JP7354093B2 - シール施工管理方法、シール施工管理装置、シール施工管理プログラム、シール施工管理システム - Google Patents

シール施工管理方法、シール施工管理装置、シール施工管理プログラム、シール施工管理システム Download PDF

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Description

本発明は、配管、弁、ポンプなどを連結するフランジ締付けに用いられるシール施工の管理技術に関する。
配管連結や配管に対するポンプなどの接続には、ガスケットを挟み込んだフランジが用いられる。このフランジは、周縁側の複数箇所に設定された締付箇所でボルトとナットの締付けにより締結される。ボルトとナットの締付けには、トルクレンチなどの手動の締付け工具や、電動式のネジ締付け工具などが用いられる。
このようなフランジに対するボルトおよびナットの締付けでは、全ての締付け箇所において所定のトルク値で締付け処理を行い、ボルトに作用する軸力にばらつきを生じさせずに締付けることが必要である。そのため、締付け工具によるボルトおよびナットの締付け状態の管理が重要となる。
締付け管理方法には、たとえばボルトに付加する締付けトルクを管理するトルク法、ボルトの伸びを超音波軸力計で測定して軸力を管理する方法、目標とする軸力までボルトを引張り、ナットを着座させて締付けを行うことで、軸力を管理しながらボルトの締付けを行うボルトテンショナー(引張法)などの方法がある。
このようなフランジの締付け管理に関し、ボルトの出力軸の回転速度やトルクを検出器で電気的に検出し、この検出値を締付け経過時間に対する刻々の回転速度とトルク値に分解して微小時間毎の動力値を算出することや、動力レンチの回転速度相当量を締付け変動負荷の状態に応じて瞬間的に増減制御することで、微小時間毎の出力軸動力を出力トルクに近似させるものが知られている(たとえば、特許文献1)。また、螺合部材の締め付け完了時の軸力と完了時から所定時間経過後の軸力の比を、締め付けに要した時間の関数として表した関係式を利用して、予測軸力を算出するものが知られている(たとえば、特許文献2)。フランジを締付けるボルトの軸力検出センサーを備え、ボルトの軸力が設定値よりも小さい場合に、締め付け動作を実行させるものが知られている(たとえば、特許文献3)。
特公昭53-047959号公報 特許第5724595号公報 特開昭61-142082号公報
ところで、ガスケットを挟み込んだフランジ接続は、全てのボルトおよびナットの締め付け軸力を均等化することでフランジ同士を平行に維持させることが必要である。複数のボルトおよびナットを締付けるフランジ接続では、ボルトに作用する軸力にばらつきが生じると、フランジ間に傾きが生じる。いわゆる片締めの状態となる。このような片締めの状態では、フランジによって連結される管路に隙間の発生や、フランジ間のガスケットによる封止機能の低下などを招くという課題がある。
また、トルク法による締付け管理は、ボルトおよびナットの締付けで付与する締付けトルクを管理するものであるが、締付けトルクとボルトに作用する軸力との比例係数であるトルク係数がフランジやナットに対する摩擦などの影響を受け、ボルト毎の軸力にばらつきがある。そのため、締付けに必要な締付け力に基づいて算出した締付けトルクで締付けを行っても、トルク係数の違いによりフランジの締付け位置毎にボルトに作用する軸力のばらつきが生じるという課題がある。
超音波軸力計を用いた締付け管理では、ボルトの締付けを行った後に軸力を測定し、軸力を均一化するように増し締めまたは締め直しを行うため作業工数や作業時間の増加を招くという課題がある。フランジに対するボルトの締付け作業では1つのボルトに対して締付けトルクの値を変えながら複数回で締付けるため、毎回目標軸力となるように締付けトルク値を調整するのでは作業工数が膨大となる。また、ボルトの増し締めまたは締め直しは、弾性相互作用の影響で、他のボルトの締付けに緩みが生じるなどの影響を受けるため、締付け後の軸力調整は作業負荷の増大を招く。
ボルトテンショナーによる締付け管理では、専用の工具が必要となり費用や作業時間がかかることやボルトを引っ張るためボルトの余長が必要となるという課題がある。さらに、油圧にてボルトに軸力を与え、ナットをボルトなどの被締結体に着座させ、油圧を取り除いて締付けが完了するが、油圧を取り除いた際にナット座面が被締結体表面に沈み込むように変形することで油圧にて与えた軸力より低下する。これを補うため、初期軸力を高く設定するが、締結体の強度が不足する場合、破損の危険が生じることや、低下する軸力の推定が難しいといった課題もある。
ガスケットを挟んだフランジのシール施工では、このような締付け管理のいずれかを採用し、締付け工具に設定したトルク値による締付けまたは締付け後の調整などを行っているが、締付けられたボルトの軸力を均一化させるためには、多大な時間や作業労力またはコストを要している。本出願の発明者は、これらの締付け管理の手法による軸力のばらつきは、ボルト毎の状態の相違が影響するとの知見に基づき、締付けトルク値の算出に利用するトルク係数を調整して締付け管理を行う点を発明の課題とした。
斯かる課題について、特許文献1~3には開示も示唆もなく、これらの文献に開示された構成では斯かる課題を解決することができない。
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、少ない作業工数および作業時間でボルトおよびナットの締付けを可能にするとともに、締付け精度の高いフランジ接続を実現することにある。
また、本発明の他の目的は、ボルトおよびナット毎の状態に応じた締付けトルクを付加することで、フランジに対する締付け状態の安定化および必要な軸力での締付けを実現することにある。
斯かる課題の開示や示唆はなく、特許文献1ないし特許文献3に開示された構成では斯かる課題を解決することができない。
上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理方法の一側面は、ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて複数の巡回のそれぞれにおいて複数のボルトおよび複数のナットが締付けられるシール施工管理方法であって、前記複数の巡回中の、ある巡回において、第1の締付けトルク値が設定された締付け工具で、各締付け箇所に備えられた前記ボルトおよび前記ナットを締付ける工程と、前記ある巡回において、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具で締付けられた前記複数のボルトそれぞれの軸力を検出する工程と、検出した前記複数のボルトそれぞれの前記軸力を利用して前記複数のボルトそれぞれのトルク係数の算出または選定を行う工程と、前記ある巡回後の他の巡回において、前記ボルトの締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出しまたは選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定する工程とを含む。
上記シール施工管理方法において、検出した前記ボルトの前記軸力と、目標軸力、設定軸力または所定の閾値とを対比し、この対比結果に基づいて前記トルク係数の算出または選定を行う工程を含んでよい。
上記シール施工管理方法において、さらに、前記締付け工具の巡回数または前記締付け箇所のいずれか、または両方を検出する工程と、巡回数または締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具に設定する設定軸力または締付けトルク値を変動させる工程とを含んでよい。
上記シール施工管理方法において、さらに、締付け工程毎に設定される設定軸力と、予め選定されたトルク係数を利用して、前記第1の締付けトルク値の算出または選定を行う工程を含んでよい。
