本開示の実施形態及びそれらの利点は、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。同様の参照符号は、1つ又は複数の図に示される同様の要素を識別するために使用され、その中の表示は、本開示の実施形態を説明する目的であり、その実施形態を限定する目的ではないことを理解されたい。
以下の説明では、本開示と一致するいくつかの実施形態を説明する特定の詳細が示される。実施形態の完全な理解を与えるために、多数の特定の詳細が示される。しかしながら、いくつかの実施形態を、これらの特定の詳細の一部又は全部なしで実施し得ることが当業者には明らかであろう。本明細書に開示される特定の実施形態は、例示的であることを意図しているが、限定するものではない。当業者は、本明細書では具体的に説明していないが、本開示の範囲及び精神の範囲内にある他の要素を理解し得る。さらに、不必要な繰返しを避けるために、一実施形態に関連して示し説明した1つ又は複数の特徴は、他に具体的に説明されない限り、或いは1つ又は複数の特徴が実施形態を非機能的にする場合を除いて、他の実施形態に組み込まれ得る。
いくつかの例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は詳細に説明していない。
本開示は、様々な器具及び器具の一部を3次元空間におけるそれらの状態に関して説明する。本明細書で使用される場合に、「位置」という用語は、3次元空間(例えば、デカルトのx、y、及びz座標に沿った3つの並進自由度)における物体又は物体の一部の位置を指す。本明細書で使用される場合に、「向き」という用語は、物体又は物体の一部の回転配置(例えば、ロール、ピッチ、及びヨー等の3つの回転自由度)を指す。本明細書で使用される場合に、「姿勢」という用語は、少なくとも1つの並進自由度における物体又は物体の一部の位置、及び少なくとも1つの回転自由度におけるその物体又は物体の一部の向き(合計6つの自由度まで)を指す。本明細書で使用される場合に、「形状」という用語は、物体に沿って測定された姿勢、位置、又は向きのセットを指す。
図1は、いくつかの実施形態による遠隔操作医療システム100の簡略図である。いくつかの実施形態では、遠隔操作医療システム100は、例えば、外科的、診断的、治療的、又は生検的処置での使用に適し得る。そのような処置に関していくつかの実施形態が本明細書で提供されるが、医療的又は外科的器具及び医療的又は外科的方法への言及は非限定的である。本明細書に記載のシステム、器具、及び方法は、動物、人間の死体、動物の死体、人間又は動物の解剖学的構造の一部、非外科的診断だけでなく、産業システム及び一般的なロボット又は遠隔操作システムに使用することができる。
図1に示されるように、遠隔操作医療システム100は、一般に、患者Pに対して様々な処置を行う際に、医療器具104を操作するためのマニピュレータ・アセンブリ102を含む。マニピュレータ・アセンブリ102は、電動式及び/又は遠隔操作式であり得る選択した動きの自由度、並びに非電動式及び/又は非遠隔操作式であり得る選択した動きの自由度を伴う遠隔操作、非遠隔操作、又は遠隔操作及び非遠隔操作のハイブリッドのアセンブリであり得る。マニピュレータ・アセンブリ102は、手術台T、又はメインサポート114(例えば、カート、スタンド、第2のテーブル等)に取り付けられ得る。マスター・アセンブリ106は、オペレータ(例えば、図1に示されるような外科医、臨床医、又は医師)が介入部位を観察し、マニピュレータ・アセンブリ102を制御するのを可能にする。
マスター・アセンブリ106は、患者Pが配置される手術台の側面等、通常は手術台Tと同じ部屋に位置するオペレータコンソールに配置され得る。しかしながら、オペレータOは、患者Pとは異なる部屋又は完全に異なる建物に位置してもよいことを理解されたい。マスター・アセンブリ106は、一般に、マニピュレータ・アセンブリ102を制御するための1つ又は複数の制御装置を含む。制御装置は、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガーガン、手動コントローラ、音声認識装置、体動又は存在センサ等の様々な入力装置の任意数を含み得る。器具104を直接制御している強い感覚をオペレータOに提供するために、制御装置には、関連する医療器具104と同じ自由度が提供され得る。このようにして、制御装置は、オペレータOにテレプレゼンス、つまり制御装置が医療器具104と一体であるという知覚を提供する。
いくつかの実施形態では、制御装置は、関連する医療器具104よりも多い又は少ない自由度を有し、依然としてテレプレゼンスをオペレータOに提供することができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、オプションで、6自由度で動く手動入力装置であり得、そして入力装置は、(例えば、顎部を閉じて把持するため、電極に電位を印加するため、薬物治療を送達するため等の)器具を作動させるための作動可能なハンドルも含み得る。
マニピュレータ・アセンブリ102は、医療器具104を支持し、そして1つ又は複数の非サーボ制御リンク(例えば、手動で所定の位置に位置付け及びロックされ得る1つ又は複数のリンク、例えば、一般にセットアップ構造と呼ばれる)、及び/又は1つ又は複数のサーボ制御リンク(例えば、制御システムからのコマンドに応答して制御され得る1つ又は複数の動力リンク)、及びマニピュレータの運動学的構造を含み得る。マニピュレータ・アセンブリ102は、オプションで、制御システム(例えば、制御システム112)からのコマンドに応答して、医療器具104の入力を駆動させる複数のアクチュエータ又はモータを含み得る。アクチュエータは、オプションで、医療器具104に結合したときに、医療器具104を自然に又は外科的に形成された解剖学的オリフィスに前進させることができる駆動システムを含み得る。他の駆動システムは、医療器具104の先端部を複数の自由度で動かすことができ、この自由度は、3つの線形自由度(例えば、X、Y、Zデカルト軸に沿った直線運動)、及び3つの回転自由度(例えば、X、Y、Zデカルト軸の周りの回転)を含み得る。さらに、アクチュエータを使用して、医療器具104の関節式エンドエフェクタを作動させて、生検装置等の顎部で組織を把持することができる。レゾルバ、エンコーダ、ポテンショメータ、及び他の機構等のアクチュエータ位置センサは、モータシャフトの回転及び向きを記述するセンサデータを医療システム100に提供することができる。この位置センサデータを使用して、アクチュエータによって操作される物体の動きを決定することができる。
遠隔操作医療システム100は、マニピュレータ・アセンブリ102の器具に関する情報を受信するための1つ又は複数のサブシステムを備えたセンサシステム108を含み得る。そのようなサブシステムは、位置/位置特定センサシステム(例えば、電磁(EM)センサシステム);医療器具104を構成し得る可撓性本体に沿った先端部及び/又は1つ又は複数のセグメントの位置、向き、速さ、速度、姿勢、及び/又は形状を決定するための形状センサシステム;及び/又は医療器具104の先端部から画像を取り込むための視覚化システムを含み得る。
遠隔操作医療システム100は、手術部位及び医療器具104の画像又は表現を表示するための表示システム110も含み、画像又は表現は、センサシステム108のサブシステムによって生成され、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、透視、サーモグラフィ、超音波、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)、熱イメージング、インピーダンスイメージング、レーザイメージング、ナノチューブX線メージング、内視鏡画像等のイメージング技術からの画像データ及び/又はリアルタイム画像を使用して術前又は術中に記録される。術前又は術中の画像データは、2次元、3次元、又は4次元(例えば、時間ベース又は速度ベースの情報を含む)画像として、及び/又は術前又は術中の画像データセットから形成されたモデルからの画像として提示され得る。表示システム110及びマスター・アセンブリ106は、オペレータOがテレプレゼンスの知覚で医療器具104及びマスター・アセンブリ106を制御できるように向き合わせされ得る。
遠隔操作医療システム100は、制御システム112も含み得る。制御システム112は、医療器具104と、マスター・アセンブリ106と、センサシステム108と、表示システム110との間の制御をもたらすための少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(図示せず)及び少なくとも1つのメモリを含む。制御システム112は、表示システム110に情報を提供するための命令を含む、本明細書に開示される態様に従って記述する方法の一部又は全てを実施するためのプログラムされた命令(例えば、命令を格納する非一時的な機械可読媒体)も含む。制御システム112は、図1の簡略化した概略図において単一のブロックとして示されるが、システムは、2つ以上のデータ処理回路を含み得、処理の一部が、マニピュレータ・アセンブリ102上で又はこれに隣接してオプションで実行され、処理の別の部分が、マスター・アセンブリ106等で実行される。制御システム112のプロセッサは、命令を実行することができ、命令には、本明細書に開示され、以下でより詳細に説明するプロセスに対応する命令が含まれる。多種多様な集中型又は分散型のデータ処理アーキテクチャのいずれかを使用してもよい。同様に、プログラムされた命令は、いくつかの別個のプログラム又はサブルーチンとして実装され得るか、又はそれら命令は、本明細書で説明する遠隔操作システムの他のいくつかの態様に統合され得る。一実施形態では、制御システム112は、ブルートゥース(登録商標)、IrDA、ホームRF、IEEE802.11、DECT、及びワイヤレステレメトリ等のワイヤレス通信プロトコルをサポートする。
いくつかの実施形態では、制御システム112は、医療器具104から力及び/又はトルクフィードバックを受け取ることができる。フィードバックに応答して、制御システム112は、マスター・アセンブリ106に信号を送信することができる。いくつかの例では、制御システム112は、マニピュレータ・アセンブリ102の1つ又は複数のアクチュエータに命令する信号を送信して、医療器具104を動かすことができる。医療器具104は、患者Pの体の開口部を介して患者Pの体内の内部手術部位に延び得る。任意の適切な従来の及び/又は特殊なアクチュエータを使用してもよい。いくつかの例では、1つ又は複数のアクチュエータは、マニピュレータ・アセンブリ102から分離されるか、又はマニピュレータ・アセンブリ102と統合され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアクチュエータ及びマニピュレータ・アセンブリ102は、患者Pに隣接して位置付けされ、テーブルTを動作させる遠隔操作カートの一部として提供される。
制御システム112は、オプションで、画像誘導外科的処置中に医療器具104を制御するときに、オペレータOにナビゲーション支援を提供するための仮想視覚化システムをさらに含み得る。仮想視覚化システムを使用する仮想ナビゲーションは、解剖学的通路の取得した術前又は術中データセットへの参照に基づくことができる。
仮想ナビゲーション処置中に、センサシステム108を使用して、患者Pの解剖学的構造に対する医療器具104のおおよその位置を計算することができる。位置は、患者Pの解剖学的構造のマクロレベル(外部)追跡画像と、患者Pの解剖学的構造の仮想内部画像との両方を生成するために使用することができる。システムは、1つ又は複数の電磁(EM)センサ、光ファイバセンサ、及び/又は他のセンサを実装して、仮想視覚化システムからの画像等の術前に記録した外科的画像とともに医療器具を位置合わせし表示することができる。例えば、国際公開2016/191298(2016年12月1日に公開)(“Systems and Methods of Registration for Image Guided Surgery”を開示する)は、そのような1つのシステムを開示し、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。光ファイバの形状及び相対位置を3次元で監視するための様々なシステム及び方法が、米国特許出願第11/180,289号(2005年7月12日に出願)(“Fiber optic position and shape sensing device and method relating
thereto”を開示する);米国特許出願第12/047,056号(2004年7月16日に出願)(“Fiber-optic
shape and relative position sensing”を開示する);及び米国特許第6,289,187号(1998年6月17日に出願)(“Optical fibre bend sensor”を開示する)に記載されており、これらの文献は全てその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
遠隔操作医療システム100は、照明システム、操縦制御システム、洗浄システム、及び/又は吸引システム等のオプションの操作及びサポートシステム(図示せず)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、遠隔操作医療システム100は、2つ以上のマニピュレータ・アセンブリ及び/又は2つ以上のマスター・アセンブリを含み得る。遠隔操作マニピュレータ・アセンブリの正確な数は、他の要因の中でもとりわけ、外科的処置及び手術室内のスペースの制約に依存するだろう。マスター・アセンブリ106は、同じ場所に配置してもよく、別々の位置に位置付けしてもよい。複数のマスター・アセンブリにより、複数のオペレータが、1つ又は複数の遠隔操作マニピュレータ・アセンブリを様々な組合せで制御できる。
いくつかの実施形態では、マニピュレータ・アセンブリ102、制御システム112、センサシステム108、及び表示システム110は全て、支持構造体114によって支持され得るか、又は支持構造体114に統合され得る。あるいはまた、1つ又は複数の構成要素(例えば、マニピュレータ・アセンブリ102、制御システム112、センサシステム108、及び/又は表示システム110)は、手術台Tに取り付けられるか、又はマスター・アセンブリ106に統合され得る。
図2は、本開示の一実施形態による医療システム200を、遠隔操作医療システム100の例として示している。医療システム200は、マスターコントロール220と、マニピュレータ・アセンブリ202及び表示システム216を支持するシステムカート210とを含むことができる。マニピュレータ・アセンブリは、細長い装置222等の細長い装置を支持及び位置付けするように構成することができる。様々な細長い装置が、PCT/US18/43041(2018年7月20日に出願)(“Flexible elongate device systems and methods”を開示する)に記載されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
システムカート214は、手術台(例えば、手術台T)及び患者(例えば、患者P)に対してシステムカート214を所望の位置に位置付けするのを可能にする一組のホイール218に取り付けられる。システムカート210はまた、モニタ支持アーム210、及び表示モニタ216a、216bを含む表示システム216を支持する。モニタ支持アーム210は、表示モニタ216a及び216bの垂直方向及び横方向への調整可能な位置付け、並びにシステムカート214に対する垂直軸線の周りの回転を提供して、モニタ216a、216bのいずれかをオペレータの視点から見た所望の視角に位置付けする複数のリンク及びジョイントを含む。表示システム216は、モニタ216aの水平軸線の周りの最大360°の回転、例えば0~180°の回転を提供し、モニタ216aを所望の視角に位置付けするか、又は格納のためにモニタ216bに対して折り畳んだ構成で折り畳んで収納することができる(図2Bを参照)。システムカート及びモニタに関連する様々なシステム及び方法は、PCT/US18/12995(2018年1月9日に出願)(“Systems and methods for using a robotic medical system”を開示する)に記載されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。システムカート210は、可撓性の細長い装置に対して形状感知を行うための機能を実行するためのハードウェア(例えば、プロセッサ、ファームウェア)及び/又はソフトウェアを含み得る。
