JP7322084B2 - 光学システム及び方法 - Google Patents

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Description

実施形態は、一般に、光学システム及び方法、量子通信システム、干渉法システム、並びに光位相雑音を低減する方法に関する。
光学システムでは、情報は、光信号の位相中に記憶され得る。そのような光信号は、光チャネルを使用して、遠く離れたノード間で送信される。光チャネルは、位相ドリフトをもたらし得、それは、位相雑音の一因となる。
量子通信システムでは、情報は、単一光子などの符号化された単一量子によって送信機と受信機との間で送られる。情報のビットは、その偏光、位相、時間、又はエネルギーなどの光子の特性に応じて符号化されることができる。
量子鍵配送(QKD)は、「アリス」と呼ばれることが多い送信機と「ボブ」と呼ばれることが多い受信機との二者間での暗号鍵の共有をもたらす技法である。この技法の魅力は、「イブ」と呼ばれることが多い認可されていない盗聴者に知られる可能性がある最大情報を定量化することを可能にすることである。多くの形式のQKDでは、アリスとボブは、ビット値を符号化するための2つ以上の非直交基底を使用する。これらの基底は、量子通信中には秘密に保たれ、全ての測定がボブによって完了されて初めて公開討論に開示される。量子力学の法則は、符号化基底(encoding basis)の予備知識なしのイブによる光子の測定が、いくつかの光子の量子状態に不可避の変化を引き起こすことを決定付ける(dictate)。これは、アリスとボブとの間で送られるビット値にエラーを引き起こすであろう。それらの共通のビット列の一部を比較することによって、アリスとボブは、このことから、イブによって得られた可能性がある情報を決定することができる。QKD方法の中には、検出器において受信された光子の位相の正確な測定を必要とするものがある。
QKDに加えて、光干渉法など、位相の正確な測定を実行することが望ましい他の応用がある。
実施形態に従った光ネットワークの概略図である。 実施形態に従ったQKDネットワークの概略図である。 図2のネットワーク中で使用されるべき高速フィードバックコンポーネント(fast feedback component)の概略図である。 図2のネットワーク中で使用されるべき低速フィードバックコンポーネント(slow feedback component)の概略図である。 図2中で使用されるべき符号化器の概略図である。 異なる安定化段階におけるλiにおける信号の干渉結果(interference outcome)の例を示し、フリードリフト(Free drift)は、位相安定化がチャネル上に適用されないときのものであり、ステップ1は、高速フィードバック(fast feedback)がアクティブ化されるときのものである。これは、λREFを完全に安定化させるが(ここには図示せず)、λi上に残差低速位相ドリフト(residual slow phase drift)を残す。高速フィードバックについてのエラー信号は、2つのλREF信号の干渉によって提供され、ステップ2は、低速フィードバックが高速フィードバックに加えてオンにされたときのものである。これは、λiを完全に安定化させる。低速フィードバックについてのエラー信号は、2つのλi信号の干渉結果によって提供され、図4(a)は、フリードリフト及びステップ1における干渉結果を表し、図4(b)は、フリードリフト及びステップ1についての位相ドリフトレートを示し、図4(c)は、ステップ1安定化が適用され、次いで、ステップ2安定化も適用されたときの干渉結果を表し、図4(d)は、図4(c)におけるデータの正規分布を示す。 能動安定化を伴う実施形態に従った3ノードネットワークの概略図である。 受動安定化を伴う実施形態に従った3ノードネットワークの概略図である。
実施形態では、第1のエミッタと受信機とを備える光学システムであって、
エミッタは、第1の光情報信号上の位相を使用して情報を符号化するように構成された符号化ユニットを備え、第1の情報信号は、単一の第1の波長を有し、エミッタは、基準信号を出力するように構成され、基準信号は、第1の波長とは異なる波長を有し、エミッタは、多重化された第1の信号を作り出し、通信チャネルに多重化された第1の信号を出力するために、第1の情報信号及び基準信号を多重化するように構成されたマルチプレクサを更に備え、
受信機は、
第1の情報信号及び基準信号を抽出するために、エミッタから受信された多重化された第1の信号を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、
第1の情報信号中の位相情報を復号するように構成された復号器と、
第1の基準信号から通信チャネルによって引き起こされた第1の情報信号の位相変化を推定し、通信チャネルによって引き起こされた第1の情報信号の位相変化について復号器を補償するように構成された位相安定化素子と
を備える、光学システムが提供される。
上記のネットワークは、量子鍵配送ネットワークの一部であることができる。TF-QKD、DLCZ-タイプ量子リピータ、及び量子フィンガープリントなどの位相感応量子通信プロトコルが、上記で使用されることができる。しかしながら、上記の光ネットワークはまた、干渉法において使用されることができる。例えば、異なる望遠鏡を接続するチャネルの位相雑音を取り除くことが必要とされる天文干渉法である。上記のネットワークは、波長分割多重化に基づいてデュアルバンド安定化スキームを使用する。情報信号とは異なる波長を有する基準信号を使用することによって、基準信号が情報信号と同じ波長を有していた場合に引き起こされるであろうレイリー散乱に起因する雑音を回避することが可能である。また、同じ波長を有する基準信号及び情報信号を送ることは、情報信号のビットレートを低減するであろう時分割多重化を必要とするであろう。
実施形態では、第1の波長及び基準波長は、4%以下の差を有する。第1の波長と基準波長とを近くに保つことは、ある特定のチャネル長変動を補償するために2つの波長によって必要とされる位相補正が類似するであろうことを意味する。この理由により、基準波長によって経験される位相雑音の補償は、次に、第1の波長によって経験される位相雑音を大幅に低減するであろう。更なる実施形態では、第1の波長と基準波長との間の差は、1%以下であり、他の実施形態では、0.1%以下である。
更なる実施形態では、ネットワークは、
第2のエミッタと、ここにおいて、第2のエミッタは、第2の光情報信号上の位相を使用して情報を符号化するように構成された符号化ユニットを備え、第2の情報信号は、単一の第1の波長を有し、エミッタは、第2の基準信号を出力するように構成され、第2の基準信号は、第1の基準信号と同じ波長を有し、エミッタは、多重化された第2の信号を作り出し、通信チャネルに多重化された第2の信号を出力するために、第2の情報信号及び第2の基準信号を多重化するように構成されたマルチプレクサを更に備え、
ここにおいて、復号器は、第1及び第2の情報信号中の位相情報を復号するように構成される、
第1及び第2の基準信号から通信チャネルによって引き起こされた第1及び第2の情報信号の位相変化を推定するように構成された位相補償素子と
を更に備える。
上記では、位相安定化/補償素子は、(基準信号から取り出された情報を通じて)情報信号の位相基準フレーム間の位相オフセットを推定する。この情報は、情報信号間で生じる干渉を正しく解釈するために使用される。
上記は、第1のエミッタが第1のノードであり、第2のエミッタが第2のノードであり、受信機が第3のノードである、3ノードネットワークに適用される原理の例である。そのようなネットワークは、第1のエミッタ及び第2のエミッタの両方が受信機に信号を送り、受信機が第1のエミッタからの信号と第2のエミッタからの信号との間に1次光干渉を実行する、ツインフィールドQKD「TF-QKD」において使用されることができる。干渉の結果を開示することによって、2つのエミッタが秘密鍵を確立することが可能である。
