以下に、実施の形態にかかる変更ダイヤ作成支援装置、変更ダイヤ作成支援方法、および変更ダイヤ作成支援プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置を含む鉄道システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる鉄道システム100は、変更ダイヤの作成を支援する変更ダイヤ作成支援装置1と、列車の運行を管理する運行管理システム2と、各編成の運行実績を示す運行実績情報を管理する運行情報管理システム3とを備える。
変更ダイヤ作成支援装置1、運行管理システム2、および運行情報管理システム3は、ネットワーク4を介して互いに情報の送受信を行う。ネットワーク4は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)であるが、専用のWANまたはLAN(Local Area Network)などであってもよい。
運行管理システム2は、基本ダイヤの情報である基本ダイヤ情報を記憶する基本ダイヤ情報記憶部5と、変更ダイヤ作成支援装置1において作成された変更ダイヤの情報である変更ダイヤ情報を記憶する変更ダイヤ情報記憶部6とを備える。基本ダイヤ情報および変更ダイヤ情報の各々には、運行管理システム2によって運行が管理される各編成の各駅への到着時間を示す情報および各駅からの出発時間を示す情報を含む発着時間情報および各編成の各駅における発着番線を示す発着番線情報などが含まれている。
運行情報管理システム3は、各編成の混雑度の情報と各駅の混雑度の情報を含む混雑度情報を記憶する混雑度情報記憶部7と、各駅における接続路線の情報である接続路線情報を記憶する接続路線情報記憶部8とを備える。
変更ダイヤ作成支援装置1は、運行管理システム2からネットワーク4を介して基本ダイヤ情報を取得し、運行情報管理システム3からネットワーク4を介して混雑度情報および接続路線情報を含む運行管理情報を取得する。
また、変更ダイヤ作成支援装置1は、運行管理システム2または不図示の端末装置から基本ダイヤの変更要求の情報である変更要求情報を取得する。
変更ダイヤ作成支援装置1は、取得した基本ダイヤ情報、変更要求情報、および運行管理情報などに基づいて、基本ダイヤを変更して変更ダイヤ案を作成する。そして、変更ダイヤ作成支援装置1は、複数の指標の各々を軸として基本ダイヤと変更ダイヤ案との1以上の差分を示すグラフを作成する。
基本ダイヤと変更ダイヤ案との差分などのダイヤ間の差分は、例えば、各編成の区間単位の差分または編成単位の差分である。区間は、編成の停車駅のうち隣接する停車駅間であるが、1つ以上の停車駅を間に含む2つの停車駅間であってもよい。以下において、ダイヤ間の差分は、各編成の区間単位の差分であるものとして説明するが、ダイヤ間の差分は、編成単位の差分またはこれらの差分以外の差分であってもよい。
変更ダイヤ作成支援装置1は、作成した変更ダイヤ案およびグラフを不図示の表示部に表示する。変更ダイヤ作成支援装置1は、表示部に表示された変更ダイヤ案の編集操作があった場合に、変更ダイヤ案を編集する。これにより、変更ダイヤ作成支援装置1のユーザは、ダイヤの変更過程において基本ダイヤと変更ダイヤ案との1以上の差分を複数の指標で表すグラフを参照して変更ダイヤ案を変更することができることから、自己のノウハウを反映させることができる。以下、変更ダイヤ作成支援装置1の構成について具体的に説明する。なお、以下において、基本ダイヤと変更ダイヤ案との差分などのダイヤ間の差分を単に差分と記載する場合がある。
図2は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、変更ダイヤ作成支援装置1は、通信部10と、表示部11と、入力部12と、記憶部13と、処理部14とを備える。
通信部10は、ネットワーク4に接続され、運行管理システム2および運行情報管理システム3の各々とネットワーク4を介して情報の送受信を行う。表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。入力部12は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、またはタッチパネルなどを含み、変更ダイヤ作成支援装置1のユーザによって操作される。
記憶部13は、基本ダイヤ情報記憶部20と、運行管理情報記憶部21と、変更要求情報記憶部22と、変更ダイヤ案情報記憶部23と、差分情報記憶部24と、変更ダイヤ情報記憶部25と、運用実績評価情報記憶部26とを備える。処理部14は、情報取得部30と、変更ダイヤ案作成部31と、グラフ作成部32と、表示処理部33と、変更ダイヤ案編集部34と、変更ダイヤ確定処理部35と、ダイヤ実績評価部36とを備える。
情報取得部30は、運行管理システム2から送信される基本ダイヤ情報をネットワーク4および通信部10を介して取得する。情報取得部30は、取得した基本ダイヤ情報を基本ダイヤ情報記憶部20に記憶させる。
また、情報取得部30は、運行情報管理システム3から送信される混雑度情報および接続路線情報を含む運行管理情報をネットワーク4および通信部10を介して取得する。情報取得部30は、取得した運行管理情報を運行管理情報記憶部21に記憶させる。
また、情報取得部30は、運行管理システム2または不図示の端末装置から送信される変更要求情報をネットワーク4および通信部10を介して取得する。情報取得部30は、取得した変更要求情報を変更要求情報記憶部22に記憶させる。
