JP7339567B2 - 庫内空気調節装置、冷凍装置、および輸送用コンテナ - Google Patents

庫内空気調節装置、冷凍装置、および輸送用コンテナ Download PDF

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Description

本開示は、庫内空気調節装置、冷凍装置、および輸送用コンテナに関するものである。
特許文献1には、輸送用コンテナ内の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置が開示されている。この庫内空気調節装置は、輸送用コンテナに収容された青果物等の鮮度を保つために、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節する。
特許文献1の庫内空気調節装置は、いわゆるPSA(Pressure Swing Adsorption)方 式のガス分離装置である。この庫内空気調節装置は、吸着剤が充填された吸着筒を備える。庫内空気調節装置は、庫外空気(大気)を吸着筒へ供給して庫外空気中の窒素を吸着剤に吸着させる吸着動作と、吸着筒の吸着剤から窒素を脱離させる脱離動作とを行う。
庫内空気調節装置は、庫内の酸素濃度を低下させるために、脱離動作によって生成した窒素富化ガスを庫内へ供給する運転を行う。また、庫内に収容された青果物が呼吸することによって、庫内空気の酸素濃度が次第に低下する。そこで、庫内空気調節装置は、庫内空気の酸素濃度を上昇させるため、庫外空気(大気)を庫内へ供給する運転を行う。
特開2017-219287号公報
上述したように、従来の庫内空気調節装置は、庫内空気の酸素濃度を上昇させるため、庫外空気(大気)を庫内へ供給する。そのため、従来の庫内空気調節装置では、“庫内空気の酸素濃度を上昇させるために庫内へ供給するガスの酸素濃度”を大気の酸素濃度(21%)よりも高くすることができず、その結果、“庫内空気の酸素濃度を上昇させて目標酸素濃度に到達させるのに要する時間”を短縮できなかった。
本開示の目的は、庫内空気調節装置において、庫内空気の酸素濃度を上昇させるのに要する時間を短縮することにある。
本開示の第1の態様は、収納庫(2)の内部の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置(100)であって、窒素を吸着する吸着剤を有し、上記収納庫の外部の庫外空気を、上記庫外空気に比べて窒素濃度が高くて酸素濃度が低い第1ガスと、上記庫外空気に比べて窒素濃度が低くて酸素濃度が高い第2ガスとに分離する吸着器(234,235)と、上記第1ガスが流れる第1ガス通路(244)と、上記第2ガスが流れる第2ガス通路(245)とを備え、上記第1ガス通路(244)を通じて上記第1ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入することによって上記庫内空気の酸素濃度を低下させる低下運転と、上記第2ガス通路(245)を通じて上記第2ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入することによって上記庫内空気の酸素濃度を上昇させる上昇運転とを行う。
第1の態様の庫内空気調節装置(100)は、庫内空気の酸素濃度を低下させる低下運転と、庫内空気の酸素濃度を上昇させる上昇運転とを行う。上昇運転では、庫外空気に比べて窒素濃度が低くて酸素濃度が高い第2ガスが、第2ガス通路(245)を通って収納庫(2)の内部へ導入される。そのため、庫内空気の酸素濃度を上昇させるために庫外空気を収納庫(2)の内部へ導入する場合に比べて、庫内空気の酸素濃度の上昇速度が速くなる。その結果、庫内空気の酸素濃度を上昇させるのに要する時間が短縮される。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記第2ガス通路(245)が、上記第2ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入する導入状態と、上記第2ガスを上記収納庫(2)の外部へ排出する排出状態とに切り換え可能である。
第2の態様では、第2ガス通路(245)が導入状態と排出状態とに切り換わる。第2ガス通路(245)が導入状態である場合は、第2ガス通路(245)を流れる第2ガスが収納庫(2)の内部へ導入される。第2ガス通路(245)が排出状態である場合は、第2ガス通路(245)を流れる第2ガスが収納庫(2)の外部へ排出される。
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記第2ガス通路(245)は、上記吸着器(234,235)に接続する幹通路(246)と、上記収納庫(2)の内部に連通する供給通路(248a)と、上記収納庫(2)の外部に連通する排出通路(248b)と、上記導入状態において上記幹通路(246)を上記供給通路(248a)に連通させ、上記排出状態において上記幹通路(246)を上記排出通路(248b)に連通させる切換機構(249)とを備える。
第3の態様では、第2ガス通路(245)が切換機構(249)を備える。導入状態の第2ガス通路(245)では、切換機構(249)が幹通路(246)を供給通路(248a)に連通させ、第2ガスが供給通路(248a)を通って収納庫(2)の内部へ導入される。排出状態の第2ガス通路(245)では、切換機構(249)が幹通路(246)を排出通路(248b)に連通させ、第2ガスが排出通路(248b)を通って収納庫(2)の外部へ排出される。
本開示の第4の態様は、上記第2又は第3の態様において、上記庫内空気の酸素濃度を計測する酸素センサ(161)と、上記酸素センサ(161)の計測値に基づいて、上記第2ガス通路(245)を上記導入状態と上記排出状態とに切り換える制御器(110)とを備える。
第4の態様では、制御器(110)が、酸素センサ(161)の計測値(庫内空気の酸素濃度の実測値)に基づいて、第2ガス通路(245)を導入状態と排出状態とに切り換える。
本開示の第5の態様は、上記第1~第4のいずれか一つの態様において、上記上昇運転では、上記第2ガス通路(245)を通じて上記第2ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入すると共に、上記第1ガス通路(244)を通じて上記第1ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入する。
第5の態様では、庫内空気調節装置(100)の上昇運転において、第1ガスと第2ガスの両方が収納庫(2)の内部へ導入される。
本開示の第6の態様は、上記第5の態様において、上記上昇運転中に上記収納庫(2)の内部へ導入される上記第1ガスの流量を調節する流量調節機構(272)を備える。
第6の態様では、流量調節機構(272)が、上昇運転中に収納庫(2)の内部へ導入される第1ガスの流量を調節する。
本開示の第7の態様は、上記第6の態様において、一端が上記第1ガス通路(244)に接続し、他端が上記収納庫(2)の外部に連通する第1ガス排出通路(271)を備え、上記流量調節機構(272)は、上記第1ガス排出通路(271)に設けられた弁である。
第7の態様では、流量調節機構(272)を構成する弁が開いた状態では、第1ガスの一部が第1ガス排出通路(271)を通って収納庫(2)の外部に排出され、第1ガスの残りが収納庫(2)へ導入される。そのため、流量調節機構(272)を構成する弁によって第1ガス排出通路(271)を流れる第1ガスの流量が変更されると、それに伴って収納庫(2)へ導入される第1ガスの流量が変化する。