量子ネットワークの場合、エミッタは、エミッタを離れる第1の情報信号を一連の弱い光パルスに減衰するように構成された減衰器を更に備え、ここで、位相符号化されたパルスは、1つの光子未満の平均強度を有し、第1の基準信号は、光子パルスの平均強度よりも大きい信号強度を有する。
位相補償は、能動的又は受動的であることができる。能動位相補償では、フィードバック素子が、測定、例えば干渉より前に光子の位相を補正するために提供される。受動システムでは、補正は、測定が行われた後に実行される。
能動システムでは、フィードバック素子は、位相変調器、例えば電気光学位相変調器を備え得る。電気光学位相変調器は、位相ドリフトの高速補正を可能にする。また、位相変調器は、位相を補正するのみなので、それは、光位相の2π周期を活用することができる。光位相の2π周期は、チャネル中の可能な位相オフセットを補正するために、[-π,+π]位相範囲のみをカバーする単一の位相変調器を使用することを可能にする。
位相変調器は、受信された第1及び第2の基準信号の干渉から導出された信号によって制御されることができる。
実施形態では、能動補償は、第1の段階及び第2の段階を備え、第1の段階は、基準信号からの情報を使用して位相を補償するフィードバック素子を備え、第2の段階は、第1の波長で送られる信号からの情報を使用して位相を補償するフィードバック素子を備える。実施形態では、更なる基準信号が、第2の段階のための情報を提供するために、第1の波長で送られる。第2の段階は、第1の段階において実行された位相補正の微調整を提供する。第1の波長で送られる更なる基準信号は、「暗基準(dim reference)」と見なされることができる。第2の段階のフィードバック素子は、ファイバストレッチャーを備え得る。
光ネットワークであって、第1の段階は、位相変調器を備え、第2の段階は、ファイバストレッチャーを備える。ファイバストレッチャーは、電気光学変調器よりも低い損失を有する。しかしながら、ファイバストレッチャーはより低速であるが、これは、ファイバストレッチャーが単に微調整に使用されるだけなら問題ではない。電気光学変調器もまた、第2の段階のために使用されることができることに留意されたい。
実施形態では、位相変調器は、検出ユニット中に設けられる。
更なる実施形態では、光ネットワークの復号器は、第1及び第2の基準信号と第1及び第2の情報信号とに干渉するように構成された干渉素子を備え、干渉素子の出力は、少なくとも1つの検出器に向かって選択的に方向付けられ、信号の存在又は不在は、ビットストリームを提供する第1及び第2の情報信号の干渉に起因して少なくとも1つの検出器において受信され、量子鍵は、ビットストリームから形成される。
検出器信号(又は検出器の「クリック」)は、位相補償ユニットによって使用されることができる。例えば、位相補償ユニットは、第1及び第2の基準信号の干渉に起因して検出器からの受信された信号を統合(integrate)し、基準波長における受信された第1及び第2の基準信号の干渉から位相オフセット情報を決定するように構成され得る。
位相安定化は、ポストプロセッサによって提供され得、ポストプロセッサは、導出された位相オフセット情報に依存してビットストリームのビットを選択、無視、又は反転するように構成される。
位相安定化素子は、干渉より前に情報信号の位相を補償することによって能動安定化を提供し得、能動位相安定化のための制御信号は、導出された位相オフセット情報に依存する。
第1のエミッタ及び第2のエミッタは、第1の波長における情報信号を生成するように構成されたレーザを各々備え得る。位相ロックループは、第1のエミッタのレーザを第2のエミッタのレーザでロックするように構成され得る。代替の実施形態では、単一のレーザが、両方のエミッタに対して入力を提供し、これは、エミッタのうちの1つ内に、又は両方のエミッタの外側に位置し得る。
上述されたように、光学システムは、第1の送信ユニットと第2の送信ユニットとの間で鍵を配送するように構成された量子通信システムとして構成され得る。
光学システムはまた、検出ユニットにおける受信された第1及び第2の対象信号に干渉するように構成された干渉法システムとして構成され得る。
更なる実施形態では、光学方法であって、
第1の光情報信号上の位相を使用して情報を符号化することと、第1の情報信号は、単一の第1の波長を有する、
基準信号を出力することと、基準信号は、第1の波長とは異なる基準波長を有する、
多重化された第1の信号を作り出し、通信チャネルに多重化された第1の信号を出力するために、第1の情報信号及び基準信号を多重化することと、
第1の基準信号から通信チャネルによって引き起こされた第1の情報信号の位相変化を推定することと、
第1の情報信号中の位相情報を復号することと、ここにおいて、復号することは、通信チャネルによって引き起こされた第1の情報信号の位相変化を補償される、
を備える、光学方法が提供される。
図1は、基本原理を実証するための非常に単純な通信ネットワークの概略図である。図1は、通信チャネル205によって受信機203に接続されたエミッタ201を示す。
この実施形態では、エミッタは、符号化器209に単一の波長λ1の光信号を放出する光源207を備える。この実施形態では、光源は、エミッタ201内に設けられる。しかしながら、光源207は、エミッタ201の外側に設けられ得、導管が、光源207から符号化器209に光を導くためにエミッタ内に設けられ得る。符号化器についての可能な構成の詳細は、後に説明される。しかしながら、符号化器は、単一の波長λ1を有する第1の情報信号を作り出すために、光源207からの信号に位相変動変調を提供する。
エミッタはまた、単一の波長λREFの光信号、即ち第1の基準信号を放出する第2の光源211を備える。λ1及びλREFは、互いに異なる。しかしながら、実施形態では、それらは、波長が類似しているであろう。λ1とλREFとの間の関係は、後に論述される。
第1の情報信号及び第1の基準信号は、次いで、第1の多重化された信号を作り出すために、波長分割マルチプレクサ213によって共に多重化される。第1の多重化された信号は、次いで、受信機203に第1の多重化された信号を搬送する通信チャネル205に出力される。
受信機203は、第1の多重化された信号を受信し、それらを逆多重化して、第1の情報信号及び第1の基準信号を復元する波長分割デマルチプレクサ215を備える。復元された第1の情報信号は、次いで、第1の情報信号から位相情報を復号する復号器219に向けられる。復元された第1の基準信号は、次いで、位相制御素子217に向けられる。
第1の情報信号によって搬送される情報は、同相で(in phase)符号化される。情報信号がエミッタ201から受信機203に渡されると、位相ドリフト(位相雑音と呼ばれることもある)が生じるであろう。このことから、復号器219において位相を復号することが所望される場合、位相ドリフトに対して補正が行われる必要がある。
これは、位相制御素子217によって処理された第1の基準信号によって達成される。位相制御素子217は、次いで、位相復号に補正を提供するために使用される。
量子通信ネットワークなどのいくつかの通信ネットワークでは、第1の情報信号の強度を非常に低く保つことが必要である。また、ネットワークのセキュリティを保つために、第1の情報信号を増幅し、従って、位相ドリフトを補正するためにこれを使用することは可能ではない。
第1の情報信号の機密情報を搬送しない基準信号を使用することによって、基準信号を増幅し、フィードバックを提供して第1の情報信号における位相ドリフトを補正するためにこれを使用することは可能である。また、情報信号とは異なる波長を有する基準信号を使用することによって、情報信号及び基準信号を波長多重化することが可能であり、このことから、受信機に送信される情報のレートは、基準信号を追加的に送ることによって低減されない。
ツインフィールド量子鍵配送「TF-QKD」システムに適用された図1の配置の特定の例が、ここで図2を参照して説明される。
図2は、アリスとボブが光パルスの位相において情報を各々符号化し、位相雑音低減が適用されるTF-QKDスキームを示す。