図3は、実施の形態1にかかる変更要求情報記憶部に記憶される変更要求情報テーブルの一例を示す図である。図3に示すように、変更要求情報記憶部22に記憶される変更要求情報テーブルには、「登録日」、「変更対象期間」、「カテゴリ」、「変更種別」、「変更要因」、および「変更ダイヤID(IDentifier)」を含む変更要求情報が複数含まれる。
「登録日」は、変更要求情報記憶部22に変更要求情報が記憶された日付を示す情報である。「変更対象期間」は、基本ダイヤの変更対象となる日付を示す情報である。「カテゴリ」は、ダイヤ変更の要因種別を示すカテゴリ情報である。かかるカテゴリ情報は、例えば、イベントを示す情報または工事を示す情報である。イベントは、例えば、音楽イベント、会議イベント、またはスポーツイベントなどである。工事は、例えば、駅構内のホームの工事または線路の工事などである。
「変更種別」は、基本ダイヤの変更種別を示す変更種別情報であり、例えば、増便を示す情報または制限を示す情報である。増便は、ダイヤへの編成の追加または編成への1以上の車両の追加であり、制限は、例えば、駅構内の工事によるホームの使用禁止または線路の使用禁止などである。なお、変更種別は、減便を示す情報を含んでいてもよい。
「変更要因」は、ダイヤ変更の要因を示す変更要因情報である。かかる変更要因情報は、例えば、変更種別がイベントである場合、イベントの内容を示すイベント情報であり、変更種別が工事である場合、工事の内容を示す工事情報である。イベント情報は、例えば、イベントが開催される場所に関する情報であるイベント場所情報、イベントの規模に関する情報であるイベント規模情報、およびイベントの種別に関する情報であるイベント種別情報などを含む。
イベント場所情報は、例えば、イベントが開催される場所を示す情報またはイベントが開催される場所に近い1以上の駅の情報を含む。イベント規模情報は、例えば、イベントへの参加人数の情報を含む。イベント種別情報は、音楽イベント、会議イベント、またはスポーツイベントなどのイベントの種別を示す情報である。
「変更ダイヤID」は、各変更ダイヤに固有の識別情報であり、変更要求に対する変更ダイヤが確定された場合に処理部14の変更ダイヤ確定処理部35によって付与される。以下において、確定された変更ダイヤを確定変更ダイヤと記載する場合がある。
図3に示す変更要求情報テーブルには、登録日が2021年4月1日であり、変更対象期間が2021年10月13日であり、カテゴリがイベントであり、変更種別が増便であり、変更要因を含むファイルがAAA.textであり、変更ダイヤIDがC001である変更要求情報が含まれる。
また、図3に示す変更要求情報テーブルには、登録日が2021年4月1日であり、変更対象期間が2021年10月13日から2021年10月14日までであり、カテゴリが工事であり、変更種別が制限であり、変更要因を含むファイルがBBB.textである変更要求情報が含まれる。なお、ファイルは、テキストファイル以外のファイルであってもよい。
変更ダイヤ案作成部31は、変更ダイヤIDを含まない変更要求情報を処理対象情報として変更要求情報記憶部22から取得し、取得した処理対象情報に基づいて、増便情報または制限情報を生成する。変更ダイヤ案作成部31は、処理対象情報に含まれる変更種別が増便を示す情報である場合、変更要求情報に基づいて増便情報を生成する。増便情報は、増便の算出に必要な情報であり、イベントの開催に伴って増便が必要な日時および区間の情報と、イベントの開催に伴う乗客の増加率の情報とを含む。
例えば、変更ダイヤ案作成部31は、変更要求情報に含まれる変更種別が増便を示す情報である場合、変更ダイヤIDを含む変更要求情報に含まれるイベント情報を変更要求情報記憶部22から取得する。変更ダイヤ案作成部31は、取得したイベント情報に基づいて、過去類似イベントがあるか否かを判定する。過去類似イベントは、例えば、過去に開催されたイベントである過去イベントのうち、処理対象情報に含まれるイベント情報で示されるイベントの場所、規模、および種別と類似する過去イベントである。
変更ダイヤ案作成部31は、過去類似イベントがあると判定した場合、かかる過去類似イベントが開催された際の移動需要の増加率を、運行管理情報記憶部21に記憶された運行管理情報に基づいて判定する。変更ダイヤ案作成部31は、判定した増加率の情報を含む増便情報を生成し、生成した増便情報を変更要求情報記憶部22に記憶させる。
変更ダイヤ案作成部31によって過去類似イベントがないと判定された場合、表示処理部33は、移動需要の増加率をユーザに入力させるための入力枠と入力枠に入力された移動需要の増加率を決定するための決定ボタンとを表示部11に表示させる。変更ダイヤ案作成部31は、ユーザによる入力部12の操作によって、入力枠に移動需要の増加率が入力された後、決定ボタンが選択された場合、入力枠に入力された移動需要の増加率の情報を含む増便情報を生成し、生成した増便情報を変更要求情報記憶部22に記憶させる。
なお、変更ダイヤ案作成部31は、変更要求情報に移動需要の増加率の情報が含まれている場合、変更要求情報に含まれる移動需要の増加率の情報を含む増便情報を生成し、生成した増便情報を変更要求情報記憶部22に記憶させる。
図4は、実施の形態1にかかる変更要求情報記憶部に記憶される増便情報テーブルの一例を示す図である。図4に示すように、変更要求情報記憶部22に記憶される増便情報テーブルには、「日付」、「時間」、「区間」、および「増加率」を含む増便情報が複数含まれる。
