JP7345736B2 - マルチホップシステムにおけるセクタ化通信とルート発見の統合 - Google Patents

マルチホップシステムにおけるセクタ化通信とルート発見の統合 Download PDF

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本開示の技術は、一般に無線ネットワーク通信に関し、具体的には、統合的セクタ化通信及びルート発見プロセスを利用したマルチホップルーティングに関する。
高容量ネットワークを提供したいとの幅広い要望に応えて、ネットワークオペレータらは、高密度化を達成する様々な概念を受け入れ始めた。現在のsub-6GHz無線技術は、高データ需要に対処するには十分でない。1つの選択肢は、ミリメートル波帯(mmW)と呼ばれることもある30~300GHz帯のさらなるスペクトルを利用することである。
一般に、mmW無線ネットワーキングシステムを効率的に利用するには、これらの高周波帯のチャネル障害及び伝搬特性に正しく対応する必要がある。高自由空間経路損失、高い侵入損失、反射損失及び回折損失は、利用可能なダイバーシチを低減し、見通し外(NLOS)通信を制限する。とはいえ、mmWの短波長は、経路損失を克服して受信機における高い信号対雑音比(SNR)を確実にするのに十分な配列利得(array gain)を提供することができる実用的な寸法の高利得電子操作型指向性アンテナ(high-gain electronically steerable directional antennas)の使用を可能にする。mmW帯を用いた高密度展開環境における指向性分散ネットワーク(DN)は、局(STA)間の信頼できる通信を実現して見通し内チャネル制約を克服するための効率的な方法となり得る。
新規局(STA又はノード)が作動する時、参加すべきネットワーク内の発見すべき近隣STAを探す(探索する)。STAからネットワークへの初期アクセスプロセスは、近隣STAをスキャンして局所的近傍における全てのアクティブなSTAを発見することを含む。このプロセスは、参加すべき特定のネットワーク又はネットワークリストを新規STAが探索することを通じて、或いは新規STAを受け入れる予定のいずれかの既存のネットワークに参加するためのブロードキャスト要求を新規STAが送信することによって実行することができる。
分散ネットワーク(DN)に接続するSTAは、近隣STAを発見して、ゲートウェイ/ポータルDN STAに到達するための最良の方法、及びこれらの各近隣STAの能力を判断する必要がある。新規STAは、候補となる近隣STAの全てのチャネルを特定の期間にわたって検査する。この特定の時間後にアクティブなSTAが検出されなければ、新規STAは次のチャネルの検査に移行する。STAが検出されると、新規STAは、自機の物理(PHY)層(例えば、OSIモデル)を調節領域(IEEE、FCC、ETSI、MKK等)における動作のために構成するのに十分な情報を収集する。mmW通信では、指向性送信に起因してこのタスクがさらに困難である。このプロセスにおける課題は、(a)周辺STA IDの知識、(b)ビームフォーミングにとっての(単複の)最良送信パターンの知識、(c)衝突及びデフネスに起因するチャネルアクセス問題、並びに(d)閉塞及び反射に起因するチャネル障害、として要約することができる。mmW D2D及びDN技術の普及を可能にするには、上記の一部又は全部を克服する近隣発見方法を設計することが何よりも重要である。
ブロードキャストモードで動作するネットワークのDNアドレスを発見するための既存の技術の大部分は、指向性無線通信を伴うネットワークを目的としていない。また、指向性無線ネットワーク通信を利用するこれらの技術は、ビーコン信号の生成に関するオーバーヘッド要求が非常に高いことが多い。さらに、これらの技術は、発見の実行に伴うオーバーヘッド及びレイテンシを低減するのに十分な機構を欠いている。
現在のmmW通信システムは、送信機(Tx)と受信機(Rx)との間の十分なリンクバジェットを得るために指向性通信に依拠する。局は、チャネルにアクセスするために、最初にリスニングを行って、媒体が占められているか、それとも空いているかをチェックする。通常、このリスニング段階は準全方向アンテナを使用して行われ、多くの場合はこれによって送信又は受信方向が実際の指向性信号の影響を受けることはないが、チャネルアクセスが妨げられる。
mmW帯でマルチホップ通信ネットワークを確立するタスクは、低周波帯システムにおける全方向通信に比べると、指向性に起因していっそう困難である。このプロセスにおける課題は、(a)周辺ノードのIDの知識、(b)近隣へのビームフォーミングにとって最良送信パターンの知識、(c)衝突及びデフネスに起因するチャネルアクセス問題、並びに(d)閉塞及び反射に起因するチャネル障害、として要約することができる。
現在の指向性無線通信技術は、ネットワークを介してリンク及びルーティング経路を確立する際に高オーバーヘッドに見舞われることが多い。
従って、発信局から宛先局への複数ホップ(マルチホップ)経路を含むリンク及びルーティング経路を効率的に確立するための強化された機構に対するニーズが存在する。本開示は、これらのニーズを満たすとともに、これまでの技術を凌駕するさらなる利点をもたらす。
マルチホップ通信シナリオにおいてネットワーク局(STA)がセクタ化通信をルート発見と統合するための装置及び方法を開示する。局(STA)がルート要求発見プロセスを開始する際に有効なセクタ情報を有していない状況では、開示するプロトコルに従って共同的なセクタスイープ及びルート発見動作が実行される。
少なくとも1つの実施形態では、この統合的セクタスイープ及びルーティング発見プロセスが以下の要素を含む。統合的ルート発見及びセクタスイーププロセスを開始するために、セクタスイープ(SSW)動作内の各セクタにルート要求フレームが添付される。セクタスイープフレームを受け取った局は、セクタスイープ及びその埋め込まれたルート要求フレームから情報を抽出する。局は、最良のリンクメトリックを有するルート要求メッセージに関する情報を維持(ルート要求メッセージを追跡)する。リンクを介したセクタスイープが既に決定されて最新状態に保たれている場合には(例えば、有効なルーティング経路)、最良セクタを通じてルート要求発見メッセージが伝えられる。
マルチホップ通信を最適化するために、各局は、ビーム精緻化プロトコル(BRP)を適用して、自機のセクタ設定を近隣STAに到達するように微調整することができる。本開示では、これらのBRPをルート発見メッセージングと統合する。宛先STAに向かうルートを確立するためにルート発見メッセージを発信するSTAは、ビーム精緻化が望ましい場合にはルート発見メッセージにトレーニング(TRN)フィールドを添付するように構成される。応答局は、TRNフィールドが添付されたルート発見メッセージを受け取ると、TRNフィールドを検査して、自機が生成するいずれかの応答ルート要求又はルート応答に検査結果を含むフィードバック(BRPフレームフィードバック)を埋め込む。
複数ホップを通じた指向性通信(Tx/Rx)を使用して通信する無線STAは、セクタスイープトレーニングを実行して近隣STAに到達するための最良の方向を発見し、宛先STAに向かうルートを確立するために、セクタスイープハンドシェーキングによって決定された最良セクタを使用してルート発見メッセージを送信する。
本発明者の以前の研究では、セクタ化通信を設定するために利用される動作との統合によって代替ルートは維持されたものの、プロセスが最適化されなかった。
本開示の教示は、無線LAN(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、装置間(D2D)ネットワーク、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、メッシュネットワーク、及び屋外無線通信に適用することができる。従って、開示する技術は幅広い目的用途で利用することができ、限定ではなく一例として、Wi-Fi、WiGig、Wi-Fiタイプネットワーク、モノのインターネット(IoT)用途、データのバックホール及びフロントホール、屋内及び屋外配信ネットワーク、メッシュネットワーク、並びにD2D通信を伴う次世代セルラーネットワークなどが挙げられる。
本明細書の以下の部分では、本明細書で説明する技術のさらなる態様が明らかになり、この詳細な説明は、本技術の好ましい実施形態を制限することなく完全に開示するためのものである。
本明細書で説明する技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによって十分に理解されるであろう。
IEEE 802.11無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)において行われるアクティブスキャンのタイミング図である。 DN局と非DN局との組み合わせを示す分散ネットワーク(DN)の局(STA)図である。 IEEE 802.11 WLANのDN識別要素を示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11 WLANのDN構成要素を示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adプロトコルでのアンテナセクタスイーピング(SSW)の概略図である。 IEEE 802.11adプロトコルでのセクタレベルスイーピング(SLS)のシグナリングを示すシグナリング図である。 IEEE 802.11adのセクタスイープ(SSW)フレーム要素を示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adのSSWフレーム要素内のSSWフィールドを示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adに利用される、ISSの一部として送信される時に示されるSSWフィードバックフィールドを示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adに利用される、ISSの一部として送信されない時に示されるSSWフィードバックフィールドを示すデータフィールド図である。 アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルのネットワークトポロジ図である。 アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルのネットワークトポロジ図である。 アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルのネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って利用される無線mmW通信局ハードウェアのブロック図である。 本開示の実施形態に従って利用される図11の局ハードウェアのmmWビームパターン図である。 本開示の実施形態による、発見帯通信アンテナ(すなわち、sub-6GHz)のビームパターン図である。 本開示の実施形態に従って利用される4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って利用される3つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、ルート要求フレーム(RREQ)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、ルート応答フレーム(RREP)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、ステータス要求フレーム(SREQ)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、発信局(STA)によるステータス応答フレーム(SREP)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、統合的ルート要求送信を伴うイニシエータセクタスイープ処理のフロー図である。 本開示の実施形態による、統合的ルート要求を処理するレスポンダセクタスイープのフロー図である。 本開示の実施形態による、一例として利用されるネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Sと局Aとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Sと局Aとの間で図23のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Sと局Bとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Sと局Bとの間で図25のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Sと要求応答情報を欠いた局Aとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Sと局Aとの間で図27のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Sと要求応答情報を欠いた局Bとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Sと局Bとの間で図29のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Bとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Bとの間で図31のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Dとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信において、局Aが受け取ったルート要求のうちの最良のものを転送のために選択することを示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Dとの間で図33のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Dとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Dとの間で図35のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Bとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Bとの間で図37のように実行されるセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Dとの間の確立された指向性リンク、及び確立されたリンクを通じて送信されるルート要求を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、STA Bが2つのルーティング要求を受け取った後の、局Bと局Dとの間の統合的セクタスイープ及びルート発見を使用したイニシエータとレスポンダとの通信を示すシグナリング図である。 本開示の実施形態による、図40のような局Aから局Bへのセクタ間セクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Bとの間の確立された指向性リンクを介してルート応答メッセージが交換されることを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Sとの間の確立された指向性リンクを介してルート応答メッセージが転送されることを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Bと局Sとの間の確立された指向性リンクを介してルート応答メッセージが転送されることを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、ルートの指向性セクタのためのトレーニング情報と応答情報とを統合するルーティングメッセージを通信するビームトラッキングイニシエータ及びレスポンダを示すシグナリング図である。 BRPデータフレーム内のトレーニング(TRN)フィールドを示すデータフィールド図である。 ビーム精緻化プロトコル(BRP)送信(TX)パケット内のトレーニング(TRN)フィールドのデータフィールド図である。 ビーム精緻化プロトコル(BRP)受信(RX)パケット内のトレーニング(TRN)フィールドのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、(TRN)フィールドが添付されたルート要求を送信するフロー図である。 本開示の実施形態による、(TRN)フィールドが添付された受信ルート要求を処理するフロー図である。 局Aと局Sとの間の確立された指向性リンクを介したルート要求及び応答メッセージ内でBRPトレーニングフィールドと応答フィールドとを統合することを示すネットワークトポロジ図である。 局Bと局Sとの間の確立された指向性リンクを介したルート要求及び応答メッセージ内でBRPトレーニングフィールドと応答フィールドとを統合することを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Aと局Sとの間のセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、局Bと局Sとの間のセクタスイープを示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、近隣局A及びBを認識する局Sにおける近隣リスト例のデータベースレコード図である。 本開示の実施形態による、セクタスイープからの最良セクタを使用して局Sと局Aとの間の確立されたリンクを介して通信されるルーティング要求を示すネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、セクタスイープからの最良セクタを使用して局Sと局Bとの間の確立されたリンクを介して通信されるルーティング要求を示すネットワークトポロジ図である。