図2の医療システム200は、一実施形態によるマスターコントロール220も含み、そのいくつかの態様は、マスター・アセンブリ106に関して上で議論している。マスターコントロール220は、マニピュレータ・アセンブリ202の対話形式で制御する動作、例えば器具マニピュレータ206によって実行される機能を使用するオペレータ(例えば、オペレータO、図1)のための様々な入力コントロールを含み得る。いくつかの実施形態では、マスターコントロール220は、スクロールホイール及びトラックボールを含む。例示的な実施態様では、患者の解剖学的構造に対して医療器具(例えば、細長い装置222)の前進又は後退を制御するために、スクロールホイールを前方又は後方に転がすことができ、例えば、屈曲又は関節運動を制御するべく、細長い装置222の先端部分及び/又は先端チップの位置を操縦するために、オペレータがトラックボールを様々な方向に転がすことができる。動き制御コンソールに関連する様々なシステム及び方法は、PCT/US18/44419(2018年7月30日に出願)(“Systems and methods for safe operation of a device”を開示する)、及び米国特許出願第16/049,640号(2018年7月30日に出願)(“Systems and methods for steerable elongate device”を開示する)に記載されており、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図2Aは、支持構造体204に結合した器具マニピュレータ206を含むマニピュレータ・アセンブリ202を示す。支持構造体204は、器具マニピュレータ206を最適な位置及び向きに配置するために、方向及び向きの他の可能な変更の中でもとりわけ、ジョイントの周りを回転(swivel)し、垂直方向に伸長又は収縮することによって位置付けされ得る複数の結合リンクを含む。支持構造体204のリンクは、非サーボ制御リンク(例えば、手動で位置付けされ、所定の位置にロックされ得る)、及び/又は1つ又は複数のサーボ制御リンク(例えば、制御システムからのコマンドに応答して制御され得る動力リンク)を含み得る。いくつかの実施形態では、支持構造体204のリンクは、手動介入を避けるために、モータを含む制御及び電子回路を使用して位置付けされ得る。いくつかの実施形態では、リンクは、以下でより詳細に説明するように、スイッチ、ボタン、又は他のタイプの入力装置と対話するオペレータによって手動で操作されるように、所定の位置にロック又はロック解除され得る。
図2Aに示されるように、様々な実施形態による器具マニピュレータ206は、細長い装置222に結合するように構成される。支持構造体は、器具マニピュレータ206を最適な位置及び向きに位置付けするための調整、及び/又は患者の解剖学構造又は他の医療器具に対して細長い装置222を最適に位置付けするために、細長い装置222を位置するための調整を提供する。例えば、支持構造体204は、軸線Eの周りの回転E1、軸線Eに沿った伸長/収縮E2、軸線Dの周りの回転D1、軸線Cの周りの回転C1、及び軸線Bの周りの回転B1を提供して、テーブルT、医療装置、及び/又は患者Pに対して器具マニピュレータ206を所望の位置に位置付けすることができる。いくつかの実施形態では、最適な位置及び向きは、例えば、細長い装置222の最適な位置付けのために、患者の解剖学的構造に対して器具マニピュレータ206を位置合わせして、患者の解剖学的構造(例えば、解剖学的開口部、患者の血管系、患者の管腔内通路等)内、又は患者の解剖学的構造に結合した医療装置(例えば、カニューレ、トロカール、気管内チューブ(ETT)、喉頭食道マスク(LMA)等)内に位置付けされた細長い装置22の摩擦を最小限に抑えることができる。他の実施形態では、器具マニピュレータ206の最適な位置及び向きは、追加的又は代替的に、針、把持器、メス、グリッパー、焼灼プローブ、視覚化プローブ等の様々な医療ツールを細長い装置222と共に利用するときに、十分なオペレータ作業スペース及び/又は細長い装置222への人間工学的アクセスを提供することによって、オペレータ(例えば、オペレータO)の人間工学を最適化することを含むことができる。
器具マニピュレータ206は、遠隔操作、ロボット制御、又は軸線Aに沿った他の形態の電子制御並進又は手動並進A1を提供して、患者の解剖学的構造に対して細長い装置222の挿入及び後退を提供するようにさらに構成することができる。
各調整(例えば、A1、B1、C1、D1、E1、及びE2)は、ロボット制御又はオペレータによる手動介入のいずれかによって作動させることができる。例えば、一実施形態では、各回転又は線形調整は、ブレーキを使用して静止構成に維持され得、それによって、1つ又は複数のボタン及びスイッチを押すと1つ又は複数の対応するブレーキが解放され、オペレータが器具マニピュレータを手動で位置付けできるようになる。追加的又は代替的に、1つ又は複数の調整は、1つ又は複数のアクチュエータ(例えば、モータ)によって制御され得、それによって、オペレータは、ボタン又はスイッチを使用してモータを作動させて、支持構造体204及び/又は器具マニピュレータ206を所望の方法で変更して、マニピュレータ・アセンブリ202を所望の構成に位置付けして、器具マニピュレータ206の最適な位置及び向きを提供することができる。
一例では、図2Aを再び参照すると、ハンドル入力装置324は、結合リンクの自由な運動及び調整のために支持構造体204のロックを解除して、調整C1、D1、E1、及び/又はE2を可能にするために、手動で作動させることができる。別の例では、入力ボタン326は、ロボット制御ではなく、オペレータによる手動の並進運動のために線形調整A1のロックを解除する。器具マニピュレータ206は、入力ボタン326が押されたときに、オペレータが、医療器具(例えば、細長い装置222)の挿入又は後退に対応する直線軸線Aに沿って器具マニピュレータ206を調整することができるように構成され得る。いくつかの実施形態では、安全目的のために、器具マニピュレータ206は、オペレータが患者の解剖学的構造に対して不注意に又は望ましくない形で医療器具を前進させ、それが患者に害を及ぼす可能性があることを防ぐために、後退等、直線軸線Aに沿って一方向に手動でのみ移動可能であり、医療器具の挿入に対応する直線軸線Aに沿った方向に手動で移動することはできない。
別の例では、回転運動B1のロボット制御は、一方の側方又は他方の側で押し下げられ得る、示されるようなロッカースイッチであるスイッチ330を押し下げることによって作動させることができる。ロッカースイッチの第1の側を押すと、軸線Bの周りの第1の回転方向に器具マニピュレータ206の動力回転が開始され、ロッカースイッチの他方の側を押すと、軸線Bの周りの反対方向に器具マニピュレータ206の動力回転が開始される。別の例では、ボタン332は、押されると、器具マニピュレータ206を現在の構成に保持しているブレーキを解除し、オペレータが軸線Bの周りに器具マニピュレータ206の向きを手動で回転させるのを可能にする。
いくつかの実施形態では、器具マニピュレータ206上のボタン又はスイッチを使用して、モニタ216a、216b及び/又はマスターコントロール220上のタッチスクリーンに示される視覚的インジケータ、マーカー、及び/又は画像の表示を変更することができる。例えば、図2Aを再び参照すると、入力ボタン328を作動させる(例えば、押す)ことにより、モニタ216a及び/又はモニタ216bに表示される患者の解剖学的構造のレンダリングされたモデルにマーカーを配置させることができる。マーカーは、処置(例えば、生検)が行われた患者内の領域に対応するか、又は他に医療器具があった患者の解剖学的構造内の実際の位置を示すことができる。いくつかの実施形態では、仮想ナビゲーションマーカーは、位置合わせされた術前又は同時の画像又はモデルと共に動的に参照され得る。位置合せのためのシステム及び方法は、国際公開2016/191298(2016年12月1日に公開)(“Systems and Methods of Registration for Image Guided Surgery”を開示する)、及び米国特許出願第13/107,562号(2011年5月13日に出願)(“Medical System Providing Dynamic Registration of a Model of an
Anatomic Structure for Image-Guided Surgery”を開示する)に提供されており、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図2Bは、収納構成のシステムカート214を示している。示されるように、モニタ支持アーム210は垂直方向に格納され、表示モニタ216aは、表示モニタ216bに対して折り畳んだ構成に折り畳まれ、収納される。マニピュレータ・アセンブリ202は、例えば、図3A及び図3Bの実施形態に関してさらに詳細に説明するように、軸線Aに沿って伸縮方式で器具マニピュレータ206の部分を並進させることによって収納構成に配置される。図2に示される器具マニピュレータ206構成の細長い装置222及び他の様々な着脱可能なアクセサリが、取り外されている。支持構造体204の複数の結合したリンクは、マニピュレータ・アセンブリ202を収納構成に配置するために、互いに対して所定の位置に調整される。
図3A及び図3Bは、器具マニピュレータ206と実質的に同様であり得る器具マニピュレータ306の例を示す。器具マニピュレータ306は、ベース304、挿入ステージ302、及び細長い装置アセンブリ310が結合される器具キャリッジ308を含む。器具マニピュレータ306は、ベース304に対して伸縮方式で、直線軸線Aに沿って器具キャリッジ308及び挿入ステージ302を動かすことによって、患者の解剖学的構造に対して、細長い装置アセンブリ310の挿入及び後退を提供する。ベース304は、シャフト部分304a及び主要部分304bを含む。以下でより詳細に説明するように、シャフト部分304aは、細長い装置310aを受容する装置コネクタ318に取り外し可能に結合する。挿入ステージ302は、ベース304の主要部分304bに結合され、主要部分304bに沿って並進する。器具キャリッジ308は、挿入ステージ302に結合され、挿入ステージ302に沿って並進する。示されるように、挿入ステージ302及び器具キャリッジ308は、それぞれの保護カバー及び/又はハウジングを有しており、器具マニピュレータ306が軸線Aに沿って移動されると、それぞれのカバー及び/又はハウジングは、少なくとも部分的に互いに重なり合い、それによって伸縮効果をもたらし、シーリング及び最適な摺動可能なフィットを容易にする。
細長い装置アセンブリ310は、細長い装置310a及び制御アセンブリ310bを含むことができる。器具キャリッジ308は、器具キャリッジ308の器具インターフェイス314で制御アセンブリ310bに結合する。いくつかの実施形態による、器具インターフェイス314の更なる詳細は、図4A及び図4Bを参照して説明する。器具マニピュレータ306は、プローブ316b及びプローブコネクタ316aを含むプローブアセンブリ316にも結合する。プローブアセンブリ316は、制御アセンブリ310b上のコネクタ312を介して細長い装置310aの作業管腔内に挿入することができ、細長い装置310aを通って延びることができる。プローブ316bは、介入部位(手術部位、内部手術部位、処置部位等であり得る)の同時又はリアルタイム画像を記録し、画像を1つ又は複数のディスプレイ(例えば、図1の表示システム110の1つ又は複数のディスプレイ)を介してオペレータ(オペレータO、図1)に提供する観察スコープアセンブリを含み得る。器具キャリッジ308は、プローブ316b内視鏡機能を提供する電子的及び光学的構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブアセンブリ316は、器具マニピュレータ306及び細長い装置制御アセンブリ310bから切り離され、細長い装置アセンブリ310から取り外され得る。生検針、焼灼ツール、及び他の可撓性器具等の代替器具は、細長い装置310の作業管腔を通して、器具マニピュレータ306及び/又は細長い装置アセンブリ310に結合され得る。
装置コネクタ318は、ベース304の先端部分304cに取り外し可能に結合することができるマニピュレータインターフェイス、患者医療装置320に取り外し可能に結合することができる先端部、及び細長い装置310aを受容することができる基端部を含むことができる。患者医療装置320(気管内チューブ、喉頭食道マスク、カニューレ等)は、患者の解剖学的構造への様々な医療器具の挿入を容易にするために、患者の解剖学的構造に固定することができる。例えば、患者医療装置320は、患者Pの口及び気管に挿入されて、患者Pに機械的換気を提供するのを助け、且つ細長い装置310aを患者Pの肺内をナビゲートするための導管を提供して、イメージング、生検、及び/又は治療を容易にする気管内チューブであり得る。装置コネクタに関連する様々なシステム及び方法は、PCT/US2018/017085(2018年2月6日に出願)(“Systems and methods for coupling components of a medical system”を開示する)に記載されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、細長い装置310aは、細長い装置ガイド322を通って延び、これは、器具キャリッジ308の移動中に細長い装置310aの長さを支持する選択的に折畳み可能且つ拡張可能な装置である。細長い装置ガイド等のカテーテルガイドに関する様々なシステム及び方法は、PCT/US2017/041160(2017年7月7日に出願)(“Guide apparatus for delivery of an elongate device and methods of
use”を開示する)に記載されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、形状感知を、上記の実施形態に従ってマニピュレータ・アセンブリの回転と併せて使用して、細長い装置への挿入力(摩擦力であり得る)を最小化するのに最適な傾斜角に器具マニピュレータを位置付けするのを確実にすることができる。例えば、決定は、細長い装置の感知した形状及びマニピュレータ・アセンブリの傾斜角に基づいて、細長い装置の形状が、その形状が気管内チューブ(例えば、気管内チューブ320)に過度の摩擦を生じさせる等の悪影響を及ぼしたり、又は装置コネクタ(例えば、装置コネクタ318)の係合解除を生じさせたりする可能性がある問題のある構成にあるか、又はその問題のある構成に近づいているかどうかを評価するために行われ得る。形状感知は、必要に応じて、他の適切な方法で使用され得る。
メモリ及び1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサを含む制御システム(例えば、制御システム112、図1)は、形状感知システムから、細長い装置の長さに沿った形状を示す形状感知データを受信し、及び上記のように、細長い装置の形状が問題のある構成にあるか、又は問題のある構成に近づいているかどうかを決定するために、器具マニピュレータの傾斜角に対応するデータを受信するように実装され得る。細長い装置の形状及び/又は器具マニピュレータの相対的な向きは、対応するデータをしきい値レベル又は値と比較することによって処理することができる。制御システムは、決定に応答して、例えば、問題のある相対的な向きがあるかどうかに対応する色付きの光(例えば、赤又は緑)、数値、屈曲の視覚的表現、又は別のタイプの視覚的表示等の視覚的インジケータを出力するようにも構成され得る。視覚的インジケータは、表示システム(例えば、表示システム110、図1)に表示することができる。視覚的インジケータは、細長い装置の形状及び/又は器具マニピュレータの相対的な向きをしきい値レベル又は値と比較することに基づいて、器具マニピュレータを回転させるためのガイダンスを提供し得る。制御システム112は、細長い装置の形状及び/又は器具マニピュレータの相対的向きをしきい値レベル又は値と比較することに基づいて、器具マニピュレータを自動的に調整する(例えば、回転させる)ための命令を提供するようにも構成され得る。いくつかの実施形態では、器具マニピュレータの位置を調整するための命令は、支持構造体(例えば、支持構造体114)を自動的に調整するための命令を含む。光ファイバの形状及び相対位置を監視するための様々なシステム及び方法は、米国特許出願第11/180,289号(2005年7月12日に出願)(“Fiber optic position and shape sensing device and method relating
