本発明の重合生成物は、モノマー組成物を重合することにより得られた重合生成物であって、N-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位を有するAブロックと、N-アルケニルラクタム系モノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位を有するBブロックとを有するブロック共重合体を含有し、前記重合生成物の分子量分布(PDI)が2.0以下であり、かつ、前記ブロック共重合体の含有率が、前記重合生成物100質量%中において、80質量%以上であることを特徴とする。
本発明の重合生成物は、N-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位を有するAブロックと、N-アルケニルラクタム系モノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位を有するBブロックとを有するブロック共重合体を含有する。このブロック共重合体は、AブロックとBブロックとを有することで、優れた分散性能を有する。よって、本発明の重合生成物は、分散剤として使用することができる。また、本発明の重合生成物は、前記ブロック共重合体の含有率が80質量%以上である。換言するとAブロックのみからなる重合物、Bブロックのみからなる重合物のような重合体不純物の含有率が20質量%以下である。そのため、本発明の重合生成物は、分散剤として使用した際に、優れた保存安定性を示す。
本発明において、「重合生成物」とは、前記ブロック共重合体を得るために重合操作を行った際に得られる生成物を指す。前記「重合生成物」には、所望とするブロック共重合体と、このブロック共重合体を合成する際に副生した重合体不純物を含む。
本発明において、「重合体不純物」とは、所望とするブロック共重合体を合成する際に、不可避的に副生する他の重合体である。例えば、A-B型ジブロック共重合体を合成する際に副生する重合体不純物としては、Aブロックと同様の組成を有するランダムポリマー、Bブロックと同様の組成を有するランダムポリマーが挙げられる。A-B-A型トリブロック共重合体またはB-A-B型トリブロック共重合体を合成する際に副生する重合体不純物としては、Aブロックと同様の組成を有するランダムポリマー、Bブロックと同様の組成を有するランダムポリマーが挙げられる。なお、「重合体不純物」は、所望とするブロック共重合体を合成する際に副生した重合体であり、別途添加される重合体は含まない。
本発明において、「Aブロック」は「Aセグメント」と言い換えることができ、「Bブロック」は「Bセグメント」と言い換えることができる。本発明において、「ビニルモノマー」とは分子中にラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合を有するモノマーのことをいう。「ビニルモノマーに由来する構造単位」とは、ビニルモノマーのラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合が、重合して炭素-炭素単結合になった構造単位をいう。「(メタ)アクリル」は「アクリルおよびメタクリルの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよびメタクリレートの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよびメタクロイルの少なくとも一方」をいう。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示である。本発明は以下の実施形態に何ら限定されない。
<重合生成物>
本発明の重合生成物は、AブロックとBブロックとを有するブロック共重合体と、重合体不純物とを含有する。
前記重合生成物は、前記ブロック共重合体の含有率が、重合生成物100質量%中、80質量%以上、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
前記重合生成物が、A-B型ジブロック共重合体を合成することを目的として得られたものである場合、重合生成物中のA-B型ジブロック共重合体の含有率が、重合生成物100質量%中、80質量%以上、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
前記重合生成物が、A-B-A型トリブロック共重合体またはB-A-B型トリブロック共重合体を合成することを目的として得られたものである場合、重合生成物中のA-B-A型トリブロック共重合体およびA-B型ジブロック共重合体の合計含有率が、重合生成物100質量%中、80質量%以上、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
前記重合生成物の重量平均分子量(Mw)は5,000以上が好ましく、より好ましくは6,000以上、さらに好ましくは7,000以上であり、40,000以下が好ましく、より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは20,000以下である。重量平均分子量が上記範囲内にあれば、分散剤として使用した際の分散性能がより良好となる。前記重合生成物の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」という)法により測定される。
前記重合生成物の分子量分布(PDI)は、2.0以下であり、1.8以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることがさらに好ましい。なお、本発明において、分子量分布(PDI)とは、(重合生成物の重量平均分子量(Mw))/(重合生成物の数平均分子量(Mn))によって求められるものである。PDIが小さいほど分子量分布の幅が狭い、分子量のそろった重合生成物となり、その値が1.0のとき最も分子量分布の幅が狭い。重合生成物の分子量分布(PDI)が、2.0を超えると、分子量の小さいものや、分子量の大きいものが含まれることになる。
前記重合生成物の酸価は、35mgKOH/g未満であることが好ましい。酸価が前記範囲を超えると、ブロック共重合体同士の相互作用により分散性が悪くなるおそれがある。
(ブロック共重合体)
前記ブロック共重合体の各種構成成分等について以下説明する。
(Aブロック)
AブロックはN-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位を含むポリマーブロックである。
前記N-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位は、環状N-アルケニルラクタム構造を有するビニルモノマーに由来する構造単位であれば特に制限されないが、下記一般式(1)で表される構造単位であることが好ましい。
〔式(1)において、R
11、R
12、R
13およびR
14は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基を示す。m1は0~4の整数を示す。n1は1~3の整数を示す。〕
前記R11~R14におけるアルキル基の炭素数としては、1~6が好ましく、より好ましくは1~4である。前記アルキル基として、更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。前記R11~R14における置換基としては、特に制限されないが、カルボキシ基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基;ヒドロキシ基等が挙げられる。
R11としては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
前記R12~R14としては水素原子であることが好ましい。
m1としては、0~2の整数であることが好ましく、より好ましくは0~1の整数であり、更に好ましくは0である。
n1としては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
前記一般式(1)で表される構造単位を形成するビニルモノマーとしては、例えばN-ビニルピロリドン、N-ビニル-5-メチルピロリドン、N-ビニル-5-エチルピロリドン、N-ビニル-5-プロピルピロリドン、N-ビニル-5-ブチルピロリドン、1-(2-プロペニル)-2-ピロリドン等の5員環ラクタム構造を有するビニルモノマー;N-ビニルピペリドン等の6員環ラクタム構造を有するビニルモノマー;N-ビニルカプロラクタム等の7員環ラクタム構造を有するビニルモノマー等が挙げられる。前記一般式(1)で表される構造単位を形成するビニルモノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも5員環ラクタム構造を有するビニルモノマーが好ましく、N-ビニルピロリドンがより好ましい。
Aブロックは、N-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位のみであっても良いし、他の構造単位が含まれていてもよい。着色材との親和性を保持する観点から、Aブロック中のN-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位の含有率は、80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。
Aブロックの他の構造単位を形成し得るモノマーの具体例としては、後述するBブロックを形成し得るモノマーの具体例として例示したものが挙げられる。
Aブロックにおいて2種以上の構造単位が含有される場合は、Aブロックに含有される各種構造単位は、Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合等の何れの態様で含有されていてもよく、均一性の観点からランダム共重合の態様で含有されていることが好ましい。例えば、Aブロックが、a1ブロックからなる構造単位とa2ブロックとからなる構造単位との共重合体により形成されていてもよい。
(Bブロック)
Bブロックは、N-アルケニルラクタム系モノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位を含むポリマーブロックである。Bブロックにおける前記構造単位は、1種のみでもあってもよいし、2種以上を有していてもよい。前記構造単位とすることで、分散媒体(溶媒)、バインダー樹脂等との高い親和性を維持できる。
前記ビニルモノマーは、例えば、(メタ)アクリル系ビニルモノマー、α-オレフィン、芳香族ビニルモノマー、ヘテロ環含有不飽和モノマー、ビニルアミド、カルボン酸ビニル、ジエン類等を挙げることができ、これらの中から1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(メタ)アクリル系ビニルモノマーとしては、例えば、鎖状アルキル基(直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基)を有する(メタ)アクリレート、環状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、多環式構造を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート、含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレート、酸性基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
