以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図73を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図11参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図11参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64a、第2入賞口64b、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64a、第2入賞口64b、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図11参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図11参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64aへ入賞したか、第2入賞口64bへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64aへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口64bへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37Aと第2図柄表示装置37Bとは、同時に作動(変動)可能に構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選結果を同時に遊技者に報知する(同時に変動表示する)ことができる構成となっている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64a及び第2入賞口64bへ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R大当たり(大当たりA)が用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。ここで、「15R大当たり(大当たりA)」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりのことであり、第2可変入賞装置650の開平扉が開放状態となり、第2特定入賞口650aへ遊技球の入球が可能となる大当たりラウンドが最大で15回実行される大当たりのことである。
また、本パチンコ機10では、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bへ入賞があったことを契機として行われる大当たり抽選において大当たりでないと判定された場合には、小当たりと判定される。小当たりと判定した場合は、その小当たり種別の判定が行われる。ここで判定される小当たり種別としては、第1入賞口64aへの入球に基づく小当たりとして、小当たりA、小当たりBおよび小当たりCが設定されている。また、第2入賞口64bへの入球に基づく小当たりとして小当たりDが設定されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が小当たりである場合は、その小当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「小当たりA」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの小当たりのことであり、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が最大で2回開閉動作される小当たりのことである。「小当たりB」、「小当たりC」、「小当たりD」も同様に最大ラウンド数が2ラウンドの小当たりであるが、それぞれ第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放される期間(時間)が異なるように構成されている。詳細については、後述するが、小当たりの種別によって、第1可変入賞装置65内に設けられているV入賞スイッチ65e3に入賞可能となるか否かが異なるように設定されている。
具体的には、小当たりA~小当たりDでは、小当たり遊技の開始から2秒間の間、切替部材65hが下方に回動して、誘導片65h2が下方に回動して特別排出口65e2への流路が開放状態となる。そして、「小当たりA」では、小当たり遊技の開始から2秒後に、開閉扉65f1が1秒×2回開閉動作され、「小当たりB」では、小当たり遊技の開始から2秒後に開閉扉65f1が1秒×2回開閉動作され、「小当たりC」では、小当たり遊技の開始から2秒後に、開閉扉65f1が1秒×2回開閉動作される。一方、「小当たりD」では、小当たり遊技の開始(小当たり遊技の開始後直ちに)から1秒間×2回開閉動作される。
即ち、小当たりA~小当たりCでは、小当たり遊技の開始から2秒後に、開閉扉65f1が開放されるので、開閉扉65f1の開放時には、既に、切替部材65hは、通常排出口65e1へ遊技球を案内する状態(図10(b)参照)(以下、通常案内状態と称す)に切り替えられており、小当たりA~小当たりCで第1可変入賞装置65に遊技球が入球しても、V入賞スイッチ65e3へ遊技球を通過させることは困難に構成されている。よって、小当たりA~小当たりCは、遊技者にとって不利な小当たりに設定されている。
一方、小当たりDでは、小当たり遊技の開始から開閉扉65f1が開放状態となるので、第1可変入賞装置65に入球した遊技球がV入賞スイッチ65e3を通過することが可能となる。このように、切替部材65hは、小当たり種別によらず、小当たり遊技の開始から同一の作動タイミングで作動される。これに対して、開閉扉65f1の開放タイミングが小当たり種別により異なるように構成していることで、遊技者に有利となる小当たりDと遊技者に不利となる小当たりA~小当たりCとをそれぞれ設定している。このように構成することで、切替部材65hの作動制御を容易にすることができる。また、切替部材65hの作動タイミングは、小当たり種別によらず一定であるので、遊技者にV入賞スイッチ65e3への遊技球の通過を期待させることができる。よって、小当たりDは、遊技者に有利な小当たりに設定されている。本実施形態では、第2特別図柄のみに小当たりDへ当選することが可能となっているので、遊技者にとって、第2入賞口64bは有利な入賞口であり、第1入賞口64aは不利な入賞口に設定されている。
ここで、各小当たり遊技では、小当たり遊技中に第3図柄表示装置81に小当たり遊技中であることを示す表示態様(ラウンド中表示態様)が表示される。具体的には、第3図柄表示装置81に「右打ちしろ!!」という文字が表示され、可変表示ユニット80の右側を遊技球が通過するように遊技球を発射させる遊技を遊技者に対して促す報知がされる。そして、「V入賞で大当たりゲット!!」という文字も表示され、V入賞スイッチ65e3へ遊技球を通過させることができれば、大当たり遊技(第2可変入賞装置650が開放状態となる遊技(大当たりA))が、この小当たり遊技後に開始されることが遊技者に報知される。小当たり遊技中に表示される表示態様が表示されるタイミングは、各小当たり遊技における開閉扉65f1が開放状態となる3秒前となっており、開閉扉65f1が開放したタイミングで遊技球が入球可能となるタイミングとなっている。これにより、遊技者には、小当たり遊技の開始が、第3図柄表示装置81に小当たり遊技の表示態様が開始されたタイミングと認識させることができ、各小当たりにおいて、小当たり遊技の表示態様が表示されてから開閉扉65f1が開放状態となるまでの期間が3秒で一定となっているので、開閉扉65f1の開放タイミングが小当たり種別によって異なっていることを認識し難く構成されている。よって、小当たり種別を開閉扉65f1の開放タイミングで判別されることを抑制できる。従って、小当たり遊技が開始された場合に、小当たり種別に関係なくV入賞スイッチ65e3への遊技球の通過を期待させることができるという効果がある。
また、各小当たり(小当たりA~C)では、小当たり遊技の終了後に設定される第2特別図柄の外れ時の変動パターンテーブル(図16参照)がそれぞれ設定されている。具体的には、「小当たりA」の小当たり遊技が終了すると、特図2外れ変動パターンテーブル1(状態A)が設定される(図16(b)参照)。「小当たりB」の小当たり遊技が終了すると、特図2外れ変動パターンテーブル2(状態B)が設定される(図16(c)参照)。「小当たりC」の小当たり遊技が終了すると、特図2外れ変動パターンテーブル3(状態C)が設定される(図16(d)参照)。各変動パターンテーブルの詳細については、後述するが、各変動パターンテーブルでは、選択され易い変動時間が可変するように構成されている。よって、第1特別図柄の小当たり種別により第2特別図柄で選択される変動時間(動的表示時間)を可変させることができる。詳細は、後述するが、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動されている時に、第2特別図柄が先に停止することで、第2特別図柄の抽選結果が小当たりDであれば小当たりDの小当たり遊技が実行される構成となっている。一方、第1特別図柄が先に停止する場合には、変動中の第2特別図柄の抽選結果が小当たりDであっても、外れとして強制停止される構成となっている。よって、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間よりも短い変動時間が選択され易くなると遊技者の有利な状態が設定されている状態といえる。従って、第1特別図柄による小当たり種別により、短い変動時間が選択され易い変動パターンテーブルが設定されることは、遊技者に有利な状態が設定できる。よって、変動パターンテーブルを可変して設定することで、遊技者に有利な状態も可変することができ、大当たりだけでなく、変動パターンテーブルの種別を予測する楽しみを遊技者に提供できる。
本実施形態では、大当たり終了後に高確率状態や時短状態(電サポ状態)へと移行しないように構成したが、これに限られず、大当たり終了後に高確率状態へと移行する大当たりを設けるようにしてもよい。ここで、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口64bへ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口64bへ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口64bに付随する電動役物64b1が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物64b1が開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物64b1が閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口64bへ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口64bへ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口64bに付随する電動役物64b1の開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物64b1が開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口64bに付随する電動役物64b1が開放される時間および1回の当たりで電動役物64b1が開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口64bに付随する電動役物64b1が開放される時間や、1回の当たりで電動役物64b1を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64a及び第2入賞口64bへの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入賞口64aへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第1特別図柄の変動が実行される。また第2入賞口65bへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第2特別図柄の変動が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれの変動表示に同期して、その特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄とをまとめて示す場合に特別図柄と称す)の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。なお、第3図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれの変動表示に対して、専用の図柄がそれぞれ変動表示される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することが可能に構成されている。
第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示をさせることが可能であるので、同じ時間で、より多くの抽選遊技を実行させることができ、遊技の効率を向上させることができる。なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動表示する場合には、必ず、第1特別図柄の変動中であるように構成されている。この構成の詳細については、後述する。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、第3図柄(○×)が第1特別図柄、第2特別図柄のそれぞれに対して表示される。また、遊技者に有利な小当たりDに当選したか否かを示す融合演出が第3図柄よりも大きい表示領域で表示される。詳細は、後述するが、第2特別図柄の抽選結果が小当たりDである場合に、第1特別図柄よりも第2特別図柄が先に停止するか否かを示す表示態様がウサギとカメの競争に模した表示態様で遊技者に報知される。カメがウサギに勝てば、小当たりDの当選を意味する。
なお、本実施形態では、小当たりDに当選した場合のみ、カメが勝つように構成されているが、それに限らず、第1特別図柄による小当たりA~Cが実行される場合にも、カメが勝つ演出が実行される場合がある構成として、その後の小当たり遊技により、V入賞スイッチ67e3に遊技球を入球させることができるかという楽しみを遊技者に与えても良い。また、ウサギとカメの競争結果が小当たり当選時には表示されず、V入賞スイッチ65e3に遊技球が入球することにより、カメの勝利が確定する演出とするようにしてもよい。このように構成することで、小当たり遊技を遊技者がより楽しむことができる。
第3図柄は、図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の左下に第1特別図柄に対応する第3図柄が表示される第1表示領域Ds1が設定されており、右下に第2特別図柄に対応する第3図柄が表示される第2表示領域Ds2が設定されている。第1表示領域Ds1にも、第2表示領域にもそれぞれ「○×」の図柄が2列に並列して表示されており、当否判定結果が大当たりである場合には、「○○」が表示され、小当たりであるばあいには、「○×」が表示され、外れである場合には「××」が表示される。変動表示中は、高速でそれぞれの列の「○」図柄と「×」図柄とが交互に表示される。
第3図柄表示装置81の表示領域には、第3図柄や融合演出以外にも、第3図柄の変動表示(動的表示)中に表示される予告表示態様として、キャラクタ図柄や文字等が表示される。また、所定期間遊技が行われない場合には、パチンコ機10の機種名やリーチ表示態様のダイジェスト等の待ち受け表示画像が表示される。
第2図柄表示装置(図示せず)は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口64bに付随された電動役物64b1が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における第1入賞口64aの上側の位置に組み付けられており、第1入賞口64aへ入球する全ての遊技球は普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過してから入球するように構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、保留されることがない。よって、普通図柄の変動が停止している場合に普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過した場合にのみ、第2図柄の当たり抽選が行われ、普通図柄の変動表示が開始される。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。なお、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は0回に限定されるものでなく、1回以上の回数(例えば、4回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の下方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
可変表示装置ユニット80の下方であって、普通図柄始動口(スルーゲート)67の下側の位置には、球が入賞し得る第1入賞口64aが配設されている。この第1入賞口64aへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図11参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64aの正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口64bが配設されている。この第2入賞口64bへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図11参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
図2に示すように、第2入賞口64bは、第1入賞口64aの右下側に配置されている。第2入賞口64bは可変表示ユニット80の左側を通過して、第1入賞口64aに入賞しなかった遊技球が入球することが可能な位置または、可変表示ユニット80の右側を通過した遊技球が入球することが可能な位置に配置されている。また、第2入賞口64bの上部には、第2入賞口64bの入球口を塞ぐことが可能な弓形状で構成された普通電動役物64b1が配置されており、常には、図2に示すように第2始動口64aに遊技球が入球することを規制(入球させない)位置に配置されており、普通図柄の当たりとなると、左回りに、約90度回動して第2入賞口64bへ遊技球を普通電動役物64b1が誘導して第2入賞口64bに遊技球が入球可能な状態(以下、開放状態と称す)となる。
ここで、本実施形態では、スルーゲート67を遊技球が通過すると、普通図柄の変動時間として、0.5秒または1秒の変動時間が選択される。その変動時間後、普通図柄の当たりとなる場合には、普通電動役物64b1が0.5秒間、開放状態に可変する。即ち、スルーゲート67を遊技球が通過してから、第2入賞口64bに遊技球が通過可能となる期間は、スルーゲート67に遊技球が通過してから0.5秒後~1秒後(普通図柄の変動時間0.5秒の場合)か、スルーゲート67に遊技球が通過してから1秒~1.5秒後(普通図柄の変動時間が1秒の場合)の2通りの場合がある。スルーゲート67を通過した遊技球は、その後、第1入賞口64aに必ず入球する構成となっており、その遊技球がスルーゲート67を通過して、第1入賞口64aに入球したことを検知する検出スイッチ(図示せず)に検知されるまでの期間は、約0.2秒であるので、第1特別図柄の変動が開始してから、第2始動口に64bに遊技球が入球可能となる期間は、第1入賞口64aに遊技球が入球してから0.3秒後から0.8秒後までの期間か(普通図柄の変動時間が0.5秒の場合)、0.8秒後から1.3秒後までの期間となる。つまり、第2特別図柄の変動が開始されるタイミングは、第1特別図柄の変動開始後、0.3秒後から0.8秒後までの期間か、0.8秒後から1.3秒後のまでの期間の2通りとなる。よって、第2特別図柄の変動開始タイミングは、最も遅いタイミングであっても、第1特別図柄の変動開始から1.3秒後に構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりの場合(本実施形態では、変動開始時の抽選では、大当たり以外の抽選結果は全て小当たり)には、最も短い変動時間の変動パターンであっても、5秒となっており、第2特別図柄の変動開始時には、必ず第1特別図柄が変動中であるように構成されている。また、本実施形態では、第2特別図柄の変動開始時の抽選についても大当たり以外は小当たりとなっており、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ抽選結果が小当たりである変動が同時に変動し易く構成されている。しかしながら、同時に変動している場合には、先に変動停止した特別図柄の小当たりが実行され、一方の特別図柄は、強制的に外れの判定結果で停止されるように構成されている。よって、第2特別図柄で小当たりとなった場合に、小当たりDが必ず実行されるので、遊技者に有利ではあるが、第2特別図柄の変動開始時の第1特別図柄の残りの変動時間が、第2特別図柄で選択されている変動パターンの変動時間よりも短い場合には、抽選されている小当たりDは、強制的に外れとして強制停止されてしまい、遊技者に有利な小当たりDが実行されないように構成されている。
また、第1入賞口64a(第1特別図柄)、第2始動口64(第2特別図柄)には、保留球が記憶されない構成となっているので、第2入賞口64bに連続して遊技球が2球入球したとしても、第2特別図柄が単独で変動する不具合を抑制できる。
また、第1入賞口64aおよび第2入賞口64bは、それぞれ、球が入賞すると4個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64aへ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64aへ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64aへ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第1入賞口64aに球が入賞した場合と第2入賞口64bへ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率、小当たりとなる確率は同一である(図14(b)参照)。しかしながら、小当たりとなった場合に選択される小当たり種別は、第2入賞口64bへ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64aへ球が入賞した場合よりも、第1可変入賞装置65内のV入賞スイッチ65e3へ遊技球が通過しやすい小当たりDが選択されるように構成されている。よって、第2入賞口64bにおいて小当たりとなった場合のほうが遊技者にとって有利となる。
第2入賞口64bの右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64a又は第2入賞口64bへの入賞に起因して行われた大当たり抽選で小当たりが判別されると、その判別結果に基づいて選択された変動時間で特別図柄の変動が開始され、他方の特別図柄よりも先に停止表示する場合に、小当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その小当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、小当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特殊遊技状態(小当たり)に遊技状態が遷移する。この特殊遊技状態として、既に上述した小当たり種別に応じた開放タイミングで開閉扉65f1が1秒間の開放時間で2回開放状態にされる。
第1可変入賞装置65の上方には、第2可変入賞装置650が設けられている。第2可変入賞装置650は、具体的には、第2特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2特定入賞口650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、その傾倒した開閉板が遊技盤前面を流下する遊技球を受けることにより、球が第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
パチンコ機10においては、第1入賞口64a又は第2入賞口64bへの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなった場合に、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、大当たり遊技により、第2可変入賞装置65が開放状態となる。この開放状態は、第2特定入賞口650aに遊技球が10球入賞するか、30秒経過するまで継続されて、その後閉鎖状態にされる。この動作を1ラウンドとして、15ラウンドまで繰り返された後、大当たり遊技が終了する。また、詳細は後述するが、上述した第1可変入賞装置650内のV入賞スイッチ65e3を遊技球が通過した場合にも大当たりが発生する。その後、球が入賞し易い大当たり遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が遷移する。
なお、上記した形態に大当たり遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64aの下方右側や、第1入賞口64aの下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64aの下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。本実施形態においては、風車の内の一つ(可動部材310と称す)が遊技盤13の正面視左側上方に配設され、図2において図示されている。
図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図11参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図11参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における第1可変入賞装置について>
図8~図10を参照して、第1実施形態における第1可変入賞装置65の詳細について説明する。図8は、この第1可変入賞装置65の分解斜視図である。第1可変入賞装置65は、図8に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、第1可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図9は、第1可変入賞装置65の断面図である。図9(c)は第1可変入賞装置65の上面図であり、図9(b)は、第1可変入賞装置65のLb-Lb断面図である。図9(b)に示すように、第1可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図9(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図10(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図9(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。このように構成することで、第1可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が第1可変入賞装置65の上面を転動して、第2入賞口64b側へと誘導されるように構成されている。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を第1可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図9(a)は、図9(b)に示すLa-La断面図である。図9(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図10を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図10(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図10(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図10(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたV入賞スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
本実施形態では、小当たりA~D(すべての小当たり)において、小当たり遊技の開始から2秒間の間、図10(a)に示す開放状態に誘導片65h2が切り替えられる。一方、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1は、小当たりA~Cでは、小当たり遊技の開始から2秒後に開放状態となり、その時には、誘導片65h2は閉鎖状態に切り替えられるので、特定入賞口65aに入賞した遊技球が特定排出口65e2に誘導されることはできない。即ち、V入賞スイッチ65e3に入賞することが不可能(困難)に設定されている。
一方、小当たりDでは、小当たり遊技の開始から1秒間、開閉扉65f1が開放状態となり、その後、0.2秒閉鎖状態となった後に、再び1秒間、開閉扉65f1が開放状態となる。これにより、小当たりDにおける開放状態で特定入球口65aに遊技球が入球すると、誘導片65h2が開放状態に設定されている期間となるので、誘導片65h2により特別排出口65e2に遊技球が誘導され、V入賞スイッチ65e3に入賞する。これにより、小当たりD後には、大当たり遊技の開始が実行される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中(小当たりD)に上記したV入賞スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が開始される。即ち、V入賞スイッチ65e3は、大当たり遊技が付与される入賞口として設定されている。第1特別図柄または第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は、1/400であるが、小当たりとなる確率は399/400と高くなっている。よって、特別図柄の抽選により大当たりが付与されるよりも、小当たりDに当選することにより大当たり遊技が付与されることをより期待して遊技者は遊技を行うことができる。
図10(b)を参照して、通常排出口65e2に遊技球が誘導される場合について説明する。なお、本実施形態における小当たりA~Dでは、小当たり遊技の開始から2秒間経過すると、図10(b)に示す閉鎖状態に可変される。図10(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態(閉鎖状態)を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4とV入賞スイッチ65e3との合計により判別できる。
このように、第1可変入賞装置65内の特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、V入賞スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、大当たり遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、大当たり遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
本実施形態では、上述した第1可変入賞装置65内のV入賞スイッチ65e3へ遊技球が通過したことに基づいて、大当たりが付与されるように構成されている。これにより、大当たり抽選において大当たりとならなかった場合であっても、遊技者は小当たり遊技において第1可変入賞装置65内のV入賞スイッチ65e3を遊技球が通過することを期待して遊技を行うので、遊技者の興趣を向上させることができる。
<第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成について>
次に、図11を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図11は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図28参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図44参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアからなる第1入賞口64aへの入賞に対応する第1特別図柄実行エリア203aと第2入賞口64bへの入賞に対応する第2特別図柄実行エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bへの入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC4の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアからなる普図実行エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
図12を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~299の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図28参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図44参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄実行エリア203aまたは第2特別図柄実行エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル(図14(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図14(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aについて説明する。大当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「399」であるか判別されて、「399」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1乱数カウンタC1の値が「0~398」のいずれかであるか判別されて、「0~398」のいずれかであれば、小当たりであると判別される。
ここで、第1特別図柄実行エリア203aまたは第2特別図柄実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の小当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の小当たり時のものとなる(一方の特別図柄よりも先に停止した場合)。
一方で、第1特別図柄実行エリア203aまたは第2特別図柄実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄実行エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「399」は、前述したように大当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~198の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~198」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「15R大当たり(大当たりA)」となる。なお、本実施形態では、大当たりの種類は1種類としたが、それに限らず、2種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。
小当たり種別カウンタC4は、0~198の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、この小当たり種別カウンタの値と小当たり種別選択テーブル202d(図14(d)参照)とに基づいて、小当たり種別(小当たりA~D)が選択されることとなる。具体的には、図14(d)を参照して後述する。
変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターンテーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図44参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図15(c)および図16参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202fには、複数の変動パターンテーブル(図15(c)及び図16参照)が設定されている。この変動パターンテーブルは、第1特別図柄、第2特別図柄とでそれぞれ専用の複数の変動パターンテーブルが設定されており、それぞれ、当否判定結果別に変動パターンテーブルが設定されている。各変動パターンテーブルの詳細については、図15(c)および図16を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり100)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図28参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普図実行エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル202b(図14(b)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202bによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。
普図変動種別カウンタCS2は、0~99の範囲で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。スルーゲート67を遊技球が通過した場合に、この普図変動種別カウンタCS2の値と、普図変動パターンテーブル202gとに基づいて、普図変動パターンが選択される。具体的には、図15(b)を参照して後述する。
図14(b)は、上述した普図当たり乱数テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。この普図当たり乱数テーブル202bでは、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は10個あり、その範囲は「0~9」となっている。これら乱数値は、普図当たり乱数テーブル202bに格納されている。このように乱数値の総数が100個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が10なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/10」となる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が0.5秒または1秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~9」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口64bが「0.5秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~339)、タイマ割込処理(図28参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図44参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図12に戻り、説明を続ける。RAM203は、図12に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図44参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図43参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図42参照)が即座に実行される。
次に、図13を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図13は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した大当たり乱数テーブル202a、普図当たり乱数テーブル202b、大当たり種別テーブル202cに加え、小当たり種別選択テーブル202d、状態移行テーブル202e、変動パターン選択テーブル202f、普図変動パターンテーブル202g、小当たりシナリオテーブル202h、大当たりシナリオテーブル202i、その他データテーブル202zがそれぞれ設定されている。
図14(d)を参照して、小当たり種別選択テーブル202dについて説明する。この小当たり種別選択テーブル202dは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が小当たりである場合に実行する小当たり種別を取得している小当たり種別選択カウンタC4に基づいて選択するための選択テーブルである。小当たり種別選択カウンタC4は、0~198の範囲で繰り返し更新される乱数値であり、第1入賞口64aまたは第2入賞口64bに遊技球が入球したことに基づいて、取得される乱数値である。図14(d)は、小当たり種別選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。小当たり種別選択テーブル202dでは、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ専用の小当たり種別が設定されている。第1特別図柄では、小当たりA、小当たりB、小当たりCの3種類が設定されている。小当たりAでは、小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「0~179」が設定されており、小当たりBは、小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「180~195」が設定されており、小当たりCは、小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「196~198」が設定されている。一方、第2特別図柄では、小当たりDに対して小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「0~198」が設定されており、第2特別図柄の小当たりでは必ず小当たりDが設定されるように構成されている。
本実施形態では、小当たりA~Dが実行されることで、第2特別図柄の小当たり時の変動パターンテーブルが切り替えられるように構成されている。詳細には、図14(d)に示すように、小当たりAが実行された場合には、状態Aとして特図2小当たり変動パターン選択テーブル1(図16(b)参照)が設定され、小当たりBが実行された場合には、状態Bとして特図2小当たり変動パターンテーブル2(図16(c)参照)が設定され、小当たりC及び小当たりDが実行された場合には、状態Cとして特図2小当たり変動パターンテーブル3(図16(d)参照)が設定される。なお、後述するが、状態B、状態Cが設定された場合には、状態移行テーブル202e(図15(a)参照)で設定されている移行回数の特別図柄の変動が実行された場合に、状態Aが設定されるように構成されている。即ち、小当たりB、小当たりC、小当たりDが実行された後には、設定されている移行回数の間だけ、それぞれの変動パターンテーブルが選択され、その後、状態Aの変動パターンテーブルに切り替えられるように構成されている。よって、状態Aで設定される変動パターンテーブルは、通常時の変動パターンテーブルとして設定されている。
図15(a)は、状態移行テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。この状態移行テーブル202eは、上述したように、状態A~状態Cが設定される期間が設定されたデータテーブルである。状態Aでは、無限大の回数が設定されている。即ち、小当たりB~Dの何れかが実行されるまでは、状態Aが設定された状態となる。状態Bでは、40回の状態移行回数が設定されている。小当たりBが実行されて状態Bが設定されると、特別図柄の変動回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計)が40回となるまで、状態Bが設定され、その後、状態Aが設定される。状態Cでは、30回の状態移行回数が設定されている。小当たりCまたは小当たりDが実行されて、状態Cが設定されると、特別図柄の変動回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計)が30回となるまで、状態Cが設定され、その後、状態Aが設定される。なお、本実施形態では、状態移行回数が経過すると、状態Aへ移行する構成としたが、それに限らず、他の状態に移行するように構成してもよい。例えば、状態Cから状態Bに移行して、その後状態Aに移行するように構成してもよい。また、状態Cでは、小当たりCと小当たりDとで同じ状態移行回数としたが、それに限らず、小当たりCと小当たりDとで移行回数を異なるようにしてもよい。さらに、小当たりDが実行された場合には、状態C以外の状態を設定するように構成してもよい。また、第2特別図柄の小当たり種別は1種類としたが、2種類設定して、一方を移行回数が有限(例えば、30回)、他方を移行回数が無限とすることで、確変遊技のように、次の小当たりDに当選し易い変動パターンテーブルを継続して設定でき、次の大当たり遊技を遊技者に付与し易い状態と付与されがたい状態とを振り分けることができる。
次に、図15(c)及び図16を参照して、変動パターン選択テーブル202fについて説明する。この変動パターン選択テーブル202fは、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ専用に選択される変動パターンテーブルが設定されている。図15(c)は、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための当たり変動パターン選択テーブル202fの内容を示した模式図である。当たり変動パターン選択テーブル202fは、第1特別図柄の変動パターンとして、特図1大当たり変動パターンA(変動時間0.5秒)、特図1大当たり変動パターンB(変動時間3秒)、特図1大当たり変動パターンC(変動時間4秒)がそれぞれ設定されている。特図1大当たり変動パターンAに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として「0~50」が設定され、特図1大当たり変動パターンBに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として「51~100」が設定され、特図1大当たり変動パターンCに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として「101~198」が設定されている。このように、第1特別図柄が大当たりと判定された場合には、4秒の変動時間で構成された特図1大当たり変動パターンCが最も選択され易く、特図1大当たり変動パターンA、特図1大当たり変動パターンBが略同じ選択割合で設定されている。本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示している場合に、一方の変動が先に停止した場合には、他方の変動は強制的に外れの抽選結果に書き換えられて変動時間の途中であっても強制停止される。よって、第1特別図柄の大当たりの変動が実行されていても、第1特別図柄の小当たりの変動が先に停止した場合には、大当たりの第1特別図柄の変動は、外れの抽選結果として書き換えられて強制的に停止表示されて、大当たりが無効となってしまう不具合が考えられる。しかしながら、後述するが、第2特別図柄の小当たりとなる最短の変動時間は4秒であるので、第1特別図柄よりも必ず後に変動開始する小当たりの第2特別図柄の変動が先に停止することが無い構成となっている。よって、第1特別図柄の大当たりで抽選された変動が無効となってしまう不具合を防止できる。
一方、第2特別図柄の大当たりとなる変動パターンとして、特図2大当たり変動パターンD(変動時間0.5秒)が設定されている。本実施形態では、変動種別カウンタCS1の判定値として「0~198」が設定されており、第2特別図柄で大当たりが判定されると、必ず特図2大当たり変動パターンDが選択されるように構成されている。この特図2大当たり変動パターンDの変動時間は0.5秒で構成されているので、小当たりとなる第1特別図柄の変動よりも必ず早く停止する変動時間に設定されているので、第2特別図柄で大当たりが判定された場合に、第1特別図柄の小当たりとなる変動が先に停止表示され、第2特別図柄の大当たりとなる変動が無効となってしまう不具合を抑制できる。
次に、図16(a)を参照して、第1特別図柄(特図1)の当否判定結果が小当たりである場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するための特図1小当たり変動パターン選択テーブル202fについて説明する。図16(a)は、この特図1小当たり変動パターン選択テーブル202fの内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果として、大当たりとならなかった場合、即ち、外れである場合には、全て小当たりと判定されるように構成されている。
図16(a)に示すように、特図1小当たり変動パターン選択テーブル202fでは、選択される変動パターンの種別として、特図1変動パターンA(変動時間5秒)、特図1変動パターンB(変動時間7秒)、特図1変動パターンC(変動時間10秒)、特図1変動パターンD(変動時間15秒)、特図1変動パターンE(変動時間10秒)が設定されている。特図1変動パターンAに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として、「0~99」が設定されており、特図1変動パターンBに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として「100~149」が設定されており、特図1変動パターンCに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として「150~179」が設定されており、特図1変動パターンDに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として、「180~190」が設定されており、特図1変動パターンEに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値として、「191~198」がそれぞれ設定されている。よって、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりである場合には、100/199の最も高い確率で、最も変動時間の短い5秒の特図1変動パターンAが選択されるように設定されるように構成されている。従って、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりである場合には、短い変動時間が選択され易く構成されている。7秒の変動時間である特図1変動パターンBは50/199の確率、10秒の変動時間である特図1変動パターンCは30/199の確率、15秒の変動時間である特図1変動パターンDは11/199の確率、20秒の変動時間である特図1変動パターンEは8/199の確率でそれぞれ選択されるように構成されている。
ここで、本実施形態では、上述したように、第1特別図柄の変動時間として、長い変動パターンが選択されるほど、第2特別図柄が変動した場合に、第2特別図柄が先に停止して、第2特別図柄の小当たりが実行されることで遊技者に有利となるように構成されている。よって、第1特別図柄の変動時間として、長い変動時間の変動パターンほど選択される確率が低く設定されているので、遊技店側の不利益を抑制でき、射幸性が高くなり過ぎるのを抑制できる。
また、本実施形態では、後述する第2特別図柄の変動パターン選択テーブルを複数設けて、各テーブルでそれぞれの変動パターンが選択される確率(割合)を異ならせるように設定した。第2特別図柄の変動パターン選択テーブルの切替は、第1特別図柄の小当たり種別に応じて切り替えられるようにされているので、遊技者に不利な第1特別図柄の小当たりであっても、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルが短い変動時間の変動パターンが選択され易い変動パターン選択テーブルに切り替えられることで、遊技者に有利となる遊技状態を設定することができる。よって、遊技者に有利な遊技状態(第2特別図柄で小当たりを実行させ易い遊技状態)と遊技者に不利な遊技状態(第2特別図柄の小当たりが実行され難い遊技状態)とを第2特別図柄の変動パターン選択テーブルの切替により行うことができるという効果がある。
図16(b)~(d)を参照して、第2特別図柄の抽選結果が小当たりである場合に、変動パターンを選択するための特図2小当たり変動パターン選択テーブル1~3について説明する。図16(b)は、特図2小当たり変動パターン選択テーブル1の内容を模式的に示した模式図である。この特図2小当たり変動パターン選択テーブル1は、状態Aが設定されている場合に設定されるテーブルである。ここで、本実施形態では、上述したように状態A~Cまでが選択されて設定される構成となっている。この状態A~Cは、第1特別図柄の小当たりが実行された場合に、その小当たり種別に対応した状態が設定される(図14(d)参照)。状態Bおよび状態Cが設定された場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とがそれぞれ変動表示された回数(抽選回数)の合計が予め定められた規定回数となるまで、または新たに第1特別図柄の小当たりで異なる状態に設定されるまで継続して設定される。規定回数に達した場合には、状態Aへと移行して設定される。よって、状態Aは、通常時(初期化されて電源投入された場合を含む)に設定される状態となる。上述したように、状態Bおよび状態Cの規定回数は、図15(a)に示す状態移行テーブル202eにより設定されており、状態Bでは第1特別図柄と第2特別図柄との合計変動回数が40回、状態Cでは、合計変動回数として30回が規定回数として設定されている。
詳細は後述するが、状態Bが設定されている場合には、特図2小当たり変動パターン選択テーブル2が、状態Cが設定されている場合には、特図2小当たり変動パターン選択テーブル3がそれぞれ設定される。特図2小当たり変動パターン選択テーブル1よりも特図2小当たり変動パターン選択テーブル2は短い変動パターンが選択される確率が高く設定されており、特図2小当たり変動パターン選択テーブル2よりも特図2小当たり変動パターン選択テーブル3は短い変動パターンが選択される確率が高く設定されている。即ち、特図2小当たり変動パターン選択テーブル3は、遊技者にとっても最も有利となる遊技状態が設定される変動パターン選択テーブルであり、特図2小当たり変動パターン選択テーブル2は、その次に遊技者に有利となり、特図2小当たり変動パターン選択テーブル1が最も遊技者に不利な遊技状態となる変動パターン選択テーブルとなる。
図16(b)~(d)に示すように、特図2小当たり変動パターン選択テーブル2では、特図2変動パターンF(変動時間4秒)、特図2変動パターンG(変動時間6秒)、特図2変動パターンH(変動時間9秒)、特図2変動パターンI(変動時間14秒)、特図2変動パターンJ(変動時間19秒)が特図2小当たり変動パターン選択テーブル1~3には設定されている。
図16(b)に示すように、特図2小当たり変動パターン選択テーブル1では、特図2変動パターンFに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「0」が設定されており、特図2変動パターンGに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「1~7」が設定されており、特図2変動パターンHに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「8~27」が設定されており、特図2変動パターンIに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「28~47」が設定されており、特図2変動パターンJに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「48~198」が設定されている。最も変動時間の短い特図2変動パターンFが選択される確率は1/199であり、その次に変動時間の短い特図2変動パターンGが選択される確率は7/199となっており、短い変動時間が選択される確率が低く設定されている。その一方、比較的に変動時間の長い変動パターンとなる特図2変動パターンH~Jが選択される確率は他の変動パターン選択テーブルよりも高く設定されている。よって、特図2小当たり変動パターン選択テーブル1は、短い変動パターンが選択される確率が低く設定されており、遊技者に不利な変動パターン選択テーブル(遊技者に不利な遊技状態)に設定されている。
次に、図16(c)を参照して、特図2小当たり変動パターン選択テーブル2について説明する。図16(c)は、この特図2小当たり変動パターン選択テーブル2の内容を模式的に示した模式図である。特図2小当たり変動パターン選択テーブル2は、上述した状態Bが設定されている場合に設定される変動パターン選択テーブルである。既に上述した特図2小当たり変動パターン選択テーブル1(図16(b)参照)とは、各変動パターンの選択割合が異なる点で相違するのみであるので、選択割合についてのみ説明する。
図16(c)に示すように特図2小当たり変動パターン選択テーブル2では、特図2変動パターンFに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「0~2」が設定されており、特図2変動パターンGに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「3~17」が設定されており、特図2変動パターンHに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「18~47」が設定されており、特図2変動パターンIに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「48~97」が設定されており、特図2変動パターンJに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「98~198」が設定されている。最も変動時間の短い特図2変動パターンFが選択される確率は3/199であり、その次に変動時間の短い特図2変動パターンGが選択される確率は15/199となっている。よって、特図1変動パターン選択テーブル1(図16(b)参照)と比較して、特図2変動パターンFでは、3倍の選択確率で設定され、特図2変動パターンGでは、約2倍の選択確率で設定されている。よって、短い変動時間の変動パターンが選択される確率が高いので、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動が先に停止する変動パターンが選択され易くなり、遊技者に有利となる第2特別図柄の小当たりが実行され易く設定されている。
次に、図16(d)を参照して、特図2小当たり変動パターン選択テーブル3について説明する。図16(d)は、この特図2小当たり変動パターン選択テーブル3の内容を模式的に示した模式図である。特図2小当たり変動パターン選択テーブル3は、上述した状態Cが設定されている場合に設定される変動パターン選択テーブルである。既に上述した特図2小当たり変動パターン選択テーブル1(図16(b)参照)、特図2小当たり変動パターン選択テーブル2(図16(c)参照)とは、各変動パターンの選択割合が異なる点で相違するのみであるので、選択割合についてのみ説明する。
図16(d)に示すように特図2小当たり変動パターン選択テーブル3では、特図2変動パターンFに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「0~7」が設定されており、特図2変動パターンGに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「8~48」が設定されており、特図2変動パターンHに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「49~98」が設定されており、特図2変動パターンIに対して変動種別カウンタCS1の判定値として「99~198」が設定されており、特図2変動パターンJに対して変動種別カウンタCS1の判定値は設定されていない、即ち、特図2変動パターンJは選択されないように構成されている。最も変動時間の短い特図2変動パターンFが選択される確率は8/199であり、その次に変動時間の短い特図2変動パターンGが選択される確率は41/199となっている。よって、特図1変動パターン選択テーブル1(図16(b)参照)と比較して、特図2変動パターンFでは、8倍の選択確率で設定され、特図2変動パターンGでは、約6倍の選択確率で設定されている。よって、短い変動時間の変動パターンが選択される確率が高いので、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動が先に停止する変動パターンが選択され易くなり、遊技者に有利となる第2特別図柄の小当たりが実行され易く設定されている。さらに、特図2変動パターン選択テーブル3では、特図2変動パターンJが選択されないように構成されている。