本開示の第8の態様は、上記第1~第7のいずれか一つの態様において、上記吸着器は、それぞれが上記吸着剤を有する第1吸着器(234)と第2吸着器(235)とを含み、上記第1吸着器(234)に上記庫外空気を供給して該第1吸着器(234)から上記第2ガスを流出させると共に、上記第2吸着器(235)から上記第1ガスを流出させる第1動作と、上記第2吸着器(235)に上記庫外空気を供給して該第2吸着器(235)から上記第2ガスを流出させると共に、上記第1吸着器(234)から上記第1ガスを流出させる第2動作とを交互に繰り返し行う。
第8の態様では、庫内空気調節装置(100)が第1動作と第2動作を交互に行う。第1動作と第2動作のそれぞれにおいて、庫外空気が第1ガスと第2ガスに分離される。
本開示の第9の態様は、冷凍装置(10)であって、上記第1~第8のいずれか一つの態様の庫内空気調節装置(100)と、冷凍サイクルを行って上記庫内空気の温度を調節する冷媒回路(11)とを備える。
第9の態様の冷凍装置(10)は、庫内空気調節装置(100)の動作による庫内空気の組成の調節と、冷媒回路(11)の動作による庫内空気の温度の調節とを行う。
本開示の第10の態様は、輸送用コンテナ(1)であって、上記第9の態様の冷凍装置(10)と、上記冷凍装置(10)が取り付けられて上記収納庫(2)を構成するコンテナ本体とを備える。
第10の態様の輸送用コンテナ(1)において、冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の内部の空気の組成と温度とを調節する。
図1は、実施形態の輸送用コンテナの断面図である。 図2は、実施形態の輸送用冷凍装置の冷媒回路を示す配管系統図である。 図3は、実施形態の庫内空気調節装置の構成を示す配管系統図である。 図4は、実施形態の庫内空気調節装置が備える制御器の構成を示すブロック図である。 図5は、低下運転中に第1動作を行う庫内空気調節装置を示す図3相当図である。 図6は、低下運転中に第2動作を行う庫内空気調節装置を示す図3相当図である。 図7は、上昇運転中に第1動作を行う庫内空気調節装置を示す図3相当図である。 図8は、上昇運転中に第2動作を行う庫内空気調節装置を示す図3相当図である。 図9は、外気導入運転を行う庫内空気調節装置を示す図3相当図である。 図10は、実施形態の庫内空気調節装置が備える制御器の動作を示すフロー図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本開示は、輸送用コンテナ(1)である。この輸送用コンテナ(1)は、庫内の温度管理か可能なリーファーコンテナ(reefer container)である。この輸送用コンテナ(1)は、空気中の酸素(O)を取り込んで二酸化炭素(CO)を放出する呼吸を行う生鮮物(例えば、果物、野菜、花卉など)を輸送するために用いられる。
図1に示すように、輸送用コンテナ(1)は、コンテナ本体(2)と、輸送用冷凍装置(10)とを備える。輸送用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)に取り付けられる。輸送用コンテナ(1)は、海上輸送に用いられる。輸送用コンテナ(1)は、船舶などの海上輸送体によって搬送される。
-コンテナ本体-
コンテナ本体(2)は、上述した生鮮物を収容する収納庫である。
コンテナ本体(2)は、中空の箱状に形成される。コンテナ本体(2)は、横長に形成される。コンテナ本体(2)の長手方向の一端には、開口が形成される。コンテナ本体(2)の開口は、輸送用冷凍装置(10)によって塞がれる。コンテナ本体(2)の庫内には、貨物(6)を収納するための収納空間(5)が形成される。貨物(6)は、生鮮物を収容した箱である。
収納空間(5)の底部には、貨物(6)を載せるための床板(3)が配置される。この床板(3)とコンテナ本体(2)の底板との間には、輸送用冷凍装置(10)が吹き出した空気を流すための床下流路(4)が形成される。床下流路(4)は、コンテナ本体(2)の底板に沿ってコンテナ本体(2)の長手方向へ延びる流路である。床下流路(4)は、一端が輸送用冷凍装置(10)の吹出口(27)に接続し、他端が床板(3)の上側の空間(即ち、貨物(6)が収容される空間)と連通する。
-輸送用冷凍装置-
輸送用冷凍装置(10)は、ケーシング(20)と、冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)と、庫外ファン(34)と、庫内ファン(35)とを備える。
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、庫外壁部(21)と、庫内壁部(22)と、背面板(24)と、区画板(25)とを備える。後述するように、このケーシング(20)には、冷媒回路(11)と、庫外ファン(34)と、庫内ファン(35)とが設けられる。
庫外壁部(21)は、コンテナ本体(2)の開口端を覆うように配置される板状の部材である。庫外壁部(21)は、下部がコンテナ本体(2)の内側へ膨出している。庫内壁部(22)は、庫外壁部(21)に沿った形態の板状の部材である。庫内壁部(22)は、庫外壁部(21)におけるコンテナ本体(2)の内側の面を覆うように配置される。庫外壁部(21)と庫内壁部(22)の間の空間には、断熱材(23)が充填されている。
ケーシング(20)は、その下部がコンテナ本体(2)の内側へ窪んだ形状となっている。ケーシング(20)の下部は、輸送用コンテナ(1)の外部空間と連通する庫外機器室(28)を形成する。この庫外機器室(28)には、庫外ファン(34)が配置される。
背面板(24)は、概ね矩形の平板状の部材である。背面板(24)は、庫内壁部(22)よりもコンテナ本体(2)の内側に配置され、庫内壁部(22)との間に庫内空気流路(29)を形成する。この庫内空気流路(29)は、その上端がケーシング(20)の吸込口(26)を構成し、その下端がケーシング(20)の吹出口(27)を構成する。
区画板(25)は、庫内空気流路(29)を上下に区画するように配置された板状の部材である。区画板(25)は、庫内空気流路(29)の上部に配置される。この区画板(25)によって、庫内空気流路(29)は、区画板(25)の上側の一次流路(29a)と、区画板(25)の下側の二次流路(29b)に区画される。一次流路(29a)は、吸込口(26)を介して収納空間(5)と連通する。二次流路(29b)は、吹出口(27)を介して床下流路(4)と連通する。区画板(25)には、庫内ファン(35)が取り付けられる。庫内ファン(35)は、一次流路(29a)から吸い込んだ空気を二次流路(29b)へ吹き出すように配置される。
〈冷媒回路〉
図2に示すように、冷媒回路(11)は、圧縮機(12)と、庫外熱交換器(13)と、膨張弁(14)と、庫内熱交換器(15)とを配管で接続することによって形成された閉回路である。圧縮機(12)を作動させると、冷媒回路(11)を冷媒が循環し、蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。図1に示すように、庫外熱交換器(13)は、庫外機器室(28)における庫外ファン(34)の吸込側に配置され、庫内熱交換器(15)は、庫内空気流路(29)の二次流路(29b)に配置される。また、図1では図示を省略するが、圧縮機(12)は、庫外機器室(28)に配置される。
-輸送用冷凍装置の運転動作-
輸送用冷凍装置(10)は、輸送用コンテナ(1)の庫内空気を冷却する冷却運転を行う。
冷却運転では、冷媒回路(11)の圧縮機(12)が作動し、冷媒回路(11)において冷媒が循環することによって蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(11)では、圧縮機(12)から吐出された冷媒が、庫外熱交換器(13)と膨張弁(14)と庫内熱交換器(15)とを順に通過し、その後に圧縮機(12)へ吸入されて圧縮される。