thereto”を開示する);米国特許出願第12/047,056号(2004年7月16日に出願)(“Fiber-optic
shape and relative position sensing”を開示する);及び米国特許第6,289,187号(1998年6月17日に出願)(“Optical fibre bend sensor”を開示する)に記載されており、これらの文献は全てその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ここで、図4Aに示される一実施形態を参照すると、器具インターフェイス400(器具インターフェイス314に実質的に類似し得る)は、制御アセンブリ(制御アセンブリ310b等)の対応する引張ワイヤ巻き上げ機と嵌合する回転入力ディスク402a、402b、402c、402dのセットを含み、引張ワイヤ巻き上げ機は、細長い装置の先端部分を操縦するように構成された引張ワイヤを駆動することができる。いくつかの実施形態では、引張ワイヤは、細長い装置の全長に沿って、細長い装置の先端部分又は先端チップまで延び得る。細長い装置を制御するための制御システムの制御メカニズムの詳細は、米国特許出願第62/671,758号(“Control Mechanism of a Catheter Control System”を開示する)に提供されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
示されるように、器具インターフェイス400は、シャッター付き形状ファイバコネクタ404を含む。形状ファイバコネクタ404は、嵌合アセンブリ上の形状ファイバ接続部と接続する。図4Bに示されるように、いくつかの実施形態では、シャッター付き形状ファイバコネクタ404は、複数の軸線において寛容性を備えたファイバの容易な接続を可能にするためのフローティングインターフェイスとして構成され得る。こうして、ファイバが器具インターフェイス400の形状ファイバコネクタ404に挿入されて接続されるときに、オペレータは、ファイバが所定の位置に移動するときにファイバの端部を完全に位置合わせする必要がなく、それによってオペレータにある程度の柔軟性を提供する。さらに、フローティングインターフェイスは、設置中の位置合せミスによってファイバを損傷するのを防ぎ、ファイバが形状ファイバコネクタ404と適切且つ完全に接続するのを可能にする。このようにして、器具インターフェイス400上の形状ファイバコネクタ404は自己整列し得る。これにより、形状ファイバコネクタ404は、オペレータO、外科医、及び/又は他の人員による調整及び/又は追加の介入なしに、嵌合アセンブリ上の形状ファイバ接続部と接続することができる。いくつかの実施形態では、形状ファイバコネクタ404は、x方向及びy方向に(例えば、x-yインターフェイスで)フローティングすることができる。形状ファイバコネクタ404は、ピッチ運動でフローティング及び/又は旋回することもでき得る。従って、形状ファイバコネクタ404は、3自由度で調整可能であり得る。フローティングインターフェイスを容易にするいくつかの構成要素の詳細が図4Bに示される。示されるように、ばね取付けコントロール406が、ファイバ408と係合して配線される。ばね取付けコントロール406は、複数の方向及び軸線(例えば、x及びy方向及び/又はピッチ運動)で並進するように構成される。
図5A、図5B、及び図5Cは、本開示の実施形態による器具マニピュレータ506の例を示している。器具マニピュレータ506は、明確にするために構成要素(ハウジング、カバー、ケーブル等)を非表示にした状態の、図2及び図2Aの器具マニピュレータ206、並びに図3A及び図3Bの器具マニピュレータ306と実質的に同様であり得る。図5Aは、器具マニピュレータ506の右等角図であり、図5Bは、器具マニピュレータ506の左等角図であり、図5Cは、器具マニピュレータ506の、ベース504の主要部分504bの先端部分に結合した挿入ステージ502の上面図である。
示されるように、挿入ステージ502は、器具キャリッジ508と摺動可能に係合され、直線軸線Aに沿って挿入及び後退方向で器具キャリッジ508と整列される。挿入ステージ502は、器具マニピュレータ506のベースの主要部分504bとも摺動可能に係合する。挿入ステージ502及び器具キャリッジ508は、ベース504の主要部分504bに対して伸縮方式で直線的に移動するように構成される。いくつかの実施形態では、器具キャリッジ508に対する挿入ステージ502の効率的な並進運動を容易にし、且つ器具キャリッジ508を支持し、挿入ステージ502及び器具キャリッジ508を同じ直線軸線Aに沿って整列させたままにするために、挿入ステージ502は、器具キャリッジ508に固定した直線スライドレール部分に摺動可能に結合されるリニア軸受を含む。さらに、ベース504の主要部分504bに対する挿入ステージ502の効率的な並進運動を容易にするために、挿入ステージ502は、ベース504の主要部分504bに固定したリニア軸受に摺動可能に結合される直線スライドレール部分も含み得る。
挿入ステージ502は、駆動ベルト540、従動(idler)プーリ、及び駆動プーリ536に固定して結合した駆動シャフト(図示せず)を備えた駆動モータ534を含む挿入アセンブリを含む。駆動プーリ536及び従動プーリ538は、駆動プーリ536及び従動プーリ538に巻き付ける駆動ベルト540によって回転可能に結合される。図5Cに示されるように、駆動プーリ536及び従動プーリ538はそれぞれ、駆動ベルト540の歯付きの対応する部分を確実に把持するために、それぞれの外周に近接する歯536a、538aを有する。駆動ベルト540を第1又は第2の方向にそれぞれ駆動するために、駆動モータ534は、駆動プーリ536を第1の回転方向又は第2の回転方向に作動させる。第1の方向は、患者の解剖学的構造に対して細長い装置522(例えば、操縦可能で屈曲可能な先端部分を備えた可撓性カテーテル)を前進させることに対応し得、第2の方向は、患者の解剖学的構造に対して細長い装置522を後退させることに対応し得る。
一実施形態では、図5Cに詳細に示されるように、駆動ベルト540は、2つのクランプ542a、542bを備えた非連続ベルトを含み、それぞれのクランプが非連続ベルトの異なる端部に結合される。非連続ベルトは、駆動プーリ536及び従動プーリ538に巻き付いて、クランプ542aをクランプ542bに接続してクランプアセンブリ542を形成することによって連続ループを形成することができる。クランプアセンブリ542は、両方のクランプ542a、542bを通って横方向に延びる引張ボルト542cを含むことができ、クランプ542a、542bの分離を減少又は増大させるために締め付け又は緩められ、それにより、駆動ベルト540に所望の張力を維持することができる。
クランプ542a及び542bは、器具キャリッジ508の長さに沿って延びて、接続要素544の先端部分544bを器具キャリッジ508に結合する接続要素544の基端部分544aに固定することができる。接続要素544の先端部分544bは、器具キャリッジ508の長さに沿った任意の点で器具キャリッジ508に固定することができる。一実施形態では、図5Aに示されるように、接続要素544の先端部分544bは、装置キャリッジ508bの先端部分508bの近くに固定することができる。こうして、駆動ベルト540が駆動モータ534の回転によって作動されると、接続要素544は、駆動ベルト540と共に移動して、駆動モータの回転方向に基づいて、器具キャリッジ508を線形挿入又は後退方向に並進させる。接続要素544は、挿入ステージ502の第1の端部分502aと挿入ステージ502の第2の端部部502bとの間に規定される距離だけ、駆動ベルト540と共に移動可能である。
接続要素544は、直線軸線Aに沿った器具キャリッジ508の長さ、及び挿入ステージ502に対して移動するように器具キャリッジ508が選択される距離に従って選択され得る所定の長さを有する。従って、器具キャリッジ508が挿入ステージ502に対して移動可能である距離は、接続要素544の長さ、並びに接続要素544に結合したクランプアセンブリ542が挿入ステージ502の第1の端部分502aと第2の端部分502bとの間で移動可能である距離によって規定され得る。クランプアセンブリ542は、クランプアセンブリ542(及び/又は結合した接続要素544)が駆動プーリ536又は従動538プーリの周りを移動しないように、挿入ステージ502に対して構成される。例えば、プーリ536、538は、クランプ542a、542bのうちの1つ又は複数が、プーリ536、538のいずれか1つの上を移動することなく、挿入ステージ502の第1の端部分502aと挿入ステージ502の第2の端部分502bとの間で規定される距離に沿ってのみ移動するようなサイズ及び形状であり得る。さらに、端部分502a、502bは、1つ又は複数のクランプ542a、542bの通過を遮断するように成形又は他の方法で構成され得る。他の実施形態では、ハードストップが、クランプアセンブリ542(及び/又は結合した接続要素544)の更なる移動を防ぐために、駆動ベルト540の経路に沿った挿入ステージ502の任意の位置に配置され得る。
クランプアセンブリ542及び接続要素544は、直線軸線Aに沿って、駆動ベルト540と、器具キャリッジ508及びベース504の主要部分504bのそれぞれの向きと直線的に整列している。いつくかの実施形態では、例えば図5Aに確認できるように、接続要素544は、その接続要素544が、器具キャリッジ508の長さに沿って片側に延び、及び接続要素544及びクランプアセンブリ542をある領域から変位するために、器具キャリッジ508の先端部分508bに結合されるように配置され得、その領域では、駆動モータ534、ケーブルプーリ546、及び/又は挿入ステージ502の他の構成要素又は部分等の挿入ステージ502構成要素が、器具キャリッジ508ハウジングによって規定される器具キャリッジ508の内部空間内に延びることができる。
器具キャリッジ508は、例えば、器具キャリッジ508を駆動ベルト540又はクランプアセンブリ542に直接接続することによってではなく、接続要素544によって挿入ステージ502に結合され、これにより、器具キャリッジ508は、スロット又は他の開口部を挿入ステージ502ハウジングに規定する必要なしに、挿入ステージ502に対して移動することができる。スロット又は他のそのような開口部は、不利なことに、挿入ステージ502又は器具キャリッジ508が流体の漏れ又は汚染に対してより敏感であるようにし得る。漏れ又は汚染の可能性を減らすために、頻繁に、医療用ドレープがそのようなタイプの開口部を覆うために使用される。ドレープは頻繁に掃除するか又は定期的に交換する必要があり、多くは適切なシーリングを提供していない。こうして、本開示のこれらの実施形態の設計によって提供される1つの利点は、その設計が洗浄可能及び消毒可能な処置環境を維持するのを助け、器具マニピュレータ506構成要素のより容易な洗浄を可能にすることである。
図5B及び図5Cを参照すると、取付けプレート548が、ベース504の主要部分504bに固定して示される。取付けプレート548は駆動ベルト540にも固定される。こうして、駆動ベルト540が駆動モータ534の回転によって作動されると、駆動ベルト540の部分は、ベース504に固定される取付けプレート548に固定され、挿入ステージ502を主要部分504bに沿って並進させるようにする。挿入ステージ502が軸線Aに沿って移動できる距離(例えば、直線移動量)は、固定した取付けプレート548に対して駆動ベルト540が移動できる距離によって規定される。特定の取付け位置及びベース504の主要部分504bへの取付けプレート548の固定は、取付けプレート548が駆動プーリ536又は従動プーリ538の周りを移動するのを防ぐ。
図5Cは、一実施形態における、器具キャリッジ508及び挿入ステージ502の伸縮式の直線運動の例を示している。駆動モータ534の回転Bは、駆動ベルト540の並進C(又は駆動ベルト540の従動プーリ538の周りの回転)を作動させる。しかしながら、駆動ベルト540が、取付けプレート548によってベース504に固定されるので、駆動ベルト540の回転は、挿入ステージ502の並進Dを強制する。図5Aに示されるように、クランプアセンブリ542は、器具キャリッジ508と駆動ベルト540との両方に固定される。こうして、駆動ベルト540が回転Cすると、クランプアセンブリ542は、駆動ベルト540と並進Cし、器具キャリッジ508は、直線並進Eを強制する。こうして、器具キャリッジ508、挿入ステージ502、及びベース504を相互に関連付ける特定の構成要素の構成によって提供される他の利点及び利点の中でもとりわけ、単一の駆動モータ及び単一の駆動ベルトのみが、器具キャリッジ508と挿入ステージとの両方の動きを制御するために必要である。従って、外部の駆動モータ又は他の形態の作動は必要とされない。追加の利点は、器具キャリッジ508の直線並進Eの長さが、挿入ステージ502の直線並進Dの長さの2倍の長さであり得ることである。さらに、器具キャリッジ508の直線並進Eは、挿入ステージ502の直線並進Dの2倍の速さで発生し得る。別の利点は、器具キャリッジ508及び挿入ステージ502の伸縮運動のために、器具キャリッジ508及び挿入ステージ502を収納するために必要なスペースの量が減ることである。
図5Bに戻ると、器具キャリッジ508に取り付けられた力センサ550は、接続要素544に結合するように提供され得る。こうして、力センサ550は、細長い装置522が患者の解剖学構造内に挿入されるときに、細長い装置522が受ける挿入力を測定するように構成され得る。力センサ550は、ひずみゲージ、圧電センサ、圧力センサ、及び/又は他の任意の負荷センサであり得る。
挿入ステージ502のケーブルプーリ546は、電力ケーブル、通信ケーブル、及び/又は光ファイバケーブル等の複数の動作ケーブル(図示せず)を受容し、配線するように構成され得る。ケーブルプーリ546は、絡み合いを防ぐために、挿入ステージ502でケーブルを物理的に分離するために別個のチャネル又は溝で構成され得る。ケーブル配線は、ケーブルがベース504bから出て、挿入ステージ502上のケーブルプーリ546の周りに配線され、器具キャリッジ508で終端するように設計される。これは、アセンブリ内のこれらの3つの幾何学的点の相対運動によって、ケーブルの長さを節約できるため有利である。従って、ケーブルが脱線して損傷する可能性は殆どない。全てのケーブルに十分な張力をかけ、ケーブルが塊になったり(collecting together)ほつれたりしないようにすると同時に、ケーブルに過度の張力がかかるのも防止し、各ケーブルが互いに自由に回転できるようにする必要がある。いくつかの実施形態では、ケーブルプーリ546は、張力調整を支援するためのローラ軸受を含み得る。更なる実施形態では、ケーブルプーリアセンブリは、それぞれが1つの溝を有する複数の独立したプーリを含み得る。そのような実施形態では、複数の独立したプーリが低摩擦中央ハブ上に同心円状に組み立てられて、各ケーブルが互いのケーブルに対して移動できるようにする。これにより、各ケーブルに等しい張力をかける必要が少なくなる。
いくつかの実施形態では、器具キャリッジ508と挿入ステージ502との間のケーブル接続は、挿入ステージ502自体に沿って配線され、捕捉され、隠され得る。ファイバを含むケーブルは、ケーブルプーリ546の周りに配線してから、器具キャリッジ508に配線することができる。きつい曲げ又は半径で曲がると、ファイバが破損する可能性があるため、この選択的な配線は、ファイバの挟み込み又はきつい曲げを防ぐことができる。
