JP7343517B2 - リガーゼスクリーニングアッセイ - Google Patents

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Description

本発明はMYCBP2モジュレーターを識別するための方法に関する。適切なモジュレーターは二つの触媒的システイン(C4520およびC4572)のいずれかの共有結合性モディフィケーションを介するMYCBP2ユビキチンE3リガーゼ活性のモジュレーションによって、または新しく提示された動的な、所謂、C4520が存在するメディエーターループ領域の動きを妨げることによって識別される。本発明はまた、MYCBP2リガーゼ活性を測定するためのプロキシ基質としてのヒドロキシ基含有小分子およびペプチドの使用、ならびにモジュレーターを識別する方法におけるそれらの使用に関する。
ユビキチン(Ub)およびユビキチン様モディファイア(ユビキチン様修飾要因とも言う)(Ubls)によるタンパク質のモディフィケーションは、真核生物の生態のほとんどの態様をレギュレーションする。Ub/Ublコンジュゲーションは、E1活性化(E1)、E2コンジュゲーティング(E2)およびE3ライゲーティング(E3)酵素からなる酵素カスケードによって遂行される。コンジュゲーションには、初期のATP依存性チオエステル化(thioesterification)ステップおよびE1s、E2sおよびE3sにおける触媒的システインの並置(juxtaposition)を介する最大で二つまでの後続のチオエステル交換(transthioesterification)ステップが必要である。ユビキチン化は典型的にリジン残基の翻訳後モディフィケーションと考えられる。
相同性E6-APカルボキシ末端(HECT)E3は、共有結合によりリンクしたE3-ユビキチン中間体を形成するために、共有結合によりリンクしたE2-ユビキチン中間体との触媒的システイン依存性トランスチオール化反応を受ける。さらに、RING-ビトゥイーン-RING(RBR)E3sは補助ドメインにリンクするカノニカルRINGドメインを有する。これには、ハイブリッドRING/HECTメカニズムを可能にする触媒的システインが含まれる。
ユビキチンコンジュゲーション酵素カスケードは広域スペクトルの疾患に関係があるとされた。非常に多くの異なるE2およびE3酵素およびクラスが識別されているが、これらの酵素のいくらかについてはほとんど知られていない。したがって、これらの酵素の活性をプロファイリング、またはさらにプロファイリングする必要性が残っている。
本発明はこれらの問題を考慮して案出された。
本発明の概略
本発明は、E3ユビキチンリガーゼMYCBP2の作用機序に関する本発明者らによる研究に基づく。本発明者らは、驚くべきことに、このリガーゼが、例えば、ヒドロキシ含有基質に対してエステル化活性を示すことを見出した。本発明者らはまた、トランスチオール化が、E2コンジュゲーティング酵素(E2)およびMYCBP2内のシステイン残基間で起こると考える。これはシステイン残基からのMYCBP2内のさらなるシステイン残基へのユビキチンの分子内リレー、および次いでその基質へとつながる。
作用機序の識別に基づいて、人工または内因性に関わらず、活性MYCBP2タンパク質と基質との相互作用を研究することができる。この相互作用は、この相互作用に対するそれらの効果について試験物質をスクリーニングするために有利に活用することができる。したがって、この相互作用に基づくスクリーニングアッセイを提供することが本発明の目的である。本発明のさらなる目的は、治療および/または予防、例えば、軸索変性に関連する損傷および障害の治療および/または予防において使用するためのMYCBP2のモジュレーターを識別および/または提供することである。
ここに説明する任意の特色(任意の添付請求の範囲および図面が含まれる)は、別なふうに指示されない限り、任意の組合せで以下の態様のいずれかと組み合わせ得ることが認められるであろう。
第一の態様によれば、MYCBP2モジュレーターを識別するための方法が提供され、本方法には、以下の:
a)MYCBP2、その相同分子種、変種またはフラグメントを試験物質と接触させること;
b)C4520、C4572および/または活性MYCBP2のメディエーターループ領域(残基4515-4531)と相互作用する能力があるプローブを提供すること;および
c)プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種、またはそれらのフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされる(修飾される、調節されるなどとも言える)かどうかを検出すること
が含まれる。
誤解を避けるために、C4520はシーケンスモチーフGEARCDAEA内に存在し、およびC4572はシーケンスモチーフAVFFCFGTT内に存在する。
典型的には、試験物質は、識別されるシステイン残基のいずれかを標的とするとき、小分子求電子剤、例えば、アクリルアミド、アクリロニトリルまたはアクリラートなどのようなものであり得る。求電子剤と反応することができるシステイン残基上にはチオール基が存在するため、MYCBP2活性は以下の:
a)求電子性小分子リガンドによるC4520の共有結合性モディフィケーション;または
b)求電子性小分子リガンドによるC4572の共有結合性モディフィケーション
によってモジュレーションされると仮定される。
あるいはまた、試験小分子は、メディエーターループ領域の移動性の破壊によって作用し得る(残基4515-4531)。メディエーターループの移動性の破壊は、例えば、適切な生物物理学的技術、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光法、電子常磁性共鳴(EPR)分光法または蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)などのようなものによって定め得る。
本著者らはMYCBP2がヒドロキシ含有小分子およびペプチドに対して予想外に高くおよび無差別なエステル化(promiscuous esterification)活性を有することを確証した。したがって、小分子ヒドロキシ化合物のプロキシ基質としての使用は求電子性小分子リガンドを識別するために用いることができる。我々はここではそのようなプロキシ基質をヒドロキシプローブとして説明する。
理論に束縛されるのは希望しないが、本発明者らは、全長のネイティブMYCBP2タンパク質の残基C4520およびC4572が、E2-ユビキチンおよびMYCBP2間のトランスチオール化、およびその後のユビキチンのリレーに必要であり、およびそれでこれらの残基の一またはそれよりも多くは活性部位を構成すると理解されるであろうと考える。C4572は下流で動作し、およびヒドロキシプローブと相互作用する。いくらかの実施形態では、活性部位には、少なくとも残基C4520が含まれる。そのような実施形態では、代替プローブは残基C4520と相互作用する能力がある(例えば、国際公開WO 2016/051174号に報告されるものなどのようなもの)。
前記プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされる実施形態では、試験物質はMYCBP2モジュレーターであると理解されるであろう。
MYCBP2は、ヒトにおいて知見された0.5MDaタンパク質であり、それには、C末端RINGドメインが含まれる。本タンパク質は発達中の神経系における軸索ガイダンスおよびシナプス形成において役割を果たす。哺乳動物細胞では、このタンパク質はcAMPおよびmTORシグナル伝達経路をレギュレーションし、および追加的にオートファジーをレギュレーションし得る。本発明の関連において、MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントは、核酸配列またはその発現生産物、例えば、DNA、cDNA、mRNA、タンパク質またはそのペプチドフラグメントに言及されることが理解されるであろう。
典型的には、MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントには、タンパク質またはそのペプチドフラグメントが含まれる。有利には、これはMYCBP2相同分子種、変種またはそれらのフラグメントおよびプローブ間のタンパク質-基質相互作用のスクリーニングを可能にする。
ここで使用するように、活性なMYCBP2は酵素的に活性なMYCBP2タンパク質に言及すると理解されるであろう。
「相互作用すること」または「相互作用」によって、これは前記プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの活性部位との会合に言及すると理解されるであろう。ここに記載するプローブはユビキチン分子により共有結合的にモディフィケーションされ得る。
この故に、プローブという用語は、ここでは活性なMYCBP2の活性部位と相互作用する能力がある分子に言及するために使用される。
ここで用いるようにMYCBP2の残基番号付けはネイティブの全長MYCBP2カノニカルアイソフォーム(Uniprot(ユニプロット)受入番号075592:http://www.uniprot.org/uniprot/O75592)に関連するか、またはPao(パオ)らの、Nature(ネイチャー).2018年4月;556(7701):381-385において記載される。「C」への参照は標準的なアミノ酸コードを指す。ゆえに「C」はシステイン残基に言及する。この出願の最初の提出に続き、MYCBP2についてのスイスプロット(SWISSPROT)エントリはここで論じる触媒領域外にある挿入が含まれるように修正された。しかしながら、このことは配列番号付けを38残基によって変える効果をもつ。ただし、我々は優先権主張出願およびPaoらの論文において記載される元の番号付けを保持し、および熟練した読者は、更新された配列番号付けから、38を追加することによって、ここに記載される関連するシステイン残基およびループ領域を難なく識別することができる。
相互作用には、MYCBP2、その相同分子種、変種、またはそれらのフラグメントの活性部位へのヒドロキシルプローブまたは代替プローブの特異的結合が含まれ得る。
酵素として、活性なMYCBP2の内因性基質が存在することは認められるであろう。プローブには、MYCBP2のネイティブ基質、即ち、インビボでのMYCBP2の活性部位と相互作用する能力があることが知られる内因性基質が含まれ得る。いくらかの実施形態では、プローブには、活性なMYCBP2の非内因性(non-endogenous)基質が含まれる。非内因性によって、これがモディフィケーションされた内因性基質、ならびにインビボでMYCBP2と相互作用すると知られていない基質(即ち、人工基質)が含まれることが理解されよう。
プローブはモディフィケーションされても、またはモディフィケーションされなくてもよい。例えば、プローブには、モディフィケーションされたE2、例えば、E2-ユビキチンコンジュゲートプローブなどのようなものが含まれ得る。そのようなモディフィケーションされたプローブの例は、WO 2016/051174号において提供され、その詳細は参照によってここに組み込まれる。あるいはまた、MYCBP2によって例示される新たに提示される無差別なエステル化活性に照らして、プローブ分子は人工ヒドロキシ含有基質、例えば、小分子またはペプチドなどのようなものであることができた。ここに記載するように、上流のE2コンジュゲーティング酵素からのユビキチンのMYCBP2およびプロキシ基質依存性放出(proxy substrate dependent discharge)、またはプロキシ基質のユビキチンによる直接エステル化を測定することによって活性を評価することができる。
ここで用いる「モジュレーター」によって、MYCBP2モジュレーターがMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの活性を正常レベル(即ち、試験物質の不存在下でのレベル)に関して増加または減少させると理解されるであろう。試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べて相互作用のモジュレーションされたレベルは、MYCBP2の活性のモジュレーションされたレベルの結果であり得る。
いくらかの実施形態において、モジュレーターは、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントをコードする核酸配列を破壊することによって機能する。いくらかの実施形態では、モジュレーターは、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの活性部位をコードする核酸配列を破壊することによって機能する。例えば、ステップa)には、MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの核酸配列を試験物質と接触させること、および接触した核酸配列のそのタンパク質またはペプチド生産物を発現させることが含まれ得る。次いで、発現されたタンパク質またはペプチド生産物の活性を測定することができる。そのような実施形態では、ステップc)には、プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの発現タンパク質またはペプチド生産物との相互作用のレベルが、試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされるかどうかを検出することが含まれる。そのような実施形態では、「試験物質の不存在」はMYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの核酸配列が、ステップa)における試験物質と接触しないことに言及すると理解されるであろう。
他の実施形態において、ステップa)には、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントを試験物質と接触させることが含まれ得、そこではMYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントには、そのタンパク質またはペプチドフラグメントが含まれる。そのような実施形態では、ステップc)には、プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントのタンパク質またはそのペプチドフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされるかどうかを検出することが含まれる。
モジュレーターは抑制物質であり得、即ち、それはMYCBP2の活性を減少させる。そのような実施形態では、ステップc)には、プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べて低下するかどうかを検出することが含まれる。MYCBP2の活性はモジュレーターによって少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%まで低下し得る。