本開示は、指向性マルチホップ通信のためのセクタ化通信とルート発見との統合を提供する。指向性通信では、ネットワーク内のいずれかの一対の局(ノード)間の送信(TX)及び受信(RX)にとって最良のアンテナセクタを発見するためにセクタスイープが利用される。さらに、マルチホップ通信では、(送信元から宛先への)直接又は(1又は2以上の中間局を通じた)マルチホップなどの送信元から宛先へのマルチホップルートを確立するためにルート発見が利用される。本開示は、セクタ化通信とルート発見とを組み合わせる複数の方法について説明する。また、説明するプロトコル拡張は幅広い無線通信プロトコルにおいて使用可能であり、宛先局に到達するための複数のネクストホップオプションを追跡するための拡張を含む拡張に適合し、従ってルーティングプロトコルに閉塞耐性を持たせる。
以下の用語は、本開示において使用する際には一般に後述する意味を有する。
AODV:アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)は、無線及びモバイルアドホックネットワーク用に設計された、宛先へのオンデマンドルートを確立するためのルーティングプロトコルである。
ビームフォーミング(BF):全方向又は準全方向アンテナではない指向性アンテナシステム又はアレイからの、対象の受信機における受信信号電力又は信号対雑音比(SNR)を改善する情報を決定するための指向性送信であり、局は、この送信に基づいて、時間及び割り当て情報を相関させる情報を取得することができる。
BI:ビーコン間隔は、ビーコン送信時間の合間の時間を表す周期的スーパーフレーム期間(cyclic superframe period)である。
BRP:ビーム精緻化プロトコルは、特定のノード(局)対間の通信に使用される指向性セクタを精緻化するプロセスである。
BRP応答:ビーム精緻化プロトコル(BRP)応答は、BRP中のトレーニングフィールド(TRN)を受け取ったことに応答して送信される、ビーム精緻化情報を含むメッセージである。
BSS:ベーシックサービスセットは、ネットワーク内のAPとの同期に成功した一連の局(STA)である。実際にはSTA同士の通信を可能にする無線媒体に接続するSTAの組であるBSSの周囲に構築される、IEEE802.11 WLANアーキテクチャのコンポーネントである。
BTI:ビーコン送信間隔は、連続するビーコン送信間の間隔である。
CBAP:競合ベースのアクセス期間は、競合ベースの拡張分散チャネルアクセス(enhanced distributed channel access:EDCA)を使用する指向性マルチギガビット(DMG)BSSのデータ転送間隔(DTI)内の期間である。
CSMA/CA:搬送波感知多重アクセス/衝突回避(Carrier-Sense Multiple Access with Collision Avoidance)は、搬送波感知を利用するネットワーク多重アクセス法である。
DMG:指向性マルチギガビットは、IEEE 802に記載されている高スループット無線通信の形態である。
DN STA:分散ネットワーク(DN)局(DN STA)は、DN施設を実装する局(STA)である。DN BSS内で動作するDN STAは、他のDN STAに配信サービスを提供することができる。
DTI:データ転送間隔は、完全なBFトレーニングに続いて実際のデータ転送を行うことができる期間である。DTIは、1又は2以上のサービス期間(SP)及び競合ベースのアクセス期間(CBAP)を含むことができる。
FCS:通信プロトコルにおいてフレームに追加される誤り検出コードを提供するフレームチェックシーケンスである。
LOS:見通し線:送信機及び受信機が表面上互いの視界内に存在する、反射信号の通信結果ではない通信である。逆の状態は、局が互いにLOS内に存在しない見通し外を表すNLOSである。
MACアドレス:媒体アクセス制御(MAC)アドレス。
MBSS:メッシュベーシックサービスセットは、分散ネットワーク(DN)局(DN STA)の自己完結型ネットワーク(self-contained network)を形成するベーシックサービスセット(BSS)であり、配信システム(DS)として使用することができる。
NAV情報:IEEE 802.11などの無線ネットワークプロトコルと共に使用される仮想搬送波感知機構のための情報である。
全方向性:無指向性アンテナを利用する送信モード。
準全方向性:最も広いビーム幅を達成できる指向性マルチギガビット(DMG)アンテナを利用する通信モードである。
RA:データを通信すべき受信機アドレスである。
RREP:ルーティング応答:宛先STAによって生成される、発信元STAに関する情報を含むメッセージフレーム。
RREQ:ルーティング要求:発信元STAによって生成される、宛先STAに関する情報を含むメッセージフレーム。
RREQU:ルーティング要求アップデート:ルーティング情報を更新するための情報を近隣STAから取得するために生成されるメッセージフレーム。
RREPU:ルーティング応答アップデート:RREQUに応答するために生成されるメッセージフレーム。
受信セクタスイープ(RXSS):連続する受信間にスイープが行われる、異なるセクタを介した(にわたる)セクタスイープ(SSW)フレームの受信。
RSSI:(dBm単位の)受信信号強度インジケータ。
SLS:セクタレベルスイープ段階は、SSWフィードバック及びSSW ACKなどを使用してイニシエータをトレーニングするためのイニシエータセクタスイープ(ISS)、レスポンダリンクをトレーニングするためのレスポンダセクタスイープ(RSS)といった4つほどのコンポーネントを含むことができるBFトレーニング段階である。
SNR:dB単位の受信信号対雑音比。
SP:サービス期間は、アクセスポイント(AP)によってスケジュールされる期間であり、スケジュールされたSPは一定の時間間隔で開始する。
スペクトル効率:特定の通信システムにおいて所与の帯域幅を通じて送信できる情報率であり、通常はビット/秒又はヘルツで表される。
SREQ:ステータス要求:各STAによって生成され、ネクストホップSTAが動作中であってルーティングテーブルエントリが有効であるかどうかをチェックするために使用されるメッセージフレーム。SREQは、リンクメトリックの更新にも使用される。
SREP:ステータス応答:ステータス要求(SREQ)メッセージに応答して生成されるメッセージフレーム。
SSID:サービスセット識別子は、WLANネットワークに割り当てられる名称である。
STA:局(又はノード)は、無線媒体(WM)への媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)インターフェイスの単独でアドレス指定可能なインスタンスである論理エンティティである。
スイープ:送信機又は受信機のアンテナ構成が送信間で変更される、短期ビームフォーミングインターフレーム(SBIFS)間隔によって分離された一連の送信。
SSW:セクタスイープは、異なるセクタ(方向)で送信を行って、受信信号及び強度などに関する情報を収集する動作である。
TDD:時分割二重は、異なるアップリンク及びダウンリンクデータ送信フローに合わせて調整するために同じ周波数帯で異なるタイムスロットを割り当てることによってアップリンクがダウンリンクから分離される通信リンクの二重化を可能にする。
TDD SP:時分割二重サービス期間は、TDDチャネルアクセスを含むサービス期間であり、一連のTDDスロットをさらに含む一連のTDD間隔を含む。
TRN:ビーム精緻化プロトコル(BRP)トレーニングにおいて使用されるトレーニングフィールド。
送信セクタスイープ(TXSS):連続する送信間にスイープが行われる、異なるセクタを介した複数のセクタスイープ(SSW)又は指向性マルチギガビット(DMG)ビーコンフレームの送信である。
1.既存の指向性無線ネットワーク技術
1.1.WLANシステム
802.11などのWLANシステムでは、パッシブスキャン及びアクティブスキャンという2つのスキャンモードが規定される。以下は、パッシブスキャンの特性である。(a)ネットワークに参加しようと試みる新規局(STA)は、各チャネルを検査し、最大でMaxChannelTimeにわたってビーコンフレームを待つ。(b)ビーコンが受け取られなかった場合、新規STAは別のチャネルに移行し、従ってスキャンモードで信号を送信しないのでバッテリ電力を節約する。STAは、ビーコンを見逃さないように各チャネルにおいて十分な時間にわたって待つべきである。ビーコンが失われた場合、STAはさらなるビーコン送信間隔(BTI)にわたって待つべきである。
以下は、アクティブスキャンの特性である。(a)ローカルネットワークに参加したいと望む新規STAは、以下に従って各チャネル上でプローブ要求フレームを送信する。(a)(1)新規STAは、あるチャネルに移行して、着信フレーム、又はプローブ遅延タイマの満了を待つ。(a)(2)タイマの満了後にフレームが検出されなかった場合、このチャネルは未使用とみなされる。(a)(3)チャネルが未使用である場合、STAは新たなチャネルに移行する。(a)(4)チャネルが使用中である場合、STAは、通常のDCFを使用して媒体にアクセスしてプローブ要求フレームを送信する。(a)(5)チャネルがそれまでに使用中でなかった場合、STAは、プローブ要求に対する応答を受け取るために所望の期間(例えば、Minimum Channel Time(最小チャネル時間))にわたって待つ。チャネルが使用中であってプローブ応答が受け取られた場合、STAは、さらなる時間(例えば、Maximum Channel Time(最大チャネル時間))にわたって待つ。
(b)プローブ要求は、一意のサービスセット識別子(SSID)、SSIDのリスト又はブロードキャストSSIDを使用することができる。(c)周波数帯によっては、アクティブスキャンが禁止されていることもある。(d)アクティブスキャンは、特に多くの新規STAが同時に到着してネットワークにアクセスしようと試みる場合に干渉及び衝突の原因となり得る。(e)アクティブスキャンは、パッシブスキャンの使用に比べてSTAがビーコンを待つ必要がないので、STAがネットワークにアクセスするための高速な(遅延が少ない)方法である。(f)インフラストラクチャベーシックサービスセット(BSS)及びIBSSでは、少なくとも1つのSTAがプローブを受け取って応答しようと目を光らせている。(g)分散ネットワーク(DN)ベーシックサービスセット(MBSS)内のSTAは、いずれかの時点で応答に目を光らせていないこともある。(h)無線測定キャンペーンがアクティブの時には、STAがプローブ要求に応答しないこともある。(i)プローブ応答の衝突が生じることもある。STAは、最後のビーコンを送信したSTAが最初のプローブ応答を送信できるようにすることによってプローブ応答の送信を協調させることもできる。他のSTAは、衝突を回避するためにバックオフ時間及び通常の分散制御機構(DCF)チャネルアクセスに従ってこれらを使用することができる。
図1に、プローブを送信するスキャン局と、プローブを受け取ってこれに応答する2つの応答局とを示す、IEEE 802.11 WLANにおけるアクティブスキャンの使用を示す。この図には、最小プローブ応答タイミング及び最大プローブ応答タイミングも示す。図示の値G1は、確認応答の送信前のフレーム間間隔であるSIFSに設定されるのに対し、値G3は、バックオフ期間の完了後であってRTSパッケージの送信前に送信側が待機する時間遅延を表すDCFフレーム間間隔であるDIFSである。
1.2.IEEE 802.11s 分散ネットワーク(DN)WLAN
IEEE 802.11s(以下、802.11s)は、802.11標準に無線メッシュネットワーキング能力を加えた標準である。802.11sでは、新たなタイプの無線局と、メッシュネットワーク発見、ピアツーピア接続の確立及びメッシュネットワークを通じたデータのルーティングを可能にする新たなシグナリングとが規定される。
図2には、非メッシュSTAの混合がメッシュSTA/APに接続し(実線)、メッシュSTAがメッシュポータルを含む他のメッシュSTAに接続する(点線)メッシュネットワークの一例を示す。メッシュネットワーク内のノードは、802.11標準で規定されている同じスキャン技術を近隣発見に使用する。メッシュネットワークの識別は、ビーコン及びプローブ応答フレームに含まれるメッシュID要素によって行われる。1つのメッシュネットワークでは、全てのメッシュSTAが同じメッシュプロファイルを使用する。メッシュプロファイルは、メッシュプロファイル内の全てのパラメータが一致する場合に同じものとみなされる。メッシュプロファイルは、その近隣のメッシュSTAがスキャンを通じてメッシュプロファイルを取得できるようにビーコン及びプローブ応答フレームに含まれる。
メッシュSTAがスキャンプロセスを通じて近隣メッシュSTAを発見すると、発見されたメッシュSTAはピアメッシュSTA候補とみなされる。このメッシュSTAは、発見されたメッシュSTAがメンバであるメッシュネットワークのメンバになって近隣メッシュSTAとのメッシュピアリングを確立することができる。発見された近隣メッシュSTAは、受信ビーコンと同じメッシュプロファイルを使用している場合、或いはプローブ応答フレームがその近隣メッシュSTAを示す場合、ピアメッシュSTA候補とみなすことができる。
メッシュSTAは、(a)近隣MACアドレス、(b)動作チャネル番号、及び(c)最近観察されたリンク状況及び品質情報を含む発見された近隣情報をメッシュ近隣テーブル内に維持しようと試みる。近隣が検出されなかった場合、メッシュSTAは、その最優先プロファイルのメッシュIDを使用してアクティブな状態を保つ。近隣メッシュSTAを発見するための上述したシグナリングは全てブロードキャストモードで実行される。802.11sは、指向性無線通信を伴うネットワークを対象としたものではないと理解されたい。
図3に、メッシュネットワークの識別を広告するために使用されるメッシュ識別要素(メッシュID要素)を示す。メッシュIDは、メッシュネットワークに参加する用意がある新規STAによってプローブ要求で送信され、また既存のメッシュネットワークSTAによってビーコン及び信号で送信される。長さ0のメッシュIDフィールドは、プローブ要求フレーム内で使用されるワイルドカードメッシュIDを示す。ワイルドカードメッシュIDは、非メッシュSTAがメッシュネットワークに参加するのを防ぐ特定のIDである。なお、メッシュ局は、非メッシュ局よりも多くの特徴を有するSTAであり、例えばメッシュネットワークは、他のいくつかのモジュールに加えてメッシュ機能を提供するモジュールとして動作するSTAを有するようなものであると認識されたい。STAがこのメッシュモジュールを有していない場合には、メッシュネットワークへの接続を許可すべきではない。
図4に、メッシュSTAによって送信されるビーコンフレーム及びプローブ応答フレームに含まれる、メッシュサービスの広告に使用されるメッシュ構成要素を示す。メッシュ構成要素の主要内容は、(a)経路選択プロトコル識別子、(b)経路選択メトリック識別子、(c)輻輳制御モード識別子、(d)同期方法識別子、及び(e)認証プロトコル識別子である。メッシュ構成要素の内容は、メッシュIDと共にメッシュプロファイルを形成する。
802.11a標準は、メッシュ発見、メッシュピアリング管理、メッシュセキュリティ、メッシュビーコン送信及び同期、メッシュ調節機能、メッシュ電力管理、メッシュチャネルスイッチング、3アドレス、4アドレス、及び拡張アドレスフレームフォーマット、メッシュ経路選択及び転送、外部ネットワークとの相互作用、メッシュ間輻輳制御、並びにメッシュBSSにおける緊急サービスサポートを含む多くの手順及びメッシュ機能を定める。
1.3.WLANにおけるミリメートル波
一般に、ミリメートル波帯におけるWLANでは、高い経路損失を考慮して通信にとって十分なSNRを提供するために、送信、受信、又はこれらの両方に指向性アンテナを使用する必要がある。送信又は受信において指向性アンテナを使用すると、スキャンプロセスも指向性になる。IEEE 802.11ad及び新たな標準802.11ayでは、ミリメートル波帯を介した指向性送受信のためのスキャン及びビームフォーミング手順が規定されている。
1.4.IEEE 802.11adのスキャン及びBFトレーニング
mmW WLANの最先端システムの例は、802.11ad標準である。
1.4.1.スキャン