前記直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、直鎖アルキル基の炭素数が1~20である直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、直鎖アルキル基の炭素数が1~10である直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。前記直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、分岐鎖アルキル基の炭素数が1~20である分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、分岐鎖アルキル基の炭素数が1~10である分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。前記分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、環状アルキル基の炭素数が6~12の環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。環状アルキル基としては、単環構造を有する環状アルキル基(例えば、シクロアルキル基)が挙げられる。単環構造の環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記多環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、多環式構造の炭素数が6~12の多環式構造を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。多環式構造としては、橋かけ環構造を有する環状アルキル基(例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基)が挙げられる。多環式構造を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、芳香族基の炭素数が6~12の芳香族基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。芳香族基としては、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールオキシアルキル基、アルキルアリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられ、特にフェニル基、ベンジル基、トリル基、フェノキシエチル基が好ましい。芳香族基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ポリアルキレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコール(重合度=2~10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度=2~10)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度=2~10)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度=2~10)フェニルエーテル(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(重合度=2~10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度=2~10)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度=2~10)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度=2~10)フェニルエーテル(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ラクトン変性ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートにラクトンを付加したものが挙げられ、カプロラクトンを付加したものが好ましい。ラクトンの付加量は、1mol~10molが好ましく、1mol~5molがより好ましい。前記ラクトン変性ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン1mol付加物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン2mol付加物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン3mol付加物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン4mol付加物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン5mol付加物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン10mol付加物等が好ましい。
前記アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートとしては、4員環~6員環の含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2-〔(2-テトラヒドロピラニル)オキシ〕エチル(メタ)アクリレート、1,3-ジオキサン-(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記酸性基としては、カルボキシ基(-COOH)、スルホン酸基(-SO3H)、リン酸基(-OPO3H2)、ホスホン酸基(-PO3H2)、ホスフィン酸基(-PO2H2)が挙げられる。前記酸性基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の酸無水物を反応させたモノマー等のカルボキシ基を有する(メタ)アクリレート;スルホン酸エチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸2-(ホスホノオキシ)エチル等のリン酸基を有する(メタ)アクリレート等を挙げることでき、好ましくはカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートである。
前記α-オレフィンとしては、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等が挙げられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メトキシスチレン、2-ヒドロキシメチルスチレン、1-ビニルナフタレン等が挙げられる。
前記ヘテロ環含有不飽和モノマーとしては、2-ビニルチオフェン、N-メチル-2-ビニルピロール、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン等が挙げられる。
前記ビニルアミドとしては、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド等が挙げられる。
前記カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
前記ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等が挙げられる。
前記ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル系ビニルモノマーおよび芳香族ビニルモノマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、より好ましくは直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート、分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート、環状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、多環式構造を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、酸性基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸および芳香族ビニルモノマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
前記Bブロックは、酸性基を有するビニルモノマー(好ましくは酸性基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸)に由来する構造単位を有することが好ましい。酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を有することでアルカリ現像液への溶解性が増し、アルカリ現像性を向上させることができる。しかし、その割合が多くなると、分散媒体、アルカリ可溶性樹脂との親和性が低くなるおそれがある。
酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含有する場合、その含有率は、Bブロック100質量%中において、2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上であり、20質量%以下が好ましく、より好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは16質量%以下である。酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率が2質量%以上であればアルカリ現像において、アルカリで中和した際の溶解速度が速くなり、20質量%以下であれば親水性が高すぎず、形成される画素が乱雑になることを抑制できる。
前記Bブロックは、前記N-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位の含有率が5質量%未満、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満であり、N-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位を含有しないことが好ましい。換言すると、前記BブロックにおけるN-アルケニルラクタム系モノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位の含有率は95質量%以上、好ましくは97質量%以上、より好ましくは99質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。Bブロック中のN-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位の含有率が低い程、着色材の分散性能が向上する。
Bブロックにおいて2種以上の構造単位が含有される場合は、Bブロックに含有される各種構造単位は、Bブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合等のいずれの態様で含有されていてもよく、均一性の観点からランダム共重合の態様で含有されていることが好ましい。例えば、Bブロックが、b1ブロックからなる構造単位とb2ブロックとからなる構造単位との共重合体により形成されていてもよい。
(ブロック共重合体)
