JP7324679B2 - 位置推定システム及び位置推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、位置推定システム及び位置推定方法に関する。
従来から、衛星への接近制御、衛星周囲の周回制御等の実施に必要な、目標衛星、接近宇宙機間の相対位置、相対速度計測値を得ることができる衛星観測装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この衛星観測装置は、目標衛星に対し接近する宇宙機に設けられ、接近目標対象となる衛星を観測し目標衛星画像を定期的に取得するレンズ倍率の一定な単一の画像センサと、この画像センサの出力から周囲に比べ輝度の高い目標衛星部分を抽出する2値化処理手段と、目標衛星部分に相当する2値化画像の面積及び、接近目標衛星の大きさ、レンズ倍率を基に観測画像上の衛星2値化画像の面積より画像センサに対する目標衛星迄の距離を計算する手段とを具備している。これによって、目標衛星、接近宇宙機間の距離を得ることができる。
特開2001-180600号公報
しかし、特許文献1に記載の衛星観測装置は、接近対象がスペースデブリ等の小さい物体である場合や、接近対象との距離が大きい場合、画像の接近対象部分の面積が実質的に1ピクセルとなり、画像上の面積から接近対象との距離を計算することが困難な場合があった。
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る位置推定システムは、時系列に連続して画像を撮影する宇宙機に設けられた光学センサと、制御部と、を備え、惑星の周囲を周回する軌道を回る前記宇宙機に対する前記惑星の周囲を周回する軌道を回るターゲットの相対的な位置を推定する位置推定システムであって、前記制御部は、前記惑星によって太陽光が遮られる日陰領域と前記惑星によって太陽光が遮られない日照領域との境界面の向きを取得する境界面方向取得部と、連続する複数の前記画像から得られる前記ターゲット部分の明るさの変化に基づき、前記ターゲットが前記境界面に到達したか否かを判定し、前記ターゲットが前記境界面に到達した時刻である第1時刻を取得する第1時刻取得部と、前記第1時刻における前記宇宙機から前記ターゲットに向かう視線角を取得する視線角取得部と、前記宇宙機に入射する太陽光の光量の変化に基づき、前記宇宙機が前記境界面に到達したか否かを判定し、前記宇宙機が前記境界面に到達した第2時刻を取得する第2時刻取得部と、前記第1時刻と前記第2時刻との間の前記宇宙機の移動距離である宇宙機移動距離を取得する宇宙機移動距離取得部と、前記境界面の向き、前記視線角、及び前記宇宙機移動距離に基づいて、前記第1時刻における前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置を推定する、第1ターゲット相対位置推定部と、を含む。
この構成によれば、専用の距離計測用のレーダ等のセンサを用いることなく、宇宙機と非協力ターゲットとの相対的な距離を推定することができる。これによって、位置推定システムの構成を簡素化することができる。また、宇宙機のコストを低減することができる。更に、距離計測用のレーダ等のセンサの故障時においても、ターゲットの位置を推定することができる。
前記制御部は、前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置に基づいて、前記ターゲットの相対的な速度を推定するターゲット相対速度推定部を更に含んでいてもよい。
この構成によれば、宇宙機と非協力ターゲットとの相対的な速度を適切に推定することができる。
前記制御部は、前記ターゲットの相対的な位置及び前記ターゲットの相対的な速度に基づき、任意の時刻における前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置を推定する第2ターゲット相対位置推定部を更に含んでいてもよい。
この構成によれば、任意の時刻における宇宙機と非協力ターゲットとの相対的な位置を適切に推定することができる。