新規STAは、特定のSSID、SSIDリスト、又は全ての発見されたSSIDをスキャンするためにパッシブ又はアクティブスキャンモードで動作する。パッシブなスキャンを行うには、STAが、SSIDを含むDMGビーコンフレームをスキャンする。アクティブなスキャンを行うには、DMG STAが、所望のSSID又は1又は2以上のSSIDリスト要素を含むプローブ要求フレームを送信する。DMG STAは、プローブ要求フレームの送信前に、DMGビーコンフレームの送信又はビームフォーミングトレーニングの実行を行うことが必要な場合もある。
1.4.2.BFトレーニング
BFトレーニングは、セクタスイープを使用するBFトレーニングフレーム送信の双方向シーケンスであり、各STAが送信及び受信の両方に適したアンテナシステム設定を決定するために必要なシグナリングを行う。
802.11adのBFトレーニングプロセスは、3段階で実行することができる。(1)セクタレベルスイープ段階を実行することにより、リンク取得のために指向性送信及び低利得(準全方向性)受信を実行する。(2)複合送受信(combined transmit and receive)のために、受信利得及び最終調整を加える精緻化段階を実行する。(3)その後、データ送信中にトラッキングを実行して、チャネル変更に合わせた調整を行う。
1.4.3.802.11adのSLS BFトレーニング段階
このSLS BFトレーニング段階は、802.11ad標準のセクタレベルスイープ(SLS)必須段階に焦点を置く。SLS中には、一対のSTAが、異なるアンテナセクタを介して一連のセクタスイープ(SSW)フレーム(又は、PCP/APにおける送信セクタトレーニングの場合にはビーコン)を交換して、最も高い信号品質を提供するセクタを発見する。最初に送信を行う局はイニシエータと呼ばれ、2番目に行う局はレスポンダと呼ばれる。
送信セクタスイープ(TXSS)中には、異なるセクタ上でSSWフレームが送信され、対を成すSTA(レスポンダ)が準全方向性パターンを利用してこれを受け取る。レスポンダは、最良のリンク品質(例えば、SNR)を提供するイニシエータのアンテナアレイセクタを決定する。
図5に、802.11adでのセクタスイープ(SSW)の概念を示す。この図には、STA1がSLSのイニシエータであってSTA2がレスポンダである例を示す。STA1は、送信アンテナパターン微細セクタ(transmit antenna pattern fine sectors)を全てスイープし、STA2は、準全方向性パターンで受け取る。STA2は、STA1から受け取った最良のセクタをSTA2にフィードバックする。
図6に、802.11ad仕様で実装されるセクタレベルスイープ(SLS)プロトコルのシグナリングを示す。送信セクタスイープの各フレームは、セクタカウントダウン指示(CDOWN)、セクタID及びアンテナIDに関する情報を含む。最良のセクタID及びアンテナID情報は、セクタスイープフィードバック及びセクタスイープACKフレームと共にフィードバックされる。
図7に、以下で概説するフィールドを含む、802.11ad標準で利用されるセクタスイープフレーム(SSWフレーム)のフィールドを示す。Duration(継続時間)フィールドは、SSWフレーム送信の最後までの時間に設定される。RAフィールドは、セクタスイープの所定の受信者であるSTAのMACアドレスを含む。TAフィールドは、セクタスイープフレームの送信機STAのMACアドレスを含む。
図8に、SSWフィールド内のデータ要素を示す。SSWフィールドで搬送される主要情報は以下の通りである。Direction(方向)フィールドは、0に設定されると、ビームフォーミングイニシエータによってフレームが送信されることを示し、1に設定されると、ビームフォーミングレスポンダによってフレームが送信されることを示す。CDOWNフィールドは、TXSSの最後までの残りのDMGビーコンフレーム送信の数を示すダウンカウンタである。セクタIDフィールドは、このSSWフィールドを含むフレームを送信するセクタ番号を示すように設定される。DMG Antenna(アンテナ)IDフィールドは、送信機がこの送信のために現在どのDMGアンテナを使用しているかを示す。RXSS Length(長さ)フィールドは、CBAPで送信された時にのみ有効であり、そうでない場合には保留される。このRXSS Lengthフィールドは、送信側STAによって要求された受信セクタスイープの長さを指定し、SSWフレームの単位で定義される。SSW Feedback(SSWフィードバック)フィールドについては以下で定義する。
図9A及び図9Bに、SSWフィードバックフィールドを示す。図9Aに示すフォーマットは、内部下位層サービス(ISS)の一部として送信される時に利用され、図9Bのフォーマットは、ISSの一部として送信されない時に使用される。Total Sectors in the ISS(ISS内総セクタ)フィールドは、イニシエータがISSにおいて使用する総セクタ数を示す。Number of Rx DMG Antennas(Rx DMGアンテナ数)サブフィールドは、イニシエータが次の受信セクタスイープ(RSS)中に使用する受信DMGアンテナの数を示す。Sector Select(セクタ選択)フィールドは、直前のセクタスイープにおいて最良の品質で受け取られたフレーム内のSSWフィールドのvalue of Sector ID(セクタID値)サブフィールドを含む。DMG Antenna Select(DMGアンテナ選択)フィールドは、直前のセクタスイープにおいて最良の品質で受け取られたフレーム内のSSWフィールドのDMG Antenna ID(DMGアンテナID)サブフィールドの値を示す。SNRレポートフィールドは、直前のセクタスイープ中に最良の品質で受け取られた、セクタ選択フィールドに示されるフレームのSNRの値に設定される。Poll Required(ポール要求)フィールドは、非PCP/非AP STAによって1に設定されると、PCP/APに非PCP/非APとの通信を開始するように要求することを示す。Poll Requiredフィールドは、0に設定されると、PCP/APが通信を開始するかどうかに関する設定を非PCP/非APが有していないことを示す。
1.5.AODVルーティングプロトコル
図10Aから10Cに、アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルの使用例を示す。ルーティングプロトコルは、複数のホップ(中間STA)を通じて発信局(STA)と宛先STAとの間で通信経路を確立するための一連のルールである。AODVは、無線媒体を通じた現在のマルチホップルーティングの一般的本質を表すルーティングプロトコルである。AODVでは、STAが、図10A~図10Cの例に見られるような以下のステップに従ってルートを生成する。
このAODVルーティングプロセスのステップ1~5を図10Aに示す。(1)STA1は、発信元STAであり、ルーティング要求(RREQ)フレーム(RREQ1)をブロードキャストする。(2)STA2は、RREQ1を受け取り、自機とRREQ1の送信機(STA1)との間のリンク品質を測定し、リンク品質情報を埋め込んでルーティング要求を送信するRREQ(RREQ2)を再ブロードキャストする。(3)STA3は、RREQ1を受け取り、自機とRREQ1の送信機(STA1)との間のリンク品質を測定し、リンク品質情報を埋め込んだRREQ(RREQ3)を再ブロードキャストする。(4)宛先STAであるSTA4は、STA2からRREQ2を受け取り、自機とRREQ2の送信機(STA2)との間のリンク品質を測定し、RREQ2に埋め込まれたリンク品質で値を蓄積する。このプロセスに応答して、STA4は、STA2を介したSTA1との間のエンドツーエンド品質に関する情報を取得する。(5)STA4は、STA3からRREQ3も受け取り、自機とRREQ3の送信機(STA3)との間のリンク品質を測定し、RREQ3に埋め込まれたリンク品質で値を蓄積する。従って、STA4は、STA3を介したSTA1とのエンドツーエンドの品質に関する情報も取得する。
このAODVルーティングプロセスのステップ6~8を図10Bに示す。(6)STA4は、STA2を介したSTA1へのリンク品質の方がSTA3を介したものよりも良好である(例えば、信号対雑音比(SNR)が高い)と判断し、従ってSTA4は、中間及び発信元STAへの最良ルートを確認するルーティング応答(RREP)フレーム(RREP1)をSTA2に送信し、STA2をSTA1に向かうネクストホップSTAとして設定する。(7)STA2は、STA4からこのRREP1を受け取り、自機をSTA4とSTA1との間の中間STAとして認識し、STA4をSTA4に向かうネクストホップSTAとして設定する。(8)次に、STA2は、発信元STA1に向けてRREP(RREP2)をさらに再送信し、STA1をSTA1に向かうネクストホップSTAとして設定する。
このAODVルーティングプロセスのステップ9~10を図10Cに示す。(9)STA1は、STA2からRREP2を受け取り、STA4に向かうマルチホップ経路が確認済みであってSTA4へのネクストホップSTAがSTA2であることを認識する。(10)上記のシーケンスに応答して、STA2を介したSTA1とSTA4との間の双方向ルートが確立される。
2.本開示の局(STA)ハードウェア構成
図11に、STAにセンサ及びアクチュエータなどへの外部I/OをもたらすI/O経路12に結合されたバス14にコンピュータプロセッサ(CPU)16及びメモリ(RAM)18結合されたハードウェアブロック13内へのI/O経路12を示す、STAハードウェア構成の実施形態例10を示す。プロセッサ16上では、STAが「新規STA」又は既にネットワーク内に存在するSTAのうちの1つの機能を実行できるように、通信プロトコルを実装するプログラムを実行するための、メモリ18からの命令が実行される。また、このプログラミングは、現在の通信状況でどのような役割を果たしているかに応じて異なるモード(ソース、中間、宛先)で動作するように構成されると理解されたい。この図示のホストマシンは、近隣STAとの間でフレームを送受信する複数のアンテナ24a~24n、26a~26n、28a~28nへの無線周波数(RF)回路22a、22b、22cに結合されたmmWモデム20を含むように構成される。また、このホストマシンは、(単複の)アンテナ34への無線周波数(RF)回路32に結合されたsub-6GHzモデム30を含むことも分かる。
従って、この図示のホストマシンは、2つの異なる帯域で通信を行えるように、2つのモデム(マルチバンド)及びその関連するRF回路を含むように構成される。限定ではなく一例として、対象の指向性通信帯には、mmW帯でデータを送受信できるようにmmW帯モデム及びその関連するRF回路が実装される。本明細書では一般に発見帯と呼ぶ他方の帯域は、sub-6GHz帯でデータを送受信できるようにsub-6GHzモデム及びその関連するRF回路を含む。
この例では、mmW帯のためのRF回路を3つ示しているが、本開示の実施形態は、あらゆる任意の数のRF回路に結合されたモデム20を含むように構成することができる。一般に、使用するRF回路の数が多ければ多いほど、アンテナビーム方向のカバレッジが広くなる。なお、利用するRF回路の数及びアンテナの数は、特定の装置のハードウェア制約によって決まると理解されたい。RF回路及びアンテナの中には、STAが近隣STAと通信する必要がないと判断した時に無効にできるものもある。少なくとも1つの実施形態では、RF回路が、周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができ、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる。
図12に、STAが複数の(例えば、36個の)mmWアンテナセクタパターンを生成するために利用できるmmWアンテナ方向の実施形態例50を示す。この例では、STAが、3つのRF回路52a、52b、52cと接続アンテナとを実装し、各RF回路及び接続アンテナは、ビームフォーミングパターン54a、54b、54cを生成する。図示のアンテナパターン54aは、12個のビームフォーミングパターン56a、56b、56c、56d、56e、56f、56g、56h、56i、56j、56k及び56n(「n」は、あらゆる数のパターンをサポートできることを表す)を有する。この特定の構成を使用する局の例は36個のアンテナセクタを有するが、本開示はあらゆる所望の数のアンテナセクタをサポートすることができる。説明を容易かつ明確にするために、以下の節では一般にさらに少ない数のアンテナセクタを有するSTAについて説明するが、これを実装制限と解釈すべきではない。なお、アンテナセクタにはあらゆる任意のビームパターンをマッピングすることができると理解されたい。通常、ビームパターンは、鋭角ビーム(sharp beam)を生成するように形成されるが、複数の角度から信号を送受信するようにビームパターンを生成することも可能である。
アンテナセクタは、mmW RF回路の選択と、mmWアレイアンテナコントローラによって指示されるビームフォーミングとによって決まる。STAハードウェアコンポーネントは、上述したものとは異なる機能分割を有することもできるが、このような構成は、説明する構成の変形例とみなすことができる。mmW RF回路及びアンテナの中には、STAが近隣STAと通信する必要がないと判断した時に無効にできるものもある。
少なくとも1つの実施形態では、RF回路が周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができ、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる。
図13に、RF回路72に取り付けられた準全方向アンテナ74を使用するように想定されたsub-6GHzモデムのアンテナパターンの実施形態例70を示すが、他の回路及び/又はアンテナを制限なく利用することもできる。
3.迅速な閉塞発見及び回復
数多くの無線用途では、データ配信の中断を避けるために閉塞リンクを素早く検出して置換することが重要である。大半のマルチホップルーティングプロトコルは、STAにおけるルーティングプロトコルを設定する際に複数のネクストホップオプションの発見及び追跡を考慮しない。この結果、これらの既存の無線プロトコルは、プライマリルートが閉塞した時に高い遅延及び再発見オーバーヘッドに見舞われていた。これとは対照的に、本発明者による先願では、閉塞シナリオ下でさらなる設定オーバーヘッドを伴わずにネクストホップオプションを発見してこれらをいつでも展開できるように維持することを開示した。
上記の目標を達成するために、ルート要求アップデート(RREQU)メッセージ及びルート応答アップデート(RREPU)メッセージが統合されたルート要求(RREQ)メッセージ及びルート応答(RREP)メッセージを利用して発信元STAと宛先STAとの間の複数のルートを発見し、プライマリルート及びバックアップルートを含むルーティングテーブルエントリを維持する新たなメッセージフラッディング機構について教示した。
典型的なマルチホップネットワーキングでは、発信元STAから宛先STAへのルートが、エンドツーエンド経路の中間STAを選択することによって決まる。AODVの例に示すように、多くの場合は最良のリンク品質をもたらす中間STAが選択される。しかしながら、mmWでは、リンクが閉塞及びその他のチャネル障害を受けやすい。また一方、時間制約のある用途では、閉塞リンクを素早く検出して代替リンクに置換することが不可欠である。
本開示は、宛先STAに到達するために複数のルーティングオプション(例えば、1つのプライマリ及び少なくとも1つのバックアップオプション)を維持したままのマルチホップルーティングについて記載した譲受人による先願を含む様々な無線プロトコルに組み込むことができる。これらの先願のうちの少なくとも1つでは、プロトコルが、(a)中断したリンクが検出された場合、及び(b)ネクストホップオプションのうちの1つが到達可能でなく、これを別のSTAに置換する必要がある場合、といったエラー状況を検出したことに応答して、1又は2以上の一連の動作を自動的に実行するように構成されていた。従って、この出願では、複数のネクストホップオプションと、エラー状態に応答して素早く通信を発見して回復する能力とを有する、以下を含むマルチホップ通信について教示した。(a)閉塞シナリオでは、可能な場合には閉塞STAが局所的動作を行った後に、近隣STAのいくつかをルーティング情報で更新する。(b)各STAは、そのルーティングテーブルエントリが、到達可能であっていつでも展開準備ができている複数のネクストホップオプションを有する最新のものであることを積極的に保証する。この事例では、ネクストホップSTA(プライマリ又はバックアップのいずれか)が到達可能でない(例えば、閉塞している)場合、STAが、到達可能でないSTAの代用を発見するために(到達可能なSTAを除く)自機の近隣の補集合にルート要求アップデートを送信する。
従って、この先願では、エラー状態下において通信局が代替ルートを発見して回復するためのプロトコルを提供した。本開示では、この及びその他の無線通信プロトコルと共に利用できるセクタ化通信とルート発見との統合について教示する。本開示におけるセクタ化通信とルート発見との統合の説明は、以下の第5節から開始する。
4.近隣リスト及びルーティングテーブル
4.1.近隣リスト
アンテナセクタスイープを実行することによって取得された情報は、本明細書では近隣リストと呼ぶデータベースをSTAが構築する際に利用され、STAは、この近隣リスト内のSTAの各アンテナセクションの受信信号品質情報を自機のメモリに記憶する。少なくとも1つの実施形態では、近隣リストの各インスタンスが、近隣STAに関する雑多な情報を記憶するようにも構成される。近隣リストの目的は、各STAが近隣STAを認識して最良の送信/受信セクタを選択できるようにすることである。
