以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
[バッテリ管理システム100の概要]
図1及び図2を用いて、バッテリ管理システム100の概要が説明される。図1は、バッテリ管理システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。図2は、容量劣化係数と、充電率[%]との相関関係の一例を概略的に示す。
図1に示されるとおり、本実施形態において、バッテリ管理システム100は、管理サーバ120と、バッテリステーション140とを備える。本実施形態において、バッテリステーション140は、1又は複数(1以上と称される場合がある。)のバッテリ20を保持する。バッテリ管理システム100は、1以上のバッテリステーション140を備えてもよい。
本実施形態において、管理サーバ120及びバッテリステーション140は、通信ネットワーク10を介して、互いに情報を送受することができる。本実施形態において、管理サーバ120は、通信ネットワーク10を介して、ユーザ30の通信端末32との間で、互いに情報を送受することができる。
本実施形態においては、バッテリ管理システム100が、ユーザ30に対して、1以上のバッテリ20を提供する場合を例として、バッテリ管理システム100の詳細が説明される。バッテリ管理システム100は、1以上のユーザ30のそれぞれに対して、1以上のバッテリ20を提供してもよい。
例えば、ユーザ30は、通信端末32を利用して、バッテリ管理システム100に対して、特定のバッテリステーション140に保持されているバッテリ20の貸し出しを要求する。バッテリ管理システム100は、上記の貸出要求に応じて、上記のバッテリ20をユーザ30に貸し出すための処理を実行する。本実施形態において、ユーザ30は、バッテリ管理システム100から貸し出されたバッテリ20を、電動バイク34の電源として利用する。
ところで、バッテリ20が繰り返し利用されている間に、バッテリ20の劣化が進行する。そこで、本実施形態において、バッテリ20の管理者(図示されていない。)は、予め定められた管理基準よりも劣化したバッテリ20をバッテリステーション140から回収し、新たなバッテリ20をバッテリステーション140に導入する。これにより、適切な充放電性能を有するバッテリ20が流通するように、バッテリ20の流通が管理され得る。
本実施形態において、バッテリ管理システム100は、1以上のバッテリ20のそれぞれの利用を管理する。例えば、バッテリ管理システム100は、1以上のバッテリ20のそれぞれの貸出状態(例えば、貸出可能、貸出不能、貸出中などである)、運用状態(例えば、充電中、放電中、待機中などである)、充電状態(例えば、現在のSOCである)、保管状態(例えば、温度、湿度などである)、劣化状態などを管理する。なお、バッテリ20の提供形態は、貸し出しに限定されるものではない。
本実施形態において、バッテリ管理システム100は、図2に示される容量劣化係数に基づいて、優先的にユーザ30に提供されるバッテリ20を決定する。上述されたとおり、図2は、容量劣化係数と、充電率[%]との相関関係の一例を概略的に示す。本実施形態において、容量劣化係数[Ah/h]は、バッテリ20の充電率が一定に保たれた状態でバッテリ20が放置された場合における、バッテリ20の満充電容量[Ah]の単位時間当たりの減少量を示す。本実施形態において、充電率は、満充電状態を100%、完全放電状態を0%として定義される。充電率は、State Of Charge(SOC)、充電状態などと称される場合がある。
図2に示されるとおり、充電率を横軸とし、容量劣化係数を縦軸として、容量劣化係数をプロットすると、下に凸の形状の形状を有する曲線200が現れる。そのため、バッテリ20の保管期間中におけるバッテリ20の劣化を抑制するためには、バッテリ20が保管される前に、容量劣化係数がkth以下となるようにバッテリ20の充電率が調整されることが好ましい。なお、容量劣化係数がkth以下となる領域は、中間領域と称される場合がある。
しかしながら、貸出対象となるバッテリ20は、ユーザ30に提供されるまで、充電率が大きな状態で保管される。そのため、例えば、容量劣化係数が中間領域の範囲内であるバッテリ20と、容量劣化係数が中間領域の範囲外であるバッテリ20との何れか一方を貸出対象として選択した後、選択されたバッテリ20を充電する場合、容量劣化係数が中間領域の範囲外であるバッテリ20を貸出対象として選択することで、バッテリ20の全体として、劣化が抑制される。また、容量劣化係数が中間領域の範囲外である2個のバッテリ20の何れか一方を貸出対象として選択した後、選択されたバッテリ20を充電する場合、容量劣化係数のより大きなバッテリ20を貸出対象として選択することで、バッテリ20の全体として、劣化が抑制される。
一実施形態によれば、バッテリ管理システム100が、ユーザ30への貸し出しに備えて、2個のバッテリ20のうちの少なくとも一方のバッテリ20を充電しなければならない場合において、バッテリ管理システム100は、各バッテリの容量劣化係数を考慮して、各バッテリをどのように充電するかを決定する。他の実施形態によれば、バッテリ管理システム100が、ユーザ30への貸し出しに備えて、2個のバッテリ20のうちのどちらか一方のバッテリ20を充電しなければならない場合において、バッテリ管理システム100は、各バッテリの容量劣化係数を考慮して、どちらのバッテリ20を充電するかを決定する。
例えば、バッテリステーション140が5個のバッテリ20を保持しており、5個のバッテリ20のうち、3個のバッテリ20のSOCが100%であり、1個のバッテリ20のSOCが20%であり、1個のバッテリ20のSOCが80%である場合を考える。この場合において、1以上のユーザ30への貸し出しに備えて、4個のバッテリ20のSOCを100%にしておく必要があるとき、バッテリステーション140は、各バッテリの容量劣化係数を考慮して、SOCが20%のバッテリ20及びSOCが80%のバッテリ20の充電方法を決定する。
より具体的には、バッテリステーション140は、SOCが20%のバッテリ20及びSOCが80%のバッテリ20の一方の充電速度が、他方の充電速度よりも大きくなるように、上記の充電方法を決定する。バッテリステーション140は、SOCが20%のバッテリ20及びSOCが80%のバッテリ20の一方を充電し、他方を充電しないことを決定してもよい。
図2に記載された例によれば、SOCが80%である場合の容量劣化係数の値(k2)は、SOCが20%である場合の容量劣化係数の値(k1)よりも大きい。そこで、バッテリステーション140は、例えば、SOCが80%のバッテリ20の充電速度が、SOCが20%のバッテリ20の充電速度よりも大きくなるように、両者を充電することを決定する。なお、上記のSOCが20%のバッテリ20の充電速度は0であってもよい。つまり、バッテリステーション140は、SOCが80%のバッテリ20を充電し、SOCが20%のバッテリ20を充電しないことを決定してもよい。これにより、SOCが80%のバッテリ20の充電速度が、SOCが20%のバッテリ20の充電速度よりも小さくなるように、両者が充電される場合と比較して、バッテリステーション140が保持する5個のバッテリ20の全体としては、劣化が抑制される。