前記ブロック共重合体の構造は、線状ブロック共重合体であることが好ましい。また、線状ブロック共重合体は、いずれの構造(配列)であっても良いが、線状ブロック共重合体の物性、または組成物の物性の観点から、AブロックをA、BブロックをBと表現したとき、(A-B)m型、(A-B)m-A型、および(B-A)m-B型(mは1以上の整数、例えば1~3の整数)よりなる群から選択される少なくとも1種の構造を持つ共重合体であることが好ましい。これらの中でも、加工時の取扱い性、組成物の物性の観点から、A-B型ジブロック共重合体、A-B-A型トリブロック共重合体、B-A-B型トリブロック共重合体であることが好ましい。A-B型ジブロック共重合体、A-B-A型トリブロック共重合体またはB-A-B型トリブロック共重合体を構成することで、Aブロックが有するN-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位と、Bブロックに有する他のビニルモノマーに由来する構造単位とが局在化し、効率的に着色材と、分散媒体と好適に作用することができると考えられる。前記ブロック共重合体は、AブロックおよびBブロック以外の他のブロックを有していてもよい。
Aブロックの含有率は、ブロック共重合体全体100質量%中において、10質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。Bブロックの含有率は、ブロック共重合体全体100質量%中において、30質量%以上が好ましく、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。AブロックおよびBブロックの含有率を、上記範囲内に調整することで、分散剤として使用した際の分散性能がより一層向上する。
ブロック共重合体中のAブロックとBブロックとの質量比(Aブロック/Bブロック)は、10/90以上が好ましく、より好ましくは15/85以上、さらに好ましくは20/80以上であり、70/30以下が好ましく、より好ましくは65/35以下、さらに好ましくは60/40以下である。AブロックとBブロックとの質量比が前記範囲内であれば、分散剤として使用した際の分散性能がより一層向上する。
前記ブロック共重合体における前記N-アルケニルラクタム系モノマーに由来する構造単位の含有率は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
前記ブロック共重合体が酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含有する場合、その含有率は、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、10質量%以下が好ましく、より好ましくは9質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
前記ブロック共重合体は、末端に硫黄原子を含有する置換基を有していないことが好ましい。前記硫黄原子を含有する置換基としては、ジチオカルバメート基、キサンタート基などが挙げられる。末端に硫黄原子を含有する置換基を有していなければ、着色や臭気を抑制できる。
<重合生成物の製造方法>
本発明で用いる重合生成物は、ブロックを構成するビニルモノマーを順次重合反応することによって、Aブロックを先に製造し、AブロックにBブロックのモノマーを重合する方法;Bブロックを先に製造し、BブロックにAブロックのモノマーを重合する方法等が挙げられる。
ビニルモノマーの重合反応による重合生成物の製造方法としては、例えば、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等のリビング重合法があり、本発明においてはリビングラジカル重合法により重合生成物を製造することが好ましい。リビングアニオン重合法およびリビングカチオン重合法は厳密な重合条件が必要で、さらに共存できる官能基が限定されるが、リビングラジカル重合法は極性官能基と共存できる汎用性と、モノマーや溶媒の純度などに影響されない簡便性とを保ちつつ、分子量分布の精密制御、均一な組成のポリマーを製造できるため好ましい。すなわち、前記ブロック共重合体としては、リビングラジカル重合により重合されたものが好ましい。
また、従来のラジカル重合法は、開始反応、成長反応だけでなく、停止反応、連鎖移動反応により成長末端の失活が起こり、様々な分子量、不均一な組成のポリマーの混合物となり易い傾向がある。これに対してリビングラジカル重合法は、従来のラジカル重合法の簡便性と汎用性を保ちながら、停止反応や、連鎖移動が起こりにくく、成長末端が失活することなく成長するため、分子量分布の精密制御、均一な組成のポリマーの製造が容易である点で好ましい。
リビングラジカル重合法には、重合成長末端を安定化させる手法の違いにより、遷移金属触媒を用いる方法(ATRP法);硫黄系の可逆的連鎖移動剤を用いる方法(RAFT法);有機テルル化合物を用いる方法(TERP法)等の方法がある。ATRP法は、アミン系錯体を使用するため、酸性基を有するビニルモノマーの酸性基を保護せず使用することができない場合がある。RAFT法は、多種のモノマーを使用した場合、低分子量分布になりづらく、かつ硫黄臭や着色等の不具合がある場合がある。これらの方法のなかでも、使用できるモノマーの多様性、高分子領域での分子量制御、均一な組成、あるいは着色の観点から、TERP法を用いることが好ましい。
TERP法とは、有機テルル化合物を連鎖移動剤として用い、ラジカル重合性化合物(ビニルモノマー)を重合させる方法であり、例えば、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および国際公開第2004/096870号に記載された方法である。
TERP法の具体的な重合法としては、下記(a)~(d)が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物を用いて重合する。
(b)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との第1混合物を用いて重合する。
(c)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物と一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物との混合物を用いて重合する。
(d)ビニルモノマーを、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物との第2混合物を用いて重合する。
〔一般式(3)中、R
31は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を表す。R
32およびR
33は、それぞれ、水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表す。R
34は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基を表す。
一般式(4)中、R
31は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を表す。〕
R31で表される基は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1~4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
R32およびR33で表される基は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1~8のアルキル基であり、各基は、具体的には次の通りである。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1~4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
R34で表される基は、炭素数1~8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1~4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましくはフェニル基である。
置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。前記置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、-COR311で示されるカルボニル含有基(R311は炭素数1~8のアルキル基、アリール基、炭素数1~8のアルコキシ基またはアリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は、1個または2個置換しているのがよい。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1~8のアルキル基が酸素原子に結合した基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等を挙げることができる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、-CONR321R322(R321、R322は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~8のアルキル基またはアリール基)を挙げることがきる。
オキシカルボニル基としては、-COOR331(R331は水素原子、炭素数1~8のアルキル基またはアリール基)で表される基が好ましく、例えばカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
アリル基としては、-CR341R342-CR343=CR344R345(R341、R342は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1~8のアルキル基、R343、R344、R345は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~8のアルキル基またはアリール基であり、それぞれの置換基が環状構造で繋がっていてもよい)等を挙げることができる。
プロパルギル基としては、-CR351R352-C≡CR353(R351、R352は、水素原子または炭素数1~8のアルキル基、R353は、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、アリール基またはシリル基)等を挙げることができる。
一般式(3)で表される有機テルル化合物は、具体的には(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル-2-メチル-2-メチルテラニル-プロピオネート、エチル-2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオネート、(2-トリメチルシロキシエチル)-2-メチル-2-メチルテラニル-プロオピオネート、(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-2-メチルテラニル-プロピオネートまたは(3-トリメチルシリルプロパルギル)-2-メチル-2-メチルテラニル-プロピオネート等、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および国際公開第2004/096870号に記載された有機テルル化合物の全てを例示することができる。