限定ではなく一例として、その局の各方向の受信品質(RxQuality)を含むエントリを有する、各近隣に使用されるフィールドについて考察する。先の図10A~図10Cのトポロジ例では、STA1が、STA2及びSTA3を近隣STAとして認識し、近隣リストエントリの2つのインスタンスを作成することが分かる。その後、STA1は、RxQuality[N]に受信リンク品質情報を記憶し、ここでのNは、近隣STAのTxアンテナセクタに関連する。
4.2.ルーティングテーブル
以下の説明では、発信局(送信元)が、宛先局と呼ばれる別の局(STA)への通信を開始する局(STA)とみなされる。ルーティングテーブルは、後の項で説明するルート発見プロセスの結果として構築される。発信元STAは、宛先STAにデータフレームを送信する前に宛先STAへのルートを設定する。宛先STAへのルートは、ルーティングテーブルに基づいて管理される。ルーティングテーブルは、(ここでは列形式で示す)宛先STA毎のレコードを含み、従って発信元STAは、宛先STAへのフレーム送信に備えて宛先STAのレコードを検索することができる。
STAは、宛先STAに送信すべきデータフレームを有する場合、この宛先をルーティングテーブル内で検索し、フレームの受信アドレス(RA)フィールドをNextHopに記憶されたアドレスに設定する。各STAは、宛先STAへの到達に関する情報を提供するルーティングテーブルを維持する。各宛先STAのための情報は、ルーティングテーブルのレコード(例えば、列)に記憶される。例えば、説明する例では、ルーティングテーブルの各列が以下の情報を含む。(a)Destination(宛先):宛先STAアドレスを示す。(b)NextHop(ネクストホップ):宛先STAに到達するための直近のネクストホップSTAを示す。(c)Metric(メトリック):NextHop STAを使用した宛先STAまでの距離を決定する値である。(d)Lifetime(ライフタイム):NextHopを使用するためのルーティング情報の満了時間を示す。(e)Backup NextHop(バックアップネクストホップ):(例えば、閉塞によって)NextHopが到達可能でない場合に宛先STAに到達するために使用できるバックアップネクストホップSTAである。(f)Backup Metric(バックアップメトリック):バックアップネクストホップが展開される場合に宛先STAまでの距離を決定する値である。(g)Backup Lifetime(バックアップライフタイム):Backup NextHopを使用するためのルーティング情報の満了時間を示す。
図14に、複数の局を示すネットワーク例90を示す。本開示はいずれかの特定のネットワークトポロジの使用に限定されるものではないので、本明細書において例示するこの及びその他のトポロジは一例として提示するものにすぎないと理解されたい。この図では、各エッジが2つのノード間の双方向リンクを表し、特にこの事例では局間のエッジの距離であるリンクメトリックがラベル表示されている。送信元STAには「S」のマークを付しており、宛先STAには「D」のマークを付している。
4.3.転送テーブル
各STAは、自機が近隣STAに転送したフレームのタイプ(RREQ又はRREP)をメッセージのシーケンス番号及びメトリックと共に追跡するための1つの転送テーブルを有する。転送テーブルは、近隣STA毎に1つの列(レコード)を有し、少なくとも1つの実施形態例では以下の要素を含む。(a)Neighbor:近隣STAのアドレスである。(b)OrigSTA:近隣ノードに転送されたルーティング管理フレームの発信元STAである。(c)SeqNum:近隣ノードに送信されたルーティング管理フレームのシーケンス番号である。(d)Type:近隣ノードに送信されたルーティング管理フレームのタイプ(RREQ/RREP)である。(e)Metric:近隣ノードに送信されたルーティング管理フレームのメトリックである。
STAは、同じルーティング管理フレーム(同じOrigSTA及び同じSeqNum)の複数のコピーを受け取ると、(メトリックに基づいて)最良のフレームを選択してメッセージの送信元を除く近隣STAに転送する。その後、STAは、その近隣の転送テーブルエントリを更新する。
4.4.複数のネクストホップノードを伴うマルチホップルーティング
(STA間の接続性及びリンク構成に応じて)発信元STAから宛先STAにデータトラフィックを中継できる複数の中間STAが存在する複数のSTAノードから成るmmWネットワークの例について考察する。発信元STAは、近隣STAが既にセクタスイープ(SSW)を実行し終えていると仮定して、マルチホップルートを確立するために近隣STAにルート要求(RREQ)を送信する。発信元STAの(直接範囲内の)各1ホップ近隣がRREQフレームを受け取り、そのルーティングテーブルを発信元STAへのエントリで更新する。次に、各近隣STAは、受け取られたRREQの発信元STAを除く1ホップ近隣に同様にRREQを転送する。
図15に、3つのSTAを有するネットワークを示す実施形態例100を示しており、ここではSTA Bが発信元STAから第1のルーティング要求(RREQ)フレームを受け取り、1ホップ近隣のSTA Aが(Bも含む)その近隣にRREQを転送した時にはSTA Aからも別のRREQを受け取る。従って、中間STAは、RREQの転送が継続するにつれて他のSTAから重複するRREQを受け取ることができることが分かる。
RREQメッセージを受け取ったことに応答して、プロトコルは、メトリックに関して最良のRREQフレーム及び次善のRREQフレームがどれであるかを判定して、リレーSTAのルーティングテーブル内で発信元STAへのネクストホップノード及びバックアップネクストホップノードを決定する。上記の例では、STA Bが、STA SからSTA Bへの直接リンクのメトリックの方がSTA SからSTA AそしてSTA AからSTA Bへのリンクのメトリックの合計よりも有益(例えば、低遅延、高SNRなど)であると仮定して、AをSTA(ノード)Sに到達するためのバックアップネクストホップとして設定する。
STAは、各近隣STAについて同じ近隣STAから受け取られたRREQを除く最良の受信RREQを決定し、この最良のRREQを近隣STAに転送して転送動作を転送テーブルに記録する。宛先STAは、可能性として複数のRREQメッセージを受け取り、宛先において受け取られたRREQの送信元である同じSTAにルーティング応答(RREP)フレームを送信する。RREPメッセージを受け取った各リレー(中間)STAは、そのルーティングテーブルを宛先STAに更新する。リレーSTAは、複数のRREPを受け取った場合、最良のRREPフレームを選択して1ホップ近隣のSTAに転送し、転送動作を自機の転送テーブルに記録する。RREQフレームと同様に、各RREPフレーム及びその重複バージョンもネクストホップ及びバックアップネクストホップを決定する。RREPフレーム転送プロセスは、発信元STAにおいてRREPメッセージが受け取られるまで継続する。このプロセスによれば、発信元STAは、可能性として複数のRREPメッセージを受け取り、RREPメッセージに基づいて、この例では最良及び次善のルートであるルートの階層を選択し、これらを宛先STAに到達するためのネクストホップ及びバックアップネクストホップとして記録する。
4.5.ルーティング管理フレームフォーマット
4.5.1.ルーティング要求(RREQ)及びルーティング応答(RREP)
図16に、RREQフレーム112及びそのサブフィールド114、116の実施形態例110を示す。フレーム112は以下を含む。(a)フレームのタイプを示すFrame Control(フレーム制御)フィールド。(b)搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)チャネルアクセスに使用されるNAV情報(仮想搬送波感知機構)を含むDuration(継続時間)フィールド。(c)Recipient Address(受信機アドレス)(RA)フィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)Tranmitting Address(送信アドレス)(TA)フィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)後述するルーティング要求の詳細を含むRREQフィールド。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールドはRREQフレームに含まれる。
RREQフィールド内に含まれるサブフィールド114は以下を含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さを示す。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(RREQ)である。(c)Orig STA:発信元STAのアドレスである。(d)Dest STA:宛先STAのアドレスである。(e)SeqNum:このルート設定を識別するシーケンス番号であり、発信元STAがルートを設定又は維持しようと試みる度に更新(例えば、増分)される値である。(f)Metric(メトリック):蓄積されたメトリック値を宛先STAに向けて搬送する測定値である。(g)Lifetime(有効期限):このルートの満了時間までの有効期限である。(h)Traffic ID(トラフィックID):関連するトラフィックストリームのトラフィック識別である。(i)QoS Spec:このトラフィックストリームのトラフィック仕様(すなわち、帯域幅又は同様のトラフィック指示子)である。(j)Access Time(アクセス時間):受信アドレス(RA)STAに向けたデータフレーム送信のために送信アドレス(TA)STAが使用するチャネル時間。(k)TxAntSector:RA STAに向けたデータフレーム送信のためにTA STAが使用する送信(Tx)アンテナセクタである。(l)Route List(ルートリスト):このフレームがこれまでに到達した(訪れた)STAのIDであり、サブフィールド116に示すように、STAがこのフレームを受け取った時にこのSTAのIDが各RREQメッセージに添付される。
図17に、RREPフレーム132及びそのサブフレーム階層134及び136の実施形態例130を示す。RREPフレーム132は以下のフィールドを含む。(a)フレームのタイプを示すFrame Control(フレーム制御)フィールド。(b)搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)チャネルアクセスに使用されるNAV情報(仮想搬送波感知機構)を含むDuration(継続時間)フィールド。(c)Recipient Address(受信機アドレス)(RA)フィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)Tranmitting Address(送信アドレス)(TA)フィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)後述するルーティング要求の詳細を含むRREPフィールド。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールドはRREQフレームに含まれる。
上記のRREPフィールド内に含まれるサブフィールド134は以下のサブフィールドを含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さを示す。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(RREP)である。(c)OrigSTA:発信元STAのアドレスである。(d)Dest STA:宛先STAのアドレスである。(e)SeqNum:このルート応答を識別するシーケンス番号であり、応答先のRREQと同じものである。(f)Lifetime(有効期限):このルートの満了時間までの有効期限である。(g)Traffic ID(トラフィックID):関連するトラフィックストリームのトラフィック識別である。(h)QoS Spec:このトラフィックストリームのトラフィック仕様(すなわち、帯域幅又は同様のトラフィック指示子)である。(i)Access Time(アクセス時間):受信アドレス(RA)STAに向けたデータフレーム送信のために送信アドレス(TA)STAが使用するチャネル時間。(j)TxAntSector:RA STAに向けたデータフレーム送信のためにTA STAが使用する送信(Tx)アンテナセクタである。(k)Route List(ルートリスト):このRREPフレームがこれまでに到達した(訪れた)STAのIDであり、サブフィールド136に示すように、STAがこのフレームを受け取った時にこのSTAのIDが各RREPメッセージに添付される。
4.5.2.ステータス要求(SREQ)及びステータス応答(SREP)
図18に、ステータス要求フレーム152及びそのサブフィールド154の実施形態例150を示す。SREQフレーム152は以下のフィールドを含む。(a)フレームのタイプを示すFrame Control(フレーム制御)フィールド。(b)CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含むDuration(継続時間)フィールド。(c)Recipient Address(受信機アドレス)(RA)フィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)Tranmitting Address(送信アドレス)(TA)フィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)後述するルーティング要求の詳細を含むSREQフィールド。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールドは、RREQフレームに含まれる。
SREQフィールドは以下のサブフィールド154を含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さ。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(SREQ)。(c)SeqNum:このSREQフレームを識別するシーケンス番号であり、TAが新たなステータス要求メッセージを送信する度に更新(例えば、増分)される。(d)Metric(メトリック):送信機STAから受信機STAへのリンクメトリックである。(e)Lifetime(有効期限):この要求の満了時間までの有効期限である。(f)QoS Spec:このトラフィックストリームのトラフィック仕様(すなわち、帯域幅又は同様のトラフィック指示子)である。(g)Access Time(アクセス時間):RA STA(RAフィールドによって識別されるSTA)に向けたデータフレーム送信のためにTA STA(TAフィールドによって識別されるSTA)が使用するチャネル時間である。(h)TxAntSector:RA STAに向けたデータフレーム送信のためにTA STAが使用するTxアンテナセクタである。
図19に、ステータス応答フレーム172及びそのサブフィールド174の実施形態例170を示す。SREPフレーム172は、SREQフィールドの代わりにSREPフィールドを有することを除いてSREQフレームのフィールドと同一のフィールドを含む。
5.ルート発見とセクタスイープとの統合
図20に、開示する無線プロトコル下で実行される、ルート発見動作とセクタスイープ動作とを統合するプロセスの実施形態例190を示す。実行は、イニシエータSTAが近隣STAとの間でセクタスイープ(SSW)動作を開始するブロック192から開始する。ブロック194において、ターゲットSTAにルート要求(RREQ)メッセージを送信する必要があるかどうかをチェックする。送信すべきRREQが存在する場合、ブロック196において、STAが各セクタスイープ動作にRREQフレームを添付し、SSWに自機の要求を抱き合わせる。その後、ブロック194から直接、又はブロック196を通じてブロック198に到達し、送信機STAの近隣であるターゲットSTAに向けてSSWフレームを送信し(198)、ターゲットSTAに向けてSSWフレームを送信する際に異なるアンテナセクタを使用してこのプロセスを実行した後に処理は終了する(200)。
図21に、レスポンダ統合セクタスイープロジックの実施形態例210を示す。プロセスは、応答を必要とするSSWフレームを近隣STAが受け取った時に開始する(212)。SSWフレームがいずれかのRREQメッセージを含むかどうかをチェックする(214)。添付されたRREQが存在する場合、レスポンダは、RREQへの応答をイニシエータに戻すための有効なルーティングエンティティを自機のルーティングテーブル内に有しているかどうかをチェックする(216)。有効なエンティティが存在する場合にはブロック218に到達して、イニシエータSTAに応答するためにRREPメッセージを生成してSSWに追加し、SSWフレームを送信した後にプロセスは終了する(218)。