また、冷却運転では、庫外ファン(34)と庫内ファン(35)とが作動する。庫外ファン(34)が作動すると、輸送用コンテナ(1)の外部の庫外空気が庫外機器室(28)へ吸い込まれて庫外熱交換器(13)を通過する。庫外熱交換器(13)では、冷媒が庫外空気へ放熱して凝縮する。庫内ファン(35)が作動すると、輸送用コンテナ(1)の収納空間(5)内の庫内空気が庫内空気流路(29)へ吸い込まれて庫内熱交換器(15)を通過する。庫内熱交換器(15)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。
庫内空気の流れについて説明する。収納空間(5)に存在する庫内空気は、吸込口(26)を通って庫内空気流路(29)の一次流路(29a)へ流入し、庫内ファン(35)によって二次流路(29b)へ吹き出される。二次流路(29b)へ流入した庫内空気は、庫内熱交換器(15)を通過する際に冷却され、その後に吹出口(27)から床下流路(4)へ吹き出され、床下流路(4)を通って収納空間(5)へ流入する。
庫内空気流路(29)において、一次流路(29a)は庫内ファン(35)の吸い込み側に位置し、二次流路(29b)は庫内ファン(35)の吹き出し側に位置する。このため、庫内ファン(35)の作動中は、二次流路(29b)の気圧が一次流路(29a)の気圧よりも若干高くなる。
-庫内空気調節装置-
本実施形態の輸送用冷凍装置(10)は、庫内空気調節装置(100)を備える。
庫内空気調節装置(100)は、いわゆるCA(Controlled Atmosphere)輸送を行うために輸送用冷凍装置(10)に設けられる。庫内空気調節装置(100)は、輸送用コンテナ(1)の収納空間(5)の空気の組成を、大気の組成と異なるように調節する。
図3に示すように、庫内空気調節装置(100)は、フィルタユニット(220)と、本体ユニット(200)と、ガス供給管(275)と、ガス排出管(276)と、センサユニット(160)と、換気用排気管(150)と、制御器(110)とを備える。庫内空気調節装置(100)は、いわゆるPSA(Pressure Swing Adsorption)方式のガス分離装置である。庫内空気調節装置(100)は、被処理空気である庫外空気(大気)を、大気よりも窒素濃度が高くて酸素濃度が低い窒素富化ガスと、大気よりも窒素濃度が低くて酸素濃度が高い酸素富化ガスに分離する。窒素富化ガスは第1ガスであり、酸素富化ガスは第2ガスである。
〈フィルタユニット、外気管〉
フィルタユニット(220)は、箱状に形成された部材である。フィルタユニット(220)は、輸送用冷凍装置(10)の庫外機器室(28)に設置される。フィルタユニット(220)は、エアフィルタ(221)を備える。エアフィルタ(221)は、庫外空気に含まれる塵埃や塩分などを捕捉するためのフィルタである。本実施形態のエアフィルタ(221)は、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタである。
フィルタユニット(220)は、外気管(241)を介して本体ユニット(200)に接続される。外気管(241)の一端は、フィルタユニット(220)に接続される。外気管(241)の他端は、後述するエアポンプ(231)に接続される。外気管(241)は、エアフィルタ(221)を通過した庫外空気(大気)を、被処理空気としてエアポンプ(231)に導く。
〈本体ユニット〉
本体ユニット(200)は、輸送用冷凍装置(10)の庫外機器室(28)に設置される。本体ユニット(200)は、エアポンプ(231)と、第1吸着筒(234)と、第2吸着筒(235)と、第1切換弁(232)と、第2切換弁(233)と、これらを収容するユニットケース(201)とを備える。ユニットケース(201)には、導入管(242)と、吸引管(243)と、第1ガス管(244)と、第2ガス管(245)とが収容される。
〈エアポンプ〉
エアポンプ(231)は、加圧側ポンプ(231a)と、減圧側ポンプ(231b)、駆動モータ(231c)とを備える。加圧側ポンプ(231a)及び減圧側ポンプ(231b)は、それぞれが空気を吸引して吐出する。加圧側ポンプ(231a)及び減圧側ポンプ(231b)は、一つの駆動モータ(231c)の駆動軸に接続される。エアポンプ(231)では、加圧側ポンプ(231a)と減圧側ポンプ(231b)の両方が、一つの駆動モータ(231c)によって駆動される。
加圧側ポンプ(231a)の吸入口には、外気管(241)の他端が接続される。加圧側ポンプ(231a)の吐出口には、導入管(242)の一端が接続される。加圧側ポンプ(231a)は、外気管(241)から吸い込んだ被処理空気を、導入管(242)を通じて第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)へ供給する。
減圧側ポンプ(231b)の吸入口には、吸引管(243)が接続される。減圧側ポンプ(231b)の吐出口には、第1ガス管(244)が接続される。減圧側ポンプ(231b)は、吸引管(243)を通じて第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)から吸い込んだガスを、第1ガス管(244)に吐出する。
〈導入管〉
導入管(242)は、加圧側ポンプ(231a)が吐出した被処理空気を第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)へ導く配管である。導入管(242)の一端は、加圧側ポンプ(231a)の吐出口に接続する。導入管(242)は、他端側で二つの分岐管に分岐しており、一方の分岐管が第1切換弁(232)に、他方の分岐管が第2切換弁(233)に、それぞれ接続される。
〈吸引管〉
吸引管(243)は、第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)から流出したガスを減圧側ポンプ(231b)へ導く配管である。吸引管(243)の一端は、減圧側ポンプ(231b)の吸込口に接続する。吸引管(243)は、他端側で二つの分岐管に分岐しており、一方の分岐管が第1切換弁(232)に、他方の分岐管が第2切換弁(233)に、それぞれ接続される。
〈第1ガス管〉
第1ガス管(244)は、減圧側ポンプ(231b)から吐出された窒素富化ガスが流れる配管である。第1ガス管(244)は、窒素富化ガスが流れる第1ガス通路を構成する。第1ガス管(244)の一端は、減圧側ポンプ(231b)の吐出口に接続する。第1ガス管(244)の他端は、ガス供給管(275)に接続する。
第1ガス管(244)には、逆止弁(264)が設けられる。この逆止弁(264)は、第1ガス管(244)の一端から他端へ向かう向きのガスの流通のみを許容し、逆向きのガスの流通を遮断する。
〈切換弁〉
第1切換弁(232)及び第2切換弁(233)のそれぞれは、三つのポートを有する切換弁である。第1切換弁(232)及び第2切換弁(233)のそれぞれは、第1のポートが第2のポートと連通して第3のポートから遮断される第1状態(図3に実線で示す状態)と、第1のポートが第3のポートと連通して第2のポートから遮断される第2状態(図3に破線で示す状態)とに切り換わるように構成される。
第1切換弁(232)は、第1のポートが第1吸着筒(234)の一端に接続される。また、第1切換弁(232)は、第2のポートに導入管(242)の分岐管が接続され、第3のポートに吸引管(243)の分岐管が接続される。第1切換弁(232)は、第1吸着筒(234)を、加圧側ポンプ(231a)に接続する状態と、減圧側ポンプ(231b)に接続する状態とに切り換える。