上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理装置の一側面は、ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて複数の巡回のそれぞれにおいて複数のボルトおよび複数のナットが締付けられるシール施工管理装置であって、第1の締付けトルク値を締付け工具に設定する設定手段と、前記複数の巡回中の、ある巡回において、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具によって締付けられ前記複数のボルトそれぞれの軸力を取得し、該軸力を利用して前記複数のボルトそれぞれのトルク係数を算出または選定し、前記ある巡回後の他の巡回において、前記ボルトの前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出または選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定させる制御手段とを備える。
上記シール施工管理装置において、前記制御手段は、検出した前記ボルトの前記軸力と、目標軸力、設定軸力または所定の閾値とを対比し、この対比結果に基づいて、前記トルク係数を算出し、または選定してよい。
上記シール施工管理装置において、さらに、前記締付け工具の巡回数または前記締付け箇所のいずれか、または両方を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具に設定する設定軸力または締付けトルク値を変動させてよい。
上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理プログラムの一側面は、コンピュータで実現させるためのシール施工管理プログラムであって、ガスケットを挟んだフランジの複数の締付け箇所に取付けられる複数のボルトおよび複数のナットを複数の巡回のそれぞれにおいて締付ける締付け工具に、第1の締付けトルク値を設定する機能と、前記複数の巡回中の、ある巡回における、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具で締付けられた前記複数のボルトそれぞれの軸力の検出結果を取得する機能と、検出された前記複数のボルトそれぞれの前記軸力を利用して、前記複数のボルトそれぞれのトルク係数の算出または選定を行う機能と、前記ある巡回後の他の巡回において、ボルトの締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられたボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出し、または選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定する機能とを前記コンピュータで実現させる。
上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理システムの一側面は、ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて複数の巡回のそれぞれにおいて複数のボルトおよび複数のナットが締付けられるシール施工管理システムであって、前記ボルトまたは前記ナットに加えるトルク値を制御可能な締付け工具と、前記ボルトの軸力を検出するセンサーと、第1の締付けトルク値を締付け工具に設定し、前記センサーで検出した、前記複数の巡回中の、ある巡回における、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具で締付けられた前記複数のボルトそれぞれの前記軸力を利用して前記複数のボルトそれぞれのトルク係数を算出または選定し、前記ある巡回後の他の巡回において、前記ボルトの締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出または選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定するコントローラーとを備える。
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 締付け工程においてボルト毎のトルク係数を算出し、補正した締付けトルクでの締付けを行うことで、締付け後の締め直しなどの軸力調整による作業負荷を無くし、または軽減できる。
(2) ボルト毎のトルク係数を補正しながらナットの締付けを行うことで、段階的な締付け処理において、締付け力が不足または過剰なボルトによる他のボルトへの影響が抑えられる。
(3) ボルト毎のトルク係数を割り出し、締付け箇所の状態に応じた締付けトルク値で締付けを行うことで、ボルト間の軸力のばらつきが抑えられる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
第1の実施の形態に係るシール施工管理装置の構成例を示す図である。 フランジ締付け時にボルトに作用する力の状態例を示す図である。 Aはトルク係数補正前の締付け工程中の検出軸力の一例を示す図であり、Bはトルク係数補正後の締付け工程中の検出軸力の一例を示す図である。 シール施工管理処理の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係るシール施工管理装置の構成例を示す図である。 締付け手順の一例を示す図である。 締付け指示情報テーブルの一例を示す図である。 軸力検出結果の一例を示す図である。 トルク係数の算出結果の一例を示す図である。 シール施工管理処理の一例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係るシール施工管理システムの構成例を示す図である。 Aは締付け工具の構成例を示す図、Bは軸力センサーの一例を示す図である。 Aはコントローラーの構成例を示す図であり、Bは記憶部の構成例を示す図である。 サーバーの内部構成例を示す図である。 締付け結果の表示例を表す図である。 シール施工管理の一例を表すシーケンス図である。 第4の実施の形態に係るシール施工管理装置の構成例を示す図である。 比較例を示す図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るシール施工管理装置の構成例を示している。図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
<シール施工管理装置2>
このシール施工管理装置2は、複数の管路同士や配管と弁、配管とポンプなどを連結するシール施工部4の複数のボルト6およびナット8の締め付け処理およびその締め付け管理を行う。シール施工部4は、たとえば図1に示すように、締付け対象の一例として、連結手段であるフランジ10-1、10-2間にガスケット12が挟み込まれ、フランジ10-1、10-2の周縁側に設定された複数の締付け箇所にそれぞれボルト6およびナット8が配置される。このフランジ10-1、10-2には、たとえば締付け箇所が8箇所設定されている。つまり、このフランジ10-1、10-2には、たとえば等間隔に角度θ=45〔°〕の間隔で8本のボルト6とナット8が締付けられる。ガスケット12は、剛性のある樹脂材料で構成されており、少なくともフランジ10-1、10-2の対向面に接触するとともに、配管などのフランジ以外の被連結物に形成される流路に重ならない形状に形成されている。そしてガスケット12は、ボルト6およびナット8の締付けによりフランジ10-1、10-2に圧着状態となることで、被連結物の連結部分の周囲から流体などの流出を阻止するシール手段の一例である。
シール施工管理装置2は、シール施工管理として、ボルト6およびナット8の締付けを管理することで、フランジ10-1、10-2との間にあるガスケット12を均一またはそれに近い状態で押圧状態にする。
シール施工管理装置2は、たとえば締付け工具14および制御手段16を有する。締付け工具14は、ボルト6またはナット8に付与する出力トルクTの付与手段の一例であり、たとえば出力トルク(締付けトルクT)の設定や調整が可能な機能を備える、ナットランナーや電動工具が含まれる。この締付け工具14は、たとえば締付け処理を行う作業者の操作によって持ち運ばれ、また締付け時のON/OFF操作などが可能なものや、図示しない製品組立て装置のアームなどに設置または把持されるものもある。