一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物の具体例としては、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ-n-プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ-n-ブチルジテルリド、ジ-s-ブチルジテルリド、ジ-t-ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス-(p-メトキシフェニル)ジテルリド、ビス-(p-アミノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-ニトロフェニル)ジテルリド、ビス-(p-シアノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリドまたはジピリジルジテルリド等を例示することができる。
アゾ系重合開始剤は、通常のラジカル重合で使用するアゾ系重合開始剤であれば特に制限なく使用することができる。例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)(65℃、トルエン)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)(67℃、トルエン)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)(52℃、トルエン)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)(88℃、トルエン)、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(MAIB)(66℃、トルエン)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)(ACVA)(69℃、水(Na塩として))、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)(61℃、トルエン)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-70)(30℃、トルエン)、2,2’-アゾビス(2-メチルアミジノプロパン)二塩酸塩(56℃、水)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン](61℃、メタノール)、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](86℃、水)、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)(110℃、エチルベンゼン)、またはジメチル1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボキシレート)(73℃、トルエン)等を例示することができる。これらの中でもアゾ系重合開始剤としては油溶性アゾ系重合開始剤が好ましく、AIBN、AMBN、ADVN、ACHN、V-70がより好ましい。上記アゾ系重合開始剤の化合物名の後の括弧内に記載した数値は、これらの10時間半減期温度および10時間半減期温度の測定に用いた溶媒である。前記アゾ系重合開始剤の10時間半減期温度とは、溶媒中でのアゾ基の濃度が10時間で半分となる温度のことをいう。半減期温度の測定に使用する溶媒としては、油溶性アゾ系重合開始剤ではトルエン、エチルベンゼン等が挙げられ、水溶性アゾ系重合開始剤では水、メタノール等が挙げられる。
重合工程は、不活性ガスで置換した容器で、ビニルモノマーと一般式(3)の有機テルル化合物とに、ビニルモノマーの種類に応じて反応促進、分子量および分子量分布の制御等の目的で、さらにアゾ系重合開始剤および/または一般式(4)の有機ジテルリド化合物を混合する。このとき、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。好ましくは、アルゴン、窒素が良い。
前記(a)、(b)、(c)および(d)におけるビニルモノマーの使用量は、目的とする共重合体の物性により適宜調節すればよい。一般式(3)の有機テルル化合物1molに対しビニルモノマーを5mol~10000molとすることが好ましい。
前記(b)の一般式(3)の有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対してアゾ化合物を0.01mol~10molとすることが好ましい。
前記(c)の一般式(3)の有機テルル化合物と一般式(4)の有機ジテルリド化合物とを併用する場合、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対して一般式(4)の有機ジテルリド化合物を0.01mol~100molとすることが好ましい。
前記(d)の一般式(3)の有機テルル化合物と一般式(4)の有機ジテルリド化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対して一般式(4)の有機ジテルリド化合物を0.01mol~100molとすることが好ましく、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol~10molとすることが好ましい。
重合反応は、無溶媒でも行うことができるが、ラジカル重合で一般に使用される非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒を使用し、前記混合物を撹拌して行なってもよい。使用できる非プロトン性溶媒は、例えば、アニソール、ベンゼン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2-ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはトリフルオロメチルベンゼン等を例示することができる。また、プロトン性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1-メトキシ-2-プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノールまたはジアセトンアルコール等を例示することができる。
溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ビニルモノマー組成物1gに対して、0.01ml以上が好ましく、より好ましくは0.05ml以上、さらに好ましくは0.1ml以上であり、50ml以下が好ましく、より好ましくは10ml以下、さらに好ましくは1ml以下である。
反応温度、反応時間は、得られる共重合体の分子量或いは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、0℃~150℃で、1分~100時間撹拌する。TERP法は、低い重合温度および短い重合時間であっても高い収率と精密な分子量分布を得ることができる。このとき、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧または減圧しても構わない。
重合反応の終了後、得られた反応混合物から、通常の分離精製手段により、使用溶媒、残存ビニルモノマーの除去等を行い、目的とする共重合体を分離することができる。
重合反応により得られる共重合体の成長末端は、テルル化合物由来の-TeR31(式中、R31は一般式(3)中のR31と同じである。)の形態であり、重合反応終了後の空気中の操作により失活していくが、テルル原子が残存する場合がある。テルル原子が末端に残存した共重合体は着色したり、熱安定性が劣ったりするため、テルル原子を除去することが好ましい。
テルル原子を除去する方法としては、トリブチルスタンナンまたはチオール化合物等を用いるラジカル還元方法;活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、モレキュラーシーブスおよび高分子吸着剤等で吸着する方法;イオン交換樹脂等で金属を吸着する方法;過酸化水素水または過酸化ベンゾイル等の過酸化物を添加したり、空気または酸素を系中に吹き込むことで共重合体末端のテルル原子を酸化分解させ、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留テルル化合物を除去する液-液抽出法や固-液抽出法;特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限界ろ過等の溶液状態での精製方法等を用いることができ、また、これらの方法を組み合わせて用いることもできる。
なお、重合反応により得られる共重合体の他方端(成長末端と反対側の末端)は、テルル化合物由来の-CR32R33R34(式中、R32、R33およびR34は、一般式(3)中のR32、R33およびR34と同じである。)の形態である。よって、TERP法により得られる共重合体は、末端に硫黄原子を含有する置換基を有さない。
(重合生成物の製造方法の好適態様)
以下、前記重合生成物の製造方法の一態様について説明する。
前記製造方法は、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との第1混合物、または、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物との第2混合物を用いて、N-アルケニルラクタム系モノマーを含有する第1モノマー組成物を重合するAブロック重合工程と、前記第1混合物または前記第2混合物を用いて、N-アルケニルラクタム系モノマー以外のビニルモノマーを含有する第2モノマー組成物を重合するBブロック重合工程とを有し、全ての重合工程において、前記アゾ系重合開始剤の10時間半減期温度(T1/2)と反応温度(Tr)との差(T1/2-Tr)が10℃~60℃であることが好ましく、より好ましくは10℃~50℃、さらに好ましくは10℃~40℃、特に好ましくは10℃~30℃である。
一般的に、TERP法において、ビニルモノマーがラクタム構造や酸性基を有していると、これらのラクタム構造や酸性基が重合末端ラジカルを失活させやすい。例えば、ラクタム構造では、重合末端ラジカルに水素ラジカルを提供し失活させる可能性がある。また、酸性基では、ドーマント種を形成する有機テルルへプロトン配位が起こり、ドーマント種形成を阻害し重合末端を失活させる可能性がある。そのため、ビニルモノマーがラクタム構造や酸性基を有していると、重合生成物中の各ブロック成分が結合していない重合体(「未連結成分」)の含有率が増加する傾向がある。しかしながら、重合温度を、添加するアゾ系重合開始剤の10時間半減期温度よりも10℃以上低い温度とすることで、未連結成分の生成を抑制することができる。
前記好適態様では、重合時に第1混合物または第2混合物を使用する。これらの第1混合物または第2混合物は、前記Aブロック重合工程と前記Bブロック重合工程とにおいて共通のものを使用する。つまり、例えば、A-B型ジブロック共重合体を製造する場合、第1段目の重合工程を行った後、この反応液(第1段目の重合物と、第1混合物または第2混合物を含有する。)に第2段目のモノマー組成物を添加して、第2段目の重合工程を行う。
前記第1混合物において、アゾ系重合開始剤の使用量は、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対して、0.01mol以上が好ましく、より好ましくは0.05mol以上、さらに好ましくは0.1mol以上であり、10mol以下が好ましく、より好ましくは2mol以下、さらに好ましくは1mol以下である。
前記第2混合物において、アゾ系重合開始剤の使用量は、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対して、0.01mol以上が好ましく、より好ましくは0.05mol以上、さらに好ましくは0.1mol以上であり、10mol以下が好ましく、より好ましくは2mol以下、さらに好ましくは1mol以下である。
