以下に図面を参照して、本発明にかかる情報提供プログラム、情報提供方法および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
まず、実施の形態にかかる情報処理装置101を含む情報提供システム100のシステム構成例について説明する。
図1は、情報提供システム100のシステム構成例を示す説明図である。図1において、情報提供システム100は、情報処理装置101と、情報処理端末102と、災害対策システム103と、オペレータ端末104と、を含む。情報提供システム100において、情報処理装置101、情報処理端末102、災害対策システム103およびオペレータ端末104は、有線または無線のネットワーク110を介して接続される。ネットワーク110は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
ここで、情報処理装置101は、災害対策システム103と連携するチャットボットの会話を制御するコンピュータである。チャットボットは、人工知能を利用して、人間との対話やメッセージのやりとりを行うコンピュータシステムである。災害は、自然現象や事故、伝染病などによってもたらされる災いであり、例えば、台風、地震、大雪、風災、火災、水災などである。
情報処理装置101は、チャットボットでの会話として、音声による情報を受け付け可能であり、チャットボットでの会話の出力として、音声による情報を出力可能である。情報処理装置101は、例えば、同音異義語辞書DB(Database)120、誤変換辞書DB130および誤読辞書DB140を有する。情報処理装置101は、例えば、サーバである。
同音異義語辞書DB120、誤変換辞書DB130および誤読辞書DB140の記憶内容については、図4、図5および図6を用いて後述する。なお、同音異義語辞書DB120、誤変換辞書DB130および誤読辞書DB140は、例えば、情報処理装置101がアクセス可能な他のコンピュータ(例えば、データベースサーバ)が有することにしてもよい。
情報処理端末102は、ユーザがチャットボットでの会話を行う際に利用するコンピュータである。情報処理端末102は、電話機能を有し、チャットボットでの会話を音声により行うことができる。情報処理端末102は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、PCなどである。
例えば、情報処理端末102において、ユーザは、音声により、メッセージを入力したり、選択肢を選択したりすることで、チャットボットと対話しながら、情報をアップしたり、所望の回答を探したりすることができる。回答は、例えば、FAQ(Frequently Asked Question)である。
FAQは、「頻繁に尋ねられる質問」の意味であり、あらかじめ予想される質問に対して、質問と回答とをまとめたものである。質問は、何らかの問題の解決方法を問うものであってもよく、また、話し言葉による問いかけであってもよい。回答は、質問された問題の解決方法を示す回答や、話し言葉による問いかけに対する回答などである。
なお、図示は省略するが、情報処理装置101は、例えば、FAQマスタやチャットログDBなどを有する。FAQマスタは、FAQを記憶する。チャットログDBは、チャットログを記憶する。チャットログは、ユーザとチャットボットとの会話に関する会話履歴である。チャットログは、例えば、ルームIDと対応付けて、チャットログDBに記憶される。ルームIDによれば、チャットボットとの一連の会話を特定することができる。
災害対策システム103は、電力会社に対応するコンピュータシステムである。電力会社は、電力の供給事業を主な業務とし、発電、配電、送電などを行う会社である。災害対策システム103は、停電情報DB150を有し、高圧線の損傷などにより発生する停電を検知する。
停電情報DB150の記憶内容については、図7を用いて後述する。なお、ここでは災害対策システム103として、電力会社のコンピュータシステムを例に挙げて説明するが、これに限らない。例えば、災害対策システム103は、ガス会社や水道局などのライフラインに関わる組織に対応するコンピュータシステムであってもよい。
オペレータ端末104は、オペレータが使用するコンピュータである。オペレータは、チャットボット対応から有人対応の会話に切り替えた場合に、ユーザへの対応を行う者である。例えば、オペレータは、オペレータ端末104の電話機能や、テキストコミュニケーションなどを利用して、ユーザとやり取りすることができる。オペレータ端末104は、例えば、PCやタブレットPCである。
なお、図1の例では、情報処理端末102やオペレータ端末104を1台のみ表示したが、情報提供システム100には複数の情報処理端末102やオペレータ端末104が含まれる。
ここで、災害が発生した際の情報提供方法として、例えば、電力会社のホームページやスマホアプリを通じて、停電情報を提供するものがある。停電情報には、例えば、停電の発生地域、発生日時、復旧見込みなどを示す情報が含まれる。大規模災害などにより停電が発生した場合、住民にいち早く停電情報を提供することができれば、住民の不安解消につなげることができる。
ところが、スマートフォンやPCなどの操作に不慣れなユーザにとっては、既存のスマホアプリやホームページなどを通じて、停電情報を入手することが難しい。例えば、高齢者にとっては、スマートフォンやPCなどを操作して、自分が住んでいる地域の停電の発生状況や復旧見込みなどを問い合わせることが難しく、災害発生時に停電情報を入手できず、生活に影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本実施の形態では、チャットボットと連携した双方向コミュニケーションを利用して、ユーザからの音声による問い合わせに応じて、的確な災害情報を提供する情報収集方法について説明する。なお、以下の説明では、災害情報として、停電情報を例に挙げて説明するが、これに限らない。例えば、停電情報以外の災害情報としては、停ガス情報、断水情報などが挙げられる。停ガス情報は、停ガスの発生地域、発生日時、復旧見込みなどを示す情報である。断水情報は、断水の発生地域、発生日時、復旧見込みなどを示す情報である。
(情報処理装置101のハードウェア構成例)
つぎに、情報処理装置101のハードウェア構成例について説明する。
図2は、情報処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2において、情報処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリ202と、ディスクドライブ203と、ディスク204と、通信I/F(Interface)205と、可搬型記録媒体I/F206と、可搬型記録媒体207と、を有する。また、各構成部は、バス200によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU201は、情報処理装置101の全体の制御を司る。CPU201は、複数のコアを有していてもよい。メモリ202は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOS(Operating System)のプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU201のワークエリアとして使用される。メモリ202に記憶されるプログラムは、CPU201にロードされることで、コーディングされている処理をCPU201に実行させる。