「日付」は、増便を行う日付を示す情報である。「時間」は、増便を行う時間を示す情報である。「区間」は、増便を行う区間を示す情報である。「増加率」は、イベントによる移動需要の増加率を示す情報である。
図4に示す例では、2021年10月13日の12時~15時の期間において、A駅~C駅の区間の増加率が180%であることが示され、2021年10月13日の18時~20時の期間において、A駅~C駅の区間の増加率が300%であることが示される。
図2に戻って、変更ダイヤ案作成部31の説明を続ける。変更ダイヤ案作成部31は、処理対象情報に含まれる変更種別の情報が制限を示す情報である場合、変更要求情報に基づいて制限情報を生成する。
図5は、実施の形態1にかかる変更要求情報記憶部に記憶される制限情報テーブルの一例を示す図である。図5に示すように、変更要求情報記憶部22に記憶される制限情報テーブルには、「日付」、「時間」、「駅」、および「番線」を含む制限情報が複数含まれる。
「日付」は、運行の制限を行う日付を示す情報である。「時間」は、運行の制限を行う時間を示す情報である。「駅」は、運行の制限を行う駅を示す情報である。「番線」は、運行の制限を行う番線を示す情報である。
図5に示す例では、2021年10月13日の0時~23時59分の期間において、B駅の3番線への編成の発着が制限されることが示され、2021年10月14日の0時~23時59分の期間において、B駅の3番線への編成の発着が制限されることが示される。
図2に戻って、変更ダイヤ案作成部31の説明を続ける。変更ダイヤ案作成部31は、基本ダイヤ情報記憶部20に記憶された基本ダイヤ情報と、変更要求情報記憶部22に記憶された増便情報および制限情報と、運行管理情報記憶部21に記憶された運行管理情報とに基づいて、変更ダイヤ案を作成する。
変更ダイヤ案作成部31は、作成した変更ダイヤ案の情報である変更ダイヤ案情報を変更ダイヤ案情報記憶部23に記憶させる。かかる変更ダイヤ案は、基本ダイヤに含まれる編成の発着時間の変更、基本ダイヤに含まれる編成の発着番線の変更、および編成の追加などを行うことによって作成される。変更ダイヤ案情報には、変更ダイヤ案に固有の識別情報である変更ダイヤ案ID、各編成の発着時間情報、および各編成の発着番線情報などが含まれる。
例えば、変更ダイヤ案作成部31は、増便情報で示される移動需要の増加に対して、各編成の混雑度が予め設定された値以下になるように、基本ダイヤに対して編成の追加、基本ダイヤに含まれる編成の発着時間の変更、および基本ダイヤに含まれる編成の発着番線の変更などを行う。また、変更ダイヤ案作成部31は、制限情報で示される制限対象の番線に対して、各編成の混雑度が予め設定された値以下になるように、基本ダイヤに含まれる編成の発着時間の変更および基本ダイヤに含まれる編成の発着番線の変更などを行う。
グラフ作成部32は、複数の指標の各々を軸として基本ダイヤと変更ダイヤ案との1以上の差分を示すグラフを作成する。複数の指標は、例えば、過去に変更された回数を示す変更実績回数、過去の変更に対する評価の値を示す実績評価値、ダイヤ変更後の編成の推定混雑度、およびダイヤ変更後の編成から他の路線への接続数である接続路線数のうち2以上を含む。
まず、グラフ作成部32は、基本ダイヤ情報記憶部20から基本ダイヤ情報を取得し、変更ダイヤ案作成部31から変更ダイヤ案情報を取得する。グラフ作成部32は、取得した基本ダイヤ情報と変更ダイヤ案情報とに基づいて、基本ダイヤと変更ダイヤ案との差分を各編成の区間単位で判定する。
グラフ作成部32は、判定した基本ダイヤと変更ダイヤ案との各編成の区間単位の差分の情報を含む変更ダイヤ案差分情報を生成し、生成した変更ダイヤ案差分情報を差分情報記憶部24に記憶させる。
図6は、実施の形態1にかかる差分情報記憶部に記憶される変更ダイヤ案差分情報テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、差分情報記憶部24に記憶される変更ダイヤ案差分情報テーブルは、「基本ダイヤID」、「変更ダイヤ案ID」、「編成ID」、「方向」、「デフォルト差分情報」、「変更ダイヤ案差分情報」、および「差分ID」を含む変更ダイヤ案差分情報が複数含まれる。
「基本ダイヤID」は、各基本ダイヤに固有の識別情報であり、基本ダイヤ情報に含まれる情報である。「変更ダイヤ案ID」は、各変更ダイヤ案に固有の識別情報であり、変更ダイヤ案作成部31によって付与される。「編成ID」は、各編成に固有の識別情報である。「方向」は、編成の進行方向を示す情報であり、上りを示す情報または下りを示す情報である。
「デフォルト差分情報」は、基本ダイヤの変更ダイヤ案との差分の情報であり、「発着時間」および「番線」を含む。「発着時間」は、変更ダイヤ案の発着時間情報と異なる基本ダイヤの発着時間情報であり、「番線」は、変更ダイヤ案の発着番線情報と異なる基本ダイヤの発着番線情報である。
「変更ダイヤ案差分情報」は、変更ダイヤ案の基本ダイヤとの差分の情報であり、「発着時間」および「番線」を含む。「発着時間」は、基本ダイヤの発着時間情報と異なる変更ダイヤ案の発着時間情報であり、「番線」は、基本ダイヤの発着番線情報と異なる変更ダイヤ案の発着番線情報である。
「差分ID」は、基本ダイヤID、変更ダイヤ案ID、編成ID、デフォルト差分情報、および変更ダイヤ案差分情報の組み合わせ毎に固有の識別情報である。