[バッテリ管理システム100の各部の概要]
本実施形態において、通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線、車車間通信回線、路車間通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク10は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。
本実施形態において、バッテリ20は、電動バイク34に電力を供給する。バッテリ20は、電動バイク34に搭載されてよい。バッテリ20は、電動バイク34に着脱自在に搭載されてよい。バッテリ20は、交換型の蓄電装置であってよい。バッテリ20は、可搬型の蓄電装置であってよい。
本実施形態において、バッテリ20は、バッテリステーション140により充電される。例えば、電動バイク34に搭載されているバッテリ20の残容量が少なくなると、ユーザ30は、バッテリ管理システム100に対して、特定のバッテリステーション140に保持されているバッテリ20の貸し出しを要求する。ユーザ30が上記のバッテリステーション140に到着すると、ユーザ30は、電動バイク34からバッテリ20を取り外す。ユーザ30は、電動バイク34から取り外されたバッテリ20を、バッテリステーション140に設けられたバッテリ20の返却スペースに返却する。例えば、このとき、返却されたバッテリ20のコネクタと、バッテリステーション140のコネクタとが電気的に接続される。その後、バッテリステーション140は、バッテリ20の次の利用に備えて、適切な時期にバッテリ20を充電する。
本実施形態において、通信端末32は、ユーザ30により利用される。通信端末32は、例えば、バッテリ管理システム100と、ユーザ30との間のインターフェースとして機能する。
一実施形態において、通信端末32は、ユーザ30からの入力を受け付ける。通信端末32は、ユーザ30からの入力に基づいて、管理サーバ120に各種の要求を送信する。上記の要求としては、特定の条件に合致するバッテリステーション140を検索するための検索要求、特定のバッテリステーション140に格納されている任意又は特定のバッテリ20を予約するための予約要求などが例示される。
他の実施形態において、通信端末32は、ユーザ30に情報を出力する。例えば、通信端末32は、管理サーバ120から受信した情報を、ユーザ30に出力する。情報の出力態様は、特に限定されない。通信端末32は、画像を出力してもよく、音声を出力してもよい。
通信端末32は、通信ネットワーク10を介して、バッテリ管理システム100の各部(例えば、管理サーバ120である。)と情報を送受することのできる機器であればよく、その詳細については特に限定されない。通信端末32としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などを例示することができる。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。
本実施形態において、電動バイク34は、バッテリ20が供給する電力を消費する。より具体的には、電動バイク34は、バッテリ20が供給する電力を使用して移動する。バッテリ20が記憶装置を有する場合、電動バイク34は、電動バイク34の走行履歴及び操作履歴の少なくとも一方を上記の記憶装置に格納してよい。
本実施形態において、管理サーバ120は、1以上のバッテリ20のそれぞれの利用を管理する。例えば、バッテリ管理システム100は、1以上のバッテリ20のそれぞれの貸出状態(例えば、貸出可能、貸出不能、貸出中などである)、運用状態(例えば、充電中、放電中、待機中などである)、充電状態(例えば、現在のSOCである)、保管状態(例えば、温度、湿度などである)、劣化状態などを管理する。
本実施形態において、管理サーバ120は、1以上のバッテリ20のそれぞれの予約を管理してもよい。管理サーバ120は、1以上のバッテリステーション140のそれぞれに対して、当該バッテリステーションに関連するバッテリ20の予約に関する情報を送信してよい。
本実施形態において、管理サーバ120は、バッテリステーション140がユーザ30により予約された個数のバッテリ20をユーザ30に提供する場合に、バッテリステーション140に保持されている複数のバッテリ20のうち、優先的に提供されるバッテリ20を決定するための判断基準(ポリシーと称される場合がある。)を決定してよい。管理サーバ120は、1以上のバッテリステーション140のそれぞれに対して、上記のポリシーに関する情報を送信してよい。管理サーバ120の詳細は後述される。
本実施形態において、バッテリステーション140は、1以上のバッテリ20を保持する。バッテリステーション140は、1以上のバッテリ20のそれぞれを充電する。例えば、バッテリステーション140は、管理サーバ120から、バッテリ20の予約に関する情報を取得する。また、バッテリステーション140は、管理サーバ120から、上記のポリシーに関する情報を取得する。バッテリステーション140は、上記のポリシーに従って、当該バッテリステーションが保持する複数のバッテリ20の中から、ユーザ30により予約された個数に合致する個数のバッテリ20を、貸出対象として決定する。バッテリステーション140は、必要に応じて、貸出対象として決定されたバッテリ20を充電してよい。
本実施形態において、バッテリステーション140は、バッテリステーション140が保持する全てのバッテリ20のうち、少なくとも2個のバッテリ20に関して、図2に示される容量劣化係数の大きなバッテリ20に蓄積される電力量の増加量が、図2に示される容量劣化係数の小さなバッテリ20に蓄積される電力量の増加量よりも大きくなるように、当該2個のバッテリ20の少なくとも一方を充電する。これにより、バッテリステーション140に保持されるバッテリ20の全体としては、劣化が抑制される。
本実施形態において、バッテリステーション140は、ユーザ30からの要求に応じて、バッテリ20の貸出処理を実行する。例えば、ユーザ30の認証処理、予約内容の確認処理、バッテリ20の払出処理などが実行される。バッテリステーション140の詳細は後述される。
バッテリ20は、蓄電装置の一例であってよい。ユーザ30は、バッテリ20の利用者の一例であってよい。バッテリ管理システム100は、制御装置及び充電装置の一例であってよい。管理サーバ120は、制御装置の一例であってよい。バッテリステーション140は、充電装置の一例であってよい。容量劣化係数は、バッテリ20の劣化の進行具合を示す情報の一例であってよい。容量劣化係数は、劣化の進行速度の一例であってよい。バッテリ20の管理基準は、第2基準の一例であってよい。