第2切換弁(233)は、第1のポートが第2吸着筒(235)の一端に接続される。また、第2切換弁(233)は、第2のポートに導入管(242)の分岐管が接続され、第3のポートに吸引管(243)の分岐管が接続される。第2切換弁(233)は、第2吸着筒(235)を、加圧側ポンプ(231a)に接続する状態と、減圧側ポンプ(231b)に接続する状態とに切り換える。
〈吸着筒〉
第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)のそれぞれは、両端が閉塞された円筒状の容器と、その容器に充填された吸着剤とを備える部材である。吸着筒(234,235)は、吸着剤を利用して、被処理空気(本実施形態では、庫外空気)を酸素富化ガスと窒素富化ガスに分離する。
吸着筒(234,235)に充填された吸着剤は、圧力が大気圧よりも高い加圧状態において被処理空気中の窒素と水(水蒸気)を吸着し、圧力が大気圧よりも低い減圧状態において窒素と水を脱着させる性質を有する。このような性質を有する吸着剤の一例としては、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトが挙げられる。
〈第2ガス管〉
第2ガス管(245)は、幹管(246)と、第1枝管(247a)と、第2枝管(247b)と、供給側枝管(248a)と、排出側枝管(248b)とを備える。また、第2ガス管(245)には、酸素切換弁(249)が設けられる。第2ガス管(245)は、酸素富化ガスが流れる第2ガス通路を構成する。
第1枝管(247a)は、第1吸着筒(234)の他端を幹管(246)の一端に接続する配管である。第2枝管(247b)は、第2吸着筒(235)の他端を幹管(246)の一端に接続する配管である。第1枝管(247a)と第2枝管(247b)のそれぞれには、逆止弁(261)が一つずつ設けられる。各逆止弁(261)は、対応する吸着筒(234,235)から流出する向きの空気の流れを許容し、逆向きの空気の流れを遮断する。
上述したように、幹管(246)の一端には、第1枝管(247a)と第2枝管(247b)とが接続する。幹管(246)の他端は、酸素切換弁(249)に接続する。幹管(246)には、その一端から他端へ向かって順に、オリフィス(263)と逆止弁(262)とが設けられる。この逆止弁(262)は、幹管(246)の一端から他端へ向かう空気の流れを許容し、逆向きの空気の流れを遮断する。
供給側枝管(248a)は、一端が酸素切換弁(249)に接続し、他端がガス供給管(275)の一端に接続する。供給側枝管(248a)は、酸素富化ガスをコンテナ本体(2)の内部へ導入するための供給通路を構成する。排出側枝管(248b)は、一端が酸素切換弁(249)に接続し、他端がガス排出管(276)の一端に接続する。排出側枝管(248b)は、酸素富化ガスをコンテナ本体(2)の外部へ排出するための排出通路を構成する。
酸素切換弁(249)は、三方弁である。上述したように、酸素切換弁(249)には、幹管(246)と、供給側枝管(248a)と、排出側枝管(248b)とが接続される。酸素切換弁(249)は、幹管(246)を供給側枝管(248a)に連通させて排出側枝管(248b)から遮断する第1状態と、幹管(246)を排出側枝管(248b)に連通させて供給側枝管(248a)から遮断する第2状態とに切り換わる。
酸素切換弁(249)は、第2ガス管(245)を導入状態と排出状態とに切り換える切換機構である。酸素切換弁(249)が第1状態になると、第2ガス管(245)が導入状態になり、酸素富化ガスが供給側枝管(248a)を通ってコンテナ本体(2)の内部へ導入される。酸素切換弁(249)が第2状態になると、第2ガス管(245)が排出状態になり、酸素富化ガスが排出側枝管(248b)を通ってコンテナ本体(2)の外部へ排出される。
〈パージ管〉
第2ガス管(245)の第1枝管(247a)と第2枝管(247b)のそれぞれには、パージ管(250)が接続される。パージ管(250)は、一端が第1枝管(247a)に接続し、他端が第2枝管(247b)に接続する。パージ管(250)の一端は、第1枝管(247a)における第1吸着筒(234)と逆止弁(261)の間に接続する。パージ管(250)の他端は、第2枝管(247b)における第2吸着筒(235)と逆止弁(261)の間に接続する。
パージ管(250)には、パージ弁(251)が設けられる。パージ弁(251)は、電磁弁からなる開閉弁である。パージ弁(251)は、第1吸着筒(234)と第2吸着筒(235)を均圧する際に開かれる。また、パージ管(250)におけるパージ弁(251)の両側には、オリフィス(252)が一つずつ設けられる。
〈排気用接続管〉
第1ガス管(244)には、排気用接続管(271)が接続される。排気用接続管(271)は、一端が第1ガス管(244)に接続し、他端が第2ガス管(245)に接続する。排気用接続管(271)の一端は、第1ガス管(244)における減圧側ポンプ(231b)と逆止弁(264)の間に接続する。排気用接続管(271)の他端は、ガス排出管(276)の一端に接続する。
排気用接続管(271)には、ガス排出弁(272)が設けられる。ガス排出弁(272)は、電磁弁からなる開閉弁である。ガス排出弁(272)を開くと、第1ガス管(244)を流れる窒素富化ガスがコンテナ本体(2)の外部へ排出される。ガス排出弁(272)は、排気用接続管(271)を流れる窒素富化ガスの流量を調節する流量調節機構である。ガス排出弁(272)が開いている時間と閉じている時間とを調節すると、排気用接続管(271)を通ってコンテナ本体(2)の外部へ排出される窒素富化ガスの流量が変化する。
〈ガス供給管〉
上述したように、ガス供給管(275)の一端には、第1ガス管(244)と、第2ガス管(245)の供給側枝管(248a)とが接続する。ガス供給管(275)は、ユニットケース(201)の外部へ延びる。ガス供給管(275)の他端は、輸送用冷凍装置(10)の庫内空気流路(29)における庫内ファン(35)の下流側に開口する。ガス供給管(275)は、その一端から流入したガスをコンテナ本体(2)の内部へ導入するための配管である。
ガス供給管(275)には、ガス供給弁(273)が設けられる。ガス供給弁(273)は、電磁弁からなる開閉弁である。
〈ガス排出管〉
上述したように、ガス排出管(276)の一端には、第2ガス管(245)の排出側枝管(248b)と、排気用接続管(271)とが接続する。ガス排出管(276)は、ユニットケース(201)の外部へ延びる。ガス排出管(276)の他端は、輸送用コンテナ(1)の庫外機器室(28)に開口する。ガス排出管(276)は、その一端から流入したガスをコンテナ本体(2)の外部へ排出するための配管である。
〈測定用配管〉
第1ガス管(244)には、測定用配管(281)が接続される。測定用配管(281)は、第1ガス管(244)をセンサユニット(160)に接続する配管である。測定用配管(281)の一端は、第1ガス管(244)における逆止弁(264)の下流側に接続する。測定用配管(281)の他端は、センサユニット(160)に接続する。
測定用配管(281)には、測定用開閉弁(282)が設けられる。測定用開閉弁(282)は、電磁弁からなる開閉弁である。測定用開閉弁(282)は、第1ガス管(244)を流れる空気をセンサユニット(160)へ送る際に開かれる。
〈バイパス管〉
導入管(242)には、バイパス接続管(255)が接続される。バイパス接続管(255)は、第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)をバイパスさせて庫外空気を輸送用コンテナ(1)の収納空間(5)へ供給するための配管である。バイパス接続管(255)の一端は、導入管(242)の分岐箇所と加圧側ポンプ(231a)の間に接続する。バイパス接続管(255)の他端は、第1ガス管(244)における逆止弁(264)の下流側に接続する。