ディスクドライブ203は、CPU201の制御に従ってディスク204に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク204は、ディスクドライブ203の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク204としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
通信I/F205は、通信回線を通じてネットワーク110に接続され、ネットワーク110を介して外部のコンピュータ(例えば、図2に示した情報処理端末102、災害対策システム103、オペレータ端末104など)に接続される。そして、通信I/F205は、ネットワーク110と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F205には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
可搬型記録媒体I/F206は、CPU201の制御に従って可搬型記録媒体207に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体207は、可搬型記録媒体I/F206の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体207としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
なお、情報処理装置101は、上述した構成部のほかに、例えば、SSD(Solid State Drive)、入力装置、ディスプレイ等を有することにしてもよい。また、情報処理装置101は、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ203、ディスク204、可搬型記録媒体I/F206、可搬型記録媒体207を有していなくてもよい。また、図1に示した災害対策システム103についても、情報処理装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(情報処理端末102のハードウェア構成例)
つぎに、情報処理端末102のハードウェア構成例について説明する。
図3は、情報処理端末102のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報処理端末102は、CPU301と、メモリ302と、ディスプレイ303と、入力装置304と、通信I/F305と、カメラ306と、スピーカ307と、マイクロフォン308と、GPS(Global Positioning System)ユニット309と、を有する。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、情報処理端末102の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する記憶部である。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
ディスプレイ303は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する表示装置である。ディスプレイ303としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを採用することができる。
入力装置304は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置304は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよく、また、キーボードやマウスなどであってもよい。
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク110に接続され、ネットワーク110を介して外部のコンピュータ(例えば、情報処理装置101、オペレータ端末104)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク110と自装置内部とのインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。
カメラ306は、画像(静止画または動画)を撮影して画像データを出力する撮影装置である。スピーカ307は、電気信号を音声に変換して、音声を出力する。マイクロフォン308は、音声を受音して電気信号に変換する。
GPSユニット309は、GPS衛星からの電波を受信し、情報処理端末102の位置情報を出力する。情報処理端末102の位置情報は、例えば、緯度、経度などの地球上の1点を特定する情報である。また、衛星として、例えば、準天頂衛星システムの衛星を用いることにしてもよい。
なお、情報処理端末102は、上述した構成部のほかに、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD、近距離無線通信I/F、可搬型記録媒体I/F、可搬型記録媒体などを有することにしてもよい。また、図1に示したオペレータ端末104についても、情報処理端末102と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(各種DB120,130,140の記憶内容)
つぎに、図4、図5および図6を用いて、情報処理装置101が有する各種DB120,130,140の記憶内容について説明する。なお、各種DB120,130,140は、例えば、図2に示したメモリ202、ディスク204などの記憶装置により実現される。
図4は、同音異義語辞書DB120の記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、同音異義語辞書DB120は、都道府県名、市区町村名、候補地名および同音異義語のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、同音異義語情報(例えば、同音異義語情報400-1,400-2)をレコードとして記憶する。
ここで、都道府県名は、都道府県の名称を示す。市区町村名は、市区町村の名称を示す。候補地名は、住所の候補となる地名であり、例えば、市区町村内を細分した字(区画)の名称を示す。例えば、都道府県名、市区町村名および地名は、災害対策システム103の管轄区域内、すなわち、災害対策システム103に対応する電力会社の管轄区域内の都道府県、市区町村および字を示す。同音異義語は、地域の同音異義語である語句を示す。