本実施形態においては、容量劣化係数が、バッテリ20の充電率が一定に保たれた状態でバッテリ20が放置された場合における、バッテリ20の満充電容量[Ah]の単位時間当たりの減少量を示す場合を例として、バッテリ管理システム100の一例が説明された。しかしながら、容量劣化係数は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、容量劣化係数は、自然放電状態でバッテリ20が放置された場合における、バッテリ20の満充電容量の単位時間当たりの減少量を示す。
本実施形態においては、バッテリ20の劣化の進行具合を示す指標として、容量劣化係数が用いられる場合を例として、バッテリ管理システム100の一例が説明された。しかしながら、バッテリ20の劣化の進行具合を示す指標は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、予め定められた長さを有する期間における劣化量が、バッテリ20の劣化の進行具合を示す指標として用いられてよい。上記の劣化量としては、満充電容量の減少量、内部抵抗の増加量などが例示される。他の実施形態において、劣化の進行速度が、バッテリ20の劣化の進行具合を示す指標として用いられてよい。劣化の進行速度としては、満充電容量の減少速度、内部抵抗の増加速度などが例示される。容量劣化係数は、満充電容量の減少速度の一例であってよい。
本実施形態においては、バッテリ20が電動バイク34の電源として利用される場合を例として、バッテリ管理システム100の詳細が説明された。しかしながら、バッテリ20の用途は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、バッテリ20は、各種の電気機器の電源として利用されてよい。上記の電気機器は、電動機を動力源とする移動体であってもよく、定置式の蓄電装置であってもよい。
移動体としては、自動車、自動二輪車、動力ユニットを有する立ち乗り用の乗り物、船舶、飛行体などを例示することができる。自動車としては、ガソリン車、ディーゼル車、電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド自動車、小型コミュータ、電動カートなどを例示することができる。自動二輪車としては、バイク、三輪バイク、電動自転車などを例示することができる。船舶としては、船、ホバークラフト、水上バイク、潜水艦、潜水艇、水中スクータなどを例示することができる。飛行体としては、飛行機、飛行船又は風船、気球、ヘリコプター、ドローンなどを例示することができる。
本実施形態においては、管理サーバ120が、1以上のバッテリ20及び1以上のバッテリステーション140を管理する場合を例として、バッテリ管理システム100の詳細が説明された。しかしながら、バッテリ管理システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、1以上のバッテリステーション140の少なくとも1つが、上述された管理サーバ120の機能の少なくとも一部を有してよい。例えば、1以上のバッテリステーション140の少なくとも1つが、1以上のバッテリ20を管理する。1以上のバッテリステーション140の少なくとも1つが、他のバッテリステーション140を管理してもよい。この場合、バッテリ管理システム100は、管理サーバ120備えてもよく、管理サーバ120を備えなくてもよい。
本実施形態においては、バッテリステーション140が、当該バッテリステーションが保持する複数のバッテリ20の中から、貸出対象となるバッテリ20を決定する場合を例として、バッテリ管理システム100の詳細が説明された。しかしながら、バッテリ管理システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、管理サーバ120が、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20の中から、貸出対象となるバッテリ20を決定してよい。
[バッテリ管理システム100の各部の具体的な構成]
バッテリ管理システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。バッテリ管理システム100の構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、バッテリ管理システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。プログラムが実行されることにより、コンピュータが、バッテリ管理システム100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。
コンピュータをバッテリ管理システム100の各部の少なくとも一部として機能させるプログラムは、バッテリ管理システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータをバッテリ管理システム100の各部として機能させたり、コンピュータにバッテリ管理システム100の各部における情報処理方法を実行させたりする。
プログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、バッテリ管理システム100の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じたバッテリ管理システム100が構築される。
バッテリ管理システム100の各部における情報処理方法は、第1蓄電装置及び第2蓄電装置の少なくとも一方を充電可能に構成された充電装置を制御するための制御方法であってよい。上記の制御方法は、例えば、第1蓄電装置及び第2蓄電装置のそれぞれが蓄積している電力量を示す情報を取得する電力量取得段階を有する。上記の制御方法は、例えば、第1蓄電装置及び第2蓄電装置のそれぞれの蓄積している電力量が維持された場合における、第1蓄電装置及び第2蓄電装置のそれぞれの劣化の進行具合を示す情報を取得する劣化具合取得段階を有する。上記の制御方法は、例えば、第1蓄電装置及び第2蓄電装置のうち劣化の進行具合の大きな蓄電装置の電力量の増加量が、他方の蓄電装置の電力量の増加量よりも大きくなるように、第1蓄電装置及び第2蓄電装置の少なくとも一方を充電することを決定する制御段階を有する。
次に、図3、図4及び図5を用いて、管理サーバ120の各部の詳細が説明される。図3は、管理サーバ120のシステム構成の一例を概略的に示す。図4は、バッテリステーション140のシステム構成の一例を概略的に示す。図5は、貸出管理部446の内部構成の一例を概略的に示す。
図3に示されるとおり、本実施形態において、管理サーバ120は、例えば、状態監視部310と、バッテリ管理部320と、予約管理部330と、格納部340とを備える。本実施形態において、格納部340は、例えば、バッテリ情報格納部342と、ステーション情報格納部344と、ユーザ情報格納部346とを有する。管理サーバ120の各部は、互いに情報を送受してよい。