ブロック214において、添付されたRREQが検出されなかった場合、実行はチェック216をスキップしてブロック220に到達し、このSTAがターゲットSTAに送信すべきRREQメッセージを有しているかどうかをチェックする。レスポンダにRREQが存在しない場合、レスポンダは、(ルーティング情報が添付されていない)従来のSSWフレームでイニシエータに応答を戻した(224)後にこのプロセスを終了する226。
チェックブロック220において検出されるようなイニシエータに戻すべきRREQが存在する場合、レスポンダはブロック222においてこのRREQをSSWフレームに添付し、これをその応答内でイニシエータSTAに戻した後にプロセスを終了する(226)。STAは、RREQを受け取ると、ルーティング要求を処理して近隣STAとの通信ルートを設定する。
2つのSTA間でこのSSW動作を完了した後に別のRREQ/RREPメッセージが受け取られた場合、この状況に対処する事例は以下の2つが存在する。(a)受け取ったメトリックの方が良好である(例えば、経路コストが短い)場合、STAは、セクタスイープ情報が有効かつ最新であれば、確立された指向性リンクを通じてRREQ/RREPを転送する。(b)新たに受け取ったRREQ/RREPフレームのメトリックの方が良好でない(例えば、より短い経路長を有していない)場合、新たに受け取られたRREQ及びRREPは単純に却下(破棄)される。上記のロジックは、数多くの方法で実装することができる。
従って、一般的ワークフローは以下のようになる。(1)2つのノード間でSSWが実行されていないがRREQ又はRREPを送信する必要がある場合には、これらのSSWメッセージにこれらのメッセージが抱き合わされ(添付され)、或いは(2)2つのノード間でSSWが実行されていた場合には、STAが、確立された指向性リンクを通じてこのノードのみにRREQ/RREPを送信する。
5.1.実施例1:最新ルート情報を有する中間STA
中間STAが宛先STAのための最新(推定有効)ルート情報を有する事例について考察する。
図22に、送信元STA S232、宛先STA D234、中間STA A236及びSTA B238を含む4つの局を有するネットワークトポロジの実施形態例230を示す。この図では、それぞれのリンク線の横に、各それぞれのリンクのコスト/遅延メトリックを意味するメトリック値(例えば、5、3、3、4、2)を示す。この例では、STA S232がネットワークに参加したばかりであり、STA D234に送信すべきデータトラフィックを有する。表1に示すように、STA Sがネットワークに参加した時のSTA Sのルーティングテーブルは空である。
説明を進める前に、この又はその他の図について説明するような送信元、宛先又は中間としての各局の役割は、単にデータ通信が求められる経路に依拠するものであって後続のネットワーク動作中には変化することができ、従って各局において実行される開示するプロトコルは、必要に応じていかなる役割も果たすことができると理解されたい。
この例では、STA SがSTA Dに向かうルートを発見する必要があり、STA S232は、その近隣STAであるSTA A236及びSTA B238にプロトコルに従ってRREQを送信する。STA A236及びSTA B238は、宛先STA D234に向かう自機のルートを既に確立している。STA Aは、既にルート発見動作を実行し終えていると想定されるため、表2にSTA Aのルーティングテーブルを示す。表3にはSTA Bのルーティングテーブルを示しており、ここではSTA BがSTA Dに向かうルートを設定し終えている。
プロセスは、STA SがSTA A及びSTA Bとの間でSSWを開始することによって開始する。STA SはSTA Dに向かうルートを発見したいと望んでいるので、STA Sによって生成されたルート要求(RREQ)が存在する。STA Sは、このRREQをSSWフレームに添付する。また、STA A及びSTA Bは、既に宛先Dに到達するためのルーティング情報を有していると想定されているので、SSW応答フレームにルート応答(RREP)メッセージを添付する。STA A及びSTA Bは、そのルーティング情報及びSSW応答フレームに関する応答をSTA Sに戻す。
図23~図26に、上記のプロセスの実施形態例250、270、290、310を示す。図23では、STA Sがイニシエータ252であり、STA Aがレスポンダ254であり、STA SからSTA AにRREQ256が送信され、STA AからSTA SにRREP258が返送される。図24には、STA S232とSTA A236との間で実行される、それぞれのセクタ方向272、274を伴うSSWを示す。同様に、図25では、STA Sがイニシエータ292であり、STA Bがレスポンダ294であり、STA SからSTA BにRREQ296が送信され、STA BからSTA SにRREP298が返送される。図26には、STA S232とSTA B238との間で実行される、それぞれのセクタ方向312、314を伴うSSWを示す。
上記の交換の組み合わせでは、STA Sが、STA Aから1つとSTA Bから1つの2つのRREPメッセージを受け取ることが分かる。これらのRREPメッセージに含まれるメトリックは、宛先Dに到達するためのSTA A及びSTA Bの経路メトリックである。STA Aは、RREP及びSSWフレームを受け取ると、これらのメトリックを比較して、この事例では宛先Dに到達するためのプライマリネクストホップ及びバックアップネクストホップオプションが存在するように自機のルーティングテーブルを埋める(ルーティングテーブルを更新する)。また、STA Sは、そのSTA A及びSTA Bに対応するルーティングテーブルエントリを関連する1ホップリンクのメトリックで満たす。表4に、更新されたSTA Sのルーティングテーブルを示す。
STA SがSTA A及びSTA Bとの間でSSWを実行した後には、これらのノードも、自機とSTA Sとの間のリンクメトリックに関する情報を受け取る。従って、STA A及びSTA Bも、そのルーティングテーブルを表5及び表6に示すように更新する。
5.2.実施例2:宛先ルーティング情報を有していない中間STA
この例では、図22に示した実施例1と同じトポロジ及びリンクメトリックについて考察する。この例では、STA A及びSTA Bにおいて事前にルーティング情報が利用可能でないものと想定され、表7及び表8にこれらのルーティングテーブルを示す。
この事例では、表9に示すようなルーティングテーブルによれば、STA Sが宛先STA(すなわち、STA D)に送信すべきデータトラフィックを受け取った時点で、利用可能な有効なルーティング情報が存在しないことが分かる。従って、STA Sは、STA A及びSTA Bとの間でSSWを開始する際にSSWフレームにRREQを埋め込む。しかしながら、STA A及びSTA Bはルーティング情報を有していないので、ルート応答(RREP)情報を使用せずにSSW動作に応答する。
図27及び図28に、STA SとSTA Aとの間の交換の実施形態例330、350を示す。図27では、STA Sがイニシエータ332であり、レスポンダであるSTA A334にRREQ336を送信する。STA Aは、(空のデータボックスで示すように)RREP情報を伴わずにイニシエータに返信する(338)。図28には、STA S232とSTA A236との間でRREQ及び空の応答が交換されるSSW交換352、354が行われることを示す。STA Sは、この交換に応答してSTA AからSSWを受け取り、そのルーティングテーブルを表10に示すように更新する。STA Aは、STA SからRREQを受け取ってリンクメトリックを推定し、そのルーティングテーブルを表11に示すように更新する。
図29及び図30に、STA SとSTA Bとの間の交換の実施形態例370、390を示す。図29では、イニシエータSTA S372がSSWフレームにRREQ376を添付するが、レスポンダSTA A374は、空のデータボックスが戻されることで示すように、STA Sへの応答378でSSWフレームに添付すべきRREP情報を有していない。図30には、STA SとSTA Bとの間のSSW392、394を示す。従って、これらの図では、異なるセクタにわたってSTA BがSTA SからRREQを受け取り、RREP情報を含めずに応答することが分かる。
上記のSSW交換の結果、STA Sは、宛先STA Bに対応するエンティティを追加するようにそのルーティングテーブルを更新し、この更新されたテーブルを表12に示しており、またSTA Bは、そのルーティングテーブルを表13に示すように更新する。
次に、プロトコルによれば、STA SからRREQを受け取ったSTA A及びSTA Bは、RREQを転送して近隣局との間でSSWを実行しなければならない。限定ではなく一例としてSTA Aの処理から説明を開始するが、STA Bから開始することもできる。STA Aの近隣STAとの間のSSWの順番に応じて2つの事例が存在する。事例1:最初にSTA AがSTA Bとの間でSSWを実行し、その後にSTA Dとの間でSSWを実行する。事例2:最初にSTA AがSTA Dとの間でSSWを実行し、その後にSTA Bとの間でSSWを実行する。
5.2.1.事例1
図31及び図32に、STA S及びSTA BがRREQを添付する実施形態例410、430を示す。図31では、イニシエータ412であるSTA Aが、STA Sから受け取ったRREQ1 416をレスポンダ414であるSTA Bに送信している。同様に、STA Bは、STA Aから受け取ったRREQ2 418をSTA Aに対して添付していることが分かる。従って、STA A及びSTA Bは、互いにSSWを実行する際には、送信するSSWフレームにこれらのRREQを埋め込む。
STA Aは、STA Bとの間のSSW動作の結果、2つのメトリックを有する2つのRREQフレームを受け取っている。ここではRREQ1と呼ぶ第1のRREQは、STA Sから直接受け取られたものである。もう1つのRREQは、STA Bを通じて受け取られたものであり、ここではRREQ2と呼ぶ。同様に、STA Bも、STA Sから1つ、STA Aから1つの2つのRREQを受け取っている。従って、STA A及びSTA Bは、自機のルーティングテーブルのバックアップネクストホップエンティティを埋めることができ、これらのSTAの更新を表14及び表15に示す。
図33及び図34に、最初にSTA AがSTA Bとの間でSSWを実行した後にSSW中にSTA Dに対してRREQを添付する実施形態例450、470を示す。図33では、イニシエータ452であるSTA Aが、レスポンダ454であるSTA Dに、ここではRREQ1又はRREQ2のいずれかである最良のメトリックを含むRREQを有するRREQ456を送信する。なお、STA Aは、受け取った2つのRREQから最良の経路メトリックを有するRREQを選別し、最良のRREQがSSWフレームに添付された状態でSTA Dとの間でSSWを実行する。最良のメトリックを有するRREQを選択して転送するロジックは、本開示の教示から逸脱することなく従来のRREQ、RREP手法又はこれらの変形例を使用して実行することができると理解されたい。このRREQフレームが宛先STA Dに伝達されているので、レスポンダ454であるSTA Dは、応答SSWフレームにRREP情報458を添付する。
図34に、STA A236がSTA D234との間でSSW472を開始した後に、上述したようなSTA D234からのSSW474が行われることを示す。STA Aは、STA DからRREPを受け取った後に、そのルーティングテーブルを表16に示すように更新するように構成される。さらに、STA Dは、STA AからSSWフレームを通じてRREQを受け取っており、従って自機のルーティングテーブルを表17に示すように更新する。
5.2.2.事例2
図35及び図36に、STA AがSTA Bとの間でSSWを実行する前に、SSW中にSTA Dに対してRREQを添付する実施形態例490、510を示す。事例2では、SSWが上述したものとは異なる順序で構成され、具体的には最初にSTA AがSTA Dとの間でSSWを実行し、その後にSTA Bとの間でSSWを実行する。STA Aは、最初にSTA Dとの間でSSWを実行する場合、STA Sから受け取ったRREQメッセージをSTA Dに向かうSSWフレームに添付する。引き換えに、STA DはRREP情報で応答する。
図35では、イニシエータ492であるSTA Aが、STA Sから受け取ったRREQ1 496をレスポンダ494であるSTA Dに送信する。これに応答して、レスポンダ494であるSTA Dは、イニシエータ492であるSTA AにRREP498を送信する。
図36では、STA A236がSTA D234との間でSSW512を実行しており、STA DもSTA A236との間でSSW514を実行していることが分かる。
上記のSSW動作の結果、STA A及びSTA Dは、自機のルーティングテーブルを表18及び表19に示すように更新することができる。なお、(この特定の例では特定のリンクメトリックに起因して)RREQ1及びRREQ2のうちの最良がRREQ1と同じであるため、これらの結果は事例1に一致する。
図37及び図38に、STA AがSTA Dとの間でSSWを実行した後に、SSW中にSTA Bに対してRREQを添付する実施形態例530、550を示す。STA Aは、STA Dとの間でSSWを実行した後にSTA Bとの間でSSWを実行し始める。
図37では、イニシエータ532であるSTA Aが、STA Sから受け取ったRREQ1 536をレスポンダ534であるSTA Bに向けて転送する。STA Bは、STA Sから受け取ったRREQ2 538をSTA Aに転送することによって応答する。
図38では、STA A236がSTA B238との間でSSW552を実行し、その後にSTA B238がSTA A236との間でSSW554を実行していることが分かる。
上記の動作の結果、STA A及びSTA Bは、自機のルーティングテーブルを表20及び表21に示すように更新することができる。
図39に、指向性リンクが確立されていて近隣STAに送信する必要がある別のRREQが存在する事例に対処するプロトコルの実施形態例570を示しており、この例では確立された指向性リンクを通じてRREQが転送される。この事例では、STA A236がSTA Bから別のRREQ(RREQ2)を受け取り、このメトリックを既にSTA Dに転送したRREQ1と比較する。RREQ2のメトリックがRREQ1のメトリックよりも劣る場合、STA Aは、STA Bから受け取ったRREQ2を無視する。一方で、第2のRREQ(STA Bから受け取ったRREQ2)のメトリックの方が良好である場合、RREQ2メッセージは、STA A236とSTA D234との間に確立された指向性リンク572、574を通じてSTA Dに転送される。
5.2.3.ノード(STA)B
図40及び図41に、STA BがイニシエータであってSTA Dがレスポンダである事例の実施形態例590、610を示す。この事例については、STA AがSTA Dとの間でSSWを実行するものとして上述したが、以下では、STA BがRREQ1及びRREQ2の両方を受け取った後のSTA Bの動作について考察する。RREQ1はSTA Sから直接受け取られ、RREQ2はSTA Aを通じて受け取られている。図40では、イニシエータ592であるSTA Bが最良のメトリックを有するRREQメッセージを選択し、SSW動作を通じてこれをレスポンダ594であるSTA Dに転送する(596)。STA Dは、このRREQメッセージに応答してRREP598でSTA Bに返答する。図41では、STA B238がSTA D234との間でSSW612を実行し、その後にSTA D234がSTA B238との間でSSW614を実行する。このSSWの結果、STA B及びSTA Dは、自機のルーティングテーブルを表22及び表23に示すように更新する。
図42に、STA A236及びSTA B238が受け取ったRREPメッセージを交換する実施形態例630を示す。STA A及びSTA Bは既にSSW動作を完了しているので、ビームフォーミングリンク632、634を通じてRREPメッセージを送信している。このステップ後には、この例における全てのSTAがSSWの実行を完了する。その後、SSW動作の結果として確立された(ビームフォーミングされた)指向性リンクを通じて残りRREQ/RREPメッセージを交換することができる。
従って、STA A及びSTA Bは、自機のルーティングテーブルをSTA Dに到達するためのバックアップオプションで更新し、この更新されたテーブルを表24及び表25に示す。
図43に、STA A236がSTA A232との間に確立されたビームフォーミングリンク652、654を通じてSTA A232にRREPを送信する実施形態例650を示す。このステップでは、STA Aが、STA D及びSTA Bの各々から1つずつの2つのRREPを受け取っている。STA Aは、最良のメトリックを有するRREPメッセージをSTA Sに向けて送信する。この交換では、STA A及びSTA Sが、第1のステップにおいて、すなわちSTA S及びSTA AがRREQメッセージのためにSSWを実行していた時に確立されたビームフォーミングリンクを介して通信する。この図には、このSTA AとSTA Sとの間の指向性交換を示す。この交換の結果として更新されたSTA Sのルーティングテーブルを表26に示す。