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る位置推定方法は、惑星の周囲を周回する軌道を回る宇宙機に対する前記惑星の周囲を周回する軌道を回るターゲットの相対的な位置を推定する位置推定方法であって、前記惑星によって太陽光が遮られる日陰領域と前記惑星によって太陽光が遮られない日照領域との境界面の向きを取得する境界面方向取得ステップと、前記宇宙機に設けられた光学センサにより時系列に連続して撮影された画像から得られる前記ターゲット部分の明るさの変化に基づき、前記ターゲットが前記境界面に到達したか否かを判定し、前記ターゲットが前記境界面に到達した時刻である第1時刻を取得する第1時刻取得ステップと、前記第1時刻における前記宇宙機から前記ターゲットに向かう視線角を取得する視線角取得ステップと、前記宇宙機に入射する太陽光の光量の変化に基づき、前記宇宙機が前記境界面に到達したか否かを判定し、前記宇宙機が前記境界面に到達した第2時刻を取得する第2時刻取得ステップと、前記第1時刻と前記第2時刻との間の前記宇宙機の移動距離である宇宙機移動距離を取得する宇宙機移動距離取得ステップと、前記境界面の向き、前記視線角、及び前記宇宙機移動距離に基づいて、前記第1時刻における前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置を推定する、第1ターゲット相対位置推定ステップと、を含む。
この構成によれば、専用の距離計測用のレーダ等のセンサを用いることなく、宇宙機と非協力ターゲットとの相対的な距離を推定することができる。これによって、位置推定方法を実施する位置推定システムの構成を簡素化することができる。また、宇宙機のコストを低減することができる。更に、距離計測用のレーダ等のセンサの故障時においても、ターゲットとの距離を推定することができる。
本発明は、位置推定システムの構成を簡素化することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る位置推定システムに係る宇宙機及びターゲットの軌道と、日照領域及び日陰領域との関係を概略的に示す図である。 図1の位置推定システムの制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。 図1の位置推定システムの動作例1を示すフローチャートである。 図1の位置推定システムの動作例1に係る宇宙機及びターゲットの軌道と、日照領域及び日陰領域との関係を概略的に示す図である。 図1の位置推定システムの動作例2に係る宇宙機及びターゲットの軌道と、日照領域及び日陰領域との関係を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る位置推定システム100(図2参照)に係る宇宙機(チェイサー)Ch及びターゲットTgの軌道と、日陰領域A1及び日照領域A2の関係を概略的に示す図である。
図1に示すように、位置推定システム100は、地球周回軌道上の宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な位置を推定するシステムである。なお、位置推定システム100は地球周回軌道以外の周回軌道上の宇宙機Ch及びターゲットTgとの距離を推定するシステムに適用してもよい。
ターゲットTgは、例えば、スペースデブリ、故障等により通信手段を喪失した衛星等の非協力ターゲットであってもよい。このような、非協力ターゲットの位置は宇宙機Chが一方的に推定する必要がある。また、比較的小さな(例えば数十センチメートル四方程度)ターゲットは、宇宙機Chがターゲットに接近する過程の大部分において、カメラで撮影した画像において、1ピクセルの領域を占める物体としか記録されないことも多く、画像上の大きさからターゲットの距離を推定し、これに基づき位置を推定することは困難である。位置推定システム100は、このような非協力ターゲットとの相対距離の測定に有用なシステムである。
次に、ターゲットTgの軌道B1及び宇宙機Chの軌道B2について説明する。地球Eの周りの空間には、地球Eによって太陽光が遮られる日陰領域A1(図1において平行斜線を付して表す領域)と、地球Eによって太陽光が遮られない日照領域A2とが形成される。日陰領域A1は、地球から太陽と逆の方向に向かって延びる略円柱形の領域である。なお、日陰領域A1は厳密には円錐形状であるが、地球周回軌道上の宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な位置を推定する上では近似的に円柱形と見做すことができる。そして、日陰領域A1と日照領域A2との間に略円筒形の境界面Sが形成される。ターゲットTgの軌道B1及び宇宙機Chの軌道B2は、それぞれ境界面Sの内部に位置する区間と、境界面Sの外部に位置する区間とを有し、両区間の境界点P2,P3において、軌道上を周回するターゲットTg及び宇宙機Chが太陽光に直接照らされている状態と太陽光に直接照らされていない状態との間で状態が切り替わる。