図2では、「WDM」という表現は、波長分割多重化及び逆多重化を指すために使用される。多重化は、例えば、それらが同じ光チャネルを通って送信され得るように、異なる信号においていくつかの信号を合わせることを備える。逆多重化は、合わされた(多重化された)信号をそれらの波長に従って分離することを備える。WDMシステムは、WDMカプラを使用し得る。例によると、WDMカプラ(WDMモジュール又は波長フィルタとも呼ばれる)は、薄膜波長フィルタに基づく。第1のフィルタは、選択された波長を反射又は送信し、全ての他の波長を通す。残りの光は、第2のフィルタ上に送られ、それは、第2の選択された波長を反射又は送信し、全ての他の波長を通し、といった具合である。他のタイプのWDMモジュールは、アレイ導波路回折格子(AWG)に基づき得る。これらは、チップ上に集積され、選択された波長の光を選択された導波路に向けるために干渉を使用し得る。
アリスとボブは、局所連続波(CW)レーザLS1を使用して、図に実線(-)で示された波長λ1における光を生成する。アリスのLS1 861は、位相基準として機能する。その光は、ビームスプリッタBS362において2つに分裂される。一部は、一点鎖線(-・-)で図示されたサービスファイバ373を通じてボブ809に送られ、ヘテロダイン光位相ロックループ(OPLL)を介してボブのLS1 861をロックするために使用される。
アリス807とボブ809は両方とも、彼らのLS1から符号化器363に光のうちのいくらかを送る。符号化器363は、位相及び強度変調を実行し、位相符号化されたパルスを出力して、異なるTF-QKDプロトコルが実行されることを可能にする。
アリス807は、明基準(bright reference)信号λREFを生成する第2のレーザLS2を更に備える。λREFの波長におけるLS2からの光(図に点線(・・)で示される)は、ビームスプリッタに向けられ、そこで、2つの部分に分割される。明基準の一部は、マルチプレクサに向けられ、そこで、λ1の波長におけるLS1からのパルスと多重化される。図に二点鎖線(-・・-)で示された多重化された光は、次いで、光チャネル(量子チャネルとも呼ばれる)を介してチャーリーに送られる。明基準の他の部分は、それをビームスプリッタ362からのLS1からの光と組み合わせるマルチプレクサに向けられる。LS1及びLS2からの多重化された光は、サービスファイバ373を介してボブに向けられる。
ボブ809において、サービスファイバ373からの光は、デマルチプレクサに向けられ、そこで、λ1におけるLS1からの光は、λREFにおける明基準から分離される。アリスからのλ1における光は、OPLLに向けられ、OPLLは、ボブのLS1をアリスのLS1にロックする。λREFにおける明基準光は、別のマルチプレクサに向けられ、そこで、それは、ボブの符号化器363からのパルスと多重化され、次いで、量子チャネルを介してチャーリーに送られる。
チャーリー811において、ボブから受信された光は、位相変調器(PM)806を通過し、次いで、ビームスプリッタ821に送られる。PM806は、量子信号及び明基準信号の両方に対して作用し、信号の位相を調整し得る。PM806は、図3(a)を参照して以下に説明される高速フィードバックシステムを実装する。
アリスから受信された光は、デマルチプレクサを通過して、明基準信号から量子信号が分離される。明基準は、次いで、マルチプレクサに向けられ、量子信号は、ファイバストレッチャー(FS)805を通過し、それは、信号の位相を調整し得る。FS805は、図3(b)を参照して以下に説明される低速フィードバックシステムを実装する。量子信号は、次いで、マルチプレクサ中で基準信号と再び組み合わされ、ビームスプリッタ821に向けられる。
ビームスプリッタ821において、アリスとボブからの光は干渉する。干渉の出力は、2つのデマルチプレクサに向けられ、そこで、(λ1における)量子信号の干渉結果は、(λREFにおける)基準信号の干渉結果から分離される。1つのデマルチプレクサにおいて、λ1における干渉結果は、検出器D0によって監視され、λREFにおける干渉結果は、検出器D2によって監視される。D2の出力は、以下に説明されるように、PM806に向けられて、高速フィードバックが実施される。D0は、チャーリーの出力を提供する。別のデマルチプレクサにおいて、λ1における干渉結果は分離され、次いで、監視のために検出器Dに向けられる。D1の出力は、以下に説明されるように、FS805に向けられて、低速フィードバックが実施される。
検出器D0における出力は、TF-QKDスキームに従ってチャーリーによって出力され得る。ツインフィールドQKD(TF-QKD)スキームでは、情報は、光子の電磁位相中で符号化される。アリスとボブが鍵を交換することが望ましい。アリス807とボブ809は、信頼された量子受信機811に送信する。TF-QKDは、ボブによって所有される測定デバイスのセキュリティが疑わしくあり得る状況のために開発されてきた。TF-QKDでは、ユーザボブ809は、他のユーザアリス807と同様に、光送信機として構成される。2つの光送信機アリス807とボブ809は、通常「チャーリー」と呼ばれる中継局に光パルスを送り、中継局は、光パルスを光学的に結合し、測定する。アリスとボブは、チャーリーのカウントの公表された結果から秘密鍵を蒸留する(distil)ことができる。TF-QKDでは、ユーザアリスとボブは、両方とも、光送信機として構成され、従って、セキュリティは、光受信機の脆弱性によって脅かされない。光送信機を保護することは、光受信機を保護するよりも遙かに容易である。前者のケースでは、光パルスは、信頼されたユーザによってローカルに用意されるのに対して、後者では、光パルスは、外部から受信され、信頼できない且つシステムのセキュリティを破ることに関心がある可能性がある誰かによって用意される。チャーリーに悪意があり、TF-QKDプロトコルの正しい実行に従わない場合、2人の正直なユーザアリスとボブが、量子力学の法則によって非常に高い確率で彼の不正行為の試みを常に検出することができることは注目に値する。
この簡略化されたシナリオでは、共通の固定位相基準φRが、常に全てのユーザに利用可能である。位相基準が誰にでも共通であり、一定であるので、一般性を失うことなく、φR=0であると仮定されることができる。アリス807は、位相ロックされた光源861及び位相変調器363を有する。位相ロックされた光源861は、定位相で光パルスを生成し、位相変調器363に光パルスを出力する。位相変調器363の出力は、次いで、上述されたように、WDMによって基準信号と多重化される。
ボブの送信機809は、アリスの送信機807と同様に、及び、任意の不必要な反復を回避するように構成され、同様の参照番号は、同様の特徴を示すために使用される。
アリスは、パルスを作り出すために彼女の光源861を使用して第1の光パルスを用意し、次いで、位相変調器363を使用して光パルスと位相基準φRとの間の電磁位相差における彼女の秘密情報を符号化する。この特定の例では、BB84プロトコルの符号化[C. H. Bennett and G. Brassard, Proc. of IEEE Int. Conf. on Comp. Sys. Sign. Process. (IEEE, New York, 1984), pp. 175-179]が考慮され、ここで、アリスは、それぞれ位相値αA=0又はαA=π/2を選択することによって、Z又はXのうちのいずれかのランダム「基底」を、及び、それぞれ位相値βA=0又はβA=πを選択することによって、0又は1のうちのいずれかのランダム「ビット」を符号化する。
アリスによって用意される光パルスは、次いで、総電磁位相αA+βAを搬送する。次いで、アリスは、次のパルスに移り、手順を繰り返す。ボブは、位相αB及びβBで同様のステップを実行する。アリスとボブのモジュールから出るパルスの総電磁パルスは、φA及びφBによってそれぞれ示される:
アリス: φA=αA+βA (1)
ボブ: φB=αB+βB (2)
全ての位相が安定しているので、アリス807とボブ809の位相値は、通信チャネルを通じた伝搬中に一定のままである。光パルスがチャーリーの非偏光ビームスプリッタに到達すると、光パルスは、いわゆる「1次干渉」を受け、それは、二重スリット干渉実験及び標準QKDにおいて見られるものと同じ種類のものである。これは、決定的に干渉するために、アリスとボブのパルスの位相は、以下の干渉条件を満たすべきであることを意味する:
φB-φA=0 mod π (3)
ここで、「mod π」は、「πを法とする加算(addition modulo π)」を意味する。ビットに関連付けられた位相値は、0又はπのうちのいずれかなので、式(3)は、このケースでは、基底の一致条件に関する以下の条件になる:
αB-αA=0 (4)
この条件が満たされる場合、
βB-βA=0 (5)
であるとき、光は、検出器0に接続されたポートから現れるのに対して、
βB-βA=π (6)
であるとき、光は、検出器に接続されたポートから現れる。従って、チャーリーが彼のカウントを発表した後、及びアリスとボブが彼らの基底を発表した後、アリスとボブは、基底が一致する全てのケースにおいて、他のユーザによって用意されたビット値を再構築することができる。基底が一致しないケースでは、ユーザは、標準BB84プロトコルにあるように、データを破棄する。実施形態では、チャーリーは、彼の検出器のうちのまさに1つがクリックした全てのインスタンス(instances)を発表する。これらのインスタンスについて、彼はまた、どの検出器がクリックしたかを公表する。
別の可能性は、チャーリーが彼の両方の検出器がクリックしたときにも公表するというものである。これらのダブルクリックは、最終鍵にとって無用であり、以下の2つの方法で処理されることができる:
1)アリスとボブは、チャーリーがダブルクリックを公表した場合に実行を破棄する、
2)アリスとボブは、チャーリーの検出器のうちのどちらがクリックしたのかをランダムで決めることによって、ダブルクリックをシングルクリックに変換する。
セキュリティは、どちらのケースでも同じである。例では、D0及びD1は、単一光子検出器である。
例によると、D0及びD1は、超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SNSPD)である。更なる例によると、SNSPDは、2.9Kで冷却されるSingle Quantum EOS 410 CSである。
例では、検出器D2は、D1又はD0と同じである。代替として、D2は、光ダイオード検出器である。
チャーリーを2人のユーザ、即ちアリスとボブに接続する量子チャネルの長さの異なる伸縮率及び変化を補償するために、一方のユーザの他方のユーザに対するパターン符号化は、チャーリーのBS821に到達するパルスが時間整合されるように、実験的に決定された量だけ遅延され得ることに留意されたい。遅延の量は、時間整合を維持するために、一定間隔で調整され得る。例では、遅延の量は、4分に1回から最大で30分に1回までの間で調整される。
位相安定化は、フィードバック信号として暗基準の検出器D1又は明基準の検出器D2のカウントレートを使用し得る。
短い統合間隔では、D1又はD2によって検出されるカウントは、
と書かれることができ、ここで、C0は、カウントフロアを表し、C1は、基準パルス間の干渉の振幅であり、
は、チャネルからの位相雑音に起因して急速にドリフトする位相差である。D2によって提供されるフィードバックの場合、
であり、C1は、アリス807とボブ809によって用意された(λREFにおける)基準信号のカウントレートである。D1によって提供されるフィードバックの場合、C0は、λ1を通して送られた位相符号化されたパルスに関連付けられたカウントレートであり、C1は、λ1を通してアリス807とボブ809によって送られた暗基準信号(変調されていない位相)のカウントレートである。D1によって提供されるフィードバックの場合、位相符号化されたパルス及び基準パルスの(発生の)強度及び確率が等しいとき、
である。安定化のためのロックポイントは、直交点
において選ばれ得る。
のロックポイントの近くで、カウントレートは、位相ドリフトのほぼ一次関数であり、従って、改善された位相補償を可能にする。
ロックポイントは、位相ドリフトが打ち消されることができ、C0+C1の一定のカウントレートが維持されることができるように、PM806又はFS805のDCバイアスを変化させることによって得られる。位相補償は、検出器D2又はD1に接続された光子カウンタによって収集された光子の数を入力として受信し、その増幅された12ビットDACを通じてPMの又はFSのDCオフセットを修正するPIDコントローラによって提供される。例では、PMのDCオフセットは、5us毎に補正され、FSのDCオフセットは、10~100ms毎に補正される。
図3(a)は、量子信号(λ1)のために確保された波長における符号化又は量子信号パルスが符号化され得るクロックレートに影響を与えることなく量子チャネルを安定化させることを可能にするための上述された高速フィードバックストラテジの概略図である。例では、クロックレートは、500MHzに設定される。
図3(a)は、高速フィードバックシステムの概略図を示す。高速フィードバックシステムは、光チャネルによってもたらされた高速ドリフトを安定化させるように構成される。高速フィードバックシステムは、高速ドリフトを安定させるために順番に使用されることができる高速エラー信号を提供するように構成される。安定化方法は、波長λREFにおける明基準の干渉を監視することを備える。明パルスの干渉から、信号(即ち、エラー信号)が導出され、PM806によって適用された位相シフトを調整するために使用される。高速フィードバックシステムは、位相ドリフトのほぼ瞬時の補正を提供し得る。例えば、実施形態では、高速フィードバックは、通信チャネル上で生じる位相ドリフトを補正することが可能であるように十分高速である。例えば、光ファイバのケースでは、既に短距離(数十キロメートル)にわたって、位相ドリフトは、ミリ秒当たり数十ラジアンのオーダーである。
明基準信号は、フィードバックシステムが高速レートで動作することを可能にする明光信号を提供する。対象信号(λ1)は、異なる波長で送信されるので、明基準信号(λREF)は、対象信号よりも明るくあり得る。
高速フィードバックシステムは、アリスの明基準ビームとボブの明基準ビームとの間の干渉を所与の強度レベルにロックする閉ループサイクルを備える。これは、次に、これらの信号間の位相オフセットを固定値にロックする。明基準干渉は、検出器D2によって監視される。
例では、明基準は、単一光子を備え、それは、D2によって検出され、ある時間期間にわたって統合される。例では、時間期間は、5μsである。明信号の強度値は、最大及び最小レベルによって規定された範囲内の値を取ることができる。最小レベルは、チャネル位相ドリフトを補正するのに十分高速にエラー信号を提供するために基準が有している必要がある最小強度である。最大レベルは、対象信号(又は量子信号)に対して過度のエラーをもたらす前に基準信号が有することができる最大強度である。基準信号の強度が高すぎる場合、通信チャネルに沿った非弾性散乱(ラマン散乱)、又はWDMの制限された光アイソレーションなどの影響は、対象信号の波長中に雑音光子を漏らし、それは問題である。
上述されたように、検出器D2は、単一光子検出器である必要はない。それは、フォトダイオードである可能性もある。そのケースでは、フォトダイオードは、有用な情報を提供するためにより多くの光を必要とするので、オペレータは、基準信号が信号波長に対して過度の雑音をもたらさないことをテストする必要があるであろう。
統合時間のケースでも、それは、応用に依存するであろう。ほとんどが、補正される必要がある相雑音の大きさに対してである。しかし、長い通信チャネルによってもたらされる位相ドリフトは、秒当たり数十ラジアンのオーダーであるので、量子フィードバックによって使用される情報についての統合時間は、数(十)マイクロ秒から数百ナノ秒の範囲にある必要があるであろう。
統合されたカウント数と設定値との間の差は、PIDコントローラのエラー信号を構成する。例では、PIDコントローラは、200kHzでクロックされたFPGAである。ボブから来る光に対して作用する位相変調器(PM)806のDCオフセットを調整することによって、FPGAは、明基準間の干渉を制御する。