締付け工具14は、たとえば装置本体20の保持および所定位置へ移動を可能にするグリップ22、締付け対象であるナット8に嵌合させて締付けトルクを付加するソケット24、締付け工程においてソケット24を通じて締付けトルクTをON/OFFさせるトリガースイッチ26を有する。ボルト6およびナット8の締付け工程では、作業者の指または図示しないマニピュレータ、その他、スイッチ回路などを利用してトリガースイッチ26のON/OFFを切替える。
また、締付け工程では、たとえば作業者や組立て装置などが、シール施工部4に設定された締付け箇所、すなわちボルト6およびナット8が設置された位置に対し、設定された順序で締付け工具14を配置させ、トリガースイッチ26のON/OFF操作を行う。
制御手段16は、締付け工具14の動作指示を出力するとともに、ボルト6およびナット8の締付け状態から締付け工具14に設定する締付けトルク値T1の調整処理を行う手段の一例である。この制御手段16は、たとえばコンピュータで構成されており、締付け工具14と一体に構成されてもよく、または独立した機器であって、締付け工具14と有線または無線によって接続されてもよい。また、制御手段16は、軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-n(nは自然数)と接続されており、締付けによる軸力の値または締付けによる軸力の変化などを取得する。
軸力センサー18-1、18-2、18-3、・・・・、18-nは、ボルト6またはナット8に作用する軸力を検出する手段の一例であり、全ての締付け箇所に設置されたボルト6またはナット8のいずれかに設置される。また、軸力センサー18-1、18-2、18-3、・・・、18-nは、たとえば軸力測定時に設置されてもよい。
<制御手段16の機能>
このような構成を備えたシール施工管理装置2の制御手段16は、たとえば、以下のような機能を有する。
a.設定されたトルク係数k1および締付け箇所の巡回数Sに応じて、ボルト6またはナット8に付与する締付けトルク値T1を算出または選定する機能。
b.締付け工具14に締付けトルク値T1を設定する機能。
c.巡回数S(STEP)に応じて段階的または連続的に締付け工具14の締付けトルク値T1を変更する機能。この巡回数Sは、ボルト6およびナット8の締付け箇所である位置P1、P2、・・・、Pnを周回する単位数である。
d.締付けによりボルト6またはナット8に作用する軸力の検出結果を取得して、締付け箇所Pに応じた補正トルク係数k2を算出する機能。
e.算出した補正トルク係数k2を利用して、補正した締付けトルク値T2を算出または選定する機能。
機能aの締付けトルク値T1は、たとえば目標軸力の値を利用して算出した締付けトルク値である。この締付けトルク値T1は、ガスケット12を含む締付け条件により、目標とする軸力Fに到達させるのに必要なレベル値として算出される。締付けトルク値Tの算出では、以下の式が用いられる。
T=kFd/n ・・・(1)
ここで、dは締付けられるボルト6の外径であり、nはシール施工部4に設置されるボルト6またはナット8の数である。また、kは、締付けトルクTと締付け力(軸力F)の比例係数を表すトルク係数である。
ボルト6およびナット8の軸力Fは、たとえば図2に示すように、締付け工具14から付加される締付けトルクTに対し、フランジ10-1や10-2とボルト6またはナット8の座面との摩擦力N1、ねじ面の摩擦力N2などの影響を受ける。また、この締付けの軸力Fは、ねじの表面粗さなどの影響を受ける。つまり、締付け箇所により、同じ締付けトルク値T1で締付けてもボルト6およびナット8に作用する軸力Fが異なってくる。このような影響を考慮して設定されるトルク係数kは、ボルト6やナット8毎の締付け箇所Pに応じて異なる値となる。シール施工開始時の締付けトルク値T1の算出では、たとえば全ての締付け箇所Pに対するトルク係数k1を一定の値として、0.2に設定する。
機能bでは、制御手段16から締付け工具14に対する制御情報として、算出したトルク値T1が締付け工具14に設定される。
機能cでは、制御手段16は、締付けの巡回数Sに応じて、締付け工具14による締付けトルク値T1を段階的または連続的に変更させて、締付けを行う。これにより、各締付け箇所Pのボルト6またはナット8の軸力を目標軸力Fに到達させていく。
機能dでは、制御手段16は、たとえば締付け箇所Pに対応する軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nから検出した軸力Fを取得する。検出した軸力Fは、締付けを行ったときに毎回取得してもよく、または所定の巡回数Sの締付けを行ったときに取得してもよい。そして、制御手段16は、たとえば式(1)を利用して、ボルト6またはナット8毎の補正トルク係数k2を算出する。補正トルク係数k2の算出では、設定したトルク値T1と検出した軸力Fを利用する。
機能eでは、制御手段16は、補正トルク係数k2と目標軸力とを利用し、式(1)に基づいて補正した締付けトルク値T2を算出し、締付け工具14に設定する。
<シール施工管理の結果>
図3は、締付け工程中の検出軸力の一例を示している。
制御手段16は、たとえば締付け箇所Pで検出した軸力を管理するとともに、図示しない表示手段により、締付けを行う作業者や作業管理者に対して管理結果を通知する。
図3のAは、たとえばトルク係数を一定の値k1=0.2に設定して締付けを行った場合の軸力検出結果の一例である。この締付け結果Fαは、たとえば締付け箇所[1]~[5]、[8]の検出軸力が同等な値となっているのに対し、締付け箇所[7]における締付け結果Fα1の値が小さくなり、また締付け箇所[6]における締付結果Fα2の値が他の締付け箇所よりも大きな値となっている。つまり同じ締付けトルク値T1で締付けを行っても、締付け箇所[7]と[6]の状態に対してトルク係数k1が適当な値でないことが明確である。
また、図3のBは、締付け箇所毎に対応した補正トルク係数k2を設定して締付けを行った場合の軸力検出結果の一例である。この締付け結果Fβでは、締付け箇所[7]、[6]の締付け結果Fβ1、Fβ2の値が他の締付け箇所の検出軸力の値と同等になっている。これによりフランジ10-1、10-2の全体に作用する軸力のばらつきが抑えられる。
<シール施工管理処理>
図4は、シール施工管理処理例を示している。図4に示す処理手順、処理内容は、本発明のシール施工管理方法またはシール施工管理プログラムの一例であり、本発明が斯かる内容に限定されない。
制御手段16は、シール施工管理処理として、目標軸力または設定軸力と第1のトルク係数k1とを利用して、第1の締付けトルク値T1の算出または選定を行い(S1)、この第1の締付けトルク値T1を締付け工具14に設定する(S2)。目標軸力は、締付け完了時にボルト6またはナット8に作用する軸力Fの目標値である。設定軸力は、巡回数Sに応じてボルト6およびナット8に対する締付けトルク値T1を段階的に変化させる場合に、締付けトルク値T1の算出時に設定される軸力Fの値であり、たとえば巡回数Sに応じて目標軸力のx[%]などが設定される。また、締付けトルク値T1は、たとえば予めデータベースなどに記憶された値を選定して設定してもよい。
制御手段16は、軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nから軸力の検出結果を取得し(S3)、検出結果を目標軸力または設定軸力と比較する(S4)。この軸力の比較は、締付け箇所毎に行う。そして検出結果が目標軸力または設定軸力と差分がある場合(S5のYES)、検出した軸力Fの値を利用して第2のトルク係数である補正トルク係数k2を算出する(S6)。また、検出結果が目標軸力または設定軸力と差分がない場合(S5のNO)、締付け箇所の状態に対応したトルク係数k1が設定されていると判断して、第1のトルク係数k1を維持する(S7)。