なお、厳密には、地球Eによって太陽光が部分的に遮られる領域が存在し、この領域を境界面Sに含めるならば、境界面Sの地球近傍(例えば地球低軌道(LEO)が位置する領域)における形状は、所定の厚みを有する円筒形となる。つまり、このような境界面Sの領域に位置する対象物は、領域の厚み方向への移動に伴って、対象物に入射する太陽光の光量が徐々に変化する。この場合、後述する光学センサ11によって検知される対象物の明るさが所定の閾値以下になった点を境界面S上の点としてもよい。
図2は、位置推定システム100の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように、位置推定システム100は、光学センサ11と、太陽センサ12と、制御部13を有する制御器14とを備える。
光学センサ11は、例えばビデオカメラであり、宇宙機Chに設けられている。そして、光学センサ11は、時系列に連続して画像を撮影し、時系列に連続する画像データを出力する。出力された画像情報は、後述する記憶部15に格納される。光学センサ11は、宇宙機Chの一部が光学センサ11の視野に含まれるように設置されている。また、複数の光学センサ11を宇宙機Chに設け、少なくとも1つの光学センサ11が宇宙機Chを視野に含めるように光学センサ11を設置してもよい。
太陽センサ12は、宇宙機Chの姿勢制御に用いられる周知のセンサであり、太陽光の入射方向を検知することができる。
光学センサ11及び太陽センサ12は、位置推定システム100が宇宙機ChとターゲットTgとの距離を推定する用途以外にも用いることができる汎用のセンサであってもよい。このように汎用のセンサを用いることによって、宇宙機Chの構成を簡素なものとすることができる。
また、宇宙機Chは、GPS(Global Positioning System)受信機10を備え、宇宙機Chの地球固定座標系における宇宙機Chの絶対位置を取得することができるようになっている。
制御器14は、例えば、例えばマイクロコントローラ、CPU、MPU、論理回路、PLC等の演算器を有する制御部13と、ROM及びRAM等のメモリを有する記憶部15とを備えている。制御器14は、集中制御する単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御器で構成されてもよい。本実施の形態において、制御器14は、宇宙機Chに設けられている。しかし、これに限られるものではなく、これに代えて、宇宙機Chを管制する地上局に設けられていてもよい。
制御部13は、宇宙機位置情報取得部21、境界面方向取得部22と、第1時刻取得部23と、視線角取得部24と、第2時刻取得部25と、宇宙機移動距離取得部26と、第1ターゲット相対位置推定部27と、第1ターゲット相対速度推定部28と、第2ターゲット相対位置推定部29と、第2ターゲット相対速度推定部30を含む。これらの機能部21~30は、記憶部15に格納された所定の制御プログラムを制御部13が実行することにより実現される機能ブロックである。
[動作例1]
次に、位置推定システム100の動作例1を説明する。図3は、位置推定システム100の動作例1を示すフローチャートである。図4は、動作例1に係る軌道B1,B2と、日陰領域A1及び日照領域A2関係を概略的に示す図である。
まず、制御部13は、ターゲットTgを設定する(ステップS11)。ターゲットTgは、予め設定されてもよく、また、光学センサ11に記録された画像に撮影されたスペースデブリ等をターゲットTgとして設定してもよい。ターゲットTgは、宇宙機Chの近傍に位置する物体であり、光学センサ11によって撮影可能なサイズの物体である。すなわち、ターゲットTgは、光学センサ11が撮影した画像において、少なくとも1ピクセルの領域を占める物体として記録されるサイズの物体である。
次に、第1時刻取得部23は、光学センサ11が撮影した連続する複数の画像から得られるターゲットTg部分の明るさの変化に基づき、ターゲットTgが境界面Sに到達したか否かを判定し、ターゲットTgが境界面Sに到達したと判定すると、ターゲットTgが境界面Sに到達した時刻である第1時刻T1を取得する(ステップS12)。すなわち、ターゲットTgが日陰領域A1から日照領域A2に向かって移動している場合、境界面Sにおいて、ターゲットTgが太陽光に照らされる。その結果、光学センサ11が撮影した画像において、ターゲットTg部分の明るさが急激に増大する。そして、第1時刻取得部23は、画像に記録されたターゲットTgの明るさが閾値を超えると、ターゲットTgが境界面Sに到達したと判定し、その第1時刻T1を取得する。