抑制物質は活性部位の共有結合性不活性化によって機能し得る。あるいはまた、またはそれに加えて、抑制物質はMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントへのプローブの結合を破壊することによって機能し得る。いくらかの実施形態では、抑制物質はMYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントをコードする核酸配列を破壊することによって機能する。
核酸配列の破壊には、核酸配列の開裂、核酸配列の一部分の欠失、核酸配列の分解、核酸配列の不安定化、および/またはさらなる核酸配列の核酸配列への挿入が含まれ得る。
任意の適切な物質は可能なMYCBP2モジュレーターとして試験され得る。しかしながら、本方法は、治療および/または予防、例えば、神経損傷、例えば、軸索変性に関連する損傷および疾患における治療および/または予防において使用するためのMYCBP2モジュレーターの識別用に用い得ることが想定される。いくらかの実施形態では、試験物質には、siRNA、miRNA、CRISPR(クリスパー)/Casシステム、ペプチド、タンパク質、酵素、小分子、アプタマー、抗体または抗体フラグメント(例えば、FabまたはF(ab’)2などのようなもの)のフラグメント、scFV抗体、または任意の他の機能的な抗原結合性フラグメントが含まれる。
ここで用いるように、「小分子」は2キロダルトン(kDa)を超えない分子量を有する化学的な化合物である。いくらかの実施態様において、小分子は1KDaまたは900ダルトン(Da)を超えない分子量を有する。いくらかの実施形態では、小分子は700Daを超えずまたは500Daを超えない分子量を有する。小分子は有機化合物であり得る。模範的な化合物には、アクリルアミド、アクリロニトリルおよびアクリラートが含まれ得る。
いくらかの実施形態において、試験物質には、ペプチド、タンパク質、酵素、小分子、アプタマー、抗体または抗体フラグメント(例えば、FabまたはF(ab’)2)フラグメント、scFV抗体または任意の他の機能的な抗原結合性フラグメントが含まれる。
試験物質には、アプタマー、抗体または抗体フラグメント(FabまたはF(ab’)2など)フラグメント、scFV抗体または任意の他の機能的な抗原結合性フラグメントが含まれ得る。
いくらかの実施形態では、試験物質には、CRISPR/Casシステム、siRNAまたはmiRNAが含まれる。そのような実施形態において、ステップa)には、MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの核酸配列を試験物質と接触させること、および試験物質と接触したMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントのタンパク質またはそのペプチド生産物を発現させることが含まれる。そのような実施形態では、ステップc)には、プローブとステップa)のタンパク質またはペプチド産生物との相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされるかどうかを検出することが含まれる。このような実施形態では、プローブと得られるタンパク質またはペプチド生産物との相互作用がモジュレーションされるように、MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの核酸配列をモジュレーションすることによってモジュレーターが機能することが認められる。
熟練した人が知っているように、CRISPR/Casシステムは分子ツールであり、それによって標的核酸配列、典型的には、DNAを標的とし、および開裂させることができる。標的核酸配列は、ガイドRNA(CRISPR RNAまたはcrRNA)によって標的化され、ガイドRNAがトランス活性化(trans-activating)RNA(tracrRNA)として知られるさらに小さなRNAと二本鎖を形成する。二本鎖はCasタンパク質と複合体を形成し、それでCasタンパク質は、例えば、選定された核酸配列を開裂することによって、標的核酸配列に作用する。
ガイドRNAが標的核酸配列を標的とするためには、標的核酸配列の下流の「プロトスペーサー隣接モチーフ」(PAM)領域が必要である。
この故に、CRISPR/Casシステムはターゲット核酸配列、CASタンパク質およびPAM領域に特異的なガイドRNAに言及すると理解される。CRISPR/Casシステムは、さらなるsmall RNAも含むことが理解される。いくらかの実施形態では、CRISPR/Casシステムには、単一のガイドRNA(sgRNA)が含まれ、sgRNAには、crRNAおよびtracrRNAが含まれる。いくらかの実施形態では、CRISPR/Casシステムには、修復テンプレート(repair template)がさらに含まれる。熟練した人が認めるように、修復テンプレートは開裂部位への挿入のための特定の核酸配列が含まれる核酸配列である。
本発明との関連において、標的核酸配列はMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの核酸配列であると理解される。標的核酸配列は少なくとも20塩基対であり得る。いくらかの実施形態では、標的核酸配列は70塩基対を超えない。いくらかの実施形態では、標的核酸配列は少なくとも20塩基対、および55塩基対を超えない。
したがって、有利なことに、CRISPR/Casシステムは、特定の核酸配列の開裂および/または挿入によって、MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの核酸配列をモディフィケーションするために使用され得る。次いで、モディフィケーションされた発現タンパク質またはペプチドの活性を検出することができる。
試験物質がCRISPR/Casシステムが含まれる実施形態では、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントの標的核酸配列を接触させるための様々な方法を想定することができる。例えば、MYCBP2、相同分子種、変種、またはそれらのフラグメントの標的核酸配列を接触させることには、例えば、エレクトロポレーション、トランスフェクションまたはトランスダクション(形質導入とも言う)によって細胞をCRISPR/Casシステムと接触させることが含まれ得る。次いで、接触したMYCBP2、相同分子種、変種、またはそれらのフラグメントの標的核酸配列を細胞から分離するか、または細胞溶解物の形態において提供することができる。
標的核酸配列の近位にあるPAM領域を組み込むための適切な方法、特定のガイドRNA(群)(RNA(s)、(群)は複数もあり得るときに用いられる)、tracrRNA(群)および/またはsgRNA(群)の生成、およびCRISPR/Casシステムの使用方法は熟練した人に既知であろうし、およびまた、様々な参考文献、例えば、参考文献42-63などのようなものから難なく入手可能であろう。
ウェブベースのツールも、参考文献64-66において詳述されるように、適切なCRISPRターゲットシーケンスの特定に利用し得る。
いくらかの実施形態では、Casタンパク質はエンドヌクレアーゼ活性を有する。それゆえ、そのような実施形態では、Casタンパク質は選定された核酸領域を開裂する能力がある。他の実施形態では、Casタンパク質はヌクレアーゼ不活化されている(nuclease dead)(即ち、ヌクレアーゼ活性が低下しているか、またはヌクレアーゼ活性がない)。Casタンパク質がヌクレアーゼ不活化されているとき、選定された核酸の発現がそれぞれアップレギュレートまたはダウンレギュレートされる能力があるように、Casタンパク質は転写アクチベーター(転写活性化因子などとも言う)または転写リプレッサー(転写抑制因子などとも言う)に付着され得る。
望ましくは、Casタンパク質には、Cas9タンパク質が含まれる。
本方法は複数の試験物質をテストするのに適する。有利には、このことは、MYCBP2モジュレーターの迅速および正確な識別のためのハイスループットスクリーニングアッセイを提供する。
いくらかの実施形態では、プローブには、ヒドロキシル基(ヒドロキシ基(hydroxy group)とも言う)が含まれ、プローブはヒドロキシル基を介して活性なMYCBP2と相互作用する能力がある。プローブがヒドロキシル基を含む実施形態では、プローブは残基C4520および随意に残基C4572と相互作用する能力があり得る。ヒドロキシル基はアミノ酸上に存在し得る。
相互作用には、MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントによるヒドロキシル基のユビキチンとのエステル化が含まれ得る。
それゆえ、いくらかの実施形態では、本方法には、ユビキチンを提供することがさらに含まれる。
プローブには、ペプチドが含まれ得る。いくらかの実施形態では、プローブには、小分子が含まれる。ここで試験され、および機能的であると示される模範的なプロキシ基質は、グリセロール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、セリン、スレオニン、および小セリン/スレオニン含有ペプチドである。しかしながら、露出したヒドロキシ基を有する任意の小分子はプロキシ(proxy、代用とも言う)基質として役立つと予想されるかもしれない。
プローブにヒドロキシル基が含まれる実施形態では、プローブおよびMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメント間の相互作用のレベルは、例えば、ユビキチンによるプローブ分子のエステル化を監視することによって間接的に定め得る。
ほとんどの既知のE3リガーゼはリジン残基について選定性を見せる。その結果、多くのE3リガーゼは基質上のリジン残基(群)をユビキチン化する。驚くべきことに、本発明者らはMYCBP2がスレオニン、およびより一層少ない程度で、リシンよりもむしろ、セリンについて選定性を見せることを見出した。この故に、いくらかの実施形態では、プローブには、スレオニンまたはセリン、なるべくなら、スレオニンが含まれ得る。
いくらかの実施形態では、本方法には、ユビキチン酵素カスケードの一またはそれよりも多く(以下単に一以上とも言う)の他の成分を提供することがさらに含まれる。ユビキチン酵素カスケードの他の構成要素には、ATP、E1活性化酵素、E2コンジュゲーティング酵素(またE2またはE2酵素とも称される)および/またはユビキチンが含まれる。これらの構成要素の一以上を提供することによって、内因性酵素カスケードを十分にまたは部分的に作り直すことができる。好ましくは、プローブにヒドロキシル基が含まれる実施形態では、本方法には、ユビキチン酵素カスケードの他の構成要素の一以上を提供することがさらに含まれる。いくらかの実施形態では、本方法には、ATP、E1活性化酵素、E2およびユビキチンを提供することが含まれる。E2酵素は、UBE2D1、UBE2D2、UBE2D3、UBE2D4およびUBE2E1のバリアントから選定し得る。いくらかの実施形態では、E2酵素は、UBE2D1、UBE2D1 C86、UBE2D1 C86 AzF3(X)およびUBE2D3から選定される。
他の実施形態では、プローブには、式(I)
に対応する活性化生物学的分子が含まれ、式中、Xは生物学的分子であり、およびEWGは電子求引基である。この実施形態では、プローブは活性MYCBP2の活性部位のシステイン基に近接するとき、クリック様チオール付加反応によって共有結合を形成する能力があることにより活性MYCBP2と相互作用する能力がある。そのような実施形態では、ステップc)には、形成され得る一以上のコンジュゲートの形成を検出することが含まれ、そこでは一以上のコンジュゲートのモジュレーションされた形成は試験物質の不存在下での相互作用のレベルと比べて相互作用のモジュレーションされたレベルを指し示す。
好ましくは、生物学的分子の硫黄含有モイエティは活性化された生物学的分子を形成するために誘導体化される。典型的には、生物学的分子はタンパク質またはペプチドであり得、および硫黄含有モイエティはシステイン、ことのほかタンパク質またはペプチド内に存在する内部システインである。システインは生物学的分子において自然に生じるシステインであるか、または分子中に導入され得る。
好ましい実施形態では、生物学的分子はユビキチンコンジュゲーティング酵素(E2)である。好ましくは、一以上の触媒的に活性なシステイン残基の単数/複数が誘導体化される。E2酵素はUBE2D1、UBE2D2、UBE2D3、UBE2D4およびUBE2E1から選定し得る。いくらかの実施形態では、E2酵素はUBE2D1、UBE2D1 C86、UBE2D1 C86 AzF3(X)およびUBE2D3から選ばれる。
プローブに活性化された生物学的分子が含まれる実施形態では、プローブは残基C4520と相互作用する能力があり得る。活性化された生物学的分子は残基C4572と相互作用する能力があり得るか、またはなくてもよい。
生物学的分子がE2である実施形態では、プローブおよびMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメント間の相互作用のレベルはE2からのユビキチンのプローブおよびMYCBP2依存性放出によって定め得る。
電子吸引基(EWG)は、熟練した宛名人(skilled addressee)に既知の任意の適切なEWGであり得る。適切なEWGの例には、-NO、-NR 、-CF、または他の三ハロゲン化物、-CN、-SOOR、-SOOH、-COOH、-COOR、-CHO、-CORが含まれ、式中、Rは典型的にはH、NH、またはC1-C4アルキル(例は、メチル)またはアルケニルである。好適な実施形態では、EWGは-CN、または-COMeである。一実施形態では、EWGはさらに置換されない。別の実施形態では、例えば、別の分子のモイエティ(分けられた一部分とも言う)と反応すること、および共有結合を形成することの能力がある官能基を提供するために、EWGをさらに置換し得る。
例えば、EWG基はアリキニル基が含まれる分子で置換され得る。そのようなアルキニル基はクリックケミストリータイプの付加環化(cycloaddtion)反応によって1,2,3-トリアゾールを形成するためにアジド部分と反応し得る。
本発明のこの実施形態によれば、活性化生物学的分子コンジュゲートプローブが提供されてもよく、そこで活性化生物学的分子コンジュゲートプローブは式(II):
に対応し、式中、Xは第一の生物学的分子であり、EWGは電子吸引基であり、およびYはさらなる生物学的分子である。
一実施形態では、EWGはトリアゾール基を手段として(by way of)生物学的分子Yに結合される。この実施形態によれば、コンジュゲート(II)は、より一層具体的には、以下のコンジュゲート(III)に適合する:
そのようなコンジュゲートは次の反応に従って形成され得る:
第一の生物学的分子Xは酵素であり得、およびさらなる生物学的分子Yは、例えば、酵素についての基質またはリガンドであってよい。例えば、酵素はE2ユビキチンコンジュゲーティング酵素であり得、および基質はユビキチンである。酵素がE2ユビキチンコンジュゲーティング酵素であり、および基質がユビキチンである実施形態では、本方法がATP、E1、モディフィケーションされていない(unmodified)E2または内因性タンパク質基質を提供する必要はない。
プローブは表面にコンジュゲーションさせ得る。プローブは受動的吸着(passive adsorption)、例えば、プローブおよび表面間の疎水性または疎水性/イオン相互作用によって表面にコンジュゲーションされ得る。いくらかの実施形態では、プローブには、表面へのコンジュゲーションのためのモイエティが含まれる。例えば、プローブには、共有結合を形成するために表面上のモイエティと反応する能力がある官能基がモイエティとして含まれ得る。そのような実施形態では、プローブの官能基には、アミンまたはスルフヒドリル基が含まれ得る。表面モイエティには、アミンまたはカルボキシル基が含まれ得る。いくらかの実施形態では、プローブは高親和性非共有結合反応によって表面にコンジュゲーションされる。
表面には、一以上のマルチウェルプレートが含まれ得、それは都合よくハイスループット分析を可能にする。そのような実施形態では、活性MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントはプローブと相互作用することができ、その結果、活性MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントが表面につながれるようになる。これにより、例えば、抗体ベースの検出技術、例えば、ELISAなどのようなによって検出が可能にされる。
本発明のプローブには、標識、例えば、親和性(アフィニティーとも言うこともある)タグが含まれ得る。ここで用いるように「標識」という用語は、生化学的マーカーまたはタグ、即ち、難なく認識できる化学的モイエティ、例は、タンパク質、ペプチド、または小分子を表わす。標識は、プローブに共有結合的に付着され得る。プローブにNおよびC末端が含まれる実施形態、例えば、プローブにペプチドが含まれる場合、標識はNまたはC末端、なるべくならN末端に共有結合的に付着され得る。非常に多くの標識が熟練した宛名人に既知であり、および親和性標識、例は、親和性タグ(Kimple and Sondek(キンプル・アンド・ゾンデ)、BioTechniques(バイオ・テクニークス)(2002)、33:578-590)、フルオロフォア(例えば、TAMRA、DAPI、フルオレセイン、Cy3、Cy5、SYBRグリーンおよびその他同種類のものなどのようなもの)、ビオチン、エピトープタグまたは放射性標識が含まれる。
いくらかの実施形態では、本方法は内因性のMYCBP2タンパク質基質の不存在下で遂行される。本方法はユビキチン酵素カスケードの一以上の他の構成要素、例えば、ATP、E1および/またはE2リガーゼの一以上の不存在下において遂行され得る。いくらかの実施形態では、本方法には、内因性のMYCBP2基質、ATP、E1および/またはE2を提供することが含まれない。有利なことに、このことは最小の費用および複雑さで遂行することができる最低限の試薬だけを必要とする方法を提供する。
本方法には、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントを提供する予備的ステップがさらに含まれ得る。いくらかの実施形態では、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントは内因性であり、例えば、細胞溶解物の形態において提供される。これにより本方法に生理学的コンテキスト(physiological context)が提供される。例えば、ステップa)にMYCBP2の変種を試験物質と接触させることが含まれる実施形態では、変種は特定の対象から分離されていてよい。したがって、本方法は特定の対象について特異的なMYCBP2モジュレーターを識別するために有利に使用することができる。モジュレーター(群)が対象の治療および/または予防において使用することができる場合、これにより対象についての個別化された療法を得る方法が提供される。
他の実施形態では、MYCBP2、相同分子種、変種、またはそれらのフラグメントは組換え型であり得る。「組換え」によって、このことが、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントに言及し、それは遺伝子操作され、例えば、核酸構築物を含み、またはそれから発現されていることが理解されるであろう。
したがって、熟練した人は用語「組換え」が核酸構築物において提供および/または発現される内因性MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメント、および/または核酸構築物において提供および/または発現されるモディフィケーションされたMYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントを規定することを認めるであろう。
いくらかの実施形態では、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントは本方法において過剰発現された形態で提供され得る。過剰発現は内因性発現レベルに関して増加した発現レベルに言及すると理解されるであろう。典型的には、過剰発現はMYCBP2、相同分子種、変種もしくはフラグメントの遺伝子またはそれらのcDNAが含まれる核酸構築物を発現させることによって達成される。
いくらかの実施形態では、ステップa)には、MYCBP2のフラグメントを試験物質と接触させることが含まれる。フラグメントによって、我々は、MYCBP2のフラグメントがMYCBP2の生物学的活性を実質保持するという条件で、そのフラグメントが自然に発生するヌクレオチドまたはペプチド配列から変動することができることを含める。MYCBP2の生物学的活性を保持することによって、フラグメントがネイティブなMYCBP2と比べて酵素活性の少なくとも一部分を保持することを意味する。典型的には、フラグメントは少なくとも50%、例えば、60%、70%、80%または90%の活性などのようなものを保持する。いくらかの場合には、フラグメントはネイティブのMYCBP2よりも高い酵素活性を有し得る。いくらかの実施形態では、フラグメントはネイティブ酵素と比べて別の生理学的特色における増加を表示し得る。例えば、フラグメントはネイティブ酵素と比べてインビトロおよび/またはインビボでより一層長い半減期を所有し得る。
理論によって束縛されるのは望まないが、本発明者らは全長ネイティブMYCBP2タンパク質の残基C4520およびC4572がE2-ユビキチンおよびMYCBP2間のトランスチオール化、およびその後のユビキチンのリレーに必要であると考える。この故に、フラグメントには、少なくともMYCBP2活性タンパク質の活性部位が含まれることが理解されるであろう。それゆえ、フラグメントには、残基C4520およびC4572の一以上が含まれる。好ましくは、フラグメントには、全長ネイティブMYCBP2タンパク質の少なくとも残基C4520ないしC4572が含まれる。理論に縛られることを望まないが(Without wishing to be bound be theory)、本発明者らは、C4520およびC4572によって採用された協力的メカニズム(cooperative mechanism)の新しい教示および独自の性質、およびシステイン残基の反応性により、これらの部位をモジュレーターにより標的化するための特権的な特色にし、それは治療上の利益を有し得ると考える。
活性部位に加えて、それはフラグメントが少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%のネイティブ配列を有する配列を有する場合が好ましい。
いくらかの実施形態では、フラグメントには、MYCBP2のRINGドメインがさらに含まれ、それは全長ネイティブMYCBP2タンパク質の残基4390-4441であると理解される。
いくらかの実施形態では、フラグメントのC末端は全長ネイティブMYCBP2タンパク質に関してトランケートされる。
いくらかの実施形態では、フラグメントには、全長ネイティブMYCBP2タンパク質の残基4390ないし4572が含まれ、またはそれらからなる。
好ましくは、フラグメントのN末端には、残基4390が含まれ、またはそれからなる。他の実施形態では、フラグメントのN末端には、残基4378が含まれ、またはそれからなる。
いくらかの実施形態では、フラグメントには、残基4378ないし4572が含まれ、またはそれらからなる。
いくらかの実施形態では、フラグメントのN末端には、全長ネイティブMYCBP2タンパク質の残基3224が含まれ、またはそれからなる。他の実施形態では、フラグメントのN末端には、全長ネイティブMYCBP2タンパク質の残基3156が含まれ、またはそれからなる。
いくらかの実施形態では、フラグメントのC末端には、全長ネイティブMYCBP2タンパク質の4572から4640までの任意の残基が含まれ、またはそれからなる。
いくらかの実施形態では、フラグメントには、全長天然MYCPB2タンパク質の残基4390ないし4640が含まれ、またはそれからなる。
いくらかの実施形態では、フラグメントには、全長MYCBP2タンパク質の残基4378-4640が含まれ、またはそれらからなる。このフラグメントには、RINGドメイン、活性部位およびそれに続くC末端残基が含まれる。本発明者らはこのフラグメントが本発明のヒドロキシルプローブ、例えば、ヒドロキシル基が含まれるプローブをユビキチンで効率的にエステル化することを見出した。
いくらかの実施形態では、フラグメントには、MYCBP2のアイソフォーム2が含まれ、またはそれからなる。このことはMYCBP2の全長カノニカルアイソフォームから残基3901ないし3903を差し引いたものに言及すると理解されるであろう。
フラグメントには、相同分子種のフラグメントが含まれ得る。
MYCBP2の種々の相同分子種は熟練した人に既知であろう。例えば、MYCBP2の相同分子種には、制限されないが、マウスMYCBP2、ゼブラフィッシュEsrom/phr1、Drosophila(ドロソフィラ属)Highwire(ハイワイヤー)、およびC.elegans(C.エレガンス)RPM-1が含まれ得る。
いくらかの実施形態では、ステップa)には、MYCBP2の相同分子種を試験物質と接触させることが含まれる。相同分子種は、マウスPhr1、ゼブラフィッシュEsrom/phr1、Drosophila HighwireおよびC.elegans RPM-1から選定し得る。いくらかの実施形態では、相同分子種には、Drosophila Highwireが含まれ、またはそれからなる。
なるべくなら、本方法はインビトロ法である。
プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントとの相互作用のレベルの検出は、任意の適切な分析技術であり得、様々な技術が熟練した人に知られる。
検出は、磁気分離、免疫学的分離、ゲルろ過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、置換クロマトグラフィー、エレクトロクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー、イオンクロマトグラフィー、ミセル動電クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、遠心分離、接着、フローサイトメトリー、または熟練した宛名人に既知の他の技術を使用し得る。
検出は、例えば、SDSゲル電気泳動を還元すること(reducing SDS・・・)および抗体であり、それに結合したプローブまたはタグについて特異的なものによりイムノブロッティングすることによって遂行され得る。あるいはまた、検出は、質量分析を実行することによって遂行し得る。
相互作用にユビキチンによるプローブのヒドロキシル基のエステル化(MYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントによるもの)が含まれる場合の実施形態では、ユビキチン付加物プローブ(ubiquitin adducted probe)からのモディフィケーションされていないユビキチンのレゾリューションを許す任意の適切な技術を用い得る。例えば、ヒドロキシル基は適当なレポーターで標識され得、およびレポーターが検出される。レポーターには、制限されないかもしれないが、フルオロフォア、エピトープタグまたはビオチンが含まれ得る。
あるいはまた、相互作用にMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントによってのプローブのヒドロキシル基のユビキチンによるエステル化が含まれる場合の実施形態では、「キャッチ・アンド・リリース」検出技術が適し得る。理論に束縛されるのは望まないが、本発明者らは相互作用後、ユビキチンおよびヒドロキシル基間のエステル連結は不安定であると考える。キャッチ・アンド・リリース検出技術はエステル開裂を促進することによってこの不安定性を採用することができた。例えば、エステル開裂は塩基、例えば、水酸化物またはヒドロキシルアミンなどのようなものによって媒介されることができた。開裂されたユビキチンおよび/またはヒドロキシルプローブは任意の適切な分析技術によって、例えば、ELISAまたは蛍光法、例えば、FRETまたは蛍光偏光などのようなものによって検出され得る。
プローブに活性化生物学的分子が含まれる実施形態では、検出は、MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントに結合した活性化生物学的分子からモディフィケーションされていない活性化生物学的分子をレゾリューションすることができる任意の適切な技術によるものであり得る。例えば、活性化された生物学的分子には、蛍光偏光によって検出することができる標識が含まれ得る。活性化生物学的分子にE2-ユビキチンコンジュゲートプローブが含まれる実施形態では、検出は、任意の適切な分析技術を使用してE2から放出されたユビキチンをレゾリューションすることによるものであり得る。
他の検出形態には、活性化生物学的分子およびそのMYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントにそれぞれ標識が含まれ得ることを含むことができた。両方の標識が極めて近接する(in close proximity)と、そのMYCBP2、相同分子種、変種、またはそれらのフラグメントへの活性化分子の結合はFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)AlphaScreen(アルファ・スクリーン)(Perkin Elmer(パーキン・エルマー))またはHTRF(Homogenous Time-Resolved Fluorescence(均質時間分解蛍光)技術によって検出され得る。