PMによって適用される位相シフトは、波長λREF及びλ1の両方に影響を与えることに留意されたい。例によると、λREFに基づくフィードバックは、明基準光を完全に安定させるが、λ1における量子信号を部分的にしか安定させない。
λ1上の残りの(低速)位相ドリフトは、次の2つのファクタに関連する:(i)λ1及びλREFは、ネットワークのある特定のセクション中を別々に移動し得、(ii)高速フィードバックは、λ1及びλREFによって見られる経路長差が経時的に変動するとき、λ1を通した位相ドリフトをもたらす。低速位相ドリフトの前者の成分は、2つの波長が別々に移動するネットワークのそれらのセクションの寸法を有する非対称のマッハツェンダ干渉計によって捕捉される位相雑音として見られることができる。後者の成分は、PMの有限範囲とλ1ではなくλREFを通した高速フィードバックの位相ロックとの結果として説明されることができる。
高速フィードバックにおけるPM806は、高速位相ドリフトを能動的に補償する。しかしながら、その有限調整範囲は、ファイバ長変動によって引き起こされた位相ドリフトの全体を補償しないことがある。それは、λREF位相差をφ=2πM+φtに維持するために複数(M)リセットに依拠し、ここで、φtは、目標位相である。λREF-λ1波長差に起因して、この補償は、Δφ=2πM×(λREF-λ1)/λ1に等しいλ1を通した残差位相ドリフト(Δφ)をもたらすであろう。
λ1を通したλREF-安定化によってもたらされる残差ドリフトは、単方向ファイバ長ドリフトを仮定する場合、元のファイバ位相ドリフトよりも
倍小さいと推定される。実際には、ファイバ長ドリフト方向は、ランダムである。正及び負の2πリセットを除去すると、実質的により高い低減ファクタが実験的に得られ得る(図4(a)を参照)。
図3(b)は、λ1上の残差位相ドリフトに対して作用する位相補償スキームを示す。図3(b)の位相補償スキームはまた、低速フィードバックシステムと呼ばれる。エラー信号は、λ1における量子信号の干渉から得られ、検出器D1から得られる。この値と設定値との間の差は、マイクロコントローラで実装されたPIDコントローラに対してエラー信号を提供する。マイクロコントローラは、アリスから来る量子信号に対して作用するファイバストレッチャー(FS)805を変調することによって位相オフセットを補正する。λREF及びλ1の両方に対して作用する図3(a)の安定化とは異なり、図3(b)の低速フィードバックは、量子信号(λ1)に対してだけ作用し、従って、その残差位相ドリフトを補正することができる。この例では、ファイバストレッチャーが使用されることができる。しかしながら、他のタイプの位相変調器、例えば電気光学変調器(EOM)、空き空間光遅延器(free space optical delays)、等が、このタスクのために使用されることができる。上記の例では、ファイバストレッチャーが、他のタイプの位相変調器よりも少ない光減衰をもたらすので、使用される。
図3(b)の低速フィードバックシステムの場合、λ1における量子信号は、情報で符号化されたパルス並びに暗基準パルスを備えることに留意されたい。暗基準パルスは、情報符号化されたパルスでインターリーブされ得る。例では、暗基準パルスは、パルスを搬送する最も明るい情報と同じ強度を有する。暗基準パルスの存在は、λ1中の残差位相オフセットに関連する干渉出力を提供する。干渉出力は、経時的にD1によって検出された単一光子を統合することによって取り出される。例では、時間期間は、光チャネルの距離に応じて、50ms又は100msである。この値と設定値との間の差は、光チャネルの距離に応じて、20Hz又は10Hzの周波数で動作するマイクロコントローラで実装されたPIDコントローラに対してエラー信号を提供する。
例によると、位相変調器806は、電気光学変調器であり、ここにおいて、材料の屈折率は、印加される電場の関数である。屈折率の変化は、光路長の変化をもたらし、位相変調器によって適用される位相シフトの変化をもたらす。異なる電圧が、異なる位相シフトを与えるように位相変調器に印加される。説明されたような位相変調器は、屈折率が電場強度の関数であるニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶などの結晶を備えることができ、電場は、LiNbO3結晶の周りに位置付けられた電極に電圧を印加することによって印加され得る。
位相変調器によって与えられる相対位相シフトは、位相変調器806に電圧制御信号を印加するように構成され得る、図3(a)に関連して説明されたPIDコントローラによって設定される。
符号化器363中に設けられた位相変調器は、上述された位相変調器806に類似し得ることに留意されたい。代替として、位相シフトの調整は、符号化器363中の位相変調器中のDCバイアスを調整するか、又は符号化器363中の位相変調器に印加された駆動信号にDCオフセットを追加するかのうちのいずれかを通じて達成されることができる。
実施形態では、位相変調器は、高動作帯域幅を有する。例えば、それは、電気光学効果(GHzのオーダーの最大帯域幅)を使用する高動作帯域幅を有する他のタイプの変調器は、音響光学変調器である。これらは、位相補正のために音響光学効果を使用し、高速フィードバックのために十分高速である、数百MHzのオーダーの最大動作帯域幅を有する。
図2のシステム中で使用され得る符号化器の例は、図3(c)を参照して説明される。到来するCW光は、後続の変調器871の光軸と偏光が既に整合されて到達する。符号化器中の第1のコンポーネントは、いわゆるデコイ状態プロトコルの使用を可能にするための3つの可能な強度レベル(u,v,w)を有する、1GHzレートの250ps長のパルスをカービングするために使用される3つの強度変調器(IM)871である。異なる強度レベル間の強度比は、IMを駆動するAC振幅によって調整されることができる。
2つの位相変調器(PM)873が、次いで、光パルスの位相を符号化するために使用される。このシステムでは、2つのPMが、それらのRF信号振幅を低減するために、1つだけを使用する代わりにカスケードされる。各PMを
の変調範囲に制限することによって、[0,2π)範囲全体をカバーし、その駆動信号振幅と線形である位相変調を達成することが可能である。各PMは、8ビットDACによって駆動され、2つがカスケードされると、我々は、2π位相範囲にわたって512個の異なる位相値を符号化することが可能である。
全ての変調器は、ユーザ毎に1つ、25040パルス長の擬似ランダムパターンを符号化するようにプログラムされた2つの同期された12GSa/s波形生成器によって駆動される。
PMの後には、電気駆動偏光コントローラ(EPC)875、可変光減衰器(VOA)877、及び99:1ビームスプリッタ(BS)879が続く。EPCは、チャネルを通じた送信後にλ1光子の偏光を制御するために使用される。各ユーザは、チャーリーにおいて好ましい光軸に沿って量子信号を整合する連続した偏光最適化ルーチンを有する。
VOAは、BSの強い出力において監視された安定した光出力を有するようにVOAを連続して調整する束較正制御ループ(flux calibration control loop)を通じて、量子チャネルへの注入前に量子信号の束を設定する。
例によると、ファイバストレッチャー805は、圧電アクチュエータに機械的に結合された光ファイバのセグメントを備える。電圧が圧電アクチュエータに印加されると、機械的に結合された光ファイバを制御可能に伸張させる。ファイバの伸張は、経路長を変化させ、セグメントを通じて移動する光に位相シフトを与える。
高速フィードバックとは異なり、低速フィードバックは、高動作帯域幅を必要としない。このことから、光路長が変動する機械的変調器は、低速フィードバックに適している。
図4は、図5のシステムと同様の能動デュアルバンド位相安定化システムで達成される安定化の例を示す。この例では、単一の対象信号λ1は、λREFの波長における基準信号で多重化される。この例では、対象信号及び基準信号は、555kmの光チャネルを通して受信ノードに送信され、能動安定化プロセスの異なる段階における干渉結果が例示される。この例では、λ1=1550.12nmで、λREF=1548.51nmである。