例えば、同音異義語情報400-1は、香川県高松市の「瓦町」の同音異義語「川原町、河原町」を示す。なお、同音異義語辞書DB120内の候補地名フィールドには、地名として都道府県名や市区町村名が設定されてもよい。
図5は、誤変換辞書DB130の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、誤変換辞書DB130は、都道府県名、市区町村名、地名および誤変換候補のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、誤変換情報(例えば、誤変換情報500-1,500-2)をレコードとして記憶する。
ここで、都道府県名は、都道府県の名称を示す。市区町村名は、市区町村の名称を示す。地名は、市区町村内の地域の名称を示す。例えば、都道府県名、市区町村名および地名は、災害対策システム103の管轄区域内、すなわち、災害対策システム103に対応する電力会社の管轄区域内の都道府県、市区町村および字を示す。誤変換候補は、地名を音声認識する際に誤って変換される語句の候補を示す。誤変換候補としては、例えば、訛り、イントネーション、声色、癖などに起因して誤変換される語句が設定される。
例えば、誤変換情報500-1は、香川県高松市の「内町」の誤変換候補「イシモチ、うつまつ」を示す。なお、誤変換辞書DB130内の地名フィールドには、地名として都道府県名や市区町村名が設定されてもよい。
図6は、誤読辞書DB140の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、誤読辞書DB140は、住所および読みのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、誤読情報(例えば、誤読情報600-1,600-2)をレコードとして記憶する。
ここで、住所は、例えば、災害対策システム103の管轄区域内の住所(テキスト)を示す。読みは、住所の読みを示す。ここでは、住所のうち、読み上げる際に誤読が生じやすい地名についてのみ、読みを表すカタカナが表記されている。読みには、住所を読み上げる際に音声を区切る箇所を示す句読点が含まれる。
例えば、誤読情報600-1は、住所「香川県高松市国分寺町柏原」の読み「香川県高松市国分寺町、カシハラ」を示す。
(停電情報DB150の記憶内容)
つぎに、図7を用いて、災害対策システム103が有する停電情報DB150の記憶内容について説明する。なお、停電情報DB150は、例えば、災害対策システム103のメモリ、ディスクなどの記憶装置により実現される。
図7は、停電情報DB150の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、停電情報DB150は、id、発生日時、復旧日時、県名、市町村名、地域名、停電理由および停電戸数のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、停電情報(例えば、停電情報700-1,700-2)をレコードとして記憶する。
ここで、idは、停電情報を一意に識別する識別子である。発生日時は、停電が発生した日時を示す。復旧日時は、停電が復旧した日時を示す。県名は、停電が発生した県名を示す。市町村名は、停電が発生した市町村名を示す。地域名は、停電が発生した地域名を示す。停電理由は、停電が発生した理由を示す。停電戸数は、停電が発生している戸数を示す。
なお、停電情報DB150の記憶内容は、例えば、5分程度の時間間隔で更新される。この際、復旧した停電に関する停電情報は、停電情報DB150から削除される。
(情報処理装置101の機能的構成例)
図8は、情報処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図8において、情報処理装置101は、受付部801と、会話制御部802と、変換部803と、第1の判定部804と、補正部805と、第2の判定部806と、を含む。具体的には、例えば、受付部801~第2の判定部806は、図2に示したメモリ202、ディスク204、可搬型記録媒体207などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU201に実行させることにより、または、通信I/F205により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ202、ディスク204などの記憶装置に記憶される。
受付部801は、情報処理端末102から通話の開始要求を受け付ける。ここで、通話の開始指示は、ユーザとチャットボットとの音声による会話を開始するためのものである。チャットボットは、図1に示した災害対策システム103と連携して、災害に関する質問に応答したり、災害に関する情報を提供したりするチャットボットである。
例えば、通話の開始指示は、情報処理端末102においてユーザの操作入力により行われ、情報処理端末102から情報処理装置101に送信される。具体的には、例えば、受付部801は、情報処理端末102からの電話を受ける(受電)ことにより、通話の開始指示を受け付ける。
以下の説明では、災害対策システム103と連携するチャットボットを「災害向けチャットボット」と表記する場合がある。
会話制御部802は、情報処理端末102からの通話の開始指示に応じて、情報処理端末102における、災害向けチャットボットでの音声による会話を開始する。具体的には、例えば、会話制御部802は、トークスクリプトを用いて、情報処理端末102における災害向けチャットボットでの音声による会話を開始する。
トークスクリプトは、チャットボットの会話の流れを定義した情報(シナリオ)である。具体的には、例えば、トークスクリプトは、チャットのトーク処理を定義した情報である。トーク処理は、チャットボットの動作(挙動)を実現するための処理である。例えば、トーク処理は、音声により発話する処理、音声により選択肢を出力する処理、ユーザ操作に応じて選択肢を選択する処理、選択肢に応じたFAQを検索する処理、選択肢や入力情報に応じた手続きを行う処理、トーク処理を終了する処理などを含む。FAQの検索は、例えば、情報処理装置101が有する不図示のFAQマスタを用いて行われる。
以下の説明では、災害向けチャットボットの会話の流れを定義したトークスクリプトを「トークスクリプトTP」と表記する場合がある。また、トークスクリプトTPとして、災害により停電が発生した際に行われる会話の流れを定義したトークスクリプトを例に挙げて説明する。ただし、トークスクリプトTPは、災害により水道、ガスなどの停止が発生した際に行われる会話の流れを定義したものであってもよい。
より詳細に説明すると、例えば、会話制御部802は、トークスクリプトTPに従って、災害向けチャットボットにより、発話したり、選択肢を音声出力したり、音声データの入力を受け付けたり、選択された選択肢や入力された音声データに応じた手続きを実行したりする。