本実施形態において、状態監視部310は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれを監視する。状態監視部310は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれから、バッテリステーション140の運転状態及び運用状態の少なくとも一方に関する情報を取得する。例えば、状態監視部310は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれから、バッテリステーション140の稼働率を示す情報を取得する。状態監視部310は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれから、バッテリステーション140における異常の有無を示す情報を取得してもよい。状態監視部310は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれから、バッテリステーション140の停止又は停止の予定を示す情報を取得してもよい。
本実施形態において、状態監視部310は、管理対象となるバッテリ20のそれぞれを監視する。例えば、状態監視部310は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれから、バッテリステーション140に格納されているバッテリ20の運用状態、充電状態、保管状態及び劣化状態の少なくとも1つに関する情報を取得する。
状態監視部310は、例えば、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれが蓄積している電力量を示す情報を取得する。状態監視部310は、上記の1又は複数のバッテリ20のそれぞれのSOCを示す情報を取得してもよい。
状態監視部310は、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれの容量劣化係数を示す情報を取得してもよい。状態監視部310は、例えば、SOCの値と、当該SOCに対応する容量劣化係数の値とが対応付けられたデータテーブル又は関数を参照して、各バッテリの容量劣化係数の値を取得する。
本実施形態において、状態監視部310は、ユーザの状態を監視する。例えば、状態監視部310は、通信端末32から、ユーザに関する各種の情報を取得する。状態監視部310は、通信端末32から、通信端末32の位置を示す位置情報を取得してよい。状態監視部310は、通信端末32から、通信端末32の移動履歴を示す情報を取得してよい。この場合、移動履歴は、GPS信号により示される位置と、当該GPS信号が受信された時刻とにより表されてよい。状態監視部310は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれから、管理対象となるバッテリ20のメモリに格納されていた、ユーザの移動履歴に関する情報を取得してもよい。
本実施形態において、バッテリ管理部320は、1以上のバッテリ20を管理する。バッテリ管理部320は、例えば、管理対象となるバッテリ20の運用状態、充電状態、保管状態及び劣化状態の少なくとも1つを管理する。
バッテリ管理部320は、1以上のバッテリ20の充電スケジュールを管理してよい。バッテリ管理部320は、バッテリステーション140ごとに、バッテリ20の充電スケジュールを管理してもよい。バッテリ管理部320は、通信端末32からの予約要求、及び、バッテリ20の需要予測の少なくとも一方に基づいて、バッテリ20の充電スケジュールを管理してもよい。充電スケジュールは、時刻を示す情報と、当該時刻までに充電が完了して貸出可能なバッテリ20の個数を示す情報とが対応付けられた情報であってよい。充電スケジュールは、時刻を示す情報と、当該時刻において充電率が予め定められた値よりも大きなバッテリ20の個数を示す情報とが対応付けられた情報であってもよい。
本実施形態において、予約管理部330は、管理対象となるバッテリ20の予約状況を管理する。例えば、予約管理部330は、通信端末32からの予約要求を受け付けて、予約処理を実行する。予約管理部330は、予約処理の実行結果(予約情報と称する場合がある。)を記憶する。予約情報は、例えば、ユーザID、貸出希望日、貸出希望時刻、ステーションID、バッテリID、希望する充電状態、利用料金、支払方法などに関する情報を含む。予約情報は、予約要求が受け付けられた時刻(予約時刻と称する場合がある)を示す情報、及び、予約時刻におけるユーザの位置を示す情報を含んでもよい。
本実施形態において、格納部340は、各種の情報を格納する。格納部340は、状態監視部310、バッテリ管理部320又は予約管理部330が生成又は取得した情報を、格納してよい。
本実施形態において、バッテリ情報格納部342は、管理対象となるバッテリ20のそれぞれに関する各種の情報を格納する。一実施形態において、バッテリ情報格納部342は、バッテリごとに、当該バッテリが蓄積している電力量を示す情報を格納する。上記のバッテリが蓄積している電力量を示す情報は、当該バッテリのSOCの値であってよい。他の実施形態において、バッテリ情報格納部342は、バッテリごとに、当該バッテリの劣化の進行具合を示す情報を格納する。上記のバッテリの劣化の進行具合を示す情報は、当該バッテリの劣化状態を示す任意の指標の値であってよい。
本実施形態において、ステーション情報格納部344は、管理対象となるバッテリステーション140のそれぞれに関する各種の情報を格納する。例えば、ステーション情報格納部344は、バッテリステーションごとに、当該バッテリステーションが保持している1以上のバッテリ20のそれぞれの識別情報を格納する。
本実施形態において、ユーザ情報格納部346は、ユーザ30に関する各種の情報を格納する。例えば、ユーザ情報格納部346は、ユーザごとに、当該ユーザの属性を示す情報を格納する。より具体的には、ユーザ情報格納部346は、ユーザごとに、当該ユーザの過去の利用によるバッテリ20の劣化の進行具合を示す情報を格納してよい。
上記の各ユーザの過去の利用によるバッテリ20の劣化の進行具合を示す情報は、各ユーザが任意のバッテリ20を利用している期間に進行した劣化の程度を示す情報であればよく、その詳細は特に限定されない。各ユーザの過去の利用によるバッテリ20の劣化の進行具合を示す情報は、当該ユーザによるバッテリ20の利用の前後におけるバッテリ20の劣化に関する指標の差を示す情報であってよい。
状態監視部310は、電力量取得部及び劣化量取得部の一例であってよい。バッテリの劣化状態を示す任意の指標の値は、バッテリの劣化状態を示す情報の一例であってよい。
図4に示されるとおり、本実施形態において、バッテリステーション140は、1以上の充電ユニット420と、制御部440とを備える。本実施形態において、1以上の充電ユニット420のそれぞれは、バッテリ収容室422と、計測機器424と、充電回路426とを有する。本実施形態において、制御部440は、通信制御部442と、充放電制御部444と、貸出管理部446と、格納部448とを有する。