高速位相補正のために必要なエラー信号は、明基準信号(λREF)の干渉によって提供される。図4の結果は、λREFではなくλ1に関連することに留意されたい。図4(a)の紫の点は、位相安定化が適用されないときの干渉結果を表す。テストされた距離にわたって、チャネルによってもたらされる位相ドリフトはとても急速(104rad/sのオーダー)なので、ミリ秒時間スケールに拡大して初めて、光干渉縞を見分けることが可能である。図4(a)及び(c)のオレンジの点は、高速位相フィードバックがアクティブ化されたときのλ1についての光干渉結果を表す。高速位相フィードバックは、λ1干渉についての位相ドリフトレートを大幅に低減する。高速位相フィードバックは、図2及び3(a)に説明されたものと同様の形で実施され得る。この安定化の有効性は、図4(b)に示されるように、位相ドリフトレートの低減によって定量化可能である。
高速位相フィードバックをアクティブ化した後、残差低速位相ドリフトが、λ1について依然として存在する。図4(c)は、数十秒の時間スケールにわたる建設的又は相殺的干渉の発展を例示する。図4(d)は、図4(c)のデータに関連する光強度分布を示す。残差低速位相ドリフトは、安定化システムの低速位相フィードバックによって補償されることができ、それは、λ1信号に対してだけ作用する。図4(c)及び(d)に示された結果では、低速位相フィードバックは、図2及び3(b)に説明されたものと同様の形で実施される。λ1信号は、図4(c)及び(d)に青緑色で示された低速位相フィードバックによって更に補償される。
図5は、実施形態に従った更なるネットワークを示す。このネットワークは、3ノードネットワーク10として構成される。このネットワークでは、能動位相補償が説明される。
図5のネットワークでは、2つのエミッタノード51及び53がある。エミッタノード51及び53の各々は、図1のエミッタ201として構成されることができる。図1の例では、各エミッタノード51及び53は、マルチプレクサ3と共に示される。ノード1では、複数の第1の情報信号(λ1,λ2,...,λn)があり、それらの各々は、位相情報で別々に符号化されている。基準信号λREFはまた、情報信号で多重化される。ノード2は、ノード1と同じ形で構成される。
図5のネットワークは、図2及び3を参照して説明されたタイプのTF-QKDネットワークであり、それは、光信号上に情報を符号化し、受信機55(ノード3)にそれらの信号を送るノード1及びノード2によって情報がノード1からノード2に通信されることを可能にする。受信機は、ノード1から受信された信号とノード2から受信された信号との間に1次干渉を引き起こす光カプラ7を備える。どのように信号がカプラ7において干渉するかに応じて、信号は、第1のデマルチプレクサ57に向かって方向付けられるか、又は第2のデマルチプレクサ59に向かって方向付けられるかのうちのいずれかが行われるであろう。
チャネルによってもたらされた位相ドリフトを低減/除去するための能力は、情報がいくつかの光信号の絶対位相中に記憶され、有用な情報を取り出すために、位相符号化された信号が生成される異なるロケーションの位相基準フレームを調整する(reconcile)必要がある光システム中で有用である。絶対光位相は、送信媒体によってもたらされる雑音の影響を非常に受けやすい繊細な物理量である。既に数メートル長の光チャネルでは、チャネルによってもたらされる位相ドリフトが、光位相に影響を与え始める。例では、位相安定化は、本明細書に説明されたシステムを使用して700km長の光チャネル中で実証されている。
図5では、ノード1及びノード2の円は、位相感応情報がそこから送られるロケーションを表し、ノード3は、位相感応信号(又は対象信号)が光干渉を通じて共に組み合わされるロケーションを表す。ノード1及びノード2は、送信ユニットと呼ばれ得る。ノード3は、検出ユニットと呼ばれ得る。
波長多重化ストラテジは、明基準と対象信号との間の高強度コントラストの生成を可能にする。波長分離はまた、明基準によって生成されたレイリー散乱による対象信号の汚染を防止する。
例では、対象信号2は、図2に説明された符号化器363の配置と同様の配置を使用して提供される。
例では、明基準信号1は、コヒーレント光源を使用して提供される。更なる例では、コヒーレント光源は、レーザである。別の例では、明基準信号1は、図2に関連して上述された配置を使用して提供される。
例では、明基準信号1の波長と対象信号2の波長とは、互いにスペクトル的に近い。例によると、波長が近いことによって、λ1、λ2、...,λnのうちのいずれも、最大4%だけλREFとは異なることを意味する。他の実施形態では、最大1%、また更なる実施形態では、最大0.01%である。
例では、λ1=1550nmのとき、λREFは、1nmのλ1である。
別の例では、λ1=1550.12nmで、λREF=1548.51nmである。
λREFとλiとの間の最大分離度は、低速フィードバックが実行されることができる最大速度に依存する。波長差は、低速フィードバックによって補正されるべき残差位相ドリフトに関連する。波長差がより大きいと、残差位相ドリフト、及び故に、低速フィードバックによって適用される必要があるであろう補正がより高速になる。λi上の高速フィードバックによって提供される位相ドリフト低減ファクタは、λi/(λREF-λi)に近似的に関連する。
図5のネットワークでは、能動安定化が、位相雑音を補償するために実施される。能動安定化が用いられるとき、システム中の異なる波長は、位相補償が機能するために互いものと固定関係にある必要がない。
能動安定化は、通信チャネルを通じて送信された全ての信号に対して同時に作用することによって、チャネル位相ドリフトを補正するように構成された高速フィードバックシステム5によって実施される。この高速フィードバック5は、明基準についての位相ドリフトを完全に取り除く一方で、元のチャネル位相ドリフトよりも3~4桁低速の対象信号(λ1,λ2,・・・,λn)を通した低速位相ドリフトを依然として残す。それにもかかわらず、位相雑音は低減される。
例によると、高速フィードバックシステム5は、図2及び3(a)に説明されたものと同様の形で実装される。
このより低速のドリフトは、能動的又は受動的に補償されることができる。図5に示されるように、低速ドリフトは、低速位相フィードバックシステム6によって能動的に補償される。低速位相フィードバックシステム6は、異なる波長に位置する信号の各々に対して別々に作用し、対象信号の各々に影響を与える残差位相ドリフトを取り除くことを除き、高速フィードバックシステムと類似している。例によると、低速位相フィードバックシステム6は、図2、3(a)、及び3(b)に説明されたものと同様の形で実装される。図2、3(a)、及び3(b)は、λ1における対象信号とλREFにおける基準信号とを備えるデュアルバンドの例を示し、これらの配置は、λ2、λ3、・・・、λnにおける更なる対象信号を含むように適合され得る。
代替として、低速ドリフトは、図6に関連して説明された受動補償を使用して受動的に補償されることができることに留意されたい。低速ドリフトを補償することはオプションであることにも留意されたい。
図5に戻ると、送信局(ノード1及び2)において作り出された信号は、ノード3に向けられ、ここで、それらは、光カプラ7を通じて組み合わされる。干渉結果は、デマルチプレクサ3を通じてその異なる周波数成分に分割される。干渉結果は、単一光子検出器8によって収集される。ノード3において、信号は、高速フィードバックシステム5及び低速位相フィードバックシステム6を通過する。
上述された光ネットワークの雑音補償は、以下の利点を提供する。
上述された位相補償/安定化は、光ネットワークのネットワークレイアウト又は最大寸法に対して制約を課さない。従って、上述された雑音補償スキームは、より万能である。
