
前記記憶部は、電波の強度と、当該強度の電波を用いて通信する際に車両が消費することになる無線リソースの量との関係を記憶しており、
受信した前記電波の強度と、記憶している前記関係と、に基づいて、前記テーブルを生成し、前記記憶部に記憶させる生成部を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載のサーバシステム。
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