前記第2混合物において、一般式(4)の有機ジテルリド化合物の使用量は、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対して、0.01mol以上が好ましく、より好ましくは0.1mol以上、さらに好ましくは0.2mol以上であり、100mol以下が好ましく、より好ましくは5mol以下、さらに好ましくは3mol以下である。
前記Aブロック重合工程では、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との第1混合物、または、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物との第2混合物を用いて、N-アルケニルラクタム系モノマーを含有する第1モノマー組成物を重合する。
前記Aブロック重合工程において、ビニルモノマーの使用量は、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対し、5mol以上が好ましく、より好ましくは10mol以上、さらに好ましくは20mol以上であり、10000mol以下が好ましく、より好ましくは300mol以下、さらに好ましくは100mol以下である。
前記Bブロック重合工程では、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との第1混合物、または、一般式(3)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(4)で表される有機ジテルリド化合物との第2混合物を用いて、N-アルケニルラクタム系モノマー以外のビニルモノマーを含有する第2モノマー組成物を重合する。
前記Bブロック重合工程において、ビニルモノマーの使用量は、一般式(3)の有機テルル化合物1molに対し、5mol以上が好ましく、より好ましくは7mol以上、さらに好ましくは10mol以上であり、10000mol以下が好ましく、より好ましくは300mol以下、さらに好ましくは100mol以下である。
前記好適態様では、前記アゾ系重合開始剤の10時間半減期温度(T1/2)と全ての重合工程の反応温度(Tr)との差(T1/2-Tr)が、10℃以上あり、60℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下であり、特に好ましくは30℃以下である。なお、アゾ系重合開始剤を複数使用する場合、全てのアゾ系重合開始剤の10時間半減期温度について、上記範囲を満たすことが好ましい。
前記好適態様において、反応温度は、0℃以上が好ましく、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上であり、特に好ましくは30℃以上であり、80℃以下が好ましく、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは55℃以下である。また、反応時間は、1時間以上が好ましく、より好ましくは3時間以上、さらに好ましくは5時間以上であり、100時間以下が好ましく、より好ましくは50時間以下、さらに好ましくは30時間以下である。
前記好適態様では、各重合工程における原料となるモノマー組成物中のモノマーの重合率(モノマー転化率)を、90質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは96質量%以上、さらに好ましくは97質量%以上、特に好ましくは98質量%以上である。
前記好適態様は、少なくともAブロック重合工程とBブロック重合工程とを有する。これらの重合工程の順序は特に限定されず、Aブロック重合工程を先に行い、Bブロック重合工程を後に行ってもよいし、Bブロック重合工程を先に行い、Aブロック重合工程を後に行ってもよい。また、前記好適態様は、AブロックおよびBブロック以外の他のブロックを重合する工程を有していてもよい。
<分散剤>
本発明の分散剤は、前記重合生成物から構成される。前記重合生成物に含まれるブロック共重合体は、例えば、Aブロックに局在化した環状N-アルケニルラクタム構造が着色材に吸着することで、着色材の分散性を高める作用を発揮すると考えられる。さらに未連結成分が少ないことから、より着色材の分散性が高められるものと考えられる。本発明の分散剤は、カラーフィルタ用分散剤等として好適に使用することができる。
本発明の分散剤は、着色組成物の作製前に前記重合生成物を溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度に揮発性を有する溶媒に予め溶液(分散剤組成物)としておくことで着色材の分散が容易となる。
前記溶媒としては、例えば、後述する着色組成物に用いる分散媒体を挙げることができる。前記分散剤組成物中の溶媒の含有量は、特に限定されず、適宜調整することができる。分散剤組成物中の分散媒体の含有量の上限値は、通常99質量%である。また、分散剤組成物中の分散媒体の含有量の下限値は、後述する着色組成物の製造に適した粘度を考慮して、通常10質量%であり、30質量%であることが好ましい。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、前記分散剤、着色材および分散媒体を含有する。
(着色材)
前記着色材の種類は、その用途に応じて適宜選択すればよく、例えば顔料、染料が挙げられる。前記着色組成物は、耐光性および耐熱性の観点から、着色材として顔料を含有することが好ましい。顔料としては、有機顔料および無機顔料のいずれでもよいが、有機化合物を主成分とする有機顔料が特に好ましい。顔料としては、例えば、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料等の各色の顔料が挙げられる。顔料の構造は、モノアゾ系顔料、ジアゾ系顔料、縮合ジアゾ系顔料等のアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、キナクリドン系顔料、インディゴ系顔料、チオインディゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料等の多環系顔料等が挙げられる。着色組成物に含まれる顔料は、1種類のみであってもよいし、色度などの調整のために複数種類であってもよい。
顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、122、123、146、149、166、168、177、178、179、187、200、202、208、210、215、224、242、254、255、264、269等の赤色顔料;C.I.Pigment Yellow 1、3、5、6、14、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、93、97、98、104、108、110、138、139、147、150、151、154、155、166、167、168、170、180、185、188、193、194、213等の黄色顔料;C.I.Pigment Orange 36、38、43等の橙色顔料;C.I.Pigment Blue 15、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60等の青色顔料;C.I.Pigment Green 7、36、58、59、62、63、アルミニウムフタロシアニン、ポリハロゲン化アルミニウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニンハイドロオキサイド、ジフェノキシホスフィニルオキシアルミニウムフタロシアニン、ジフェニルホスフィニルオキシアルミニウムフタロシアニン、ポリハロゲン化ジフェノキシホスフィニルオキシアルミニウムフタロシアニン、ポリハロゲン化ジフェニルホスフィニルオキシアルミニウムフタロシアニン等の緑色顔料;C.I.Pigment Violet 23、29、32、50等の紫色顔料等が挙げられる。顔料は、これらの中でも、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 255、C.I.Pigment Red 264、C.I.Pigment Red 269、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 15:6、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Green 7、C.I.Pigment Green 36、C.I.Pigment Green 58、C.I.Pigment Green 59等が好ましい。
本発明の着色組成物を使用してカラーフィルタのブラックマトリックス等の遮光材を形成する場合には、黒色の顔料を使用することができる。黒色顔料は単独で使用してもよく、また、前記赤色顔料、前記緑色顔料、前記青色顔料等を混合して使用してもよい。黒色顔料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、チタンブラック等を挙げることができる。これらの中では、遮光率、画像特性の観点からカーボンブラック、チタンブラックが好ましい。
前記着色材の個数平均粒子径は、その用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定はない。前記着色組成物は、高透明性及び高コントラス性の観点から、個数平均粒子径が10nm~400nm、好ましくは10nm~250nmの着色材を含有することが好ましい。
前記着色材は、分散助剤として色素誘導体を含有していてもよい。前記色素誘導体としては、酸性基を有する酸性の色素誘導体を含有することが好ましい。この色素誘導体は、色素骨格に酸性官能基が導入されたものである。色素骨格としては、着色組成物を構成している着色材と同一または類似の骨格、該着色材の原料となる化合物と同一または類似の骨格が好ましい。色素骨格の具体例としては、アゾ系色素骨格、フタロシアニン系色素骨格、アントラキノン系色素骨格、トリアジン系色素骨格、アクリジン系色素骨格、ペリレン系色素骨格等を挙げることができる。色素骨格に導入される酸性基としては、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基が好ましい。なお、合成の都合上、および酸性度の強さからスルホン酸基が好ましい。また、酸性基は、色素骨格に直接結合してもよいが、アルキル基やアリール基等の炭化水素基;エステル、エーテル、スルホンアミド、ウレタン結合を介して色素骨格に結合してもよい。色素誘導体の使用量は特に限定はないが、例えば、着色材100質量部に対して4質量部~17質量部であることが好ましい。
着色組成物における着色材の含有量の上限値は、輝度の観点から、着色組成物の固形分全量中において、通常80質量%であり、75質量%であることが好ましく、70質量%であることがより好ましい。また、着色組成物における着色材の含有量の下限値は、着色組成物の固形分全量中において、通常10質量%であり、30質量%であることが好ましく、50質量%であることがより好ましい。ここで固形分とは、後述する分散媒体以外の成分である。
着色組成物における着色材に対する分散剤の含有量は、着色材100質量部に対して5質量部~200質量部であることが好ましく、10質量部~100質量部であることが好ましく、10質量部~80質量部であることがさらに好ましい。
(分散媒体)