本実施形態において、充電ユニット420は、バッテリ20を充電する。単一の充電ユニット420が単一のバッテリ20を充電してもよく、単一の充電ユニット420が複数ののバッテリ20を充電してもよい。
本実施形態において、バッテリ収容室422は、バッテリ20を収容する。本実施形態において、計測機器424は、バッテリ収容室422に収容されているバッテリ20に関する各種の物理量を計測する。計測機器424は、計測結果を示す情報を制御部440に送信してよい。例えば、計測機器424は、上記のバッテリ20の電圧を計測する。計測機器424は、上記のバッテリ20の充電電流及び放電電流の少なくとも一方を計測してもよい。本実施形態において、充電回路426は、バッテリ20に電力を供給して、バッテリ20を充電する。充電回路426は、制御部440の指示に従って、バッテリ20を充電してよい。
本実施形態において、制御部440は、バッテリステーション140の動作を制御する。制御部440は、管理サーバ120から取得した情報を用いて、バッテリステーション140の動作を制御してよい。制御部440は、管理サーバ120からの指示に基づいて、バッテリステーション140の動作を制御してもよい。制御部440は、バッテリステーション140における各種の情報処理方法を実行してよい。
制御部440は、バッテリステーション140によるバッテリ20の貸出動作を制御してよい。制御部440は、貸出対象となるバッテリ20を決定してよい。制御部440は、バッテリステーション140によるバッテリ20の充電動作を制御してよい。制御部440は、充電対象となるバッテリ20を決定してよい。
本実施形態において、通信制御部442は、バッテリステーション140と、外部の機器との通信を制御する。外部の機器としては、バッテリ20、通信端末32及び管理サーバ120の少なくとも1つが例示される。通信制御部442は、通信インターフェースであってもよい。通信制御部442は、1以上の種類の通信方式に対応してよい。
本実施形態において、充放電制御部444は、1以上の充電ユニット420のそれぞれによるバッテリ20の充放電を制御する。例えば、充放電制御部444は、充電回路426を制御することで、バッテリ20の充電を制御する。充放電制御部444は、放電回路(図示されていない。)を制御することで、バッテリ20の放電を制御してもよい。充放電制御部444は、例えば、1以上のバッテリ20のそれぞれの充電又は放電を開始するタイミング、当該充電又は放電を終了するタイミング、充電速度又は放電速度などを制御する。充放電制御部444は、貸出管理部446からの指示に従って、1以上の充電ユニット420の少なくとも一部の充電動作を制御してよい。
本実施形態において、貸出管理部446は、バッテリステーション140における、バッテリ20の貸し出しを管理する。例えば、貸出管理部446は、管理サーバ120から、バッテリステーション140に保持されている1以上のバッテリ20の予約に関する情報(予約情報と称される場合がある。)を取得する。予約情報は、例えば、バッテリ20を予約したユーザ30の識別情報と、ユーザ30が貸し出しを希望する時刻と、ユーザ30が貸し出しを希望するバッテリ20の個数と、上記のバッテリ20の充電状態についてユーザ30が希望する条件とが対応づけられている。貸出管理部446は、予約情報に従ってバッテリ20が貸し出されるように、バッテリ20の充電を管理してよい。
より具体的には、貸出管理部446は、バッテリステーション140が保持する1以上のバッテリ20のそれぞれについて、充放電のスケジュールを作成してよい。例えば、貸出管理部446は、上記の1以上のバッテリ20のうち、どのバッテリ20を充電するかを決定する。貸出管理部446は、上記の1以上のバッテリ20に関し、どのバッテリ20を、いつまでに、どの程度まで充電するかを決定してもよい。貸出管理部446は、充放電のスケジュールに従って、充放電制御部444の動作を制御してよい。
貸出管理部446は、バッテリステーション140に格納されている1以上のバッテリ20の状態を管理してもよい。例えば、貸出管理部446は、上記のバッテリ20の運用状態、充電状態、保管状態及び劣化状態の少なくとも1つを管理する。貸出管理部446は、計測機器424の計測結果に基づいて、1以上のバッテリ20の状態を管理してよい。貸出管理部446は、バッテリ20の異常又は不良を検出してもよい。貸出管理部446の詳細は後述される。
本実施形態において、格納部448は、バッテリステーション140の制御に用いられる各種の情報を格納する。例えば、格納部448は、時刻を示す情報と、当該時刻における計測機器424の計測結果を示す情報とを対応づけて格納する。格納部448は、通信制御部442が管理サーバ120から受信した各種の情報を格納してもよい。格納部448は、通信制御部442が通信端末32から受信した各種の情報を格納してもよい。
充電ユニット420は、充電部、電力量取得部及び劣化量取得部の一例であってよい。充電回路426は、充電部の一例であってよい。計測機器424は、電力量取得部及び劣化量取得部の一例であってよい。制御部440は、制御装置、電力量取得部及び劣化量取得部の一例であってよい。貸出管理部446は、制御装置、電力量取得部及び劣化量取得部の一例であってよい。
図5に示されるとおり、本実施形態において、貸出管理部446は、状態監視部522と、優先順位決定部524と、充電対象決定部526とを備える。なお、他の実施形態において、貸出管理部446の少なくとも一部は、管理サーバ120に配されてもよい。例えば、優先順位決定部524、及び、充電対象決定部526の少なくとも一方が、管理サーバ120に配されてよい。
本実施形態において、状態監視部522は、バッテリステーション140に保持されている1以上のバッテリ20のそれぞれの状態を監視する。例えば、状態監視部522は、上記の1以上のバッテリ20のそれぞれに関する各種の情報を取得する。状態監視部522は、上記の1以上のバッテリ20のそれぞれに関する運用状態、充電状態、保管状態及び劣化状態の少なくとも1つに関する情報を取得してよい。状態監視部522は、これらの情報を、管理サーバ120に送信してもよい。
一実施形態において、状態監視部522は、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれが蓄積している電力量を示す情報を取得する。例えば、状態監視部522は、1以上の充電ユニット420に配された計測機器424のそれぞれから、計測対象となるバッテリ20の充電状態を示す情報を取得する。充電状態を示す情報は、SOCを示す情報、又は、SOCを算出するための情報であってよい。SOCを算出するための情報としては、電圧を示す情報、充電電流の累積値を示す情報などを例示することができる。