図6A~図6Jは、本開示のいくつかの実施形態による、医療システムをセットアップする(「セットアップ」とも呼ばれる)オペレータ又は別の個人等のユーザにガイダンスを提供する視覚的表現の例を示す。図7A~図7Hは、本開示のいくつかの実施形態による、医療システムをセットアップ解除する(take down:分解)(「分解(tear down)」とも呼ばれる)ためのガイダンスをユーザに提供する視覚的表現の例を示す。
視覚的表現は、図1の表示システム110の態様を実施することによってグラフィカルに表示することができ、これは、例えば、ユーザが医療システムをセットアップ又はセットアップ解除するときに、ユーザがアクセスして表示できる表示モニタ(例えば、図2の表示モニタ216a及び/又は216b)、マスターコンソール(例えば、マスターコントロール220)上のディスプレイ、及び/又はコンピュータディスプレイ上に視覚的表現を表示することを含み得る。図6A~図6J及び図7A~図7Hのそれぞれに示される視覚的表現は、一般的に共通のレイアウトを有する。提供されたテキストガイダンスに従って実行される一般的なステップ、例えば、セットアップ又はセットアップ解除プロセスの対応する部分を完了するために実行される一般的なステップは、視覚的表現(「システムテストの実行」、図6A)の1つのセクション(示されるように左側のウィンドウ)に表示され、これは、実行すべきステップのリストを含む。
図6A~図6J及び図7A~図7Hのそれぞれの視覚的表現は、別のセクション(示されるように右側のウィンドウ)に医療システムの図を示すか、又は医療システムの関連するコンポーネントを選択させ、関連するステップに積極的に関与するシステムの特定の要素を図の他の要素よりも視覚的に強調した方法で示すことができる。例えば、図6Dの視覚的表現では、実行すべき現在のステップがビジョンプローブを取り付けること(「ビジョンプローブの取り付け」を参照)であるため、ビジョンプローブに関連する要素は、他の描写された周囲の要素とは対照的に、図において視覚的に強調される。
いくつかの実施形態では、セットアップ及び/又はセットアップ解除プロセスを通じてユーザを案内するための視覚的表現の調整は、1つ又は複数のプロセッサと相互作用するか、そうでなければそれらプロセッサによって実行されるハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せを使用して実装され得、プロセッサは、図1の制御システム112等の制御システムのプロセッサを含み得る。制御システムは、プログラムされた命令を実行するための少なくとも1つのコンピュータプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含み得、図1に関して示し説明したように、表示システム110等の表示システムに結合され得る。センサシステム108等のセンサシステムは、案内プロセスの様々なステップのためのシステム及び/又は関連するコンポーネントの状態に対応するフィードバック又は他の情報を感知及び/又は他の方法で提供するように実装され得、それによって、例えば、そのセンサシステムは、コンポーネントが取り付けられているか又は取り外しているかをそれぞれ自動的に判定することができる。いくつかの実施形態では、上記のような制御システム及び/又はセンサは、自動化したシステムチェック及び初期化ステップを制御及び/又は調整する際に実装され得る。以下の図6A~図6Jの案内されるセットアップ及び図7A~図7Hの案内されるセットアップ解除の説明において、図6A~図6J及び図7A~図7Hにおいて番号が付けられた要素は、他の図における他の同様の要素の例に関して参照され得る。
ここで、図6A~図6Jを具体的に参照すると、これらの視覚的表現は、本開示のいくつかの実施形態による、医療システムをセットアップするためのオペレータ又は別の個人等のユーザに段階的なガイダンスを提供する。図6Aは、医療システム600の初期システムテストを行うためのガイダンスを視覚的に表しており、これは、図2、図2A、図2B、図3A、及び図3Bの実施形態に示されるものと同じ又は類似のコンポーネントのいくつかを含む。図6Aに示されるように、初期自動システムテスト(「システムテストの実行」)のために、例えば、システム600が患者の医療処置等の処置で使用される前に、医療システム600の要素が適切な動作順序にあることを確認するために、まず、アーム606(例えば、マニピュレータ・アセンブリ202、図2)は、アーム運動のためにアーム606の周りにクリアランスが形成されるように位置付けすべきである。次に、システムテストを開始するために、ボタンを、コントローラ620(例えば、図2に関して示し説明したマスターコントロール220等の制御コンソール)のタッチスクリーン上で押すことができる。図6Aに示される次のステップとして、ユーザは、アーム運動が終了するのを待つ(例えば、自動化した初期化を終了し、適切な動作状態をチェックする)。
図6Bに示されるように、セットアップのための次の案内されるステップは、アクセサリの取付けである(「アクセサリの取付け」)。第1に、後退状態のカテーテルガイド622が、キャリッジ608(例えば、キャリッジ308に接続される図3Aのカテーテルガイド322)に取り付けられる。図6Cに示されるように、カテーテルガイド622が取り付けられた後に、カテーテル610が取り付けられる(例えば、図3Aの細長い装置アセンブリ310及び対応する説明の取付けの議論)。カテーテル610が取り付けられると、例えば、カテーテルの先端部分及び/又は先端チップの関節動作をテストするために、カテーテル610の自動化した自己テストが実行される。次に、図6Dに示されるように、ビジョンプローブ616が取り付けられ(例えば、プローブアセンブリ316、図3A)、これは、ビジョンプローブアダプタをビジョンプローブ(例えば、図3Aのプローブアセンブリ316を参照)に通し、ビジョンプローブ616をアーム606に取り付け(アーム606のキャリッジ608の基端部での取り付けを参照)、及びカテーテル610を通してビジョンプローブ616を挿入することを含む。ビジョンプローブ、アタッチメント(取付け)、及びカテーテルを介したビジョンプローブの例は、図3Aの実施形態を参照して説明する(プローブアセンブリ316のプローブ316bは、コネクタ316aを介して細長い装置310aの作業管腔に挿入され得、細長い装置310aを通って延び得る)。図6Dの視覚的表現に示されるように、ビジョンプローブ616を取り付けるステップの後に、次に図6Eを参照すると、アクセサリを取り付けるための各ステップ(「アクセサリを取り付ける」)が完了している。完了し、リストされた各ステップの左側にある丸で囲まれたチェックマークが、視覚的に示される。また、示されるように、取り付けられたビジョンプローブ616は視覚的に強調される。
図6Fは、患者計画をコントローラ620(例えば、マスターコントロール220、図2)にロードするためのガイダンスを提供する視覚的表現である。示されるように、患者計画のロード(「計画をロードする」)は、USBドライブをコントローラ620に挿入するステップを含む。このステップは、コントローラ620に、1人又は複数の患者の患者固有データを格納する非一時的なデータ記憶装置又は他のメモリ装置を提供することを含み得、その患者固有データは、特定の患者の特定の健康関連データを含み得、及び/又は例えば、特定の患者に対して実行すべき処置に関する情報、患者の解剖学構造の術前画像、患者の解剖学的構造のレンダリングされた画像、解剖学的標的への計画した経路、器具の詳細、設定、及び/又は処置を行うための医療システムの特定の操作に関連する他の情報を含み得る。図6Fの現在の「計画をロードする」のステップは、コントローラ620のユーザが、タッチスクリーン621と相互作用して(例えば、タッチスクリーン621上の特定の位置で押す)患者を選択することによって、タッチスクリーン621に示される複数の患者表現から患者を選択するためのものである。
図6Gに示されるように、セットアップのための次の案内されるステップは、アーム606を、患者Pに結合した気管内チューブ(ETT)等の医療器具にドッキングすることである(「患者へのドッキング」)。図6Gの視覚的表現に示されるように、第1のステップは、アーム606を装置コネクタ618にドッキングすることである(例えば、図3A及び図3Bに関して示し説明したように、装置コネクタ318に結合したベース304の先端部分304cを参照されたい)。図6Hに示されるように、「患者へのドッキング」の次のステップは、カテーテル610を気管内チューブ624内に配置することである。示されるように、カテーテル610の一部が、右側の図において視覚的に強調される。カテーテルを気管内チューブに配置する例は、図3Aを参照して説明しており、装置コネクタ318と、患者医療装置320内に挿入されて延ばされるカテーテル等の細長い装置310aを備えた気管内チューブ等の患者医療装置320とについて議論している。気管内チューブ624は、患者Pの口に挿入されるものとして示される。「カテーテルをETチューブ内に配置する」の直ぐ下の図6Hの視覚的表現にリストされた次のステップは、カテーテルガイド622を延ばすことである。延ばされたカテーテルガイドの例が、図3Aによって示され、図3Aを参照して説明され、ここで、カテーテル等の細長い装置310aは、延ばされた「細長い装置ガイド」322を通って延びる。適切な位置に延ばされたカテーテルガイド322は、図6Iの視覚的表現に詳細に示される。カテーテルガイドを延ばすステップが完了すると、案内されるセットアップの「患者へのドッキング」ステップが完了し、リストされた項目(左側のリストされた項目を参照)の横にあるチェックマークで示されるように、医療システムのセットアップが完了し、これは、図6Jの視覚的表現におけるチェックマーク及び「セットアップ完了」メッセージによって視覚的に示される。
図7A~図7Hは、本開示のいくつかの実施形態による、医療処置の完了後に医療システムをセットアップ解除するオペレータ又は他の個人等のユーザに段階的なガイダンスを提供する視覚的表現を示す。図7A~図7Hに示されるステップに従って、セットアップ解除している医療システムは、図6A~図6Jに示されるステップに従ってセットアップされた医療システム600に対応し、図6A~図6Jの参照符号と同じである図7A~図7Hの参照符号は、同じ対応する要素を指す。あるいはまた、図7A~図7Hによって示されるステップのうちの1つ又は複数は、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の医療システムの同様の構成要素に適用することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテル610は、医療処置中に患者の解剖学的構造を通ってナビゲートされ、カテーテル610の先端チップを解剖学的標的に位置付けする。処置が完了すると、カテーテルを解剖学的構造から後退させることができる。本開示の一実施形態によるセットアップ解除(「患者からのドッキング解除」)のための第1の案内されるステップは、図7Aの視覚的表現に示され、図示されるように、カテーテル先端チップ(例えば、図7Cのカテーテル610を参照)を患者Pの患者の解剖学的構造から気管内チューブ624内に後退させることである。図7Bの視覚的表現に示されるように、次のステップは、カテーテルガイド622(図で視覚的に強調される)を後退させ、気管内チューブ624からカテーテル610を取り外すことである。図7Cの視覚的表現によって示されるように、次のステップは、装置コネクタ618(視覚的に強調される)をアーム606からドッキング解除することである。装置コネクタ618をアーム606からドッキング解除するステップが完了すると、「患者からのドッキング解除」の3つのリストされたステップが完了する。患者からのドッキング解除後に、図7D、図7E、及び図7Fの視覚的表現に示されるように、セットアップ解除プロセスの次の案内されるステップは、アクセサリを取り外す(「アクセサリを取り外す」)ことであり、これは、(示されるようにリストされた順序で)以下のリストされたステップを含み、このステップは、図7Dに示されるようにビジョンプローブ616を取り外すこと(ビジョンプローブ616は視覚的に強調される);図7Eに示されるように、カテーテル610を取り外すこと(カテーテル610及び制御アセンブリ610a(例えば、制御アセンブリ310b、図3A)は視覚的に強調される);図7Fに示されるように、カテーテルガイド622を取り外すこと(カテーテルガイド622は後退した形態で視覚的に強調される)を含む。
「アクセサリを取り外す」のステップが完了した後に、セットアップ解除するための次の案内されるステップは、システムを清掃することである(「システムの清掃」、図7Gに視覚的に表される)。システムを清掃する最初のステップは、コントローラ620(例えば、マスターコントロール220、図2)のスクロールホイール623及びトラックボール625(両方とも図7Gの図で視覚的に強調される)を取り外して拭き取ることである。図2のマスターコントロール220に関して上で議論したように、いくつかの実施形態では、スクロールホイール(図7Gの623)は、患者の解剖学的構造に対するカテーテル等の医療器具の前進又は後退を制御するために、順方向又は逆方向に転がされ、及びトラックボール(図7Gの625)は、カテーテル等の細長い装置の先端部分及び/又は先端チップの位置を操縦するために、オペレータによって様々な方向に転がされ得る。システムを清掃するための次の案内されるステップは、コントローラ620の残りの部分及び表面(例えば、タッチスクリーン)を拭き取り(例えば、清掃布及び/又は洗浄剤でこすり)、アーム(例えば、図7Aのアーム606を参照)を清掃する(「アームの拭き取り」)ことである。
「システムの清掃」ステップが完了した後に、セットアップ解除の次の案内されるステップは、図7Hに示される「システムの格納」ステップであり、これは、アーム606を折り畳むこと、アーム606をカート614(例えば、システムカート214、図2)の上に位置付けすること、及び次にシステムをオフにすることを含む。収容した構成のシステムの例が図2Bに示され、システムを収容した構成に配置するための対応する説明は、図2Bの説明において提供される。
図2を参照すると、表示システム216は、モニタ支持アーム210及び表示モニタ216a、216bを含む。図2に示されるように、表示モニタ216a、216bは、両方のモニタの表示画面がユーザに見える開いた構成又は部分的に開いた構成で配置され得る。モニタ216aは、上部モニタ及び/又は第1の部材と呼ばれ得、モニタ216bは、下部モニタ及び/又は第2の部材と呼ばれ得る。完全に開いた構成では、モニタ216a、216bは、互いに約180°で向き合わせされ得る。部分的に開いた構成では、モニタ216a、216bは、互いに0°~180°の間、又は拡張位置で互いに180°~360°の間で向き合わせされ得る。さらに、モニタ216a、216bの相対的な可動域は、互いに0°~360°の間であり得る。図8Aは、いくつかの実施形態による、折り畳まれた又は閉じた構成の表示システム216を示している。この実施形態では、モニタ216a、216bは、ヒンジ機構217によって一緒に結合される。各モニタ216a、216bは、それぞれ、ハウジング215a、215bを含む。図8A及び図8Bに示されるように、ハウジング215a及び215bは、それぞれ、背面パネル219a及び219bを含み得る。閉じた構成では、モニタ216a、216bは、一般に、互いに隣接しており、一般に、平行に整列している。図9A及び図9Bは、明確にするために、背面パネル219bを隠すよう切り取った状態のハウジング215a及び215bを示している。表示画面221は、ハウジング215bの内向き面に取り付けられて示される。表示画面(図9A及び図9Bには示されていない)は、閉じた構成において、モニタ216a、216bの表示画面221が互いに向き合うことができるように、ハウジング215aの内向き面にさらに取り付けることができる。いくつかの代替実施形態では、表示画面221は、表示画面221が互いに反対向きになり得るように、ハウジング215a及び215bの外面に取り付けることができる。更なる代替実施形態では、例えば、1~4の表示画面までの任意の数の表示画面221を、ハウジング215b及び/又はハウジング215aで、ハウジング215a及び/又はハウジング215bの内面及び/又は外面上に取り付けることができる。