バイパス接続管(255)には、バイパス開閉弁(256)が設けられる。バイパス開閉弁(256)は、電磁弁からなる開閉弁である。このバイパス開閉弁(256)は、加圧側ポンプ(231a)が吐出した庫外空気を、その組成を変更せずに収納空間(5)へ供給する際に開かれる。
〈センサユニット〉
センサユニット(160)は、酸素センサ(161)と、二酸化炭素センサ(162)と、センサケース(163)とを備える。
酸素センサ(161)は、例えば、空気等の混合気体の酸素濃度を計測するジルコニア電流方式のセンサである。二酸化炭素センサ(162)は、例えば、空気等の混合気体の二酸化炭素濃度を計測する非分散型赤外線吸収(NDIR:non dispersive infrared)方式のセンサである。酸素センサ(161)及び二酸化炭素センサ(162)は、センサケース(163)に収容される。
センサケース(163)は、箱状の部材である。センサケース(163)は、エアフィルタ(164)を備える。エアフィルタ(164)は、庫内空気に含まれる塵埃などを捕捉するためのメンブレンフィルタである。エアフィルタ(164)は、センサケース(163)へ流入する庫内空気を濾過する。
センサケース(163)には、測定用配管(281)が接続される。また、センサケース(163)には、出口管(165)が接続される。出口管(165)は、入口端がセンサケース(163)に接続し、出口端が庫内空気流路(29)における庫内ファン(35)の上流に開口する。
測定用開閉弁(282)が閉じている場合は、庫内空気がセンサケース(163)の内部を流れる。具体的には、庫内空気流路(29)を流れる庫内空気が、エアフィルタ(164)を通ってセンサケース(163)へ流入し、センサケース(163)を通過後に出口管(165)を流れ、庫内空気流路(29)における庫内ファン(35)の吸い込み側へ流入する。従って、測定用開閉弁(282)が閉じている場合、酸素センサ(161)は庫内空気の酸素濃度を計測し、二酸化炭素センサ(162)は庫内空気の二酸化炭素濃度を計測する。
一方、測定用開閉弁(282)が開いている場合は、測定用配管(281)を流れるガスがセンサケース(163)の内部を流れる。具体的には、第1ガス管(244)又はバイパス接続管(255)を流れるガスが、測定用配管(281)を通ってセンサケース(163)へ流入し、センサケース(163)を通過後に出口管(165)を流れ、庫内空気流路(29)における庫内ファン(35)の吸い込み側へ流入する。従って、測定用開閉弁(282)が開いている場合、酸素センサ(161)は、測定用配管(281)からセンサケース(163)へ流入したガスの酸素濃度を計測し、二酸化炭素センサ(162)は、測定用配管(281)からセンサケース(163)へ流入したガスの二酸化炭素濃度を計測する。
〈換気用排気管〉
換気用排気管(150)は、輸送用コンテナ(1)の庫内空気を庫外空間へ排出するための配管である。換気用排気管(150)は、輸送用冷凍装置(10)の庫外壁部(21)及び庫内壁部(22)を貫通する。換気用排気管(150)には、換気用排気弁(151)が設けられる。換気用排気弁(151)は、電磁弁からなる開閉弁である。
〈制御器〉
図4に示すように、制御器(110)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータ(111)と、マイクロコンピュータ(111)を動作させるためのソフトウエアを格納するメモリーデバイス(112)とを備える。メモリーデバイス(112)は、半導体メモリである。
制御器(110)は、庫内空気調節装置(100)の構成機器を制御する。制御器(110)には、酸素センサ(161)及び二酸化炭素センサ(162)の計測値が入力される。制御器(110)は、エアポンプ(231)、第1切換弁(136)、及び第2切換弁(137)を制御する。また、制御器(110)は、酸素切換弁(249)、換気用排気弁(151)、パージ弁(251)、バイパス開閉弁(256)、ガス排出弁(272)、ガス供給弁(273)、及び測定用開閉弁(282)を制御する。
-庫内空気調節装置の運転動作-
庫内空気調節装置(100)は、輸送用コンテナ(1)の収納空間(5)内の庫内空気の組成(本実施形態では、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度)を調節する。
庫内空気調節装置(100)は、低下運転と、上昇運転と、外気導入運転とを行う。低下運転は、庫内空気の酸素濃度を低下させるための運転である。上昇運転は、庫内空気の酸素濃度を上昇させるための運転である。外気導入運転は、庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させるための運転である。
低下運転と上昇運転のそれぞれにおいて、庫内空気調節装置(100)は、第1動作と第2動作を交互に繰り返し行うことによって、庫外空気を窒素富化ガス(第1ガス)と酸素富化ガス(第2ガス)に分離する。庫内空気調節装置(100)は、第1動作と第2動作を所定の切換時間(例えば14秒)ずつ交互に繰り返し行う。制御器(110)は、第1動作と第2動作が交互に行われるように、第1切換弁(232)及び第2切換弁(233)を制御する。
〈第1動作〉
図5及び図7に示すように、第1動作では、第1切換弁(232)が第1状態に設定され、第2切換弁(233)が第2状態に設定される。また、第1動作では、パージ弁(251)と、バイパス開閉弁(256)と、測定用開閉弁(282)とが閉状態に保持される。第1動作では、エアポンプ(231)が作動し、第1吸着筒(234)を対象とする吸着動作と、第2吸着筒(235)を対象とする脱離動作とが行われる。
加圧側ポンプ(231a)は、外気管(241)から庫外空気(大気)を吸い込んで加圧し、加圧した庫外空気を第1吸着筒(234)へ供給する。第1吸着筒(234)では、供給された庫外空気に含まれる窒素と水(水蒸気)が吸着剤に吸着される。その結果、第1吸着筒(234)では、庫外空気よりも窒素濃度が低くて酸素濃度が高い酸素富化ガスが生成する。酸素富化ガスは、第1吸着筒(234)から第2ガス管(245)の第1枝管(247a)へ流出する。
一方、減圧側ポンプ(231b)は、第2吸着筒(235)からガスを吸引する。第2吸着筒(235)では、その内部の圧力が低下して吸着剤から窒素と水が脱離する。その結果、第2吸着筒(235)では、庫外空気よりも窒素濃度が高くて酸素濃度が低い窒素富化ガスが生成する。窒素富化ガスは、第2吸着筒(235)から吸引管(243)へ流入して減圧側ポンプ(231b)へ吸い込まれる。減圧側ポンプ(231b)は、吸い込んだ窒素富化ガスを加圧して第1ガス管(244)へ吐出する。
〈第2動作〉
図6及び図8に示すように、第2動作では、第1切換弁(232)が第2状態に設定され、第2切換弁(233)が第1状態に設定される。また、第2動作では、パージ弁(251)と、バイパス開閉弁(256)と、測定用開閉弁(282)とが閉状態に保持される。そして、第2動作では、エアポンプ(231)が作動し、第1吸着筒(234)を対象とする脱離動作と、第2吸着筒(235)を対象とする吸着動作とが行われる。
加圧側ポンプ(231a)は、外気管(241)から庫外空気(大気)を吸い込んで加圧し、加圧した庫外空気を第2吸着筒(235)へ供給する。第2吸着筒(235)では、供給された庫外空気に含まれる窒素と水(水蒸気が吸着剤に吸着される。その結果、第2吸着筒(235)では、庫外空気よりも窒素濃度が低くて酸素濃度が高い酸素富化ガスが生成する。酸素富化ガスは、第2吸着筒(235)から第2ガス管(245)の第2枝管(247b)へ流出する。