会話制御部802は、災害向けチャットボットでの会話として、音声による住所情報を受け付ける。ここで、住所情報は、住所を表す音声データであり、例えば、災害向けチャットボットでの会話において出力されるメッセージに対して情報処理端末102から受け付ける。メッセージは、例えば、停電情報を知りたい場所の住所を入力するよう促す音声メッセージである。情報処理端末102における音声による住所情報の入力は、例えば、図3に示したマイクロフォン308を用いて行われる。
変換部803は、受け付けた住所情報を音声認識処理してテキストデータに変換する。ここで、音声認識処理は、会話の音声を認識して、テキストに変換する処理である。音声認識処理では、例えば、音声データと、予め登録された言語情報とを組み合わせることで、音声が文字に変換される。
音声データをテキスト化する技術としては、既存のいかなる技術を用いることにしてもよい。具体的には、例えば、変換部803は、深層学習などの機械学習に基づく手法により、受け付けた住所情報(音声データ)から音声を認識して、テキストデータに変換する。
なお、音声認識処理は、情報処理装置101がアクセス可能な他のコンピュータ(例えば、音声認識サーバ)において実行されることにしてもよい。この場合、変換部803は、他のコンピュータから音声認識結果を受信することにより、住所情報を音声認識処理して変換したテキストデータを取得する。
第1の判定部804は、変換されたテキストデータが示す住所が災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定する。具体的には、例えば、第1の判定部804は、変換されたテキストデータが示す住所に含まれる一部の情報に基づいて、当該住所が災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定する。ここで、住所に含まれる一部の情報は、例えば、都道府県を示す情報である。また、住所に含まれる一部の情報は、市や区を示す情報であってもよい。
より具体的には、例えば、第1の判定部804は、図9に示すようなブラックリスト900を参照して、変換されたテキストデータが示す住所に含まれる都道府県に基づいて、当該住所が災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定する。ここで、ブラックリスト900の具体例について説明する。
図9は、ブラックリスト900の具体例を示す説明図である。図9において、ブラックリスト900は、管轄外キーワードを記憶する情報である。管轄外キーワードは、災害対策システム103の管轄区域内、すなわち、災害対策システム103に対応する電力会社の管轄区域内の都道府県を示すキーワードである。
ここでは、災害対策システム103に対応する電力会社を、四国4県を管轄する電力会社であるとする。この場合、ブラックリスト900には、香川県、徳島県、高知県および愛媛県以外の都道府県を示すキーワードが登録される。例えば、住所に「香川県」が含まれる場合、第1の判定部804は、当該住所が災害対策システム103の管轄区域内に含まれると判定する。また、住所に「福岡県」が含まれる場合、第1の判定部804は、当該住所が災害対策システム103の管轄区域内に含まれないと判定する。
以下の説明では、受け付けた住所情報を音声認識処理して変換されたテキストデータが示す住所を、「住所As」と表記する場合がある。
図8の説明に戻り、補正部805は、管轄区域内に含まれると判定された場合、同音異義語辞書情報を参照して、住所Asに含まれる語句を、当該語句に対応する管轄区域内の地名に置き換えて、住所Asを補正する。ここで、同音異義語辞書情報は、災害対策システム103の管轄区域内の地名と、当該地名の同音異義語である語句との対応関係を記憶する情報であり、例えば、図4に示した同音異義語辞書DB120である。
音声認識処理では、音としては正しく認識できているが、発話者が意図したものとは異なる語句に変換されてしまう場合がある。このような問題は、同じ音の異なる地名や単語が他にも存在する場合に起こり得る。例えば、ユーザが、香川県高松市の「瓦町」を意図して、「かわらまち」と発話したとする。
しかし、「かわらまち」という音の地名は、「瓦町」の他にも、川原町、河原町などが存在する。このため、音声認識処理で「かわらまち」が「川原町」や「河原町」に変換されることがある。同音異義語辞書情報には、管轄区域内の地名と対応付けて、当該地名と音が同じのため誤変換されるおそれがある語句(同音異義語)が登録される。
具体的には、例えば、補正部805は、同音異義語辞書DB120を参照して、住所Asに候補地名に対応する同音異義語が含まれるか否かを判断する。例えば、住所Asを「香川県高松市河原町」とする。この場合、補正部805は、都道府県名が「香川県」であり、かつ、市区町村名が「高松市」のため、同音異義語情報400-1の候補地名「瓦町」に対応する同音異義語「河原町」が含まれると判断する。そして、補正部805は、住所Asに含まれる同音異義語「河原町」を、同音異義語「河原町」に対応する候補地名「瓦町」に置き換えて、住所Asを補正する。補正後の住所Asは、「香川県高松市瓦町」となる。
また、例えば、住所Asを「香川県高松市鋼材」とする。この場合、補正部805は、都道府県名が「香川県」であり、かつ、市区町村名が「高松市」のため、同音異義語情報400-2の候補地名「香西」に対応する同音異義語「鋼材」が含まれると判断する。そして、補正部805は、住所Asに含まれる同音異義語「鋼材」を、同音異義語「鋼材」に対応する候補地名「香西」に置き換えて、住所Asを補正する。補正後の住所Asは、「香川県高松市香西」となる。
また、補正部805は、誤変換辞書情報を参照して、住所Asに含まれる誤変換候補を、当該誤変換候補に対応する管轄区域内の地名に置き換えて、住所Asを補正することにしてもよい。ここで、誤変換辞書情報は、災害対策システム103の管轄区域内の地名と、誤変換候補との対応関係を記憶する情報であり、例えば、図5に示した誤変換辞書DB130である。誤変換候補は、地名を音声認識する際に誤って変換される語句の候補を示す。
音声認識処理では、訛り、イントネーション、声色、癖などに起因して、発話者が意図したものとは異なる語句に変換されてしまう場合がある。例えば、ユーザが、香川県高松市の「内町」を意図して、「うちまち」と発話したとする。しかし、訛りやイントネーションの違いにより、「うちまち」という音がうまく認識されないことがある。このため、音声認識処理で「イシモチ」や「うつまつ」に変換されることがある。誤変換辞書情報には、管轄区域内の地名と対応付けて、訛り、イントネーション、声色、癖などに起因して誤変換されるおそれがある語句(誤変換候補)が登録される。
具体的には、例えば、補正部805は、誤変換辞書DB130を参照して、住所Asに候補地名に対応する誤変換候補が含まれるか否かを判断する。例えば、住所Asを「香川県高松市うつまつ」とする。この場合、補正部805は、都道府県名が「香川県」であり、かつ、市区町村名が「高松市」のため、誤変換情報500-1の地名「内町」に対応する誤変換候補「うつまつ」が含まれると判断する。そして、補正部805は、住所Asに含まれる誤変換候補「うつまつ」を、誤変換候補「うつまつ」に対応する地名「内町」に置き換えて、住所Asを補正する。補正後の住所Asは、「香川県高松市内町」となる。
