JP7333296B2 - ディスクブレーキ組立体用治具 - Google Patents
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Description
図1に示すように、本発明の実施形態に係るディスクブレーキ組立体1は、車体に取り付けられる前に予め組み立てられた組立体である。ディスクブレーキ組立体1は、軸部材10と、ディスクロータ20と、キャリパ30と、スプラッシュガード40と、を備える。
軸部材10は、車体に組み付けられた状態において、車幅方向に延設される略円柱形状の金属製部材である。
ディスクロータ20は、軸部材10の先端部(車幅方向外端部)に取り付けられており、軸線視で円板形状を呈する金属(強磁性体)製部材である。ディスクロータ20は、軸部材10に対して一体的に回動可能に取り付けられている。ディスクロータ20は、車輪のホイールに取付可能に構成されている。ディスクロータ20の外周面には、放熱のために環状の溝部21が形成されている。
キャリパ30は、ディスクロータ20に対して制動力を付与する部材である。キャリパ30は、金属(強磁性体)製部材として、ディスクロータ20の外周面と離間して対向する基部31と、基部31の両端部(車幅方向両端部)からディスクロータ20側へ延設される一対の対向壁部32,33と、を一体に備える。対向壁部32は、ディスクロータ20の一面(車幅方向外面)と離間して対向しており、対向壁部33は、ディスクロータ20の他面(車幅方向内面)と離間して対向している。
スプラッシュガード40は、ディスクロータ20の車幅方向内面(スプラッシュガード40側面)と離間して対向する、軸線視で略円板形状を呈する樹脂製部材である。スプラッシュガード40は、ディスクロータ20よりも車体内方への異物(水、砂、小石等)の進入を防止する。スプラッシュガード40は、ディスクロータ20よりも大径の円板形状を呈する本体部41と、本体部41の径方向外端部からディスクロータ20側(車幅方向外方)に延設されるフランジ部42と、を一体に備える。かかるフランジ部42は、主に本体部41の下部(後記する第一の切欠部41bと離間部41dとの間であって、第二の切欠部41cを除く部位)に形成されている。
図3から図5に示すように、本発明の実施形態に係るディスクブレーキ組立体用治具(以下、単に治具と称する)2は、ディスクブレーキ組立体1を車体に組み付ける際に、当該ディスクブレーキ組立体1に取り付けられるものである。かかる治具2は、ディスクブレーキ組立体1に取り付けられることによって、スプラッシュガード40の異常を調べたりスプラッシュガードを保護したりする。
本体部材50は、本体部51と、径方向突出部52と、突出部53と、保護部54と、延長部55と、を一体に備える樹脂製部材である。
図4及び図5に示すように、第一の磁石部材60は、本体部51の径方向内面において、径方向突出部52よりもディスクロータ20側(車幅方向外側)となる部位に取り付けられている円弧形状の磁石である。第一の磁石部材60は、ディスクロータ20に磁力によって治具2(本体部50)を周方向への移動を許容しつつディスクロータ20の外周面に固定可能な固定部の一例である。第一の磁石部材60の径方向内面は、本体部51の径方向突出部52よりもスプラッシュガード40側(車幅方向内側)における径方向内面と同径に設定されている。第一の磁石部材60の車幅方向外側面は、傾斜面50aと面一の傾斜面60aを構成する。
図5に示すように、第二の磁石部材70は、本体部材50(本体部51)の周方向一端面に形成された凹部51a(図3参照)に嵌合して取り付けられている円柱状の磁石である。第二の磁石部材70は、キャリパ30に磁力によって治具2(本体部材50)を固定可能な固定部の一例である。第二の磁石部材70は、キャリパ30に当接した状態で、磁力によって治具2の周方向への移動を規制する。また、本体部材50の周方向一端面(第二の磁石部材70の取付面)は、径方向外方にいくにつれて周方向に延出する傾斜面50cを構成する。かかる傾斜面50cは、キャリパ30の下端面に対応している。
第三の磁石部材80は、延長部55の径方向内側面に形成された凹部55a(図3参照)に嵌合して取り付けられている円柱状の磁石である。第三の磁石部材80は、キャリパ30に磁力によって治具2(本体部材50)を固定可能な固定部の一例である。第三の磁石部材80は、キャリパ30に当接した状態で、磁力によって治具2の径方向外方への移動を規制する。