表示システム216は、ヒンジカバー230も含む。ヒンジカバー230は、ヒンジ機構217の1つ又は複数の構成要素を覆って保護する。ヒンジカバー230は、ケーブル(例えば、機械ケーブル、電気ケーブル等)も収容し、過度の曲げ応力からケーブルを保護するためにケーブルを配線するのに役立ち得る。さらに、ヒンジカバー230は、モニタセンサ、傾斜センサ等のような表示システム216の他の構成要素を収容することができる。モニタ216bは、モニタ支持アーム210に結合され、従って、モニタ支持アーム210が動く(例えば、並進、回転等)ときに、モニタ支持アーム210と共に移動することができる。同様に、モニタ216aは、モニタ216bに結合され、従って、モニタ216bが動く(例えば、並進、回転等)ときに、モニタ216bと共に移動することができる。いくつかの例では、モニタ216aは、モニタ216bに対してヒンジ機構217を介して回転し、これにより、モニタ216aを、所望の視角に位置付けするか、又は格納のためにモニタ216bに対して折り畳んだ構成で折り畳んで収納することができる。モニタ216a、216bは、ヒンジ機構217を介して回転して、モニタを閉じた構成、部分的に開いた構成、又は完全に開いた構成に位置付けすることができる。モニタ216a、216bが開いた構成(完全に開いているか又は部分的に開いている)にある実施形態では、モニタ216aは、モニタ216bから離間され、及び/又はモニタ216bの上に位置付けされる(図10、図11を参照)。
いくつかの実施形態では、モニタ216aの重量は、表示システム216を閉じた構成に向けて付勢し得る。以下に説明するように、モニタ216aの重量を相殺する(conteract)力(例えば、トルク)を適用して、モニタを開いた構成又は部分的に開いた構成に動かして維持できるようにするシステムを提供することができる。そのようなシステムは、摩擦歯車ヒンジアセンブリ及び/又はカウンターバランスシステムを含み得る。
図8Bは、ヒンジカバー230が取り外された状態の表示システム216の閉じた構成を示している。この実施形態では、ヒンジ機構217は、2つの歯車ヒンジアセンブリ240を含む。図8Bに示されるように、各歯車ヒンジアセンブリ240は、両方のモニタ216a、216bに接続される。歯車ヒンジアセンブリ240は、表示システム216が開いた又は部分的に開いた構成にあるときに、システムの静止に寄与する摩擦力を与えることができる。例えば、モニタ216aがモニタ216bに対してヒンジ機構217の周りで開いた又は部分的に開いた構成に旋回(pivot)されるときに、歯車ヒンジアセンブリによって与えられる摩擦力は、小さな偶発的な動き(例えば、モニタ216a、216bの一方又は両方に当たる、モニタ216a、216bの一方又は両方に触れる等)によって、モニタ216bに対するモニタ216aの向きを変化させるのを防ぐのに役立つ。従って、いくつかの実施形態では、モニタ216a、216bの向きが設定されると、向きを変更するために何らかの肯定的な行動が取られない限り、モニタの互いに対する向きは変化しないだろう。代替実施形態では、ヒンジ機構217は、単一の歯車ヒンジアセンブリ240又は3つより多い歯車ヒンジアセンブリを含み得る。
図8Cは、いくつかの実施形態による歯車ヒンジアセンブリ240の斜視図を示す。図8Dは、いくつかの実施形態による歯車ヒンジアセンブリ240の側面図を示す。図8Eは、いくつかの実施形態による歯車ヒンジアセンブリ240の切欠き斜視図を示す。歯車ヒンジアセンブリ240は、歯車ブロック241、上部歯車242、及び下部歯車243を含む。歯車ブロック241は、ハウジングとも呼ばれ得る。上部及び下部歯車242、243は、略平行に整列しており、モニタ216a、216bが互いに対して回転するときに、少なくとも一方の歯車が他方に対して回転するように係合している。上部歯車242は上部モニタ216aに収容され得、下部歯車243は下部モニタ216bに収容され得る。各歯車242、243は、保持部材244によって歯車ブロック241に結合される。ばね247のセットが、歯車242、243のそれぞれの内部に延びる。説明を容易にするために、以下の議論は、下部歯車243及び歯車ヒンジアセンブリ240の対応する構成要素を参照して行う。議論は、上部歯車242及び歯車ヒンジアセンブリ240の対応する構成要素にも同様に当てはまることを理解されたい。歯車243内に収容されたばねのセット247(付勢部材とも呼ばれる)は、歯車ブロック241と歯車243との間に位置付けされたばねプレート246と係合する。ばねプレート246(第2の摩擦部材と呼ばれ得る)は、歯車243及び保持部材244(例えば、保持リング、クリップ、ねじ等)と同軸に配置される。摩擦プレート245(第1の摩擦部材と呼ばれ得る)が、歯車ブロック241とばねプレート246との間に延びる。摩擦プレート245は、歯車243、ばねプレート246、及び保持部材244と同軸に配置される。いくつかの実施形態では、ばねプレート246は、歯車243と回転式にロックされる。そのような実施形態では、ばねプレート246及び歯車243は、一緒に回転する。いくつかの例では、ばねプレート246及び歯車243は、機械的接続、接着剤接続等を介して回転式にロックされ得る。他の実施形態では、摩擦プレート245は、歯車243で回転式にロックされる。そのような実施形態では、摩擦プレート245及び歯車243は一緒に回転する。いくつかの例では、摩擦プレート245及び歯車243は、機械的接続、接着剤接続等を介して回転式にロックされ得る。いくつかの例では、摩擦プレート245は、ばねプレート246で回転式にロックされる。そのような例では、摩擦プレート245及びばねプレート246は一緒に回転する。いくつかの実施形態では、摩擦プレート245及びばねプレート246は、機械的接続、接着剤接続等を介して回転式にロックされ得る。更なる実施形態では、摩擦プレート245は、ばねプレート246と歯車243との両方で回転式にロックされ得る。いくつかの実施形態では、摩擦プレート245は軸線方向に移動可能であり、それによって、ばね247は、経時的に起こり得る摩擦プレート245の任意の摩耗を可能にするように伸びることができる。
複数のばね247は、ばねプレート246に対して力を与える。力は、ばねプレート246の周りに均等に分散され得るか、又は下部歯車243内のばね247の配置に応じて、ばねプレート246の周りに不均一に分散され得る。いくつかの実施形態では、複数のばね247の各ばねは、対応するねじに結合される。各ばねがばねプレート246に対して与える力を調整するために、各ねじを個別に調整することができる。ばね247からの力は、ばねプレート246から摩擦プレート245に伝達される。次に、力は、摩擦プレート245から歯車ブロック241に伝達される。摩擦プレート245と歯車ブロック241との間に生じる摩擦力は、モニタ216a、216bを開いた構成又は部分的に開いた構成に保持するのに役立つ受動的で一定の摩擦を与える。いくつかの実施形態では、各歯車ヒンジアセンブリ240は、個々の歯車ヒンジアセンブリ240のそれぞれに固有の特定の摩擦を有する。歯車ヒンジアセンブリ240によって表示システム216に加えられる摩擦のレベルは、オペレータの好みに適合する及び/又はモニタ216a、216bの仕様(サイズ、重量等)を考慮するのに十分な量の摩擦を適用するように調整され得る。いくつかの実施形態では、これらの調整は、歯車ヒンジアセンブリ240をモニタ216a、216bに結合する前に、製造プロセス中に行われ得る。他の実施形態では、調整は、歯車ヒンジアセンブリ240をモニタ216a、216bに結合した後に行われ得る。
いくつかの実施形態では、摩擦力は、モニタ216a、216bのサイズ及び重量に応じて、ばね247のレートを変更することによって調整することができる。いくつかの実施形態では、複数のばね247は、下部歯車243内に円形に配置され得る。いくつかの例では、個々のばねは、下部歯車243の周りに周方向に等距離に配置され得る。他の例では、個々のばねは、下部歯車243の周りに周方向に不等距離パターンでランダムに間隔を空けて配置され得る。さらに他の例では、1つのばねのみを下部歯車243に含めることができる。そのような場合に、1つのばねは、下部歯車243と同心にすることができ、それによって、ばねは下部歯車243の周りの周方向に360°に及ぶ。
いくつかの例では、摩擦プレート245は、高摩擦材料で作製してよい。いくつかの実施形態では、歯車ブロック241も、高摩擦材料で作製してよい。更なる実施形態では、ばねプレート246は、低摩擦材料で作製してよい。代替実施形態では、摩擦プレート245とばねプレート246との両方は、高摩擦材料で作製してよい。
いくつかの実施形態では、モニタ216aの重量は、モニタを開いた又は部分的に開いた構成に維持するために歯車ヒンジアセンブリ240に必要な摩擦力が、非常に大きく、ユーザが摩擦力に容易に打ち勝ってモニタの相対的な向きを調整できなくするほど大きくされ得る。表示システム216が部分的に開いた又は開いた構成にあるときにモニタ216aがヒンジ機構217の周りを回転するのを防ぎ、それでもモニタ216aを回転可能に容易に調整できるようにするために、表示システムは、図9A及び図9Bに示されるように、カウンターバランスシステム250を含み得る。カウンターバランスシステム250を用いて、表示システム216は、歯車ヒンジアセンブリ240において十分に高い一定の摩擦を達成するように最適化されて、モニタ216a、216bを開いた又は部分的に開いた構成に維持すると同時に、ユーザがモニタ216a、216bの向きを互いに対して困難性なく調整できるようにする。以下でより詳細に説明するように、カウンターバランスシステムによって与えられるカウンターバランス(相殺)力(カウンターバランストルクであり得る)と組み合わされた歯車ヒンジアセンブリ240の摩擦を使用して、モニタの選択した向きを維持する表示システム216内の力(例えば、トルク)を達成すると同時に、ユーザが摩擦を容易に打ち勝って向きを調整できるようにする。この実施形態では、歯車ヒンジアセンブリ240は、表示システム216において一定のブレーキ(受動ブレーキ等)として動作することができる。
代替実施形態では、カウンターバランスシステム250は、摩擦力が必要になる前に、表示システム216にカウンターバランス力を加える。いくつかの実施形態では、カウンターバランスシステム250によって与えられるカウンターバランス力(例えば、カウンターバランストルク)は、モニタ216a、216bが互いに対して回転しているときに、表示システム216に存在するモニタ力(モニタの力)(例えば、トルク)に類似しているが、等しくはない場合がある。従って、カウンターバランス力とモニタ力との間に差が存在する可能性がある。いくつかの実施形態では、力同士の間のこの差を補償するために、歯車ヒンジアセンブリ240内の摩擦力等の摩擦力が表示システム216に加えられる。摩擦力は、カウンターバランス力とモニタ力との間の差よりも大きくなり得る。上で議論したように、歯車ヒンジアセンブリ240内の摩擦力は、カウンターバランス力とモニタ力との間の差に応じて、表示システム216に所望の摩擦力を与えるように調整され得る。例えば、カウンターバランス力とモニタ力との間の差が比較的大きい場合に、次に摩擦力は比較的大きくなるだろう。別の例では、カウンターバランス力とモニタ力との間の差が比較的小さい場合に、次に摩擦力は比較的小さくなるだろう。摩擦力は、モニタ力がカウンターバランス力と摩擦力との組合せに実質的に等しくなるように、任意の所望の量に調整することができる。
図9A及び図9Bは、表示システム216が閉じた構成にあるときのカウンターバランスシステム249及びカウンターバランスシステム250を示している。図9A及び図9Bにおいて、背面パネル219bは切り取られている。いくつかの実施形態では、カウンターバランスシステム249、250(カウンターバランス・アセンブリとも呼ばれ得る)は、ハウジング215b内に収容される。図9A及び図9Bに示される実施形態では、表示システム216は、モニタ216b内に2つのカウンターバランスシステム249、250を含む。代替実施形態では、モニタ216bは、1つのカウンターバランスシステム250のみを含み得る。他の実施形態では、モニタ216bは、3つ以上のカウンターバランスシステム250を含み得る。更なる代替実施形態では、1つ又は複数のカウンターバランスシステム249、250は、モニタ216a内に含まれ得る。従って、1つ又は複数のカウンターバランスシステム249、250は、モニタ216a、216bの一方又は両方に含まれ得る。いくつかの実施形態では、表示システム216は、1つのモニタ、例えば、モニタ216aのみを含む。そのような実施形態では、ピボット点が(図10に示されるように)ヒンジ217の周りにあり、モニタ216aは、モニタ216aの下部水平エッジに沿って水平軸線の周りを回転する。他の実施形態では、ピボット点は、モニタ216aの表面に沿った異なる位置にあってもよく、それによって、モニタ216aが、モニタ216aの中心の水平軸線、上部水平エッジに沿った水平軸線、又はモニタ216aの下部水平エッジと上部水平エッジとの間の任意の水平軸線の周りを回転できる。他の実施形態では、回転軸線は水平方向からある角度にある。1つ又は複数のカウンターバランスシステム249、250は、モニタ216a内に含まれ得、1つ又は複数のカウンターバランスシステム249、250の位置は、それに対応して、モニタ216aのピボット点の位置に基づいて可変である。あるいはまた、1つ又は複数のカウンターバランスシステム249、250は、支持アーム210内又はシステムカート210の別の構成要素内に含まれ得る。以下の説明は、カウンターバランスシステム250を説明するが、同じ説明がカウンターバランスシステム249に当てはまる。
カウンターバランスシステム250は、ばね251等の付勢部材、ばね終端252(終端部材でもあり得る)、ケーブル253、前負荷調整アセンブリ254、セクター(sector:扇形)プーリ255、プーリ256、及びヒンジコネクタ257を含む。カウンターバランスシステム250において、ばね251は、基端部分258及び先端部分259を含む。基端部分258は、ブロック260に結合され、先端部分259は、ばね終端252に結合される。基端部分258は、機械的接続、接着性接続、又は任意の他の適切な接続でブロック260に結合され得る。ブロック260は、剛性であり得、背面パネル219b等のモニタハウジング215bに固定的又は一体的に結合され得る。一対のレール223が、ブロック260から延びることができ、一般に、ばね251と並んで延びることができる。レール223は、背面パネル219bに固定されるか、又は背面パネル219bと一体的に形成され得る。
ばね251の先端部分259は、ばね終端252に結合され得る。いくつかの実施形態では、ばね終端252は、ばね251の長手方向軸線Lに略平行な方向L1又はL2に移動可能である。モニタ216aの向きがモニタ216bに対して調整されるので、ケーブル253は、ヒンジコネクタ257によって動かされ、ばね251は、それに応じて圧縮又は伸長される。ばね251が圧縮又は伸長されると、ばね251の先端部分259及びばね終端252は、軸線Lに沿ってモニタ216b内で上向き(ヒンジ機構217に向かう方向に)及び下向き(ヒンジ機構217から離れる方向に)移動する。ばね終端252は、ケーブル253の動きにより上下に移動し、ケーブル253の動きは、ばね終端252を上下に引っ張る。
ケーブル253の第1の端部が、ばね終端252に結合される。ばね終端252から、ケーブル253はばね251を通って延び、それによって、ばね251がケーブル253を取り囲む。ケーブル253は、セクタープーリ255を横切ってさらに延び、セクタープーリ255は、背面パネル219b等のハウジング215bに固定して取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、セクタープーリ255は、ブロック260に結合され得るか、又はブロック260上に位置付けされ得る。ケーブル253は、ハウジング215bに回転可能に又は固定して結合され得るプーリ256の周りにさらに延びる。ケーブル253は、ヒンジコネクタ257を横切ってさらにループし、プーリ256の周り、セクタープーリ25を横切って、ばね251を通って逆に延びる。ケーブル253の第2の端部は、ばね終端252に結合される。ヒンジコネクタ257は、モニタ216a、例えば、ハウジング215aに結合される。