図6に示す例では、差分ID「D001,D002」を含む変更ダイヤ案差分情報は、基本ダイヤID「F001」の基本ダイヤと変更ダイヤ案ID「E001」の変更ダイヤ案の差分のうち編成ID「T001」の編成の上り方向の差分の情報を含む。
差分ID「D001」の変更ダイヤ案差分情報において、基本ダイヤでは、A駅の1番線から11時に出発し、B駅の3番線に11時10分に到着する計画であるが、変更ダイヤ案では、A駅の1番線から11時2分に出発し、B駅の2番線に11時12分に到着する計画であることが示される。
また、差分ID「D002」の変更ダイヤ案差分情報において、基本ダイヤでは、B駅の3番線から11時12分に出発し、C駅の1番線に11時17分に到着する計画であるが、変更ダイヤ案では、B駅の2番線から11時14分に出発し、C駅の1番線に11時19分に到着する計画であることが示される。
図2に戻って、処理部14の説明を続ける。処理部14の表示処理部33は、基本ダイヤ情報記憶部20に記憶された基本ダイヤ情報と、差分情報記憶部24に記憶された変更ダイヤ案差分情報とに基づいて、基本ダイヤと変更ダイヤ案との差分を強調した変更ダイヤ案を表示部11に表示させる。
図7は、実施の形態1にかかる基本ダイヤの一例を示す図である。図8は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置の表示部に表示される変更ダイヤ案表示画面の一例を示す図である。図7に示す基本ダイヤでは、8時から12時までの複数の編成の運行計画が線図で示されており、B駅には、発着可能な番線として1番線、2番線、および3番線があることが示されている。
表示処理部33は、図8に示す変更ダイヤ案表示画面40を表示部11に表示させる。かかる変更ダイヤ案表示画面40には、変更ダイヤ案41と、グラフ表示ボタン42と、決定ボタン43とが含まれる。変更ダイヤ案41では、図7に示す基本ダイヤからの変更がない線分と図7に示す基本ダイヤとの差分を示す線分とが色の違いで強調されている。図8に示す例では、基本ダイヤと変更ダイヤ案41との差分を示す線分の色の違いが線種の違いで示されている。なお、基本ダイヤと変更ダイヤ案41との差分は、色に代えてまたは加えて線分の線種または線分の太さなどで強調されてもよい。
ユーザは、変更ダイヤ案41が表示部11に表示されている状態で、入力部12を操作して変更ダイヤ案41の編集操作を行うことができる。変更ダイヤ案41の編集操作は、例えば、基本ダイヤと変更ダイヤ案41との差分を示す線分を含む1以上の線分の変形または削除または1以上の線分の追加などの操作である。ユーザは、変更ダイヤ案41を編集した後、入力部12への操作によって図8に示す決定ボタン43を選択することで、編集された変更ダイヤ案41が変更ダイヤとして確定される。
また、表示処理部33は、ユーザの入力部12への操作によって図8に示すグラフ表示ボタン42が選択された場合、各差分を複数の指標で示すグラフを表示部11に表示させる。
グラフ作成部32は、グラフ表示ボタン42が選択された場合、複数の指標の各々の値を差分毎に算出する。例えば、グラフ作成部32は、差分情報記憶部24に記憶された変更ダイヤ差分情報に基づいて、基本ダイヤと変更ダイヤとの各差分と一致する変更ダイヤ差分の数を各差分の変更実績回数として算出する。変更ダイヤ差分情報は、後述するように、基本ダイヤと確定変更ダイヤとの差分である変更ダイヤ差分の情報である。
また、グラフ作成部32は、差分情報記憶部24に記憶された変更ダイヤ差分情報と運用実績評価情報記憶部26に記憶された運用実績評価情報とに基づいて、各差分の実績評価値を決定する。
運用実績評価情報には、実績差分に対する実績評価の値を示す実績評価値の情報が含まれており、グラフ作成部32は、基本ダイヤと変更ダイヤ案41との各差分と一致する実績差分に対する実績評価値の平均値、または基本ダイヤと変更ダイヤ案41との各差分と一致する最新の実績差分に対する実績評価値を各差分の実績評価値として抽出する。
また、グラフ作成部32は、変更ダイヤ案作成部31によって変更ダイヤ案41が作成された際に変更ダイヤ案作成部31によって算出された各編成の混雑推定度を、ダイヤ変更後の編成の推定混雑度である推定編成混雑度として取得する。なお、グラフ作成部32は、変更ダイヤ案作成部31による処理と同様の処理によって、混雑推定度を算出することもできる。
また、グラフ作成部32は、各差分で示される編成の接続路線数を算出する。運行管理情報記憶部21に記憶されている運行管理情報に含まれる接続路線情報には、各駅において接続される路線の情報が含まれており、グラフ作成部32は、かかる接続路線情報に基づいて、各差分で示される編成の接続路線数を算出する。
グラフ作成部32は、例えば、変更実績回数、過実績評価値、推定編成混雑度、および接続路線数を含む指標のうちユーザの入力部12への操作によって選択された2以上の指標の値を差分毎にベクトルで示すグラフを作成する。
図9は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置の表示部に表示されるグラフ表示画面の一例を示す図である。図9に示すように、グラフ表示ボタン42が選択された場合、複数の指標の各々を軸として基本ダイヤと変更ダイヤ案41との複数の差分を示すグラフ51を含むグラフ表示画面50が表示部11にさらに表示される。