図44に、SSWプロセス後に確立されたビームフォーミングリンク672、674を通じてSTA BがSTA SにRREPを送信する実施形態例670を示す。上述したSTA Aと同様に、STA B238は、STA D234及びSTA A236から受け取られたRREPメッセージのうちの最良のものをSTA S232に向けて転送する。STA B及びSTA Sは、既にSSWを実行し終えており、従ってSTA Bは、図示のようにビームフォーミング(BF’d)リンクを通じてRREPを送信する。この結果として更新されたSTA Sのルーティングテーブルを表27に示す。
提案する最良メトリックを有するRREQ及びRREPを記憶して転送する方法は動作順とは無関係であるため、近隣STAを横切って行われるSSWの順序がリンク及び動作の結果に影響を及ぼすことはないと理解されたい。
5.3.ビーム精緻化プロトコルとルート発見との統合
前節では、RREQフレームをセクタスイープフレームに抱き合わせる方法について詳述した。この事例では、RREQフレームが送信セクタを介して送信され、近隣STAが様々なセクタを通じてRREQフレームを受け取る。従って、STA及びその近隣STAは、このプロセスを通じてセクタスイープを実行し、その間にRREQ及び/又はRREPフレームも交換する。セクタスイープ動作の目的は、2つの装置による指向性リンクの確立を可能にするアンテナ設定を決定することである。これらの装置がリンクを確立すると、STAはビーム精緻化を実行することができる。従って、STAは、ビーム精緻化プロトコル(BRP)の使用を通じて自機のアンテナ設定を最適化することができる。
本システムでは、ルート要求及び応答メッセージに添付できるトレーニング及び応答フィールドを使用してBRPトレーニングが実行される。本開示では、ルート発見フレーム(RREQ及びRREP)にTRN及びBRP機能が追加される。これらのフレームにはTRNフィールドが追加され、従ってSTA及び近隣STAは、各ルーティングフレームが伝達されると自機のビームフォーミングトレーニングも精緻化する。
2つのSTAにビームを精緻化する意図があると、これらはBRP動作を開始する。この場合、一方のSTAはビームトラッキングイニシエータと呼ばれ、他方のSTAはビームトラッキングレスポンダと呼ばれる。ビームトラッキングイニシエータにいずれかのルーティング制御メッセージ(例えば、RREQ)が存在する場合には、RREQメッセージにTRNフィールドが添付される。その後、ビームトラッキングレスポンダは、TRNフィールドが添付されたRREQフレームを受け取る。
図45に、RREQ及びRREPを含むBRPパケットの実施形態例690を示す。ビームトラッキングイニシエータ692は、データ696を送信する際に、BRPトレーニング(TRN)フィールド700が添付されたRREQ698を送信する。ビームトラッキングレスポンダ694は、この通信を受け取ったことに応答して、BRP応答704が添付されたRREP702を送信し、従ってビーム精緻化及びルーティングメッセージの転送を提供する。この図には、イニシエータとレスポンダとの間のフレーム交換の例を図形的に示す。図示の例では、レスポンダがイニシエータに応答すべき有効なルーティング情報を有しており、これによってRREPフレームにBRPフィードバックフレームを添付してイニシエータに応答すると想定される。このように、2つのSTAは、BRPフレームを交換すると同時にルーティング制御フレームを交換する。
5.3.1.説明したビーム精緻化プロトコル
本節では、IEEE 802.11ay D2.0標準草案、並びに「Da Silva CR、Kosloff J、Chen C、Lomayev A、Cordeiro C、IEEE 802.11ayミリメートル波システムのためのビームフォーミングトレーニング(Beamforming Training for IEEE 802.11 ay Millimeter Wave Systems)、In 2018 Information Theory and Applications Workshop(ITA)、2018年2月11日(pp.1-9)、IEEE」という文献から採用した、これらに基づくビーム精緻化態様について説明する。
本節では、IEEE 802.11ad/ay標準と同様のビーム精緻化プロトコルの主要原理について説明する。ビーム精緻化プロトコル(BRP)パケットは、送信及び受信のためのアンテナ設定の微調整及び/又は最適化を可能にするTRNフィールドを含む。BRP-TXパケットは、送信アンテナ重みベクトル(AWV)微調整のために使用される。BRP-RXパケットは、受信アンテナ重みベクトル(AWV)トレーニングのために使用される。BRP TX/RXパケットを使用することにより、AWVの送信及び受信トレーニング(微調整)が同時に行われる可能性がある。
5.3.1.1.TRNフィールド
図46及び図47に、本開示の少なくとも1つの実施形態が適合するようになっている、データフレームに追加されたTRNフィールド、及びそのBRP TXパケットの構成の実施形態例710、730を示す。本TRNフィールドは、STAによって使用される送信/受信AWVの最適化を可能にする。図46には、STF、CE、Header、Data、AGC及びTRN-R/Tフィールドを有するように示す、標準的なフレームに添付されたTRNフィールド710を示す。なお、BRPフィールドを含むフレームはBRPパケットと呼ばれる。図47には、これらのTRNユニット732a(ユニット1)、732b(ユニット2)~732n(ユニットL)の構成730を示しており、これらはそれぞれ、TRNサブフィールドのP個の反復と、TRNサブフィールドのM個の反復とを含む。BRPパケットの送信機又はBRPパケットの受信機のいずれかは各TRNフィールドのAWVを変更し、受信機はどのAWVがより良好な信号受信をもたらすかを測定する。BRP-RXが送信される場合には、受信機が各TRNフィールドの受信AWVを変更する。受信機は、TRNフィールド間の信号品質を比較し、最良品質のTRNフィールドに使用されているAWVが使用のための最新のAWVになるように選択を行う。BRP-TXパケットが送信される場合には、送信機が各TRNフィールドの送信AWVを変更する。パケットの受信機は、その受信AWVを変更することなくTRNフィールド間の信号品質を評価して、送信機に最良のAWV情報をフィードバックする。この結果、送信機は、報告されたAWVを使用のための最新のAWVとみなすようになる。
図47で分かるように、BRP-TXパケットのTRNフィールドは複数のTRNユニットを含み、各TRNユニットはTRNサブフィールドのP+M個の反復を含む。P及びMの値は、TRN-ユニットフィールドにおいて定められ、これに含まれる。この場合、各TRNユニットの最初のP個のTRNサブフィールドは、BRP-TXパケットの送信に使用されるアンテナがTRNフィールドの最初に変化した場合を除き、プリアンブル及びデータと同じAWVを使用する。他のM個のTRNサブフィールドの送信では、STAが異なるAWVを試行するようにアンテナ設定を変更できるのに対し、他のピアSTAでは受信AWVが固定される。
図48に、本開示の実施形態が適合できるBRP-RXパケット内のTRNフィールドの実施形態例750を示す。この事例では、各TRNユニット752a、752b~752nが10個のTRNサブフィールドから成る。TRNフィールドに含まれる全てのTRNサブフィールドは、プリアンブル及びデータと同じAWVで送信される。これにより、改善された受信AWV設定を決定するための基準がピアSTAに提供される。
従って、本開示は、既存のBRPプロトコルとの互換性を一定程度維持することを教示する一方で、図45に示すようなルート発見(例えば、RREQ及びRREPメッセージ)との統合を教示したものである。従って、STAは、ルート発見を実行できると同時に、自機のアンテナ設定を微調整できるようになる。
5.3.2.ビームトラッキングイニシエータ
図49に、RREQフレームにTRNフィールドが添付されたRREQを送信する実施形態例770を示す。ビーム精緻化手順をトリガする方法は複数存在し、一例としてこのうちの(a)満了時にビームトラッキングイニシエータがビーム精緻化プロセスを開始するタイマを使用するもの、(b)受信信号レベルが一定の閾値を下回った場合にSTAがBRPプロセスを開始するもの、という2つについて説明する。
イニシエータSTAによってビームトラッキングが開始又はトリガされると、イニシエータは、レスポンダSTAへの送信準備が整ったいずれかのRREQフレームが存在する場合にはRREQフレームにTRNフィールドを添付する。このフレームは、イニシエータによってビームトラッキングレスポンダSTAに向けて送信されるBRPフレームになる。その後、このRREQも含むBRPフレームが近隣STAに向けて送信される。
とりわけ、この図には、ビームトラッキングイニシエータ手順が開始され(772)、ビームトラッキングレスポンダへの送信準備が整ったRREQメッセージが存在するかどうかを判定するチェックが行われる(774)ことを示す。RREQが存在する場合にはブロック776に到達し、RREQにTRNフィールドを添付した後でブロック778に進む。一方で、ブロック774においてRREQが見つからない場合、実行は直接ブロック778に進み、ビームトラッキングレスポンダに向けてBRPフレームを送信した後にプロセスは終了する(780)。
5.3.3.ビームトラッキングレスポンダ
図50に、TRNフィールドが組み込まれたRREQを受け取る実施形態例790を示す。TRNフィールドが添付されたBRPフレームを近隣STAが受け取ると、レスポンダは、このフレームがRREQメッセージを含む場合には本開示に従って特定の動作を行うように構成される。第1に、受信側STAは、ビーム精緻化応答フレームでイニシエータSTAに応答する。しかしながら、STAは、ルーティングプロセスに関するさらなる情報をBRP応答フレームに含めることもできる。具体的には複数の事例が発生する可能性があり、これらを以下のように例示する。(a)(ルーティングテーブルに従って)宛先STAに向かう有効なルート情報が存在する場合、近隣STAはRREPにBRPフレームを添付してイニシエータSTAに返送する。(b)宛先STAに向かう有効なルート情報は存在しないが、ビームトラッキングイニシエータSTAへの返送準備が整ったRREQフレームが存在する場合、近隣STAは、BRP応答フレームにRREQを含めてビームトラッキングイニシエータに向けて送信する。(c)宛先STAに向かう有効なルート情報が存在せず、ビームトラッキングイニシエータSTAに向けて返送すべきRREQフレームも存在しない場合、ビームトラッキングレスポンダは、RREQ又はRREPメッセージを含まないBRP応答フレームのみを送信する。
とりわけ、この図には、受け取ったBRPフレームの処理が開始され(792)、フレームがRREQメッセージを含むかどうかをチェックする(794)ことを示す。RREQメッセージが含まれている場合にはブロック796に到達し、RREQに応答するための有効なルーティングエンティティがルーティングテーブルに記憶されているどうかを判定するチェックを行う。有効なルーティングエンティティが存在する場合には、ブロック798に到達してBRP応答にRREPメッセージを追加し、ビームトラッキングイニシエータに向けてBRPを送信した後にプロセスは終了する。
一方で、ブロック794においてRREQメッセージが見つからない場合、実行はブロック800に到達し、ビームトラッキングイニシエータへの送信準備が整ったRREQメッセージが存在するかどうかをチェックする。送信すべきRREQが存在する場合には、ブロック802においてBRPにRREQメッセージを添付し、ビームトラッキングイニシエータに向けてBRPフレームを送信した後にプロセスは終了する(806)。一方で、ブロック800において送信すべきRREQが見つからない場合にはブロック804に到達し、ビームトラッキングイニシエータに向けてBRPフレームを送信した後に処理は終了する(806)。
5.3.4.実施例3:BRPとRREQの統合
図22に示す、発信局STA S232、宛先局STA D234、STA A236及びSTA B238を有する一般的トポロジについて再び考察する。この例では、STA A及びSTA BのルーティングテーブルがSTA Dに向かう最新のルーティング情報を有すると想定される。STA Sとの間でBRPを実行する前のSTA A及びSTA Bのルーティングテーブルは、それぞれ表28及び表29に示す通りである。
この事例では、既にSTA SがSTA A及びSTA Bとの間でSSWを実行し終えていると想定される。しかしながら、STA Sは、STA A及びSTA Bとの間でビーム精緻化プロセスを実行する必要がある。この理由は、例えばSTA Sにおけるアンテナ設定のさらなる最適化が必要なためである。さらに、STA Sは、宛先STA Dに向かう有効なルーティング情報を有していない。この場合、STA Sは、STA Dに向かうルートを発見する必要があり、従って近隣STAであるSTA A及びSTA BにRREQを送信する。この場合、STA Sは、RREQをBRPフレームと統合してSTA A及びSTA Bに向けて送信する。
図51に、(例えば、SSWによって)既に確立されているビームフォーミングリンク812、814を介して交換を実行するSTA S232とSTA A236との間の、BRPフレームと統合されたRREQ及びRREPの実施形態例810を示す。STA S232からTRNを含むRREQ812が送信され、RREP及びBRPを交換するSTA Aからの応答814がSTA Sに返信されることが分かる。
図52に、STA SとSTA Bとの間の、RREQ及びRREPとBRPフレームとを統合する実施形態例830を示す。従って、この図には、STA SがSTA Bとの間でBRPを実行する次のステップが見られる。STA S232及びSTA B238は、(例えば、SSWによって)既に確立されているビームフォーミングリンク832、834を介して交換を実行する。STA S232からTRNを含むRREQ832が送信され、RREP及びBRPを交換するSTA Bからの応答834がSTA Sに返信されることが分かる。
このBRP動作の結果、STA Sは、STA A、STA B及びSTA Dに向かう自機のルーティングテーブルを表30に示すように更新する。
STA SがSTA A及びSTA Bとの間でBRPを実行すると、これらの局も自機とSTA Sとの間のリンクメトリックに関する情報を受け取る。従って、STA A及びSTA Bも、自機のルーティングテーブルを表31及び表32に示すように更新する。
5.4.セクタスイープ及びルート発見プロセスの分離
前節では、セクタスイープフレームの内部にRREQ/RREPメッセージを埋め込むことによってセクタスイープとルート発見プロセスとを統合する方法、さらにはビーム精緻化とRREQ/RREPメッセージの交換とを統合する方法について説明した。
本節では、セクタスイーププロセスとルート発見プロセスとの間の統合を緩める(部分的に分離する)方法について説明する。このプロセスでは、セクタスイープの実行後に、RREQ/RREPの通信、具体的にはセクタスイープ動作から取得された最良セクタを使用してRREQ/RREPメッセージの交換が行われる。4つの局STA S232、STA D234、STA A236及びSTA B238を示す図22に示したトポロジと同じトポロジについて考察する。
リンクのメトリックは双方向であり、すなわちSTA AからSTA BへのメトリックはSTA Bから STA Aへのメトリックと同じものであると想定される。また、STAは、その近隣STAとの間でセクタスイープを実行すると想定される。
図53に、STA S232からのセクタスイープ852、及びSTA A236からの逆方向のセクタスイープ854の実施形態例850を示す。
図54には、STA S232からのセクタスイープ872、及びSTA B238からの逆方向のセクタスイープ874の実施形態例870を示す。
各STAは、セクタスイープの後に、その近隣STAに関する最良セクタ情報を記憶する。アンテナセクタスイープの結果、各STAは、近隣リストと呼ばれるデータベースを構築し、STA毎及びTXアンテナセクタ毎の受信信号品質情報をメモリに記憶する。近隣リストの各インスタンスは、近隣STAに関する様々な情報を記憶する。近隣リストの目的は、各STAがその近隣STAについての認識、及びこれらの最良送信/受信セクタに関する情報を維持することである。
図55に、近隣リストの実施形態例890を示す。図示の例には、トポロジ例に従ってSTA Sの2つの近隣のみ(STA A及びSTA B)を示す。図を単純にするために、各局が6つのアンテナセクタしか有していないものとみなすが、本開示は、それぞれがあらゆる所望の数のアンテナセクタを有するあらゆる所望の数の近隣局に関する情報を維持するように構成することができる。STA Sによって構築された図示の近隣リストは、STA A及びSTA Bを直近のSTA(1ホップ近隣)として認識し、近隣リストエントリの2つのインスタンス(レコード)を作成する。STA Sは、RxQuality[N]に受信リンク品質情報を記憶し、ここでのNは、近隣STAのTxアンテナセクタに関連する。この近隣リストでは、近隣リストの各インスタンスのTxAntSectorが、その近隣STAに向かう最良送信セクタを示す。
STA Sは、近隣STAに向かう最良TX及びRXセクタについて学習すると、TxAntSectorを使用して近隣STAに向けてRREQフレームを送信する。