そして、視線角取得部24は、ターゲットTgが境界面Sに到達した第1時刻T1における宇宙機ChからターゲットTgまでの視線角(line of sight angle, LOS角)θを取得する。視線角θは、例えば、宇宙機Chと共に軌道B2を動く回転座標系(以下、ローカル座標系ともいう)の基準軸に対する宇宙機ChからターゲットTgに向かう方向の角度である。また、宇宙機位置情報取得部21は、GPS受信機10から取得した宇宙機Chの絶対位置に基づき、第1時刻T1における宇宙機Chの位置P1を取得する。そして、制御部13は、視線角θ、位置P1、及び第1時刻T1の情報を互いに関連付けて記憶部15に格納する(ステップS13)。
また、制御部13は、ステップS12,S13と並行して、以下のステップS14,S15を実行する。なお、ターゲットTgが宇宙機Chに先行する場合、ステップS12,S13は、S14,S15よりも先に実行される。また、宇宙機ChがターゲットTgに先行する場合、ステップS12,S13は、S14,S15よりも後に実行される。
ステップS14において、第2時刻取得部25は、宇宙機Chに入射する太陽光の光量の変化に基づき宇宙機Chが境界面Sに到達したか否かを判定し、宇宙機Chが境界面Sに到達したと判定すると、宇宙機Chが境界面Sに到達した時刻である第2時刻T2を取得する。第2時刻取得部25は、例えば、光学センサ11が撮影した連続する複数の画像から得られる宇宙機Ch部分の明るさの変化に基づき、宇宙機Chが境界面Sに到達したか否かを判定する。また、これに代えて、第2時刻取得部25は、宇宙機Chに搭載された光学センサ11又は太陽センサ12が、センサに入射する太陽光の光量を直接検知し、これに基づいて宇宙機Chが境界面Sに到達したか否かを判定してもよい。
そして、境界面方向取得部22は、第2時刻T2における日陰領域A1と日照領域A2との境界面Sの向きを取得する(ステップS15)。上述の通り、境界面Sは略円筒形の領域であり、その向きは、その場所によって異なる。境界面方向取得部22は、宇宙機Ch及びターゲットTgが位置する局所的な空間領域における境界面Sの向きを太陽センサ12が検知した太陽光の入射方向に基づいて算出する。本実施例において、宇宙機Chが位置する局所的な空間領域における境界面Sの形状を平面に近似して取り扱い、ターゲットTgも同平面上に位置するものとして取り扱う。しかし、境界面Sの形状を、その実際の形状に即して曲面として取り扱ってもよい。制御部13は、取得した境界面Sの向きに係る情報を、第2時刻T2の情報と互いに関連付けて記憶部15に格納する。
なお、本実施の形態において、境界面方向取得部22は境界面Sの向きを第2時刻T2において取得しているがこれに限られるものではない。これに代えて、境界面方向取得部22は境界面Sの向きを第1時刻T1等のターゲットTg及び宇宙機Chが境界面Sを通過する時間帯における適切なタイミングで取得してもよい。また、本実施の形態において、境界面方向取得部22は、宇宙機Ch及びターゲットTgが位置する局所的な空間領域における境界面Sの向きを太陽センサ12が検知した太陽光の入射方向に基づいて算出しているがこれに限られるものではない。これに代えて、境界面方向取得部22は、GPS受信機10から取得される宇宙機Chの地球固定座標系における宇宙機Chの絶対位置と暦(天体暦)に基づいて、宇宙機Ch及びターゲットTgが位置する局所的な空間領域における境界面Sの向きを算出してもよい。
そして、第1時刻T1及び第2時刻T2の取得が完了すると、次に、宇宙機移動距離取得部26は、第1時刻T1と第2時刻T2との間の宇宙機Chの移動距離である宇宙機移動距離D1を取得する(ステップS16)。すなわち、宇宙機移動距離取得部26は、例えば以下の式(1)に従って算出する。なお、式(1)の宇宙機Chの速度Vは、宇宙機Chが有する自身の軌道情報に基づいて算出してもよい。また、これに代えて、GPS受信機10から受信した信号に基づき算出してもよい。
Figure 0007324679000001