前記着色組成物は、分散媒体を含有する。前記分散媒体としては、着色組成物を構成する他の成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度に揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用できる。例えば、従来公知の有機溶媒を使用することができ、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコール-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート等のグリコールアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテート等のグリコールジアセテート類;シクロヘキサノールアセテート等のアルキルアセテート類;アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の1価または多価アルコール類;n-ペンタン、n-オクタン、ジイソブチレン、n-ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシル等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトン等の鎖状または環状エステル類;3-メトキシプロピオン酸、3-エトキシプロピオン酸等のアルコキシカルボン酸類;ブチルクロライド、アミルクロライド等のハロゲン化炭化水素類;メトキシメチルペンタノン等のエーテルケトン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等が挙げられる。有機溶媒は、顔料等の分散性、分散剤の溶解性、着色組成物の塗布性等の観点から、グリコールアルキルエーテルアセテート類、1価または多価アルコール類であることが好ましい。着色組成物に含まれる溶媒は、1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。
フォトリソグラフィ法にてカラーフィルタの画素を形成する場合、分散媒体の沸点が100℃~200℃(圧力1013.25hPa条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)が好ましく、120℃~170℃がより好ましい。上記分散媒体の中でも、塗布性、表面張力などのバランスがよく、着色組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点から、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。グリコールアルキルエーテルアセテート類は単独で使用しても良いし、他の分散媒体を併用しても良い。またこの場合、沸点が150℃以上の分散媒体を併用することも好ましい。このような沸点の高い分散媒体を併用することにより、着色組成物は乾きにくくなり、急激に乾燥することによる着色組成物の相互関係の破壊を抑制できる。沸点が150℃以上の分散媒体の含有割合は、分散媒体全体100質量%に対して3質量%~50質量%が好ましい。含有割合が3質量%以上であれば、スリットノズル先端で着色材などが析出・固化して異物欠陥を発生することが抑制できる。50質量%以下であれば、着色組成物の乾燥速度が遅くなり、後述するカラーフィルタ製造において乾燥時間の長期化や、プリベークのピン跡といった問題の発生が抑制できる。なお、沸点が150℃以上の分散媒体が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であってもよく、この場合は、沸点が150℃以上の分散媒体を別途含有させなくてもかまわない。
インクジェット法にてカラーフィルタの画素を形成する場合、分散媒体の沸点は130℃~300℃が好ましく、150℃~280℃がより好ましい。沸点を130℃以上とすることで、得られる塗膜の均一性が良好になる。また沸点を300℃以下とすることで熱焼成後における塗膜中の残留溶剤を低減でき、品質上の不具合や、乾燥時間の長期化を抑制できる。また、分散媒体の蒸気圧は、得られる塗膜の均一性の観点から、通常10mmHg以下、好ましくは5mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下のものが使用できる。
なお、インクジェット法によるカラーフィルタ製造において、ノズルから発せられるインクは数pL~数十pLと非常に微細であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、分散媒体が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには分散媒体の沸点は高い方が好ましく、具体的には、沸点が180℃以上の分散媒体を含むことが好ましい。より好ましくは、沸点が200℃以上、特に好ましくは沸点が220℃以上である分散媒体を含有する。また、沸点が180℃以上である高沸点溶剤は、着色組成物に含まれる分散媒体全体100質量%に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が最も好ましい。前記下限値以上とすることで液滴からの溶剤の蒸発防止効果を十分に発揮できる傾向がある。
着色組成物中の分散媒体の含有量は、特に限定されず、適宜調整することができる。着色組成物中の分散媒体の含有量の上限値は、通常99質量%である。また、着色組成物中の分散媒体の含有量の下限値は、着色組成物の塗布に適した粘度を考慮して、通常70質量%であり、80質量%であることが好ましい。上記分散媒体は、着色組成物から形成される析出物を溶解、除去するための溶媒として使用できる。
(バインダー樹脂)
本発明の着色組成物は、バインダー樹脂(ただし、前記ブロック共重合体は除く。)を含有することができる。前記バインダー樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物(重合性樹脂、重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマー、重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマー、オリゴマー等)、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
着色組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、使用するバインダー樹脂の合計量で、着色組成物の固形分全量中、好ましくは5質量%~70質量%、より好ましい下限は10質量%、より好ましい上限は60質量%である。
前記アルカリ可溶性樹脂としては、着色材に対してバインダーとして作用し、かつカラーフィルタを製造する際に、その現像処理工程において用いられる現像液、好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基等の酸性基を有する樹脂であることが好ましい。前記バインダー樹脂としては、例えば、エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、あるいは該付加反応により生じたヒドロキシ基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる樹脂;主鎖にカルボキシ基を含有する直鎖状樹脂;カルボキシ基含有樹脂のカルボキシ基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等を挙げることができ、これらを単独または2種以上を混合して使用することができる。
前記アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシ基含有ビニルモノマーに由来する構造単位と(メタ)アクリレートに由来する構造単位とスチレンとを含有するランダム共重合体、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル基が導入された合成樹脂、カルボキシ基含有ビニルモノマーに由来する構造単位と(メタ)アクリレートに由来する構造単位とを含有するランダム共重合体が好ましい。前記カルボキシ基含有ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸が好ましい。前記(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシ基含有ビニルモノマーに由来する構造単位と(メタ)アクリレートに由来する構造単位との合計含有率が、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。また、前記バインダー樹脂は、カルボキシ基含有ビニルモノマーに由来する構造の含有率が、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以下である。
前記アルカリ可溶性樹脂の中でも、カルボキシ基含有ビニルモノマーと(メタ)アクリレートとのランダム共重合体であることが好ましい。このような共重合体の具体例としては、(メタ)アクリル酸とブチル(メタ)アクリレートとのランダム共重合体、(メタ)アクリル酸とベンジル(メタ)アクリレートとのランダム共重合体、(メタ)アクリル酸とブチル(メタ)アクリレートとベンジル(メタ)アクリレートとのランダム共重合体等が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂と着色材との親和性の観点からは、アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル酸とベンジル(メタ)アクリレートとのランダム共重合体であることが特に好ましい。カルボキシ基含有ビニルモノマーと(メタ)アクリレートとの共重合体において、(メタ)アクリル酸の含有量は、全モノマー成分中、通常5質量%~90質量%であり、10質量%~70質量%であることが好ましく、20質量%~70質量%であることがより好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖にラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合を有するものであってもよい。側鎖に二重結合を有することで、本発明に係る着色組成物の光硬化性が高まるため、解像度、密着性を更に向上することができる。側鎖にラジカル重合可能な炭素-炭素二重結合を導入する方法としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o-(またはm-、またはp-)ビニルベンジルグリシジルエーテル等の化合物を、前記アルカリ可溶性樹脂の酸性基に反応させる方法が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂のMwは、3,000~100,000であることが好ましく、5,000~50,000であることがより好ましく、5,000~20,000であることがさらに好ましい。アルカリ可溶性樹脂のMwが3,000以上であると、着色組成物から形成された着色層の耐熱性、膜強度等が良好となり、Mwが100,000以下であると、この塗布膜のアルカリ現像性がより一層良好となる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、20mgKOH/g~170mgKOH/gであることが好ましく、50mgKOH/g~150mgKOH/gであることがより好ましく、90mgKOH/g~150mgKOH/gであることがさらに好ましい。アルカリ可溶性樹脂の酸価が20mgKOH/g以上であると、着色組成物を着色層としたときのアルカリ現像性がより一層良好となり、170mgKOH/g以下であると耐熱性が良好となる。
着色組成物において、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、着色材100質量部に対して、5質量部~200質量部であることが好ましく、10質量部~100質量部であることがより好ましく、20質量部~80質量部であることがさらに好ましい。