一方、減圧側ポンプ(231b)は、第1吸着筒(234)からガスを吸引する。第1吸着筒(234)では、その内部の圧力が低下して吸着剤から窒素と水が脱離する。その結果、第1吸着筒(234)では、庫外空気よりも窒素濃度が高くて酸素濃度が低い窒素富化ガスが生成する。窒素富化ガスは、第1吸着筒(234)から吸引管(243)へ流入して減圧側ポンプ(231b)へ吸い込まれる。減圧側ポンプ(231b)は、吸い込んだ窒素富化ガスを加圧して第1ガス管(244)へ吐出する。
-低下運転-
庫内空気調節装置(100)の低下運転について説明する。低下運転において、庫内空気調節装置(100)は、第1ガスである窒素富化ガスを収納空間(5)へ供給することによって、庫内空気の酸素濃度を低下させる。
図5及び図6に示すように、低下運転では、ガス供給弁(273)が開状態に保持され、ガス排出弁(272)が閉状態に保持される。また、低下運転では、酸素切換弁(249)が第2状態に設定される。その結果、幹管(246)が排出側枝管(248b)と連通し、第2ガス管(245)が排出状態になる。
低下運転において、減圧側ポンプ(231b)から第1ガス管(244)へ吐出された窒素富化ガスは、ガス供給管(275)を通ってコンテナ本体(2)の内部へ流入する。一方、第1吸着筒(234)又は第2吸着筒(235)から第2ガス管(245)へ流入した酸素富化ガスは、幹管(246)と排出側枝管(248b)とを順に通過し、その後にガス排出管(276)を通ってコンテナ本体(2)の外部へ流出する。
低下運転では、換気用排気弁(151)が開状態に保持され、庫内空気が換気用排気管(150)を通ってコンテナ本体(2)の外部へ流出する。そのため、庫内空気が窒素富化ガスに次第に置き換わり、庫内空気の酸素濃度が次第に低下する。また、低下運転では、収納空間(5)へ供給される窒素富化ガスの流量と、収納空間(5)から排出される庫内空気の流量とを適切に設定することによって、収納空間(5)が陽圧に保たれる。
-上昇運転-
庫内空気調節装置(100)の上昇運転について説明する。上昇運転において、庫内空気調節装置(100)は、第2ガスである酸素富化ガスを収納空間(5)へ供給することによって、庫内空気の酸素濃度を上昇させる。
図7及び図8に示すように、上昇運転では、ガス供給弁(273)が開状態に保持され、ガス排出弁(272)が開状態に保持され、又は開閉される。また、低下運転では、酸素切換弁(249)が第1状態に設定される。その結果、幹管(246)が供給側枝管(248a)と連通し、第2ガス管(245)が導入状態になる。
上昇運転において、減圧側ポンプ(231b)から第1ガス管(244)へ吐出された窒素富化ガスは、その一部が排気用接続管(271)とガス排出管(276)とを順に通ってコンテナ本体(2)の外部へ流出し、残りがガス供給管(275)を通ってコンテナ本体(2)の内部へ流入する。一方、第1吸着筒(234)又は第2吸着筒(235)から第2ガス管(245)へ流入した酸素富化ガスは、幹管(246)と供給側枝管(248a)とを順に通過した後にガス供給管(275)へ流入し、コンテナ本体(2)の内部へ流入する。このように、低下運転では、窒素富化ガスの一部と、酸素富化ガスの全部とが、収納空間(5)へ供給される。
上昇運転では、換気用排気弁(151)が開状態に保持され、庫内空気が換気用排気管(150)を通ってコンテナ本体(2)の外部へ流出する。そのため、庫内空気が酸素富化ガスに次第に置き換わり、庫内空気の酸素濃度が次第に上昇する。また、上昇運転では、収納空間(5)へ供給される酸素富化ガス及び窒素富化ガスの流量と、収納空間(5)から排出される庫内空気の流量とを適切に設定することによって、収納空間(5)が陽圧に保たれる。
〈ガス流量の調節〉
上昇運転において、庫内空気調節装置(100)は、流量調節機構であるガス排出弁(272)を開閉することによって、コンテナ本体(2)の外部へ流出する窒素富化ガスの流量を調節する。コンテナ本体(2)の外部へ流出する窒素富化ガスの流量を変更すると、酸素富化ガスと共にコンテナ本体(2)の内部へ供給される窒素富化ガスの流量が変化する。庫内空気調節装置(100)は、ガス排出弁(272)を制御することによって、上昇運転中にコンテナ本体(2)の内部へ供給されるガスの流量を調節する。
上述したように、上昇運転中の庫内空気調節装置(100)では、第1動作と第2動作が所定の切換時間T(本実施形態ではT=14秒)毎に交互に切り換わる。庫内空気調節装置(100)は、第1動作と第2動作の切り換え周期と同じ周期で、ガス排出弁(272)を開閉する。
具体的に、庫内空気調節装置(100)は、切換時間Tの一部である閉時間Tcにわたってガス排出弁(272)を閉状態に保持し、切換時間Tの残りである開時間Toにわたってガス排出弁(272)を開状態に保持する。なお、閉時間Tc+開時間To=切換時間Tである。
庫内空気調節装置(100)は、閉時間Tcと開時間Toを調節することによって、上昇運転中にコンテナ本体(2)の内部へ供給されるガスの流量を調節する。閉時間Tcが長いほど(従って、開時間Toが短いほど)、コンテナ本体(2)の外部へ流出する窒素富化ガスの流量が少なくなり、コンテナ本体(2)の内部へ供給されるガスの流量が多くなる。また、閉時間Tcが短いほど(従って、開時間Toが長いほど)、コンテナ本体(2)の外部へ流出する窒素富化ガスの流量が多くなり、コンテナ本体(2)の内部へ供給されるガスの流量が少なくなる。
-外気導入運転-
庫内空気調節装置(100)の外気導入運転について説明する。外気導入運転において、庫内空気調節装置(100)は、庫外空気(大気)をそのまま収納空間(5)へ供給する。この外気導入運転は、主に、庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させるために行われる。
図9に示すように、外気導入運転では、第1切換弁(232)と第2切換弁(233)の両方が第2状態に設定される。また、外気導入運転では、ガス供給弁(273)及びバイパス開閉弁(256)が開状態に保持され、残りの開閉弁(251,272,282)が閉状態に保持される。また、外気導入運転では、エアポンプ(231)が作動する。なお、酸素切換弁(249)は、第1状態と第2状態のどちらに設定されていてもよい。
加圧側ポンプ(231a)は、外気管(241)から庫外空気(大気)を吸い込んで加圧し、加圧した庫外空気を導入管(242)へ吐出する。加圧側ポンプ(231a)から吐出された庫外空気は、導入管(242)と、バイパス接続管(255)と、第1ガス管(244)とを順に流れ、庫内空気流路(29)へ供給される。このように、外気導入運転では、大気と同じ組成の空気が輸送用コンテナ(1)の収納空間(5)へ供給される。
減圧側ポンプ(231b)は、第1吸着筒(234)と第2吸着筒(235)の両方からガスを吸い込み、吸い込んだガスを第1ガス管(244)へ吐出する。減圧側ポンプ(231b)が第1ガス管(244)へ吐出したガスは、バイパス接続管(255)から第1ガス管(244)へ流入した庫外空気と共に、庫内空気流路(29)へ供給される。
減圧側ポンプ(231b)が第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)からガスを吸い込むと、第1吸着筒(234)及び第2吸着筒(235)の圧力が次第に低下する。そして、外気導入運転の継続時間がある程度の時間(例えば、45秒)を超えると、減圧側ポンプ(231b)が吸い込むガスの流量は、実質的にゼロになる。