次に、第1ターゲット相対位置推定部27は、境界面Sの向き、視線角θ、及び宇宙機移動距離D1に基づいて、第1時刻T1における宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な距離を推定し、更に相対的な位置を推定する(ステップS17)。すなわち、第1ターゲット相対位置推定部27は、第1時刻T1における宇宙機Chが位置する点P1、第1時刻T1におけるターゲットTgが位置する点P2、第2時刻T2における宇宙機Chが位置する点P3を通る平面Pt上における、境界面Sと宇宙機Chの軌道B2とが成す角θaを算出する。なお、平面Ptは、点P1及び点P3を含み、視線角θに対応する方向ベクトルに直交する法線ベクトルを有する平面としても定義できる。また、視線角θに基づき、平面Pt上における、第1時刻T1における宇宙機ChからターゲットTgに向かう方向と宇宙機Chの軌道B2とが成す角θbを算出する。そして、距離D1、角θa、及び角θbに基づき、例えば正弦定理を用いて、第1時刻T1における宇宙機ChとターゲットTgとの距離、すなわち点P1と点P2の距離D2を算出する。そして、第1ターゲット相対位置推定部27は、位置P1、距離D2、視線角θに基づき、第1時刻T1における、ターゲットTgの位置を推定する。このターゲットTgの位置(及び後述する速度)は、ローカル座標系におけるターゲットTgの位置であるが、地球固定座標系におけるターゲットTgの位置であってもよい。
なお、第1ターゲット相対位置推定部27は、距離D2に加えて、第2時刻T2における宇宙機Chと第1時刻T1におけるターゲットTgとの距離、すなわち点P2と点P3との距離D3を算出してもよい。
次に、第1ターゲット相対速度推定部28は、宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な位置に基づいて、第1時刻T1におけるターゲットTgの相対的な速度を推定する(ステップS18)。第1ターゲット相対速度推定部28は、第1時刻T1とは異なる他の時刻における宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な位置を取得し、これに基づいて、ターゲットTgの相対的な速度を推定してもよい。この場合、第1ターゲット相対速度推定部28は、例えば、第2時刻以降の視線角計測値を使って、以下の式(2)に示す誤差ベクトルfがf=0となる第1時刻T1におけるターゲットTgの相対的な速度を収束計算によって算出する。
Figure 0007324679000002
次に、第2ターゲット相対位置推定部29は、第1時刻T1におけるターゲットTgの相対的な位置及びターゲットTgの相対的な速度に基づき、任意の時刻における宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な位置を推定する(ステップS19)。この推定は、例えば周知のヒル方程式(Hill's equations)又はCW(Clohessy-Wiltshire)解を用いて行うことができる。
次に、第2ターゲット相対速度推定部30は、第1時刻T1におけるターゲットTgの相対的な位置及びターゲットTgの相対的な速度に基づき、任意の時刻における宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な速度を推定する(ステップS20)。この推定は、例えば周知のヒル方程式又はCW解を用いて行うことができる。
第2ターゲット相対位置推定部29及び第2ターゲット相対速度推定部30は、τ秒後のターゲットとの宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な位置及び速度を以下の式(3)を用いて推定してもよい。
Figure 0007324679000003
なお、上記動作例においては、ターゲットTg及び宇宙機Chが日陰領域A1から日照領域A2に向かって移動している局面における推定動作を述べたが、ターゲットTg及び宇宙機Chが日照領域A2から日陰領域A1に向かって移動している局面において推定動作を行ってもよい。この場合、第1時刻取得部23は、ターゲットTgの明るさが閾値以下になると、ターゲットTgが境界面Sに到達したと判定し、その第1時刻T1を取得してもよい。また、第2時刻取得部25は、宇宙機Chの明るさが閾値以下になると、ターゲットTgが境界面Sに到達したと判定し、その第1時刻T1を取得してもよい。
[動作例2]
次に、位置推定システム100の動作例2を説明する。図5は、動作例2に係る軌道B1,B2と、日陰領域A1及び日照領域A2関係を概略的に示す図である。
動作例2においては、動作例1と第1ターゲット相対位置推定部27の処理が異なる。
すなわち、本動作例において、第1ターゲット相対位置推定部27は、ステップS17において、以下の式(4)に基づいてαの値を算出することにより、第1時刻T1における、宇宙機Chに対するターゲットTgの相対的な位置を推定する。
Figure 0007324679000004