前記重合性化合物としての重合性樹脂としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等の架橋性基を導入した樹脂が用いられる。スチレン-無水マレイン酸共重合物やα-オレフィン-無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化した重合物も用いられる。
前記重合性化合物としての重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリレート;イソボニル(メタ)アクリレート;グリセロール(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記重合性化合物としての重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
着色組成物における重合性化合物の含有量は、着色材100質量部に対して、10質量部~1,000質量部が好ましく、特に20質量部~500質量部が好ましい。重合性化合物の含有量が少なすぎると、十分な硬化性が得られないおそれがある。一方、重合性化合物の量が多すぎると、本発明の着色組成物にアルカリ現像性が低下し、未露光部の基板上または遮光層上に地汚れ、膜残り等が発生しやすくなる傾向がある。
(光重合開始剤)
前記着色組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。前記光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠赤外線、電子線、X線等の放射線の露光により、架橋剤の重合を開始し得る活性種を発生する化合物である。
前記光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O-アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α-ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の着色組成物において、光重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対して、0.01質量部~120質量部が好ましく、特に1質量部~100質量部が好ましい。この場合、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光により硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
(他の配合剤)
前記着色組成物には、本発明の好ましい物性を損なわない範囲であれば、前記配合剤以外に、他の配合剤を配合することができる。他の配合剤としては、増感色素、熱重合防止剤、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、可塑剤、有機カルボン酸化合物、有機カルボン酸無水物、pH調整剤、前記フェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤、防カビ剤、凝集防止剤、密着性改良剤、現像改良剤、保存安定剤等を挙げることができる。
増感色素としては、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン、4-アミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノベンゾフェノン、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)1,3,4-オキサゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2-(p-ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)1,3,4-チアジアゾール、(p-ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p-ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p-ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p-ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p-ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p-ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等が挙げられる。
熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6-t-ブチル-p-クレゾール、β-ナフトール等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤(1,1,2,2-テトラフロロオクチル(1,1,2,2-テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2-テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2-テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3-ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2-テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3-ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10-デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3-ヘキサフロロデカン等)、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、特殊高分子系界面活性剤等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アルキルアミン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が挙げられる。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が挙げられる。
有機カルボン酸化合物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルバリル酸、アコニット酸、安息香酸、フタル酸などのフェニル基に直接カルボキシ基が結合したカルボン酸、フェニル基から炭素結合を介してカルボキシ基が結合したカルボン酸類等が挙げられる。
有機カルボン酸無水物としては、無水酢酸、無水トリクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水1,2-シクロヘキセンジカルボン酸、無水n-オクタデシルコハク酸、無水5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、無水ナフタル酸等が挙げられる。
<着色組成物およびカラーフィルタの製造方法>
着色組成物は、分散剤、着色材、分散媒体、必要に応じてバインダー樹脂、光重合開始剤、他の添加剤等を混合することで調製できる。混合は、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ボールミル、ディゾルバー、ニーダー等の混合分散機を用いることができる。着色組成物は、混合後に濾過することが好ましい。
また、着色材は、本発明の分散剤により予め表面処理したものを用いることもできる。表面処理方法としては、ヘンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイドミル、バンバリミキサー等を用いて着色材を攪拌しながら分散剤を添加して混合する乾式法、溶剤中で処理した後溶剤を除去する湿式法を用いることができる。このように本発明の分散剤で表面処理を行うことにより、着色材の分散性を向上させ、凝集を防止することができる。
前記着色組成物は、アルカリ現像性を有することで、カラーフィルタ用として好適に使用することができる。
本発明のカラーフィルタは、前記着色組成物を用いて形成された着色層を備える。本発明のカラーフィルタは、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などの熱可塑性樹脂シート;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート;各種ガラスなどの透明基板上に、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の三原色の光を透過させる色画素を備えるものであり、好ましくは前記着色組成物から形成されたブラックマトリックスを備えるものである。カラーフィルタを製造する方法としては、黒色の着色組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶媒(分散媒体)を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液(有機溶剤又は界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液など)を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去すし、黒色のパターン(ブラックマトリックス)を形成する。その後、必要に応じてポストベークした後、同様の操作を赤色(R)、緑色(G)および青色(B)について順次繰り返すことにより、赤色、緑色および青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
着色組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法を採用することが好ましい。
このようにして得られた画素パターン上に、必要に応じて保護膜を形成した後、透明導電膜(ITOなど)をスパッタリングにより形成する。透明導電膜を形成した後、更にスペーサーを形成してカラーフィルタとすることもできる。
本発明のカラーフィルタは、寸法精度等が高く、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に好適に使用することができる。
また、前記着色組成物は、粘度が低く、着色組成物から形成される塗膜(着色体)の輝度が優れていることから、液晶層を間に挟んで位置するTFT基板とカラーフィルタ基板に支持する着色カラムスペーサとして好適に使用することができる。例えば、特開2015-191234号公報に記載の高い光学密度(Optical Depth:OD)の組成物が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。また、各種物性測定は以下の機器により測定を行った。なお、略語の意味は下記のとおりである。
VP:N-ビニル-2-ピロリドン
IBXA:イソボルニルアクリレート
St:スチレン
BTEE:エチル-2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオネート
AIBN:2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)