図9に示すグラフ51は、第1の指標、第2の指標、および第3の指標の各々を軸とする3軸座標において、線分IDがD001である差分のベクトル53aと、線分IDがD002である線分のベクトル53bと、線分IDがD003である差分のベクトル53cとを含む。以下、差分のベクトル53a,53b,53cの各々を個別に区別せずに示す場合、線分のベクトル53と記載する場合がある。
また、グラフ51は、閾値ゾーン54を含む。閾値ゾーン54は、各線分が予め設定された基準範囲を示す。基準範囲は、例えば、指標毎に設定された許容基準値によって規定される。閾値ゾーン54内に含まれる線分のベクトル53は、第1の指標、第2の指標、および第3の指標のうちのいずれかの指標が許容基準を満たしていない。かかる閾値ゾーン54は、例えば、駅毎、時間帯毎、編成の車両数毎、イベントの規模毎、イベントの種別毎、およびイベントの場所毎に予め設定されるが、ユーザの入力部12への操作に応じて変更することもできる。ユーザは、閾値ゾーン54と線分のベクトル53との関係に基づいて、変更ダイヤ案41の基本ダイヤとの各差分が適切であるかを判断することができる。
図9に示すグラフ表示画面50には、指標を選択するための選択ボックス52a,52b,52cが含まれる。選択ボックス52a,52b,52cは、3軸座標の各軸の指標を選択するための選択ボックスである。選択ボックス52aは、第1の指標を選択するための選択ボックスであり、図9に示す例では、第1の指標として、実績評価値が選択されている。
選択ボックス52bは、第2の指標を選択するための選択ボックスであり、図9に示す例では、第2の指標として、接続路線数が選択されている。選択ボックス52cは、第3の指標を選択するための選択ボックスであり、図9に示す例では、第3の指標として、変更実績回数が選択されている。
グラフ作成部32は、ユーザの入力部12への選択操作によって選択ボックス52a,52b,52cで選択された指標に基づいて、グラフ51を作成する。以下、選択ボックス52a,52b,52cの各々を個別に区別せずに示す場合、選択ボックス52と記載する場合がある。
なお、選択ボックス52の数は、図9に示す例に限定されず、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、指標は、変更実績回数、実績評価値、推定編成混雑度、および接続路線数に限定されず、例えば、駅の混雑度、編成に搭乗できる予備の乗務員の数、編成の運転時隔、または編成の車両数などであってもよい。
表示処理部33は、表示部11にグラフ51が表示されている状態において、ユーザによる入力部12への操作によって線分のベクトル53が選択された場合、変更ダイヤ案41のうち選択された線分のベクトル53に対応する差分を示す線分を強調表示する。ユーザは、例えば、変更ダイヤ案41において強調表示された差分を示す線分の変形または削除を行ったり、変更ダイヤ案41において線分をさらに追加したりすることで、変更ダイヤ案41を編集することができる。
グラフ作成部32は、変更ダイヤ案41が編集された場合、編集された変更ダイヤ案41の情報に基づいて、グラフ51を再作成する。表示処理部33は、グラフ表示画面50のグラフ51をグラフ作成部32によって再作成されたグラフ51に置き換えることによって、グラフ表示画面50においてグラフ51を更新する。これにより、ユーザは、編集後の変更ダイヤ案41における各差分と各指標との関係を容易に把握することができる。
また、表示処理部33は、ユーザの入力部12への操作によってグラフ非表示ボタン44が選択された場合、表示部11へのグラフ表示画面50の表示を停止させる。なお、表示処理部33は、グラフ表示ボタン42およびグラフ非表示ボタン44を設けずに、変更ダイヤ案表示画面40とグラフ表示画面50とを表示部11に表示させることもできる。
変更ダイヤ確定処理部35は、表示部11に変更ダイヤ案表示画面40が表示されている状態において、ユーザによる入力部12への操作によって決定ボタン43が選択された場合、編集された変更ダイヤ案41を変更ダイヤとして確定する。
変更ダイヤ確定処理部35は、確定した変更ダイヤである確定変更ダイヤの情報を通信部10およびネットワーク4を介して運行管理システム2へ送信すると共に、確定変更ダイヤの情報を変更ダイヤ情報記憶部25に記憶させる。
また、変更ダイヤ確定処理部35は、変更ダイヤ案41と確定変更ダイヤとの差分である編集差分を抽出し、抽出した編集差分の情報である編集差分情報を差分情報記憶部24に記憶させる。また、変更ダイヤ確定処理部35は、基本ダイヤと確定変更ダイヤとの差分を変更ダイヤ差分として抽出し、抽出した変更ダイヤ差分の情報を含む変更ダイヤ差分情報を変更ダイヤ情報記憶部25に記憶させる。
図10は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ情報記憶部に記憶される変更ダイヤ差分情報テーブルの一例を示す図である。図10に示すように、変更ダイヤ情報記憶部25に記憶される変更ダイヤ差分情報テーブルには、「基本ダイヤID」、「変更ダイヤID」、および「差分リスト情報」を含む変更ダイヤ差分情報が複数含まれる。
「基本ダイヤID」は、基本ダイヤに固有の識別情報であり、「変更ダイヤID」は、変更ダイヤに固有の識別情報である。「差分リスト情報」は、基本ダイヤと確定変更ダイヤとの差分をリスト化した差分リストの情報である差分リスト情報を含む。
図10に示す例では、基本ダイヤIDがF001である基本ダイヤの変更ダイヤの差分リスト情報として、変更ダイヤIDのC001の差分リスト情報と、変更ダイヤIDのC002の差分リスト情報とが含まれている。変更ダイヤIDのC001の差分リスト情報は、「Diff1.text」のファイル情報であり、変更ダイヤIDのC002の差分リスト情報は、「Diff2.text」のファイル情報である。