上述された位相補償/安定化は、符号化された信号の波長とは異なる波長で基準信号を提供する。これは、基準信号を収容するためにパルスをインターリーブすることを回避し、従って、量子パルスのより高いクロックレートが得られる。言い換えると、安定化及び信号分配タスクのために別々の波長を使用することによって、信号クロックレートは、安定化信号を送信するために低減される必要がなく、より高い信号クロックレートが、全ての距離で達成可能である。
異なる波長で基準信号を提供することは、レイリー散乱を引き起こす同じ波長における明基準パルスの送信を回避する。レイリー雑音は、信号対雑音比(SNR)、即ち、量子通信プロトコルによって達成可能な最大距離を同様に制限する影響を低減する。量子信号からの異なる波長における基準パルスを使用することによって、信号波長におけるSNRが改善され、それは同様に、量子通信プロトコルによって達成可能な増大した最大距離を提供する。
言い換えると、より長い送信距離が、上述された安定化技法によって可能にされる。対象信号の波長におけるレイリー雑音を低減することによって、このアプローチは、長距離の信号対雑音比を増大させ、より長い信号送信を可能にする。
図6に関連して以下に説明される受動技法と比較して、図5に使用される能動安定化技法の更なる利点は、異なる波長(λREF,λ1,λ2,・・・,λn)が互いのものと正確な関係にある必要がないということである。これは、(例えば周波数コム(frequecncy comb)を通じての)複雑な周波数伝播技法(frequency dissemination techniques)又は関連する波長の生成が回避されるので、実験的な実装をかなり簡略化する。
示されていない補償スキームの例では、チャネル長補償は、通信チャネルの長さが非常に長くなる(数百キロメートルのオーダー)ときには実現可能でないことがある。これは、2つの理由に起因する:大きい補償範囲(ファイバストレッチャー)を有する位相変調器が、長い通信チャネルによってもたらされる高速位相雑音を補償するのに十分高速ではなく、その上、共通のファイバストレッチャーの補償範囲が、長い通信チャネルにわたって生じる光路伸縮を補償するのに依然として十分長くはない。対照的に、図5のネットワークの高速フィードバックシステム5は、ファイバストレッチャーを使用しない。
図6は、雑音低減が適用される3ノードネットワーク12の概略図を示す。図6のネットワーク12は、雑音補償が受動的であることを除いて、図5のネットワークと類似している。このケースでは、ノード3は、フィードバックブロック5及び/又は6を含まない。代わりに、ノード3は、ポストプロセッサ11に結合される。ポストプロセッサ11は、異なる波長における信号の干渉結果を別々に検出するノード3の検出器に接続される。
異なる波長(λREF,λ1,λ2,・・・,λn)は、互いのものと固定周波数/位相関係にある必要がある。固定周波数及び/又は位相関係によって、(λREF,λ1,λ2,・・・,λn)は、光位相ロック、周波数シフト、又は光周波数コム生成などによって互いとの正確な関係を有することを意味する。このケースでは、光チャネルの位相オフセット情報は、明基準信号の干渉から取り出され、次いで、干渉結果の後処理中に生じる位相リコンシリエーション段階において使用される。
例では、周波数伝播技法は、正確な関係を有する光波長(λREF,λ1,λ2,・・・,λn)を提供するために使用される。代替として、関連する波長は、周波数コムを通じて生成される。
図6の受動補償配置では、補償は、検出段階後の位相に対して行われる。例えば、図2に戻って参照すると、処理は、検出器D1及びD0による検出後に実行される。
この配置では、干渉結果の強度は、上記の式(7)を使用して、干渉強度又はカウントレートを位相オフセットと結ぶ関係を反転させることによって、位相基準フレーム間の位相オフセットを定量化するために使用されることができる。
基準及び情報信号は、位相が関連しているので、基準信号間のオフセットを知ることによって、対象信号間の位相オフセットを推定することも可能である。これは、対象信号についての干渉結果の正しい解釈を可能にする。情報信号に起因するD0及びD1の検出器クリックは、従って、位相測定に依存して破棄、反転、又は保持されることができる。多くの位相符号化されたプロトコルでは、アリスとボブは、彼らのパルスについて、[0,2*pi)位相範囲中の任意の位相値を捕捉することができる。しかしながら、符号化基準フレーム間の位相オフセット
及びそれらの符号化された位相を知ることによって、アリスとボブは、どのタイプの干渉結果(建設的/相殺的又はランダム)を彼らは予測すべきかを再構築することができ、彼らは次いで、チャーリーの測定出力で彼らの予測される干渉結果をチェックすることができる。
図5及び6は、能動及び受動安定化を示す。
図5の能動安定化の場合、オプションとして低速安定化に調整されることができる高速安定化が使用される。
能動安定化では、能動位相フィードバックを通じた位相雑音の能動除去がある。
(干渉λREFによって提供されるエラー信号を使用して)能動安定化が全てのλ上で実行されるとき、これは、通信チャネルによってもたらされる雑音のほとんどを補償するであろう。
そのようなシナリオでは、λ1上の残差位相雑音は低速であり、(能動位相安定化を通じて)能動的に、又は(後処理において)受動的に取り除かれることができる。
能動安定化がデュアルバンドシステム中で用いられるとき、以下の構成が可能である:
1.エラー信号としてλREFの干渉結果を使用する高速位相フィードバックを通じた全てのλの能動安定化、及び後処理におけるλ1上の受動位相残差雑音補償。
2.エラー信号としてλREFの干渉結果を使用する高速位相フィードバックを通じた全てのλの能動安定化、及びλ1に対してだけ作用する低速フィードバックを通したλ1上の能動安定化。
図5では、(全てのλ、λREF、及びλ1に対して作用する)高速のものと、(λ1に対して作用する)低速のものとの二重能動安定化が示される。
(λREFによって提供される干渉情報を使用して)能動安定化が全てのλ上で実行されるとき、異なる波長(λREF及びλ1)がλ1の成功裏の能動又は受動安定化のために互いのものと固定関係にある必要はない。
図6の受動安定化では、位相雑音補償が、後処理段階においてだけ使用される。
デュアルバンドシナリオでは、2つの可能な例は、以下の通りである:
a.λREF及びλ1の両方上の受動位相雑音補償。
b.エラー信号としてλREFの干渉結果を使用する高速位相フィードバックを通じた全てのλの能動安定化、及び後処理におけるλ1上の受動位相残差雑音補償。
シナリオ(a.)では、波長(λs)は、機能するために固定位相関係にあり得る。固定周波数及び/又は位相関係によって、(λREF,λ1,λ2,・・・,λn)は、光位相ロック、周波数シフト、又は光周波数コム生成などによって互いとの正確な関係を有することを意味する。このケースでは、光チャネルの位相オフセット情報は、明基準信号の干渉から取り出され、次いで、干渉結果の後処理中に生じる位相リコンシリエーション段階において使用される。
示されていない例によると、図5又は6のネットワークは、干渉法のためのシステムとして構成される。前記システムでは、第1、第2、及び第3のノードは、図5又は6に関連して説明されたように構成される。ノード3(検出ユニット)において、対象信号は、互いに干渉される。
干渉法システムは、天文学において使用され得る。天文学では、光信号は、2つ(又はそれ以上)の遠く離れた望遠鏡によって収集され、次いで干渉され得る。光信号の位相は、干渉の結果及び測定の結果を決定する。例では、信号は弱く、単一光子のレベルである。2つの遠く離れた望遠鏡からの光信号に干渉することによって、観測が行われることができる。望遠鏡間の距離がより大きいほど、観測の解像度がより高くなる。本明細書に説明されたネットワークは、長距離にわたって送信される光信号の位相調整(phase reconciliation)を可能にする。
ある特定の実施形態が説明されたが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されており、発明の範囲を限定することを意図されない。実際に、本明細書に説明された、新規のデバイス及び方法は、様々な他の形式で具現化され得、更に、本明細書に説明されたデバイス、方法、及び製品の形式における様々な省略、置換、及び変更が、本発明の趣旨から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物は、本発明の範囲及び趣旨内にあるように、そのような形式及び修正をカバーすることを意図される。