また、例えば、住所Asを「香川県高松市御祈祷」とする。この場合、補正部805は、都道府県名が「香川県」であり、かつ、市区町村名が「高松市」のため、誤変換情報500-2の地名「男木町」に対応する誤変換候補「御祈祷」が含まれると判断する。そして、補正部805は、住所Asに含まれる誤変換候補「御祈祷」を、誤変換候補「御祈祷」に対応する地名「男木町」に置き換えて、住所Asを補正する。補正後の住所Asは、「香川県高松市男木町」となる。
第2の判定部806は、補正後の住所Asが、災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定する。具体的には、例えば、第2の判定部806は、図10に示すようなホワイトリスト1000を参照して、補正後の住所Asが、災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定する。ここで、ホワイトリスト1000の具体例について説明する。
図10は、ホワイトリスト1000の具体例を示す説明図である。図10において、ホワイトリスト1000は、災害対策システム103の管轄区域内の住所をリスト化した住所一覧情報である。住所の表記パターンとしては、例えば、「都道府県/市区町村/字」、「市区町村/字」「字」などがある。このため、同じ住所であっても、複数の表記パターンで登録されることがある。
ここでは、災害対策システム103に対応する電力会社を、四国4県を管轄する電力会社であるとする。この場合、ホワイトリスト1000には、四国4県の様々な住所が登録される。例えば、補正後の住所Asが「香川県高松市瓦町」の場合、第2の判定部806は、補正後の住所Asが災害対策システム103の管轄区域内に含まれると判定する。また、補正後の住所Asが「高松市瓦町」の場合も、第2の判定部806は、補正後の住所Asが災害対策システム103の管轄区域内に含まれると判定する。
会話制御部802は、補正後の住所Asが災害対策システム103の管轄区域内に含まれると判定された場合に、補正後の住所Asに対応する停電情報(災害情報)を出力する。ここで、停電情報は、災害情報の一つであり、例えば、停電の発生場所、発生日時、復旧日時、停電理由および停電戸数などを示す。具体的には、例えば、会話制御部802は、災害向けチャットボットでの会話として、補正後の住所Asに対応する停電情報を音声出力する。
より詳細に説明すると、例えば、会話制御部802は、補正後の住所Asを含む停電問合せを、災害対策システム103に送信する。災害対策システム103は、停電問合せを受信すると、図7に示した停電情報DB150を参照して、停電問合せに含まれる補正後の住所Asに対応する停電情報があるか否かを判断する。
補正後の住所Asに対応する停電情報とは、例えば、補正後の住所Asに対応する地域において発生した停電に関する情報である。例えば、補正後の住所Asを「香川県高松市内町」とする。この場合、災害対策システム103は、停電情報DB150を参照して、県名「香川県」、市町村名「高松市」、地域名「内町」の停電情報があるか否かを判断する。
ここで、補正後の住所Asに対応する停電情報がある場合、災害対策システム103は、補正後の住所Asに対応する停電情報を含む問合せ結果を、情報処理装置101に送信する。一方、補正後の住所Asに対応する停電情報がない場合には、災害対策システム103は、補正後の住所Asに対応する地域において停電は発生していない旨の問合せ結果を、情報処理装置101に送信する。
会話制御部802は、停電情報を含む問合せ結果を受信した場合、災害向けチャットボットでの会話として、問合せ結果に含まれる停電情報を音声出力する。一方、停電は発生していない旨の問合せ結果を受信した場合には、会話制御部802は、補正後の住所Asに対応する地域において停電は発生していない旨のメッセージを音声出力することにしてもよい。
ただし、停電情報DB150は、情報処理装置101が有することにしてもよい。この場合、会話制御部802は、停電情報DB150を参照して、補正後の住所Asに対応する停電情報があるか否かを判断する。停電情報DB150の記憶内容は、例えば、災害対策システム103に新たな災害情報が登録される度に、その都度更新される。
また、会話制御部802は、補正後の住所Asに対応する停電情報を音声出力する際に、誤読辞書情報を参照して、停電情報に含まれる管轄区域内の地名を、当該地名の読みに従って音声出力することにしてもよい。ここで、誤読辞書情報は、災害対策システム103の管轄区域内の地名と、当該地名の読みとの対応関係を記憶する情報であり、例えば、図6に示した誤読辞書DB140である。
テキストを音声に変換する音声合成処理では、住所の読み間違いが発生することがある。例えば、「国分寺町柏原」は、「コクブンジチョウカシハラ」が正しい読みであるが、音声合成処理で「カシハラ」の部分を「カシワバラ」と読み間違いすることがある。また、「朝日新町」は、「アサヒシンマチ」が正しい読みであるが、音声合成処理で「アサヒシンチョウ」と読み間違いすることがある。誤読辞書情報には、例えば、管轄区域内の地名のうち、読み間違いが発生しやすい地名の読みが登録される。
また、音声合成において、住所に単語が連続して出現する場合、聞き取りにくい読み上げ方となることがある。例えば、「香川県高松市番町」という住所を読み上げる際に途中で音声を一切区切らないと、ユーザにとって聞き取りにくい読み上げ方となる。このため、誤読辞書情報には、管轄区域内の地名を読み上げる際に音声を区切る箇所(区切り箇所)を示す情報が含まれていてもよい。この場合、会話制御部802は、停電情報に含まれる管轄区域内の住所を音声出力する際に、区切り箇所で音声を区切ることにしてもよい。
具体的には、例えば、会話制御部802は、誤読辞書DB140を参照して、補正後の住所Asに対応する停電情報に、誤読辞書DB140に登録されている住所が含まれるか否かを判断する。ここで、誤読辞書DB140に登録されている住所が含まれる場合、会話制御部802は、停電情報に含まれる住所を補正する。
例えば、住所情報に含まれる住所を「香川県高松市国分寺町柏原」とする。この場合、会話制御部802は、停電情報に、誤読情報600-1の住所「香川県高松市国分寺町柏原」が含まれると判断する。そして、会話制御部802は、誤読情報600-1の読みを参照して、住所情報に含まれる住所「香川県高松市国分寺町柏原」を補正する。
より詳細に説明すると、例えば、会話制御部802は、停電情報に含まれる住所「香川県高松市国分寺町柏原」のうち、「柏原」をカタカナ「カシハラ」に変換し、国分寺町の直後(区切り箇所)に句読点を挿入する。補正後の住所は、住所「香川県高松市国分寺町、カシハラ」となる。そして、会話制御部802は、災害向けチャットボットでの会話として停電情報を音声出力する際に、補正後の住所「香川県高松市国分寺町、カシハラ」を音声出力する。この際、会話制御部802は、「香川県高松市国分寺町」で一旦区切って、その後の「カシハラ」を音声出力する。