モニタ216aが開いた構成又は部分的に開いた構成から閉じた構成に移動されると、ヒンジコネクタ257は、プーリ256から離れる方向に、モニタ216bに対して、モニタ216aと共に回転する。いくつかの実施形態では、ヒンジコネクタ257がプーリ256から離れる方向に回転すると、ヒンジコネクタ257は、ケーブル253をプーリ256から離れる方向に引っ張る。ケーブル253がヒンジコネクタ257によって引っ張られると、ケーブル253はプーリ256の周りを移動する。いくつかの実施形態では、プーリ256は、ケーブル253がプーリ256の周りを移動するときに回転する。プーリ256の回転は、ケーブル253とプーリ256との間の摩擦力を低減する。この摩擦力の低減により、カウンターバランスシステム250は、モニタ216a、216bが閉じた構成と完全に開いた構成との間で移行する際に、カウンターバランス力をスムーズに加えることができる。
図9Cは、いくつかの実施形態による、モニタ216aの様々な回転位置での印加モーメント及び平衡(counterbalance:カウンターバランス)モーメントの図解である。いくつかの例では、モニタ216a、216bが閉じた構成から開いた構成(部分的に開いた構成又は完全に開いた構成であり得る)に移行するときに、モニタ216aは、モニタ216bから離れる方向に回転し、モニタ216aが回転するときに変化するトルクをヒンジ機構217に加える。いくつかの実施形態では、モニタ216aの重量による回転点(例えば、ヒンジ機構217)に加えられるトルクは、0°の回転角から90°の回転角まで増大するモーメントを伴う半正弦波(half sine:正弦半波)としてグラフ化することができ、最大モーメントは約90°である。モニタ216aが90°から180°にさらに回転されると、モーメントは正弦波に従い続け、最大モーメントから最小モーメント(例えば、0ニュートンメートル)まで減少する。こうして、カウンターバランスシステム(例えば、カウンターバランスシステム250)によって与えられるカウンターバランストルクは、加えられたモニタトルクの実質的に同様の正弦波グラフに従う必要がある。図9C実施形態では、グラフ290は、モニタ216aの様々な回転位置で加えられたモーメントを実線の曲線292として示している。グラフ290は、モニタ216aの様々な回転位置で必要な平衡モーメントを点線の曲線294としてさらに示している。
こうして、いくつかの実施形態では、カウンターバランスシステム250によって与えられる必要なカウンターバランス力(例えば、カウンターバランストルク)は、モニタ216aが最初に閉じた構成からモニタ216bから離れる方向に回転し始めるとき、一般に低い。モニタ216aがモニタ216bから離れる方向に回転し続けると、必要なカウンターバランス力は増大する。いくつかの例では、モニタ216aがモニタ216bから離れる方向に90°回転したときに、必要なカウンターバランス力が最大量に達する。モニタ216aがモニタ216bから離れる方向に回転し続けると(例えば、90°を超える回転)、必要なカウンターバランス力が最大量から減少し始める。モニタ216aがモニタ216bから180°回転するときに、モニタ216a、216bは完全に開いた構成にあり得、必要なカウンターバランス力は一般に低い。従って、必要なカウンターバランス力は、モニタ216a、216bが閉じた構成にあるときの一般的に低い力から、モニタ216aがモニタ216bに対して90°回転したときの最大力に移行し、次に、モニタ216a、216bが完全に開いた構成になるときに一般に低い力に戻る。いくつかの実施形態では、上で議論した必要なカウンターバランス力の移行は、モニタ216a、216bが完全に開いた構成から閉じた構成に回転するときに同じ方法で適用される。
いくつかの実施形態では、カウンターバランスシステム250の幾何学的形状及び正弦波の性質は、モニタが開いた又は閉じた構成に近づくにつれて付勢が大きくなるように、モニタ216aの開いた又は閉じた構成への付勢をもたらす。いくつかの例では、図9Cに示されるように、カウンターバランスシステム250は、完全に閉じた(例えば、0°)構成及び完全に開いた(例えば、180°)構成に近づくときに、僅かに高いカウンターバランストルクを与えるように構成することができる。こうして、完全に閉じた構成に近い構成では、カウンターバランスシステム250は、モニタ216aを完全に閉じた構成に向けて付勢する。さらに、完全に開いた構成に近い構成では、カウンターバランスシステム250は、モニタ216aを完全に開いた構成に向けて付勢する。これは、オペレータがモニタ216aを開こうとしているときにオペレータを支援し、オペレータがモニタ216aを閉じようとしているときにオペレータを支援する。モニタ216aは、完全に閉じた構成に向けても付勢されており、これは、モニタ216aが意図せずに略完全に閉じた構成に置かれたときのモニタ216aの望ましくない動きを防ぎ、モニタ216aが略完全に開いた構成に置かれたときのモニタ216aのたるみを防ぐ。他の例では、モニタ216aが完全に閉じた構成に近い場合に、カウンターバランストルクはモニタトルク未満になり得る。そのような例では、表示システム216とカウンターバランスシステム250との間の正味のトルクは、モニタ216aを完全に閉じた構成に向けて付勢することができる。さらに他の例では、モニタ216aが完全に開いた構成に近い場合に、カウンターバランストルクは、モニタトルクよりも高くなり得る。そのような例では、表示システム216とカウンターバランスシステム250との間の正味のトルクは、モニタ216aを完全に開いた構成に向けて付勢することができる。
別の実施形態では、モニタ216aは、180°を超えて回転され、360°又は実質的に360°に近いミラー化された完全に閉じた構成に位置付けすることができる。モニタ216aの印加トルク及び必要な平衡トルクは、図9Cに示される曲線と同様の半正弦波曲線としてグラフ化することができ、ここで、最大トルクは270°の回転位置で発生し、最小の印可/必要なトルクは180°及び360°で発生する。
いくつかの実施形態では、カウンターバランス力を加えるために、ヒンジコネクタ257に結合したケーブル253は、ヒンジコネクタ257によって引っ張られ、その結果、ばね終端252を方向L1にばねの基端部分258に向けて引っ張り、これはばね251を圧縮する。ケーブル253が方向L1に引っ張られると、圧縮力がばね終端252によってばね251に加えられる。ばね251が圧縮されると、そのばね251は方向L2に反対の力を与え、ケーブル253に張力を形成する。圧縮ばね251の反力によって生成されるケーブル253の引張力は、モニタ216aの重量からの力を少なくとも部分的に相殺して、ソフトクローズを可能にするか、又は他にモニタ216aがヒンジ機構217の周りで急速に回転し、モニタ216bに落下するのを防止する。表示システム216が閉じた構成にあるとき、ばね251は最大圧縮状態にあり、表示システム216が開いた又は部分的に開いた構成にあるときよりも大きな圧縮を伴う。最大圧縮状態では、ばね251は完全に圧縮している場合とされていない場合がある。
図10は、部分的に開いた構成の表示システム216を示し、図11は、完全に開いた構成の表示システム216を示している。図10と図11との両方において、表示画面221は、カウンターバランスシステム249、250が見えるように切り取られている。表示システム216が閉じた構成から部分的に開いた構成に移動すると、ヒンジコネクタ257は、プーリ256に向けて、モニタ216bに対して、モニタ216aと共に回転する。ヒンジコネクタ257に結合したケーブル253は、ヒンジコネクタ257によって運ばれ、その結果、ばね終端を軸線Lに沿って方向L2に動かすことによってばね終端252に加えられた張力を解放し始める。非圧縮又は弛緩状態に向けて付勢されたばね251は、ケーブル253の動きとして圧縮解除され始め、ばね終端252を軸線Lに沿って方向L2に移動させる。ばね終端252が方向L2に移動すると、ばね251は圧縮解除し始める。こうして、モニタ216aがヒンジ機構217の周りを回転するときに、ばね251は、表示システム216が開いた構成又は部分的に開いた構成に移動するときに、ヒンジ機構217の摩擦力及びモニタ216aの重量からの力(トルクでもあり得る)に打ち勝つのを助ける力(トルクでもあり得る)を与える。上で議論したように、いくつかの実施形態では、カウンターバランスシステム250は、モニタ216a、216bに付勢力を与えて、それによって、表示システム216が閉じた構成から開いた構成又は部分的に開いた構成に移動するときに、モニタ216a、216bは、開くように付勢されて、開いた構成又は部分的に開いた構成に移動する。代替実施形態では、カウンターバランスシステム250は、モニタ216a、216bに付勢力を与えて、それによって、表示システム216が完全に開いた構成から部分的に開いた又は閉じた構成に移動するときに、モニタ216a、216bは、閉じるように付勢され、部分的に開いた構成又は閉じた構成に移動する。
表示システム216が部分的に開いた構成にあるときに、ばね251は、表示システム216が閉じた構成にあるときよりも圧縮が少なく、表示システム216が完全に開いた構成にあるときよりも圧縮が多い、部分的に圧縮された状態にある。表示システム216が完全に開いた構成にあるときに、ばね251は、表示システム216が閉じた構成又は部分的に開いた構成にあるときよりも圧縮されていない状態である最小圧縮状態にある。いくつかの実施形態では、ばね251は、表示システム216が完全に開いた構成にあるときに、最小圧縮状態で完全に非圧縮又は緩和され得る。あるいはまた、例えば、ばね251の初負荷(pretension)のために、ばね251は、表示システム216が完全に開いた構成にあるとき、最小圧縮状態である程度の圧縮を維持することができる。
図11に示されるように、カウンターバランスシステム250は、背面パネル219b及びレール223によって境界が定められるチャネル271内に位置付けされ得る。いくつかの実施形態によれば、チャネル271は、カウンターバランスシステム249を覆うように示されるカバープレート269と同様のカバープレートによってさらに境界が定められる。チャネル271で境界が定められる背面パネル219b、レール223、及びカバープレートの表面は、チャネル表面270である。この実施形態では、チャネル271は、長方形のプリズムを形成し得る。いくつかの実施形態では、チャネル271は、円筒形の表面によって形成され得る。チャネル271は、カウンターバランスシステム250を収容する任意の他の適切な形状であり得る。
図12は、いくつかの実施形態による、モニタ216a、216bが完全に開いた構成にあるときの、カウンターバランスシステム250の基端部分273の側面図を示す。セクタープーリ255は、セクタープーリ255の前縁267がプーリ256の前縁268から距離Dだけオフセットされるように位置付けされる。このオフセット距離Dにより、ケーブル253はプーリ256に接することができ、ケーブル253はまた、ばね251の長手方向軸と実質的に整列している。プーリ256は、ハウジング215bに対して回転して、張力をかけられたケーブル253の摩擦を低減し、これはケーブル253の寿命を延ばすことができる。いくつかの実施形態では、ヒンジコネクタ257は、本体部分282、カバー283、及びカバー283を本体部分282に結合するための少なくとも1つの締結部材284(例えば、ねじ)を含む。表示システム216の組み立て中に、ケーブル253は、本体部分282のループ形状のチャネル285内に位置付けされ、且つカバー283及び締結部材284によって所定の位置に保持される。
上記のように、表示システム216は、歯車ヒンジアセンブリ240内の摩擦によって寄与される静的力と、ケーブル253上のばね251からの力によって寄与される動的な力とを有し得る。上で議論したように、カウンターバランスシステム250によって与えられる力は、カウンターバランストルクであり得る。こうし、動的な力は動的なトルクであり得る。静的及び動的な力は、モニタ216aの重量を相殺するように最適化することができる。ばね251によって寄与される動的な力は、ばね251のレート及び/又はばね251内の初負荷(例えば、前負荷)に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、ばね251の初負荷は、ケーブル253によって抵抗を受ける。図13A~図13Dは、ケーブルマウント266、ばね終端252、及び前負荷調整アセンブリ254を含むカウンターバランスシステム250の先端部分276を示す。ケーブルマウント266は、本体部分277、カバー278、及びカバー278を本体部分277に結合するためのねじ等の少なくとも1つの締結部材279を含む。図13Cに示されるように、ケーブル253の端部265a、265bは、端子部材288を含む。端子部材288は、(例えば、圧着又ははんだ付けによって)取り付けられてもよく、又は端部265a、265bと一体的に形成してもよい。端子部材288は、本体部分277の凹部289内に収まるようなサイズにすることができる。カバー278が締結部材279によって本体部分277に取り付けられるときに、端子部材288は、本体部分277とカバー278との間に捕捉され、ケーブル253が引張負荷を受けたときに、本体部分277に対する端子部材288の移動を防止することができる。代替実施形態では、ケーブル253は、機械的締結具、はんだ、接着剤等を含む他のタイプの固定具でケーブルマウント266に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ケーブル253は、ケーブルマウント266の本体部分277を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、ケーブルマウント266は、概して円筒形であり得る。そのような形状によって、ケーブルマウント266がばね251内をより容易に移動することが可能になり得る。代替実施形態では、ケーブルマウント266は、長方形、円錐形、又は他の任意の適切な形状であり得る。代替実施形態では、ケーブル253の端部265a、265bは、ばね終端252に直接結合される、又は前負荷調整アセンブリ254に直接結合され得る。
図13Bの実施形態に示されるように、各ねじ279の背面280は、ケーブルマウント266の本体部分277の外面281と同じ平面で終端する。この位置合せにより、ケーブルマウント266がばね251内をより容易に移動できるようになり得る。代替実施形態では、各ねじ279の背面280は、本体部分277の外面281が終端する平面とは異なる平面で終端する。一例として、各ねじ279の背面280は、本体部分277の外面281が終端する平面よりもカバー278に近い平面で終端し得る。別の例として、各ねじ279の背面280は、本体部分277の外面281が終端する平面よりもカバー278から遠い平面で終端し得る。
ねじ付きロッド262(細長い部材と呼ばれ得る)が、ケーブルマウント266の本体部分277に結合され、ケーブル253とは反対の方向にケーブルマウント267の本体部分277から延びる。ばね終端252は、ねじ付きロッド262に取り付けられる。例えば、ばね終端252は、ねじ付きロッド262を上下に回転させることによってばね終端252の位置を調整できるように、ねじ付きロッド262にねじ結合することができる。ばね終端252は、ばね及び/又はケーブルの長さの公差を考慮するために、並びにばね251のレートの調整を可能にするために、ばね251の初負荷を変更するように調整することができる。ばね終端252は、らせん溝261を含む。図13Dに示されるように、らせん溝261は、ばね251を受容するようなサイズ及び形状であり得る。ばね251は、ばね251の所望のレートに応じて、らせん溝261内の任意の回転位置でばね終端252に結合されて、ばねからの動的な力を最適化することができる。ばね251の所望のレートは、例えば、モニタ216aのサイズ及び重量に応じて異なり得る。さらに、いくつかの実施形態では、ばね251がばね終端252に結合されると、ばね終端252を回転させて、ばね251のレートをさらに調整することができる。このような調整を行って、ばね251のレートを微調整することができ、これは、例えば、ストック(stock)ばねの仕様が、ばね251を使用している特定のカウンターバランスシステム250の所望の仕様と一致しない場合に必要となる可能性がある。いくつかの実施形態では、ばね251の先端部分259は、機械的接続、接着剤接続、又は任意の他の適切な接続を用いてばね終端252に結合され得る。いくつかの実施形態では、カウンターバランス・アセンブリの構成要素に応じて、1つのカウンターバランスシステム(例えば、カウンターバランスシステム250)が1つのばね(例えば、ばね251)に適しており、別のカウンターバランスシステムが別のばねに適している場合がある。