第二の態様によれば、MYCBP2モジュレーターを識別するための方法が提供され、本方法には、以下の:
a)MYCBP2、その相同分子種、変種またはフラグメントを試験物質と接触させること;
b)活性なMYCBP2と相互作用する能力があるプローブを提供することであり、プローブには、MYCBP2のC4520および随意にC4572と相互作用する能力があるヒドロキシル基が含まれること;および
c)プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされるかどうかを検出すること
が含まれる。
本発明はまた、MYCBP2モジュレーターを識別するための方法を提供し、本方法には、以下の:
a)MYCBP2、その相同分子種、変種またはフラグメントを試験物質と接触させること;
b)活性なMYCBP2と相互作用する能力があるプローブを提供することであり;プローブには、式(I)
に従う活性化生物学的分子が含まれ、式中、Xは生物学的分子であり、およびEWGは電子吸引基であること;および
c)プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされるかどうかを検出すること
が含まれる。
さらなる態様では、本発明に従って使用するための、MYCBP2、その相同分子種、変種、またはフラグメントと一緒にここで規定するようなプローブが含まれるキットが提供される。有利には、キットは対象からのサンプルにおいて分離されたMYCBP2の活性を分析するために使用され得る。分析された活性のレベルは対象についてのバイオマーカーとして使用し得る。バイオマーカーは対象が特定の疾患または状態を有するかどうかを定めるために使用し得る。例えば、特定の活性閾値レベルを超えるか、またはそれ未満の活性のレベルは特定の障害を有する対象を指し示し得る。いくらかの場合には、特定の活性閾値レベルを超える活性のレベルは特定の障害、例えば、神経障害を有する対象を指し示し得る。
本発明に従って識別されるMYCBP2モジュレーターは神経損傷を処置または防止する方法において用途を見出し得、そこではMYCPB2モジュレーターはMYCBP2の活性部位と相互作用する能力がある。
上記のように、本発明者らは全長ネイティブMYCBP2タンパク質の残基C4520およびC4572がE2-ユビキチンおよびMYCBP2間のトランスチオール化、およびその後のユビキチンのリレーに必要であると考える。この故に、活性部位は残基C4520および/またはC4572に言及すると理解されるであろう。
本発明者らはMYCBP2が非リジンセリン、およびなるべくなら内因性基質のスレオニン残基をユビキチン化することができることを観察した。例えば、本発明者らはMYCBP2がエステル化によってニコチンアミドモノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ(Nicotinamide Mononucleotide Adenyltransferase)(NMNAT2)、軸索変性に関与する酵素をユビキチン化することができることを見出した。本発明者らの観察結果は神経損傷におけるMYCBP2についての潜在的な新しい役割を明らかにする。したがって、本発明は、MYCBP2のモジュレーターの使用を企図し、それは例えば、上記のモジュレーターを識別する方法から確認され得るように、MYCBP2活性をモジュレーションする能力がある。
特定の理論によって縛られることを望まないが、神経損傷、例えば、軸索変性などのようなものは、少なくとも部分的には、MYCBP2が神経関連分子、例えば、NMNAT2などのようなものをユビキチン化する能力に起因し得る。したがって、望ましくは、モジュレーターはMYCBP2の抑制物質であり得る。
この故に、いくらかの教示では、モジュレーターはMYCBP2の活性を減少させる。MYCBP2の活性はモジュレーターによって少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%まで低下され得る。
ここで用いるように、「処置すること」または「処置」はニューロンの損傷に関連する症状を軽減することまたは緩和すること(alleviating)に言及する。ここで用いるように、「防ぐこと」または「防止」はニューロン損傷から対象を保護することに言及する。
モジュレーターは、MYCBP2の残基C4520および/またはC4572と、例えば、結合によって相互作用する能力がある。なるべくなら、これらの残基の一以上と相互作用することによって、MYCBP2の活性部位が遮断され、およびそれでMYCBP2の活性が減少または防止される。
神経損傷(神経細胞損傷とも言う)は外傷(トラウマとも言う)から、または神経毒性療法(neurotoxic therapy)、例えば、化学療法の副作用としてのものであり得る。ここで用いるように、「外傷」は、神経損傷、例えば、対象への物理的力、例えば、転倒または物体で打たれたなどのようなものの結果としてのものを規定するために使用される。神経損傷はまた、例えば、臨床的に使用される神経毒性薬、例えば、ガンの化学療法において採用されるものなどのようなものからの副作用からなどのようなものから獲得され得る
いくらかの実施形態では、神経損傷は疾患、例えば、神経疾患、糖尿病、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染、AIDS(後天性免疫不全症候群)および/または虚血などのようなものの影響としてである。
いくらかの実施形態では、神経損傷は一以上の神経障害(群)によるものである。「神経変性障害」は障害に言及し、そこでは神経細胞が機能および/または構造において変性し、および/または機能しない(die)と理解されるであろう。変性(Degeneration)は典型的に緩やかであるが、いくらかの場合に突然であり得る。神経変性疾患の例には、制限されないが、アルツハイマー病(Alzheimer´s disease)、びまん性レビー小体病(Diffuse Lewy Body disease)、前頭側頭型認知症(Fronto-temporal dementia)(FTD)(ピック病(Pick´s disease))(FTDサブタイプの行動バリアント/前頭バリアント前頭側頭型認知症(FTD subtypes behavioural variant/frontal variant Fronto-temporal dementia)、意味的認知症(semantic dementia)および進行性非流暢性失語症(progressive non-fluent aphasia)が含まれ)、皮質基底核変性症、嗜銀顆粒性疾患(Argyrophilic Grain disease)、パーキンソン病、パーキンソン病認知症(Parkinson´s disease dementia)、ペリー症候群、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症(Familial Danish dementia)、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、レビー小体病(レビー小体型認知症(Dementia with Lewy bodies))、ハンチントン病、球脊髄性筋萎縮症(Spinobulbar Muscular Atrophy)(ケネディ病)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(Dentatorubral-pallidoluysian Atrophy)、脊髄小脳失調症1, 2, 3, 6, 7および17、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、多発性硬化症(MS)、クロイツフェルト-ヤコブ病が含まれるプリオン病、異型(variant)クロイツフェルト-ヤコブ病(ウシ海綿状脳症)、クールー(クールー病とも言う)、致死性家族性不眠症、ゲルツマン-ストロイスラー-シェインカー症候群(Gertsmann-Straussler Scheinker syndrome)、シャルコー-マリー・ツース病(Charcot-Marie Tooth diseases)、視神経障害で緑内障などのようなもの、および可変性プロテアーゼ過敏性プリノパシー(Variable Protease Sensitive prionopathy)が含まれる。他の神経変性疾患は熟練した人に既知であろう。
神経変性障害のヒト症状には、認知症(記憶喪失および/または熟練した者に既知の標準テストで測定される認知能力における低下が含まれる)の気分変化、低下した移動性、低下したかまたはまったくない会話の質、不器用さ、バランスの取れなさ(difficulty balancing)、制御不能な動き、手足の振戦(trembling limbs)、手足のこわばり(stiff limbs)または運動速度の減少が含まれる。ヒト症状との関連において、「低下した」は神経変性疾患を伴わない個人と比べて減少した(decreased)値に言及する。他のヒト症状は熟練した人に既知であろう。
神経変性障害は、アルツハイマー病、びまん性レビー小体病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)(ピック病)(FTDサブタイプの行動バリアント/前頭バリアント前頭側頭型認知症、意味的認知症および進行性非流暢性失語症が含まれ)、皮質基底核変性症、嗜銀顆粒性疾患、パーキンソン病、パーキンソン病認知症、ペリー症候群、家族性イギリス型認知症、家族性デンマーク型認知症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、レビー小体病(レビー小体型認知症)、ハンチントン病、球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、脊髄小脳失調症1, 2, 3, 6, 7および17、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、多発性硬化症(MS)、クロイツフェルト-ヤコブ病が含まれるプリオン病、異型クロイツフェルト-ヤコブ病(ウシ海綿状脳症)、クールー、致死性家族性不眠症、ゲルツマン-ストロイスラー-シェインカー症候群、シャルコー-マリー・ツース病、視神経障害で緑内障などのようなもの、および可変性プロテアーゼ過敏性プリノパシーの一以上から選び得る。
いくらかの実施形態では、神経変性障害はアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)ハンチントン病、運動ニューロン疾患、ゲルツマン・ストロイスラー-シャインカー症候群、シャルコー-マリー・ツース病、視神経障害で緑内障などのようなもの、クロイツフェルト-ヤコブ(プリオン)病および多発性硬化症(MS)の一以上から選ばれる。
いくらかの実施形態では、神経変性障害はアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)ハンチントン病、運動ニューロン疾患、クロイツフェルト-ヤコブ(プリオン)病および多発性硬化症(MS)の一以上から選ばれる。
神経変性障害はアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)ハンチントン病および運動ニューロン疾患の一以上から選び得る。
いくらかの実施形態では、神経変性障害はアルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病の一以上から選ばれる。
神経変性障害はアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)およびハンチントン病の一以上から選ばれ得る。いくらかの実施形態では、神経変性障害はアルツハイマー病またはパーキンソン病から選ばれる。
いくらかの実施形態は、モジュレーターには、ペプチド、タンパク質、酵素、アプタマー、抗体または抗体フラグメント(例えば、FabまたはF(ab’)2などのようなものの)フラグメント、scFV抗体または任意の他の機能的な抗原結合性フラグメントが含まれる。
いくらかの実施形態では、モジュレーターには、抗体、抗体フラグメント、ペプチドまたはアプタマーが含まれるか、またはそれらからなる。
モジュレーターは抗体または抗体フラグメントであってもよい。モジュレーターにアプタマーが含まれる実施形態では、アプタマーには、DNAまたはRNAが含まれ得る。
本発明に従って識別されるMYCBP2モジュレーターは、神経損傷を処置または防止する方法において用途を見出し得、そこではMYCPB2モジュレーターはMYCBP2のその自然な基質またはリガンドへの結合性を破壊する能力がある。
核酸配列を破壊することには、核酸配列の開裂、核酸配列の一部分の欠失、核酸配列の分解、核酸配列の不安定化、および/またはその核酸配列へのさらなる核酸配列の挿入が含まれ得る。
いくらかの実施形態では、モジュレーターには、siRNA、miRNAまたはCRISPR/Casシステムが含まれる。いくらかの実施形態では、モジュレーターには、CRISPR/Cas9システムが含まれる。
モジュレーターにsiRNA、miRNAまたはここに記載するようにCRISPR/Casシステムが含まれる実施態様では、神経損傷を処置または防止する方法には、対象から細胞(群)を分離すること、細胞(群)をsiRNA、miRNAまたはCRISPR/Casシステムと接触させること、および接触した細胞(群)を対象に施すことが含まれ得る。
さらなる教示では、対象における神経損傷を処置または防止する方法が教示され、本方法には、MYCBP2モジュレーターを対象に施すことが含まれる。
神経損傷は哺乳動物の対象、例えば、ヒトにおいてあり得る。本発明が適用可能な非ヒト対象には、ペット、飼育動物(domestic animals)、野生生物および家畜(livestock)が含まれ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、シカおよびげっ歯類が含まれる。そのように、モジュレーターが治療上有効な量、即ち、対象に施されるとき神経損傷を排除、低減または防止するのに十分であるモジュレーターの量において提供され得ることが認められよう。
モジュレーターの施与は任意の適切な経路によるものであり得、制限されないが、注入(静脈内(ボーラス(急速投与とも言う)またはインフュージョン(注入、点滴などとも言う)、動脈内、腹腔内、皮下(ボーラスまたはインフュージョン)、脳室内(intraventricular)、筋肉内、またはくも膜下が含まれる)、経口摂取、吸入、局所、粘膜を介して(例えば、口腔、鼻または直腸粘膜などのようなもの)、スプレー、錠剤、経皮パッチ、皮下インプラントの形態においてまたは坐剤の形態においてのデリバリーが含まれる。施与のモードは処置される神経損傷に依存し得る。