外気導入運転では、換気用排気弁(151)が開状態に保持され、庫内空気が換気用排気管(150)を通ってコンテナ本体の外部へ流出する。そのため、庫内空気が大気に次第に置き換わり、庫内空気の二酸化炭素濃度が次第に低下する。また、外気導入運転では、収納空間(5)へ供給される庫外空気の流量と、収納空間(5)から排出される庫内空気の流量とを適切に設定することによって、収納空間(5)が陽圧に保たれる。
-庫内空気調節装置の運転の切り換え-
上述したように、庫内空気調節装置(100)は、低下運転と、上昇運転と、外気導入運転とを行う。また、庫内空気調節装置(100)は、低下運転、上昇運転、及び外気導入運転を休止した状態で庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度を監視する待機運転を行う。
収納空間(5)に収納された生鮮物は、酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出す呼吸を行う。そのため、待機運転中には、庫内空気に含まれる酸素の量が次第に減少する。そこで、庫内空気調節装置(100)は、生鮮物の呼吸によって減少した酸素を補うために、上昇運転を行う。
ここでは、庫内空気調節装置(100)の制御器(110)が上昇運転の開始と停止を制御する動作について、図10のフロー図を参照しながら説明する。制御器は、図10のフロー図に示す動作を、所定の時間(例えば、10分間)毎に繰り返し行う。
図10に示す制御動作は、酸素センサ(161)の計測値Co(庫内空気の酸素濃度の実測値)を目標範囲に保つための動作である。この目標範囲は、庫内空気の酸素濃度の設定値Csを含む数値範囲である。本実施形態の目標範囲は、Cs±αの範囲(つまり、Cs-α以上Cs+α以下の範囲)である。αの値は、例えば0.5%である。
ステップST1の処理において、制御器(110)は、酸素センサ(161)の計測値Coを取得する。
次のステップST2の処理において、制御器(110)は、“酸素センサ(161)の計測値Coが目標範囲の下限値(Cs-α)よりも低い”という条件の成否を判断する。制御器(110)は、この条件が成立する場合にステップST3の処理を行い、この条件が成立しない場合にステップST4の処理を行う。
ステップST3の処理において、制御器(110)は、庫内空気調節装置(100)に上昇運転を開始させる。上昇運転を開始させる場合、制御器(110)は、酸素切換弁(249)を第2状態から第1状態に切り換える。
ステップST4の処理において、制御器(110)は、“酸素センサ(161)の計測値Coが目標範囲の上限値(Cs+α)よりも高い”という条件の成否を判断する。制御器(110)は、この条件が成立する場合にステップST5の処理を行う。
ステップST5の処理において、制御器(110)は、庫内空気調節装置(100)に上昇運転を停止させる。上昇運転を停止させる場合、制御器(110)は、酸素切換弁(249)を第1状態から第2状態に切り換える。
ステップST4の条件が成立しない場合は、酸素センサ(161)の計測値Coが目標範囲に入っている(つまり、Cs-α≦Co≦Cs+αの関係が成立する)ことになる。従って、その場合、制御器(110)は、図10のフロー図の制御動作を終了し、庫内空気調節装置(100)の運転状態を保持する。
-実施形態の特徴(1)-
本実施形態の庫内空気調節装置(100)は、庫内空気の酸素濃度を低下させる低下運転と、庫内空気の酸素濃度を上昇させる上昇運転とを行う。上昇運転では、庫外空気に比べて窒素濃度が低くて酸素濃度が高い酸素富化ガスが、第2ガス通路(245)を通ってコンテナ本体(2)の内部へ導入される。そのため、庫内空気の酸素濃度を上昇させるために庫外空気をコンテナ本体(2)の内部へ導入する場合に比べて、庫内空気の酸素濃度の上昇速度が速くなる。その結果、庫内空気の酸素濃度を上昇させるのに要する時間が短縮される。
-実施形態の特徴(2)-
本実施形態の庫内空気調節装置(100)では、切換機構である酸素切換弁(249)を操作することによって、第2ガス通路を構成する第2ガス管(245)が導入状態と排出状態とに切り換わる。導入状態の第2ガス管(245)では、酸素切換弁(249)が幹管(246)を供給側枝管(248a)に連通させ、酸素富化ガスが供給側枝管(248a)を通ってコンテナ本体(2)の内部へ導入される。排出状態の第2ガス管(245)では、酸素切換弁(249)が幹管(246)を排出側枝管(248b)に連通させ、酸素富化ガスが排出側枝管(248b)を通ってコンテナ本体(2)の外部へ排出される。
-実施形態の特徴(3)-
本実施形態の庫内空気調節装置(100)において、制御器(110)は、酸素センサ(161)の計測値に基づいて酸素切換弁(249)を制御することによって、上昇運転を開始させ又は停止させる。庫内空気調節装置(100)が上昇運転を開始する場合は、第2ガス管(245)が排出状態から導入状態に切り換わる。庫内空気調節装置(100)が上昇運転を停止する場合は、第2ガス管(245)が導入状態から排出状態に切り換わる。
-実施形態の特徴(4)-
本実施形態の庫内空気調節装置(100)は、上昇運転において、吸着筒(234,235)から流出した酸素富化ガスの全部と、吸着筒(234,235)から流出した窒素富化ガスの一部とを、コンテナ本体(2)の内部へ供給する。
上述したように、吸着筒(234,235)が備える吸着剤は、窒素と水(水蒸気)を吸着する。吸着動作の対象となっている吸着筒(234,235)では、被処理空気である庫外空気に含まれる窒素と水蒸気が吸着剤に吸着される。そのため、吸着動作の対象となっている吸着筒(234,235)から流出する酸素富化ガスは、湿度が低い(つまり、含有する水蒸気の量が少ない)。上昇運転において、湿度が低い酸素富化ガスだけをコンテナ本体(2)の内部へ供給すると、収納空間(5)の湿度が低下し、生鮮物の鮮度の低下を招くおそれがある。
一方、脱離動作の対象となっている吸着筒(234,235)から流出した窒素富化ガスは、吸着剤から脱離した水蒸気を含むため、湿度が高い。そこで、本実施形態の庫内空気調節装置(100)は、上昇運転中における庫内空気の湿度の低下を抑制するために、湿度が高い窒素富化ガスを、湿度が低い酸素富化ガスと共にコンテナ本体(2)の内部へ供給する。
このように、本実施形態の庫内空気調節装置(100)によれば、上昇運転中における庫内空気の湿度の低下を抑制しつつ、庫内空気の組成を目標の組成に到達させるのに要する時間を短縮することができる。
-実施形態の特徴(5)-
本実施形態の庫内空気調節装置(100)は、上昇運転中にガス排出弁(272)を開閉することによって、上昇運転中に収納空間(5)へ供給されるガスの流量を調節する。従って、本実施形態の庫内空気調節装置(100)は、上昇運転中における庫内空気の湿度の低下を抑制するために収容庫(2)の内部へ導入される第1ガスの流量を、調節することができる。そのため、本実施形態によれば、庫内空気の湿度の低下を抑制しつつ、庫内空気の組成を目標の組成に到達させるのに要する時間を短縮することができる。
上述したように、上昇運転中には、酸素富化ガスと窒素富化ガスの混合ガスがコンテナ本体(2)の内部へ流入すると同時に、収納空間(5)の庫内空気が換気用排気管(150)を通ってコンテナ本体(2)の外部へ流出する。その際、収納空間(5)の気圧は概ね一定に保たれるため、コンテナ本体(2)の内部へ流入するガスの流量が多いほど、コンテナ本体(2)の外部へ流出する庫内空気の流量が多くなる。
上昇運転中にコンテナ本体(2)の内部へ供給されるガスの二酸化炭素濃度は、庫外空気の二酸化炭素濃度と同様に、非常に低い。そのため、コンテナ本体(2)の内部へ供給されるガスの流量が多いと、コンテナ本体(2)の外部へ流出する二酸化炭素の量が多くなり、庫内空気の二酸化炭素濃度の低下を招くおそれがある。