ばね終端252は、複数のローラー274を含む。いくつかの実施形態では、ばね終端252は、2つ、3つ、4つ、又は4つより多いローラー274を含む。ローラー274は、ばね終端の円周の周りに等間隔で配置され得る。一例として、ばね終端252は、ばね終端252の円周の周りにそれぞれ120°間隔を空けて配置された3つのローラー274を含み得る。別の例として、ばね終端252は、ばね終端252の円周の周りにそれぞれ180°間隔を空けて配置された2つのローラー274を含み得る。いくつかの例では、カウンターバランスシステム250は、チャネル271内に位置付けされ得、ばね終端252のローラー274は、チャネル表面270に接触し、モニタ216aがモニタ216bに対して回転して表示システム216を開閉するときに、ばね終端252が上下に移動するにつれてチャネル表面270に沿って転がり得る。チャネル表面270と接触しているローラー274は、摩擦を低減し、ばね終端252及び全体としてのカウンターバランスシステム250のより多くの流体の動きを可能にし得る。ローラー274は、カウンターバランスシステム250の構成要素が位置を変えるときに、ばね終端252及び/又はカウンターバランスシステム250の他の構成要素がチャネル表面270に直接接触するのも防ぐことができる。これは、カウンターバランスシステム250の構成要素及びチャネル表面270を不必要な摩耗から保護する。いくつかの実施形態では、ばね251は、ばね251が上下に移動するときに、チャネル271内で座屈する可能性がある。こうして、ばね251は、チャネル表面270に接触し得る。そのような実施形態では、ばね251がチャネル表面270に接触するときに、ローラー274は、ばね251とチャネル表面270との間の摩擦を低減する。
ばね251上の初負荷は、ばね251によって与えられる動的な力にも寄与し得る。図13A~図13Dは、ねじ付きロッド262の先端部分及びねじ付きナット263等の結合部材を含む前負荷調整アセンブリ254を示す。ねじ付きナット263は、ねじ付きロッド262とねじ結合するようなサイズ及び形状であり、ねじ付きナット263が、ねじ付きロッド262に対して回転可能である。前負荷調整アセンブリ254は、例えば、モニタ216a、216bの異なるサイズ及び重量を考慮して、ケーブル253に与えられる引張負荷と実質的に同じであるばね251の張力を調整するために使用され得る。この実施形態では、ねじ付きナット263は、ねじ付きロッド262に対して回転して、ナットを方向L1又はL2に動かして、ばね251の前負荷を調整することができる。回転方向に応じて、そのような回転は、必要に応じて張力をばね251に加えるか又はばね251から取り除くことができる。このような調整は、ばね251の前負荷を微調整するために行うことができ、これは、例えば、ストックばねの仕様が特定のカウンターバランスシステム250の所望の仕様と一致しない場合に必要となる可能性がある。さらに、ばね251及び/又はケーブル253の長さの公差、並びにばね終端252の回転を介してばね251のレートに行われる調整を考慮して行われる。いくつかの実施形態では、ばね251の調整は、ケーブル253の力を微調整するように行われ得る。
図13Dは、カウンターバランスシステム250の先端部分272の正面図を示す。上で議論したように、ケーブルマウント266及びケーブル253は、ばね251によって取り囲まれる。これにより、ケーブル253及びケーブルマウント266は、モニタ216a、216bが互いに対して回転するときに、ばね251の内部で上下に移動することができる。カウンターバランスシステム250のそのようなコンパクトな構成は、モニタ216b内のスペースを節約するのに役立ち、製造コストを削減するのに役立ち、上部及び下部モニタ216a、216bの全体的なサイズ及び重量を減らすのに役立ち得る。さらに、より長いばねを必要とし得る実施形態では、ばね251及びケーブル253は、上部及び下部モニタ216a、216bのサイズを縮小するのを助けるために、ハウジング215b内で任意の角度に位置付けされ得る。例えば、ばね251及びケーブル253は、ハウジング215bの壁に対してある角度で位置付けされ得る。ばね251及びケーブル253はまた、ハウジング215b内に水平方向に位置付けされ得る。いくつかの実施形態では、ばね251は、引張ばねであり得る。これにより、必要に応じて、ばね251の長さを長くすることができる場合がある。
図2を参照すると、システムカート210は、ホイール218のセット(ホイールアセンブリとも呼ばれる)に取り付けられる。カート214は、カート214が手術台(例えば、手術台T)及び患者(例えば、患者P)に対して所望の位置に移動可能であり得るブレーキ解除(unbraked)構成を有し得る。ブレーキ解除構成では、ホイール218は、地面に平行な軸線Bの周りで回転可能であり、及び/又は地面に直交する軸線Cの周りで旋回可能であり得、カート214の並進及び回転運動を可能にし得る。カート214は、ホイール218、従ってカート214がロックされて、回転及び旋回運動が制限され、カート214が静止位置に留まるブレーキ適用(braked)構成も有し得る。図14は、カート210のカートベース700を示している。カートベース700は、ホイールアセンブリ218に結合され、前端702及び後端704を含む。この実施形態では、カートベース700は、ハウジング701、2つのペダル710a、710b、及び各ホイールアセンブリ218に対応するブレーキアセンブリ720a~720dを含む。ブレーキアセンブリ720b及び720dは、ペダル710bに対応し、カートベース700の後端704に配置される。ブレーキアセンブリ720a及び720cは、ペダル710aに対応し、カートベース700の前端702に位置される。図14に確認されるように、各ホイールアセンブリ218は、地面に平行なそれ自体の軸線Bの周りで回転可能であり得、及び/又は地面に直交するそれ自体の軸線Cの周りで回転可能であり得、カート214の並進及び回転運動を可能にする。
図15Aは、カートベース700の後端704にあるホイールアセンブリ218のうちの1つに対応するブレーキアセンブリ720bを示している。以下の議論は、単一のホイールアセンブリ218に対応する単一のブレーキアセンブリ720bについて言及しているが、この議論は、カートベース700に存在し得る他のブレーキアセンブリに適用され得ることを理解されたい。図15Aに示されるように、ブレーキアセンブリ720bは、ブレーキ解除構成にある。こうして、カート214は、手術台T及び患者Pに対して所望の位置に移動可能であり得る。ブレーキ解除構成では、ペダル710bは押し下げられていない。
図15Aの実施形態に示されるように、ブレーキアセンブリ720bは、ペダル710bに機械的に結合したペダルコネクタ722を含み得る。いくつかの実施形態では、ペダルコネクタ722は、ペダル710bと一体的に形成される。他の実施形態では、ペダルコネクタ722は、ペダル710bに取り外し可能に結合される。ブレーキアセンブリ720bは、カートベースハウジング701に堅固に結合した、又はそのハウジング701と一体的に形成された安定化部材724をさらに含み得る。図15Aに示されるように、ブレーキアセンブリは、長手方向軸線Lに沿って延びるシャフト726をさらに含み得る。この実施形態では、シャフト726は、ペダルコネクタ722の通路723及び安定化部材724の通路(図示せず)を通って延びる。シャフト726は、ペダルコネクタ722に固定して結合され得、それによって、ペダルコネクタがシャフト726の長手方向軸線Lの周りを旋回するときに、シャフト726もその長手方向軸線Lの周りを回転する。シャフト726は、安定化部材724を通って延び、安定化部材724に対して回転するが、安定化部材724によってベースハウジング701に対して並進的に固定されたままである。
この実施形態では、ブレーキアセンブリ720bは、一端がシャフト726に固定して結合され、他端が同期シャフト730に回転可能に結合され、カートベース700の前端702でブレーキアセンブリ720aに延びる結合部材728をさらに含む。ブレーキアセンブリ720bは、一端が結合部材728に固定して結合され、他端がホイールアセンブリ218に回転可能に結合されるシャフト732をさらに含む。シャフト732は、シャフト726と一体的に形成してもよく、又は結合部材728によってシャフト726に接続してもよく、それによって、長手方向軸線Lの周りのシャフト726の回転運動によって長手方向軸線Lの周りのシャフト732の回転運動が生じる。
ブレーキアセンブリ720bをブレーキ解除構成からブレーキ適用構成に移行するために、オペレータは、ペダル710a、710bのうちの1つを押す(例えば、踏む)。以下の議論は、ペダル710bを参照して行われる。この議論はペダル710aにも当てはまることを理解されたい。ペダル710bが押し下げられると、ペダル710bは下方向に移動する。この実施形態では、ペダル710bが押し下げられると、ペダルコネクタ722が長手方向軸線Lの周りに回転し、シャフト726を回転させる。シャフト726が回転すると、結合部材728及びシャフト732が長手方向軸線Lの周りに回転する。この実施形態では、シャフト732の回転は、ホイールアセンブリ218内のブレーキ機構と係合し、ホイールアセンブリ218にブレーキをかけ、それによりホイールアセンブリ218の軸線B(例えば、ホイール回転)及び/又は軸線C(例えば、ホイールスイベル)の周りの回転を防止する。結合部材728の回転は、同期シャフト730の並進運動も生じさせ、カートベース700の前端702にある接続されたブレーキアセンブリ720bで対応するブレーキ動作を生じさせる。図15Bは、軸線B及び/又はCの周りの回転を防止するためにホイールアセンブリ218がロックされたブレーキ適用構成のブレーキアセンブリ720bを示している。こうして、カート210は静止位置に留まる。
いくつかの実施形態では、ペダル710a、710bは、機械的に同期している。ペダル710a、710bがブレーキアセンブリ720a~720dに結合されるので、カート210の全てのブレーキアセンブリ720a~720dも機械的に同期している。こうして、ペダル710a又は710bの1つを押すと、全てのブレーキアセンブリ720a~720dが係合し、これにより、ホイールアセンブリ218にブレーキがかかり、それにより、全てのホイールアセンブリ218の動きが妨げられる。この実施形態では、ペダル710a、710bが機械的に同期しているので、710bは押されておらず、ペダル710aも押されていない。従って、一方のペダルが(上又は下に)動くと、他方のペダルも対応して最初のペダルと同じように上下に動く。ペダル710a、710bの間のこの機械的同期により、カート210のオペレータは、一方のペダルを踏むだけで、両方のペダル710a、710bを押す(従って、ブレーキアセンブリ720a~720bを係合する)ことができる。いくつかの例では、同期シャフト730は、ペダル710a、710bの間の機械的同期を提供する。いくつかの実施形態では、図14に示されるように、同期シャフト730の一端が、カートベース700の後端704にあるホイールアセンブリ218に対応するブレーキアセンブリ720bの結合部材728に回転可能に結合され、同期シャフト730の他端が、カートベース700の前端702にあるホイールアセンブリ218に対応するブレーキアセンブリ720aの結合部材728に回転可能に結合される。同期シャフト730が、図14においてブレーキアセンブリ720a及び720bに結合されるように示されるが、同期シャフト730は、代替的に、ブレーキアセンブリ720c及び720dに結合され得る。
いくつかの実施形態では、ペダル710bが押し下げられると、ペダル710bの押し下げにより、ブレーキアセンブリ720b及びブレーキアセンブリ720dを係合させる。上で議論したように、ペダル710bを踏み込むと、各ブレーキアセンブリ720b、720dの結合部材728が長手方向軸線Lの周りに旋回する。ブレーキアセンブリ720bの結合部材728が長手方向軸線Lの周りに旋回すると、結合部材728は、同期シャフト730を方向Dに移動させる(図14を参照)。方向Dは、概して長手方向軸線Lに直交し得る。同期シャフト730が方向Dに移動すると、ブレーキアセンブリ720aの結合部材728は、ブレーキアセンブリ720aの結合部材728が同期シャフト730に回転可能に結合されるので、対応して方向Dに移動する。さらに、ブレーキアセンブリ720aの結合部材728は、長手方向軸線Lの周りに旋回する。結合部材728の回転により、ブレーキアセンブリ720aのシャフト732を回転させ、これにより、カート204の前端702にあるブレーキアセンブリ720aに対応するホイールアセンブリ218にブレーキがかかる。さらに、結合部材728の回転により、ブレーキアセンブリ720aのシャフト726をそれ自体の長手方向軸線Lの周りで回転させる。シャフト726の回転は、ブレーキアセンブリ720aのペダルコネクタ722の旋回をもたらし、その結果、ペダル710aが押し下げられる。ペダル710aの押し下げにより、同期シャフト730に直接結合していない可能性があるブレーキアセンブリ720cと係合する。従って、1つのペダルの押し下げにより、カートベース700の全てのブレーキアセンブリ720a~720dを係合させることができる。このようにして、ブレーキアセンブリ720a~720dは、全てのブレーキアセンブリ720a~720dが単一のペダルの押し込みで同時に係合され得るように同期される。
いくつかの実施形態では、例えば、ペダル710bが押し下げられると、ペダル710bが再び作動されるまで、ペダル710bは押し下げられた位置にロックされ得る。この更なる作動は、追加のペダル押し込みを含み得るか、又はペダルを引き上げることを含み得る。代替実施形態では、例えば、ペダル710bは、ブレーキアセンブリ720の係合を維持するために能動的に押し下げなければならない。例えば、オペレータは、ブレーキアセンブリ720が係合されたままであることを保証するために、ペダル710bを押し下げ状態に常に保持しなければならない。
他の実施形態では、カートベース700は、単一のペダルを含み得る。更なる代替実施形態では、カートベース700は、カートベース700の前端702にある2つのホイールアセンブリ218のうちの1つに対応する1つのブレーキアセンブリ720と、カートベース700の後端704にある2つのホイールアセンブリ218のうちの1つに対応する1つのブレーキアセンブリ720とを含み得る。さらに他の実施形態では、カートベース700は、カートベース700の前端702ホイールにブレーキアセンブリを含み、後端704ホイールにブレーキアセンブリを含まない場合がある。他の例では、カートベース700は、カートベース700の後端704ホイールにブレーキアセンブリを含み、前端702ホイールにブレーキアセンブリを含まない場合がある。さらに、いくつかの代替実施形態では、ブレーキ解除構成では、ペダル710bが押し下げられている。
図16は、カートベース700の前端702にあるホイールアセンブリ218に対応するブレーキアセンブリ720aを示している。ブレーキアセンブリ720aは、図15A~図15Bに関して上で議論したブレーキアセンブリ720bの全ての構成要素を含み得る。図16の実施形態に示されるブレーキアセンブリ720aは、センサ・アセンブリ740も含む。いくつかの実施形態では、センサ・アセンブリ740は、起動部材750及びブレーキセンサ760を含む。いくつかの実施形態では、ブレーキセンサ760は、制御システム762、トリガー764、及びレバー766を含む。
起動部材750は、基端部分752及び先端部分754を含む。基端部分752は、ペダルコネクタ722に固定して結合され得る。こうして、ペダル710aが押し下げられ、ペダルコネクタ722が回転すると、起動部材750が同様に回転する。いくつかの実施形態では、起動部材750の基端部分752は、ペダルコネクタ722と一体的に形成され得る。他の実施形態では、起動部材750の基端部分752は、ペダルコネクタ722に取り外し可能に結合され得る。起動部材750の先端部分754は、ブレーキセンサ760に接触し得る。図16に示される実施形態では、ブレーキアセンブリ720aは、センサ・アセンブリ740を含む。代替実施形態では、ブレーキアセンブリ720a~720dのうちの任意の1つ又は複数は、センサ・アセンブリ740を含み得る。