ACHN:1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MP:1-メトキシ-2-プロパノール
<評価方法>
(重合率)
核磁気共鳴(NMR)測定装置(Bruker社製、型式:AVANCE500(周波数500MHz))を用いて、1H-NMRを測定(溶媒:重水素化クロロホルム、内部標準:テトラメチルシラン)した。得られたNMRスペクトルについて、モノマー由来のビニル基と、ポリマー由来のエステル側鎖のピークの積分比を求め、モノマーの重合率を算出した。
(重量平均分子量(Mw)および分子量分布(PDI))
高速液体クロマトグラフ(東ソー製、型式:HLC-8320)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。カラムはTSKgel SuperMultipore HZ-H(Φ4.6mm×150mm)(東ソー社製)を2本、移動相にテトラヒドロフラン、検出器に示差屈折率検出器を使用した。測定条件は、カラム温度を40℃、試料濃度を1mg/mL、試料注入量を10μL、流速を0.35mL/minとした。標準物質としてポリスチレン(東ソー社製、TSK Standerd)を使用して検量線(校正曲線)を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。これらの測定値から分子量分布(PDI=Mw/Mn)を算出した。
(ブロック共重合体の含有率)
高速液体クロマトグラフィー(商品名:HPLC 11Series、アジレント・テクノロジー製)、カラム(商品名:L-Column2 ODS 5μm、4.6×150mm、CERI製)、カラム温度40℃、検出器(ELSD PL-ELS2100、ポリマーラボラトリー製、エバポレーター温度80℃、ネブライザー温度70℃、ガス流量1.1SLM)、移動相A(メタノール)、移動相B(テトラヒドロフラン(THF))を用いて、1mL/分の流速にて、7分間で移動相A100%から移動相B100%になるグラジエント条件で分析した。サンプルは7mg/mLのTHF溶液を10μL打ち込んだ。別途合成した、各ブロックの未連結成分を用いて検量線を作成し、それぞれ定量した。また、全体から未連結成分量を除いた残部をブロック共重合体の含有率とした。
(粘度)
E型粘度計(商品名:TVE-22L、東機産業社製)を用い、コーンローター(0.8°×R24)のを使用して、25℃下で粘度を測定した。なお、初期測定は、調製直後の着色組成物について行った。保存安定性は、調製後、40℃で1週間保管した着色組成物について行った。
(顔料粒子径)
着色組成物0.6gにPMA5.4gを加え、粒度分布計(FPAR-1000、大塚電子製)にて測定し、キュムラント解析結果の平均粒子径を取得した。なお、初期測定は、調製直後の着色組成物について行った。保存安定性は、調製後、40℃で1週間保管した着色組成物について行った。
<重合生成物の製造>
(製造方法No.1)
窒素置換したグローブボックス内で、予め窒素置換したVP 6.0g、BTEE 0.180g、AIBN 0.020g、アニソール 4.8gを仕込み、54℃で22時間反応させた。重合率は99%であった。
この反応液に、予め窒素置換したIBXA 6.0g、AIBN 0.020g、アニソール 4.8gを加え、54℃で27時間反応させた。重合率は98%であった。また、反応液に残存していた重合1段目のモノマーも重合し、これらの反応液に残存していた重合1段目のモノマーの重合率は100%であった。
反応終了後、反応液をテトラヒドロフラン(THF)で希釈し、撹拌下のヘプタン中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥し、重合生成物No.1を得た。重合生成物は、Mwは18,250、PDIは1.2、重合1段目の未連結成分(Aブロックと同様の組成を有するポリマー)の含有率が3質量%、重合2段目の未連結成分(Bブロックと同様の組成を有するポリマー)の含有率が3質量%、ブロック共重合体の含有率は94質量%であった。なお、共重合体中の各構造単位の含有率は、重合反応に用いたモノマーの仕込み比率、重合率および未連結成分の含有率から算出した。
(製造方法No.2)
窒素置換したグローブボックス内で、予め窒素置換したVP 5.0g、BTEE 0.150g、ACHN 0.024g、アニソール 4.0gを仕込み、76℃で23時間反応させた。重合率は100%であった。
この反応液に、予め窒素置換したSt 5.0g、ACHN 0.061g、アニソール 4.0gを加え、76℃で70時間反応させた。重合率は97%であった。
反応終了後、反応液をTHFで希釈し、撹拌下のヘプタン中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥し、重合生成物No.2を得た。重合生成物は、Mwは29,150、PDIは1.3、重合1段目の未連結成分(Aブロックと同様の組成を有するポリマー)の含有率が8質量%、重合2段目の未連結成分(Bブロックと同様の組成を有するポリマー)の含有率が5質量%、ブロック共重合体の含有率は87質量%であった。なお、共重合体中の各構造単位の含有率は、重合反応に用いたモノマーの仕込み比率、重合率および未連結成分の含有率から算出した。
(製造方法No.3)
窒素置換したグローブボックス内で、予め窒素置換したVP 6.0g、BTEE 0.180g、AIBN 0.020g、アニソール 4.8gを仕込み、62℃で27時間反応させた。重合率は100%であった。
この反応液に、予め窒素置換したIBXA 6.0g、AIBN 0.020g、アニソール 4.8gを加え、62℃で45時間反応させた。重合率は100%であった。
反応終了後、反応液をTHFで希釈し、撹拌下のヘプタン中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥し、重合生成物No.3を得た。重合生成物は、Mwは20,040、PDIは1.3、重合1段目の未連結成分(Aブロックと同様の組成を有するポリマー)の含有率が15質量%、重合2段目の未連結成分(Bブロックと同様の組成を有するポリマー)の含有率が6質量%、ブロック共重合体の含有率は79質量%であった。なお、共重合体中の各構造単位の含有率は、重合反応に用いたモノマーの仕込み比率、重合率および未連結成分の含有率から算出した。
(製造方法No.4)
窒素置換したグローブボックス内で、予め窒素置換したVP 5.0g、BTEE 0.150g、ACHN 0.024g、アニソール 4.0gを仕込み、88℃で20時間反応させた。重合率は100%であった。
この反応液に、予め窒素置換したSt 5.0g、ACHN 0.061g、アニソール 4.0gを加え、88℃で49時間反応させた。重合率は98%であった。
反応終了後、反応液をTHFで希釈し、撹拌下のヘプタン中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥し、重合生成物No.4を得た。重合生成物は、Mwは27,890、PDIは1.5、重合1段目の未連結成分(Aブロックと同様の組成を有するランダムポリマー)の含有率が16質量%、重合2段目の未連結成分(Bブロックと同様の組成を有するランダムポリマー)の含有率が22質量%、ブロック共重合体の含有率は62質量%であった。なお、共重合体中の各構造単位の含有率は、重合反応に用いたモノマーの仕込み比率、重合率および未連結成分の含有率から算出した。
製造方法No.1は、重合工程第1段目および重合工程第2段目の反応温度がいずれも54℃であり、アゾ系重合開始剤(AIBN)の10時間半減期温度(65℃)との差(T2/1-Tr)が11℃である。この製造方法No.1で得られた重合生成物は、所望とするブロック共重合体の含有率が94質量%と高く、重合体不純物が低減されている。
製造方法No.2は、重合工程第1段目および重合工程第2段目の反応温度がいずれも76℃であり、アゾ系重合開始剤(ACHN)の10時間半減期温度(88℃)との差(T2/1-Tr)が12℃である。この製造方法No.2で得られた重合生成物は、所望とするブロック共重合体の含有率が87質量%と高く、重合体不純物が低減されている。
製造方法No.3は、重合工程第1段目および重合工程第2段目の反応温度がいずれも62℃であり、アゾ系重合開始剤(AIBN)の10時間半減期温度(65℃)との差(T2/1-Tr)が3℃である。この製造方法No.3で得られた重合生成物は、所望とするブロック共重合体の含有率が79質量%と低く、重合体不純物の含有率が多い。
製造方法No.4は、重合工程第1段目および重合工程第2段目の反応温度がいずれも88℃であり、アゾ系重合開始剤(ACHN)の10時間半減期温度(88℃)との差(T2/1-Tr)が0℃である。この製造方法No.4で得られた重合生成物は、所望とするブロック共重合体の含有率が62質量%と低く、重合体不純物の含有率が多い。
<着色組成物>
(着色組成物No.1、3)
C.I.Pigment Green 58(商品名:FASTOGEN GREEN A110、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)8.3質量部、分散剤として重合生成物No.1または重合生成物No.3を4.2質量部、PMA 83.6質量部、MP 3.9質量部、0.3mmジルコニアビーズ100質量部を加え、ビーズミル(商品名:DISPERMAT CA、VMA-GETZMANN GmbH社製)にて1.5時間混合し十分に分散させた。分散終了後、ビーズをろ別、5μm孔径のPTFE製メンブレンフィルターでろ過して着色組成物No.1または着色組成物No.3を得た。
(着色組成物No.2、4)
C.I.Pigment Green 58(商品名:FASTOGEN GREEN A110、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)8.3質量部、重合生成物No.2または重合生成物No.4を4.2質量部、トルエン 87.5質量部、0.3mmジルコニアビーズ100質量部を加え、ビーズミル(商品名:DISPERMAT CA、VMA-GETZMANN GmbH社製)にて1.5時間混合し十分に分散させた。分散終了後、ビーズをろ別、5μm孔径のPTFE製メンブレンフィルターでろ過して着色組成物No.2または着色組成物No.4を得た。
着色組成物No.1は、分散剤として前記重合生成物No.1を用いた場合である。この着色組成物No.1は、初期評価における粘度が低く、かつ、顔料の平均粒子径も小さく、顔料の分散性に優れている。また、保存安定性(40℃、1週間)評価における粘度も低い。よって、分散剤の保存安定性にも優れている。
着色組成物No.3は、分散剤として前記重合生成物No.3を用いた場合である。この着色組成物No.3は、初期評価における粘度が高く、かつ、顔料の平均粒子径も大きく、顔料の分散性が劣っている。また、保存安定性(40℃、1週間)評価ではゲル化してしまった。よって、分散剤として使用する重合生成物の重合体不純物の含有率が高いと、保存安定性に劣ることがわかる。
着色組成物No.2は、分散剤として前記重合生成物No.2を用いた場合である。この着色組成物No.2は、初期評価における粘度が低く、かつ、顔料の平均粒子径も小さく、顔料の分散性に優れている。また、保存安定性(40℃、1週間)評価における粘度も低く、かつ、顔料の平均粒子径も初期評価とほぼ同程度である。よって、分散剤の保存安定性にも優れている。
着色組成物No.4は、分散剤として前記重合生成物No.4を用いた場合である。この着色組成物No.4は、初期評価における粘度が高く、かつ、顔料の平均粒子径も大きく、顔料の分散性が劣っている。また、保存安定性(40℃、1週間)評価ではゲル化してしまった。よって、分散剤として使用する重合生成物の重合体不純物の含有率が高いと、保存安定性に劣ることがわかる。