他の実施形態において、状態監視部522は、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれの容量劣化係数を示す情報を取得する。例えば、状態監視部522は、SOCの値と、当該SOCに対応する容量劣化係数の値とが対応付けられたデータテーブル又は関数を参照して、各バッテリのSOCの値に対応する容量劣化係数の値を決定する。
本実施形態において、優先順位決定部524は、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20のそれぞれについて、当該バッテリが貸出対象又は充電対象となる優先順位を決定する。優先順位決定部524は、上記の優先順位を示す情報を、充電対象決定部526に送信してよい。
バッテリ20が貸出対象となる優先順位は、バッテリ20の貸し出しの可否であってもよく、バッテリ20の貸し出しに関する優先具合であってもよい。バッテリ20が充電対象となる優先順位は、バッテリ20の充電の可否であってもよく、バッテリ20の充電に関する優先具合であってもよい。上記の優先具合は、連続的な数値により示されてもよく、段階的な区分により示されてもよい。バッテリ20が貸出対象となる優先順位と、バッテリ20が充電対象となる優先順位とは同一であってもよい。
本実施形態において、優先順位決定部524は、状態監視部522から、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれの容量劣化係数を示す情報を取得する。優先順位決定部524は、状態監視部522から、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれのSOCを示す情報を取得してもよい。
本実施形態において、優先順位決定部524は、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20のうち、容量劣化係数の大きなバッテリ20が、容量劣化係数の小さなバッテリ20よりも優先的に貸出対象又は充電対象となるように、各バッテリの優先順位を決定する。例えば、優先順位決定部524は、バッテリ20の容量劣化係数が大きいほど優先順位が上位になるように、複数のバッテリ20のそれぞれの優先順位を決定する。
上記のとおり優先順位が決定されることで、バッテリステーション140が、容量劣化係数の大きなバッテリ20に蓄積される電力量の増加量が、容量劣化係数の小さなバッテリ20に蓄積される電力量の増加量よりも大きくなるように、複数のバッテリ20を充電することが決定され得る。また、容量劣化係数の大きなバッテリ20に蓄積される電力量の増加量が、容量劣化係数の小さなバッテリ20に蓄積される電力量の増加量よりも大きくなるように、バッテリステーション140の充電動作が制御され得る。
なお、優先順位決定部524は、SOCの値が予め定められた数値範囲の範囲外であるバッテリ20の優先順位が、SOCの値が予め定められた数値範囲の範囲内であるバッテリ20の優先順位よりも上位になるように、複数のバッテリ20のそれぞれの優先順位を決定してもよい。上記の数値範囲は、図2において説明された中間領域に対応する数値範囲であってよい。
SOCの値が予め定められた数値範囲の範囲外であるバッテリ20の個数が2以上である場合、優先順位決定部524は、これらのバッテリ20の間の優先順位を決定してもよく、これらのバッテリ20の優先順位を同一としてよい。SOCの値が予め定められた数値範囲の範囲内であるバッテリ20の個数が2以上である場合、優先順位決定部524は、これらのバッテリ20の優先順位を同一としてもよく、これらのバッテリ20の間の優先順位を決定してもよい。
例えば、SOCの値が予め定められた数値範囲の範囲外であるバッテリ20の個数が2以上である場合、優先順位決定部524は、これらのバッテリ20の間の優先順位を決定する。一方、SOCの値が予め定められた数値範囲の範囲内であるバッテリ20の個数が2以上である場合、優先順位決定部524は、これらのバッテリ20の優先順位を同一とする。これにより、優先順位決定部524は、バッテリ20の劣化抑制効果に大きな影響を与えることなく、計算量を削減することができる。
本実施形態において、充電対象決定部526は、1以上の充電ユニット420のバッテリ収容室422に収容されている1以上のバッテリ20のうち、特定の期間に充電されるバッテリ20(充電対象と称される場合がある。)を決定する。例えば、各バッテリステーションの充電対象決定部526は、管理サーバ120のバッテリ管理部320から、当該バッテリステーションに関する充電スケジュールを取得する。また、各バッテリステーションの充電対象決定部526は、各バッテリステーションの状態監視部522から、各バッテリステーションが保持している1以上のバッテリ20のそれぞれの充電状態を示す情報を取得する。充電対象決定部526は、上記の充電スケジュールと、上記のバッテリ20の充電状態とに基づいて、特定の期間に充電されるバッテリ20を決定する。
このとき、充電対象決定部526は、優先順位決定部524が決定した優先順位を考慮して、充電対象となるバッテリ20を決定してよい。充電対象決定部526は、優先順位が上位のバッテリ20を、優先的に充電対象として選定してよい。充電対象決定部526は、優先順位が上位のバッテリ20を充電し、優先順位が下位のバッテリ20を充電しないことを決定してもよい。
上述されたとおり、優先順位決定部524は、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20のうち、容量劣化係数の大きなバッテリ20が、容量劣化係数の小さなバッテリ20よりも優先的に貸出対象又は充電対象となるように、各バッテリの優先順位を決定する。そのため、充電対象決定部526が、優先順位決定部524が決定した優先順位を考慮して、充電対象となるバッテリ20を決定することで、バッテリステーション140に保持される2個のバッテリ20のうち、容量劣化係数の大きなバッテリ20に蓄積される電力量の増加量が、他方のバッテリ20に蓄積される電力量の増加量よりも大きくなるように、上記の2個のバッテリ20の少なくとも一方を充電することが決定される。なお、充電対象決定部526は、上記の2個のバッテリ20のうち、容量劣化係数の大きなバッテリ20を充電し、他方のバッテリ20を充電しないことを決定してもよい。
より具体的には、充電対象決定部526は、下記の手順に従って、充電対象となるバッテリ20を決定する。まず、充電対象決定部526は、充電スケジュールに基づいて、バッテリステーション140が特定の時刻までに充電を完了すべきバッテリ20の個数Nsを決定する。また、充電対象決定部526は、バッテリステーション140が保持する1以上のバッテリ20のそれぞれの充電状態に基づいて、既に充電が完了しているバッテリ20の個数Ncを決定する。なお、バッテリ20の充電が完了しているか否かは、例えば、バッテリ20の充電率が特定の値よりも大きいか否かにより判定されてよい。