図17Aは、図16に示されるブレーキアセンブリ720a及びセンサ・アセンブリ740の側面図である。図17Aの実施形態に示されるように、起動部材750の先端部分754は、上部756及び下部758を含む。上部756及び下部758は、リップ759によって接続され得る。シャフト726の長手方向軸線Lが円の中心点にある実施形態では、図17Aに示されるように、起動部材750の先端部分754の上部756は、長手方向軸線Lと上部756との間の距離を示す長さ(例えば、半径R1)を含み得る。起動部材750の先端部分754の下部758は、長手方向軸線Lと下部758との間の距離を示す長さ(例えば、半径R2)を含み得る。図17Aの実施形態に確認されるように、半径R2は半径R1よりも大きい。従って、下部758は、上部756よりも長手方向軸線Lから遠い。起動部材750が回転すると(ペダル710a又は710bが押されたときに起こり得る)、起動部材750の先端部分754の上部及び下部756、758は、それぞれ、ブレーキセンサ760と相互作用することができる。
図17Aに示されるように、ブレーキ解除構成では、レバー766は、起動部材750の先端部分754の上部756と接触している。ペダル710aが押し下げられると、起動部材750が回転する。回転中に、レバー766は、リップ759がレバー766に接触するまで上部756と接触したままである。起動部材750が回転し続けると、レバー766は、リップ759の上を移動し、先端部分754の下部758と接触する。図17Bは、ブレーキ適用構成のカート214を示しており、これは、下部758に接触するレバー766と一致する。図17Bの実施形態に確認されるように、レバー766が下部758と接触すると、レバー766はトリガー764に向けて移動し、それによりトリガー764を押し下げる。トリガー764のこの押し下げは、下部758の半径R2が上部756の半径R1より大きい結果である。トリガー764が押されると、次に、制御システム762は、カート210にブレーキがかけられているという信号を受信する。次に、制御システム762は、その信号を制御システム112に送信して、カート114にブレーキがかけられていることを制御システム112に通知することができる。制御システム112がカート214にブレーキがかけられていることを確認した後に、1人又は複数のオペレータ(例えば、外科医、臨床医、看護師等)は、患者Pに対して行われる医療処置を進めることができる。
図17A~図17Bに関する上の議論は、カートがブレーキ解除構成にあるときにレバー766と接触しており、且つ半径R1を有する上部756を参照して行われた。代替実施形態では、上部756は半径R2を含み得、下部758は半径R1を含み得る。そのような代替実施形態では、制御システム762は、トリガー764が押し下げられたとき(例えば、レバー766が上部756と接触しているとき)に、カート210がブレーキ解除構成にあると判定することができる。ペダル710aが押し下げられたときに起動部材750が回転すると、レバー766がリップ759を下って移動し、半径R1を含む下部758と接触するまで、レバー766は上部756と接触したままである。レバー766がリップを下って上部756から下部758に移動すると、トリガー764は、押し下げられた状態から押し下げられていない状態に移動する。トリガー764が押し下げられていない状態にあるときに、制御システム762は、カート210がブレーキ適用構成にあると判定することができる。次に、制御システム762は、カート214にブレーキがかけられていることを示す信号を制御システム112に送信することができる。
本発明の特定の例示的な実施形態が、添付の図面に説明及び示されるが、そのような実施形態は、広範な発明を単に例示するものであり、限定するものではなく、本発明の実施形態は、様々な他の変更が当業者に想起され得るので、示し説明した特定の構造及び配置に限定されないことを理解されたい。
本明細書に記載の主題の様々な態様は、以下の番号が付けられた例に示される。
実施例1:システムは、ヒンジによって第2の部材に結合した第1の部材を含むヒンジ付きアセンブリと;第1の部材がヒンジの周りで第2の部材に対して回転するときに第1の部材の重量を相殺するためのカウンターバランス・アセンブリと;を含み、カウンターバランス・アセンブリは、第2の部材内に延びるばねと;ばねに結合した終端部材であって、ばねのレートを制御するように構成された終端部材と;終端部材及びヒンジに結合したケーブルと;ケーブルに結合され、且つばねの前負荷を制御するように構成された前負荷調整アセンブリと;を含む。
実施例2:終端部材はらせん溝を含み、らせん溝内のばねの構成がばねのレートを決定する、実施例1に記載のシステム。
実施例3:前負荷調整アセンブリは、終端部材を通って延びる細長い部材と;ばねの前負荷を制御するために、細長い部材に対して回転入力を受け取るように構成された結合部材と;を含む、実施例1に記載のシステム。
実施例4:カウンターバランス・アセンブリはケーブルマウントをさらに含み、ケーブルはケーブルマウントを介して終端部材に結合される、実施例3に記載のシステム。
実施例5:細長い部材はケーブルマウントに結合される、実施例4に記載のシステム。
実施例6:カウンターバランス・アセンブリは、ケーブルと終端部材との間に位置付けされたケーブルマウントをさらに含み、ケーブルマウントは基端部分及び先端部分を含む、実施例1に記載のシステム。
実施例7:ケーブルはケーブルマウントの基端部分に結合され、前負荷調整アセンブリはケーブルマウントの先端部分に結合される、実施例6に記載のシステム。
実施例8:ヒンジは歯車ヒンジアセンブリを含む、実施例1に記載のシステム。
実施例9:歯車ヒンジアセンブリは、ハウジングと;第1の部材に取り付けられた第1の歯車と;第2の部材に取り付けられた第2の歯車と;を含み、第1の歯車は第2の歯車に結合される、実施例8に記載のシステム。
実施例10:歯車ヒンジアセンブリは、ハウジングに接触するように構成された第1の摩擦部材と;第1の摩擦部材に結合した第2の摩擦部材と;複数の付勢部材と;をさらに含み、複数の付勢部材は、第2の摩擦部材を第1の摩擦部材に向けて付勢して、第1の摩擦部材とハウジングとの間に摩擦力を与える、実施例9に記載のシステム。
実施例11:摩擦力は、第1の部材及び第2の部材の操作を容易にするように構成される、実施例10に記載のシステム。
実施例12:摩擦力は、カウンターバランス・アセンブリによって与えられるカウンターバランス力と第1の部材の重量によって与えられる力との間の差を補償するように構成される、実施例10に記載のシステム。
実施例13:第1の部材がヒンジの周りで第2の部材に対して回転するときに、第1の部材の重量を相殺するためのカウンターバランスシステムであって、カウンターバランスシステムは、第2の部材内に延びるばねと;ばねに結合した終端部材であって、ばねのレートを制御するように構成された終端部材と;終端部材及びヒンジに結合したケーブルと;ケーブルに結合され、且つばねの前負荷を制御するように構成された前負荷調整アセンブリと;を含む。
実施例14:終端部材はらせん溝を含み、らせん溝内のばねの構成がばねのレートを決定する、実施例13に記載のカウンターバランスシステム。
実施例15:前負荷調整アセンブリは、終端部材を通って延びる細長い部材と;ばねの前負荷を制御するために、細長い部材に対して回転入力を受け取るように構成された結合部材と;を含む、実施例13に記載のカウンターバランスシステム。
実施例16:カウンターバランスシステムはケーブルマウントをさらに含み、ケーブルはケーブルマウントを介して終端部材に結合される、実施例15に記載のカウンターバランスシステム。
実施例17:細長い部材はケーブルマウントに結合される、実施例16に記載のカウンターバランスシステム。
実施例18:カウンターバランスシステムは、ケーブルと終端部材との間に位置付けされたケーブルマウントをさらに含み、ケーブルマウントは基端部分及び先端部分を含む、実施例13に記載のカウンターバランスシステム。
実施例19:ケーブルはケーブルマウントの基端部分に結合され、前負荷調整アセンブリはケーブルマウントの先端部分に結合される、実施例18に記載のカウンターバランスシステム。
実施例20:ヒンジは歯車ヒンジアセンブリを含む、実施例13に記載のカウンターバランスシステム。
実施例21:歯車ヒンジアセンブリは、ハウジングと;第1の部材に取り付けられた第1の歯車と;第2の部材に取り付けられた第2の歯車と;を含み、第1の歯車は第2の歯車に結合される、実施例20のカウンターバランスシステム。
実施例22:歯車ヒンジアセンブリは、ハウジングに接触するように構成された第1の摩擦部材と;第1の摩擦部材に結合した第2の摩擦部材と;複数の付勢部材と;をさらに含み、複数の付勢部材は、第2の摩擦部材を第1の摩擦部材に向けて付勢して、第1の摩擦部材とハウジングとの間に摩擦力を与える、実施例21に記載のカウンターバランスシステム。
実施例23:摩擦力は、第1の部材及び第2の部材の操作を容易にするように構成される、実施例22に記載のカウンターバランスシステム。
実施例24:医療システムは、患者の解剖学的構造に対して医療器具の姿勢を制御するように構成された器具マニピュレータと;器具マニピュレータの姿勢を制御するように構成された支持構造体と;ヒンジによって第2の部材に結合した第1の部材を含むヒンジ付きアセンブリと;第1の部材がヒンジの周りで第2の部材に対して回転するときに、第1の部材の重量を相殺するためのカウンターバランス・アセンブリと;を含み、カウンターバランス・アセンブリは、ばねと;ばねに結合され、且つばねのレートを制御するように構成された終端部材と;終端部材に結合したケーブルと;ケーブルに結合され、且つばねの前負荷を制御するように構成された前負荷調整アセンブリと;を含む。
実施例25:ばねは、第2の部材内に延び、ケーブルはヒンジに結合される、実施例24に記載のシステム。
実施例26:終端部材はらせん溝を含み、らせん溝内のばねの構成がばねのレートを決定する、実施例24に記載のシステム。
実施例27:前負荷調整アセンブリは、終端部材を通って延びる細長い部材と;ばねの前負荷を制御するために、細長い部材に対して回転入力を受け取るように構成された結合部材と;を含む、実施例24に記載のシステム。
実施例28:カウンターバランス・アセンブリはケーブルマウントをさらに含み、ケーブルはケーブルマウントを介して終端部材に結合される、実施例27に記載のシステム。
実施例29:細長い部材はケーブルマウントに結合される、実施例28に記載のシステム。
実施例30:カウンターバランス・アセンブリは、ケーブルと終端部材との間に位置付けされたケーブルマウントをさらに含み、ケーブルマウントは基端部分及び先端部分を含む、実施例24に記載のシステム。
実施例31:ケーブルはケーブルマウントの基端部分に結合され、前負荷調整アセンブリはケーブルマウントの先端部分に結合される、実施例30に記載のシステム。
実施例32:ヒンジは歯車ヒンジアセンブリを含む、実施例24に記載のシステム。
実施例33:歯車ヒンジアセンブリは、ハウジングと;第1の部材に取り付けられた第1の歯車と;第2の部材に取り付けられた第2の歯車と;を含み、第1の歯車は第2の歯車に結合される、実施例32に記載のシステム。
実施例34:歯車ヒンジアセンブリは、ハウジングに接触するように構成された第1の摩擦部材と;第1の摩擦部材に結合した第2の摩擦部材と;複数の付勢部材と;をさらに含み、複数の付勢部材は、第2の摩擦部材を第1の摩擦部材に向けて付勢して、第1の摩擦部材とハウジングとの間に摩擦力を与える、実施例33に記載のシステム。
実施例35:摩擦力は、第1の部材及び第2の部材の操作を容易にするように構成される、実施例34に記載のシステム。
実施例36:キャリッジに結合した医療器具の位置を制御するための方法であって、この方法は、ベースに沿った直線軸線に沿って挿入ステージを並進するステップと;同時にキャリッジを直線軸線に沿って移動させ、駆動ベルトを使用してキャリッジ及び挿入ステージの伸縮を提供するステップと;を含み、駆動ベルトは、ベースに固定され且つプーリと係合され、プーリは挿入ステージに結合され、キャリッジは接続要素を使用して駆動ベルトに固定され、駆動ベルトを駆動すると、キャリッジが直線軸線に沿って移動し、医療器具を前進又は後退させる。
実施例37:入力装置からの入力を受信するステップをさらに含み、入力装置は、キャリッジ、挿入ステージ、又はベースのうちの少なくとも1つに配置される、実施例36に記載の方法。
実施例38:駆動ベルトは駆動モータによって駆動され、駆動モータは入力に基づいて作動される、実施例37に記載の方法。
実施例39:入力によりキャリッジの手動並進が提供され、手動並進によって駆動ベルトが駆動される、実施例37に記載の方法。
実施例40:医療器具は可撓性の細長い装置を含み、この方法は、複数のアクチュエータによって、複数の引張ワイヤを駆動して可撓性の細長い装置を操縦するステップをさらに含む、実施例36~38のいずれか1つに記載の方法。
実施例41:少なくともいくつかの引張ワイヤによって、可撓性の細長い装置の先端部分の位置を操作するステップを含む、実施例40に記載の方法。
実施例42:この方法は、支持構造体のアーム部分の長さに沿って規定された回転軸線の周りで器具マニピュレータを回転させるステップをさらに含み、器具マニピュレータは、キャリッジ、挿入ステージ、及びベースを含む、実施例36~38のいずれか1つに記載の方法。
実施例43:医療器具の先端部分が患者の解剖学的開口部に隣接して位置付けされるときに、医療器具の先端部分の形状を決定するためのデータを受け取るステップと;医療器具の先端部分の決定した形状をしきい値形状値と比較するステップと;比較に基づいて、器具マニピュレータを回転させるステップと;をさらに含む、実施例42に記載の方法。
実施例44:医療器具の先端部分は医療挿入装置内に位置付けされ、挿入装置は、患者の解剖学的開口部への医療器具の挿入を支援するように構成される、実施例43に記載の方法。
実施例45:比較に基づいて、器具マニピュレータを回転させるためのガイダンスを提供する視覚的インジケータを表示するステップをさらに含む、実施例43に記載の方法。
実施例46:比較に基づいて器具マニピュレータを自動的に回転させるステップをさらに含む、実施例43に記載の方法。
実施例47:医療器具を支持する器具マニピュレータの姿勢を制御するための方法であって、この方法は、医療器具の長さの形状を決定するためのデータを受け取るステップと;医療器具の長さの形状をしきい値と比較するステップと;医療器具の長さの形状がしきい値を超えているかどうかを判定するステップと;判定に基づいて、器具マニピュレータの位置を調整するステップと;を含む。
実施例48:器具マニピュレータの位置の調整中に、ユーザを案内して、医療器具の長さの形状をしきい値内で変更するためのインジケータを提供するステップをさらに含む、実施例47に記載の方法。
実施例49:器具マニピュレータの位置を調整するステップは、器具マニピュレータの向きを調整するステップを含む、実施例48に記載の方法。
実施例50:インジケータは視覚的インジケータ又は可聴インジケータのうちの少なくとも1つである、実施例48に記載の方法。
実施例51:しきい値は最大曲げ値である、実施例47に記載の方法。
実施例52:器具マニピュレータの姿勢を調整するステップは、器具マニピュレータを担持する支持構造体の構成を変更するステップを含み、支持構造体が複数のリンク及び少なくとも1つのジョイントを含む、実施例47に記載の方法。
実施例53:支持構造体の構成を変更するための少なくとも1つのジョイントの回転を提供するために入力装置から入力を受信するステップをさらに含む、実施例52に記載の方法。
実施例54:支持構造体を手動で位置付けするのを可能にするために、入力に基づいて少なくとも1つのジョイントのロックを解除するステップをさらに含む、実施例53に記載の方法。
実施例55:支持構造体を位置付けするのを可能にするための入力に基づいて、モータを使用して少なくとも1つのジョイントを駆動するステップをさらに含む、実施例53に記載の方法。
実施例56:医療器具の長さが患者の解剖学的開口部に結合した医療器具内に位置付けされるときに、医療器具の長さの形状を決定するためのデータが受け取られる、実施例47に記載の方法。