ここで、特図2小当たり変動パターンJ(19秒)は、既に、図18を参照して説明したように、普通図柄の変動時間が0.5秒であり、第1特別図柄の変動時間が20秒である特図1変動パターンE(選択確率8/199)が選択されている場合にのみ、第2特別図柄が先に停止可能であり、第2特別図柄が先に停止する確率が極端に低く設定されている。よって、特図2小当たり変動パターン選択テーブル3では、特図2変動パターンJが選択されないように構成されているので、遊技者にさらに有利に設定されている。
このように、本実施形態では、第2特別図柄の変動時間が選択される確率を可変することで、遊技者に有利な状態と不利な状態とを切り替えるように設定している。ここで、図17及び図18を参照して、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)との変動パターンとの組み合わせで第2特別図柄の変動が先に停止する変動パターンの組み合わせについて説明する。図17は、第2特別図柄が先に停止する変動パターンの組み合わせを示す早見表であり、図18は、第1特別図柄と第2特別図柄との各変動パターンの停止タイミングを示すタイミングチャートである。
まず、図18を参照して、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示期間が重なる場合がある場合について説明する。なお、本実施形態では、第2特別図柄の変動が開始される場合には、第1特別図柄は必ず変動しているように構成されている。第1特別図柄の変動開始の契機となる第1入賞口64aに入賞する遊技球は、第1入賞口64aに入球する約0.2秒前にスルーゲート67を通過している。よって、図18に示すように、第1入賞口64aに入球(特図1入賞)するよりも0.2秒前から普通図柄の変動は開始している。第1特別図柄の小当たりとなる判定結果に対して選択される変動パターンは、特図1変動パターンA(「A」と省略して示す)、特図1変動パターンB(「B」と省略して示す)、特図1変動パターンC(「C」と省略して示す)、特図1変動パターンD(「D」と省略して示す)、特図1変動パターンE(「E」と省略して示す)の5種類であり、その各変動期間を図18(a)にタイミングチャートで示した。
普通図柄の変動時間としては、0.5秒と1秒の2種類が設定されており、普通図柄の変動時間が0.5秒である場合における第2特別図柄の各変動期間のタイムチャートを図18(b)に示し、普通図柄の変動時間が1秒である場合における第2特別図柄の各変動期間のタイムチャートを図18(c)に示した。
図18(b)に示すように、普通図柄の変動時間が0.5秒である場合には、第1特別図柄が変動を開始してから0.3秒後に普通図柄の変動が終了し、普通図柄の当たりである場合には、普通電動役物64b1が0.5秒間開放状態となり、その0.5秒間の間、遊技球が第2入賞口64bに入球可能な期間が設定される。即ち、第2特別図柄の変動開始タイミングは、第1特別図柄が変動開始してから0.3秒後から0.8秒後までの期間となる。図18(b)では、第2特別図柄が最も早く変動開始する例として、第1特別図柄が変動開始してから第2入賞口64bに0.3秒後に入賞して変動開始する場合のタイミングチャートを示した。第2特別図柄の小当たりと判定された場合の変動パターンは、図18(b)に示すように、特図2変動パターンF(「F」と省略して示す)、特図2変動パターンG(「G」と省略して示す)、特図2変動パターンH(「H」と省略して示す)、特図2変動パターンI(「I」と省略して示す)、特図2変動パターンJ(「J」と省略して示す)の5種類であり、各変動パターンに変動終了タイミングを示した。
特図2変動パターンF(変動時間4秒)である場合には、第1特別図柄の最も変動時間の短い特図1変動パターンA(変動時間5秒)が実行されている場合でも、その特図1変動パターンAの変動時間が終了するよりも0.7秒早く特図2変動パターンFの変動時間が終了することとなる。これより、第1特別図柄でどの変動パターンが実行されていても、先に特図2変動パターンFが終了することとなり、第2特別図柄の小当たりが実行される(図17(a)参照)。また、第2特別図柄の変動可能期間として、図18(b)に示したタイミングから0.5秒間あるが、最も遅い0.5秒後に変動開始したとしても、特図1変動パターンAよりも0.2秒早く特図2変動パターンFが停止することとなる。従って、普通図柄の変動時間が0.5秒であり、特図2変動パターンFが選択されると、必ず、第2特別図柄の変動が第1特別図柄よりも早く停止し、第2特別図柄の遊技者に有利な小当たりが実行される。よって、普通図柄の変動時間が0.5秒で、特図2変動パターンFが実行されることを遊技者に有利な状態とすることができる。
同様にして、特図2変動パターンG(変動時間6秒)は、特図1変動パターンB(変動時間7秒)よりも0.7秒早く先に停止する。よって、図17(a)に示すように、特図1変動パターンB、特図1変動パターンC、特図1変動パターンD、特図1変動パターンEに対して、先に停止する変動パターンとなる。特図2変動パターンH(変動時間9秒)は、特図1変動パターンC(変動時間10秒)よりも0.7秒早く先に停止する。よって、図17(a)に示すように、特図1変動パターンC、特図1変動パターンD、特図1変動パターンEに対して、先に停止する変動パターンとなる。特図2変動パターンI(変動時間14秒)は、特図1変動パターンD(変動時間15秒)よりも0.7秒早く先に停止する。よって、図17(a)に示すように、特図1変動パターンD、特図1変動パターンEに対して、先に停止する変動パターンとなる。特図2変動パターンJ(変動時間19秒)は、特図1変動パターンE(変動時間7秒)よりも0.7秒早く先に停止する。よって、図17(a)に示すように、特図1変動パターンEに対してのみ、先に停止する変動パターンとなる。上述したように、いずれも最も第2入賞口64bに遅衣タイミング入球(0.5秒後)しても図17(a)に示した状態は不変である。よって、普図変動時間が0.5秒である場合には、普通電動役物64b1が開放状態となる開放期間の間に入球すれば、入球タイミングにより遊技者に不利にならないように構成されている。
次に、図18(c)を参照して、普通図柄の変動時間が1秒である場合について説明する。普通図柄の変動時間が1秒である場合には、図18(a)に示す第1特別図柄の変動開始から1.3秒後に普通電動役物64b1が開放状態となる(普通図柄の判定結果が当たりの場合)。よって、普通図柄の変動時間が1秒である場合には、第1特別図柄の変動開始後、1.3秒後から1.8秒後までが第2入賞口64bに入賞可能な期間となる。図18(c)では、普通図柄の変動時間が1秒である場合に最も早く第2特別図柄が変動開始するタイミングである第1特別図柄の変動開始から1.3秒後に第2入賞口64bに入賞した場合の各第2特別図柄の小当たり変動パターンのタイミングチャートを示した。
図18(c)に示すように、特図2変動パターンF(変動時間4秒)である場合には、第1特別図柄の最も変動時間の短い特図1変動パターンA(変動時間5秒)が実行されている場合でも、その特図1変動パターンAの変動時間が終了するよりも0.3秒遅く特図2変動パターンFの変動時間が終了することとなる。これより、特図1変動パターンAが先に変動停止することとなり、そのタイミングで、特図2変動パターンFは外れに書き換えられて、強制停止される。よって、図17(b)に示すように、特図1変動パターンB~特図1変動パターンEに対して、特図2変動パターンFは先に終了することとなり、第2特別図柄の小当たりが実行される。また、第2特別図柄の変動可能期間として、図18(c)に示したタイミングから0.5秒間あるが、最も遅い0.5秒後に変動開始したとしても、上記した第1特別図柄の各変動パターンとの停止タイミングの関係は不変である。よって、普通図柄の変動時間が1秒である場合には、特図1変動パターンB~Eが実行されていれば、特図2変動パターンFが実行されることが遊技者に有利な状態となる。
同様にして、特図2変動パターンG(変動時間6秒)は、特図1変動パターンB(変動時間7秒)よりも0.3秒遅く停止する。よって、図17(b)に示すように、特図1変動パターンC、特図1変動パターンD、特図1変動パターンEに対して、先に停止する変動パターンとなる。特図2変動パターンH(変動時間9秒)は、特図1変動パターンC(変動時間10秒)よりも0.3秒遅く停止する。よって、図17(b)に示すように、特図1変動パターンDおよび特図1変動パターンEに対して、先に停止する変動パターンとなる。特図2変動パターンI(変動時間14秒)は、特図1変動パターンD(変動時間15秒)よりも0.3秒遅く停止する。よって、図17(b)に示すように、特図1変動パターンEのみに対して、先に停止する変動パターンとなる。特図2変動パターンJ(変動時間19秒)は、特図1変動パターンE(変動時間7秒)よりも0.3秒遅く停止する。よって、図17(b)に示すように、第1特別図柄の全ての変動パターンに対して先に停止することができない変動パターンである。よって、普通図柄の変動時間が1秒である場合には、必ず第1特別図柄の小当たりが実行される変動パターンとなり、遊技者に不利となる。
次に、図17を参照して、第1特別図柄と第2特別図柄との小当たり変動パターンが同時に変動する場合の、変動停止タイミングについてもまとめを説明する。図17(a)は、スルーゲート67を通過して、0.5秒の変動時間となる普通図柄の変動パターンが選択された場合に、その変動で普通電動役物64b1が開放して、第2入賞口64bに入賞した時の、第1特別図柄で選択されている変動パターンと第2特別図柄でされている変動パターンとの組み合わせで第2特別図柄が先に停止することが可能な場合を「○」、第1特別図柄が先に停止する組み合わせ(第2特別図柄は先に停止することができない組み合わせ)である場合に「×」で示した早見表である。
第1特別図柄の変動パターンで特図1変動パターンA(省略して「A」という記号で示す)が選択されている場合には、第2特別図柄の変動パターンとして特図2変動パターンF(省略して「F」という記号で示す)が選択された場合にのみ、第2特別図柄が先に停止することが可能となる。それ以外の特図2変動パターンG~Jが選択された場合には、第1特別図柄が先に停止して、第2特別図柄は強制的に外れとして強制停止される。
同様にして、第1特別図柄で特図1変動パターンB(省略して「B」と記号で示す)では、特図2変動パターンFおよび特図2変動パターンGで、特図1変動パターンC(省略して「C」と記号で示す)では、特図2変動パターンF~H、特図1変動パターンD(省略して「D」と記号で示す)では、特図2変動パターンF~I、特図1変動パターンE(省略して「E」と記号で示す)では、特図2変動パターンF~J(即ち、全ての第2特別図柄の小当たりとなる変動パターンで第2特別図柄が先に停止可能となる)で第2特別図柄が先に停止可能となる。よって、第1特別図柄で特図1変動パターンEが選択された場合には、遊技者に最も有利となり、第2入賞口64bに入賞させることで、第2特別図柄で小当たりが実行される(抽選結果が小当たりの場合)。本実施形態では、省略したが、特図1変動パターンEが選択された場合には、遊技者に第2入賞口64bへの入賞を促す報知を音声や第3図柄表示装置81での表示態様、ランプでの報知等で実行することで、遊技者に第2入賞口64bへの入賞意欲を高めることができる。
図17(b)は、図17(a)に対して、普通図柄の変動時間として1秒が選択された場合に第2特別図柄が先に停止することとなる変動パターンの組み合わせを示した早見表示である。図17(b)に示すように第1特別図柄で特図1変動パターンA(省略して「A」と記号で示す)では、全ての第2特別図柄の小当たりの変動パターンに対して、第2特別図柄が先に停止することはなく、第1特別図柄の小当たりが実行される。
第1特別図柄で特図1変動パターンB(省略して「B」と記号で示す)では、特図2変動パターンFで、特図1変動パターンC(省略して「C」と記号で示す)では、特図2変動パターンFおよび特図2変動パターンGで、特図1変動パターンD(省略して「D」と記号で示す)では、特図2変動パターンF~H、特図1変動パターンE(省略して「E」と記号で示す)では、特図2変動パターンF~I(即ち、全ての第2特別図柄の小当たりとなる変動パターンで第2特別図柄が先に停止可能となる)で第2特別図柄が先に停止可能となる。よって、普通図柄の変動時間として1秒が選択されると、第2入賞口64bに入賞可能となる期間が遅くなるので、0.5秒の場合よりも第2特別図柄が先に停止可能となる組み合わせが少なくなり、遊技者に不利となる。よって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動種別の組み合わせだけでなく、普通図柄の変動パターン種別によっても、遊技者の不利、有利を可変することができる。普通図柄の変動パターンとして0.5秒が選択された場合に、普通図柄の変動開始音の種類を異ならせたり、第3図柄表示装置81に布津図柄の変動種別を示唆する演出等を表示することで、遊技者に有利な状態であることを示唆するように構成してもよい。
次に、図15(b)を参照して、主制御装置110のMPU201のROM202(図13参照)における普図変動パターンテーブル202gについて説明する。図15(b)は、普図変動パターンテーブル202gの内容を模式的に示した模式図である。この普図変動パターンテーブル202gは、遊技球がスルーゲート67を通過した場合に、取得した普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普通図柄の変動時間(動的表示期間)を決定するための選択テーブルである。本実施形態では、選択される普通図柄の変動パターンとして、普図変動パターンAと普図変動パターンBとがそれぞれ設定されている。普図変動パターンAは、変動時間が500ms(0.5秒)に設定された変動パターンである。また、普図変動パターンBは、変動時間が1000ms(1秒)に設定された変動パターンである。普図変動パターンAは、普図変動種別カウンタCS2の判定値として、「0~29」が設定され、普図変動パターンBは、普図変動種別カウンタCS2の判定値として、「30~198」が設定されている。このように、普通図柄の変動時間としては、1秒の変動時間が0.5秒の変動時間よりも選択され易く設定されている。
ここで、本実施形態では、この普通図柄の変動時間の長尺により遊技者にとって有利不利が異なるように構成されている。スルーゲート67を通過した遊技球は、その0.2秒後に第1入賞口64a内の検出スイッチにより検出され、第1特別図柄の変動が開始される。ここで、第1特別図柄よりも第2特別図柄が早く停止することで、小当たりDが実行され易いので、第1特別図柄の変動が開始してから、より早いタイミングで第2入賞口64bに遊技球を入賞させた方が遊技者に有利となる。よって、普図変動時間の短い方が遊技者に有利となる。本実施形態では、普図変動パターンA(0.5秒変動)が普図変動パターンB(1秒)よりも選択され難く設定されているので、射幸性を抑制するように構成されている。
なお、本実施形態では、遊技状態に関わらず、普図変動パターンテーブルは一定としたが、それに限らず、小当たりが実行された場合や、大当たり遊技が実行された場合によって切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、通常時よりも短い変動時間が選択され易い普図変動パターンテーブルに切り替えられることで、遊技者に有利な状態に切り替えることができる。
小当たりシナリオテーブル202h(図13参照)は、小当たり遊技が実行される場合の、第1可変入賞装置65の開閉制御を実行するためのデータテーブルである。この小当たりシナリオテーブル202hは、各小当たり種別に対応して、それぞれの小当たりシナリオテーブル設定されている。ポインタが時系列順に設定されており、時間の経過と共にポインタが1ずつ更新される。そのポインタで設定されている第1可変入賞装置65の各制御が実行される。これにより、小当たり種別毎に、開放制御等が異なる場合でも、容易に制御を実行することができる。
大当たりシナリオテーブル202i(図13参照)について説明する。大当たりシナリオデーブル202iは、大当たり遊技が実行される場合に設定されるシナリオテーブルであり、第2可変入賞装置650の制御内容が規定されたデータテーブルである。小当たりシナリオテーブル202iと同様に、時系列順に設定されたポインタ毎に第2可変入賞装置650の制御内容が規定されており、時間の経過と共にポインタが1ずつ更新され、その更新されたポインタに規定されている制御内容に従って制御が実行される。
その他データテーブル202zは、その他の遊技に必要な各種データ、テーブル等が設定されているが、本発明の内容とは関係ない公知の内容であるので説明を省略する。
次に、図19を参照して、本第1実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203について説明する。図19は、このRAM203の内容を模式的に示した模式図である。RAM203は、図19に示すように、第1特別図柄実行エリア203a、第2特別図柄実行エリア203b、普図実行エリア203c、第1入賞カウンタ203d1、第2入賞カウンタ203d2、V入賞フラグ203e、大当たりフラグ203f、特図1変動停止フラグ203g、特図2変動停止フラグ203h、特図1小当たりフラグ203i、特図2小当たりフラグ203j、状態カウンタ203k、状態設定エリア203m、その他メモリエリア203zを有している。
第1特別図柄実行エリア203aは、図12に示すように1つの実行エリアで構成されている。その第1特別図柄実行エリア203aには、球が第1入賞口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、小当たり遊技中または大当たり遊技中でなく、第1特別図柄の停止状態(変動が終了している状態)であれば、入賞したことに基づいて取得する第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC4の各値がそれぞれ格納される。その後、主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図28、S104)により、第1特別図柄を変動開始するための各処理が実行される。
第2特別図柄実行エリア203bは、第1特別図柄実行エリア203aに対して、第2入賞口64bへの入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普図実行エリア203cは、第1特別図柄実行エリア203a、第2特別図柄実行エリア203bと同様に、1つの実行エリアを有している。この普図実行エリア203cには、第2当たり乱数カウンタC4と普図変動種別カウンタCS2の値とが格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通始動口67を通過したタイミングで、普通図柄の当たり遊技中でなく、普通図柄が停止している状態(普通図柄の変動が終了している状態)であれば、第2当たり乱数カウンタC4と普図変動種別カウンタCS2との値が取得され、その取得されたデータが、普図実行エリア203cに格納される。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普図実行エリア203cの保留第1エリアに記憶されている第2当たり乱数カウンタC4の値が、普図実行エリア203cへシフトされ(移動させられ)、その普図実行エリア203cに記憶された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。その後、取得している普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普図変動パターンが選択され、普図の変動が実行される。
第1入賞カウンタ203d1は、小当たり遊技における1つのラウンド(開放状態)で第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに入賞した遊技球の数(即ち、第2可変入賞装置650に入球した遊技球の数)、第2入賞カウンタ203d2は、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aに入賞した遊技球の数(即ち、第1可変入賞装置65に入球した遊技球の数)をそれぞれカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図8参照)に遊技球が通過し、検出スイッチにより検出されることに基づいて、第2入賞カウンタ203d2が1ずつ加算されて更新され、第2可変入賞装置650内に設けられている検出スイッチ(図示せず)により遊技球の通過が検出されることに基づいて、第1入賞カウンタ203d1が1ずつ加算されて更新される。一方、第1入賞カウンタ203d1の値は、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。また、第2入賞カウンタ203d2の値は、一つのラウンドが終了したことに基づいて、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203dの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
大当たりフラグ203eは、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果が大当たりであることを示すフラグである。この大当たりフラグ203eは、第1特別図柄の大当たり判定であるか、第2特別図柄の大当たり判定であるかを識別可能に構成されている。
特図1変動停止フラグ203gは、変動中の第1特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図1変動停止フラグ203gは、第2特別図柄に対して、大当たりまたは小当たりの変動が停止される場合にオンに設定される(図39のS913、図40(b)のS941参照)。一方、第1特別図柄の変動中に、特図1変動停止フラグ203gがオンであると判別された場合にオフに設定される(図34のS611)。これにより、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりの変動が先に停止するタイミングに合わせて、第1特別図柄を強制的に停止させることができる。
特図2変動停止フラグ203hは、変動中の第2特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203hは、第2特別図柄に対して、大当たりまたは小当たりの変動が停止される場合にオンに設定される(図33のS603、図35のS621参照)。一方、第2特別図柄の変動中に、特図2変動停止フラグ203hがオンであると判別された場合にオフに設定される(図40(a)のS931)。これにより、第1特別図柄の大当たりまたは小当たりの変動が先に停止するタイミングに合わせて、第2特別図柄を強制的に停止させることができる。
状態カウンタ203kは、特図2小当たり変動パターン2または特図2小当たり変動パターン3が選択される状態Bまたは状態Cの規定回数をカウントするためのカウンタである。本実施形態では、上述したように、第1特別図柄の小当たりBまたは小当たりC、第2特別図柄の小当たりDに当選した場合にその後の、第2特別図柄の小当たり変動パターンテーブルを規定回数だけ予め定められた変動パターンテーブルに切り替えるように設定した。規定回数は、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動した回数を規定したものであり、規定回数に到達すると、状態Aに移行して、状態Aに対応した変動パターンテーブルが設定される。この状態カウンタ203kは、第1特別図柄の小当たり、第2特別図柄の小当たりが終了した場合に、それぞれ対応する状態が設定され、その設定された状態に対応した状態カウンタの値が設定される(図49のS1807,S1809)。一方、第1特別図柄と第2特別図柄とがそれぞれ変動開始する場合に1ずつ減算され更新される(図30のS305、図36のS705)。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図11に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、第1特定入賞口65aを開閉するソレノイド、第2特定入賞口650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図42参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図20に示すように、変動パターン選択テーブル222a、融合演出選択テーブル222b、その他の遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力される変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄、第2特別図柄の変動表示をするための変動パターンデータが記憶されたデータテーブルである。本実施形態では、変動パターン選択テーブル222aには、図4(a)に示す第1表示領域Ds1と第2表示領域Ds2とに表示される第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示パターンが格納されている。この変動表示パターンは、主制御装置110により決定される変動時間に対応して、「○」図柄と「×」図柄とを交互に切替表示するパターンが設定されている。
融合演出選択テーブル222bは、図20(b)に示すように、勝ち融合演出選択テーブル222b1、負け融合演出選択テーブル222b2、準備中演出選択テーブル222b3、特殊演出選択テーブル222b4で構成され、第3図柄表示装置81の演出表示領域Ds3に表示する融合演出を選択するための選択テーブルである。勝ち融合演出と負け融合演出とは、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示する期間における第3図柄表示装置81の演出表示領域Ds3に表示される融合演出である。具体的には、勝ち融合演出は、図4(b)に示すウサギとカメの競争が開始される表示態様から、図5(b)に示すカメが競争でウサギに勝つ表示態様が表示され、その後、ブラックアウトする演出で構成されている。負け融合演出は、勝ち融合演出に対して、ウサギが勝利する点で相違する。カメが勝利することは、第2特別図柄が第1特別図柄よりも先に停止して、第2特別図柄の小当たりDが実行されることを報知している。一方、ウサギが勝利することは、第1特別図柄の変動表示が先に停止して、第1特別図柄の小当たりA~Cのいずれかが実行されることを示している。
本実施形態では、第1特別図柄が第2特別図柄よりも必ず先に変動開始する(図4(a)参照)。ここで、遊技者にとって、第1特別図柄が先に停止して、第1特別図柄の小当たりが実行されても、遊技者にとって得られる利益は、少量の出玉(賞球)や、第2特別図柄の変動パターンテーブルが切り替えられるなど、直接的に大当たりが付与される契機とはならず、第2特別図柄の小当たりと比較して不利に設定されている。よって、遊技者は、第2特別図柄が変動開始することに関心を持つこととなる。
よって、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を示す第3図柄(第1表示領域Ds1、第2表示領域Ds2で表示される図柄)については、「○」、「×」表示で、さらに表示領域を小さくし、目立たないように表示領域の左右の下端に配置した。一方、演出表示領域Ds3は、第1表示領域Ds1、第2表示領域Ds2に対して大きく設定して、遊技者に目立つように設定されている。従って、遊技者は、主に演出表示領域Ds3を見て遊技を行う。
ここで、本実施形態では、第2特別図柄の変動が開始されて、第1特別図柄と第2特別図柄との変動が同時に変動表示されると、図4(a)に示す演出表示領域Ds3に表示された、ウサギとカメのレース(競争)がスタートされる前の状態から、図4(b)に示すウサギとカメのレースがスタートされる。遊技者に対しては、演出表示領域Ds3の上部に「レースでカメが勝てばチャンス!!」と表示されることで、カメが勝つことで、遊技者に有利となるV入賞のチャンスが与えられることが報知されている。なお、本実施形態では、第2特別図柄の小当たりDが実行されることで、V入賞スイッチ65e3に遊技球が通過可能となる小当たり遊技が実行される。V入賞スイッチ65e3に遊技球が通過することで、大当たり遊技が小当たり遊技後に開始される権利が遊技者に与えられるので、遊技者にとって、小当たりDが実行されることは有利な状態が与えられたこととなる。
融合演出では、第1特別図柄が先に停止する場合には、ウサギがカメよりも先にゴールする演出が実行され(図5(a)参照)、第2特別図柄が先に停止する場合には、カメがウサギよりも先にゴールする演出が実行される(図5(b)参照)。その後、第1特別図柄が先に停止して、ウサギがカメよりも先にゴールする融合演出(図5(a)参照)が表示された後には、図6(a)に示す「残念!!ノーマルチャンス!」の文字が表示される。この融合演出の表示態様が表示されると、第1特別図柄の変動時間が経過して、停止し(小当たりを示す「○×」の組み合わせで停止)、そのタイミングで第2特別図柄は、変動時間の途中で外れを示す図柄(「××」の組み合わせで停止)で強制的に停止される。また、図6(a)の融合演出の表示態様が表示されると、遊技者は、この後に第1特別図柄の小当たりが実行され、V入賞のチャンス(即ち、大当たり遊技が実行される権利の獲得可能性)はないが、小当たり遊技で出玉を獲得できることを認識できる。よって、遊技者は、遊技球を可変表示ユニット80の右側を流下させる遊技方法(以下、右打ち遊技と称す)で第1可変入賞装置650に遊技球を入球させる遊技の準備をする。
一方、図5(b)に示すように、カメがレースで勝つ融合演出が表示された場合には、第2特別図柄の変動時間が経過して、小当たりを示す図柄(「○×」の組み合わせの停止図柄)で停止表示され、そのタイミングで、第1特別図柄が変動時間の途中で外れを示す図柄(「××」の組み合わせの停止図柄)で強制的に停止表示される。その後、図6(b)に示すように「おめでとう!!V入賞チャンス!」という文字が表示され、この後に、V入賞の可能性のある小当たり遊技が実行されることが遊技者に報知される。よって、遊技者が右打ち遊技をしてV入賞を狙う遊技の準備を行うことができる。このように、本実施形態の構成では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動することが可能であり、遊技者には複雑な遊技性であるが、融合演出が表示されることで、その融合演出の内容で、遊技者にとって有利な小当たり遊技が開始されるか否かを判別することができ、より容易に遊技を行うことができる。
なお、上記したウサギとカメのレースが行われる融合演出は、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選結果が共に小当たりである場合に実行されるものである。第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、融合演出の変動表示は開始されず、選択されている変動パターンの変動時間が経過したタイミングで「大当たり」の文字が突然表示される。また、第1特別図柄が変動した後(当否判定結果は小当たり)に、第2特別図柄が第1特別図柄の変動期間中に変動開始しない場合には、融合演出の変動表示は開始されず、第1特別図柄の変動時間が経過して、第1特別図柄が停止表示されるタイミングで図6(a)に示す第1特別図柄の小当たり遊技が開始されることを示す表示態様が表示される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の小当たり変動が開始した後に、第2特別図柄が変動開始するまでは、融合演出が開始されない構成としたが、それに限らず、第1特別図柄が変動開始したタイミングで、融合演出の変動を開始する(ウサギとカメのレースのスタート)ように構成してもよい。この場合には、第2特別図柄が変動開始したタイミングで、先に変動停止する特別図柄の残り変動時間に基づいて、融合演出を再設定する制御を設定するように構成する。また、本実施形態では、第2特別図柄が先に停止する(当否判定結果は小当たり)場合にのみ、融合演出においてカメが勝利演出を実行するように構成したがそれに限らずに、第2特別図柄の変動開始時に演出抽選を所定確率で実行して、その抽選結果に基づいて、カメが勝利するかウサギが勝利するかを決定する。この場合に、第2特別図柄が先に停止する(当否判定結果は小当たり)変動パターンの組み合わせである場合には、カメが勝利する融合演出の実行確率が高く設定されており、第1特別図柄が先に停止する(当否判定結果は小当たり)変動パターンの組み合わせである場合には、ウサギが勝利する融合演出の実行確率が高く設定される。そして、ウサギが勝った場合にもカメが勝った場合にも、図6(a)~(b)の表示態様は表示されず、「V入賞チャンス」という文字を代わりに表示して、V入賞の可能性がこの後の小当たり遊技にはあるように遊技者に思わせる演出を実行する。ここで、ウサギが勝った場合には、V入賞の可能性が低く、カメが勝った場合にV入賞の可能性が大きいことを遊技者に報知する構成にしておくことで、遊技者にその後の小当たり遊技の間もV入賞への期待を持ったまま遊技をさせることができ、遊技の興趣を向上できる。なお、上述した変形例では、第2特別図柄の変動開始から融合演出を開始させたが、第1特別図柄の変動開始から融合演出を開始させるように構成してもよい。
また、本実施形態では融合演出によって、第1特別図柄と第2特別図柄との判定結果を分かり易く遊技者に報知する構成としたが、それに限らず、第1特別図柄に対応する第3図柄(例えば、三列の図柄列で構成され、その図柄の組み合わせで判定結果を報知)と、第2特別図柄に対応する第3図柄(例えば、三列の図柄列で構成され、その図柄の組み合わせで判定結果を報知)とをそれぞれ変動表示して、第2特別図柄で小当たりを示す第3図柄が表示されることを期待して遊技を行わせる構成であってもよい。このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とがそれぞれ同時に変動表示する構成であることを分かり易く遊技者に報知することができる。
準備演出選択テーブル222b3より選択される準備演出は、図4(a)に示すウサギとカメとが競争を開始する前の表示態様である。この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が停止されている場合と、第1特別図柄のみの変動表示が開始している場合に、準備演出が選択されて表示される。
特殊演出選択テーブル222b4は、第2特別図柄が第1特別図柄よりも先に変動開始している場合に選択される特殊演出が設定されたテーブルである。この特殊演出では、「異常変動」の文字を第3図柄表示装置81にエラーコメントとして表示される。これにより、正常な入賞や遊技がされていないことを早期に報知することができる。
次に、図20(c)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図20(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特図1変動開始フラグ223c、特図2変動開始フラグ223d、特図1停止種別選択フラグ223e、特図2停止種別選択フラグ223f、演出カウンタ223g、従状態設定エリア223h、特図1残変動時間カウンタ223i、特図2残変動時間カウンタ223j、融合演出開始フラグ223k、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110や各制御装置から音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドを一時的に記憶するための記憶領域である。
入賞情報格納エリア223bは、第1特別図柄に対応する1つの実行エリアと第2特別図柄に対応する1つの実行エリアとをそれぞれ有しており、これらの各エリアには、第1特別図柄と第2特別図柄とがそれぞれ変動開始する場合に主制御装置110より出力される変動パターンや、当否判定結果等の情報が記憶される。
特図1変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される第1特別図柄に対する変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図54のS2301参照)、第3図柄表示装置81における第1特別図柄の変動表示の設定がなされるときにオフされる(図57のS2602参照)。特図1変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図52参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄に対する変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
特図2変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される第2特別図柄に対する変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図55のS2401参照)、第3図柄表示装置81における第2特別図柄の変動表示の設定がなされるときにオフされる(図57のS2602参照)。特図1変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、上述した第1特別図柄の変動パターンコマンドと同様にして表示制御装置114に対して出力される。
特図1停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される第1特別図柄に対応する特図1停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図56のS2501参照)、第3図柄表示装置81における第1特別図柄の停止種別の設定がなされるときにオフされる(図57のS2611参照)。特図1停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。本実施形態では、第1表示領域Ds1に表示される表示の停止態様が設定される。
特図2停止種別選択フラグ223fは、主制御装置110から送信される第2特別図柄に対応する特図2停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図56のS2501参照)、第3図柄表示装置81における第2特別図柄の停止種別の設定がなされるときにオフされる(図57のS2611参照)。特図2停止種別選択フラグ223fがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。本実施形態では、第1表示領域Ds1に表示される表示の停止態様が設定される。
演出カウンタ223gは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0~198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図52参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
従状態設定エリア223hは、主制御装置110で設定されている状態情報(状態A~状態A~Cのいずれか)を記憶するための記憶エリアである。従状態設定エリア223hには、主制御装置110より出力される状態コマンド(図30のS308、図36のS708、図49のS1808)を受信した場合に、その状態コマンドが示す状態情報が記憶される(図53のS2210)。このように構成することで、主制御装置110で設定される状態と同期させて音声ランプ制御装置113で同じ状態を設定することができる。
特図1残変動時間カウンタ223iは、第1特別図柄の変動時間の残り時間を計測するためのカウンタである。この特図1残変動時間カウンタ223iは、特図1変動パターンコマンドを受信した場合に、受信した変動パターンコマンドが示す変動時間が残変動時間として設定される(図54のS2310参照)。特図1残変動時間カウンタ223iに残変動時間が設定されると(特図1残変動時時間>0)、メイン処理(図52参照)の実行周期毎に経過時間分に対応するカウンタ値(本実施形態では1)が減算され更新される(図58のS2702参照)。なお、この特図1残変動時間カウンタ223iは初期状態では0に設定される。
特図2残変動時間カウンタ223jは、第2特別図柄の変動時間の残り時間を計測するためのカウンタである。この特図2残変動時間カウンタ223jは、特図2変動パターンコマンドを受信した場合に、変動中の第1特別図柄の残変動時間(特図1残変動時間カウンタ223iの値)が判別されて、選択された第2特別図柄の変動時間と比較して、第1特別図柄の残変動時間が短い場合には、特図2残変動時間カウンタ223jに特図1残変動時間カウンタ223iの値を設定する。一方、選択された第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の残変動時間より短い場合には、選択された第2特別図柄の変動時間を特図2残変動時間カウンタ223jに設定する。このように構成することで、第1特別図柄の小当たりが実行される場合に変動中の第2特別図柄の小当たり変動が強制的に停止される場合にも、正確な第2特別図柄の残変動時間を設定することができる。なお、この特図2残変動時間カウンタ223jの値は、融合演出を選択する場合に、融合演出の変動時間を決定するのに使用される。この場合にも、第2特別図柄が変動停止する正確な残変動時間が特図2残変動時間カウンタ223jには設定されるので、融合演出を第1特別図柄と第2特別図柄とがそれぞれ停止するタイミングに合わせた変動時間の融合演出を設定することができる。
融合演出開始フラグ223kは、融合演出の開始タイミングであることを示すフラグである。この融合演出開始フラグ223kは、第2特別図柄に対する特図2変動パターンコマンドを受信して、その抽選結果が小当たりであった場合にオンに設定される(図55のS2405)。一方、選択された融合演出の表示態様(融合演出パターン)を示す表示用融合演出コマンドが設定される場合に、オフに設定される(図57のS2609)。なお、この融合演出開始フラグ223kは、電源投入時等の初期設定では、オフに設定されるフラグである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図81参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
このように、本実施形態では、主制御装置110より出力される第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、それぞれの第3図柄を変動表示させると共に、第2特別図柄が変動開始するタイミングに合わせて、その第2特別図柄が変動停止となるタイミングまでの期間に合わせて融合演出を選択して実行する。これにより、本実施形態の小当たりが高確率で抽選される構成(第1特別図柄、第2特別図柄共に398/399)であり、頻繁に第1特別図柄の小当たりが実行される構成であっても、融合演出が表示されることで、期待を持って遊技を行うタイミングか否かを遊技者が判別することができ、メリハリのある遊技を行うことができる。これにより、第1特別図柄の小当たりが実行されることを示す演出が頻繁に実行される不具合を抑制でき、遊技者が飽きてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態の遊技性は、第1特別図柄と第2特別図柄とが小当たりの抽選結果で変動表示されている場合に、先に変動時間が経過して停止する特別図柄の小当たりが実行される。第2特別図柄の小当たりが第1特別図柄の小当たりよりも有利な小当たりに設定されており、第2特別図柄の変動が第1特別図柄よりも先に停止することで遊技者に有利な状態(第2特別図柄の小当たりが実行される状態)を付与することができる。しかしながら、第2特別図柄の変動が先に停止するか否かを第3図柄により識別することは難しく、遊技の興趣も低下してしまう。本実施形態では、第2特別図柄の変動開始タイミングに合わせて融合演出の変動が開始され、第2特別図柄の変動が先に停止するか否かをウサギとカメのレースで報知するように構成した。このようにすることで、遊技者は第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを同時に監視して、先に停止する特別図柄の種別を判別しなくても、融合演出を見ることで、先に停止する特別図柄について知ることができる。よって、複雑な遊技性であっても、遊技者に容易な演出で分かり易く遊技を行わせることができる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図70参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図21~図27を参照して、本第1実施形態における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図21は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリ234aは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROM234dは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図59のS2801参照)の終了後に実行される初期化処理(図59のS2802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図27参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図61(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64aへの入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図59のS4704参照)。
電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64aへの入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球がスルーゲート67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入賞口64bへ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入賞口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入賞口64bへ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図25を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図25は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置が第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A~Cのいずれかを表示させるか、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A~Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A~Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図25の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図27参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファ233dを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファ233dを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図26を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図26は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図26のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図26の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図27参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図26の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図59参照)の中でオンに設定される(図59のS2805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図72(b)のS4705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図61(b)のS3101参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図61(b)のS3108参照)および簡易表示設定処理(図61(b)のS3109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図62~図68参照)および表示設定処理(図69~図71参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図72(a)のS4601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図72(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図73参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図27参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図27参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図27参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図61(b)のS3103参照)の中で、ポインタ更新処理(図69のS4305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図27参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図27を参照して、描画リストの詳細について説明する。図27は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図27に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図61(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図69のS4307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図59のS2802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図73参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図73のS4813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図73のS4814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図74のS4902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図61(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図74のS4902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
なお、本実施形態では、V入賞スイッチ65e3に入賞した場合には、その小当たりDが終了後に大当たり遊技が付与される構成としたが、それに限らず、大当たりの確率が通常確率(1/399)よりも高く設定される高確率状態(確変:例えば、1/39)が小当たりDの終了後から次の大当たりまたは所定の回数、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動するまでの期間まで設定するように構成してもよい。即ち、V入賞スイッチ65e3が確変を付与するスイッチとしてもよい。
<主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図28から図50のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図28は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。尚、この特別図柄変動処理(S104)の詳細については、図29を参照して後述する。
特別図柄変動処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理と、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴う処理を行う普通図柄変動処理を実行する(S106)。尚、普通図柄変動処理(S106)の詳細については、図41を参照して後述する。普通図柄変動処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図29は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図29、S104)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図29、S104)について説明する。
特別図柄変動処理(図29、S104)では、まず、大当たり遊技中または小当たり遊技中であるか否かが判定される(S201)。大当たり中または小当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中または小当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。第1特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理が実行される(S204)。第1特別図柄変動停止処理(S204)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄変動停止処理(S204)では、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理が実行される。なお、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には、変動表示中の第1特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。また、本実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、他方の変動により強制停止されないように、極端に短い変動時間が選択されるように構成されている。これにより、大当たりの判定が強制停止により外れの抽選結果で強制的に停止表示されないように構成できる。この第1特別図柄変動停止処理(S204)の詳細については、図33~図35を参照して後述する。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理が実行される(S203)。第1特別図柄変動開始処理(S203)では、第1特別図柄の変動開始に関わる処理が実行される。この第1特別図柄変動開始処理(S203)については、図30~図32を参照して詳しく後述する。
第1特別図柄変動開始処理(S203)、または第2特別図柄変動停止処理(S204)が実行された後に、第2特別図柄が変動表示中であるか否かが判定される(S205)。第2特別図柄が変動表示中であると判定された場合には(S205:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S207)が実行される。第2特別図柄変動停止処理(S207)については、詳しく後述するが、第1特別図柄変動停止処理(S204)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。この第2特別図柄変動停止処理(S207)の詳細については、図39および図40を参照して後述する。
一方、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S205:No)、第2特別図柄変動開始処理が実行される(S206)。第2特別図柄変動開始処理(S206)では、第2特別図柄の変動を開始するのに必要な処理が実行される。この第2特別図柄変動開始処理(S206)については、図36~図38を参照して詳しく後述する。
次に、図30を参照して、特別図柄変動処理(図29、S104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)について説明する。図30は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図30、S203)では、まず、第1入賞口64aに入賞があったか否かを判定する(S301)。第1入賞口64aに入賞がなければ(S301:No)、そのまま本処理を終了する。第1入賞口64aに入賞があれば(S301:Yes)、次に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を第1特別図柄実行エリア203aに格納する(S302)。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理が実行される(S303)。第1特別図柄大当たり判定処理(図31、S303)については、詳しく後述するが、第1特別図柄実行エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たり、小当たり等の判定を実行する。なお、この第1特別図柄大当たり判定処理(S303)の詳細については、図31を参照して後述する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S304)。第1特別図柄変動パターン選択処理(S304)では、第1特別図柄実行エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターン(変動時間)を各カウンタ値に基づいて選択するための処理が実行される。なお、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S304)については、図32を参照して、詳細について後述する。
第1図柄変動パターン選択処理(S304)の後、状態カウンタ203kの値から1を減算し(S305)、状態カウンタ203kの値が0より大きいかを判定する(S306)。状態カウンタ203kの値が0より大きければ(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。状態カウンタ203kの値が0であれば(S306:No)、次に、状態設定エリア203mに状態Aを設定し(S307)、状態Aを示す状態コマンドを設定し(S308)、その後、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、状態カウンタ203kの値が第1特別図柄の変動開始毎に1ずつ減算されて、状態カウンタ203kが0となると、初期状態(通常状態)である状態Aが設定される。これにより、状態Bまたは状態Cが設定されている場合には、状態カウンタの値が0となることで、自動的に状態Aに移行して設定される。これにより、特別図柄の変動回数により状態を移行させて、第2特別図柄の小当たりの変動パターン選択テーブルを切り替えることで、遊技者に一定期間有利な状態を付与することを容易な制御で実行することができる。
次に、図31を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図30、S203)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S303)について説明する。図31は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S303)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図31、S303)では、まず、第1特別図柄実行エリア203aに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。次に、大当たり乱数テーブル202a(図14(a)参照)に基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かでその抽選結果が取得される(S402)。ここでは、図14(a)に示すように、第1当たり乱数カウンタC1の値に対して大当たり判定値として「399」が設定されており、「0~398」が小当たり判定値として設定されている。即ち、本実施形態では、大当たりでない場合には、全て小当たりと判定される。