次に、充電対象決定部526は、Ns及びNcに基づいて、バッテリステーション140が上記の特定の時刻までの期間に充電すべきバッテリ20の有無を判定する。バッテリステーション140が上記の特定の時刻までの期間に充電すべきバッテリ20があると判定された場合、充電対象決定部526は、Ns及びNcの差を算出することで、バッテリステーション140が上記の特定の時刻までの期間に充電すべきバッテリ20の個数を決定する。これにより、充電対象となるバッテリ20の個数Ntが決定される。
次に、充電対象決定部526は、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20のうち、充電が完了していないバッテリ20の中から、充電対象となるバッテリ20を選定する。例えば、充電対象決定部526は、充電が完了していないバッテリ20の中から、容量劣化係数の大きなバッテリ20から順に、上記の個数Ntに合致する個数のバッテリ20を抽出する。充電対象決定部526は、抽出されたバッテリ20を充電対象として選定する。
その後、充電対象決定部526は、充電対象として選定されたバッテリ20の識別情報を、充放電制御部444に送信する。充電対象決定部526は、充電対象として選定されたバッテリ20の充電を開始するための信号を、充放電制御部444に送信してもよい。これにより、充電対象として選定されたバッテリ20の充電が開始される。一方、充電対象として選定されなかったバッテリ20の充電は開始されない。その結果、充電対象として選定されたバッテリ20に蓄積される電力量の増加量が、充電対象として選定されなかったバッテリ20に蓄積される電力量の増加量よりも大きくなるように、バッテリステーション140に保持される複数のバッテリ20が充電される。
上述されたように、本実施形態によれば、充電対象として選定されたバッテリ20の容量劣化係数は、充電対象として選定されなかったバッテリ20の容量劣化係数よりも大きい。そのため、充電が完了した時点において、バッテリステーション140には、例えば満充電状態のバッテリ20と、容量劣化係数が比較的小さな状態のバッテリ20とが存在することになる。これにより、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20の容量劣化係数の合計が、比較的小さくなる。また、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20のSOCの合計が、比較的小さくなる。その結果、バッテリステーション140が保持する複数のバッテリ20の全体としては、劣化が抑制される。
状態監視部522は、電力量取得部及び劣化量取得部の一例であってよい。優先順位決定部524は、制御装置及び制御部の一例であってよい。充電対象決定部526は、制御装置及び制御部の一例であってよい。複数のバッテリ20は、第1蓄電装置及び第2蓄電装置の一例であってよい。バッテリ20の充電状態を示す情報は、バッテリ20が蓄積している電力量を示す情報の一例であってよい。充電スケジュールは、充電対象となる蓄電装置の個数を示す情報の一例であってよい。充電対象決定部526により、充電対象として選定されたバッテリ20は、第1蓄電装置の一例であってよい。充電対象決定部526により、充電対象として選定されなかったバッテリ20は、第2蓄電装置の一例であってよい。
本実施形態においては、状態監視部522が、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれが蓄積している電力量を示す情報を取得し、当該情報に基づいて、各バッテリの容量劣化係数を決定する場合を例として、貸出管理部446の詳細が説明された。しかしながら、貸出管理部446は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、優先順位決定部524が、バッテリステーション140が保持する1又は複数のバッテリ20のそれぞれが蓄積している電力量を示す情報を取得し、当該情報に基づいて、各バッテリの容量劣化係数を決定してもよい。
次に、図6、図7及び図8を用いて、バッテリ管理システム100による管理方法の一例が説明される。図6は、バッテリ管理システム100による管理方法のフローチャートの一例を概略的に示す。図7及び図8は、バッテリステーション140に格納されているバッテリ720及びバッテリ740ののSOCの変動の一例を概略的に示す。図7は、バッテリ720が充電された場合における、バッテリ720及びバッテリ740のSOCの変動の一例を示す。図8は、バッテリ740が充電された場合における、バッテリ720及びバッテリ740のSOCの変動の一例を示す。
図6に示されるとおり、本実施形態によれば、例えば、まず、ステップ622(ステップがSと省略される場合がある。)において、管理サーバ120のバッテリ管理部320が、特定の期間におけるバッテリ20の需要を予測する。バッテリ管理部320は、バッテリステーション140ごとにバッテリ20の需要を予測してよい。バッテリ管理部320は、例えば、過去の需要実績と、現在の予約状況とを考慮して、バッテリステーション140ごとのバッテリ20の需要を予測する。
次に、S624において、バッテリ管理部320は、S622で得られた需要予測に基づいて、バッテリステーション140ごとに充電スケジュールを作成する。バッテリ管理部320は、各バッテリステーションに、当該バッテリステーションにおける充電スケジュールを示す情報を送信する。
次に、S626において、各バッテリステーションの貸出管理部446が、当該バッテリステーションにおいて充電対象となるバッテリ20を決定する。このとき、貸出管理部446は、例えば、充電が完了していないバッテリ20のうち、容量劣化係数の大きなバッテリ20を優先的に充電対象として選定する。貸出管理部446は、充電が完了していないバッテリ20のうち、SOCの大きなバッテリ20を優先的に充電対象として選定してもよい。
その後、各バッテリステーションの貸出管理部446は、当該バッテリステーションの充放電制御部444に、充電対象として選定されたバッテリ20の識別情報を送信する。各バッテリステーションの充放電制御部444は、当該バッテリステーションの充電回路426を制御して、充電対象となるバッテリ20を充電する。
図7及び図8を用いて、貸出管理部446が充電対象となるバッテリ20を決定する場合における、劣化抑制効果の一例が説明される。図7及び図8においては、充電が完了していないバッテリ720及びバッテリ740のうち何れか一方が、充電対象として選定される。なお、図7及び図8において、時刻t1は充電開始時刻を表し、時刻t2は充電終了時刻を表す。
図7及び図8に示されるとおり、時刻t1において、バッテリ720のSOCは20%であり、バッテリ740のSOCは80%である。図2に関連して説明されたとおり、SOCが20%である場合の容量劣化係数はk1であり、SOCが80%である場合の容量劣化係数はk2であり、k2はk1より大きい。なお、満充電時の容量劣化係数をkf(ただし、kfはk2より大きい。)とする。