また、図10に示す例では、基本ダイヤIDがF002である基本ダイヤの変更ダイヤの差分リスト情報として、変更ダイヤIDのC003の差分リスト情報と、変更ダイヤIDのC004の差分リスト情報とが含まれている。変更ダイヤIDのC003の差分リスト情報は、「Diff3.text」のファイル情報であり、変更ダイヤIDのC004の差分リスト情報は、「Diff4.text」のファイル情報である。なお、ファイル情報は、テキストファイル以外のファイルの情報であってもよい。
ダイヤ実績評価部36は、基本ダイヤと確定変更ダイヤとの差分である変更ダイヤ差分に対する評価の値を示す実績評価値を算出する。例えば、ダイヤ実績評価部36は、判定した変更ダイヤ差分に含まれる編成IDの編成の混雑度の情報または判定した変更ダイヤ差分に含まれる駅の混雑度の情報を運行管理情報から抽出する。ダイヤ実績評価部36は、変更ダイヤ差分に含まれる編成IDの編成の混雑度または駅の混雑度と許容混雑度とを比較し、かかる比較結果に基づいて、実績評価値を算出する。例えば、ダイヤ実績評価部36は、変更ダイヤ差分に含まれる編成IDの編成の混雑度または駅の混雑度に対する許容混雑度の比を実績評価値として算出することができる。
ダイヤ実績評価部36は、すべての変更ダイヤ差分について実績評価値を算出した後、算出した実績評価値の情報を変更ダイヤ差分毎に含む情報を運用実績評価情報として運用実績評価情報記憶部26に記憶させる。
なお、ダイヤ実績評価部36は、駅の混雑度に代えて、駅の混雑変動率を用いて、実績評価値を算出することもできる。駅の混雑変動率は、基本ダイヤで運用された場合の駅の混雑度と変更ダイヤで運用された場合の駅の混雑度との比である。また、ダイヤ実績評価部36は、入力部12から入力された実績評価値の情報を変更ダイヤ差分毎に含む情報を運用実績評価情報として運用実績評価情報記憶部26に記憶させることもできる。
図11は、実施の形態1にかかる運用実績評価情報記憶部に記憶される運用実績評価情報テーブルの一例を示す図である。図11に示すように、運用実績評価情報記憶部26に記憶される運用実績評価情報テーブルは、「変更ダイヤID」、「差分ID」、「混雑度」、「実績評価値」、および「外因」を含む運用実績評価情報が複数含まれる。
「変更ダイヤID」は、各変更ダイヤに固有の識別情報であり、「差分ID」は、基本ダイヤと変更ダイヤとの差分である変更ダイヤ差分に固有の識別情報である。「混雑度」は、変更ダイヤ差分に含まれる編成または駅の混雑度の情報である。「実績評価値」は、実績評価値の情報である。実績評価値は、例えば、n段階評価の値である。nは、例えば、3以上の値である。「外因」は、混雑度の要因を示す情報である。
図11では、差分IDがD001の差分において、編成または駅の混雑度が80%であり、実績評価値が5段階評価中で4であることが示され、差分IDがD002の差分において、編成または駅の混雑度が130%であり、実績評価値が5段階評価中で4であることが示される。
また、図11では、差分IDがD003の差分において、編成または駅の混雑度が100%であり、実績評価値が5段階評価中で5であることが示され、差分IDがD004の差分において、編成または駅の混雑度が250%であり、外因が人身事故であることが示される。図11に示す例では、ダイヤ実績評価部36は、編成または駅の混雑度が250%である外因が人身事故であるため、実績評価値は決定していない。
つづいて、フローチャートを用い変更ダイヤ作成支援装置1の処理部14による処理を説明する。図12は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、変更ダイヤ作成支援装置1の処理部14は、変更ダイヤ案作成処理を実行する(ステップS10)。ステップS10の変更ダイヤ案作成処理は、図13に示すステップS20~S31の処理であり、後で詳述する。
次に、処理部14は、変更ダイヤ案編集処理を実行する(ステップS11)。ステップS11の変更ダイヤ案編集処理は、図14に示すステップS40~S51の処理であり、後で詳述する。
次に、処理部14は、運用実績評価処理を実行する(ステップS12)。ステップS12の運用実績評価処理は、図15に示すステップS60~S66の処理であり、後で詳述する。処理部14は、ステップS12の処理が終了した場合、図12に示す処理を終了する。
図13は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置の処理部による変更ダイヤ案作成処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、処理部14は、通信部10を介して変更要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS20)。
処理部14は、変更要求情報を取得したと判定した場合(ステップS20:Yes)、ステップS20で取得した変更要求情報を変更要求情報記憶部22に記憶させる(ステップS21)。
次に、処理部14は、ステップS20で取得したと判定した変更要求情報によって示される変更種別が増便であるか否かを判定する(ステップS22)。処理部14は、変更種別が増便であると判定した場合(ステップS22:Yes)、ステップS20で取得したと判定した変更要求情報に増加率の情報が含まれているか否かを判定する(ステップS23)。