制御手段16は、締付け箇所毎にそれぞれのトルク係数を利用して締付けトルク値T1、T2を算出して締付け工具14に設定し(S8)、次の締付け順序に移行する。
なお、このシール施工管理処理では、検出した軸力と目標軸力または設定軸力とを対比し、その値に差分がある場合にトルク係数の補正を行う場合を示したがこれに限らない。全ての締付け箇所で検出した軸力に基づいて、第2のトルク係数k2を算出してもよい。
また、検出した軸力の対比処理では、たとえば目標軸力や設定軸力に限られず、予め設定された所定の閾値と比較してもよい。
<第1の実施の形態の効果>
斯かる構成によれば、次の効果が得られる。
(1) ボルト6およびナット8の締付けによる検出結果と、締付け工具14に設定した締付けトルク値との関係から、締付け箇所毎の状態に応じたトルク係数を割り出すことで、シール施工中に締付けトルク値の補正処理を容易に行うことができる。
(2) トルク係数の割り出しによる締付けトルク値の補正により、目標軸力または設定軸力に対してボルト6またはナット8に作用する軸力Fのずれが抑えられ、締め直しなどの作業負荷の軽減および作業時間の短縮化が図れる。
(3) 締付け工程中にトルク係数を割り出して締付けトルク値の修正を行うことで、フランジ10-1、10-2およびガスケット12の接触面に作用する軸力のばらつきが無くなり、これらの接触面の一部に皺や歪みなどが発生する可能性が低減され、ガスケットの密着性や接続される配管などの密閉性が高められる。
(4) フランジ10-1、10-2を固定支持する複数のボルト6およびナット8間で締付けの軸力のばらつきが抑えられることで、締付けの緩みの発生の可能性を低減でき、フランジ10-1、10-2の接続性やガスケット12の封止性の信頼性が高められる。
(5) 締付けの結果に基づいて締付け箇所毎の状態を自動で判断し、その状態に合せた締付けトルク値を算出することで、作業者の経験や勘によらずにフランジ10-1、10-2、ガスケット12、ボルト6、ナット8の状態に合せたシール施工管理が行える。
〔第2の実施の形態〕
図5は、第2の実施の形態に係るシール施工管理装置の構成例を示している。図5に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
<シール施工管理装置30>
このシール施工管理装置30は、たとえば図5に示すように、締付け工具14、制御手段16および締付け条件設定部32を備える。制御手段16は、たとえばボルト6またはナット8のいずれか一方または両方に設置された軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nの検出結果を取り込む取得手段34を備える。この取得手段34は、たとえば軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nと無線で接続する通信手段や有線で接続する接続インターフェースなどを含むとともに、検出結果の算出処理や表示処理を可能にする処理機能を有してもよい。
締付け条件設定部32は、たとえば制御手段16で設定した締付けトルク値T1、T2を締付け工具14に設定する機能のほか、たとえば締付け作業において締付け箇所や巡回数を把握し、その指示表示や報知をすることで作業者に対するシール施工管理機能を有する。
この締付け条件設定部32は、たとえば制御手段16と一体で構成されてもよく、または有線または無線などで接続された別体であってもよい。
また、締付け条件設定部32は、たとえば締付けトルク値T1、T2の算出処理機能を備えてもよい。
締付け工具14やシール施工部4は、第1の実施の形態と同様の構成を有していればよく、その説明を省略する。
<締付け手順および巡回数>
図6は、ボルトおよびナットの締付け手順の一例を示している。
ボルト6およびナット8の締付け作業では、たとえば図6のAの矢印aに示すように、位置P1、P2・・・、Pnを順番に巡回してもよいし、図6のBの矢印bに示すように、位置P1、P2・・・、Pnをフランジ10-1、10-2の直径方向に締付け箇所を変更する、いわゆる「対角締め」締付け手順で巡回させて締め付けを行えばよい。つまり、位置P1、P2・・・、Pnを番号順に連続して締付けてもよいし、締付け箇所を所定数だけ規則的にスキップして巡回してもよい。したがって、巡回数Sは、位置P1、P2・・・、Pnを順番に連続した巡回の計数値に限定されず、所定位置をスキップした巡回を単位として計数した計数値でもよい。
この実施の形態のシール施工管理では、たとえば日本工業規格(JIS)のフランジ継手締付け方法(JIS B 2251)に準拠した締付け手順を採用している。また、この実施の形態では、たとえばフランジ10-1、10-2に設置されるボルト6の数がn=8〔本〕の場合を示している。そこで、この締付け処理では、締め初めから所定の巡回数(S)になるまでのいわゆる「仮締め」段階では位置P1、P2・・・、Pnをフランジ10-1、10-2の直径方向に締付け箇所を変更する、いわゆる、「対角締め」(図6のB)による締め付けを行う。さらに締付け処理では、「仮締め」の巡回数(S)が完了した後にいわゆる「本締め」の段階として、P2~Pnを順番に巡回して(図6のA)締付けを行う。
なお、「仮締め」や「本締め」の巡回数(STEP)や締付けの手順は、フランジ10-1、10-2に設置するボルト6の本数に応じて異なる値が設定されてもよい。
<締付け指示情報テーブル40>
図7は、締付け指示情報テーブルの一例を示している。
この締付け指示情報テーブル40は、シール施工管理の処理内容が記憶されたテーブルの一例であり、たとえば制御手段16に記憶される。この締付け指示情報テーブル40には、たとえば巡回数を表す「STEP」毎の「実施内容」の情報や締付けの「手順」の情報などが格納されている。図7に示す締付け指示情報テーブル40の「STEP」は、締付けを行うボルト6の数によって決まり、たとえば巡回数S=10〔回〕、すなわち、8〔本〕のボルト6およびナット8に対して所定の手順で10〔回〕に分けて締付けていく。この締付け指示では、たとえば、STEP3とSTEP7においてトルク係数を算出して、締付け箇所の状態に応じたトルク係数の補正を行う。
「実施内容」の情報には、たとえば締付けトルク値やトルク係数の値が記憶されるほか、検出された軸力の取込み指示およびトルク係数の算出指示などが含まれる。
「手順」の情報には、ボルト6およびナット8を締付ける手法が格納されている。
<軸力の検出結果>
図8は、軸力の検出結果の一例を示している。
制御手段16には、軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nから取得した各締付け箇所の軸力Fの値を含む情報テーブルを備える。図8に示す情報テーブルは、たとえばトルク係数kの補正値を算出する巡回数(S)における軸力の検出および締付けトルク値やトルク係数の算出結果であり、締付け工具14に設定した締付けトルク値T1、ボルト6またはナット8に作用させる設定軸力Fx、検出軸力F、補正前のトルク係数k1、補正トルク係数k2、補正トルク値T’などが記憶される。
締付けトルク値T1は、この巡回数で設定される設定軸力Fx、トルク係数k1を利用し、既述の式(1)に基づいて算出された値である。制御手段16は、たとえばシール施工管理処理として、設定軸力Fxと、締付けトルク値T1で締付けられたときの軸力Fとを比較して、これらの値が一致もしくは設定軸力Fxに対して所定の範囲にない場合には、補正トルク係数k2を算出する。
そして、制御手段16は、軸力の比較結果に対し、次の巡回数において締付け工具14に設定する補正トルク値T’を設定する。
なお、情報テーブルは、たとえば締付け巡回数毎に作成されてもよく、またはトルク係数の補正を行う巡回数(S)のときにのみ作成されてもよい。
<トルク係数の算出結果>
図9は、トルク係数の算出結果の一例を示している。
制御手段16は、たとえば図9に示すように、トルク係数の算出処理を契機に締付け箇所に関連付けたトルク係数表示画面を生成する。このトルク係数表示画面は、たとえば図示しない制御手段16の表示部に表示してもよく、または通信または外部メモリなどを利用して、管理者用の端末装置に表示してもよい。