Claims (20)

  1. 第1のエミッタと受信機とを備える光学システムであって、
    前記第1のエミッタは、第1の光情報信号上の位相を使用して情報を符号化するように構成された符号化ユニットを備え、前記第1の光情報信号は、単一の第1の波長を有し、前記第1のエミッタは、第1の基準信号を出力するように構成され、前記第1の基準信号は、前記第1の波長とは異なる基準波長を有し、前記第1のエミッタは、多重化された第1の信号を作り出し、通信チャネルに前記多重化された第1の信号を出力するために、前記第1の光情報信号及び前記第1の基準信号を多重化するように構成されたマルチプレクサを更に備え、
    前記受信機は、
    前記第1の光情報信号及び前記第1の基準信号を抽出するために、前記第1のエミッタから受信された前記多重化された第1の信号を逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、
    前記第1の光情報信号中の位相情報を復号するように構成された復号器と、
    前記第1の基準信号から前記通信チャネルによって引き起こされた前記第1の光情報信号の位相変化を推定し、前記通信チャネルによって引き起こされた前記第1の光情報信号の前記位相変化について前記復号器を補償するように構成された位相補償ユニットと
    を備える、光学システム。
  2. 前記第1の波長と前記基準波長との間の差は、4%以下である、請求項1に記載の光学システム。
  3. 前記位相補償ユニットは、第1の段階及び第2の段階を備え、前記第1の段階は、前記第1の基準信号からの情報を使用して前記第1の光情報信号の前記位相を補償し、前記第2の段階は、前記第1の波長を有する情報を使用して前記第1の光情報信号の前記位相を補償する、請求項1又は2に記載の光学システム。
  4. 前記第1のエミッタは、前記受信機に暗基準信号を送るように構成され、前記暗基準信号は、前記第1の波長を有し、前記暗基準信号は、符号化器によって符号化されておらず、前記第2の段階は、前記暗基準信号を使用して前記第1の光情報信号の前記位相を補償する、請求項3に記載の光学システム。
  5. 前記位相補償ユニットは、能動位相補償を提供し、位相変調器を備える、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の光学システム。
  6. 前記位相補償ユニットは、能動位相補償を提供し、前記第1の段階中に位相変調器を、前記第2の段階中にファイバストレッチャーを備える、請求項3に記載の光学システム。
  7. 第2のエミッタと、ここにおいて、前記第2のエミッタは、第2の光情報信号上の位相を使用して情報を符号化するように構成された符号化ユニットを備え、前記第2の光情報信号は、前記第1の波長を有し、前記第2のエミッタは、前記基準波長を有する第2の基準信号を出力するように構成され、前記第2のエミッタは、多重化された第2の信号を作り出し、通信チャネルに前記多重化された第2の信号を出力するために、前記第2の光情報信号及び前記第2の基準信号を多重化するように構成されたマルチプレクサを更に備え、
    前記復号器は、前記第1及び第2の光情報信号中の前記位相情報を復号するように構成される、
    前記第1及び第2の基準信号から前記通信チャネルによって引き起こされた前記第1及び第2の光情報信号の前記位相変化を推定するように構成された位相安定化素子と
    を更に備える、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の光学システム。
  8. 量子通信システムとして構成され、前記第1のエミッタは、前記第1のエミッタを離れる前記第1の光情報信号を一連の弱い光パルスに減衰するように構成された減衰器を更に備え、ここで、位相符号化された光子パルスは、1つの光子未満の平均強度を有し、前記第1の基準信号は、前記位相符号化された光子パルスの前記平均強度よりも大きい信号強度を有する、請求項7に記載の光学システム。
  9. 前記位相補償ユニットは、受信された前記第1及び第2の基準信号の干渉から位相補償を決定するように構成される、請求項7又は8に記載の光学システム。
  10. 前記位相補償ユニットは、前記受信機中に設けられる、請求項乃至9のうちのいずれか一項に記載の光学システム。
  11. 前記位相安定化素子は、ポストプロセッサを備える、請求項7乃至9のうちのいずれか一項に記載の光学システム。
  12. 前記光学システムの前記復号器は、前記第1及び第2の基準信号と前記第1及び第2の光情報信号とに干渉するように構成された干渉素子を備え、前記干渉素子の前記出力は、少なくとも1つの検出器に向かって選択的に方向付けられ、信号の存在又は不在は、ビットストリームを提供する前記第1及び第2の光情報信号の前記干渉に起因して前記少なくとも1つの検出器において受信され、量子鍵は、前記ビットストリームから形成される、請求項7乃至9のうちのいずれか一項に記載の光学システム。
  13. 前記位相補償ユニットは、前記第1及び第2の基準信号の前記干渉に起因して前記検出器からの受信された前記信号を統合し、前記基準波長における受信された前記第1及び第2の基準信号の前記干渉から位相オフセット情報を決定するように構成される、請求項12に記載の光学システム。
  14. 位相安定化素子は、ポストプロセッサを備え、前記ポストプロセッサは、導出された前記位相オフセット情報に依存して前記ビットストリームのビットを選択、無視、又は反転するように構成される、請求項13に記載の光学システム。
  15. 位相安定化素子は、干渉より前に前記第1の光情報信号の前記位相を補償することによって能動位相安定化を提供し、前記能動位相安定化のための制御信号は、導出された前記位相オフセット情報に依存する、請求項13に記載の光学システム。
  16. 前記第1のエミッタ及び前記第2のエミッタは、前記第1の波長における前記第1の光情報信号を生成するように構成されたレーザを各々備える、請求項7乃至9のうちのいずれか一項に記載の光学システム。
  17. 前記第1のエミッタの前記レーザを前記第2のエミッタの前記レーザでロックするように構成された位相ロックループを備える、請求項16に記載の光学システム。
  18. 請求項乃至17のうちのいずれか一項に記載の光学システムを備える量子通信システムであって、前記量子通信システムは、前記第1のエミッタを含む第1の送信ユニットと第2のエミッタを含む第2の送信ユニットとの間で鍵を配送するように構成される、量子通信システム。
  19. 請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の光学システムと前記受信機に含まれる検出器とを備える干渉法システムであって、前記干渉法システムは、前記検出器における受信された第1及び第2の対象信号に干渉するように構成される、干渉法システム。
  20. 光学方法であって、
    第1の光情報信号上の位相を使用して情報を符号化することと、前記第1の光情報信号は、単一の第1の波長を有する、
    第1の基準信号を出力することと、前記第1の基準信号は、前記第1の波長とは異なる基準波長を有する、
    多重化された第1の信号を作り出し、通信チャネルに前記多重化された第1の信号を出力するために、前記第1の光情報信号及び前記第1の基準信号を多重化することと、
    前記第1の基準信号から前記通信チャネルによって引き起こされた前記第1の光情報信号の位相変化を推定することと、
    前記第1の光情報信号中の位相情報を復号することと、ここにおいて、前記復号することは、前記通信チャネルによって引き起こされた前記第1の光情報信号の前記位相変化を補償される、
    を備える、光学方法。
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