抽選結果が大当たりであるかを判定し(S403)、抽選結果が大当たりであれば(S403:Yes)、第1特別図柄(特図1)に対して大当たりフラグ203fをオンに設定し(S404)、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)を大当たりに設定し(S405)、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S406)、その後、本処理を終了する。
一方、S403の処理において抽選結果が大当たりでない、即ち、小当たりであると判別された場合には(S403:No)、特図1小当たりフラグ203iをオンに設定し(S407)、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)を小当たりに設定し(S408)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の小当たり図柄をセットし(S409)、その後、本処理を終了する。
次に、図32を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図30、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S304)について説明する。図32はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S304)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図32、S304)では、まず、変動種別カウンタCS1の値を取得し(S501)、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理(図31、S303)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第1特別図柄に対して大当たりフラグがオンに設定されているかを判別する(S502)。
S502の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S502:Yes)、取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて、大当たり変動パターンを選択し(S503)、S505の処理へ移行する。S503の処理では、当たり変動パターン選択テーブル202f(図15(c)参照)と、取得している変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、特図1大当たり変動パターンA~Cのいずれかを選択する。
一方、S502の処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりでない(即ち、第1特別図柄に対する大当たりフラグ203fがオフである)と判別した場合には(S502:No)、取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて、設定されている小当たり変動パターン選択テーブル202f(図16(a)参照)より小当たり変動パターンを選択し(S504)、その後、S505の処理へ移行する。S505の処理では、選択した変動パターンを示す、特図1変動パターンコマンドを生成し(S505)、その後、本処理を終了する。
次に、図33を参照して、特別図柄変動処理(図29、S104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図33はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図33、S204)では、まず、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(S601)。S601の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(S601:Yes)、第1特別図柄(特図1)に対して、大当たりフラグ203fがオンに設定されているか判別する(S602)。第1特別図柄に対して大当たりフラグ203fがオンに設定されていると判別した場合には(S602:Yes)、特図2変動停止フラグ203hをオンに設定する(S603)。図示は省略したが、S603の処理が実行されると、特図2変動停止フラグ203hがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドが設定される。
S603の処理を終えると、設定されている停止種別を示す特図1停止種別コマンドを設定する(S604)。そして、選択されている大当たり種別に基づいた大当たりシナリオが設定される(S605)。その後、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定する(S606)。そして、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S607)、本処理を終了する。
一方、S602の処理において、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203fがオフに設定されていれば(S602:No)、特図1小当たり停止処理を実行し(S610)、そのまま本処理を終了する。この特図1小当たり停止処理(S610)では、判定結果の小当たりに対応した第1特別図柄の停止に関する処理が実行される。なお、この特図1小当たり停止処理(S610)については、図35を参照して詳細について後述する。
一方、S601の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(S601:No)、次いで、特図1変動停止フラグ203gがオンであるか否かを判別する(S608)。S608の処理において特図1変動停止フラグ203gがオフであると判別された場合は(S608:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S608の処理において特図2変動停止フラグ203gがオンであると判別した場合は(S608:Yes)、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりで停止された場合であるので、実行中の第1特別図柄に基づく変動を停止させるために、特図1強制停止処理を実行する(S609)。尚、この特図1強制停止処理の詳細については、図34を参照して後述する。
このように、第1特別図柄停止処理(S204)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(S601:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S603からS609またはS612)が実行される。また、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に(S610:Yes)、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理(S612)が実行される。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には(S610:Yes)、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。
次に、図34を参照して、第1特別図柄変動停止処理(図33、S204)の一処理である特図1強制停止処理(S609)について説明する。図34は、この特図1強制停止処理(S609)を示すフローチャートである。
特図1強制停止処理(図34、S609)では、まず、特図1変動停止フラグ203gをオフに設定し(S611)、次に、特図1変動停止フラグ203gのオフを示す特図1変動停止コマンドを設定する(S612)。そして、第1特別図柄の変動種別を外れに設定し(S613)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止させ(S614)、第1特別図柄の特図1確定コマンドを設定した後(S615)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、特図1変動停止フラグ203gがオンにされる(第2特別図柄で大当たりまたは小当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第1特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に外れの判定結果として強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみ対する小当たりや大当たりを実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。
次に、図35を参照して、第1特別図柄変動停止処理(図33、S204)の一処理である特図1小当たり停止処理(S610)について説明する。図35は、この特図1小当たり停止処理(S610)を示すフローチャートである。
特図1小当たり停止処理(図35、S610)では、まず、特図2変動停止フラグ203hをオンに設定し(S621)、次に、特図2変動停止フラグ203hのオンを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S622)。そして、選択されている小当たり種別に対応する小当たりシナリオを設定し(S623)、第1特別図柄の確定コマンドをセットし(S624)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の変動を停止した後(S625)、本処理を終了する。
次に、図36~図38を参照して、特別図柄変動処理(図29、S104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図36~図38はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図36、S206)では、上記した、第1特別図柄変動開始処理(図30、S203)に対して、第1特別図柄に対しての処理が第2特別図柄に、第2特別図柄に対しての処理が第1特別図柄に変更される点で相違するのみで、その他処理については同様の処理が実行されるのでその詳細な説明は省略する。
次に、図37を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図36、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S703)について説明する。図37はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S703)を示すフローチャートである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図37、S703)では、上記した、第1特別図柄大当たり判定処理(図31、S303)に対して、次の点で相違する。S401の処理に対応するS801の処理で、第1特別図柄実行エリア203aが、第2特別図柄実行エリア203bに変更される点と、S404~S409の各処理に対応するS804~S809の各処理で、特図1(第1特別図柄)が特図2(第2特別図柄)に変更される点でそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、その説明は省略する。
次に、図38を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S704)について説明する。図38はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S704)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図38、S704)では、上記した、第1特別図柄変動パターン選択処理(図32、S304)に対して、次の点で相違する。S502の処理に対応するS902の処理で、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)が特図2抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)に変更される点と、S503~S505までの各処理に対応するS903~S905の各処理で、特図1変動パターンコマンド(第1特別図柄の変動パターンコマンド)が特図2変動パターンコマンドに変更される点でそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図39を参照して、特別図柄変動処理(図29、S104)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図39はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動停止処理(S207)では、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図33、S204)に対して、次の点で相違する。S602の処理に対応するS912の処理で、「特図1に対して」が、「特図2に対して」に変更される点と、S603の処理に対応するS913の処理で、特図2変動停止フラグが特図1変動停止フラグに変更される点と、S604の処理に対応するS1914の処理で、特図1停止種別コマンドが特図2停止種別コマンドに変更される点と、S608の処理に対応するS918の処理で、特図1変動停止フラグが特図2変動停止フラグに変更される点と、S607の処理に対応するS917の処理で、第1特別図柄の変動停止が第2特別図柄の変動停止に変更される点と、S609の処理に対応するS919の処理で、特図1強制停止処理が特図2強制停止処理に変更される点と、S610の処理に対応する920の処理で、特図1小当たり停止処理が特図2小当たり停止処理に変更される点とでそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
また、第2特別図柄変動停止処理(図39参照)において実行される特図2強制停止処理(図39のS919、図40(a)参照)と、同じく第2特別図柄変動停止処理(図39参照)において実行される特図2小当たり停止処理(図39のS920、図40(b)参照)も同様に、上述した特図1強制停止処理(図34参照)と、特図1小当たり停止処理(図35参照)と同様の処理を、第2特別図柄に対して実行するものであるため、詳細な説明は省略する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が仮停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりまたは小当たりの停止表示とされる場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図41は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、電動役物632の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図41、S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(S1001)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置(図示せず)において当たりを示す表示がなされてから電動役物632の開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S1001:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S1001:No)、第2図柄表示装置の普通図柄が変動表示中であるか判別される(S1002)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(S1002:Yes)、第2図柄表示装置において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S1011)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部(図示せず)において変動表示が開始される前に、後述する、S1009の処理によって予め設定された時間である。
S1011の処理において、変動時間が経過していなければ(S1011:No)、本処理を終了する。一方、S1011の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S1011:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S1012)。S1012の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1007の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置(図示せず)には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1010の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置(図示せず)には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S1012の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S1007の処理、S1009の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S1013)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S1013:Yes)、電動役物632の開閉制御開始が設定される(S1014)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S1013:No)、本処理を終了する。
一方、S1002の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S1002:No)、スルーゲート67を遊技球が通過したか否かを判別する(S1003)。スルーゲート67を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1003:No)、第2当たり乱数カウンタC4の値、普図変動種別カウンタCS2の値をそれぞれ普図実行エリア203cに格納する(S1004)。普図当たり乱数テーブル202bに基づいて取得した第2当たり乱数値の当否判定を実行する(S1005)。S1005の抽選結果が当たりであるか判別する(S1006)。S1005の抽選結果が当たりであると判別した場合には(S1006:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S1007)。電動役物64b1の開放時間を0.5秒、開放回数を1回に設定する(S1008)。その後、第2図柄の変動時間をS1004の処理で取得した普図変動種別カウンタCS2と普図変動パターンテーブル202gとに基づいて選択する(S1009)。その後、この処理を終了する。一方、S1006の処理において、第2図柄の外れであると判別した場合には、外れ時の表示態様を設定し(S1010)、その後、S1009の処理を実行した後に、この処理を終了する。
図42は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1101)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図43を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図43は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図43)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1202)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1203)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(S1204)、オンされていれば(S1204:Yes)、処理をS1512へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(S1204:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1205)、記憶されていなければ(S1205:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1512へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1205:Yes)、RAM判定値を算出し(S1206)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1207:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1512へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1212の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1212)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1213、S1514)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1213、S1214)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1213、S1214)を実行する。RAMの初期化処理(S1213、S1214)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1213)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1214)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1210の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(S1204:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1205:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1207:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1208)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1209)、S1210の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1210)。その後、割込みを許可する(S1211)。そして、後述するメイン処理(S1600)に移行する。
次に、図44を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(図44参照)について説明する。図44は、このメイン処理(S1600)を示すフローチャートである。このメイン処理(図44参照)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図44参照)においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1301)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1302)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1303)を実行する。大当たり制御処理が実行される(S1304)。この大当たり制御処理(S1304)については、図45を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における第2可変入賞装置650の作動を設定する処理が実行される。
大当たり遊技処理(S1304)が実行された後には、小当たり制御処理(S1305)が実行される。この小当たり制御処理(S1305)では、小当たり遊技における第1可変入賞装置65の作動を設定する処理が実行される。この小当たり制御処理については、図47を参照して後述する。その後、電動役物開閉処理が実行される(S1306)。この電動役物開閉処理(S1306)では、普通電動役物64b1の開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S3607)。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1308)。簡単に説明すると、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、普通電動役物64b1が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1309)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1309:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち、前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1309)、既に所定時間(4ms)が経過していれば(S1309:Yes)、処理をS1310へ移行し、上述したS1301以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1310:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2および変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1311)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1301の処理と同一の方法によって実行する(S1312)。
ここで、S1301~S1308の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1308の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1309:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図42のNMI割込処理が実行されたということなので、S1313以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1313)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1314)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1315)、RAM203のアクセスを禁止して(S1316)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1319の処理は、S1301~S1308で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1311とS1312の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1251の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1201)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1301の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図45のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1304)を説明する。図45は、この大当たり制御処理(S1304)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1304)は、メイン割込処理(図45参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第2特定入賞口(大開放口)650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判定する(S1621)。大当たりシナリオが設定されていると判定した場合には(S1401:Yes)、設定されている大当たりシナリオのポインタを更新する(S1402)。ここで、大当たりシナリオは、時系列的に更新されるポインタに対して指定される処理がそれぞれ設定されており、大当たり遊技に必要な処理が時系列的に設定されている。
更新されたポインタが示す大当たりシナリオのデータは、大当たり遊技の開始を示すタイミングであるか判定する(S1403)。大当たりの開始は、大当たりシナリオが設定されてからポインタが最初に更新されると設定されているデータである。大当たり開始タイミングであると判定した場合には(S1403:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1404)。その後、この処理を終了する。一方、S1403の処理において、大当たり開始のタイミングでないと判定した場合には(S1403:No)、新たなラウンドの開始タイミングであることを示すデータが設定されているか判定する(S1405)。新たなラウンドの開始を示すデータが設定されていると判定した場合には(S1405:Yes)、第2可変入賞装置650の開放を設定する(S1406)。その後、この処理を終了する。
一方、S1405の処理において新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合には(S1405:No)、ラウンドの終了タイミングを示すデータであるか判定する(S1407)。ラウンドの終了タイミングを示すデータであると判定した場合には(S1407:Yes)、第2可変入賞装置650の閉鎖を設定する(S1408)。その後、この処理を終了する。一方、S1407の処理で、ラウンドの終了タイミングを示すデータでないと判定した場合には(S1407:No)、エンディングのタイミングを示すデータであるか判定する(S1409)。エンディングの開始タイミングを示すデータであると判定した場合には(S1409:Yes)、エンディングの表示態様を示す表示コマンドを設定し(S1410)、設定されている大当たりシナリオをクリアして(S1411)、その後、この処理を終了する。一方、S1409の処理において、エンディングの開始タイミングを示すデータでないと判定した場合には(S1409:No)、第1入賞処理を実行する(S1412)。
ここで、図46を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図45、S1304)内の一処理である第1入賞処理(図46、S1412)について説明する。図46は、この第1入賞処理(S1412)の内容を示したフローチャートである。この第1入賞処理(S1412)では、ラウンド中の第2可変入賞装置650の入球のカウントをして、対応する制御理が実行される。
第1入賞処理(図46、S1412)では、まず、ポインタで示されている大当たりシナリオのデータはラウンド期間中に対応するか判別する(S1501)。ラウンド期間中でないと判別した場合には(S1501:No)、第2入賞カウンタ203d2の値を初期値である0にリセットする(S1502)。その後、この処理を終了する。一方、ラウンド期間中であると判別した場合には(S1501:Yes)、第2特定入賞口650aに遊技球が入球したか判別する(S1503)。第2特定入賞口650aに遊技球が入球したと判別した場合には(S1503:Yes)、第2入賞カウンタ203d2の値を1加算して更新する(S1504)。第2入賞カウンタ203d2の値は上限値(本実施形態では、10球)以上であるか判別する(S1505)。第2入賞カウンタ203d2の値が上限値未満であると判別した場合には(S1505:No)、この処理を終了する。一方、第2入賞カウンタ203d2の値が上限値以上であると判別した場合には(S1505:Yes)、第2可変入賞装置650を閉鎖状態に設定する(S1506)。大当たりシナリオのポインタをラウンド終了時に対応するデータを示す位置まで更新する(S1507)その後、この処理を終了する。このように、本実施形態では、1ラウンドの終了条件が10球入球か、開放期間30秒経過するまでとなっているが、10球入球したと判別したことに基づいて、大当たりシナリオのポインタをラウンド終了時に更新することで、10球入賞した場合に直ちにラウンドの終了を設定して、その後の大当たり遊技に関する処理に移行することができる。
次に、図47を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図44参照)内の一処理である小当たり制御処理(S1305)について説明する。図47は、この小当たり制御処理(S1305)の内容を示したフローチャートである。小当たり制御処理(S1305)では、小当たり遊技における第1可変入賞装置65の開放制御等が実行される。
小当たり制御処理(図47、S1305)では、まず、小当たりシナリオが設定されているか判別する(S1601)。小当たりシナリオが設定されていないと判別した場合には(S1601:No)、この処理を終了する。小当たりシナリオが設定されていると判別した場合には(S1601:Yes)、小当たりシナリオのポインタを1更新する(S1602)。ここで、小当たりシナリオは、小当たり種別毎に設定されており、各小当たり遊技で実行される第1可変入賞装置65に関わる処理がポインタに対して時系列的に設定されている。
更新されたポインタが示す小当たりシナリオのデータは、小当たり遊技の開始タイミングに対応するデータであるか判別する(S1603)。小当たり遊技の開始タイミングに対応するデータであると判別した場合には(S1603:Yes)、小当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを設定する(S1604)。その後、この処理を終了する。なお、本実施形態では、小当たり遊技のオープニングは、図7(a)~(b)に示す表示態様が表示される。
一方、小当たり遊技の開始タイミングでないと判別した場合には(S1603:No)、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1605)。新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1605:Yes)、小当たり動作設定処理を実行する(S1606)。この小当たり動作設定処理(1606)では、第1可変入賞装置65の流路ソレノイド65k(切替部材65hを動作させるソレノイド)の動作、開閉扉65fの動作タイミングがそれぞれ設定される。この小当たり動作設定処理(S1606)の詳細については、図48を参照して説明する。
図48は、主制御装置110のMPU201の実行する小当たり制御処理(図47、S1305)内の一処理である小当たり動作設定処理(S1606)の内容を示したフローチャートである。小当たり動作設定処理(S1656)では、まず、小当たり種別に対応した第1可変入賞装置65の開放動作データを小当たりシナリオから読み込む(S1701)。ここで読み込まれる開放動作データは、開閉扉65f1の開放タイミングと流路ソレノイド65kの動作タイミングがそれぞれ読み込まれる。
S1701で読み込んだ開放動作データに基づいて、流路ソレノイド65kの動作を設定する(S1702)。流路ソレノイド65kの動作は、ソレノイドをオンにして、オフにするまでの動作が設定される。第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作(開放タイミング)を設定する(S1703)。その後、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、小当たり種別に対応した流路ソレノイドと開閉扉65f1の動作がそれぞれ設定される。これにより、V入賞スイッチ65e3に入球可能となる開放動作とV入賞スイッチ65e3に入球困難(入球不可能)な開放動作とをそれぞれ容易に切り替えて設定することができる。
本実施形態では、小当たりA~D(すべての小当たり)において、小当たり遊技の開始から2秒間の間、図10(a)に示す開放状態に誘導片65h2が流路ソレノイド65kをオンすることにより切り替えられる。一方、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1は、小当たりA~Cでは、小当たり遊技の開始から2秒後に開放状態となり、その時には、誘導片65h2は閉鎖状態に切り替えられるので、特定入賞口65aに入賞した遊技球が特定排出口65e2に誘導されることはできない。即ち、V入賞スイッチ65e3に入賞することが不可能(困難)に設定されている。
一方、小当たりDでは、小当たり遊技の開始から1秒間、開閉扉65f1が開放状態となり、その後、0.2秒閉鎖状態(次ラウンド間のインターバル期間)となった後に、再び1秒間、開閉扉65f1が開放状態となる。これにより、小当たりDにおける開放状態で特定入球口65aに遊技球が入球すると、誘導片65h2が開放状態に設定されている期間となるので、誘導片65h2により特別排出口65e2に遊技球が誘導され、V入賞スイッチ65e3に入賞する。これにより、小当たりD後には、大当たり遊技の開始が実行される。
図47に戻って説明を続ける。S1607の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1605:No)、ラウンド終了のタイミング(2秒間の開放期間が経過)であるか判別する(S1607)。ラウンド終了のタイミングであると判別した場合には(S1607:Yes)、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S1608)。その後、この処理を終了する。一方、S1607の処理において、ラウンド終了のタイミングでないと判別した場合には(S1607:No)、エンディングのタイミングであるか判別する(S1609)。エンディングのタイミングであると判別した場合には(S1609:Yes)、小当たりエンディング処理を実行する(S1610)。小当たりエンディング処理(S1610)については、図49を参照して後述するが、小当たり遊技の終了時に、V入賞スイッチ65e3に遊技球が小当たり遊技中に通過しているかを判別して、通過している場合に大当たり遊技の設定等の制御処理を実行する。
図49を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される小当たり制御処理(図47、S1305)内の一処理である小当たりエンディング処理(S1610)について説明する。図49は、この小当たりエンディング処理(S1610)の内容を示したフローチャートである。
小当たりエンディング処理(図49、S1610)では、まず、小当たりエンディングコマンドを設定する(S1801)。V入賞フラグ203eがオンに設定されているか判別する(S1802)。ここで、V入賞フラグ203eは、小当たり遊技中にV入賞スイッチ65e3に遊技球が通過したか否かを示すフラグであり、後述する小当たり制御処理(S1305)内で実行される第2入賞処理(図50、S1611)において、V入賞スイッチ65e3がオンであると判別される、即ち、V入賞スイッチ65e3に遊技球が通過したと判別した場合に、このV入賞フラグ203eがオンに設定される。
S1802の処理において、V入賞フラグ203eがオンであると判別した場合には(S1802:Yes)、大当たりAに対応する大当たりシナリオを設定する(S1803)。V入賞フラグ203eをオフに設定し(S1804)、その後、S1805の処理を実行する。一方、S1802の処理において、V入賞フラグ203eがオフであると判別した場合には(S1802:No)、S1805の処理を実行する。S1805の処理では、今回実行された小当たり種別に対応した状態(状態A~状態C)を状態設定エリア203mに設定する(S1805)。設定した状態に対応する状態カウンタの値を状態カウンタ203kに設定する(S1806)。
ここで設定される小当たり種別に対応した状態は、小当たり種別選択テーブル202d(図14(d)参照)に設定されている小当たり後状態に基づいて設定される。また、各小当たりに対応した状態カウンタの値は、状態移行テーブル202e(図15(a)参照)に設定されている状態移行回数の値に基づいて設定される。S1806の実行された後には、設定されている状態に対応する状態コマンドを設定する(S1807)。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の小当たりDが実行された場合には、最も有利な状態である状態Cが設定されるように構成した。よって、小当たりDが実行され、V入賞スイッチ65e3に遊技球が通過して大当たり遊技が実行された後にも、遊技者に有利な状態Cが設定されるので、小当たりDが実行され易くなり、大当たり遊技が実行される期待を高めることができる。さらに、小当たりDの実行中にV入賞スイッチ65e3に遊技球を通過させることができなかったとしても、小当たりD後には、状態Cが設定されるので、再度小当たりDが実行される期待を遊技者に持たせることができ、遊技者の遊技に対する意欲を著しく減少させることを抑制できる。
図47に戻って説明を続ける。S1609の処理において、エンディングのタイミングでないと判別した場合には、第2入賞処理を実行する(S1611)。その後、この処理を終了する。第2入賞処理(S1611)については、図50を参照して後述するが、第1可変入賞装置65への遊技球の入球に関する処理を実行する。
図50は、主制御装置110のMPU201により実行される小当たり制御処理(図47、S1305)内の一処理である第2入賞処理(S1661)の内容を示したフローチャートである。第2入賞処理(S1661)では、まず、小当たりシナリオのポインタが示すデータは、ラウンド有効期間中であるか判別する(S1901)。ラウンドの有効期間中とは、開閉扉65f1が開放状態となってから、閉鎖条件が成立して閉鎖されてから、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が排出されるまでの球はけ時間を加えた期間である。本実施形態では、球はけ期間は、2秒と設定されている。
S1901において、ラウンド有効期間中であると判別した場合には(S1901:Yes)、第1入賞カウンタ203d1を初期値である0にリセットする(S1902)。その後、この処理を終了する。一方、S1901の処理において、ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1901:Yes)、第1特定入賞口65aに遊技球が入球したか判別する(S1903)。第1特定入賞口65aに遊技球が入球していないと判別した場合には(S1903:NO)、この処理を終了する。一方、第1特定入球口65aに遊技球が入球したと判別した場合には(S1903:Yes)、第1入賞カウンタ203d1に1加算して更新する。第1入賞カウンタ203d1が上限値(本実施形態では、10球)以上であるか判別する(S1905)。第1入賞カウンタ203d1の値が上限値未満であると判別した場合には、S1908の処理を実行する。一方、第1入賞カウンタ203d1の値が上限値以上であると判別した場合には(S1905:Yes)、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S1906)。小当たりシナリオのポインタをラウンドの終了タイミングを示すデータの位置まで更新する(S1907)。その後、S1908の処理を実行する。
S1908の処理では、V入賞フラグ203eがオンであるか判別する(S1908)。V入賞フラグ203eがオンである場合には(S1908:Yes)、既にV入賞スイッチ65e3を遊技球が通過している(小当たり遊技で大当たり遊技実行の権利が獲得されている)ので、この処理を終了する。一方、V入賞フラグ203eがオフであると判別した場合には(S1908:No)、V入賞スイッチ65e3がオン、即ち、V入賞スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(S1909)。V入賞スイッチ65e3がオフであると判別した場合には(S1909:No)、この処理を終了する。一方、V入賞スイッチ65e3がオンであると判別した場合には(S1909:Yes)、V入賞フラグ203eをオンに設定し(S1910)、V入賞コマンドを設定する(S1911)。その後、この処理を終了する。音声ランプ制御装置113がこのV入賞コマンドを受信すると、V入賞スイッチ65e3を遊技球が通過したことを示す報知態様が設定される。本実施形態では、第3図柄表示装置81「V」の文字が表示され、「キュイン」という効果音が出力され、対応するランプが点灯される。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図51から図58を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図51を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図51は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2117の電源断処理(図52参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図52を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図52、S2114参照)、S2117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2003の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、S2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003:Yes)、S2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003:No)、S2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2117の電源断処理の実行時にオンされる(図52、S2116参照)。つまり、電源断フラグは、S2117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S2010)。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図52を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図52は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回(S2101:Yes)の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102~S2110の処理を行わずにS2111の処理へ移行する。S2101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102~S2110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2111のコマンド判定処理やS2112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103~S2112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。この後、S2111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
その後、第1特別図柄と第2特別図柄との残変動時間をそれぞれ計測するための変動時間計測処理が実行される(S2111)。この変動時間計測処理(S2111)については、図58を参照して後述するが、第1特別図柄と第2特別図柄との変動時間をそれぞれ時間の経過に対応して減算して更新する処理を実行する。
S2111の処理が実行されると、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S2112)が実行され、S2113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S2112)の詳細については、図53を参照して後述する。
S2113の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図57を参照して後述する。
S2113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2116)、電源断処理を実行する(S2117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2115)、RAM223が破壊されていなければ(S2114:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図53を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2112)について説明する。図53は、このコマンド判定処理(S2112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図52参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S2112)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図53、S2112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄を変動表示させるためのコマンドであり、主に、第1特別図柄の変動時間を指定するコマンドである。そして、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2201:Yes)、第1特別図柄を変動表示させるために特図1変動開始処理を実行する(S2202)。この特図1変動開始処理(S2202)については、図54を参照して詳細について説明するが、第1特別図柄に対応する特別図柄を第3図柄表示装置81に変動表示するのに必要な設定が実行される。
ここで、図54を参照して、特図1変動開始処理(S2202)について説明する。図54は、この特図1変動開始処理(S2202)の内容を示したフローチャートである。特図1変動開始処理(図54、S2202)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223cがオンに設定され(S2301)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S2302)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図57、S2113)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始とその第1特別図柄の変動パターン種別とを通知する第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。この変動パターン種別より、当否判定結果(小当たり又は大当たり)が判別できる。
S2302の処理が実行されると、受信した変動パターンコマンドが示す第1特別図柄(特図1)の変動時間(動的表示期間)を判別する(S2303)。受信した変動パターンコマンドが示す抽選結果は小当たりであるか判別する(S2304)。抽選結果が第1特別図柄の小当たりであるか判別する(S2304)。抽選結果が小当たりでない、即ち、大当たりである場合には(S2304:No)、この処理を終了する。一方、抽選結果が小当たりであると判別した場合には(S2304:Yes)、融合演出開始フラグ223kをオンに設定する(S2305)。第2特別図柄が停止中であるか判別する(S2306)。第2特別図柄の変動が停止中であると判別した場合には(S2306:Yes)、第1特別図柄の変動時間と演出カウンタ223gとに基づいて、融合演出選択テーブル222bにおける準備中演出選択テーブル222b3より準備中演出を選択する(S2307)。その後、S2310の処理を実行する。
ここで、本実施例の構成では、第1特別図柄が必ず先に変動開始する構成となっている。よって、第1特別図柄の変動開始時に第2特別図柄が停止表示されている場合には、正常であることを示している。また、第3図柄表示装置81の演出表示領域Ds3には、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動表示している場合に融合演出の変動表示が開始される。第1特別図柄の変動が開始して、第2特別図柄の変動が停止している期間では、図4(a)に示す競争を開始する前(スタート前)の融合演出が表示される。ここで、融合演出選択テーブル222bにおける準備中演出選択テーブル222b3には、図4(a)に示すような競争を開始する前の融合演出が複数種類設定されている。複数の競争を開始する前の融合演出には、それぞれ演出カウンタ223gの値が割り付けされており、取得した演出カウンタ223gの値に基づいて、対応する融合演出が選択される。このように構成することで、競争が開始する前の融合演出も多様にすることができ、遊技者が飽きてしまう不具合を抑制できる。なお、この競争前の融合演出は、例えば5秒間の表示態様で構成されており、新たに融合演出が設定されたり、第3図柄表示装置81に新たな表示態様が設定されるまで繰り返し設定される。
なお、本実施形態では、競争前の融合演出は、演出カウンタ223gの値で選択するように構成したが、それに限らず、例えば、現在変動中の普通図柄の変動パターンに対応して選択するように構成してもよい。このように構成することで、レース前の融合演出より普通図柄の変動パターンを認識することができ、遊技者に有利な普通図柄の変動パターン(本実施形態では、変動時間の短い変動パターン(0.5秒の変動パターン))が選択されていることを遊技者に報知することができる。さらに、普通図柄の抽選結果により選択される融合演出の種別が切り替わるようにすることで、普通電動役物64b1が開放状態となり、第2入賞口64bに遊技球が入球可能となることを遊技者に報知でき、遊技者が発射を停止してしまい、第2入賞口64bへの入賞機会を逃してしまう不具合を抑制できる。
一方、第2特別図柄が変動中であると判別した場合には(S2306:No)、第1特別図柄の変動時間と演出カウンタとの値に基づいて、融合演出選択テーブル222bにおける特殊演出選択テーブル222b4より特殊演出を設定する(S2308)。異常変動コマンドを設定し(S2309)、その後、S2310の処理を実行する。
ここで、第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄が既に変動中である場合には、本実施形態の構成では、異常な状態である。第1特別図柄の変動開始時に第2特別図柄の変動が既に開始している場合で考えられるのは、第1入賞口64aに入賞する遊技球を入賞する手前(スルーゲート67と第1入賞口64aとの間の位置)において磁石等で遊技球を停止させておき、第2入賞口64bに遊技球を入球させる不正や、第2入賞口64bと普通電動役物64b1との間に遊技球が挟まり、しばらくしてから第2入賞口64bに遊技球が入球した場合が考えられる。この場合に演出表示領域Ds3で表示される特殊演出は、「入賞異常」の文字が表示される演出である。また、警報音が出力され、遊技店に異常が発生したことを示す報知がされる。また、外部出力端子よりホールコンピュータに異常変動(入賞異常)していることを示すコマンドが出力される。これにより、不正や不具合等により第2特別図柄が第1特別図柄より先に変動したり、第2特別図柄のみが変動表示することで、遊技店側に多大な不利益が及ぶことを抑制できる。
S2310の処理では、第1特別図柄の変動時間に基づいて特図1残変動時間を特図1残変動時間カウンタ223iに設定する(S2310)。その後、この処理を終了する。
図53に戻って説明を続ける。特図1変動開始処理(図54、S2202)の処理が実行された後には、この処理を終了する。一方、S2201の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2201:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2203)。ここで、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。特図2変動パターンコマンドは、主に第2特別図柄の当否判定結果と第2特別図柄の変動時間(動的表示期間)を通知するためのコマンドである。そして、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2203:Yes)、特図2変動開始処理(S2204)を実行する。この特図2変動開始処理(S2204)の詳細については、図55を参照して説明する。
ここで、図55を参照して、この特図2変動開始処理(S2204)の詳細について説明する。図55は、この特図2変動開始処理(S2204)の内容を示したフローチャートである。特図2変動開始処理(S2204)では、まず、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223dがオンに設定され(S2401)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S2402)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第2特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図57、S2113)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始とその第2特別図柄の変動パターン種別とを通知する第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
S2402の処理が実行されると、受信した変動パターンコマンドから第2特別図柄(特図2)の変動時間(動的表示期間)を判別する(S2403)。受信した変動パターンコマンドが示す抽選結果は小当たりであるか判別する(S2404)。抽選結果が小当たりであると判別した場合には(S2404:Yes)、融合演出開始フラグ223kをオンに設定する(S2405)。第1特別図柄が変動中であるか判別する(S2406)。第1特別図柄の変動中であると判別した場合には(S2406:Yes)、第1特別図柄の残りの変動時間(特図1残変動時間)より第2特別図柄の変動時間の方が、時間が長いかを判別する(S2407)。特図1変動時間が特図2の変動時間よりも短いと判別した場合には(S2407:Yes)、遊技者に不利となる第1特別図柄が先に停止して、第1特別図柄の小当たりが実行されるので、特図1残変動時間と演出カウンタ223gとに基づいて、融合演出選択テーブル222bの負け融合演出選択テーブル222b2より負け融合演出を選択する(S2408)。
この負け融合演出は、図4(b)に示す競争が開始される演出が表示され、図5(a)に示すウサギが勝利する演出が演出表示領域Ds3に第1特別図柄の残り変動時間で実行される演出である。このカメが負ける演出を表示することで、第1特別図柄が先に停止表示することを遊技者が認識できる。なお、負け融合演出選択テーブル222b2には、複数種類の負け融合演出が演出カウンタ223gの値に対応して設定されている。よって、遊技者は多様な演出を見ることができ、早期に飽きてしまったり、演出の結果が表示される前に、結果を予測できてしまう不具合を抑制できる。
その後、特図1残変動時間に基づいて第2特別図柄の残変動時間(特図2残変動時間)として特図2残変動時間カウンタ223jに第2特別図柄の変動時間を設定する(S2409)。その後、この処理を終了する。
一方、S2407の処理において、特図1残変動時間が第2特別図柄の変動時間よりも長いと判別した場合には(S2407:No)、特図2の変動時間と演出カウンタ223gの値とに基づいて、融合演出選択テーブル222bの勝ち融合演出選択テーブル222b1より勝ち融合演出を選択して設定する(S2410)。第2特別図柄の変動時間を特図1残変動時間カウンタ223iに設定する(S2411)。その後、特図2の変動時間を特図2残変動時間カウンタ223jに設定する(S2412)。
ここで、S2407でNoと判定される第2特別図柄が第1特別図柄よりも先に停止する場合には、第2特別図柄の小当たりが実行される。よって、融合演出としては、図4(b)に示す競争が開始する演出が実行され、競争結果として図5(b)に示すカメが勝つ勝ち融合演出が、第2特別図柄で選択されている変動時間の間、実行される。また、この勝ち融合演出は、複数種類の勝ち融合演出が勝ち融合演出選択テーブル222b1に演出カウンタ223gの値に対応して設定されている。よって、多様な勝ち融合演出を選択することができ、遊技者に多種多様な演出を提供することができる。
なお、上記した各勝ち融合演出は、第2特別図柄の変動時間に対応してそれぞれ勝ち演出が設定されており、負け融合演出は、第1特別図柄の変動時間から第2特別図柄の変動開始可能となる最小期間(最も早く第2特別図柄が変動開始するまでの期間)を減算した演出期間がそれぞれ設定されている。負け融合演出では、終了までの3秒間がブラックアウト画面で設定されており、第2特別図柄の変動開始となるタイミングによって、ブラックアウトの表示期間を調整することで、第1特別図柄の残変動時間に合うように設定されている。