斯かるトルク係数表示画面を生成することで、作業者や作業管理者が締付け箇所毎のトルク係数のばらつき状態を容易に把握することができる。
<シール施工管理処理>
図10は、シール施工管理処理例を示している。図10に示す処理手順、処理内容は、本発明のシール施工管理方法またはシール施工管理プログラムの一例であり、本発明が斯かる内容に限定されない。
シール施工管理処理では、制御手段16の初期設定を行い(S11)、締付け工具14の設定を行う(S12)。これら設定ステップでは、設定されたトルク係数k1や設定軸力Fxによって巡回数毎の締付けトルク値T1の算出や締付け条件設定部32を通じて締付け工具14への入力処理などを含む。
制御手段16は、各軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nが検出した軸力の検出結果Fを取得し(S13)、締付け箇所Pおよび巡回数(S)を確認する(S14)。確認処理では、たとえば締付け箇所P1~P8の8箇所にある8本のボルト6の番号と検出軸力の変化で各締付け箇所Pを特定する。巡回数(S)は、たとえば8箇所のボルト6の締付けを単位とし、同一のボルト6の締付けが一巡する回数で特定される。
制御手段16は、巡回数(S)がトルク係数の算出ステップになったかを判断し(S15)、算出ステップの場合(S15のYES)、検出軸力Fと設定軸力Fxとの対比、およびボルト6毎の補正トルク係数k2の算出を行う(S16)。また、制御手段16は、算出した補正トルク係数k2をボルト6毎に関連づけして(S17)、次回の締付けトルク値Tの算出において、関連付けたボルト係数k2を利用する。
制御手段16は、巡回数(S)がトルク係数の算出ステップでないと判断した場合(S15のNO)、S12に戻り、巡回数(S)をカウントアップして巡回数(S)に応じた軸力Fまたは締付けトルク値を設定して締付け処理を行う。
<第2の実施の形態の効果>
斯かる構成によれば、次の効果が得られる。
(1) 巡回数(S)に応じた締付けトルク値を設定し、検出した軸力Fによって締付け状態を監視し、締付けトルク値を補正することで、締付け箇所毎の締付け状態のばらつきを防止できる。
(2) 巡回数(S)や締付け箇所に応じて連続的または段階的に変更する締付けトルクに対し、トルク係数kを補正することでボルト6の軸力Fを設定軸力Fxに合せることが可能となり、信頼性のあるシール施工を実現できる。
(3) 締付け箇所の巡回はボルト番号順だけでなくボルト番号をスキップした種々の形態での締付けを行うことができ、いずれの締付け巡回を用いても適正なシール施工を迅速に行うことができる。
〔第3の実施の形態〕
図11は、第3の実施の形態に係るシール施工管理システムの構成例を示している。図11に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。図11において、図1および図5と同一の構成には、同一符号を付している。
このシール施工管理システム50は、締付け工具14、コントローラー52、サーバー54を有する。締付け工具14は既述した構成と同様であるので、その説明を割愛する。
コントローラー52は、締付け工具14とケーブル55を以て接続されている。またコントローラー52と締付け工具14はたとえばWi-Fiや赤外線通信などで接続されてもよい。コントローラー52は、たとえば締付け工具14に対して締付けトルク値Tなどを設定するとともに、締付け状態を管理する制御手段や締付け条件設定部の機能を備えたコンピュータであり、単独またはサーバー54と連係して動作する。このコントローラー52には、たとえば前面パネル部56に複数の入力操作部58や表示部60を有する。
このコントローラー52は、コンピュータ処理により、以下のような機能や効果を実現する。
a.締付け箇所の巡回数(S)または締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与するトルク値Tを算出または選定
b.締付け工具14にトルク値Tの設定
c.巡回数(S)または締付け箇所Pに応じて段階的または連続的に締付け工具14の出力トルクTの変更
d.サーバー54から締付け管理情報の取得
e.フランジ10-1、10-2のフランジ情報の取得
f.ガスケット12のガスケット情報の取得
g.ガスケット情報の照合
h.締付け条件情報から締付け条件の選定、締付け工具14への入力
i.軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nから締付け結果の取得
j.締付け結果情報の提示
k.締付け結果に基づいてトルク係数および締付けトルク値の補正
l.締付け結果の評価情報の提示
このコントローラー52は破線で示す通信媒体62として有線または無線でサーバー54と連係する。サーバー54は、コントローラー52の情報処理を支援し、またはその情報処理を管理するコンピュータであり、たとえば、パーソナルコンピューターを用いればよい。このサーバー54は、たとえば処理部64、入力操作部66およびモニター68を有する。
<締付け工具14>
図12のAは、締付け工具14の構成例を示している。
この締付け工具14は、たとえば制御部70、モーター72、トルクセンサー74を有する。
制御部70にはコンピュータおよびモーター駆動部が備えられ、コントローラー52から締付けトルク値T1、T2などの制御情報が提供される。モーター72は、締付けトルク値T1、T2などの制御情報に応じて駆動し、トリガースイッチ26の導通時、駆動電流がモーター72に供給される。モーター72の回転が回転軸76に取り付けられたソケット24に伝達され、このソケット24に嵌合させたナット8に締付けトルク値Tが加えられる。回転軸76にギア機構を備え、モーター72の回転力を所望のギア比でソケット24に伝達させてよい。
トルクセンサー74は、モーター72または回転軸76から締付けトルク値Tを検出し、その検出したトルク値が制御部70に取り込まれる。このトルクセンサー74は、ボルト6およびナット8の締付けトルクを検出すればよく、締付け工具14の外部に有しても良い。
図12のBは、軸力センサー18を備えたボルト6の一例を示している。各ボルト6に軸力センサー18を備え、各ボルト6に加えられる軸力Fを検出すれば、締付け工具14の締付けトルク値、その増加または減少を測定することができる。軸力センサー18は、たとえば、歪みセンサーを用いればよい。
<コントローラー52>
図13のAは、コントローラー52の構成例を示している。
コントローラー52は、締付け工具14の制御手段であるとともに、シール締付けのシール施工管理装置の一例である。
このコントローラー52は、たとえばコンピュータで構成されており、プロセッサ80、記憶部82、入出力部(I/O)84、入力操作部58、通信部86および表示部60を有する。
プロセッサ80は処理手段の一例であって、記憶部82にあるOS(Operating System)やシール施工管理プログラムなどの情報処理を行う。この情報処理には、サーバー54から締付け条件情報の取得、締付け工具14への締付けトルク値Tを含む締付け条件の入力、締付け工具14から締付けトルク値の検出結果の取得、締付け状態の監視および評価、評価結果の表示、締付け結果情報の出力などの制御が含まれる。
記憶部82はOS、シール施工管理プログラム、締付け条件情報、検出情報などの記憶に用いられ、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)が備えられる。この記憶部82には記憶内容を保持可能な記憶素子を用いればよい。
I/O84はプロセッサ80により制御されて制御情報の入出力に用いられる。このI/O84には外部機器としてたとえば、バーコードリーダー88や着脱可能な外部メモリ90が接続されてもよい。バーコードリーダー88は情報取得部の一例である。外部メモリ90はログ情報の取出しメモリであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)メモリを用いればよい。