図56及び図57に、STA SとSTA Aとの間、及びSTA SとSTA Bとの間のセクタスイープ動作からそれぞれ取得された最良セクタを使用してRREQフレームが送信される実施形態例910、930を示す。図56では、SSWから取得された最良セクタ912、914を使用してSTA S232及びSTA A236からRREQが送信される。同様に、図57では、SSWから取得された最良セクタ932、934を使用してSTA S232及びSTA B238からRREQが送信される。従って、この事例では、STA SがSTA A及びSTA Bに向けてRREQメッセージを送信する。
このフレーム交換の結果、STA Sは、STA A及びSTA Bに向けたRREQの転送動作を考慮するように自機の転送テーブルを更新し、これを転送テーブル33に示す。
RREQフレーム交換の結果、STA A及びSTA Bは、RREQメッセージを受け取ってリンクメトリックを推定する。従って、STA A及びSTA Bは、STA Sに向かう自機のルーティングテーブルを、表34及び表35の更新されたルーティングテーブルに示すように更新することができる。
STA間でセクタスイープを実行するプロセスが継続され、各STAは、その1ホップ近隣のSTAに向かう近隣リストを埋める。ルート発見メッセージ(RREQ及びRREP)の交換は、セクタスイーププロセスにおいて発見された最良セクタを使用してRREQ及びRREPメッセージが送信されるセクタスイーププロセスに従う。
ルーティングテーブルを埋めるプロセスは、好ましくはルーティングテーブルが宛先STAに到達するためのバックアップネクストホップオプションを含むように全てのノードにおいて実行される。
5.開示要素の概要
以下の概要は、本開示のいくつかの重要な要素を開示するものであるが、この概要は、本開示の重要な要素のみを説明するものとして解釈すべきではない。
指向性通信システムにとって必要なセクタスイープトレーニングを、発信STAから宛先STAに向かうルートを確立するために必要なルート要求及びルート応答メッセージ伝搬と組み合わせる装置及び方法。
ルート発見がセクタスイープ動作をトリガするように、セクタスイープとルート発見とを統合する。この事例では、あるリンクについて既にセクタスイープが実行済みである(すなわち、最新情報が利用可能である)場合、ルート発見プロセスは、最良セクタ及び2つのノード間の確立された指向性リンクを介してルート発見要求及びルート発見応答メッセージが送信される従来の方法に戻る。
ビーム精緻化プロセス(STA間のセクタ設定の最適化)とルート発見プロセスとを組み合わせるための装置及び方法について説明する。1つの実施形態では、ルート発見メッセージにトレーニングフィールドが添付され、レスポンダがルーティング応答にビーム精緻化応答を添付する。
STAがセクタスイープトレーニングを実行済みであると想定して、確立された指向性リンク上でルート発見プロセスを行う装置及び方法について説明する。
これらの装置及び方法は、送信元から宛先局へのプライマリルート及び1又は2以上のバックアップルートを確立して維持するように構成されたプロトコルと共に利用することができる。
これらの装置及び方法は、ステータス要求及びステータス応答メッセージを利用してルーティング情報を維持するプロトコルと共に利用することができる。
これらの装置及び方法は、別の帯域では全方向通信を提供することもできる、ミリメートル波帯における指向性無線通信局と共に利用することができる。
6.実施形態の一般的範囲
提示した技術の説明した強化は、様々な無線通信局のプロトコル内に容易に実装することができる。また、無線通信局が、1又は2以上のコンピュータプロセッサ装置(例えば、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ対応ASICなど)、及び命令を記憶する関連するメモリ(例えば、RAM、DRAM、NVRAM、FLASH、コンピュータ可読媒体など)を含むように実装されることにより、メモリに記憶されたプログラム(命令)がプロセッサ上で実行されて、本明細書で説明した様々なプロセス法のステップを実行することが好ましいと理解されたい。
当業者は、無線通信局の制御に関連するステップを実行するコンピュータ装置の使用を認識しているため、簡略化のために全ての図にコンピュータ装置及びメモリ装置を示しているわけではない。提示した技術は、メモリ及びコンピュータ可読媒体が非一時的であり、従って一時的電子信号を構成しない限り、これらに関して限定するものではない。
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにあらゆる手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようなあらゆるコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のあらゆるプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサ上によって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
さらに、コンピュータ可読プログラムコードなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の実施形態を含むと理解されるであろう。
1.ネットワークにおける無線通信装置であって、(a)少なくとも1つの他の指向性無線通信回路と直接或いは1又は2以上のホップを通じて無線で通信するように構成された指向性無線通信回路を含む局と、(b)無線ネットワークを介して局動作を制御するように構成された、前記無線通信回路内のプロセッサと、(c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、(d)(i)ルート要求イニシエータ局として実行して、(d)(i)(A)前記局が近隣局のためのセクタ情報を欠いている場合に、セクタスイープ(SSW)とルート発見とを組み合わせた動作を実行することと、(d)(i)(B)近隣局と通信するための最良の方向を発見するために、前記指向性無線通信回路から複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって前記セクタスイープ(SSW)を実行することと、(d)(i)(C)複数のセクタ方向にわたって送信される前記セクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート要求(RREQ)メッセージを添付することと、(d)(i)(D)近隣局からセクタスイープ(SSW)フレームを受け取って処理し、いずれかの組み込まれたルート要求(RREQ)又はルート応答(RREP)メッセージコンテンツを処理することと、を含むルート要求発見プロセスを開始するステップと、(d)(ii)ルート要求イニシエータ局からのルート要求発見プロセスに応答して、ルート要求レスポンダ局として、(d)(ii)(A)複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって、近隣局から受け取られた1又は2以上のセクタスイープ(SSW)フレームに応答することと、(d)(ii)(B)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREP)メッセージを添付することと、(d)(ii)(C)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在せず、かつ近隣局に送信すべきルート要求(RREQ)メッセージが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREQ)メッセージを添付することと、を実行するステップと、(d)(iii)前記ルート要求イニシエータ局から、1又は2以上のルート要求レスポンダ局を通じて、前記ルート要求レスポンダ局のうちの1つを含むことができる宛先局に至るルートを確立するステップとを実行する、装置。
2.ネットワークにおいて無線通信を実行する方法であって、(a)指向性無線通信回路を含む局から少なくとも1つの他の指向性無線通信回路に無線で通信を行い、ルート要求イニシエータ局から宛先局への直接ルート或いは1又は2以上のホップを通じた間接ルートのいずれかを確立するためにルート要求イニシエータ局、ルート要求レスポンダ局又は宛先局として動作するステップと、(b)ルート要求イニシエータ局として実行して、(b)(i)前記局が近隣局のためのセクタ情報を欠いている場合に、セクタスイープ(SSW)とルート発見とを組み合わせた動作を実行することと、(b)(ii)近隣局と通信するための最良の方向を発見するために、前記指向性無線通信回路から複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって前記セクタスイープ(SSW)を実行することと、(b)(iii)複数のセクタ方向にわたって送信される前記セクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート要求(RREQ)メッセージを添付することと、(b)(iv)近隣局からセクタスイープ(SSW)フレームを受け取って処理し、いずれかの組み込まれたルート要求(RREQ)又はルート応答(RREP)メッセージコンテンツを処理することと、を含むルート要求発見プロセスを開始するステップと、(c)ルート要求イニシエータ局からのルート要求発見プロセスに応答して、ルート要求レスポンダ局として、(c)(i)複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって、近隣局から受け取られた1又は2以上のセクタスイープ(SSW)フレームに応答することと、(c)(ii)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREP)メッセージを添付することと、(c)(iii)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在せず、かつ近隣局に送信すべきルート要求(RREQ)メッセージが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREQ)メッセージを添付することと、を実行するステップと、(d)前記ルート要求イニシエータ局から、1又は2以上のルート要求レスポンダ局を通じて、前記ルート要求レスポンダ局のうちの1つを含むことができる宛先局に至るルートを確立するステップと、を含む方法。
3.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、1又は2以上の受け取られたセクタスイープフレーム上のリンクメトリックを追跡し、前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープフレームを送信した前記局に前記リンクメトリックを伝達することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
4.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、ルーティング要求(RREQ)メッセージ及びルーティング応答(RREP)メッセージの送信に応答してリンクメトリックを伝達するステップを実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
5.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、ルート要求発見プロセスから複数のルーティング要求(RREQ)が受け取られたことに応答するルート要求レスポンダ局として実行している時に、近隣局又は宛先局に転送すべき前記最良のリンクメトリックを有する前記ルーティング要求を選択する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
6.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、1又は2以上の受け取られたセクタスイープフレーム上のリンクメトリックを追跡し、前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープフレームを送信した前記局と通信するための最良セクタ方向を選択する際に前記リンクメトリックを使用することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
7.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、セクタスイープ及びルート発見動作に応答して、この局と近隣局との間の指向性通信リンクを確立することをさらに含む、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
8.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記方向セクタ設定をさらに調整するために、この局と近隣局との間の前記指向性通信リンクに対してビーム精緻化プロトコル(BRP)を実行することをさらに含む、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
9.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、ビームトラッキングイニシエータが前記近隣局へのルーティング要求(RREQ)メッセージにトレーニング(TRN)フィールドを添付した時に前記ビーム精緻化プロトコル(BRP)を実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
10.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、ルーティング応答(RREP)メッセージにビーム精緻化プロトコル(BRP)応答を添付するビームトラッキングレスポンダとして応答することを実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
11.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、ルート発見メッセージを受け取った前記局が前記無線通信の前記宛先でない場合には、前記ルート発見メッセージを自機の近隣局に伝搬し、或いは前記ルート発見メッセージを受け取った前記局が前記無線通信の前記宛先である場合には、前記受け取られたルート発見メッセージの送信元である局にルート応答メッセージを送出する、ことによって前記ルート発見メッセージの受信に応答することを実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
12.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、1又は2以上のルート応答メッセージが1又は2以上の経路を通じて、前記ルート発見メッセージを最初に送信した前記局である前記発信局によって受け取られるまで、近隣局にルート応答メッセージを伝搬することを実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
13.前記無線通信回路は、メッシュネットワーク及び非メッシュネットワークの両方における指向性通信のために構成されたミリメートル波(mmW)局を含む、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
14.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、プライマリネクストホップ局及び少なくとも1つのバックアップネクストホップ局が利用可能である場合に、これらの局を選択する際に、リンクメトリックに基づいて複数のルート要求にランク付けすることをさらに含む、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
15.前記無線通信回路は、第1の帯域では指向性通信を行い、第2の帯域では準全方向性通信を行うように構成される、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
本明細書で使用する「実質的に(substantially)」及び「約(about)」という用語は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10°以下の角度変動範囲を意味することができる。
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に簡略化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1~約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。
190 ルート発見動作とセクタスイープ動作とを統合するプロセス
192 ターゲットSTAとの間のイニシエータSSW
194 ターゲットSTAへの送信準備が整ったRREQメッセージが存在するか?
196 SSWフレームにRREQメッセージを含める
198 異なるアンテナセクタを使用してターゲットSTAに向けてSSWフレームを送信
200 終了