モジュレーターがペプチドまたはタンパク質である実施形態では、ペプチドまたはタンパク質をコードする核酸配列は適切なベクター、例えば、プラスミド、コスミドまたはウイルスベクターにおいて提供されてもよい。そのようにまた、タンパク質またはペプチドをコードする核酸配列が含まれるベクター(即ち、構築物)も提供される。核酸配列は好ましくは適切なプロモーターに動作可能に連結される。本発明はベクターが含まれる組成物にさらに関わる。
モジュレーターは、それが核酸、例えば、siRNAs、miRNAsまたはCRISPR/Casシステムなどのようなものであり、モディフィケーションされ得(例は、核酸バックボーンの化学的モディフィケーションを介して)、または適切なデリバリーシステムにおいて送られ、それは分解および/または免疫システム認識から核酸を保護する。適切なデリバリーシステムの例には、ナノ粒子、脂質粒子、ポリマー媒介デリバリーシステム、脂質ベースのナノベクターおよびエキソソームが含まれる。
いくらかの実施形態では、本発明の第五の態様に従う0.1μg/kg体重および1g/kg体重間のモジュレーターの用量が使用される特定のモジュレーターに応じて神経損傷の処置または防止のために施され得る。
モジュレーターは単回用量(single dose)としてまたは複数回用量(multiple doses)として施し得る。複数回用量は一日において施され得る(例は、3、6または8時間の間隔で例は、2、3または4回の用量)。モジュレーターは必要に応じて、日、週、または月の期間にわたって定期的に(例は、毎日、隔日、または毎週)施され得る。
施される最適な用量は本技術において熟練する者により定めることができ、および使用に際し特定のモジュレーター(修飾因子とも言える)、調製物の強度、施与のモードおよび神経損傷の進行または重症度に依存して変動するであろうことが認められる。処置される特定の対象に依存する追加の要因は、対象の齢、重量、性別、食餌、および施与時間を含め、投薬量を調整する必要性をもたらすであろう。既知の手順、例えば、製薬産業によって慣習的に採用されるものなど(例は、インビボ実験、臨床試験、など)は、本発明による使用のための特定の調剤物および正確な治療投薬計画を確立するために使用し得る。
次に、本発明の実施形態は、例を手段として、および以下のような添付の図面を参照して説明する:
図1は、E3リガーゼの活性ベースのプロテオミクスを示す。 図2は、ビオチン化ABP中間体およびビオチン化ABPsのLC-MSの特徴付けを示す。 図3は、神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞の活性ベースのプロテオミクスプロファイリングを示す。 図4は、MYCBP2がE3リガーゼの新規なクラスであり、およびデータがシステインリレーメカニズムをサポートすることを示す。 図5は、MYCBP2cat内のABPsラベルC4520を高い選定性と共に示す。 図6は、MYCBP2catのエステル化活性およびcisにおいて動作するデュアルシステインメカニズムのサポートでのさらなるデータを示す。 図7は、MYCBP2がスレオニンに対して選定性をもってセリンおよびスレオニンをユビキチン化することを示す。 図8は、MYCBP2がセリン/スレオニンUbエステル化活性を有するが、スレオニンについて優先することを示す。 図9は、MYCBP2のE2要件を示す。 図10は、MYCBP2catの結晶学的なモデルの構造比較および代表的な立体図である。 図11は、MYCBP2catの結晶構造を示す。 図12は、スレオニン選定性についての構造基盤、E2-E3中間体のモデル、およびUbリレーのモデルを示す。 図13は、E2-MYCBP2cat複合体のモデリングを示す。 図14は、RCR E3リガーゼメカニズムについて提案されたモデルについての略図である。
(導入)
ユビキチン化はE1活性化酵素(E1)からE2共役酵素(E2)へのユビキチン(Ub)転移によって開始され、共有結合的に連結した中間体(E2~Ub)を生産する。リアリー・インテレスティング・ニュー・ジーン(Really Interesting New Gene)(RING)クラスのE3リガーゼ(E3s)はそれらのRINGドメインを介してE2~Ubをリクルートし、および基質へのUbの直接転移を仲介する。相同性E6-APカルボキシ末端(Homologous to E6-AP Carboxy Terminus)(HECT)E3sはE2~Ubとの触媒的なシステイン(catalytic cysteine)依存性トランスチオール化反応を受け(undergo a catalytic cysteine dependent transthiolation reaction)、共有結合性E3~Ub中間体が形成される3,4。さらに、RING(リング)-ビトゥイーン-RING(リング)(RING-between-RING)(RBR)E3は補助ドメイン(ancillary domain)に連結するカノニカル(canonical、正規とも言う)RINGドメインを有する。これには、ハイブリッドRING/HECTメカニズムを可能にする触媒的なシステインが含まれる。ユビキチン化は典型的に、非リジン活性が付与されたヒトE3sがまだ発見されていないため、リジン残基の翻訳後モディフィケーション(翻訳後修飾とも言う)と考えられる。ここで、我々はHECT/RBR-様E3sの活性ベースのタンパク質プロファイリングを行い、およびエステル化活性およびセリンを超えるスレオニンについての固有の選定性を有するRING連結E3の新規なクラスとしてニューロン関連E3 MYCBP2/Phr1を明らかにする。MYCBP2には、チオエステル中間体を介してUbを基質にリレーする二つの必須の触媒的なシステイン残基が含まれる。この新しいクラスのE3リガーゼの結晶学的特性は、それが我々によりRING-Cys-Relay(リレー)(RCR)として指定され、そのメカニズムおよびスレオニン選定性への洞察を明らかにする。これらの知見は非リジンのユビキチン化およびE3酵素の認められていない機構的多様性による高等真核生物の細胞レギュレーションに関係する。
(材料および方法)
(一般的材料)
すべてのDNA構築物はDNA配列決定によって検証した(Medical Research Council Protein Phosphorylation and Ubiquitylation Unit(メディカル・リサーチ・カウンシル・タンパク質・リン酸化およびユビキチレーション・ユニット)、University of Dundee(ダンディー大学))。細菌タンパク質発現用のDNAをE. coli(エシェリキア・コリ、大腸菌などとも言う)BL21-DE3(Merck(メルク))中に形質転換した。この研究のために生成されたすべてのcDNAプラスミドおよび抗体は我々の試薬ウェブサイト(https://mrcppureaaents.duridee.ac.uk/)を通してリクエストされるようにしてある。別なふうに述べられない限り、すべての溶媒および試薬はSigma-Aldrich(シグマ-アルドリッチ)またはVWRから購入した。
(ビオチン機能化ABP調製)
GCSSG N末端伸長を有するUbはプラスミドpTXB1-UbΔ74-76-T3Cプラスミドから発現した。Ub残基1-74(pTXB1-UbΔ75-76-T3C)をコードする等価のプラスミドも作り出した。前述のようにUbチオエステルを取得したが、システインタグ付きのCys-Ub1-73-SRおよびCys-Ub1-74-SRがそれぞれ生成される。拡張Ub1-74は含まれていたが、それはこれがArg74を保持し、それがRBR E3 HOIPとの好ましい静電相互作用を形成するからである31。Cys-Ub1-73-SR(30mg)はDMSO(116μL)、続いてHO(456μL)を加えることによって再構成した。EZ-link lodoacetyl-PEG2-biotin(EZ-リンク・ヨードアセチル-PEG2-ビオチン)(Thermofisher(サーモフィッシャー))の水性貯蔵液(48mM)を調製し、および200μLをCys-Ub1-73-SR溶液(580μl)に加え、次いで900μlの脱気バッファー(50mM NaHPO pH7.5、150mM NaCl)の添加を続けた。反応物(reaction)を23℃で1時間インキュベートし、およびLC-MSによって監視した。次いで、タンパク質(ビオチン-Ub1-73-SR)をセミ分取RP-HPLC(カラム:BioBasic(バイオベーシック)-4;部品番号:72305-259270)によってさらに精製した。20%の緩衝剤Aないし50%の緩衝液Bの勾配を60分かけて10mL毎分の流速にて適用した(緩衝剤A=HOにおける0.1%TFA、緩衝剤B=アセトニトリルにおける0.1%TFA)。ビオチン-Ub1-74-SRを生成するために上記の手順を繰り返した。ビオチン-Ub1-7X-SRが含まれるHPLC画分をプールし、および凍結乾燥した(収率:ビオチン-Ub1-73-SR 75-85%、ビオチン-Ub1-74-SR 40-50%)(図3aおよびd)。次いで、チオアクリルアミドウォーヘッド(thioacrylamide warheads)が含まれるビオチンタグ付きABPsを前述のように調製し、E2認識要素UBE2D2、UBE2D2 F62A、UBE2L3およびUBE2L3 F63Aを採用してABPs 1, 3, 2および4を供給する(furnishing)(図3b、c、eおよびf)。*はE2を表示し、そこで非触媒的Cys残基はSerに変質した。ヘキサヒスチジンレポータータグおよびチオアクリルアミドウォーヘッド(図5a)を帯び(bearing)UBE2D2およびUBE2D3に基づくABPsもまた調製し、それぞれABP 5および6を産生した。
(細胞培養および溶解プロトコル)
SH-SY5Y細胞は以前に記載したような培養物であった。HEK293は10%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)、2.0mM L-グルタミン、および抗生物質(100単位mL-1ペニシリン、0.1mg mL-1ストレプトマイシン)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco´s Modified Eagle Medium)(DMEM)において培養した(37℃、5%CO)。細胞のトランスフェクション(形質移入とも言う)は製造業者の指示に従ってポリエチレンイミン(Polysciences(ポリサイエンシーズ))を用いて実行した。溶解の2時間前にMG-132(50μM)を細胞に添加した。細胞を氷冷PBSによりリンスし、および溶解バッファーにおいて抽出した(1%NP-40、50mM Tris(トリス)-HCl pH 7.5、1.0mM EGTA、1.0mM EDTA、0.27Mスクロース、10mM 2-グリセロリン酸ナトリウム、0.2mMフェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)、1.0mMベンズアミジン、1.0mMオルトバナジン酸ナトリウム、50mMフッ化ナトリウムおよび5.0mMピロリン酸ナトリウム、50mMヨードアセトアミドおよびcOmplete(商標)(コンプリート)、EDTAフリープロテアーゼインヒビターカクテル(Roche(ロッシュ))(インヒビターは抑制物質、抑制剤とも言える)。次いで溶解物を4℃で30分間、14,800rpmで遠心分離することによって清澄化した。上清を収集し(合計細胞抽出物)、およびタンパク質濃度をBradford assay(ブラッドフォード・アッセイ)によって定めた。塩基不安定性試験(base-lability test)のために、指示された細胞溶解物を0.5Mヒドロキシルアミン、pH9.0と共に37℃で30分間さらにインキュベーションした。
(イムノブロッティング)
サンプルを煮沸することなくNuPAGE LDSサンプルバッファー(Thermofisher)と混合し、およびMOPSまたはMESランニングバッファーと共にSDS-PAGE(4-12%NuPageゲル、Thermofisher)によって分離し、および0.45μmニトロセルロース膜(GE Life Sciences(GEライフサイエンシーズ))上に転写した。膜は5%(w/v)の脱脂乾燥スキムミルク粉体(non-fat dried skimmed milk powder)(PBS-TM)が含まれるPBS-Tバッファー(PBS+0.1%Tween(ツイーン)-20)により室温にて1時間ブロックした。続いて、5%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)が含まれるPBS-Tにおいて指示された抗体により膜を4℃で夜通しプローブした。検出はHRPコンジュゲーテッド二次抗体をPBS-TMにおいて23℃にて1時間使用して実行した。ECLウエスタンブロッティング検出試薬(GE Life Sciences)を製造業者のプロトコルに従って視覚化のために用いた。
(抗体)
Hisタグ付け種は1:10000の抗His一次抗体(Clontech(クロンテック)、#631212)でプローブした。アルファチューブリン(1 E4C11)マウスmAb(Proteintech(登録商標)(プロテインテック))を1:10000希釈にて使用した。MYCBP2抗体は0.5μg mL-1にて使用し、およびMRC PPU Reagents(MRC PPUリージェンツ)およびServices(サービシーズ)によって羊で高め(raised by in sheep)、および示された抗原に対してアフィニティー精製した:抗MYCBP2(SA357の2番目の出血(2nd bleed)、ヒトMYCBP2の残基4378-4640)。マウスモノクローナルNMNAT2抗体(クローン2E4;Sigma Aldrich(シグマアルドリッチ))を0.5μg mL-1にて使用した。
(SH-SY5Y細胞の活性ベースのプロテオミクスプロファイリング)