入力操作部58はキースイッチやタッチセンサーなどを備え、入力情報の入力契機、出力情報の取出し契機、モード切替えなどに用いられる。
通信部86はプロセッサ80により制御され、サーバー54などの外部機器との無線接続やインターネット接続に用いられる。
表示部60は、プロセッサ80により制御され、入力情報や出力情報の提示手段の一例である。この表示部60には状態情報の表示手段としてたとえば、グリーンランプ92-1、レッドランプ92-2などを備えてもよく、正常時にグリーンランプ92-1を点灯させ、異常時にレッドランプ92-2を点灯させればよい。
図13のBは、記憶部82の記憶内容の一例を示している。
この記憶部82には一時記憶領域94-1、記憶領域94-2を有する。一時記憶領域94-1には、たとえば施工対象であるフランジ情報100、ガスケット情報102、作業者情報104、締付け工具14から取得した締付け結果情報106などが一時的に格納される。
記憶領域94-2には、たとえば締付け指示情報テーブル40などのデータベースが構築される。
<サーバー54>
図14は、サーバー54の構成例を示している。
サーバー54は、コントローラー52の支援装置であるとともに、ログ情報の提示手段の一例である。サーバー54には、たとえば処理部110として、プロセッサ112、記憶部114、入出力部(I/O)116、通信部118を備えており、既述の入力操作部66およびモニター68が接続される。
プロセッサ112は、記憶部114にあるOSやシール施工管理プログラムなどの情報処理を行う。この情報処理には、コントローラー52に対して締付け条件情報の提供、コントローラー52から締付け結果を表す情報の取得、その締付け結果情報の提示などの処理が含まれる。
記憶部114はOS、シール施工管理プログラム、締付け条件情報、ログ情報などの記憶に用いられ、ROMおよびRAMを有する。この記憶部114には記憶内容を保持可能なハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置を用いればよい。
I/O116はプロセッサ112により制御されて制御情報の入出力に用いられる。このI/O116には外部機器としてたとえば、外部メモリ122が接続される。通信部118はたとえば、無線によるコントローラー52などとの接続に用いられる。
通信部118はプロセッサ112により制御されており、サーバー54と締付け工具14、コントローラー52などの外部機器との無線接続や、インターネット接続に用いられる。
入力操作部66は入力情報の入力操作に用いられるほか、入力操作により出力情報の取出し契機、モード切替え操作などに用いられる。
モニター68は情報提示部、表示部の一例であり、たとえば、締付け指示情報テーブル40や締付け結果などの表示に用いられる。このモニター68の画面表示部にはタッチパネル120を備え、入力操作部66に代え、表示情報に対応した入力情報の入力を行うようにしてもよい。
<締付け結果>
図15は、締付け結果の一例を示している。
コントローラー52の表示部60やサーバー54のモニター68には、たとえば図15のAに示すように、シール施工部4の締付け箇所P1、P2・・・、Pnを模した締付け結果の画面が表示される。この締付け結果の画面は、コントローラー52やサーバー54のいずれかまたは両方が軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nから取得した検出結果(図15のB)の情報、および締付け工具14による締付け箇所や巡回数(S)の情報などが組み合せて生成されている。
締付け結果の画面には、たとえばそれぞれの締付け箇所に対し、締付けの目標軸力と巡回数(S)毎の締付け力が表示されている。つまりこの締付け結果の画面には、締付け箇所同士の軸力のばらつきとともに、巡回数(S)毎の締付け力の推移が表される。
また、コントローラー52の一時記憶領域94-1やサーバー54の記憶部114には、たとえば図15のBに示すように、検出結果としてSTEP毎、すなわち巡回数(S)毎のボルト6の軸力Fを含む検出データが格納される。
この検出結果は、たとえばSTEP1~6までの締付け結果を示しており、さらに締付けの工程が進むことで検出データが増加していく。また、このシール施工管理では、たとえば第2の実施の形態と同様に、STEP3の検出結果に基づいてトルク係数の補正処理を実行する。そして、このトルク係数の補正後に、締付けの巡回数(S)が進むとSTEP6の段階における各ボルトの軸力の検出結果がほぼ同等な値となる。これによりフランジ10-1、10-2面に対してばらつきのない軸力によるシール施工が行われていることが示されている。
<シール施工管理の処理シーケンス>
図16は、シール施工管理システム50によるシール施工管理の処理シーケンスを示している。
シール施工処理では、締付け工具14が初期設定を行うとともに(S31)、コントローラー52が初期設定を行う(S32)。この初期設定の後、コントローラー52とサーバー54を連係させ、コントローラー52は、サーバー54から提供されるトルク係数k1などを含む締付け条件情報を取り込む(S33)。コントローラー52は、締付け指示情報テーブル40の取得により締付け条件情報を取込む。
この締付け条件情報を取得したコントローラー52は、予め選定されているフランジ10-1、10-2およびガスケット12に対応する締付け条件を設定する(S34)。また、コントローラー52は、巡回数Sや締付け位置Pの設定(S35)や、トルク係数k1や設定軸力Fxを利用した締付けトルク値T1の算出(S36)を行う。予め締付けトルク値T1の候補が格納されている場合には、この格納された締付けトルク値T1の1つを選定すればよい。
締付けの準備処理を経て、コントローラー52は、締付け工具14に対して締付けトルク値T1を設定する(S37)。
そして、施工者が締付け工具14により、締付け箇所のボルト6またはナット8に締付けトルクを付与し、締付けを行う(S38)。各軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nは各締付け箇所Pのボルト6の軸力の検出を行い(S39)、それらの検出軸力Fがコントローラー52に取り込まれる(S40)。
コントローラー52は、各検出軸力を用いて締付け箇所Pの巡回数Sまたは締付け箇所Pの情報から締付け作業が完了したかを判断する(S41)。つまり、コントローラー52は、たとえば、締付け箇所P=8の場合、8本のボルト6の番号と軸力の変化から締付け箇所P1~P8のいずれであるかを特定する。コントローラー52は、締付け箇所P1~P8から選択される複数のボルト6の締付けを単位とし、選択されたボルトを一巡する回数を巡回数S=1とする。そして、巡回数Sは、S=0ないしnを特定することができることは既述した通りである。
コントローラー52は、締付け作業が完了していないと判断した場合(S41のNO)、トルク係数kの算出ステップ(巡回数)かを判断する(S42)。算出ステップである場合(S42のYES)、コントローラー52は検出軸力と設定軸力が相違するかを判断する(S43)。
トルク係数kの算出ステップでない場合(S42のNO)、検出軸力と設定軸力に相違が無い場合(S43のNO)、S35に戻って締付け作業を継続する。
このとき、コントローラー52では、たとえば巡回数(S)をカウントアップして、次の巡回数に対応した締付けトルク値Tを算出する。これにより締付け箇所Pや巡回数Sに応じて出力トルクTを段階的または連続的に変更、設定する。
コントローラー52は、検出軸力と設定軸力が相違すると判断した場合(S43のYES)、締付けトルク値の補正処理として、軸力の検出結果を利用した補正トルク係数k2を算出する(S44)。そして、コントローラー52は、補正トルク係数k2を含む新たな締付け条件を設定し(S45)、S35に戻って締付け処理を継続する。
コントローラー52は、巡回数Sのカウント値に基づいて締付け完了と判断した場合(S41のYES)、締付け終了となり(S46)、締付け工具14に締付け完了指示を入力して締付けを完了する。この締付け完了は、たとえばモニター68を用いて提示すればよい。コントローラー52は締付け結果情報をサーバー54に通知する。そしてサーバー54には、締付け結果情報の表示が行われる(S47)。