このように、本実施の形態において、位置推定システム100は、専用の距離計測用のレーダ等のセンサを用いることなく、小さな非協力ターゲットとの距離を推定することができ、位置推定システム100の構成を簡素化することができる。よって、宇宙機のコストを低減することができる。また、距離計測用のレーダ等のセンサの故障時においても、ターゲットの位置を推定することができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
A1 日陰領域
A2 日照領域
Ch 宇宙機
P1 位置
S 境界面
T1 第1時刻
T2 第2時刻
Tg ターゲット
11 光学センサ
12 太陽センサ
13 制御部
21 宇宙機位置情報取得部
22 境界面方向取得部
23 第1時刻取得部
24 視線角取得部
25 第2時刻取得部
26 宇宙機移動距離取得部
27 第1ターゲット相対位置推定部
100 位置推定システム

Claims (4)

  1. 時系列に連続して画像を撮影する宇宙機に設けられた光学センサと、制御部と、を備え、惑星の周囲を周回する軌道を回る前記宇宙機に対する前記惑星の周囲を周回する軌道を回るターゲットの相対的な位置を推定する位置推定システムであって、
    前記制御部は、
    前記惑星によって太陽光が遮られる日陰領域と前記惑星によって太陽光が遮られない日照領域との境界面の向きを取得する境界面方向取得部と、
    連続する複数の前記画像から得られる前記ターゲット部分の明るさの変化に基づき、前記ターゲットが前記境界面に到達したか否かを判定し、前記ターゲットが前記境界面に到達した時刻である第1時刻を取得する第1時刻取得部と、
    前記第1時刻における前記宇宙機から前記ターゲットに向かう視線角を取得する視線角取得部と、
    前記宇宙機に入射する太陽光の光量の変化に基づき、前記宇宙機が前記境界面に到達したか否かを判定し、前記宇宙機が前記境界面に到達した第2時刻を取得する第2時刻取得部と、
    前記第1時刻と前記第2時刻との間の前記宇宙機の移動距離である宇宙機移動距離を取得する宇宙機移動距離取得部と、
    前記境界面の向き、前記視線角、及び前記宇宙機移動距離に基づいて、前記第1時刻における前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置を推定する、第1ターゲット相対位置推定部と、を含む、位置推定システム。
  2. 前記制御部は、前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置に基づいて、前記ターゲットの相対的な速度を推定するターゲット相対速度推定部を更に含む、請求項1に記載の位置推定システム。
  3. 前記制御部は、前記ターゲットの相対的な位置及び前記ターゲットの相対的な速度に基づき、任意の時刻における前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置を推定する第2ターゲット相対位置推定部を更に含む、請求項2に記載の位置推定システム。
  4. 惑星の周囲を周回する軌道を回る宇宙機に対する前記惑星の周囲を周回する軌道を回るターゲットの相対的な位置を推定する位置推定方法であって、
    前記惑星によって太陽光が遮られる日陰領域と前記惑星によって太陽光が遮られない日照領域との境界面の向きを取得する境界面方向取得ステップと、
    前記宇宙機に設けられた光学センサにより時系列に連続して撮影された画像から得られる前記ターゲット部分の明るさの変化に基づき、前記ターゲットが前記境界面に到達したか否かを判定し、前記ターゲットが前記境界面に到達した時刻である第1時刻を取得する第1時刻取得ステップと、
    前記第1時刻における前記宇宙機から前記ターゲットに向かう視線角を取得する視線角取得ステップと、
    前記宇宙機に入射する太陽光の光量の変化に基づき、前記宇宙機が前記境界面に到達したか否かを判定し、前記宇宙機が前記境界面に到達した第2時刻を取得する第2時刻取得ステップと、
    前記第1時刻と前記第2時刻との間の前記宇宙機の移動距離である宇宙機移動距離を取得する宇宙機移動距離取得ステップと、
    前記境界面の向き、前記視線角、及び前記宇宙機移動距離に基づいて、前記第1時刻における前記宇宙機に対する前記ターゲットの相対的な位置を推定する、第1ターゲット相対位置推定ステップと、を含む、位置推定方法。
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