また、S2406の処理において、第1特別図柄が変動中でないと判別した場合には(S2413)、第2特別図柄のみが変動開始する異常な状態であるので、第2特別図柄の変動時間と演出カウンタ223gの値とに基づいて特殊演出が選択される(S2413)。異常変動であることを示す異常変動コマンドを設定する(S2414)。その後、上述したS2412の処理を実行して、この処理を終了する。
図53に戻って説明を続ける。特図2変動開始処理(S2204)を実行した後には、この処理を終了する。特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2203:No)、主制御装置110より特図1または特図2停止種別コマンドを受信したか判別される(S2205)。特図1または特図2停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S2205:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行する(S2206)。この停止種別コマンド受信処理(S2206)については、図56を参照して説明する。
図56は、この停止種別コマンド受信処理(S2206)の内容を示したフローチャートである。停止種別コマンド受信処理(S2206)では、まず、受信したコマンドに応じて、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグ223gがオンに設定される。特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグ223iがオンに設定される。(S2501)。受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA、小当たりA~D、外れ等)が抽出される(S2502)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。S2502の処理を実行した後に、この処理を終了する。
図53に戻って説明を続ける。停止種別コマンド受信処理(図57、S2206)が実行された後には、この処理を終了する。一方、S2205の処理において、特図1または特図2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S2205:No)、状態コマンドを主制御装置110より受信したか判別する(S2209)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)、従状態設定エリア223hに状態コマンドが示す状態情報(状態A~状態Cのいずれか)を設定する(S2210)。その後、この処理を終了する。
一方、S2209の処理で状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S2209:No)、V入賞コマンドを主制御装置110より受信しているか判別する(S2211)。V入賞コマンドを主制御装置110より受信していると判別した場合には(S2211:Yes)、V入賞スイッチ65e3を遊技球が通過したことを示すV入賞演出を設定する(S2212)。V入賞演出(「V」の文字を第3図柄表示装置81に表示)を指示する表示用V入賞演出コマンドを設定する(S2213)。その後、この処理を終了する。
一方、S2211の処理において、V入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(S2211:No)、特図1確定コマンドまたは特図2確定コマンドを受信したか判別する(S2214)。特図1確定コマンドまたは特図2確定コマンドを受信したと判別した場合には(S2214:Yes)、表示用特図1確定コマンド(特図1確定コマンドを受信した場合)または表示用特図2確定コマンド(特図2確定コマンドを受信した場合)を設定する(S2213)。特図1残変動時間カウンタ223i(特図1確定コマンドを受信した場合)または特図2残変動時間カウンタ223j(特図2確定コマンドを受信した場合)を初期値である0にリセットする。その後、この処理を終了する。一方、S2214の処理で特図1確定コマンドまたは特図2確定コマンドを受信していないと判別した場合には(S2214:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2217)、この処理を終了する。
次に、図57を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2113)について説明する。図57は、この変動表示設定処理(S2113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図57、S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図52参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図57、S2113)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA、小当たりA~D)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図57、S2113)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223cがオンに設定されているか判別される(S2601)。そして、特図1変動開始フラグ223cがオフであると判別された場合には(S2601:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2604の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合には(S2601:Yes)、特図1変動開始フラグ223cをオフに設定する(S2702)。
次に、S2603の処理では、コマンド判定処理(図53、S2112)のS2203の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S2603)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S2603の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図52参照)のコマンド出力処理(S2102)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223dがオンに設定されているか判別される(S2604)。そして、特図2変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2604:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2607の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合には(S2705:Yes)、特図2変動開始フラグ223dをオフに設定する(S2706)。特図2変動開始処理(図55、S2204)のS2402の処理において、特図2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S2606)。ここでは、第2表示領域Ds2に表示される「○」、「×」の変動表示が設定される。
S2606の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図54参照)のコマンド出力処理(S2102)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
次に、融合演出開始フラグ223kがオンであるか判別する(S2607)。融合演出開始フラグ223kがオンであると判別した場合には(S2607:Yes)、第3図柄表示装置81の演出表示領域Ds3に融合演出を設定するタイミングであるので、融合演出開始フラグ223kをオフに設定して(S2608)、選択した融合演出を示す表示用融合演出コマンドを設定する(S2609)。その後、S2610の処理を実行する。
S2610の処理では、特図1停止種別選択フラグ223eまたは特図2停止種別選択フラグ223fがオンに設定されているか判別される(S2610)。特図1停止種別選択フラグ223e及び特図2停止種別選択フラグ223fがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2610:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ223eまたは特図2停止種別選択フラグ223fがオンであると判別された場合には(S2709:Yes)、特図1停止種別選択フラグ223eがオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ223eがオフに設定され、特図2停止種別選択フラグ223fがオンであった場合には、特図2停止種別選択フラグ223fがオフに設定される(S2612)。その後、この処理を終了する。
次に、図58を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図52参照)内の一処理である変動時間計測処理(S2111)について説明する。図58は、この変動時間計測処理(S2111)の内容を示したフローチャートである。この変動時間計測処理(S2111)では、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれの残りの変動時間を時間経過に基づいて減算する処理が実行される。
特図1残変動時間カウンタ223iの値が0より大きい値であるか判別する(S2701)。特図1残変動時間カウンタ223iの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2701:Yes)、特図1残変動時間カウンタ223iの値から1減算して更新する(S2702)。その後、S2703の処理を実行する。一方、S2701の処理において、特図1残変動時間カウンタ223iの値が0であると判別した場合には(S2701:No)、S2703の処理を実行する。
S2703の処理では、特図2残変動時間カウンタ223jの値が0より大きい値であるか判別する(S2703)。特図2残変動時間カウンタ223jの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2703:Yes)、特図2残変動時間カウンタ223jの値を1減算する(S2704)。その後、この処理を終了する。一方、S2703の処理において、特図2残変動時間カウンタ223jの値が0であると判別した場合には(S2703:No)、この処理を終了する。
このように、第1特別図柄の残変動時間、第2特別図柄の残変動時間をカウンタ値1に対応した約1msずつ減算されて更新されることで、正確な第1特別図柄、第2特別図柄の残りの変動時間を計測することができる。
本実施形態の構成では、第1特別図柄の小当たり種別により第2特別図柄の小当たり時の変動パターン選択テーブルを切り替えるように構成したが、それに限らず、第1特別図柄の小当たりの変動パターン選択テーブルを切り替えるように構成してもよい。この場合には、第1特別図柄の変動時間として、長い変動時間が選択され易い変動パターン選択テーブルに切り替えられることで、遊技者に有利に設定することができる。また、第1特別図柄の小当たりに限らず、所定の抽選(例えば、毎変動、テーブルの切替抽選を所定確率で実行)を実行するように構成してもよい。また、普通図柄の変動時間を選択するテーブルを第1特別図柄の小当たり種別で切り替えたり、普通図柄の当たり種別等で切り替えるように構成してもよい。この場合には、短い普通図柄の変動時間が選択され易いテーブルに切り替えられると、遊技者に有利とすることができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄、第2特別図柄ともに保留球を設定しなかったが、両方またはどちらか一方のみに所定数(例えば、4球)の保留球を設定するように構成してもよい。たとえば、第1特別図柄の保留球を設定することで、第1特別図柄の変動を効率良く行うことができる。また、第2特別図柄に対して保留球を設定することで、第2特別図柄の変動を効率よく行うことができる。なお、第2特別図柄に保留球を設定する場合には、普通電動役物64b1の開放期間を遊技球が1球入球な期間で1回のみ開放状態とすることが好ましい。このように構成することで、第1特別図柄の保留数(入賞数)と第2特別図柄の保留数(入賞数)とに差異がなく、第2特別図柄のみが変動する不具合を抑制できる。
<表示制御装置114により実行される制御処理について>
次に、図59~図74を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図59を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図59は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROM234dは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図60を参照して、ブート処理(S2801)について説明する。図36は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2902)。これにより、MPU231は、S2901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図59のS2801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図59のS2802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2801)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図60に示すブート処理では、S2901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2903~S2905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2901及びS2902の処理を含めて複数回繰り返した後、S2903~S2905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2901及びS2902の処理を行わずに、S2903~S2905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図59の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図72(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図72(a)のS4602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図61(b)参照)において、図23に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図61(b)のS3108参照)および簡易表示設定処理(図61(b)のS3109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64aへ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図23(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2805の処理の後、割込許可を設定し(S2806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図61(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図61(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S3001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図61(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図61(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図27参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図61(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S3101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S3101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図23に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S3102)を実行し、次いで、表示設定処理(S3103)を実行する。
コマンド判定処理(S3102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図62~図68を参照して後述する。
表示設定処理(S3103)では、コマンド判定処理(S3102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図69~図71を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S3104)。このタスク処理では、表示設定処理(S3103)もしくは簡易表示設定処理(S3109)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S3105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図72および図73を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S3106)。この描画処理では、タスク処理(S3104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S3105)により設定された転送指示とから、図27に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図74を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S3107)。そして、V割込処理を終了する。S3107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S3101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S3101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図23に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S3108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S3109)を実行して、S3104の処理へ移行する。
次いで、図62~図68を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S3102)の詳細について説明する。まず、図62は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図62に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S3201)、未処理の新規コマンドがなければ(S3201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S3201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S3103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S3202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S3203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S3204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S3204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S3205)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図63(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S3205)の詳細について説明する。図63(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S3301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3302)。
次いで、S3301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3303)、ポインタ233fを0に初期化して(S3304)、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定し(S3305)、本処理を終了する。
変動パターンコマンド処理(図63参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S3304の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S3303の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図62の説明に戻る。S3204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S3204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S3206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S3206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S3207)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図63(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S3207)の詳細について説明する。図63(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S3401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図61(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S3402)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S3402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S3403)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S3402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S3104)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S3403によって設定された停止図柄判別フラグからS3402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS3402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図62に戻り、説明を続ける。S3206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S3206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、大当たり関連コマンドがあるか否かを判別し(S3208)、大当たり関連コマンドがあれば(S3208:Yes)、大当たり関連コマンド処理を実行して(S3209)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図64を参照して、大当たり関連コマンド処理(S3209)の詳細について説明する。図64は、大当たり関連コマンド処理(S3209)を示すフローチャートである。この大当たり関連コマンド処理(S3209)は、音声ランプ制御装置114より受信した大当たり関連のコマンド(表示用オープニングコマンド、表示用ラウンド数コマンド、表示用エンディングコマンド)に対応する処理を実行するものである。
大当たり関連コマンド処理では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S3501)、表示用オープニングコマンドがあれば(S3501:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S3502)、S3503の処理へ移行する。
ここで、図65(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S3502)の詳細について説明する。図65(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3601)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S3602)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3603)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3605)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図64に戻り、説明を続ける。S3501の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S3501:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S3503)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S3503:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
ここで、図65(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S3504)の詳細について説明する。図65(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3702)。
そして、S3701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3703)、ポインタ233fを0に初期化する(S3704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3705)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図64の説明に戻る。S3503の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S3503:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S3505)、表示用エンディングコマンドがあれば(S3505:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S3506)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図66を参照して、エンディングコマンド処理(S3506)の詳細について説明する。図66は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3802)。
次いで、S3801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3803)、ポインタ233fを0に初期化する(S3804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3805)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図62の説明に戻る。S3208の処理において、大当たり関連コマンドがないと判別されると(S3208:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S3210)、背面画像変更コマンドがあれば(S3210:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S3211)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図67(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S3211)の詳細について説明する。図67(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(図73参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3901)。そして、背面画像種別(背面A~C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3902)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3901の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3902の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S3104)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A~Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3902によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3902の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図62の説明に戻る。S3210の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S3210:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用融合演出コマンドがあるか否かを判別し(S3212)、表示用融合演出コマンドがあれば(S3212:Yes)、融合演出コマンド処理を実行して(S3213)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図67(b)を参照して、融合演出コマンド処理(S3213)の詳細について説明する。図67(b)は、融合演出コマンド処理(S3213)を示すフローチャートである。この融合演出コマンド処理(S3213)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用融合演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
融合演出コマンド処理(S3213)では、まず、表示用融合演出コマンドに基づいて融合演出表示データテーブルを決定し、その決定した融合演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4002)。
そして、S4001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された融合演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4003)、ポインタ233fを0に初期化する(S4004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4005)、融合演出コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このように、音声ランプ制御装置113より表示用融合演出コマンドを受信すると、融合演出コマンド処理(S3213)が実行され、第3図柄表示装置81に融合演出(図4~図7参照)が表示される。上述したように、本実施形態では、第1特別図柄のみが変動中(第2特別図柄は停止中)の場合には、融合演出として準備中演出(図7(a)参照)を示す表示用融合演出コマンドが、音声ランプ制御装置113より通知される。一方、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれもが変動中となった場合には、融合演出として勝ち融合演出(図4および図5(b)参照)または負け融合演出(図4および図5(a)参照)を示す表示用融合演出コマンドが、音声ランプ制御装置113より通知される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄との変動状態に対応する融合演出を第3図柄表示装置81に表示することができる。
図62に戻り、説明を続ける。S3212の処理において、表示用融合演出コマンドがないと判別されると(S3212:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用V入賞演出コマンドがあるか否かを判別し(S3214)、表示用V入賞演出コマンドがあれば(S3214:Yes)、V入賞演出コマンド処理を実行して(S3215)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図68(a)を参照して、V入賞演出コマンド処理(S3215)の詳細について説明する。図68(a)は、V入賞演出コマンド処理(S3215)を示すフローチャートである。このV入賞演出コマンド処理(S3215)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用V入賞演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
V入賞演出コマンド処理(S3215)では、まず、表示用V入賞演出コマンドに基づいてV入賞演出表示データテーブルを決定し、その決定したV入賞演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4102)。
そして、S4101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたV入賞演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4103)、ポインタ233fを0に初期化する(S4104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4105)、V入賞演出コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このように、音声ランプ制御装置113より表示用V入賞演出コマンドを受信すると、V入賞演出コマンド処理(S3215)が実行され、第3図柄表示装置81にV入賞したことを示すV入賞演出(図示せず)が表示される。これにより、遊技者に対して、V入賞したことを容易に認識させることができる。
図62に戻り、説明を続ける。S3214の処理において、表示用V入賞演出コマンドがないと判別されると(S3214:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S3216)、エラーコマンドがあれば(S3216:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S3217)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図68(b)を参照して、エラーコマンド処理(S3219)の詳細について説明する。図68(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4202に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図62の説明に戻る。S3216の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S3216:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S3218)、S3201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS3201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S3201:Yes)、再びS3202~S3218の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S3201~S3218の処理が繰り返し実行され、S3201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図61(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S3108)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図23に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図63(a)参照)および停止種別コマンド処理(図63(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図63(a)参照)では、S3301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S3302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図69~図71を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S3103)の詳細について説明する。図69は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図69に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S4301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S4301:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S4302~S4304の処理をスキップし、S4305の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S4301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S4302)、S4303~S4304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S4303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S4303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S4303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S4304)。
ここで、図70を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図70は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S4401)。
タスク処理(S3104)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S4401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S4402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図69の説明に戻る。警告画像設定処理(S4304)の後、又は、S4303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S4303:No)、次いで、S4305の処理へ移行する。
S4305では、ポインタ更新処理を実行する(S4305)。ここで、図71を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図71は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S4501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S4501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S4502)。その結果、End情報であれば(S4502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S4503)、デモ用表示データテーブルであれば(S4503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S4505)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S4503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S4503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S4506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S4502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S4502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図69に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S4306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S4306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S4307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S4308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S4308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S4308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S4309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S4309:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S4313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S4314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S4315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S4315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S3104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S4315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S4309の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S4309:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S4316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S4316:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S4319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S4320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S4321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S4316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S4316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図61(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S3109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図23(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図72及び図73を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S3105)の詳細について説明する。まず、図72(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S4601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S4601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S4602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図72(b)を参照して後述する。
一方、S4601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S4603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図73を参照して後述する。
次いで、図72(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S3105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S4602)について説明する。図72(b)は、この常駐画像転送設定処理(S4602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S4701)、転送指示を送信していれば(S4701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S4702)。このS4702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4702:Yes)、S4703の処理へ移行する。また、S4701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S4701:No)、S4703の処理へ移行する。
S4703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S4703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S4703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S4704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S4703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S4705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図61(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図61(b)のS3108参照)および簡易表示設定処理(図61(b)のS3109参照)ではなく、コマンド判定処理(図62~図68参照)および表示設定処理(図69~図71参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図73参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図72(a)のS4601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図73を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S3105)の一処理である通常画像転送設定処理(S4603)について説明する。図73は、この通常画像転送設定処理(S4603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S3103)のポインタ更新処理(S4305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S4801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S4802)、転送データ情報であれば(S4802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S4803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S4804)、S4805の処理へ移行する。
また、S4802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S4802:No)、S4803及びS4804の処理をスキップして、S4805の処理へ移行する。S4805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S4805)、転送指示を設定していれば(S4805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S4806)。
このS4806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4806:Yes)、S4807の処理へ移行する。また、S4805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S4805:No)、S4807の処理へ移行する。
S4807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S4807)、転送開始フラグがオンであれば(S4807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S4808)、S4803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S4813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S4807:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S4809)。
そして、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S4809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S4810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S4811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S4812)、S4813の処理へ移行する。
S4809の処理において、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S4809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S4815の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S4813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S4813)。このS4813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S4813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S4813:No)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S4813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S4813:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S4814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S4815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図74を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S3106)の詳細について説明する。図74は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S3104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S3105)により設定された転送指示から、図27に示す描画リストを生成する(S4901)。即ち、S4901の処理では、タスク処理(S3104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S3105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4902の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S4903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図61(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
なお、本実施形態では、V入賞スイッチ65e3に入賞した場合には、その小当たりDが終了後に大当たり遊技が付与される構成としたが、それに限らず、大当たりの確率が通常確率(1/399)よりも高く設定される高確率状態(確変:例えば、1/39)が小当たりDの終了後から次の大当たりまたは所定の回数、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動するまでの期間まで設定するように構成してもよい。即ち、V入賞スイッチ65e3が確変を付与するスイッチとしてもよい。
<第2実施形態>
次いで、図75~図78を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第2実施形態におけるパチンコ機10では、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合にも融合演出が表示されるように構成している。その大当たりに基づく融合演出ではSP演出(図75(b)参照)と呼ばれる、所謂、カットイン演出が表示されるように構成している。これにより、遊技者は融合演出の表示中にSP演出が表示されることを期待して遊技を行うので、遊技者の興趣を向上できる。
本第2実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合に実行される融合演出においても、上述したSP演出を表示するように構成している。抽選結果が小当たりであるにも関わらずSP演出が表示される場合には、そのSP演出の終了時(即ち、小当たり遊技の終了時)に、その後に移行する状態を示唆する演出(揺れ演出)が表示される。これにより、SP演出が表示されたにも関わらず、大当たりとならなかった場合であっても、その後に移行される状態を判別することが容易となるという特典を遊技者に対して付与することができるので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制(防止)できる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第3図柄表示制御装置81に表示される演出態様が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられた当たり変動パターン選択テーブル202fの構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられた勝ち融合演出選択テーブルの構成が一部変更になっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図75を参照して、本第2実施形態において第3図柄表示装置81に表示される融合演出の演出例について説明する。図75(a)~(c)は、融合演出の演出例を部分的に示した連続図である。
本実施形態では、第2特別図柄の大当たり又は小当たりに当選する場合に、各種勝ち融合演出(勝ち融合演出A,B,C)が表示され、第1特別図柄の大当たり又は小当たりに当選する場合に各種負け融合演出(負け融合演出A,B,C,D,E,F)が表示されるように構成されている(図76(b)、(c)参照)。
大当たりに当選する場合に表示される勝ち融合演出A、または、負け融合演出Aでは、上述した第1実施形態と同様に、ウサギとカメとの競争に模した演出が開始される(図75(a)参照)。そして、ウサギとカメとの競争が開始されてから所定時間経過後(本実施形態では2秒後)に、画面中央部に「SPチャンス!」の文字が表示されるSP演出(所謂、カットイン演出)が表示される(図75(b)参照)。その後、大当たりを示す停止図柄(例えば、「777」など)が表示される(図示せず)。これにより、遊技者に対して、大当たりに当選したことを報知することができる。また、遊技者は融合演出の表示中にSP演出が表示されることを期待して遊技を行うので、遊技者の興趣を向上できる。
各種小当たりに当選する場合に表示される融合演出では、上述したSP演出が表示されるSP演出有りの各種融合演出(勝ち融合演出B、負け融合演出B,C,D,E)と、SP演出無しの各種融合演出(勝ち融合演出C、負け融合演出F)とが用意されている(図76(b)参照)。
SP演出有りの各種融合演出では、上述した勝ち融合演出Aまたは負け融合演出Aと同様に、融合演出の開始から所定時間経過後(2秒後)に、SP演出が表示される(図75(b)参照)。その後、小当たりを示す停止図柄(例えば、「341」など)が表示される(図75(c)参照)。この小当たりを示す停止図柄は所定回数(本実施形態では、2回から8回)上下に揺れてから完全な停止表示(静止状態)となる。停止図柄が揺れる回数は、各種融合演出(勝ち融合演出B、負け融合演出B,C,D,E)に対応して定められており、詳細については、図76(b)を参照して後述する。これにより、遊技者は停止図柄が揺れる回数から当選した小当たり種別を予測することが可能となる(即ち、設定される遊技状態を予測することが可能となる)ので、停止図柄が揺れる回数に注目させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
一方、SP演出無の融合演出(勝ち融合演出C、負け融合演出F)では、上述した第1実施形態と同様の勝ち融合演出、または、負け融合演出が実行される。
このように、本実施形態では、融合演出においてSP演出が表示された後に、小当たりを示す停止図柄で停止表示される場合がある。この場合には、停止図柄が揺れる演出を実行し、設定される遊技状態を予測可能になるとの特典を付与するようにしている。これにより、融合演出においてSP演出が表示されたにも関わらず、その後、小当たりとなってしまう(大当たりとならない)場合であっても、遊技者が遊技への参加意欲を損なってしまうことを防止(抑制)できる。