処理部14は、増加率の情報が含まれていると判定した場合(ステップS23:Yes)、ステップS20で取得したと判定した変更要求情報と運行管理情報記憶部21に記憶された運行管理情報とに基づいて、過去類似イベントがあるか否かを判定する(ステップS24)。過去類似イベントは、例えば、変更要求情報で示されるイベントの場所、規模、および種別と類似する過去イベントである過去類似イベントである。
処理部14は、過去類似イベントがあると判定した場合(ステップS24:Yes)、過去類似イベントが開催された際の移動需要の増加率を算出する(ステップS25)。処理部14は、過去類似イベントがないと判定した場合(ステップS24:No)、入力された移動需要の増加率の情報を取得する(ステップS26)。ステップS26の処理において、処理部14は、移動需要の増加率をユーザに入力させるための入力枠を表示部11に表示させ、入力枠に入力された移動需要の増加率の情報を取得する。
処理部14は、ステップS25の処理が終了した場合、ステップS26の処理が終了した場合、または増加率の情報が含まれていないと判定した場合(ステップS23:No)、移動需要の増加率を含む増便情報を生成し、生成した増便情報を変更要求情報記憶部22に記憶させる(ステップS27)。
処理部14は、ステップS22の処理において、変更要求情報に増加率の情報が含まれていないと判定した場合(ステップS22:No)、ステップS20で取得したと判定した更要求情報に基づいて、制限情報を生成し、生成した制限情報を変更要求情報記憶部22に記憶させる(ステップS28)。
処理部14は、ステップS27の処理が終了した場合、またはステップS28の処理が終了した場合、基本ダイヤ情報と増便情報または制限情報と運行管理情報とに基づいて、変更ダイヤ案41を作成する(ステップS29)。処理部14は、作成した変更ダイヤ案41の情報を変更ダイヤ案情報記憶部23に記憶させる(ステップS30)。また、処理部14は、基本ダイヤと変更ダイヤ案41との差分の情報を差分情報記憶部24に記憶させる(ステップS31)。
処理部14は、ステップS31の処理が終了した場合、または、変更要求情報を取得していないと判定した場合(ステップS20:No)、図13に示す処理を終了する。
図14は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置の処理部による変更ダイヤ案編集処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すように、処理部14は、基本ダイヤ情報および変更ダイヤ案差分情報に基づいて、変更ダイヤ案41を表示部11に表示させる(ステップS40)。
次に、処理部14は、変更ダイヤ差分情報および実績評価情報などに基づいて、グラフ51を生成し、生成したグラフ51を変更ダイヤ案41と並べて表示部11に表示させる(ステップS41)。
次に、処理部14は、ユーザの入力部12への操作によってグラフ51に含まれるベクトル53が選択されたか否かを判定する(ステップS42)。処理部14は、ベクトル53が選択されたと判定した場合(ステップS42:Yes)、選択されたベクトル53に対応する差分を示す線分を強調表示する(ステップS43)。
処理部14は、ステップS43の処理が終了した場合、または、ベクトル53が選択されていないと判定した場合(ステップS42:No)、線分の編集があるか否かを判定する(ステップS44)。処理部14は、線分の編集があると判定した場合(ステップS44:Yes)、線分の編集内容に基づいて、変更ダイヤ案41を編集し(ステップS45)、編集した変更ダイヤ案41の情報に基づいて、グラフ51を再作成する(ステップS46)。
次に、処理部14は、ステップS46の処理が終了した場合、または、線分の編集がないと判定した場合(ステップS44:No)、決定操作があるか否かを判定する(ステップS47)。ステップS47の処理において、処理部14は、例えば、ユーザによる入力部12への操作によって決定ボタン43が選択された場合に、決定操作があると判定する。
処理部14は、決定操作がないと判定した場合(ステップS47:No)、処理をステップS42に移行する。また、決定操作があると判定した場合(ステップS47:Yes)、編集された変更ダイヤ案41を変更ダイヤとして決定する(ステップS48)。
次に、処理部14は、変更ダイヤ案41と変更ダイヤとの差分の情報である編集差分情報を差分情報記憶部24に記憶させる(ステップS49)。また、処理部14は、基本ダイヤと変更ダイヤとの差分の情報である変更ダイヤ差分情報を差分情報記憶部24に記憶させる(ステップS50)。そして、処理部14は、変更ダイヤの情報を出力して(ステップS51)、図14に示す処理を終了する。
図15は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置の処理部による運用実績評価処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すように、処理部14は、差分情報記憶部24に記憶されている変更ダイヤ差分情報に基づいて、基本ダイヤと変更ダイヤとの差分である変更ダイヤ差分の1つを選択する(ステップS60)。