なお、コントローラー52は、締付け完了か否かの判断として巡回数(S)のカウント数を判断したがこれに限らない。コントローラー52は、たとえば軸力センサー18-1、18-2、・・・、18-nから取得した検出結果に対し、軸力のばらつきがある、目標軸力に達していないもしくは所定の範囲内にないと判断した場合には、さらに増し締め処理を繰り返してもよい。
<第3の実施の形態の効果>
斯かる構成によれば、次の効果が得られる。
(1) トルク係数kや締付けトルク値Tなどの締付け条件が自動的に選択されるので、作業者に締付け条件の管理を強いる必要がなく、締付け条件設定から作業者の負担を軽減できる。作業者の経験や勘に頼る締付け条件の設定を回避して設定ミスや締付けミスを防止できる。
(2) この締付け条件をサーバー54から個別的具体的にコントローラー52に提供できるので、精緻な締付け結果を実現できる。軸力の検出結果に基づいてトルク係数kの補正や締付けトルク値の設定などの精度の高いシール施工管理を行うことができる。
(3) 締付け管理が可能な締付け工具と、コンピュータを用いた情報処理によりシール施工の自動化、高精度化、簡略化、高効率化を実現でき、作業者の経験や勘に依存しない信頼性の高いシール施工ができる。
〔第4の実施の形態〕
図17は、第4の実施の形態に係るシール施工管理装置の一例を示している。
このシール施工管理装置130は、締付け工具132と制御手段134を有する。締付け工具132は、たとえばトルクレンチやハンドナットランナーなどであり、設定した締付けトルク値を生成するギアユニット136を備える。
このギアユニット136には、たとえばナット8に結合するソケット138が設置される。また、ギアユニット136は、ボルト6やナット8の識別情報および締付け箇所情報を取得する情報取得ユニット140を有する。この情報取得ユニット140は、たとえば受信アンテナ、受信部、信号変換部、送信部および送信アンテナなどで構成される。そして情報取得ユニット140は、ボルト6やナット8などに設置された図示しないタグ情報を受信し、このタグ情報からID(Identification)などの識別情報を取得する。そしてこの識別情報を信号変換部で送信信号に変換し、送信部を通じて制御手段134側に送信する。この送信信号の送信には、たとえば近距離無線通信が利用される。
制御手段134は、たとえば通信部142、処理部144、記憶部146、情報提示部148を有する。
通信部142は、締付け工具132に設置された情報取得ユニット140と通信し、ボルト6やナット8の識別情報を受信する。
処理部144は、通信部142を通じて情報取得ユニット140との間で識別情報などの送受信を行うほか、締付けトルク値の設定処理、トルク係数の算出処理などを行う。
記憶部146は、たとえばボルト6やナット8の識別情報、締付け位置情報が格納されるほか、締付け手順や締付けトルク値の算出情報、トルク係数の算出情報のほか、図示しない締付け箇所毎に設置された軸力センサー18-1、18-2、・・・18-n(図1)から受信した軸力情報などを格納する。
情報提示部148は、締付け工具132に設定する締付けトルク値情報やトルク係数情報、補正したトルク係数情報、検出した軸力情報などを表示するほか、締付け工程において、締付け位置の指示情報などを表示する手段の一例である。
締付け工程における軸力の検出処理、トルク係数の算出処理、締付けトルク値の補正処理については、既述の実施の形態で示した通りであり、説明を省略する。
<第4の実施の形態の効果>
斯かる構成によれば、次のような効果が期待できる。
(1) 締付け箇所毎に対応した締付けトルク値での締付けが行えるとともに、ボルト6やナット8の識別情報を利用して、締付け箇所の管理が容易に行える。
(2) ボルト6やナット8の識別情報による締付け箇所の管理により、作業手順などのミスが発生した場合でも、情報提示部148を通じてガイド表示を行うことで作業者を適切な作業に誘導することができるので、シール施工管理の信頼性を高めることができる。

〔比較例〕
図18は、フランジのシール施工管理処理の比較例を示している。
図18に示すシール施工管理処理では、たとえば上記第2の実施の形態および第3の実施の形態と同様に、フランジ10-1、10-2に対して8本のボルト6とナット8を締付ける処理を行っている。この締付け処理は、締付け工具14に設定する締付けトルク値Tの算出処理において、予め設定されたトルク係数kとして、0.2の値を維持した場合である。そして、締付けトルク値Tは、巡回数に応じて、段階的に増加させている。
この締付け処理の結果は、図18のAに示すように、締付け位置P6の軸力が他の締付け位置よりも常に大きな軸力Fが作用していることが分る。そして巡回数であるSTEP6において、締付け位置P6のみが目標軸力に達したのに対し、他の締付け箇所は目標軸力に達していない。
軸力センサー18-1、18-2、・・・18-8で検出した軸力は、図18のBに示すように、STEP6の段階で、各ボルト6間で大きくばらつく結果となった。これらの軸力値を比較すると、ばらつきの最大値は約28〔%〕となり、平均で14〔%〕もの値となった。このようなばらつきが生じた場合、フランジ10-1、10-2間には均等に力が作用していないことから、一部の締付け位置のみが作用するいわゆる片締めが発生したり、他のボルト6およびナット8に緩みが生じるおそれがある。そのため、締付け処理では、たとえば全てのボルト6の軸力を監視しつつ、締め直しや締め増しを行うことになる。フランジ10-1、10-2に対するボルト6およびナット8の締付けでは、発明の課題で述べたように、弾性相互作用の影響で、他のボルトの締付けに緩みが生じるなどの影響を受けるため、締付け後の軸力調整は作業負荷の増大を招くことなる。
これに対し、本発明のように、締付け工程中に締付け箇所に対応したトルク係数の補正処理を行うことで、ボルト6間の締付け状態のばらつきによる影響が発生せず、またはその影響が抑えられるので、効率的かつ作業負荷の少なくなるとともに、締付け状態が安定したシール施工管理を行うことが可能となる。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、締付け工具14として、プロセッサなどを備えたハンドナットランナーを用いる場合を示したがこれに限らない。締付け工具14は、たとえば手動で締付けトルクを設定可能なトルクレンチを用いてもよい。また、締付け工具14は、大型の組立て装置であり、かつボルトの締付けを行う締付けアームを有し、製品に対する締付け箇所の把握や締付けによる軸力を検出可能なものであればよい。
(2) 上記実施の形態では、締付け箇所に作用する軸力を検出する手段として、ボルト自体に軸力センサーが設置されたものを示したがこれに限らない。シール施工管理処理では、たとえば締付けたボルト6に対して超音波センサーなどの検出機器を利用して軸力を検出し、この検出結果を利用してトルク係数を算出してもよい。
(3) コントローラー52は、たとえばスマートフォンなどの携帯情報端末を用いてもよい。
(4) 上記実施の形態では、ひとつの締付け工具14にコントローラー52およびサーバー54を連係した例を示したが、これに限らない。複数の締付け工具14にコントローラー52およびサーバー54を連係してもよく、複数のコントローラー52に単一のサーバー54を備えてもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態や実施例について説明した。本発明は上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態または実施例に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明のシール施工管理方法、シール施工管理装置、シール施工管理プログラム、シール施工管理システムは、締付け管理が可能な締付け工具を用いてコンピュータを用いた情報処理により、締付け工程で検出した軸力を利用してトルク係数の補正処理を行うことで、締付け箇所の状態に応じた締付けトルク値が設定でき、フランジに対する締付け状態の安定化および必要な軸力での締付け処理が行え、有益である。