<第2実施形態における電気的構成>
次に、図76を参照して、本第2実施形態における電気的構成について説明する。図76(a)は、第2実施形態における主制御装置110のROM202に設けられた当たり変動パターン選択テーブル202fの内容を模式的に示した模式図である。その他のROM202の構成は、上述した第1実施形態と同一であるため、その図示と説明とを省略する。
図76(a)に示す通り、本実施形態の当たり変動パターン選択テーブル202fでは、第1特別図柄の変動パターンとして、特図1大当たり変動パターンC(変動時間4秒)が設定されている。そして、特図1大当たり変動パターンCに対して、変動種別カウンタCS1の判定値として「0~198」が設定されている。よって、第1特別図柄が大当たりとなる場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特図1大当たり変動パターンC(変動時間4秒)が選択される。これにより、上述した大当たりに当選した場合に表示される融合演出(負け融合演出A)の演出時間を確保することができる。
一方、第2特別図柄の変動パターンとしては、特図2大当たり変動パターンE(変動時間4秒)が設定されている。そして、第2大当たり変動パターンEに対して、変動種別カウンタCS1の判定値として「0~198」が設定されている。よって、第1特別図柄と同様に、第2特別図柄が大当たりとなる場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特図2大当たり変動パターン(変動時間4秒)が選択される。これにより、上述した大当たりに当選した場合に表示される勝ち融合演出(勝ち融合演出A)の演出時間を確保することができる。
図76(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置110のROM222に設けられた勝ち融合演出選択テーブル222b1の内容を模式的に示した模式図であり、図76(c)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置110のROM222に設けられた負け融合演出選択テーブル222b2の内容を模式的に示した模式図である。その他のROM222の構成については、上述した第1実施形態と同一であるため、その図示と説明とを省略する。
まず、図76(b)を参照して、勝ち融合演出選択テーブル222b1の内容について説明する。勝ち融合演出選択テーブル222b1には、第2特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合の融合演出種別として、勝ち融合演出Aが設けられている。そして、勝ち融合演出Aに対して、演出カウンタ223gの判定値として「0~198」が設定されている。よって、第2特別図柄の当否判定結果が大当たりとなる場合には、演出カウンタ223gの値に関わらず、第2特別図柄の勝ち融合演出Aが選択される。
一方、第2特別図柄の当否判定結果が小当たりD(外れ)である場合の融合演出種別としては、勝ち融合演出Bと勝ち融合演出Cとが設けられている。そして、勝ち融合演出Bに対して、演出カウンタ223gの判定値として「0~99」が設定されており、勝ち融合演出Cに対して、演出カウンタ223gの判定値として「100~198」が設定されている。よって、第2特別図柄の当否判定結果が小当たりD(外れ)となる場合には、100/199の確率でSP演出有りの勝ち融合演出Bが選択され、99/199の確率でSP演出無しの勝ち融合演出Cが選択される。
次に、図76(c)を参照して、負け融合演出選択テーブル222b2の内容について説明する。負け融合演出選択テーブル222b2には、第1特別図柄の当否判定結果が大当たりである場合の融合演出種別として、負け融合演出Aが選択されている。そして、負け融合演出Aに対して、演出カウンタ223gの判定値として「0~198」が設定されている。よって、第1特別図柄の当否判定結果が大当たりとなる場合には、演出カウンタ223gの値に関わらず、負け融合演出Aが選択される。
一方、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりA(外れ)である場合の融合演出種別としては、負け融合演出B,C,Fが設けられている。そして、負け融合演出Bに対して、演出カウンタ223gの判定値として「0~19」が設定されており、負け融合演出Cに対して、演出カウンタ223gの判定値として「20~49」が設定されており、負け融合演出Fに対して、演出カウンタ223gの判定値として「50~198」が設定されている。よって、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりA(外れ)となる場合には、20/199の確率でSP演出有りの負け融合演出B(揺れ回数2回)が選択され、30/199の確率でSP演出有りの負け融合演出C(揺れ回数4回)が選択され、149/199の確率でSP演出無しの負け融合演出Fが選択される。
また、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりB(外れ)である場合の融合演出種別としては、負け融合演出C,D,Fが設けられている。そして、負け融合演出Cに対して、演出カウンタ223gの判定値として「0~49」が設定されており、負け融合演出Dに対して、演出カウンタ223gの判定値として「50~99」が設定されており、負け融合演出Fに対して、演出カウンタ223gの判定値として「100~198」が設定されている。よって、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりB(外れ)となる場合には、50/199の確率でSP演出有りの負け融合演出C(揺れ回数4回)が選択され、50/199の確率でSP演出有りの負け融合演出D(揺れ回数6回)が選択され、99/199の確率でSP演出無しの負け融合演出Fが選択される。
さらに、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりC(外れ)である場合の融合演出種別としては、負け融合演出D,E,Fが設けられている。そして、負け融合演出Dに対して、演出カウンタ223gの判定値として「0~74」が設定されており、負け融合演出Eに対して、演出カウンタ223gの判定値として「75~149」が設定されており、負け融合演出Fに対して、演出カウンタ223gの判定値として「150~198」が設定されている。よって、第1特別図柄の当否判定結果が小当たりC(外れ)となる場合には、75/199の確率でSP演出有りの負け融合演出D(揺れ回数6回)が選択され、75/199の確率でSP演出有りの負け融合演出E(揺れ回数8回)が選択され、49/199の確率でSP演出無しの負け融合演出Fが選択される。
このように、本実施形態では、SP演出が表示された後に、小当たりを示す図柄が停止表示される場合には、その小当たり種別に対応して、停止図柄が完全に停止表示される(静止する)までに揺れる回数が設定されている。これにより、小当たりを示す図柄が完全に停止表示される(静止する)までに揺れる回数に基づいて、小当たり種別を予測できる(即ち、設定される遊技状態を予測できる)ので、小当たりを示す図柄の停止表示に注目させることができ、遊技者の興趣を向上できる。なお、上述した各SP演出の選択比率は任意に定めてよい。
なお、本実施形態では、当選した小当たり種別に応じて、小当たりを示す図柄が完全に停止されるまでに、その図柄を揺らす回数を可変するように構成したが、これに限られるものではない。具体的には、当選した小当たり種別に応じて、特定のキャラクタ画像(例えば、男の子の画像)を表示するようにしても当然よい。
本実施形態では、全ての小当たり種別(または大当たり)に対応する融合演出において、SP演出が表示される可能性があるように構成したが、これに限られるものではない。具体的には、特定の小当たり種別(例えば、遊技状態が遊技者にとって有利な状態に切り替えられる小当たり)に対応する融合演出においてのみ、SP演出が表示されるように構成してもよい。これにより、特定の小当たり種別に当選した(即ち、遊技者にとって有利な遊技状態となった)ことを、遊技者に対して報知することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図77および図78のフローチャートを参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図77のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図1変動開始処理2について説明する。この第2実施形態における特図1変動開始処理2(S2202)は、第1実施形態における特図1変動開始処理(図54参照)と同様に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される処理である。なお、第1実施形態における特図1変動開始処理(図54参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
この第2実施形態における特図1変動開始処理2では、第1実施形態と同様にS2301~S2303の処理を実行する。そして、S2304の処理を実行せずにS2305の処理へ移行する。即ち、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかに関わらず、S2305の処理へ移行する。これにより、第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合にも、融合演出を表示することができる。
S2305以降の処理(S2305~S2310の処理)は、第1実施形態と同様に実行し、本処理を終了する。
次に、図78のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2変動開始処理2について説明する。この第2実施形態における特図2変動開始処理2は、第1実施形態における特図2変動開始処理(図55参照)と同様に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される処理である。なお、第1実施形態における特図2変動開始処理(図55参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
この第2実施形態における特図2変動開始処理2では、第1実施形態と同様にS2401~S2403の処理を実行する。そして、S2404の処理を実行せずにS2405の処理へ移行する。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかに関わらず、S2405の処理へ移行する。これにより、第2特別図柄の抽選結果が大当たりである場合にも、融合演出を表示することができる。
S2405以降の処理(S2405~S2410の処理)は、第1実施形態と同様に実行し、本処理を終了する。
なお、S2408の処理では、図76(c)に示す負け融合演出選択テーブル222b2を用いて、負け融合演出を選択する点で相違する。また、S2410の処理では、図76(b)に示す勝ち融合演出選択テーブル222b1を用いて、勝ち融合演出を選択する点で相違する。これにより、融合演出において、SP演出を表示し、その後、小当たりの停止図柄を揺らす演出を表示することができる。
以上説明した通り、本第2実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合にも融合演出が表示され、その融合演出ではSP演出(図75(b)参照)と呼ばれる、所謂、カットイン演出が表示されるように構成している。これにより、遊技者は融合演出の表示中にSP演出が表示されることを期待して遊技を行うので、遊技者の興趣を向上できる。
本第2実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合に実行される融合演出においても、上述したSP演出を表示するように構成している。抽選結果が小当たりであるにも関わらずSP演出が表示される場合には、そのSP演出の終了時(即ち、小当たり遊技の終了時)に、その後に移行する状態を示唆する演出(揺れ演出)が表示される。これにより、SP演出が表示されたにも関わらず、大当たりとならなかった場合であっても、その後に移行される状態を判別することが容易となるという特典を遊技者に対して付与することができるので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制(防止)できる。
なお、本実施形態では、全ての小当たり種別(または大当たり)に対応する融合演出において、SP演出が表示される可能性があるように構成したが、これに限られるものではない。具体的には、特定の小当たり種別(例えば、遊技状態が遊技者にとって有利な状態に切り替えられる小当たり)に対応する融合演出においてのみ、SP演出が表示されるように構成してもよい。これにより、特定の小当たり種別に当選した(即ち、遊技者にとって有利な遊技状態となった)ことを、遊技者に対して報知することができる。
本実施形態では、当選した小当たり種別に応じて、小当たりを示す図柄が完全に停止されるまでに、その図柄を揺らす回数を可変するように構成したが、これに限られるものではない。具体的には、当選した小当たり種別に応じて、特定の画像(例えば、男の子の画像)を表示するようにしても当然よい。
本実施形態では、SP演出としてカットイン演出を表示するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、カットイン演出を表示することに代えて、背面画像を変更するようにしてもよいし、演出の表示態様を変更するようにしてもよいし、特定の画像(例えば、男の子の画像)を表示するようにしてもよいし、報知音を出力するようにしても当然よい。
なお、本実施形態では、V入賞スイッチ65e3に入賞した場合には、その小当たりDが終了後に大当たり遊技が付与される構成としたが、それに限らず、大当たりの確率が通常確率(1/399)よりも高く設定される高確率状態(確変:例えば、1/39)が小当たりDの終了後から次の大当たりまたは所定の回数、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動するまでの期間まで設定するように構成してもよい。即ち、V入賞スイッチ65e3が確変を付与するスイッチとしてもよい。
<第3実施形態>
次いで、図79~図90を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第3実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルは、第1特別図柄の抽選回数に応じて変更される。また、第2特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルは、第2特別図柄の抽選回数に応じて変更される。これにより、各特別図柄の抽選回数に応じて第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを選択するために設定されている変動パターン選択テーブルが変更されていく、即ち、遊技時間の経過に応じて遊技状態が変化していくので、遊技に変化を持たせることができ、遊技者の興趣を向上できる。
本第3実施形態では、第1特別図柄の抽選回数のカウント(計数)は、大当たりまたは特定の小当たり(本実施形態では、小当たりE)となった場合にリセットされる。また、第2特別図柄の抽選回数のカウント(計数)は、大当たりまたは特定の小当たり(本実施形態では、小当たりG)となった場合にリセットされる。これにより、第1特別図柄の抽選回数と第2特別図柄の抽選回数とがリセット(0に初期化)されるタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技時間の経過に応じて遊技状態が変化していくことに加えて、各特別図柄の抽選結果に応じて遊技状態を変化させることができる。したがって、さらに遊技に変化を持たせることができ、遊技者の興趣を向上できる。
本第3実施形態では、各特別図柄の変動パターンを選択するために設定されている変動パターン選択テーブルに基づいて、背面画像を設定(表示)するように構成している。この背面画像により、現在の遊技状態が、第2特別図柄よりも第1特別図柄の変動が先に停止され易い遊技状態(即ち、遊技者に不利な遊技状態)であるか、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動が先に停止され易い状態(即ち、遊技者に有利な状態)であるかを予測することが可能となる。これにより、遊技者に対して、背面画像の設定(表示)に興味を抱かせることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第3図柄表示制御装置81に表示される演出態様が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられた小当たり種別選択テーブル202dの構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図79を参照して、第3実施形態における第3図柄表示装置81に表示される演出態様について説明する。図79は、第3実施形態において、第3図柄表示装置に表示される演出の表示態様を示した図である。
本実施形態では、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定されている変動パターンとに基づいて、背面画像が設定されるように構成されている。この背面画像により、現在の遊技状態が、第2特別図柄よりも第1特別図柄の変動が先に停止され易い遊技状態(即ち、遊技者に不利な遊技状態)であるか、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動が先に停止され易い状態(即ち、遊技者に有利な状態)であるかを予測することが可能となる。
例えば、第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の短い短変動テーブルが設定されており、第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の長い長変動テーブルが設定されている場合には、期待度が1(最低)であることを示す「街」の背面画像が表示される(図82(b)参照)。一方、第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の長い長変動テーブルが設定されており、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の短い短変動テーブルが設定されている場合には、期待度が5(最高)であることを示す「魚群」の背面画像が表示される(図82(b)参照)。詳細については、図82(b)を参照して後述する。
図79(a)は、背面画像として「山」の背面画像が設定されている場合に、第3図柄表示装置81に表示される融合演出を示した模式図である。この場合には、上述した第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81の画面左下の表示領域Ds1に第1特別図柄の変動表示が表示され、画面右下の表示領域Ds2に第2特別図柄の変動表示が表示される。そして、画面中央部にはウサギとカメとの競争に模した演出(融合演出)が表示され、その背面画像として「山」の背面画像が表示される。
同様に、図79(b)は、背面画像として「砂浜」の背面画像が設定されている場合に、第3図柄表示装置81に表示される融合演出を示した模式図であり、図79(c)は、背面画像として「海底」の背面画像が設定されている場合に、第3図柄表示装置81に表示される融合演出を示した模式図である。
詳細は図82(b)を参照して後述するが、各背面画像は、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルとの組み合わせによって設定される。具体的には、第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の長い変動テーブルが設定されている場合には、選択される背面画像が期待度の高い背面画像となる。また、第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の短い変動テーブルが設定されている場合には、選択される背面画像が期待度の高い背面画像となる。即ち、第1特別図柄の変動表示よりも、第2特別図柄の変動表示の方が先に停止される可能性が高い場合に、期待度の高い背面画像が選択されるように構成されている。
これにより、遊技者は期待度の高い背面画像が表示されることを期待して遊技を行うため、遊技者の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定されている変動パターンとに基づいて、背面画像が設定されるように構成したが、これに限られるものではない。背面画像の設定変更に代えて、例えば、キャラクタ図柄を表示させるように構成してもよいし、演出態様を変更するように構成してもよいし、報知音を出力するように構成してもよい。
<第3実施形態における電気的構成>
次に、図80(a)を参照して、第3実施形態における主制御装置110に設けられたROM202について説明する。図80(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成(図13参照)に対して、小当たり種別選択テーブル202dの内容が一部変更され、変動テーブル設定情報記憶エリア202jが追加されている。小当たり種別選択テーブル202dの詳細については、図80(c)を参照して後述する。
変動テーブル設定情報記憶エリア202jは、抽選回数と設定する変動パターン選択テーブルとの関係を規定した情報が記憶されるエリアである。この変動テーブル設定情報記憶エリア202jの情報に基づいて、各特別図柄用の変動パターン選択テーブルが設定される。
この変動テーブル設定情報記憶エリア202jは、第1特別図柄変動開始処理3(図83参照)において、変動パターンテーブルの設定変更タイミングであるかを判別する際に参照され(図83のS352参照)、特図1抽選回数カウンタ203nの値に基づいて第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルを設定する際に参照される(図83のS353参照)。また、第2特別図柄変動開始処理3(図86参照)においても同様に、変動パターンテーブルの設定変更タイミングであるかを判別する際に参照され(図86のS752参照)、特図2抽選回数カウンタ203pの値に基づいて第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルを設定する際に参照される(図86のS753参照)。
ここで、図81を参照して、変動テーブル設定情報記憶エリア202jの詳細について説明する。変動テーブル設定情報記憶エリア202jは図81(a)に示すように、特図1テーブル設定情報記憶エリア202j1と特図2テーブル設定情報記憶エリア202j2を有する。特図1テーブル設定情報記憶エリア202j1は、特図1抽選回数カウンタ203nの値に基づいて、第1特別図柄用に設定される変動パターン選択テーブルが規定された記憶エリアである。特図2テーブル設定情報記憶エリア202j2は、特図2抽選回数カウンタ203pの値に基づいて、第2特別図柄用に設定される変動パターン選択テーブルが規定された記憶エリアである。
まず、図81(b)を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201に設けられた特図1テーブル設定情報記憶エリア202j1について説明する。
特図1テーブル設定情報記憶エリア202j1には、特図1抽選回数カウンタ203nの値に対応する変動パターン選択テーブルとして、第1短変動テーブル(変動時間の短い変動パターンが選択され易い)と、第1中変動テーブル(第1短変動テーブルに比べて変動時間の長い変動パターンが選択され易い)と、第1長変動テーブル(第1中変動テーブルに比べて変動時間の長い変動パターンが選択され易い)とが用意されている。この第1短変動テーブル、第1中変動テーブル、第1長変動テーブルの詳細については、図81(d)を参照して後述する。
特図1テーブル設定情報記憶エリア202j1には、特図1抽選回数カウンタ203nの値「0~7」に対して第1短変動テーブルが設定され、特図1抽選回数カウンタ203nの値「8~18」に対して第1中変動テーブルが設定され、特図1抽選回数カウンタ203nの値「19~48」に対して第1長変動テーブルが設定され、特図1抽選回数カウンタ203nの値「49~98」に対して第1中変動テーブルが設定され、特図1抽選回数カウンタ203nの値「99~」に対して第1長変動テーブルが設定されている。
次に、図81(c)を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201に設けられた特図2テーブル設定情報記憶エリア202j2について説明する。
特図2テーブル設定情報記憶エリア202j2には、特図2抽選回数カウンタ203pの値に対応する変動パターン選択テーブルとして、第2長変動テーブル(変動時間の長い変動パターンが選択され易い)と、第2中変動テーブル(第2長変動テーブルに比べて変動時間の短い変動パターンが選択され易い)と、第2短変動テーブル(第2中変動テーブルに比べて変動時間の短い変動パターンが選択され易い)とが用意されている。この第2長変動テーブル、第2中変動テーブル、第2短変動テーブルの詳細については、図81(e)を参照して後述する。
特図2テーブル設定情報記憶エリア202j2には、特図2抽選回数カウンタ203pの値「0~7」に対して第2長変動テーブルが設定され、特図2抽選回数カウンタ203pの値「8~18」に対して第2中変動テーブルが設定され、特図2抽選回数カウンタ203pの値「19~48」に対して第2短変動テーブルが設定され、特図2抽選回数カウンタ203pの値「49~98」に対して第2中変動テーブルが設定され、特図2抽選回数カウンタ203pの値「99~」に対して第2短変動テーブルが設定されている。
次に、図81(d)を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201に設けられた特図1変動パターン選択テーブル202fについて説明する。特図1変動パターン選択テーブル202fには、第1短変動テーブル、第1中変動テーブル、第1長変動テーブルが規定されている。
第1短変動テーブルは、変動時間の短い特図1変動パターンA(変動時間5秒)が選択され易い変動パターンテーブルである。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0~149」に対して特図1変動パターンA(変動時間5秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「150~197」に対して特図1変動パターンC(変動時間10秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「198」に対して特図1変動パターンE(変動時間20秒)が設定されている。即ち、第1短変動テーブルが設定されている場合には、特図1変動パターンA(変動時間5秒)が150/199の確率で選択され、特図1変動パターンC(変動時間10秒)が48/199の確率で選択され、特図1変動パターンE(変動時間20秒)が1/199の確率で選択される。
第1中変動パターンは、第1短変動テーブルに比べて、変動時間の長い特図1変動パターンC(変動時間10秒)および特図1変動パターンE(変動時間20秒)が選択され易い変動パターンテーブルである。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0~99」に対して特図1変動パターンA(変動時間5秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「100~195」に対して特図1変動パターンC(変動時間10秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「196~198」に対して特図1変動パターンE(変動時間20秒)が設定されている。即ち、第1中変動テーブルが設定されている場合には、特図1変動パターンA(変動時間5秒)が100/199の確率で選択され、特図1変動パターンC(変動時間10秒)が96/199の確率で選択され、特図1変動パターンE(変動時間20秒)が3/199の確率で選択される。
第1長変動パターンは、第1中変動テーブルに比べて、変動時間の長い特図1変動パターンC(変動時間10秒)および特図1変動パターンE(変動時間20秒)が選択され易い変動パターンテーブルである。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0~49」に対して特図1変動パターンA(変動時間5秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「50~189」に対して特図1変動パターンC(変動時間10秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「190~198」に対して特図1変動パターンE(変動時間20秒)が設定されている。即ち、第1長変動テーブルが設定されている場合には、特図1変動パターンA(変動時間5秒)が50/199の確率で選択され、特図1変動パターンC(変動時間10秒)が140/199の確率で選択され、特図1変動パターンE(変動時間20秒)が9/199の確率で選択される。
次に、図81(e)を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201に設けられた特図2変動パターン選択テーブル202fについて説明する。特図2変動パターン選択テーブル202fには、第2長変動テーブル、第1中変動テーブル、第1短変動テーブルが規定されている。
第2長変動テーブルは、変動時間の長い特図2変動パターンE(変動時間19秒)が選択され易い変動パターンテーブルである。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0」に対して特図2変動パターンA(変動時間4秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「1~49」に対して特図2変動パターンC(変動時間9秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「50~198」に対して特図2変動パターンE(変動時間19秒)が設定されている。即ち、第2長変動テーブルが設定されている場合には、特図2変動パターンA(変動時間4秒)が1/199の確率で選択され、特図2変動パターンC(変動時間9秒)が50/199の確率で選択され、特図2変動パターンE(変動時間19秒)が149/199の確率で選択される。
第2中変動テーブルは、第2中変動テーブルに比べて、変動時間の短い特図2変動パターンC(変動時間9秒)および特図2変動パターンA(変動時間4秒)が選択され易い変動パターンテーブルである。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0~3」に対して特図2変動パターンA(変動時間4秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「4~99」に対して特図2変動パターンC(変動時間9秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「100~198」に対して特図2変動パターンE(変動時間19秒)が設定されている。即ち、第2中変動テーブルが設定されている場合には、特図2変動パターンA(変動時間4秒)が4/199の確率で選択され、特図2変動パターンC(変動時間9秒)が96/199の確率で選択され、特図2変動パターンE(変動時間19秒)が99/199の確率で選択される。
第2短変動テーブルは、第2短変動テーブルに比べて、変動時間の短い特図2変動パターンC(変動時間9秒)および特図2変動パターンA(変動時間4秒)が選択され易い変動パターンテーブルである。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0~9」に対して特図2変動パターンA(変動時間4秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「10~149」に対して特図2変動パターンC(変動時間9秒)が設定され、変動種別カウンタCS1の値「150~198」に対して特図2変動パターンE(変動時間19秒)が設定されている。即ち、第2短変動テーブルが設定されている場合には、特図2変動パターンA(変動時間4秒)が10/199の確率で選択され、特図2変動パターンC(変動時間9秒)が140/199の確率で選択され、特図2変動パターンE(変動時間19秒)が49/199の確率で選択される。
図80に戻り、説明を続ける。図80(b)は、第3実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図80(b)に示した通り、本実施形態のRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図19参照)に加えて、特図1抽選回数カウンタ203nと、特図2抽選回数カウンタ203pが追加されている。
特図1抽選回数カウンタ203nは、第1特別図柄に基づく抽選の抽選回数をカウント(計数)するためのカウンタである。この特図1抽選回数カウンタ203nは、第1特別図柄変動開始処理3(図83参照)において、第1特別図柄に基づく抽選が実行された場合に1加算され(図83のS351参照)、第1特別図柄変動停止処理3(図84参照)において、大当たりとなる停止処理が実行された場合に0に初期化される(図84のS651参照)。また、特図1小当たり停止処理3(図85参照)において、特定の小当たり(小当たりE)となる停止処理が実行された場合にも0に初期化される(図85のS662参照)。
特図2抽選回数カウンタ203pは、第2特別図柄に基づく抽選の抽選回数をカウント(計数)するためのカウンタである。この特図2抽選回数カウンタ203pは、第2特別図柄変動開始処理3(図86参照)において、第2特別図柄に基づく抽選が実行された場合に1加算され(図86のS751参照)、第1特別図柄変動停止処理3(図87参照)において、大当たりとなる停止処理が実行された場合に0に初期化される(図87のS951参照)。また、特図2小当たり停止処理3(図88参照)において、特定の小当たり(小当たりG)となる停止処理が実行された場合にも0に初期化される(図88のS962参照)。
次に、図80(c)を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201に設けられた小当たり種別選択テーブル202dについて説明する。この小当たり種別選択テーブル202dは、小当たり種別選択カウンタの値に基づいて、小当たり種別、V通過の有無、そして、小当たり後に各抽選回数カウンタ(特図1抽選回数カウンタ203n、特図2抽選回数カウンタ203p)のリセット有無を選択するために用いられるテーブルである。
小当たり種別選択テーブル202dでは、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ専用の小当たり種別が設定されている。第1特別図柄では、小当たりE、小当たりFの2種類が設定されており、第2特別図柄では小当たりG、小当たりHの2種類が設定されている。小当たりEでは、小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「0~3」が設定されており、小当たりFは、小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「4~198」が設定されている。一方、第2特別図柄では、小当たりGに対して小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「0~98」が設定されており、小当たりHに対して小当たり種別選択カウンタC4の判定値として「99~198」が設定されている。
本実施形態では、小当たりEが実行されることで、特図1抽選回数カウンタ203nの値が0に初期化され、第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルが切り替えられるように構成されている。また、小当たりGが実行されることで、特図2抽選回数カウンタ203pの値が0に初期化され、第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルが切り替えられるように構成されている。具体的には、図80(c)に示すように、第1特別図柄の小当たりEは「リセット有り」が設定されており、第1特別図柄の小当たりFは「リセット無し」が設定されている。また、第2特別図柄の小当たりGは「リセット有り」が設定されており、第2特別図柄の小当たりHは「リセット無し」が設定されている。
なお、第1実施形態と同様に、第1特別図柄の小当たり(小当たりE、F)はV通過が困難(または不可能)な小当たり種別となっており、第2特別図柄の小当たり(小当たりG、H)はV通過が容易(または可能)な小当たり種別となっている。
ここで、本実施形態では、第1特別図柄の抽選回数(即ち、特図1抽選回数カウンタ203nの値)に応じて変動パターン選択テーブルが切り替えられるように構成され、第2特別図柄の抽選回数(即ち、特図2抽選回数カウンタ203pの値)に応じて変動パターン選択テーブルが切り替えられるように構成されている。これにより、第1特別図柄用に設定される変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定される変動パターン選択テーブルとの組み合わせにより、遊技者に対して有利な状態(例えば、第1特別図柄の変動パターン選択テーブルが変動時間の長いテーブルの場合)と、不利な状態(例えば、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルが変動時間の長いテーブルの場合)とを設定することができる。
これに加え、本実施形態では、第1特別図柄の抽選回数と第2特別図柄の抽選回数とがリセット(0に初期化)されるタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技時間の経過に応じて遊技状態が変化していくことに加えて、各特別図柄の抽選結果に応じて遊技状態を変化させることができる。したがって、さらに遊技に変化を持たせることができ、遊技者の興趣を向上できる。
次に、図82(a)を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222について説明する。図82(a)に示した通り、本実施形態のROM222は、第1実施形態におけるROM222の構成(図20(a)参照)に対して、背面画像選択テーブル222cが追加されている点で相違する。
ここで、図82(c)を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられた背面画像選択テーブル222cについて説明する。この背面画像選択テーブル222cは、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルとに基づいて、設定される背面画像が規定されたテーブルである。
具体的に、まず、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルが第1短変動テーブルの場合について説明する。この場合、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルが、第2長変動テーブルであれば、期待度が「1」(最低)である「街」の背面画像が選択される。第2中変動テーブルであれば、期待度が「2」である「山」の背面画像が選択される。第2短変動テーブルであれば、期待度が「3」である「砂浜」の背面画像が選択される。
次に、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルが第1中変動テーブルの場合について説明する。この場合、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルが、第2長変動テーブルであれば、期待度が「2」である「山」の背面画像が選択される。第2中変動テーブルであれば、期待度が「3」である「砂浜」の背面画像が選択される。第2短変動テーブルであれば、期待度が「4」である「海底」の背面画像が選択される。
次に、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルが第1短変動テーブルの場合について説明する。この場合、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルが、第2長変動テーブルであれば、期待度が「3」である「砂浜」の背面画像が選択される。第2中変動テーブルであれば、期待度が「4」である「海底」の背面画像が選択される。第2短変動テーブルであれば、期待度が「5」(最高)である「魚群」の背面画像が選択される。
このように、第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の長い変動テーブルが設定されている場合には、期待度の高い背面画像が選択され易くなる。また、第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、変動時間の短い変動テーブルが設定されている場合には、期待度の高い背面画像が選択され易くなる。即ち、第1特別図柄の変動表示よりも、第2特別図柄の変動表示の方が先に停止される可能性が高い場合に、期待度の高い背面画像が選択され易く構成されている。これにより、遊技者は期待度の高い背面画像が表示されることを期待して遊技を行うため、遊技者の興趣を向上できる。
次に、図82(c)を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223について説明する。図82(c)に示した通り、本実施形態のRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図20(c)参照)に対して、背面画像情報格納エリア223mが追加されている点で相違する。
背面画像情報格納エリア223mは、現在設定されている背面画像の種別を格納するための領域である。この背面画像情報格納エリア223mは、背面画像変更処理(図90参照)において、現在の背面画像を判別するために参照され(図90のS5004参照)、当該処理において選択された背面画像に基づいて更新される(図90のS5006参照)領域である。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図83~図88のフローチャートを参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図83のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理3(S203)について説明する。この第3実施形態における第1特別図柄変動開始処理3(S203)は、第1特別図柄の抽選を行い、その抽選結果に基づく変動パターンを選択する。そして、第1特別図柄の抽選回数をカウント(計数)し、そのカウント(計数)した抽選回数に応じて、第1特別図柄の変動パターン選択テーブルの設定を変更する処理である。
この第3実施形態における第1特別図柄変動開始処理3(S203)では、上述した第1実施形態と同様にS301~S304の処理を実行する。この同一部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。S304の処理を終えると、第1実施形態のS305以降の処理に代えて、S351からS353の処理を実行する。
具体的には、特図1抽選回数カウンタ203nの値に1を加算し(S351)、次いで、変動パターンテーブルの設定変更タイミングであるかを判別する(S352)。S352の処理において、変動パターンテーブルの設定変更タイミングでないと判別された場合は(S352:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S352の処理において、変動パターンテーブルの設定変更タイミングであると判別された場合は(S352:Yes)、特図1抽選回数カウンタ203nの値と、特図1テーブル設定情報記憶エリア202j1とに基づいて、小当たり変動パターン選択を設定し(S353)、その後、本処理を終了する。
次に、図84のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動停止処理3(S204)について説明する。この第3実施形態における第1特別図柄変動停止処理3(S204)は、第1実施形態における第1特別図柄変動停止処理(S204、図33参照)と同様に、第1特別図柄の変動を停止させるための処理を行い、大当たりまたは特定の小当たり(小当たりE)となる変動停止を行う際に特図1抽選回数カウンタ203nの値を0に初期化するための処理である。
この第3実施形態における第1特別図柄変動停止処理3(S204)では、上述した第1実施形態と同様に、S601~S607,S608およびS609の処理を実行する。第1実施形態と相違する点は、S607の処理を終えた後にS651の処理を実行する点と、S610の特図1小当たり停止処理に代えて特図1小当たり停止処理3を実行する点である。同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第1特別図柄変動停止処理3(S204)では、S607の処理を実行後、特図1抽選回数カウンタ203nの値を0に初期化し(S651)、本処理を終了する。これにより、第1特別図柄において大当たりとなる変動停止が実行された場合に、特図1抽選回数カウンタ203nの値を0に初期化することができる。
また、S602の処理において、特図1に対して大当たりフラグがオンでないと判別された場合、即ち、第1特別図柄の抽選結果が小当たりである場合は、特図1小当たり停止処理3(S610)を実行し、本処理を終了する。詳細は図85を参照して後述するが、この特図1小当たり停止処理3(S610)では、第1特別図柄の抽選結果が特定の小当たり(小当たりE)の場合に、特図1抽選回数カウンタ203nの値が0に初期化される。これにより、第1特別図柄において特定の小当たり(小当たりE)となる変動停止が実行される場合に、特図1抽選回数カウンタ203nの値を0に初期化することができる。
次に、図85のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図1小当たり停止処理3(S610)について説明する。この第3実施形態における特図1小当たり停止処理3(S610)は、第1実施形態における特図1小当たり停止処理(S610、図35参照)と同様に、第1特別図柄において小当たりとなる変動停止処理を実行し、特定の小当たり(小当たりE)となる変動停止を実行した場合に特図1抽選回数カウンタ203nの値を0に初期化するための処理である。
この第3実施形態における特図1小当たり停止処理3(S610)では、上述した第1実施形態と同様に、S621~S625の処理を実行する。第1実施形態と相違する点は、S625の処理を終えた後にS661およびS662の処理を実行する点である。同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
この第3実施形態における特図1小当たり停止処理3(S610)では、S621~S625の処理を実行後、特定の小当たり(小当たりE)であるかを判定する(S661)。S661の処理において特定の小当たりでない(即ち、小当たりFである)と判定された場合は(S661:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S661の処理において特定の小当たりである(即ち、小当たりEである)と判定された場合は(S661:Yes)、特図1抽選回数カウンタ203nの値を0に初期化し(S662)、その後、本処理を終了する。これにより、特定の小当たり(小当たりE)となる変動停止を実行した場合に、特図1抽選回数カウンタ203nの値を0に初期化することができる。
次に、図86のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理3(S206)について説明する。第2特別図柄変動開始処理(図86、S206)では、上記した第1特別図柄変動開始処理(図83、S203)に対して、特図1抽選回数カウンタ203nに代えて特図2抽選回数カウンタ203pの値を加算する(S751)点と、特図1テーブル設定情報記憶エリア202j1に代えて特図2テーブル設定情報記憶エリア202j2の情報に基づいて、変動パターン選択テーブルを設定する(S752、S753)点で相違するのみであるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図87のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理3(S207)について説明する。この第3実施形態における第2特別図柄変動停止処理3(S207)は、上述した第1特別図柄変動停止処理3(図84参照)に対して、特図1抽選回数カウンタ203nに代えて特図2抽選回数カウンタ203pの値を0に初期化する(S951またはS920)点で相違するのみであるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図88のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図2小当たり停止処理3(S920)について説明する。この第3実施形態における特図2小当たり停止処理3(S920)は、上述した特図1小当たり停止処理3(図85参照)に対して、特定の小当たり(小当たりE)であるかの判別に代えて特定の小当たり(小当たりG)であるかの判別(S961)に変更した点と、特図1抽選回数カウンタ203nに代えて特図2抽選回数カウンタ203pの値を0に初期化する(S962)点で相違するのみであるため、その詳細な説明を省略する。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図89、図90のフローチャートを参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図89のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理3(S2113)について説明する。この第3実施形態における変動表示設定処理3(S2113)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図57参照)に対して、背面画像変更処理(S2651)を実行する点で相違する。その他の点は同一であるため、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
この第3実施形態における変動表示設定処理3(S2113)では、第1実施形態における変動表示設定処理(S2113)と同様にS2601~S2612の処理を実行する。S2610またはS2612の処理を終えると、背面画像変更処理を実行し(S2651)、その後、本処理を終了する。
ここで、図90のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される背面画像変更処理(S2651)について説明する。この第3実施形態における背面画像変更処理(S2651)は、第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルとに基づいて、背面画像を変更するための処理である。
この第3実施形態における背面画像変更処理(S2651)では、まず、設定されている第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルを判別し(S5001)、次に、設定されている第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルを判別する(S5002)。そして、S5001とS5002との判別結果に基づいて、背面画像選択テーブル222cより背面画像を選択する(S5003)。
次に、背面画像情報格納エリア223mより現在の背面画像を判別する(S5004)。S5003の処理により選択した背面画像が、S5004の処理で判別した現在の背面画像と異なるか否かを判別する(S5005)。S5005の処理において、選択した背面画像が現在の背面画像と同じであると判別された場合は(S5005:No)、背面画像を変更する必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5005の処理において、選択した背面画像が現在の背面画像と異なっていると判別された場合は(S5005:Yes)、選択した背面画像に基づいて背面画像情報格納エリア223mを更新し(S5006)、選択した背面画像に基づいて背景画像変更コマンドを設定し(S5007)、本処理を終了する。
以上説明したように、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルは、第1特別図柄の抽選回数に応じて変更される。また、第2特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルは、第2特別図柄の抽選回数に応じて変更される。これにより、各特別図柄の抽選回数に応じて第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを選択するために設定されている変動パターン選択テーブルが変更されていく、即ち、遊技時間の経過に応じて遊技状態が変化していくので、遊技に変化を持たせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
本第3実施形態では、第1特別図柄の抽選回数のカウント(計数)は、大当たりまたは特定の小当たり(本実施形態では、小当たりE)となった場合にリセットされる。また、第2特別図柄の抽選回数のカウント(計数)は、大当たりまたは特定の小当たり(本実施形態では、小当たりG)となった場合にリセットされる。これにより、第1特別図柄の抽選回数と第2特別図柄の抽選回数とがリセット(0に初期化)されるタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技時間の経過に応じて遊技状態が変化していくことに加えて、各特別図柄の抽選結果に応じて遊技状態を変化させることができる。したがって、さらに遊技に変化を持たせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
本第3実施形態では、各特別図柄の変動パターンを選択するために設定されている変動パターン選択テーブルに基づいて、背面画像を設定(表示)するように構成している。この背面画像により、現在の遊技状態が、第2特別図柄よりも第1特別図柄の変動が先に停止され易い遊技状態(即ち、遊技者に不利な遊技状態)であるか、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動が先に停止され易い状態(即ち、遊技者に有利な状態)であるかを予測することが可能となる。これにより、遊技者に対して、背面画像の設定(表示)に興味を抱かせることができるので、遊技者の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、各特別図柄の変動パターンを選択するために設定されている変動パターン選択テーブルに基づいて、背面画像を設定(表示)するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、背面画像を設定(表示)することに代えて、演出態様を変更するようにしてもよいし、特定のキャラクタ図柄を表示するようにしてもよいし、報知音を出力するようにしても当然よい。
本第3実施形態では、第1特別図柄における特定の小当たり種別(小当たりE)に基づいて、第1特別図柄の抽選回数をリセット(0に初期化)するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄における特定の小当たり種別(小当たりE)に基づいて、第2特別図柄の抽選回数をリセットするようにしてもよいし、第1特別図柄と第2特別図柄との両方の抽選回数をリセットするようにしても当然よい。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりとなるまで第1特別図柄の抽選回数をリセットしないようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の抽選回数が所定回数以上となった場合に、遊技者に対して有利な変動パターン選択テーブルが設定される(所謂、天井を設ける)ようにしてもよい。これにより、大当たりとならない状態が長く続いたとしても、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制(防止)できる。なお、上述した構成は、第1特別図柄に限られず、第2特別図柄においても同様に適用してもよい。
本第3実施形態の構成を、上述した第1実施形態と組み合わせても良い。具体的には、第1特別図柄(または第2特別図柄)の抽選回数に応じて遊技状態(各特別図柄の変動パターン選択テーブルの設定)が変更されることに加え、抽選結果が特定の小当たり(または大当たり)となった場合にも遊技状態(各特別図柄の変動パターン選択テーブルの設定)が変更されるように構成する。これにより、遊技状態が変化するバリエーションが増加するので、遊技者の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、V入賞スイッチ65e3に入賞した場合には、その小当たりDが終了後に大当たり遊技が付与される構成としたが、それに限らず、大当たりの確率が通常確率(1/399)よりも高く設定される高確率状態(確変:例えば、1/39)が小当たりDの終了後から次の大当たりまたは所定の回数、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動するまでの期間まで設定するように構成してもよい。即ち、V入賞スイッチ65e3が確変を付与するスイッチとしてもよい。
<第4実施形態>
次いで、図91~図100を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第4実施形態におけるパチンコ機10では、第2入賞口64bの上方に、同時に入球可能な遊技球の数が1球であるクルーン900(流下期間延長手段)を設けることで、第2入賞口64bへ所定間隔(本実施形態では20秒)よりも短い間隔で遊技球が入球しない(または困難)となるように構成した。これにより、第2入賞口64bへ遊技球が過剰に入球してしまうことを防止することができる。
本第4実施形態では、第2特別図柄の変動中に、第2入賞口64bへ遊技球が入球した場合、その入賞情報を保留するように構成した。一方、第1特別図柄の入賞情報は保留できないように構成している。これにより、第2特別図柄の入賞情報が保留されると、その後、第1入賞口64aへ遊技球が入球しなければ(即ち、遊技球の発射を一時的に中断すれば)、第2特別図柄の変動が停止(確定)される状態、即ち、遊技者にとって有利な状態にできる。その結果、遊技者は第2特別図柄の入賞情報が保留されることを期待して遊技を行うため、遊技者の興趣を向上できる。
本第4実施形態では、第2特別図柄の入賞情報(変動の開始)を保留可能に構成し、第2入賞口64bへ遊技球が入球する間隔(20秒)を第1特別図柄に基づく変動の変動時間(最大で19秒)よりも長くなるように構成している。よって、第1特別図柄の動的表示が実行されている場合に、第2入賞口64bへ遊技球が2球以上入球することがない(即ち、第2特別図柄の入賞情報が保留されることがなく、遊技者にとって有利な状態とはならない)。詳細は後述するが、大当たり遊技が実行されている場合に、第2特別図柄の入賞情報が保留され、遊技者にとって有利な状態となる。これにより、遊技者にとって過剰に有利な状態となってしまうことを防止できる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤の第2入賞口64bの上方にクルーン900が設けられる点、第3図柄表示制御装置81に表示される演出態様が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が変更されている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図91を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。図91は、第4実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。本第4実施形態におけるパチンコ機10は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、前面枠14の正面左側に左枠ボタン22aが設けられ、前面枠14の正面右側に右枠ボタン22bが設けられる点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前面枠14には正面視(図1参照)左側に設けられる枠左ボタン22aと、前面枠14の正面視(図1参照)右側に設けられる枠右ボタン22bとを有している。枠左ボタン22aと枠右ボタン22b(以下、枠ボタン22と称す)は、片手で操作することが困難な間隔(約500ミリメートル)を開けて配置されており、両方のボタンを操作する際には、操作ハンドル51から手を離し、両手を使用する必要がある。
この枠ボタン22(枠左ボタン22a、枠右ボタン22b)は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。また、詳細については後述するが、両方の枠ボタン22(枠左ボタン22a、枠右ボタン22b)を同時に操作する演出(図94(b)参照)も実行される。図94(b)に示すような両方の枠ボタン22(枠左ボタン22a、枠右ボタン22b)を同時に操作する演出を表示(実行)することにより、遊技者の発射操作(操作ハンドル51の操作)を一時的に中断させることができる。