図7に示されるとおり、バッテリ720が充電対象として選定された場合、バッテリ720及びバッテリ740の容量劣化係数の合計は、kf+k2となる。また、この場合におけるバッテリ720及びバッテリ740のSOCの合計は、180%となる。
一方、図8に示されるとおり、バッテリ740が充電対象として選定された場合、バッテリ720及びバッテリ740の容量劣化係数の合計は、k1+kfとなる。また、この場合におけるバッテリ720及びバッテリ740のSOCの合計は、120%となる。
上述されたとおり、k2はk1より大きいことから、バッテリ740が充電対象として選定された場合、バッテリ720が充電対象として選定された場合と比較して、バッテリ720及びバッテリ740の容量劣化係数の合計が小さくなる。つまり、バッテリ720及びバッテリ740の全体としては、劣化が抑制される。
バッテリ720は、第1蓄電装置及び第2蓄電装置の一方の一例であってよい。バッテリ740は、第1蓄電装置及び第2蓄電装置の他方の一例であってよい。
図9は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ3000の一例を示す。例えば、管理サーバ120は、コンピュータ3000により実現される。
コンピュータ3000にインストールされたプログラムは、コンピュータ3000に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ3000に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ3000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU3012によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ3000は、CPU3012、RAM3014、GPU3016、及びディスプレイデバイス3018を含み、それらはホストコントローラ3010によって相互に接続されている。コンピュータ3000はまた、通信インタフェース3022、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ3020を介してホストコントローラ3010に接続されている。コンピュータはまた、ROM3030及びキーボード3042のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ3040を介して入出力コントローラ3020に接続されている。
CPU3012は、ROM3030及びRAM3014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。GPU3016は、RAM3014内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU3012によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス3018上に表示されるようにする。
通信インタフェース3022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ3024は、コンピュータ3000内のCPU3012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ3026は、プログラム又はデータをDVD-ROM3001から読み取り、ハードディスクドライブ3024にRAM3014を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
ROM3030はその中に、アクティブ化時にコンピュータ3000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ3000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ3040はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ3020に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM3001又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ3024、RAM3014、又はROM3030にインストールされ、CPU3012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ3000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ3000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ3000及び外部デバイス間で実行される場合、CPU3012は、RAM3014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース3022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース3022は、CPU3012の制御の下、RAM3014、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROM3001、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU3012は、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026(DVD-ROM3001)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM3014に読み取られるようにし、RAM3014上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU3012は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU3012は、RAM3014から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM3014に対しライトバックする。また、CPU3012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU3012は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ3000上又はコンピュータ3000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それにより、上記のプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ3000に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。