なお、会話制御部802は、例えば、補正後の住所Asに対応する停電情報を、情報処理端末102に表示することにしてもよい。具体的には、例えば、会話制御部802は、補正後の住所Asに対応する停電情報を含む問合せ結果画面を、情報処理端末102のディスプレイ303に表示するよう制御することにしてもよい。
なお、第1の判定部804によって災害対策システム103の管轄区域内に含まれないと判定された場合には、会話制御部802は、災害向けチャットボットでの会話として、管轄区域内の住所を発話するよう促すメッセージを出力することにしてもよい。
なお、第2の判定部806によって災害対策システム103の管轄区域内に含まれないと判定された場合には、会話制御部802は、災害向けチャットボットでの会話として、該当住所が見つからないため、もう一度住所を発話するよう促すメッセージを出力することにしてもよい。
さらに、情報処理装置101は、第2の判定部806によって災害対策システム103の管轄区域内に含まれないと判定された場合、補正後の住所Asを学習要データとして記録することにしてもよい。これにより、例えば、情報提供システム100の管理者は、記録された学習要データを参照して、新たな住所をホワイトリスト1000に登録するなどのチューニングを行うことができる。
なお、上述した情報処理装置101の各機能部は、情報収集システム100内の複数のコンピュータ(例えば、情報処理装置101と情報処理端末102)により実現されることにしてもよい。また、上述した情報処理装置101の各機能部は、情報処理端末102により実現されることにしてもよい。
(情報提供システム100の動作例)
つぎに、図11および図12を用いて、情報提供システム100の動作例について説明する。
図11は、トーク画面の画面例を示す説明図である。図11において、トーク画面1100は、情報処理端末102において電力会社の情報提供アプリを起動した際にディスプレイ303に表示される操作画面の一例である。
トーク画面1100において、例えば、図3に示した入力装置304を用いたユーザの操作入力により、ボタン1101を選択すると、情報処理装置101に通話の開始要求が送信される。この結果、情報処理端末102において、災害向けチャットボットでの音声による会話が開始される。
図12は、情報提供システム100の動作例を示す説明図である。図12において、電力会社から電力の供給を受ける需要家(例えば、住民)が使用する情報処理端末102が表示されている。ここでは、図11に示したトーク画面1100において、ボタン1101が選択された結果、情報処理端末102における災害向けチャットボットでの音声による会話が開始された場合を想定する。
情報処理装置101は、情報処理端末102における災害向けチャットボットでの会話において、音声による住所情報1201(音声データ)を受け付けると、受け付けた住所情報1201を音声認識処理して、テキストデータ1202に変換する。
そして、情報処理装置101は、変換されたテキストデータ1202が示す住所Asを、同音異義語辞書DB120および誤変換辞書DB130を用いて補正し、補正後の住所Asに対応する停電情報1203を災害対策システム103から取得する。停電情報1203(テキストデータ)には、例えば、停電の発生地域(住所)、発生日時、復旧日時、停電理由および停電戸数を示す情報が含まれる。
つぎに、情報処理装置101は、誤読辞書DB140を用いて、停電情報1203に含まれる住所を補正する。具体的には、例えば、情報処理装置101は、停電情報1203に含まれる住所のうち、誤読が発生しやすい箇所をカタカナに変換し、区切り箇所に句読点を挿入する。
そして、情報処理装置101は、情報処理端末102における災害向けチャットボットでの会話において、停電情報1203を音声出力する。この際、情報処理装置101は、停電情報1203に含まれる補正後の住所を音声出力する。また、情報処理装置101は、例えば、停電情報1203を音声出力するとともに、図11に示したトーク画面1100の会話領域1110に、停電情報1203を表示することにしてもよい。
なお、トーク画面1100において、例えば、ユーザの操作入力により、ボタン1102を選択すると、情報処理装置101に会話の開始要求が送信される。この結果、情報処理端末102において、災害向けチャットボットでのテキストによる会話が開始される。災害向けチャットボットでのテキストによる会話では、例えば、トーク画面1100上でメッセージを入力したり、選択肢を選択したりすることで、チャットボットと対話しながら、停電情報の問合せを行うことができる。
例えば、停電情報の問合せ方法としては、例えば、GPSの位置情報や配信希望地域を指定するものがある。GPSの位置情報を指定した問合せでは、例えば、GPSの位置情報に対応する地域の停電情報がトーク画面1100に表示される。配信希望地域を指定した問合せでは、例えば、予め設定された配信希望地域の停電情報がトーク画面1100に表示される。
(情報処理装置101の情報提供処理手順)
つぎに、図13および図14を用いて、情報処理装置101の情報提供処理手順について説明する。
図13および図14は、情報処理装置101の情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、情報処理端末102から受電したか否かを判断する(ステップS1301)。ここで、情報処理装置101は、情報処理端末102から受電するのを待つ(ステップS1301:No)。
情報処理装置101は、情報処理端末102から受電した場合(ステップS1301:Yes)、トークスクリプトTPを用いて、情報処理端末102における災害向けチャットボットでの音声による会話を開始する(ステップS1302)。つぎに、情報処理装置101は、災害向けチャットボットでの会話として、音声による住所情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS1303)。
ここで、情報処理装置101は、音声による住所情報を受け付けるのを待つ(ステップS1303:No)。そして、情報処理装置101は、音声による住所情報を受け付けた場合(ステップS1303:Yes)、受け付けた住所情報を音声認識処理してテキストデータに変換する(ステップS1304)。
つぎに、情報処理装置101は、ブラックリスト900を参照して、変換されたテキストデータが示す住所Asに含まれる都道府県が、電力会社(災害対策システム103)の管轄区域内に含まれるか否かを判定する(ステップS1305)。
ここで、管轄区域外の場合(ステップS1305:No)、情報処理装置101は、災害向けチャットボットでの会話において、管轄区域内の住所を発話するようガイダンスして(ステップS1306)、ステップS1303に戻る。
一方、管轄区域内の場合(ステップS1305:Yes)、情報処理装置101は、同音異義語辞書DB120を参照して、住所Asに対する第1の補正処理を実行する(ステップS1307)。第1の補正処理は、住所Asに候補地名の同音異義語である語句が含まれる場合に、当該語句を対応する候補地名(管轄区域内の地名)に置き換える処理である。