次に、図92を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。図92は、第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤の正面図である。本第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤に対して、第2入賞口64bの上方にクルーン900が設けられる点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態におけるパチンコ機10では、第2入賞口64bの上方にクルーン900が設けられる。クルーン900はすり鉢形状(逆ドーム形状)の本体部分と、そのすり鉢形状の中心から下へ伸びる筒状の筒部分とから構成され、本体部分と筒部分とは樹脂で一体成形されている。
本体部分は底面が中心に向かって下り傾斜した底面部(球周回部)と、その底面部の外縁部に形成される壁部とから構成される。筒部分は上部から下部にかけて遊技球が1球だけ通過可能な径の貫通孔が設けられ、本体部分の底面部の中心へと到達した遊技球が流下可能となっている。詳細は図93を参照して後述するが、クルーン900へ入球(流下)した遊技球は、本体部分の底面部(球周回部)を周回した後に、筒部分の貫通孔を通過して下方へと流下する。
クルーン900は、ルータ加工により遊技盤に開けられた貫通孔(図示しない)に、遊技盤の前面側から挿入され、遊技盤の背面側から軸支されている(図示しない)。クルーン900の前後方向の位置は、クルーン900の筒部分が遊技盤と接触する位置となっており、本体部分の奥(背面)側が遊技球の流下する領域よりも奥(背面)側となり、遊技盤の背面側に突出する位置となっている。なお、遊技盤の背面側に突出する本体部分の上部には、図示しない蓋部材が設けられており、本体部分へと流下した遊技球が遊技盤の背面側へと飛び出さないように構成されている。
また、クルーン900の上下方向の位置は、第2可変入賞装置650の上部と、スルーゲート67の位置よりも下の位置に設けられている。これにより、第2可変入賞装置650へ入球しなかった遊技球や、スルーゲート67を通過しなかった遊技球がクルーン900へ入球することが可能となっている。
クルーン900の上側には右上部から中央上部にかけて釘が配置されており、遊技球はクルーン900の左上部からのみ入球可能となっている。そして、このクルーン900の左上部には可変部材901が設けられている。
この可変部材901は、クルーン900に遊技球1球分の荷重が加わることで、前面側に可動するように構成されている(図示せず)。即ち、クルーン900の本体部分の底面部を遊技球が周回している場合には、可変部材901が前面側に可動され、クルーン900へ新たな遊技球が入球することが不可能(または困難)な状態となる。これにより、クルーン900の本体部分の底面部へ2球以上の遊技球が流下し、周回することを抑制(防止)できる。
次に、図93を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。図93はパチンコ機10の遊技盤に設けられるクルーン900の拡大斜視図である。
クルーン900へ流下した遊技球は、本体部分の底面部(球周回部)を所定期間(本実施形態では19秒)周回した後に、底面部の中心に設けられた筒部分の貫通孔を通過して下方へと流下する。このクルーン900の筒部分から下方へと流下した遊技球は、電動役物64b1が開放されている場合に、下方に設けられている第2入賞口64bへと入球する。クルーン900から下方へと流下した遊技球が、第2入賞口64bへ入球するのに必要な時間は1秒であるので、クルーン900へ流下した遊技球が第2入賞口64bへ入球するまでに必要な時間は20秒となる。
次に、図94(a)、(b)を参照して、第4実施形態において第3図柄表示装置81に表示される演出態様について説明する。図94(a)、(b)は、第4実施形態において第3図柄表示装置81に表示される演出態様の一例である。
図94(a)は、大当たり遊技の開始時(1ラウンド目の開始時)に第3図柄表示装置81に表示される演出態様を示した模式図である。図94(a)に示す演出を表示することにより、遊技者に対して、大当たり遊技中に第2入賞口64bへ遊技球を入球させるように促すことができる。
図94(b)は、大当たり遊技の実行中に第2入賞口64bに遊技球が入球することによって、大当たり遊技の終了時に第2特別図柄の保留がある場合に、第3図柄表示装置81に表示されるエンディング演出の態様を示した図である。図94(b)に示す演出を表示することにより、遊技者に対して、第2特別図柄の保留がある状態で大当たり遊技を終了することを報知できる。また、図94(b)に示す演出を表示することにより、パチンコ機10の前面枠14に設けられる、枠左ボタン22aと枠右ボタン22bとを同時に押下するように促すことによって、遊技者の発射操作(操作ハンドル51の操作)を一時的に中断させることができる。
ここで、本実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様に、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動よりも先に停止される方が有利となる。本実施形態では第1特別図柄の入賞は保留されないため、第2特別図柄の保留がある状態は、第1特別図柄の変動を開始させなければ、確実に第2特別図柄の変動が先に停止する状態(即ち、遊技者にとって有利な状態)である。そこで、この場合には、図94(b)に示す演出を表示している。これにより、遊技者の発射操作(操作ハンドル51の操作)を一時的に中断するように促すことができ、第1特別図柄の変動を開始させず、第2特別図柄の変動が先に停止されるようにできる。
なお、本実施形態の構成に限らず、第1可変入賞装置65の上方に右側スルーゲートを配置して、右打ちされた遊技球が右側スルーゲート通過することで、右打ちする大当たり遊技でもスルーゲートを通過し易くして、普通電動役物64b1が開放され易く構成し、第2入賞口64bに遊技球が入球し易く構成してもよい。さらに、本実施形態では、可変部材901によりクルーン手段900に1球ずつのみしか転動しないように構成したが、それに限らず、可変部材901を配置しない構成として、左打ちされた遊技球がクルー手段900に入球しないように釘を配置して、右打ちした遊技球のみがクルーン手段900に入球可能な構成とする。そして、大当たり遊技または小当たり遊技中以外に右打ちされた場合には、右側スルーゲートの通過により遊技球を検知したことに基づいて、特別図柄の変動を停止(中止)したり、すべての当否判定結果を外れとして判定したり、第3図柄表示装置81にエラー報知したり、警報音を出力したり、外部出力端子よりエラー信号を出力するように構成してもよい。さらに、通常遊技状態では、右側スルーゲートを通過した場合に変動時間を長くしたり、普通図柄の当たり確率を低くしたりしてもよい。さらに常には、時短遊技状態として、時短遊技状態が本実施形態で説明した普通図柄の変動時間および当たり確率として、大当たり遊技中等の通常遊技状態(大当たり遊技状態であるが、普通図柄の状態としては通常遊技状態)では、普通図柄の変動時間を短縮させたり、当たり確率を高くして第2入賞口64bへ入賞し易く構成してもよい。
<第4実施形態における電気的構成>
次に、図95を参照して、第4実施形態における各種カウンタについて説明する。図95は、第4実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して第2特別図柄保留球格納エリア203rを設けた点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2特別図柄保留球格納エリア203rは、1つの実行エリアと1つの保留エリア(保留第1エリア)とから構成される。これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
具体的には、球が第2入賞口64bへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、1つの保留エリア(保留第1エリア)の空いているエリアに記憶される。尚、保留第1エリアにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そして、新たな第2入賞口64bへの入賞(始動入賞)に基づいて、各カウンタC1~C3の各値を取得し、保留第1エリアへ格納することができる。
次に、図96を参照して、第4実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203について説明する。図96に示した通り、本実施形態のRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図19参照)に対して、第2特別図柄保留球格納エリア203rが追加されている点で相違する。第2特別図柄保留球格納エリア203rの詳細については、図95において説明した通りであるので、その詳細な説明を省略する。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図97~図99のフローチャートを参照して、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図97のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理4について説明する。この第4実施形態におけるタイマ割込処理4は、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図28参照)に対して、特別図柄変動処理(S104)の一部処理が変更される点と、始動入賞処理(S151)を実行する点とで相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
この第4実施形態におけるタイマ割込処理4では、第1実施形態のタイマ割込処理と同様に、S101~S104の処理を実行後、始動入賞処理を実行する(S151)。この始動入賞処理(S151)を実行することにより、第2特別図柄の保留処理を行うことができる。S151の処理を終えると、第1実施形態のタイマ割込処理と同様に、S106~S109の処理を実行後、本処理を終了する。
次に、図98のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S151)について説明する。この第4実施形態における始動入賞処理(S151)は、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理4(図97参照)内の一処理である。
この第4実施形態における始動入賞処理処理(S151)では、まず、球が第2入賞口64bへ入賞したかを判定する(S6001)。S6001の処理において、球が第2入賞口64bへ入賞していなければ(S6001:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S6001の処理において、球が第2入賞口64bへ入賞していれば(S6001:Yes)、次に、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)を取得し(S6002)、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)が1より小さいかを判定する(S6003)。特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)が1より大きければ(S6003:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)が1より小さいと判定された場合は(S6003:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)に1を加算し(S6004)、次に、特図2保留球数コマンドを設定する(S6005)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を第2特別図柄保留球格納エリア203rに格納し(S6006)、その後、本処理を終了する。
次に、図99のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理4(S206)について説明する。この第4実施形態における第2特別図柄変動開始処理4(S206)は、第1実施形態における第2特別図柄変動開始処理(図36参照)と同様に、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)内の一処理である。
この第4実施形態における第2特別図柄変動開始処理4(S206)では、第1実施形態における第2特別図柄変動開始処理(図36参照)に対して、S701~S702の処理に代えて、S751~S755の処理を実行する点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動開始処理4(S206)では、まず、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)を取得し(S751)、次いで、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)が、0より大きいか否かを判別する(S752)。特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)が0より大きくない(即ち、0である)と判別された場合は(S752:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S752の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)が0より大きいと判別された場合は(S752:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203sの値(N2)から1を減算し(S753)、保留球数コマンドを設定し(S754)、第2特別図柄保留球格納エリア203rのデータをシフトする(S755)。その後、S703~S708の処理を実行し、本処理を終了する。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図100のフローチャートを参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図100のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(S2112)について説明する。この第4実施形態におけるコマンド判定処理4(S2112)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(S2112、図53参照)と同様に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される処理である。なお、第1実施形態におけるコマンド判定処理(S2112、図53参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
この第4実施形態におけるコマンド判定処理4(S2112)では、第1実施形態におけるコマンド判定処理と同様に、S2201~S2207の処理を実行し、S2207の処理において、保留球数コマンドを受信したと判別された場合は(S2207:Yes)、S2208の処理を実行する。S2208の処理を実行した後に、第2特別図柄の保留球数が1になるか否かを判別する(S2251)。具体的には、第2特別図柄の変動の実行中に保留球数コマンドを受信した場合には、第2特別図柄の保留球数が1になると判別する。一方、第2特別図柄の変動が停止中に保留球数コマンドを受信した場合は、当該保留となった入賞情報に基づいて第2特別図柄の変動がすぐに開始されることになる。即ち、実質的に第2特別図柄の保留球数が1にならない場合であるので、第2特別図柄の保留球数が0になると判別する。
S2251の処理において、第2特別図柄の保留球数が0になると判別された場合は(S2251:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2251の処理において、第2特別図柄の保留球数が1になると判別された場合は(S2251:Yes)、表示用Vチャンスコマンドを設定して(S2252)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用Vチャンスコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)に記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図52参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、この表示用Vチャンスコマンドを受信することによって、第2特別図柄の保留球数が1となった(即ち、遊技者にとって有利な状態となった)ことを報知する演出(図示せず)を、第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S2207の処理において、保留球数コマンドを受信していなければ(S2207:No)、S2209~S2213の処理を実行せず、S2253の処理へ移行する。S2253の処理では、エンディングコマンドを受信したかを判定し(S2253)、エンディングコマンドを受信していれば(S2253:Yes)、次いで、特図2が保留1であるかを判定する(S2254)。S2254の処理において、特図2が保留1であれば(S2254:Yes)、表示用Vチャンスエンディングコマンドを設定し(S2255)、本処理を終了する。
S2255の処理により設定された表示用Vチャンスエンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)に記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図52参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、この表示用Vチャンスエンディングコマンドを受信することによって、図94(b)に示す演出を、第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S2254の処理において、特図2が保留1でないと判別された場合は(S2254:No)、表示用通常エンディングコマンドを設定し(S2256)、本処理を終了する。
S2253の処理において、エンディングコマンドを受信していなければ(S2253:No)、上述した第1実施形態と同様にS2214~S2217の処理を実行し、本処理を終了する。
以上説明したように、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、第2入賞口64bの上方に、同時に入球可能な遊技球の数が1球であるクルーン900(流下期間延長手段)を設けることで、第2入賞口64bへ所定間隔よりも短い間隔で遊技球が入球しない(または困難)となるように構成した。これにより、第2入賞口64bへ遊技球が過剰に入球してしまうことを防止することができる。
本第4実施形態では、第2特別図柄の変動中に、第2入賞口64bへ遊技球が入球した場合、その入賞情報を保留するように構成した。一方、第1特別図柄の入賞情報は保留できないように構成している。これにより、第2特別図柄の入賞情報が保留されると、その後、第1入賞口64aへ遊技球が入球しなければ(即ち、遊技球の発射を一時的に中断すれば)、第2特別図柄の変動が停止(確定)される状態、即ち、遊技者にとって有利な状態にできる。その結果、遊技者は第2特別図柄の入賞情報が保留されることを期待して遊技を行うため、遊技者の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、第2入賞口64bの上方にクルーン900を設けることで、第2入賞口64bへ遊技球が所定間隔(20秒)よりも短い間隔で入球しないように構成したが、これに限られるものではない。例えば、公知の振り分け装置を用いて、所定間隔毎に(または所定間隔よりも長い間隔で)第2入賞口64bへ入賞するように遊技球が振り分けられるようにしてもよい。
本実施形態ではクルーン900の底面部(周回部)を遊技球が周回することにより、遊技球がクルーン900を通過するのに必要な時間が長くなるように構成したが、これに限られるものではない。クルーン900に代えて、同時に入球可能な遊技球数が1球であり、遊技球の流下期間を延長できる手段(流下期間延長手段)を設けるようにすればよい。具体的には、流下通路を蛇行状に形成して流下距離を長くする、流下通路に遊技球の速度を低減させる部材(速度低減部材)を用いる、などの手段が考えられる。速度低減部材としては、例えば、球が転動する際に発生する摩擦力が高くなるような、高摩擦係数を示す部材(ウレタンゴム等)が考えられる。また、流下通路の球転動面を粗くしたり、突起を設けたりすることで、球と流下通路の球転動面との摩擦力を高め、球の流下速度を低減させることも考えられる。
本実施形態では、クルーン900へ遊技球が同時に2球以上入球(流下)しないようにするために、クルーン900への荷重によって可動される可動部材を用いるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、公知の非電動役物や電動役物をクルーン900の入口部に設けるようにしても当然よい。具体的には、クルーン900へ遊技球が入球すると、非電動役物であれば機械的に入口部の非電動役物が可動され、電動役物であれば入球検知に基づいて電気的に入口部の電動役物が可動制御され、クルーン900への遊技球の入球を不可能(または困難)となる。そして、クルーン900の下方へと遊技球が流下すると、非電動役物であれば機械的に入口部の非電動役物が再度可動され、電動役物であれば流下検知に基づいて電気的に入口部の電動役物が再度可動制御され、クルーン900への遊技球の入球が可能(または容易)となる。
本実施形態では、第2入賞口64bの上方にクルーン900を設けるようにしたが、設けないようにしてもよい。これにより、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
なお、本実施形態では、V入賞スイッチ65e3に入賞した場合には、その小当たりDが終了後に大当たり遊技が付与される構成としたが、それに限らず、大当たりの確率が通常確率(1/399)よりも高く設定される高確率状態(確変:例えば、1/39)が小当たりDの終了後から次の大当たりまたは所定の回数、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動するまでの期間まで設定するように構成してもよい。即ち、V入賞スイッチ65e3が確変を付与するスイッチとしてもよい。
<第5実施形態>
次いで、図101~図107を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第5実施形態のパチンコ機10では、上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、第2可変入賞装置650を遊技盤の左側に設けるようにした。そして、大当たり遊技および特図1の小当たり遊技は、第2可変入賞装置650へ遊技球を入球させる遊技(所謂、左打ち遊技)とし、特図2の小当たり遊技のみ遊技盤の右側に設けられる第1可変入賞装置65へ遊技球を入球させる遊技(所謂、右打ち遊技)とした。これにより、特図1の小当たり遊技と通常遊技との遊技を同じ(所謂、左打ち遊技)にすることができ(即ち、遊技を実行するための操作を同一にでき)、頻繁に発生する特図1の小当たり遊技を実行するための遊技者の操作負担を軽減することができる。
本第5実施形態のパチンコ機10では、上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、大当たり遊技の終了後に遊技者にとって有利な状態である時短遊技状態が付与される大当たり種別を設けるようにした。これにより、遊技者は大当たり遊技の終了後に時短遊技状態が付与されることを期待して遊技を実行するため、遊技者の興趣を向上させることができる。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤の構成が一部変更される点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図101を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤に対して、第2可変入賞装置650が遊技盤の右側の位置から左側の位置へと変更されている点と、第1可変入賞装置65の上方に右第1入賞口640aが設けられている点と、その右第1入賞口640aの上方に右スルーゲート670が設けられている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第5実施形態では、第1実施形態と同様に、大当たり遊技で第2可変入賞装置650が開閉(入球可能か否かが可変)され、特図2の小当たり遊技で第1可変入賞装置65が開閉(入球可能か否かが可変)される。一方、特図1の小当たり遊技では、第1可変入賞装置65に代えて、第2可変入賞装置650が開閉(入球可能か否かが可変)される。
よって、大当たり遊技および特図1の小当たり遊技は、遊技盤の左側に遊技球を発射する(所謂、左打ち)遊技となる。これにより、特図1の小当たり遊技と通常遊技との遊技を同じ(所謂、左打ち遊技)にすることができ(即ち、遊技を実行するための操作を同一にでき)、頻繁に発生する特図1の小当たり遊技を実行するための遊技者の操作負担を軽減することができる。
本実施形態では、第2可変入賞装置650を遊技盤の左側に配置し、第1可変入賞装置65を遊技盤の右側に設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、第2可変入賞装置650と、第1可変入賞装置65とを遊技盤の中央に配置するようにしてもよい。これにより、すべての遊技(通常遊技、大当たり遊技、特図1の小当たり遊技、特図2の小当たり遊技)において、遊技を実行するための操作を同じにすることができるので、遊技者の操作負担を軽減することができる。また、各入賞装置が遊技盤の中央に配置されているので、遊技者は右打ちまたは左打ちの好きな方を選択することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
このように構成することで、第1特別図柄の小当たり時に右打ちする必要がなく、左打ち遊技を継続することで、第1特別図柄における小当たり遊技を実行し、その後に実行する通常遊技を左打ちのまま継続して行うことができる。よって、本実施形態では、第1特別図柄の小当たりが頻繁に実行される構成であるが、右打ち遊技へと頻繁に切り替える手間を省略でき、遊技を容易に継続して行うことができる。また、本実施形態では、大当たりBが実行されると時短遊技が8回(特別図柄の変動回数)付与される。その場合にも、右スルーゲート670および右第1入賞口640a(第1特別図柄の始動契機となる入賞口)が右打ちした遊技球が入球可能なように遊技領域の右側(第1可変入賞装置65の上方)に配置されているので、右打ち状態で時短遊技を実行することができる。さらに、通常遊技状態においても、左打ち、右打ちのどちらでも遊技を行うことができるので、遊技者が遊技方法を分かり易く、容易に遊技をすることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技は第2可変入賞装置650が開放状態となるように構成したがそれに限らず、第1可変入賞装置65を開放状態にしてもよい。この場合、切替部材65hは作動させずに制御することで、大当たり遊技が連続して実行される不具合を抑制できる。また、時短遊技が付与される場合にも、右打ち遊技を継続して遊技を行うことができ、遊技操作を容易にすることができる。
<第5実施形態における電気的構成>
次に、図102および図103を参照して、本実施形態における主制御装置110に設けられたROM202の構成について説明する。本実施形態のROM202は、大当たり種別選択テーブル202dの内容と、変動パターン選択テーブル202fの内容とが一部変更されている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その図示と説明とを省略する。
まず、図102(a)を参照して、大当たり種別選択テーブル202dの内容について説明する。本実施形態では、大当たりの種別として、大当たりA(15R大当たり、電サポ無し)と、大当たりB(15R大当たり、電サポ8回)とが設けられている。
ここで、「大当たりA(15R大当たり、電サポ無し)」とは、最大ラウンド数が15ラウンド(1ラウンドは、30秒または10球入賞まで)の大当たりの後に、通常状態(状態A~C)となる大当たりのことである。また、「大当たりB(15R大当たり、電サポ8回)」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、時短状態(第1特別図柄と第2特別図柄の変動時間が短くなる状態)となる大当たりのことである。詳細は後述するが、時短状態では、通常状態(状態A~C)に比べて、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間に比べて短いものが選択され易い(即ち、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動よりも先に停止し易い)状態となっており、遊技者にとって有利な状態である。
大当たり種別選択テーブル202dは、大当たりAに対して、第1当たり種別カウンタCS2の値「0~99」が設定されており、大当たりBに対して、第1種別カウンタCS2の値「100~198」が設定されている。即ち、大当たりAが選択される確率は100/199に設定されており、大当たりBが選択される確率は99/199に設定されている。
次に、図102(b)を参照して、特図1小当たり変動パターン選択テーブル2(時短状態)202fの詳細について説明する。この特図1小当たり変動パターン選択テーブル2(時短状態)202fは、時短状態において第1特別図柄用に設定される小当たり変動パターン選択テーブルである。特図1小当たり変動パターンテーブル2(時短状態)202fには、特図1変動パターンA(変動時間5秒)が規定されている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0~198」に対して、特図1変動パターンA(変動時間5秒)が規定されている。即ち、時短状態において第1特別図柄の小当たりの変動パターンとして特図1変動パターンA(変動時間5秒)が選択される確率は199/199(即ち、100%)に設定されている。
次に、図102(c)を参照して、特図2小当たり変動パターン選択テーブル4(時短状態)202fの詳細について説明する。この特図2小当たり変動パターン選択テーブル4(時短状態)202fは、時短状態において第2特別図柄用に設定される小当たり変動パターン選択テーブルである。特図1小当たり変動パターンテーブル2(時短状態)202fには、特図2変動パターンF(変動時間4秒)と、特図2変動パターンG(変動時間6秒)とが規定されている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0~65」に対して、特図2変動パターンF(変動時間4秒)が規定されており、変動種別カウンタCS1の値「66~198」に対して、特図2変動パターンG(変動時間6秒)が規定されている。即ち、時短状態において、第2特別図柄の小当たりの変動パターンとして、第2変動パターンF(変動時間4秒)が選択される確率は66/199に設定されており、第2変動パターンG(変動時間6秒)が選択される確率は133/199に設定されている。
よって、時短状態では、第1特別図柄の変動パターンよりも変動時間の短い変動パターンが第2特別図柄で選択される確率は66/199となる。これにより、時短状態は通常状態(状態A~C)に比べて、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動が先に停止し易い状態(即ち、遊技者にとって有利な状態)となる。
次に、図103を参照して、本実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の構成について説明する。図103に示した通り、本実施形態のRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図19参照)に対して、時短カウンタ203tが追加されている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短カウンタ203tは、パチンコ機10が特別図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203tの値が0より大きい場合は、パチンコ機10が特別図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203tの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203tは、大当たりB(16R時短大当たり)の終了時に8に設定される(図106のS1453参照)。この時短状態では、時短状態用の小当たり変動パターン選択テーブルが設定され(S1452)、第1特別図柄と第2特別図柄との変動時間が短縮される(図103(b)、(c)参照)。第1特別図柄変動停止処理6(図104参照)または第2特別図柄変動停止処理6(図105参照)において、各特別図柄の変動が停止される毎に1ずつ減算される(図104のS673、図105のS973参照)。
上述したように、時短状態において設定される小当たり変動パターンは、通常状態(状態A~C)に比べて、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間に比べて短いものが選択され易い(即ち、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動よりも先に停止し易い)ように構成されている。これにより、大当たりBの終了後は、第2特別図柄が第1特別図柄よりも先に停止し易い、遊技者にとって有利な状態(時短状態)となる。よって、大当たりBとなることを一つの目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図104~図107のフローチャートを参照して、第5実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図104のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動停止処理5(S204)について説明する。この第5実施形態における第1特別図柄変動停止処理5(S204)は、第1実施形態における第1特別図柄変動停止処理(図33参照)に対して、S671からS676の処理が追加される点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第5実施形態における第1特別図柄変動停止処理5では、第1実施形態の第1特別図柄変動停止処理と同様に、第1特別図柄の変動時間が終了し(S601:Yes)、抽選結果が大当たりである場合は(S602:Yes)、S603~S607の処理を実行し、時短カウンタ203tを0に初期化して(S671)、時短状態を終了するために、S675の処理へ移行する。
一方、第1特別図柄の変動時間が終了し(S601:Yes)、抽選結果が小当たりである場合は(S602:No)、S610の処理を実行し、S672の処理へ移行する。また、第1特別図柄の変動中で(S601:No)、特図1変動停止フラグ203gがオンである場合は(S608:Yes)、S609の処理を実行し、S672の処理へ移行する。
S672の処理では、時短カウンタ203tの値が0より大きいか否かを判別し(S672)、時短カウンタ203tの値が0であると判別した場合には(S672:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S672の処理において、時短カウンタ203tの値が0より大きいと判別した場合には(S672:Yes)、時短カウンタ203tの値を1減算し(S673)、時短カウンタ203tの値が0であるか否かを判別する(S674)。
S674の処理において、時短カウンタ203tが0でないと判別された場合は(S674:No)、時短状態が継続される場合であるので、そのまま本処理を終了する。
一方、S674の処理において、時短カウンタ203tが0であると判別された場合は(S674:Yes)、時短状態を終了するために、S675の処理へ移行する。
S671またはS674の処理を終えると、状態設定エリアより現在の状態を取得して(S675)、S675の処理において取得した状態に基づいて、変動パターン選択テーブルを設定して(S676)、本処理を終了する。このS676の処理により、時短状態において設定されていた変動パターン選択テーブルを変更することができ、時短状態を終了することができる。
次に、図105のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理5(S207)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動停止処理5(S207)は、第1実施形態における第2特別図柄変動停止処理(図39参照)に対して、S971からS976の処理が追加される点で相違し、その他の部分は同一である。なお、第2特別図柄変動停止処理5(S207)は、第2特別図柄に対して上述した第1特別図柄変動停止処理5(図104参照)と同様の処理が実行されるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図106を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理5(S1304)の詳細について説明する。この大当たり制御処理5(S1304)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図45)に対して、エンディングのタイミングにおいて、S1451~S1453の処理を追加して実行するようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり制御処理5(S1304)では、第1実施形態における大当たり処理(図45)と同様に、S1401からS1409の処理を実行する。S1409の処理において、エンディングのタイミングであると判別された場合には(S1409:Yes)、エンディングコマンドを設定して(S1410)、大当たりシナリオをクリアする(S1411)。その後、抽選結果が大当たりBであるか否かを判別する(S1451)。
S1451の処理において、抽選結果が大当たりAであると判別した場合には(S1451:No)、大当たり終了後に時短状態を付与する必要がないため、そのまま本処理を終了する。一方、S1451の処理において、抽選結果が大当たりBであると判別した場合には(S1451:Yes)、大当たり終了後に時短状態を付与するために、S1452の処理へ移行する。
S1452の処理では、時短状態用の小当たり変動パターン選択テーブル(図102(b)、(c)参照)を各特別図柄の小当たり変動パターン選択テーブルとして設定し(S1452)、時短カウンタ203tの値を8に設定して、本処理を終了する。これにより、大当たりBに基づく大当たり遊技の終了後に時短状態を付与することができる。
次に、図107を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理5(S1305)の詳細について説明する。この小当たり制御処理5(S1305)は、第1実施形態における小当たり制御処理(図47)に対して、S1651~S1654の処理を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
小当たり制御処理5(S1305)では、第1実施形態と同様にS1601からS1605の処理を実行する。S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(S1605:Yes)、次いで、第1特別図柄の小当たりであるか否かを判別する(S1651)。
S1651の処理において、第1特別図柄の小当たりであると判別された場合は(S1651:Yes)、第2可変入賞装置650を開放するために、第2可変入賞装置650の開放を設定し(S1652)、本処理を終了する。S1651の処理において、第2特別図柄の小当たりであると判別された場合は(S1651:No)、第1可変入賞装置65を開放するために、小当たり動作処理を実行して(S1616)、本処理を終了する。
一方、S1605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合は(S1605:No)、S1607の処理へ移行する。S1607の処理において、ラウンドの終了タイミングであると判別された場合は(S1607)、次いで、第1特別図柄の小当たりであるか否かを判別する(S1653)。
S1653の処理において、第1特別図柄の小当たりであると判別された場合は(S1653:Yes)、第2可変入賞装置650を閉鎖するために、第2可変入賞装置650の閉鎖を設定し(S1654)、本処理を終了する。S1653の処理において、第2特別図柄の小当たりであると判別された場合は(S1653:No)、第1可変入賞装置65を閉鎖するために、第1可変入賞装置65の閉鎖を設定し(S1608)、本処理を終了する。
この小当たり制御処理5(S1305)により、第1特別図柄の小当たり時には、遊技盤の左側に設けられた第2可変入賞装置650を開閉(可変)し、所謂、左打ち遊技をさせることができる。また、第2特別図柄の小当たり時には、遊技盤の右側に設けられた第1可変入賞装置65を開閉(可変)し、所謂、右打ち遊技をさせることができる。
以上説明したように、本第5実施形態のパチンコ機10では、上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、第2可変入賞装置650を遊技盤の左側に設けるようにした。そして、大当たり遊技および特図1の小当たり遊技は、第2可変入賞装置650へ遊技球を入球させる遊技(所謂、左打ち遊技)とし、特図2の小当たり遊技のみ遊技盤の右側に設けられる第1可変入賞装置65へ遊技球を入球させる遊技(所謂、右打ち遊技)とした。これにより、特図1の小当たり遊技と通常遊技との遊技を同じ(所謂、左打ち遊技)にすることができ(即ち、遊技を実行するための操作を同一にでき)、頻繁に発生する特図1の小当たり遊技を実行するための遊技者の操作負担を軽減することができる。
本第5実施形態のパチンコ機10では、上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して、大当たり遊技の終了後に遊技者にとって有利な状態である時短遊技状態が付与される大当たり種別を設けるようにした。これにより、遊技者は大当たり遊技の終了後に時短遊技状態が付与されることを期待して遊技を実行するため、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、V入賞スイッチ65e3に入賞した場合には、その小当たりDが終了後に大当たり遊技が付与される構成としたが、それに限らず、大当たりの確率が通常確率(1/399)よりも高く設定される高確率状態(確変:例えば、1/39)が小当たりDの終了後から次の大当たりまたは所定の回数、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動するまでの期間まで設定するように構成してもよい。即ち、V入賞スイッチ65e3が確変を付与するスイッチとしてもよい。
<第6実施形態>
次いで、図108~図115を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、第1特別図柄と第2特別図柄との一方において、大当たりとなる変動が開始された場合には、他方の特別図柄の抽選を強制的に外れにして変動を実行するように構成した(即ち、大当たりとなる変動が強制的に停止されることがないように構成した)。これにより、例えば、第2特別図柄に基づく大当たりの変動が実行されている場合に、第1特別図柄に基づく小当たりの変動が先に停止することにより、第2特別図柄に基づく大当たりの変動が外れに変更されてしまうことを防止(抑制)できる。また、大当たりとなることを示唆する演出が実行(表示)されたにも関わらず、大当たりとならないことを防止(抑制)でき、遊技者の参加意欲を低下させてしまうことを防止(抑制)できる。
本第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、V入賞スイッチ65e3を通過した場合に付与される大当たりの種別を複数(大当たりA1、A2、A3)設けるようにしている。そして、大当たり種別に応じて、大当たり遊技の終了後に移行される状態が異なるように構成している。これにより、抽選結果が小当たりとなった場合に加えて、抽選結果が大当たりとなった場合にも遊技状態を移行(変化)させることができるので、遊技に変化を持たせることができ、遊技者の興趣を向上できる。
本第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、抽選結果が大当たりとなる場合に、SPリーチ演出を実行(表示)するように構成した。これにより、遊技者に対して大当たりの到来を予感させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
本第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、状態Bまたは状態Cに移行される小当たりとなる場合にも、SPリーチ演出(特図1小当たり用、または、特図2小当たり用)が実行(表示)されるように構成した。これにより、SPリーチ演出が表示される頻度が増えることで、遊技者の興趣を向上できると共に、SPリーチ演出が表示されたにも関わらず大当たりとならなかった場合においても、遊技者にとって有利な状態Bまたは状態Cへ移行するので、遊技者の遊技意欲の低下を防止(抑制)できる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110に設けられたROM202の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が変更されている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図108を参照して、本第6実施形態において第3図柄表示装置81に表示される演出態様について説明する。図108(a)~(c)は、第6実施形態において第3図柄表示装置81に表示されるSPリーチ演出の演出態様の一例である。
本実施形態では、第2特別図柄の大当たりとなる場合にSPリーチ演出(特図2大当たり)が実行(表示)され、第1特別図柄の小当たりとなる場合、かつ、所定条件を満たす場合にSPリーチ演出(特図1小当たり)が実行(表示)され、第2特別図柄の小当たりとなる場合、かつ、所定条件を満たす場合にSPリーチ演出(特図2小当たり)が実行(表示)される。
各種SPリーチ演出では、通常の演出態様で変動表示が実行される(図108(a)参照)。そして、変動表示が開始されてから所定時間経過後(本実施形態では2秒後)に、画面上部に「スーパーリーチ!!」の文字が表示される(図108(b)参照)。その後、SPリーチ演出が特図2大当たりを示すものであれば、大当たりを示す停止図柄(例えば、「777」など)が表示される(図示せず)。これにより、遊技者に対して、大当たりに当選したことを報知することができる。また、遊技者はSPリーチ演出が表示されることを期待して遊技を行うので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、SPリーチ演出が特図1小当たりまたは特図2小当たりを示すものであれば、画面上部に「スーパーリーチ!!」の文字が表示された後、小当たりを示す停止図柄(例えば、「341」など)が表示される(図108(c)参照)。この小当たりを示す停止図柄は所定回数(本実施形態では、2回から8回)上下に揺れてから完全な停止表示(静止状態)となる。停止図柄が揺れる回数は、当選した小当たり種別に応じて予め定められている。
小当たり種別と停止図柄の揺れ回数との関係は、第2実施形態と同様である。具体的には、小当たりAの場合は、演出カウンタ223gの値が「0~19」であれば揺れ回数「2回」となり、演出カウンタ223gの値が「20~49」であれば揺れ回数「4回」となり、演出カウンタ223gの値が「50~198」であれば揺れ回数「0回」となる。
小当たりBの場合は、演出カウンタ223gの値が「0~49」であれば揺れ回数「4回」となり、演出カウンタ223gの値が「50~99」であれば揺れ回数「6回」となり、演出カウンタ223gの値が「100~198」であれば揺れ回数「0回」となる。
小当たりCの場合には、演出カウンタ223gの値が「0~74」であれば揺れ回数「6回」となり、演出カウンタ223gの値が「75~149」であれば揺れ回数「8回」となり、演出カウンタ223gの値が「150~198」であれば揺れ回数「0回」となる。
小当たりDの場合には、演出カウンタ223gの値が「0~99」であれば揺れ回数「8回」となり、演出カウンタ223gの値が「100~198」であれば揺れ回数「0回」となる。
これにより、遊技者は停止図柄が揺れる回数から当選した小当たり種別を予測することが可能となる(即ち、設定される遊技状態を予測することが可能となる)ので、停止図柄が揺れる回数に注目させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
このように、本実施形態では、SPリーチ演出が表示された後に、小当たりを示す停止図柄で停止表示される場合がある。この場合には、停止図柄が揺れる演出を実行し、設定される遊技状態を予測可能になるとの特典を付与するようにしている。これにより、SPリーチ演出が表示されたにも関わらず、その後、小当たりとなってしまう(大当たりとならない)場合であっても、遊技者が遊技への参加意欲を損なってしまうことを防止(抑制)できる。
<第6実施形態における電気的構成>
まず、図109(a)~(c)を参照して、本実施形態における主制御装置110に設けられたROM202の構成について説明する。図109(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成(図13参照)に対して、変動パターン選択テーブル202fの内容が一部変更されている点と、V通過時大当たり種別選択テーブル202kが追加されている点とで相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図109(b)を参照して、変動パターン選択テーブル202fの一部である当たり変動パターン選択テーブル202fの内容について説明する。当たり変動パターン選択テーブル202fは、各特別図柄において大当たりとなった場合に、変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される変動パターンが規定されたテーブルである。
第1特別図柄では、変動種別カウンタCS1の値「0~198」に対して、特図1大当たり変動パターンE(変動時間10秒)が設定されている。即ち、第1特別図柄の大当たり時には、199/199(1/1)の確率で、特図1大当たり変動パターンEが選択される。
第2特別図柄では、変動種別カウンタCS1の値「0~198」に対して、特図2大当たり変動パターンF(変動時間9秒)が設定されている。即ち、第2特別図柄の大当たり時には、199/199(1/1)の確率で、特図2大当たり変動パターンFが選択される。
次に、図109(c)を参照して、V通過時大当たり種別選択テーブル202kの内容について説明する。V通過時大当たり種別選択テーブル202kは、V入賞スイッチ65e3を遊技球が通過した場合に、第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて選択される大当たり種別を規定したテーブルである。このV通過時大当たり種別選択テーブル202kは、小当たりエンディング処理6(図113参照)において、V入賞フラグ203eがオンである場合(即ち、小当たり遊技中にV入賞スイッチ65e3を通過した場合)に、大当たり種別を選択するために参照される。
V通過時大当たり種別選択テーブル202kは、第1当たり種別カウンタC2の値「0~89」に対して大当たりA1(15R大当たり)が設定され、第1当たり種別カウンタC2の値「90~179」に対して大当たりA2(15R大当たり)が設定され、第1当たり種別カウンタC2の値「180~198」に対して大当たりA3(15R大当たり)が設定される。即ち、V入賞スイッチ65e3を遊技球が通過することに基づいて選択される大当たり種別は、大当たりA1の選択される確率が90/199に設定され、大当たりA2の選択される確率が90/199に設定され、大当たりA3の選択される確率が19/199に設定される。
ここで、「大当たりA1(15R大当たり)」とは、最大ラウンド数が15ラウンド(1ラウンドは、30秒または10球入賞まで)の大当たりの後に、状態Aに移行する大当たりのことである。「大当たりA2(15R大当たり)」とは、同じく最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、状態Bに移行する大当たりのことである。「大当たりA3(15R大当たり)」とは、同じく最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、状態Cに移行する大当たりのことである。このように、V入賞スイッチ65e3を通過することに基づいて付与される大当たり種別に応じて、その後に移行する状態を変更することができる。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図110~図113のフローチャートを参照して、第6実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図110のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄大当たり判定処理6(S303)について説明する。この第6実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理6(S303)は、第1実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理(図31参照)に対して、S451からS453の処理が追加される点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第6実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理6(S303)では、まず、第2特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中であるか否かを判別する(S451)。S451の処理において、第2特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中でないと判別された場合は(S451:No)、第1実施形態と同様にS401からS409の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S451の処理において、第2特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中であると判別された場合は(S451:Yes)、第1特別図柄の抽選を行わず、抽選結果を強制的に外れに設定するために、S452の処理へ移行する。
S452の処理では、第1特別図柄の抽選結果を外れに設定し(S452)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットして(S453)、本処理を終了する。これにより、第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、その大当たりとなる変動が開始されている場合には、第1特別図柄の抽選を行わず、抽選結果として強制的に外れを設定することができる。その結果、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選結果が同時に大当たりとなることを防止(抑制)することができ、遊技者に対してわかりやすい遊技機を提供することができる。
次に、図111のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄大当たり判定処理6(S703)について説明する。この第6実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理6(S703)は、第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図37参照)に対して、S851からS853の処理が追加される点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第6実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理6(S703)では、まず、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中であるか否かを判別する(S851)。S851の処理において、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中でないと判別された場合は(S851:No)、第1実施形態と同様にS801からS809の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S851の処理において、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中であると判別された場合は(S851:Yes)、第2特別図柄の抽選を行わず、抽選結果を強制的に外れに設定するために、S852の処理へ移行する。
S852の処理では、第2特別図柄の抽選結果を外れに設定し(S852)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットして(S853)、本処理を終了する。これにより、第1特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、その大当たりとなる変動が開始されている場合には、第2特別図柄の抽選を行わず、抽選結果として強制的に外れを設定することができる。その結果、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選結果が同時に大当たりとなることを防止(抑制)することができ、遊技者に対してわかりやすい遊技機を提供することができる。
次に、図112のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理6(S1304)について説明する。この第6実施形態における大当たり制御処理6(S1304)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図45参照)に対して、S1471からS1472の処理が追加される点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第6実施形態における大当たり制御処理6(S1304)では、第1実施形態と同様にS1401からS1409の処理を実行する。そして、S1409の処理において、大当たり遊技におけるエンディングの開始タイミングであると判別された場合は(S1409:Yes)、S1410の処理へ移行する。S1410の処理では、エンディングコマンドを設定し(S1410)、大当たりシナリオをクリアして(S1411)、S1471の処理へ移行する。
S1471の処理では、大当たり種別に対応した状態を状態設定エリア223hに設定する(S1471)。具体的には、大当たり種別が、大当たりA1である場合には状態Aを設定し、大当たりA2である場合には状態Bを設定し、大当たりA3である場合には状態Cを設定する(図109(c)参照)。次いで、S1471の処理において設定した状態に基づいて、状態カウンタ203kを設定し(S1472)、設定されている状態に対応する状態コマンドを設定して(S1473)、本処理を終了する。
S1703の処理により設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)に記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図44参照)の外部出力処理(S1301)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、この状態コマンドを受信することによって、従状態エリア223hの値を更新する(図53のS2210参照)。
次に、図113のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たりエンディング処理6(S1610)について説明する。この第6実施形態における小当たりエンディング処理6(S1610)は、第1実施形態における小当たりエンディング処理(図49参照)に対して、S1851からS1853の処理が追加される点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第6実施形態における小当たりエンディング処理6(S1610)では、第1実施形態と同様にS1801からS1802の処理を実行する。そして、S1802の処理において、V入賞フラグ203eがオンであると判別された場合は(S1802:Yes)、次いで、第1当たり種別カウンタC2の値を取得する(S1851)。