これに対し、本実施形態の庫内空気調節装置(100)は、上昇運転中に収納空間(5)へ供給されるガスの流量を調節できる。そのため、本実施形態によれば、上昇運転中に収納空間(5)へ供給されるガスの流量を調節することによって、上昇運転中における庫内空気の二酸化炭素濃度の低下を抑制することができる。
-実施形態の変形例-
上記実施形態の庫内空気調節装置(100)については、次のような変形例を適用してもよい。なお、以下の変形例は、庫内空気調節装置(100)の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
〈第1変形例〉
上記実施形態の庫内空気調節装置(100)では、一つの三方弁である酸素切換弁(249)が切換機構を構成するが、切換機構は一つの三方弁に限定されない。
例えば、供給側枝管(248a)と排出側枝管(248b)とに一つずつ設けられた電磁弁が、切換機構を構成してもよい。この場合、供給側枝管(248a)の電磁弁を開状態にして排出側枝管(248b)の電磁弁を閉状態にすると、第2ガス管(245)が導入状態になる。また、この場合、供給側枝管(248a)の電磁弁を閉状態にして排出側枝管(248b)の電磁弁を開状態にすると、第2ガス管(245)が排出状態になる。
〈第2変形例〉
上記実施形態の庫内空気調節装置(100)では、流量調節機構を構成するガス排出弁(272)として電磁弁が用いられるが、ガス排出弁(272)は電磁弁に限定されない。例えば、ガス排出弁(272)は、開度が可変の電動弁であってもよい。この場合、庫内空気調節装置(100)の制御器(110)は、電動弁からなるガス排出弁(272)の開度を調節することによって、上昇運転中にコンテナ本体(2)の内部へ供給されるガスの流量を調節する。
〈第3変形例〉
上記実施形態の庫内空気調節装置(100)は、定置型の冷蔵庫または冷凍庫に設けられてもよい。また、上記各実施形態の庫内空気調節装置(100)は、トラックや鉄道などで輸送される陸上輸送用の冷蔵・冷凍コンテナに設けられていてもよい。また、上記実施形態の庫内空気調節装置(100)は、荷室を形成する箱体が車台と一体になった冷蔵・冷凍トラックに設けられていてもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書および特許請求の範囲の「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本発明は、庫内空気調節装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナについて有用である。
1 輸送用コンテナ
2 コンテナ本体(収納庫)
10 輸送用冷凍装置(冷凍装置)
11 冷媒回路
100 庫内空気調節装置
110 制御器
161 酸素センサ
234 第1吸着筒(第1吸着器、吸着器)
235 第2吸着筒(第2吸着器、吸着器)
244 第1ガス管(第1ガス通路)
245 第2ガス管(第2ガス通路)
246 幹通路(幹通路)
248a 供給側枝管(供給通路)
248b 排出側枝管(排出通路)
249 酸素切換弁(切換機構)
271 排気用接続管(第1ガス排出通路)
272 ガス排出弁(流量調節機構)

Claims (9)

  1. 収納庫(2)の内部の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置(100)であって、
    窒素を吸着する吸着剤を有し、上記収納庫の外部の庫外空気を、上記庫外空気に比べて窒素濃度が高くて酸素濃度が低い第1ガスと、上記庫外空気に比べて窒素濃度が低くて酸素濃度が高い第2ガスとに分離する吸着器(234,235)と、
    上記第1ガスが流れる第1ガス通路(244)と、
    上記第2ガスが流れる第2ガス通路(245)とを備え、
    上記第1ガス通路(244)を通じて上記第1ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入することによって上記庫内空気の酸素濃度を低下させる低下運転と、
    上記第2ガス通路(245)を通じて上記第2ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入することによって上記庫内空気の酸素濃度を上昇させる上昇運転とを行い、
    上記上昇運転では、上記第2ガス通路(245)を通じて上記第2ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入すると共に、上記第1ガス通路(244)を通じて上記第1ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入する
    庫内空気調節装置。
  2. 請求項1に記載の庫内空気調節装置(100)において、
    上記第2ガス通路(245)は、上記第2ガスを上記収納庫(2)の内部へ導入する導入状態と、上記第2ガスを上記収納庫(2)の外部へ排出する排出状態とに切り換え可能である
    庫内空気調節装置。
  3. 請求項2に記載の庫内空気調節装置(100)において、
    上記第2ガス通路(245)は、
    上記吸着器(234,235)に接続する幹通路(246)と、
    上記収納庫(2)の内部に連通する供給通路(248a)と、
    上記収納庫(2)の外部に連通する排出通路(248b)と、
    上記導入状態において上記幹通路(246)を上記供給通路(248a)に連通させ、上記排出状態において上記幹通路(246)を上記排出通路(248b)に連通させる切換機構(249)とを備える
    庫内空気調節装置。
  4. 請求項2又は3に記載の庫内空気調節装置(100)において、
    上記庫内空気の酸素濃度を計測する酸素センサ(161)と、
    上記酸素センサ(161)の計測値に基づいて、上記第2ガス通路(245)を上記導入状態と上記排出状態とに切り換える制御器(110)とを備える
    庫内空気調節装置。
  5. 請求項1~4のいずれか一つに記載の庫内空気調節装置(100)において、
    上記上昇運転中に上記収納庫(2)の内部へ導入される上記第1ガスの流量を調節する流量調節機構(272)を備える
    庫内空気調節装置。
  6. 請求項5に記載の庫内空気調節装置(100)において、
    一端が上記第1ガス通路(244)に接続し、他端が上記収納庫(2)の外部に連通する第1ガス排出通路(271)を備え、
    上記流量調節機構(272)は、上記第1ガス排出通路(271)に設けられた弁である
    庫内空気調節装置。
  7. 請求項1~6のいずれか一つに記載の庫内空気調節装置(100)において、
    上記吸着器は、それぞれが上記吸着剤を有する第1吸着器(234)と第2吸着器(235)とを含み、
    上記第1吸着器(234)に上記庫外空気を供給して該第1吸着器(234)から上記第2ガスを流出させると共に、上記第2吸着器(235)から上記第1ガスを流出させる第1動作と、
    上記第2吸着器(235)に上記庫外空気を供給して該第2吸着器(235)から上記第2ガスを流出させると共に、上記第1吸着器(234)から上記第1ガスを流出させる第2動作とを交互に繰り返し行う
    庫内空気調節装置。
  8. 請求項1~7のいずれか一つに記載の庫内空気調節装置(100)と、
    冷凍サイクルを行って上記庫内空気の温度を調節する冷媒回路(11)とを備える
    冷凍装置。
  9. 請求項8に記載の冷凍装置(10)と、
    上記冷凍装置(10)が取り付けられて上記収納庫(2)を構成するコンテナ本体とを備える
    輸送用コンテナ。
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