SH-SY5Yの合計細胞溶解物(4.5mg、550μL)をABPs 1, 2, 3および4(3μM)と混合し、および30℃で4時間インキュベーションした。パーキン活性化(Parkin activation)を誘導するために、細胞にオリゴマイシン(5μM)およびアンチマイシンA(10μM)(OA)を3時間施した。プローブが抑えられた(withheld)ところでもコントロールエンリッチメント(Control enrichments、コントロール豊富化とも言う)を実行した。抽出物を100μLのPierce(商標)(ピアス)Streptavidin Plus UltraLinkTMResin(ストレプトアビジン・プラス・ウルトラ・リンク(商標)レジン)(ThermoFisher Scientific(サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック))と混合し、および6%SDS溶液(20μL)により希釈してリン酸緩衝剤において0.2%の終濃度にした。サンプルを4℃にて4時間インキュベーションし、およびレジン(樹脂とも言える)を洗浄し(2mlの0.2%SDS/PBS、2ml PBS、1ml 4M尿素/PBS、2ml PBS)、および次いで190μlのTris緩衝剤(50mM Tris pH8、1.5M尿素))において再懸濁した。レジン結合タンパク質はTCEP(5mM)により37℃で30分間還元し、およびヨードアセトアミド(10mM)により23℃にて20分間アルキル化した。次に、DTT(10mM)を加え、続いて緩衝剤(50mM Tris pH8、1.5M尿素)により洗浄して300μLの最終容量にした。次にトリプシン(2μg)を加え、および37℃にて14時間さらにインキュベーションした。トリフルオロ酢酸を0.1%の最終濃度まで添加し、およびサンプルはC18 MacroSpin(マクロスピン)カラム(The Nest Group Inc(ザ・ネスト・グループ社))により脱塩した。LC-MS/MS分析はUltimate nanoflow (アルティマート・ナノフロー)HPLCシステム(Dionex(ダイオネクス))にカップリングしたLTQ Orbitrap Velos instrument(LTQオービトラップ・ヴェロス機器)(Thermo Scientific(サーモ・サイエンティフィック))にて実行した。345分間にわたる3%の溶媒Bから99%の溶媒Bまでの勾配ランニングを適用した(溶媒A=HOにおける0.1%ギ酸および3%DMSO;溶媒B=80%MeCNにおける0.08%ギ酸および3%DMSO)。
(データ処理)
MASCOTサーバー(Matrix Science(マトリクス・サイエンス))を使用して、Swissprot(スイスプロット)データベースおよびデコイデータベース(decoy database)に対して未加工ファイルを検索した。最大で三つまでのミスド開裂(missed cleavages、見逃した開裂)を有するトリプシン特異性を適用した。システインカルバミル化は固定したモディフィケーション(固定修飾とも言う)として設定し、および可変モディフィケーション(可変修飾とも言う)はメチオン酸化(methione oxidation)/ジオキシデーション(二酸化とも言う)であった。MASCOT検索結果から各タンパク質についてのランク1ペプチドの数を抽出するためにPERLスクリプトを使用し、およびこの数値をスペクトルカウントの数として使用した。第二のPERLスクリプトはE3ドメインターム(E3 domain terms)RING、HECT、IBRおよびzf-UBRを使用してヒトswisspfam_v30(スイスピーファム_v30)データベースを検索することによってデータをフィルタリングした。E1酵素の添加が含まれるマニュアルキュレーションも遂行した。ABPが抑えられたところでのコントロール実験と比較して、3未満のスペクトルカウントおよび14倍未満のスペクトルカウントエンリッチメントを有する任意のタンパク質をリストから除外した。次いでペアワイズデータセット(Pairwise datasets)はPrism(プリズム)(Graphpad Software(グラフパッド・ソフトウェア))において棒グラフとしてプロットした。
(MYCBP2catのクローニング)
ヒトMYCBP2(NM_015057.4)配列は全長Addgene(アドジーン)プラスミド#2570から増幅した。野生型および変異型(mutant)フラグメントは、細菌発現のためのpGEX6P-1(GE Life Sciences)へのBamHI/Not1挿入、または哺乳類発現のためのN末端Mycタグが含まれるpcDNA TM5/FRT/TO(ThermoFisher)のモディフィケーションされたバージョンとしてサブクローニングした。
(UBE1およびE2の発現および精製)
6His-UBE1はSf21細胞において発現され、および以前に記載されるようにそのタグを介して精製した32。リン酸緩衝化サリン(Phosphate Buffered Saline)は精製全体を通して使用し、およびヒドロキシ含有化合物は避けた。UBE2D3はBL21細胞においてN末端に6Hisタグ付けされたタンパク質として発現し、およびNi-NTA-アガロースで精製し、および最終的に50mM NaHPO pH7.5、150mM NaCl、0.5mM TCEP中に透析した。UBE2AはE. coliにおいてGST融合として発現し、およびGSTタグはタンパク質分解により除去した。残りのE2sは組換え細菌タンパク質として発現し、およびHisタグを介して精製し、およびSuperdex(スーパーデックス)75カラムを使用してサイズ排除クロマトグラフィーによってランニングバッファー(50mM NaHPO pH7.5、150mM NaCl、0.5mM TCEP、0.015%Brij(ブリジ)-35)中にバッファー交換した(GE Life Sciences)。
(MYCBP2およびGST-MYCBP2の発現および精製)
GSTタグ付きMYCBP2cat(Ser4378-Phe4640)、wt(野生型)および変種(mutants、ミュータント、変異体とも言う)を、16℃にて夜通し発現させ、および標準的な手順を使用してグルタチオン樹脂(Expedeon(エクスペディオン))に対して精製した。GSTタグ付き構築物はグルタチオンにより溶出し、およびタグなし構築物はライノウイルス属(Rhinovirus)3Cプロテアーゼによるオン-レジン開裂によって取得した。タンパク質は50mM Tris-HCl pH7.5、150mM NaCl、1.0mM TCEPバッファー中にバッファー交換し、および-80℃にて貯蔵するために急速冷凍した。
(NMNAT2の発現および精製)
NMNAT2はBL21(DE3)細胞において6His-SUMO(small ubiquitin-like modifier)タグにより発現し、0.1mM IPTGにより誘導し、および発現のために16℃にてインキュベーションした。細胞を収集し、および緩衝剤(50mM Tris-HCI(pH7.5)、250mM NaCl、0.2mM EGTA、20mMイミダゾール、20mM L-アルギニン、0.015%Brij 35、1mM Leupeptin(ロイペプチン)、1mM Pefabloc(ペファブロック)、1mM DTTにおいて標準プロトコルを使用して溶解し、およびタンパク質をNi-NTA-アガロース上にて精製した。溶出したタンパク質はPBS、20mM L-アルギニン、1mM DTTに対する透析中にHis-SENP1プロテアーゼと共にインキュベーションした。タグおよびプロテアーゼをNi-NTA-アガロースに対して消耗させ(depeleted)、およびNMNAT2を濃縮し、および緩衝剤(PBS、20mM L-アルギニン)中へのSuperdex 75 HR 10/30でのクロマトグラフィーにかけた。
(MYCBP2システインミュータントの活性ベースのタンパク質プロファイリング)
指示されたMYCBP2ミュータントをTrisバッファー(50mM Tris-HCl pH7.5、150mM NaCl)中に希釈して3μMの終濃度にした。プローブ6を加え(12μM)、およびE3リガーゼと共に30℃で4時間インキュベーションした。4×LDSローディングバッファー(~(約とも言う)680mM 2-メルカプトエタノールにより補充)を追加することによって反応をクエンチし、およびサンプルをSDS-PAGE(4-12%NuPageゲル)によって分離した後次にCoomassie staining(クーマシー染色)または抗His免疫ブロッティングを続けた。
(プローブ標識化MYCBP2のトリプシンMS/MSシーケンシング)
ABP6を使用するMSの架橋は以前に記載したように行った。要約すると、ABP標識化WT MYCBP2に対応するクーマシー染色した(Coomassie stained)SDS-PAGEバンドをUltimate nanoflow HPLCシステム(Dionex)にカップリングしたOrbitrap Fusion(商標)(オービトラップ・フュージョン)Tribrid(商標)(トライブリッド)質量分析計(Thermo Scientific)を使用してLC-MS/MSによって分析した。120分かけての0%溶媒Aから60%溶媒Bまでの勾配ランニングを適用した(溶媒A=HOにおける0.1%ギ酸;溶媒B=80%MeCNにおける0.08%ギ酸)。フラグメントイオンはHCDによって生成し、および1、2および3の前駆イオンが除外された。未処理データはUBE2D3*およびMYCBP2配列に対してpLinkソフトウェア33を使用してトリプシン特異性(最大で2つまでのミスド開裂)により検索した。MS/MSフラグメントイオン質量値についてのエラーウィンドウは20ppmのソフトウェアのデフォルトに設定した。306.1805Daの架橋剤モノアイソトピック質量を手動で追加し、それはプローブ6に由来する2つのCys残基間のビスチオエーテルの形成に関係する理論的な質量差を説明し、それはUBE2D3*に基づき、およびチオアクリルアミドAVSウォーヘッドが含まれた。
(トリス/グリセロール媒介E2放出アッセイ)
アッセイは指示したMYCBP2ミュータント(15μM)、UBE1(1.5μM)、UBE2D3(15μM)、Ub(37μM)およびATP(10mM)が含まれる緩衝剤(50mM Tris-HCl pH7.5、150mM NaCl、0.5mM TCEP、5mM MgCl)で行った。反応は37℃で30分間インキュベーションした。4×LDSローディングバッファー(~680mM 2-メルカプトエタノールを伴うか、または伴わずに)を添加することによって反応を終結した。C4572Sサンプルは0.14N NaOHと共に37℃で20分間さらにインキュベーションし、およびサンプルをSDS-PAGE(4-12%NuPageゲル)によって分離し、およびCoomassie染色によって視覚化した。
(求核試薬放出アッセイのLC-MS分析)
反応は放出アッセイについて記載したように調製した。30分後反応は、Agilent(アジレント)1200/6130 LC-MSシステム(Agilent Technologies(アジレント・テクノロジーズ))を使用して、20分間にわたる10-75%の勾配を用いて分析した(緩衝剤A=HO+0.05%TFA、緩衝剤B=アセトニトリル+0.04%TFA)。
(Cy3b-Ubの準備)
UbはTEVプロテアーゼ-開裂可能N末端ヘキサヒスチジンタグを帯び、次いでACGモチーフが続き、細菌においてpETプラスミド(kindly provide Ronald Hay, University of Dundee(ダンディー大学のロナルド・ヘイから親切に提供)から発現した。タンパク質はNiアフィニティークロマトグラフィーによって精製し、TEVプロテアーゼによりタグから開裂した後、次いで緩衝剤を反応緩衝剤(50mM HEPES、pH7.5、0.5mM TCEP)に交換した。タンパク質は2mg mL-1に濃縮し、および221μL(50nmol)を最終容量300μLにおいてCy3b-マレイミド(150nmol、GE Life Sciences)と共に混合し、および25℃にて2時間かき混ぜた。次いで、標識化タンパク質はP2 Centri-Pure(P2セントリ-ピュア)脱塩カラム(EMP Biotech(EMPバイオテック))を用いて脱気した緩衝剤(50mM NaHPO、150mM NaCl)と共にさらに精製した。
(MYCBP2チオエステル/エステルトラッピングアッセイ)
UBE1(2μM)はCy3b-Ub(1μM)と共に緩衝剤(40mM NaHPO-HCl pH7.5、150mM NaCl、0.5mM TCEP、5mM MgCl)において混合した(図2e、レーン1、2)。次いで、ATP(5mM)の添加により反応を開始し、および25℃にて10分間インキュベーションした。サンプル(レーン3、4)を採取し、およびUBE2D3(10μM)と共に組み合わせた。25℃にてさらに10分後、サンプル(レーン5、6)を採取し、およびGST-MYCBP2cat(WT、C4520S、C4520A、C4572S、C4572A、C4520A/C4572SまたはC4520S/C4572A)(15μM)と共に組み合わせた。反応を25℃で30秒間インキュベーションし、および4×LDSローディングバッファー(非還元性または還元性のいずれでも)を添加することによって終結した。Ub~GST-MYCBP2catC4572Sエステル結合開裂について、E1/E2混合物との30秒間のE3反応の後、0.14N NaOHを添加し、および次いで37℃にて20分間さらにインキュベーションした。次いでゲルをChemidoc Gel Imaging System(ケミドク・ゲル・イメージング・システム)(BioRad(バイオラッド))によりスキャンした。
(マルチプルターンオーバーアミノ酸およびペプチドパネル放出アッセイ)
アミノ酸の貯蔵液(0.5M)をMQウォータにおいて溶解し、およびpHをpH~8に調整した。配列Ac-EGXGN-NH(X=K、SまたはT)のペプチドは、Bio-Synthesis Inc(バイオ-シンセシス社)から取得した。ストックペプチド溶液(200mM)をMQウォータにおいて溶解し、およびpHをpH~8に調整した。E2(UBE2D3)チャージング反応は、UBE1(250-500nM)、UBE2D3(20μM)、Ub(50μM)、またはCy3B-Ub(25μM)、MgCl(5mM)およびATP 10(mM)を含む緩衝剤(40mM NaHPO-HCl pH8.0、150mM NaCl、0.5mM TCEP)において行った。反応を37℃にて15分間インキュベーションし、および次いで3分間23℃に平衡化した。次いで小分子/ペプチド求核試薬(100mM)およびGST-MYCBP2(10μM)が含まれる求核試薬サンプルを等容量加え、および23℃にてインキュベーションした。サンプルは規定の時点にて採取し、およびTris/グリセロール-媒介化E2放出アッセイについて説明するように分析した。
Cy3B-UbはChemidoc Gel Imaging System(Biorad)を用いて視覚化した。LC-MSはTris/グリセロール放出について説明するように行ったが、アミノ酸基質サンプルは2:1部のクエンチング溶液(75%アセトニトリル、2%TFA)の添加によってクエンチし、およびペプチド基質サンプルは1:1部のクエンチング溶液の添加によってクエンチした。
(マルチプルターンオーバーE2放出パネル)
E2sはアミノ酸パネルについて説明するようにGST-MYCBP2catによりスレオニン放出活性についてスクリーニングした。E2sはまたスレオニンの存在下であるが、GST-MYCBP2catの不存在下でインキュベーションした。これらのサンプルは固有のE2~Ub不安定性およびE3依存性放出間を区別するためにリファレンスを提供した。
(ゲル内蛍光による単一ターンオーバーE2ミュータント放出)
E2ミュータント16, 17, 34-36(10μM)に、Cy3b標識化Ub(12.5μM)を最終容量12μLで37℃にて20分間チャージし、次に23℃にて3分間冷却した。次いで、MLN4924誘導体、E1を抑制する化合物1(25μM)37を添加することによってE2の再チャージをブロックし、および次いで更に15分間インキュベーションした。次いで、混合物を12μLのGST-MYCBP2cat(5μM)およびスレオニン(100mM)と共に混合し、および23℃で規定の時間インキュベーションした。分析はマルチプルターンオーバーアッセイと同様に行った。固有のE2~Ub不安定性を説明するために、E3が抑えられたパラレルインキュベーションに対して平均放出%(n=2)を算出した。Prism(Graphpad)を使用してデータをプロットした。