S1851の処理において取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、V通過時大当たり種別選択テーブル202kより大当たり種別を取得する(S1852)。S1852の処理において取得した大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定して(S1853)、S1804の処理へ移行する。S1804からS1807の処理を実行すると、本処理を終了する。なお、S1804からS1807の処理は、第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図114および図115のフローチャートを参照して、第6実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図114を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2変動開始処理6(S2204)について説明する。この第6実施形態における特図2変動開始処理6(S2204)は、第1実施形態における特図2変動開始処理(図55参照)に対して、S2404の処理に代えてS2451およびS2452の処理を実行するように変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第6実施形態における特図2変動開始処理6(S2204)では、第1実施形態と同様に、S2401からS2403の処理を実行する。その後、SPリーチ選択処理を実行し(S2451)、S2452の処理へ移行する。SPリーチ選択処理(S2451)の詳細については、図115を参照して後述する。
S2452の処理においてSPリーチが選択された場合は(S2452:No)、SPリーチ演出が実行(表示)され、融合演出が実行(表示)されない場合であるので、S2405からS2414の処理をスキップして、本処理を終了する。一方、S2451の処理において、SPリーチが未選択であった場合には(S2452:Yes)、融合演出を実行(表示)するために、S2405からS2414の処理を実行して本処理を終了する。なお、S2405からS2414の処理は、第1実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図115のフローチャートを参照して、第6実施形態における特図2変動開始処理6(S2204)内で実行されるSPリーチ選択処理(S2451)の詳細について説明する。このSPリーチ選択処理(S2451)は、SPリーチ演出を選択するための処理である。
SPリーチ選択処理(S2451)では、まず、第2特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S5101)。S5101の処理において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S5101:No)、大当たりに基づくSPリーチ演出を実行(表示)するために、S5102の処理へ移行する。
S5102の処理では、SPリーチ演出(特図2大当たり)を選択して(S5102)、本処理を終了する。ここで、本実施形態では、第2特別図柄の大当たりとなる場合に選択される変動パターンは、特図2大当たり変動パターンF(変動時間9秒)となっている。そこで、SPリーチ演出(特図2大当たり)の演出時間も9秒とした。これにより、SPリーチ演出(特図2大当たり)の演出時間と、第2特別図柄の大当たりとなる変動時間とを一致させることができ、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。
一方、S5101の処理において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合には(S5101:Yes)、次いで、その抽選結果が小当たりBまたは小当たりCであるか否かを判別する(S5103)。
S5103の処理において抽選結果が小当たりAであると判別された場合は(S5103:No)、小当たり遊技の終了後に状態Aへと移行される場合であるので、SPリーチ演出を実行(表示)しないようにするため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5103の処理において抽選結果が小当たりBまたは小当たりCであると判別された場合は(S5103:Yes)、小当たり遊技の終了後に状態Bまたは状態Cへと移行される場合であるので、SPリーチ演出を実行(表示)するようにするため、S5104の処理へ移行する。
S5104の処理では、第1特別図柄の残変動時間が第2特別図柄の変動時間よりも短いか否かを判別する(S5104)。S5104の処理において、第1特別図柄の残変動時間が第2特別図柄の変動時間よりも短いと判別された場合は(S5104:Yes)、第1特別図柄の変動が第2特別図柄の変動よりも先に停止される場合である。この場合には、次いで、第1特別図柄の残変動時間が8.7秒から9.7秒の間であるか否かを判別する(S5105)。
S5105の処理において、第1特別図柄の残変動時間が8.7秒から9.7秒の間であると判別された場合は(S5105:Yes)、第1特別図柄の残変動時間が、SPリーチ演出(特図1小当たり)を実行(表示)可能な範囲であるので、SPリーチ演出(特図1小当たり)を選択して(S5106)、本処理を終了する。
一方、S5105の処理において、第1特別図柄の残変動時間が8.7秒よりも短い、または、9.7秒よりも長いと判別された場合は(S5105:No)、第1特別図柄の残変動時間が、SPリーチ演出(特図1小当たり)を実行(表示)可能な範囲ではないので、そのまま本処理を終了する。SPリーチ演出(特図1小当たり)が選択されなかった場合には、その後、特図2変動開始処理6(図114参照)において、融合演出が選択されることとなる。
S5104の処理において、第1特別図柄の残変動時間が第2特別図柄の変動時間よりも長いと判別された場合は(S5104:No)、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動よりも先に停止される場合である。この場合には、次いで、第2特別図柄の変動時間が9秒であるか否かを判別する(S5107)。
S5107の処理において、第2特別図柄の変動時間が9秒であると判別された場合は(S5107:Yes)、SPリーチ演出(特図2小当たり)を選択して、本処理を終了する。一方、S5107の処理において、第2特別図柄の変動時間が9秒でないと判別された場合は(S5107:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、第2特別図柄の変動時間に応じて、SPリーチ演出(特図2小当たり)を実行(表示)することができる。その結果、SPリーチ演出(特図2小当たり)の演出時間と、第2特別図柄の小当たりとなる変動時間とを一致させることができ、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。
このように、第2特別図柄が大当たりとなる場合に、SPリーチ演出(特図2大当たり)を実行(表示)することにより、遊技者に対して大当たりの到来を予感させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、状態Bまたは状態Cに移行される小当たりとなる場合に、SPリーチ演出(特図2大当たり)と同様の演出態様であるSPリーチ演出(特図1小当たり)またはSPリーチ演出(特図2小当たり)が実行(表示)される。これにより、SPリーチ演出が表示される頻度が増えることで、遊技者の興趣を向上できると共に、SPリーチ演出が表示されたにも関わらず大当たりとならなかった場合においても、遊技者にとって有利な状態Bまたは状態Cへ移行するので、遊技者の遊技意欲の低下を防止(抑制)できる。
以上説明したように、本第6実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方において大当たりとなる変動が開始された場合には、他方の特別図柄の抽選を強制的に外れにして変動を実行するように構成した。これにより、例えば、第2特別図柄に基づく大当たりの変動が実行されている場合に、第1特別図柄に基づく小当たりの変動が先に停止することにより、第2特別図柄に基づく大当たりの変動が外れに変更されてしまうことを防止(抑制)できる。また、大当たりとなることを示唆する演出が実行(表示)されたにも関わらず、大当たりとならないことを防止(抑制)でき、遊技者の参加意欲を低下させてしまうことを防止(抑制)できる。
本第6実施形態では、V入賞スイッチ65e3を通過した場合に付与される大当たりの種別を複数(大当たりA1、A2、A3)設けるようにしている。そして、大当たり種別に応じて、大当たり遊技の終了後に移行される状態が異なるように構成している。これにより、抽選結果が小当たりとなった場合に加えて、抽選結果が大当たりとなった場合にも遊技状態を移行(変化)させることができるので、遊技に変化を持たせることができ、遊技者の興趣を向上できる。
本第6実施形態を、上述した第4実施形態と組み合わせてもよい。具体的には、第4実施形態において、大当たりの変動が強制的に停止されることがないように構成する。これにより、第4実施形態において、第2特別図柄の保留があるにも関わらず、第1入賞口64aへ遊技球が入球してしまい、大当たりとなる第2特別図柄の変動が強制的に停止されることを防止するための演出(図94(b)参照)を表示する必要がなくなる。これにより、遊技者に対して枠左ボタン22a、枠右ボタン22bの押下を促す演出(図94(b)参照)を表示する必要がなくなり、遊技者の操作負担を軽減することができる。
なお、本実施形態では、V入賞スイッチ65e3に入賞した場合には、その小当たりDが終了後に大当たり遊技が付与される構成としたが、それに限らず、大当たりの確率が通常確率(1/399)よりも高く設定される高確率状態(確変:例えば、1/39)が小当たりDの終了後から次の大当たりまたは所定の回数、第1特別図柄と第2特別図柄とが変動するまでの期間まで設定するように構成してもよい。即ち、V入賞スイッチ65e3が確変を付与するスイッチとしてもよい。
<第3実施形態の変形例>
次いで、図116~図119を参照して、第3実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。この第3実施形態の変形例におけるパチンコ機10は、上述した第3実施形態におけるパチンコ機10に対して、第1特別図柄に基づく抽選が連続して実行されている場合には、各特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルに関わらず背面画像を選択するように構成した。第1特別図柄に基づく抽選が連続して実行されている場合には、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルが設定されるまで(即ち、期待度の高い背面画像が表示されるまで)、第1入賞口64aに少しずつ遊技球を入球させるような不正遊技が行われている可能性が高い。そこで、本変形例では、そのような不正遊技が実行されている場合には、強制的に期待度の低い背面画像(「街」の背面画像)が設定されるように構成した。これにより、上述した不正遊技が実行されることを防止(抑制)できる。
この第3実施形態の変形例におけるパチンコ機10が第3実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のROM222の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態の変形例における電気的構成>
まず、図116(a)を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222の構成について説明する。図116(a)に示した通り、本変形例のROM222は、第3実施形態におけるROM222の構成(図80参照)に対して、背面画像選択テーブル222cの内容が一部変更されている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、この背面画像選択テーブル222cの詳細については、図117を参照して後述する。
次に、図116(b)を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図116(b)に示したとおり本変形例のRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図80参照)に対して、特図1連続抽選カウンタ223r、テーブル選択用演出カウンタ223sが追加されている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特図1連続抽選回数カウンタ223rは、第1特別図柄の変動が連続して実行されている回数をカウント(計数)するためのカウンタである。この特図1連続抽選回数カウンタ223rは、変動表示設定処理7(図118参照)において、特図1変動開始フラグ223cがオンである場合(即ち、第1特別図柄の変動が開始される場合)に1加算され、特図2変動開始フラグがオンである場合(即ち、第2特別図柄の変動が開始される場合)に0に初期化されるものである。特図1連続抽選回数カウンタ223rの値は、背面画像変更処理7(図119参照)において参照され、その値が10以上であると判別された場合に、各特別図柄に対して設定されている変動パターン選択テーブルに関わらず、「街」の背面画像が選択されることになる。
特図1連続抽選回数カウンタ223rの値が多い場合(本変形例では10以上の場合)は、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルが設定されるまで(即ち、期待度の高い背面画像が表示されるまで)、第1入賞口64aに少しずつ遊技球を入球させるような不正遊技が行われている可能性が高い。そこで、本変形例では、そのような不正遊技が実行されている場合には、強制的に期待度の低い背面画像(「街」の背面画像)が設定されるように構成した。これにより、上述した不正遊技が実行されることを防止(抑制)することができる。
テーブル選択用演出カウンタ223sは、後述する高信頼度背面画像選択テーブル222c1と低信頼度背面画像選択テーブル222c2とのいずれを用いて背面画像を選択するかを決定するためのカウンタである。このテーブル選択用演出カウンタ223sは、「0~3」までの範囲で繰り返し更新されるカウンタ値である。図示は省略したが、演出カウンタ223gと同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図52参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
次に、図117を参照して、本変形例において設定される背面画像について説明する。まず、図117(a)の判定値計算パターン表を参照して、背面画像を選択するための判定値の算出方法について説明する。本変形例では、各特別図柄に対して設定される各種テーブル(第1短変動テーブル、第2長変動テーブルなど)にそれぞれ判定値を設定している。各テーブルに設定される判定値は「0」、「1」、「2」の3種類あり、遊技者にとって有利なテーブルである程、値の大きい判定値が設定される。この判定値は、各特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルの組み合わせを判別するために用いられる。
具体的には、第1特別図柄用に設定される変動パターン選択テーブルのうち、第1短変動テーブルの判定値として「0」が設定され、第1中変動テーブルの判定値として「1」が設定され、第1長変動テーブルの判定値として「2」が設定されている。即ち、第1特別図柄の変動パターンとして、変動時間の長い変動パターンが選択され易い程、判定値の値が大きくなるように設定されている。
一方、第2特別図柄用に設定される変動パターン選択テーブルのうち、第2長変動テーブルの判定値として「0」が設定され、第2中変動パターンの判定値として「1」が設定され、第2短変動パターンの判定値として「2」が設定されている。即ち、第2特別図柄の変動パターンとして、変動時間の短い変動パターンが選択され易い程、判定値の値が大きくなるように設定されている。
ここで、本変形例では、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動が先に停止された方が遊技者にとって有利となる。よって、第1特別図柄の変動時間が長い場合は、遊技者にとって有利となる。即ち、第1特別図柄用の変動パターンとして、上述した判定値の値が大きい変動パターン選択テーブルが設定されている場合は、遊技者にとって有利な状態となる。また、第2特別図柄の変動時間が短い場合も同様に、遊技者にとって有利となる。即ち、第2特別図柄用の変動パターンとして、上述した判定値の値が大きい変動パターン選択テーブルが設定されている場合も、遊技者にとって有利な状態となる。
その結果、各特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルの組み合わせとしては、各特別図柄用に判定値の値が大きい変動パターン選択テーブルが設定されている場合は遊技者にとって非常に有利な状態となる。即ち、設定されている各特別図柄用の変動パターン選択テーブルの判定値を合計した値が大きい程、遊技者にとって有利な状態となる。
そこで、本変形例では、上述した判定値の合計値と、演出カウンタ223gの値とに基づいて、遊技者にとって有利な度合いを示唆する背面画像を選択するように構成した。詳細は後述するが、判定値の合計値が大きい値である程、期待度の高い背面画像が選択され易く構成されており、反対に、判定値の合計値が小さい値である程、期待度の低い背面画像が選択され易く構成されている。これにより、遊技者にとって有利な度合いを示唆する背面画像を選択する処理を簡略化することができ、処理負荷を軽減できる。
次に、図117(b)を参照して、本変形例における背面画像選択テーブル222cの内容について説明する。背面画像選択テーブル222cは、背面画像変更処理7(S2651)において背面画像を選択する際に参照されるテーブルである。この背面画像選択テーブル222cには、高信頼度背面画像選択テーブル222c1と、低信頼度背面画像選択テーブル222c2とが設けられている。各信頼度の背面画像選択テーブルには、第4実施形態と同様の背面画像(期待度の低い順に、「街」、「山」、「砂浜」、「海底」、「魚群」)が規定されている。
詳細については後述するが、高信頼度背面画像選択テーブル222c1では、判別値を合計した値が小さい(「0」である)場合には、期待度の高い背面画像(「海底」の背面画像)が選択されないように規定されている。反対に、判別値を合計した値が大きい(「4」である)場合には、期待度の低い背面画像(「街」の背面画像)が選択されないように規定されている。これに対し、低信頼度背面画像選択テーブル222c2では、判別値を合計した値が小さい(「0」である)場合であっても、期待度の高い背面画像(「海底」の背面画像)が選択される可能性があるように規定されている。また、判別値を合計した値が大きい(「4」である)場合であっても、期待度の低い背面画像(「街」の背面画像)が選択される可能性があるように規定されている。即ち、高信頼度背面画像選択テーブル222c1に基づいて設定される背面画像は、各特別図柄に対して設定されている現在の変動パターン選択テーブル(即ち、遊技者に対する有利度合い)を予想し易い、所謂、信頼度の高い背面画像となる。一方、低信頼度背面画像選択テーブル222c2に基づいて設定される背面画像は、各特別図柄に対して設定されている現在の変動パターン選択テーブル(即ち、遊技者に対する有利度合い)を予想し難い、所謂、信頼度の低い背面画像となる。
ここで、図117(c)を参照して、高信頼度背面画像選択テーブル222c1の詳細について説明する。高信頼度背面画像選択テーブル222c1は、後述する背面画像設定処理7(図119参照)において、特図1連続抽選回数カウンタの値が10より小さく、かつ、演出カウンタ223gの値が「151~198」である場合に、背面画像を選択するために参照される(図119のS5055参照)。
第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルとの判定値の合計値が「0」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~99」に対して「街」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「100~189」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「190~198」に対して「砂浜」の背面画像が設定されている。
判定値の合計値が「1」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~49」に対して「街」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「50~149」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「150~198」に対して「砂浜」の背面画像が設定されている。
判定値の合計値が「2」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~99」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「100~179」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「180~198」に対して「海底」の背面画像が設定されている。
判定値の合計値が「3」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~49」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「50~149」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「150~198」に対して「海底」の背面画像が設定されている。
判定値の合計値が「4」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~49」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「50~179」に対して「海底」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「180~198」に対して「魚群」の背面画像が設定されている。
次に、図117(d)を参照して、低信頼度背面画像選択テーブル222c2の詳細について説明する。低信頼度背面画像選択テーブル222c2は、後述する背面画像設定処理7(図119参照)において、特図1連続抽選回数カウンタ223rの値が10より小さく、かつ、テーブル選択用演出カウンタ223sの値が「0~2」である場合に、背面画像を選択するために参照される(図119のS5054参照)。
第1特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルと、第2特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルとの判定値の合計値が「0」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~99」に対して「街」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「100~149」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「150~189」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「190~198」に対して「海底」の背面画像が設定されている。
判定値の合計値が「1」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~49」に対して「街」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「50~149」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「150~179」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「180~189」に対して「海底」の背面画像が設定されている。
判定値の合計値が「2」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~49」に対して「街」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「50~99」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「100~179」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「180~198」に対して「海底」の背面画像が設定される。
判定値の合計値が「3」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~49」に対して「街」の背面画像が選択され、演出カウンタ223gの値「50~99」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「100~149」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「150~198」に対して「海底」の背面画像が設定される。
判定値の合計値が「4」である場合には、演出カウンタ223gの値「0~49」に対して「街」の背面画像が選択され、演出カウンタ223gの値「50~99」に対して「山」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「100~149」に対して「砂浜」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「150~189」に対して「海底」の背面画像が設定され、演出カウンタ223gの値「190~198」に対して「魚群」の背面画像が設定される。
<第3実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図118および図119を参照して、第3実施形態の変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図118を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理7(S2113)について説明する。この第3実施形態の変形例における変動表示設定処理7(S2113)は、第3実施形態における変動表示設定処理3(図89参照)に対して、S2671およびS2672の処理を追加した点と、背面画像変更処理(図90参照)に代えて背面画像変更処理7(S2651)を実行するようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理7(S2113)では、まず、第3実施形態と同様に、S2601の処理において特図1変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合には(S2601:Yes)、S2602およびS2603の処理を実行する。S2603の処理を終えると、特図1連続抽選回数カウンタ223rを1加算して(S2671)、S2604の処理へ移行する。
S2604の処理において、特図2変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合には(S2604:Yes)、第3実施形態と同様に、S2605およびS2606の処理を実行する。S2606の処理を終えると、特図1連続抽選回数カウンタ223rを0に初期化して(S2672)、S2607の処理へ移行する。
このように、第2特別図柄に基づく変動が開始されるまで、特図1連続抽選回数カウンタ223rの値は初期化されることなく、第1特別図柄に基づく変動が開始される毎に1ずつ加算されることになる。これにより、特図1連続抽選回数カウンタ223rの値が多い場合には、第2入賞口64bへ遊技球を入球させず、第1入賞口64aにのみ遊技球を入球させるような不正遊技が実行されていると判別することができる。
S2607からS2612の処理では、第3実施形態のS2607からS2612の処理と同様の処理を実行する。その後、背面画像変更処理7を実行し(S2651)、本処理を終了する。
ここで、図119を参照して、変動表示設定処理7(図118参照)において実行される背面画像選択処理7(S2651)について説明する。この第3実施形態の変形例における背面画像選択処理7(S2651)は、第3実施形態における背面画像選択処理(図90参照)に対して、S5003の処理に代えてS5051~S5055の処理を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
背面画像選択処理7(S2651)では、まず、第3実施形態と同様に、S5001およびS5002の処理を実行し、設定されている第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルと第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルとを判別する(S5001,S5002)。
S5002の処理を終えると、特図1連続抽選回数カウンタの値が10以上であるか否かを判別する(S5051)。S5051の処理において、特図1連続抽選回数カウンタの値が10以上であると判別された場合は(S5051:No)、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルが設定されるまで(即ち、期待度の高い背面画像が表示されるまで)、第1入賞口64aに少しずつ遊技球を入球させるような不正遊技が行われている可能性が高い。そこで、この場合には、設定されている各特別図柄用の変動パターン選択テーブルとは無関係に「街」の背面画像を選択し(S5052)、S5004の処理へ移行する。これにより、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルが設定されたとしても、期待度の高い背面画像が設定されることがないので、上述した不正遊技が実行されることを防止(抑制)することができる。
一方、S5051の処理において、特図1連続抽選回数カウンタの値が10よりも小さいと判別された場合は(S5051:Yes)、各特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルに基づいて背面画像を設定するために、S5053の処理へ移行する。
S5053の処理では、テーブル選択用演出カウンタ223sの値が0~2であるか否かを判別する(S5053)。S5053の処理において、テーブル選択用演出カウンタ223sの値が0~2であると判別された場合は(S5053:Yes)、低信頼度背面画像選択テーブル222c2を用いて背面画像を選択し(S5054)、S5004の処理へ移行する。なお、テーブル選択用演出カウンタ223sの値は、上述したように0~3の間で更新されるので、低信頼度背面画像選択テーブル222c2を用いて背面画像が選択される確率は、3/4(75%)となる。
一方、S5053の処理において、テーブル選択用演出カウンタ223sの値が3であると判別された場合は(S5053:No)、高信頼度背面画像選択テーブル222c1と演出カウンタ223を用いて背面画像を選択し(S5055)、S5004の処理へ移行する。なお、テーブル選択用演出カウンタ223sの値は、上述したように0~3の間で更新されるので、高信頼度背面画像選択テーブル222c1を用いて背面画像が選択される確率は、1/4(25%)となる。
S5004の処理以降は、第3実施形態と同様にS5004からS5007の処理を実行して、本処理を終了する。
以上、説明したように、本第3実施形態の変形例では、各特別図柄用に設定されている変動パターン選択テーブルの組み合わせ(即ち、遊技者に対する有利度合い)に基づいて、背面画像が設定される。この場合、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルが設定されるまで(即ち、期待度の高い背面画像が表示されるまで)、第1入賞口64aに少しずつ遊技球を入球させるような不正遊技が行われる可能性がある。そこで、本変形例では、第1入賞口64aにのみ遊技球が入球していることを、特図1連続抽選回数カウンタ223rをカウント(計数)することにより判別する。そして、第1入賞口64aにのみ遊技球が入球していると判別した場合には、設定されている各特別図柄用の変動パターン選択テーブルとは無関係に、期待度の低い背面画像(「街」の背面画像)を設定するように構成している。これにより、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルが設定されたとしても、期待度の高い背面画像が設定されることがないので、上述した不正遊技が実行されることを防止(抑制)できる。
本変形例では、各特別図柄用の変動パターン選択テーブルに遊技者にとって有利となる度合いに基づいて判定値を付与している。そして、設定されている各特別図柄用の変動パターン選択テーブルの判定値を合計した値に基づいて、遊技者にとっての有利度合いを判別し、背面画像を選択するように構成されている。よって、設定されている各特別図柄用の変動パターン選択テーブルの全ての組み合わせに応じて、遊技者にとっての有利度合いを規定しておく必要がない。これにより、遊技者にとって有利な度合いを示唆する背面画像を選択する処理を簡略化することができ、処理負荷を軽減できる。
<第4実施形態の変形例>
次いで、図120~図123を参照して、第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。本第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の終了後から所定期間(本実施形態では、特別図柄の抽選が1回行われるまで)は、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルを用いて、各特別図柄の変動パターンを選択するように構成している。これにより、大当たり遊技が終了した後も、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができる。
この第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10が第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第4実施形態の変形例における電気的構成>
まず、図120(a)を参照して、本変形例における主制御装置110に設けられたROM202の構成について説明する。本変形例では、ROM202における変動パターン選択テーブル202fの一部が変更されている。図120(a)は、変動パターン選択テーブル202fにおける大当たり終了後変動パターン選択テーブル202fの内容を模式的に示した模式図である。その他のROM202の構成は、第4実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
本変形例では、大当たり終了後の所定期間(本変形例では、変動が1回実行されるまで)は、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動よりも短い変動時間となるように変動パターンが規定されている。これにより、大当たり遊技中に第2入賞口64bへ遊技球が入球し、第2特別図柄の入賞が保留されている状態は、大当たり遊技の終了後、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動よりも先に停止される状態になる。即ち、遊技者にとって有利な状態とすることができる。
具体的には、大当たり終了後の残選択回数が1以上の場合には、第1特別図柄では、変動種別カウンタCS1の値「0~198」に対して、特図1変動パターンA(変動時間5秒)が設定されており、第2特別図柄では、変動種別カウンタCS1の値「0~198」に対して、特図2変動パターンF(変動時間4秒)が設定されている。
次に、図120(b)を参照して、本変形例における主制御装置110に設けられたRAM203の構成について説明する。図120(b)に示す通り、本変形例のRAM203は、第4実施形態におけるRAM203の構成(図80参照)に対して、特図1大当たり終了後残選択回数203u、特図2大当たり終了後残選択回数203vが追加されている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特図1大当たり終了後残選択回数203uは、大当たり遊技の終了後からの所定期間(本実施形態では、第1特別図柄の変動が1回実行されるまで)をカウント(計測)するためのカウンタである。この特図1大当たり終了後残選択回数203uは、大当たり制御処理8(図123参照)において、大当たり遊技のエンディングのタイミングであると判別された場合に1に設定され(図123のS1491参照)、第1特別図柄変動パターン選択処理8(図121参照)において、大当たり終了後変動パターン選択テーブルより変動パターンが選択された場合に1減算される(図121のS552参照)。
特図2大当たり終了後残選択回数203vは、大当たり遊技の終了後からの所定期間(本実施形態では、第2特別図柄の変動が1回実行されるまで)をカウント(計測)するためのカウンタである。この特図2大当たり終了後残選択回数203vは、大当たり制御処理8(図123参照)において、大当たり遊技のエンディングのタイミングであると判別された場合に1に設定され(図123のS1492参照)、第2特別図柄変動パターン選択処理8(図122参照)において、大当たり終了後変動パターン選択テーブルより変動パターンが選択された場合に1減算される(図122のS952参照)。
<第4実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図121から図123を参照して、本変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図121を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動パターン選択処理8(S304)について説明する。この第4実施形態の変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理8(S304)は、第4実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)に対して、S551からS554の処理を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第1特別図柄変動パターン選択処理8(S304)では、まず、第4実施形態と同様に、S501~S505の処理を実行する。そして、S551の処理へ移行する。
S551の処理では、特図1大当たり終了後残選択回数203uが0より大きいか否かを判別する(S551)。S551の処理において、特図1大当たり終了後残選択回数203uが0であると判別された場合は(S551:No)、現在の遊技状態が大当たり遊技終了後の所定期間(本実施形態では、変動が1回実行されるまで)ではない場合である。この場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、S551の処理において、特図1大当たり終了後残選択回数203uが1であると判別された場合は(S551:Yes)、現在の遊技状態が大当たり遊技終了後の所定期間であるので、S552の処理へ移行する。
S552の処理では、特図1大当たり終了後残選択回数203uの値を1減算し(S552)、S553の処理へ移行する。S553の処理では、減算した特図1大当たり終了後残選択回数203uの値が0であるか否かを判別する(S553)。なお、本変形例では、特図1大当たり終了後残選択回数203uに設定される値は1であるため、減算した特図1大当たり終了後残選択回数203uは必ず0となる。
S553の処理において、特図1大当たり終了後残選択回数203uの値が0であると判別された場合には(S553:Yes)、第1特別図柄に対して現在の遊技状態(状態A~C)に応じた変動パターン選択テーブルを設定して、本処理を終了する。
一方、S553の処理において、特図1大当たり終了後残選択回数203uの値が0でないと判別された場合は(S553:No)、S554の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図122を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動パターン選択処理8(S704)について説明する。この第4実施形態の変形例における第2特別図柄変動パターン選択処理8(S704)は、第4実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図38参照)に対して、S951からS954の処理を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動パターン選択処理8(S704)では、まず、第4実施形態と同様に、S901~S905の処理を実行する。そして、S951の処理へ移行する。
S951の処理では、特図2大当たり終了後残選択回数203vが0より大きいか否かを判別する(S951)。S951の処理において、特図2大当たり終了後残選択回数203vが0であると判別された場合は(S951:No)、現在の遊技状態が大当たり遊技終了後の所定期間(本実施形態では、変動が1回実行されるまで)ではない場合である。この場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、S951の処理において、特図2大当たり終了後残選択回数203vが1であると判別された場合は(S951:Yes)、現在の遊技状態が大当たり遊技終了後の所定期間であるので、S952の処理へ移行する。
S952の処理では、特図2大当たり終了後残選択回数203vの値を1減算し(S952)、S953の処理へ移行する。S953の処理では、減算した特図2大当たり終了後残選択回数203uの値が0であるか否かを判別する(S953)。なお、本変形例では、特図2大当たり終了後残選択回数203vに設定される値は1であるため、減算した特図2大当たり終了後残選択回数203vは必ず0となる。
S953の処理において、特図2大当たり終了後残選択回数203vの値が0であると判別された場合には(S953:Yes)、第2特別図柄に対して現在の遊技状態(状態A~C)に応じた変動パターン選択テーブルを設定して、本処理を終了する。
一方、S953の処理において、特図2大当たり終了後残選択回数203vの値が0でないと判別された場合は(S953:No)、S954の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図123を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理8(S1304)について説明する。この第4実施形態の変形例における大当たり制御処理8(S1304)は、第4実施形態における大当たり制御処理(図45参照)に対して、S1491からS1493の処理を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動パターン選択処理8(S1304)では、まず、第4実施形態と同様に、S1401~S1409の処理を実行する。S1409の処理において、大当たり遊技のエンディングのタイミングであると判別された場合は(S1409)、エンディングコマンドを設定し(S1410)、大当たりシナリオをクリアして(S1411)、S1491の処理へ移行する。
S1491の処理では、特図1大当たり残変動回数203uに1を設定し(S1491)、次いで、特図2大当たり残変動回数203vに1を設定する(S1492)。このS1491およびS1492の処理によって各大当たり残変動回数が設定されることで、遊技状態が大当たり遊技終了後の所定期間であるか否かを判別することが可能となる。
S1492の処理を終えると、第1特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、大当たり終了後変動パターン選択テーブル202fを設定する(S1493)。そして、第2特別図柄用の変動パターン選択テーブルとして、大当たり終了後変動パターン選択テーブル202fを設定して(S1494)、本処理を終了する。このS1493およびS1494の処理により、大当たり終了後の所定期間では、通常時とは異なる変動パターン(第2特別図柄の変動が先に停止する)で変動を実行することができる。
以上説明したように、本第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の終了後から所定期間(本実施形態では、特別図柄の抽選が1回行われるまで)は、遊技者にとって有利な変動パターン選択テーブルを用いて、各特別図柄の変動パターンを選択するように構成している。これにより、大当たり遊技が終了した後も、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(同時変動で特図2の変動開始時には、特図1が必ず変動している構成)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球可能な期間を設定する入球制御手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1識別情報が動的表示され、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2識別情報が動的表示される表示手段と、特定の前記第2識別情報が前記表示手段に表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記入球制御手段は、前記第2入球手段を前記入球可能な期間に設定する場合には、前記第1入球手段に遊技球が入球してから所定期間以内であることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球可能な期間を設定する入球制御手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1識別情報が動的表示され、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2識別情報が動的表示される表示手段と、特定の前記第2識別情報が前記表示手段に表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記入球制御手段は、前記第2入球手段を前記入球可能な期間に設定する場合には、前記第1入球手段に遊技球が入球してから所定期間以内である。これにより、第2入球手段に遊技球が入球する場合には、それよりも先に第1入手段に遊技球が入球しているので、先に第1識別情報の動的表示が実行されているので、特典が付与されうる第2識別情報の動的表示を後から実行されるように構成でき、第2識別情報の動的表示を期待して遊技者に第1識別情報の動的表示を見せることができる。よって、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。また、第2識別情報の動的表示の頻度も抑制できるので、特典の付与が過剰になるのを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記入球制御手段は、前記第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球を困難にする第2状態とに可変される可変部材と、その可変部材を前記第1状態から前記第2状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、を有し、前記遊技球が入球可能な期間として、前記1状態に前記可変部材を前記可変制御手段により可変させるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記入球制御手段は、前記第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球を困難にする第2状態とに可変される可変部材と、その可変部材を前記第1状態から前記第2状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、を有し、前記遊技球が入球可能な期間として、前記1状態に前記可変部材を前記可変制御手段により可変させるものである。よって、第2識別情報が第1識別情報よりも先に動的表示される不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記特典付与手段は、所定の前記第1識別情報が前記表示手段に表示された場合に、前記特典よりも遊技者に不利となる特典を付与可能なものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記特典付与手段は、所定の前記第1識別情報が前記表示手段に表示された場合に、前記特典よりも遊技者に不利となる特典を付与可能なであるものである。よって、第2識別情報の動的表示に対してより遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第2入球手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球した後に、前記第1識別情報の最短の動的表示期間よりも短い第1期間以内に入球可能な位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2入球手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球した後に、前記第1識別情報の最短の動的表示期間よりも短い第1期間以内に入球可能な位置に配置されているものである。よって、第1識別情報が動的表示されている期間に第2入球手段に遊技球を入球させることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能な動的表示実行手段と、前記所定の第1識別情報で表示される動的表示と、前記特定の第2識別情報で表示される動的表示とがそれぞれ同時に実行されている場合に、前記所定の第1識別情報で先に表示され動的表示が終了した場合に、前記特定の第2識別情報の動的表示を前記特定の第2識別情報とは異なる前記第2識別情報で表示して動的表示を強制終了させる終了手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能な動的表示実行手段と、前記所定の第1識別情報で表示される動的表示と、前記特定の第2識別情報で表示される動的表示とがそれぞれ同時に実行されている場合に、前記所定の第1識別情報で先に表示され動的表示が終了した場合に、前記特定の第2識別情報の動的表示を前記特定の第2識別情報とは異なる前記第2識別情報で表示して動的表示を強制終了させる終了手段と、を有するものである。よって、第1識別情報と第2識別情報とでそれぞれ実行される動的表示期間により有利、不利を可変させることができ、斬新な遊技性を遊技者に提供できるという効果がある。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて、前記入球制御手段は、前記第1入球手段に入球することとなる遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段に検出されたことに基づいて、前記可変制御手段により前記可変部材を前記第1状態から前記第2状態に可変させるまでの期間を決定する期間決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏することができる。即ち、前記入球制御手段は、前記第1入球手段に入球することとなる遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段に検出されたことに基づいて、前記可変制御手段により前記可変部材を前記第1状態から前記第2状態に可変させるまでの期間を決定する期間決定手段と、を有するものである。よって、期間決定手段により決定される期間によって、遊技者に与える利益を可変することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、遊技球が前記第1入球手段または前記第2入球手段に入球したことに基づいて、判別を実行する判別手段を有し、前記判別手段により特定の判別結果が判別された場合に、前記特定の第2識別情報が前記表示手段に表示されるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかにおいて、特定の判別結果が判別されることで遊技者に有利な特典が付与されるので、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A7において、前記判別手段により特別の判別結果が判別された場合には、前記特典よりも遊技者に有利な特別特典が前記特典付与手段より付与されるものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、遊技者にさらに有利となる特別特典が付与されるので、遊技に新鮮味を持たせることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過条件の成立に基づいて入球可能となる特定領域と、前記特典が前記特典付与手段により付与されることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、を有し前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、前記特典よりも有利となる特別特典を付与するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、可変入球手段に入球した遊技球が特定領域を通過することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴B群>(同時変動で、外れを小当たりに設定して、特1小当たりショート開放、特2小当たりではロング開放の構成)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する判別手段と、前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ同時に表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記所定の第1判別結果に基づく前記第1識別情報と前記特定の第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ同時に動的表示されている場合に、先に前記所定の第1判別結果に基づく第1識別情報の動的表示が終了した場合に、前記特定の第2判別結果に基づく第2識別情報の動的表示を前記特定の第2判別結果とは異なる判別結果に基づく判別結果を示す前記第2識識別情報で表示して動的表示を強制的に終了する終了手段と、を有することを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判別を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判別を実行する判別手段と、前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ同時に表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記所定の第1判別結果に基づく前記第1識別情報と前記特定の第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ同時に動的表示されている場合に、先に前記所定の第1判別結果に基づく第1識別情報の動的表示が終了した場合に、前記特定の第2判別結果に基づく第2識別情報の動的表示を前記特定の第2判別結果とは異なる判別結果に基づく判別結果を示す前記第2識識別情報で表示して動的表示を強制的に終了する終了手段と、を有する。よって、第2識別情報の動的表示が第1識別情報の動的表示よりも先に停止することで遊技者に有利な特典遊技を実行させやすくすることができ、斬新な遊技性を提供できるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B1において、遊技球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に遊技球が入球した場合に、前記第2特典遊技よりも遊技者に有利となる特別特典遊技を実行する特別特典遊技実行手段と、前記特定入球手段に遊技球が入球し易い第1動作とその第1動作よりも入球し難い第2動作で入球誘導部材を動作させる動作手段と、を有し、その動作手段は、前記第1特典遊技よりも前記第2特典遊技が実行される場合に、前記第1動作を実行し易いものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に遊技球が入球した場合に、前記第2特典遊技よりも遊技者に有利となる特別特典遊技を実行する特別特典遊技実行手段と、前記特定入球手段に遊技球が入球し易い第1動作とその第1動作よりも入球し難い第2動作で入球誘導部材を動作させる動作手段と、を有し、その動作手段は、前記第1特典遊技よりも前記第2特典遊技が実行される場合に、前記第1動作を実行し易いものである。よって、特定の判定結果に基づく第2識別情報が表示された場合に実行される第2特典遊技により、特定入球手段に遊技球が入球させられるか否かにより遊技者への特典を可変させることができ、多段階的に遊技者の興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記動作手段は、前記入球誘導部材を遊技球が前記特定入球手段に入球可能な位置に動作させる期間を前記第2動作よりも前記第1動作の方を長く設定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記動作手段は、前記入球誘導部材を遊技球が前記特定入球手段に入球可能な位置に動作させる期間を前記第2動作よりも前記第1動作の方を長く設定するものである。よって、容易な制御で有利、不利を切り替えることができ、制御負荷を軽減できるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技の実行に基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に所定条件の成立まで可変させる可変制御手段と、を有し、前記特定入球手段は、前記可変入球手段に入球した遊技球が入球可能となる位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、第1特典遊技または第2特典遊技が実行されることで、可変入球手段が第1状態にされ、特定入球手段への入球機会が与えられるので、第1特典遊技または第2特典遊技の価値を向上できるという効果がある。
遊技機B4において、前記動作手段は、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記可変入球手段が前記第1状態となるよりも前に前記第1動作を実行した後に、前記第2動作を実行するものであり、前記第2特典遊技が実行される場合には、前記可変入球手段が第1状態となる期間に前記第1動作を実行するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第2特典遊技中に特定入球手段に遊技球を入球させやすくでき、第2特典遊技の価値を向上できるという効果がある。
遊技機B4またはB5のいずれかにおいて、前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とは、前記可変入球手段が同じ回数前記第1状態に可変されるものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4またはB5の奏する効果に加え、第1特典遊技と第2特典遊技との違いを可変入球手段の動作から判別されることを抑制できるという効果がある。これにより、特定入球手段に入球するか否かを特典遊技の種別から判別される不具合を抑制できる。