次に、処理部14は、運行管理情報記憶部21に記憶されている運行管理情報から混雑度の情報を取得する(ステップS61)。処理部14は、ステップS61で混雑度の情報を複数取得したか否かを判定する(ステップS62)。例えば、変更ダイヤの期間が2日以上である場合に、処理部14によって混雑度の情報が複数取得される。
処理部14は、混雑度の情報を複数取得したと判定した場合(ステップS62:Yes)、ステップS61で取得した複数の混雑度の情報に基づいて、複数の混雑度の平均値を算出する(ステップS63)。なお、処理部14は、混雑度の情報を複数取得した場合であっても、例えば、人身事故が発生した日の混雑度の情報は、平均値の算出に用いない。
処理部14は、ステップS63の処理が終了した場合、または混雑度の情報を複数取得していないと判定した場合(ステップS62:No)、変動率と許容混雑度とを比較し、比較した結果に基づいて、実績評価値を決定する(ステップS64)。そして、処理部14は、決定した実績評価値の情報を運用実績評価情報記憶部26に記憶させる(ステップS65)。
次に、処理部14は、未選択の変更ダイヤ差分があるか否かを判定する(ステップS66)。処理部14は、未選択の変更ダイヤ差分があると判定した場合(ステップS66:Yes)、処理をステップS60に移行する。処理部14は、未選択の変更ダイヤ差分がないと判定した場合(ステップS66:No)、図15に示す処理を終了する。
図16は、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図16に示すように、変更ダイヤ作成支援装置1は、プロセッサ101と、メモリ102と、入力装置103と、表示装置104と、通信装置105とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ101、メモリ102、入力装置103、表示装置104、および通信装置105は、例えば、バス106によって互いに情報の送受信が可能である。通信部10は、通信装置105で実現される。表示部11は、表示装置104で実現される。入力部12は、入力装置103で実現される。記憶部13は、メモリ102によって実現される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部14の機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、変更ダイヤ作成支援装置1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
変更ダイヤ作成支援装置1は、端末装置で構成されてもよく、サーバで構成されてもよく、端末装置とサーバとで構成されてもよい。変更ダイヤ作成支援装置1が2つ以上の装置で構成される場合、2つ以上の装置の各々は、例えば、図16に示すハードウェア構成を有する。なお、2つ以上の装置間の通信は、通信装置105を介して行われる。また、変更ダイヤ作成支援装置1は、2つ以上のサーバで構成されてもよい。例えば、変更ダイヤ作成支援装置1は、処理サーバと、データサーバとで構成されてもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる変更ダイヤ作成支援装置1は、情報取得部30と、変更ダイヤ案作成部31と、グラフ作成部32と、表示処理部33と、変更ダイヤ案編集部34とを備える。情報取得部30は、基本ダイヤの情報である基本ダイヤ情報と基本ダイヤの変更要求の情報である変更要求情報とを取得する。変更ダイヤ案作成部31は、情報取得部30によって取得された基本ダイヤ情報と変更要求情報とに基づいて、基本ダイヤを変更して変更ダイヤ案41を作成する。グラフ作成部32は、複数の指標の各々を軸として基本ダイヤと変更ダイヤ案41との1以上の差分を示すグラフ51を作成する。表示処理部33は、変更ダイヤ案作成部31によって作成された変更ダイヤ案41とグラフ作成部32によって作成されたグラフ51とを表示部11に表示させる。変更ダイヤ案編集部34は、表示部11に表示された変更ダイヤ案41の編集操作があった場合に、変更ダイヤ案41を編集する。これにより、変更ダイヤ作成支援装置1は、ダイヤの変更過程においてユーザのノウハウを反映させることができる。
また、1以上の差分は、編成の区間単位の差分または編成単位の差分である。これにより、変更ダイヤ作成支援装置1では、ダイヤの変更過程においてユーザのノウハウをより細かく反映させることができる。
また、複数の指標は、過去の変更実績、過去の変更に対する評価、ダイヤ変更後の編成の混雑度、およびダイヤ変更後の編成から他の路線への接続数のうち2以上を含む。これにより、変更ダイヤ作成支援装置1では、ダイヤの変更過程においてユーザのノウハウをより効果的に反映させることができる。
また、グラフ作成部32は、変更ダイヤ案編集部34によって変更ダイヤ案41が編集された場合に、編集後の変更ダイヤ案41に基づいてグラフ51を再作成する。これにより、変更ダイヤ作成支援装置1のユーザは、ダイヤの変更過程においてノウハウを反映させながら、変更ダイヤ案41の編集を行うことができる。
また、グラフ作成部32は、1以上の指標を選択する操作である選択操作が行われた場合に、選択操作によって選択された1以上の指標を含む複数の指標の各々を軸としてグラフ51を作成する。これにより、変更ダイヤ作成支援装置1では、ダイヤの変更過程においてユーザのノウハウをより適切に反映させることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。