つぎに、情報処理装置101は、誤変換辞書DB130を参照して、住所Asに対する第2の補正処理を実行して(ステップS1308)、図14に示すステップS1401に移行する。第2の補正処理は、住所Asに誤変換候補が含まれる場合に、当該誤変換候補を対応する管轄区域内の地名に置き換える処理である。
図14のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、ホワイトリスト1000を参照して、補正後の住所Asが、電力会社(災害対策システム103)の管轄区域内に含まれるか否かを判定する(ステップS1401)。なお、補正後の住所Asが、ホワイトリスト1000内の複数の住所に該当する場合がある。この場合、情報処理装置101は、例えば、複数の住所のうちの適合度が最も高い住所を用いて後続処理を実行してもよく、また、該当する複数の住所それぞれについて、後続処理を実行してもよい。
ここで、管轄区域外の場合(ステップS1401:No)、情報処理装置101は、補正後の住所Asを学習要データとして記録する(ステップS1402)。そして、情報処理装置101は、災害向けチャットボットでの会話において、該当住所が見つからないため、もう一度住所を発話するようガイダンスして(ステップS1403)、図13に示したステップS1303に戻る。
一方、ステップS1401において、管轄区域内の場合(ステップS1401:Yes)、情報処理装置101は、災害対策システム103に対して補正後の住所Asに対応する停電情報を問い合わせる(ステップS1404)。そして、情報処理装置101は、災害対策システム103からの問合せ結果に応じて、該当する停電情報があるか否かを判断する(ステップS1405)。
ここで、該当する停電情報(復旧見込みあり)がある場合(ステップS1405:停電あり(復旧見込みあり))、情報処理装置101は、誤読辞書DB140を参照して、該当する停電情報に対して第3の補正処理を実行する(ステップS1406)。第3の補正処理は、停電情報に含まれる住所のうち、誤読が発生しやすい箇所をカタカナに変換し、区切り箇所に句読点を挿入する処理である。そして、情報処理装置101は、補正後の停電情報に基づいて、停電の発生と復旧見込みをガイダンスして(ステップS1407)、ステップS1412に移行する。
また、ステップS1405において、該当する停電情報(復旧見込み未定)がある場合(ステップS1405:停電あり(復旧見込み未定))、情報処理装置101は、誤読辞書DB140を参照して、該当する停電情報に対して第3の補正処理を実行する(ステップS1408)。そして、情報処理装置101は、補正後の停電情報に基づいて、停電の発生と復旧見込み未定をガイダンスして(ステップS1409)、ステップS1412に移行する。
また、ステップS1405において、該当する停電情報がない場合(ステップS1405:停電なし)、情報処理装置101は、誤読辞書DB140を参照して、該当する停電情報に対して第3の補正処理を実行する(ステップS1410)。そして、情報処理装置101は、補正後の停電情報に基づいて、停電は発生していない旨をガイダンスする(ステップS1411)。
そして、情報処理装置101は、情報処理端末102における災害向けチャットボットでの音声による会話を終了するか否かを判断する(ステップS1412)。ここで、会話を終了しない場合(ステップS1412:No)、情報処理装置101は、図13に示したステップS1303に戻る。一方、会話を終了する場合(ステップS1412:Yes)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、ユーザからの音声による問い合わせに応じて、的確な災害情報を提供することができる。なお、災害向けチャットボットでの音声による会話中に、ユーザの操作入力に応じて、チャットボット対応からオペレータによる有人対応の会話に切り替え可能であってもよい。具体的には、例えば、情報処理装置101は、所定の操作入力に応じて、情報処理端末102とオペレータ端末104とを接続して、チャットボット対応からオペレータによる有人対応の会話に切り替える。
以上説明したように、実施の形態にかかる情報処理装置101によれば、災害向けチャットボットでの会話として、音声による住所情報を受け付けることができる。また、情報処理装置101によれば、受け付けた住所情報を音声認識処理してテキストデータに変換し、変換したテキストデータが示す住所Asが災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定することができる。例えば、情報処理装置101は、変換したテキストデータが示す住所Asに含まれる一部の情報に基づいて、住所Asが災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定する。また、情報処理装置101によれば、住所Asが管轄区域内に含まれると判定した場合、同音異義語辞書DB120を参照して、住所Asに含まれる語句を、当該語句に対応する管轄区域内の地名に置き換えて、住所Asを補正することができる。そして、情報処理装置101によれば、補正後の住所Asが管轄区域内に含まれると判定した場合に、補正後の住所Asに対応する停電情報を出力することができる。
これにより、チャットボットと連携した双方向コミュニケーションを利用して、ユーザからの音声による問い合わせに応じて、的確な停電情報(停電情報)を提供することができる。例えば、音声認識処理において音としては正しく認識できているが、発話者が意図したものとは異なるものに変換された語句を、管轄区域内の正しい地名に補正することで、言葉の揺らぎを吸収して音声認識率を向上させることができる。
また、情報処理装置101によれば、誤変換辞書DB130を参照して、住所Asに含まれる誤変換候補を、当該誤変換候補に対応する管轄区域内の地名に置き換えて、住所Asを補正することができる。
これにより、訛り、イントネーション、声色、癖などに起因して、音声テキスト化の際に誤認識や誤変換された語句を、管轄区域内の正しい地名に補正することで、言葉の揺らぎを吸収して音声認識率を向上させることができる。
また、情報処理装置101によれば、補正後の住所Asに対応する停電情報を音声出力する際に、誤読辞書DB140を参照して、停電情報に含まれる管轄区域内の地名を、当該地名の読みに従って音声出力することができる。
これにより、補正後の住所Asに対応する停電情報を音声出力する際に、例えば、停電情報に含まれる住所(停電発生場所など)のうち誤読が発生しやすい箇所をカタカナ表記に変換して、住所を読み上げる際の誤読を防止することができる。
また、情報処理装置101によれば、補正後の住所Asに対応する停電情報を音声出力する際に、誤読辞書DB140を参照して、停電情報に含まれる住所を区切り箇所(句読点の位置)で区切って音声出力することができる。