(ARIH1およびUBE3Cの発現および精製)
ARIH1残基1-394(Dundee clone(ダンディークローン)DU24260)はBL21細胞においてN末端GSTタグ化融合タンパク質(N-terminally GST-tagged fusion protein)として発現した。UBE3C残基641-1083(Dundee Clone DU45301)はバキュロウイルス感染システムを使用してSf21細胞においてN末端GSTタグ化融合タンパク質として発現した。
(E3基質依存性単一ターンオーバーE2~Ub放出についての観察された速度定数の計算)
UBE2D3またはUBE2L3(5μM)はCy3b標識化Ub(8μM)と共に30μLの最終容量において37℃にて25分間チャージし、次いで23℃にて3分間インキュベーションした。E2~Ub放出についての単一ターンオーバー条件は、MLN4924誘導体、化合物1(25μM)によるE1抑制によって達成し、および次いで15分間さらにインキュベーションした。次いで、混合物を30μLのMYCBP2catまたはARIH11-394(HHARI)またはUBE3C641-1083(1μM)およびスレオニン(100mM)と共に混合し、および次いで23℃で指定した時間インキュベーションした。サンプルは非還元4×LDSローディングバッファーによりクエンチし、およびSDS-PAGEによって分離した(Bis-Tris(ビス-トリス)4-12%)。次いで、ゲルをChemidoc Gel Imaging System(BioRad)によりスキャンし、および続いてCoomassie染色した。E2~UbシグナルはFiji software(フィジーソフトウェア)を用いて定量化した。観察した速度定数はPrism(Graphpad Software)を用いて反応の進行曲線を単一の指数関数にフィッティングすることによって取得した。
(MYCBP2結晶化)
MYCBP2は非タグ化タンパク質について説明するように発現した。タグのプロテアーゼ開裂の後、AKTA FPLCシステムおよびHiLoad 26/600 Superdex 75 pgカラム(GE Life Sciences)を使用したサイズ排除クロマトグラフィーによってタンパク質をさらに精製した。ランニングバッファーは20mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、4mM DTTからなった。組み合わせた画分を10.4mg mL-1にまで濃縮した。Sparse matrix screening(スパースマトリックススクリーニング)を行い、およびMorpheus screen condition(モーフィアススクリーン条件)C1(Molecular Dimensions(分子次元))からBipyrimidal crystals(ビピリミダル結晶)を取得した。後続の(subsequent)最適化スクリーンはマルチプル結晶を産生した(バッファーシステム1(MES/イミダゾール)pH6.7、23.3mM NaHPO、23.3mM (NHSO、23.3mM NaNO、18%PEG500 MME、9%PEG20000)。単結晶を母液において浸し、およびさらに5%PEG400を補充することによって凍結保護し(cryoprotected)、および液状Nにおいて凍結した。データはEuropean Synchrotron Radiation Facility at Beamline ID23-1(ビームラインID23-1にての欧州シンクロトロン放射施設)にて1.75Åに収集した。エネルギーは吸収端エネルギースキャン(absorption edge energy scan)によって定めるように、9.669keV(1.2823Å)のピーク値に設定した。360°の合計はΩ=0.1°の振動範囲により収集した。SHELXスイートにより異常シグナルおよびソルベントフラッターニング(solvent flattening)において6Zn2+サイトを位置付けることによって位相の問題を解消した。初期の(initial)モデルはARP/wARP38によって構築し、およびその後COOT39において手動で構築することによって最適化し、およびREFMAC540によるリファインメント(改良とも言う)は図10に示すように統計による最終モデルをもたらした。Final Ramachandran statistics(最終的なラマチャンドラン統計)が支持され(favored):95.55%、許容された(allowed):3.24%、アウトライヤー(外れ値とも言う):1.21%。
(多角度光散乱によるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-MALS))
SEC-MALS実験はin-line miniDAWN TREOS MALS detector(インラインミニDAWN TREOS検出器)およびOptilab T-rEX屈折率検出器(Wyatt(ワイアット))を備えたUltimate 3000 HPLCシステム(Dionex)にて実行した。さらに、タンパク質の溶出プロファイルはまた、280nmでのUV吸光度によっても監視した。Superdex 75 10/300 GLカラム(GE Life Sciences)を使用した。緩衝剤条件は、50mM NaHPO pH7.5、NaCl 150mM、1.0mM TCEPであり、および0.3mL毎分の流速を適用した。サンプル(50μL、5.5mg mL-1)をDionexオートサンプラーによりカラム上にロードした。溶出ピークに及ぶモル質量はASTRAソフトウェアv6.0.0.108(Wyatt)を使用して計算した。
(メディエーターループモデリング)
メディエーターループ残留物を構築し、およびBioluminate(バイオルミネート)ソフトウェア(Schrodinger(シュレーディンガー))内でジオメトリが最適化される。側鎖はCOOT39内でモディフィケーションされ(以下、修飾されなどとも言う)、および数字はPymol(パイモル)(Schrodinger)により生成した。ラマチャンドラン分析はRAMPAGE(ランページ)サーバー41により運ばれた(carried with)。
(NMNAT2ユビキチン化アッセイ)
NMNAT2(5μM)をE1(500nM)、UBE2D3(10μM)、MYCBP2cat(10μM)、Ub(50μM)、ATP(10mM)と共に混合し、および10×pH7.5緩衝剤(40mM NaPO pH7.5、150mM NaCl、5mM MgCl、0.5mM TCEP))により構成した。反応は37℃で1時間インキュベーションし、および4×LDSローディングバッファー(非還元性または還元性のいずれでも)の添加によって終結した。塩基不安定性試験について、反応に0.14N NaOHを補充し、および次いで37℃にて20分間さらにインキュベーションした。
(バイオインフォマティクス分析)
RCRファミリーに属するタンパク質は一般化されたプロファイル検索によって識別された。全体で671のそのような配列が識別された。配列はpftoolsパッケージを使用してプロファイル-ガイド化アラインメント(profile-guided alignment)によって整列させた。種々の分類群からの代表的な配列を識別するために、Belvuプログラム(Sanger Institute(サンガー研究所))を使用して、他の配列と>80%の同一性を有する配列を取り除いた。トランケートされ(切り詰められとも言う)、および誤って組み立てられたタンパク質は手動で除去し、130の代表的なTCドメイン配列がもたらされた。
(データ有用性ステートメント)
同等のものはProtein Data Bank(タンパク質データバンク)に寄託してある(PDB ID 5O6C)。
(結果)
我々は、最近開発した活性に基づくプローブ(activity-based probes)(ABPs)のビオチン化バリアント(ビオチン化異型とも言う)を準備したが、それはHECT/RBR E3sのホールマークのトランスチオール化(transthiolation、チオール転移反応、トランスチオレーションなどとも言う)活性をプロファイルする(図1aおよび図2)。ABPテクノロジーを質量分析と共にインターフェースさせることで、神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞抽出物におけるE3活性の並行化プロファイリング(parallelized profiling)を可能にした8,9(図1b)。E3sは検出したE3sの少なくともサブセットについてのシグナルがE3の活性および/または存在量と相関していることを確実にする基準を使用してフィルタ処理した(図3)。~50の既知のHECT/RBR E3sの~80%のプロファイリングが達成されたが、予想外に、HECTまたはRBR補助ドメインのない33のRING Es3も豊富化された(図1c-e)。これまでに発見されていないRING連結化E3sがラベル付けされた可能性を探るために、我々はMYCBP2/Phr1(Myc結合性タンパク質2;PAM/Highwire/Rpm-1)に焦点を当てた(図1c)。MYCBP2はC末端のRINGドメインが含まれる大きな0.5MDaニューロン関連タンパク質であり(図4a)、および神経系の発達および軸索の変性のレギュレーション(調節とも言う)を含む様々な細胞プロセスに関与する10-12
RINGドメイン(残基4378-4640;MYCBP2cat;図4a)が包含されるMYCBP2の組換えC末端バージョンおよび特徴付けされていないC末端システインリッチ領域は、トランスチオール化活性を示すことが知られるE3sの効率に匹敵するものを有するローバストなABPラベリング(ラベル、標識とも言う)を受けた7,13(図5a)。推定上の触媒的なシステインをマッピングするために、我々はABPベースのプロファイリングおよびABP架橋MSの組合せを使用した(図2b、図5b、c)。データは推定上の触媒的な残基であるC4520を裏付けるものであった。我々は次に、野生型(WT)E3活性をアッセイしたが、自己ユビキチン化または遊離Ub鎖形成を検出できなかった。しかしながら、我々はE2~UbからのUbの急速なE3依存性放出を観察し、未知の小分子求核アクセプターの存在が示唆される(図2c)。液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)の分析により、Ubはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)およびグリセロール(8639および8668 Da)の縮合生産物に対応する質量を有する二種に定量的に変換されることが明らかにされ、それらのどちらも、それぞれ50mMおよび~65mMの日常的に採用される濃度にて我々のアッセイバッファーにおいて存在した。これらの求核試薬内に共通のヒドロキシ官能基があるため、MYCBP2はエステル化活性を有すると思われた(図9a、b)。活性はC4520に依存していることがわかり、それがチオエステル連結化E3~Ub中間体を形成していることと一致する4,5(図4c)。
予期せぬことに、MYCBP2 C4572Sミュータントは活性を保持したが、まだ個別のモノUbアダクト(アダクトは付加体とも言う)を形成し、それはチオール分解には耐性があったが塩基処理後に可逆的である(図4c、d、および図6c)。可能性は変異したS4572残基がUbおよびS4572間のレストランジェントな(less transient)(オキシ)エステル連結化中間体の形成を介して触媒作用に寄与し、それが基質を修飾する能力を保持したことであった。C4520およびC4572はどちらも触媒的残基であり、それらは分子内トランスチオール化反応を通してUbを一のシステインから他にリレーすることによってタンデムに機能すると我々は仮定した。このリレーメカニズムをテストするために、我々はゲルベースのチオエステル/エステルトラッピングアッセイ14を行い(図4eおよび図6d)、およびC4520Sミュータントにより観察されなかったWT MYCBP2cat上のチオール感受性Ubアダクトを観察した(図4e)。より一層前の実験と一致して(図4c)、C4572Sはチオール耐性であるが塩基に不安定なアダクトの形成を受けた(図4e)。それゆえ、一時的なチオエステル中間体がUbおよびC4520間で形成された場合、そのとき非反応性のC4572Aミュータントはそれを安定化させなければならない。実際、チオール感受性アダクト形成は野生型のそれと比べてC4572Aミュータントで増加し、およびおそらくチオエステル結合を介してリンクされた(図4e)。アダクト形成はC4520A/C4572S二重ミュータントでは検出されず、それがC4520残基にリンクされることを支持する(図4e)。Cys-to-Cys(CysツーCys)のUb移行(transfer)の直接的な実証の不存在下、我々は他の可能性を正式に除外することができない。しかしながら、既存のデータはリレーメカニズムにおいて機能する本質的システインのファンクショニングと一致する。MYCBP2cat(図6e、f)の変異分析およびサイズ排除クロマトグラフィー-多角度光散乱(SEC-MALS)は、提案されたリレーメカニズムが分子内リレーメカニズムと一致して、双方の本質的システインが同じ分子内であるのを要求することを示唆する。
観察したエステル化活性に照らして、我々は、放出活性がスレオニンに対して著しく増強されたところのアミノ酸のパネルをスクリーニングすることによって、MYCBP2のアミノ酸基質を識別することを試みた。生産物の形成はC4520に依存した(図7a、bおよび図8a-d)。MSベースの定量はセリンよりもスレオニンの選択性が~10倍高いことを指し示した(図8e)。低レベルのリジンモディフィケーションが観察されたが、これはMYCBP2catとは無関係であった。スレオニン選定性(3倍)もペプチドのコンテキストにおいて維持された(図7cおよび図8f-h)。さらに、リジンペプチドのbasal ubiquitination(基底ユビキチン化)はMYCBP2catの存在下では部分的に抑制され、リジン活性のその欠如が強調された(underscoring)(図7c)。総合すれば、我々の実験は、MYCBP2が二つの本質的システインを介して動作し、ヒドロキシル基(水酸基とも言える)のUbモディフィケーションを促進し、およびセリンを超える選択性と共にUbによりスレオニンをエステル化する新規なクラスのE3酵素であることを明らかにした。MYCBP2は新規なメカニズムを使用するため、我々はそれをRING-Cys-Relay(RING-Cys-リレー)(RCR)E3と称した。我々はMYCBP2スレオニンエステル化活性の触媒効率をベンチマークテストにかけ、およびそれがよく特徴付けられたHECTのものおよびRBR E3リジンのアミノリシス活性間に入ることを知見した5,15(図8i-k)。E2変異分析5,16-19は、MYCBP2 catが新規クラスのE3であることをさらに支持した(図9a、bおよび方法)。機能的なE2パートナーを確かめるために、17のE2sをテストしたが、UBE2D1、UBE2D3およびUBE2E1だけがローバストな活性を例示した(図9c)。