2、30、130 シール施工管理装置
4 シール施工部
6 ボルト
8 ナット
10-1、10-2 フランジ
12 ガスケット
14、132 締付け工具
16、134 制御手段
18、18-1、18-2、・・・、18-n 軸力センサー
20 装置本体
22 グリップ
24 ソケット
26 トリガースイッチ
32 締付け条件設定部
34 取得手段
40 締付け指示情報テーブル
50 シール施工管理システム
52 コントローラー
54 サーバー
55 ケーブル
56 前面パネル部
58 入力操作部
60 表示部
62 通信媒体
64、110 処理部
66 入力操作部
68 モニター
70 制御部
72 モーター
74 トルクセンサー
76 回転軸
80、112 プロセッサ
82、114 記憶部
84、116 入出力部(I/O)
86、118 通信部
88 バーコードリーダー
90 外部メモリ
92-1 グリーンランプ
92-2 レッドランプ
94-1 一時記憶領域
94-2 記憶領域
100 フランジ情報
102 ガスケット情報
104 作業者情報
106 締付け結果情報
120 タッチパネル
122 外部メモリ
136 ギアユニット
138 ソケット
140 情報取得ユニット
142 通信部
144 処理部
146 記憶部
148 情報提示部

Claims (9)

  1. ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて複数の巡回のそれぞれにおいて複数のボルトおよび複数のナットが締付けられるシール施工管理方法であって、
    前記複数の巡回中の、ある巡回において、第1の締付けトルク値が設定された締付け工具で、各締付け箇所に備えられた前記ボルトおよび前記ナットを締付ける工程と、
    前記ある巡回において、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具で締付けられた前記複数のボルトそれぞれの軸力を検出する工程と、
    検出した前記複数のボルトそれぞれの前記軸力を利用して、前記複数のボルトぞれぞれのトルク係数の算出または選定を行う工程と、
    前記ある巡回後の他の巡回において、前記ボルトの締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出しまたは選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定する工程と、
    を含むことを特徴とするシール施工管理方法。
  2. 検出した前記ボルトの前記軸力と、目標軸力、設定軸力または所定の閾値とを対比し、この対比結果に基づいて前記トルク係数の算出または選定を行う工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のシール施工管理方法。
  3. さらに、前記締付け工具の巡回数または前記締付け箇所のいずれか、または両方を検出する工程と、
    巡回数または締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具に設定する設定軸力または締付けトルク値を変動させる工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のシール施工管理方法。
  4. さらに、締付け工程毎に設定される設定軸力と、予め選定されたトルク係数を利用して、前記第1の締付けトルク値の算出または選定を行う工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシール施工管理方法。
  5. ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて複数の巡回のそれぞれにおいて複数のボルトおよび複数のナットが締付けられるシール施工管理装置であって、
    第1の締付けトルク値を締付け工具に設定する設定手段と、
    前記複数の巡回中の、ある巡回において、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具によって締付けられた前記複数のボルトそれぞれの軸力を取得し、該軸力を利用して前記複数のボルトそれぞれのトルク係数を算出または選定し、前記ある巡回後の他の巡回において、前記ボルトの前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出または選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定させる制御手段と、
    を備えることを特徴とするシール施工管理装置。
  6. 前記制御手段は、検出した前記ボルトの前記軸力と、目標軸力、設定軸力または所定の閾値とを対比し、この対比結果に基づいて、前記トルク係数を算出し、または選定することを特徴とする請求項5に記載のシール施工管理装置。
  7. さらに、前記締付け工具の巡回数または前記締付け箇所のいずれか、または両方を検出する検出手段を備え、
    前記制御手段は、巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具に設定する設定軸力または締付けトルク値を変動させることを特徴とする請求項5または6に記載のシール施工管理装置。
  8. コンピュータで実現させるためのシール施工管理プログラムであって、
    ガスケットを挟んだフランジの複数の締付け箇所に取付けられる複数のボルトおよび複数のナットを複数の巡回のそれぞれにおいて締付ける締付け工具に、第1の締付けトルク値を設定する機能と、
    前記複数の巡回中の、ある巡回における、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具で締付けられた前記複数のボルトそれぞれの軸力の検出結果を取得する機能と、
    検出された前記複数のボルトそれぞれの前記軸力を利用して、前記複数のボルトそれぞれのトルク係数の算出または選定を行う機能と、
    前記ある巡回後の他の巡回において、ボルトの締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられたボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出し、または選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定する機能と、
    を前記コンピュータで実現させることを特徴とするシール施工管理プログラム。
  9. ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて複数の巡回のそれぞれにおいて複数のボルトおよび複数のナットが締付けられるシール施工管理システムであって、
    前記ボルトまたは前記ナットに加えるトルク値を制御可能な締付け工具と、
    前記ボルトの軸力を検出するセンサーと、
    第1の締付けトルク値を締付け工具に設定し、前記センサーで検出した、前記複数の巡回中の、ある巡回における、前記第1の締付けトルク値が設定された前記締付け工具で締付けられた前記複数のボルトそれぞれの前記軸力を利用して前記複数のボルトそれぞれのトルク係数を算出または選定し、前記ある巡回後の他の巡回において、前記ボルトの締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの第2の締付けトルク値を、前記トルク係数を利用して算出または選定し、前記締付け箇所毎に、各締付け箇所に備えられた前記ボルトの前記第2の締付けトルク値を前記締付け工具に設定するコントローラーと、
    を備えることを特徴とするシール施工管理システム。
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