これにより、補正後の住所Asに対応する停電情報を音声出力する際に、例えば、停電情報に含まれる住所(停電発生場所など)のうち聞き取りにくい箇所に句読点を挿入して、住所を読み上げる際の聞き取りやすさを向上させることができる。
また、情報処理装置101によれば、変換したテキストデータが示す住所Asに含まれる都道府県に基づいて、住所Asが災害対策システム103の管轄区域内に含まれるか否かを判定し、住所Asが管轄区域内に含まれると判定した場合に、住所Asを補正することができる。
これにより、住所Asの補正を行う前に、電力会社の管轄区域外の地域についての問合せをノイズとして除去することができる。このため、管轄区域外の住所に対する補正を行うといった無駄な処理を削減することができる。また、住所Asの補正に用いる辞書(例えば、同音異義語辞書DB120、誤変換辞書DB130)として、管轄区域内の地域のみを対象としたものを作成すればよく、辞書に登録する情報量を抑えることができる。
これらのことから、情報処理装置101によれば、スマートフォンやPCなどの操作に不慣れなユーザ(例えば、高齢者)であっても、音声により住所や地域を伝えて、その場所の停電情報を入手することが可能となる。これにより、災害時などに自分が住んでいる地域の停電の発生状況や復旧見込みなどを簡単に確認可能にして、住民生活に与える影響を抑えることができる。
なお、需要家を想定したテストユーザが発話した住所を認識して停電情報を回答する実証実験では、本情報提供方法を適用することで、正答率が56.4%から85.8%に上昇しており、十分に実用に耐え得るものであることが検証された。テストケースとしては、1つの市町村について、(i)県名から町名までを読み上げるケースと、(ii)住所以外の文言を含めて読み上げるケースと、(iii)町村名のみを読み上げるケースとを使用した。
テストケースの例としては、(i)「香川県高松市瓦町」、(ii)「私の住所は香川県高松市瓦町です。」、(iii)「瓦町」などが挙げられる。(i)および(ii)については、正答率が94.5%および91.1%となり、ともに高水準の結果が得られた。(iii)については、正答率が71.8%となり、需要家に対して県名から発話するようガイダンスするなどの対策が有効であるといえる。
なお、本実施の形態で説明した情報提供方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報提供プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本情報提供プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
また、本実施の形態で説明した情報処理装置101は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)災害対策システムと連携するチャットボットでの会話として、音声による住所情報を受け付け、
前記住所情報を音声認識処理して変換されたテキストデータが示す住所が前記災害対策システムの管轄区域内に含まれるか否かを判定し、
前記管轄区域内に含まれると判定した場合、前記管轄区域内の地名と当該地名の同音異義語である語句との対応関係を記憶する辞書情報を参照して、前記住所に含まれる前記語句を、当該語句に対応する前記管轄区域内の地名に置き換えて、前記住所を補正し、
補正後の前記住所が前記管轄区域内に含まれると判定した場合に、補正後の前記住所に対応する災害情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
(付記2)前記管轄区域内の地名と誤変換候補との対応関係を記憶する誤変換辞書情報を参照して、前記住所に含まれる前記誤変換候補を、当該誤変換候補に対応する前記管轄区域内の地名に置き換えて、前記住所を補正する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の情報提供プログラム。
(付記3)前記出力する処理は、
補正後の前記住所に対応する災害情報を音声出力する際に、前記管轄区域内の地名と、当該地名の読みとの対応関係を記憶する誤読辞書情報を参照して、前記災害情報に含まれる前記管轄区域内の地名を、当該地名の読みに従って音声出力する、ことを特徴とする付記1または2に記載の情報提供プログラム。
(付記4)前記誤読辞書情報は、前記管轄区域内の住所を音声出力する際に音声を区切る箇所をさらに記憶しており、
前記出力する処理は、
前記災害情報を音声出力する際に、前記誤読辞書情報を参照して、前記災害情報に含まれる前記管轄区域内の住所を前記箇所で区切って音声出力する、ことを特徴とする付記3に記載の情報提供プログラム。
(付記5)前記判定する処理は、
前記テキストデータが示す住所に含まれる一部の情報に基づいて、前記住所が前記災害対策システムの管轄区域内に含まれるか否かを判定する、ことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の情報提供プログラム。
(付記6)前記一部の情報は、都道府県を示す情報である、ことを特徴とする付記5に記載の情報提供プログラム。
(付記7)前記管轄区域内の住所をリスト化した住所一覧情報を参照して、補正後の前記住所が前記管轄区域内に含まれるか否かを判定する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~6のいずれか一つに記載の情報提供プログラム。
(付記8)災害対策システムと連携するチャットボットでの会話として、音声による住所情報を受け付け、
前記住所情報を音声認識処理して変換されたテキストデータが示す住所が前記災害対策システムの管轄区域内に含まれるか否かを判定し、
前記管轄区域内に含まれると判定した場合、前記管轄区域内の地名と当該地名の同音異義語である語句との対応関係を記憶する辞書情報を参照して、前記住所に含まれる前記語句を、当該語句に対応する前記管轄区域内の地名に置き換えて、前記住所を補正し、
補正後の前記住所が前記管轄区域内に含まれると判定した場合に、補正後の前記住所に対応する災害情報を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報提供方法。
(付記9)災害対策システムと連携するチャットボットでの会話として、音声による住所情報を受け付けた場合、前記住所情報を音声認識処理して変換されたテキストデータが示す住所が前記災害対策システムの管轄区域内に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記管轄区域内に含まれると判定された場合、前記管轄区域内の地名と当該地名の同音異義語である語句との対応関係を記憶する辞書情報を参照して、前記住所に含まれる前記語句を、当該語句に対応する前記管轄区域内の地名に置き換えて、前記住所を補正する補正部と、
補正後の前記住所が前記管轄区域内に含まれると判定した場合に、補正後の前記住所に対応する災害情報を出力する会話制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。