<特徴C群>(小当たりに種類を持たせて、特1の小当たりで特2の変動テーブルを切替)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、所定の判定結果に基づく前記第1識別情報が表示されたことに基づいて、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間を可変させる可変制御手段とを有するものであること特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、所定の判定結果に基づく前記第1識別情報が表示されたことに基づいて、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間を可変させる可変制御手段とを有するものである。よって、所定の判定結果に基づく第1識別情報が表示されることで、第2識別情報に対して実行される動的表示期間が可変されるので、遊技性を第1判別の判別結果により可変でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機C1において、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記第2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記第2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものである。よって、遊技者に有利な第2判別の判別される動的表示期間が第1判別の判別結果により可変されるので、遊技者には利益の少ない第1識別情報の表示にも興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものである。よって、第2識別情報の動的表示期間が短いと遊技者に有利となり、短い動的表示期間で動的表示されることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示を予め定められた優先条件に基づいて、優先に設定された識別情報の動的表示を優先して実行する優先手段を有するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示を予め定められた優先条件に基づいて、優先に設定された識別情報の動的表示を優先して実行する優先手段を有するものである。よって、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記第1識別情報の動的表示期間と前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記動的表示期間が決定される動的表示期間群の種別を設定する設定手段と、を有し、前記設定手段は、前記所定の判定結果を示す第1識別情報が表示されたことに基づいて、前記第2識別情報に対応する前記動的表示期間群を可変して設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1識別情報の動的表示期間と前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記動的表示期間が決定される動的表示期間群の種別を設定する設定手段と、を有し、前記設定手段は、前記所定の判定結果を示す第1識別情報が表示されたことに基づいて、前記第2識別情報に対応する前記動的表示期間群を可変して設定することが可能に構成されているものである。よって、設定手段により設定される動的表示期間群により容易に遊技の不利有利を可変させることができるという効果がある。
遊技機C2からC5のいずれかにおいて、前記判別手段により前記第1判別または前記第2判別により特別の判別結果が判別された場合には、前記第1特典および前記第2特典よりも遊技者に有利な特別特典が前記特典付与手段より付与されるものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特別の判別結果となることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C2からC6のいずれかにおいて、前記第2特典として、特別条件が成立した場合に前記特別特典が付与されるように設定されるものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C2からC6のいずれかにおいて、特別条件が成立することで、特別特典が付与されるので、さらに遊技者に有利な特典が付与されるようにすることができ、第2特典の魅力を向上できるという効果がある。
遊技機C2からC7のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過条件の成立に基づいて入球可能となる特定領域と、前記第2特典が前記特典付与手段により付与されることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、を有し前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、前記特別特典を付与するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、可変入球手段に入球した遊技球が特定領域を通過することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴D群>(特2の変動パターンが切り替えられる小当たりでは、必ずSP)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく第1識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を前記判別結果に基づいて決定する動的表示態様決定手段と、所定の判別結果を示す前記第1識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により特典遊技が実行される場合に、遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に遊技球が入球可能となる第1動作とその第1動作よりも入球が困難となる第2動作とに動作部材を動作させる動作手段と、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記判別手段による判別結果が特別の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合にも、前記特典を付与するものであり、前記動的表示態様決定手段により決定される前記第1動的表示態様には、前記特別の判別結果である場合に、決定割合が高く設定された特殊動的表示態様が少なくとも設定されており、前記特殊動的表示態様は、前記所定の判別結果であることに基づいて、前記動的表示態様決定手段により決定されるものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく第1識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を前記判別結果に基づいて決定する動的表示態様決定手段と、所定の判別結果を示す前記第1識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により特典遊技が実行される場合に、遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に遊技球が入球可能となる第1動作とその第1動作よりも入球が困難となる第2動作とに動作部材を動作させる動作手段と、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記判別手段による判別結果が特別の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合にも、前記特典を付与するものであり、前記動的表示態様決定手段により決定される前記第1動的表示態様には、前記特別の判別結果である場合に、決定割合が高く設定された特殊動的表示態様が少なくとも設定されており、前記特殊動的表示態様は、前記所定の判別結果であることに基づいて、前記動的表示態様決定手段により決定されるものである。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機D1において、前記判別手段は、前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行するものであり、前記表示手段は、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報が表示されるものであり、前記動的表示手段は、前記第2識別情報を動的表示するものであり、前記特典遊技実行手段は、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも特典の少ない第2特典遊技を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記判別手段は、前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行するものであり、前記表示手段は、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報が表示されるものであり、前記動的表示手段は、前記第2識別情報を動的表示するものであり、前記特典遊技実行手段は、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも特典の少ない第2特典遊技を実行可能に構成されているものである。よって、第1判別と第2判別とで遊技者にとって有利不利を可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機D2において、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも前記動作部材が第1動作となる期間が短く設定されているものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも前記動作部材が第1動作となる期間が短く設定されているので、特典が付与され難くすることが容易にできるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記特殊動的表示態様は、前記特典付与手段により特典が付与される期待度が高い動的表示態様であることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3の奏する効果に加え、前記特殊動的表示態様は、前記特典付与手段により特典が付与される期待度が高い動的表示態様であるので、例え特典が付与されない場合であっても、第1特典遊技が実行されるので、遊技者の落胆を軽減できるという効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、前記動的表示手段は、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを前記表示手段に同時に動的表示することが可能であることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4のいずれかにおいて、第1識別情報と第2識別情報とを同時に動的表示することができるので、効率よく遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機D5において、前記第1識別情報と前記第2識別情報とが同時に動的表示される場合に、一方の動的表示の終了に基づいて他方の動的表示を強制的に終了させる終了手段を有するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、終了手段により一方の動的表示終了タイミングに合わせて他方が強制的に動的表示終了するので、より効率のよい遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機D6において、前記終了手段により強制的に動的表示が終了される場合には、その動的表示が終了される識別情報に基づいて遊技者に有利な特典が付与されることが規制される規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、規制手段により特典が付与されることが規制されることで、射幸性を抑制できるという効果がある。
<特徴E群>(変動回数で特1、特2の変動テーブルを切り替える)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果である第1判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果である第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記第1判別結果に基づく第1識別情報または特定の前記第2判別結果に基づく第2識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記第1識別情報の動的表示期間と、前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記第1識別情報の動的表示期間を決定するための複数の動的表示期間が設定された第1動的表示期間群と前記第2識別情報の動的表示期間を決定するための複数の動的表示期間が設定された第2動的表示期間群との種別をそれぞれ決定する群決定手段と、有し、その群決定手段は、変更条件の成立に基づいて、前記第1動的表示期間群または前記第2動的表示期間群の種別をそれぞれ変更して決定するものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果である第1判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果である第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記第1判別結果に基づく第1識別情報または特定の前記第2判別結果に基づく第2識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記第1識別情報の動的表示期間と、前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記第1識別情報の動的表示期間を決定するための複数の動的表示期間が設定された第1動的表示期間群と前記第2識別情報の動的表示期間を決定するための複数の動的表示期間が設定された第2動的表示期間群との種別をそれぞれ決定する群決定手段と、を有し、その群決定手段は、変更条件の成立に基づいて、前記第1動的表示期間群または前記第2動的表示期間群の種別をそれぞれ変更して決定するものである。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1において、前記第1識別情報と前記第2識別情報とが同時に前記動的表示実行手段により動的表示される場合に、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方が前記特定の前記第1判別結果を示す第1識別情報または前記特定の前記第2判別結果を示す第2識別情報の動的表示が他方よりも先に終了した場合に、他方の動的表示を予め定められた判別結果に対応する前記第1識別情報または前記第2識別情報で表示させて動的表示を強制的に中止する中止手段を有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、前記第1識別情報と前記第2識別情報とが同時に前記動的表示実行手段により動的表示される場合に、前記第1識別情報と前記第2識別情報とのどちらか一方が前記特定の前記第1判別結果を示す第1識別情報または前記特定の前記第2判別結果を示す第2識別情報の動的表示が他方よりも先に終了した場合に、他方の動的表示を予め定められた判別結果に対応する前記第1識別情報または前記第2識別情報で表示させて動的表示を強制的に中止する中止手段を有するので、第2識別情報の動的表示が先に終了することを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記群決定手段により決定される前記第1動的表示期間群と前記第2動的表示期間群とには、所定の第1期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長第1動的表示期間群と長第2動的表示期間群と、前記第1期間よりも短い動的表示期間が決定され易い短第1動的表示期間群と短第2動的表示期間群とが少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、前記群決定手段により決定される前記第1動的表示期間群と前記第2動的表示期間群とには、所定の第1期間よりも長い動的表示期間が決定され易い長第1動的表示期間群と長第2動的表示期間群と、前記第1期間よりも短い動的表示期間が決定され易い短第1動的表示期間群と短第2動的表示期間群とが少なくとも設定されているので、動的表示態様群の切替により遊技性を可変させることができるという効果がある。
遊技機E2またはE3において、前記予め定められた判別結果は、遊技者に有利となる特典が付与されない判別結果に設定されていることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E2またはE3の奏する効果に加え、遊技者に有利なる特典が付与されないので、射幸性が高くなるのを抑制できるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、前記特典遊技の実行に基づいて、前記第2状態から前記第1状態に前記可変入球手段を可変させる可変制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、可変入球手段が第1状態に可変されることで、特典遊技が実行されていることを遊技者に分かり易く認識させることができるという効果がある。
遊技機E5において、前記可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へ遊技球が入球することを規制する規制状態と、その規制を解除した解除状態とに可変可能な可変手段と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、前記特典遊技よりも遊技者に有利となる特別特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6において、前記可変手段は、前記特定の第2判別結果に基づいて実行される前記特典遊技では、前記特定の第1判別結果に基づいて実行される前記特典遊技よりも前記解除状態に可変され易く設定されているものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、第2識別情報が第1識別情報よりも先に停止することで、より遊技者に有利とすることができるという効果がある。
<特徴F群>(特1保留なし、特2保留1の構成で、大当たりまたは小当たり中に特2への入賞を狙う構成)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段への入球に基づいて、第1判別を実行し、前記第2入球手段への入球に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果である第1判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果である第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記第1判別結果に基づく第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、特定の前記第2判別結果に基づく第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記第1識別情報の動的表示期間と、前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第2識別情報が動的表示されている場合に前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定回数まで前記判別手段による前記第2判別の実行権利を記憶する記憶手段と、前記特定の第1識別情報または前記特定の第2識別情報が表示された場合に、動的表示期間中である前記第1識別情報または前記第2識別情報の動的表示を前記特定の前記第1判別結果以外または前記特定の第2判別結果以外の判別結果で強制的に表示させて動的表示を終了させる終了手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記第1識別情報の動的表示期間よりも長い前記第2識別情報の動的表示期間を決定し易く構成されており、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されていない場合には、前記記憶手段に前記判別権利が記憶され難くし、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記記憶手段に前記実行権利が記憶され易くする実行権利制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機F1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段への入球に基づいて、第1判別を実行し、前記第2入球手段への入球に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果である第1判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果である第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記第1判別結果に基づく第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、特定の前記第2判別結果に基づく第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記第1識別情報の動的表示期間と、前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第2識別情報が動的表示されている場合に前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定回数まで前記判別手段による前記第2判別の実行権利を記憶する記憶手段と、前記特定の第1識別情報または前記特定の第2識別情報が表示された場合に、動的表示期間中である前記第1識別情報または前記第2識別情報の動的表示を前記特定の前記第1判別結果以外または前記特定の第2判別結果以外の判別結果で強制的に表示させて動的表示を終了させる終了手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記第1識別情報の動的表示期間よりも長い前記第2識別情報の動的表示期間を決定し易く構成されており、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されていない場合には、前記記憶手段に前記判別権利が記憶され難くし、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記記憶手段に前記実行権利が記憶され易くする実行権利制御手段とを有するものである。よって、特典遊技中に実行権利が記憶されることを期待して遊技を行うことができるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F1において、前記第2入球手段に所定間隔以上の間隔で遊技球を1球ずつ入球させるように入球を遅延させる遅延手段を有するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に所定間隔以上の間隔で遊技球を1球ずつ入球させるように入球を遅延させる遅延手段を有するものであるので、容易に実行権利が記憶されるのを抑制できるという効果がある。
遊技機F1またはF2において、前記所定間隔は、前記第1特典遊技の実行期間よりも短い期間で構成されているものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2の奏する効果に加え、前記所定間隔は、前記第1特典遊技の実行期間よりも短い期間で構成されているものであるので、第1特典遊技が実行されると実行権利が記憶され易くできるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へ遊技球が入球し易い第1状態とその第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変することが可能な可変部材と、その可変部材を前記第2状態と前記第1状態とのどちらかに可変させる可変制御手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記可変部材を前記第2状態よりも前記第1状態に可変し易く、前記第2特典遊技が実行される場合には、前記可変部材を前記第1状態よりも前記第2状態に可変し易くするものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へ遊技球が入球し易い第1状態とその第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変することが可能な可変部材と、その可変部材を前記第2状態と前記第1状態とのどちらかに可変させる可変制御手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記可変部材を前記第2状態よりも前記第1状態に可変し易く、前記第2特典遊技が実行される場合には、前記可変部材を前記第1状態よりも前記第2状態に可変し易くするものであるので、段階的に特典を付与することができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な開放状態と入球困難な閉鎖状態とに可変可能な可変入球手段と、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技の実行に基づいて、前記可変入球手段を前記開放状態に可変させる可変制御手段とを有するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1かkらF4の奏する効果に加え、第1特典遊技または第2特典遊技の実行に基づいて、可変入球手段が開放状態となるので、第1特典遊技または第2特典遊技中であることを遊技者に分かり易く報知できるという効果がある。
遊技機F5において、前記特定領域は、前記可変入球手段に入球した遊技球が入球可能となる位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、第1特典遊技または第2特典遊技の実行に基づいて、特定領域へ入球することができる機会を与えることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F2からF6のいずれかにおいて、前記遅延手段は、遊技球を前記所定間隔以上の期間、転動させることが可能な転動面を有するものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F2からF6のいずれかの奏する効果に加え、所定間隔以上の期間、転動させることが可能な転動面により所定間隔以上を確保することができるという効果がある。
<特徴G群>(特2に保留が発生することを規制する構成)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段への入球に基づいて、第1判別を実行し、前記第2入球手段への入球に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果である第1判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果である第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記第1判別結果に基づく第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、特定の前記第2判別結果に基づく第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記第1識別情報の動的表示期間と、前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第2識別情報が動的表示されている場合に前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定回数まで前記判別手段による前記第2判別の実行権利を記憶する記憶手段と、その記憶手段に前記実行権利が記憶され易い第1状態とその第1状態よりも前記実行権利が記憶され難い第2状態とを切り替えて設定することが可能な状態設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段への入球に基づいて、第1判別を実行し、前記第2入球手段への入球に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果である第1判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果である第2判別結果に基づく第2識別情報とがそれぞれ表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記第1判別結果に基づく第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、特定の前記第2判別結果に基づく第2識別情報が表示された場合に、前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示することが可能な動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示される前記第1識別情報の動的表示期間と、前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第2識別情報が動的表示されている場合に前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定回数まで前記判別手段による前記第2判別の実行権利を記憶する記憶手段と、その記憶手段に前記実行権利が記憶され易い第1状態とその第1状態よりも前記実行権利が記憶され難い第2状態とを切り替えて設定することが可能な状態設定手段とを有するものである。よって、第2入球手段に連続して遊技球が入球することを特別な状態とすることができるので、遊技者の興味を多様にでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1において、前記第2入球手段に遊技球が入球する場合に、遊技球の入球間隔を第1間隔以上の間隔に遅延させる遅延手段を有するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に遊技球が入球する場合に、遊技球の入球間隔を第1間隔以上の間隔に遅延させる遅延手段を有するので、第2入球手段に連続して遊技球が入球するのを容易に抑制できるという効果がある。
遊技機G2において、前記遅延手段は、前記第2入球手段に誘導可能な位置に配置され、遊技球を前記第1期間以上転動させることが可能な転動手段と、その転動手段を前記第1期間以上転動した遊技球を前記第2入球手段へと案内する案内部とを有するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遅延手段は、前記第2入球手段に誘導可能な位置に配置され、遊技球を前記第1期間以上転動させることが可能な転動手段と、その転動手段を前記第1期間以上転動した遊技球を前記第2入球手段へと案内する案内部とを有するものである。よって、特典遊技以外の期間で実行権利が記憶されるのを抑制できるという効果がある。
遊技機G1からG3において、前記状態設定手段は、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されたことに基づいて、前記第1状態に切り替えて設定するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4において、遊技機G1からG3の奏する効果に加え、第1特典遊技または第2特典遊技が実行されることで、実行権利が記憶され易くなり、第2識別情報の動的表示のみがされ易くできるという効果がある。よって、遊技者に有利な第2特典遊技が実行され易くできるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な開放状態と入球困難な閉鎖状態とに可変可能な可変入球手段と、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されることに基づいて、前記開放状態に前記可変入球手段を可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、第1特典遊技または第2特典遊技が実行されることで、特定領域へ遊技球を入球させる機会が与えられるので、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。なお、特典付与手段により与えられる特典としては、可変入球手段を所定条件が成立するまで開放状態にしたり、特定の第1判別結果または第2判別結果として判別される確率を高く設定すること等が相当する。
遊技機G5において、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも前記特定領域へ遊技球が入球し易く設定されているものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、第2特典遊技が実行されることで、特典が付与され易くでき、第2識別情報を動的表示させる実行権利が記憶されることをより価値あることにすることができるという効果がある。
<特徴H群>(小当たりに種類を持たせて、特1の小当たりで特2の変動テーブルを切替。特図1側の変動回数で移行)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記第1識別情報を動的表示させたことに基づく可変条件が成立した場合に、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間を可変させる可変制御手段とを有するものであること特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記第1識別情報を動的表示させたことに基づく可変条件が成立した場合に、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間を可変させる可変制御手段を有する。よって、第1識別情報が表示されることにより成立する可変条件が成立することにより、第2識別情報に対して実行される動的表示期間が可変されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。第2識別情報の変動時間が短いものが選択され易ければ、第2識別情報を効率良く動的表示させることができる。なお、ここで、可変条件とは、第1識別情報が表示する表示態様であったり、動的表示の回数が所定回数であったりする等が該当する。
遊技機H1において、所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記第2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記大2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものである。よって、遊技者に有利な第2判別の判別される動的表示期間が第1判別の判別結果により可変されるので、遊技者には利益の少ない第1識別情報の表示にも興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機H2において、前記可変条件は、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、所定の判別結果に基づく第1識別情報が表示された場合には、第2特典より特典が少ない第1特典が実行されるが、可変条件の成立を期待させることができ、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H2において、前記可変条件は、前記第1識別情報の動的表示回数が所定回数または所定回数以上となったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、前記第1識別情報の動的表示の回数についても、遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものである。よって、第2識別情報の動的表示期間が短いと遊技者に有利となり、短い動的表示期間で動的表示されることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示を予め定められた優先条件に基づいて、優先に設定された識別情報の動的表示を優先して実行する優先手段を有するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH6のいずれかの奏する効果に加え、前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示を予め定められた優先条件に基づいて、優先に設定された識別情報の動的表示を優先して実行する優先手段を有するので、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H1からH6のいずれかにおいて、前記第1識別情報の動的表示期間と前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記動的表示期間が決定される動的表示期間群の種別を設定する設定手段と、を有し、前記設定手段は、前記可変条件の成立に基づいて、前記第2識別情報に対応する前記動的表示期間群を可変して設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H1からH6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1識別情報の動的表示期間と前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記動的表示期間が決定される動的表示期間群の種別を設定する設定手段と、を有し、前記設定手段は、前記可変条件の成立に基づいて、前記第2識別情報に対応する前記動的表示期間群を可変して設定することが可能に構成されているものである。よって、設定手段により設定される動的表示期間群により容易に遊技の不利有利を可変させることができるという効果がある。
遊技機H2からH7のいずれかにおいて、前記判別手段により前記第1判別または前記第2判別により特別の判別結果が判別された場合には、前記第1特典および前記第2特典よりも遊技者に有利な特別特典が前記特典付与手段より付与されるものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H2からH5のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特別の判別結果となることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H2からH8のいずれかにおいて、前記第2特典として、特別条件が成立した場合に前記特別特典が付与されるように設定されるものであることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H2からH8のいずれかにおいて、特別条件が成立することで、特別特典が付与されるので、さらに遊技者に有利な特典が付与されるようにすることができ、第2特典の魅力を向上できるという効果がある。
遊技機H2からH9のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過条件の成立に基づいて入球可能となる特定領域と、前記第2特典が前記特典付与手段により付与されることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、前記特別特典を付与するものであることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、可変入球手段に入球した遊技球が特定領域を通過することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機H10において、前記特別特典は、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものであることを特徴とする遊技機H11。
遊技機H11によれば、遊技機H10の奏する効果に加え、特別特典として特典遊技の実行が行われるので、遊技者の興趣をさらに向上できるという効果がある。ここで、第2特典が付与される場合は、第2識別情報が第1識別情報よりも先に停止することで付与される可能性があるので、第2識別情報の動的表示期間が短くなるように可変制御手段に可変されることに遊技者は興味を持って遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機H10において、前記判別手段により特定の第1判別結果または特定の第2判別結果と判別された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有し、前記特別特典は、前記判別手段により前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率が所定条件の成立まで高く設定されるものであることを特徴とする遊技機H12。
遊技機H12によれば、遊技機H11の奏する効果に加え、特別特典として、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果として判別される確率が高く設定されるので、遊技者に対して第2特典の価値を高めることができるという効果がある。
<特徴I群>(特1小当たりで特2変動可変。特図1側の天井で移行。H群類似バージョン)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ所定の契機で決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記第1識別情報を動的表示させたことに基づく可変条件が成立した場合に、前記第2識別情報の動的表示に対応して前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を可変させる可変制御手段と、を有するものであること特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。このような構成において、特典遊技として、2つの入球口を開閉制御することで、複数種類の特典遊技を提供する遊技機が提案されている。(例えば、特開2003-265765号公報)。このような遊技機では、特典遊技として開放される入球口を切り替える制御を行っているだけであり、遊技が単調となり易い。更なる遊技の興趣向上が求められていた。さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。ここで、従来の遊技機では、遊技の当否が判定される確率を可変させるのみで遊技の主な興趣を可変させており、さらに遊技が単調となり易く、当否の判定確率以外にも遊技者に有利となる状態が可変させられる遊技機が求められていた。
遊技機I1によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ所定の契機で決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記第1識別情報を動的表示させたことに基づく可変条件が成立した場合に、前記第2識別情報の動的表示に対応して前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を可変させる可変制御手段と、を有する。よって、第1識別情報が表示されることにより成立する可変条件が成立することにより、第2識別情報に対して決定される動的表示期間が可変されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。第2識別情報の変動時間が短いものが選択され易ければ、第2識別情報を効率良く動的表示させることができる。なお、ここで、可変条件とは、第1識別情報が表示する表示態様(判別結果)であったり、動的表示の回数が所定回数であったりする等が該当する。
遊技機I1において、前記動的表示期間決定手段により動的表示期間が決定される複数の動的表示期間が設定された動的表示期間群を有し、前記動的表示期間群は、前記第2識別情報の動的表示期間として、第1動的表示期間が選択され易い第1動的表示期間群と、前記第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間が選択され易い第2動的表示期間群とが少なくとも設定されており、前記可変制御手段は、前記第2識別情報の動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間群の種別を変更して設定することで、前記第2識別情報の動的表示期間を可変するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、動的表示期間群の種別を変更することで、第2識別情報の動的表示期間が可変されるので、容易な制御で第2識別情報の期間を可変することができる。
遊技機I1またはI2において、所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記第2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記大2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものである。よって、遊技者に有利な第2判別の判別される動的表示期間が第1判別の判別結果により可変されるので、遊技者には利益の少ない第1識別情報の表示にも興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記可変条件は、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、所定の判別結果に基づく第1識別情報が表示された場合には、第2特典より特典が少ない第1特典が実行されるが、可変条件の成立を期待させることができ、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記可変条件は、前記第1識別情報の動的表示回数が所定回数または所定回数以上となったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、前記第1識別情報の動的表示の回数についても、遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I1からI5のいずれかにおいて、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I1からI5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものである。よって、第2識別情報の動的表示期間が短いと遊技者に有利となり、短い動的表示期間で動的表示されることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I1からI5のいずれかにおいて、前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示を予め定められた優先条件に基づいて、優先に設定された識別情報の動的表示を優先して実行する優先手段を有するものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I1からI5のいずれかの奏する効果に加え、前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示を予め定められた優先条件に基づいて、優先に設定された識別情報の動的表示を優先して実行する優先手段を有するので、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I1からI7のいずれかにおいて、前記第1識別情報の動的表示期間と前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記動的表示期間が決定される動的表示期間群の種別を設定する設定手段と、を有し、前記設定手段は、前記可変条件の成立に基づいて、前記第2識別情報に対応する前記動的表示期間群を可変して設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I1からI7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1識別情報の動的表示期間と前記第2識別情報の動的表示期間とをそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により前記動的表示期間が決定される動的表示期間群の種別を設定する設定手段と、を有し、前記設定手段は、前記可変条件の成立に基づいて、前記第2識別情報に対応する前記動的表示期間群を可変して設定することが可能に構成されているものである。よって、設定手段により設定される動的表示期間群により容易に遊技の不利有利を可変させることができるという効果がある。
遊技機I3からI8のいずれかにおいて、前記判別手段により前記第1判別または前記第2判別により特別の判別結果が判別された場合には、前記第1特典および前記第2特典よりも遊技者に有利な特別特典が前記特典付与手段より付与されるものであることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I3からI8のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特別の判別結果となることを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I3からI9のいずれかにおいて、前記第2特典として、特別条件が成立した場合に前記特別特典が付与されるように設定されるものであることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I3からI9のいずれかにおいて、特別条件が成立することで、特別特典が付与されるので、さらに遊技者に有利な特典が付与されるようにすることができ、第2特典の魅力を向上できるという効果がある。
遊技機I3からI10のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過条件の成立に基づいて入球可能となる特定領域と、前記第2特典が前記特典付与手段により付与されることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、前記特別特典を付与するものであることを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、可変入球手段に入球した遊技球が特定領域を通過することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I11において、前記特別特典は、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものであることを特徴とする遊技機I12。
遊技機I12によれば、遊技機I11の奏する効果に加え、特別特典として特典遊技の実行が行われるので、遊技者の興趣をさらに向上できるという効果がある。ここで、第2特典が付与される場合は、第2識別情報が第1識別情報よりも先に停止することで付与される可能性があるので、第2識別情報の動的表示期間が短くなるように可変制御手段に可変されることに遊技者は興味を持って遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機I11において、前記判別手段により特別の第1判別結果または特別の第2判別結果と判別された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有し、前記特別特典は、前記判別手段により前記特別の第1判別結果または前記特別の第2判別結果と判別される確率が所定条件の成立まで高く設定されるものであることを特徴とする遊技機I13。
遊技機I13によれば、遊技機I11の奏する効果に加え、特別特典として、特定の第1判別結果または特定の第2判別結果として判別される確率が高く設定されるので、遊技者に対して第2特典の価値を高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC8,D1からD7,E1からE7,F1からF7,G1からG6,H1からH12,I1からI13のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC8,D1からD7,E1からE7,F1からF7,G1からG6,H1からH12,I1からI13のいずれかにおいて前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC8,D1からD7,E1からE7,F1からF7,G1からG6,H1からH12,I1からI13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。実行される特典遊技に複数の種類を設定することにより、実行される特典遊技により遊技者の興趣が可変する遊技機が提案されている(例えば、特許文献1:特開2003-265765号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本技術的思想は、上記例示した課題を解決するためになされたものであり、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ所定の契機で決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記第1識別情報を動的表示させたことに基づく可変条件が成立した場合に、前記第2識別情報の動的表示に対応して前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を可変させる可変制御手段と、を有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記動的表示期間決定手段により動的表示期間が決定される複数の動的表示期間が設定された動的表示期間群を有し、前記動的表示期間群は、前記第2識別情報の動的表示期間として、第1動的表示期間が選択され易い第1動的表示期間群と、前記第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間が選択され易い第2動的表示期間群とが少なくとも設定されており、前記可変制御手段は、前記第2識別情報の動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間群の種別を変更して設定することで、前記第2識別情報の動的表示期間を可変するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2記載の遊技機において、所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記第2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記可変条件は、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示されたことに基づいて成立するものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記可変条件は、前記第1識別情報または第2識別情報の動的表示回数が所定回数または所定回数以上となったことに基づいて成立するものである。
技術的思想6の遊技機は、技術的思想3から5のいずれかに記載の遊技機において、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過条件の成立に基づいて入球可能となる特定領域と、前記第2特典が前記特典付与手段により付与されることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、前記特別特典を付与するものである。
技術的思想7の遊技機は、技術的思想6記載の遊技機において、前記特別特典は、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものである。
技術的思想8の遊技機は、技術的思想6記載の遊技機において、前記判別手段により前記第1判別として特定の第1判別結果または前記第2判別として特定の第2判別結果と判別されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有し、前記特別特典は、前記判別手段により前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率が所定条件の成立まで高く設定されるものである。
技術的思想9の遊技機は、技術的思想3から8のいずれかに記載の遊技機において、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の判別結果に基づく第1識別情報と、前記第2判別の判別結果に基づく第2識別情報とが表示される表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報と前記第2識別情報との動的表示期間をそれぞれ所定の契機で決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記第1識別情報を動的表示させたことに基づく可変条件が成立した場合に、前記第2識別情報の動的表示に対応して前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を可変させる可変制御手段と、を有するものである。よって、決定される第2識別情報の動的表示期間が第1識別情報の動的表示に基づき可変されるので、双方の動的表示に興味を持たせることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記動的表示期間決定手段により動的表示期間が決定される複数の動的表示期間が設定された動的表示期間群を有し、前記動的表示期間群は、前記第2識別情報の動的表示期間として、第1動的表示期間が選択され易い第1動的表示期間群と、前記第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間が選択され易い第2動的表示期間群とが少なくとも設定されており、前記可変制御手段は、前記第2識別情報の動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間群の種別を変更して設定することで、前記第2識別情報の動的表示期間を可変するものである。よって、動的表示期間群を変更する制御で第2識別情報の動的表示期間を可変できるので、制御負荷を軽減できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与し、特定の判別結果に基づく前記第2識別情報が表示された場合に前記第2特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段を有するものである。よって、特定の判別結果に基づく第2識別情報が表示されることを期待させることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記可変条件は、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報が表示されたことに基づいて成立するものである。よって、第2特典よりも不利となる第1特典が付与される所定の判別結果にも遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記可変条件は、前記第1識別情報または第2識別情報の動的表示回数が所定回数または所定回数以上となったことに基づいて成立するものである。よって、第1識別情報または第2識別情報の動的表示の回数にも興味を持たせることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想6記載の遊技機によれば、技術的思想3から5のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過条件の成立に基づいて入球可能となる特定領域と、前記第2特典が前記特典付与手段により付与されることに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変制御手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、前記特別特典を付与するものである。よって、第2特典が付与されると、特定領域に遊技球が通過するか否かを楽しむことができ、より遊技の興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想7記載の遊技機によれば、技術的思想6記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特別特典は、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものであるので、特典遊技が実行されることで興趣を向上できるという効果がある。
技術的思想8記載の遊技機によれば、技術的思想6記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記判別手段により前記第1判別として特定の第1判別結果または前記第2判別として特定の第2判別結果と判別されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有し、前記特別特典は、前記判別手段により前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率が所定条件の成立まで高く設定されるものである。よって、特定領域を通過させることで、遊技の状態を遊技者に有利に可変でき、遊技者が自力で遊技状態を可変することができた達成感を与えることができるという効果がある。
技術的思想9記載の遊技機によれば、技術的思想3から8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記動的表示実行手段は、前記表示手段に前記第1識別情報と前記第2識別情報とをそれぞれ同時に動的表示することが可能に構成され、前記所定の判別結果に基づく第1識別情報と前記特定の判別結果に基づく第2識別情報とが同時に動的表示されている場合に、前記所定の判別結果に基づく前記第1識別情報の動的表示が先に終了すると、前記特定の判別結果に基づく前記第2識別情報の動的表示を前記特定の判定結果とは異なる判定結果に基づく前記第2識別情報を表示して終了させる終了手段とを有するものである。よって、第1識別情報と第2識別情報とのそれぞれの動的表示期間に興味を持たせることができ、新鮮味のある遊技を提供できるという効果がある。