図6及び図7に示すように、作業者は、ディスクブレーキ組立体1を車体に組み付ける前に、治具2をディスクブレーキ組立体1に取り付ける。ここで、径方向突出部52は、ディスクロータ20の溝部21に収容され、ディスクロータ20に対する治具2の幅方向位置(車幅方向位置)を規制する。突出部53及び保護部54の間に構成される溝部は、スプラッシュガード40のフランジ部42を収容する。治具2は、径方向突出部52が溝部21に収容された状態で、スプラッシュガード40の離間部41d(図1及び図2参照)から周方向に移動することによって、スプラッシュガード40の下部に取り付けられる。
したがって、治具2は、突出部53に対するスプラッシュガード40の当接の有無によってスプラッシュガード40の異常を作業者に認識させることができる。詳細には、治具2は、スプラッシュガード40において目視が困難な部位(本実施形態では、スプラッシュガード40の下部)の異常を作業者に認識させることができる。
したがって、治具2は、スプラッシュガード40が屈曲して突出部53に当接した場合に、スプラッシュガード40が異常であることを作業者に認識させることができる。
したがって、治具2は、ディスクブレーキ組立体1の車体組付時にスプラッシュガード40の外周部を保護することができる。
したがって、治具2は、ディスクブレーキ組立体1の車体組付時にスプラッシュガード40のフランジ部42を保護することができる。
したがって、治具2は、スプラッシュガード40の屈曲によってフランジ部42が突出部53及び保護部54の間に構成される溝部50bの底面に当接した場合に、スプラッシュガード40が異常であることを作業者に認識させることができる。
したがって、治具2は、周方向の小型化を実現しつつ、当該2を周方向に移動させることによって、スプラッシュガード40の異常を作業者に認識させることができる。
したがって、治具2は、ディスクブレーキ組立体1の車体組付時に当該治具2をキャリパ30に固定することによって、スプラッシュガード40の外周部の所定部位を好適に保護することができる。
2 治具(ディスクブレーキ組立体用治具)
20 ディスクロータ
30 キャリパ
40 スプラッシュガード
41 本体部
42 フランジ部(外周部)
50b 溝部
52 径方向突出部
53 突出部
54 保護部
60 第一の磁石部材
70 第二の磁石部材(固定部)
80 第三の磁石部材(固定部)
Claims (7)
- ディスクロータと、前記ディスクロータの一面に離間して対向するように設けられているスプラッシュガードと、を備えるディスクブレーキ組立体に取り付けられるディスクブレーキ組立体用治具であって、
前記スプラッシュガードの外周部は、前記ディスクロータ及び前記スプラッシュガードの配列方向から見て、前記ディスクロータの外周部よりも径方向外方に位置しており、
前記ディスクロータの外周部に取り付けられる円弧形状の本体部と、
前記本体部から前記スプラッシュガード側に突出し、前記スプラッシュガードにおける前記ディスクロータ側の面と対向する突出部と、
を備えることを特徴とするディスクブレーキ組立体用治具。 - 前記ディスクブレーキ組立体に取り付けられた状態において、前記突出部は、通常状態における前記スプラッシュガードの前記ディスクロータ側の面と離間している
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ組立体用治具。 - 前記本体部から前記スプラッシュガード側に突出し、前記スプラッシュガードの外周部を径方向外方から覆う保護部を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディスクブレーキ組立体用治具。 - 前記スプラッシュガードは、当該スプラッシュガードの周縁部から前記ディスクロータ側に延設されるフランジ部を備えており、
前記保護部は、前記フランジ部を径方向外方から覆う
ことを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ組立体用治具。 - 前記突出部及び前記保護部の間に構成される溝部の底面は、通常状態における前記フランジ部の先端部と離間している
ことを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ組立体用治具。 - 前記ディスクロータに取り付けられた状態で、前記ディスクロータの周方向に移動可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のディスクブレーキ組立体用治具。 - 前記ディスクブレーキ組立体は、前記ディスクロータに対して圧接可能なキャリパを備えており、
前記キャリパに磁力によって固定可能な固定部を備える
ことを特徴とする請求項6に記載のディスクブレーキ組立体用治具。
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