表1
STA Sにおける空のルーティングテーブル
Figure 0007345736000001

表2
STA Sとの間のSSW前のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000002

表3
STA Sとの間のSSW前のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000003

表4
STA A&Bとの間のSSWフレーム交換後のSTA Sのルーティングテーブル
Figure 0007345736000004

表5
STA Sとの間のSSW後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000005

表6
STA Sとの間のSSW後のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000006

表7
STA Aの初期ルーティングテーブル
Figure 0007345736000007

表8
STA Bの初期ルーティングテーブル
Figure 0007345736000008

表9
STA Sの初期ルーティングテーブル
Figure 0007345736000009

表10
STA Aとの間のSSW後のSTA Sのルーティングテーブル
Figure 0007345736000010

表11
STA Sとの間のSSW後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000011

表12
STA Bとの間のSSW後のSTA Sのルーティングテーブル
Figure 0007345736000012

表13
STA Sとの間のSSW後のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000013

表14
STA Bとの間のSSW後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000014

表15
STA Aとの間のSSW後のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000015

表16
RREQ1/RREQ2のうちの最良を使用したSTA Dとの間のSSW後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000016

表17
STA Aとの間のSSW後のSTA Dのルーティングテーブル
Figure 0007345736000017

表18
RREQ1を使用したSTA Dとの間のSSW後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000018

表19
STA Aとの間のSSW後のSTA Dのルーティングテーブル
Figure 0007345736000019

表20
STA Bとの間のSSW(STA Sから受け取られたRREQ1の転送)後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000020

表21
STA Aとの間のSSW(STA Sから受け取られたRREQ2の転送)後のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000021

表22
STA Dとの間のSSW後のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000022

表23
STA Bとの間のSSW後のSTA Dのルーティングテーブル
Figure 0007345736000023

表24
ビームフォーミングリンクを通じたSTA BからのRREP後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000024

表25
ビームフォーミングリンクを通じたSTA AからのRREP後のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000025

表26
STA AからのRREP後のSTA Sのルーティングテーブル
Figure 0007345736000026

表27
STA BからのRREP後の更新されたSTA Sのルーティングテーブル
Figure 0007345736000027

表28
STA Sとの間のBRP前のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000028

表29
STA Sとの間のBRP前のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000029

表30
STA A&Bとの間のBRPフレームの交換後のSTA Sのルーティングテーブル
Figure 0007345736000030

表31
STA Sとの間のBRP前のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000031

表32
STA Sとの間のBRP前のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000032

表33
STA Sの転送テーブル
Figure 0007345736000033

表34
STA SからのRREQ後のSTA Aのルーティングテーブル
Figure 0007345736000034

表35
STA SからのRREQ後のSTA Bのルーティングテーブル
Figure 0007345736000035

Claims (9)

  1. ネットワークにおける無線通信装置であって、
    (a)少なくとも1つの他の指向性無線通信回路と直接或いは1又は2以上のホップを通じて無線で通信するように構成された指向性無線通信回路を含む局と、
    (b)無線ネットワークを介して局動作を制御するように構成された、前記無線通信回路内のプロセッサと、
    (c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、
    を備え、
    (d)前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、
    (i)ルート要求イニシエータ局として実行して、
    (A)前記局が近隣局のためのセクタ情報を欠いている場合に、セクタスイープ(SSW)とルート発見とを組み合わせた動作を実行することと、
    (B)近隣局と通信するための最良の方向を発見するよう、前記指向性無線通信回路から複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって前記セクタスイープ(SSW)を実行することと、
    (C)複数のセクタ方向にわたって送信される前記セクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート要求(RREQ)メッセージを添付することと、
    (D)近隣局からセクタスイープ(SSW)フレームを受け取って処理し、いずれかの組み込まれたルート要求(RREQ)又はルート応答(RREP)メッセージコンテンツを処理することと、
    を含むルート要求発見プロセスを開始するステップと、
    (ii)ルート要求イニシエータ局からのルート要求発見プロセスに応答して、ルート要求レスポンダ局として、
    (A)複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって、前記ルート要求イニシエータから直接又は近隣局を介して受け取られた1又は2以上のセクタスイープ(SSW)フレームに応答することと、
    (B)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREP)メッセージを添付することと、
    (C)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在せず、かつ近隣局に送信すべきルート要求(RREQ)メッセージが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREQ)メッセージを添付することと、
    を実行するステップと、
    (iii)前記ルート要求イニシエータ局から、1又は2以上のルート要求レスポンダ局を通じて、前記ルート要求レスポンダ局のうちの1つを含むことができる宛先局に至るルートを確立するステップと、
    を実行する、
    ことを特徴とする装置。
  2. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、1又は2以上の受け取られたセクタスイープフレームについてのリンクメトリックを追跡し、前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープフレームを送信した前記局に前記リンクメトリックを伝達するステップをさらに実行する、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、ルート要求発見プロセスから複数のルーティング要求(RREQ)が受け取られたことに応答するルート要求レスポンダ局として実行しているときに、近隣局又は宛先局に転送すべき前記最良のリンクメトリックを有する前記ルーティング要求を選択する、
    請求項に記載の装置。
  4. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、セクタスイープ及びルート発見動作に応答して、この局と近隣局との間の指向性通信リンクを確立することをさらに含む、
    請求項1に記載の装置。
  5. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、方向セクタ設定をさらに調整するよう、この局と近隣局との間の前記指向性通信リンクに対してビーム精緻化プロトコル(BRP)を実行することをさらに含む、
    請求項に記載の装置。
  6. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、ルート要求(RREQ)メッセージを受け取った前記局が無線通信の宛先でない場合には、前記ルート要求(RREQ)メッセージを自機の近隣局に伝搬し、或いは前記ルート要求(RREQ)メッセージを受け取った前記局が無線通信の宛先である場合には、前記受け取られたルート要求(RREQ)メッセージの送信元である局にルート応答メッセージを送出する、ことによって前記ルート要求(RREQ)メッセージの受信に応答することを実行する、
    請求項1に記載の装置。
  7. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、1又は2以上のルート応答メッセージが1又は2以上の経路を通じて、前記ルート要求(RREQ)メッセージを最初に送信した局である発信局によって受け取られるまで、近隣局にルート応答メッセージを伝搬することを実行する、
    請求項に記載の装置。
  8. 前記無線通信回路は、メッシュネットワーク及び非メッシュネットワークの両方における指向性通信のために構成されたミリメートル波(mmW)局を含む、
    請求項1に記載の装置。
  9. ネットワークにおいて無線通信を実行する方法であって、
    (a)指向性無線通信回路を含む局から少なくとも1つの他の指向性無線通信回路に無線で通信を行い、ルート要求イニシエータ局から宛先局への直接ルート或いは1又は2以上のホップを通じた間接ルートのいずれかを確立するルート要求イニシエータ局、ルート要求レスポンダ局又は宛先局として動作するステップと、
    (b)ルート要求イニシエータ局として実行して、
    (i)前記局が近隣局のためのセクタ情報を欠いている場合に、セクタスイープ(SSW)とルート発見とを組み合わせた動作を実行することと、
    (ii)近隣局と通信するための最良の方向を発見するよう、前記指向性無線通信回路から複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって前記セクタスイープ(SSW)を実行することと、
    (iii)複数のセクタ方向にわたって送信される前記セクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート要求(RREQ)メッセージを添付することと、
    (iv)近隣局からセクタスイープ(SSW)フレームを受け取って処理し、いずれかの組み込まれたルート要求(RREQ)又はルート応答(RREP)メッセージコンテンツを処理することと、
    を含むルート要求発見プロセスを開始するステップと、
    (c)ルート要求イニシエータ局からのルート要求発見プロセスに応答して、ルート要求レスポンダ局として、
    (i)複数のセクタ方向にわたってセクタスイープ(SSW)フレームを送信することによって、前記ルート要求イニシエータから直接又は近隣局を介して受け取られた1又は2以上のセクタスイープ(SSW)フレームに応答することと、
    (ii)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREP)メッセージを添付することと、
    (iii)前記1又は2以上の受け取られたセクタスイープ(SSW)フレームに添付されたルート要求(RREQ)メッセージを検出して処理したことに応答して、前記ルート要求(RREQ)メッセージに応答すべき有効なルートが存在せず、かつ近隣局に送信すべきルート要求(RREQ)メッセージが存在する場合に、前記送信されるセクタスイープ(SSW)フレームの各々にルート応答(RREQ)メッセージを添付することと、
    を実行するステップと、
    (d)前記ルート要求イニシエータ局から、1又は2以上のルート要求レスポンダ局を通じて、前記ルート要求レスポンダ局のうちの1つを含むことができる宛先局に至るルートを確立するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
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