MYCBP2は、ニコチンアミドモノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ(Nicotinamide Mononucleotide Adenyltransferase)(NMNAT2)の不安定化を通じてWallerian(ウォーラー)軸索変性を促進する20。次に、我々はMYCBP2catがインビトロ(in vitro)でのエステル化によってNMNAT2をユビキチン化できるかどうかをテストした(図7d)。13リジン残基を含むにもかかわらず、NMNAT2は水酸化物に不安定であるがチオール耐性のユビキチン化を受け、MYCBP2がその推定上の基質の一つ内のヒドロキシ残基を標的にすることができることが例示される20。細胞の基質認識はMYCBP2cat領域に対するN末端のサイト~1940残基に結合するSkp1/Fbox45基質受容体共複合体(Skp1/Fbox45 substrate receptor co-complex)によって媒介される(図7a)21。NMNAT2はまた、パルミトイル化および急速な軸索輸送を経て22再構成され、およびそのユビキチン化の細胞研究は非常に困難である。しかしながら、MYCBP2catが細胞において非リジン活性を保持するかどうかを確立するために、我々はヒト胚腎293細胞中への一過性のトランスフェクション後のその自己ユビキチン化(autoubiquitination)を考察した。塩基不安定性(ただし、チオール耐性)ユビキチン化が観察され、それはC4520に依存した(図7e)。このことは、MYCBP2が細胞においてヒドロキシアミノ酸についての特異性を保持することができること、およびこの活性が上流の触媒残基に依存して残ることを例示し、我々はUbリレーメカニズムと結びつける。
RING-Cys-relayモデルおよびセリン/スレオニン活性をさらに検証するために、我々はMYCBP2cat(残基4378-4640)を結晶化し、および結晶構造をレゾリューション(解像度とも言う)1.75Åにまで解析した(表1および図10a-c)。N末端での残基4388-4441は予測されたクロスブレース(cross-brace)C3H2C3 RINGドメインに対応する(図4aおよび図10d)。RINGドメインに続くのは長いαヘリックス(4447-4474)であり、それは小さなヘリックスターンヘリックスモチーフ(helix-turn-helix motif)(残基4475-4500)につながり(図11aおよび図10e)、およびさらにC末端は構造的に前例のない球状ドメインであり、それは四つのZnイオンを結合する(残基4501-4638)(図11bおよび図10f、g)。このドメインにはまた、二つの本質的触媒残基も含まれるため、我々はそれをタンデムシステイン(Tandem Cysteine)(TC)ドメインと呼ぶ。βA2ストランドおよびヘリックス310A間は、構造化されていない領域であり(4519-4526)、それはコアのZn結合フォールド(core Zn-binding fold)の側部に突き出る。上流のC4520残基はこの非構造化領域内にあり、それはフランキング残基と一緒に、我々がメディエーターループと呼ぶ可動領域を形成する。TCドメインのZnコーディネーションコンフィグレーション(C5HC7HC2)はセミコンティギュアス(半隣接とも言う)しており、およびクロスブレースアーキテクチャを採用していない(図10c)。
クリスタルパッキング(Crystal packing)は、T4380が、対称性に関連したMYCBP2cat分子(T4380sym)のN末端内で、エステル化部位の近位に置かれ、そこでそれが複数の基質様相互作用を形成することを明らかにした(図12aおよびb)。まず、T4380 symのβ-ヒドロキシ基はE4534およびH4583を補完し、および潜在的なトライアド(三連構造とも言う)を形成する(図12a)。それゆえ、T4380symのβ-酸素原子は、脱プロトン化および求核攻撃のためにプライミングされるように思われる。触媒的に生産的な求電子中心はチオエステルがC4572にリンクされるときのUbのC末端である。このUb分子は我々の構造に存在しないにもかかわらず、C4572硫黄原子はT4380symのβ-酸素原子から3.8Å離れる。それゆえ、本構造はそのβ-ヒドロキシ基のエステル化によってスレオニンユビキチン化を受けるように準備された(poised)触媒的中間体を正確に反映すると思われる(図12a)。さらに、Phe残基のサブクラスター(F4573、F4578およびF4586)はT4380symのβ-メチル基の近位にあり(図12aおよびb)、T4380symβ-メチル基がドッキングする明確な疎水性ポケットを形成し、およびスレオニン側鎖についての正の選択性決定因子(determinant)であると考えられる。これらの残基の提案される役割をスレオニン放出アッセイにおいて検証した(図12c)。H4583N変異はまた、一般塩基としての役割と一致する活性を消失させた。H4583Nミュータントもまた、基質求核剤をC4572チオエステルに対して反応性にする際に予想される欠陥に従って、増強された、チオール感受性の、Ubアダクト形成を受けた(図13a)。フェニルアラニンクラスターの保存的なパーターベーション(perturbation)もまた、スレオニン放出活性を著しく低下させた(reduced、減少させたとも言える)(図5c)。E4534のパーターベーションは活性を減少させず、よってその正確な役割は不明なままである。
E216-18,23に結合するRINGドメインの保存により、E2~UbおよびMYCBP2catC4520間のトランスチオール化と幾何学的に適合性があるE2-RCR E3リガーゼ複合体のモデリングが可能になった(図5dおよび図13b)。C4572への後続のUbリレーに必要なコンフォメーションをシミュレートするために、我々は、我々のリレーモデルが有効である場合、C4520で、E2~Ubによるトランスチオール化を介して移されるであろうUbのC末端を代表するものにリンクされるGlyGlyジペプチドチオエステルによりミッシングメディエーターループ残基をモデル化した(図13c-e)。このメカニズムの裏付けとして、UbチオエステルのカルボニルC原子は、C4572スルフヒドリル硫黄原子に近接して(3.3Å)配置することができた。このコンフォメーションを採用するには、βA2ストランドの先端にてGlyGlyモチーフ(残基4515-4516)のマイナーツイスティングが必要であった。メディエーターループ残基間さらにR4533、E4534、N4580、H4583およびD4584によるC末端で衝突が観察されたが、これらはそれらの側鎖を利用可能な空間に回転させることによって大幅に軽減することができた。順序付けられたループ残基4527-4531はモデルを生成するために大幅な変位を必要としたため、我々はモバイルメディエーターループ領域が残基4515-4531にまたがる(span)であろうと推測する。C4520は、それがこの可動構造要素内に存在し、E2活性部位24が関与する(engaged by)必要があるため、このことは特徴付けられないE2残基要件の主な原因となる可能性がある。より一層前の実験におけるS4520ミュータントを触媒的にする能力がないことの説明は、その動的な性質および別なふうに十分にプロトン化されたS4520側鎖のpKを抑止することができた一般塩基の不存在である。この故に、ネイティブのC4520触媒活性はスルフヒドリル基固有の求核性から発生する可能性がある(図13a)。
非リジンのユビキチン化が報告されたが25-27、この機能を優先的に行うヒトE3リガーゼはとらえどころがないままである。MYCBP2において見出される新規RCR E3リガーゼの我々の特徴付けは、エステル化によるユビキチン化が高等真核生物に対して固有であり、およびシナプス発達および軸索分解のレギュレーター(調節因子とも言う)であり得ることを示唆する。さらに、非タンパク質Ub基質(例は、脂質、炭水化物)は報告されてなかったが、MYCBP2の低分子ヒドロキシ化合物に対しての高いエステル化活性を考慮すると、このことは可能性のままである。提案されたリレー(図14a)メカニズムが進化したであろう理由はすぐには明らかではない。しかしながら、トランスチオール化はユビキチンシステム全体を通してUbをシャトルするために簡単な手段を提供する補因子非依存性プロセスである。立体的な理由から、構造的に堅固でおよび高度に保存されたE2ユビキチンコンジュゲーティングドメイン(Ubc)による直接E2-E3トランスチオール化28、およびセリン/スレオニン(トレオニンとも言う)活性はエステル化部位にて相互に排他的であり、およびメディエーターループの進化はこの適合性の問題にアドレスすると我々は推測する。バイオインフォマティクス分析により、MYCBP2オルソログ(オルソログは相同分子種、オーソログとも言う)が事実上すべての動物において見出されることが明らかになったが、ヒトのホモログは存在しそうにない(表2)。
(考察)
MYCBP2抑制を通したNMNAT2の安定化は傷害および化学療法剤の施与後のニューロンの損傷を緩和し10,29,30、およびアルツハイマー病およびパーキンソン病を含めさまざまな神経変性疾患の進行を遅らせる29ための有望な治療戦略である。この明らかなUbリレーメカニズムの記述および原因となる分子機構の構造的特徴はさまざまな神経学的状態を処置するための新しい医療の可能性を切り開く。
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Claims (19)

  1. MYCBP2のヒドロキシ含有基質に対するエステル化活性のモジュレーターを識別するための方法であって、以下:
    a)MYCBP2、または少なくともMYCBP2ネイティブタンパク質の活性部位を含むその相同分子種、もしくは変種、もしくはフラグメントを試験物質と接触させることであって、前記活性部位は、2つの触媒的システインを含み、前記触媒的システインは、C4520およびC4572(番号は、本明細書中に開示されるネイティブの全長MYCBP2配列に従う)であり、C4520残基は、残基4515-4531で表されるメディエーターループ領域内に存在し、E2コンジュゲーティング酵素(E2)と前記システイン残基の1つとの間のトランスチオール化は、他のシステイン残基への、次いで、その基質への、ユビキチンの分子内リレーを導き出す、接触させること
    b)活性MYCBP2、または前記その相同分子種、もしくは変種、もしくはフラグメントのC4520、C4572および/または前記メディエーターループ領域と相互作用する能力がある、ヒドロキシ基を有するプローブを提供すること;および
    c)プローブとMYCBP2、前記その相同分子種、変種またはフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べてモジュレーションされるかどうかを検出すること
    を含む、方法。
  2. プローブには、活性なMYCBP2の非内因性基質が含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. モジュレーターは抑制物質であり、およびステップc)には、プローブとMYCBP2、その相同分子種、変種またはそれらのフラグメントとの相互作用のレベルが試験物質の不存在下における相互作用のレベルと比べて低下するかどうかを検出することが含まれる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 方法には、内因性MYCBP2基質、ATP、E1および/またはE2を提供することが含まれない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. プローブは表面にコンジュゲーションされる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. プローブには、ペプチドが含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. プローブには、スレオニンまたはセリンが含まれる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. プローブには、小分子が含まれる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. プローブには、トリス、グリセロールまたはHEPESが含まれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記プローブMYCBP2と相互作用し、式(II):
    に対応する活性化生物学的分子コンジュゲートプローブ、式中、Xは第一の生物学的分子であり、EWGは電子吸引基であり、およびYはさらなる生物学的分子である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  11. Xには、E2酵素が含まれる、請求項10に記載の方法。
  12. には、ユビキチンが含まれる、請求項10または請求項11に記載の方法。
  13. E2酵素はUBE2D1、UBE2D2、UBE2D3、UBE2D4およびUBE2E1から選ばれる、請求項11に記載の方法。
  14. 相同分子種は、マウスPhr1、ゼブラフィッシュEsrom/phr1、Drosophila(ドロソフィラ属)ハイワイヤーおよびC. elegans(C.エレガンス)RPM-1から選ばれる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 試験物質には、ペプチド、、小分子、アプタマー、抗体または抗体フラグメントが含まれる、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. プローブには、標識が含まれる、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 標識には、親和性タグが含まれる、請求項16に記載の方法。
  18. MYCBP2、相同分子種、変種またはそれらのフラグメントは組換え型である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 方法には、MYCBP2のフラグメントを接触させることが含まれ、そこではフラグメントには、MYCBP2の残基4390ないし4572が含まれる、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
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